モバP「野球の宴 若きエースとベテランの意地」 (53)

モバマスSSです。


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アーニャSR化おめでとう!

P「それじゃ、失礼します」

ちひろ「行ってらっしゃい。お疲れ様でしたー」


P「さてと…」

千秋「両手に花ね」

アーニャ「そうなのですか?」

P「あぁ、そうだな。それじゃ、行くか」

野球シリーズきた!

車内

P「タクシーでこんなに長い距離乗るのは久々だなぁ…」

千秋「アナタは普段、電車移動だものね」

アーニャ「……もう」

P「どうかしたかアーニャ?」

アーニャ「いえ、大したことではないです」

千秋「どうしたのかしら?」

アーニャ「私のアチェーツがプロデューサーが来ると言ったら喜んでいただけです」

アーニャ(今度は挨拶にでも来るのか?と言われましたけど…)

千秋「あぁ、そう言えば、私は、まだ、アナタが来ることを伝えてなかったわ」

P「わざわざ伝えなくても…」

千秋「あら、チケットは家の人に取って貰ったのよ。だから、顔くらいは見せないとね」

P「まぁ、言われてみれば、確かに…」

千秋「ついでに私の家に泊まっていっても構わないわ」

P「でもなんか悪いな…」

千秋「人の善意は受け取っておくものよ」

>>3 も自分です。酉付け忘れました。

アーニャ「プロデューサー」

P「ん?どうした?」

アーニャ「…私の家に泊まってもいいですよ?」

P「え、あ、うん。ありがとな」

P(どうしよう…どっち選んでも悪い予感しかしないんだけど…)

千秋「アーニャも意外に言うときは言うのね」

アーニャ「ダー。たまにはそういうこともあります」

千秋「ふぅん…」

P「二人とも俺を挟んで睨み合いをしないでくれ…」

P(かなり心臓に悪い…)

千秋「あら、アナタが決めればすぐ話よ」

アーニャ「ダー。そうです。元はと言えばプロデューサーが」

P「う…。そう言われると辛いな」

千秋「簡単なことよ」

アーニャ「ダー。その通りです」

P「ははは…」

北海道組か
日本ハム……、大西さんがアップをはじめました

空港

P「札幌着いたらすぐに球場行くけど平気か?」

千秋「えぇ。向こうに着いたら一応連絡私の家に連絡するけどいいかしら?」

P「何かあるのか?」

千秋「どうせなら迎えに来て貰おうかなって」

P「いや、いいよ。電車で大した距離じゃないし」

アーニャ「多分、私たちが電車に乗ったら乗ったで面倒なことになるかもですよ?」

P「あ、そうか…」

千秋「そういうことよ」

P「そうだな。それじゃ、頼む」

千秋「えぇ、任せて」

>>8
今回オールスターなんすよね…。

飛行機内

千秋「ねぇ、Pさん」

P「ん?どうした?エコノミーは飛行機じゃないとか言うなよ?」

千秋「そんなことは言わないわ。どうせ数時間の旅なのだし」

P「ならよかった。それならどうしたんだ?」

千秋「えぇ。昨日少し遅くまで起きていたので寝ててもいいかしら?」

P「あぁ、構わないぞ。おやすみ」

千秋「えぇ、おやすみなさい」

P(アイマスクまで付けてバッチリ寝るつもりなのな)

P「……」

千秋「……ん」ギュー

P(なんで、俺の服を掴んで寝てるんだろうか…)

アーニャ「プロデューサー」

P「ん?どうしたアーニャ」

アーニャ「私も、少し、眠っても…いい?」

P「あぁ、まだ、着くまでは時間あるしな。おやすみ」

アーニャ「スパシーバ。プロデューサー」ギュ

P「……」

P(まぁ、いいか…)



