キョン「ハルヒに暇を出された」(588)

キョン「よっしゃwwwwwwwwwwコレで俺リア充になれるwwwwwwwwwwww」

このスレは俺が鶴屋さんといちゃつくスレになりました

俺「鶴屋さ~ん、今日のお弁当おいしかったです」
鶴「おおっ!さすが俺くんっ、違いのわかる男だねぇ♪」
俺「あ、ちょっといいですか?」
鶴「ん?なにっかな?」
俺「…ちゅ」
鶴「!!!な、なにするにょろっ!」
俺「ごちそうさまのちゅーです」
鶴「… ち… ちゃんと口にしてほしい… にょろ… ///」

俺「えー?口?おでこじゃいやなんですか?」
鶴「おっ…おでこもいいけど口もぉ…」
俺「はいはいww ちゅ」
鶴「んー…」



ごめんかいてて涙でてきた

夏の暑さがすっかりその勢いを失い、風の冷たさに秋が感じられるようになった今日この頃。
うちの学校も衣替えの時期を向かえ、セーターを羽織る人が少しずつ増え始めた。

坂道を登るのも、近頃ではほとんど苦にならない。
それは俺がこの心臓破りの坂道を歩くのに慣れたということばかりが原因ではなく、
夏のうだるような暑さの中では流さざるをえない滝のような汗がないことも快適さに寄与しているんだろう。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、などと呼ばれるように、この季節はとにかく何をするにも
適した季節…と言われている。

しかしそんなものが考慮されるのは一般社会での話。
こと「一般」とかけ離れていることには定評のある我がSOS団では、「何かをするのに適した特定の季節」などない。
なぜなら、俺らSOS団団員にとっての全ての季節、全ての時間は我らが団長の支配下にあり、
あいつがやるといったら、たとえ季節じゃなかろうがそれは俺らはそれに順ずる以外にないのだ。
あいつにとっては、「いつもが全てに適した時間」なのかもしれない。

そんな状態がデフォルトのSOS団が、ただでさえ過ごしやすく「何をするにも適した季節」を迎えてしまったとき、
あの倣岸不遜な団長は一体何を言い出すのか、と、正直俺は日々戦々恐々としていた。

だからその日の団活の帰りに、ある一人の団員に放たれた一言を聞いたときは、思わず耳を疑った。

「古泉くん、明日から来なくていいわ」

瞬間…沈黙。

長門のいつもの終礼の合図を聞き、帰りの用意をしていた俺たちの手が、作業の続きをするのを忘れている。
夕焼けに赤々と照らされた部室の中で、まだ冬でもないのに凍りついたように動かない俺たち。

痛々しいまでの沈黙を破ったのは、渦中の古泉だった。

「…来なくていい…と申されますと?」
「言葉のとおりよ。明日からSOS団の活動には参加しなくていいから」

先ほどと全く変わらぬ認識。
それはそうだ。さっきのハルヒの言葉を、それ以外の意味で解釈するほうが難しい。

ハルヒは窓の外を見ている。長門はまだ椅子から立ち上がっていない。
朝比奈さんが、今にも泣き出しそうな顔でハルヒの背中と古泉の顔を交互に見ている。

そして古泉は…。

「…分かりました。それではみなさん、ありがとうございました。さようなら」

憎らしいほどにさわやかな笑顔を顔に貼り付けたまま、古泉は自分の鞄を持って部室を後にした。

後に残された俺たちを、再び沈黙が襲う。
この状況にあって、寸分も表情を変えない長門。さすがだな。
俺にも少しそのポーカーフェイスの技術を分けてくれ。

いや…あるいは本当に何も感じていないのか…?などという邪推も、頭をよぎる。
即座に、俺はその考えを頭から振り払う。そうであって欲しくないという願いと、
そうであるはずがないという長門への信頼のほうが強かったからだ。

朝比奈さんはといえば、今度こそ泣き出しそうな顔をしていらっしゃる。
古泉がいなくなった今、次にハルヒの背中と交互に見られることになったのは俺の顔だった。

ハルヒは椅子をくるりと回し、こちらを向く。
その目に、怒りやいらだちといった負の感情は感じられなかった…ように思う。

そういえばいつもこいつ…どんな目をしてたっけな…。

思考が余計なことばかりに対して回り、俺は本題に面と向き合うのをしばらく忘れていた。
その本題が、椅子から立ちあがり、自分の鞄を持ってドアに向かう。

そろそろ俺も動かなければ。

「おい待てよハルヒ。さっきのはどういうことだ?」

ハルヒは歩みを止めたが、俺のほうは見なかった。

「あんたも古泉くんと同じことを言うのね」

ハルヒに言われて、俺は思わず納得してしまう。
なるほど、確かに今の質問は先の古泉の質問と同じ内容だった。

一瞬の間をおき、ハルヒは古泉と同じようになんのためらいもなく扉を開く。
違ったのは、古泉のように笑ってはいなかったことか。

「それじゃ、また明日」

ついに最後までこちらに顔を向けることなく、ハルヒは後ろ手に扉を閉めた。

三度、沈黙。

今すべきことは何か。
俺が見つけ出すべきその答えは…。

とりあえず朝比奈さんを気にかけて差し上げなければならない。
一番先に頭に浮かんだのはこのことだった。俺にしては上出来だろう。

朝比奈さんは涙を浮かべ、しかし声を上げることなく扉を見つめていた。
取り乱しているという印象は受けなかったが、朝比奈さんが動揺していることは
一度立ち上がった椅子に再び座り込んでしまってることからも明らかだ。

俺は朝比奈さんのそばにより、声をかける。

「朝比奈さん…その…大丈夫ですか?」

我ながら悲しいほどにありきたりなセリフだ。こんなとき、古泉なら気の利いた文句の一つも
出てくるのかもしれないが、あいにくとあいつはさっき、朝比奈さんが見つめるその扉の先に消えた。

「…はい…」
「そうですか。あ…その…」

しかも次の言葉が出てこないと来たもんだ。
俺は一体なんのために朝比奈さんに声をかけたのだろう。

「あの…キョン君…、涼宮さん…どうしちゃったんでしょう…
 どうして古泉君にあんなことを…」
「…それは…」

…俺には何も言えなかった。。
俺の頭脳はあいにくと、瞬時にこのような状況を分析し、原因を突き止められるほどのスペックは
持ち合わせていない。

それが出来るとすれば…。

「………」

液体ヘリウムのような目が、俺の送った視線に答える。
この場において本を読んでいたらさすがに驚き、そして少々憤りもしただろうが、
長門は一度閉じた本をそのままひざに抱え、ただ椅子の上に静かに佇んでいる。

長門検定一級の俺も、その無表情から今の長門の考えを読み取ることは難しかった。

めしくってくる

「お前はどう思う?」

長門の視線から目をそらすことなく、俺は問いかける。
自分が見当もつかないからと、毎度長門に意見を求めるのは俺の悪い癖だが、
残念ながら「困ったときの長門様」という自分勝手の極みのような習慣はもはや変えられそうにない。
全く、俺もどこぞの団長のことをとやかく言えないかもな。

「……涼宮ハルヒの精神状況に大きな変動は見られない。部室に入ってから、先ほどまでの活動、
 そして古泉一樹への発言、その後の退室。いずれの過程においても、涼宮ハルヒは至極落ち着いて
 行動している」

…つまりさっきのハルヒの発言は、一切の動揺を伴わずになされたってことか。
確かにあいつはいつでも自分の行動に自信を持っていた。
他人に何を言われようと自分の意志を貫き通していた。

