拳志郎「アイドルの文句は俺に言え!!」 (170)


子英(拝啓 上海の父ちゃん、お元気ですか)

子英(オイラと拳さんが日本へやってきて2か月が経ちました)

子英(拳さんには上海にいたころに輪をかけてこき使われていますが、
   事務員のちひろさんはキレイだし、アイドルの姉ちゃんたちは優しいので、
   それなりに楽しくやっています)

子英(この間の休みに拳さんにスカイツリーへ連れて行ってもらったので写真を入れておきます)

子英(父ちゃんも死なない程度にお元気で 草々)


前スレ

拳志郎「あぁ?俺がアイドルのプロデューサー?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378902649/)




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379063625


蒼天の拳×モバマス 2スレ目です。
今回からHTLM化せずにこのスレで続けたいと思います。



…………

……………………

………………………………


第2話 ライブバトル!閻王見参!!  の巻


―――――蒼天プロダクション レッスンスタジオ

ルキトレ「本田さん!腕を振るところは振る!止めるところはしっかり止める!
     メリハリが大事ですよ!!」

未央「は、はいぃ!!」

ルキトレ「島村さん!ステップがあやふやですよ!うろ覚えじゃあ本番で通用しません!」

卯月「はいっ!!」

ルキトレ「渋谷さん!もっとにこやかに!常に観客の目を意識して!」

凛「はい……!!」


未央(ルキトレさん気合バッチリだねー)ヒソッ

卯月(ライブまでもう一か月切ったからね)ヒソヒソ

凛(私たちもそれに応えないとね)ヒソヒソ

未央(だねっ!)

卯月(うん!)



るきとれ「三人とも!おしゃべりしない!!サーキット1セット追加!」

NG「「「は、はいっ!!!」」」



――――事務所


拳志郎「ふぃーーーーーーーッ。4日ぶりのタバコは美味いねえ」スパー


ちひろ「皆がいるところでは吸えませんからねー」カタカタ

ガチャッ

拳志郎「おっと」

子英「ただいまー」

拳志郎「子英か」スッ

ちひろ「おかえりなさい」

子英「あーあー、まーた灰皿こんなにして~~~~~」コンモリ

拳志郎「そんなことよりライブバトルの対戦相手のことはわかったのか?」スパー



ライブバトル!!!

それは、アイドル戦国時代とよばれる現代で主流となっているライブ方式である!!

二組のユニットのパフォーマンスを数値化し、勝敗を決するのだ!!!

だれが、どのような基準で数値化しているかは、ツッコんではいけないのである!!!



子英「まあね。向こうも新人みたいだよ。ただウチみたいにユニットじゃなくて、
   ソロで出てくるんだってさ」


拳志郎「ふーん、なるほどね~~~~~
    で、名前くらい聞いてきたのか?」

子英「もちろんさ。







   前川みく、っていうらしいよ」

今回はアイドルがのっけから登場だな!
これは期待!



…………

……………………

………………………………


―――――― ライブ当日

卯月「うぅ~~き、緊張する………」

未央「だ、大丈夫だってしまむー!あ、あれだけ練習してきたんだしさ!」

凛「………未央、膝が笑ってる」

未央「ギクッ!」

拳志郎「大丈夫ですよ」

卯月「あっ、プロデューサーさん!」

拳志郎「今日は皆さんの顔見世が一番の目的ですから。
    勝ち負けにはこだわらず楽しんでいきましょう」




??「そのとおりにゃあ!」

凛「………誰?」

みく「蒼天(スカイブルー)プロのニュージェネレーションってあなたたちかにゃ?
   初めまして!みくは前川みく。今日のあなたたちの対戦相手にゃ!」

卯月「にゃ?」

みく「みくはネコアイドルだからにゃあ!」エッヘン

未央(な、なんか変わったコだね……)

凛(うん……)

みく「というわけで、今日は新人同士、正々堂々と……」




??「みく、そんなところで何やってんだ!」

みく「!」ビクッ

P「対戦相手と楽しくおしゃべりとは余裕じゃないか。
  お前はいつからそんなに偉くなったんだ?あァッ!?」

みく「Pチャン……」

P「ンな暇があったらステップの最終確認でもしてろ!この愚図が!!」

みく「う………」

P「返事!!!」クワッ

みく「……は、ハイだにゃあ」

P「チッ!!」ツカツカ...






未央「何アレ!感じわるー」

卯月「かわいそうだね、前川さん……」

凛「……うん」





拳志郎「……………」ギラッ



…………

……………………

………………………………


  『本日のライブバトル、勝者は蒼天プロのニュージェネレーション!!!』

未央「やったぁー!勝ったよ!!」

凛「やったね、未央、卯月」

卯月「うん!!」



みく「ううぅ……こんな、こんなはずじゃなかったのにゃ……」ガタガタ


―――――舞台裏

拳志郎「おめでとう。本田さん、島村さん、渋谷さん」

未央「プロデューサー!私たちやったよ!」

拳志郎「ええ、見てましたよ。頑張りましたねえ」

卯月「はいっ!頑張りました!」

凛「プロデューサーのおかげだよ。ありがとう」

拳志郎「いいえ。皆さんの努力のたまものです……」


??「ふざけんなよ!!!!」


卯月「な、何?今の声……」

未央「向こうから聞こえたみたいだけど……」

凛「あれは……」



P「この俺の顔に泥塗りやがって!
  分かってんのか!!」

みく「うぅぅ……ご、ごめんなさ……」ブルブル

P「お前の謝罪なんざ何の価値もねえんだよ!!
  謝るくらいなら最初から負けるんじゃねえこのクズ!!!」

みく「あぅ………」ポロポロ



凛「ひどい……」ギリッ

卯月「前川さんもがんばってたのに、あんな言い方しなくても」

未央「もーあったま来た!!私がガツンと……」








「いい。三人ともここで待ってろ」





未央「えっ……?今、誰か何か……」

拳さん!!


卯月「あれ?プロデューサーさんは……?」キョロキョロ

凛「……二人とも、あれ!」


P「とにかくお前のことなんざもう知らん。
  お前のような才能のない奴に構ってるほど俺も暇じゃないんでな!」

みく「………えっ?」

P「まだわからねえのか?クビだ、クビ!!
  役立たずは俺の事務所に必要ない……」




拳志郎「役立たずはてめえだろ」ヌゥ

P「あ?」

ガシッ!!

P「あがっ!?」


拳志郎「アンタ……自分の育てたアイドルに文句があるのか?」ググーッ

P「あだだだだだだ!?う、浮いてる~~~~~!!?」

拳志郎「てめえがどれほどのモンかは知らねえが、
    少なくともそんなもんその子には関係ねえだろボゲ!」スチャッ

みく「!」

P「な、何を言って……」









拳志郎「アイドルの文句は……」グワシグワシ

拳志郎「俺に言え!!」クワッ

P「はあぁ!?」

拳志郎「あたぁっ!!!」ドスッ

P「ぶみへっ!!」

みく「Pチャン!?」

拳志郎「おい、もう一度クズと言ってみろ」

P「あんだと~~~?ああ、何度でも言ってやるよこのクz……!?」

P「あば~~~~~っ!!!あ、頭がーーーーーー!!!」グニョーン



未央「え?えっ!?な、何アレ!
   頭がお餅みたいにウニョーって!!」

凛「っていうか……あれ、プロデューサー?」

子英「ハァ……ハァ……ま、間に合わなかった……」ゼェゼェ

卯月「子英くん!」


子英「あぁ……姉ちゃんたち、お疲れ……」ハァハァ

凛「ねえ子英君、アレ……」

子英「ああ……やっぱりこうなったか………
   そーだよ、アレがプロデューサー……拳さんの本当の姿」

NG「「「えええっ!!?」」」



拳志郎「ほーら、もっぺん言ってみなさいよ。
    さっきまでの威勢はどうした?」アーン?

