鳴「今日は何しよっか。榊原君?」 (82)

恒一「そうだねぇ」

鳴「日向ぼっこは?」

恒一「『やろう!』と思ってしなくても屋上にいるんだから常に太陽光浴びてるよ」

鳴「それもそうね」

恒一「体動かす遊びにする?」

鳴「昨日かくれんぼしたから今日はいい」

恒一「かくれんぼってそんな体動かすかな?」

鳴「鬼は結構歩き回るから」

恒一「昨日はずっと僕が鬼だったじゃない」

鳴「私を見つけられない榊原君が悪い」フフフ

恒一「まさか体育倉庫の跳び箱の中にいるとは思わなかったよ」

鳴「まさか二時間発見されないとは思わなかった」ショボン

恒一「僕を置いて帰ったのかと思って泣きそうになったよ」

鳴「私だって1時間過ぎた辺りから不安だったわ。榊原君諦めて帰ったんじゃないかって」

恒一「そんなことしないよ。でも幕切れはあっけなかったよね」

回想

かくれんぼ開始から30分

恒一「何処隠れたんだろ?」キョロキョロ

恒一「ん?ここは・・・体育倉庫?」ガラガラ

恒一「暗いなー。流石に女の子がこんな所に来ないか」キョロキョロ

鳴(榊原君来た・・・息を殺さないと・・・)

恒一「やっぱいないか」ガラガラ

鳴(セーフ・・・!)

さらに30分後

鳴(・・・・・・寂しい)

さらに30分後

鳴(・・・・・・榊原君のバカ。本気で捜しなさいよ)イライラ

鳴(私の方から見つかりに行こうかしら?あぁでも一応勝負だし手を抜いたら榊原君のプライドを傷つけるかも)

恒一「もう一回ここ探してみようかな」ガラガラ

鳴(来たッ)

恒一「うーんいないなぁ」キョロキョロ

鳴(早く見つけなさいよ。)

恒一「まさかマットの下とか?」ヒョイ

恒一「うわっ。埃すごっ!」

鳴(埃が・・・!)

鳴(鼻がムズムズするっ)

鳴「ヘクチッ!!」

恒一「っ!?」

恒一「見崎みっけ」ニコ

鳴「榊原君ズルイ」プクー

恒一「悪気があったわけじゃないよ」アハハ

鳴「埃攻撃は許可できまっ、ふわぁ・・・っヘクチ!ックシュン!///」

回想終わり

鳴「プレイヤーへの攻撃はどうかと思うわ」

恒一「だから悪気はなかったって」アハハ

鳴「次やったらペナルティだからね?」ジト

恒一「はいはい」クス

鳴「昨日はかくれんぼで一昨日はキャッチボール」

恒一「そういえばしたね」

鳴「うん」

恒一「キャッチボールは運動量あるけどさ」

鳴「全身使うから」

恒一「でも5分もしないうちに鳴が謎の魔球?投げようとしてボール紛失したじゃない」

鳴「榊原君のキャッチング技術に問題があった」

恒一「ボール明後日の方向に吹っ飛んでってたよ」ハァ

鳴「榊原君の守備範囲が狭いせい」

恒一「ゴールデングラブ賞選手でも無理だよあれは」

恒一「ソフトテニス用ボールだからグラブ無くても平気だね」

鳴「平気。遠慮せず投げて」

恒一「運動苦手だから良い球放れないけどね」ヒョイ

鳴「ナイスボール」パシ ヒョイ

恒一「見崎は運動神経良いね」パシ ヒョイ

鳴「そう?」ムフー

恒一「うん」

鳴「もうちょっと距離離してやろうよ」

恒一「これくらい?」テクテク

鳴「もうちょっと」

恒一「こんなもんかな?ピッチャーとキャッチャーくらい離れてるけど届く?」

鳴「それくらい届くわ。今日はピッチャーとキャッチャーってことで」

鳴(私は知ってる・・・投手と捕手の関係は夫婦に例えられることを・・・!!)

