エレン「初めての友達」(56)

※アルミンの両親が出てきます、設定はアニメ版の方です
※ネタバレはなし


グリシャ「エレン」

エレン「なんだ?」

グリシャ「今日の往診はエレンも一緒に来なさい」

エレン「え、なんでだよ」

グリシャ「往診先の家にお前と同じぐらいの歳の男の子がいる」

エレン「へえ、どんな奴なんだ?」ワクワク

グリシャ「それは会ってからのお楽しみだ」

エレン「ちぇっ、わかったよ。じゃあ早く行こう!」グイグイ

グリシャ「待てエレン、まずは私の準備が終わってからだ」

エレン「はーい」

グリシャ「では出発しようか」

エレン「うん」ヨタヨタ

グリシャ「…エレン、その大きな袋はなんだ?」

エレン「玩具がいっぱい入ってる」

グリシャ「…少し置いていきなさい」

エレン「えー、なんでだよ?」

グリシャ「持っていく分には構わんが、流石にそこまで多いと相手方にも迷惑がかかる」

エレン「でもこれ詰めるのに結構時間かかったんだぞ?」

グリシャ「…絶対に散らかさないこと」ハァ

エレン「分かってるって!」


グリシャ「ここだ」

エレン「割と近くなんだな」

グリシャ「入るぞ」コンコン

ママミン「どなた様かしら?」ガラッ

エレン(すげえ美人)ポワーン

グリシャ「イェーガーです。往診に参りました。今日は息子のエレンも一緒です」

エレン「こ、こんにちは!」ペコリ

ママミン「初めまして、よろしくねエレン君」

エレン「よ、よろしくおねがいします!」シャキーン

グリシャ「それでは往診に移りましょうか。今日は…」

ママミン「父が腰を痛めまして、まずはそれから…」カクカクシカジカ

エレン「なぁ、オレと同じぐらいの奴がいるんだろ?どこだよ」キョロキョロ

グリシャ「エレン!」

ママミン「アルミンなら上の部屋にいるわよ?人見知りする子だけど、仲良くしてね」ニコニコ

エレン「いってくる!」タタッ

グリシャ「ま、待ちなさいエレン!…息子が申し訳ございません」

ママミン「いえ、いいんですよ。それではこちらに…」

エレン「おーい!」ゴンゴン

アルミン(この本ももうすぐ終わりだな)ジー

エレン「聞こえないのか?開けるぞ!」ガラッ

アルミン「ひゃあっ!?」ビクッ

エレン「よう、アルミン」

アルミン「…え」

アルミン(誰?そもそもなんで僕の名前を知っているんだ?)

エレン「オレ、エレン・イェーガーってんだ。アルミンって名前はお前の母さんから聞いた」

アルミン(イェーガー?あのグリシャ・イェーガー先生の子供?)

