ルッキーニ「感染性突発的魔法力暴走による動物化現象」シャーリー「きゅ?」 (1000)



宮藤「サーニャちゃんが猫になった!?」
宮藤「サーニャちゃんが猫になった!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1333099239/l50)

ウルスラ「サーニャさん以外も動物になりました」エイラ「キャウ!」

の次スレです。初見の方は長いですがご一読くださいな

人物紹介等はwikiに簡潔ですがあります

どうぞこちらでもお付き合いを

本編は今日中には投下しますのでお待ちください

では第八話改編をお楽しみに



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1342691880



〜5月22日、基地近海上空〜


リーネ「じゃあ三回勝負で!」

ペリーヌ「よろしくてよ!さ〜あ宮藤さん、可愛がってあげますわ!」

宮藤「ええと、お願いします!」

リーネ「よーい、ドン!」


兼定『(『紫電改』か……こいつにゃ少佐の癖がついちまってんだろうが機種転換だけならなんとかな)』



〜ハンガー、一刻前〜


もっさん「そうか、宮藤にはストライカーが無いんだったな」

宮藤「はい……」

ゲルト「なら今日は私のを使うと良い」

宮藤「え!?」

エーリカ「何言ってんのさ〜!」

エーリカ「宮藤は『零式』しか履いたことないんだから出力が違いすぎるよ!」

ゲルト「む……そういえばお前も壊したんだったな?」

エーリカ「うえっ!?やだよ私は!」



エーリカ「『フラックウルフ』は捻り込み性能が高いし、出力の桁が違うのも解るよ?」

エーリカ「でも、トゥルーデの『身体強化』でその分のGを無効化してるんだから私や宮藤には無理なの!」

ゲルト「ぐぬぬ……はっ!ウルスラはどうなんだ!?」

エーリカ「ウルスラは『フリーガーシュレック』でバランス保ってるでしょ!それ以外は『トランスストライカー』使ってるし!」

エーリカ「『気流操作』な私には『メッサーシャルフ』のスマートボディの方が似合うんだよ〜」

ゲルト「この幼児体型が……///」

ミーナ「はいはい、そこまで!そこまで!」



ミーナ「エーリカには『K—4』をすぐブリタニアから送ってもらえるわ」

エーリカ「やったね!」

ミーナ「問題は宮藤さんにのストライカーなんだけれど」

宮藤「はい……」

ミーナ「今、『零式』ですぐ取り寄せることの出来る余剰ユニットが欧州にはないの……」

ミーナ「それで関係各所に聞いたら、次期の大規模反抗作戦に参加する扶桑艦隊が『紫電改』を持ってきてくれていたみたい」

もっさん「ほう、それは運がいい」

宮藤「坂本さんのストライカーですよね?」

もっさん「そうだ。なら私のを使って機種転換をするか!」

ミーナ「明日か明後日には艦隊が到着するからそれで良いわよ」

宮藤「き、機種転換……?」



〜基地近海上空、現在〜


ペリーヌ「少佐のユニットを履いたからといって貴女が強くなった訳ではないことを教えて差し上げますわ!」

宮藤「っ!」クイッ


兼定『(このユニット、あんまり無駄な慣性の膨らみがないな……)』


ペリーヌ「逃げ回っていては……終わりませんわよ!」ズガガ

宮藤「ひゃあ!?……でも!」フワッ


兼定『(上手い……ストライカーのトルク比を利用し、垂直上昇から左旋回気味に敵機後方へ捻り込む……)』


宮藤「えーい!」ズガガガ

ペリーヌ「いきなりそれですの!?」ピシ

リーネ「Hit!芳佳ちゃん凄い!」

宮藤「やったね!」



兼定『(『左捻り込み』か……上昇で失った速度を捻り込みで下降するから一気に取り戻せる)』


兼定『(それに敵機は逆に追従で上昇しちまってるから減速してヘロヘロ……)』


兼定『(考えた奴が武術に長けてなきゃこんな巴技……ん?)』


ペリーヌ「逃がしませんわ!」

宮藤「くうぅ、まだまだこれから……あれ?」ポスッ

ペリーヌ「頂きですわぁ!」ズガ

宮藤「へぶっ!?」パシィン

リーネ「Hit!あと一発です!」


兼定『(今の……)』



宮藤「でもあと一発……あと一発ですよ!」

ペリーヌ「なら当ててごらんなさいな!」

宮藤「っ!はあっ!」


兼定『(もう一回、いけるか……?)』


ペリーヌ「太陽を背負っ……でも!」ズガガ

宮藤「くっ……これでぇえええええええええ!」ギュン



——ポスン



宮藤「へ?」ベチベチベチ

リーネ「Hit!ペリーヌさんの勝ちです!」

ペリーヌ「ふっ……やりましたわ!」

宮藤「やっ!ちょっ……うわああああああああああああああああああ!!?」ヒュルルル

リーネ「芳佳ちゃん!?」

ペリーヌ「貴女!少佐のストライカーを壊したら承知しませんわよー!?」


兼定『(……やっぱりか)』



〜医務室〜


アレッシア「……うーん、特に異常はないし」

宮藤「はい……」

ミーナ「『紫電改』は?」

ウルスラ「外装の異常発熱以外は特に何も……扶桑のストライカーは構造が優秀ですからね」

アレッシア「でも宮藤さんの固有魔法的には身体に異常が起きる可能性は無いわ」

宮藤「うぅ……」

ミーナ「困ったわね。いきなりストールするなんて危険だわ」



〜基地近海上空〜


ルッキーニ「ふっふふーん!」クル

もっさん「ふむ……」

シャーリー「異常は有ったのか〜?」

もっさん「いや、特にはない。……やはり」

シャーリー「何なんだ?」

もっさん「相性かもしれん……私もコイツとはあまり馴染まん」

シャーリー「あ〜ルッキーニと『Me262』みたいなもんか」

もっさん「だろうな。私は『烈風斬』を撃つ度、コイツに駄々をこねられる」

シャーリー「うっへぇ……存外楽じゃないね。やっぱ」

ルッキーニ「ハイGバレロー!」グルン



〜夜、三人の部屋〜


宮藤「……」

宮藤「……」ゴソ

ペリーヌ「くー……」

宮藤「……」スッ


——カチャ……ン


リーネ「……っ……ぅ?」



〜ハンガー〜


宮藤「……よいしょっと」


「誰ダー?こんな夜遅くに?」


宮藤「うわっ!?」

サーニャ「芳佳ちゃん?」

エイラ「ミヤフジィ?お前箒なんか持っ……ぶっ!」ククク

宮藤「何で笑うんですか!?」

エイラ「いやっ……宮藤、ごめっ……思い出し笑いダ!」ヒー

サーニャ「エイラ……酷い」




ニパ「ヒュン」クシュン

菅野「ガウ」

伯爵「ん〜幾ら白夜でも寝るにはまだ早いよ〜?」



エイラ「ユニットが身体に合わないネェ?」

サーニャ「うーん……」

宮藤「みんなに聞いても解らないって……」

エイラ「私は『ブルーステル』も『メルス』も特に困らなかっタナ〜」

サーニャ「私もこれしか……みんな機種転換はたまにしかしないし、しても型式内とか」

宮藤「だから箒で飛んでもう少し魔法力の扱いを上手くしようかなと思ったんです」

エイラ「箒でカ……まあ上手くなったら箒でサーフィン出来るしナ」

宮藤「えっ?」

エイラ「出来る出来る」




アウロラ「ぶあっくしょい!」

フェンリル「……グルルル」ベチョ

アウロラ「あ、済まん」



サーニャ「それじゃあ頑張ってね。芳佳ちゃん」プロロロ

エイラ「ん〜……」ピッ

つWHEEL OF FORTUNE

エイラ「やっぱり正位置。大丈夫ダ」

宮藤「これの意味は?」

エイラ「コイツは運命の出逢い、いいことがある、チャンス、転換期カナ」

エイラ「大丈夫サ。ゆっくり待ちナ〜」プロロ

宮藤「いい方に当たりませんよ……エイラさんの占い」



宮藤「気を取り直して……」グッ


「……芳佳ちゃん」


宮藤「ふえっ!?」


——バサッ


宮藤「あ……」

リーネ「うわ……脅かしてごめんね!ごめん!」

宮藤「いいけど、あわわわ……」

リーネ「直すの手伝う!」



リーネ「芳佳ちゃん……」

宮藤「あはは……なんだろう?今日はみんなにバレちゃうや」

リーネ「そんなに無理しなくても……」


宮藤「でも、ね。私は——」


宮藤「——私はもっと高く飛びたいんだ。この穹を」


宮藤「私にできることが……それだけならなおさら」


リーネ「……芳佳ちゃん」



ミーナ「……貴方は知っているんでしょう?この理由を」


兼定「……ああ」


ミーナ「実体化してるって事は教えてくれるのかしら?」


兼定「俺のせいだ……恐らくは」


ミーナ「えっ?」


兼定「……」



〜5月23日、昼〜


<<緊急連絡!扶桑艦隊の旗艦『大和』医務室にて事故発生!>>


<<現在の海域はこの基地の30km南、すぐ近くよ!>>


<<リーネさん、宮藤さんはハンガーへ!>>



リーネ「ミーナ中佐!」

ミーナ「ええ、待っていたわ!」

宮藤「怪我をした人の数はどれくらいですか?」

ミーナ「十数名って所ね。命に関わる程では無いらしいけれど医務室が使えないから……」

宮藤「私、行きます!」

リーネ「私も!」

ミーナ「そのつもりよ、だからリーネさんを呼んだの。でも宮藤さんはストライカーの受領もして欲しいからこれを使いましょう!」

つトランスストライカー



〜アドリア海上、扶桑艦隊〜


<<杉田艦長、501のウィッチです!>>


<<おお、やはり迅速だな!>>


<<……っと、あちらから通信でハンガーの更衣室を使わせてくれと>>


<<勿論!(……着艦は一機?宮藤さんは居ないのか?)>>



〜戦艦『大和』、ハンガー内更衣室〜


リーネ「ええと……『Trans』!」


ポフン♪


宮藤「よいしょ!さあ早く着替えなきゃ!」

リーネ「私、ストライカーを格納してくるね」

宮藤「うん、じゃあ医務室で!」



〜医務室〜


宮藤「はい!重症の方から一気にやっちゃいますね!」

下士官「お願いします……」

宮藤「いきますよー!」ポワワワワワ

士官「……っ」

宮藤「内臓損傷も軽そうですね。このあとはゆっくり休んでください」

宮藤「次の人はどこですか?」



リーネ「芳佳ちゃん」

宮藤「あ、リーネちゃん!もう終わったよ!」

下士官「どうもありがとうございました!ネウロイではなくガス爆発で死者が出ては……」

宮藤「いえ、私にできることを精一杯やっただけですっ!」

下士官「ご謙遜なさらず……!」

整備兵「宮藤さん、確かストライカーの受領が予定されていませんでしたか?」

宮藤「あ、はい!」

リーネ「そうです。取りに行こっか!」

宮藤「うん!」



杉田「ふむ、治療は完了したか」

杉田(……宮藤さんはどこに居たんだ?)

樽宮「どうします?前回のお礼は『扶桑海の巴御前』の扶桑人形でしたが」

杉田「はっはっは!そうだな……昨年の『赤城』の介錯に今回の『大和』となれば「艦長!緊急通信!」

通信兵「『秋月』、『千歳』の両艦が前方にネウロイを捕捉!……超大型です!」

樽宮「何!?この海域はネウロイに遭遇した艦船が唯一いない場所だぞ!」

杉田「くっ……この『大和』を狙って来たのか?」



「……」


<<奴はまるで……十字架じゃないか!?>>


<<竹トンボに見えますが……>>


<<——防空戦闘開始!>>


<<奴を『大和』へ近付けるな!!!>>



リーネ「芳佳ちゃん、行こう!ミーナ中佐たちが来るまで凌がなきゃ!」プロロロ

宮藤「うん!」


——ガスン……


宮藤「え……?」

宮藤「やだ……ちょっと嘘だよね?」

リーネ「……煙が」

宮藤「ふ、吹かしただけだよ?」


——……



宮藤「う、動いて!『紫電改』!!!」


リーネ「……」


宮藤「なんで!なんでこんなときに!?」


リーネ「芳佳ちゃん——」


リーネ「——私、行くね」


宮藤「ま、待ってよリーネちゃん……」


宮藤「待って……」


リーネ「……」




「置いていかないでぇえええええええええええええええええ……!!!」






(——ごめんね……芳佳ちゃん。本当は一緒に飛びたいんだよ)




(でも貴女はこの艦隊を護れなかった方が悲しむでしょ?)




(なら私は貴女の代わりにこの艦隊を護って見せる)




(——私に勇気をくれる貴女の代わりに!!!)




<<こちら『大和』、リネットさん!>>


<<はい!杉田艦長、芳佳ちゃんはまだちょっと出れません!>>


<<それにあと少しでミーナ中佐たちが到着するはずです!>>


<<私が囮になりますから早く撤退を!>>


<<何!?それでは……>>


<<大丈夫です!私だって501のウィッチですからっ!>>


<<……了解した>>





樽宮「……艦長」




杉田「私はこの判断を恥ず……」




杉田「『大和』とウィッチ一人の命……秤にかけねばならん」




樽宮「心中お察しします……」




〜同刻、基地近海上空〜


ミーナ「くっ!?」




オブニル「!!!……!」




シャーリー「コイツら……何処に隠れてやがった!?」


もっさん「押されているな……」


ゲルト「間違いない——」




グラーバク「……!」




ゲルト「——奴らはエースだ!」






〜アドリア海上空〜




リーネ「……やっと引き離したかな」




十字架「……」ゴゴゴ




リーネ「あの長い砲身……その中にコアがあるはず!なら——」




リーネ「——正面から狙い撃つ!」




十字架「!!!」




リーネ「射線よし——」



















「——ったれぇえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」













——ッッ!




















「……っ?」




「あ……」




(そっか……あっちの弾も加速して撃ち出してるんだ)




(私の弾と拮抗すれば大きさでこっちが負ける……)






——芳佳ちゃん








「——!!!」








——私はここまでみたい








——あんなこといって














——ごめんね



















































——ズダアァン……








































〜戦艦『大和』、ハンガー〜


兼定(……)


宮藤「なんで……なんでっ……」


兼定(……芳佳)


宮藤「私はみんなを護りたいだけなのに」


兼定「くぅん……」ペロ


宮藤「兼定っ……どうしよう……?」



宮藤「私の想いは間違っているの?」


兼定(……いいや)


宮藤「じゃあ私は何で飛べないの……?」


兼定(っ……それはな)


宮藤「——お父さん……私、護りたいのに飛べないの!」












「——約束したのにっ!!!」










——ッッ












(爆発っ……リーネ……)












——カシャン














「——……えっ?」




(……芳佳?)




「お父さん?……お父さん!」




(……っ、まさか)




「お父さん……私っ……私は!」








「——護るために飛びたいっ!!!」












<<艦長……リネットさんが被弾した模様>>


<<聞いていれば解る……>>


<<……っ>>


<<誰だ?あれは……宮藤さん!?>>


<<なんだと!>>





「宮藤芳佳です!行きます!」




<<待て、宮藤さん!そのユニット……『震電』はまだ!>>




「——発進っ!!!」




——キュウウウン!!!




——キィイイイイイイイン!!!!!




<<艦長……宮藤さんは>>




<<大丈夫だ……あのユニットは彼女の——>>









































——ガキィイイイイイイイイイイイイイイン……!!!









































リーネ「……っ?」


宮藤「リーネちゃん、大丈夫?」


リーネ「芳佳ちゃん……なんで?」


宮藤「新しいストライカーのお陰だよ!」


リーネ「そっか……っ」


宮藤「リーネちゃん……」




「……よくも——」




「……」




「——よくもリーネちゃんをッッ!!!」


















——はあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!



















——噴き出す蒼い光




——彼女を包んでいく




(あれ……芳佳ちゃ……んの耳ってあ……んな……感じだったっけ……?)




——それは彼女の姿を本来在るべきものへ変質させる




——彼女が願った想いを遂げられる姿へ






——……ふん、遂にこの日が来ちまったか




——いつか俺から力を貸さなくても使える日が来ると思ってた




——でも一瞬だったな




——そう、本当の俺は狼さ




——お前に惚れたから




——お前の想いをどんなに無茶でも受け止めてやれる




——さあ来い


















——解き放てぇえええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!
























——二人は叫びをその蒼き穹に木霊させ








——まっすぐに穹の墓標を目指す








「——!!!」








——最愛の人を墜とした凶弾








——それが彼女へも放たれる














「っ!!!」








——極大を超える魔法の盾








——それは悪意を幾重にも纏う凶弾を








——衝突する度、穹から消し去っていく










——そうだ……お前はあの時、俺のせいで魔法力を溜め込みすぎちまった




——それにお前の固有魔法が身体を順応させ、魔法力の最大値と最低放出値があり得ないことになった




——だから放出することにストライカーが耐えられなかったんだろう




——でも今は違う……この『震電』、きっとお前のためのストライカーだ




——魔法力の放出をウィッチに全て任せ、自身はそれだけ喰らう




——これが意味すること




——それは










——絶え間なく怪異の放つ凶弾はもう飽和していた








——しかし彼女の盾は全てを魔法力へと変換し








——彼女の履く箒はその全てに応え、加速していく








——穹が裂ける








——そして彼女の盾は



























っああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ——






































——穹を覆い尽くし







































「——!???????







































——怪異の全てを呑み込んだ




















「はぁっ……はぁっ」


『(……まさかここまでとは)』


「っ……ふぅっ」


『(俺の力をものにし、あのネウロイを喰らった……)』


『(……そろそろ俺もちゃんと正体を明かさなきゃな)』


「っ……」




「——芳佳ちゃああああああああああああああああああああああああああああん!!!」




「リーネちゃん……良かったぁ」


「芳佳ちゃん!今のなんだったの!?」


「判らない……けど」


「リーネちゃんにまた逢えて——良かった!」


「っ!」


「よしかちゃん……さっきはごめんね」


「え?」


「わ……わたし……よしかち……ちゃんのこと……まもり……たくて」


「リーネちゃん……」


「でも……けっきょく……まも……まもられてる……」








「——大丈夫だよ」










「——私はリーネちゃんが好き」




「わたしも……」




「——なら護りたくなるのは当然なんだよ」




「だから今は私がリーネちゃんにお返ししたの」




「ひぐっ……」









「——いつまでも……リーネちゃんが大好き!」








「うん……わたしもだよ」








「——私も芳佳ちゃんがずっと大好き!」








〜Fin〜




お疲れ様でした


芳佳ちゃんが兼定の力を使っているときは中佐のような狼耳と尻尾になっています
それにまだ本人も兼定の力だと気が付いていないので極端な感情的行動でしか使えません
イメージは劇場版のでっかいシールドです

今回のゲストネウロイはこの兵器
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira104636.png
と某ダブル編隊の各長機

ではまた今度もお付き合いください



な、なんかエスコンは盛り上がり方が凄いですね……実は前からこの何話かあとに酒屋編を予定してましたのでお楽しみに

では投下を



〜5月24日、ハンガー〜


ウルスラ「設計上のシステムですか……これは」

もっさん「やはり特殊なのか?」

ウルスラ「『震電』は『ジェットストライカー』のように魔導直結放出システムを使っています」

ウルスラ「魔導還流システムはエーテルを呪符により可視化の出来るプロペラ化して回転させる際」

ウルスラ「魔導回転機構の動力に魔法力の一部を再利用するので、ロスが少ないんです」

ウルスラ「ですが魔導直結放出システムはウィッチの魔法力を還流させずに全て出力へ変換します」

ウルスラ「まあ『ジェットストライカー』は魔導噴流機構で更に大量に噴射しますが……」



もっさん「『震電』は何か違うのか?」

ウルスラ「一言でいうとハイブリッド型なんです。直結放出と回転機構の」

ウルスラ「これだとプロペラ化していたエーテルを瞬間的に放射状変換して、加速や推力偏向に利用できるんですよ……興味深い」

もっさん「ブースターのようなものだな」

ウルスラ「……今も宮藤さんがやっていますが本来なら魔法力の消費が莫大なものなんですけどね」

もっさん「宮藤博士がそれを……一体貴方はどこまで?」



〜基地近海上空〜


ペリーヌ「くっ!私が容易く追われるですって!?」

宮藤「このままなら……あっ?」ギュン

ペリーヌ「オーバーシュート!さあこれで仕切り直しですわ!」ガガガ


宮藤「——……っ!」ヒュンクル


ペリーヌ「今のは!?」

宮藤「隙有りです!」

ペリーヌ「きゃあああ!?」パチン



シャーリー「うっわ……水平飛行から垂直跳びしたぜ?」

ゲルト「急反転し、ヘッドオン……紙飛行機のマニューバか」

ルッキーニ「ん〜いい眺めだツンツン眼鏡?」

シャーリー「止めてくれ〜タコは止めてくれ〜……」

ゲルト「イカだ。あれは」



ペリーヌ「……これが性能差ですの?」ドロ

ルッキーニ「べっとべと〜」

宮藤「ふうっ……」

ゲルト「む、では次はリーネか」

リーネ「私ドッグファイトは……流石に」

ペリーヌ「狙撃でも無理ですわ……」



シャーリー「なら私とお前でどうだ?バルクホルン」

ゲルト「何ぃ?……いいだろう///」

宮藤「え゛……あの」

ゲルト「『震電』の性能限界とやらを見せてもらおうか///」

シャーリー「その姿勢変更の加速!私の記録のヒントになるはずだからな〜!」

宮藤「ルッキーニちゃん!助けてっ!?」

ルッキーニ「……ムリダナ」


<<みんな〜!一旦降りてきて〜!>>



シャーリー「何でだ〜?ハルトマン中尉」

ゲルト「エーリカ!下手な理由ならあとでどやすぞ!?」


<<ブリタニアからの輸送機来んの〜!そこじゃ邪魔でしょ〜!>>


<<それに私のストライカーも来るからさ〜!>>


宮藤「あっ……私、殺られる!?」


<<宮藤ぃ……覚悟しなよ〜?>>


ゲルト「なら良い。一旦帰投し、昼にしよう///」ガシ

シャーリー「しっかたねぇなあ!宮藤ぃ、行くぞ!」ガシ

宮藤「今日は厄日だぁああああああああああああああ……」



〜食後、ハンガー〜


エーリカ「まだかなまだかな!?」ウズウズ

ゲルト「ブリタニアからストライカーを持ってくるんだ。そんなに急かすな」

エーリカ「でも〜!」

宮藤「二対一かぁ……リーネちゃん。私、何でこんなことに?」

リーネ「ミーナ中佐は芳佳ちゃんの元から大きかった魔法力が更に成長したから少佐のでは飛べても」

リーネ「未調整のストライカーじゃ出力周りが耐えられなかったって言ってたよ?」

宮藤「それで杉田艦長がおみやげにこれくれたんだ〜……もしかして性能テスト押し付けられたような」



兼定(……中佐、助かったぜ)

グレニス(隠し事は良くないよ?)

エーリヒ(話しちまえよ。めんどくせー)

兼定(うーん……タイミングがよ〜?だってアイツ、もし力に過信し過ぎたらヤバイぜ)

ゲルハルト(ふん、『不死身のエースは戦場に長く居すぎた奴の過信』だそうだ)

エーリヒ(……エーリカとかトゥルーデにあたらねぇエイラや少佐かぁ?)

グレニス(大丈夫!みんな一緒ならケガしないもん!)



<<ハンガーに居るみんな、聴こえるかしら?>>


シャーリー「なんだってんだ?」


<<実は輸送機がエンジントラブルらしくて近くの空軍基地に着陸したの>>


エーリカ「そぉんなぁあああああああああああああああああああああ!!?」


<<いつ直るかもわからないし、すぐに来られるように今日の昼の訓練は中止よ。半日非番で良いわ>>


宮藤「いぃっやったああああああああああ!!!」



エーリカ「酷いよぉ宮藤〜……私のストライカーと最後には自分だけじゃなく仲間も護れるようになる模擬戦のどっちが大切なのさ〜……」

宮藤「え!?いや……模擬戦強調しすぎじゃないです?」

シャーリー「非番かぁ!」

ルッキーニ「お昼寝しよーシャーリー!」

シャーリー「ん〜マーリンの調子見たいからさ〜。この前から左がまた咳き込むんだ」

ゲルト「うぅ……私との模擬戦は嫌か……」


ゲルハルト『(……はぁ)』



〜アドリア海上空〜


<<ふっ……まさかこんな好都合にエンジントラブルが起きるとは>>


<<それにやはり後押ししてくれるコイツは天使だね?>>


つMe262A—1a


<<おほん>>


<<えー501基地?501基地?>>



<<こちら501、そちらは?>>


<<とある天使と宅配業者さ……商売道具を持ってきてあげたよ>>


<<っ……?なら物品詳細はなんだ?>>


<<『悪魔の靴』。お代は本人に戦果で払ってもらおうかな>>


<<……名前と階級を>>


<<——アドルフィーネ・ガランド……カールスラント空軍少将!>>


<<え……なっ!?>>



〜ハンガー〜


シャーリー「みたっことな〜い♪」


キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ……


<<誰か居るか!?>>


シャーリー「光の〜世界へ〜♪」


キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ……


<<おーい!?>>



ゲルト「宮藤ぃ……ほら、もう行くぞエーリカ」グス

エーリカ(やだ……ここで待ってるの〜!)ガシ

ルッキーニ(あたしにしがみつかないでよ〜)

シャーリー「かーそーくしって……あん?」ピタ


キィイイイイイイイイイイイイィ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


エーリカ(この音は!?)



ガランド「ふぅ……」スタッ

ゲルト「ガ……ガッ……ガランド将軍!?」

シャーリー「やっべ!『ジェットストライカー』乗りこなせんのかよ!?」

ガランド「やあ!久しぶりに初めましてだね!」チラ

エーリカ(あー!私のストライカー!!!)フリフリ

ルッキーニ(良かったねー!)

ガランド(目標確認……)ニヤ



ウルスラ「この音……ああっ!先行改造型一号機ですね!」

ガランド「おお、久しぶりだねフラウ!」

ウルスラ「えっ?姉様は」

エーリカ「あう!」

ガランド「ん?コイツはお前の使い魔のダックスフントだろう?」

エーリカ(またこの反応かい!?)



〜隊長室〜


ミーナ「ええと……では?」

ガランド「ガリアに空軍基地を作る予定が立ってね!それの下見に行くはずだったんだけど」ナデ

ガランド「乗った機体がフラウのストライカーも載せてたんだ」フサ

ガランド「そんで最近連絡ないし……様子見にね〜?」モシャ

エーリカ(あーそこ良い!そこ!)フリフリ

ガランド「ほれほれ」フハフハ



ミーナ「それではあの誤送した封筒は……」

ガランド「なんのことだい?」

ミーナ「いえ、このレポートの代わりに全く関係ないものを誤送してしまったので……あれは焼却処分に」

つウルスラのレポート

ガランド「うん、わかったよ」ニコ

ガランド(罪悪感は置いてきた……この幸せには不必要さ)



もっさん「しかしあの『ジェットストライカー』を使わなくても。……エクスウィッチでは?」

ガランド「おっと……少佐、君は忘れたのかい?」

ガランド「——『私たちが視ようと思えばそれは視える』」

ガランド「扶桑か。懐かしいなぁ〜泣き虫な君を「謝りますから止めていただけますか!?」

ミーリカ((なにそれkwsk!?))

ガランド「あはは、悪かったよ!まあ私は貯金箱タイプなウィッチだからね〜」

ミーナ「えっ?」



ガランド「確かにエクスウィッチと言えばそうなんだけど、私の体質は魔法力の減衰より回復が遅くなるんだよ」

ガランド「つまり一度本気で飛んだら1、2週間休まなきゃ今は元に戻らない訳さ」

ミーナ「そ、そうだったんですか」

もっさん(羨ましい……そっか、クソババアもこんな感じなのか)ハア

エーリカ(でも『ジェットストライカー』はさ〜?)

ウルスラ「私からご説明しましょう!」



ウルスラ「あの『ジェットストライカー』は元は『V4』型でして」

ウルスラ「私はパーツ作成に携わっただけなんですが制式採用型の原型になったんです」

ガランド「トゥルーデの壊した奴は性能限界を測るためウルスラが極限チューンした『V1』で、私のは大人しくした『A—1a』という訳さ」

ミーナ「なら暴走もせずに?」

ガランド「もちろん。あれほどスピードも機動も良くないんだがまあ通常ストライカーより100km/h違うからね」

もっさん「なるほど。確かに今はそんなウルスラが居て助かることしか無いからな」



ガランド「そうだ!ウルスラ、君で思い出したよ!」

ウルスラ「なんですか?」

ガランド「君は『統合整備計画』と『狩扶理ジェット推進兵器開発計画』に参加していたね?」

ウルスラ「ええ、今も資料は1ヶ月遅れぐらいで」

ガランド「あれで『Me262』を扶桑の技術で製作し直すのが一つと、リベリオンの機体を流用して作るのが二つ有ったろう?」

ウルスラ「はい、『橘花』に『セイバー』と『シューティングスター』ですね」



ガランド「あれが遂に目処が着いたんだよ。……いや、これ関係無いかな?」

ウルスラ「へ?」

ガランド「ついでに言うと対空支援および戦略対地支援ジェット戦闘機『シュヴァルベ』も完成してテストパイロットと一緒にロマーニャへ来てるんだ」

ウルスラ「研究畑が違うので知らされてませんでしたね……素晴らしい」

ガランド「それに……中佐と少佐に伝えておくけど、フリードリヒ皇帝がある勅書を出したとこぼしてね」

ミーナ「皇帝が?」

ガランド「うん、なんでも失踪していたあるパイロットたちが見つかったとか」

ガランド「皇帝のお気に入りといえばここか『円卓騎士団』と決まってる」

ガランド「前後状況を整理すると……ま、あとはお楽しみさ。共闘したらその時は上手くやってくれ」

もっさん「皇帝が探す……前に聞いたアレか?」

エーリカ(誰だろ?)



もっさん「資料はどうです?」

ガランド「ふーん、やっぱり動物化っていいことずくめじゃないか」ペラ

エーリカ「あう♪」

ミーナ「いい加減エーリカは将軍から離れなさい」

ガランド「別にいいよ〜可愛いし〜。なぁ?」ナデナデ

エーリカ「くぅ〜ん///」フリフリ

ウルスラ(ガランド将軍……貴女はトレーナーですか?)



もっさん「……やっぱりとは」

ガランド「ああ、502のラル少佐からもこんなのが来ててね」

つ封筒

ミーナ「拝見しても?」

ガランド「うん」

ミーナ「っ……はぁ」

ガランド「君もラルも苦労してたみたいだね……」

つイタチとブルドッグとウサギとペルシャ猫のフォト



ウルスラ「それじゃあ魔方陣をあちらにも送りましょう。それと……」

ガランド「この設計図はとても有用だね。『トランスストライカー』、私からちょっと技術省に回そうか」

ウルスラ「お願いします」

ミーナ「将軍、これからのご予定は?」

ガランド「ん〜あの輸送機夜には直るって言ってたし、出発明日だからちょっと暇なんだ」

ガランド「うん、基地内でも見て回りたいかな」



エーリカ「あう?あう!」ピョン

ガランド「お、案内してくれるの?じゃあ中佐……」

ミーナ「ええ、どうぞ!隊員たちともご自由に」

ガランド「こりゃ済まない。じゃあとでね」ガチャ

ウルスラ「では私も」


バタン


もっさん「……やはり敵わんな」

ミーナ「状況把握能力が凄いのよね〜ガランド将軍は昔から」



〜廊下〜


エーリカ「あ……う」バタ

ウルスラ「バテたんですね」

ガランド「仕方無いなぁ。小型犬だし」ヒョイ

エーリカ「くぅん///」

ガランド「抱っこは特別だぞー」

ガランド(フラウあったけー、それに柔らかいしな〜)


パタン



エイラ「クフゥウン!……キャウ?」

サーニャ「にゃあ……?」

ウルスラ「ああ、エイラさんとサーニャさん。こちらガランド将軍です」

ガランド(おおう……これはこれはぬいぐるみチックな)

エーリカ「あう!」

サーニャ「にゃ〜ご」

エイラ「クゥウー……」

ガランド(可愛いなぁ。やっぱり眺めるか撫でるのが一番だよ……おっと!?そうだ!)

ガランド「ほら、二人も抱っこするからこっちおいで!」



〜レクリエーションルーム〜


ガランド「ここはなんだ〜い♪」

エイラ「クフゥウ///」プニ

エーリカ「あう……」

サーニャ「……///」

ガランド(なんだろうこのケダマモノたちの可愛さ)

ウルスラ「入ってみますか?」

ガランド「うん」



ガチャ


宮藤「あれ?ウルスラさんと貴女は……」

リーネ「あっ、ガランド将軍ですか!?」

宮藤「え……あの!?」

ガランド「やあ、リネット曹長に宮藤軍曹。初めまして!」

エーリカ「あう」

宮藤(何で三人とも抱っこされ……はっ!?)

エイラ「ハッハッ///」フリフリ

ガランド「実はフラウのストライカー届けに来たついでで視察に来てね〜」プルン

宮藤(おっぱ……いや何あれ凄いパーフェクツ……)



リーネ「そうだったんですか」

ガランド「うん。それよりもリーネちゃん!」ズイ

リーネ「は、はい?」

ガランド「私が結成しようと有志を募っている『ガランド・サーカス』に参加してみないか?」

リーネ「ええっ!?」

ウルスラ「『ジェットストライカー』によるカールスラント奪還部隊……『JV44』ですよね」

ガランド「ああ、トゥルーデも一緒に引き抜きたいんだ。このロマーニャを解放できたらね」

リーネ「でも……」



ガランド「君なら『BK5』による後方支援でトップエースになれるはずだよ」

リーネ「……」

ガランド「……やっぱり嫌だよね」

リーネ「えっ?そんな!」

ガランド「ガリア復興支援の記事は私も読んだよ。だから断られると解ってた」

ガランド「君の思う通りで良いさ。ただその場所と人を護れる力さえ残してくれてれば」

リーネ「将軍……頑張ります、私」

ガランド「うん。ところで宮藤さんどこいった?」

サーニャ「Zz……」

ウルスラ「先程風のような速さで出ていきましたが」



エイラ「キャン?」

エーリカ「あうぅ〜」

ガランド「おっとサーニャちゃんが寝てしまったか。なら置いていこうな」

エイラ「キューゥン」

ガランド「ああ、面倒見ておいてくれ。ありがとう」

ウルスラ「次はハンガーにでも行きますか」

リーネ「じゃあ私はお夕飯の準備を」

ガランド「あ、私の分は大丈夫。魔眼が有っても夜間飛行はキツいからもうすぐ帰るんだ」

リーネ「残念ですけど……わかりました」



〜ハンガー〜


ルッキーニ(で、なんで芳佳が『Trans』してるのさ〜?)

宮藤(だってガランド将軍のおっぱいに触るには抱っこして貰わなきゃ!)

ルッキーニ(……リーネが聞いてなくて良かったね)

宮藤(へ?なんでリーネちゃん?)

ルッキーニ(あたししーらない!)

宮藤(待ってってば!ルッキーニちゃん!)



ルッキーニ「にゃにゃ〜……ふにゅ?」

ウルスラ「あ、宮藤さんとルッキーニさんですね」

ガランド「おお?これまた二人とも珍しくて可愛い……」ポヨン

ルッキーニ(えッッ!?なんか良く見たら凄いクオリティ高いよッッ!)

宮藤(でしょッッ!?)

エーリカ(あー……エイラだけじゃなくてあんたらもかい)



ガランド「うん♪抱き心地チェックといこうか〜!」

エーウル((なんか安心できるなぁ。どっかの中佐と大尉は暴走するし……))

ガランド「おお!私の使い魔と毛並みが似てるね〜いい子いい子」ナデナデ

ルッキーニ「にゃあ〜ん///」プニプニ

宮藤「わ、わん!」

ガランド「ん?そら〜……やっぱり扶桑犬はこの短毛の感じがいいねぇ〜♪」コショコショ

宮藤「く〜ん///」モミ

エーウル((地味に二人の趣味も達成してる……))



ガランド「あ……時間だね」チラ

ルッキーニ「ふにゃあ〜///」トロン

宮藤「あうぅ〜///」トロン

エーリカ(ガランド将軍……)

ガランド「ふふっ……久しぶりに楽しかったよ。フラウ」

エーリカ(私も!)

ガランド「それとウルスラ、ミーナたちに挨拶しておいてくれるかい?」

ウルスラ「はい、もちろんです」

ガランド「あんまり多い見送りは嫌いなんでさ……あ、それとストライカーのコンテナにお菓子入れといたからみんなで食べてくれ」

ガランド「じゃあ、またね!」



——……夕焼けの中を飛ぶなんていつ以来かな


——切なさと次の日への希望を抱いてるのが夕陽だっけ


——このロマーニャの空はロンドンと違ってずっと綺麗だ


——そうさ……本当なら幾らエースでも戦わせたくなんかない


——この力が偶然、対抗しうるだけなんだ


——……


——またね……か


——誰にも本当の明日や未来は見えないから……




——あの娘たちに魔女の加護のありますように




〜Fin〜



お疲れさまでした

このあとガランドさんが皇帝に色々吹き込んだのはご想像にお任せします
ちなみにwikiで43年にジェットストライカーをガランドさんが試験したと記述が有ったので体質云々は弄りました

次回は第九話改編です
終わりが見えてきましたがまだまだお付き合いくださいな

えっと予定変更します

今回は円卓騎士団なお話。構成がどこかのムービーですけどお楽しみください



——ロマーニャのとある空軍基地


——ここには連合国軍が誇る航空師団、『The Knights Of The Round Table』が駐留している


——私はあれからこの基地の取材に掛かりきりだった


——かつてこの隊に在籍したと言われる『地獄の番犬』に迫れるのだから


——今回はその証言を紹介しようと思う



——元カールスラント空軍第10航空師団第8戦闘飛行隊


——現『円卓騎士団』所属、『グリューン隊』隊長


——ベルンハルト・シュミッド


——『フクロウの眼を持つ男』と呼ばれた彼はカールスラント撤退後もひたすらに闘う



「で、お嬢さんはあのバカ二人の話を聴きたいってのか?」


「……穹じゃアイツらには敵わねぇ」


「冗談だと思うだろ?分裂キューブ型ネウロイ相手にたった二機で十分持たせたんだぜ」


「ふざけた空戦能力と釣り合わない旧式の『メッサーシャルフ』でよくやってたよ」



「実際のとこ、オレはアイツらと長くつるんでた」


「サイ……っと『鬼神』の奴とは特にな」


「アイツとは隣の基地の所属で同じ酒場に飲みに行って出会ったんだ」


「眼を見張るくらい賭け事全般強くてな。酒場のツケをそれで返しやがった」


「いい奴さ。あの頃まだ相方と組んでなくて、オレが小隊長なもんだから誘ったくらいだぜ」


「ただすぐ諦めたよ。四対一でこっちが伸されてからはな」



「あの日のことは覚えてる……何人も基地に戻って来なかったからさ」


「うちとアイツらに『ロト』、『インディゴ』、『ゲルプ』が真っ先に迎撃に出て」


「地上走行揚陸艦型ネウロイの自爆に『ロト』と『ゲルプ』が巻き込まれたもんで壊滅しちまった」


「土砂が滅茶苦茶に吹き上がって飲み込んだんだぜ?あの時あの場にいた奴等しか解らんな」


「それで弾喰った部下の機と後退したら今度はブリタニア輸送空路確保に駆り出された」


「……アイツらとはそれっきり。聞いた話だと給油のあと海峡哨戒してたみたいだけどな」



——元カールスラント空軍第7航空師団第51戦闘飛行隊


——現『円卓騎士団』所属、『インディゴ隊』隊長


——デミトリ・ハインリッヒ


——古く騎兵の血を引く『藍鷲』も


——例に漏れず、二人のエースと親交があった



「私はあまり『鬼神』とは関わらなかったが『片羽』となら話せることが多い」


「彼は居場所を探していたようだ。……あまり他人の身の上など語るものではないが」


「君は『ケラーマン教室』を……?出身がリベリオンなら知らないな」


「数多のカールスラント空軍トップエースを育成したアカデミー教官で、元騎士団長であるディトリッヒ・ケラーマン大佐」


「彼の生徒が私に『片羽』、カプチェンコ現団長だ」



「アカデミーでの彼の成績はとても一言では表せないものだったな」


「成績はB+。可もなく不可もなく、本来なら小隊列機だろう」


「しかし彼は偵察任務を一人でこなさせられた」


「編隊戦闘があまり……いや、壊滅的に得意では無かったのだよ」


「曰く『他人の心配はしていられない……可哀想だけどな』だそうだ」


「逆に多数対一を得意としていたから、組んだ小隊機が全滅するまで手を出さないのが彼との模擬戦のルールだった」



「そんな彼は『鬼神』と出会ってすぐさま戦果を挙げ始めた」


「弾薬切れで眺める私たちを尻目に颯爽とネウロイたちを蹴散らす」


「あの二人と居れば誰でも……こんな感覚だったろう」


「——まだ抗えると」



——元カールスラント空軍、第22航空師団第4戦闘飛行隊


——現『円卓騎士団』所属、『シュネー隊』隊長


——エリッヒ・ヒレンベランド


——『不死鳥』はあの日も死ななかった



「俺は二人のどっちとも仲良かったんだ。隊長組はどっちかと因縁あってつるむ傾向が有ったからさ」


「……それが仇になって『番犬』とよく同じ作戦に参加。隊員にゃ無茶ばっかさせたな」


「でも結成時から未だに全員墜とされまくって一機も欠けないのはうちぐらいだし」


「ま、場数こなせば生き抜くコツは身に付く」


「それにかけちゃアイツらが一番だと思ったのになぁ……」



「俺の小隊はあの日、『ウィザード』と『ソーサラー』にくっついて飛んでた」


「ウィッチ部隊が避難船護衛や大型の相手、戦闘機と艦船は他を足止め」


「んであらかたガリア側が片付いて呼ばれたんだ。ケラーマン先生に」


「着いたら『クロウ』、『ゴルト』と『シュヴァルツェ』がごっちゃになりながら戦闘しててな」


「『ズィルバー』は逆にウィッチの護衛へ回っててさ。新人のちびっこだったらしい」



「戦闘はある程度でケリが付いた。イーグルアイのおっさんが『グリューン』たちを誘導してくれて」


「ただ俺は油断が元でぶち撒かれた欠片が……いまもからかわれるよ」


「気が付いたら『クロウ』のアホトリオとブリタニアの病院にベッド並べてた」


「俺の撤退戦はそんなもん」


「『ソーサラー』は今リベリオン本土でアグレッサーやってるし、『ウィザード』なら〜ほら、あそこに隊長が寝てるぞ」


「『クロウ』?あれ、アイツらあの後……ごめんな〜ちょっと度忘れしちまった」



——元リベリオン合衆国陸軍、第8航空団第32飛行隊


——現『円卓騎士団』所属、『ウィザード隊』隊長


——ジョシュア・ブリストー


——『青い魔術師』は『ルーカン』の名も併せ持つ



「寝起きに訊かれるのがアイツらの事とはな……」


「ん……まあ俺らが死ぬ前に誰かへ伝えなきゃならん事かも」


「誰かが言ってただろうが俺はラリーと一番仲良k……あ、実名出しちった」


「げふんげふん!『片羽』とかカプチェンコ団長と実はカールスラント侵攻前に会っててな」


「アカデミーの生徒間交流と国の威信を賭けただかの模擬戦で張り合ったんだ」


「結果?俺の敗けに近い引き分けさ」



「そのあと『鬼神』たちを加えたアイツらに欧州救援作戦で合流した」


「ブリタニアに撤退するあの日、『片羽』からこんなこと言われてな」


「——『……ボーダーってなんだろうな』」


「判ったよなんか。コイツ死ぬんじゃねえかって」


「テメェで解らない答えが有る……悩みのあるままは穹なんて飛べないからな」



「小説に旅行記、哲学書ばっかりデミトリの野郎と読み耽ってた」


「サイ……『鬼神』に頭ん中爆発すんぞってからかわれて笑いながら」


「あん頃は良かったな。アカデミー時代とは違う吹っ切れたアイツが『鬼神』と組んだら敗けなしだった……」


「何も道連れに『鬼神』まで巻き込まなくたって……はぁ」


「気が付いたらブリタニアに連れてきたガルムも居なくなってたし……」



——元オラーシャ帝国陸軍第136戦闘機連隊


——現『円卓騎士団』所属『シュヴァルツェ隊』隊長


——ドミニク・ズボフ


——かつてのエスケープキラーが今ではパーシューターの肩書きを得る



「俺は『鬼神』と気があった。そりゃ開戦から一向に出番のない督戦隊は普通の戦闘機乗りだからな」


「ここに来たのも最初はペテルブルクが陥落しかけて余剰人員で回されてよ」


「アイツは強さも誇りも戦況を読む眼も……パイロットが羨む才能は全て持ってた」


「……英雄ってのはいつでも先に逝っちまう」


「そう考えればこの師団に居た奴等は全員英雄さ……クソッタレな、な」



「アイツらとのエピソードなら一つ心当たりがある」


「ガリア陸上撤退の最中だ。バレたら三人の懲戒は免れんが……まあいい、結果オーライだからな」


「二人と賭けをした。あの頃は俺たちのような追撃機乗りがネウロイの手負いを始末することで」


「ネウロイがこちらの情報を持ち帰らないようにしてたんだが、あまりにも出撃頻度が高くてな」


「今でこそ『P—51』……あの頃はお国の機体だったからパーツの代えが効かん」



「それでぼやいたんだ。一回でも俺らが着く前に全滅させてみろってな」


「アイツら本気にしやがって……その日は『ラロス』とのドッグファイトでいいとこまで追い込んだんだと」


「でも俺たちも仕事だから現地へ急ぐ。そしてアイツらの弾が切れた」


「無線で大騒ぎ。黙らせんのに俺がもうすぐ着くってった途端だ……ひっくり返りそうな爆発音」


「どうしたと思う?」



「——『片羽』の奴が自分の主翼をぶつけてラストの墜としやがった……」


「そう、これが『片羽の妖精』の誕生。化け物だと思った」


「ヘロヘロに成りながら基地に戻っていきなり。『さあ、奢れ』……ガッツリやられた」


「壊した機体?ケラーマン団長は笑ってたぜ」


「だからあの撤退戦の未帰還機を誘導しに出撃して……浜辺の墜落機を信じられなかった」



——元カールスラント空軍第18航空師団第5戦闘飛行隊


——現『円卓騎士団』団長兼『ゴルト隊』隊長


——アントン・カプチェンコ


——『銀色』の意思は『金色』に受け継がれている



「ふむ、何から話すか……」


「ケラーマン大佐はあの後、すぐに連合軍の戦技教官として騎士団を離れた」


「ガリア解放までブリタニアが持ったのは彼の生徒がちゃんと育ったからだろう」


「国籍は違えど私やデミトリ……『片羽』の後輩たちだ。鼻が高い」


「そしてケラーマン先生の代わりに私がこの騎士団の団長になった」



「彼らの話をしよう。『円卓の鬼神』と『片羽の妖精』」


「二人は長くこの騎士団を支えた……揺るぎないエースだ」


「『片羽』は私たちから見れば十分に無茶をしたが『鬼神』……奴はそれを遥かに超えていた」


「だから二人は互いに相棒に成れたのだろう」


「穹に愛されたエースだった……」



「彼らを失ってこの騎士団をここまで持ち直すのにも時間が掛かった」


「そして……『オペレーション・マルス』の発動も近い」


「カレー基地に居た私たちをわざわざここまで召還した理由は」


「恐らく上層部がロマーニャからカールスラント、オラーシャを奪還するためだ」


「——長き闘争が少しでも好転するなら……それは」





——私は最後、それぞれ彼らにこう問い掛けた




——『地獄の番犬』とはなんだったのかと





「……戦争ってのはお偉いさんが机の上でやるもんさ。最後に勝てりゃ万事解決」


「だけど兵隊のオレらは生き残らなきゃなんない。意味がない」


「そのために必要なのが瞬時に場を見極める眼」


「アイツらには間違いなくそれがあって、穹のルールを味方にしてた」




「——これだけは確かだ」





「騎士道……私たちはそれを守り、国の名誉と民を護る」


「あの二人にそれが有ったのか訊かれれば苦しい」


「しかし、誇りと護ろうとする決意」


「自分たちなりのルールを貫くことにかけては」




「——誰よりも強かったはずだ」





「戦闘機ってのは墜ちたら終わりなんだ」


「木っ端微塵に飛び散って、跡形もなく燃やされちまう」


「あの日墜とされてから怖くないのかって言われれば嘘だ。でも……」


「怖さがあるから生きている実感がある。アイツらもそうだったはずだ」


「だけど、不意に寂しくなる……穹が広すぎて」




「——またアイツらと飛びたいもんだな」





「腐れ縁。でも俺と二人はちゃんと解り合ってた」


「ただ『境界』が……『片羽』は何のことを悩んで死んでったのか」


「それは俺と『鬼神』にはもう永遠に解らない」


「もう少し早く話してくれてればな」


「まだ変われたはずなんだ……望む世界がどうであれ」




「——今だってあの頃からは変わり続けているから」





「悪い奴ってのは死なないもんだ」


「地獄でしか生きていけない……当たり前だろ」


「俺はまだ生きている。そして運もまだあるらしい……」


「アイツらの運が尽きて墜ちたのなら仕方ない」




「……ふぅ」





「ブリタニアの何処かには『アヴァロン』がある」


「二人は『円卓』の王だった……そう、この騎士団が育てた」


「騎士団が王を護るのは責務だったかもしれない」


「もし、あの日奴等の魂がその門をくぐってしまったのなら」




「——……私は彼らがそこで安らかに過ごすことを望む」







——『円卓の鬼神』と『片羽の妖精』




——二人が所属し、撤退戦を戦い抜いた『円卓騎士団』




——彼らが二人のことを話すとき、少しくすぐったいような




——また嬉しそうな顔をしていた




——言葉の裏でも解らない答えがきっとそれなのだろう







http://www.youtube.com/watch?v=Du-TLhwLQbI&sns=em






ドミニク「……」

ベル「ありがとうございました!また今度お願いしますね!」

ドミニク「……ああ」

ベル「では!」ガチャ


バタン



ドミニク「元気な嬢ちゃん……ほんとに瀕死だったのかぁ?」

ドミニク「……複雑だな」

ドミニク「あんなのに墜落した機体の周りは足跡だらけだったなんて言えん」

ドミニク「……んでもって」

つ伝票

ドミニク「『Demon Load』。俺しか気がついてねぇが……」


「やはり奴等の趣味か」


ドミニク「な!?アンタは……」



イーグルアイ「ブリタニアで犬のガルムが居なくなっていたのも頷ける」ヌッ

ドミニク「おっさん……脅かすな」

イーグルアイ「済まん。それにワインの産地がロマーニャ、ブリタニアよりも」

イーグルアイ「今では稀少なガリアやカールスラントの方が多い」

イーグルアイ「付け加えるならバチカンの資材基地に積まれた箱を見たがあの几帳面さはピクシーだ」

ドミニク(怖っ……脱走しても三日で捕まんじゃね?)