P「あぺぁーーーーーーー!!!」グニョーン

拳志郎「コイツは膨天という秘孔でな。
    俺が決めた言葉を口にするたびに右側頭部が倍に腫れ上がる。
    死ぬことはないが、死ぬほど痛いぜ」シュボッ

P「あがががががががが!!」


拳志郎「お前のキーワードは『クズ』だ。
    分かったらとっとと消え失せろ!このクズが!!」ポイッ

P「は、はひぃ~~~~~~~~!!!!」スタコラサー








拳志郎「儞已經死了(お前はもう死んでいる)」

みく「」ポカーン

拳志郎「ま、社会的な意味で、だけどね。
    おい、嬢ちゃん」

みく「…………ハッ!な、何かにゃ?」

拳志郎「悪かったな……アンタのプロデューサーあんなにしちまって」

みく「!」

拳志郎「俺は昔からああいう手合いが嫌いでな」フーーッ

みく「…………いいにゃ。遅かれ早かれ、こうなるような気はしていたにゃ」

拳志郎「………強いな」

みく「強くなんかないにゃ!今日も負けちゃったし……」

拳志郎「そういう意味じゃないんだが……まあいい。これを」スッ

みく「うにゃ?」



    蒼天(スカイブルー)プロダクション


      霞 拳志郎


TEL&FAX ××-××××-○○○○
    ADRESS 東京都………

拳志郎「ま、社会的な意味で、だけどね。
    おい、嬢ちゃん」

みく「…………ハッ!な、何かにゃ?」

拳志郎「悪かったな……アンタのプロデューサーあんなにしちまって」

みく「!」

拳志郎「俺は昔からああいう手合いが嫌いでな」フーーッ

みく「…………いいにゃ。遅かれ早かれ、こうなるような気はしていたにゃ」

拳志郎「………強いな」

みく「強くなんかないにゃ!今日も負けちゃったし……」

拳志郎「そういう意味じゃないんだが……まあいい。
    これを渡しておこう」スッ

みく「うにゃ?」



    蒼天(スカイブルー)プロダクション


      霞 拳志郎


TEL&FAX ××-××××-○○○○
ADDRESS 東京都………

みくにゃんktkr
とりあえずファン辞めます

俺がファンになります


拳志郎「まだ闘志が残っているならそこに来なよ。じゃあな」

みく「あっ………」



拳志郎「さて、帰るぞ皆」


NG「「「………」」」

拳志郎「どうした?」

子英「三人とも拳さんの変わり様に驚いてるんだよ」

拳志郎「なに?」


拳志郎「まだ闘志が残っているならそこに来なよ。じゃあな」

みく「あっ………」



拳志郎「さて、帰るぞ皆」


NG「「「………」」」

拳志郎「どうした?」

子英「三人とも拳さんの変わり様に驚いてるんだよ」

拳志郎「なに?」

未央「ねえねえプロデューサー!ホントにホントにプロデューサーだよね?」

拳志郎「ああ」

未央「ねえねえプロデューサー!ホントにホントにプロデューサーだよね?」

拳志郎「ああ」

凛「どうして今まであんな恰好してたの?」

拳志郎「……ま、いろいろあってな」ボリボリ

卯月「でも、今の方がかっこいいです!!」

子英「だろ?卯月姉ちゃんもあの恰好はナイって思うよな!」

拳志郎「」ポカッ

子英「あ痛っ!!」

拳志郎「よーぅし、今から祝勝会だ。
    好きなモン頼んでいいぞ」

未央「やったー!私ハンバーグ」

凛「未央、食べ過ぎはだめだよ」

未央「うっ!」ギクッ

卯月「どこに連れて行ってくれるんですか?」

拳志郎「俺の行きつけの洋食屋があってな……」




ワイワイ




みく「蒼天(スカイブルー)プロ……にゃ」

やっぱりこうなるんやな




…………

……………………

………………………………


――――数日後

「頼もう!にゃ!!」


拳志郎「あぁん?」

みく「あ、拳チャン!言われた通り来たにゃ!」

拳志郎「アンタはこの間の……」

みく「前の事務所は追い出されたけど、みくは絶対アイドルをやめないにゃ!
   だから、拳チャン、ちゃ~んと責任、取ってよねっ☆」

拳志郎「……………フッ」




拳志郎「面白い!」



子英(前略 上海の父ちゃん)

子英(蒼天プロに新しい仲間が増えました)

子英(拳さんも変装をやめたし、これからまた騒がしくなると思いますが、
   死なない程度に頑張ります)

子英(父ちゃんも体に気を付けて 草々)



つづく!!!!

今日はここまで。
4人とも書いたことがないので難儀した。
読んでくださってありがとうございます。


次回 蘇る極十字!!!

どの時間軸だよ!

いや、こまけぇこたぁいいんだな!

次回はどう見てもアイドルもののタイトルじゃねぇwwwwww
……いやユニット名とかならありなのか???

乙やで
いや、見事なものだ

やだ拳さんカッコいい・・・

こんにちは。1です。
今日もきょうとて投下していきます。



第3話 蘇る極十字!!! の巻

スカイブルー
――――蒼 天プロダクション レッスンスタジオ

未央「産声あげた小さな光♪」

卯月「大きな光♪」

未&卯「「時空を超えてyeah!」」

凛「全ての輝きが一つとなり♪」

三人「「「作り出す物語!」」」

子英「ういーっす。入りまーす」ガチャッ

卯月「あっ、子英くん!」



子英「練習お疲れ様。ハイこれ、
   拳さんからドリンクの差し入れ」ガチャッ

凛「ありがと」ニコッ

子英「何の練習してたの?」

未央「これはねー、日本語ラップでリズム感と滑舌を同時に鍛えるトレーニングだよ!
   プロデューサーが教えてくれたんだー」

子英「へぇーなるほどなー。
   あ、そうそう、拳さんから伝言があったんだ。スケジュール変更だって。えーっと……」パラパラ

子英「あった。再来週の水曜日に歌番組のオーディションが入ったから、その日のボイトレは月曜日に前倒し。
   月曜のオフは一週間繰上げで来週の月曜が休みになる、ってさ」

卯月「えっ、あっちょっと待って!メモメモ……」


未央「ねぇねぇしえーくん。それプロデューサーの手帳だよね?」

子英「え?そうだけど、どうかした?」

凛「………持ってきちゃっていいの?」

子英「だーいじょうぶだよ。拳さんから直接預かってきたんだから。
   それに拳さんならメモなんかなくても全部頭に入ってるよ」

卯月「ええっ!?」

凛「本当に?」

子英「ああ!拳さんの記憶力はすげーんだぜ!




   なにせ、立読みで本の内容を丸暗記しちまうんだから!」


…………

……………………

………………………………

――――東京・神保町 古本街


拳志郎(変装)「へっくし!!」

みく「拳チャン、風邪でもひいたのにゃ?」

拳志郎「馬鹿言え。俺が風邪なんぞ引くか。誰かが噂でもしてるんだろう」

みく「そんなものかにゃあ?………ってそんなことよりいつまでここにいる気にゃ!」

拳志郎「これ読み終わったらねー」ペラペラペラペラ

みく「そういってからそれでもう3冊目にゃ!!」


拳志郎「わかったよ、も~~~~」サラサラ

みく「も~~~~じゃないにゃ!」




??「……お客様……」

みく「ふにゃあああああああああ!!!?」ビクッ

店員「…おどろかせて、すみません……
   ……そちらのお客様……」

拳志郎「え?あ、私ですか?」

店員「………申し訳ありませんが、店内でメモをとるのは……」



拳志郎「あ、これですか?すみませんねー。要点だけをチョチョイ、っとね。だめ?」

店員「……それを棚全部やられると……
   ウチも、商売なもので……」

拳志郎「あぁ、そうですよね~~~~~。
    次からはちゃんと買いますので……
    ところで、店主はどちらに?いつもはあのおじさんが注意しに来るんですが」

みく(拳チャン、前にもやってたのにゃ!?)

店員「………このところ、体調がすぐれなくて…
   ……わたしは、店番です…」

拳志郎「そうですか。
    では、お大事にとお伝えください」

店員「ありがとう、ございます……」

みく「ほら、お店の人にも迷惑だし、もう帰るにゃ!!」グイグイ

拳志郎「分かったから押すな押すな」



ギャーギャー……


店主「あの不届き者は行ったか……ゴホッ」ゲホゲホ

店員「……叔父さん、まだ寝てないと……」

店主「あのデカブツめ~~~~~!
   今度店の敷居をまたいだら目に物を……ゴホッ!」

店員「わかったから……少し休んでて…」

店主「すまんな……少し早いが、今日は閉めよう」

店員「……うん…そうだね……」

店主「棚の整理が終わったら上がっていいからな。




   …………ありがとうな、文香」

鷺沢文香「………ううん………」



…………

……………………

………………………………


――――数日後

prrrrrrr!!

