苗木「十神君がヅラ使用してた……」 (135)

苗木「これが事件の真相だよ」

苗木「十神君が相変わらずの態度で大和田君を挑発」

苗木「怒った大和田君は石丸君の制止を振り切って十神君の髪の毛を掴んだんだ」

苗木「だけどここで誰もが信じられないような事が起こった……もちろん十神君や大和田君自身にも」

苗木「そう、髪が丸ごと取れたんだ」

苗木「そして現在非常に気まずい空気になっている……」

十神「……」

大和田「……あ、その……悪かったな。マジで……」

腐川「びゃ、白夜様がぁぁぁぁ……白夜様の髪の毛がぁぁぁぁ!!」

霧切「悲しい事件だったわ」

セレス「ええ……」

十神「……」スッ 

苗木(落ちたヅラを装着した……)

石丸「十神君待ちたまえ!ウィッグの使用は認められていないぞ!」

桑田「ちょっとお前空気読めよ……な?」

十神「愚民め……」グスッ

苗木「あ、待ってよ十神君!!」

舞園「……今はそっとしておきましょう」

山田「舞園さやか殿の言う通りですぞ。優しさは時に人を傷つけるのですから」

苗木「……」

大和田「ちくしょう!俺は……なんてことを……!」ガンッ

不二咲「大和田君……」

大神「どちらか一方が悪いという訳では無い。強いて言えば運が悪かったのだな」

江ノ島(わ、私も気を付けないと……)ドキドキ

十神(容姿、頭脳、身体能力……全てにおいて完璧なこの俺の……)

十神(唯一の欠点が露呈するとは……!)

十神(これから俺が何を言っても『黙れハゲ』『ハゲが何か言ってる』と思われるだろうな)

十神「……」

十神「ふっ、面白いじゃないか。この程度の逆境既に何度も……」



十神「うわあああああああああああああああああああ!!!」ゴロゴロ

朝日奈「防音のはずなのに廊下まで叫び声が!」

葉隠「俺の占いによると今十神っちは絶望してる!と出てるべ」

桑田「んなもんこの声聞きゃ分かるっつーの」

大和田「俺のせいで……取り返しのつかない事をしちまった……!」

石丸「はっはっは!気にするな兄弟!君は校則違反を正しただけではないか」

江ノ島「あんたって血も涙も無いのね……」

十神「いつの間にか眠ってしまっていた」

十神「……」

十神「案外夢だったと言う事もあるかもしれんな」ガチャッ



セレス「と、十神君。おはようございます」チラッ

十神(ポーカーフェイスはどうした)

山田「大丈夫、僕みたいな豚でもこうして生きているのですから」

十神(俺がこいつと同じランクだと……!)

葉隠「十神っちー!俺の髪の毛分けてやるから外に出た時は色々頼むべ!」

十神「貴様ァ……」

十神(なんだこの腫れ物扱いは……!)

十神(この俺が無様すぎる……愚民共め……)



モノクマ「どうもー!お邪魔しまーす」

十神「モノクマか」

モノクマ「うおっ!まぶしっ!」

十神「……何の用だ」

モノクマ「おっとキレてますか?キレちゃってますかー?……切れる髪が無かった」

十神「……」プルプル

モノクマ「あららー、怒ったら髪に悪いよ。ストレス溜めちゃうとやーよぉ」

十神「わざわざこんな事を言いに来たのか……!?」

モノクマ「うん、絶望してくれた?」

十神「……」

十神「ふっ」

モノクマ「にゃっ?」

十神「確かに今回の事は俺にも予想できなかった事だ」

十神「だがしかしこの程度で挫ける俺では無い。俺は十神の名を背負っているのだからな」

十神「貴様如きに絶望させられるものか!!」ズバッ

モノクマ「うぎゃー!!十神君の希望の光がまぶしい!眩しすぎるよ!シャイニングフィンガァァァ!!!!」

モノクマ「アヅラン・ヅラめ……ここはたいさーん!」ピョーン

十神「ふん、つまらんやつだ」

十神「……」

十神「はぁぁぁぁ……」

十神「おい、どういうことだ。説明しろ苗木!」

苗木「えっ?」

十神「俺の部屋の前に海藻類が大量に置かれていた件についてだ」

苗木「あー、大和田君が罪滅ぼしだとかなんとか」

十神「あのプランクトンがぁぁぁ!!!」

苗木「ちょっとあんまり怒ると……」

十神「あんまり怒ると……何だ……?」

苗木「あ、いや、うん。やっぱり何でも無いよ」

十神「言え!苗木!!!お前は今何を考えてそう発言した!!?」

苗木(同情するけどめんどくさいなぁ)

