上条「インデックスが空気という風潮」(82)

 ────とある一日────

禁書「とーまとーま! 起きて朝なんだよー!」

上条「……ん、ってまだ6時…」

禁書「あーさーなーんだーよーー!」

上条「あーうるせぇうるせぇ! いつも自分からは起きないくせに、
   ったく…」

禁書「む、今日から夏休みなんだよ?
   子供はラジオ体操いかないと、とーまっ」

上条「ラジオ体操~? 
   そんなもんあって無きにしも非ずのイベントじゃないですか…、
   そんなに行きたかったら隣の土御門兄妹も起こし──」

禁書「わかったんだよッ!」ピュ-─

上条「あ……」

────
──

イッチ ニー サンッ シーッ

舞夏「……うぅー、これは一体どういうことなのだー…」

土御門「せっかくの夏休み初日だっつーのに……ふぁあ~」

上条「俺が訊きたいですよ……」

禁書「ほら3人ともっ、もっと元気良くなんだよ!」

上条「ていうか俺ら以外誰も──って」

御坂妹「いっちにーさんっしーっ、と御坂はサンバのリズムでほっほほーいほっほほーい」

上条「」ズコーッ

御坂妹「おや、朝からいいズッコケですね、と御坂は賞賛を送ります」

上条「ツッコミどころが多すぎるわ! 
   ……それより、なんでお前までこんな所に」

御坂妹「朝から身体を動かすことに健康な肉体への道が拓けるのです、
    とミサカは健康雑誌の博士の台詞を流用します」

御坂妹「あなたこそ何故ここに? とミサカはあなたらしくもない行動に、
    少々驚きつつも問いかけます」

上条「インデックスの付き添いだよ」

禁書「ジャパニーズ体操恐るべき、どんどん身体が柔軟になっていくんだよ」

上条「ついでにあいつ等も」

土御門・舞夏「」ダラー…

御坂妹「あなたの連れはなかなかのやる気ですね、
    とミサカは負けじと前屈をします」

上条「俺身体かってーんだよなー……ってて」

────
──

禁書「じゃあみんな、今日はきっといい一日になるんだよーっ」フリフリ

土御門「まぁ、目は醒めたぜよ。今から舞夏の手料理が楽しみにゃー」

舞夏「それではまた今度なのだー」

御坂妹「ばいちゃ、とミサカは本当に若干一歳なのかと思わせるネタでさよならします」

上条「おう、じゃあな御坂妹」

禁書「私もとうまの朝ごはん、楽しみだなっ」ニコッ

上条「はいはい……俺らも戻りますか」

禁書「うんっ」

 ────とある一日────

禁書「とーま!」

上条「……」

禁書「とーま!!」

上条「……ッ」イライラ

禁書「~~~~~~! とーまとーまとーまー!!」

上条「だぁぁぁぁーーー! うるせぇうるせぇうるせぇえええええ!!」

禁書「とうまが頑なに無視するからなんだよっ」

上条「今宿題中なの! ていうか宿題をほっぽりだしてたから、
   正確には小萌先生からの特別課題なんだけどってそんなのどうでもいいんだよーーー!」

上条「とにかく、今は集中したいから。そこでテレビでも見てろ」カキカキ

禁書「ぶーーっ…」ピッ

 ・・・

 ・・・

禁書「……ねぇとうま」

上条「んー」カキカキ

禁書「手伝えることとか…」

上条「ない」カキカキ

禁書「……そっか」

上条「……」カキカキ

禁書「……」チラッ ソワソワ

禁書「……ねぇ、とうま?」

上条「んー」カキカキ

禁書「肩揉んであげよっか?」

上条「別に凝ってねーよ」カキカキ

禁書「そう……」

上条「……あーもう、分かったよ。課題のプリント、まとめられるか?」

禁書「っ! ドーンとまかせるんだよっ!」

上条「はいはい」カキカキ

 ・・・

・・・

上条「……ふぅ、大分と片付いたなー──ってぇ!?」

禁書「……」///

上条「い、いいインデックスさん!? それはまだ君には早すぎる代物で、
   っていうか何で部屋の整理整頓まで!」

禁書「プリント整頓も早く終わって、とうまに褒めてほしくて……」プルプル

上条「俺はこんないたいけな少女を汚してしまったと言うのか……。
   すまん、忘れて下さい……!!」

禁書「私の能力は完全記憶なんだよ!
   忘れるにも忘れられないんだよっ!!」バンバン

上条「あれ、でも中まで見た時点で加害者なん──」ガブッ

 ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア────!!!!