P「二人共起きてくれ」

千秋「…良く眠れたわ」

アーニャ「私もです」

空港

P「さて…。そう言えば、もう電話はしたのか?」

千秋「さっきしたわ。少しすれば来るでしょ」

アーニャ「私たち目立ってませんかね?」キョロキョロ

千秋「堂々としていれば、なんら問題ないと思うわよ。別に疾しいことをしているわけでもないし」

アーニャ「ダー。その通りですね」

P「さて…お土産でも買っていくかな」

千秋「前来た時も買ってたし、いいじゃない。今回は」

P「よく見てたな。こっそりと買ったつもりだったんだが」

千秋「私を甘く見ないことね」フフン

P「はいはい。でもさ、バターサンドの評判が良くて…」

千秋「あれは、確かに美味しいものね」

P「ちゃっかり千秋もアーニャも食べてたものな」

アーニャ「北海道にあんなお菓子があるとは知りませんでした」

千秋「う、煩いわねっ。いいじゃない食べても」

P「別に悪いとは言ってないって」

千秋「ならいいけれど…あ、来たわ」

車内

P「そう言えば、あれから、二人は野球を観たりしてるのか?」

千秋「テレビ中継程度なら」

アーニャ「事務所で点いてる時は、ちょっとだけ見るようになりました」

P「ウチの事務所は、週6日は野球中継流れてるけどな…」

P(たまにサッカーも流れてるけど)

千秋「でも、球場で見るのは今日が二回目よ」

アーニャ「ダー。私もそうです」

P「そっか。楽しめるといいな」

球場

P「チケット貸して貰えるか?」

千秋「えぇ」

P「えーと…ここだと」

?「こんばんは。プロデューサー君」

P「はい?」

アーニャ「あ、アチェーツ」

アーニャ父「プリヴェート。アーニャ」

P「あ、お世話になっております」

アーニャ父「むしろ、こっちがお世話して貰ってるんだけどね。いや、今日はお祭り?と言うから入れないと思ったが、席を取れてしまったよ」

P「そうなんですか?」

P(まだ、北海道じゃ、そこまで野球熱は高くないのかなぁ…)

アーニャ父「あぁ、さっきそこで買ってきたんだ。ん?そちらは…?」

千秋「こんばんは。私は、アナスタシアさんと同じ職場で働く黒川千秋と言います」

アーニャ父「同じ職場と言うことは…」

千秋「はい。アイドルを一応やっています」

アーニャ父「ほぉ。両手に花だな」ニヤニヤ

P「あはは…どうも」

アーニャ父「まぁ、私は別の場所で観戦してるから、何かあったら連絡をくれ」

アーニャ「ダー」

アーニャ父(待てよ…。黒川とはどこかで聞いたことが)

アーニャ父「あの、黒川さん」

千秋「はい?」

アーニャ父「卑しい質問で悪いが、家は結構裕福かい?」

千秋「恐らく世間一般に比べては」

アーニャ父「なるほど。もしかしたら君のお父さんとは仕事のパートナーかもしれないな」

千秋「え?」

アーニャ父「ま。そんなことはどうでもいいか。それじゃ。ヌーパカー」

千秋「個性的な人ね」

アーニャ「すみません…アチェーツが…」カァァ

千秋「いえ、構わないわよ」

千秋「さ、行きましょうか」


P「おー、また来るとはなぁ」

アーニャ「ダー。私も思ってませんでした」

千秋「そうね。私もよ」

P「まぁ、なんかの縁だ。今日は楽しもう」



千秋「えーと、まだ試合は始まらないのかしら?」

P「まだだな。その前にホームラン競争があるんだ」

アーニャ「ホームラン競争ですか?」

P「あぁ、球界を代表するホームランバッターが実際にここでどっちが多くホームランを打てるか競うんだ」

千秋「中々迫力がありそうね」

アーニャ「ダー。私も楽しみです」

P(でも…この球場ってそれなりに高さがあるからホームラン打ち辛そうなんだけど…)

千秋「始まるみたいね」

アーニャ「……」

千秋「……」

P「ま、まぁ、こういうこともあるってことで…」

P(まさか一本や二本で決着が付くなんてな…もうちょっと打ってくれよ)

千秋「ま、まぁ、今年のボールは飛ばないらしいししょうがないかしらね」

P「そ、そうだな」

P(多分、去年よりは飛ぶようになってると思うけど…)

アーニャ「ダー。気を取り直していきましょう」

千秋「あ、パリーグの先発は佐久間さんが言ってた人ね」

アーニャ「確かチケットをくれたいい人です」

P「それだけじゃなくて、彼は球界最強投手の一人だよ」

ストライーク バッターアウッ!


