和「須賀くん、私とデートをしましょう!」京太郎(なんだとぉ!?) (52)

優希「うむ! こいつは極上のタコスだじぇー! 腕をあげたな、京太郎!」

京太郎「ハギヨシさんに新しいレシピを教えて貰ったんだ。ありがたく食えよ」

 イチャイチャ



和(……困りました。ここ最近、須賀くんと優希の距離がぐんぐん縮まっているような気がします)

和(これはまずい。このまま行き着く所まで行ってしまったら2人が恋人同士に、なんてことも……)

和(……認めません)

和(……そんなことは、認めません!)

和(だって私は――!)






和(咲さん×優希がジャスティスですから!)

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和(何を隠そう、私は百合が大好きです)

和(阿知賀に居た頃から穏乃×憧を始め穏乃×先生、穏乃×玄さん、玄さん×憧といった面々で常日頃百合妄想をしていた程の重症レベル……)

和(そんな私が長野に転校し、出会った2人の友達……咲さんと優希)

和(この2人は、百合妄想が捗るなんて度合いじゃないほどの似合いっぷりじゃないですか!)

和(天真爛漫で明るい優希と、おとなしくて控えめな咲さん……これほど素晴らしい百合王道なカップリングがありますか!?)

和(否! 断じて否! この2人以上にお似合いな存在なんて、存在し得るはずがない!)

和(世界は咲さん×優希を望んでいるのです! 須賀くんには悪いですが――)

和(私の大いなる眼福の為! 優希から手を引いて貰いますよ!)




和「すみません、ちょっといいですか?」

京太郎「ん?」

和「須賀くん、私とデートをしましょう!」

京太郎「……」

京太郎(なんだとぉ!?)

京太郎(和が俺をデートに誘って来ただとぉ!?)

京太郎(そんな馬鹿な! そんな馬鹿な!)

京太郎(和は俺のことを好きだってのか!?)

京太郎(認めねぇ――そんなのは認められねぇ! だって……)チラッ




咲「の、和ちゃん……?」プルプル

優希「嘘、のどちゃんが京太郎を……?」ガタガタ





京太郎(俺は和×咲がジャスティスなんだよ!)

京太郎(最初は邪険な雰囲気だったのに、いつしか1つの目標へ向けて手を取り合う仲へ発展した女の子同士)

京太郎(そしてその友情は固く結ばれ、いつしか恋心へ昇華され、2人が創りだす空間は男子禁制の理想郷と成るはずだったのに……!)

京太郎(その和がっ、なんで俺をデートに誘う!?)

京太郎(百合男子である俺をデートに誘う暇があったら咲を誘ってくれよ!)

京太郎(そして妄想させてくれよっ!)

京太郎(……いや、待て)

京太郎(そうだ! このピンチをチャンスに変える手段がまだあった!)

京太郎(百合男子を舐めんなよ――和!)

京太郎「デートって、おいおい。遊びに行くのを英語にする必要はないだろ、ハハッ」

和「――なっ!?」

京太郎(このごまかし方は正直無理があるかもしれんが、勢いで押し通す!)

京太郎「なあ咲、和が遊びに誘ってくれたんだが、一緒にいかないか?」

咲「へっ?」

京太郎「なっ、行こうぜ! みんなで行ったほうが楽しいって!」

京太郎(これだ! これがベストだ! ここで咲をデートに巻き込む! そして俺は当日風邪を引いたとか適当な理由でぶっち!)

京太郎(そうなれば咲と和は2人で遊ぶしかなくなる! そして完成する和×咲という究極のカップリング!)

咲「えぇ、でも……」チラッ

和(くっ!? どういうことですかこれは!? 何故須賀くんはここで咲さんを――!?)

京太郎「頼むよ―」

和(……まさか須賀くん、咲さんのことが好きなのですかぁ!?)

和(なんてことですか! これは予想外です! 2人は純粋に仲のいい幼なじみくらいだと考えていたのに!)

和(これは計画を練り直す必要がありますね――! 百合の邪魔はさせませんよ、須賀くん!)



咲(なに、どういう状況なのこれ!?)

咲(いきなり和ちゃんが京ちゃんをデートに誘ったと思ったら、京ちゃんが私も来いって……)

咲(困るよそんなの! 2人のデートに私が行くのも困るし、それ以前に和ちゃんと京ちゃんのデートなんて認められないよ!)

咲(だって私は――)





咲(優希ちゃん×京ちゃんがジャスティスなんだよ!?)

咲(口ではツンツンなところもあるけどその態度は実際デレッデレな優希ちゃん!)

咲(それに口答えしつつも満更でもない京ちゃん!)