こんな感じの短編をあと数話書きたいと思ってる
禁書さん可愛いよ禁書さん

 ────とある一日────

禁書「とうまぁ……」ジワッ

上条「……っ、…今、何時だ」

禁書「3時12分……」

上条「寝ろ…」

禁書「そうじゃなくって! …と、トイレ……」

上条「はぁ? んなもん一人で行けるだろ……なんですか、  
   もしかして夜に観た心霊番組が恐かったんですかー?」ニヤニヤ

禁書「ぅ……」プルプル

上条「って、マジなのかよ……」

上条「……第三位」

禁書「っ!?」

上条「〝廃墟に巣食う自縛霊〟~」

禁書「ふぁあぁぁぁぁ……!」ブルブル

上条「ったく…オカルト専門のお前がビビってどうするんだよ」

禁書「とうまぁ……早くいこっ。もう、限界かも…」

上条「なに!? ほら、いくぞ!」

禁書「うわわぁ」

────
──

禁書「とうまー、いるー?」

上条「第二位…〝招かれざるモノ〟~~…」

禁書「ひんッ…! と、とーまぁ……!!」

上条「はははっ。しかし意外だったなぁ、お前がソレ系が苦手なんて」

禁書「きっとジャパニーズ幽霊は魔術が効かないんだよっ……!」

上条「俺も昔は怖かったけどな。インデックス、いい歌を教えてやるよ」

禁書「歌…?」

上条「〝お化けなんていないさ、お化けなんて嘘さ〟ってね」

禁書「それが幽霊に対抗するための呪文なんだねっ!?
   お化けなんていないさお化けなんて嘘さーーー……」

上条「いや、ちょっと違うけどな……」

上条「〝冷蔵庫に入れて、カチカチにしちゃおう〟って歌詞もあるんだよなー」

禁書「えっ」

 ───翌日───

上条「あれ、インデックス。冷蔵庫の中のプリン食べないのかー?」

禁書「……いいっ」

上条「……病院に連れてくか、
   インデックスがプリンを食べようとしないなんて…」

禁書「お化けなんていないさお化けなんて嘘さ──……」ブツブツ

 ────とある一日────

禁書「海にいきたいんだよっ」

上条「……は?」

禁書「これを見たんだよ、エメラルドグリーンだよぉ……!」キラキラ

上条「またうちには要らないようなパンフレット読みやがって……」

上条「……インデックス、海に行きたいだろ?」

禁書「うんっ!」

上条「そのためにはお金がいるのも分かるだろ?」

禁書「うんっ!」

上条「上条さんにお金がないだろ?」

禁書「うんっ!」

上条「……」

ミス>>上条「上条さんに〝は〟お金がないだろ?」


上条「じゃあどうしろってんだよーーー!!」

禁書「心配しなくても大丈夫なんだよとうま、このパンフレットを見てっ」

上条「……バイトの広告?」

禁書「バイトをするんだよっ」

上条「だれが」

禁書「とうまが」

上条「ふざけんな! そんなに海にいきたきゃ、
   自分で稼げアホシスター!」

禁書「う~~、ここ見てっ」

上条「あ~? ……あ、年齢制限…」

禁書「そればっかりなんだよっ。……あ、でもこれなら大丈夫かな?」

上条「なになに……交通調査、募集人数5人年齢制限なし……」

禁書「とうま~」ユサユサ

上条「……」ユサユサ

 ────
──

美琴「ったく、なんであたしがコイツのために、
   バイト手伝わなきゃならないのよー」

禁書「むっ……」

上条「とかいって一番早く来てるじゃねーか。
   これだからお嬢様はわかんねーなー…」

美琴「う、ううるさいッ!」

御坂妹「おまた~、とミサカはフランクに挨拶します」

上条「きたな。土御門は妹とお出かけ、青髪はどっかに遠征ときたもんだ、
   本当に悪いな二人とも、頼れるやつがいなかったんだ」

御坂妹「べ、別に……、とミサカはお姉様がとりそうな反応を真似してみます」

美琴「はぁ!? あんたねぇ……!」ビリビリ

上条「ちょ!? こんなところでやめろって!」

禁書「とうま、あと一人は誰なんだよ?」

上条「まぁ、すぐく──」

打ち止め「わーいミサカ三姉妹大集合~! 
     ってミサカはミサカはお姉様に飛び付いてみたりー!!」

美琴「おぉっと…って、アンタがいるってことは……」

一方「オイ、あンまり走ると──……三下ァ、
   コイツがいるなンて聞いてねェぞォ……」

美琴「それはこっちの台詞よ!」

上条「いや、まぁ今日はみんなでバイトするって話ですし…。
   ここは穏便に……」

一方「ケッ、暇だからきてやッたが……オイ、帰ンぞ」

打ち止め「え、えぇ~、ってミサカはミサカは戸惑いつつも、
     あなたについていってみたり……」

上条「お、おい一方通行ッ!」

一方「……」スタスタ

禁書「いかないでっ!」バッ

一方「……あァ、なンの真似だ?」

禁書「あなたがいなくなったら、あなたがいなくなったらっ……!」ウルウル

一方「……」

禁書「…──バイトができないんだよっ!」

美琴「……へ?」

上条「…お前なぁ」

