あさぎ「よつばちゃん、そんなの拾っちゃうの?」(227)

TV「…産の高級ウニを使った… で…」

ジャンボ「……寿司食いたいな」

小岩井「んー…」

よつば「すしか!?」

ガバッ

小岩井「いや行かないから。テレビ見えないから座れ」

よつば「はー…。とーちゃんこれなんだ?」

ジャンボ「お、なんだよつばウニ見たことないか」

よつば「これうしちがう!」

小岩井「確かに牛ではないな」

ジャンボ「これはな、割るとおいしいもんが入ってる」

よつば「これにか?プリンよりか?」

小岩井「んー……。近い」

ジャンボ「近いな」

よつば「プリンはトゲトゲからできてる…」

小岩井「ほら、中身映ってるぞ」

よつば「! はー……これもプリンなー…」

ジャンボ「うまそうだなー」

小岩井「…………」

ジャンボ「………」

よつば「………」

ジャンボ「……よし、拾いに行くか!」

よつば「うにか!?」

小岩井「海にか!?」

ジャンボ「違う山だ。しかも拾うのはウニじゃない」

よつば「? ジャンボなにってんだ?」

ジャンボ「明日はみんなで栗拾いにいこう!」

よつば「お… おー…?」

小岩井「そういやもうそんな季節か…いいかもな」

ジャンボ「こっからだと○○らへんが近いか」

小岩井「いや、俺はわからん」

よつば「たのしいか?たのしいのか?」

ジャンボ「たのしいぞー?皆で行ったらもっと楽しいよな?よつば」

よつば「おー!みんなでいく!ヤンダはだめだ!」

ジャンボ「うん、そうだヤンダは駄目だ。お隣のお姉ちゃんと一緒に行きたいな?」

よつば「うん!あさぎとふーかとえなとみうら!」

ジャンボ「そうだろそうだろ!なら急だといけないから聞いてこい!」

よつば「おー!きいてくるー!」

ドタドタドタ……!

