半沢直樹(小学生)「ひゃくまんばい返しだ!!!」 (573)

 
   第2話

 【 1年1組 教室 】

近藤「直樹くん! ボール取り返してくれてありがとう!」

半沢「いいんだ……正直、こっちも少し腹が立ったからね」

近藤「でも、かっこよかったなぁ! 6年生に勝っちゃうんだもん!」

半沢「ふふ……やられたら、やり返す」

半沢「ひゃくばい返しだ!!」

近藤「あはは! ひゃくばいがえしだー!」

男子A「ひゃくばいがえしー?」

男子B「ひゃくばいがえしだー!」

男子C「ひゃくばい! ひゃくばい!」

男子D「あはははー!」

 \ ワイワイ ガヤガヤ /

 ガララッ

黒崎「あんたたち! うるさいわよ!! 朝の会を始めるから席に着きなさい!!」

 
男子E「先生だー こわいー」

男子F「みんなしずかにしよー」

黒崎「さあ! では朝のホームルームを始めます! 全員起立!」

 ガタガタ…

近藤「……」 ガタ…

黒崎「近藤クン!!」 クワッ

近藤「ひッ!? は、はい!」

黒崎「立つのが遅いわよ! タラタラしてんじゃないわよ!」

近藤「ご、ご、ごめんなさ……」

黒崎「ちゃんとツイてんでしょうね!?」

 ガシッ

近藤「きゃうッ!?」 ビクンッ

黒崎「次モタついたら……」

黒崎「ひきちぎってやるから!!!」

近藤「……」 ガタガタガタガタ 

 
半沢「……先生」

黒崎「ん? なあに? 半沢クン」

半沢「近藤は……確かに少し起立が遅れました。 ……しかしやりすぎではないんですか?」

黒崎「……」

黒崎「へぇ~……」

 コツ、コツ、コツ

黒崎「半沢、直樹、クン」 コツ…コツ…

半沢「……」

黒崎「お噂はかねがね……」

半沢「……恐縮です」

黒崎「1学期の成績…… こくご:1 さんすう:1 せいかつか:1 ……」

半沢「……」

黒崎「おんがく:1 ずこう:1 たいいく:1 ……」

黒崎「金融:5」

半沢「………」

 
黒崎「……前々から気になってたのよねぇ~ あなたの生意気な態度」

半沢「……」

黒崎「いーや、 気に食わなかった、って言った方が正しいかしらぁ~?」

半沢「……」

黒崎「あんた、6年生の小木曽クンに何かヤッたそうね?」

半沢「……さあ……ボールを取られたので、返してもらっただけですが」

黒崎「嘘おっしゃい!!」 バァン!

半沢「…!」

黒崎「小木曽クンはねぇ……アンタとのいざこざの後、すっごくショックなことがあったらしいわ!!」

黒崎「その挙句、今やなかよし学級の一員になってしまったのよ!」

近藤「なかよし学級?」

女子A「あ、知ってるー てんしさんがいっぱいいるんだってー」

女子B「てんしさん、わたしも会いたいなー」
 
半沢「……」
 

 
黒崎「今や、なかよし学級の砂場で日がな一日泥をいじって過ごしているそうだわ……」

───

小木曽「あははー どろーどろー どろだんごー」 ビチャビチャ

先生「おぎそくん、どろだらけじゃない。 中にはいろ? お風呂はいろ?」

小木曽「ビャアァァァ! ヤダァァァ! どろだんごつくるのォォォ!」

先生「いけない! 暴れだしたわ! 誰かぁ!」

小木曽「どろだんごーどろだんごーww」 ムシャムシャ

先生「泥団子食べちゃだめよ! やめなさい!」

小木曽「ど・ろ・だ・ん・ご ドロダンゴ」 ムシャムシャガツガツwww

先生「だ、誰か助けてぇぇぇ!!!」

───

黒崎「あんた一体何したのよ!!」

半沢「さあ……記憶にありませんね」
 

 
黒崎「……いいわ、そういう態度を取るってんなら……」

黒崎「こっちにも考えがあるわ」

半沢「何……?」

黒崎「半沢クン、近藤クン、どっちも放課後残って補習、ネ」

近藤「ええっ!? そんなぁ!」

半沢「……」

黒崎「あら? 逆らう気? 宿題が増えるだけだけど?w」

近藤「……」シュン…

半沢「……」

黒崎「じゃ、ホームルームを続けます」

───

 放課後

近藤「ごめんね、直樹くん……僕のせいで……」 カリカリカリカリ

半沢「気にするな。 さっさと漢字の書き取りを終わらせちまおう」 カリカリ
 

 
半沢「ふぅ……やっと終わったな」

近藤「それじゃあ先生のとこに出しに行こうよ」

半沢「……気が進まないがな」

近藤「うー、ぼくも先生こわい……」

 ポン

近藤「う?」

半沢「大丈夫だ、俺がついてる」

近藤「……うんっ!」

───

 ガララララッ

半沢「……失礼します」 45°

黒崎「あら、思ったより早かったわねぇ」

半沢「俺と近藤で、漢字の書き取り、それぞれ終わりました」 バサッ

黒崎「……ん~。 あらぁ、きちんとヤってるじゃなぁい?」

半沢「……当然です」

 
黒崎「うんうん、よくできたわねぇ、よく書けてるわねぇ、ウン」

近藤「…!」 パァァァ…!