御坂妹「やはりあなたの連れは本物です、
    とミサかは心の底から嘲笑します」

上条「嘲笑かよ!」

禁書「」ウルウル

一方「……ッチ」

一方「アーアー、あンま意地張ッてるッてのも野暮だしなァ……。
   オイ三下ァ」

上条「あ、はい」

一方「さッさと始めンぞォ……!」キュイ-ン

上条「えっと……ただの交通調査ですよ?」

 ────
  ──

禁書「お、終わった……意外と、退屈だったんだよ…」

上条「それにしても〝レベル5〟二人が並んで交通調査してる図は、
   なかなかシュールだったな……」

美琴「アンタ……打ち止めにずっとやらせるなんて、意外と鬼畜なのね…」

一方「あァ? そりゃあアイツがやりたいッて言ッたからだろうが、
   俺は関係ねェよ……」

美琴「……もしかして、やりたかった?」

一方「あァッ!?」

打ち止め「ポチポチ楽しかったー! ってミサカはミサカは100連打ーっ!」ポチポチ

一方「貸して下さァい……」

御坂妹「こっちも負けませんよ、とミサカは痙攣連打を披露します」ブルブル

上条「ほら、遊んでないで。道具返しに行くぞ」

禁書「これでお金貰っていいのかな……」

 ────
  ──

禁書「うわぁ~……一万円、一万円なんだよとうまっ!」

上条「学園都市でわざわざバイトするやつなんていないからなぁ、
   雇う側も大変だ」

美琴「……おい、チビッ子シスター。ほらっ」ポンッ

禁書「えっ? でも、これは短髪の…」

上条「お互いひでぇ呼び方だな……」

美琴「いいのよ、アンタがいなかったら一日中イライラしてるだけだったろうし。
   まぁ、楽しかったわよ……」ポリポリ

一方「ケッ、身の毛のよだつようなこと言ッてンじャねェよ」

美琴「ぐっ……」

打ち止め「もう、口が悪すぎ! ってミサカはミサカはお叱りモード!」

一方「ッチ……オラ、やンよ。俺もカネには困ッてねェからなァ」

御坂妹「では私も、とミサカはしぶしぶと便乗します」

上条「お前ら……」

禁書「みんな、ありがとうなんだよっ!」ニコッ

一方「…オイ、行くぞ」スタスタ

打ち止め「もう~? ってミサカはミサカは実は一方通行が照れてるってことを、
     分かっていながら駄々をこね──っていたたたたたーー!!」

一方「てめェはよく口がすべンなァ……!」

上条「じゃあな二人ともー」

禁書「また今度なんだよーっ」

美琴「あ、アハハ……んじゃ、あたしもそろそろ帰るわ」

上条「おう、気をつけて帰れよ」

美琴「うん──チビッ子、そのお金、大事に使いなさいよー」タタタ─

禁書「む……べーッ、だ。……短髪、ありがとうなんだよーっ!」

御坂妹「……お姉さまより後に帰ることになるとは…。
    それはつまり、貴方が私を家まで送ることになるのですよね?」
    
御坂妹「遂に私がメインヒロインに抜擢されてされてしまうのでしょうか、
    とミサカは鼻息を荒くします」フンスフンス

上条「下らないこと言ってないでお前もさっさと帰れッ!」


 ──後日──
  ───

禁書「とうま、海は!?」

上条「……金がない」

禁書「なんで! この前の5万円はどこにいったんだよ!?」

上条「てめーがその日のうちに『お祝いー!』とか言って、
   バクバク飯食ったから無くなったんだよ!」

禁書「そんなはずはないんだよっ! 
   だってファミレスはいっぱい食べても5000円ぐらいだもんっ」

上条「ファミレスならな……」

上条(たまには奮発してやろうと、回らない寿司屋に行ったのがバカだった……)

上条「はぁ…不幸だ……」

禁書「うーーみーー!!」ジタバタ


 ────
 ──

禁書「とうま~」

上条「なんだ~? 昼飯ならもう少しでできるぞー」

禁書「キスって、どんな味?」

上条「…………はい?」

禁書「い、いや別にたいした意味はないんだよっ? 
   ただ、ただの話題作りっていうか…」アセアセ

上条「ふぅん……キスねぇ…」

上条「って、俺が分かるわけないだろ? そんな相手もいないっつーの」

禁書「……そっか」

 ────
  ──

上条「ふぅ~食った食ったぁ」

禁書「…とうま」

<<32からまた話変わるよい。



禁書「キスしよう」

上条「…………へっ?」

禁書「だ、だから……キス、しよ?」

上条「…え、いやいやなんなんですかこのエロゲ的展開は!?」

禁書「べ、別にヤらしい気持ちはないんだよっ?」アセアセ

上条「いったいどうしちまったんだインデックス!
   な、なんかとてつもなくヘンなものでも拾い食いしたんじゃ……」

禁書「そんな意地汚いことしないんだよっ! とうまのばか!」

上条「…じゃあ、なんで俺?」

禁書「い、意味なんてないよ…ただ、どんな味なんだろうって……ね?」

上条(どういうニュアンスの『ねっ?』なのかは分からないけど……、
   ってあれ、あれれ上条Jrさん?)