エレン「おい、聞いてんのか?」グイグイ

アルミン「………知らない人と簡単に話すなって言われてるから」オドオド

エレン「もう自己紹介もしたしいいだろ。 というか女じゃねえか、父さんは男だって言ってたのに」

アルミン「…僕、男なんだけど」ムスッ

エレン「ほ、本人が言うならそうだよな。ごめんごめん」アセアセ

アルミン「いいよ、別に慣れてるし…」ムスー

エレン「そ、そうか。ならいいんだけど…ところでオレ、そんなに怪しい奴に見える?」

アルミン「…その大きな袋とか、とっても怪しい」ジー

エレン「そうだよな、この中に何が入ってるか気になるよな」バラバラ

アルミン「…人の部屋で何してるの」

エレン「中身を全部出してるんだよ。ほら、この箱開けてみろよ面白いものが入ってるぞ?」


アルミン「どうせ開けたらびっくりするやつでしょ」

エレン「なんで分かるんだよ、お前頭いいんだな」

アルミン「…面白いものが入ってるってぼかす時点でバレバレだよ」

エレン「じゃあこれは?昔内地に診療に行った父さんがおみやげに買ってきてくれたんだ」ゴソゴソ

アルミン「…これ、本で見たことあるよ。十字型に加工した木材に木製の玉を紐で結んだもの…ケンダマっていうんだっけ?」ジー

エレン「そうそう、やっぱりお前って頭いいんだな」

アルミン「普段は部屋で本を読んでいるからね」

エレン「この部屋本だらけだもんな。 とりあえず遊ぼうぜ、まずはオレからな」

エレン「…よっと」ヒュンッ ストン

エレン「ほら、余裕だろ?次はお前の番だな」

アルミン「えー…失敗して頭にぶつかったりしたら痛そうだしいいよ…」

エレン「大丈夫だって、オレが初めてやった時だってちゃんと成功したんだし」グイグイ

アルミン「顔に押し付けないで。…一回だけだよ?」

エレン「おう。面白かったら何回やってもいいからな」

アルミン「…面白かったらね。それじゃ見ててよ、成功させるから」ヒョイッ

エレン「…」ジー

アルミン「…うわっ!」ゴン

エレン「ぶっ」

アルミン「…うあぁ……」ジワ

エレン「はははははっ!まさかおでこにぶつけるなんてな!ははは!」ゲラゲラ

アルミン「…笑わないでよ」

エレン「ごめんごめん、大丈夫か?」キリッ

アルミン「大丈夫だけど、もうこれはやめよう…?」

エレン「じゃあ次は何がしたい?アルミンに任せるよ」

アルミン「…本でも読む?」

エレン「いいぜ、お前がどんな本を読んでいるか気になるしな」

アルミン「じゃあこの数式の証明について書かれてる本でも…」

エレン「あのさ、もっと読んでて楽しそうな本はないのかよ」

アルミン「僕は読んでて楽しいけど」

エレン「やっぱりオレが決めるよ。…外で遊ぶってのはどうだ?」

アルミン「…あまり遠くに行かないならいいけど」

エレン「おう、それじゃ早速行こうぜ」グイグイ

アルミン「分かったから引っ張らないで…」

アルミン「お母さん。これからエレンと一緒に外に行ってくるから」

ママミン「あら、気をつけて行ってくるのよ」

エレン「父さん、そういうことだから」

グリシャ「私はそろそろ次の往診先に行く。エレン、夜までには帰るんだよ」

エレン「言われなくても分かってるって、行こうアルミン」グイグイ

アルミン「う、うん」

アルミン「ねえ…」

エレン「ん?どうした?」グイグイ

アルミン「一体どこに行くの?あまり遠くに行かないならって言ったはずなのに」

エレン「オレの知り合いのおじさんのところ」

アルミン「変な人じゃないよね」アセアセ

エレン「んー、変な人っちゃ変な人かもな」

アルミン「…ねえ、帰ろうよ…知らない人と簡単に話しちゃダメって言われてるんだから」オロオロ

エレン「オレの知り合いだから問題ないって。もうすぐ着くぞ」

アルミン「えぇー…」

エレン「あ、いたいた。ハンネスさーん!」フリフリ

ハンネス「よう、エレンじゃねえか。今日は女連れてきたのかよ、隅に置けない奴め」ニヤニヤ

エレン「こいつ、男だよ。アルミンっていって今日知り合ったんだ」

アルミン「…はじめまして。アルミン・アルレルトと申します」ペコリ

アルミン(お、お酒臭い…エレンの後ろにでも隠れてよう)ササッ

エレン「ははっ、アルミンは頭いいからな。悪い奴と良い奴の違いが分かるんだよ」

ハンネス「おいおい、なら俺の方が良い奴だから来いよ。いいものやるからよ」

アルミン「…嫌です」フルフル

アルミン(その文句、怪しいってレベルを超越しているよ…)

