岡部「拾ったテレカを使ったら未来に跳ばされてしまった…」2ndゲーム (509)

このスレはVIPに投下した
岡部「拾ったテレカを使ったら未来に跳ばされてしまった…」
の都筑です

前回のお話は
とか
http://maoyuss.blog.fc2.com/blog-entry-1254.html
に有りました

月産80レスペース目標でいきますよ~

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1343745843

前回までのあらすじ

サイレンゲームの参加者となった鳳凰院凶真は二度の参戦をものともせず生還
おなじく参加者との一人、雨宮桜子の師に当たる謎の女性サイキッカー八雲祭に保護されたのだった
サイレンの未来を防ぐ計画”オペレーションギャラルホルン”の運命や如何に

祭「PSIにはお前の知っている通り3つの構成要素があるよな?」

岡部「ライズ、トランス、バーストか」

祭「そう・・・で、今のお前は辛うじてライズが使える状態ってわけだ」

岡部「そろそろ次の段階・・・ご高説を続けてもらおう」

祭「本来ならこっちを先に訓練するのが筋なんだが・・・
   お前にはバーストの訓練を受けてもらう!」

岡部「ほほう」

祭「説明ついでだ・・・とりあえずファミレスいくぞ!」

--------------->

岡部「ここは・・・某有名ファミレスチェーンじゃないか!」

祭「なにをそんなに驚いているんだ?さあ、入った入った!」

岡部「(思い返せばコ○スなんていつ以来だ?外食はもっぱらサンボの牛丼かメークインだし・・・)」

祭「さあ、好きなだけ飲み食いしろ!貧乏学生に免じてここのお代はいくら食べても私のオゴリだ!」

岡部「オゴリもなにも、バイキングメニューじゃないか!」

祭「ちょっとした景気づけだよ

   一日の英気は朝にあり・・・ってな!
   それとも、無一文で放り出されたいかい?」

岡部「生意気言ってすみませんでした」

祭「そうそう、メシに気を取られて忘れても困るしな・・・

   好きなだけとはいったが、コーヒーとクリームは忘れずに持って来い
   ドリンクバーコーナーで混ぜずにな」

岡部「なぜ?」

祭「言っただろう?訓練の為さ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

岡部「大分食べたものだ
     これで800円とは高級志向ファミレスと名高いココ○としては意外と安いな」

祭「腹も膨れたところで、そろそろバーストの訓練と行きましょうか」

岡部「やっとか
     正直、待ちくたびれたぞ」

祭「よ~く見てろよ・・・

   まず、コーヒーにクリームを入れる
   次に、模様を頭に思い浮かべ・・・念じる」

岡部「コーヒーの表面がぐるぐる動いて・・・おお、見事なドクペのロゴが!」

祭「これがテレキネシス・・・バーストの基礎にして色々応用が効く能力だ」

岡部「テレ?サイコキネシスとは違うのか?」

祭「学術的な用語の差で意味的にはほぼ同意さ
   それに今時サイコキネシスはポケモンのイメージが強いしな」

岡部「(確かに俺もポケモンのイメージで・・・)」

祭「この模様も私が思い浮かべたイメージに合わせて放出されたバースト波動が作ったもの・・・
   とりあえず、やってみろ」

岡部「むむむ!」

ググググ...キン!

岡部「頭が・・・のぼせたように」

祭「初めてにしちゃあ上出来だが・・・その様子じゃまだまだ」

岡部「こんな崩れた模様じゃ、子供の落書き以下か」

祭「なんにせよ訓練あるのみだ!

   とりあえず、あと何回かはやる時間がある
   ドンドン、挑戦してみろ!
   (私は怪しまれないように時間いっぱいスクランブルエッグをがっついておこう)」

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【祭のマンション】

祭「さーて、初めてのテレキネシスはどうだった?」

岡部「どう・・・っと言われてもなあ
     数回やっただけで、もう頭がのぼせたみたいな感覚だ」

祭「(普通なら五芒星とかの簡単な模様から入るし、岡部は充分合格ラインなのだが・・・)
   (いくらなんでもバースト初心者がドクペロゴマークの完全再現は難しいだろ)」

祭「まずまずの出来だな

   初歩のテレキネシスとしては合格ラインだ
   次はバースト訓練、基本編その2と言ってみましょうか!」

岡部「その2?」

祭「さっきまでのでバースト波動の出し方というのは理解してもらったとは思う
   そこで次の段階・・・バーストに形を与えるのさ」

岡部「形とはなんでも良いのか?」

祭「こういうのはイメージが大事だからな

   構いやしないが、最終的にはどんな形でも作れるようになっておけ
   とりあえず・・・今日のところは手の形が適任だ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

岡部「コップ?」

祭「水をこぼさずに喉元まで運び、いっぱい飲み干せたら合格としようか」

岡部「だから”手”が適しているというわけか」

祭「私は桜子たちの方に顔を出してくるから、留守は頼むな」

岡部「子供じゃない、心配するな」

祭「それは余計なおせっかいか」

岡部「早速はじめるとするか・・・」

・・・三時間後・・・

岡部「こ、これ以上はもう・・・」

ゴロン!

岡部「目の前に手をだすだけで精一杯だ
     コップいっぱいの水がまるでダルの肩のように重い!」

祭「お~い!」

岡部「ん?もう帰ってきたのか」

祭「お前と同じコーヒーの訓練だけさせて、後は桜子に任せてきた」

岡部「それで身につくものなのか?」

祭「初歩の訓練なんてようはきっかけ作り・・・

   一度限界を超えてしまったらあとはサクサク覚えるものさ
   桜子だってあれでも実戦向きのバーストはろくに使えないが、
   それでもテレキネシスの初歩までは一週間くらいで身についたよ」

岡部「一週間?」

祭「まあ、とりあえず今までの成果を見せてもらおうか
   話はそれからだ」

岡部「わかった・・・」カッ!

ふわわわわ~ん
ゴトン!

岡部「つ・・・はあ!」

祭「持ち上げられるようになったか
   思いの外飲み込みが早いな」

岡部「なんだ?随分甘口な評価だな」

祭「確かに合格とは言えんが、初日でここまでやれれば上出来さ
   今頃ガキどもは手をだすまでで四苦八苦している頃だと思うぞ」

岡部「・・・フアハハハ!
     我ながら自分の才能というものは恐ろしいものだな!」

祭「でもここまでじゃあ、手品の種程度にしかならない・・・

   次の招集じゃろくすっぽ役に立たないよ
   だからこそコップを持ち上げて、手繰り寄せて、飲み干すのさ
   それだけ出来れば最低限役に立つシロモノというわけだ」

岡部「イマイチピンとこないんだが・・・」

祭「ニブイなあ~

   水入りコップ程度の重さが自在に操れればナイフ程度なら余裕だろ
   あとは離れた位置から禁人種のド球を突き刺せばKOってわけだ」

岡部「言われてみれば」

祭「まあ、あくまで最低限役に立つってレベルだけどな」

・・・翌朝・・・

祭「ところでだ・・・
   そろそろお前も家に帰ったほうがいいんじゃないか?」

岡部「そうなると俺の修行はどうすればいい」

祭「昨日教えた訓練を一週間ばかし反復しておけ
   追ってこちらから連絡を入れてやる」

岡部「なら・・・」ピピピ

祭「岡部のケータイはなかなかアタシ好みだな!」ピピピ

岡部「これでアドレス交換完了・・・か
     ところで迷惑ついでに折り入って頼みが・・・」

祭「なんだ?金のことなら寝ている間に増やしておいてやったぞ

   大人のお姉さんからのご奉仕だ
   (流石に千円一枚じゃ東京には帰れんだろうしな)」

岡部「かたじけない
     神様、仏様、八雲祭さまとはこの事か!」

祭「もっと盛大にほめたまへ」

岡部「フアハハハハハハハハ!!!」

祭「・・・(悪乗りしすぎて急に飽きたな)」

岡部「・・・(なんか・・・空気、くうきが~・・・)」

ピンポーン!

祭「客か・・・
   桜子は学校だろうしイアンか虎か、どっちかね?」

岡部「誰だそれは?」

祭「どちらにせよ旧知の仲のサイキッカーだ

   あ、どちらがきたにせよ桜子達以外にはサイレンについては何も言うなよ
   サイレンドリフトではない純粋にこの世界で覚醒した奴らだし」

岡部「ほう(生粋の異能力者というわけか)」

影虎「今日は・・・姐さんに101回目のプロポーズと洒落こんで真赤なバラを・・・」クンクン?

影虎「奥にいるのは誰っすか?」

祭「最近拾った岡部って小僧だ
   大怪我してたんで治すついでにPSIの基礎をちょっとね」

影虎「それじゃあ昨日の電話で言ってた・・・」

祭「まあ、ね」

影虎「おい、小僧!
     俺は雹堂影虎ってんだ!よろしくな」

岡部「岡部・・・倫太郎です(なんだか鳳凰院凶真とは名乗りにくいな、それにこの人・・・本職?)」

影虎「行儀がいいね、歳は?」

岡部「今年で二十歳です」

影虎「二十歳でそこまで礼儀を通せるたぁ、いい育ちをしたな
     よし!今度お前にも関東随一のライズを叩きこんでやるぜ」

祭「(元ヤクザのお前と比べるなよ)」

岡部「おてやわかに(まさか、本気で潰しに来たりはせんよな)」

祭「まあ、プロポーズに応じる気はしないが・・・
   今日は暇だし二人で何処か出かけようか」

影虎「うおっし!」

祭「そういうわけだからお前は家に帰りな
   家族とかが心配して待ってるだろ」

岡部「一人暮らしなので家族・・・は心配していないでしょうけど

     アキバにはラボメンたちが待っていますからね
     財布の中身は喜んで使わせて頂きます」

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【ラボ】

岡部「フアハハハ!
     ラボよ、私は帰ってきた!」

ダル「帰ってきてそうそううるさいお」

まゆり「おかえりなのです~」

岡部「まゆりも久しいな
     そうそう、いいものを買ってきたぞ、法令!」

まゆり「おみやげ?」

ダル「もしかしてそれ今噂になってる・・・」

岡部「そう、名古屋限定ジューシー手羽先ナンバーワン!」

まゆり「すっごいうれしい
      でもオカリン、お金は・・・」

岡部「あんずるな、むこうでちょっとした臨時収入があったのでその金でな」

ダル「臨時収入ってなんだお?
     オカリンのことだからカツアゲとかタカリじゃないのはわかるけど」

岡部「フフフ!未来ガジェット研究所のことを聞いて寄付してもいいという人がいてな」

ダル「で、結局いくらよ?」

岡部「諭吉三人」

まゆり「結構あるね」

ダル「でもおみやげに・・・電車賃も・・・
     もうほとんど残ってないんでね?」

岡部「さっすがだなダルよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

岡部「むむむむ!」

ググググ...キン!

岡部「ドクペの至高のエンブレムには程遠いが・・・
     ダルの顔くらいなら書けるようになったか」

紅莉栖「何やってるの?」

岡部「おわあ!いたのか」

紅莉栖「いたのか・・・って、そんな言い方はないでしょ!」

岡部「これは・・・その・・・ちょっとした超能力実験を・・・」

紅莉栖「超能力?」

岡部「人づてに聞いた話なのだが、テレキネシスの訓練にはコーヒーアートが一番だと」

紅莉栖「よく知っているわね、そんな話」

岡部「???」

紅莉栖「なに鳩が豆鉄砲食らったような反応しているのよ
       私の専門分野がなんなのか、まさか忘れちゃったわけじゃあないでしょうね」

岡部「脳科学だろ?」

紅莉栖「ご名答
       で、超能力の研究ってのも脳科学の担当なのよ」

岡部「俺が知らなかっただけで、超能力研究はそこまで進んでいたのか!」

紅莉栖「サンプルケースが少なすぎたり、その他もろもろの事情でね
       アメリカにいた頃はサイキッカーの脳解析の仕事も時折あったわ」

岡部「解析とは・・・まさか頭をかち割って電極を突き刺すわけはあるまい?」

紅莉栖「当たり前でしょ!

       まあ、要するに脳波測定よ
       サイキッカーがPSIを使うと特殊な脳波がでるから、
       周期波長を計測するってわけ」

岡部「ほほう

     ならばどのような波長を出せばPSIを発現できるかも
     ある程度解明されているのか」

紅莉栖「そこまではさすがに・・・

       でもどこのぞ研究機関が機械的にPSIを再現したって噂とか、
       何処かの国で受精卵レベルの遺伝子調整を施して
       生まれながらのサイキッカーを生み出したって噂もあったわね」

岡部「そんなに単純に、人類みなサイキッカーとまではイカンか」

紅莉栖「・・・そういえば、限定的だけどPSIを後天的に目覚めさせる実験に成功したって人がいたわね」

岡部「誰だ?」

紅莉栖「たしか・・・

       ベッケル博士と言って、アメリカの学会でサイコ野郎と影で言われていた男よ
       彼は失った手足の代替として機能するPSIと
       その後天的な習得プロセスを発見したと学会の場で豪語したわ」

岡部「で、どうなったのだ」

紅莉栖「サンプルとして連れてきたロバートという男がいたんだけど、

       発表の場にいた学者達は口をそろえて
       ”義足をつけただけの男を連れてきてで何を言う”
       と一蹴したそうなのよ
       それ以来、ベッケル博士は行方知れずだわ」

岡部「それだけじゃ・・眉唾だな」

紅莉栖「本題はここから

       留学時代にスタバでばったりあったことがあって
       どんな能力でどのように能力を発現させたのか色々教えてもらったのよ」

岡部「なに!!!」

紅莉栖「博士曰く・・・

       念動力の一種で義手等を媒体として身体の欠損部位を補う能力なのだそうよ
       ”ゼスモス”って名前をつけていたわ」


岡部「なんだかよくわからんな・・・つまり、どういうことなのだ?」

紅莉栖「ようするに、動力を持たない形だけの義手や義足を生身のように操ることができるのよ

       例のロバートさんの義足も見せてもらったけど、
       大腿部まである木製義足の膝や足首まで動いていたわ」

岡部「たしかに事故などで手足を失った人からしたら願ったり叶ったりの能力だが・・・

     逆に健常者にはなんのメリットもないな
     見た目でわかりにくいというのも受けが悪い」

紅莉栖「その点はロバートさんが足しか失っていないというのもマイナスだったわ

       博士は実証のためにロバートさんの腕を切り落とそうかとも考えたけど
       激しく抵抗するからやめたと豪語していたわ」

岡部「まさに・・・マッドサイエンティストだな」ゴクリ

紅莉栖「先に行っておくけど、あんなキチガイになりたいだなんて言い出したらラボメン総出で折檻するわよ」

岡部「ごめんなさい」

紅莉栖「それで・・・その発現方法もかなりイカれててね

       並のサウナ以上の高温室に、手足を縛って閉じ込めて
       目の前に水が入ったコップを置く・・・
       後は能力に目覚めてコップを掴み取れるようになるまで放置」

岡部「うわあ」

紅莉栖「さすがに死にそうと判断したら部屋から出して休ませるそうだけれどね
       ホント、サイコ野郎じゃないと思いつきそうもない方法よ」

岡部「(だが、八雲祭の言うテレキネシス訓練法と通じるところもあるな)」

紅莉栖「・・・で、ここまで語っておいて今更だけど、岡部はどうして今になってPSI訓練を?」

岡部「(サイレンもリーディングシュナイダーについても言えないからな・・・)
     なあに、この俺の眠れる才能の中にPSIの一つや二つはあるのではないかと考えたまでのことよ」

紅莉栖「ようするに、やり方を聞いたから試してみたってところね」

岡部「そうとも言う」

紅莉栖「厨二病だけでサイキッカーになれたら脳科学者はみんな厨二病よ」

岡部「では、これを見て驚くがいい!!!」

紅莉栖「これは・・・もしかして橋田?」

岡部「そのとおり」

紅莉栖「スティックで書いた訳じゃないのよね?」

岡部「トーゼン
     信用していない助手のためにもう一丁!」ググググ!

紅莉栖「(今度は模様が”D”の文字に!)

       まさか身近に希少な研究材料がいただなんて
       ・・・ちょっと脳波をと・ら・な・い・か?」

岡部「だが断る!

     俺はユ○ゲラーと違ってちょっとした能力をひけらかそうという趣味は毛頭ない
     ましてや異形の能力なら、なおさら不用意に晒すのは得策ではない!」

紅莉栖「岡部は私のことが信用出来ないって言うの?」

岡部「(不用意に足を踏み込ませたくなかっただけなのだが・・・)
     仕方がない、匿名のデータとして一回だけ協力してやろう」

紅莉栖「恩に着るわ」

・・・・・・・・・・・・・・・

岡部「して、結果は?」

紅莉栖「う~ん・・・あまり変化がないわね」

岡部「失敗したということか?」

紅莉栖「とりあえず、データだけ預かっておくわ
       実際にPSIが発揮されているんだから、なにか裏があるのかもしれないし」

岡部「道は見えどもサイキッカーへの道のりは遠いか」

紅莉栖「・・・そうだ、お礼にこのデータをあげるわ」

岡部「?」

紅莉栖「ベッケル博士にもらったPDFの孫コピーだけど・・・

       サイキッカーだったと言う噂がある超心理学者、ブライスの研究録よ
       18世紀のものだけど、著者自身がサイキッカーというだけあって今でも一線級の研究資料だわ」

岡部「それはありがたい

     だがさすがにケータイで開くには画面サイズが足りないから、
     メインPCの方に移しておいてくれ」

・・・・・・・・後日深夜・・・・・・

岡部「ラボメンたちも自宅で寝静まった頃だし、今のうちに訓練その2を・・・」

岡部「イメージ・・・イメージ・・・!!!」

岡部「腕ということで色々と考えた結果、

     右腕たるダルの右腕という安直な考えに至ったわけだが・・・
     今までの漠然とした”手”とは比べ物にならない捗り様だな」

岡部「コップはもとより左腕も作ってPCの操作もお手の物と来たもんだ
     (離れると画面が見づらいし、ダルのPCスキルが再現できるわけじゃないから手でやっても大差ないがな)」

岡部「テレキネシスの具現化にも慣れてきたところだし、
     この本にそって他のバーストに挑戦するか!」

岡部「ええと、なになに

     バーストでイメージするものは身近なもののほうが効率的な場合が多い・・・か
     ならば未来ガジェットの中でも武器らしいフォルムをしたアレをためしてみるか」

岡部「出ろ!サイリウムセイバー」

ヴオン!

岡部「おお!実物以上にカッコイイ

     試しに工作用に買ってあった鉄パイプを・・・
     セイヤ!」

斬!
カラン!

岡部「切れた!まっぷたぷた二つだ!」

シュウーーー

岡部「切り口を見る限り、鉄をたやすく切るほど切れ味が良いというより、

     高熱で溶かして切り離したという感じか
     物は試しでドンドン厚く・・・」

斬!
斬!!
斬!!!
さ・・・ビキ!!!

岡部「おわあ!
     折れた刃が危うく突き刺さるところだったぞ!」

岡部「切れ味はまだしもサイリウムセイバー自体はあまり頑丈ではないな
     とりあえず今後の訓練次第ということで、次に行ってみよう」

岡部「モアッドスネーク!!!」

プシュウウウ

岡部「一転して今度は幾分か貧相になったな
     だが性能のほうは・・・放出!」

もわわわわ!!

岡部「機能としては申し分ないか・・・

     それにこの霧も俺のPSIが変質したものだってことを加味すれば
     訓練次第でトランス系の特性を付加できるかもしれないな」

切りがいいところで今回の投下は以上です
ストックはあるけど次の次以降がすっからかんということもあり
合間を見て投下します

次回予告!

ねえねえ、オカリン
牧瀬氏がテレビの生に出るんだって

乙~
次回も楽しみにしてる

俺得スレ発見
乙!

貴重なサイレンスレ完結してくれよ?乙

なにげにダイモンズのキャラもまじってんだ。ぜひとも完結するようお願いします。

これは期待!

個人的な意見になるけど、オカリンはカブトみたいにサポートでいてほしいな。
原作的に攻めるタイプじゃないし・・・・とりあえず>>1

反響があったので幾つか返答をば

>>32
一年かけてでもリバースデイ阻止までがんばる

>>33
基本的にはPSYREN主体オカリン主人公で科学シリーズとのクロスですが本筋外としてゲスト出演させました
ちなみにいまごろヘイトさんはジェストとなぐり合いしている頃
ホルトさんらみえるひと組もそうですができれば番外話で出したいところだけど文才の限界

>>35
ラウンダーオカリン以上になってもらう+前スレ参照の先輩ポジションとして前半は主力張らせるつもりです
さすがに星将相手にガチンコで勝てるほどマッシブには・・・

>>35
サポートオカリンて
ただの役立たずなんじゃ…

次回が厳しいけどストック投下しマウス

・・・・・・・・・・・翌日・・・・・・・・・・

ダル「ねえねえ、オカリン」

岡部「なんだ?」

ダル「牧瀬氏がテレビの生に出るんだって」

岡部「ふ~~ん・・・ぬわんだとお!」

ダル「真夏の都市伝説スペシャルって番組だってお
     科学者の意見を求められたって話だし・・・よーするに解説役だお」

岡部「都市伝説?いまどきこっくりさんとかやってもネタとしてはツマラン気もするが」

ダル「何言ってるんだお
     今週のホットな話題があるじゃないの」

岡部「?」

ダル「サイレンだよ、サ・イ・レ・ン!
     まったくなんでオカ板常駐なのに知らないんだお」

岡部「いや、ここ一週間ばかし@ちゃんには潜っていなかったからな・・・
     それに先週までサイレンの話題なんてろくになかったが」

ダル「ちょーど一週間くらいまえに、アイドルの望月朧がテレカを拾ったって公表したんだお

     オカ板どころかニュース板でも大騒ぎになったお
     その騒動にあやかって組まれた特番ってわけだお」

岡部「(名古屋にいた頃か)」

岡部「で、何故助手がそんな場に呼ばれたんだ?
     むしろこの鳳凰院凶真にこそふさわしい場のように思うのだが」

ダル「はいはい、牧瀬氏だけテレビに出るからって僻まない僻まない!」

岡部「ちょっと聞いてみるか」

トゥルルルル!

紅莉栖「もしもし、岡部?」

岡部「俺だ!」

紅莉栖「俺じゃだれだかわからないのですが
       いたずらなら切りますよ・・・」

岡部「待った!そう、岡部倫太郎だ
     おまえに聞きたいことがあってな」

紅莉栖「なに?」

岡部「貴様、今夜の生番組に出演するそうだが・・・」

紅莉栖「ああ、あの話?

       あれはパパの代役で急に決まったのよ
       あれ・・・岡部には言ってなかったっけ?」

岡部「さっきダルから聞いたばかりだ

     ・・・それに・・・代役だと?
     たしか父親って言ったら・・・」

紅莉栖「そう、ドクター中鉢」

岡部「ならば、貴様はインチキ博士としての解説を期待されてのご出演というわけか」

紅莉栖「もしかして、喧嘩売ってるの?」

岡部「冗談だ、気に触ったのなら謝る
     ただ・・・助手よりこの鳳凰院凶真のほうがこういう番組にはふさわしいのではないかと」

紅莉栖「正直、私だって同意見よ
       だからって岡部を出演させる権限なんて私にはないのよ」

岡部「ならばせめて、俺を助手の助手という扱いで・・・」

紅莉栖「どうして?まさか望月朧のサインを貰ってオクで売り飛ばそうという算段じゃ・・・」

岡部「さすがにそれはない!
     ただ俺は、その望月朧が拾ったテレカに興味が・・・」

紅莉栖「サイレンの赤いテレカだっけ?どうせよく出来た偽物かなにかよ
       TV局や芸能事務所がステマ目的で作った真っ赤な偽物に決まってるわ!」

岡部「やけに否定的だな」

紅莉栖「うっさい!」

・・・・・・赤坂のテレビ局・・・・・・・・・・

紅莉栖「私の付き添いということで観覧許可も出たことだし、

       岡部は観覧席で待ってて
       あとで見せてもらえないかこっそり頼んでみるから」

岡部「すまない、恩に着る」

紅莉栖「なにそんなにかしこまっちゃって
       すごい入れ込みようね」

岡部「(もし望月朧のテレカが本物なら・・・)」

岡部「期待して待ってるぞ」

ブーーーーーーーーーーーーー!

AD「本番5分前で~す!」

ナレーター「さあ、始まりました!

         緊急特番都市伝説スペシャル!」
         今日のテーマは秘密結社サイレン
         ゲストは望月朧さんです!!!」

              ・
              ・
              ・
否定教授「大体ねえ、都市伝説なんて根も葉もない噂ですよ」


容認教授「でも実際にネメシスQを見たという方が・・・」

否定教授「そういうのは目立ちたがりがつく嘘に決まっていますよ
        ・・・そういや、中鉢はか・・・」

紅莉栖「ぶつり!(# ゚Д゚)」

岡部「(あちゃー)」

紅莉栖「先程から話題がずれているようにお見受けしますが、ひ・て・い・せ・ん・せ・い!」

否定教授「わ、わたくしは何も・・・」

紅莉栖「この場はサイレンの都市伝説の真相について論じる場であり
      存在を頭ごなしに否定する場ではありませんよ」

否定教授「こ、こういう時!
        ふ、普通だったら親の顔が・・・」

ナレーター「討論が白熱しておりますが、一旦CMで~す」

朧「(さっさと終わらせてメロンパン食べたい)」

ナレーター「さて、ここからが今日のメインイベント!
         件のテレホンカード、その実物の登場です!」

岡部「(本物か?)」

否定教授「偽物じゃないのかね?」

容認教授「本物に間違いありませんよ」

ナレーター「こちらの品物は、望月さんが実際に拾われたものです」

紅莉栖「とりあえず、このカードで秘密結社との通信は出来ましたか?
      噂では連絡が取れると言われていますが・・・」

ナレーター「それが・・・番組スタッフが懸賞のために使用してみたのですが
         公衆電話に入れても吐き出されるだけでなにも起きませんでした」

否定教授「ほら!やっぱり偽物だ」

朧「(僕が使ったときはたしかに使えたんだけど)」

紅莉栖「お静かに」

ナレーター「それでは実際に拾った際の様子をお聞きしましょう」

朧「あれはロケで名古屋に行った時のことですが・・・」

ヴヴヴヴ!

岡部「(なんだこの感じ・・・PSIか?)」

朧「ガハッ!(く、くるしい)」

紅莉栖「望月さん!」

ナレーター「きゃあ!」

ディレクター「緊急事態だ!差し替え急げ」

岡部「まさか・・・あのカードは本物、しかもすでに目覚めているのか?
     とりあえず八雲祭に・・・くそっ、圏外だと!」」

エルモア「その様子・・・お前さん、事の重大さに気づいとるようだね」

岡部「あなたは?」

エルモア「アレは運がいい・・・なんたってすぐそばにわしらがおるんじゃからな」

ヴァン「コクコク」

エルモア「まずはアレを控え室に運ぶぞ!お前さんも手伝え」

------------------->
【控え室】

朧「ぐたり」

エルモア「人払いは済ませた・・・ヴァン、頼むぞ!」

ヴァン「コクリ」

キュアキュアキュア

岡部「これは・・・PSI?」

エルモア「その反応、やっぱりお前さんもサイキッカーか
       わしら以外でネメシスQの気配を感じておったのはあの場じゃお前さんだけだったしの」

岡部「あなた方はいったい・・・」

エルモア「わしは天樹院エルモアじゃ」
        キュアの最中で手が放せんがあっちは孫代わりのヴァン」

岡部「エルモア?サイレンの謎に懸賞金をかけたっていう」

エルモア「そう、そのエルモアじゃ」

紅莉栖「すみません、とおしてください!」

ガチャ!

紅莉栖「岡部!ちょっといきなりなにを・・・」

エルモア「お前さん・・・解説席の嬢ちゃんか」

紅莉栖「あなたは確か・・・天樹院エルモアさんでしたよね?」

エルモア「いかにも」

キュアキュアキュア

紅莉栖「その子・・・キュア使いですか?」

エルモア「キュアを見ても平然と・・・脳科学者というのは伊達じゃないようじゃな」

紅莉栖「さすがに実際に見るのは初めてですよ
      サイキッカーの人体実験なんて滅多なことじゃ出来ませんから」

エルモア「じゃったら、わしがヴァンのような子供を集める理由もわかろうに」

紅莉栖「重々承知しています
       それより、望月さんの容態は・・・」

ヴァン「大丈夫」

エルモア「ヴァンもああ言っておるし命に別状はないじゃろ」

ディレクター「牧瀬さ~ん!」

岡部「ん!どうややご指名のようだぞ、助手よ」

エルモア「おおかた特番の穴埋めじゃろう」

紅莉栖「正直あの教授達の間に入ってのテレビ出演はこたえるわ・・・
      あ、そうだ!ここはいっそ岡部を・・・」

岡部「俺なら出んぞ!」

紅莉栖「なんでよ!あんなに出たがっていたじゃない」

岡部「俺だってあんな頭が凝り固まった老害どもと一緒のTVなんて・・・」

エルモア「仕方がないの

        ここはババアが一肌脱いでやるか
        小僧はヴァンの御守りを頼むぞ」

紅莉栖「え!いいんですか?」

エルモア「毒を食らわば皿までじゃ」

ディレクター「牧瀬さん、こちらでしたか」

紅莉栖「ちょっとお願いなのですが・・・」

かくかくしかしか

ディレクター「いいですね!それで行きましょう」

ナレーター「おまたせしました!

         突如の体調不良に見舞われた望月朧さんの代役として
         あの方が5年ぶりのTV出演を承諾してくれました!
         それでは・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朧「う・・・君は?」

ヴァン「治った」

岡部「安心しろ、もう大丈夫だ」

エルモア「おーい、起きたか?」

朧「あなた方は?」

エルモア「天樹院エルモアじゃ」

ヴァン「天樹院ヴァンです」

岡部「鳳凰院凶真だ」

紅莉栖「(なんか岡部が混じってる)」

朧「天樹院エルモア?あなたが!」

エルモア「アンタ、カードを使ってアンケートに答えちまったね?

       これから苦労するよ
       アンタはもうネメシスQの奴隷のようなもんさ
       ヤツのルールに逆らったら命は・・・無い」

朧「(そんな、まさか・・・)」

朧「政界にも力を持つ大富豪霊能力者、天樹院

   その彼女が今、目の前にいるなんて・・・
   しかもちっこい干物のお化けだなんて」

エルモア「心の声と実際の声があべこべじゃ、このたわけ!」

岡部「(ひょっとして望月朧は天然なのか?)」

エルモア「さて、わしらはそろそろ失礼するかの

       まあ、サイレンの謎を解いたらわしんとこにきんさい
       五億円やっから!
       そこの小僧もな、見たところ手遅れじゃろ・・・お前さんも」

岡部「な!」

エルモア「答えんでもわかるわ!

       ネメシスQを察知できる素質持ちなら稀にいるが、
       制裁について知っておるのは当事者くらいのもんじゃろ」

朧「(鋭い!)」

紅莉栖「え!岡部が?」

エルモア「お嬢ちゃんもこんな身勝手な亭主を持つと苦労するよな」

岡部「俺達はまだ」

紅莉栖「夫婦じゃありません!」

エルモア「カッカッカッ!
       冗談じゃよ」

朧「(恋人ではありそうだな)」

エルモア「それじゃおいとまするか
       いくぞ、ヴァン!」

ヴァン「コクコク」

朧「で、結局君たちは恋人同士なのかい?」

紅莉栖「お気になさらず」

朧「彼女、手厳しそうだね
   もう尻にしかれているのかい?」ひそひそ

岡部「恋人じゃないです・・・今は」

朧「?」

紅莉栖「それで、エルモアさんが言ってたこと
       どういうことか説明してもらうわ」

岡部「どうもこうも、俺もサイレンのテレホンカードを持っているというだけだ
     これ以上は・・・すまないが何も言えない」

紅莉栖「もしかして、急にPSIの訓練を始めたのとも関係があるの?」

岡部「・・・」

紅莉栖「だんまりか・・・

      さっきの望月さんのこともあるし、ここは黙っておいてあげるわ
      その代わり、万が一死ぬようなことになったら承知しないんだから」

岡部「狂気のマッドサイエンティストたる鳳凰院凶真の実力、忘れてもらっちゃ困るな」

紅莉栖「知ってるからこそ心配なの」

朧「白熱しているところで悪いんだけど、僕に君が知っていることを可能な限り教えて欲しいんだけど・・・」

岡部「そのほうがいいか・・・
     済まないが、ここから先は助手には話せん」

紅莉栖「で、しょうね

      さっきの望月さんの二の舞になったら大変だし・・・
      私はエルモアさんの方に当たってみるから、詳しい話は明日に」

朧「天樹院エルモアのところへ?」

紅莉栖「たとえ足を踏み込んじゃいけないと言われても、できる限りのことはやらないと気がすまさいわよ」

タッタッタッタッ!

岡部「恥ずかしいところを見せてしまったな」

朧「いいって
  それよりもまずはサイレンの・・・」

岡部「待て!
    ここじゃ人が多い、何処か別のところへ」

朧「だったら僕のアパートに」

              ・
              ・
              ・

朧「松本さんにも帰ってもらったから二人きり・・・
   ここならマスコミ対策で盗聴とかには気をつけているし、内緒の話にも持って来いだよ」

岡部「一流芸能人の嗜みか」

朧「ざっくり言ってしまえばそういう事だね」

岡部「では、まずはカードについてから・・・」

かくかくしかしか・・・

              ・
              ・
              ・

岡部「・・・で、覚悟を決めて挑むより他はない」

朧「覚悟・・・ね

   天樹院エルモアも言っていたね
   でも、正直ホッとしているよ
   僕は退屈な人生を送るために生まれてきたわけじゃない」

岡部「フアハハハ!」

朧「いきなりどうしたんだい?」

岡部「嬉しさのあまり、つい声を荒げてしまった

     その性分・・・気に入った
     ぜひラボメンになってはくれないか?」

朧「ラボメン?」

岡部「ラボラトリーメンバーだ」

朧「興味深いけど、今は遠慮しておくよ」

岡部「ぬわに?」

朧「慣れ合いは好みじゃないしね
   まあ、お互いにゲームクリアまで生きていられたら考えてあげてもいいよ」

岡部「では、№010はその時まで欠番としておこう」

朧「ふふふ!楽しみだね
   ところで、ずっと気になっていたことがあるんだけど・・・」

岡部「なんだ?」

朧「鳳凰院凶真と岡部、どちらが本名なんだい?」

岡部「岡部倫太郎とは世を忍ぶ仮の名・・・
     鳳凰院凶真こそが俺の真名だ!」

朧「つまり、岡部が本名で鳳凰院は芸名と言うわけか」

岡部「なぜそうなる」

朧「芸能界とは総じてそういうところさ」

岡部「な、なるほど(芸能人にとっては芸名こそが真名というわけか)」

------------------->
【エルモア邸】

エルモア「まさかね~」

紅莉栖「どうしても教えて欲しいんです」

エルモア「惚れた女の弱みってやつかい?
       カーカッカッカ!」

紅莉栖「あまり茶化さないでくださいよ」

エルモア「女二人じゃ隠す気もないか、ごちそうさまじゃ」

紅莉栖「そもそも・・・エルモアさんは何処でサイレンについての情報を」

エルモア「・・・目の前で亭主に死なれたからじゃよ」

紅莉栖「御主人?」

エルモア「死んだ亭主の古比流は読心を得意としたトランス型サイキッカーでの
       その亭主が死ぬ前に見せてくれた断片的な記憶、それがサイレンの世界だったんじゃ」

紅莉栖「サイレンの世界?」

エルモア「ああ、その一方でワシは極度のトランス偏重型で未来を読める・・・

       その夢枕に予知夢として写っていた光景と同じじゃったよ
       一言で言えば文明が崩壊し、廃墟となった世界よ」

紅莉栖「まさか?!」

エルモア「じゃが、十年か二十年・・・それくらい先には訪れる未来じゃ」

紅莉栖「・・・もしそれが確定した未来として、何が原因で?
       核戦争とか?」

エルモア「さあの?