上条「それってまさか、『大人のキス』ってやつですか……?」

禁書「おお大人って…!」カァッ…

上条(あれれれれ、ちょっと待って上条Jrさん…そりゃ今まで一度も、
   この腹ペコシスターさんに対して、何も思ってなかったってことはないけど……)ムラムラ

上条(もしかして変なスイッチ入っちゃった?
   とりあえず悟られるなよ上条Jrさん、クールダウンだ)ムラムラ

禁書「う、うん…大人のキス、かな?」

上条(いや、待てよ……逆に今まで居候の女の子に対して、
   なぜ頑なにフラグを折っていったんだ俺…)ムラムラ

上条(何故だ、何故だ上条当麻ッ!)ムラムラ

上条(これは、誘っているんだよな? この一見いたいけな少女は、
   もしかすると、俺に抱かれたいんだよな?)ムラムラ

上条「…よし、わかったインデックス。じゃあちょっと待っててくれ、
   シャワーを浴びてくる」

禁書「ふぇっ? お風呂入るのとうま、何で?」

上条「まず大人のキスをするには、男性はシャワーを浴びなきゃならないんだ」

禁書「へぇ~」

 ────
  ──

上条「ふぃ~……おまたせインデックス」

上条(これで上条Jrさんもピカピカだぜ……あ、でもゴムがないな…)

禁書「~~~~とうま、早くしよっ」ウズウズ

上条「お、おう…」

上条(なんでこんなに積極的なんだコイツ…。
   いつからこんなことに興味を……けしからん)

上条「覚悟は、いいか?」

禁書「う、うんっ……」ブル…

上条(なんだよ、震えちまって…やっぱり怖いんじゃねぇか。
   心配するなインデックス、乱暴には決してしない)ガシッ

上条(紅潮した頬、艶のある銀色の髪……コイツ、こんなに綺麗だったんだな…)

禁書「ど、どうしたの…まだ?」///

上条「あ、ああ……」

上条(では…いただきま──)

