キョン「実は女の子だったって良いよな」(253)

キョン「国木田とか」

古泉「最高ですね」

キョン「国木田に

『キョン、今までごめんね。実は僕……』

とか言われたい」

古泉「貴方、本当に国木田君好きですよねぇ」

キョン「でも国木田、完璧に男なんだよなぁ」

古泉「確認したんですか?」

キョン「あぁ。中学の時、水泳の授業でな」

古泉「そう言えば同じ中学でしたね……擬装の可能性は?水泳パンツに何かを入れていたとか」

キョン「はっきりと見てしまったからなぁ」

古泉「……実はふたなりだったと」

キョン「それも無いな」

長門「…………」


古泉「やれやれ……夢も希望もありませんねぇ」チラッ

キョン「希望はあるにはあるがな」チラッ

長門「…………」

キョン「…………」

古泉「…………」

キョン「ハルヒとかな」

古泉「涼宮さんですか?」

キョン「あぁ、ハルヒが望めばどうにかなるんじゃないか?」

古泉「確かにそうですね。僕も涼宮さんの影響で能力を得ましたから」

古泉「しかし、どうやってそれを望ませるのかが問題ですね」


キョン「あぁ、それさえクリアすれば……でも、もっと簡単な方法があるような気がするんだよなぁ」チラッ

古泉「僕も思いますよ」チラッ

長門「…………」

キョン「…………」

古泉「…………」

古泉「朝比奈さんとかは?」

キョン「時間遡行か?」

古泉「ええ、国木田君の母親……受精卵の状態の時に未来パワーでちょちょいと」

キョン「なんだよ未来パワーって」

古泉「いえ、時間遡行出来るならそれぐらい出来るんじゃないかと」


キョン「『禁則事項ですよぉ』とか言われると思う」

古泉「朝比奈さんの声真似ですか。ちょっと気持ち悪かったですよ貴方」

キョン「すまん。悪気は無かった」

古泉「しかし、確かに言われそうですね……朝比奈さんは無理ですか」チラッ

キョン「残念だな」チラッ

長門「…………」

キョン「…………」

古泉「…………」

キョン「藤原とか周防九曜とかは?」

古泉「敵対勢力ですからねぇ」

キョン「喜緑さんとか」

古泉「何を目的としているか、まだわからない方に頼むのもちょっとですねぇ」

キョン「残念だなぁ」チラッ

古泉「残念ですねぇ」チラッ

長門「…………」

キョン「…………」

古泉「…………」



長門「……帰る」

キョン「長門?帰るのか?」

古泉「まだ、涼宮さんも朝比奈さんも来ていませんが……」

長門「…………」

キョン「…………」

古泉「…………」

長門「……急用が出来た」

キョン「急用なら仕方ないな」

古泉「ええ、仕方有りませんね。涼宮さんには上手く言っておきますよ」

長門「…………」

バタンッ

キョン「……行ったか」

古泉「上手くいきますかねぇ」

キョン「五分五分ってトコじゃないか?」

………

……



次の日

俺は国木田の様子をいち早く確認すべく、急いで学校に向かった。

妹「早起きなんて、キョンくん珍しい~」

男には早起きしなければならない時があるのだ妹よ。

キョン子以外の女体化は面白い
キョン子だけが異色の気持ち悪さ

キョン子SSってキョン子以外全員キョン子狙いの変態ってのしかなくて
スウィーツ(笑)の自己投影みたいなんだよな

でもキョン子×九曜×一姫(全員ふたなり)は見たかった

そんな訳で学校到着。

はやる気持ちを抑え、冷静を装いながら俺は教室の扉を開けた。

キョン「はよっす」

国木田「あれ?珍しいねキョン。こんな時間に」

お前に会いたかったんだよ国木田。

キョン「よう、調子はどうだ国木田」

国木田「いつも通りだよ」

キョン「そうか」

見た目も声も変わらないな。

国木田「……どうしたの?じろじろ見て。なんか付いてるかい?」

キョン「胸元の辺りにゴミが付いてるぞ国木田」

国木田「え?どこだい?」

そう言って国木田は自分の胸元を手で払った。

……女体化してないのか?

