御坂「で、あんたが学園都市第6位ってわけね」 俺「・・・・」 (190)

御坂「こんな見るからに弱そうな奴がレベル5だなんてねぇ・・・」

俺「・・・・」

御坂「ねぇ、ちょっとあんた、私と勝負しなさいよ」

俺「・・・俺に関わるな」ボソ

御坂「なんですってぇ!?」

俺「君の事は壊したくない・・・」

俺「頼むから俺に”能力”を使わせないでくれ・・・」

御坂「へぇ・・・言ってくれるじゃない・・・!」ビリ…ビリ…

俺「君が本気になって挑んでくるのなら、俺も俺自身を守るために能力を使わなざるを得ない・・・」

御坂「ふぅ~ん・・・それは楽しみ・・・ねッ!!!」ビリビリビリ!!

俺「っく!?」ズシャー!

(学園都市 とある公園)

??「いやー、ここが学園都市か。やっと着いたな。」
 
??「さーてと、とりあえずどこ行きゃいいのかな…」

自動販売機(バチッ!、ジーガー…、ゴトン)

??「お?なんか自販機にケリ入れてる人が…」

御坂「…」

??「あの人は確か…。おーい!!」

御坂「…?(誰よアイツ…見ない顔ね…)」

俺「頼むから退いてくれ・・・!俺は君の事を壊したくないッ!!」

御坂「ゴチャゴチャ言ってるだけならすぐに死んじゃうわよ!ほらっ!!」バリバリ!!

俺「・・・・ッ!!?」ズキリ!

俺「・・・俺は散々忠告したんだ。それでも君はやめないから・・・君が悪いんだ・・・」ゴゴゴ

??「いやはや、そこにいらっしゃるのは学園三位の能力者、(超電磁砲:レールガン)こと御坂美琴さんではございませんか」

御坂「だったら何よ…サインならお断りよ」

??「いやー、おれも運がいいなぁ。学園に来ていきなり会えるとは…」

御坂「(何よ、ファンか何か?シカトするに限るわね…こういうのは)」

??「どうも、おれは空希、詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだ。よろしくな。」

御坂「(はいはい無視無視。相手するとロクな事無いわ)」

詠矢「って、おいおい、どこ行くんだよ!」

詠矢(はぁ…会えたはいいがどうするかね…あ、そうだ!)

詠矢「ちょいと御坂さん」

御坂「…」

詠矢「それ、犯罪だ。」

御坂「…」

詠矢「電流を操作して自動販売機の回路を誤作動、そして無銭でに商品を手に入れる。普通に窃盗だ。違うか?」

御坂「…」

詠矢「いいのかなぁー、学園第三位の能力者とあろう人が、小銭ケチって窃盗なんて」

御坂「…」

詠矢「あんたは強くて、その振る舞いを周囲が容認してるのかも知れないが、こう公然と…」

御坂「うっさいわねぇ!!どうせもいいでしょそんな事!」

詠矢「いや、よくない。刑法的にも、社会的にも」

御坂「だいたい、アンタに何の関係があるのよ!!」

詠矢「俺が関係してようがいまいが、犯罪であることは揺ぎない事実だろうに」

御坂「(ビキッ…)何よ、喧嘩売ってるワケ?(バチッ)」

詠矢「…まあ、そんな感じ?」

御坂「…いい度胸ねぇ…。じゃあ、お望み通り私の電撃で躍らせてあげるわ(バチッ)」

詠矢「ちょちょ!ちょっと待って!5秒待って!」

御坂「何よ!今更逃げれるとでも思ってんの!?」

詠矢「いや、逃げるんじゃあなくて、5メートル離れただけ。5メートル」

御坂「?何言ってんの?私の能力知らないの?」

詠矢「いや、知ってる。ちゃんと調べてきた。超強力な発電能力だろ?」

御坂「知ってるなら、無駄だってわからない?…もういいわ、死んでなさい!!(バチバチッ)」」

詠矢「空気は絶縁体だ」

御坂「…?(あれ、おかしい、電撃が飛ばない)」

詠矢「ごく近い距離なら、空気中でも放電現象が起こりうる。しかしながら、これぐらい離れてればまず無理だ」

御坂「…!?(あれ、あれ、何度やっても飛ばない!!…電気はちゃんと起きてるのに!)」

詠矢「(効果アリ…!)」

御坂「…アンタ…なんかやったわね…」

詠矢「かも…ね」

御坂「能力…者…」

詠矢「そうかな」

御坂「…なんか、アンタ嫌な雰囲気ね。その軽口、後悔させてあげるわ!!…!!(最大級の電撃を!)」

詠矢「お…電圧を上げるか。いい判断だ。空気の絶縁限界は約300万V/m。そこまで電圧が上がるなら、有空気中でも電子雪崩が起こって雷がおちる。」

御坂「さっきからゴチャゴチャうるさいわね!!でも…これでっ!!(バチッ!…バリバリ!)

詠矢「但し!!空気中に放たれた電気は、一番近く、かつ一番電気抵抗の小さい物質に向かって流れる。」

自動販売機「(バチッ!!…ガガ…。プツン)」

御坂「えっ!?電撃が…」

詠矢「たとえばこの状況では!」

御坂「へぇ?やっと能力を使う気になったんだ?じゃ、早速お手並み拝見と行こうかしら!?」バチバチ!

俺「・・・俺は悪くない・・・俺は悪くないんだ・・・」

御坂「っ!?ちょっとあんた!!何ボーっとしてるのよ!!」

バチバチバチ!!