だがその自信が、こともあろうに団員への解雇通告にまで現れるとは、
一体誰が予想しえただろうか。

今日の活動もいつも通りだった。
ハルヒはネットサーフィン、長門は定位置で読書、朝比奈さんはメイド服を揺らしながら
俺たちのお茶の世話をしつつ、ハルヒの左隣の椅子で編み物に興じる。そして俺と古泉は、これまたいつも通り、
朝比奈さんの淹れてくれたお茶に舌鼓を打ちながら、盤上の白と黒を増やしたり減らしたりしていた。
ちなみに勝負の結果もいつもどおりだ。

だが、そのいつも通りの団活は、いつも通りには終わらなかった。

あれ ID変わってるよ まあいいか

部室を照らす橙の日の光が随分弱くなったことが、夜が迫っていることを俺たちに知らせる。
沈みゆく太陽の断末魔のようなその輝きは、とてもきれいで、こんな状況でなければ
しばし立ち尽くして最後まで見届けたいと思うところだ。

秋の色は日を短くし、最近では暗くなるのがかなり早くなってきている。
いつまでもここにいても答えは見つからないと俺は判断し、
朝比奈さんと長門に声をかけて学校を出た。


風がやや強い。
秋の、涼やかで、少し寒いとすら感じる風が、坂道を下りていく俺たちの背中をなめていく。

「明日も…いつも通りの活動が出来るんでしょうか…」

その坂道の途中。メイド服から暖かそうな私服に着替えた朝比奈さんが、
不安そうな表情を隠そうともせず問いかける。

「…大丈夫ですよ。俺がなんとかします。…それにあいつのことだからまた
 一時の思いつきかなんかかもしれませんよ。
 ひょっとしたらこれはただのドッキリで、明日部室に行った俺たちを古泉と一緒に
 ニヤニヤしながら出迎える腹積もりかもしれません」

言いながら、俺は思う。

これはただの願望だと。

俺がそう望んでいるんだ。
今までのSOS団を壊したくない。
だからドッキリかなんかであって欲しい。

そう望んでいるのは俺自身なんだ。

「でも…今日の涼宮さん、何か変でした。何か…」

そこまで言って、朝比奈さんは口をつぐむ。
SOS団の中でも随一の信頼度を誇る長門の、「ハルヒの精神に変動はないという」分析に、知ってか知らずか反する言葉。
でもその先にある句を、俺は継げるような気がした。

そう。あいつはたしかに…いつもと違っていたような気がする。
あいつの…いつもの目が思い出せない。

長門は俺たちの会話に口を挟むことなく、ただ前を見据えて歩いている。

「涼宮さん…私たちを迎えてくれるんでしょうか?」
「…ハルヒは『また明日』と言っていました。それはまだ俺たちが拒絶されてないということだと思いますよ」

言ってしまってから、俺は自分の愚かさを呪った。

俺たちが拒絶されていない。
だからどうしたというのだろう。

『また明日』

それが何を意味するのだろう。

たとえ明日があるとしても、それはもう、いつも通りの明日ではない。
いつも通りではありえない。大切な一つのピースが、欠けているのだから。

古泉がいなくなった今、俺たちがすべきことはなんだ?
少なくとも、「ああ、自分達はまだハルヒに見捨てられていないんだ」などと、
我が身の状況に満足することではない。

ハルヒがなぜあんな行動に出たのかを突き止めなければならない。
何がハルヒを、仲間を切り捨てるような行為に走らせたのかを、俺たち三人で突き止めなければならない。

そのはずなのに…。

「…朝比奈さん、俺、明日ハルヒに聞いてみます。あれは本気だったのか。
 古泉にあんなことを言ったのか。それを聞いて、そしてなんとしても古泉を
 SOS団に復活させるつもりです」

朝比奈さんが、俺の顔を見る。また、その目に涙を浮かべながら。

「お願いします。私も…誰かが欠けたSOS団なんていやだから」

気づけば俺たちは坂道をとっくに下りきり、分かれ道にさしかかっていた。
いつも明日また会う旨を、声を張り上げて俺たちに伝えるハルヒは、今日はいない。

俺はそこで朝比奈さんと長門に別れを告げ、そして二人はそれぞれの家路に着く。
学校を出た頃よりもさらに冷え込んできた夜に時折体を振るわせつつ、俺も俺の家路を急ぐ。

一瞬、ハルヒや古泉に電話をしてみようかと考える。
しかし、俺は携帯電話を手に取らない。
こういう話は、直接会って話したほうがいい。
電波のやり取りなんかで済ませていい話じゃないし、済ませたくない。そう思ったからだ。


冬に近づくにつれ、空気が澄み、天体の観測がしやすくなっていくという話を
前にどこかで聞いたことがある。

季節は冬ではないが、今日は…星がきれいだ。

サイコメトラーキョンのスレ再開してる…
すまん あっちを読みながらなのでさらに遅くなります

翌日、俺はほのかな願いとともに目を覚ました。
昨日のことが夢であって欲しい。
そんな、自分でもありえないと分かりきっているような儚い願い。

夢からさめると、夢であったことが分かる。
そして夢ではないということは、案外簡単に認識できるもんだ。

…だから、認めざるをえなかった。
昨日のことは、夢ではない。


登る坂道、足取りは重く、声をかけてくる谷口とのやりとりも、ほとんど頭には入ってこなかった。
校門、昇降口、階段、そして廊下。通るべき道を通り、教室の扉の前に俺は立つ。

開けた扉の向こうに、そいつはいた。
窓の外に顔を向けるそいつの顔は見えず、頭の黄色いリボンだけが妙に目立つ。

俺は席まで歩み寄る。心臓が、なぜか激しく脈を打つ。
かつてこいつに話しかけるのに、これほど緊張したことがあっただろうか。

「…よお、ハルヒ」

なんか冒頭が前に読んだことあるんだけど改訂か?

「…おはよう」

ハルヒは昨日と同じように、こちらを向かずに答えた。
俺は自分の席に腰を下ろし、一緒に窓の外を見ながらハルヒに問いかける。

「お前、昨日のアレ、本気か?」
「古泉くんに言ったことのことを言ってるなら本気よ」

視線を窓の外に向けたまま、ハルヒは答えた。
俺は思わずハルヒの胸倉をつかみたくなった。しかしそこはこらえ、質問を重ねる

「なんであんなことを言った?」
「…………」

今度はだんまり。しばらく待ったが、答えは返ってこない。
俺は久々に大きな溜息をつき、ちょうど教室に入ってきた岡部が教壇につくのを眺めながら
あてどもない思考をめぐらせる。

俺は本当に答えが聞きたかったのだろうか?
ハルヒがもし沈黙せずに正直に理由を話してくれたら、俺は喜んだのか?

結局その日、部室に行くまで再びハルヒと話すことはなかった。

>>47
マジで?俺はこの話は初めて書くけど

ほとんど内容が頭に入らない数学の授業とHRが終わり、俺たちは放課後を迎える。
もっとも頭に入らないっていうのは俺限定の話だ。まあ谷口あたりは怪しいが。

ハルヒはHRの終了と同時に席を立ち、部室へ向かった。
絡んでくる谷口を軽くいなし、俺も教室を出る。しかし俺が向かった先は、部室ではなかった。


学年に設けられた理数の特進クラス。そこにいるはずの男に会うため、俺は廊下を歩いていく。
授業を終え、部活に行く生徒、そのまま帰る生徒などで少々騒がしくなっていたが、教室までは
そこそこスムーズに辿り付く事が出来た。…そう、教室までは。

教室を一見する。あのニヤケた面は見当たらない。
俺は近くにいた、おそらく部活で使う道具が入っているのであろう大きな鞄を持った生徒を捕まえて、
古泉の居場所を聞く。