いや待て。まだ決め付けるのは早い。

キョン「国木田、一緒にトイレ行かないか?」

国木田「別に良いけど」

動じない国木田。あれだけじゃ長門は動かないか……くそっ。

その後、言った手前もあるので国木田とトイレに。

一緒に用を足しながら、最後の希望を胸にチラッと覗いてみたが直ぐに現実に引き戻された。

あーこんな事なら、早起きなんてするんじゃなかった。

さて、どうしたものか……やはり直接国木田の女体化を頼もうか……。

なんて事を考えながら手を洗っていた時だった。

「おはよう」

後方から長門の声。

早起きしてみるもんだなぁ。こんな時間に学校で長門に会うとは。

キョン「あぁ、おは……!?」

国木田「長門さん!?」

そこには、男子の制服を身に纏った長門有希が立っていた。

長門「実は私はおと」

キョン「ちょっと待て長門」

俺は有無を言わさず、長門を男子トイレに引きずり込んだ。

長門「……いきなり何を」

キョン「いきなり何をはお前だ長門」

国木田「ちょ、ちょっとキョン!?」

キョン「あぁ、国木田……長門は何かを勘違いしているらしい。直ぐに戻るから先に教室に行っててくれ」

国木田「で、でも……」

キョン「お前はこんな長門を許せるのか?俺に任せろ。直ぐに勘違いだとわからせてやるから」

国木田「う、うん……」

困惑した表情で、国木田は教室に戻って行った。

後でハルヒの悪戯だったとでも言って置こう。

キョン「さて長門。これは何のつもりだ?」

長門「……昨日、貴方と古泉一樹の会話を聞いていた」

キョン「うむ」

長門「聞いている内に、私はある結論に辿り着いた」

キョン「どんな結論だ?」

長門「親しい人間が、ある日突然性別が変わる現実に男は弱いと」

キョン「あながち間違いではない」

長門「それで私の性別が、実は男だったと言う」

キョン「違う……違うぞ長門」


長門「……泣いているの?」

キョン「そりゃあ泣くさ!」

キョン「とりあえず元に戻ってくれ」

長門「そんな。せっかく」

キョン「頼む長門!誰もそんな事は望んじゃいない!」

俺は土下座した。男子トイレで涙を流しながら。

長門「……わかった」

長門がそう呟いたかと思うと、眩い光が長門の身体を包み込み

長門「……これでいいの?」

長門は、いつもの長門に戻った。

一瞬で出来るのかよ。

キョン「長門、お前はこのままが一番だよ」

長門「…………」

ちょっと残念そうな顔をするな。マジで言ってんだから。

キョン「ところで長門。その、なんだ。他人も男にしたり、女にしたりする事は可能なのか?」

長門「可能」

キョン「さっきみたいに一瞬で?」

長門「正確には0.05秒掛かる」

殆ど一瞬じゃねぇか。

キョン「長門、昨日の話なんだがな。俺と古泉が話をしていたのはそういう事じゃないんだよ」

長門「…………」

キョン「お前が男になっても、俺と古泉の心は動かない」

長門「じゃあ涼宮ハルヒと朝比奈みくるなら」

キョン「それはもっと駄目だ」

長門「……じゃあどうすれば」

キョン「女が男になるんじゃない。男が女になるのが良いんだよ」

長門「……男が女に?」

キョン「例えば、さっき俺と一緒にいた国木田とか、国木田とか、国木田とかが女になると俺と古泉の心は動くぞ」

長門「国木田とか……?」

キョン「そうだ。国木田だ」

長門「……少し理解出来ない」

理解してくれよ。頼むから。

長門「時間が欲しい」

長門がこの外見のままショタになったり
ふたなりになったりするなら

キョン「時間?」

長門「そう。考える時間」

考えるも何も、いいから国木田を……いや、ここは一旦退くべきか?

