高垣楓「かこーん」 (34)



カコーン


楓「あっ」
http://i.imgur.com/S6hpaK9.jpg

P「?」



*「フツウの日常」というシリーズです。短編完結ですので、初見でも、よければ
*ゆるい


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P「…、楓さん、どうかしましたか」

楓「あ、えっとですね……と、とりあえず、おはようございます」ペコ

P「おはようございます」

楓「あっ」カコーン

P「……手伝いましょうか」

楓「お、お構いなく……//あっ」カコーン

P(すごく手伝いたい)


ワタワタ


楓「え、ええと…事務所に来がけに、自販機で缶コーヒーを買って来たんですけど…あ、当たりが出たみたいで……あっ」カコーン

P「それで6つもコーヒーを抱えて来たわけですか」

楓「え、ええ。…なんだかお恥ずかしいところを…」テレテレ

楓「あう」カコーン

P(ぽろぽろですね)


P「…」

P「というか、いくら当たりつきでも六つは当たらないんじゃ――」

楓「あう」カコーン

P(もうわざとなんじゃ)

P「…拾うの手伝いますよ」

楓「い、いえ…お気遣いなく……ぷ、プロデューサーさんのお仕事の邪魔になりますし…」

P「こちらこそお気遣いなく」

P「あの、階段の方に転がって行ってますけど、大丈夫ですか?」

楓「へ?…あー……あわわ」バッ

楓「あう」カコーン

P(楓さんドジっ子属性お持ちでしたっけ)


ヒョイ


P「はい」

楓「あ…す、すいません。ありがとうございます…」パタパタ

P「いえいえ。それよりも向こうに転がって行ったのを――」


コツン


仁奈「……」

P「お、仁奈。おはよう」

仁奈「おはようごぜーます」ペコ
http://i.imgur.com/5FAOhOT.jpg

仁奈「…ねえP、仁奈の足元になにか転がって来たですよ……これはいったい…」ジー

P「ただの缶コーヒーだよ」

仁奈「??李衣菜おねーさんのでごぜーますか?」

楓「」ブフッ

P「違います」ペチ

仁奈「もふ」


ヒョイ


仁奈「どうぞです」

楓「あ、ありがとう…仁奈ちゃん。ふふっ」プルプル…

仁奈「??いえいえです」

仁奈「なんだか分かんねーですが、楓おねーさんが楽しそうなので仁奈も嬉しいですよ!」ペカー

P(天使や)


