男「ぼ、僕がお嬢様学校に編入する…だって!?」(60)

姉「ちなみにもう既に入寮手続きは終えてあるからな?今更我がままを言っても無駄だぞ」


僕は姉さんの言っていることがまるで理解出来なかった…


男「わ、わけが分かんないよ!!だって僕…」


男…なんだよ?普通そんな馬鹿な話があるわけない…!


http://jbbs.livedoor.jp/movie/10068/

姉「大丈夫!バレやしないさ 男は私が嫉妬してしまうほどに綺麗な顔立ちをしているんだからな?」ニヤリ

姉さんは意地悪そうな顔で僕の顔を見つめてくる 


いつだって僕は姉さんの突拍子の無い行動に振り回されっぱなしだ…


姉「もしかしたら、化粧無しでもバレないんじゃないか?長く整ったまつ毛…それに、女の子みたいな声」フー

男「ひゃぅ!」ビク!

そう言って僕の耳に息を吹きかけてくる

何番煎じだよ…このエロゲー…

姉「早速だが来週から入学式が始まるからな その前に1度、寮の皆さんに挨拶してくるといいだろう」

男「そ、そんなぁ…」ショボーン…


まだ心の準備が出来てないというのに…


姉「一応、学校までの地図を渡しておこう あ、そうだ!ちょうどいい機会だから今から挨拶に行ってきなさい!」

男「へ?」

姉「さ、とっとと出てった!出てった!」グイグイ

僕は姉さんに腕を引きずられる


姉「気を付けてな~!」ポイッ


ガチャッ…バタン!


男「」ポカーン


そして、閉めだされてしまった…


男「はあああああああああああ…」ゲンナリ


抵抗することを諦めて僕は寮に向かうことにした

男「場所は確か…ここで合ってるかな?」


女子寮は僕の想像していたよりもずっと寂れていた さながら幽霊屋敷のようだった

果たして、こんな場所に人が住んでいるのだろうか?


「きみ、こんなところでどうしたの?」


寮の入り口前で僕がまごまごしていると後ろから誰かに声を掛けられていた

男「」ビクッ!


?「きみ…見たことない顔だけど、学年は?もしかして中等部の子?」

それは…上級生だろうと思われる女の人だった

男「え、と…えっと…」

いきなりのことでパニックを起こしてしまった僕は金魚のように口をパクパクさせていた


?「どうしたの、大丈夫?どこか体調でも悪いの?」

訝しげな視線を向けられている

いけない…!このままでは不法侵入とみなされて警察のお節介になることが請け合いだ

そんなことになったらこれからはまともに表を歩くことが出来なくなってしまうだろう


なんとかしなければ…!

よし、支援!

男「あ、あの!」

?「は、はい?」


男「わ、私…今学期から入寮することになりました、1年の男っていいます…! よ、よろしくお願いします…!!」

使い慣れていない女言葉に戸惑いながらも、僕は必死に言葉を紡いだ


?「ぷっ…!」プルプル

すると、女の先輩はおかしそうに口元を押さえて笑いを堪えようとしている

もしかして…!いきなり正体が判明してしまったのだろうか?

そう考えると胃の中の物が逆流するような気持ち悪さが体を襲ってきた



終わった…人生も…何もかも終わった…



僕は絶望に身を打ちひしがれていた…

男「」ゴクリ

ヘビに睨まれたカエルの心境ってまさにこういうことを言うんだな…

僕はその場から逃げ出してしまいたかったけど、まるで金縛りにあったかのように体が言うことを聞いてくれなかった



?「…か」


男「か…?」



…か?

?「かわいいぃぃぃいいいぃぃいいいぃぃぃいいぃいいッ!!」ブンブンブンブン!!


気が付くと先輩に腕を掴まれて、上下に勢いよく振り回されていた


男「えっ…!えええぇぇええええぇぇええええッ!?」ガクンガクン!!