恒一(見崎スカートだから僕が座るか)チョコン

鳴「榊原君が座るの??」

恒一「僕がキャッチャーで見崎がピッチャーでやろうよ」

鳴(奥さんは捕手だったはす。普通に考えて私がマスクを被った方が、マスクと鎧?みたいな装備を付けた方が・・・いやマスクも装備もないけど)

恒一「僕が恋女房じゃ不安かな?」アハハ

鳴「でも榊原君母親みたいな雰囲気あるしね」

恒一「どういう意味かな?」アハハ

鳴「そういう意味です。じゃあ第一級振り被って・・・」ヒョイ

恒一「ストライク!凄いね見崎!」

鳴「大したことじゃない」ムフー

恒一(最近、見崎が表情豊かになってきた。可愛い)

鳴「次は変化球を投げる」

恒一「どんな球なの?」アハハ

鳴「ムービング何とかカミソリ鳴ボール3号」ニギニギ

恒一「さっぱりだよ。名前の散らかり方が酷いよ。どんな変化なの?」

鳴「無回転フリーキックみたいな」

恒一「たとえがサッカーなの??」

鳴(目を閉じて集中・・・)

恒一「目閉じちゃった!?」

鳴「えいっ!」バビューン

回想終わり

鳴「あれは心の眼の調子が・・・」アセアセ

恒一「それにスカートなのにあんなに足広げて投げて。目のやり場に困ったよ」ハァ

鳴「榊原君のエッチ。私の足に夢中だからエラーしちゃう///」

恒一「あれ?僕のミスにされてない?見崎のミスだからね?」

鳴「~♪」ヒューヒュー

恒一「目を逸らしながらカッスカスの口笛吹かないでよ」

鳴「ちゃんと綺麗な音色」シューシュー

恒一「はいはい」

鳴「そういえばキャッチボールやった日のちょっと前に街を散歩したじゃない?あれは楽しかった」

恒一(話題変えたいんだな)

恒一「散歩って言っても立ち止まってばかりだった気が」

鳴「そんなことはないです」

恒一「そうだっけ?」

回想

恒一「街を歩くのは新鮮だね」

鳴「新鮮そう」ジュル

恒一「見崎。魚屋さんに張り付いてないで行くよ」

鳴「今度私にお弁当作ってくれる時は海鮮で」テクテク

恒一「無理。お昼まで鮮度保てないよ」テクテク

鳴「保冷剤とかで何とか・・・こう・・・ねっ?」

恒一「だーめ」

鳴「ちゅ、中トロで我慢するから」

恒一「譲歩の幅狭いよ!?何?最初は大トロ要求するつもりだったの??」

鳴「このさい赤身でも」

恒一「赤身でも白身でも駄目です」

鳴「」プクー

恒一「膨れても駄目」

鳴「あッ!じゃあ河豚なら、あるいは」

恒一「どういう理屈なの??何が『じゃあ』なの??」

鳴「駄目??」ウルウル

恒一「河豚捌く免許持ってないからね」アハハ

鳴「マグロなら免許いらない」パァァ

恒一「我儘言うと明日はペ○ングソース焼そばにするよ?」

鳴「それは困る。超大盛りは途中で飽きちゃう」シュン

恒一「超大盛り食べるんだ・・・とにかく、海鮮は無理だよ。・・・ん?あれ?見崎?」テクテク キョロキョロ

鳴「お肉も有り」ジュル

恒一「和牛を眺めてないで行くよっ」

鳴「ケーキ」ジュル

恒一「一店ごとに立ち止まらないで!店員さんが優しい目してるから!」

回想終わり

恒一「立ち止まりまくりだったよ!?」

鳴「そうだったかしら?」

恒一「そうだよ!なに?記憶の共有出来てないの!?」

鳴「榊原君の歩くペースが速いのよ」

恒一「あれ以来あの商店街行くと店員さんにからかわれるんだよ」ハァ

鳴「何て?」

恒一「『今日は彼女と一緒じゃないの?』とか」

鳴「問題ないじゃない///」ボソッ

恒一「そ、そう?後は『食いしんぼうな奥さんにサービスだよ』ってオマケもらったりするようになったかな。この前コロッケ貰ったよ」

鳴「『食いしんぼうな奥さん』ね。大正解じゃない」

恒一「食いしんぼうっていうの否定しないんだ」アハハ

鳴「そこは重要じゃない」ムス

恒一「え?それはどういう」キョトン

鳴「自分で考えなさい」

恒一「機嫌直してよ」アハハ

鳴「明日のお弁当次第」プクー

恒一「お刺身は無理だけどお魚料理作るから。ムニエルでも煮つけでもなんでも!」

鳴「何でも??じゃあキャビ」

恒一「無理。予算的に無理」

鳴「恒一君のケチンボ」

恒一「キャビアなんて中学生が食べるものじゃないよ。もっと大人になって、働くようになってからじゃないと。そしたらたまにはそういう贅沢品を買えないこともないけど」クドクド

鳴「そうね」

鳴(大人になってからならOK→大人になってからも榊原と一緒にご飯食べる関係→結婚待ったなし!?)

