由比ケ浜結衣「馬鹿にしすぎだからぁ!」 (1000)

奉仕部の3人ののんびりとした日常の掛け合いを細々と書き連ねて行くものです。
基本短編集。当SSにはいじめは存在せず、基本的にいじり、ネタです。主なターゲットは由比ケ浜です。


「SS」


結衣「ヒッキー、今日は珍しく携帯いじってるけど何してるの?」

八幡「あ?ああ、今日は本持ってくんの忘れたからな。SS読んでんだよ」

結衣「えすえす?SSってナチスの?」

八幡「おい、今、由比ケ浜の口出たとは思えない単語がでてきたぞ」

雪乃「由比ケ浜さん、あなた世界史得意だったかしら?どの科目も満遍なく不得意な印象しかないのだけれど」

結衣「世界史?なんで世界史?」

雪乃「なぜってあなた、ナチスと言えば国家社会主義ドイツ労働者党、もしくはそれが支配していた頃のドイツをさすじゃない。それでSSと言えば親衛隊のことを言ったのでしょう?」

結衣「え!?ナチスってドイツのことだったんだ!?小魚のことかと思った」

八幡「は?………。あ、まさかお前、それシラスのこと言ってんの?最後のスしかあってねえし。どんな頭してんだよ。大体なに、Sirasu Shineitaiの略でSSとか言うつもりなの?踊り食いでもすんの?」

雪乃「比企谷くん。それはシラウオのことでしょう。あなたいくら由比ヶ浜さんが相手だからって、あまり適当なこというのはやめたほうがいいわよ」

結衣「な、なんか今ひどいことをサラリと言われた気がする!」

八幡「いや大丈夫、気のせいじゃねえから安心しろ。あまり馬鹿の前で馬鹿なこと言うと、馬鹿だから信じちゃうぞって言われただけだから」

結衣「あんま馬鹿馬鹿言うなし!これでも結構傷つくんだからね!てかゆきのんひどい!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375273439

「どくしょ」

結衣「ヒッキーとゆきのんってさ、いっつも本読んでるよね?」

雪乃「そうね」

八幡「ま、他にすることもないからな」

結衣「それって飽きない?」

雪乃「別にそんなことないわ、読んでいる本はいつも違うもの。私としてはいつも携帯電話をいじっているほうが、よほど不健全で退屈しそうに思うのだけれど」

結衣「うーん、そっかぁ…。あたしもたまには読書、してみようかなぁ」

雪乃「っ!?ごほっ!ごほっ!」

結衣「わわっ!ゆきのん大丈夫!?」

八幡「いまのは、完全に由比ヶ浜が悪いな。突然変なこと言い出すから、雪乃下が混乱してるじゃねぇか」

結衣「あ、あたしのせいなんだ!?」

雪乃「…ふぅ、由比ヶ浜さん、あなたは急に何を言い出すの?」

結衣「いやほら、二人はいつも本読んでるし、たまに本の内容で盛り上がったりしてるじゃん?あたしも本読めば、二人の会話に入れるかなーって」

雪乃「由比ヶ浜さん…」

八幡「んなら手始めに『ぐりとぐら』なんかいいんじゃないか?」

結衣「ぐりとぐら?」

雪乃「……。そうね、確かにあれなら由比ヶ浜さんにでも読みやすいんかも知れないわね」

結衣「そうなんだ!ねぇ、学校の図書館にあるかなぁ?」

八幡「どうだろうな…、まぁ一冊くらいはあんじゃねぇの?知らんけど」

結衣「そっか!よし!じゃあさっそく行ってくるね!」

ガラッ、トテトテトテトテ…

雪乃「…うちの学校にあるのかしら」

八幡「…さぁな。…まぁ、まず探そうと思ったことがないからな」

雪乃「…そうね」

八幡「……」

雪乃「……」

八幡「……」

雪乃「……」



パタパタパタパタ!

八幡「なんか、あったっぽいな…」

雪乃「そのようね…」

ガラッ!
結衣「これ絵本じゃん!!」

雪乃「だから、由比ヶ浜さんにも読みやすい本、と言ったでしょう?」

結衣「ひどい!ゆきのんひどい!って言うか馬鹿にしすぎだからぁ!」

八幡「つーか、マジで借りてきちゃったのかよ…」

「おべんとう」

結衣「ねぇねぇ、ヒッキーにゆきのん。今度お弁当作ってこようかと思ってるんだけど食べてくれる?」

八幡「断る」

雪乃「絶対嫌よ」

結衣「即答された!?」

雪乃「当然でしょう?由比ケ浜さん、なぜお弁当なんて作ろうだなんて、恐ろしい考えを思いついたの?」

結衣「いや、ほら。ゆきのんやヒ、ヒッキーにはいつもお世話になってるじゃん?それでお礼の気持ちっていうか」

雪乃「由比ケ浜さん…あなたお礼という言葉の意味を理解しているの?お礼という言葉は基本的には相手への感謝の気持ちを伝えるものであって…
   たしかに、特定の条件下では「お礼参り」のように相手に危害を加える目的のもと使われることもあるけれど」

八幡「由比ケ浜の弁当とか食わされるとか、それもうお礼参り超えて暗殺の領域だろ」

結衣「あ、あんさつ…」

雪乃「だいたいあなたまだ卵焼き一つ、まともに作れないじゃない。そんな状態でお弁当なんか作っても、生ゴミの箱詰めが出来あがるだけよ」

結衣「な、生ゴミ…」

八幡「まぁ、白飯くらいしか食うもんなさそ……由比ケ浜、一応言っておくけどな。白米は洗剤で洗うもんじゃねえんだぞ?」

結衣「え!?……。い、いやヒッキーなに言ってんの!?そのくらい知ってたし!馬鹿にしすぎだからぁ!」

八幡「(まじかよ、こいつ)」

「じょじゅじゅTrick」

八幡「ふー…」パタン

結衣「あ、ヒッキー。本読み終わったの?んー、『葉桜の季節に君を想うということ』?意外、ヒッキーって恋愛小説なんかも読むんだ」

八幡「いや恋愛小説じゃねえよ。ミステリ小説だよ、叙述トリック系のな」

結衣「じょ、じょじゅじゅTrick?」

八幡「なんでトリックのとこだけ妙に流暢なんだよ…」

雪乃「叙述トリックよ、由比ケ浜さん。読者の思い込みや、偏見なんかを利用して読者をだますタイプのミステリと言えばいいかしら」

結衣「例えばどういうのなの?」

雪乃「そうね。例えば、章をまたいで同じ名前の人物がでてくるのだけど実は別人、とか文章が実際の起こった時系列で並んでいない、とか。
   他にはしゃべり方や行動などで登場人物の年齢や性別を誤認させる、なんていうのもあるわね」

結衣「な、なんかいろいろ難しそう」

雪乃「そうでもないわ。ほかのミステリに比べて謎自体はむしろシンプルと言ってもいいわね。まぁ、私自身はあまり好きではないのだけれど」

八幡「そうなのか?俺は最後のほうで、いままで信じてきた前提が一気に覆される感じ、嫌いじゃないんだけどな」

雪乃「読んでいると、この文章で読者を騙してやろうとか、この表現はミスリードを誘っているとか作者の考えが透けて見えてしまって気分が悪くなるのよ。
   それに大概中盤をすぎるまでに、謎が解けてしまうから、タネがわかった手品を延々と見せられているような気分になるのよ」

結衣「う、うーん…」

八幡「なに唸ってんだよ。由比ケ浜」

結衣「い、いや、難しくて二人が何言ってんのか全然わかんない…」

八幡「ま、いいからお前はおとなしく『ぐりとぐら』でも読んでろよ」

結衣「だからそれやめてってばぁ!馬鹿にしすぎだからぁ!」

おいおいまじかよ。スレタイからして間違えてんじゃねえか、最悪だ。…ご指摘ありがとう

「おりょうり」

結衣「ふんふふーん、ふーん」ペラ

八幡「なんだ由比ヶ浜、今日は本読んでんのか。なに読んでんの『ぐりとぐら』?」

結衣「ヒッキーしつこいし!だいたいそれもう昨日返したし!」

八幡「昨日まで借りてたのかよ…。ていうか読んだのかよ…」

雪乃「『ちょっとした小技でおいしくなる100の裏技』…料理本ね」

結衣「うん!この前さんざん言われたから、ちゃんと勉強しなきゃーって思って」

八幡「まぁその心意気は買うが由比ヶ浜、一応言っとくけど本を読むだけじゃ料理は上達しないからな?」

結衣「そんなことわかってるし!この本で料理にいかせる小技を覚えるんだってば!」

雪乃「由比ヶ浜さん、小技とかそういう考え方を改めなさい。まずはレシピ通り作る、それさえ守っていれば普通はまともなものが出来上がるはずなのよ」

結衣「うーん、でもさ。隠し味とか入れたほうがおいしくなる、っていうじゃん?」

雪乃「それは最低限、人並みの料理ができるようになってから考えるものよ。まずはきちんと分量を計る、その一手間を惜しむから失敗するのよ」

八幡「由比ヶ浜の料理みたいにな」

雪乃「料理下手な人は、独自性だなんだと言って余計なものを入れてしまうものなのよ。その結果は大概、悲惨な結果を生むわ」

八幡「由比ヶ浜の料理みたいにな」

結衣「ヒッキーうっさい!でも、はやくゆきのんみたいに料理うまくなりたいし…」

雪乃「何事も一足飛びにうまくなろうとするのは、無理と言うものよ。私もアドバイスするから、少しずつできることを増やしていきましょう?」

結衣「ありがとうゆきのん!」ガバッ

雪乃「暑苦しい…」

八幡「でも料理ってなにさせんだ?卵焼きもうまくできないんだろ?」

雪乃「そうね、パンケーキとかどうかしら。卵を割って、粉と混ぜて焼くだけだし、焼き加減も卵焼きほどシビアじゃないわ。練習にはピッタリじゃないかしら」

結衣「そっか!じゃあ明日さっそく作ってくるね!ゆきのん、味見してくれる?」

雪乃「っ!?……あ!…それもいいのだけれど由比ヶ浜さん、上達には反復練習が欠かせないわ。毎朝あなたのお父様に作ってあげて感想をもらうというのはどうかしら?」

結衣「あ、確かにそれいいかも!うちのパパ朝はパン派だし、明日からさっそくやってみるね!」

雪乃「ええ、それがいいと思うわ。どんな感想もらったか聞かせてね?(ほっ)」

八幡「(雪ノ下のやつ、とっさに他人を生け贄にしやがった…。さようなら、パパ比ヶ浜さん…)」

「ひごろのおこない」


八幡「……」カリカリ

結衣「あれー?ヒッキー今日は勉強してんの?」

八幡「あ?ああ…今日でた英語の宿題明日までだからな。めんどくせぇけどやっとくしかないだろ、変に目立ちたくないしな」

結衣「そっかー、ヒッキーって意外にまじめだね」ケイタイボチボチ

雪乃「由比ヶ浜さん?」

結衣「ん?なあに?ゆきのん?」

雪乃「なあに、じゃないわ。あなたはやらなくていいの?」

結衣「え?なにを?」

雪乃「なにを、じゃないでしょう、由比ヶ浜さん。存在感は薄いから忘れてしまうのも無理もないとは思うけれど、比企谷くんとは『一応』クラスメイトだったはずでしょう?あなたにも当然同じ宿題がでているんじゃなくって?」

結衣「う、うーん。あたしは…いいかな。まだ明日までは時間あるし…。ほら、家帰ったらやれるし、最悪、姫菜に見せて…もらえるし…」

雪乃「由比ヶ浜さん、そうやって物事をすぐ先延ばしにしたり、誰かをあてにするのはあなたの悪い癖よ」

結衣「うっ」

雪乃「日頃の行動の組み合わせであの男がより気持ち悪く見えるように、そうした日々の生活態度は成績に大きな影響を与えると言っていいわ」

結衣「ううっ」

雪乃「いい?比企谷くんは友達がいないので、見せてもらう相手がいないから選択肢がないとは言え、あの気持ち悪い比企谷くんさえ自分で課題をこなしているのよ」

結衣「うううっ!」

雪乃「もしあなたがさっき言ったような行動をとると言うのなら、残念だけれどあなたを比企谷のクズと判断せざるを得ないわ」

結衣「ひ、ヒッキー以下のクズ!?」

雪乃「さぁ、ここからはあなたが決めなさい。やるのか…やらないのか」

結衣「…る」

雪乃「……」

結衣「あたしやるよゆきのん!だってなるわけにはいかないもん!ヒッキー以下にだけは!」

雪乃「そのいきよ由比ヶ浜さん。さぁ、難しいところがあれば、ヒントくらいは出してあげるわ。早くはじめなさい?」

結衣「うん、あたし頑張る!」


八幡「ねぇ、おかしいでしょ?俺はすごいまじめに宿題してただけでしょ?なんで由比ヶ浜を叱る時、いちいち俺を攻撃しなきゃいけないの。なんかそういう条例でもあんの?流れ弾で蜂の巣なんだけど。俺は歩く教訓なの?キリギリスなの?おい、聞けよ雪ノ下!おい」

>>18
訂正
比企谷のクズ→比企谷くん以下のクズ

「らぶれたぁ」

コンコン
結衣「あ、誰かきた」

雪乃「どうぞ」

平塚「し、失礼するぞ」

結衣「あ、平塚先生ー」

雪乃「珍しいですね。先生がノックをしてから入ってくるだなんて。何か御用ですか?」

平塚「い、いやなんだ。今日は実は君たちに折り入って頼みたいことが、あってね」

雪乃「頼みたいこと…。それは先生から奉仕部への依頼ということですか?」

平塚「む…うむ、まあそういうことかな。いや、依頼というか、相談と言ったほうが正しいのかも知れない」

雪乃「相談、ですか」

平塚「いや、まあ。なに、しょ、少々デリケートな問題でね。学生側からの意見も聞いてみたいと思ったんだ」

雪乃「はぁ、なるほど…。先生にはお世話になっていますし、そういうことでしたらおうかがいします」

平塚「そうか、助かるよ。雪ノ下」

雪乃「いえ…」

平塚「………」

雪乃「あの、内容を言っていただかないと相談に乗りようがないのですが」

平塚「あ、ああ!そうか、そうだな!すまん!じ、実は…」

平塚「せ、生徒からラブレターをもらったんだ」

結衣「ら、ラブレター!?」キャー

八幡「先生…。モテないのはしょうがないにせよ、妄想に走るのは死亡フラグですよ」

平塚「比企谷、歯を食いしばれ!」ドゴッ

八幡「ぐふぅ!」

雪乃「まぁ、先生は見た目は美人ですし性格さえ知らなければ憧れる男子生徒の一人や二人いてもおかしくないかもしれないですね」

平塚「ぐはぁ!」フラッ

八幡「お前がそれ、言っちゃうのかよ…」

雪乃「なにか?」

八幡「いや、別に」

結衣「だ、大丈夫ですよ先生!蓼喰ふ虫も好き好き?っていうじゃないですか!」

平塚「ぐほぉ!」ヨロヨロ

八幡「由比ケ浜…。お前にしちゃ珍しく言葉はあってるけどフォローにはなってないからな、それ」

雪乃「それで、仮にそれが本物だとして、それを私たちに相談して先生はどうなさりたいのですか?」

平塚「それはあれだ、やはり教職員という立場上、生徒からこういうものをもらっても困るのだ」ニヤニヤ

八幡「(嬉しそうだ…。いまの俺ならオドロキ君の腕輪なしで嘘を暴けるな…)」

結衣「すっごい嬉しそうだし…」

平塚「とにかく立場的にも、倫理的にも、校内の風紀的にも断らねばならないとだろう?ま、まぁ、どうしても、というなら卒業まで待ってもらわねばならないし」

八案「(まじかよ、この人…。もう見境なしなんじゃねえの)」

平塚「と、とにかく相手があまり傷つかず、私への思いを保ったまましばらくは身を引いてもらうことを伝える文章を学生の立場から考えてもらえないか」

雪乃「そういうことですか…。先生、返事を書くというのなら、とりあえず見ないことには始まらないですし、手紙を見せてもらってよろしいでしょうか?」

平塚「う、うむ、そうだな。これだ…」

平塚先生へ

幸せにしたいんです!先生のことを。
ずっと見ていました。先生のことを。
彼氏になれたら、先生のことを
ちゃんと大事にします!
ヤンデレは得意じゃないんですが、ツ
ンデレは大好物です。先生
はそういうところもあって、
愛さずにはいられません!
ラブと言っても、過言じゃありません!
最愛の人に、高校でで
会えたなんて、僕の人生はなんて素晴らし
いものなんでしょう。この出会いは
きっと神様がくれた
贈り物なのだと思います。
連絡をお待ちしております。



八幡「…うわぁ」

結衣「うひゃー」カアア

雪乃「これは…なかなかに情熱的なラブレターですね」

平塚「そ、そうだろう。教師としては困ってしまうのだ」ニヤニヤ

結衣「幸せにしたいんです!だってうひゃー。ちゃんと大事にしますだって、きゃー」カァァ

雪乃「ちゃんと大事にします…なるほど…」

結衣「んん?ヤンデレ?ツンデレ?ねぇねぇヒッキー、これってなんのこと?」

八幡「あぁ、ヤンデレっつーのは依存型っていうか精神病むくらい相手のことを好きになる人のことで、ツンデレってのは本心隠して相手にきつい態度とったりすることを指す…まぁスラングみたいなもんだな」

結衣「なるほど!ヒッキーみたいな人のことだ!」

八幡「なんで、ツンデレで俺が出てくんだよ…」

雪乃「しかし、妙ですね。連絡をお待ちしております。と書いている割には本人の連絡先どころか名前さえ書いていません」

八幡「………」

平塚「そ、そうなのだ!できることなら連絡先も割り出して欲しいんだ。返事のしようがないからな!」

八幡「(普通は先生が真っ先に気づきそうなものなんだけどな。舞い上がっててそれどころじゃないのか)」

ピリリリリリリ
平塚「っとすまん。電話だ。ちょっとはずす。手紙は預けておいて構わないかな」

雪乃「ええ、どうぞ」

ガラガラ、ピシャ

雪乃「さて…、どうしたものかしら。内容は考えることはできるにしても、相手の名前も連絡先はわからないのでは返事の出しようがないわ。」

八幡「なぁ、由比ヶ浜はともかく。お前はさっきからわざと言ってんの?」

雪乃「?。どういうことかしら?比企谷くん」

結衣「ヒッキー!何か気がついたの?」

八幡「なぁ雪ノ下、その文章を読んで何か気づいたことはないか?」

雪乃「そうね。男子生徒にしては字は上手なほうね。けれど文章は…全体的におかしいわね。いきなり倒置法で始まっていたり、文章のつなぎも変だわ。お世辞にもよくできた文章とは言えないわね」

結衣「で、でも感情が高ぶってたらうまく文章に出来ないっていうのもあるんじゃないかな」

結衣「あ、あたしも手紙書こうとしてもうまく書けないし…」ゴニョゴニョ

八幡「違う。感情が高ぶっていたからって「で会う」が「で 会う」になったり、「素晴らしい」が「素晴らし い」になったりするのは不自然だ」

雪乃「確かにそうね。とするとその区切り方は意図的なものだと言うの?……っ!なるほど」

結衣「え?え?どういうこと?」

八幡「由比ヶ浜。これはな、立て読みなんだよ」

結衣「立て読み??」

八幡「ラブレターのすべての行の最初の一文字だけ抜き出して読んでみ」

結衣「ええと…幸、ず、彼、ち、ヤ、ン、は、愛、ラ、最、会、い、き、贈、連」

八幡「それをひらがなに直して続けて読むと?」

結衣「しあ、ず、かれ、ち、や、ん、は、あい、ら、さ、あ、い、き、おく、れん…」

結衣「……」

結衣「静ちゃんはアラサー行き遅れ!?」

雪乃「ようするに、この手紙はラブレターに見せかけた、平塚先生を中傷する手紙というわけね…」

結衣「ヒッキー、よくそんなこと気づいたね?」

八幡「まぁな。立て読みってのは陰湿な大型ネット掲示板ではよく見られるもんだからな。こんなのよりずっと出来のいいのがいくらでも転がってる」

結衣「うーん…でも、誰がそんなことしたんだろう。ゆきのんの言う通り性格を知らない生徒ということなら。先生が国語を教えていないクラスの生徒…?」

八幡「違うな。俺の見立てだと、逆に犯人は先生から国語を教わっている生徒、だ」

雪乃「比企谷くん、説明を」

八幡「雪ノ下、お前さっきこの手紙を見て男子にしては字がうまいって言ったよな?」

雪乃「ええ」

八幡「だが、俺の見立てでは違う。こいつは字がうまいんじゃない、整いすぎてるんだ」

結衣「どういうこと?」

八幡「近づけてよく見てみろ、その手紙の文字には普通、人間が文字を書いたら見られるはずのにじみや、ゆがみがまったく存在しない」

雪乃「なるほど、つまりこれは」

八幡「あぁ、これはパソコンで出力したもんだ。手書き風フォントを使ったんだろう、ぱっと見じゃよくわからないくらいだからな。よくできてる」

雪乃「そうまでして筆跡をごまかした、となると犯人は」

八幡「ああ、先生が国語を受け持っているクラスの生徒なら、テストなんかで先生に手書きの文字を知られている。となりゃ当然ごまかすよな」

結衣「じゃ、じゃあ、うちのクラスに犯人がいる可能性も…」

八幡「当然あるだろうな。加えて平塚先生は生徒指導の担当でもある。そのあたりで恨みを買っていたとしても不思議じゃない」

雪乃「なるほど。そうすると犯人は2Fの生徒で、たびたび生徒指導室に呼び出されており、ネット掲示板などに対する知識が深く、陰気な性格をしている、ということでいいのかしら」

八幡「まぁ、当たらずとも遠からずってところじゃないか?」

結衣「それってさ…」
雪乃「とすると犯人は…」



結衣「ヒッキーじゃん!」
雪乃「比企谷くん、いうことになるわね」

八幡「え!?」

八幡「いや、おかしいでしょ?俺が謎を解いてきたはずでしょ?それでなんで俺が犯人ということになんの?」

雪乃「古今東西、探偵役が犯人だなんて使い古された手、珍しくもないわ。もしあなたの主観で身に覚えがないとしても、犯行は行間で行われていたから覚えがないように感じるだけよ。クリスティが使った手だわ」

八幡「おい、そうやってさりげなくネタバレすんのやめろ。怒られんのは俺なんだぞ」

結衣「で、でもさでもさ。やっぱりヒッキーは犯人じゃないんじゃないかな」

八幡「ゆ、由比ヶ浜!」キュン

雪乃「根拠は?」

結衣「んー、なんちゅうかさ。やっぱり嘘ものでも、これはラブレターだったわけじゃん?ヒッキーにそんなの出す勇気なさそうっていうか」

八幡「おい、お前悪魔か。俺の今のトキメキ返せよ。根拠ないならせめて、信じてるくらいから、くらい言えよ」

雪乃「そうね…、比企谷くんの意気地のなさ、これを考慮に入れてなかったとは、私としたことが迂闊だったわ…。ごめんなさいね、比企谷くん、変な疑いをかけてしまって」

八幡「おい!そうやって微笑むのやめろ!人をヘタレ呼ばわりすんな」

結衣「でもさでもさ、犯人探しはともかく、今は先生にどう伝えるか考えたほうがいいんじゃない?」

八幡「あぁ、まあそりゃ言えてるな」

雪乃「どう伝えるかって、正直に、手紙はいたずらで本当は先生を罵倒する内容でした、って伝えればいいんじゃないかしら」

八幡「お前鬼かよ。今にも踊り出しそうな先生の様子見たろ?あれで嘘だって分かったらマジで何するかわかんねえぞ。ちょっとは気ぃ使ってやろうぜ」

結衣「い、言えてる…ヒッキーとかピンチかも…」

雪乃「ふむ、確かに一理なくはないわね。ごまかすのはあまり好きではないのだけれど、状況が状況だけに仕方がないわね。じゃあ、どうやって先生に伝えるか、それを考えましょう」

八幡「あ、すまんちょっとタイム。喉乾いたしマッ缶買ってくるわ」

雪乃「じゃあ私は野菜生活を」

八幡「ナチュラルにパシんなよ…、由比ヶ浜は?」

結衣「え?あ、あたしはいいよ、悪いし…」

八幡「なら適当に買ってくるわ」

ガラッ
八幡「あ」
平塚「あ」
雪乃「あ」
結衣「あ」

八幡「き、聞いてました?」

平塚「………」

平塚「う、うわあああああああああああああああああ!」
ダダダダダダダダダダダ

結衣「いっちゃった…」

雪乃「まぁ、いろいろ手間が省けたわね。今回の依頼はこれで完了ということでいいかしら」

八幡「お前、マジで鬼だろ…どんだけ鋼のメンタルしてるんだよ…」

「さんたくろーす」

結衣「ねえねえ、ゆきのんゆきのん。昨日ね。ケーキ屋さんの前通ったらクリスマスケーキの予約もう始まったって書いてたよ!」

雪乃「へぇ、それで?」

結衣「え?あっとそれだけだけど…」

八幡「いるよなー、そうやって『それで?』とか『だから?』とか言って場を白けさせるやつ、そういうやつは大抵嫌われるー」

雪乃「ソースは俺、とか言い出すのでしょう?」

八幡「ソースはお…え?」

結衣「ああー!ほらあれ!ゆきのんってサンタさん、いつまで信じてた?」

雪乃「サンタ…?そうね…4歳くらいまで、かしら」

結衣「4歳!?はやっ!?」

雪乃「そうかしら?まぁ、それまで信じていた、というより4歳の時に、父に向かって『プレゼントをいただけるのなら、枕元に置かれるより、すぐに開けられる昼間いただいたほうが効率が良いと思います』と言ってしまったのよ。それ以来サンタからのプレゼントも24日の昼間のうちにもらえるようになったわ」

八幡「可愛くねぇ幼女だな…」

結衣「ヒッキーは?」

八幡「俺は小3の頃だな、小町がすごいこと教えてあげるっていうから聞いたらそうだった」

結衣「小町ちゃんに教えてもらったんだ…てか小町ちゃんもその頃小1だよね…」

八幡「まぁな。まぁあいつの場合、気づいていないフリしてその先もプレゼントもらい続けてたけどな」

結衣「計算高すぎる…」

雪乃「そういうあなたはいつまで信じていたのかしら?」

結衣「え、あたし?あたし中2」

雪乃「え?」

八幡「は?」

雪乃「由比ヶ浜さん、中2というと中学2年生ということで間違いないのかしら。それだと3年前まで信じてという計算になるのだけれど」

結衣「う、うん…」

八幡「まじかよ、お前。どんだけ頭お花畑なんだよ。初春かよ」

結衣「お花畑じゃないし!っていうか初春ってなんだし!」

八幡「んで、なんで気づいたの?」

結衣「え?あ、あのね、25日の朝にウキウキしながらサンタさんからのプレゼント開けてたらママが来て『結衣、あなた。いつまでサンタを信じているなんて言うつもりなの?』って」

八幡「うわぁ…」

雪乃「きっと、お母様もいたたまれなくなったのね…」

八幡「じゃあ、今はサンタもトナカイもいないって分かっているわけだ」

結衣「あったり前だし!でもそれまで、ずっといるって信じてたからびっくりだよね!?」

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「え…?二人ともどしたの?」

八幡「由比ヶ浜…。トナカイ…は、いるぞ」

雪乃「もう、あなた小学生からやり直したら?今なら学年の真ん中くらいの成績は取れるんじゃないかしら」

結衣「ひどい!ゆきのんひどい!てか馬鹿にしすぎだからぁ!」

八幡「(そうでもないだろ…。どうしてこいつ総武高受かったんだろ…)」

いますね。彼らはサンタへのお手紙に返事を書いたり、幼稚園やスーパーなどへのイベントに参加することを主任務としてるみたいです
子供達に夢を与えるお手伝い、といったところでしょうか。日本人公認サンタもいるようです

「ななふしぎ」



結衣「学校ってさー、七不思議ってあるよね」

八幡「ああ、あるな」

雪乃「いわゆる学校の怪談みたいなお話ね」

結衣「小学校の時はー、夜な夜な歩く人体模型とか、勝手になり出すピアノとか、あとーなんだっけ…。あ!階段が13段になるって話もあった!」

雪乃「どれも定番ね」

八幡「うちの小学校にもあったな七不思議。集合写真の時にいきなり映り込む謎の男子とか、グループ決めの時にいつの間に近くにいる謎の男子とか、合唱コンクールの時に聞いたことのない謎の男子の声が混じってるとか、一人でオクラホマミキサー踊ってる謎の男子、とか」

結衣「それ全部ヒッキーのことじゃん!!」

雪乃「その存在の薄さは、期せずして心霊現象とまで認識されてしまうのね…。さすがは比企谷くんだわ」

八幡「まぁな」

雪乃「別に、褒めたつもりはないのだけれど…」

結衣「まぁ、ヒッキーも自分でネタにするくらいだし、慣れちゃってるから。でもさ、うちの高校で七不思議って聞かないよね?」

雪乃「高校生にもなって七不思議もなにもない、ということじゃないかしら。総武高は仮にもそこそこ優秀な高校なわけだし」

八幡「あ、それなら一つ、俺らの身近なところで七不思議知ってるわ」

結衣「え!?身近なところ!?聞きたい!聞きたい!なになに!」

八幡「試験を突破できたはずがないのに、学校に出没する謎の女子高生、由比ヶ浜結衣、とか」

結衣「な、し、失礼な!!」

雪乃「比企谷くん、世の中には言っていいことと、悪いことというのがあるのよ」

結衣「ゆきのん!!」

雪乃「由比ヶ浜さんの件に首を突っ込むのは、社会の暗部に土足で踏み込むことと同じよ。一介の男子高校生が知るには重すぎる真実だわ」

結衣「ゆきのん!?」

八幡「確かにそうだな…、この件は七不思議というよりは宇宙の真理みたいなカテゴリに関わってくるからな」

結衣「あ、あたしが高校入学できたことって、そんな大げさな話に関わってくるんだ!?」

八幡「すまん、由比ヶ浜。こんな話を持ち出した俺が軽卒だった」

結衣「え?う、うん大丈夫。気にしてな…って違う!あたしもちゃんと一般入試で受かったんだからね!?二人ともひどい!馬鹿にしすぎだからぁ!」

もし見てる方いらっしゃったら、お題をいただけましたらありがたいです
基本的には全部おもいついた時に即興で書いてるので、できる限り生かして書きたいと思います。よろしくお願いします!

楽しみが増えました
状況はともかく、小町にも負けてしまうガハマさんなんか見たいです、一般教養的なことで
それで "小町にすら!" と八幡がどん引きする感じで

もしかして、だめのん書いてた人でしょうか?

オレオレ詐欺系とか

ダメのんの人ひとっぽいけど酉ないから別人かな?

>>51

そう、俺だよ俺

>>50
>>52

すいません、SSは初めてかきますので違うです。
ダメのんというのは読んだことないので、ネタかぶりがあるようならご容赦ください。


>>49
そろそろタイミング的に小町出すのもポイント高い!ですね
さっそく考えます

サキサキ

ガハマさん、マグロナルドでバイトする。とか

>>55
だめのん
雪ノ下「だめのん?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372520881/)

「おかいもの」

結衣「ふんふふーんふーん」

小町「あ!結衣さんだ!結衣さーん!やっはろー!」

結衣「あ、やっはろー!小町ちゃんにヒッキーも!こんなとこでなにしてんの?」

八幡「おう。何ってお前、買い物に決まってんだろ。相撲見に来たように見えんの?」

小町「また、お兄ちゃんはそういう言い方を…」

結衣「いや、だってヒッキーたちの家からここって、ちょっと遠いぃじゃん?ちょっと気になっただけ!」

小町「今日はこのスーパー、卵が安いんですよぅ!休みの日は、兄が『暇』に任せて数ある激安情報の中から最良のものを選び出してくれるので助かってるんです!」

八幡「ちょっと?あんま暇を強調すんのやめてくんない?俺が休みの日に遊ぶ友達の一人もいないような寂しい奴みたいだろ」

結衣「100%事実じゃん…」

八幡「で、お前はこんなとこで何してんの?あんま近場で材料集めると、事件が発覚した時すぐアシがつくぞ」

結衣「だから暗殺じゃないし!!ママが忙しくて出られないから、あたしが晩ご飯の買い出しを頼まれただけ!」

八幡「マジかよ、お前のかーちゃんどんだけ勇敢なんだよ。レオニダスかよ」

小町「あ!それで結衣さんは何買うんです?小町でよければー、お手伝いしますよ!」

結衣「ほんと!?小町ちゃんいい子だー。助かったよー」

八幡「主に由比ヶ浜家3人の命が、な」

結衣「ヒッキーうっさい!ていうかしつこい!」

小町「ええっと、かごの中身は…玉ねぎ、まいたけ、キャベツににんじん、ニラに…わっかりました!今晩のメニューはお鍋ですね!?」

結衣「ううん、クリームシチュー」

小町「え?」
八幡「は?」
結衣「うん?」

八幡「いや、お前はキョトンと首ひねってんじゃねえよ。おかしなことやってるって自覚しろ」

小町「玉ねぎと、にんじんは分かるんですけど…ニラとかまいたけもシチューに入れるんですか?変わってますね」

八幡「これお前のかーちゃんが買ってこいっつったの?」

結衣「んーん?ママはクリームシチュー作るから材料買ってきてって言っただけ」

八幡「あぁ、今まで確信持てなかったけど、ママヶ浜さんはやっぱりお前のかーちゃんで間違いないわ」

結衣「どういういみだぁ!」

小町「キャベツはギリギリ許せるとして…ニラはシチュー全体がニラくさくなっちゃいますよ?それにこれ、牛乳じゃなくて豆乳ですし」

結衣「え?嘘!?マジ!?」

小町「それに小麦粉ですけど…買い置ききれちゃってるんですか?それのしたって2Kgは買い過ぎだと思うんですが…それに…」

20分後


結衣「ほんと小町ちゃん、ありがとうね!おかげでいいものできそうだよ!美味しいのできたら写メするね!」

小町「あ、はい。楽しみにしてます」

八幡「お前、次回から買い物来る時は、ちゃんと買い物メモ持たせてもらったほうがいいって。家族の平和のためにも」

結衣「ヒッキーうっさい!ていうか馬鹿にしすぎだからぁ!今日だってちゃんと買えたでしょ!?」

八幡「(そうでもないだろ。今日だって小町いなかったらニラとまいたけの豆乳煮込みが出来上がってたぞ…)」

結衣「それじゃあ、二人とも!今日はありがとね!」
パタパタパタパタ!



小町「ねぇ、お兄ちゃん…?」

八幡「ん?なんだ小町?」

小町「小町、ちょっと結衣さんを侮ってたよ…」

八幡「あぁ、まあな。お前、後半のテンションの下がりぐあい半端なかったもんな。由比ヶ浜は気づいてなかったみたいだけど」

小町「うん…、小町さすがいちょっと疲れた…買い物して早く帰ろう?」

八幡「(直接食わしたわけでもないのに、元気が取り柄の小町をここまで弱らせるとか、マジで由比ヶ浜の料理は兵器クラスだな…。毎朝食わされてるパパヶ浜さんに敬礼!)」

>>57

ありがとうございます!チラッと見ただけですが、短編なのとネタ募集してるのがかぶってますね!?
というかゆきのんが噛むネタのとパンさんネタは書くつもりでした。危うくかぶるところでした…

好みのタイプの短編ss。期待
お題"お年玉"で高校生になってもまだ貰っているかどうかって感じでどうかね?

「おれおれさぎ」


ブーブー
八幡「ん?」

八幡「はい?もしもし?」

??「あ、ヒッキー?あたし、あたし」

八幡「俺にあたしと言う知り合いはいねぇ」ブツッ

ブーブー
八幡「あい、もしもし?」

??「ちょ!なんで切るし!あたしだってば!」

八幡「最近いろいろ物騒だから、名乗らない奴には気をつけろって、親父にうるさく言われてるんですよ。そういうことなんで切りますね」

??「ちょ、ちょっと!だからあたしだってばぁ!由比ヶ浜結衣!」

八幡「んだよ、由比ヶ浜かよ。さっさと言えよ、あやうく着信拒否にするところだったぞ」

結衣「いきなりそこまでいっちゃうんだ!?ていうか登録してるんだから名前でてるでしょ!?」

八幡「いや、俺のiphoneだから相手の名前出ないんだよ」

結衣「あ、そうなんだ…。って、いやいや!それは嘘だって私にだって分かるし!それに声で分かるでしょ!?」

八幡「いやいや、普通わかんねえだろ」

結衣「そうなの?あたしヒッキーの声聞いたら一発でわかるけど…、ヒッキーは…分かんないの?」

八幡「…いや…まぁ…、わかるっちゃわかる…つうか、よく聞くし、区別くらいつくけど」

結衣「そうなんだ、えへへ…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「ちがう!そうじゃない!お前なんか用事あったから電話してきたんだろ!?」

結衣「あ!そうだった!明日2限国語でしょ?宿題でわかんないとこあるから、ヒッキーに教えてもらおうと思って」

八幡「………」

結衣「え…、どしたのヒッキー。嫌だった…?」

八幡「由比ヶ浜。別に明日学校に行くのはお前の自由だから止めないけどな」

結衣「どういう意味?」

八幡「いや、お前。明日はこの前の振替休日で学校休みだろうが」

結衣「え…」

八幡「………」

結衣「そ、そうだったぁあ!あたしの苦労はああ!?」

八幡「ま、提出水曜だから、それまで自力で頑張れよ」

結衣「う、うん…お騒がせしてごめんね、ヒッキー。また電話する。それじゃあ、おやすみなさい」

八幡「おう…じゃあな」ブツッ

八幡「………」



バタン
小町「おにいちゃーん、お風呂あいたよー!!……って何、携帯握りしめてニヤニヤしてんの、おにいちゃん…」

>>58
相撲が相模に見えてポカンとしたわw

「ばいと」


結衣「うーん、今月ピンチだなぁ。アルバイトしなきゃだめかなぁ」

雪乃「あなた、先月もそんなこと言っていたわよね。いったい何にそんなにお金を使っているの?」

結衣「うーん、でもねゆきのん。これでも色々節約はしてるんだよ?でもファミレスとかカラオケとか…色々付き合いでお金付き合わなきゃいけなくて…」

八幡「お前らは小遣いの値上げ交渉をしてる時のうちの両親か。まぁでも由比ヶ浜は俺たちと違って交友関係広いからな、しょうがない部分もあるんじゃないか?」

雪乃「勝手に『たち』ってあなたと一纏めにしないでもらえるかしら。ひどく不愉快だわ」

八幡「はいはい、そーですか」

結衣「そういえばヒッキーは、今はアルバイトしてないの?」

八幡「ん?まぁ、俺は最近、錬金術の甲斐あって潤ってるからな。たまに日雇いのするくらいだな」

結衣「それ、例の詐欺じゃん!」

雪乃「由比ヶ浜さん、だいたい聞かなくてもわかることじゃない。この男にまともな労働が務まるはずがないわ」

八幡「失礼な。これでも1年の頃はいくつもバイトしてたんだぞ。まぁ大概、人間関係になじめず数日でバックレてきたけどな」

雪乃「務まっていないじゃない…」

結衣「そっかぁ…そうだよね。新しく人間関係作んなきゃ!ってのはあるよね。お金入っても友達増えちゃったら付き合いも増えちゃうし、マックはやめといたほうがいいのかなぁ」

八幡「マグロナルドか?やめとけって。時給も安いし、金たまったからってすぐにゃやめられんだろ。その点日雇いはいいぞ、初対面の人が多いから人間関係気にしなくていいからな。まぁお前、ちーちゃんに声似てるし、マックも似合うっちゃ似合うかもしれないけど」

結衣「………。そうなんだ、でも日雇いって男の人の仕事って感じがする」

八幡「いや、別に力仕事ばかりってわけじゃないぞ。コンサートスタッフとかだと力仕事では役に立たないと判断された男と、女はもぎりに回されることが多いしな。もぎり最高だぞ、なんせ機械的に手を動かしてればいいからな」

雪乃「役にたたないと判断されてしまったのね…。懸命な判断だわ」

八幡「当たり前だ。俺は楽をするためには全身全霊をかけて努力するぞ」

雪乃「努力の方向性が間違っているのだけれど…。まぁいいわ、今日はもう暗くなってきたし、そろそろ解散にしましょう」

結衣「あ、ごめんゆきのん!あたしちょっとヒッキーに聞きたいことがあるから、今日は先帰ってて?」

八幡「は!?」

雪乃「そう?なら部室の鍵、ちゃんと返しておいてね。あと話す時は、携帯電話で110を入力して、通話ボタンに指をかけておきなさいね」

八幡「おい、この紳士を捕まえて、変質者扱いすんな!」

雪乃「はっ」
ガラガラ、ピシャ

八幡「あいつ鼻で笑いやがった…」

結衣「…あのさ、ヒッキー…」

八幡「は、はひ!」

結衣「そ、そのさ…」

八幡「……(おいおい、マジかよ。なんなのこのシュチュエーション…まずいんじゃないの)」ゴクリ

結衣「ち、ちーちゃんってだれ!?あたしに声が似てるってどういうこと!?マックの制服姿を見たことあるの!?」

八幡「あ?」

八幡「…やっぱお前馬鹿だろ。帰るわ」

結衣「え!?ちょ、ちょっと!馬鹿っていうなし!じゃなくて!質問に答えてよ!ねぇ!ヒッキー!?」

てすと

「おとしだま」




結衣「もーいくつ寝ーるとー、おしょおがつー」

雪乃「ご機嫌ね、由比ヶ浜さん」

八幡「つーか気がはやすぎだろ、まだずいぶん先じゃねえか」

結衣「でもさでもさ、お正月ってなんかワクワクしない?お年玉もらえるしー、おもち食べれるしー、あ!初詣の時の屋台もワクワクするよね!」

八幡「 なに?好きなの?餅。あれカロリー高いから、気をつけないと結構太るぞ」

結衣「太らないし!てか女の子にそういうこと言わないでよ!ヒッキー、デリカシーなさすぎ、マジキモい!」

雪乃「ちょ、ちょっと待って。比企谷くん、今の会話にはそれより先に指摘する点があったように思うのだけれど」

八幡「は?何言ってんの?お前」

結衣「どういうこと?」

雪乃「いえ、聞き違いじゃなければ、由比ヶ浜さんはさっきお年玉をもらっているとか言わなかったかしら」

八幡「ああ、言ったな」

雪乃「でしょう?…私はてっきりそういうものは小学校で卒業するもの、と二人で指摘する流れになると思っていたのだけれど」

八幡「つっても、俺も貰ってるからな」

雪乃「え?」

八幡「まぁ、俺の場合、小町が貰ってるからついでに渡されてるみたいなもんだけどな」

雪乃「私の感覚がおかしいのかしら…」

八幡「いや、貰えるもんは貰うだろ。自慢じゃないが、俺は大学に行こうが、社会人になろうが、くれるというならありがたくお年玉を貰うぞ。絶対に断らない。絶対にだ」

結衣「うわぁ…。あたしももらっといて何だけど、息子がこんな風になったらやだなぁ…、あんま似ないようにしつけないと…」

八幡「だいたい、そういう固定観念の押しつけや周りがそうだから、という姿勢はお前が一番嫌うところだろう?逆説的に言って俺たちは周りに流されないしっかりとした自我をもった人物ということになる」

雪乃「そう…なのかしら」

八幡「そうとも。それに民主主義の大前提である多数決の理論を考えてみろ、高校生になってもお年玉を貰う派が2票で、全得票数の3分の2を占めている。これをうちの学校の生徒に換算すればおよそ、470人以上がお年玉をもらう派という計算になる。したがって俺たちはまちがっていない!」

雪乃「………」

結衣「す、すごい。ヒッキーがゆきのんを言い負かした…!」ゴクリ

雪乃「言いたいことは…もう終わりかしら…比企谷くん。異議あり…よ」

八幡「何!?」

雪乃「よく戦った…、褒めてあげるわ。ただあなたは一つとても大事な前提条件を忘れている…」

結衣「ゆ、ゆきのんにはまだ何か秘策が…!?」ゴク

雪乃「………」スゥ……



雪乃「総武高校の生徒は『あなたほどクズ』でも『由比ヶ浜さんほどバカ』でもないわ!」

八幡「な、なにいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

結衣「ゆきのおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」

雪乃「証明…終了ね」

八幡「くそっ!結局こうなるのか!俺としたこと『由比ヶ浜のバカさ』を計算に入れてなかっただなんて!」

結衣「うわーーん!二人ともひどい!!ていうか結局そうなるの!?二人とも馬鹿にしすぎだからああああ!!」

>>49
>>51
>>56
>>57
>>61
>>72

みなさん意見ありがとうございます!タイトルだけでも決まると後は書きやすいので非常に参考になります!
出来る限り書いてきます!

「ほっとどっぐ」



結衣「二人と部活の後に一緒で遊ぶなんて滅多にないし!嬉しいな!」

八幡「まぁ、俺は今日は、小町が次の生徒会の連中に呼び出されて帰りが遅いっていうから付きあっただけだけどな」

結衣「はいはい、シスコンシスコン」

雪乃「けれど、どこに行くつもりなの?」

結衣「んー、カラオケかー、ゲームセンター?その後でファミレス行くのもいいかも!」

八幡「そういうことなら、先になんか食おうぜ。今日昼軽かったから、腹へってんだ」

結衣「なら、なんか買って食べる?ホットドッグとか、あ!クレープもいいな!」

八幡「クレープじゃ腹にたまらんだろ…。つーか由比ヶ浜知ってるか?ホットドッグって犬の肉を使ってるからホットドッグって言うんだぜ?」

結衣「え!?マジ!?…ってないない!あたしにもそのくらいわかるし!日本人犬食べたりしないし!」

八幡「ばっかおまえ、日本の伝統楽器である三味線だって猫の皮をだなー」
雪乃「比企谷くん」

八幡「ん?」

雪乃「その話はやめなさい」

八幡「でも…」

雪乃「やめなさい」

八幡「はい…」

結衣「でも、じゃあなんでホットドッグっていうんだろうね」

雪乃「一般的な話だと、形がダックスフンドに似ているから、と言われているわね」

結衣「そうなの!?じゃあ本当に犬から来てるんだ!」

雪乃「ええ、当初は『レッド・ホット・ダックスフンド・ソーセージ』と言う名前で呼ばれていたそうよ。長いからだんだん短くなっていったのでしょうね」

結衣「そっかー。あ、ソーセージって言えばさ。あの外側のってなんなんだろうね。プチプチってするし、食べられるゴム?」

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「あ、あたし、また変なこと言った?」

雪乃「いえ…元々ソーセージというのは腸詰めといって、肉を羊の腸などにつめたものなの。ただ現代ではプラスチックやセルロースに詰めるものもあるから、人工物だから間違いというのは言い切れないわね。ただそういうのは外側は食べられないから、皮ごと食べるものは本来の腸で作ったものか、コラーゲンでできたものになるわね」

結衣「そうなんだー。あ、でもコラーゲンって知ってる!お肌がぷるぷるになるやつでしょ?」

八幡「まぁコラーゲンってのは食うと、アミノ酸に分解されちまうから、コラーゲンの形で食べてもブラセボ以上の効果はないけどな」

結衣「あ!ブラセボってしってる!あの救急車とかが走ってった時とかに音が変わるやつでしょ!?」

雪乃「それはドップラー効果でしょう…。何一つあってないわ…」

結衣「あ、そうなんだ…」

雪乃「………」

八幡「………」

結衣「………」

雪乃「………」

八幡「………」

結衣「あ、じゃあ…」

八幡「お前、馬鹿だから恥しかかかないんだしちょっと黙ってれば?」

結衣「ひどい!ヒッキー!ひどいっていうかキモい!馬鹿にしすぎだからぁ!」

「めがね」



結衣「うーーん」

雪乃「どうしたの?由比ヶ浜さん。さっきから鏡を見て唸っているけれど」

結衣「うん、あのね。眼鏡かけてる人ってなんとなく賢そうに見えるでしょ?」

八幡「だから指で輪っかつくって目のところであわせてたのか。ものすごい馬鹿っぽかったぞ。というか馬鹿だったぞ、馬鹿だなお前、馬鹿だろ」

結衣「馬鹿馬鹿言わないでよ!傷つくからぁ!ヒッキーまじでキモい!」

八幡「俺のキモさは、お前の馬鹿さと関係ないだろ。ほんと馬鹿だなお前」

結衣「また言った!2回もいった!」

雪乃「それで由比ヶ浜さんは、眼鏡をかけて賢く見られたい、というわけね」

結衣「そうそう!」

雪乃「だとしたら愚かな考えね。眼鏡と学力の高さは全くもって比例しないもの…なにせ」

結衣「なにせ?」

雪乃「私が眼鏡なんてかけていないもの」ドーン

八幡「そこから自慢につなげんのかよ…」

雪乃「そもそもあなた別に目は悪くないでしょう?」

八幡「そういや視力いくつあるんだ?」

結衣「え…視力…?に、2.0」

八幡「は!?両目とも?」

結衣「りょ、両目とも…」

八幡「まじかよお前、玄海師範なの?目ぇよすぎだろ、野生児かよ」

雪乃「由比ヶ浜さんは、勉強もしないし、読書もしないものね。視力が悪くなる要素がないもの、当然と言えば当然ね」

結衣「ゆ、ゆきのん…」

八幡「そもそも眼鏡をかければ賢く見えるって前提自体が間違ってんだよ」

結衣「え~!?どうして賢そうに見えるじゃん!」

八幡「お前、俺らの周りで眼鏡をかけてる奴思い出してみろって…」

結衣「まわり……?………あ」

雪乃「あの男ね」

結衣「ちゅ、中2…」

八幡「まぁ、それでもかけてみたいっていうんならすぐ呼んでやるぞ。多分1コールで出ると思う」

結衣「い、いやいいよ」

八幡「遠慮すんなよ、あいつ女子が自分の眼鏡かけるっていったら飛んでくるぞ。まぁ眼鏡に塩の結晶とかついてるとは思うけど」

結衣「いい、いいってばぁ!私が悪かったからぁ!もう眼鏡かけたいとか言わないからぁ!」


幻海は6.0だぜ?