半沢「……」

黒崎「それじゃ、次は本番ね?」 ニコッ

近藤「え……」

半沢「……」

黒崎「えっとぉ、本番の課題は何にしようかしら~……」

半沢「待ってください」

黒崎「やっぱり漢字の書き取りでぇ~」

半沢「 待 て と 言 っ て い る 」

黒崎「何よぉ」
 

 
半沢「……課題は終わったはずです。 家に帰してください」

黒崎「…あははははっ!!」

半沢「……何がおかしい」

黒崎「今までのはリーーーハーーーサルなのよぉぉ!!」

黒崎「本番はこーーーれーーーかーーーらーーーー!!」

半沢「ッ……」 ギリ…

近藤「そ、そんなのインチキ……」

黒崎「黙れえええぇぇぇェェェ!!!」 バァン!

近藤「ひぃッ!?」 ビクッ

黒崎「アタシはねぇ!! アンタらの担任なんだ!!」

黒崎「アンタら糞ガキはぁぁぁ  アタシの所有物なんだよ!!!」

黒崎「逆らうんじゃないッッ!! 黙って言うことを聞きなさいッ!!!」

半沢「……」
 

 
黒崎「じゃ、課題はこの3文字ね♪」

黒崎「教室で、ノート一冊分書き終わるまで帰っちゃダメよぉ?」

黒崎「あ、ご両親にはアタシから上手く言っとくからぁ、心配しないでね♪」

半沢「……」

黒崎「じゃ……」 ガラララ…

黒崎「逃げるなよ」

  ピシャッ

近藤「……」 ガタガタガタガタ

半沢「……」

───

 PM19:00

近藤「うぅ……腕が疲れたよぉ……」 カリカリカリカリ

半沢「……少し休んだ方がいいんじゃないか?」 カリカリカリカリ

近藤「…ううん、直樹くんもがんばってるから……」 カリカリカリカリ

半沢「……そうか」 カリカリカリカリ

 
近藤「でもね……でもね……」

半沢「…うん?」

近藤「なんだかね……あたまがボウってするんだぁ……」 カリカリ

半沢「……そりゃそうだ……」

半沢「課題の三文字が……」


  『 一 』  『 二 』  『 三 』


半沢「絶えず横線を引き続ける作業……これをノート一冊分だと……」

半沢「こんなの、拷問に等しい……6歳児に課す所業じゃない」

近藤「うぅ……横棒がいっぱいだよぉ……」 カリカリカリ

半沢「……」 カリカリカリカリ

───

 PM22:00

近藤「うっ……うぅぅうぅ……グスッ……」 カリ…カリ…カリ…

半沢「……近藤……」 カリカリカリ…

 
近藤「ご、ごめ……グスッ…う、うるさくって……ヒクッ」

半沢「……いや、それはいいんだ……それより、もう休め」

近藤「で、で、でもぉ……」 グスッ

半沢「もう手も目も限界だろう……それに、いつもならもうとっくに寝てる時間だろう?」

近藤「う、うん……ゴシゴシ でも、ぼく、が、がんばるよ」 カリカリ…

半沢「近藤……」

近藤「ともだちの直樹くんががんばってるんだもん」

近藤「だから、ぼくもがんばらなきゃ……えへへ」 カリカリカリ…

半沢「……ありがとう」 カリカリ…

近藤「えへへ……」 カリカリ

  

  ガラララッ!!

