男「婚約者?俺に?」(1000)

爺「うむ。まぁ婚約者というか、昔から決まっていたというか。」

男「なんだよそれ?そんな話聞いたこと無いぞ。」

爺「いや、言う必要がないと思ってたんじゃがな…」

男「普通当事者には話すだろ!っていうかなんで今日話してくれたの?」

爺「それは、今日決まったからじゃ。」

男「いやいやいや待てよ爺ちゃん。どういうことだよそれ?」

爺「今から順を追って話すから落ち着いて聞くんじゃ。いいな?」

爺「家の祖先が誰だかはお前も知っとるよな?」

男「知ってるけど、今関係無いだろ。」

爺「関係あるから話とるんじゃ。誰だか言うてみい。」

男「いや、だから桃太郎だろ?吉備津なんて珍しい苗字だしさ。」

爺「じゃあお前が知っとる桃太郎とはどんな話じゃ?」

男「? 桃太郎が手下つれて鬼が島の鬼倒す話だろ?だから何の関係があるんだよ?」

爺「順を追って話すと言うとろうが!黙って聞けい!」

男「分かったよ。で桃太郎がどうしたの?」

爺「その話な…実は全部嘘じゃ。」

男「はぁあ?」

男「んなわけないだろ。日本の誰でも知ってる話だぞ。」

爺「だから初代桃太郎が嘘付いたんじゃよ。日本中にな。」

男「なんでそんなことしたんだよ?」

爺「桃太郎は確かに鬼が島には行った。そこまでは正しい。
  じゃがここからがおとぎ話と180度違う。」

男「まさか鬼と恋に落ちたとかじゃないよなwwww」

爺「ほう、よく分かったな。まさしくその通りじゃ。」

男「マジ…?どんだけ変態だよご先祖様。」

爺「余計な詮索はせんでええ。」

爺「桃太郎は鬼の女王に一目ぼれされてな。それはそれは猛烈なアプローチだったそうじゃ。」

男「…で情にほだされたと?」

爺「そこまでは知らん。とにかく桃太郎と鬼は恋に落ちたわけじゃ。」

男「うわ。ご先祖やべぇ。鬼姦とかどんなジャンルだよ…」

爺「じゃが当時の鬼と言えば乱暴者で恐ろしい怪物でしかなかった。」

男「スルーかい…。まぁいいや。それで?」

爺「悲恋に苦しんだ二人はある決心をしたんじゃ。」

男「決心?」

爺「そう、共に暮らすことができない2人は別れることにした。互いに傷つけあわないために。」

男「(なんかありがちな話になってきたな)」

爺「そして別れる間際に二人は約束をした。いつか鬼と人間がともに暮せる時代がきたら百世先でも一緒になろうと。」

男「くさっ!!そしてどっかで聞いたようなセリフ!!」

爺「お前はいちいちうるさいのう!それで今日の朝我が家にこんな手紙が届いたんじゃ」

男「どれどれ?」
『待つこと行く年月 ついに我らが祖先の本願を叶える時来たり。迎えにいく故心して』

爺「どうじゃ。これで信じる気になったか?」

男「中々手の込んだ悪戯だったな。爺ちゃん。」

爺「なっ!お前これ見てもまだ信じらんのか!?」

男「現代っ子舐めんな!っていうかこんな紙切れ1枚とボケ爺の妄言なんか信じられるか!」

爺「本当なんじゃって!信じられんのは分かるがガチじゃぞ!」

男「はいはい。もういいから。大体今の世に鬼なんかいるわけないだろ。」

『何を言うかぁぁあああああああああああああああ~~~~~~~~~!!』

ズがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

男・爺「うわあああああああああああああ!?」

男「ゴホッゴホッ。なんだよこれ!?砂煙で何も見えねぇ。爺ちゃん大丈夫か!?」

爺「あぁ、なんとかのう。…男よ。どうやらお迎えが来たようじゃぞ。」

男「爺ちゃん死ぬの?何言ってんだよ頑張れよ!」

爺「わしにじゅないわ!お前にじゃ!」

男「は?俺に?大丈夫だよ、俺はどこもけがなんか」

?「おい、お前。」

男「(誰の声だ?女の子の声。幻聴まで聞こえるとは実は俺結構やばい?)」

?「無視するな!男!」

男「何だようるさい幻聴だなおい!」

?「幻聴ではない!私の声だ!」

男「…え?」

?「ふふん、やっと気づいたか、男よ。初めましてだな。」

男「っていうかお前、人ん家の屋根ぶち抜いてじゃねぇよ!!」

?「な、なにぃ!それはお前が鬼などいるわけないと言うから…!」

男「言い訳すんな!まず俺と爺ちゃんに謝れ!」

?「(流石は桃太郎の祖先…亭主関白というわけだな)…すまなかった、許してくれ。」

男「あと何これ、金棒?これも早くどけてよ。」

?「あぁ、分かっておる。」

男「(しかしよく見てみるとすんげー美少女だな。妙に露出度高いコスプレ着てるし。)」

?「ふっ!!!」 ズボッ!

男「…な、なぁ。ぞの金棒持ってみてもいいか?」

?「もちろんだ!少し重いから気をつけるのだぞ。」

ズシッ!!!

男「(重ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?なんだこれ?支えるだけで精一杯だぞ!)」

爺「信じる気になったか?」

男「信じてやるから助けて…。死ぬマジで死ぬ。」

爺「心の底から信じておるな?」

男「信じるからぁあああああああああああ!!限界だってぇええええええ!」

爺「分かった分かった。どれどれ。」

ズシン!!

爺・?「あ」

爺「遅かったか。」

?「男?男ぉおおおお!」
~割愛~
男「でだ?君は誰なの?」

?「今更何を言う。お前の婚約者ではないか?」

男「いや、そういうことじゃなくて。じゃあ名前は?」

?「鬼」

男「…(信じたくはないけど、実際にあの怪力見せられたら信じない訳にいかないし。)

鬼「では行くぞ!男!」

男「どこに?」
鬼「迎えにくるといっただろう。私の実家に決まっておるではないか。」


男「ちょい待て。なに言ってんだよ。」

鬼「さぁ、皆も待っておる。早く行くぞ!」

男「待てって言ってるだろ!!!」

鬼「ど、どうしたのだ、男。いきなり…。」

男「いきなりはどっちだよ!?いきなり鬼が婚約者って発表されて挙句家に来いだぁ?」

鬼「そんな…!、私たちは許嫁なのだぞ!それに、」

男「それにくそもあるか!そもそも俺は許嫁なんて納得してない!ご先祖が勝手に決めたことだ!」

男「俺はまだ17だぞ!結婚なんて考えたことも無い!許嫁とか余計な御世話だ!」

鬼「でも、男!私は、お前と会えて…」

男「いいから出てけ。そして二度と俺の前に現れるな。」

爺「男!言いすぎじゃ!女の子じゃぞ!」

男「女の子以前にこいつは鬼だ!そんな化け物と一緒になんかなれるか!」

鬼「…分かった。」

男「あぁ。早く帰ってくれよ。」

鬼「一緒に来ないというのなら…!」

ズガンッ!!
男「うわっ!!」

鬼「無理やりにでも連れていく…!!」

男「おいっ!ちょっと待て!冷静になれって!」

鬼「うるさいっ…!!」

ゴシャッ!バキッ!ズがっ!

男「家が壊れるだろうがぁあああああああああ!!」

鬼「壊されたくないなら一緒に来い…」

男「お前言ってることめちゃくちゃだぞ!!(とりあえず家から出ないと!ここが更地になっちまう!)」

鬼「ちょこまか逃げるなぁああああああああああああ!!」

ゴシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

爺「また派手な夫婦喧嘩じゃな…。」

男「何のんきなこと言ってんだよ!爺ちゃん!どうするよこれ!?」

爺「お前の責任じゃからな。自分でなんとかせい。」

男「家壊れてるんだよ!?責任とか今どうでもよくない!?」

爺「わしと喋ってる暇なんかあるのか?」

男「え?」

ブンッ!!!

男「うぉおおおおおおおお!?」

鬼「……」

男「畜生!こいつ本気で当てにきやがったな!」

鬼「一緒に来て…それで済む話。」

男「ぜ、ぜ、絶対嫌だぁあああああああああああああああああああ!!!」

爺「あ!?逃げよった!」

鬼「無駄よ、追いかけるだけ…。」

爺「おい、鬼ちゃん!待て!」

男「はぁはぁ…こんだけ走れば追いつけないだろ!」

鬼「遅い…。」

ドゴーーーーーーーーン

男「くっ…(こいつ、本気で当てる気かよ!?)」

男「三十六計逃げるにしかず!!」

鬼「逃がさない…。」

男「速えええええええええええええええ!!金棒持ってるのに俺より速いのかよ!!」

鬼「一緒に来て。男。」

男「嫌って言ってるだろうが!いい加減諦めろ!」

ズゴーーーーーーーーーーーーーーン!!

男「うおおおおおおおお!!」

ブンッ!ブンッブンッ!ブンッ!ブンッ!

男「うおっ!っおとぉ!うお!だらぁあ!(段々目が慣れてきたな…こうなったら一発入れてオトすしかない)」

鬼「……」
ブンッ!ブンッ!
男「(まだだ…次こいつが大振りした時にっ!)」

鬼「男ぉお!!」

ブルンっ!!

男「(今だっ!悪いけど眠ってもらうよ。)ふっ!」

鬼「……っぐ…ふぐっ…。」

男「(泣いてる!?やべぇ!寸止め!)」
ピタッ

男「鬼。お前…泣いてるのか?」

鬼「うぅ…うう、確かに男にとっては…うぁ、いきなりの話かもしれない。」

鬼「でも…私はぁ、子供のころからずっと、グズッ、母上に聞かされてきたのだぁ。」

鬼「あなたには、う…素敵な、婚約者がいるって、あなたはその人のお嫁になるんだって。」

鬼「なのに、男は婚約者じゃないって言うし…ふぇ…鬼となんか結婚出来ないって、言うから。」

男「……」

鬼「やっと、男に会えたのに私は、どうすればよいのだぁ。ふぇえええええええええええ!!」

男「悪かったよ。俺も少し気が動転してた。いいから泣きやめよ。」

鬼「でも、でも婚約者ではないのだろう…?」

男「……」

鬼「うぇええええええええええええええええええ!!」

男「…分かったよぉお!お前は俺の婚約者だ!」

鬼「ほんとのほんとにか?」

男「あぁ!」

鬼「嘘ではないのだな…?」

男「しつこいっ!」

鬼「男ぉおおおおおおおお!!」

男「抱きつくなぁああ!!痛い痛い!!肋骨折れる!」

鬼「す、済まぬ!男!」

男「認めるよ。ただし条件がある。それが守れないなら俺は婚約破棄する。」

鬼「分かった!で条件とは!?」

男「まず、俺はお前の実家には行かない。俺はここから出る気はない。」

鬼「…で、でも」

男「でも?」

鬼「私たちは婚約者なのだぞ?それなのに別々に暮らすなんて。」

男「あぁ~…。それについてだが。俺ん家に住んでいいから。」

鬼「……」

男「どうした?もしかして嫌?」

鬼「そんなことはないっ!!その逆だ!嬉しすぎて涙が出そうだ…。」

男「もう出てるじゃねぇかよ。ほら、ハンカチ貸すから。涙拭けよ。」

鬼「うううう…男は…優しいな。母上から聞いた通りだ…。」

男「お前の母ちゃんは俺のこと何て言ってたんだ。」

鬼「とても強くて男らしく、それでいて優しい男の中の男と言っておった。」

男「(ハードル高ぇええ…ただのパンピーってばれたら俺殺されるかな?)」

鬼「だが男は母上が言うより、素晴らしい男だ!私の本気の一撃が一発も当たらないし、それにとても優しい!」

男「買いかぶりすぎだって。そんないい男じゃねぇよ俺は。」

鬼「その、私たちはここ、婚約者なんだ。そんな謙遜するな!」

男「(顔真っ赤にして言いやがって。こっちが恥ずかしいわ)分かったから。帰るぞ。ん。」

鬼「ん?どうした男?右手を出して?」

男「察しろよ!手だよ、手!立てないんだろ!」

鬼「…男が婚約者で良かった。」

男「おだてても何もでないぞ。」

男「どういうことだよ、こりゃ?何で家が直ってんだ?」

鬼「男。玄関に言伝があるぞ。」

『鬼ちゃんの部下という赤鬼と青鬼が家を直してくれた。若い二人が過ごすのにわしみたいな老人は邪魔だろう。
 だから、わしは旅に出る。生活費はお前の口座に振り込むから安心しろ 爺より』
男「(あの糞爺ぃいいいいいいいい!なに余計な気利かしとるんじゃいい!)

鬼「男と二人っきり…初夜…。」

男「はぁ。とりあえず家入るか。」

鬼「うっうむ!分かった!」

男「? 何緊張してんだよ?」

男「ただいまー。」

鬼「お邪魔します…。」

男「ただいま だろ?」

鬼「え?いや、でも、その…」

男「今日からお前はここにすむんだ。だからただいまでいい。」

鬼「それもそうだな。うむ、ただいま…。」

男「おかえんなさい。じゃあ晩飯にするかな。」

鬼「う、うむ!台所を借りるぞ男!」

男「え?お前作れるの?」

鬼「もちろんだ!実家ではみんなうまいうまいと言って食べてくれるぞ!」

男「念のために聞いておくがメニューは?」

鬼「え?え~と、熊の丸焼きに、まぐろの開きに、あと猪の叩きなんかも作れるぞ!」

男「分かった。大人しく待ってろ。」

鬼「何をいうか!旦那に家事をさせては妻の務めというものが!」

男「今言った食材全部俺ん家にないからさ。だから今日は俺が」

鬼「ならば今から狩りに行って来る!1時間ほどで帰ってくるぞ!」

男「1時間で揃うのかよ!?って違う!もう時間も遅いからさ!とりあえず今日は俺が作るよ、な?