       ただ、古比流の記憶を辿った限りじゃと、サイレンの世界には
       禁人種と呼ばれる異形の生物がゴロゴロしておるそうじゃ
       それにあの世界の大気には脳を活性化させ、
       サイキッカーとして強制的に覚醒させる作用があるんじゃ」

紅莉栖「なら、何かしらのバイオハザード・・・

      禁人種はその影響で生まれた奇形生物かしら
      でも、この仮定だとバイオハザード発生から20年としても
      それだけで文明が滅びるとは思えないわ」

エルモア「テレパスで伝わりきらなかったのか、あるいは古比流もしりえなかったのか

       どちらにせよワシもここから先は知らん
       他に知っていることといえば秘密を他者に伝えようとしたものに対する
       ネメシスQの制裁くらいのものよ
       じゃからこそ懸賞金をかけたんじゃ」

紅莉栖「じゃあ、あなたは岡部のような人間を探して?」

エルモア「ワシだって信用にたる人物じゃなきゃ頼まんよ

       金が目当てで連絡を入れてくる人間はゴマンとおるが
       そういう奴はみな資格はあっても実力が無くての
       電話口でベラベラ伝えようとしてネメシスQに制裁されて死ぬたわけばかりじゃ
       ワシは資格と実力を持っているものを待っておるのじゃ」

紅莉栖「なら、岡部はあなたのメガネにかなう逸材だと?」

エルモア「まあの

       アイドルのこともあるから次のゲームから帰還できたかをみて
       連絡を取ろうとは思っておったが・・・その必要は無いじゃろ
       小僧にはお嬢ちゃんの口から伝えてやっておくれ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・翌日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

              ・
              ・
              ・
紅莉栖「・・・と、言うわけなのよ」


岡部「天樹院エルモアの懸賞金に、そんな裏話があるとはな
     まったく、とんでもないものを背負わされたものだ!」

紅莉栖「こうなったら手加減なしよ
      岡部がサイレンから戻れるよう、できうる限り協力するわ」

岡部「心強いな・・・そうだ!」

紅莉栖「???」

岡部「エルモアの話しなら遅くとも20年程度先の未来なのだろう?
     それなら未来の貴様と合流することも可能なのではないか?」

紅莉栖「・・・正直に言えば難しいわね
      文明が滅びてしまう以上、サイレン世界は魑魅魍魎が・・・」

岡部「ぐ、がはっ!」

紅莉栖「岡部!」

岡部「大丈夫・・・うっかり話しすぎたようだ
     制裁といってもまだ警告の段階、少し休めば・・・」

ジリリリリ ジリリリリ ジリリリリ

岡部「クソ!こんな時に」

紅莉栖「岡部は何を・・・まさか、招集?」

岡部「助手よ・・・ラボメンたちには天樹院エルモアの依頼で出張中と伝えておいてくれ」

紅莉栖「岡部は何も言わないで
      また制裁を受けたら・・・」

岡部「I'll be back!FUHAHAHAHAHAHAHA」

ボオ ブウウウウウ

じ~かいのオカリンは!

初めての愚民どもの前に戸惑いを見せる鳳凰院凶真の胸の内を他所に
次々と散っていくモブたち
サイレンドリフトの前に初めての巨大な敵が姿を現す!

ダル「ぶっちゃけ馬鹿でかいだけでね?」

今回はここまでです

※一応の補足
前スレでテレカの話題がありましたが、この時点ではオカリンがテレカ所有者と知っているラボメンは紅莉栖だけです
全部、碓氷さんの仕業なんだ・・・

乙~

なんだこっちでやるのか
楽しみに待ってる

>>67
VIPだとタツオまででえ燃え付きそうだったもんでつい
実際、ペースが落ちてるし

縺翫▽


投下のときはageてくれるとありがたい

>>70
sage進行なんじゃね?

続きが気になります

これから寝る前に途中の区切りまで投下開始

-------------------------------------->

岡部「ぜええええ、ハア!」

岡部「ふう・・・少し落ち着いたか」

岡部「ここは・・・屋上?
     前回のゴールの上か?」

飛竜「よお、またあったな」

岡部「ドラゴンか」

カブト「はにゃあああ」

岡部「あっちは新顔のようだな」

飛竜「よォ」

カブト「はぁ・・・」

鳴ってるぞ、この階だ・・・
あれ、金庫に入れておいたはずのテレカが服に・・・

岡部「今回はまた一段と多いな」

飛龍「・・・」

カブト「ねーねー!
     ここってどこ?」

飛龍「うるせーな」

岡部「あとで説明してやろう」

りりりりりん りりりりりん

朧「(完全に壊れている!まさにルール無用って感じだね)」

アゲハ「電話取らせてもらうぜ!」

電話「サイレンを目指すものに、絶望と力を!

     このゲームの出口は一つ!
     門をさがせ!」

どーなってんだよ!ワイワイガヤガヤ

カブト「あわわわわわわ」

岡部「そこのバンダナ!まずは落ち着け」

雨宮「見て!」

アゲハ「街が埋もれている・・・」

ガン!
なんだなんだ~ガヤガヤ

雨宮「ここにいる人たち、死にたくなければ私の話を聞きなさい!」

かくかくしかしか・・・

金パツ「この女、イカれてやがるぜ!」pgr

アゲハ「訂正しろ!」

ゴン!ゴン!
ガス!ガス!

朧「友達思いの彼は放っておくとして・・・僕はこの話を信じるよ
   鳳凰院君に前もって教えてもらっていたしね」

アイドルの望月朧だ!
鳳凰院?誰それ・・・?
あ、オカ板の糞コテ!

岡部「まさか昨日の今日とはな!」

朧「さすがに驚いているよ、とりあえず地図を」

岡部「ぽちっと・・・ってえええ!!!」

飛龍「まるごと警戒区域!」

朧「一歩外に出たら
   危険・・・ってことかい?」

じーーーー

アゲハ「ゲートはもうすぐそこだ!」

なんだそこにたどり着けば帰れるのか?
かんたんじゃないか!

朧「じゃあ僕は行くよ」

岡部「待て!うかつに外に出ては・・・」

朧「心配してくれるのかい?

   でも僕は生来、自分勝手な生き物なんだ
   僕がどうなろうと・・・」

アゲハ「勝手に死なれちゃ寝覚めがワリーんだよ
      オレはそういう生き物なんだ」

朧「いい目をしているな、君
   そういう熱苦しいヤツ、きらいじゃないよ」

岡部「・・・(セリフだけ切り取るとホモまつり真っ最中だな)」

朧「鳳凰院君も僕に構うことはないよ
   万が一死ぬようなら、僕はそれまでの存在だったというだけさ」

オレも行くぜ!
俺も!
五億!

アゲハ「バカヤロウ!!!」

飛龍「全員あの朧ってやつに追従しちまった」

アゲハ「きっかけは望月朧だ」

雨宮「で、アナタはどういう知り合いなの?鳳凰院さん」

岡部「昨日TVでやっていた・・・サイレン特番は見なかったか?」

アゲハ「ああ、姉貴が見ていたやつか
      そういえば・・・あの番組に出ていたな、アイツ」

岡部「その収録現場にたまたま行っていてな

     偶然、顔見知りになったわけだ
     サイレンの世界については昨夜のうちに知るかぎりは伝えてある」

雨宮「じゃあ、PSIについても・・・」

岡部「当然、知っている
     コーヒーアートで実際に見てもいるしな」

飛龍「マジかよ、馬鹿かアイツは」

岡部「俺の見たところだと多分違う・・・」

カブト「絶対的な自信ってやつだな

     自慢じゃないがオレはヤンキーに絡まれる経験は豊富でよ
     その経験から言わせてもらうが、時々いるんだ
     あーゆー"世界が自分中心で回っている"と思ってる奴が」

岡部「俺の見立ても同じようなものだ」

飛龍「そういや、お前は行かなかったのか?」

カブト「YES!

     あんな野郎どものケツなんて追っかけてられるか
     ・・・そういえば自己紹介がまだだったな
     オレは霧崎兜っていうんだ!帰ったら一緒にデートでも?」

アゲハ「雨宮に色目つけるな!」

飛龍「馬鹿ばっかりだ・・・」

とんでもねェところだぜ
ウヒョー!すっげー
砂埃で前が見えない
あっちでいいのか?

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
ドオオオオオオオオオオオオオオオン!

カブト「何々?ねえアレなに?」

飛龍「だからひっつくな!」

雨宮「なんて大きさ!」

はぁあああああ?
ひいいいいいい
ばけもの~~~!

グ!グ!グ!グ!

ワーム「ズドオオオオオオン!」

ぎゃあああああああああああ!
はぁ!はなせぇ!
ひでえよおおおおおおおおおおおお!

朧「あんぐり」

飛龍「逃げろー!」

ザ!ザ!ザ!ザ!ザ!ザ!ザ!ザ!

ワーム「ズドオオオオオオン!」ぺろり

朧「目の前の僕に気がついていない?」

雨宮「おそらく足音・・・砂の振動を頼りにしているのよ」

ワーム「むっしゃむっしゃ」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

雨宮「身近な高いところへ!
    アイツは足音を頼りにしているわ!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

登れェ!早く!

雨宮「PSIに目覚めていないあの人たちにも
   サイレン世界の大気中でならテレパスが届くと思う・・・
   これでせめて・・・」

アゲハ「ああ・・・そうだな」

岡部「だといいが・・・???!」

やべえ!気づかれた!!

飛龍「アイツら・・・
   駄目だ!半端な場所に避難しても気づかれちまう!」

アゲハ「・・・!」タタタタ!

飛龍「夜科!」

岡部「しょうがない・・・夜科ァ!援護するぞ!」

ヴオン!

岡部「サイリウム、セイバァああああああああ!」

岡部「ライズ最大!センス:ストレングス比、7対3!でえい、狙い撃つ!」

ドーーーーーーーーーーーン!

飛龍「バーストか?」

アゲハ「(バーストの剣を投げちまったのか!)
     (オレからしたらスゲー羨ましいぜ!)」

ヒューーーーーン!

ワーム「ギャアアア!」

カブト「スゲーぜこの兄ちゃん!
    ざっと150メートルは離れてるのに頭のでかい丸に刺さってるぜ!」

雨宮「見えるの?
    (私じゃセンスで目を凝らさないとそこまではっきりと見えない距離よ)」

飛龍「あたったようには見えたが・・・
   俺にはそうはっきりとは見えないぞ」

岡部「やはりサイレン世界ではPSIの力が上がるか・・・
    それでもまだ足りんというのか」

雨宮「そう落ち込むこともないわ
    距離とあの大きさがなければおそらく一撃よ」

ワーム「スオオ!」

アゲハ「こっちだ望月朧!!!
     早く登んねえとアイツがこっちに・・・」

朧「キミこそ早くいけ!ここにいたら食われるぞ!」

アゲハ「だったらさっさと手を伸ばせ!」

朧「おせっかいなんだよ」

アゲハ「ふざけんな!
     テメーこんなところで死にたいのか?」

朧「!!!」

アゲハ「どっせい!一本釣り!!!」

アゲハ「(全開バーストだ!)
     ああああああああああああああああ!!!」

ジジジギュイイイイイイイイイイイイン!!!
√●√
ドバア!

ワーム「ギャア!」

雨宮「まったく・・・」

ジャララララ!

雨宮「無茶ばかりして!」

ドガ!!!

ワーム「イテエナオイウチ!」

カブト「(雨宮ちゃんが)あぶねえ!」

飛龍「俺に任せろ!」

ズオオオオオオオオオオオオオオオ
ガス!

ワーム「シッパー!」

飛龍「間一髪だったな
    お前も無茶し過ぎだぜ!」

雨宮「(ワームの攻撃を跳ね除けた朝河君のバースト・・・)
    龍の・・・しっぽ?」

飛龍「強さが欲しかった・・・
    それを思い浮かべたら自然とこの形になったよ」

朧「これが・・・君達のPSIか」

飛龍「奴もどうやらこれ以上近づけないらしい」

岡部「よし!今のうちに引き上げるぞ」

              ・
              ・
              ・

雨宮「大丈夫?夜科」

アゲハ「コツ掴んだって言ったろォ
     うーーーーーーーー
     頭がぼーっとするけど少し休めば・・・」

雨宮「あなたはもう力を使っちゃダメ
    この前の私や鳳凰院みたいになるわよ」

岡部「俺からも言っておくが、経験者の助言には従ったほうがいいぞ
    極力無茶はするな
    (もっとも、夜科は言っても聞き分けない性分だとは思うがな)」

飛龍「妙な力だったな
    俺と同じ訓練をしてどうしてああなる」

岡部「おそらく、夜科の才能は特殊なのだろう」

朧「特殊?」

岡部「例えばパイロキネシス・・・
   あれはバーストで火を起こしているのではなく、
   バーストそのものを炎熱に変える能力だ
   それと同様・・・
   夜科のバーストはあの黒い物体を生み出す能力と考えればいい」

朧「それは昨日言っていた、ブライスの研究録に書かれた内容かい?」

岡部「そうだ」

雨宮「ちょっと・・・
    研究録っていったい何の話を」

岡部「18世紀にサイキッカーが書いたと言われるものを
   我が助手が偶然、所有していたものでな」

雨宮「助手?それにもしかしてアナタ・・・
   その人にPSIについて話してしまったの?
   よく信用してもらえたわね」

岡部「助手は脳科学の権威でな
    理論についてならむしろ俺より詳しいくらいだ」

飛龍「脳科学って意外と進んでいるもんなんだな」

カブト「にゃはは・・・完全に蚊帳の外だ」

おーいだれかー!
たすけてくれー!

カブト「見ろ!あそこに助かった奴がいるぜ」

雨宮「よかった」

砂利!砂利!

アゲハ「よし!そいつらを助けてゲートを目指そうぜ
     俺たちなら策を練ればなんとかなるはずだ」

ギャン!!!!!!!!!!!

岡部「なんだ!爆発した?」

アゲハ「新しい敵?」

カブト「あの岩の上のやつが撃ち殺したんだ!」

飛龍「あれは・・・まさか・・・タツオなのか?」

今回はここまで
トランス会話が出始めましたが1レスで切り替えるとワケワカメになるので
短くなろうと1レス1トランス会話で進行するのでヨロシクと剣桃太郎が言ってた

じ~かいのナマミヤさんは! ♪テ~テッテ~

我らが鳳凰院の提案により謎の人物へのトランス攻撃を敢行するナマミヤ!
はたして、彼女が見た悲しき記憶とは?

ダル「ぶっちゃけ教えてくれねーってばよ」

乙!
サイレン世界は厨二病のオカリンにはピッタリだな
そういやこの世界じゃギガロマニアックスはどんな扱いになるんだろう?

乙!

>>94
一応トランス系?能力と言うことで
そのうち出す、いや出したい
だが出すといったがそれが一ヶ月後、
あるいは十年後かもしれない
と利根川さんが言ってた

原作では大抵のPSI能力者はバースト・トランス・ライズのうち2つが得意分野と設定されてるが…
アゲハ・ヒリュー・朧がバーストとライズ、雨宮はトランスとライズだっけかね
岡部はどうするんかね。リーディングシュタイナーのこともあるしトランスは極めてもよさげだけど
ライズとバーストは…>>1の手腕に期待ですね

夏バテで進行が遅くなったけど出来たぶんを投げときます

岡部「タツオ?」

アゲハ「ヒリューが探していたっていう・・・」

雨宮「そんな・・・まさか・・・
    ずっと生き延びていたというの?」

アゲハ「どういうことなんだ?
     雨宮もアイツを知っているのか?」

岡部「あの男・・・本当に貴様らの知り合いか?」

飛龍「ああ、格好は大分変わっちまったが、間違いねえ!」

げほっ!うううう

カブト「オイ!一人生き残っているぜ!」

ヴヴヴヴヴヴヴヴ

雨宮「あれは・・・さっきと同じ!」

飛龍「やめろー!」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオンンンンンンンンンンン!

岡部「あの男・・・ためらいもなく引き金を!」

朧「見ろ!さっきの轟音で、あの化け物がヤツの方へ」

カブト「そうだ!イケイケ!
    人間を平気で撃ち殺しちまうようなヤツ・・・
    食っちまえ!!!」

飛龍「・・・」ピクピク!

雨宮「(朝河君・・・怒ってる)」

タツオ「ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ!」

ワーム「ギャア!」

岡部「声?」

ズモモモモモモモモ!

朧「逃げた?」

カブト「なんだよ~
    使えねーあのミミズ」

アゲハ「なんか、スゲー嫌がっている」

雨宮「あのマスク・・・
    おそらく化け物が嫌がる音が出る、笛なんだわ」

飛龍「タツオー!生きていたのかー!」

タツオ「・・・(目標確認、排除開始!)」ガチャリ

カブト「何呼びかけているんだ!」

アゲハ「あぶねえ!」

タツオ「・・・(PSIバスターライフル・・・シュート!)」

ドン!ドン!
ヒューーーーーーー
ドドン!
ガラガラガラガラ・・・

タツオ「・・・」カチ!カチ!

カブト「し、死ぬかと思った~」

朧「下層にいたのが幸いしたね
  どうやら僕達は悪運が強いようだ」

岡部「夜科と雨宮も無事か」

タツオ「・・・」パン!

アゲハ「なんだぁアイツ?
     座り込みやがって、もう撃ってこないのか?」

朧「弾切れ?」

岡部「おそらくな・・・
    さっきヤツが二発打ち込んだ後にも
    銃のトリガーを何回か引いているのを見た」

タツオ「・・・」ウウウ パアアア

雨宮「そうか・・・あの銃は彼のバーストを集約して発射するための・・・」

岡部「威力は厄介だが一度にチャージ可能な弾数が少ないのなら、こちらにも勝機はある」

アゲハ「対策はそれでいいとしてもヨォ
     オレたち・・・いや、ヒリューを攻撃することに何の躊躇いもねえ
     アイツは本当にその"タツオ"なのか?」

飛龍「夜科のいうことは正論だが・・・俺がタツオを見間違えることなんて・・・」

雨宮「朝河君には伝えてあるけど、
    彼が参加したゲームでは、私が気がついた時には
    彼はいつの間にか姿を消していたわ
    複数の禁人種と交戦中のことだったから、
    守りきれなかったものだとばかり思っていたけれど・・・」

岡部「だが、そのタツオ君とやらは実際に俺達の眼の前にいる
    それは言い逃れ用のない事実だ!
    偶然よく似た偽物なのか、何らかの心変わりで俺たちを攻撃しているのか、
    探ってみるしかあるまいな」

朧「探る?」

岡部「雨宮!お前のトランスなら、相手の記憶を読み取ることは可能か?」

雨宮「・・・直接タツオ君の脳に優先ジャックを突き刺せば可能だわ」

岡部「よし、決まりだ
    雨宮は優先ジャックを決める隙を探すことに集中しろ
    俺と朝河が囮になる!夜科は雨宮を直接援護だ」

アゲハ「だっ!いきなり指揮ってんじゃねえ!」

岡部「誰かが段取りをせねばことは始まらないだろう!
    文句があるなら、お前の考えを聞いてやらんことはない」

アゲハ「そりゃあ、そーだけどよ・・・だからって雨宮が戦うことを前提にされるのが気に食わねー!」

飛龍「おれもニイチャンの意見に賛成だ!
    タツオに何があったかを知るにはトランス以外には無え
    そして、トランスが使えるのはこの中じゃ雨宮一人だ」

岡部「不満か?だが単独行動を取られるよりはこのほうがいいとは思うのだがな?」

雨宮「アナタ・・・」

岡部「この状況で貴様の性格を考えたら・・・な」

アゲハ「だから訳知り顔でしゃべるなー!」ドゴ!

飛龍「イケメンの殺し文句を吐くなー!」スギア!

岡部「おごふう!(コイツら・・・さては!)」

カブト「ところでよぉ
    サイってのが何かはよく知らんけどさ
    アイツがもう一度このビルを撃ってくるまでにどれくらい時間があるんだ?」

雨宮「彼がどのくらいのPSI使いかはわからないけれど・・・
    あの威力を出すにはもう少し時間がかかると思うわ」

カブト「だったら今のうちに逃げちまおうぜ」

岡部「貴様・・・俺の話を聞いていたのか?
    どちらにせよ貴様は足手まといだ
    あの巨大ワームに食われる覚悟があるなら、好きにすればいい」

朧「そうだね、逃げるのなら好きにすればいい
  君がどうなろうと僕には興味が無いしね」

カブト「けっ!
    どーせオレはサイなんてもん持ってねー
    小市民ですよ!」

朧「・・・?!」通・・・武武!

カブト「どうした?すげえアンタ鼻血だ・・・」弩婆婆!武!!!

アゲハ「まさか・・・こんな時に」

雨宮「彼らの中のPSIの扉が開き始めている・・・」

飛龍「高熱と、出血の発症が俺達よりかなり早い!」

岡部「落ち着け!この程度は想定内・・・
    個体差の範疇だ」

雨宮「そういえば、アナタもこのくらいだったわね
    (鳳凰院が特殊だと思っていたけど・・・まさか素質の差?)
    (だとしたら鳳凰院を含めた三人の素質は・・・)」

岡部「どうせだ!
    今のうちにヤツを倒して無力化しよう」

雨宮「正気?
    下手に手を出してこの二人まで巻き添えを食らう羽目になったらどうするのよ」

岡部「冷静さが足りんな、小娘!
    一度、発症してしまった以上、体調が戻るまで数時間は必要だ
    それだけの時間的余裕をヤツに与えた場合のことまで頭が回らなかったか?」

雨宮「(# ゚Д゚)(小娘?)」

飛龍「俺も慎重にいきたいところだが・・・正直、鳳凰院の言うことも一理ある
    さっきの作戦、勝算はあるのか?」

アゲハ「気に食わねー流れだぜ!
     雨宮は反対なんだろう?だったら・・・」

雨宮「いいわ!まずは作戦の打ち合せよ」

アゲハ「・・・(なんだか仲間はずれの予感!)」

岡部「雨宮がメインで俺がバックアップ、夜科と朝河が後方支援だ」

飛龍「さっきは俺も囮役だったが?」

岡部「見たところ貴様のバーストはある程度遠くからでも届く
    それに病人二人を抱えている以上、後方の守りは固めておきたい」

アゲハ「だったらオレは?」

岡部「あの黒いバーストは概要がわからなすぎる
    わかるのは、アレがまともに当たれば人体に風穴を開けることなど造作も無いという点だけだ
    そういう意味じゃ、今回の目的には適さない
    だが、あの破壊力はイザという時の切り札としては心強い」

アゲハ「ようするに、オレはタツオが万が一俺達の手に負えない相手だった場合の
     保険ってことだな」

岡部「そういうことだ、期待している」

飛龍「それで・・・肝心の囮役って、いったい何をするつもりだ?
    アンタが俺や夜科よりPSIが上手いのは自覚しているが・・・」

岡部「煙幕だ」

アゲハ「煙幕?白煙灯でも持ってきたのか?」

岡部「俺が使えるもう一つのPSI・・・
    PSIの波動を霧状に散布して視界を遮る技だ
    具体的には・・・コイツだ!」がさごそ

飛龍「なんだこれは?キャンプで使う米を炊いたりする器に似ているが・・・」

岡部「我が未来ガジェット研究所が開発した・・・
    未来ガジェット四号機(改)
    超瞬間加湿器・モアッドスネークHNGだ!
    朝河の言うとおり、コイツはケースに飯盒を利用している
    ・・・が、コイツは一瞬のうちに水蒸気を周囲にばらまく事ができる
    本来は部屋の加湿用なのだが、禁人種相手の撹乱目的に一つ準備してきたのだ」

アゲハ「HNGってなんだよ」

岡部「特に意味は無い!」

雨宮「(飯盒ね)」

飛龍「(飯盒か?)」

岡部「そしてこれがPSIモアッドスネークだ!!!」

ヴヴヴヴヴヴ!
もああああん!

雨宮「こっちは角張っているのね?」

岡部「本来はこちらが制式だ
    屋外だから撹乱効果にやや不安があるが
    実物とPSIの合わせ技なら、それなりの効果は期待できるはずだ」

アゲハ「でもよ!広範囲を煙に紛れさせるってことは
     俺たちからもタツオのことが見えないんじゃねーのか?」

岡部「使うのは煙に紛れてヤツに近づくまでの間だけだ
    ヤツ自体を隠す範囲には展開するつもりはない
    それにヤツが煙幕に突っ込んでくるようなら
    緊急解除して視界を確保すればいい
    そのためにも貴様らには後ろに控えていてもらいたい」

飛龍「そういうことか
    雨宮、有線トランスの線を繋いでくれ」

アゲハ「よし!オレも頼む」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

岡部「準備はいいか?」

アゲハ「オーケー!」

飛龍「大丈夫だ」

雨宮「いいわ」

岡部「オペレーション・スターダスト・・・」

アゲハ「星屑?」

飛龍「(この作戦名にも・・・)」

雨宮「(特に意味は無いんでしょうね)」

岡部「開始!」カチ!

もあああああああああん

岡部「続けて・・・ファイア!」

ヴヴヴヴ・・・もわわわわ!!

アゲハ「よし!ちょうどいい具合に煙幕がかかったぜ」

飛龍「ああ!だがまだ油断は出来ない」

タツオ「???(リロード中に敵影接近・・・PSI信号送信、NTECライフル、モードチェンジ開始)」

ヴヴヴヴ・・・
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

アゲハ「おい、あれは?」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

飛龍「雨宮!タツオが何か仕掛けている」

アゲハ「銃が・・・変形している」

雨宮「変形?どんな形に・・・」

飛龍「二つに分かれて・・・クソ!わからねえ」

岡部「マズイな・・・」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

音声ガイダンス「ファイブ・・・フォー・・・」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

岡部「(モアッドスネークのPSI煙幕のおかげか、聴覚が鋭くなっている?)
    雨宮!銃の変形が終わるまであと数秒・・・
    わざわざあの威力を捨てるということはおそらく面制圧用の形態だ
    タイミングを合わせて上から攻めるぞ!」

雨宮「了解!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

音声ガイダンス「スリー・・・ツー・・・ワン・・・ゼロ・・・」

タツオ「・・・(NTECライフル、サブマシンガンモード変形完了

カチリ!カチリ!

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

岡部「(聞こえた!トリガーを引く音だ)
    今だ、翔べー!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

タツオ「・・・(制圧を開始する」)」

ガガガガガガガガガガ!

飛龍「やめろー!」

岡部「ライズ!」 雨宮「ライズ!」

全運動神経上昇
脚・力・限・界・点・突・破

アゲハ「大丈夫、雨宮は無事だ」

ガガガガガガガガ!
カシュ!カシュ!カシュ!

タツオ「・・・(もう弾切れか)」

飛龍「タツオ・・・俺の声が届いたのか?」

アゲハ「わかんねーけど
     あの様子じゃ単純に弾切れを起こしただけみたいだな」

岡部「(弾切れか?運も味方してくれたな)
    でえい!切り裂く!」

ヴオン・・・斬!

タツオ「・・・(近接防御に移行・・・銃身を全面に構え防御開始)」

ガギン!

岡部「固い!(あわよくば銃を破壊できればとも思ったが、それすらも出来ないとは)」

雨宮「(もらった!)
    ワイヤード・マインド・ジャック!」

ギャ!

タツオ「・・・(すりぬけ・・・)」

雨宮「"トランスはバーストで防ぐ"
    PSI戦闘の基本よ」

接続成功!

雨宮「心速2000fm/mで潜行開始・・・」

アゲハ「動きが止まった」

飛龍「成功だ!」

雨宮「なんて混濁した意識なの?
    いくら潜っても終わりのない闇
    まるで重度の昏睡状態の人間のような
    こんな意識状態で人間は活動出来ない!
    まるで禁人種の一匹に潜行を試みた時に似ている・・・」

キュイイイイイイイイイイイ

雨宮「光・・・まだあそこに残留意識がかすかに漂っている
    これは・・・タツオ君の記憶の断片!
    やはり彼は真名辰夫君で間違いない」

雨宮「禁人種の一人に捕まって・・・
    連れて行かれる・・・何処に?」

雨宮「あれは・・・サイレン塔?」

雨宮「まさか・・・こんな・・・禁人種のコアを埋め込むだなんて」

雨宮「なんてことを・・・」

アゲハ「立てええええ!雨宮あああああ!
     速く立ち上がれえええええ!」

雨宮「うん、解っている・・・もうこの人はタツオ君じゃないんだ」

タツオ「・・・(ターゲット補足・・・延髄へ手刀を敢行)」

岡部「うおおおお・・・JET!」ドガア

タツオ「・・・(不意打ち?)」JET//

岡部「(直撃だ!)
    逃げるぞ・・・もう一度モアッドスネークを使う!」

ヴヴヴヴ・・・もわわわわ!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雨宮「ただいま」

アゲハ「・・・ヘ・・・心配させやがって」

飛龍「無茶しやがる」

岡部「一応俺もいるのだが・・・」

アゲハ「けっ!雨宮が無事だったからいーけどよ」

岡部「(もしや・・・)
    今のうちに言っておくが・・・
    俺は雨宮にいいところを見せたくて張り切っているわけじゃないぞ」

アゲハ「か、カンケーねえよ」オロオロ

飛龍「そーだよな」ろりろり

雨宮「???」

朧「鳳凰院凶真には愛すべきこれがいるしね」小指ビシィ!

飛龍「これ(小指ビシィ!)ってことは・・・」

アゲハ「まじかよ・・・俺達より上なのは年齢と厨二病だけだと思っていたぜ」orz

雨宮「二人とも・・・そこまで驚くことないでしょう
    (でも、"小指ビシィ!"って何のことかしら?)」

朧「思春期の少年にはよくあることさ」

岡部「ところで・・・おまえはもう平気なのか?」

朧「お陰様でこのとおり」

カブト「う~う~」

雨宮「なんていう回復力・・・今までで一番の速さだわ」

朧「それだけこの天才望月朧の才能が特出しているという証拠さ」

アゲハ「オレなんか一晩中鼻血垂れ流してたってのに」

飛龍「俺もだ、気にするな」

岡部「・・・とりあえず追撃はしてこないようだな
    それで、ヤツの正体については何か掴んできたんだろうな?」

雨宮「当然!」

かくかくしかしか・・・

サイレン世界にて禁人種に捕まった真名辰夫はサイレン塔へと連れ込まれる
禁人種を統べる謎の声は彼に禁人種のコアを埋め込み、禁人種へと作り替えた
現在の彼は人ではなく人の形をした禁人種・・・
前々回のゲームで雨宮桜子が打ち倒し、また前回のゲームで夜科アゲハがトドメをさした人形禁人種たち
格好こそ違うが彼は同種の存在になってしまった
混濁で塗りつぶされた思考の海を覗いてきたこともあり、重々しく語る雨宮桜子の言葉に
朝河飛龍はただ、項垂れるしかなかった・・・

飛龍「ワリー・・・少し一人にさせてもらえないか?

              ・
              ・
              ・

タツオ「・・・(敵影を喪失)」

砂利!砂利!

タツオ「・・・(索敵完了・・・周囲50メートルに敵影なし)」

タツオ「・・・(警戒レベル、待機準備・・・NTECライフルの補充開始・・・)」

タツオ「・・・(PSI信号送信・・・補充作業のためNTECライフルをバスターモードへ移行)」

ヴヴヴヴ・・・
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

音声ガイダンス「ピーピー!システムエラー!」

タツオ「・・・(故障?)」

音声ガイダンス「PSI充填機能に破損報告・・・修理完了までサブマシンガンモード使用不可」

音声ガイダンス「警告理由・・・弾薬供給機構の破損・・・」

音声ガイダンス「サブマシンガンモード時、弾薬が供給できません・・・」

音声ガイダンス「破損の影響により、バスターモード充填可能数が3発になります・・・」」

今回はここまで
ちなみにNTECライフルは原作のタツオライフルにジェストさんのナノテク銃をくっつけたもんです
故障したので次回以降は原作同様の機能しかないですが、
一応設定として
・通常のバースト弾一発分でサブマシンガン50発分
・サブマシンガンモードではフルチャージでなくても発射可能だがサブマシンガンのままチャージ出来ない
ということにしてありますもう出番ないけど

じーかいのタツオは? テーレッテー♪
タツオvsアゲハ&飛龍
ワームvs桜子&岡部&朧
二つの戦いの命運はいかに
ダル「ぶっちゃけ全員でかかってマスク奪ったほうが良くね?」
岡部「し~~~~」   テーレレ♪

おっつ!
次回も楽しみにしてる


乙!

待ってるぞ

○ん○完了!
今回区切りの影響で期間開きそうだけどそのぶん量が増えるとだけ
生存報告しとく
あと次次回以降がワーク的問題で月産40レスくらいに落ちそうとだけ先告知

了解

ゆっくりでも完結させてくれればいい

花金投下はじめますよ~

アゲハ「ヒリュー!話があるんだ
     そろそろみんなのところに集まってくれ」

飛龍「・・・わかった・・・」

              ・
              ・
              ・

朧「僕は・・・タツオ君を倒して強行突破すべきだと思うんだ」

雨宮「そんな!」

アゲハ「理屈で考えればお前は正しいよ、望月朧!
     だがな・・・ヒリューの気持ちは考えたのかよ!」

飛龍「夜科・・・もういいんだ
    やっと覚悟が出来た・・・俺達でタツオを倒そう
    たとえ・・・タツオを殺すことになろうとも」

アゲハ「いいのか?」

飛龍「これは俺のケジメだ
    だからタツオの相手は俺がする」

岡部「貴様・・・ヤツと心中する気か?」

飛龍「まさか・・・俺はアイツと、キッチリ話を付けたいだけだ」

アゲハ「だったらオレも一緒に行くぜ
     それなら心配ねーだろ」

雨宮「それじゃ、余計に心配に決まっているじゃない」アイアンクロー!

アゲハ「あだだだだ
     なんで~~~~」

アゲハ「いや、決めた!オレとヒリューが行く」

雨宮「無茶なことは言わないで」

アゲハ「無茶はオメーだろ!」

アゲハ「どんなに強がってみせても、雨宮がさっきの戦闘で疲れているのは馬鹿でもわかる
     そんな状態で俺達をかばって、またタツオやワームと戦おうなんてふざけんじゃねえ!
     オレは・・・お前のあんなつらそうな顔、また見たくはねえんだよ!」 ぎゅ!

朧「青春しているね~」

岡部「そうだな・・・(ここがサイレンの世界というのを除けばな)」

雨宮「で・・・でも・・・危ないんだよ
    戦うのは、ホントに危ないんだよ」

アゲハ「ケンカなら俺達の専門分野だ!
     任せておけ!」ビシィ!

朧「二人とも全く退く気は無いようだね
  どうする?雨宮さん」

雨宮「フン・・・まったく・・・好きにすればいいわ!」ぐすん

アゲハ「は~い!好きにしま~す!」

雨宮「(# ゚Д゚)」ムカ!