小岩井「…………」

ジャンボ「……………言うな」

ガチャ

よつば「よつばがきました!」

綾瀬母「あらあらおかえり。どうしたの?」

よつば「かーちゃん!ウニしってるか?こーんなやつ!」

綾瀬母「ウニ?わかるわよーおいしいから」

よつば「あしたひろいにいく!みんなでいくとたのしいからな!」

綾瀬母「? 海に行くの?」

ガラガラ

風香「あれ、よつばちゃんじゃない」

よつば「ふーかー!いっしょにいくな?な?」

風香「? え?え?ど、何処に?」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

あさぎ「よつばちゃん、そんなの拾っちゃうの?」

よつば「うん!ひろいにいくってとーちゃんとジャンボがいってた!」

風香「ウニって拾えるの?」

恵那「海寒いよ、今」

綾瀬母「拾うっていうか潜るよね、ウニだと」

よつば「? ?」

風香「この時期に海って……小岩井さんってよくわかんないね」

綾瀬母「男なんていつまでたっても大きい子供よ」

綾瀬父「?」

あさぎ「うりゃっ」

ポコポコ

よつば「あははははは!きもちいいな!」

あさぎ「ほんとおさるさんみたいねー」

綾瀬父「かーさん、この栗食べてもいいのかい?」

綾瀬母「あーそれ貰ったやつよ、剥くやつ引き出しに入って…  !」

風香「!」

恵那「!」

あさぎ「!」

よつば「?」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

小岩井「何かいるもんある?」

ジャンボ「軍手くらいはあったほうがいいな。借りれるだろうけど一応」

よつば「ジュラルミンもいっしょにひろう!」

小岩井「連れてくのか?汚れるからおいてけ」

よつば「それはならん!」

ジャンボ「難しい言葉知ってんなこいつ」

よつば「かたづけない」

小岩井「かたじけないだろ。恵那ちゃん達は?」

よつば「よんでこようか?きょうはとらもくる!」

ジャンボ「トラ!?そ、それはあさぎさんといつも一緒だとかいう…」

よつば「そう!とらはかっこいい!いつもあさぎといっしょにいる」

ジャンボ「……か、帰ろうかな…」

小岩井「………?」

ブウゥン ガチャ

小岩井「お、来たな」

よつば「とら!」

とら「ん、おはよう。あさぎは?」

ジャンボ「女かよ!」

とら「! でか……」

小岩井「男だと思ってたのか?」

ジャンボ「…………」

とら「あ、おはようございます…」

小岩井「おはよ。ていうかとらこちゃんも呼ばれたんだ」

とら「はい、あさぎから電話で…。まぁ暇だったんで」

ガチャ

恵那「よつばちゃーん!」

よつば「えなー!」

支援

小岩井「……多いな」

あさぎ「ですね」

よつば「ばんごー!いち!」

風香「? に!」

恵那「さんー!」

あさぎ「よんー」

とら「……ご?」

小岩井「ろく」

ジャンボ「七人か…」

みうら「おい、忘れんな!」

ジャンボ「マセラティみうらか。小さくて見えなかったわ」

みうら「あんたがでけーんだろ!」

ジャンボ「んじゃ前俺が走るから、えーと…」

とら「とらこです」

ジャンボ「おーけー。とらこさんは付いてきてくれる?」

とら「んー…」

あさぎ「ん?どしたの?」

とら「いや、道中写真撮りたかったから運転は小岩井さんにまかせようかと…」

小岩井「俺?あぁ、別に構わないけど…。どんくらいかかんの?」

ジャンボ「一時間ちょいかな。午前中だし」

風香「誰がどこに乗るんですか?」

恵那「私はよつばちゃんとのりたいなー

よつば「よつばもえなとのるー!」

みうら「私も恵那と一緒にのるよ」

小岩井「ん、じゃよつば達はとーちゃんの方乗れ」

ガシッ

小岩井「?」

ジャンボ「………ムリだ」

小岩井「何が」

ジャンボ「緊張して事故ってしまったらどうする」

小岩井「……ちっせぇー……」

ジャンボ「うるせえ!ガキンチョは俺にまかせとけ」

よつば「? よつばどっちにのったらいい?」

ジャンボ「ガキンチョどもは俺の車だ!さー乗れ乗れ」

みうら「……キンチョーして無理とか言ったんだろーなどうせ」

恵那「あははは…」

とら「? じゃあ小岩井さんよろしく」

小岩井「うい。んじゃのろっか」

バタン

風香「とらこさんの車乗るの初めてだー」

とら「そうだったか。小さくてすまん」

あさぎ「へっへーあたし助手席~」

風香「…………」

小岩井「おぉ、結構いいなぁこの車」

あさぎ「狭いでしょー」

とら「うるさいな…」

風香「私は可愛くていいとおもいますよ?」

小岩井「うーし出るぞー。トイレは早めにいってくれなー」

あさぎ「はーい。しゅっぱつしんこー!」

小岩井ハーレムの巻

あさぎ「へっへーあたし助手席~」

風香「…………」

よつば「ジュラルミンもつれてきた!」

恵那「あーいいなー。私も連れてくればよかったかなー」

みうら「栗拾いだろ?ぬいぐるみもっていってどうするんだよ」

ジャンボ「夢のねー子供だなー!」

みうら「悪かったな!助手席なんか乗るんじゃなかった」

ジャンボ「マスタングみうらはコ・ドライバーだ!しっかりナビしてくれよ」

みうら「なんだよコ・ドライバーって!」

ジャンボ「うわーそんな事も知らないのか助手席のくせに」

みうら「関係ないだろ!そもそも… が… だから…!」

よつば「みうらとジャンボはいっつもけんかするなー」

恵那「喧嘩するほど仲がいいっていうよ?」

よつば「けんかするとなかよしなのか!?よつばけんかしたくないですけど…」

恵那「し、しなくてもいいんだよ?」

小岩井「やっぱ午前中は空いてるなー」

あさぎ「小岩井さんって車持ってるんですか?」

小岩井「いやどーみても持ってないでしょ… どこに隠してるんだよ」

あさぎ「買わないんですか?」

小岩井「んー… なくても困ってないからなぁ…」

とら「あたしが車なかったら今日はどうやって行ってたんですか」

小岩井「それは…」

風香「困った!今困ってる!」

小岩井「女が三人揃うとなんとやらだなー!」

とら「あ、カメラ持ってきました?」

小岩井「あぁ持ってきたよ。すげーいいわ、あれ」

風香「カメラ……」

小岩井「よつばに落とされたんだけど全然大丈夫だった」

とら「最近のやつは結構丈夫ですよ。防水だし」

小岩井「なに!?防水だったのかあれ…」

とら「ちゃんと説明しましたよ…」

あさぎ「”一緒に買いに行った”んだもんねー?」

とら「…いや一緒にというかだな…」

小岩井「俺はいいって行ったのに無理やりついてきてなー」

とら「なっ…!

小岩井「あはははは…」

風香「…………」

風香「とらこさんってカメラ詳しいですよねー。サークルとか入ってるんですか?」

あさぎ「入ってないわよー、人付き合い苦手だから」

とら「なんであさぎが答える…」

小岩井「あーでもわかる気がする。怖いもんな」

とら「怖いですか?私…」

風香「初めて見た時宝塚の人かと思った」

あさぎ「あははははは!男じゃん!」

とら「男じゃないだろ!宝塚だったら女だ!」

小岩井「言い得て妙だな。歌ってみてよほら」

とら「く…」

風香「とらこさんっていじられキャラでしたっけ?」

あさぎ「あはははは…!」

とーちゃん×とらって初めて見た

ジャンボ「よし、ちゃんとついてきてるな」

みうら「休憩?」

よつば「ジャンボうんこか?」

恵那「ぷっ…!」

ジャンボ「ちがう!こういうドライブはサービスエリアに入るのも重要なんだ」

よつば「じゅーよーなー!わかる!」

恵那「そー言われたらトイレに行きたい気もする…」

よつば「ジャンボはやく!えながたいへんだ!」

ジャンボ「なにっ!それはまずい!急がなくては!」

恵那「まっ、まだ大丈夫だよぉー!」

みうら「恵那!しっかりしろ!」

恵那「大丈夫だってば!怒るよもー!」

よつば「けんかしてるからなかいいな!あははは!」

小岩井「んー…。あとどんくらい?」

ジャンボ「もうすぐ。高速下りて15分くらい」

小岩井「案外近かったな。そして寒い」

ジャンボ「で、何か言ってたか?」

小岩井「? 何を」

ジャンボ「俺の事だよ!」

小岩井「あー…。ないな、全く。それはもう清々しいくらい」

ジャンボ「……ちくしょう!!なんでお前だけ!」

小岩井「なんだよ俺だけって!俺も何にもねーよ!」

よつば「えなまにあったか?」

恵那「間に合ったよもう!よつばちゃんはいかなくていいの?」

よつば「まだだいじょうぶ…かな!」

みうら「絶対大丈夫じゃなさそうだからいっとけ」

よつば「お、おー…」

風香「よつばちゃん!私も行くから一緒にいこー」

とら「トイレの前にちょっとこっちむいて」

よつば「カメラだ!」

タタタタタ…

とら「なんでお前はカメラを向けるとこっちに来るんだ…」

あさぎ「ほらほらよつばちゃん、並ばないと!」

ヒョイ

よつば「おー!あさぎにだっこされた!あははは!」

とら「…あさぎも入るのか」

>>35
昨日?とーちゃんが虎子に遭ってカメラを買うSSがあって、これに続いている

ジャンボ「お、なんだカメラか!俺も入れろ!」

小岩井「なんで前なんだよ!お前は後ろだろ!」

みうら「狭いだろ!大人が暴れんなよ!」

よつば「あははは!けんかだ!けんか!」

とら「……」

ガチャガチャ

あさぎ「何してんの?」

とら「いや、どうせなら三脚立てて撮ろうと思って…」

あさぎ「マメだねー…。トラも入ればいいじゃん」

とら「え、私は……。うーん… わかった」

恵那「集合写真みたいだねー」

風香「思い出は心で撮るもんなのよ」

あさぎ「いやそういうのはいい」

>>41
URLordatお願いし魔手

>>43
あさぎ「小岩井さんがこんにゃく屋さん?」
あさぎ「小岩井さんがこんにゃく屋さん?」 - SSまとめ速報
(http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1262504364/)