土御門「かーみやーん!」ガチャッ

土御門「いやぁ暑中見舞いといっちゃあなんだがぁっと」ドンッ

禁書「うわぁ~スイカだーっ!」

土御門「お隣さんのよしみで、スイカを持ってきたぜよ~……、
    って、なんでたらこ唇なんだカミやん?」

上条「……てめぇ、わざとか」

土御門「にゃっ?」

上条「てめぇが今のタイミングでやってきたのは、わざとなのかって訊いてんだ!!」

土御門「い、いやいや何キレてるんだカミやん~。正直さっぱりぜよ~」

上条「ヘラヘラすんじゃねぇ!!」ドンッ

土御門「っ!?」

上条「そりゃあスイカをくれるのはすげぇ有難いことだ。
   だけどな、それを理由に人のチャンス踏みにじっていいことには、 
   ならねぇんだよ!」

土御門「ちゃ、チャンス? 話が掴めないにゃぁ……」

上条「お前にだって妹がいるだろ、可愛いんだろ!?
   だったら幸せにしてやれよ…俺は応援するぜ、お前のこと」

土御門「お、おう。サンキューカミやん…」

上条「だったら俺のことも応援してくれたっていいだろうが! 
   なんで邪魔するようなことをするんだよ! 
   それがお前なりの応援ってやつなのかよ!!」

土御門「だ、だから話が──」

上条「それがお前なりの応援だってんなら、まずは──……、
   そのふざけた幻想を、俺がブチ殺すッ!!!!」ソゲブ

土御門「にゃぁ~~~……」ドサッ

────
──

上条「さぁて土御門も帰ったし、インデックス…さっきの続きを──」

禁書「あっ、もういいよとうま」

上条「…………え」

禁書「これ」バッ

上条「ん……応募受付、今月のお題『キスの味ってどんな味?』。
   応募して選ばれた方に、スイカ一玉プレゼント……」

禁書「スイカ貰ったし、もういいよっ」

上条「」

禁書「それよりとーま、スイカ食べたいよ~」ユサユサ

上条「」

禁書「ねぇとうま、すーいーかーたーべーたーいー!」ユサユサ

 ────とある一日────



上条「そういえばさインデックス」

禁書「んー、なにとうま?」

上条「お前、その格好暑くないか?」

禁書「えっ、……あー言われてみれば暑いの、かな」

上条「見てるこっちが暑くなるぜ…。
   でも、お前って汗かかないよな、体質か?」

禁書「うん、そうかも。……とうまが変なこと言うから、
   逆に気にしちゃうじゃん、暑いー……」

上条「…そうだインデックス」ティン

禁書「へ?」

上条「服を買いに行こう」


──セブンスミスト──
─────────

禁書「うわぁ~お洋服がいっぱいなんだよっ」キラキラ

上条「ここならお前に似合うTシャツがあるだろ」

禁書「なんでもあるのかなっ?」

上条「もちろん。ジーンズだってスカートだってワンピースだって、
   下着類に装飾類、タオルケットやマニキュアだって…って、あれ?」

禁書「? どうしたんだよとうま?」

上条「そういえばお前、その……ブラとかって…」

禁書「っ! う~~~~……」

上条「す、すいませんすいませんっ…!!」

禁書「もうっ、とうまなんか知らない!」スタスタ

上条「ちょっ、怒るなよインデックスー!」タタタ─

上条「あんまり大きな声じゃいえねぇが……」

禁書「……なに?」

上条「ブラつけないと、胸が垂れるらしいで──」カプッ

 ────
──

上条「いってぇ……ったく、恥ずかしいから人前で噛み付くなよ…」

禁書「とうまはデリカシーがなさすぎるかも!」

上条「と言いつつも、下着コーナーを目指すインデックスであった」

禁書「とぉーうまぁー……!?」

上条「ひっ…!」

禁書「もう……とうまはここで待ってて、あとお財布」

上条「はいはい…」ポンッ

──十数分後──
  ────

禁書「おまたせ~」

上条「下着買うぐらいでこんな時間掛かるのか、
   女の買い物は長いって言うけど…」

禁書「わ、私は選ぶの初めてだったんだよっ。さ、サイズとか分からないし……」

上条「さいですか。まぁ、じゃあ服買いに行くか」

禁書「う、うん…」

────
──

上条「見渡す限りの、服……これはさっき以上に時間が掛かりそうだ…」

禁書「やっぱりすごーい……!」

店員「いらっしゃいませ、お探しの商品はなんですか?」ニコニコ

上条「コイツのTシャツとかって、どこらへんにありますかね?」

店員「レディースのTシャツですね、こちらです」ニコニコ

禁書「ニコニコなんだよ」ヒソヒソ

上条「そりゃ仏頂面で接客なんてできねぇだろうよ」ヒソヒソ

禁書「私もニコニコしてた方がいいのかな…」

上条「気味が悪いからいいですよそのままで」

禁書「む、今のはセリフは少々いただけないかもっ」

店員「こちらになります、ではどうぞごゆっくり」ニコニコ

上条・禁書「「あ、はいどうもー」」

上条「いっぱいあるなー……おっ、これなんかどうだインデックス」

禁書「どれどれーっ…あっ、いいです」

上条「なぜ敬語!?」

禁書「もともととうまに期待なんてしてなかったんだよ。
   今のとうまは財布だけがとりえなんだよっ」

上条「なんかすげぇひどいこと言われた気がするんですが……?」

禁書「ふんふんふ~ん♪」

 ────
  ──

禁書「じゃあ、これっ」

上条「お、いいんじゃねぇの。これで3着か」

禁書「これだけあれば洗濯のローテーションもクリアだねっ」

上条「そこまで考えてくれていることに、上条さんは泣けてきますよ…」

上条「……あっ、お前試着はしたのか?」

禁書「あっ、してないかも…」

上条「あそこにあるから、行こうぜ」

禁書「うん」

 ────
 ──

上条「まーだかー?」

禁書「焦らせないでよっ」

上条「ただ修道服を脱げばいいだけじゃないですか…」

禁書「もうっ、ズボンだってあるんだからしょうが──っ!」ヒョコッ

上条「ん、どうしたインデッ──!?」シャッ

──試着室内──
 ────

上条「…………」

禁書「…………」

上条「って、何してん──っ、んー!」

禁書「とうま黙ってて…!」ヒソヒソ

上条(なんだこの状況、俺はなんで試着室の中に…)

 <わー相変わらずいっぱいあるわねー

 <御坂さんはここらへんのコーナーじゃないですか?

 <まったく、お姉さまのセンスは幼すぎますの……

上条(この声は、御坂か? それと白井に、お友達か?)