黒崎「グッッドイーーブニング!! 子供たちぃ!!」

近藤「ひッ!!?」 ビクッ

半沢「……」 ピタ

 
黒崎「ん~w サボらずにやってるようねぇ、感心カンシン♪」

半沢「……何の用ですか」

黒崎「え~~? なぁにその言い方。 心外ねぇ、アンタたちが心配で来たのよぉ」

半沢「……」

黒崎「がんばってるアンタたちの為にぃ、ご褒美を用意したのー♪」

近藤「ごほうびっ」 キラキラ

黒崎「やる気が出るように~~ BGMを用意してきましたぁ!」

近藤「びーじーえむ?」

黒崎「はい、このCDプレイヤー♪ ステキなBGMが流れるようになってるから~♪」

半沢「……」

黒崎「もし~止めたりしたら~  課題がもーっと増えちゃうかもぉ♪」

近藤「え!?」

黒崎「じゃ、がんばってねェ♪」

 ガラララッ

    ピシャッ

 
近藤「……行っちゃった」

半沢「……」

近藤「ま、いっかぁ。 がんばろー……」 カリカリカリ…

プレイヤー『ザザ……』

近藤「? なにか流れだしたよ!」

プレイヤー『…お前たちは、クズだ…』

半沢「……黒崎の声……!」

近藤「え……え?」

プレイヤー『…お前たちのしていることは、無駄だ…』

近藤「……」

プレイヤー『…そんなことをしても、意味がない…』

近藤「……」

プレイヤー『…お前たちは、ダメ人間だ…』

半沢「……気にするな、続けよう」

近藤「う、うん……」

 
近藤「……」 カリカリカリカリ

プレイヤー『お前たちはバカだ』

近藤「……」 カリカリカリカリ

プレイヤー『それはムダなことだ』

近藤「……」 カリカリカリカリ

プレイヤー『生きてる価値がない』

近藤「……」 カリカリ…カリ…

プレイヤー『クズめ』

近藤「……」 カリ… カリ…

プレイヤー『死ね』

近藤「…う、ううぅぅうぅぅ……」 ポタ…ポタ…

近藤「うわああぁぁぁあぁん……」 ボロ…ボロ…

半沢「近藤……」

近藤「うっ、うっ、ううぅぅ……」 ボロ…ボロ…

半沢「……」

 
 PM23:00

近藤「……スー……スー……」

半沢「……泣き疲れて眠ったか……」

近藤「……スー……ぅ……いち、に……さん……スー…」

半沢「……夢でも書き取りしてるのか……」

近藤「……スー……グス……スー……」

半沢「……要領悪い奴め……」

半沢「……」 カリカリカリカリカリカリ

半沢「……」 カリカリカリカリカリカリカリカリ

───

 チュンチュン…チュンチュン…

半沢「…………」 ボー…

近藤「……ん……ムニャ……」

近藤「ハッ」

近藤「あ、あれ」 ガバッ

 
半沢「……よ、おはよう」

近藤「な、直樹くん! ご、ごめん、ぼく、寝ちゃって……」

半沢「ま、いいんじゃないか それぐらい」

近藤「だ、だって……僕、まだ終わってないのに寝ちゃっ……」

近藤「あ、あれ? ノート一冊分終わってる……」

半沢「……昨日、半分寝ながら全部終わらせたんだよ、お前は」

近藤「えー?」

半沢「それで、終わった後に寝たんだ。 だから、いいんだよ」

近藤「? そうだったっけー……? うーん」

半沢「……フッ」

───

 職員室

黒崎「はぁい、今日も私が一番乗りー♪……ってアラ?」

半沢「……」

黒崎「やだ、先客がいるじゃない」

 
半沢「……」

黒崎「あらやだ、すごいクマねぇw それに目ぇ真っ赤w」 クスクス

  バサッ

黒崎「んー?」

半沢「僕と近藤の分の課題、ノート2冊分です」

黒崎「フーン」 パラパラ

黒崎「じゃ、ゴミ箱にポイ♪」

   ド サ ッ 



半沢「───」

黒崎「んふふふぅふふw なぁに? その顔w」

半沢「……」 ギ

黒崎「……そう、 その顔が見たかったのよw」


  半沢「………」  ギ

 
半沢「……せめて」

黒崎「ん~?」

半沢「……せめて、あいつを褒めてやってください」

黒崎「……」

半沢「あいつは、あいつは泣きながら、顔を涙と鼻水でグシャグシャに汚しながら、」

半沢「ただ愚直に、愚直に手を動かして、一本一本を書き続けた」

半沢「その努力をねぎらってほしい」

黒崎「……」

半沢「頼む」

黒崎「……」

半沢「頼みます」

黒崎「……」

半沢「お願いします」

黒崎「……」

半沢「お願いしますッッ!!」 90°

 
黒崎「ん~  あのねぇ、半沢くん」

半沢「……」

黒崎「あなたもね、もう小学一年生なんだから分かるわよね?」

黒崎「こういうとき、どうすべきか」

半沢「……」

半沢「………」 スッ…

黒崎「……」

半沢「……」 グ…

黒崎「ちょっとぉ、本気ィ?」

半沢「お……」

 ザ ッ

半沢「お願いしますッッ!!」 ゴンッ

 
黒崎「……」

半沢「……」 ズリ…ズリ…

黒崎「はぁ……」

黒崎「わーかったわよ」

半沢「!」 

黒崎「……ま、そこまでされちゃ、ネ」

半沢「……ありがとう、ございます」