>>92

視力がいい例えとしてマサイ族と悩んだ末、幻海師範にしてみました。こっちの例えのほうがヒッキーぽいかと思いまして

「めがね」おまけ


結衣「ねぇねぇ姫菜!眼鏡かしてー?」

海老名「眼鏡?結衣どういうこと?」

結衣「ほら、あれ!姫菜の言う眼鏡っ子?あれになってみたいと思って!」

海老名「そう…。なら貸してあげる…。ちょっと度が強いから…色々気をつけてね」スッ

結衣「色々?う、うん、ありがとう。じゃあさっそく」スチャ

海老名「Welcome to BL world.」

結衣「!?」

海老名「かけたね?結衣かけたね?」

結衣「う、うんかけたよ。姫菜、かけたよ」

海老名「ぐ腐腐…、その眼鏡をかけたらはやはちしか目に入らなくなるんだよ…ぐ腐腐腐腐腐」

結衣「ええ!?隼人くんとヒッキー!?それは困る!困るよ!姫菜!」

海老名「大丈夫、困らない困らないよ、結衣。ぐ腐、ぐ腐腐腐腐腐」

海老名「男と男の組んず解れつ!捻くれ系美少年を鬼畜系男子が巧みに攻める!!キマシ、キマシタ、キマシタワー!!!」ブシャアアアアア

結衣「美少年!?」

三浦「ちょ、ユイ!エビナの眼鏡とんなし!眼鏡なくなったら海老名歯止め聞かなくなるんだから!ほらヒナ、ちーんしなちーん!」

結衣「あは、あはははははは…」



八幡「まったく何やっとんだ、あいつは…」

>>八幡「おう。何ってお前、買い物に決まってんだろ。相撲見に来たように見えんの?」
>>63マジコレ

「ちぇいんめいる」



結衣「う…うう」

雪乃「どうしたの?由比ヶ浜さん」

結衣「ちょっと変なメールが来たの…」

雪乃「比企谷くん、以前言ったはずよね。あまり変なメールを送っていると、事件になるって。このメールは裁判ではあなたにとって不利な証拠として働くわよ」

八幡「ナチュラルに俺を犯人扱いするのやめてくんない?だいたい由比ヶ浜、どんな内容のメールなんだ?」

結衣「うん…、これ」

八幡「なになに、このメールを送られた人は24時間以内に友人2人に転送してくださいぃ?送らないと殺された彼の霊が、あなたが犯人であると断定して殺しに…。かっ!くっだらねー」

雪乃「差出人はどうなっているの?」

八幡「差出人は…とべっち…?戸部かよ…」

八幡「(ていうか戸部も由比ヶ浜のアドレス知ってんだな…まぁ、つるんでんだし当然か)」

雪乃「となると、いよいよ比企谷君の犯行である可能性が高くなってきたわね」

八幡「いや、どーしてだよ。戸部から送られてんだぞ、100%無罪だろ」

雪乃「あなたが、海外サーバーの一つや二つ経由させた上で、戸部くんの携帯にクラッキングをしかけメールを送った可能性もあるでしょう?いえ、むしろ可能性は高いわ」

八幡「なんで俺が由比ヶ浜に嫌がらせのメールを送ることを目的に、そんなスパイ映画ばりの行動をしなきゃならねんだよ。ありえねえだろ」

雪乃「そうかしら?努力の方向性が間違っていることに関しては、あなたの右に出る人はいないと思うけれど」

結衣「……」

雪乃「まぁ、それはいいわ。由比ヶ浜さん大丈夫?さっきからずいぶん静かだけれど…」

結衣「あ…うん。ありがとうゆきのん…。ちょっと怖くってさ…。霊が殺しにくるとか書いてるし…無視しても大丈夫…かな」

八幡「馬鹿か、お前。こんなんで殺されてたら俺なんか中学時代に20回は殺されなきゃならんぞ。クラスの女子に向こうからはじめてメールが送られてきて浮かれてたら、この手のメールで、そのまま誰にも転送できないまま期限切れとか腐るほどあったっつーの」

雪乃「あなたは友達がいないもの、メールが送られてきた時点で既に詰んでるのよね。由比ヶ浜さん、だいたい霊なんているはずがないのよ、ましてや犯人を探しだすためにメールを使いこなす霊だなんて、お笑い草だわ。絶対にありえない、私が保証するわ」

結衣「うん…ありがとうゆきのん」

八幡「ま、それでも不安だってんなら、俺と小町にでも転送すりゃあいい。俺らが身をもってこんなの嘘だって証明してやるよ」

結衣「ヒッキー…!ありがとう。やっぱりヒッキーって優しいね」

八幡「やっと俺の魅力に気がついたか。そうとも、俺は優しいんだよ」

雪乃「まあ、あなたが送ったものだものね。責任をとるのは当然よね」

八幡「おい!どこまで俺を犯人にするつもりなんだよ」

結衣「あは、あはは」



20:35 比企谷家 

ブーブー
八幡「メール?由比ヶ浜から、か」

ヒッキー、今日は(。uωu)ァリガト♪すごく怖かったけどヒッキーのおかげで元気がでたよ!(w´ω`w)
あたし馬鹿だからいつも迷惑かけてばかりだけど、これからもヽ(・ω・。ヽ)ヨロ♪(ノ。・ω)ノ シク♪(σ。・ω)σね!

八幡「……ふ。『当然ことしただけだろ、気にすんな』っと。はい送信」



小町「ぎゃーーー!!!」

八幡「お、おい!どうした小町!」

小町「ゆ、結衣さんから、きょ、恐怖のメールが!!」

八幡「あの…馬鹿。ったく、恐怖のあまりテンパって転送したのか?…『いいから早く俺にも転送しろ』っと」

>>63
>>101

『相撲』、『相模』ネタは城廻めぐり生徒会長により提唱された伝統あるネタですから!

みなさん色々ネタありがとうございます!いただいたものの内容そのままにはなかなかならないのは、書き手の腕のなさ故ですが、ご容赦いただけたら幸いdす!順々に書いていきます!

「まねっこ」


ガラガラ
八幡「おう、由比ヶ浜だけか。雪ノ下はどした?」

結衣「あら比企谷くん、教室ぶりね。ゆきの…下さんならさっき遅れてくるって連絡が入ったわよ」

八幡「………。へぇ。珍しいこともあるもんだな。あいつが部活に遅れてくるなんてはじめてじゃないか?」

結衣「確かにそうね。なんかクラスの話し合いって言ってたよ…わよ」

八幡「あー…なるほどなー。J組って女子ばかりだからな、話し合いさせたら結論出ずに堂々巡りすんじゃないか?」

結衣「ヒッキーそれはひど…じゃなくて比企谷くん、それはひどいわよ。そういう言い方はやめたほうがいいわよ」

八幡「そうです、かっと」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「ちょっとはつっこんでよ!!」

八幡「いや、相手にすんの色々めんどそうだなーって思ってな」

結衣「めんどいってなんだし!あたしすっごい普通だし!あたしほど相手にしやすい娘いないし!」

八幡「自分で言っちゃうんだ…。いやお前気づいてないかもしれんが、普段から相当めんどくさいぞ。一言で言えばめんどくさい女だ」

結衣「なんか傷つく言い方された!?」

八幡「で、なに?さっきのは何?雪ノ下のマネのつもりなの?」

結衣「あ、うん。考えたんだけどさ。ゆきのんって頭いいし、しゃべり方もなんか頭よさげじゃない?だからゆきのんのマネすればちょっとは賢く見えるかもって思って」

八幡「はぁ~あ…」

結衣「これみよがしに、大きなため息をつかれた…!」

八幡「由比ヶ浜、いいか…俺はさっきこう言った『J組って女子ばかりだからな、話し合いさせたら結論出ずに堂々めぐりすんじゃないか?』」

結衣「うん、言ってたね」

八幡「これはな。結果から言えば、雪ノ下へのパスになってんだよ」

結衣「パス?」

八幡「そうだ。俺がこういえば雪ノ下なら例えば、そうだな」コホン

八幡「『あなた、考え方が古い古いとは思っていたけれど、そこまでひどい男女差別主義者だったとは思ってもみなかったわ。あなたの存在は人類の発展の妨げにしかならないのだし、そろそろお休みになったらどうかしら』とか、『めんどくさいのは女子に限ったことではないでしょう?とびきりめんどくさい人間というのが今私の目の前にいる訳だし。…あ、ごめんなさいね、比企谷くんはそもそも話し合いに呼ばれないもの…疎ましがられる以前の問題よね。浅慮だったわ、謝るわ』とかそんな感じだろ」

結衣「な、なんか声マネがまたうまくなってるし…」

八幡「つまりだな。俺の発言から「男女差別」的なニュアンスを嗅ぎ分けてるのは、お前も雪ノ下も変わらない。だが、その先の持って行きかたが根本的に違う」

結衣「持ってきかた…」

八幡「お前の場合、ただ単純に「ひどい」と断じてしまうだけだから、会話はそこで終了だ。だが雪ノ下の場合、それを相手を攻撃する材料として昇華させる。一つの単語を分解し、肉付けし、関連ワードと結びつけるんだ。教えていないはずのことを知っていれば「ストーカー」、そこから「警察に通報」、「社会的に抹殺」みたいな感じにな。ようは超高性能コンピューターでやる連想ゲームみたいなもんなんだろうな、つっても俺じゃあいつの考えは読み切れんけど」

結衣「なんか、難しくてよくわかんない」

八幡「まぁ、それが答えだろ。あいつはああいう言葉遣いをするから優秀なんじゃない、優秀だから、ああいうしゃべり方をしても、まだ許されるんだ。あれであいつが馬鹿だったら、ただの口の悪い、性悪女だぞ」

結衣「ヒッキーその言い方ひどいし!」

八幡「事実だろ。別に悪く言ってるわけじゃない、ようは人それぞれっつーこった。お前は雪ノ下みたいにはなれないが、雪ノ下だっておまえみたいにはなれんだろ。ようは人それぞれ、変に変えようとすりゃ歪みも出る。それはお前の良さってやつをただ損ねちまうだけなんじゃねえの」

結衣「あたしの良さ…?そんなのあるのかな?」

八幡「あるんじゃねえの?ま、ちょっとどでかい馬鹿さ加減って幕で覆われちゃいるけどな」

八幡「ま、見えるやつには見えてるだろ」ボソッ

結衣「ヒッキーうっさい!!てかマジキモい!ありえない!馬鹿にしすぎだからぁ!……ありがと」

「りれきしょ」


雪乃「由比ヶ浜さん、それは…履歴書を書いているのね」

結衣「うん!この前言ってたバイトしてみようと思って!」

八幡「あぁ、コンサートスタッフのやつか。確かにはじめの一回は履歴書必要だったよな」

雪乃「由比ヶ浜さん、あまり字がはみだしたりしないように気をつけなさいね。字は下手でもいいの、丁寧に書きなさい?」

八幡「お前はたかしの母ちゃんか」

結衣「大丈夫大丈夫!前にバイトした時も履歴書書いたから!慣れてるから!あとは写真を張って…っと」

雪乃「ちょっと待ちなさい」

結衣「え?」

雪乃「え?じゃないわ。あなたそれ以前二人でとったプ、プリ、プリキュア?、じゃない」

八幡「惜しい。プリクラな。ていうかお前、前にも履歴書書いたことあんだろ?そん時もまさかプリクラ張ったの?」

結衣「んーん。そん時はちゃんと証明写真つかったよ?」

雪乃「じゃあ、なぜ今回はこんなものを使おうと考えたのかしら」

結衣「え!?だってこれ二人ともよく写ってるし、仲良し!って感じがするでしょ?あたしのお気に入りなんだー」

雪乃「由比ヶ浜さん…」

八幡「いやいや、だからってなんでプリクラ張んの?どんだけ発想が飛躍してんだよ、お前は伸び盛りのベンチャー企業かなんかなの?あと雪ノ下、お前も仲良しって言葉だけで説得されかけてんじゃねえよ。由比ヶ浜に甘過ぎだろ」

雪乃「はっ!そうよ由比ヶ浜さん、そもそも私まで写っているのが問題じゃない。初めて見る人はどちらが由比ヶ浜さんか、わからないでしょう?」

八幡「まぁ、一度会えば馬鹿っぽさで判断できるだろうけどな」

結衣「うっさい!でもゆきのんの言うことももっともだね。これは書き直さなきゃ…」

八幡「しかしお前、前に履歴書書いた時は普通だったんだろ?日に日に知識と常識が漏れ出して行ってんじゃねえの?どっかに穴あいてるかもしれないから、一度検査してもらったほうがいいって」

結衣「ヒッキー!!何言ってんの!?」

雪乃「そうね…。仮にそうだとすると、高校になぜ受かったのかも説明ができてしまうわ。比企谷くんにしては冴えているわね」

結衣「ゆきのんまで!?うわーん!二人ともひどい!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

雪乃「そうでもないでしょう?」

八幡「(言っちゃったよ、こいつ)」

「てすと」




結衣「ゆきのーん!!」

雪乃「いきなり、どうしたの、騒々しい」

結衣「これぇ!みてみて!」

雪乃「これは…テスト…?……!?こ、これは本物なの!?由比ヶ浜さん!?」

八幡「なんだ、雪ノ下までそんな慌てて…。これ、今日返却された数学の小テストじゃねえか…って64点!?由比ヶ浜が64点!?」

結衣「ふふーん」

雪乃「これは…夢でも見ているのかしら…。由比ヶ浜さんが数学のテストで…いえ、テストと名のつくもので6割を超えてくるだなんて予想していなかったわ…。よく…頑張ったわね、由比ヶ浜さん」ニコ

結衣「ありがとう!!ゆきのーーん!!」ガバッ

雪乃「………」ナデナデ

八幡「まじかよ…なんか今日三浦たちがいつもにましてうるさかったのはそのせいか…。ほんと明日は槍でも降るんじゃないの?いくら答えが選択式つったって…ん?選択式?」ペラッ

八幡「………」ペラッ

八幡「なぁ由比ヶ浜…一つ、聞いていいか?」

結衣「え…?なに…?」

八幡「おまえ途中式はどこにあんの?表にも裏にもほとんど書いた形跡がないんだが」

結衣「え…それは……。その、別の紙で計算して、こ、答えだけ移して」

八幡「いや、あの時机に出していいのは、このテストの紙と筆記用具だけだったろ」

結衣「あ、えっと、それは…その」

八幡「まあ「選択式」だからな、答えがあってさえいれば点数はでるけどな」

結衣「……」

雪乃「由比ヶ浜さん、離れてもらえるかしら」

結衣「ゆきのん!?」

雪乃「あなたがカンニングだなんて卑劣なマネをしただなんて、私は思ってはいないわ。ただ…理由を聞かせてもらえるかしら」

結衣「うう…、そ、それはその」

雪乃「………」

結衣「…で…いたの」

雪乃「え?」

結衣「全部勘で書いたのぉ!!」

八幡「はぁ!?勘!?」

結衣「ほとんど分かんなかったから、残りは全部勘で答えたの!!そしたらなんかいっぱいあたちゃって!!」

八幡「マジかよ、勘で書いて6割あたったのかよ。お前野生の勘鋭すぎだろ、視力といい、もうお前群馬にでも行ってアマゾネスにでもなったほうがいいんじゃないの?」

結衣「アマゾネスってなんだし!!てかなんで群馬!?」

雪乃「…もう、いっそあなたは勉強は諦めてその運の良さを磨いた方がいいかもしれないわね…センター試験はマークシートなのだし…奇跡が起こるかもしれないわ」

八幡「だな。俺だってわかんないところは全部埋めたけど、9点だったからな。由比ヶ浜、お前の運の良さは誇っていいぞ」

結衣「うわーーん、なんか今日は二人が妙にやさしい!!馬鹿にされたほうがましだからぁ!!生暖かい目でみないでよぉ!!」

「ついったー」


結衣「ねぇねぇ2人ってツイッターってやってる?」

雪乃「やってないわ」

八幡「やってねえな」

結衣「ええ~?やろうよー!楽しいよツイッター!?」

雪乃「いやよ。今のメールですら面倒くさいのに、これ以上負担は増やしたくないわ」

八幡「だいたいああいうのは、リアルが充実してる連中がネット上でもつながるためにやるもんだろ。俺みたいのがやってもネット上でもボッチになるだけだっつーの」

結衣「そうかなぁ?新しい友達とか増えるかもしんないよ?」

八幡「いらんいらん、そんなうっすい友達こっちから願いだっつーの」

雪乃「だいたいツイッターて最近よく事件になっているじゃない。そういうのは大丈夫なの?」

結衣「へーき、へーき。あたしがつぶやくのって今日何食べたーとか、誰と遊んだーとかそういうのばっかだし」

八幡「見事に何の生産性もないな。まぁつぶやくのは勝手だけど、個人情報につながる情報つぶやいたり、顔写真あげたりすんなよ?出会い系に勝手につかわれたりすんぞ」

結衣「大丈夫、大丈夫。これでもあたしネットリテラシーはしっかりしてるほうだから」

八幡「お前の口からネットリテラシーとかいう言葉が出てきたのがびっくりだよ…」

結衣「実はさっきねー、昨日とったうちのペットの可愛い写真をアップしたんだよ?ええと、ほらほらゆきのんの携帯でも見られるよ!ほらほら!」

雪乃「ちょっと、由比ヶ浜さん!勝手にいじるのは!?………。これが可愛いペットの写真…なのかしら…」

結衣「うん!!可愛いでしょ!!うまく撮れてね!お気に入りなの!!」

雪乃「そう…いえ…人の好みは千差万別だし、付き合い方は人それぞれだと思うから、それをとやかく言うつもりはないのだけれど」

八幡「まぁお前は、苦手だもんな。でもさがしゃあ猫の写真とかもあんじゃねえの?」

雪乃「………」ジロリ

八幡「なんで睨むんだよ…」

結衣「えー?そんなに変かなぁ……。ゆきのんが犬苦手なのは知ってるけど、サブレの写真、結構うまくとれ…ってぶぅえへえへぇ!」

八幡「お、おい。大丈夫か、なんかあったのか?」

結衣「ヒッキーごめん…こ、これ」

ゆいゆい yuiyui0618
あたしんちの可愛いサブレちゃんでーす!宜しくd(ゝ∀・*)ネッ!!
すっごい甘えん坊で、よく色々なところをペロペロしてくるの!゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。 キャァ♪
いっつもいっつもヾ(  `-ω)ω<*) ムリヤリチュッ♪
もうだいしゅき━・:*(〃・ω・〃人)*:・━!!


八幡「俺の写真じゃねええかあああああああああああああああああ!!!」

八幡「はやく消せ!すぐに消せ!!間に合わなくなってもしらんぞ!!」

yumiko-2F
なにこれ、ユイこれヒキオじゃん
ebina-bina
ペロペロだなんて、やだ///ユイったらダ・イ・タ・ン!
tobe-tobe
まじかー、ヒキタニ君まじパナいわー!乗り換えんのはやすぎっしょ!!
yamato-senkan
これからはペット系だよな!
Oh-Oka
え…ユイさんマジなんですか…?
H・H
ユイ、間違えたんならすぐ消したほうがいい。顔写真はまずいぞ

八幡「つつぬけじゃねえええかあああああああああああ!!!お前らネットリテラシーどこいっったああああああああああ!!こいつら名前間違えてるだけで本名しってたら、さらされてんぞおおおおおおおおお!!!」

結衣「ヒッキーまじごめん!!!あたしが馬鹿だったぁぁ!!すぐに消すからあぁあああ」

雪乃「やっぱり、ツイッターなんてしなくて…正解ね…」

乙です。ネタ拾って下さってありがとうございました(照)

>>123
すんません、葉山の下に小町いれるつもりで忘れてました

>>124
一応それも見てみたいな・・・>>1のSS面白いから是非ともみたい! って今の俺的にポイント高いよ!デュウフフフフフフフフ

「ついったーおまけ」

H-Komachi-machimachi
ユイさんありがとうございます!うちの駄犬で良ければいつだってもらってやってください!掃除、洗濯、料理機能に今なら菓子折りもついてくる!
あ、今の(略
megu-megu
仲がいいのはいいことだね!もしかして私、間違ってなかったかな??
kaori-mobmob
ていうか、こいつナルが谷じゃね?
isogo-mob2
オタが谷だろwww
izumi-mobrin
あいつソウブなのかwww
nakahara-moob
だれかRTしてやれよwww

八幡「中学のやつらにまで広がり出してんじゃねええかああああ!!!お前まじふざけんなあああ!!」

>>125

お褒めの言葉!ありがとうございます!とは言っても、文字数制限で入れられなかったのはこの程度の内容でした
肩すかしですんません!

「こそだて」


結衣「さぁ、ワタルくん~。お散歩いきまちょうねー」

ワタル「あくるすき」

結衣「そうでちゅねー、お散歩楽しいでちゅねー」

ワタル「だえ」

八幡「………」

結衣「でちゅねー、どこいきまちょー」

結衣「って、ひ、ヒッキー!?」

八幡「……おう」

結衣「………」

八幡「……じゃあな」

結衣「ちょ、ちょっと待ったー!」

八幡「…んだよ?離せよ、俺本屋行くんだよ」

結衣「違う!違うから!」

八幡「別に法的に問題があるわけじゃないんだから、いいだろ。子供、大事にしろよ」

結衣「だから!違うの!法律が良くてもヒッキーに誤解されたらあたしが困るの!!」

八幡「……はぁ。で?その親戚の子供がどうしたんだ?」

結衣「だから、ちが…へ?ひ、ヒッキーあたしの子供だって勘違いしたわけじゃないんだ!?」

八幡「当たり前だろ。何言ってんだ?お前に三歳くらいの子供がいるなんて、どうやったら俺が思うっつんだよ。常識で考えろよ」

結衣「そっか…よかった…って、じゃあなんでさっき逃げようとしたの!?」

八幡「いや、お前に関わると面倒だなって思ってな」

結衣「ひどい!!ヒッキー!…や、やっぱりこないだのこと怒ってる?」

八幡「あ?それツイッターのこと言ってんの?なら気にすんなよ。三浦と大岡にガンつけられた上に、葉山からは哀れみの視線を向けられ、それを見た海老名さんが鼻血を流し、戸部から『サブレちゃ~ん』って呼ばれた上、家にかえりゃ小町に荷造りされてたくらいだからな、気にすんなよ」

結衣「やっぱり怒ってるし!気にすんなって二回いったし!……ほんとにごめんね。ヒッキー……」

八幡「あー……、いやまぁ、本当に気にすんな。男の顔写真なんて、女の顔写真に比べりゃなんの利用価値もないしな。ただまぁ、あの調子で自分とか雪ノ下の写真あげたりすんなよ?三浦とかにもよく言っとけ」

結衣「う、うん、ごめんね。ヒッキーありがと」

八幡「っ!ま、まぁ、そういうわけだから。俺先いくわ。じゃあな?ってあ?」

ワタル「ぱあもまあといっしょ、あくる」ギュー

結衣「わ、わたるく~ん?そ、その人はパ、パパじゃないし、わ、わたしもマ、ママじゃないよ」

ワタル「や、ぱぁとまぁいっしょあくる」ギュー

八幡「………。ま、そこの公園までなら本屋に向かう通り道だからな」

結衣「え……、あ!!うん!!」ギュウ

八幡「………」

結衣「………」

雪乃「………」

結衣「あれぇ!?え!?ゆきのん!?」

雪乃「…こんにちは。…さようなら」スタスタ

結衣「ちょ、ちょっとまってゆきのん!これは違うの!!訳があるの!!まってゆきのん!!ゆきのおおおおおおおん!!!」

八幡「(なんなの。今日に限ってエンカウント率高すぎでしょ。乱数調整どうなってんの…)」

いい父親になりそうだよね、八幡
ただむちゃくちゃ娘を溺愛するだろうけどな

>>133

娘を溺愛し「近づくものは兄でも[ピーーー]」と、かつての自分の父親と同じことを言ったあげく、娘からファブリーズかけられるまである
何それ泣きそう

「めいたんてい」



コンコン
雪乃「どうぞ」

めぐり「失礼しま~す」

結衣「あ、城廻先輩!」

めぐり「こんにちわ、由比ヶ浜さん。今日も元気そうだね」

結衣「はい!元気です」

めぐり「うんうん、いいねいいね。元気が一番だよ~、雪ノ下さんも、比企谷くんも元気そうでなによりだよ~」

雪乃「はい、ありがとうございます。それできょー」

めぐり「あ、比企谷くんちょっとちょっと」チョイチョイ

八幡「はぁ…なんでしょう」

八幡「(ていうか相変わらずこの人近いな)」

めぐり「みたよぉ?ツイッタぁー?」ヒソヒソ

八幡「え!?あ、あれはですね。色々事情がありまして…」

めぐり「またまたぁ、由比ヶ浜さんいい子だしー、可愛いんだから、大事にしてあげないと、ダメだよ?」ヒソヒソ

八幡「だから、本当にそういうんじゃー」

めぐり「それでね!雪ノ下さん、今日はまた相談があってきたんだ」

八幡「(って聞いてねえし)」

結衣「………」ジッ

八幡「んだよ?」

結衣「べつにっ!」プイッ

めぐり「実はね、文芸部から消えた本を見つけ出して欲しいんだ」

雪乃「はぁ、本、ですか」

めぐり「そうなの!文芸部の部長をやってる子がいるんだけど、その子に頼まれちゃって」

雪乃「しかし盗まれた本を捜す、というのは私たちにはちょっと…。それはもう警察の領分ですし、私たちの出る幕ではないのでは」

めぐり「その子あまり目立つのが好きじゃない子でね、できれば警察とかには伝えたくないんだって。それに盗まれたのも文庫本が数冊だから、もし伝えてもちゃんと動いてはくれないと思うし…」

雪乃「それは…。そうですね」

めぐり「おねがい!頼まれてくれないかな?」

雪乃「しかし、どうして私たちに?」

めぐり「実ははるさんにー、雪ノ下さんが手紙を見ただけで犯人から何から当てちゃったって聞いて!」

八幡「(あの人そのこと知ってるのかよ…。平塚先生が自分で言ってまわるとは思えんし、まじで草でも放ってんじゃねえの…)」

雪乃「姉さんに…?……なるほど。そういうことならお話は彼が伺います。解決したのはこの男ですから」

八幡「え、ちょ、おま。俺が聞くの?」

めぐり「比企谷くんが名探偵だったんだね!!実はやる子だって思ってたよ~。ね、お願い、頼まれてくれないかな?」ギュ

八幡「あ…いや、あの。解決したって言っても流れでたまたまそうなっただけっていうか…。別に犯人を追いつめたわけでもないので」

めぐり「ううん、犯人を探し出したいってわけじゃないからそれでいいの。その子としては先輩達から引き継いだ本がちゃんと返ってくればそれでいいって」

八幡「いやでも、見つかるかどうかなんて保証は全然できないっすよ?」

めぐり「うんうん、それでもいいの!」

八幡「はぁ…その…じゃあ、まぁやるだけなら…。なんで手ぇ離してもらってもいいっすかね」

めぐり「あ、ごめんね。私ついつい興奮しちゃって。これでもホームズとか読んだりするんだよ!」パッ

八幡「はぁ…そうですか」チラッ

結衣「………」ジトー

八幡「はぁ…それで、先輩たちから引き継いだ本って数はあるんですか?」

めぐり「うん、私も見せてもらったけど、ちょっとした図書室並みだよ~?蔵書は、歴代の卒業生達がどんどん寄贈していったものらしいの。自分の読んでいた本とか、お気に入りの本とか、後輩に読んでもらいたい本、とかね。まぁ、家に置ききれなくなった本を押し付けたなんてのもあったみたいだけど」

八幡「なるほど…」

めぐり「それでね。これが今回なくなった本のリスト、預かってきたんだー」

なくなった本リスト

アルジャーノンの花束を          ダニエル・キイス    早川書房
海底二万里(下)             ジュール・ヴェルヌ   新潮文庫
仮面山荘殺人事件             東野圭吾        講談社文庫
さよなら妖精               米澤穂信        創元推理文庫
斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七編 太宰治         文春文庫
ジュリアとバズーカ            アンナ・カヴァン    サンリオSF文庫
十五少年漂流記              ジュール・ヴェルヌ   新潮文庫
たんぽぽ娘                ロバート・F・ヤング  集英社文庫 コバルトシリーズ
吾輩は猫である              夏目漱石        新潮文庫


八幡「………」

八幡「なくなった本が何かすべて分かっているんですね」

めぐり「うん、文芸部で管理していた本も部の備品扱いになっていたからね。目録を作って全部管理していたみたいだよー」

八幡「じゃあ、目録と付き合わせてなくなった本を見つけ出したってことですか」

めぐり「うん、そうみたいだね~、すごい重労働だよね!」

八幡「(えらい他人事だな。まぁ他人事か)」

めぐり「文芸部も見た方がいいっていうなら、話しとくけどどうする?現場百遍っていうし!」

八幡「あー、いや。別に刑事じゃないんで、現場にいったところで何か分かるわけでもないと思いますんで、大丈夫です」

めぐり「…そっかー。うん、そうだね。でも見たくなったらいつでも連絡して?これ私のアドレス」

八幡「は…、はぁ。てか先輩名刺なんて持ってるんですね…」

めぐり「ふふーん。なにせ、生徒会長だからねぇ!あ、でももうすぐ『元』になっちゃうけどね」

結衣「………」

めぐり「あ!雪ノ下さんに由比ヶ浜さんも!名刺どうぞどうぞ!」

雪乃「はあ、どうも」

結衣「あ、ありがとうございます」

めぐり「あ、それじゃあ私ちょっと行かなきゃ行けないところあるから!またよるね。よろしくね、比企谷くん、雪ノ下さん、由比ヶ浜さん!」

八幡「相変わらずすごい人だよなぁ…」

雪乃「そうね…」

結衣「………」ムスー

八幡「お前はなんでむくれてんだよ…」

結衣「別に!だいたい、何!?手握られてニヤニヤしちゃって!ヒッキーの変態!キモい!スケベ!」

八幡「な!お前、別にニヤニヤなんかしてねえだろ!」

結衣「してたじゃん!このムッツリ!ムッツリスケベ!!」

八幡「おま…言うに事欠いてだなぁ」

雪乃「言っておくけれど、あなた、本当にニヤニヤ気持ち悪かったわよ。由比ヶ浜さん、これに懲りたらもう胸元が強調されるような服装をするのはやめなさいね。この気持ち悪い男がいつもチラチラ見ているわよ。本人は気づかれていないつもりだったんでしょうけど」

八幡「おい、おまえ、やめろ。まじで」

結衣「ふーん…、いっつもチラチラ見てるんだ…。ふーん…」

八幡「いや、みてない。ぬれぎぬだ、やめろ」

結衣「ふん…ま、いいけど…!ヒッキー、まじきもい」フフッ

雪乃「まぁ、それはいいのだけど。あんなこと引き受けて何か策はあるの?」

八幡「はぁ!?お前が押し付けたんだろうが、なんなのその言い方」

雪乃「別に私は引き受けろだなんて一言も言っていないわよ。どこかの男が勝手にハニートラップに引っかかって、引き受けてしまうだなんて完全に想定外だわ」

八幡「ぐ…。反論できねぇ…」

結衣「はにーとらっぷ?はにとー?」

雪乃「一言で言えば色仕掛けで相手から情報を得たりする行為のことよ、由比ヶ浜さん。女スパイなんかが使うって言われているわ。性欲に忠実な獣のような男が引っかかるのよ、この男みたいな」

八幡「おい、倒置法で人を揶揄すんのやめろ。だいたいそれじゃめぐり先輩が某国のスパイみたいだろ、訂正しろよ」

雪乃「しかし、このリストの本にはなんの統一性もないわね」

八幡「おい。……まぁそうだな。そもそもなんでこの本を盗んだのか、だ」

結衣「読むためじゃないの?」

八幡「いや、その可能性はないわけじゃないが低いだろうな」

結衣「どうして?」

八幡「そもそも、このリストにはパッと見でわかる変なところがあるんだ」

雪乃「ジュール・ヴェルヌね」

八幡「ああ。これだけ2冊入ってるってのもあるが、問題は海底2万里のほうだ」

結衣「海底二万里…。あ!これだけ下になってる!」

八幡「ああ、海底2万里はかなり長いんだよ。リストに乗ってる新潮文庫じゃなくて、岩波書店版がうちにもあるけど、あれも上下巻に分かれてる」

結衣「そっか…なのに下だけ持って行くのは…」

八幡「ああ、ちょっと不自然だろ?それに…」

八幡「リストの本は…『さよなら妖精』…はともかく。どれも結構有名なのが多い、図書館に行きゃだいたい読めるんだよ。芥川とか太宰、たんぽぽ娘なんかもそうだが、著作権がきれててネット上で読めるやつもある。読むだけならわざわざ盗み出すことはない」

雪乃「そうね…とするとやはり読む意外で本を何かに使ったということになるのかしら…」

八幡「本読まない代表の由比ヶ浜?読む以外で本を使うとしたら何に使うと思う?」

結衣「変な代表にすんなし!!うーん、例えば…重ねて枕にする?」

八幡「お前は摩耶花たそかよ」

結衣「誰?それ?」

八幡「いや、いい。他には?」

結衣「うーーん、家具の下にしいて高さを調節?」

雪乃「本への冒涜ね…」

八幡「他は?」

結衣「服の下につめて防弾チョッキ!!」

八幡「ああ、もういいわ」

結衣「自分が聞いたんでしょ!?じゃあもう、盗んだんだから売ったんじゃないの!?」

雪乃「由比ヶ浜さん、これらは全部文庫本よ?売ったって二束三文だわ」

八幡「…………」

結衣「ヒッキー、どうしたの、怖い顔して?」

八幡「いや、確かにリストを見た時から引っかかってることはあるんだ…。だがそれが何かがわからん。どっかで見た気がすんだよな。うーん………!」

結衣「なんか思いついたの?」

八幡「……いや。すまんちょっと図書館行ってくる」

結衣「え?どうしたの、急に?」

八幡「憶測で話を進めんのは危険だ。リストの本が本当にうちの図書館で読めないか確認してくる。ちょっと待っててくれ」
ガラガラ、ピシャ

ガラガラ

結衣「あ、ヒッキーおかえりー。本あった?」

八幡「おう、全部あったぞ。米澤穂信も『インシテミル』どころか『氷菓』まであったわ。うちの図書館品揃えすげーわ、そりゃ『ぐりとぐら』もあるわけだよな」

結衣「またその話~?」

八幡「あとあれだ、引っかかってた理由もわかった。やっぱり由比ヶ浜お前の考えが正しかった」

結衣「え?じゃあ枕にしたの?」

八幡「ちげーよ。なんでそうなんだよ。売るために盗んだって話だよ」

雪乃「売るために…?でも、リストの本は全部文庫本でしょう?」

八幡「ここにその答えがある。『ビブリア古書堂』、だ」

雪乃「『ビブリア古書堂』…、名前は聞いたことある気がするけど。読んだことはないわね」

八幡「だろうな。お前が読んでたら多分一発で答えにたどり着いてたはずだ」

雪乃「………。それはどうも」

結衣「びぶりあ、びぶりあ…あ!!思い出した!!前にドラー」

八幡「おい!!その話はすんな!!」

結衣「え…でも…」

八幡「黒髪、ロング、ストレート!栞子さんのイメージは決して崩されちゃいけない神域なんだよ!!いいか、ドラマなんてなかったんだ!!」

結衣「なに…ヒッキー…急に。きもいし。っていうかヒッキー、黒髪のロングが好きなの…?」

雪乃「………」フ…

八幡「あ?別にんなこと言ってねえだろ。イメージの問題だよ、イメージの」

雪乃「………。それで?気持ち悪い比企谷くんは、その本から何を導きだすというのかしら」

八幡「いちいち罵倒語を挟むなよ…。あれだ、この物語は本にまつわるちょっとした謎とかを、栞子さんが持ち前の観察力でー」

雪乃「そんなことは聞いていないわ。結論だけ言ってもらえるかしら」

八幡「……。リストの本の中にこの作品の中で紹介されている本がある『ジュリアとバズーカ』と『たんぽぽ娘』だ。特に『集英社文庫 コバルトシリーズ たんぽぽ娘』は作品中でそのまま、高額文庫として紹介されてる」

結衣「高額って…どのくらい高いの?」

八幡「ああ、それもamazonで調べてみた。『たんぽぽ娘』のほうは今現在で49800円から69800円の間で値がついてる。『ジュリアとバズーカ』のほうも12998円から2万円の間だな」

結衣「文庫本一冊で!?」

八幡「ああ。多分、犯人も俺と同じで『ビブリア古書堂』を読んでたんだろうな。そしたら文芸部の部室で本に出てくるのと、同じもんを見つけちまった」

雪乃「それで盗んだ…ということね。他の本を盗んだのは偽装工作ということかしら」

八幡「だろうな。本を隠すには、本の中ってことだ。実際俺たちも、盗まれた本の関係性なんつーことを考えてたわけだしな」

雪乃「…現実は小説のようにはいかないのね」

結衣「でもさでもさ、だったらもう犯人は本を売ってお金に買えちゃったんじゃないの?」

八幡「いや、その心配はないと思うぜ」

結衣「どうして?」

八幡「いや、本を売ったりする古物取引っつーのは、盗難物が取引されるのを防ぐため、住所とか名前、それに身分証明書とかださないといけないんだよ。古本屋なんて高校生にゃ敷居が高いし、そんな高校生がいきなりあんな高額文庫を持ち込めば、店員の記憶に残っちまう可能性も高いだろ?かといってブックオフなんかに持ってっても金にはならんからな」

雪乃「でも犯人がそんなことを気にしない人間である可能性もあるでしょう?お金にしようと窃盗したわけなのだし」

八幡「いや、まあ、それはあれだ…。実を言うと、怪しい奴を見つけた」

八幡「これを見てくれ」

結衣「それって…さっき見たamazonの『たんぽぽ娘』のページじゃん」

八幡「ああ、この文庫本を出品してる奴らの中に新規出品者が二人いる」

結衣「どういうこと?」

八幡「ようはこいつらは、これまでamazonを使って本を売ったことが一度もない。古本屋とかなら当然何十件、何百件、何千件と取引実績があってもおかしくないからな。この二人は個人である可能性がある」

結衣「でもこういうのってお店じゃないと出品できないんじゃないの?」

八幡「いや、実はそうじゃない。こうやってamazonの出品…アマゾンマーケットプレイスっていうんだが、これは実際は法人じゃなくても登録できる。表示されてるなんとか書店なんつーのは、ニックーネームみたいなもんにすぎないんだ」

八幡「もちろん、実店舗を持っている連中はそれに名前をあわせるし、結構大きな企業も参入したりしてるけどな。ただそれと同じ土俵で個人が商品を販売することが可能なんだよ」

雪乃「やけに詳しいのね」

八幡「ああ、まぁな。実をいうと中学ん時はここで本売ったりしてたんだよ。送料込みで定価の100円引きとかでも、結構買ってくれたりするからな。ブックオフみたいなとこに持ってくより全然いいし、ヤフオクみたいにやり取りしないで済むしな。あ、ちなみに店舗名は『ブックス小町』だった」

結衣「いちいちシスコン挟まなくていいからぁ!」

雪乃「それで?その二人が怪しいというの?」

八幡「ああ、まぁ一人は埼玉だからな完全にシロだ。ただもう一人の出品者は千葉のやつなんだよ」

結衣「そ、それじゃ」

八幡「ああ、気になって見てみたら同じ出品者が『サンリオSF文庫 ジュリアとバズーカ』も出品してるんだよ。このタイミングで高額文庫…しかもこの二冊を、取引実績のない千葉のやつが出品してんだ。まぁかなり怪しいよな」

雪乃「確かに…怪しいけれど、決め手にはかけるでしょう?何か策でもあるの?」

八幡「カマをかける」

結衣「かま?どういうこと?」

八幡「確かにこの出品者は連絡先が非公開になってるから、そこから調べることはできないんだが、メールは送れるんだよ。在庫とか状態を確認するように用意されたアドレスがな。これはamazon側で暗号化されてるから、メールアドレスそのものはわからんが内容そのものを送ることはできる」

雪乃「間違っていたらどうするの?問題になるわよ」

八幡「大丈夫。その時は千葉に住む無実の人間が、ただ意味のわからない問い合わせメールを受けるだけだ」

結衣「だけって…」

雪乃「………。そう、相変わらず強引な手段ね。まぁいいわ、あなたが受けた依頼なわけだし、あなたの気に済むようにしたらいいわ」

八幡「ああ、そうさせてもらう。ま、せいぜい文章は工夫するさ。犯人しかわからない情報をふんだんにもりこんで、な」

翌日


めぐり「もうほんと助かったよ~!文芸部の子が今日部活にいったら、部室のドアの前に本が入った袋が置いてあったんだって!」

結衣「ヒッキーの考え当たってたんだ!」

めぐり「もう~!すごいよ比企谷くん!ほんとに名探偵だね!」ガシッ

八幡「いや!その!たまたま運が良かっただけなので!だからその、手は!」

めぐり「謙遜しない!謙遜しない!ほんとにびっくりしてるんだよ~!あ、そうだ~、今度お礼にーなんかおごってあげるね!!」ブンブン

八幡「いや、ほんとに!そんなんじゃないんで!全然気にしないでください!マジで!」

めぐり「うんうん、天狗にならないのも名探偵の資質だよね!!いいねいいね、最高だよ~君~、かっこいいよ~?」ギュウウ

八幡「いや、だから!」

めぐり「雪ノ下さんも、由比ヶ浜さんもありがとね~!!ほんとに相談して良かったよ!」

結衣「い、いえ!」

雪乃「お気になさらず」

めぐり「それじゃあ、三人共!!また何かあったらよろしくね!」

ガラガラ、ピシャ


八幡「やれやれ…」

結衣「………」

雪乃「………」

八幡「なんなのお前ら、怖い、怖いよ。殺気立ちすぎだろ、赤と青のオーラみたいの出てんぞ」

雪乃「ふぅ…。まあいいわ」





雪乃「さぁ比企谷くん。本当のことを話してもらえるかしら?」

八幡「………。何言ってんだ雪ノ下?」

結衣「ゆ、ゆきのん?どういうこと?」

雪乃「比企谷くんは、私たちに隠し事をしている。そうよね?」

八幡「なにを根拠にそんなことを…」

雪乃「私は昨日帰った後、例のマーケットプレイスについて調べたわ」

八幡「………」

雪乃「既にその時には出品は取り消されていたけれど、興味深いことがわかったわ」

結衣「興味深いこと?」

雪乃「ええ、連絡先を非公開にしている場合、住所はまったく表示されないのよ。都道府県だろうとね」

八幡「それが、なんだよ」

雪乃「あなたは昨日出品者は連絡を非公開にしている、と言っていた。でも出品者が千葉の人間だとも言っていたわ。あら?矛盾しているわね?」

八幡「そんなこと言ったか?」

雪乃「言ったわ。あなた、私の記憶力がいいのは知っているでしょう?下手な言い逃れはやめなさい」

八幡「………」

雪乃「それに昨日のあなたはやけに自信ありげだった。根拠があんなに薄いにもかかわらず、ね」

雪乃「私はこう考えているわ。出品者の連絡先は『非公開』なんかになってはいなかった。あなたは犯人の住所を知っていたでしょう?だからあんなに自信を持って行動することが出来た、違うかしら?」

八幡「………」

雪乃「沈黙は肯定ととらせてもらうわよ。それに図書館からの帰りもやけに遅かった」

結衣「で、でも、本を一冊一冊調べていたらあのくらい時間かかるんじゃないの」

雪乃「この男がそんな面倒くさいことを進んでやるわけがないでしょう?楽をするためには努力を惜しまない、なんて豪語する男なのよ?図書委員に頼むこともできるし、検索用PCでどの本があるかくらいは検索することくらいできるわ。それに調べたと嘘をつくことも、ね」

八幡「……っ!」

雪乃「私は今日の昼休み図書館に行って調べてきたわ。結果『さよなら妖精』はうちの図書館にはなかったわ。確かに『インシテミル』や『氷菓』はあったけれど。つまりあの時、比企谷くんは別のことをしていたの、そうでしょう?」