「ああ、あいつ今日休みだぜ」

俺はその場に長くとどまることはしなかった。
休みという展開は気に入らなかったが、いつまでもそこにいても話は始まらない。

部室に向かう足取りは少々重く、しかし速かった。

扉を開く手前になって、俺は紳士としての礼儀を思い出す。

コンコン

…無言。
これは長門が一人でいるというパターンだろう。

俺は朝比奈さんが部室に来てくれるかどうかを思案しつつ、扉を開く。
しかし俺の予想ははずれた。

いつもの定位置ではなく、いつも古泉が座っていた椅子に、
ハルヒが腰掛けている。

「…遅かったわね」

いつもと同じく、ぶっきらぼうな言葉。
そして昨日と同じく、その目はこちらを見ていなかった。

考えれば当然のことだった。
ハルヒは俺より早く教室を出た。しかも俺は若干の寄り道をしている。
ハルヒが先に部室についていてもおかしくはない。

不自然なのは、先ほどの無言。

ハルヒは不機嫌なときでも、誰かが扉をノックをしたときは返事をする。
今日も椅子に座り本を開いてる長門はともかく、ハルヒまで
何も言葉を返さないとはどういうことだろう。

さらにここで初めて気がついたのだが、ハルヒの精神状態がやはりおかしい。
昨日も、今日の朝も、そして今しがたも、コイツはまさに不機嫌そのものと思われる言動をしているにも拘らず、
いつもの独特の不機嫌オーラを出していない。
俺はハルヒの細かい表情の機微まで読み取れる自信があるわけではないが、長門に比べれば
いかなる人間も表情豊かといえる。そして不機嫌状態のハルヒにも、今まで何度も接してきた。

その経験が俺にささやく。こいつは限りなく不機嫌に見えて、不機嫌ではない。

「そんなところでつっ立ってないで座ったら?」

ハルヒに声をかけられ、俺の思考は中断する。ハルヒに座るよう薦められるとは…。
不機嫌ではないと断じつつ、今のハルヒと面と向かいあう気にならなかった俺は、
いつもの俺の席ではなく、ハルヒがいつも座る窓際の団長席に腰をおろした。

一瞬、ハルヒから何か言われるのではないかと思ったが、ハルヒは興味を示さなかった。
何をやっているのかと思えば、オセロの駒をぼんやりと眺めているだけだ。


その後すぐ、朝比奈さんが顔を出した。
俺はいったん外に避難し、思考を続ける。

長門は言った。「精神状態に変動はない」と。
朝比奈さんは言った。「何かが変だ」と。

そう。そのどちらも正しかった。
ハルヒの精神状態はいたって普通。そして、それが異常なのだ。

そしてそれが…怖いのかもしれない。

長くハルヒという人間を見てきて、
余りにも遠すぎる思考、感覚、言動に、
時に驚き、時に呆れ、時に面白いと思ったりもした。

しかし…ハルヒ

俺はお前を怖いと思ったことはなかった。ただの一度も。
…少なくとも、今までは。

精神になんの変調もきたすことなく、今までまがりなりにも苦楽を分かち合ってきた仲間を、
お前は…切り捨てられるのか?

ハルヒの許可が下り、俺は部室に再び足を踏み入れる。


空気が変わっても、時計の針は止まらない。
今日も団活の時間はゆっくりと流れていく。

朝比奈さんはハルヒに若干おびえているようなそぶりを見せつつも、全員にお茶を振舞っていた。
ハルヒは、そんな朝比奈さんの様子の変化に気づいているのかいないのか、そこに触れることはなかった。

ハルヒが朝比奈さんにオセロを持ちかけるという珍しい一場面も見られた。
朝比奈さんは一瞬戸惑ったように見えたが、おずおずといつもの俺の席に座り、対局に入る。結果はハルヒの全勝だった。

茜色に沈む夕日が部室を照らす頃。
長門が、パタンと本を閉じる。

今日も綺麗な夕焼けだった。俺は普段と違う席からの、違う景色をしばし見やる。
そしてそのとき…

「ああそうそう、みくるちゃん、明日から来なくていいわよ」

渇いた声が、部室に響いた。

再びの、突然の、その一言。
オセロの間、そこそこハルヒと話していた朝比奈さんだったが、
急な宣告に言葉を失ってしまったらしく、口をパクパクさせている。

ハルヒは鞄をつかむと、昨日よりも少しだけ短くなった
扉への距離を、ゆっくりと歩いてその向こうへ消えた。

驚いたということを否定するつもりはないが、昨日の件でいささか免疫が出来たらしい。
俺は昨日よりも、少しだけ早く反応できた。

呆然としている朝比奈さんの横を通り抜け、
急いで扉を開けた俺は、ハルヒの背中に呼びかける。

「ハルヒ!昨日といい今日といい一体なんのつもりだ!?」
「…これは団長命令よ」

ハルヒは、今日も最後まで振り向かなかった。

俺はハルヒの後を追おうとした。
しかし、足が前に進まない。

脱力感。

それは、ハルヒから理由を聞けなかったからか。
あるいは、ハルヒを追いかけることが出来なかったゆえか。

部室に戻り、朝比奈さんのそばによる。
朝比奈さんは、今度は泣いていなかった。

「…大丈夫ですか?」

またも、昨日と同じ言葉をかける俺。
気の利いたセリフがどうのなど、もはやどうでもいいことのように思えた。
ただ、声をかけることが重要なんだと、自分に言い聞かせた。

「はい…。私は…私はいいんです。私のことはいいんです。
 でも…涼宮さんは…。もしかしたら…」

今度こそ、俺ははっきりと、朝比奈さんが言いたいことが分かった。
朝比奈さんは心配しているのだ。

団員の追放が、これでは終わらないのではと。

古泉に続き、朝比奈さん。
ハルヒの意図は分からないが、昨日の今日だ。
明日の団活に出ることすら憚られるような状況が生まれている。

いや、もう、昨日から全てはおかしかったのだ。

俺はまたも自分のふがいなさを嘆いた。
古泉をSOS団に復活させるといきまいておきながら、それを果たせていないばかりか
朝比奈さんまで同じ目にあわせてしまったのだ。

自分のためには泣かず、他人のために涙を流せる人。
こんなに優しい人との約束を、俺は破ってしまいつつある。
これが、あるいは先ほどの脱力感の正体か。

俺はただ、今日はもう帰りましょうと、言葉をかけることしか出来なかった。

やはり、言葉だけではだめなのかもしれない。
人のためにも、自分のためにも。

昨日よりもさらに強く吹く風が、坂を下る俺たちを追い立てる。
今日は、俺も朝比奈さんも無言だった。

さしかかった分かれ道。
朝比奈さんは最後まで涙を流すことなく、俺たちと別れた。

「長門…今日もハルヒの様子は昨日と同じか?」
「同じ。彼女の精神に大きな変化は見られなかった」

予想通りの答え。やはりあいつには、団員を切り捨てるのにためらいはないらしい。

「でも私は信じたくない」

長門がこちらに顔を向けて言う。
何を信じたくないのか。俺にははっきり分かった。
…俺も、同じ気持ちだからな。

「私は涼宮ハルヒの観察により集中する。精神以外の面でも」

ああ、頼むよ長門。俺もハルヒにもう一度聞こう。
今度は、しっかり顔を見て。

長門と別れ、俺は一人歩き出す。
今日こそはハルヒに電話しようとも思ったが、さっきの態度を考える電話にはでてもらえないだろう。
じゃあ古泉は…。

鳴り続けるコール音。しばらくして、電波の届かないところにいるか電源が切れている旨を伝える声
が電話から聞こえてくる。
しかたなく、俺は電話を閉じた。


昨日と同じように、空を見上げる。
今日も星がきれいだ。しかし、見える星の数は、昨日よりも少ないように感じた。

家に帰り着き、ベッドに入った俺は、今日、別れ際に長門が言ってくれたことを思い出す。

「でも私は信じたくない」

長門が、自分の意志で、SOS団の危機に立ち向かおうとしてくれている。
そのことが嬉しくて、俺はなぜか昨日よりも少しほっとして眠りにつくことが出来た。


次の日、朝比奈さんは学校に来なかった。
そのことをこのとき知っていたら、きっと俺は、こんな風に安らかに眠ることは出来なかっただろう。

明日早いので今日はこれで終わりにさせていただく

遅筆に関しては、まったくおっしゃるとおりであって言い訳のしようもない。
明日は朝から午後まで学校があるので、書き始められるのは早くて16:30くらい。
なので別におとしてしまってもいいです