千秋「凄い球ね。鬼気迫る気がするわ」

アーニャ「気持ちで…投げていますね」

P「お、こっちの先発もいいなぁ…」

アーニャ「確か…トモエが好きな所の」

P「そうそう、ナマーズのエースだよ」

千秋「実質、巴対佐久間さんね」

アーニャ「ヤー。プロデューサー」

P「ん?」

アーニャ「ロシア人の選手などはいないのでしょうか?」

P「オールスターには出てないな」

アーニャ「そうですか…」

P「そう気を落とすなって。あ、そうだこれいるか?」

アーニャ「ダー?」

P「この間さ、家の整理してたら野球カードが出てきてさ」

アーニャ「はい」

P「随分昔のカードだけど、保存状態いいから持ってきたんだ。ほれ」

アーニャ「なんですか?」

P「そいつが、スタルビンだよ。シーズン42勝を挙げた前人未到の投手だよ」

アーニャ「わぁ…」キラキラ

P「それ、あげるよ」

アーニャ「プラーヴダ?」

P「いいよ。俺が持ってるよりいいだろうし」

アーニャ「スパシーバ、プロデューサー」ギュ

千秋(いいわね。なんか…)ジー

カキーン

千秋「あっ!」

P「ん?あ、長打コースだ」

アーニャ「打った人、足速いですね」

千秋「一気にあんな所まで行ったわ。凄いわね」

P「今頃、巴辺りが叫んでるだろうなぁ…」

千秋「次は糸居ね。こう、打席に立ってるのを見ると大きく見えるわね」

P「実際かなり大きいと思うぞ」

アーニャ「当たったら飛びそうですね」

ガキィン

P「あっ!」

千秋「きゃっ!」


ワーワー ナイスイトイー

P「打ったな」

千秋「えぇ!打ったわ!ナイスバッティング!」

アーニャ「ダー。気持ちで打ったような当たりでした」パチパチ

ズバンッ! ストライクアウッ!

千秋「い、今のなに?」

P「スプリットかなぁ。速くて落ちる球だよ」

アーニャ「それにしても球が一瞬で落ちました…」

P「もうメジャー行くのかなぁ…」

千秋「メジャー?」

P「メジャーリーグだよ。何人か行ってるの知ってるだろ?」

千秋「えぇ、勿論。アンブレイカブルレコードを作ったものね」

P「そうだな」

アーニャ「それはニュースで見たことあります」

千秋「WBCでも有名になったしね」

千秋「しかし…色々な選手が出て来るわね。全く頭が追いつかないわ」

P「最初はそうだろうな。俺も見始めた時は全然分からなかったよ」

アーニャ「ダー。皆さん中々打てないですね」

千秋「大方、ホームラン競争で不甲斐ない結果に終わってしまったからカッコいい所を見せたくて力んでしまっているのかしらね」

P「かもしれないなぁ。ピッチャーの方も投げるイニングが決まってるから全力だしな」

アーニャ「なら、実際の試合でもこういう風に投げればいいのではないですか?」

P「流石に130試合以上あるんだからそんな風に投げたらピッチャーが壊れると思うぞ」

アーニャ「ダー。なるほど。言われてみれば、そうですね」

千秋「しかし、あれね…」

P「ん?どうした?」

千秋「なんで皆、ストレートばかりなのかしら?」

P「ん?」

千秋「いえ、変化球を使っても全然構わない気がするのよね。だって、決め球が変化球のピッチャーもいるだろうし」

P「確かになぁ」

千秋「ま。それが美学ならそれでもいいけど。ただ、あのスプリットは痺れたわ」

ウグイス嬢「ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー大峪」

ワーワー

P「凄い歓声だなぁ」

P(テレビだったら大峪が大峪がーっ! って言ってるのかな)

千秋「二刀流の彼ね」

アーニャ「ダー。私は、ピッチャーの方がいいと思いますよ」

P「まぁ、どっちがいいって言うのは意見が分かれる所だよな」

P(考えてみれば贅沢な悩みだよなぁ…)

ストライクアウッ!