十神「……」ペラッ

十神「そういえば最近腐川を見ないな」

十神「まああの異臭源が纏わりつかなくなったのは大きなプラスだろう」

十神「……」ペラッ

十神「静かだ……」

十神「……」ペラッ



朝日奈「腐川ちゃん、最近十神のところ行かないよね」

腐川「あ、あんなの白夜様じゃないわ……別の何かよ……」

桑田「俺はなんて言うかもっと激しい曲が」

十神「」ビクッ



石丸「今日も学業に励もうではないか!」

十神「」ビクッ



大神「うむ、昨日掃除したおかげでツルツルだな」

十神「」ビクッ



モノクマ「たまには校内BGMを流さないとね。と言う訳で一曲やっちゃいます!」

アーナーターノカミノケアリマスカー

十神「モノクマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

十神「何で俺がこんな目に……!俺は御曹司だぞ……十神家の御曹司なんだぞ!」

十神「俺が超高校級の誰よりも凄いんだ!」

十神「凄いんだ……凄いはずだ……」

十神「後退してるんじゃない……俺が前進しすぎただけだ……」グスッ

モノクマ「うぷぷぷ!丸聞こえだよ!十神なのに髪が無いなんて笑えない冗談っすよねー。いっそ桂に改名しちゃう?」

十神「……」

モノクマ「ごめんねー、食料だけじゃ無くて育毛剤も用意するべきでした……でもまさかハゲがいるとは思わなくって」

十神「……」

モノクマ「ハゲにとって育毛剤は食料よりも大事だもんね。十神君の気持ちに気付かない先生は悪い先生です……」

十神「」プッチン

モノクマ「あ、あれ?今の音ってなんなの?」

十神「おいモノクマ」ガシッ

モノクマ「ちょ、ちょっと!学園長への暴力はk」

十神「黙れ」

モノクマ「あ、はい」

十神「今から学級裁判だ。早急に準備しろ」

モノクマ「んなこと言われてもむr」

十神「やれ、命令だ」



霧切「どういうことなのこれは?」

モノクマ「見ての通り学級裁判です」

不二咲「えぇ?でも誰も死んでないよね……?」

江ノ島「マジ意味分かんないんですけど」

十神「静かにしろ。これから1人1人の頭髪を調べる。徹底的にな」

腐川「はぁ?なんで今更頭髪検査……?」

石丸「いや、頭髪検査は定期的に必要だろう!十神君のように隠し通していた者もいるかもしれん!」

十神「……良い度胸だ。まずは石丸、貴様だ」

石丸「いくらでも調べたまえ!」

十神「……」サワサワ

石丸「ふふっ、やはり男らしく短髪n」

十神「フンッ!!」ブチィ

石丸「うわあああああああああああ!!!!な、何をする!?」

十神「ヅラじゃなかったか……次だ」

苗木(十神君が狂った……いや絶望したのか……)


舞園「痛い痛い!!アイドルの髪ですよ!?」

十神「チッ、プリクラ流出して頭丸めろ」



朝日奈「いたあぁぁぁいい!!一応女の子なんだよ!?」

十神「その頭のソフトクリームも貴様の毛だったのか。汚らしい」



桑田「うわぁぁ!!信じらんねぇ!!めっちゃ抜きやがった!ここまで伸ばすのにどんだけ時間かけたと思ってんだアホアホアホ!!!」

十神「大人しく坊主頭にしておけば良かったものを」

大和田「ぐっ……おおおおお……もう……気が済んだか?」

十神「このとんがりコーンめ……無駄に毛を生やしやがって……!」



十神「不潔な髪だ……触れるのも嫌になる」

腐川「じゃ、じゃあ触んないでよ……このハゲ……」



葉隠「今なら俺の髪の毛1本1万円で提供するべ!」

十神「こんなウニ毛なら無い方がましだ」



霧切「っ……!……嫉妬とは醜いものね」ファサッ

十神「なんとでも言え。最後に勝つのは俺なんだ」



十神「何故抜けん!?」

大神「すまぬ……我の髪は我にしか抜けんのだ……」

十神「化け物め……」

山田「あだだだだああああ!!僕の角は着脱式じゃないのおお!!」

十神「豚の癖に毛があるとはな。お前は豚以下の猪だ」



苗木「アンテナ折れる!折れるってば!そこは違うよ!!!」

十神「髪にアンテナとは……愚民の構造は理解できん。やはり俺達は一生分かり合えんようだ」



十神「残りはセレスに江ノ島か。怪しい、実に怪しいな」ジロッ

セレス「怪しいとは?」ニコッ

江ノ島「な、な、な、ななな、何の事よよよ」アセアセ

不二咲(あれ?僕はやらなくていいの……?)