それまで残ってたら続き書きます。

あと俺即興師じゃないです
ただ風鈴スレと決別スレには張り付いてた
あれは面白かった

一応トリつけとく

ではおやすみなさい~

ちょwww追試一個落としたwww\(^o^)/


保守サンクス

書くのは遅いけど再開する

翌日の朝。

目覚めてすぐ、正常であって、そして異常であるハルヒのことが頭をもたげる。
今日こそは、聞かなければならない。

昨日今日と、目覚ましにしては少々荒い妹のボディーブローを受けることなく起きることに、
俺は成功していた。

なぜだか早くに目が覚めてしまう。

まるで崩れゆくSOS団の影が、俺に重くのしかかり、
その重みで俺を無理やり眠りから引きずり起こしているかのようだ。

坂道を登る足取りは今日も重い。昨日と、内容も調子も変わらぬ谷口の声。
いなす業が手についてきているようで、俺はなんとも複雑な気持ちになる。


思えばその日、鶴屋さんに会うまで、俺はほとんどまともな会話をしなかった。

教室の前に立ち、昨日よりいささか決然と扉を開く。
しかしそこにハルヒの姿はない。

絶対にハルヒを問い詰めるつもりでいた俺は少しばかり拍子抜けしつつ、
鞄を自分の席に置いてあいつを待つ。

しかしあいつは来なかった。

流れていく時間はとても長く、それでいて重い。早く団活の時間が来て欲しいような、
来て欲しくないような、矛盾をはらんだ心情。

学生の本分であるはずの授業の内容は、昨日に引き続き
俺の頭には入らない。

昼休み。谷口や国木田の誘いを断り、俺は弁当を持って部室へ急ぐ。
あいつに、会わなければならないからだ。

部室棟に向かうその途中。
昨日と同じく少しばかり早歩きをする俺の後ろから、
ここ二日で聞いた中ではおそらく一番元気のよい声が聞こえた。

「おーい、キョンく~ん!」

振り返る。
長い髪をたなびかせたその人は、
やはりこの数日に見た中で一番の笑顔を輝かせながら俺のもとへ駆けてくる。

「どうしました?鶴屋さん」

俺の声はどんな風に聞こえただろう。
重く、疲れた声だっただろうか。
それともいつもと変わらなかいものだったのだろうか。
あいつと、同じように。


「実は伝えておきたいことがあるのさっ」

俺の声の調子がどうであったかは分からないが、
鶴屋さんがそこに触れることはなかった。

「なんですか?」
「みくるがね、今日、学校休んじゃったみたいなんだ」

瞬間、思い出されるはあの光景。
古泉を訪ねて行った時に、聞かされた事実。

SOS団からの、団長直々の追放、その後の学校の欠席。
追放と同じく、昨日の今日だ。

長門に聞きたいことが増えちまった。
しかも、飛び切り厄介なやつが。

「どうしたんだいっ?キョンくん!」

鶴屋さんが若干首を傾げ、
大きな眼で俺の顔を見ている。

「あ、すみません、いや朝比奈さんが休みとは…」
「おやおや~?心配なのかなっ?」

いたずらっぽい表情で、からかうように俺の目を見てくる鶴屋さん。
確かに、朝比奈さんがただ休んだだけでも俺は心配しただろう。
しかし事は、もはや心配程度で済む話ではない。

「…はは、ええやっぱり心配ですよ。朝比奈さんはSOS団の一員ですから」

たとえ無理やり作り出したものだったとしても、よく笑い声が出たものだ。
愛想笑いにもなっていないであろう俺の笑顔を、鶴屋さんが見る。
自身は、その笑顔を絶やすことなく。

「いや~実は学校にも何も言ってないみたいでね。
 でもハルにゃんのことだから、きっとみくるが無断
 で部活を休んで帰った~って怒っちゃうでしょ?」

それじゃみくるがかわいそうだからね、と、鶴屋さんは明るい声で付け加える。

そう、いつものハルヒならそう言って怒り、次の団活では勝手に休んだ罰だと
かいって、朝比奈さんをいじりたおすだろう。下手をすれば俺もとばっちりを
受けるかもしれないな。

でももう、あいつはいつものハルヒであっていつものハルヒではない。
それに、朝比奈さんはもう昨日から、SOS団の団員ではなくなってしまったのだ。

でも、そういえばさっき俺は、無意識のうちに「朝比奈さんはSOS団の一員だ」と言った。
そこに、偽る心は少しもなかった。


それならこの嘘は、本当にしなければならない。

そう、俺は思った。

「わざわざありがとう御座います鶴屋さん。
 朝比奈さんのことは、ハルヒに伝えておきます」
「うん、よろしくねっ。それじゃ!」

鶴屋さんは終始笑顔のまま、俺の前から去った。

俺も、俺の目的地へと急ぐ。
少しばかり時間は減ったが、あいつに言うべきことは増えたのだから。


部室の前。
肩でしていた息を整え、俺は扉を開く。
一瞬、ハルヒと同じように長門も扉の向こうにいないんじゃないかという
恐怖が頭をよぎったが、長門は昨日の団活の時と寸分たがわぬ位置の
椅子に腰掛け、今日も本を平開いていた。

もしかしたら、ハルヒもここにいるんじゃないか、そう思っていたのかもしれない。
長門しかいない部室を見て、俺が安堵とともに覚えた失望の感の正体は、あるいは…。

液体ヘリウムのような目が、部室の扉を開いた
侵入者の方に向けられる。

「長門、色々聞きたいことがある」
「………そう」

長門は本を閉じて立ち上がり、普段俺と古泉がボードゲームを興じる時に使う
椅子にこしかけた。

「…あなたも」

今日は長門に促され、俺は鞄を机の上におき、椅子を引いて腰を下ろす。
走ってここまで来たせいで、まだ少し体が火照っているのが分かる。

「長門、今のハルヒの精神状態は?」
「…普通。特に変化は見られない」

変わらない答え。
というより、ハルヒの精神状態に関してこれ以外の答えが返ってきたことはない。

「その状態はずっと続いているのか?…つまりおととい、古泉が解雇通告を受けた
 ときから今までって意味だが」
「そう。多少の変動、浮き沈みは見られるが、それは一般的な有機生命体なら
みな有する程度の乱れ」

あいつが一般的かどうかは激しく怪しいけどな…。

「…しかし」

長門がなおも続ける。

「強いて言えば、変動が見られたときは確かにある」

「…教えてくれ」
「これはおとといよりも前の話。涼宮ハルヒが古泉一樹を辞めさせた日の二日前の夜」

二日前?今日は…水曜、おとといは月曜だから、その二日前は…土曜か。
ん?たしかその日は……。


「この精神状態の変動はあくまで普段の状態に比べれば大きいというもの。
 今までにも多々あったレベルの変動。そのときは小規模な閉鎖空間の発生が
 確認されているが、古泉一樹たちが通常通り対処している」