P「おー凄いな」

千秋「確か…沙紀の所の選手だったかしら」

アーニャ「フルスイングでしたね。腰を痛めそうです」

P「それが、信条の選手だからな」



ボコッ

アーニャ「あ、落ちましたね」

千秋「明らかに打ち取ったのに勿体ないわね」

P「それが野球の面白い所だよな。良い当たりでも捕られたらアウトだし、今みたいにフワフワした当たり損ないでも落ちたらヒットだし」

千秋「何が起きるか分からない。と言った所かしらね」


カキーン

アーニャ「綺麗に、打ちました」

P「お、ナイスバッティングだな。やっぱりプロだな。速いだけなら対応してくる」

P(大峪もランナー背負って投げるのはあんまり得意じゃないみたいだな)

千秋「まぁ、今のご時世160kmの球を打ち返すみたいなバラエティもあるのだから、ただ速い球を打つって言うのはそこまで難しいことじゃないみたいね」

P「高校野球でも150km越える球を簡単に打ち返してる選手もいるしな」

アーニャ「ダー。何事も努力あるのみですね」

アーニャ「今度は…打つ方で出てきました」

P「そうだな」

P(ピッチャーは…水卜か)

フワッ

P「あっ!」

アーニャ「……わぉ」

千秋「スローボールとでも言うのかしら?」

P「あれをストライクに投げるのってどれくらい難しいんだろ…」

千秋「簡単そうに見えるのだけど?」

アーニャ「ダー。でも、普段は140km近い球を投げているのにいきなりあんな球を投げるのは難しい気がします。私たちがテンポの速い曲の途中でいきなりスローテンポの振付にするようなものですから」

千秋「それは中々難しいわね。そういうのは苦手よ私」

P「あ、打ち損ねた」

アーニャ「むぅ…残念です」

千秋「あそこまで体勢を崩せるんだったら皆使えばいいのに。難しいとは言え、プロなのだから、練習すればモノになると思うのだけれど」

P「そこはやっぱり度胸の問題もあるかもな」

千秋「度胸?」

P「単純に考えてさ、速い球より、遅い球の方がバットに当てられそうじゃないか?」

千秋「確かに。打たれそうよね」

P「つまり、そういうことなんだと思うよ」

アーニャ「やはり、最後にモノを言うのはメンタルなのですか」

P「そこは、何とも言えないな」

P「かつて、『心は技術で補える』という言葉を残した選手がいてな」

アーニャ「心は…」

千秋「技術で補える…」

P「真意は分からないが、やっぱり心だけじゃダメなのかなとは思う。

特にプロは過程より結果を求められるからさ」

P「俺はアーニャ達が頑張ってるのを知っているから、褒めたりすることは出来るけど、他の人は結果しか見てないからな。出来なかったらそれまでということだ」

千秋「一層、練習しないといけないわね…」

アーニャ「ダー。私もです」

P「まぁ、休むことも重要だからたまには休息もいいと思うぞ」

カキーン

P「おっ!ナイスタイムリー」

千秋「ピッチャーは違えど先程の雪辱を果たしたわね」

アーニャ「ダー。狙い澄ましたようなバッティングですね」

P「時にアーニャ」

アーニャ「シトー?」

P「どっちが勝つと思う?」

アーニャ「んー、今点を取った方ですかね」

千秋「ちなみに私は、パが勝つと思うわ」

カキーン

P「あ…」

千秋「勢いがないわね」

ウグイス嬢「オールスター第一戦は引き分けという結果になりました」

P「引き分けかぁ」

千秋「今になって思えば、ホームラン競争であれほどまでホームランが出ないのだから、中々お互いがリードするのは難しかったのかもしれないわね」

アーニャ「ちなみに、プロデューサーは、どっちと予想していたのですか?」

P「え…そうだなぁ」

P(どっちって答える方がいいのかな)

