こなた「キョンくーん」キョン「なんだ?」(303)

誰か書いて

sssp://img.2ch.net/ico/buun1.gif
こなた「お前にはサッカーの才能がある!」

キョン「ねえよ」

続き頼む

キョン「なんだこいつ・・・ケツみたいな口しやがって」
こなた「え・・・?」

こなた「かがみんが呼んでるよ。校舎裏に来てくれって」

キョン「柊さんが?一体何の用だ?」

~校舎裏

かがみ「あ・・・ごめんね。キョン君。こんな所に呼び出して」

キョン「いえ。大丈夫です。ところで俺に用ってなんですか?」

かがみ「じ・・・実はね・・・・えーと・・・」

キョン「?」

かがみ「>>10

キョン「え!?」

桜の花びらが色づきはじめ、まだ少し肌寒い春風が妙に手持ちぶさたな体をすり抜けていく。
季節はそろそろ春だ。
それなりにこなしてきた受験勉強との日々ともしばらくはお別れみたいだ。
いや、できればもう永遠にこなくていいんだが。
一応の目標を持って過ごしていた毎日、やらなければいけないことが突然終わってしまうとその空いた時間を何に使えばよいのか分からず、とりあえずボーッと過ごしていたんだが、
流石にちょっと暇だなと思い始め、何の気なしに散歩に出掛けることにした。

目が覚めるといつもの天井があった。
そこから妹が顔を覗き込む。
いつも通りに飯を食い支度をしいつも通りに妹と家を出る。

「なっ!?」

家から一歩出た瞬間思わず固まってしまった。

ここはどこなんだ・・・

目の前には見たこともない風景が広がっていた。
妹の顔を覗き込む・・・と、何も驚いた様子ではない。
ああ、またハルヒの仕業かと思い安心しつつも、困ったな・・・学校までの道がわからん。

妹と別れてから、とりあえずその辺ぶらぶらしてみるか───
そう思ったとき、声をかけられた。

>>10
なげーよwww

再安価
>>17

?「おはよう、キョンくん!」

かがみ「?「おはよう、キョンくん!」 」

キョン「え!?」

かがみ「ちょ・・・ちょっと!何であなたが今出てくるのよ!」

かがみ「?「いいじゃんいいじゃん♪暇なんだもん♪」」

かがみ「今、それどこじゃないのに!!」

キョン「あ・・・あのー・・・」

>>9がまじめに書こうとしていたが
書いている最中に安価スレになったとみた

キョン「たまにはゆっくり散歩ってのもいいもんだな…」

春の日の光がいい感じに身体を温めてくれる。
日本の季節は春と秋だけでいいんじゃないかと思うのはきっと俺だけじゃないはずだ。
花粉がどうこうって話はしらん。

そういや、
高校ってこの辺りだったよな…
ちょっと行ってみるか

流れ的に書かない方がいい?

>>23
書けよ

>>23
もう見てないか
遅かったか

キョン「なんつー坂だ…こんなのを毎日のぼるってのか?」

ようやくのぼりきったそこには、一人の少女が門の前にたっていた。
えらく背がちっちゃく、えらく髪が長い子だ。
中学生か?いや、案外小学生かもしれん。

少し息を切らして歩いていくと、あっちも俺に気がついたらしいく、こっちに歩いてきた。

???「はい」

と、そいつは肩にかけていたスポーツタオルを俺に差し出してきた。

キョン「あ、あぁ」

とりあえず受け取って汗をふかせてもらったが…なんだ?いきなり

???「君みたいにこんくらいの坂でへばってるのがいるから、ゆとりがどーとか言われるんだよ」

キョン「はぁ…」

なんか怒られた。それもちっちゃいのに。

???「いい?こういうのはね、日頃の運動が基本なんだよ」

キョン「はぁ…」

???「毎朝走ったり、筋トレしたり」

キョン「まぁ、そうだろうが…」

???「ま、そんなことする時間があったらゲームするけどね、私なら」

キョン「今までの話全否定かよ」

???「廃人をなめてもらっちゃこまるよぉ?」

キョン「いや、ていうか絶対にお前の方がゆとりの極みだろ」

???「まぁ、そうだね」

キョン「……」

戻ってきてた

よろしく頼むよ

???「―――っと、そろそろ帰んなきゃ。なんでこんな中途半端な時間に再放送するのかな…」

???「じゃあねっ」

と言うとこのちっちゃいのは、走って坂を下りだした。

なんだったんだ?今のは。

――――あ、タオル

名前も知らないヤツから借りたスポーツタオルは、まぁそのうちあったときに返そうとおもっていたのだが、
高校の入学式の日まで一度も遭遇することはなかった。
どうしようか…
やっぱ交番とかに届けた方がいいんだろうか?
しかしそれも面倒だななどと考えつつ、俺は二度目の坂登りを終え、体育館に向かっていた。