確かに俺は、古泉からその旨は聞いていない。
ということはやはり長門の言うとおり、別段俺に報告するほどのものでもなかった
ということだろう。

だが、その二日後に…ハルヒは変わっちまった。
変わることなく、変わってしまった。

ハルヒのその精神の変動が、二日後のあいつの行動に関係しているのか?
特別異常なものではなく、今までも何回もあったレベルのその乱れが。

…土曜。その日の夜。
あいつの心が揺れ動いた。

その二日後。夕方。
一人目の団員が追放される。

その翌日。
一人目が消え、二人目が追い出される。

そして今日。
二人目が消えた。

消えた…?いや、ただ学校を休んだだけでそう判断するのは早尚か。
しかし……。

「長門、古泉と朝比奈さんの方に変化はないか?」

長門は、おそらく俺以外には分からないんじゃないかというほど
わずかばかり首を傾ける。

「…変化?」
「いや…例えば…」

こんなことは聞きたくなかった。

「二人はまだ、この世界にいるか?」

「……二人にも異変はない。ただなぜ学校を欠席しているのかは不明」

俺はほっと、胸をなでおろす。
しかし依然、二人が休んでいる理由は分からない。

その時、俺はあることを思い出した。

「…俺は昨日古泉に電話をした。だが結果は『電波が届かない』だった。
 何でなのか、心当たりあるか?」
「……電波が…届かない?」

長門も不審に思ってくれたらしい。

そう。あいつが普段、電話に出ないことはもちろんある。
あいつは機関の人間だからな。色々と忙しいんだろう。
しかし、未だかつて、「電波が届かないかもしくは電源が入っていない」と返されたことはない。

いつでも連絡を取れるようにしておくことは重要なことだ。
それは俺に対しても同じのはず。可能性は低いが、俺からハルヒに関する重要な
報告があるかもしれないしな。

それにあいつは、任務の関係で携帯の電波が邪魔になったり、閉鎖空間に入るときには、
電話を外に置いてくるか、もしくは同じ番号のいつでもつながる電話の方に転送することなっている、
と言っていた。

つまり、先の文句が電話から流れてくるなんてことは、ありえないのだ。

古泉がこれらの事前対策をとれなないまま、予期せぬ事態に陥っていない限りは。

「…朝比奈みくるにも電話を」

さきほどの発言からしばらく黙っていた長門が突然口を開き、
俺はハッと我に帰る。

「急いで」
「朝比奈さんにか?…分かった」

俺は携帯を取り出し、登録している朝比奈さんの番号を探す。
俺から朝比奈さんに電話をかけたことは今までほとんどなかったが、
ア行であるその名前を見つけるのはたやすかった。

古泉の時と同じ、しばらく続くコール音。
そして、音は鳴り止み、あの声が聞こえる。

「お客様のおかけになった電話は、電波の届かないところにあるか、
 電源が入っていないため、かかりません」

沈黙と焦りが俺を襲う。
その言葉は俺にとって、沈黙と同じだった。


「長門、だめだ。古泉の時と同じだ」
「貸して」

長門が手をさしだす。
俺はその小さな手に、携帯を引き渡す。

「………」

長門は黙って携帯を耳に押し当てている。
そして5秒ほどで耳から離し、それを俺の手に渡しながらこういった。

「…しまった」

長門が「しまった」なんて言葉を発するのを聞く機会は、
もうないかもしれない。

こんなチャンスに立ち会えた俺はある意味幸運だが、
それを踏み潰して余りある悪寒が俺を襲う。

あの長門が、「しまった」と言った。

これだけで、俺の心臓は激しく打つ。
この上ない危機を覚悟しなければならないと感じて。

「なんだ、どうした長門?」
「うかつだった。二人の気配に異変がないことで私は安心していた。
 しかし今、私は電話を通して電波の流れを読み取った。この電波は、
 私たちと同じ世界には向かっていない。感知できない」

いきなり饒舌になった長門を前に、俺は少し混乱する。
…つまりどういうことなんだ?

「二人は、今私たちのいる空間にはいない」

衝撃の宣告。
たった今、長門が否定したばかりのその内容。
俺は思ったことをそのまま口に出す。

「だがお前はさっき二人に異変はないって…」
「世界から消えた感覚はなかった。しかし特異空間の中においてさらに
 同質の別の特異空間に対象が移動した場合、私はその消失を感知できない」

特異空間の中において…?

「あまりはっきりしたことは言えない。ただしこれだけは確か」

長門は、俺をまっすぐ見据えて言った。

「…私たちはすでに、閉鎖空間の中にいる」

理解が追いつかない。
古泉と朝比奈さんが俺たちと同じ空間にいない、それだけでも
ここ最近、いやここ数ヶ月くらいで一番の驚きなのに、

…俺たちまですでに閉鎖空間の中にいる?

「どういうことなんだ長門?お前は気がつかなかったのか?」

焦りと不安からか、声が少々大きくなる。
俺は決して、長門を責めるつもりはないのに。

「…気がつかなかった。いつから閉鎖空間の中にいるのかも分からない。
 うかつだった。…私のせい」
「違う!」

さっきよりも大きな声が出る。
長門のその言葉は、もしかしたら俺が引き出してしまったものかもしれないというのに。

「…お前は悪くない。悪いのは…」

…悪いのは?

その先にあるはずの言葉を、俺は知っているのか。
その先の言葉を口に出す勇気が、俺にあるのか。

理解を拒否する頭。
それを拒否す思考が、同時に働く。

理解しなければならない。
受け入れなければならない。

SOS団の解雇。
そして、世界からの追放。

それともあいつにとって、SOS団が世界そのものなのか?

いずれにしろ、SOS団からの追放がトリガーになっているならば、
もはや向き合わなければならない事実は一つ。


…ハルヒが、SOS団の団員を消している。

なぜ?

理由は分からない。
思えばずっと、俺はあいつに理由を求めてきた。
なぜ古泉を、朝比奈さんを追い出したのか。

しかし事態はそんな甘いものじゃなかった。
古泉と朝比奈さんは、もうこの世界にいないのだ。

そして、それはおそらく、ハルヒのせいで。

無意識下?意識的?

消失?

願望を実現する能力?

集めたはずのピース?

閉鎖空間?

世界を創りかえる力?

人を…消す力?