禁書「短髪が来たら、また変な方向に話がいっちゃうんだよっ…」ボソッ

上条「……んー、んむんむ…」

禁書「あっ、ごめんとうま」パッ

上条「っぷは、だからって俺を試着室に連れ込むなんて……はぁ──」

禁書「下は見ないでっ…! まだ、ズボンはいてない……」

上条「は、はい…」

禁書「……」

 <とりあえず選んじゃいましょうよ。あっ、佐天さんは選ばなくていいですから

 <ちょっ、初春なにそれ~

 <で、ではわたくしがお姉さまにピッタリのハイレ──グァアッ…!!

 <さーて、何がいいかしらねぇー

上条「……」

上条(な、なにか打開策は…!?)

禁書「とうまは、短髪のことどう思ってるの?」

上条「はい?」

禁書「だって、いっつもいっつもいーっつも、私は置いてけぼりだし。
   とうまは短髪とよく一緒にいるし…」

上条「あのな……それはただ俺が追いかけられてるだけで──」

 <よーし、これに決めたっ!

 <私もとりあえずこれで。じゃあ御坂さん、試着室に行きましょう!

上条・禁書「「!?」」

上条「や、やばいあいつ等こっちにくるぞ…!」ヒソヒソ

禁書「そ、そんなことは分かってるんだよっ、どうしようどうしよう…!」ヒソヒソ


 <わーっ、御坂さんそれwwwwww

 <な、なによぉ…そんなに笑うことないじゃないっ…

上条「と、とりあえずズボンはけ、ほ──ぐはぁ!」アセアセ

禁書「ぱ、パンツが見えるから屈まないでっ…!」アセアセ

上条「ヒザが顔にクリーンヒットしたッ…!」ズキズキ

禁書「この部屋が狭すぎるんだよっ…!」

禁書「って、ズボン履きづらい~~……!」フラフラ

上条「なんか危なっかしい…」

禁書「って、うわわわ~…うわぁっ!」

上条(って言ったそばから──!)

上条「インデック──うわわぁ!」ガシッ

 ドシーン─!

上条「てててて……あっ」

美琴「……」パクパク

涙子「……え、えぇ!?」

上条「や、やぁ……どうも~」ニコッ

美琴「……なん、なんでアンタがチビッ子と一緒に試着室にいて、
   ズボンを脱がして笑顔でいるのかしら……?」ビリビリ

上条「へっ? ズボン?」

禁書「や、いやぁ……とうま、手、離してぇ…!」ジワッ

上条「え……ッ、いや違う、俺はただインデックスを助けるために!」

美琴「何を助けるのよ?」

上条「……、インデックス。財布置いてくぞ!!」ダダダ─!

美琴「まてえええええええええええええええ!!!!」ダダダ─!

涙子「」ポカーン

 ──夕方──
  ───

禁書「もうっ」プンスカ

上条「はぁ…疲れた……」

禁書「とうまが短髪とずっと追いかけっこしてる間、
   佐天さんとか花飾りさんとか、
   ジャッジメントさんに付き合ってもらってたんだからねっ」

上条「面目ない…」

禁書「ほんとうにとうまはお財布だけなんだよっ」

上条「俺をそこらのおっさんみたいに言うなッ、不幸だ……」

上条「……その服、似合ってるな」

禁書「ふぇっ? …ふっふーん──」クルッ

禁書「──でしょっ♪」ニコッ

────とある一日────

上条「ぶぁっくしょい!! うーー……」ズルル

禁書「とうま、顔色良くないかも…大丈夫?」

上条「ん、ちょっと頭が痛いだけだ……今、夕飯つくるか…──」フラッ

 バタンッ─

禁書「と、とうまぁ!」

────
──

カエル医者「うん、ただの風邪だね?」

禁書「なぁんだ……」ホッ

上条「だから大したことねぇって、アタタ…」

カエル医者「ただ、夏風邪だからね? ここ3日程度は安静にしておかないと」

禁書「うんうんっ。とうま、分かった?」

上条「うーい…」


 ────
 ──

禁書「助かったんだよ、感謝しきれないんだよっ」

土御門「なーに、困った時はお互い様ぜよ」

上条「わりーな土御門。負ぶってもらうなんて情けない…」

土御門「こんな可愛いシスターちゃんを心配させるなんて、
    そっちの方が情けないですたい、男として」

上条「へいへい、うー……」

土御門「とりあえず、帰ったら一緒に夕飯ぜよ。
    食わないと風邪は治らないからにゃー」

禁書「うんうんっ、そうだよとうま。ご飯はいーっぱい食べないとっ!」

上条「お前は自重しろ……」

 ──翌日──
   ───

禁書「というわけで、今日からは私が料理を作るんだよっ」

上条「えっ」

禁書「……む、何その思いっきり不満そうな顔はっ」

上条「だってお前……料理したことあんのか?」

禁書「今までとうまのを見てきたもん。大丈夫だよっ」

上条(た、確かにこいつの完全記憶能力があればなんとか……)

禁書「うーん…解答から式を導き出す方法は、うーん……」

上条「……」

上条(だめじゃん!)