予想外だ…!まさか何の違和感も無かったとは…!それどころか恥ずかしがり屋の可愛い系女の子だと認識されているらしい

非常事態は何とか回避することは出来たけど、これじゃあ僕は…


男(一応、僕だって…男なのにぃ…)ズーン…


僕の男としてのプライドは粉々に砕かれた

ひょっとしたら今の僕は涙目になっているのかもしれない…

エロゲ展開だから勿論激しいエロ展開はあるんだろうな…ギロッ







続けろください

?「? どうしたの?暗い顔して…?」キョトン

先輩は不思議そうな顔で僕の顔を覗き込んでいた


男「なんでも…ないですよう…!」

?「そう?」


今すぐにでも目の前に突き付けられているこの事実を否定したかったが…

警察に突き出されるよりはよっぽどマシだと思ったので、そんな感情を胸の中に押し込めた

?「あ、そうだったそうだった!すっかり忘れるとこだったよ 自己紹介がまだだった…よね?」

彼女は簡単に自分の居住まいを整えて、そして雅やかに微笑んだ


それはまるで聖母のマリアのような優しい表情だと僕は思った



女「私は今学期から2年生に進級する女と申します、以後お見知りおきを…?」


スカートの裾を軽く持ち上げて、彼女は僕に対して腰を折ってこうべを垂れた

普段見受けられることが少ない女性の上品な仕草を目の当たりにして僕はとても緊張していた

自分の姉があのようにがさつな変わり者だから余計にそう感じたのかもしれない





姉「…へくしゅっ!」ブルッ

女「あ、そうそう 忘れるとこだったね!」ポンポン


さっきの上品な様子とは打って変わって今度は気さくな男友達のように肩を叩いてくる


男「な、なんですか…?」



女「この学園にはちょっとした決まりがあってね?上級生に対して敬意を払うという意味合いで

  下級生は上級生の名前の後ろにお姉さまをつけて呼ぶことになってるんだよ~」ニヤ



彼女の視線は僕のことを標的にした猟師のようだった

対する僕は端へと追いやられて徐々に逃げ場を失って行く怯えきった兎のようだった

…戦慄が走った

男「そ、そうなんです…か?それじゃあ、私はこれで…」ダッ!


僕は全力で駆け出した…!



女「…待ちなさい?」ニヤア


しかし、彼女は僕のことを決して逃さないといった様子で背後に回り込んでくる…!

男「~~~~~~~!?」ジタバタジタバタ

僕は全力で抵抗を試みる だが…



女「練習として…私のことをお姉さまと呼んでみなさい?」ガシッ


ダメだ…!!完全に体をガッチリと押さえつけられて身動きが取れない…!!

…っていうかあのか細い腕のどこにそれだけの腕力が隠されてあるというんだ…?


僕は理解に苦しんだ

女「言ってくれるまでは絶対に離さないから…ね?」ニタリ


僕は悟った

…彼女の目は本気だ!



まるでお気に入りのおもちゃを見つけたような子どものような表情をしている

手加減を知らないその純真さが今だけはとても怖かった…


そうか、彼女も姉さんと同じ人種の人間だったんだ…!

だが、それに気付いたのはあまりにも遅すぎたのだった…

男「…さま」ボソ

女「んー?何言ってるか聞こえないなあ?」ニヤア

男「女…お姉さま…」

女「もーちょっと、おーきな声で言ってくれる?いい子だから、ね?」ニタニタ


男「女っお姉さまっ…!!」ガクガク


俺の中にはプライドのひとかけらも残っていなかった

この状況から早く解放されたい…!家に帰りたい…!


ただ、それだけを願った

女「くぅ~~~~~~っ!これはたまらんわぁああぁ!想像以上にくせになりそうだぁぁぁぁああ!!」ゾクゾクゾク



彼女は自らの腕を抱いて身悶えていた



僕は涙目で確信した

彼女も姉さんと同等、もしくはそれ以上の変人なのだと…

その後、僕は彼女の腕から解放されていた 

心地よい解放感が僕の体を通り抜けた



これ以上ここにいたら何をされるか分かったもんじゃない…!!

僕は軽く頭を下げてその場を去ろうとした



その時だった…

女「あ、そうそう 男ちゃん?」チラ

男「」ビク!

女「あらあら、そんなに怯えなくてなくても…いいじゃない?」ニコ

女お姉さまは満面の笑顔でこっちを見ていた


そして、愚図る子どもを諭すように語りかけた…


女「この寮には他にもう1人、あなたと同じ1年生の子が入ってくるみたいだから仲良くしてあげて…ね?」ニコ

男「」コクリ!コクリ!


僕は全力で頷いた 


だけど、彼女はそれだけでは満足してくれなかったようだ…

女「男ちゃんのお口から直接お返事が聞きたいなあ?だーめ…?」ガシッ


腕を物凄い腕力でつかまえられる…! ダメだ、逃げられない…!!