俺「・・・・・」シュゥウウウ・・・ポタ・・・ポタ・・・

俺『…”能力”を再構築する…』

俺『構築式を計算中・・・算出した構築式は不正・・・』

俺『データ取得・・・』

俺『Error:0x0000000A IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL』

詠矢「…窃盗に器物破損が追加される」

御坂「なによ…これ…どういうこと!?アンタ何したのよ!!」

詠矢「安心してよ。もう終わりだ。十分使えることがわかったから」

御坂「はあ?」

詠矢「ご協力ありがとうございました、ってこと。そんじゃまた」

御坂「ちょっと、アンタみたいな得体のしれない奴、このまま逃がすとでも思ってんの?」

詠矢「あ、いやいや、ゴメンゴメン。怒らせたことに対しては謝るからさ…」

御坂「うるさいっ!!電撃が飛ばないならこれよ!!(チャキ)」

詠矢「おおっと、コインということはレールガンか!えーっと、どうだっけかな(ポチポチ)」

御坂「…何スマホなんか見てるのよ…」

詠矢「いや、うろ覚えなもんで…。あった、電気伝導体の二本のレールの間にこれまた伝道物質を配置し、回路を形成して荷電することよってローレンツ力を発生させて…。てことはレールが要るのか」

御坂「レール?」

詠矢「そう、レール。安定した加速を行う為には、かなり長いレールが必要となる。そのコインは弾丸としては使えるよ。恐らく鉄にクロムをメッキしたものだろうから。けど、砲身が無い」

御坂「…空気中の物質をプラズマ化して、加速レールとする…簡単な話よ」

詠矢「え?空気をプラズマ化?いや、それなら伝導体にはなるけど飛散しちゃうし、空中に固定する方法がないと…」

御坂「関係ないわよ。今までだってそうやって来たし、今からもそうするわ!」

詠矢「(ヤベ!居直った!)。いや、だから、その、あの、ですね…原理が…」

御坂「うるさいっ!!!(ビシュゥゥゥゥ…ン!!!)」

詠矢「どおうわっ!!」

御坂「へえ…上手く避けたじゃない…」

詠矢「ヤバイヤバイ、ヤバイってマジで!」

御坂(さすがに威力は落としたけど、ホントに見事に避けた…)

詠矢(撃ちやがった…。論証が弱かったのか? だとしたら、別の切り口から…)

御坂「…さてと、アンタの能力、詳しく聞かせてもらうわ。さもなくば…消し炭にするわ。(チャキ)」

詠矢「そういえば、そろそろ昼時だけど、御坂サン、腹減ってないか!?」

御坂「あんたバカじゃないの?それとコレとに何の関係があるのよ!!」

詠矢「御坂サンが発電しているなら、発電機は体細胞だ。細胞活動のエネルギーは糖。血中の糖だ。」

御坂「…(あれ?なんか、体が…)」

詠矢「急激な血糖値の低下は発作を引き起こす。具体的な症状としては、大量の冷や汗、動悸、振戦、譫妄!!」

御坂「(冷や汗が止まらない…、何で急に…た、立ってられない!)(ガクッ)」

詠矢「いや、いろいろゴメン。えーっと…さっき盗ってたジュース、あ、あったあった。『黒豆サイダー』?。ま、糖度高そうだからこれ飲めば多分回復するよ」

御坂「ちょ…っと…待ちなさ…」

詠矢「んじゃ、失礼しまっす」

御坂「何あんた?全く手応ないわねぇ・・・。じゃあ最後に”超電磁砲”で終わりね」ピーンッ!

ぼわッ!!

御坂「きゃっ!?な・・なんで突然燃え・・・何これ・・・火?私が出してるの・・・!?ック!!」

シュンッ!!