エレン「やめろよ、ハンネスさん。オレ達、今一緒に遊んでるんだ。ハンネスさんもどうせサボりで暇だろうし来てくれよ」

ハンネス「おいおい、これがサボってるように見えるか?こう見えてもシガンシナ区の安全をだな…」

エレン「じゃあそこら辺に転がってる瓶はなんだよ」

ハンネス「ゴミ回収をしている途中だからだよ」

アルミン「…ゴミ回収って、普通は袋を使ってやると思いますよ?」ジトー

エレン「そうだそうだ!アルミンの言うとおりだ!」

ハンネス「ぐっ…仕方ない、少しだけ付き合ってやるよ。利き酒とかどうだ?なかなか楽しいぞ?」

エレン「利き酒?要するに酒を飲むってことだろ、嫌だよ」

アルミン「…嫌です」フルフル

ハンネス「冗談だ、冗談。まあお前らも大人になれば利き酒の良さが分かるって」

ハンネス「じゃあケンドロでもするか?」

エレン「それならいいよ」

アルミン「ケンドロ?」

ハンネス「憲兵と泥棒の略だ。憲兵組と泥棒組に別れて、憲兵は泥棒を捕まえる。泥棒を全員捕まえたら憲兵の勝ちだ。俺も昔よくやっていたんだよ」

アルミン「なるほど…」

ハンネス「じゃあ俺が憲兵をやるからお前ら二人は泥棒な」

エレン「アルミン、二手にわかれるぞ」スタスタ

アルミン「う、うん…」トコトコ

アルミン(僕、走るの苦手なんだけどな…)

ハンネス「よし、始めるか。3,2,1…スタート!」ダダッ

エレン「へへっ、そう簡単には捕まらねーぞ!」ダッ

アルミン(は、早い!体力のありそうなエレンがあっという間に追いつかれそう!)タタタ

ハンネス「まずは一匹だ!」ガシッ

エレン「畜生、ハンネスさん速すぎるんだよ!大人なんだから少しは手加減しろよ!」

ハンネス「男なら勝負はいつも本気で挑むもんなんだよ。さて、あと一匹…」チラ

エレン「アルミン、全力で走れ!」

アルミン「う、うわあぁぁあ」タタッ

アルミン(む、無理だよこんなの…!)

ハンネス「二匹m…うわぁあぁぁ!」ズデーン

アルミン「ぐえっ」ベチャ

エレン「お、おいアルミン!大丈夫か!」ダッ

アルミン「うぅぅ…」ピヨピヨ

ハンネス「いてて…」

<ねえ、あれってロリコンってやつ?いやショタコンなの?
<ママ、あのおじさん何してるの?
<しっ、見ちゃいけません!

ハンネス「…はっ!」ムクリ

エレン「ハンネスさん何やってるんだよ!」

ハンネス「お、おい大丈夫か?下の酒瓶に気づかなかったんだ…」ユサユサ

アルミン「…」ムクリ

アルミン「…服が汚れただけですから」ポンポン

ハンネス「本当にすまねえ…」

アルミン「いえ、楽しかったですよ」ニコッ

ハンネス「な、ならいいんだが…」ドキッ

ハンネス「それじゃ俺はそろそろ仕事に戻るからよ、詫びと言っちゃなんだがこれ使って好きな食いもんでも買え」チャリーン

アルミン「…え?」キョトン

エレン「人から貰えるものは病気以外貰っておけって!」ポン

ハンネス「そうそう、エレンの言うとおりだ。遠慮するなって」

アルミン「あ、ありがとう…」

ハンネス「それじゃあまたな」

エレン「ちゃんと仕事しろよー!」

アルミン「ありがとうございました」ペコリ

エレン「なあ、本当に大丈夫かよ」

アルミン「さっきのこと?それなら大丈夫だよ。これぐらいの汚れなら洗えば取れるし。
     それに、僕は走るのは逃げてなんだけどさ、さっきは久々に家から外に出て本気で走って楽しかったよ」

エレン「そうか、なら良かった」スタスタ

アルミン「…さっきハンネスさんに貰ったお金、何に使おうかな」

エレン「そこの店とかいいと思うぞ。オレもよく行ってるんだ」

アルミン「じゃあそこに行こう」


店員「いらっしゃいませ」ペコリ

アルミン「エレン、おすすめとかある?」

エレン「このパンとかかな。蜂蜜の味が染みててうまいんだ」

アルミン「じゃあ、これ一つください」

店員「ありがとうございました」ペコリ


エレン「なあ、食わねえの?」

アルミン「歩き食いはダメだよ…」

エレン「なら仕方ねえな…ところでお前の母さん、美人だよな。普段何やってるんだ?」

アルミン「ありがとう。…僕のお母さんは、いつもは内地でお父さんと一緒に研究をしているんだ。
     とても言えないような凄い研究らしいよ」

アルミン「家にいないことの方が多いんだけど、来月の頭にいよいよ実践に移れそうなんだって。
     長い時間をかけることになりそうだから、始まるまでは家に居てくれるみたい。お父さんももうすぐ帰ってくるよ」

