しんのすけ「バイオハザードが発生 したゾ」(1000)

みさえ「ん~~……天気予報でも言ってたけど、いい天気ね」

眩しそうに雲一つ無い青空を仰ぐ。

みさえ「洗濯物も終わったし、平日のお昼と言えば……」

…………

みさえ「家事をしっかりやったんだから、やっぱお菓子食ってゴロ寝よね~」ゴロゴロ

ちなみに、手を抜いた場合でもゴロ寝は欠かさないのがみさえである。
平日のこの時刻なら本来、この家にはみさえとひまわり、後はペットのシロだけのはずである。
だが……。

『乙女座のあなたは、今日はアンハッピー。落ち込んだ時には暖かい飲み物で心も温めて~♪
 さて、今日一番の運勢は……』
しんのすけ「おお、父ちゃん今日一番だゾ!」
ひろし「やっはは~、宝籤でも買ってみっか」
しんのすけ「そうやって調子に乗ると落ちるのが、人生の怖い所だよ父ちゃん……」
ひろし「人の将来をホンキで心配する目になるんじゃねえ!!」

みさえ「はぁ~」

『さ~今日の占いコーナーもおしまいよ! また明日も見てね~』
しんのすけ「うう……ゴメンねともちゃん。あすをも知れぬ身のオラには約束は……」
ひろし「オイオイ~、幼稚園が再会するかもしれないってだけでそこまで泣くなよ~。
    でもアイドルのともちゃん、ホント綺麗だったよな~」
しんのすけ「うむうむ、幼稚園がずっと学級閉鎖であってほしいくらいですな」

『最初のニュースは、春日部で流行している新型インフルエンザについて……』ピッ

ひろし「あ、何すんだよみさえ……」
みさえ「あんたらね~……」

いきなりテレビを消された事に、抗議の声を上げつつひろしは振り返る。
背後のみさえは怒りより、むしろ呆れた表情を浮かべていた。

みさえ「さっきからずっと、こんないい天気なのにゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……、
    家事を手伝うか、せめて外にでも行って身体動かしたらどうなのよ?」

直訳すると『お前ら目障りだから手伝うかどっか行け』である。

ひろし「何だよ~別にいいじゃねーかたまの休みくらい。俺だって疲れてんだぞ」
しんのすけ「そうそう、オラだって毎朝早起きして幼稚園勤務……トイレットがたまってんだぞみさえ」
みさえ「それを言うならストレスでしょ。それとパパの口真似をすんじゃない!」

これは進行具合的に書き溜めなし?

>>10
yes

ひろし「しかしなぁ~、さっきのニュースでも言ってたろ? むやみに外でたら俺も感染っちまいそうでなぁ」
みさえ「あなた達ならば(何とかは風邪ひかない的な意味で)大丈夫よ。
    それに、ずっと家に篭ってたら身体が鈍ってかえって不健康でしょ。少しはお外で遊んでおいで!」
しんのすけ「それを言ったら母ちゃんだって、ただでさえ崩れている体系がますます……」

みさえ「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
しんのすけ・ひろし「「!!!!!」」

彼らを臆病だと思わないでもらいたい。
テロリストだってこの視線には耐えられないだろう……。

しんのすけ「ととーちゃん! いー天気だから、らお外で遊ぼうよ!」
ひろし「いいな、か、カン蹴りでもするかー!」

明らかに棒読みの台詞を発しながら、そのまま逃げるように玄関に向かう二人。
いや、実際逃げているのだが……

園長「おやおやこんなところにゾンビがいるじゃありませんか?ぞんびさ~ん」
ゾンビ「ひぇ~俺より顔こえ~~~~」

ひろし「言ってきまーす!!」
しんのすけ「いただきまーす!!」
ガチャ、バタン!!

みさえ「ふぅ……」

疲れた顔で、ひまわりの寝顔を見る。

みさえ(私、人生失敗しちゃったかなぁ)

ひろしの事は嫌いでは無い、昔から喧嘩は多くたって、陳腐な言葉で飾るなら愛している。
ああいった所だって普段だったらむしろ和むのだが、数日前から繰り返されるとさすがにイヤになる所があった。
ここの所増える体重と駄菓子の量も、みさえの食い意地以外にもこういった精神面が影響しているのだ。

横に転がり、ひまわりの傍に寝そべる。
答えは出ずに、結局みさえもまた夢の中に逃げる事にした。

30分後、場面変わってN田空港……

ケビン・ライマン「ひゅ~……正直ちょっとケツが痛くなったぜ……」

ケビンライマンって誰だっけ

ケビン「アイツ等との久々の再会ってのはいいんだが……何もこんな海外で無くてもいいじゃねーかってんだ。
    ったく、誰だ日本なんて候補に挙げたのはよぉ」
コイツです。
ケビン「しかし日本だけあって日本人でいっぱいだな。シャイなオレ様がホームシックに、
    お、そこの君可愛いねっ! ちょっとお茶でも……ってああぁ~」

そんなこんなで、ターミナルの入り口にまで辿り着くケビン。
そこが『アイツ』との待ち合わせ場所なのだ。

ケビン「デイビィ? あれ、デイビッド?」

時間を30分もすぎているのに、探し相手の姿は何処にも無い。

ケビン「チッ、さてはアイツ迷子になりやがったな~。陰険な顔して、案外ヌケてんだなw」

本人がいないのをいい事に、本音をぶちまけるタイプである。

ケビン「じゃ、その間オレは空港土産の物色でも……」
デビッド「おい……」

>>19
バイオハザード外伝、アウトブレイクのプレイヤーキャラの一人

ケビン「ギクッ!!」
デビッド「人を一時間も待たせといて……随分なもんだな」

いつの間にか背後を取っていたデビッドに、思わず距離をとる。

ケビン「ああ、あらヤダいやのデビちゃん! それならそーと言ってよ~も~人が悪いんだから~」
デビッド「ヤメロ……」
ケビン「あ、ははは」
デビッド「本気で腹立つ……」

デビッドはそう言ったきり、ぷいっと顔を背けてしまう。
マズイぜ、こりゃマジで怒ってる証拠だ!
ケビンは焦りはするものの、彼の怒りを静める良案が思い浮かぶ事も無く、
受け取り忘れた荷物を取りに行くまで置いてけぼりにされない事を祈るばかりだった。

何とか見も知らぬ国を一人さ迷う自体は避け、二人はタクシーで目的地へ向かう事にしたが、
未だに気まずい雰囲気が車内を占領しまくっていた。

ケビン「だーかーらー、ホント悪かったってデイビット」
デビット「…………」
ケビン「だって仕方ねーだろ。初めて来た場所なんだからオレだって迷って」
デビット「空港土産物色するほど、余裕あるヤツが、か?」

ぐぅの音も出なくなった。いや、された。

デビット「それに、久々の再会だってのに何でそんなモン持ち込んでんだ」

運転手に聞こえないように配慮するでも無く、彼はケビンの脇腹を指す。

ケビン「ああ、コレね……」

コートにしまってはいるが、彼の指す先には大の大人でも扱いが難しい大口径の拳銃がある。
あれから、ケビンは未だに警察官を続けている。
ちゃんとした目的と、警官という身分があれば、海外から日本への銃の持込も許可されているのだ。
そして今回ケビンは上司に無理を言って、『日本へ逃亡した凶悪犯罪者の追跡』で入国した事になっている。

ケビン「『あんな事』があったから、な……これが無えと安心できなくなっちまってよ……」
デビット「その『あんな事』を忘れるための集会だろうが。それなのに思い出させるような事をすんのか?」

これにはさすがのケビンもムッと来た。

ケビン「それを言ったらお前……お前だって普段着なのに物騒なもん持ち歩いてんじゃねーか
    立派なジュートーホー違反なんだぜ、日本じゃあよ?」
デビット「こいつらは商売道具だ、逮捕するかい」

この男は何時からここまで嫌味を言えるようになったのだろうか?

デビット「止めてくれ」

デビット「フン……」
ケビン「お、おいデイビット?」

タクシーを静止させたかと思うと、そのまま下車してしまった。

デビット「気分転換だ……先行ってろ」

バタン!

ケビン「はぁ~」

確かに遅刻したのも、演技でも無いモノを持ち込んだのも自分が悪かった……が、

ケビン「何もそこまで気分悪くするかねぇ」
「お客さん、出して大丈夫ですか?」
ケビン「あ、ああ。ただし行き先変更だ。ロベルトん家へ頼むぜ」
「あの……住所を……」

まぁ少し歩けばアイツだって頭を冷やすだろ。
ケビンは深く考えない事にした。

所変わって、児童公園。
ひろし・しんのすけ「「うおおおおおおお」」
この日行われていたカン蹴り親子デスマッチは、猛暑の中白熱した展開となっていた。
これで21回戦目、これが最後の大勝負、クライマックスと言うわけである。

しんのすけ「必殺、ケツだけフライングボンバー!!!」

カーン

ひろし「あ"あ"~しまった!」

軍配は知れぬ所で開発した新必殺技を披露したしんのすけにあげられた。
が、この後のひろしにとって泣きっ面に蜂な出来事……
空高くまで飛んでいった空き缶は、綺麗な放物線を描き、

コンッ
デビット「!」
ひろし「うへぁ!」

公園のベンチに腰掛けていた、ガラの悪そうな外国人の頭を直撃した。

デビット「……」スッ

外国人+無骨な表情+凍りついた視線+近づいてくる=殺られる
もはやひろしの脳内ではこの公式が成り立ってしまった。

ひろし「うびゃああああスイマセンスイマセン勘弁してください!
    家には娘と金遣いの荒い妻がいるんです! 家のローンと車のローンが合わせて60年、
    おまけに……」
しんのすけ「おじさん、男なのに髪結んでるの? 変なのー」
デビット「……」スッ
ひろし「うわああああああし、ししんのすけテメー!!
    すすすすスイマセン、息子だけは、息子だけは、息子だけはーーー!
    殺すんなら俺を殺せー、し、しんのすけに手ェ出すんじゃ」
デビット「何言ってやがる……」
ひろし「ち、ちくしょー! 元卓球部の反射神経を見せてやるー! しんのすけだけは守って……へ?」
デビット「アンタのだろ……」