鬼「うぬぅ・・・これでは練習してきた意味がないではないか。」

男「今日だけじゃないんだから。明日はお前が作ってくれよ。」

鬼「そうだな・・・。私は今日からここに住むのだからな。」

男「そうそう。今日は大人しくご馳走になってくれよ。」

鬼「うむ!ありがとう、男!」

男「さて冷蔵庫には何があったかなと・・・。」

鬼「(キョロキョロ・・・ん?この箱はなんだ?)」

男「茄子に豆腐に挽肉か・・・麻婆にしろと言わんばかりだな。」

鬼「(もしやこれが噂のテレビという代物か!?)」

鬼「(母上から聞いたぞ。確か電源ボタンを押せばよいのだったな。)」
ポチッ
男「さてっと。そんじゃ作りますかね。」

鬼「(むっ、何も映らんではないか。ビデオ?どういう意味だ?)」

鬼「(壊れておるのか。たしかこういう時は側面を思いっきり・・・!)」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

男「えーと、何してんの?」

鬼「テレビが壊れておったからな、直そうとしたのだ!」

男「それでテレビの横っ面を思いっきり引っぱたいたと?」

鬼「うむ、そしたらテレビが吹っ飛んでいった…」

男「はああ…もういいからソファーに座っててくれ。」

鬼「済まぬ…。」

男「いいよ、俺が説明しなかったのがいけないんだ。」

男「(暇にさせたら何するかわかったもんじゃないな)なぁ鬼」

鬼「なんだ?」

男「実家ってどこにあんの?やっぱ鬼が島?」

鬼「いや、鬼が島は私が生まれる前に人間に明け渡している。今はみなで山奥に暮らしておる。」

男「それってさ、誰かに見つからないか?」

鬼「う~む…。たまに遭難した人間を見かけるが、ます人間が近づく場所ではないから心配いらぬぞ。」

訂正
最後の鬼の言葉「ます」ではなく「まず」

男「(そんな場所に連れていかれたかもしれないのかよ。)あとさ、微妙に聞きにくいんだけど。」

鬼「遠慮するな!なんでも聞いてくれ!」

男「その衣装ってさ、いつもそんなの着てるの?」

鬼「なにかおかしいか?」

男「いや、おかしくはないけども。肌の露出が多いな~と思って。」

鬼「最近の人間がイメージする鬼はこういう服装をしておると母上が言っていたぞ。」

男「それ違うから。一部の人間だけだから。」

鬼「男はこういう服は…嫌いか?」

男「いや、嫌いではないけれども!目のやり場に困るというかさ!」

鬼「しかし私はこれ以外服をもってきておらぬ。」

男「え!?いや、俺を連れていく予定だったんだな。そういえば。」

鬼「男が好まぬというならば仕方ない。いますぐこんな服脱いでやる!!」

男「ストーーーーーーーーップ!!それは余計に困るぞおおおおおおおおおおお!!」

鬼「止めるな男!女としての意地だ!」

男「だからって裸はまずいぞ!!服なら貸してやるから!裸は駄目だ!!婚約破棄するぞ!」

鬼「…それは嫌だ。」

男「風呂上りに服貸すから。今はその衣装で我慢しててくれ。な?」

鬼「…分かった。」

男「うしっ!出来た!鬼、皿用意してくれ!」

鬼「うむっ!おいしそうな匂いだな!初めて嗅ぐ匂いだぞ!」

男「そうか。そんならせいぜい楽しんでくれよ、っと」

鬼「おぉぉぉ。これはなんという料理なのだ?」

男「麻婆だ。味は食べてのお楽しみ。」

鬼「うむっ!早く食べよう!」

「「いただきまーす」」

鬼「むぉおおお…こ、これは!!」

男「どうした?」

鬼「なんと美味しいのだ!こんなに美味しいものを食べたのは生まれて初めてだ!」

男「そりゃ、熊の丸焼よりは数倍美味しいだろうさ。」

鬼「男は凄いっ…!本当に凄いな!お前が婚約者なんて、私は三国一の幸せ者だ!」

男「(そういう恥ずかしいセリフを、どうしてそうほいほい言えるかね?)」

鬼「男も食べるのだ!ご飯は誰かと一緒に食べると何倍も美味しくなるのだぞ!」

男「言われなくとも!いただきまーす!」

男「ぷはぁああ~、食った食った。もう何も入らん。」

鬼「男,お茶が入ったぞ。」

男「おう、気がきくな。」

鬼「なんていったって婚約者だからな!」
ゴボッゴボゴボッ!ジュ~~~~~~!!
男「…鬼さん。この思いっきり沸点を超過してる液体は何ですか?」

鬼「? お茶だ。」

男「そうか。お茶ね。鬼さ、このお茶飲める?」

鬼「当然ではないか。ほらっ!」
ゴクッゴクッ
鬼「うむ。少しぬるめで美味しいお茶だ!」

男「……あのな、鬼。人間の口はお前達ほど頑丈に出来てないんだ。だからもう少し、いやかなり温めでいれてみてくれ」

鬼「そうだったのか!分かった、少し待っててくれ。」

鬼「これでどうだろうか?」

男「(とりあえず沸騰はしていないな)いただきま~す…」

鬼「どうだ…?」

男「いや、まだ少し熱いけど次からはこれくらいで頼むわ。」

鬼「うむ!」

男「(世間一般からずれてるだけで、いい子だよな。気も利くし、しかも超がつく美少女だし)」

男「(これで鬼じゃなければな。喜んで結婚するのによ。)」

鬼「さてと、それでは風呂でも沸かすか!」

男「ちょい待て。風呂の沸かし方分かるのか?」

鬼「な、いくらなんでも馬鹿にしすぎだぞ!男よ!それくらい私も知っておる!」

男「ほぉ。じゃあどうやるんだ?」

鬼「まず井戸から水を汲んで来てだな。」

男「…現代の風呂の沸かし方教えてやるから一緒に来い。」

書くの遅すぎる
死にたいか?(ヌルポ

男「温度を設定して、ここの青いボタンを押すんだよ。」

鬼「ほうほう…。」

男「そしたら、ほらお湯が出てきた。」

鬼「おぉおお!?薪は必要ではないのか?」

男「当り前だ。っていうか何年前だよ。」

鬼「これが文明の利器というものか…。恐ろしきは文明開化だな。」

男「(文明開化って…。外見は俺と同じくらいだけど、実はこいつもの凄い婆ぁなんじゃ?)」

男「女の子にこんなこと聞きたくないけどさ、お前齢いくつ?」

鬼「うん?数えで18だ。」

男「へぇ、1歳しか変わらないんだ。お前が実はもの凄い年上なんじゃないかと思ってさ。」

鬼「昔の鬼は寿命も長かったらしいぞ。でも最近は人間との混血が進んで人間より少し長生きなだけだ。」

男「ふ~ん。(なんでか少し安心しちまった…。)」

男「ま、これで10分くらいほっとけば風呂たまるから。お前先に入れよ。」

鬼「何を言う!旦那様より先に風呂に入る妻がどこにいる!?」

男「妻じゃねぇだろ!まだ婚約だけだからな!」

鬼「それでもだ!女が男より先に風呂に入るなどあってはならぬことだ。」

男「じゃあ、俺が入った後の汗臭~い風呂でもいいんだな?」

鬼「男の汗の匂い…っは!べ、別に構わぬぞ!むしろそのほうがいい!」

男「…やっぱ駄目だ。お前先に入れ。でないと」

鬼「分かった!私が先に入る!だから婚約破棄するなんて言わないでくれ!」

男「よしよし。素直でよろしい。」

鬼「男は顔の割に強引なのだな。」

男「(違う場面で聞きたいセリフだな)うるせい。黙って風呂入れ。」

ジャバァアアア カポーン

男「(そわそわする。他人が風呂入る音なんて聞き慣れてるのに…。)」

男「(いや、それはあいつが何しでかすかわからんからだ!断じて異性として意識しているわけではない!)」

鬼「きゃあああああああああああああああ!!」

男「!? どうした!鬼!?」

鬼「目が痛む~~!!何なのだこのシャンプーとかいうやつは!?髪を洗うものではないのか?」

男「目つぶって洗うんだよwww水で目洗い流せ~。そしたら痛くなくなるから。」

鬼「う、うむ。人の世には色々なものがあるのだな。もっと勉強せねばならん。」

男「あぁ、頼むよ。マジで。」

鬼「あぁ!心配しないでくれ!これからは男の妻として恥ずかしくないよう勉強するつもりだ!」

男「(いいこだよな、マジで。俺には勿体ないくらいだ。)」

鬼「……」

男「どうした?」

鬼「このリンスとかいうやつは全然泡立たないぞ?」

男「それでいいんだよ。そのまま髪洗い流せ。」

鬼「おぉおお…。髪がさらさらになった!すごいな、リンスとやらは!」

男「早くあがれよ~。俺も入りたいから。」

鬼「う、うむ!少し待っていてくれ!今から体を洗うから!」

男「実況せんでいいわい。あ、着替え置いておくから。」

鬼「何から何まで済まないな。」

男「そんなんいいから。しっかり洗えよ。」

鬼「気持ちいい湯だったぞ!」

男「おぉ。似合ってるじゃん。」

鬼「そ、そうか?こんな服を着るのは初めてだから、どうかと思うんだが。」

男「いや、むしろこっちのほうがいい。」

鬼「そういえばこの服は誰のものなのだ?男のものにしては小さいし。」

男「…母ちゃんのだよ。」

鬼「む、そういえば男のご両親を見ないな。」

男「家に居ないからな。」

鬼「ならばどこに住んでおるのだ?もしや異国におるのか?」

男「さぁな…今頃どこで何してんだか。」

鬼「男!それはあんまりだぞ!お前の親なのだろう、居場所くらい知っておくべきではないか。」

男「置いて行かれたんだよ、俺は。両親によ。」

鬼「それはどういうことだ?」

男「俺がガキのころに、俺の両親は俺を置いて逃げたんだよ。」

鬼「そんな…そんなことがあるものか!親が子供を置いていくなどと…」

男「人間の世界ではな、そんなこと日常茶飯事なんだよ。よく聞く話さ。」

鬼「済まなかった、男。私はそんなこと聞くつもじゃなかった…。」

男「いいって。もう慣れたもんだよ。そんな顔すんなよな…。」

鬼「私は、男がどんな辛い思いをしてきたかも知らないのに、ずけずけと無責任に…」

男「あ~~もう!慣れてるからいいって!そういう風にされたほうが困る!」

鬼「しかし、男は嫌な顔をしていた、悲しい瞳をしていたぞ…。」

男「お前が気に病むことじゃねぇよ。でもさ、ありがとな。」

鬼「なぜ男が礼を言うのだ?礼を言うべきは私のほうなのに…。」

男「いや、なんていうか、このことでそんな風に泣いてくれた奴初めてだからさ、だからありがと。」

鬼「男が悲しいと私は悲しい。だから泣くのは当然のことなのだ。」

男「別に悲しくないって。じゃあ俺風呂入るから。」

男「(はぁあ~…ドタバタしすぎた1日だった。)」

男「(まさか俺に婚約者がいたとはな。それだけでも驚きなのによ。それに俺も俺だな。)」

男「(この異常な状況をすんなり受け入れてるしよ。遺伝も何か関係してるのかね?)」

男「(めちゃくちゃいい奴だよな、正直人間だったら速攻口説いてるわ。)」

男「(でもさ、鬼なんだよなぁああ…。いやそこまで抵抗も感じてないけどさ。)」


男「(そういや、鬼が入った後の風呂なんだよな…)」

男「(おぉおおおおおおおおおおい!何を元気になっとんじゃい!マイサム!!)」

男「(あいつが見た目美少女だから余計に始末が悪い!それに体の方も何かすげぇしよぉお!!)」

男「(やべぇ…のぼせてきた。早いところあがっちまおう。)」

男「うぅうい~…。あがったぞ~。」

鬼「うむ。長風呂だったな。」

男「少し考え事しててな…。」

鬼「喉が渇いておるだろう?ほら麦茶だ。」

男「この麦茶どうしたんだ?」

鬼「ん?男があの白い倉から出すのを見ていたからな、勝手に出してはまずかったか?」

男「いや、全然いいよ。ありがとな。」

男「あぁぁ~…お茶うめえぇ。」
ピトッ
男「なぁ鬼…。」

鬼「な、なんだ?」

男「なんかさ、距離近くね?」

鬼「そんなことはないぞ!男の気のせいだ!」

男「いや、絶対近いって!ほとんど零距離じゃねぇかよ!」

鬼「お、男!!!」

男「何すか!!」

鬼「男は今まで独り寂しい想いをしてきたのだろう!だがな、今日からは私がお前の傍にいてやる!
  男が悲しい思いをしないように、いつでもこうして近くにいるぞ!」

男「近い近い!唾も飛んでるし!」

鬼「だから、これからは悲しいことがあったら私に何でも話してくれ!
  悲しみはな、一緒に悲しんでくれる人がいると痛みが半分になるのだぞ!」

男「分かった!分かったから離れろ!流石に近すぎる!そして唾が全部に俺の顔にかかってる!」

蛇足だが、授業とかでいっちゃん前の席に居たやつに唾が飛ぶだろ?
それは昔から「いいこと」として言われてきた、もちろんいいことだ
だが、一つだけ悪い点を述べるとすると、本当に知識を受けようとするやつには意味ない

鬼「う、うむ!分かってくれたのならよい!」

男「ったくよ…変なことばっか言いやがって。」

鬼「わ、私は真剣だぞ!!」

男「分かってるよ!顔真っ赤にしながら恥ずかしいこと言いやがって!」

鬼「な、なんだと!そういう男の顔も真っ赤ではないか!」

男「俺はその、あれだよ!風呂上がりで火照ってるからだよ!」

鬼「夫婦の間に嘘はよくないぞぉおお!男!」

男「だから夫婦じゃないと言うとるだろうが!!」


男「はぁ…はぁ…馬鹿やってる内にもう12時じゃねぇか。そろそろ寝ようぜ。俺結構疲れてるし。」

鬼「う、うむ!それで私はどこで寝ればいいのだ?」

男「(女の子を床で寝させるわけにいかないしな…俺のベッドに寝せるかぁ。)…ついて来て。」

鬼「う、うむ!!」

男「何力んでんの?」

鬼「いや!力んでなどいないぞ!全然、緊張なんて!」

男「ふ~ん…、まぁいいや。ここで寝てくれよ。」

濡れ場はやめて。くだらない。

>>185
お前はもう俺には見えない

鬼「ここは、男の部屋か?」

男「そうだけど。あんまジロジロ見んなよな。」

鬼「これがベッドというものか…。おぉ、布団がとても柔らかいな。男、これはうおーたーべっどか?」

男「いや、その辺に売っている安物だよ。」

鬼「そんじゃ、お休み。」

鬼「ふ、不束者だがよろしくお願いします!!」

男「おい…お前、なにしてんの?」

鬼「経験は無い故ぎこちないと思うが、や、優しくしてくれると信じておるぞ!」

男「おい…お前まさか何か勘違いを。」

鬼「さ、さぁ男よ!遠慮することはない!私をお前のものにするのだ!」

男「ちょい待てぇえええ!話を勝手に進めるなぁあああああああ!」

男「誰がそんなことしたいって言ったよ!?」

鬼「何っ!?人間の男は女の前では狼になるのだろう?母上が言っておったぞ!」

男「お前の母ちゃんは、どこから色々間違った知識を仕入れてるんだ!?」

鬼「ならば、男はしたくないのか?」

男「そういう問題じゃない!とりあえず、もういいから寝ろ!お休み!」

鬼「ちょっと待て!男!どこに行くのだ?」

男「下のソファーで寝るんだよ。」

鬼「一緒に寝るのではないのか!?」

男「ばか野郎!駄目に決まってるだろうが!I俺達は婚約者だぞ!」

鬼「婚約者だから一緒に寝るのではないか!」

男「ぬぅう…とにかく俺は下で寝る!」

鬼「男!わたしは、その実家では夜寝るときは皆で一緒に雑魚寝している。だから、その、」

男「…だからなんだよ?」

鬼「一人では眠れないのだ…。暗闇が怖くてたまらないのだ…。だから一緒に寝てはくれぬか?」

男「え?あぁああああ…えええええ…」

鬼「嫌か…?]