黒崎「今からの朝のホームルームで、近藤クンを褒めてあげるわよ。珍しく。」

黒崎「今回が特別だからね?」

半沢「……はい、ありがとうございます」

黒崎「……フン」

───

 キーンコーンカーンコーン

黒崎「えーでは、朝のホームルームを始めます」

黒崎「……の前に、ちょっとお話したいことがあります」

 
黒崎「近藤くん、前に出て」

近藤「え?」

黒崎「早く!」

近藤「は、はい!」 ガタ…

半沢「……」

 ザワザワ… ザワザワ…

黒崎「はーい みんな静かにー」

黒崎「近藤くんはー、昨日の夜、学校に遅くまで残って漢字の書き取りをしてました」

黒崎「漢字の『一』と『二』と『三』をー、一晩かけて、ノート一冊分も! 書き取りをしてくれました」

近藤「……」 モジモジ

半沢「……」
 

 
黒崎「ね。 一晩中、書き取りをしてくれたんだよね?」

近藤「う、うん……////」

黒崎「ねー♪」
 


黒崎「そんな簡単な漢字も、一晩かけなきゃ覚えれないほどの、 バカ なんだよねー?」




近藤「………」


   ボタッ








半沢「───」

 
 

 
黒崎「みなさーん、近藤くんは、とんでもないオバカさんでーす♪」


近藤「───」

  ボタッ ボタッ


黒崎「ほらぁ、皆はすぐに覚えれたよねー?w だって一二三だもんねー?w」


近藤「───」

 ボタッ ボタッ ボタッ ボタッ


黒崎「しかもノート一冊分ww プププww 森林の無駄遣いだよねー? エコじゃないなぁ近藤くんは」

近藤「───」

  ボタボタボタボタボタボタ…

 
黒崎「近藤くん、君………」

近藤「───」

 ボタボタボタボタボタボタボタ


黒崎「生きてる価値、無いんじゃない?」

近藤「::::::::::::」






  「   お   い   」





黒崎「んー?」

 

 
半沢「……話が違うじゃないか」

黒崎「話ぃ? 何のことかしらぁ?」

半沢「ッ貴様……」 ガタッ

近藤「……」 フラ…

  ドサッ

半沢「っ! 近藤っ!!」

黒崎「あらやだ、貧血かしらぁ、弱いわねぇ……これだから最近のゆとりはぁ……」

半沢「……」 ギロッ!

黒崎「おぉ怖い怖い…… いいわ、特別に、そのゴミを保健室に連れてくことを許可するわ」

半沢「……」 ギリ…

黒崎「あら、どうしたの? あなたの大事なゴミじゃなかったのかしらぁ?w」

半沢「……」 ギリ…

半沢「……近藤、大丈夫か……」 ガシッ

半沢「……安心しろ……保健室のベッドまで連れてってやる……」
 

 
黒崎「あーあw クズがゴミを連れてアタシの教室から出て行ってくれるw 爽快だわぁ♪」

半沢「……よ」

黒崎「んー?」

半沢「ただで済むと……思うなよ」

黒崎「……はぁ?w」

半沢「……私が六年間の人生で得た哲学がある……」

黒崎「……」


半沢「やられたら……」


半沢「 やり返す……! 」


半沢「 …… 千 倍 返 し だ ……! 」 ギロッ


黒崎「……ふんっw」

半沢「……」 ズル… ズル…

───

ちょっと休憩している
すまない

 
───

【保健室】

 ピコン… ピコン…

半沢「……近藤……」

近藤「……」

半沢「……すっかり憔悴している……無理もない……」

近藤「……ち……さ……」

半沢「……え?」

近藤「……ち、……に……さん……」 ブツ…ブツ…

半沢「……近、藤……」

半沢「~~~~っ……」 ギリ…


 ピコン…ピコン… 

   ピ── ッ! ピ── ッ!


半沢「っ!?」

 
保健の先生「どいて! 患者の容体は!?」

保健係「非常に危険です!!」

半沢「近藤ォ!」

保健の先生「カウンターショック! 150ジュール! 酸素離して!」

半沢「近藤ぉぉ!!」

保健係「危ないから出てってください!!」

 バタム!


半沢「……」

半沢「………近、藤………」

半沢「………」

半沢「……」 フラ… フラ…

 コツ… コツ… コツ…

 
半沢「……」

 ガラララ…

黒崎「……あら」

黒崎「"ゴミ収集車"のお帰りかしらw」

半沢「……」

黒崎「……さぁーて、半沢くん、さっき伝え忘れたことがあるのぉ♪」

半沢「……」

黒崎「……君、さっき反抗的な態度取ったでしょう?」

半沢「……」

黒崎「今日の放課後、追加の課題ね?♪」

半沢「……」

黒崎「あ、近藤くんがサボって寝ちゃってるからぁ~、その分も追加で♪」

黒崎「ノート2冊分っ 大サービスぅ♪」

半沢「……」
 

 
黒崎「……お楽しみの課題はぁ……♪」

半沢「………」

────
──


 PM22:00

半沢「……」 カリカリカリカリ



 課題  『  口  』    『  品  』



半沢「……」 カリカリカリカリカリカリ

半沢「………」 カリカリカリカリカリカリ


 ガラララッ!