ドミニク「アイツら……まさか銃殺か?」

イーグルアイ「いや、大丈夫だ。しかし皇帝には密かに伝えるぞ」

ドミニク「……団長たちへは?」

イーグルアイ「アイツらに伝えたら二人が死ぬ。さて色々せねば……」

ドミニク「何すんだ?」

イーグルアイ「決まっているだろう。奴等を引きずってくるための根回しだ」

イーグルアイ「アントンに休暇届、皇帝には団長権限の機密文書」

ドミニク「偽造すんのか!?」

イーグルアイ「ふっ……俺に全て書類を任せるからこうなると思い知らせてやる!」

ドミニク(サイファー、ごめんな……このおっさんやっぱり強い)



〜その頃バチカン、とある酒屋〜


店長「ふぁ……暇だなぁ」

店員「はぁ……お前、暇なら配達行けよ!」

店長「やだ」

店員「てめぇ!」

店長「ガルム〜従業員に怒られた〜!」

番犬(……ふん)

店員「犬ではぐらかすなぁああああああああああああああああああああ!!!」

番犬(犬ではないガルムだと言ってぶるぅあああああああああああああ!!!)

店長「うっせぇええええええええええええええええええええええええ!!!」



STRIKE ACES〜追憶されし鬼神の凱歌〜


〜続く〜



お疲れさまでした
今回はこんな感じで

ちなみに時間軸は
買い出し

アルベルティーヌの取材

ガランドさん来訪

サイファーの昔話(+α前スレ1000)



となっています
ではまた次回をお楽しみに

あとわかる人だけにちょっと自慢
http://mup.vip2ch.com/dl?f=33275

妬ましいのでSWBM撃ちました。着払いでな!



お久しぶりです。もうちょっとしたら投下しますのでお待ちくださいな

>>152こ、これやってて遅くなったんじゃないんだからね!
http://mup.vip2ch.com/dl?f=33540




〜5月25日、とある港〜


シャーリー「あれま、敵さんより早く着いちまったか〜」

ルッキーニ「だね〜」


<<こちら坂本、そこが市街への玄関に当たるからな。守衛は任せたぞ>>


<<攻撃隊、ここから囲い込むわよ!>>


<<了解!!!>>



シャーリー「ま、リーネとペリーヌこっちに居るし大丈夫だな!」

リーネ「でも私たちがキーパーな訳ですし……」

ルッキーニ「どーせ少佐がすぱーんで終わりだよ!」

ペリーヌ「はぁ……貴女たちは気楽ですわね……」

シャーリー「そっかぁ?そこまで……ん」



シャーリー「あのでっけーアーチ橋ってなんか凄いな」

ルッキーニ「『王様橋』のこと?」

リーネ「王様って……ロマーニャの王室が関係あるの?」

ルッキーニ「うん、マリアとかじゃなくてだいぶ昔らしいんだけど」

ルッキーニ「橋の無いときは片側の港が火事になったら逃げ場もないし、全部燃えちゃうんだったんだって」

ルッキーニ「で、その王様が気が付いて造ることにしたんだけど……」

ペリーヌ「どうかしたんですの?」



ルッキーニ「造る時に港の人たちを働かせなきゃいけなくて、反対されたの」

シャーリー「まー幾ら給金出たって魚なり品物捌いた方が儲けられるわな」

ルッキーニ「反対されながら結局完成したんだけどそれからしぃ〜〜〜ばらく避難用には使われなかったんだ」

ルッキーニ「だからバカにした意味で『王様橋』」

ペリーヌ「……」

ルッキーニ「でもクルミヤ?戦争でネウロイが出たとき、片側の港が襲われたのにあんまり被害が出なかったのはこの橋のお陰だって!」

ルッキーニ「昔の『赤ズボン隊』はこの橋の上で陸型ネウロイと決戦したって話も残るぐらいだもん!」

シャーリー「そっから敬意を込めて『王様橋』か?泣けるね〜」

リーネ「王様って大局感のある人だったんですね」



ミーナ「あと少し……」

もっさん「空中要塞が何だ!これで終わりにしてやるッッ!!!」


百手巨人「!?」


「——烈」


「風……——」




「——……ざぁあああああああああああああああああああああああああッッ」





百手巨人「!!?!?」ズシャアアアッ


百手巨人「——……!


ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……


ゲルト「……いつぞやよりはリスクもなく倒せたな」

エーリカ「いや……終わってなかったわ」


——キラッ



リーネ「あれ?何か……」

シャーリー「……ヤバイ」ピコピコ


<<こちら宮藤ですっ!沈み際に空中要塞が大量のロケットを撃ちました!>>


<<コアがそのどれかにあるはずです!撃ち墜としてください!>>


一同「了解!!!」



ニンバス「!」


ルッキーニ「クレー射的ならまっけないよー!」ダダッ

リーネ「数が……!あっ!?」ズキュン


ニンバス「


グバァアアアアアア……


シャーリー「くっそ!誘爆しながらこっち来やがる!」ガキン

ペリーヌ「……はっ!?」チラ


ドローン「……」コソ



ルッキーニ「このままだったら街に当たるよ!?」ダダダ

シャーリー「ちくしょー!!!片っ端から墜ちやがれぇええええええええええ!!!」ズダダダ


ニンバス「!


ニンバ


グバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア——……


リーネ「誘爆……きゃっ!」カキン



ドローン「……」


ペリーヌ「——逃がしませんわっ!!!」ガシ


ドローン「!?」グイ


ペリーヌ「はぁあああ……っ!」ジジッ


ペリーヌ「——『ラ・ランス・デュ・トネール』!!!」


ドローン「!!!?




ズシャアアアアアア——





シャーリー「あぁん!?」


ニンバス「!?」パラ


ニンバス「


リーネ「あっ……ペリーヌさん!」

ルッキーニ「見てたよー!すっごーい!」

ペリーヌ「はぁ……はぁ……」

シャーリー「お前……ネウロイ掴んで槍ぶっ刺したのか!?」


<<良くやった!私の撃ち漏らしを……済まない!>>



〜夜、三人の部屋〜


ペリーヌ「……」


ペリーヌ(橋……ガリアに足りないのはあの場所だけでは)


ペリーヌ「……っ」


ペリーヌ(王様は反対されてでも人の役に立った……)



ペリーヌ(なら今の私はどうなんですの……?)


ペリーヌ(誰にも反対されない……私に出来ること)


ペリーヌ「……」


つレイピア


ペリーヌ(……私に残された唯一の繋がり)


ペリーヌ(もしこれを手放せば私は……?)


ペリーヌ(血の絆……それだけを信じられる自信なんて私には……——)



ペリーヌ「お父様……っ」


ペリーヌ「あ……?」ツー


ペリーヌ「ざ、ざまありませんわね……」ゴシ


ペリーヌ(こんなとこ下手な人に見られたら!)


宮藤「ペリーヌさんっ!」ガチャ


ペリーヌ「うひゃあぁあああ!!?」



宮藤「あ、ごめんなさい!びっくりさせて」

ペリーヌ「貴女!執事でも無いならノックぐらいなさいな!?」

宮藤「ノック?執事?」

ペリーヌ「はぁ……何言っても無駄ですわね」

宮藤「でもここ三人の部屋だし……」

ペリーヌ「ぐぬぬ……」



ペリーヌ「で?何のお話かしら?」

宮藤「ええっと!ミーナ中佐に明日は海で演習をしますって伝えるよう言われて!」

ペリーヌ「へぇ……」

宮藤「『Trans』してやるみたいなのでそれもよろしくと!」

ペリーヌ「まあ、戦闘中に振り落とされたら必要になりますわね」

宮藤「じゃあまたあとで!シャーリーさんとウルスラさんが私の『震電』解体しそうなんですよ!」


バタン


ペリーヌ「はぁ……あの娘に掻き乱されてばかりですわ」



〜次の日、アンフィテアトルム前海岸〜


エイラ(夏だー!)

エーリカ(海だー!)

ルッキーニ(ロマーニャだー!)

エイハルッ(((にゃっははははははははぁ!!!)))

ゲルト(一応訓練だぞ!リベリアン、お前もなんとか……)


シャーリー(うりゃあああああああああああああああああ来やがれビックウェーブッッ!!!)バシャバシャ


ゲルト(……ウサギってあんな泳げたんだな)



もっさん(ミーナ、アドリア海にサメは居ないよな?)

ミーナ(え、居るわよ。熊が森にいるみたいに)

もっさん(シャーリーが『稲葉の白ウサギ』になってしまう気がするんだが……)

サーニャ(なら私が探知しておくので大丈夫です)

ミーナ(ええ、お願いするわ。溺れる人も出ないように)

ミーナ(……一応ビーチには来ないって聞いているし、ロマーニャはサメ漁もするから大丈夫よ)

もっさん(ほー?ロマーニャもサメを食べるのか)



ウルスラ「はぁ……暑いですね」

宮藤「わん!」

ウルスラ「大丈夫ですよ。水が欲しくなったら言ってくださいね……もしかして早速ですか?」

ペリーヌ「にゃ……」

リーネ「にゃあ?にゃ!?」

ペリーヌ「……ん゛にゃ?」

シャーリー「きゅー!!?」


——ザッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!



シャーリー(くっそー!なんだよ今のは!?)

ゲルト(さっき波を自分で呼んでいたろうが)

ペリーヌ(ずぶ濡れですわ……そして砂まみれですわ……)ペタン

エーリカ(たっのしそー!行くよルッキーニ!)バチャバチャ

ルッキーニ(おー!)ジャポーン



ミーナ(取りあえずは奥のブイが身体の大きい人用よ。終わったらまた好きに過ごしていいわ)

もっさん(往復200mか。一気に行くぞ!)

ゲルト(準備運動はしたからな……少佐、勝負といこうじゃないか!)

もっさん(うむ、扶桑海軍の実力見せてやろう!)

ミーナ(あら?私も参加しようかしら)



ペリーヌ(はぁ……)パチャパチャ

宮藤(なかなか進まないよぉ……)チャプチャプ

リーネ(え?そうかな〜)スイスイ

ペリ宮((な゛っ……!?))

ペリーヌ(おそらく……あの増槽が浮き輪代わりになってますわ)コソ

宮藤(お風呂でも浮いてましたよね……)コソ

シャーリー(あと少しじゃあああああああああああああああああああ)キィイイイン

ルッキーニ(あれ、シャーリー……200まで来たの!?)

ペリ宮((っ……もっとすごいの居た))



エイラ(ふぅ……なかなかだったな)

エーリカ(いや〜こういう時ダックスフントの本能は役に立つね)


エーリヒ『(お褒めに預かり光栄ですよっと)』


ウルスラ「姉様、エイラさんお帰りなさい」ナデナデ

エイラ(おう!サーニャは大丈夫か?)

サーニャ(くぅ……Zzz)

エーリカ(職務放棄して寝てるわー)



ミーナ(着いたわよ〜!あら、美緒は?)

シャーリー(後ろだよ、中佐……筋肉バカは沈んだみたいだ)プカ

もっさん(クッソ!何が違うと言うんだ!?)

シャーリー(……水掻きだろうな)


クラヴァ『(ふっ……ワイルド種を舐めてもらっては困る)』


もっさん(ならば帰りでもう一度勝負だ!)

ミーナ(あら?いいわよ〜!)



シャーリー(はぁ……海ってやっぱ良いな。落ち着く)プカ


グレニス『(いっつありとるさまーばけーしょん)』


シャーリー(……ふー)


……ジャン


シャーリー(寝みぃ)


……ジャージャン


シャーリー(ふにゅ……)


……ジャージャン


シャーリー(……Zz)


……ジャージャンジャージャンジャージャンジャージャンジャンジャンジャン




——バジャアアアアアン!!!





シャーリー(今のは!?)


……スィー


シャーリー(冗談だろ!?なんか……ちょっ……)


スィー……チラッ


シャーリー(背ビレ!?)


——バジャアアアアアン!


シャーリー(さ……さささサメだぁああああああああああああああ!!?)



サメ?(チッ……ハズシタカ)


サメ?(ショウドウブツナンテイツブリダ?)


サメ?(ニガサネェ)


シャグレ『(あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう……!!?)』


サメ?(——オレサマオマエマルカジリィ!!!)


バジャアアアアアン!!!——




——ガブッ!





サメ?(ナッ……!?)ビチビチ


シャーリー(……ふぇっ?)


ゲルト(——貴様……よくも私の妹に手を出そうなどと考えたな?)ガリ


サメ?(グ……ハナセハナセハナセ!)


ゲルト(貴様など……このまま噛み砕いてやる!!!)ギリギリ


サメ?(アガガガガッ!?)




——グチャアッ……





ゲルト(ふん……他愛もないな。肉食魚など)

シャーリー(さ……かな?サメじゃ……ないの?)

ゲルト(どう見ても違うだろう……ただこの大きさだとお前くらいなら餌になるな)

バラクーダ「」プカ

シャーリー(ひぐっ……うわぁあああああああああああああああん……)

ゲルト(泣くな!)

シャーリー(怖かったんだもん!うわぁあああああああん……!)

ゲルト(いつものお前はどうした!いい加減にしろ!)

シャーリー(うわぁあああああああん!堅物が怒ったー!!!)

ゲルト(泣きながら生意気を言うか!?)

シャーリー(ひぐっ……ひぐっ……)



ゲルト(……仕方無いな)フイ

シャーリー(んぅ……?)

ゲルト(尻尾に掴まれ。曳航してやる)フリ

シャーリー(うん)ダキッ

ゲルト(いいか、行くぞ?)

シャーリー(うんっ)

ゲルト(……)

ゲルト(……今日はよく寝れそうだ///)



ミーナ(はぁ……疲れた……)

もっさん(はっはっは!体力戦なら負けんぞっ!)

ペリーヌ(坂本少佐、流石ですわっ!)

リーネ(すごいね……二倍泳いでるんだよ……)

宮藤(うん……?)プニ

リーネ(やだ!芳佳ちゃん///)

宮藤(この感触……そっか!?)

リーネ(もう///……どうしたの?)

宮藤(な、なんでもないよ!)


宮藤(——複乳っておっぱいいっぱいじゃん!!!)キラン



宮藤(つっつまりミーナ中佐と坂本さんも……!!!)


リーネ(あれ?芳佳ちゃーん?)

宮藤(はぁはぁ///)コソ

ミーナ(ならあとは自由で)

もっさん(わかった!……この身体で『烈風斬』を撃てるのか気になるな)タタッ

ミーナ(無理はしないでね。何かあったら呼ぶから)クルッ

宮藤(ぐぇうっ!?)ブニ

ミーナ(あら、ごめんなさい!)

宮藤(大丈夫です……届かなかった……)

リーネ(芳佳ちゃん。私、貴女がわからない……)



〜海中〜


ルッキーニ「♪」


キラン


ルッキーニ「?」

ルッキーニ「!?」

つ古い宝箱

ルッキーニ「♪」ガグ



〜浜辺〜


エイラ「……z」

サーニャ「Zz……z」

ウルスラ「ふぁ……」ナデナデ

リーネ「にゃあ!」パシャ

宮藤「わぅん!」ジャバッ

ペリーヌ「ぎにゃあん!?」ベチョ

宮藤「わん……わん?」

ペリーヌ「に ゃ あ ! ?」ビリビリ

宮藤「きゃいん!?わん!」ペコペコ



ルッキーニ「にゃあ!にゃーあ!」ガシャン

つ壊れた錠前

ペリーヌ「にゃ?」

ルッキーニ「にゃにゃ〜!にゃあ!」

ペリーヌ「ふにゃあ!?」

リーネ「にゃあ……」

ペリーヌ「にゃ!にゃー!!!」ジャボン

宮藤「……わん?」



〜海中〜


ペリーヌ(宝箱ですって!?……なんというタイミング)

ペリーヌ(見つからなくても構いませんけれど有るならそれは!)

つ錠前の外れた宝箱

ペリーヌ(これですわね……えーと)ガリ

ペリーヌ(くっ!重すぎますわ……!)グッ


——ガシャン、ゴボッコポコポ


ペリーヌ(あっ!?蓋が……中にも宝箱?)

ペリーヌ(息も限界ですし、これなら!)ハム



ペリーヌ(ぷはぁあっ!)バシャン

宮藤(ほんとに見つけたんですか!?)

ルッキーニ(それ中身〜?)

ペリーヌ(ええ……ふぅ)

リーネ(宝箱の中に宝箱ですか。あれ?)カチャン

つ色のついた立方体

一同(……ナニコレ?)



ルッキーニ(えーこれが宝物ー!?)

宮藤(なんですかね、これ)

ペリーヌ(何か規則性が有りそうですけれど……)

リーネ(うーん……)ツン

……コロ

リーネ「にゃあ///」コロコロ

ペリーヌ(あっ!?宮藤さん、止めてくださいまし!)

宮藤(えっ?)

リーネ「にゃあー……にゃあ!」



ペリーヌ(私たちは本能で単純作業を楽しいと思うと続けてしまうんですの!)

宮藤(じゃ……じゃあ?)

ペリーヌ(貴女がこの前、毛糸玉でやったことは拷問ですわ!!!)

宮藤(……ごめんなさい。本当にごめんなさい)

ペリーヌ(悪いと思ってるならアレを止めなさい!)

ルッキーニ「うにゃー!」

リーネ「にゃー!」

宮藤(了解です!)



宮藤(リーネちゃん助けに来たよっ!!!)

リーネ(芳佳ちゃん!止めて〜っ!!!)

宮藤(うん……そこだあああああああああああ!!!)

リーネ「——ふしゃあ!!!」

宮藤「きゃいん!?」

リーネ(ご、ごめんね!?反射で……)

宮藤(どうしようどうしよう!?)

ルッキーニ「うにゃー!」ゲシ


——ヒュルルルルルル……



……ポテンポテン


ウルスラ「ん……」

ウルスラ「パズルですか?興味深い」カチャカチャ

エイラ(ウルスラ、たぶん……右横、左、縦じゃないか)ピキン

ウルスラ「六面揃えるんですよね」

エイラ(次が二列目回転、三列目横スライド……)ピキン

ウルスラ「はい」

宮藤(ウルスラさーん!)タタタ



ウルスラ「よいしょ……完成ですね!」ポン

エイラ(出来たな!ターッチ!)ポン

宮藤(ごめんなさい……色々有ってですね?)

エイラ(見ろ宮藤!先読みでパズル解けたぞ!)

ウルスラ「どうぞ」

宮藤(あ、ほんと……うわ!?)カシャン

エイラ(いっ、オマエ壊すんじゃねーよ!)

ウルスラ「これは……!」

つ小さなメモ紙



ウルスラ「地図でしょうか?恐らく……あの岩場の裏ですね」

宮藤(宝の地図だ!)

エイラ(はぁ?)

宮藤(ルッキーニちゃんとペリーヌさんが海の底から宝箱見つけてきたんです!)

エイラ(ふーん……)

ウルスラ「危なくはないと思いますが行くならみんなでお願いしますね?」

エイラ(ウルスラもこう言ってるし、行ってこいよ。私たちここに居るからさ)

宮藤(はい!わかりましたっ!)



〜ウィッチのダンジョン、1F〜


ペリーヌ「さあ!皆さん行きますわよ!」

ヨシカ「おー!」

フランカ「レッツラゴー!」

リーネ「!?」

ペリーヌ「驚くなんてどうかしましたの?リーネさん」

リーネ「え、いや……なんでもないです」

リーネ(今、『Trans』したままで人間の言葉喋ってるよね?それに……)


つステータスバー


リーネ(なにこれ)



【ステータスバー】


ペリーヌ
HP192
MP563
Lv16


リーネ
HP353
MP382
Lv15


フランカ
HP365
MP412
Lv13


リーネ(ここまでは良いの……ここまではまだ)


ヨシカ
HP213
MP∞
Lv15


リーネ「……えっ?」


カネサダ『(あーこんなとこもバグってんのかー)』



フランカ「で、どーすんの?」

ペリーヌ「地図によると更にこの遺跡の地図が有るらしいですわ」

ヨシカ「探すんですね!」

ペリーヌ「ええ、たぶんこの左角……突き当たりかしら」

フランカ「行ってくるー!」ダダッ

リーネ「あ、待ってルッキーニちゃん!」スタタ



ペリーヌ「忙しないですわねー」

ヨシカ「あれ?」


……キィキィ


ペリーヌ「何かしら?」


ダダダダダダッ


フランカ「ぎにゃああああああああああああああああああああ!!?」

リーネ「に、に、逃げてぇええええええええええええええええええ!!!」

ヨシカ「うわっ!?」

ペリーヌ「なんですの!」


テテテ、テロテロテロテロテロ



こうもり?たちが あらわれた!

こうもり?たちは ふいをうってこうげきしてきた!

こうもり?Aの こうげき!

リーネ「きゃあ!?」

リーネに 35 のダメージ!

こうもり?Bの こうげき!

フランカ「へぶっ!」

フランカに 49 のダメージ!



こうもり?Cは まばゆいひかりを はなった

ペリーヌは めを つぶった

リーネは めを つぶった

フランカは めを つぶった

ヨシカ「わっ!」

ヨシカの めは くらんだ!



ヨシカ「うう……目がチカチカするよ……」マヌーサ

リーネ「ルッキーニちゃん大丈夫!?噛まれたら病気になっちゃう!」

フランカ「ほんと!?」

ペリーヌ「突き飛ばされただけですわ。それにこの前、狂犬病注射は致しましたし」

ペリーヌ「さて……反撃させてもらうとしましょうか?」ビリビリ

こうもり?A「クキキキキ……!?」



ペリーヌ「喰らいなさい!『トネール』!!!」

ペリーヌは ライデ〇ンを はなった!

こうもり?Aに 250 のダメージ!

こうもり?Aを たおした!

こうもり?Bに 291 のダメージ!

こうもり?Bは たおれた

こうもり?Cに 283 のダメージ!

こうもり?Cを たおした!

こうもり?たちを やっつけた!


テロレレレレン♪



ペリーヌ「ふん!私にかかればこんな小動物一捻りですわ!」ゲシ

こうもり?C「」パラパラッ

リーネ「ペリーヌさん、凄いです!」

フランカ「スッゴーイ!!!」

ヨシカ「えと……あの、見えませんでした……」

ペリーヌ「で、地図は有ったんですの?」

フランカ「うん、くわえてきたよ!」



ペリーヌ「ふーむ、B2Fまで有るんですのね?」

リーネ「結構入り組んでますよ」

フランカ「だいじょぶー!要するに壁伝いで着くんでしょ〜」

ヨシカ「そうだ。また襲われる前に体力を回復しようよ!」

ヨシカは ベ〇マズンを となえた!

リーネの キズが かいふくした!

ペリーヌの キズが かいふくした!

フランカの キズが かいふくした!

ヨシカの キズが かいふくした!



ヨシカ「はい、おしま〜い」

ペリーヌ「貴女、最近広範囲魔法使えるようになったんですのね……」


【ステータスバー】


ペリーヌ
HP594
MP447
Lv16


リーネ
HP612
MP382
Lv15


フランカ
HP764
MP412
Lv13


リーネ(……)


ヨシカ
HP473
MP∞
Lv15


リーネ「……やっぱり」


ティナ『(リーネちゃん、気にしたら負けだよ……)』



こうもり?B(ふむ、死んだフリは成功したか)

こうもり?B(奴等は宝を……フン)

こうもり?B(……心配有るまい)

こうもり?B(『魔神様』がいらっしゃる……!)



〜ウィッチのダンジョン、B1F〜


リーネ「なんだかおかしな場所ですね?」

ペリーヌ「だだっ広い空間にしては存在感が……」

ルッキーニ「うじゅ?これなに〜ペリーヌ」

つ何かの欠片

ペリーヌ「これは……欠片?」

ヨシカ「これもじゃないですー?」

つ何かの大きな欠片



リーネ「くっつけてみましょうか」

つなんだか物足りない物体

ペリーヌ「……カギ?」

ヨシカ「あそこに挿すんじゃないですか!」

つ古ぼけた鍵穴

ルッキーニ「よいしょ……うにゃあ」カチャカチャ

ルッキーニ「あれ?回らないよ」

ペリーヌ「やっぱりまだ欠片が足りないんですわ」

フランカ「そーでもないかも!そこの壁の欠片頂戴!」

ヨシカ「これで何するの?」
つ砕けた壁の欠片



フランカ「まず〜爪でちょっと削るでしょ?」カリカリ

フランカ「次にこれをカギへくっつけて〜」

フランカ「溶接!固有魔法!」コオオン

ペリーヌ「あら、なかなか本格的」

フランカ「で〜これを鍵穴に〜」カチ

フランカ「入んない……ここ削って」

リーネ「ルッキーニちゃんのカギ開けってそうやってたんだ」

つインスタントキー

フランカ「針金ならもっと楽だよー。……おりゃ!」ガチャカチャン


——ズゴゴゴゴゴゴゴ



ヨシカ「おおう!?」

ペリーヌ「ルッキーニさん、流石ですわ!」

フランカ「誉めて誉めて〜!」

リーネ「ルッキーニちゃん凄い!」

ペリーヌ「さて……宝物は有るか解りませんけど、最深部ね!」

ヨシカ「……」ゴクリ



〜ウィッチのダンジョン、B2F〜


フランカ「大広間だぁ!」

ヨシカ「ここが一番奥だけど……」

ペリーヌ「何かめぼしいものは無いのかしら?」

リーネ「あ!ペリーヌさん、あれ!」

ペリーヌ「なんですの?……はっ!?」


つ頭に杯のついた鉄の魔神像



ヨシカ「これがお宝ですか!甲冑みたいです!」

フランカ「かっこいー!」

ペリーヌ「古代ロマーニャの……売れますわ!」

フランカ「でもなんか足りないよ〜?」

リーネ「頭に違和感があるけど」

ヨシカ「それはめるのかな?」


つ赤い卵形の水晶体



ペリーヌ「まあ!セットだとしたらなんて高価な芸術品ですのかしら!」

リーネ(なんで売るのが前提に……あ、そっかペリーヌさん……)

ヨシカ「うんしょ、ルッキーニちゃん!はめて!」

フランカ「任せて〜!やっぱ掛け声はこうだよ!」


「——パ 〇 ル ダ ー ・ オ ン ! ! !」


シャキィイイイイン!




ド ゥ ン





ペリーヌ「目が光ってますわ!?」

魔神像「」ンビビビ

フランカ「え!や!芳佳、逃げるよ!」

ヨシカ「む、無理だって!後ろ見てよ!」

ガシャアアアン!

リーネ「閉じ込められたの!?」

魔神像「」ヌッ


テロテロテロテロテテテ……



あんちされていた まじんぞうが うごきだした!

魔神像「」シャキィイイン

ペリーヌ「これは……まさかゴーレムですの?」

魔神像「」ダゼェーット

ヨシカ「どうにかして止めなきゃ!」

リーネ「じゃあ私たちは後衛でペリーヌさんとルッキーニちゃんが前衛を!」

フランカ「了解っ!うじゅじゅー!」



フランカは ム〇ンサルトを はなった!

魔神像「?」ピシ

フランカ「ひにゃあ!?」

まじんぞうに 1 のダメージ!

リーネ「え、ええいっ!」

リーネは ギガスロ〇を はなった!

魔神像「?」コチン

まじんぞうに 4 のダメージ!



ペリーヌ「な……喰らいなさいな!『トネール』!」

ペリーヌは ギ〇ディンを はなった!

魔神像「?」ビリ

まじんぞうに 30 のダメージ!

魔神像「!」ブレストッ

ヨシカ「危ない!?みんな!」

ヨシカの ひっさつわざ!

パ ラ デ 〇 ン ガ ー ド ! ! !

ヨシカは てきのまえに たちふさがっている!



魔神像「!!!」ファイアアアァ

まじんぞうは もえさかる かえんを はいた!

しかし ヨシカは からだをはって フランカを まもった!

ヨシカは パラディンガードに まもられた!

しかし ヨシカは からだをはって リーネを まもった!

ヨシカは パラディンガードに まもられた!

しかし ヨシカは からだをはって ペリーヌを まもった!

ヨシカは パラディンガードに まもられた!

ヨシカは パラディンガードに まもられた!



魔神像「!」ロケッツパンチ

まじんぞうの こうげき!

ヨシカは からだをはって ペリーヌを まもった!

ヨシカは パラディンガードに まもられた!

ヨシカ「ふぅ……みんな大丈夫!?」

フラリネペリ「「「……」」」コクコク

ペリーヌ(とてもありがたいですけれど全くの無傷って貴女それ……)

リーネ(芳佳ちゃん、ダメだよ。公式チートは)

フランカ(シャーリー、ドロドロデロデロしそう……)



〜100ターン経過〜


リーネ「はぁ……はぁ……いっけぇえええええええええええええ!!!」

リーネは ギガスロ〇を はなった!

かいしんの いちげき!

魔神像「!?」スクランダー!?

まじんぞうに 45 のダメージ!

フランカ「おお!羽折れたよ!」

ペリーヌ「宮藤さん!」

ヨシカ「はいっ!とっても久しぶりな付加魔法を使います!」



ヨシカは マホイズ〇を となえた!

ペリーヌの MPが かいふくした!

ペリーヌの こうげきりょくが ばいになった!

フランカの MPが かいふくした!

フランカ「先にいっくよー!ペリーヌ!」


フランカの マダ〇テは ミナダ〇テに なった!


ぼうそうした まりょくが だいばくはつをおこす!


魔神像「!!!?」マジンゴー!?


まじんぞうに 3000 のダメージ!



ペリーヌ「——私の夢……ガリア復興のために!」


ペリーヌは じごくから いかずちを よびよせた!


ペリーヌ「——こんなとこでっ!」


ペリーヌは ギガスラ〇シュを はなった!


ペリーヌ「——負けるもんですかああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


ペリーヌの ギガスラ〇シュと ジゴスパ〇クは ジゴスラッシ〇になった!


魔神像「——!




ズバシャアアアアアアアアアアアアアアァ——……





ヨシカ「……みんな、生きてる?」

フランカ「うにゃぁ」

リーネ「これ……壊れたんだね」

魔神像「」

ヨシカ「頭が弱点だったんだ……」

フランカ「壊れちゃったし、もうダメかな」

リーネ「……ペリーヌさん」



〜玉座裏、地下庭園〜


ポワポワ——ポワ——


ペリーヌ「……これが宝」

ペリーヌ「地下で薬草を育てるために敷き詰めた……とても強い光を放つヒカリゴケ」

ペリーヌ「魔方陣の結界による環境維持で季節を無視できる」

ペリーヌ「基地の地下の施設を発展させたものですわね」



ペリーヌ「……」


ペリーヌ「誰かへ役立てようとするのも……どんなに想っても元は私利ですわ」


ペリーヌ「Unsang——そんな私は讃えられない」


ペリーヌ「貴族の責務、貴族の責務ってやっぱり奢りよね……はははっ……」


ペリーヌ「くっ……」


——ソッ


ペリーヌ「……?」



ミオ「ペリーヌ、そう気を……落とすな」


ペリーヌ「坂本少佐……?」


ミオ「お前だけに出来ることはちっぽけ……だ。私も同じように」


ミオ「でもな」


ミオ「集った人々の……その合わさった力は誰にも計り知れない」


ペリーヌ「……」


ミオ「そうやって自らを省みられるお前が私にはいつも羨ましく……見えるんだ。それはきっと誰にも」


ミオ「自分の影響力……は自分で気が付かん。だから——」


——ギュ


ペリーヌ「っ……」


ミオ「……z」




〜Fin〜



お疲れさまでした。そしてサッカーおめでとう

実はストパンでキャラバンハートやりたいなと思って諦めたのでこんな話を

ステータス
http://mup.vip2ch.com/dl?f=33463

ところで明日はちょっとピンクな裏話投下して良さげですかね?




ではお付き合いください

手直ししながらなのでゆっくりいきます



〜浜辺〜


ミーナ「じゃあ四人は洞窟へ?」

ウルスラ「そうですね。宝探しだとか」

エーリカ(なんで誘ってくんなかったのさ!?)

ウルスラ「姉様は穴掘ってたじゃないですか」

ゲルト(だが行って事故を起こしてからでは遅いな。私たちも行くぞ)

もっさん(ミーナ……『烈風斬』は撃てるんだがコントロールが定まらん……)トボトボ

ミーナ「調度よく戻ってきたわね」



エーリカ(じゃあ行こうよ!行こっ!)ビョンピョン

ミーナ「良いわよ。ウルスラさん、近くまで案内してね」

ウルスラ「はい」

もっさん(何がどうした?)

エイラ(Zzz)

サーニャ(Zz……)

シャーリー(gu……)

ゲルト(……まあ置いていっても良かろう)



〜ウィッチのダンジョン、1F〜


ミーナ「えーと……」キュイン

ミーナは イン〇スを 使った

ミオ「どうだ?」

しかし ふしぎなちからで かきけされた

ミーナ「この遺跡、私の魔法が乱反射するわね。ちょっと無理かしら」

エーリカ「あーあの本に試験場が云々書いてあったかも」

エーリカ「たぶんだけど魔法で施設が壊れないようにじゃないかな?」

ミオ「なら私が」カチャ

ミオは タ〇のめを つかった

しかし ふしぎなちからで かきけされた

ミオ「……無理だ」

ゲルト「仕方ない。匂いで追うぞ」

ゲルトは とうぞく?のはなを つかった

ゲルト「くんくん、これは宮藤っ///……こっちだ!」ダダッ



〜ウィッチのダンジョン、B1F〜


ウルスラ「扉……閉まってますね?」

ミーナ「鍵か何かを挿し込むのかしら」

もっさん「……これだな」

つ使われなかった小さな欠片

ゲルト「っ?……ならば四人は閉じ込められているのか!?」

エーリカ「だろうねー……」



ゲルト「くっ……うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!?」グギギ

ミーナ「ちょっとトゥルーデ!無理しないで!」

ゲルト「ぐぎ……任せろっ!人間の時より固有魔法は強いんだぁっ!」ズズ

ウルスラ「開いてますけど……」

エーリカ「なーんか怖いなー」

ミオ「何かとはなんだ?」

エーリカ「だってさーちゃんと謎解きしなかったらこういうのは絶対……」



ゲルト「——ぬおりゃあああああああああああああああああああああああ!!!」


カチャン……カパッ♪


ミオゲル「「なっ!?」」

ウルスラ「……」

エーリカ「ね、言ったでしょ?」

ミーナ「はぁ……」


ヒュルルルル……パタン



〜ウィッチのダンジョン、B?F〜


……ドサドサッ


ゲルト「ぐぬっ!?」ドテ

ミーナ「あん///いったあい……」ドシャア

ミオ「はっ」スタ

ゲルト「……くそっトラップか」

エーリカ「避けてー!トゥルーデー!」

ウルスラ「済みません、大尉……」

ゲルト「なっ!?」


ズシャドサドテン



ミーナ「どうしましょう……私たちも閉じ込められたわ」サスサス

エーリカ「何やってんのさ!ほんとに!」ガウ

ウルスラ「……何も言えませんね」ジト

ゲルト「うぅ……///」

ゲルト(天使の妹の太ももやわらけっ)

ミーナ「トゥルーデ、独 断 専 行 に 次 は な い わ よ ?」

ゲルト「」コクッ

ミオ「とりあえず通路を進もうか……」



ウルスラ「ところで皆さんは何故言葉が?」

エーリカ「たぶん遺跡の魔法だよ!古代の力舐めたらあかん!」

ミオ「もう馴れた」

エーリカ「それよりこの通路どこまで行くのさ……」

ゲルト「明らかに落ちすぎたな」

エーリカ「……盗賊避けみたいな罠だし、出られないかも」

ミーナ「盗賊避けといえば番人の怪物が居たりなんかするのはお約束よね」

ウルスラ「あー神話のスフィンクス的な」

ゲルト「ギリシアとエジプトじゃないかそれ、ここはロマーニャだ」

ミオ「……何のことやら解らん」



エーリカ「はぁ……疲れた」ペタン

ウルスラ「だっこしてあげますね」

エーリカ「うん!あんがと!」フリフリ

ゲルト「貴様は本当にカールスラント軍人か!」

エーリカ「なにさ!ただ引きずりまわすだけが散歩じゃないんだよ!」

ゲルト「ぬっ!?」


ゲルハルト『(……)』



ミオ「それにしても長い」

ゲルト「ふん」

ミーナ「実はお宝はこっちに有ったりなんかして……ね?」

エーリカ「ミーナ、当たりだわ」

つ飾り棚と壺

ミーナ「まあ!」

ウルスラ「おお」



ミーナ「なにかしらこれ!」

ゲルト「判らんがとりあえず下ろしてみよう」

ミーナ「ちょっと待ってね……ん〜!」ノビ

ミオ「背伸びするのは良いが落とすなよ?」

ミーナ「だ、だいじょ……きゃあ!?」グラ


バ キ ッ


エーリカ「棚が!」


ドヴァッ♪



ミーナ「うぅ……べちょべちょ……」ポタポタ

ミオ「だから言ったろうに……」ペロペロ

ゲルト「なんだ?この匂いはワインか?」ペロ

ウルスラ「……姉様」

エーリカ「なあに?」

ウルスラ「このラテン語のラベル読めますか?」

エーリカ「どれどれ……『マンドーラゴラ』?」

ウルスラ「『マンドラゴラ』ですね。カールスラント語なら『アルラオネ』」

エーリカ「なにそれ?」

ウルスラ「……ええと」チラ



ミオ「なぁ……ミーナぁ」トロン

ミーナ「どうしたの?美緒ぉ」

ミオ「こう……お前の首筋って……そそる///」

ミーナ「貴女の背中もよ……///」

ミオ「あぁ、修行が足りんな……ダメだ」

ミーナ「いいじゃないの///」ダキッ

ミオ「ミーナ///」ペロ



ミーナ「ひっ……やぁっ///」

ミオ「がう……」ジュル

ミーナ「あっ!」ビク

ミオ「フフ、艶やかだな」

ミーナ「いつもより大胆よ?///」

ミオ「お前が相手だから——かな?」

ミーナ「美緒///」



ミオ「んっ///」

ミーナ「耳の後ろを、ね。ほらっ」サワ

ミオ「くぅん///」ペロ

ミーナ「く、首筋はやぁ///」フニ

ミオ「ふぅっ!?尾の付け根……うぅ///」ブルッ



エーリカ「……こっち系なんだ」

ウルスラ「まあ放っておけば大丈夫ですよ」

エーリカ「アンタよく冷静で居られるね?」

ウルスラ「スオムスは寒かったですから」

エーリカ「意味深だー!」

ウルスラ「楽しかったのはいい思い出になりましたよ?」

エーリカ「なんかごめんね……ごめん」

ウルスラ「?」



エーリカ「……ところで気がついてる?」

ウルスラ「……はい」

エーリカ「後ろの盛ってる狂犬どうしようか」

ウルスラ「私はノーサンキューですよ」

エーリカ「私だってあんなの要らないよ」


ゲルト「フーフーッ///ハッハッハッ///」



エーリカ「逃げる?」

ウルスラ「あれ、習性で逃げたら追って来ますよ」

エーリカ「……組み伏せられたくないなぁ」

ウルスラ「……あ」ゾク


ガバッ!