無理強いをして、長門に全てを拒否でもされたら……。

キョン「……わかった長門。俺達の気持ちをしっかりと考えてくれ。理解してくれ」

長門「なるべく理解出来るよう、努力する」

長門も幾らTFEI端末と言えども馬鹿ではないだろう。

ある日突然国木田が性転換。

それがどんなに素晴らしい事か、直ぐに理解出来るハズだ。

キョン「頼んだぞ長門」

長門「……任せて」

それから授業中、昼休みと俺はずっと国木田を観察していた。

が、一向に何の変化も無し。

長門先生ーはやくして下さいよー。

谷口「キョン、さっきから国木田ばっかり見てないか?」

なんだよ谷口。お前には関係ない。

ハルヒ「国木田に惚れたのかしら?アンタにそんな趣味があったとはねー?」

お前はもっと関係無い。使えない女神は黙ってろ。

国木田「…………」

そんな訳で、期待していた事が何も起きずに放課後をむかえてしまった。

キョン「はぁ……」

何もやる気が出ねぇ。

国木田「ねぇ、キョン。ちょっと話があるんだけど」

キョン「!?」

国木田「その……涼宮さんのトコの活動って、いつ終わるの?」

まさか俺の気がつかない内に女体化していたのか?

キョン「今終わった。SOS団の活動は今終わった」

国木田「えっ?」

キョン「何の話だ国木田?さぁ話せ。今直ぐに話せ」

国木田「ちょ、ちょっとキョン!?顔が近いよ!?」

キョン「す、すまん国木田」

国木田「まったく……何をそんなに慌ててんのさ」

これが慌てられずにいられるか。

しかしここは冷静に……

キョン「で、話ってのは?」

国木田「うん、その……」

来るのか?遂に来るのか?

国木田「谷口の事なんだけど」

キョン「は?」

国木田「気がつかなかった?昼休みが終わった辺りから急に声が高くなったり、胸に膨らみが」

キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!」

国木田「ちょっとキョン!?」

俺は叫びながら文芸部室に向かった!


違う!違うぞ長門!?

谷口「待っていたよキョン。実は俺はおんな」

キョン「すまん。死んでくれ」

谷口「ぐはっ!?」

何故か文芸部室前に居た気持ち悪い女を蹴飛ばし、俺は扉を思いっきり開けた。

キョン「長門!」

長門「……私には理解出来た。貴方と古泉一樹が望んでいたのは」

キョン「違う。ぜんっぜん違うぞ長門。ちょっと来い」

長門「……えっ?」

キョン「とりあえず谷口を戻してくれ。頼むから」

本日二回目の土下座。

長門が何かを高速で唱えると、気絶している谷口の身体が眩い光に包まれ以下略。

ハルヒや朝比奈さんが来る前で良かった……。

キョン「なぁ、長門。何故谷口を女体化しようと」

長門「私なりに考えた」

キョン「言ってみろ」

長門「性転換と言う意外性に心を動かされると言う事は、その対象も意外性のある」

キョン「長門」

長門「説明はまだ途中」

キョン「大体わかったから。だがな、俺はそんなの望んじゃいないんだ……そこは王道でいかなきゃ……」

長門「……何故泣いているの?」

キョン「そりゃあ泣くさ!」

長門「……私には貴方が理解出来ない」

俺にはお前が理解出来ない。

キョン「長門、そこは王道で良いんだ」

長門「王……道……?」

キョン「意外性なんかいらない。ありきたりで良いから。皆が望む物だ。お前なら理解出来るだろう?」

長門「……成程。皆が望む物」

キョン「そうだ。皆が望んでいる事だ」

長門「……佐々木の男性化?」

キョン「冗談でも怒るぞ」

長門「……ごめんなさい」

キョン「さっきも言っただろう?男を女に……」

ハルヒ「何の話をしているのかしら?」

このタイミングで来るのかよ……ハルヒ……。

長門「……意外性のあるストーリーと、ありきたりだが王道を行くストーリーについて」

ナイスだ長門。

ハルヒ「そんなの、意外性のあるほうが面白いに決まっているじゃない!」

キョン「いや待て、意外性ばっかり求めて失敗ばかりするのも」

ハルヒ「誰の事を言っているか知らないけど、冒険は必要よ!」

長門「冒険?」

ハルヒ「そうよ有希!冒険よ!やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいいのよ!」

それは朝倉の台詞だっつーの。パクんな。

長門「……一理ある」

お前も納得するな長門。さっき谷口で失敗したばかりじゃねぇか。

長門「例えば」

ハルヒ「なに?」

長門「男を女にする能力を、貴女が持っているとする」

ハルヒ「うんうん」

キョン「待て長門!?」

ハルヒ「ちょっと口を挟まないでよバカキョン!?で、有希。それで?」

長門「貴女なら、誰を女体化する?」

なんて質問をしやがる長門ー!?