八幡「それはだな……。その、なんだ。……はぁ…降参だ」

結衣「ヒッキー…!?」


雪乃「さぁ、すべて話してもらうわよ」

八幡「雪ノ下の言う通りだ。例の出品者の住所は公開されてた。最初からな」

結衣「ヒッキー…」

八幡「最初は本当に高いのか確認して、あとはヤフオクにでも出品されてないか調べるつもりだったんだけどな。まさかいきなり当たりを引くとは思わなかった」

八幡「住所はうちの学校の近所だったよ。バスか、下手すりゃ徒歩でも通えるくらいのな。それでほとんど確信したが、あの時はその確認をとりに行ったんだ」

結衣「確認ってどうやって?家に行ったの?」

八幡「違う。平塚先生を通じて確認した」

雪乃「まったく…あなたにもだけど、平塚先生にも呆れるわね。そんなことを生徒に漏らすだなんて」

八幡「いや、先生はそんなことしてない。ただ名簿を出したまま煙草を吸いに席をはずしてな、その隙に俺が盗み見ただけだ」

雪乃「はぁ…。まぁ、そういうことにしておくわ。それで?」

八幡「まぁ、住所は一致したよ。めぐり先輩と同じ三年生。つい最近、文芸部を引退した人だった」

結衣「犯人わかっちゃってたんだ!」

雪乃「それで、犯人が分かっていながらどうして捕まえようとしなかったというの?」

八幡「いや、まあ。なんだ。そいつも3年だしもう受験だからな。今の時期に事件にでもなれば受験に差し障りがでるだろ?」

雪乃「そんな理由で犯罪者を逃がしたとでも言うの?甘いのね」

八幡「別に、そうじゃねえよ。ただこれで受験に失敗すりゃ、確実に逆恨みされんだろ?部活動でそんな恨み買うなんてあわんだろうが」

結衣「じゃあ、ヒッキーはあたしたちに恨みが来ないようにしたの?」

八幡「ばっか言え。俺は自分が一番可愛いんだよ。自分を守っただけだ」

雪乃「本当に素直じゃない男ね。まぁ、そういうことにしといてあげるわ」

八幡「だいたいだな。依頼は『犯人を捕まえる』ことじゃなくて、『本を取り戻す』ことなんだよ。別に犯人を追いつめる必要なんてこれっぽっちもないじゃねえか」

雪乃「…そうね。まぁ、今考えれば依頼人は最初から犯人分かっていたのかもしれない」

結衣「え!?そうなの!?めぐり先輩が!?」

八幡「違う。めぐり先輩に依頼した、文芸部のやつだ。うちもそうだが、部室に入るには職員室で鍵を借りなきゃいけないから、鍵を壊しでもしない限り中には入れない。だから部室で盗みを働ける人物なんて、現役の部員か、元部活関係者、ようするに出入りしても疑われない人間でしかありえねぇんだ。仮に人がいない隙をみて忍び込んだとしても、盗まれたのは本、しかも高額文庫だ、例えばカメラみたいに忍び込んですぐ簡単に値段が高いと分かるもんじゃない。つまりは事前にそこに高額文庫があったことを知っていた身内の犯行って可能性ははじめから高かったんだ」

結衣「そっか…」

八幡「犯人であるとの確証を持てなかったのか、確証はあっても攻められなかったのかは知らんけどな。外部の人間に解決してもらう、のが一番いいって考えたんだろ。自分は関わっていないって体でな。だからわざわざめぐり先輩を通して依頼してきたんだ、その証拠に本人は顔一つださんだろ?」

結衣「むぅ…、そっか…。でもなんかそれってやーな感じだね」

八幡「別に、まあいいんじゃねえの?ちょっとした気分転換にもなったし、このまま総武高校の汚い折木を名乗るのも悪くない。省エネ主義はなかなか俺にもあっているしな」

結衣「まーた、なんか変なこと言い出した!だいたい折木って誰!?」

雪乃「比企谷くんが言っていた『氷菓』の主人公ね。それにしても自分に『汚い』という形容詞をつけてしまうあたり、さすが比企谷くんだわ」

八幡「まぁな。あ、そうそう。お前の推理、一つだけ間違ってるぞ?」

八幡「犯人はな。住所を非公開にしていたわけじゃない。基本設定じゃ住所は表示されないんだ。犯人は、ご丁寧に住所が「表示される」ように設定してあったんだよ」

雪乃「なぜそんなことを?」

八幡「さあな、ちゃんと説明を見てなかったか。そうしなきゃいけない、と思い込んでたのか、俺にはわからん。というより古本屋で住所を出すのは嫌で、ネットに晒すのは大丈夫だなんて感覚、俺には理解不能だ」
八幡「ただ、ツイッター時にも思ったんだがリア充ってやつは、ネットで平気で本名プレイをしやがる。葉山を除けば、アカウント名まで本名だったしな。まぁ、そういうのの延長上にあったって事かもな。知らんけど」

雪乃「相変わらず適当なのね…。まぁ、今回はあなたのお手柄ね。よくやったわね、褒めてあげるわ」

八幡「また、えらく上からだな。おい」

結衣「う、うーーー」

八幡「どうしたんだよ、由比ヶ浜。そんなむくれて」

結衣「ゆきのんもヒッキーもすごいのに。あたしだけ今回なんの役にもたてなかった…」

八幡「なんだ、そんなことか。いいんじゃねの?お前はいるだけ、で」

結衣「いるだけってなんだし!!あたしがそんな役立たずだっていいたいの!?」

八幡「ちげーよ、馬鹿。そういうこと言ってんじゃないんだよ馬鹿。わかれよ馬鹿」

結衣「馬鹿馬鹿いうなし!!わかるわけないでしょ!?意味わかんないし!!」

雪乃「そうね、由比ヶ浜さんは『いてくれる』だけで十分だわ」

結衣「うわーーん!ゆきのんまで!二人ともひどい馬鹿にしすぎだからぁ!!」

うう、名探偵ネタにしようとしたら、どえらい長くなってしまった。
次からは短編に戻します…。もう長編はかかない!絶対に、絶対にだ

「だいろっかん」


結衣「今日はなんか部活早く終わったね!ゆきのん、これから何か用事でもあるの?」

雪乃「いえ、そういうのではないのだけれど。ただ少し嫌な予感がしたものだから」

結衣「嫌な予感って第六感ってやつ?」

八幡「おー、よく言葉がでてきたな由比ヶ浜。花丸をやろう」

結衣「いらないし!あたし小学生じゃないし!花丸で喜ばないし!」

八幡「まぁ、でもあれだな。雪ノ下が嫌な予感なんてもんで動くなんて、こりゃよっぽどー」

陽乃「はぁ~い♪ゆ・き・のちゃん!」

八幡「(あー、よっぽどきちゃったわー)」

雪乃「……はぁぁ。姉さん…」

陽乃「そんなおっきなため息つかないでよぉ?お姉ちゃん傷つくなぁ。せっかくこんなところで偶然出会えたんじゃない」

雪乃「偶然?必然でしょう?大方携帯電話のGPSで確認して、待ち伏せていたというところかしら。一体なんの用なの?」

陽乃「さっすが雪乃ちゃん!話が早いなぁ。めぐりから聞いたよ?最近いろんな事件を解決してまわってるんだって?」

雪乃「その話なら、あの男に聞きなさい。事件はほとんど彼が一人で解決しているようなものだもの」

八幡「(また俺にふんのかよ)」

陽乃「ありゃあ、ガハマちゃんにサブレちゃん!やっはろー!」

八幡「……どうも」

結衣「やっはろーです…ってえええ!?陽乃さん、なんで知ってるんですか!?」

八幡「(別に驚くことじゃねえだろ。むしろ知らなかったらそっちのが驚きだよ)」

陽乃「ええ?知ってるってなんのことぉ?うーん、それにしてもガハマちゃんの肌ってツルツル、プニプニだねぇ。サブレちゃんがいっぱいペロペロしてあげてるのかなぁ?」

結衣「そそそ、そんなんじゃないです!!」

陽乃「うんうん、仲がよくってよろしい!でもサブレちゃん、たまには雪乃ちゃんを相手してあげなきゃ、だめだぞ?ああ見えてー、雪乃ちゃんさびしんぼうなんだから」

八幡「はっはっはっはっは。んで、なんか用があって来たんじゃないんですか。雪ノ下さん」

陽乃「んー?」キョロキョロ

八幡「いや、なんで不思議そうな顔してあたり見回してるんですか」

陽乃「え~?だってこの場には雪ノ下が二人もいるもの~、ちゃんと雪乃ちゃんを雪乃って呼んであげるかー、わたしのことをはるおねーちゃんって呼んでくれないとわからないなぁ?」

八幡「いや、分かってるじゃないですか。呼び捨てが雪ノ下で、さん付けが雪ノ下さんでしょ」

陽乃「え~?比企谷くんたらわけのわからないことを言うねぇ?」

雪乃「わけのわからないことを言っているのは姉さんのほうでしょう。用事がないのならさっさと帰ってちょうだい」

陽乃「え~?でも~、ここって天下の往来だよ~?雪乃ちゃんが帰れ、なんて言える権限ないと思うんだけどなぁ?」

雪乃「そう。なら私たちが去るわ。行きましょう、由比ヶ浜さん、比企谷くん」

陽乃「あ~ん、言っちゃうの雪乃ちゃーん。お姉ちゃんはー、雪乃ちゃんの味方だから頑張ってねー。ガハマちゃんも優勢だからって油断しちゃだめだよぉ?サブレちゃんはお姉ちゃんをペロペロしたくなったらいつでも言うんだぞ♪」

結衣「あ、じゃ、じゃあ失礼します」ペコリ

テクテク

八幡「………ッス」ペコ

結衣「陽乃さん…何しに来たんだろうね」

八幡「……からかいに来たんだろ。個人的にはもう少し早くくると思ってたぞ。まぁお前みたいな馬鹿じゃなくてもあの人の考えは読めんだろ」

結衣「ヒッキー!!ひどい!馬鹿にしす…ぎでもないよね…うん……」

結衣「………オチつかないね……」

八幡「いちいち会話にオチもとめんじゃねえよ…、関西人かよ……」

すいません。陽乃さんはコントロール不能でした

>>177
お前の罪を数えろ

>>178
だってゆきのんが勝てないのに、俺が勝てるわけないじゃないですか!!
どうやって勝てって言うんですか!!俺のかーちゃんを馬鹿にしてるんですか!うちに帰らせてもらう!!

ごめんなさい

みなさん川崎さん好きなんですね。次のタイトルは「かわさき」にします。

「かわさき」





結衣「あれー?ヒッキーじゃん?」

八幡「お?ああ、由比ヶ浜か。珍しいな、お前が一人でファミレスにいるなんて。なにしてんの」

結衣「それこっちのセリフだしー。優美子たちと遊ぶ約束してたんだけど、急に風邪引いたって連絡が来ちゃって。ママには外で食べてくるって言っちゃったから、ここで食べようと思ったの。ヒッキーは?」

八幡「俺は小町と待ち合わせだ。あいつの塾が終わったら一緒に遊びに行くんだよ。たまには気分転換させてやらないとな」

結衣「あ!小町ちゃん来るんだ!ねぇ、あたしもここ座っていい?」

八幡「え~?」

結衣「そんな嫌そうな顔すんなし!」

八幡「だって小町と二人っきりの時間を邪魔されたくないんだけど~?」

結衣「言い方がキモいし!いいじゃん!時間までいるだけなんだから!」

八幡「え~?」

小町「およ?結衣さんじゃないですか!やっはろーです!」

結衣「あ!!小町ちゃん!!やっはろー!」

大志「お兄さん!お久しぶりっす!」

八幡「…………。お前なんだよ、誰だよ、誰もお前を求めてねえんだよ。マジで空気読めよ。ていうかお兄さんって呼ぶな。大気圏外まで第2宇宙速度でぶっ飛ばすぞ」

大志「ええ!?死んじゃうっすよ!大志っす!川崎大志っす!川崎沙季の弟の大志っす!」

八幡「知らねえよ。うるせえよ。お前まじ何なの、お呼びじゃねえんだよ。何で来たんだよ。ていうか誰なんだよ」

結衣「なんかヒッキーがすごいテンションになってる……!!」

大志「大志っす!川崎大志っす!!チャリで来たっす!!」

八幡「うるせえよ。何なんだよ。そういうこと聞いてんじゃねえんだよ。うまいこと言ったみたいな顔してんじゃねえよ。小町~!!何でこいつ連れてきたんだよ。大体誰なんだよ、こいつ!!」

小町「同じ塾の川崎大志くんだよ!大志「川崎大志っす!」ほら、志望校一緒だし。せっかくだから一緒にパーっと遊ぼうと思って!」

八幡「え~!?小町~!今日はお兄ちゃんとデートだって言ったじゃんか~!!あと大志は小町の言葉にかぶってんじゃねえよ、絞め落とすぞ」

大志「川崎大志っす!!死んじゃうっすよ!ってあれ!?誰だって聞かないんすか!?」

八幡「うるせえよ。それ持ちネタにしてんじゃねえよ。いい加減しつこいんだよ」

結衣「まぁまぁヒッキー。こんにちは、大志くん、だったよね?サキサキの弟さんの?」

大志「そ、そうっす!!大志っす!お、お久しぶりっす!!」

八幡「お前なんで、だったよねとか言ってんの?話聞いてた?今までの流れでほとんどこいつの名前の話しかしてねえだろうが」

結衣「ヒッキーうっさい!ちょっと確認しただけじゃん!ていうかちょっと頭に血ぃ登り過ぎなんじゃないの!?」

小町「まぁまぁ、早く座ってみんなでご飯食べましょうよ!!」

結衣「うん、そうだね!」

大志「お、お兄さん!お兄さん!」チョイチョイ

八幡「んだよ、手招きすんなよ。ていうかお兄さんって呼ぶなよ、で、なんだよ」

大志「や、やばいっす!天使っす!超絶美少女が来たっす!」ヒソヒソ!

八幡「………。なに、お前。それ由比ヶ浜のこと言ってんの?」ヒソヒソ

大志「そうっす!結衣さんっす!やばいっす!この前は緊張してまともに顔見られなかったっすけど。直視したらヤバいっす。しかもいい匂いがするっす!」ヒソヒソ!

八幡「………。お前匂いとか嗅いでんじゃねえよ。利根川に沈めんぞ。……お前あれだ。ちょっとあいつに常識クイズだしてみろ」ヒソヒソ

大志「え、常識っすか?ええと、結衣さん!」

結衣「ん?どしたの?」

大志「江戸幕府を起こしたのは!?」

結衣「織田信長!!」

大志「ヨーロッパにあるブーツの形をしていることで有名な国は!?」

結衣「メキシコ!!」

大志「北極と南極、陸地のあるほうは!?」

結衣「北極!!」

小町「うわぁ…」

大志「………」

結衣「………」

八幡「……どう?」

大志「あ、目が覚めたっす」パッチリ

八幡「だろ?」

結衣「なんかひどい!!」

大志「あ、でもおかげさまでなんか総武高受かる気がしてきたっす」

結衣「ひどい!!大志くんひどい!!みんなそろって馬鹿にしすぎだからぁ!!」

大志っす!すいません姉ちゃんの漢字間違えてたっす!正しくは沙希だったっす!川崎大志っす!!

「ぷりくら」






小町「うーん!小町ゲーセンなんて久しぶりです!結衣さん!今日はがっつり遊びましょう!!」

結衣「うん!!私も今日は小町ちゃんの気分転換にばっちり付き合うよ!!」

八幡「それ、単にお前が遊びたいだけなんじゃねえの?つか3人で遊べるゲームつったら何があったかな」

大志「まってください!お兄さん!俺もいるっす!4人っす!RPGの基本パーティーっす!」

八幡「………」

大志「あれ!?どうしたっすか!俺っす!川崎大志っす!」

八幡「知らねえよ。うるせえよ。お兄さんって呼ぶんじゃねえよ。なんでお前がいつまでもついてくんだよ。お前は存在自体が出落ちみたいなもんだろうが、いつまでもしゃしゃってくんじゃねえよ」

大志「でも、俺も小町さんに誘われたっす!たまにはパーっと盛り上がりたいっす!!」

八幡「うるせえよ。親しげに小町さんとか呼ぶんじゃねえよ。ふざけんなよ。そんなに盛り上がりたいなら、花火にくくりつけて一緒に打ち上げんぞ」

大志「へっ、汚ねぇ花火だ。っすね」ニヤ

八幡「うるせえよ。別にうまいこと言ってねえんだよ。ドヤ顔すんじゃねえよ。カワサキスマイルかよ」

小町「まぁまぁ、お兄ちゃん、せっかくだからみんなで遊ぼうよ!」

八幡「え~~?小町~!!昨日、お兄ちゃんと二人~で遊ぶ~っていったじゃあん。お兄ちゃん小町と二人がいいんだけどぉ~!!」

結衣「な、なんかヒッキーがだだっ子みたいになり始めた…」

小町「それでどうしましょうか。2、2で別れてクイズゲームとか?」

結衣「それを小町ちゃんはスルーだし!!」

大志「チーム戦っすか!…でもそれだと結衣さんと組んだほうが圧倒的不利になっちゃわないっすか?はじめっからハンデ戦みたいなもんっす」

八幡「おー、今のはうまい事言ったぞ大志。褒めてやろう」

大志「へへ」

結衣「褒めなくていいし!!っていうか大志くんと会ったのこれで二度目だよねぇ!?ちょっと辛辣すぎない!?ヒッキーみたいになってるよ!?」

小町「あー…、じゃあクイズゲームはやめて、レースゲームはどうでしょう!チーム戦で一周ごとにドライバー交代するんです!」

結衣「あ!それ面白そうかも!」

大志「でもそれでもやっぱり結衣さんのチームが不利じゃないっすか?結衣さん、道路標識の意味とか分からず、片っ端からなぎ倒していきそうっす!」

結衣「ちょっと!!」

八幡「大志。今のはあまりうまくない」

大志「そ、そうっすか…」

結衣「なんかダメ出しされてるし…どういう関係性なの?あの二人…」

小町「あー、じゃあとりあえずプリクラ撮りましょうか!!」

結衣「あ!いいね!せっかくだし、記念にね!」

八幡「なに?二人のデートを邪魔された記念?」

結衣「ヒッキーしつこい!どんだけ根に持ってんの!?」

大志「………」

八幡「おい、どうした大志?」

大志「お兄さん、これはヤバいっす!緊急事態っす!エマージェンシーっす!」ヒソヒソ!

八幡「何がだよ。ていうかお兄さんって呼ぶなっつってんだろ。ふざけんなよ」ヒソヒソ

大志「びびび、美少女二人とプリクラっすよ!?あの狭い個室の中に入るんすよ!?」ヒソヒソ!

八幡「まぁ、俺もいるけどな。落ち着け大志」ヒソヒソ

大志「お、落ち着けないっす!同じ年齢の小動物系プリティー美少女と、年上のエロ小悪魔系美少女なんすよ!?これで落ち着いてるお兄さんのほうがおかしいっす!!」ヒソヒソ!

八幡「お兄さんって言うなって言ってんだろ。…よし、大志。今のうちに復習をしておこう」

大志「復習…っすか。あまり好きな言葉じゃないっす」

八幡「まぁ聞け。以前、お前のねーちゃん含め4人でファミレス行った時、小町がなんつったか覚えてるか?」

大志「覚えてるっす!『何があっても友達。絶対友達。霊長類ヒト科オトモダチ』って言われたっす!素敵な笑顔だったっす~!!」

八幡「よし受験生。これを現代語訳、できるな?」

大志「もちろんっす!『お前と恋人になることなんて、天地がひっくり返ってもないから安心しろ。サハラ砂漠に置き去りにすんぞ』っす!」

八幡「よし、よく出来た大志。今度は由比ヶ浜だ。さっきの出来事を思い出してみろ。あいつは何だった?」

大志「アホだったっす!!アホの子とかじゃなくて、アホだったっす!!」

八幡「上等だ大志。さて、お前はあの二人とこれからプリクラを撮る…さぁ、どう思う?」

大志「………」

大志「なんか急激に全然嬉しくなくなってきたのを感じるっす。血が冷たくなっていくのを感じるっす」

八幡「よし…、お前は資質があるぞ大志。これでお前は大丈夫だ。撮影の時は棒立ちで目の焦点をあわせない、これでいくぞ」

結衣「っていうか全部聞こえてるし!!2人してなんなの!?馬鹿にしすぎでしょ!?ほんと馬鹿にしすぎだからぁ!!」

「だぶるでぇと」





結衣「今日は楽しかったね~!」

小町「はい!小町も結衣さんと遊べて嬉しかったです!!」

結衣「でも、随分遊んだからお腹すいちゃったね。はやく料理…あ!きたきた!」

小町「はいはい、回してー回してー」

大志「了解っす!あ、これお兄さんの分っすね。どうぞっす!!」

八幡「………」

大志「あれどうしたんすか!!お兄さん反応薄くないっすか!?俺っすよ!?川崎大志っす!!」

八幡「うるせえよ。それは知ってんだよ。何でお前まだいんだよ。もういい加減帰れよ。なんで晩飯までお前と一緒に食わなきゃなんねえんだよ。川崎大志トリロジーかよ。そんな三部作、誰も求めてねえんだよ。ふざけんなよ。ていうかお兄さんって呼ぶんじゃねえよ」

結衣「すごい勢いだ…!」

大志「スペシャル・エクステンデッド・エディションも発売される勢いっす!」

八幡「知らねえよ。いらねえよ。お前との会話のノーカット版なんてどこに需要があんだよ、追加シーンとかいらねぇんだよ」

小町「ま、まぁまぁ、とりあえず冷めないうちにいただきましょうよ!」

結衣「そ、そうだよ!!ん!!美味しいね!!」

小町「そうですね!」

大志「んー!!たまの洋食は胃に染み渡るっす!うまいっす!」

八幡「…なに?お前あんまり洋食食わねえの?」

大志「そうっすね。最近姉ちゃんが晩飯作ってくれることが多いんすけど、和食派なんであまりハンバーグとか作ってくれないんすよ。久しぶりに食べると超うまいっす」

結衣「そうなんだ!!てかサキサキも料理するんだね!!和食派かぁー、確かに大和撫子って感じだもんね?」

八幡「どこがだよ。あれ、大和撫子じゃなくて侍だろ。肩があたっただけで斬り捨てそうな顔してんぞ。あと髪型とか」

結衣「あれポニーテールだし!ちょんまげじゃないし!!ていうか似合ってて超かわいいじゃん!!」

大志「あ、姉ちゃんって言えばなんすけど、お兄さんってうちの姉ちゃんとなんかあったんすか?」

八幡「あ?何かってなんだよ。別になんもねえよ、ていうかお兄さんって呼ぶんじゃねえよ」

大志「そうなんすか?うーん…」

結衣「どうかしたの?」

大志「いや、なんか最近、お兄さんの話するとうちの姉ちゃん顔真っ赤にして『あいつの話はするな』って怒るんすよ。だから何かあったのかなって思ってたんす」

結衣「顔を真っ赤に…?へぇ…」

八幡「…怖、怖いよ。お前目が怖ええよ。雪ノ下みたいになってんぞ」

結衣「ゆきのんに失礼だし!それにあたし全然怖くないし!なんか後ろめたいことがあるからそう感じるんじゃないの!?」

小町「た、大志くん!?その話をこの場でするのは、さすがの小町的にもポイント低いかなーって」

大志「え?そうすか?でも俺きになー、すいませんっす。もう言わないっす。だから睨まないで欲しいっす。怖いっす」

結衣「あ、てか怖いって言えばさー。みんなで撮ったプリクラ!!二人の顔が死んでる上に、美白効果でまっしろになってるからなんか不気味で怖いんだけど!ていうか二人の分もあたしが持ってるし、ちゃんと自分の分は持って帰ってよ!」

大志「あ、結構っす、大丈夫っす、いらないっす」

結衣「大丈夫とかじゃないし!!何その適当な断り方!?」

小町「え~?大志くんも持って帰ろうよ!せっかく今日のダブルデートの記念だよ~?」

大志「これデートだったっすか!!マジっすか!!もらうっす!持って帰るっす!」

結衣「なにその変わり身の早さ!?ていうか昼間はもっと素直な子だったよね!?この数時間で何があったし!!」

八幡「………」

結衣「はぁ…なんかもう、怒ったら熱くなってきたし…上脱ぐ」

大志「………!?」ゴクリ

大志「や、ヤバいっす!お兄さん!あれデカメロンが鈴なりっす!俺のポケットモンスターが暴れだすっす!」ヒソヒソ!

八幡「うるせぇよ。お前、胸見てんじゃねえよ、マジでぶっ飛ばすぞ。ていうかポケットモンスターはやめろ、実際にアレのスラングなんだよ。Chinpokomon知らねぇのか」ヒソヒソ

大志「マジっすか!知らなかったっす!」ヒソヒソ!

八幡「ていうかお前、今日一日で何を見てきたんだよ。確認するぞ、由比ヶ浜は何だった?」ヒソヒソ

大志「引くくらいのアホだったっす!」ヒソヒソ!

八幡「そうだ。そしてあいつは胸がデカい。さぁ受験生、導き出される解はなんだ?」ヒソヒソ

大志「………。ハッ!栄養が全部胸にとられてるっす!」ヒソヒソ!

八幡「そうだ。半年ほどあいつと付き合ってきて、あいつの胸は日に日に肥大していることを確認している。既に一回り半くらいはでかくなっているんだ」ヒソヒソ

大志「え!?お兄さんって結衣さんと付き合ってたんっすか!?なんか怪しいと思ってたっす!」ヒソヒソ!

八幡「………。うるせえよ。違ぇよ。そういう付き合うじゃねえんだよ。お前ヒモなしでバンジーさせんぞ、マジで」ヒソヒソ

大志「すんませんっす!」ヒソヒソ!

八幡「いいか。大志、次の問題だ。栄養を胸にとられている奴の胸が日に日にでかくなる。導き出される結果はなんだ?」ヒソヒソ

大志「日に日にアホに拍車がかかっていくっす!!!」ハッ

結衣「いきなり人の顔見て何言いだすし!!失礼だし!!」

大志「お、お兄さん!俺、目が覚めたっす!危うくまた道を踏み外すとこだったっす!!」

八幡「わかってくれたか大志!だが二度とお兄さんと呼ぶな、2chに住所晒すぞ」

結衣「もう、なんなのこの二人…超失礼だし!!」

駅前

大志「比企谷さんにお兄さん!今日は呼んでもらえてよかったっす!超楽しかったっす!」

小町「うんうん、小町も楽しかったよ」

八幡「てかお前、お兄さんって呼ぶなって言ってんだろ。縛り付けてカラスにつつかせんぞ。……まぁ受験がんばれよ」

大志「ありがとうございまっす!あ、結衣さんもありがとうございましたっす!おかげで受験受かる気がしてきたっす!」

結衣「うん、どういたしまして…って!それ絶対褒めてないよね!?もう!!ヒッキーみたいのが二人に増えたら手が付けられないんだけど!?」

大志「それじゃ失礼しまっす!」

小町「ばいばーい!!」

結衣「んじゃ、あたしたちも解散しよっか」

八幡「……ん。そだな」

小町「………」キラン

小町「あ!!そうだ小町!!ちょっと大志くんに言わなきゃいけないことがあるんだった!!ちょっと行ってくるね!!」

パタタタタタタ!

八幡「あ、おい…!用があるならメールすりゃいいだろ…まじで」

結衣「あはは。小町ちゃんらしいね」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「……プリクラ」

結衣「え?」

八幡「あれ、一応もらっとくわ。……まぁ、そのなんだ?……記念だしな」

結衣「え。あ!!うん!!!じゃあ半分こね!!そうだ!ヒッキー!!携帯に張ってあげようか!?」

八幡「いらんわ、なんでこんな写真を目に見えるところに張らんといかんのじゃ」

結衣「なにそれ!感じ悪い!」フフッ

八幡「(ま、たまにはこういうわいわいするのも悪くない……かな)」

みなさん大好き大志っす!!これでゲスト出演数三話で、単独2位に躍り出たっす!!川崎大志っす!!

大志っす!!ひどいっす!!でも多分二度と出番はないので安心して欲しいっす!!『川崎』大志っす!!!!!!

「しゅんかんせっとく」





沙希「あんた、ちょっといい?」

八幡「あ?あー、えーと、なんだよ?か、川、かわご、か…何の用だよ。俺、これから部活でアレなんだけど?」

沙希「は?つーか、あんた。うちの大志に何吹き込んでくれたわけ?」

八幡「何の話だよ?」

沙希「あの子さ。ちょっと遅く帰ってきた日以来、急に総武高なんて楽勝とか、言い出したわけよ。で、問いつめたらあんたと遊んだっていうじゃない?」

八幡「自信持てたのはいいことじゃねえか。感謝こそされど、責められる筋合いはねえよ」

沙希「は?根拠のない自信なんて何の役にもたちゃしないでしょ。だいたい今の時期は大志にとっても大事な時期なんだから、変に遊びとか連れてって邪魔しないで欲しいんだけど?」

八幡「あ?つか、お前の弟が勝手に来たんだっつの。こっちだって、せっかくの小町とのデート邪魔されて迷惑したんですけど?」

沙希「は?何あんた、うちの大志が悪いって言いたいわけ?喧嘩売ってんの?」

八幡「あ?お前、マジでブラコンなの?引くわー、肉親にダダ甘とかマジ引くわー。どん引きだわー」

沙希「は?ていうか妹とデートとかいうシスコン野郎に言われたくないんだけど?」

八幡「あ?」

沙希「は?」

八幡「あ?」ジ

沙希「っ!!」プイッ

パタパタパタパタパタパタ!

八幡「……まぁ、遊んだのは事実だが、別に俺があいつに受験が楽勝だなんて吹き込んだわけじゃあない」

沙希「……どういうこと」

八幡「俺が、お前を、たった一言で、納得させてやろう」

結衣「あれぇ?サキサキにヒッキー?珍しいね!何話してんの??」



八幡「そん時、こいつもいたんだよ」



沙希「………」

結衣「え?え?サキサキどしたの?」

沙希「……悪かったね。あんたを疑って」

八幡「分かってもらえたか」

結衣「え?なに!?サキサキ?どういうこと!?今あたし馬鹿にされたの!?ねぇ!?ちょっと!ヒッキー!?サキサキ!!?」

「しゅんかんせっとく」





沙希「あんた、ちょっといい?」

八幡「あ?あー、えーと、なんだよ?か、川、かわご、か…何の用だよ。俺、これから部活でアレなんだけど?」

沙希「は?つーか、あんた。うちの大志に何吹き込んでくれたわけ?」

八幡「何の話だよ?」

沙希「あの子さ。ちょっと遅く帰ってきた日以来、急に総武高なんて楽勝とか、言い出したわけよ。で、問いつめたらあんたと遊んだっていうじゃない?」

八幡「自信持てたのはいいことじゃねえか。感謝こそされど、責められる筋合いはねえよ」

沙希「は?根拠のない自信なんて何の役にもたちゃしないでしょ。だいたい今の時期は大志にとっても大事な時期なんだから、変に遊びとか連れてって邪魔しないで欲しいんだけど?」

八幡「あ?つか、お前の弟が勝手に来たんだっつの。こっちだって、せっかくの小町とのデート邪魔されて迷惑したんですけど?」

沙希「は?何あんた、うちの大志が悪いって言いたいわけ?喧嘩売ってんの?」

八幡「あ?お前、マジでブラコンなの?引くわー、肉親にダダ甘とかマジ引くわー。どん引きだわー」

沙希「は?ていうか妹とデートとかいうシスコン野郎に言われたくないんだけど?」

八幡「あ?」

沙希「は?」

八幡「あ?」ジ

沙希「っ!!」プイッ

パタパタパタパタパタパタ!

八幡「……まぁ、遊んだのは事実だが、別に俺があいつに受験が楽勝だなんて吹き込んだわけじゃあない」

沙希「……どういうこと」

八幡「俺が、お前を、たった一言で、納得させてやろう」

結衣「あれぇ?サキサキにヒッキー?珍しいね!何話してんの??」



八幡「そん時、こいつもいたんだよ」



沙希「………」

結衣「え?え?サキサキどしたの?」

沙希「……悪かったね。あんたを疑って」

八幡「分かってもらえたか」

結衣「え?なに!?サキサキ?どういうこと!?今あたし馬鹿にされたの!?ねぇ!?ちょっと!ヒッキー!?サキサキ!!?」

大事なSSなので二度かきました…。嘘です。ミスりましたすいません

ほんとですね。今確認したら沙希って呼んでました。川崎さん呼びじゃなくなってるのは覚えてたんですが…なんか書いててコレジャナイ感があったのはこのせいだったですね。決めうちで書くのはよくないですね。失礼しました。

「あくむ」







八幡「お、射線に入ってきたな…」カチ、パーン

八幡「………」カチカチ

八幡「また戻ってきた。キョロキョロしてんな。まだこっちの場所分かってねぇのかよ。AIMの前に観察力を身につけろっつの…糞noob乙っと」カチ、パーン

八幡「あ、つかもうこんな時間じゃねえか。このラウンドが終わったら寝るか…」
ブーブーブーブーブー

八幡「って、んだよ。誰だよ。こんな時間に…」

八幡「……由比ヶ浜?」

ピッ

八幡「もしもし?んだよお前?なんなの、こんな時間に?嫌がらせ?」

結衣「ひ、ヒッキー!?ヒック、あのい、生きてる!?」

八幡「は?お前いきなり何言ってんの?あー、まぁお前のせいで今、現在進行形で死にそうだけどな、おー撃たれてる。撃たれてる」ガガガガガガ

結衣「ひ、ヒッキー怪我してるの!?ヒック、う、撃たれてるってどういうこと!?ヒック、ち、血が出てるの!?きゅ、救急車!」

八幡「いや、お前待てって。ゲームの話だから…てかお前何?泣いてんの?」

結衣「ヒック…泣いて…グス…なんかないし…」

八幡「いや、お前、嘘つくなよ…完全に泣いてんじゃねえか…ちょい待て、今、ログアウトするから。切るなよ?」

結衣「う、うん…ヒック…グスッ」

八幡「で?どうしたんだよ、お前?なんかあったの?」

結衣「………グスッ、笑わない?」

八幡「………笑わんだろ、多分」

結衣「こ、こわい…夢を見たの…スン」

八幡「は!?」

結衣「ひ、ヒッキーが倒れてて…ち、血が…グス…いっぱい出てて…それはあったかいのに…ヒッキーの体はど、どんどん…冷たく…」

八幡「………」

結衣「あ、あたしはいっぱいヒッキー、ヒッキーって言うんだけど…ぜ、ぜんぜん返事がなく…て、グス」

八幡「由比ヶ浜…それは…」

結衣「それで、あ、足も変な風にまがってるのに気づいて…あ、あの事故の時、みたいで…」

八幡「由比ヶ浜!」

結衣「だからあたしのせいだ!あたしのせいだって、あたしのせいでヒッキーが死んじゃう、もう会えなくなっちゃう!って…だからあたし怖くて、だから助けて!助けて!ってヒッキーを連れてかないでって!!だから!!あたしは!!」

八幡「結衣!!落ち着け!!」

八幡「いいか…俺は大丈夫だ!ピンピンしてる。それは夢だ。全部な」

結衣「う、うん…そうだよね…。あ、あ、あたし、怖くて、わけわかんなくなっちゃって…ごめん、ヒッキーこういうの嫌いって前言ってたよね…もう切るね…だから、その、嫌いに…ならないでね?」

八幡「馬鹿だ、馬鹿だとは思ってたけど、ほんとに馬鹿だな、お前」

結衣「……!うん……グス…ごめん……ほんとあたし、馬鹿だ…」

八幡「馬鹿。そういうこと言ってんじゃねえんだよ。これがだな、三浦と喧嘩しただとか、雪ノ下を怒らせたとかだったら、もう明日から一言も口きかねぇけどな。ただ、その、なに?仮にも俺なんかを、心配してかけてきた奴を嫌う要素があんの?」

結衣「……グスッ、でも夢…だし…」

八幡「まぁ、その心配が検討違いだってのは言っとかなきゃならんけどな。お前、俺のキルレシオ知ってる?6だぞ、6」

結衣「…グスッ、どういう意味?」

八幡「つまりだな。俺は戦う時は確実に退路を確認することから始めるし、必要ならば待ち伏せだって平気でする。移動する時にゃ他のやつらを弾よけがわりに使うのも忘れない。こちらから攻撃する時は、確実に相手の後ろか側面からだ。おかげで狙撃銃使ってないのに、糞芋呼ばわりされんのもしょっちゅうだ」

結衣「スン…何言ってるか全然分かんないんだけど…」

八幡「要するに俺は自分が生き残ることを、いつも最優先事項に置いてるっつーこった。デートすりゃレディーファーストも徹底するぞ?もしもの時、俺の盾になってもらわないといけないからな!」

結衣「グス…なにそれ?最低だし」フフッ

八幡「まぁ明日は何が起こるかわからないってのはあるけどな、ただ俺ほどリスク管理をやってる人間にしてみれば、その危険性は限りなく下げられるんだよ。だから、お前が心配するようなことは起きない、だから安心しろ」

結衣「ありがと…やっぱりヒッキーって優しいね。夢で泣いたなんて言ったらすっごい馬鹿にされるかと思った」

八幡「まぁ最初に結構、馬鹿馬鹿言ったけどな。お前、普段から馬鹿って言われ過ぎて、馬鹿って言葉に免疫ついちゃってんじゃねえの?明日から倍言うことにするわ」

結衣「やめてってばぁ!これでも結構傷ついてるんだからね!!」

八幡「ま、そういうことだから、今日はもう寝ろよ。明日また下駄箱で会えるから安心しろ」

結衣「ありがとヒッキー大す……と!えと、あの、違う!その、お、お、お、おやすみ!!」

八幡「お、おう」

プツッ

八幡「はぁ、なんなんだよ最後の…マジで。勘違いするっつの…。ああ、もう目が冴えちまったじゃねえか…もう数ゲームすっか…」

「しゃっくり」







八幡「…ヒック…ヒッ…ヒック…」

雪乃「鬱陶しいわね…」

八幡「しかた…ヒック…ねえだろ…ヒック…生理現象なんだか…ヒック…ら」

結衣「しゃっくり、止まらないね」

八幡「だな…ヒック、ああ、そういや昔、しゃっくりが100回止まらなかったら死ぬって話…ヒック…あったよな」

結衣「ヒッキーが死んじゃう!?」

雪乃「また、くだらないことを…しゃっくりはただの横隔膜の痙攣でしょう?…もちろん命に関わるような病気になった時に症状としてしゃっくりが出ることはあるけれど、それは病気だからしゃっくりが出るのであって、しゃっくりが出るから死に至るわけではないし、因果関係がそもそもー」

結衣「ゆきのん!!しゃっくりを止める方法って知ってる!?どうやったら止まるの!?」

八幡「お前、ヒック、いきなり何テンパってんの?ヒック、テンパリストなの?」

雪乃「そうね…眼球を圧迫する…とか」

結衣「眼球って目だよね!?圧迫って押せばいいの!?」

雪乃「そうね」

八幡「そうね、じゃねえよ、ヒック、そうねじゃ!やめろ!今のこいつじゃ、ヒック、本気にしかね、っておいおい!痛い痛い!!!マジ痛い!!!やめろ!!!」

結衣「ヒッキー!!?しゃっくり止まった!?!」

八幡「止まるかよ!ヒック、こんなんで!ヒック」

結衣「ゆきのん!?他には!?」

雪乃「そうね…舌を引っ張る、とか」

八幡「おい!ヒック、お前わざとそういうこと言ってんだろ!ふざけんな!ってお、おいくひにへぇうっこうあ!ひはひっはんあ!いあい!いあい!」

結衣「ヒッキー!!?しゃっくり止まった!?!」

八幡「止まるかよ!!ヒック、お前らマジふざけんなよ!!ヒック」

結衣「ううう~!!ゆきのん!他には!?」

雪乃「そうね、冷水を飲ませる…とかかしら」

八幡「お前、ヒック、普通それ最初に言うだろ!!ヒック、わざとだろ、お前、わざとだろ、ヒック」

結衣「水だね!?汲んでくる!!」ダダダダ

八幡「お前、ヒック、マジわざとやってんの?ヒック、いやがらせ?」

雪乃「なにが?それにしてもあなた舌先を使って口の中に残った由比ヶ浜さんの手の味を確かめようとするのはやめなさい。本当に気持ち悪いわよ」

八幡「してねえよ!ヒック、ていうかお前がさせたんだろうが!ヒック、ふざけんな!」

ガラガラ!
結衣「汲んで来た!!さぁヒッキーはやく飲んで!!」

八幡「っ!?!?いや!、飲んでってお前、いや、お前、これ、さっきまでお前が紅茶飲んでたカップだろ!」

結衣「今は入れものの形なんか気にしてるの場合じゃないでしょ!?ヒッキーは自分が生き残ることを最優先にするんじゃないの!?いいからさっさと飲んで!!」

八幡「いや、お前!そういうこと言ってんじゃ!が、っがぼ!っがっ!溺、溺れ、溺れる!!!」

結衣「ヒッキー!?しゃっくり止まった!?」

八幡「止まるか!…ってあれ、止まってんな」

結衣「はぁ……。よ、よかったぁ…ヒッキーが死んじゃうかと思った…グス」

八幡「いや、お前泣いてんじゃねえよ。だいたい、しゃっくりで死ぬわけねぇだろ」

結衣「でも、ヒッキーが言い出したんんじゃん!」

八幡「いや、死ぬと思ってたら自分で言い出さねえだろ…常識で考えろよ」

結衣「あ、そ、そっか…あ、あたしびっくりしちゃって、ご、ごめんね?ヒッキー」

八幡「いや、まぁ、いいけどよ…」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「そ、それにしても水ってよく効くんだね!?一発で止まっちゃった!さすがゆきのん!」

雪乃「そうね…。ただその男は水を飲む前に既にしゃっくりは止まっていたみたいだけれど」

八幡「!?」

結衣「へ?どういうこと?」

雪乃「その男は、あなたが水を汲んできたカップをみた時点で既にしゃっくりは止まっていたのよ。しゃっくりを止める方法にこんなのもあったわね。『驚かせる』」

結衣「カップ?それって……あ!!こ、これってあたしが使ってた!!つ、つまりか、か、かか、かん、か」

八幡「いや、お前それは…」

結衣「ひ、ヒッキー!わざとやったの!?信じらんない!!キモい!変態!!あああ、ああああ、あとキス魔!!」

八幡「おい!!人聞きの悪いこと言うな!ていうか、お前が無理矢理飲ませたんだろうが!」

結衣「はぁ!?あたしのせいだって言いたいの!?マジ信じらんない!!あ、あたしもう今日帰る!ごめんねゆきのん!!」

雪乃「ええ…心中お察しするわ…。無理だとは思うけど、あまりショックを受けないようにね…」

八幡「おい!」

結衣「ヒッキーのばーか!!べぇーだ!!」

ガラガラ、ピシャ!