ゲルト「フラウ、ウルスラ。済まんな」


エーリカ「いや、あの、避けてくんないかな?」


ウルスラ「……姉様に同じです。突き飛ばされたのは許しますから」


ゲルト「ああ、そんなことより……——」




ゲルト「——お姉ちゃんと交尾しよう!///」





エーリカ「ウルスラ、チャカ持ってない?」

ウルスラ「残念ながら」

エーリカ「なら正当防衛で『ゼロ距離シュトゥルム』の発動許可は?」

ウルスラ「ネガティブ。姉様も私も組み敷かれていては生死に関わります」

ゲルト「……聴こえてなかったか?」




ゲルト「——二人とも!お姉ちゃんと交尾しよう!///」





エーリカ「このまま変態にヤられる確率……」

ウルスラ「ほぼ100かと」

エーリカ「……」

ウルスラ「……」

ゲルト「何も言わないのは早く来てくれってことか!そうなんだな!?///」

ゲルト「し、しかしちょっと迷わせろ!これだから双子は楽しいわけなんだ!///」

ウルスラ「……姉様ぁ」

ゲルト「でもやっぱり一気に……ぐへへ!///」

エーリカ「お前なんかトゥルーデじゃない!」ガルル



ゲルト「何を言う?私は正真正銘ゲルトルート・バルクホルンさ!」

ゲルト「お前たち二人のお姉ちゃんのなぁ?あはははっ!」

エーリカ「違うってんでしょがぁ!!!」ガブ

ゲルト「フフッ、愛撫にしちゃ歯が立っているぞ?落ち着け落ち着け」ペロン

エーリカ「うぇ……止めろ!」

ゲルト「ゆっくりほぐしてやる……ほぉら」



エーリカ「死ね……死んじゃえ!」ジタバタ

ゲルト「ふひゃひゃ……心地いいなぁ?ウルスラ///」ジュルル

ウルスラ「ひぅっ……!?」

エーリカ「コイツ!?私の大事な妹に汚いよだれ垂らすな!」

ゲルト「なんだ、おねだりか?ふっ///」ベロ

エーリカ「う゛っ……この……——」


エーリカ「——シスターファッカアアアアアアアア!!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ——







ガシャン!ズドドドドドドズドドドドドドドドド……┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛ッ!




エーリカ「何!なんの音!?」

ウルスラ「た、たぶん上の階で爆発か何かが……くぅ」

ゲルト「水着を破るぞ///……ウルスr


ゴ チ ン


ゲルト「がっ……ゲファッ!?」バタ

エーリカ「う、上の天井が落ちてきた!?」

ウルスラ「て、天井は元から上ですよ!逃げましょう!」



ミオ「ミーナぁ///」

ミーナ「ひゃん///」

ミーナ「わ、わたし……獣な美緒に壊されちゃう///」

ミオ「綺麗だ……ミーナ///」


ド ガ ッ


ミーナ「はうっ……?」バタ

ミオ「ふぐぅ!?」バタ

ゲルト「」


ズシュズシャズシャ



ガシャ……


ミオ「……うぐ、わらひは何を?」

ミオ「ひっく、足元がふらつ……くな」

ミオ「……この匂いは……誰だったか」

ミオ「うぅ……ひっく」フラ



〜地下庭園〜


ペリーヌ「……」


ペリーヌ「誰かへ役立てようとするのも……どんなに想っても元は私利ですわ」


ミオ(ペリーヌ……寂しそうな……)


ペリーヌ「Unsang——そんな私は讃えられない」


ペリーヌ「貴族の責務、貴族の責務ってやっぱり奢りよね……はははっ……」


ペリーヌ「くっ……」


——ソッ


ペリーヌ「……?」



ミオ「ペリーヌ、そう気を……落とすな」


ペリーヌ「坂本少佐……?」


ミオ「お前だけに出来ることはちっぽけ……だ。私も同じように」


ミオ「でもな」


ミオ「集った人々の……その合わさった力は誰にも計り知れない」


ペリーヌ「……」


ミオ「そうやって自らを省みられるお前が私にはいつも羨ましく……見えるんだ。それはきっと誰にも」


ミオ(私は何を……頭いてぇ)


ミオ「自分の影響力……は自分で気が付かん。だから——」


——ギュ


ペリーヌ「っ……」


ミオ(あぁ、やっと眠れる……柔らかいな)


ミオ「……z」



〜次の日〜


エイラ「まさか起き抜けに夜まで土砂解体やらされるなんて損しタゾ」

シャーリー「んで結局昨日は何が?」

ミーナ「……さぁ?///」

ゲルト「判らんがなんだか身体がむずむずして///」

もっさん「き、奇遇だな///」

ミーナ「こう……なんかボーッとしちゃうの///」



エーリカ「記憶ないんかい……未遂だったけど」

ウルスラ「妄想だけで止めて欲しいものですね」

エーリカ「下手に思い出させたくないしな〜」

ウルスラ「人は忘れてしまった方がいいこともあります」

つ壺

エーリカ「ウーシュ!?それポイしなさい!」

ウルスラ「……もちろんです」


〜続く〜



反省してます。してますとも

マンドラゴラが魔女の媚薬って話、有名ですよね

次回はなんとラジオ企画

明日……今日の夜まで待っててくださいな

ではもう少ししたら投下
今日は途中で寝落ちしない予定です



〜5月27日、深夜のアドリア海上空〜


サーニャ「あっ……」

エイラ「どうしたサーニャ?まさか『Trans』しそうなのカ!?」

サーニャ「違うの……今日って確かラジオの日じゃないかしら?」

エイラ「……そうダ。でも中佐が上の空だったシ」

サーニャ「この前、エイラの時はお休みにしたから良いけれど……」

エイラ「うん……どうしヨ?ファンが待ってるナ」



サーニャ「今から帰れば一時間遅れだけど出来るよ」

エイラ「夜間哨戒すっぽかすのは……いや、公式放送もマズイ。どーすっカ?」

サーニャ「う〜ん」

エイラ「よし……こうなっタラ!ドロー!」ピッ

つTHE HERMIT

エイラ「正位置はよく考えろ……カ」

サーニャ「あれ?二枚重なってるわ」

つTHE MAGICIAN

エイラ「発見、出逢い、工夫?……閃いタゾ!」

サーニャ「えっ?」



〜5月28日、0100〜


<<G—o—o—o—o—o—d morning !!! ロマーニャ !!!>>

<<このラジオ番組はさっき臨時で休みになった『スターライトストリーム』の代わりに放送されてるんダゾ!>>

<<ってことで寝墜ちしてるみんなにおはよう!>>

<<そして先読みで待っててくれてた人には私からお礼を言っちゃうんダナ!……先読みは私くらイ?>>

<<お、何で遅れたかッテー?>>



<<実は一昨日って水難訓練だったんだケド、この部屋の窓開けっぱなしデサ?>>

<<どっからともなく鳥が入ってきて巣を作ってたんダナ〜。『ピーピヨヨ』>>

<<それに気が付いたバルクホルン大尉、『ふん、追い払ってくれる!』だッテ>>

<<『ピー!?』、捕まりたくない鳥さん、死に物狂いで逃げる逃ゲル!>>

<<大尉、『貴様ぁあああああああああああああ!!!』>>

<<そこら辺のものを引っ付かんで投げつけタ!でもびっくり動転して鳥さんは窓じゃなく、入り口へ!>>

<<しかし今回、運が悪いのは鳥さんじゃなくてナント坂本少佐!>>

<<右側から来たものに一瞬眼帯で反応が遅れたんで間合いがおかしかッタ!『烈風丸』は手からすっぽ抜けテェ〜>>

<<なんとなんと私の後ろの配線機を直撃!刺さったの顔の横で大尉は涙目!>>

<<それを見ていたシャーリーとハルトマンに爆笑されて大尉は今も落ち込んでるトサ!>>



<<というのは全部冗談で、機器の不定期保守点検と夜間哨戒が重なったカラ>>

<<休みだったのを私が勝手にテストがてらやってるんダナ>>

<<まあこれもファンサービス!『ブロロロロ』……私は扇風機じゃないゾー?>>

<<さ〜あて、そろそろサーニャファンから私が殺されそうカモ>>

<<実はサーニャ、夜間哨戒で疲れて寝ちまったから今日はオヤスミ!『Zzz』……>>

<<……や、止めるんダナ!VT信管のロケットを空域に飽和させンナー!!!>>

<<でもでも〜ゲストは呼んであるんダ〜!>>



<<にゃあ〜>>

<<なんと最近何故か基地に住み着いてたオラーシャンブルーの女の子ダゾ!>>

<<可愛いナ〜やっぱり>>

<<ふにゃあ///>>

<<ということでエイラと猫ちゃんのグッドモーニングロマーニャ、始まるゾー!>>

<<にゃあ!>>

<<んじゃまずはあっちじゃ流せないリクエストにお応えして〜この曲!>>



http://www.youtube.com/watch?v=TarJ8-NergE&sns=em


エイラ「ふぅ……乗り切れそうダナ」

サーニャ(うん!私が寝ていれば公式には夜間哨戒をしていたことになるし)

サーニャ(この状態なら基地に居てもネウロイが来るかは判るから、ミーナ中佐に怒られないもの)

エイラ「そう考えたら案外、『Trans』ってサスペンスのトリックに使えそうだよナ」

サーニャ(そうね、面白そう。……そろそろ曲が終わるわ、エイラ)

エイラ「オウ。じゃあまたテキトーに合わせてくれたら大丈夫ダゾ」




<<ん〜……スオムス帰りたくなったナ。私、502にサーニャと転属するヨ>>

<<そう考えた私はサーニャを連れて列車に乗っタ!『ガタコンガタコン』>>

<<でも追っ手のシャーリーや宮藤が私たちへ迫る!『ズダダダダッ!ズキューン……!』>>

<<ってアクション物の映画をウルスラに撮ってもらおうかなッテ!>>

<<にゃあ>>

<<お、サー……猫ちゃんは緊迫アクションオッケー?>>

<<にゃー……なぉぅ>>

<<あんまり乗り気じゃないカー>>

<<そんじゃコーナーやってくゾ>>



<<『何より彼より彼女より〜オタより!』のコーナー!>>

<<最近身近で『オウ!タブー!?』って思ったことを聞くコーナーなんダゾ!>>

<<……まあ最初どころか今作ったからオタよりなんて有るわけ無<<ふにゃ!>>

<<流石、サーニャ!……ダメだ、私なんで猫ちゃんにサーニャって言っちまうンダロ?>>

<<にゃー>>

<<つーことで楽だからこの娘は今日だけサーニャ、ダカンナ!みんなもサーニャだって思えヨ!>>

<<にゃあ〜にゃあ!>>



<<で、サーニャが選んでくれたのは〜?ブリタニアのウェールズにお住まいなディトリッヒさん>>

<<『お二人ともこんにちは!いつも楽しくスターライトストリームを聴かせてもらってます!』……番組違ってごめんナ〜>>

<<『この前、ブリタニアに移住した頃のカルチャーショックを思い出したので書きます』>>

<<おおう!なんかサーニャが選んだのぴったりじゃないカ?>>

<<にゃあ///>>

<<『新しい職場での同僚にホームパーティに誘われたんですがそこで楽しく食事をしていた最中です』>>

<<まさかメシマz……なんでも無いゾ>>



<<『なんと父親が10歳の息子のグラスへワインを注ぎ入れます』>>

<<『そしてワインを味わう一連の動作を流れるようにこなす息子』>>

<<『私は凍りつきました……』>>

<<私も凍りついタゾ……10歳に酒飲ますのカヨ>>

<<確かカールスラントが16でスオムス、オラーシャは18ダナ?>>

<<にゃあ>>

<<サ〜ニャ〜!かわいいお返事偉いゾ!>>

<<『あまりにもびっくりして父親に私は尋ねました』>>

<<『このくらいの子供にワインを飲ませて大丈夫なのか?』>>



<<『父親は大丈夫と少し赤ら顔で答えました』>>

<<『なんでもブリタニアの法律では公共の場だと16から、家庭なら5歳で飲酒できるそうです』>>

<<『それを聴いて少し納得しました』>>

<<『カールスラント人もビールを若い頃から楽しみますが、ブリタニアはその需要に応えるようにパブが多く存在します』>>

<<『これはブリタニアの民族性の表れだと思いました』>>

<<……マジかよ>>

<<にゃ……>>

<<もしかしてリーネがたまに黒いのは酔っ払ってっからカ?>>

<<とりあえずリーネに今度ちゃんと訊いてみるゾ>>

<<こんな感じでタブーだったり、そうじゃなかったりすることを募集するからナ〜>>



<<ほいじゃリクエストその2にお応えして流しちゃうゾ>>

<<サーニャ、どれがいい?>>

<<ん〜……にゃあ!>>

<<これカ?>>

<<ではサーニャチョイスをどうぞナンダナ!>>



http://www.youtube.com/watch?v=ESOVaIYrnvU&sns=em


エイラ「シャーリーが酒飲んでても違和感無いけど法律引っ掛かッテ」

エイラ「リーネが酒飲んだら合法ってなんかナァ」

サーニャ(お国柄って複雑ね)

エイラ「そういやウルスラは17だし、『サルミアッキシロップ』持っててもおかしくないのカ」

サーニャ(年齢……あ!)

エイラ「ドシター?」ナデナデ

サーニャ(……この前ちゃんと聞いたらハイデマリーさんってエイラと同い年なの)

サーニャ(しかも誕生日的にはあっちがほんの少し「はぁ!?あのビビりおっぱい眼鏡がカ!?」




<<最近、カールスラントAAのAAMとAAA喰らうと10機居ても9機墜ちるってネウロイのAAがなったらしいゾ>>

<<エイラとサーニャのグッドモーニングロマーニャ!>>

<<さて、気を取り直して後半は……唄のコー<<Zzz>>

<<あからさまに寝るナヨ〜……相づち打ってくれりゃそれでいいからナ>>

<<……にゃ>>

<<はい、じゃあ行くゾー>>



<<にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ>>

<<ここはロマー<<にゃ>>

<<にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ>>

<<にゃーあ<<レプリカント>>

<<にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ>>

<<みゃああ<<クワガタ>>

<<にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ>>

<<悪いこと考えて<<にゃあにゃあ>>

<<にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ>>

<<可愛いお前はサー<<にゃ!>>



<<ふにゃあ……>>

<<ほんとに眠くなってきたのカ〜>>

<<うん、もう時間ダナ。聴いてる人は今回の受信調査とリクエストや感想くれたら嬉しいゾ>>

<<私がサーニャと楽しく読むからナ>>

<<じゃあ、Have a nice day !>>

<<にゃあ〜>>


http://www.youtube.com/watch?v=DqQj0a7hDzc&sns=em




〜地中海上空、輸送機内〜


マルセイユ「暇潰しになった」カチ

マルセイユ「ふっ、どーせマミは今回の録音し損ねて泣き喚くだろうな〜」

マルセイユ「……」


マルセイユ「——……待っていろよ、ハルトマン」キリッ


マルセイユ「お前の価値を私が食ってやる」


マルセイユ「砂塵にまみれ……たこの紅い月……に誓……って……うぐっ!?」




「うがぁああああああああああああああああああああああああああ——……




〜続く〜



お疲れさまでした

グッドモーニングベトナムって映画に刺激されたのでちょっとパロディを
これはトップガン、イントルーダー/怒りの翼を合わせて観ると絶対に面白いですね

次回は遂に第十話改編頂上決戦!……ネウロイ?前座です
更に予告していた外伝も予定してますよ

ではまたお付き合いくださいな



ではお待たせした第十話改編を
そういえば三人の誕生日ですけど

宮藤、もっさん、サーニャ、しずなつ
VS
ハイデマリー、シャーリー、ペリーヌ、エイラ

こう……芳佳無双ですね

ではゆったりお付き合いくださいな



〜5月28日、バルクホルンとエーリカの部屋〜


ゲルト「起きるぅろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

エーリカ「くぅ……ん……?」

ゲルト「エーリカ!!!今日はとにかく早く起きろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

エーリカ「あぅ〜……」

ウルスラ「姉様、ミーナ中佐が呼んでますよ。結構深刻そうです……」

エーリカ「あう!?」



〜滑走路〜


ミーナ「な、なんですって!?」

機長「確かに乗せてたはずなんですがね……」

ミーナ「そんなバカなこと有るわk……あっ」

機長「現場はそのままにしてあるのでどうぞ調べてみてください」

ミーナ「……ええ」



リーネ「何かあったみたい……」

宮藤「中佐、いきなり朝から忙しそうだもんね」

作業員「ああ、済みませんが隊員の方に配って頂けますか?」

つレターボックス

宮藤「どうもありがとうございます!」

作業員「いえ、こちらの不手際から本来は一昨日の便の荷物なので」

リーネ「それでもありがたいです!一番上は……ペリーヌさん宛の?」パカ

ペリーヌ「ん、何か呼びまして〜?」



〜基地裏手の森〜


シャーリー「めんどくせー」

ルッキーニ「うにゃぁ……」

シャーリー「流石にフケたらダメだよな〜」

ルッキーニ「にゃにゃにゃ、にゃー」

シャーリー「はぁ……昼飯まだかよ」

ルッキーニ「……?」

ルッキーニ「——にゃあ……!」ニヤ



ワシ?「……」フゥ


ワシ?「……Zzz」


ルッキーニ「……」スタタタッ


シャーリー「お?まさかあれ狙ってんのか?」


ワシ?「Zzz」


ルッキーニ「——フシャアアアアアアァ!!!」ガブッ


ワシ?「クェエウ!?」バタバタ



ルッキーニ「ふごふごがうぅにゃー」クルクルスタン

シャーリー「おー!夜のローストイーグル!」

ルッキーニ「なぁーお!」

シャーリー「偉い偉い!大好きだ!」ナデナデ

ルッキーニ「う〜にゃおん///」

ワシ?「……クゥ?」



ワシ?「キャアゥオオオ!!!」バサッ

ルッキーニ「にゃあ?……にゃあ!?」

ワシ?「キュケルルルッ!」

シャーリー「うっせーんだよ!捕まっとけ肉!」ベシィ

ワシ?「グゥ!?ルルル……!」

ルッキーニ「ふぅ……うにゃ……」オロオロ

シャーリー「ナイフもらってこねぇとな〜♪」



〜機内〜


ミーナ「衣服とラジオ……あとは特に」パサ

ミーナ「うっ!?」

ミーナ「……これ」

つ薄黄色な羽毛

ミーナ「またなの……」



〜キッチン〜


シャーリー「宮藤ぃ!」プラン

宮藤「シャーリーさん……その鳥は?」

ワシ?「クェエ!クェエア!!!」

シャーリー「夜はローストチキンにしようと思ってさ!」

宮藤「そうなんですか。〆るの付き合います?」

シャーリー「大丈夫だ。まあディナーがちょっと豪華になるんじゃねーかな!」

ルッキーニ「にゃあ……にゃあ!」

シャーリー「おおっと、ルッキーニ〜独り占めは良くないぜ?」

ルッキーニ「にゃにゃあ!にゃー!」ブンブン



ルッキーニ「ん!にゃあ!」

ウルスラ「宮藤さ……きゃっ!?」

ワシ?「き、キシェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」

ゲルト「くっ!なんだこの鳥は!?」

シャーリー「夜の肉だよ〜!一昨日の礼だ、お前も食うだろ?」

ワシ?「クキャアアア!!!」

ゲルト「ふむ、ならばさっさと捌いてしまえ。ありがたく頂こう!」

ウルスラ「や、やめっ!」

ワシ?「キシャエウウ!!!」ツンツン



エーリカ(お肉ー!お肉どこー!!!)トテトテ

ルッキーニ(どうしようどうしよう!?)

ワシ?(私が判らないのかハルトマアアァアアアアアアン!?)ガシ

ウルスラ「誰かっ!止めてっ!」

シャーリー「さっきからウルスラになにやってんだテメェ!」ゲシ

ゲルト「先に羽をもがれたいか!」グキ

ワシ?(ぐふぅあぁああああ!?)

エーリカ(カオスだ……)



ミーナ「貴女たち!黄色な羽色のアドラーを見なかっ……」

ゲルト「エーリカ!まだ調理していないから食えんぞ!」

エーリカ「あわぅ!」ダダダ

ワシ?「グギッグフッ」ズザザ

ルッキーニ「にゃああ!」

シャーリー「待てコラ二人とも!なんだってお前らそのイーグルが気になんだよ!?」

ウルスラ「うぅ……」

宮藤「治癒魔法っ!」

もっさん「おお、ミーナ!大尉が市中引き回しになってるぞ!?」


ミーナ「——……さあ何人生き残るかしらね」ゴゴゴ



ミーナ「訳は解ったけどちゃんと私に確認してよ……」

ルッキーニ(あたし止めたもん!)ジン

エーリカ(うん、頑張った)ヒリ

シャーリー「あててて」ドクドク

ゲルト「お前のとばっちりだ!」ダラダラ

宮藤「じゃあこのワシさんがマル……なんだっけ?」

リーネ「マルセイユ大尉だよ、芳佳ちゃん」

マルセイユ(いかにも!この私が『アフリカの星』、ハンn(はいはい)

エーリカ(とにかくアンタは『Trans』しなさい)



もっさん「いや、済まなかったな。ほら謝れ」

ルッキーニ「捕まえてごめんなしゃい」

マルセイユ「別にお前は助けてくれようとしてたからな。気にはしてない」

シャーリー「食べようとしてサーセン」

マルセイユ「大尉、次なんかやったらこの前の脱走罪込みでお前を食ってやるぞ」


グレニス『(ふぇえ……)』



ゲルト「……」

マルセイユ「……謝れよ」

ゲルト「私はエーリカを止めただけだが」

マルセイユ「同罪じゃないか?食べようとしてたの忘れてないぞ!」

ゲルト「ただの食材かと思っただけだ」

マルセイユ「シスコン堅物の癖に」

ゲルト「ふっ……久々にキレちまったよ」

マルセイユ「沸点低いなぁオイ」

ゲルト「鳥頭が私に勝てるのか?」

マルセイユ「やったろうじゃん」



ゲルマル「「——ハルトマアアァアアアアアアン!!!」」


エーリカ「ひっ!?な、何さトゥルー「勝ったああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

マルセイユ「そ、そんな!ハンナの方が呼びやすいだろう!?」

ゲルト「見苦しいぞ?マルセイユ大尉——」

ゲルト「——この勝負……貴様が最初にエーリカとウルスラを見間違えた時点で決着していた!!!」

マルセイユ「何っ!?なら彼女はハルトマンの……」

ウルスラ「双子の妹です……」ウル

エーリカ「むしろ謝んのはハンナだよ……ウルスラ突っつき回してさ?」ナデナデ

マルセイユ「済まなかった。本当に済まなかった」サッ

ミーナ「あの大尉がな、流れるように謝っ……た!?」



ミーナ「仕切り直しね。実は今回やっと連合軍戦力が全面対決の準備を完了したの」

ミーナ「こちらへは昨日の深夜に全容が明かされたのだけど前哨戦を明後日行いたいらしくて」

ペリーヌ「内容は?」

ミーナ「こちらが戦略的放棄をしていたマルタ島——そのグランド・ハーバーへ寄生中のネウロイの撃破よ」

もっさん「各島民の避難や初期における艦隊立て直しに使ったんだが、撤退と同時に押さえられたと聞く」

もっさん「未確認だが『大和』への奇襲及び陽動はこの寄生ネウロイから出撃したようだ」

宮藤「あれが……」

もっさん「つまりお前の墜とした奴は『大和』の接近を感知してから造られたらしい」

シャーリー「すっげ〜!そんな早いって事は工場みたいに突貫フル稼働してんのか!」



ミーナ「ええ。こんなものを残したままではヴェネツィアになんて総攻撃できない」

ミーナ「だから今回の作戦が決定したの、少佐?」

もっさん「ああ。さて、作戦内容説明と行こうか」

もっさん「今作戦は全軍の足並みを揃えることを主体に構築されている」

もっさん「まず第一段階で艦隊が陽動を行い、手前へ出来る限り戦力を引き出す」

もっさん「第二段階は火線をくぐり抜け、艦隊上空に到達したものを私たちが叩く」

もっさん「肝となる第三段階……これをハルトマンとマルセイユ大尉が担当する訳だ」

ゲルト「何……?」



ゲルト「ちょっと待て。つまりコイツはそのために呼ばれたのか?」

マルセイユ「悪いか?ハルトマンとは士官学校からの仲だぞ」

ゲルト「そういう問題ではないッッ!」

ゲルト「お前は約四年組んでいなかったろうに!わざわざそんな奴とロッテを組ませられるか!」

マルセイユ「一日あれば調整など効くさ。私もエースならハルトマンもエースだろう」

エーリカ「……一日もやんの〜」

ゲルト「ミーナ!」

ミーナ「上の決定よ。作戦内容は貴女がフラウの僚機でも良かったのだけど」



もっさん「むぅ。いきなりマルセイユ大尉が私たちと集団戦闘する場合と、だ」

もっさん「普段通りバルクホルンがする場合では慣熟度など全く比べられんだろう?」

ゲルト「……」

もっさん「力の有るエース三人の内、誰かを残して双方安定するパターンがこれだ」

ミーナ「みんなにも聞いてほしいけれど……今回の相手はそれだけ重要なのよ」

ミーナ「ウィッチと艦隊の損失を抑え、いかに攻略するか」

ミーナ「地中海へ前哨戦を更に陽動とした補給作戦も始まっているの。突破できないじゃ済まないわ」

ミーナ「二人が仕留めるその時まで凌がなければ……だからいつも以上に強い意思で飛んでちょうだい!」

一同「了解!!!」



〜昼下がりのハンガー〜


エイラ「ほい、じゃあ『Trans』講習始めんゾ。講師はウルスラ」

ウルスラ「どうも」

マルセイユ「……やっぱり似すぎだ」

エーリカ「私たちを見分ける手段なんて無いに等しいからね〜?」

マルセイユ「悔しい……絶対帰るまでに見分けてやる!」

ウルスラ「ではマルセイユ大尉の経緯を聴いた上でお話ししたいと思います。夜に『Trans』しましたよね?」

マルセイユ「ああ、あれはだな……」



〜早朝〜


マルセイユ(な、なんだったんだ……)

マルセイユ(……服が脱げてる)モゾ

スルスル……

マルセイユ(掴めん……そんな!?手がないだと!)バサ

マルセイユ(これではハルトマンと一緒に……翼?)バサバサ

マルセイユ(一応飛べそうだが……)



マルセイユ(……ん?)キラ

つガラスに映った黄色な鷲

マルセイユ(お……おお、かっこいい!)

マルセイユ(どれもっとよく?)

ガツゥン!

マルセイユ(いてっ!視力のせいでガラスを見分けられんのか)

マルセイユ(それに距離感がおかしいような)キョロ



マルセイユ(……尾羽)フイフイ

マルセイユ(翼と鉤爪に嘴か)バサ

マルセイユ(まさか私が鷲に?)

マルセイユ(落ち着け。夢だ夢……いや、さっき痛かったような)

マルセイユ(……どうすんだよ)シュン



マルセイユ(まずこのままあっちについたら……)


『……ふん。迷い鳥はさっさと居なくなれ』

『邪魔だと言っているんだ!解らんか!』ズキュン


『あら?鷲さん何でこんなところに……野生へお帰りなさいな』

『帰れないの〜?なら飼うしかないかしら』


『ねー!食べちゃダメ?』

『大丈夫!外で丸焼きだから!』ジュルリ


マルセイユ(地味に最後が怖い……)



マルセイユ(……待てよ。つまりは私が私だと真っ先にハルトマンかミーナへ伝えれば!)

マルセイユ(よし、早い方がいいな!どうする?)キョロ

マルセイユ(あれを使うか!)

つストライカー発進装置コンパネ

マルセイユ(おろ……どのボタンだった?)スタ

マルセイユ(えーと、OASだよな)ツン


ガシャ……


マルセイユ(押しっぱなしで開くんだっけ?とにかく出られるだけでいい!)カチカチカチカチカチ


ガシャーン、ギュイン!


マルセイユ(今だ!)バッ



マルセイユ(翼をすぼめて……くっ)スポッ


マルセイユ(出られっ?うわああああああああああああああああああああああああああ!?)ゴゴゴ


つ迫る垂直尾翼


マルセイユ(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!?)バサバサ


マルセイユ(回避ーっ!)クルッ


ブワッ!!!


マルセイユ(乱気流っ!のわああああああああああああああああああああああああああぁ!?)ヒュルルル



マルセイユ(し、死ぬ……なんか色々と死ぬ)

マルセイユ(……ふぅ)スイー

マルセイユ(風に乗ると楽に進む)

マルセイユ(——ストライカーよりも自然に、遠く高い空を、か)

マルセイユ(綺麗だな……アドリア海)

マルセイユ(……で、ここどこだ?)



マルセイユ(……っ)キョロ

マルセイユ(確か私は下降したから)

マルセイユ(見つけた!)キラン

マルセイユ(翼端灯……あとはあれさえ見失わなければ)

マルセイユ(でも私の速度だといつになったら着く?)

マルセイユ(……)



マルセイユ「それで疲れて木の上に止まったら……食われかけた訳だ」

ウルスラ「それはそれは」

エーリカ「うーん、何で自分を証明出来るもの持たないのさ?」

マルセイユ「なっ……」ギク

エイラ「思い付かなかったノカ」

エーリカ「やーい!鳥頭ー!」

マルセイユ「……今考えると私仕様のこの拳銃とかゴーグルが有ったな」

つM1934とゴーグル



エーリカ「うっわ黄金銃とか……無いわー」

マルセイユ「えっ」

エーリカ「無いわー捨てちゃいなよ。趣味悪っ!」

マルセイユ「」

ペリーヌ「是非捨てるなら『ガリア復興財団』へご寄付を。そしてこの書類にサインも戴きたく」


つガリア復興財団軍属寄金用紙『私は(中略)給料全額を寄付します!』


マルセイユ「うん……ってするかー!!!」ビリィ

ペリーヌ「ダメでしたわね、ハルトマン中尉」

エーリカ「惜しかったよ〜」



ウルスラ「では、大尉は原因を理解して?」

マルセイユ「……解らん」

エーリカ「直前の行動思い出してみなよ。うん」

マルセイユ「……ラジオ聴いたあと、こっちも月は紅いんだなって」

エイラ「お、ラジオって私のカ?」

マルセイユ「ああ、なかなかよかった!」

マルセイユ「うちの隊の扶桑人がファンでな。私は偶然ラジオを弄ったらぴったり」

エイラ「アフリカにもファンが居たのカ〜ちょっと意外ダ」

マルセイユ「そういや、空気の読める子猫ちゃんは?」

エイラ「あれは『Trans』してたサーニャなんダゾ!」

ペリーヌ「あら?貴女たち昨日は哨戒じ「あとで説明すっカラ」



ウルスラ「こっちも月が紅いとは?」

マルセイユ「話を戻すがアフリカでは、『月が紅いのはどっかで誰かが悪巧みしてる』と言うらしい」

マルセイユ「ま、そこまでじゃないがこちらは砂塵で月が紅くなり易いんだ……」

マルセイユ「つまり月が関係あるのか?」

エーリカ「今は鳥頭じゃないんだね。残念……」

ペリーヌ「本当に……」

マルセイユ「バカじゃないからな!?お前たち私で遊ぶの止めろ!」

エイラ「ラジオをリアルタイムで聴く奴に悪い人間は居ないってトントが言ってタゾ!」

ウルスラ「話が進みませんね……落ち着きましょうか?」



〜一時間後〜


ウルスラ「——つまり少なくとも、ネウロイ由来の瘴気には光を変質させ、魔法力暴走を引き起こす因子または粒子があることがわかっています」パタン

エーリカ「んぉ……終わったぁ……」

エイラ「解りやすいけど長すぎるのがたまにキズだヨナ」

ペリーヌ「いつの間にか一授業分の学問でしたのね……疲れましたわ」

ウルスラ「ネウロイの研究は前線でしか出来ませんから。……どこかの可変決戦兵器も大元は研究中の突飛な思想ですよ」

マルセイユ「……要はロマーニャの新型ネウロイに終始翻弄されてるって訳だな」

ウルスラ「あちらは実験を繰り返しています。進化と言っていいかは甚だ疑問ですがこちらを超えるために……」



ウルスラ「では魔方陣の説明を」

マルセイユ「さっきも使ったが……動物になるのにメリットはあるのか?」

エーリカ「疲労回復、魔法力増強、固有魔法強化に魅力倍増かな!」

エイラ「全く同意ダナ。特に最後///」

ペリーヌ「ハルトマン中尉にしては正論ですわ。特に最後///」

マルセイユ「そうなのか?しかしなんだかんだ大変だったろう?」

ウルスラ「一言じゃ済まないぐらいに……まあ相手は人間なのが救いですよ」

マルセイユ「へぇ。固有魔法の強化は?」

エイラ「ん〜例えばサーニャなら魔導針の距離が広がるから、昨日は基地でラジオに出れたってことダナ」



サーニャ「にゃ?」トコトコ

マルセイユ「ん、この子猫ちゃんは?」

エイラ「おお!サーニャ、まだ寝てて良いんダゾ?」

サーニャ「にゃあぁ〜」

エイラ「そうカ。お腹減ったカ〜」ナデナデ

ウルスラ「どうです?マルセイユ大尉に動物へなる方も見せては」

エイラ「いいケド、ナ?」チラ

エーリカ「付き合えってかい」

ペリーヌ「最初の三人ですから……はぁ」



つプログレスペット


エイラ「はぁああ——シンクロチップ、スロットイ〇!」カシャアン


テロリン♪


エーリカ「クロォス!」


Stand By !


ペリーヌ「フュージョ〇ォーンッ!!!」


カッ——



ポフン♪


エイラ「キャウ!」


エーリカ「あう!」


ペリーヌ「にゃあ!」


マルセイユ「素晴らしい……実に前衛的だ!」

ウルスラ「基本はこのノリですから」

マルセイユ「え、じゃあ私もあれやって良いのか?」ワクワク

ウルスラ「もちろん。止めはしませんよ」

マルセイユ「なるほど!」ニヤ



つリンクペットエクシード


マルセイユ「はぁああああああああああああ!!!獣化チップ、スロッ〇イィイイイイイイン!!!」


ピキィン!


マルセイユ「——ビィイイイストアウトォオオオオ!!!」


カッ——


ポフン♪



マルセイユ(こんな感じか!)バサッ

エーリカ(そうだけどアンタ、ほんと似合うね)

マルセイユ(そうか?なら私の勝ちだハルトマン!)バサバサ

エーリカ(止めてくんないかな……羽痛い)ザラッ

ペリーヌ(……なんか騒ぎ方がしつけ損なったインコみたいですわ)ボソ

サーニャ(本当?)

エイラ(うん!中佐がアドリブ助かったってのとそこのマルセイユ大尉はラジオ褒めてくれたぞ)

サーニャ(良かった〜)

ウルスラ「ワシは怖いです……」ジリ



ウルスラ「と、まあこんな感じですよ。『トランスストライカー』なんていうのも有りますが今は大尉に必要ないでしょう」

マルセイユ「クェ」

エーリカ「あう」

ウルスラ「姉様、私が後片付けをやっておきますから基地内の案内でもして差し上げたらどうです?」

エーリカ「あぅう?」

マルセイユ「キュケゥ!」バシ

エーリカ「ぐるぅ……」

マルセイユ「——クケェ!」ガシッ

ビュン!

エーリカ「きゃわん!?あわうううううううぅ……」

ウルスラ「あぁ!?姉様が拐われて!」



〜廊下〜


エーリカ(ちょっと!何で私を獲物にするのさ?)

マルセイユ(ふん、お前は歩くのが遅すぎるからだ!)

エーリカ(あー!ダックスバカにしないでよ!)

マルセイユ(はんっ!聴力と嗅覚以外はワシが勝っているからな!)

エーリカ(そんなの……あっ?)

エーリカ(ピカンと来たわ!)ピカン



エーリカ(ふーん、ほんとかなぁ〜?)

マルセイユ(なんだ?)

エーリカ(次の曲がり角左折、突き当たりも左折したらすぐの部屋に入って)

マルセイユ(いいだろう)

エーリカ(気を付けて〜ガラス戸あるから)

マルセイユ(うぐっ、了解だ)



〜露天風呂〜


エーリカ(ふぅ)チャプ

マルセイユ(なんだ気が利くじゃないか!アフリカでは血と水が同価値でな?)バシャ

エーリカ(へぇ〜)

マルセイユ(良いな!でかい風呂!)バシャ

エーリカ(じゃあこっちにいる間満喫していきなよ。ほら、こっちこっち!)チャプチャプ

マルセイユ(泳ぎなら負け……なっ!?)ズシ



エーリカ(ど〜したの〜?ハンナ、バタフライが得意だったっけ〜?)パチャパチャ

マルセイユ(羽毛が水を吸って重くなっている!?謀ったなハルトマン!)ザパン

エーリカ(鳥頭がいけないんだよ〜?私は特になにもしてないし)

マルセイユ(ぐっ!しずっ……沈む沈む沈む〜!?)ブクブク

エーリカ(おー仕方ない。この猟犬ちゃんが回収したげよう!)

マルセイユ(ぐぼっ!ちょっ!へぇえうええるぷぼっ!!?)ガボッ



マルセイユ(次は絶対『Trans』したままで風呂に入らん……)ベシャア

エーリカ(少しは反省した?)

マルセイユ(んぐ……いや、お前との決着をつけるまでは諦めんよ!)

エーリカ(いい加減にして……ねぇ……?)

マルセイユ(ある歌手は言った——『熱いハートをぶつける、それが歌だ』と!)

マルセイユ(そしてあるレスラーもまたこう言った——『屁のツッパリは要らんですよ』と!)

マルセイユ(つまり(ぶるぶる〜!なんか言った?)ブルブル

マルセイユ(……いや、頼むから真面目に聴いてくんね?)ベチャア

マルセイユ(なんか私がバカみたい……クソッ)



〜夜、バルクホルンとエーリカの部屋〜


エーリヒ(一日騒がしかったなぁ)

エーリカ「べーたで……べたべたぁ……ふ……にゅう」Zzz

エーリヒ(……)チラ

ゲルト「あぅ……くりすぅ……///」ギュ

ゲルハルト(ん?何故実体化させ……ぐあっ!?)

ゲルハルト(待てっ!命に関……わる……っ)ガク

エーリヒ(……水飲んでこよ)



〜基地内キオスク〜


エーリヒ(涼しいな。お、あれは……)ペロ

エーリヒ(よう、ライアーの爺さん。夜風は老体に堪えるぜ?)

ワシ(あら……私はアクィラよ。わんちゃん)

エーリヒ(っ!?済まん……見分けがつかんかった)

アクィラ(それは仕方ないわ。私のお父さんだから、彼は)

エーリヒ(そっか。ん、俺はエーリヒ)

アクィラ(よろしくね)



アクィラ(ごめんなさい。ティナったら)

エーリヒ(いいや、変わってないから安心したさ)

アクィラ(あ、士官学校時代を知っているのね)

エーリヒ(もちろんだ。お前の父さんが一番年上だったから、みんなの親父代わりしてたな)

アクィラ(……そっか)



エーリヒ(……ライアーは死んだのか)

アクィラ(ええ、私は呼ばれたの)

アクィラ(『面倒見てやれ』、ですって)

アクィラ(一番近くだったのに看取れなかったから……ちょっと、ね)

エーリヒ(……爺さんらしいな)

アクィラ(え……?)



エーリヒ(言ったろ?親父代わりだったって)

エーリヒ(ハンナの事も娘みたいに思ってたんだ)

アクィラ(……)

エーリヒ(なんか色々問題起こすのを陰日向に支えることが生き甲斐とか老後の趣味とか)

エーリヒ(だからさ、お前も娘ならアイツも娘。今は仲良く出来てる……んだよな?)

アクィラ(ええ)

エーリヒ(なら遺言通りだ。それで大丈夫じゃんか)

アクィラ(……)



エーリヒ(さて、寝る。明日はいきなり朝飯からうっさそうだからな)

アクィラ(流石にティナのこと把握してるわね)

エーリヒ(少なくとも三日過ごしゃあ忘れない)

アクィラ(ごめんなさいね。本当に)

エーリヒ(気にすんな)



エーリヒ(……あ、そうだ。忘れてたぜ)

アクィラ(え?)

エーリヒ(お前の兄弟か姉妹で最後に生まれた一羽をずっと爺さんは気にしてた)

エーリヒ(『無茶してないか、穹は自分のものか』って)

アクィラ(……っ)

エーリヒ(伝えといてくれな。俺はワシの連絡網って知らんからさ)

アクィラ(ええ、伝えて……おくわ)

エーリヒ(今度こそ寝るぜ。絶対中佐に捕まんなよ、アクィラ)

アクィラ(……おやすみ、エーリヒ)



〜5月29日、朝食後〜


もっさん「ではマルセイユ、ハルトマン組対バルクホルン以下501組で模擬戦を行う」

ウルスラ「ミーナ中佐と坂本少佐、私は観測とバックアップをしますので」

ミーナ「下限1640フィート、10分で良いかしら?固有魔法は怪我をしない程度ね」

マルセイユ「問題ないな。私の固有魔法でもペイント弾なら死なんさ」

エーリカ「誰かへ撃たないよ〜。回避には使うけど」

ペリーヌ「どうせ使ってもシールドで防がれますわ……」

宮藤「1650……えっと550m?」

もっさん「多く見積もればそんなもんだ。全機が制限高度を超えてから10秒で交戦開始!良いな!」



〜アドリア海上空〜


<<空域への侵入確認、カウント8>>


エーリカ「ハンナ、たぶんダブルの『シュヴァルム』で来るよ」

マルセイユ「良いさ。追い回して編隊から弾かれた奴を殺れば」


<<5……>>


エーリカ「何それ?集中されたら私は助けらんないよ」

マルセイユ「ふん、全部私だけでも墜とせるからな」

エーリカ「まぁた……自由にやんの?」

マルセイユ「ああ、撃墜数勝負といくぞ!」

エーリカ「ヤダヤダ……」


<<1……インゲージッ!>>



マルセイユ「はぁっ!」ギュン

エーリカ「ま、墜とされんのは嫌だね」ギュン

ゲルト「リベリアン、そっちでエーリカを抑えろ!」


<<りょーかい!ルッキーニ!>>


<<はいさ!ばびゅーん!>>


ゲルト「アイツは私たちで潰す!」

ペリーヌ「宮藤さん、後ろの射線には入らないで」

宮藤「もちろんです」



マルセイユ「ほう……新型ストライカーか?だが甘い!」ズガッ

宮藤「わっ!?」カキン

ペリーヌ「これが狙撃……でも恐るるに足りませんわ!」ズダダ

ゲルト「あと半分だ!追い込め!」ガガガ

マルセイユ「なんだ……半分?」



エーリカ「シャーリィイイイイ!」タタタ

シャーリー「な!?狙いはルッキーニかよ〜!」ニヤ

ルッキーニ「うにゃあ!……にひっ」ニヤ

エーリカ「はっ!?——『シュトゥルム』!!!」


ヒュルルルルル……


パシャン!パシャン!パシャン!



ズキューン!


マルセイユ「んなっ!?」ヒュン


<<惜しい!次弾装填!>>


<<サーニャはあと2、4のセットで発射、リーネはもうコンマ1秒遅くシロ>>


<<了解よ、エイラ>>


エーリカ「やるじゃん……けど『シュトゥルム』にVT信管は相性悪いよ?」

シャーリー「そこは私たちが!」

ルッキーニ「なんとかしちゃう〜!」



マルセイユ「見切り損ねた……かっ!」

ペリーヌ「『トネール』!」ビシィ

マルセイユ「くっ!」ピシン

ゲルト「とどめだ!」ガガガガガ

宮藤「えぇええい!」タタタタタタ


ズキューン!


マルセイユ「——だが負けん!」


バ ン ッ !



エイラ「ん?リーネ、急回避!」ピキン

リーネ「はい!」

エイラ「え……弾道が風向無視……ヤバイ!?」

リーネ「きゃあああ!?」ペシ

サーニャ「リーネさん!」

エイラ「予知より動いタ……魔法かクソッ!」



エーリカ「更に貰ったあ!!!」ダダダ

エイラ「読めてんダヨ!」ズガガ

エーリカ「おりゃ」ヒョイ

シャーリー「クソッ!二人の火線で近づけん!」

ルッキーニ「不味いよ!サーニャ逃げて!」

サーニャ「っく!」

エイラ「サーニャアアアアアアアアアア!?」

エーリカ「サーニャん、アウト!」チャキ

サーニャ「降参です……」

シャーリー「流石だ……撃たれんためにわざとサーニャの前へ回り込みやがった!」



マルセイユ「——隙有りだ!」


バ ン ッ ! バ ン ッ !