男「(涙目で見上げるとか卑怯なんだよぉおお!!)…何もするなよな。絶対だぞ!」

鬼「う、うむ!分かった!」

男「じゃあ枕持ってくるか少し待ってろ。」

男「電気消すぞ~。」

鬼「うむ!」

「「……」」

鬼「なぁ男…」

男「なんだ?」

鬼「男はいつもこのベッドに一人で寝ていたのか?」

男「まぁな。」

鬼「爺様は、今日みたいに家におらぬことはあるのか?」

男「爺ちゃん旅行好きだから、多分一人のほうが多いな。」

鬼「そうか…。やはり男は強いのだな。」

鬼「私は独りが怖くてたまらない。自分が一人だと考えるだけで胸が張り裂けそうになる。」

男「……」

鬼「だから今日男に婚約者じゃないと言われたとき、本当に悲しかったのだぞ。」

男「悪かったよ。」

鬼「なぁ、男。お前はもう一人ではないぞ。これからはずっと私が一緒だ。ずっとずっ~とだぞ。」

男「あぁ、分かったよ。」

鬼「ご先祖様が…愛し合えなかった分も…私達で…。」

男「……(寝たのか?ったく馬鹿なことばっかいいやがって)」

男「(見た目はどう見ても人間なのにな。角とか生えてるのかな?)」
ナデナデ
男「(あ…やっぱ生えてる。意外に温かいんだな。)」

鬼「んっ…」

男「(変に色っぽい声出しやがって、マジで襲うぞコラ)」

男「(本当に明日からどうなんのかなぁ…。結婚すんのかなぁ…)」

男「(ぶっちゃけそれもいいかなって思う自分もいるんだよなぁ。)」

男「(…もういいや。これから一緒に暮らすんだし。ごちゃごちゃ考えずに寝よう…)」

絵師様が降臨されるとは!!感謝感激雨嵐です!!

男「ふんっ!はぁあ!でやああ!」

鬼「朝から精が出るな!男!」

男「おぉ、まだ寝ててもよかったのに。」

鬼「起きたら男がいなかったからびっくりして飛び起きたのではないか!」

男「それは、はっ!、悪かったな!」

鬼「いや、鍛練があるのならば仕方がない。邪魔をしてすまなかったな。」

男「いや別に、ふんっ!邪魔ではないよ。」

鬼「ならば見ていてもよいか?」

男「別に面白いことなんてないぞ?」

鬼「それでもいい。私が見ていたいのだ。」

男「じゃあ好きにしろよ。」

鬼「うむ。好きにするぞ。」

男「はぁ…はぁ…」

鬼「お疲れだな!毎朝鍛練しているのか?」

男「さぼると爺ちゃんにどやされるからな。」

鬼「それでも偉いぞ!誰も見ていないのにするから一流なのだ!」

男「一流って…そんなんじゃねぇよ。怒られるのが嫌なだけ。」

鬼「男のあの身のこなしは、日々の努力によるものなのだな。」

男「毎日やってればあれくらい誰でも出来るよ。」

鬼「その毎日やるを出来ないのだ!だから誇っていいぞ、男!」

男「あぁ。分かったよ。ふぃ~…腹減った。」

鬼「うむ、朝餉の時間だな!男よ、少し待っていてくれ!」

男「あ、もう俺が準備しているから。一緒に食べるぞ。」

鬼「! …男よ。確かにお前は強いし優しい。だがな…」

男「なんだよ?」

鬼「あんまりにも完璧すぎると妻としてはおもしろくないぞぉおおおおおおおおおおおお!!」

男「声大きい!近所迷惑だろうが!まだ朝早いんだぞ!」

鬼「私から妻としての仕事を奪わないでくれぇえええええええ!!でないと何のために男の傍にいるのだあああ!」

男「いいから静かにしろ!声落とせ!」

鬼「うぅううう…しかし、私ももっと妻らしいことをしたいのだぁ…」

男「分かったよ。今日は家電の使い方をお前に教え込むから。その後からな。」

鬼「家電とはなんだ?」

男「あぁ?…お前が言うところの文明の利器だよ。」

鬼「おぉ!昨日の風呂みたいなものがまだまだあるのか?」

男「あんなもの序の口に過ぎないぞ。」

鬼「ほぉおお…。やはり人の世は凄いな。あんな魔法みたいな機械がたくさんあるなんて。」

男「分かったんなら、飯食うぞ。腹減って仕方ないわ」

男「ほら、これが炊飯器だ。」

鬼「おぉ!炊飯器は実家にもあるぞ!これも機械だったのだな!」

男「山奥だろ?電気とか通ってんの?」

鬼「ん?父上がこうコンセントをグッと握るとだな、炊飯器が動き出すのだ!」

男「…お前の父ちゃん天然パーマじゃないよな?」

鬼「何で父上のことを知っておるのだ?」

男「(マジか…ドリフ侮りがたしだな)そうか!じゃあ説明はいいな。でこれがガスコンロ。」

鬼「おぉぉ!取っ手を捻るだけで火がつくのか!これも便利だな!」

男「口から火吹ける鬼とかはいないのか?」

鬼「いるにはいるのだが…人との混血が進んだせいで火を吹くと口を火傷するのだ。」

男「火傷で済むのかよ。あと料理に必要な家電、レンジは…使う時に教えればいいか。とりあえずこんなところだ。」

鬼「うむうむ…男よ!次の料理は任せてくれ!」

男「あぁ。楽しみにしてるよ。」

ブーさんまさか本物の……

「「いただきまーす」」

鬼「男は、そのぱんはではないのか?」

男「ぱんは?なにそれ?」

鬼「いや、だから朝からパンを食べたりしないのか?」

男「あぁ、パン派な!俺はもう指の先から頭までご飯派だよ。」

鬼「そうか!それはよかった!」

男「パンは苦手なのか?」

鬼「う、うむ。あの口の水分が奪われていく感じがどうしても好きになれんのだ…。」

鬼「だから、もし男がパン派だったらどうしようかと会う前から考えておったのだ。」

男「じゃあもし俺がパン派だったらお前どうしてたの?」

鬼「それは勿論、パンを好きになるよう努力するぞ!」

男「本当にか?好きになれるのか?」

鬼「い、いいではないか!男はパン派ではないだろう!」

男「まぁ、そうだけど。」

鬼「ならば何も心配いらない!男と私はご飯が好き!それで一件落着だ!」

男「強引に話終わらせやがった!」

鬼「う、うるさい!しつこい男は嫌われるぞ!」

男「分かった、ごめんごめん。」

鬼「男よ。今日は学校ではないのか?」

男「今日は日曜日。休みだよ。」

鬼「そうなのか!じゃあ一日一緒におれるのだな!?」

男「ん?まぁ、そうなるな。」

鬼「そうか!そうなのだな!うむうむ!」

男「(あからさまに笑顔になりやがって)どっか行くか?」

鬼「お、男…今なんと…。」

男「え、いやだから、街の紹介も兼ねてどっか出かけないかって。」

鬼「そ、それはデートと考えてよいのだな?」

男「別にいいよ。でどうする?行く、行かない?」

鬼「行くに決まっておる!!」

男「だから声が大きい…。」

鬼「何時くらいから行くのだ!今からか!」

男「今からって…お前まだ7時だぞ!行くとしても10時くらいだろ!」

鬼「分かった!十時だな!約束だぞ!」

男「あぁ、約束約束。」

鬼「(そわそわそわそわ)うむぅ…まだ8時か。」

男「うろうろしてんな!あと2時間だろうが!」

鬼「あと2時間もあるではないか!」

男「2時間くらい大人しく待てないのかよ!」

鬼「そう言われても楽しみで仕方ないのだ!」

男「んんん…じゃあ少し速いけど家出るか?」

鬼「うむうむ!早く出かけよう!」

男「引っ張るな!色々準備もあるんだから!お前も着替えないとだぞ!」

鬼「そうであるな…。ならば早く準備をしよう!」

男「この部屋に母ちゃんの服があるから、勝手に使っていいよ。」

鬼「うむ!分かった!待っててくれ!」
バタンっ!
男「(さてと、俺も色々準備すっかな。財布にいくらくらい入ってたっけ?)

男「(6000円…まぁあいつは買って買って言わなさそうだから心配ないか。)」

男「(さっさと顔洗って着替えてくるか)」

鬼「着替えたぞ!男!」

男「早いなお前!ってなんだお前その服!」

鬼「なにか変か?」

男「なんで柄物ばっかなんだよ!?上から下まで全部動物柄っておまえ!」

鬼「何ぃ!強そうでいいではないか!」

男「お前ちょっと待ってろ!もう、服全部俺が選ぶから!」

鬼「しかし男よ!」

男「黙って待ってろ!!!いいな!!!」

男「よしっ、これでましになっただろ!ほらっ、鏡で見てみろ!」

鬼「……」

男「どうだ!これよりもあの動物柄がいいのか!?」

鬼「いや、こっちのほうがずっといい…。」

男「うっしゃぁああ!ほれ見たことか!」

鬼「こんな可愛い服、私に似合うわけないと思っていた…。」

男「んなことねぇよ。元がいいから何でも似合うさ。」

鬼「ありがとう、男…」

男「礼はいいからさ。少し待ってて。(あの柄物で横歩かれたら俺も困るからな。)」

鬼「うむ!…これがスカートいうものか。少しスースーするな。」

男「うしっ!じゃあ行くか。」

鬼「うむ!行こう!」
ガシッ!!

男「え?ちょっとなに?」

鬼「早く行くぞ男よ!」

男「えっ!ちょっ!待て!俺を掴んで走るなあああああああ!!!!」

鬼「時間は限られておるのだぞ!男よ!善は急げだ!」

男「まだ朝9時だぞぉおお!!!」

鬼「もう朝9時ではないか!さぁ、どこへ行くのだ!?」

男「いいから放してくれええええええええぇぇぇぇぇぇ…」

男「はぁ…はぁ…はぁ…」

鬼「大丈夫か、男?」

男「誰の…せいと…思ってるんだ?」

鬼「す、済まぬ!つい舞い上がってしまったのだ!」

男「街に来たのはいいけど…どの店もまだ開いてないしよ…」

鬼「男!あそこに公園があるぞ!」

男「あぁじゃあ、あそこで時間潰すか。」

男「はぁああ、疲れたぁああ。」

鬼「済まぬ、男よ!」

男「俺初めて生身で時速80km切ったわ…。風になるってあんな感じなんだな。」

鬼「本当に大丈夫か?男よ。」

男「大丈夫、でも少しだけ休ませてくれ…。」

鬼「う、うむ!そんなに辛いなら、寝転がってもよいのだぞ!」

男「いや、そこまではいいよ。」

鬼「遠慮するな!さぁいいから!」
グイッ!
男「膝枕とかさぁ…自分でさせといてなに恥ずかしがってんだよ!」

鬼「恥ずかしがってなどおらぬ!いいから男は休んでおれ!」

男「(まぁ、まだ人通りも無いしこのままでもいいかな)そんじゃお言葉に甘えます。」

鬼「うむ!そ、それでいいのだ!」
サラッ
鬼「男の髪はサラサラだな。女の子のようだ。」

男「よく言われるよ…」
サワサワ
鬼「体は細いのに、二の腕は筋肉隆々だ。」

男「隆々って程では無いだろ。」

鬼「気分はどうだ?男?」

男「あぁ、大分いいよ。」

鬼「そうか!ならそろそろ行こうではないか!」

男「(やっぱり恥ずかしいんじゃねぇかよ)いや、もう少しこのままがいい。」

鬼「ぬぬぬ…。もう少しだけだぞ。」

男「あぁ、もう少しだけな…。」

鬼「おぉおおおおおお…!」

男「何突っ立てるんだよ。早く入るぞ!」

鬼「これが百貨店というやつか。母上から聞いたものより数倍大きいではないか!」

男「ほら、他の人の邪魔になるから!」

鬼「む!そうか、済まぬな!」

男「あんまりうろちょろすんなよ、迷子になっても知らないからな。」

鬼「はっはっは!私は18歳だぞ!迷子になどなるものか!」

男「まぁ流石にそうだよな、じゃあどこから見て回ろうか?」

男「おい?返事しろよ。…ってどこ行った!?」

鬼「男!このキラキラしたものはなんだ?」

男「おい!今勝手に歩くなって言ったよな!?」

鬼「いや、このキラキラが私を呼んでいたのだ!」

男「あ~もう!いいから早く行くぞ!」
ギュッ
鬼「お、男!そ、その手を繋いでいるぞ!」

男「お前が迷子にならないようにだ!絶対離すなよ!」

鬼「……うむ!離さぬぞ!」

>>366うん///

>>367

                     /    |    |    |
                 |     |    |    |
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            |   l   | ー-  |  l⌒) - l
             |  -‐|    |    |   | 丿   |    /⌒ヽ
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             l    _!   |    !__,! ‐  一 |   l     ヽ、
         /⌒ヽ l ‐ \  |, ノ⌒) ()    l    〉-‐  l
         l〉   )ヽ、   ヽノ (ノO (ノ  (つ ヽ、 | ノ)  |
        /  人 ヽ、        (⌒)     ヽノ (ノ  |
          l     ヽ、\,        )丿 / ノ/ o     l
        ヽ  ノ \,/     /  (ノ       () ヽ  l
         \    /        /     (⌒ヽ    |
          ヽ、       /  /  l      しノ      |
           ヽ、  /   /    |           l
            ヽ、          l          /