八幡「お前さ、わざとやってんの?」

雪乃「何が?あまり近くに寄らないでちょうだい、気持ち悪い。それと、あまり私のカップに変な視線を向けないでくれるかしら。怖気がはしるわ」

八幡「向けとらんわ!ふざけんな!ていうかなんでしゃっくりしてただけで、こんなボロクソに言われなきゃいけないの?マジで俺の青春まちがってんだろ…」

「かっそうろ」


結衣「ゆきのん大丈夫!!お、女の子の価値はそんなところで決まらないし!!」

雪乃「由比ヶ浜さんに言われても、説得力が皆無なのだけれど…」

結衣「い、いや!ほら!おっきいとなんか凄い肩こるし!走る時とかなんか邪魔だし!そ、それに、あ、ブラとかも可愛いの捜すの大変だったりするし!だからほら!ゆきのん大丈夫!!」

雪乃「………」

八幡「いや、お前それ慰めてるつもりなの?完全に追い打ちかけてるようにしか聞こえねえぞ。…あれだ古人曰く『貧乳は価値だ、ステータスだ』っていうしな、まぁ需要はあるとこにはあるんじゃねえの?」

結衣「はぁ?ていうかまじで何言ってんの、ヒッキー?今回ばかりは素でキモい。ていうか女の子の話に聞き耳たてないでよ、変態」

八幡「いや…お前らが部室でいきなり話はじめたんだろうが…俺悪くないだろ…。ていうかそんな冷たい目でこっち見んなよ。本気で傷ついちゃうだろ……」

雪乃「はぁ……。価値………。ステータス…………。貧………乳………」

「うらない」








結衣「むー…」

雪乃「どうしたの?由比ヶ浜さん、さっきから携帯電話を眺めて唸っているけれど。また比企谷くんからいやらしいメールが来たの?それなら優秀な弁護士を紹介するわよ」

八幡「おい、裁判沙汰にするなよ、示談ですませてくれ。ていうか違うから、俺はそんなメール送ってないから」

結衣「まぁ確かに、ヒッキーのメールって時々めちゃくちゃ長くてキモい時あるけど、大抵は1行か2行だもんね。しかも顔文字もないし」

八幡「いいじゃねえか、用件は伝わんだから。ていうか確かにとかいうなよ、キモいっていうなよ。お前がFPSについて聞いてくんのが悪いんだろ」

雪乃「そう…。比企谷くんじゃないとすると、何をそんなに悩んでいたのかしら」

結衣「んーん、別に悩んでたわけじゃないの。ただ今週双子座の運勢が悪いなーって思って、ほら見て順位も低いし、人間関係に問題が起こる可能性ありだって」

雪乃「なんだ、そんなこと…。だいたいこんなもの誰にでも当てはまることを並べ立てているだけよ」

八幡「バーナム効果ってやつだな」

結衣「ばんなむ効果?」

雪乃「バーナム効果よ、由比ヶ浜さん。人は一般的な事象を言われた時、自分に則したものだと勝手に判断してしまうものなの」

八幡「バンナム効果ってお前、完全版商法でもすんの?DLC大量販売すんの?」

結衣「たとえばどういうこと?」

雪乃「そうね。例えばさっきの話だと『人間関係に問題が起こる』というところね。『会社で上司と折り合いが悪くなる』ことも、『母親に叱られる』ことも、『友人と喧嘩する』ことも、どれも『人間関係に問題が起こる』ということでしょう?人は誰でも大なり小なり人間関係に問題は抱えているものだわ」

八幡「そう、だから誰にでも当てはまる。だが受け手側はそうは考えない、その占いは自分の『友人と気まずくなる未来』を『恋人と喧嘩する未来』を予知されるように感じちまうんだな」

結衣「なるほど…」

雪乃「それに人間の心理は、的中しなかったことより、的中したことのほうがより強く印象に残るものなの、だからその手の占いも、人は簡単に信じてしまうものなのよ」

結衣「なんか難しいね…」

雪乃「簡単なことよ。由比ヶ浜さん『あなたは人間関係に問題を抱えており、金銭的な悩みもある。快活に振る舞っていても、心の中に不安を抱えていることがあり、自分の行動や判断が正しかったのか疑問に思うことがある』わよね」

結衣「う、うん当たってる!!ていうかゆ、ゆきのん何者!?実は心が読めるの!?エスパー!?」

八幡「だからお前、人の話聞けよ。今、雪ノ下が言ったことはだいたい誰にでも当てはまることなんだよ。人間生きてりゃ、誰でも不安なことの一つや二つはあるし、過去や未来を含めりゃ自分の行動に100%の自信を持てる奴なんてのはいやしないだろ。貧乏人だったら金がないことに、金持ちだったら金を持っていること、つまり強盗に対する不安や、資産運用なんかで悩みがあるもんだろ」

結衣「あ、そ、そっか。そういうことなんだね。うーん、じゃあ占いってあんまりあてにならないんだ…」

八幡「まぁ、俺の場合、いい結果の時だけは信じてやるようにしてるけどな。そのくらいのほうが気が楽だろ」

結衣「そっか…うん!そうだね!!」

八幡「しかし、俺に言わせれば、さっきの雪ノ下の占いには最後に大事な一文が欠けていたように感じたけどな」

雪乃「あら?私に意見があると言うの?おもしろい…聞くだけ聞いてあげようじゃない」

八幡「『あと由比ヶ浜はアホ』」

雪乃「………。そうね、私としたことがそんな大事な一文を入れ忘れるだなんて迂闊だったわ。正しくは『あなたは人間関係に問題を抱えており、金銭的な悩みもある。快活に振る舞っていても、心の中に不安を抱えていることがあり、自分の行動や判断が正しかったのか疑問に思うことがある。あと由比ヶ浜さんはアホ』になるわね」

結衣「それじゃ全然一般的事象じゃないじゃん!!ただの悪口になっちゃったじゃん!!」

八幡「まぁ一般的事象というより、一般常識だわな」

結衣「もうなんなの!?全然占いと関係ないし!!なんで無理矢理そういう流れにするの!?二人とも馬鹿にしすぎだからぁ!!」

宇宙の大きさに比べれば誤差の範囲です

蒼崎橙子「学院時代からの決まりでね。私を傷んだ赤色と呼んだ者は、例外なくブチ殺している」

雪ノ下雪乃「中学時代からの決まりでね。私を貧乳と呼んだ者は、例外なくブチ殺している」

「くれーんげーむ」






結衣「あ!ゆきのんゆきのん!ほらあれ!あのクレーンゲーム、パンさんのぬいぐるみが入ってるよ!」

雪乃「っ!?……本当ね」

結衣「あ、でもあれってゆきのんの部屋にあるのとおんなじのだね」

雪乃「由比ヶ浜さん、何を言っているの?あのプライズ商品は先週末にラインナップに加わったばかりのものじゃない。ポーズも縫製も、どれをとってもうちにあるものとは全く違うわ。あなた一体どこを見てものを言っているの?あなたの目は節穴?」

結衣「ご、ご、ご、ごめん。ゆきのん」

八幡「まぁ、欲しいならやってみりゃいいんじゃねぇの?ま、お前の腕じゃとれるかは知らんけどな」

雪乃「……それは私への挑戦と受け取るわよ。いいわ、目にもの見せてあげようじゃない…今度はあなたの助けなんていらないわ」

八幡「へいへい、そうですか」

結衣「え!?ヒッキーがゆきのんにヌイグルミとってあげたことがあるの?」

八幡「あ?あぁ、前にお前のプレゼント買いにららぽ行った時にな。こいつがクレーンゲームに張り付いてトランペットを欲しがる少年みたいになってたからな。そこで俺がかっこ良く一発でとってやったってわけだ」

結衣「……そ、そうなんだ…」

雪乃「あなた、自分に都合よく記憶をねじ曲げるのはやめなさい。私はクレーンゲームに張り付いてなんていないし、あなたがやったことなんて店員を呼んでとってもらっただけのことでしょう?」チャリンチャリン

結衣「ひ、ヒッキー!かっこ悪!!」

雪乃「………」フェェェェェェ

八幡「別に結果は変わんねんだから、いいだろ」

雪乃「くっ!!」チャリンチャリン

結衣「そうかなぁ?とってあげたりとか、とってもらったりって、そういうのの過程が大事だと思うんだけど…」

雪乃「………」フェェェェェェ

八幡「いやかっこつけて手に入らないくらいなら、かっこつけないで手に入ったほうが万倍ましでしょ」

雪乃「この…!」チャリンチャリン

結衣「で、でも好きな人にぬいぐるみとってもらうとか。いい思い出になると、思うんだけどなぁ」

雪乃「いい加減に!!この!!」チャリンチャリン

八幡「なら雪ノ下相手だと、なおさらそんな過程必要ないだろ。つーかあれ見ろよ」

雪乃「っ!!」チャリンチャリン

八幡「あれ見て、まだ過程が大事とか言える?」

結衣「……。うーん…。確かになんか貯金箱みたいになってるね…」

雪乃「くっ、一体どうして!あなたは私の手足のように動いてくれないの!」ダンッ

八幡「あいつ、なんか変なこと言い出したな…」

結衣「う、うーん。ねぇ、あのさ、ゆきのん?こういうのは掴もうとするだけじゃなくて、爪でひっかけたり、クレーン自体で押したりいろいろと…」

雪乃「………。言うわね由比ヶ浜さん、そんなに言うならあなたはさぞ得意なのでしょうね?」

結衣「え?ど、どうだろ?まぁ、得意なほうではあるかなぁ。中学の時とか、結構やったし…」

雪乃「そう。……そうなに言うのなら、あなたがやって見ればいいじゃない。回数は残っているし、あなたの技術見せてもらうわよ」

結衣「え、ええ!?あたしがやるんだ!?」

八幡「しかもすっげぇ上から目線だしな…」

結衣「う、ううん。じゃ、じゃあやってみるね」フェェェェェェ

雪乃「…………」

結衣「あ、とれた」ゴトッ

雪乃「っ!?」

結衣「は、はい。ゆきのん!」

雪乃「いらないわ」

結衣「え…」

雪乃「あなたの挑戦、しかと受け取ったわ。私の腕を見せてあげるわ」

八幡「あーあ、お前わざわざ火に油を注いだな。こういうのは適当に失敗して『あぁ~、やっぱりあたじには無理だっだぁ。ぶぇへへ~、ごべんねゆきのん!』とか言っときゃ良かったんだよ」

結衣「あたしの真似すんなし!ていうか全然似てないし!あたし山田くんじゃないし!!だいたいなんでゆきのんのは似てるんいあたしのはそんななの!?ていうか本当にいらないの!?ゆきのん!?」

八幡「まぁ当然だろ。雪ノ下がお前に負けて黙ってるわけがないじゃねえか。本当大事なとこで空気読めねえよな」

30分後


雪乃「どう?見なさい、取れたわ。ふっ…どう見ても私のパンさんのほうが少し大きいわね」ドヤッ

結衣「ほ、ほんとだね!さ、さっすがゆきのん!!」

八幡「いや、釣りじゃねえんだからさ、サイズ違うわけないだろ…。しかも5千円以上使ってるしよ」

結衣「ヒッキーうっさい!!あ、で、でもさ。本当ゆきのんってパンさん好きだよね!!どんなところが好きなの?」

八幡「あーあ…」

雪乃「そうね。まずはもちろん文章から読み取れる彼が育った西洋文化と、執筆時にすんでいた中国で感じた東洋文化のメタファーが秀逸ね。これは時として、パンさんの住む山とそこに遊びに行く少年の生活という形で描かれているのだけれど、これが児童文学として読みやすいにも関わらず、その実鋭く当時の世相を斬っていると言ってもいいわ。もちろんそれを現代の社会に当てはめてみても十分に、その斬れ味を保っていることを考えれば、ランド・マッキントッシュの先見性の高さは特筆すべきものだわ」

結衣「な、なるほど」

雪乃「先見性と言えば、まだパンダという生き物がメジャーではなかった20世紀初頭という時代に、パンダを主人公に配したマッキントッシュはさすが、と言っていいわ。もちろんそれは息子が環境になじめるようにした、というのが一番だったというのはあるのだけれど、それが今日、世界中でパンダが愛されるようになった一つの原因となったことには疑う余地もないわね。作者の死後、中国政府からその功績をたたえて作者の息子に賞が贈られたのだけれど、これも当然と言っていいわね」

結衣「そ、そうなんだ!パンさんって作者の人が自分の子供のために作ったの?」

雪乃「ええ、あの作品は最初はいままで住んできた文化とはまったく違う環境に来て戸惑っていた息子のために描かれたものだったのよ。ディスティニー版でも男の子がでてくるでしょう?彼は他ならぬランド・マッキントッシュの息子、クリストファー・F・マッキントッシュをモデルにしているのよ。名前も彼からとっているわ。そのことから感じられるように作品の随所から父マッキントッシュの息子への愛情を感じられるところも私がパンさんが好きな理由の一つだわ」

結衣「へ、へぇ~、ゆきのん詳しいねぇ!わたしディスティニーの映画くらいしか見ていないかー」

雪乃「そうね。確かにディスティニーの映画もかなり出来がいいと言っていいわ。ただあれは、笹を食べて酔拳をするパンさんというデフォルメされたキャラクターを全面に押し出している作品で、パンさん自身の可愛らしさは原作より増していると言ってもいいけれど、やはり全体的な作品としての出来は原作のほうが上ね。もし出来ることならば、由比ヶ浜さんにも原作版を呼んでもらいたいところだわ。読みたいというのなら喜んで貸すけれど」

結衣「う、うん!読む読む!ゆきのんのおすすめなら読まないわけにはいかないし!」

雪乃「そう。なら明日にでも『Hello Mr.Panda』と、続編の『Mr.Pandy and Me』の原書を持ってくるわね」

結衣「うん!楽しみにしてるね!!」

八幡「おいおい、雪ノ下。さすがに英語の原書は由比ヶ浜にはハードルが高すぎるんじゃないの?」

結衣「えぇ!?英語!?原書って英語なの!?」

雪乃「大丈夫よ。私は小学生の頃にはこの二冊をすらすら読めていたもの。由比ヶ浜さんなら出来るわ」

結衣「ええ!?ちょ、ちょっとゆきのん!!ば、馬鹿にされるのも嫌だけどそれは買いかぶりすぎだからぁ!!私には無理だからぁ!!

大志っす!!さすがのお兄さんでもあれだけ念押ししたのに、結衣さん自身と比企谷さんの写真がさらされたら絶縁レベルだって言ってたっす!!例のツイッターの話をしたら胸ぐら掴まれたっす!川崎大志っす!!!

大志っす!!ストーカーじゃないっす!!比企谷さんには向こうから話しかけられないと、話しかけられないほどのピュアな中学生っす!ちなみにチェリーっす!!川崎大志っす!!!

「やっぱりびっち」








結衣「ふんふふんふんふーんふんふふーんふーんふーんふーん」

八幡「お前、なんで鼻歌でアメリカ国家歌ってんの?アメリカ人なの?」

結衣「え!?これってアメリカ国家だったの!?あたしアメリカの国歌って『うーうぃるろっきゅー!』とか言う奴かと思ってた」

八幡「なんなのお前、マイケルムーアなの?ザ・ビッグ・ワンなの?確かにあの歌詞はアメリカにピッタリっちゃピッタリだけどよ。だいたいクイーンはイギリスのバンドじゃねえか?70年代の曲だし、アメリカの国歌になるわけねえだろ」

結衣「そんなの知らないし!!なんとなくそう思ってただけじゃん!悪い!?」

八幡「逆ギレかよ…。んで?馬鹿な鼻歌歌いながら何読んでんの?うわ、お前また馬鹿そうな雑誌読んでんな。馬鹿面と馬鹿歌と馬鹿雑誌で馬鹿のスリーカードかよ」

結衣「馬鹿馬鹿言うなし!ていうかこれファッション雑誌だし!ヒッキーもちょっとは服装に気をつけたほうがいいんじゃないの!?休みの日、いっつも同じような服着てんじゃん!!」

八幡「…由比ヶ浜さん。あなた、なぜ私の普段着を知っているのかしら?ひょっとしてストーカー?ストーカー規制法を知らないの?女性にもちゃんと適用されるのよ?」

結衣「またゆきのんのマネだし…しかも超うまいし…いつ練習してんの…。ていうか時々休みの日にあうじゃん…」

八幡「いや、まぁ、なんつーかあれだ。服なんて着れりゃ十分事足りんだろ、しまむらやユニクロで十分なの」

結衣「でもさー、ヒッキーって目はともかく顔立ちはまあまあ整ってんじゃん?ちょっとオシャレな格好したら、カッコ良くなると思うんだけどなー。目はともかく」

八幡「うるせえよ、あんま目を強調するんじゃねえよ。いいんだよ、別に、モテたいわけじゃねぇんだし。不潔な格好じゃなけりゃ別にいいだろ」

結衣「まぁ…そりゃ…あんま、モテてもらっても困る…けど」

八幡「つーか、あれだ。俺の服の話はどうでもいいんだよ。この雑誌の話だよ、何なのこの表紙のビッチ系女子って、こんなの雑誌読んでるから、ビッチっぽくなってくんじゃねえの?」

結衣「はぁ!?あたし全然ビッチじゃないし!!今日のパンツとか超純白だし!!!超清純派だし!!!!」

八幡「………」

結衣「……あ」

結衣「え、えと。ご、ご、ごめん。つい女子ノリで…」

八幡「お、おう…」

結衣「あ、あのさ…い、今の発言は聞かなかったことに…」

八幡「あ、ま、ま、まぁ口が滑ることってのはあるからな…お前…馬鹿だし…な」

結衣「馬鹿…言うなし…。きょ、今日は否定できない…けど」

「なにもしてない」







ブーブーブーブー
八幡「あ?…なんだ。由比ヶ浜かよ。最近なんかこいつよくかけてくんな。何こいつ、俺のこと好きなの?」
ブーブーブーブー
八幡「………」
ブーブーブーブー
八幡「………いや、それはない。ただの世間話。八幡超クール、大丈夫」
ブーブーブーブー
八幡「………」
ブーブーブーブー
八幡「…あいよ、何?」

結衣「あ、ヒッキー?あたし、あたしー?ごめんね、忙しかった?」

八幡「いや?別に?あー、まぁちょっと携帯置いて席外しててな。んで何?」

結衣「あ、んと。あのね、ヒッキーってパソコン詳しい?」

八幡「あー、いや。俺はゆうちゃんじゃないしな。正直あんま詳しくはない。まぁ普通に使うぶんには使えるけどな。なんかトラブルか?」

結衣「あ、うん。あのね。今、パソコン使おうとしたらなんか壊れちゃってるみたいなの。ていうかゆうちゃんってだれ」

八幡「ふーん、んで?何かしたの?」

結衣「何って?なにもしてないよ?」

八幡「(あー、来たなー。やばいな。選択肢ミスったわー。これ面倒くさいパターンだわー)」

八幡「いや、何もしてなきゃ、壊れねぇだろ」

結衣「え、でもいつも通り電源入れて使おうとしただけだよ?」

八幡「いや、そういうことじゃなくて、最後に使った時何に使ってたか聞いてんだけど?」

結衣「え、あれ…?ていうか、なんかヒッキー怒ってる?」

八幡「別に怒ってねえけど」

八幡「(あー来ちゃったわー。これまとめで見たわー。怒ってじゃん!怒ってないよ、怒ってるでしょ、とかって問答になって話進まなくなるパターンだわーこれ。最後逆ギレされちゃうやつだわー)」


結衣「ご、ごめんね?急にこんな話されてもヒッキー迷惑だよね。ぱ、パソ部とかじゃないもんね」

八幡「(あれ?)」

結衣「ヒッキー?」

八幡「ああ、すまん。すまん。そういうわけじゃねえんだ」

八幡「(なんかまとめで見たのと展開が全然違うぞ。何こいつやっぱりすごいいい奴なの?馬鹿だけど)」

八幡「あー、あれだ。手に負えなくなったらすぐ投げるか気にすんな。んで?そもそも電源は入ってんの?」

結衣「うん、いっぱい模様が並んでて、その後ろにういんどうずとか言うのが出てるよ」

八幡「(模様ってのはアイコンの事だろうな。んで壁紙は初期から変えてない、と。デスクトップは出てんだな)」

八幡「じゃあ、壊れてるって何が壊れてるわけ?」

結衣「うん、あのね。調べものをしようと思って、いんたーねっとえくろろーらーを使ったんだけど。ヤフーに繋がらないの」

八幡「……他のサイトは?」

結衣「他のサイト?でもヤフーに繋がらないし」

八幡「ブックマー…お気に入りとかから行けんだろ。ちょっとやってみ」

結衣「あ、そっか。お気に入り…お気に入り…ね。んーん、ダメ。どれも繋がらないよ」

八幡「…そうか。そのパソコンは家族共有か?んで普段はリビンクかどっかに置いてるんじゃねえの?」

結衣「あ、うん。そうだよ。よくわかったね!」

八幡「んで、ラップト…ノートパソコンだろ?」

結衣「え!?なんでそこまでわかるの!?どっからか見てんの!?」

八幡「見てねえよ、やめろ。んで、お前は昨日パソコン使ってないけど。家族の誰かは使ってたんじゃないか?」

結衣「あ、うん。昨日はパパが使ってた」

八幡「しかも違う部屋で、じゃねえか?」

結衣「え?あー。うん。パパ自分の部屋に持ってってた。パパいつも自分のパソコン欲しがってるんだけど、ママがいいって言わなくてさー」

八幡「いや、その悲しいお父さん情報はいいわ。んじゃ。ちょっとパソコンの周りにケーブルが落ちてないか捜してみ」

結衣「けーぶる?でも電源コードはちゃんと刺さってるよ?」

八幡「ま、いいから。捜せ」

結衣「んー?んんん。あ!ヒッキーなんか先っぽがふにふになるやつが落ちてる!!」

八幡「ああ、それだわ。それ、パソコンの左右のどっちか、多分左側にきちんと刺さるところあるから」

結衣「んーと、ここじゃなくて…あ!!刺さった!!ヒッキー!!カチっていったよ!!」

八幡「んじゃ。もっかいエクスプローラー起動してみ」

結衣「うん。あ!繋がった!繋がったよ!!ヒッキーすごい!!パソコン大先生だ!!」

八幡「おいやめろ。その呼び名は色々と縁起が悪いからやめろ。将来が不安になっちゃうだろ」

結衣「でも、すごいねヒッキー!!見てもいないのにパソコン直しちゃうなんて!!」

八幡「いや、ただ抜けてたケーブル刺し直しただけだしな。そんな大げさな話じゃねえよ。まぁ大方、お前の親父さん、普段はきちっとなおしてんのに、昨日に限ってパソコンをリビングに戻したときに刺し直すの忘れてたんだろ。それだけのこった」

結衣「そっか。でもありがとう。助かっちゃった。こんなことゆきのんには相談できないし…」

八幡「俺なら良いのかよ」

結衣「いや、そういうことじゃなくって。ヒッキーはいつもなんだかんだいいながら、だけど。あたしのこと助けてくれるでしょ?だから…なんか頼っちゃうっていうか」

八幡「………」

八幡「あんま、俺に期待すんな。多分、幻滅することになるだけだぞ」

結衣「んーん。多分そんなことにはならないよ。だってあたしは…ってママ!?何こっち見てんの!?ちょ、ちょっとニヤニヤしないでよ!違う!!そんなんじゃないし!!ご、ごめん!ヒッキー!!もう切るね!!ちょっとママ!?」ブツッ

ガチャ

小町「お兄ちゃーん、リンゴ剥いたよ!食べる?」

八幡「おう、今行くわ」

八幡「(途切れたその言葉は潮騒のように心を掻き乱し、いつまでも逃げることは出来ないぞ、と決断を迫られているようにすら感じた。電話越しには、彼女がおそらく浮かべていただろう優しげな微笑みは見ることはできず、それが残念で、口惜しく、もどかしくて、そしてどこか安心していた。ないまぜになった感情を処理できずに、心のどこかがオーバーフローをー」

小町「お、お兄ちゃん。突然なに言い出したの…。途中から声出てるよ…なんか神界日記つけてた頃みたいになってるよ…。ちょっとキモいよ…」

【昔も今も】娘にファブリーズかけられたけど質問ある?【マジ天使】

>>314
こんにちはお義父さん

>>314
最近うちの可愛い娘が引きこもり体質の糞長男と仲良さげなんですが
どうやって葬ったら良いでしょうか?

>>315
うるせえよ。てめえお義父さんとか言うのやめろ。俺の娘は誰にもやらねんだよ。マグロ漁船に乗せて社会の厳しさ教えんぞ

>>316
こんにちは。お互い年頃の娘を持つと心配が絶えませんね。娘は親の欲目を差し引いても本当に美人なので、私も変な虫がつかないかいつも心配しています。
長男ということは兄妹なのでしょうか。最近は実の妹と関係を持つような畜生にも劣る連中がいると聞きますので心配はごもっともだと思います。
本当に引きこもりなのであれば、補給を断つのが一番ではないでしょうか。端的に言えば兵糧攻めです。娘を守るため、お互いがんばりましょう。

「おとぎばなし」




結衣「やっはろー!!」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん。あら、今日随分たくさん本を持っているのね。図書館で借りてきたの?」

結衣「うん!!」

雪乃「シンデレラに白雪姫…ジャックの豆の木に…どれもおとぎ話ばかりね」

八幡「まぁレベル的には由比ヶ浜にはピッタリなんじゃねぇの?やっぱりハードルってのは順々に高くしなきゃな。いきなり高くしても下をくぐっちまうだけだしな」

結衣「違うから!あたしが読むんじゃないからぁ!今度またワタル君が来るから読んであげようと思っただけ!」

雪乃「ワタル君…と言えば以前、あなたたち二人が以前、往来で新婚さんごっこをしていた時に連れていた子、よね」

結衣「ゆ、ゆきのん!違うから!!そんなことしてたんじゃないからぁ!!」

八幡「いや…ていうか、何でお前はそんな殺気だってんの?ほんとビビるわ」

八幡「しかしおとぎ話ってのは子供に聞かせて言いものなんかね。正直、悪影響しかないと思うんだけど」

結衣「え~?どうして!?みんないいお話じゃん!!」

八幡「いや~、どれもこれも恐ろしい話だぞ?ジャックと豆の木のジャックなんて、勝手に他人…つまり巨人の家に侵入したあげく、財宝盗んで帰るしな」

雪乃「やっていることは完全に押し込み強盗ね」

結衣「う、う~ん…」

八幡「ヘンゼルとグレーテルなんかもっとひどい、森で迷っていたところを助けてくれた老婆を魔女呼ばわりしたあげく、オーブンに押し込んで逃げるしな」

雪乃「恩知らず…という言葉だけでは片付けられないわね…」

結衣「う、ううう」

八幡「白雪姫なんか、寝ている見知らぬ女性にいきなりキスだぞ?普通だったら事案だろ、事案。なんで美談になってるんだよ」

雪乃「比企谷くんなら確実に逮捕されているわね」

八幡「そもそも、毒食って何ヶ月もころがってるなんて完全に死体じゃねえか。それにキスするとかなんなの?ネクロフィリアなの?」

結衣「ねくろ…ってなんだし…」

八幡「西洋の話だけじゃねえぞ?桃太郎だってそうだ。鬼退治はいいけど、なんであいつら宝を全部持ち帰んの?より強力な悪が、鬼から宝を奪いとっただけじゃねえか」

雪乃「しかも正義を名乗っているから余計にたちが悪いわね…まるで比企谷くんのようだわ…」

結衣「あうううううう」

八幡「うるせえよ。いちいち俺を揶揄すんなよ。だいたい、そもそもなんだよ最後、『みんないつまでも幸せに暮らしました』って、リアリティのかけらもねえよ。それともなに?これは『悪は退治されることはなく、いつまでもはこびり続けました』って意味なの?いずれにしてもろくなもんじゃねえ。Q.E.D. 証明終了だ」

結衣「ぜ、全部がそんなんじゃないし!!ほ、ほらシンデレラとか!心優しい女の子が王子様と結ばれるし!超良い話じゃん!!」

八幡「あー、その話しちゃうんだー。そっかそっかー、わざわざその話は避けておいたのになー。でも話ふられたからには仕方ないなー」

結衣「な、何その言い方…す、すごい腹立つんだけど…」

八幡「だいたいだな。シンデレラは人殺しなんだよ」

結衣「ええ!?」

八幡「よく知られてるシンデレラをいじめる継母っているだろ?あれって、シンデレラにとっちゃ3番目の母親にあたるんだよ。2番目の母親、これも継母だけどな、はシンデレラの手で事故に見せかけて消されてる」

結衣「え、ええ~!?ほ、ほんとなのゆきのん!?」

雪乃「えぇ。まぁ世界中にはシンデレラに似たお話がいくつも存在するから、一概にそうだ、とは言い切れないのだけれど。確かにそういうお話は多いわね。中には最初のページがシンデレラの人殺しシーンという本も存在するわ」

結衣「そ、そうなんだ…な、なんかどんどん夢が壊れていくんだけど」

八幡「んで、母親を始末したシンデレラが父親に、家庭教師を新しい母親にするように父親に頼むんだよ。んで、その先はよく知るシンデレラのストーリーだな。だからシンデレラの境遇は自分が招いたものだ、とも言える」

結衣「で、でも王子様に認められて結婚するのとガラスの靴の部分は同じなんでしょ?なら素敵な話じゃん?」

八幡「お前、王子はほとんど話してもいないシンデレラに惚れてんだぞ?王子、ただの面食いじゃねえか。そこからどういう教訓を導き出せばいいの?結局人間、見た目が一番ってこと?希望もなにもありゃしねえじゃねえか」

結衣「う、うううううう」

八幡「ガラスの靴だってだな。お前、自分のものだから義姉妹の足にはあわないって知りつつも、サイズあわせるために足を切断するの手伝ったりしてんだぞ。それに結婚した後も、義姉妹の目玉をハトに突っつかせたりしてるしな。これでも心優しいとか言えんの?」

結衣「むぅうううううう!」

八幡「まぁ要するに王子様なんつーものは、非実在青年だっつーこった。あんま夢みんなよ」

結衣「………」

結衣「……る…もん!」

八幡「あ?」

結衣「王子様はいるもん!!いっつもあたしを助けてくれるもん!!ヒドいことも言うけど本当は優しいんだってあたし知ってるもん!」

雪乃「………」

八幡「はぁ!?……お前、いきなり何言ってんの?だいたい、もんもんもんもんってお前熊本県のゆるキャラなの?WORKING!!のオープニングなの?ていうかいきなりキレんなよ…」

結衣「だって、ヒッキーは…ヒッキーが…」

雪乃「由比ヶ浜さん、少しは落ち着きなさい。だいたいこの男ほど、そう言った存在からかけ離れた生き物もそうはいないでしょう?そもそもこの男はバクに食べさせるところがないほど、夢のない男なのだから。そんなこと言ったって通じはしないわよ」

結衣「そ、そうだね…ご、ごめんねヒッキー」

八幡「なんなの?おかしいでしょ?なんでいきなり責められなきゃいけないの?だいたい雪ノ下はこっち側だったんじゃないの?なんでいきなり由比ヶ浜を援護してんの?なんで二人掛かりで責められなきゃいけないの?なんで俺の理解力不足みたいな展開になってんの?どうしうことなの?おい、答えろよ!おい!」

「うそ」






結衣「ヒッキーってさー、嘘うまいよね」

八幡「……。お前いきなり何言ってくれてんの?今の台詞、俺氏に残る最悪の褒め言葉の部類なんだけど?」

結衣「あ!いや、そういうことじゃなくて!く、口がうまい!?、というか口八丁手八丁!?というか?詐欺師みたい!というか!?」

八幡「お前それフォローしてるつもりなの?ただ傷口に塩塗りこむだけになってんぞ……。で?なんでそんなこと言い出したんだよ」

結衣「あ、ほら。ヒッキーってさ、ぼっちって言ってるくせによくしゃべるじゃん?」

八幡「くせに、とか言うなよ…ぼっちは隅で膝でも抱えてろっていうのかよ…」

結衣「ああ、いやごめん。そうじゃなくて!!ゆきのんと二人で話してる時とかさ、すごいぽんぽん言葉が出てくるじゃん!それに嘘っぽい冗談言った時も、あたし全然わかんない時あるし。すぐ騙されるし」

八幡「それはお前、知識のレベル的がお前が俺たちについてこれてないだけだろ」

結衣「それはあたしが馬鹿ってことじゃん!!…まぁ、二人に比べて頭が回らないのは喋ってて感じるけど…」

八幡「……いやまぁ、そこまで自分を卑下することはないんじゃねえの?別にお前の能力云々じゃなくて、単純に勉強が足りてないって言ってんだよ」

結衣「あ、ヒッキー励ましてくれてるんだ。あんまフォローになってないけど」クスッ

八幡「バッカお前。俺なんか近所の公園でサッカーしてる時なんか、エア友の友君によく『ナイスアシストだぜ八幡!!』ってサムズアップされながら言われたもんだ。俺、まじファンタジスタ」

結衣「エア友ってようは妄想のことでしょ!?」

八幡「まぁな。『自分で自分を褒めてあげたいです!』って奴だ。まぁ、俺の場合、周りが誰も褒めてくれないから、自分で褒めるしかないんだけどな」

結衣「だからあたしが褒めてるんじゃん!!」

八幡「だから嘘上手いって褒めてねえだろ…」

結衣「あ、そっか…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「でも、ほらあれ!」

八幡「まだ、あんのかよ」

結衣「あたしって、このままじゃ騙されやすい子になっちゃいそうじゃん?」

八幡「なっちゃう、っていうか既になってるだろ。手遅れだろ」

結衣「そうじゃなくって!!」

八幡「いや、まぁ言わんとすることはわかる。お前、このままじゃ変な宗教にはまったり、変な教材買わされたり、変な健康食品売らされたり、ダメな男に騙されたりしそうだからな、まぁ心配にならんこともない」

結衣「変なばっかりだし!…でも、心配してくれてるんだ」

八幡「………。いや、あれだ。まぁ、一応顔見知りだからな…」

結衣「そっか…。へへ…」

八幡「んで?だからどうしたの?」

結衣「あ、そうそう。だからヒッキーに特訓してもらおうかと思って」

八幡「特訓?」

結衣「そう。ヒッキーなんか嘘ついてみてよ!!あたし見破るから!!」

八幡「お前マジで言ってんの?嘘つくって言って嘘ついたら、わかるに決まってんんだろ」

結衣「いいじゃん!いいじゃん!とりあえずなんか言ってみてよ!!」

八幡「………。なんでもいいの?」

結衣「なんでもいいよ?」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「そういやさ。俺彼女いるんだわ」

結衣「嘘!?マジ!?相手は誰なの!?あ!!ひょ、ひょっとしてゆきのん!?いつから付き合ってたの!?」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「あ、そ、そっか。嘘か。嘘だったよね…」

八幡「いやお前…今の反応はさすがにありえねえだろ…。イシュージョンかよ…」

結衣「いやー、ついつい…。でもこれじゃあんま練習にならないね」

八幡「あんまり。というか全くというべきだろ」

結衣「あ!そうだ!じゃあ、ゲームしようよ!」

八幡「ゲーム?どんな?」

結衣「会話するんだけど、その言葉の中にいくつか嘘を混ぜるの」

八幡「ああ。まぁ嘘の中に本当のことを混ぜるのは基本だな。嘘のリアリティが段違いになる」

結衣「ううん、そういうことじゃなくて嘘の言葉は全部嘘で、本当のことは全部本当のことにしなきゃいけないの」

八幡「ああ、はっきり嘘の言葉と本当の言葉を分けるってことか。まぁ、そりゃわかりやすくていいかもな」

結衣「でしょー?」

八幡「嘘は何個でもいいのか?」

結衣「何個でもいいよ。でも0はダメ。あと終わったあとでどれが嘘だったか追求するのもなし」

八幡「それ意味あんの?」

結衣「いいじゃん!どれが嘘だったか推理するのが面白いの!」

八幡「ああ、まぁそういうのもあるか…まぁいいぞ。どうせ暇だしな」

結衣「よし決まり!じゃあねぇ~。ヒッキーは彼女いるの?」

八幡「おい、なんだよそれ」

結衣「何って質問じゃん!ヒッキーは本当か嘘のことで答えるの」

八幡「ああ、そうか…じゃあ、いない」

結衣「好きな人はいるの?」

八幡「………。まぁな」

結衣「いるってこと?」

八幡「そうだ」

結衣「私の知っている人?」

八幡「だな」

結衣「じゃあ、今までの言葉に嘘は入ってる?」

八幡「………。…………はい。っていうかお前が質問してばっかじゃねえか。これただの尋問だろ」

結衣「そう?じゃあ今度はヒッキーが質問する番ね」

八幡「お、俺が?うーん」

結衣「なんなら、さっきの質問をそのまま返すんでもいいよ」

八幡「………。じゃあ…まぁ、思いつかないしな…そうするわ。彼氏はいるんですか?」

結衣「いません」

八幡「好きな人はいるんですか?」

結衣「います」ジッ

八幡「っ!……お、俺の知ってる人ですか?」

結衣「すごくよく知ってるよ」

八幡「いままでの言葉に嘘はありますか?」

結衣「……。はい」

八幡「………。つーか、このゲームになんの意味があんだよ。だいたい嘘かどうか言っちゃいけないなら、嘘を見破る練習にはならねえだろ」

結衣「そう?じゃあ、どれが嘘だったか確かめる?それでもいいよ?」

八幡「い、いや…いい。やめとく…」

結衣「いいの?変なヒッキー」フフッ

八幡「………」

八幡「なんか、今回お前に負けた気がすんな」

結衣「ふっふーん」ドヤッ

八幡「うぜぇ…」

結衣「じゃあ、あたしとヒッキーは互角ってことだね!!」

八幡「あ?んなわけねえだろ。なんで一回の負けで互角になんだよ?ありえねぇだろ、馬鹿」

結衣「馬鹿いうなし!ヒッキーのばーか!ヒッキーは自分で負けを認めたんだからね!ばーかばーか!!」フフ

「しんけんぜみ」


結衣「うーん…」

八幡「どうした由比ヶ浜、何を深刻な顔をして唸ってんだ?」

結衣「あのねー、今回のテストの成績が悪かったの…」

雪乃「由比ヶ浜さん、それは正しい言葉の使い方とは言えないわ。この場合『今回も』というのが正しいでしょう?」

結衣「ゆきのんひどい!!」

雪乃「でもあなたもそろそろ受験を意識して勉強を始めたほうがいいんではなくって?」

結衣「で、でもあたし私立文系だし…」

八幡「おい、お前全国の私立文系の学生の皆さんに謝れよ。私立文系ってのは馬鹿が自己弁護するための言葉じゃねえんだよ」

結衣「う、うう。ていうかひ、ヒッキーはどこ受けるの?」

八幡「俺か?まぁ、第一希望は早稲田の法かな」

結衣「え!?ひ、ヒッキー、早稲田いくの!?」

雪乃「まぁ希望するだけなら自由だものね」

八幡「おい。俺はこれでも予備校の模試では結構いい判定でてるんだよ。そもそも早稲田は国、英、社で受けられるから俺には都合がいいしな。まぁ、一応慶応も受けるけど、あっちは論文だからな」

結衣「け、慶応に早稲田かぁ…ちょ、ちょっとあたしにはハードルが高すぎるかなぁ」

八幡「いや、ちょっとどころじゃないでしょ。どんだけ自分を高く見積もってんだよ」

結衣「うっさい!!でも…できることならヒッキーと同じ大学いきたいし」

八幡「そうは言ってもだな。俺がお前のレベルにあわせてどこぞの女子短大を受けるわけにもいかんだろ。そもそも俺は人にあわせて志望校のレベル下げる気はねえし」

結衣「女子短大に行くのは決定事項なんだ!?」

雪乃「まぁ…こればかりは比企谷くんの言うことがもっともね。身の丈にあった希望を持たないと、確実に破滅が待っているだけだわ…」

結衣「あ、じゃ、じゃあ進研ゼミとかはじめるとか!!ほら、あ!これ進研ゼミでやったところだ!!ってやつ?」

八幡「ばっかおまえ、やめとけって。ああいうのは最初まじめにやるんだけど、そのうちだんだんやらなくなって手が付けられないほどの量がたまって、最後はおまけ漫画を読むだけになっちまうんだよ。ソースは俺」

結衣「じ、実体験なんだ…」

八幡「だいたいお前、そもそも自分で勉強をする習慣がないだろ?あれは、毎月参考書を買ってるようなもんだからな。結局自分で進んで計画たててやんねぇと終わらねえんだよ。ようは進研ゼミで成績をあげられるようなやつは、やらなくても成績をあげるすべを持ってるってこった」

結衣「う、ううん…」

八幡「だからお前の場合、同じ金をかけんなら、予備校に通う方がまだマシだな。ま、これはあくまで経験による個人的な見解だけどな」

雪乃「それに由比ヶ浜さんの場合、根本的な問題があるじゃない」

結衣「根本的?」

八幡「ものごとのおおもとに関することって意味だな。基本的なことがらってやつだ」

結衣「意味は分かってるし!!」

雪乃「由比ヶ浜さんの場合、高校の勉強をする前に、中学レベルの復習をしなくてはいけないでしょう?そうなるとその『進研ゼミ』とかいうのも5年分くらいは頼まないといけない、ということになるわ」

結衣「中1レベルからなんだ!?」

八幡「まぁ妥当だな。ただ由比ヶ浜の場合、それを学校に通いながらこなすというのは難しい話になってくるからな。卒業してから4年くらいかけてじっくりやることになるだろうな」

結衣「あたし、四浪もするんだ!?」

八幡「ま、その時には同じ学校に入れるくらいにはなっているかもな。由比ヶ浜…俺…ちゃんと…待っていてやるよ」

結衣「ひ、ひ、ひ、ヒッキー!!」

雪乃「ただ、その頃には比企谷くんは卒業になっているでしょうけどね」

結衣「ゆきのん!?」

八幡「まぁ、そうだな」

結衣「ヒッキー!?なんで二人そんなコンビネーションばっちりなの!?二人そろって馬鹿にしすぎだからぁ!!あたし勉強する!絶対に見返してやるんだからね!!」

1つだけついています。
疑問系になってる質問はすべてゲームの一貫です。
一つだけ反対にすると彼女の素直な気持ちになります

結衣「ゆきのん!きいてきいて!」

雪乃「あら、どうしたの由比ヶ浜さん。随分うれしそうね」

結衣「これはこのあいだ返却されたばかりのテスト…こ、これは!な、なんてこと満点じゃない!!」

結衣「へっへーん!」

雪乃「私でさえ、98…だったのに…、さすがね。由比ヶ浜さん!やはりあなたにはかなわないわ!」

結衣「ふふーん、実はそれだけじゃないよ。ほら!!」

雪乃「こ、これは!古典に、歴史、地理に…さんすうまで!?ぜ、全部100点満点じゃない!あなたという人はどこまで底なしだったと言うの?」

結衣「ふふ、これでわかったでしょ!?ゆきのん!私の才能が!」
ガラッ
平塚「由比ヶ浜!前回の模試の結果だが、すごいぞ!早稲田も慶応もSSS判定だ!!」

結衣「平塚先生!?本当ですか!?」

平塚「ああ、合格間違いなし。既に先方から入学依頼まで来ている。だから来る時に彼にも伝えておいた」

結衣「彼?ま、まさか!」
ガラガラ
八幡「結衣…」

結衣「ヒッキー!どうしたの白馬に乗って白いタキシードなんて着て!そ、それに花束まで!?」

八幡「決まってるだろ?結衣。君を迎えに来たんだ」

白馬「ヒヒーン!」

結衣「ひ、ヒッキー!!」

八幡「もう、離さないぞ。結衣…」ギュ

結衣「あたしも絶対に離れない!!」ヒシ

雪乃「おめでとう!由比ヶ浜さん」

平塚「おめでとう!由比ヶ浜!」

小町「結衣さん!おっめでとうございまーす!」

パパ「おめでとう!結衣!比企谷くん!娘を頼んだよ!」

ママ「おめでとう結衣!ママ感動で涙が…」

サブレ「きゃんきゃん!」

戸塚「おめでとう!由比ヶ浜さん!八幡!」

沙希「おめでとう!」

三浦「結衣おめでとう!あとヒキオは結衣を幸せにしなかったら許さないかんね」

海老名「結衣おめでとう。ふ、夫婦になればあんなことやこんなこと、ぐ、ぐ腐腐腐腐」

葉山「結衣!おめでとう!」

戸部「パナいわー!」

大和「おめでとう!」

陽乃「ガハマちゃんおめでとう~!」

めぐり「う~ん、よかったね~由比ヶ浜さん~!」

結衣「ありがとうみんなっ!!みんな大好きっ!!」

八幡「おいおい…、そんなこと言って俺にジェラシーで身を焦がさせる気かい?俺は以外と…嫉妬深いんだぜ?」

結衣「ごめんね、ヒッキー!私の一番はヒッキーだよ」

八幡「そうだな。結婚しよう、結衣。さぁ熱い誓いの口づけを…」

結衣「ひ、ひっきぃ…」トロン

MINNA「YUI!HACHIMAN!YUI!HACHIMAN!YUI!HACHIMAN!YUI!HACHIMAN!」ワーワーワーワー

「ねごと」


結衣「むふ…むふふふふ……」ムニャムニャ

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「やった…ごうかく…かくじつ…」ムニャ

雪乃「この前の気にしていたのかしら…」

八幡「まぁ、みたいだな…」

雪乃「なら勉強をすればいいのに…」

結衣「う、うーん。それだけは…」ムニャムヤ

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「ひ、ひっきー…」モニョモニョ

雪乃「………。あなたのことを呼んでるわよ。答えてあげたら?」

八幡「いや…寝言に答えるのは体に良くないっつうだろ…?」

雪乃「まぁ、そうね…」

結衣「だ…だめだよ。ヒッキー…部室で…。ゆ、ゆきのんが…来ちゃうよ…?」ムニャムニャ

八幡「おい」

雪乃「あななたち…普段、いったい部室で何をやっているの?そういえばこの前も私が遅れて来たら、二人して妙な態度だったわよね?」

八幡「いやお前怖いよ…、ていうかこれただの由比ヶ浜の寝言だろ…。現実と混同すんなよ…、睨むなよ…」

雪乃「はぁ…、まぁいいわ。ちょっと私平塚先生に用があるから少し席を外さなくてはいけないのだけれど、言っておくけれど、寝ているのをいいことに、由比ヶ浜さんに妙なマネをしたらこの学校にはいられなくなると思いなさい」

八幡「しねーよ。ふざけんな。やめろ」

雪乃「どうだか」ハッ

ガラガラ、ピシャ

結衣「ううーん」ムニャムニャ

八幡「………」

結衣「うふふ。うん…すきぃ…」ムニャムニャ

八幡「(なにがだよ…)」

結衣「うん…うん…」ムニャムニャ

八幡「………」

結衣「うん…二人で頑張ってサッカーボール…作ろうね…」ムニャムニャ

八幡「なんでだよ!サッカーボール手作りかよ!あり得ねえだろ!普通はサッカーチームだろ!いやそれでもおかしいけど!!」

結衣「………」

八幡「(つい、つっこんでしまった…)」

結衣「そっか…さすがヒッキーだね…ふふ…」ムニャムニャ

八幡「納得した…」

結衣「………」スースー

八幡「(静かになったな…)」

結衣「………」スースー

八幡「………」

結衣「………」スースー

八幡「(しかし、改めてみるとこいつ顔立ち整ってるよな…美人系の雪ノ下とは系統が違うし…ちょっと童顔だけど)」

結衣「………」スースー

八幡「(ひょっとして写メとるくらいなら許されるだろうか…)」

結衣「………」スースー

八幡「(いや、これは後で『はっはっは、お前こんな顔して寝てたぞ』とか言ってみせるやつだから…)」

結衣「………」スースー

八幡「………」

結衣「………」スースー

八幡「(よし)」ソー

結衣「ううん…」ムニャムニャ」

八幡「っ!!」ビクッ

結衣「………」スースー

八幡「……」ソー

結衣「………」

八幡「………」パシャリ

結衣「……ん?んん?」

結衣「あれ!?あたし寝てた!?テストは!?100点は!?」

八幡「なんだよお前そんな夢、見てたのか?お前が100点なんてあるわけないだろ。分をわきまえろよ」

結衣「えー?って、て、ていうかヒッキーちょっと近くない!?何してたの?」

八幡「あ?別に普段通りの距離感だろ。まぁ…あれだ。アホ面によだれまでたらしてよく寝てんなーって思ってな」

結衣「え!?よだれでてた!?っていうか!!ひ、ひ、ひ、人の寝顔見てたの!?ひ、ヒッキーの最低!変態!キモい!ストーカー!!」

八幡「お前が部室で勝手に寝たんだろうが。はぁ……たく、ほんとお前…ずっと寝てりゃいいのにな」

結衣「どういう意味だぁ!ヒッキー!あたしを馬鹿にしすぎだからぁ!!寝てたほうがいいなんてことはないからぁ!!」

>>352
訂正したつもりが直ってなかった
八幡「(いや、これは後で『はっはっは、お前こんな顔して寝てたぞ』とか言ってみせるやつだから…)」

八幡「(いや、これはアレだから。『はっはっは、お前こんな顔して寝てたぞ』とか言いながらあとで見せるためのアレだから。寝顔の写真が欲しいとか、そういうやましい気持ちとか全然ないから)」

「おたんじょうび」









八幡「うーん…結構メールがたまってきてんな…」カチカチ

八幡「奉仕部に入ってから、まぁメール相手は増えたしな…。由比ヶ浜に、戸塚、平塚先生に…あとは材木座と大志か。最後2人はいらねえな…」カチカチ

八幡「っと、これは」



☆★ゆい★☆    13:25
no title

今日は(;`×,_υ×)ゞ アッツィー…ね。
サブレも超のびてるよー。(卍 )_ρ(д`。) 扇風機ポチッとな



八幡「あぁ、夏休みの頃のメールか」

八幡「なんて返したんだっけか」



八幡       13:30
Re

暑いな。つうかお前んちクーラーねえの?




八幡「うむ、実に素っ気ないいいメールだ。自分を偽らないところに好感が持てる。これもか」カチカチ



☆★ゆい★☆     11:25
no title

アイス食べたーい\(^o^)/


八幡        11:33
Re

食いたきゃ食えよ。ていうかなんで顔文字がオワタなの?


☆★ゆい★☆ 11:34
Re:Re

オタワ?(´・ω・`)


八幡        11:38

カナダの首都かよ



八幡「しかしほんとこいつとのメールってなんの生産性もないよな」

八幡「と…ん…ああこれは…」



☆★ゆい★☆      0:00
★♡誕生日おめでとう♡★

ヒッキー!!今日は誕生日(*・ω-)オメデトー!!
ヒッキーのお父さんとお母さんにもアリ(●´・ω・)(●´_ _)ガト♪
あたしの方がちょっとの間だけ、お姉さんだったけどこれでまた同い年だね!(・ω・*)
これからも(。・ω・。)ノョ━ロ━シ━ク━━ね♡


八幡         0:22
Re:★♡誕生日おめでとう♡★

ありがとよ。で、誰がお姉さんだって?


☆★ゆい★☆      0:23
Re:Re:★♡誕生日おめでとう♡★

σ(・ω・´)ア・タ・シ!


八幡         0:34
Re:Re:Re:★♡誕生日おめでとう♡★

たった2ヶ月でお姉さんぶんじゃねえよ、アホ^^




八幡         2:57
RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE・・・

ていうかお前もう寝たほうがいいんじゃないの?もう3時になんぞ


☆★ゆい★☆       2:59
Re:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE・・・

あ!ほんとだね!遅くまで(*;ω人)ゴメンネ!
じゃあお休み~★'.・.LOVE~(-ω-*(-ω-*)~LOVE.・.・:☆


☆★ゆい★☆       2:59
Re:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE・・・

さごいのミス!忘れて!!