脳裏に浮かぶはあいつの言葉。


「人間はそのような存在を…『神』と定義しています」

理由を求めて俺は走った。
しかし理由は得られていない。

ならば、その先にある結果を見据えて、俺たちは動かなくてはならない。

「…長門、ハルヒはどこだ?」
「分からない。私たち自身が特異空間にいると判明した以上、
 さっき話した通りもう感知能力は信用できない」

閉鎖空間。

そう、いやにカラフルな、色づいたこの世界。
秋色に色づいた木々。早まった橙の夕焼け。
笑う人々。いない神人。

どこもかしこも、あの灰色の空間とは似ても似つかないというのに。

もうSOS団の中に、あいつが消すべき人間は二人しかいない。
ならば、俺は…。


俺はふと時間を見る。
時計の針が、とうの昔に昼休みが終わっていることを告げる。
話に集中する余り、意識の遠くでとらえるにとどまったらしいチャイムの音。


唐突。扉が開く音。

早鐘。俺は入り口の方に顔を向ける。

団長?神?何者なのか。



涼宮ハルヒがそこに立っていた。

昨日以来のその顔。
やや、うつむきながらの入室。

「よう、ハルヒ」
「…なんでここにいるの?授業は?」

普段なら「お前には言われたくない!」と返すところだが、
今日は違う。

…俺の決意は固まっていた。
本当にハルヒが二人を消したなら。そして本当にそのトリガー、いや合図が、
SOS団からの追放ならば。



…やられる前にやってやる。



「ハルヒ、そのままでいい。俺の話を良く聞け」
「…あんた…何様のつもり?」

いつもなら軽くいなせるはずのその言葉。
しかし今目の前にいるこの女は、考えられないほどの威圧感を放っていた。

だが俺もひるまない。
あいつが俺の顔を見ていなかろうが、こっちはお前の顔を見据えて言ってやる。

「何様だろうと関係ない。もうこれまでだ」

いつもより凄みを効かせたつもりの言葉。
しかしハルヒはこちらを向かない。
俺は構わず、続きを言った。


「いいか、俺と長門は今この瞬間、SOS団をやめる」

ここ二日で初めて、ハルヒが俺の顔を見る。

何の意味もないのかもしれない。
ハルヒが本気で俺たちを消そうと考えたら、こんなことは何の抵抗にもならないだろう。

だがやられっぱなしでいられるか。
最後に、自分でケジメをつけてやる。

ここまで覚悟を決めておいて、ハルヒ本人を力ずくで黙らせるという行為に出ない俺は、
…なんなんだろうな。

正義感をあふれる若者か。あるいはただの臆病者か。
まあ、どっちでもいいさ。

言いたいことをすべて言い、長門を連れて部室から出て行こうとしたその時…

「…待ちなさいっっ!!」

俺が聞いたことのある中でも一、二を争う大声で、ハルヒが吼えた。

俺は立ち止まる。いや立ち止まらざるを得なかったといえるだろう。
本校舎まで届いたんじゃないかというけたたましい声を聞き、
ケジメをつけたことで少し落ち着いていた心臓がまた、早鐘を打ち始める。

振り返る。長門も俺に続く。

ハルヒはさっきと同じように俺を見ていた。

「あんたたちが勝手に辞めるなんて許さないわ。団長は私なんだから」
「だからなんだ!どうせ俺たちもクビにするつもりだったんだろうが!」

今度は俺が声を張り上げる。


「…あら、やっぱり気づいてたんだ?」

やはり俺は怖れているのか?
こいつを怖いと認識しているのか?

…いや、こいつはさっきの大きな声以外は、あくまで普段通りの
口調だった。

ではなぜ?


…決まってる。

消えるのが恐ろしいからだ。

長門がそういう恐怖を感じているのかはわからないが、
少なくとも俺は…消えたくない。

もっと生きていたい。
そしてもっと…。

扉から今にも出て行きそうな俺たちに背を向け、
ハルヒは窓の方を見る。

「勝手にやめるのは許さない…。でも大丈夫よ」

ハルヒは、再びこちらを向いた。

「私が直々にクビを切ってあげるわ。
 二人とも、部室の外に出なさい」

直接手を下しての追放。
それは執念なのか?あるいは恨み…でもあるのだろうか?


言われたとおり、表に出る俺と長門。
ドアのところまで出てきたハルヒが、最後の宣告をする。


「有希、キョン、あんたたち…明日から来なくていいから」

ドアノブが引かれる。
見慣れた扉が、大きな音をたてて閉まる。



まるで、もう集まることのない団員の名残を、惜しむかのように。

廊下を歩く。
長門と一緒に。

こいつはさっきからずっと沈黙を守っている。

一旦長門の教室に寄り、長門の荷物を回収する。

そして次は俺の教室だ。
すでに時間は放課後。
教室の入り口で、帰り際の谷口と国木田に会う。

「な!お前…長門と一緒に校内を歩くとはいい度胸だな」

実に谷口らしい発言だ。

続いて、国木田も口を開く。

「どうしたの二人とも?部活じゃないの?」

さすがは国木田、まともな質問だ。
それだけに俺たちにとってはありがたくないんだが。

「ああ、実はな…。ハルヒに暇を出された」
「何ぃ?何かあったのか?」

谷口が詰め寄る。

「…何も。ただの休みだよ。ここんとこしばらく休みがなかったからな」

実際は暇を出されたわけではない。
だがクビになったなんて言えば、さらなる質問攻めを受けることになるだろう。


ましてや、「たった今、神に抗ってきたところだ」なんて、言えるはずもない。

学校を出る。
神に致命的なクーデタを起こしたばかりの俺たちは、
ゆく当てもなく、ただ坂道を下りる。

おとといや昨日と違い、まだ夕方にはなっていない。

ぶらぶら歩いて、気がつけば目の前にはいつしかの公園。
長門が俺を呼び出した、あの公園だ。

適当にベンチを見つけ、長門と一緒に座る。

「長門…図書館でも行くか?」

長門は首を振る。
最後に望むのは、本を読むことではないらしい。

あっという間の時間。あたりにおり始める夜の帳。
結局、想い出を探しても、浮かぶのはSOS団のことばかり。
その皮肉さが、不思議と俺を冷静にさせる。

「死」と「消失」はどう違うのだろうか。
古泉や朝比奈さんは、消えてもその存在はまわりに記憶さていた。

ならば…。

長すぎる走馬灯のごとき省みが、
ゆっくりと、その時が近づいていることを知らせているような気がした。

唐突に、長門の姿が足元から消え始めた。

「長門!」
「大丈夫、痛みはない」

そういうことじゃなくてだな…。
と思いつつ、不思議と落ち着いている俺がいるのは確かだ。

長門は情報操作などを試みようともしていないようだ。多分わかっているんだろう。
神の力には抗えないということを。

古泉も、朝比奈さんも、その消える瞬間を看取ることは出来なかった。
ならば、せめて長門だけは…。

「私はあなたたちに会えてよかった。あなたに会えてよかった。
 …さようなら」

明瞭で、短いその言葉。





そうして、ベンチに腰掛けるのは、俺だけとなった。

家族に電話でもしようかなという思いが、浮かんですぐに消えた。
きっとハルヒは、俺たち全員を消し去った上で、みんなの記憶を消すつもりなのだろう。
ならば、わざわざ悲しませることもない。というより信じてもらえないだろうしな。

あたりにはすでに人はいなくて。
公園の明かりに集う虫達が妙に目立っていて。

俺は上を見る。
結局また、一人で見上げることになったこの夜空。

足元が光り始める。
俺は空を見上げ続ける。
そういえば…今日は星が少ない。

でも、俺の真上に、一際大きく輝くものが見える。



最後の記憶。大きな大きな遠い星。




そして全てが 黒に包まれた。




ということで…終わりです

といいつつ、実はこれまだ第一章のつもりなんだけどね
第四章まである予定


なんにせよ一旦休憩
さすがに疲れた

読んでくれてありがとうです

さすがに伏線と謎残しまくりではなげださない
けど残りの章の長さは多分まちまち
第一章よりは短いかも
ちなみに即興師ほどの高クオリティは期待しないでください

あと喧嘩うってんのかってくらい書くの遅いけど
そこはお許し願いたい

第二章はいつ書くのか教えてくれ

>>285
明日から連休だしもうおおまかな流れは出来てるから
連休中には片付けたいんだけど…わかんないww

あとどっかで他作品聞かれてたので載せとく
でもこれスタイル違うからなー どれも綻び多いし
宣伝うぜーよって人はスルーしてください

長門「どうしてこんなことも分からないの?」
JUM「てか前から思ってたんだけどさぁ」(のっとり)
長門ユキの憂鬱(のっとり)
キョン「こなたとデートだから、明日の不思議探しは休む」(のっとり)
ハルヒ「キョンさん!あんぱん買ってきやした!」(のっとり)
長門「ねーねーお母さ・・・あっ・・・」(のっとり)

ところで見返したら誤字多くてワロタ
あんなに時間かけてんのにwwww

これのことか?
http://vipss.main.jp/

おはよ。

保守。

太陽の光が、木漏れ日となって地面を照らす。
仰ぎ見れば、申し訳程度に散在する雲と、その間を埋める青い空。
ゆっくりと、秋の風が、少しばかり急いだために火照った俺の体を冷ましていく。

「おっそい!罰金!」

駅前の広場に腕を組んで立っている、黄色いリボンをつけたそいつ。
開口一番、もはや既定事項にでもなっちまったんじゃないかという勢いで
今日も最後の到着と相成った俺に、ハルヒの怒号が飛ぶ。