とら「じゃあ皆こっちに移動してください。そこだとトイレ写っちゃうんで」

よつば「あははははは!」

みうら「何が面白いんだ…」

ジャンボ「本格的だなあの子。顔が」

風香「!? 顔が?」

とら「じゃあ並んでー」

恵那「私はここー」

よつば「よつばはここ!」

みうら「じゃあここだな」

ジャンボ「俺はいつも後ろだな!」

小岩井「邪魔だからな」

トントン

小岩井「?」

あさぎ「(こないだと比べて、随分増えましたね)」

小岩井「(あぁ…。あれ机に飾ってるよ。フレームとあん時の写真)」

あさぎ「(えぇ!?あの変な顔のやつですか?)」

小岩井「(悪かったな!)」

あさぎ「(ぷっ…くく)」

風香「…………………………」

とら「じゃー撮りますよ。10秒なんで」

ジャンボ「こういう時絶対誰かがふざけて失敗するんだよな!」

みうら「やめろよ!」

とら「はい… っとと…」

タタタ…

あさぎ「こっちこっち!」

ちょっとPC離れます

とら「こ、ここ?」

あさぎ「うんうん」

よつば「にーってするんだぞ!」

恵那「にー!」

みうら「にーっ」

カシャ

小岩井「撮れた?」

風香「たぶん」

とら「よし…っと。ちょっと現像が楽しみだな」

小岩井「じゃー再出発しますか」

よつば「ラジャー!」

支援

あさぎ「小岩井さんって」
を書いたのも>>1

あさぎ「あ、幼稚園によつば迎えにいってくるね」
っていうSSがとても良かったんだが

>>56
あれは書いてて一番にやにやしました すいませもうしばらく離れます…

「よつばちゃん、悪いけどもう家に来ないでくれる?」
とーちゃん「よつば、とーちゃんはもうお前を育てられない」
を読んで鬱になった

あさぎ「小岩井さんって意外と面倒見いいですよね」

小岩井「意外と!?結構見た目どうりだと思うんだけど」

風香「見た目どおり子供ですよね」

小岩井「それは喜んでいいのか…」

とら「そういえば小岩井さんって幾つですか?」

風香「! あ、そういえば私も知らない!」

あさぎ「ん~…ギリギリ20代…はないか」

小岩井「結構若く見られるんだけどなぁ…。まぁ想像にまかせる」

あさぎ「あ!言いたくないって事は実は結構…」

風香「うわ!なんか聞きたくない!」

小岩井「待て。すごいの想像してないか?」

とら「割かし……」

ジャンボ「よつば、これから何しに行くかわかってるか?」

よつば「ばかにするな!わかってる!」

みうら「ほー…なにするんだ?」

よつば「ウニをひろう!なかにプリンがはいってる!」

恵那「あれ、まだウニだと思ってたんだ…」

ジャンボ「まぁ形は合ってるけどな!秋になるとおいしい食べ物を拾うんだ」

よつば「あきな!しってる!ふーかがふとる!」

みうら「あははは!」

恵那「食欲の秋だからね…ははは…」

ジャンボ「お、綺麗じゃねーか。ほら、外見てみろ。もうすぐ着くぞー」

恵那「わーきれー!」

よつば「おー!!あかい!やまがもえてる!」

ジャンボ「ははは!いいセンスだな、天城越えか」

よつば「あははは!あさぎごえー!」

ジャンボ「うーし、全員居るかー」

小岩井「落してはきてないと思う」

キョロキョロ

よつば「! とらだ!とらがいない!」

あさぎ「あれ?ほんとだ」

風香「あ、居た」

とら「すまん、ちょっと写真を…」

よつば「だんたいこーどーをみだすな!」

とら「怒られてしまった…」

恵那「栗拾いって初めてだー」

みうら「私は来たことあるなーちっちゃい頃」

よつば「さすがおひめさまなー…。たのしかったか?」

みうら「あんまり覚えてないけど、痛かった」

よつば「い、いたいのか!?」

みうら「うん、ちくっとした」

恵那「注射みたい?」

よつば「ちゅ、ちゅーしゃ……」

小岩井「? どーしたよつば。いくぞ?」

よつば「よ…よつばいたいのはいやです…」

風香「あはは、気をつければ痛くないよよつばちゃん!」

よつば「ほ、ほんとか?いたくない?」

風香「うんうん、まぁ痛くてもその痛みも楽しい思い出に…」

あさぎ「いたっ」

ジャンボ「痛いな」

よつば「いたい…」

風香「………」

小岩井「ほら、いくぞー」

職員「いらっしゃいませー」

ジャンボ「子供が3人と、大人5人」

職員「はーい、…円になりますー」

小岩井「結構安いな。そんなもんなの?」

ジャンボ「ん、大体そんなもんかな」

職員「はい、じゃあこちらの袋一杯まで持ち帰りになれます。追加の袋もありますからねー」

ヒョコ

よつば「いたくない?」

職員「気をつけて拾ったら大丈夫だよー。がんばってひろってねー」

よつば「おー!がんばる!」

ジャンボ「よつば達はあんま遠くいくなよー。俺が見える所までにしとけ」

恵那「はーい」

よつば「ラジャー!」

みうら「あんたが見えなくなったら何キロ先だよ」

風香「確かに…。どこまでいっても見えそう」

ジャンボ「それから怪我しないように軍手はめとけ。ほい」

小岩井「特によつば、気をつけろよ。俺も気をつけて見とくから」

風香「私がちゃんと見てます!」

小岩井「うーん……。それはそれで心配なような…」

風香「し、失礼な!これでも一応…」

小岩井「冗談冗談、いつもありがとね。今日も頼むよ」

風香「は……はいっ…」

よつば「とーちゃんしんぱいするな!それで、よつばはなにをすればいい?」

あさぎ「んー…っ はぁ。たまにはこういうのもいいかもねー」

とら「いい写真は撮れそうだ」

あさぎ「とらこさん軍手似合うね」

とら「ん?そうかな…」

あさぎ「んー… 麦わら帽子でも被せたらかっこいい農業って感じ」

とら「かっこいい農業!?栗拾いは農業か?」

あさぎ「さぁ……。でも、なんか不思議だねー」

とら「? 何が」

あさぎ「よつばちゃんが居ると自然と人が集まってくるじゃない?」

とら「そうだな」

あさぎ「よつばちゃんが居なきゃ、こんなイベントもなかっただろうし」

とら「確かに…」

あさぎ「誰かにも出会えてないわけだし?」

とら「……乙女か」

あさぎ「じゃー拾いますか!」

とら「来たら来たでテンション高くなるな、あさぎって」

あさぎ「楽しまなきゃ損じゃない?あ…!

