ハルヒ「な、なによこいつ……」(386)

ハルヒ「ど、どっから出てきたのよ!」

ミニハルヒ「みー?」

ハルヒ「う、宇宙人かしら……っていうか生き物?」

ミニハルヒ「みー」

ハルヒ「……これってどう見てもあたしよね」

ミニハルヒ「うー♪」

ハルヒ「……」

ミニハルヒ「あーぐー」

かじかじ

ハルヒ「あ、こ、こら!それ消しゴムだってば!食べられないの!」

ミニハルヒ「むー……」

ハルヒ「……うーむ」

~SOS団部室~

ガチャ

ハルヒ「……はあ」

みくる「あ、涼宮さん。今お茶淹れますね」

ハルヒ「ありがとみくるちゃん……はあ」

みくる「?」

ハルヒ「まったく」

みくる「どうかしたんですか?」

ハルヒ「え?いや、その、うーん……いきなりこんなこと言っても信じられないでしょうけど」

みくる「なんですか?」

ハルヒ「あの、ちっちゃいあたしが……」

みくる「?」

ハルヒ「いや、なんていうか……この、手のひらサイズのね?あたしが、どこからともなく」

みくる「す、涼宮さん……?」

ハルヒ「かくかくしかじかなのよ」

みくる「は、はあ……昨日の夜からですか」

ハルヒ「虫かごにでも入れて閉じ込めてやろうかと思ったんだけど、学校行ってる間に親に見つかっても面倒だし」

みくる「連れてきちゃったんですね」

ハルヒ「まあ、幸い人見知りというか、臆病だから、ずっと鞄から出てこないから今の所何も起きてないんだけど」

みくる「はあ」

ハルヒ「……あんまり驚かないわね」

みくる「ひ、ひぇ!?お、おお、驚いてますよぅ!たぶん驚きすぎて一周しちゃったんです」

ハルヒ「まあ、突拍子も無い話だものね」

みくる「それで、その小さい涼宮さんは?」

ハルヒ「ああ、鞄の中よ。見る?」

ごそごそ

ハルヒ「あれ?」

ハルヒ「おかしいな……」

みくる「あ、あの涼宮さん、もしかして……」

ハルヒ「う、嘘じゃないわよ!その可哀そうな人を見る目をやめなさいって!」

みくる「もし逃げられたなら、どこかで見つかって大騒ぎになったりしないかな……」

ハルヒ「こ、困ったわね」

ガチャ

キョン「よう」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「……さっきからまとわりついてるこいつは、俺の幻覚ではないよな?」

ミニハルヒ「みゅー」

みくる「あ……あ……」

ハルヒ「……ね、嘘じゃないでしょ?」

みくる「ブクブク……」

ハルヒ「……」

ミニハルヒ「にー」

古泉「おやおや」

長門「……ユニーク」

みくる「なんなんでしょうねえ」

キョン「……いっそみんなで無かったことにしないか?」

古泉「といっても、目の前にいますから」

ミニハルヒ「みゅー♥」

ハルヒ「なんでもいいけどキョンから離れなさい!あたしにそっくりだから見てると鳥肌が立つのよ!」

ミニハルヒ「むー!」

キョン「少なくともお前よりは大人しいけどな」

ミニハルヒ「ちゅー」

ちゅっ

キョン「!?」

ハルヒ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ」

ミニハルヒ「みゅー♥」

すりすり

古泉「なんだか懐かれてしまったようですね」

キョン「勘弁してくれよ、ウチにはもうシャミセンがいるんだぞ」

ハルヒ「ちょっと!あたしを猫を一緒にすんじゃないわよ!」

キョン「お前じゃないだろ、こいつだよ」

ミニハルヒ「にー!」

もぞもぞ

キョン「うわ!ちょっ!こら、何すんだ!チョロチョロすんな!」

ミニハルヒ「きゅー」

みくる「あ!今背中の方に潜っていきましたよ!」

キョン「ひぃ!?や、やめろ!」

ミニハルヒ「みー」

ひょこっ

古泉「……どうやらシャツの胸元から顔を出すのが彼女なりのベストポジションみたいですね」

みくる「でも見慣れるとなんだかかわいいですね、ちっちゃくて」

ミニハルヒ「?」

キョン「じゃあ朝比奈さんが持っててくださいよ、これ」

ハルヒ「そ、そうよ!みくるちゃんの方がいいわ!ほら、ちょっとこっち来なさい!」

ひょいっ

ミニハルヒ「!?」

ハルヒ「みくるちゃんなら胸があるからキョンより快適よ!」

ミニハルヒ「みー!みー!」

みくる「なんか嫌がってる気が……」

ハルヒ「はい、みくるちゃん」

ミニハルヒ「……」

みくる「こ、こんにちは~」

ミニハルヒ「む!」

がじがじ

みくる「ひっ!?いたいいたい!ひぃぃ!ごめんなさいぃ!噛まないで~!」

ミニハルヒ「みゅー♥」 ゴソゴソ

古泉「また彼の胸元に戻りました」

みくる「とっても幸せそうな顔してます」

キョン「はぁ、どうすんだよこれ……」

ハルヒ「そんなことあたしにわかるわけないでしょ!」

キョン「かといって、このままというわけにはいかんだろ」

ハルヒ「それは、まぁ、そうだけど」

ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」

キョン「うおっ、急にどうしたんだ」

ハルヒ「このエロキョン、あんたいったいあたしに何したのよ!」

キョン「なにもしてねぇ!」

ハルヒ「何もしてないのに騒ぐわけないでしょ!」

クイクイ

キョン「ん、どうした長門?」

長門「空腹」

キョン「なんだ、単に腹が減ってただけか」

みくる「あ、わたしクッキー持ってますけど」

ハルヒ「ナイスよみくるちゃん!」

みくる「えっと、でも、」

キョン「どうしたんですか?」

古泉「あなたが食べさせたほうがいいでしょう。先ほどのように噛みつかれるかもしれませんし」

キョン「まったく、だれかさんに似て我儘なやつだ」

ハルヒ「ちょっと、今のどういうことよ」

キョン「そのままの意味だ」

ハルヒ「なによ、文句があるならはっきり言いなさいよ!」

ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」

長門「ケンカはあと。今は食べさせるのが先」

キョン「ああ、すまなかったな。ほらっ」

キョン「ほれっ、あーん」

ミニハルヒ「みー」かじかじ、かじかじ

キョン(これはっ)

みくる(かっ、可愛い…)

ハルヒ(うらやましいなぁ)

キョン「どうだ、うまいか?」

ミニハルヒ「みー」

長門「クッキーだけではのどに詰まらせる恐れがある」

みくる「あの、カップの受け皿にミルク入れてみたんですがどうでしょう」

ミニハルヒ「みー」チビッ、チビッ

キョン(か、可愛すぎるっ)

みくる(ふぇぇ、子猫みたいです)

キョン「はっ、いかんいかん、ハルヒのあまりの可愛さに見蕩れてしまっていた」

ハルヒ「な、な、何言ってんの、このバカキョン」かぁぁ

古泉「これはこれは」

長門「思考がダダ漏れ」

みくる「ふぇぇ、涼宮さん顔が真っ赤です」

ハルヒ「き、今日はもう解散、いいわね」

キョン「おい、こいつはどうするんだ」

ハルヒ「知らないわよ、あんたに懐いてるんだからあんたが世話しなさい」

バタンッ!