禁書「というわけで作ってみました『そーめん』ですっ」

上条「……いただきます」チュルル─

上条「ッ!? ぐぼぁッ!」

禁書「と、とうま!?」

上条「ハァ、ハァ……メンつゆが、醤油だと…!?」

 ──夜──
  ───

禁書「じゃあ、夕飯作ってくるねっ」

上条「……」

上条(もう、信用できん…)



禁書「ふんふんふ~ん♪ さて、にんじんを切るぞーっ」

上条「まて」

禁書「ふぁ!? と、とうま寝てなきゃ…」

上条「少しぐらいなら大丈夫だ…で、何を作るんだ?」

禁書「お粥だよ?」

上条「なんでお粥に、にんじんがいるんですか…?」

禁書「ちっちゃく切り刻んで、混ぜようと…」

上条「は、はぁ……まぁ、栄養価が高そうなお粥だな。
   ほら、包丁かせよ」

禁書「とうまは寝てて、私が作るんだからっ」

上条「その手のキズ、いつのだ?」

禁書「えっ、いや、これは別になんとも──ひんっ!」ズキッ

上条「今日の、お昼か? 気付かなかったけど…」

上条(てか、『そーめん』で包丁使う機会なんてあったっけか……)

上条「まぁとにかく、そのキズ見たらほっとけないだろ…げほっ」スッ

禁書「む~~…」

上条「……ハァ~、分かったよ。俺が後ろから添えるから、
   お前が切ってくれ。それでいいか…?」

禁書「っ、うんっ!」

上条「じゃあ……げほっ、うぅ…」スッ

上条(やっぱりインデックス、こうしてみると小さいなぁ…。
   手も細くて繊細だ……)