咲(まさに青春! まさに王道!)

咲(世界よ、これが日本のカップルだ!)

咲(……ひょっとしたら、和ちゃんは京ちゃんのことが好きなのかもしれない)

咲(友達として、応援してあげるのが筋ってもんなのかもしれない)

咲(だけど私は優希×京派!)

咲(――だから、私は!)

咲「いいよ。だったら優希ちゃんも一緒にね!」

優希「じぇ?」

咲(優希ちゃんの背中を押す! 悪いけど邪魔はさせないよ、和ちゃん!)ゴッ

京太郎(なんだとぉ!?)

和(咲さん×優希キマシタワー!)

優希「え、私も?」

咲「うん、京ちゃんもみんなでいった方が楽しいって言ってたもん!」

咲「遊ぶなら、私もみんなで遊びたいな」

咲(これっ! これっきゃない! 優希ちゃんもデートに巻き込むんだ!)

咲(そしてデート当日、私は出来るだけ和ちゃんを拘束して、優希ちゃんと京ちゃんのイチャイチャを見守る!)

咲(どうしようどうしようどうしよう、メリットしかないよこれ!)ハァハァ

優希「う、うーん……」

優希(うわあああああん、なんか私も誘われちゃったじぇー!)

優希(……はっ!? けどこれはこれで美味しいんじゃ?)

優希(いきなり和ちゃんが京太郎をデートに誘って)

優希(和ちゃんが京太郎を好きなのかも知れない、って考えてたら気が動転しちゃってたけど……)

優希(これは――あの2人の背中を押すチャンスだじぇ!)

優希(なぜなら私は――!)




優希(京太郎×咲ちゃんがジャスティスなのだから!)

優希(2人はとっても仲のいい幼なじみ!)

優希(面倒見もよくってちょっと嫉妬もしちゃう咲ちゃん!)

優希(一見チャラいけど実は優しい京太郎!)

優希(旗からみれば理想のおしどり夫婦だじぇ!)

優希(今までは私が京太郎にちょっかいだして咲ちゃんに危機感を持ってもらって)

優希(出来るだけはやくカップルになって貰おうと画策してたけど)

優希(一向に進展する気配なし。むしろ私が京太郎と仲良くなっちゃった体たらく)

優希(だったらもうここで行くしかない! あの2人の中を、デートで発展させる!)

優希「よっしゃー! 私も行くじょ!」

優希(咲×京太郎は復活するんだ。悲しみの弔鐘はもう鳴り止んだ。 お前たちは輝ける人生の、その一歩を、再び踏み出す時が来たんだじぇ!)

咲「やった! みんなで楽しもうね!」

咲(わーい! 優希ちゃんが乗ってきた! 京優! 京優!)

和「し、仕方ありませんね。みんなで行きましょう」

和(優希いいいいいいいいいいぃ! やっぱりあなたは最高です! 咲優! 咲優!)

京太郎「だな。じゃあ遊びにいく場所でも決めるか」

京太郎(やべぇ、これじゃ咲と和がイチャイチャするかわからねぇ! 俺も参戦して暗躍するしかねぇな! 和咲! 和咲!)

優希「遊園地がいーじぇー!」

優希(待っててくれよ咲ちゃん! 京太郎! 今私が恋のキューピッドになってやるじぇ! 咲京! 咲京!)

咲(この集団デートで!)

和(決めます!)

京太郎(絶対に!)

優希(徹底的に!)




咲(理想のカップルを成立させるよ!)

和(理想のカップルを成立させます!)

京太郎(理想のカップルを成立させるんだ!)

優希(理想のカップルを成立させるじぇー!)




4人「「「「あははははは!」」」」

■後日

優希「というわけで、やって来たじぇ遊園地!」ソワソワ

咲「今日はいっぱい遊ぼうね」ソワソワ

京太郎「いやー、遊園地なんて久しぶりだなー」ソワソワ

和「私も久しく来ていませんでしたね」ソワソワ

和(図らずしもみんなで遊ぶことになってしまいましたが)

和(これはこれで貴重な咲さん×優希を拝める好機!)

和(兎にも角にも、まずは二人乗りの乗り物で先制を――)キョロキョロ

和(――あれなんて、良さげですね)ニヤ

和「まずはあれに乗りましょう」

咲「えっ。あれって……」ガタガタ

優希「いきなりじぇットコースターなんて、のどちゃん剛気だじぇ!」

京太郎「うおぉ、あのジェットコースターもの凄く高けぇ」



咲(いやいやいやいや無理無理無理無理)

咲(あんなの私は絶対に無理っ!)