男「ふ…ふぁい!」ビクビク

そんな彼女に僕はおとなしく従った


女「…よろしい!」ニヤ

僕は自分の身の安全を守ることに精一杯になっていた…

そんな僕の様子に彼女は満足そうに微笑んだ

男「こ、これで失礼しますッ!!」ダッ


そんな状況に耐え切れなくなり、僕は彼女の目の前から逃げ出した


女「来週はちゃんと会えること楽しみにしてるから…ね?男ちゃん」


僕の背中にそんな彼女の声が聞こえたような気がした

女「…ふーん」



女「あんな可愛い顔してるのに実は男の子…なんてね?」



女「これから…面白くなりそう…!!」クスッ

とりあえずこれで一旦投下を終わります

お付き合いくださった方ありがとうございました!

乙~!

姉「今日はわたしが直々に化粧のやり方を教えてやろう 感謝したまえ?」


入学式の3日前、僕は姉さんの部屋の鏡台の前に座らされていた


男「な、なにをいきなり?」キョトン

姉さんの突然の申し出に僕は呆然としていた

姉「確かに男は化粧無しでも違和感無く可愛い女の子に見える そう簡単に正体がバレることは無いだろう だがな…」ゴホン


姉さんはわざとらしく咳払いをして、一区切りを置いた 


…というか、もうちょっとオブラートに包んでくれてもいいのに…僕はこれでも男なんだよ…?

こんな状況になっても僕はまだ中途半端に自分の男としてのプライドにしがみついていた

姉「お前は明々後日からは女の子として生活することになるんだから、一応は身だしなみにも気を遣った方がいい

  お前の編入先はお嬢様学校なのだからな?理想の女性を目指して日々精進する必要がある」



ちょっと待てよ? 流石に温厚な僕でも今の発言には少しカチンと来たぞ…!だっておかしいよ!

今のままでも普通に学園生活を送る分には問題ないじゃないか…!ちょっと姉さんに一言文句を言ってやらないと気が済まない



男「姉さん、たまには僕も一言言わせてもらうよ?そもそもこのままでも普通に生活する分には姉「うるさい、黙れ」ピシッ


どうやら姉さんの前では愚痴を吐くことすらも許されないようだった

姉「しかし、驚いた…!まさか我ながらこれ程の出来だったとはな…」ドキドキ

男「」ポカーン


鏡に映っている僕の姿を見て2人して驚いた表情を浮かべた


男「本当に…こ、これが…僕…?」


化粧の 力って すげー!

まるで化粧する前と後では印象が全然違う

もはや全くの別人だと言ってもよかった

姉「こんなに可愛い妹が出来るなんてな…お姉ちゃん嬉しいぞ…?」ポー

姉さんはだらしなく鼻の下を伸ばしていた



いやいやいやいや



男「ちょっと待てちょっと待て!!」


僕は男だからね!

そう言ってみたけど、この状況ではあんまり説得力がなかった…

姉「ああ、そうそう お前にはこれを渡しておかないとな これからの生活で必要なものだ」ポイッ

男「うわっ!」ワタワタ

姉さんがこっちに何かを投げてよこしてきた

それを慌てて受け取ると、柔らかくて弾力のある水風船のような感触が僕の手を包んだ


男「こ、これは…?」グニグニ

姉「パッドだよ 特殊シリコンを使用してなるべく本物の胸に近い感触を再現している どうだ触り心地は? 気持ちよかろう?」ニヤア

姉さんがエロ親父のようないやらしい視線をこちらに向ける


こ、これが、本物の胸の感触…? 手触りが気持ちよかったので思わず夢中になって揉み続けていた

男「うっ…うひゃあっ!!」ポロッ

僕は急に恥ずかしくなってきて、パッドを落っことしてしまった


姉「こら、それ1つが7万円もする高級品なのだからな?大事に扱ってくれよ」フー

そんな僕の様子を見て姉さんは呆れたのだろうか?深いため息をついた



それにしてもこのパッド1つの値段が…


男「なな…まんえん~~~~~~~っ!?」ビクウ!!