ハルヒ「そうねぇ……」

ハルヒ「キョンや古泉君ならありきたりだし……」

キョン「国木田」

ハルヒ「谷口だとつまんないし……」

キョン「国木田」

ハルヒ「岡部……コンピ研部長……生徒会長……」

キョン「国木田」

ハルヒ「ちょっと国木田国木田うるさいわよ!?全然意外でも何でもないじゃない!?このバカキョン!!」

ハルヒ「こういうのはどうかしら?私の知らない男性」

長門「知らない男性?」

ハルヒ「そう!私は面識無いんだけど、向こうは私の事を知っている。そういう男性を私が無意識に女体化してしまって、元に戻ろうと四苦八苦する……」

長門「……成程」

キョン「…………」

該当者。

沢山いますが。

確実にアイツなんだろうな……。

そんな訳で長門は何かを納得し、ハルヒは望んでしまった。

古泉「もう少し上手く出来なかったんですか貴方は……」

涙を流しながら古泉は俺に詰め寄った。

すまないとしか言い様が無い。

しかしアイツか……まぁそれはそれでありかも知れないが……。

長門の本を閉じる合図と共に、学校での一日が終了。

キョン「さて、と」

俺は皆と別れ、ゆっくり下校しながら呟いた。

キョン「いるんだろう?出てこいよ?」

『ふん、言われなくても出て来ようと思っていたところだ』

背後から聞こえる、何処か聞き覚えのある女性の声。

以外と可愛い声になったじゃないか。

キョン「よう。調子はどうだ藤……原……?」

振り向いた俺の目に飛び込んで来たのは。

女体化し、ポニーテール姿をした藤原だった。

薄黄緑色の長い髪が、夕映えに煌めく。

鋭い眼差。

不敵な笑み。

藤原「いったい僕に何をした?規定事項に該当していないぞこんな事は。返答しだいでは……」

キョン「好きだ藤子っ!?」

藤子「いきなり何をする!?やめろ抱きつくな!?藤子ってなんだ!?ああっ!?いつの間に僕の名前が!?」



しかも僕っ娘!?ありがとう長門!ハルヒ!!

藤子「離せ現地民!何を考えているんだ君は!?」

キョン「もっと罵ってくれ藤子!?」

藤子「気持ちが悪いっ!僕に触るな!?」

ドンッと俺は力任せに吹き飛ばされた。

藤原「はぁ……はぁ……気でも狂っているのか君は……よし、名前も戻ったな」

キョン「なんて事を!?」

藤原「それはこっちの台詞だ。いいか、二度と僕にこんな事をしてみろ。本気でこの時間平面から存在自体を抹消するぞ」

キョン「……すいませんでした」

藤原「ふん、わかればいいんだ……」

ヤンデレ?藤子可愛いよ藤子。

藤原「さて、説明して貰おうか」

キョン「話せば長くなる。どうだ藤子?俺の家に」

藤原「禁則事項の一部解除申請……眼前の現地民の抹消許可を……」

キョン「止めろ!?悪かった!?冗談だ冗談!?」

なんだその長門みたいなのは。

藤原「いいから話せ」

キョン「えっとだな、マジで長くなるから……あの喫茶店で待ち合わせとかどうだ?」

藤原「……ふん、まぁ良いだろう。何時だ?」

キョン「一時間後とかどうだ?勿論俺が奢るよ」

藤原「当然だ。では……一時間後だな。先に行くから遅れるなよ」

そう言い残して、藤原は消えるように立ち去って行った。

文字通り、『先に行った』のだろうな。

キョン「……さて、とりあえず佐々木に電話するか」

………

……



一時間後。駅前の喫茶店。

俺の隣にあの日のように佐々木が座り、向かいには左から周防九曜。真ん中に橘京子。

そして。

何故連れてきたと今にも言わんばかりに、眉間にしわを寄せて俺を睨み付ける藤子。いや、女体化した藤原。

藤原「君は何を考えているんだ!?」

キョン「いや、仲間には知らせておこうと思ってな」

佐々木「くっくっ、これは中々。可愛いじゃないか藤原君」

橘「そうですよ。可愛いですよ藤原君」

九曜「素――敵――」

藤原「ぐっ……」

藤原は、顔を真っ赤にして俯いた。

キョン「さて、事の起こりだが……」

佐々木「成程、TS物を読んだ涼宮ハルヒの影響ね」

うそだけどな。

九曜「TS――物――……?」

橘「後で読ませてあげますよ九曜さん」

持っているのかよ橘京子!?