デビットの手にあったのは、さっきしんのすけが(尻で)飛ばした空き缶だった。

ひろし「あ、は、……はい!」
しんのすけ「お~怖い顔なのにいいおじさんだ!」
デビット「いいおじさん? ……ハンッ」

スッ

しんのすけ「おじさんもカン蹴りどお? 近頃の流行なんだゾ!」
デビット「……」

しんのすけの無邪気な言葉に、何の反応も示さない。

デビット「お前……」
ひろし「はい!」
デビット「『ホンモノ』に出会った時は、気をつけな。さっきみたいのじゃ却って
    火に油を注ぐぜ……?」
ひろし「はい!」
デビット「その坊主、守ってやりな……」

再び、踵を返してしまった。

しんのすけ「坊主じゃないぞ? オラしんのすけ、だよね父ちゃん?」
ひろし「はい!」

ひろし「はぁ~助かった~……」
しんのすけ「ねぇねぇ父ちゃん父ちゃん、マンホールマンホール!」
ひろし「絶 対 ヤ ダ !! てか何でアンコールなんてしなくちゃいけねーんだよ!」
しんのすけ「だってホラ」

「…………」

しんのすけの指先には、おそらく買い物帰りの、若い女性がひろしとしんのすけを見つめていた。

しんのすけ「今の父ちゃんを、すっごく面白そうに見てるでしょ」
ひろし「怪しんでんだよ。 あ、スイマセーン騒いじゃって……」

その声に反応したかのように、女性はやけにフラついた足取りでひろしへと近づいてくる。

ひろし「いえいえ、ホント大丈夫ですから心配していただかなくても……
    というか、そっちこそ大丈夫……?」

若い女性に心配されているなら悪い気がしないが、どうも様子がおかしい。
まず、顔色が異常に悪い。
学生時代、みさえをとことん酔っ払わせてみたが、その次の日のみさえの方がまだ生気があったほどだ。
表情も、少なくともひろしの事を怪しんでいるとか心配とかでは無い。
ひろしを、人間として捉えていないというのか……。

ひろし「あの、大丈夫ですか? 具合が悪いんだったら……」

再度問いかけても、返事の代わりに返ってくるのは喉を鳴らすような呻き声だけ。

しんのすけ「父ちゃん……?」

ズボンの裾を掴むしんのすけの手が、やけに強かった。

デビット「バカ、 離 れ ろ !」

叫び声が、却って裏目に出てしまった。

ひろし「へ……え、どわあぁあああ!!」
しんのすけ「父ちゃんっ!!」

女性……ともはや呼んでいいのか?
信じられない怪力で『ソレ』はひろしの両腕を掴み、地面へと押しつけた。
そして口を開けながら、ひろしの顔へ異臭のする口腔を近づけてくる。

ひろしは相手の顎を押さえる事で、それを防ぐ。

ひろし「あいてててててて!」
しんのすけ「おお、父ちゃん不倫! 父ちゃん不倫!」
ひろし「ち、違うだろ! これはこの人が一方的に……あ、あのね君!
    気持ちは嬉しいけどいきなりこんな乱暴な……」
しんのすけ「ヘイ奥さん、そんな足臭オジサンよりオラなんてどうですか?」
ひろし「ダメだって、オレには愛する家族とローンが……」

デビット「アホか!」

走ってきた勢いも合わせた前蹴りを、デビットはソレの顔面にぶち込んでやった。
顔面の骨を盛大に凹ませたソレは、宙を一瞬だけ舞い、ひろし達から1メートル離れた所で痙攣を始めた。

ひろし「ちょ、ちょっとアンタ! 何てことすんだよ」

その仕打ちに、抗議の声を上げたのはひろしだった。

デビット「状況が分かってねえのか!? コレを見ても!」
ひろし「た、確かに、大胆なアプローチだったけど……そ、そうだ救急車!
    あんた携帯持って無いのか!」

あるよ、と取り出してからすぐにひろしはそれを引っ手繰ってしまった。
何て暢気だろう。デビットはそれを仕方が無いとは思っていたが、やはり胸糞が悪い。
ひろしは慣れない手つきでボタンを4回ほど押し、電話をかけるが……

『これは録音です……ただ今119番回線が込み合っているため……』

ひろし「……?」
しんのすけ「…………」(ひろしの足にしがみ付く)
デビット「…………」

ひろし「な、どうなってんだよ!」ピ、ピ、ピ、ピ……

『もう一度おかけ直しになるか、そのままお待ちください……』

ひろし「どう、なって……」

ガサリッ

     ウゥゥ
ァァ……

先ほどデビットが蹴飛ばしたソレは、助けも叫びも求めずあげず、ただビクビクと生物的な痙攣を繰り返している。
そして、公園の入り口に2人、フェンスを乗り越えて左手から3人、右手から1人……
計7人……。いや、7体と言うべきだろう。

しんのすけ「父ちゃん!」ギュ

再び恐怖がぶり返してきたのか。
しんのすけは、自分ができるだけの力を精一杯両腕に込め、ひろしへと抱きついた。

ひろし「なぁこれ、どういう事だよ……」

ポジティブなひろしも、さすがに異常事態を認め始めていた。
顔を青ざめる二人とは対照的に、デビットはポケットに忍ばせていたナイフを取り出す。

デビット「単純なこった」

デビット「『ホンモノ』に、出会っちまったんだよ」


奴らは―――――アンデッドだ!」

しんのすけ「父ちゃん……オラたち、こんなにモテモテだったんだね!」キラキラ

ズデデッ!

余りにも脱力すると、人はズッコケルと言う事をデビットは初めて知った。

しんのすけがデビットと出会う10分ほど前……

みさえ「は、いけない……」

時計を見ると、時計は最後に見た時から長身が二周りしている。

みさえ「…………」

あれだけ寝たのに、まるで疲れが取れていない。
頭がダルい。

身体の疲れは睡眠で取れるが、精神の疲れはそうはいかないのだ。

何だろう? 何かが足りない。
でも……何だろう、思い出せない。

ゆっくりと頭を働かせ、決定的な違いを……。

みさえ「ひまわり……?」

思い出した。
彼女は、自分がおきるとすぐに母親である自分も起こしてミルクを強請りたがるのだ。
全く、誰に似たのだろうと呆れた事もあるが、それでもそれが嬉しいのだ。
その時だけは、みさえも自分は母親なんだと実感し、疲れを忘れる事ができた。

みさえ「ひまわり……?」

ひまわりが……居ない!

みさえ「ひまわり!」

何かイヤな予感がする!
まるで……急がないとひまわりを永遠に失いそうな!

以外な事に、ひまわりはすぐに見つかった。
台所のテーブルの一角、そこに居た。

みさえ「」

愕然としながら、膝を突く。
彼女の目の前では、生後1年にも満たない少女が、巨大生物の口からその身体の一部をのぞかせていた……

みさえ「もー、ほんっと誰に似たのかしら……」
ひまわり「あー まんまー! まんまー!」

ひまわりの口から取り出したネズミを、みさえはベランダから放り出した。
多少ヨタヨタしていたが、すぐに元気に茂みへとネズミは見えなくなった。

振り向くと、案の定。
玩具を取られたと思っているのだろう、ひまわりは頬に空気を精一杯膨らませ、ぶーたれていた。

おそらく、あのネズミはひまわりが目を覚ました時に通りすがったのだろう。
ひまわりはソレに興味を持った、だからみさえを起こさなかったのだ。
それで、抵抗して面白かったから口に入れてみた……これでまず間違い無いだろう。

みさえ「ホント、心配させてー。 口の中とか噛みつかれたらどうするの!」

自分が怒られているという自覚も無いのだろう。
ひまわりは、自分が母親に話しかけられている事で、無邪気に笑うのだった。

ドン ドン ドン

みさえ「……!?」

玄関の方から、突然の扉を叩く音。

ドン ドン ドン!

ひろし達が帰ってきたのかと思ったが、すぐにありえない気付く。
玄関に鍵なんてかけた覚えは無いし、仮に鍵をかけてしまったのなら外から声を出せばいい。
そもそも、庭に回ればいいだけなのだ。


ドン  ドン  ドン  ドン!!

音は叩くというより、全身で体当たりをしているように聞こえた。

じゃあ、一体……。

待て……。

『鍵なんてかけた覚えはない』。

ドン  ドン  ……………

やがて何かに気付いたかのように、一瞬だけ音が止み、ギィィと、扉を開く音が聞こえた。

ひまわり「た?」

腕の中のひまわりが、一瞬だけ暢気な顔を覗かせるが、すぐに異臭に顔をしかめる。
だが今のみさえにはそれを感じ取る事すらできない。
何か……いる。 日常ではありえない何かが、であったら全てが崩れてしまう何かが……後ろに。
近づいている。

見たくない……でも……!!

「ガァアウ………ぅ」

振り向いたきっかけは、その呻き声だった。

「………………」

自分が予想していたような悲鳴をあげる事はできなかった。
ホラー映画とかで悲鳴をあげるヒロインは、そういう訓練でも受けているのだろう。
みさえは、目の前にいるソレが、顔にこびり付けているものが良く分からなかった。

良く見ると、こびり付いている、という表現は正しくもあり間違いでもある。
こびり付いているのは固まった血液。
反対に剥がれているのは……。

みさえ「―――――――っ!!」

生物室で見た人体模型、それの現実版。
それを目の当たりにしているのだと知った瞬間、みさえの理性のメーターは吹っ切れた。
ひまわりを抱えたまま、家の奥へと走る。
もう何も考えられない。
逃げないと。
ひまわりを、自分を、アイツが来ない所へ!