御坂「ッ!?な・・・なんで・・・・」

御坂「なんで”電気”を出そうとしてるのに"火"が出たりあんたの前に"移動"したりしてるのよッ!?」

俺『・・・・』

白井「お姉さま!!お姉さま!!」

御坂「く…黒子…っ…」

白井「どうなさいましたの!?真っ青ですわよ!!」

御坂「ちょっと…それ…取って…」

白井「(缶ジュース?)は、はい、こちらですの?」

御坂「(プシッ)…(ゴクゴク)」

白井「…(ハラハラ)」

御坂「…ふう、ちょっと落ち着いた…」

白井「どうなされましたの?」

御坂「なんか変な奴に合って…、最初は追っ払ってやろうと思ったんだけど…」

白井「ま、まさか…お姉さまを退けたと?」

(ジャッジメント177支部)
初春「(ヨメヤ ソラキ)ですか…。在学者の名簿にはありませんね…(カタカタ)」

白井「しかし、自分から名前を名乗るとは大胆なお方ですわね」

御坂「聞いてもいないのに勝手に名乗ったのよね…。背格好からして、多分高校生ぐらいかなあ…」

初春「ダメです。中等部、高等部含めて検索しましたけどヒットしませんね」

白井「能力者なら、学園のバンクに登録があるはずですのに…まさか偽名?」

御坂「偽名なら、もっと普通の名前にするでしょうし…あ…そういえば」

白井「何か思い出されまして?」

御坂「学園に来ていきなりアタシに会ったって言ってた…もしかして…」

白井「学園都市に初めて来たと…初春!転入者名簿ですわ!」

初春「はい!!(カタカタ)あ、ありました!(詠矢空希 高等部1年)2日前に転入届が受理されたばかりです。また正式に生徒名簿には登録されてなかったみたいですね」

御坂「やっぱり高校生か。えーっとなになに…レベル0、無能力者。ただし学園での正式な測定は未実施…」

白井「外部での簡易検査では、能力は検出されなかったようですわね…」

御坂「なーんか、ますますよくわかんないわね」

白井「なんにせよ、お姉さまに危害を加えたことは事実。捨て置けませんわ…居場所さえ分かれば…」

初春「…あの…」

白井「何ですの?」

俺『AIMの値が正常な値と異なった。能力の破損。AIMの異常が原因。』

御坂「あ・・・あんた・・・私に何をしたのよ!!」

俺「・・・・・”能力障害"(システムエラー)。それが俺の能力・・・。」

初春「転入者名簿に顔写真があります。これを監視カメラの記録と照合すれば…」

白井「足取りが分かりますわ!流石ですわね初春」

初春「はい!ありがとうございます!では早速(カタカタ)、第7学区の、170号カメラの記録と照合できますね…5分前のログです」

白井「そこなら、ここのすぐ近くですわね…。私なら一瞬ですわ」

御坂「じゃあ、アタシも一緒に行くわ。このままじゃ気が済まないし!…って…と…(グラッ)」

白井「いけません!お姉さまはまだ本調子ではありませんわ。ここは黒子が…その殿方をひっ捕らえて、お姉さまの前に引き出して差し上げますわ!」

初春「それに、これはジャッジメントとしてのお仕事でもありますから、御坂さんはどうか休んでて下さい」

御坂「…わかった、今回ばかりはおとなしくしといたほうがよさそうね…」

白井「どうかご自愛下さいませ。では初春、正確な位置をお願いしますわ!」

初春「はい!」

(第7学区 路地裏)
店主「はーい、かけそばお待ちどう!」

詠矢「うーい、どうもー。(これからいろいろ物入りだろうし、節約しとかないとなあ)(ズルズル)」

詠矢「(しかしかけそば一杯じゃ腹膨れねえなあ、おにぎり食っちまうかなあ)(ズルズル)」

詠矢「(でもおにぎりまで買っちゃうと牛丼の方が安いんだよなあ)(ズルズル)」

詠矢「(腹減ってたから勢いで入っちまったけど、やっぱ牛丼屋探せばよかったかなあ)(ズルズル)」

詠矢「ごちそうーさまー」

店主「あい、まいどー」

詠矢「さて…転居申請だっけか。どこ行きゃいいのかな(ポチポチ)」

白井「ちょっと、そこのお方…」

詠矢「あ、はい?俺のことっすか?」

白井「詠矢空希…ご本人に間違いございませんこと?」

詠矢「ええ、まあ…間違いございませんが…どちらさん?(お、結構かわいいじゃねえの。中学生ぐらいかね…)」

白井「ジャッジメントですの!!(ビシッ)」

詠矢「ジャッジメント…えーっと、確か、学園内の治安維持に努める学生で構成された組織…だったかな」

白井「お分かりなら話は早い…。ジャッジメントの権限にてあなたを拘束します!」

詠矢「でーっ!!て、なんですかいきなり容疑者ですか!(流石にいろいろマズかったかな、さっきのは…)」

白井「あなたにはいろいろとお伺いしたいことがあります。素直に同行して頂けませんか?」

詠矢「…」

白井「…お答えなさい!」

詠矢「…俺の容疑は?」

白井「は?」

詠矢「俺が拘束されるのは何の容疑だって聞いてるんだよ」

白井「…いえ、まだ罪状が確定したわけではありませんが…」

詠矢「容疑者じゃなけりゃ、任意同行にすらならねえだろう。不審者への職質レベルなら、従う必要はねえよな…」

白井「いえ、あなたにはお姉さまに危害を加えたという疑いがありますわ!」

詠矢「お姉さま?って…もしかして、えー…あの第三位の人かな」

白井「そうですわ。ご本人の証言から、先ほどお姉さまと関わったのはあなたであることは明白!」

詠矢「そりゃ関わったかもしれんが、俺はあの人には指一本触れてない。因果関係が成立するか?」

白井「何らかの能力を使われたと、ほのめかしていませんのこと?」

詠矢「どうだったかなあ…。それに、俺はレベル0、無能力者だぜ?」

俺「もう君の能力は”壊れて”しまった・・・。君が悪いんだ・・・」

御坂「今度は風が・・・!っクッ!!止まらないッ!!ちょっとあんた!!なんとかしなさいよ!!!」ゴォオオオ!!

俺「一度”壊れて”暴走してしまった”異常能力”は・・俺にはどうすることも出来ない・・・」

俺「君にも決して制御出来ない・・・。”壊れて”しまった能力はもう誰も元には戻せないんだ・・・そう・・・」

御坂「腕が!!腕が千切れるッ~~~!!!」

俺「それが例え”神”だとしても・・・」

ブチッ!!

御坂「~~~~~~~~ッ!!!!あ”ぁ”あ”あ”あ”ああ”あ”あ!!!!」

白井「あなた…いろいろと面度なお方ですわね」

詠矢「昔から理屈っぽい性格でねえ。友達いねえんだこれがまた…」

白井「聞いてせんわそんなこと…。いずれにせよ、素直に従わないのはやましいことがある証拠!」

詠矢「いやー、権力側の人間っていつもそう言うんだよねえ」

白井「(イラッ)、では、同行していただけないと?」

詠矢「とりあえず、今の段階では『やだね』だ」

白井「では、力ずくですわね。やはりあなたを野放しには出来ません!!」(シュン!!)