退屈な入学式を終え、これから一年間世話になる一年五組の教室に入ったところで、俺は少し目を疑う事となる。
中学が同じだった国木田以外に見覚えのあるヤツがいた。

キョン「え~…これはどういう冗談だ?」

こなた「あ、君はこないだの」

数日前に出逢ったあいつだった。

つかさ「こなちゃんのお友達?」

こなた「お友達っていうより、お知り合いってかんじだね」

キョン「…イマイチ状況が把握できないんだが」

こなた「なんで?」

キョン「なんでって…お前、高校生なのか?」

こなた「む、人を見かけで判断しちゃいけないよ」

なんでもいいけど書いてくれ世

こなた「さっきつかさと逢ったときも同じようなこと言われたけどさ…」

キョン「さっき?」

つかさ「うん。さっき初めて逢ったばっかりなんだけど、私もちょっとびっくりしちゃった」

キョン「出逢ってばっかにしては、なんか仲良く見えるな」

こなた「それは自分でも不思議なんだよ」

つかさ「でも、なんか初めてって感じしないよね」

こなた「そだね~」

国木田「久しぶり、キョン」

キョン「おぉ、よう国木田」

こなた「キョン?」

キョン「なんだ」

こなた「キョンって…」

国木田「あだ名だよ、あだ名」

つかさ「きょん…きょん…」

こなた「面白いあだ名だねwww」

キョン「こらお前笑うな」

ゥッ

ここで終わりなのか…

あー11月終わるとか鬱

く~りす・ま・すが今年も~死にたい

ちんこ臭ぇー

ブームが去って久しいもんな
需要ないのか

>>54
それにこな×キョンだったらこな×かがのがやっぱ見たい

>>55
そっか
俺はノーマルが好きなんだよな~
でも時代は百合なんだなやっぱ。けいおんとかもそうだし

キョン「まったく、人のあだ名をなんだと思ってやがるんだ」

こなた「アハハ、ごめんごめん。お詫びに“こなちゃん”って呼んでもいいよ」

キョン「よ、呼べるか!」

つかさ「こなちゃんって可愛い呼び名なのにね…」

キョン「そういう問題でもないと思うんだが」

こなた「じゃあ、こなたでいいよ」

キョン「まぁ、それなら抵抗はないかな」

こなた「ほんじゃ、呼んでみてよ」

キョン「こなた…こ、これでいいか?」

こなた「う~ん、まだちょっと恥じらいがあるけど良しとするかな」

キョン「まぁ、一年間よろしく頼むわ」

こなた「こちらこそ、キョンくん」

キョン「あ~、俺も呼び捨てで構わないぞ」

こなた「えっ?」

キョン「いや、俺もお前のことを呼び捨てにしてるだろ?だから同じでいいぞ」

こなた「そだよね、じゃあ…よ、よろしくね、キョン」

キョン「おう」

つかさ「なんか二人とも付き合ってるみたいだね~」

キョン・こなた「!!」

なんか始まった

ごめん

いや、気分を害したのなら謝る

>>63もう書かないのかなと思ってしまって…先走ってしまった。
   続き書いてください。すみませんでした

ID:pbfBNxmd0もいい感じじゃないか
書いてよ

こなた「あ、自己紹介がまだだったね」

こなた「私は泉こなた。よろしくねー、キョンくん」

つかさ「私は柊つかさです。一年間よろしくね」

国木田「国木田です。こちらこそ、よろしく」

キョン「あー、俺の名前は――――」

キョン「―――だ。まぁ、一年よろしくたのむ」

こなた「いえいえこちらこそ」

ガラガラ

かがみ「おーい、つかさー」

つかさ「あ、お姉ちゃん」

こなた「あー、つかさって双子なんだっけ?」

キョン「双子とな!?」

つかさ「そんなに驚くことじゃないよー」

かがみ「つかさ、もうそんなに友達作っちゃったの?」

つかさ「うんっ!みんな優しくてすぐ仲良くしてくれたんだよ」

つかさ「へぇー」

かがみ「こなた、キョンね。これからよろしくね」

つかさ「もう一人、国木田くんが…」

キョン「国木田ならあそこでオールバックのやつと話してるよ」

こなた「いつの間に」

つかさ「お姉ちゃんは、隣のクラスなんだよね?」

かがみ「6組ね」

こなた「かがみ…かがみ…よし、かがみんだね!よろしく、かがみんっ」

かがみ「初対面でかがみんって言われたの初めてだわ」

ハルヒ「ちょっと!かがみ!!」

長門とこなたの小ネタが好きだった

ID:pbfBNxmd0出番だ
リレーでもなんでもいいから書いてちょ

>>74
ニー速(pink)に移転したはずだが、落ちてる。
まとめwikiは生きてるが。

>>76
ありゃそうだったのか

まあネタが出たの2年前の夏だもんなあ

こなたがキョンを「キョンキョン」か「前の席の人」って呼んでたのが印象に残ってる

こなた「いいじゃん、馴れ合っていこうよ」

つかさ「そうだよお姉ちゃん、今は馴れ合いと腐敗の時代なんだから」

かがみ「そいう政治的なこと言われてもね…」

キーンコーンカーンコーン

かがみ「あ、チャイムだ。そろそろ戻るね」

こなた「じゃね~」

つかさ「またあとでね、お姉ちゃん」

別れを済ませると俺達も席についた。
そして迎える初ホームルーム。

担任は岡部という名前らしい。
男だし、あまり興味がないから名前なんてどうでもよかった。
自己紹介紹介タイムが始まる。
皆無難にこなしていきついに俺の番まで回ってきた。

キョン「――です。よろしく」

俺も何とか噛まず滑らず無事に自己紹介を終えて席につく。
そして後ろの席の奴へ。

ハルヒ「東中出身涼宮ハルヒこの中に――」

意味がわからなかった。
宇宙人だの未来人だのいうだけ言って座った。

キョン(こいつとは関わらないようにしよう)

そう決めた。

―――――――――――――――――――――――――――――

昼休み。
今日知り合った連中を交えて飯を食う。

こなた「なんかすごかったね自己紹介のとき」

キョン「ああ。あれは関わったらまずい感じだと思う」

谷口「それで正解だ。俺、あいつと同じ中学だったんだけどよ奴はマジにイッてるね」

谷口「校庭になんか黒魔術的な召還の儀式みたいな呪印書いたりとかさ」

谷口「あと男もとっかえひっかえなビッチだった」

ビッチと言った部分が妙に感情がこもっていた。

キョン「おまえなんでそんな熱弁してるんだよ」

こなた「もしかして自分がとっかえられたとか?」

かがみ「完全な私怨ね」

つかさ「そうだね。ヴァルサミコ酢って感じだよ」

国木田「これは死んだほうがいいと思うよ多数決的に」

谷口「お゛ぉ゛!?待てよ!!俺に反論の隙くらい与えろよ!!」

キョン「そうやって感情的になるところが肯定してるのと同義なんだよ」

谷口「あ゛っあ゛!?知り合ったばっかで!?そういう!?集団で!?あ?」

こなた「ところでさ、チョココロネってどっちから食べる?」

キョン「俺はケツから」

国木田「僕は頭かな」

かがみ「私も頭」

つかさ「私は脇腹からかな~」

谷口「話題かえるの急すぎるんだよ!?俺が死ぬかどうかのアレだっただろ!!」

かがみ「こなたはどうなの?」

こなた「私はおしりだね」

つかさ「キョンくんといっしょだね。やっぱり相性ばっちりだ」

こなた「そ、そんなコロネの食べ方が一緒だったくらいで…」

つかさ「チョココロネ占いって知らない?結構当たるんだよ」

かがみ「へぇ~、初めて聞いたわ、そんなの」

つかさ「まぁ私が今考えたんだけどね」

谷口以外「あはははは」

谷口「俺も!!話に混ぜろよ!!!」

キョン「じゃあおまえはどうやって食うんだよ」

谷口「え?俺?俺はさぁ…」

すごく嬉しそうにする谷口。

キョン「ところでさ、今年の風邪どっからきた?」

こなた「ノド」

国木田「鼻」

かがみ「頭」

つかさ「体のだるさ」

谷口「ケツからかな」

谷口以外「………」

谷口「? なんだよ」

こなた「おしりからって…それ結構やばいんじゃない?」

かがみ「外科手術が必要かもね」

つかさ「オペだよ。あの伝説の無免許医者のオペが必要だよ」

国木田「いや…もしかしてただ開発されて痛んだだけかもしれないよ」

キョン「ああ…なるほど。そっち方面か」

谷口「あ゛ぁ゛!?どういう話だよ!?コロネだろ!?」

キョン「それは一昔前に終わった」

谷口「おれが回答する前に話題変えるんじゃねーよ!?お゛ぉ゛!?」

目に涙を浮かべ始めていた。
少しやりすぎたかも知れない。

キョン「悪かった。ちょっとおまえの印象操作をしたかっただけなんだ」

国木田「キョンもこう言ってることだし許してあげなよ谷口」

こなた「そうだよ。ひどいよ、こんなに謝ってるのに」

かがみ「見損なったわ」

つかさ「最低~」

谷口「あ゛ーー!!も、あ゛ぁ゛あ゛!!てめーらいつだ!?打ち合わせしたの!?」

谷口「俺を攻撃することが決定したのはどの場面だ!?自己紹介の時か!?あぁ!?゛」

キョン「いや、そんなことしてねぇけど」

国木田「自然にだよね?」

こなた「そうだね」

かがみ「うん。気づいたら、って感じよね」

つかさ「うんうんわかる~」

谷口「なっんっっだよ!!マジで自然だよ!?自然に酷ぇよおまえら!!」

浮かべた涙が頬を伝い始めていた。

本格的に追い詰めすぎたようだ。
こんな時は慰めの言葉をかけてやらないといけない。

キョン「こんなノリで、一年間よろしくな!」

谷口「死ッねッよッ!!!」

谷口のリアクションを見て皆が爆笑したのは言うまでもない。
本人は半笑いだった。愉快な奴だ。

――――――――――――――――――――――――――――――

今日はただの入学式だ。
だから授業もなくすぐに終わると思っていた。
実際は役員を決めたりして少し時間がとられた。
それでも通常より早く終わったことには変わりはなかったが。
そして今、俺はこなたと一緒に下校していた。