岡部「夜科か・・・本当に俺のことが眼中に無いようだな
    これが、愛ゆえの盲目ということか!」

飛龍「(なにやら鳳凰院がひとりごと言っているが黙っていよう)
    (ついでに言うとさっきまで俺もアンタのことは眼中になかったよ)」

カブト「はにゃあ?(気分がすぐれてきたけど、完全に蚊帳の外だ~)」

アゲハ「倒すと言っても、ようするにゴールに着くまで足止めするだけだろう?」

飛龍「まあな」

アゲハ「鳳凰院!ちょっと来てくれ・・・提案だ!」

岡部「一体何を考えたんだ?」

アゲハ「オレとヒリューでタツオの足を止める・・・そうしたら、隙をついてあの煙幕を出して欲しいんだ」

岡部「モアッドスネーク?」

アゲハ「今まで・・・タツオは目に見える範囲にしか攻撃していない
     多分だけど・・・アイツは目の前の相手を単純に迎撃しているだけなんじゃないか?」

岡部「たしかに・・・接近しながらモアッドスネークを使った場合には反撃してきたが
    逃げながら使った際には何のリアクションもなかったな」

岡部「だが・・・俺もタツオ攻略に参加するとなると、ワームを雨宮
    一人に押し付けることになるぞ
    いいのか?それで」

アゲハ「いいわけねえだろ!
     だからよ・・・さっきの飯盒のやつみたいに、
     オレでも使えるようにしてくれねえか?」

岡部「つまり・・・実物同様に作動スイッチをつけろということか」

アゲハ「そーいうことだ」

飛龍「俺からも頼む!」

岡部「やったことはないが・・・最悪の場合、雨宮のトランス経由で俺が作動させる
    これなら人員を割くこともないだろう?」

飛龍「その手があったか!」

アゲハ「新技開発に失敗してもいい!煙幕の件、よろしく頼む!」

岡部「任せておけ!」

              ・
              ・
              ・

雨宮「アナタ・・・平気なの?」

岡部「平気なわけはない!だがな・・・生き残るために必要だというのなら、この程度辛くはない!」

雨宮「呆れた!とんだ痩せ我慢じゃない」

岡部「この程度・・・聖戦の時に比べればまだまだだ!」

雨宮「聖戦?」

岡部「記憶が過去改変の影響を受けない・・・たったそれだけの小さな力と、仲間の力で巨悪と戦った
    自慢する程でもない昔話さ」

雨宮「よかったら、聞かせてもらえないかしら」

岡部「話す気は毛頭ない
    だが・・・他の奴らはまだしも、雨宮には概要程度は教えてやっても構わんぞ?」

雨宮「お願いするわ」

岡部「知りたいのなら・・・八雲祭に聞いてくれ」

雨宮「もったいぶって・・・」

岡部「あまりおおっぴらに話せる内容じゃない
    それに、この話を餌に生還するまでの糧にしろ
    俺の過去を知る権利は生き残ったあとの褒美だ」

雨宮「アナタって人は・・・(彼なりの痩せ我慢?それとも私を元気づけようとして)」

アゲハ「ピコーン!」

飛龍「ピコーン!」

飛龍「雨宮に!」

アゲハ「手を出すんじゃねえ!」

アゲハ「この!」

飛龍「天然ジゴロ!」

メメタア!

              ・
              ・
              ・

岡部「それじゃあ、作戦開始と行くか」

アゲハ「オレとヒリューがタツオの相手をして・・・」

飛龍「雨宮と鳳凰院がほか二人を引き連れて今のうちにゴールを目指す」

雨宮「OKよ」

雨宮「死んだら絶対・・・絶対許さないんだから!」しゃばだっ!

アゲハ「な・・・なんか・・・なんかオレ、今すっげー癒された」

飛龍「・・・だな!」

アゲハ「行くか!」

飛龍「ああ」

----------->サイド:ヒリュー

飛龍「今のうちに作戦の確認なんだが・・・
    さっきのとおりだとお前が囮役じゃねえか
    最初と順序が逆だぞ?」

アゲハ「あーそうさ!荒野を突っ切って突っ込んでくる馬鹿はオレ一人だと思わせるんだ
     オレはお取り、敵はライズを使う
     この作戦はお前がじゃなきゃ成功しないんだ!ヒリュー」

飛龍「バカヤロウ!
    テメー一人がどんだけ危険な目に合うか解っているのか?」

アゲハ「お前・・・タツオを助けるつもりなんだろ?」

飛龍「何?」

アゲハ「みんなの前じゃ倒すだのぬかしやがったけど
     お前はまだ望みを捨てちゃいねぇんだ!
     タツオを正気に戻して一緒に元の世界に帰るんだろ?
     だったら・・・オレは全力で手を貸すぜ」

飛龍「夜科・・・」

アゲハ「幼馴染を助けたいってのはテメーだけじゃないんだぜ、ヒリュー!」

----------->サイド:岡部

岡部「今のうちに作戦を整理しておこう

    俺達は夜科らがタツオを引き付けている間にワームを叩く!
    動きが止まった隙に前進して、一気にゴールへ向かう」

朧「方法は?」

岡部「雨宮を囮にして後方からのサイリウムセイバーの投擲でコアを叩く」

カブト「でもさ~さっきその方法で倒せなかったよなあ
    ぶっちゃけ火力不足なんじゃないか?」

岡部「夜科たちもタツオを倒すとはいえ足止めの延長上、
    ある程度の深手を負わせればあの化け物とて動きを止めよう?」

岡部「それに、ワームが夜科たちを襲ったら、奴らを見捨てることになる」

カブト「俺としてはそれでもいーんだけど」

雨宮「アナタねえ!」

朧「いや・・・この二人からすれば、あんなデカイだけ
  攻撃手段さえあれば容易な相手さ」

岡部「言ってくれるじゃないか!望月朧」

カブト「そもそも、その火力が足りてないって言っているんだけど」

雨宮「いくら巨大とはいっても所詮は禁人種・・・あのコアを潰せばそれまでなのは確かよ
    それに、援護射撃があれば私の方から攻撃を仕掛けることも容易になる」

朧「そこでなんだけど・・・作戦成功率を上げるためのいい案がある
  鳳凰院君を剣の製造係に集中してもらって、投擲を僕の担当にしてもらいたい!」

雨宮「ダメよ!目覚めたてのアナタじゃろくな力は・・・」

朧「でもね・・・さっき目が覚めてから体の奥から何かが湧き出ているのを感じるんだ
  僕の体をめぐるこの力を一気に放出すればあの程度の相手、楽勝だとは思うんだけどなあ~
  その手段がわからないのが実に残念だ」

岡部「そこまで言うのなら・・・試しにそこの鉄パイプを投げてくれないか?」

朧「お安いご用さ!」

投!
ご~~~ん!

カブト「うひょー!むこうのビルまでざっと200メートルはあるぜ」

雨宮「まさか・・・覚醒して早々にライズが」

朧「なんでだろうね・・・昨日の時点で実際にPSIの力をその身に受けたせいかな?」

雨宮「そういうこと?」

岡部「それは・・・かくかくしかしか」

雨宮「ネメシスQの制裁に・・・キュアまで!
   たしかにキュアはライズの力をバーストに乗せて他人に伝達し、傷を癒す能力だけど
   それにしても」

岡部「今は何故できるかは問題じゃない!
    目の前の能力に頼るべきだ」

雨宮「そうね・・・追求は元の世界に帰ってからにしましょう」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雨宮「それじゃ・・・はじめるわよ」

ガン!ガン!ガン!

カブト「ひええ!作戦だってのはわかっているけどさ・・・
    自分からあの怪物を誘き出そうだなんてやっぱ無謀だよ」

ズゴゴゴゴ

ワーム「オヒケエナスッテコンニチワア」

カブト「来たぞ!」

雨宮「私が引き付ける・・・」ライズ!

雨宮「ほ~ら、鬼さんこちら!」じゃらじゃらじゃら

ワーム「クサリジャラジャラ!」

カブト「よし!作戦通り」

岡部「あとは俺の・・・フアアアアアアアアアアアハハハ!」

カブト「笑ってやがる」

朧「これは・・・そうか、自己暗示だ!」

岡部「(望月朧・・・やはりカンがいい)」

ヴヴヴヴ
ヴオン!ヴオン!

岡部「ダァブルゥ!セイバァー!」

ワーム「ビクッ!ナンダナンダ!」くるり

カブト「おいおい・・・大声をあげるからこっちに気がついたみたいだぞ」

朧「君は本当に理解力が足りないね
  PSIを扱うには自己陶酔・・・
  つまりは強い存在をイメージする必要があるんだよ
  そのためには掛け声の一つや二つ、当然あったほうがいいのさ」

カブト「・・・オレにはついていける気がしないよ」

岡部「投げてくれ!」

朧「よしきた!」

投!
投!

カブト「スゲー・・・鳳凰院が投げた時よりもはえーぜ」

ずぶり!

ワーム「ヒデエヨ!」

雨宮「際どい!」

岡部「でも!」

カブト「ギリギリ・・・ズレている!」

朧「ちょっと失敗したかな?
  鳳凰院君・・・あと何発いけそうだい?」

岡部「ぜえ・・・はあ・・・はあ・・・」II!

カブト「ちょっと・・・ちょっとちょっと!
    アイツを倒すチャンスはあと二回ってことかよ」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

雨宮「直撃まではしていない・・・そちらの様子は?」

朧「鳳凰院君の限界はあと二発・・・準備ができ次第、次の投擲を行うよ」

雨宮「了解」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

朧「この調子ならあと一回あれば充分さ
  さあ、渾身の力を込めた一発を頼むよ」

----------->サイド:ヒリュー

アゲハ「タツオオオオオオオオオオオオオオオ!」

タツオ「・・・(敵影接近、正面1)」

アゲハ「さーあ、そんなもんシコシコ溜めてねーでさっさと降りてきな
     イッチョお付き合い願おうか、タツオ君!」

タツオ「・・・(九龍城落地!)」ズゴオ!!!

アゲハ「・・・(ライズ・・・なんつう動きだよ)」

タツオ「・・・(左フック)」ビュオ!

アゲハ「・・・(右カウンター!)」ゴ!

アゲハ「全然効いてねえなあ」

アゲハ「その銃おいたら?
     スピードもパワーもアンタのほうが上だけど
     動きが大雑把すぎるんだよね、アンタ」

タツオ「・・・(左チョップ!)」ビュン!

アゲハ「喧嘩なれしてねえな
     もうちっとコンパクトにまとめろや」ひょい

アゲハ「どっせい!(回し蹴り!)」バキィ!

タツオ「ニヤリ」グワシ!

アゲハ「やべえ!(足を掴まれた!)」

タツオ「ウワテナゲ!」ドオン!

アゲハ「ごふう・・・」

アゲハ「ヒーローは遅れて空からやって来るってなあ!」

キキキィ

     バースト・ハンド
飛龍「神の見えざる手!」

タツオ「・・・(正面にバースト・・・回避行動に移る)」トン!

飛龍「か~ら~の~・・・」

タツオ「・・・(空中への攻撃・・・回避行動不能)」

飛龍「本命はこっちだぜ」

ドラゴンテイル!!!

タツオ「ギャア!ギョギョ」

飛龍「見えるか?タツオ」
                       オレ
飛龍「まだ胸を張れるような胴体じゃあねぇが・・・」

飛龍「これが・・・俺の力だ!」

タツオ「・・・(ライズ全開・・・脱出を敢行する)」ギギギギギギ

アゲハ「気をつけろ!ヒリュー」

飛龍「たとえ頭蓋が割れようとも・・・ここは絶対、離しはしない!!!」

タツオ「ウゴケン」

飛龍「俺を忘れたとはいわせねぇぞ!タツオ!!」

飛龍「飛龍だ!1お前の幼馴染の朝河飛龍だよ!」

タツオ「イイイイイイ!イルミナガ!」

ドックン!

飛龍「探しに来たぜ!俺はテメェを必ず連れ帰る

    俺の目をよく見ろ!
    いい加減、正気に戻りやがれ!
    タツオオオオオオオオオオオオオオオ!」

タツオ「ヒリュー・・・」

ドックン!ドックン!ドックン!

タツオ「・・・(イルミナ機能停止・・・休止状態に移行)」ドサア!

アゲハ「ヒリュー!」

飛龍「ぜっ・・・はっ・・・」

飛龍「タツオは・・・(さわさわ)
    気を失ってるようだな」

飛龍「鳳凰院の煙幕・・・せっかくスイッチ式を作ってもらったが使わず終いになりそうだな」

----------->サイド:岡部

岡部「ぜっ・・・はっ・・・これなら!」

朧「うん!良い感じだ」

朧「さっきのより出来がいいみたいだ、ビンビンくる」

カブト「そんなの・・・判るのかよ?」

朧「この天才に不可能はないのさ!」

カブト「何度でも言ってやる、コイツは本物の馬鹿だ」

朧「集中したい、どいてくれないか?」

カブト「あ、ああ」

朧「(集中集中・・・こういう時はドクターKを思い出すんだ)
  (ブルペンエース君の回でKAZUYAがしたアドバイス・・・)
  (そう、視点を一点に集めて・・・距離をつかむんだ!)
  はあああああああ!」

朧「ピッチャー振りかぶって・・・投げたァ!!!」

投!

カブト「さっきも速かったがそれ以上に・・・
    いや、速さなんか二の次だ!
    さっきとは剣の軌道がまるで違う!」

カブト「野球でコントロール自慢のピッチャーが投げたボールが
    キャッチャーミットに吸い込まれるようにピシャっと決まることがあるが
    それに似た感じだぜ」

カブト「これは・・・間違いない、直撃コースだ!」

ワーム「ノウテンチョクゲキ」グオォ!

ドゴオオオオン!

雨宮「やった!」

カブト「倒れた・・・成功だぜ!
    馬鹿と天才は紙一重とはこういうことか!」

岡部「や・・・やったか?」

朧「当然の結果さ」

岡部「そうか・・・」ドサ!

カブト「お・・・おい!」

岡部「とりあえずワームは倒したのだろう?

    当初の足止めと比べたら万々歳だ
    少し休ませてくれ」

雨宮「おつかれ」

カブト「リトルハニー!」レバー一回転P!

雨宮「アナタ・・・いい加減、馴れ馴れしすぎるわよ」ひらり

朧「早かったじゃないか?後始末はしてきたんだろうね」

雨宮「頭のコアに大穴が空いて、体も崩れ始まっていたわ
    トドメはもう必要ないと思うわ」

カブト「あとは・・・アイツらだけか」

朧「鳳凰院君は僕が担いでいくから、先にゴールで待っていよう」

----------->サイド:ヒリュー

タツオ「ぱちり」

飛龍「気がついた?」

タツオ「ヒリュー兄ちゃん?」

タツオ「あれ・・・流れ星かな?
     でも・・・流れ星はもっとぱ~っと・・・」

飛龍「タツオ・・・一体何を?」

タツオ「うがああああああああああああ!」

飛龍「タツオ!!」

タツオ「お・・・思い出せない!!!
     僕は今まで・・・」

飛龍「気をしっかり持て!」

タツオ「ワイズセイショウドルキノメイニシタガイオマエラヲコロス」

アゲハ「様子がおかしい?」

アゲハ「離れろ!ヒリュー!」

タツオ「僕が・・・また僕じゃなくなる・・・」

タツオ「サヨナラ・・・」

飛龍「しっかりしろ!

    大丈夫・・・お前なら元に戻れるよ
    お前の心は壊れてなんかない!
    ヒーローになるんじゃなかったのか?
    俺が胴体でお前が頭脳だろ?タツオ!
    自分を・・・取り戻すんだ!
    俺達は二人でやっと一匹・・・二人でやっと一匹の龍なんだ!」

グサリ!!!

飛龍「う・・・ごふぅ!(みぞおちをひと思いに)」

タツオ「・・・(イルミナ復旧率80%・・・稼動状態に移行)」

チカアアアア○アアアアアア

タツオ「ヒャッハー!ハハハハハハハハ!」

アゲハ「ヒリュー!」

アゲハ「アアアアアアアアアアアアア」

ズズズズ!

アゲハ「それが・・・オマエの答えか?」

アゲハ「ヒリューから離れろ!」

アゲハ「そこをどけ、邪魔をすれば消す!」

朧「この感覚は・・・」

雨宮「・・・夜科ね」

岡部「夜科?またあの黒いバーストを・・・」

雨宮「私が様子を見てくる
    みんなはここで待ってて!」

朧「僕も行くよ」

雨宮「ダメ!アナタは他の二人を」

岡部「はあ・・・はあ・・・」

朧「それもそうか・・・ここは君に譲るよ」

カブト「いい・・・いい加減に・・・」

岡部「止せ・・・朧は言って言うことを聞くようなタマじゃない」

カブト「チィ!」

雨宮「悪い予感が止まらない・・・二人とも、無事でいて!」

    ラ    イ    ズ
脚・力・限・界・点・突・破

アゲハ「・・・」

ドドドド●ドドドド

タツオ「・・・(NTECライフル残弾0・・・前方の脅威、排除不可能)」ビリビリビリ

キュ!

この頃はまだヒリューさんレギュラーだったのに・・・・・・
岡林もそうなっちゃうのかな・・・・・

アゲハ「引くのか?

     恐ェって感情は持っているのか・・・
     だったらなんで・・・なんでヒリューを」

雨宮「夜科!」

雨宮「やめて!このままじゃ脳が潰れるわ!」

アゲハ「そんなの関係ない!」

雨宮「あ・・・あああ・・・
    朝河くん・・・朝河くん!」

アゲハ「ヒリューを頼む・・・まだ死んではいねぇだろ?
     ここはオレが・・・片付けておくから・・・」

雨宮「でも!」

タツオ「パアアアア(NTECライフル充填完了!脅威の排除を再開する)」

アゲハ「見ろ!」

アゲハ「ヤツのリロードが終わっちまった!」

アゲハ「あのヤロウ・・・力をセーブしていたんだ!

     二回目のリロードは消耗していたにしても時間がかかりすぎだった
     わざとさ!
     オレ達が何を企んでいるにせよ、誤算を元に動き出すように!」

雨宮「そんな・・・」

タツオ「カハハハ!」

アゲハ「雨宮!狙われているのはオマエだ!」

タツオ「ハハッハ!(目標をブッコロスゼヒャッハー)」

ドウ!
 ●
ガオン!

アゲハ「ぜっ・・・はっ・・・」

シュアアアアアアア

雨宮「(すごい・・・バースト弾を打ち消している)」

雨宮「(夜科のPSIに飲み込まれている!)」

雨宮「(あの黒い球体が、今まで夜科が見せてきた現象の正体)」

雨宮「(移動上に存在した物体は全て削り取られる)」

アゲハ「雨宮!今すぐオレから離れろ!」

アゲハ「コントロールが効かねぇんだ!

     どんどん・・・どんどん強く・・・
     コイツ、勝手に動き出そうとしている!
     ここにいたら巻き添えを食らうぞ!」

雨宮「???」

タツオ「ヒャッハー(逃さねえよ!)」ガション!

朧「ヒーローは人知れずに手をかすものってね!」

投!
ギン!

タツオ「チイ(銃身が逸れやがった)」

タツオ「ガハハハ(ならば、コイツノホウダ!)」

ドドド!
○○
 ●
ブオ!ボキャキャキャ!

●→●→●→●
→●→●→●↓
●→●→●↓●
↑●←●←●↓
●←●←●←●

雨宮「(なんて動き・・・あのままあそこにいたら欠片も残らずに死んでいた!)」

雨宮「(あの渦中では何者も存在することすら許されない!)」

ゴボゴボ((●))

雨宮「バースト弾を飲み込んで膨張していく・・・」

アゲハ「ぐう」

タツオ「アバババババ」

朧「むこうはどうやら決着のようだね・・・
  すまないが、鳳凰院君には僕の実験に少し付き合ってもらうよ」

岡部「実験?」

朧「なにもやましいことはないさ
  むしろ今の君には大助かりのことさ」

カブト「・・・(ついていけないのでリアクションを取ることをやめた)」

朧「はあああ!」

キュアキュアキュア

岡部「はあ・・・なんだか・・・少し気分が」

朧「まだまだ天樹院エルモアのところの坊やには程遠いが
  初めてにしては充分か」

岡部「キュア・・・なのか?」

朧「見よう見まねだけどね
  でもなんとなく出来る予感はあったんだ」

岡部「まったく・・・たいしたタマだ!」

ボコボコボコボコ(((((●)))))

雨宮「あの様子・・・夜科自身がまるでコントロールできていない?
    なら何故さっきは私をバースト弾から庇うように・・・」

雨宮「まさか!」

雨宮「PSIの力に反応している?」

ジジ・・・ギュバ!
((((((())))))
(((((●)))))
(((((()))))))

雨宮「早くライズを・・・」

ギュバ!ドドドドドドドド!
ビタリ!

雨宮「はあ・・・はあ・・・(目の前まで)
    ライズを使うのを止めていなかったら私も貫かれていたかも」

キュアキュアキュア・・・ジュバン!

朧「???」

朧「何かが僕のキュアに当たって・・・爆ぜた?」

岡部「・・・向こうを見ろ!」

朧「あれは・・・夜科君!
  そうか、彼も特別な・・・」

岡部「これだけの規模のバースト・・・マズイ!」

朧「なんでさ?」

岡部「PSIの使いすぎだ!
    これだけの規模、俺だったら確実にパンクしている!」

朧「どうせ向こうは決着がついているだろうし、合流しよう」

タツオ「・・・」バタン

パキイイイィィィ

雨宮「PSIが消えた?」

アゲハ「・・・」バタン

雨宮「夜科!夜科アアアア!」

朧「まったく・・・君には驚かされる!」

雨宮「望月?」

岡部「夜科のことなら大丈夫だ
    アイツに任せろ!」

朧「君のその力、まさしく破壊の権化というべきだね
  見逃してしまったのが非常に残念だ」

朧「君はここで死んではいけない
  望月朧の人生はこれから面白くなるんだ!」

朧「そのためのピースは何一つかけてはいけない!」

キュアキュアキュア
キュアキュアキュア
キュアキュアキュア

岡部「この感じ・・・俺に施した時以上だ!」

雨宮「あれは・・・キュアなの?」

岡部「そうだ!
    本人曰く、見よう見まねのぶっつけ本番らしいが」

朧「僕が他人の死に涙を流すなんて・・・
  君は僕の都合で生きてもらう!」

キュアキュアキュア

アゲハ「・・・は!」

アゲハ「???」

アゲハ「オレ・・・寝ちまってたのか?
     急に頭が軽くなったよーな・・・」

朧「頭にダメージを負って死にかけていたんだ」

朧「元気になってよかった・・・夜科君」ぎゅっ!

アゲハ「ひいいいいいいいいいいいいい」

アゲハ「いったい何をしたんだ?まさか・・・ゲイ?」

朧「君を治したのさ・・・治したいと思ったから」

朧「一度同じ力をこの体で受けたことがあってね
  だから君を助けられた」

アゲハ「だからって・・・ぶっつけ本番で治したのかよ」

岡部「気持ちはわからなくもないが、今は気にするだけ無駄だぞ」

アゲハ「気持ち?」

岡部「考えなしであれだけのバーストを放って挙句死にかけた貴様と
    覚醒早々にライズにキュアまで披露した望月朧・・・」

岡部「一見劣っているように見えるかもしれんが
    俺からすれば貴様のあの力のほうが羨ましい」

朧「僕だってあの力には憧れちゃうよ」

アゲハ「だー!
     どーせオレはバーストもまともに出来ない落ちこぼれだよ!」

岡部「なんだ?暴走させたことを気に病んでいたのか」

岡部「何処かの監督が言った言葉がある

    ”でかいだけ?結構じゃないか”
    ”体力や技術は身につけさすことはできる・・・だが・・・”
    ”お前をでかくすることはできない”
    ”たとえオレがどんな名コーチでもな”」

朧「スラムダンクだね」

アゲハ「つまり・・・どーいうことだっつーの?」

岡部「あの異様とも言える強大なバースト・・・

    あれを制御で記載すれば、俺や望月朧など
    蚊ほどの存在ということだ」

朧「僕だって、そうやすやすと屈する気はないけどね」

アゲハ「・・・っと!無駄話している場合じゃねえ!」

アゲハ「ヒリュー!
     アイツも死にそうなんだ、助けてやってくれ」

岡部「ヒリュー?」

朧「朝河君が?」

              ・
              ・
              ・

キュアキュアキュア

雨宮「これは・・・キュア?
    彼はキュア使いなの?」

岡部「お陰様で俺や夜科もこのとおりだ」

雨宮「あ・・・鳳凰院
    アナタも無事だったの?」

岡部「この反応の差はなんだ?」

カブト「ヒヒヒ・・・ざまーねーぜ」

岡部「うるさい!話しについていけずに

    ”友達グループの隅にちゃっかりいる自笑トモダチ状態”
    に、ならざるしかなかった霧崎カブトくん!」

カブト「ついていけねーもんはしょーがねーだろ!」

岡部「この先どうなってもいいなら無理強いはせんがな」

雨宮「よかったよぅ~」 ボロボロボロ

雨宮「死んだらダメって言ったのに・・・
    二人とも・・・二人とも約束を破ろうとするから」

アゲハ「オラ・・・泣くなよ」

アゲハ「ちゃんと帰ってきただろ?
     オレは約束を破らねぇ」

雨宮「そんなの・・・結果論だもん」

アゲハ「馬鹿だな~運命すらオレの味方なのさ」

朧「い~や!僕の味方だし君が生き延びたのも僕のおかげだね、アゲハ君!」

アゲハ「なんだと?!この望月・・・」

朧「朧と呼んでくれ、アゲハ君」

              ・
              ・
              ・

アゲハ「当面の敵はいなくなった・・・ゲートへ行こう」

雨宮「朝河君の治療が終わるまで、もう少しここを動けないわ」

アゲハ「・・・」

アゲハ「オレ・・・タツオを殺しちまったのかな?」

雨宮「アナタと朝河君は出来るだけのことをやった・・・ただそれだけよ」

雨宮「タツオ君を殺したのはこのサイレンという世界よ」

朧「なにやらあの二人、いい雰囲気のようだね」ひそひそ

岡部「まだまだ未成年の若い二人だ
    これからどうエスカレートしても大人の対応でスルーだ」ひそひそ

朧「わかっているさ」ひそひそ

岡部「ただ・・・このままあの二人が順調に行くと
    出遅れた朝河が不憫な気はするな」ひそひそ

朧「彼には運が悪かったと思って諦めて・・・」ひそ・・・

雨宮「ちょっと・・・静かにしてもらえないかしら?
    オ!フ!タ!リ!サ!ン!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

朧「雨宮さんの背中に”ゴゴゴゴ”という効果音が見えたよ」

岡部「奇遇だな・・・俺もだ!」

雨宮「さっさと!

    望月は朝河君の治療・・・
    鳳凰院はふらついてる霧崎をふんじばってゲートへ向かう準備」

雨宮「わかったら実行!」

アゲハ「(雨宮・・・こういう一面もあるのか)」ほんわか

岡部「くそ・・・メガネガールの俺への扱いが一気に悪くなった気がするぞ!」

朧「恋する乙女には意中の相手以外はポット以下の存在さ」

岡部「わかってはいるが・・・くやしいのう」

朧「いいじゃないか、君には最愛の助手がいるんだし」

スゴゴゴゴゴ

岡部「???」

雨宮「この轟音・・・まさか?」

ワーム「バリバリバリ」

岡部「あいつは・・・」

アゲハ「倒したんじゃなかったのか?」

雨宮「二匹目・・・」

岡部「(今の状況、辛うじて雨宮と望月が戦力になる程度)」

岡部「(夜科がもう一度あの攻撃を使えるとしても、今度は夜科を犠牲にすることは必然)」

ビュオオオオオオオオオ!

ワーム「イヤダー」ズゴゴゴ

雨宮「ワームが去っていく?」

岡部「今の音はなんだ?」

アゲハ「お前は・・・」

雨宮「タツオ君」

タツオ「ワームは大小あれどみなこの笛の音が嫌いなんだ」

アゲハ「そのマスク、笛になってたのか」

タツオ「効いたよ・・・君のあの一撃」

タツオ「僕は力を失った・・・
     けどそのおかげで・・・心だけは取り戻せた」

岡部「どういうことだ?」

タツオ「この核によって、僕は人格を閉じ込められていたんだ」

タツオ「君のお陰で・・・やっと僕が表層意識に出ることが出来た」

アゲハ「本当に正気に戻ったってのかよ?
     さっきみたいにまた急におかしくなるんじゃ・・・」

タツオ「大丈夫だと思う・・・わかるんだ」

タツオ「もうコレは僕の体の一部だから」

タツオ「他人の体を間借りしているような感覚だったけど
     僕がしたことははっきりと焼き付いているよ」

朧「朝河君は僕が責任をもって治す
  だから君があまり気に病むことはない」

雨宮「タツオ君、アナタは人格を封じられてからのことは覚えているの?」

タツオ「断片的にだけどね」

タツオ「強いショックや周期的な問題でコイツの枷が弱くなって
     意識が覚醒するがあったんだ」

雨宮「禁人種に捕まって核を埋め込まれた
    そのあとのことを教えてくれる?」

タツオ「あれは、コイツを埋め込まれてからしばらく・・・
     初めて意識が戻った時のことだったと思う」

タツオ「僕の前に、禁人種を従える銀髪の男が現れた」

岡部「銀髪の男・・・そいつは人間だったのか?」

タツオ「ええ、どこからどう見ても」

タツオ「ただひとつ違いがあるとすれば、その男の胸にもコイツがついていたことです」

雨宮「一体何者なのかしら?」

タツオ「わかっているのはあの男は強力な力を持つサイキッカーだろうということくらい
     僕に核を埋め込んだ禁人種たちを爆発を起こして軽々と葬っていました」

岡部「禁人種はその男の手下なのだろう?なら何故・・・」

タツオ「僕の意識が壊れてしまったから・・・

     あの男は僕があの時、荒野に現れたことを不審に思っていたみたいで
     情報を聞き出せなくなったことにかなり怒っていた・・・
     それで禁人種を葬ったみたいです」

タツオ「思うに核を埋め込むのに成功した場合、

     あの男と同様にPSI能力が特出した存在になれた・・・
     でも、自我を失った僕の場合は成功に近い失敗作扱いでした」

岡部「つまり、禁人種というのはその核を使って人間を改造した際の失敗作・・・」

タツオ「ワームみたいに動物が元の場合もあるようなので、
     一概にそうとは言えないようですけどね」

アゲハ「(じゃあ、前回のゲームで倒した怪力ヤロウなんかは・・・)」

雨宮「夜科・・・さっきも言ったけどそれはアナタが気に病むことじゃ・・・」

アゲハ「いい・・・理解はしている」

岡部「その胸のモノ、取り出せたりはしないのか?」

タツオ「無理だよ」

雨宮「諦めることはないわ」

アゲハ「元の時代に戻れば何かしらの手段があるんじゃ」

タツオ「さっきも言った通りこれはもう僕の体の一部なんだ
     無理やりにでもはずそうだなんて思ってないよ」

岡部「体の一部といっても、制御できているわけでは無いだろう?
    また自我を失うかもしれない以上、できることなら取り外した方がいい」

タツオ「たしかに・・・そのとおりかもしれないけど」

岡部「だが、今はその球についてはなにも言うまい」

タツオ「・・・助かります」

              ・
              ・
              ・

朧「ひと通り治療が終わったけど、朝河君の意識が戻らない」

雨宮「早く医者に見せたほうがよさそうね」

岡部「よし、現代へ帰るか」

アゲハ「みんな、カードを出してくれ」

ポオオオ

カブト「うはw電話ボックスが光ってる」

アゲハ「先にいけ、雨宮」

雨宮「わかったわ」

雨宮「みんな、私に付いてきて」シュ! ブオン

カブト「は~い・・・消えた?」

アゲハ「ほら、ドンドン行こうぜ!」

カブト「そ~と・・・」シュ! ブオン

岡部「とりあえず朝河を・・・」シュ! ブオン

アゲハ「タツオ?」

タツオ「大丈夫、カードなら持っている」

アゲハ「そうか」

岡部「(なんだこの妙な感覚・・・タツオは何かを隠しているのか?)」シュ!

岡部「(だが、詮索は後にしておくか)」 ブオン

アゲハ「わかった、先に行くぜ」シュ!

アゲハ「・・・」

タツオ「ありがとう・・・さようなら」

 ブオン

              ・
              ・
              ・

アゲハ「アイツ!なんでだよ!バカヤロウ!!!」

雨宮「夜科?」

カブト「あっちじゃねーんだから、ご近所迷惑だぞ」

アゲハ「アイツ、持ってねえ!」

アゲハ「タツオのやつ、カード持ってねえんだ!」

雨宮「どうして嘘を?」

カブト「それって・・・帰ってこれねえじゃん」

アゲハ「帰れねぇってわかっていたんだ」

岡部「それ以上喚くな

    俺たち・・・
    いや、朝河に悟らせなたくなかったんだろう」

雨宮「どういうこと?」

岡部「単純な話だ

    あの場でもし朝河が起きていたら、タツオに付き添ってとどまっていた可能性があった
    それに、貴様らだって後ろ髪を引かれて留まっていたかもしれない・・・
    そうやって余計な迷惑を掛けたくなかったんだよ」

アゲハ「水くせえ・・・」

ブオン

朧「ここは・・・帰ってきたのか?」

アゲハ「朧!タツオは?」

朧「彼は行ってしまったよ、自分がどこかに落としたテレカを探すといって」

アゲハ「あそこでカードを探す?」

岡部「・・・たしかに付き合わせるには過酷な道だ」

朧「恨んでくれてもいい・・・すまなかったと言っていたよ」

アゲハ「なに行ってやがるんだ・・・ヒリューになんて言ったらいいんだよ・・・」

アゲハ「勝手すぎるだろ!」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――___―― ̄ ̄___ ̄―=

タツオ「死が近づいているのがわかるんです
     この球の力を失ったら・・・僕は死ぬ」

タツオ「この傷をつけた彼の前では死ねないんです
     僕を救ってくれた彼が、僕を殺したと悩まないように」

朧「その話・・・アゲハ君に言えないのはわかるけど、どうして僕にだけ?」

タツオ「たまたま最後の一人がアナタだったこともあるけど・・・
     それ以上にアナタは朝河さんを救ってくれた恩人だから」

朧「彼が助かったのも僕の都合、別に恩義を感じることは無いよ」

タツオ「でも、事実ですから」

タツオ「僕は一人で行きます」

タツオ「このまま死ぬつもりはありません
     この禁人種の体で生き延びるすべが、この世界なら見つかるかもしれないから」

朧「なら、また逢う日まで」シュ! ブオン

タツオ「自分のわがままでこの世界にやってきました

     カードがなくても自力で戻る方法を必ず見つけます」
     待っていてください朝河さん
     きっと会いに行きます、この両足で」

今回はここまで
長くなりすぎて校正が追いつかないところは失礼ながら脳内変換頼んます

じーかいのオカリンは? テーレッテー♪

再び愛知に立つオカリン!
そこでオカリンは、四年ぶりとなるある人物と再開を果たす!

ダル「ガンダムウォー!レェディィィィィィィィ・・・ゴー!」

岡部「今回最初と作戦が違う気がするけど結果往来ということで勘弁願う」
    土下座orz   テーレレ♪


頑張れ

乙!!

乙!