自分が何処に向かっているのかも分からない。
ただ、頼り無さそうな引き戸、ガラス戸を潜り抜け、目の前の窓から外へ出ようと覗き―――

「キャアアアアアアアア」

想定しえる状況の中でも、得に最悪な物を見てしまった。
さっきの何処の誰とも知れないヤツでは無い。
さっきのヤツが、生まれた時からああでは無く、元は普通の人間だった事が証明されてしまった。

窓の外に居た物について、一目で分かった事は二つある。
一つは、アレは付き合いが深く、親しかった近所のおばさんであるという事。

そして……その人は、アンデッドと化した事、だ

混乱した頭で、何も考えずに窓を閉めて鍵をかける。
ひまわりを、タイル貼りの床へ置いて、何とか冷静になろうとするが、勿論みさえはここが浴槽である事ももう分からない。
振り返ると、侵入者はすでに引き戸の前まで来ている。
そして、みさえを見つけた途端、両手を挙げて近づいてきた。

最悪のオマケに、これで侵入者は自分を狙っているんだと証明されてしまったのだ。

「イヤッ!」

パニックになりながら、割れそうな勢いでガラス戸を閉ざした。
そこから数歩離れて、荒い息遣いのまま壁を背後にへたり込む。

ドン  ドン  ドン

鍵をかけるが、曇りガラスの向こうでアイツが諦めずに突破を試みているのが分かる。

ドン  ドン   ドン
ドン  ドン   ドン

本能的行動とは言え、結果的に懸命な判断をしている。この調子ならば、破られるのも時間の問題だろう。
みさえは、もう戸を押さえる事も、武器を持って侵入者から身を守ろうとする考えも浮かばなかった。
ただ、ひまわりを抱きかかえ、目を瞑るだけ。

ドン  ドン  ドン  ドン  ドン

(やめて……)

ドン  ドン  ドン  ドン ドン

(怖い……怖い……怖い……怖い……)

ドン  ドン  ドン  ドン  …………

パァン

走馬灯、のような物が一瞬見えた気がした。
だが、それが終わったとき……。

ひまわり「たーたー!」
みさえ「…………あ」

ひまわりが頬を撫でる感触で、ようやく自分は泣いているのだと気付いた。
辺りは、静寂……。
曇りガラスの向こうに、人影は無い。

みさえ「うぅ……ひっく……ぅぅ」

みさえは泣いた。
ひろしが浮気したと勘違いした時のように、
しんのすけが生まれた時のように、ひろしと喧嘩した夜のように、
ひまわりが生まれた時のように……。

嬉しかった。自分が生きている事が、ひまわりが居てくれる事が……!
生きていれば、色々な事ができるのだ……!

なおも流れ出す涙を、ひまわりは慰めるようにその小さな手でなおもみさえの頬を拭ってくれた。

ガチャ! ガチャ! ガチャ! ガチャ!

つかの間だった。

浴槽のガラス戸は、向こう側にも小さい鍵ツマミが付いている。
爪か1円玉でも使ってまわせば、それだけで鍵は開いてしまう。

みさえ(もう、逃げない……!)

この場の武器……刃物といったら、せいぜいひろしの髭剃りくらいしか無い。
だが、それは横に滑っても、一切肌を傷つけないというとんだ『優れものだ』。
実際、みさえはスネ毛剃りで何度もお世話になっているから良く分かる。
それじゃダメだ。

彼女は、中身がタップリ詰まったシャンプーの蓋を開け、構える。
もう怖くない、戦って、これまでと同じ生活に戻ってやる。

カチャリ。

あまりにあっけない音と共に、扉が開いた。

みさえ「喰らいなさい! 怒りのみさりん高級シャンプー(完全予約制12050\)!!!」

バシャリ

ケビン「うおあああああ!!?」

侵入者の苦しむ悲鳴が聞こえたが、もう遅い。
徹底的に叩きのめしてやる。
みさえは相手を確認もせずに殴りかかっていった。

みさえ「ひまわりにも、私にも、手なんて、触れさせないんだからーーーーー!!」
ケビン「落ち着けって、落ち着こうぜマダム!!」

みさえ「あ……」
ケビン「わ、分かってもらえた?」

気が付けば、頭にタンコブを作っていたのは、さっきの侵入者とは別の、白人男性だった。

ひまわり「たーーーーー!!!」キラーン

みさえに似て、色男に目の無いひまわりは、その姿を捉えた瞬間に突撃した。
そのままケビンの胸元に顔を擦りつけ甘える。

ケビン「は、ハハ……可愛いもんだね」ナデナデ
みさえ「あ、あの……」
ケビン「初対面で悪いんだが、ここら辺の地図無いか? どうも道に迷っちまって」

バツが悪そうに頭をかきながら、ケビンは立ち上がった。
結構背が高い。

ケビン「ああ、あと腹減ったな」

初対面の男にそんな事を言われたのは、みさえの人生でも最初だったりする。

To Be Continued

んじゃ、明日までに残ってたら書く。
おやすみです。

「キャアアアアアアアア!!」

              「クソ、どけっ!」
「お母さーーーん、お母さーーーん!!」

    「誰か―――」

春日部と言う街はこの日、二度目の悪夢に直面していた。
悪夢には上限が無いのだろうか?
いつかの巨大ロボットと違い、今回の悪夢はどこが安全と言う保障は無い。
そもそも敵は被害者であり、悪では無いのだ。
さっきまで愛や信頼を寄せていた人間が、姿形はそのままに排他すべきおぞましい存在となりこの世に戻ってくる……!
それを目の当たりにするのは自分かもしれない。いや、あるいは自分がその異形へと化すのかもしれない。
人間は、神を超えたと言っていいだろう。
『死んだ人間は生き返らない』という根本を覆し、全ての天災を上回る悲劇を作り出す事に成功したのだから……。

ジム・チャップマン「ヘーイ! ヘーーーイッ!」

だが、その神をも超えた所業に振り回されない黒人が居た。

ジム「ケビンーーーデイビットーーーー、居るなら居るって言ってくれよーー!!」

ジムは、流れてくる避難者達もおかまいなしに、堂々と道に真ん中で手を振り続ける。

ジム「居ないんなら居ないって言ってくれーーーー!」

ボケても、生き残る事に必死な人間達は突っ込んではくれなかった。

ジム「はぁ……」

ジム「ほんっと、イヤんなっちゃうよなぁー」

1年前と同じ悪夢を、別の国でまた見るハメになるとは思わなかった。
それも、かつての仲間と生き残った事を祝うめでたい日に、だ。
おまけに、迷子のケビンとデビットの探索をやる事になるし、これじゃラクーンで働いているのと同じだ。
というか見つかる訳ないだろ! こんな広い街で!!
オレってホントパシリ属性身についてんのね、全く。

ガシリッ

ジム「おわ!」

振り返った先の物を視界に入れた瞬間から、ジムの脳が恐慌のシグナルを発するのは、コンマ何秒ともかからない。
もう、ここまで来ていた!

ジム「ヤバ」
マーク「伏せろ!」
ジム「いっ!」

自分の頭スレスレを、風が通る感覚。

グチャリ……ドサッ

目を瞑っていたジムに、その瞬間は見えない。

目蓋を開けてみると、そこに居たのはやはり『この街でも』すでに見慣れてしまったアンデッドの顔だった。
午前は肌が黄色い女の子に新鮮味を覚えたが、コイツらには何の感慨も覚えない。
死んでしまえば、日本人もアメリカ人も土気色の肉塊、全く同じ物だ。

ジム「サンキューマーク……でも、もうちょっと怖くない方法で助けてよ……」

マーク「スマンな。そっちにケビン達は?」

ジム「見ての通り、見つかんなかったヨ」

マーク「……そうか」

ジム「………………」


 ワー
          キャーーー
 パンッパンッ
       ヒィィィ
  クルナ、クルナヨー!

  グチャ、ゴチャ、ブジュリ

ジム「ここももう危ないね……」

マーク「前の時より、広がるのが早すぎる……」

この調子だと、1日足らずで町中に広がるだろう。
すでに春日部が隔離されているのは想像に難くない。
街の外へ出ようとする周りの人々の労力も無駄に終わるだろう。

マーク「ジム、一旦拠点に戻ろう」

ジム「イエッサー!」

ふたば幼稚園保健室、この幼稚園は専門の保険医を雇ってはいるが、今そこにその姿は無い。

「痛い! 痛いよ、痛いよーママー!」

ジョージ「ゴメンよ……頑張ってくれ、大丈夫だから」

「うわああああん痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃ!!!!」

やさしい言葉とは裏腹に、強い力で園児を押さえつけ治療を続ける。
園児の胸に付けられた生々しい傷跡に、洗浄用刷毛を走らせるたびに片方は身体を痛め、もう片方は心を痛める。

ジョージ「大丈夫、もう終わったよ」

「グスッ……ヒック……痛い……痛い……痛い……」

傷口の上に綿を載せて、それを包帯で固定する。

ジョージ「大丈夫かい?」

「大丈夫じゃない、痛いよぉ……死んじゃう」

ジョージ「ゴメンね、だけど、痛いのはすぐに収まるよ」

一旦夕飯
一時離脱

ジョージ「いいかい、痛いっていう事はどういう事か分かるかな?」

未だにグズる園児の頭を撫でながら、屈み込んで視線の高さを合わせる。

ジョージ「君は怪我をした事があるかい? 最初は痛いけど、後になって段々血が固まるだろ?
     そして、最後には綺麗に治る、それは何でか分かるかい?」

「お医者さんが、治してくれたから……?」

ジョージ「ちょっとおしいかな? 怪我が治るのも、痛いのも、自分の身体が治してくれているからなんだよ」

ジョージ「ご飯を食べるのは何でか知ってるかな?」

「おいしいから……?」キョトン

ジョージ「うん、その通り。それともう一つ。自分の身体を大きくするためなんだ」

「…………?」

ジョージ「ちょっとまだ難しいかもしれないね。たとえば、君のお父さんお母さんは君より大きいだろ?
     一人の力で勝手に大きくなるんじゃあ無い、色々な食べ物から、エイヨウっていう大きくなるモトを貰って、
     大きくなれるんだよ」