八幡          3:02
Re:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE:RE・・・

おちけつ 



八幡「誕生日メール…か。ま、今年は小町とマックと…んで…三通か。ま、悪くないよな…」


小町「おにいちゃーん!ご飯!!」

八幡「あいよー」ゴトッ

携帯<由比ヶ浜フォルダ チカチカ

携帯 フッ

携帯も笑顔を見せる。そうIphoneならね

まぁ一応八幡は返信に3分かけているので、その辺で読み取っていただけたら幸いです

「たんじょうぱーてぃ」






結衣「ねぇ、ゆきのん!今度誕生日パーティーしようよ!」

雪乃「……いきなり何を言い出すの、だいたい誰の誕生日を祝うというのかしら…」

結衣「もちろんゆきのんのだよ!」

八幡「雪ノ下の誕生日って…お前また随分遠い話しだしたな。確か冬だったろ?12月24日?」

結衣「それクリスマスじゃん!」

八幡「じゃあ12月17日」

雪乃「私はベートベーンではないのだけれど…」

八幡「ああ、すまん。そうか12月21日だったな」

雪乃「人のことをソ連の独裁者扱いしたいのかしら…粛正が必要ね…」

八幡「それそれ、そういうとこだろ。まんまじゃねえか。ていうかいつだったっけ」

雪乃「あなたに教えなければならない必然性が感じられないのだけれど」

八幡「まぁ、そうだな。別に知りたくもねえしな」

結衣「ヒッキーひどいし!1月3日じゃん!」

雪乃「由比ヶ浜さん!?」

八幡「あー、三ヶ日かー。それだとあんま学校の奴らに祝ってもらえたことねえんじゃねえの?」

雪乃「あなたが言えたことじゃないでしょう。まぁ自慢じゃないけれど学校の友人に祝われた記憶なんて一切ないわね」

八幡「まぁ、そもそも友達いねぇもんな」

結衣「ヒッキー!!」

八幡「しかし正月ってーとあれだな。やれることも限られてくんじゃねえの?まぁ、でもファミレスとかカラオケは開いてるか。でもケーキ屋とか開いてねぇだろ、そのへんどうすんの?由比ヶ浜が作んの?」

雪乃「比企谷くん…あなたはさっきから何の話をしているのかしら…」

八幡「あ?何ってお前の誕生日会の話だろ、さっきから別に話題変わってねぇだろ」

雪乃「………」

結衣「ふふーん、ヒッキーもちゃんとゆきのんの誕生日会のこと考えてくれてたんだ~」

八幡「は?お前何言って…って。………。」

結衣「………」ニヤニヤ

雪乃「………」

雪乃「まぁ、二人の気持ちはありがたいのだけれど、先のことだし。それに父の会社関係の集まりもあるから…参加できるかどうか…正直難しいかもしれないわ」

結衣「そうなんだ…、で、でもでも、もしその日じゃなくても集まれそうならお祝いしようね!!」

雪乃「ええ、気持ちはありがたく受け取っておくわ。由比ヶ浜さん」

結衣「うん!!」

八幡「(まぁ、その言葉を返されたら普通は拒絶なんだけどな。まぁ黙っとこう)」

結衣「じゃあ、誰のお誕生日会なら出来るかなぁ。あ、さいちゃんの誕生日っていー」

八幡「5月9日だ」

結衣「食い気味に答えられたし!」

雪乃「私と随分反応が違うように思うのだけれど…」

結衣「でも5月かぁ…じゃあお誕生日会はまだ無理だねー」

八幡「あぁそうだ!俺たちが出会った時、既に戸塚は17歳の誕生日を迎えていたのだ!!あぁ、なんという運命のいたずらか!!あ、でも戸塚の誕生日会ならいつやってもいいんじゃねえの?明日やろうぜ」

結衣「やらないし!!もうどんだけさいちゃんのこと好きなの!?ていうかヒッキーあたしの誕生日は覚えてる!?」

八幡「………。あー6月19日だっけ」

雪乃「太宰治」

八幡「6月27日」

雪乃「小泉八雲」

八幡「6月25日?」

雪乃「上田秋成」

八幡「じゃあ6月15日は?」

雪乃「空海ね」

結衣「途中から趣旨変わってるし!!『じゃあ』とかただの有名人のお誕生日クイズになってるし!!6月18日だし!ヒッキー聞いてる!?覚えてて!覚えててよ!?」

>>314
こんにちはお義父さん

>>377
おい、お父さんとか言うんじゃねえよ
うちの娘はこんなところに書き込むような奴のところには嫁がねえんだよ
6ヶ月で作った中国の高層ビルに住まわせんぞ

あ、じゃあ親父さんって呼べば良いのね

「どりんくばー」




結衣「ゆきのん、ゆきのん!何頼む!?」

雪乃「そうね…こういうところにはあまり来ないから、よくわからないのだけれど…ミラノ風ドリアというものにしてみようかしら」

結衣「さっすが、ゆきのん!!あたしもそれにする!!ヒッキーは?」

八幡「あー、そうだな。んじゃ田舎風ミネストローネとマルゲリータピザあとペペロンチーノ…はやめとくか。ミネストローネとピザだけでいいわ」

結衣「ヒッキー、結構食べるよね?」

八幡「お前らが小食なだけなんじゃねえの?あ、あとドリンクバーな」

雪乃「あ、私もそれを」

結衣「じゃー、全員分ドリンクバーセットね!」

八幡「んじゃ俺、取ってくるわ。何飲む?」

雪乃「では私はアイスティーを」

結衣「あ、あたしはコーラお願いしていい?」

八幡「あいよ」



八幡「雪ノ下はアイスティーっと…ちょっとウーロン茶混ぜとくか?いや、ばれるな…」ジャー

八幡「由比ヶ浜はコーラっと」ジャー

八幡「俺もコーラでいいか」ジャー



結衣「そしたら大志くんのことで沙希がーあ、帰って来た」

八幡「はいよ、雪ノ下。アイスティーな」

雪乃「ありがとう」

八幡「お前は、コーラな?」

結衣「うん、ありがとー。あれ?ヒッキーもコーラにしたんだ。へへ、お揃いだね」

八幡「…ああ、そうだな」

八幡「(いやそれ、むちゃくちゃどうでもいい情報でしょ。言わんけど)」

結衣「そういやさー、ヒッキーって大志くんのこと嫌いなの?」

八幡「大志って誰だよ」

結衣「ほら!あの沙希の弟くんの!っすっすっすっす言う子!この前いっぱい話してたじゃん!」

八幡「ああ、あの毒虫な…。いや別に好きとか嫌いとかじゃねえよ。単純に小町の周りを飛び回る害虫は早めに駆除しなきゃいけないってだけだ」

雪乃「相変わらず、小町さんのこととなると凶暴性が増すのね…」

八幡「まぁな、小町は俺の月であり。常に1700万ゼノ以上のブルーツ波を放っているからな」

結衣「わけわかんないし!」

八幡「いや、まぁ大志はきけー」

結衣「あ、料理きた。はい、ゆきのん!」

雪乃「ありがとう。……。」スッ、ゴト

八幡「いや、お前。無言で目の前に置くなよ…ありがとう」

結衣「じゃあ!いただきまーす!」

雪乃「いただきます」

八幡「いただきます」


結衣「んーー!!んまあーー!!あ、それでさヒッキー、大志くんがどうしたの?」

八幡「ん?」

結衣「いや、なんかさっき言いかけて途中でやめたじゃん!」

八幡「お前が遮ったんだろ…いやまぁあいつの場合小町が全く興味を抱いてないから。毒虫としての小町に対する危険度は既にDマイナークラスと正直脅威ではないんだけどな」

結衣「あー、まぁ確かにそれは見ててそんな感じかも…」

八幡「そうは言っても小町を傷つける可能性は0じゃないからな。兄としては妹を守る最大限の努力をする義務があるわけだ!」

雪乃「なにかしら…比企谷くんが、まるで立派なお兄さんをしているかのように感じるわ」

八幡「なぜだろう…立派な兄じゃないと言われているように感じるな。それにあいつ…まぁ、いい奴ではあるし、ネタも通じるから嫌いなわけじゃないんだけどな。ただ時々、うざいだろ」

結衣「あ、ああ~。沙希には悪いけど…確かにそれはわかるかも…。この前なんか途中からヒッキーのコピーみたいになってたし…」

雪乃「比企谷くんが二人に増えるだなんて…それは相当に鬱陶しいわね…」

八幡「おい、それじゃまるで俺が鬱陶しいやつみたいだろ」

結衣「………」

雪乃「………」

八幡「おい、否定しろよ」

結衣「あ、あたし喉かわいちゃったなー!」ゴクゴク

八幡「おい!」

八幡「(あれ?さっきこいつ自分のコーラ飲み干してなかったか?今飲んだの俺のコーラじゃね?)」

結衣「あ、それでさゆきのん!この前の話なんだけど…」

八幡「(こいつすごいナチュラルに飲んだよな…俺の思い違いか…?)」

雪乃「なにを言っているの由比ヶ浜さん、それは…」

八幡「(いやでも雪ノ下の前にはアイスティーの入ったコップがあるし…由比ヶ浜の両側に空のコップ…)

結衣「え!?そうなの!?アポロって11号だけじゃないんだ!!」

八幡「(そして俺の側のコップはさっき由比ヶ浜が飲んだコップ…いや、これ結論一つでしょ)

雪乃「…けれどあなたが本当に私立文系にしぼるなら、3科目に絞るというのも選択のー」

八幡「(けどこれ指摘したら多分2人がかりで罵倒されるよな。俺悪くないのに…)」

結衣「…ッキー?」

八幡「(となればやれることは一つ。飲み物を汲んでくるのをかってでて、しらっとコップを一つ交換する…これで解決するはず)」

結衣「ヒッキー!?」

八幡「おおう…なんだよ…」

結衣「飲み物汲んでくるけど何飲む?」

八幡「え!?い、いやちょっと待て、いいよ。俺が行くって」

結衣「いいのいいの。ヒッキーはさっき行ってくれたじゃん!そのお礼だから!気にしないで」

八幡「いや、だけどな、その」

雪乃「いいじゃない。人の好意は素直に受け取るものよ」

八幡「(なんでこいつこんな時だけ俺に優しいの!?でもそれ結果的に俺への攻撃になってますよね!どんだけテクニシャンなんですか!!)」

八幡「え…いや、だから、その…あーじゃあ、コーラで…」

結衣「うん、わかった!じゃあ行ってくるね!!」


結衣「これが、ゆきのんの、アイスティー」ジャー

結衣「そしてこっちがヒッキーのコーラー」ジャー

結衣「んであたしのコーラっと」ジャー



八幡「………」

雪乃「………」モグモグ

八幡「………」

雪乃「………」モグモグ

結衣「おまたせー!ジュース汲んできたよー!はい!ゆきのん!アイスティー!」

雪乃「ありがとう。由比ヶ浜さん」

結衣「そしてー…あ、あれ!?」

結衣「………」

八幡「おい…まさか…」

八幡「(まさか、今度はどっちがどっちか分かんなくなったの!?どんだけお馬鹿さんなの!?)」

八幡「お前グラスが…」

結衣「違う!そんなんじゃないから!ちょっとヒッキーはちょっと黙ってて!どっちがどっちかわかんなくなっちゃうじゃん!」

結衣「ま、間違ったら間接キスに…なっちゃう…し」ボソボソ

八幡「(いやもう既にどっちがどっちかわかんなくなってるんだろうが…大体どっちでも同じなんだよ!お前どっちも口つけてんだよ!)」

雪乃「………」モグモグ

結衣「こっち…いやこっち…?ええと?こ、こっち…こっちっぽいかな…うん、多分こっち…。は、はい!ご、ごめんね?ヒッキーややこしくしちゃって…」

八幡「お、おう…」

雪乃「………」モグモグ

八幡「(マイペースですね雪ノ下さん!下界のことはどうでもいいっって感じなんですか?雪ノ下さん!)」

結衣「………」ゴクン

八幡「………」

八幡「(なんなの?俺はどうすればいいの?これ飲んだほうがいいの?まぁ喉は…渇いてる…けど)

結衣「…なんかミラノ風ドリア…味がよくわかんなくなってきたし…」ポショ…

八幡「(それはこっちのセリフなんだよ…もうなんでミネストローネなのに、トマトの味が感じられないの?ピザなのにチーズの味がよくわかんないの?サイゼリヤもラブコメの神様もちょっと大雑把な仕事しすぎなんじゃないの!?マジで!)

>>379

娘は天使だから、天使の父とかならいいよ
パパとは呼ぶなよ?娘専用だからな!

\パパー/

>>383
ようパパ

>>383
お疲れ様ですパピー

>>384
>>386

パパって呼ぶなよ!表にでろよ!

パパ?もしかしてパパ怒ってる?
パパならパパって呼んでも許してくれるとおもったんだけどなぁ…
結衣がこの前「パパは優しいからパパのことパパって呼んでも許してくれると思うし
むしろパパならパパって呼ばれたら喜ぶと思うから
パパのことパパって呼んでもいいよ!」って言ったんだけど…
まぁパパがパパって呼ばれるのが嫌ならしょうがないよね
パパ、パパのことパパって呼んでごめんなさいパパ!


っかーダリィ、パパっと家帰ってパパイヤ食いますかね

「やきいも」






結衣「んー!!焼き芋美味しいね!!」

雪乃「まさに秋の味覚…というものよね」

結衣「あれだ!食欲の秋ってやつだね!」

八幡「まぁ、たまに食うとこれはこれでうまいな」

結衣「でもこんなに美味しいと太っちゃいそうだよね!ほらなんか馬が太る秋?っていうじゃん!」

雪乃「天高く馬肥ゆる秋のことを言いたいのかしら。あれはそう言う季節だということを表した言葉であって…別に馬が太ることがどうこう言ったものではないのだけれど…」

結衣「あ、そうなんだ…」

八幡「まぁ、その点に関しては安心しろ。さつまいもは美容にもいいんだぜ?」

結衣「そうなの?」

八幡「ああ、そもそもだなサツマイモはトマトやレタスなんかよりずっとビタミンCを多く含んでる。しかもそのビタミンCはサツマイモのでんぷん質が保護してくれるから加熱処理をしても、たっぷり残るんだよ」

結衣「なんでそんな詳しいし…」

八幡「ソースは美味しんぼ。初期山岡さんが言っていたから間違いない。それにサツマイモは繊維質が豊富だからな、腸の働きをー」

プゥ

結衣「………」

雪乃「………」

八幡「………」

結衣「…あ、あnー」

八幡「すまん、雪ノ下。屁ぇこいたわ」

雪乃「比企谷くん!あなた下品、下品だとは思っていたけれど。少しは言い方を考えなさい」

結衣「あ、あの…」

八幡「いやー、すまんすまん。さすがに熱弁をふるったらちょっと弁が緩んでな。弁だけに」

雪乃「……うざ。まぁいいわ……私は先に帰るから、後のことはあなたが処理なさい」

ガラガラ、ピシャ

結衣「あの、ひ、ヒッキーありがとう…」

八幡「あ?お前何言ってんの?そんなに俺の屁が嗅ぎたかったの?そういう趣味でもあんの?」

結衣「ち、違うし!そう言うこと言ってるんじゃないし!ひ、ヒッキーほんとに気づいてないの?」

八幡「気づく?何を気づくってんだよ。ああ、お前の趣味のことなら今なんとなく気づきかけてー」

結衣「だから違うし!そんな趣味ないし!」

八幡「まぁ、今のご時世アイドルだって恋愛する時代だ。そりゃあクラスのアイドル比企谷八幡くんだっておならくらいするさ」

結衣「誰がアイドルだし!ただのボッチじゃん!……ありがと」

八幡「だからなんでお礼言ってんの?やっぱりそういう趣味なの?」

結衣「ぜんっぜん!違うし!あたしもう帰る!!馬鹿!!!べぇ!!」
バーン!

八幡「(ふぅ~、あれ?でもこれって大丈夫なの?さすがに超えちゃいけないライン超えちゃってない?いろんな人から怒られない?ついでに比企谷くん、部室で孤立編に突入しちゃったりしない?大丈夫かなぁ…でも思いついたこと言っただけだしな…まぁいいだろ)」

>>387

おまえパピーとか呼ぶなよふざけんなよ!こうなったら喧嘩だぞ、喧嘩。おっさんが四十肩だからってなめてんじゃねえぞ

>>389

お前はなんなんだよ。いったいどこでその情報を得たんだよ。ていうか本当にやめてください。娘は年頃なんです!!

>>391

お前なんなんだよ様つければいいとか思ってんじゃねえよ。ふざけんなよ。確かにお前、俺の娘は天使だからそういうこと言いたいのわかるけどよ。
こんな時間にこんなところに書き込んでる奴に俺の可愛い娘をやれるわけないだろ!常識で考えろよ!

うっす!川崎大志っす!
小町さんもう無理っぽいんで
義父さんから娘さん貰いに来たっす!大志っす!

お?自演か?
お父様も手段を選びませんな

俺のゆいはどこだ

>>396
俺が>>389 >>395です
これは>>1の自演じゃないです
深夜ノリが爆発した俺が原因なんです
不快に思われたのなら申し訳ない
そんなわけで俺はちょっと頭冷やしてきます

>>395

てめえ2重の意味で誰だよ!誰かから乗り換えるとか言ってる奴に俺の娘渡せるわきゃねえだろ、ベーリング海で素潜りさせんぞ

>>396

お父様っていうんじゃねえよ。自演っていうんじゃねえよ!自演しすぎてジ・エンドってか!これ言ったら娘にも引き笑いされたつーの

>>397

てめえのじゃねえよ。娘は俺が17年守りと通して来たんだよ。そのために下げたくない頭を下げて、飲みたくもない酒を飲んで来たんだよ。
そんな簡単に誰かにやれるかよ。ちくしょう。最近もなんか男っぽい奴と電話で話してたって嫁が言ってたんだよ。ふざけんなよ畜生。

>>391
あれですか?!お義父さんに勝ったら娘さんをくれる的な喧嘩ですか!?僕頑張ります!!

>>398

いえ!色々書き込んでくださってありがとうございます!深夜テンションってありますよね。そのせいでゆいゆいにひどいことをさせてしまいました…

>>400

うるせえよ。俺に勝ったくらいで娘をやれるわけがねえだろ。一番大事なのは娘の気持ちなんだよ。

「ぱじゃまぱーてぃ」








小町「おっじゃましまーす!」

結衣「ゆきのん!やっはろー!」

雪乃「いらっしゃい。二人とも早かったのね」

小町「いえー!なにせ雪乃さんのお家にお泊まりできるなんてことになったらもう。昨日から興奮でいてもたってもいられなかったんですよぅ!今朝も兄の食事も作らず飛び出して来ちゃいました!!」

結衣「あ~、じゃあヒッキー今頃自分でご飯作ってるんだ…」

小町「そうですね~、しかも食材もあまり残していないので買い物にも行っているはずですぅ。まぁなにせこうでもしないと兄は外に出ないですから!」

雪乃「そう…。とりあえず二人はリビングでかけて待っていてちょうだい。今紅茶を入れてくるわ」

結衣「あ、ゆきのんあたしも手伝うよ!」

雪乃「いえ、あなたは小町さんを案内してあげて。もちろん迷うことはないでしょうけれど、初めてきた場所なわけだし」

結衣「あ、うん!」

小町「でも~!すごい、きれいなマンションですよね!清潔感もあるし!小町憧れちゃいます!!」

結衣「だよね、だよね!あ、小町ちゃんどんなパジャマ持って来たの!?」

小町「あ、これです!これ!」

結衣「うわぁ~これ、かわいい!これ普段から着てるの?」

小町「いえいえ~!これは今回にあわせて新調しましたっ!!結衣さんのはどんななんです?」

結衣「あたしのはこれ!」

小町「うわぁ、これも可愛いですねぇ!このピンクの色使い!結衣さんに似合いそうですっ!!」

結衣「本当!?ありがとう!!あ、そうだ。もう着ちゃう??」

小町「着ちゃいます?着ちゃいましょうか?着ちゃいましょう!」

雪乃「まったく、二人で何を騒いでいるの…紅茶、入ったわよ」

結衣「あ、ありがとうゆきのん!!ってあれ?その参考書とノートは何?」

雪乃「何って、高校入学レベルの数学と理科と参考書に決まっているでしょう?小町さんの勉強を見るのだから当然じゃない」

結衣「え!?」

雪乃「今回は小町さんが総武高を受験するにあたって、比企谷くんでは頼りにならない理系科目を見て欲しいというから、この催しを許可したんじゃない」

結衣「そ、そうなの?小町ちゃん?」ヒソヒソ

小町「う、確かに説得の時にそんなことをチラッといったような気がします」ヒソヒソ

結衣「ダメだよ!小町ちゃん!ゆきのんにそういうのは通じないんだから!やるといったらやるんだよ!?」ヒソヒソ!

小町「た、確かに小町の計算ミスでした!小町ショック!!」

結衣「ゆ、ゆきの~ん。せっかくの機会なんだし、べ、勉強は後でいいんじゃないかなぁ?」

雪乃「由比ヶ浜さん。あなたそうやって物事をすぐ先延ばしにするから、勉強だって出来ないのよ。私だって何も一晩中勉強をしよう、だなんて効率の悪いことを考えているわけではないわ。重要なポイントはあらかじめまとめてあるから、それを順番に片付けていきましょう?」

小町「は、はい…」

結衣「うう…じゃあ。その間あたしは何してようかな…」

雪乃「何を言っているの。あなたも一緒にやるのよ」

結衣「ええ!?でも高校入試レベルだよ!?」

雪乃「だからちゃんと復習しておくのよ。あなたがもし本当に比企谷くんと同じように私立文系に絞るにしても、このレベルの数学や理科は常識レベルの知識として、大学を出た後も関わってくる話になるわ。言ったでしょう?あなたは受験の前にしっかりとおさらいをしておかなければならないって」

結衣「あの5年分の教材って話は全部本気だったんだ!?ううう!ゆきのん、ひどい!!!さすがにそれは馬鹿にしすぎだからぁ!!あたしだってちゃんと受験受かったんだからぁ!!!あたしだってちゃんと小町ちゃんを教えられるんだからね!!」

「しゃめーる」






雪乃「さて、このぐらいにしときましょうか」

小町「お、終わったぁ!!」

結衣「な、なんとかなったね」

雪乃「さて…それじゃあ私は夜食でも作ってくるわ」

結衣「あ、じゃああたしもー」

結衣「大丈夫よ由比ヶ浜さん。本当に大丈夫。気にしないで。手を出さないで。小町さんは由比ヶ浜さんと一緒にいて彼女が妙な真似をしないか監視しておいてちょうだい」

結衣「ゆきのんひどい!」

小町「わっかりましたー!任せてください!」

結衣「小町ちゃんまで!?」

小町「とりあえず結衣さん!せっかくなのでパジャマに着替えませんか?」

結衣「う、うん。なんかちょっと複雑だけど…。そうしよっか!」




小町「うわ~!!結衣さんやっぱり可愛いですねぇ~!!すっごく似合ってます!!」

結衣「ほ、ほんと!?小町ちゃんも可愛いよ!すっごい似合ってる!!」

小町「あ!そうだ結衣さん、せっかくなので~、写メとってもいいですか!?」

結衣「え、え~?でもそれはちょっとそれはちょっと恥ずかしいよ~」

小町「だいじょぶ、だいじょぶです!小町ぃ、すっごく可愛く撮りますから!それにほら記念ですし!」

結衣「記念!!確かにそうだね!みんなでパジャマパーティーが出来るなんて思わなかったし!じゃあ、撮ってもらおうかな!」

小町「ニヤリ、じゃあポーズお願いしてもいいですか?」

結衣「ぽーずぅ?」

小町「はい!まずは後頭部の所に右手を置いてもらって少し斜めな姿勢で」

結衣「こ、こう?」

小町「いいですね!いいですね!最高です!!」パシャパシャパシャ

結衣「そ、そうかなぁ。えへへ。」

小町「じゃあ、今度はぁ右手はそのままで左手でちょっとすそのところを軽ーく掴んでみてください!!」

結衣「こ、こうかな?」

小町「もっ、最高です!結衣さん!!可愛いです!これはもう事件ですよ!」パシャパシャパシャ

結衣「ほんとぉ?えへへぇ」

小町「じゃあ、そのままちょっとだけすそをまくって見てください!!」

結衣「うん!!……ってそれは無理無理!それ、ちょっとエッチな写真じゃん!」

小町「だいじょぶです!ちょっとだけ裾をつまんで、おへそをチラッっとさせるだけですから!せっかくなので、ちょっとセクシー系も撮ってみましょうよう!せっかくなので!!」

結衣「う、ううん。そうかぁ、せっかくだしね…せっかく。じゃ、じゃあこんな感じ?」ヘソチラッ

小町「おほー!結衣さん最高ですよぅ!これはもう小町大興奮です!!」パシャパシャパシャ

小町「次はちょっと前屈み気味で行ってみましょう!ええ、せっかくなので!おほー!最高ですよ!結衣さん!そそ、ちょっとチラっとチラッと!せっかっくなので!せっかくなので!!!」パシャパシャ、パシャパシャパシャパシャ


小町「いやー、随分撮りましたねー。もう小町の携帯、結衣さんの写真で溢れかえってますよぅ!」

結衣「い、いやーなんか恥ずかしいなぁ。ていうか小町ちゃん本物のカメラマンさんみたいだったね!パパが持ってたドラマでなんかああいうの見たことあるよ!」

小町「え……。結衣さん、もしかしてそのドラマ最後まで見ちゃったりしました?」

結衣「え?ううん?なんか俳優さんも女優さんも全然知らない人ばっかりだし、演技も上手じゃなかったから最初だけ見てすぐ消しちゃった。どうかしたの?」

小町「い、いえ!見てないなら全然大丈夫です!そういう結衣さんの純粋なとこ、小町的にもポイント高いです!!」

結衣「え、そうなんだ。なんかありがとう!」

小町「コホン、じゃあ気を取り直して、今撮った写真の中からお兄ちゃんに送る写真を選びましょう!」

結衣「そうだね。ヒッキーに送る写真を…ってぶえふぇへぇ!?小町ちゃん!ないない!それはない!それはないよ!!」

小町「え~、そうですか~?せっかくなので送りましょうよ!せっかくなので~!」

結衣「小町ちゃん、そればっかじゃん!!それはさすがに恥ずかしすぎて無理だよ!!」

小町「そうですか~?でも結衣さんちょっと考えても見てください」

結衣「な、なにを?」

小町「今日はうちの両親は帰宅しません。つまり兄は今、あの家にたった一人ですごしているのです!」

結衣「たった一人…!あれ、でもそれっていつも通りな気もするけど」

小町「それが違うんですよぅ!結衣さん!ほら普段は小町がいつも近くにいますから!家では一人ぼっちじゃないんです!」

結衣「そ、そっか!!」

小町「一人寂しく、人恋しくなっている兄の元に届けられる結衣さんの素敵なパジャマ写真…!これにはもう!兄は大喜び!今日の夜のお供はきまりです!!」

結衣「よ、夜のお供!?そ、それって!」

小町「はい!!」

結衣「ひ、ひ、ひ、ヒッキーが、そ、そ、そ、添い寝とかしちゃうってこと!?」

小町「ん!?………んんん。そうですね!!まぁそんな感じです!!」

結衣「添い寝…ひ、ヒッキーが添い寝…」

小町「どうしましょう…いえ、やっぱり恥ずかしいですよね…今回はやめておきましょうか…」

結衣「ま、まって小町ちゃん!やるよ!あたしやるよ!ヒッキーのためだもん!」

小町「ニヤリ、本当ですか!結衣さん!!兄もきっと悦びます!!小町的にもうポイント2倍モードです!!」

結衣「じゃ、じゃあ。写真はどれがいいのかな」

小町「それなら兄の検索ワードを知り尽くしている女、比企谷小町に任せてください!そう兄の検索ワード…そして隠しファイルになっている『微分積分』フォルダの中身から推察するに!1枚はこのへそちら!次にこの前屈みで谷間チラ!そしてこの見返り美人の3枚が兄のドストライクゾーンにはまるはずですぅ!!」

結衣「さ、さすが小町ちゃん!ヒッキーの妹!!」

小町「じゃあ、この三つを送りますね!送りますよ!?送りました!!!」

結衣「………」ドキドキ

ブーブーブーブー

結衣「あれ!?着信だ!?ひ、ヒッキー!?」

小町「すごい!さすが写真効果ですね!兄がたまらず結衣さんの声を聞きたくてかけてきたんですよぅ!」

ブーブーブーブー

結衣「ほ、ほんと!?じゃ、じゃあ出るね!!」

結衣「も、もしもしヒッキー?」

八幡「………。俺だ」

結衣「あ、あのさ。ひ、ヒッキー写ー」

八幡「お前アホか。小町なんかに乗せられてんじゃねえよ。アホか」

結衣「え、え?」

八幡「お前マジでアホだろ。だいたいあんな写真、いくら小町が相手だからって撮らせんな。アホ」

結衣「あ、あの…」

八幡「そんだけ。じゃあな」

結衣「あ、ヒッキー!」

ツーツーツーツー

小町「あ、あの。ゆ、ゆいさん」

結衣「………」グスッ

結衣「なんかすっごい怒られた…いっぱいアホって言われた…」

小町「は、はい…その小町にもさっきから怒りのメールが…すいません。小町もこんなことになるとは…」

結衣「うあーん!!あたしのバカぁ!ほんとに馬鹿だぁ!!馬鹿すぎだからぁ!!」

雪乃「あなたたち…何をやっているの…あれほど変なことはするなと言ったはずでしょう?まったくいったいどうしたらこうなるのかしら…」


微分積分って…
お前俺かよ…
まったく同じフォルダ名なんだが

>>415

そういうフォルダ名は露骨すぎて逆に分かりやすいってJCの妹が言ってた!!
あと今時のカーちゃんは削除したデータ、サルベージしてまで情報を把握するって言ってた!気をつけてね!

「ものおぼえ」








八幡「MAXコーヒー買ってくか…」

八幡「人生(コーヒー)の酸いも甘いも嗅ぎ分ける。男のMAXコーヒー(ステマ)」ドヤッ

八幡「まぁ金もらってねえから成立してねえけどっと」アタリダヨー

八幡「珍しいこともあるもんだな…じゃあ…まあカフェオレっと」

八幡「あと雪ノ下は野菜生活でよかったっけか」



八幡「うす」

結衣「あ、ヒッキー!」

雪乃「こんにちわ」

八幡「ほいよ、由比ヶ浜カフェオレやるわ」

結衣「え!?ありがとう。あ!出すよ!お金」

八幡「ああ、いいいい。そこの自販機で当たったんだよ。ほら当たりがでたらもう一本ってやつだ」

結衣「え!?あそこの自販機当たりでるんだ!!ただの飾りかと思ってた!」

八幡「ああ、俺もそう思ってたんだけどな。まぁそういうことだから気にせずもらっとけ」

結衣「うん。ありがとうヒッキー。えへへ…」

八幡「(………。当たりのジュースと引き換えにしちゃ、この笑顔はちょっともらい過ぎかもな)」

八幡「はいよ、雪ノ下。野菜生活な」

雪乃「あら。気が利くのね…。ありがとう」

八幡「(こいつは払うそぶりも見せねえな。まぁどのみち受け取らないの分かってるからなんだろうけど)」

結衣「あれ!?でもなんかこんなこと前にもあったよね!?」

八幡「……。ああ、そういやそんな気もすんな」

雪乃「それは今年の4月15日、16時27分頃のことね」

結衣「え…」

八幡「………。お前なんでそんな詳しく覚えてるの?完全記憶能力の持ち主なの?インなんとかさんなの?ていうかほんとビビるわ」

雪乃「馬鹿馬鹿しい。そんなわけないじゃない。その時起こった出来事を日付や時間と関連付けて覚えているだけよ」

八幡「普通はそれができないんだけどな、ルンゲ警部かよ」

八幡「(雪ノ下の頭の中ってどうなってんだろうな。もしかしてイベントCG閲覧モードとか、アルバムモードとかあんのかな。ふむ…だとするとあのテニスの時の着替えとか合宿の時の水着とかまざまざと思いだせんのか。色々と捗るな)」

雪乃「そ、それにあの日は由比ヶ浜さんと出会った日じゃない…強烈な記憶と共に海馬に記憶されたエピソードは忘却されにくいのよ」

八幡「お前は助手なの?」

八幡「(じゃあ、由比ヶ浜はまゆりだな、胸的に。まぁしかし実際、俺も覚えてはいたしな。いろんな意味で強烈な出来事であったのは確かだし。日付まではさすがに無理だが)」

結衣「ゆきのん!!」ヒシッ

雪乃「由比ヶ浜さん…」ナデナデ

八幡「(急にゆるゆりが始まった…まぁ結衣だしな。結衣先輩!!つっても実はあんま詳しくないからあの金髪の子が主役ってことぐらいしか知らんけど)」

結衣「でもそっか…てことはもう二人とあってから半年くらいたってるんだね。えへへ。なんか早いなぁ」

雪乃「まぁ、それなりに色々あったわよね」

八幡「あぁそうだな。インターハイ出たらいきなり強豪校と当たったのはビビったよな」

結衣「そんなことなかったし!ヒッキーの記憶どうなってんの!?」

雪乃「妄想と現実の区別つかなくなっているのね…さすがは比企谷くんだわ」

結衣「でもでも!みんなでした肝試し!超怖かったよね!?」

八幡「ん?」

雪乃「え?」

結衣「あれ?」

八幡「んなことしてねぇぞ…」

雪乃「確かに脅かす役はしたけれど…、脅かされるほうはやってないわね」

結衣「あ、あれー?これ、ヒッキーたちとじゃなかったっけ…?」

八幡「一体誰と行ったんだよ…。そっちのが怖ええよ…」

結衣「じゃあ三人で千葉動物公園…」

雪乃「行ってないわ」

八幡「行ってねえよ」

結衣「あ、あれー?」

雪乃「ワラビーだ、ミーアキャットだのという話はしたけれど…実際に訪れてはいないわね」

結衣「あ、あれ?パパとママと行ったんだっけ…?いや優美子と姫菜?」

八幡「それがどうして俺たちとの思い出になるんだよ…。ていうかお前の記憶ぐちゃぐちゃになりすぎだろ…俺の部屋かよ…」

結衣「じゃ、じゃあ!なんとか部との大富豪対決は!?」

雪乃「それはあったわ」

結衣「よ、よかったぁ~」

八幡「いやよくねえだろ…。的中率3分の1だぞ。お前人の記憶のこと言えねえだろ。どうなってんだよ。大体なんでそんなどうでもいいこと覚えてんの?俺のパン一みて興奮したの?」

結衣「そ、そんなわけないじゃん!!ヒッキー何言ってんの!?マジキモい!!ヒッキーと仲直りできた時のだからよく覚えてるんじゃん!!」

八幡「………」

雪乃「私としては記憶から消し去りたい光景のナンバーワンなのだけれど…。それはまぁいいわ。由比ヶ浜さん、あなた本当に一度セラピーとか受けたほうがいいかもしれないわね」

結衣「ゆ、ゆきのん…」

雪乃「大丈夫、大丈夫よ由比ヶ浜さん。何も心配することはないの。私がいいお医者さんを紹介するわ。とても腕のいい先生よ。すべて私に任せて安心してくれればいいわ」

結衣「ゆ、ゆきのん!そ、その妙にいい笑顔でこっちを見ないで…怖いよ!ていうかお医者さんとかいらないからぁ!!ただ記憶違いしてただけだからぁ!!馬鹿にしすぎだからぁあ!!!」

「とらんぷ」




結衣「ねぇねぇゆきのん!暇だし3人でトランプしようよ!!」

雪乃「脈絡もなくいきなり何を言い出すの…そもそもトランプと言ったってものがないでしょう?」

結衣「あたし持って来てるよ。ほら!」

八幡「お前はいつでもどこでも修学旅行気分かよ。ウノとかも持ってきてんじゃねえの?」

結衣「きてるよ?」

八幡「持ってきてるんだ…どんだけ遊ぶことに貪欲なんだよ…」

雪乃「あるのならまぁいいけれど、一体何をするの?」

八幡「いいんだ…。お前最近由比ヶ浜に甘過ぎだろ…」

結衣「じゃあ!まずはババ抜きから!!」



八幡「……こっちか…」スッ

結衣「…………」ズーン

八幡「……いや、やっぱこっちかな」スッ

結衣「…………!」パァァ

八幡「……いやいや、ここはこっち…」スッ

結衣「…………」ガアン

八幡「………まてよ。こっちという可能性も」スッ

結衣「………!」パァァ

八幡「(なんかちょっと可愛いな…)」

雪乃「比企谷くん…由比ヶ浜さんで遊ぶのはやめなさい」

結衣「ううう!次は七並べ!!!」



結衣「ちょっとヒッキー止めないでよ!!」

八幡「いや、そういうゲームだから」

結衣「止めてることは否定しないんだ!!ヒッキー性格悪い!!」

雪乃「そんなこと、初めて顔を見た時からわかることでしょう?由比ヶ浜さん今更、一体何を言っているの?」

八幡「むやみに俺を傷つけるのやめてくんない?」

結衣「ううう!次は神経衰弱!!」



雪乃「…………」ペラッペラッ

雪乃「…………」ペラッペラッ

雪乃「…………」ペラッペラッ

雪乃「…………」ペラッペラッ

雪乃「…………」ペラッペラッ

雪乃「…………」ペラッペラッ

結衣「いつまでもゆきのんの順番が終わらない…」

八幡「ただトランプを裏返してるだけみたいになってんな…。ていうか何でこれで勝負しようと思ったんだよ…」

結衣「ううう!次はダウト!!」

結衣「むぅぅぅぅぅ…は、8!!」

雪乃「ダウト」

八幡「ダウト」

結衣「何で分かるのぉ!?」

八幡「何で分からないと思うんだよ…」

結衣「つ、次はポーカー!!」




結衣「よし!いけそう!」ニコッ

八幡「………」

雪乃「………」フッ

八幡「っ!」ビクッ

結衣「っ!」ビクッ

雪乃「レイズ…」

八幡「っく…フォールド…!」

結衣「レ…あたしもフォールド…」

雪乃「…ふぅ。二人が降りてくれて助かったわ。私4の1ペアだったもの」

八幡「お前はなんなんだよ!なにものなんだよ!あの超こええ意味ありげな微笑もブラフか!」

結衣「あ、あたし…フォーカードだったのに…」

八幡「お前もなんなんだよ!それはいけるだろ!!ビビんなよ!!降りんなよ!!」





結衣「ああ、もう全然だめ~!ゆきのんに一つも勝てない~!」

八幡「言っとくけどお前、俺にも何一つ勝ててないからな。単独最下位独走状態だからな?広島みたいな感じだから」

結衣「ヒッキーうっさい!!でも何で全然勝てないんだろ…」

八幡「お前わかってねえの?お前、考えてること全部表に出てんだよ」

結衣「え~??」

八幡「もう見てれば、どのカード持ってるとか、何考えてるとか丸わかりなんだよ。神経衰弱は関係ねぇけど、あれでお前が俺ら…というか雪ノ下に勝てる要素が一つもないからな。当然だろ」

結衣「み、見ないでよ…」

八幡「い、いや、勝負ごとだし。か、観察も勝負のうちだし…」

結衣「そ、そっか…そうだよね」

雪乃「まぁ裏表がないのは由比ヶ浜さんの長所の一つ。ではあるのだけれどね」

八幡「お前もうお面かぶってたら?そしたらネックは頭だけになるだろ」

結衣「なにそれ!あたしの顔なんて見たくないってこと!?」

八幡「いや、お前そんなこといってねぇだろ…:

雪乃「つまり比企谷くんは表情を隠せと言いたいのよ」

結衣「表情ぉ?」

八幡「あぁ、見えなくすりゃ。読まれることもねえだろ?まぁそれはそれで残念ではあるけどな」

結衣「ざ、残念ってどういう意味?」

八幡「あ!い、いや!ほらお前!顔見えないと勝率さがるかも知れないしな!勝負事だしな!あ、いやでも心配ないよな。お前馬鹿だからそれ以前の部分でこっちが勝てるもんな!!」

結衣「ば、馬鹿いうなし!!これでも中学の時は結構強かったんだからね!?今度はウノしよう!?ウノ!!絶対目にもの見せてやるんだからね!?」

ごめん、野球。どうせ弱いだろうと言うイメージで書いた。反省はしている

「いぬがはまさん」







結衣「ゆきのん!?これって、食べていいの!?ねぇ!ねえ!食べていい!?」

雪乃「ええ、大丈夫よ」

結衣「本当!?これって飾りじゃないの!?食べて大丈夫なの!?」

雪乃「えぇ、ミントだから大丈夫よ」

結衣「そっかぁ!あたし料理下手だから!ミントとか知らなかったから!」

雪乃「ええ。そうね」

結衣「うん!でもミントって言うんだ!食べていいんだぁ!ケーキと一緒に食べちゃっていいんだよね!」

雪乃「そうよ。食べていいのよ」

結衣「よかったぁ!じゃぁ食べようよ!ゆきのんも食べよう!」

雪乃「ええ、食べましょう」

結衣「あ~!!おいしいねゆきのん、ねえゆきのん!」

雪乃「ええ、美味しいわね。絶品だわ」

結衣「あぁーケーキ美味しいね、ゆきのん!!美味しいねぇー!」

八幡「こんなのどっかで見た気がすんな…」


>>444は振りとかじゃなく本当にやるなよ?

>>445

あ、さすがに大丈夫です。脇毛ではちょっとネタ思いつかないです。
一瞬先天的に生えないことにしてネタにしようととか、血迷いかけましたけど治りました。大丈夫です。大丈夫です。屁はこかせましたけど

「おさんぽ」







八幡「小町~、俺ちょっと本買い行ってくるわ」

小町「えー!お兄ちゃんじゃああたしもあたしも!」

八幡「受験生なんだから、お前は家で勉強してろ。ああ、あとついでに晩飯の材料も買ってくるから。何食う?」

小町「んー、じゃあ麻婆豆腐!!」

八幡「あいよ、んじゃ行ってくるわ」


ガチャ


サブレ「ひゃんひゃん!」

八幡「………」

サブレ「ひゃんひゃん!」

八幡「お前どした。なんでここにいんの?」

サブレ「く~ん、く~ん」

八幡「いや、腹見せんじゃねえよ。そういうこと言ってんじゃねえんだよ」ナデナデ

サブレ「ひゃんひゃん!」

八幡「ほんとあいつ何やってんの?」

八幡「…たく」ピピピ

八幡「しかも電話でねぇし…。とりあえずメール送っとくか『サブレは預かった。連絡しろ』。なんか脅迫メールっぽいか?いや、いいか」

八幡「………。つーか、おい、サブレ。お前事故現場から逃げ出してきた、とかじゃねえよな?」

サブレ「くぅん?」

八幡「……。いや、まぁ、んなわけねえよな。助け呼びにくるような奴じゃねえよな、こいつ」

サブレ「ひゃん!」

八幡「おーい、小町ー?うちってリードみたいのなかったっけ?」

小町「リード?なんでリード?およ、お兄ちゃんなんでサブレがここにいるの?さらってきたの?」

八幡「さらうか。こんなもん一つしか可能性ないだろうが、由比ヶ浜が散歩中にでも逃がしたんだよ」

小町「あぁ~、はっは…。まぁ結衣さんだしねぇ。んーリードってこの紐で大丈夫かな?」

八幡「おー、まぁ括り付けときゃ外れんだろ。あいつ電話でねぇし、ちょっとあいつの家方面行ってくるわ。途中でかち合うか、連絡つくかも知れんし。お前んとこに連絡きたら、俺に連絡しろって言っといてくれ」

小町「はいは~い。結衣さんによろしくねぇ~」


テクテク

サブレ!サブレェ~?

八幡「あ、いたわ」

サブレ「………」

結衣「サブレェ~!?どこ~!?」グスッ

八幡「おい」

結衣「うひゃあ!?ちょ、あ、ひ、ヒッキーかぁ!!び、びっくりさせないでよ!!ってあれ!?サブレ!?なんでヒッキーといんの!?」

サブレ「ひゃん!」

八幡「いやそれ、俺のセリフだから。毎度毎度こいつ逃がすなよ。つかお前携帯どした」

結衣「携帯…あれ!?家に置いて来ちゃった!?」

八幡「アホか。どうでもいい時に使いまくってんのに、大事な時に携帯してなかったら携帯の意味ねぇだろ。連絡つかねえからなんかあったのかと思っただろ」

結衣「ご、ごめんね?でも、ありがとヒッキー!!あたし2時間くらい捜してたんだけど…見つかんなくて…」

八幡「2時間も探してたのか…てかこの辺り探してても、そら見つからんわ。こいつ俺んちの玄関の前でお座りしてたぞ」

結衣「えぇ~!?ヒッキーんちで!?なんで!?」

八幡「俺が知るか、帰巣本能がバグってんじゃねえの?」

サブレ「ひゃん!」

八幡「…ああ、それかあれだ。前に預かった時こいつお前のこと忘れちまってたし、お前んち、こいつに家だと認められてねえんだよ。だからたったあれだけいただけで、俺んちのことを自分の家だと上書きしちまったんじゃねえの?」

結衣「ええ~!?ヒッキーひどい!!そんなことないよね!?サブレ!?」

サブレ「………」

結衣「お姉ちゃんの質問に答えてよぉ!サブレェ!」

八幡「感動の再会だな!ま、つーわけで本屋行くんで俺は行くわ。んじゃぁな」

結衣「あ、うん!ヒッキーありがとね!」

八幡「おう…。あ、いや、まて。つーかさ、俺てっきりそいつのリード外れんのって首輪のせいだと思ってたんだけど。リードの金具のほうがお前と同じで馬鹿になってんじゃねえの?」

結衣「馬鹿言うなし!!あ、でもそうかも…バネのところがみょいんみょいんなってる…」

八幡「みょいんみょいんってなんだよ…。まぁそれなら、悪いことは言わんから、早いうちに買い直しとけよ。今度は見つからんかも知れんぞ」

結衣「うん。そうする。ありがとヒッキー…。あ!!ねぇヒッキー!こっちのほう来て本屋ってことはマリンピアのほう行くんでしょ?」

八幡「あ?ああ、まぁそうなるな」

結衣「じゃ、じゃああたしも行っていい!?ほら!あそこペットショップもあるし!やっぱり早めに買い直さなきゃいけないし!」

サブレ「ひゃん!ひゃん!」

結衣「ほ、ほら!サブレもヒッキーと一緒にいたがってるし!いいでしょ?」

八幡「………。ん、ま、まぁそうだな。勧めたのは俺だし、な。まぁ、好きにすりゃいいんじゃねえの?」

結衣「うん!!そうする!!」

サブレ「ひゃん!ひゃん!」

結衣「うんうん!サブレありがとね!おかげで休みの日なのにヒッキーにあえてお出かけできちゃった!」ボソボソ!

サブレ「ひゃん!ひゃん!」ペロペロ

結衣「うんうん!ありがと!帰ったらいっぱいご飯あげるね!」

八幡「(飼い主とペットは似るって言うけど、こいつとサブレもやっぱりどこか似ている。アホっぽい行動も、それでいて、もしかしたらどこか計算高いのかも知れない性格も。そしてなにより、いつも尻尾を全力で振っているような、その人懐っこい性格が)」

結衣「あ!ヒッキー!向こうついたらお礼になんかおごったげるね!!」

八幡「いらんわ。そんな金あるならその分少しいいリード、買えよ」

>結衣「サブレェ~!?どこ~!?」グスッ
>八幡「おい」
この現場をTwitter見てたてた奴に見られてあらぬ噂を広められろ八幡

「いやほん」









結衣「ーーー!ーーー?」

八幡「ん?」

結衣「ーーきー?聞いてる?」

八幡「いや、お前イヤホンしてたんだから聞こえるわけねえだろ。何?」カタミミハズシ

結衣「いや、ヒッキー何聞いてんのかなーって思って」

八幡「あー?いや、別に?なんつーか?普通の?J-POP?」

結衣「なーんか怪しいし!ちょっと貸して!」

八幡「お、おい」

八幡「(い、イヤホン半分こ…だと!?)」

結衣「へぇ~!結構いい曲だね!でもこの人聞いたことないかも。アニソン?」

八幡「なんでアニソンて決めつけんだよ…まぁアニソンだけど」

八幡「(ていうか顔近くね)」

結衣「やっぱりアニソンなんじゃん!なんで否定すんの?」

八幡「なんでってお前、前話したろ。アニソンと女子の組み合わせには、あんまいい思い出がねんだよ」

結衣「ふぅ~ん?でもこの曲も別にオタクっぽくないし、曲が良ければ別にいいと思うけど?」チラッ

八幡「(………目があった……、ていうか近ぇ…)」カァ

結衣「………!」カァァァ

八幡「………」メソラシー

結衣「って、て、て、てかさ!」

八幡「な、なんだよ」

結衣「あ!あ、あんま離れんなし。こ、コードがピーンってなっちゃうじゃん」

八幡「い、いや、お前がイヤホン返せばいいだけのことだろ。馬鹿かよ…」

結衣「あ、そ、そっか。てか馬鹿言うなし…」

八幡「んで?」

結衣「あ、そ、そうそう。なんかさ、そのイヤホンすっごい音よくない?」

八幡「あぁ、だろ?まぁ、これ結構いいやつだからな」

結衣「そうなん?5千円くらい?」

八幡「いや、アマゾンで2万くらいだった」

結衣「はぁ!?2万!?」バン

八幡「な、なんだよ」

結衣「なにそれ!イヤホン一つに2万円も使ったっていうの!?ヒッキー信じらんない!!」

八幡「別にいいだろ…なにも形のないものに金かけたってわけじゃないんだし…」

結衣「よくないし!だって最初っからついてくるイヤホンとあんま変わんないじゃん!!」

八幡「いや、お前さっき自分で音がすっごいいいって言ったばかりだろ。速攻で自分の言葉否定すんなよ」

結衣「そんなの値段聞いたら変わるし!2万円と0円との差じゃないじゃん!」

八幡「つうかだな。これ元は3万くらいするんだよ。35%オフの1万円ちょっと引きで19400円なの。だからお買い得なんだよ」

結衣「そういう問題じゃないし!そんな無駄遣いするのがいけないって言ってんの!」

八幡「いいだろ別に。俺が自分で稼いだ金で買ったんだから、お前に文句言われる筋合いはねえよ!」

結衣「だってそれ、ヒッキーが前に言ってたスクラップのお金でしょ!?じゃあそれご両親のお金じゃん!!ヒッキーが稼いだお金じゃないでしょ!!」

八幡「なんなの!?だいたい、何でお前にそこまで言われなきゃなんねんだよ!?お前は俺の嫁かなんかなの!?そうやって金勘定の時だけいちいち主婦っぽくなんのやめろ!!」

結衣「よ、よ、よ、よ、よ、よ、よ、よ、嫁とか!!嫁とかしゅしゅしゅしゅ、主婦とか!?ひ、ひ、ひ、ひ、ヒッキーな、なな、な、な、な、なに言ってんの!?」カアアアアアアアアア

八幡「あ……」カァ

八幡「(口がすべったぁぁぁぁぁぁ、前から思ってたことがつい勢いで!!)」

八幡「い、いや…あの…その…なんだ…す、すまん…つ、ついな」カァ

結衣「い、い、い、いや、べ、べ、べ、べ、べ、別に、ぜ、ぜ、ぜ、全然、き、気にしてないけど……!」カァァァァァァ

八幡「そ、そうか……」カァ

結衣「う、うん……」カァァァァァァ

八幡「…………」ドキドキ

結衣「…………」ドキドキ

結衣「あ、あのさ…、ひ、ヒッキー」

平塚「…………」ガタン

八幡「………あ」

結衣「………あ」

平塚「ゆ、雪ノ下は、ま、まだ来ないようだしな。わ、わたしはちょ、ちょっと出直してくることにしよう」

八幡「(そう言えばこの人最初からいたんだった…)」

結衣「ひ、平塚先生…」

平塚「じゃ、じゃあ…」

スタスタスタ、ガラガラピシャ

平塚「う、うわああああああああああああああ!!!結婚したいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!あんな喧嘩がしたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」ダダダダダダダダダ!