キョン「まったく、急にどうしたんだよ」

古泉「まったく、あなたという人は」

キョン「俺、何かしたのか?」

古み長「はぁ」

古泉「それより、」

ミニハルヒ「みー、みー」もぞもぞ

キョン「あっ、こら動くな、くすぐったい」

古泉「この状況を何とかしなければなりません。長門さん、ご協力願えますか」

長門「かまわない、私という個体も早期解決を願っている」

キョン「あ、こら、そっちはだめだって」

みくる(なんとなくいやらしく聞こえます)

古泉「まずこうなった原因ですが」

長門「涼宮ハルヒが彼とより触れ合っていたいという願望が増大し、結果、あのような形で具現化されている」

古泉「なるほど。確かにより触れ合えてるとはいえますが、なぜあのような手のひらサイズになったのでしょう」

長門「あのサイズでは自力での生活は困難。よって必ず彼の手を借りることになる。これには涼宮ハルヒの
   もっと彼にかまってほしいという願いが影響したものと思われる」

古泉「んっふ、涼宮さんも一人の女の子というわけですね」

キョン「おい、古泉、そんなところでのんびりしてないで手伝ってくれ」

キョン「痛っ、こら、耳を噛むんじゃない」

ミニハルヒ「むー……」

キョン「すねたって駄目だ、ほら、降りなさい」

ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」ジタバタ

みくる「キョン君から離れるのを嫌がってるみたいです」

キョン「駄目だ、降りなさい」

古泉「実に微笑ましい光景です」ニヤニヤ

キョン「チクショウ、他人事だと思いやがって」

古泉「いっそこのままでもいいのではないですか?」 ニヤニヤ

キョン「んなわけあるか! ほら、お前も降りた降りた」

ミニハルヒ「むーっ!」ジタバタ

ピリリッ、ピリリッ

古泉「なん…だと…」

長門「あれは涼宮ハルヒの願望が具現化したもの。願望実現能力の一部といっても過言ではない。
   そのため、今彼の手元にいる個体が不機嫌になれば閉鎖空間が発生する」

キョン「解説ありがとう、長門。古泉、どうやら他人事では済まなくなったようだな」ニヤッ

古泉「どうやらそのようです。すみません、閉鎖空間に向かいます。また後ほど話し合いましょう」

キョン「さてと、で、結局お前は降りないんだな……」

ミニハルヒ「みー♥」

みくる「それにしても本当に可愛いですね」

長門(また彼のシャツの胸元に)

キョン「長門、こんな時もお前頼みで悪いんだが、どうすれば解決できるんだ」

長門「今回は涼宮ハルヒがあなたともっと触れ合いたいと思ったことがきっかけ。よって、本体の願望を満たせばよい」

キョン「は? なんだって?」

長門「具体的には、手をつなぐ、抱きしめる、キスをするなどの、身体的接触を伴う行為」

みくる「ふぇぇ、そ、それって」///

キョン「それは、どのくらい続けないといけないんだ?」

長門「涼宮ハルヒが満足するまで。そのことについて話し合う。今夜七時に私の家に来て」

キョン「おい、それまでこいつはどうするんだ」

ミニハルヒ「みー♥」

長門「情報操作によって、あなたは以前からその状態だったということにしておく」

キョン「わかった。ひとまず解散しよう」

ミニハルヒ「うー♪」

ー帰り道ー

キョン「それにしても、どうしてこうなったんだか……」

ミニハルヒ「♪」

キョン「はぁ、お前はいいよな、気楽そうで。ん、今度は頭に登ったりしてどうしたんだ?」

ミニハルヒ「みー♥」 オデコテシテシ

キョン「慰めてくれてるのか。ありがたいがその悩みの種ががお前なんだよなぁ」

ミニハルヒ「むー!」グイグイ

キョン「いてて、こら、前髪を引っ張るな」

ミニハルヒ「むー!」プイッ

ー自宅ー

キョン「はぁ、やっと家に着いた」

ミニハルヒ「むー」

キョン「ほら、プリンやるからいい加減機嫌直せよ」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「現金なやつめ。ほら、あーん」

ミニハルヒ「」パクッ

キョン「どうだ、うまいか?」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン(か、可愛い…)

ー午後七時、長門宅ー

キョン「さて、来てみたはいいものの、古泉よ」

古泉「なんでしょう?」

キョン「どうしてそんなに傷だらけなんだ?」

古泉「何と言いますか、今回の閉鎖空間が厄介でして……」

キョン「というと?」

古泉「神人が出てくるのはいつもの通りなんですが、どうも部室であなたに不快感を与えたのがまずかったみたいでして、
   僕だけピンポイントに狙われてしまったんです」

キョン「よくやったな、えらいぞ」ナデナデ

ミニハルヒ「みー♥」

古泉「それはともかくとして、あなたはどうするのですか?」

キョン「どうって言われてもなぁ……」

古泉「長門さんの話によるとあなたが涼宮さんを満足させるほかに方法がなさそうですが」

キョン「まぁ、なんとかなるだろ」

みくる「ふぇ、でもそれってキョン君が涼宮さんと」///

長門「それ以外に方法はない。私たちも我慢するから頑張って」

キョン「我慢?」

長門「情報の伝達に齟齬が発生した。それよりこれを」

キョン「なんだこれ?ノート?」

長門「明日からあなたの取るべき行動のマニュアル。これをすべて覚えてもらう」

キョン「おいおい、マジかよ……」

古泉「とりあえず中身を見てください。あなたが到着するまで我々三人で考えたものです」

みくる「キョン君、頑張ってください」

キョン「拒否権は、」

古み長「ない」

キョン「ですよねー」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「お前は気楽でいいよなぁ…」

ミニハルヒ「み?」

キョン「いや、気にするな。いいさ、やってやる。いったん目を通すから時間をくれ」

ーキョンのお勉強タイムー

キョン「なになに、有効策としては涼宮ハルヒに対して、」

ミニハルヒ「みー!、みー!」

キョン「こら、おとなしくしてなさい。えーと、具体的な、」

ミニハルヒ「みー!」

ガジガジ

キョン「痛っ、こら、耳を噛むな!」

ミニハルヒ「みー!」プイッ

古泉「どうやらあなたにかまってもらえなくて寂しいようですね」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「勘弁してくれ……」

長門「朝比奈みくる、こちらへ来て」

みくる「ふぇ、な、なんですか」

長門「このままでは彼がノートを読めない。よって協力してほしい」

みくる「かまいませんけど、何をすればいいんでしょう?」

長門「こちらの部屋へ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガラッ  カチャ

みくる「ふぇ、なんですかここ?どうして鍵をかけるんですか?」ビクビク

長門「黙って。」

みくる「わ、長門さん、や、あ~」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キョン「何が起こってるんだ」ゴクリ

ガラッ

キョン「おっ、出てきたみたい…、て、えぇぇぇぇぇ」

みくる「ヒック、グス」メソメソ

キョン(巫女さん姿でほほを赤らめつつ涙を流す姿、正直、たまりません)

ミニハルヒ「みー!」ピョン

キョン「あ、おい」

ゴソゴソ

みくる「ふぇ、涼宮さん、そこはダメ、んっ、」

キョン(ミニハルヒが朝比奈さんの巫女さん衣装のなかに)

キョン「うらやましい!」(おい、やめろミニハルヒ!)