禁書「頭の上で咳き込んで…風邪が伝染っちゃうんだよっ」

上条「はいはいすいませんねー。じゃ、刻むぞー」

禁書「うんっ…」トントントントン

 ────
  ──

禁書「いっただっきまーすっ!」

上条「いただきます…」

禁書「っ!」ティン

禁書「とうま、ちょっと待ってて」

上条「え、待つって何を──」

 ムシャコラムシャコラムシャコラ──

上条「……」

禁書「ムシャコ──っぷはぁ、ごちそうさま! そしておまたせとうまっ」

上条「いや、全然待ってないけど…」

禁書「……はい、あーんっ♪」

上条「…な、ごほっ、なんですかいきなり…」

禁書「なにって、あーん♪ だよ?」

上条「そういうことじゃなくて……お前も熱、あるのか…?」

禁書「む、せっかくとうまに食べさせてあげようかと思ったのに、
   ……もうスフィンクスとテレビ見てるからーっ!」

上条「待ってください! 食べれません、
   風邪引いてて一人じゃ食べられませんーッ!」

禁書「……」

上条「……」

禁書「ふぅ…ふぅ……はい、あーんっ♪」

上条「あ、あーん……」パクッ

上条「……あ、おいしい」

禁書「うんっ、おいしいよね!」

禁書「これもとうまがサポートしてくれたおかげかも、はいっ♪」アーンッ

上条「……っ、違うぞインデックス。料理ってのは、
   食べてほしい人に対する愛が篭っているほど、うまいんだよ…──」

上条「──ありがとな、インデックス…」

禁書「……うんっ! …はい、あーんっ♪」ニコッ

上条「…あーんっ」パクッ

色々修正したいとこがある

>>54
上条「……その服、似合ってるな」
         ↓
上条「……んなことより、なんだ…その服、似合ってるな」

>>60
上条「……ハァ~、分かったよ。俺が後ろから添えるから、
   お前が切ってくれ。それでいいか…?」

上条「……ハァ~、分かったよ。俺が後ろから手を添えるから、
   お前が切ってくれ。それでいいか…?」

なんでインデックスってこんなに可愛いんだろう・・・
多分書いてる俺が一番2828してるな
書いてこう

 ────とある一日────


──スーパー──
  ────

上条「さてインデックス、ここに1000円があります」

禁書「うんっ」フンス

上条「我々はこれで3日間を過ごさなくてはなりません」ニコッ

禁書「う、うん?」

上条「さあ、お買い物だ!」スタスタ

禁書「前置きが悲しすぎるんだよ……」トボトボ

 ────
  ──

禁書「大体なんで、こんなにとうまはビンボーなんだよっ」プンスカ

上条「医療費その他諸々……今まではそれでもまだ残金はある方だったんだ、
   だけどな、これには深~いわけが……──」

 ──回想中──

 prrrrr… prrrrr…

上条「はい、上条です」

刀夜『当麻か、いきなりすまんな』

上条「父さん? 珍しいな、どうしたんだ?」

刀夜『……すまん!』

上条「え、何が……?」

刀夜『実はいつもの日までに、仕送り出来なそうなんだ…』

上条「はぁ!? な、なんで!?」

刀夜『今、母さんと一緒にバカンスに来ていてねー……、
   近場に仕送りが出来るシステムがないんだ…3日は遅れる』

上条「あんた等……可愛い息子のことを忘れてバカンスですか!」

刀夜『だからすまんと言っているだろう! 母さんもほらっ』

詩菜『あらあら~。当麻さん的にはピンチになるのかしら~』

上条「……母さん…俺を嘗めるなよ?
   上条さんには今まで鍛えてきた節約スキルがあるんだ!」

詩菜『そう? あらあら~母さん頼もしいわ~』

 ──回想終わり──

上条「ってなわけで……不幸だ…」

禁書「それこそバイトを──」

上条「いーや! 俺がこの1000円で、文句なしの節約生活を送ってみせる!
   バイトなんてする必要なーし! はぁーっはっはははーッ!」

禁書「とうま、ショックでおかしくなってるかも。……むっ!」

上条「よーしじゃあ行くかインデ……って」

禁書「とうま、これ何!?」キラキラ

上条「……」

上条「それは、それは……」

 学園都市特製『夢空☆花火!』:235円

上条「今の俺達には関係のない、代物だッ」テクテク

禁書「えー、なにそれとうまー」

おじさん「おっ、お嬢ちゃん花火に興味があるのかい?」

禁書「うんっ、初めて見るんだよっ」フンス

おじさん「へぇ! これまた珍しい」

上条「……」

 ワイワイ ワイワイ

上条(不幸だ……)

 ────
  ──

禁書「わははー! きれーいっ!」パチパチ

舞夏「うむ、風情があるのだー」パチパチ



土御門「で、結局3セット買うことになったと」パチパチ

上条「おかげで、『3日間もやしのみ』確定コースですよ……」パチパチ

土御門「まぁ夏しかできないイベントですたい。
    シスターちゃんも楽しそうだし、実質無駄ガネにはならなそうだにゃー」パチパチ

上条「まぁな。もやし生活同意の上の買い物だったし、これでいいか…」パチパチ

禁書「とうまーっ、ロウソクの火が消えちゃったんだよーっ」

上条「おう。土御門、またライター貸してくれ」

土御門「あいよー……って、ありゃ、ガス欠…」

上条「マジか…」

ステイル「まったく、用意がなってないね」

上条「うわぁ!? す、ステイル! いきなり湧いてくるなッ!」

ステイル「云々かんぬん云々かんぬん──魔女狩りの王(イノケンティウス)!!」

 プギャーーーーーーーー!!!!!!

ステイル「この子に近づければ花火は発火するよ。
     もっとも、自分の衣服までも燃やしかねないがね」

禁書・舞夏「……」オドオド

上条「あぶねぇからさっさとしまえ!」

 ────
  ──

禁書「わーいっ!」パチパチ

上条「あいつ、火付け役だけで登場しやがった……」

土御門「まぁいいじゃないのー、ってそろそろ手持ち花火も尽きるぞカミやん」

上条「はえーな、705円……」

土御門「残すはもちろん──線香花火ですたい!」




禁書「ふぁ~……これも可愛くてきれいなんだよ…」ジジジ

舞夏「そうだなー風情だなー」ジジジ

土御門「舞夏ー! 一緒に線香花火やるぜよー!」

舞夏「ちょ、兄貴、風情がないのだー」

土御門「いいからいいからーっ」

上条「……、どうだインデックス。日本の花火は」ジジジ

禁書「丸いでっかい花火とはまた違って、きれいかも…」ジジジ

禁書「……」ジジジ

上条「……」ジジジ

禁書「……あ、あぁ」ジジ…ジ…

上条「ほれっ、合体」ジジ…ピトッ

禁書「おーっ……ふふっ、ありがとうとうま」ジジジ

禁書「なんだか、私達みたいだね、この花火」ジジジ

上条「そう、かもな」ジジジ

禁書「うんっ、そうだよ」ジジジ

禁書「……とうま、本当にありがとう」ニコッ

 ────────
  ─────
   ───
    

上条「ん、何だって? インデックスが空気という風潮? 何言ってんだよ…」 

上条「毎日一緒にいるんだから、アイツのことを忘れるなんて、
   あるわけがないじゃないですか」

上条「どういう勘違いなんですかねー、それは……」ハァ…

上条「もし仮に、そんなこと言う輩がいるのなら…まずはッ」

上条「そのふざけた幻想を……──」

 
 上条「──俺がぶち殺す」ニッ

  
                                  おわり。

終わった、やっぱりインデックスは可愛いなーーーー!!!!!
では、また機会があれば

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