八幡「誰か!!誰か!!もらったげてぇぇええええぇええええ!!!」

結衣「でもヒッキーはだめだからねぇぇぇぇぇぇえぇぇぇえええ!?」

八幡「サブレッド!」
雪乃「サブピンク!」
材木座「サブイエロー!」
戸塚「サブグリーン!」
葉山「サブブラック!」

五人揃ってサブレンジャーという夢を見て悶えるガハマさん

「ねんがじょう」








結衣「ねぇ、ゆきのん!住所教えてー」

雪乃「住所って、あなたうちには何度も遊びに来ているじゃない。何を今更…」

結衣「あ、違うのゆきのん。お正月に年賀状出すでしょ?そのために教えて欲しいなって思って」

雪乃「ね…んが…じょう?」

八幡「何お前、年賀状とか書くの?リア充ってそういうのツイッターとかメールで済ますんじゃねえの?『あけおめ~』とか送りまくってメールサーバーパンクさせんじゃねえの?」

結衣「何その、やな言い方。まぁ確かに優美子とかはそういうのやらないって言ってたけど、あたしは普通に、毎年仲のいい友達には年賀状送ることにしてるよ?」

雪乃「仲の…いい…とも…だち…」カァ

結衣「うん!友達!」

雪乃「そ、そう。そういうことなら仕方ないわね、な、何かに書けばいいのかしら」

結衣「うん!あ、じゃああたしの手帳に書いてもらっちゃおうかなぁ」

八幡「(最近ますます雪ノ下のチョロイン化が激しくなってきたな…。そのうちちょろのんとか言われちゃうんじゃないの?まぁデレてんの由比ヶ浜に対してだけど)」

結衣「ヒッキーも住所教えて!」

八幡「あ?あー…あれだ。ほらうちはあれだから、忌中だから」

結衣「え!?そうなの!?そ、それはご愁傷さまで…ってそれ絶対嘘でしょ!?なんでそういう嘘つくの!?」

八幡「い、いや。う、嘘じゃねーし」

結衣「100%嘘じゃん!!目泳いでるし!!小町ちゃんに確認するよ!?ていうか何でそんな嫌がんの?」

八幡「………そう、あれは小5の頃の話だ。俺は友達だと思っていた奴ら10人くらいに手書きで年賀状を書いた。イラストも一人一人ちょっとずつ変える工夫もし、小粋な一言メッセージを添えるのも忘れなかった。だが正月…、俺宛の年賀状は一通もなかった…!それどころか、学校が始まるまで毎日朝一にポストを確認したのに、俺宛の年賀状の返信はついに来なかったんだ!!……それ以来年賀状には夢を見ないようにしてんだよ」

結衣「でもあたしちゃんと書くし~、ていうか今も年賀状一通も来てないの?」

八幡「ばっかおまえ。今は毎年ちゃんと5通くらいきてるぞ」

結衣「どうせ、全部お店からのやつなんでしょ?」

八幡「まずは近所の床屋だろ、TSUTAYAだろ…っておい!なんで知ってんだよ。俺の渾身のぼっちあるあるをキャンセルすんじゃねえよ」

結衣「もうヒッキーの考えてそうなこと、顔見ればわかるしー」

八幡「お、俺のことそんな理解すんなよ。やめろ…」


雪乃「由比ヶ浜さん。書けたわ」

結衣「あ、ゆきのんありがとう!!はい!じゃあヒッキーはここに書いてね」

八幡「結局俺も書くのかよ」

雪乃「でも比企谷くんではないけれど、私も年賀状というものを書いたことはないわ」

八幡「いや、俺は書いたけど帰って来なかったんだよ…」

結衣「そうなの?」

雪乃「えぇ、うちには父の仕事がら毎年たくさんの…本当にたくさんの年賀状が来ていたのだけれど、そのうちの多くの人は三が日の集まりや、新年のパーティーなんかに必ず顔も出すのよ。だから私には、年賀状なんてあまりに非効率で生産性のない活動にしか思えなかったわ」

結衣「ゆきのん…」

雪乃「でもだからこそ、今のマンションに引っ越してきた時は驚いたわ。新年になってもポストには一通も年賀状が入っていなかったんだもの。私…本当に家関係のつながりしか、なかったのね」

結衣「ゆきのん大丈夫!今年はちゃんとあたしが送るから!!」ヒシッ

雪乃「ありがとう。由比ヶ浜さん…」ナデナデ

八幡「(なんだよ。可哀想加減では俺の話も結構いい線行ってたろ。なんでひしって来ないんだよ。ちゃんとなでなでもするのに。いや来られても困るんですけどね)」

八幡「ていうか由比ヶ浜は全部手書きでやってんの?」

結衣「ううん、基本はパソコンで印刷して~、メッセージとかは自分で書くよ。うちはパパがそういうの得意だから、途中までやってくれるの」

八幡「ふーん」

八幡「(パパヶ浜さん、いいように使われてんな。多分娘に褒めてもらいたくて一生懸命やるんだろうな。うちの親父みたいに)」

結衣「あ、でも姫菜とかは一人一人に全部手書きでイラスト書くって言ってたんだよ!すごいよね!」

八幡「(それは果たして喜んでいいものなのだろうか。馬×蛇の擬人化イラストとか送られてきたら、俺は速攻で破り捨てるけどな。むしろトラウマになるまである)」

結衣「あ、あとは平塚先生とかにも送るかな、いつもお世話になってるし」

平塚「ふふ…年賀状…年賀状か…」

結衣「わ!!平塚先生いつの間に!!」

雪乃「先生、ノックを」

平塚「ふふふ、いいなぁ君たちは年賀状というものに希望を持っていて…」

八幡「せ、先生どしたんですか…いきなり出て来てちょっとやさぐれすぎでしょ…」

平塚「わ、私ぐらいの年になるとだな。送られてくるんだ、その、子供を抱いた幸せな家族写真や、え、干支そっちのけで子供たちの成長記録になっているような、年賀状が!!」

雪乃「自分で言ってダメージを受けるのなら、言わなければいいのに…」

結衣「せ、せんせい!だ、大丈夫ですよ!先生もきっとそのうち送れるようになりますよ!結婚さえすれば!!」

平塚「ぐはぁ!」

八幡「お前は鬼か…、先生が気にしてるとこそこなんだよ…。なんでピンポイントでえぐんだよ…」

平塚「うっ!」

ガラガラガラ、ピシャ!

平塚「うわあああああああああああああああああああああ!結婚したいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」

雪乃「結局、先生は何をしに来たのかしら…」

八幡「(ほんともう、誰かもらったげて…。じゃないとほんとに俺がもらってしまいそうだ…)」

結衣「……!!ヒッキー!そ、それ、ぜ、絶対ダメだからね!?絶対だからね!?」

「おいしいうさぎ」


結衣「ねぇゆきのん!うさぎって美味しいの?」

雪乃「え?…そうね。私もあまり食べたことはないのだけれど、クセがなくて食べやすい感じだったかしら。食感的にも鶏肉に近いと感じたわね。急にどうしたの?」

結衣「ん?あのねー、歌にあるじゃん。『う~さ~ぎ~美味しかーのーやーま~』ってやつ?昨日テレビから流れてくるのを聞いたら気になっちゃって!」

八幡「ああ、ふるさとな。ていうかみんなの歌でも見てたのかよ」

雪乃「由比ヶ浜さん。あの歌詞は『兎追いし かの山』と歌っているの。つまりは野山で兎を追いかけた、その情景を思い出しているものなのよ。だから別に『うさぎを食べたら美味しかった』と言う感想を述べているわけではないのよ?」

八幡「おー、なんかお前由比ヶ浜に説明するの手慣れてきたな。なんか保母さんみたいになってんぞ」

雪乃「そう?ありがとう」

結衣「ゆきのんが保母さんならあたし園児ってことじゃん!ちょっと馬鹿にしすぎだし!!」

雪乃「けれど、先ほどの勘違いは確かに園児並みよ。初めてこの歌を聞いた五歳児くらいが考えそうなことだわ」

結衣「ゆきのんひどい!!」

八幡「でもまぁ、由比ヶ浜の話もあながち間違っちゃいないと思うけどな」

雪乃「どういうことかしら」

結衣「だよね、だよね!?あたし全然五歳児じゃないよね!?」

八幡「いや、そこは否定しねえけどな」

結衣「ヒッキー!?」

八幡「ほらうさぎを追いかけるにしろ、小鮒を釣るにしろやっぱり食べるためじゃねえかって思うんだよ。犬や猫じゃあるまいし、うさぎと追いかけっこして遊んでいたとも思えないだろ?鮒だってキャッチ&リリースをしてたとは思えないし」

雪乃「まぁそう言った見方をすれば、確かにそうね。昭和中頃までは、うさぎは普通に食べられていたわけだもの。田舎の小学校では学校行事でうさぎ狩りをしていたなんて話もあるものね」

結衣「昔ってことは、今はもううさぎ食べられないの?」

雪乃「いえ、フランスやイギリスなどの欧州各国では今でもうさぎは立派な食材として食べられているわ。食用としてうさぎを飼育している農家もあるくらいよ」

結衣「そうなんだー」

八幡「ちなみに言っとくと、あのピーターラビットのお父さんはうさぎパイにされて食べられてる。これ豆な」

結衣「そんな豆チいらないし!ちょっとショックだし!」

雪乃「まぁ、ただ日本の場合、例外的にうさぎ料理の専門店があったりはするけれど、うさぎを食べるのはもう一般的ではないわね」

八幡「安物のソーセージとかで知らんうちに食ってることはあるかもしれんけどな」

雪乃「あ!じゃあさ、ゆきのん!高校卒業したら二人でフランスに卒業旅行行こうよ!」

八幡「遠路はるばるフランスまでうさぎを食いに行くの?戸塚が聞いたら激怒すんな。お前、戸塚に謝れよ」

結衣「そういうことじゃないし!ちょっと思いついただけだし!どんだけさいちゃん好きなの!?」

雪乃「高校の卒業旅行で海外に行くと言うの?それは少し…非常識じゃないかしら。それに高校を卒業したばかりの女性が二人でフランスだなんて少し危険だと思うわ」

結衣「あ、じゃ、じゃあヒッキーも一緒に…」

雪乃「何を言っているの。この男を連れて行ったりなどすれば、道中や宿泊先での心配事を増やすだけでしょう?」

八幡「なに言ってるし!あたし超紳士だし!英語で言えば……わかんないし!!」

結衣「あたしの真似すんなし!て言うかジェントルメンくらいあたしにもわかるし!!!」

八幡「いや、ていうかねえよ。県外に出るのだって面倒くせぇのに海外とか、ダルすぎでしょ。未知との遭遇でしょ」

雪乃「由比ヶ浜さん…、それにあなたの場合。本当に3年で卒業できるかどうかを考えないと行けないんじゃなくって?」

結衣「そ、そんなことないし!ゆきのん!馬鹿にしすー」

雪乃「その言葉で逃げようととするのはやめなさい。そもそも最近のあなたの発言を聞いていると本当に不安になってくるわ」

結衣「う、ううー」

雪乃「由比ヶ浜さんちゃんと聞いているの?これはあなたのために言っているのよ?あなた、それでももう少しで受験生になるのだという自覚はあるの?」

結衣「うう…なんか真剣にお説教されてる…!!なんかママみたいなのに、ママより怖いし…!あ、はい。聞いてます。ごめんなさい…」

ほんとですね

雪乃「あ!じゃあさ、ゆきのん!高校卒業したら二人でフランスに卒業旅行行こうよ!」

結衣「あ!じゃあさ、ゆきのん!高校卒業したら二人でフランスに卒業旅行行こうよ!」

これじゃゆきのん急に何言ってるの?ですね

「さしすせそ」







結衣「ねぇねぇ、さしすせそって何?」

八幡「あ?ひらがなのさ行だろ。そこからなの?お前」

結衣「ち、違うし!料理のさしすせそってあるでしょ?あれって何かと思って」

雪乃「それは和食に使う基本の調味料のことよ」

結衣「そうなんだ!あ、あれ?」

雪乃「どうしたの?由比ヶ浜さん」

結衣「え、あ、あの教えてくれないのかなって思って…」

雪乃「由比ヶ浜さん、なんでもかんでも誰かに教わるのはあなたのためにならないのよ。調味料だというヒントはあげたのだから少しは自分で考えてごらんなさい」

結衣「えぇ~?調味料ー?調味料…」

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「う、う~ん…」

八幡「………」チラッ

雪乃「………」コクン

八幡「わからんか、由比ヶ浜。なら、俺が教えてやろう」

雪乃「………」

結衣「ほんと!?」

八幡「まず、さは砂糖醤油、しは醤油、すは酢醤油、せはせうゆ、そはソイソースだ」

結衣「あ!!ほんとにさしすせそだ!!」

八幡「あぁ、ちなみにこれは調理の際入れる順番にもなってる。つまりこの場合は砂糖醤油から入れていくことになるな」

結衣「へぇぇ~、そうなんだ!すごくよく出来てるんだね!!」


雪乃「………はぁ」

八幡「な?信じただろ?」

雪乃「そうね…」

結衣「え?え?なんの話!?」

八幡「いや、あれだ。雪ノ下と俺とで、俺が言った適当なことを、お前が信じるか賭けたんだよ」

結衣「ええ!?いつ!?いつそんなことを!?」

八幡「そら、お前が部室に来るちょっと前だ。今日お前がなんか聞いてきたら、俺が適当なこと言うわってな」

雪乃「私は…由比ヶ浜さんが、騙されないことを信じていたのだけれど…残念だわ…」

結衣「ええ!?じゃ、じゃあさっきのも嘘なの!?そ、そう言えばせうゆとか聞いたことない!!!」

雪乃「いえ…それは合っているのよ。と言うよりそれしか合っていないわ」

結衣「え、そ、そうなの?でもせうゆとか聞いたことないんだけど」

八幡「それは醤油のことなんだよ。しょうゆじゃしおとかぶっちまうだろ?」

結衣「あ、しは塩なんだ…でもなんでせうゆが醤油になるの?」

八幡「そらあれだ。古い読み方なんだよ。『しょう』が『せう』になる。ほら古い文学作品なんかで『どこかに行きませう』みたいなの読んだことあんだろ?あれと同じだ」

結衣「な、ないけど…」

八幡「そうですか…」

結衣「でもあれ?ってことは…砂糖醤油…醤油…酢醤油に…せうゆ…それにソイソースって確か…ぜ、全部醤油じゃん!!」

八幡「お前やっと気づいたの?っていうか醤油って言葉そのものが三回も入ってるのに、それに気づくの遅すぎだろ。2分17
秒かかったぞ」

結衣「か、数えんなし!!てかなんでそんな嘘つくの!?信じらんない!!」

八幡「前に俺に嘘がうまいっつって、騙されないようにしたいって言ってきたのお前だろ?協力してやったんだよ」

結衣「う、そ、そうだけど。不意打ちは卑怯だし!」

八幡「ま、つーわけで。今日はジュースはお前のおごりな。あ、俺MAXコーヒーでいいわ」

結衣「え!?あたしがおごるの!?ゆきのんとヒッキーの勝負じゃなかったの!?」

雪乃「いいの、いいのよ由比ヶ浜さん。今日は私があなたにジュースを買ってあげるわ。だから元気をだして明日から一緒にお勉強をしましょうね?」ニコ

結衣「ゆきのんがなんか妙に優しい!!逆に傷つく!!あれ!?っていうか待ってよ、ゆきのん!さ、さしすせそってほ、本当はなんだったのー!?!?ねぇー!?ゆきのおおおん!?」

「うでずもう」










結衣「ねぇねぇ、ヒッキーって腕相撲強いの?」

八幡「は?お前、いきなり何言ってんの?」

結衣「いやさー、今日、教室で隼人くんとかとべっちとか大和くんとかが腕相撲やっててさー」

八幡「あぁ…、そういやなんか騒がしかったな。そんなことしてたのか。例の4人?」

結衣「そうそう」

八幡「あれだろ。どうせ葉山が1位で、2位が大和だろ?」

結衣「え!?なんでわかったの?ヒッキー見てたの?」

八幡「いや、見てねえよ。ただの勘だ」

八幡「(やっぱりあいつらは単純な腕力でも葉山にかなわないんだな、哀れな…。つーか4人なのに1人だけ名前呼ばれない大岡くんカワイソス)」

結衣「そんでさー。それ見ててヒッキーはどのくらい強いのかなーって思ったの」

八幡「さぁなぁ、まったく想像もつかん」

結衣「え?どうして?」

八幡「いや、なんでってお前。俺は友達いねぇから生まれてこのかた腕相撲なんかしたことねぇんだよ。強さなんてわかるわけねえだろ」

結衣「あ、そ、そっか。ごめん…」

八幡「いや…」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「あ、そうだ!」

八幡「何?まだ俺を傷つけたりないの?」

結衣「違うし!ならさ、ヒッキー!あたしとしようよ!」

八幡「………あ?なにを?」

結衣「なにって腕相撲じゃん!」

八幡「はぁ?何言ってんのお前、勝負になるわけねえだろ。俺男だぞ」

結衣「でもヒッキー、運動しないし。引きこもりじゃん」

八幡「いや、お前。そうはいっても俺はコミュニュケーション取れないから団体スポーツが苦手なだけで、運動自体は割と得意なんだよ。それにほら腕相撲はまずいでしょ。色々と」

結衣「色々って?」

八幡「いや、ほらお前。…手とか掴むだろうが」

結衣「??そりゃ腕相撲なんだから当たり前じゃん。ヒッキー負けんのが怖いの?」

八幡「ばっかお前。負けるわけねえだろ。俺はこれでも腕立ての50や100は平気でできんだぞ。1回や2回しかできないお前に負けるわけねえだろ。だからやめとけよ」

結衣「は!?ていうかあたし今は5回くらいはできるようになったもん!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

八幡「いや、お前そんなもん誤差みたいなもんでしょ、勝負にならねえよ」

結衣「何ヒッキーその言い方。ムカつく!!じゃああたし両手!!両手でやるから!!」

八幡「いやお前、両手でも同じだろ。というか両手は余計まずいだろ」

結衣「はぁ!?同じって何だし!!ヒッキー逃げんの!?いいからやるよ!!ほら!!」

八幡「いや、お前なにそれ親指たてて、手ぇ突き出してんの?それ指相撲だろ。腕相撲は肘つけて、ほらこうだろ」

結衣「あ…そっか。ごめん…。じゃああたしがこれ両手で掴めばー」
八幡「あ、おまー」ガシッ

八幡「…………」

結衣「…………」

八幡「…………」カァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

八幡「…………」カァ

結衣「あ、そっか…まずいってこういう……」ポショ カァァァァァァァァァァァ

八幡「…………」カァァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

八幡「……え、えーと。あ、あれだ。これってどうやってはじめんの!?」カァァァ

結衣「え…わ、わかんない。は、はっけよいのこった…とか…?」カァァァァァァァァァァァ

八幡「……いや、それ、普通の相撲だろ……何言ってんの?ていうか見てなかったのかよ…」カァァァ

結衣「……ご、ごめん」カァァァァァァァァァァァ

八幡「…………」カァァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

八幡「……と、とりあえずあれだ。ひ、引き分けってことにするか!!」カァァ

結衣「そ、そ、そ、そうだね!」カァァァァァァァァァァァ

八幡「…………」カァァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

八幡「……い、いやお前離せよ。終わんねぇだろ…」カァァ

結衣「あ、そ、そっか!ご、ごめん!」カァァァァァァァァァァァ パッ

八幡「…………」カァァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

八幡「…………」カァァ

結衣「な、なんか。ご、ごめんねヒッキー…」カァァァァァァァァァァァ

八幡「お、おう……ま、まぁ気にすんなよ……お、お前馬鹿だし…な…」カァァ

結衣「ば、馬鹿いうなし…!」カァァァァァァァァァァァ

結衣「…………」カァァァァァァァァァァァ

結衣「………で、でも今日はちょっと…馬鹿でよかった、かも…」ボソ カァァァァァァァァァァァ

「もみじがり」









結衣「ねぇねぇ、ヒッキーはさ。紅葉狩りってしたことある?」

八幡「あ?いや…ないな。存在は知ってるけど」

結衣「あれってどういうものなの?」

八幡「あー…あれだ。そもそも止まってるもの相手じゃ狩りにならんだろ?だから観測員って呼ばれるやつら、こいつらは風の流れとか読むのが得意なんだけど、そいつらが紅葉を風に流して、それを猟犬つれたハンターが追っかけるんだよ。結構見物だぞ」

結衣「んなわけないでしょ!?それあたしでも嘘ってわかるし!!ヒッキーあたしを馬鹿だと思ってんの!?」

八幡「え…?思ってるけど…?」

結衣「きょとんとした顔すんなし!そういうの一番傷つくんだからね!?っていうかこの前といい、なんでヒッキー嘘ばっかつくの!?信じらんない!」

八幡「お前、まだそのこと根に持ってんの?性格悪いな。俺かよ」

結衣「当たり前だし!結構傷ついたんだからね!?ていうか自分のこと性格悪い代表に自分の名前とか出しちゃうんだ!?」

八幡「あー、じゃあ。あれだ。広島のお菓子のことだよ」

結衣「それもみじ饅頭でしょ!?」

八幡「唐辛子混ぜ込んだ大根おろし」

結衣「それもみじおろしでしょ!?もう紅葉狩り関係なってきてるじゃん!ただの連想ゲームじゃん!!」

八幡「いや、由比ヶ浜。お前よくもみじ饅頭と、もみじおろしよく知ってたな。今ちょっと関心したぞ」

結衣「ふふーん。もみじ饅頭は前にパパが出張の時に買ってきて美味しかったし、もみじおろしは昨日の晩ご飯の時でてきたからね!覚えてた!」

八幡「なんだ、そりゃ随分タイムリーな話題だったんだな」

結衣「うん!」

八幡「…………」ペラッ

結衣「……あれ?」

八幡「…………」ペラッ

結衣「ちょ、ちょっと待ってよヒッキー!」

八幡「なんだよ、俺今読書中で忙しいんだけど~?」

結衣「なんだよじゃないし!まだ紅葉狩りの話終わってないし!」

八幡「だってお前紅葉狩りって柄じゃねえだろ。いいだろ、夢は夢のままで」

結衣「夢とかじゃないし!だってゆきのん来ないし、携帯の電池切れちゃってるから暇なんだもん!」

八幡「俺は暇つぶしの道具かよ」

結衣「そういうんじゃなくって!ちょっとお話したいって思っただけじゃん!そんなにあたしと話すのいや?」

八幡「……。いやそうじゃないけど…。だってはっきり言ってむちゃくちゃつまんねぇぞ?」

結衣「あ、あたしと話すのが!?」

八幡「いや、お前そうじゃねえよ。紅葉狩りのことだよ」

結衣「あ…よかった…。で、それ!一体何すんの?」

八幡「本当に聞くの?」

結衣「聞く聞く!!」

八幡「はぁ…。あれだ。山行って紅葉見んだよ」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「…それで?」

八幡「いや、それだけ」

結衣「え?それだけ?何それ超つまんないんだけど…」

八幡「だからそう言ったろ…」

結衣「じゃあなんで狩りとかいうの?」

八幡「あれだ。ぶどう狩りとかいちご狩りとかあるだろ。狩りって言葉は植物の収穫みたいな時にも使うんだよ。まぁ、そういうのが転じて、ただ見るだけなのも狩りっていうようになったんじゃねえの?詳しくは俺も知らん」

結衣「そうなんだ…それって楽しいのかな?」

八幡「さぁ?俺は今行ってもめちゃくちゃつまんねぇと思うけどな。まぁ年食っておっさん、おばさんにでもなりゃ面白くなるのかもな」

結衣「そっか……」

八幡「………」

結衣「あれ?でも今の説明なら一瞬で済んだじゃん。なんでヒッキー嘘ついたりして話遠回りしたの?」

八幡「………。いや……お前、あれだ。暇だったんだよ」

結衣「………。あれ、でも読書してて忙しいんじゃなかったの?」

八幡「………。いや、お前、あれだ。まぁ…読書中でも暇になったりすることくらいあんだよ。お前は読書しないからわかんないだろうけど」

結衣「………。ふぅん…。そっか…。えへへ…」

八幡「………」

結衣「ねぇ?ヒッキー?」

八幡「なんだよ」

結衣「いつかさ。紅葉狩りが楽しく思えるようになったら一緒に行こうね」

八幡「………」

八幡「まぁ、その時その機会があれば、まぁ適当に、な」

ネタ提供やご感想ありがとうございます!どれも励みになります!レス返せてなくてすいません!
いただいたのに採用できてないネタや、一部だけの採用とかになってる場合があるのはすいません!
ただ書けるだけ書いて行きます!

「おて」








八幡「さて…」

結衣「あれ?ヒッキーどこ行くの?」

八幡「いや、ちょっと喉かわいたからな。マッ缶買ってくるわ」

雪乃「なら私には野菜生活を」

八幡「お前そればかっりな…そんなに健康志向高いの?由比ヶ浜は?」

結衣「あ、あたし?あたしもいいの?」

八幡「まぁ、ついでだからな」

結衣「えっと~、それじゃあカフェオレ!」

八幡「あいよ、んじゃほら」スッ

結衣「へ?あ、はい」ポン

八幡「………」

結衣「………」

八幡「いやお前何してんの?」

結衣「?」

八幡「いやお前きょとんと首ひねって不思議そうな顔するんじゃねえよ。飼い主の言うことが分からなかった時の犬かよ」

結衣「どういうこと?」

八幡「どういうこと、じゃねえだろ。なんでお前は俺の手の上に自分の手を乗せてんのか聞いてんの」

結衣「え、でもだってヒッキーが手を出すから…」

八幡「手出したら手ぇ置くの?お手なの?そういう躾がされてんの?おかしいでしょ?今の流れなら金出せって意味だろ、普通」

結衣「あ、そ、そ、そっか。そ、そうだよね、ご、ごめん」

八幡「いや……」

雪乃「比企谷くん…あなた由比ヶ浜さんの純粋さを利用して自分の欲望を満たそうとするのはやめなさい。もう気持ち悪いを通り越して、本当に気色が悪いわ」

八幡「気色悪いとか言うなよ…それ結構本気で傷つくだろ。…ていうか今の俺悪くねぇだろ。由比ヶ浜が勝手にやったんだろ」

結衣「う、うん…」

雪乃「それはあなたがすぐに手を離さなかったことや、さっきのにやけ顔、残り香を嗅いだりしていたことの言い訳にはならないでしょう」

結衣「ひ、ヒッキー!?そんなことしてたの!?」

八幡「してねえよ!そうやって雪ノ下の言うことをすぐ信じんのやめろ。ていうか由比ヶ浜は雪ノ下より近くにいたんだから見てただろうが、にやにやなんてしてないし、匂いなんて嗅いでなかっただろ」

結衣「あ、そ、そうだね…」

雪乃「まぁ、その話は法廷に持ち越しましょう」

八幡「いや、お前法廷とか言うなよ…、まぁいいやもうとりあえず買ってくる」

結衣「あ、ヒッキー!お、お金!お金は!?」

八幡「……いや、いいわ。なんか気ぃそがれちまったわ」

ガラガラ、ピシャ

スタスタスタスタ

八幡「………」

八幡「………」キョロキョロ

八幡「………」

八幡「………」スンスン

八幡「………」

八幡「………」スンスン

八幡「………」

八幡「……なんであいつほのかにクッキーみたいな匂いがすんの…赤ちゃんかよ…」

「あかいくつ」








結衣「ねぇねぇ、ヒッキー、ゆきのん!」

雪乃「あら、今日は何かしら?」

八幡「お前も対応が手慣れてきたな」

結衣「あのね?赤い靴って童謡があるでしょ?あの歌でさ、赤い靴の女の子はなんでひいおじいちゃんに連れていかれちゃったの?『ひ~いじいちゃんに連~れられて~行~ちゃ~った」って言ってるでしょ?」

八幡「………」

雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「………」

結衣「あ、あれ?」

八幡「由比ヶ浜、お前さ」

結衣「う、うん?」

八幡「今の『わざと』言っただろ」

結衣「え!?ええ!?い、いや!そ、そ、そんなことないし!!」

八幡「いや、バレバレなんだよ。普段ならお前、いきなり要領の得ない質問して、俺らが質問返してようやく意味が通じるじゃねえか。なのにお前、今日はいきなり全部自分で説明したじゃねえか。しかも超説明口調で。普段のお前見てりゃわかんだよ」

結衣「え?見、見てるの?普段?」

八幡「いや、見てない。全然見てない、やめろ」

雪乃「………」

結衣「い、いや…見ててもいいんだけど…」

八幡「い、いや、お前。論点そこじゃねえんだよ。大体だな、お前みたいな天然が話を作ると正直、ぜんっぜん面白くねえんだよ。だいたいさっきの話なに?異人さんがひいじいさん?さすがに無理があんだろ」

結衣「て、天然じゃないし!!」

八幡「はい、でたー。昔っから天然ものは否定する、養殖ものは主張する、って相場は決まってんだよ。お前が否定した時点でお前の天然は確定したの。Q.E.D 証明終了」

結衣「う、ううう!」

雪乃「比企谷くんではないけれど、さっきの発言は本当につまらなかったわよ。20点ね」

結衣「そ、そんなに低いんだ!?」

八幡「なんだ、雪ノ下にしちゃ随分採点が甘いな。由比ヶ浜が相手だからって手心を加えてんじゃねえの?」

雪乃「なんですって?言ってくれるわね比企谷くん。それなら12点よ」

結衣「いきなり8点も下がっちゃったし!ゆきのん、張り合わなくていいからぁ!」

八幡「甘いな。俺なら10点だ」

雪乃「なんですって?……それなら8点よ」

八幡「6点だな」

雪乃「5点」

八幡「4点」

雪乃「3」

八幡「2」

雪乃「1」

八幡・雪乃「ゼロッ!!」

結衣「とうとう0点になっちゃったし!!ていうかカウントダウンみたいになってるし!!というかなんで最後二人ハモったの!?なんでそんなに息ピッタリなの!?実は仲良しなの!?」

雪乃「やるわね…比企谷くん」

八幡「お前こそな」

結衣「なんか、友情が深まってるし…」

八幡「まぁ、ともかくだな。お前は自分で話のタネ作ろうなんて馬鹿なこと考えないで、普通に思ったこと話してりゃいいんだよ。そうすりゃ天然ものの馬鹿なんだから、結構おもしろい話になるから」

結衣「馬鹿馬鹿いうなし!!」

八幡「いや、今の褒めたんだけど?」

結衣「褒めてないし!!あたしだって頑張れば面白い話くらい思いつくんだからね!?馬鹿にしすぎだからぁ!!」

八幡「おー、ひさびさに出たな」

結衣「うっさい!!誘導すんなし!!ほんと馬鹿にしてるでしょ!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

「おたく」





結衣「ねぇねぇ、ヒッキーってさ漫画とかアニメ詳しいんでしょ?」

八幡「いや、お前いきなりなんで決めつけんの?」

結衣「だってさ、この前もアニソン聞いてたし。カラオケの時もアニソン縛りで歌ってたじゃん?だいたいそういうのに詳しくない人がその年でプリキュア見たり、プリキュアの柄の綿飴かったりしないでしょ?」

八幡「お前、花火大会の時それ見てたのかよ…。いやでもまぁ、一般人に比べりゃ相当詳しいとは思うけど、オタクって連中には全然届かないじゃねえかな、俺は」

結衣「そうなん?」

八幡「ああ。中学の時には、オタクって言われる連中の輪に入ろうとしたこともあったんだけどな。陰でにわかって呼ばれてるの聞いて、つるむのやめたりしてんだよ」

結衣「そう言えばにわかってあたしも前に中2に言われたんだけど、どういう意味なの?」

八幡「あれだ。流行とかに乗って急にそのジャンルに興味持っただけの連中を罵倒する言葉、みたいな感じか。あん時お前、FFの話したろ?んで『グラフィックが綺麗』だの、『超泣ける』だの語ったわけだ。だけどそう言うのって古くからのファン気取ってる材木座みたいなのにしてみれば『昔のいい頃を知らないのに知ったかぶりやがってムカつく』ってなるんだよ」

結衣「なにそれ…超めんどくさいし…」

八幡「まぁ材木座にしてみても、さらにディープな連中からしてみれば同じく『にわか』ではあるんだろうけどな。ネットの掲示板とか見てると、FFの一作目の発売日からやってるとかいう、まぁ多分40とかすぎてんじゃねえかな、まぁそういう人が中間くらいの作品から入ってきた人とかを罵倒してたりする。まぁ端から見ると結構異様な光景だな」

結衣「なんか怖い」

八幡「だからまぁ、クラスのオタク連中からしたら俺が表面的に流行のアニメ追ってるだけに見えたんだろうな。それにほら、俺は顔がいいからな!ああいう連中に混じると浮くんだよ」

結衣「また、そういうこと自分で先に言っちゃうしー」

八幡「まぁ、オタクってのは大概めんどくさいもんなんだよ。雪ノ下だってパンさん語らせたら異常な勢いで話すだろ?あれと同じだ」

結衣「うん…、立て石に水って感じだよね」

八幡「立て板に水な。お前にしたらかなり惜しいけど」

結衣「あ、そ、そっか。で、でもさ、ゆきのんの場合は可愛いからよくない?」

八幡「お前、可愛いからいいとか可愛くないから悪いとかさ。そういうこと容姿で判断すんの?それは差別だろ」

結衣「い、いや違くて!そういう見た目とかの話じゃなくって語ってる姿が可愛いって話!ていうか!ヒッキーはさっきからどっちの味方なの!?」

八幡「俺は常に強いものの味方だ」

結衣「なにそれ、最悪だし。っていうかそれぶりぶりざえもんじゃん!」

八幡「お、何?お前ぶりぶりざえもん知ってんの?」

結衣「うん、しんちゃんは昔から見てるし。あと[たぬき]とかまるちゃんも見てるよ!あ、でも[たぬき]ってあたしたちが小学生の時に声変わったじゃん?だからなんか、たまに見るといまだに違和感があるっていうか」

八幡「ああ、分かるな。俺の中での[たぬき]はやっぱりのぶ代一択だわ」

結衣「でしょでしょ!!やっぱり[たぬき]は『ぼぐ[たぬき]でず』って感じだよね!!」

八幡「何お前……。今の[たぬき]のつもりなの?全然似てなかったぞ」

結衣「え、嘘…。あたし結構これ自信あったんだけど…」

八幡「あ、でもそれ聞いてちょっと閃いたわ。ほら例えばさ、今の子供が前の[たぬき]の映画とかみて『こんなの[たぬき]じゃない』とか言ったらお前ちょっとムカつくだろ?多分『にわか』ってそういう感覚なんだよ」

結衣「ああ~!!それならなんかわかる!!何言ってんの、ドラちゃんの声はこっちじゃん!って言いたくなるかも!!」

八幡「だろ?あー、なんかちょっとスッキリしたわ。でもお前こういう話、結構語れんのな。どの辺までなら知ってんの?」

結衣「んー?どうだろ。自分ではよくわかんない」

八幡「せやかて工藤!」

結衣「あ!それ知ってる!コナンくんでしょ?」

八幡「まぁ、コナンは合ってるけど正確には服部だけどな」

結衣「それそれ!知ってる!西の名探偵でしょ!?…あ、でもさ。単純に疑問なんだけど、なんでコナンくんって小学生なのにあんな頭いいの?」

八幡「お前マジでそれ言ってんの?服部知ってんのに、それ知らないの?知識偏りすぎだろ。あれだ、お前、コナンはバーーーローーなんだよ」

結衣「え!?そうなの?バーーーローーって蘭ちゃんが好きな人でしょ?高校生じゃん!」

八幡「いや、だから。一話で変な薬飲まされて、ちっこくされちまったんだよ。だから見た目は子供、頭脳は大人!っつてんだろ?」

結衣「あれってそういう意味だったんだ!あたしすっごい天才児の話なのかと思ってた!!」

八幡「まぁなぁ、推理もので子供になる薬とか反則みたいなもんだしな。あ、でもお前、見た目は大人、頭脳は子供!って感じだし黒の組織に小さくしてもらえばいいんじゃないの?そしたら年相応になるだろ」

結衣「どおいう意味だぁ!!」

八幡「んで、他には?」

結衣「え、ほか?うーん…あ!あれ知ってる?宇宙兄弟ってやつ」

八幡「お?お前宇宙兄弟知ってんの?それ八幡的にちょっとポイント高いわ」

結衣「本当!?えへへ…」

八幡「なに?アニメ見てんの?」

結衣「んーん、アニメって日曜日の朝やってんじゃん?あたし日曜の朝はゆっくりしたいって言うか」

八幡「いや、あれ今土曜日の夕方に移ってんぞ」

結衣「え!?嘘!そうなんだ!?全然知らなかった」

八幡「まぁ、俺としちゃスーパーヒーロータイムに続けて見れてたから前のほうが都合がよかったんだけどな。ってことは何?漫画のほう?」

結衣「そうそう。あれ、前に映画やったでしょ?あれ友達と見に行ってさ。ずっと気になってたんだよねー。そしたら姫菜が全部持っててさ。借りて読んだの」

八幡「あー、海老名さん経由なー」

結衣「あ!映画って言えばさ、岡田将生くんってちょっとヒッキーに似てない?」

八幡「岡田将生って誰だっけ?」

結衣「ほら、映画でヒビトやった!ええと…この人!!」カチカチ

八幡「ん?……いやいや全然似てないでしょ。お前には世界がどう見えてんの?」

結衣「え?そう?この公式サイトのプロフィール写真とかカッコいいし、結構にてると思うんだけど…」

八幡「……。いや、そもそも目とか全然違うでしょ。ありえないでしょ」

結衣「いや、目はねー……しょうがないよ」

八幡「しょうがないとか言うなよ…」

結衣「あ、ああ、ご、ごめん」

八幡「でもまぁ、じゃああれか?キャラはヒビトが好きなわけ?」

結衣「んーん、ケンジ」

八幡「は?ケンジ?なんでだよ、それお前わかってない、わかってないわー」

結衣「え~!?なんで!?ケンジカッコいいじゃん!すっごいいいパパだし、ふーちゃん可愛いじゃん!」

八幡「いや、お前。宇宙兄弟っつたらピコさん一択だろ」

結衣「はぁ?ピコって誰だし、全然知らないんだけど!」

八幡「いやお前、帰還船設計した人だよ、『テンションの上がらねえことに、パワー使ってる場合じゃねえ……』とか超カッコいいじゃねえか」

結衣「なんでそんなマニアックな人選なの!?やっぱりヒッキーちょっとオタクなんじゃないの?」

八幡「いや、ピコさんマニアックじゃねえし。全然オタクじゃねえだろ」

結衣「はい、でたー。本物のオタクは否定する、養殖ものは主張する!!否定した時点でヒッキーのオタクは確定!Q.D.E証明終了!」

八幡「俺の真似すんなよ…。何?天然呼ばわりしたことまだ怒ってんの?あとQ.E.Dだからな?」

結衣「あったりまえじゃん!結構傷ついたんだからね!?」

八幡「そら、悪かった」

結衣「別にいいけどー。あ!じゃあさ。お詫びに今度ヒッキーのおすすめの漫画貸してよ!」

八幡「あー?まぁ別にいいけどよ、結構マニアックなのになるぞ」

結衣「うん!それでもいいよ。ヒッキーとこういう話できるの楽しいし。ヒッキーの好きな漫画なら読んでみたいし!」

八幡「そ、そうか」

結衣「あ、でもグロいのは苦手だから、そういうのはナシね」

八幡「そうか…。そうだな…んじゃ、まぁ適当に考えとくわ。今度部室で渡すわ」

結衣「でも、学校に持ってきたら没収されちゃうじゃん。しかも平塚先生、時々来るし」

八幡「ああ…まぁ、そうだな。え、じゃあどうすんの?」

結衣「んー、じゃあ今度の休みにでもサブレの散歩のついでにヒッキーん家に寄るよ。そん時貸して?」

八幡「いや…それはお前。遠いし…犬連れてはあれだろ?」

結衣「そう?じゃあヒッキーが、持ってきてくれる?あ、そうだ。『お詫び』だし?」

八幡「あ…む…そ、そうだな。じゃ、じゃあ、まぁあれだ。本屋行くついでにでも、ついでによるわ。そのついでだし、お詫びだしな」

結衣「ほんと?へへ…ヒッキーありがとっ!」

八幡「(……なんか今日の由比ヶ浜さんマジ策士…またこいつに負けたぞ…どうなってんの…?)」

蒼い[たぬき]連打に草不可避

>>539

「おたく」










結衣「ねぇねぇ、ヒッキーってさ漫画とかアニメ詳しいんでしょ?」

八幡「いや、お前いきなりなんで決めつけんの?」

結衣「だってさ、この前もアニソン聞いてたし。カラオケの時もアニソン縛りで歌ってたじゃん?だいたいそういうのに詳しくない人がその年でプリキュア見たり、プリキュアの柄の綿飴かったりしないでしょ?」

八幡「お前、花火大会の時それ見てたのかよ…。いやでもまぁ、一般人に比べりゃ相当詳しいとは思うけど、オタクって連中には全然届かないじゃねえかな、俺は」

結衣「そうなん?」

八幡「ああ。中学の時には、オタクって言われる連中の輪に入ろうとしたこともあったんだけどな。陰でにわかって呼ばれてるの聞いて、つるむのやめたりしてんだよ」

結衣「そう言えばにわかってあたしも前に中2に言われたんだけど、どういう意味なの?」

八幡「あれだ。流行とかに乗って急にそのジャンルに興味持っただけの連中を罵倒する言葉、みたいな感じか。あん時お前、FFの話したろ?んで『グラフィックが綺麗』だの、『超泣ける』だの語ったわけだ。だけどそう言うのって古くからのファン気取ってる材木座みたいなのにしてみれば『昔のいい頃を知らないのに知ったかぶりやがってムカつく』ってなるんだよ」

結衣「なにそれ…超めんどくさいし…」

八幡「まぁ材木座にしてみても、さらにディープな連中からしてみれば同じく『にわか』ではあるんだろうけどな。ネットの掲示板とか見てると、FFの一作目の発売日からやってるとかいう、まぁ多分40とかすぎてんじゃねえかな、まぁそういう人が中間くらいの作品から入ってきた人とかを罵倒してたりする。まぁ端から見ると結構異様な光景だな」

結衣「なんか怖い」

八幡「だからまぁ、クラスのオタク連中からしたら俺が表面的に流行のアニメ追ってるだけに見えたんだろうな。それにほら、俺は顔がいいからな!ああいう連中に混じると浮くんだよ」

結衣「また、そういうこと自分で先に言っちゃうしー」

八幡「まぁ、オタクってのは大概めんどくさいもんなんだよ。雪ノ下だってパンさん語らせたら異常な勢いで話すだろ?あれと同じだ」

結衣「うん…、立て石に水って感じだよね」

八幡「立て板に水な。お前にしたらかなり惜しいけど」

結衣「あ、そ、そっか。で、でもさ、ゆきのんの場合は可愛いからよくない?」

八幡「お前、可愛いからいいとか可愛くないから悪いとかさ。そういうこと容姿で判断すんの?それは差別だろ」

結衣「い、いや違くて!そういう見た目とかの話じゃなくって語ってる姿が可愛いって話!ていうか!ヒッキーはさっきからどっちの味方なの!?」

八幡「俺は常に強いものの味方だ」

結衣「なにそれ、最悪だし。っていうかそれぶりぶりざえもんじゃん!」

八幡「お、何?お前ぶりぶりざえもん知ってんの?」

結衣「うん、しんちゃんは昔から見てるし。あとドラえもんとかまるちゃんも見てるよ!あ、でもドラえもんってあたしたちが小学生の時に声変わったじゃん?だからなんか、たまに見るといまだに違和感があるっていうか」

八幡「ああ、分かるな。俺の中でのドラえもんはやっぱりのぶ代一択だわ」

結衣「でしょでしょ!!やっぱりドラえもんは『ぼぐドラえもんでず』って感じだよね!!」

八幡「何お前……。今のドラえもんのつもりなの?全然似てなかったぞ」

結衣「え、嘘…。あたし結構これ自信あったんだけど…」

八幡「あ、でもそれ聞いてちょっと閃いたわ。ほら例えばさ、今の子供が前のドラえもんの映画とかみて『こんなのドラえもんじゃない』とか言ったらお前ちょっとムカつくだろ?多分『にわか』ってそういう感覚なんだよ」

結衣「ああ~!!それならなんかわかる!!何言ってんの、ドラちゃんの声はこっちじゃん!って言いたくなるかも!!」

八幡「だろ?あー、なんかちょっとスッキリしたわ。でもお前こういう話、結構語れんのな。どの辺までなら知ってんの?」

結衣「んー?どうだろ。自分ではよくわかんない」

八幡「せやかて工藤!」

結衣「あ!それ知ってる!コナンくんでしょ?」

八幡「まぁ、コナンは合ってるけど正確には服部だけどな」

結衣「それそれ!知ってる!西の名探偵でしょ!?…あ、でもさ。単純に疑問なんだけど、なんでコナンくんって小学生なのにあんな頭いいの?」

八幡「お前マジでそれ言ってんの?服部知ってんのに、それ知らないの?知識偏りすぎだろ。あれだ、お前、コナンは新一なんだよ」

結衣「え!?そうなの?新一って蘭ちゃんが好きな人でしょ?高校生じゃん!」

八幡「いや、だから。一話で変な薬飲まされて、ちっこくされちまったんだよ。だから見た目は子供、頭脳は大人!っつてんだろ?」

結衣「あれってそういう意味だったんだ!あたしすっごい天才児の話なのかと思ってた!!」

八幡「まぁなぁ、推理もので子供になる薬とか反則みたいなもんだしな。あ、でもお前、見た目は大人、頭脳は子供!って感じだし黒の組織に小さくしてもらえばいいんじゃないの?そしたら年相応になるだろ」

結衣「どおいう意味だぁ!!」

八幡「んで、他には?」

結衣「え、ほか?うーん…あ!あれ知ってる?宇宙兄弟ってやつ」

八幡「お?お前宇宙兄弟知ってんの?それ八幡的にちょっとポイント高いわ」

結衣「本当!?えへへ…」

八幡「なに?アニメ見てんの?」

結衣「んーん、アニメって日曜日の朝やってんじゃん?あたし日曜の朝はゆっくりしたいって言うか」

八幡「いや、あれ今土曜日の夕方に移ってんぞ」

結衣「え!?嘘!そうなんだ!?全然知らなかった」

八幡「まぁ、俺としちゃスーパーヒーロータイムに続けて見れてたから前のほうが都合がよかったんだけどな。ってことは何?漫画のほう?」

結衣「そうそう。あれ、前に映画やったでしょ?あれ友達と見に行ってさ。ずっと気になってたんだよねー。そしたら姫菜が全部持っててさ。借りて読んだの」

八幡「あー、海老名さん経由なー」

結衣「あ!映画って言えばさ、岡田将生くんってちょっとヒッキーに似てない?」

八幡「岡田将生って誰だっけ?」

結衣「ほら、映画でヒビトやった!ええと…この人!!」カチカチ

八幡「ん?……いやいや全然似てないでしょ。お前には世界がどう見えてんの?」

結衣「え?そう?この公式サイトのプロフィール写真とかカッコいいし、結構にてると思うんだけど…」

八幡「……。いや、そもそも目とか全然違うでしょ。ありえないでしょ」

結衣「いや、目はねー……しょうがないよ」

八幡「しょうがないとか言うなよ…」

結衣「あ、ああ、ご、ごめん」

八幡「でもまぁ、じゃああれか?キャラはヒビトが好きなわけ?」

結衣「んーん、ケンジ」

八幡「は?ケンジ?なんでだよ、それお前わかってない、わかってないわー」

結衣「え~!?なんで!?ケンジカッコいいじゃん!すっごいいいパパだし、ふーちゃん可愛いじゃん!」

八幡「いや、お前。宇宙兄弟っつたらピコさん一択だろ」

結衣「はぁ?ピコって誰だし、全然知らないんだけど!」

八幡「いやお前、帰還船設計した人だよ、『テンションの上がらねえことに、パワー使ってる場合じゃねえ……』とか超カッコいいじゃねえか」

結衣「なんでそんなマニアックな人選なの!?やっぱりヒッキーちょっとオタクなんじゃないの?」

八幡「いや、ピコさんマニアックじゃねえし。全然オタクじゃねえだろ」

結衣「はい、でたー。本物のオタクは否定する、養殖ものは主張する!!否定した時点でヒッキーのオタクは確定!Q.D.E証明終了!」

八幡「俺の真似すんなよ…。何?天然呼ばわりしたことまだ怒ってんの?あとQ.E.Dだからな?」

結衣「あったりまえじゃん!結構傷ついたんだからね!?」

八幡「そら、悪かった」

結衣「別にいいけどー。あ!じゃあさ。お詫びに今度ヒッキーのおすすめの漫画貸してよ!」

八幡「あー?まぁ別にいいけどよ、結構マニアックなのになるぞ」

結衣「うん!それでもいいよ。ヒッキーとこういう話できるの楽しいし。ヒッキーの好きな漫画なら読んでみたいし!」

八幡「そ、そうか」

結衣「あ、でもグロいのは苦手だから、そういうのはナシね」

八幡「そうか…。そうだな…んじゃ、まぁ適当に考えとくわ。今度部室で渡すわ」

結衣「でも、学校に持ってきたら没収されちゃうじゃん。しかも平塚先生、時々来るし」

八幡「ああ…まぁ、そうだな。え、じゃあどうすんの?」

結衣「んー、じゃあ今度の休みにでもサブレの散歩のついでにヒッキーん家に寄るよ。そん時貸して?」

八幡「いや…それはお前。遠いし…犬連れてはあれだろ?」

結衣「そう?じゃあヒッキーが、持ってきてくれる?あ、そうだ。『お詫び』だし?」

八幡「あ…む…そ、そうだな。じゃ、じゃあ、まぁあれだ。本屋行くついでにでも、ついでによるわ。そのついでだし、お詫びだしな」

結衣「ほんと?へへ…ヒッキーありがとっ!」

八幡「(……なんか由比ヶ浜さんマジ策士…またこいつに負けたぞ…どうなってんの…?)」

>>543

えらいことになってました。完全にこの機能を忘れていました…

「まんじゅうこわい」







結衣「ねぇねぇ、ヒッキーってさ。なんか苦手なものってあるの?」

八幡「あ?急になんだよ」

結衣「いや、ほ、ほら!二人に食べてもらおうと思ってなんか作ってきたら、ヒッキーの苦手なものだったりしたら困るじゃん?だから知りたいだけ!」

八幡「いや、苦手とか苦手じゃないとかじゃなくって、俺はお前の作ったものを口に運ぶ勇気はないんだけど?」

結衣「ひどいこというなし!!これでも少しは上達してきてるんだからね!てかパンケーキとか超上手に焼けるようになったし!なんでもいいから苦手なもの答えてよぉ!」

八幡「あー?じゃあ、お前?」

結衣「どういうこと!?苦手とかひどいんだけど!!ヒッキーありえない!」

八幡「いや、まぁ、結構苦手だぞ?いろんな意味で」

結衣「いろんな意味ってなんだし!ていうか食べ物じゃないじゃん!!」

八幡「あー、じゃあMAXコーヒー?」

結衣「ヒッキーマッ缶好きでしょ!?」

八幡「じゃあ、あれだ濡れ煎餅」

結衣「濡れ煎も好きでしょ!?嘘禁止!!」

八幡「なんで嘘ってきめつけんだよ。だいたいなんでお前は俺のことそんなに詳しいんだよ」

結衣「だって、マッ缶はいつも飲んでるし、濡れ煎は前に自分でアピってたでしょ!?ていうかよくこの組み合わせで食べてるって言ってたじゃん!なんで嘘つくの!?」

八幡「いやお前。落語の基礎中の基礎『まんじゅう怖い』を知らねえの?」

結衣「落語とか知らないし!…どういう話なの?」

八幡「どういう話ってお前あれだ。捻くれた奴がだな、饅頭好きなのに、実はにが……」

八幡「………」

結衣「??ヒッキーどうしたの?」

八幡「いやまぁ、知らねぇなら知らないでいいんじゃないの?落語とか知らなくても生きていけるしな。安心しろ」

結衣「え?どしたのヒッキー!?急にどうしたの!?どこ行くの?ねぇまんじゅうこわいってなんなの!?ねぇ!ヒッキー!?」

あー、これはプロポーズですわ

あー、これはプロポーズですわ

>>558>>559
大志っす!おめでとうございまっす!こんなところで愛するカップルの誕生に立ち会えるとは思ってなかったっす!川崎大志っす!!!