みくる「ふぇ」///

古泉「おやおや」

長門「馬鹿…」

キョン「あ、いや、これはですね、えーと、なんて言うか」

みくる「ふぇぇ」///

キョン「それよりもだ、長門、どうしてコスプレなんだ?」

古泉(逃げましたね)

長門「あの姿でも元は涼宮ハルヒ。本質は変わっていない」

キョン「つまりコスプレ好きは変わらないってことか」

長門「そう」

キョン「しかしこれは…」

みくる「あっ、そっちは、あんっ、あまり動かないで」///

キョン(眼福だ)

長門「あちらは問題ない。朝比奈みくるが気を引いているうちに早くノートを」

キョン「もっと見ていたい」(あ、ああ、わかったよ)

古泉「んっふ、本当に思考がダダ漏れです」

ー再びキョンのお勉強タイムー

キョン「あーなになに」

今回の騒動の原因は涼宮ハルヒがあなたともっと触れ合っていたいと思ったこと。よって明日からあなたには涼宮ハルヒと
積極的に触れ合ってもらう。手を握る、頭をなでる、抱きしめる、キスをする、これら身体的接触をを涼宮ハルヒ本体に与
えることが必要となる。私たちが状況を作るので、あなたはそのチャンスを見計らって行動してほしい。さらに(ry

キョン(読んだはいいものの、ほとんどマニュアルとしては役に立たないなこれ)

古泉「どうでした?」

キョン「おい、いったいどうしろと」

古泉「おやおや、これでも分かりませんか。要は、明日からあなたと涼宮さんがイチャイチャすればいいのです」

キョン「おい、ちょっと表出ろ」

古泉「御勘弁願います。事実、それしか解決方法がないんですよ」

キョン「Oh!なんてこった…」

古泉「まあまあ、そう言わずに。おや?」

ミニハルヒ「みー♥」ヨジヨジ

キョン「またこいつは、今度は頭の上かよ」

ミニハルヒ「うー♪」

キョン「あれ、そういえば朝比奈さんは?」

みくる「う~ん」

キョン(衣装をはだけさせて気絶している。なんと壮観な眺め)ツー

長門「鼻血」

キョン「おわ、いや、これは決してやましいことを考えていたわけではなくてだな、痛てっ」

ミニハルヒ「ぶー」グイグイ

キョン「いてて、だから髪を引っ張るなって」

キョン「ともかくだ、明日にならんと動けんということだな?」

古泉「ええ、頑張ってください。陰ながら応援させていただきますよ」

キョン「頼んだぞ、さっさとこんな状況を終わらせたいんだ。じゃあ、もう俺は帰らせてもらうぞ。
    それと、朝比奈さんはどうするんだ?」

古泉「後で機関の者に送らせましょう」

キョン「わかった。それと長門、こいつの世話はだれがすることになってるんだ?いくら俺でも
    風呂や着替えはどうにもならんぞ」

長門「あなたの妹」

キョン「そうか。じゃあまたな」

古泉「ではまた」

長門「また」

ーキョン宅ー

キョン「さて、もう寝るとするか。」

ミニハルヒ「にゃー」

キョン「ん?シャミセンがどうかしたか?」

シャミセン「そんなに小さな娘を連れ込むとは、我が主の人格が疑われる」

キョン「……」

シャミセン「どうした」

キョン「またか…」

シャミセン「なかなかどうして事態を受け入れることができたようでなによりだ」

キョン(そうか、このミニハルヒがあいつの能力そのものなら周りに影響が出てもおかしくはないんだった)

キョン「いいか、妹の前でしゃべるんじゃないぞ」

シャミセン「もとより、そのつもりだ。しかし、妹殿にはもう少し私に優しく接してもらいたいものだ」

キョン「伝えておくよ。もう俺は疲れた、寝る」

ミニハルヒ「いー」

キョン「今度はなんだ?」

ミニハルヒ「ちゅー」

ちゅっ

キョン「!?」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「はぁ、もういいや。おやすみ、ハルヒ」

ミニハルヒ「みー♪」

妹「キョンくーん、朝だよー」ダーイブ

キョン「うぐっ、妹よもう少し優しく起こしてはくれんか」

妹「テヘッ☆」

キョン「まったく、ほら、下にいってなさい」

妹「はーい」

キョン「やれやれ。そういやあいつは…」

ミニハルヒ「みぅ~」スヤスヤ

キョン(これは反則だろ……。とりあえず写真とっとこ)

パシャ!  パシャ!

キョン「いかん、こんなことしてる場合じゃなかった。おい、起きろハルヒ」ツンツン

ミニハルヒ「み゛~」

キョン「おい、起きろって」 ツンツン

ミニハルヒ「み゛~~~」

妹「キョンくーん、遅刻するよー」

キョン「まずい、写真とるのに時間かけすぎたか。だがどうする、このままだと遅刻しちまう」

ー教室ー

ガラッ

ハルヒ「相変わらずだらしのない顔ね」

キョン「余計なお世話だ」

ハルヒ「まあいいわ。ところで昨日の小っこいのはどこにいるのよ」

キョン「ああ、それならここだ」

ミニハルヒ「にゅー」スヤスヤ

ハルヒ(キョンの胸ポケットの中…)

キョン「どうしたんだ、急に黙りこくって?」

ハルヒ「べ、別に何とも思ってなんかないわよ!」

キョン(ここはひとつ試してみるか…)
   「おい、どうした、熱でもあるのか?」ピト

ハルヒ「な、な、なにしてんのよ!」バキッ!

キョン「痛っ、何も殴ることはないだろうが!」

ハルヒ「う、うるさい! 急におでこくっつけてくるなんて何考えてんのよ、このエロキョン!」///

キョン「人が心配してやってんのにそんな言い方はないだろ!」
   (おいおい、くそ恥ずかしかったかったうえに触れたら殴られたぞ。この先本当に何とかなるのかよ…)

ハルヒ「う、うるさい! もう知らない!」

キョン「やれやれ」

ー授業中ー

ハルヒ(まったく、朝からなんなのよもうっ! …でも、悪い気はしなかったわね)

ハルヒ(キョンの顔があんなに近かった)///

ハルヒ(もしあのままいつかの夢のようにキスなんて…)ニヘラ

ハルヒ(はっ! いけない、あたしったら何考えてるのかしら)

ハルヒ(あ゛ーーもう、ほんとになんなのよ!)

キョン(さて、あれからハルヒは黙ったままだ…。授業中にシャーペンで背中を刺されないのはありがたいがな)

キョン(しかし長門よ、早くも手詰まりだぞ。どうしろってんだ)

キョン(ん? メール?)

From 長門:昼休み、部室に

キョン(おお、さすが長門、これで何とかなりそうだ)

もぞもぞ

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「お、起きたか。しかし今は授業中だ、頼むから騒がないでくれよ」

ミニハルヒ「み」

ーーーーーー5分後ーーーーーーー

ミニハルヒ「あーぐー」

かじかじ

キョン「あ、こら、消しゴムをかじるんじゃありません」

ミニハルヒ「むー……」

キョン「拗ねるんじゃない」

ーーーーーーさらに五分後ーーーーーー

ミニハルヒ「みっ!」

キョン「痛っ! こら、人をシャーペンで刺すんじゃありません」

ミニハルヒ「むー……」

キョン「ボールペンでもだめだ」

ーーーーーーさらにさらに五分後ーーーーーー

ミニハルヒ「みー、みー」

キョン「今度はどうしたんだ?」

ミニハルヒ「みー」グー

キョン「腹が減ったのか、そういえば朝飯がまだだったな…。授業が終わるまであと少し我慢するんだ」

ミニハルヒ「みゅー」ショボン

キョン(この表情、たまらん…)

ー昼休みー

キョン「はい、あーん」

ミニハルヒ「あー」モグモグ

キョン「うまいか?」

ミニハルヒ「うー♪」

キョン「そりゃよかった。ほら、もう一口、あーん」

ハルヒ「あんたなにやってんの?」

キョン「見ての通り、こいつに飯を食わせてるんだ」

ハルヒ「……」じー

キョン「あーん」

ミニハルヒ「あー」

ハルヒ(なによ、あいつばっかり…)

さて、久々に来てみたら128秒規制なるものに大きく予定を狂わされてしまいました
(本当はもう終わっているはずでした…)