コロコロ


仁奈「…よく見やがると、たくさん同じものが転がってやがりますね…」

P「いろいろあってな」

仁奈「いろいろありやがりましたか。じゃあ仕方ねーです」コクン

仁奈「えへへ。仁奈もころころするですよ!」ババッ

P「なんでだよ」

楓「ふふっ……ぷぷ…」プルプル

P「楓さんは笑ってないで拾ってください」ペチ

楓「あう」


ヒョイ


比奈「…あの、階段の方になんか転がってたんでスけど…」
http://i.imgur.com/Hr9Ttxa.jpg

P「おう。おはよう」

比奈「おはようございまス」ペコ

比奈「それでこれは?」

P「楓さんが当てたらしい」

楓「ふふっ。私の強運も茄子ちゃんに負けてないですよ」ドヤァ

P「…」

楓「…」ドヤー

比奈「…、あー」

比奈「なにがあったか大体想像はつきまスけど。なにも言わない方がいいでス?」コソ

P「うん。そうしよう。楓さん泣いちゃうかもしれないし」コソ

楓「??」

仁奈「仁奈ろーらーだい作戦ですよ!」コロコロ パシパシパシー


比奈「私もやったことあるっス。すぐお釣りが出てこない自販機があるんでスよね」

P「そうそう。…でも普通、もう一本出したら気づくと思うんだけどな」


仁奈「これで全部でごぜーますか?」

楓「うん。ありがとう仁奈ちゃん。…きぐるみは汚れていないかしら…」

仁奈「ふふー。このキグルミは仮の姿でごぜーます!」ヌギギッ

楓「おおっ」

仁奈「だいにけーたいのキグルミに移行するですよ!」モフモフ

楓「おおー」


P「…」

比奈「…」

P「まあ気づかない人もいる」

比奈「みたいスね」


P「黙っておけば済むことだしな」

比奈「でスね。…そういえばお釣りの金額で気がついたりしなかったんでしょうか」

P「……それもそうだな。もしかしてお釣り自体――」


バンッ


柚「おっはよーございますっ」ペカー
http://i.imgur.com/qsOHKo4.jpg

P「おはよう。柚は今日も元気だな」

柚「あっPサン!うんっいままさにげんきになったよっ」ペカカー

P「??そうか。よく分からんけど」

比奈「鈍感」ベシ

P「いって」

柚「えへへ」ニパニパ


柚「そだっ。ねねーいま下の自販機でジュースを買って来たんだけど」ゴソ

柚「前の人が取り忘れたみたいでね、みんなのうちでだれか――」

P「柚は今日も元気だなあ」ガシ

柚「むぐ」

楓「??」

P「よし。これで真実は闇に飲まれた」

比奈「優しい嘘ってやつっスね」

柚「むぐぐ。あむあむ」

P「こら。あむあむするな」ペチ

柚「ふに」


楓「……」

楓「……」ポンポン

仁奈「??楓おねーさん、どうかしやがりましたか」

楓「あ、うん」ポン

楓「そういえば、さっきお釣りを取り忘れたような――気がしないでもないような?」ハテ

仁奈「あわわ。そいつは大変ですよ」


P「…」

比奈「…」

柚「あむあむ」

P「…」ペチペチ

柚「ふにふに」


比奈「…まあお釣りの取り忘れを黙ってるのはよくないでスよね」

P「…そうだな。楓さんが気がついたら、俺たちで買い取ればいいだけの話だし」

比奈「はい」

柚「もごもご(なんの話カナ?)」

P「柚が持ってるお釣り、たぶん楓さんのだから。渡して来るといいよ」

柚「もごごご(そうなんだ!りょーかいだよー)」パッ

柚「楓サーン」パタパタ

P「…」ベットリ

P「……」ハア…

比奈「JKのよだれは貴重っスよ」

P「あほか」ペチ

比奈「あう」


楓「?」

楓「あら柚ちゃん。おはよう」ニコ

柚「うんおはよー。仁奈チャンもーもふもふー」モフモフ

仁奈「うへーおはよーごぜーます。どんどこもふもふしやがってください」エヘヘ

柚「へへっまかせろーもふもふー」

仁奈「もふもふー」

楓「もふもふー♪」


P(なんか始まった)


モフモフ


柚「とと、肝心な用を忘れるとこだったよ」テヘ

P(忘れるなよ)

柚「楓サン、はいこれ」チャリーン

楓「小銭?」

柚「うんったぶん楓サンが忘れたんじゃないかなーって。300円くらい…大金だよー忘れちゃだめだぞ」

仁奈「300円でごぜーますか……わたあめがいくつ買えますかね…」モフ…モフ…

柚「たくさんかな!」

仁奈「たくさんですか!わーい!」

柚「わーい」

P(なんの話だ)

比奈「わーい」

P「えっなんで」

比奈「空気を読んでみたっス」

P「読み間違えてないか?」

比奈「可愛かったっスか!?」

P「うん」

比奈「…」バシッ

P「なんでだよ」

比奈「照れ隠しっス」

P「それ言ったら意味ないんじゃ」

比奈「…」ゲシゲシ

P「ごめんなさ」イデデデ


ギュ


楓「ありがとう。すっかり忘れちゃってたわ」

柚「そかー。気をつけようねっ」

楓「うん」


P(うんて)

比奈(楓さん完全におねえさんに諭されてる女の子っスね)