藤原「……キョンと言ったな」

キョン「なんだ藤原?」

藤原「それは全て事実か?隠している事があれば、今の内に言え」

意外に鋭いな藤子。

キョン「……もしかしたら、長門が一枚噛んでいるかもな。確証は無いが」

藤原「あのTFEI端末か……九曜、僕の身体を戻せるか?」

九曜「戻――す――どう――して――?」

藤原「いや、どうしてってそれは」

佐々木「九曜さん、出来ない事は無理にしなくて良いと僕は思うよ」

橘「私も佐々木さんと同意見なのです」

キョン「俺もだな」

藤原「ちょっと待ちたまえ。何を言い出すんだ君達は」

キョン「出来ないよな?」

周防九曜は少し考えるようにし、

九曜「出来――ない――」

藤原「待て、この時代のTFEI端末なら個人の肉体改変ぐらい容易に」

九曜「出来――ない――」

佐々木「くっくっ、大切な事なので」

橘「二度言ったのです」

キョン「だそうだ藤原」

藤原「ぐっ……」

納得いかない表情をする藤原。

佐々木「くっくっ、どうだい藤原君?もうこのままでも別に」

藤原「いい加減に……うっ……!?」

橘「藤原君!?」

キョン「藤原!?」

突然、藤原が腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべた。

藤原「なんだ……この痛みは……?」

佐々木「まさか……」

九曜「月――経――……」

キョン「マジで!?」
藤原「月経だと……ふざけるな……」

佐々木「橘さん、持ってる?」

橘「は、はい。持ってます」

佐々木「九曜は藤原君を担いで」

九曜「了――解――」

藤原「おい、何を……止めろ九曜……つっ!?」

佐々木「藤原君……藤原君は今は女の子なんだから、私の指示に従って」

おお、佐々木の口調が!?

九曜は軽々と藤原を抱え(正直、かなり違和感のある光景だが)佐々木と橘京子と一緒に女子トイレに向かって行った。

月経、生理ねぇ……。


『クスクス』


キョン「ん?」

喜緑「とっても楽しい事が起きてますね」

キョン「喜緑さん……」

そういやここでアルバイトをしてたっけ。

キョン「いつから聞いてたんですか?」

喜緑「最初っからですね。藤原君でしたっけ?大変ですね。うふふ」

……そういや喜緑さんも……まさか……いや考え過ぎか?

喜緑「正解です。ちょっと面白そうなので彼、いえ彼女ですね。肉体の代謝を」

キョン「うわぁ」

喜緑「因みに、私も長門さんと同様に肉体改変ぐらい……」

キョン「肉体改変ぐらい?」

喜緑「……出来ません♪藤原君が思い出したら、そう伝えて下さい。仕事もありますので」

よかった。喜緑さんが『良い人』で。




数十分後。


佐々木「教えた通りに……」

橘「藤原君、大丈夫ですか……?」

九曜「痛み――止め――……」

藤原「…………」

佐々木達の声に頷きながら、藤原は無言で着席し、そのまま顔を伏せた。

キョン「藤……」

藤原「今、僕に話し掛けるな」

声が震えてる。



佐々木「キョン、君は帰りたまえ。後で連絡するから」

橘「私もそう思います」

キョン「……わかった」

多分、いろいろとあるんだろうな……いろいろと。

少し同情してしまうよ藤原。

時間遡行があるから何とかなると思うが……そう簡単に行かないんだろうな。

俺は会計を済ませ、喫茶店を後にした。






泣き顔も可愛かったぞー藤子ー。

………

……



帰宅しながら、俺は先ず古泉に電話をかけた。

古泉『……成程、そういう事に』

キョン「正直ストライク。ポニテだし」

古泉『んっふ、機関の監視員に連絡しますか……今、その藤原君は?』

キョン「あの喫茶店にまだいると思う。もしかしたら、佐々木や橘京子の部屋に一泊したりするかもな」

古泉『一泊?どういう事です?』

キョン「生理が来たようでな。泣いていたよ藤原」

古泉『何故それを早く言わないんですか貴方は!?』

キョン「うわ、いきなり大声出すなよ」



古泉『女体化……初潮……貴方はそれを目の前にして置きながら……くうっ……』

マジ泣き?