黒崎「チャーオー♪」

半沢「……」 ピタ

 
黒崎「ん~w どうやらサボってはいないみたいねぇw」

半沢「……用はそれだけですか」

黒崎「ん~ふふふw 強がらない強がらないw」

半沢「……」

黒崎「本当は心が折れそうで折れそうでしょうがないクセにw」

半沢「……」

黒崎「閉じ込められて、こーーーんな単純作業w いい加減泣いて詫びればぁ?w」

黒崎「そしたらちょーーっとは考えてあげるぅ♪」

半沢「………」

半沢「……くくっ」

黒崎「……ッ 何よ、何がおかしいのよ……!」

半沢「……先生……あんた、一つ勘違いをしている」

黒崎「何……?」

半沢「私はこの作業、とても楽しんでいるんですよ」

黒崎「はぁ……?」

 
黒崎「何? ついにブッ壊れたのォ?w」

半沢「いーえ。正常です。 頭はこの上なく冴え渡っている……」

半沢「こうして一文字一文字書くごとに……」

半沢「あんたへの恨みと復讐心が……しっかりと、俺の魂に刻み込まれて行く」

黒崎「……」

半沢「ククク……近い将来のアンタの泣き顔を想像しながら、心静かに写経を続ける」

半沢「こんな楽しい作業はない」

黒崎「お黙りッッ!!」

半沢「……」

黒崎「負け惜しみもいいところね。 アンタみたいな糞ガキが私に復讐? 笑わせないでw」

半沢「……そう言ってられるのも今のうちだぞ」

黒崎「……」

 
半沢「……近々、俺はアンタを破滅へと導く証拠を用意する」

黒崎「……」

半沢「その証拠の一つ一つに……俺の恨みがふかーくふかーく染み込んでいる」

半沢「何をされようと、例え業火に焼かれようと、決して死なない恨みがな」

黒崎「……言わせておけば……ッ」

半沢「もう一度言ってやる……」

半沢「 ア ン タ ご と き の ゴ キ ブ リ み て ー な 糞 オ カ マ 野 郎 が 」

半沢「 何 を し た っ て 決 し て 死 な な い 恨 み が 詰 ま っ た 証 拠 だ 」

半沢「 楽 し み に し て ろ 」

黒崎「………っ……ッ……っっっ~~~っ」 プルプル…

黒崎「ッ!!」


  ガラッ バタン!!!


半沢「………」

半沢「……」カリカリカリ…

  ブロロロ…  ブゥーン…

半沢(車の音……行ったか)

半沢「ふぅ、書き取りはヤメだ」
 
 バサッ

半沢「行動、開始だ」

───

半沢「焼却炉は2個並んでるんだな……」

半沢「1個は針金で封鎖だ……」 ギッ ギッ

───

半沢「保健室はムダに充実している……」

半沢「ボンベは使えそうだな…」 ゴト…

───

半沢「家庭科室のキッチンペーパー……」 ヒョイ

───

半沢「事務室のストーブの灯油……」 ズリ…ズリ…

 
───

半沢「そして、視聴覚室から大量のDVD……」 ゴソッ

半沢「それと、ビデオカメラ」 スッ

───

半沢「……ふぅ、結構時間かかったな……準備完了だ」

半沢「よし」

───

半沢「次に職員室の電話だ」

半沢「……ピッ ポッ パッ」

───



  プルルルル…… プルルルルルル


黒崎「……誰よぉ、こんな時間に」

黒崎「……んー? 学校ぉ?」
 

 
黒崎「もしもしぃ?」

半沢『……どうも、おはようございます』

黒崎「……半沢ァ……今何時だと思ってんのよ!」

半沢『午前3時ですが』

黒崎「バカじゃないの!! 非常識よ!!!」

半沢『……重要な話です』

黒崎「何ィ……?」

半沢『私、貴方を破滅させる証拠を見せる、って言いましたね?』

黒崎「……ええ、大見得切ってたわねぇ?」

半沢『それ、見せてあげますよ』

黒崎「!!」

半沢『学校の校庭に、DVDを用意してあります』

黒崎「ディ……DVD?」

半沢『アンタが今まで行って来た所業を全て収めたDVDだ!!』

黒崎「なっ……!?」

 
黒崎「今までの所業ってぇ……まさかアタシの"教育的指導"のことじゃないでしょうねぇ?」

半沢『フッ……あの拷問じみた行為の数々を指導の一言で済ませるとはアンタらしいな』

黒崎「お黙り!!!」

半沢『……』

黒崎「アンタ、こっそり隠し撮りでもしてたのね? でもねぇ……そんなことしたって意味ないのよバァカ!!」

半沢『何……?』

黒崎「アタシのしたことはぜぇぇぇんぶ教育的指導の範囲!」

黒崎「たとえ多少逸脱していても、言い訳でもなんでもして責任逃れりゃこっちの勝ちなのよぉぉ!!」

半沢『……』

黒崎「ガキの浅知恵でぇぇ!! アタシに勝てると思ったら大間違いよぉぉ!w 半沢ァァ!w」

半沢『……』

半沢『そう言うと、思ったよ』

黒崎「…………何?」

半沢『だから、』

半沢『 捏造させてもらった 』

 
黒崎「ッ!?」 ガタッ

黒崎(捏造……?)