今日は早いので、もうねます。今夜、一気に投下して完結させます。

では、おやすみなさい

キョン(もう一度試してみるか…)
   「ハルヒ、お前も食うか? ほら、あーん」

ハルヒ「はぇ、な、何!?」

キョン「なんだ、いらないのか?」

ハルヒ「ぃ、いらないなんて言ってないでしょう!どうしてもっていうんなら食べてあげるわよ」

キョン「いや別にどうしてもってほどじゃ」

ハルヒ「うるさい!さっさと食べさせてくれたらいいの!ほらっ!」

キョン「あ、ああわかったよ。ほら、あーん」

ハルヒ「あ、あーん」///

谷口「なあ、国木田」

国木田「なんだい?」

谷口「この釈然としない怒りをどこにぶつければいいと思う」

国木田「ひがんでる男ってみっともないよ、谷口。でもまあ、わからなくもないかな」

谷口「ちくしょーー!なんであいつばっかりなんだ!」

ー部室ー

ガチャ

キョン「すまんな、ちょっとこいつに飯を食わせてたら遅くなった」

ミニハルヒ「にー♥」

古泉「どうやら我々の手助けは必要ないようですね」

キョン「は?何を言ってるんだ」

古泉「『ほら、あーん』ですか、なかなかやりますね」ニヤニヤ

キョン「ぐ…、どうしてそのことを…」

長門「私の役目は観測だから」キリッ

古泉「というわけです、なかなか楽しませていただきましたよ」ニヤニヤ

キョン「ははっ、こやつめ」

古泉「痛いです…」ズキズキ

キョン「うるさい、自業自得だ。それより長門」

長門「なに?」

キョン「プライバシーの権利ってしってるか?」

長門「私の前ではなんの意味もなさない」フフン

キョン「はぁ、もういい。なるべく控えてくれ」

長門「善処する」

キョン「ん?そういえば朝比奈さんはどうした?」

長門「もうすぐ到着する」

キョン「そうか」

ガチャ

みくる「あ、あのぉ~、遅くなってすみません」

キョン「いえ、かまいませんよ。それよりどうしたんですか?」

みくる「それが、涼宮さんに食堂に連れて行かれて…」

キョン「もしや何かされたとか!」

みくる「い、いえ、そうじゃないんです。あ、え~と、そのぉ、涼宮さんからキョン君のことを聞かされてたんですぅ」

キョン「俺の?どうせまた悪口とかなんでしょう?」

みくる「い、いえ、違うんです。あの、さっきキョン君に『あーん』ってされたってことを…」

キョン「ぐはぁ!」

みくる「でも、でもその時の涼宮さんすっごく嬉しそうな笑顔でとっても可愛かったんですぅ!」

古泉「おやおや、これはこれは」

長門「順調」

みくる「ほかにも、今朝、キョン君が涼宮さんのことを心配してくれたって言った後、急に赤くなったりして」

キョン「す、ストップです、朝比奈さん。もうよくわかりました」

古泉「いやー、この分だと意外に早く片が付きそうですね」ニヤニヤ

長門「同意」

みくる「そういえばミニ涼宮さんはどこにいったんですか?」

キョン「ああ、それならここに」

ミニハルヒ「みゅー」スピー

みくる「ふぇぇ、キョン君の胸ポケットの中で眠ってます」

キョン「さっき昼飯を食ったらすぐにねむってしまって」

みくる「か、可愛いですぅ」

キョン「そうなんですよ!今朝もこの寝顔撮ってたら遅刻しそうに…」

古み長「…」

キョン「…」

キョン「とにかくだ、これからのことを話し合おう!」

みくる(あいかわらず強引です)

長門「その前に」

キョン「どうした、長門?」

長門「あなたのこと。現在のあなたは涼宮ハルヒ、およびミニハルヒに対する接し方について改変がなされている」

キョン「なんだと?」

長門「簡単にいえば、両名に対して素直な行動をとりやすくなっている。昨日からの失言はこのため。
   これは普段のあなたならば絶対にとりえない今朝、および先ほどの行動からもうかがえる。」

古泉「つまり彼の失言や涼宮さん、ミニ涼宮さんに対する行動は、彼の本心ということですね」

長門「そう」

みくる「ふぇぇ」///

キョン「先立つ不孝をお許しください」ダッ

古泉「ちょっと、何やってるんですか!」ガシッ

キョン「どけ古泉!俺はこの世界にお別れをするんだ!」

古泉「早まらないでください!それに部室の窓から飛び降りたって死ねません!」

キョン「うるさい!お前に今のおれの気持ちがわかってたまるか!」

みくる「はわわ」アタフタ

長門「ユニーク…」

ミニハルヒ「みー!みー!」

がじがじ

キョン「おわっ、痛って!こら、耳を噛むな!」

古泉「どうやら目を覚ましたようですね。まああれだけ騒いでいれば当然ですが…」

キョン「こら、やめろ。痛いって!」



長門「怒っている」

みくる「どうしてですかぁ?」

長門「彼が飛び降りようとしたから。彼がいなくなるのを恐れている」

みくる「本当にキョン君のことが好きなんですねぇ」



キョン「わかったよ、もうあんなことはせん。だからやめてくれ」

ミニハルヒ「みー♥」ニコッ

キョン「なにこれ可愛い」

古泉「とにかく、放課後が勝負です。僕たちはいなくなりますので部室で涼宮さんと
   存分にイチャついてください。『二人きり』で」

ミニハルヒ「ぶー」プンスカ

古泉「おっと失礼、『三人で』でしたね」

キョン「おいおい、俺一人で本当に大丈夫なのかよ…」

古泉「むしろあなた一人でなければならないのです。僕たちがいては涼宮さんの羞恥
   心があなたを求める心に勝ってしまいますからね」

キョン「……わかったよ」

長門(普段ならば発動するはずのフラクラ能力が発動しなくなっている…)

キョン「おっと、もう昼休みも終わりだな。まあ何とかやってみるが、やばくなったら
    フォロー頼んだぞ」

古泉「もちろんです」

キョン「じゃあな。ほらいくぞ、ミニハルヒ」

ミニハルヒ「みー♥」

バタン

古泉「さて、長門さんのおっしゃったとおりの結果ですね」

長門「彼の性格まで及ぶ改変はこれまでになかったもの。涼宮ハルヒ本人もそれを望
   んでいなかったはず」

古泉「ということはやはり…」

長門「彼を想う気持ちのあまり無意識化で願望実現能力が暴走している。今はまだ
   微々たるものだが、このままではどうなるか予測がつかない。だが、改変の
   影響を最も受けるのは彼で間違いないと思われる」

みくる「そ、そんなぁ」

長門「今日中に片をつけるべき」

古泉「わかりました。彼には悪いですが、部室をモニターさせていただきましょう。
   長門さん、ご協力願えますか?」
  
長門「了解した。だが有事の時までは…」

長門「私たちのニヤニヤタイム」

みくる「ふぇぇ」///

古泉「んっふ、さすがです」

ー教室ー

ガラっ

ハルヒ「キョン、どこに行ってたのよ!朝もギリギリだったじゃない!」

キョン「ちょっとした野暮用だ」

ハルヒ「団員たるものもっと自覚をもって行動しなさい!」

キョン「わかってるよ。それよりハルヒ」

ハルヒ「な、何よ…」

キョン「似合ってるぞ、ポニーテール」

ハルヒ「~~~っ!あ、あたりまえじゃない!」///
   (キョンが似合ってるって…、さっき結っといてよかった!)