ガチャッ
スカイブルー
ちひろ「はい、蒼 天プロダクションです!ああ、子英君。凛ちゃんの収録は順調?
    ……えっ?プロデューサーさん?」

拳志郎「……どしたの」

ちひろ「子英君からです。霞さんに代わってくれって」

拳志郎「あーん?………もしもし」

子英『け、拳さん!今すぐ○×テレビに来て!!もうオイラじゃどうにも……』

拳志郎「落ち着きなさいよ……何があった?」

子英『凛姉ちゃんの収録にたまたま局のお偉いさんが見に来てたんだけど、
   そのオヤジが凛姉ちゃんのこと気に入っちゃったみたいでさ』

拳志郎「へぇ、よかったじゃない」

子英『ちっとも良かないよ!
   そのオッサン、収録終わった後凛姉ちゃんに近づいてきたかと思ったらケツ触ってきて、
   凛姉ちゃん、反射的にそのオッサンを引っ叩いちゃったんだよ!!』

拳志郎「………」シュボッ

子英『オイラも凛姉ちゃんも謝ったんだけどもうオッサンカンカンでさー。
   圧力かけてウチの事務所ツブすとか言ってんだよ!!』

拳志郎「テメーのセクハラ棚に上げて何言ってんだかな~~~~~」モハー

子英『そりゃそうなんだけど、もうオイラ達の手には負えないよ!!』


拳志郎「なるほどね………」

子英『頼むよ拳さん!!』

拳志郎「………分かった。すぐ行くから待ってろ」

子英『拳さん!』

拳志郎「俺が行くまでそのエロ親父を逃がすなよ」

子英『うん!!』


ガチャッ


ちひろ「凛ちゃんと子英君、何か問題でもあったんですか…」




霞’sデスク「」ガラーン




ちひろ「……ってもういないし!!!」ガビーン




…………

……………………

………………………………


――――○×テレビ Gスタジオ


拳志郎「ここか……おい子英…」

子英「けけけけけ拳さんんんんんん!!!!」ダダダッ

拳志郎「テンパりすぎでしょ……」

子英「違うんだよっ!!」

拳志郎「あぁん?」

子英「あれ!」ビシッ



??「オラァ!サッサと謝らねえと、この椅子みてぇに真っ二つにしちまうぞぉ!!」


オヤジ「わ、わかった!謝る、謝るから降ろしてくれえ!!」

??「謝る相手はオラァじゃねえだろーがぁ!」クワッ

オヤジ「ひぃぃ~~~~~~~~!!」



拳志郎「!!!
    …………まさか」

凛「……プロデューサー」ショボン

拳志郎「凛……大丈夫か?」

凛「うん、大丈夫………それよりさ」

拳志郎「お前が謝るいわれはないさ」ポン

凛「!」ジワッ

拳志郎「それよりも………奴が日本に来ていたとはな」




飛燕「さっさとあの娘に土下座してこい!オラァの爪でバラバラにされたくなかったらなあ!!!」ギラッ




拳志郎「………極十字聖拳継承者、流 飛燕(りゅう ひえん)!」

飛燕「んん?おお~~~~!拳志郎じゃねえかぁ!久しぶりだなあ!!」ポイッ

オヤジ「グエッ」ゴシャァ

飛燕「こんなところで何やってんだぁ?オラァと決着でもつけに来たのか!」ハッハッハ

拳志郎「そりゃあこっちの台詞だぜ……まあいい。ちょっと面貸せ」

飛燕「死合か!」グッ

拳志郎「違うよ馬鹿」

オヤジ「クソッ……弱小プロダクションが調子に乗りおって~~~~~!!」ユラッ

拳志郎「動くなよ。じゃなきゃ出るとこ出るぜ」

オヤジ「こっちの台詞だぁ!!裁判所でも警察でも……」

拳志郎「分かってないなあ……あたたぁっ!!!」ドスドスッ

オヤジ「へぷぼっ!」

拳志郎「出るのはアンタの後頭部だよ」

オヤジ「ぎにゃあああああああああ!!!」ウミョーン


拳志郎「痛みで気絶して、起きたときは今日のことは全部忘れてる」

オヤジ「カペッ」ドサァッ

拳志郎「………ついでに、ウチに仕事を回したくなる」

子英「ちゃっかりしてんなあ!」



…………

……………………

………………………………

――――屋上

拳志郎「タバコ、いる?」

飛燕「悪ぃなぁ。あの娘は?」スッ

拳志郎「凛のことならタクシー乗せて事務所に帰したよ」

子英「飛燕さん!こんなところで何やってんだよ!」

飛燕「ん~~~~~~~?」シュボッ


拳志郎「教会は放っておいていいのか?」シュボッ

飛燕「……まあ、言ってみりゃあそれが理由だあ」

拳志郎「どゆこと?」スパー

飛燕「最近教会を頼ってくる身寄りのねえ子どもが増えてきてなあ。
   オラァ一人で面倒見るには先立つモノが足りなくなってきたんだあ」

拳志郎「それで出稼ぎか」

飛燕「そういうことだなあ。
   今日本じゃアイドルブームで、プロデューサーになるのが一番儲かるって言われてなあ」

拳志郎「ほう……」

飛燕「右も左も分からんが、何とか上海に仕送りできる位には稼いでるぞぉ」


拳志郎「そいつはよかったな……だが、教会は……エリカはどうするんだ?」

飛燕「ああ、今はエリカの面倒は玉玲が見てくれてんだ」

拳志郎「玉玲が?」

飛燕「ああ。教会の方は葉のダンナが守ってくれてるからなーんにも心配はいらねえ」

子英「父ちゃんが!?」

拳志郎「なるほどな……ところで飛燕よ」

飛燕「何だぁ拳志郎?」



拳志郎「お前に出稼ぎの話を持ってきたのは、
    緑色の服を来たおさげの女じゃなかったか?」

飛燕「おいおい、何で知ってるんだぁ?」

拳志郎「やはりな……」

子英「」

飛燕「ん?おお、もうこんな時間か。
   もうすぐウチのアイドルの収録も終わるなあ。迎えに行ってやらねえと」

拳志郎「何スタ?」

飛燕「Dスタだぁ」


…………

……………………

………………………………


――――○×テレビ Dスタジオ

AD「あっ、サザンクロスさん!お疲れ様でーす!!」

飛燕「お疲れ様ぁ」

子英「サザンクロス?」

飛燕「オラァの事務所の名前だあ。
   サザンクロス芸能事務所、ってところで新人プロデューサーやってんだ」

D「飛燕ちゃん!お疲れちゃ~~ん!!」

文香ちゃん!!

飛燕は向いてなさそうだけど大丈夫か。南斗じゃもみけせまいて
アイドルには好かれそうだけど


飛燕「お疲れだあ。みんなちゃんと言うこと聞いてたかあ?」

D「そりゃあもう!聞き分けのいい子たちばっかりで助かるわあ。
  あ、今呼んでこさせるわね?」

AD「サザンクロスさんスタジオ出まーす!!」

拳志郎「手慣れたモンだな」

飛燕「皆に助けられてばかりだあ。一人じゃあ何もできねえ。
   ガキの頃からそうだぁ」

拳志郎「いいじゃねえか。最後に勝つのはそういうやつだ」

飛燕「そうかぁ?そうかもなあ……」



ドタドタ……!