             ヽ、           |          /
              ヽ         l        /

         「もう…………  離さないでね………………」


鬼「男!これは何なのだ?」

男「マニキュアだよ。こうやって爪に塗るんだ。」

鬼「爪がピンク色になったぞ。だがこれに何の意味があるのだ?」

男「おしゃれだよ。意味なんて考えるな。」

鬼「ふ~む、物が溢れておると無駄なものも多いのだな…。」

鬼「こんな風に爪を塗って、女性としての価値があがるのか?」

男「…とりあえず化粧品店の中で言うことではないな。」

鬼「あの店には何が売っておるのだ?」

男「ここはシルバーの専門店だよ。」

鬼「しるばー?」

男「銀細工のことだよ。ほら、こういうの。」

鬼「男も身につけているのか!ほぉお…綺麗なものだな。」

男「見ていくか?」

鬼「うむ!」

店長「いらっしゃいませ~!って男君か。久々だね。」

男「こんちは。いつもながら人いませんね。」

店長「余計な御世話だな。そういう君こそ可愛い女の子連れて来て、青春だね~!こんにちは。」

鬼「こ、こんにちは!」

男「(なんだこいつ?まさか緊張してんのか?)」

店長「君は男君の彼女なの?」

鬼「いや!婚約…」
ガバッ!
男「遠縁の親戚です!最近俺ん家に来たんですよ!」

鬼「(男っ!我々は婚約者だろう!何故嘘をつくのだ!?)」

男「(あとから色々ややこしいんだよ!ここの店長口軽いし!)」

店長「お~い!何してんの~…?」

男「とりあえずこいつは親戚なんで!何にも無いですから!」

店長「ふ~ん、まぁいいや。来てくれたんなら見て行ってよ。」

鬼「うむ!世話になるぞ!」

店長「はははっ。面白い子だね。」

鬼「(ジッ~)」

店長「なにか気にいったのがあったかい?」

鬼「い、いや!何もないぞ!」

店長「あぁ~これ前に男くんが買ったやつだね。男く~ん!彼女がシルバー欲しいってさ!」

男「だから彼女じゃないって!」

鬼「店長!私は欲しいなんて一言も言っておらぬぞ!」

店長「目は口よりもお喋りだよ。これが欲しいってさ。」

男「これって…俺が今日付けてるやつじゃん。これ欲しいのか?」

鬼「いや、えっと、その…出来れば…欲しい。」

男「分かった。店長いくら?」

鬼「本当にいいのか?」

男「記念だ記念。」

店長「ん~…これくらいかなぁ?」

男「ちょっと待て!俺が買ったときより桁が一個多いぞ!」

店長「彼女がいる奴なんてみんな死ねばいい。」

男「最低な経営者だな!じゃあ買わねぇよ!行くぞ鬼!」

店長「冗談冗談wwwそんなことするわけないだろ。」

男「目は本気だったぞ…」

店長「普通ならこの値段だけど、2割引でいいよ。」

男「ほんとに?」

店長「あぁ。そのかわりまた来て買ってね。」

男「分かりました。また来ます。」

店長「はいは~い。ありがとうございました~。」

男「ほらっ。シルバーだ。」

鬼「男、もう一つ我儘を言ってもいいか…?」

男「内容によるが…」

鬼「首にかけて欲しいのだ。男の手で。」

男「えぇ?自分でかけれるだろ?」

鬼「だから我儘だと言っておるのだ…。」

男「はぁ~…こっち来い。かけてやるから。」
サッ
男「ほら。これで満足か?」

鬼「ありがとう…。一生大切にするぞ。」

男「そんな高価なものじゃないよ。」

鬼「お金ではない。男の気持ちが嬉しいのだ。一生大事にする。」

男「そんだけ大事にしてもらえば、そのシルバーも幸せだろうよ。」

鬼「そうか!そうなら嬉しいな!」


男「あぁ、そうだな。さ~て、次は何見て回るかな?」

鬼「男!ネコがおるぞ!ネコだ、ネコ!」

男「あぁ、ネコ好きなのか?」

鬼「うむ!ネコはとても可愛い!でもなぜネコがいるのだ?もしや動物園とやらか?」

男「(こいつの性格上ネコが売り物になってるなんて言わない方がいいな)そんなもんだよ。」

鬼「見にいってもいいか?」

男「ダメって言っても行くだろ?」

鬼「そんなことはない!駄目と言うなら行かぬぞ!」

男「猫見ながら言うなよ。俺の顔見て言え。…ほら行くぞ。」

鬼「行ってもいいのか…?」

男「うん、行ってもいいよ。」

鬼「はぁあ~…ネコは可愛いなぁ~。こんな愛くるしい生き物は他にはおらんだろうな!」

男「あの店員さん。」

店員「はい何ですか?」

男「あの、今あそこで女の子が見てるネコって触れますか?」

店員「あ、はい!触れますよ!少々お待ちください。」

男「(何かにやにやしてたなぁ、絶対カップルと思われてんだろうなぁ)おい鬼。」

鬼「可愛いなぁ~…」

男「おい!鬼!」

鬼「はっ!なんだ男?」

男「そのネコ触れるってさ。」

鬼「本当か!触ってもよいのか!?」

男「あぁ、いいらしいぞ。」

鬼「私、ネコを触るのは初めてなのだが…」

男「え?ネコ好きなんだろ?」

鬼「山猫なら何度も触ったことはあるが、こういう観賞用のネコを触るのは初めてなのだ。」

店員「はい、こちらがアメリカンショートヘアーになります。」

男「ほらっ鬼。さわっていいんだぞ。」

鬼「う、うむ。…ふわふわだ。男っ!ふわふわだぞ!」

男「あぁ、そうだな。」

鬼「あ!こら!よじ上ってくるな!甘えん坊なのだなお前!顔を舐めるでない!」

男「(なんというか美少女と子猫が戯れてるのを見ると、心がホッコリするなぁ)」

店員「こちらなんかはどうですか?ダックスフンドですよ?」

男「おぉこいつも可愛いな。おい鬼!