「…………」

ジョージ「そうやって痛いと思いながらケガが治るのも、お菓子を食べて身体が大きくなるのも、実は同じ事なんだよ」

「…………へ?」

ジョージ「生きている、って事なんだ」

「………………」

ジョージ「これは物凄く難しい事だからね、実はおじさんもまだ良く分からないんだ」

ジョージ「でもね、これだけは言えるんだよ。生きているから、君は友達と遊べるし、お菓子だっておいしいんだ」

「生きて、無かったら……どうなるの?」

ジョージ「お菓子もおいしくなるなるし、ケガも治らない。お友達とも遊べなくなっちゃうんだ……」

「…………」

ジョージ「もちろん、お菓子を食べ過ぎるのもよくない、虫歯になっちゃうからね。
     同じように痛い事が多すぎてもダメなんだ」

ジョージ「でもね、辛い事であっても、『生きている』には必要な事なんだよ。
     さっきも言ったように、『痛い』ってのは君の身体が頑張ってくれてる証拠だからね」

「…………」コクン

ジョージ「痛いのは我慢できないし、イヤだよ。おじさんも分かる、泣いちゃっても仕方が無い。
     でもコレだけは覚えておくんだよ。いつか、これよりもっと痛い時が来るかもしれないからね」

「これより、もっと……!?」

ジョージ「ああ、イヤだろうけど」

「ううん……イヤじゃない」

ジョージ「!」

「おじさん、ぼ、ボク……頑張り、ます! グス」

ジョージ「君は強い子だ」ナデナデ

ジョージ「さ、少しオヤスミしよう。 元気になったら、またお友達と遊べるからね。マサオ君」

「ぶっとばすぜベイベー……!?」

ジョージ「ああ、イヤだろうけど」

「ううん……ぶっとばすぜベイベー」

ジョージ「!」

「おじさん、ぼ、ボク……ぶっとばすぜベイベー! グス」

ジョージ「君は強い子だ」ナデナデ

ジョージ「さ、少しオヤスミしよう。 元気になったら、またお友達と遊べるからね。マサオ君」

「クカー」
「スー、スー……」
「スピー」

眠りに入った小さな天使達の顔は、ひどく安らかだ。
それを見て、ジョージもほんの少しだが微笑みを浮かべる。

コン

  コン

ジョージ「……どうぞ」

園長「失礼します」

ジョージ「!!」ビクッ!!

ジョージ「あ、失礼く……園長先生、それにアリッサ」

アリッサ「邪魔するわよ」
園長(僕の顔って、万国共通で怖がられるんですね……)

お約束でワカメ涙を盛大に流す園長。
アリッサはそんな彼など気にも留めない。

園長「もしかしたら邪魔かなと思ったんですけど、お茶を入れたんでジョージ先生、よろしければ……」

ジョージ「邪魔なんてとんでもない。むしろちょっと疲れていて、丁度いいくらいですよ」

園長「それでどうです、子供達の具合は」

ジョージ「え、ええ。みんな傷口も浅くて、大した事はありませんよ」

多少どもりながらも、ジョージは事実だけを淡々と答える。
自分の、できるだけの治療をしたのは事実なのだ。
後は……奇跡を祈るしかない。

アリッサ「…………」

ジョージ「ただ、まだしばらくはみなさんから離す事になるんですよ」
園長「というと……」
ジョージ「いわゆる隔離……いや、面会謝絶という形になります」
園長「!」

園長の驚いた顔に、一瞬マジで殴られるのでは無いかと怯んだ。

ジョージ「その間は、私が付きっ切りで看病いたしますから、心配はいりません」
園長「…………分かりました」

多少迷ったが、すぐにジョージの言う通りにする事にした。
一緒に避難している父兄の方々に、すぐ元気な姿を見せてあげられないのは残念だが、医者の支持に従うべきだろう。

ジョージ「スイマセン……」
園長「いいえ、いいんですよ。 こちらこそあなたには苦労ばかりかけて……。
   何か手伝える事があれば、いつでも言ってください」

それだけ言うと、園長先生は立ち上がり保健室から立ち去った。

ジョージ(人は、見かけにはよらないものだな……)

そして、保健室にはジョージとアリッサだけが残された。

アリッサ「マークとジムが帰ってきたわよ」

ジョージ「そうか。それで、ケビン達は?」
アリッサ「見つからないって」
ジョージ「そうか……」

こんな状況だ。せめて、ケビンとデビットの天然漫才さえあれば、まだムードに救いが出てくるのだが……。
無い物をねだっても仕方が無い。無事を祈ろう。

アリッサは、おもむろに手帳とペンを取り出した。

アリッサ「ところで、実際の所はどうなのよ?」
ジョージ「どうって?」
アリッサ「さっきあの怖い顔の園長にした話、ウソなんでしょ?」
ジョージ「…………」
アリッサ「別にいいじゃない、教えてくれたって。一回だけとは言え一緒に寝た仲なんだから」
ジョージ「…………ふう」

ジョージ「彼らのために10gの麻酔モルヒネが買えるならば、全財産を投げ出してもいいって所だ……」
アリッサ「そう」

それだけを返すと、何を思ったのか彼女はカメラを取り出した。

慣れた手つきで、アリッサは両手に余る無骨なカメラのファインダーを、
さっき診たマサオという子に向けた。

ジョージ「何をしている、アリッサ?」
アリッサ「見りゃ分かるでしょ」

パシャ パシャ パシャ
シャッターを切る音が、狭い部屋にやけに響く。

ジョージ「よせアリッサ、撮るんじゃない!」
アリッサ「別にいいじゃない」カシャ カシャ カシャ
ジョージ「何がいいと言うんだ!」

その問に全く答えず、別の子供へファインダーを切り替えた。

ジョージ「よせ!」グイッ!
アリッサ「な!!」

写真を撮る事が悪いわけでは無い。
だが、ジョージにはアリッサの行為が尊い命を踏みにじっている何かに思えてならなかった。

アリッサ「離してよ! 真実を伝えるためよ、別にいいでしょ!?」
ジョージ「何がいいというんだ!」
アリッサ「ここで真実を伝えるための写真を撮らないと、きっとまたこの事件は闇に葬られるわ!! あなたはそれでもいいのジョージ!?」
ジョージ「…………!!」

彼女の言う通り、ラクーンシティの事件は原子炉の不幸な事故で片付けられ、真実の声は誰にも届かなくなってしまった。
悲劇を繰り返さないため……アリッサが正しいのか? ジョージの気持ちに迷いが生まれる。

アリッサ「それに、この子達どうせもう助からないんでしょ!? だったら別にいいじゃない!!」

生まれて初めて、女を叩いてしまった。
手には未だに生々しい感触が残っている。

アリッサ「………………」

アリッサは床に倒れながらも、自分に軽蔑の視線を向けていた。
ああ、全くなんて女だ。

ジョージ「ここに君の仕事は無い。 出てってもらおうか」
アリッサ「…………」スッ

さっきの園長先生とは違い、何も言わずにアリッサは出て行ってしまった。


マサオ「おじさん……?」

おそらく、今ので目を覚ましたのだろう。
マサオの怯えている顔を見て、自分がようやくどんな表情をしているかに気付いた。

ジョージ「すまない……マサオ君……」
マサオ「………………」
ジョージ「すまん……ごめん……」

ジョージもまた、顔を抑えてその場に崩れた。

神よ、あなたは一体何が正しいとおっしゃりますか?

ネネ「お義母さま! 少しくらいなら我慢できましたが、私もう耐えられませんわ!」
シンディ「え あ ハイ……一体何が」
ネネ「何がも何もありませんわ! あなた今日も真理子を甘やかして、おかげでどんどんあの子我侭になって行くんですよ!」
シンディ「え、でも……小さい子にはやさしく」
ネネ「人の教育方針に口出さないでください! いいですか、今の子供は小さい頃からの躾がガミガミガミ
   大体、廊下掃除する時ビショビショにガミガミガミ
   おトイレくらい、せめて一人でできるようにガミガミガミ」
シンディ「ふぇぇえ……」

ヨーコ「あ、あの、ママ? おばあちゃんをそんなに叱らないで」
ネネ「まぁ真理子、あなた! 女手一つで育ててきた私に逆らうつもり!?」
ヨーコ「そ、そんなつもりじゃ」
ネネ「フン、思えば去年アル中で死んだあのヒモもロクデナシだったけど、あんたはソイツに似たのかしらね?」
ヨーコ「そんな、お父さんも好きでヒモだったわけじゃ」
ネネ「結果として同じよ! 努力したって結果が伴わなきゃ意味が無いの!
   アイツが残してくれたのなんて、せいぜい保険金くらいよ!!」
ヨーコ「はぅ……」

風呂入る

保守

シンディとヨーコ達がここに来た時、園児の顔に笑顔は無かった。
戦争孤児だってここまで酷くは無いだろう。殆どは俯き、あるいは泣きはらし、まるで教室全体が死んでいるかのように思えた。
それは大人達も例外では無く、涙を流し続けるポニーテールの女性に、それに寄り添う多少化粧の厚い女性、
そして教室の隅では眼鏡をかけた内気そうな女性が藁人形作りにせいを出していた。

だからこそ、こんな状況でも彼女達は明るく振舞った。
シンディは人柄が良く現れた笑顔と言葉で、ヨーコは不器用ながらも誰かを助けたいという気持ちがにじみ出る態度で。
そのかいあって、
元々母性の高いシンディ、子供好き(だと本人は思う)のヨーコは、園児達にすぐに打ち解け、彼らの顔にもわずかながら笑顔が戻ったのだ。

そして現在……。
教室の一つに集められた園児たちの視線を集めながら、シンディとヨーコはよしなが先生の忠告を無視した事を後悔した。
だって、少女に『おままごとをしてほしい』と言われて、蓋を開けてみたらこんなドロドロした展開が待ち受けているなど誰が思おうか?