P(可愛いけどな)マア

比奈(可愛いでスね)ウン


楓「そうだ。じつはそのとき、ジュースがたくさん当たって…」コト

柚「おお」

仁奈「まだまだあるですよ!」コトトト

柚「おおおっ」

楓「よかったらお一つどうぞ?」

柚「わーい。ありがとっ」ニパ

仁奈「…でもどれも缶コーヒーでごぜーますね…仁奈はコーヒーは苦手ですよ……」ウー…

楓「ふふ。なかには甘いものもあるから、大丈夫よ」モフモフ

仁奈「ほんとでごぜーますか?」


P「……、気がつかないな。楓さん」

比奈「…気がつきませんね」

P「…」

比奈「…」

P「…まあそういう人もいるよな」ウン

比奈「いまスね。私は一人しか知りませんけど」クス


カシュ


P「…」チビ

楓「プロデューサーさんは、ブラックがお好きなんですね」

P「甘いのもたまに飲みますけどね」

柚「大人っぽい」コク

P「ありがとう」

仁奈「Pは黒いのがお好きでごぜーますか」チビ

P「その変換は必要だったのか?」

比奈「舌おかしーんじゃないでス?」コク

P「うるせえよ」


P「ついでによかったらパンがあるけど」ガサ

比奈「バターロールっスか」

P「おいしいよな」

柚「なんか似合わないかも」パクー

P「えっなんで」

仁奈「パンのやろうもなかなかのもふり具合でやがりますね…」ムムー

P「パンのやろうってなんだ」パク

楓「プロデューサーさん、私、幼いころからバターロールはだんご虫なのかかぶと虫の幼虫なのかという脳内論争を――」

P「どっちでもないですから。あと食事中」


P「…」モグモグ

柚「…」モグモグ

楓「…」モグモグ

比奈「…」モグモグ

仁奈「…」モグモグ

比奈「…」

比奈「…たまにはみんなで朝ご飯ってのもいいっスねぇ」

P「そうだな」

柚「もぐー(ねー)」

仁奈「もぐ(どうかんでごぜーます!)」

P「ちゃんと飲み込んでから喋りなさい」ポンポン

柚「ふに」

仁奈「もふ」

楓「♪」モグモグ

P(一番大人しく食べてる楓さんがむしろ子どもっぽく見えるのはなんでかな)


柚「ごっくん」

柚「へへっそだねー。楽しいね」

仁奈「おねーさん方におなじでごぜーます」モフ

楓「ふふ。じゃあ私が毎日コーヒーを当ててくればいいかな」ニコニコ

柚「おー。頑張ってね!」

楓「頑張るね」

P「頑張るもなにもないような…」ハハ…

P「……、ふむ…」


P「じゃあそろそろそれぞれ仕事とレッスンに行ってもらうぞ」

柚「はーい」

柚「へへっ。今日はみんなでおしゃべりできたし、げんきいっぱいだよ!」ニパ

仁奈「仁奈も負けてねーですよ!」モフー

柚「おおっ。アタシだってやるぞぉ!」ゴゴゴ…

仁奈「仁奈だってやりやがります!」ゴゴゴ…

P「そこで争ってどうする」

楓「……ふふ」クスクス


比奈「私はいつもどーりーのっぺりがんばりまース」

P「のっぺりってなんだ」

比奈「こう…のぺーって。ゆるい感じっス」ハイ

P「はは、まあ比奈なりにってことか。了解。頑張れ」

比奈「はーい」ニコ

P「楓さんも。今日も一日頑張りましょう」

楓「はい」


P「…」

P「もし、よかったらですが、」コソ

楓「?はい」

P「明日は俺が缶コーヒーを当てて来ますよ」

楓「……」

楓「あー…ふふ。ふふ…」

楓「お優しいですね。プロデューサーさん」

P「いえ。なんとなく、明日は運がよさそうな気がするだけです」

楓「……そうですか」ニコ

楓「じゃあ楽しみにしてますね」

P「了解です」


柚「やるぞー」

楓「おー」

仁奈「おー」

比奈「おー、ス」

P「やったれー」


・・・・・


ガチャ

ちひろ「あら…プロデューサーさん、お早いですね」

P「おはようございます」

ちひろ「はい」

ちひろ「…?あら、これは…」ヒョイ

P「ああ、それ」

P「優しい女神の差し入れです」

ちひろ「は?」

P「さあ。仕事しましょうか」

ちひろ「え、え?よ、よく分かりませんしちょっとプロデューサーさん言ってること気持ち悪い…ま、まあ、はい。がんばりましょう」

P「えっいまひどいこと言いませんでした?」

ちひろ「気のせいです♪」

P「ええー…」

ちひろ「ふふ。がんばりましょうね!」

P「はーい」



・・・・おしまい

以上です。ゆるい内容ですが、ほのぼの的なあれをあれして頂ければなによりです
楽しかったです。お読み頂きありがとうございました

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