鬼「なんだ男?…ひっ!い、犬ではないかぁあああ!?」

男「あぁ。ダックスフンドだ。可愛いだろ?」

鬼「お、男は犬がす、好きなのか?」

男「好きっていうわけではないけど、やっぱご先祖が連れて行った一匹だし愛着はあるな。」

鬼「わ、私はその、ご先祖のせいで犬があまり好きではないのだ…。」

男「……」
ズイッ
鬼「ひぃぃ!や、やめてくれ男!」

男「こんなに可愛いのによ、店員さんありがとうございました。犬返しますんで。」

鬼「ふぅうう…」

男「弱点見たりだな。」

鬼「うむ…あれ以上は流石にやばかったぞ。」

男「やばかった?何が?」

男「やばかった?何が?」

鬼「昔鬼の小さい子が悪戯で私に犬を投げつけてきてな。そこからの記憶がないのだ。
  そして記憶が戻ってみると、家が半壊しておった。」

男「……(弱点じゃない!むしろ俺の弱点が増えたみたいなもんだ!)」

男「そろそろ行くぞ鬼!」

鬼「もう少しいいではないか。ほらっネコも行って欲しくないと言っておるぞ!」

男「嘘つくなよ!」

鬼「本当だ!にゃにゃあ~にゃにゃ?ほら、まだ遊ぼうと言っておるではないか!」

男「(これは多分本当に理解してるな。)時間も無いんだよ!ほらっ!ネコ貸せ!」

鬼「うぅ~…仕方ないな。済まぬな、ネコよ。男がどうしてもと言うのだ。」

男「はいはい分かったから。早く店員さんに返しなさい。」

鬼「分かっておる!ネコよ、また会おうな。」

男「そろそろ腹が減ってきたな。どっかで何か食うか?」

鬼「おぉ!それはれすとらんとやらに行くのだな?」

男「まぁレストランと決まったわけではないけど。何か食べたいものある?」

鬼「男と食べるのなら何でもいいぞ!」

男「何でもか…(シルバー買ったから金もあんまり無いんだよな)お前さ、家まで我慢できそう?」

鬼「別に大丈夫だぞ?」

男「そんじゃあさ、食材買って帰ろうぜ。そんでお前が何か作ってくれよ。」

鬼「ついに私の料理の腕を披露出来るのだな!」

男「あぁ。期待してるよ。じゃあ地下まで降りるか。」

鬼「地下?何をいっておるのだ男?」

男「なにって、食材売り場は地下にあるんだよ。」

鬼「地下とは地面の下のことだぞ?そんな場所に売っておるのか?」

男「あぁ、そういうことね。一階の更に下にあるから地下って呼んでるんだよ。本当に地下にあるわけじゃないぞ。」

鬼「そうなのか!私はてっきり男の頭がどうかしたのかと思ったぞ!」

男「なんか知らんけどムカつくな…。」

鬼「おぉおお!!色んな食材がたくさんあるぞ!見たことのないものばかりだ!この黄色い果物はなんだ?」

男「そりゃレモンだよ。」

鬼「何っ!レモンだと!危ないではないか!」

男「なにがだ?」

鬼「百貨店にレモンがあるとそれは爆発物だと母上が言っておったぞ!」

男「(中途半端に博識だなぁ、あいつの母ちゃん…)それは想像でだ、想像。」

鬼「そうなのか?おぉ、男!これは食べてもよいと書いてあるぞ!食べてもよいのか?」

男「書いてあるんならそうだろうよ。」

鬼「緑色か…不思議な色をした果物だな。いただきます。…ん!すっぱ甘い!初めて食べた味だ!」

男「キウイっていうんだよ。…上手いな。一つ買うか。」

鬼「うむ!買おう買おう!」

男「でさ、お前昼飯は何を作る予定なの?」

鬼「え~と…鮎の塩焼きに、蜂の子の佃煮に、」

男「もういい、聞きたくない。そして今お前が言った食材ここにないぞ。」

鬼「なにっ!こんなに食材があるのにか!?」

鬼「なにっ!こんなに食材があるのにか!?」

男「あるものですましてくれよ。」

鬼「むぅ…それでは仕方ないな。似たような食材で代用しよう。」

男「あと俺佃煮とか嫌いだから。絶対作るなよ!」

鬼「好き嫌いはよくないぞ男!大きくなれないぞ!」

男「これ以上大きくならないし。もし作ったら婚約破棄な。」

鬼「わ、分かった!では何にしようか?」

男「普通でいいんだ。ふつ~うで。」

鬼「おっ!この魚は鮎に似ておるな!」

男「(ししゃもか。それなら大丈夫だな)それなら買ってもいいぞ。」

鬼「うむ!これを塩焼きにしよう!」

男「他には何つくろうとしてたんだ?」

鬼「豚汁を作ろうとしていのだが、男は大丈夫か?」

男「おぉ!豚汁作れるのか!俺、豚汁大好きなんだよ!」

鬼「そうなのか!豚汁は私の得意料理の一つだ!」

鬼「そうなのか!豚汁は私の得意料理の一つだ!」

男「マジで!?そいつは期待してもいいのか?」

鬼「おぉ!期待しても大丈夫だぞ!」

男「ちなみに使う食材は?」

鬼「白みそに、豚肉、人参、山芋、砂糖であろう。他には」

男「いやもういい。お前が豚汁をまとも作れることはよ~く分かった!」

鬼「ふふんっ、そうであろう!では食材を揃えるか。」

鬼「豚肉はこれでいいか?」

男「…駄目だ。こっち。」

鬼「こちらがが259円で、そちらがが328円。私の方が安いぞ!」

男「原産国をよく見てみろ。」

鬼「中○産と書いておる。済まなかった男…私が間違っていた。」

男「分かればよろしい。次買いに行くぞ。」

男「よしっ!買い物も終わったし!早いところ帰るか!」

鬼「あのだな、男。そのデパートからはもう出ているのだよな?」

鬼「手はまだ繋いだままかなのか?」

男「…なんだよ?嫌なのか?」

鬼「嫌ではない!むしろ嬉しい!でも、男は困るのだろう?」

鬼「銀細工の店の人にも嘘をついたし、私が婚約者だとばれるとまずいのだろう?」

鬼「男が嘘をつくのも分かる。鬼が婚約者などと人間からみればおかしなことだろうからな…。」

男「うるせぇ。帰るぞ。」

鬼「男。手は…離さぬのか?」

男「黙ってついてくればいいんだよ!(こんなときまで俺のことばっか考えやがって…!どんだけお人よしなんだよ!)」

鬼「男?怒っておるのか?済まなかった、また私は男を困らせているのだな。」

男「怒ってなんかねぇよ。」

鬼「しかし…」

男「それにな、手は俺が繋ぎたいから繋いでんだ。だからいいんだよ。」

鬼「…うむ。それならば仕方ないな。」

「「ただいまー」」

鬼「よしっ!それでは昼ごはんを作るか!楽しみに待っていろ男!」
ズダダダダッ!
男「手はちゃんと洗えよ~。」

鬼「ふんふ~ん♪」

男「(いや~なんというかエプロン姿を後ろから眺めると、こうグッとくるものがあるなぁ)」

鬼「男よ!砂糖はどこにあるのだ?」

男「え?あぁ、棚の上だよ。」

鬼「ん?おぉここか!」

男「(手繋いで、シルバー買ってあげて、昼飯作ってもらって、おもいっきりカップルの休日だな。)」

男「(それに手を放そうと言われたとき、何だかすんげームカついたしよ。)」

男「(俺は鬼のことどう思ってんだ?そりゃ人間だったら間違いなく付き合ってるよ。でもさ。)」

男「(でも、やっぱりあいつ鬼なんだよ…俺とは根本から違うんだ。いずれ理解しあえずに別れるときがくるんじゃ?)」

男「(ご先祖と丸っきり同じこと考えてる。こんな風に桃太郎も悩んだんだろうな。)」

鬼「男ぉ!コンロの火はどうやって消すのだぁあ!?」

男「取っ手を逆に回すんだよ!(まぁいいや、考えんの面倒だ。多分なんとかなんだろ。)」

鬼「出来たぞ!男よ!」

男「おぉ普通の料理だ…。」

鬼「男!それは流石に失礼ではないか!?」

男「わりぃ。じゃあさっそくだけど食わせてもらうぞ。いただきます!」

鬼「うむ!どれから食べてもいいぞ!」

男「じゃあまず豚汁から…」

鬼「どうだろう…?」

男「美味い…いや、本当に美味しい!こんな美味い豚汁初めて食った!」

鬼「ほっ…。そ、そうであろう!私の自慢の一品だからな!」

男「ししゃもは…まぁこれは別にな、普通に美味しいな。」

鬼「そうであろう!そうであろう!」

男「お前も食べろよ。飯は誰かと食べるから美味しいんだろう?」

鬼「うむっ!そうであるな!では私も食べるとしようか!」
ゴボゴボゴボっ!!
男「あ、やっぱり豚汁はすんごい沸騰してんのな…。」

鬼「う、うむ。男には悪いが私にはすこし温すぎるのだ。」

男「そこは気にすんな。個人の好みだからな。」

鬼「そうか。男は器が大きいな!」

男「お前なんでも褒めるな。」

鬼「夫を立てるのが妻の務めだ!」

男「微妙に意味が違うけどな。」

~夜9時~

『日曜ロードショー!今日はあの話題作が登場!全米が泣いたラブストーリーがこのあとすぐ!』

鬼「男よ、これを見てもいいか?」

男「見たいの?」

鬼「うむ!人間が作った映画はとても面白いと母上がいつも言っておってな、前々から見たいと思っていたのだ!」

男「見てていいよ。俺風呂入ってくるから。」

鬼「うむ!いい今日も風呂であったぞ!」

男「(はぁ~いい風呂だ。ちょこちょこ変な知識が入ってるよな、あいつ。)」

男「(あいつの母ちゃんはどこでああいう知識仕入れてるんだ?)」

男「(実は人間となんか関わりがあるんじゃないのか?)」

男「(…そういやあの映画一回見たことあるな。確か濃厚なラブシーンがあったはず。)」

男「(まぁでもゴールデンだし、多分カットしてあんだろ、さて体洗ってあがるか。)」

男「上がったぞ~。」

鬼「うむ…。」

男「(すんげ―真剣に見てんな。こりゃ話かけるのよすか。)」
ドスっ
男「よいしょっと。」

鬼「……」

男「(ガン見だなぁ。こいつよく見るとまつ毛長いよな。顔も整ってるし。)」

男「(でもこいつは鬼なんだ。角も生えてるし。)なぁ鬼。」

鬼「ん?どうした男?」

男「角触ってもいい?」

鬼「え!?ど、どうしても触りたいのか?」

男「うん。できれば。」

鬼「う、うむ。ならば触ってもよいぞ。優しく頼む…!」

男「分かった。(やっぱり生えてるよな…。)」

男「(角の有る無しだけの違いなのにな。いや、他にも色々あるけど)」

鬼「っつ…!はぁ…お、男ぉお…」

男「(そんなこと気にするなって思うけどもさ、気にしないわけにもいかないよ。)」

鬼「うぅうう…男ぉお…頼む、もっと、優しくだぁ…」

男「(どんな形にまとまるにせよこいつを悲しませたくはないな。それは間違いない。)」

鬼「おっとっこ…。こ、これ以上はぁ…私の理性が」

男「(でもどうすりゃいいかなぁ~。)」

鬼「もうっ…限界っ!」
ドタンっ!
男「うわっ!何すんだよ!」

鬼「男が悪いのだぞ…私の角をいじくりまわすから…」

男「おい、目が据わってるぞ!どうした!」

鬼「男が角をいじるからではないかぁ…もう私は我慢できない…」

男「え?ちょっと待て!角って何?そういう箇所なの!?」

鬼「体が熱くて仕方ないのだぁ…男…」

男「(テレビもラブシーンに変わってるぅうううううううう!やばい!こんななし崩し的なのは駄目だ!)」

鬼「男のせいなのだからな?私はこんなことするつもり無かったのだぞ?」

男「駄目だ!鬼!こういうのは良くない!我慢してくれ!」

鬼「男が触ってきたのだぞぉ。それなのに我慢しろとはあんまりではないかぁ!」

男「それに関しては全面的に俺が悪い!だから頼む!我慢してくれ!」

鬼「男の体は我慢したくないと言っておるぞ!」

男「(めざとく見つけやがってぇえええええええええ!)これは違う!生理現象だ!」

鬼「我慢などすることはないではないか…男。」

男「(やばい!こんままじゃまじでやばい!…そうだっ!)鬼、このゴルフボール思いっきり握ってみろ!」

鬼「なぜだ?」

男「いいから!ほらっグッと!!」
ガリガリガガリガッ!
「「……」」
鬼「さぁ男よ。愛し合おうではないか!」

男「さぁじゃねえええええええええええええ!!(ゴルフボールだからよかったものの!
  もしこれが俺のゴールデンボールだったら…!)」

鬼「男が悪いのだ!だからもう男の言うことなど聞かぬ!」

男「駄目だぁあああああああああああ!」

鬼「逃げるな男ぉぉおおおおおおおおおおおおおお!」
ドカーンバキーンズゴーン!!!
~1時間後~

「「はぁ…はぁ…はぁ…」」

男「どうだ、治まったか?」

鬼「うむ、汗をかいたら普通に戻れた。済まなかった男よ…。」

男「いや、今回は全面俺が悪い。マジでごめん。」

鬼「私が言っておくべきだったのだ。なのに私はその、男が角をさわってくれろのを期待していた。」

男「……」

鬼「だから男は悪くない。悪いのは私なのだ。」

男「あぁ~、汗でべとべとだ。風呂入りなおさなきゃな。」

鬼「そうであるな。風呂を沸かさなくては。」

男「お前先に入れよな。」

鬼「うむ。そうさせてもらう。今男が入った後の風呂に入ったらまた火照ってしまいそうだ。」

男「そういうことは言わんでよろしい」

男「うしっ、じゃあ寝るか。電気消すぞ~。」

鬼「うむ…」

鬼「男よ。」

男「ん?」

鬼「さっきの私は忘れてくれ…。あんな自分から迫ったりなんて!末代までの恥だ…。」

男「悪いけど忘れられそうにないな。」

鬼「意地悪を言わないでくれえ!男よぉ!」

男「いや、本気で忘れらそうにないよ。あんな色っぽい姿さ。」

鬼「むぅう~…。もう男には頼まぬ!もう寝る!おやすみなさい!」

>>1なのですが姉が龍騎を全部見るといきりたっており日中PCを使えない状況にあります。
今日も夜からになりそうです。保守してくれてる方申し訳ありません。

>>469
その姉さんをください

>>470
あんな姉でいいならもらってください。劇場版ディケイド一人で見に行くのは流石にやめて…

現在もシコシコと

>>512
【大審議中】
     ∧,,∧  ∧,,∧         ∧,,∧  ∧,,∧
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ

  u-u (l     ∧,,∧  ∧,,∧ u-u (l    ) (∧,,∧   /⌒ヽ
      `u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧`u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
       ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )

       | U (  ´・) (・`  ) と ノ| U (  ´・) (・`  )と ノ
    ∧,,∧u-∧,,∧   ) (   ノu ∧,,∧-u∧,,∧  ) (   ノu ∧,,∧  ∧,,∧
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧-u'∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  )と ノ

  u-u (l     ∧,,∧  ∧,,∧ u-u (l    ) (∩,,∩   /⌒ヽ -u (l    ) (   ノu-u
      `u-∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧`u-∧ (´・ x ・) (・ω・`) ∧∧`u-u' `u-u'
       ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )

       | U (  ´・) (・`  ) と ノ| U (  ´・) (・`  ) と ノ
    ∧,,∧u-∧,,∧   ) (   ノu ∧,,∧-u∧,,∧  ) (   ノu-u
  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧  ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧-u'

 ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) 
 | U (  ´・) (・`  ) と ノ | U (  ´・) (・`  ) と ノ 
  u-u (l    ) (   ノu-u  u-u (l    ) (   ノu-u 
      `u-u'. `u-u'         `u-u'. `u-u'