とら「どうした?」

あさぎ「シュシュ忘れた…」

とら「……長髪は面倒だな」

あさぎ「あたしがとらみたいな髪型似あうと思う?」

とら「さぁ…聞いてみたらいいだろ。案外短いほうが好きかもしれないぞ」

あさぎ「え……」

とら「すごい顔になってるぞ…」

ヒョイ

よつば「おー!これがくりか……。なんという…」

風香「よつばちゃん栗見たことない?大きいのがいいのよー?」

恵那「小さい方がおいしいんじゃないの?」

みうら「すごい数だなー。こんなに落としちゃって大丈夫かね?栗の木」

ジャンボ「熟した実が落ちてるから落としてるわけじゃないぞ」

よつば「でもプリンじゃないな?このなかか?」

小岩井「駄目だな開けて食うまで信じてそうだ」

風香「でもどうしてこんなイガがあるんでしょうね?いたい…」

小岩井「そりゃ食べられたくないからだろ?」

ジャンボ「しかし栗も過剰防衛だな。ただでさえ身が堅いのにイガまで…」

小岩井「危ない時代だからな…」

みうら「そういう問題か…?」

あさぎ「おー落ちてる落ちてる」

とら「私の分まで頑張ってくれ」

あさぎ「そんなに体力持つかなー… あ、こーいーわーいーさん」

小岩井「? あぁ、あさぎちゃん。結構気持ちいいね。空気が澄んでる」

風香「(あさぎ”ちゃん”…………)」

あさぎ「たまにはいいですよね、自然!って感じも」

小岩井「うん。でも首が痛い。あと腰も」

あさぎ「あはは。あたしは髪が邪魔です」

小岩井「確かに邪魔そうだ。まとめないの?」

あさぎ「まとめるやつ忘れちゃったんで…。髪長いの嫌いですか?」

とら「結局聞くのか…」

小岩井「自分?それとも好みの話?」

あさぎ「好みの話で」

小岩井「んー…。まぁ似合ってればなんでも…。あさぎちゃんはいいと思う」

あさぎ「またまたー、褒めてもイガぐらいしかあげませんよ」

ヒョイ

とら「それは確かに褒め甲斐のない…」

小岩井「まぁ…イガだけに意外と…」

あさぎ「……あ、おっきい栗みーっけ…」

とら「……」

トントン

風香「……どんまい小岩井さん。私はうけましたよ、クスっと」

小岩井「…風香ちゃんに励まされると何故だか負けた気がするな」

風香「ど、どういう意味ですか?」

ジャンボ「つまんねーって意味だろ」

風香「ちょっと!貴方達か弱い少女に向かって失礼過ぎません?」

よつば「ふーか!ふーか!