キョン「……なんかすまん。古泉」

古泉『……失礼。過ぎた事を責めても仕方ありませんね……それでは僕は急用が入りましたので』

キョン「急用?」

古泉『僕は多分……いえ、確実に明日は学校を休みます。涼宮さんには、風邪とでも伝えて置いて下さい。それでは』

キョン「おい、お前何を」

そのまま電話の向こうで、

『監視員何してんの!?行動遅いよ!?指揮は僕が』

と確かに古泉の声で聞こえ、電話は切れた。

何を監視するつもりだ古泉。

……後で詳しく聞こう。



次は長門だな。

長門『…………』

キョン「あー電話を取ったら、先ずは喋ってくれ長門」

長門『すまない。用件を』

留守電に録音している感じに似ているな、長門と電話すると。

まぁその辺はおいといて、と。

俺は手短に話を始めた。

キョン「……と言う訳だ。当初と予定は狂ってしまったが、結果オーライってトコだな」

長門『……そう』

キョン「ちょっとは理解出来たか?」

長門『……少しは』

キョン「その藤原って奴が接触して来たら、何も出来ないと言っておいてくれ」

長門『……わかった』

キョン「じゃあまた明日、学校で」

長門『また明日』



俺は電話を切り、何気なく夜空を見上げて呟いた。

キョン「藤子……か……」

新ジャンル「女体化未来人」

古泉には、明日何を監視したのか聞き出さなければな。

そういや佐々木は後で連絡すると言っていたが……藤子が落ち着くまで時間はかかるだろうな。

藤子×佐々木

おお。いや待て。

藤子×橘京子

これだな。うん。これがしっくり来る。

今日のオナネタは決まったな。

俺は藤子の怒った顔や泣き顔、身体の感触を思い出しながら家路に着いた。

第一部完

ちょっと寝るふ

ちょっとだけ

………

……



んで次の日。放課後部室。

佐々木からは連絡も無く、古泉はわかるが何故か長門も休み。

ハルヒ「団員が二人も風邪ひくなんて……」

キョン「お前は大丈夫だろうな」

ハルヒ「どういう意味よ!?」

そのままの意味だ。お前が風邪を引くか。馬鹿女神。



みくる「流行っているみたいですから。ハイ、お茶です」

キョン「ありがとうございます朝比奈さん」

初台詞ですね。ライオネットみくるボンバー?

ん?茶碗の下に紙が挟まって……?


『後でお話があります。涼宮さんには内緒でお願い』


急いで朝比奈さんに視線を移すと、唇に人差し指をあててウインクしてくれた。

……多分俺、朝比奈さんの為なら死ねると思う。

それにしても今回空気じゃ無かったんですね!

ハルヒ「なんかつまんないわ」

じゃあ帰れ。俺は朝比奈さんと話があるんだ。

ハルヒ「団員が二人もいないとやる事ないわねー」

さっさと帰れ。俺と朝比奈さんはこれから忙しいんだ。

ハルヒ「まこと、広うなりましたな……」

シグルイ?そういうのはいいから早く帰れ。

ハルヒ「そうだ!みんなでお見舞いに行きましょう!」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「なによ?」

キョン「かえ……んんっ、二人はインフルエンザの可能性もあるそうだ。お見舞いは控えたほうがいい」

みくる「そうですよぉ。ですから、かえ……んんっ、お見舞いは検査が終わってからがいいと思いますよ?」

ハルヒ「インフルエンザ……?」

キョン「今日中には検査結果が出るらしいから、明日でも良いだろう?」

ハルヒ「んむむ……じゃあ、今日は」

キョン(解散!)

みくる(解散!)

ハルヒ「三人で校内の不思議探索するわよ!」

空気読めハルヒ!

と、思わず声を出してツッコミ入れようかと思った時だった。

ガチャッ

鶴屋「おーっす!やあやあ調子はどうだいハルにゃん!?」

キョン「……鶴屋さん?」

いやいや、実は意外と人気かもしれん。

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誤爆。

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