半沢『あんたの強みは"グレーゾーンのギリギリを責める"ことで、責任を逃れるその手法だ』

半沢『逆に言えば』

半沢『ほんの少し、こっちが手心を加えるだけで一気にクロへ傾くということ!!』

黒崎「……ッ!!!」

黒崎(ろ、録音を……)

半沢『今更録音しようってかぁッ? 遅いんだよッ!!』

黒崎「半沢ァ……」 ギリ…

半沢『ほら、どんな"編集"か気になるだろう?』

半沢『そのDVDは、今、校庭に置いてある』

半沢『以上だ』

 プツッ

黒崎「………」

黒崎「……ああぁぁあんっ!!」 ダッ

 
───

 プツッ ツー、ツー、ツー…

半沢「………ふぅ……」

半沢「さて……」

半沢「教室に行って、自分の手足を縛るか……」
 
───

 AM 3:30

【校庭】

黒崎「はぁ……はぁ……」

黒崎「DVD……DVDは……」

黒崎「あっ、あった!! 焼却炉のそばに……」

 ゴシャ…

黒崎「な、何よこの大量のDVD……」

黒崎「ま、まさかこのDVD全部が証拠のDVD……」

黒崎「いや、そんな馬鹿な……」 

 
黒崎「ん? 手紙……?」

黒崎「……」


 『 このDVDの中に、5枚だけ、証拠のDVDがある。


   木を隠すなら森の中。 これなら見つけられないだろう?


   どのDVDか教えてほしかったら、俺と近藤に謝って教師を辞めることだ

  
   もう時間は無い。 あと1時間で警察とマスコミへ証拠を送りつけてやる。

  
     半沢直樹  (印)  』


黒崎「………」

黒崎「……あの餓鬼ィ……」

───

【教室】

半沢「……動けん……」 ジタジタ

 
───

黒崎「……」

黒崎「ククク……」

黒崎「アーッハッハッハッァ!!!」

黒崎「いぃひひひひwwww」

黒崎「浅知恵……浅知恵っっ!!」

黒崎「所詮ガキの浅知恵よぉぉwww」

黒崎「奴はぁ……奴は重大なことを見落としてるぅぅ……」

黒崎「アタシにとって……DVDを見つけ出すことが命題なんじゃない……!」

黒崎「"処分すること"が至上命題……!」

黒崎「だからぁぁ……」 チラッ

黒崎「この焼却炉で焼いちゃえばいいのよぉぉおぉ!!」

 ガシャ

黒崎「いーひひひwwww」 ガッシャ ガッシャ ガッシャ
 

 
黒崎「詰めてぇwww詰めてぇwww」 ガッシャ ガッシャ ガッシャ

黒崎「事務室から持ってきた灯油をかけて……ww」 ジャバジャバ

黒崎「火をつければ……w」

 ボォッ  メラメラメラメラメラ…

黒崎「きれいさっぱり、証拠隠滅よぉぉwww」

 メラメラメラ… ゴォォォ…
 

 
黒崎「キヒヒヒwww 何が……何が『業火に焼かれても死なない恨み』よ」

黒崎「きれいさっぱり焼き殺してやるわよぉぉw」

黒崎「死ねっ! 死ねっ!! 半沢ぁ! 死ねっ!!!」

 メラメラメラメラ…

────

半沢(そろそろか……)

────


黒崎「死……」



      ドッ  ガ ア ァァァァ ア ン!!



───

半沢(焼却炉に仕込んだボンベが爆発するのは……)

───
 

 
黒崎「なっ……な、何よォ!!?」

───

半沢(だが、爆発ごときでくたばるタマとは思えない……)

───

黒崎「火っ! 火ッ!? 火ィィィィ!?」

 チリ… メラメラメラ…


黒崎「ッ!? な、何よこれ!? 火が、火が校舎へ走ってく……!?」

───

半沢(そして、灯油をかけたキッチンペーパーに燃え移って、"この校舎"へ火が燃え移る!)

半沢(校舎にもたっぷりと灯油を撒いておいたからな……!)

───

 メラメラメラメラ…… ゴォォォッ!

黒崎「な、な……」 ワナワナ…

黒崎「何なのよこれはぁぁぁ!!!」
 

 
───

半沢(……後は……運を天に任せるだけだ……)

半沢(爆発の音で近所の住民が通報し、消防車がここへ来るのが間に合うか……)

半沢(それとも、俺が煙に撒かれてくたばるか……)

半沢「フッ……」

───

 ウゥゥ~~~~ カンカンカンカン!!