「なんどもいうが俺は遅刻はしてないんだぞ…」
「関係ないわよそんなこと。団長に逆らうの?」

俺の顔を見据えて独自の理論を展開する我らが団長。
今日も穏やな理不尽が、SOS団の間を駆け抜ける。
…主に俺とハルヒとの間をだが。

いつもの喫茶店で、いつものくじ引きが行われる。
そろった5人は、各々、ハルヒの手に握られた、
いわばこれからの自分達の運命を決めるそれに手を伸ばす。

2本しかない赤い目印のついた爪楊枝を引いたのは俺と、そして……。

支援

公園のベンチはきっとひんやりと冷たくて、さぞ座り心地がいいことだろう。
朝比奈さんと一緒になったときは、驚きの告白の舞台ともなったわけだが、
それでも美人と二人、並んで腰掛けるというのは、なかなかによろしい体験だった。

今俺のとなりを歩いている人間が美人であることを否定するつもりはないが、
残念ながら朝比奈さんと違って、ベンチに腰を下ろすことを許可してくれるような
やつではない。

公園に来たのは、不思議を発見するためなのか?
ハルヒにしてはありきたり…いや、町の中で不思議探索というのも、
普段のコイツの行動のレベルを考えればすでにありきたり…か。

こいつのノリなら、山なり洞窟なり、そういう環境に繰り出しても
おかしくはないからな。

木々に秋の色が忍び寄り、ほのかに色づきかけた葉が少々、その下に散らばっている。
ジョギングをする人々、犬を散歩に連れ出している人たち。
さわやかな秋特有の光景を眺めながら歩いていた俺に、ハルヒが意外な言葉をかける。

「ちょっとあそこ、座ろっか」

疲れたのか。
あるいは不思議が見つからないことに失望してか。
ハルヒは言いながら、近くにあるベンチを指差す。

支援

「秋っていいわよね」

座ってしばらく、お互いの無言。
ふいにハルヒが口を開く

「…なんでそう思うんだ?まあ俺も好きだが…」
「暑くもないし寒すぎもしないし、食べ物もおいしいし、最高じゃない」

くだらない話。たわいない話。交わす言葉にたいした意味はなく、
…でも、とても心地のよい時間。

「こういう季節は外で行動したくなるわね」
「その意見には賛同するが、お前はいつも外で行動しているだろう?
 …今だってそうだ」

ハルヒが俺の目を見る。

「なんだ…?」
「そうよ…そうだわ!『いつも』外で探索しているのに不思議が見つからない…
 それは時間帯のせいだったのよ。変えるべきは時間よ!」

突然興奮したように早口になるハルヒ。
いつだったか、SOS団を結成することを俺に伝えた時に見せたのと同じ輝きを、
その目に湛えて。

「今日の夜!もっかい集合ね!」

そういうわけでこの瞬間、俺の貴重な休日が、夜までしっかり侵食されることが決定した。

星空の下。
夜風が、朝比奈さんの長い髪をゆらしているのが見える。
今夜は月が綺麗だ。

夜に再集合する旨を伝えられた俺たちは、今こうして、町のはずれの小高い丘の上にいる。

「きれいね…」

夜に集まるといっていきなり「天体観測するから!」なんて、
まあ、単純というかハルヒらしいというか。

支援

それにしてもこの時期に行うのは少々季節外れではないだろうか。
夏の大三角や冬の大三角は聞いたことがあるが、
秋の夜空の有名な星はあまり聞かない。

そもそも天体観測は、天体に関してちゃんとデータ、記録をとりながら行うもので、
こうやってただ星を見ることは天体観望というのであってだな…。

「きれいなものですね」

ふいの声かけに俺は戸惑う。いつのまにか近くに、古泉が空を見上げながら立っていた。

「…案外、感傷に浸るほうなのか?」
「自然なことですよ」

お前のいう自然などあまりあてにはならないような気がするがな。
いつも不自然なまでの笑顔を顔に貼り付けているんだから。

「あなたがもちかけたんですか?」
「この星を見る会の開催をか?いいや。あいつが自分で言い出したんだよ」

俺がわざわざ星を見るためのイベントを主催すると思うのか?
…とはいえ俺自身、星を見るのがいやだと思っているわけではないということは、
認めなければならないだろう。

支援

気の遠くなるような時間をかけて地球まで届くという星の光。
まだまだあるであろう見つかっていない星々。
果てがあるかも分からない広大な宇宙。
どれもこれも、神秘的と称するにふさわしい。

そこにあいつの求める「不思議」があるのかは分からないが、
夜空はいろいろなことを考えさせてくれる。

星には詳しくないが、もし、本当にその光が遥か昔のものなら、
今、その星は存在しているのだろうか。

支援

俺もいつかは消える。それは人間である以上必然だ。
ならばせめて、あの星のように、あるいは月のように光るべきだろうか。

月が明るすぎると、星が見えづらいとも言うが、
そんなことは気にならないくらい、今日の月は綺麗だ。

「知ってる?みくるちゃん。今見えてる星の光って、実は何百年も前のものなのよ」
「え~本当ですか?遠いお話ですね~」

どうやらハルヒも俺と同じことを考えていたようだ。
朝比奈さんがその事実を本当に知らなかったのかどうかは分からないが。

「不思議よね。今はもう、あるかどうかも分からないのに…」
「まったくもって神秘的な話です」

古泉が二人の会話に入る。

「そういえば星というのは、真正面から見ると見えにくくなってしまうのをご存知ですか?」
 実は直接見ているものよりも、視界の端にあるそれの方が明るく見えるんです」
「へーそうかしら?あんまり意識したことないけど」

俺の唯一の取り得の雑学が古泉によって語られちまうとは…。
まあ実際、俺もその話は知らなかったわけだが。

「そこまで極端に明度に差が出るわけではありませんからあまり意識できないのかもしれません。
 それにしても星の光とは本当に不思議で…神秘的なものです」
「そう…、神秘的ね…。ねえ有希、有希はどう思う?」

「……神秘的かどうかは分からない。でも人はしばしば、星に願いをこめる。
 なら星には、人が願いをこめたくなるような何かがあるのかもしれない」

長門が言う「人」が、自分以外の人を指すのか、
あるいは有機生命体のことをさしているのかは分からないが、
こいつにも思うところはあるのだろうか。

「何か…か。じゃあキョン、あんたはどう思う?」

やっぱり俺にも振るのか…。
俺にも「何か」みたいな言葉で思わせぶりに煙に巻く技術があればよかったんだがな。
まあ長門は煙に巻いたつもりはないのかもしれないが。

「…星ってのは人の世界でも、例えば『あいつは~界の星だ』みたいな感じに使われるからな。
 やっぱり人間に与えてる影響ってのは結構大きいんじゃないか」
「そういうことじゃなくて、もっとなんかこう…神秘的な感想はないの?」

どういう注文だ。俺にそんな難しいことを求めないでくれないか。
ハルヒは溜息をついて再び星空を見上げる。

俺は同じように大きな溜息をつき、
誰かさんの話しを少しだけ膨らませて話してやった。

「さっきお前が言ったとおり、星の光ってのは気の遠くなるくらい長い年月をかけて地球に届いてる
 らしいからな。俺たちがその光を見る頃には、もうその星はないかもしれないし、
 逆にその光がここまで来る頃には地球、あるいは世界なんてなんてないかもしれないな」

壮大な話になってしまった。しかも半分はハルヒと同じことを言っただけだ。
ハルヒはしばらく空を見続けたあと、顔を俺のほうに向ける。
大きな目が、俺の視線をとらえる。
一瞬、その瞳が大きくなったような気がした。

そして再び空を見上げて、こう言った。

「…そうね、やっぱり神秘的ね」

…神秘的か…?今の話?