三週間ぶりのご無沙汰、みんな(雨宮さんスレで)にゃんにゃんしてたかな?
冗談はさておき残業都筑でまだ30レスしかでけてませんすんまそん
納期が遅れそうな予感

おひさ~

ずっと待ってるから、大丈夫だ

続きをいつまでもお待ちしております。カオスヘッド勢の登場はいつになるのですかな。

とりあえず途中だけど一日分書き終えたからゴリラ的投下しておきますよ

>>192
修行タイムなのでしばらく出せそうにないやorz

岡部「まずは、八雲祭に連絡だな」

              ・
              ・
              ・

祭「・・・全員無事か
  私はイアンを呼んでおくから、お前たちは豊口のマンションに先に来てくれ」

雨宮「わかったわ」 ピ!

岡部「連絡は着いたようだな」

雨宮「祭先生のマンションにキュア使いを呼んでくれるそうだから、
    このまま朝河君を担いで行きましょう」

朧「ここから近いのかい?」

雨宮「そうね・・・タクシーを拾えば三十分というところかしら」

朧「それなら、僕が車を出すよ
  おあつらえ向きにそこにレンタカーがあるし」

岡部「そのほうがいいな
    男を担いで歩くのは人目につく」

カブト「それじゃあ、オレもう帰るわ」

岡部「その前に、アドレスを教えてくれ」

カブト「ヤローとアドレス交換なんざヤダヨ」

雨宮「じゃあ私となら・・・」

カブト「いいの?」

雨宮「あくまでサイレンドリフト同士、協力するためよ
    アナタみたいなタイプ、好みじゃないから」

カブト「ハニーちゃんはなかなか手ごわいね」

アゲハ「帰るなら一つだけ念押ししておくぜ
     オレたち以外には絶対にサイレンの話はするなよ」

カブト「なんで?」

岡部「あっちに飛ばされた時に言っただろ?
    無関係の人間に情報を漏らすと、もれなくネメシスQに殺されるぞ」

カブト「はにゃあ・・・忘れてたぜ」

サイレンとフェイトスレが行方不明だからこっちは生きててよかった

店員「いらっしゃいませ~(あれって・・・もしかして)」

朧「ワンボックスを乗り捨てで一台借りたいんだけど・・・」

店員「望月朧さんですね?サインください!!」

朧「人気があるのも困ったものだよ」

              ・
              ・
              ・

祭「待っていたぞ!」

イアン「またコイツらか」

アゲハ「だれ?」

雨宮「あれがイアンよ」

雨宮「車の中で説明したけど、彼は生粋のサイキッカーよ
    サイレンについてはなにも言わないように」ひそひそ

アゲハ「へ~い」

岡部「はじめまして、鳳凰院凶真だ!」

イアン「お前からしたら初対面かもしれないけど、
     僕はこの間治療した時に合ってるんだがな」

祭「気むずかしいやつだがキュアの腕前は天下一品だ」

アゲハ「すげぇやつなんだな」

イアン「患者はそのデカイやつか・・・
     この間もそうだが今回もまたひどいやられようだな」

イアン「君らはいったい何を相手にしているんだ?」

祭「いつも言っているとおりだが・・・」

イアン「わかっているよ
     いずれ教えてくれればいい」

イアン「ところで・・・
     そうか、貴様があの糞コテ鳳凰院か」

岡部「貴様・・・ネラーか?」

イアン「ROM専だがな
     コテハンまでつけて書き込むヤツの気がしれんよ」

イアン「しかも、コテハンと同じ名前をリアルで名乗っているときたもんだ
     マツリに教えてもらった時は腹を抱えて笑ったもんだよ」

岡部「フフフ・・・フハハハハハハハハ!」
イアン「・・・・・・・アッハハハハハハハ!」

岡部「何が可笑しい!!!

    鳳凰院凶真は我が真名だ!
    @ちゃんから日常生活まで名乗ることは自然の摂理だ」

イアン「まさかそこまでクレイジーだとは思わなんだ・・・
     馬鹿にしてすまなかったな」

岡部「気にするな、慣れている」

イアン「・・・ピキィーン!」

イアン「そうか、思い出したぞ・・・貴様、四年前の・・・」

岡部「四年前?」

イアン「チャンピオンシップ予選、東京地区Bブロック決勝・・・」

岡部「ああ、ガンダムウォーか

    四年前の地区予選は優勝したのだったなあ
    貴様もあの場にいたのか?」

イアン「あの時!お前に負けたんだよ!
     道理でどこか聞き覚えがある名前だと以前から思っていたんだ!」

岡部「さて?相手の顔などまるで覚えていなかったぞ」

イアン「もう終わったカードゲームのことだし気にはしないが・・・」

イアン「あの時の屈辱・・・機会があったらいずれはらしてやるぞ」

アゲハ「ガンダムってあのロボットアニメだよな?」

雨宮「トレカの話みたいだけど・・・興味もないしどうでもいいわね」

朧「(この空気じゃその時Aブロックで優勝したのが僕だって言えない・・・)」

朧「(あの時は決勝大会が仕事とかち合って、松本さんにこっぴどく叱られたなあ)」

アゲハ「お話中のところワリーんだけど、そろそろヒリューを」

イアン「それもそうだな」

イアン「じゃあ僕はむこうでキュアを始めるから、キュアが終わるまでには君達は帰ってくれよ」バタン!

祭「まさか・・・イアンと鳳凰院にそんなつながりがあったとはなあ
  アイツも他人嫌いの割にトレカ遊びたあ、よくやるよ」

祭「そういえば・・・
  サイレンゲームがなかったら、鳳凰院には訓練の様子を聞く予定だったな」

祭「調子はどうだ?」

岡部「煙幕と剣、二つのバーストを身につけたんだが・・・まだまだ威力不足だ」

祭「じゃあ、夜科の方は?」

雨宮「そのことなんですけど・・・」

              ・
              ・
              ・

祭「ふうん・・・黒いバーストねえ?」

岡部「俺が思うに夜科の力、あれは普通じゃない」

朧「破壊の権化というにふさわしい能力さ」

アゲハ「いや~照れるねえ」

雨宮「チョーシに乗らないの!」

祭「桜子の言うとおりだ!
  扱えない力なんて逆に危なっかしくて見ていられない」

祭「とりあえず、文献を漁ってみるよ」

岡部「だったら・・・」

祭「メモリーカード?」

岡部「孫コピーで悪いが、この中にはブライス研究録のPDFデータが入っている」

祭「おまえ、よくそんな稀覯本を・・・しかも電子データでだと?」

岡部「我が助手のツテでな」

アゲハ「研究録?」

雨宮「むこうに招集された時にちょっと話題にしてたでしょ」

アゲハ「ああ!鳳凰院のコレ(小指ビシィ!)からもらったっていう」

朧「そうそう」小指ビシィ!

岡部「そこのお二人さん」ゴゴゴゴ

朧「フン!雨宮さんと比べたらまだまだだね」

アゲハ「それで威圧のつもりかよ、しょっぺーな」

祭「コラ!いい加減に茶化すのはヤメレ」

祭「とりあえずこの文献から漁ってみるか
  それにしても大英図書館で閲覧して以来か」

雨宮「大英図書館?!」

アゲハ「それってあれだよな・・・」

朧「イギリスが世界に誇る国立図書館だね」

岡部「和訳してもらったものだし、ありがたみは減るがな」

イアン「そろそろ邪魔だから帰ってくれなイカ?」

岡部「おっと・・・そろそろ俺たちは帰るか」

アゲハ「そーだな!
     それじゃあヒリューのことはよろしく頼みますよ」

雨宮「イアンの態度は気に喰わないけど、そうしましょうか」

アゲハ「あ!!!」

岡部「どうした?」

アゲハ「もう10時過ぎじゃねえか!
     このままじゃまた姉貴に絞られる」ガクブル

岡部「貴様、姉がいるのか」

朧「ぜひ一度会ってみたいね」

アゲハ「そーだ!」

              ・
              ・
              ・

岡部「・・・っと、望月朧は夜科の家にお泊り」

岡部「雨宮はそのまま自宅に帰った」

岡部「八雲祭とは明日朝に集合の約束を入れられ、帰るにも帰れん」

岡部「ここが愛知県だということをすっかり忘れて安請合いを・・・」

影虎「おう!岡部じゃねえか!」

岡部「雹堂さん!」

岡部「お互い東京住まいなのに、奇遇ですね」

影虎「影虎さんでいいって!

    そりゃあおめえ・・・明日朝一で姐さんと約束があるから、
    こうして前日入りしてるって寸法よ」

影虎「なんでも2,3人シメて欲しい奴が出来たとか」

岡部「(まさか・・・いや、間違いなく俺や夜科達のことだな)」

岡部「そうですか」

影虎「そういう岡部のほうは?帰ったんじゃなかったのか?」

岡部「ちょっとした用事で・・・」

影虎「そうだ!だったら今夜付き合わないか?
    二十歳なら多少は飲めるんだろ?」

岡部「まだまだ嗜む程度ですが」

影虎「よし!決まりだ!」

              ・
              ・
              ・

ぴんぽーん!

影虎「姐さ~ん!」

祭「トラか、随分早かったな」

岡部「おじゃまします」そ~

祭「なんだ、岡部も一緒か
  さっきは帰っちまったけど、よく考えればオマエの家は東京だったな」

影虎「なんでえ!岡部の用事って姐さんのところでしたか」

影虎「どうせなら泊まってけばよかったものを」

祭「今日はイアンも着ていてな、遠慮したみたいなんだよ」

影虎「イアンの野郎に遠慮なんかいらねえっつのに」

岡部「皆が帰ると言っている手前ついうっかり」

祭「とりあえず、駆けつけ三杯だ!」

影虎「おうよ!」グビグビ

祭「遠慮すんな、ほら、オマエも」

岡部「い・・・いただきます」グビリ

祭「なんだァ?!飲みっぷりが悪いな」

トコトコ

イアン「マツリ、あの小僧はもう大丈夫ダゾ」

祭「いいところにきた、オマエも飲め飲め」

イアン「ったく、とんだ飲兵衛ぶりだ」

イアン「それはそうと・・・貴様らはなぜここにいるんだ?」

イアン「ここは僕とマツリの愛の巣だ!さあ、帰れ!」

岡部「な~にを言う!朝河だっているじゃねえか?」ヒック

影虎「おいおい、まだビール一杯だぜ」

祭「いい酔いっぷりじゃねえか」

イアン「さっそく出来上がってるなコイツ・・・」

祭「さあさあ、イアンもじゃんじゃん飲みやがれ!」

イアン「いくらマツリの酒といっても、君の場合は限度というものが・・・」

祭「トラ!岡部!」  岡部「オウ!」  影虎「オウ!」

祭「飲ませるぞ!」

イアン「や~め~ろ~!ハナセ!」

イアン「うわあああああああああああああああああ!」

イアン「コレンナンダー!!!」

祭「中国式に乾杯は飲み干すのが礼儀だ!」

影虎「飲料用のみりんたあ、古風なものを」

イアン「それは僕が・・・おねがひ!ストレートはヤメレ~」

              ・
              ・
              ・

・・・翌朝・・・

岡部「ううううううううう」

影虎「二日酔いか?」

岡部「ここは?」

影虎「な~に寝ぼけているんだ?姐さんの家だろ」

岡部「すみません・・・全く覚えてないです」

イアン「あんだけヘベロケになれば当然だよ」

イアン「この僕がいなかったら今頃貴様は急性アル中であの世にいるよ」

岡部「ええと・・・すみませんが、どちら様?」

イアン「僕のことを覚えていないだと?」

祭「気にすんな」

イアン「少しは気にするよ」

イアン「今度あった時は、覚えておけ!」バタン

影虎「イアンの野郎は帰ったか」

飛龍「なんだ?この騒ぎは」

祭「オウ!起きたか朝河」

岡部「昨晩の酒盛りの余韻というやつだ」

岡部「もっとも、俺の記憶には残っていないが」

飛龍「???」

祭「それじゃ、メシ食って出かけるぞ!」

飛龍「何処に?」

影虎「ついてくれば判る」

飛龍「・・・というか、誰だ?」

              ・
              ・
              ・

祭「今回は急な召集で不十分だったがよく生き残ってくれたね」

祭「桜子を守ってくれてありがとう」

祭「特に望月朧、アンタのお陰で最悪の事態を回避できた」

朧「大したことじゃないさ」

カブト「いや~まったくだ!」

カブト「チミたちのお陰でこうして無事に帰ってこれた」

カブト「ところで、雨宮ちゃんとデートと聞いてきたのに何よコレ」

飛龍「オマエは相変わらずだな」

祭「新参者も増えたことだし、また今日からできる限り訓練をしていきたいと思う」

アゲハ「マツリせんせ~!」

アゲハ「そろそろ俺達にもライズを教えてくれよ」

飛龍「同感だ!今回のことでそれがよぉぉぉくわかったぜ」

祭「無論、そのつもりだ!」

祭「そこで、特別講師のお出迎えだ!」

影虎「押忍!姐さんのためならいつでも死ねる、雹堂影虎!よろしくな」

祭「コイツのライズは関東随一だ!」

アゲハ 朧 カブト「だ・・・誰?」

飛龍「アンタが先生?」

アゲハ「知っているのか?ヒリュー!」

飛龍「今朝、マツリ先生の家であっただけだ」

飛龍「ついてくれば判るの一点張りで何者なのか教えてくれなかったが」

朧「ところで、今までずっとだんまりの鳳凰院君は?」

岡部「ううう・・・気にするな、俺のは只の二日酔い」

カブト「そういう意味じゃなくて、あのいかにも本職さんな人と面識があるかって話!」

岡部「影虎さん?何度か会って、昨夜は一緒に酒を酌み交わしたくらいだ」

朧「結構馴染んでいるようだね」

岡部「ウチの大家も似たような雰囲気だし、よく考えたらたとえ本職でも気になることでもなかった」

岡部「(さすがにミスターブラウンがラウンダーだと知ったときは驚いたがな)」

アゲハ「見た目に反して意外と図太い神経してたんだな」

祭「コイツ、いままで22回もプロポーズしているんだぜ!全部断ってっけど(笑)」

アゲハ「え~~~」

アゲハ 飛龍 カブト 朧「(どう見てもヤク・・・)」

影虎「貴様ら、人を如何わしいやつだと思っているだろ!コラァ!」

影虎「見た目で人を判断するんじゃねえって母ちゃんに教わらなかったのか?」

影虎「言っておくがこの影虎ァ、女子供を半殺しにしたことは一度もねぇ!」

影虎「猫大好き!モンブラン超大好き!」

岡部「フリスキーーーー!!!!!」

影虎「さすがリン坊はノリがいいね!俺が見込んだだけのことはある」

朧「(もうあだ名を付けられるほど気に入られている?)」

影虎「貴様らも人を見かけで判断しねえようにな」

祭「コイツいいやつだろ?バカだけど」

アゲハ「そ~すね」

雨宮「テレパスで言っておくけど、あの人にサイレンのことを話したら死ぬからね」

祭「よし!訓練内容を発表しま~す」

祭「影虎の顔面にパンチを一発当てること、それができたら初歩はクリアね!」

影虎「心配すんな、50%に手加減してやっから」

岡部「俺の訓練メニューは?」

祭「そうだな・・・二日酔いが酷いからな、とりあえずなるべく早く酔を覚ませ」

岡部「休んでいろということか?」

影虎「頭の働きがニブイな、自己治癒力の強化はライズの応用ってことだ」

岡部「なるほど、そういう事か」

カブト「なになに?鳳凰院はやんね~の?」

朧「彼の場合、初歩の段階はクリアしているからね」

カブト「いきなり差がついたもんだ」

アゲハ「なんか滅茶苦茶だぞ、マツリ先生!まずはコツを教えてくれよ」

飛龍「バーストの時は教えてくれたじゃねえか」

祭「コツなら最初のバーストんときに教えただろ?」

祭「PSIの基本はまず己の脳でイメージを構築すること」

祭「ライズを覚えるには常に強くなった自分のイメージを探さなきゃね」

影虎「そ、実体験を伴ってなぁ」ドン!

ドカァ!

アゲハ「(後ろ?)」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
只今フルボッコ中・・・只今フルボッコ中・・・
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

影虎「なんだァ?もうちっと反応してくれや」

影虎「途中から亀の子になった望月朧はちったあマシだが」

カブト「いってぇぇ!イキナリなにすんだよ!」

飛龍「なんつう動きだ」

アゲハ「ああん・・・イメージだぁ?ふざけやがって!」

影虎「最近、自分の怪我の治りが早えと感じたことはねぇか?」

影虎「体の調子がいいと感じたことはねぇか?」

影虎「お前達はもう・・・無意識のうちにライズを使ってんだよ!

    得手不得手はあるにせよ・・・
    あとはそれを意識の表に引きずり出すだけ」

影虎「殴られて殴られて殴られたその先に、見えてくるものだってあるんだぜ?」

アゲハ「上等じゃねぇか」

飛龍「やってやるぜ!」

影虎「オゥーし!ドンドン来い!」

朧「・・・僕は見学させてもらったほうがよさそうだ」

カブト「サイのサの字もしらねえのになんで俺まで参加させられるわけ?」

岡部「とりあえず、この場はあの二人にやらせてみようじゃないか」

カブト「そーだな、とりあえず一休みするか」

・・・・・一時間経過・・・・・

朧「そろそろ気分は良くなったかい?」

岡部「とりあえず頭痛は」

カブト「二日酔いだってな?弱ぇんだな」

岡部「待て待て!そういう貴様はまだ未成年じゃなかったのか?」

カブト「いいんだよ、こまけぇことは」

朧「芸能界じゃよくあることさ」

カブト「やっぱり?美少女アイドルとして名を馳せても二十歳前になるともう落ち目
    そういう子が飲めない酒を無理して飲んで、重役のおじさんを相手に・・・」

カブト「くぅ~!そんな子を魔の手から救ってみたいもんだぜ」

朧「それはさすがに・・・」

カブト「いいじゃねえか!ありえないこと前提なんだから」

岡部「妄想乙」

飛龍「(あっちは呑気に駄弁りやがって!)」

アゲハ「ゲホ!ゲホ!」

影虎「どーしたどーした?ドンドン動きが悪くなってるぜ」

アゲハ「まだまだぁ!」キイイイイイイ

飛龍「やってやる!」キイイイイイイ

影虎「ほう・・・来やがったか」

影虎「(手応えに免じて・・・ホイップパンチ!)」

飛龍「ぐあぁ!」

影虎「なんでぇ?伸びちまいやがったか」

祭「ちょっと期待しすぎたかな?」

影虎「どうしたぁこれで終わりか?!」右ストレート!

ゴっ!

アゲハ「や・・・べ」

雨宮「夜科ー!」

アゲハ「(あまみや?)」 避けろ!

影虎「(左ストレート!)」ヒュン!

                     一 一二 三゚ω゚ )

                   一 一二  三    \
                  一 一二((⊂ 三)   ノ\つ))
                    一 一二  三_⌒ヽ
                     一 一二  三 ヘ |
                      一 一二  三ノ J

ドガシャア!

影虎「出来たようだな」

アゲハ「今?」

祭「やれば出来るじゃん」

朧「アゲハ君もライズを・・・」

祭「とりあえず夜科と朝河は休憩、休んでた三人と交代!」

岡部「ううう・・・まだ少し頭が・・・」

影虎「二日酔いぐらい気合で耐えろ!気合で!」

岡部「押忍!」

雨宮「そういえば・・・霧崎君は?」

----------->
カブト「ついていけそうにねーぜ、まったく」

岡部「お願いします」

影虎「バッチコイ!」

岡部「(まずは様子見から・・・)」ジャブ!ジャブ!

影虎「ぬるいぜ」パぁン!

岡部「拳ごと?」

影虎「そんな軽い拳じゃ何もつかめねぇ・・・せいぜいボクシングの小学生チャンピオンだ」

影虎「もっと気張って来いよ」グバン!

岡部「(左手が真っ赤に・・・)」

岡部「うおおお」右ストレート!

影虎「そうそう、その調子だよ」ヒュン!

岡部「(相手のほうが格上、もっと貪欲に)」

岡部「せい!せい!どっせい!」ブオン!ブオン!ブオン!

影虎「(まだまだ甘い)」ヒュン!ヒュン!ヒュン!

影虎「そろそろこっちから行くぜ!」ローリング・サンダー!

 ●
  ●
   ●

岡部「(右に・・・)」ヒュン!ガツ!ゴキ!

岡部「ぐあ~」

影虎「つい、ちょいと本気を出しちまったぜ」

朧「一見すればただの左ストレートパンチ・・・だけど!」

祭「見えたか?」

朧「ええ
  ほぼ同時に見える超高速の三連打
  あれは間違いない・・・」

祭「そう、0.1秒間に3発のストレートを放つスーパーブロー
  ローリング・サンダー」

朧「実際に出来るものとは・・・
  いや、これは僕の認識が甘かっただけか」

祭「ライズを得意とするサイキッカーは格闘マンガ顔負けさ」

岡部「まだ・・・まだ!」ふらり

影虎「立ったか?同じやつでもう一度いくぜ」

岡部「押忍!」

岡部「(避けたにもかかわらずに2発もあたった・・・)」

岡部「(つまり、今のは高速の連打なのか?)」

岡部「(センスだ!センスを全開にして・・・)」

影虎「ロー!リング!サンダァー!!!」

   ●
  ●
 ●

岡部「!!!」ガン!ガン!ドゴオ!

岡部「うぐぅ」

影虎「見切ろうという姿勢は大したもんだが、そこから先へ一歩踏み出すモンを掴んでみせろ!」

影虎「言ったろ?殴られたその先に、見えてくるものだってあるってな」

影虎「グ、んダァー!!!」

岡部「(こうなったら射程外へ・・・)」脚力限界点突破!

影虎「(アイデアは悪くはないが、それじゃあまだまだ初心者だぜ)」ズズズ!

岡部「(駄目だ!逃げられない!)」

 ●   まずは眉間
  ●  次にチン(顎)      >朧
   ● 最後は、みぞおちだ!

岡部「うお~」ドサ!

影虎「ま、こんなもんか

    リン坊も夜科や朝河よりは慣れているとはいえ、
    まだまだ教え甲斐があるヒヨっ子だぜ」

              ・
              ・
              ・

紅莉栖「もしもし・・・」

岡部「なんだ、助手か?」

紅莉栖「何だ?・・・じゃないわよ!
     帰ってきているんなら連絡くらいよこしやがれ」

岡部「ああ・・・すまん、色々会ってな」

紅莉栖「色々って・・・」

岡部「実をいうとかくかくしかしか・・・」

紅莉栖「よーするに酒盛りしていて忘れたんですかわかりました」

紅莉栖「でも、今度からはそういうのは辞めてよ、心配したじゃない」

岡部「ホントーにすまない」

紅莉栖「で、今どこにいるの?」

岡部「愛知・・・」

紅莉栖「そんなことはわかっているわよ!」

岡部「豊口市の外れにある廃工場、そこでPSIの訓練を受けている」

紅莉栖「そう・・・じゃあ、今夜、白滝シティホテルA-72号室で待っているから」

岡部「了解・・・って?!貴様、こっちに来ているのか?」

紅莉栖「正確には、ホテルの予約だけとってそっちに向かっているところ
     ラボのみんなにはパトロン絡みの所要とだけ伝えてあるから安心して」

岡部「(そうなんども通用するものか?だが、いまは気にする程でもないか)」

岡部「了解した!1900に集合だな」ピ!

アゲハ「おいおい、今の電話って・・・」

飛龍「間違いなく(小指ビシィ)だな」

飛龍「そういえば、望月は合ったことがあるんだよな?どんな人だ?」

朧「おやおや、君達は雨宮さん狙いで興味がないと思っていたけど・・・」

アゲハ「そーいうんじゃなくて、単なる興味だよ」

朧「その若さで好きな子がいてNTR属性持ちとか
  そんな歪んだ恋愛感情を持っているようではないことくらい
  わかっているって」

アゲハ「・・・」

朧「冗談だよ、ジョーダン」

アゲハ「で、どんな人よ」

雨宮「へ~・・・夜科達ってそ~いうのに興味が有るんだ?」

飛龍「おわあ!」

雨宮「ま、私も年頃のオンナノコだし
    興味が無いわけじゃないけど」

アゲハ「だよな・・・気になるよな
     あんな厨二病丸出しの男を好きな女がどういうやつか」

岡部「き~さ~ま~ら~」

飛龍「ケッ!ビビることは・・・」

┠”┠”┠”┠”┠”┠”┠”┠”

アゲハ「ヒリュー!やべえぞ」

朧「昨日とはまるで違う!」

影虎「おいおい!テメーら何やっているんだ?」

雨宮「鳳凰院の彼女がどんな人か気になって相談しているなんて、そんなことありませんよ」

影虎「雨宮の嬢ちゃんは正直だな・・・」

影虎「なあ、リン坊よぉ・・・オメエのコレ(小指ビシィ)って、どんな人よ?」

アゲハ「影虎さん、高圧的態度に訴える気か?」ヒソヒソ

影虎「だれがそんな如何わしい職業の人みたいな真似をするか!」

アゲハ「ハハハ・・・そんな事するわけねーっすよね」

岡部「昨日さんざん教えたじゃないですか?」

影虎「そーだっけか?お前さんはす~ぐに酔いつぶれてたが・・・」

岡部「助手のことですよ!」

影虎「助手?」

岡部「だから、かくかくしかしかセレブセブンティーンの妄想エロリストクリゴハンの・・・」

影虎「あ~あの子か?口では色々言ってたけどなんだかんだ女房みてぇに親しげだった」

岡部「そう、その助手のことですよ」

影虎「たしか、付き合っているわけじゃねえんだろ?」

岡部「それは・・・コイツらが勘ぐっているだけですよ」

影虎「そ~か、そ~か」

祭「お~い!」

祭「そろそろ午後の訓練をはじめるぞ~」

影虎「よし、オメーら!食休みもそれくらいにして、キバってこいや!」

ウス!!!

------------------------->
【祭の部屋】

祭「一日お前に鍛えてもらったが、どう思う?」

影虎「そーっすね・・・

    とりあえず番外編として、雨宮の嬢ちゃん・・・
    嬢ちゃんは自分のスタイルが出来上がっちまっているんで
    鍛え甲斐がねぇのは正直残念ですね」

影虎「嬢ちゃんの力量だとライズだけで到達できるレベルはアレがほぼ精一杯だと思いますよ

    殴られて、殴られて、殴られたよりもさらにその先・・・
    死線でも越えない限り、ライズ単体じゃこれ以上は・・・」

祭「その心は?」

影虎「嬢ちゃんも自分で感じてるようですけど、

    バーストなりトランスなり、自分の特技を伸ばすほうがいいでしょうね
    正直、あっしが嬢ちゃんに教えられることは何一つ無いですよ」

祭「・・・」

影虎「いえ・・・あっしの言い方が悪いんで誤解してほしくはねえですが、
    逆に言えば関東随一の男からのお墨付き・・・」

祭「だ、そ~だ!良かったな、桜子!」

雨宮「よくないですよ・・・私はもっと強くならないと」

祭「お~よしよし・・・明日から暇を見て個人レッスンしてやるから」

雨宮「約束ですよ」

雨宮「じゃあ、私はもう帰ります」

祭「他の奴らの成績は聞かないのか?」

雨宮「影虎さんが合格点を出してからのお楽しみにしておきます」バタン

影虎「放っておいて、いいんですかね?」

祭「ここからは自分で乗り越えなきゃいけない領域だからな
  桜子だってそれはわかっているんだよ」

祭「それじゃあ、次に行ってみようか!」

影虎「じゃあ次は夜科・・・

    アイツはバランス型ですね
    センスで反射神経を底上げし、瞬間的なストレングスでパワーとスピードを稼ぐ
    ヒットアンドアウェイをやりたいんでしょうけど、まだまだイメージが固まり切れないって感じですね」

影虎「次は朝河・・・

    コイツはストレングスに偏重した俺や姐さんに近いタイプですね
    ガードを固めて攻撃を耐えてからのワンチャンス狙いでしたけれど
    今のところは硬さのイメージが足りてない感じですね」

影虎「次はン坊・・・
    リン坊はタイプ的には雨宮の嬢ちゃんに似ていますね」

祭「桜子に?」

影虎「敏感なセンスと瞬間的な一撃を込めるストレングス・・・

    バランス型の夜科と違ってセンスの荷重が多い分、防御はどうしても薄っぺらになっちまいますからね
    こういうタイプほど避けるディフェンスを入念に教えこむ必要がありまよ」

祭「ローリングサンダーまで使って、さっそく手厳しく絞っているようだが」

影虎「なんとなく感づいてましたからね」

影虎「まあ、弟分として面倒を見る杯まで交わした仲ですし
    半端モンにはさせられませんよ」

              ・
              ・
              ・

テーレッテー♪

影虎の元で修行を積んだオカリン
果たして、Newスーパーブローは完成したのか?

        '、  ゙、            ..     ィ''l   ゝ、,..< /
        ゙!-v、 '           _/|     ヽ フ‐冖 {ノ'
      ,,....-トr ;|ノ          ,/_/     _/   /
    っ''´::::::::::::::::`:1        / /、     ノ冖 ‐┤
    /''::::::::::::::::::::::::::|'      /  '、     ノ'''ッ-ぃ.../
   │::::::::::::::::::::::ノ|l     / r'l ゝ    /「/  | /
    `:::::::::::::::::广1 !   ,  │/ │ 1   _,'/   ,' 丿
     ヽ:::、/   l   / l  │  ゝ l  ノ‐'、  _../,'´
    _..‐´゙''t ゝ、  /. / / ノ卜  '|  l ヘr'" ′ ''〈 「
   ./ ̄ヽ   ̄  'ン’ / _r' r ┐  { ノ     ''`′
   '、  |! /'‐ゥ/   〈  1 ‐ノ 、   ン′
  /′ ,,l' 〃 _/  、 ヘ 、 1 〈/'丿
  /   ,'゙彳:l厂 /ヽ、 ゙lノ"'1 丿 ,,、
 イ ,,..ィtf入│ _/  卜 │ ヤ’/  `\
 l'''´  _/  l ⊂-‐''|'、 |'、  T    ゝ、
 ヒ ..-''´   '´ ゙'、  〕  U"''''ー--.... _ フ ヽ、
          广 、卜 |癶、     ヽ l'´ ゙'、
         /{  丿  ∥ ゝ      `ー..  \
       ‐ノ  !,,/  ん、 │          `′

ダル「倍音スペクトルは無限の旋律だお」

テーレレー♪

追伸
最初に始めた頃はそろそろギガロまガールズを絡ませようと思っていたのに
蓋を開けたら影虎さんとリンかけ式スパーリングを始めていたでござるの巻
あと天才望月朧の万能具合は異常

追伸2
ダムウォネタはVIPのSSから拝借しましたのであっちの>>1がここを見ていたらすごい偶然を感じる
紅莉栖「ガンダムウォー?」岡部「そうだ」 - SSまとめ速報
(ttp://logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1341836706/)

おつおつ

ローリングサンダーと神業ディフェンスで岡部シナトラ化計画ですか

おつおつ

ラボメンメンバーを誤魔化す」といってもフェイリスのあの能力というかこの世界だとスキルをどうやってごまかすんだ。

生存報告
大体30レス強だけどもうすぐ一区切り付きます

>>243
フェイリスにゃんにゃんとはしばらく会っていないのです(忘れていたことは密に密に)

了解

透過ですよ!

【白滝シティホテルA-72号室】

岡部「久しいな、助手よ!我の帰還をもっと盛大に・・・」

紅莉栖「SSO」

岡部「なんだそれは?」

紅莉栖「そこまでに・しておけよバカ!・岡部」

岡部「だったらSSBのほうが・・・って、誰がヴァカだ!」

紅莉栖「お前以外にいるか?冗談は顔だけにしておけ!」

岡部「顔?」

紅莉栖「ほら、ちょっとそこに座って」

岡部「はい?」

紅莉栖「いいから・・・パパの田舎で作ってる傷軟膏を持ってきたから」

岡部「だから?」

紅莉栖「塗ってやるって言ってるんだ!このニブチン!」

岡部「そういう事か・・・だがな、人を指さしてニブチンとは感心しないぞ」

岡部「俺だって、男だからな」

紅莉栖「(ノ∀\*)なに勘違いしてるのよ!」

岡部「勘違い?貴様こそなにを妄想したんだ?」ニタニタ

紅莉栖「死ね!」JET///

岡部「まいあがった・・・せんりつと・・・とも・・・に・・・」グタリ

紅莉栖「大丈夫?」

岡部「う~ん」ゼットゼットゼット・・・

紅莉栖「寝てる?」

紅莉栖「いい機会だし、今のうちに薬を・・・」

ずりずり・・・
ぬりぬり・・・

紅莉栖「ふう、とりあえず治療完了!」

紅莉栖「それにしてもここ一ヶ月ですごい数の生傷ね」

紅莉栖「特にみぞおちと両脇腹の痣は・・・」

岡部「う~ん・・・おわあ!」

紅莉栖「キャ!びっくりさせないでよ」

岡部「それはこっちのセリフだ!目を覚ましたら全裸で寝かされていたんだぞ
    改造手術をされたかと思うではないか!」

紅莉栖「だれがどこぞの秘密結社まがいのことをするか!」

岡部「この間なんか俺の頭に電極をぶっ刺したではないか」

紅莉栖「あれは、脳波測定用のヘッドセット!そもそも刺してすらいねー!」

岡部「??・・・これは、なんだか体中がぬるぬるするような・・・」

紅莉栖「傷薬を塗ってやったのよ」

岡部「通りで・・・確かに痛みは軽くなった」

岡部「だがな、さすがに塗り過ぎじゃないか?」

紅莉栖「取説にだってシッカリ塗りこめと・・・」

岡部「塗り込めとは書いてあるが、体中がべたつくほど塗るなとも書いてあるぞ?
    貴様、どれだけの量を塗ったんだ」

紅莉栖「ビン一本」

岡部「万年筋肉痛に悩む農家のおじさんでさえ一日では使いきらん量じゃないか!」

紅莉栖「ゴメン」

岡部「だが、気にするな!痛みが引いたのは事実だしな」

・・・・・・・・・・・3日後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ゴ!   ゴ!  ゴ!
ひょい!ひょい!ひょい!

影虎「ちょいとスピード上げるぜ!」ズズズ・・・

アゲハ「!!!」

影虎「おらぁ!」ブオン!

アゲハ「ライズ!」

シュン!
ブオン!
ピタァ!

影虎「やるじゃねーか、テメーは合格だ!」

アゲハ「最後わざと避けなかったろ?いつか本気のアンタに一発ぶち込んでやる」

影虎「カーカカ!本気出したら殺しちまうぜ!」

アゲハ「冗談にきこえねー」

飛龍「次は俺だぜ!影虎さん」

影虎「フン・・・カタブツ野郎か」

飛龍「ライズ!」

影虎「(どれ、硬さが足りてるか!)」ブーメラン!

飛龍「(左の錐揉みフック・・・耐えてやるぜ!)」SHOWK!!!

グワシ!

影虎「(まるでコンクリ詰めのドラム缶に打ち込んだみてーだぜ!)」

影虎「(それに、掴まれた右腕も一ミリも動きゃしない)」

飛龍「これでいいんだろ?」ドヤ

影虎「フン!テメーも合格だ」

祭「どうだい?奴らは」

影虎「異様に飲み込みがいいっすね
   もうイメージが固まったみたいですよ」

影虎「夜科のH&Wと朝河のストレングス・・・下地は充分出来上がりましたよ」

祭「あとは、あいつらか」

影虎「ええ・・・
   やい、望月朧!
   テメエずっと見てるだけじゃねえか!
   そろそろ気合見せろ!」

朧「僕も合格しなきゃいけないのかい?」

祭「一撃入れろとまでは言わねえから、やってみろよ」

朧「やれやれ」

朧「(呼吸を読んで・・・サッケード運動の合間、僕の姿が眼球の写角を離れる一瞬を・・・)」

ライズ!