風香「ん?」

よつば「あしどけて!ふといから見えない」

風香「ふとい……」

ジャンボ「イガがこげ茶色になってるやつがよく熟してるやつだ」

恵那「これは?」

ジャンボ「おーいいな。あとイガが裂けてるだろ?その裂け目も広いほうがいい」

みうら「ほんとなんでもしってんなー」

よつば「ジャンボははかせだな!くりはかせ!」

小岩井「栗博士か。すごいな」

ジャンボ「インドアに籠れなかったんだよ。でかくて」

小岩井「なるほど…」

ジャンボ「世界は小さすぎる!!!」

恵那「あはははは…」

風香「太いかな…」

ムニムニ…

小岩井「お… 変な形…」

よつば「とーちゃん!でっかい!ジャンボくりみつけた!」

小岩井「でかっ!でかいな…。あんまりでかいと味悪そうだな」

よつば「あじ…。でかいのはまずいのか?」

ジャンボ「でかくてもいいじゃねーか!!」

みうら「うるせー!栗の話だろ!」

ジャンボ「でかいやつは食べ応えはあるぞ。味はほんとに個体差だな」

小岩井「だってさよつば。食べてみるまでわからん!とーちゃんはこんなの見つけたぞ」

恵那「わー変なかたち…。どんぐり?」

みうら「ほんとだどんぐりだな」

よつば「どんぐりおちてるのか!?とーちゃんだけずるい!それはよつばの!」

小岩井「ちゃんと栗だ!あとこういうのはたぶんおいしくないから戻しとけ」

よつば「……それはもってかえる」

小岩井「……そうか…」

あさぎ「あーゆーとこ見ちゃうとなんか子持ちって感じだよね」

とら「……まぁ子持ちだからな」

あさぎ「子持ちかー…」

とら「…何の心配だ」

あさぎ「…将来?」

とら「…まぁ、いい人だけどな」

あさぎ「あれ?狙ってる?」

とら「うん、って答えたらどうするんだ?」

あさぎ「……」

サッ

とら「投げるなよ。絶対痛いから」

あさぎ「嘘よ嘘。なんでアレがモテるのか…」

小岩井「違う違う!俺のは数じゃなくて質だから!お前のは数だけ!安かろう悪かろう!」

ジャンボ「値段は一緒だろうが!お前のはたぶん味も悪い!飼い主に似るからな!」

小岩井「どう?」

あさぎ「じゃーん。結構集まったでしょ?」

小岩井「おーほんとだ。まぁ、勝ったけど」

あさぎ「えぇ!?勝ち負けとかあったんですか?」

小岩井「あるある。負けた人はイガしか食べれない」

あさぎ「えー…じゃあ真剣に拾えばよかったなー」

ジャンボ「まぁ俺が一位だからコイは三位だな」

小岩井「! 待てよ!俺勝ってるだろ!みろ艶が違う!」

ジャンボ「あさぎさんに譲れ!」

小岩井「なら一位を譲れよ!」

とら「……子供は5人だったんじゃないか?」

風香「………はー…。私じゃ絶対無理だよねー…」

ズルッ

風香「うわっ…!」

ドサッ

風香「あいたたた…」

あさぎ「イガって食べられるんですかね?」

ジャンボ「食べろとおっしゃるなら…」

とら「食べるんですか?」

小岩井「!」

タタタ…

小岩井「大丈夫?」

風香「あ、小岩井さん……。ははは…転んじゃいました」

小岩井「よつばが一番かと思ったら風香ちゃんだったね。ほら立って」

グイ

風香「あ…。すいません… いたっ」

小岩井「ちょっと血出てるな。イガが刺さったかな?えーと消毒消毒」

ゴソゴソ…

風香「……」

小岩井「ちょっと沁みるけど我慢してね」

シュー…

風香「いてて…。こういうのいつも持ってるんですか?」

小岩井「よつばが居る時は大体持ってるかな。よく転ぶし」

風香「なんか恥ずかしいなー…」

小岩井「ほんとだよいい年したねーちゃんが」

風香「す、すいません…」

ペタペタ

小岩井「冗談だよ。ん、これでいいかな。もう転ぶなよー」

風香「大丈夫です!あの、ありがとうございます」

小岩井「いいっていいて」

風香「……あの!」

小岩井「? どしたの」

風香「……私って…魅力……ないですか?」

小岩井「へ?」

風香「い、いやっ!あのっ、別に変な意味じゃなくてですね!」

小岩井「んー…。あ、恋愛相談的な?」

風香「え、ああ、まぁそんなとこです…ハイ…」

小岩井「んー…魅力って何かあんまりわかんないけど、風香ちゃんはいい子だと思うよ」

風香「そ、そうですか?」

小岩井「よつばの面倒もよく見てくれるし…。元気だしね」

風香「……じゃ、じゃあ…あの…私と…あさ…」

よつば「とーちゃーん!どこだー!ジャンボがこけたー!あはははは!」

小岩井「今度はジャンボか!よく地震起きなかったな…。ごめん、なんて?」

風香「な、なんでもないです!ほ、ほら!ジャンボさんのとこいかないと!」

小岩井「? そうだな、早く笑いに行かないと」

ジャンボ「ぐおおおお栗の復讐だ!」

よつば「あはははは!ジャンボだいじょーぶか!あはははは!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

ジャンボ「うーし、皆居るかー?そろそろ帰るぞー」

恵那「はーい!みうらちゃんよりとったかなー?」

みうら「恵那よりはとってないと悔しいな」

恵那「えー私もがんばったよ?」

風香「こんなにたくさん取っちゃって栗の木さんごめんね」

みうら「栗の木さんって名前みたいだな…。ふーか姉ちゃん手大丈夫?」

風香「大丈夫大丈夫!バンソーコーも貼ったしね」

よつば「とーちゃん!ほら!」

小岩井「おーいっぱいとったなー。重くないか?」

よつば「だいじょうぶ!とーちゃんは?」

小岩井「ほら、これぐらいだな」

よつば「おー!たいりょーたいりょー!」

あさぎ「小岩井さん、デジカメ使いました?」

小岩井「あ…。そういや全然撮ってないな」

とら「何のために買ったんですか?」

あさぎ「あたしと写真撮るためですよね?」

小岩井「まぁ…確かに今の所それくらいしか活躍してない気がするな」

とら「……バカップルなのか?」

小岩井「とらこちゃん結構撮ってたよね、現像したら焼き増し頼む。現像代渡すから」

とら「そのつもりですよ。子供撮るのって思ったより難しかったです」

あさぎ「よつばちゃんよく動くもんねー。ずっと走ってるし」

よつば「あはははは!」

ダダダダ…

恵那「あーよつばちゃん栗おとしてるよぉー!もー!」

ジャンボ「なんだまだ明るいな」

みうら「まだ5時にもなってないんだから当たり前だろ」

ジャンボ「秋はつるべ落としって言ってな、日暮れが早いんだよ」

小岩井「んじゃもっかい集合写真でも撮っとくか」

ジャンボ「そうだな、よーしガキども並べ!」

よつば「おー!」

恵那「おー!」

とら「じゃあ三脚出さないと…。あ、鍵…」

小岩井「あ、俺だったな。はいよ」

チャリン

とら「ども」

とら「じゃあ撮ります」

カチッ… タタタ…

あさぎ「こっちこっち」

とら「一枚目と同じか」

ジャンボ「皆笑えよー!」

よつば「ジャンボこけたのにな!」

恵那「ぷっ…!」

みうら「あはは!」

風香「あははは!」

ジャンボ「うるせー!」

カシャ!