───

黒崎「嘘よ……学校が……燃える…… 燃えちゃう……」

黒崎「アタシのせいじゃない……アタシのせいじゃないィィィ!!」

黒崎「半沢ァァァァ!!!」

───

半沢「ゴホ……」

半沢(……煙がここまで来たか……)

半沢(……俺の悪運も、ここまでか……6年も生き延びたんだ。 上出来だな……) フッ

 
 ガン! ガン! ガン!


    ダッダッダッダッダッ…

 
半沢(……?)


「おい!! 生存者がいたぞ!!」

「子供が……子供が縛られている……!」

「おい! 坊主!大丈夫か!!」


半沢「……」

半沢「………」 ガク…

───

【近藤宅】

近藤「………」

近藤「………」パチ

近藤「……なお、き……くん……?」

 
───

半沢「……ッ はぁっ!!」 バチッ

半沢「あ、こ、ここは……?」

消防士「おぉ! 気づいたかっ! 坊主!」

半沢「う、あ……」 キョロキョロ

消防士「まだ動いちゃダメだ!」

消防士「今、タンカで運んでる最中だ……すぐ救急車に乗せてやるからな?」

半沢「あ、は、はい……ここは……外……」

消防士「ああ、校庭のそばだが……」

半沢「ッ……ぐ、」 ガバッ

消防士「あっ、う、動いちゃダメだっ! あぁっ」

半沢「おじさん、ありがとう……でも俺は、今、行かなきゃならない……!」 ダッ

消防士「おーい!?」

───

 
───

【焼却炉の傍】

黒崎「………ブツブツ」

黒崎「…ブツブツ…ブツブツ…私が悪いんじゃない…」

黒崎「……全部、全部あいつが悪いんだ……」

黒崎「……そういえば、あいつはどこへ行ったんだ……」

黒崎「まさかあの時も教室に……? いや、まさかな……」


 …コツ、コツ、コツ……


    ザッ


黒崎「……!」

黒崎「…………」

黒崎「半沢ァ……!!」


半沢「………」

 
黒崎「貴様ァ…… 貴様の魂胆が分かったわよ……」

半沢「……」

黒崎「貴様、やはりアタシを訴えるつもりね…… アタシの教育的指導を、捏造した証拠で!!」

黒崎「そして、さらに復讐として、アタシ自身の手で! にっくき学校を! 燃やそうとした!!」

半沢「………」

黒崎「アタシはクビになって、どこかへ飛ばされる! さらに学校もダメージを受ける!!」

黒崎「それがアンタの狙いね!!!」

半沢「………」

半沢「…………」

半沢「……アンタは一つ、勘違いをしている」

黒崎「何……?」

半沢「……えっと、確かここらへんだ……」 ゴソゴソ

半沢「あった。 しっかり撮れているかな、この隠しカメラ」

黒崎「な……カメラ……?」
 

 
半沢「一つ言っておくがな…… 俺は電話をかけた時点で、何の証拠も持っていなかった」

黒崎「何ですって……!?」

半沢「お前が必死こいてこんがり焼いたDVDは……ぜーんぶ教育用のくだらねぇDVD集だったんだよ」

黒崎「な……な……じゃ、じゃあハッタリだったのね!?」

半沢「ああ、ただ、お前に"DVDを焼かせる"ためにな」

黒崎「な、なぜそんな……」

半沢「そしてコレが……」

半沢「このカメラが……」

半沢「俺の証拠だ!!」

黒崎「!!?」

半沢「……一つ言っておきたいことがある」

黒崎「……」

半沢「俺はアンタを……"体罰教師"なんてちっちゃい罪で済ませるつもりは無い」

黒崎「……!?」

半沢「そんな"一倍返し"に興味は無い!!」 クワッ

 
黒崎「な、何を……何を言ってるの!?」

半沢「刑法108条」


半沢「 現 住 建 造 物 等 放 火 罪 」


黒崎「……」

半沢「当該建造物に存在する者を死に至らしめる危険性が極めて高い放火……」

半沢「その罪は、5年以上の有期懲役、無期懲役、もしくは……」

黒崎「………」 ワナワナ…


半沢「  死 刑  」


黒崎「ッ!!?」 ガクガクガクガク


半沢「日本の現行法で"死刑がある犯罪"として有名な法律の一つだ……」

半沢「教員採用試験には出なかったのか?」

黒崎「ぐっ……ぐぅぅぅうぅぅう……!!」 ワナワナワナワナ…
 

 
黒崎「だ、だけど……っ! その理論には穴があるわねぇぇ!」 クワッ

半沢「何……?」

黒崎「あんた、さっき言ったわよね……」

半沢「……」

黒崎「当該建造物に存在する者を死に至らしめる危険性が極めて高い……」

黒崎「つまり」

黒崎「"アンタが学校にいたなんて知らなかった"アタシは、その罪の適用外よ!!」

半沢「……」

黒崎「それに、アタシは学校を燃やす気なんて無かった!! DVDを燃やそうとしただけ!」