ウグイス嬢「それでは、MVPの発表に移りたいと思います――」

P「あっ、MVPの発表だってさ」

アーニャ「むぅ…」

千秋「逃げたわね」

ウグイス嬢「MVPは…澤山田選手です」

ザワザワザワザワ

千秋「ふむ。まぁ、順当なのかしらね。個人的には糸居選手に貰って欲しかったけど」

P「きっと皆そう思ってるからこんな風になってるんじゃないか?」

アーニャ「活躍した選手を素直に褒めるべきです」パチパチ

ウグイス嬢「続きまして敢闘賞に糸居選手――」
千秋「あ、一応、賞は貰えるみたいね」

P「さてと…」ピリリリリ

千秋「あ、私だわ。ちょっと出るわね」

千秋「もしもし…、えぇ、終わったわ。うん。うん。あ、分かったわ」

P「どうしたんだ?」

千秋「アナタと一緒にアーニャも連れてきてくれって」

アーニャ「シトー?」

千秋「なんでか分からないけどね」

アーニャ「あ、それなら、アチェーツに電話を…」

アーニャ「あ、メール。来てる。……」ハァ

P「どうしたんだ?」

アーニャ「いえ、気にしないでいいです。すぐに会うことになりそうなので」

P「…?」

千秋「ほら、二人共行くわよ」

千秋の家

千秋父「こんなに早くに会うとは思いませんでしたね」

P「ご無沙汰してます」ペコリ

アーニャ父「まぁ、娘たちの顔が見れて嬉しいよ」

P「それはよか…え?」

千秋父「彼とは少し馴染みでね。折角だからと昔話に花を咲かせていたんだ」

アーニャ父「そういうことなんだ。それでは、ほれ。プロデューサー君も乾杯」

P「あ、はい。どうも」

アーニャ「もう、パパ…」カァァ

千秋「意外な交友関係ね」



千秋「悪いけどそろそろ…」

千秋父「あ、すまないな。付き合わせてしまって」

千秋「別に構わないわ。それより、アーニャは私の部屋でいいの?」

アーニャ「……」ウツラウツラ

P「運ぼうか?」

千秋「狼にならないならね」

P「ならないって」

千秋「それじゃ、おやすみ。ほどほどにね」

P「おう。おやすみ」



千秋「…肌が白くて綺麗ねアーニャ」ツンツン

アーニャ「……ん」

千秋「でも、負けないわよ」

千秋「おやすみ」

P「ふぅ」

千秋父「お疲れ様です」

P「いえいえ。そんなことは…」

アーニャ父「たまにアーニャがメールをしてくるのだが、大体がキミと何かした。何か見たと言うものだよ」

P「そ、そうなんですか」

千秋父「確かに千秋の口から出てくる男性はキミの名前が一番多いね。恐らくプロデューサーであるからだろうが」

P「そうですね。きっとそうです」

アーニャ父「そう言えば、この間アーニャに聞いたのだがね」

P「はい。なんでしょう?」

アーニャ父「パカーン。えーと、日本で言う極道のボスに向かって啖呵を切ったらしいな」

P「……懐かしい話ですね」

千秋父「ほぉ、どんな話ですかな?」

P「いや、ウチのアイドルに組長の娘さんがいましてですね――」

千秋父「なるほど。今の時代には珍しく熱い方ですな」

アーニャ父「じゃなきゃ、言葉も碌に話せないのにウチの娘をスカウトするわけないな」

P「はい。おっしゃる通りです…」

翌日

P「……ん。朝か」

P(朝に酒が残らない体質って便利だなぁ)

アーニャ「……プロデューサー?」

P「ん?アーニャか。おはよう。眠れたか?」

アーニャ「……」コクン

P(まだ眠そうだな…)

アーニャ「隣、いいですか?」

P「どうぞ」

アーニャ「スパシーバ。プロデューサー」

アナウンサー「はい。今私は、沖縄、石垣島のスターダストツアーに来ています――」

P「おー、綺麗だなぁ」

アーニャ「クラシーヴィ。綺麗です」

アーニャ(行ってみたいなぁ…)