キョン「かがみは?誘わなくてよかったのか?」

こなた「かがみんはクラスの役員になったらしくてさ」

キョン「そっか。役員は放課後残ってなんかあるとか言ってたな」

こなた「そうそう。ていうかさ、キョンこそよかったの?」

キョン「谷口と国木田か?」

こなた「うん」

キョン「谷口は各クラスの女子をチェックするとかいっててさ」

キョン「下半身メーターがどうのこうのでランク付けしてるらしい」

キョン「俺は逃げたけど国木田は無理矢理つき合わされたんだ」

こなた「そ、そうなんだ…ていうか何?そのメーターって…」

キョン「俺も詳しくは知らねぇよ。本人に聞いてみろ」

こなた「やだよ…だって名前的にシモじゃん…」

キョン「まぁ名前からどんなもんか大体予想つくからな」

キョン「ちなみに今日委員長になってた奴がA+で、つかさとかがみもA+」

キョン「こなたは特別枠A+だってよ」

こなた「私は別枠なんだね。なんだろ、特別って」

キョン「さぁな」
キョン(ロリ枠だろうな)

こなた「でもA+か~えへへ~。キョンはどう思う?私」

俺はこなたを見てみる。
背こそ低いが、すらっと伸びた足、華奢な体、サラサラな髪。
目は眠そうだが、瞳は大きい。鼻もすらっとしていて整った顔立ちをしている。
胸がまな板であるという点を差し引いても、谷口の評価は妥当なものだと思う。

キョン「…まぁ、かわいい方じゃねぇのかな」

こなた「………」

呆けたように俺を見るこなた。

キョン「な、なんだよ…」

こなた「い、いや、あ、あははは、ははそっか、あはは~」

こなた「ま、私はなんだかんだいってかわいいからね~あはは」

キョン「おまえナルシストだったんだな」

こなた「私ぐらいになると許されるのだよ」

キョン「あ、そ」

こなた「む~、そこで呆れないでよね!同意とかしてよ」

キョン「いや、勝手に一人で盛り上がっててくれていいぞ」

こなた「つれないね~私のことかわいいと思ってるくせに~」

キョン「ちょっとだけだ、ちょっと。半分お世辞だ」

こなた「あ、酷い!!死んでよ!!」

キョン「そこまでマジギレするなよ…」

こなた「冗談だよ~。ね、これからどっか行こうよ」

キョン「あんまり遠くは嫌だぞ。帰るの面倒だから」

こなた「行く前から帰ること考えてるなんて、つまんない奴だね~」

キョン「ほっとけよ」

こなた「ま、いいや。とりあえずゲーセン行こうよ」

キョン「ああ、いいよ」

―――――――――――――――――――――――――――――

俺たちは繁華街へと出てくると、ゲーセンへと足を運んだ。

キョン(女の子が自分からゲーセンに行きたがるってどうなんだ?)

キョン(プリクラとか撮りたいのかな、こいつは)

こなた「あの格ゲーで対戦やらない?」

キョン「格ゲーって…おまえできるのか?」

こなた「もちろんだよ。だからこそゲーセンにきたんだからさ」

ゲーム目的で来たらしいこなたに多少驚きながらも台へと着く。
使用キャラクターを選んぶと対戦が始まった。

キョン(嘘だろ…)

俺は何もできずに完敗していた。
後ろで見ていたギャラリーから失笑の声が漏れる。

キョン(くっ…つーか今はもうDループなんてできないはずだろ?なんでこいつは…)

その時、ギャラリーからどっと笑いが起きた。
なにかと思えば、画面の中で俺のキャラが死体蹴りされていたのだ。

キョン(あいつ…糞性格悪いな…)

俺は席を立ち、こなたの台まで回った。

キョン「おまえめちゃくちゃ強いな」

こなた「ま、ねー。やり込み派だからね」

キョン「あと性格も糞だ」

こなた「勝者は何をしても許されるのだよ、ふふふ」

とてもむかついた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺が負けた後、しばらく乱入が続いたが、こなたはその全てに勝利していた。
連勝が続くと、ギャラリーが集まってきて、しまいには実況しだす奴まで現れた。

実況「泉がぁっ!捕まえてぇっ!泉がぁっ!画面はじぃっ!」

なんで名前知ってるんだ、おまえ。

――――――――――――――――――――――――――――

こなた「いや~楽しかったね~」

キョン「おまえはそうだろうな」

こなた「まぁそうフテないでよ。キョンもいい線いってたよ?」

キョン「その勝者の余裕がよけいムカツクんだよ」

こなた「ふっふっふ、勝利って素晴らしいよね」

キョン「ちっ…」

格ゲーで敗北した俺はリベンジとばかりにレースゲー、ガンダムゲーと挑んだ。
が、やはり敗北。復讐することは諦めた。
そして純粋に楽しもうとシューティングゲーで協力プレイを選んだ。
結果は、こなたはワンコインでノーコンティニュークリア。
俺は4回コンティニュー。敗北感は増すばかりだった。

キョン「もうおまえとは対戦しない。協力もしない」

こなた「じゃあなにするの?ソロプレイで脱衣マージャン?」

キョン「ああ。全てソロだ。ソロプリクラも撮ってやる」

こなた「あはは、なにそれ。むなしいね~」

こなた「プリクラはソロじゃなくてさ…その…私と撮ろうよ」

キョン「うんこフレームで撮ろう。こなたの顔がうんこと被るように撮ろう」

こなた「そんなフレームないよ!まともなので!」

キョン「なら、その日の俺の機嫌がよかったら撮ってやるよ」

こなた「な~んかひっかかる言い方するよね…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ゲーセンを出た俺たちはブックオフへ向かった。

キョン「こんなとこ一人でくればいいだろ。わざわざ二人でくる意味あるのか」

こなた「意味はないよ。でも今ふと神の左手悪魔の右手を読み返したくなったんだ~」

こなた「だからさ、読み終わるまで付き合ってよ」

そう言うと、楳図かずおを求めて奥へ消えていった。

キョン(…まぁいいか。適当になんか読んでおこう)

少年誌コーナーの通路は立ち読みする人が多く通りづらい。
ここはパスだ。
青年誌コナーへと移る。

キョン(この辺でなんか読むか)

適当な漫画を手に取り読み始めた。

―――――――――――――――――――――――――

キョン(こ、このシーンは…)

しばらく読み進め、巻数をこなしていくと、濡れ場のシーンに差し掛かった。

キョン(周りに悟られずにじっくりみるには…)

俺は体をたくみに動かし死角を作り上げることに成功した。

キョン(よし、完璧だぜ…このシーンを目に焼き付けて…)

こなた「なに不自然な体勢で熟読してるの?」

キョン(げっ…)

キョン「っお、おう、もういいのか?」

慌てて漫画を戸棚に戻し体裁を取り繕う。

こなた「まぁね。もう出たいんだけど…その漫画読んでからのほうがいい?」

キョン「い、いや、いいよ。もう出よう」

こなた「そう?ていうかさ、何読んでたの?」

今戻した漫画を手に取ろうとするこなた。

キョン「な、なんでもいいだろ。いくぞ」

俺はこなたの手を取って出口へと歩き出した。

こなた「ち、ちょっと…あの…手…」

何か言っていたようだが無視して歩いた。

――――――――――――――――――――――――――

キョン(ふぅ…なんとか危機は回避した)

こなた「あの…」

キョン「うん?」

こなた「手…つないでるね…私たち…」

キョン「あ、ああ悪い」

さっ、と手を放す。

キョン(ちょっと焦りすぎて不自然だったか…そこを突っ込まれると厄介だな)