キョン「そうかい」

ミニハルヒ「みー、みー」

キョン「ん、どうした?」

ミニハルヒ「み!」

キョン「いつの間にポニーテールに…。まあ、似合ってるぞ」

ミニハルヒ「みー♥」テレテレ

キョン「いかん、鼻血が」ツー

ー放課後、部室にてー

キョン(とうとうこの時が来たか…)

キョン「ハルヒ、言い忘れてたがほかの三人は急用で遅くなるそうだ」

ハルヒ「はぁ?どういうことよ?」

キョン「まあそれぞれの用事ってもんがあるんだろうさ」

ハルヒ「団長の私に言わずにキョンに伝言を頼むなんてあるまじきよ!」

キョン「まあそういうなって、たまには二人でのんびりいこうぜ」

ハルヒ(え、二人きり?キョンと? まずいわ、意識したら緊張してきちゃった)

ハルヒ「ま、まあ仕方がな…」

ミニハルヒ「みー!」

がじがじ

キョン「いてっ!」

キョン「ああ、そういや二人じゃなかったな。忘れてて悪かったよ」ナデナデ

ミニハルヒ「みー♥」

ハルヒ「……」

キョン「おい、どうしたハルヒ?」

ハルヒ「別に…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

古泉「ああ、何をやってるんですか彼は!」

長門「ここからが正念場」

みくる「なんだか気がひけます」

長門「とか言いつつしっかり見ている」

みくる「そ、それはもちろん。だって面白いじゃないですか」

長門(目が輝いている)

キョン「ハルヒ、たまには一局どうだ?」

ハルヒ「将棋ね、別にいいわよ。罰ゲームは…」

キョン「おい、なぜ罰ゲームがあるんだ?」

ハルヒ「だって普通にやったんじゃ面白くないじゃない」

キョン(!! いっちょ仕掛けてみるか)

キョン「ああ、いいぜ」

ハルヒ「なによ、珍しく強気じゃない」

キョン「ただし罰ゲームは、敗者は勝者の言うことを何でも聞くってのはどうだ?」

ハルヒ「はぁ?いやらしいことさせようってんじゃないでしょうね!このエロキョン!」

キョン「お、SOS団団長ともあろうお方がえらく弱気じゃないか?」

ハルヒ「~~~っ!言ってくれるじゃない!いいわ受けて立つわよ。後でやっぱりなしなん
    て言っても絶対に聞き入れないからね!」

キョン「わかったよ。じゃあ始めようぜ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古泉「長門さん、彼は勝てると思いますか?」

長門「不可能。涼宮ハルヒの力量が圧倒的に上」

みくる「あ、でもキョン君のほうが優勢みたいですよ」

古泉「これはいったい…」

長門「おそらく涼宮ハルヒがわざと負けている」

古泉「なぜでしょう?」

長門「涼宮ハルヒが彼に命令されたいと思っているからだと考えれる」

みくる「ふぇ、そ、それって」///

古泉「涼宮さんも彼にリードしてもらいたい思っているのですねぇ」

長門「も?」

古泉「おや、違いましたか?お二方?」

長門「……」

みくる「き、禁則事項です…」

キョン「王手。どうだ、これで詰みだ。言ってた割に大したことないな」

ハルヒ「うるさいっ!あーっ!悔しいわね」

ハルヒ(どんな命令なのか楽しみだわ。本当にあんなことやこんなことだったりして…///)

キョン「さて、お待ちかねの罰ゲームの時間だ」


キョン(なんでハルヒは頭抱えて悶えてんだ?まあいいか。さて、どうしたものか…)

ミニハルヒ「うー♪」

キョン(そういやこいつはハルヒの願望そのものみたいなもんだったよな)

キョン「なぁ、何をすればいいと思う?」

ミニハルヒ「みー♥」ゴソゴソ

ミニハルヒ「み!」

キョン「耳かき?というかどこにしまってたんだ…」

ミニハルヒ「みー!」

キョン「これで俺にどうしろと…。いやまあ、これですることといったら一つなんだが…」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「わかったよ、やればいいんだろ。おい、ハルヒ」

ハルヒ「ひぇ、な、なによ。急に話しかけられたらびっくりするじゃない!」

キョン「すまんな。それよりこっちこい。罰ゲームだ」

ハルヒ(きた!ついに来たわね!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
みくる「耳かきですか、いいなぁ」

長門「同意」

古泉「これは見ものですね」

キョン「ほら、膝の上に頭乗せろ」

ハルヒ「なによ、罰ゲームがなにか教えなさいよ」

キョン「おお、そういやそうだったな。耳かきだ」

ハルヒ「耳かき…」

キョン「そうだ。いいから早く来い」

ハルヒ(…なかなか)ニヘラ

ポフッ

キョン「それじゃ、はじめるぞ」

キョン(サラサラの髪、なぜ女の子はこうもいい香りがするのかね。
    それにポニテ、うなじ。正直、辛抱たまりません)

ハルヒ「んっ、あっ!」

ハルヒ「ちょっと、そこ違っ」

ハルヒ「や、ん~っ!あん、くすぐったい」

キョン「おいおい、変な声出すなよ」

ハルヒ「ん、だって、気持ちよくて…、あっ」

キョン(情熱を、もてあます…)

キョン「息、吹き掛けるぞ」

ふ~っ

ハルヒ「あ、ひぁあ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古泉「これは…」

みくる「ふぇぇ」///

長門(エロい…)

キョン「ほら、もう片方だ。妹から殺人的とまで言われた俺の耳かき術をなめるなよ?」

ハルヒ「だ、だめ、ちょっと待って」

キョン「だめだ、敗者は勝者の言うことを聞くんだったろ?ほらっ」グイ

ポフッ

ハルヒ「や、ちょっと、あんっ!」

ハルヒ「~~~っ!あっ、そこ、いいっ!」

キョン「よし、終わりだ」

ふ~っ

ハルヒ「あぁん」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古み長「」///

キョン「その、なんだ、ちょっとやりすぎた」

ハルヒ「…」///

キョン「涙目で頬を赤らめるハルヒ…、可愛すぎる!」(おい、大丈夫か?)

ハルヒ「…ばか」///////

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古泉「また思考がダダ漏れですね」

みくる「でも、涼宮さんもまんざらでもなさそうです」///

長門「順調」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古泉「そういえばミニ涼宮さんは先ほどから大人しいようですが」

長門「本体の願望が叶いつつあるためであると思われる」

古泉「あとひと押しといったところでしょうか」

長門「そう」

みくる「キョン君、頑張ってください!」

ハルヒ「キョン、こっちきて」

キョン「お、おう」

ハルヒ「もっと!」グイッ

キョン「おわっ!」

ぽふっ

キョン「は、ハルヒ、これは…」

ハルヒ「私だけ恥ずかしい思いするなんてずるいから、お返しよ」///

キョン「顔、赤いぞ」

ハルヒ「うるさい…」///

ハルヒ(お、思ったよりはずかしいわね。それにキョンがこんなに近い…)

キョン(フトモモが柔らかい、それに、ハルヒがこんなに近い…)

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「何か話しなさいよ」

キョン「そう言われてもな…」

ハルヒ「…」

キョン「…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
みくる「なんだかとてもいい雰囲気ですぅ」

古泉「これは、こちらまで向こうの気に当てられてしまいそうですね」

キョン「ありがとな、ハルヒ」

ハルヒ「た、単なる仕返しよ…」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン「こら、また頭の上に登るんじゃない」

ハルヒ(あの小っこいのはあんなにキョンにくっついてる…)

ハルヒ(もっと私もキョンに触れたい…)

ハルヒ(でも、でも、いったいどうすればいいのよ!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古み長「!!」