咲(うううぅ、京ちゃん×優希ちゃんを身近に見れないのは残念だけど、私は地上で見守って――)

和「須賀くん、一緒に乗りませんか」

咲(ぬぁ!?)

和(私が須賀くんを抑えることによって、咲さんと優希は一緒に乗るしかありません)

和(そして私は2人の後ろに乗って……)モウソウチュウ



咲『優希ちゃん、私怖いよぉ』

優希『どうってことないじぇー咲ちゃん! そうだっ』ギュッ

咲『あっ……』

優希『こうやって、手を握っててあげる!』

優希『そしたら、ちょっとは怖くなくなるじぇ!』

咲『えへへ、ありがとう優希ちゃん……優希ちゃんの手、あったかいな』ギュー



和(タマリマセンワー)ニヤニヤニヤニヤ

京太郎「え、えー? どうしよっかなぁ」

京太郎(畜生! このままじゃ咲×和が! 俺のジャスティスが!?)



咲(くっ!? やっぱり和ちゃんは京ちゃんのことを――!?)

咲(駄目だよ! 和×京も悪くはないけれど――)

咲(私のジャスティスはあくまで優希×京!)

咲(ジェットコースターが怖いなんて言ってられない、こうなったら!)

咲「和ちゃん! お願い! 和ちゃんは私の隣で乗って欲しいの!」

和「え!?」

京太郎(よっしゃー! 和×咲やんけ!)

京太郎「うん、2人はそうしろよ! 俺は優希と乗るからさ!」

京太郎(よくやったぞ咲! さすが俺の幼馴染!)

京太郎(このままいけば……)モウソウチュウ



咲『もうすぐ頂上だよぉ……』

和『さすがの私もドキドキして来ました』

咲『和ちゃん、あのね、私、その……も、もの凄い大声あげてうるさいかも知れないけど……』

和『ふふっ。咲さんの声ならどんな声でも天使の歌声にしか聞こえませんよ』ドヤァ

咲『和ちゃんっ』キュン




京太郎(ふぅ……)

和(そっ、そんな!? これじゃ私の咲×優希がっ!)

優希「えー京太郎ー? それだったら私ものどちゃんと乗りたいじぇ」

京太郎(おぉぉい!? 余計なことすんなタコスー!?)

咲(ちょっ!? 優希ちゃんなんでそこでキラーパスしちゃうの!?)

優希「ねっ? のどちゃん、一緒に乗ろ?」

和「う、うーん……そうですねぇ……」

和(なぜですか優希いいいいいいいいぃ! 私と乗るなら咲さんと乗ってくださいよおおおおぉ!)

優希(咲ちゃんが絶叫系に乗り気なのは意外だったじぇ! ここは無理をしてでも私とのどちゃんでペアを!)

優希(さすれば京太郎と咲ちゃんの誰にも邪魔できない空中イチャイチャが……!)モウソウチュウ



咲『きゃああああああああああああああああ!』

京太郎『うっひょー怖えー!』

咲『乗るんじゃなかったー!』

京太郎『ひゃっほー!』

咲『京ちゃん京ちゃん京ちゃん京ちゃん! 絶対に手を話さないでね!? お願いだからぁぁ!』ギュー

京太郎『おうっ、任せとけええええぇ! しっかり握っててやるよ!』ギュー

咲『京ちゃん……って――またああああああああああぁ!?』

京太郎『あっはっは! 咲はびびりだなぁ!』




優希(いいねいいねェ最ッッ高だねェェェェェェェェェ!)

咲(駄目っ! このままじゃ――)

咲(私の! 私の至高の優希×京がっ!)モウソウチュウ


京太郎『いえええええええええええええええい!』

優希『最っ高だじぇー!』

京太郎『このスリルがたまんねぇなっ! 怖ぇー!』

優希『あっはっは! ビビってんのか京太郎! 私は全然怖くないじぇ!』

優希『――京太郎が一緒だからな!』

京太郎『なっ!? ばっ、馬鹿野郎! いきなりなにいって!////』




咲(……諦 め ら れ る わ け が な い !)ゴッ

咲(どうにかして――! 京ちゃんと優希ちゃんを!)

和(何をしてでも――! 優希と咲さんを!)

京太郎(なりふり構わず――! 和と咲を!)

優希(否が応でも――京太郎と咲ちゃんを!)






4人((((ペアにする!))))

今日は終わる
明日には完結すると思います

久「暇ねぇ……」オチャズズー

まこ「ほうじゃのう……」ズズー

久(今頃 和×優希の親友百合の花が咲いているのかしら……見に行きたいわー)

まこ(もともとは和が京太郎を誘っとったからなぁ……やっぱり京太郎×和が正義じゃ。頑張れよ、和)

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