ベルトルト「バースデイ」(29)


チクタクチクタク……


ライナー「……」

ベルトルト「……」

ライナー「…静かだな…」

ベルトルト「…そうだね」



※野郎同士注意
※色々崩壊注意
※10巻までのネタあり


ライナー「…時計の秒針の音がはっきり聞こえてくるな」

ベルトルト「…うん…」

ライナー「…あと10分か…お前が16歳になるまで」

ベルトルト「…うん…」

ライナー「…エレン達もう寝たよな?」

ベルトルト「…うん…」


ライナー「…お前そればっかだなさっきから」

ベルトルト「ご…ごめん」

ライナー「緊張してるか?」

ベルトルト「うん…ドキドキしてる」

ライナー「…16歳だもんなあーあんなにチビ助だったお前がさ」

ベルトルト「やめてよ恥ずかしい…いや、そうじゃなくてね」


ライナー「ん?」

ベルトルト「教官が…」

ライナー「…ああ…大丈夫だろ。この時間帯、談話室はまだ巡回しねえ筈だ」

ベルトルト「…そっか。そうだね…」

ライナー「余計な心配すんなって」

ベルトルト「………うん」


チクタクチクタク……


ライナー「……」

ベルトルト「…ライナー」

ライナー「…んー」

ベルトルト「好きだ」


ライナー「お!?……お、おう」

ベルトルト「……うん」

ライナー「サ、サンキューな…(珍しいなコイツからとか…)」

ベルトルト「…ライナー」

ライナー「な、何だ?」

ベルトルト「君が好きだ」


ライナー「そ…そうか…ありがとな…」

ベルトルト「……うん」

ライナー「おう……(何があったんだ本当に)」

ベルトルト「…ライナー」

ライナー「…お、おう…?」

ベルトルト「君のことが好きだよ」


ライナー「う…うむ……(やっべぇー恥ずかしくなってきたー顔赤くなってねえか?俺)」

ベルトルト「……うん」

ライナー「……(16歳になったから少しは積極的にってか?だとしたらラッキーだわ)」

ベルトルト「…ライナー」

ライナー「な、何だよ。さっきから大胆だなあお前は…」

ベルトルト「昨日クリスタと何をしていた?」







ライナー「……は?」

ベルトルト「…聞こえなかったかい?」


ベルトルト「昨日」

ベルトルト「クリスタと」

ベルトルト「どこで」

ベルトルト「何を」

ベルトルト「していたんだ?」


ライナー「何って……なにも」

ベルトルト「二人揃ってひと気の無い林に入って?」

ベルトルト「二時間近く、そこから出てこなくて?」

ベルトルト「それで何も無い?」

ライナー「…」

ベルトルト「面白い冗談を言うんだね」


ライナー「…その、ベルトルト」

ベルトルト「僕はね、怒ってるわけじゃないんだライナー」

ベルトルト「確かに君は常日頃からクリスタを可愛いと褒める」

ベルトルト「実際彼女は可愛いものね。無理はないよ」

ライナー「…」

ベルトルト「どっちの君なんだい?」


ライナー「……は?」

ベルトルト「…君が正気じゃなくなったことは流石の僕も気づいていたよ」

ライナー「正気…?」

ベルトルト「兄貴肌で誰にでも優しい君は、罪悪感に負けておかしくなってしまったんだ」

ライナー「……?」


ベルトルト「かわいそうに。君はもうひとりの自分を作っていたんだね……」

ベルトルト「抱えきれない罪悪感をもう片方のせいにして…」

ベルトルト「それで逃げていた気になっていたんだね…」

ベルトルト「逃げた先のクリスタは良い味だったかい?」


ベルトルト「でもねライナー…そんなこと長く続くわけが無い」

ベルトルト「だって僕たちは恋人だとかそんなものの前に、戦士だろう」

ベルトルト「要らないんだ、もう一人の君は…今ここで排除しなければならないんだ…」

ベルトルト「で…今の君はどっちなんだい?……まあもうどちらでも構わないけどね。『その時』が来たら、どうせやらなくちゃならないんだから…」


ギュッ…

ライナー「てっ…手を離せ!ベルトルト…」

ベルトルト「…図書室で読んだ本が面白くてね。二重人格はもう一つの人格を殺せば良いと書いてあった」

ライナー「!!?」

ベルトルト「…教官のことは心配しなくてもいいんだよ。この時間帯は談話室への巡回はまだ来ないはずだからね」

ベルトルト「…エレン達も起きない。今日は格闘訓練があったからぐっすりと夢も見ないだろうさ」

ベルトルト「……もう僕はね…『兵士』に振り回されるのはごめんなんだよ…」


ベルトルト「ねえライナー…故郷の空を覚えているかい?」

ライナー「はっ!?故郷…!?」

ベルトルト「………」

ライナー「一体なんの……」

ぐらっ


がたん!!

ベルトルト「…どうやら薬が効いてきたみたいだ」

ライナー「ぐっ…(!?か、体が動かない)」

ベルトルト「日付が変わるまで…あと30秒か…」

ライナー「がっ……ぐっ…(体が痺れる…)」

ベルトルト「29」

ライナー「ふぅっ…ぎっ…(た…立てない…!!!)」





チクタクチクタク……


ベルトルト「28…27…26…」





チクタクチクタク……


ベルトルト「…20…19…18…」




チクタクチクタク……


ライナー「ベ、ベルトル…ト…!…ぐぅぅっ」

ベルトルト「ねえライナー」




チクタクチクタク……


ベルトルト「…15…14…13…もうすぐ僕は16歳になる訳だけど…」

ライナー「許してくれ…!おぉ、俺が…俺が悪かった…!!!」





チクタクチクタク……


ベルトルト「…8…7…6…5…4…」

ライナー「ベルトルト………!」



ベルトルト「もう昨日までの僕じゃないんだよ」







………カチッ

午前0時になり、秒針、分針、時針が一斉に抱き合ったその時
ベルトルトの指が俺の首にぎゅぅっと絡みついた

切ない……



おしまい

甘すぎて吐きそう
10巻じゃなくて11巻までのネタバレありだわごめん
そして何よりクリスタごめん

>>26
えっ切ないかなコレ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月19日 (水) 18:08:07   ID: fXaMr8s7

ベルトルトエロチック!

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