スチャ!

朧「これで僕も合格だね」

アゲハ「おお!」

祭「油断しすぎだ、オメーは」

影虎「面目ねえっす」

影虎「(速くはなかった・・・だが、意識の隙間を縫うように呼吸をあわせられた)」

影虎「(見えた時には反応の外・・・いうなれば、見えるのに見えない攻撃だ)」

岡部「貴様、いつの間にそれだけの技を?」

朧「いやだな・・・天才にわざわざそんなことを聞くなんて」

岡部「貴様ァ・・・最近調子に乗りすぎてやいないか?」

朧「僕は僕らしくいつもの様に過ごしているだけだよ」

朧「君のほうが僕の性分を見誤っていただけじゃないのかい?」

岡部「そういう意味ではなくてだな・・・」

影虎「そろそろ、リン坊の番だ!」

岡部「わかりました!すぐ行きます!」

岡部「あとでスパーリング一本勝負、これで決着をつけようじゃないか」

朧「望むところだけど、いいのかい?」

岡部「腹をくくる準備が必要なのはソッチの方だ!」

雨宮「あの二人、なにかあったの?」

紅莉栖「さあ、男の友情ってやつじゃないかしらね」

雨宮「・・・そういえば、牧瀬さんって脳科学ではかなり名が通っていたんですね
   昨日ネットで調べて驚きましたよ」

雨宮「脳科学者ってこういう研究もするものなんですか?」

紅莉栖「こういう・・・って、PSIのこと?」

雨宮「はい」

紅莉栖「そうね・・・ESP研究が盛んな向こうのラボにいたってのも大きいけど
    高等レベルの研究では多かれ少なかれPSIについても触れるわね」

紅莉栖「でも逆に嫌味な言い方をするのなら、
    実力を認められた一握りの天才にしかPSIのことは知られていないわ」

紅莉栖「学会の中でも暗黙の了解というのがあって、
    一般に公開するようになるのは相当先になると思うわ」

雨宮「そうですか・・・」

雨宮「ところで、牧瀬さんはあの厨二病男の何処が気に入ったのですか?」

紅莉栖「えええ?」

雨宮「余計に気になるじゃないですか!」

雨宮「普通に考えたら市井の自称科学者がアナタのような高名な若手科学者と接点がある」

雨宮「その段階で驚きですよ」

紅莉栖「そ・・・それは・・・」

              ・
              ・
              ・

影虎「いくぜ!」スウ!

岡部「(相変わらず、格ゲーの前ステップのごとき早い踏み込み!)」

岡部「ジャブ!ジャァブ!」ビュシ!ビュシ!

岡部「み・・・」グイ

影虎「右ストレート!」ブン!

岡部「!!!(三拍子に合わせてくるのは想定内)」

岡部「フン!(右はフェイント、本命はこっちだ)」

岡部「アッパー!」JET///

影虎「おおっと!」スタッ//

アゲハ「惜しい!」

飛龍「いや、あれを見ろよ!」

アゲハ「???」

影虎「ツツツ・・・やるじゃねぇか」タラリ

アゲハ「掠めただけで血が!」

飛龍「それだけ今のアッパーが鋭かったんだ」

影虎「(今のは当てってねえ・・・)」

影虎「(パンチの拳圧がスウェーバックによる空気の流れを切り裂いて、カマイタチを起こしやがった)」

影虎「(ククク・・・頼もしくなったじゃねぇか)」

影虎「ここからが本題だ!気張っていこうぜ!」

岡部「来る!」

影虎「ローリング・・・」ズズズ

影虎「サンダー!!!」

  ●
  ●
  ●

岡部「(瞬く間に3発のパンチを放つのなら・・・こちらも瞬く間に対処すれば良い!)」

1.二発目を放つまでの間にカウンター
2.3発全てにクロスカウンター
3.つきだした拳を撃ち落とす

岡部「4.最小限の見切りで全てかわす!」

シュン!シュン!シュン!

飛龍「ダメか・・・惜しかったが」

アゲハ「諦めるのは早いぜ!影虎さんのパンチが当たった時の、あの音は聞こえてきていねぇ」

飛龍「言われてみれば!当たったようにしか見えなかったが、当たってなかったのか?」

影虎「合格だ」

影虎「出来たじゃねぇか!今の感覚、忘れんじゃねぇぞ」

岡部「ありがとうございます!」

アゲハ「よぉ!今の、スゲエじゃねぇか」

岡部「驚いたか!我が神業的ディフェンスを」

飛龍「ストレングス一辺倒の俺には真似できそうにねぇがな」

岡部「我がセンスの適正は関東随一のライズ使いのメガネにかなう代物だからな」

岡部「しかしストレングス主体のあの二人だって習得している、要は慣れだ」

アゲハ「あの二人って、祭センセーたちか」

飛龍「そうなのか?てっきりどちらにも秀でているだけだと思っていたが」

岡部「つまり、貴様達も訓練次第では習得可能ということだ!」

アゲハ「マジかよ祭センセーに教わってくる」

飛龍「俺は影虎さんに聞くか」

岡部「・・・そこで俺を頼るという考えはあるあ・・・ねーか」

朧「合格おめでとう!」

岡部「たかが訓練の一区切りに過ぎんがな」

朧「そうはいっても、大したものだよ」

岡部「先に合格して高みの見物をした上での物言い・・・
   よもや銃数分前のことは覚えていような?」

朧「当然さ」ジジジジ

岡部「卑怯とは言わせん」もああああ

アゲハ「さっきのケンカの続きか?」

雨宮「夜科、アナタは別メニューよ」

雨宮「ついてきて」

アゲハ「???」

              ・
              ・
              ・

朧「貫手!肘打ち!寸勁!」

岡部「未熟!未熟!未熟!」シュン!シュン!シュン!

飛龍「さっきからまったくあたってねぇ」

飛龍「鳳凰院のやつ、神業ディフェンスを完全にモノにしたのか?」

朧「まさか、キミがここまでやるとは」

岡部「我が軍門にひれ伏し、泣いて謝るのなら今のうちだ!」

岡部「フアハハハハハハハハ!」

朧「スキあり!」右ストレート!

岡部「うごふう!」

紅莉栖「あんの・・・バカ岡部!」

飛龍「いつもあんな感じなのか?」

紅莉栖「調子に乗ると割とよくある」

飛龍「アンタも苦労してるよーだな」

紅莉栖「お陰様で」

朧「形勢逆転だね」

岡部「なに勘違いしてるんだ!」

朧「ひょ?」

紅莉栖「(噛んだ?それともHAGAで返した?)」

岡部「まだ俺は倒れていないぞ」

岡部「そろそろこちらから行かせてもらう!」

朧「ついに来たか!」

朧「(さっき見たあのアッパー・・・あれをまともに受けたら負ける)」

朧「(アッパーは大振り・・・逆に言えば距離を詰めればどうということはない)」

朧「ライズ!」ズズズ

飛龍「今の・・・まるで影虎さんみてぇに」

紅莉栖「踏み込みの瞬間に力を集中させて、一気に加速したようね」

飛龍「見えたのか?」

紅莉栖「はっきりと見えたわけじゃないけど・・・力をタメる一瞬、止まったような感じがしたわ」

朧「(このまま体当たり気味で)」ドン!

岡部「おふ(しまった!)」

朧「悪いけど、これでゲームオーバーだ!」ビュン!

紅莉栖「ロシアンフック!?」

飛龍「狭いなら狭いなりに、拳を打ち下ろす気か?」

影虎「望月朧のヤツ・・・さっきは手ぇ抜いてやがったか?」

岡部「(当たったら負ける・・・だが、まだだ!)」

グルン!!!
バシィ!!!

飛龍「なんだ?今のは!」

紅莉栖「バク転して、足でパンチを?」

影虎「まるで巨人の星みてぇじゃねえか」

岡部「ハア・・・ハア・・・(とっさの思いつきだったが、成功したか!)」

朧「今のを防ぐなんて・・・正直キミのことを過小評価していたよ」

岡部「鳳凰院凶真はこの程度では倒せん、覚えておけ!」

岡部「(影虎さんのように一瞬のうちにパンチを連発できればいいのだが・・・)」

岡部「(俺の力では真似したところで蚊にさされる程度の威力しか出せん)」

岡部「(全力を込めた一発・・・これで倒す以外にない!)」

朧「ソレは出させないよ!」ズズズ!

岡部「(見えないというわけではない、むしろさっきより遅いくらいだ)」

岡部「(だが・・・反応が追いつかない!)」

影虎「望月朧・・・また意識の隙間を」

朧「ロー!」ブン!

飛龍「あのローを喰らったら・・・」

岡部「(スウェー・・・よけきれずにカスあたり、だが朧にはそれで充分)」

岡部「(ジャンプ・・・そのまま何かを出されて終わってしまう)」

岡部「(カット・・・駄目だ、おそらく受けきれない)」

岡部「(ならば・・・死中に活!!!)」

岡部「でぇやあああああ!」右ストレート!

ドゥ~ン!

飛龍「相討ち?」

岡部「があああああ!」

紅莉栖「岡部!」

岡部「足・・・足が・・・」

影虎「見せてみろ」

影虎「・・・コイツは!」

紅莉栖「どうですか?」

影虎「完全には折れてはいねぇみたいだが、腓骨は逝っちまってる」

影虎「熱くなるのもいが、さすがに白熱しすぎだオメーら」

岡部「すみません」

飛龍「オイ・・・オイ!」ぺちぺち

影虎「そっちはどうだ?」

飛龍「完全に伸びてますね」

影虎「そーか・・・ならこの勝負、リン坊の勝ちだ」

紅莉栖「なにをそんな呑気に」

岡部「イツツ・・・骨折程度なら時間さえあればどうとでもなる」

影虎「嬢ちゃんには悩みの種かもしれねえが、ここはひとつ我慢してくれやしませんか?」

岡部「そういう事だ!心配させてしまうが・・・」

紅莉栖「こんのアホ岡部!」BAKOOON!

岡部「うお!」

紅莉栖「ここまでやるんだから、失敗なんかしないでよね!」

岡部「・・・当然だ!この俺を誰だと思っている?」

紅莉栖「はいはい、狂気のマッドサイエンティスト乙」

岡部「・・・フアハハハハハハハハ!」

紅莉栖「フアハハハハハハハハっ」

飛龍「なんか俺・・・スゲエ場違いのような」

影虎「ホータイと添え木を取ってくるか?」

飛龍「ですね」

朧「・・・」ZZZ

              ・
              ・
              ・

影虎「リン坊、ちょっと話がある」

岡部「何でしょう?」

影虎「昼間に使っていたあのパンチ、どうやって放っている?」

岡部「どう?・・・と言われましても、ただ単に懇親の一発を撃ってるだけですよ」

影虎「お前には速さ、鋭さはあっても力強さは足りない・・・それは自覚しているだろう?」

岡部「それは、影虎さんに散々シゴかれましたからね」

影虎「望月朧を一発でノシたストレート・・・あっちはカウンターだったからと言えるんだが
   カマイタチまで巻き起こしたアッパーのほうはそうはいかねぇ」

影虎「あのパンチ、磨けばきっといいスーパーブローになる」

岡部「スーパーブロー?」

影虎「つまり、一撃必殺の拳だ」

岡部「一撃必殺・・・例えば、俺の倍くらいはある怪獣相手でも?」

影虎「・・・さすがにそこまでは保証できないが、まあ無いよりは断然マシになるだろ」

影虎「さっそくだが、もう一回あのパンチをやって見せてくれ」

岡部「わかりました」

岡部「・・・セイヤ!」JET///

バズン!

影虎「ミットが・・・」スッパリ

祭「な~にやってんだ?」

影虎「姐さん!じつは・・・」かくかくしかしか

祭「なるほど・・・よ~し、今度は私がミットを構えてやる!もう一度だ」

岡部「押忍!」JET///

祭「!!!」バズン!

岡部「どうですか?」

祭「今の音は・・・そうか、そういう事か!」

影虎「なにか解りましたか?」

祭「・・・倍音だ」

岡部「倍音?ある音に倍の波長を持つ別の音を重ねるっていう」

紅莉栖「正確には周波数ね」

祭「そう、その倍音だ」

祭「今のパンチ、空気の振動音が倍音に似ていたんだ!」

影虎「と、いうことは、まさか!」

祭「間違いない、JETアッパーと同質のパンチだ」

岡部「???」

祭「リンかけを知らないか?」

岡部「生憎読んだことは・・・聖闘士星矢なら全巻揃っているんですが」

影虎「今度文庫版を貸してやっから」

岡部「それはどうも」

祭「じゃあ、最初から説明するか」

祭「JETはソレに出てくるスーパーブローの一つだよ」

祭「その原理というのが、パンチの軌道で空気振動が倍音効果を起こし、
  腕力以上の破壊力を出すっていう・・・いわゆる漫画理論ってやつだ」

祭「普通なら不可能だが・・・PSIを応用すれば実現不可能ではないんだな、これが」

岡部「つまり、俺のアッパーが偶然そのJETアッパーに似た現象をおこしていた
   ・・・っと、いうことか?」

影虎「そういう事よ!俺も色々試してみて入るが、小難しいヤツはどうもできなくてな
   正直いうと羨ましいぜ」

祭「このパンチに求められるものはリズムだ」

岡部「リズム?」

祭「ボールレースの振り子が一定のリズムを刻むように、
  インパクトの瞬間にパンチのポテンシャルを最大に引き出せるようにするんだ」

祭「まずは軽く・・・」JET/////

梵!

紅莉栖「まるで空気が破裂したかのような・・・」

影虎「さすが姐さん、相変わらずいい音させてますね」

祭「だが、岡部がやることを考えたら、これくらいの威力になると素手で撃たせるのは心配だ」

紅莉栖「もしかして、空気抵抗ですか?」

祭「ご名答」

影虎「俺っちや姐さんのようにストレングスで底上げした頑丈な体があるんなら別ですけどね
    リン坊はセンス主体でストレングスはそれほどむいちゃいないからな」

リンかけこの世界に有るのかよw

祭「ちなみに、もしいまのお前がさっきのJETと寸分違わないパンチを放ったら
  拳どころか肘から先が全部吹っ飛ぶよ」

岡部「(真マッハパンチか!)」

祭「パンチより先に、腕をバーストで保護出来るようになるのが先だな」

              ・
              ・
              ・

祭「スーパーブローはおいおい身につけるとして、ライズとバーストとの併用は効果的だ
  覚えておいて損はない」

祭「それにバースト適正が低すぎるか、夜科のようにバーストそのものが特異過ぎなければ
  修得することは容易いしな」

飛龍「俺も教わっていいですか?」

影虎「いや、オメーは元からできている、説明だけで充分だ」

飛龍「???」

祭「テレキネシスの基礎は覚えているよな?」

岡部「あの、不可視の腕・・・ですか」

祭「そうだ」

祭「今回教えるのは口で言うだけなら簡単・・・
  バーストで鎧を作る、ただそれだけだ」

飛龍「鎧?」

祭「見てろ・・・ハアアアアア!」ジジジジジジジジ

紅莉栖「八雲さんの周りを覆う透明な膜・・・これがバースト?!」

岡部「サイキッカーではない助手の目にもハッキリ見えるほどのバースト波動だと?」

飛龍「俺のドラゴンの比じゃねえ」

祭「これだけだとただのバリア、本番はここから・・・」シュウウウウウ

飛龍「バーストが右腕に・・・」

祭「これがバーストを身に纏った状態だ」

祭「お前らもやってみろ」

飛龍「ウス・・」ジジジジジジジ

岡部「なっ!」

影虎「言ったろ、”オメーは元からできている”って」

飛龍「ふう・・・口で説明されても理解しにくかったが、やってみれば単純なんだな」

祭「お前のバーストは具現化した龍を手足の延長として操っている
  ソレと比べれば形が変わっているだけだからな」

影虎「おし・・・此処から先は、オメーには必要ねーだろ
   待っている間に稽古の続き、やっちまおうぜ」

飛龍「なあ・・・今度は今のやつを使ってみても構わないか?」

影虎「いいぜ!バーストの応用一つでドレだけやれるか、見てやろうじゃねえか!」

              ・
              ・
              ・

岡部「ハアアアアアアア」ジジジジジジジジ

紅莉栖「その調子よ」

岡部「フン!」シュウウウ

祭「とりあえず、見た目は大丈夫そうか
  だが、実戦で使うことを考えたらもっと速く出来ないとなあ」

紅莉栖「そうね・・・さすがに一分もかかっていたら、準備している間にやられるわよ」

紅莉栖「サイリウムセイバーもそうだけど・・・」

岡部「ええい!今は遅くとも、これから向上すればっ!」

祭「そんな悠長なことを言える状態ではないことくらい、わかっているだろう?」

岡部「ぐぬぬ」

祭「まあ、こっからは教えるよりも鍛錬することのほうが重要さ
  自主トレは怠るんじゃないよ」

紅莉栖「私がビシバシ育てておきますから」

・・・駅・・・

岡部「手羽先に・・・味噌カツも買っておくか」

紅莉栖「まるで修学旅行帰りの学生ね」

岡部「まゆりとダルが楽しみにしているんだ、仕方がないだろう?」

岡部「それに、前回はルカ子やフェイリスの分を買う余裕はなかったしな」

紅莉栖「そうね・・・それに、私もこういうことをしたい年頃だし」

岡部「なにやら昔を懐かしむ老人みたいだぞクリスティーナ」

紅莉栖「ティーナは余計だ!私だって最も若く美しい18歳よ」

岡部「そう言われれば、普通ならまだ高校3年生か」

紅莉栖「アメリカぐらしと飛び級で、そういう普通の女子高生らしい学園生活とは縁がなかったし
     擬似的とはいえ、こういうのも悪くないわ」

岡部「ならば、何処かによって行くか?」

朧「熱いねぇ」

岡部「おわあ!」

紅莉栖「望月さん?!」

岡部「貴様、何故ここに?」

朧「僕もちょうど東京に帰らなきゃいけなくてね」

朧「最初はレンタカーで帰ろうと思っていたけど、貸出期限が過ぎてしまってね」

岡部「貴様なら、もう一度借りなおすこともできただろう?
   さっさとカイエンにでも乗って帰ることだな」

朧「つれないなあ」

朧「僕が一緒だとなにか不都合だと言うのかい?」

岡部「言わせておけば・・・昨日のことをまだ根に持っているとでも」

朧「それ以上はいけない」グワシ!

朧「僕を甘く見ないでほしいな」

紅莉栖「アームロック!?」

朧「細かいことは気にしていない、
  むしろ僕に土を付けた相手として株を挙げているくらいさ」

岡部「わかった!わかったから・・・早く技を解いてくれ!」

ワイワイガヤガヤ
ワイワイガヤガヤ
スゴーイ!
モチヅキオボロノアームロック!
ヌレル!

朧「流石にまずいね・・・」

紅莉栖「逃げるわよ!」グイ!

キャアアアアアア!
ダイテエエエエエ!

朧「き、君たち!落ち着いてくぁwせdrftgyふじこ」

岡部「それにしても、いい迷惑だったなあ」

紅莉栖「望月さん?」

岡部「あいつは向こうでもあの調子だったからな」

岡部「さっきのはいい気味だよ」

【新幹線車内】

紅莉栖「さっきはちょっと言い過ぎじゃ・・・」

岡部「世界が自分を中心に回っていると盲信している輩に、一々付き合うのは骨が折れる」

紅莉栖「・・・同族嫌悪ね」

岡部「なにい?」

紅莉栖「岡部だって似たようなものでしょう?
     いや、科学者たるものみなそういう生き物よ」

岡部「じゃあ、クリスティーナも」

紅莉栖「当然!」

紅莉栖「それに・・・女の子は、みんな自分が世界の中心なのよ」

紅莉栖「私が思えば、この新幹線の椅子二つだけが世界のすべてなんだから」

岡部「ほかのラボメン女子チームも言われてみれば・・・」

紅莉栖「このニブチン!」

紅莉栖「ちょっと飲み物買ってくる」

岡部「???」

テーレッテー♪

三度目の帰還から二週間が過ぎようとしていた
東京に戻ったオカリンの瞳に何が写る?

ダル「そういえばオカリン、118でJETって・・・」

岡部「あれは効果音だ!ここではアッパーはすべてJETという効果音なのだ!」

   ∧∧●  >岡部
   (゚Д゚) ノ
   レ●/  ジェットアッパー
   |  |
  ⊂ニノ
   | |
   ∪

ダル「そんなものよりメークインにゃんにゃんだ!」

テーレレー♪


あれこの岡部はシュタインズゲート到達後だっけ?

乙。
天才しょゥじょの活躍が楽しみだわ。


影虎さんなら電撃くらい続けてギャラクティカマグナム修得できるんじゃね。
岡部がやったら途中で死にそうだけど。

おつ

ホッシュ報告
仕事の方のトラブル尻拭い→奉行大臣シリーズ対策なバージョンうpのマスターアップ作業が忙しくて
まだまだかかるとだけ

把握

セーガー!

【メークイン】

岡部「ここに来るのも久しぶりか」

ダル「それどころか、そもそも一か月近くラボにも来てなくね?」

岡部「すまない、お前には迷惑を・・・」

ダル「むしろ去年の電話レンジ作ってた頃みたいにオーバーワークを強いられなかったから、
   いろいろと捗ったお」

フェイリス「いらっしゃいませ」

フェイリス「???」

フェイリス「キョーマじゃにゃいか?!いつアキバに戻ってきたにゃん?」

むんず

フェイリス「!!」

岡部「どうかしたのか?」

フェイリス「な、なんでもないにゃ」

フェイリス「ところで、ここ一か月も店に来てないから心配したにゃ」

ダル「ぶっちゃけ天樹院某のところに行っていたんだお」

フェイリス「天樹院?」

フェイリス「あの妖怪占い婆のことかにゃ?」

ダル「フェイリスたんも知ってるんだ」

ダル「僕もこの間、久々にテレビで見たお」

フェイリス「積もる話は後にするにゃ!二名様、ごあんにゃ~い!」

フェイリス「・・・キョーマ・・・サイレン?」

              ・
              ・
              ・

岡部「一か月ぶりに食うオムライスはいいものだ」はふはふ

ダル「急にどしたの?」

岡部「なんでもない」

ダル「今日のオカリンは中二ラノベの主人公が急に能力を手に入れた直後って感じだお」

岡部「ギクリ」

ダル「図星・・・だね?」

ダル「いったい向こうで何があったんだお」

岡部「それは・・・」

???「いらっしゃいませにゃ」

ダル「どうしたの?」

フェイリス「紹介するにゃ、今日から入った新人のひめのんにゃんにゃんだにゃ」

コクテン「猫耳つけちゃってかわいーの」

ガク「ひめのんをからかってお仕事の邪魔をするんじゃねーぞ」

姫乃「わわわ」

ダル「どうしたのこの子?」

フェイリス「霊感が強いらしくて・・・幽霊によくからかわれるそうにゃ」

ダル「うほー!リアル地獄少女」

フェイリス「ほらほら!ひめのん、ここであれをやるにゃ!」

姫乃「い・・・い・・・いっぺん死んでみる?」

ダル「名言ktkr」

ガク「既に死んでマース!」

姫乃「ガクリンも茶化さないで、恥ずかしくなるから」

コクテン「恥ずかしかったんだ」

岡部「霊能力か・・・いるところにはいるものなのだな」

ダル「あれ?オカリンは幽霊とか信用しないタチだと思ってた」

ダル「”幽霊なんて機関が作り出した陰謀”とかいうかと思って言うものかと」

岡部「未来人と超能力者ならいるしな」ぼそ

フェイリス「なにかいったかにゃ?」

岡部「な、何でもない!」

岡部「ところで、一つ聞いてもいいか?」

姫乃「なんでしょう?」

岡部「幽霊がみえるそうだが、今この場にもいるのか?」

ガク「お、お、お・・・」

ガク「俺を出汁にしてひめのんを口説こうだなんて許さんぞ」

ポン!

コクテン「でたー!ピコピコハンマー!」

ガク「そんなに幽霊の存在が見てみたいなら今すぐ感じさせてやる」

ブオン!

姫乃「ちょっとガクリン、やめ・・・」

岡部「もしかして、ソコにいるのか?」

  ラ  イ  ズ
感覚能力限界突破!

岡部「見切った!」

シュン!

フェイリス「今の動き・・・キョーマは幽霊の動きすら見切ったというのかにゃ!」

ダル「そんな激しくエキサイティングとか、ちょっとおかしい人に見られてね?」

姫乃「こら!お客さんに手を出しちゃダメでしょ」

コクテン「やーい!怒られてやんの」

ガク「ご、ごめんなさい」

コクテン「でもさ、今のもしかして本当に見えてたんじゃ」

ガク「まさか?ひめのんが声をかけたから偶然避けたに決まってる・・・」

コクテン「案内屋でも汚れたどす黒い魂でもないし・・・
     霊に殺されかけた経験があるなら最初から見えてるでしょーしね」

岡部「(ハッキリとは見えなかったが、何かがいて、しかもピコハンのようなものを振りかぶってきたのは感じた)」

岡部「ククク・・・幽霊・・・」

岡部「半信半疑だったがまさか本当にいたとは」

岡部「わが名は鳳凰院凶真!」

岡部「フェニックスの鳳凰に、院、そして凶悪なる真実、だ。覚えておけ。」

岡部「そこの幽霊ともどもよろしくな」

ガク「まさか・・・ひめのんを誘惑してんのか?」

コクテン「思い過ごし乙」

姫乃「よ、よろしく(なんかこの人、厄介そう・・・それに”院”って?)」

フェイリス「ひめのんを雇って正解だにゃ」

ダル「もしかして僕が空気読めてないだけ?」

              ・
              ・
              ・

岡部「(幽霊に呪われませんように)」パンパン

ダル「ちょっと自意識過剰すぎるんでね?」

岡部「何を言う!今日は幽霊と一戦交えたのだぞ」

ダル「その幽霊だって思い過ごしで妄想の産物なんじゃ・・・」

岡部「あれは確実にいた!間違いない」

ダル「(こうなったオカリンは聞く耳を持たないから放っておこう)」

漆原「こんにちは」

漆原「お参りですか?」

ダル「お久しぶりです」

岡部「ちょうどよかった・・・」かくかくしかじか

漆原「そういうことでしたら、ぜひ」

漆原「おーい、るか~」

るか「はあ、はあ、はあ」

るか「お待たせしました」

るか「岡部さんに橋田さん、今日はどうしたのですか?」

漆原「岡部君の御祓いをやってくれないか?」

るか「お父さんがやれば・・・」

岡部「別にるか子でも構わないが」

漆原「岡部君もああいっていることだし、やってくれないか」

るか「そこまでいうのなら」

しゃん!しゃん!しゃん!

漆原「幽霊ですか・・・」

漆原「これでも神職の端くれですから、それなりに詳しいですよ」

漆原「まあ私も霊感を見たことはありませんが、仕事柄霊の存在を感じることはよくありますよ」

岡部「では、俺たちがさっき体験したのは、霊の仕業だと?」

漆原「そのひめのんさんが嘘を言っているのではなければですが、
   本物の霊能力者は自然と霊を引き寄せますので」

ダル「つ、結局ひめのん次第JK?」

るか「本物ですよ」

ダル「マジで?!」

るか「姫乃さんとは付き合いが長いですから」

漆原「おや、彼らが言うひめのんとは、姫乃ちゃんの事か」

岡部「知っているのですか?」

漆原「彼女が住んでいるうたかた荘とは多少の縁がありましてね
   そのつながりで少々」

ダル「その年齢でJKと仲良しとか、そこに痺れる!憧れる!」

漆原「ははは」

漆原「でも、幽霊について詳しくなりたいのでしたら、覚悟してください」

ダル「覚悟?」

漆原「幽霊というのは勿論、一般人からは見えません」

漆原「ゆえに、善悪問わず幽霊は霊視能力を持つ人間に引き寄せられるんです」

漆原「幽霊への対抗手段も持たずに悪霊と対峙したらひとたまりもありません」

ダル「うわあ・・・」

岡部「その言い方だと、霊感というのは・・・」

漆原「生まれつき高い人というのももちろんいますが、
   霊感の強弱問わず、幽霊がらみで命の危機に瀕した人間は
   以降、みえるようになる場合が多いと言われています」

漆原「桶川さんの場合はいろいろと特殊なケースなので割愛しますが
   幽霊が見えるがゆえに身を滅ぼすかたは意外と多いんです」

るか「僕も幽霊は見たことはありませんし、お父さんから幽霊と関わることは極力避けるようにと
   口が酸っぱくなるほど言われています」

ダル「たしかに毎晩幽霊の相手をしてたら寝不足だし、満足にアニメも見れないお・・・」

岡部「は!」

るか「どうかしましたか?」

岡部「(漆原親子がここまでオカルトに詳しい家系だったとは・・・)」

岡部「(妖刀五月雨やその他諸々のやり取りをこの親父は鼻で笑っていたのか?)」

ダル「幽霊少女とお近づきになるより先に僕の方がグロッキーとかマジ勘弁」

漆原「興味本位なら近づくべきではない、賢明な判断です」

漆原「ははは」テクテク

るか「・・・でもここだけの話、お父さんは心配のし過ぎなんです」

るか「姫乃さんや明神さんは生者と幽霊が仲良く暮らせるって証明していますから」

ダル「どういうこと?」

岡部「そうか、幽霊少女の周りには、彼女を守るいい霊もいるということか」

るか「そうですよ」

るか「それに、明神さんはすっごく強いんです」

ダル「もしかして、リアルゴーストスイーパー?」

るか「ごーすとすいーぱー?」

岡部「ダルよ、貴様の懐漫コレクションで鍛えられた俺ならともかく
   るか子相手じゃ古すぎて話が通じないぞ」

ダル「いっけね」テヘペロ

岡部「昔の漫画のタイトルだ
   気にすることはない」

岡部「まあなんだ
   その明神さんとは腕利きの除霊専門家なのか?」

るか「実はそうなんです」

るか「神社の御祓いとはけた違いの効果がある術をつかえる人を除霊師と呼びますが
   明神さんはさらにその上の案内屋なんです」

ダル「案内っつっても、どんな案内するん?」

るか「こう、悪霊相手にずばばば~んと術を放って」

るか「悪霊を塵に変えてしまえるそうですよ」

るか「それで悪霊をあの世に導くから案内屋なんだとか」

ダル「マジかよバリバリ最強ナンバーワンかよ」

岡部「漠然としないが、具体的にはどうやって?」

るか「梵術っていうのを使うそうですが、そっちについては詳しく教えてくれませんでした」

るか「ただ、空風火水地の五つの梵字の力を借りた術なんだとか」

岡部「(空風火水地?後で調べてみるか)」

ダル「なんだか陰陽師みたいな和風魔法使いって感じだお」

るか「僕は密法に近いと思いますよ
   あれも梵字が出てきますし」

【ラボ】

岡部「こういう超常能力について困った時にはブライスさんだな」

岡部「なになに・・・」

岡部「特記事項2、梵術」

岡部「インドから東アジアにかけた地域にて普及しているサイキック系統の一つ」

岡部「しかし、魔術 錬金術 五行思想、しいてはPSIとは差異が大きいため特記項目とする」

岡部「梵術とは空風火水地という五つの梵字の力を借りた術であり、
   術の使用時には黄布と呼ばれる補助具を使用する」

岡部「黄布とは梵字の書かれた黄色い布であり、それを体の一部に巻き付け術を使う」

岡部「また、梵痣と呼ばれる梵字型の痣を持つ術者は黄布無しでも上位の術を行使することが可能である」

岡部「彼らが言うに、梵術とは魂を制御する術であり、実際、PSIとは似て非なるものである」

岡部「梵術使い最大の特徴としてゴーストに対する視認および干渉の能力であり
   実験のために同行してもらったサイキッカー3名全員がゴーストを視認できず、
   うちセンスの素養が高い一人がかろうじて存在を感じることができたのみである」

岡部「実際に術を使うところも見せてもらったが、
   私を含め全員が術からPSIの波動を感じることができなかった」

岡部「追記、梵術修行の成果をここに記す」

岡部「1か月経過、習得出来ず
   3か月経過、習得出来ず
   6か月経過、習得出来ず
   一年経過、習得を断念する」

岡部「・・・これは相当難解な能力のようだな」

岡部「興味本位だったが身に着けることなど不可能なのではないか?」

紅莉栖「パソコンの前で悶絶してどうしたの?」

岡部「実はな、これなんだが・・・」

ごにょごにょめ~め~

紅莉栖「梵術なんて聞いたことがないわね」

紅莉栖「それに仮にあったとしてもあっちは幽霊否定派が多いから・・・」

岡部「研究したところで相手にはされん、というわけか」

紅莉栖「そういうこと」

紅莉栖「よほどの執念がないと無駄な研究なんてしないしね」

紅莉栖「横道にそれるのはここまで」

紅莉栖「あんたには八雲さんから出された課題があるでしょう?」

【三日後】

岡部「覇!」ぽわああああ

岡部「(まずは周囲にPSIを循環させる領域をイメージして)」

岡部「フゥゥゥゥゥゥゥゥ」ググググ

岡部「(次はその領域を圧縮し、腕の周りに固定する)」

岡部「JET!」/////



紅莉栖「きゃ!」

岡部「おっと、スマン」

紅莉栖「気を付けなさいよ、この脳筋」

岡部「そういわれてもだな・・・」

紅莉栖「PSIの特訓を始めてからはバトル方面の中二病が
    日に日に進んでいるんじゃないかしら?」

岡部「それはだな・・・強さを求めるための必要条件で・・・」

紅莉栖「それくらいわかってはいるわよ」

紅莉栖「私が言いたいのは、今まで以上に
     分別がつきにくくなってきたんじゃないか?ってことよ」

岡部「そうか?」

紅莉栖「そうよ、昨日だってメークインで急にスウェーバックを取ってみたりして」

岡部「あれはだな、幽霊の気配を・・・」

紅莉栖「幽霊くらい見えるもんならそこら中にいるわよ」

ガク「実はいたりする・・・」

ツキタケ「何やっているんですかアニキ」

ガク「こいつ、ひめのんがバイトしている店の常連で・・・やけに馴れ馴れしい・・・」

ツキタケ「女連れだし、アニキの気にしすぎですよ」

ガク「それに・・・ちょっと気になることがあってな・・・」

ツキタケ「???」

ガク「(見えていないはずなのに攻撃をかわしやがったんだよな・・・・昨日も・・・その前も・・・)」

岡部「よし、もう一発!」JET/////

梵!

ツキタケ「それにしてもすごいですね、この威力」

ツキタケ「まるで明神の術みたいだ」

ガク「みょうじん?」

ガク「(そうか、コイツもアイツみたいに生身のくせに・・・)」

ガク「ちょっと・・・実験・・・」

ツキタケ「実験・・・って?!(ハンマーをアッパーの軌道上において・・・)」

ツキタケ「まさか、アニキから叩こうとしてるわけじゃない限り、当たりっこないですよ」

岡部「ふぅ・・・もう一度!」

JET/////■グワラゴワガギン!!!!!