宮藤「うわっ……私じゃない!?」

ペリーヌ「きゃあっ!?」バチィ


<<エイラ、回り込み返……どわっ!>>


<<あ、シャーリー!?>>


<<よそ見しちゃダメだね!>>


<<ひぎにゃああああああん!?>>


ゲルト「クソがっ!!!」ガガガ



マルセイユ「シスコンごときに持ち直されるかよっ!」クルッ


フッ——


宮藤「影?エイラさん!」

エイラ「ハルトマンは上ダ!太陽に撃ちまクレ!!!」

宮藤「はぃあっ!?」ズシャズシャ

エーリカ「遅い!立ち止まるからっ!!!」

エイラ「大尉!」

ゲルト「ターゲットを取り替えるぞ!奴はお前に任せる!」

エイラ「おっけ!サーニャの仇は頼ム!」



エーリカ「ハンナ、さっきの横取りってんだよ?」

マルセイユ「お前も新型を横取りしたの見逃すからチャラにしろ」

エーリカ「へいへい……さてあとは」

マルセイユ「コイツらか」

ゲルト「エイラ、抜かるな!」ジャキン

つレヌスメタルMk108×2

エイラ「どっちが上か決めてやんヨ!」チャキ



ズ ダ ン !


エーリカ「ひいっ!?」


ゲルト「火力が欲しかったからな!しかしお前に撃つとは思わなんだ!」ズダン


エーリカ「でもそれほんとのペイント!?」


ゲルト「当たってみれば判るっ!!!」ズダズダン


エーリカ(エイラとでも決着つくか微妙なのに……っ)


エーリカ(一番……マニューバへついてくるトゥルーデにこられちゃ堪ったもんじゃないよ!)


ゲルト「まだ誰もこのカノンの弾を見切っていない……エーリカ、お前にそれが出来るか!」



マルセイユ(さっきからコイツの弾は……まるで私?)


エイラ「不思議カ?私は未来予知のウィッチだからナ……そら!」


ズ ガ ッ !


マルセイユ「くっ!」グイ


バ ン ッ !


エイラ「どう避けても私に向かって来るンダ。なら……」ヒュン


マルセイユ「首ふりだけでアレを?あり得ん!」


エイラ「ただ弾が最終軌道修正した時に最小限の予知で避けるダケサ!」



エイラ「それに今日の私は一味違う——」


バ チ ィ ン !


マルセイユ「ぐぬっ……弾を弾で撃墜するなど!?」


エイラ「さあ……大尉——証明の時間だ」


エイラ「——この地上最強の固有魔法を使って、どちらがより強いのか答え合わせをしようじゃないか!」


マルセイユ「ハルトマンの前に肩慣らし……——良いだろう!!!」


エイラ「——ふふん、サーニャにかっこ<<ピーッ!終わりです>>


マルセイユ「な……っ」


エイラ「えええええええええええええええええええええぇ!!?」


<<続きは昼からでもやると良い。全機帰投!>>



<<二人も終わりよ〜>>


エーリカ「やったあ〜終わったあ!」ピタ

ゲルト「コンバット中にいきなり止まるなぁあああああああああああああああ!!?」

エーリカ「お?」

ぷにん♪

エーリカ「ぐえっ……にしし」クスクス

ゲルト「はははハルトマンおま……ちょっいやあのえっとあれなんでうそマジで!!?///」ダキッ

エーリカ「あ〜んやだ〜トゥルーデなんで離してくんないの〜?」

ゲルト「そ、そそそういうわけでは……じょうけけん反射だ!?///」ガシ



マルセイユ「……」チャキ

エイラ「大尉!?ムカつくの解るケド!」

マルセイユ「私のアプローチは全て無視する癖にっ……」

マルセイユ「そんなシスコンと戯れてないで私と戦えええええええぇ!!!」


バ ン ッ !


<<あっ!ヤバイ!>>


<<ハルトマン、や、止めっ///そこはっ……ほがぁ!!?>>


<<……気絶しちゃって重いんだけど>>


<<マ ル セ イ ユ 大 尉 ?>>



〜隊長室〜


ミーナ「確かにね、ここ最近トゥルーデのデレデレには私も手を焼いているわ」

ミーナ「だって実害出そうになる度、誰かに止められているんですもの」

ミーナ「それでもよ?それでもよ?」

ミーナ「射撃の名手な貴女が固有魔法まで使ってヘッドショットは無いでしょう?」

マルセイユ「ハルトマンを狙ったが……結果的にアイツは離さなかったんだ。確かに撃った私が全て悪い」

ミーナ「よろしい……って言ってあげたいけど」

ミーナ「訓練外で銃器発砲、故意によるフレンドリーファイア、度重なるハルトマン中尉への挑発行為」

ミーナ「これ以上重なると私でも庇いきれないわ。解るわよ、ね?」

マルセイユ「……ああ」



〜営倉〜


エーリカ「今回はペリーヌの一人勝ちか……配当何倍だろ」

マルセイユ「何の話だ?」

エーリカ「いんや、関係ない関係ない」

マルセイユ「……そうか」

エーリカ「あ〜も〜エーリヒ!」

エーリヒ(なんだ?)フッ

エーリカ「ちょっとお菓子持ってきてよ!おつかい!」

エーリヒ(どーやってだ……)

エーリカ「ほれ、そこそこ!」

つ何かの配管を外した穴

エーリヒ(えー……仕方ねぇなぁ)トボトボ



〜外〜


エーリヒ(……まさか捕まるとは)

三郎(済まん。正面にクラヴァッテが居る付き合いでな)ガシ

エーリヒ(断罪っすか)

三郎(いや、しない代わりに二人へ伝えておけ。『ムリダナ』と)

エーリヒ(サーセン)

三郎(はっはっは。暇になったらまた来い)



〜営倉〜


マルセイユ「帰ってき……ん?」

エーリヒ「(・×・)」

エーリカ「えーそんなー」

エーリヒ(仕方ねーだろー)

エーリカ「もちっと出来る子だと思ってたのにー」

エーリヒ(もちっと物わかり良いと思ってたのにー)

リカリヒ「(……はぁ)」

マルセイユ「お前ら幸せだな……」



〜三人の部屋〜


エイラ「一体何がどーなってんダヨー……」シクシク

ペリーヌ「貴女も堂々巡りが好きですわね」

エイラ「サーニャが……サーニャが大尉を気になるとか言うから私頑張ろうとしたのにィ……」グス

ペリーヌ「まあ、私は確かにマルセイユ大尉を撃墜すればとは言いましたけれども」

エイラ「昼からなんも出来なくなっタシ……ツンツン眼鏡に金巻き上げられるシ」

ペリーヌ「まあ人聞きの悪い!正当な配当な上に貴女たち二人は賭けなかったじゃ有りませんの!」

エイラ「……うぅ」



ペリーヌ「で、当のサーニャさんは何を?」

エイラ「サウナ行ったあと寝ちまっタヨ」

ペリーヌ「それこそ寝顔でも眺めた方が良いことを思い付くんではなくって?」

エイラ「いや……こう……自制心ガ」ガクガク

ペリーヌ「ヘタレというかなんと言うか……解らないでもないような」

エイラ「はぁ……ん、これナンダ?」

つビン

ペリーヌ「これはこの前遺跡で見つけたヒカリゴケですわよ」

エイラ「綺麗だけどそんだけジャネーノ?」

ペリーヌ「——甘いですわね!」



ペリーヌ「ウルスラさんによるとこれは自己増殖能力の非常に高い苔らしくて」

ペリーヌ「環境維持魔方陣の転写も簡単なものでしたわ」

エイラ「え?は?」

ペリーヌ「つまり!ガリアの荒れ果てた土地を救うためにとても有用なものですの!」

ペリーヌ「暗室と魔方陣さえ作れば温室栽培と同じ!いえ、更に早く作物を育てられるんですわ!」ビシィ

ペリーヌ「……エイラさん?」

エイラ「それもだけど……ペリーヌ、お前頑張ってンナ」カサ

つ昨日の手紙

ペリーヌ「いっ!?ちょっと貴女ぁ!!!」

エイラ「うん、なんか勇気デタ!サーニャと寝てクルヨ!」

ペリーヌ「待ちなさい!貴女ねぇえええええええええええええええ!!?」



〜医務室〜


ゲルト「……」ムクッ

ゲルト「アレッシア先生?居ないのか?」

ゲルト「なんだ……何故私は寝ていた?」

ゲルト「う〜む」

ゲルト「身体には問題ない様だし……」

ゲルト「……っ?この……残った……感触は一体……?」ギュ

ゲルト「天使の抱き心地だ……///」



〜廊下〜


ゲルト「う〜む」ギュ

ゲルト「違う……違う」

もっさん「おお、バルクホルン!大丈夫か?」

ゲルト「ああ、少佐。……う〜む」

もっさん「どうした?」

ゲルト「いや、何だか腕に感触がな」

もっさん「?」

ゲルト「大丈夫だ。うん」トコトコ

もっさん「アイツ……今度こそ本当におかしくなったか?」



ゲルト「お」

兼定(うっわ。シスコンの鬼神……)

ゲルト「貴様は宮藤の。だが、今それはどうでもいい」グイ

兼定(んあ?なっ///)プニ

ゲルト「……いや、これではない」ギュ

ゲルト「済まなかった。宮藤によろしくな」

兼定「……」スタ

兼定「くぅん///」



ゲルト「なんだ……いや確かにこう……」

ピエール(ゲルトルート嬢?)

オンブラ(うーわ思い悩んでるぜ〜?)

ゲルト「む、ちょっと試してみるか……」ヒョイ

オンブラ(うわぅ!)

ピエール(なんと!)

ゲルト「オンブラは近いか……?うん、ありがとうな」ギュ

ピエール(流石に他人の執事へ手をお出しには……でも何が違うんでしょう?)

オンブラ(わかんね)



ゲルト「少し大きめの……骨格のしっかりした……毛玉っぽいもの」

グレニス「ふにゅ?」

ゲルト「おお!」

グレニス「!?」ビク

ゲルト「だ、大丈夫だ……ちょっと抱っこさせてくれ」ヒョイ

グレニス「……」ジタバタ

ゲルト「っ、確か一旦ひっくり返して」クル

グレニス「む〜……」ピタ

ゲルト「よ、っと……惜しいな。だが、少しは禁断症状が治まったか」ギュ

グレニス「///」



〜ハンガー〜


ゲルト「ウルスラ?」

ウルスラ「ああ、済みません大尉。今『Mk108』はクリーニ……」クルッ

ぷにん♪

ゲルト「はっ!?」ダキッ

ウルスラ「はぶっ……ぐる゛じ……」


ゲルト「—— 見 つ け た ア ッ ッ ! ! !」


ゲルト「しかし……私はウルスラを抱き締めたことなど……?」グッ

ウルスラ「そ……れ……ぇ……さま……」ガク

ゲルト「なっ!ウルスラ!?ウルスラぁああああああああああああああ!!!」



ゲルト「ど、どうすれば!?」

ウルスラ「」ダラン

ゲルト「人工呼吸だ!人工呼吸人工呼吸……はっ!?」

ゲルト(キス?合法?口づけ?何のときにする……?)


ゲルト「 結 婚 か !! !」


ゲルト「いや待て……」

ゲルト(クリスと?フラウと?宮藤と……)


ゲルト「クソオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!?」



ゲルハルト(……)ペチペチ

ウルスラ「う……眼鏡の縁に天使の羽が見えました」

ゲルハルト(済まない……もう私が死んで償いたい)ズリズリ

ウルスラ「そこまで謝らなくても……」

ゲルハルト(ウルスラ、トゥルーデをなんとかしてくれ!脳の手術でもなんでも構わない!)

ウルスラ「『ロボトミー手術』と言う外科的なのが確かに有りますが……」

ゲルハルト(頼む!)

ウルスラ「まだ……まだ大丈夫です。きっと」

ゲルハルト(もう彼女が罪を犯すのを見ていたくないんだ!)

ウルスラ「……」

ウルスラ「……解りました。では」



ウルスラ「大尉」

ゲルト「ウルスラ!大丈夫か!?」

ウルスラ「よく聴いてくださいね?」

ゲルト「あ、ああ」


ウルスラ「大 っ 嫌 い ! ! !」


ウルスラ「アンタがなに考えてるのか知らないけど私や姉様にしたことが許されると思うの!?ねぇ!!!」


ウルスラ「何が妹好きだよ!?度が過ぎりゃあただの変態だよ?変態だよ?ああん?」


ウルスラ「アンタほんとにカールスラント軍人なの!?怖いんだけど!存在がもう犯罪だよ!」


ウルスラ「ほんとに……気 持 ち 悪 い ! ! !」



ウルスラ「ふぅ……あれ?」

ゲルト「」

ゲルハルト(たぶん大っ嫌いのニヒトリーヒェン言い切る前に気絶していたな……)

ウルスラ「まあ、それだけメンタルが弱ければとりあえず一週間は持つかと」

ゲルハルト(……ところでお前は本当に?)

ウルスラ「忘れてませんか?私は双子ですよ」

ウルスラ「これくらいのお芝居出来なければ入れ替わりなんて、ね♪」

ゲルハルト(救われたよ。ありがとう)



〜5月30日、早朝〜


ドテン、ゴトン、ドカ


エーリカ(痛たぁ……)

エーリカ(エーリヒに頼んで悪かったわ。ごみんね〜)


エーリヒ『(やっと解ったか……)』


エーリカ(よし、準備万端!ダーッシュ!)

ドスン

エーリカ(ふげぅ!?)



ゲルハルト(済まんな。フラウ)

エーリカ(誰だっけ?)

ゲルハルト(……トゥルーデの使い魔だ)

エーリカ(あーそーいや!いつもお疲れ!)

ゲルハルト(いや、本当にいつもトゥルーデが済まない……)ズリ

エーリカ(だからそこまでしなくても……)



ゲルハルト(お前の欲しかったのはコレだろう?)

つオレオ

エーリカ(うっわ、ありがとう!ごめんねほんと)

ゲルハルト(……)

エーリカ(どしたのさ?)

ゲルハルト(なんというか、頼みがある)

エーリカ(良いよ!もちろんヤバイの以外は聴いてあげる!)



ゲルハルト(……マルセイユのサインをもらってくれないか?)

つブロマイド

エーリカ(うわ、ギリギリライン来たわぁ……)

ゲルハルト(昨日トゥルーデはウルスラに怒鳴られたあと意識不明でな)

エーリカ(はぁ!?)

ゲルハルト(まあ今は起きて運動しているが一部の記憶が無いらしく)

ゲルハルト(直談判に行くと言ったのを忘れて居たんだ)

エーリカ(つまりクリスのお願いでしょ?)

ゲルハルト(ああ、ロマーニャに来る2ヶ月前頼まれ……いや、済まん)



エーリカ(仕方ないなぁ。トゥルーデは)

ゲルハルト(やって……くれるか?)

エーリカ(なんとかしてみるよ!でも交換条件!)

ゲルハルト(私に出来るならなんなりと)

エーリカ(そ れ は ね ー ♪)



〜営倉〜


マルセイユ(ハルトマン、お前はなかなかチャレンジャーだな)

エーリカ(ほぉお?)アグ

マルセイユ(普通転がして持ってこないか?)

エーリカ(色々あるのー!ここ押したら開くんだ)パカ

マルセイユ(貰うぞ)ヒョイ

エーリカ(ちょっとー!)



マルセイユ(ふっふふ。お前の菓子を私が食ってやる!)

エーリカ(なんでさ!将軍のお菓子だよー!)

マルセイユ(あの日までにお前に食い逃げされた菓子を取り戻す!)ツンツン

エーリカ(悪かったけどね?時効じゃないかい?)

マルセイユ(あの時浮いた金があれば……私は……オレオじゃなくて酒をー!!!)

エーリカ(あるよ?ワイン)

マルセイユ(マジかよ)



マルセイユ(解った。ならば……ワインと引き換えに書いてくれよう)

エーリカ(んとね、『クリスちゃんへ』って)

マルセイユ(ああ、確かペンは)ゴソゴソ

エーリカ(その状態で本当に書けるのー?)

マルセイユ(——不可能はない!)キリッ

エーリカ(お風(止めんか!泳げは一応するんだ!)

マルセイユ(っと……押さえてろ)

エーリカ(おっけー!)



マルセイユ(なかなか良い出来だな!さて、乾かす)パタパタ

エーリカ(自画自さーん……)

マルセイユ(ところでこの娘は誰かの知り合いか?)

エーリカ(うん、えっとね〜……ブリタニアでリハビリ中な娘なんだよね)

マルセイユ(ふーん、お前にしては気配りが効くな)

エーリカ(そお?)

マルセイユ(よし、乾いたか。……ん?)

エーリカ(どしたの……うげっ!?)



つ裏

マルセイユ(『P.S.お姉ちゃんの部下の人ってすごい人多いよね!』)

エーリカ(オウマイゴッドー……)

マルセイユ(まあ、百歩譲って奴の妹に書いてやるのは良い)

マルセイユ(そんでもってお前のワインと菓子の礼としても許す)

マルセイユ(だがコイツをアイツの手柄にするのだけは私のプライドが許さん!)ポイ


マルセイユ(——『エ ア ス ラ ッ 〇 ュ』!)


サ ク ッ !



�羽で留められたブロマイド


エーリカ(羽は端っこ刺さったけど天井じゃ取れないじゃん!?)ピョン

マルセイユ(私しか取れんな)

エーリカ(騙したのは悪かったさ……でもハンナだってトゥルーデに迷惑かけまくったよね!)

マルセイユ(うぐ……しかし誰かに頼もうと言う根性が気に入らん!直接来い!直接!)

エーリカ(だから理由あってさ?)

マルセイユ(シスコンな癖に!度が過ぎれば変態だろうが!)


エーリカ(——ハンナ……認識改めてよ!)



エーリカ(確かにあのシスコンゴリラはもう半分、いやほとんどレイピストだし!)


エーリカ(同時に二人ヤろうともしたけど!!)


エーリカ(なんか妹関係なく自分より年下がストライクゾーンにもなったり!!!)


マルセイユ(え、いや、そこまで私言ってない……)


エーリカ(でもね!!!!)


エーリカ(自分の出来ることしようって頑張った反動なの!!!!!)


エーリカ(——だからトゥルーデをバカにすんなぁ!!!!!!)



マルセイユ(……)ポカン

エーリカ(ぜえ……ぜえ)

マルセイユ(……っと!)ハッ

マルセイユ(い、良いだろう!そこまで言うなら決着をつけよう!)

エーリカ(空戦すれば良いんでしょ!その話乗った!)

マルセイユ(だが目先を終わらせてからだ!手抜きすんなよ!)

エーリカ(しないよーだ!)



〜ハンガー〜


ウルスラ「ならお貸ししますが……」

ミーナ「大丈夫、任せて!」

ウルスラ「では説明を。シールド展開時に魔法力安定を図りました」

ウルスラ「リーネさんが損傷させてしまったところを一昨日の資材で改修したわけです」

ミーナ「つまり私に使えるわよね」ワクワク

ウルスラ「もちろん。……ところで何故いきなり?」



ミーナ「戦況的に貴女がシュレックとMGを両方持つことがありそうでしょ?」

ミーナ「貴女以外でも『トランスストライカー』の使える人を確保しておきたいの」

ウルスラ「つまり『K—4』を使う姉様やエイラさんにも?」

ミーナ「数日中にはね」

ゲルト「戦力補完か。まあ当然だな」キリッ

ミーナ「あら、トゥルーデ?」

ゲルト「ウルスラ、メンテナンスの成果は上々だ。感謝する」キリッ

ゲルト「あと急がねば朝食に遅れる。行くぞ」キリッ

ミーナ「あれは……何が起きているの?」

ウルスラ「……まさか」



〜マルタ島沿岸、1016〜


<<——こちら連合軍総司令部>>


<<これより『オペレーション・マルス』前哨戦——>>


<<——『オペレーション・ワルキューレ』を発動する!>>


<<参加する全軍の協調による前方怪異構造物体の撃破をもち、この作戦は成功とされる>>


<<全将兵の奮戦を期待する!>>



<<こちら『天城』管制>>


<<全ウイッチの出撃許可……下りた!501部隊、上空待機を開始せよ!>>


ゲルト「よし、行くぞ」キリッ

シャーリー「おーおー、気丈に振る舞っちゃってー?」

ルッキーニ「中尉居なくて寂しくないのー?」

ゲルト「ふっ——アイツはアイツの仕事がある。それだけだ」キリッ

エイペリ「「!?」」

ゲルハルト(本当にトゥルーデ……か?)

ウルスラ(やり過ぎました……?)

もっさん「はっはっは!いつになく頼もしいな!」



<<『ビスマルク』、『プリンス・オブ・ウェールズ』、『フレッチャー級』各艦……>>


<<及びヴェネツィア海軍、こちらの『高雄』、『秋月』以下全艦>>


<<砲戦準備完了!杉田艦長、あとは本艦だけです!>>


<<うむ!一週間前の借りを……数十倍にして返してくれる!!!>>


<<各艦から通信、『本艦がこの戦闘の口火を切られたし』>>


<<見せつけようではないか——扶桑の虎の子の咆哮を!>>


<<——『大和』全艦>>




<<——砲撃始めぇええええええええええええええええええええぇい!!!>>





<<凄まじい……しかし、国の威信はこちらもかかっているのでね>>


<<改修された我が艦らに敵はない!!!>>


<<『ビスマルク』、これよりドームを穿つ!!!>>


<<『プリンス・オブ・ウェールズ』、最後のブランチを振る舞ってやろう!!!>>




<<放てぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!>>





——ッ


宮藤「う……わ」

シャーリー「地形が変わるぜ!ありゃあ」

ミーナ「凄いわ……あれが46インチ」

もっさん「はっはっは!どうだ、扶桑とてブリタニア後に機動艦隊をそのままにはせん!」

ペリーヌ「すぁっすがですわぁ〜!」

ゲルト「……サーニャ、敵を確認しろ」キリッ

サーニャ「はい……!?」

エイラ「はっ?みんな、構エロ!」キィン

ゲルト「やはりか——だが読めている!」キリッ



リーネ「高速!でも視える!」ズキュン


R—101U「……!」ズシャ


シャーリー「野郎!一発じゃ墜ちねぇ!?」

ミーナ「逃がしちゃダメよ!弾幕の向こうへ押し返して!」


R—102U「!!?


もっさん「格闘戦に特化しているな……ふん!」シャキィン

ペリーヌ「宮藤さん!一気に囲むの!」

宮藤「はいっ!ルッキーニちゃん!」


R—103U「


ルッキーニ「はいさ〜!……気を付けて!強くなってるよ!」



ゲルト「——さあ来い!貴様らは私が血祭りに挙げてくれる!!!」キリッ


F/A—32C「!……!!!」


XFA—36A「!!!」


ウルスラ「大尉!?データが無いのはダメですっ!」

ゲルト「ウルスラ——心配無用だ!」キリッ


ズダン!ズダダン!ズダン!


F/A—32C「!…


XFA—36A「


ウルスラ「今のは……」

ゲルト「なにも驚く事はない——『Mk108』特有のモーメントを利用した速射だ!」キリッ

ウルスラ「……速射用の改造なんてしてませんよ」


YR—99「……!……!?


ルッキーニ「まだ来るよ!」

シャーリー「一応弾幕で墜ちてはいるんだよな……クソ!」



<<中佐!特大を捕捉……弾幕を抜けます!>>


<<シャーリー、コイツは受け持つからアッチを頼むヨ!>>


シャーリー「んじゃ任した!……来たか!」

ミーナ「最後の要塞ならこれくらいは覚悟してたわ」


スフィルナ「……」


クラリアス「……」


リーネ「大きな……気球船みたい」

宮藤「直掩機も居ます!」


ジオペリア「!!!」ピシュン


セピア「!!!」ビビビ


ゲルト「よろしい……——この穹から駆逐してくれる!!!」キリッ



〜『伊400』艦内〜


エーリカ「第三段階は海面浮上から速攻で垂直上昇、内部への奇襲……」

マルセイユ「聞いた話だが……この方法を考案するために少なからず被害が出ている」

エーリカ「……負けらんないね」

マルセイユ「ああ、譲れん」


<<みんな!大型は艤装が終わってないわ!>>


<<ちょっ!?いきなりなんですの!>>


<<それならいくぜぇ!!!——ハイスピードマルチレイヤーライトニングシールドクラッシャアアアアァァァ!!!>>


<<またこれぇえええええええええええええええ!!?>>


<<向かってくる!?いやっ!>>


<<リーネちゃんは殺らせないッッ!!!>>



<<烈ッッ……>>


<<風ッッ!!!>>




<<——ずぁあああああああああああああああああああああああああああん!!!>>




<<私に無謀に掛かって来るからだ——フハハハハハッ!!!>>


<<どうしましょう……大尉を早くなんとかしないと>>


<<サーニャ〜>>


<<エイラ、弾幕の向こうに敵はもう居ないわ……っ?>>


<<ドシタ〜?>>


<<無線が混線してただけよ>>


<<その言い方、なんか聴こえたみたいダナ〜>>




<<ザザッ……ば……ザザザッ……な『……』で……リをつ……ぞ>>





〜ドーム内部〜


<<こちら航空管制、発進を許可する!>>


<<外の障害はすでに排除が完了!コアも目視出来ているだろう!>>


<<健闘を祈る!>>


エーリカ「——『カラヤ・アイン』!」


マルセイユ「——『ゲルブ・フィアツェーン』!」




「「テイク・オフッッ!!!」」





エーリカ「よくみてハンナ!コアが逃げそうだよ!」


リトルマザー「……」ソワ


UAV’S「!!!」


マルセイユ「問題ないっ!」パンパン


エーリカ「さっすが!」ズダダダ


マルセイユ「ふっ!そっちもそれでこそだ!」ズガガ


リトルマザー「……!?」フワ


エーリカ「まあね!にっしし……引っ越しのお荷物泥棒しちゃうよ!!!」ズガガガ


マルセイユ「真珠は素肌にくっつけてろ!!!」ズガッ


リトルマザー「!!!」カッ



ピ シ ュ ン !


ピ シ ュ ン ! !


ピ シ ュ ン ! ! !


リトルマザー「!!!」ビビビ


—— カ ッ !


マルセイユ「なっ……考えたな!ビームの檻か!」


ジ ジ ジ ジ


エーリカ「密室トラップで誘き出したエース二人を確実に地獄送り……嵌められたね!」


バ リ バ リ バ リ


マルセイユ「だがな——」


エーリカ「そんなトラップで——」




「「——型に ハ マ る 私たちなんかじゃないんだよ!!!」」





エーリカ「見せてあげるよ!ハンナ!」ヒュン


マルセイユ「ああ!私もお前に見せてやる!」ゴゴゴ


エーリカ「別れてから五年くらい!」


マルセイユ「培った成果って奴をな!」


エーリカ「——『シュトゥルム』フルスロットル!!!」


マルセイユ「——『アドラー・マニューバ』!!!」





リトルマザー「!!!」




マルセイユ「——母国を離れて!!!」




エーリカ「——過ごしてきた時間の分だけ!!!」




マルセイユ「——飛んだこの穹を!!!」




エーリカ「——漆黒と真紅に染められて!!!」




マルセイユ「——あの日から奪われた『ソラノカケラ』を!!!」




「「——今ここで取り戻す!!!」」




リトルマザー「——!!!」




























——砕け散れッッ




















——この穹に






















——還りやがれぇえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!














——ボフッ




——ガシャン……ガシャ




エーリカ「崩れてく……終わった」


マルセイユ「ふっ……お前にマザーは取られんかったしな」


エーリカ「えー同時だよ?今の」


マルセイユ「……決着をつけるか」


エーリカ「仕方ないよね」


マルセイユ「互いに手の内は晒した」


エーリカ「隠し玉なんて通用しない」


マルセイユ「正々堂々……」


エーリカ「最後までっ!」



「ははっ!さあ——いくぞハルトマン!!!」


「良いよ!おいでよ——ハンナ!!!」


二人は隣り合った体制から背を向け、同じ平面を一直線に散開する


<<何年振りだ?お前と殺り合うのは!>>


<<初めてじゃないの?ハンナに本気出したことなんて無いからッ!>>


<<言ってくれる!だがお喋りはここまでだぞ!>>


<<冗長なのはそっちだよ!じゃあ決着まで暫し……無線はさよならだ!>>


<<ふん、永遠に成らなきゃ良いがな!>>



「っ!」


『悪魔』は向き直ると手に持つ機関銃のトリガーに指を掛ける


今、強いられているのはこのエースを撃墜すること


自分の持てる全てで彼女の全てに応え、いなし、打ち砕く事だ


相手がその気なのだ


応えずには居られない



「っく!はあ!」


『星』も同じくその場で切り返し、銃を構え直す


長年望んだ一戦


明らかに自分はこの状況を招いてしまった落ち度が多分に有るだろう


その事への覚悟はこの闘いを最初に望んだ時には用意していた


でも今は忘れよう


今はただ眼前の彼女へ自分の力を見せつけるだけなのだから



「「——っ!」」


接近する二人に流れる静寂を重低音が切り裂く


図った様な瞬間に放たれる火線


互いの未来位置へと予測して鋭利な鉛を撃ち込んでいく


今、この穹に於いて真に命を賭けた決闘が始まった









http://www.youtube.com/watch?v=M8RwnByNE_s&sns=em











「はぁ、ふぅっ」


『星』の放つ魔法力の籠った弾丸はただの軌道を描かない


その名を示すとすれば——『偏差射撃』


未来の『先読み』、空域の『三次元空間把握』、弾丸への強化である『魔弾』


全てが均整を保って混在した存在であり、最強の固有魔法の一角を成す


しかし——



「アレを躱す……いや、受け流しているのか?」


絶対的被弾位置へと撃ち込まれている筈の弾丸が『悪魔』と交錯しては穹に消える


その理由は『悪魔』の持ちうる魔法


『気流操作』は自分の思うがままに風を集め、放ち、纏い、味方にするのだ


それは穹の魔女が友とする不変の存在


太陽、月、雲、雨、水面、大地——


——そして絶えることの無い風


穹を翔る為に最も不可欠な要素から彼女は愛されていた事がこの結果を産み出していた



「へへっ……反撃かな」


後ろ向きに翻り、銃口から焔を迸らせる


その火線もまた気流を纏って『星』を切り裂かんと滑っていく


「おっと」


正確な射撃は彼女の体勢を崩す為には十分過ぎた


一瞬怯ませる事がそれからの優位さや戦術を潰す事へ繋がるのだから



「うりゃっ!」


身体を反らし、出力を垂直にしながらロールする


上空へと機位を移した『悪魔』はその体勢から下方への螺旋機動を行う


「流石だな。だが太陽を背負おうが私には効かん!」


鉛の矢の群れが『悪魔』へ向かって放たれていく



「っ!」


固有魔法の弾丸は『星』の視覚を無視してイメージの空間へとバラ撒かれる


堪らず横へと逸れた彼女に追撃を——


「喰らえッ!」


——その瞬間だった




「『シュトゥルム』!」











http://www.youtube.com/watch?v=cRXfFemc6Oo&sns=em











「残念でした!終わりだよ!」


『悪魔』は気流を操り、一瞬の無風空間を作った


その中で脚の機械箒を水中のばた足の様に荒々しく、一方ではバレエの様に繊細に動かし


——『星』の放つ火線の上へ乗り上げた


「これなら!」


「クソ!」


銃口のズレに機敏な反応を見せられ、弾倉の残弾がみるみる減少する



「こっちの番だぁああああ!」


その火線へ向かうという危険な戦法から、照準も無しにただ真っ直ぐ標的へトリガーを全開で引き絞る


「ちっ!」


後方へ身体を起こしたままの旋回を行っていたが為に、わき腹や頭の横をその鋭利な風のナイフが掠めていく


「ダメかな!」


出しうる最高速で『悪魔』が『星』の背後へ回ると


「視えてるぞ!」


しかし先程とは違い、『星』から『悪魔』への捕捉は完璧だった



トリガーを引きながら機械箒への魔法送出力を調整しての高速ターン


「ぐうっ!」


機関銃の火線と火線がぶつかり合い、魔法力由来の蒼き火花と雷が飛ぶ


そしてこの美しき光景に疾駆する黒の双影が輪郭を持たせていく


「やるしかないか……アイツもビックリするだろう!」


「そろそろ終わりにしなきゃ弾が、ね。もう一回だ!」





二つの影は互いに意図を隠して翻る




「ハンナ!!!」




「ハルトマン!!!」




しかしもう向かい合って既にやることは理解していた




同一直線上での正面攻撃——ヘッドオン







——二人は鏡の様な存在だ




——向かい合って初めて本当の自分に気が付く




——しかし似ては居るが正反対だ




——そう、『悪魔』と『星』は同じ暗黒の世界でしか生きられない




——されど『悪魔』は闇の中を自由に蠢き、『星』はただ何も出来ず地上を見つめるのみ




——互いに憧れ、憎み……愛する




——それはまるで彼女たちが穹を己の命を賭す舞台に選び、別れたのと同じだ







——巡り逢うべくして出逢った二人を分かっていた時間




——その歩む道が再び交差する




——時がゆっくりと流れゆく




——その道は遠回りだったのかもしれない




——ただ一瞬の同調を求めて




——今













「「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」」

















——静寂が訪れた




——二人は一瞬で入れ違った後、互いに銃口を向け合い静止する




「ハルトマン、その腰の手を離せ」




「やだね。ハンナこそ上着から手ぇ抜いたら?」







「お前が抜いたら私はMGの引き金から手を離そう」




「ふーん、無駄撃ちしまくったただのぼっこで何が出来るのかな?」




「ふふふっ……お前の拳銃、さっきの小型で撃ち尽くしただろうが?」




「「……」」







「そんなに言うなら撃ってみろ。私の『魔弾』が貴様の頭を撃ち抜く前に、な?」




「別に良いよ?私、固有魔法で弾の位置を致命傷から少し逸らせば宮藤に治して貰えるもん」




「逆にハンナはヤバイんじゃないの?MGじゃ助からないよ」




「私を誰だと思っている?『アフリカの星』にそんなへなちょこ弾が当たるか!」




「んじゃ、3、2、1……——」




「ぐっ!」











——カ チ ン














「あら?ハンナ、拳銃ってハッタリだったの」


「ハルトマン……お前のMGもか」


「いやあ〜さっきのすれ違いしてた時にいきなり気流の爆発音したでしょ」


「弾切れを隠したのか」


「そのあとハンナの弾切れに気が付いたんだけど」


「むしろハンナの拳銃はあと一発くらい有るんじゃないかって」


「無いさ。突入時に背後へ一撃見舞ったあと、側面へ撃ち切ったからな」


「それに元から誤射防止に一発は空砲なんだ」


「そっかぁ〜」





「「ま、また引き分けだよな!あっはっは!」」




——ゴゴ……ゴ




「あ、あれ?無線入れて……な、ないよね?」




「大気が怯えている?そ、そんな……」




「「……」」




「ハルトマン、先に撃ったのお、お前だよな?」




「な、何言っちゃってくれてるのかな?ハンナがトゥルーデ撃ったのがさ、最初じゃん?」




——ゴゴゴゴゴゴ……!







「じゃんけんでさ。き、決めない?」




「む、無線を先にどっちが入れるかか?」




「あ、でも良いや。ハンナ、私より先に何でもしたいんだもんね?」




「い、いや……この場合の敗けは入れた方だろう」




——ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! !




「「それじゃどうすんのsガッ——










〜THE END〜











エーリカ(起きたらなんか『Trans』してる……どうしようね〜)

マルセイユ(私に聞くな)

エーリカ(そういやよく考えたらワシかぁ……だから鳥頭の如く何回も何回も……)

マルセイユ(いい加減にしろよきっさま!)

エーリカ(ちなみにさっき誰かがシャーリーとトゥルーデを無理やり『Trans』させつつ、『フリーガーハマー』で殴り飛ばしてきたらしいよ)

マルセイユ(なんて奴だ!私たちをやった奴は懲らしめてやる!)



ミーナ「こほん」ゴゴゴ


エーマル「「!」」ビクゥ


ミーナ「——さて、貴女たちに発言権はないわ」ゴゴゴ


ミーナ「今すぐマフラーと羽毛布団に成りたく無かったら、私に処分を任せるか銃殺刑か誠意のある態度で選びなさい?」ゴゴゴ


マルセイユ(発言禁止で一体どうすれば……)


エーリカ(『アレ』をやるしかないね……)


マルセイユ(何か策が?)


エーリカ(仕方無いんだ。ハンナは私がやった結果を見てから決めて)



エーリカ「あう!」


ミーナ「どちらにするの? フ ラ ウ ?」ゴゴゴッ


エーリカ「きゃいん!」ビクッ


エーリカ(うっ!)


エーリカ「きゃううぅん〜……」パタ


エーリカ(殺られた〜……からの)


エーリカ「くぅ〜ん///」クルッフリフリ


エーリカ(服従のポーズ!)



ミーナ「あら!良いの?フラウ」キラキラ


エーリカ(う、うん……)


マルセイユ(……)ゴクリ


ミーナ「じゃあ!いっただっきまーす!」


エーリカ(地獄で逢おうぜ……)


マルセイユ(ハ、ハルトマァアアアアアアン!!?)



キャキャキャイーン!?


サーニャ「……」

エイラ「……中佐」

ゲルト(不問にするためだから良かろう。しかし……)キリッ


ピギャアアアアアア!?


シャーリー(……あの決闘の間中ずっと艦隊は何も言って来なかったな。まぁビスマルクとか扶桑艦隊はこっちの味方だけど)ブル

ゲルト(少し気になるが私たちに関係の無いことだ)キリッ

エイラ「作戦成功で良しにして忘れヨウ。この犬と鳥の叫びも……一緒に」


ギャアアアアアアン!?



〜次の日、滑走路〜


マルセイユ「じゃあな、ハルトマン……」ゲソ

エーリカ「うん……」ゲソ

マルセイユ「あと……ち、中佐、これ渡しといてくれ」

つサイン付きブロマイド

ミーナ「あら?自分で渡したら?」ニコ



マルセイユ「うぐ……プ、プライドの問題でだな。私からh「渡 さ な い の ?」ニコ

マルセイユ「ひっ!?……ハルトマン、頼む!」

エーリカ「……うん。で、こっちからは私とウルスラがこれを」

つワイン&『Trans!』マット説明書付き

マルセイユ「ありがた……いな、うん。妹にももう一回謝っといてくれ」

ミーナ「自 分 で「勘弁してください!ごめんなさい!!!」

ミーナ「謝られてもなんのことか解らないわ〜?」ニコ

マルセイユ「……お世話になりました」

ミーナ「またいつでもどーぞ!」ニコ


〜Fin……?〜



……さて長かったですけどお楽しみ頂けましたか?
〇ちゃんとフラウはいつぞやの衣装+αで着せ替えされ……

今回のネウロイはあの挟まっちまったで有名な電脳球体産です
この流れで次回は外伝、そのあとつかの間の日常を過ごして最後の戦いまでどうぞお付き合いくださいな

おまけ
http://www.youtube.com/watch?v=hzq9hIw1XEU&sns=em
ワシって鳥にそぐわず、夜目と鼻が効くらしいですね



ところで久しぶりな小ネタ企画と参りましょうか。下からお好きなのをどうぞ
�504
�使い魔座談会part2
�おまかせ
では、クイズです

【シスファk……トゥルーデお姉ちゃんは今まで何回撃墜シーンがあったでしょうか?】

単純な気絶や悶絶、ハートブレイク、昇天、感傷に浸ったことも計算に入れます(ただし妹への軽度なデレは全て除く)
ヒントは1スレ目で計10回だったということは……?
>>まででピタリ賞はもちろん、一番回数が近ければその人のお好きな番号を採用しますよ

では解答をお楽しみに!

乙!

最後の鷲の動画ワロタw

最後にこんなの見せられたらモウワラウシカナイジャナイカ!!

お姉ちゃんは今回も二回イってるから多分22回くらいじゃね?

リクエストは504で。

46インチはあかんよ!リトルデービット超えだよ!

あと小ネタのオレオォォォとか噴いたわーっ
リクエストは……3かなあ。ウワァァアアアとかが個人的には見たいけど。



こんばんは。さてさて正解は……

2スレ目は8回
3スレ目は5回

つまり【23回】でした!

ということで次回は504編を書いてきます!>>441おめでとう、感動した!


>>442
16インチ=46サンチ=46センチ≠46インチ
46インチは流石にデカ過ぎた……うん、一字の書き間違い
まあ改修したのがリベリオンだし……あり得なくも……あはは……


それでは外伝をお楽しみください



〜5月24日、ロマーニャのとある空軍基地〜


デミトリ「なんだあのJu52は?」

ジョシュア「なんでも501基地への輸送機らしいぜ。ウィッチのお偉いさんも乗ってたとか」

ベルン「ひゅ〜マジかよ?」

ジョシュア「ちょっと前に輸送コンテナ持って飛び立っちまったけど」

ベルン「ちぇ」

ジョシュア「まあ俺らがウィッチに手ぇ出したら機体へ収束コンテナ積まされんぞ……」

ベルン「懐かしいな。あの武装か……」

デミトリ「……本当だな」



イーグルアイ「では皇帝からこれが?」

つフリードリヒ4世署名入り原隊復帰要請勅書

特務兵「はい、大層お喜びでした!」

イーグルアイ「……ならば皇帝には受領と即時実行の旨を伝えてくれ」

特務兵「はっ!了解です大佐殿!」


パタン


イーグルアイ「さて、私も出るか」



〜昼、バチカン市街〜


イーグルアイ「……ふむ」

おばさん「あら、お兄さん?何かお探しかしら?」

イーグルアイ「ご婦人、ここいらに酒屋は無いか?」

おばさん「あるよー!なんでも揃えて売りまくるがモットーの兄ちゃんたちがやってる店が!」

イーグルアイ「それはどこだ!?」

おばさん「あらあら、知り合いかい?そこならこの先の左だよ!」

イーグルアイ「恩に着るっ!」ダッ

おばさん「まあ!いいオトコだったのに〜」



〜酒屋〜


店主「お前の方が基本モテるよね?嘘ついちゃダメよ?」

店員「んなことあるけど出合いのチャンスは平等だろうがああああ!?」

店主「……ガルム、アイツかじってくんね?」

番犬(Zzz……)

店員「真剣に聞けよ!サイファアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

店主「もうやだー!」

イーグルアイ(……入りづらいな)

イーグルアイ(まあ、前と変わらんならそれで良いが)



店長「だから配達すんの今日はお前だろ!」

店員「ふざけんじゃねえ!デートのお誘いが入るかもしれん!」

店長「入ったって尻軽に遊ばれてっだけだろ!」

店員「なんつったぁ!?」

番犬(ふぁ……?)ガシ

イーグルアイ「……しっ」

番犬(イーグルアイ……!?)