詠矢「(消えた…?)…!!(って、いきなり目の前に!)」

白井「はっ!!(ガシッ)せいっ!!」

詠矢「(襟首と袖を!投げる気か…!!)よっと!(ババッ)」

白井「…!(引き手を切った!!体を裁いて釣り手も!!)…」

詠矢「あぶねえあぶねえ。テレポーターさんか…ちょっと離れさせてもらうぜ」

白井「やりますわね…、わたくしの捕縛術から簡単に逃れるとは…」

詠矢「一応心得はあるもんでね。さあ、どうする?いくら瞬間移動が出来ても、拘束するには俺を組み伏せる必要があるぜ?」

白井「他に方法はいくらでもありますわわ!いきますわ…」

詠矢「あーちょっと待ってくれ!!」

白井「…なんですの」

詠矢「テレポーターってさあ、瞬間的に位置を移動するわけだよな?」

白井「そうですわよ。それが何か?」

詠矢「転移先の物体はどうなるわけ?分子の重複とか起こらないのかな?」

白井「問題ありませんわ。わたくしの転移は…!(そういえばお姉さまがおっしゃってましたわ『ゴチャゴチャうるさい奴』と。まさか能力と何か関係が…)」

詠矢「えーっと、どう問題ないのかな?」

白井「…答える必要はありませんわ。あなたのご質問には何か別の意図を感じます」

詠矢「(あ、気付かれたか…。ま、しょうがない)いやあ、単なる好奇心だけどね」

白井「ご質問なら後で支部でゆっくりと。但し、わたくしの質問に答えて頂くのが先ですけど…(シュン)」

詠矢「…(また消えた、今度はどっから来る!)・・・どあっ!(上かっ!!)」

白井「(よし、倒しましたわ!。後は針で拘束!)…ふっ!!」

詠矢「(な!針!どっからあんなもん、投げる気か!)…!!(ゴロゴロ)」

白井「(キイン、タスタスタス)…!(針が地面に!転がって逃げた…)」

詠矢「…よいしょっと・・・。っとにあぶねえなあ…。手裏剣か。投げた…訳じゃなさそうだな」

白井「…」

詠矢「投げただけじゃ、金属の針がアスファルトに刺さるわけねえ。地面に向かって転移させた、ってとこか」

白井「あなた…何者ですの…」

詠矢「ただの理屈っぽい高校生ですよ」

白井「なら今のはどうやって避けたと…」

詠矢「いや、偶然あんたの手に針が見えたんでね。投げられるかと思ったんで転がって逃げた。そんだけさ」

白井「…たったそれだけのきっかけで…」

詠矢「だが、今のでわかった。テレポーターがどうやって転移先を指定しているか」

白井「…」

詠矢「指定先は『座標』だな。物を投げるのと同じ。『どの位置に向けて転移する』と指定して物体を送り込んでいる。俺が回避行動を取って針を避けられたのが証拠」

白井「それが…どうかしましたの?」

詠矢「座標なら、対抗する方法はある。要するに、狙いを定めさせなければいい(ザッ)常に動きまわってる対象には、当てにくいはず!(ダッ)」

白井「く…!(どういうことですの!針が当たらない…。この状態では細部を狙って拘束するのは無理ですわ!)…仕方ありません!多少の怪我は覚悟して頂きます!」

詠矢「しかも、銃弾や投擲と違って到達点までの軌道がない。つまり!!」

白井「(方向転換する瞬間なら、動きが止まはず。直接体に針を!)…そこっ!!(シュン)」

詠矢「相手に近づいても、流れ弾に当たる心配はねえ!一旦狙いをつけさせれば、距離を詰めた方が有利!!(ザッ)」

白井「(まさか!いきなりこっちに向かって!外したっ!!)…!」

詠矢「どっせい!!上段正拳!!」

白井「…!!(ダメ!演算が間に合わない!!)」

詠矢「…」

白井「…」

詠矢「あー…」

白井「…え?…(寸止め?)」

詠矢「殴るつもりはなかったんだわ。忘れてた…」

白井「…(ガシッ)…(シュン)」

詠矢「のごあっっ!(なんだ、いきなり頭から落ちた!?)」

白井「…(キイン)…(タスタスタス)…ふう、拘束完了ですわ」

詠矢「ひでえなー、転移した対象の方向まで変えられるのか。受け身とれねえっての…」

白井「手こずらせてくれましたわね…」

詠矢「いやー、ゴメン。悪気はなかったんだけどねえ。『論証』に入るとつい熱くなっちまって」

白井「では、おとなしくご同行して頂けると?」

詠矢「はいはい、転がされて、一張羅の袖口を縫い付けられて抵抗する気力もございません。どこなりとお連れ下さい」

白井「最初からおとなしくそうおっしゃっていれば…。とりあえず、あなたの能力、手短にご説明いただけます?」

なんかこの再放送違うくね?
ところどころ改変してんだろ

詠矢「…」

白井「…」

詠矢「あー…」

白井「…え?…(寸止め?)」

詠矢「殴るつもりはなかったんだわ。忘れてた…」

白井「…(ガシッ)…(シュン)」

詠矢「のごあっっ!(なんだ、いきなり頭から落ちた!?)」

白井「…(キイン)…(タスタスタス)…ふう、拘束完了ですわ」

詠矢「ひでえなー、転移した対象の方向まで変えられるのか。受け身とれねえっての…」

白井「手こずらせてくれましたわね…」

詠矢「いやー、ゴメン。悪気はなかったんだけどねえ。『論証』に入るとつい熱くなっちまって」

白井「では、おとなしくご同行して頂けると?」

詠矢「はいはい、転がされて、一張羅の袖口を縫い付けられて抵抗する気力もございません。どこなりとお連れ下さい」

白井「最初からおとなしくそうおっしゃっていれば…。とりあえず、あなたの能力、手短にご説明いただけます?」

詠矢「すいません、せめて立って話したいんですがー」

白井「口まで拘束した覚えはございません。そのままでどうぞ」

詠矢「うわ地味にひでえ」

白井「で、なんですの?あなたの能力。お姉さまの言った通り、あなたの言葉を聞いてると調子が狂いましてよ?」

詠矢「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれました!。俺の能力はなあ!『論証を立てることによって、相手の能力を変質させる力』だ!」

白井「変質?まさそのような能力が…」

詠矢「いや、今日俺は確信に至った。この能力は間違いなく有る。そして、おれはこの力をこう名付けた。絶対反論(マ ジ レ ス)と!!!!」

白井「最低のネーミングセンスですわね…」

詠矢「あ、ダメかな?でも気に入ってるんで変えねえぞ」

白井「ご自由に…。ですが、もしその力が本当なら、かなり特殊な能力ですわね。まさか、パーソナルリアリティに干渉する力…?」

詠矢「はい?ぱーそなる・・・りありてぃ?

白井「そういえば、学園に来られたばかりでしたわね。ご存知無いでしょう。ご心配無くとも、カリキュラムの中で習いますわ」

詠矢「はあ…ソウナンデスカ。楽しみにしときます…」

白井「では、連行致します。よろしいですの?(ガシッ)」

詠矢「えー、あ、そうか。転移するんですな。接触者と同時転移も可能とは便利ですなあ」

白井「わたくしはレベル4ですのよ。これくらいは朝飯前」

詠矢「あ、でもでもさあ!」

白井「なんですの…行きますわよ…」

詠矢「こうやって、移動するときに、おれだけ上空に転移させられるとさあ」

白井「え?・・・(シュン)」

詠矢「死ぬしかないよなあ…(シュン)」

ジャッジメント177支部)
白井「(シュン)」

初春「あ、おかえりなさい!どうでしたか?」

御坂「結構時間かかったわねえ…、て、黒子1人なの?」

白井「へ?…1人?」

初春「あれ、もしかして取り逃がしちゃったとか…」

白井「あ………」

御坂「…?」

白井「あ…あわあわわわわわわわわ!置いてきてしまいましたわ!!」

初春「置いてきたって…どういうことですか?」

白井「た、確かに接触して転移しましたの!でもわたくしだけが戻ってきたということは!どこかに…」

御坂「まさか、黒子の能力が暴発したっていうの?…え、じゃあ、置いてきたってどこに?」

白井「え…、どこと申されましても…あ!上空ですわ!」

御坂・初春「上空!?」

詠矢「あー、おれ落ちてるなあ…」

詠矢「うわこれどうしょうもなくね?…」

詠矢「…」

詠矢「……つまんねえ人生だったなー……」

いろいろと申し訳ありませんでした。
次からはSS速報でやります。
お目汚し失礼しました。

>>83
ちょっと前の再放送のログから引っ張ってきたからか改変されてた
途中で気付いてちゃんと原作のログからにしたよ

上条「ん…あれは…ビリビリ!?」

タタタッ!

上条「おいッ!大丈夫かビリビリッ!!」キュオン!