ガク「あっ!(飛んでた?!)」

ツキタケ「アニキ!」

紅莉栖「いったい何が起きたの?!」

岡部「いつつつ・・・う、腕が・・・」

紅莉栖「岡部、大丈夫?」

岡部「なにがなんだかよくわからんが、とてつもなく痛いぞ」

紅莉栖「見せてみて」

・・・・

紅莉栖「折れてはいないみたいだけど、もしかしたらこの間のヒビがまた割れているかも」

岡部「ぬわにぃ!」

岡部「では、今のも朧につけられた古傷が原因で・・・」

紅莉栖「あるあ・・・ねーよ!」

紅莉栖「とりあえず、今日のところは訓練終了ね」

岡部「やむを得ん、帰るか」

テクテクテク

ツキタケ「アニキ、今の?」

ガク「まさかとは思ったけど・・・本当に触れるとは・・・」

ツキタケ「なにやら常人離れしてるみたいですけど、案内屋じゃあないですよね?」

ガク「あたりまえ・・・案内屋の素質があったら・・・そもそも俺たちが見えている・・・」

---->

アゲハ「そういやマツリ先生、あの未来が何年後か知る方法はないのか?」

祭「ある、かもしれん・・・だが私は答えにたどり着く前にゲームをクリアしてしまったからな」

祭「あの世界ではあらゆる電子機器が役に立たなくなっている」

祭「バッテリーを改造した時計をある場所に仕掛け、サルベージを試みたが壊れていた」

祭「新聞などの紙媒体もほとんどが風化してしまって読むことができず、
  運よく読めたもの・・・これらにはサイレンの謎に関する記事は一つもなかった」

祭「(岡部の元に届いたという”サイレンは10年後の未来”というDメール、あれが答えという可能性もある)」

祭「(だがコイツらに教えるには時期尚早、不確定要素も大きい)」

┣”

リリリリリリ

---->

【ラボ】

リリリリリリ

岡部「これは・・・ついに来たか!」

紅莉栖「岡部?!もしかして」

岡部「そのまさかだ!」

紅莉栖「今度も・・・大丈夫でしょうね?」

岡部「毎度毎度、そうわめくな」

岡部「この凶器のマッドサイエンティストたる鳳凰院凶真に不可能はない!」

岡部「俺だ!クッ!ノイズがひどい、機関の妨害電波か?」

岡部「焦るな、次の連絡を待て!エル・プサイ・コングルゥ・・・」シュン

紅莉栖「行っちゃったか・・・」

ダル「うお!いま、オカリン消えたよね?」

紅莉栖「はっ、橋田?!」

テーレッテー♪

ついに四度目の招集によりサイレン世界へと飛ばされるオカリン
その光景を目の当たりにした橋田至は何を思う?

ダル「つまり、どういうことだってばお・・・」

テーレレー♪


ブライスさん万能すぎだろ…

乙。
紅莉栖なら、原子力時計ぐらい造りそうだな。

更新おつかれさま。ついにオカリン4度目、サイレン勢3度目のか。ここからサイレン世界の真実の一端が
明らかになって物語が進みだすんだよな。

ダルは取り込んでもいいよな。ハッカーだしそれに小説に出てきたワルキューレ時代のが有能すぎた

乙。梵術いいね。

みんなにゃ(ry
先週の鯖停止に巻き込まれて灯火出来んかった分投げます

紅莉栖「今の・・・見た?」

ダル「見たもなにも、ばっちり見えちゃう奥まで見えちゃう」

ダル「まさが、幽霊の・・・」

紅莉栖「あるあ・・・ねーよ!」

ダル「ですよね~」

ダル「つまり、どういうことだってばお?」

紅莉栖「話せば長くなるんだけど、ごにょごにょめ~め~」

ダル「全新系列、天破侠乱、見よ、東方は赤く燃えている!」

ダル「う~ん、イマイチ信じられないお」

紅莉栖「本当なんだって」

ダル「う~ん・・・牧瀬氏が言うのならそうなんだろうね、牧瀬氏の中ではな」

紅莉栖「はしだ~」ピクピク

ダル「ぶっちゃけいうと、最近のオカリンは変だったし・・・」

紅莉栖「変?」

ダル「一言でいうなら、中二ラノベの主人公が能力を手に入れた直後ってカンジ?」

紅莉栖「(あたってる)」

紅莉栖「流石に長い付き合いのようね」

ダル「???」

紅莉栖「いい、今から話すことは他言無用だから」

ダル「このタイミングで恥ずかしい告白?」ハアハア

紅莉栖「自重しろ!」

              ・
              ・
              ・

白金「ここは?」

白金「さっきまで渋谷にいたはずなんだけど・・・」

岡部「お~い!」

白金「あれは・・・」

岡部「貴様、テレカは持っているか?」

白金「テレカ?」

白金「そういえば昨日拾ったやつなら・・・」

岡部「持っているようだな、着いてきてくれ」

白金「いきなり現れたくせに強引だね」

白金「そもそもここは何処?」

岡部「説明するから、とりあえずここを離れるぞ」

人面鳥「アホー!アホー!」

白金「(あれは・・・陰魄か?)」

白金「チョット聞いておくけど、キミにはあれって見えている?」

岡部「あれとは、あの鳥の事か?」

白金「(陰魄じゃない?・・・ならいったいあの鳥は・・・)」

岡部「説明は後だ、まずは公衆電話を探せ!」

白金「公衆電話?」

すたすたすた・・・

白金「オイ!あそこ!」

岡部「あったか?」

白金「違う・・・けど、誰かいるぞ」

      ラ イ ズ
岡部「(視力限界突破!)」

岡部「ん・・・アイツは・・・」

岡部「おい、何をしている?」

カブト「おわあ!」

カブト「なんだ、鳳凰院か・・・驚かすなよ」

白金「キミが勝手に驚いただけに見えたけど?」

カブト「ええと・・・どちら様?」

岡部「そういえば自己紹介はまだだったな」

白金「強引にここまで連れてきておいてそれを言う?」

白金「まあ、そんな小さいことは気にしないさ」

   カンブキプラチナ
白金「神吹白金、そう呼んでくれ」

岡部「俺は鳳凰院凶真、フェニックスの鳳凰に”院”、そして凶悪なる真実だ」

白金「キミもなかなかイカス名前じゃないか」

白金「ちなみにオレの場合、カンブキは神の息吹、プラチナは白金(しろがね)と書く」

カブト「・・・霧崎カブト(まさか二人目の中二病野郎が出てくるとは)」

岡部「それで、貴様は公衆電話を探す様子でもなく、何処を目指していた?」

カブト「それは・・・」

人面鳥「アホー(急降下)」

白金「危ない!」ドン

ズボボボ

カブト「ひえええ・・・助かったぜ」

岡部「大丈夫か?」

白金「ヘーキヘーキ・・・あの鳥に気を配っておいて正解だったよ」

岡部「(嘴を白刃どりしたのか)」

カブト「兄ちゃんはサイが使えるのか?」

白金「サイ?オレの力は別だよ」

白金「とりあえず、コイツを片付けちゃおう」

岡部「胸元についている球を狙うんだ!」

白金「オーケー!(どっせい鳩尾!)」ドゴ!

人面鳥「あ・・・ほ・・・」シュアアアアア

カブト「あんな化け物を素手で一撃かよ」

・・・・

岡部「で、貴様は何処へ行こうとしていた?」

カブト「(こいつらに話して面倒にはなりたくないな~)」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
テレパス!

雨宮「タツオ君・・・鳳凰院・・・霧崎・・・」

雨宮「聞こえているのなら返事をして!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

白金「今の声・・・頭に直接・・・」

岡部「雨宮のテレパスか!」

カブト「今のうち!」

                     一 一二 三゚ω゚ )

                   一 一二  三    \
                  一 一二((⊂ 三)   ノ\つ))
                    一 一二  三_⌒ヽ
                     一 一二  三 ヘ |
                      一 一二  三ノ J

岡部「返事をしろと言われても、俺はテレパスなんぞ使えないのだが」

岡部「白金は?」

白金「これがテレパシーってやつか」

岡部「使えるどころか初体験か」

岡部「ん?そういえば霧崎は?」

白金「霧崎?さっきのボーヤなら向こうに走って行ったよ」

飛龍「鳳凰院!」

岡部「朝河・・・ほかの奴らも一緒か!」

雨宮「この人は?」

白金「キミ、結構カワイイね」

アゲハ「なんだぁ?コイツは」

飛龍「ニイチャンよぉ・・・」ゴキゴキ

白金「キミたち、この子のカレシ?」

アゲハ「いや、そーいうわけじゃ・・・」

白金「そう身構えなくても・・・取って食おうってわけじゃないんだから」

岡部「新入りの参加者だ」

白金「神吹白金、ヨロシク!」

アゲハ「俺は夜科アゲハ」

飛龍「朝河飛龍」

雨宮「雨宮桜子よ」

白金「自己紹介もこのくらいにして・・・ここって一体何処なんだい?」

雨宮「ここは・・・」

朝河「未来の世界だ!」

白金「未来???」

岡部「信じられんかもしれんが、本当のことだ」

岡部「化け物がうろつくこの世界で公衆電話を探す・・・これが俺たちが参加させられている・・・」

アゲハ「サイレンゲームなんだよ」

白金「サイレン?」

白金「う~ん・・・取りあえず、この足跡を追ってみますか」

雨宮「そうね・・・幸い門の位置と、方角も一致しているし」

アゲハ「アンタ、やけに切り返しがはえーな」

白金「フフフ・・・キミたちはその様子だと今まで何回か参加した経験があるようだしね」

雨宮「人任せ・・・ってこと?」

白金「仲間と協力・・・これがオレのヒーロースタイルさ」

飛龍「人任せのヒーローか・・・聞いてあきれるぜ」

岡部「(一見みっともないが先ほどの身のこなし・・・コイツ、只者ではない!)」

【???】

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
タツオ君・・・鳳凰院・・・霧崎・・・

聞こえているのなら返事をして!
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

シャイナ「クスクス・・・これだけ強力なテレパス・・・久々ですね」

シャイナ「ドルキさん、お仕事ですよ」

ドルキ「わかってるよ・・・オレが行く!」

シャイナ「だったらその前に一言」

ドルキ「あん?」

シャイナ「テレパスを傍受したポイントの近くにちょっとしたおもちゃを送っておきましたのであしからず」

ドルキ「おもちゃ?ああ、テメーが十年前に米軍からパクってきて、せっせといじくってたアレか」

ドルキ「邪魔するようだったら遠慮なくぶっ壊すぞ?」

シャイナ「おもちゃで決着がついているかもしれないというだけの話ですので、
     邪魔立てするようならどうぞご自由に」

ドルキ「そうか・・・」

ドルキ「ギッザーニ!人面鳥の準備はいいか?!」

ギッザーニ「チッ!うっせーな」

ギッザーニ「(オーケーっす!)」

シャイナ「いいみたいですよ」

ドルキ「りょーかい!」

シャイナ「気持ちと口があべこべですよ、気を付けてくださいね」ゴニョゴニョクスクス

ギッザーニ「(マジで?)」

ドルキ「行くぞギッザーニ!ゴルドフもついでだ、着いてこい」

ゴルドフ「了・・・解・・・」

ギッザーニ「アイアイサー!」

・・・・

白金「あれじゃないかな?」

アゲハ「お!いたいた!」

朧「・・・キミは気が付いているかい?」ニア プラチナ

岡部「神吹白金か・・・確かに只者ではないな」

朧「全員ライズを使ったうえでの移動だからね」

朧「派手に飛び跳ねてこそいないが、そんな中で彼が先頭を走っている」

朧「・・・まさか?」

岡部「本人はPSIではないと言ってはいたがな、
   無自覚なサイキッカーだという可能性は否定できないな」

岡部「(それよりもわざわざ"別"だと否定した理由とは・・・)」

・・・・

カブト「この国は平和じゃねえ・・・」

カブト「あんたが言っていた事、当たっていたぜ」

カブト「オジキィ・・・」

カブト「ええと・・・あの時、打っていたシェルターの暗証番号は・・・」

白金「ヨ~!先に行っちゃうなんてツレないじゃないの?」

カブト「うわああ」

雨宮「あら、偶然ね
   こんなところで会うなんて」

カブト「お、おやぁ
    お散歩かぁい、リトルバニー?」

雨宮「あんた・・・いったいどこに行くつもり?」

雨宮「門を確認せず、鳳凰院たちからも逃げ出して・・・」

雨宮「それだけ私たちと顔を合わせたくなかったって事よねぇ!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

カブト「そんな怖~い顔しちゃイヤン♪」

白金「あそこにある家に用事があるみたいだけど」

アゲハ「雨宮ネェさんもご立腹だ!さっさと白状しやがれ」口びろ~ン

カブト「未来・・・未来の情報だよ!」

朧「情報?」

カブト「ケーバでも宝くじでも、何でもいいから俺は持ち帰って・・・」

カブト「大金持ちの勝ち組になるんだよ!」

朧「よし、買った!」

カブト「へ?」

雨宮「あんた、いったい何を言って・・・」

朧「だから、僕はその情報を買うと言っているんだ
  さあ、早く案内してくれ」

カブト「いくらで?」

飛龍「テメー、この期に及んで!」

朧「3本」

カブト「その条件じゃ教えるだけ、金もうけには使わせんぞ
    (3万とか・・・もうちょっと奮発してほしいぜ)」

朧「僕の目的は金もうけじゃないからね、別に構いやしないさ」

カブト「(この状況でガメるのはもう無理か)
    (なんか白い背景が見えてきたし)」

カブト「契約成立だ、着いてこい」

【別荘】

カブト「ひぇ~・・・中まで荒らされているぜ」

飛龍「この家、本当にお前の親戚の家なんだよな?」

カブト「あー、そうだよ!しつけーな!
    ホラ、こっちだこっち!」

カブト「・・・マジかよ」

岡部「もしかして、この瓦礫の下に?」

カブト「そーだよ・・・」

飛龍「退いてな!」

 テレキネシス
神の見えざる手!

岡部「量が多い、手伝うか?」

 テレキネシス
我が至高の右腕!

ガラガラガラ・・・

カブト「一分もかからねーのか」

カブト「おれもPSIってのを覚えておけばよかったぜ」

アゲハ「だったらこれからは、雨宮ネェさんのいいつけはちゃんと守るんだぞ」

飛龍「おーい、こっちだ」

岡部「電子ロック・・・」

カブト「ちょいとお待ちを・・・235の77・・・」

アゲハ「まさか、自分の家の地下にシェルターを作っちまうやつがいるとは」

朧「キミは、あの中でオジサンが生き残っていると思うかい?」

アゲハ「どうだかな・・・」

雨宮「とにかく、これで何か情報がつかめるかもしれない」

アゲハ「ほんと、カブト様様だぜ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴン

カブト「開~いたぞォォォォォォォ!」

白金「うげ!すごい荒れようだ!」

雨宮「扉は閉まっていたはずなのに」

岡部「(この風・・・マズイ!)」

岡部「早く離れろ!!!」

ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

アゲハ「げほ!げほ!」

雨宮「中も風化が始まっていたようね
   それが今開けたことによる空気圧の変化で一気に」

カブト「でも、オジキは有害な空気を取り除く装置がついているって」

飛龍「地震だな・・・
   中の荒れようといい・・・
   おそらくそれで、ろ過装置もイカレちまったんだろ」

カブト「ああ・・・そんな・・・」

朧「そんなに落ち込まないで、約束の金は出してあげるから」

カブト「3万ぽっちじゃ小遣い程度だろ」

朧「3万?キミがそれでいいのなら別に構わないけど」

カブト「へ?」

朧「せっかくの300万を3万だけで構わないだなんて
  いい機会だから、残りの297万は皆の活動資金として
  八雲祭に預けておくことにするよ」

カブト「やだやだ~」

飛龍「見苦しいぜ」

雨宮「そうやって、欲をかくからよ」

岡部「一本いくらかを確認しなかった貴様の落ち度だ」

バサ!

アゲハ「(北海道に巨大隕石落下・・・隕石片発見できず・・・2011年10月29日)」

アゲハ「隕石?」

白金「なになに・・・
   2011年10月29日、深夜2時10分・・・北海道古都魂山中に隕石が落下した・・・
   隕石の推定直径は1~1.2メートル、隕石の衝突現場には直径20メートルほどの
   クレーターができていたが、肝心の隕石片は発見されなかった
   しかし、衝突直後に現場から立ち去る不審なトラックが付近住人に目撃されており
   事件との関連性がないか調べられている」

カブト「ニャッハッハッ!直径1メートルの隕石で世界がほろぶと思ってるのか?」

岡部「世界がほろんでいたら、この新聞自体が刷られているわけがないだろう
   常識的に考えて」

白金「古都魂山・・・懐かしいな」

岡部「この場所を知っているのか?」

白金「昔の修業場の一つでね、心霊スポットとして有名な場所さ」

岡部「修業?心霊スポットでする修業とはいったい・・・」

雨宮「とりあえず、中に戻って・・・かろうじて無事なものだけでも見つけましょう」

白金「だ、そうだよ・・・これ以上の話はおいおい」

岡部「そうだな、扉を開けたことで中の風化が進むかもしれないしな」

アゲハ「・・・テメーは何処までふざけりゃあ気が済むんだ?」

カブト「ハッ?ふざけていなきゃ頭がおかしくなりそーなんだよ」

カブト「これが現実なんて・・・俺には、まだ全然思えねーんだよ!
    大金を稼ぐゲームとでも思っていなきゃ、やってられねーんだ!」

アゲハ「霧崎・・・」

カブト「お前にとっては・・・もうここは、ちゃんとした現実なのか?」

テーレッテー♪

霧崎塔二の地下シェルターにて、かろうじて未来の情報を得るサイレンドリフト
彼らの後ろに、不審な影が忍び寄る

電話「トゥルルルル」

ダル「オカリン・・・電話に出てくれお・・・」

テーレレー♪

「お前にとっては・・・もうここは、ちゃんとした現実なのか?」
やや半端でもこの言葉が感慨深いのでここまで

ひさびさに乙なんだぜ

おつ

おつ

過去レスの仕事忙しいの辛味で更新してなかったけど先月透過予定してたショートいきますよ

【シェルター内】

デ~ンデンデン♪デ~ンデン♪デレレ~

岡部「着メロ?」

雨宮「中でなにか音が流れるものが・・・」

白金「いや、キミの電話じゃないのか?」ニア 岡部

岡部「・・・今まではケータイの電波なんて・・・」

岡部「(非通知?)」

白金「とらないの?」

岡部「非通知・・・何かこれには裏が・・・」

白金「だったらオレが代わりに」

岡部「(ええい!)」

岡部「自分で取る!」ピ!

電話「ぽ~♪ぽ♪ぷ~♪ぽ~♪ぽ♪ぽ♪ぷ~♪」

岡部「童謡・・・とおりゃんせ・・・いや、違うな・・・」

白金「かごめかごめ」

岡部「そう、それだ!」

電話「ピガアアアア・・・ざざ・・・ざざ・・・」

岡部「もしもし・・・くそ!ノイズがひどい」

電話「ぉ゙・・・が・・・り゙・・・ん゙・・・」

岡部「なんだ?聞こえん!」

電話「ブツ!つーつーつー」

岡部「これは・・・いつの間に?」

白金「メールみたいだね」

岡部「アタミネニテマツ」

白金「待ち合わせの伝言?」

岡部「この世界に知り合いがいるのか?」

岡部「差出人は・・・なん・・・だと?」

白金「daruthesuperhacker・・・知り合い?」

岡部「知ってるも何も、これはマイフェイバリットライトアームだ!」

白金「・・・行くつもりかい?」

岡部「今は、見だ」

白金「その心は?てっきり行く気だと思ったけど」

岡部「富士山が見えるから大まかな方角はわかる・・・だが、距離が遠すぎる」

白金「まるで、ここがどこか知っているみたいだね」

岡部「いままでサイレンゲームは西から東へと移動していて、
   ゲーム帰還者は現代の門がある場所に戻されている・・・
   ゆえに、ここは前回の門の周囲、愛知県豊口市近隣だというのはまず間違いない」

岡部「不安なら霧崎に聞け、そもそもここは、霧崎には勝手知ったる叔父の邸宅だ」

岡部「それに正直、”ネ”は何の事かサッパリわからん」

雨宮「さっきの音は~!?」

岡部「何でもな~い!」

岡部「とりあえず資料あさりに戻るぞ」

白金「ハイハイ」

白金「・・・これは、いーもん見っけちゃった」

雨宮「意外と無事な新聞や資料が多いわね」

雨宮「完全じゃなかったのは個人レベルのシェルターの限界なのでしょうけど、効果はあるわ」

飛龍「霧崎が言うには、この中には発電装置が組み込まれているらしい・・・」

飛龍「おれはそっちを探す」

朧「じゃあ、僕はあっちの新聞を・・・」

朧「そういえば、アゲハ君は?」

雨宮「さあ?鳳凰院たちと一緒に奥の方に行ったんじゃないの?」

朧「(僕が見たときは神吹と二人だけに見えたけど)気のせいかな?」

【シェルター外】

アゲハ「・・・霧崎・・・」

アゲハ「現実ってなんだ?・・・退屈に生きることか?・・・」

禁人種「ドン!」

アゲハ「そういえば・・・警戒区域の中だったな、ここは・・・」

アゲハ「オレの実験台一号になってくれる?」

ブウウウウウウウ

禁人種「???(俺、出落ちの予感!!!)」

【シェルター内】

岡部「PC?」

白金「そ!これだけの重装備、動画作成かデイトレードでもしてたのかな?」

カブト「よくわかったな」

白金「ビンゴ!」

岡部「いったい何者だ?」

カブト「オジキは元々戦場カメラマンだったんだよ
    地雷で片足を失ってからは戦場からは身を引いてたけど
    カメラは捨てなかった」

カブト「それにデイトレードの達人でさ、戦場に行かなくなってからの方が稼いでたほどだったぜ」

岡部「Oh・・・ダブルビンゴ」

岡部「とりあえず、電源を・・・」

飛龍「オイ!発電機ってこのパネルか?」

カブト「・・・たぶんそうじゃね?(お、この部分はボロボロじゃねえぞ)」

カチリ!
ブオオオオオン!

岡部「あっていたようだな」

カブト「(え?これマジ?)」

カブト「そ、そうだね・・・ニャハハ」

カブト「(日付がいつだかわからないけど、ロトの当たり番号じゃあ~りませんか)」

朧「そういえば・・・誰か、さっきから2012年以降の新聞を見ていないか?」

雨宮「見ていないわね」

岡部「風化したものばかりでそれどころでは」

カブト「うおああああ!」

飛龍「どうしたんだよ」すたすた

カブト「オ・・・オジキ!」ダバダバダバ

白金「これは・・・南無」

朧「みんな、来てくれ」

ピラ

岡部「地球・・・転生の日?・・・だと?」

雨宮「ワイズ・・・
   2011.10.29
   我々はとうとう神との交信に成功し、約束の涙を手に入れた・・・
   我らは神に選ばれしもの”W.I.S.E”
   我らはここに、世界再生計画の発動を宣言する・・・
   全人民に告ぐ・・・
   ”転生の日”は近い・・・」

岡部「ククク・・・フアハハハハハハハハ!」

岡部「これが、シュタインズゲートの新たな選択!」

飛龍「シュタインズゲート?」

朧「シュタインはドイツ語で石・・・意訳としては運命石」

白金「で、ゲートは門または扉・・・さしづめ”運命石の扉”か」

雨宮「鳳凰院・・・アナタ、そういえば以前、聖戦だの世界線がどうのと・・・」

岡部「今はまだその時ではない、まずは情報を集めろ!」

白金「イロイロ気になっちゃうな」

飛龍「もしかして、頭がイカレちまったのか?」

朧「どうだろうね」

白金「まあ、後でというのなら・・・あれ?」

飛龍「どうした?」

白金「このパソコン、壊れちゃってるな」

飛龍「そもそもマツリ先生も機械の類はほとんど壊れたって・・・」

白金「誰だい?そのマツリセンセーって?」

飛龍「いま言うべきことなのか?」

白金「それもあとでいいけど・・・まいったな、ほとんど全滅したってわけじゃないか」

岡部「あきらめるのはまだ早い」

飛龍「お!正気に戻ったか」

岡部「俺は最初から正気だ!・・・
   それより、HDDにはプラッターと呼ばれる部品があることを知っているか?」

飛龍「なんだそれは?」

岡部「簡単に言えばHDDの中にはCDのような銀色の円盤が入っていて、データはそれに書き込まれるようになっている」

岡部「ゆえに、いかにHDDが故障していようとも、プラッターさえ無事ならある程度の復旧は不可能ではない」

飛龍「でもよ・・・俺たちみたいな素人に扱える代物なのかよ?」

岡部「案ずるな、我がマイフェイバリットライトアームの実力をもってすればその程度、造作もない・・・はず」

白金「いいね・・・キミの仲間は頼りになりそうだ」

白金「まるでオレとマサムネ君みたいだ」

飛龍「マサムネ君って誰だよ」

【シェルター外】

カブト「あれがオジキのわけがねぇって・・・」

カブト「夢なんだろ?・・・たちの悪い冗談はやめてくれよ神様・・・」

カブト「オレはこんな現実、みとめねぇかんなァァァァ!」

アゲハ「霧崎・・・いったい何があった?」

カブト「オレはテメーとは違う・・・みとめねぇぞ!」

アゲハ「・・・取りあえず戻ろうぜ?」

カブト「・・・放っておいてくれ!」

【シェルター内】

雨宮「見つかったものをいったん整理しましょうか」

雨宮「まずは、叔父さんが持っていた手帳の一部・・・」

アゲハ「カブトに貸す・・・カブトに貸す・・・カブトに貸す・・・」

アゲハ「甘やかされすぎだろ!」

朧「じゃあ、この辺りは?」

雨宮「11月7日、今、全国でバラまかれている
   W.I.S.Eと名乗る集団の声明文を友人のつてで入手
   ”世界再生計画”とは思い切ったものだ」

アゲハ「ワイズ?」

岡部「そういえば貴様はまだ見ていないか、これだ」ぴら

アゲハ「・・・」

雨宮「11月25日
   最近妙な事件が起きている・・・
   関東郊外で2機、巨大鉄塔が融解し、大停電を引き起こした事件・・・
   爆音とともに車両基地から消えた鉄道車両が3キロ先の水田で発見された事件・・・
   いったい誰が・・・どうやってこんなことを?」

アゲハ「なんじゃこりゃ?」

アゲハ「これは・・・PSIを身につけた人間の仕業か?」

白金「だろうね(新たな陰魄グループの台頭という可能性もないことはないが・・・それにしては派手すぎる)」

飛龍「でも、これは俺たちの時代に起きた出来事なんだぜ?
   だとしたら、とんでもなく強力なPSIを持つ人間の仕業ってことになる」

岡部「まるで自分の力を試してみたくてやった・・・という感じだな」

アゲハ「つーか、今更だけどプラチナさんはPSIのこと、知ってんのかよ?」

雨宮「さっきまで夢を見ている気でいた霧崎とは正反対ね」

朧「まって、まだ続きがある」

朧「”宣戦の儀”
  12月1日
  明日14時、ワイズによる決起集会!
  場所は渋谷代々木公園・・・
  こいつらはくだらない世界終末思想に洗脳された
  どこにでもいるイカレた奴らに違いない
  だが・・・思えば、あのビラを見た日から不思議な事件が
  起こり始めている気がする・・・
  いまだニュースにすら取り上げられていないワイズという無名の輩に・・・
  これほどまでに不安を掻き立てられるのは何故だろう?
  ジャーナリストとして長年やってきた俺の感が・・・」

朧「・・・ここから先は読めないな」

雨宮「最後・・・”宣戦の儀”とはなにか?ビデオカメラ持参、必ず撮影する予定!」

岡部「と、いうことは」

白金「どこかに撮影したビデオがあるってわけだね」

飛龍「ちょっくら探してくる」

カブト「・・・教えてくれ、リトルバニー」

雨宮「霧崎・・・」

カブト「ワイズってのは何者なんだ?」

白金「知っているというのなら、オレからも頼む」

雨宮「話を整理しましょう」

雨宮「W.I.S.Eはマツリ先生が遭遇した、この荒廃した未来世界を支配している謎の集団のこと・・・
   彼らは各地にサイレン塔を建設し、そこで人間の命を素に禁人種という異形の兵隊を造りだしている」

白金「禁人種って、あの鳥のバケモノのことか?」

岡部「あれは氷山の一角・・・一部に過ぎん」

朧「禁人種と強力なPSI・・・この二つで日本を武力で乗っ取ったというわけか」

雨宮「そしてさかのぼること2011年11月・・・
   私たちにとっては四か月先の未来だけど
   W.I.S.Eという同じ名の集団が世界崩壊を布告するビラをまき、
   社会に現れた・・・」

カブト「・・・そんな・・・
    じゃあ、この世界崩壊を引き起こしたのは・・・
    オレたちと同じ時代に住む人間ってことかよ」

雨宮「おそらくね・・・」

岡部「W.I.S.E・・・何処かの機関の手先という可能性は考えられないか?」

朧「その線はありえなくはないだろうけど・・・」

白金「考えるだけ無駄だね」

白金「たとえその推理が正しかろうとも、世界を文明ごと崩壊させた以上・・・
   実行部隊であるW.I.S.Eは機関の管理下から逃れているとみて間違いない」

白金「機関の手先がすることとして考えた場合・・・これはやりすぎている」

白金「まして、W.I.S.Eが世界情勢を変えるために人為的に生み出された能力者集団だとしたら・・・
   彼らが”機関”ごと世界をぶち壊そうと考えても不思議じゃない」

雨宮「でも、W.I.S.Eの力が特出している理由としては一考の余地があるわね」

飛龍「おい、みんな」

飛龍「こっちにきてくれ」

              ・
              ・
              ・

アゲハ「・・・テレビが!」

雨宮「壊れずに残っていたのね」

飛龍「小さいブラウン管と安物の再生機だけだがな」

飛龍「だが、コイツを試すのにはこれで充分だ」

                r、ノVV^ー八
             /)::::::: |::::::::^vィ
       ブォッ!! ///):::: |:::::::::::::イ

          /,.=゙''"/|:::::::::::::::::::::: |
   /     i f ,.r='"-‐'つV─八:::::::(
  /      /   _,.-‐'~_、 ,__、}f'〉:|__  
   /   ,i   ,二ニ⊃ `'` | `'`  |ノ:::|::::::::::::ヽ
  /    ノ    il゙フ::::|、  、,    l|ヽ:r:::::::::::::::::}
     ,イ「ト、  ,!,!::::::::::ヽ -=- ./| ...\:::::::::::::::|

    / iトヾヽ_/ィ":::::::::::::::\二/ :ノy ̄::::::::r::::|

岡部「12月2日・・・でかしたぞ!」

雨宮「W.I.S.Eの集会の映像記録ね!」

カブト「・・・(これは・・・)」

白金「なにか見つけ・・・」

白金「(大事なもののようだね・・・今は一人にしておこう)」

カブト「(いまだ小さな地しんは続いている、あの地ごくから何日たったのか・・・)
    (自力であの扉を開ける体力も、もはやない)
    (外はどうなっているのだろうか?)
    (あの大きなじしんでへやのなかのものがくずれた)
    (オレの両足は、もう、うごかない)
    (全てが空へおちていった、世界の終わりを見届けた)
    (どうやら、ここまで)
    (おふくろ、たすけにいけなくてすまない)
    (カブトもしいきているのなら、あきらめるな)」

カブト「オジキ・・・」

テーレッテー♪

つらい現実に直面する霧崎カブト
そして、朝河飛龍が発見したDVD
”宣戦の儀”
その日、いったい何が起きたのか?

ダル「僕だったら行かないね、常識的に考えて」

テーレレー♪

来てたのか

おつ

小だしですがこのままだとタイムアウトしちゃうので透過しますよ

アゲハ「お、よーし!きたきたァ」

テレビ「ざ・・・ざざ・・・」

飛龍「音声は飛んじまっているようだな」

雨宮「映像もだいぶブレているようね」

アゲハ「いた!あの上に立っている奴ら!」

白金「フード付きの白装束・・・正体を隠してるね」

雨宮「ええ、身元がばれないようにしている」

雨宮「”宣戦の儀”・・・なんだかすごくイヤな予感がする・・・」

岡部「(一見するとただの街並みのように見えるが・・・確かに不気味な映像だ)」

白装束「・・・この世・・・に・・・とうとう・・・」

白装束「・・・始め・・・宣言する!」

民衆「うるせーよ!イカレ野郎!」

民衆「さっさとどっかいきやがれ!」

白装束「我らが手に入れた力・・・思い知れ、愚民ども!」

┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”

ボッキーン!

岡部「見ろ!ビルが!」

白金「根元から・・・」

民衆「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

雨宮「映像が!」

飛龍「コイツら・・・PSIを使ってこんな大殺戮を始めるなんて!」

カブト「オッ、オジキは・・・オジキはどうなっちまったんだよ!」

岡部「落ち着け!これは過去の映像・・・この時点では無事だ」

アゲハ「そんな・・・まさか?」

アゲハ「マリー」

カイル「やい、この外道!貴様らの地球征服計画はお見通しだ!」

雨宮「カイル、フレデリカ、シャオ、ヴァン・・・あの子たちがいったいどうして?」

岡部「(誰だ?)」

朧「戦う気のようだね」

マリー「危険ですから離れてください」

塔二「君達は一体、何者だ?」

カブト「オジキの声だ」

マリー「私たちは未来を変えるために・・・今日、あの人たちと戦うことに決めました」

マリー「ワイズを倒さなければ・・・この世界は滅びてしまう」

マリー「私たちがやるしかない・・・それが私たちの運命・・・」

マリー「天国のオババ様も、きっと私たちの決断を許してくれるはず」

アゲハ「天国?」

雨宮「エルモアはこの子たちを残してもう死んでいる?」

???「そんな運命など無い!!!」

マリー「誰?」

塔二「あの男・・・白髪にロングコートの男だ!」

・・・・

???「顔を見せろ!プログレス!!!」

白装束「同志プログレス・・・アレは知り合いか?」

プログレス「そうこなくっちゃな・・・ヘイトォォォ!」

白金「ヘイト?そうか・・・あれはヘイト君だ!」

飛龍「知っているのか?」

白金「サラリーマン時代の同僚さ
   オレは営業、あっちは製品開発で接点が少なかったが・・・
   兎角よその部署でも顔が売れていたフレンドリーな人物だったよ」

白金「あの様子・・・オレが会社を辞めてから2年近くは会っていないとはいえ
   まるで別人だ!」

プログレス「オレはここだ!」

ヘイト「プログレスゥゥゥゥ」

岡部「なんだあの体は?」

飛龍「まるで、機械の体だ」

プログレス「キサマにはエレセロスは使わん・・・この体でなぶり殺しにしてくれる」ビュン!

アゲハ「まるでライオンが獲物にとびかかってるみたいだ」

岡部「危ない!」

ドゴン!

飛龍「腕で防いだぞ」

朧「ダメだね・・・僕や朝河君のようなストレングス型のライズ使いでない限り、あの威力では腕ごと・・・」

アゲハ「その心配はなさそうだぜ」

カブト「白髪の兄ちゃんのほうは鉄の腕か」

カイル「マリーとヴァンはおっさんの方に!
    シャオとフーはオレに続けェ!!!」

フレデリカ「なに勝手に命令してんのよ」

白装束「全てがPSIに包まれる幸福の世界が来るのだぞ?」

白装束「誰の手のものか知らんが、我らに牙を剥こうというのか」

白装束「幼きサイキッカーよ」

白装束「・・・悲しいよ」

白装束「こんな小さな同朋の命を摘むことになるなんて」

雨宮「口調が変わった?」

      ゲブラー
白装束「・・・峻厳」

ドオオオオオオオオオオオオオン

岡部「映像が!(消えた・・・)」

アゲハ「ふっ、ふざけんな・・・映せよ!