店長「はぁ……はぁ……ん?」チラ

店員「あん?……うっ!?」チラ

店長「さて、仕方ねぇから二人で配達行くか〜?」

店員「そ、そうだな〜ブリタニアくらいまで〜」

イーグルアイ「お前たち……」

店長「あら、お兄さん!ちょっと待っててくれませんかね〜ガルムと一緒に〜」ソッ

店員「可愛い奴ですから撫で回しといてくださいな〜」サッ



イーグルアイ「いい加減無視は止めろ」ガシィ

店長「……おっさん、何で来たんだよ。しかもどうしてウチが判ったんだ?」

店員「不思議だ……」

イーグルアイ「上見ろ、上」

番犬(……看板か)ジッ


〜『Demon Load』〜


番犬(バぁレない方がおかしいわなぁ……)

店長「……最初は『Solo Wing Pixy』の予定だったんだぜ?」

店員「でも俺が居るのバレるし判りにくい方がさ?」

イーグルアイ「どっちもバレバレだ」



店員「で、何しに来たんだおっさん」

イーグルアイ「これだ」

つフリードリヒ4世署名入り原隊復帰要請勅書

店長「フリード……うげっ!?」

店員「マジかよ……」

イーグルアイ「軍に戻れ。今までのことは不問だ」

店員「……でも「やだ」



店長「幾ら皇帝が呼んでたって行かねえよ」

店長「俺らが穹から降りたのはもう剣が敵に敵わないって解ったからだ。……剣も失っちまったしな」

イーグルアイ「お前の愛機……C型改か」

店長「無理やりDB600積んだアイツに代わるのは『フラックウルフ』ぐらいだ。な、ピクシー」

店員「ああ……俺はまた穹に上がっても、もう迷いはない。そんでもな」

店員「二人でこの店デカくしたんだ。そう簡単に止められないぜ」

イーグルアイ「……解った。ならば二枚目を見てくれ」



イーグルアイ「お前たちが酒屋を営んでいたのは調査済みだ。だから皇帝に頼んである」

店長「皇室への買い取りに……有名メーカーとの契約だって?」

店員「これなら確かにまたいつ降りてもやっていけるが……」

イーグルアイ「そして機体だが、待っていたかのように新型がロマーニャでテストをしている」


イーグルアイ「——お前たち、ジェット機には乗りたくないか?」


店員「……」

店長「……」

店長「……ねぇ?」

店員「うーん……」



店長「なら約束してくれ。このロマーニャを取り返してから先は考えたい」

イーグルアイ「うむ、ピクシーもか?」

店員「ああ、パートタイムオフィサー扱いで良いさ」

店長「出なきゃ収まりつかねぇじゃん?」

イーグルアイ「ふっ。よし、早速だが試験場まで荷物をまとめて同行しろ」

イーグルアイ「車を回してくるから逃げるなよ?」

店員「あいよ」

番犬「……」ジッ

店長「ガルムも一緒だ。な?」ナデナデ

番犬「ガウ」



〜ロマーニャ、連合軍兵器試験場滑走路〜


店長「ん〜見晴らしいいねぇ」

店員「おっさん、俺らの機体はどこだ?」

イーグルアイ「うむ、ハンガーにあるはずだ」

店長「でも……なんか良いのか?」

イーグルアイ「何がだ?」

店長「俺らみたいな脱走兵もといブランクありまくるようなのに新型預けて」

イーグルアイ「……皇帝からは許可を受けているがアイツにはまだだ」

店員「先生か?」

イーグルアイ「いや、アントンだ。言い忘れていたが今は奴が団長を勤めている」



店長「カプチェンコ?出来てんのかよあの書類嫌いの現場野郎に〜?」

イーグルアイ「……それが元でお前たちを引っ張れたんだ」

店員「なんとなく解ったかもしれん」

イーグルアイ「全体がそういう奴等だからな。解るだろ?」

店長「ド派手に活躍して魅せつけてやりゃあ良いってんなら得意分野さ!」

イーグルアイ「フッ……変わらんな。着いたぞ」



〜ハンガー〜


店長「おお……」

店員「綺麗なフォルムだ……」

つシュヴァルベ×3

イーグルアイ「『シュヴァルベ』、お前たちが見惚れるなら本物か?」

店員「判らんよ。乗ってみなくちゃな」

店長「カッコ良さは満点だぜ」

イーグルアイ「ならば出してみるとしよう。整備兵は居るか!」



整備兵「っ?大佐殿!?」

イーグルアイ「驚かせてすまんな。コイツらはこの二機のパイロット予定者だ」

整備兵「飛ばすんですか?今日は休みなんですよパトリk「アイツはどうでもいい」

イーグルアイ「むしろアイツより二人の方が……だからな」ゴニョ

整備兵「この二人があの伝説的エース!?」

店長「このは余計だぜ……」

イーグルアイ「これは口外無用だ。口外してみろ、皇帝に処罰されるぞ」

整備兵「はっ!」

店員「たぶんそこまで偉くないぞ俺ら……」



イーグルアイ「では俺は管制塔へ話を通してこよう。特徴や機能の説明を簡単にしてもらえ」

店員「んじゃ頼むよ」

整備兵「お任せを!」

店長「堅くなんな〜気にしないから」

店長「まあ何年ぶりったって基本は判るし、俺らが知らん奴をよろしくな」

整備兵「なら固有計器から紹介します」



〜滑走路〜


<<こちら『シュヴァルベ』1号機より管制塔、ご機嫌いかがかな?>>

<<感度よし、大佐から聞いている。二機とも自由に飛んでくれ>>

<<2号機了解。行くぜ、相棒!>>

<<オーケェイ!>>


<<——レッツテイクオフ!!!>>


?「ん……あれ?なんで『シュヴァルベ』飛ばしてんだよ!?」



〜上空〜


<<ふーむ、すっげぇ速い……なんか噴かしたら噴かした分だけ突っ込みやがる>>


<<ちょっとトロいけどなぁ>>


<<聞いた話じゃ急降下で最高900km/h出るらしいぜ>>


<<ふぇーやってみっか?>>


<<壊したらマズイから今度やろうぜ……>>


<<え〜つまんねーの>>


<<真面目にやれよ>>



<<でも……もう絶対穹なんて飛べないと思ってた>>


<<俺のわがままを結局お前に押し付け>>


<<お前はなにも言わない。それだけが辛かった>>


<<そうか?俺はいつかこんな日が来るかもって確信してたぜ>>


<<っ?>>


<<よく言うだろ?『戦闘機は映画、爆撃機は時代、ウィッチは未来を創るって』>>


<<逆立ちしたってパイロットはパイロット。それ以下でもそれ以上でもない>>


<<きっと両羽を失ってもお前はこの穹へ還りたくなるから……待ってたよ>>


<<サイファー……>>





<<——テメェら何処の馬の骨っすかぁあああああああああああああああああああああああああああ!?>>




<<はっ!?>>


<<なんだなんだ!?……下か!>>


<<うちのテスト機勝手に乗りやがって許さねぇ!>>


<<ペイントでコックピット撃ち抜いてやるから覚悟しやがれ!>>


<<イーグルアイ!?>>


<<すまん、ソイツを止められなかった……>>


<<ちっ……殺るしかねぇか!>>



<<イーグルアイのおっさんが連れてきたからってオレに勝てる訳ないっ!>>


<<くそっ……コイツ加速がホントに鈍いな!?>>


<<ジェットエンジンなんてそんなもんすよ!オラァ!!!>>


<<ブレイクッ!>>


<<こんなドッグファイトやるなんて聞いてないぜ!殺す気か!?>>


<<荒療治って奴じゃねーの?……さあて本気を出すとしますかねぇ!>>


<<このオレの飛び方覚えとけ!リベリオンのパイロットは不死身だぜ!>>


<<……あれ?>>


<<……なんか聴いたことある台詞>>



<<墜ちろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!>>


<<……上手いけどワンパターン、ってか知ってる機動>>


<<どうする?話してみるか?>>


<<いや、墜とそうぜ>>


<<了解>>


<<逃げんなってんでしょうがぁああああああああああああ!!!>>


<<俺狙い……任した。サイファー>>


<<あいよ、ピクシー>>


<<えっ?サイファーとピクシー……


ベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャ!!!



〜ハンガー〜


イーグルアイ「だから止めたろうに」

PJ「……すんません」

店長「やっぱりこのアホか」

店員「変わんねぇ……というかお前死んだんじゃ?」

PJ「それはこっちの台詞っす!二人が死んだと思って飲んだやけ酒の分も払ってくださいよ!」

店長「イーグルアイ、うちのワインやってくれ」

イーグルアイ「ああ。PJ、コイツらはロマーニャでこっそりワイン商をしていた……」

PJ「えっ……ぇえええええええええええええええええええええ!?」

店員「うっせえバカ!殴り倒すぞ!」

PJ「はい……」シュン



店員「結局あの後どうなったんだ?」

PJ「クロウ隊は全機墜とされて全員生還しました。んで次の日起きたらエリッヒさんが……」

店長「シュネーのか!?」

PJ「隣で寝てました」

店長「勿体ぶるんじゃねーぞ!」ガシィ

PJ「止めて下さいサイファー!オレ少佐っすよ!?」

店員「階級持ち出すなやテメェ!他人死んだことにしやがってコラァ!」

イーグルアイ「……サイファーとピクシー、もう一つ言っていなかったがお前たちは特務中佐だ」

PJ「……ぇ?」

店長「上 官 侮 辱 罪 適 用 だ な ?」

店員「さあどうしようか?」

PJ「」



〜ブリーフィングルーム〜


PJ「つーことで、オレが二人の教官やります!」ポロ

店長「おうよ」

店員「慣れてんだろ、アレに一番」

PJ「ええ、じゃあまずはコイツの成り立ちからお話ししますね」

店員「それさっさと聴かせな。機体特性がいまいち解らんから」

PJ「っとすね」



PJ「まずウィッチが使うストライカー有るじゃないですか?」

店員「有るな」

PJ「魔法力を循環させて飛んでるのがオレたちの機体を発展改良したレシプロストライカーっす」

PJ「元は同じでもストライカーの方は小型かつシールドも張れて強いのなんの」

店長「認めるよ」

PJ「で、速くて魔法力も更にアシスト出来るようなストライカーを作ってった末に出来たのが『ジェットストライカー』ですね」

PJ「ロケットの理論を弄くり回して出来たわけですけどコイツには問題が……」



店員「なんだってんだ?」

PJ「要はウィッチからの魔法力供給を一定に出来なくて長時間飛べないんです」

店長「へー」

PJ「魔導エンジンは小型ですけど高出力、ただどうしても噴出機構と折り合いが悪い」

PJ「なら魔法力ではないもので……ってなったときに一旦戦闘機へ積んで概念を実証し直したんすよ」

PJ「エンジンのサイズを大きくして問題点の発見を早くし、性能向上を図った訳です」

店員「つまり燃費が良けりゃ魔法力も食わねぇんだろ」

PJ「その通り!んでリベリオンや扶桑も協力したんで戦闘機とストライカー両面の開発が捗ってて!」

PJ「大きくして判明した問題点をダウンサイジングしながら解決してる最中なんですよ!」

店長「ふーん……なんか俺ら、サボり過ぎて時代から取り残された感じ?」



PJ「それは違いますね!むしろ逸材です!」

店員「ん?」

PJ「今のパイロット、つまりレシプロ世代は機種転換するのに時間が掛かりすぎますから」

PJ「根本で違うんです。その点、二人は誰も敵わない飛行勘が残ってるのにブランクがレシプロ慣れを無くしてます」

店長「じゃあ何か?調度いいってか?」

PJ「ええ!ただ少し注意が必要なのを教えなきゃなりません」



PJ「今日オレを墜とせた理由わかりますか?」

店長「PJだから」

店員「同じく」

PJ「はぁ……急旋回っすよ」

店員「急旋回?そういやお前、一撃離脱しかしてなかったな」

PJ「『シュヴァルベ』は急旋回に向かない機体なんで」

PJ「レシプロと違ってジェットは再加速に時間が掛かり過ぎ「あれか!」

店長「確かに離陸も空中加速もモタモタするわ、お前と殺り合おうとしたら減速するわ、酷かったぜ」

PJ「その通りですけど設計者を泣かさないで下さいよ?」



PJ「一撃離脱の理由は緩い旋回をすれば速度を殺さなくて済むからです」

店員「んじゃお前を墜としたコイツの機動はタブーなのか……」

PJ「お得意の捻り込みはほんとにヤバイ時だけにして欲しいっすね」

店長「悪い見本でごめん」

PJ「ただ緩い旋回でも相手より200km/h違えばだいぶマシじゃないですか?」

店員「まあ穹で30違えば後ろが取れるしな……わざと膨らんで相手をカーブの内側に入れちまえば」

PJ「一瞬後ろを取られても最高速で振り切り、かつ相手の旋回中には時間差で後ろへ」

PJ「この間は速度が死んでません。追い付くのチョー楽っすよ!」



店長「実質コンビで一撃離脱してたからなぁ。得意分野だよ」

店員「もう組んで六年近い……よく互いに死なんかったわ」

PJ「長かったっすね」

店長「お前はお前で俺たちより飛んでんだろ?」

PJ「いえ、実戦は撤退戦以降してません」

PJ「テストパイロットで身を固めたあと結婚したんで」

店長「は?あの娘と結婚出来たの?」

PJ「酷いっす。娘も二人居ますよ!」

店員「……マジかよ」

PJ「そんな頼りないですか……オレ」



〜5月29日、1016〜


<<——こちら連合軍総司令部>>


<<これより『オペレーション・マルス』前哨戦——>>


<<——『オペレーション・ワルキューレ』を発動する!>>


<<参加する全軍の協調による前方怪異構造物体の撃破をもち、この作戦は成功とされる>>


<<全将兵の奮戦を期待する!>>



<<ゴルト1より『騎士団』各機へ、攻略作戦の開始を確認した>>


<<こちらもロマーニャ及びアフリカへの補給船団護衛>>


<<『オペレーション・バトルアクス』を開始する>>


<<地中海の中間に『レキシントン』、『アリゾナ』、『インディアナポリス』等のリベリオン艦船が待機中だ>>


<<よって我々の任務はそこまでの護衛であり、ネウロイの反応は現在どの空域にも確認されていない>>


<<以上だ。気を抜かず、このままで飛んでくれ>>



<<シュネー1よりインディゴ1。こんな大編隊で飛ぶのいつ以来だ?>>


<<訓練でもしていない……あの日以来かもしれんな>>


<<こちらグリューン1。二人とも、感傷に浸るにゃ穹が蒼すぎるぜ〜?>>


<<ベルンハルト。そう言うお前が一番……いや>>


<<なんだってんだよ?やるか?>>


<<やらねぇよ。でもペリカンは喋るのが仕事だからな>>



<<ふん……>>


<<団長殿はどうなんだい?>>


<<ジョシュア。……どうとは?>>


<<そりゃあ、蒼と言えばあのバカしかいないじゃん>>


<<アイツが居たら。もう少しマシだったかもなって思わないのか?>>


<<思わん。だが……>>


<<はぁ……悩みの多いこって。今日はイーグルアイも居ねぇしなぁ>>


<<アレが休暇の申請だとは……書類をよく見なかった私が悪い>>



<<こちらエスパーダ。依然上空に敵機なし>>


<<あ、そういやエスパーダの嫁さんてウィッチだったんだろ?>>


<<今その話をするか?……まあ、まあな>>


<<スゲェよな。どうやったん>>


<<……>>


<<……まさか手ぇつけて>>


<<違うぞ!それはない!>>


<<彼女とは39年のヒスパニア開戦前に出会ったんだ。もう引退してた>>


<<ただの恋愛じゃんかー>>



<<結婚なんて気が合うか合わんかみたいなもんよ>>


<<おーおー子持ちペリカンは違うねー>>


<<こちらシュヴァルツェ1。ベルン、泣くな>>


<<泣いてねぇよっ!>>


<<ドミニク、なんかお前さ。最近隠し事してねぇか?>>


<<いや……そう見えるか?>>


<<んにゃ、お前は無愛想だからな。もっと昔からだったかもしんねー>>



<<暇すぎるな……輸送船団。調子はどうだ?>>


<<あと10分で艦隊と合流する。警戒を怠らんでくれ>>


<<そうか。ゴルト1より各小隊へ>>


<<散開しての偵察を頼む。インディゴ、グリューンは東西を>>


<<ウィザードが先行、シュネー、シュヴァルツェについては私たちと護衛だ>>


<<団長、俺はこのままで良いな?>>


<<エスパーダはそのまま頼む。では散開>>



<<ふぅ……ウィザード1、アレですか?>>


<<うん、よく見つけたウィザード6。アレだ、懐かしい>>


<<こちら『ヨークタウン』管制よりウィザード1。艦長がよろしく言っている>>


<<嬉しいね。また今度も国に帰るとき世話になるから頼んでくれ>>


<<『いつになるかな』。だそうだ>>


<<判らないが仕事終わったらとでも>>


<<了解>>



<<こちらグリューン4より隊長>>


<<どうした?>>


<<なんだか雲が出てきてます。嫌な感じの>>


<<む、うーん……確認しに行きたいが離れたらヤバイな>>


<<ゴルト1へ連絡。調査は一旦あとだ>>


<<了解>>



<<インディゴ1よりゴルト1、補給船団と艦隊のランデブー開始を確認した>>


<<うっし!帰るぞー!>>


<<ふむ、燃料にも限りはある。全機の任務を護衛から索敵へと移行>>


<<帰投までは訓練がてら部隊単位の飛行で頼む>>


<<グリューン1……>>


<<わあってる。団長>>


<<さっきのか?>>


<<やっぱりなんかおかしいみてぇだ。シュネー5>>


<<こちらシュネー5、『アヴェンジャー』のレーダーでは補足できてません>>


<<エスパーダより各機、確かに前の積乱雲は様子がおかしい。中層で風になびいていない箇所が見受けられる>>



<<グレーだな>>


<<突っ込んで殺られてちゃ元も子もねぇ。しかし眺めてるんでも終わらない>>


<<こちらゴルト2、藪をつつくのが一番かと>>


<<我々の武装は近接信管付き有線誘導空対空ミサイル『X—4』だ。確かに一発当てられれば……>>


<<ならシュネー5とエスパーダにアレの中心付近へ撃ち込んでもらおうぜ>>


<<エスパーダ了解。限界射程3kmまで接近する>>


<<シュネー5も了解。自分、足が遅いですからビンゴならいつも通り支援を願います>>



<<二人とも距離はそんなもんだろう。放り込め>>


<<いくぞ……エスパーダ、『X—4』ランチ!>>


<<ランチ、ランチ……最高加速するまであと5s>>


<<誘導ワイヤーが風に流されますからそろそろ最終調整と切り離しを>>


<<了解、あとは待つ>>


<<触発音響併用信管ですからね。VTと同じ感じでほっときゃ……ん?>>


<<ゴルト1へ……——敵機補足!!!>>



高く穹に立ち込めた入道雲が内から四散する


爆発音を響かせ、振動が大気を伝う


幾つもの白い弧や筋を周囲に遺し、そして——




「——!!?」




黒き巨翼を持つ怪異の姿を明白にした



<<空中要塞だ……ひよっこたちにゃ辛いかな?>>


母国カールスラントやガリアでよく見かけられた上位種


<<やってやりますよ!>>


<<仮にも『騎士団』に所属するならやってもらわねばならん>>


藍鷲は強く、慈しみを込めて言い放つ


<<団長、アイツ動揺してますし……一気に叩きましょう!>>


事実、怪異は身体を揺らしながら飛行していた


<<許可する。『騎士団』全機へ>>



<<大型は新体制になって初めての者が多いだろうが、臆することはない>>


<<——かの『鬼神』は一人でアレの撃墜をやってのけた>>


<<それでお前たちに出来ないと誰が決めた?>>


<<良いな。いつも通りで良い>>




<<『The Knights Of The Round Table』——>>




<<——Engage!!!>>





<<シュヴァルツェ交戦!狩りを楽しむ余裕はない、追い込みいくぞ!>>


P—51Dを擁するハゲタカが先陣を切る


<<動きを乱した奴から撃ち墜とされる……死にたくなければついてこい>>


啄木鳥は2つの四機編隊を組み替え


<<へっ、戦果は関係ねぇ。最後まで飛んでりゃそれで勝者だ!>>


2隊と同じく8機の魔術師がそれに続く



怪異は外装へ同時に、複数被弾していた


近接信管がすれ違い様に黒き鎧を剥がし、接触信管が直接抉る


それを放った敵は前に居るが、今は再生せねばなるまい


<<グリューン隊、包囲完了!オッケーだ!>>


<<インディゴも完了した。再生が終わる気配に留意しろ>>


<<シュネー5、どうだ?>>


<<シュネー5より全機へ、『聖杯』の形成を確認!>>


<<攻撃タイミングは<<一番暇な俺がやる!良いな!>>




<<シュネー1より各機——>>




<<——槍を放て!!!>>







——『聖杯』の名を冠するに相応しい大規模編隊は




——巨翼を数キロの範囲で覆い尽くし




——ただ一点へと




——惜しむことなく持ちうる




——全ての槍を放った







——槍は白煙と黒いケーブルを引いていく




——それはまるで怪異を穹から区切るように




「……!……——!!?」




——炸裂




——白の光亡が漆黒の怪異を包んだ







——光の奔流は怪異を非情に呑み込む




——無数の高熱と衝撃が全方位から襲い




——再生した鎧を




——その輪郭を




——そして




「——!!!??!!?




——核を焼き尽くした





<<エスパーダより破片に注意……いや、破片すら消し飛ばしちまったか>>


<<勝ったのか?>>


<<……やった!やったあ!>>


<<こちら『アリゾナ』、一体どんなマジックを使ったんだ?>>


<<10秒でデカブツが消えやがったぜ!>>


<<敵レーダーへの感なし。ゴルト1、作戦成功です!>>


<<報告ご苦労、シュネー5。では再度帰投を開始する>>


<<殿は長機に任せ、ルーキーは先を急げ。ふっ……ひよっこ卒業だな>>



<<無傷で勝っちまったな>>


<<良いことさ。経験積ませんのに>>


<<……これが続く訳ねぇよ>>


<<でも、抗うしかないんだ。ルーキーにも解る日が来るまで>>


<<責務か……>>


<<明るく行こうぜ!誰だって墜ちるまでは生きてんだ!>>


<<墜ちても生きてる奴は居るしな>>


<<なんだよ。もう墜ちる気はねぇぞ>>




<<——ぁあああああああああああああああああああああああああ!!?>>





<<どうした!?今のはロレンズか!>>


<<こちらゴルト2、ネウロイがゴルト7を撃墜……脱出は確認した!>>


<<うわっ!ファイア!ファイア!脱出!>>


<<コイツ!?どっから?>>


<<シュネー5より各小隊長へっ!恐らく先程のは『デュアルコア』だったようです!>>


<<潜んでいたにしては早く……こちらの機動がバレ過ぎてます!>>


<<んなっ!撤退戦以来だな!?>>


<<自分を殺った相手を有利に殺り返す……上等だ!>>


<<雛どもは退け!ここはベテランが引き受ける!>>



<<……ふぅ>>


<<たった数回のコンタクトで撃墜5機……大赤字だぜ?>>


<<一人も死んでないだけ良かろう。被弾がその三倍は居たがな>>


<<どーすんの?団長>>


<<ベルン……むう>>


「……」


<<奴さん、ありゃ様子見かい?>>


<<『スペア』は基本バカじゃねえからな……>>


<<でもなんか平べったい複葉機だろ>>


<<ネウロイなりに考えたんだ。言ってやるな>>


<<……>>



<<今、やっと解った>>


<<……ん?>>


<<死に損ねたんだ……あの5年前の穹で>>


<<……アントン>>


<<あの記者に問われてからずっと考えていた>>


<<何故、私はこの『騎士団』を先生から引き継いだのか>>


<<我々の責務は何なのか>>


<<……確かに新たな世代を育て上げたのかもしれない>>


<<しかし……>>



<<結局はまた護れずに……墜とさせてしまった>>


<<何度も何度も乗り越えた筈だった>>


<<この穹に……我々の居場所は在るのか>>


<<問いは尽きない。答えるのは自分である筈なのに、な>>


<<……素直に言えば良いんだぜ。団長>>


<<付き合えって。この眼の前の奴を殺るためだけに>>


<<誰も反対はしない。断りもしない>>


<<何故かって?それは俺たちが『円卓の騎士』だからさ>>


<<ここまで来て終わりにするなら……それもまた良い>>



<<……>>


<<ふっ……>>


<<ならば団長命令だ>>


<<前方の複葉機型ネウロイを撃墜する>>


<<敵わんかもしれんがお前たちの命をくれ>>


<<ここで命を散らし、なにもかも『ゼロ』に戻してでも……次の世代に全てを託そう>>




<<——これより『王の墓』を組む>>




<<——最後の穹だ>>




<<——全<<『アヴァロン』の扉はそんなんじゃ開きませんよ!!!>>





<<聴いてればなんですか!腑抜けになっちまったんすか!?>>


<<そりゃ死んでく奴も居ます……今この瞬間だって血は流れてるんです!>>


<<でも次の世代に託すってアンタらが死んでどうこうなるもんなんすか!?>>


<<支えのない若木は枯れるだけです!自分たちを見くびってんじゃねぇ!!!>>


<<お前……何故>>


<<アントン、お前の悩みはディトリッヒも同じく抱えていた>>


<<誰かが責務を背負う。だがな>>


<<絶対に雛が死ぬことから眼は逸らさなかった。今までのお前のように>>


<<終わらせるのは……『ゼロ』に戻すのは今じゃない>>



<<PJ……イーグルアイ……>>


<<少しは死ぬ気ってもんが湧いたぜ>>


<<希望の中で刺し違える……ふん、騎士道を貫くか>>


<<んじゃ次会うときはヴァルハラでどんちゃん騒ぎと行こうか>>


<<死んだアイツらも居るのかね>>


<<イーグルアイ……まさか>>




<<——ドミニク、お前の隠し事もこれまでだ>>




<……ふっ、やっとか>>




<<——こちらPJ、チキン野郎共には刺激が必要みたいですよ!!!>>







<<Yo,『The Knights Of The Round Table』 ——>>




<<—— Still alive ?>>




<<っ!?>>




<<まっさか『円卓の鳥』ってのがターキーに成り下がってたなんて……クリスマスには早すぎんぜ>>



<<え……いや……>>




<<それに『王の墓』か、まだ俺らは死んですらいない。サボりはしたけどな>>




<<この減らず口……っ>>




<<蘇っ……た?>>




<<お前ら……なんだよな?あの日の……>>







<<ふふっ……ははははははっ!!!>>




<<——良いだろう!『鬼神』と『妖精』が蘇ったなら……>>




<<それに相応しい舞台と言うものが在るッ!!!>>




<<全機へ!フォーメーションコード——『B7R』!!!>>




<<我々の腕が鈍っていないならば……彼らの好きな『円卓』でケリをつけるぞ!!!>>




<<さあ、5年振りの『円卓』へ上がって……高らかに叫ぶが良い!>>




<<この穹を護る——お前たちの名を!!!>>











































<<<<——ガルム隊ッッ……インゲェエエエエエエええええええええええええええええええええええええええええええええイジッ!!!>>>>













































http://m.youtube.com/watch?guid=ON&gl=JP&hl=ja&client=mv-google&v=5MK8Diosik8








<<さあスポットライトの中に突っ込むぜ!>>


「!!?」


夜渡り烏は突然に現れた蒼の機体を熱線で迎撃しようとするが


<<サイファー!テメェ今まで何してやがったぁ!?>>


梟はその隙を突いて背面を薙ぎ払う


<<ワイン販売業>>


旋回した怪異の軌道へ負けじと高速で回り込んだ鬼神の銃弾が撃ち込まれていく


<<な、なんだとぉおおお!?ポーカー勝ち逃げするわ、死んだフリして自営業するわお前なんなんだよ!?>>


<<ん〜……元脱走兵?今は特務中佐?>>



「!……!?!?」


堪らず回避を行うも包囲は破れない


<<ラリー、まるで英雄だな。あんなアントンを久しぶりに見た>>


真紅に染まった片羽は左旋回に併せて加速し続ける


<<いんや、違うね。ほんとなら歴史に埋もれちまいたかった>>


それを追う怪異を藍鷲が待ち受け、被弾させていく


<<革命は誰かが犠牲になるものさ。お前もサイファーも>>


「!?……!!?」



<<境界線ってのも理解出来たんだな?>>


魔術師は怪異の眼前を縦に横切り、一瞬竦ませた


「!?」


<<勿論さ。ボーダーは可能性を潰す……人の迷いなんだ>>


軌道が膨らみ、退路から弾かれた怪異は四方よりの銃弾に晒され続ける


「!!?」


<<やる〜!それを撃ち破れたお前はもっと強くなったみたいだな!>>



<<そういうこった。だけど俺たちはこのロマーニャもカールスラントも取り戻す>>


継ぎ目もなく、追い立てる役割を入れ替わる


「??!!!?」


<<お前らしい。それでこそこのシュネーやシュヴァルツェとタイを張れてんだ>>


ペリカンの機動と鬼神の機動が互いの隙を埋める


「……!?……?」


<<今日は馬鹿に正直だな。オイ?>>


<<認めてるんだよ。みんなお前たちを、さ>>



<<アントン、死ぬなんて言わないもんだろう?>>


夜渡り烏は操られ、もはや空域に囚われていた


<<ああ、だがお前は何故……>>


急な垂直上昇に啄木鳥のFw190は追随出来ないが


<<色々あった。で、今は済ましてくれや>>


「!!??????」


燕の名を持つ片羽の機体は余裕をもってそれを阻止する


<<それも……お前たちの悪い癖だな>>



<<サイファー、お前とピクシーの墜落を確認したのは俺だ>>


追撃を加え、その機動を制限していくハゲタカ


<<んで、足跡とか黙ってたのも。ロマーニャでワイン屋をやってたのもな>>


<<あんがと。……じゃあなんでおっさんが来るんだよ?>>


その追撃の弾幕と共に鬼神が身を乗り出す


<<……記者の嬢ちゃんのせいだな>>


「!?!?!?……!!!?」


砕け散る黒い破片は風に溶けていく





——いつの間にか




——穹には白く大きな円が出来ていた




<<……さぁて、もう帰りの分しか燃料無い>>


<<俺たちはここまでだ>>


<<ラリー、見せて貰おう>>


<<5年でお前らの方がバカになってないかを、な>>


<<新品のオモチャ壊すなよ?>>


<<——任せるぞ>>






http://www.youtube.com/watch?v=Y0W-nJpZnEo&sns=em








<<こちらPJ、いけますよっ!可能な限り援護します!>>


三機の番犬は、満身創痍と成りながらもひたすらに飛び続ける夜渡り烏を追い詰める


<<追いつけらぁ!ピクシーも援護頼む!>>


先の連携により、推進力はこちらと同等まで落ちた


<<良いぜっ……さあ加速しろ!『シュヴァルベ』!!!>>


四機は直線を描き、その差は詰まっていく



「!……??!」


放たれる弾丸は容赦なく複葉を貫き、圧倒的な機動性を物理的に喰らう


<<へへっ!フラフラだ!お前ら二人とも機銃の腕はそのままだな?>>


<<サイファー、良いっすか!チャンスは一回です!>>


<<ああ、仕留めてやる……>>


<<いけっ!復活の遠吠えってのを……——この穹に響かせてやれ!!!>>





——なあ、ネウロイ




——知ってるか?




——受け売りだけど、この穹のエースってのは3つに分けられる




——強さを求める奴




——プライドに生きる奴




——戦況の読める奴




——この3つだ




——でも分けられない根本だってある




——それはな







「誰もが穹に生きて死んでく——」




「——お前たちだけじゃなくて」




「穹とも戦ってる」




「穹と解り合おうとしてる」




「この穹に居るのはな——」








「——そんな糞な大馬鹿野郎しか居ねぇえええええええええええええええええええええええんだよォおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」











——いつか穹に響かせたような叫び




——呼応した蒼の羽から放たれる




——幾つもの『暴風』




——それは彼の真っ直ぐな意思を体現するように




——夜渡り烏を目指す




——迷いのない




——強い意思を現すように





(……む)


「起きたか、ガルム」


(……)


「アイツらは生き残ったよ」


(——遠吠えが……聴こえた)


「狙ったネウロイを必ず墜とすのは変わらんな」


(……)


「さて、ハンガーでお出迎えだ。お前も来い」


(……ああ)




STRIKE ACES〜蘇りし鬼神の凱歌〜




〜続く〜





お疲れさまでした。大盛ですがあしからず

X—4はフォッケウルフにもテストのため積まれてたそうで、それならみんなに使わせようかと
この世界なのでフリーガーハマーの広範囲炸裂弾頭を積んでます(一度に80発はオーバーキルだったような……)

さて二段階変形
http://mup.vip2ch.com/dl?f=34199
http://mup.vip2ch.com/dl?f=34200
スピリダスさん先に出しちゃったので代役
あと3のサントラがあると夜渡り烏を操縦できるのは秘密

ではまたお付き合いを


乙!

わりと適当に答えたらニアピンだったでこざる。

今回は清々しい程に素晴らしいスレタイ詐欺だったな(笑)

って言うかどの機体使ってるか分からない隊がほとんどだったから何に乗ってるのか教えて欲しかった所だ。

後シュネー5は魚雷の代わりにレーダーポッドぶら下げてるという事でOK?



ええと、私情なのですが壊れかけていた携帯をスマホへ変えました

ところが前の携帯の書きためを移動できないのと操作があやふやなので今しばらくは投下ができません

SDカードを駆使してパソコンから何とかしますので、数日お待ちください


>>524
シュネー、ウィザード→F6F−5
シュヴァルツェ→P−51D
インディゴ、グリューン→Bf−109F
ゴルト→Fw190A−8

シュネー5→TBF/M−W(早期警戒)
エスパーダ→MC.205(高高度哨戒)

ブリタニアやリベリオンで機体を作ればパーツは統一できるかと
あとBf系列の問題点は解消されてないので……それはいつかの冒頭に

はい、では投下を

昨日はマルチナの誕生日でしたね
思いもよらず長くなったのでとりあえずは前編の投下となりますがお付き合いください



〜504基地〜




ルチアナ「え〜皆さん、こんにちは。ルチアナ・マッツェイです」

ルチアナ「ここはローマ守衛の任務中な504、『アルダーウィッチーズ』」

ルチアナ「……のはずだったんですが」チラ

フェル「ひゃあん」

マルチナ「わん?」



フェル「くぎるるる!?」プチン

マルチナ「がう!」

ルチアナ「……はい、止めましょうね」プラン

フェル「ひゅあぁん!」ジタバタ

マルチナ「がうー!」バタバタ

ルチアナ「……はぁ」

ルチアナ「なんでこんなことになっちゃったんだろ」



〜おととい〜


フェデリカ「って訳で私、パティのお見舞いにブリタニアまで行くわ!」

ドミニカ「いきなり唐突だ」

マルチナ「良いなー!僕も行きたい〜!」

フェル「ダメよ!私たち居なかったらヤバイでしょ!」

ルチアナ「フェル隊長……珍しくまともなこと言いましたね」

フェル「あっら、失礼ね!」

フェデリカ「あはは、寂しいのはわかるけど三日で帰ってくるから!」



フェデリカ「それでちょっと真剣な話なんだけどねー」

フェデリカ「私だけじゃなく、竹井も基地を留守にするのよ」

ジェーン「会議への出席ですよね」

醇子「ええ、守衛任務には付き物だから」

フェデリカ「そーそー。対外交渉任せたらなんとかなるから隊長代理で!」

マルチナ「本人目の前にしてなんとかなるって責任全部投げ!」キラキラ

フェル「そこに痺れる憧れる〜!」キラキラ

ルチアナ「ああはなって欲しくないような」



アンジー「戦闘配置は?私とドミニカ大尉は体調的に……」

フェデリカ「貴女はリハビリ含めて輸送機の護衛に私と来るの。飛ぶのガリアまでの短距離だから〜」

アンジー「えっ」

マルチナ「ずっこい〜」

アンジー「仕方ないだろう……」

フェデリカ「そして大将は管制やりなさい」

ドミニカ「リハビリなら二人とも行った方が良くな……っ」チラ

ジェーン「うぅ……」ウルウル

フェデリカ「ねー?」



フェデリカ「カールスラント国境配達の天姫と錦も二、三日で帰ってくるし!」

フェデリカ「三人とジェーンが居れば三日くらい問題ないわ!」

マルチナ「おー!」

フェル「やったろうじゃないのー!」

ルチアナ「501への増援要請は?」

フェデリカ「どんどんしちゃって良いわよ〜!まあ今は問題ないって連絡してあるけどねー」

醇子「あっ、いつか501にもこの前の挨拶に行かなきゃ」チラ

フェル「いっ!」ギク

マルチナ「うっ!」ギク

ルチアナ「えっ……ってあの、ごめんなさい」



〜夜、レクリエーションルーム〜


ドミニカ「ちっ」

フェル「ええっ!私なんかした!?」

ドミニカ「済まん、アルコール分が足りなくて」

フェル「あ〜……」

マルチナ「ジェーンと一緒にパブでも行けば〜?」

フェル「そうよ〜熱く盛り上がって来たら〜?」

ドミニカ「くっ……いや、持ち堪えてみせるさ」



ジェーン「そうです!確かに酔った大将は好きですけどシラフな大将はもっと好きです!」

ジェーン「そんでもって抗いながら暴走しちゃう大将も……///」

ドミニカ「——C’moooooooon!」ガタッ

ジェーン「きゃああ///」

フェル「ま〜あた手の早いこと早いこと。ありゃベッド行きかしら」

マルチナ「ねー」



ルチアナ「二人とも」トコトコ

フェル「なにかしら?」

ルチアナ「いい加減寝ましょうよ。明日は早いですし」

マルチナ「えー」

フェル「今は私たちに与えられた自由時間じゃな〜い!」

ルチアナ「はぁ……そう言っていつもここで寝ちゃうの誰ですか?」

ルチアナ「実はその髪型はここでの寝癖なんじゃないかって去年みんなで大騒ぎしたの忘れましたか?」

フェル「お、オーケーオーケー。寝ましょう!」

マルチナ「えー」



〜マルチナの部屋〜


マルチナ「なんだよー寝れるわけ無いじゃんかー」

「はぁあっ……ん……」

「ふふっ……」

マルチナ「……いや、ほんと僕、今月の部屋割りのくじ運悪かった」

「おっと」

「ひゃっ!?ふぁああああああああああああああああああああああん///」

マルチナ「だー!///」



ガラン!


マルチナ「すーはーすーはー」

マルチナ「ダメだ。うん、窓際で寝よう!」

マルチナ「きっとアンジーとか早く寝る人は気になんないんだよね!もうっ!」

マルチナ「はぁあ〜」

マルチナ「ん……お月さま真っ赤だ……」

マルチナ「……」

マルチナ「Zzz」



〜朝、レクリエーションルーム〜


ルチアナ「……」

ボロニーズ?「……」

フェル「よーしよしよしよしよしよし!」ナデナデ

ボロニーズ?「がう!がう!」ピョン

フェル「おおーう!」

ジェーン「可愛いなぁ」



ドミニカ「……なんだコイツは」

ルチアナ「マルチナの部屋に居たんですけど」

ジェーン「えっ?」

ボロニーズ?「わん!がう!」

フェル「ん〜?それで」

ボロニーズ?「がう!わんわん!」

フェル「あら、ほんと!?」

ボロニーズ?「くぅーん」

フェル「大変だったわねー……」ナデナデ



ジェーン「フェル中尉、犬語が解るんですか?」

フェル「へ?なにそれ?」

ドミニカ「相づち打てば良いってもんじゃないぞ……」

ボロニーズ?「がるるるるる……」

フェル「だって仲良くしたいじゃなーい!」

ルチアナ「隊長……この子はマルチナの部屋に居たわけですよ?」

フェル「それってつまり迷い込んだ野良犬でしょ?」

ボロニーズ?「がう!?」キッ

ルチアナ「良いよ、マルチナ。噛みついて」



ドミニカ「あれはマルチナだ。確かに」

フェル「どーいうことよー!?」

マルチナ「ぐるがぁああう!」

ジェーン「じゃあなんでわんちゃんに?」

ルチアナ「昨日は寝るのぐずってたけど……」

ドミニカ「ん〜……ダメだ。血中アルコールが足りないから考えつかん」

ルチアナ「とりあえずフェデリカ少佐に連絡します」



〜管制室〜


<<あっははは!面白い冗談ね!>>


ルチアナ「至って真面目ですが」


<<むー、そんなこと言わなくても良くなーい?>>


ルチアナ「別に隊長を怒ってるわけじゃないんですよ」


<<で、状況をちゃんと話して?>>



<<つまりーティナは寝ないで夜更かししてたらわんこになってたの?>>


ルチアナ「お、恐らく」


<<あの子……動物もどきだったのかしら>>


<<いや、まさかポリジューs「隊長、今ブリタニアだからってそれ以上は不味いです」


<<ケチ!私だってプライズ・ノートン基地でお酒ご馳走になってるばっかじゃないのよ!>>


ルチアナ「……」ガチャ



フェデリカ「あーもー!切られちゃった……」

アンジー「ふざけすぎで飲みすぎです」

フェデリカ「貴女もそう言うの……?」グス

アンジー「泣き落としは効きません」

フェデリカ「リベリオン軍のブリタニア支店よ、ここ!お誘いに乗らない方がフィゴーナじゃないわ!」キリッ

アンジー「かっこよくしてもダメです」



ルチアナ「……」

フェル「あー……まー……ねぇ?」

マルチナ「わぅー」シュン

ルチアナ「どうしよう……」

ドミニカ「一応連絡はしたんだ。あとは竹井か配達組が帰ってくるのを待てばいい」

ジェーン「治す方も東洋の神秘な扶桑が居れば!」

フェル「そーよ!むしろマルチナを弄って過ごすべきだわ!」

マルチナ「わん!?」ダッ



ドミニカ「お、逃げたぞ」

マルチナ「がう!」フン

フェル「あーっ!今アンタなんか失礼なこと言ったでしょ!」

マルチナ「わぅう!」スタタ

フェル「逃がさな……はぐっ!?」


ガ ッ !


マルチナ「ふふん!」タタッ

フェル「マルチナァアアアアアアアアアアア!!?」ダクダク



〜廊下〜


マルチナ「ふっふーん!」

フェル「この黄色毛玉がぁああああああああああああああああ」

マルチナ「うーっ!」トン

フェル「きゃっ!?」ガシャン


つ る ん ☆


ドミニカ「どんがらがっしゃーん」



フェル「ぐぬぬぬ……まだよ!まだだわ!」

マルチナ「ふー……ふー……」ハッハッ

フェル「疲れたみたいね?」

フェル「さ〜あもう観念しなさい!大人しく私の飼い犬になるのよー!!!」ダッ

マルチナ「わん」ピョン

フェル「右?」

マルチナ「わん!」ピョン

フェル「読めたわ!次も右ね!」クルッ

マルチナ「わぅ!?」


ご ち ー ん♪


フェル「っ……つ〜!?」ジーン



ジェーン「お昼ですよー?」

マルチナ「くぅん!」

フェル「あ、はーい!……一時休戦よ!」

マルチナ「わん!」

フェル「昼こそアンタを撫で回してやるんだから!」

マルチナ「ふっうーん?」



〜レクリエーションルーム〜


フェル「うっぷ……食べ過ぎたわね」

マルチナ「けぷ」

マルチナ「わぁあう」

フェル「良いわ……昼寝しなきゃやってらんないもの」ゴロン

マルチナ「……」ジッ

フェル「大丈夫よ。ほら」ポンポン

マルチナ「……」



ルチアナ「あら?二人とも……」

フェル「くかー」

マルチナ「ぐー」

ルチアナ「結局は仲良いんだから」

ルチアナ「……」

ルチアナ「そうだ」ポン

つメジャー



フェル「んー……ん?」グニ

マルチナ「ふぎゃう!?」

フェル「あ、ごっめーん」

マルチナ「がう!がうがうー!!!」カプ

フェル「きゃあ!ちょっと噛まないで!」

マルチナ「がう!」

フェル「今度は私が追われるのー!?」ダダッ



フェル「やーめーてー!?」

マルチナ「がうがう!」

フェル「悪かったわよ!朝から確かに酷いことしたわ!」

フェル「でもマルチナのこと気にしてたから!」

フェル「心配だったの!」

マルチナ「ぅ……」

フェル「悪気なんて無かったのよ……」

フェル「ね、だから……」




フェル「お い で ★」ニヤ




マルチナ「きゃいん!?」スタタタ



フェル「なんで今の流れで逃げるのよ〜!」

マルチナ「ががるぅ〜!」

フェル「感動的に抱き締めあって仲直りでいいじゃない!」

マルチナ「う!?」キキッ

フェル「あら〜壁際ね〜?降参したら〜?」

マルチナ「……!」チラ

マルチナ「がるぅ!」ドンッ

フェル「壁に体当たり?あっ!?」


ガ ン ッ


ク ル ッ ポ ー



フェル「ぐ……アンタ人間のと……きより強いわ……ね」ガク

マルチナ「ふー」ペタン

ジェーン「K.O.……ですか?」

ドミニカ「机、バケツ、柱……最後は壁掛け時計だからな。T.K.O.だ」

ルチアナ「おいで、マルチナ」

マルチナ「くぅん」ピョン

ルチアナ「きっと早く治るから、ね」

マルチナ「わん」



ドミニカ「これだとネウロイに来られれば三人しか居ないことになるな……」

ルチアナ「……」

ドミニカ「ふーむ……良いや。ジェーン、パブ行くぞ!」

ジェーン「はいっ!」

ルチアナ「……一体今の思考回路は?」

ドミニカ「酒、飲む、私、戦える」

ルチアナ「……了解です。いってらっしゃい」



マルチナ「わん!」

ルチアナ「あ、隊長……部屋に寝かしとこうか」

フェル「……」ピクピク

マルチナ「うぅ〜」ベー

ルチアナ「こーら。隊長と遊んで楽しかった?」

マルチナ「くぅん!」

ルチアナ「そっか。たまには変わってて面白いもんね」



〜深夜、フェルの部屋〜


フェル「……」

フェル「も、モンテスキュー!?」ガバッ

フェル「はぁ……はぁ……スッゴい夢見た」

フェル「ええと、ここ私の部屋」

フェル「してやられたわ……それに……」グー

フェル「お腹減った。ルチアナなら残してくれてるわよね!」



フェル「ろんり〜ちゃーぷりーん♪」

フェル「はむはむ」

フェル「今気がついたけど二日続けて月紅いの?」

フェル「なんなのかしら……」

フェル「はむはむ」

フェル「ふぁ……ねむ」

フェル「ごちそうさま〜……」



〜またまた次の日、ルチアナの部屋〜


ルチアナ「こんな感じかな」

ルチアナ「ふぅ、完成して良かった」

マルチナ「Zzz」

ルチアナ「結局、独りにしておけなくて一緒に寝たけど」

ルチアナ「やっぱりこの娘はこの娘だよね」ナデナデ



マルチナ「……?」


ルチアナ「あ、起こしちゃった……。けど良いや」


マルチナ「わん」


ルチアナ「おはよう」


ルチアナ「あのねティナ」


マルチナ「ふ〜んぅ」


ルチアナ「犬になってても……貴女は貴女だから」スッ


マルチナ「う?……くぅん///」ウル


つ赤ズボン隊ジャケット犬ver.