御坂「はぁ…はぁ…やっと止まった…」

上条「お前…右腕はどうしたんだ…!?」

御坂「あ…あいつの能力にやられて…」

俺「………」

上条「あいつがビリビリを…ッ!!」

上条「うぉおおおお!!」

俺「いつかこの恐ろしい能力で世界を滅ぼしてしまうかもとか・・・!」

一方通行「気をつけるべきだな、それが、強力すぎる能力を持つものの義務・・・!」

俺は一方通行の言葉を頷くけど実はそれに同意してはいなかった。

俺「義務だと・・・?俺に義務はない、あるのは権利だけ」

一方通行「強者のセリフだな」ギリ

一方通行は不快感を感じたのか臨戦態勢に変わった。

俺「闘う気か・・・?俺と」

――正気ではなくなったか、一方通行。

――いくら第一位と言えども、俺に勝つことは不可能なんだが・・・。

その考えを悟ったのか一方通行は不機嫌なカオになる。

一方通行「いつまでもなめてんじゃねェよ・・・!」

一方通行「お前の能力はたしかに最強だ。だがな・・・」

一方通行「そこには、穴がある!!」

俺「なんだと?」

――デマカセだ。確実に。

次の瞬間、一方通行が突っ込んできた。

一方通行のパンチがほとばしる・・・!

ばっしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!!!

一方通行「ククッ」

しかし・・・・・・



俺「虫が止まったか?」

無傷だった。あたりまえだ、この素晴らしい能力の前では艦載ミサイルさえ無力。

一方通行「そんなことはわかってるんだよォォォォォォ!」

だが、それは一方通行もわかっていた。いわゆる周知の事実だった。
一方通行は2撃目を放った。
それは、風をコントロールしたことによる竜巻攻撃・・・・!

俺「ふん・・・なかなかやるな」

御坂「今よッ!!」シャ!

ブシュッ!!

上条「うぁああああああ!」ゴロゴロ

上条「何すんだビリビリッ!!」

御坂「あんたの"右腕"…ッ!頂いたわ!!」

俺「ほぉ…"幻想殺し"か。面白い…」

俺「カトリーナを消し去ったときを思い出すな、及第点はやろう」

俺は耐えていた。耐えるというよりも、まあやはりというか無傷だった。

だが――



一方通行「それもわかっていた」

そう、これも捨て駒攻撃。いわゆる次への布石だった。
一方通行は待っていたのだ、俺の気が緩む一瞬を。


一方通行「その一瞬に、叩き込む、全てを!!!」




その攻撃は、もはや形容できない。
力――「エネルギー」――そのものだった。
これは、流石の俺も・・・・・?

キュイイイイイイイイイイイイン

エネルギーの球体が迫り来り、あたりの建物がなぎ倒されていく。
人々は恐れおののき、しかし恐れるだけでは運命は変えられない。
どんな天災よりも恐ろしい人災、一方通行という悪魔。
それを俺は暫く眺めていた。その身体は震えていた。



しかし、それはいわゆる武者振るいというやつだった。



だって、そうだろう?

――ひさしぶりに全力が出せるんだから。


俺「能力、解放」

次の瞬間、人々は救いを見た。

・御坂「(……誰よアイツ…?見ない顔ね…)」のパロSSです
・オリキャラメインです。勝手に設定した能力者が出ます。
・原作は読んでません。細かい設定はよくわかりません。
・アニメのレールガンまでは見ました。禁書の2期は視聴中です。
・詠矢が崩壊してるかも知れませんがご容赦を

以上です。始めます

(学園都市 とある公園)

??「いやー、ここが学園都市か。やっと着いたぜ」

自動販売機(バチッ!、ジーガー…、ゴトン)