みくる「キョン君たちが、消えた…」

古泉「長門さん、これはやはり」

長門「閉鎖空間」

~~~~~~~~~~~~~~~~~
キョン「閉鎖空間か…」

キョン(しかし何故俺はグラウンドにいるんだ…、それにハルヒはどこにいった?)

ミニハルヒ「みー!」

キョン「おお、お前はいるのか」

ミニハルヒ「みー♥」

キョン(とりあえずあいつがいるはずなんだが…)

●「お久しぶりです」

キョン「おう、やっぱり来てくれたか。だがその姿ってことは…」

●「ええ、今回も特殊な閉鎖空間です。長門さんによれば、世界崩壊の危機はないとのことでしたが、
  何しろあなたとミニ涼宮さん以外を拒絶していまして。長門さんの力を借りてやっともぐりこめましたよ」

キョン「世界がどうこうって事態じゃないのは安心だ。で、どうすればいいんだ?」

●「もう分かってらっしゃるんじゃないんですか?」

●「今回の出来事。それに世界を改変するためではなく、あなたと自身の願望の塊であるミニ涼宮さん以外を
   拒絶するための閉鎖空間。これで十分でしょう」

キョン「……」

●「おっと、もう時間切れのようです。今回も皆、あなた方が戻ってくると信じています。では」ヒュン

キョン「おい、ヒントは…、はぁ、まずはハルヒを探すか」

ミニハルヒ「み」

キョン「心当たりのあるところからしらみつぶしに探していくとするか。よし、いくぞ」

ミニハルヒ「みー♪」

キョン「まずはここからだな」

ガチャ

キョン「部室にはいないか…」


キョン「ここか?」

ガラっ

キョン「教室もはずれか…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

キョン「はぁ、はぁ。くそっ!どうなってんだ。どこにもいないぞ」

キョン「どこにいるんだよ…、ハルヒ」

ミニハルヒ「み!」ピョン

キョン「あ、こら、どこに行くんだ?」

ミニハルヒ「みー!みー!」

キョン「ついて来いってか?」

ミニハルヒ「み!」

ー校門ー

キョン「おい、どこに行くんだ。学校の外には…」

ミニハルヒ「み!」スタスタ

キョン「…」

キョン「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!俺は学校から外に出られないとと思ったら
    簡単に外に出ることができた。な… 何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何が
    起こってるのかのかわからなかった…。怒りでどうにかなりそうだった…。ミニハルヒお前
    知ってるんならもっと早く教えろよとか、古泉てめぇ前回と同じだって言ったじゃない
    かとかそんなチャチな怒りじゃあ断じてねえ。もっと腹立たしいものの片鱗を味わったぜ…」

ミニハルヒ「み?」

キョン「俺の時間と労力を返してくれ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~
キョン「ここって、俺の家、だよな…」

ミニハルヒ「み!」タタッ

キョン「あ、おい、どこにいk」

ガチャ

ハルヒ「あら、キョンじゃない!」

キョン「ハルヒ!おまえいったいどうしてここに?」

ハルヒ「知らないわよ、気づいたらあんたの部屋にいたんだから」

キョン「そうか、無事でよかった」

ハルヒ「ねぇ、キョン…」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「あたし、前にもこんな夢を見たの…。キョンは、覚えてる?」

キョン(ハルヒは夢と思ってるのか…)

キョン「話は後にしよう。それより部屋に入ろうぜ」

ハルヒ「…分かったわ」

ーキョンの部屋ー

キョン「ほら、茶だ」

ハルヒ「ん、ありがと」


ハルヒ「続き、いいかしら?」

キョン「ああ」ズズ

ハルヒ「さっきも言ったけど、あたしは前にも似たような夢を見たの。その時は目が覚めたのは
    学校で、キョンも一緒だったわ。それで、大きな巨人が出てて、最後に…」

ハルヒ「ねぇ、覚えてる?」

キョン(は、恥ずかしい…。しかし何と答えたものか…、まぁ、夢と思ってるんなら大丈夫だよな?)

キョン「ああ、覚えているぞ」

ハルヒ「ふんっ!」バキッ

キョン「ぐはぁ!痛って!」

キョン「おい、何殴ってんだ!」

ハルヒ「う、うるさい!夢とはいえ強引に私のファーストキス奪ったのよ!どう責任とってくれんのよ!」

キョン(うぐ、それを言われると)

キョン「あ~、その、スマン」

ハルヒ「謝ったくらじゃ許さないわよ、このエロキョン!」

キョン「俺にどうしろと?」

ハルヒ「決まってんじゃない!これはあたしの夢、あんたはあたしには逆らえないはずよ。それに目が覚め
    ても現実のあんたは何も覚えてないわ。だから、なんでも言うことを聞いてもらうわ!」

キョン「おい、待て。いくらなんでもそれは…」

ハルヒ「ファーストキス…」

キョン「ぐ…、分かったよ…」

キョン「あんまりきついのは勘弁してくれよ」

ハルヒ「簡単なことよ、あたしを満足させなさい!」

キョン「おいおい、そんな無茶苦茶な命令があるか!いったいどうしろってんだよ?」

ハルヒ「問答無用よ!あんたはあたしの夢の登場人物なんだから、あたしのして欲しいことくらいわかるでしょ」

キョン(して欲しいことって…)

『涼宮ハルヒがあなたともっと触れ合いたいと思ったことがきっかけ』

『あなたと涼宮さんがイチャイチャすればいいのです』

キョン(おいおい、マジかよ…、どうすりゃいいんだよ)

キョン(いくら俺でも今回の騒動の原因も分かっている。これでハルヒの気持ちに気づかないって言うほうがおかしい)

キョン(しかし、俺はどうなんだ?俺はハルヒのことをどう思ってるんだ?)

キョン(俺にとってのハルヒとはどういう存在か、なんてトートロジーをまた繰り返すつもりはない)

キョン(だが俺には本当にハルヒを想う気持ちがあるのだろうか?)

キョン(いや、もう逃げるのはやめよう。いい加減自分に正直になるんだ、俺!)

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「な、何よ」

キョン「俺、前にも言った通りポニーテール萌えなんだ」

ハルヒ「え?これって」

キョン「今のお前の髪型、反則的なまでに似合ってるぞ」

ハルヒ「んっ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キョン「あれ?」

ハルヒ「…ばか、順序が違うでしょ」///

キョン(どういうこった、確かにハルヒにキスをしたはずだ。なのに…)

キョン(なのにどうして俺たちはまだ閉鎖空間にいるんだ?)

ハルヒ「…ねぇ、キョン」

キョン「あ、ああ、どうした?」

ハルヒ「まだよ」///

ガバッ!

キョン「は? おわ!?」

ボフッ

ハルヒ「まだ。まだ満足してないわ」

キョン(なぜ俺はハルヒにマウントを取られているんだ、しかもベッドの上で…)

キョン「な、待て、落ち着け、ハルヒ!」

ハルヒ「あたしね、何となく、あんたは本物のキョンじゃないかって思ってるの」

キョン(!?)

ハルヒ「この夢も全部現実で、あんたも本物。なんとなく、そんな気がするの…」

キョン(おいおい、これってやばいんじゃ)

ハルヒ「でも、そんなわけないって思ってる自分もいるの。こんなの自分に都合のいい夢だって」

キョン(ハルヒ…)

ハルヒ「でも、それでも、あんたの、キョンの気持ちが聞きたいの」

ハルヒ「あたしはキョンが好き。いつからかはわからない、でも気づいたらそうなってた」

ハルヒ「もっとあんたを知りたかった。でも、恋愛は精神病なんて言ってたから…」

ハルヒ「ねぇ、夢でもかまわない、キョンの気持ちを聞かせて」

