ライナー「俺呪われてるかもしんない」(11)

初投稿です。お手柔らかに。

~訓練中~

ライナー「ハァ、ハァ」タッタッタッ

アルミン「ふぅ、ふぅ」タッタッタッ

エレン「ゼェ、ゼェ」

キース「どうしたアルレルト‼‼ 隊列から外れているぞ‼‼ その程度なら兵団のため巨人の餌となれ‼」

アルミン「いいえ‼‼ 自分は巨人の餌になどなりたくありません‼‼」

キース「ならば走れ‼‼ 足手まといになりたくなければな‼」

アルミン「はっ‼‼」

ライナー(大丈夫かアルミン・・・目が虚ろだ・・・下手すりゃ倒れちまうぞ・・・)

ガッ‼‼

ライナー「うおっ‼‼」よろっ

ライナー「ってて・・・足吊っちまったか・・・ったく、何につまずいたんだ・・・」

ライナーは背後を振り返る。足元に、何やら石のようなものが横たわっており、その石の上にはライナーの足跡がくっきりと付いていた。

ライナー「なんだコレ・・・ずいぶん長い石だな」

ライナーは石をしげしげと見つめる。

ライナー(ん・・・?表面に・・・なんだ?文字か・・・?」

ライナーは石の表面に付着した泥を払おうとする。しかし、前方を馬に乗って走るキース教官にどやされた。

キース「どうしたライナー・ブラウン‼‼ 戦場でお前は足を止めるのか‼‼」

ライナー「・・・やべっ。はっ‼‼ 申し訳ございません‼‼」ダッ

ライナーは石をそのままにして走り去った。

~訓練所~

キース「では本日の訓練はここまでとする‼ 各自消灯時間は厳守するように‼」

「「「はっ‼‼‼」」」


~男子寮~

ライナー「いっててて・・・」

ベルトルト「どうしたのライナー」

ライナー「ほら見てくれよ・・・今日の行進でデカイ石につまずいちまってな・・・この通りだ」

アルミン「大変!腫れ上がってるじゃないか!」

ジャン「足元ちゃんと見とかねぇからだ」

アルミン「待ってて、今医務室から湿布もらって来るよ!」

ライナー「あ~いい、いい。気にすんな。兵士がこの程度で音を上げるようじゃ、それこそ巨人の餌さ」

アルミン「でもライナー・・・」

エレン「アルミン、兵士のライナーが大丈夫だって言ってんだ。それ以上の口出しは野暮だぜ」

アルミン「・・・うん・・・ライナー、お大事にね」

ライナー「(天使か)・・・ああ、ありがとなアルミン」

ライナーはいそいそと立ち上がる。

コニー「どこ行くんだよ?」

ライナー「医務室さ。湿布くらい自分で取ってくるよ」

ライナーは扉を開けて出て行った。

ジャン「アイツ大丈夫かよ。足引きずってたぜ」

エレン「プライドがあんだろ。仕方ねえよ」

ベルトルト「・・・・・・」

マルコ「・・・どうしたのベルトルト」

ベルトルト「・・・いや、なんか、変だな~って」

コニー「は?何が?」

ベルトルト「いや・・・・・・今日のライナー・・・」

アルミン「そう?別にいつものライナーだよ?」

エレン「俺もそう思う」

ジャン「なんだぁベルトルト?ついに宇宙と交信でもおっ始めたか?」

ベルトルト「そんなんじゃないって・・・でも、なんだか違和感が・・・」

エレン「ベルトルトってさぁ、たまに面白い発想するよな」

コニー「ははは、お前も馬鹿ってことか!俺と同じかな」

ベルトルト「それは非常に屈辱だよ」

~医務室~

兵医「はい、ただの打撲だね。ただ酷使し過ぎると後々響くから、対人格闘と立体起動の訓練は休むように教官にかけ合っておくよ」

ライナー「はい。夜分遅くにご迷惑おかけしました」

兵医「安静にしとくんだよ~」

ガラッ

ライナーは医務室を出た。消灯時間が近いとあって、廊下には誰もおらず、明かりも廊下の脇に取り付けてある
蝋燭の灯火だけで、嫌に薄暗い。
右足を引きずっているため、左足に体重がかかり、その重みで木造の廊下がギシギシという不快音を上げる。

ライナー(嫌な夜だ・・・じっとりしてやがる)

廊下の角を曲がろうとした、そのときであった。

ライナー「ん・・・・・・?」

ライナーの先の突き当たりの所に、人が立っている。暗くて顔はよく見えないが、身体の線から推察するに、女のようだ。
奇妙なことに、女は突き当たりの角から左半身だけを出すようにして、こちらを見ている。

ライナー(何だあの女・・・こんな時間に、気色悪い)

ライナーはいささか腹立たしくなり、語気を強めて言った。

ライナー「おい、そこの女。誰だか知らんが、脅かそうって魂胆なら他を当たーーーー」

しかし。

ライナー「・・・・・・ん?」

女の姿がない。先ほどまで突き当たりの所に立っていたはずだが、いざ角を曲がってみると、その先には暗い廊下が伸びているだけであった。

ライナー「・・・・・・錯覚か?」

ライナーは目をこすった。ここのところ疲労が重なっていることは事実である。
先日はサシャによる特に理由のない暴力に襲われ、その後ミカサとアニの修羅場に巻き込まれ、なぜか投げ飛ばされるという
理不尽な目に遭った。

ライナー「・・・女子のせいか」

ライナーは首を掻きながら男子寮へ戻った。

~男子寮~

アルミン「あ、おかえりライナー。どうだった?」

ライナー「ああ、ただの打撲だとよ。ただ明日の訓練は見学するように言われちまった」

コニー「ふーん・・・」

ジャン「ん⁉ ははっ、冗談だろおいライナー‼」

ライナー「何だよジャン」


ジャン「その女誰だよ⁉ どこでナンパしたんだぁ?」


ライナー「えーーーーー」

ライナーは振り返る。しかしそこには今しがた入って来たドアがあるだけである。

ライナー「・・・どこに女がいるんだよ」

ジャン「・・・んあ?ありゃ?どこ行った・・・?」

ベルトルト「・・・・・・」

コニー「おーい、ジャンが幻覚見てるぞ~。誰か医務室連れてけ~」

ジャン「いや、幻覚じゃねぇって!確かにさっきそこにーーーー」

エレン「ジャン、お前ミカサの幻覚でも見たんじゃねぇか?」

マルコ「ああ・・・好き過ぎてついに幻覚を・・・気持ち悪っ」

ジャン「気持ち悪ってなんだよマルコ⁉ おい、やめて、ねえ、距離をとらないで」

ライナー「・・・・・・」

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続き

期待



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