シンディ・ヨーコ((よしなが先生、上尾先生……へるぷみ~))

視線を向けても、もはや二人は知らん振りだった。

アリッサ(うるっさいわね……考えが全然まとまらないじゃない……!!)

ここに来てからと言うものの、イラつく事ばっかりだ。
大体、何で自分達はここに居る?
決まってる、あのお人好しのお医者様のおかげだ。

アリッサ(子供がケガをしてるから助けてくれ、その一言でホイホイ付いて行ったんだから、世話ないわね)

おかげさまで、自分は好きでもない、むしろうっとおしさすら感じるガキ共のお守り。
カメラまで壊され……。
何が哀しくてこんな事をしなければなだないのだろう。

アリッサ(フン、ジョージ。アンタ甘すぎるのよ。いや、甘いのはコイツラ全員ね)

人の命は平等だというならば、大勢を救うために少数の尊厳くらい踏みにじられてしかるべきでは無いか?
むしろ、そうやって何かを残せて死ねるのならばあの子達だって報われる。
それが何故分からない?

そして極めつけに唯一の足となりうる趣味の悪いペイントの送迎バスは現在修理中。
修理できる人間は誰もいないし、バス以外でまとまって逃げるのは危険と言う事で未だに立ち往生と言うわけだ。
よくもご都合的に悪い事が続くものだ。

ホントなら5レスにちじめられそうな幼稚園編が……
グダグダになってきたなー

ちょっとコーヒー飲んでくる

みさえ「ねぇケビン、ロベルト君は」
ケビン「クソッタレ……」

戻ってきたケビンの最初の一言がそれだった。
それ以上は何も言わずに椅子に付く。

みさえ「どういう事なの? テレビでは何にも言って無いのに」
ケビン「そのうち、『インフルエンザの流行が激しくなったんで春日部隔離』ってニュースが入るぜ」

はんっ これが? 随分と時代最先端のインフルエンザもあったもんだ。

ケビン「みさえ、ここで旦那を待つか?」
みさえ「え、そのつもりだけど……」
ケビン「言い辛いが、止めといた方がいい。
    この調子だと、夜になりゃさっきのがウジャウジャ沸いてくるぜ?」

ケビン「そうなる前に、せめてもう少し安全な所に向かった方がいいな」

ケビン「そのひろしさんってヤツには、とりあえず書置きだけ残して……聞いてるか?」

しばらく、沈黙が訪れた。
ひまわりも、家に上げられたシロも、会話の意味など分かっていないのだろう。
いつものとぼけた顔を向けている。

みさえ「ゴメンなさい……」
ケビン「…………」

みさえ「あなたの言ってる事の方が、正しいのは分かる。でもね……
    やっぱり、あの人達を置いて逃げるなんてできない。」
ケビン「ハハ……」

妬けちゃうね全く。

ケビン「そいで奥さん、その任務にボディーガードは必要ですかな?」
みさえ「?」
ケビン「作戦内容は、あんたの旦那を待つ。あんたを安全な所まで送り届ける。
    それを手伝わせてもらえないかい?」
みさえ「……ホントに、いいの?」
ケビン「オフコース! こうなったのも何かの縁だしな!」

最後の言葉に、しんのすけを思い出してほんのちょっとだけ苦笑した。

やがて、どこかから三人と一匹にとって聞き覚えのある声が聞こえてきた。

ひろし「―――ぅ ――――でさ」
デビット「………、……」

みさえ「あなた……!」
ケビン「お!」

しんのすけ「―――、ですなー!」
みさえ「しんのすけ!」
ひまわり「たぅ!」

まだ玄関から遠いが、間違いない。
聞き違えるはずが無い!
生きていた……!

生きていてくれた。

ケビン「まぁ~ったくディビィのヤツ、何だかんだでオレを追ってきてくれたのか!
    素直じゃねーんだもんな~w」

黙れ。

みさえ「あなた! しんのすけ!!」
シロ「アン!」
ケビン「あ、オイ!」

そのまま靴も履かずに、飛び出してしまうみさえ達の後をケビンが追う。

ひろし「へぇ~、これがヨーコちゃんかー。この幼さがいいよなー」
しんのすけ「オラとしては、このシンディちゃんのムネムネなんかがたまりませんな~」

二人は、デビットに貸してもらった写真に夢中になっていた。
デビットとしては、もし聞き込みになった時のために持参していた物だが、それが思わぬ結果を生んだようだ。
すっかり夢中である。

デビット「アイツらに聞かしてやりゃ、喜ぶかもな」
ひろし「いやいや、ぜひともお会いした所っすねー」
しんのすけ「父ちゃん、いっそ帰るの後にして、おじさんについていくー?」
ひろし「おお、いいねいいねー古女房より若い娘、名言ですなー」
デビット(ケビンが二人……)


みさえ「…………」
ケビン「…………」

みさえ「あ~な~た~? しんちゃーん?」
ケビン「うぉあ!?」
ひろし・しんのすけ「は!」「おおっ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
今のみさえの気を浴びたら、フリーザ程度ならば消滅するだろう。

ケビン「み、みさえ! ここは押さえていこ~ぜ? 押さえていこ~ぜ?」
みさえ「^^」
ケビン(お、何だ。意外と怒ってなさそうじゃん)

ひろし「あわ、あわ、あわわわわわわわ……」
みさえ「人が心配してたのに、女の子の写真見てニヤ付いてたんだ~?」
ひろし「ち、違うんだみさえ、これはいわゆる情報交換の一環で……」






みさえ「さぁ、みんなシートベルト締めたわね?」
ケビン「おいおい、流石に6人だと狭いな」
みさえ「ぜいたく言わない」
しんのすけ「え~オラ前のお席がいい」
みさえ「だーめ、子供は後ろの席って法律で決まってるの」

デビット「ヒロシ」
ひろし「あい……」
デビット「………………その内いい事ある」
ひろし「ふぁひ……」

運転席に座ったひろしの顔面の形が、変わっていた事を深く語る必要は無い。

To Be Continued

段々といい加減になっていってスイマセン……
もし明日残ってたら

かゆ…ほしゅ…

おにぎり「かゆうま」

ガチホシュ

×彼女
○大学のレポート

前回までのあらすじ

本来なら『アウトブレイク残りのメンバーと一部の園児は幼稚園に避難してます』
を伝えるだけのパートに大半を使う癖に、
デビット+しんのすけ親子が帰路にてクリーチャーに襲われるシーンをカットしたり、
予定変更して野原家合流を早くしすぎたり、行き当たりばったりいい加減な展開をしまくってしまった俺!
果たして、プロット通りにかけるのか!?




しんのすけ「ねぇねぇ、誰もいなくなっちゃったね」

しんのすけの言う通り、街は不気味にも静まりかえり、風のうなり声だけがやけに響いている。
野原家が家を発ってから10分が経過しているものの、人間もアンデッドも、一向にその姿を見せない。

>>527って
>>1なの?

>>528
yes
……そしてごめんなさい

みさえ「……………………」
ひろし「……………………」
ケビン「……………………」
デビット「……………………」
ひまわり「たー?」

しんのすけ「ねぇねぇ、おじさん! お じ さ ん!!」
ケビン「え? ああ。……そうだな」
デビット「…………」
しんのすけ「何で急にみんないなくなっちゃったの? 倉橋ヨエコのライブ??」
ケビン「多分な」
デビット「…………」

車内の後部座席の真ん中で、ケビンは銃をしんのすけに見せないように気を配りながら主に背後を
助手席のデビットは正面に目を光らせながら無骨なナイフを堂々と見せびらかしている。

ケビンはしんのすけの問いに明らかに適当に返事をしている。
子供ながら、しんのすけは自分がどんな質問をしても『多分』『かもな』の一言しか返ってこないのが理解できた。
デビットにいたっては、声をかけられても一瞬視線をよこすだけだ。

しんのすけ「も~もっとちゃんと返事してよ!」
ケビン「ああ、悪ぃ……」
しんのすけ「お?」

太い眉毛をゆらしながら、しんのすけは気付いた。
見ると、様子がおかしいのは二人だけでは無い。
ハンドルを握るひろしの顔は見たことが無いほど強張って、時々唾を飲み込む音が聞こえる。
さっきからずっと自分の手を握って話さないみさえは、反対の手でひまわりを抱えながら震えている。
シロにいたっては、ワタアメを指示した覚えは無いのに足元で丸くなっていた。

さっきの説明を、しんのすけは『幸いな事に』半分も理解していないのだろう。
ケビンにはその事が救いに思えた。

まぁ、お隣の『平和』な主婦と目の前のサラリーマンは、理解こそすれ信じてはいないのだろう、とも思い、
「多分信じてくれないだろうな」と付け加えたらありがたい話に自分達のナイト・オブ・ザ・リビングデッドを信じてくれたのだ。
それも「自分達も『オカマ』の宇宙人と戦ったりシロの尻が爆弾になったり、西部時代で決闘をしたりした」という事も教えてくれた。
信じてないならストレートにそう言ってくれや、全く。

キィィッ!