キョン(そうだったのか、ハルヒ…。一人で悩んで悩んで、その結果が今回の騒ぎ…)

キョン「ハルヒ、俺は…、俺はお前が、その、好きだ」

ハルヒ「なによ、そのはっきりしない言い方!もっとシャキッと言いなさいよ!」///

キョン「ええい、うるさい、恥ずかしいんだよ!」///

ハルヒ「何よ!あたしだって恥ずかしかったんだから!」

ハルヒ「でも、まあいいわ。今回は許してあげる」

キョン「ありがとよ」

ハルヒ「ねぇ、キョン」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「ふふっ、何でもない、呼んでみただけ」

キョン「なんだりゃ」

キョン(そうだったのか、ハルヒ…。一人で悩んで悩んで、その結果が今回の騒ぎ…)

キョン「ハルヒ、俺は…、俺はお前が、その、好きだ」

ハルヒ「なによ、そのはっきりしない言い方!もっとシャキッと言いなさいよ!」///

キョン「ええい、うるさい、恥ずかしいんだよ!」///

ハルヒ「何よ!あたしだって恥ずかしかったんだから!」

ハルヒ「でも、まあいいわ。今回は許してあげる」

キョン「ありがとよ」

ハルヒ「ねぇ、キョン」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「ふふっ、何でもない、呼んでみただけ」

キョン「なんだそりゃ」

ハルヒ「キョン、ちょっといい?」

キョン「ん?」

ハルヒ「んしょっと」

キョン(やばい、非常にやばい!ハルヒが俺に倒れかかってくる)

キョン「お、おい、ハルヒ」

ハルヒ「じっとしてて!」

キョン(頑張れ、俺の理性!本能という名の敵に負けるんじゃない!)

キョン「いっ!」

ハルヒ「あ、ごめん、痛かった?」

キョン「少しだけな。それより何をしたんだ?」

ハルヒ「あんたはあたしのものって印をつけたのよ!」

ハルヒ「なに?もしかして変なこと想像しちゃったの?」

キョン「うるさい、仕方ないだろう」

ハルヒ「エロキョン!」

キョン「もう何とでも言え…」

ハルヒ「でもそういうのは、やっぱり現実で、ね」///

キョン「」///

ハルヒ「だから、いまはだめ」///

キョン(何故だかわからんが、今なら戻れる。そんな気がする)

キョン(分かってしまうのだから仕方がないというやつか)

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「何?」

キョン「愛してるぞ」

ハルヒ「んっ…」

ドスンッ!

キョン「痛って!」

キョン「は!ここは…俺の部屋、だよな。帰ってこれたのか?」

キョン「それともさっきまでのが本当に夢だったとか…」

ピリリッ ピリリッ

キョン「電話…、古泉から、ということは」

ピッ

キョン「よう」

古泉「お久しぶりです、戻ってこられたようで何よりです」

キョン「ということは」

古泉「ええ、まぎれもなく現実に起こったことです」

キョン「なあ、今はいつだ?」

古泉「あなた方が閉鎖空間に入った翌日、午前6時をまわったところですね」

キョン「起きたら翌日でした、なんてハルヒが不審に思ったりしないのか?」

古泉「ご心配なく、すでに長門さんに手を打っていただいています」

キョン「さすが長門だな」

古泉「ええ、本当に。では、また学校でお会いしましょう。この話はその時にゆっくりと」

キョン「ああ、じゃあな」

キョン(そういえばミニハルヒのやつはどこに行っちまったんだ?途中でいなくなったきりだが…)

キョン(まさかあれが最後の別れっていうことはないよな…。まぁ、考えててもはじまらんか)

キョン「さて、学校に行くとするか」

ー通学路ー

谷口「よっ!キョン」

キョン「なんだ、谷口か…」

谷口「なんだとはなんだ、せっかk…」

キョン「どうした?」

谷口「キョン、そうか。お前ついに涼宮と…」

キョン「は?」

谷口「う、ぅ、キョンのバカやろーーー!」

キョン「行っちまいやがった、何だってんだ」

ー教室ー

キョン(はぁ、ここを開ければあいつと顔を合せてしまうわけだが…)

キョン(いかん、どうしても閉鎖空間での事が頭をよぎる)

キョン(これは大変な一日になりそうだな…)

ガラッ

ハルヒ「今日は早いじゃない」

キョン「まあな、そんな日もあるんだよ」

キョン「それより、似合ってるぞ、ポニーテール」

ハルヒ「ふ、フン」///

ハルヒ「あっ!」

キョン「どうした?」

ハルヒ「あ、いや、なんでもないわ」

ハルヒ(あの首の痕ってまさか…)

キョン「そうか?ならいいが」

キョン(まさかな…)

ハルヒ「…昨日、夢を見たの」

キョン(!!)

キョン「そ、そうか。また悪夢とやらか?」

ハルヒ「最っ高の夢だったわ。おかげで今日は気分がいいわ」

キョン「そうか、そりゃよかった」

ー授業中ー

キョン(はぁ、どうしても昨日のことを意識してしまう…)

ペラッ

キョン(ん?なんだこれ、手紙?)

放課後、教室に来てください

キョン(案の定、差出人不明か…。しかもノートの間に)

キョン(今までのことがあるだけに、正直いやな予感しかしないんだが…)

キョン(いったん部室によって長門に確認してもらうか)

ー放課後ー

コンコン

みくる「は~い、どうぞ~」

ガチャ

みくる「あ、キョン君!よかった、また会えて」

キョン「こんにちは、朝比奈さん。俺もまた会えてうれしいです」

みくる「そういえば涼宮さんは一緒じゃないんですか?」

キョン「ええ、ハルヒは岡部から呼び出しをくらってて」

みくる「そうなんですかぁ。あ、いまお茶いれますねぇ」

キョン「ありがとうございます」

キョン「さて、長門、ちょっと頼まれてくれんか」

長門「なに?」

キョン「この手紙の差出人を調べてほしいんだが」

長門「その必要はない」

キョン「は?」

長門「その手紙は無害なもの。保障する」

キョン「そうか、長門がそう言うんだったら絶対なんだろうな。ありがとうよ」

長門「いい」

古泉「あなたもなかなかやりますね」

キョン「何がだ?」

古泉「『愛してるぞ』ですか。聞いていたこちらまでキュンとしましたよ」

キョン(!!)ガタッ!

キョン「おい!どうしてお前がそれを知ってるんだ!」

古泉「実はですね、長門さんの協力のもと、僕たち三人にはあの閉鎖空間内
   の音声を聞いていたんですよ」

長門「頑張った」キリッ

みくる「ふぇぇ、すみません」

古泉「それに、首に付いているそのキスマーク…」

古泉「いやぁ、これでもう誰もあなたに手出しはできなくなりましたね」

キョン「…ふんっ!」ブンッ!

古泉「おっと、危ないですね。暴力はいけませんよ」ヒョイ

キョン「黙れ、この犯罪者」

キョン(くそっ、谷口はこれを見たのか。…はぁ)

キョン(ハルヒよ、つけるんならもっと見えにくいところにつけてくれよ…)

古泉「まあよかったじゃないですか。これからのあなたの立ち回りが見ものですね」

キョン「ああ!もう知らん!ちょっと出てくるぞ」

古泉「おや、どちらへ?」

キョン「呼び出しだよ!」

バタン!

古泉「さて、これからが本番ですね」

みくる「ふぇぇ、キョン君大丈夫でしょうか?」

長門「心配ない」

ー教室ー

キョン(はぁ、長門は大丈夫と言ったが、ナイフをもった委員長の顔が浮かんでくる)

キョン(…とりあえず入るか)

ガラッ

???「遅っそいわよ、キョン!」

キョン「な、ハルヒ!?どうしてここに…」

???「ふふっ、残念でした。半分当たりだけど半分はずれー」

キョン「じゃあ、お前は…」

???「これならわかるかな? みー♥」

キョン「まさか、ミニハルヒ!?」

ミニハルヒ「ふふっ、あったりー!よくできましたー!」ガバッ

キョン「おわっ!ちょっとまて、こら、抱きつくんじゃあない」ジタバタ