エレン「そうなのか、とても言えないようなって言われると逆に気になるよな」

アルミン「近いうちに教えてくれるって言ってたから楽しみだ。
     それ以上にお父さんとお母さんが長く家に居てくれるということのほうが楽しみなんだけど」

エレン「よかったな、アルミン」

アルミン「うん」ニコ

エレン「それじゃ、日も暮れてきたしオレはそろそろ帰るから。今日はありがとうな」

アルミン「こちらこそありがとう、楽しかったよ。…あと、君にこれを」

エレン「さっきのパン?」

アルミン「そう。エレン、半分食べなよ」

エレン「じゃあありがたくいただくぜ!」ムシャムシャ

エレン「うめえ!」

アルミン「こんなところで食べちゃダメだって!」オロオロ

エレン「別に誰か見てるわけじゃないしいいだろ、お前も食えよ」

アルミン「う…まあ言われてみればそうなんだけど」

エレン「ほら、食え食え」

アルミン「う、うん…」ムシャムシャ

アルミン「あ、おいしい」パァァ

エレン「だろ?」ニコ

アルミン「うん」ニコ

エレン「また遊ぼうな」

アルミン「うん、また遊ぼう」

エレン「じゃあな、アルミン!」

アルミン「またね!」

アルミン「ただいま」

ママミン「おかえり、アルミン。そんなに泥だらけになって、ヤンチャしてきたの?」

アルミン「エレンと色々と遊びまわったんだ。服はちゃんと自分で洗濯しておくよ」

ママミン「楽しかった?」

アルミン「うん、凄く楽しかったよ」

ママミン「そう、なら良かった。…この先ずっとの付き合いになるかもしれないから、仲良くするのよ?」ナデナデ

アルミン「勿論!」


アルミン(あ…エレン、玩具の入った袋置きっぱなしだよ…今度来た時に渡せばいいんだろうけど、片付けだけでもしておくか)ゴソゴソ

アルミン(さっき開けなかった箱、今になってやっぱり気になってきた。ちょっと開けてみようかな)パカ  ビヨーン

アルミン「うわぁ!」ビクッ

アルミン(…ばね仕掛けの物が出てくると分かっててもやっぱり驚くよね…片付けを進めよう)

アルミン(これはケンダマ…少しだけ練習しておこうかな)

アルミン「…」ヒュンッ

アルミン「うわぁ!」ゴツン

アルミン(また額に…やっぱりしまっておこう…)ヒリヒリ


エレン「ただいまー」

カルラ「おかえり、エレン。お友達はできたの?」

エレン「アルミンっていって凄く頭の良い奴と友達になったよ」

カルラ「そう、良かった。お友達は大切にするんだよ。グリシャも帰って来たらきっと喜ぶよ」

エレン「ああ、父さんにも自慢するんだ!」ニコッ

エレン(そういえば、袋をアルミンの部屋に忘れてきたな…明日すぐに取りに行こう)

―翌朝

エレン「母さん、今日はアルミンの家に行くから」

カルラ「早速行くんだ、気をつけていってらっしゃい」

エレン「言われなくても分かってるって!」

エレン(そういえば、アルミンって本を読むのが好きだったよな。こっそり父さんの本を持っていくか)

エレン(勝手に見るなと言われてるけど、ちゃんと元の位置に戻しておけばわからないだろ)


エレン「よいしょ、っと」

エレン(この名前の書かれてない本とか怪しいよな、とりあえず今日はこれを持っていくか)ゴソゴソ

エレン(中身が気になるけど、今見ちゃったらアルミンと見た時の楽しさが半減する気がするんだよな。
    だからここはグッと我慢だ!)