小岩井「さてと、帰りますかー…」

よつば「よつばとーちゃんとのる!」

小岩井「ん?そうするか。お前もう眠いだろ」

よつば「ねむくない!たのしいからなー!」

風香「あ、じゃあ私ジャンボさんの方乗ります」

ジャンボ「? いいけど…なに?俺の隣がいいの?」

風香「それは結構どうでもいいですけど…」

ジャンボ「……」

あさぎ「あら、よつばちゃんと一緒かー」

よつば「あさぎととらといっしょかーしかたないなー!」

とら「私の車なんだけどな…」

小岩井「途中どっか寄るか?」

ジャンボ「いや、一気に帰っちまおう。んじゃついてこいよ」

小岩井「ん。よーし乗った乗った」

よつば「よつばがじょしゅせき!チケットとる!」

小岩井「? お前どうせ寝ちゃうから後ろにしてくれ」

あさぎ「じゃああたし助手席のろっかな?」

とら「……」

よつば「よつばもじょしゅせきがいい!」

小岩井「んー… 起こすのも面倒なんだが…」

あさぎ「よつばちゃん!知ってる?えらーい人は助手席じゃなくて後ろに座るのよ?」

よつば「うしろはえらいのか?シェフもか?」

あさぎ「シェフ?そう、シェフも後ろに乗るのよー偉いから。よつばちゃん今日いっぱい取ったから偉いよ?」

よつば「おー…。ならよつばはうしろかな!えらいから!あははは!」

小岩井「……子供騙すのが上手いねーちゃんだなー…」

とら「……そういうところは関心するな」

あさぎ「一応妹が二人もいるもんで。さー乗った乗った!」

恵那「ジャンボさん」

ジャンボ「ん?」

恵那「どうして栗をクーラーボックスに入れるの?」

ジャンボ「あー、一応栗も生ものだからな。どうせなら新鮮なほうがいいだろ?」

みうら「ほんとなんでも知ってんなー。勉強教えろよ」

風香「あ、私も」

ジャンボ「勉強はしらん!自分らでやれ!」

みうら「どうせ出来ないとは思ってたけどな」

ジャンボ「偏見か?でかさに対する偏見がそうさせるのか?」

風香「……」

ジャンボ「どーした少女。元気ねーな」

恵那「手痛いの?」

風香「違う違う!手は痛くないよ?手は」

ジャンボ「頭か。頭が悪いのか?」

風香「やかましい!」

よつば「とらはいつもカメラもってるな?おもしろいか?」

とら「写真は面白いな。難しいけど」

よつば「よつばもしゃしんとれるよ!カメラもってる!」

あさぎ「あたし以外に何撮りました?買ってから」

小岩井「あさぎちゃんしか撮ってないみたいな言い方だな。結構撮ったよ。すげー撮れる」

とら「4ギガのメモリだし、いっぱいにするほうが難しいですよ」

よつば「ちっさいけどしゃしんみれる!みるかー?」

あさぎ「あー見たい見たいー。見てもいいですか?やましい物写ってません?」

小岩井「……ないとは思う。カバンに入ってるよ」

ゴソゴソ…

あさぎ「あったあった」

ピッ

あさぎ「ぷっ… これ一枚目だったんですね」

小岩井「自分だけいい顔しててよかったね」

よつば「とーちゃんはいつもへんなかおしてるなー!あははは!」

あさぎ「わーよつばちゃんの写真ばっかり」

小岩井「撮ってても飽きないよ。未だに予測不能な動きするから」

とら「確かによつばって他の子供とちょっと違いますよね」

よつば「? よつばへんか?」

あさぎ「んーん、すてきって意味よよつばちゃん」

よつば「おー!よつばすてきかー!とらもすてきな!」

とら「あ、ありがとう」

小岩井「よつば、とーちゃんはどうだ?すてきか?」

よつば「んー…。とーちゃんは…あとちょっとだなー」

小岩井「あとちょっとかー。がんばらないとな」

あさぎ「ぷっ… 小岩井さんとよつばちゃんの会話って、ほんと微笑ましい」

とら「子供と子供だからな」

小岩井「なんか嬉しいのかどうかよくわからんな」

ジャンボ「なんだ子供二人は寝たか」

風香「結構はしゃいでたからなー」

ジャンボ「風香ちゃんは眠くないのか?寝てもいいぞ」

風香「料金所で困りません?眠くないし大丈夫ですよ」

ジャンボ「そうかーいい子になったもんだ」

風香「元々いい子ですよ!」

ジャンボ「やっぱり大勢で行くと楽しいもんだな、アウトドアは」

風香「そーですねー…」

ジャンボ「? やっぱり元気ねーな。眠いのか?」

風香「眠くはないですけど…」

ジャンボ「なんだ悩み事ならジャンボおにーさんに話してみろよ!」

風香「ジャンボおじさんに言ってもなぁ…」

ジャンボ「おにいさんだって言ってるだろ!」

風香「私って魅力ないですかね?」

ジャンボ「魅力なぁ……無いことは無いと思うけどな」

風香「随分と遠回りな…」

ジャンボ「姉があさぎさんだもんなぁ…」

風香「皆あさぎ姉ちゃんばっかり…!あんなお姉ちゃんいたらそりゃ私なんて…」

ジャンボ「………魅力なぁ。俺は風香ちゃんのハキハキして元気な所好きだけどな」

風香「! す…すきって…」

ジャンボ「魅力なんてもんはあるとかないとか、そういうんじゃないと俺は思うぞ」

風香「……」

ジャンボ「自然であるがままの姿だったら、なんだって綺麗なもんだ」

風香「……」

ジャンボ「んな事で縮こまってる風香ちゃんより、何時も通り元気な風香ちゃんの方がよっぽど魅力的だ」

風香「……」

ジャンボ「栗だってそうだろ、自然に熟して、落ちて、美味い。あいつら自分の魅力なんて考えてもいないぞ」

風香「はは……。私は栗と一緒ですか?」

ジャンボ「言ってて俺もよくわらかん!何があったかわからんが、気にしすぎはよくないってこったな」

風香「………ジャンボさんって、いい事言えるんですね」

ジャンボ「当たり前だろ、花屋だからな」

風香「花屋関係あるんですか?なんか…すっきりした気がします!」

ジャンボ「おーその意気だ。元気が一番!」

風香「あーお腹すいた!早く栗ごはん食べたい!」

ジャンボ「まぁ、あとは食べ過ぎに注意するくらいだな」

風香「う……」

ジャンボ「はっはっはっ」

よつば「すー… すー…」

とら「ん、寝たか…」

あさぎ「ふふ… とらこが子供に膝枕してるとこなんて滅多に見れないですよ」

小岩井「なに、そりゃ写真に撮っとかないと」

とら「いや、それは…」

あさぎ「はーいとらこちゃーんこっちむいてー」

とら「う……」

パチ

あさぎ「あはははかわいー」

とら「撮られるのは嫌いだ…」

小岩井「俺にも見せてくれよー」

あさぎ「だーめーでーす。ちゃんと前みて運転してくださいっ」

パチ

小岩井「何撮ったの?」

あさぎ「横顔。運転してる時は割とまじめな顔してますよね」

小岩井「失礼な。いつも真面目な顔してるだろ?」

あさぎ「うーん… ぷっ!なんですかこの写真?」

小岩井「すまん見れない」

あさぎ「パンツかぶってる人が写ってますけど」

小岩井「あぁ、それは俺」

あさぎ「それはわかります…くく…」

小岩井「パンツマンを知らんとは!おっくれてるぅー」