デビット「バカが……」
ケビン「おいおい、音を立てすぎると奴らが寄ってきちまうって言ったろ?
    人の話聞かねーと出世できねーぜ」
しんのすけ「分かりますか。いや~オラの父ちゃんったら足臭い上に万年係長で」
ケビン「ブッwwwwwwwww」

ちなみにそんな会話をしている最中にも、ひろしが車を止めた理由が前にあった。

「ゥ……ゥ…………」

アンデッドが一体、彼らの進路を塞いでいた。

しんのすけ「おお、ほっほームググ」
ケビン「ひろし、ヤツをヒくのは最後にとっておけよ」ボソボソ
ひろし「ヒかねえよ」ボソボソ
デビット「おい、そのガキ達の目ぇ塞げ」

デビット「もっと近づけろ」
ひろし「近づけてって……」
デビット「早くしな」

言う通り、アンデッドに車を少しずつ近づける。

デビット「その辺でいい」

しんのすけ「む~~~むぬ~~~」(見えないゾ~~~)
ひまわり「///」(い、いきなり口と目を塞ぐなんて……まったく大胆なオ・ト・コね)

アンデッドは近くで見ると、意外と若い顔立ちだった。
おそらく、こんな事が無ければ受験やら、色々と人生があったのだろう。

デビット「…………」スワン
ひろし「ウッ」

デビットは無言で、さも当たり前のように、全く無駄の無い動きで、ナイフをアンデットの額に突き刺した。

すぐに身体を車内に戻した。
もう視線は正面に向いている。

デビット「出せ」
ひろし「…………はい」

よく考えたら、しんのすけやひまわりの目を閉ざしたって何の意味も無かった。
何でしんのすけがこんなノー天気な態度でいられるかは理解しかねるが、
公園では似たような物を散々見せ付けてしまったし、いずれは生を見る事になるだろう……。


…………………

ひろし「……あっヤバ!」
ケビン「どうした」
ひろし「ガソリンが……」

ケビン「マジかよ……」

見ると、ガソリンメーターが警告マークを光らせている。
どこに逃げるかはまだ決めてないが、おそらくこれでは安全な場所までは逃げ切れないだろう。

ケビン(この辺りにガメれそうな車は無ぇな……)「何でちゃんと満タンにしとかねーんだ?」
みさえ「どうせ当分使う予定無いし、いいかなーって……てへ」
ケビン「あんた、俺の母ちゃんといい友達になれんぜ……」
しんのすけ「お、おじさんの母ちゃんも胸無しオババ?」
ケビン「そんだけじゃねーよ、その上見栄っ張りでデブデブで、母ちゃんの上で二回寝返りしてもまだ母ちゃんの上なんだぜ」
しんのすけ「いや~おケチのウチの母ちゃんには負けますな~」
ケビン「お、そうかそうか、こりゃ参ったぜw」

しんのすけ・ケビン「アッハッハッハッハッハッハ」

げん  ゴケン! ゴケン!
こつ  ゴケン! ゴケン!

みさえ「 あ ん た は 、しっかりと後ろ見張ってなさい!」
ケビン「イエス、サー……」

それから数分後、すぐ近くのガソリンスタンドに辿り着いた一行。
アンデッドは先ほどのだけで、ここにも人っ子一人いない。

給油機に車を寄せて、早速補給を……。

デビット「金をホテルに置いてきちまった……ケビン、頼めるか?」
ケビン「しょうがねーなーディビィ。……あれ? 札がとおんねーぞ? 壊れてやがる」
デビット「……ひろし、金貸せ」

ケビンの常識に、『日本でアメリカドルは使えない』が加わった瞬間であった。

ひろし「あ、ちょっと待って……みさえ、サイフある?」
みさえ「今出すわよ」



シロ「!! アン、アン、アン、アン!!」

しんのすけ「シロ? どーした」
シロ「アン! アン! アン! アン!!」
みさえ「ほらダメよシロ、お願いだからしずかにして。
    ケビン?」
ケビン「ミサエ、シンノスケ。 いいか、絶対に車から出るなよ」

ガチャ    バタンッ

みさえの言葉に返事返さず、車を降りる。
さっきとは比べ物にならないほどの表情を、ケビンはしていた。

ケビン・デビット「………………」
デビット「ひろし、お前が給油しろ」
ひろし「え"~~~いや、いいけどさ。何で突然」

ウォォ………………ンン

ひろしの能天気な疑問も、何かの遠吠えにかき消された。

今の……声は?

甲高い声は、明らかに聞きなれたアンデッドのソレとは違う。

ウォォォ………ン……

何だ?

ここに居る6人と1匹は、みんなある程度の修羅場を経験はしている。

その経験が無ければ、あるいは彼らは正気を失い走って逃げていたかもしれない。

その小さな雄たけびには、それだけの力があった。

ウォォ…オン

違う、雄たけびじゃない!

ウオオォォォンン!

これは……呼びかけだ!

ウォオオオ~~~~~~ン!!

これは、テリトリーに入った獲物を確認して、仲間に合図を送っているのだ!!

ケビン「急げ!!」
ひろし「うわわわわわっ!!」

言われたとおり給油機に、今度はちゃんと通る札を入れる。

もう遅かった。

右から、左から、正面から。
身体の一部を失いつつもまだ獲物へ向け疾走する事をやめない、野犬の群れ。
そいつらが野原家の在するライトバンへ向け、走ってくる!

みさえの悲鳴が横から聞こえたが、抱きしめるのは後だ。

ケビン「ちきしょうめ!!」

パンッ パンッ パン……

ケビンが引き金を引くたびに、目の前でミンチ・パーティーが行われる。
敷地の外で、とぼけた皺を持つクランバー・スパニエルが頭に詰まっているものを全て爆散させた。
離れた所でオーケストラ・シュパードは鼻先から上が全て削れ、感性の法則で地面を1メートル滑りながら動かなくなった。
黒と白の毛並みが美しかったであろうボーダー・コリーは飛び上がった所、そのどてっ腹を派手に撒き散らし赤の占める部分を増やした。
毛むくじゃらのペキニーズは、ケビンの足元にまで来た所で脳天から弾丸をぶち込まれ、脳味噌と、目に見えるほどの頭骸骨の欠片、そして45オート弾を全て顎から放出した。
まだ死に切れていないシー・ズーは呼吸のたびに鼻から赤い霧を撒き散らした。

近くにペットショップでもあったのだろうか?
種類も体格も全く違う血統書たちが、野犬と化して、一味となって襲い掛かってくる。

ケビン「死体病にも、いいトコがあったのね……」

案外、黒人や白人の争いを解決するのに役立ったりして、な。
笑えねぇ……

デビット「まだか!?」
ひろし「もう少し待ってくれ!」
デビット「早くしろ!」
ひろし「わーってるわーってるって! すぐにはできねーよ、おバカ!」

思わず悪態をついた瞬間

ひろし「うわっ!」

デビットに肩を捕まれ、思いっきり地面に叩きつけられた。

ひろし「なにす」

デビットは、ひろしを狙って飛び掛った野犬の両頬を空中で掴む。

ひろし「ん」

そのまま少しだけ、野犬の首を時計周りの方向にまわして

ひろし「だ」

反対方向へ一回りさせた。

ひろし「よ!」

頭と胴体が皮だけでサヨウナラしたソレは、ひろしの傍らにドチャリと、

ひろし「お?」

不愉快な湿気を含んだ音と共に、落ちて動かなくなった。

ゴメン……俺も眠い……
寝る

ガチホシュ

(^p^)「人肉おいしいれす」
ほしゅ

ふう…
ほしゅ

ほしゅ

カルピス

ほも

実は俺今日誕生び…いや、なんでもない

ほしゅ

>>665
おめでとう

ガソリン・スタンドはすでに、『まともな人間にとっては』食欲の沸かない精肉工場と化してしまった。
夜にもなれば異形達が派手な晩餐会を行うのは想像に難く無いが。
それでもあれから一向に数を減らさない野犬は、周りの仲間よりもフレッシュなのがお好みらしい。
それとも、やはり銃声を聞きつけてしまったのか?
後から後から野犬どもは沸いて、こちらに向かってきた。

パンッ パンッ パンッ……カチッ

銃声が止んだのはそれから間もなくだった。

ケビン「…………なんてこったい!」

見ると、ケビンの拳銃は銃身が大きく後ろにずれている。
ホールドオープン、二つ目のマガジンを使い切ったのだ。
残った弾は……どれくらいだ? コイツら全員相手にできるか?

デビット「限界だ!」

              ――= =≡二、 _⌒~⌒~⌒~⌒~⌒~ヽ.           、_

             ――= =≡二/l(O)ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)        /l(O)ヽ
           ――= =≡二/  ヽ_ 。'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ノ       ./  ヽ_ 。'
          ――= =≡二/:::::::/::::ヾノ             |         ./:::::::/::::ヾノ
        ――= =≡二/:::::::/:::://             |       ./:::::::/:::://

       ――= =≡二/:::::::::::l´:://     -''''-..,,_      |      ./:::::::::::l´:://
     ――= =≡二/:::::::::::/ヾ:ノ′)         "''=) {,、r=''     ./:::::::::::/ヾ:ノ′
    ――= =≡二/|::::::::::/::::/l..|::::::|       -<エユ: `"=i.zf''i   ./|::::::::::/::::/l
  ――= =≡二/|/:::::/:::://:⌒ヽ|.            .',  | ./|/:::::/:::://    wktkがとまらねえぜ!