エレン「まあこんなもんだろ。よし、行くか!」


エレン「お邪魔しまーす!」

ママミン「あら、エレン君早いのね」

エレン「今日はアルミンは本が好きだから、オレの家の本を持ってきたんだ」

ママミン「アルミンもきっと喜んでくれるね」ニコニコ

エレン「ありがとう!行ってくる!」タタッ


エレン「アルミーン!」

アルミン「エレン、おはよう。早いね」

エレン「ちょっと早起きしてきたんだよ」

アルミン「早起きは三文の得って言うしね。 あ、昨日忘れていった荷物はそこにおいてあるから」

エレン「ああ、ありがとな。それでさ、今日は父さんの本を持ってきたんだけど」

アルミン「え…?エレン、お父さんの本なんて持ってきて大丈夫なの?」

エレン「ばれなければ平気だって。ほら、この本だよ。何も書かれてなくていかにも怪しいだろ?」

アルミン「確かに…何か凄いことが書かれてそうだよね」ドキドキ

エレン「オレもまだ見てないんだ、早速読んでみようぜ」ドキドキ

アルミン「う、うん…!」ドキドキ

エレン「行くぞ…」ペラッ

アルミン「…」ジー

エレン「こ、これは…!」

とりあえずここまで

投下
少しホモホモしいかも

アルミン「…!」カァ~

エレン「こ、これすげえぞ!女のハダカが…」

アルミン「…え、エレン!それ、いけないものだよ!」///

エレン「オレ、女のハダカとかずっと昔に母さんと風呂に入ってた時ぐらいしか見たことないんだ…」ドキドキ

アルミン「だ、ダメだってば…!」///

エレン「その割にはお前も指の隙間から覗いてるじゃん。しかしじっくり見ると凄いな、女の体ってこうなってるんだな」ドキドキ

アルミン「…やめようよ、これ僕達が見たらいけないよ……」オロオロ

エレン「そうそう読めるもんじゃねえし次行くぞ」ペラッ

エレン「…すげえ。ハダカの男とハダカの女g… アルミン「わぁああぁぁあっ!」

エレン「いきなり大声を上げるな!びっくりしちゃうだろ!」

アルミン「これは僕達が見たらダメなやつだ!」カァァ

エレン「ちぇっ、折角持ってきたのに」

アルミン「…その本のカバーの下見せてよ」

エレン「ほらよ」ペラッ



       【進撃の巨チン】

アルミン「」///

エレン「なんて書いてるんだ?…の…チン?」

アルミン「ぼ、ぼくにもむずかしくてわからないな…(棒)」

アルミン「……これはもうやめよう?ね?」

エレン「そこまで言うなら仕方ねえな」

アルミン「…僕は男だからいいけど、女の人に見せたら憲兵に突き出されても文句は言えないよ?」

エレン「そんなやばいものなのかよ、気をつける」

アルミン「うん…とにかく、ちゃんと元あった場所に戻しておくんだ」

エレン「わかったって」

アルミン「……エレンのハレンチ」ボソッ

エレン「ん?何か言ったか?」

アルミン「いや、何でもない…」

エレン「本当かよ?」ジー

アルミン「う、うん…」

エレン「ふぅん、ならいいんだけど。そういえばお前、まだオレの家に来たことないよな」

アルミン「そうだね」

エレン「じゃあオレの家まで遊びながら行くか」

アルミン「それならいいよ…あ、昨日の荷物忘れずにね」

エレン「おうよ」


アルミン「ねえエレン、その荷物って重くないの?」

エレン「これか?全然だよ。よく薪を運んでいて慣れているからな」

アルミン「そうなんだ」

エレン「お、あんなところにプラムが成ってるじゃねえか。採ってこうぜ」

アルミン「それ、誰かの所有物じゃないの?」

エレン「ここら辺に家はないし、野生のやつだろ。よし、アルミン採ってこい」

アルミン「なんで僕なんだよ、君が行けばいいだろ?」

エレン「お前あまり外に出ないんだろ?何事も経験だよ、行ってみろって」

アルミン「そんな無茶苦茶な理屈って…まあそこまで言うならやってみるけど、落ちそうになったら助けてね」

エレン「下でがっちりキャッチするぜ」

アルミン「よいしょ」ガシッ

アルミン「…」ズルズル

アルミン「…無理。登れないよ」

エレン「じゃあオレが肩車してやるよ、そこの低めの位置にあるやつを採ってくれ」

アルミン「わかった」

エレン「よし、しゃがむから乗れ」

アルミン「うん」ヨイショ

エレン「足、掴むぞ」ガシッ

エレン「よっと!おお、軽い軽い。もしかして薪より軽いんじゃねーか?」スクッ

アルミン「わぁ!…エレン、絶対に落とさないでね?」

アルミン(エレン、力強いなあ…)

エレン「心配すんなって!ほら、行くぞ」トコトコ

アルミン「これかな?」ブチ

エレン「そうそう、どんどん採って下に落としてくれ」

アルミン「…」ブチブチ

アルミン「……ん?」グニッ

芋虫「ヤァ」

アルミン「ひっ…」ビクッ

アルミン(ま、まずい…今のでたじろいで後ろに…!)