こなた「………」

多少身構えたが、こなたからの突っ込みはなかった。
ぼんやりと自分の手をみている。

キョン「もしかして、手つないだこと怒ってるのか?」

こなた「え?いや、ぜんぜんだよ!うん、ほんと…」

キョン「なら、いいけどさ…でも、いきなりで悪かったな」

こなた「だから気にしてないって言ってるでしょ~」

キョン「そっか」

こなた「うん。でも動きの不自然さは気になったけどね。焦りようとか」

キョン(やっぱきたか)

キョン「あ~、その、そろそろ帰らないか?時間的にもさ」

こなた「そだね~。じゃ、帰ろっか」

――――――――――――――――――――――――――――――――

俺たちは他愛もない話をしながら駅まで歩いた。
こなたは電車を乗り継いで学校に来ている。
だから、駅へ着くとここでお別れになった。

キョン「じゃ、またあしたな」

こなた「うんじゃあね~」

こなたはそう言って手を振ると、改札口へ向かっていった。

キョン(俺も帰るか)

駅に背を向けると、自宅を目指して歩き出した。

――――――――――――――――――――――――――――――

キョン妹「あ、おかえりキョンくんっ」

丁度居間から出てきた妹が、意図せず俺を出迎える形になる。

キョン「おう、ただいま。今日の晩飯なに?」

キョン妹「えっとね~、匂いでわかれよ」

そう冷たく言い放つと、二階へ上がって行った。

キョン(一瞬でキャラ変わるなよ…思春期なのか?特有のキレ方か?)

居間からはシチューとおぼしき香り。
今夜はシチューで決まりだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――

飯、風呂、歯磨き、テレビ、うんこ、etc.…もろもろ済ませて床につく。

キョン(泉こなたか……けっこう気が合うかもな…ふぁ…寝よ)

電気を消して、しばらくもしない内に意識はまどろみの海へと落ちていった…。

誰かが引き継いでくれることを願って眠る。そのまえに普通に落ちるかな…

朝。登校するため坂を登っている。

キョン(あー…この坂が面倒なんだよ)

上を見上げてみる。
まだ頂上までの距離があることが見て取れた。

かがみ「おはよう、キョン」

つかさ「おはよ~」

上を見ながらとろとろ歩いていると声をかけられる。

キョン「よう、はよ」

かがみ「あんた、この坂の角度を利用してスカート覗こうとしてなかった?」

キョン「するかよ。単にあとどのくらいか確かめながら進んでただけだ」

かがみ「ならいいんだけど」

つかさ「お姉ちゃん、キョンくんはそんな性犯罪者(谷口)くんまがいなことしないよ、きっと」

性犯罪者と書いて谷口と読まれていた。

かがみ「だといいんだけど」

キョン(ちょっと同情するぞ、谷口)

教室。
適当にトークする奴らで賑わっている。
そんな中を抜けて自分の席へ着いた。

キョン(まだこなたは来てないのか)

教室を見回してみてもあいつの姿は見当たらなかった。

谷口「よう、キョン」

国木田「おはよー」

頬杖を突いてぼーっとしていると谷口と国木田の二人がやってきた。

キョン「よお。昨日はどうだったんだ?チェックし終えたのか」

谷口「まぁ一通りはな」

キョン「おもしろいやつとかいたら教えてくれよ」

谷口「おもしろいやつね~…」

国木田「あ、あの子とかおもしろくなかった?」

国木田「あの、みアンサイクロペディアさんって呼ばれてたメガネの」

谷口「あ~、確かに」

キョン「なんだよ、それ本名か」

谷口「なわけねーだろ。あだ名だよ」

キョン「どんな奴ならそんなあだ名がつくんだよ」

谷口「おまえが言うな」

国木田「なんかさ、幅広くいろんな知識を持っているようで、全てそれらしいこと言ってるだけだった
りするらしいよ」

谷口「俺の下半身ランクではA-となかなか評価は高いけんだけどな」

キョン「ふーん…」

バカ話はチャイムが鳴るまで続いた。
その間もこなたはやってこなかった。
欠席かとも思った。
が、ギリギリ教室に駆け込んできてなんとか遅刻にならずに済んでいた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

昼は昨日と同様のメンバーで食べ始めた。

キョン「今朝遅刻しかけてたけど、寝坊でもしたのか」

こなた「まぁね~。寝不足でさ…ふぁ~…」

かがみ「遅くまで勉強でもしてたとか?」

こなた「違うよ~。ネトゲだよ」

キョン「ネトゲ?」

こなた「うん、ネトゲ」

つかさ「私よくしらないんだけど、ペットボトルで用を足したりする人たちのことだよね?」

こなた「いや、よく知らないのになんでそんなコアな部分だけ知ってるのさ」

こなた「しかもお昼中なのになんの躊躇もなくそんなネタ使うって…」

谷口「つーか、泉ってアキバ系なのか?」

こなた「バリバリそうだよ~」

キョン「そっか。だからあんなにゲーム強かったのか」

こなた「昨日はキョン、私に食い物にされてたよね」

国木田「なに?昨日二人で遊んだの?」

キョン「ああ。ゲーセン行ってブックオフ寄って帰った」

かがみ「仲いいわね~」

つかさ「もう付き合っちゃえばいいのに」

こなた「えぇ!?あの…そういうのは…その…」

谷口「キョオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オン!!!」

突然奇声を発して立ち上がる谷口。
その異様すぎる様子にクラスの注目を一挙に集めていた。

谷口「ロリコンはっ!!犯罪っなんだっよっ!!!!!通報するぞ!!!」

キョン「いや、タメ年だろ。こなたは」

谷口「それでもアウトなんだよ!!お前は法に触れてるんだよ!!!!!」

キョン「下半身メーターとか言って反応してたのはおまえだろ」

かがみ「なに?その下卑た名前のメーターは」

国木田「谷口のアレが反応する度合いを示すものらしいよ。それで女の子をランク付けしてるんだよ」


かがみ「なにそよそれ!なんで谷口なんかに格付けられなきゃなんないのよ!」

キョン「かがみとつかさも測られてるぞ。A+だと」

国木田「そのランクってことは、もう脳内で何度も…その…汚されちゃってると思うよ」

つかさ「う…ふぇ~ん!谷口くんなんかに…初めてを奪われちゃった…ふぇ~ん!!」

クラスメイト「谷口糞だな」

クラスメイト「糞谷口だ」

クラスメイト「谷糞口だろ」

糞谷口「あ゛ぁ゛!?食事中に糞とか言うなよてめーらっ!汚ねーんだよ!!」

キョン「おまえが喋るごとに場が汚れていくことに気づけ」

谷口糞「なんだっと!?俺は語尾に美をつけるぐらいキレイな存在だぞ!殺すぞ美!」

キョン「いや、接頭辞的なノリでおまえ自身についてんだよ」

谷糞口「あ゛ぁ゛!?なんだこっれ!?取ってくれ!?だれか取ってくれよ美!!」

こなた「とりあず写メとっておこうっと」

カシャ

糞口「やめっろ!!見世物じゃねぇんだぞ!フラッシュで目潰し!!!やめっろ!!」

カシャカシャカシャカシャ

教室中からシャッター音が鳴り響く。

谷糞「おい!!!俺を撮影するならマネージャー通せっよ!!!」

昼休みは谷口の撮影会と化して幕を閉じた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昼休みが終わり、次の授業が始まる。
今は体育で、男子は100m走、女子は50m走のタイムを計っていた。