  ――= =≡二l:::::::::::::/::::/:(  |   ヾ.         ,,、、 . ', | .l:::::::::::::/::::/:(
 ――= =≡二_',:::::::/:::,..'.__|::::|  |              /ゝ=、_,ノ | ',:::::::/:::,..'.___|::::|     
 ――= =≡二`',/:::/ ,,_| ::l) ヽンイ        '   _,,,, ,,.  |.`',/:::/:::(_| ::l )
――= =≡≡,- ' / /'、/::/≡≡二| ∴∵∴∵∴∴,、イz:==ソ:|- ' /::::...、:'、/:://

――= =≡≡⌒ i´ /爻', :::.',≡≡二| ∴∴∵∴∵∴.`、'ー‐イ∵ | ⌒`l,,.-'''")x', :::.',

   ――= =≡≡〉  '''"~´  _j,, )≡二| ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴.|  /  /ox、''''"~´)
   ――= =≡≡l  、-''"´_,,. ::.〕≡二 | ∵∴∵∴∵∴∵∵∵:.| {  ノ',xxx,,`- ''''"´〕
   ――= =≡≡〕  、-''"´ _,..、〉≡二| ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴| ,/  〕l::::',xxx "(''''"´〉

デビット「もうガスはいい! 車に乗れヒロシ、ケビン!」
ひろし「ああ~~もう何て休暇だよ! テレビじゃ今日は一番の運勢のはずなのに!!」
ケビン「テレビは何時だってウソばっかりだぜ」

ガソリンは満杯では無いが、それでもこの場を切り抜けるだけは補給できた。
補給機を引き抜いて、まずは運転席にひろしが、その次は助手席へデビットが。
最後に、元気に咆哮をあげる狂犬達に銃弾を浴びせつつ、ケビンが車内に滑り込んだ。

ケビン「よし、いいぜ!」

合図と共に、ひろしがアクセルを精一杯踏みつける。
みさえはひまわりとしんのすけを、しんのすけはシロを強く抱きしめた。

狙っていた獲物が車に乗り込んでしまったのだが、殆ど食欲で動く野犬達はそんな事構いもしない。
背後の群れは後ろから追いかけ、前方の群れは正面から車に向けて体当たりを仕掛けんとした。

不幸はその時重なった。

ひろし「うわっ!?」

一匹の大きな野犬が、ライトバンの正面ガラスへ飛び掛り体当たりをする。
この時、ひろしは反射的に目をとぶり、意識がハンドル操作から離れてしまった。

そして、真っ直ぐ向かってきた犬が一匹、マヌケにもライトバンのタイヤに押しつぶされる。
結果として、ハンドルを取られたライトバンはあらぬ方向へ向かってしまう。

しんのすけ「のあぁ~~~~~」
みさえ「きゃあああああああ!」
ケビン「うおぉぉぉぉーーー!?」
デビット「クッ!」
ひろし「うぁ、あ!」

すんでのところでブレーキを踏むも、ライトバンは事務所のガラスを思いっきり突き破ってしまった。
給油機に突っ込まなかったのが、せめてもの幸い……
いや、下手すれば大不幸だ。磁石に吸い寄せられる砂鉄のごとく、犬達はライトバンへと集まってきた。

ひろし「ああ~~ローンが後32年残ってんのに~~~!!」
髪をわしゃわしゃとかきなぐるひろし。

みさえ「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!
    来週ザトーココノガドーのバーゲン、車無しじゃ荷物どうすんの!?」
不安そうな顔をするみさえ。

しんのすけ「えー限定アクション仮面カンタムロボ夢のコラボフィギアセットが発売されるのに~」
同じく、不安そうな顔をするしんのすけ。

デビット「お前ら殴っていいか?」

ガンッ!

音のする方向を見ると、しんのすけの正面で、犬の一匹がサイドガラスに体当たりを行っていた。

ガシッ!

もう一度、しかし音の質が変わる。
たったの二回で、サイドガラスは形を変形させ、蜘蛛の巣のような亀裂を走らせた。

そして、車内には何かがから回る音が響いた。
それも1度だけでは無く、2度、3度……。

ケビン「おい……まさか」
ひろし「ちょ、ちょっと待っててくれ!」

ケビンの正面で、ひろしは何かに悪戦苦闘しているかのようだった。

ケビン(まさか、ウソだろ? ワンコに囲まれた上、安っぽいホラー映画展開なんて……)

ひろし「か……」

ケビン(ないだろ? ないよな?)

ひろし「かからない……」

しんのすけ「どーゆーことー?」

ひろし「車が、動かなくなった……」

みさえ・しんのすけ「「ええ~~~~~」」

しんのすけ「アクション仮面見れなーい!」
みさえ「楽しみにしてたドラマ『勇気があればあんぽんたん』が今日最終回なのよぉ~」
ひろし「俺だって、今日の深夜の……」
みさえ「…………」ギロッ
ひろし「何でもありませぇん」

デビット「お前らな! ジョークなのか、イカレてんのか、マジなのか!! ハッキリしてくれ!!」

ガシッ! 

ケビン「……まいったな、俺は猫のが好きなんだが」

車の窓から少し顔を離しながら、外の様子を見る。
定期的に犬が体当たりをかましてくれるので、気が気では無い。

ケビン「マジ、ヤバイな」

一歩でも外に出たら間違い無く骨までしゃぶられる。
もう車外には出られそうにはない。

野原家の先ほどのアレは、一種の逃避行動だったのだろうか?
車内には今度こそ本当の絶望が流れた。

ひろし「……スマン、俺のせいで」
ケビン「ぶっちゃけ、何かいい案無ぇ?」
デビット「知るか……」
みさえ「…………」
しんのすけ「…………」
ひまわり「た、た、た」
ケビン「はは、デビット。お前に抱っこしろってさ」

デビット「ケビン、弾は」
ケビン「人数分はありますよダンナ」

シロ(………………)

ガシッ ガシッ ガシッ

サイドミラーは後どのくらい持つだろうか?
何より、一番破れやすいのはどれだろうか。
それを冷静に彼は考える。

しんのすけ「シロ……震えてる」
シロ「……ゥゥン」

シロ。
彼はハッキリ言えばよくできた犬だ。
人間の言葉をよく理解できるのはもちろんの事、
しんのすけとも、時々喧嘩はあったけど、いつも仲良くいられた。

シロに神様なんていう概念は無いが、少なくとも自分の命は素晴らしい物だったと思っている。

しんのすけ「どうしたんだ、そんなに見つめて? おぉ~よしよし」ギュ~
シロ「クーン……」

しんのすけに頬ずりされる事で、やわらかいホッペが自分の顔におしつけられる。
うっとおしいながら、自分達は近くにいるんだと感じられるスキンシップ。
それがシロの勇気になった。

ガシャアァァァン!!

窓が破られた時、ケビンが拳銃を、デビットが工具を構えるよりもっと早く、

しんのすけ「お?」
シロ「ワン!!」

シロは、しんのすけを飛び越えて、その名の通り白くて小さな体を。

「ギャン!」

車内に侵入しかかっていた狂犬に、ぶちあてた。

シロも、異形と化した方の犬も、そのまま外へと放り出される。

「な!」
「シロ!?」

後ろから聞こえる声に振り返らず、シロはすぐに立ち上がって走り出す。
向かう先は、しんのすけ達から離れたどこか、十分に野犬達をおびき寄せられるどこかだ。

………………

しんのすけ「ぬぅ~放して、放せよ! シロ、どこ行くの! 戻れ!!
      うわっぷ」
ケビン「…………」

アイツ等は、動く物にでも反応するのだろうか?
あの小さな犬(シロと言う名を、ケビンは今知った)を追いかけて、
ライトバンに群れていた連中は殆ど離れてしまった。

みさえ「シロ……」

ひろし「シロ!」

みさえとひろしが、離れていくシロを追いかけようとするのをデビットが食い止めた。

ひろし「…………!」
みさえ「どいてよ、早くしないとシロが、シロが!!」
デビット「ダメだ」
ひろし「みさえ……」

どうやら、ひろしの方はすぐに意味を分かってくれたようだ。

みさえ「あなたも、あなたからも何か言ってよ!! あのままじゃ……」
ひろし「行くぞ」
みさえ「へ?」

ひろし「来るんだ……」
みさえ「でも、でも…………」
ひろし「来い」
みさえ「…………」

デビット「こっちだ、急げ」

話はまとまったのだと判断して、シロの逃げた方とは反対に、デビットが先行する。

ひろし「フン!」ヒョイ
しんのすけ「!」
ひろし「…………」

ひろしは、ケビンからしんのすけを引っ手繰って、そのままデビットの後に続いた。
みさえもまた後に続く。

しんのすけ「お、父ちゃん! シロは、シロは! ねぇ、父ちゃん!!」

一刻も早く、この場から離れようと彼らは走る。
だがその途中、最後尾に当たるケビンはガソリンスタンドが見えなくなる直前の角で、振り返った。
その時こそ、彼が自身の視力を呪った事は無い。

遠く離れたスタンドで、さっきと同じように色とりどりの毛皮(赤黒い血肉でまみれているが)の野犬どもが、一箇所に集まっている。
その中央で、何十もの部品に分解している何かが見えた。
見間違えるまでも無い……。

クソッタレ。
さっきの冗談にも腹が立つ。
何が上手く活用すりゃ黒と白の戦争が解決だ。
こんなモン!
小さい身体で誰かのために命をかけて戦った勇者を、容赦無く貪り尽くすゲテモノ量産ウイルス。
こんな物誰が得をする? ああ得するのはいるな。
ゲテモノを作るのが楽しくて仕方が無いクソッタレだ!
ゲテモノが起こす悲劇を見るのを楽しむクソッタレだ!

もうどうにでもなれ。
ありったけの憎悪を込めて、ケビンは給油機に狙いをつけ、引き金を引いた。

ふたば幼稚園

マーク「何が起こった?」

ガス爆発にしては、規模が大きかったようだが……。

教室からマークが見つめる先には、赤々とした炎が踊っているのが見えた。

To Be Continued

支援サンクス。ぶっちゃけ、大体中盤くらいです。……多分
じゃあ、おやすみなさいっす


……シロは、決して嫌いなキャラじゃないです

マジレスするとTウィルスは子供が感染してもゾンビ化するまえに体が耐えられなくて死ぬだからゾンビK…かゆ…うま

>>801
オニギリは空気を読めるんですよ
あるいは、劇場版バイオ寄りのパラレルワールドっつー事で

コン コン

マーク「ちょっといいか?」
ジョージ「マークか、入ってくれ」

扉を開けると、丁度ジョージがケガをした園児の一人に注射を打っている所だった。

マーク「聞いたか? さっきの派手な音を」
ジョージ「あぁ」
マーク「それで様子を見に来たんだが、必要無かったようだな」

注射跡にガーゼを固定した後、頭を撫でて再び休ませる。

二人は園児達に声が聞こえないように、ベッドから離れる。

ジョージ「首尾はどうだい?」
マーク「お前から状況報告によって大分変わるな。というか、殆どそれで決まる」
ジョージ「できるだけの事はしたよ。だが、なにせ資材が不足しすぎていて……」
マーク「ジョージ、俺は『状況の報告』を聞きたいんだ」