マルチナ「くぅん!」クルクル


ルチアナ「うん、ぴったr「ふっひゃああああああああああああああん!!?」


マルチナ「わんっ!?」ビクゥ



ルチアナ「……」

マーモット?「……」

マルチナ「……」

ルチアナ「えーと、原因はなんでしょうね?隊長」

フェル「ひゃう……」

マルチナ「わぁん」

フェル「……うぅ」

ルチアナ「はぁ……なんかもう……」



マルチナ(ムードぶち壊し)

フェル(いやー、ね。ご飯食べて寝たらこんなんなって)

マルチナ(深夜は太るよー)

フェル(動いたから大丈夫よ!……たぶん)

マルチナ(でもフェル隊長までか……ところで今はビーバー?)

フェル(あっら貴女、マーモットよ!)

マルチナ(そっかぁ)

フェル(マーモット可愛いじゃない!マーモット!)

マルチナ(えー!やっぱりボロニーズだよー!)



フェル(ってよく見たらなんかジャケット着てるけどナニソレ!?)

マルチナ(ルチアナが作ってくれたんだ〜!)

フェル(ズルいわ!とてつもなくズルい!)

マルチナ(いいでしょー!)

フェル(ぐぬぬぬ)

ルチアナ「二人の仕草って変わりませんね。フェル隊長も要りますか?」

フェル(ほんと!?)

ルチアナ「生地余ってますし、いいですよ」

フェル(いぃっやったあ!)



ルチアナ「まず採寸してですね〜」グル

フェル(あら、あの二人は?)

マルチナ(飲みに行っちゃったよ)

フェル(え゛……それってアンタつまり)

マルチナ(あ……ここの守り……ルチアナ一人だ……)

フェル(ど、どどどーすんの!?)

マルチナ(知らないよ!僕に聞かないで!)

ルチアナ「隊長、動くと首絞まりますよ?」

フェル「ふぎゅ!?」



ルチアナ「♪」

フェル(どーすんの)

マルチナ(うーん)

フェル(私、思うのよ……これ移ってない?)

マルチナ(へ?)

フェル(なーんかアンタを追っかけ回したり寝てたらなったのよねー)

マルチナ(そんなこと言ったら、夜一緒に寝てたルチアナには移って無いじゃん!)

フェル(うっ……こ、個人差よ個人差!)

マルチナ(えー!医学部ならちゃんと調査してよー!)



フェル(良いわよ!やったろうじゃない!)

フェル(どれどれ)サワ

マルチナ(ひゃ!?何処触ってんのさ!)

フェル(ん、お腹を……あれ?)プルン

マルチナ(犬はお腹におっぱいあるの〜!!!)

フェル(そっかぁ)

マルチナ(そっかじゃないよー!自分もでしょ!?)



フェル(でもやっぱりアンタ毛並み良いわ〜)フワフワ

マルチナ(褒めてもダメー!)

フェル(もー!いいーじゃない!)

マルチナ(流石の僕も怒ったよ!がるるる!)ガブ

フェル(またぁ!?)

ルチアナ「ん?どうしたの?」

マルチナ「がるるるっ!」ダダダ

フェル「ひゃああん!?」ダダダ

ルチアナ「……行っちゃった?」



〜ハンガー〜


フェル(来ないでー!)

マルチナ(待たないよ!……案外隊長走るの早くない?)

フェル(マーモットはすばしっこいのよ〜!)

マルチナ(なにそれー!ずんぐりむっくりなのに〜!)

フェル(牙で負けてるからこれくらいは……いっ!?)キキッ

マルチナ(止まんないで!?)


ドテンゴチャドサドサッ



「ん?誰か居るか?」

「あ」

「オイルの空き缶タワーが崩れたんだな。……ロマーニャの芸術は解らん」

「いえ、そうではなく。少佐、これ足じゃないです?」

「……」



ガラガラガラッ


フェル(ううっ……死ぬかと思った)

マルチナ(痛たぁ……)

エーリカ?「やっぱり」

マルチナ(お、ハルトマン中尉?)

フェル(この人眼鏡かけてたかしら?)

もっさん「ふぅ……ウルスラ、居たか?」ドサドサ

フェル(あら少(ちょっと待って!)



マルチナ(今、ルチアナ独りってバレたらヤバくない?)

フェル(……正直)

マルチナ(それにフェデリカ隊長とかドミジェンとか居ないのどう説明すんのさ!?)

フェル(まさか……責任問題に発展するの?)

マルチナ(隊の……解散……)

フェルチナ((……))

フェル(なら!)ニヤ

マルチナ(?)



ウルスラ「少佐、この子たちは」

もっさん「む、『赤「ひゃあぅん!」ブンブン

もっさん「……違うのか?」

マルチナ「があうー!」ブンブン

もっさん「……」

もっさん(ならお前はなぜそのジャケットを着こなしている?)



マルチナ「あおおん。わん」

もっさん「『僕たちはマルチナちゃんとフェルフェルさんの使い魔だワン』」

フェル「ふぅひぃあん」

もっさん「『遊びでちょっとお痛が過ぎてしまったのー☆』」

マルチナ「わんわん!きゅーん///」スリスリ

フェル「ひゅあぁ〜ん///」スリスリ



もっさん「『さっきは助けてくれてありがとう!お礼にもっふもふにしてあげる!』」

ウルスラ「あっ!?この状態で接触はダメなんですよ!」

フェル「ひゅう〜?」

もっさん「おほん……隠さなくていい。お前たちだろう?」

マルチナ「……」ギク

フェル「……」ギク



マルチナ(無理だって!使い魔のフリなんてさ!)

フェル(いや……案外上手く……ダメだったわね。ごめん)

もっさん「エイラたちを見ていたらなんとなく訳せるようになったな!はっはっは!」

マルチナ(へ?少佐今なんて?)

もっさん「安心しろ、何も私たちは内部視察へ赴いた訳じゃないんだ。演技までさせてすまん」





フェルチナ((ならわざわざ訳さないでよ恥ずかしいいいいいいいいイイイイイイイイイイイイ!!!?))




〜応接間〜


ルチアナ「坂本少佐に……そちらはハルトマン中尉?」

ウルスラ「ええ、ウルスラ・ハルトマンです。妹の」

もっさん「内々に済まそうと思って501も色々やったんだが、既に四人発症してな」

ルチアナ「病気……ですよね。これ」

マルチナ(ほらー!最初僕らを判った時点でそうだと思ったんだ!)

フェル(でもあの501が四人退場ってヤバくない?)

マルチナ(支援なんて頼めないね)

フェル(はぁ……ツイてないわぁ)



もっさん「うちは最初、夜間哨戒でエイラがダウンし」

もっさん「原因がわからず次の日にはハルトマンとペリーヌ」

もっさん「今はシャーリーにまで伝染してな」

ウルスラ「こちらの様子はどうなのか確認しようと立ち寄ったのですが」

ルチアナ「これ移るんだ……わざわざ済みません」

ウルスラ「いえ、ではまずお二人の経過をお聞きしたいです」



ルチアナ「……えーっとですね」

フェル(結局アンタが私に移してんじゃない!?)スク

もっさん「大丈夫だ。うちもだから気にするな」

マルチナ(付きまとってきたのはそっちだよ!)

ルチアナ「簡潔にするとマルチナが夜更かししててなったあと、隊長が過剰接触してました」

ウルスラ「そうですか。欧州出身という以外は特に基地の位置など地域性の関連は無いんですね」



ルチアナ「無いんじゃないでしょうか」

ルチアナ「運悪く竹井大尉がまだ戦略会議に出頭していてこうなってしまったんですけど」

マルチナ(眼はダメだって!ちょっと!)

ルチアナ「隊長……こっちはフェデリカ少佐の事ですが501に任せている以上ウチはどうなっていても大丈夫だと言って」

フェル(じゃあ先に抓んのやめなさい!)

ルチアナ「……隠していたというかなんというか済みません」

もっさん「やはり国柄、能天気だな……なら何人戦力が残っている?」

ルチアナ「竹井大尉が帰ってくれば私と錦少尉に天姫少尉……あとはジェーン大尉ですね」



もっさん「醇子が居ればなんとかはなるな。では心配しなくて済みそうだ」

ウルスラ「なら現段階での情報を提供して貰えますか?動物化への対処法についてもある程度こちらからお教え出来るので」

ルチアナ「はい、喜んで。……隊長とマルチナはもうそれぐらいにしたら?」

マルチナ(脱出!反撃だこんにゃろー!)ガブ

フェル(だから噛むのは反則よー!)バシッ



〜ハンガー〜


もっさん「まあ本人たちへ害は無い。……戦力低下は痛すぎるが」

もっさん「醇子に帰ってきたら、連絡するよう言ってくれ」

ルチアナ「はい」

ウルスラ「早急に解決できるように私も努力しますので」

マルチナ「うぅーん」ペコ

フェル「ひゅーん」ペコ

もっさん「『お願いし(そこまではいらないわよ!?)

もっさん「はっはっは。じゃあまたな」


ブロロロロロロ……



ルチアナ「そうだ」パサ

フェル「?」

つ赤ズボン隊ジャケットマーモットver.

フェル「ひゅうるるん///」

ルチアナ「よかった。何かと証明になりそうだから」

マルチナ「わおん!」

フェル「ひゅうう」

ルチアナ「おそろいおそろい♪」





——キキキキキキキィイイイイイイイイイイイイ……ドガッシャアアアアアアアアン!!!




フェル(ああっ!少佐が作ってった『空き缶大和1/120』が!?)

ドミニカ「く……カーアクションは苦手なんだがな」ガラガラ

ルチアナ「どうしたんですか!?」

ドミニカ「実は「あわわわうぅん!!?」

ドミニカ「……」



〜朝、パブのフロア〜


ドミニカ「ふにゃ?よし、血が燃えてるな」キリッ

看板娘「ドミニカさん、ジェーンさん倒れちゃったから上に運んどいたけど」

ドミニカ「おお、気が利くじゃん」

看板娘「奥さん倒れてんのに飲みまくってたのはいただけないわねー」

ドミニカ「そこに寝かしておいても良かったのに」

看板娘「いきなり盛られても、さぁ」

ドミニカ「……様子見てくる」



〜二階〜


ドミニカ「ジェーン?」

ドミニカ「?」

つしっぽ

ドミニカ「見えてるぞ〜可愛いやつめ」

「うぅ……」

ドミニカ「ああ〜済まんかったな。吐きそうか?」



「あうぅ……」

ドミニカ「ほれほれ。シーツ被ってちゃ判らないだろうが」バサッ

「きゃいん!?」

ドミニカ「え」

ダルメシアン?「ふぅ〜ん……」

ドミニカ「わお」



ドミニカ「なんだお前、私が犬嫌いとでも思ったのか」

ジェーン「うぅうん」

ドミニカ「違う?」

ジェーン「あうぅん〜……」モジモジ

ドミニカ「あのな、ジェーン」




ドミニカ「——愛してる」




〜フロア〜


看板娘「いやー飲みすぎの範疇超えてるわ」

看板娘「お得意さんだけど中毒にならないのかしら」

看板娘「……」

看板娘「『ウィッチに不可能は無い』……なぁーんて」キリッ

店員「……お、おう」

看板娘「うわあああああああああああああ!?」

看板娘「ら、ラリーさん!?何でこんなとこに!!?」

店員「うちのグータラ店長が注文届けに行けって」

看板娘「そっかぁ」



店員「んでよ、アン。お前のパパン知らんか?」

看板娘「奥にいるわ」

店員「はい、どうも」

看板娘「秘密よ」

店員「ああ」

店員「……っとそうだ、さっきジープが急発進してたけどアレ何だよ?」

看板娘「えっ?」



〜レクリエーションルーム〜


ドミニカ「大事にならんよう機密保持で窓から飛んでな?」

ルチアナ「食い逃げですか」

ドミニカ「飲み逃げが正しい。まあツケにしてくれてるだろ」

ジェーン(私を抱えてジャンプですよ?かっこいいのなんの///)

マルチナ(おかしーなー)

ジェーン(へ?)



フェル(妹ハルトマン中尉の話だと16〜17歳のウィッチが変身してるらしいのよ)

ジェーン(私、18になってから一ヶ月ちょっとしか経ってませんけど)

フェル(個人差かしら)

ルチアナ(また個人差ー?)

フェル(便利なk「大変なんだあああああ!!!」バタン

フェル「ぐえっ……きゅー」グニュ



ルチアナ「錦少尉?お帰りなさい」

錦「こ、これ!?」

狐?「きゃるううぅ……」フラフラ

ドミニカ「天姫か」

錦「何でそんな落ちついてん……げ」

ジェーン「あううぅん!?」ユサユサ

マルチナ「わんわん!?」

フェル「——……ひゅん」ガク



錦「夜間哨戒がてら一気に飛ぼうって話になって」グイ

錦「なんかこんなんなったから天姫のストライカーやらなにやら独りで運んでさ」モシャ

錦「軽くね。うん、泣いたね」ハム

錦「おまけに行きがけ掃除してったハンガーがオイル塗れだよ?」

ドミニカ「あれ、やったの私」モグ

錦「え〜……嘘だ」

ドミニカ「済まぬ」



天姫(えーとなんかこう……『ウッ、クルシッ』って)

フェル(それは動脈硬化ね。貴女死ぬわよ!)

天姫(そんなぁ)

フェル(適度な休暇が必要じゃないかしら。届け出しとくから)

ジェーン(ごもっともなこと言ってますけど)

マルチナ(嘘だね。まあやっぱり寝てるうちになっちゃってた方が楽なんだ〜)



ルチアナ「はい、お待ちどうさま」

つペスカトーレ

マルチナ「あおん!」

フェル「ひゅううゅ♪」

ルチアナ「ちょっとあれなんだけどね。二人一皿でお願いします」

天姫「にゃむ」

ジェーン「はふう」



マルチナ(ねぇ……隊長)

フェル(むにゅ、ん?)ビヨン

マルチナ(なんか、迷惑かけたよ)

フェル(ほぉ、んむかしら?)プニュ

マルチナ(だってさ。僕に近づかなきゃさ)

フェル(……アンタ、いい子よね)



フェル(いっつも私に付き合ってふざけて)


フェル(私はアンタと居て飽きたことなんてない)


フェル(戦闘だって前も後ろも斜めでも……格闘の死角は全部任せられんの)


フェル(だから私ね、『赤ズボン』の隊長やれてる今がほんとに楽しいのは)


フェル(それはルチアナが居てね……ティナ——アンタが居るからなのよ)



マルチナ(隊長ぉ……)グス

フェル(まあ?ちょっとルチアナ〜しょっぱくし過ぎじゃないの!)ハム

マルチナ(んく、へへっ)ハム

フェル(んむ〜)ハムハム

マルチナ(はうはう)ハムハム


チ ュ ッ ♪


フェル(///)

マルチナ(///)


ルチアナ(仲直り出来て良かったね)


〜Fin〜



〜ガリア、深夜の輸送機内〜


フェデリカ「どーしよこれ」

パティ「ニャア」

アンジー「ぶるるぅ」

フェデリカ「馬とネコって……帰ったら、竹井に怒られるわね……逃げ延びなきゃ」

フェデリカ「今、目の前には何故か図ったかのようにある『ストレーガ』」

アンジー(それ私のじゃ「……はっ!?ティンときたわ!!!」ティン

フェデリカ「そうよ、そうだわ!『せくしー団』の普及がてら502とか506へ視察に行けば良いのよ!」

フェデリカ「いつから私が飛べないと錯覚していたああああああああああ!!!!」シャキシィイイイン

フェデリカ「ってことで二人とも竹井によろしくね!ウォンチュウ!」ブロッロロ

パティ(……はぁ、なんでこんなんなるの?)

アンジー(命と仕事は比べられないんだろう)


〜続く?〜



すみませんでした
二度の寝落ちにぶつ切り……月曜は書いてたら切なくなったので、ちょっと心の洗濯してました

わんわん物語は擬人化でも最高峰だと思います。あと秘密結社せくしー団はフミ先生のツイッターから

次回は日常編に戻りますね
最後を目指して



では夜遅く、お付き合いください
以下一瞬5劇場





       Chopper
<<おいおいおいおい、ブービー。そういやあの話聞いたか?>>


      はい   <いいえ


  つhttp://columbia.jp/strikewitches/



       Nagase
<<ファンの出血を望んで……立ち塞がっている!>>

       Grimm
  <<こんな事って……こんな事って!?>>

       Bartlett
 <<そんな出し方してたらファンが死ぬぞ!>>



       テ ィ ン ♪


       Chopper
  <<おい、ブレイズ!まだ墜ちるな!>>




〜5月30日、滑走路〜


ミーナ「じゃあ私は部屋に戻るから」

エーリカ「うん」

ミーナ「フフッ。なんだか安心したみたいな顔ね」

エーリカ「そうかな」

ミーナ「いいのよ。ターニングポイントは誰にでも必要だから」

エーリカ「……まあ、正直疲れたけど」



エーリカ「ふぁ、寝にいくからよろしく」

ミーナ「はいはい」

エーリカ「んぅ〜」トテトテ

ミーナ「さぁ、私も……」フッ

ミーナ「?」

ミーナ「気のせいかしら」



〜ハンガー〜


エーリカ「ふにゅ、およ?」

「ン〜それじゃ冷却不足で花火になっちまうZE☆」

「無理だな」

エーリカ「どしたのさー?混ぜて混ぜてー!」

ウルスラ「ちょっと整備のことだよー、姉様ー」

エイラ「なんかまたサーニャのユニット調子悪くてさ」

エーリカ「あー昼間使うの多くなったしね」



エイラ「温暖地での熱放出を無視した造り、そのお陰で寒冷地の出力は保てる……なんだかなー」

エーリカ「そんなもんなのー?」

シャーリー「設計自体が北欧とか東欧仕様だから、幾ら中を弄くり回してもエラーが出るんDA☆」

シャーリー「その点、リベリオンやカールスラントのは中を弄るだけで変えられるからNE☆」

エイラ「まあ『ブルーステル』も『メルス』も壊れにくいな」

ウルスラ「それ凄く解るー!」

ゲルト「……」スタスタ

エーリカ「あ、トゥルーデ!」



ゲルト「なんだ、ハルトマン」キリッ

エーリカ「んぅっ!?」

ゲルト「どうした?私とて暇じゃないんだ」キリッ

エーリカ「いや、さっきハンナがサインくれたんだけど要るよね?」

ゲルト「ふん、貴様が貰ったんだろう?それは」キリッ

エーリカ「だからクリス宛n「気持ちはありがたく受け取るが。またな」キリッ

エーリカ「え……え?」



エーリカ「お、おかしい……クリスに反応しない」

シャーリー「振られちまったKA〜落ち込むなスレンダーガール☆」

エイラ「ミサイルでも撃ち込みゃ治るんじゃねーの」

シャーリー「おお、そりゃ名案DA☆」

ウルスラ「姉様〜!使うならフリーガー貸してあげるよー!」

エーリカ「え、いや、うん、後でね!」ダッ

エイラ「……な、やっぱ放っといた方が良かったろ?」

シャーリー「ンー世界は縮まっても二人の間は広がっちまいやがっTA☆」



〜廊下〜


エーリカ(寝ぼけてたせいじゃない……)

エーリカ(三人もおかしくなってる)

エーリカ(何が……?)

エーリカ(見送りでハンガーを出るまでは大丈夫だったような)ドン

「ひゃあっ!?」

エーリカ「あ、ごめ!」



ペリーヌ「痛いよう。気を付けてよ?」

エーリカ「う、うん……ペリーヌ」

ペリーヌ「なあに?僕に用が?」

エーリカ「いっ!?あ、えとトゥルーデ見かけなかった?」

エーリカ「クリスのために貰って来たサイン要らないとか言うんだよ」

ペリーヌ「それは酷いね。大尉ならこの先に」

エーリカ「ありがとう!」タッ

ペリーヌ「どういたしまして。……中尉が動き回ってるのも最近じゃ当たり前だなぁ」



エーリカ「あー気持ち悪かった……」

エーリカ「なにあれ。眼鏡おっとりぺたぺた僕っ娘とか需要あるの?」

エーリカ「ま、あれはあれでペリーヌらしいような」

エーリカ「……」

エーリカ(でもハッキリしたね)

エーリカ(これはたぶん、別な力が……)



エーリカ(なら間に合うか解らないけど……)

エーリカ(取りあえずミーナのとこまで)


「芳佳ちゃ〜ん。これをこうするとどうなるか解る?」


「ひゃ……や、止めてぇ」


「ふふっ。な に を ?」


「りー……ねちゃ……ぁ」


エーリカ「……がぁああああああ!!!アンタら何やってんのさああああああああ!!?」



〜三人の部屋〜


宮藤「はる……とま……さ」

エーリカ「宮藤ぃ!」ドン

宮藤「う……し……」

エーリカ「……はっ!?」ゾク


ズ キ ュ ー ン !


リーネ「ふっ。あ〜あ、貴重な弾薬が」

エーリカ「ぐっ、アンタ……リーネじゃないよね」



リーネ「どっからど〜う見てもリネット・ビショップですよ?」クルッ

エーリカ「そんな訳ない!少なくとも私の知ってるリーネはこんなことしない!」

リーネ「へぇ。こんなことってこんなことですか?」グイ

宮藤「ひ……ゃあ……う///」

エーリカ「止めなよ!」

リーネ「案外ウブなんですね。うふふっ」



エーリカ「おかしい……こんなの狂ってる!」

リーネ「あはは。狂気の中ではまともな方が辛いですよ?」


ズ キ ュ ー ン !


エーリカ「っ……!」

リーネ「それに狂気の沙汰ほど面白いってね!」チャキ

エーリカ「何を言っても……無駄?」

リーネ「ここに貴女の知らない私が居た。それだけなんですよ」



リーネ「……仕方ないです。物事はそうそう頭の中で引いた図面通りにはいきません」

リーネ「まして人が胸の内に秘めた思惑なんて、容易に解るものじゃないから」

リーネ「貴女は今の今まで何を見てきたんです?」

エーリカ「で、でもっ」

リーネ「まだ苦しみたいみたいですか。いつかは、やがていつかはと」

リーネ「そんな甘い毒に踊らされて、一体、どれほどの日々を戦い続けてきたんでしょう?」

エーリカ「くうっ」



リーネ「そろそろ貴女は楽になるべきです」

リーネ「引導を渡してあげますね、この私が」

エーリカ「でも……救いはあるはずだろ!」

リーネ「救いとは?望むものが全て、願ったことが全て叶うこと?」

エーリカ「些細な……ほんの些細なことでも良いじゃん!」

リーネ「なら私が芳佳ちゃんをこうする権利もあるね」グリ

宮藤「あぁ……う///」

エーリカ「〜〜っぅ!!!」ギリ



リーネ「じゃあお喋りはここらにしましょう」


「終 わ り で す」


「さ よ う な ら」


「エ ー リ カ ——」




「——ハ ル ト マ ン ッ ッ ! ! !」






ズ ガ ッ シ ャ ー ン ! ! !




「はあっ!」




「ぐ……!?」




「行くわよッ!」




「あ、アンタ!?」




「クソダブルゴキブリがああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」




〜兵舎裏〜


エーリカ「た、助かった。私たち身のこなしだけは自信あるから」

ルッキーニ「貴女……貴女はなんて愚かなの!?エーリカ・ハルトマン!!!?」

エーリカ「うへぇ!?」

ルッキーニ「そうやって何でも首突っ込んで!死にたいのよね!?」

ルッキーニ「『Aces High』なんか気取る暇あったらもっと考えなさい!」

エーリカ「あ、あの……どちらさん?」



ルッキーニ「リネット・ビショップはこの隊でも1、2の危険分子でしょうに」

エーリカ「え゛」

ルッキーニ「まあ良いわ。貴女、自身の置かれた状況は理解しているの?」

エーリカ「多分。原因が何かだけは」

ルッキーニ「なら……今、貴女は唯一支配から逃れている存在だわ」

エーリカ「あれ、ミーナは?」

ルッキーニ「見に行ってみる?」



〜隊長室窓際〜


ルッキーニ「よいしょ」

エーリカ「あーここってあの場所じゃん」

ルッキーニ「魔の着せ替えショー」

エーリカ「焦ったねー。バレてたら私たちも……」

ルッキーニ「教えるべきか迷うのだけど」

エーリカ「え?」

ルッキーニ「実は貴女、昨日着せ替えされてたわよ」

エーリカ「」



ルッキーニ「あら?」


テンテンテンテンテテンテ♪テンテンテンテンテテンテ♪テンテンテンテンテテンテ♪


エーリカ「……まさか」


「あーなたーのこーえはーほほえーみうつして」


ルッキーニ「案の定だったわね」


「はーしりだーしたならっ!みらいはー」


「そう、こたえっあー☆けー☆るー☆とーびーらー!」


「みーな!みーな!みーな!」


「——えっもーしょん!!!」



ルッキーニ「……まあ色々考えてほしいけれど、危害はないから」

エーリカ「元からミーナはあんなんだからさ。でも少佐どうしたんだろうね」

ルッキーニ「親衛隊?」

エーリカ「かも」

ルッキーニ「はぁ、この隊ってほんと馬鹿ね」

エーリカ「アンタが言うかズボン泥棒」

ルッキーニ「擦り付けたのは貴女でしょうに?このゴミ屋敷の魔女」

エーリカ「一線越えやがった……やるかい?しましま虫取りトラブルメーカー!!!」

ルッキーニ「来なさいよ?一撃離脱の臆病者!!!」



エーリカ「ケリ付かないね」

ルッキーニ「付くわけないわ。『達磨さんが転んだ』って互いに動かなかったら意味ないもの」

エーリカ「意外とこの遊びって万国共通だよね」

ルッキーニ「そうね。まあ」

エーリカ「……なんだろう、安心する。ルッキーニ、頼っていーい?」

ルッキーニ「構わないわ。今日だけよ」ファサ



エーリカ「もうね、根源は完璧に判ってるんだ。でも勇気が出ない」

ルッキーニ「エーリカ・ハルトマン。貴女らしくないのね」

エーリカ「お願い、お願いだから」

ルッキーニ「……」

エーリカ「私の大事な人……みんなを一緒に助けて」

ルッキーニ「ええ。行きましょう」





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「あと少し、あと少しで完成する」


「妾をこの場所に縛り付けし」


「忌々しい封印を破る……」


「太陽の七の魔方陣が」


「フフッ」


「うみねこのなく頃には……」


「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」



〜バルクホルンとエーリカの部屋〜


エーリカ「トゥルーデ〜」ガチャ

ゲルト「む、ハルトマン。またほっつき歩いていたのか」キリッ

エーリカ「まあね〜。でもトゥルーデこそ珍しく篭りっ放しなんじゃないの?」

ゲルト「そうか?」キリッ

エーリカ「あ、そうでもないかもね」

ゲルト「ふん」キリッ



エーリカ「ふぅ」ゴロン

エーリカ「……」ゴソゴソ

エーリカ「……」

エーリカ「……」

エーリカ「Zzzz」

ゲルト「……」



ゲルト「フッ。幾らか嗅ぎ回ったようだが」キリッ

ゲルト「所詮は小娘だ……容易い」キリッ

ゲルト「しかし……」キリッ

ゲルト「お前にだけは我が幻術が効かなかったのは驚きでもある」キリッ

ゲルト「まァ、人の変化に幾ら気が付こうが対処など誰にも出来ぬわ……」キリッ

ゲルト「ヒャアーッハハハハハアアァァアアアア「やっと尻尾出したかー」

ゲルト「なっ!?」



エーリカ「ベラベラしゃべってくれてありがと」

エーリカ「流石にもう勝ったと思ったのかな?」

ゲルト「何を言っている?ハルトマン」キリッ


エーリカ「——ダメだね。全然ダメだ」


ゲルト「どうした…さっきから変だぞ?」キリッ

エーリカ「もうバレてんだよ。バーカ」



ゲルト「……」

エーリカ「あのね、トゥルーデは二人の時に私を『フラウ』も混ぜて呼ぶの」

エーリカ「それ以外は恥ずかしがりやだから、ミーナでも無い限りは『フラウ』って人前じゃ呼ばない」

エーリカ「たまに心配して叫んじゃってるけど」

エーリカ「でね、シャーリーにウルスラにエイラと私。傍から見たらイタズラ会議にしか見えないんだわ」

エーリカ「自治会長並の責任感なトゥルーデが口出さない訳ないの」

エーリカ「そして最悪は……ヒントだったのかもしれないけどクリスの頼みを忘れてたこと」

エーリカ「チェックメイト。正体明かしなよ」



ゲルト?「ふ、何もかもお見通しか」

エーリカ「うん。私の寝床荒したのもね」

ゲルト?「面白い——ならば私の正体も知っているのであろう?」

エーリカ「そっか。言ってあげたほうが親切か」

ゲルト?「さぁ……妾の名を呼んでみろォ!!!」


エーリカ「——黄金と無限の魔女」




エーリカ「ベェエエアアアアアトォリィィィイイイイチェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」




ベアト「ギャハハハはハハははぁアアああ!!!」

ベアト「堅苦しい軍人の真似など肩が凝る!」

ベアト「これでこそ妾も真の力を発揮できるというものぞ!」

エーリカ「無駄にお堅くやってんだもん」

ベアト「む、そうか?」

エーリカ「カッコ良すぎてファンクラブ出来ちゃうよ」

ベアト「それは結構。しかし、妾は貞淑ゆえ、な」

エーリカ「へー」



エーリカ「じゃあ、何やろうとしてたか教えてよ」

ベアト「どこからが良いか……」

エーリカ「トゥルーデに取り憑いた所からかな」

ベアト「今もだが、これは取り憑いた訳ではない」

ベアト「妾はこの少女と契約したのだ」

エーリカ「……」



〜???〜


ゲルト「……」

ゲルト「く……っ?」

ゲルト「私は……そうか。ウルスラや使い魔たちを無理やり」

ゲルト「ははは……嫌われたな」

ゲルト「妹帝国など夢のまた夢……」

ゲルト「もう、皆に顔向けすらできない……ううっ」グス


『——諦めるのか?』



ゲルト「誰だッ!?そしてここはどこだッ!?」

ベアト「あらよっと」ヒョイ

ゲルト「ぬああああああぁ!?」

ベアト「なんだよー人を化けモンみてえにビックリすんなよー」

ゲルト「いやいやいや!ゼロ距離に出なくても!?」

ベアト「はいはい。ごめんちゃいごめんちゃい」



ベアト「まあ良い、無礼は詫びるが……諦めるのか?」

ゲルト「……仕方ないんだ。私の罪は許されん」

ベアト「ほー。何したんだよ?」

ゲルト「むう……」

ベアト「聞かせろ聞かせろ!1000年以上暇してんだから引かないで聞いてやる!」

つ魔法のティーセット

ゲルト「あの……ですね」



〜五時間経過〜


ゲルト「——だから私は妹帝国を!!!」

ベアト「くかー」

ゲルト「……あの」

ベアト「いや、聞いてたぞ?つまりお前は立ち振る舞いの制御が出来なくって」ゴク

ベアト「んく……ぷは。義妹に無理やり性的に手を出してしまうんだな」

ゲルト「そう面と向かって言われるとどうも」

ベアト「叶わねぇ夢ほど魅惑的ってか?」



ベアト「ま、退屈しのぎにゃなりそうだ」

ゲルト「え?」

ベアト「バルクホルン、お前は面子を取り戻したい」

ベアト「私はこの小島から出たい」

ベアト「ギブアンテイクじゃねえかぁ?」

ゲルト「……具体的に何を?」

ベアト「そーだなぁ?」ニヤ



エーリカ「それで乗っ取ったの?」

ベアト「委託って表現してくれよ。妾は無理やり取った訳じゃないんだぜ」

エーリカ「弱みに付け込んでさぁーずっこいよ」

ベアト「しかし、妾もまさかここまで出てこれるとは思わなんだ」

エーリカ「……」

ベアト「妾、生前はプリチーな魔女でな。ちょーっと封印魔法しくっちまってさー」

ベアト「黒くてでっかい蝶々みたいなのと一緒に封印されたんだけどー」

エーリカ「ん、ここ50年なんか動けるようになったんでしょ。霊体が」

ベアト「おおう!さっきからなぜ解る?」



エーリカ「それが知りたくて、トゥルーデの記憶の中に合った『本』を探したんだ」

ベアト「ならば」

エーリカ「教えてあげる。アンタが封印してた怪異は復活したけど私たちがぶっ倒した」

エーリカ「封印が緩んでアンタも出られた。けど完全じゃない」

エーリカ「……肉体が死んじゃってるから」

ベアト「だろォな」

エーリカ「そんでなんでトゥルーデとシンクロしたのか。多分それは主に私のせい」

エーリカ「……何回もぶん殴ったショックがアンタの波長まで届かせたんだ」



ベアト「……」

エーリカ「幻想魔法の魔女、ね。確かに黄金も無限も手にした訳だよ」

ベアト「妾のことは何でもか」

エーリカ「へへっ。……そろそろ」

ルッキーニ「ごめんなさいね。スナイパーを片付けてきたもんだから」タッ

ルッキーニ「これでしょ。ご所望は」

つ古文書

エーリカ「ありがと」



エーリカ「これを探して……アンタは自分がどうなったかちゃんと知りたかった」

エーリカ「でも良く考えたらそんなことより先にその体を媒体に復活しようって思いつく」

エーリカ「また野望を取り戻そうと。そういう性格してそうだもん」

ベアト「ふふっ。知れたこと」

エーリカ「人間てのはチャンスを逃したくないからね」

エーリカ「アンタの番だよ」



ベアト「最初は契約どおりこの体でお前たちをメロメロにしてやろう、なんてな」

ベアト「でもお前が話した通り、記憶を覗けば妾の活躍が伝記に成っておるらしい」

ベアト「見たいだろうが。普通」

ベアト「で、お前の巣窟で変身したまま死にかけながら探したが見つからん」

ベアト「そこで妾、思いついた」




ベアト「限られたこの体なんて要らねぇ。代わりで生贄にしちまえってなァ!!!!」




ベアト「だから昨日の戦闘でちこっとずつ魔法を使わせてもらった」

ベアト「銃の速射、艦隊への幻影……錆落しには調度良かったぞ」

ベアト「ただ久々で張り切りすぎちまってなァ」

ベアト「お前の仲間の人格に干渉しちまった」

ベアト「ま、逆に動きやすかったんだけど」

ベアト「見つかっちまうなんて傑作傑作!ギャハハハはハハはハハはハハはハハははぁ!!!」



ベアト「空を見ろ!あれは『太陽の七の魔方陣』!!かの性質は開放!!!」


ベアト「過去の妾が施した不完全な魔方陣を砕く程度……容易い!!!」


ベアト「もはや止める術はn「いいや、あるよ」


エーリカ「にしし……この本の第0846ページ」


エーリカ「それはッッ!!!」





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エーリカ「『火星の五の魔方陣』……」


エーリカ「性質は——」


ベアト「——魔除け、か」


エーリカ「……」


ベアト「良かろう、まず一手だ。あの魔方陣を討ち破れはするな」


ベアト「しかし妾にはこの体が有る。貴様の手の届かぬところへ逃げられるぞ」


エーリカ「なら、いっそこの世からもサヨナラしてもらわなくちゃ」





http://mup.vip2ch.com/dl?f=34528







エーリカ「じゃあね」




エーリカ「1000年なんて独りで過ごしたら怨霊にもなるよね」




エーリカ「これでもう何にも縛られることはない」




エーリカ「安らかに眠れ」




エーリカ「救世の魔女」




エーリカ「ベアトリーチェ」




〜5月30日、ハンガー〜


エーリカ「トゥルーデー!」

ゲルト「む、ハルトマン?」

エーリカ「ちょっと眼ぇつむって!」

ゲルト「ん」

エーリカ「おかえり」


チ ュ ッ ♪


ゲルト「なああああああああああああああああああぁっ!!!!!!?」

エーリカ「走ってこないでねー!胸ポケットのプレゼントがしわになっちゃう!」



ベアト(あり〜?迷惑料と気まぐれで時間やら記憶やら戻しておいたけはずなんだが)

ベアト(妾、うまく使われたな)

ベアト(あやつの魔方陣も完璧じゃなかったみてーだし)

ベアト(そりゃじょーぶつしねえよ。ルーン欠けてんだもん)

ベアト(……)



ベアト(この小島は猫箱よ)

ベアト(外界から隔絶され、様々な観測が観測者に許される)

ベアト(それが喜劇でも悲劇でも……)

ベアト(うみねこ、か)

ベアト(あの頃と変わらんな……)

ベアト(うん、旅に出よう。極東にでも)


〜See You Again. When They Love.〜



今回はこんな感じで
主人公が小野Dの某アニメでの大原さんと野川さんの共演で思いつきました
ちなみにうみねこはドラノールが声優さんの決まる前から好きです
エーリカはブレイズと戦闘したときの魔方陣の影響が人格変化を引き起こさなかった設定でした

次回の展開は未定、どうなるかも未定ですがお付き合いください
0/5

今日の夜に投下します。お時間がありましたらお付き合いください



だいぶお待たせしましたね。申し訳ありません

ちょっと日にちの訂正を入れます
>>476が5月30日
>>607>>657が5月31日でした
ただの打ち間違いですが、後々引っかかりそうなのでここで。訂正してよろしくお願いします

では二ヶ月ぶりにお付き合いを



〜5月31日Take2、隊長室〜


ゲルト「ミーナァあああああ!」バン

ミーナ「あら、やっぱり来たわね」

エーリカ「ぜぇ……ぜぇ……引きずらなくてもいいじゃんかー」

ゲルト「いや、まあ、済まん」

ミーナ「で、用件は?」ニコニコ

ゲルト「あ、ああ!」



ゲルト「休暇が欲しい!今すぐだ!」

ミーナ「まあ」ニコニコ

ゲルト「なんだかよく解らんが、フラウがマルセイユを騙くらかしてサインを貰ってきた!」

ゲルト「それに私は最近クリスのことをほったらかし過ぎて居る!」

ゲルト「よってサプライズもとい電撃作戦を敢行しようとだな!?」

ミーナ「へぇ」ニコニコ



ゲルト「……ミーナ?」

ミーナ「貴女がこういう無茶を言ってくるのは珍しいから」ニコニコ

エーリカ「トゥルーデの無茶はいっつも命に関わってるもんねー」

ゲルト「……ということは」

ミーナ「ええ」ニコニコ





ミーナ「 ダ メ よ ? 」





エーリカ「わぉ」

ゲルト「そんなぁ!?」

ミーナ「有給の消化はしてもらいたいけど、申請の時期がね。大規模作戦前よ」

ミーナ「それに貴女、急な長距離への休暇届けが通るとでも?」

ゲルト「うぅ……」

ミーナ「解ったなら、さっさと帰りなさい」

ゲルト「失礼……しました」ガチャ



ミーナ「さて、建前はこれだけ」

ミーナ「犬みたいに覗いてないの」

エーリカ「何だってんだよー。食い下がろうよー」

ゲルト「……うぅ」ガチャ

ミーナ「今さっきね、またストライカーのパーツを送ってもらう手配をしたの。欧州組の全員分」

ミーナ「受け取りに明日の深夜、つまり明後日の夜明け前からこちら方面の手ぶらな輸送機がブリタニアまで行くわ」

ミーナ「……どうしましょうね?」



ゲルト「い、良いのか?」パァア

ミーナ「それくらい出来ないとでも?」

ミーナ「ただ一人はちょっと心配だから」チラ

エーリカ「うぇえ……まあ、お菓子奢ってくれるよね?」

ゲルト「……私は良い家族を持てたな」

エーリカ「なぁに当ったり前なこと言ってんだか」



〜ハンガー〜


ルッキーニ「zzZ」

シャーリー「ま、『オペレーション・マルス』の用意が整えば即刻発動。長期戦には成らんさ」

ウルスラ「応急処置もかえって性能低下や事故の元です」

ウルスラ「今はパーツを待ちましょう」

エイラ「……仕方ねーよナ。頼むから持ってくれヨ」

つMiG i—225

ウルスラ「大丈夫です。エイラさんの予知で何も感じないのなら」

シャーリー「応えてくれるさ、今まで通り」



〜食堂〜


もっさん「なんだ?つまり……」

宮藤「買出しですね」

もっさん「やはりか」

サーニャ「ふぁ……どうしたんですか?」

宮藤「サーニャちゃん!おはよう!」

もっさん「おお、おはよう」

サーニャ「おはようございます」



宮藤「ちょっと待ってて。今、ごはん暖めるからー!」

サーニャ「うん。坂本少佐……」

もっさん「いや、実はな。昨日の攻略作戦を陽動にした補給作戦で、定期に来るはずだったロマーニャの輸送機も駆り出されたらしい」

もっさん「つまり唯一滞りのなかった物資、食料が絶たれてしまったんだ」

サーニャ「うわ……」

宮藤「この前はちょっとだったから私だけでも済んだんだけど……今回は」

もっさん「最終作戦が迫っているからな。体勢を万全にということだ」



ミーナ「ええと?じゃあ明日は人手が要るのね」

もっさん「おお、ミーナ。そうなるな」

ゲルト「私も行くか。昼間だろう?」

エーリカ「やった〜!休暇2レンチャン!」

ミーナ「いいえ、二人は待機よ」

エーリカ「は?」




エーリカ「は?」





ミーナ「最低限、これから基地を空けるんだもの。先に守衛を任せたいわ」

ミーナ「それに……貴女は前科持ちでしょう?」

エーリカ「……」

ミーナ「気張らなくていいわよ。ネウロイはあらかたヴェネツィア方面に散っちゃったようだし」

ゲルト「それくらいはいいだろう。無理を言ったんだ」

ミーナ「よろしく、ね♪」

エーリカ「……」



〜次の日、ブリーフィングルーム〜


ミーナ「と、いうことで私と少佐にトゥルーデ、エーリカは待機。あと五人欲しいんだけど」

エイラ「サーニャは寝ちゃってるゾ」

エーリカ「ブーブー」

ミーナ「ちなみに今の確定はシャーリーさんと宮藤さんね」

リーネ「わ、私はペリーヌさんと食事当番です」

ペリーヌ「っ!そ、そうでしたわね!」

宮藤(ひ、酷い……)



エイラ「なら私行くカ?」

ゲルト「どういう風の吹き回しだ?」

エイラ「いや、なんか面白い未来がナー」

ミーナ「えっ……じゃああとは……」チラ

ルッキーニ「うにゃ!」

ウルスラ「?」

ミーナ「あ〜……」ガクッ

もっさん「……仕方あるまい」



〜車中〜


シャーリー「ひっさびさにコイツ乗るから調整に時間かかっちまったよ!」

ルッキーニ「だからさっき居なかったんだー!」

宮藤「調整……まさか」

シャーリー「キャブレター駆動タイミングをコンマ単位で同一調整、出力強化に『DB605L』使用」

エイラ「それ……『メルス』の魔導エンジンジャネ!?」

シャーリー「宮藤……お前の『震電』の構造がこのトラックを最速にしたァアアアアアア!!!!」



シャーリー「この世の理はすなわち速さだと思わないか?物事を早く成し遂げればその分時間が有効につかえるぜ?」

シャーリー「遅いことなら誰でも出来る!20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける!有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家!」

シャーリー「そう、週刊よりも日刊!つまり速さこそ有能!文化の基本法則ぅ!」

シャーリー「ウルスラに頼んで壊れたハルトマン中尉のエンジン譲ってもらってな!」

シャーリー「組み換えしまくってエンジンスペースまで弄ってやった!」

シャーリー「速さが全てを兼ねちまう!弾速がなきゃ弾もただのペン!」

シャーリー「以上私の持論〜!あぁ……ここまで2分20秒……また2秒、世界を縮めた!」



ルッキーニ「なんか解らないけどスッゴーイ!!!」


シャーリー「今からそれを魅せてやる!!!」


エイラ「え、こんなの予知にナイゾ!?」


宮藤「止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めてぇ!!!!!!!!!!!!」


シャーリー「——行くぞォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」シュイイイン




「 『 T r a n s ! 』 」




シャーリー「なっ!?」ポフン





シャーリー「きゅう!?」コロンコロン

ウルスラ「キャストオフ!」スポ

ウルスラ「ローギアエンドブレーキッ!」キキッ

ルッキーニ「うにゃああああああああああああああ!?」ゴロゴロ

ウルスラ「ふぅ……」

宮藤「あいたた……え?」

エイラ「この展開だったノカ……助かっタゾ」



ウルスラ「姉様に言われてたんです。こう、絶対なるからと」ブロロロ

ウルスラ「なので『トランスストライカー』を積んでおきました」

ウルスラ「運転なら私も出来るので代わるつもりで」

シャーリー「ふがふが!」ジタバタ

ルッキーニ「一本取られたね。シャーリー」ナデナデ

宮藤「た、助かりました……ウルスラさん」

エイラ「私たち、流石にヴァルハラ行きはまだ早いナー」



ウルスラ「ではどうしましょうか?このままだと二時間でローマに着きますが」

宮藤「バチカンでお願いします!」

ウルスラ「それならあと八分ですね」

ルッキーニ「でっかいきれいなだいせーどーあるよー!」

エイラ「ナンダヨー?観光名所以外になんか在ったカ?」

宮藤「あそこのお店、値切りが楽なんです!」

エイラ「へぇーソッカー。……お前、主婦カヨ」



〜そのころ、基地廊下〜


ゲルト「フラウ!」

エーリカ「なにさー」

ゲルト「あ、えと……ぅ」

エーリカ「ん〜?」

エーリカ「ははーんー」



エーリカ「うってウルスラのこと?」

ゲルト「あっ……うっ、くふぅ」

エーリカ「聞いたよーゲルハルトから。やらかしたねー」

ゲルト「……」

エーリカ「それにサインの事だってあの子が教えてくれたし」

エーリカ「方々迷惑かけてひっどいよー?」



ゲルト「……ぐぅ」

エーリカ「どう思ってる?ごめんって思ってる?」

ゲルト「……」コクリ

エーリカ「そっかー」

エーリカ「なら伝わってるよ。きっと」

ゲルト「……ぇ?」

エーリカ「ふふっ」



ゲルハルト(良かった……)

ブービ(ほんとっす)

ブービ(ゲルハルトさん、苦労しましたもんね)

ゲルハルト(いつもだから気にせん……)

ブービ(疲れてるっすよ)

ゲルハルト(はぁ……昼寝でもするか)



〜バチカン、連合軍資材スペース〜


ウルスラ「着きましたね」

シャーリー「むきゅー」

ルッキーニ「シャーリーはこのままだよー」ギュ

シャーリー「うきゅぅ……」

エイラ「帰りに自然な流れで運転されちゃ敵わんゾ」



ルッキーニ「でも、ここって聖地だから正装してなきゃダメなんだよー」

宮藤「え!?……軍服は正装に入りますか?」

エイラ「入るダロ、うん。まー大聖堂の中以外はってオチ……」

エイラ「正装って言えばスオムスの頃、私の部隊がアイロ小将に呼ばれたことアッテナー?」

エイラ「オジサマなんだけど古参でマンネルハイム将軍とも仲良くて、いい人デサ」

ウルスラ「へぇ、あの?」



エイラ「まあ、そんなオジサマのお茶会イカネー訳ないから準備してナー」

ルッキーニ「それでそれでー?」

エイラ「そんなことしてたら奇襲ダヨ、奇襲……」

エイラ「おめかし中にいきなり来やがってってみんなカンカンデナ」

エイラ「あれは地獄絵図だッタ」

エイラ「夏だったからドレスと軍服半々で戦闘とかどこのオペラダヨ。そんでネウロイボコボコ落とすんダゾ」



宮藤「凄まじいですね……?」

エイラ「ヴァルキリー状態だっタナ。ちなみに続きがあッテ」

エイラ「その年の秋くらいに夜襲がアッテヨー」

シャーリー「きゅきゅ」

エイラ「オウヨ、寝巻きでダ」

ウルスラ「わぉ」



宮藤「それってスースーしません?」

エイラ「ッタリメーダロ……あんなメンドイ戦いしなくて済むのサーニャのお陰なんだカンナー!感謝シロー!」

ルッキーニ「はいはーい!」

宮藤「はーい!……あれ、結局サーニャちゃんにこじつけるんだ」コソ

ウルスラ「エイラさんらしいです」コソ

エイラ「ミヤフジ!なにごちゃごちゃイッテンダー!」

宮藤「なんで私だけー!?」



〜そのころ、基地隊長室〜


ミーナ「今日は静かね」

もっさん「ま、訓練も明日にしたからな」

ミーナ「……どうなの、体調は?」

もっさん「問題ない」

ミーナ「問題ない……ね」



ミーナ「そうやって貴女はいつも取り返しのつかない事態を招くわ」

もっさん「はっ……何を言う!」

ミーナ「諭されても、譲れないものがあるのも解るけれど」

ミーナ「貴女の独りよがりに付き合わされるのは正直もう御免よ」

もっさん「ミー……ナ?」

ミーナ「っ……」



ミーナ「私は貴女ともう一度戦っておかなきゃ成らない……」

もっさん「……」

ミーナ「ねぇ、美緒。模擬戦でいいわ」

ミーナ「私と戦って」

ミーナ「安心させてよ」

もっさん「……」



もっさん「良かろう……だがお前とやった最後の模擬戦は私の勝ちだ」

ミーナ「あら、一年も前ね。一ヶ月ちょっと前は引き分けたじゃない」

もっさん「なっ……あれを含めるのか」

ミーナ「私は貴女を信頼しすぎているから、任せたあとの結果をいつも心配しているわ」

ミーナ「でも、なんだか、今はそれとは違う胸騒ぎがするの」

ミーナ「嫌なのよ……解る?」



もっさん「その胸騒ぎを止めれば良いのか」


ミーナ「出来るのかしら」


もっさん「和らげるぐらいはしてやるさ」


ミーナ「ふふっ……」



ミーナ「じゃあ」

もっさん「行くか!!!」う佐〜!」ガン

ミーナ「ええっ!!!」

ペリーヌ「……ぅ」

ペリーヌ「……!……?」バタ



〜バチカン市街〜


ルッキーニ「うにゅーん!やっぱりにぎやかー!」

エイラ「これぞ市場ってヤツダナ」

宮藤「ですよね!ふふふ……!!!」

エイラ「ど、ドシタ?」

宮藤「解りませんか!!?」



宮藤「ここは戦場!唯一の交戦規定は安く買いまくる事です!!!」

ウルスラ「あはは……」

エイラ「オ、オウ」

宮藤「気合が足りませんよ!!!」

シャーリー「きゅぅ……」



シャーリー(宮藤怖い……ん?)ブル

兼定(んで、結局こうなったのか)

エーリヒ(まあなー)

オンブラ(中佐にバレたら銃殺もんだぜー……)

エーリヒ(これだけはバレねぇよ。前にもやったし)



ペギー(ま、不用意にあのシスコン大尉殿が暴走しなきゃねー)

兼定(最近壊れてたみたいだが、昨日今日はまともだったな)

オンブラ(ポンペイみたいに溜めといて噴火しそーだろ)

ぺギー(跡形もなくなるってヤツ?)