??「ってーと、とりあえずどこ行きゃいいのかね…お?なんか自販機にケリ入れてる人が…」

御坂「…」

??「あの人は確か…。おーい!!」

御坂「…?(誰よアイツ…見ない顔ね…)」

??「いやいや、そこにいらっしゃるのは学園三位の能力者、(超電磁砲:レールガン)こと御坂美琴さんではないでしょうか?」

御坂「だったら何よ…サインならお断りよ」

??「いやいや、おれも運がいい。学園に来ていきなり会えるとはねえ…」

御坂「(何よ、ファンか何か?シカトするに限るわね…こういうのは)」

??「いやどうも、おれは詠矢…詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだよろしく…な…!?」

御坂「(はいはい無視無視。…ん?)」

詠矢「(なんだ…これは?)」

詠矢「(おれは今日初めて学園都市に来て…今初めて御坂サンに出会ったはずなのに)」

詠矢「(何故おれは今のセリフを”覚えていた”?)」

詠矢「……?(この記憶……どこかで……)」

御坂「ちょ…ちょっと、あんた何なの?いきなり話しかけてきたかと思えば…」

詠矢「いやあ、何でもない、何でもない。最近頭痛がひどくってね…」

御坂「(何なのコイツ…)あっそ、悪いけど私急いでるから」

詠矢「…!おいおいどこ行くんだ!(せっかく会えたんだしチャンスを生かさないと…どうするかね…)…ちょいと御坂サン」

御坂「…」

詠矢「それ、犯罪だろ?」

御坂「…」

詠矢「電流を操作して、自動販売機を誤作動させ、金を払わずに商品を手に入れる。普通に窃盗だよな?」

御坂「…」

詠矢「いいのかねえ、学園第三位の能力者とあろう人が、小銭ケチって窃盗なんて」

御坂「…」

詠矢「あんたは強くて、その振る舞いを周囲が容認してるのかも知れないが、こう公然と…」

御坂「うっさいわねぇ!!どうせもいいでしょそんな事!」

詠矢『いや、よくないっしょ。刑法的に』

ザザッ

詠矢「(ぐッ……う……!?)」

御坂「だいたい、アンタに何の関係があるのよ!!」

詠矢「…俺が関係してようがいまいが、それが犯罪であることは事実」

御坂「(ビキッ…)何よ、喧嘩売ってるワケ?(バチッ)」

詠矢「…まあ、そんな感じかな」

御坂「…いい度胸ねぇ…。じゃあ、お望み通り私の電撃で躍らせてあげるわ(バチッ)」

詠矢「ちょちょ!ちょっと待って!」

御坂「何よ!今更逃げれるとでも思ってんの!?」

詠矢「(覚えてる…)」

詠矢「(俺はこの瞬間をすでに”経験”している?)」

詠矢「……いや、違う。ちょっと離れただけ。5メートルも有れば十分かな」

御坂「?何言ってんの?私の能力知らないの?」

詠矢「いや、知ってる知ってる。ちゃんと調べてきた。超強力な発電能力だよな?」

御坂「知ってるなら、無駄だってわからない?…もういいわ、死んでなさい!!(バチバチッ)」」

詠矢「大丈夫、空気は絶縁体だ。ここまでは届かない」

御坂「…?(あれ、おかしい、電撃が飛ばない)」

詠矢「ごく近い距離なら、空気中でも放電現象が起こる場合は有るけど、これぐらい離れてればまず大丈夫」

御坂「…!?(あれ、あれ、何度やっても飛ばない!!…電気はちゃんと起きてるのに!)」

詠矢「(そう、効果アリ…おれは、この結果を知っている…)」

詠矢「(今なら御坂サンのことなら手に取るように分かる…さながら何度もリアルなシミュレーションを行っているみたいだな)」

御坂「…アンタ…なんかやったわね…」

詠矢「……」

御坂「能力…者…」

詠矢「…そうなるかな」

御坂「…なんか、アンタ嫌な雰囲気ね。その軽口、後悔させてあげるわ!!…!!(最大級の電撃を!)」

詠矢「…電圧を上げてるのか?それはいい判断だ。空気の絶縁限界を超える約300万V/mが有れば空気中でも電子雪崩が起こって雷を起こすことが出来る。……但し」

御坂「さっきからゴチャゴチャうるさいわね!!でも…これでっ!!(バチッ!…バリバリ!)

詠矢「空気中に放電された電気は、一番近くにある電気抵抗の少ない物質に向かって流れる。この状況では…」

自動販売機「(バチッ!!…ガガ…。プツン)」

御坂「えっ!?電撃が…」

詠矢「……」

詠矢「窃盗に器物破損が追加…か」

御坂「なによ…これ…どういうこと!?アンタ何したのよ!!」

詠矢「……なあ、御坂サン。アンタは予知夢って信じるかい?」

御坂「は?」

詠矢「なんかさ、おれ今まさにその感覚なんだよね。俺はもうこの瞬間を何度も何度も何度も体験している…かもしれない」

御坂「…何が言いたいの?」

詠矢「……」

詠矢「いや…もういいんだ、こいつが十分使えることわかったし」

御坂「はあ?」

詠矢「ご協力ありがとうございました。そんじゃまた」

御坂「ちょっと、アンタみたいな得体のしれない奴、このまま逃がすとでも思ってんの?」

詠矢「…ゴメンゴメン。怒らせたのは謝るからさ…」

御坂「うるさいっ!!電撃が飛ばないならこれよ!!(チャキ)」

詠矢「おっと、そいつはレールガンか……」

御坂「…ナニよ、急に黙り込んで…」

詠矢「……レールガン。電気伝導体の二本のレールの間にこれまた伝道物質を配置し、回路を形成して荷電することよってローレンツ力を発生させて打ち出す…。そして…」

詠矢「今御坂サンの持ち合わせはそのコインだけ。つまりレールがないのさ。伝導物質、コインを飛ばすためのね」

御坂「はい?レール?」

詠矢「安定した加速を行う為には、かなり長いレールが必要となる。コインは恐らく鉄をクロムメッキしたものだろうから弾丸としては使えるけど、砲身が無いのが問題だな」

詠矢「大方、空気中の物質をプラズマ化して無理やりレール化してたんだろうなあ…」

御坂「(…な、まだ能力を発動させてすらないのに、私の能力をここまで的確に当てるなんて…)」ゾクッ

詠矢「とにかくさ、今の俺とやりあうだけ無駄ってわけ…」

御坂「…私は今までこのやり方でやってきた。アンタにとやかく言われる筋合いはないわ。それにアンタ…このままみすみす逃がすわけにはいかなくなったから」

詠矢「いやあ、ダメなんだなそれが……やってみればわかるよ」

御坂「うるさいっ!!死っねえええええぇぇ!!(ビシュゥゥゥゥ…ン!!!)」

詠矢「よっとと」ヒョイッ

御坂「な…あ…(避けられた…威力は少し落としたものの、完璧に…)」

詠矢「…そろそろ昼時だが、御坂サン、アンタ腹は減ってないかい?」

御坂「…あんたバカじゃないの?何の関係があるのよそんなこと!!」

詠矢「御坂サンが発電を行っているとして、電気を発生させてるのは体細胞だ。だとすれば、発電のために大量のエネルギーが必要になる。細胞活動のエネルギーは糖。血中の糖だ。空腹時は危険だぞ…」