姉さんはこのように意味の分からないところで大金を使うくせがある


それは昔も今も全く変ってなかった…

男「はああああああ…」ゲッソリ


姉「どうした、そんな暗い顔をして?」ニヤ

姉さんが心配そうな様子でこっちを覗いてい来る


心なしか少しだけ口角が上がっているように見えた



僕がこんな顔をしている原因はあなたにあるんですがね~…姉さん…

それは今からちょっと前の出来事だった…

姉「こっちはどうだ?う~ん、これなんてちょっと地味すぎるかな…?」


男「……」


僕はこれから女性として生活していくということもあって

以前のようなTシャツにジーパンという組み合わせの服装は色気が無さすぎると姉さんにダメだしされた

そんなこともあって姉さんに女性らしい服を見立てていてもらっていた

男「う~~~~~~…」グス

スカートのせいで足元がスースーする

女の人はこんなものをよく我慢して履いていられるよなあ…


姉「おいおい、どうした泣きそうな顔をしてるじゃないか お姉ちゃんにワケを話してみなさい?」ニタリ

姉さんは意地悪そうな笑みを浮かべている

男「なんでも…ないですよぅ…」

きっと口に出せば馬鹿にされるだろうと思ったのでそんな不満を胸の奥に抑え込んだ

姉「そうか?」ニヤニヤ

そんな風に強がっている僕を見て姉さんは楽しそうに笑っていた

姉「これはどうしたものか… 中々に似合っているじゃないか」

男「そ、それは…どうも」ゲンナリ


僕の姿を見て姉さんは満足そうに深く頷いた

その様子はまるで一仕事を終えたあとの職人のような清々しい表情だった


姉「これはこのまま部屋に飾っておくには勿体ないな… そうだ…!」ポン

姉さんは何かを閃いたと言わんばかりに手の平を叩いた


今度は一体何を企んでいるのやら…

…寒気がした

姉「練習も兼ねて…このまま買い物に行くとしようか?」

男「は?」


姉「よし、決まりだ決まり!そんなところで何をやってる、男?早く出かける準備をしなさい!」

男「…は?」


そんなことがあって、現在の状況に至る…

男「大体、姉さんのやることはがいつも突発的すぎるんだよ…」ハアー


その最もたる犠牲者の1人が僕だ


姉「ほう…妹にしては随分とデカい口を叩いてくれるじゃないか」

男「僕は男だ!」

姉「違う、お前は女の子だ いい加減に自覚するんだな」


僕のアイデンティティーが否定された…!?

むちゃくちゃだよ…


そんな時だった…

?「…っ!」ドン!

男「うわっ!」ドン!

だれかと真正面からぶつかってしまった


男「あ、あの、すみません…大丈夫ですか?」ペコリ


?「あ、あなたは…」


僕は咄嗟に頭を下げた

ぶつかった人は甘いマスクを持った気品漂う青年だった

それはまるでおとぎ話に登場する白馬の王子のような美貌の持ち主だった

?「なんと…お美しい方なんだ…」

男「は?」


?「私と貴方はきっと前世から運命を約束された間柄だったのですね おお、神よ、これが愛という感情なのですね?」

男「…は?」


一体なにを言ってるんだ、この人は?


姉「……ッ!……ッ!!」プルプル

隣にいる姉さんは身を震わせて湧き上がってくる笑いを堪えていた

?「さあ、前世から続く約束の地へ参りましょう 外に私の使用人を待たせてあります 我が愛しのフィアンセよ 今こそ誓いの儀式を果たしましょう」

そう言って青年は僕の目の前に跪いて、手の甲にそっと口づけた



男「あぁぁぁあぁあぁぁあ…ッ!!」ゾクゾクゾクゾク

あまりのぶっ飛び加減に思わず鳥肌が立った…


さっきから前世からの運命とか誓いの儀式とか僕には全く馴染みのない単語が聞こえてくる

全然身に覚えがないんだけど…

男「~~~~~~~!!」ダッ!

僕は全速力でその場から逃げ出した


?「お、お待ちください!!」

僕の背中に青年の声がかかる


王子「私の名前は王子です!またいつか必ず再開を果たしましょう!!そして共に永遠の愛を語り合いましょう!!」


男「……!!」ビクビク


すいません、お願いですからもう勘弁してください…

姉「それにしても…あんな美青年に思われているだなんてお前は罪な女だなあ」ニヤリ


家に帰ってから僕は姉さんにさっきの出来事をダシにしてからかわれていた

僕だって好きであんなことになったワケじゃないのにぃ…


姉「それにしてもあの王子という名前…どこかで耳にしたことがあるような…」


姉さんが首を傾げていた だが、すぐに検討がついたらしい…

姉「そうだったそうだった だれかと思えば彼は高屋敷財閥の御曹司じゃないか」



高屋敷…財閥…!?