鳴「そうね///」ポケー

恒一「見崎?」

鳴「ん?///」

恒一「いやなんかボーっとしてたから」

鳴「してにゃい///」

恒一「そ、そっか」

鳴「してない。ボーっとしてない」

恒一(言い直した。二回言い直した)

鳴「榊原君。過去のことはもういいから今日何するか考えて」

恒一「そうだねー」

鳴「鞄に何か入ってない?遊べそうな物」

恒一「あ、確かトランプがあったよ」

鳴「あぁ。少し前おもちゃ屋でもらった」

恒一「そうそれ」

鳴「おもちゃ屋さんに行きたがるなんて榊原君はお子様」フフ

恒一「行きたがったのは僕だけどさ。見崎もなかなかのお子様ぶりだったじゃない」

回想

恒一「この歳になってもおもちゃ屋ってワクワクするよねー」

鳴「あんまりはしゃがない。もう15歳なんだから」

恒一「ごめんごめん。あっ!この模型面白そう」

鳴「楽しそう」クスッ

5分後

恒一「これ美術の勉強になりそう。ねぇ見崎、って何してるの?」

鳴「べ、別に何も」アセアセ

恒一「戦隊物のお面斜めに被って左手にアメリカンクラッカー、右手にヨーヨー付けて何もってことは・・・」

鳴「YOYO?私別にラッパーじゃないんだけど?」アセアセ

恒一「苦しいよ。苦しすぎるよそのツッコミ。指の形がいまいち乗りきれてないよ」

鳴「だってお店のおじいさんが」

店主「あれ?君この子のお兄ちゃん?いやーこの子めんこいからプレゼントしちゃったよ!」

恒一「いえ、僕は兄では」

鳴「この人は兄妹ではないです」

店主「あら違うの?じゃああれか?アベックか?」ニヤニヤ

恒一「いえそんなっ///」

店主「照れちゃってよぉ。ボウズ、頑張れよ?」

恒一「いや、その・・・はい。頑張ります///」

鳴「アベック・・・?・・・外国人?・・・お菓子?」キョトン

恒一(見崎は和製フランス語分からないみたいだ。助かったぁ)

店主「ボウズにも何かやるよ。ほれっ」ヒョイ

回想終わり

恒一「あれは面白かったなー。見崎の格好が」アハハ

鳴「忘れなさい」ポカ

恒一「ごめんごめん。トランプで何しよっか」

鳴「ババ抜きは?」

恒一「二人で?」アハハ

鳴「じゃあジジ抜き」

恒一「ほぼ同じだよ」

鳴「大富豪?」

恒一「二人でかぁ」

鳴「じゃあ大貧民」

恒一「だから同じだよ!」

鳴「榊原君面白い」フフ

恒一「もう。後は神経衰弱とか?」

鳴「遊びで神経を衰弱させたくない」キッパリ

恒一「神経衰弱全否定じゃん」

鳴「この前勅使河原君達が教室でトランプを使って王様ゲーム?っていうのしてた」

恒一「王様ゲームかぁ」

鳴「どういう遊びなの?ゲーム感覚で一国の王になれるの?」

恒一「いや、本気で国取りを画策するわけじゃないよ。えーっとね、ルールは~で~だよ」

鳴「王様は何でも命令出来る?・・・何でも?本当?」ジーッ

恒一「そうだよ」

鳴「じゃあ今日は王様ゲームしよ?」フフフ

恒一「二人で?んー、まぁいっか」クスッ

鳴「楽しみ」

恒一「見崎?」

鳴「何?榊原君?」

恒一「また今日も思い出増えるね」ニコッ

鳴「うん///」

終わり

支援してくれた人ありがと

最近ポツポツAnotherSS書いてるから良かったら見てくれ

続き書いてもええんやで

>>75
鳴ちゃんと二人で王様ゲームする話も書いてるけどまだ書きため少ないので

次は未咲ちゃんもの書いてほしい

>>77
美咲ちゃんってデータ少なくね?
テレビ未放映の回にしか出てきてないよね?
超可愛いけどさ

>>76
三連休のどっかで建てられるよう頑張るよ

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