P「今度そういう仕事も取ってみるか」

アーニャ「……!」ピクッ

アーニャ「声、出てましたか?」

P「いいや別に。ただ、天体観測が趣味だったし。いいかなと」

アーニャ「…リューブリュー。プロデューサー」

千秋「あら、二人共おはよう」

P「おはよう」

千秋「私達は午後にでも帰ろうと思うのだけれど、アナタは午前に帰るのよね?」

P「まぁな…」

P(じゃないと間に合わないし)

千秋「全く。体壊さないでね」

P「あぁ」

千秋「それじゃ、送っていくわ。アーニャ、シャワー空いたわよ」

アーニャ「スパシーバ」

千秋「それじゃ、行きましょうか」

車内

千秋「昨日は楽しかったわ」

P「それはよかった」

千秋「そう言えば、さっき星を見に行く約束をしていたわね」

P「まぁ、そういう仕事を取ってこれたらなって感じかな」

千秋「なら、いつか、私と一緒にクラシックを聴きに行って貰うわね」

P「あんまりそっちは得意じゃないんだけどなぁ」

千秋「大丈夫よ。聞き方なんて考えなくていいわ。心で聞くのよ」

P「洒落てるな」

千秋「っ!と、とにかく分かった?」

P「時期が決まったら教えてくれな」

千秋「えぇ。とっておきを手配しておくわ」ニヤッ

千秋「昨日のアナタの言葉はしっかり胸に刻んでおくわね」

P「昨日…?」

千秋「でも、技術だけじゃなく、心でもファンを魅了してみせるわ」

P「頑張ってくれよ」

千秋「随分と他人事のようだけど、アナタにも頑張って貰わないと困るわ」

P「…そうだな」

千秋「ふと気になったのだけれど」

P「うん?」

千秋「アナタを魅了するのにはどれだけ心を尽くせばいいのかしらね?」

千秋「それじゃ。行ってらっしゃい」

P「ありがとな」

千秋「気にしないで。短い付き合いじゃないんだし」

事務所

ちひろ「おはようございまーす」

ちひろ「プロデューサーさんがいないと朝は静かですねぇ…」

ちひろ(昨日は凄かったなぁ…)アハハ

友紀「よっし!レッスンもお仕事も全部終わったし、おつまみとビールも準備したし、あとはソファに座るだけだねっ!」

巴「お、友紀さん。柿の種、貰うけ」

ありす「ルナエルが本当に残念です」

千奈美「しょうがないわ。切り替えていきましょう」

みく(何だか陣営が二つに分かれてる気がするのにゃ…)