御坂「…(あれ?なんか、体が…)」

詠矢「…急激な血糖値の低下は発作を引き起こす。具体的な症状としては、大量の冷や汗、動悸、振戦…譫妄」

御坂「(冷や汗が止まらない…、何で急に…た、立ってられない!)(ガクッ)」

詠矢「…いろいろゴメン。さっき盗ってたジュース、『黒豆サイダー』。ま、糖度高いからこれを飲んで安静にすれば治るよ」

御坂「ちょ…っと…待ちなさ…」

詠矢「……」スタスタ

白井「お姉さま!!お姉さま!!」

御坂「く…黒子…っ…」

白井「どうなさいましたの!?真っ青ですわよ!!」

御坂「ちょっと…それ…取って…」

白井「(缶ジュース?)は、はい、こちらですの?」

御坂「(プシッ)…(ゴクゴク)」

白井「…(ハラハラ)」

御坂「…ぷはっ。ありがとう黒子…」

白井「どうなされましたの?」

御坂「なんか変な奴に合って…、最初は追っ払ってやろうと思ったんだけど…アイツ…」

白井「ま、まさか…お姉さまを退けたと?」

御坂「…」

白井「お、お姉さま?」

御坂「あ、あの目…」

白井「?」

御坂「あの全てを知っているかの様な目、まるで脚本を棒読みしたかのような口調…」

御坂「あいつが…怖い……何を考えているのかわからない」ブルブル

白井「お、お姉さま…」

白井「…これは、ジャッジメントとして対応する必要がありますわね。お姉さま、相手の特徴は覚えていらして?」

御坂「うん、それは覚えてる…。黒縁メガネで、眉毛が太くて…」

白井「支部で詳しくお聞きします。移動しましょう」

(ジャッジメント177支部)
初春「(ヨメヤ ソラキ)ですか…。在学者の名簿にはありませんね…(カタカタ)」

白井「しかし、自分から名前を名乗るとは大胆なお方ですわね」

御坂「……」

初春「ダメです。中等部、高等部含めて検索しましたけどヒットしませんね」

白井「能力者なら、学園のバンクに登録があるはずですのに…まさか偽名?」

御坂「……あ、」

白井「何か思い出されまして?」

御坂「学園に来ていきなりアタシに会ったって言ってた…もしかして…」

白井「学園都市に初めて来たと…初春!転入者名簿ですわ!」

初春「はい!!(カタカタ)あ、ありました!(詠矢空希 高等部1年)2日前に転入届が受理されたばかりです。また正式に生徒名簿には登録されてなかったみたいですね」

御坂「やっぱり…」

白井「レベル0、無能力者。ただし学園での正式な測定は未実施…」

白井「…外部での簡易検査では、能力は検出されなかったようですわね…」

御坂「…あいつが私の能力について喋るにつれて、私の能力がおかしくなったわ…もしかしたら、あれが能力なのかも…」

白井「他人のパーソナルリアリティに干渉する能力ですの?なんにせよ、お姉さまに危害を加えたことは事実。捨て置けませんわ…居場所さえ分かれば…」

初春「…あの…」

初春「転入者名簿に顔写真があります。これを監視カメラの記録と照合すれば…」

白井「足取りが分かりますわ!流石ですわね初春」

初春「はい!ありがとうございます!では早速(カタカタ)、第7学区の、170号カメラの記録と照合できますね…5分前のログです」

白井「そこなら、ここのすぐ近くですわね…。私なら一瞬ですわ」

御坂「く、黒子、一人は危険よ!あいつは本当に何を考えてるのかわからないから……」

白井「…大丈夫ですの。伊達にジャッジメントを任されてないですので…。ここは黒子が…その殿方をひっ捕らえて、お姉さまの前に引き出して差し上げますわ!」

初春「それに、これはジャッジメントとしてのお仕事でもありますから、御坂さんはどうか休んでて下さい」

御坂「…わかった、今回ばかりはおとなしくしといたほうがよさそうね…」

白井「どうかご自愛下さいませ。では初春、正確な位置をお願いしますわ!」

初春「はい!」

(第7学区 路地裏)
店主「はーい、かけそばお待ちどう!」

詠矢「うい、どうもー。(今日の昼…)(ズルズル)」

詠矢「(御坂サンと対峙した時、俺には間違いなくあの時の記憶があった)(ズルズル)」

詠矢「(でも気がかりなのは…会話がほぼおれの記憶と一致する中で所々御坂サンの発言とおれの記憶に齟齬があったことだ)(ズルズル)」

詠矢「(おれがおれ自身の記憶と違う行動をとったから…)(ズルズル)」

詠矢「(あー、どんな行動にも新鮮味が感じられねえな。テンション上がんねえや)」

詠矢「(まあ、どちらにせよ……)(ズルズル)」

詠矢「俺の行動を誰かに決定されるってのは…気に食わねえなあ」カタッ

詠矢「ごっそさん」

店主「あい、まいどー」

詠矢「さて…転居申請だっけか。…あそこだったか」

白井「ちょっと、そこのお方…」

詠矢「…俺のことっすか?」

白井「詠矢空希…ご本人に間違いございませんこと?」

詠矢「ええ、まあ…間違いございませんよ”白井黒子サン”」

白井「…!!(この御仁、何故わたくしの名前を…!?)」ビクッ

詠矢「まあそう怖がらんでくれよ。今のおれにはさ、ちょっとした予見性が備わっているってだけ……」

白井「(予見性…予知能力(ファービジョン) の能力者ですの?)…そんなこと関係ありませんわ。ジャッジメントの権限にてあなたを拘束します!」

詠矢「…強制連行か?」

白井「いいえ、決してそう言っているわけではありませんの。あなたにはいろいろとお伺いしたいことがあります。素直に同行して頂けませんか?」

詠矢「…」

白井「…お答えなさい!」

詠矢「…俺の容疑は?」

白井「…御自身に見覚えはなくて?」

詠矢「…御坂サンのことなら謝る。おれも動揺してたんだ…」

白井「では、あなたにはお姉さまに危害を加えたという容疑を認めるのですね?」

詠矢「え、あーいやいや。そりゃ関わったかもしれんが、俺はあの人には指一本触れてない。因果関係が成立するか?」

白井「それは何らかの能力を使われたと、ほのめかしていませんのこと?」

詠矢「…さあなあ。それに、俺はレベル0、無能力者だぜ?」

白井「あなたがこの学園都市で正式な測定を行っていないという情報はすでに掴んでますの。それに、お姉さまに少しでも悪いと思っていらっしゃるならこちらの言うことに従うのが筋ではなくって?」

詠矢「いや、あっても距離とられるだけだって…」

白井「あなた…いろいろと面度なお方ですわね」

詠矢「昔から理屈っぽい性格でねえ。友達いねえんだこれがまた…」

白井「聞いてせんわそんなこと…。いずれにせよ、素直に従わないのはやましいことがある証拠!」

詠矢「…権力側の人間っていつもそう言うんだよねえ」

白井「(イラッ)、では、同行していただけないと?」

詠矢「はあ……まあちょっと待ってよ」

詠矢「(結局この結果に収束すんのな…さて…)」

詠矢「(おれの”記憶”ではこの先同行を拒否するおれと白井サンが対決することになる、が…)」

詠矢「(御坂サンに加えて白井サンまで巻き込むのは面倒だな…)」

詠矢「(それに、俺の記憶と大幅に違う行動をとるとどうなるかも知っておいて損はないかなあ…うーん、よし)」

詠矢「……とりあえず、今は『行こう』ということにしておこうかな」

白井「…最初からおとなしくそうおっしゃっていればよかったんですの」

白井「それでは手につかまってくださいまし」

詠矢「(白井さんの能力は…空間移動(テレポート)。『座標』を指定することで瞬間移動する。物を投げるのと同じ。『どの位置に向けて転移する』と指定して物体を送り込んでいる…っとこんなもんか)」

詠矢「(もう記憶の底に染みついちまってら…。これじゃあ勝負もクソもない)」シュンッ

(ジャッジメント177支部)