「ぴこぴこ」








結衣「あれ!?ヒッキーそれゲームやってんの?」

八幡「おー、まぁな」

雪乃「比企谷くん…今は部活中よ?だいたい学校にピコピコを持ってくるだなんて、一体何を考えているのかしら…」

八幡「ピコピコって…だからお前はおばあちゃんかよ…」

結衣「そうだよヒッキー、非常識すぎ!信じらんない!」

八幡「いや、ウノやトランプを持ってきてるお前に言われたくねんだよ。いや、つかな。別に持ってきたくて持ってきたわけじゃねえんだわ。学校の鞄を机の近くに置いて、3DSは机の上に置いてたんだけど、今朝学校来たら鞄の中に入ってたんだよ」

結衣「またそういう嘘つくしー、ヒッキー信じらんない」

雪乃「………はぁ」

八幡「いやいや、待ってくれ。これは本当なんだよ。いや、絶対信じてもらえないとは思ったけど、実際本当なんだよ。入れた記憶全くねえんだよ」

雪乃「はぁ…、仮に…仮に、あなたのその作り話が本当だとして…」

八幡「いや、お前作り話って言っちゃってるから。信じる気0だから」

結衣「当然じゃん…」

雪乃「あなたがここでゲームをしていることの言い訳にはならないでしょう?手違いで持って来たんなら大人しく持って帰ればいいだけなのだし」

八幡「いや、それがだな。今日に限って本も携帯も持ってくんの忘れたんだよ。暇つぶしの道具がないんだよ」

結衣「ヒッキー嘘に嘘を重ねるの!?はやく罪を認めたら!?」

八幡「いや!すっげー嘘くさいのはわかってんだけど、全部本当なんだって!信じたげてよぉ!」

雪乃「もうあなた、狼少年扱いなのよ…自分の行動の報いを受けなさい。それで?それはどういったゲームなの?」

結衣「ゆきのん!?」

八幡「何?お前興味あんの?」

雪乃「と、当然でしょう。私は高翌齢者ではないのだから、このくらいたしなみの一つだわ」

八幡「(いや、その理屈はおかしい…。多分こいつおばあちゃん扱いされたのにカチンと来たんだろうな…)」

結衣「んーと、あれ?ヒッキーこれテトリスじゃん。地味なゲームやってるね。なんか意外」

八幡「いや、普段はやんねえんだけどな。昨日本の山が崩れたらその下から出てきたんだよ」

結衣「なんかまた嘘くさいし…」

雪乃「それで…てとりす?というのはどういうゲームなのかしら。四角い固まりや棒が詰み上がっているだけのようにしか、見えないのだけど」

八幡「げ!スタート押し忘れてたのかよ。あぁ…俺の新記録が…」

結衣「ゆきのんこれはねー、ブロックをがたーんってならべたら、ぴゅーんって消えるの」

雪乃「あまりに感覚的すぎて、まったくわからないのだけれど…」

八幡「上から振ってくる四角や棒状のブロックを並べてくんだけど、それを横の列にならべると消えて得点が入る。それを繰り返して高得点を狙うんだわ。んで上のラインをブロックが超えちまったら負け」

雪乃「単純なルールね」

八幡「ああ、あと列はまとめて消すこともできる。4列一気に消したりすると高得点だ」

雪乃「なるほど…やってみるわ」

雪乃「………」カチカチ

結衣「………」

八幡「………」

雪乃「………」カチカチ

結衣「………」

八幡「………」

結衣「ひ、ヒッキー?ゆ、ゆきのんずっとやってるね」ヒソヒソ

八幡「だな…。まったく途切れねぇな」ヒソヒソ

結衣「て、テトリスってあんなに続くものなの?」ヒソヒソ

八幡「いや、俺もあんなに続くのは初めてみるわ…」ヒソヒソ

結衣「しかもものすごいスピードで指が動いてるね…」ヒソヒソ

雪乃「………」グッ

八幡「まとめて消えたんだな…」

結衣「…ゆきのん可愛い…」ボソッ

雪乃「………」カチカチ

結衣「………」

八幡「………」

雪乃「…比企谷くん、999,999ptsを超えてから数字が増えないのだけど。一体どうなっているのかしら」カチカチ

結衣「999,999pts!?ゆきのんすごっ!!」

八幡「初プレイでカンストかよ…お前の空間把握能力どうなってんの…?」

雪乃「どういうことかしら」カチカチ

八幡「ようは最高得点ってことだよ…」

雪乃「最高得点…?なるほど…」フッ

八幡「(ドヤ顔だ)」

結衣「ドヤ顔だ…。ゆきのん可愛い」

雪乃「じゃあ、これ返すわね。比企谷くん」

八幡「ああ…はい…どうも…」

結衣「ゆきのん!すごい!!あんなの初めてみたよ!」

雪乃「そう?ありがとう」フフッ

結衣「ヒッキー!?あたしもやっていい!?」

八幡「ああ…好きにしろ…」

結衣「あ、あれー!?」

結衣「わわ!ちょっちょと落ちるのはやい!」

結衣「ええ!?このタイミングでこのブロック!?」

結衣「あ、終わっちゃった…」

八幡「………」

雪乃「………」

八幡「由比ヶ浜…」

結衣「な、なに?ヒッキー?」

八幡「なんかお前見てると落ち着くわ」

結衣「え!?」

八幡「いや、雪ノ下の人外プレイ見せられて正直方放心状態だったんだけど、治ったわ」

雪乃「失礼ね…」

八幡「だいたいお前なんなの?この画面?ブロック積み上げるゲームと勘違いしてない?ていうか何これ近代アートか何かなの?」

結衣「ヒッキー!うるさいし!別にわざとやってるわけじゃないし!」

八幡「いやー、最高記録時間1分とかなかなかできねえぞ。むしろ誇っていい」

結衣「馬鹿にすんなし!もう、もっかいやる!!」

八幡「おう、やれやーお、おいちょっとまて由比ヶ浜、ストップだ」

結衣「はぁ?何言ってんの!?馬鹿にされたまま終われるわけないでしょ!?」

八幡「いや!いいから返せって!まずいんだって!!」

結衣「何がまずいし!全然まずくないし!せめて一分半は続けないと終われないし!!」グイグイ

八幡「いや、だから!!」グイグイ

平塚「はい、そこまでだ比企谷ー」

結衣「あ、ひ、平塚先生」

平塚「禁止のゲーム機の持ち込みと使用の現行犯だ。比企谷、反省文を明日までに書いて提出したまえ」

八幡「ちょ、ちょま、先生!!持ち込みは認めますけど、使用は俺じゃ!?」

平塚「何を言っているのかね?比企谷。今現在そのゲーム機を握っているのは君じゃないか。その君を差し置いて誰が実行犯だと言うのかね?なぁ?雪ノ下」

雪乃「ええ、そうですね」

八幡「おい!」

平塚「まぁ、そういうわけだ。とりあえずこの3DSは私が明日まで、安全に管理しておいてやろう」ニヤ

結衣「あ、で、でも先生」

平塚「いいんだ。いいんだよ由比ヶ浜。何が間違っているって、この場に異質なものを持ち込んだこの男が間違っているのだよ。君は優しいからな、気持ちはわかるが、何、心配することはない」

八幡「おい!」

平塚「まぁ、そういうわけだ。提出は明日まで。異論、反論一切認めない。持ってこない場合は処分する。以上だ」

ガラガラ、ピシャ


結衣「ご、ごめんねヒッキー」

八幡「お、おう」

雪乃「しかし、思っていた以上にピコピコ鳴らないものなのね。少し勉強になったわ」

八幡「ですよね!!あなたそういう感想を言うと思ってました!!でも今言うことじゃないですよね!!マジふざけんな!」

そのあとのホモで埋まってしまったが、
>>557には悶えたわ…ヒッキーもゆいゆいもかわいすぎるッ!

「きょどうふしん」









雪乃「………」テクテク

結衣「あ!ゆきのんだ!」

雪乃「っ!!」ビクッ

結衣「おーい!ゆきのーん!何してるの!?」

雪乃「あら、由比ヶ浜さん。こんなところで奇遇ね」キリッ

結衣「うん!!」

雪乃「……それじゃ」スタスタ

結衣「え!?ちょ、ちょっと待ってよゆきのん!」

雪乃「……なにかしら?」

結衣「な、なにかしらじゃなくって!せ、せっかく休日に偶然会えたのに、なんでそんなすぐ行っちゃうの?あ、あたしのこと嫌いになった!?」

雪乃「ち、違うわ。そ、その。わ、わかった、わかったわ。わかったから袖を掴むのはやめて、由比ヶ浜さん」

結衣「ゆきのん!!」ヒシッ

雪乃「…はぁ」

結衣「それで、何してるの?」


雪乃「ええ…それは…その…買い物に…来たのよ」

結衣「やっぱり!あ、じゃあその袋…あれ?それってゲーム屋さんの袋?」

雪乃「…えぇ」

結衣「あ!わかったゆきのん3DS買いに来たんでしょ!!」

雪乃「……っ!どうして…わかったのかしら」

結衣「へへ~、ゆきのん、この前楽しそうだったからね。もしかしてハマちゃったんじゃないかなーって思ってたの!」

雪乃「そう…なの…?そんなに楽しそう、だったかしら」

結衣「うん!あ、じゃあテトリス買ったんだ?」

雪乃「え、ええ…それと…」

結衣「わぁ!パンさんのゲーム!こんなに出てるんだ!!」

雪乃「ええ、一つは『パンダのパンさん 笹山クッキングBOOK』と言ってデジタルブック…みたいなものかしら。一つの章ごとに料理のレシピとそれに関係する物語が展開されているらしいから、やはり見逃すわけにはいかないわね」

結衣「へぇー!じゃあこっちは!?」

雪乃「『パンダのパンさん 笹山のともだち』よ。これは以前DS初期に販売されていた『パンダのパンさん 笹山の仲間と1、2、3』を3DS用にリメイク、通信協力プレイを加えたものね。パンダのパンさん、それに通信協力プレイではほかの笹山の仲間も使って一緒に冒険をすることが出来るの。プロモーションビデオを見た限りではだけれど、キャラクターの動きもディスティニー版のアニメーションの動きをよく再現していて、とても可愛らしいのよ。実は先月、発売されたばかりなの」

結衣「じゃあ、出たばっかりなんだね!」

雪乃「えぇ…そ、その、ご、ごめんなさいね。由比ヶ浜さん、さっきは逃げようとしてしまって…。その…ゲームを買っているところを見られるのが少し恥ずかしかったものだから…」

結衣「ううん、気にしないで?あ、でもさゆきのん。恥ずかしかったならネット通販とか使ってもよかったんじゃないの?」

雪乃「そ、それがその。今日、インターネットでこのゲームのことを知ってしまったものだから…どうしても、その今日中に遊びたくなってしまって。通販だと明日になってしまうものだから…」

結衣「ゆきのんでも衝動買いとかしちゃうことあるんだ!」

雪乃「そ、そうね。普段は滅多にないのだけれど…その、好きなもののことだと時々抑えが効かなくなってしまうことがあるのよ。恥ずかしいこと、なのだけれど」

結衣「そんなことないよ、ゆきのん!そんなに好きなものがあるっていいことじゃん!あたしもわかる!」

雪乃「そ、そう、かしら」

結衣「あ、じゃあゆきのん!あたしもその『パンダのパンさん 笹山のともだち』買う!あたしもDS持ってるから!協力して遊べるんでしょ!?一緒に遊ぼう、ゆきのん!!」

雪乃「ま、まって由比ヶ浜さん、DSでは3DSのゲームは遊ぶことができないの」

結衣「え!?そうなのゆきのん!?でも形同じじゃない?」

雪乃「えぇ、形はとてもよく似ているのだけれど。実際はまったくの別物なの。DSに比べて上画面が大きいし、グラフィック性能も大きく向上しているわ。だからDSのソフトを3DSで遊ぶことは出来るのだけれど、逆は無理なのよ」

結衣「そ、そっかぁ…う、うーん。……」

雪乃「ええ、残念だけれど」

結衣「………」

結衣「よし!決めた!あたしも3DS買う!」

雪乃「な、何を言っているの由比ヶ浜さん。あなた以前お金がないとぼやいていたじゃない」

結衣「ううん、この前コンサートのアルバイトしてバイト代も入ったし。こういう時のためにお年玉も貯金してあったの!それになによりゆきのんと一緒にパンさんで遊びたいもん!」

雪乃「由比ヶ浜さん…」

結衣「じゃあ、あたしお金おろしてくる!!…あ、そうだゆきのん!この後、時間大丈夫?買ったら一緒に遊ぼう?ゆきのんの家行っていい!?」

雪乃「ええ、もちろん!もちろん大丈夫よ。由比ヶ浜さん」

結衣「やったぁ!じゃあちょっと行ってくるね!」

雪乃「ええ、じゃあ私はここで待っているわね。由比ヶ浜さん」

結衣「うん!すぐ戻ってくるね!!」タタタタタタタ

雪乃「………」

雪乃「………」

雪乃「………」ニヘラッ

雪乃「………」キリッ

>>586
ありがとうございます
あの話、パッと思いついて一気に書いたんですけど、かなりお気に入りなのでそう言ってもらえて嬉しいです。

ほかの皆様も感想ありがとうございます!
ふむん…やはり…誰かに読んでもらえて感想をもらえるというのは良いもの…だな…


「ぷりん」








結衣「ねぇねぇ二人ってプリンって好き?」

雪乃「ええ、嫌いではないわね」

八幡「好きだ」

結衣「へ!?ひ、ヒッキーいきなりなに言ってんの!?」

八幡「いや…お前こそいきなり何言ってんだよ…」

結衣「あ、そっか…プリンの話だよね、ぷ、プリンの」

八幡「(何この子、怖い。なんなの、平塚先生なの?)」

雪乃「……。それで、プリンがどうしたというのかしら」

結衣「あ、うん。あのね?バケツプリンってあるでしょ?」

八幡「あぁ、あるな」

結衣「あれって作ってきたら、三人で食べきれるかなー?って思って!一度食べてみたくって!」

八幡「いや無理だろ。大体ホムセンとかで売ってるバケツって最低でも3リットルとかだろ?3人で分けても一人頭、1リットルじゃねえか。プッチンプリン10個分くらいに当たるんじゃねえの?糖尿で死ぬだろ。ていうかお前の作ったプリンの時点でアウトだろ、死ぬだろ」

結衣「なぁ!?失礼な!!あたしだってママがプリンを作ってるとこみたことあるもん!!超簡単そうだったもん!!」

八幡「だからお前は料理鑑賞してないで、作るの手伝え。な?」

雪乃「ちょ、ちょっと二人ともいいかしら」

結衣「ん?どったの、ゆきのん?」

雪乃「さっきから何度もバケツ、バケツと言っているのだけれど、バケツプリンと言うのはバケツで作ったプリン、という解釈で間違っていないのかしら?」

八幡「あぁ、まぁそうだな」

雪乃「それって不衛生ではないかしら?」

八幡「そのへんは、まぁお前、当然新品のバケツ使うだろ」

雪乃「それは…まぁ、当然そうなのでしょうけど。それでも…やはり…」

八幡「(調理器具以外のもので料理を作るとか、こいつの常識からは外れてるんだろうな)」

結衣「でもゆきのん。美味しいよ?」

八幡「美味しいよ。ってお前食べたことねぇだろ。いい加減なこと言うなよ、俺かよ」

結衣「また、自分でそういうこと言っちゃうしー」

雪乃「それに、例えば10人分のプリンを作るなら1人分を10個作ったほうがいいでしょう?10人分をまとめて一つのプリンにすることになんの合理性も感じられないのだけれど」

八幡「そらまぁそうだわな」

結衣「んー、それはほら!パーティーとかでみんなで食べるんだよ!」

八幡「何?プリンの入ったバケツにみんなでスプーン片手に群がんの?それ絵面最悪だろ。餌やりシーンだろ」

結衣「バケツのまんま出すわけないし!!お皿にもったら超でかいプリンになるじゃん!!超テンションあがるじゃん!」

雪乃「大きいプリン…なるほど…」

八幡「何、お前そんなに大きいのがいいの?なんでも大きい方がいいの?大きいのが好きなの?喧嘩売ってんのか」

結衣「売ってないし!なんでそうなるし!」

雪乃「ようするにパーティーなどでケーキなどの変わりにプリンを出して、皆で取り分けるということね。理屈はわかったけれど、やはり私も比企谷くんと同じで食べてみたいとは思わないわね…」

結衣「えぇ~!?う、うーん。あ、じゃあフルーチェは!?すっごいいっぱい作れるよ!?」

八幡「いや、お前、それも同じ理由で却下だろ。リッター単位のフルーチェとか、苦痛通りこして拷問だろ」

結衣「え~!?でもバケツでどーんとかちょっと憧れない?」

八幡「いや、そもそもなんなの?お前はなんでそんなにバケツで作りたがるんだよ?あぁ…まぁ、そりゃ、最初からバケツで作っとけば製造から廃棄までスムーズなのは確かだよな。もういいから作ったら即捨てろよ」

結衣「捨てないし!ひどいし!!ゆ、ゆきのんは一緒に作って食べてくれるよね!?」

雪乃「嫌よ。絶対。何があっても。お断りだわ」

結衣「単語の羅列で断られた!!こ、こうなったら維持でもバケツプリン作ってくるんだからね!?部室でみんなで食べるからね!?」

八幡「(こいつが教室にバケツ持ち来んできたら…その日は部活休も…)」

「しょうぎ」









結衣「ねぇねぇ、ゆきのんって将棋って得意?」

雪乃「この世に私の不得意なことなんて存在しないわ」

八幡「お前すごい言い切ったな。感心するわ」

雪乃「そう?でも事実だもの。取り繕っても意味ないでしょう?」

結衣「あはは…」

八幡「でもお前体力ないだろ。さすがに長距離走は苦手じゃねえの?」

雪乃「……。言われてみればそうね…。不覚だったわ」

八幡「えらい素直だな」

雪乃「事実だもの」

結衣「あ、でもマラソンはあたしも苦手~。ていうか走るの苦手なんだよね~」

八幡「(それはどこかが重いせいじゃないですかね、どことは言わないけど)」

雪乃「そうね。疲れるわよね」

結衣「うん!」

八幡「………」ペラッ

雪乃「………」ペラッ

結衣「あ、あれ?」

八幡「なんだよ、由比ヶ浜」

結衣「あ、あのさ。しょ、将棋の話は?」

八幡「ああ、そう言えばそんな話してたな。なんで急にんなこと言い出したの?」

結衣「あのね、昨日パパに一緒に将棋しないか?って誘われたから断ったんだけど、その時将棋って面白いのかなって思って」

八幡「そう思ったんなら、一緒にやってやれよ…。とりあえず断ってから考えんなよ、お父さん可哀想だろ…。俺もそれよくするけどさ」

結衣「それで今日持ってきたの」

八幡「持って来ちゃったんだ…。お前の鞄は四次元ポケットなのかよ…」

八幡「ってあぁ、これあれか。マグネット式のやつか」

結衣「うん。それでゆきのんとやってみたいなーって思って」

雪乃「嫌よ。私が12手で勝つもの」

結衣「そんな瞬殺なんだ!?」

八幡「始める前から全部手を読まれちゃってるんだ…。でも雪ノ下、あれだ。その決着は賢い奴同士でしか起こりえないだろ。こいつ多分王手がかかってからも負けを認めず、王将で逃げ回るから無駄に手数はかかると思うぞ」

結衣「なんかあたしが賢くないって言われてるみたいに感じるんだけど…」

八幡「いや、そう言ってんだよ」

結衣「ヒッキー!?」

雪乃「でもそうね…由比ヶ浜さんの場合、実際に王将を取られるまで粘るに粘るでしょうね…私が浅慮だったわ」

結衣「ゆきのん!?」

雪乃「でも、どうしてもしたいと言うのなら、まずは比企谷くんで練習を積んでからにしなさい」

八幡「おい、俺に押し付けんなよ」

結衣「あ、じゃ、じゃあ、ひ、ヒッキー?あたしとしてくれる?」

八幡「………」

結衣「………」ジー

八幡「…っ!いや…お前、あれだ。あー…もう、じゃあ一局…一回だけな」

結衣「やったぁ!ありがとヒッキー!」

八幡「…んじゃ、ジャンケンで先攻、後攻きめんぞ」

結衣「うん!ジャンケンポン!!」

八幡「っと。あ、俺の勝ちか。んじゃ俺が先攻、お前は後攻な?」

結衣「おっけー!!」パチン

八幡「は?」

雪乃「え?」

結衣「ん?」

八幡「話聞いてた?先攻って俺が先って意味なんだけど…」

結衣「え?あれ!?」

雪乃「あなた、全然オッケーじゃないじゃない。あなた全く意図を理解していないじゃない」

結衣「あれ?あれ!?」

八幡「………。ま、ということで由比ヶ浜の反則負けってことで決着だな」

結衣「ええ!?」

雪乃「まさか、一手で決まってしまうだなんて…ごめんなさい。わたしまだあなたを買いかぶっていたのね…」

結衣「ゆきのん!?」

八幡「お前あれだ、3DSで『へぼ将棋』って出てるからそれでもやってろよ。人間様とやるのはまだはええよ。ホモサピエンスに進化してからにしろよ」

結衣「あたしが人間じゃないみたいな言い方された!!違うの!今のはちょっと間違えちゃっただけなの!!二人ともひどい!!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

みなさんエロを期待をされてるようなので、書きました。次のは微エロ注意です

「へたれうけ」












三浦「じゃぁ、あーしちょっと今日、行くとこあるから」

結衣「あ、うん。わかった優美子。じゃあまた明日ね」

海老名「おつおつ~」

結衣「じゃあ、姫菜あたしも部活行くね。また明日ね」

海老名「待った」

結衣「え、な、何?」

海老名「実は今日は結衣にいいものを持って来たんだよ。ふふ」

結衣「い、いいもの?あんまいい予感がしないんだけど…」

海老名「さぁ!刮目してみなさい!私の渾身のはやはち本だよ!!」

結衣「え、ええ!?姫菜!?ま、まさか書いたの?」

海老名「ぐ腐腐腐、まぁまぁいいからいいからユーちょっと読んじゃいないよ、いいからいいから結衣好みだから!」

結衣「え、えええ?」





隼人「比企谷…もう自分を偽るのはやめにしないか…?」

八幡「な、何を言ってるんだ」

隼人「俺にはわかってるんだ。君が一連の行動で傷ついていることも…そして君の好意が誰に向けられているのかも、ね」

八幡「そ、それ以上は言うな…!やめろ!葉山!」

隼人「比企谷?お前は本当にやめて欲しいと思っているのか?」

八幡「葉山お前は何を言って…。…っ!やめろ!触るな!葉山!」

隼人「言葉は捻くれていても、体は正直だな、比企谷。ここをこんなに大きくして言っても説得力がないぞ」

八幡「やめろ…、やめてくれ……葉山」

隼人「………八幡」

八幡「っ!!隼人!!」

アッー

結衣「ちょっと!!!」

海老名「ぐ腐、ぐ腐腐腐腐腐腐」

結衣「ぐふふふじゃないでしょ!!姫菜!!こ、これ!ヒッキーと隼人くんが……その、アレしちゃってるじゃん!!」

海老名「あ、アレだなんて!結衣ダイタン!って海老名は海老名は赤面してみたり!!」

結衣「違う!褒めたんじゃないからぁ!!ていうかこれのどこがあたし好みなの!?」

海老名「ぐ腐腐腐、いいでしょ。ヒキタニくんの捻くれ美少年度が二割増だよ、結衣得でしょ。ぐ腐腐」

結衣「ええ!?二割増!?そ、そりゃちょっとは本物より美形に書かれてるかも知れないけど、二割ってことはないでしょ!?二割は!!」

海老名「ぐふふ、いいねいいね。結衣ならノマカプもありだね。ぐ腐腐腐腐腐」

結衣「姫菜ぁ!?ちょっと話聞いてよ!姫菜!」

海老名「ヒキタニくん、ヘタレだから、その本を見て参考にするといいよ。ぐ腐、ぐ腐腐腐腐腐腐腐」

結衣「ちょっと姫菜!これ置いてかないでよ!ねぇ、姫菜!?」

結衣「………」

結衣「………えー……」

ガラガラ
結衣「…や、やっはろー」

八幡「おう」

結衣「あ、あれ?ひ、ヒッキーだけ?ゆきのんは?」

八幡「さぁなぁ。さっき一人でどっか行ったぞ」

結衣「え?どこに?」

八幡「知らん。あいつ出て行く時に無言だったし、俺も何も聞かなかったしな」

結衣「さ、さすがヒッキーだ…」

八幡「ほっとけ…」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」ジー

八幡「………」

結衣「………」ジー

八幡「…んだよ?」

結衣「え!?いや!そのヒッキーって意外と睫毛長いなって思って!!」

八幡「いきなり何なのそれ…って言うか人のこと観察してんじゃねえよ……」

結衣「ご、ごめん…」

八幡「いや、別にいいけど…」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「…本を…参考…」ボソボソ

結衣「………」

結衣「いやいやいやいや!!ないないないないない!!」

八幡「お、お前いきなり何叫んでんの…?ちょっと怖いんだけど」

結衣「え!?い、いや!あたし、全然!全然怖くないし!平気!平気!」ガタッ

八幡「いや、こえーよ…どうなってんの?つか、なんか落ちたぞ」ヒョイ

結衣「あっ!!」

八幡「………」

結衣「あ、あのね…ヒッキー?こ、これは」

八幡「あっと…お、俺、今日は帰るわ」

結衣「ちょ、ちょっとヒッキー違う!」

八幡「い、いや。しゅ、趣味は人それぞれだしな。それに口を挟む気はねえよ。好きにしたらいいんじゃねぇの?」

結衣「だからあたしの趣味じゃないからぁ!仮にそうだとしても注意してよ!!ねぇ、ちょっとヒッキー!?話聞いてよ!!」

八幡「い、いや!は、離して!腕を掴まないで!離して!離してぇええ!!!」

もともとは結衣の妄想が入っていたんですが全部カットしました

そうですか…やっぱりぼくのエロは評判悪い見たいなのでもう書かないようにするね^^!!やったね八幡!!

海老名さんの打ち止めネタはうろ覚えですが、原作にあった気がするのでパク…引用しました!

「はろーはろーあろー」









結衣「なーんか、風強くなってきたねー」

雪乃「そうね」

八幡「なんか台風来てるらしいな。あー、明日休みになんねぇかなー。風強いなか学校くんのやなんだよ」

結衣「あぁ~、それわかる。傘とか壊れちゃったりするしね」

八幡「いや、それもあんだけどさ。風の強い日ってなんかクラスの奴が普段に増してやかましいだよ。『ものすごい風だったけどたちこぎなんて一切せずに学校にきたぜ!』とか自慢してるやつがいるしよ。こっちゃただでさえ強風のせいで腹たててんのに、不快度数急上昇なんだよ。なんなのあれ?」

結衣「あはは…確かに逆に元気になっちゃう人っているよね」

雪乃「まぁ、その人たちにとってはある種のイベントごとか、お祭り気分なのでしょうね」

八幡「あとさ。夜中のうちは出てたのに明け方になると解除される暴風警報な」

結衣「あるある!明日は休みになるのかな?って思って寝るのに朝になったら強風ハロー注意報とかになっちゃってるんだよね」

八幡「そう。こっちはもう休みになると見込んで夜更かししてんのにな」

結衣「それはヒッキーだけだし!」

雪乃「本当にある意味ポジティブよね。あなた」

結衣「あ、でもさ、強風ハロー警報って面白いよね!すごい風がこんにちわーって来るからハロー警報なんでしょ?気象台?の人も面白いこと考えるよね?」

雪乃「え?」

結衣「あ!そうだ!今度強風やっはろー!警報にしてくれないかハガキ送ってみようかな?どうしよ、名付け親として有名になっちゃうかも!!どう思う!?ゆきのん?」

雪乃「………」

八幡「………」ジ

結衣「あれ?」

雪乃「………」チラッ

八幡「…いや、多分こいつ今日は本気で言ってるわ」

雪乃「……そう」

結衣「え?あれ?どうしたの?ヒッキー!?ゆきのん!?」

雪乃「由比ヶ浜さん。暴風はろう注意報のはろうは『波浪』、つまり海面などのうねり…ようは風が原因で引き起こされる波のことを表しているのよ。だから…その…英語のHelloや、あなたのやっはろーとはなんの関係もないのよ…」

八幡「ようは風や波に注意しましょうっつーことな」

結衣「え、え!?そうなの!?」

雪乃「ええ…ごめんなさいね…。その…あなたの夢を、壊してしまって…」

結衣「い、いや。あのね」

雪乃「あ、で、でも、もしかしたら『やっ波浪注意報』と言うのはいい考えかもしれないわね。親しみが持ちやすくなると判断されて採用されるかも知れないわ。一緒に送ってみましょうか?」

結衣「ゆきのん、やめてってばぁ!!そんな優しい顔と言葉で慰めないで!!せめて叱ってよぉ!!悲しくなるからぁ!!」

「ちらりちらり」










結衣「あ、ゆきのんゆきのん!この前貸してもらってたお金、返すね」

雪乃「あら、そんなの別に気にしなくても良かったのに」

結衣「ううん、借りっぱなしだなんてそんなわけにはいかないもん!って、あっ!」チャリンチャリン

雪乃「あら」

八幡「おいおい、何してんの?」

結衣「あ、ごめんね。二人とも拾わせちゃって…。あー、後ろの机の下に入っちゃってるー。超とりにくいしー」カガミ

八幡「っ!!」

八幡「(ピンク!?)」

結衣「んー、もうちょっと…」

八幡「ちょ、ちょっと待て。由比ヶ浜そこ、変われ。お、俺がやる。俺がやるから」

結衣「んー?だいじょぶ!だいじょぶ!届くし!」

結衣「取れた!はい、ごめんね。ゆきのん!!」

雪乃「いえ、大丈夫よ。ありがとう由比ヶ浜さん」

八幡「………」

八幡「あのな、由比ヶ浜。お前はもう少し警戒心を持ったほうがいいぞ」

結衣「え?何のこと?」

八幡「いや、さっきあんなところで四つん這いになったろうが…あれ、下手したら下着見えるぞ?」

八幡「(いや、実際見えたんだけど)」

結衣「え!?」ガバッ

雪乃「………」

結衣「ちょ、ちょっとヒッキー何見てんの!?マジきもい!!」

八幡「いや、見てねえし…見えそうだったから、そう言うことをすんなって言ったんだろうが」

八幡「(いや、本当は見えたんだけど。この前は純白って言ってたのに今日は違うんだな)」

雪乃「比企谷くん…あなた、その抑えがたい獣欲を由比ヶ浜さんの若き肢体に向けるのはやめなさい。本当にいやらしいわよ」

結衣「!?ひ、ヒッキーありえない!!」

八幡「む、向けてねえし!お前の言い方のほうがやらしいだろ!!獣欲とか肢体とかなんなの!?普段官能小説でも読んでんの!?ていうか俺は、もし次に同じことして見えたりしないように、ちゃんと注意したんじゃねえか!感謝こそされど、責められる謂れはねえよ!」

八幡「いや、見えたけど!!ピンクだったけど!!」

結衣「な、な、な、ななな、ぴ、ぴ、ぴ、ピンク!?」カァ

雪乃「はぁ……」

八幡「っ!!」

結衣「ヒッキー!!や、やっぱり見てたんじゃん!!さ、サイテー!!超キモい!し、信じらんない!!あ、あ、あ、あとキモい!!」カァ

八幡「い、いや!ちょっと待て!誤解だ!何かの間違いだ!陰謀だ!」

結衣「そんなわけないし!誤解もなにもないし!し、下着の色合ってるし!絶対見てんじゃん!!」カァ

雪乃「由比ヶ浜さん…今日はもう帰りましょう。この獣とこれ以上一緒にいたら何をされるかわかったものじゃないわ。この場は戦略的撤退が上策よ」

八幡「おい!!」

結衣「うん、そうする、ゆきのん!ひ、ヒッキーの馬鹿!!ばーか!ばーか!!!ばーーーーーーか!!!」カァ

ガラガラガラ ピシャ


八幡「なんなの?俺が悪いの?完全に不可抗力だろ…」

八幡「ちょっと上げ幅と下げ幅が大きすぎるんじゃないの…?どうなってるの?」

八幡「………」

八幡「ピンク…か。なんで現実って…CG閲覧モードないんだろうな…」

>>621>>622
そんなら同じ話に警備員コスナーも入れといてやって

戸塚くんと比企谷くんがいちゃらぶしているところを見て嫉妬する隼人くんと、実は嫉妬されている事を知っていてあえてつれないフリをしている比企谷くんで!
……? 結衣?

「きみをおもう」








結衣「ねぇねぇ、ヒッキー。ヒッキーって映画って見るの?」

八幡「あ?まぁまぁ、かな。つっても高校に入ってからは、借りて来て家のテレビで見るほうが多いけどな」

結衣「へぇ~、洋画派でしょ」

八幡「ああ、まぁ、どちらかっつうとそうだな。お前、よくわかったな。つっても字幕は疲れるから吹き替えで見ることのが多いな」

結衣「あ!それあたしもおんなじ!お揃いだね、へへ」

八幡「……。まぁ、つってもあれだ。あんま吹き替えがひどい場合は字幕で見るぞ。特に棒読み女優や、前作ガン無視の起用してたりする場合な。最近ので具体的に言えばプロメテウスとかアベンジャーズとかだ」

結衣「うーん。あたし、その辺はよくわかんないかも。合ってればよくない?」

八幡「合ってれば、な。お前、絶対あれ見てないだろ。見てたらそんなこと言えねぇぞ?賭けてもいい」

結衣「ふぅん。じゃあヒッキーってどんな映画が好きなの?アクション?」

八幡「いや、アクションも見るけど、まぁ雑食だな」

結衣「具体的には?」

八幡「うーん…。あれだ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかは割と好きなほうだな」

結衣「あ!それ知ってる!タイムマシンの奴でしょ?で、で、でれ、デレルヤン?」

八幡「デロリヤンだろ。なんだよ、デレルヤンて車なのにツンデレか、なんかなの?『あ、あんたなんか、乗せてあげないんだからねっ!』みたいな」

結衣「裏声だすなし!キモいし!てか結構おしいじゃん」

八幡「いや、惜しかねえだろ。的中率60%だぞ」

結衣「でもテストで60点だったら、結構よくない?」

八幡「60点でいい方なのかよ…お前進学校にいる意識低すぎんだろ…」

結衣「数学で9点取るヒッキーに言われたくないし!」

八幡「お前だって12点だろ。そもそも俺は理系ははなから捨ててるからいいんだよ」

結衣「まぁ、そうだけどー。てかちょっと意外『バック・トゥ・ザ・フューチャー』って結構有名じゃん?あたしでも知ってるし」

八幡「いやだってお前『12人の怒れる男』だの、『フォーン・ブース』だの『交渉人』だのっつてもわかんなくてポカンとすんだろ?メジャーどころ選んだんだよ」

結衣「あ、そっか。あたしの知ってそうなの選んでくれたんだ」

八幡「………。いや別にそういうわけじゃねえけどな。時間の無駄を省いただけだ」

結衣「なにそれ、感じ悪ーい。あ、じゃあさ、今は映画館はあんま行かないわけ?」

八幡「ああ。あれだ夏に戸塚と見に行ったくらいだな。高校入ってからだと」

結衣「え!?さいちゃんと映画行ったんだ!?」

八幡「おう!デートだぞ、デート!!あぁ…あの時の戸塚は可愛かったなぁ…!!」

結衣「ヒッキーキモいし!さいちゃん男の子じゃん!!」

八幡「ちげーよ。戸塚は戸塚って生き物なんだよ。愛でる対象なんだよ」

結衣「なにそれー…。……てかさいちゃんとは何見たの?」

八幡「あれだ『貞子3D』って奴だ」

結衣「あー、さいちゃんホラー好きだもんね。怖かった?」

八幡「いや、戸塚のほうばっかり見てたから。内容はよくわからなかったな」

結衣「また、それだし!!もうヒッキーさいちゃんのことどんだけ好きなの!?」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「映画って言えばさー」

八幡「続くのかよ」

結衣「当たり前じゃん。ほら、よく刑事役やってる人いるじゃん?頭のはげた」

八幡「ブルース・ウィリスか?」

結衣「いや、違くて。えーと…」

八幡「ああ、ニコラス・ケイジな」

結衣「そうそう!ニコラス刑事!」

八幡「あ?お前なんかイントネーションおかしくねえか?ニコラス・ケイジだろ」

結衣「え?だからニコラス刑事でしょ?」

八幡「ニコラス・ケイジ」

結衣「ニコラス刑事」

八幡「いや、だからなんで『コ』にアクセント入んの?……。おい、お前まさかニコラス・ケイジのケイジを役職の『刑事』とか言い出すんじゃないだろうな」

結衣「え!?違うの!?」

八幡「違うに決まってんだろ。『ケイジ』ってのは名字だよ」

結衣「そうなんだ!あたしてっきり本物の刑事だからそういう映画にでてるんだとばっかり思ってた…」

八幡「ありえねえだろ…なんで刑事が映画にでんだよ」

結衣「そりゃ、そう言われればそうなんだけど…」

八幡「……まぁ、でもあれだ。俺もガキの頃はニコール・キッドマンって名前聞いて男だったと思ってたからな。そういうこともあんのかもな」

結衣「なにそれ。ヒッキー、それフォローしてくれてるの?」

八幡「いや、半分以上皮肉だな。ポイントはガキの頃って部分な」

結衣「ヒッキーほんと素直じゃないし!」

八幡「でもあれだ。お前結構映画見んのな」

結衣「うちさ、パパが結構映画のDVD持っててさ。あたしパパっ子だったから、よくパパにくっついて見てたんだー」

八幡「パパっ子…そら、昔は懐いてたはずの娘からファブリーズかけられたら親父さんも傷つくわ。もうちょい優しくしてやれよ。つか『あたしの下着、パパのと一緒に洗わないでよ!』とか言ってねぇだろうな?パパさん泣くぞ」

結衣「言わないし!!ていうか、ヒッキー下着とか言うなし…き、キモいし…」

八幡「ああ…す、すまん」

結衣「いや、べ、別にいいけど…」

八幡「………」

結衣「あ、じゃ、じゃあさ、休みの日とかよく借りるの?」

八幡「まぁー、本読むことのが多いけどな。でもあそこのTSUTAYA土日貸し出しが安いだろ?だからたまに借りるな」

結衣「へ、へぇ~、今度の土日も?」

八幡「あ?どうだろうな。まぁどうせ暇だし、どのみち本読むか、ゲームするか、映画借りるかしかないからな、まぁ借りるかもな。けど別になにか借りようとか、考えてるわけじゃねえよ」

結衣「そうなんだ…暇なんだ」

八幡「そらそうだ。お前スケジュールの空き具合でいや俺の右に出るものはいないぞ。もっと言えば左にもいない。むしろ周りに誰もいないから孤立しているまである」

結衣「そ、そっか…な、ならさ」

八幡「な、なんだよ」

結衣「………」スーハー

結衣「一緒に試写会行かない!?実は応募したらあたちゃってさ!」

八幡「し、試写会?」

結衣「そ、その『タンゴ・リブレ』ってやつ!なんだけど!」

八幡「い、いや一人で行きゃいいんじゃねえの?」

結衣「いや、だってペアでしか入れないし!」

八幡「だったら、雪ノ下とか、それか三浦とか海老名を誘えばいいんじゃねえの?」

結衣「こ、こ、断られたの!みんな忙しいって言ってて!ほら!ヒッキーは暇なんでしょ!スケジュールの空きで右に出るものはいないんでしょ!?だ、だったらいいじゃん!!それにタダだよ!?」

八幡「わ、わか、わか、わかったよ。い、行くからちょっと離れろよ」

結衣「あ、ご、ごめん。って本当!?一緒に行ってくれるの!?」

八幡「………。まぁ、その、なんだ。タダだしな。お前せっかく当てたのに見れないっつーのも、アレだしな」

結衣「へへー。良かった。じゃあ、楽しみにしてるね!」

八幡「お、おう…」



ガラガラ

雪乃「由比ヶ浜さん。お待たせしてごめんなさいね。そろそろ行きましょうか」

結衣「あ、ゆきのん!うん!」

雪乃「じゃあ、比企谷くん。今日は戸締まりのほう、任せてしまって構わないかしら?」

八幡「ああ」

結衣「じゃ、じゃあねヒッキー!」

雪乃「さようなら」

八幡「おう」

ピシャ

八幡「………」

八幡「………」カチカチ

八幡「タンゴ・リブレ…か。あいつわざと後半省略したんかな…いや、うまい話あるわけないだろ。人数合わせだよ、人数合わせ」

八幡「……帰るか」

>>625

ごめんなさい、ケビンコスナー気づかなかった;

>>626

擬態しろし

>>627
ていうかヒッキーも間違えてるし…デロリアンだし…間違えんなし…

「しっと」










八幡「………」スッスッ

八幡「………」スッスッ

八幡「(人ごみに紛れているのに、誰にもぶつからない。俺マジ忍者)」

八幡「(ん!?あ、あれは!!後頭部でさえも可愛らしいあの姿は!!)」

八幡「と、とつ…」

戸塚「へぇ!?そうなーだ!でも僕はーいうとこーあんま見たことなーーかも」

八幡「(戸塚に…由比ヶ浜?なんであの二人が一緒に…)」

結衣「そーゃぁ、さいちゃんだからーーだよ!ーーーさいちゃんのこと大好きだから!」

八幡「(今、あいつ大好きって言わなかったか?)