「「…………………」」

ジョージ「まずは、そっちの状況から頼めるかな」
マーク「ああ」

ジョージ「あれから、新しい人はここに来たのかな? ケビンとデビットは?」
マーク「いや、俺達が来たのが最後だ。 ケビンとデビットも、音沙汰無しだ……。
   最も、俺達がここにいるのをアイツ等が知らないんじゃあな……」

ここの幼稚園も他の教育施設と同じように、万一の時の避難場所を兼任している。
ここに人々が集っているのは、そういうわけである。

マーク「向こうの人数は俺達外来者を除けば、30人ほどだ」
ジョージ「随分といるね」
マーク「大半は子供達だがな。それに、ここも何時までも安全とは言えない……」

マーク「前にも言ったが、戦争よりも酷い状況だよ。
    『始まったその瞬間に』、非戦闘区域ってのが無くなっちまうんだからな」
ジョージ「君が言うと、説得力があるよ……」

ジョージ「それで、一番大事な事なんだが」
マーク「ケガをしたヤツはあの中にはいないそうだ。 とは言っても、念入りな確認なんてできないがな」
ジョージ「そうだろうね」

ここには父兄もいるし、教員もいる。
こんな怪しい外国人達に、身体を詳しく調べてくれなんて言っても少なくともいい思いはすまい。
下手をうてば、再びアンデッドが溢れる外の世界をさ迷うハメになりかねない。

マーク「……ジョージ、お前の番だ」
ジョージ「………………。
     ハッキリ言って、時間稼ぎになっているかも怪しいんだ……」
マーク「………………」

マーク「寝ずの番か……」
ジョージ「そうだね」

マーク「『その時』になったら、俺達はみんな恨まれるだろうな」
ジョージ「恨まれる事には慣れてるよ」
マーク「お互い様だな」

二人で同時にため息をついた所で、マークがふと思い出したように語調を変えた。

マーク「免疫の話はどうなったか、教えてくれるか?」

前の事件で、ジョージは伝言板で大学に呼び出された事がある。
呼び出した本人、つまりはジョージの友人はすでに死んでいたが、彼の遺したファイルから多くの事が明らかになった。

死体病が発症させるのはTウイルスと呼ばれる物である事。
そして何より、彼は感染者達を救う方法を遺してくれたのだ。

Tウイルスに対して、生まれつきの免疫を持つ者が極少数だが存在する。
抵抗力の少ない赤ん坊や虚弱体質の場合話は別だが、それ以外であれば発病を防げると言う事だ。
そして免疫は、遺伝子レベルで子孫にも伝わっていく。

そして更に素晴らしい事にジョージの友人は死ぬ前に、免疫の検出方法、
免疫細胞から特効薬を作り出す技術を遺してくれたのだ。
園児達の応急処置を終えた後も、避難民達に『輸血のための血液検査』を名目に勝手ながら免疫の検査をさせてもらった。

ジョージ「ダメだったよ……免疫を持つ人間はいなかった」

マーク「日が暮れるな」
ジョージ「ああ」
マーク「あのバカならば、風邪を引くことは無さそうだ……」

………………

マンション・ジュリアナ

ケビン「へくしっ!」

×マンション・ジュリアナ
○マンション・ジュリアナ付近

ケビン「と、悪」
デビット「謝るのはいいがな、ケビン。どうする?」

デビットは曲がり角の向こう側を指差す。
一応もう一度確認するものの、さっきの光景はやはり見間違いなどでは無かった。

デビット「さすがに、あの数を相手にはできねえぜ?」

目的地であるマンションの正面には、何十と言うアンデッド達が群れを成していた。

自分達の前にもマンションに逃げ込んだヤツがいるのだろうか?
集まった理由がどうであれ、立ち往生である事に変わりは無い。

野原家の面々を見ると、やはりあの犬の事が響いているのだろう。
その表情には影がかかっている。
あまり危ない橋にのる訳にはいかない。

ケビン「しゃあねえ、みんなでゾンビ共の真似をして誤魔化す作戦でいくか」
デビット「一人でやれ」
ケビン「気分悪いが、やっぱそこら辺の家に邪魔するしか無いか……」

万一長期間立てこもる事になった場合に備えて、備蓄が大量にありそうなマンションを目指したのだが、さすがにケビンも諦めた。

かと言って、別の場所を探す余裕も無い。
理由の一つは日没が近いと言う事。闇夜で奴らと戦うのは得策では無い。
一人ならばともかく、誰かを守りながらだと厳しすぎる。
もう一つの理由は、ひまわりの具合が悪くなったという事だ。

30分ほど前最初に吐いてから、あの血色の良かった顔は少し青ざめ、全身をもぞもぞと動かしている。
一刻も早く休ませた方がいいだろう。

ケビン「とりあえず、あの家に、っておい?」
デビット「…………!」

影の入った顔のまま、ひろしも、みさえも、しんのすけも、真っ直ぐとアンデッドに向かっていく。

ケビン「オイ何してんだ? そっちじゃないぞ!」

ケビンの呼びかけに応答も返さず、彼らは真っ直ぐと進んでいく。
それこそ迷いも、戸惑いも、恐怖も無く。
やがて、アンデッドがこちらに気付いた。

ケビン「まさか……」

一家心中……その言葉が頭を過ぎった。

ケビン「バカ戻れ! ヤケになんなって、止まれ!!!」
デビット「クソが……!」

ケビンとは対照的に、デビットは悪態を付くだけ。
人間には誰にだって死ぬ権利はある、自分にソレを止める義理は無い。
生きる気持ちを無くしたヤツを連れて行ったって、足を引っ張られるだけだ。
好きにすればいい。

ただ思う事があれば、自分はこんなクソッタレな世界でも生きる気持ちはある。
それなのに、子供までアッサリと諦める事が――――

「「「野原一家、ファイアーーーーーー!!」」」
「あー!」

アンデッドの顔面に、ひろしの拳が見事に決まった。

デビット・ケビン「は?」

みさえ・ひろし・しんのすけ「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおら…………」

道を詰めんばかりのアンデッド達を、野原一家たちは無人の荒野を行くように駆け抜ける。
彼らが滅茶苦茶に動かす腕は、一撃だけでアンデッド共を吹っ飛ばしていく。

ひろし「モノ共! 図が高い、控えろう!!」

合図と共に3人は鼻をつまみ、その場に伏せる。

ひろし「でりゃあああ!」プゥ~ン

ひろしが脱いだ靴を振るう。

「「「「「………………」」」」」ドサドサドサドサドサ

それだけで彼らの周りのアンデッドは、次々と倒れてしまった。

ケツ「ケツだけ星人~~~家族を失って哀しみの舞!!」

突如現れた異星の生命体!
家族でもあり親友でもあった存在への弔いと共に、彼はアンデッドの足に次々と体当たりを行う。
アンデッド達は次々とバランスを崩し、もんどりうって、地面に重なっていく。

ケツ「のぉ!」

しかし、反射神経のいいアンデッドが彼の柔らかい尻を掴んでしまう!
爪で少しでも引っかかれたらその場で感染、さぁどうする!?

ケツ「なんの、賢人!」

賢人なんて難しい言葉が言えて、なぜ変身が言えない。
なにはともあれ、ケツだけ星人の尻はしまわれ、代わりにグリグリ頭が現れた!

しんのすけ「ケツだけ空中歩行!!」

何と! 驚くべき事に異星人ケツだけ星人の正体はしんのすけだった!
なんという事!!
そして彼は膝を抱えたままピンボールのようにアンデッドの顎や腹にぶち辺り、跳ね返る!
この攻撃を食らってアンデッド達は次々と撃沈していった!

「グるル……」

マンション・ジュリアナから少し離れた場所で、死体をあさっていたアンデッドが騒ぎに気付いた。
そのアンデッドは、他のアンデッドとは明らかに違う。
まず、血に染まっているわけでも無いのに全身が赤い。
そして、やたらと四肢が太い。

彼の名は、一般的にこう言われている。

―――――クリムゾンヘッド。

「グガがァアアアアア――――!!!」

やがて、彼は音のする方へ向けて走り出す。
胸に刻んだ弾痕から分かるように、彼はすでに何人もの警官を返り討ちにしていた。





みさえ「うおりゃあああ」 ドシャ!

突如飛来してきたぱっつんぱっつんの尻によって、彼の生涯は終わった。

ヒュウウゥゥゥゥウウン……………

やけに冷えるのは、夜が近いからだけではあるまい。

死屍累々と呼ばれる情景の中で、野原一家はさも当たり前のように立っていた。
そこには、確かな意思、上手くは言えないがそれがあった……。


ケビン「ブラボーーおおーーすげーぜお前ら! お前らすげー!!」
デビット「世の中どうなってんだ……」

なんというかこの大攻勢を見てると文字通りシロが犬死だな

じゃ、この辺りで寝ます。
もし次スレが立ってたらそこで書きます。
立ってなかったらタイトルそのまんまで自分で立てると思います。

>>911
シロの死によって、野原家がこれ以上の犠牲者を出さないために、結束した……っつー事で、一つ……

>>911
しんのすけ「うそだ…シロを……殺したなどと……ウソをつくなあああああーーーッ!!」

シロ「そこで問題だ!このえぐられた足でどうやってあの攻撃をかわすか?」
3択-一つだけ選びなさい
答え①ハンサムのシロは突如反撃のアイディアがひらめく
答え②仲間がきて助けてくれる
答え③かわせない。現実は非常である。

シロ「……間に合った…」

シロ「…数え切れない世界で後悔した。」

シロ「…いつも、気付くときには手遅れだった…。」

シロ「………私が、ずっとずっと、…一番伝えたかった言葉を言うよ。」―

シロ「しんちゃん。」


シロ「君を―― 助けに来た!!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月10日 (日) 10:42:04   ID: XNfblOSp

シロ生きてた。更新お願いします。

2 :  SS好きの774さん   2015年09月07日 (月) 23:36:38   ID: cqhtmUyi

面白いです、更新いつまでも待ってますよ。

3 :  SS好きの774さん   2016年10月09日 (日) 17:51:46   ID: hqJ_B679

あれから何の音沙汰なしか

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