まゆ「なんでも、まゆにチケットくれたエースさんは今日投げるみたいですよぉ」

穂乃香「そうなんですか。顔を覚えておいて、いつかお礼を言わなきゃいけませんね」

唯「げ。なんで、麻村ちゃんがセカンドなのー?」

柚「あの人ファースト守ってなかったっけ?」

唯「うん。そだよー。柚ちゃん流石だねー」

柚「え、あ、うん。ありがと」

一回表

まゆ「流石エースさんですね♪」

穂乃香「凄すぎやしませんか?」


一回裏

カキーン

巴「こらぁ!しっかり捕らんかい角!」

友紀「あちゃー、スリーベースかー」

ありす「いきなり大ピンチです」

柚「よく分かんないけど、打ちそうだなー」

カキーン

柚「あ、打った」

唯「柚ちゃん、凄いねー。預言者?」

柚「え、いや、そんなことは…」アハハ

穂乃香「何はともあれ、これで先制点を上げましたね。今日のピッチャーの調子なら十分でしょう」

まゆ「でも、オールスターは三回までしか投げられないですよぉ?」

穂乃香「…初めて知りました」カァァ

二回表

唯「あっ、落ち着いていいからっ!」

柚「心臓に悪いなぁ…」

穂乃香「確かに自分の贔屓のチームの選手がミスをしたらそれこそ寿命が縮みそうですね」

柚「いっ、今の速さで落ちるの?」

友紀「いいピッチャーだなぁ。ウチに来ないかな?」

まゆ「強奪は良くないですよぉ?姫川さん?」ニコ

友紀「あ、う、うん。良くないよね」

奏「それを、毎回好投する度にライアン頂戴って言ってる口が言うかしら…」

三回裏

友紀「おーっ!ナイスだよ!いやぁ、私は信じてたよ。筋トレは正義だって」

巴「この間はしない方がいいとか言ってた気がするんじゃが」

ありす「……」

千奈美「応援する人がいないから、バレンコでも応援しましょうか」

ありす「そうですね。あと、中里選手を」

五回表

実況「大峪が今マウンドにあがろうとしています。二刀流を――」

友紀「お、ピッチャー大峪だね」

巴「ちと、解説が諄いのぉ」

穂乃香「若いですね」

まゆ「二刀流なんですよねぇ」

友紀「二刀流と言えばさ、昔だ――」

友紀「お、ナイステキサスヒット」

カキーン

巴「よっし続くんじゃ!プロの洗礼を浴びせてやるんじゃ」

巴「広島でん――だぁ!なんでそんな早く凡退するんじゃ!」

友紀「中々繋がらないなぁ…」

六回裏

千奈美「番長が来たわね」

友紀「今日は沙紀ちゃんがいないのが残念だよねー」

ありす「急なお仕事はしょうがないですよ」

フワッ

唯「あはは。すごーい!」

柚「うわー。度胸あるなぁ…」

まゆ「流石ベテランですよねぇ」

友紀「あ、そうそう。さっき言いそびれたけど、二刀流と言えば、これと似たようなボールを投げるピッチャーがいたよね」

千奈美「まぁ、今は関係ないじゃない」

巴「悪酔いが過ぎるけ」

七回表

実況「ここは代走でしょうか。バレンコに代わりまして大嶋」

ありす「……!」

千奈美「ようやくね」

実況「走ったぁ!」

ありす「いい走塁です」

千奈美(相当嬉しそうね)

沙紀「お、遅れましたっす!」ゼェゼェ

カキーン

沙紀「へ?ナイスっす!」

友紀「ナイスバッテーィング!」ダキッ

巴「その後は続かないんじゃな…」

七回裏

みく「にゃにゃ。やっと辛いさんが出てきたにゃ」

巴「後生じゃ…サードに球が飛ばないでくれ…」

八回裏

ありす「ここで来ますか。谷瀬」

千奈美「回跨ぎは無さそうだからセットアッパーね」

友紀「いやー、味方だとこれほど頼りになる人もいないよね」

ありす「と、当然ですっ!」

友紀「この間、テレビで谷瀬のスライダーやってたけどあれは打てないよねぇ。左バッターからもの凄い勢いで逃げて行くしさ」

ありす「そうです。それとシュートが生命線です」

みく(ウチの選手も活躍してくれないかにゃあ…)

九回裏

唯「あーダメだったね」

まゆ「引き分けでしたかぁ…」

穂乃香「両者共力を出し切った結果ですね」

友紀「そう言えばさー、明日はどうするの?」

千奈美「私は遠慮しておくわ。チケットにも限りがありそうだし」

友紀「分かったー。後はなんだかんだで来そうだよねー」

ガチャ

聖來「あ、いたいた」

千奈美「こんばんは」

友紀「ん?どしたの?」

聖來「いや、チケットが取れたから千奈美ちゃんとサッカーでも観に行こうと思ってね。プレミアとJリーグの試合なんて滅多に見れないし」

ちひろ(プロデューサーさんがいないとウチの事務所は、無法地帯ですね…)アハハ

おしまいです。
まだ、二日目三日目もありますので、いずれ書きます。

正直な話、オールスター後は使いたい試合が一杯あり過ぎて困っている状況です。
こんな時間まで見てくれた方々お疲れ様でした。

乙です。
二戦目も色々と面白い試合だったから楽しみ。

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