飛燕「お?みんな来たみたいだなぁ」



龍崎薫「せんせぇ!終わったよー!」タタター

佐城雪美「……飛燕……」トテトテ

横山千佳「飛燕くーん!」スタタタ

市原仁奈「迎えに来るのがおせーですよ」ポテポテ


拳志郎「」

子英「」


飛燕「おぉ~~~~、遅くなって悪かったなあ。
   疲れただろぉ?」


千佳「全然平気だよ!」

仁奈「まだまだやれるでごぜーます」フンス

飛燕「そうか~~~仁奈は頑張り屋さんだなぁ」ナデナデ

雪美「………飛燕……私も頑張った……」

飛燕「そうだなあ。雪美は一番お姉さんだもんなあ~~~」ナデナデ

薫「せんせぇ!薫も薫も」

千佳「千佳も!」

飛燕「分かった分かった。順番なぁ」ハハハ


拳志郎「………」パクッ

子英「拳さん。スタジオは禁煙だよ」

拳志郎「そうだったっけ……おい飛燕」


飛燕「ん~~~~~?」

拳志郎「それがお前の担当アイドルか?」

飛燕「そうだぁ!これがオラァのユニット『グランドクロス』だぁ」

雪美「……飛燕……誰…?」

仁奈「デカくて知らないおっさんでごぜーます」

拳志郎「………」

飛燕「コイツは拳志郎っていう、オラァの国で知り合った朋友(ポンヨウ)だぁ」

薫「ぽんよー?ジュース?」

飛燕「『トモダチ』って意味だあ」

薫「そっかあ!」

千佳「ねぇねぇ飛燕くん、早く帰ろう?プ●キュアの再放送始まっちゃう!」

飛燕「そうだなあ。帰ってみんなでおやつにするかあ!」

雪美「今日のおやつ……何…?」

飛燕「今日はアーモンドチョコだぁ」

GC「「「「やったー!!」」」」

飛燕「じゃあなぁ拳志郎」


センセェカタグルマー!
チカモー!
ニナモダッコシテクダセー

キャイキャイ………


拳志郎「………」


子英「拳さん……」

拳志郎「…………何だ」

子英「前から思ってたけど、やっぱり飛燕さんってガチr」

拳志郎「言うな。………それが慈悲だ」

子英「うん……そうだね…」


サザンクロス芸能事務所!!

流飛燕が籍を置くその事務所は、
後に子役・ジュニアアイドル専門の一大事務所へと発展を遂げる!!
だがこの時は拳志郎も、そして当の飛燕すらもそのことを知る由もなく、
また話の展開にも一切関係ないのである!!




拳志郎「飛燕……その愛の深さゆえに迷うがお前の宿命か………」





つづく!!!

今日はここまでです。
読んでくださってありがとうございます

飛燕は炉裏コンじゃないよ!
悲しいほどに愛が深いだけだよ!!

次回 書に秘めた思い!!!

乙ー

乙ー
あっ、ふーん(察し)

あぁ、うん……幸せにやれよ……

いやまぁ……そういう年代の人に秘められた実力を見ぬく能力はさすがですね……

前から追い付いた、面白い……

手を出さなきゃセーフだから(白目) クラリスさんとか良いんじゃないですかね(偽装)

こんばんは。1です。
では、投下していきます。

前回までのあらすじ!!!

――――都内 某高層マンション

??「ククク……閻王と死鳥鬼がついにこの地で相見えましたか」

??「これは嵐が起こりますねえ……
   アイドル業界全体を巻き込む暴風が………」

??「これでもっとスタドリが売れr……じゃなかった、
   運命はさらに加速する……」

??「誰にも制御できない、運命の車輪が……!」

??「フフフ……あはははははは!」


第4話 書に秘めた思い!!(前篇)


…………

……………………

………………………………


―――― 居酒屋


子英「拳さん、今何か言った?」モグモグ

拳志郎「何も言ってないが」スパー

子英「そっか。聞いたことのある声が聞こえたんだけど」

拳志郎「そうかい」

子英「つーか拳さん、晩飯ここしかなかったの?」

拳志郎「何だよ、俺のおごりじゃ食えねえってか?」

子英「そうは言わないけど、周りの視線が痛いよ……
   向かいのファミレスでよかったじゃん」


拳志郎「あそこなあ。前に卯月たちを連れて行ったんだが入って3秒で後悔した」

子英「どうして?」モグモグ

拳志郎「全席禁煙だったのさ」スパー

子英「ああ、そゆことね……」

拳志郎「そんな顔すんなよ、焼きおにぎり食うか?」ホレ


<なあ姉ちゃん、いいじゃねぇかよぉ!


拳志郎「………あん?」クルッ



チンピラ「ちょっと酌してくれっつってるだけじゃねえかよぉ」ヘラヘラ

女「あの……困ります、本当…」オロオロ

上海のレストランだと毒入りまくりの相手の血飛沫出まくりだからマシじゃ無いですかね……

チンピラ「あんだぁ?俺の酒が飲めねえのか!?」



子英「うわぁ、絵にかいたような酔っ払いだよ」ドンビキ

拳志郎「………」



チンピラ「アンタが一人でさびしそうに飲んでるから、
    慰めてやろぉっつってんのによぉ~~~~~~!」

女「…その……」

チンピラ「ちっと顔が良いからって調子くれてんじゃねえぞこのアバズレがぁ!!」グワッ

女「!」ビクッ



ガシィッ!!



チンピラ「あれれ?どうして動かないの!?」グイグイ

拳志郎「こっちだよ馬鹿」グリッ


チンピラ「ぎゃああああああ!!!痛ぇ~~~~~~~!!」ゴキッ

拳志郎「テメエ、この人の顔に文句あんのか?」

チンピラ「ちょっと何!?アンタ関係ねえだろ!いてててててて!!!」

拳志郎「顔の文句は俺に言え!!」ズリズリ

チンピラ「ちょっと、どこ連れて行くのーーーーっ!!?」ズリズリ

子英「ちょ、ちょっと拳さん!?」



ガラガラッ ピシャッ

ドカッ バキッ ゴリゴリゴリッ グシャッ


女「」ポカーン

拳志郎「フンッ」ガラガラ

子英「拳さん!人前でやるのはマズイって!」


拳志郎「大丈夫だって。ところでお嬢さん」

女「!は、はい。私、ですか?」

拳志郎「邪魔して悪かったな。
    後はゆっくり飲みなよ。じゃあな」ヒョイッ

女「あっ、それ伝票……」

拳志郎「なあに、せめてもの詫びさ。行くぞ子英」スタスタ

子英「待ってくれよ、まだ焼きおにぎり食ってないんだけど!」

拳志郎「明日買ってきてやるよ……」


ギャーギャー


女(おっきいひと……)


女「いきなりだったからビッグりした……ふふっ」


女(25)
http://i.imgur.com/fDC6yNj.jpg


…………

……………………

………………………………

――――数日後 神保町 古書店街

拳志郎(変装)「ほらほら、遅いですよ子英君」

子英「重い………ッ!」ゼェゼェ

拳志郎「だらしないですねえ、本の10冊や20冊くらいで」

子英「どう見ても30冊はあるよ!
   っつーか拳さんの方が力持ちなんだから半分くらい持ってくれよ!!」

拳志郎「何のためにこの間晩ごはんご馳走したと思ってるんですか?」

子英「やっぱりそういうことかよチクショー!!
   後、買うのはいいけど読み終わった本オイラの寝床に置くのやめてよね!!
   どんどん狭くなるんだけど!」モー

拳志郎「まあまあ、帰ったらスタドリでも……」



<話が違うじゃね~かよーーーー!!



子英「何だなんだ?」

拳志郎「………」




店主「でかい声を出すな!客が逃げたらどうするつもりだ!!」

チンピラ「んだと~~~?テメエどの面下げてそんなデケぇ口叩いてんだぁ~?
    あんましオレ様舐めんじゃねえぞゴラァ!!!」

店主「クッ!!」



子英「拳さん、アイツ居酒屋の時の……」

拳志郎「……」ギラッ


チンピラ「今月の利息!まだもらった覚えがねえんだがなあ~~~~~??」

店主「………持って行け!」バサッ

チンピラ「ヘヘッ、最初からそうやって素直に……おいちょっと待て」

店主「………50万だ。それ以上は鼻血も出ん」

チンピラ「全然足りねえじゃねえか!!!
   いくらか忘れたわけじゃねえよなぁ?200万だ、200万!!」バンッ

店主「うぬっ………ゴホッ、ゲホゲホ!!!」ゲホゲホ

チンピラ「金がねえんだったら腎臓でも目玉でも売って作ってこいや!!」

ガラッ

文香「…おじさん…今大きな音が……」

店主「!!
   だ、駄目だ!出てくるな文香!!」

チンピラ「お?いるじゃあねーか金になりそうなのが。じゃ、このコ借りてくぜ?」スゥ


バシィッ!!