鬼っていうからラムちゃんみたいなの想像したのに…

ラム「ダーリン!うちと同じ鬼族の娘に手を出すなんて良い度胸っちゃね…」

男「ま…待てラム!これは誤解d」

ラム「くぅぅ~ダーリン!また浮気してるっちゃね!?」バリバリ…

ラム「うちというものがありながら…天誅-!!!」

男「!!&#+*¥!~」


>>1早く来いよ-

まことに申し訳ありませんでした。やっっと姉が隆起を見終わりました。
感想は「オーディン一人勝ちって…なんかEVAみたい」だそうです。

男「(ん?どこだここ?…消毒液の匂い。病院…?)」

男「(あれ、俺なんで病院なんかにいるんだ?)」

爺「男よ!」

男「うぉ!爺ちゃん!帰ってたの?」

爺「何のことじゃ?そんなことより、ほれ!鬼ちゃんが待っておるぞ!」

男「鬼が?どうかしたの?」

爺「どうかしたの?ではなかろう!いいから早く行かんか!」

男「あぁ…分かったよ。」

城戸の空気具合は異常
支援

>>570 姉は東條がお気に入りだったそうです。

鬼「男!どこにいたのだ?」

男「あぁ、爺ちゃんと話してた。」

鬼「そうか、爺様も嬉しいのであろう!玄孫が生まれたのだからな!」

男「あぁ…っておい、今なんて」

鬼「ほら、男よ!我々の子供だ!可愛い女の子だぞ!」

男「えぇえええええええええええ!!うぉ、マジだ!角生えてる!」

鬼「もう、男と呼ぶのもやめた方がいいな。これからもともに頑張るぞ!旦那さま!」

男「うそだぁああああああああああああああああああ!!!」

ガバッ!!!
男「はぁ…はぁ…はぁ…」

男「ここは、俺の部屋…だよな…。はぁあああ…」

男「(マジでびびった…なんつう縁起でもない夢なんだ。)」

男「(まさか寝てる間に鬼に何かしたなんてことは…って鬼もういないし。)」

男「(とりあえず訓練して雑念を吹き飛ばす!心が未熟だからあんな夢見るんだ!)」

トントントン
鬼「む?おぉ、男よ!お早う!」

男「あぁ。今日は早起きだな。」

鬼「うむ!男は今日から学校なのだろう!だから精のつく食べ物を食べてもらわないと!」

男「あぁ、じゃあ俺朝の訓練あるから。」

鬼「うむ!頑張るのだぞ!」

男「(どんどん新婚生活みたいになっていく。このままじゃいつ一線越えてもおかしくねぇ…)」

男「(駄目だぁあああああああああ!冷静になれぇええ!煩悩を!邪な気持ちを払うんだぁああ!)」

男「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…腹へっ…た。」

鬼「どうしたのだ、男!?そんなにボロボロになって!」

男「いや、今日はいつも以上に気合が入ってな…。」

鬼「なるほど!週の始まりだからな!私も気合いをいれて家事をやらねば!さぁ、男!朝餉が出来ておるぞ!」

男「サンキュ~。いただきま~す。」

鬼「…どうだ?」

男「うん、おいしい。味噌汁も作れるんだな。」

鬼「味噌汁が作れない女は嫁に行く資格がないと母上が言っていたからな!しっかり練習してきたぞ!」

男「おいしいけどさ、俺、味噌汁は赤味噌好きなんだ。」

鬼「そうであったか!次から気をつけるぞ。」

男「いや、別にいいんだけど。覚えてくれたら嬉しい。」

鬼「勿論覚える!次は期待してくれ!」

男「あぁ…何でニコニコしてんの?」

鬼「いや、なんというか、今の会話はその、夫婦らしいやりとりであったなと思って…。」

男「……」

鬼「どうしたのだ?男?箸が進んでおらぬぞ?」

男「いや、なんでもねぇ。(無意識のうちに俺、鬼のことを妻みたいに扱ってるのか?)」

鬼「? なんでもないならよいのだが。」



男「じゃあ、俺学校行ってくるから。家で大人しくしてろよ。」

鬼「うむ。勉学に励むのだぞ。」

男「(顔は笑顔だけど、言葉に!マークがないな)言われなくても分かってるって。」

男「なるべく早く帰ってくるからさ。そんで買い物行こうぜ。」

鬼「うむ!楽しみに待っておるぞ!!!」

男「あぁ、そんじゃあ行ってくるわ。」

鬼「いってらっしゃい!いってらっしゃいだ!男!」

男「あぁ!いってきます!」

鬼「…ふぅ。男はいったな。一人になってしまった。」

鬼「いや、働きに出た男のために家を守るのが妻の勤め!私も頑張らねば!」

?「お嬢!お迎えにあがりやした!」

鬼「む?お前らは!」

?「女将さんからの命令なんで、大人しく従ってくださいね~。」

友「よぉ!男!」

男「…おっす。」

友「どうした?朝からテンション低いな。」

男「いや、色々あってな…。」

友「まさかっ!お、お、女じゃないだろうな…?」

男「…そんなんじゃねぇよ。」

友「なんだ!今の一瞬の間は!ついに彼女を作ったのか!」

男「だから違うって…。」

友「まぁ、お前が彼女作るわけないか。あんまりにも彼女作らないからホモ疑惑も流れてるお前がな!」

男「…なんだよ、その噂。」

友「ん?いや俺が流したんだよ。そしたら女の子もさぁ、お前のこと諦めきれるじゃん?」

男「今度そのこと誰かに話したら、本気で殴る。」

友「ごめんなさ~い。反省してます。」

男「…お前さ、英語の翻訳した?」

友「あぁ?単語訳して、話の大筋だけ読んだ。」

男「じゃあそれ教えて。それでチャラな。」

友「案外安いよな、お前。」

男「何か言ったか?」

友「ぜんぜ~ん。何にも~。」

他男1「おはよ~、男。」

男「あぁ、お早う。」

女1「おはよう、男君!」
女2「あっ男じゃん!おっはよ~!」

友「おはよ~!今日もみんな可愛いね~!」

男「おはよ。」

友「そっけねぇなぁ。もっと爽やかに、おはようっ!って言ってやれよ。」

男「そんな俺を、見たいのか?」

友「怖いもの見たさというやつだな。」

男「さてっと。」

友「待て!男!まだ下駄箱開けるな!」

男「またあれやんのか…?」

友「と~ぜん!俺の貴重な収入源の一つだしな!は~い恒例下駄箱トトカルチョ開催するぜ~!」

「今日こそ当ててやる…!」「3…いや、5かな?」「三連単は無謀かな…でも金欲しいしな」

友「受付時間あと一分だぜ~!一口200円だからな~!」

「じゃあ俺4通!」「6通!」「高坂、小山田、真田の三連単!」

男「……はぁあ」

友「さぁて、正解は…6通だぁあああああああああ!!」

「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」

「よっしゃあ!!3000円ゲット!!」「うわ~…昼飯代がぁ~」

男「…もういいか?」

友「うるせぇ!お前は俺達に付き合う義務がある!でないと俺達はどこに怒りをぶつければいいんだ!」

「「「そうだぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

友「毎日靴箱にラブレターが入ってるってお前!恵まれ過ぎなんだよ!!!」

「「「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

男「毎朝巻き込まれる俺の身にもなれ。」

友「そしてできれば誰か紹介してくれぇええええええええええ!!」

「「「お願いしまぁあああああああああああす!!」」」

男「お前らにはプライドはないのかよ?」

友「プライドがあれば彼女は出来るか!?否、断じて否!」

男「もう教室行くからな、俺。」

友「もてない男に栄光あれぇえええええええええ!ジーク・しっとマスク!!」

「「「ジーク・しっとマスクぅうううううううううう!!」」」

男「はぁあ…毎朝よくやるよ、あいつらもよ。」

友「ビッグニュースだぁああああ!皆の衆ぅうううううううう!このクラスに転校生が来るぞぉおおお!」

ザワ…ザワ…

男「(転校生?こんな変な時期に?…まさかだよな。)」

男「おい、友。その情報は確かなのか?」

友「流石のお前でも転校生には興味があるんだな!確かだぜ!うちの担任が見慣れねぇ女の子と一緒にいたそうだ!」

友「そして、目撃証言によるとぉおお…超がつく美少女だそうだぁああああああああああ!!」

「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

男「(嫌な想像しか出来ない…でもあり得ないよな、無理だろ。)」

友「楽しみだなぁぁ~…お前もそうなんだろ?」

男「あぁ。考えるだけで背筋がゾクゾクするよ…。」

友「男…その発言変態くさいぞ。」

先生「は~い、みんな座れ~!」

先生「その顔はもうみんな知ってるみたいだな。今日は転校生がくる。」

男「(頼む…!俺の杞憂であってくれ!)」

先生「じゃあ入ってきて。」

「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

男「(神様!今日だけは本気で祈る!だから願いを聞いてくれ!)」

鬼「今日からこのクラスの一員になる、鬼ヶ島だ!みなよろしく頼む!」

友「特Sランクきたぁあああああああああああああああ!!」

男「(マジかよぉおおおおおおおおおおおお!)はぁぁああ…」

先生「席は、男の隣が開いてるな。あの開いてる席に座って。」

鬼「うむ!」

男「(こっち見るなぁあああ!!あからさまに笑顔になるぁあああああああああああ!)」

先生「じゃあ授業まで少し時間あるから、みんな鬼に色々話してやってくれ。」

友「鬼が島さ~~~ん!!」

男「転校生さん!!ちょっといいですか!!」

鬼「うむ?うわっ!男!?」
ガラっ!!!!バタンっ!!!

友「…どうしたんだ、あいつ?」

女1「男君が…転校生を連れて行った。」
女2「うそぉ~、男君ってあんなのが好みなの?」

友「(これは…何か裏がありそうだな。)」

男「お前!何で学校来てるんだよ!?」

鬼「いや!私にもよく分からんのだ!私もいきなり連れてこられたのだぞ!」

男「誰にだよ?」

?「その先の説明は私がさせてもらいます。」

男「うわっ!誰だあんたら!いきなり背後に立つなよ!」

青「お初お目にかかります。あっし、お嬢の一の子分、青鬼と申します。」

赤「俺は~、お嬢第二の子分赤鬼っす。赤鬼ってなんかダサいんで、クリムゾンデーモンって呼んでください。」

男「で、赤鬼、青鬼が何の用だ?」

赤「シカトっすかwww流石桃太郎の祖先wwwぱねぇwww」

青「お嬢を高校に通わせたのは女将の指示です。」

男「女将?」

赤「お嬢のマミーっすよ。」

男「マミーとか言うな。でだ、何で鬼の母ちゃんはそんなことを?」

青「女将はお嬢に人の世で暮らすことを望んでいます。それには多数の人間と接するのが一番だそうです。」

赤「てっとり早く人間の学校に行かせて、いろいろ学んでこいってことらしいっす。」

男「でもだな、今の鬼にはまだ荷が重すぎるだろ!もしばれたら洒落になんねぇんだぞ!」

青「そのことは重々承知です。そうさせないために我々がいるのですから。」

赤「そうっすよ、男さん。俺らがついてるんで100パー安心っす!」

男「青鬼はともかく、お前は信用なんねぇな…。」

赤「ひでぇwww俺信用0かよwww泣けるwww」

男「それに付いてるって言っても、部外者が校内いたら捕まるんだぞ!」

青「その点はご心配なく。それでは時間ですので。」

赤「ま、大丈夫っすから!んじゃまた!」

男「っておい!まだ言いたいことが…!」

鬼「なぁ、男よ。私は高校に通ってみたい。」

男「でも、お前ばれたらまずいんだぞ!山奥に強制送還か、最悪捕まるぞ!」

鬼「それでも私は高校に通いたいのだ!」

男「無理いうなよな!流石にこれは止めるぞ!」

鬼「無理ではない!頑張ってみる!」

男「絶対ボロが出るって!」

鬼「でも、私はこれから男の妻として人の世で生きてゆくのだ!だから人間の常識を学びたいのだ!」

男「またそれかよ!俺は結婚するなんて一言も言ってないぞ!」

鬼「それでもよい!男が勉強していることを私も知りたいのだ!」

男「(結婚しなくていいって、あんだけ嫌がってたくせに…そんだけの覚悟ってことか。)…分かったよ。」

鬼「では、よいのだな!?」

男「もし、バレそうになったら諦めてもらうぞ。いいな?」

鬼「うむ!分かった!」

男「あと、もしなんかあったらすぐ俺の処に来い。なんとかするから。」

鬼「信頼しておるぞ!男よ!」

男「じゃあ教室戻るぞ。」

友「(何やら、予想以上に込み入った話みたいだな…だが面白すぎるネタがゲットできたぜぇええええ!)」

男「お前教科書持ってるのか?」

鬼「いや、渡された鞄には筆箱しか入っておらんかった。」

男「(確信犯だな…あの二人。)あとで買わなきゃな。」
ガガガッ!
鬼「ん?男よ!その、これはいいのか!?こんなに近づいて!」

男「教科書見せるためだよ!変な勘違いすんな!」

鬼「お、おぉ!そうだな!済まぬ!」

野郎共「「「(結局お前フラグかいいいいいいいいいいいいいい!!!!)」」」

鬼「最初の授業はなんなのだ?」

男「日本史だよ。お前、大丈夫!」

鬼「うむ!父上は色々な偉人をその眼で見てきておるからな!その話をよく聞いていた!」

男「父ちゃん長生きなんだな…」

ガラガラッ!

赤「ちょりっ~す!おぉお、JKだらけじゃん!テンションあがってきた!」

男・鬼「!!!」

赤「え~と、日本史の真下先生がぁ長いお休みを取られたのでピンチヒッターに見事抜擢された赤井で~す!」

赤「親しみをこめて、みんなレッドで呼んで。そしたら俺マジ嬉しいっすwww」

男「(おい!鬼!どういうことだよ!)」

鬼「(私にも分からぬ…だがこうなっておる以上しかたないのでは?)」

男「(ここで俺が騒いでも変な空気になるだけだしな、とりあえず様子見るか…)」

赤「真下先生は授業どこしてたの?幕末辺り?おぉ~俺超得意分野なんすけど!」

~40分後~

赤「で、この井伊って野郎はマジ外道なのwww自分の政策に反対する奴は全員打ち首とwかwぱねぇよなwww」

赤「ま、でも悪は栄えないのがこの世のルールwww桜田門外の変で暗殺されてやんのwwざまぁねぇなwww」

男「(言葉づかいはめちゃくちゃだけど、内容は間違ってないしな。あいつ意外にまともだな。)」

鬼「(うむ。赤鬼は外見は変だがやるときはやる奴だぞ!)」

キーンコーンカーンコーン

赤「あ、もう時間じゃね?今日はこれで終わりな。」

「「ええぇえええ~~?」」

赤「おぉおお、いwいwとwもwみたいwww俺はテレフォンのゲストかwww」

赤「次もあるから、みんな落ち込むなって!あばよっ!」

男「変な人気が出てるな。赤のやつ。」

鬼「赤は周りを明るくする才能がある。むーどめーかーというやつらしいぞ。」

男「当たらずとも遠からずってところだな。」

県民特定されろのであれなんですが、明日オナニー神福山のライブに行く予定なので
そろそろ限界です。本当に申し訳ありません。落ちるなら落ちるでもかまいませんので。
明日は頑張る予定です!

福山のかっこよさは異常、彼こそ現代の現人神やああああ!!!
で帰ってきたら民主圧勝でテンションガタ落ちorz

鬼「さて、男よ!次の授業はなんだ?」

男「次は体育だったな。お前体操服は?」

鬼「無い。それに体育は出ないほうがいい気がするのだ。」

男「…それもそうだな。じゃあグラウンド出て待っとけ」

鬼「うむ!」

友「おい!男ぉお!」

男「(やはりきたか!)何だよ?」

友「いやぁあ?お前もやることはやってるんだなぁって。」

男「鬼とは別に何も無いぞ。ただ、古なじみっていうだけだ。」

友「あぁあぁ、そういうことなのね。はいはい。」

男「…変な噂流したら分かってるよな?」

友「うんうん。俺の心の奥にひっそり留めておくよ。はっはっは!」

男「なんのことだよ?」

友「いいから、いいから!」

男「(鬼は…校庭の端っこにいるな。お、クラスの女子と何か話してる。)」

男「(変なこと言わなければいいんだけど…。)」

?「全員集合!!!」

男「(ん?うちの体育教師ってこんな野太い声だったっけ?)」

青「室井先生は今日からお休みに入られた!代わりに君らの体育をみる青島だ!よろしく頼む!」

男「(…もう驚きはしないな。この展開は読めてたよ。)」

青「健全な肉体に健全な精神は宿る!短い間だが、君らには肉体を鍛える素晴らしさを知ってほしい!」

友「なんか、面倒くさい先公がきたな…。」

男「まったくだな。」

青「まず今日は、皆が今どれくらい体力があるのか見せてほしい!よって男子はスポーツテストを実施する!」

「「「はぁああああああああああああ!?」」」

青「私語厳禁!教師の命令は絶対だ!」

女「青島先生。女子はなにをするんですか?」

青「女子は、前の授業内容そのままでいい!さぁ、男ども!まずは100m走からだ!」

男「(青のやつはこんなキャラなんだな…。まぁぱっと見ガラ悪いし意外ではないけど。)」

青「(男殿…お嬢は我々が小さい頃から見守り育ててきた。結婚もしてない自分は実の娘のように思っております…)」

青「(ですからお嬢のために心も鬼にさせてもらいます!男殿がお嬢にふさわしい漢か見定めさせてもらいやす!)」

青「それでは次!男に、友!」

男「(なんだか青鬼からの視線が凄いな…)」

友「男、お前青島からめちゃ睨まれてね?何かしたの?」

男「覚えがない、全く。」

友「(ふ~ん…そこも秘密か。)ま、久しぶりに走るんだ。全力で行こうぜ。」

男「あぁ、本気でな。」

青「位置について!よ~い!ドン!」

ダダダダダッ!!ズシャアアア!

友「俺の勝ちだろ!?」

男「い~や、俺の勝ちだね!」

青「…タイムは?」

友「早くタイム教えやがれ!」

他男「お、おう。友が11秒02。」

友「自己ベストぉおお!これは俺の勝ち…」

他男「で、男は10秒98。」

友「え?」

男「よしっ。」

友「はぁあああああ?10秒台!?見間違いだろ!?」

男「お前もよくやったよ。」

友「慰めんなぁあああああああああ!」

今年のインターハイ優勝者が10秒44だぞww
学校の校庭でスパイクもなしでその速さはねーよww

>>738「そういうガチなツッコミはwwwマジアフレイドwwwサーセンwww」と赤鬼も謝ってるので許して下さい。

鬼「(よく分からんが男が勝ったのだな!)」

女1「男くん、友に勝ったみたいだよ!」
女2「マジで?友ってインハイとか出てんでしょ?やっぱ凄いね!」

鬼「(ふふんっ!そうであろうそうであろう!)