エレン「どうしたアルミ…うわっ!」ヨロヨロ

エレン「うぁあぁぁぁあぁ!」ドシーン

アルミン「ひゃああぁあ!」ドシーン

エレン「いてて…おいアルミン、大丈夫か?」

アルミン「あ、頭は打たなかったけど背中とおしりが…」ジワァ

エレン「え、ええと…」アセアセ

アルミン「…うぅぅ………」グスグス

エレン「お、おい…」オロオロ

アルミン「…………」グスグス

エレン「え、え~と…」オロオロ

エレン(そういえば、昔オレが落ち込んでた時、母さんはよく頭を撫でてくれたっけな)

エレン「…泣くなよ、男だろ?」ナデナデ

アルミン「……うん」グスグス

エレン「…」サスサス

エレン(いつまでこうしてればいいんだろう…)

アルミン「…」

エレン「おーい、アルミン?」ナデナデ

アルミン「…」スヤスヤ

エレン「…反応がないと思ったら寝ちまったのかよ」ハァ

エレン「…オレも朝早かったし眠いや……」ウトウト

エレン「………」スヤスヤ


アルミン「…ん」パチ

アルミン(…あの後泣き疲れて寝てた?我ながら情けないなあ…)ゴシゴシ

エレン「…ぐぅぐぅ」ムニャムニャ

アルミン(エレンも寝てるや…今何時なんだろう…)

アルミン(…もう夕方じゃないか。エレンを起こさなきゃ)

アルミン「…エレン、エレン。起きて……」ユサユサ

エレン「ん~…」ムクリ

エレン「うわっ、もうこんな時間かよ!」ガバッ

アルミン「うん、もう夕方だよ」

エレン「そ、そうだアルミン。大丈夫かよ?」

アルミン「さっきのことなら僕は大丈夫だよ。それよりエレンは?」

エレン「オレはこの通りピンピンしてるぜ」ニッ

アルミン「ならよかった」ホッ

エレン「しかしすっかり遅くなっちまったな、今日はもうやめとくか?」

アルミン「そうだね、お母さんも心配するだろうし」

エレン「じゃあ、オレの家に行くのは明日だな。そうだ、これちゃんと持って行けよ」

アルミン「さっきのプラム?エレンも半分持って行きなよ」

エレン「採ったのはお前だし、オレはそれの手伝いをしただけだよ」

エレン「それにこれだけしかないんだし、半分こにしたら全然腹の足しにならねえよ」

アルミン「じゃ、じゃあ全部持っていくよ…ありがとう」

エレン「遠慮すんなって。それじゃ、また明日行くからな」

アルミン「うん、またね」


アルミン「ただいま」

ママミン「おかえり、アルミン」ニコ

アルミン「お母さん、これ。エレンと採ってきたんだ」

ママミン「あら、美味しそうなプラム。煮込んでジャムにしようかしら」

アルミン「やったぁ」

ママミン「そうそうアルミン、来週お父さんも帰ってくるって」

アルミン「本当?今から楽しみ」パァァ

ママミン「そうね」ギュッ

アルミン「わっ、そんなに抱きしめないでよ」

ママミン「別にいいでしょ」ギュッ

アルミン「…もうっ!」///

ママミン(来月、私達は飛行実験の為に壁内を発つ。密勅と言えば聞こえはいいのだろうけど、
実態は密勅という名の口封じなのだろう。私達は、外界という禁忌について知りすぎてしまった)

ママミン(…この子と会えるのも、今月がおそらく最後。なら、少しだけでも長く…)

とりあえず今日はここまで、コメントありがとう

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