アゲハ「あいつら無事なのか?」

ザザ・・・ザザ・・・

塔二「そんな・・・」

カイル「ゲブラア」
シャオ「ゲブラア」
フレデリカ「ゲブラア」
マリー「ゲブラア」
ヴァン「ゲブラア」

ヘイト「な・・・何故だ!なぜこんな小さな子供の命を奪っておきながら俺に!」
               セフィロト
白装束「無駄だ・・・我が”生命の樹”は無敵なり・・・」

白装束「行くぞ!
    残りのこの地区一帯を目立つように破壊しろ」

ヘイト「待て・・・」

ヘイト「なぜあの時・・・そしてさっきも・・・オマエは何故エレセ・・・」

ブツン!ザーーーーーーーーー

アゲハ「ふ・・・ふざけるな!」

アゲハ「ふざけるなよ!なんだよこれは!
    あの仮面ヤロー絶対に許さねえ
    必ずぶっ殺してやるからな」

朧「落ち着け!」

朧「これはまだ、あくまで未来の話だ」

アゲハ「なんで・・・なんでアイツらが死ななくちゃなんねーんだよ」

雨宮「育ての親のエルモアが死んでしまったのよ・・・」

雨宮「だから、あの子達の勇み足を止められるものがいなかった」

岡部「(未来の映像ゆえ助かる可能性はある)」

岡部「(だが、彼らの死そのものがアトラクタフィールドの集束に捕らわれているとしたら・・・)」

岡部「また、アレが必要だと言うのか」ボソ

白金「ん?何か言ったかい?」

岡部「なんでもない」

アゲハ「変えてやる・・・あんな未来!」

雨宮「もっと手がかりがないか探しましょう」

朧「せめて彼らの素性が・・・」

ドン!

カブト「な、なんだ?」

白金「ちょっと見てくるよ」スタタタ

岡部「まさか・・・敵か」

アゲハ「ワイズ・・・奴らはぶっ殺す!」

雨宮「夜科!落ち着いて」

ロボット「ピコ・・・ピルリリ(生体反応確認)」

白金「なんだあの機械は?」

岡部「見たところ、多脚型のロボットか?」

雨宮「どうしてこんなものが?」

ロボット「カシャカシャカシャカシャ(目標補足)」

カブト「よく見ろ!あのロボット・・・触手が変形してやがる!」

カブト「撃ってくるぞ、ちれぇー!」

ロボット「ガガガガガガガガガッガガガッガガガガ(制圧開始)」

アゲハ「あれもワイズの差し金だっていうなら・・・」キイイイイイイイン

岡部「夜科!(完全に切れている!)」

雨宮「避けて!」

飛龍「まったく・・・世話が焼けるぜ!」

飛龍「ドラゴンウイング!」

ギンギンギンギン!

雨宮「やった・・・銃弾を防いでいる」

朧「しばらく見なかったうちに、彼も成長していたというわけか」

岡部「(援護だ!)サイリウム、セイバァー!」

ビュン!!!

ロボット「(迎撃行動・・・アールダー展開開始)カシャカシャン」

斬!

朧「銃に続いて今度は剣か」

アゲハ「ヒリュー、助かったぜ!」

飛龍「まったくだ
   少しは冷静になれ」

白金「離れれば銃撃、近づけば斬撃・・・打つ手はあるかい?」

朧「そうだね・・・ベタだけどあれだけの巨体、回り込んで下から叩くというのは?」

岡部「あの技を試してみるか」

飛龍「あの技って、アレか?」

アゲハ「おい!アレってなんだよ」

白金「なにか必殺技があるみたいだけど、近づくまではどうするつもり?」

岡部「あれを使おう」ニア

朧「シェルターの扉か、考えたね」

朧「これだけの分厚さだ、対戦車ライフルが来ても一発くらいは何とかできそうだよ」

白金「よし、オレが囮を引き受ける
   二人は扉を盾に接近して、一撃でぶっ叩いてくれ」

岡部「了解!」

雨宮「私も囮役を・・・」

白金「これからオレの力を見せてやる・・・キミたちは後の戦いに備えて休んでいてくれ」

飛龍「一人で大丈夫なのか?そもそも自信満々だけど何ができるんだアンタは」

白金「・・・もう準備は出来てるぜ」

白金「120%・・・身頸融合!」

  スモーキーエンジェル
白金「天使の一服!」

アゲハ「兄ちゃんが霧に?!」

岡部「モアッドスネークの比じゃない」

朧「僕たちも!」グワシ!

ダダダダ

白金「頸楓」斬?

白金「薄いところでもオレの術じゃ切れないか・・・だが、回数を重ねれば!」

頸楓!頸楓!頸楓!
ボドン!

カブト「霧の中から千切れた触手が一本出てきたぜ」

白金「(今のうちに出来るだけ)」

ロボット「ピコンピコン(異常気象・・・異常気象・・・)」

朧「それにしても意外と静かだね」

岡部「この霧が、あのロボットのセンサーを潰してくれているのかもしれない」

ロボット「(動体センサー動作不良・・・熱源センサーへ切り替え、ランパート起動開始)」

ギュウウウウウイン!!!

白金「腕?」

ロボット「ポリリリリ(熱源探査による自動迎撃開始)」

白金「(分身三体の一点集中攻撃で行かせてもらうよ)」

  エンジェルクインテッド
白金「天使の五重奏」

白金「腕一本も~らっ・・・」

ボフウ!ボフウ!ボフウ!

アゲハ「霧が・・・」

雨宮「まさか?(神吹が死んだの?)」

白金「ああ!白金ブルー、イエロー、ピンク!」

岡部「今の・・・見たか?」

朧「もちろん」

岡部「神出鬼没に攻撃を繰り出す三人の白金が、現れたと思いきや瞬く間に倒された」

朧「しかもあれだけの重量・・・直撃したら、この扉一枚なんて軽く打ち貫くだろうね」

白金「まだだ!いくぞ、ブラック」

白金「プラチナ!マーブルスクリュー!!!」

梵梵!!!

ロボット「ビー(メインカメラ破損)」

白金「カメラとセンサーは潰した!残りの銃と剣は張り子も同然だ!」

白金「腕の熱源センサーにだけ注意しろ!」

白金「もう一回全員集合だ」

  エンジェルクインテッド
白金「天使の五重奏!」

朧「鳳凰院君!これを投げるのが合図だ」

岡部「タイミングを合わせるぞ」

白金「3!」

朧「2!」

岡部「1!」

朧「ブー・メ・ラン!」投!

ブウウウウウウン!

岡部「(この一撃に勝負を賭けるしかない、可能な限り接近する)」

岡部「うおおおおおお!飛べよォォォォォォォォ!」

  ラ イ ズ
脚力限界点突破

ロボット「ピコ(熱源6、自動迎撃)」

ボフウ!ボフウ!

ロボット「(追加1・・・高速飛来・・・優先順位変更)」

ブオン・・・ゴワン!

ロボット「(残熱源4・・・3・・・)」

ボフウ!ボフウ!

ロボット「(2・・・1・・・)」

ボフウ!
ひらり!

岡部「(真下に入れた)」

岡部「ジェット・・・アッパー!」

JET//////////梵!

朧「これが・・・鳳凰院君のライズ訓練の成果か」

白金「ヒュー!スゴイ威力だぜ」

岡部「おご・・・ぐふう」オゲー

朧「!!!」

朧「鳳凰院君、大丈夫か?」

岡部「案ずるな、急な運動で気分が悪くなっただけだ」

白金「それって結構ヤバイんじゃ・・・」

ロボット「ピ!(自立自爆がセットされました・・・5・・・4・・・)

岡部「そっちに行ったらキュアをたの・・・」

朧「なにか嫌な予感が・・・」

3・・・2・・・1・・・
ボカン!

テーレッテー♪

自爆するロボット
岡部と神吹をいったい何が襲うのか?

ダル「説明くさいけど今回知らない人がいら、画像が見つからないのでダイモンズを読んでくれお」

テーレレー♪

おつんつん

おつ

とてつもなく今更だけど台本形式だとアクションシーンは辛いな

おつ

寝る前に一本透過します
昨日までで仕事の方が多少落ち着き始めたので来月からペースあげられるかも(願望半分)
あといつの間にかダイモンズが本編に絡んでキタでござるの巻

カブト「爆発だー!」

アゲハ「あのロボット、自爆しやがった」

アゲハ「朧たちは無事なのか?」

雨宮「わかってるわ」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
有線ジャック!

雨宮「望月・・・鳳凰院・・・神吹・・・」

雨宮「聞こえているのなら返事をして!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

朧「僕なら大丈夫・・・ちょっと埃でむせるけどね」

岡部「し~ん」 白金「し~ん」

雨宮「・・・鳳凰院と神吹からの返事がないわ」

雨宮「それどころかトランス線に手ごたえがないわよ!」

飛龍「な、なんだって」

アゲハ「あの二人まで死んじまったのかよ」

朧「安心して、あの二人は無事さ」

アゲハ「本当か?」

朧「ただ・・・あのロボットの最後っ屁ってやつが厄介そうだよ」

アゲハ「最後っ屁?」

              ・
              ・
              ・

白金「最後の最後でドジふんじゃったね」

岡部「まったくだ・・・まさか自爆の目的が捕縛用のネットをばらまくことだとはな」

岡部「これは電気か?体が痺れて身動きが取れん」

白金「オレも同じく」

岡部「・・・これは仮説なんだが、あのロボットはもしかしたら俺たちを捉えることが目的だったんじゃないか?」

白金「何故そう思うんだい?」

岡部「殺す気なら自爆装置の火薬をもっと増やしておけば良い、
   それにもし熱源センサーの腕が機関砲だったなら・・・
   俺たちは近づいた時点で殺されていた可能性も高かった」

岡部「そして極めつけは、この捕縛ネット」

岡部「電気刺激でPSIを封じ込められたあたり、サイキッカー捕獲用の装備だとしか思えん」

白金「ふ~ん」

岡部「ずいぶんと興味がなさそうだな」

白金「ま、答えはあのオニーサンがおしえてくれそうだからね」

アラン「そこのアンタ・・・岡部倫太郎だな?」

岡部「な?!(人語を解する禁人種?)」

アラン「安心しな・・・ダルの使いだと言えばわかるか?」

岡部「なんだと?」

岡部「貴様、禁人種にしか見えんが、ダルとなにか関係があるのか?」

朧「(あれは・・・人型の禁人種?)」

朧「いま助ける!」

アラン「オレはワイズに潜入したダルの仲間だ
    細かい身の上を語るのは時間が足りないから勘弁してほしいがね」

白金「なるほどね・・・つまり、これからワイズの上官がやってくるわけか」

アラン「察しがよくて助かる」

アラン「待っていろ、いまワイヤーを緩める」ごそごそ

アラン「あとはトランスの有線ジャックをアンタの仲間たちにつなげ・・・」

バサ・・・バサ・・・バサ・・・

ドルキ「キサマ・・・何をしている?」

アラン「これはドルキ様・・・このようなところにどのような用件で?」

岡部「(ドルキ?あの人面鳥の上にのっている男のことか)」

ドルキ「御託はいいからさっさと答えろ」

アラン「トリニティスローターが人間を見つけたようなので、何事かと駆けつけたところご覧の有様で・・・」

ドルキ「ククク・・・見え透いた嘘はよくないなぁ」

ドルキ「このオモチャはテレパス反応を元にシャイナがテレポートでここまで運んだものだ」

ドルキ「それに知らなかったのか?」

ドルキ「その型のオモチャはシャイナがいじっていたソイツ以外は、
    故障してサイレン塔の鉄くず材として再利用済みなんだぜ」

アラン「(この様子・・・オレがスパイだってことがバレちまっている)」

アラン「(いや、勘のいいドルキのことだ・・・いまこの瞬間にバレちまったと言うべきだな)」

アラン「ケ!バレちまったらしょうがねえよなあ・・・」

バサ・・・バサ・・・バサ・・・

ドルキ「キサマ・・・何をしている?」

アラン「これはドルキ様・・・このようなところにどのような用件で?」

岡部「(ドルキ?あの人面鳥の上にのっている男のことか)」

ドルキ「御託はいいからさっさと答えろ」

アラン「トリニティスローターが人間を見つけたようなので、何事かと駆けつけたところご覧の有様で・・・」

ドルキ「ククク・・・見え透いた嘘はよくないなぁ」

ドルキ「このオモチャはテレパス反応を元にシャイナがテレポートでここまで運んだものだ」

ドルキ「それに知らなかったのか?」

ドルキ「その型のオモチャはシャイナがいじっていたソイツ以外は、
    故障してサイレン塔の鉄くず材として再利用済みなんだぜ」

アラン「(この様子・・・オレがスパイだってことがバレちまっている)」

アラン「(いや、勘のいいドルキのことだ・・・いまこの瞬間にバレちまったと言うべきだな)」

アラン「ケ!バレちまったらしょうがねえよなあ・・・」

やばいこれ面白い
ノーマークだったわ

アラン「死ね!ドルキィィィ!」

バン!バン!バン!

   イクスプロジア
ドルキ「爆塵者!」

梵!

白金「(目にもとまらぬ早業・・・だが、それ以上にドルキという男はいま何をした?)」

岡部「(なんだいまの爆発は?全く見えなかった)」

ドルキ「クイックドローからのゲットオフスリーとはな・・・大した曲芸だ」

ドルキ「殺す前に名前くらい覚えておいてやる、言え!」

アラン「(一点突破のスポットバーストショットだってのに爆塵者を突破できねえってのか)」

アラン「(この力の差・・・ランパートにまったく歯が立たなかった時を思い出すぜ)」

アラン「(せめてダルからのメッセージ・・・これだけは伝えておかねーとな)」

アラン「禁人種になって早8年・・・ヒトだったころの名なんざ、とっくに捨ててるわ!」

バン!バン!バン!バン!

ドルキ「何処を狙ってやがる・・・まあいい、気が変わった」

ドルキ「ギッザーニ、先に戻ってコイツら全員、牢屋にぶち込んでおけ」

梵!

アラン「ぐああああ」ドテ

ドルキ「急げよ・・・生存者風の二人もそうだが、それ以上にこの名無しヤローは
    何処の回し者なのか、じっくり脳をいじくって聞き出しておかねーとな」

ギッザーニ「(男をいたぶっても面白くねーんだよな・・・)」

ギッザーニ「そうだ!コイツらの連行はお前がやれ、ゴルドフ」

ギッザーニ「オレたちが乗ってきた人面鳥はゴルドフの足に使わせますから
      いいでしょう?ドルキ様」

ドルキ「チ!まあいい」

ドルキ「じゃあゴルドフ、しっかり塔まで連れてけ!
    間違っても弄繰り回すのはオレ様が戻るまでやるんじゃねーぞ?」

ゴルドフ「グオオオ(了解しましたドルキ様)」

バサ・・・バサ・・・バサ・・・

              ・
              ・
              ・

朧「最初の禁人種相手に反応が遅れたのは僕のミスとはいえ・・・」

朧「後から来たあの男・・・僕のことには気が付かなかったのか?
  まったく無粋な奴だ」

雨宮「何を言っているの?命拾いをしただけで充分だと思いなさい」

朧「僕としては代わってあげたいくらいだったさ」

アゲハ「そんなことよりヨォ・・・あの二人の無事の方が大事だろ?」

朧「僕としては鳳凰院君のことは惜しいけど、アゲハ君が無事だってことと引き換えなら・・・」

飛龍「寝ぼけたことをぬかしている場合じゃないだろ!」

バン!バン!バン!

朧「ズキューン!」

雨宮「トランスの反応が・・・まさか望月まで?」

朧「僕なら平気だよ・・・それより、いい知らせだ」

アゲハ「本当に無事なんだよな」

朧「疑うことはないだろう?」

朧「それはさておき・・・最初に現れた禁人種、彼は味方のようだ」

雨宮「どういうこと?」

アラン「こういうことさ」

雨宮「まさか・・・望月朧を媒介に私のトランス回線に割り込んだっていうの?」

アラン「セーカイだ」

飛龍「アンタ、何者だ?」

アラン「アラン・・・それ以上の詮索はやめてくれ、今は一分一秒でも惜しい」

雨宮「わかったわ」

雨宮「それで、何が起きているの?私たちのところからじゃよく見えないわ」

アラン「アンタらのことが極力ドルキにばれねえように小細工させてもらったからな」

アラン「っと、おしゃべりはここまでだ」

アラン「岡部ともう一人は無事、今はちょっと事情があって捕まって気絶したフリをしてもらっている」

アラン「オレたちはこれからサイレン塔に連行されるだろうが・・・
    ドルキから離れ次第、スキをついて脱出するって算段だ」

岡部「もしもし、俺だ」

アゲハ「鳳凰院!」

岡部「白金のほうはトランス線が繋がっていないが無事であることには変わりはない」

岡部「あのドルキってやつから離れられさえすれば逃げるのは容易そうだ」

岡部「奴ら、いかにも鈍足な見張りをたてたからな」

岡部「だが、ドルキには気を付けろ」

アゲハ「さっきから言っているが、ドルキって何者だ?」

岡部「バイザーを付けた白い服を着た男・・・見えない爆発を起こす厄介な能力者だ」

岡部「それに、あの態度から考えればそれなりの地位にいるのはまず間違いない」

岡部「おまけに勘もするどい、俺たち全員で挑んでも勝てる保証は低そうだ」

アゲハ「何?」

雨宮「岡部の言うことは聞いた方がよさそうね」

雨宮「いまから三つ数えたらトランスの有効射程ぎりぎりまでこの場を離れましょう」

雨宮「望月は誘導するからその場所まで向かって合流」

雨宮「アラン、あなたのトランスは何処まで伸ばせる?」

アラン「だいたい2キロだな」

アラン「実のところ鳥野郎が勢いよく離れているからそろそろ断線しちまいそうだ」

雨宮「ならばなおさら急ぎましょう」

雨宮「3・・・2・・・」

ドルキ「さてと・・・いま捕まえた奴らには女はいなかった・・・なら当然隠れているわけだよな?」

雨宮「1・・・」

梵!梵!梵!

ドルキ「10秒以内に出てこい、クソカスども」

ドルキ「このドルキ様と少しお喋りでもしようじゃねぇか」

朧「これは・・・出遅れてしまったね」

雨宮「なんてこと!」

カブト「あの野郎、俺たちの居場所までは知らないはずだよな?」

カブト「だったらシカトこいて逃げちまおうぜ」

カブト「この土埃のなかなら早々バレやしないって」

飛龍「いや、それだと望月を見捨てることになる」

朧「僕のことは気にせず、逃げたいのなら今のうちに逃げればいい」

雨宮「それこそ寝ぼけた話・・・」

雨宮「この状況で下手に動いたら飛んで火にいる夏の虫よ」

ドルキ「聞こえているんだろ?シカトしてんじゃねえ!」

梵!

カブト「うひい・・・こっちにまで熱風が来たぜ」

ドルキ「あと7秒だ」

ドルキ「オレは相当気が短いぞ」

ドルキ「それに、半径100メートルくらいなら余裕で爆破できる
    隠れてやり過ごそうだなんて甘い考えはやめておいた方がいいぜ」

アゲハ「なにか策はあるか?」

アラン「すまない、ドルキが一枚上手だった」

ゴルドフ「ぐおおおおおおおお(ドルキ様の命令、動けなくなるまで痛めつける)」

アラン「こっちもか!」

雨宮「何があったの?ねえ、応答して」

ブツン!

朧「トランスの線が切れた」

              ・
              ・
              ・

アゲハ「出ていくしかねぇみたいだな」

アゲハ「まぁ、切り抜けてやる」

アゲハ「・・・まて!」

ドルキ「ニイ(笑)」

スーΩ

カブト「何だぁ?(オレたちを囲うように白い光が線を引いて・・・)」

梵!

アゲハ「・・・(これが鳳凰院が言っていた見えない爆発?)」

ドルキ「いいか、その線から一歩でも外に出た奴は容赦なく爆破してやる」

ドルキ「これからするオレの質問に答えれば、さっき捕まえた奴と合わせて命だけは助けてやろう」

ドルキ「お前たちは何者だ?」

ドルキ「何の目的で・・・何処からきた?」

アゲハ「!!!」

ドルキ「どうした?死にたいのか?」

アゲハ「(答えられるかよ・・・ドリフト以外に本当のことを言ったら、俺たちは灰にされちまうんだ)」

飛龍「俺たちは生存者だ・・・もっと西の廃墟で暮らしていた」

飛龍「今はほかの仲間を探して東へ旅をしている最中だ」

アゲハ「・・・(ナイスアシスト、ヒリュー!)」

ドルキ「ホウ、生存者か」

ドルキ「ここ数年、お前たちのようなものが見つかるのはとてもレアなケースなんだ」

ドルキ「よく生きていたな」

ドルキ「まだこの国における我らの監視体制も100%ではない
    知らぬところで生き延びているものがいてもおかしくはないと思っていたが」

ドルキ「生存者の中には我らが放った知能が低い、数多の出来損ないに食い殺されたものも多いだろう」

ドルキ「知能をもった捕獲班の兵士に捕らえられれば・・・
    新しき生命体、禁人種として生きる幸せを与えられたものを」

カブト「な!!!」

飛龍「新しき・・・生命体だと?!」

ドルキ「いやぁそれにしても生存者諸君!
    お前たちはここまでよく頑張った!!」」

ドルキ「今は旧暦にして2021年の6月も終わる時」

ドルキ「あの転生の日から9年半だ・・・
    9年半もの間、この大地を自力で生き抜いてきた君達に賛辞を贈らせてもらおう」

アゲハ「・・・にせん・・・にじゅうに・・・?」

雨宮「(ここは10年後の世界!!!)」

ドルキ「やはり・・・なにか可笑しいな貴様たちは」

ドルキ「いま2021年と聞いて・・・全く・・・!
    全く誰も想像もしなかったという顔を全員がした!」

ドルキ「貴様ら本当に只の生き残りか?」

ドルキ「お前達は長旅をしてきたにしてはあまりに軽装すぎる」

ドルキ「そんな清潔な服をこの世界の何処で手に入れた?」

ドルキ「生存者だと?そんな嘘がこのオレに通用すると思ったか?」

ドルキ「さっきの名無しヤローといい、お前達にはまだまだ秘密があるな!」

ドルキ「準備しろギッザーニ!
    塔に連れ帰ってさっきの奴も含めて
    トランスで徹底的に脳をいじる」

ギッザーニ「ギヒヒ・・・いじるってよォ」

ギッザーニ「最後は実験用のモルモットかね?ギシシシシ!」

雨宮「マズイ!」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=
有線ジャック!

雨宮「このままでは全滅するわ」

雨宮「みんな、私の合図で一斉に逃げて!」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

ギッザーニ「この女・・・テレパスか?」

ドルキ「何を小賢しいことをしている、小娘ェ!」

カブト「あ!やばい、そこ!(白い光がリトルバニーを)」

飛龍「あ!(なんだかよくわからんが、雨宮はオレが守る)」

梵!

雨宮「あ、朝河くん?!」

ドルキ「生きているだと?(加減したとはいえ・・・コイツはライズ使いか?)」

飛龍「ゴホッ!」

飛龍「スキなら俺が作ってやる!!!

アゲハ「翼?!」」

飛龍「みんな行けェェェ!」

ブオン!!!!
ドラゴンウイング

ドルキ「チィ!」

ギッザーニ「ギィ・・・逃げた?」

ドルキ「追え!!」

テーレッテー♪

飛龍の機転で窮地を脱したアゲハ達
散り散りに逃げる彼らを追うドルキとギッザーニ
そして突如牙を剥くゴルドフ
岡部たちはドルキの魔の手を振り切り、合流することができるのか?

ダル「ドルキはもっと評価されてもいいんだお」

テーレレー♪

皆大好きドルキさんはやっぱりつえーな

ドルキさんの評価はファンの間では大分高いと思うぜ。

アランって何のキャラだろう

短めの一本透過します

>>426
ベッケル博士同様にダイモンズから
それにしてもギガロマガールズより先に出ちゃまずいだろと

・・・・

ゴルドフ「グオオオオオオ(ラリアート!)」

アラン「ぐああああ」

岡部「アラン!(よし、網からは抜け出したぞ)」

岡部「この!」サイリウムセイバー

投!!ずぶり!

ゴルドフ「グオ?(ちょっとひでぇ)」

白金「効いてないみたいだ」

白金「身頸融合!」

白金「オマエみたいな化け物と溶け合うなんて、こちらからお断りだ!」

ボコ!

アラン「き・・・気を付けろ」

アラン「ヤツは人間をベースに様々な動物を混ぜ合わせて作られたキメラだ」

アラン「頑丈さは普通の禁人種の比じゃねえ」

岡部「それでも・・・禁人種なら核を叩けば!」

白金「オーケイ・・・オレが攪乱して核を探す、凶真は核を見つけ次第打ち砕いてくれ」

アラン「ガハっ!」びしゃ

岡部「大丈夫か?」

アラン「これくらい、屁でもねーよ」

                    エンジェルクインテッド
白金「いきなりクライマックスだね・・・天使の五重奏」

ゴルドフ「グウウウ(増えた?面倒)」

ニョキニョキニョキニョキ
コオオオオオオオオオオ

白金「なに?・・・このキモイの」

岡部「この感じ・・・その触手、危険だぞ」

白金「承知しているよ」

ゴルドフ「キョン!」

梵!

岡部「無事か?」

白金「どうということはないけど、他のオレが全員一撃でやられてしまったよ」

白金「さっきのメカ相手でも消耗している・・・これ以上の分裂はムリだ」

岡部「もういい、貴様は休んでくれ」

岡部「弱点は見えた、後は俺がやる」

岡部「サイリウムセイバー!!!」

投!投!投!

ゴルドフ「キョンキョン!」

梵!

岡部「なんだと?」

アラン「バーストで撃ち落としたか・・・俺がさっきドルキにやられたみてーに」

ゴルドフ「グオ(バーストを貯めつつラリアット)」

岡部「遅い!」

シュン

岡部「バーストで撃ち落とすのなら、懐に入って・・・」

岡部「右ストレート!!!」

SHOCK!

ゴルドフ「ヒデエヨ」ピシ!

岡部「ヒビこそ入ったが、なんという肉壁だ」

ゴルドフ「キョキョン!(お返しだ)」

ぼん!

岡部「ぐあああああああああ!」

ゴルドフ「(いたくて威力が落ちちゃった)」

白金「やられたのか?」

アラン「岡部!オマエは俺たちの希望なんだ」

アラン「死なせるか!」

ゴルドフ「グググオ(ドルキ様の命令と違う気がするが、殺そう)」

ゴルドフ「キョン!」

梵!!!

岡部「はあ・・・はあ・・・」

アラン「覚えておけ、死後二重丸だ・・・」シュアアアアア

岡部「あ・・・アラーン!」

岡部「・・・痛くて動けやしないが、俺の身代わりになったアランには報いないとな」

岡部「白金、まだいけるか?」

白金「トーゼン!」

ヒューーーーー・・・・

朧「怪我人はおとなしくしていてくれ」

朧「全速ダッシュからの・・・右ストレート!」

ドカ!ビビビン!

朧「この分厚い面の皮、うまく勢いを殺しているのか?」

白金「ピンチに仲間が駆けつけるなんて熱い展開じゃないか」

岡部「無事だったか望月朧」

朧「朝河君のおかげでね」

岡部「朝河?」

白金「よく見ると向こうにデカイ兄ちゃんが置き去りに」

朧「ここは僕に任せてくれ」

朧「様々な生き物を人の皮に押し込んだキメラ・・・
  キュアの力で一つ一つを治したらどうなるか
  とても気になるね」

ゴルドフ「コオオオオ(コイツから殺してやる)」

朧「タメが長い、遅すぎるよ」シュピン・・・グワシ!

キュアキュアキュアキュア

ゴルドフ「アアアアアアアア」ボコボコボコボコ

・・・・

ゴルドフ「し~ん」

朧「どうだい
  なかなか悪趣味な芸術作品だと思わないか?」

岡部「貴様、いったい何をした」

朧「キュアの力を流し込んでやったのさ」

飛龍「キュアを?」

朧「コイツは様々な種の生物を合成して作り上げられた生命体のようだからね」

朧「僕のキュアの力でその命をひとつひとつ・・・
  もしかしたら、元通りに治してあげられるんじゃないかと思ったんだ」

岡部「(白々しい・・・この男がそんな殊勝な性分なわけがない)」

白金「(魂のない肉体だけを直したところで・・・)」

朧「まあ結果はこの有様だ」

朧「朝河君、ヤツの核を破壊しておいてくれないか」

飛龍「(望月朧の言うことは嘘くさいが、まずはコイツをなんとかしないとな)」

飛龍「ドラゴンテイル!!」

ぐしゃあああああああ
シュアアアアアアアア

・・・・

飛龍「そういえば、俺たちに協力してくれたトランス使い・・・」

飛龍「ヤツは何処に?

岡部「アランは死んだよ、俺たちを庇ってな」

白金「そういえば、彼とはどういう関係だったのヨ?」

岡部「そういわれても、俺だって初対面だぞ」

白金「”オマエは俺たちの希望だ―!”だなんていわれてたけど」

岡部「本当に初対面だ」

岡部「ただ・・・アランはこの世界で・・・ダルの仲間だったんだよ」

飛龍「ダル?また新しいやつが出てきたな」

白金「彼の右腕だそうだよ」

飛龍「ふ~ん」

岡部「(アランが最後のトランス弾で教えてくれた彼の半生)」

岡部「(ロゴスティアの暗部に兄を殺され・・・)」

岡部「(敵を討つために敵の元で兵隊を演じる日々と友の手による敵との決着・・・)」

岡部「(勝利するもつかの間、安息の日々を破壊した転生の日・・・)」

岡部「(紅莉栖、ダルと出会い・・・サイレンドリフトのことを知り・・・)」

岡部「(禁人種になろうとも過去を変え、転生の日を止めようとした)」

岡部「(ワイズを総べるもの天城弥勒と死の雨を降らすものプログレス・カーソン)」

岡部「(現代の彼らを止めることができれば、それができるというのか)」

岡部「(そんなことが本当に俺にできるのだろうか?)」

朧「鳳凰院君、そろそろ雨宮さんたちと合流しよう」

岡部「・・・あ、ああ」

飛龍「気を抜いてんじゃねーぜ!」

白金「(あの様子・・・)」

雨宮「みんな!?」

飛龍「あ、雨宮」

ギッザーニ「カワイイ姉ちゃんを串刺しにして絶頂を迎えたと思ったら」

ギッザーニ「俺が細切れにされていたでござるの巻」

シュアアアアアアアア

・・・・

雨宮「鳳凰院に神吹も・・・夜科と薬師カブト以外は全員無事だったようね」

飛龍「そういう雨宮もな」

白金「アゲハ君たちは?」

雨宮「私にもわからないわ・・・ただ・・・」

岡部「ただ?」

雨宮「私を追ってきた相手がドルキじゃなかった以上、ドルキが夜科を標的にした可能性は高いわ」

飛龍「マズイな・・・俺達も夜科と合流だ」

テーレッテー♪

ドルキの追跡を受けるアゲハとカブト
彼らに残された最後の手段は卑の意志に殉じることだった

ダル「サル・・・貴様が・・・囮だ」

テーレレー♪

ここで原作と分岐し始めてたな。転生の日の詳細を聞いたのは原作では5回目だったかここでか。現代編楽しみだ

おつ!

シュタゲとサイレン以外のキャラが出てきた時点でついていけなくなってしまった......orz

まだか

>>426
できれば今夜あたり逝きたいけどその次は未定すぎとだけ

あれなんか安価ミスった

そろそろ今月分イきますよ

岡部「待て」

飛龍「なんでだよ?」

白金「じゃあアゲハ君は見捨てて逃げる気かい?」

岡部「(白金はしらないか・・・)オイ!そろそろ仕事をしたらどうなんだ?」

朧「その言葉・・・もしかして僕に対していっている?」

岡部「当たり前だ!歪なオブジェを作る余裕があるなら俺達全員をさっさと治療しろ!」

朧「僕としてはキュアはあんまり好きじゃ・・・」

岡部「ええい!選り好みしている場合か」

朧「仕方がない・・・まずは雨宮さん、キミからだ」

雨宮「私は平気だから・・・傷が深い他のみんなを」

朧「今の状況を知りたいし、どうせ全員にキュアを使うなら時間はあまり変わらないとは思うしね」

キュアキュアキュアキュア

・・・・

アゲハ「もっと脇へ寄れ!見つかるぞ?!」

カブト「うひゃあああ」

梵!

ドルキ「モグラどもめ・・・隠れているのは解っているんだぞ」

アゲハ「カブト!次はどっちだ?」

カブト「まだだよ、まだ!まてまて・・・まて・・・まてまて・・・来る!」

ズズズズ

カブト「思いっきりここだ!走れェ!死ぬぞ!」

カブト「行け行け!」

梵!梵!梵!

カブト「そこを右へ曲がれ!」

梵!

ドルキ「生命反応は消えたか?さっさと探せ!」

人面鳥「グオオオオ」

人面鳥「グイ!(正面右ナナメ35度)」

ドルキ「クソッ!しぶといクソどもだ」

バサッ!バサッ!バサッ!

アゲハ「成程・・・オレ達の大雑把な位置がわかるのは、あのデカイ奴のおかげみてえだな」

アゲハ「カブト・・・おまえ本当に見えているんだな・・・
    あの野郎の爆破のPSIの力が・・・」

カブト「ああ見える」

カブト「あれが一体何なのかはオレにもわからねぇけど・・・
    背筋がザワザワしてはっきり見えるんだ・・・」

カブト「そこにいたら死ぬってな」

人面鳥「ボゲッ(こっちだよ)」

ドルキ「(人面鳥が生命反応を察知している・・・
     このオレの攻撃を奇跡的に避け続けているというのか?)」

ドルキ「(オレの爆破が効かないPSIの使い手か?
     いや、ならば逃げる必要はない)」

ドルキ「オレの攻撃が完全に読まれている・・・?」

・・・・

朧「これで全員の治療は完了だね」

白金「全力ってほどじゃないけど、だいぶ持ち直したヨ」

白金「後はオレが治療を引き継ぐ」

岡部「???」

雨宮「あなたもキュアが使えるの?」

白金「キュアは使えないけど、澪チャンのために水の梵術は多少の心得があるさ」

白金「ま、朧くんのキュアに比べたら即効性もない・・・気休め程度の効果しかないけどさ」

岡部「梵術?!」

岡部「やはり貴様、案内屋か」

白金「ご名答」

雨宮「なにそれ?」

朧「PSIとは別の超能力があるとでもいうのか」

岡部「最初に断わっておくが俺も詳しくは知らん」

岡部「知りたいのならこの場を乗り切って、この男にでも改めて聞いた方がいいぞ」

白金「そーそー、今はPSIでも梵術でもそんなものは大事の前の小事さ」

白金「気まぐれで持ち歩いていた黄布が役に立っちゃうとはね・・・」

朧「(僕のPSIは破壊的な力ではなかったけど・・・もしや梵術ならあの暴王のような力が・・・)」

雨宮「(大事の前の小事、確かにそのとおりね)」

雨宮「(でも望月朧は・・・マツリ先生の不安が当たらなければよいのだけど)」

・・・・

アゲハ「なんとなくアイツの力がつかめてきたぜ・・・
    ヤツの爆破の限界射程はだいたい150メートル
    距離が離れるごとに力が下がってきている」

カブト「ならさっさと射程外ににげちまおうぜ」

カブト「ゲートにたどり着ければこっちのモンだろ?」

カブト「それにリトルハニーたちだって・・・」

アゲハ「いや、ここで戦う」

カブト「はあ?!」

アゲハ「人面鳥を何とかしなきゃオレたちはゲートに行くことはできない」

アゲハ「心配するな」

アゲハ「オレとお前が組めば負けやしねぇさ」

カブト「冗談じゃねぇよ」

アゲハ「いいか、このままだとオレ達は必ず見つかって殺される」

アゲハ「そうなる前にこちらから仕掛けるんだ」

アゲハ「オレがあのバイザー野郎を攻撃する」

カブト「戦うって・・・オレはムリだぜ」

カブト「暴力反対!ムリムリムリムリ!」

アゲハ「いや、お前は逃げているだけでいい」

アゲハ「三分・・・これからオレが指示する方向へひたすら逃げてくれ」

アゲハ「ヤツがお前を追いかけているところをオレがやる」

アゲハ「霧崎・・・オレの囮になってくれ」

カブト「(ひ・・・卑劣!!!)」

ドルキ「(幻視・・・まさかあんな雑魚どもの中の一人が?)」

ドルキ「ククク・・・カーカカカカカカカカ!」

ドルキ「まさかこんなところに幻視なんてレアな能力を持ったやつがいるとはな」

ドルキ「決めたぜ・・・幻視使いは丁寧にイルミナスフォージして・・・トランスでオレ好みに仕上げて・・・」

ドルキ「その力を生かした禁人種として生まれ変わらせてやるぜ」

人面鳥「アホー!(取り舵いっぱい、距離300)」

カブト「本当に戦うつもりなのか?絶対どうかしているぜ」

カブト「くそ!」

カブト「大体、囮になれだなんてあんなにストレートに言う奴いるかよ」

カブト「断わりきれねぇじゃねえか」

カブト「(まずはアゲハがライズで先行してオレが後を追う・・・)」

カブト「(バイザー→オレ→アゲハという状況を作ってバイザー野郎をオレが引きつけ・・・)」

カブト「(途中で方向を違えたアゲハを素通りさせて横から狙撃する)」

カブト「確かに理屈はあってるかも知れねぇけど・・・」ざわ!