あさぎ「ええ!流行ってるんですかこれ?」

小岩井「うん。少なくとも小岩井家では流行ってる」

あさぎ「是非小岩井家の中だけで止めといた方がいいですよ」

小岩井「よつばに撮らせても綺麗に撮れるからすごいよなー」

あさぎ「あ、そうかこれよつばちゃんが撮ってるのか。どうりでローアングルなわけだ」

とら「すー…すー…」

あさぎ「あ、とらこも寝ちゃった…。小岩井さんの運転って眠くなるんですか?」

小岩井「ですか?と言われてもなぁ…。あさぎちゃんは?眠いなら寝ていいよ」

あさぎ「だいじょーぶですよ。気球の帰りとほぼ同じ状況ですね、これ」

小岩井「あー…。恵那ちゃんが居ないけどな」

あさぎ「そういえば車も違いますね」

あさぎ「…………」

小岩井「……」

あさぎ「片手、暇ですか?」

小岩井「……」

スッ

あさぎ「これで同じ状況…かな?」

ギュ

小岩井「……そだね」

あさぎ「別に深い意味はないですよ?なんとなーく…ね」

小岩井「なんとなくなぁ…。まぁ、安心するな。手握ってると」

あさぎ「そう!よくわかってらっしゃる」

小岩井「よつばもも少し小さい頃は、手握ってやんないと寝なかったんだよ」

あさぎ「へー……」

小岩井「今じゃ御覧の通り、平気で寝てるけどね」

あさぎ「かわいー寝顔ですよね…」

小岩井「ん、それは俺も思う」

あさぎ「親バカってやつですか?」

小岩井「ははは…。そうだなぁ」

あさぎ「でも、よつばちゃんの気持ちわかるな。小岩井さんの手ってすっごい安心します」

小岩井「そう?そういう商売でも始めようかな。手、握ります!みたいな」

あさぎ「あははは…!」

ガチャ ガチャ バタン

風香「んー…!!!はぁー!着いたー!」

小岩井「あれ?運転してたの風香ちゃんだっけ?」

風香「あははは…」

ジャンボ「おつかれー。栗分けるかー」

とら「んー…っ。また寝てしまった…。小岩井さんの運転だと何故か眠くなる…」

ピッ

あさぎ「みてみて、かっわいーでしょ?眠る虎と子供」

とら「な…!盗撮じゃないか」

よつば「ただいまー!よくねたなー?」

小岩井「うん、お前はほんとによく寝たな?ちゃんと夜寝ろよ」

よつば「おー!そうだ!かーちゃんにもただいまいってこないと!」

恵那「あーまってよよつばちゃーん!」

みうら「…誰んちだ?ここは…」

ガチャ

よつば「ただいまー!」

恵那「ただいまー!」

みうら「ただいまー」

綾瀬母「あらおかえりー。思ったより早かったわねー」

よつば「みてみて!ひろったー!!」

恵那「私もこんなにひろったよー」

綾瀬母「あらほんとにいっぱいあるわね…」

恵那「ふーかお姉ちゃんとあさぎお姉ちゃんの分もあるよ?」

綾瀬母「まぁなんとかなるでしょ。じゃー早速栗ご飯の用意でもしようかな?」

よつば「? くりごはんってなんだー?」

綾瀬母「あ、小岩井さんまだ外に居る?」

みうら「いるいる。でっかいのとしゃべってるよ」

ガチャ

綾瀬母「どーもー。お世話になりました」

小岩井「あぁ、いえいえ。大勢いた方が楽しかったです」

ジャンボ「俺は栗に復讐されました」

よつば「ジャンボ!かたぐるましてかたぐるま」

綾瀬母「あら痛そう。おっきすぎて栗にびっくりされたんじゃない?あ、小岩井さん栗どうやって食べる?」

小岩井「あぁ…そういえば考えてなかったな…栗ご飯とかにします」

よつば「あははは!たかいたかい!かーちゃんよりたかい!」

綾瀬母「ご飯は炊けるわよね。うちの味でよかったら余った分で何か作ろうか?」

小岩井「あぁ…それはすごく助かります。あんまわかんないんで」

綾瀬母「いいのいいの、じゃあ出来たら誰かにもっていかせるから」

小岩井「ありがとうございます。よーし、よつば、飯の支度するか?」

よつば「おー!おなかぺこぺこですので!」

綾瀬母「みうらちゃんもご飯食べていったら?家には電話してたげるから」

みうら「そーしよっかな?お願いします」

恵那「やったーみんなでごはんだぁー」

綾瀬母「よーしじゃあ皆手伝ってね」

恵那「はーい!」

とら「ふー… やっと吸えた…」

あさぎ「あんなとこで吸ってたらすぐ山火事になっちゃうもんね」

とら「あ、小岩井さん。今日もお世話になりました」

小岩井「あーいいよいいよ、車貸してくれてありがとね。気をつけて帰ってください」

とら「はい。また写真もってきますんで」

ジャンボ「……あんまり喋ってないですが俺も待ってます」

とら「は、はい……」

よつば「とーちゃんかぎかしてかぎ!」

小岩井「あぁ、はい。ちゃんと手洗いとうがいしろよ」

あさぎ「よつばちゃん、今日楽しかった?」

よつば「んー… ぼちぼち?」

とら「辛口だな…」

小岩井「どっから覚えてくるんだ…。ちょー楽しかったな?」

よつば「それはあたりまえ!!」

あさぎ「あははは、当たり前かー。じゃあよつばちゃんまた明日ね」

よつば「うん!おみやげをもっていく!」

あさぎ「栗はいらないわよ?」

よつば「ジャンボはやくはやく!はやくよういしないと!」

ジャンボ「なんだ忙しない奴だなー… あさぎさん!またどこか行きましょうね!」

あさぎ「はーい。今日はありがとうございました!また連れてってくださいね」

ジャンボ「何処へなりとも!おまかせください!では!」

ガチャン

風香「……あの巨人完全に私には目もくれてなかったんですけど」

小岩井「…風香ちゃんだからなぁ…」

風香「どういう意味ですか!」

小岩井「しかし、お隣だとバイバイって言っても意味ない気もするな」

あさぎ「ほんとですねー。さて、うちも用意しますかー」

風香「あさぎ姉ちゃん全然手伝わないくせに」

とら「…手伝えよ」

小岩井「ほんとに」

あさぎ「手伝うわよ!るっさいわねー…。そんじゃ、いちおー”バイバイ”」

フリフリ

小岩井「ん、おつかれー。とらこちゃんもお疲れ様。写真楽しみにしてるよ」

とら「はい。それじゃあ」

ガチャ ブォン…

風香「とらこさんさよなら!」

プップッ! ブゥゥゥン…

小岩井「ふー…。さて、俺も飯の支度するかー…。二人ともいつもありがとね」

あさぎ「いえいえこちらこそ」

風香「よつばちゃんのおかげで毎日楽しいですよ。騒がしいけど」

小岩井「…面目ない。それじゃまたね」

あさぎ「はーい!おつかれさまー」

ガチャン

あさぎ「あー疲れた…。さ、はいろ」

風香「あさぎ姉ちゃん!」

あさぎ「? なに?」

風香「……勝てないだろうけど、負けたくはないから!」

あさぎ「? ……よくわかんないけど、ま、がんばんなさい」

風香「はいろはいろ!お腹すいた!」

あさぎ「はいはい…」

ガチャン…

ジャンボ「鬼皮かってーな」

よつば「おに?おにってあのおにか?」

小岩井「そういやそれそんな名前だっけ」