チンピラ「痛っ……」

店主「汚い手でこの子に触れるな。




   ……………殺すぞ!!」ギロッ

文香「!」

チンピラ「……………は?」イラッ






拳志郎「あの~~~~~~すみません」ヌゥッ

チンピラ「うわぁっ!!!な、何だてめえ!!」

チンピラ(で、デケエ!何でこんなデケエのに気付かなかったんだ!?
    つーか何か見覚えが……)

店主(!……こいつ、いつもの立読み野郎!)

拳志郎「いや、何って本を買いに来たんですよ。
    古本屋さんでしょ?ここ」

チンピラ「はぁあああ?似たような店ならそこら中にあるだろうが。
   こちとら取り込み中だ、他当たれや」シッシッ

拳志郎「いや~~~~そういうわけにもいかないんですよねえ。
    この店にしか置いてない本が欲しいんですよぉ。
    ツボを押さえた品ぞろえが好きでしてねえ」

店主「………文香、ご案内しなさい」


文香「はい……いらっしゃいませ…」

店主「見ての通りだ。今日の所は帰ってくれ」

チンピラ「はぁぁぁああああ??てめえふざけんなよ……」



子英「おまわりさ~~~~ん!!こっちこっち!!」

チンピラ「!!!」ギクッ




子英「早く!!こっちだってばー!!」ブンブン

チンピラ「クソがっ!!面倒くせえ!!」ダダッ


拳志郎「おや、お帰りで?」

チンピラ「おいクソジジイ!!明後日まで待ってやる!それまでに残りの金用意しとけ!!」ダダダダッ…




子英「……なーんてな」ベー

拳志郎「中々の名演技だったぜ」

子英「まあね!」ヘヘッ

店主「……余計なことをしやがってからに」

拳志郎「おやご主人。あのお嬢さんからは調子が良くないと窺っていましたが」

店主「フン、アイツやお前のような不届き者が来ているのに、おちおち寝てなど……!?」ガクッ


文香「おじさん……!?」ダッ

店主「ゴホッ!!ゲホゲホッ!!!カハッ!!」

拳志郎「!」

店主「ゲホェッ!!」ビチャビチャ

文香「!!」ビクッ

子英「け、拳さん!何かこのオッチャンやばいよ!!」

文香「おじさん!?しっかりして、おじさん…!」

店主「……ふ、文…香…ぐっ!!」

バタッ

文香「あ……ああ……」ガタガタ

拳志郎「子英、救急車だ。早く!」

子英「わ、分かった!!」ピピポ



文香「おじさん……おじさん!!」




つづく  !!!!

今日はここまでです。
読んでくださってありがとうございます。
途中なのは承知ですができたところまで投下したかった。

このタイミングのガチャ更新で一番ビビったのは間違いなく自分だと思います。

乙ー
>>67
いったい何川なんだ…?

前川かにゃ?

こんばんは。
先日は中途半端に切って申し訳ありません。
あまり書き溜めはありませんがゆっくり投下していきます。



第5話  書に秘めた思い!!!(後篇)


…………

……………………

………………………………


―――― 北大路総合病院

拳志郎「……末期の肺がん、か」

医者「ええ。何とか一命を取り留めはしましたが、その場しのぎの延命処置です。
   それ以上手の施しようが……」

拳志郎「ふむ……」

医者「正直、どうやって今日まで生活していたのか理解できません。
   ここまで進行していては激痛で起き上がれないはずなのに……」

拳志郎「強靭な精神は時として肉体を凌駕する。
    あのオヤジには、意地でも死ねない理由があるんだろうさ」

医者「はぁ……」


拳志郎「ま、何にせよ助かった。ありがとさん」

医者「こ、このことは内密にお願いしますよ!
   あなたが理事長の知り合いだというのでトクベツにお話したんですからね!」

拳志郎「わーかってるってば」

拳志郎(しかし、そこまであのオヤジを突き動かすのは、やはり…………)




――――病室

文香「………私の、せいなんです……」

子英「………」



文香「……小さいころに、事故で両親を亡くした私は…
   唯一の肉親である、叔父に引き取られました……」

文香「……叔父は独身でしたが、私を実の娘のように育ててくれて……
   …大学にも、行かせてくれました……」

子英「でもさ、それは…」

文香「……ですが、古書店の収入というものは、子どもを抱えて食べていくには心もとないものでした……」



文香「………叔父は、私を育てるために昼も夜もなく働きづめで……」

文香「………こんな、体を、ボロボロにして……」

文香「…………あんなところに、借金までして……」




文香「…………私なんか、引き取ったばっかりに………」

子英「…………」




店主「………ぅ……」


子英「!!
   姉ちゃん!」

文香「………叔父さん……!」

店主「………文香か……ここは……」

子英「病院だよ。覚えてないかい?
   オッチャン、血反吐はいてぶっ倒れたんだぜ」

店主「………アイツと一緒にいた坊主か
   あのデカイのはどこだ」


ガチャッ


拳志郎「呼んだかい」

子英「拳さん!」


拳志郎「おーおー、意外と元気そうじゃねえか」

店主「やっぱりテメエか……」

店主(何か……昼間と雰囲気が違うな……)

文香「………あの……」

拳志郎「ん?」

文香「………姪の、文香といいます……
   その……今日は、おじを助けていただいて、ありがとうございます……」

店主「……………」

拳志郎「気にするな。それに、あのチンピラを追い払ったのも、
    救急車を呼んだのもコイツだ」ポムッ

子英「よ、よしてよ拳さん。照れるじゃんか」ヘヘ

文香「………ありがとう…
   …………えっと………」

子英「子英だよ。葉 子英ってんだ」

文香「そう………
   ……ありがとう、子英くん……」ニコッ

子英「!!」ドキッ


文香「……どうか、しました……?」

子英「い、いや、なんでもねえよ!」カァァ

文香「……私の顔、怖かったですか…?
   …笑顔というのが、苦手で………」

店主「…………文香。今日はもう遅い。
   俺のことはいいから、帰って休みなさい」

文香「!………でも……」

店主「………」ジーッ

拳志郎「……子英。この御嬢さん店まで送っていけ」

子英「えっ?」

拳志郎「」バチッ

子英「……うん、わかった!姉ちゃん、帰ろうぜ」

文香「で、でも………」

子英「いーからいーから。
   じゃあね、拳さん」グイグイ


バタンッ




拳志郎「………これでいいのか?」

店主「ああ……タバコ、持ってるか?」

拳志郎「やるわけねーだろ、病院だぞ。大体…」

店主「吸いたいもん吸って体に悪いわけあるかよ。
   それに………体のことは自分が一番わかってる」

拳志郎「………好きにしな」スッ

店主「悪いな……あぁー生き返る~~~」スパー

拳志郎「で、どんな要件だ?
    嬢ちゃんには聞かせられねえ話なんだろう」

店主「そうだな……しいて言うなら、くたばり損ないの身の上話だ」


…………

……………………

………………………………

店主「兄貴は……文香の父親は、聡明で、誰よりも優しい人だった。
   おまけに俺なんかとちがって優秀でさ。昔から兄貴には何やっても敵わなくてよ。
   だけど、俺はそんな兄貴が自慢だったし、尊敬もしてた」

店主「親父は兄貴に店を継がせたかったみたいだが、兄貴は高校を卒業すると同時に家を出た。
   『俺はどこでだって暮らしていける』っつってよ。
   大学を出て就職して、結婚するって報告に来るまで本当に10年帰ってこなかった」

拳志郎「…………」

店主「気付いてたんだろうなあ。俺が店を継ぎたがってるってこと。
   そうこうしてるウチに親父も死んで、俺はあの店に一人になった。
   稼ぎは少ねえが食って行くには困らなかったよ。幸か不幸か連れ合いもいなかったしな」ケケッ