男「ええぇぇぇぇえええぇぇぇぇええッ…!!」


高屋敷財閥といえば、あの高屋敷重工や高屋敷電気など…今の僕たちの生活の全てに関わっている大手の企業だった

あの青年はそんな有名どころのお坊ちゃんだったらしい


さっきの言動や行動をとってみても、通りで少し世間からズレているわけだ…

姉「よかったじゃないか!あんな大物の玉の輿に乗ったとあらばお前も随分と鼻が高いだろう?」ニタリ


冗談じゃない…!!


男「僕は…女の子がいいんだぁ…」グス


初っ端からの出だしがいきなりこんな調子で終わった

一体これからの生活はどうなるのだろうか…?



僕の中には不安しか残ってなかった……

これでひとまず投下を終わります

お付き合いくださりありがとうございました!


そんなかしこまらず 投下終了ー ぐらいでいいんだぜ

男「はあああああああああ……」ズーン

憂鬱だ……ついに入学式の日がやってきた


これからは3年間は是が非でも女の子として生活する破目になる

だって、姉さんは僕の学費と生活費その他もろもろの全てを援助してくれている


そこまでしてもらっているんだ、僕に逆らう権利はあるはずがない……

姉「こら、何をのんびりしている!早くしないと遅刻するぞ!」


姉さんの声が扉越しに聞こえてくる


男「わかった、わかったから!」


そんなネガティブ思考を一旦心の中に抑え込んで、パジャマ姿の僕は急いで制服に着替え始めることにした

制服に着替え終わったあとの僕はリビングで姉さんと一緒に朝食をとっていた

姉「男……」ボソ

男「ん、なに?」


どうしたんだろういつもは傍若無人な姉さんが今日はやけにしおらしい……

ちょっと気味が悪いぞ……?


姉「い、1週間に1度は必ずこの家に帰って来るんだぞ? お姉ちゃんが監視してやらないと、お前は何をしでかすか分かったもんじゃないからな?」ブツブツ

男「ぷっ!」

僕は姉さんのあまりの変わりように思わず吹き出しそうになった

こんな僕でも居なくなったら少しは寂しいと思ってくれているのだろうか?


もし、そうだったら素直に嬉しい……

男「……わかったよ」

姉「そ、それならいいんだ、それなら」モグモグ


そう言って姉さんは目の前のトーストに噛り付いた



ねえ
従姉さんは両親が死んで身寄りのない僕にとってたった1人の大事な家族なんだ

周りの親戚連中から必死に僕を守り抜いて今日まで育ててくれた大事な家族なんだ



そんな姉さんをいつかは守ってあげられるように僕も頑張らないと、ね……

男「ふう……さてと」

早めの時間に家を出たこともあって、大分余裕のある時間帯に寮に着くことが出来た


なんで僕が直接学校に向かわないのかというと、それを説明するには少々時間を要することになる

この学校のほとんどの生徒は中等部からの繰り上がりで高等部に上がってくる生徒、いわゆる内部生が多い

逆の立場である僕、つまり外部生は非常に少ないのである

既に学内ではグループ分けが終了していて、新参者にとっては非常に肩身の狭い環境なのである



要するに何を言いたいかと言うと……

男「学内に味方が、欲しい……!」ゴクリ


確か寮生は僕の他にもう1人1年生の子がいるらしい

その子を誘って一緒に学校に行ってみよう!

……ということだ


僕がそんなことを考えていると、目の前のドアが急に開く音がした


女「あれー、男ちゃんじゃない? こんなとこでどうしたの?」キョトン

女お姉さまが不思議そうな顔をしていた


?「……」

そして、その隣には小柄な女の子が無表情で突っ立っていた

おとぼくいいよねおとぼく

支援

支援

はよ

おらおら支援だ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月25日 (月) 16:22:57   ID: w1Kr0ZtQ

良スレだと思うものばかり途中で落ちていくよね

2 :  SS好きの774さん   2016年10月12日 (水) 11:14:11   ID: 5IIT0sPA

悲しいなぁ

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