エーリヒ(……こえーな)



シャーリー(おーい)

エーリヒ(ん?あ!)

兼定(ちっ)

ペギー(ちょっとシャーリー!どっから聞いてたの!?)

シャーリー(え、いや、バレないとかどうとか)

エーリヒ(あー……こりゃなあ)



シャーリー(ウルスラが居て、ハルトマン中尉の使い魔が居るってことはそうなのか?あの時みたいに)

オンブラ(そういうこったぜ)

ペギー(でも口封じが必要ね)

シャーリー(く、口封じって……冗談だろ?)

エーリヒ(兼定、頼む)

兼定(ああ……)ギラン



シャーリー(待てって!待て!)

兼定(……)

シャーリー(まさか宮藤の使い魔が渋い声のおじ様だとは思わなかったけど!)

兼定(悪かったな)

シャーリー(お前さ……人間の胸が好きなんだろ?)

オンブラ(おいおい)

兼定(……ふむ、続けろ)



シャーリー(だって来た頃に私はもちろん、リーネとか中佐へアタックしてたもんな)

兼定(否定はしない)

シャーリー(ならあとで触らせてやるよ!それに口外なんてしないからさ!)

兼定(ほう)

シャーリー(どうだ?)

ペギー(……)

オンブラ(……)



兼定(実にいい提案だな。嬉しいぜ)


兼定(んだけど、ふぅ、勘違いしてんなぁ?)


兼定(俺は与えられるモノよりも)


兼定(無理やり奪うモノの方が好きなんだ。なんせ——)ゴゴゴ


シャグレ(『あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうぅ!!?』)




兼定(—— オ オ カ ミ ナ ン ダ カ ラ ナ ァ ? )ギラン





シャーリー「」コテッ

宮藤「つまりですね!威勢と駆け引きの先にあるのが勝利という名の値切り品です!!!」

ウルスラ(エイラさん……疲れません?)

エイラ(珍しいナ?ケドお前、自分も話長いゾ)

ウルスラ(否めません)

エイラ(自覚し……ん?)グイ

ルッキーニ「今見たらシャーリー気絶しちゃってた……大丈夫かな?」

シャーリー「」



エーリヒ(お疲れーッス)

兼定(ふん……)シュルシュル

エイラ「うわ、これヤバイ?」

宮藤「シャーリーさん!?」

ペギー(便利よねー兼定の大きさ変わるの)

オンブラ(これで愛嬌振りまいてんだし。よく尻尾掴まれないぜ)

兼定(……妖怪もとい幽霊だからんなもの無い、なんてな)



ウルスラ「大丈夫そうですが、何か怖いものでも見たんですかね」チラ

ペギー「フゥ〜ン」パチッ

宮藤「ルッキーニちゃん、やっぱりだっこしてて!」

ルッキーニ「うん」

エイラ「ま、いつものこッター。ミヤフジー」

宮藤「はいー!補給を終わらせてしまいましょう!見ててください!」



宮藤「すいませーん!」

おじさん「はいはい、何がお目当てで?ウィッチのお嬢ちゃん」

宮藤「じゃがいもとーそうだ、たまねぎ10キロ下さい!」

おじさん「あいよ。えーっと配達先は」

宮藤「ここでお願いできますか?」ピラ

おじさん「集積場か。解ったよ」



宮藤「……ん?」

おじさん「どうしたい?」

宮藤「思ったより傷が多いかなぁ……」

おじさん「そんなことないと思うが?」

宮藤「えー……」

おじさん「うぐっ……」



宮藤「やっぱり止めようかなぁ」

おじさん「そりゃないよ……」

宮藤「ならおじさん、解りますよねー?」

おじさん「……何がだい?」

宮藤「男らしくないですよー。キ ロ 単 価 下げてくれません?」

おじさん「……」



エイラ「あーやりやがっタ……10キロ2.5リラとか半額以下……」

ウルスラ「……流石ですね」

ルッキーニ「お買い物上手は料理上手ってマーマが言ってたよー!」

エイラ「間違いジャネーナ。ウン」

ウルスラ「次も野菜のお店に行くみたいです」



宮藤「おねーさーん!」

おばさん「あら、いつかの?」

宮藤「ここ安かったんでまた来ちゃいましたー!」

おばさん「まぁどうも!」

宮藤「今日はにんじんとーピーマンとか旬野菜見繕ってください!」

おばさん「はいはい!」



宮藤「お待たせしましたー」

エイラ「なんかすんなりいったナ?」

宮藤「前に顔見知りのお店なので安くしてくれたんですよ」

ウルスラ「なるほど」

ルッキーニ「それより芳佳ー!後ろに何隠してるのー?」

宮藤「えへへ、これはね?」



シャーリー(う、ううん……?)パチ

シャーリー(くんくん)

シャーリー(お、にんじんかぁ。しかも土付き……)ムズ

グレニス(『にんじん♪にんじん♪』)

シャーリー(ちょっ!?まさか……グレニィィィィス!)グイ

グレニス(『にんじーん!!!!』)

シャーリー(頼むから本能で私を引っ張るなぁああ!!?口ん中じゃりじゃりするぅううう!!!)ガリ



シャーリー「はむはむ」コリコリ

ルッキーニ「シャーリー食べてるー!」

エイラ「癒されるナ〜」

ウルスラ「ほんとですね」

宮藤「小学校にウサギいたんですよー!よくご飯あげてたんで!」

グレニス(『〜♪』)

シャーリー(くっそ、覚えとけよ……グレニス)ガリ



ウルスラ「宮藤さん、あとは?」

宮藤「お肉屋さんですかねー」

エーリヒ(肉屋かー)グゥ

兼定(お前、腹減ってっからって可視化すんなよ?あとで中佐に潰されるのはゴメンだ……)

エーリヒ(し、し、しねーよ!?)ビクゥ

オンブラ(ヘイヘイ!エーリヒ焦ってるー!)

エーリヒ(っテメー!!!)ダッ



シャーリー(お前たちいつもこんな感じかー?)

ペギー(まあねー。使い魔なんて非番のウィッチ並みに毎日暇)

シャーリー(マジかよ?でも弱肉強食とか食物連鎖が……)

ペギー(使い魔になった時点でそれくらいの分別つくわ。誰もグレニス食べないわよ)

ペギー(それに例え自分たちへ気を回してもらえなくても、主人たちがいがみ合ってても、私たちは仲いいの!)

シャーリー(あー……なんだろうな。心当たりが……)

ペギー(昔は昔、今は今。それでいいじゃない)



〜とある店先〜


シャーリー「Zzz……」

シャーリー「……んにゅ?」パチ

エイラ「お、シャーリー。起きたカー」

シャーリー「ふんふん」

エイラ「なんも覚えてないんダロ?」

シャーリー「ふー」

エイラ「はぁ……話してやるヨ」



〜一時間前〜


オンブラ(そういや市場で肉屋といえば)

エーリヒ(骨)

ペギー(盗み食い)

兼定(ケンカ)

シャーリー(バーベキュー)

オンブラ(そうじゃなくてさ)

ペギー(えーっと?)



オンブラ(あったじゃん、あの歌……ん〜突っかかって出てこねぇ)

兼定(歌?)

エーリヒ(市場で歌で肉屋……あれか!)

ペギー(あれ、実は競売だと思うんだけど。女の子の可能性もあるし)

シャーリー(へ?どんな歌だそれ?)

ペギー(こうよ)



ぺギー(ある晴れたーひーるさがり、市場へーつづく道ー)

シャーリー(うっ!?)

ペギー(にーばーしゃーがーごーとーごーとー)

シャーリー(……あぅ)コテ

オンブラ(姐さん!?)

ペギー(えっ!?まだ運び始めたところよ!?)

兼定(……何か禁句が?)

エーリヒ(全部知ってたら結構トラウマになるんじゃね)



〜現在〜


エイラ「いやー、ペギーに話聞いて笑いこらえるのキツかっタゾ」

シャーリー「きゅ!」

エイラ「大丈夫ダッテ。私は口堅いからナー」

シャーリー「ふー……ん!?」フリ

つ何故か着せられているいつものジャケット

エイラ「ククク、似合ってるゾ!」



ルッキーニ「全部見つけたよエイラー!」

エイラ「おお、ご苦労サン」

ルッキーニ「ケーキおごってねー?」

エイラ「任せナ。あれこれ全部経費で落とすカラ」

シャーリー「きゅう!」

エイラ「こっちも説明するカ」



エイラ「なんかみんなに土産ないかなーって探してたら、コレ見つけてナ」

つ501部隊軍服モデル動物用ジャケット

エイラ「聞いたら504のグッズ販売部が出したんだとサ。原型は……何つったッケ?」

ルッキーニ「ルチアナが作った『赤ズボン隊』のジャケットを応用したらしいよー」

シャーリー「ふーん」

エイラ「ほら、やっぱスースーしないでもないジャン?」

シャーリー「きゅうぅ♪」



〜その頃のアドリア海、上空10000フィート〜


ミーナ「いいわ……——いつでも来なさい!」

もっさん「ふ……良いんだな?」カチャ

ミーナ「今の貴女の力を知りたいと言ったでしょう?」

もっさん「そうだったな!——ならば!!!」





ヒ   ュ   ン   !





カ   キ   ィ   ン   !





ミーナ「イアイ……それでこそよ」ググッ


もっさん「拳銃で止められるとは思わなんだ」ギリ


ミーナ「——さあ、始めましょうよ!!!」


もっさん「——古より伝わる闘争という生命活動を!!!」



〜市場〜


宮藤「日用品はだいたいこれくらいかなー」

ウルスラ「十分でしょう」

宮藤「もう三人はお土産選んだと思います?」

ウルスラ「さぁ……?まあお昼に落ち合うまでには」

宮藤「そうですね」



ウルスラ「……宮藤さん」

宮藤「どうしたんですか?」

ウルスラ「実はお酒を姉様に頼まれていたんですが……」

宮藤「またですかぁ……」

ウルスラ「毎度毎度済みません。お金はちゃんと出すそうなので」

宮藤「じゃあ、あのお店に行きましょう」



〜いつかの酒屋〜


つ軍用トラック


ウルスラ「えっと?」

宮藤「なんだか運び出されてますね」

「おい、ドミニク!もっとさっさと運べ!」

「うっせーエリッヒ!どやすべきは奥で潰れてるベルンだろうが!」

店長「だあああああああ!店先で叫ぶんじゃねぇ!!!」

ウルスラ(店長が一番叫んでるよー!?)



宮藤「あのー……」

店長「んあ?お……ああ、このまえの嬢ちゃんか!」

宮藤「お久しぶりです」

店長「どうだい調子は?」

宮藤「ええっと、元気です!」

店長「ひひっ、なら良かった」



ウルスラ「あ」

番犬「グルル」ジィ

ウルスラ「へへー!あのときはよくも疑ってくれたねー」

番犬「グゥ……」

ウルスラ「ま、いいけどー?撫でさせてくれたっていいよねー?」

番犬「……」



店長「んで?今日はまたワインビネガーかい?」

宮藤「それもなんですけど!」

宮藤「あのわんちゃんがお酒気に入ったみたいでー!あと隊の人にも!」

店長「ほー、それは光栄だ!じゃあとびっきりをあいつ等に持ってかれないうちに出すとするか」

宮藤「お願いします!」



宮藤「ウルスラさん?あー」

番犬「……」

ウルスラ「ふふっ。あ、済みません。任せっきりにして」ナデナデ

宮藤「大丈夫です!でもお姉さんはその子に吼えられてたんですよー」

ウルスラ「そうなんですか。大方ケンカでも売ったんでしょう」グリ

番犬「グルルルゥ……」



兼定(……まぁ難儀なこってすね)

番犬(お前は……東方の化け狼かぁ?)

兼定(判っちまいますかい。流石は『地獄の番犬』と謳われた魔犬)

エーリヒ(え?『地獄の番犬』って北欧神話じゃねぇの?)

兼定(そう、俺よりもずっと古い存在だ。この方は)

番犬(ふん……)



エーリヒ(ど、どれくらいスゲェの?)

兼定(神話通り。地獄を統べるもの)

兼定(でも貴方ほどの魔犬が現界していて何故誰とも契約を……)

番犬(したくても出来ねぇのさぁ……)

番犬(俺が仕えるのは『ヘル』が転生した者のみ)

エーリヒ(ってまさか……?)

番犬(……そのまさかよぉ)



店長「いいじゃねぇか!俺の店だぞ!」

「待て!先に見つけたの俺だし!」

店長「しつけーぞ、ジョシュア!そこらの安酒飲んでろ!」

「てめぇ!リベリオン人舐めんなよ!?」

店長「PJ!コイツふん縛っとけ!」

「了解っすサイファー!」

「クソ!この裏切り者ォオオオおお!!!」

番犬(……)



店長「ふぅ……軍人は気が荒くていけねぇや」

宮藤「済みません……」

店長「ああん?謝んないでくれよ!」

店長「その代わりこれもそれもタダだ」

つワインビネガー&ワイン

ウルスラ「『シュタインベルガー』に『ベルンカステラー・ドクトール』……」

店長「お得意様は若い内から確保しとくんでね」



宮藤「じゃあ、ありがとうございました!」

店長「おう!閉店際に会えて良かったよ」

宮藤「お店辞めちゃうんですか……?」

店長「ん、まあな。でも嬢ちゃんたちが頑張ってくれたからここまでやってられたんだ」

宮藤「そんな」

店長「ふふん、いや、そんなことあるさ。じゃあ、またな」

宮藤「っ、はいっ!」



店長「……おっと?金髪の嬢ちゃん、連れが行っちまったぞ?」

ウルスラ「大丈夫です。でも店長さんは嘘つきですね」

店長「何がだい?」

ウルスラ「あのトラックは『円卓騎士団』所属、そして」

ウルスラ「エプロンで隠れてますけど『ルフトバッフェ』の中佐階級証ですよね。それ」

店長「ちっ、何が言いたいのかわかんねぇなあ」

ウルスラ「私はカールスラントのウィッチですよ」



店長「……そうか」

ウルスラ「……」

店長「はあぁ……」

ウルスラ「……」

「ウルスラさーん!」

店長「行ってやんな」



ウルスラ「では」

店長「おう」

ウルスラ「Danke schon.Viel Gluck……——『Demon Load』.」

店長「……ふん」

「ウルスラさん!ごめんなさい!」

「大丈夫ですよ」



PJ「サイファー、そういう趣味なんすか?」

店長「馬鹿言ってんじゃねぇ」

PJ「……でもあの金髪の娘、オレどっかで見覚えが」

店長「お前の方が危ねぇよ?」

PJ「うーん、ノイエカールスラントだったかも……ってサイファー!」

店長「へへっ!ところでピクシーは?」

PJ「ええっと、女の子に呼ばれていきましたよ」

店長「はぁあああ!?」



〜市場と市外の間、路地裏の出口〜


ルッキーニ「うーんとねー」

エイラ「店有りすぎダナ〜」

シャーリー「きゅう……ん!」

エイラ「ドシター?」

ルッキーニ「なになにー?」



「……」

「アン、解ってくれないか」

「でもそれとこれとは違うわ」

「同じだよ」

「いいえ!」

「……」



「だって……貴方はもう飛ばないんじゃないの?」

「……」

「あの人になんか付き合わなくってもいい……」

「……ん」

「この六年、何度命を賭けたの!?」

「……くっ」



「でもなぁ」

「俺は力とそれだけの責任ってもんをもう持っちまった」

「いや、取り戻した」

「そんなの捨てればいいじゃないの!」

「それが出来たなら、お前とはきっと出逢ってない」

「詭弁よ……」



「お前を傍で守るって、言ってやれない」

「あの時、守りたいから飛んでた。今はその続きをしなきゃならん」

「解るよな。お前は利発な子だから」

「解らない……けど、聴かせて」

「なんだ」










「『片羽の妖精』じゃない、貴方は——」




「——貴方は私を愛してたの?」









「……ああ」


「ラリーさん……」


「「……っ」」


「お前……」


「それだけでいい。私はその想いを抱いて生きていく」


「……アン、元から8歳も離れてたんだ。お前は20にも成ってない」


「俺よりいい男、見つけな」


「うん……」



エイラ「……」

ルッキーニ「うじゅ……」

シャーリー「///」ポッ

エイラ「戻るゾ……///」ウル

ルッキーニ「……///」コクコク



〜市場のはずれ〜


宮藤「ここはお土産物のお店の並びですね」

ウルスラ「ええ、そうみたいですけど……?」

宮藤「どうしました?」

ウルスラ「宮藤さん、リーネさんの誕生日って確か11日ですよね?」

宮藤「あ、あー!?そうだ!そうですよ!」



ウルスラ「多分そこまで作戦が長引くとは思えませんが」

宮藤「プレゼントを用意しなきゃ!ウルスラさん、ありがとうございます!」

ウルスラ「はい。それに宮藤さんから貰えれば嬉しいと思いますよ」

宮藤「あれ?でもなんでウルスラさんが知ってるんですか?」

ウルスラ「え?」

宮藤「だって私たちの誕生日は教えてなかった気がするんですけど」



ウルスラ「ああ、それはカルテを作ったときにですね」

宮藤「なるほど!」

ウルスラ「そうですよ」

宮藤「ごめんなさい!まさかお姉さんの方じゃないかなーなんて……」

ウルスラ「お気にせず。あり得ない事じゃないですからね」

ウルスラ(ええい、扶桑の淫獣は化け物か!?)

エーリヒ(ぶねー……)



宮藤「でもどうしましょう……。リーネちゃんに贈るのなら」

ウルスラ「貴女とお揃いなんてどうです?」

宮藤「お揃いならー、あそこで探しますか!」

つ小物店

ウルスラ「ええ、良さそうですね」

宮藤「はいー!」



〜小物店〜


ウルスラ「うーん」

宮藤「真鍮がいいです」

ウルスラ「それならこっちの」

宮藤「いいですけど……いや」

ウルスラ「お気に召すまで付き合いますよ」



宮藤「あ、これ!」

つ真鍮のハート型ロケットペンダント×2

ウルスラ「いいですね!」

宮藤「えへへ!うん、決めました!」

ウルスラ「良かったです」

宮藤「じゃあお金払ってきます!」

ウルスラ「ええ」



つ黒色の同じペンダント×2

ウルスラ「……」

エーリヒ(買っちまえよ、エーリカ)

ウルスラ「でも、こんなのなくても……私たちは」

エーリヒ(思い出だ。そういうのは買っとけ)

ウルスラ「……うん」

エーリヒ(素直でよろしい。お前らをずっと見てきた俺が言うんだから間違いはねぇよ)



ウルスラ「ふぅ」

宮藤「それじゃあ、三人を探しますか!」

ウルスラ「ええ、お腹も空きました」

宮藤「行きましょうー!」

兼定(たまにはこんなのもいいな)



〜501基地、ハンガー〜


ミーナ「……」

もっさん「済まんな。『烈風丸』がなければ、お前の勝ちだった」

ミーナ「それも……貴女の力ですもの」

もっさん「潔い」

ミーナ「貴女にも見習って欲しいわ……」



ゲルト「……」

エーリカ「ミーナー……少佐ぁー……」

ミーナ「ごめんなさいね」

もっさん「どうしても、ケリを付けたかった」

ゲルト「……」



ゲルト「私はコイツに付き合って部屋の掃除をしていた」

エーリカ「ぐぅ〜」

ゲルト「無理に山を崩したりしてな?リーネやサーニャにも手伝わせてしまったんだ」

ゲルト「その間に二人は偵察へ出たんだろ。実弾装備なのだから」

ゲルト「ただ……どちらか一人は残ってもらいたかったがな」スタスタ

エーリカ「待ってよートゥルーデー」トテトテ



ミーナ「……昨日のお返しかしらね」

もっさん「……ふっ」

ミーナ「はぁ……お昼の前にお風呂でも入る?」

もっさん「はっはっは、いいぞ」

ミーナ「行きましょう」


〜続く〜



お疲れ様でした
恐らく第二次ネウロイ大戦で戦地になっていない扶桑とリベリオンの為替レートは1ドル=1円
戦地のロマーニャ・リラが1ドル=0.4リラなので0.4円
更に扶桑の戦時物価上昇もなさそうなので企業物価急上昇前を考慮で、1円=現在の510円、1リラ=204円……というぶん投げ計算
それを値切る宮藤って……というツッコミは知りません。中佐の為です
あとドナドナの原題はダナダナらしいですよ

この二ヶ月、色々ありました。まどか劇場版舞台挨拶に行ってみたり、銀河流魂してみたり
CDが延期になったの知らないで引き取りに行ってみたり、BDが届いたり、エイラ再販が伸びてみたり……

ではまた、お付き合いください。次はもっともっと早い内に
1/5

お待たせしました

では、22時になったら投下します



ではお付き合いを

なんだか延期されたCDにマリーさんとフェルの名前が追加されましたね
けれどアルターエイラはいつになるやら



〜深夜、基地滑走路〜


ゲルト「ふむ、涼しいな」

エーリカ「ね〜む〜い〜」

ゲルト「我慢しろ。ほら」

エーリカ「う〜……」

ゲルト(この時間にコイツが他人の用事で起きただけ褒めるべきなのか……?)



エーリカ「あれ?」

ゲルト「ん?」

エイラ「お、やっと来たノカ」

ゲルト「エイラ?お前、昼間動いていたのに眠くないのか?」

エイラ「そりゃ寝みぃヨ」



エイラ「でもサーニャのユニットがどうしようもないからナ。ほら」モゾ

サーニャ「にゃ」

エーリカ「なるほど!抱っこしてればいいもんね」

エイラ「ソウソウ。夜間哨戒ついでに二人の護衛任務もこなしてやるヨ」

ゲルト「む、済まんな」



エイラ「にひっ、その代わりお土産頼むゾ?」

ゲルト「現金なヤツめ」

エーリカ「でもそれくらいは頼まれなきゃ」

ゲルト「ああ」

エイラ「みんなの分モナ〜」



<<そろそろいいぞ、お嬢さんたち。再離陸可能だ>>


エイラ「ん、ダトサ」

ゲルト「厄介になるとしよう」

エーリカ「はぁ……やっと寝れる」

サーニャ「にゃ?」クンクン



エーリカ「どうかした?さーにゃん」

サーニャ「……」ジー

エーリカ「……」ジリ

エイラ「コラ、中尉!見つめ合ってんジャネーヨ!」

ゲルト「ハルトマン?」

エーリカ「ごめんごめん〜!乗らなきゃねー!」



〜ローマ近郊上空〜


<<エイラ、聞こえるか?>>


<<オウ、ナンダ大尉〜?>>


<<そろそろ504の防空圏内だ。もう戻っても良かろう>>


<<いや、まだ付いてくゾ?>>



<<ありがたいが大規模作戦前だ。休んでくれ、エイラ>>


<<ソッカ?なら……ん!>>


<<にゃあ!!!>>


<<えっ?敵襲!?>>


<<ああ、そういう訳にもいかなくなっタゾ>>



<<くっ、ヴェネツィア方面か?>>


<<イヤ……501基地方面ダナ>>


<<よっし、輸送機はそのまま進んでクレ>>


<<何ぃ!!?>>


<<まさか一人で殺る気!?それ無理だってエイラ!>>



<<私は奇跡のウィッチダゾ?>>


<<お前!>>


<<たまには私とサーニャにもスコア稼ぎさせろヨ。それにその輸送機はサーニャのパーツも持って来るんダ>>


<<エイラ……いいの?>>


<<サーニャが居れば私は無敵!大尉は妹のことでも考えてナ〜!>>


<<にゃあぁ〜>>



エーリカ「行っちゃった……」

ゲルト「むぅ……」

エーリカ「パイロットさん、とりあえず基地に連絡入れてあげといてよ」

パイロット「了解した」

ゲルト「……」



エーリカ「トゥルーデ、良かったね」

ゲルト「無茶をする……」

エーリカ「でも嬉しいんでしょ」

ゲルト「なぁっ!?///」

エーリカ「ふふっ!」



〜6月2日、三人の部屋〜


ペリーヌ「ううん……」パチ

ペリーヌ「……」

ペリーヌ「はっ!?そうですわ!あれを誰かに伝えなくては!!!」

リーネ「あ、ペリーヌさん。おはようございます」ガチャ

ペリーヌ「リーネさん!!!!」



リーネ「ふぇ!?ど、どうかしましたか!?」

ペリーヌ「大変ですの!!!さ、さ、さ、坂本少佐とミーナ中佐が!!!」

リーネ「あぁ〜あれですか?昨日解決しましたよ?」

ペリーヌ「へ?昨日?」

リーネ「?」



リーネ(そっか記憶が飛んでたんだ)

ペリーヌ「まさか実弾で……そんな……」

リーネ(ペリーヌさん、そういえば貴女も去年そんなことしませんでしたか?)

ペリーヌ「こんなこと許しておけませ……あ、でもお二人が望んだなら良いですわ!」グッ

リーネ(あ〜自分と少佐が同じことしてたんだと思って納得したね)

ペリーヌ「それよりもどちらが勝ったんですのリーネさん!?それが重要でしたわ!!!」



リーネ「え?ああ、それは坂本少佐が勝ち「さっすがですわああああああぁ!!!」

リーネ「ひゃあ!?」

ペリーヌ「やはり私の坂本少佐!!!ああ、この目で見られなかったのが口惜しい……」

ペリーヌ「はっ!むしろ見られなかったからこそ心配しなくて済んだのでは……!!!」

リーネ(……いい加減にしてぇ)



ペリーヌ「ふぅ……あ」グゥ

リーネ「お腹空きましたか?」

ペリーヌ「あはは……ですわね」

リーネ「朝の残りで良ければ温めますよ」

ペリーヌ「では、お願いしますわ。良く考えたら昨日のお昼から何も食べてないもの」



〜ウルスラの部屋〜


シャーリー「 Hey girl !!! Still sleep ? 」バン

ウルスラ「いいえ、起きてますが」

シャーリー「え?」

ウルスラ「え?」



シャーリー「……」

ウルスラ「……」

シャーリー「いや、まさか起きてると思わなかったわ」

ウルスラ「何さ〜ウルスラのフリしてるときは至って真面目だよ」

シャーリー「真面目って言葉が中尉から出た……だと?」

エーリヒ(いや、アンタも大概)



ウルスラ「で、何で私の所に来たのさ」

シャーリー「いや、もしいつも通り爆睡してたら中佐にバレるかなぁって」

ウルスラ「シャーリー心配してくれたの?」

シャーリー「そりゃするよ。中尉が入れ替わって残ったのって戦力維持の為だろ」

ウルスラ「えへへ」



ウルスラ「目の届かないところで重大なことが起こるのってイヤなんだ」

シャーリー「ああ、なんとなく解る」

ウルスラ「ミーナが一番そういう思いしてるんだろうけど、さ。少しでも助けになればって」

シャーリー「エース様は違うねぇ」

ウルスラ「む〜」



シャーリー「ところでだ」

ウルスラ「ほえ?」

シャーリー「お前よくも昨日は私のご機嫌タイムを邪魔してくれたな?」

ウルスラ「あっ……いや、それ根に持ってたの?」


シャーリー「——ああ!もちろん!!!」キリッ


ウルスラ「待って、キリッとするとこ違う」



シャーリー「弄ばれた分は次のチャンスで返せって言うしなぁ?」ニタァ

ウルスラ「いや、言わないよ。というか途中から自爆してたじゃん」

シャーリー「あれはグレニスのせいさ。お仕置きもしといた」ビヨヨン

グレニス「むにゅうー……」ブニー

ウルスラ「ひっど……」

シャーリー「食い意地の割りに度胸が足りねぇんだよ」



シャーリー「ま、あとは原因を作ったお前に鉄槌を下せば良い訳なんだ」

ウルスラ「ごめん、されたくない」

シャーリー「あれ〜いいのかぁ?私が中佐にタレこんでも良いんだぞ?」

ウルスラ「いいよ!私のなりきり完璧だもん!」

シャーリー「はぁ……訳わかんね」

ウルスラ「こっちのセリフだよ……」クイ



シャーリー「……」ジー

ウルスラ「?」クイッ

シャーリー「うー、中尉がそれやるとイラッとするな……」

ウルスラ「ええ!?ペリーヌもウルスラも眼鏡こうやるじゃん!」クイッ

シャーリー「違和感だ、違和感……」

ウルスラ「なにそれー!」



シャーリー「でも、たまにはいいな」

ウルスラ「ん〜?」

シャーリー「中尉と無駄話すんのもさ」

ウルスラ「そう?」

シャーリー「ああ」



ウルスラ「なら今日いっぱいは付き合ってよ」

ウルスラ「一人でぼーっとしてるのも疲れるから……ダメ?」

シャーリー「いいぜ。静かに過ごす日も必要だ」

ウルスラ「ありがとね、シャーリー」

シャーリー「よく有るこった気にすんなって」



〜花壇〜


ペリーヌ「……カモミールにベルガモットは大丈夫」チラ

つしおれたマリーゴールド

ペリーヌ「昨日、本来なら気絶したあとに水をやる予定でしたから……」

ペリーヌ「可哀想な目に遭わせてしまいましたわね」

ペリーヌ「腐葉土も足さなくてはなりませんでしたし、やってしまいますかしら」



〜廊下〜


宮藤「わわわわわん、わーわわわわん♪」

宮藤「わーわわおんわぅっわーわわん♪」

宮藤「わわわんあうーうわおおんー♪」

宮藤「わわん〜わわんわーくぅんきゅううーぅうん、ううん♪」

宮藤「わおんおお〜ん♪」



宮藤「ふぅ〜!」フリフリ

宮藤「くぅん?」

ルッキーニ「にゃあぁ!」

宮藤「わん、わん」

ルッキーニ「うにゃー」

宮藤「うぅ?」



ルッキーニ「ふにゃぅ」

宮藤「うー」

ルッキーニ「にゃあ!にゃああん!」

宮藤「わぅ〜」

ルッキーニ「……にゃ」シュン




宮藤「わ、わん!」

ルッキーニ「ふにゃ……」ジト

宮藤「わおん!」

ルッキーニ「なー」

宮藤「わ、わおぉん!!!」タタッ

ルッキーニ「——にゃあ……!!!」ギラン



〜基地裏手〜


ペリーヌ「ふぅ……」ゴトゴト

ピエール(大丈夫ですか?お嬢様)

ペリーヌ「ええ、問題ないわ。ピエール」

ペリーヌ「それにしても猫車へ乗せすぎたかしら?」ズシ

ペリーヌ「まあ一度足してあげられればしばらくはいいものね」



宮藤(ちょっとルッキーニちゃん!?)

ルッキーニ「——グルニャアアァアアアアアア!!!!」

宮藤(ひぇええええええ!!!)

宮藤(狩猟本能蘇ってるよー!?)

ルッキーニ「ガルルルルルゥ!!!」

宮藤(た、食べられる!!!)



「きゃいん!きゃいん!」

ペリーヌ「あら?」

「フシャアアアアアア!!!!」

ペリーヌ「何をやっているのかしら、全く……」フフッ

宮藤「あう?きゃあいん!」

ルッキーニ「ガッ!!!」

ペリーヌ「えっ?」


ドンガラガッシャーン!!!



ペリーヌ「あいたた……」バサ

ペリーヌ「もう!土まみれです……わ?」

ルッキーニ「〜〜!〜〜!!!」ジタバタ

宮藤「……」グテ

ペリーヌ「……はぁ」


〜花壇〜


宮藤(う、ううん?)パチ

ルッキーニ(芳佳ぁ!)ズイ

宮藤(うわぁああああああああああ!!!……ルッキーニちゃん)

ルッキーニ(ごめんね……なんかスイッチ入っちゃって……)

宮藤(私は大丈夫。でもシャーリーさんにはやっちゃ『めっ!』だよ!)

ルッキーニ(うん、ごめんにゃさい……)



ペリーヌ「話はついたようですわね?」

宮藤(あれ?ペリーヌさん?)

ルッキーニ(花壇の土運んでるのにあたしたちがぶつかったんだって)

ルッキーニ(あと埋まってたの掘り出してくれたんだよ)

宮藤(ありがとうございます、ペリーヌさん!)ペコ

ペリーヌ「礼を言われるまでもありませんわ……全く」



ペリーヌ「ところで汚れたついでになんですけれど」

宮藤(なんですか?)

ペリーヌ「腐葉土をあげるのを手伝ってくださらないかしら」

ルッキーニ(え〜……いいよ!)

宮藤(私もです!)

ペリーヌ「じゃあそこの花の株元を掘ってくださいまし。私が土をかけますから」



ルッキーニ(ほりほり)

宮藤(ほりほり)

ルッキーニ(ほりほりほり)

宮藤(ほりほりほりほり)

ルッキーニ(ほりほりほりほりほり)



ペリーヌ「その調子ですわよー」ファサ

ペリーヌ(こうしてみると)

宮藤「わう?」

ルッキーニ「にゃあ!に゛ゃ」

宮藤「ん〜」

ペリーヌ(むじゃきで可愛いんですけれどねぇ……)



宮藤「くぅん?」

ミミズ「うねうにゅ」

ペリーヌ「あら、ミミズは埋め戻しておいてあげなさいな」

宮藤「わん」

ルッキーニ「にゃあ!」ハム

もぐら「!?」ジタバタ

ペリーヌ「よく見つけましたわね……可哀想でしょう、放してあげなさい」



ペリーヌ「ふぅ……」

宮藤「わん」

ルッキーニ「みゃー」

ペリーヌ「二人ともお疲れ様ですわ。ちょっとお待ちになって」

ルッキーニ「にゃあ」

宮藤「うぅん」



ルッキーニ(なんだろ!お菓子かな?)

宮藤(さぁ〜?)

ルッキーニ(でも楽しかった!)

宮藤(そうだねー……わっ!?)


ブシャァアアアアアアアアアアアアアアアア!



ペリーヌ「フフッ、少しは涼しくなりまして?」シャァア

ルッキーニ「ふにゃあ……」フラ

宮藤「くぅん……」ペタン

ペリーヌ「水をあげるついでに貴女たちの土を落としておかないと、また掃除する羽目になりますわ」ジャジャァ

宮藤「きゃおん!?」コロコロ

ルッキーニ「にゃははは〜!ぶっ!」バシャ



ペリーヌ「うん、元気にはなったわね」

つ上を向いたマリーゴールド

ペリーヌ「で、そろそろ起きたらどうなんですの?」

ルッキーニ「ふにゃ……」

宮藤「わ……ん……」

ペリーヌ「はぁ、仕方ないですわ」



ペリーヌ「よいしょ」ダキ

宮藤「わおん?」

ルッキーニ「にゃあ?」

ペリーヌ「貴女たち、そういえば訓練上がりだったんですわね」

ペリーヌ「特別よ?お風呂に連れて行ってあげますわ」

宮藤「くぅ〜ん!」パァア



〜エイラとサーニャの部屋〜


サーニャ「……」ムク

サーニャ「ふわぁあああ……」

サーニャ「……」ポワポワ

サーニャ「あれ……?」キョロキョロ

サーニャ「そっか、エイラ……」



サーニャ「……」バサ

エイラ「」

サーニャ「なでなで」

エイラ「」

サーニャ「ぎゅー」

エイラ「」



〜???〜


エイラ(動きたくねー……疲れたぞ)ゴロン

エイラ(だらーん)

エイラ(だらーん)

エイラ(だらー(てぇい!!!)ゲシ

エイラ(ぐほぉあ!?)



エイラ(……お前)

ニパ(ふっふふふ!たまにはお返しをさせ(どりゃあああ!!!)ドン

ニパ(うひゃあ!?)ドテン

エイラ(……)ガバッ

ニパ(ううぅ……)

エイラ(お前、身体小さくなってるの忘れてんだろ……)



エイラ(マウント取ったし、お仕置きでもさせてもらうか)

ニパ(げ……)

エイラ(ククク!)

ニパ(ゲスだ……)

エイラ(食物連鎖ってのはこういうもんなんだよ!)

ニパ(——隙有り貰ったァああああ!!!)ガブ

エイラ(なっ!?)ガリ



エイラ(いってぇええええええええええ!!!?)

ニパ(鼻かじられちゃなにもできないでしょ?)カジカジ

エイラ(ニパァああああ!!!)グイ

ニパ(イッル!ちょっ、無理に口へ押し込むのナシだって!)オエ

エイラ(なら咥えんのやめろよー!)

ニパ(ぐぇ……噛んでやる噛んでやるー!!!)



エイラ(うぐ……酸欠になってきた)

ニパ(っていうか良く考えたらこれディープk(はぁああああああ!?)

エイラ(なんでニパとなんだよー!!!)

ニパ(私とじゃ嫌なのー!!!?)ガーン

エイラ(お前、んな問題じゃねー……っ?)フラ

ニパ(イッル!?)

エイラ(も……ムリダナ……)ガク



サーニャ「エイラ……」

エイラ「」

サーニャ「……」グニ

エイラ「」

エイラ「」

エイラ「」ビクッ

エイラ「グェ!ゲホッゲホッ!」



エイラ(死ぬかと思った……あれ?)

サーニャ「エイラ、ごめんね!」

エイラ(……私なんでサーニャに謝られてんだ?)

サーニャ「あんまりにも動かないから心配になって……鼻つまんじゃった」

エイラ(あーさっきの夢はそのせいだったんだな……)

エイラ(でも心配してくれて嬉しいぞ!サーニャ!)ペロペロ

サーニャ「エイラぁ……」



〜隊長室〜


ミーナ「……」

もっさん「ふーむ」

ミーナ「……」

もっさん「ん?どうかしたかミーナ」

ミーナ「ガウ」



ミーナ(いや、なんでこうなってるのか思い出してるのだけれど……)

もっさん「単純明快じゃないか!」

もっさん「昨日お前が私に負けたから、罰として動物化したまま2日過ごすだけだろう?」

ミーナ(そうは言ってもこんなことでいいの?)

もっさん「なんだ、一々気に病むな!そうしていろ、そうしていろ!」



ミーナ(昨日はそれよりもびっくりしたわね)

もっさん「輸送機を襲撃されかけるとはな」

ミーナ(念のためにあの二人を就けておいて良かった)

ミーナ(確実に撃墜してくれたしね)

もっさん「うむ、私が連絡を入れたときにはもう墜としていたからな」



もっさん「それにしても今日は静かだな?」

ミーナ(気になる?えーと……)キィイン

ミーナ(リーネさんは台所、エイラさんたちは部屋ね)

ミーナ(あら……)

もっさん「どうした」

ミーナ(シャーリーさんとウルスラさんが一緒に居るわよ。珍しい)



もっさん「あの二人は性格は似ても似つかんが、好きな分野は共通しているな」

ミーナ(シャーリーさんがみんなをフォローしてくれるところも多くあるから)

ミーナ(助かるところのほうが多いって言い方は語弊があるかしら)

もっさん「暴走さえせねば……何故こちらを見る?」

ミーナ「ガウゥ」プイ

もっさん「……ぐぬぬ」



ミーナ(あとのペリーヌさん、ルッキーニさん、宮藤さんはお風呂ね)

もっさん「おお、ペリーヌは大丈夫だったか」

ミーナ(貴女がやっておいてそれはないんじゃないの……)

もっさん「……ちゃんと謝っておく」

ミーナ(誤解を招くのよ、毎回こういうときの貴女の態度は)

もっさん「……」



ミーナ(もうお昼になるかしら?)