店主「そうやって、俺はこの時が止まったような店で、
   一人で生きていくんだな、って思ってた。




   ………兄貴と義姉さんが死んだって報せが舞い込むまではな」



店主「歩道を歩いてるところに、居眠り運転のトラックが突っ込んだんだそうだ。
   素人の俺でも即死だとわかった。………そのくらい、酷い有様だった」

店主「そうして、俺はこの世でたった一人の家族を喪った。
   呆然としながら霊安室を出たその時だったよ。
   廊下のベンチにチョコンと座った女の子に気が付いたのは」

拳志郎「その娘が?」

店主「ああ。
   当時4歳の文香だった」

店主「娘が生まれたことは便りで聞いてたが、顔は知らなかった。
   だけどすぐに二人の娘だって気付いたよ。
   なにせ、顔は義姉さんにそっくりなのに、髪の色だけ兄貴みたいに真っ黒だったからな」



店主「わかるか?
   まだ年端もいかない子供が、泣くでもなく、親を探すでもなく、
   だまってじっと座ってるんだ。
   それを見て思ったよ、俺は何てバカだったんだって。
   一人になったのは、家族を失ったのはおれだけじゃないじゃねえか。
   なのにこの子の前で情けねえ面見せられるか、ってな」

拳志郎「それで、あの娘を引き取ったのか」

店主「ああ。俺はありったけの愛情をあの子に注いだ。
   あの子を育てるために、死ぬ気で働いた。
   あの子を守ることが、兄貴や姉さんへの手向けだと、そう思った」

拳志郎「借金までして、か?」

店主「あれは俺の借金じゃねえよ」

拳志郎「は?」



店主「古本屋仲間に頼まれてな、名前だけ貸してくれって言われて保証人になったんだよ。
   文香が大学に入るときちょいと助けてもらったんでな。断りきれなかったんだ」

拳志郎「まさか……」

店主「ああ。あろうことかソイツは借金丸々残してトンズラぶっこきやがったのよ」

拳志郎「………」フーッ

店主「しかもご丁寧に連帯保証人になっててな。
   利息を返すためにまた仕事を増やしたりもしたが、
   ……………結果がこのざまだ」


拳志郎「…………死ぬのが怖いか?」

店主「…………怖く、ねえよ」

拳志郎「ほう」

店主「だけど……



   ……無念で、仕方がねえ………!」ポロッ





拳志郎「…………」



店主「俺は……結局あの子に、文香に何もしてやれなかった!!
   こんなポンコツ野郎の世話までさせて、
   挙句の果てに財産ひとつ残してやれねえ!!」ボロボロ

店主「何より、俺が死んだら、文香は本当に一人ぼっちになっちまう!!
   こんなんじゃ………こんなんじゃあの世で兄貴と義姉さんに合わせる顔がねえよ!!!」ボタボタ

拳志郎「……………」

店主「くそっ………どうして……どうして、こんな………」ボロボロ






拳志郎「大丈夫だ」




店主「……あ……?」


拳志郎「人の宿命は天の星とともにある。
    遠い空に生まれた星でも、必ずどこかの星と繋がっている」

店主「一体何の話……」

拳志郎「この世に生まれて、一人ぼっちなんてことは絶対にない!」

店主「!」

拳志郎「……この俺が言うんだ。間違いないよ」

店主「はっ………何様のつもりだよ?」ヘヘッ

拳志郎「なあに。




    単なる天帝の守護星さ」


…………

……………………

………………………………


――――スマイル金融 事務所

ヤクザ「………で、あの古本屋の件は首尾よくいきそうなのか」

チンピラ「ヘイ。そいつぁ間違いなく。

    あの偏屈親父はもう長くありやせん。
    あれがおっ死ねば、後は難癖つけてぶっ潰しゃ万事解決です」

ヤクザ「そうかそうか」ケケケ

チンピラ「………それと、あの店には娘がいやしてね」

ヤクザ「娘ぇ?聞いてねえぞ」

チンピラ「いやあ、娘っつっても姪っ子らしいんですがね?
   そいつが中々の上玉でして」

ヤクザ「へぇ?」

チンピラ「パッと見は芋くせぇが、仕込めば結構なモノになりやすぜ」ゲヘヘ


ヤクザ「いいねえ。もちろん、店に出すのは『味見』してからだよな?」

チンピラ「違ぇねえ!!」ギャハハハ


<あん?何だてめえは

<こんな時間に何の用だぁ?


ヤクザ「……外がうるせぇな。何なんだこんな時間に」

チンピラ「また金に困ったカモじゃねえですかい?
    そんな奴はこの街にいくらでも……」




ドッッッゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!




チンピラ「!!!?」



ヤクザ「な、なんだこれは!!どこぞの鉄砲玉か!?」

??「悪いねえ」
   
チンピラ「!!!!!」ビクゥッ

拳志郎「フーーーーーッ………
    なかなか入れてくれねえもんだから、強めにノックしたらドア壊れちまった」フィーッ

チンピラ「てっ、テメエはこの間の……!!!」ガタガタ

拳志郎「よう。こないだは邪魔してすまなかったな。
    詫びと言っちゃあナンだが、今日は俺がたっぷり遊んでやるよ」

ヤクザ「テメエ、どこの組の回しもんだ!!」

拳志郎「はっ!素っ頓狂なこと言ってんなよ」

ヤクザ「ああぁ!!?」

拳志郎「俺はヤクザじゃない。
    …………通りすがりの『死神』だ」


…………

……………………

………………………………


ヤクザ「」チーン

チンピラ「あっ……アガァ……」

拳志郎「あ?聞こえねえよ、ハッキリ喋れ、ハッキリ」

チンピラ「あぁあう、あああぁ!!」ガクガク

拳志郎「………あ、アゴが外れてんのか。ほらよ」ゴキッ

チンピラ「アガッ………あああああああああアアアアアアッ!!!!」

拳志郎「ほらこれで喋れるだろ」

チンピラ「て、テメエ……その恰好、あの時本屋にいたのもテメエか!!!」

拳志郎「だったら?」シュボッ


チンピラ「こんなことして、ただで済むと思うなよ……!!
   俺等の組織に目ェつけられて、生きてたやつは……」


ゴキッ!!


チンピラ「あっ……ガアアアアアアアアアアア!!!」

拳志郎「大腿骨外しただけだ。いちいち大袈裟なんだよ。
    それに、勘違いすんなよ。目をつけられたのは俺じゃない、お前らの方さ」

チンピラ「なん……だとぉ……!!」

拳志郎「……お前、『死神』に見入られて生きていられる人間がいると思うか?」

チンピラ「何だよ……何なんだよお前!!
    あんなカビ臭ェ本屋一軒つぶれた位で、何でこんな……!!!」

拳志郎「………いいこと教えてやるよ。
    本とは『過去』の集積だ。




    そいつに敬意を払わないお前らに、未来を生きる資格はない!!!」


チンピラ「あ………」


ぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!





…………

……………………

………………………………


北大路「……奴ら、相当あくどい商売をしていたようだ。
    あの古書店だけでも、相当の過払い金が発生している。
    支払った金額のうち、かなりの分が返ってくるだろう」