カブト「しまっ!」

梵!!!

ドルキ「そこか・・・」

ドルキ「見えたぞ・・・尻尾を出したな小僧」

ドルキ「正確な位置が解ればどうということはない」すううう

カブト「あ・・・(マズイ!囲まれた)」

梵!!!!!

カブト「(よかった・・・今のは驚かしだ)」

カブト「ヤツの目的が俺たちの生け捕りで助かったぜ」

カブト「それにおあつらえ向きの鉄パイプも」

カブト「こうなったらオレも一発ぶちかましてやる!」

ドルキ「・・・」ひゅううう

人面鳥「クェ(いってらっしゃい)」

ドルキ「話ができる程度で済むように加減はしたが・・・」

ざわ

ドルキ「?!(殺気?!)」

カブト「(バイザーごと顔面を、ホームランだ!)」

ガン!

カブト「(片手で軽々と・・・)」

ドルキ「いまから貴様をレフトで殴る、避けるか防ぐか好きにしろ!」

カブト「(選べるかよ)」ゴツン!

ドゴゴゴゴゴゴゴ

ドルキ「お前たちが息をしていればいいと思ってある程度気を使ったつもりだが・・・」

ドルキ「ここまで無傷だとはいささかオレもプライドを傷付けられた」

ドルキ「まさか貴重な幻視タイプのサイキッカーにこんなところで出会えるとはな」ドカ!

ドルキ「お前に見えるのはなんだ?」ドカ!

ドルキ「完全な未来予知か?」ドカ!

カブト「(このやろぉ・・・ボコスカ蹴りやがっていてぇじゃねえか)」ざわ

カブト「(やべぇ・・・目の前がもうこんなに・・・)」ざわざわ

カブト「オレに見えるのは・・・脅威だ」

カブト「”死”の脅威・・・」

      メナス
ドルキ「・・・脅威・・・か・・・」

ドルキ「さて、もう一人は何処へ消えた?」

ドルキ「逃げちまったか?」

ドルキ「見捨てられたなお前」

ドルキ「ま、これから禁人種として生まれ変わった貴様は有能なオレの部下になる事だろう」

ドルキ「光栄に・・・」

カブト「!!!」

ドルキ「どうした?」

カブト「おい!聞け、このクソ銀髪のサンバイザー男!」

ドルキ「あ゙?」ピク!

カブト「お前に一つ言っておこう」

カブト「オレはどんなつらいことからも絶対に逃げ出す根性と・・・」

カブト「信じられる人間を見抜く観察眼だけは持っている」

カブト「アイツは・・・絶対に裏切らん!」

ドルキ「・・・不愉快だ」

ドルキ「禁人種の材料として脳髄さえ無事ならそれでいい」

ドルキ「消えろ・・・クズが」

カブト「へっ!偉らそうによぉ」

カブト「クズ野郎にしか見えない風景だってあるんだぜ」

カブト「(這いつくばる直前、オレが見た風景を、お前にも見せてやりたかったぜ)」

バチバチバチバチ・・・ドン!

            ニュー・メルゼズ・ドア
アゲハ「行け!オレの新しい”暴王の月”!」ジジジジ

              |
              |
              ●

人面鳥「くぁ!」シュアシュアシュア

カブト「(ほんの一瞬、真っ黒な流れ星が閃いたら)」

カブト「(ドでかい人面鳥が真っ白な灰になり崩れ落ちた)」

カブト「(今のがアイツが言っていた新しい技)」

カブト「こりゃ・・・さっきの鳳凰院が無駄足にしか見えねえぜ」

ドルキ「今のは?」

ドルキ「(そうか・・・この”幻視”がしていたのは時間稼ぎ)」

ドルキ「もう一匹のほうか!」

アゲハ「コイツは敵味方関係なく危険に巻き込んでしまう言わば”爆弾”だ!」

アゲハ「でもオレが3つのプログラムを書き加えることでコイツは完全に生まれ変わる!!」

アゲハ「一撃必殺の矢に!!!」

ジジジジ・・・ギャ!――――●

アゲハ「追加プログラム1・・・前方高速射出!」

ドルキ「来たか」

ドルキ「二発目・・・あれがさっき一瞬見えたヤツのPSI攻撃か」

ドルキ「だが遅い、オレが見たのはあの攻撃だったのか?」

アゲハ「追加プログラムその2・・・30メートルでPSIホーミング開始!」

カッ!ギン!──────┐

                       |
                       |
                      ●

カブト「流星・・・」

ズン!

ドルキ「正確に核を・・・」

アゲハ「小さくなったことで追尾性能は瞬間的になっちまったけど、スピードは跳ね上がってるぜ」

ドルキ「危ねェ・・・」

カブト「避けた?!」

ドルキ「悪夢だ・・・まさかこのオレが、つまらねえライズを使う破目になるとは」

ドルキ「何処だ?お前から消してやる!!!」

アゲハ「追加プログラムその3・・・ホーミングは2回だ!」

ヴィン!──┐

         │
         │
  斬!●─┘


ドルキ「(腕が・・・)」

ドルキ「(またもやライズを・・・しかも今度は避けきれずに右腕まで)」

アゲハ「(また避けられた・・・ホーミングが甘いか?)」

ドルキ「・・・ハ・・・ハハ・・・いいだろう・・・」

ドルキ「あくまでも抗うつもりか、虫ケラどもが」

ドルキ「貴様ら全員、世界を敵に回すということだな!!!」

┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”

アゲハ「!!!」

ドルキ「我が力”爆塵者”の終極を味わえ!」

雨宮「なに・・・あれ・・・」

岡部「俺たちのイメージするPSIとはまるで桁が違う」

白金「これがあの男の本気・・・ミズチどころかゴウメイ以上じゃないか」

アゲハ「引けば死ぬ・・・霧崎も死ぬ・・・トドメを刺す!」

ドルキ「(”爆塵者”の星艦形態は全方向を補足する攻撃要塞だ)」

ドルキ「そこか!」

梵梵梵

雨宮「こんな巨大なバーストは見たことがない」

岡部「戦っているのは夜科か?」

カブト「なんなんだ、これ?」

カブト「クソッ!これじゃ逃げられやしねえ」

梵!

カブト「うひぃ!」

ドルキ「じっとしていろ”幻視”」

ドルキ「動いたら殺すぞ」

カブト「(化け物め・・・)」

ドルキ「貴様らごときがオレにかみついたことは
    万に一つの偶然であったと、そう思え!」

カブト「(ちくしょう・・・夢だ・・・こんなのは悪い夢だ!)」

アゲハ「(もう一発・・・準備完了だ)」ジジジジ

ドルキ「いい覚悟だ!自分から出てきたか!」

アゲハ「(逃げてたまるか・・・霧崎はオレを信じて囮になってくれた)」

アゲハ「(その気持ちをオレは絶対裏切らねぇ)」

アゲハ「そこでじっとしていろ、霧崎!」ババババ

アゲハ「撃つ!」

アゲハ「30メートルでPSIホーミング開始」

           ニュー・メルゼズ・ドア
アゲハ「突き抜けろ!新型”暴王の月”」

ドルキ「調子にのるんじゃねぇ!」

ドルキ「塵埃と散れ、旧人種が!」

(ア)───● 梵梵梵梵梵 (ド)

岡部「まるで爆発の障壁だ」

ドルキ「オレの爆塵者は圧倒的な破壊力を持つバースト波動の極地!」

ドルキ「そんなバースト、粉々に砕いてやる」

雨宮「・・・真っ黒な流れ星・・・」

朧「暴王の月はどんなPSIでも喰らいつくす」

朧「それがたとえ破壊が目的のPSIエネルギーだとしても」ニヤリ

飛龍「夜科の勝ちだ!」

              メルゼズ・ランス
アゲハ「すべてを貫く・・・暴王の流星!」

ズン!

ドルキ「(破壊できない・・・いや、止まりすらしない)」

ドルキ「(このオレがわずかに軌道を逸らしただけ・・・だと?)」

ドルキ「(マズイ・・・さっきと同じならこのバーストは刃の様に動く)」

ドルキ「この・・・クソカスがぁぁぁ!」

ドルキ「爆塵者ぁぁぁぁ!」

アゲハ「ホーミングは・・・二段階!」

ヴィン!梵梵梵

雨宮「(爆発?!)」

白金「・・・夜科クンの攻撃・・・失敗したね」

飛龍「本当か?オレには夜科の暴王が突き刺さって、爆発が起きたようにしか・・・」

岡部「あの爆発を起こしたのはドルキ・・・
   新型”暴王の月”を避けるため、ヤツは自分の体を爆破したんだ」

岡部「だが自慢の爆発をその身に受けて、ヤツとて無事では済まないだろう」

雨宮「千載一遇のチャンスね」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

雨宮「夜科・・・トドメは私たちが・・・」

アゲハ「ダメだ!手負いとはいえアイツの攻撃は誰にも防げない」

アゲハ「もう一度オレが狙撃する」

__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄―――  ___―― ̄ ̄___ ̄―=

アゲハ「お前に攻撃してわかったことがある・・・オレの中の”心”っていうやつ・・・」

アゲハ「テメェもやはり人の形をしてやがるから、自分のしたことにもっとショックを受けると思っていたのに」

アゲハ「どうやらオレはやると一度心に決めたらあとは何も感じない」

アゲハ「命を奪う時ですら、驚くほど冷静に」

アゲハ「ドドメ・・・暴王の流星!」───●

ドルキ「(手負いのオレに向けてのトドメの一発ってわけか・・・)」

ドルキ「(この星将ドルキ・・・こんなクソカス相手に殺されるわけにはいかねぇ)」

ドルキ「(落ち着け・・・あのバーストの動き、恐らくホーミングだ)」

ドルキ「(体温か?音波か?どれだ?)」

ドルキ「(最初の狙撃は人面鳥の核に当たったが、あれが偶然じゃないとしたら?)」

ドルキ「あのバーストはPSIそのものに反応しているのか?!」

梵梵梵

岡部「まただ・・・また爆破の力で移動したのか?」

ドルキ「(半信半疑だったが・・・ビンゴだ)」

ドルキ「(あのバーストは爆塵者の囮にまんまと引っかかったぜ)」

ドルキ「あとは後ろに避けるだけだぁ」

ヴィン!

ドルキ「(空間が歪むこの感覚・・・シャイナか?)」シュン

飛龍「倒した・・・のか?」

雨宮「アレはPSIのコントロール力を身に着けた夜科が生み出した
   出力を抑えた劣化版”暴王の月”」

雨宮「でもそこに脳の負荷が軽くなった分だけ独自のルールを付け加えた改良版ってわけね」

朧「まったく・・・毎回、彼には驚かされる」

白金「待って・・・あれを見てくれ」

カブト「そんな・・・アイツ、何処から?」

アゲハ「・・・新手?」

シャイナ「相手の実力を見極めないどころか、道理を爆発で押し通そうとする
     超せっかちな性格・・・何とかなりませんか、ドルキさん?」

ドルキ「シャイナ・・・」

シャイナ「アハハ、また遅くなっちゃいました」

シャイナ「いやあ、僕が来ていなかったら危うく爆死しているところでしたよ
     感謝してくださいね」

シャイナ「・・・あ、すみません・・・申し遅れました」

シャイナ「W.I.S.E第三星将シャイナと申します」

シャイナ「よろしく」

岡部「貴様・・・何者だ?」

シャイナ「いやだなあ・・・もう一度同じことは言いたくないんですけど」ピク!

カブト「止せ!アイツにちょっかいを出すな!
   (シャイナってヤツの視線から白い光が出ていやがる)」

シャイナ「・・・まあ、礼儀知らずな行動は彼に免じて許すとして」

シャイナ「せっかちな性格が災いしちゃいましたね」

シャイナ「もっと物事を冷静に見極めないとダメですよ、ドルキさん」

ドルキ「うるせえ・・・ずっと見てやがったくせに」

シャイナ「だってPSI研究部門って暇なんですもん」

シャイナ「それに今だって、ドルキさんが爆死しそうになっていたから
     抜け出してきてあげたのに」

シャイナ「本音を言えば僕としてもドルキさんがあんな爆塵者の使い方をしなければ
     即死する能力は直に見てみたかったですし」

ドルキ「アイツを捕まえろ、シャイナ・・・」

ドルキ「塔へ連行したらオレがぶっ殺す」

シャイナ「それは・・・命令ですか?」ピクピク!

シャイナ「僕に命令しようというのですか、ドルキ第五星将」

雨宮「(シャイナ第三星将にドルキ第五星将?)」

雨宮「(あのシャイナという男・・・ドルキよりも各上なの?)」

ドルキ「クッ・・・」

シャイナ「(ちょっとからかってあげちゃおうか)」キュ!

アゲハ「消えた?!」

シャイナ「キミは面白い能力を持っているね」ヒュア!

飛龍「見たか、今の!あの男・・・」

白金「瞬間移動・・・」

岡部「(一瞬で夜科の目の前に!)」

シャイナ「PSIエネルギーに反応し吸収する能力か」
     しかも爆塵者の爆壁を潜り抜けるほど強力だとは」

シャイナ「簡単だが一旦起動すればなんと凶悪な基本構造を持つバーストだろう
     調整を続ければ・・・無策の輩には無敵に近い」

シャイナ「キミはいい瞳をしているね
     揺らぐことのない鋼のような決意と覚悟」

シャイナ「だがそれ故に、キミは時に冷たく、恐ろしい」

シャイナ「なぁんてね・・・気に入ったよ、キミ
     成長が楽しみだ」

岡部「(勧誘のつもりか?)」

キュ・・・パアアア

カブト「(今度はバイザー野郎の傍に)」

シャイナ「帰りましょっか、ドルキさん
     まずはその怪我の手当てをしないと」

ドルキ「なんだと?!」

ドルキ「みすみす奴らを逃がすつもりか、シャイナ!」

シャイナ「逃がす?」

シャイナ「やだなぁ・・・捕まえるのは僕の仕事じゃなくてあなたの役目でしょう」

シャイナ「彼らを捕らえ損ねたのはあなたの責任です」

シャイナ「”地域警備”担当、第五星将ドルキ
     借りは体が完治した後、存分に返せばいい」

シャイナ「ワイズに逆らうレジスタンス達・・・
     今回あなたたちは本当に運が良かった」

シャイナ「次に会うときは次元の違いを見せられるよう取計らいますので」

コオオオオ・・・シュイン!

飛龍「消えた・・・」

テーレッテー♪

ドルキの追跡を退け生還した一向
岡部が語る転生の日とは?

ダル「JINRUIMESSATSUだお」

テーレレー♪

バースト波動の極地(笑)

ドルキさんになめた口たたくと爆発するぞ

仕事が忙しくて進んでない
そういえばソーマにドルキさんっぽいの出たな

はよはよ

取りあえずこれから一回分を

アゲハ「あった、あれだ!」

白金「大丈夫、追手は来ていないよ」

雨宮「じゃあ帰りましょう・・・私たちの現代に」

              ・
              ・
              ・

【祭の部屋】

岡部「帰還して早々、皆に集まってもらったのは他でもない
   アランのことについてだ」

白金「アラン?彼とは初対面じゃなかったのかい?」

雨宮「それより先に、私のほうから伝えておきたいことがあるんだけど、いいかな」

アゲハ「いいぜ」

岡部「貴様!俺の話を・・・」

祭「順番なんか気にする事か!」

アゲハ「鳳凰院さんよぉ」┠”┠”┠”

飛龍「あんたの話より大事なことなんだょ・・・雨宮が言おうとしていることは」┠”┠”┠”

岡部「俺も大人げなかった、済まない
   (この二人、雨宮のために殺気立てたな)
   (それに八雲祭と喧嘩するわけにもいかん)」

雨宮「まずはあの世界の時代が特定できたわ」

雨宮「西暦2021の6月末・・・日付は前後するでしょうけど、あの世界はちょうど10年後だったのよ」

祭「その情報を何処から?」

雨宮「私たちがサイレン世界で出会ったワイズという組織の幹部、ドルキがそういっていたわ」

祭「やはり、10年後だったか」

アゲハ「???」

雨宮「”やはり”って、どういう・・・」

岡部「ここからは俺が説明する」

・・・・

雨宮「タイムマシン・・・未来人・・・世界線・・・」

飛龍「全部コイツの妄想なんじゃねえか?」

祭「だが未来からのメールは実際に来ているんだ」

岡部「これがそのメールだ」

アゲハ「サイレンハ10ネンゴノミライ」

アゲハ「何故・・・何故このメールのことを黙っていたんだ!」

岡部「”聖戦”のことは話しただろう?」

岡部「不確実な未来の情報を元に動いて、状況を改悪したくはなかったんだよ」

アゲハ「クッ!」

白金「ところで・・・ちょっとよろしいかな?」

祭「そういえば、コイツは誰だ?」

雨宮「彼は今回のゲームからの参加者で・・・」

白金「神吹白金、ヨロシク!」

祭「(カンブキ?どこかで聞いたような)」

白金「キョーマくん、あの時のメールの事・・・忘れていないよね?」

岡部「当たり前だ」

祭「メール?」

白金「実は二人で散策中に、彼のケータイにメールが届いたんだよ」

祭「あんな通信機器が使い物にならない世界で、いったいどうやって」

白金「じゃあ逆に聞くけど、キミはなんでキョーマくんに届いたDメールを信用したんだい?」

祭「!!!」

岡部「俺もDメールが届いたという事実に気をとられすぎていたが
   Dメールが未来から届いたのなら、そのメールを送った人物がいるのも必然」

岡部「当然、メールの送信設備も存在することになる」

アゲハ「小難しい話はそれくれぇにして、そのメールの内容ってのは?」

岡部「アタミネニテマツ」

雨宮「熱海・・・”ね”にて待つ?」

飛龍「”ね”?何のことだ」

朧「案外”アタミネ”と言っているのかもしれないよ」

雨宮「いや、たぶん熱海であっていると思うわ」

雨宮「熱海で私たちと接点がある人物・・・天樹院エルモアよ」

                                           ルート
岡部「”ね”とは熱海にあるエルモア記念病院の地下シェルター施設、”天樹の根”のことだ」

アゲハ「鳳凰院、何故それを?」

岡部「だから、まず俺の話が先だと言ったのだ」

岡部「根のことも、それにサイレン世界が生まれるまでの経緯も
   アランは俺に記憶の一部をトランスで流し込んでくれた」

岡部「それにより知ったことだが、このままではワイズが原因で大災害が起こる」

雨宮「大災害?」

            ダイモンズセブンデイズ
岡部「”転生の日”そして”悪魔の七日間”」

朧「ダイモンズセブンデイズ・・・悪魔の七日間」

飛龍「それに”転生の日”!」

岡部「そう、あのビラでワイズが予見していた転生の日は実際に起きたんだよ」

飛龍「な、なんだって~!」

岡部「事が起きたのは来年年明け、2012年の1月7日」

岡部「人類は飛来した巨大隕石”ウロボロス”をミサイル迎撃し
   多くの被害こそだしたがその時点では大災害の域でとどまっていた」

岡部「だが問題は隕石の中から現れた謎の物体が成層圏から地球を丸ごと
   すっぽりおおい、太陽を遮断したのだ」

岡部「地球を覆った物体から迸る光の鉤爪は地を抉り、
   持ち上げられた高層ビルは無残にも逆さに崩れ落ちた」

岡部「それが人類文明最後の日・・・」

白金「転生の日というわけか」

岡部「転生の日での天変地異は地形を激変させるほどで
   電子機器の大半もこの時の磁気嵐で破壊された」

岡部「転生の日以後の嵐は七日間続いたことから、生き残った人々は悪魔の七日間と呼んだのだ」

岡部「そして悪夢の七日間の後、PSIの力で地上を支配したのが・・・」

祭「ワイズというわけか」

岡部「お察し乗っ取りな」

岡部「そして転生の日を境に世界はサイレンの世界に変貌した」

飛龍「だが、天変地異とワイズに何の関係が?」

岡部「詳細は解らん、だがアランたちは例のビラと合わせてワイズが関わっていると信じていた」

岡部「それに・・・幹部の一人について有益な情報がある、プログレスについてだ」

アゲハ「未来のビデオで白髪のニーちゃんと戦っていた全身メカの男か」

岡部「プログレスは世界規模の製薬・医療機器開発メーカー”ロゴスティア”の社長だ」

白金「参ったね・・・確かに言われてみればそうだ」

雨宮「???」

白金「オレは昔、営業マンだったんだが・・・その務めていた会社がロゴスティアなんだ」

白金「あのビデオでヘイト君を見たときに気が付けばよかった、確かにあれはプログレス・カーソンだ」

アゲハ「表向きは社長さんなんだろ?別に逃げ隠れているわけじゃねえ」

アゲハ「だったら拉致して、尋問してみたらどうだ?」

飛龍「確かに、ソイツの強さをドルキ並みと想定してもマツリ先生も一緒なら勝ち目は高そうだ」

白金「いや、強さ以前に相手は世界中を飛び回ってる大社長サマだよ
   足取りをつかむのでさえ大変だし当然SPの警護だってある
   そんなに簡単にはいかないはずだ
   サイレンの世界みたいに最悪アゲハ君が狙撃して殺せばそれで終わりとはいかないよ」

朧「極端な話、僕たちが簡単に拉致できるような相手なら
  転生の日を迎える前にあの白髪の男に倒されていてもいいはずだしね」

雨宮「でもこのまま放っておいたらあと半年で世界は終わる・・・」

飛龍「ワイズを止めるためにはこの時代で奴らを倒す必要があるというわけか」

アゲハ「タイムリミットはあと半年・・・
    出来るか?じゃねえ、やるしかないっていうのか!」

祭「当面の目標はこの時代の”プログレス”あるいは”ドルキ”を見つけることだな」

岡部「(八雲祭は一見正しい・・・だが下手に動いてくのは愚作ではないか?)」

白金「じゃあボクはヘイト君を探してみるよ」

アゲハ「そういえば、アンタはあの白髪のニーちゃんと知り合いなんだっけな」

飛龍「・・・オレたちは無力だ・・・指をくわえて天命を待つしかないのか」

祭「悔しかったら今よりも、もっともっと強くなって見せろ」

祭「私のように最も若く美しい十八歳を過ぎたメンツより、お前らのほうが伸びしろがあるんだからな」

雨宮「そうね、私たちは私たちにできることをやりましょう」

アゲハ「だな」

飛龍「賛成だぜ」

祭「話はまとまったな、じゃあひとまずこれで解散・・・ん!」

岡部「どうしたのだ?」

祭「お、思い出した!アンタ、澪センパイのパシリだった白金さんか」

白金「???」

白金「キミは澪チャンの知り合いなのか?」

祭「澪センパイが現役のころお世話になりました、センパイはお元気ですか?」

白金「元気元気・・・今では案内屋稼業もだいぶ落ち着いてきているよ」

祭「それはよかった」

祭「センパイの師匠だった湟神の爺さんが死んでから、ずっと音信不通でしたから」

祭「たしか10年以上たちますね」

白金「もう12年前かな・・・あの時は多くの案内屋が死んだからよく覚えているよ」

白金「あのころの澪チャンは復讐に燃えて、案内屋以外の関係をすっぱり切り捨てていたから・・・」

白金「キミにも迷惑かけたよね、後で言っておくよ」

岡部「思い出話に浸るところ申し訳ないが、貴様たちは知り合いだったのか?」

祭「知り合いというほどじゃないよ、白金さんは私のセンパイのパシリだっただけ」

カブト「アンタ、向こうじゃかっこつけてたけど女の子相手にパシリしてたってのかよ腹いてー」

白金「失礼な奴だな」

アゲハ「霧崎、それ以上はいけない」

飛龍「(夜科のやつ、てっきり茶化すのかと思ったぜオレの時みてぇに)」

アゲハ「(ねーちゃんに絶対服従のオレと同じなんだろう、放っておけないぜ)」

【数日後・ラボ】

岡部「一日ぶりの帰還だが、やけに密度が濃い一日だった
   フアッハハハハ!」

紅莉栖「帰って来て早々何しているのよ」

岡部「なんだ居たのかクリスティーナ」

紅莉栖「居たら悪い?」

岡部「いや、他意はない済まなかった」

岡部「ところでダルは?」

紅莉栖「橋田?確か今日はオフ会に行くとか言ってたけど
    @ちゃんののぶ代ドラ劇場版スレのだとか」

岡部「オフ会?この忙しいときに!」

紅莉栖「橋田に用でもあった?」

岡部「大ありだ!このHDDを復旧してもらおうと思ってな」

紅莉栖「なにこの戦場のど真ん中にある民家から拾ってきたようなほこりまみれのHDD」

岡部「大事な資料だ、壊すなよ」

紅莉栖「まさかこれ、サイレン世界で・・・」

岡部「・・・」こくり

紅莉栖「とりあえず私たちだけでなんとかなるか調べてみましょうか」

              ・
              ・
              ・

岡部「いろいろネットで調べてはみたが、これは俺たちの手には負えんな」

紅莉栖「これは正直、橋田でも無理なんじゃない?」

ダル「あれ、オカリン戻ってたんだ」

岡部「噂をすれば・・・か」

紅莉栖「ちょうどいいところに来てくれたわね」

クサカベ「お邪魔しま~す」

岡部「誰だ?」

ダル「紹介するお」

ダル「今日のオフ会で知り合ったクサカベ氏だお」

クサカベ「どーも」

クサカベ「なんだか未来ガジェットっつうのが気になりまして」

岡部「歓迎する・・・俺がこのラボの所長、鳳凰院凶真だ!」

岡部「フェニックスの”鳳凰”に”院”、そして”凶悪なる真実”だ」

岡部「そしてこっちが助手のクリスティーナ・・・」

紅莉栖「(もうツッコむ気もせん)」

紅莉栖「それよりも来て早々で悪いんだけど、このHDDを見てもらえないかしら」

ダル「どれどれ・・・さすがにこれはちょっと・・・」

紅莉栖「橋田でも無理か」

ダル「いくらボクでもプラッタの銀板から中のデータを読み取れるようなサイバービーイングじゃないお」

クサカベ「ちょっと貸してみてくれへんか?」

クサカベ「(ちょっとこのHDDをファックしてみようかいな)」

岡部「!!!」びく!

紅莉栖「急にそんな反応しないでよ」

岡部「す、すまん(いま一瞬、PSYの気配を感じたんだが・・・気のせいか?)」

クサカベ「(データまでは復元できへんけど、プラッタの記録配列は何とか読み取れそうや)」

クサカベ「ちょっと失礼・・・」

がちゃがちゃがちゃ

岡部「空のHDDと壊れたHDDを変な機械で繋いでどうしようと言うのだ?」

ダル「ボクもあの装置は初めて見るね」

クサカベ「(ホンマは種も仕掛けもないハリボテなんやけどな)」

クサカベ「こいつは独自のルートで手に入れたHDDのコピー装置での
     通電さえできればどんなHDDでもデータを吸い出せる優れモンなんや」

紅莉栖「(聞いたこともないわね)」

クサカベ「これを最大速モードで約一時間・・・っと(ワイの力の出番やで)」

クサカベ「あとは終わるまで放っておけばデータの吸出し完了でっせ」

岡部「(またPSYの波動を・・・まさかあの男はサイキッカーか?)」

・・・一時間後・・・

クサカベ「これでデータの吸出し完了っと」

ダル「さっそく見てみるお」

紅莉栖「ありがとうございます」

クサカベ「ええって、困ったときはお互い様や」

岡部「失礼ながら・・・先ほどの装置を見せてもらえないか?」

紅莉栖「私も気になります、よろしかったらぜひ」

クサカベ「それは困るで、企業秘密や(ハリボテだと知られて気味悪ぅされてもあかんし)」

ダル「二人とも無理強いはダメだお」

紅莉栖「ごめんなさい」

クサカベ「まあ、ええってことよ」

クサカベ「一応はフリーのプログラマーやけど近頃は割のいい仕事が少のうて
     ああいう事業で小遣い稼ぎをさせてもろとるんや」

クサカベ「なんかあったら今度はここに連絡入れておくれ」

岡部「東京都台東区××・・・」

紅莉栖「あら、意外と近いわね」

紅莉栖「大阪弁だからてっきり大阪の方かと」

クサカベ「ワイも生まれは向こうやけどな」

クサカベ「十年前に起業しようと思うてこっちに引っ越してきたんや」

クサカベ「ま、ご覧のとおり事業は失敗して今じゃ細々とやらせてもろとるわけやけど」

クサカベ「・・・っと、もうこんな時間か」

クサカベ「明日は打ち合わせで出かけなあかんので、ここいらで失礼させてもらいますわ」

岡部「またいつでも来るがいいぞ」

クサカベ「ほな、おおきに」はたん

              ・
              ・
              ・

岡部「それで、中のデータは?」

ダル「取りあえず復元ソフトに賭けてみたけど中身はほとんど動画ファイルだお」

ダル「データの破損が多くてサムネでエラーばかりだけど・・・これなんか見れそうだお」

岡部「あねもね号集団失神事件?」

紅莉栖「たしか去年、鹿児島のほうで起きた事件よねそれ」

ダル「そうそう、乗組員全員が倒れて病院に搬送されたとか」

岡部「とりあえず見てみるか」

塔二「・・・2010年9月22日、あねもね号事件の取材を開始」

ダル「これって・・・取材用?」

岡部「元の持ち主はフリージャーナリストだからな、そういう動画でも不自然ではない」

紅莉栖「これって適当に拾ってきたわけじゃなくて、持ち主を知ったうえで持ってきたんだ」

岡部「当たり前だ!」」

・・・・

塔二「・・・以上」

紅莉栖「特に未来の情報とかそういうのとは関係なさそうね」

ダル「正直HDDを物理復旧してまで見るようなものじゃなかったお」

ダル「エレファントマウス症候群ってのはちょっと気になったけど」

紅莉栖「たしか世界でも症例が少ないからね、脳外科の専門家でもなければ知らなくて当然よ」

岡部「動画のほうでは患者に出ている症状の説明のみにとどまっていたが・・・」

紅莉栖「あの子たちは症例としては解りやすいパターンね」

紅莉栖「要するに体感時間が不安定になる障害・・・
    大まかに言えば周囲の時間が遅く感じるスローモーと逆に速く感じすぎるSSのどちらかに二分されるわ」

紅莉栖「中にはスローモーのさらに上・・・周囲の時間が止まったように感じる場合や
    SSの極端な例で自分の時間が止まってしまう場合の症例もあるらしいけど」

ダル「すっげえ、まるでワールドじゃん」

紅莉栖「発症中は体感時間との差が大きいほど動悸息切れで苦しむ上に自分では制御不可能
    そんなマンガみたいに便利なものではないわよ」

紅莉栖「一応、体調管理と多少の投薬で発症は極力抑えられるから、拗らせなければとは思うけど」

岡部「それにしても船の乗客乗員が全員失神するとは怪奇としか言えんな
   (この事件もあのメモにあったおかしな事件の一つということか?)」

岡部「他に見れそうな動画はないか?
   出来ればなにか事件を扱ったものがいい」

ダル「そうだね・・・ニュージェネ関連がいくつかと・・・この”転生の日”ってのが見れそうだお」

岡部「(もしや八雲祭に渡したDVDのマスターか?)」

岡部「それは絶対に見てはいかん」

ダル「なんでお?」

岡部「(ダルはサイレンのことを知らない、巻き込むわけには・・・)」

紅莉栖「大丈夫、構わないわ」

岡部「なんだと?」

紅莉栖「橋田はもう知っている」

岡部「だから、なにを?」

ダル「あれ、牧瀬氏から聞いてなかった?」

ダル「昨日オカリンが消えたところをバッチリ見ちゃったんだお
   それで牧瀬氏からいろいろと事情は聴いてたんだお」

岡部「時すでにお寿司!」

ダル「ヘイ!親父ギャグ一丁!」

紅莉栖「急にコントを始めるな」

・・・・

白装束「無駄だ・・・我が”生命の樹”は無敵なり・・・」

白装束「行くぞ!
    残りのこの地区一帯を目立つように破壊しろ」

ブツン!ザーーーーーーーーー

ダル「このスプラッター・・・マジなの?」

紅莉栖「このままではこうなるという話だとは思うけど」

岡部「可笑しい・・・」

岡部「前に見た時とは違っているぞ」

岡部「ちょっと大事な電話がある、お前達には話せないないようだから、席をはずしてくれ」

紅莉栖「それってどういう?」

ダル「サイレン世界の話ってことだお」

岡部「八雲祭か?俺だ」

祭「年上相手に俺だとは礼儀が悪いな」

岡部「そんなことはどうでもいい、とりあえず今すぐあのDVDを見てくれないか?」

祭「DVD?あれなら今朝、お前らが帰った後にすぐ見たが・・・」

岡部「では確認したいことがある、その動画にプログレスと白髪の男は出てきたか?」

祭「それどころか、子供達が名乗り上げをするところで映像が止まってしまった、
  発見してから持ち帰るまでの間に劣化してしまったのかもしれない」

岡部「そうか・・・映像についてはこちらでマスターのデータを発見した、あとでそちらに送る」

祭「おい、それって・・・」ツーツーツー

岡部「(もし未来が変わった結果、持ち帰った映像の内容が変化したのだとしたら・・・)」

岡部「白金になにかあったか!」

テーレッテー♪

変化する宣戦の儀
その時、神吹白金は

ダル「持ち帰り映像データの扱いはPSYREN準拠だお」

テーレレー♪

おつおつ

おつ

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