谷口「飯食った後に走れって、脱糞しろっていってるようなもんだろ」

キョン「昼休みから糞糞うるせーな。そんなに気に入ったのか」

谷口「あ゛!?美谷口と呼べよ!!」

国木田「ていうか最初は糞がくっついてるだけだったけどさ、最後には同化してたよね」

キョン「ああ、原型がなくなるまで乗っ取られてたな。糞のほうが存在感あったくらいだ」

谷口「おまえっら!!100m走タイムで勝負して負けたほうが死ねよ!!」

キョン「いいけど」

谷口「え?」

国木田「僕もいいよ」

谷口「え、あ、いや、今時死ぬとかなくね?重くね?今平成だぞ?おまえら武士かよ、はっは!!」

ただのハッタリだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


タイムを計り終えた俺たちは階段に腰掛けて女子の50m走をみていた。

谷口「乳揺れはいいな、やっぱ!」

一人興奮する谷口を無視し、ぼんやりと見る俺と国木田。

キョン(お、次はこなたか)

キョン(ネトゲで夜更かしするような奴だからな…運動は苦手だったりするのかな)

そんな風に考えていたが、予想を裏切ってこなたは一着でゴールしていた。

キョン(へぇ…速いんだな)

国木田「速いね、泉さん」

キョン「だな」

国木田「涼宮さんぐらい速いかもね」

キョン「かもな」

あの涼宮ハルヒとかいう電波な女が走るのも見ていたが、あいつも速かった。

国木田「あ、なんか勧誘みたいなのされてない?運動部かな」

キョン「だろうな…って谷口は?」

横を見てみるとさっきまでいたはずの谷口が跡形もなく消滅していた。

国木田「なんか無言でトイレのほうに駆けて言ったよ」

キョン「そっか。つーか、俺もトイレ行ってこよ」

そう言って立ち上がると、トイレに向かった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

トイレに入ると、個室からガサゴソ音がした後水の流れる音がした。

キョン(谷口か…?)

ガチャリ

谷口「ふぅ…ああ、キョンか。奇遇だな、こんなとこで。おまえもトイレか?」

キョン「そりゃそうだろ。それ以外の目的でくるかよ」

谷口「はっはは、そうだよな!こりゃ一本取られたよ!じゃ、先戻ってるな」

妙にすがすがしい顔をして俺の脇を抜けていった。

キョン(なんだあいつ…悟ったような顔しやがって)

キョン(つーか、手ぐらい洗えよな…)

――――――――――――――――――――――――――――――――――

体育の授業後の眠気を乗り越えて、面倒な清掃も終わった。
後は帰るだけだが、最後のHRで席替えがあった。
俺は窓際の一番後ろから二番目という中々の当たりを引いた。
うしろがあの涼宮だというのが少し気になったが。

キョン(帰るか)

つかさ「キョンくん、一緒に帰ろうよ」

立ち上がろうとしたところで、つかさがやってきた。

キョン「ああ、じゃ、一緒に帰るか」

つかさ「お姉ちゃんも一緒にね」

キョン「こなたは?」

つかさ「こなちゃんは夜更かしと体育で疲れたからってすぐに帰っちゃった」

キョン「そっか。じゃ、行くか」

―――――――――――――――――――――――――――――――――

途中でかがみと合流し、学校を出た。
坂を下っていく。

つかさ「昨日は私とお姉ちゃんは役員の集まりがあって一緒に遊べなかったけど…」

つかさ「今日は遊べるから、どこか寄って行こうよ~」

キョン「まぁ、いいけど」

つかさ「カラオケとかどうかな?」

かがみ「私はいいわよ」

キョン「俺も別に」

つかさ「なら、決まりだね」

―――――――――――――――――――――

カラオケボックスにつき、もろもろの手続きを済ませて個室へと移る。

つかさ「なに歌おうかな~」

かがみ「………」

二人とも曲選びに夢中だった。

キョン「つーか、なんで俺だけ手動検索なんてアナログな方法なんだよ」

かがみ「しょうがないでしょ、コレ二つしかないんだから」

リモコン兼検索機をタッチペンでつつきながら言う。

かがみ「私たちが選び終わるまで我慢してよね」

キョン(野郎…)

俺は先手を打つためにでたらめに番号を入力して送信した。
すると、微妙な音楽が流れ始めた。

かがみ「なにこれ?」

つかさ「キョンくん、これ歌うの?」

画面には、与作、と表示されていた。

キョン「ああ、まぁな」

半ばヤケになって歌った。
与作なのに過剰な振り付けや高音を出したりもした。
これは完全にウケねらいのつもりでやった。
かがみとつかさにはヤヤウケしたが、途中で店員が水を持ってきたときに
目撃されてから俺のテンションが下がり、一気に変な空気になってしまった。

キョン(くそ…店員さえこなければ…)

そんなモヤモヤした気持ちのまま曲が終わり、やっと解放されたかに思えた。
が、なにを思ったかデフォルメされた動物キャラクター達が採点を始めた。

キョン「お、おまえら、俺はネタでやったんだぞ!採点切っとけよ!」

つかさ「ネタの採点だと思えばいいんじゃないかな」

キョン「そんな部分が評価されるわけねーだろ!切ってくれ」

かがみ「もう遅いわよ。採点は始まってるの。もう誰にもとめられない」

キョン「くっ…」

だらららっら ジャン

52点

カーン

画面の中の動物達は気まずそうな顔をして目をそらしていた。

誰一匹としてこちらを見ようとしなかった。

キョン(くそ…こんなはずじゃ…)

つかさ「キョンくん、元気出して!こんな日もあるよ。週に3日くらいの頻度であるよ」

かがみ「そうそう、与作なのにムービークリップがちょっとエッチだったなんて誰も気にしてないわよ


キョン「おまえら慰める気ねぇだろ…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺たちはかわるがわる歌っていった。

つかさ「キラッ☆」

こいつらは双子なのに好む曲が違うんだな、と聞いていて思った。

かがみ「キャリオーン」

時間が来たことを知らせるコールが来て、延長の確認をされたが、ここでやめることにした。

かがみ「それにしても、履歴見てみたけど、一人だけ与作っていう異端が混じってるわね」

つかさ「つぎに使う人どう思うんだろうね~」

キョン「もうそれには触れるな…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

店を出ると、あたりはもう暗くなっていて、外灯やネオンがその存在を主張していた。
時間も時間なので、ここで現地解散とあいなった。

キョン「それじゃな」

かがみ「うん、じゃね」

つかさ「ばいば~い」

つかさとかがみは駅へ向かい、俺は自宅へと足を運んだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

帰り着くと、すぐに自室へ。
鞄を机に置いてベッドで横になる

キョン(久しぶりに結構歌ったな…ノド痛ぇ…)

こんこん

ドアがノックされる。

キョン妹「キョンく~ん」

キョン「なんだよ。開けろよ」

がちゃり

キョン妹「ねぇ、キョンく~ん」

俺に近づいてきて上目遣いで見てくる。

キョン妹「あのね…?」

キョン「なに」

キョン妹「お金貸してっ☆」

キョン「…貸すだけだぞ。いくらだ」

キョン妹「5千円☆」

キョン「そんなに持ってない」

キョン妹「じゃ、2千円☆」

キョン「…絶対返せよ」

ベッドから立ち上がり、財布から2千円を取り出す。

キョン妹「えへ☆ サンキュな。気が向いたら返すわ」

バタン

足早に立ち去っていった。

キョン(返ってこないかもな…)

―――――――――――――――――――――――――――

見たいテレビも見終わり、自室へと戻ってくる。
すると、机の上に置いてあった携帯がピカピカと光っていた。

キョン(メールかな)

こなたからだった。

frm:こなた
sb:

今日かがみんたちとカラオケ行ったんだって?
私抜きでずるいよ(=ω=.)

キョン(おまえがさっさと帰ったからだろーが)

frm:こなた
sb:Re:Re

まぁ、そうだね。じゃあ今度はみんなで遊ぼうね。

キョン「みんなでか…」

キョン「まぁいっか…寝よう」

一つ大きなあくびをして、ベッドにもぐりこむ。
そして、電気を消し、しばらくして俺は眠りに落ちた。

――――――――――――――――――――――――――

ひー苦しい 誰か適当に続けてくれー 続けたい人

でも今から出るから申し訳なくてアレなんだよ 誰かリレーしてくれたら一番気が楽だ


もしくは落とすとか

じゃあ隙をみて自分で保守しとこう

つーか誰かリレーしてくれよ

  )
(=ω=. )

国木田「へー、昨日はカラオケ行ったんだ」

キョン「ああ。ああいうのも久しぶりに行くといいもんだな」

谷口「俺もつれてけよ」

キョン「断る」

こなた「私も今度いっしょにいきたーい」

キョン「あぁ、もちろんいいぞ」

谷口「これはもぉ軽いいじめだと思うんだ…orz」

かがみ「おーっす」

つかさ「あ、お姉ちゃん」

こなた「…ふと思ったんだけどさ」

かがみ「ん?」

こなた「かがみってよくここに遊びにくるけど、クラスに友達いないの?」

キョン「デリカシー0の質問だな」

かがみ「ケンカ売ってるのか」

こなた「いや、ハブられてるのかと思って」

かがみ「新学期早々ハブられてたまるか」

かがみ「ちゃんといるわよ、クラスに友達くらい」

こなた「へ~っ、誰、誰?」

かがみ「あ、ちょっと呼んでこようか?多分、本読んでると思うから」

谷口が春原っぽいな

>>186
やっぱバレたかw
俺が書いてた部分はもうCLANNAD意識しまくってるw
谷口という名の春原、キョンという名の岡崎みたいな感じでw

かがみ「…と言うことで、つれてきました」

長門「…長門有希」

つかさ「ゆきちゃんっていうんだ~よろしくね!」

谷口「………Aランク-ってとこか」

キョン「お前一回窓から落ちたらどうだ」

こなた「ゆき…ゆき…ゆきりん!」

かがみ「あんた、人に変なあだ名つけるの好きね…」

こなた「よろしくね、ゆきりん!」

長門「……そう」


まともに書けるの夜からだと思う

こなた「ねえねえ、ながもん」

長門「何?泉こなた」

こなた「ながもんは何が嫌いなの?」

長門「親かな」

キョン(長門有希ね…つーか、メガネのフレームでかいな)

キョン(裸眼のほうが似合ってそうだけどな)

長門「………」

ひゅんっ

長門有希とういう女の子はいきなりメガネを投げ捨てた。

かがみ「ど、どうしたの?長門さん…」

かんっかんっかんっ

グサ

谷口「あ゛ぁ゛っ!?あ゛ぁ゛っ!?」

投げ放ったメガネが兆弾し、谷口にめりこんでいた。

谷口「こっれ!?メガネ!?かけてるとかそういうレベルじゃ!?ねぇ!?」

谷口「刺さってるっよ!!?縁が!?あ゛ぁ゛っ!?」

キョン「ダメージの説明するな。見ればわかる」

谷口「なっら!!救急車!!呼べっよ!!110番!!」

キョン「いや…自首するのはいいことだけどさ。なにもこんなときにしなくてもいいだろ」

キョン「その怪我が回復してからにしとけよ」

谷口「意味がっ!?あ゛ぁ゛!?」

国木田「多分119番って言いたかったんだろうね」

こなた「待ってて、今呼ぶから!!」

谷口「早くっ!!頼っむっ!!」

結局やってきたのは消防車だった。
谷口はいたずら電話で動かされた消防員たちに怒られていた。
もちろんメガネが刺さったまま。
その後、理由はわからないが谷口は謎の回復を遂げて傷が完治していた。

キョン(それにしても…)

谷口にメガネが突き刺さったあの時、確かに長門は笑っていた。
もしかしてあれは事故ではなく計算だったのかもしれない。
今となってはもう真相はわからないが。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

放課後。俺たちは谷口の復活祝いと称してボーリングに来ていた。

谷口「第一投は俺からだな」

球をつかみ、真剣な表情でピンを見つめる。

こなた「ながもんながもん」

長門「何?泉こなた」

こなた「北高に来る前は何やってたの?」

長門「家元」

谷口「サァーッ!!」

それは卓球の愛ちゃんだ。

ゴロゴロ ガタン

谷口の放った球は一直線にガーターへと吸い込まれていった。

谷口「まぁ、こうならにようにっていう、俺の老婆心?って奴だ」

キョン「いいから戻れよ、たにぐ」

谷口「あ゛ぁ゛!?ちだけ略すなよ!!中途半端なんだよ!?」

こなた「次は私だね」

こなたが立ち上がり、球をとってレーンへ向かう。

国木田「泉さんの名前登録(=ω=.)なんだ。斬新だね」

見ると、確かにディスプレイには(=ω=.) と表示されていた。

こなた「かわいいでしょ~。そのAA気に入ってるんだ」

かがみ「こなただってちゃんとわかるところがすごいわ…」

つかさ「あはは、かわいいね~」

谷口「ほぉ、すごい…っておい!!なんで俺が『谷口(笑)』になってるんだよ!?」

国木田「一発目からガーターだったからじゃない?」

谷口「そんな仕様っあっるわけっねぇっよ!?!?」

キョン「おまえうるせーよ。こなたが集中できないだろ。妨害はやめろよな」

谷口「なんかおまえが犯人な気がする!!すっげーする!!」

こなた「………」

こなたは谷口が発する騒音の中でも集中してピンを見つめていた。
そして助走をつけ、球を放った。
ぶれることなくピンの真ん中に直撃し、見事ストライク。

ぱちぱちぱち

キョン「すげーな」

国木田「さすがだね」

かがみ「すごいわねーっ」

つかさ「こなちゃんすごーい!」

谷口「まぁまぁかな」

こなた「ふぉふぉふぉ、コレが私のジツリキだよっ」

得意げな顔をして戻ってくる。
次は俺の番だった。

球をとってレーンへ向かう。

キョン「………」

俺は球をカーブさせたりそんな技術はない。
普通に真っ直ぐ放って後は運任せだ。
助走をつけて…

キョン「おりゃっ」

球を転がした。

ゴロゴロゴロ 

パカン

見事に左右の両端に残った。

こなた「これは…」

かがみ「あちゃー…」

国木田「うーん…」

つかさ「あぁ…」

谷口「リセットだぁ!!メシウマだぜ!!はーはっはっは!!」

キョン「………」

俺は送り返されてくる球を取りに戻った。

キョン「なんか手がべとべとして気持ち悪りー」

ふきふき

谷口「おっまえ!?俺の!?上着で!?あ゛ぁ゛!?専用の布あるのに!?」

キョン「いや、だってさ、ベトベトだと気持ち悪りーじゃん」

谷口「あ゛ぁ゛!?おまえそれ同じこと二回言っただけで!?理由になってねーよ!?」

球を取って再びレーンへ。

キョン(いいや、右だ。右にしよう)

キョン「おりゃっ」

ゴロゴロゴロ

スカ

こなた「おしいっ」

かがみ「僅差でアウトだったわね~」

つかさ「ドンマイ、キョンくん」

国木田「次挽回すればいいよ」

ある意味勝負というか、ポイントで競っているわけなのに皆慰めの言葉をかけてくれた。

谷口「死ーね!死ーね!」

一人で死ねコールを起こそうとしている谷ガーターもいたが。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺たちは3ゲームこなして店を後にした。
順位的には1位こなた、2位国木田、3位かがみ、4位俺、5位つかさ、ビリ谷口だった。
運動が苦手なつかさはしょうがないとして、姉のかがみが意外と健闘していた。
俺よりもスコアが上だったのだ。
かがみがすごいのか、それとも俺にセンスがないだけなのか…。
前者であってほしいと思う。

谷口「なんか腹減らねーか?」

キョン「まぁ、減ったけどさ。おまえなんかテカテカしてるよな」

谷口「おまえが何度言っても俺で手を拭くからだろーが!!」

国木田「どこかで食べていく?泉さんたちは時間とか、家の夕食とか大丈夫?」

かがみ「うちは連絡すれば大丈夫よ。ね」

つかさ「うん」

すまん谷口…俺紳助みたいなことしてたよ
ここからリレーしてくれるひといたらお願い
ちょっと反省してくる

こなた「ねえねえながもん」

長門「何?泉こなた」

こなた「どうして一人暮らししてるの?」

長門「同居人が突然死した」

すまん谷口
もう少したえてくれ

こなた「うちも…まぁ多分大丈夫かな」

少し歯切れの悪い回答だった。

谷口「そんじゃなんか軽く食っていくか」

―――――――――――――――――――――――

店員「何名様でしょうか?」

キョン「えーと、5…あ」

俺は横目で谷口を捕らえた。

キョン「6人です」

谷口「お゛ぁ゛!?今誰をカウントし忘れてたんだっよ!?」

―――――――――――――――――――――――

女3、男3で対面になる形で座った。

国木田「なんかちょっとうせまいっていうかだね」

キョン「谷口のオールバックがスペース取りすぎなんだよ」

谷口「また俺かっよ!?泣くぞ!?この伸介が!!」

谷口「しかも一番トイレに行きづらい奥にっ押し込めやがって!!」

キョン「あ、フレッシュチーズWサイズきたな」

こなた「それわたし~」

嬉々として皿を受け取るこなた。

キョン「それってなんか水っぽくないか?」

キョン「そっちはいいよな。こなたが小さい分余裕があって」

こなた「小は大を兼ねるのだよ」

かがみ「使いどころが間違ってる上にそれ自体間違ってるからね…」

つかさ「でもなんか、自由であることに縛れてる感じがしていけすかないよね~」

妙なことを言う奴だった。
ピロウズのONE LIFEが好きなんだろうか。
多分フリクリから入ったニワカだな。
俺がだけど。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

注文をし終え、しばらく待っていると次々に料理が運ばれてくる。

キョン「あ、フレッシュチーズWサイズきたな」

こなた「それわたし~」

嬉々として皿を受け取るこなた。

キョン「それってなんか水っぽくないか?」

こなた「そうかなぁ?おいしいいと思うけど」

谷口「キョン、おまえ前菜にいちいちモンクつけんなよな」

キョン「思ったこと言っただけだろ」

キョン「あ、ほら、来たぞおまえの前座ライス単品」

谷口「前座ってなんだっよ!?前菜だっろ!」

谷口「つーかっ前菜でライスなんか頼んっでねーよ!」

国木田「キョン流石に失礼だよ。ライスは谷口にとってメインディッシュなんだから」

キョン「そうだったな。すまん谷口」

谷口「あ゛ぁ゛!?そこで!?素直に謝んのかっよ!?肯定かっよ!?」

かがみ「谷口~!ちょっとは静かにしなさいよね」

こなた「そうだよ。さっきから注文が谷口くんの声でかき消されて迷惑してるよ」

つかさ「さっき店員が小声で死ねよって言ってるの聞いちゃった」

谷口「お゛ぉ゛!?世界死ね!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

飯を食い終わり、俺たちは店を出て外を歩いていた。

目指す場所は駅。
谷口がこなた達を駅まで送ると言い出したからだ。
よく見られたいという虚栄心から出た言葉だろう。
が、家まで車で送るならまだしも、改札口まで徒歩で送るという
実際とてもダサい状態だった。
それでも谷口のギャグで笑っているこなた達を見ていると、
それでも良かったのかもしれないと思えた。

こなた「じゃあ、ここでお別れだね」

キョン「ああ、そうだな」

かがみ「じゃあね」

国木田「それじゃ」

つかさ「ばいばーい」

谷口「おう、じゃあな!」

三人とも改札口を抜けて奥へと消えていった。

谷口「さてと、女の子も送ったし、野郎はここで解散するか」

国木田「そうだね。三人とも方向違うしね」

キョン「国木田、気をつけて帰れよ。それと谷口、おまえは三歩歩くごとに後ろ振り返ったほうがいい
ぞ」

キョン「今夜は月が出ていないからな」

谷口要らねー!!確かにそうだよ 俺引っ張りすぎだよ!あ゛ぁ゛俺何回谷口ってことば使ってんだよ!?

なんか引き際間違えた
難しいな

谷口「おっまえ俺殺るきかっよ!?それ伏線だっろ!?」

キョン「じゃあな、国木田」

国木田「うん、じゃあね」

谷口「意味深なこと言って!?去っていくとか!?あ゛ぁ゛!?」

―――――――――――――――――――――――――――――

自室。時計は既に午前一時を回っている。
俺はなにげなく携帯を開いた。

キョン(谷口…いい奴だった。本当に。今までありがとう)

俺は携帯のアドレス帳から…谷口の項を消した。
この日、俺は何かから解放されたように安らかに眠った。

―――――――――――――――――――――――――――――

谷口まみれでもう言葉もない
まとめサイトに面白いのあるらしいね
このスレはもう自由にかがみんとかこなたとかつかさとか攻略していいと思う
おやすみ 感想くれてありがとう

おいそこのニート。お前だよお前。メガネごしにこっち見てるお前。
どうせ暇だろ?明日も暇だろ?
俺は明日見るから、昼まで保守してけよ。 
酸素を加工して二酸化炭素作る以外にも役に立てよ。できるだろ?

こなた「ねえキョンキョン」

キョン「なんだそのキョンキョンってのは……」

こなた「なかなかかわいくない?」

キョン「かわいくなどない。頼むからこれ以上変なあだ名を付けるのはよしてくれ……」

こなた「ちぇー」

キョン「保守だ」

こなた「ねえ、キョム」ニヤニヤ
キョン「チリーン」ニヤニヤ
ハルヒ「もう許してよ……」

学校生活にも慣れてきたこの頃。
俺は部活に入ったり、勉強に精を出すわけでもなく
ただ適当に日々を過ごしていた。
そして、今日は休日だ。
そんな俺が有意義に過ごす方法なんて思いつくわけもない。
だから、なんとなく外を出歩くことにした。
繁華街へと向かう。

たったったった

運動部員達「はっ…はぁ…はっ」

キョン「………」

自転車を走らせて学校近くまでやって来る。
すると、学校の運動部の奴らがランニングしている光景を目にした。

キョン(よく頑張れるよな)

なぜ自らあんな苦痛を背負えるのか。
それもこんな休日に。
俺にはわからなかった。

キョン(すげぇよな…それにくらべて俺は)

…やめた。
これ以上考えるとドツボにはまりそうだ。
俺は自転車を漕ぎ出した。

―――――――――――――――――――――――――――――

自転車置場に愛車を止めて、道なりに進んでみる。
やっぱり人通りが多い。

キョン(漫画でも買ってどこかで読むか)

しばらく歩くと、大手予備校の前を通りかかった。
うちの学校で見かけた奴が何人かその中に入っていくのが見える。

キョン(勉強か……)

さっきの運動部もそうだが、あいつらもまた勉強という形で頑張っているのだ。
………。

キョン(…行くか)

俺は何かを振り払うように頭を振って、再び歩き出した。

――――――――――――――――――――――

書店に着くとすぐにマンガコーナーへ。

キョン(あ、喧嘩商売18巻出てるな。買っとこう)

キョン(後は…少女マンガでちょっと恥ずかしいが…)

キョン(ハイスコアチェックしとこう。かなり前に5巻買ってそれっきりだからな)

キョン(新刊出てるだろさすがに)

俺は周りを警戒しつつ少女マンガコーナーへ向かった。

キョン(お、やっぱあったか)

新刊を手にし、レジへ向かおうとする。

キョン(…ん? あれは、かがみか?)

かがみ「………」

ラノベコーナーでかがみが何冊か手に取っていた。

キョン「よう、かがみ」

かがみ「っうわ、キョンっ」

持っていた本を後ろに回すかがみ。

キョン「何買おうとしてたんだ?」

かがみ「え、えっと…参考書よ!参考書」

キョン「いや、ここラノベコーナーだろ。あ、もしかして萌え単か?」

かがみ「ち、違うわよ!なんでもいいでしょー!」

俺に背を向けながらバックステップでレジへ向かっていった。

キョン「なんだあいつ…?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

キョン「じゃあなんだ?ラノベ買うだけでここまで出てきたのか」

かがみ「…うぅ、そうよ…悪かったわね」

キョン「地元で買えばいいのに」

かがみ「それは…危険度が高いっていうか…」

キョン「エロ本買いに遠征する中学生みたいだな」

かがみ「その例えはやめてよ…」

高速で会計を済ませたかがみに追いつき、一緒に歩いている。
かがみはラノベを買いに来ただけだったらしく、これから帰るのだという。

キョン「そういえばかがみって巫女なんだよな」

かがみ「まぁ一応ね」

キョン「なんか呪文とか使えたりするのか?」

かがみ「そんなわけないでしょ…」

キョン「じゃあ、わら人形に釘打ったりとかか?」

かがみ「神に仕える身で呪いっておかしいでしょ!」

キョン「なんだよ、つまんねーな」

かがみ「あんたの発想がめちゃくちゃなだけよ…」

キョン(にしても、かがみが巫女か…巫女服…興味あるな)

キョン「俺もさ、今からおまえの家行っていいか?」

かがみ「え、えぇ!?な、なんでまた?」

キョン「いや、かがみの巫女姿に興味があるから」

かがみ「そんな普段から巫女ってわけじゃないよ?」

キョン「じゃあ特別に。俺仕様で頼む」

かがみ「ダメ。やだよ。結構着替えるの面倒なんだから」

キョン「頼むよ。ラノベのことは黙っとくからさ」

かがみ「…それは飲まなきゃ広めるってこと?」

キョン「ああ」

かがみ「ほんと、下衆な奴ね、あんたは…」

かがみ「…特別だからね」

―――――――――――――――――――――――

電車に乗り、椅子に腰を下ろす。
車内は空いていて閑散としていた。

かがみ「そういえばキョンは何を買ったの?」

キョン「少女マンガと喧嘩商売」

かがみ「なによその組み合わせは…好きなジャンル統一しなさよ」

キョン「いいだろ、別に」

かがみ「でも、少女マンガ買ったんだね。結構意外だったわ。ちょっとみせて」

キョン「いいけど」

俺は袋の中で喧嘩商売のカバーとハイスコアのそれを入れ替えた。

キョン「ほら」

かがみ「ありがと」

手にとってぱらぱらと読み始めるかがみ。

少女マンガ『かはっ あがあぁああ』

少女マンガ『男がそんな声あげるな もっとも…すでに乙女になっちまったけどな』

少女マンガ『お前の乙女の叫びをダウンロードできるようにしておけ。着信音で売れるぜ』

少女マンガ『森 本 ライ アン』

ぱたん

そっとマンガを閉じた。

かがみ「さ、最近の少女マンガって…かなり迷走してるのね…」

気づかなかったようだ。

―――――――――――――――――――――――――――――

駅を出て、かがみに従ってしばらく歩く。
そして神社までやってきた。

キョン「家じゃなくて神社に置いてあるのか?」

かがみ「そうだよ。ちょっとまっててね」

小走りでかけていった。
待つこと二十分。
向こうから巫女かがみが歩いてくるのが見えた。

かがみ「…どう?これで満足?」

キョン「…あ、ああ」

かがみ「なによ。なんか微妙な返答ね」

キョン「ああ、いや…」

正直似合いすぎていて動揺した。
ツインテール巫女は反則だった。

キョン「…似合ってるぞ。かわいいと思う」

かがみ「えぇ!?えぁっ…べ、べつに…そんなっ…」

かがみ「っバ、バカ!とにかくバカ!」

蹴りやパンチを繰り出してくる。
一撃一撃が意外と鋭く、まともにもらえば辛そうだった。

キョン「お、おい、やめろ!照れ隠しでそれは凶暴すぎるだろ!」

かがみ「照れてなっ…うわっ!」

蹴りを出そうとしたところ、裾を踏んでバランスを崩してしまった。

キョン「あ、バカ!」

俺はとっさにかがみを抱きとめていた。

キョン「その格好で暴れるのは無理があるだろ…」

かがみ「ご、ごめん…」

自力でバランスを保てるようになったことを見て、かがみを離す。

かがみ「ありがと…」

キョン「…ああ」

かがみ「………」

なんとなく気まずい。

キョン「そ、そういえばさ、つかさは一緒じゃなかったんだな。双子なのに」

かがみ「双子だからっていつも一緒ってわけじゃないわよ。それに今日はお忍びだったから」

キョン「そうだな」

かがみ「うん」

キョン「…あーっ…」

続かない。

かがみ「…私着替えてくるね」

キョン「ああ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

かがみが着替えてくると、俺たちは互いに買ったものを交換して読んだ。
階段に座り、しばらく読みふける二人。
ぎこちなさはもうなかった。

キョン「この神社って参拝客いないんだな。あんまり敬われてないのか」

かがみ「一部を除いてそんなに有名でもないからね」

かがみ「行事でもない限り神社なんてこんなものよ」

キョン「それもそうか」

キョン(しかし、ラノベって字ばっかりだよな。よく読む気になるな、かがみは)

また本を読み始める。
かがみもマンガを熱心に読んでいた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

キョン「それじゃ、そろろ帰るな」

かがみ「うん、じゃあね」

かがみはマンガを二冊とも読破した。
そして自分が買ったものを読み始めたが、俺は結局1冊読みきることができなかった。
こんど同じ奴を買ってみようと思った。

かがみ「あ、ねぇ、キョン」

キョン「なんだよ」

かがみ「金剛!!」

ばしっ

俺の胸にかがみの拳が突き刺さる。

キョン「いや、もう影響されたのかおまえ」

かがみ「あはは、ごめんね。ちょっとやってみたくて」

キョン「そういうことは妹であるつかさにやってくれ」

かがみ「かわいそうじゃない」

俺はかわいそうじゃないのか。

――――――――――――――――――――――――

電車を乗り継いで地元へと帰ってくる。
自転車を回収して帰宅。
飯を食い、テレビを見て風呂に入る。
そしてまた居間で過ごした後自室へ向かう。

キョン(マンガ読み返そう…)

ベッドで横になりながら今日買ったマンガを読み返した。
そして、午後十一時には眠りについた。

――――――――――――――――――――――――

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