もっさん「そうだな、そろそろか」

ミーナ(トゥルーデたちも着いた頃ね)

もっさん「あの二人もゆっくりしてきて貰いたいが、あくまでもついでだからな」

ミーナ(それでもいいわ、行ってくれる気になったのなら)

もっさん「そうだな」



〜ブリタニア、プライズ・ノートン基地滑走路〜


エーリカ「ふぇ〜着いた着いた!久しぶりだね、ここも!」

ゲルト「ふむ、前も部品受領に来たな」

エーリカ「あれー?なんかテンション低いー?」

ゲルト「至って普通だ」

エーリカ「クリスが待ち遠しくて寝不足なくせに……ねー、ゲルハルトー?」

ゲルハルト「……がう」



ゲルト「ぐぬぬぬ……エーリカァあああ……」

エーリカ「おおう!怒らせた?」

ゲルト「ぐぅう……まあ……いい!さっさと受領手続きしてくるぞ!」ガシ

エーリカ「あー引っ張らないで!ダメ!制服伸びるー!」

ブービ(ゲルハルトさん、外で待ちます?)

ゲルハルト(ああ……一緒に行っても何もできん)



〜資材置き場〜


ゲルト「では?」

係員「3部隊の資材が混ざっておりまして、探索にはまだ時間が……」

ゲルト「くっ、ならば整頓すればいいのだろう?」

係員「へ?」

ゲルト「うおりゃあああああああああ!!!」ゴゴゴ

エーリカ「始まったよー……」



ブービ(それにしても暇っすね)

ゲルハルト(ああ……)

ブービ(夏なのにあんまり天気もかんかん照りじゃないですし)

ゲルハルト(本当だな……)

ブービ(……ふぅ)

ゲルハルト(眠たいな)



ゲルト「これはガリア行き!」ガシャ

ゲルト「これはベルギガ!それにカレー基地!」ズドン

ゲルト「バルトランド!?なんだ!3部隊以上混ざっているじゃないか!」

ゲルト「一体501のはどこだぁああああああああああ!!!?」

係員「なんか済みません……輸送はリベリオンの管轄なもので」

エーリカ「あー大丈夫ですよー、持ち場に戻っててもらって」



ブービ(騒音にも慣れましたねー)

ゲルハルト(ふむ、大したことはないな)

ブービ(ん?)クン

ゲルハルト(どうした?)

ブービ(ええっと……この匂いは知り合いかもしれないです!)タタッ

ゲルハルト(お前の知り合い?)



ブービ(あれ確かこっちの方に……)

(ブービ?)

ブービ(やっぱり!チャールズさんじゃないっすか!)

チャールズ(ああ、久しぶりだな)

ブービ(ええ!3年ぶりくらいっすよ!)

ゲルハルト(ほう?ブービの知り合いはダックスフントか)



チャールズ(彼は?)

ブービ(えーとややこしくなるんすけど簡単に言うと〜)

ブービ(501のバルクホルン大尉の使い魔のゲルハルトさんです!)

チャールズ(501?あの?)

ゲルハルト(そうだ、ロマーニャの)

ブービ(まあ今はオイラとウーシュ姉さんも501所属だったり)



チャールズ(で、ブリタニアへ何のようだい?)

ブービ(ストライカーの部品を受け取りに来たんす)

チャールズ(わざわざか?まあこっちも他人の事言えないな)

ゲルハルト(というと……)

チャールズ(全く同じ用件だ。ただし遅れを急かしに来たんだが)

ブービ(へぇ〜)



ゲルハルト(ところでチャールズ、ブービとはどういう関係なんだ?)

ブービ(うーん、どんな感じっすかね?)

チャールズ(そうだな……)

チャールズ(出会った頃はウルスラの周りばっかに居たけど、気が付いたら俺とよく一緒に居て)

チャールズ(弟分だったし、それに今じゃ戦友さ)

ブービ(チャールズさんはエーリヒの兄貴に似てて、頼りがいあったんすよ)



チャールズ(面と向かって言うな、照れる)

ブービ(姉御は元気っすか?)

チャールズ(じゃなきゃ俺もくたばってるよ)

ゲルハルト(……いまいち判らん。お前たちの出会ったのはどこだ?)

ブービ(それはっすねー)

チャールズ(それはなー)



ゲルト「まだ……見つからん……クリスのところにいつ行けるんだ……?」

エーリカ「がんばれ〜」

「そこの二人、ついでにスオムス行きも探してくれないか?」

エーリカ「だってさートゥルーデー!」

ゲルト「解った……しかし奥も見るから少し待ってくれ……」

エーリカ「はーい!」

「……ウルスラ?」



エーリカ「え?」

ビューリング「……いや、違うか?」

エーリカ「あ!えっと……」

ビューリング「別人にしては似すぎているな」

エーリカ「あ、あはは〜もしかして妹のウルスラと勘違いしてるでしょ。私はエーリカ」

ビューリング「ああ、そうか。双子だったか」



ビューリング「済まないな、私はウルスラの戦友のエリザベス・ビューリング」

ビューリング「今はエクスウィッチとしてスオムス軍のパイプ役をしている」

エーリカ「ってことはウルスラのこと知ってるよね」

ビューリング「もちろん、8歳くらい離れていたがな」

ビューリング「いつもいい意味で目先のことに集中し過ぎていたよ」

ゲルト「これは……?やった!うちのか!」



ビューリング「でもアイツが作った兵器の制式版は役に立った」

ビューリング「その段階までは部屋をふっ飛ばしまくったが」

エーリカ「あははっ……らしいね」

ビューリング「基本誰よりも要領がいいはずなのに、最初は応用が全く出来なかったし」

ビューリング「隊の中じゃ流されるまま」

エーリカ「へ……ぇ……」



ビューリング「なんて思ってたが今はアイツ、何をやっているんだ?」

エーリカ「え、えっと!ウルスラなら9連ロケット砲作ったり、ジェットストライカー作ったりしてるよ!」

エーリカ「501でもちょっと色々してみたり!」

ビューリング「ほー、なかなか表舞台に出てるのか」

エーリカ「そう「両方見つかったぞ!」

ビューリング「お、ありがたい」



ゲルト「そちらは……」

エーリカ「ウルスラの元上官さんだってさ」

ビューリング「ああ、それにしても手数をかけた」

ゲルト「いえいえ」

ビューリング「キミたちの便はあれか?」

ゲルト「はい、手前のですね」



ビューリング「ならば私がついでに手続きをしてしまおう」

ゲルト「いえ、それでは」

ビューリング「どうせキミが探してくれなければ同じだけ時間はかかったんだ」

ビューリング「その間にロンドン散策でもしてくるといい。というか用事があるのだろう?」

エーリカ「でも出発予定明日だし……」

ビューリング「ふ、それなら余計気にするな。早く物事を済ませたほうがいいと思っただけだ」



ゲルト「では……」

ビューリング「ほら、行った行った」

ゲルト「ありがとうございます!」

エーリカ「ありがとう、ビューリングさん!」

ビューリング「はい、どうも」



ゲルト「よし!これでクリスに逢える!」

エーリカ「……」

エーリカ「ごめん、トゥルーデ!二分ちょうだい!」タタッ

ゲルト「何?ああ、それくらいは」

ゲルト「行ってしまった……」



ビューリング「これがうちのか、面倒だな」

エーリカ「……」

ビューリング「ん?どうした、行ったんじゃなかったのか?」

エーリカ「いや、えっと」

エーリカ「私、スオムスの頃のウルスラを全然知らないから……」

エーリカ「もっと教えて欲しいんだ。貴女がどう思っていたのかを」



ビューリング「……そうだな」


ビューリング「流されて、されるがままだったが」


ビューリング「いつも芯は通ってて。私が教えた覚えは生憎あまりないが」


ビューリング「結局好きなことをやりきった……」




「——それはそれで魔女、なんじゃないか?」





エーリカ「そっか、そこまで言って……貰えてウルスラは幸せ……者だね」


ビューリング「……おい?」


エーリカ「えへへ……じゃあトゥルーデ待ってるから、さ」タタッ


ビューリング「お前……っ!」


エーリカ「っ……」クルッ



——……クイッ


エーリカ「ありがとう……」タタタ


ビューリング「あの仕草は……」


ビューリング「……そういうことか」


ビューリング「一杯食わせるようになったな」


ビューリング「ウルスラ」



〜501基地、露天風呂〜


ルッキーニ「にゃー」

宮藤「くぅーん」

ペリーヌ「はぁあ……生き返りますわね」

宮藤「あぅん」

ペリーヌ「ですわねー」



ペリーヌ「……」ナデナデ

宮藤「///」

ルッキーニ「にゃー///」

ペリーヌ「何ででしょうね、なんだかこうしたくなりましたわ」

ペリーヌ「今日はありがとう」

ルッキーニ「にゃあぁん……」



宮藤「わん」

ペリーヌ「きっと明日はまた晴れですわね」

ルッキーニ「にゃあん」

ペリーヌ「もうそろそろ雨が恋しいけれど」

ペリーヌ「ロマーニャには似合いませんわ……」

宮藤「わん」



ペリーヌ(護りたいって気持ち……)


ぺリ−ヌ(きっと……)


ペリーヌ(いつか……)


ペリーヌ(夢が現実になるまで)


ペリーヌ(ね……)




〜続く〜



今回はこれで終わりです
ウルスラと言えばビューリングさんかオヘアさんのイメージだったので
次回は今月か遅くても1月10日を予定しています、次回もお付き合いください

2/5




最後に……うすうす皆さんもお気づきでしょうが、このお話は4スレ目へ突入します



——クラックスからグリフィス>>1へ。
よかった。無事だったんですね。
スレ落ちエタになるのかと思いましたよ。

このスレ読んで、ストパンアニメ見はじめて、劇場版の円盤買って、ノベライズ版買って、ちょうどいらん子中隊読んでいたときにビューリングさんが登場して嬉しかった!

>>1よ、ありがとう

乙!!

次で4スレかぁ、すごいな。



ではお付き合いを
今日はルッキーニちゃんの誕生日ですね

>>868HTMLとダンスはまだほんのちょっと先にしたいです

>>869きっかけがここというのはとても嬉しいことです。今度はゲームかマンガの方もどうぞ

>>870もう2ヶ月と少しで1年になるところ……何故長引いたのやら



〜午前のガリア上空、輸送機内〜


エーリカ「ふぁ……?」

エーリカ「……」

エーリカ「そうでした、私は姉様の!?」ググッ

ゲルト「うぅ……クリスゥ……」ギュ

エーリカ「寝ぼけてますね」



ゲルハルト(済まない。寝不足なんだ)

エーリカ「この様子だとそうみたいですね」

ブービ(まさかのお泊りでしたからねー)

ゲルハルト(うむ……)

エーリカ「それ以外もあるのでは?」

ゲルハルト(……ああ、ここだけの話だが)




〜明け方、病院のベッド〜


ゲルト「……」


ゲルト(この状況……)


ゲルト(何年ぶりだ?)


クリス「すー……す……」


ゲルト(クリス……)



ゲルト(何度、後悔したか)


ゲルト(私が護ってやれなかった)


ゲルト(あの日はきっと忘れられない)


ゲルト(でも……)


ゲルト(現実から目を逸らして、お前の傍に居てやらなかった方が罪だ)



ゲルト(……)


ゲルト(迷路に迷い込んで……)


ゲルト(出口も判らず、彷徨ったんだ)


ゲルト(ごめんな……クリス)


——……ツー


ゲルト「っ……」グイ



ゲルト(自己満足だが……)


クリス「ふー……」


ゲルト「……」ナデナデ


ゲルト(朝までこうしていたい)


ゲルト(結局、去年も姉らしいことなんてほとんどしてやらなかったから)



クリス「……」モゾ


ゲルト「ん?」


クリス「ふにゅ……」ギュ


ゲルト(クリスに抱きつかれたぁああああああ!!?)


ゲルト(ま、まあ、まあ!まだ大丈夫だ!焦る要素はない!)



ゲルト(うん……落ち着いた……)


ゲルト(しかし左脇の下に腕を入れられてしまったな)


ゲルト(……右腕も枕にされたか)


ゲルト(……)


クリス「すー……」


ゲルト(吐息が……!顔が近いッ!!!)



ゲルト(昔は確かにこうしたこともあったが……)


クリス「くー……」


ゲルト(これがクリスに平穏を与えられるなら)


ゲルト(それもまたよかろう)


ゲルト(ふっ……)









































——……チュッ










































ゲルト「……?」パチ




クリス「……ぅ……すー……」




ゲルト「うむぅ……!?」




ゲルト(え、あ、え?え?え?????)




ゲルト(……唇に唇が)







































ゲルト(——クリスとキスぅうああああああああああああああああ!!!?)







































ゲルト「」




ゲルト「」




ゲルト(うわああああああああああぁ……やってしまったあああああああああ!!!?)




ゲルト(クリスのファーストキスが!そんな!!!でもこれは!!!?)




ゲルト(姉妹間なら挨拶程度だ!そうだ!多分大丈夫のはずだ!!!!)




ゲルト(落ち着け私!!!ってそんなの無理だあぁぁああ!!!!)





ゲルハルト(……)ジー


ゲルト(視線を感じる?なっ……ゲルハルト!?)


ゲルハルト(……)コクコク


ゲルト(ちょっと待て!誤解だ!!!)


ゲルハルト(……)ブンブン


ゲルト(待ってくれえええぇえええええ!!!!)



〜現在〜


エーリカ「微笑ましいです」

ブービ(ウブっすねー)

ゲルハルト(純情乙女だからな……)

ゲルハルト(それで結局寝損ねて、朝からクリスの食事を『あーん』したりされたりしたがために精神衛生がやられたらしい)

ブービ(それ本当に病気じゃないですか!?)



エーリカ「……ところでこれどうにかなりません?」

ゲルト「ぁう……」

ゲルハルト(我慢してくれ、もしいざとなれば……私が)ギラン

ブービ(歯を見せないでください!?というかそれは不味いです!)

ゲルハルト(いや、やらせてくれ!あの悲劇を繰り返すわけには!!!)

エーリカ「あれは私が自我崩壊の引き金ですよ……もう気にしないでください」



〜501基地、廊下〜


シャーリー「で、結局酔っ払って二人とも寝ちまったと」

ウルスラ「胸で押し潰されると思ったよー」

シャーリー「コラ、なんつーこと言うんだスレンダーガール」

ウルスラ「アレで死なないルッキーニって凄いと思ったわ」



ウルスラ「うぅ……」ヒリ

シャーリー「クソ、お前がウルスラのままだと私がいじめてるみたいになるんだよ……」

ウルスラ「いじめてるじゃん」

シャーリー「これは仕返し!」

ウルスラ「む〜……おろ?宮藤とリーネだ」



宮藤「へー」

リーネ(そうだと思うんだけど)

シャーリー「何がどうしたー?」

宮藤「シャーリーさんにウルスラさん!」

ウルスラ「はい、どうも」



リーネ(最近気が付いたんですけど、この基地の隠し部屋ってもうないんですか?)

宮藤「エイラさんとかハルトマンさんが見つけた以外にある気が私もしてて」

シャーリー「確かに地下とか天井裏以外にありそうなもんだけど、なぁ?」

ウルスラ「ミーナ中佐でも見つけられない箇所がありますからね」

ウルスラ「中佐の作ってくれた図面から割り出してみましょうか」

シャーリー「おう」



ウルスラ「宿舎がここ、営巣がこちら」

シャーリー「この部屋はバルクホルンと中尉の部屋だから屋根裏があったな」

ウルスラ「ええ。そして隊長室、レクリエーションルーム、ミーティングルーム、食堂」

リーネ(この並びは何もなかったですね)

ウルスラ「無いです。部屋の間隔も狭いですし、中佐の居室近辺ですから気が付かない訳も」

シャーリー「そんじゃあ?」



宮藤「ここの三叉路、確か左を奥に行くとエイラさん達が見つけた地下室ですよね」

シャーリー「そうだな」

ウルスラ「右は行き止まりというか外に出ますが」

リーネ(あれ……左の落とし穴の先ってどうなってるんでしょう?)

シャーリー「……」

ウルスラ「盲点でしたね」



シャーリー「そんじゃあ行くか?」

ウルスラ「地図とランプも持って行きましょう」

宮藤「あとロープも!」

リーネ「にゃあ」

シャーリー「いい暇つぶしになるな〜」



〜廊下〜


シャーリー「そういや今日の夕飯なんだ?」

宮藤「一応じゃがいものポトフとソーセージの予定です。他にも何か作りますけど」

ウルスラ「!」

シャーリー「そうかー!楽しみだな!」ツンツン

ウルスラ(ウルスラー!早く帰ってきて入れ替わってー!)



〜T字路〜


ウルスラ「ここです」

シャーリー「えっと」

つ右、日差しの入る明るい廊下

シャーリー「うわ……」

つ左、薄暗い横道

宮藤「まだ基地にこんなところがあったんですねー」



シャーリー「んじゃランプ付けてと」キュッ

ウルスラ「リーネさん、こちらへ」

リーネ「にゃ?」

ウルスラ「はい、これでいいです」

つお腹にロープ

宮藤「?」



シャーリー「そんじゃ宮藤!前は頼むぜ!」

宮藤「イヤですよー!」

ウルスラ「猫状態のリーネさんでどうでしょう?夜目も利きますし」

リーネ「ひにゃあ!?」

宮藤「お願いね!リーネちゃん!」

シャーリー「任せた!」



〜横道〜


シャーリー「うっへぇ……顔にクモの巣が……」ベト

宮藤「うわっ!埃までぇ」モシャ

ウルスラ「酷いですね」

シャーリー「どんだけだよ、クソ!」

リーネ「にゃあ」トコトコ



ウルスラ「あ!リーネさん!」

リーネ「?」トコトコ


——ガシャン……パカッ♪


リーネ「ふにゃああああ!?」ヒュン

宮藤「リーネちゃああああああああぁん!!?」


——ガッ



リーネ「にゃー……」プラーン

宮藤「よかったーロープが引っかかったんだー!」

シャーリー「ウルスラ、流石だな」

ウルスラ「勿論です」

シャーリー「……正直リーネを囮に使ったろ?」ボソ

ウルスラ「……うん、隠し扉どこなのか3日前に来ただけじゃ判らなくてね」ボソ



ウルスラ「……突き当りです」

シャーリー「マジかよ?つまんねーな」

宮藤「こういうのって……」コンコン

リーネ「にゃあ?」

宮藤「忍者返しはこういうとこに〜」コンカチッ

ウルスラ「『カチッ』?」



——……


シャーリー「……」

リーネ「……」

ウルスラ「……」

宮藤「……何も起きませんね〜」

シャーリー「だn——ぐるん!


バタン……——



〜隊長室〜


ミーナ「ガウ」

もっさん「ばう」

ミーナ「ウー」

もっさん「ふん」

ミーナ「ハァ」



もっさん(よかろう?書類はやっとこさ昨日終わらせたんだ)

ミーナ(でも貴女ねぇ……)

もっさん(たまには休め、私も休む)

ミーナ(もうっ!)ドン

もっさん(な、お前やめろ!)



ミーナ(何よいつもいつも!!!)ベシベシ

もっさん(待て!)

ミーナ(今日という今日は押さえつけてやるんだから!)グイ

もっさん(待てというに!愚痴なら聞いてやる!)

ミーナ(貴女に聞いてもらって解決する問題じゃないわよ!)ゲシ



ミーナ(なんで貴女は必要なときとそうでないときの解釈が逆なの!?)グニ

もっさん(知らん!)

ミーナ(扶桑の魔女はおかしいわよ!のほほんとしすぎなのよ!)ズイ

もっさん(国民性だ!)

ミーナ(違う!貴女の周りが特殊なんだわ!)



もっさん(いい加減にしないか?ミーナ……)ハアハァ

ミーナ(まだよ!)

もっさん(いや、私の身体が持たないんだが……)

ミーナ(宮藤さんが居るじゃない!)

ミーナ(まだまだ付き合ってもらうわよ……?)



もっさん(命の危機を感じる……な)

ミーナ(一昨日は貴女の得意なほうで戦ってあげたもの……フフフ)ゴゴゴ

もっさん(クソ!表に出ろ!)

ミーナ(いいわよ!)

もっさん(ちょっと待て)ガチャ

もっさん(……)キョロキョロ

ミーナ(……学習したのね)



もっさん(しかし、隊長室に誰も人間が居ないとスクランブルはどうする?)

ミーナ(だからさっき言ったでしょう!貴女まで『Trans』してどうするのって!)

もっさん(それもそうだな?)

ミーナ(ああもう!このスットコドッコイ!!!)ガブ

もっさん(痛い!尻尾が千切れるから止めろ!)




〜どこかの通路〜


——ドサドテポヨンゴチャプルンバキッ!


シャーリー「」

ウルスラ「」

リーネ「」

宮藤「」



ウルスラ「……」

宮藤「……」

シャーリー「おう、なんか言えよ」

リーネ「」

宮藤「ごめんなさい」

シャーリー「許した」



シャーリー「んでここどこだ?」

宮藤「さあ?」

ウルスラ「三次元機動的に落ちましたからね」

リーネ「」

ウルスラ「地下だとは思いますが上に上がった感じもしますし」

宮藤「そうですかぁ」



シャーリー「お前ら、気が付いてるよな?」

宮藤「……何のことですか?」

リーネ「」

ウルスラ「私には何かわかりません」

リーネ「」

シャーリー「薄情者め」



宮藤「いやー判ってましたよ?私とウルスラさんの間で挟まったの」ポワポワ

ウルスラ「でも寝てるだけかと思ったので」

シャーリー「『バキッ』ってヤバイ音してたよな!?」

宮藤「その音の前に気絶してました」

ウルスラ「宮藤さんの下敷きになったので同じく」

シャーリー「ひっでぇ……」



リーネ「にゃ……あ?」ポケー

宮藤「リーネちゃん!大丈夫!?」

ウルスラ「心配しましたよ」

シャーリー「お前らぁああああああ!!?」

ウルスラ「とりあえず出口を探しましょう」

宮藤「そうですね!」



リーネ「にゃ……あ?」ポケー

宮藤「リーネちゃん!大丈夫!?」

ウルスラ「心配しましたよ」

シャーリー「お前らぁああああああ!!?」

ウルスラ「とりあえず出口を探しましょう」

宮藤「そうですね!」


〜出口〜


シャーリー「お?なんだ……ここ見覚えあるぞ」

宮藤「ここは……」

ウルスラ「アンフィテアトルムですね」

リーネ「にゃあ」

シャーリー「なるほどな、移動用かぁ」



ルッキーニ「あれー?シャーリーにみんなどったの?」

シャーリー「お、ルッキーニ!お前こそ何してんだよー?」

ルッキーニ「あたしは秘密基t……なんでもない!」

ウルスラ「……ところでここの入り口は知っていましたか?」

ルッキーニ「うん。ここからあっちにも戻れるよ」

宮藤「ほんと!?」



ルッキーニ「地下への滑り台みたいになってるから結構早く戻れるんだよ!」

シャーリー「そういうのはちゃんと中佐に言っとけよー」

リーネ「にゃ」

シャーリー「はあ、どっと疲れた。風呂行くぞ」

宮藤「いいですよ」

ウルスラ「気晴らしにはなりましたね」



シャーリー(……)


シャーリー(なんだろう、なんだ?)


シャーリー「……」


ウルスラ「シャーリー」


シャーリー「中尉」



ウルスラ「なんか切なくなっちゃった?」


シャーリー「……まだバカやってるのもいいなってさ」


ウルスラ「まだ止めたくはないよね、私も」


シャーリー「……」


ウルスラ「——護ろうよ、みんなで未来を」


シャーリー「ああ……!」



〜夕方、レクリエーションルーム〜


サーニャ「〜♪」


http://www.youtube.com/watch?v=9xAsQ1OZ7TE


ペリーヌ「……」コク


エイラ「……」ンク


ペリーヌ「……」


エイラ「……」




エイラ「ドウダ?サーニャ上手くなったカ?」


ペリーヌ「そうですわね」


ペリーヌ「元からサーニャさんはお上手でしたけれど」


ペリーヌ「1年前より感情のこもった音色になったわ」


エイラ「……」


ペリーヌ「……なんですの?」



エイラ「お前とミーナ中佐くらいしか音楽わかるヤツ居ないからサ。褒めてくれるのは嬉しいゾ」


ペリーヌ「まあ」


——♪〜


エイラ「それにお前だって去年よりはまっすぐになったと私は思うケド」


ペリーヌ「余計なお世話ですわよ」


ペリーヌ「貴女だってシールド張れる様になったもの」



ペリーヌ「夕日が綺麗ですわね」


エイラ「ああ」


ペリーヌ「——夏の夕暮れ」

 
エイラ「ん……」


ペリーヌ「やさしく迎えてくれるのは」


ペリーヌ「海鳥達だけなのか?——」




エイラ「それッテ?」


ペリーヌ「一次大戦の時、ある魔女が作った詩……」


——♪〜♪


ペリーヌ「この、サーニャさんの曲と夕焼けに合うと思いません?」


エイラ「……ああ、そうダナ」


ペリーヌ「きっとこの人もそうじゃないって直後に気が付いたはずですわ」



エイラ「……私達はどこまで来ちまったのカナ」


——……〜♪


ペリーヌ「どこにいても私達は変わりませんわ」


エイラ「それもソウダ」


♪……♪……——



エイラ「サーニャ、こっちでお菓子食べヨ」


サーニャ「うん」


ペリーヌ「お茶もありますわ」スッ


サーニャ「ありがとう、ペリーヌさん」


ペリーヌ「いい演奏のお礼ですわよ」



エイラ「はむはむ」カプッ


ペリーヌ「静かな時間ですわね」


サーニャ「はい」


ペリーヌ「……」


サーニャ「……」クイ





































——ブーン!ブーン!!ブーン!!!






































<<私よ!緊急出撃!>>


<<アフリカ側から一個中隊規模、8機のネウロイの飛来を確認したわ!>>


<<速度も速いし、レーダーにも今まで掛からなかったの!>>


<<このまま見過ごせばトゥルーデたちの輸送機と鉢合わせるだけじゃなく、ヴェネツィアの巣に合流される!>>


<<久々の戦闘だけど抜かりなく全機を撃墜して!>>



エイラ「……仕方ねぇナ」


ペリーヌ「この時間を邪魔したんですもの。それなりの対価は支払ってもらいますわ」


サーニャ「エイラ、ペリーヌさん!」


ペリーヌ「ええ!」




エイラ「——行くぞ!!!」







〜アドリア海、上空〜








アレクト1「……!!!」








アレクト2〜8「「「「「「「——!!!」」」」」」」








〜To Be Continued〜





では、今日はここまでです
18時頃にラジオでブックマークアヘッドが流れているとき、これを書きながら寝ていました
悔しいので約束の空へを聞きながら寝ます

3/5

残りが半端なのですがどうしましょうか?
ありましたらリクエストをどうぞ

次回セミファイナル11話改変もお付き合いください



あけましておめでとうございます
ではリクエストにお答え致しまして10.5話をお送りしますね
お楽しみいただけるかは判りませんが

今夜もお付き合いください

立て込んでいたのでまたまた遅れたことを陳謝します



〜北アフリカ、某キャンプのテント内〜


ケイ「……」

マルセイユ「……」

ケイ「……」

マルセイユ「……」



マルセイユ「……頼む、気まずくならないでくれ」

ケイ「そ う ね」ピキ

ケイ「貴 女 が あ ん な こ と し な け れ ば ね ?」ピキピキ

マルセイユ「その事はミーナにこってりなでr……絞られたから許してくれ」ゾク

ケイ「ミーナ中佐は何も上に報告を上げてないし、このまま隠すのは簡単よ」

マルセイユ「……」



ケイ「でも無線で聞かされるだけになってた私たちのこと……気にしてなかったでしょ?」

マルセイユ「……一応ドッグファイト中は考慮して切ってたんだが」

ケイ「それまでの会話が最悪」

マルセイユ「……」

ケイ「501の会話も聞こえてたからね?最後に至近距離で拳銃向けたって」



マルセイユ「……」

ケイ「……」

マルセイユ「頼m「何度目よ!?このやり取り!」

マルセイユ「……十回目」

ケイ「一字一句間違わないで付き合うの疲れたわ!」

マルセイユ「済まない……」



ケイ「それにしてもミーナ中佐に絞られたって」

マルセイユ「!!!」ビクッ

マルセイユ「あっ……朝方シャーロットが私を呼んでいたな、行ってくる」

ケイ「シャーロットは昨日の内にフレデリカ少佐とパットンガールズが引っ張ってったわよ」ガシ

マルセイユ「なでなでふさふさはヤダ……なでなでふさふさはヤダ……」ガタブル

ケイ「マルセイユ!?」



マルセイユ「……」クイ

ケイ「落ち着いた?」

マルセイユ「うん」

ケイ「このアル中不良娘め」

マルセイユ「なんとでも言え」

ケイ「アンタの貰ってきたお酒なんだからいいんだけど」



ケイ「とりあえず」

マルセイユ「何だ」

ケイ「これ」

つTransマット&説明書

マルセイユ「おお、ハルトマンの妹が持たせてくれたヤツか」

ケイ「なんか凄く面白そうだし、見せてくれない?なんでウィッチが動物になるのよ?」



マルセイユ「聞きたいか!」キリッ

マルセイユ「これはロマーニャの古い術s「説明書に書いてあるわよ?」

マルセイユ「……」シュン

ケイ「ほらほら乗って乗って!」

マルセイユ「……ああ」

マルセイユ「これで——『Trans!』」ボフッ


——ポフン♪モコモコモコモコ……



マルセイユ(——ふっ!こうなる訳だ!)バサッ

ケイ「……」

マルセイユ(……ケイ?)

ケイ「……」ジー

マルセイユ「……」ドキ

ケイ「……」ジー



ケイ「……」サササ

マルセイユ「クゥ」

マルセイユ(おい、何故私の服を片付ける?)

ケイ「これくらいでいいかしら?」ヒョイ

マルセイユ「クェウゥ?」

ケイ「えい」ガバッ



マルセイユ「クエェエエ!?クゥルウウ!!?」ガタバタ

ケイ「よいしょ」スッ

ケイ「ゴメンねー実は昨日こっそりソレ試してみたのよ」

ケイ「そしたらなかなか面白いじゃない?」

ケイ「カメラマン魂がほっとけなかったのね、うん」

マルセイユ(だからって箱被せてその上に座るか!?)



ケイ「さーてと、じゃあ貴女にはそのまま見ててもらおうかしら」

マルセイユ(クソ!持ち手が覗き窓になってはいるが……出られん!)

ケイ「机の上に無線機置いておいて良かったわ〜」ガチャ

マルセイユ(無線機……?)

ケイ「あーテステス、真美〜ちょっと隊長テントまで」

マルセイユ(まさか!?)



マミ「失礼しますお圭さん、何かありましたか?」ガサ

マルセイユ「クケリュウウウウ!!!」

ケイ「この通りね、今座ってる箱の中に鷲が居るのよ〜」

マミ「一体どこから……」

ケイ「判んないわ、気が付いたら私のテントに殴りこんできて何とか捕まえたの」



マミ「流石圭さん!」

ケイ「褒めても何もでないわよ」

マルセイユ「クキャアアアアアゥ!!!」

ケイ「で、ちょっと頼みがあるの」

マミ「はい」

ケイ「私、この箱からそろそろ立ちたいのだけど立ったら逃げられちゃうし、重しを探してくれない?」


マミ「ならこれでどうです?」

つ工具箱(戦車用)

ケイ「なんでそんなもの持ってるの……」

マミ「さっき資材置き場に戻しといてくれってシュミットさんに頼まれて」

ケイ「ああ、そう。じゃあ一時的に借りましょう」

マミ「はい〜」



ケイ「いっせーのー……」スッ

マミ「せっ!」ドシン

マルセイユ「……」ガタブル

ケイ「あら?飛び出してくると思ったのにそんなことなかったわね?」

マミ「疲れたんですよ〜きっと」

マルセイユ(まだ死にたくはないな……首が落ちるところだった)



マミ「お役に立ててよかったです」

ケイ「本当に助かったわ、うん」

マミ「でもこの子どうするんですか?」

ケイ「マルセイユが鷲に詳しいからちょっと相談しようかな」

マミ「そうですかー」

ケイ「っとところで真美、コーヒー淹れるけどこのお礼でどう?」



マミ「ありがたいです。圭さん直々だなんて」

ケイ「うん、ちょっと待ってねー」ピラ

マミ「?」ヒョイ

つ紙切れ『Trans!』

マミ「と……とらんす?」


——ポフン♪



マミ「にゃああ!?」ドテ

ケイ「フフフ……流石マミ、期待を裏切らない可愛さ///」

マミ「うにゃあ……?」

ケイ「あら、状況が理解できてないようね」

ケイ「そこの鷲に話しかけてごらんなさい」

マミ「ふにゃ」トコトコ



マミ(鷲……さん?)

マルセイユ(マミ……済まんな)

マミ(マルセイユ大尉!?)

マルセイユ(私が迂闊だった、ケイを甘く見ていた)

マミ(それってどういう……)

ケイ「こういうことよ」ニッコリ


——バサッ!



ケイ「ふう、これでいいでしょう」

つ端に寄せられた箱と麻袋

ケイ「次の目標と作戦を考えなきゃ〜」

ケイ「うふふ……全員揃えば……」ニヤ

ケイ「待ちきれないわね!もう!」



マミ(じゃあ、あの絨毯の上に立って決め台詞的なことを言うと?)

マルセイユ(こうなってしまう訳だ)

マミ(……)

マルセイユ(それにアイツはまたろくでもないことを考えてるに違いない)

マミ(圭さんにしては珍しくも……しいです。あと大尉は他人のこと言えませんよ)

マルセイユ(チッ、悪かったな!)



ケイ「うーんとぉ、ほいっ!」ポテ

マミ(何してるんですか?)

マルセイユ(鉛筆倒しだな……)

ケイ「ふむむ、次はこっちかぁ」

マルセイユ(誰だ、誰なんだ!?)

ケイ「ライーサ、マルセイユの件でちょっと」ガチャ



ライーサ「……ケイさん」

ケイ「……いらっしゃい」

ライーサ「ティナがまた何かやらかしたんですか?」

ケイ「まあ色々とね……」

ライーサ「……」



ライーサ「毎日言って聞かせてるのに……うぅ」ウル

ケイ「あー」

ライーサ「マミさんと私が501ラジオのファンだって知ってて、サイン頼んだのに忘れてたし」

ライーサ「本当にバカで懲りないんだから……」グス

ケイ「バカよね、同意するわ」

マルセイユ(バカで悪かったなぁああああああああああああ!!?)

マミ(怒るとこそこですか!?というかライーサさんいつも泣かせてるの貴女ですよ!!!)

ライーサ「ん……?」



ライーサ「鳥と猫?」

ケイ「ああ、そこの2匹ね〜」

ケイ「鷲は何故か私のテントに突っ込んできて、猫は補給物資のコンテナに入ってたのよ」

ライーサ「見ても?」

ケイ「猫ならいいけど、引っかかれないようにね」

ライーサ「はい」ガサガサ



ライーサ「よいしょ」ヒョイ

マミ「にゃ……にゃあ」

ライーサ「かっ、可愛いですね///」

ケイ「でしょう?隊のマスコットにどうかと思って」

ライーサ「でも家猫に砂漠は気候が合わないんじゃ」

ケイ「それもそうなのよねぇ」



ライーサ「はい、ちょっとキツいけど戻ってねー」

マミ「うにゃぅ……」スポ

ケイ「まぁ貴女もすぐそうなるのだけど」ボソ

ケイ「和んだところで本題といきましょう」

ライーサ「……覚悟は出来ています」

ケイ「何もそんな重大なことじゃないから安心して」



ケイ「これなんだけど」

つ伝票

ライーサ「またツケなんですか」

ケイ「うん」

ライーサ「給料から天引きしてください」

マルセイユ「クェエエエエ!?」

ケイ「解ったわ、裏も確認してくれない?」



ライーサ「裏も……あれ?」

つ『Trans!』

ライーサ「ケイさん、『Trans——ポフン♪

ケイ「フフフ」ニヤァ


——モコモコ


ライーサ「ちぇう!?」

ケイ「あらー小鳥ねー、可愛いじゃない!」



ライーサ(な、何故私がモズに!?)

マミ(ライーサさん気を付けて!)

ライーサ(うわっ!)ヒョイ

ケイ「あっ!逃げないでよライーサ!」スカッ

マルセイユ(とにかく逃げろ!)

ライーサ(ティナ!うん!)



ケイ「すばしっこいわね!」ブン

ライーサ「ちぇ!?」

ケイ「えい!」ヒュン

マミ(逃げて誰かに伝えてください!)

ライーサ「ちゅ!」パタパタ

ケイ「飛ばせるわけにはぁあああ!!!」ズザザ

ライーサ「ちゅちゅちゅちゅちゅ」ビュン



ケイ「くぅ〜!逃がしたわ!新聞丸めたのじゃダメね?」

マルセイユ(良かったな)

マミ(ええ、これで助けも「次、マイルズ少佐呼びましょう」

マルセイユ(切り替え早っ!)

ケイ「あとマルセイユ、あんまりうるさいと焼くわよ」

マルセイユ(お前もかぁ……)



〜外〜


<<マイルズ少佐〜、朝の続きを手が空いてたらしたいの>>


マイルズ「今日はやけにケイが人を呼ぶ日ね?」

眼鏡ちゃん「そうですね、三人目ですか?」

マイルズ「多分。仕事熱心でいいわ」

眼鏡ちゃん「倒れられても困りますけどね」



シュミット「ああマイルズ少佐、マミを見てないか?」

マイルズ「いいえ。貴女は?」

眼鏡ちゃん「見かけていませんねー、ケイさんに呼ばれたっきりですよ」

シュミット「戻すように頼んでいた工具箱が見つからん……マミに会ったら資材置き場へ来るよう伝えてくれ」

マイルズ「任せて。多分ケイの所に居るでしょうから」



〜テント内〜


マイルズ「ケイ、補給の話?」ガサ

ケイ「ええ……輸送機の」

マイルズ「結局3人の担当区域外で何機か墜とされたのは知ってるけど」

ケイ「そのネウロイたち一個飛行中隊規模だっていうし、次見つけたらすぐ判るわ」

マイルズ「陸戦屋は対空があんまり得意じゃないからね。当てにしてるわよ」



マイルズ「で、リストを見せて?」

ケイ「はいどうぞ」

マイルズ「弾薬に換えの関節、防塵フィルター……魔導エンジンが少ないわね?」

ケイ「この前の防衛戦で隣が損傷大目に出したから」

マイルズ「確かに『ドッグベア』は孤立してたものね。そっちに回したなら文句なしよ」



マイルズ「あと……?」キョロキョロ

ケイ「どうしたのかしら」

マイルズ「マミは居ないのね。シュミット大尉が工具箱を探して……あ?」

つ箱の上の工具箱

マイルズ「多分それだけどなんでここに?」

ケイ「実は箱の中に鷲が居てね、閉じ込めてるのよ」



マイルズ「なんで鷲が……つまり置石代わりに使ってるのね」

ケイ「そうそう。あら、これも見せるの忘れていたわ」スッ

つ封筒

マイルズ「何これ?」

ケイ「開けて読んでくれない?今ちょっと書類探してるから」ゴソゴソ

マイルズ「どれどれ」



マイルズ「……!?」

つ紙切れ『Trans!』

マイルズ「……ケイ、これ一体?」

ケイ「え?何か問題ある?」

マイルズ「だって『Trans——ポフン♪


——モコモコモコ



マイルズ(何この感じ……身体が)

マイルズ(……縮んでる)

マイルズ(えーっと)プニ

マイルズ(肉球だわ、気持ちいい)プニプニ

マイルズ(私よね……これ)

マイルズ(あはは、タヌキになってる……もうダメ……)パタ



ケイ「あれま?これがタヌキ寝入り?」プラン

マイルズ「」

ケイ「つんつん……死んでる!」プニ

ケイ「おあつらえ向きね!とりあえずマミのところに放り込んどきましょう」ポイ

マミ「うにゃあ!?」ドサ

ケイ「——さぁて、準備開始!」



〜外〜


眼鏡ちゃん「おかしい……」

マティルダ「どうした」

眼鏡ちゃん「マティルダさん」

眼鏡ちゃん「実はうちの少佐とかマルセイユ大尉とかが軒並み行方不明になってて」

マティルダ「何?」

眼鏡ちゃん「どこ捜しても居ないんですよ……」

マティルダ「……ふむ、ちょっと、待っていろ」

眼鏡ちゃん「はい」



マティルダ「待たせた」

眼鏡ちゃん「はい……うわ」クルッ

つアフリカ民族儀礼装備

マティルダ「?」

眼鏡ちゃん「マティルダさん、何をする気です?」

マティルダ「黒魔術」

眼鏡ちゃん「え?」

マティルダ「黒魔術」



ドコドコドコドコドコ……!


マティルダ「%#&$#%$WEOGDSAW”%#”!TROPR”」


マティルダ「"!#$%$'%&'TUKY?++?*}*‘_+*‘_pl+BFER%tuyl<jg」


マティルダ「——!!!」ピキーン


眼鏡ちゃん「……どうなりました?」

マティルダ「犯人、ケイ」

眼鏡ちゃん「ケイってケイ少佐ですか!?」



マティルダ「……」コクリ

眼鏡ちゃん「そんな……確かにみんなを呼んでましたけど」

ライーサ「ちゅ!ちゅん!」パタパタ

眼鏡ちゃん「こんな砂漠に小鳥?」

マティルダ「この鳥、ライーサ」

眼鏡ちゃん「ええっ!?」



〜テント内〜


ケイ「ああーいいわねー?ホラこっち向いてー?」

マミ「にゃー」

マイルズ「くぅ……」

ケイ「可愛いわね〜!いくわよー!」カシャ


バゴオオオオオオオオォン!!!



ケイ「……え?」クルッ


マティルダ「&%%$'(U&$'#&´$%&'&%&$#"#%$&'y'K(I&O$LP」ゴゴゴゴゴ


ケイ「マティルダ……ちょっと待って!これには訳が!」


マティルダ「)%'(&$IJYWET$YJYO(’&%T$#BHIE%&O+?>>JH$Y!!!」ピキーン


——ンビビビビビビビビビ!!!!!


ケイ「きゃ……きゃあああああああああああああああああああ——



眼鏡ちゃん「つまり?」

マルセイユ「ケイは……一応は隊の運用資金稼ぎのため、私たちのブロマイドを撮るつもりだったらしい」

シュミット「本当か?」

マミ「ええ、ちゃんと撮る前に説明はしてくれましたが」

マルセイユ「だが自分が納得いくまで制限なく付き合わせたいからこんな手を使ったんだ、な?」

ケイ「きゅぅ……」シュン

マイルズ「頼まれても普通に協力しただろうけど、まあ監禁はされたくないわ……」



シュミット「で、なんで少佐は戻らないんだ?」

マルセイユ「そうだ。そろそろいいだろう」

ケイ「きゅーん!きゅーん!」ジタバタ

マミ「もしかして絨毯使って戻れないんですか?」

ケイ「きゅうん!」コクコク

マティルダ「……」

ライーサ「マティルダさん?」



マティルダ「……私がかけたの、黒魔術」

マティルダ「扶桑、欧州、魔法体系と、違う」

マルセイユ「……ん?」

ライーサ「まさか」

マティルダ「魔法でなく、呪い。しばらく、解けない」

一同「……」

ケイ「きゃわぉおおおおおおおおおおおん!!?」



マルセイユ「ケイ、自業自得だ」

ケイ「くぅう……」グス

マミ「あ……隊の指揮と書類とかどうします?」ナデナデ

ライーサ「マイルズ少佐……」

マイルズ「無理ね、明日から遊撃に出るもの」

シュミット「俺はその入れ替わりで来る戦車隊と『ティーガー』の整備が」

眼鏡ちゃん「そうなると……」

マルセイユ「ギクッ!」



マルセイユ「ま、待て!フレデリカが居るだろう!」

シュミット「アイツとシャーロットが定刻通り帰ってくるか?」

マルセイユ「……いつも弾薬切れまで支援砲撃してるな」

シュミット「そういうことだ、諦めろ」

眼鏡ちゃん「あの『パットン将軍』が一緒ですから、弾は切れませんね」

マルセイユ「嘘だろぉ……ケイぃ……?」

ケイ(あの絨毯持ち込んだの貴女なんだから当然よ!あいにく金子中尉も出向中だしね!)

ライーサ「私もお手伝いはしますから」






マルセイユ「クッソォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!?」






〜Africa of Deception〜






〜FIN……?〜






これにてこのスレの投下は終了です
埋めてしまって貰えれば次回投下時、約一ヵ月後に新スレを立てますのでそちらもよろしくお願いいたします
スレタイはリーネちゃんかミーナ中佐かで検索をどうぞ

余談ですがフミカネ先生のスーパー芳佳ちゃんがこのSSの八話の芳佳ちゃんイメージとピッタリでした

では、次回もお付き合いを




……実は明日は自分の誕生日です。スト魔女好きになった経緯はエイラと誕生日が同じだったからだったりします



乙!!

相変わらず見事やなぁ。

実際宮藤ってもう一段階上が有りそうだよね。

お久しぶりです

もう二ヶ月経ってしまいそうだったんですね……構想に時間を掛けすぎたようです
明日明後日中に次スレを建てようかと思いますのでお付き合いください

>>994遅れましたがいつもありがとうございます
    そちらもゆっくり頑張ってください

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