白井「容疑者を連れてきましたわ」シュンッ

詠矢「だから容疑者じゃねえって…」シュンッ

御坂「……ッ!」ガタッ

詠矢「うおっと、まあ落ち着いてくれよ。争いに来たわけじゃないんだからさ…。あと早く帰れるよなおれ?」

白井「それはあなた次第ですの。…では早速聞き取りをしましょう」

白井「一つ目。とりあえず、あなたの能力、手短にご説明いただけます?」

詠矢「よくぞ聞いてくれました。…俺の能力は、『論証を立てることによって、相手の能力を変質させる力』だ」

白井「変質?まさそのような能力が…」

詠矢「いーや。おれはすでにずっと前から確信していた。この能力は間違いなく有る。そして、おれはこの力をこう名付けた。絶対反論(マ ジ レ ス)と!!!!」

白井「最低のネーミングセンスですわね…」

詠矢「そう言われるのも知ってるよ。でも気に入ってるんで変えねえぞ」

白井「ご自由に…。ですが、もしその力が本当なら、かなり特殊な能力ですわね。やはり、パーソナルリアリティに干渉する力…?」

詠矢「パーソナルリアリティ…」

詠矢「なあ、その”パーソナルリアリティ”ってのは一体何なんだ?おれの記憶にもないもんでね」

白井「そういえば、学園に来られたばかりでしたわね。ご存知無いでしょう。ご心配無くとも、カリキュラムの中で習いますわ」

詠矢「いやあ、ここで知らない情報は今補完しときたいからね。簡単でいいからさ」

白井「…」ハア

白井「…パーソナルリアリティというのは、要は超能力を発動するための土台のようなものですの。例えば『手から炎を出す可能性』『他人の心を読む可能性』のように
現実では決して起こり得ないことを”自分だけが観測可能な世界”として認識するということ」

詠矢「へえ」

白井「パーソナルリアリティは個々人によって千差万別ですの。それに”自分だけが観測できる”ということは”他の誰にも干渉できない”ということですの。つまり…」

詠矢「おれがそのパーソナルリアリティを操作して相手の能力を狂わせた、ってところか」

白井「察しが早くて助かりますの。でも人によって違うパーソナルリアリティに干渉できるというのはおかしいですの。きっと何か…」

御坂「…ちょっと待って」

御坂「アンタが昼私と対峙した時、もう一つ大きな違和感があったわ」

御坂「アンタ…どうやって私の能力を見ずに見破ったの?」

詠矢「……」

白井「そういえばそうでしわた…。まさか、パーソナルリアリティへの干渉は能力ではなく、実はそちらがあなたの能力だと…?」

詠矢「はー、甘い甘い甘いなー白井サンは」

白井「」イラッ

詠矢「おれが予知できるのは”決まった未来だけ”だ。他の”あったかもしれない世界”や”体験してない事象”については知らない、パーソナルリアリティのおうにね」

詠矢「それにこの症状がでたのは学園都市にきてからだからな…クックッ、いやはや、世の中不思議なこともあるもんだ」

白井「なにを笑ってらっしゃるのですの」

詠矢「いやね、ここにきてからやっと新鮮な出来事を味わえたモンでね。ちょっとテンションがあがっただけ」

白井「気持ち悪いお方ですわね…つまり私が話しているこの瞬間は、あなたのいう”決まった未来”ではないんですの?」

詠矢「まあ、そういうことだわな…いやあ、相手の行動が分からないってのもなかなかいいモンだね、うん」

御坂「……」

白井「それで、そちらはどこまで未来が視えているんですの?」

詠矢「ああ…うん、なんつーかね」

詠矢「……空を舞ってるところ?」

御坂「は!?」

白井「一体どれだけアクロバティックな方なんですの…。」

詠矢「いやおれも飛びたくて飛んだわけじゃなくてさ、なんか白井サンが原因っぽいのよ」

白井「わたくしが?」

詠矢「そ、なんかテレポートに失敗したとかで」

白井「わたくしはよほど不調でない限りそんなミスはいたしませんわ」

御坂「もしかしたらそれもコイツの能力じゃ…」

白井「そうかもしれませんわね…」

詠矢「まあさ、おれとしてはそんなことにはならないように行動したいわけ。だからテレポーターの白井サンがいるといつ飛ぶか怖くってね…」

白井「失礼なことを…」


―――――――――――

―――――――――――

詠矢「あのー…そろそろ帰ってもいいおれ?」

白井「そうですわね。今日の尋問はここまでにしときましょう」

御坂「…!待った!」

詠矢「おっと、どうしたかな御坂サン」

御坂「…私はあんたを認めない。次は、次こそは絶対あんたをコテンパンに叩きのめすから覚悟しときなさい!」

詠矢「うおーこえーな御坂サン…そもそもおれは既にあんたの能力を『論証済み』だぜ?」

御坂「関係ない。合理性にのっとった上であんたを倒せばいいんだから」

詠矢「まあめんどくさいのは嫌なんだけど…この詠矢空希は敗者の相談はいつでも受け付けますぜ」

御坂「誰が敗者だコラァァァァ!!」ビリビリィィ

詠矢「どおうわっ!!ちょちょ、ヤバイヤバイ、ヤバイってマジで!」

白井「お二方ともその辺に…。今日はこれで解散ですの」



初春「あのー…もう終わりました?」

詠矢「いやあー初日から大変な目にあったもんだ」

詠矢「でもこれで未来の流れは変わったはずだし、なんとかなる、かねえ…」

詠矢「…あ、猫だ」

ニャー

詠矢「…猫を追うのは予定外の行動だから…いちおうおっとくか」


詠矢「おいお前、ちょ、速いっての…てかここ路地裏だし…」

ニャー

詠矢「…?なんだ、この臭い…」

詠矢「……血生臭い?」

俺「もう君の能力は”壊れて”しまった・・・。君が悪いんだ・・・」

御坂「今度は風が・・・!っクッ!!止まらないッ!!ちょっとあんた!!なんとかしなさいよ!!!」ゴォオオオ!!

俺「一度”壊れて”暴走してしまった”異常能力”は・・俺にはどうすることも出来ない・・・」

俺「君にも決して制御出来ない・・・。”壊れて”しまった能力はもう誰も元には戻せないんだ・・・そう・・・」

御坂「腕が!!腕が千切れるッ~~~!!!」

俺「それが例え”神”だとしても・・・」

ブチッ!!

藤原竜也「~~~~~~~~ッ!!!!あ”ぁ”あ”あ”あ”ああ”あ”あ!!!!」

ニャー

詠矢「…この先に何かある」

詠矢「一体なんだって…ッ!?」



詠矢「……なんだこれ」

詠矢「ひ、人が…死ん……」

詠矢「(いやいやありえねえだろこんなの!なんで引っ越し初日からなんてモンに遭遇してんだ!)」ニャー

詠矢「(こんなの普通じゃない…ひとまず、離れ……)」

「なんだァ…誰かいやがンのか」

詠矢「ッ!?」

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