女1「やっぱかっこいいよね~…」
女2「悔しいけどな」

鬼「(やはり男はモテるのだな。しかたあるまい、男は本当にかっこいいからな。)」

鬼「(私も男にふさわしい妻になれるように努力せねば!)」

鬼「(でも、男にもっとお似合いの人間の女の子がおるのではないのだろうか?)」

男「鬼ぃ~…」

鬼「うわっ!男っ!?」

男「どうした?なんかあった?」

鬼「いや、何でもないぞ!」男こそどうしたのだ?」

男「青鬼さん、どうにかしてくれ…。」

鬼「む?青鬼がどうかしたか?」

男「どうしたもなにも、あれ見てみろよ。」

青「ほらお前ら!全員がトラック50周走るまで終わらんぞ!」

男「俺とか友は、はぁ…なんとか走り終えたけど…帰宅部の奴らは、たまったもんじゃないぞ。」

鬼「とりあえず、青鬼を止めればよいのだな?任せておれ! ……」

男「鬼?」

青「はっ!お嬢!…はい、分かりました。今すぐ止めます。すいませんでした!」

鬼「よしっ!今すぐ止めるそうだぞ!」

男「何したの…今?」

鬼「鬼同士の第六感というか、そんな感じだ!…こういうのは使ってはいけなかったか?」

男「いや、むしろGJ。」

鬼「じーじぇい?」

男「いい仕事したなってことだよ。」
ガシガシッ!!
鬼「(お、男!つ、角に触っておるぅ!)」

男「おっと、悪い。ついつい。」

鬼「学校では流石に駄目だぞ…。」

男「なにエロいこと考えてんだ、馬鹿。」

友「(男が女の子とあんな楽しそうに話すの初めて見た…やっぱ特別なんだな。)」

先生「は~い、じゃあ明日は45ページからな。復習ちゃんとしておくように。」

友「やっと昼休みだ~…。青島のせいで、もう限界だぜ…。」

男「あぁ、俺もだ。胃が空っぽだ…。鬼、学食いくぞ。」

鬼「うむ!で、がくしょくとはどこだ?」

男「1階だよ。早くいかないと混むから急ぐぞ。」

友「ちょっと待て!男!」

男「なんだよ…急いでんだよ。」

友「無二の親友である俺を置いていくとはどういう了見だ!?」

鬼「男の親友なのか?私は鬼ヶ島だ!よろしくな!」

友「あぁ、男の親友だぜ!友でいいから、よろしく!」

鬼「うむ!よろしくな、友!」

友「あぁよろしくね!鬼ちゃん!」

男「ちっ…もういいだろ!行くぞ鬼!」

鬼「う、うむ!友よ、後でな。」

友「(あんなにむきになるとはね~…意外に初心だったんだな、男。)」

男「(くそっ…!なんでこんなに苛々するんだ!?鬼が友と話してただけなのに…。)」

鬼「お、男!どうしたのだ?」

男「(友の奴が鬼って呼んだ時、本気でむかつくなんてよ…!)」

男「(俺ってこんなに独占欲強かったのか?こんなはずじゃ無かったのに…)」

男「(駄目だ…自分でも嫌になるくらい鬼が俺の中で…大きくなってる!)」

鬼「男!手を、そんなに強く握らないでくれ!」

男「っ!悪い…ごめん。」

鬼「どうしたのだ、男?私は何かまずいことをしたか?」

男「いや、なにもないよ…。」

鬼「正直に言ってくれ!男よ!」

男「なんでもないんだって!本当に!」

鬼「ならばなぜ怒っておる!?なにかあったのだろう?」

男「お前は悪くないんだよ…。馬鹿なのは、俺だ。」

鬼「なにがあったのだ?男よ?私には話してくれ。」

男「いいから、飯食いに行くぞ。」

鬼「男っ!」

男「…今は何も聞かんでくれ。」

鬼「男…。」

赤「(なんかやばめの雰囲気っすね~…)」

青「(大丈夫なのか?お二人は?)」

赤「(まぁ、これくらいのTOLOVEるは付き物っすよ、先輩。)」

青「(むぅ…そういうものなのか。)」

赤「(そうそう、大人しく見守るのが1番っすよ。)」

~放課後~

先生「じゃあHRは終わりにする。じゃあ、また明日。」

「どっかよってこうぜ~。」「部活めんどくせぇ~」

男・鬼「……」

男「(何で黙ってんだよ。普通に話しかければいいのに。それも出来ないなんてよ。)」

男「(俺が悪いのに。こんな顔させたいわけじゃないのに。)」

友「鬼ちゃ~ん!一緒帰ろうぜ~!」

男「……」

鬼「いや、私は…」

友「男と一緒なんだろ?それなら途中まで俺も同じだしさ~」

ガタンッ! 
男「帰る」

友「おい、男?どうしたんだよ?」
ガラララッ!!
鬼「友よ、すまない!次の機会にしよう!男!待ってくれ!」

友「(まさか、男があんなに激情家とはね~。そろそろいじめるのもよしてやろうかな。)」

友「(でもこんな機会二度と無いしな…。少しいじめ足りないかにゃ~?)」

「「……」」

青「(おい、赤!本当に大丈夫なのか!お二人は?)」

赤「(先輩wwwいい齢してストーカーのマネっすかwwwぱねぇwww)」

青「(お前は真剣にやらんか!お嬢が悩んでおられるのだぞ!)」

赤「(大丈夫なんですって、先輩。一体どこ見てんすか?)」

青「(お二人とも無言ではないか!それ以外どこを見ろと言うんだ!)」

赤「(ほら男さんはしっかりお嬢を歩道側に歩かせてるじゃないすっか。
   あれって、ちゃんと意識してやらないと出来ないもんなんすよ?)」

青「(そうなのか?)

赤「(そうっす。それに~男さんは歩くペースをお嬢に合わせてますしね。普通さっさ自分のペースで歩くもんですよ。)」

青「(ほうほう…。)」

赤「(何マジに聞いてんすかwwwそういや先輩独身でしたねwwwうけるわwww)」

青「(しかし、このままで大丈夫なのか?お二人とも顔が暗いぞ!)」

赤「(ん~…確かに、先輩の言うことも一理ありますね~。これは俺らが一肌脱ぐべきっすね!)」

青「(おぉ!で具体的にどうする?)」

赤「(ま、男女の中にかけては、この合コンの鬼ことクリムゾンデーモンに任せてください!)」

青「(よしっ!じゃあ準備だ、赤鬼!)」

赤「(いやwwだからwwクリムゾンデーモンですってばwww)」

男「ただいま~…。」

鬼「ただいま…。それでは私は晩ごはんを作るから…。」

男「あぁ、頼むよ。」
ガララララッ!
赤「チョリッ~ス!お嬢に男さん!わんばんこっす~!!」

青「夜分に失礼いたします!」

男「なんだよ、お前ら…」

赤「まぁまぁ男さん!そんな怖い顔だめですって!スマイルスマイル!」

男「肩を組むな!」

青「お嬢、夕餉の準備はあっしがしますんで。」

鬼「しかしだな…」

赤「お嬢もほらっ!今日は先輩に任せましょうよ!男さん、青鬼先輩の料理はマジやべぇすよ。」

男「…俺の舌は肥えてるぞ?」

青「お任せください、男殿!」

男「おぉおお…」

青「私たちが住んでる山の幸、フルコースでございやす。」

赤「流石先輩www独身長いとこうなるんすねwww…いや、まじですいません先輩。」

青「分かればいい…。」

赤「それじゃあ男さん、お嬢、グラス持ちましたね?」

男「あぁ。」

鬼「うむ。」

赤「そんじゃ乾杯ぃいいいいい!!!!」

「「「かんぱいっ!」」」

男「ん?おい、これって酒じゃねぇか?」

赤「そうっすよwww鬼特製鬼殺しですwww自殺行為www」

男「これ、結構きついな…。(鬼は大丈夫か?)」

鬼「zzz…zzz…」

男「おい!鬼っ?大丈夫なのか?お前ら何飲ませたんだ!?」

青「落ち着いてください男殿!寝ているだけです!」

赤「お嬢は酒に弱くて、一滴でも酒が入ると爆睡しちまうんす。」

男「それ知ってて何で酒飲ませたんだよ?」

青「男殿にお話があるからです。」

赤「男同士腹割って話しましょうよってことっす。酒もありますし。」

~2時間後~
青「だぁかぁらぁ~、私にとってお嬢は娘みたいなものなんです、男殿!聞いてますかぁ!」

男「聞いてる聞いてる。」

赤「先輩それ話すの三回目っすwww」

青「何回でも言うぞぉおおおおお!よいですか?男殿!!」

男「あぁ、聞いてやるよ。」

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 クリモン!クリモン!
 ⊂彡

青「お嬢はぁ、俺みたいなやさぐれにも、優しく接してくれる本当にいい子なんです…。」

男「分かってるよ…。」

青「いつでも他人のことを気にして、部下のことを気遣う最高の娘です…!」

男「……」

青「でも、本当は人一倍繊細で寂しがりの普通の女の子なんですよ…!」

男「それも知ってる。」

青「ですからお願いです!どうか、どうかお嬢を悲しませるようなことだけはしないでください!」

男「! 頭上げろって、青鬼!」

青「どうか…どうか……zzz…zzz」

男「え?」

赤「寝ちまいましたね、先輩。」

男「そうなのか…。」

赤「俺も気持ちは先輩と同じっす。男さん。」

赤「俺は元々、お嬢や女将が住んでる山の者ではなかったっす。他の村で村八分にあって逃げてきました。」

赤「そんなよそ者の俺を迎え入れてくれたのは、誰でもないお嬢なんす。」

男「そうだったのか。」

赤「はい。お嬢が女将に掛け合ってくれて今の仕事につけたんす。今の俺がいるのはお嬢がいたからです。」

男「……」

赤「男さん、確かに鬼と結婚っていうのは難しいっすよね。でもどうか真剣に考えてやってください。」

赤「鬼だからって理由でお嬢を拒まないでやって欲しいんす。一人の女の子として見てあげてください。」

男「そんなこと…!分かってる!というかむしろ俺の方が!」

赤「…俺、思うんすけど恋愛ってもっと軽いもんですよ。」

男「どういう意味だ?」

赤「そんな相手の為にとか一々考えなくていいんすよ。好きなら好き、それだけでいいと思うんす。」

男「…でもよ、それだったらいつか相手を傷つけるだけだろ?」

赤「傷つけあって、腹割って話し合って、許しあって、そうやって深まるんじゃないんすかね?絆って。」

男「そうかもしれないけどよ…。」

赤「1番大事なのは自分の気持ちに素直になることっすよ。独占欲も愛情なんすから。」

男「お前っ!どうして!」

赤「男さん見てれば分かりますってwwwモロバレwww」

男「ちっ…お前やっぱ信用なんねぇわ。」

赤「サーセンwwwじゃあ俺ら帰りますんで ほら先輩www起きてください!」

青「お嬢ぉおお…」

赤「この人リアルきめぇわwww後輩辞めたいwww」

男「気遣わせたな、悪かった。」

赤「別にいいんすよwwwでも、もしよかったら次からはクリムゾンデーモンって呼んで…」

男「またな、赤鬼。」

鬼「うむぅ?ここは…。」

男「目、覚めたか?」

鬼「男?私は…どうしていたのだ?」

男「赤鬼が間違って酒飲ませてさ、寝てたんだよお前。」

鬼「…今日は済まなかった。やはり私は高校に通うのを止したほうがよいな…。男に迷惑かけてばかりだ。」

男「悪いのは俺だよ。お前じゃない。」

鬼「男が悪いわけがない!私がいたらぬことをしたのだろう?」

男「…なぁ鬼、お前が思うほど俺は完璧じゃねぇんだ。」

男「俺はさ、お前が来てから色んな自分を知った。そんで分かったことがある。」

男「実は俺って、すんげー弱い人間だったんだなって。今までの俺は強がってただけなんだ。」

鬼「…ぐっ…ふぐっ…うぇえ」

男「鬼!?何で泣いてんだよ!?」

鬼「だって私のせいで男は苦しんでいたのだろう…。私が勝手に作り上げた想像のせいで…。」

男「違う!そんなことない!」

鬼「違わない!ぅぅう、男は優しいから、私の期待に応えてくれてたのに、私は…男を苦しめるだけだったなんて」

男「なに言ってんだ馬鹿!それは違うぞ!」

鬼「ふぇえええええ!」」

男「違うって言ってるだろ!おい、聞けよ!」

鬼「私は、なんという愚か者なのだぁあ…ふえええええええ!」

男「(あ~もう何でこんなことになってんだよ!ただ謝りたかっただけなのに!こうなったら…ままよ!)」
ギュッ!!
鬼「お、男?」

男「泣いてもいいから、でもここでだけだ。それ以外は許さん。」

鬼「おっとこ…うぅう…うわっぁあああああああああああああん!」

鬼「ふっ、ふぐっ…ぐすっ…」

男「治まったか?」

鬼「う、うむ。」

男「そうか。そりゃよかった。」

鬼「私は、心配なのだ。私のせいで男が迷惑しておらぬかと…。男は私のことを邪魔に思っているのではないかと。」

男「そんなことあるわけないだろ。」

鬼「しかし、学校では迷惑をかけたのだろう?だから男は怒ったのではないのか?」

男「あぁ、そのことなんだがな。えぇとな…。それはだな。」

鬼「はっきり言ってくれ!男よ!」

男「…分かった!言うわ!一回しか言わないからな!」

鬼「うむ!言ってくれ!」

男「そのだな、お前と友が話してるの見て、なんかよく分からんけどムシャクシャしたんだよ!そんだけだ!」

鬼「それは…その、」

男「そうだよ!所詮俺も独占欲の強い男だったってことだ!」

くそっ!
なぜ俺の祖先に桃太郎がいないんだ!!

鬼「ふぇえええええええええ…」

男「何でまた泣くんだよ!?」

鬼「分からぬぅ!でも涙が止まらぬのだぁああああ!!うぅううううううう!」

男「あぁもう泣くなって!ほら泣きやめって!」
ギュゥウウ!
鬼「そう言われてもぉ、止まらぬのだぁあああ!!!ふぇえええええええええ!!」

男「もう分かった。止まるまでこうしててやるから。」

鬼「うむ…うむ…」

青「(お前は馬鹿かっ!本当に仲直りしたかも確認せずに帰るとは!)」

赤「(自分は寝てたくせにwwwいい気なもんすねwww)」

青「うるさいっ!とにかくしっかりこの目で確認せねば!)」

赤「(先輩不法侵入っすよwww通報しよっかなwww)」

青「(赤…!いい加減にしろ!)」

赤「(先輩の方がいいかげんにしろって感じっすけどねwww分かりましたよwww)」

コソコソッ
赤「(合鍵なんてどこで手に入れたんすか?)」

青「(女将に渡されたのだ…1階には二人はいないな。)」

赤「(お嬢と男さんなら2階っすよ。)」

青「(知ってたなら先に言え!)」

赤「(リアル腹立つわwwwこの人www)」

青「(ここがお二人の寝室みたいだな…)」

赤「(流石にここ覗くのはまずいっすよwww洒落にならないですってwww)」

青「(お嬢にもしものことがあったらどうするんだ!?)」

赤「(そんならそれでいいじゃないすかwww結婚秒読みってことでwww)」

青「(そうではない!仲違いしていたらどうすると言っているんだ!)」

赤「(あ、そっちすかwww勘違いしてサーセンwww)」

青「(とにかく、入るぞ…。)」

脱いでおくか・・・

キィイイ…
赤「なんかスター寝起きドッキリみたいですねwww)」

青「(お二人は…む、同衾しておるのか!?)」

赤「(ほら、これで分かったでしょ。もう帰らないと流石に。)」

青「(いや、まだ分からぬ!布団をとってお二人の姿を確認せねば分からぬ!)」

赤「(なにいってんだこの人wwwあんた実はお嬢の寝姿見たいだけでしょwww)」

青「(いいから!早く布団を剥げ!赤鬼!)」

赤「(俺wがwすwるwんwかwいw まぁいいすっけど俺も気になるし。)
ペラッ
赤「(いや~…これはいいもん見れたわ。写メろうかな。)」

青「(無粋な真似はやめろ!赤!)」

赤「(覗きが1番無粋っすけどねwww)」

青「(しかし、男女の仲とはわからぬものだな。昼間喧嘩して、夜はふたり抱き合って寝るとは。)」

赤「(ま、いいじゃないすか、こんなに幸せそうなんすから。)」


と、まさかの赤鬼締めで落ちます。でもこれで俺がどれだけクリムゾンデーモンを愛しているか伝わったはず。

ギシ・・ギシ・・・アン・・アンッ・・


赤「(ありゃりゃwww始まっちゃったwwww)」

赤「(こりゃ早く退散しますかwwwwww)」

青「ハァハァ・・・(おい赤鬼ケツかせ)」

赤「(ちょwwwなに盛ってん)ヌプリ アッーーー」

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれはギシアンかと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか事後だった』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピードだとか

   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…     1乙…


    _ _⊂ゝ
   ( ゚∀゚ )ノ )))  おつ!
   ( 二つ
   ノ 彡ヽ
   (_ノ ⌒゙J

続きは書きます残ってたら。でももう寝ます。という意味です。
分かりにくくてすんません。

明日も続きを書いてくれるのかな?