十神「その異常なまでの髪の量……」

十神「通常では考えられん!!間違いなくヅラだ!!!」

セレス「それは十神君がハゲだから考えられないだけですわ」

江ノ島「そうよそうよ!ウィッグ使って妹に変装してるとか疑わないでよね!」

十神「なんとでも言え、自分を偽るとどうなるか身をもって教えてやる」

モノクマ(ああああ!間違いなくバレる!ハゲが原因で何もかも台無しだなんて絶望的……)

十神「……」スッ

セレス「……」パシッ

十神「……」スッ

セレス「……」バチン

十神「何故拒む」

セレス「ハゲに頭を触られるなんて汚らわしい事この上ないですし」

十神「お前はハゲと言うだけで差別するのか。実に愚かだな」

セレス「ハゲに触られるなら私は愚か者呼ばわりされる方がマシですわ」

十神「ハゲだって生きてるんだぞ」

セレス「私にとってハゲは例外なくZランクですから」ニコッ

十神「……もういい、お前は最後だ」

苗木(十神君、半泣きだ……)

十神「江ノ島、こっちに来い」

江ノ島(ど、どうしよう盾子ちゃん……?)チラッ

モノクマ(こっち見んなブス、そのぐらいてめーで考えろ)

江ノ島(ご、ごめんね!お姉ちゃんがんばって考えるから……えーっと……うーん……)

十神「お前も抵抗する気か?俺に悪口言うのか?」

江ノ島(諦めるまで逃げ続ける……?いや、そんなことしたら軍人の才能がバレちゃうかも……)

十神「暴言は良くないぞ暴言は。ヒトは話し合える生き物だからな」

江ノ島(じゃあこのまま大人しく……でもウィッグを隠したってばれると面倒……)

十神「ハゲは悪じゃない。この世に悪があるとすればそれはハゲを嫌う人の心だ」

江ノ島(……いっそ自分から取っちゃえば怪しまれない……?うん!多分大丈夫!)

江ノ島「じゃじゃじゃじゃーん!なーんと!実はヅラでしたー!」ファサッ

十神「……」

モノクマ(自分からバラすとかもう残念ってレベルじゃねーぞ)

江ノ島「いやぁ、流石に超高校級のギャルがこんな髪じゃダメかなーって」

十神「……」サワサワ

江ノ島「え、何?もういいでしょ?こっちは地毛だよ」

十神「何故……ハゲ……ヅ……だ……」

江ノ島「は?」

十神「何故ハゲでもないのにヅラをつけていると言っているんだ!!!!!!」

江ノ島「ひゃぅ!?」ビクッ

十神「俺を愚弄してるのか?おい」

江ノ島「そういうわけじゃ……」

十神「じゃあ何だ、言ってみろ。お前がヅラを使った理由だ」

江ノ島「だからギャルっぽくするたm」

十神「ありえん!!!!!」

江ノ島「」ビクゥ

十神「そんな理由でヅラを使って良いはずない……良いはずないんだよ」ギロ

江ノ島(怖いよ盾子ちゃん……戦ったら絶対勝てるのに……)ビクビク

十神「話せ」

江ノ島「で、でも……本当の事言ったら困るし……」

十神「誰が困るんだ」

江ノ島「私と盾子ちy」

モノクマ「ブフー!!ゲホゲホッオエェエエアアアアアアア!!うーん!喉の調子がおかしいなぁ!!!!」

霧切(私と……盾子ちゃん……?)

十神「……お前と盾子とやらが困るのは何故だ」

江ノ島「……とにかくみんなにバレたら色々困る。記憶消去とかやっちゃったし。でも全ては言えない」

モノクマ「あーあーあーあーあー!!!!!」

江ノ島(こ、これでごまかせたよね?特にバレるような事は一言も言ってないよね?)チラッ

十神「なるほどな……確かにそれはヅラを利用するのには十分な理由だ」

江ノ島「ほんと!?じゃあもう終わりかー、あー疲れた」

十神「俺はこの学園の謎が全て解けた」

江ノ島「ふーん……マジで!?」

霧切「私もよ、ハゲのおかげでね。ここまで言えば分かるわね、苗木君」

苗木「つまり今の江ノ島さんはウィッグをつかった別人で本物の江ノ島さんが別にいる」

苗木「そして2人が実は黒幕で記憶消去やらなんやらしてボク達を閉じ込めたんだ!」

モノクマ「えっ、何のこと?意味不明何ですけど」

江ノ島「えっ、何で分かったの?すごい苗木君」

モノクマ「おい」

十神「どうだ、これでもハゲはZランクだなんて言えるか?」

セレス「これは単に偽江ノ島さんが致命的にドアホだっただけでは?ハゲのおかげではないです」

苗木「その後なんやかんやあって江ノ島さんと戦刃さんを捕獲する事に成功」

苗木「十神君は2人へおしおきと言ってバリカンの刑に処した」

苗木「そして戦刃さんに頼んで脱出方法を教えてもらって無事に外に出る事が出来た」

苗木「絶望的コロシアイ学園生活から1人の死者も出なかった奇跡」

苗木「そう、十神君こそ希望の光そのものだったんだ――」



終わり

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