支援

「そろそろ帰りましょうか」

それからしばらくして、ハルヒが静かにそう告げた。
座り込んで星を見ていたハルヒが立ち上がったのに応じて、
朝比奈さんが後に続く。
長門も、いつも読んでいる文庫本の代わりに持ってきていた
星の図鑑を手に、ゆっくりと腰を上げる。

それぞれ、来る前には抱いていなかった思いを抱いているだろうか。
少なくとも俺は…。




夜風が少し強くなる。


そして月が、雲に隠れた。





その日はそれで解散となり、俺たちはそれぞれの家路につく。


二日後、古泉がSOS団から追放されることを、その時俺はまだ知らなかった。




短いけどこれで第二章は終わり
第三章は多分これよりは長い

保守&読んでくれてありがとうです

3が一番長いかな…
まだわかんない

支援

たった今彼女にフラれた…

>>433
  _
, ^   `ヽ (  ))
イ fノノリ)ハ (  ))  <飲んで…
リ(l|゚ -゚ノlリ (  )
 /  ilつ ([■] ←ココア

あーあ
日曜になっちゃった

ゆっくりと第三章いきます

思ったより長くないかな?

……。


黒。

ただ黒に包まれているのを感じる。


足元から消えていった体。
痛みを伴うことなく。

あたりが黒に包まれて…。

…その後は?


…ここは…一体…。

僕は……。







Case1 古泉一樹

坂道をはしる風。
急に訪れた冷え込みで、秋色に狂い始めた木々。
寒い方が好きな僕としてはありがたい季節が、確かに近づいてきている。

にわかに羽織るものを増やし始めた人々。
昨日から今日にかけて気温は、
秋の中ごろとは思えないほどの落ち込みを見せている。

一昨日は星がよく見えた。
季節というわけではないのだが、
これも涼宮さんの力なのか。

季節が変わっても、変わらない教室での日々。
退屈…というわけではない。
友人もいるし、勉強のほうも、まあ自分で言うのもなんだが
出来るほうだ。

それでも、「とても楽しいというものではない」という感はぬぐえない。

しかし、ところ変われば自分も変わる。
放課後になれば、僕を待つのは部室棟の一室。

季節が変わろうが変わるまいが、常に色とりどりの変化を見せてくれる場所。
機関の見解によれば「神」とされている彼女の、いわば根城。
神のお膝元であり、そして、機関にはとてもいえることではないが、
…自分の居場所だと、僕は思っている。

部室の前。
扉を開く前に、僕はノックをする。
未来人、いや、朝比奈さんへの配慮だ。

「は~い」

柔らかな声。
僕はその声を確認し、扉のノブに手をかける。
開いた扉の先には、すでに全員が揃っていた。

「遅かったわね、古泉くん」

団長席に座る少女から、少々とがった声がかかる。
パソコンの画面から顔をはずすことなく、彼女は続ける。

「何かあったの?」
「申し訳ありません。今日は掃除当番でして」

部室に入る前から、きちんと用意しておいた答え。
…もっとも決して嘘ではないが。

朝比奈さんが入れてくれるお茶は、今日も思わず舌鼓を打ちたくなるおいしさだ。
最初はメイドの服もその役も、決して気に入ってはいなかったはずなのだが、
最近ではすっかり様になっているように見える。
自分で新しい茶葉を買ってきたりと、彼女なりに研究もしているようだ。

パイプ椅子に座り、分厚い本を読み続けている長門さんも、きっとこのお茶には
いい印象を持っているに違いない。
決して表情にはそのことを出さない彼女だが、飲食は好きなようだから。

そして目の前に座る彼は言わずもがな、顔と言葉にその感謝の気持ちがしっかり現れている。
隠そうともせず喜びを表現するその表情を見ると、長門さんほどではないにせよ、
僕もまだ感情表現が足りていないなと感じる。

常に笑顔を絶やさないようにするのには、もう慣れた。
相手の心境を読み取り、適切な返答をする練習もした。
それが、必要なことだったから。

いつか、そんなことを気にせずに、彼らと語り合える日は来るだろうか。
この例えようもなく心地よい瞬間、関係がずっと続いていけば、あるいは…。



「古泉くん、明日から来なくていいわ」

そう、SOS団からの追放を宣告されたのは、その日の夕方だった。

理解には程遠い場所でいったりきたりを繰り返すその言葉。
最初に疑ったのは、涼宮さんではなく、自分の耳だった。

沈黙でしか、答えることが出来ない。
なんとか笑顔だけは崩さずに、一瞬の間を置いて僕は言葉を返す。

「…来なくていい…と申されますと?」
「言葉のとおりよ。明日からSOS団の活動には参加しなくていいから」

理解を拒否し続けていた僕の思考に、涼宮さんの言葉が止めを刺す。

動揺してはならない。
動揺していても、そう見えてはならない。

表情を崩してはならない。
崩れそうでも、耐えねばならない。

理由を聞いてはいけない。
……何も、言い返してはならない。

「…分かりました。それではみなさん、ありがとうございました。さようなら」

張り付けた笑顔がはがれぬうちに、僕は鞄を持って部室を去った。


扉を閉めて、昇降口へ。
靴を履き替え、落ちかけた夕日に照らされる外へ飛び出す。
自分でも、驚くほどに、そして悲しいほど冷静に。

あわててはならない。
緊急時のマニュアルを思い出せ。

「涼宮ハルヒに特に異常な行動が見られた場合は、
 可及的速やかに機関に連絡し、指示を仰ぐこと」

校門を出る。
震える手で、電話を取り出す。

知らせなければ。
知らせなければ。

鳴り始めるコール音。
電話口に出たのは森さんだった。

         し!                             _ノ
  小 ニ    /                              )   ニ え
  学 コ    L_                             ヽ  コ  |
  生 厨    /      , - 一 - 、_          , - 一 - 、_  i 厨 マ
  ま が    /      /      .:::ヽ、       /      .:::::く  !? ジ
  で 許   l       /, -ー- -、 .:::://:ヽ     /, -ー- -、 .:::://ヽ
  だ さ   i        i..::/\::::::::ヽ、::|i::::::|      i..::/\::::::::ヽ、::|i:::::レ ⌒Y⌒ヽ
  よ れ  l      /7  .:〉::::::::: /::|::::::|     /7  .:〉::::::::: /::|::::::|
  ね る  _ゝ    / / .:::/   .:::::|:::::::|     / / .:::/   .:::::|:::::::|
   l の 「      i /  .:::::i   :::::::|:::::::|    i /  .:::::i   :::::::|:::::::|
    は  ヽ    i i;::::ヽ、 ,i   .:::::::|::::::::|     i i;::::ヽ、 ,i   .:::::::|::::::::|
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  レ'⌒ヽ/ !      i-=三=- 、 .:::::_人__人ノ_  i-=三=- 、 .:::::::::ゝ、ノ
人_,、ノL_,iノ!      i       .:::::「      L_i       .:::::::::::i:::|
      /     i       .:::::::ノ  モ    了      .:::::::::::::i:::|
ハ キ  {      ゝ、_ /!`h:::::::::)  ア    |   「ヽ .::::/)::/:::|
ハ ャ   ヽ    r-、‐' // / |;;;;;;く    |     > / /  //;;/::.:::!
ハ ハ    > /\\// / /ヽ_:::::!   イ    (  / / //:::::::::::::::::ヽ
ハ ハ   / /!   ヽ    レ'/ ノ        >  ' ∠  -‐  ̄ノ
       {  i l    !    / フ       /     -‐ /

適当なニコ動を1位にしてニコ厨涙目にしてやろうぜwwww

動画「【初音ミク】モアイ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2490743
(`;ω;´)モアイたん支援するお!

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