>>832
そのつもりっすww次とおまけでラスト。絶対このスレで終わる量じゃない件はどうすれば?

律儀な>>1め・・・
普通に次スレたてれば? パー速まで行かなくともVIPで

勘違いを引き起こす表現申し訳ないです。事後ではないですので。

?「そうか…仲のほうは順調か。それを聞いて安心した。」

?「で、男殿のほうは、まだなのか。分かった。また報告してくれ。」

爺「どうじゃった?」

?「仲のほうはいいみたいです。それを聞いてひとまずは安心しました。」

爺「そうかそうか。まぁ馬が合うとは思っておったよ。」

?「ですが男殿のほうがまだ…。」

爺「仕方あるまいな。素質は誰よりもあるんじゃがな。」

?「だからこそ私は娘をよこしたのです。しかし、このままでは。」

爺[焦っても仕方あるまい。時間が必要じゃ。」

鬼母「時間…ですか。」

おかえり
そーか事後じゃねーのか・・・  安心したぜw

爺「あぁ、時間がな。」

鬼母「吉備津さん、実はそれほど時間も無いのです。」

爺「どういうことじゃ?…まさか雷神を説得できんかったか?」

鬼母「仰る通りです。」

爺「あいつは堅物じゃからな。で、今雷神はどこにいっとる?」

鬼母「世界雷神サミットに首席するために、アイルランドに行っています。」

爺「なんとも物騒な会議じゃの。でいつ帰国するんじゃ?」

鬼母「大変言いにくいのですが…」

雷「帰ったぞ~~~~~~~~!!!!」

母「今日なんです。」

爺「タイミングがいいのか悪いのか…」

雷「はっはっは!いい会議だった!トールともケツァクワトルとも話が弾んだわ!」

母「お帰りなさい、あなた。」

爺「久しいな、雷神。」

雷「おぉ、吉備津の旦那!久し振りだな!いつ以来だ?」

爺「台風19号以来じゃからな。20年というところか。」

雷「もうそんなになるか!!互いに齢をとったもんだな!!」

母「あなたご飯を用意してますので奥に。」

雷「おぉ!久し振りに親子水入らずで過ごすのもいいな!」

母・爺「!!!」

雷「旦那も一緒に食っていくか?」

爺「あぁ。いただくかの。」

母「(どうします、吉備津さん?)」

爺「(どうもできん。とにかく引き延ばそう。)」

雷「鬼ちゃ~~~~ん!!パパが帰ったよ~~~~!!」

高木ブーかw

~2日後~

男「はぁあああ!」
がしゃっがしゃん!
鬼「おぉぉ!瓦を六枚も割るとは!凄いぞ、男!」

男「たいしたことないよ、全然」

鬼「何を言う!大したものではないか!」

男「お前、これ割ってみて。」

鬼「いや、私はいい!やめておく!」

男「試しにやってみ?な?」

鬼「う、うむ。では…はっ!!」
ガシャアアアアアアアアアアン!
男「地面ごとか…予想の上をいったな。」

鬼「いや、ほら!私は鬼だからな!男は凄いんだぞ!」

男「フォローしなくていいよ。」

鬼「うむ、では私は朝餉の準備をしてくるぞ!」

男「あぁ」

男「(やっぱ、すんげぇな。鬼の怪力は…。)」

男「(もう気にしてはいないけどさ、でも問題山積みだよな。)」

男「(あれ?でも、手は普通に繋げたよな。それに、この前抱き合った時も別に痛くなかったし)」

男「(手加減してくれてたのか?いや、でもあいつも本気でハグしてくれてたよな。)」

男「(…おいおい、朝から君も元気だね。落ち着けって!まだ朝だぞ!)」

鬼「男~!準備出来たぞ~!」

男「おぉ!今行く!」

鬼「今日はめざしに味噌汁、納豆だぞ!」

男「和食最高!日本人万歳!」

鬼「全く持ってその通りだ!さぁ、食べようではないか。」

「「いただきま~す」」

男「あぁぁ、染み渡るなぁ…」

鬼「全くだな…」

男「今日はどうする、休みだけど?どっか行きたいとこある?」

鬼「男行くならどこでもいいぞ!」

男「そういうことじゃなくて。何かリクエストない?」

鬼「…言ってもいいのか?」

男「どこでもいいから、とりあえず言ってみろよ。」

鬼「昨日テレビでCMしていた水族館に行ってみたい…。」

男「あぁ、街にあるやつね。分かった、今日はそこ行こう。」

鬼「本当によいのか?お金がいるのではないのか?」

男「大丈夫だって、お前は金のこと気にすんな。」

鬼「家計の管理も妻の勤めなんだぞ!」

男「ま、その辺はおいおい話し合おうぜ。とにかく今日は水族館だ。」

鬼「うむ!楽しみであるな!」

TV『東北地方で急きょ発達した雨雲はもの凄い速さで日本列島を南下しています!
  こんな現象は観測史上初めてだそうです!』

男「へぇ~…大変なんだな~。げ、うちの近くに来てんじゃん。」

鬼「……」

男「どうしたんだ、鬼?」

鬼「いや、何でもない!何でもないぞ!」

男「嘘ついてないだろうな?」

鬼「あ、あぁ!」

男「(明らかに嘘ついてんな。ま、いいけども。)分かった。でも雨降ったらいやだな。」

鬼「そうだな…。」

男「なんか怒ってる?」

鬼「なんでもないぞ、男。」

男「準備できたか?」

鬼「うむ!早く行こう!」

男「あ、あぁ。分かったよ!」

>>940
もうその話題やめろ他でやれ
主が雑談に機嫌損ねて消えたらどうすんだ

雷親父襲来を大人しく待ってろ

青「男殿!」

赤「男さん!あぁ、今から出かけるんすね。ちょうどよかったっす。」

男「赤鬼に青鬼。どうしたんだ、こんな朝早くに。」

青「男さん!どうか話を聞かずに逃げてください!」

赤「ちょっとハンパない事態なんで、お願いします。」

男「何なんだよ、一体?」

青「話してる時間すら惜しいんです!とにかく逃げてください!」

赤「これはガチなんで、一緒に来てください。」

男「でもこれから鬼と水族館行くから。その後でな。」

鬼「…父上が帰ってきたのだな?」

赤「そうっす。で、今ここに向かってます。」

男「鬼の父ちゃんが?」

青「はい!もの凄いスピードで来ています!」

男「それのどこがやばいんだよ?」

赤「男さんは旦那のやばさを知らないからそんなことが言えるんすよ、マジで。」

青「話はいいので!もうそこまで来てるんです!」

男「来てるって…どこにもいないじゃん。」
ポツッポツッ
男「ん…雨?うおっすんげ―曇ってる。あんなに晴れてたのに。」
ゴロッゴロッ
男「うわっ雷まで。こりゃ水族館行くのやめたほうがいいかな?」

鬼「……」

男「…鬼?どうした、そんな怖い顔して。」

鬼「父上のわからずや…!どうしてそんなに反対するのだ…?」

男「どうしたんだよ、鬼?」
ドゴーーーーーーーーーーーーーン!
「「「「うわあああああああああああああああああっ!?」」」」

男「こんな近くに雷落ちたの初めてだ…。心臓が飛び出るかと思った。」

鬼「大丈夫か、男!?」

男「あ、あぁ。お前は大丈夫か。」

鬼「私は平気だ!本当に大丈夫か?怪我などしておらぬか?」

>>942 書き込みやめたりしませんよ。むしろ人がいるのわかって嬉しいです。

赤「旦那!流石にやりすぎっすよ!」

青「全くです!お嬢が怪我したらどうするんですか!?」

雷「はははっ!すまんすまん!力加減を間違えたのだ!」

鬼「…父上。」

男「え?あれが鬼のとうちゃん?」

雷「おおおおおおおお!鬼ちゃん!パパ帰ってきたよ~!」

鬼「父上。お帰りなさい。」

雷「うん、鬼ちゃんにお土産もあるぞ!ほらっ、トールからもらったこのハンマーとか。」

男「外見の割に、むすめにデレデレだな。」

赤「一人娘っすからね~。ああもなりますよ。」

鬼「なぜ来たのです!?」

雷「なぜって!鬼ちゃんを連れ戻しに来たんじゃないか!」

鬼「なぜ来たのです!?」

雷「なぜって!鬼ちゃんを連れ戻しに来たんじゃないか!」

鬼「私は帰りたいなんて一言も言っておらぬ!」

雷「なにをいってるんだ鬼ちゃん!男性と二人暮らしなんてまだ早いよ!」

鬼「そんなことはない!私は男の妻としてしっかりやっておる!」

雷「つ、妻?妻だと?」

鬼「そうだ!それに父上のせいで男と水族館に行けなくなってしまったではないか!」

雷「それは、デートなのかな?」

鬼「勿論であろう!私と男は夫婦なのだからな!」

男「おい!俺は誰も夫婦…ムー!?(青鬼?)」

青「(今、男さんは黙ってたほうがいいです。刺激したらまずいので。野生動物と同じですから。)」

雷「それは悪かった…でも鬼ちゃん。やっぱりこういうのはまだ早いよ。だから帰ろう。ね?」

鬼「帰りたくはない!私は男の妻なのだ!」

高校生の多さに少し驚くおっさんですよ…

雷「妻っていうけども、実際結婚したわけではないんでしょ?」

鬼「確かに結婚はしておらぬ。だが、私はもう、」

雷「?」

鬼「男に角を触られたのだ~~~~~~~~~~!!!」

「「「……」」」

男「(なんだこの妙な沈黙…?)」

雷「男君!そ、それは本当かね?」

男「は、はい」

雷「それはいつくらいかな?」

男「え、確か鬼と会って二日目です。」

雷「二日目…だと?」

赤「二日目で角触るとかwwwぱねぇわwww流石男さんwww負けたwww」

青「男殿。見損ないました…。」

男「ちょっといいすか!?(おいっちょっと待て、角を触るのってそんなにまずいのか?)」

青「(いや、男女の仲にあるものが行う行為で、そのですね…)」

赤「(分かりにくいすよ先輩www男さんにわかるように言えばですね…
   角を触るって行為は、鬼のABCのB+ってとこっす。)」

男「(ABCって、あのABCか…?)」

赤「(はいwwwしかしお嬢も父親にあんなこと言うとかwwwすげぇwww)」

雷「話はすんだか…?」

男「はっ!?いや、俺知らなかったんですよ、お父さん!」

雷「お父さんと呼ぶなぁあああああああああああ!!!」
ゴロゴロゴロッ!!ドカッーーーーーーーーーーン!!
男「うわあああああああああ!」

雷「知らなかったで済むと思っているのかああああ!?」

男「思ってません!責任はとるつもりです!」

鬼「お、男。それは…結婚してくれると考えてよいのか…?」

赤「おぉおおおwwwかっけぇ男さんwww」

男「え!?あ、違う!いや違わないけど!」

次スレに関してですが、自分で建ててもいですか?

雷「いちゃつくなぁあああああああああああああ!!」

母「いい加減になさい、あなた。」
ズビシッ!
雷「痛っ!何すんだ母ちゃん!」

鬼「母上!」

男「今度は母ちゃんか!?(鬼の母ちゃん?めちゃくちゃ若い!いくつだよ!)」

母「はじめまして男さん。鬼の母です。」

男「あ、どうも。」

雷「母ちゃん!止めてくれるな!こいつだけは許さん!」

母「仕方無いでしょう。二人は好きあっているのですから。角くらい触りますよ。」

雷「しかしだな、母ちゃん!鬼はまだ18だぞ!」

母「人間の法律なら結婚もできますよ。」

雷「むむむむ…!だがな人間の男と結婚などならんぞ!」

鬼「父上!!」

母「そんな古臭いことを…ならば好きあってる二人を引きはがすのですか?」

保守してくれた方本当にありがとうございました。明日同じくらいの時間にパー速に立てます。
雷「鬼ちゃん、男君のこと好きなのかい?」

鬼「もちろんだ!」

雷「男くん…君は娘の事を愛しているのか?」

男「(…もう覚悟は出来てるよな。大丈夫だ、胸張って言おう。)はい、愛してます。」

鬼「! 男ぉお!」
がばっ!
男「うぉ!ちょっと鬼!まだ親父さんと話してるから!」

鬼「男ぉお!男ぉお!男ぉおお!」

男「落ち着けって!お前の両親見てんだぞ!」

母「こんな二人を見ても、まだ文句をいいますか?」

雷「…はぁ~。俺もそこまで鬼じゃないよ、母ちゃん。」

母「ふふっ、そういうところ好きよ、雷ちゃん。」

雷「やめろい母ちゃん!照れるじゃねぇか!」

青「はぁああ~…」

赤「マジ溜息っすねwww俺も彼女作ろうかなwww」

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