黒崎「アタシはハメられただけよ!! 被害者! 被害者なの!!」

黒崎「無罪! むーーざーーーいーーー!! 無罪ッッッ!!!」

半沢「……」

半沢「………その言い逃れ、認めるワケにはいかないな」

黒崎「何……?」
 
半沢「あんたの『殺意』を証明するのが……このカメラだからなァ!!」

 
黒崎「う、嘘よ……! 実際、アタシに殺意なんてなかった……!」

黒崎「無かったものを有ると証明するなんて……そんな馬鹿な話が……」


半沢「……」 スッ

 カチ



  『……ザッ……』


  『きれいさっぱり焼き殺してやるわよぉぉw』




黒崎「……え?」




  『死ねっ! 死ねっ!! 半沢ぁ! 死ねっ!!!』



黒崎「……な……なぁぁぁぁああぁッ!?」 ガクガクガクガク

 
黒崎「ち、違う……! そのセリフは……そのセリフはそういう意味じゃ……!」

半沢「……だがしかし、裁判官はどう判断するかな?」

黒崎「………」

黒崎「………だ、だって……」

黒崎「あ、アタシがそのセリフを言ったのは……」

黒崎「アンタが『業火に焼かれようと死なない恨み』だの何だの抜かすから……」

黒崎「つい……」

黒崎「………あ」


黒崎「あ、ぁ、あぁ、ああぁぁあぁあああ……」 ガクガクガクガク…

黒崎(あの時から全て、計算づく……  全部、計算の上だったの……!?)

黒崎「うわあ゙ああ゙あ゙あぁあ゙あ゙あ゙ああ゙!!!」 ボロ…ボロ…
 

 
半沢「……言っただろう……」



半沢「やられたら、」

半沢「 やり返す 」





半沢「    千  倍  返  し  だ    」








黒崎「あ゙ああ゙ぁ゙ああ゙ぁ゙ぁあ゙あ゙あ゙ぁあ゙あ゙あ!!!!」

 

 
黒崎「うっ……うぅぅ……」

半沢「………」

黒崎「おしまいよ……アタシはもう……何もかも……」 グス…

半沢「………」

半沢「……だがしかし、私も鬼じゃない。」

黒崎「え……?」

半沢「見逃してやると言ってるんだ」

黒崎「え、え……」

黒崎「えええぇええぇぇええっ!?」

半沢「騒ぐな」

黒崎「……」

半沢「貴様のようなクズにも温情をかけてやる……特別だ。」

半沢「ただし、それなりの誠意を見せてもらう」

黒崎「せ、誠意……」
 

 
半沢「この場で構わない。 この場で……」

半沢「私と、近藤に対して」

半沢「誠心誠意の謝罪をしてもらう」

半沢「……もし、誠意が感じられなければ……」

半沢「日本政府に、合法的殺人を執行してもらう」

黒崎「ッひ、ひぃィィィッ!」

黒崎「す、すみませんでしたっ! 本当に、本当になんと言っていいか……」

半沢「……」

黒崎「あの件は、本当に、心から申し訳なく……」

半沢「……は?」

黒崎「……え?」

半沢「……はぁ……」

黒崎「え…あの……」

半沢「黒崎さぁん、もっとこう……誠意ある謝罪のしかたって……あるんじゃないですかねぇ……?」

黒崎「……ッ!」

 
黒崎「………」

黒崎「……ぐ………」


黒崎「……」 ズ…


半沢「……」


黒崎「……」 グッ


黒崎「本当に……」


黒崎「本当に………!」




黒崎「 申 し 訳 あ り ま せ ん で し た ッ ッ !! 」


    ゴ  ン  ッ

 
───

【半沢宅】

『えー、今入ったニュースです。 先日の学校放火事件ですが、』

『黒崎被告に死刑判決が出ました。異例のスピードです。』

半沢「ほう……おっと、遅刻遅刻!」 ダッ

『裁判長は"ムシャクシャしてやった"と供述しております。』


 タッ タッ タッ タッ タッ

半沢「良いニュースの後の登校は気持ちがいいな」 タッタッタッ

近藤「…」テクテク

半沢「お! 近藤!」

近藤「あ、直樹くん!」

半沢「すっかり元気になったな!」

 
近藤「うん。 あの先生がどっか行っちゃったから、なんか元気になっちゃった!」

半沢「ふふっ。 それでいいんだ」

半沢「子供は元気が一番だ」

近藤「えー、直樹くんも子供じゃん!」

半沢「お、言い返すようになったじゃないか!」

近藤「やられたらーやりかえすー! あははっ!」

半沢「千倍返しだ!」

近藤「せんばいがえしだー!」

 アハハハ アハハハハ



??「………あれが……」


??「半沢 直樹」

 

??「……フフッ」


      第2話

       完
 

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