よつば「とれたか?なかはだいじょうぶか?」

ジャンボ「うし剥けた。ほらよつば、これが栗の中身だ!」

よつば「……?かたい…」

ジャンボ「ははは。そりゃ生栗だからな。茹でると柔らかくなってうめーぞ」

よつば「それうにちがう!」

小岩井「うにじゃない栗だ。出来るまで遊んでろ。そうかあいつ栗見たことなかったか…」

ジャンボ「まぁ普段から食うもんじゃないしな。鍋これか?」

小岩井「いや、もうちょっと大きいのがある」

よつば「……はーおなかすいたなー…」

ジャンボ「しかし男二人で料理ってのもなぁ…」

小岩井「それもそうだけど作らないと食えないというジレンマがある」

ジャンボ「結婚してぇー…」

小岩井「……」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

小岩井「よし、味噌汁もできたし、あとは炊けるのを待つのみだな」

ジャンボ「結構時間かかったな。割と腹が減った」

小岩井「栗剥くのが遅すぎたんだな」

ジャンボ「いや、お前の米を洗う時間が長かった」

タタタ…

よつば「できたか!?たべようか?」

小岩井「いや、もうちょっとまて。とーちゃんも腹が減って死にそうだ」

ピンポーン

よつば「だれかきた!」

小岩井「あー俺が出るよ」

ガチャ ガチャン

あさぎ「こんばんわー」

小岩井「あら、あさぎちゃんが来たのか」

あさぎ「あれ?あたしじゃご不満でした?」

小岩井「うわ、めちゃくちゃ良い匂いだな!」

あさぎ「あれー今日は香水つけないんだけどなー…」

小岩井「…この匂いがあさぎちゃんから出てたら俺はちょっといやだな」

あさぎ「栗となんかの炒め物らしいです。渋皮煮は時間かかるんで、明日にでも」

小岩井「すごい助かる。ありがとうございます」

あさぎ「いえいえ」

あさぎ「じゃーうちもご飯なんで、行きますね」

小岩井「あぁ、ごめんねわざわざ。皿はもっていくから」

あさぎ「わかりました。あ、そうだ」

小岩井「?」

あさぎ「”とーちゃん”の顔してる小岩井さんも、好きですよ」

小岩井「あ、ありがとう…。突然言われると照れるな」

あさぎ「……こないだの続き、いつか聞かせてくださいね」

小岩井「あぁ…頑張る」

あさぎ「それじゃあ…」

小岩井「ん…おやすみ」

あさぎ「まだ早くないですか?ふふ… おやすみなさい」

ガチャ…

ジャンボ「風香ちゃんか?」

小岩井「いや、あさぎちゃんだった」

ジャンボ「なに!?貴様図ったな!!」

小岩井「栗ご飯は?炊けた?」

ジャンボ「炊けた炊けた。今丁度」

小岩井「? どうしたよつば」

よつば「よつばはおなかがすいてちからがでない」

小岩井「どっかで聞いたことあるなそれ…。ほら、飯だ!」

ガバ

よつば「! なんかいいにおいがするな!?きょうはごちそうか!?」

ジャンボ「すげーいい匂いだな!綾瀬家いい仕事するじゃねーか!」

小岩井「よしよつば、落書き帳を片付けろ!」

よつば「おー!!」

ガラガラ

綾瀬父「お、いい匂いだね」

あさぎ「おかーさん!知らない人が匂いにつられて入ってきた!」

恵那「もうおねーちゃん…。おとーさん!私がとってきた栗だよー?」

風香「たぶん私がとったのはこのへんのやつかな?」

みうら「わかるの?すげーなふーかねーちゃん」

綾瀬母「さー食べようか!あ、小岩井さんなんか言ってた?」

あさぎ「いい匂いだー!みたいな事言ってた。こりゃ確かに良い匂いだ」

綾瀬母「それはそれは」

恵那「おなかすいたぁー」

綾瀬母「よし、じゃーいただきまーす」

風香「いただきまーす!」

小岩井「おぉ、思ったより豪華だ」

ジャンボ「綾瀬家の差し入れがなかったら質素だけどな」

よつば「とーちゃん!はやくはやく!」

小岩井「うし、そんじゃー食べるか!」

よつば「うん!いただきます!」

ジャンボ「いただきます」

小岩井「いただきます」

カチャカチャ

よつば「んー!うまい!とーちゃんこれなんだ!うまいぞ!」

小岩井「栗だ栗!お前今日なにしてたんだ!」

ジャンボ「確かにうまいな!うまいな!」

よつば「あはははは!ひろいぐいだな!」

小岩井「ひろいぐいかー。なんか違う気もするけどな」

よつば「はーこれがくりなー…」

ジャンボ「な?うまいだろ?」

よつば「うまい!シェフをよべ!」

小岩井「目の前に居るんだけどな」

よつば「はー…こんなおいしいものをおとすなんてばかだなー」

小岩井「まぁ…それもそうだな」

よつば「おとしものなのにかえさなくてだいじょうぶか?」

ジャンボ「もう食べちゃってるぞ、どうするんだよつば」

よつば「! な、なにかかわりのものを!」

小岩井「かわりの物を返すのか」

よつば「……うに!こんどうにをかえす!それでちょうど!」

ジャンボ「うにをか!?」

小岩井「豪勢なお返しだな」

よつば「あははははは!とーちゃんおかわり!」

小岩井「ん」

ジャンボ「あ、ついでに俺のも頼む」

小岩井「……」

よつば「ジャンボはくいしんぼーだなー!」

ジャンボ「美味いからな!ははは!」

小岩井「栗拾い行ってよかったか?」

よつば「よかったかな!なかなかのできばえだった!」

ジャンボ「中々の出来栄えか」

小岩井「そっかー。じゃあ、また行こうな?」

よつば「うん!!!!!」

ドサッ

あさぎ「はー……つかれた……」

ガチャ

恵那「あさぎおねーちゃんおやすみー!」

あさぎ「はーいおやすみー。今日楽しかった?」

恵那「うん!あさぎおねーちゃんは?」

あさぎ「楽しかったわねー。お風呂空いてる?」

恵那「えーっと、今風香おねーちゃんが入ってるかな?」

あさぎ「そっかそっか、わかった。おやすみ」

恵那「うん、おやすみー!」

ガチャン…

あさぎ「……続き、聞けるのかなー…なーんて」

ゴロゴロ…

あさぎ「……”頑張る”か…。意気地なし…。ま、あたしもがんばりますか!」

続く

一応ここまでにしときます。だらだらと書いてたらすごい時間書いてたな…
保守ってくれた皆さんありがとうございました。ゆっくり寝てください。誤字脱字はスルーでお願いします

ちょっと前にあったあさぎととーちゃんが買い物に行ってなんやかんやってスレあんたか?

あさぎ「小岩井さんって」 - SSまとめ速報
(ttp://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1259651499-0.html)
これから続いてるのか?

>>201
そうです

>>210
それいつも言われるけど書いたのは自分じゃないです

あさぎが脳内でひょこひょこ歩くから書きたい衝動にかられるけど時間がなくて困る
あさぎかわいいよあさぎ

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