キョン(当たってる、当たってるんだよ!)

ミニハルヒ「あ~ん、つれないわね。ふんだっ、小さかった時はあんなにくっついてたのに」

キョン「あーもう、拗ねるんじゃない。しかしなぜハルヒの姿に…」

ミニハルヒ「あら、私はあの娘の願望実現能力、つまりあの娘の一部よ。このくらい当然よ」

キョン「そういやそうだったな…。なあ、今までどこに行ってたんだ?」

ミニハルヒ「キョンと別れた後にいったんあの娘の中に戻ったのよ」

ミニハルヒ「『愛してる』っだっけ?もう胸がキュンキュンだったわ!」

キョン(自分の告白を聞かされるなんて、どんな羞恥プレイだよ…)

キョン「あいつの一部という割には意外に普通なんだな」

ミニハルヒ「あ、そんなこと言われると傷つくな、私」

ミニハルヒ「そもそもあの娘だって一人の女の子よ。ただなかなか素直になれないだけなの」

キョン「素直になれない、か。ああ、そういやこの手紙はどうしたんだ?」

ミニハルヒ「ああ、それはね、有希たちに頼んだの」

キョン「は?なんだって?」

ミニハルヒ「キョンが学校に行く前にね、三人に会ってきたのよ。その時有希に頼んだのよ」

キョン「なるほど、そういうことか」

ミニハルヒ「んもー三人ともすっごく驚いてたわ!古泉君なんて笑顔が消えてたんだから!」

キョン「そりゃそうだろうよ、あんなに小さかったやつが一晩で原寸大ハルヒに育ってるんだからな」

キョン「ということは岡部を使ってハルヒを足止めしたのも長門か?」

ミニハルヒ「そうよ、よくできましたー!」ナデナデ

キョン「こら、やめんか」

キョン(勘弁してくれ、見た目はハルヒそのものなんだから)

キョン「で、用件は何なんだ?」

ミニハルヒ「キョンに会いにきたのよ」

キョン「それだけ?」

ミニハルヒ「そりだけ」

キョン「帰る」

ミニハルヒ「あ~ん、まってよ、キョ~ン~。ほんの冗談じゃない」

ミニハルヒ「」シクシク

キョン「ほら、三文にもならん芝居は終わらせてさっさと本題にはいるぞ」

ミニハルヒ「は~い。えっとね、私はあの娘の背中を押すために来たの」

キョン「はい?」

ミニハルヒ「あの娘ったら、せっかく昨日みたいな閉鎖空間を作ってあげたのに、
   まだうじうじしてるのよ。既成事実の一つや二つ作ればよかったのに」

キョン「もう勘弁して…」

ミニハルヒ「あの娘、もうすぐここに来ることになってるの」

キョン「…え?」

ミニハルヒ「だ~か~ら~、あの娘がここに来るの。来てキョンと話をするのよ」

キョン「ちょっと待て、お前の姿を見られたらどうするんだ!」

ミニハルヒ「大丈夫よ、だって直前にあの娘の中に戻るもん」

キョン「あ、さいですか」

ミニハルヒ「お、そろそろね」

キョン「なに!ちょっと待て、まだ心の準備が!」

ミニハルヒ「や~だ、冗談よ。あわてちゃって可愛いわね」クスッ

キョン「……」

ミニハルヒ「もう、拗ねないでよ」ツンツン

ミニハルヒ「おっと、本当にもうきちゃうわね。じゃ、私はもう行くから」

キョン「あ、おい!お前はどうなるんだ?」

ミニハルヒ「言ったでしょ、私はあの娘の一部だって。あの娘の中で、ずっとキョンのことを見てるわ」

ミニハルヒ「でも…、これくらいはいいわよね。キョン!」

キョン「ん?どうし…んっ」ちゅっ

ミニハルヒ「じゃあね、キョン」ヒュン

キョン「…行ったか」

ガラっ

ハルヒ「え!?なんであんたがいるのよ!」

キョン「ようハルヒ。どうした、忘れ物でもしたのか?」

ハルヒ「そんなわけないでしょ!岡部に呼び出しくらってたから鞄を取りにきたのよ」

ハルヒ「それよりあんたは何してんのよ?」

キョン(もう誤魔化すのはよそう。あの時と同じように、正直になろう)

キョン(ありがとな、ミニハルヒ。なんだかんだで決心がついたよ)

キョン「ハルヒ、お前を待ってたんだ」

ハルヒ「え、何言って…」

キョン「ハルヒ、お前に話がある」

ハルヒ「ちょ、ちょっと待って」

キョン「今じゃないとだめなんだ。いま、この時じゃないと。聞いてくれるか?」

ハルヒ「…うん」

キョン「俺は、昨日夢を見た。俺は灰色の世界にいて、何故だか俺の部屋にハルヒ、お前と一緒にいたんだ」

ハルヒ(それって!?)

キョン「だが夢の中で俺は気づいた。俺は今まで自分を偽ってきたんだと」

キョン「多分、もうずっと前から気づいていたんだと思う。だがその気持ちを誤魔化し、逃げていた」

キョン「だから、もう俺は逃げない!なけなしの勇気をかき集めた言葉、受け取ってくれ!」

キョン「ハルヒ!俺はお前のことが好きだ!」

キョン「誰にもお前を渡したくない、俺だけのお前でいてくれ、ハルヒ!」

ハルヒ「え、あぅ、…ぅん」カァァ

ハルヒ「…ぅん、いいわよ」///

キョン「は、はぁ、よかった」ヘナヘナ

ハルヒ「ちょっと、どうしたのよ!?」

キョン「ははっ、安心したら腰が抜けちまった」

ハルヒ「もうっ、だらしないわね!」

キョン「何とでも言ってくれ。って、おい、なんで泣いてるんだ!?」

ハルヒ「う、うるさい。嬉しいからにきまってるじゃないよ、バカキョン」グスッ

キョン「ほら、こっち来い。せっかくの可愛い顔がぐしゃぐしゃだぞ」

ハルヒ「腰の抜けた男に寄りすがって泣く女なんて、間抜けな絵ね」グスッ

キョン「違いない」

ハルヒ「キョン、あのね、実はあたしも昨日夢を見たの。あんたのとそっくりな夢…」

ハルヒ「そこでね、あたしはあんたに告白したの。そしてあんたの気持ちを聞かせて欲しいとも言った」

ハルヒ「夢の中であんたの首につけた印を今朝見たとき、もしかしたらと思ったの…」

ハルヒ「もしかしたら、あんたはあたしと同じ夢を見たんじゃないかって…」

ハルヒ「お願い、もう一度あの言葉を聞かせて、キョン」

キョン(何故だか、あの言葉を口にしても大丈夫なように思う)

キョン(いや、むしろあの言葉を口にすることが必然とさえ思える)

キョン(ハルヒ、そんなに不安そうな顔をするんじゃない。お前は笑っている時が一番可愛いんだから…)

キョン「ハルヒ…、愛してる」

ちゅっ

ハルヒ「グスッ、うわぁぁぁん、キョン、キョン~」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キョン「どうだ、落ち着いたか?」

ハルヒ「…うん」グスッ

ハルヒ「なんか嘘みたい、キョンとこうして抱き合ってるなんて…」

キョン「改めて言われると恥ずかしいな…」

キョン「だがいつまでもこうしてるわけにもいかんぞ」

ハルヒ「だめ、もう少し…」

キョン「やれやれ。悪い気はせんがこんなところを誰かに見られでもしたら…」

WA WA WA 忘れ物~

ガラッ

キョン「…」

ハルヒ「…」

谷口「…」

谷口「キョン、お前やっぱり…」

谷口「スマン! ごゆっくり~!」


キョン「行っちまった…、どうするんだ…」

ハルヒ「いいわよ、こうなったからにはとことん見せつけてやりましょう!」

ハルヒ「まずは手始めにお弁当からね!キョン、あんたの好きなおかずって何?」

キョン「はぁ、幸せすぎて辛いっていうのはこういうことを言うのかねぇ」

ハルヒ「何言ってんの、そんなんじゃこれからもたないわよ!」

ハルヒ「もっともっと、幸せにしてやるんだから!」


      ~おしまい~

これで終わりです。初めてのSSだったので未熟な点も多々ありましたが、こんな自分に
付き合ってくださった皆さんに感謝です

それでは、またいつか機会がありましたら、どこかのSSスレでお会いしましょう

では、ここらへんで失礼します

谷口「WAWAWA~」

ハルヒ「な、なによこいつ・・・・・・」

谷口「スマン!ごゆっくりぃ!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom