佐天「文字通り『くっつける』能力かあ......」 (41)

初春「佐天さん! 遂に能力に目覚めたんですね! おめでとうございます!!」


佐天「いやー、どうもどうも。それにしても、『文字通りくっつける能力』って何だか分かりにくいよね。文字通りってついてるクセに」


初春「ですよねー。でも逆に、文字通りって言葉が重要になってくる能力かもしれませんよ」


初春「物理的にくっつけるだけじゃなくて、言葉の上でもくっつけられるとか」


佐天「うーん、どうなんだろ? まだあんまり使ってないし、どうにも前例のない能力らしいからデータも少ないって聞いたし......」


初春「あ、それなら一度能力を見せてもらえますか? というか、見てみたいです! 」


佐天「了解了解お安い御用っと......えっと、初春の足を床にくっつける! 」


佐天「どう? くっついた? 」


初春「わわっ、本当にくっつきましたよ!」


佐天「そりゃ、それが出来なきゃ能力者とは言えないし。というか、思ったんだけどこの能力って相当強い方の奴だよね。自分で言っちゃうのもなんだけど」


初春「確かに強力そうですよね。うーん、御坂さんや白井さんとどっちが強いのでしょうか? 」


佐天「まあ、競うことでもないからどっちでもいいけどね。それよりも、早くその二人にも知らせないと」


初春「ですね。それじゃあ、佐天さんがレベル4の能力を発現したって連絡しますねー」



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今日はスレ建てだけ

少し追加。

とある喫茶店

美琴「聞いたわよ佐天さん、レベル4の能力に目覚めたって」


黒子「まずはおめでとうですの」


佐天「えへへ、ありがとうございます。高位能力者のお二人にそう言われると、何だか照れますね」


美琴「レベルが上がったりした時は誰だってそんな感じよ。褒められたりすると結構恥ずかしいのよね」


初春「私だって能力が発現してレベル1に認定された時は、顔から火が吹き出そうなくらいでしたから。まあ、原因の殆どは佐天さんにありましたが......」


黒子「大方、みんなの前でお祝いとでも託けてスカートめくりをしたのですわね」


初春「まさしくそれです」


佐天「えっ、白井さんどうして分かったんです!? 」


黒子「......強いて挙げるとすれば、普段の行いですわね」


佐天「むむ、白井さんにそう言われるとは......不覚! 」


初春「反省の色、無しですよねこれ」


黒子「......まあいいですわ、各自ジュースも用意出来たことですし......」


美琴「佐天さんの能力発現を祝って」


乾杯!!!!

黒子「さて、乾杯も済んだところで、いよいよですわね」


佐天「はい......」


美琴「......佐天さんの能力、見せてもらえないかしら? 」


佐天「......ええ、いいでしょう。でも、それにはここは狭すぎます。広いところに移りましょうか」


美琴「了解したわ」


黒子「承知しましたの」





初春「皆さん、張り切ってますねぇ」


黒子「何と言っても、くっつけるだなんて変わった能力な訳ですし、気になるのは当然ですわ」


初春「白井さん、『文字通り』が抜けてますよ」


黒子「おや、これは失礼しましたの」


美琴「その四文字が付いているかそうじゃないかでだいぶ違いがありそうね」


佐天「やっぱり美琴さんもそう思いますよね。そのことも含めて確認しましょう」


美琴「それじゃあ、近くの河原にレッツゴーということで」


佐天「オー、ということで行きましょうか」

とある河原


美琴「さて、河原に着いた訳だけど......」


黒子「もう一度聞いておきますわ。佐天さん、貴女の能力は『文字通りくっつける』というもので正しかったですの? 」


佐天「イエス、これでファイナルアンサーです」


黒子「それでは、試しにこの石を水面とくっつける事は? 」


佐天「可能です。それではやってみます」


カチッ


佐天「......こういう感じです」


美琴「凄い......水と一緒に揺らいでる」


黒子「本当に......水に浮かぶ、もとい水面にくっついていますの」


初春「解除も出来るんですよね。私にしたみたいに」


佐天「うん、それじゃあ」


パチッ


佐天「ご覧の通り、石は沈んでいきました」

黒子「ほー、中々便利そうな能力ですわね」


佐天「まあ、パッと使い道が浮かぶかと言われれば、そういう事もないんですけどね」


黒子「そうですの? 何だか工場辺りでは大活躍しそうな能力だと思いますの」


佐天「一級組立士佐天さんの誕生ですね」


美琴「だけど......こんなものじゃないわよね。この能力はただ『くっつける』だけじゃなくて『文字通りくっつける』なんだから」


佐天「......ええ、その通りです。これから試します」


初春「試すって、一体どういったものをくっつけるつもりですか? 」


佐天「そうだなぁ、さっきみたいに物理的にくっつけるんじゃなくて精神的にくっつけてみたいな」


佐天「えーっと」


ジー


美琴「......こっちを見るということは」


黒子「......私とお姉さまを精神的にくっつけるつもりですの? 」


佐天「......お二人の許可が得られれば」


美琴「うーん、これはどうしたらいいものか......」


黒子「佐天さん、申し訳ありませんがそれは無理というものですの」


佐天「ですよねー。やっぱりそういった方面は難しいかな......」


黒子「いえ、そういった意味ではありませんわ。能力を行使しても、その変化が見られないという意味で無理と言いましたの」


初春「それって......」


黒子「そうですわ初春、私とお姉さまの心の距離は既にゼロ!! これ以上は近付きたくても近付けませんわ!!! 」


美琴「」


初春「」


佐天「......ああ、そっちでしたか。納得です」

ちょっとだけ投下

黒子「というわけでお姉さま、わたくし黒子めと熱いベーゼを......」


美琴「却下」


黒子「むむ、そういうことでしたら手段は選べませんわね......」


黒子「無理矢理にでも、お姉さまの唇を奪わせて頂きますの!! 」


美琴「......いい度胸ね黒子。自分の命が惜しくないのかしら? 」


黒子「ふふふ、今の黒子の戦闘力は53万、お姉さまの電撃も愛の力で乗り越えてみせますわ」


美琴「......上等よ! 」


黒子「いざっ! 」






佐天「あれ、何この展開。突飛過ぎて付いていけないんだけど」


初春「うーん、佐天さんの言葉で白井さんの中にある変態スイッチが入っちゃったんじゃないですか?」


佐天「見てるとそんな感じだよね。それじゃ......」


発動!



黒子「行きますわ! 常盤台に名を馳せる女怪盗こと白井黒子、お姉さまの心を盗み出し......ぐへっ」


佐天「責任を持って白井さんを止めないと」

佐天「あー、これはまあ......」


佐天「見事なコケっぷりですよね。顔から地面に突っ込んでいますし」


初春「ここがアスファルトの上じゃなくて良かったって感じですね」


佐天「あはははは......」


黒子「......グフッ、まさか横槍を入れられて果てるとは......不覚! ですの」


黒子「......」


美琴「......えっと、一応聞くけどこれは佐天さんの能力で......」


佐天「ええ、地面と足の裏をくっつけたんです。くっつけたことで足の動きは止まりますけど、上半身は動いたままなんで......」


美琴「勢いそのままに、前から突っ込んだと」


佐天「そういうことになりますね......」


「......」


佐天「あの、白井さん。......ごめんなさい。怪我とかは......」


黒子「いいですわ、元と言えばわたくしが悪ノリをしたことが原因なんですし、しょうがないですの」


佐天「うう、面目ない」


黒子「ところで佐天さん、わたくしは空間転移の能力者でありまして、その観点からして気になる事がございますの」

佐天「気になること、それは一体? 」


黒子「こうやって身体を特定の場所と『くっつけている』状態で、わたくしは転移することが可能か、ということですの」


美琴「ああ、成る程ね」


初春「確かにくっつく力が転移に逆らってまで発動し続けたら、白井さんの身体の一部が置いてけぼりになる可能性もありますしね。......想像しただけで吐き気が......」


佐天「うーん、どうなんだろう? 何の問題もなく転移出来るかもしれませんが、幾分リスクが大きいのでやめておくのが正解な気がしますね」


黒子「でしたら、能力解除をお願いしますの」


佐天「あ、わかりました。こうやって......」


パキッ


黒子「ありがとうですわ」


佐天「どう致しまして......って、あたしが言うのはおかしいですよね」


初春「気にしない、それが一番です」


美琴「それにしても、ただくっつけるだけでも相当優秀な能力みたいね」


黒子「おまけに『文字通り』が頭につくような『くっつかせ』も出来るのですから、レベル5に行くのも時間の問題かと思いますの」


佐天「あたしが......レベル5......」


佐天「......」


佐天「(そうだった、あたしの能力はただ物理的にくっつけるだけじゃなかったんだ)」


佐天「(文字通りくっつける能力、レベル5の力か......)」


初春「? 佐天さん、どうかしましたか? 」


佐天「(そしてこの状況......さっき迄の流れからして......)」



佐天「(......どうしても試してみたくなっちゃったな)」


初春「おーい、佐天さーん」


佐天「(ある人の性質を他人にくっつけることが出来るかどうか......それである人の方にその性質は残るのか......)」


佐天「(白井さんの変態さを御坂さんにくっつけて実験してみよう! )」

少ないです。これだけです。

夜にまた

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