拳志郎「まあ、そんなことだろうとは思ったけどな。
    ………ところで、頼んでおいた例の件は?」プハー

北大路「ああ。審査の結果、全く問題なかった。
    卒業までの学費は、何も心配しなくていい」

拳志郎「安心したよ」

北大路「………だが、非常に残念ながら、店は手放さざるをえないだろうな」

拳志郎「…………」

北大路「それに、その店主にはもう残された時間が……」

拳志郎「それは大丈夫さ」

北大路「む?」

拳志郎「まだ一か月ある。
    ………それだけあれば、身辺整理には十分だろう」

北大路「………拳志郎……お前…」




…………

……………………

………………………………

―――― 一か月後 北大路総合病院

店主「……文香……」

文香「……叔父さん…!」ギュウッ

店主「……だめな叔父さんで、ごめんな……」

文香「…………!」フルフル

店主「兄貴に…お前の父親に……何て言って詫びればいいかな……」

文香「……喋らなくて、いいよぉ……!」ポロポロ

店主「………霞、さんよ」

拳志郎「………」

店主「後は………頼む……」

拳志郎「あんたの義気と、天に誓って」

店主「フッ……恰好つけんじゃ、ねえよ……ウグッ!」


店主「………文、香………」




  ………ありがとう………




医者「―――――ご臨終です」

文香「うっ………っく、ううぅっ………!」

拳志郎「……………」


…………

……………………

………………………………

――― 一週間後 蒼天プロ

NG「「「女子寮!!?」」」

みく「……かにゃ?」

ちひろ「はい!前々から計画していたんですが、今回霞さんと社長のゴーサインが出まして!」

凛「……でも、私たち別に家からでも通えるんだけど」

ちひろ「ですが、みなさん学生でもありますし、
    やはりお仕事と私生活の両面からサポートすることが必要だ、ってプロデューサーさんが!」

拳志郎「そういうこと」

凛「ふーん」

卯月「でも、共同生活って楽しそうだね!」

未央「だね!いっしょにお風呂入ったりして、修学旅行みたい!」

凛「……まあ、悪くないかな」ニヘッ

みく「凛チャン、顔がにやけてるにゃあ」

凛「にやけてない!」


未央「でもさぁ、プロデューサー」

拳志郎「どうした?」

未央「せっかく寮ができるのに、アイドルが4人じゃ寂しくない?」

拳志郎「安心しろ。そう言うと思って一人スカウトしてきた」

卯月「えぇ!?」

凛「いつの間に……」

拳志郎「入りなさい」



ガチャッ



文香「……鷺沢 文香です……よろしくお願いします」


…………

……………………

………………………………

――――蒼天プロ最上階・居住スペース(元・子英の寝床)

ガチャッ

子英「とりあえず、寮が完成するまではこの部屋を使ってよ」

文香「……ええ……」

拳志郎「必要なものがあれば言ってくれ」

子英「オイラにね!」ビシッ

文香「あの、霞さん……じゃなくて、プロデューサー…」

拳志郎「何だ?」

文香「……叔父の葬儀や両親の位牌の供養だけでなくて、
   住居の手配までしていただいて……
   何とお礼を言えば良いか……」


拳志郎「漢(おとこ)の最期の頼みだ。聞かぬわけにはいくまいよ」

文香「ですが……」

拳志郎「なに、家賃は仕事で稼げばいいさ。じゃあ、今日はゆっくり休みなさい」

子英「お休み!あ、散らかってる本は勝手に読んじゃっていいからね」


ガチャッ……


文香「……ふう……」

文香(最期の頼み……か……)

文香(……叔父さん…………あら?)

文香「……『注文の多い料理店』?」


文香(……他は専門書や論文ばかりなのに、これだけ童話……)

文香「……そういえば、叔父さんがよく読んでくれて……」パラッ




   鷺沢 文香さま




文香「!!!」


文香(………叔父さんの字……)ガサガサ


   鷺沢 文香さま

  この手紙を読んでいるということは、

  私はもうこの世にはいないということでしょう。

  最期に、どうしても伝えておきたいことがあったので、

  この手紙を信頼できる人に託します。


文香(……プロデューサーのこと……?)


  文香、あなたを引き取ってから15年、

  私は一度たりとも後悔したことはありません。

  あなたは、私の生きる意味であり、希望でした。

  あなたに出会って、初めて誰かの為に生きたいと、

  この命を使いたいと、そう思ったのです。


文香「………」ポロッ


  
  あなたの両親は、あなたに一生分の愛情を注ぐ前にこの世を去りました。

  だけど、あなたの中には、あなたの両親が生きています。
  (本を読んでいる時の目がお父さんにそっくりです)

  だから、自分なんていなければ、などと思わないでください。

  あなたは、あなたの両親が生きた証でもあるのだから。

  あなたは、愛され、祝福され生まれてきたのだから。



  最後に、あなたを遺して逝くことをお許しください。


  そして、



  私も、文香を心から愛しています。



       おじさんより

  
  

文香「………ぅ……っくふっ、ううぅ……!」ボロボロ



文香「叔父さん………おじさん……!!」





子英「………グスッ」

拳志郎「…………」ポムッ





子英(前に、潘親分が言っていた。
   『男の価値は顔で決まる。
    顔に刻まれた生き様で決まるんだ』、って)


子英(この言葉の意味はずっと分からなかったけど、
   今回少しだけ分かったような気がする)


子英(生き様っていうのは、『命の使い方』のことなんじゃないか、って)


子英(拳さんも、飛燕さんも、玉玲さんや潘親分、父ちゃん達青幇のみんなも、
   皆大切なものを持っている。
   その大切なものの為に、魂を燃やし、己を奮い立たせる)


子英(その魂の炎の揺らめきを、誰かの目に映った残像を、
   『生き様』って呼ぶんじゃないか、って)


子英(そう言うと、拳さんは黙ってオイラの肩に手を置いた。
   その手には、言い様のない力がこもっていた)




子英(空には、北斗の星が煌々と輝いていた)





つづく  !!!!

今日はここまでです

いやー………何だこれ。
ふみふみのおじさん畜生説に異を唱えようとしただけなのにどうしてこうなった。

まあ、本家蒼天も似たようなもんだし大丈夫、と自分に言い聞かせています。

今回はクソ長くなりましたが、読んでくださってありがとうございます。

乙!
本屋のオヤジがここまで漢な蒼天ssはこれで最初で最後なんじゃないかな…

乙です
本屋の親父もまさしく朋友であったか

乙です。
ちひろも書店の親父も原哲夫画でバッチリ脳内変換できるssですね

乙です。
皆が漢過ぎて涙が止まらなかった……

おやじさんかっけぇ……!
いい漢だ…

こんな解釈の仕方があったのか・・・
いいと思います

本の親父さんは変換できるけどちひろは無理だ。
原哲夫作品で悪女キャラいないし。

>>122
母上「え?」
まあ厳密には原キャラじゃないけど

ちひろ様は本当に頭の良い御方……

>>123
誰の事?
他人にも自分の考えてる事わかるって傲慢よ。

>>124
妖星のちひろか・・・

?「ちひろ、今は悪魔が微笑む時代なんだ」


P「とにかく、ただの発言がエ口いお姉さんだと思ったら、大きな間違いなんですよ!!」

ちひろ「ま、まあそれは分かりましたけど……
    その、それが認知されてないのは………」

P「………」







P「メディア露出が少ないからです……!」

誤爆

何事かと思ったわwww

>>123
『花の慶次』の伊達政宗の母親?

アイドル戦国時代の世紀末アイドルって…

まだかなー

こんばんは。1です
5日ぶりですが、まったり投下していきます?

誤爆?なんのこったよ(すっとぼけ)


ちひろ(こんにちは。千川ちひろです)

ちひろ(蒼天プロもプロデューサーである霞さんの手腕に寄り順調に成長しています。
    しかし、これは霞さん一人のお手柄によるものではありません)

ちひろ(というわけで、今日はそんなわがプロダクションの縁の下の力持ち、
    葉子英くんの一日をお届けしたいとおもいます!)


第5.5話 子英くんの業務日誌




…………

……………………

………………………………


――――AM 6:25 事務所


Pipipipipipipipi!!!
Pipipipipipipipi!!!


カチッ


子英「………ふぁ……ぁーあ……」ノビーッ

子英「………よくねた」ポリポリ

>>131
政宗の母の場合、謀殺未遂が実際に藩の記録にも残ってるし、あのレベルの鬼母はそう居ないかと(関ヶ原より後、彼女の晩年まで許されなかったそうな。結局、伊達家ではなく自分の実家である最上家で亡くなっている)


子英「久しぶりにぐっすり寝たな……やっぱり足が延ばせるのはいいよね……」

子英「ちひろさんが事務所のソファをソファベッドにしてくれたおかげだな」

子英「天使!女神!ちひろさん!!」

子英「………新聞取ってこなきゃ」ガチャッ



―――― AM 7:15

子英「………ふーん、元警官アイドルねー……」ガサッ

子英(あんまり会いたくないなあ……父ちゃんの職業的に)


ガチャッ


文香「おはよう……ございます」


子英「おはよー、文姉ちゃん」

文香「子英くん……おはよう…」

子英「いつも早いね」

文香「……部屋が、すぐ真上ですから……
   子英くんも……早いですね」

子英「それこそオイラここに住んでるしね」ヘヘッ

文香「………すみません……私の所為で……」シュン

子英「やべっ……!
   き、気にしないでよ文姉ちゃん!」

文香「……ですが……」ショボーン


子英「けっこう居心地いいんだぜこの部屋!
   (ソファ)ベッドも新品でフッカフカだし!」アセアセ

文香「………」

子英「その……コーヒー、飲む?」コポコポ

文香「………いただきます……」

子英「はいどうぞ!」カタッ

文香「…ありがとう、ございます……」コクッ



文香「……おいしい……」

子英(ホッ)



…………

……………………

………………………………


―――― 8:35

ちひろ「おはようございまーす♪」ガチャッ

子英「おはよう、ちひろさん」

ちひろ「おはよう、子英くん!
    文香ちゃんは?」

子英「大学。今日は補講で朝からなんだって。
   拳さんは?」

ちひろ「今日は一日外回りだそうです」

子英「と、いうことは今日の机仕事はオイラか……」

ちひろ「まあまあ。私も手伝いますから、一緒にがんばりましょう!」

子英「へーい」


…………

……………………

………………………………


―――― 10:25


子英「…………」カリカリカリカリ

ちひろ「………」カタカタ


ちひろ(平日の午前中、子英くんは霞さんから渡された課題でお勉強です)

ちひろ(元大学講師だけあって、霞さんの作る教材には無駄がありません。
    ………その分、ちょっとスパルタですけど)


子英「………」ピタッ

子英「……………?」ウーン

ちひろ「どうかしましたか?」

子英「えっ!あ、いや、何でもないぜ!!」アタフタ

ちひろ「そうですか……」

子英「…………ねえ、ちひろさん」

ちひろ「何ですか?」

子英「分数の割り算って、どうやって解くの……?」

ちひろ(かわいい)


…………

……………………

………………………………


―――― 13:48


子英「ったく、拳さんも領収書の整理なんて自分でやれよなー」ガサガサ

ちひろ「まぁまぁ。あっ、怪しい領収書があったら教えてくださいねー」カタカタ

子英「へーい………ってイキナリかよ。ちひろさん、タバコって経費で落ちる?」ピラッ

ちひろ「ムリでーす♪」カタカタ

子英「だよねー………本は?」ヒラッ

ちひろ「うーん、内容によりますね。
    資料として認められる範囲なら大丈夫ですけど」

子英「…………『狂犬でもわかる家庭の医学』?」

ちひろ「うーーーーーーん………保留で」

子英「了解」


…………

……………………

………………………………


―――― 15:30


ガチャッ


未央「おっはよーございまーす!」

子英「未央姉、おはよ」

未央「あっ、しえーくん!おっはー☆
   プロデューサーは?」

子英「朝から外回りでまだ帰ってこないんだ」

未央「えー?今日の収録、プロデューサーも一緒に来るはずだったのにー」ブーブー

子英「ああ、それも聞いてるよ。拳さんは先に向かってるってさ。
   タクシー呼んであるから、現場で合流だって」

未央「そっか!ならばよし!!」

子英「ホントは現場までオイラがついて行った方がいいんだけど、
   ちひろさんもいないから留守番してなきゃなんだよね」

未央「あり?ほんとだ。どこ行ったの?」

子英「わかんない」

未央「たまにフラッといなくなるよねーちひろさん」

子英「まあいっつもどこかほっつき歩いてる拳さんよりマシでしょ」

未央「確かに!」

「「アハハハっ!」」



((………ホントにどこ行ってんだろう……?))



…………

……………………

………………………………


―――― 16:45


子英「………っと。こんな感じでいいだろ」カタカタ

子英「どーせ後は拳さんのハンコがいるやつばっかりだし」

子英「……よーし今日の仕事お~~~~~わり!!」ノビーッ

子英「半分くらい書類残ってるけどしーらね!
   帰ってこない拳さんが悪いんだもんね~~~~だ!!」

子英「さーてソファに寝っころがってポテチたべよ」ゴローン

子英(っつーか拳さんも人使いが荒すぎるんだよなー。
   『青幇のシノギだ』って言われたからついてきたけどさ)ポリポリ

子英(…でも、上海みたいに死にそうな目に遭うことがないってのはデカいよな…)


子英(………上海、か……)ウトウト


子英(……父ちゃん……)


ガチャッ


文香「…戻りました…」



シーーーー……ン



文香「……プロデューサー…?
   誰かいませんか……」

子英「ン……」ゴソゴソ

文香「子英、くん……?」

子英「……スー……」スピー

文香「………お疲れだったんですね……」




子英「………父ちゃん………」

文香「!」


子英「……………」スー

文香「そう、ですよね……
   ……まだ、子供なのに………」ナデナデ

子英「……んー……」

文香「………ふふっ」ナデナデ



…………

……………………

………………………………


ガチャッ


未央「ただいまー!」

卯月「(未央ちゃん、声が大きいよ!)」シーッ



未央「(あっ、ごめん……って、どったのしまむー?)」ヒソヒソ

卯月「(これこれ)」ヒソヒソ



子英「」スカー

文香「…………すぅ…」スピー



未央「(かっわいい!)」ヒソヒソ!

卯月「(でしょ!)」ピロリロリーン


…………

……………………

………………………………


―――― 19:12



「おい子英、文香。起きろ」


子英「ん……うーん……?」

文香「…………?」コシコシ



「いい加減起きろ」ユサユサ


文香「……ん……」

子英「もぉ誰だよ……せっかく人がいい気分で…」



拳志郎「悪かったな」

子英「」


文香「プロデューサー………おかえりなさい」

子英「けけけけ、拳さん!!いつ帰ったの!?」

拳志郎「6時前だ。しばらく寝せてたんだが、いい加減日も暮れたんでな」

子英「っていうか、他のみんなは?」

拳志郎「とっくに帰ったよ」

文香「……もうこんな時間…」


拳志郎「ところで子英」

子英「!!」ギクッ

拳志郎「机の上の書類だが……」

子英「ご、ゴメン拳さん!」

拳志郎「あん?」

子英「オイラ、できるところまではやろうと思ったんだけど、
   拳さんのハンコがいる書類ばっかりで、全然進まなかった!」

拳志郎「………」

子英「でも、ずっとサボってたワケじゃないんだぜ!
   領収書の整理は終わってただろ!?」





拳志郎「何言ってるんだ?」

子英「…………へ?」



拳志郎「俺がいない間に仕事が進んでいたことに逆に驚いたんだが……
    むしろ助かった。ありがとうよ」

子英「え、えへへ……」

拳志郎「よし、じゃ今から飯でも行くか」

子英「ホント!?
   もちろん拳さんのおごりだよね!」

拳志郎「当たり前だ。文香も来るか?」

文香「いえ、私は……」

子英「行こうぜ、文姉ちゃん!」

文香「…………わかりました…」





拳さん、文姉ちゃんもいるんだし居酒屋はヤだぜ!

わかってるよ……

………私は、どこでも……



ちひろ(このように、蒼天プロは一人の少年の働きに支えられているのです)

ちひろ(………え?)





ちひろ「労働基準法?何のことですか?」ニッコリ






つづく!!!!

今日はここまで。読んでくださってありがとうございます。


とかなんとか言ってる間に礼さんきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!


次回、爆乳妖艶凸!!!



>>1がホモなのかノンケなのか……これもうわかんねぇな(諦め)

>>1はバイ

拳さんなに買ってんのwwww

子英くん働かせてるとかいくらなんでもブラック過ぎだろ、と思ったのだが。
考えてみれば、年少組のアイドルとかは、小学生なのに働いてるってことになるんだよな、たぶん。
その辺どういう扱いになるんだろうか、と現実の芸能界の労働基準に疑問を覚えてしまった。

子役用の基準法が特別枠としてあるのよ

まだかなー

まだかなあ…

もう来ないのかなあ…

まだですかねえ

まだですかねえ

もうだめかなあ

書きたい事だけ書いて意欲をなくすのは良くあること(ボソッ

あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュ リュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!

来い

作者の文句は・・・(´・ω・`)

俺に言え!

>>169 続き早く用意しろや

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月12日 (土) 13:11:05   ID: Y5iK_uuK

未見の良い奴が釣れたと思ったら、最終更新10月かよorz

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