戸塚「えぇ?そ、そーーなぁ。由ーー浜さんのーー仲良ーーけど」

八幡「(あの二人…もしかして付き合ってたのか…?)」

結衣「えーー!?なーーい!」

八幡「(そうだよな…戸塚も王子とか呼ばれるくらいだし、顔もいい。そら彼女の一人くらい)」

戸塚「あれ、あそーーの、ーーーじゃないかな」

八幡「(そういや…最初に話した時からやけに親しげではあったよな。最初は戸塚が女だと思ってたから気にしなかったけど)」

結衣「あ、ほーーだ。ひーーーだ。おーー。ーーキー?」

八幡「(いつもこれだ。勝手に期待して一人で盛り上がって。今回だけは違うはずだなんて、俺は結局ー)」

結衣「ちょっと!?ヒッキー!?」

八幡「うお…。なんだ由比ヶ浜か…」

戸塚「おっす!八幡!」

八幡「おう…」

戸塚「あれ?ど、どうしたの八幡?元気ないよ?」

八幡「いや、別になんでもない。気にすんなよ。戸塚」

結衣「ヒッキーどしたん?なんか顔色悪くない?」

八幡「いや、別になんでもねえよ。ほっとけ」

結衣「なんかさいちゃんと反応違くない!?」

八幡「いや、俺はもう行くわ。邪魔になりたくねえしな」

結衣「邪魔?ヒッキーなに言ってんの?」

戸塚「そうだよ!僕たちちょうど八幡の話してたんだよ!せっかくだからお話しようよ」

八幡「は?俺の話?」

結衣「そー、ヒッキーがあたしに嘘ばっかり教えるって話ー。そしたらさいちゃんが自分は嘘なんか聞いたことないっていうしさー!それもう絶対さいちゃんのこと大好きだからだよーって言ってー」

戸塚「そ、そんなことないよ。か、からかわないでよ由比ヶ浜さん」

八幡「………」

八幡「じゃあ、お前らはこんなところで二人で何してんの?」

結衣「何って?そこで会ったから歩きながら話してただけだよ?方向一緒だし」

戸塚「うん、僕これからスクールがあるんだよ」

結衣「あたしは優美子たちと待ち合わせー」

八幡「………」

八幡「いやー!はっはっは!相変わらず戸塚は練習熱心だなぁ!!」

戸塚「いきなりどうしたの。八幡?」

八幡「いやー、なんでもないさ。戸塚。んで?なんで由比ヶ浜はいつまでここにいんの?俺と戸塚との一時を邪魔すんなよ」

結衣「はぁ!?いきなり元気になったと思ったら失礼だし!一体なんなの!?ていうかどんだけさいちゃんが好きなの!?」

八幡「(そう、俺は戸塚がからむと正常な判断が出来なくなる、それだけだ。そう、だから断じて…そういうわけではない)」

八幡「さぁ、行こうぜ。戸塚!なんなら俺がスクールまで送っていくぞ!」

戸塚「八幡!」

結衣「ちょ、ちょっと!なんでそうなるし!あたしを置いて行かないでよぉ!ちょ、ちょっとヒッキー!?」

「ぼうそうはんとう」








結衣「ねぇねぇ、ヒッキーぼうそう半島ってなんか洋画のタイトルみたいじゃない?」

八幡「あ?お前何言ってんの?房総半島に洋画要素0でしょ。邦画要素だって木更津キャッツアイくらいしか思いつかねえぞ」

結衣「違くて!暴走してるみたいって話?」

八幡「あ?それってお前、暴走半島とか言いたいの?お前千葉なめてんの?ほんとに千葉県民?」

結衣「いや!本当にそう思ってるわけじゃないからぁ!なんでそんな怒るの!?」

八幡「いや、怒ってねえけど。でもいたよなー小学校の頃にはそういうこと言う奴。もう小学校からやり直したら?」

結衣「だからあたしコナン君じゃないし!やっぱり怒ってんじゃん!」

八幡「まぁ、でもあれだ『暴走半島』っつーことなら、わからなくもないな。あれだろ?もうメインストーリ関係なくて、カーアクションばっかしてるような映画だろ?」

結衣「そうそう!ほらイタリアとか舞台にして!」

八幡「あれ、何。お前イタリアが半島だったって知ってたの?この前は国名も出てこなかっただろ」

結衣「あのあとちゃんと調べたし!!さすがに大志くんにあそこまで馬鹿にされて終われないし!」

八幡「おー、勉強したのか。花丸をやろう」

結衣「だからそれいらないし!あたし花丸で喜ばないし!!小学生じゃないし!!」

八幡「ああ、じゃあ。こんなのはどうだ。まず冒頭でおっちょこちょいのドライバーが、自分の車と間違えてマフィアの運び屋の車に乗っちまうんだよ」

結衣「それでどうなるの?」

八幡「そらお前、ブツを取り返そうとするマフィアと、マフィアを捕まえようとする警察の両方に追われる展開に決まってんだろ。主人公、マフィア、警察による手に汗握る三つ巴のカーチェイスだ」

結衣「なにそれ、ちょっとおもしろそう!」

八幡「ばっかお前ここからもっと面白くなるぞ。状況は悪化し、マフィアはマシンガンで武装した攻撃部隊を、警察は特殊部隊まで投入し、さらには軍警察まで絡んでくる。そらもうあちこちで銃撃戦だ。飛び交う銃弾、炎上する車、もはやイタリアは戦場だ。主人公はローマやナポリを火の海にしつつ、ひたすら南へ南へと逃げるんだな」

結衣「そんなことになっちゃうんだ…。なんかイタリアの人に怒られそう。っていうかもう車返したらいいのに!」

八幡「いや、お前主人公は馬鹿だからそんなこと気づかないんだよ。んでとうとう主人公はイタリアの南端まで追いつめられる
。ここで、初めて主人公は車を降りるんだな。だがそこで由比ヶ浜が見るのは立ち並ぶ銃口、マフィアと警察に蜂の巣にされてDEAD ENDだ」

結衣「主人公あたしだったし!!ていうか警察にまで撃たれてるし!つか、あたし車返したらいいっていったじゃん!」

八幡「お前、それだよ、それ。なんでお前、俺の改心のオチを邪魔すんの?主人公なら、もうちょっと主人公らしいことしてくんない?」

結衣「改心のオチってあたしが撃たれちゃうだけじゃん!!もう、ヒッキー最低!!聞いて損した!!」

改心のオチとは意味深だな

>>652

投稿後1分足らずでそこ突っ込むのやめてくんない?っていうか指摘ありがとう…

ていうかなんで俺は大事なところで漢字を間違えるの?これじゃわざと違う漢字にしているところと、間違っているところがわかりにくいでしょ?
そもそもスレタイからして間違ってるし…どうなってんの

次スレでは間違えないようにすればいいんじゃないかな

>>654

次スレをたてるの決定事項なんだ!?
じゃあ間違いなく 大志「川崎大志っす!!」 って打ち込むようにしないと…

「めんきょ」






結衣「てかさー」

八幡「あー?」

結衣「あたしも免許とろうかなぁ」

八幡「お前今の流れでそんなこと言ってんの?マゾなの?」

結衣「そ、そんなんじゃないし!」

八幡「つか、俺たちの年齢じゃまだ車の免許はとれんだろ」

結衣「違くてー。原付の話!」

八幡「いや、お前…それはやめとけって。原付なんて娘に乗せさせたくない乗り物ナンバー1でしょ」

結衣「そうなの?なんの調査?」

八幡「いや、うちの親父の独断と偏見によるものだけどな」

結衣「ようは小町ちゃんを乗せたくないってことなんだ…」

八幡「いやでも一理はあると思うんだよ、車と違って原付ってのは乗ってる人間がむき出しだろ?例えば車と並走してる時に、ちょっと車道側によろけるか、こけでもしたら一発じゃねえか」

結衣「あー、それはそうかも…」

八幡「だいたいお前あれだろ?自転車だってまだ補助輪つけてるだろ?そんなやつが原付とか無謀すぎるでしょ」

結衣「つけてないし!馬鹿にしすぎだからぁ!てかヒッキーさっきからもしかして心配して言ってくれてるの?」

八幡「……。いや違うから、都合良く解釈すんなよ。ほらお前原付だって法廷速度は30キロだけど実際には60キロ以上のスピードがでんだぞ?それもう、完全に走る凶器でしょ。周りの人間を巻き込むっつってんの」

結衣「…そっかぁ。でもさ、学校はともかくとして原付みたいな足があると遠出する時とか便利じゃない?」

八幡「いや、お前の場合どうだろうな。多分お前、右折とかできないから、ずーっと左折し続けて同じとこぐるぐる周り続けるぞ。最後バターになるぞ」

結衣「ならないし!てか右折くらいできるし!……多分」

八幡「いや、どうだろうな。これは親父が大学生の頃の知り合いの女子の話で、実話らしいんだが、その女子はとにかく運転が下手で右折が怖くて出来なかったらしいんだよ。んでその人がある時大学に行こうとしたんだけど、右折ができないからもうとにかく左折を繰り返したんだと、大きな左折とか小さな左折とか繰り返してな。結果、その人は大学への2キロの道のりを進むのに40分かかった」

結衣「それ歩いたほうが早いじゃん!!」

八幡「しかも、その人は免許をとる時点で既に伝説を起こしてる。なにせ原付の免許をとるために、自動車学校へ行ったのに帰る時には自動二輪を契約して帰って来た。原付なんて5000円くらいで取れるのに、10万くらい払って帰ってきたんだよ。しかも実際に受講してバイクにまたがるまで気づかなかったらしいんだぜ?多分お前もそうなるよ」

結衣「ならないし!あたしそこまで馬鹿じゃないし!!」

八幡「いやぁどうだろうな…。まぁともかく、お前は原付とろうなんて考えんなよ。どっか出かけたいなら、公共交通機関つかうか、誰かに送ってもらえよ」

結衣「え~…?あ、じゃ、じゃあさ。ヒッキーが送ってくれる!?」

八幡「…。お前何言ってんの?さっきまだ車の免許はとれないって話したばかりじゃねえか、覚えてねえの?だいたい、お前のが誕生日早いんだから、免許とれるようになるのも早いだろうが」

結衣「そんなの、わかってるしー…。ちょっと言ってみたかっただけじゃん…。ていうか誕生日はあんま関係ないでしょ?どうせ高3で取ることはないんだし…」

八幡「まぁ、とっても大学入ってからにはなるよな。あれだ、まぁその時には俺らは違う大学行って縁も切れてるだろうからな。余計、送ったりなんてする機会はねえだろ」

結衣「それは…そんな…縁、切れるとか…ヒッキーひどいし…超ひどい…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」グスッ

八幡「………!」

八幡「いや、まぁそのお前。あれだ。家もそんな遠いわけでもねぇし?連絡先も知ってるしな?だから、そのあれだ、まぁ同じ方面に行く用事があったりすりゃ、ついでに乗せてってやることくらいはあるかも知れねえよな。ガソリン代かわんねぇしな?あと親の車だけどな?」

結衣「………」

結衣「………ディスティニーランド……」スン

八幡「え?」

結衣「……ディスティニーランドの方面とかでもいいの?」

八幡「そ、そらお前、一緒に…つうか一緒のつうか…まぁ、そのあれだ。同じ方面に行く用事があれば、ついでだし…いいんじゃねえの?」

結衣「ふぅん…。そっか……。なら許す…。…えへへ」

八幡「別に…許しを乞いた覚えはねえけどな。…まぁ、だからなんだ。お前もまぁお前も受験頑張れよ。俺はその、大学のランクを落とす気はねえからな?」

結衣「うん、そうする!ついでの用事、作りたいもんね!」

八幡がデレる系ぶぶんがある話は一応時期的な想定としては体育祭以降の2年の秋を考えてます。少なくとも冬にはなっていません。
最低でもハニトーの一件があるので、八幡もネットでデートコースとかネットで調べちゃったりするようなっちゃってる時期でしょうか
なので夏系のイベントは残念ながらこなせてないです
ただ結衣を2人がからかう系の短編は特に時期を限定してはいません



時系列なんてどうでもいいんだよwwwwww

「ごきぶり」









雪乃「ヒッ!」

結衣「ん?どしたの?ゆきのん?きゃっ!」

八幡「お前、今『きゃっ!』とか言わなかったか?」

結衣「ヒッキー!ごきぶり!」

八幡「お前、人をごきぶり呼ばわりするなよ」

結衣「ちがうし!ゴキブリが出たの!!」

八幡「あぁ…、お前らが食いもんとか持ち込むからだろ」

雪乃「ひ、比企谷くん!そんなことはいいから、早く退治して頂戴!」

八幡「お前らさぁ、普段ひどい扱いしてんのにこういう時だけ頼るのやめてくんない?てかこの前もこんなことあったろ、お前ら雑誌の下につぶれたゴキブリ放置しやがって。なんなの?いやがらせ?」

結衣「いいから!ヒッキー!いいからぁ!!後でいっぱい謝るからぁ!!はやく退治してよ!!100匹出て来ちゃう!!」

八幡「つってもな…。新聞紙とかねえし…あぁ、これでいいか」バシッ

雪乃「………!!」

八幡「うい、終わりっと。由比ヶ浜、ティッシュもってねぇ?これ捨ててくるわ」

結衣「あ、うん…はい。ヒッキーすごいね」

八幡「あ?普通だろ。ゴキブリぐらいでいちいびびんなよ。ただの虫だろ」

雪乃「比企谷くん…その、言いにくいのだけれど…あなたがゴキブリを倒したのって、そのノートじゃないかしら」

八幡「あ?ああ。手頃なのがなかったからな」

結衣「げ、ほんとだヒッキー!!ノートでつぶすとか信じらんない!!」

八幡「いや、いいんだよ。これ現国のノートだし、これから提出するやつだから」

結衣「え?何がいいの?…え!?ていうかそれ出すの!?平塚先生に!?」

八幡「おー、まぁ汁拭いときゃ大丈夫だろ。んじゃ、これ捨てるんと一緒についでにノートも出してくるわ」

結衣「え…?ああ…、うん…」

雪乃「…………」

結衣「…………」

雪乃「…………」

結衣「ねぇ、ゆきのん?」

雪乃「なにかしら…」

結衣「この、なんかモヤモヤした微妙な気持ちはなんなんだろうね…。動じないのはカッコいいとは思ったんだけど…」

雪乃「そうね…。どうにも言葉に言い表せないわ…強いて言うのなら『さすが比企谷くん』と言ったところ…かしら。色々な意味で」

>>665
だって聞かれたんだもの…

>>667 ごめんなさい義父さん…

>>668
てめぇ義父さんとか言ってんじゃねえぞ。うちの猛犬に食いつかせんぞ

「まま」








ガラガラ

平塚「おーい、雪ノ下はいるかー」

結衣「あ!ママ!ゆきのんなら…」

八幡「(あーあ…)」

平塚「………」

結衣「……あ」

平塚「ゆ、由比ヶ浜…わ、わたしは、さ、さすがにそんな年じゃないんだが…」

結衣「せ、せ、せ、先生すいません!先生を見てつい!?というか!!一瞬ママを思い出してうっかり!?というか!?」

平塚「………」

八幡「いやー、わからないですよね。先生がもし結婚出来るギリギリの年齢で結婚していたら、今頃このぐらいの娘がいる可能性も。プークスクスクス」

平塚「……ひ、比企谷…」

八幡「あれ?」

平塚「そ、その、さ、さすがに今の冗談は、き、きついんだが」ウルウル

結衣「ちょっと、ヒッキー最低!!先生に謝って!!」

八幡「いや!いい間違えたのお前だろ!俺悪くないだろ!」

結衣「あたしはつい『先生をママと見間違え』て、うっかり『先生のことをママって呼んじゃった』だけでしょ!?ヒッキーは『わざと』じゃん!!」

八幡「いや、お前ちょっと…」

結衣「もしヒッキーには先生が『そのぐらいの年齢に見える』んだとしても、『あんな言い方』をすることはないでしょ!?少しくらい『気を使えない』の!?『先生が結婚できないことを気にしている』って言ったのはヒッキーじゃん!!」

八幡「いや!落ち着け!落ち着け!今現在進行形でお前が一番傷つけてるから!」

結衣「あ……」

平塚「………」

八幡「………」

平塚「ゆ、雪ノ下は、せ、席をはずしているようだしな…わ、私はで、出直すとしよう」

結衣「あ、でも先生…ゆきのんなら…」


ガラガラ ピシャ


平塚「う、うう…」

平塚「なぜ、あの二人だけだと私はいつもこうも傷つくんだ!!なんで居てくれないんだ雪ノ下!!!!うわあああああああああああ!!結婚したいいいいいいいいいいいいい!!!うわあああああああああああああああああ!!」ダダダダダ

八幡「………」

結衣「もう…ヒッキーがもらってあげたら…、今回はあたしの…せいだし…」

八幡「………。お前のせいだったらなんで俺が責任とらないといけないんだよ…。因果関係がないだろ…。ていうか地雷をばらまいて、処理だけ俺に押し付けるなよ…カンボジアかよ…」

正直>>1の力量なら外部(大志)から見た奉仕部おもしろそうなんだがな


小町に手を出した場合猛犬ヒッキーが黙ってないだろうが、ね

「くろすわーど」











結衣「ねぇねぇ、ゆきのん!北京で発見された化石人類…ええと、ホモ・えれくそす…ぺきねんしす…ってなんのこと!?」

雪乃「化石人類…北京猿人…もしくは北京原人のことかしら」

結衣「北京エンジンだね!!ええっと…ぺ・き・ん・え・ん・じ・んっと…」カリカリ

結衣「ええっとじゃぁじゃあ!国王ジェームズ2世のカトリックふっかつ政策とぎかいむしに反対した議会が国王を国外に追放した、英国の無血革命ってなに!?」

雪乃「名誉革命のことじゃないかしら」

結衣「なるほど、なるほど!め・い・よ・か・く・め・い、っと、ホントだ!ピッタリ!!」カリカリ

雪乃「由比ヶ浜さん。あなた今日は一体何をしているのかしら」

結衣「へへ~、あのね。クロスワードパズルだよ!」

八幡「はぁん、なんか珍しいのやってるな。由比ヶ浜とパズルなんて勇猛果敢なうさぎみたいな感じだけど」

結衣「なにその例え…意味わかんないし…」

雪乃「なるほど、結構大きなのをやっているのね」

結衣「でもやっぱり難しいからー、二人と一緒にやろうと思って!!」

八幡「一緒にやるっていうか。答え教えてもらって、お前は書きこむだけだろ」

結衣「ヒッキーうっさい!!ね!ゆきのん一緒にやろ!!」

雪乃「なるほど…えぇ、わかったわ。協力するわ。由比ヶ浜さん、問題を読み上げて言ってちょうだい」

結衣「うん!!」

八幡「(ほんとに由比ヶ浜に甘いな)」

結衣「ヒッキーもやるよ!」

八幡「へいへい」

結衣「ジョージア州の州都で1996年にオリンピックが行われた…」

雪乃「アトランタね」

結衣「おお、さすがゆきのん!あ・と・ら・ん・た」カリカリ

結衣「次は…ええっと…悪性…ええと…悪性…ゆきのん、これなんて読むの?」

雪乃「しゅよう、ね」

結衣「あ、そっか。えっと悪性腫瘍のぞくしょう。日本人の死因の多くを占める」

八幡「それはお前でも聞かなくてもわかるだろ。ガンだろガン」

結衣「ええっと、ちょうど二文字だし。あってるみたい!が・ん」カリカリ

結衣「ええっと次は…こ、こう、こうかくるい?がん…ヒッキー?これは?」

八幡「がんしょう」

結衣「岩礁にすむ大型のエビで体調35せ…」

雪乃「伊勢エビ」

結衣「え、ゆきのんはやっ!」

八幡「好きなのな、伊勢エビ」


結衣「ええっと次はもくひょうのたんさ…」

雪乃「由比ヶ浜さん、遅い。遅いわ。ちょっと貸しなさい」

結衣「え、で、でも」

雪乃「いいから渡しなさい。ふむ…これは、イージス艦ね…」カリカリ

雪乃「江戸末期…坂本龍馬…海援隊ね」カリカリ

雪乃「ふむ…、比企谷くん。がんだむというのはなんなのかしら」

八幡「あぁ、昔のロボットアニメだな」

雪乃「では、それにとても興味のある人たちをなんと言うのかしら」

八幡「ガノタじゃねえの?」

雪乃「いえ、スペースは7文字もあるのよ」

八幡「ならガンダムオタクだな」

雪乃「そのままなのね…安直だわ…」カリカリ

雪乃「次は、聖徳太子ね。そしてこれはアルカトラズ…島も必要なのね」カリカリ

結衣「あ、あのさゆきのん?」

雪乃「いいから、いいから由比ヶ浜さんは座って見ていなさい」

結衣「はい…」

雪乃「比企谷くん、この勇者王というのは…」

結衣「………」

結衣「………サミシイ」ポショ





雪乃「ふぅ…」

結衣「あ、お、終わったの?ゆきのん?」

雪乃「ええ…ほら、見なさい」

結衣「ほんとだ…ぜ、ぜんぶ…埋まってる…」

八幡「また見事なドヤ顔だな。でも言っとくが、それはお前の独力でやったわけじゃないぞ?」

雪乃「言うわね。比企谷くん。確かに、時々混じるオタク系の問題はオタクの比企谷くん無しでは埋まらなかったことは認めてあげてもいいわ。けれど8割…いえ…9割半は私がやったのよ。私が完成させ、と言って差し支えがないように思うのだけれど」

八幡「それはお前が俺に手を出させなかったから、だろうが、この程度の問題だったら俺にだってわかんだよ。ようはオタク的知識の分、俺が勝っていると言っていい」

雪乃「…へぇ、面白いわね…、それは私に勝負を挑んでいると判断していいのかしら」

八幡「あぁ、いいんじゃないか?さっきのパズル、同じのが二つあって同時にはじめてりゃ、多分俺が勝ってたと思うしな」

結衣「なんでヒッキーまで熱くなってるの?実はパズル好きなの?」

雪乃「ならば図書室に行きましょう。たしかパズルの本が2、3冊はあったはずだわ」

八幡「よし…わかった…」

結衣「え?二人とも本当に言っちゃうの?私は?私は言っていいの?ぶ、部室開けっ放しでいいの!?ねぇ、荷物も置きっぱなしだよ!?私は荷物を見てなきゃいけないの!?ねぇ!!聞いてってばぁ!!」

おまけ 結衣…いやゆきのんがやっているクロスワードです

http://wktk.vip2ch.com/vipper6016.bmp
http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper6016.bmp

タテのカギ
1 趣味としての園芸、庭仕事
4 イスラム教を信じる人のこと
7 音声を電気信号に変換して離れた場所に送り、再び音声に戻して通話する機械
9 竹やわらで作った人形。蓑(みの)や笠をつけて田畑に立て、人に見せかけて鳥などが作物を荒らすのを防ぐもの
12 機動戦士ガンダムにとても興味のある人のこと
14 物事をなしとげる気力・活力。精力。「仕事で―を消耗する」「若い―」

15 江戸末期、坂本竜馬らが長崎亀山で組織した貿易結社
17 甲殻類。岩礁にすむ大形のエビで体長約35センチに達する。千葉県が漁獲量日本一
18 主に海に生息する。硬い殻を持ち、ほとんど動かない
21 とてもよく努力する人のこと。頑○○屋
22 米国カリフォルニア州、サンフランシスコ湾にある島。かつて連邦警察署が置かれていた
25 ガスが管中を通過する量を測定する計器
27 英国の無血革命。国王ジェームズ2世のカトリック復活政策と議会無視に反対した議会が、国王を国外に追放した
29 銀行や市役所などで、直接客に対応する人のこと
31 ユーラシア大陸にかつ生息していたクマの一種。その名のとおり洞窟や洞穴にすむ
33 うしろ。後部。背面。「―シート」「-タイヤ」
35 犬の一品種。警察犬や、軍用犬として用いられる
37 大根の漬物
38 犬や猫などのペット
39 石弓の一種。銃に弓を水平にとりつけた形をしており、引き金をひいて矢を発射する。
40 カミツキガメ科に分類される。アメリカに生息
41 食い意地が張って、むやみと食べたがること。また、そういう人や、そのさま
42 米国北東部、エリー湖の南にある州。州都はコロンバス
44 ○○○○○の神になる
46 故事からより、両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ -を得る
47 進撃の巨人の登場人物。-・フーバー。影が薄い
51 高速で主要都市間を結ぶJRの鉄道
52 人間の上肢の筋肉
53 主として灯光を用いて、航行中の船舶にその所在などを明示する塔状の施設
56 自動車の方向変換機構。また、そのハンドルのこと
58 古武道の抜刀術を現代武術化したもの
60 トルコ石
61 映画を上映する場所、多くの人が入場できる
62 日本の俳優・歌手。1965年に『君と涙とほほえみを』でデビューした
64 集英社の販売する男性むけファッション誌
65 目標の捜索・探知から情報処理、攻撃までを自動処理する高性能対空ミサイルシステムを搭載した軍艦
66 1000年。1000年間。千年紀。
68 皮膚や粘膜が青紫色になった状態。血液中の酸素の減少によるもので、呼吸困難や血行障害によって起こる
71 江戸時代の金貨幣保管用の容器。小判を収容する
75 悪性腫瘍の俗称。日本人の死因の多くを占める
76 ギリシャ神話に登場する。運命の女神。モイラニ三姉妹の末妹
77 関東地方の台地や丘陵を覆う赤褐色の風化した火山灰層
79 指輪物語の登場人物。かつて指輪を所持していた。小説版ではつばを飲み込む音からゴクリという名前だった
81 鳥類の一種。平和の象徴ともされる
84 ○○○○瑛士。日本の芸能人
85 事件のーが明らかになる
86 )報道記者などが取材のために人と会って話を聞くこと
87 中国北京で発見された化石人類。ホモ・エレクトス・ぺキネンシス。-原人とも


ヨコのカギ
1 勇者王シリーズ(TV)最後の作品。ファイナルフュージョン承認というセリフが有名。ゴルディオンハンマーなどの技を持つ
2 労働時間には関係なく、出来高に応じて賃金を支払うこと。また、その賃金。仕上高払い。仕事高払い
3 国家などが所有する。軍事行動をとれる組織
5 プラスチックフィルム・アルミ箔(はく)・紙などを貼り合わせて層にすること。フードメニューなどの保護に用いる
6 日本の地本区分の1つ。本州中央部より太平洋側
8 アジア各地で食べられる麺料理の一種でワンタンと呼ばれるものが入っている
10 とてもよく晴れること
11 中華料理の一つ。えびのすり身を小麦粉の皮で包んで蒸したもの
13 陸生のヤドカリ。海岸近くの林床にすみ、甲長3.5~4センチ。沖縄などに生息
16 空気圧でBB弾を発射するおもちゃの銃
19 ウォッカベースのカクテル、グラスの縁に食塩を添える
20 無言電話など、受け取り手にとって迷惑な電話のこと
23 小学生の通学用の背負いかばん
24 大人でありながら、容貌やしぐさに子供っぽい一面のある人
26 千葉動物公園にもいるオーストラリア原産の有袋類
27 徳川幕藩体制崩壊から明治新政府による中央集権的統一国家成立と資本主義化の出発点となった一連の政治的・社会的変革。
28 温泉地に設けられた保養所。多くは入浴施設とスポーツ施設をあわせもち、専門家の指導のもとに健康増進をはかる
30 全国高等学校総合体育大会の俗称
32 カナダ、オンタリオ州にある巨大な滝
34 二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること
36 ベースの演奏者
43 行儀作法のこと。--よくしなさい
44 名は厩戸皇子。豊聡耳(とよとみみ)皇子・上宮(じょうぐう)太子ともいう。叔母推古天皇の摂政として内政・外交に尽力。冠位十二階・憲法十七条を制定したとされる。近年ではその存在を否定する動きもある
45 バルカン半島南東部にある共和国。東は黒海に臨む。首都ソフィア。明治ーヨーグルトが有名
48 霊長目ショウジョウ科の哺乳類の総称。ヒトに最も近いサル類。--の威嚇
49 車などで出発前に機器が無事かどうか確認すること
50 敵軍を全て倒すまで戦うような戦闘方法のこと
52 重い物が落ちたり動いたりしたときの音や震動が、地面を伝わって響いてくること。また、その響き
54 とても好きな食べ物
55 人為的に結ばれた親子関係における子供のこと
56 日本最大のハチ。体は黒と黄褐色の縞模様。腹部に毒針をもち、攻撃的で、毒は猛毒。
57 大ぶりの深い杯。またはぐいと一気に飲む様
59 仕事の補佐をする人。助手。カメラマンのーー。--ディレクター
63 車種の一つ。座席の後ろに荷物を積む場所があり、屋根が後端まであるもの。
67 無線LAN機能を内蔵した。ブロードバンド機器。
69 神経症
70 総務省の内部部局の一つ。自治ーー。税に関わる業務を行う
72 バラ科の落葉高木。おもに秋に収穫される果物。青森などが有名
73 健康)のための各種器具・設備を備え、専門のインストラクターや健康管理・体力づくりのプログラムをもつ、会員制クラブ
74 中古の反対。まだ手がつけられていないもの
76 ジョージア州の州都。1996年にはオリンピックもおこなわれった
78 感謝を伝えること。--を言う
80 ラグビー。また、その選手
82 長35~55センチ。全体に灰褐色で羽は毛状。翼は退化して飛べず、脚が太くて短い。ニュージーランドに生息
83 歌唱を中心にして演じられる音楽劇。16世紀末イタリアで誕生。管弦楽を伴奏とし、扮装(ふんそう)した歌手が舞台上で演技を行う。歌劇。

22.32.37.26.31.7.21.23.40.48.17.54.27.13.12.56.82.
49.53.73.79.28.

10.8.17.30 !!

「あにめ」















結衣「ねぇねぇヒッキー、アニメ見たい」

八幡「見りゃいいだろ」

結衣「違くてー。ヒッキーのおすすめの奴を見てみたいってことー」

八幡「だったらそう言えよ。言葉足りなすぎだろ、お前高倉健なの?」

結衣「高倉健って誰だし!ていうか言葉足りなくないし!」

八幡「いや、言葉は足りてねえぞ。そこ否定すんなよ。つかお前健さん知らねえの?」

結衣「知らないし…。あ、いや名前は聞いたことあるかだけど、詳しくは知らない」

八幡「遅れてるな、お前。しんのすけだって高倉健知ってんだぞ。その辺勉強して出直せよ」

結衣「いやいや!違うし!それでごまかされないし!また適当な話に振っていい加減に会話終わらせようとしてるでしょ」

八幡「なんでわかんの?」

結衣「わかるし!いつものパターンだし!!そう何度も騙されたりしないから!!」

八幡「いいんじゃねえの?女子はちょっとくらい騙されやすくってアホっぽいほうが可愛いと思うぞ?」

結衣「え!?可愛い!?ほんと!?……えへへ」

八幡「……まぁ、一般論を述べただけだけどな」

結衣「ヒッキー!?」

八幡「んで?なんで今度はアニメなの?こないだ漫画貸したばかりだろ?あれはもう全部読んだの?」

結衣「ううん、ちょっとは読んだけど…っていうかヒッキー!あの寄生獣って漫画、超グロいじゃん!!」

八幡「そうか?あれ、ベルセルクとかに比べりゃ全然グロくねんだけど」

結衣「そんな漫画知らないし…あたし基準で言えばあれ超グロいし…」

八幡「つか、どこまで読んだんだ?」

結衣「あの、右手が変な形になって『残念だ…』とこ」

八幡「序盤も序盤じゃねえか」

結衣「でも、だって無理なんだもん!しょうがないじゃん!!あれ超怖かったし!」

八幡「そうか、まぁあそこの時点で無理なら別のやつのがいいかも知れないな」

結衣「でしょー?だからほかの漫画かー、それかほら!アニメって可愛い女の子とか、動物とかでてくるやつ多いんでしょ?ああいうちょっと癒されそうなやつ貸してよ!!」

八幡「えー?そういう萌系は材木座の担当なんだけど~?」

結衣「なんでそこで中2が出てくるし!別に中2から借りたいとか思わないし!」

八幡「おまえ、それ結構ひどいこと言ってること気づいてる?」

結衣「違うし!そういう意味じゃないし!!ヒッキーから借りたいって言ってるだけじゃん!」

八幡「………つってもなぁ。ああ、あれなんかいいかもな。魔法少女とつかサイカ!」

結衣「ヒッキー魔法少女ものなんて見てるの?それはさすがにあたしも小学校で卒業したんだけど…、ていうかとつかサイカってさいちゃんじゃん!さいちゃん魔法使えないし!アニメじゃないし!そもそも少女じゃないし!!」

八幡「いや、そこらの少女より実際可愛いだろ。癒されるだろ?」

結衣「そりゃ、癒されるけど!そういうこと言ってんじゃないし!ていうか、ほんとどんだけさいちゃんのこと好きなの!?」

八幡「なんなの、ちょっとわがまますぎるでしょ」

結衣「わがままじゃないし!ヒッキー、自分がむちゃくちゃなこと言ってるって自覚してる!?」

八幡「じゃあ、あれだ。魔法少女繋がりで『魔法少女まどかマギカ』でも見ればいいんじゃないの?」

結衣「あ、さいちゃんの話ってフリだったんだ…相変わらずわかりにくいし…てかどういうのなの?」

八幡「あー、それはひらあれだ。こういうの」カチカチ

結衣「なにヒッキー…アニメの画像携帯に保存してんの?」

八幡「なんで引いた顔してるんだよ…ちげえよ、公式サイト開いただけだろ」

結衣「うーん…でもなんかこの女の子たちっておもちみたいじゃない?」

八幡「おもちとか言うなよ…。てかこういう系が見たかったんじゃねえの?」

結衣「うーん…」

八幡「ほら、こういうのも出てるぞ?」

結衣「あ!なにこの動物超かわいいんだけど!!ヒッキーこれこれ!!あたしこういうのが見たかったの!!」

八幡「おー、そうか。ならTSUTAYAかどっかで借りて見てみろよ。動いてるともっと可愛いぞ」

結衣「ヒッキー持ってないの?」

八幡「もってねえな。円盤は高いから買えねぇっつか買わねえんだよ」

結衣「円盤って?」

八幡「アニメのブルーレイとかDVDとかのこと、そう呼ぶんだよ」

結衣「はぁー、なるほど」

八幡「まぁお前の場合、借りてきて一回みりゃ大丈夫だろ。3話にすごいシーンあるから。とりあえず、そこまで借りてみてみろよ」

結衣「うん!わかった!!」

比企谷家
八幡「…………」ハァ!

八幡「…………」ワタシニマカセテッ!

八幡「…ああ、くそ…メディックが…」サイモーン!

八幡「………」アーサー!

八幡「はいはい、全滅全滅」

ブーブーブーブー
八幡「…………」チラッ
ブーブーブーブー
八幡「…………」
ブーブーブーブー
八幡「…………」
ブッ
八幡「…………ふぅ」

ブーブーブーブー
八幡「…………」
ブーブーブーブー
八幡「…………」
ブーブーブーブー
八幡「…………」
ブツッ

トタトタトタトタ

八幡「あー、そう来たか」

ガチャ

小町「おにいちゃーん!結衣さんから電話ー!なんか変わってくれって!っていうかなんか珍しくちょっと怒ってるよ?なんかしたの?」

八幡「いや、別に」シッシッ


八幡「んで、何?」

結衣「何じゃないし!!なんで電話でないの!?」

八幡「いや、コンビニ行ってたから」

結衣「嘘つくなし!!今電話通じてるじゃん!!ていうか女の子死んだんだけど!!あれも十分グロじゃん!!ギャップで余計ダメージ受けたんだけど!?」

八幡「なー?結構来ただろ?」

結衣「『来ただろ?』じゃないし!!あたしそういうの求めてるって言ってないじゃん」

八幡「いや、ほらお前。俺も初めて見た時あれに結構ショック受けたんだよ。だからお前にも俺と同じ思いを感じて欲しかったんだよ」

結衣「お、同じ思い…?!」

八幡「………」

結衣「そ、そういうことなら仕方ないね…」

八幡「(あれ?)」

結衣「た、確かにあ、あたしもヒッキーと同じ思いを感じられてう、嬉しかったし、そ、そういうことなら…わ、わからなくもないから。で、でも!これはもう見ないからね!!今度はもうちょっとまともなの教えてよね!?」

八幡「あ、ああ…」

結衣「あ、それと、小町ちゃんに代わってもらえない?さっきのこと、ちょっと謝りたいし」

八幡「あ、ああ、わかった。おい、小町ー、由比ヶ浜が電話代われってー」

小町「およー?はいはーい、結衣さん。小町ですよー?え?いえいえー、そんなこと全然気にしないでください、もーこちらこそうちの愚兄が」

八幡「おい!!」

八幡「………」

八幡「てか、さっきのあの適当な一言で納得するとは思わなかったな…」

八幡「正直もうちょい遊ぶつもりだったんだけどな…」

八幡「はぁ…どんだけちょろいの…あの子。まぁ…人のことは言えん、か」

ほんとにちょっとみんなあたしのこと馬鹿にしすぎなんだけど!!みんなあたしのこと馬鹿だとか思ってない!?

ちょろがはまちょろまん

>>713
婿入りして由比ヶ浜さん家の子になっちゃったのか、八幡

「いかんのい」








八幡「そういや、昨日例の政治家捕まったよな」

結衣「それってちょっと前から話題になってた人のことでしょ!?へぇ~捕まったんだ!!」

雪乃「意外だわ…あなたは世間から隔絶されて、否が応もなく世の中の流れからは取り残されていると思っていたのだけれど、思っていたよりは文明的は生活をしていたのね…」

八幡「ばっかおまえ、社会が俺を置いてっているんじゃない、俺が社会を置いてっているんだよ。あれだ、動画サイトのランキングに入ってる動画なんて俺は5年前に見てたからな。5年前に」

雪乃「なんの自慢なのか、まったくわからないのだけれど。それとそういう話なら私は猫鍋もVery Angry Catも再生数が2桁の時から既に見ているわ。わたしの勝ちっということでいいかしら」

八幡「まったくわからないとかいいながら、完全に理解して自慢仕返してんじゃねえかよ…。ああ、もう、まぁいいよ、別にそれで」

雪乃「………」フッ

結衣「それで?その人って何したの?」

八幡「あぁ、まぁ建設関係の会社から金を受け取ってたんだよ。その見返りに工事の発注してたわけだからな。まぁ端的に言えば賄賂だな」

結衣「へぇ~!じゃあ汚職事件ってやつだね」

雪乃「っ!?」

八幡「っ!?」

結衣「ふふーん、どうしたの?二人とも?」

雪乃「由比ヶ浜さん…驚いたわ…」

八幡「同感だ。由比ヶ浜、俺はてっきり…」

結衣「てっきり、汚職事件を『お食事券』とか言うと思った?馬鹿にしすぎだから~!」

雪乃「由比ヶ浜さん…今日、部活の後、時間は開いているかしら。あなたの好きなケーキを買ってうちで二人で食べましょう?それと…昨日とてもいい茶葉が届いたの。ぜひ、あなたに飲んでもらいたいわ」

結衣「やったぁ!ゆきのん!!絶対行くよ!!」

雪乃「………」ナデナデ

八幡「(期待値が下がっていただけに、一気にめちゃくちゃスコア稼いだんだな…いまの雪ノ下は完全に慈愛の女神モード)」

結衣「ヒッキーもこれでわかった?私は実はやればできる子だってことに!!」

八幡「確かにな。まぁ雪ノ下と違って、これまでの失点が一気に覆るほどじゃないけどな。多少は見直したよ」

結衣「えへへぇ…そうでしょー。まぁこれに懲りたらあたしをあんまり馬鹿にするのはイカンのイだよ!!」

八幡「ん?」

雪乃「え?」

結衣「え?」

八幡「遺憾の意だろ…?」

結衣「うん、イカンのイ…でしょ…?」

八幡「お前さっきのそれ…イカンって…ダメって意味で使ってないか?」

結衣「え?だってそうでしょ?ダメって意味の言葉でしょ?大阪語でしょ?」

八幡「(アカン)」

雪乃「由比ヶ浜さん…その…遺憾の意の遺憾というのは『残念だという気持ち』を表すものであって…相手の行動などを否定する言葉ではないの…」

結衣「え、そ、そうなの?」

八幡「(アカン、アカンパターンやわ。これ。反動で雪ノ下はんにめっちゃダメージが入るパターンやわ)」

雪乃「ええ、それに…意というのはそのまま意味という意味であって『いかん』という言葉から『かん』をとって『い』にしたわけではないの…」

結衣「そ、そうなんだ…」

八幡「(アカンわー、雪ノ下はんのこんな表情はじめてみたわー。体全身で遺憾の意を表明しとるわー)」

雪乃「その…ごめんなさい…。さっきの、ケーキの話はなかったことにしてもらっても構わない…かしら。その…今日は一人で色々とこれからのことを考えたくなってしまったものだから…」

結衣「ゆ、ゆきのん…?」

雪乃「ごめんなさい。今日はもう…帰るわね…」

結衣「ゆ、ゆきのん!!ちょ、ちょっと待って!?」

雪乃「ごめんなさい…少し…一人にしてちょうだい」ウル

カラカラカラカラ パタン…


結衣「………」

八幡「………」

結衣「あ、あのさヒッキー?」

八幡「よし、雪ノ下も帰ったし今日は部活終わりでいいよな?俺たちも帰ろうぜ」

結衣「なんのフォローもなし!?ね、ねぇ!ちょっと待ってよ!ヒッキー!!慰めるか、叱るか、けなすかどれかしてよぉ!!放置しないでよぉ!!ねえ!!ヒッキー!?ねぇ!?」

>>721

最後の行
Mヶ浜さんか!

ネタを拾ってくれる上に、さらに面白く構成してくれるんだからパねェわ>>1さんw

ところでイカンは大阪弁だったっけ

>>724
Mと言うよりは…多分かまってちゃん。
ワンコが「ねぇねぇご主人!何してるの!?それ!おいしいもの!?ねぇ食べられるの!?それとも散歩に行くの!?散歩!?やったぁ!?え!?行かないの、リード持って行かないの?あたしはいかないの?ねぇ、ねぇ…そっかあたしいかないんだ…」シッポピタ
みたいな感じ、ていうか書いてて想像以上にそのものだった
>>726
タイトルだけもらって改変しちゃうことが結構あるので、気になっていたんですけど、喜んでもらえて嬉しいです!またネタをぜひ!

というか大志くんのネタつっこんでよぉ!>>673とか買いかぶりすぎだからぁ!自分の中好きなキャラランキング7位の大志くんメインで書き続けるとかできないからぁ!一瞬、小町と大志メインの『ほうしぶ2代目』とか書いちゃおうかなーとか思ちゃったじゃん!しかも大志の一人称視点で!やだ…なにそれ…誰得…

マジでヶ浜さんのサブレ化が進行しとるな
これぐらいに「何も考えずに走れ!!」って行くのが八幡を落とすのに有効みたいだ

ここの大志キャラ立ってて好きなんだけどな、だから>>673のレスしましたし
もし大志メインの書かれるのなら絶対見ます

>>727
私は関西以西のローカル県出身なのですが、地元ではダメという意味で「いかん」を使っていました。ただ大阪ではないのかなーとは思います。まぁ、ゆいちゃん大阪語とか言っちゃってるんで、「方言=大阪のイメージ」って感じです
>>730
ありがとう。僕も大志は実際、男キャラでは八幡についで好きです

「うずうず」










八幡「つうか、この前の由比ヶ浜じゃないけど、子供の頃に勘違いしてた言葉ってのはあるよな」

雪乃「私には全く身に覚えがないのだけれど、いったいどういうものを指して言っているのかしら」

八幡「そうだな、まずは『透明高速道路』だな」

雪乃「なるほど…『東名』を『透明』と勘違いしているのね。確かに、子供の考えそうなことだわ」

八幡「だろ?これは多分由比ヶ浜も勘違いしてるぞ、多分帰省ラッシュのニュースとか見て『ねぇねぇゆきのん!透明高速道路の透明ってどこが透明なの!?もしかして地面!?それって下が見えて怖くないのかなぁ!』とか言うぞ」

雪乃「あなた、それは由比ヶ浜さんの真似をしているの?まったく似てないし、それにあなたの口からゆきのんという単語を出さないでもらえるかしら。あまりに気持ちが悪くて、胃の内容物が逆流しそうだわ」

八幡「そりゃ、すまんかった。ほら、ほかはあれだ。『カレー臭』とかな。『年をとるとカレーの匂いがするようになるの?』って聞いてくるだろう」

雪乃「そうね…あなたの似ていないモノマネはさておき、由比ヶ浜さんの言いそうなことよね。中途半端に真実が混ざっている分、あなたの嘘と一緒で質が悪いわ」

八幡「そうやっていちいち俺を攻撃すんのやめてくんない?あとはほら『学校の階段』な」

雪乃「それはないでしょう?以前、由比ヶ浜さんのほうからその話を振ってきたじゃない。さすがに『怖い話』という認識くらいはあるのではないかしら」

八幡「ああ、それはそうな…。でもこれは確実に間違えてるぞ『扶養家族』を『不要家族』って言う奴な」

雪乃「けれど、その言葉はある種、言い得て妙なのではないかしら。あなたの存在はご家族にとって必要性が皆無でしょう」

八幡「お前、俺がいらない子みたいな言い方するのやめてくんない?ていうか俺全然『不要』じゃねえし、家族に超愛されてるし」

雪乃「愛されている子供はバースディーケーキの名前を間違えられたり、家族旅行に置いていかれたりしないと思うのだけれど」

八幡「うるせー。別に置いてかれてるんじゃなくて自分で進んで家の守りを買って出てるんだよ、自宅警備隊なんだよ」

雪乃「別に、比企谷くんの家に誰も攻めてきたりはしないと思うのだけれど」

八幡「だいたいだな。俺はもう17年間養われる経験をつんできて、もはや養われることに関してはプロ級なんだよ。この先だってあと20年くらいは養ってもらわないいけないんだから、愛されてなきゃ困るじゃねえか」

雪乃「あなたそれ本当に『不要家族』化しているじゃない…。ご家族にとっての不良債権もいいところよ。早々に損切りを行うべきだわ」

八幡「もうすでに損が確定しているような言い方やめてくんない」

雪乃「そうね…時に真実はあまりに残酷でもあるものね…」

八幡「おい、悲しそうに目を伏せんのはやめろ」

雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「………」ウズウズ

八幡「………」ウズウズ

雪乃「…それにしても遅いわね…」

八幡「…だな。多分また教室で三浦とかと話しているんじゃねえの?」

雪乃「……。まったくあの子は部活のことを一体なんだと思っているのかしら。だいたい授業が終わった時点で、あなたがすぐに彼女を連れてくれば済む話でしょう?」

八幡「いや、俺が教室であいつに話しかけるわけにもいかんでしょ。あいつにも立場ってもんがあるんだからさ。俺からは不干渉を貫くって決めてんだよ」

雪乃「まったく、自己認識に長けているのかいないのか、相変わらずよくわからない男ね、あなた。けれどあなたに話しかけられたりしたら、彼女の学校での立場が危うくなってしまいかねないものね、たしかに私の認識が甘かったわ」

八幡「………。………だろ?」


パタパタパタパタ!

雪乃「来たわね」

八幡「来たな」

パタパタパタパタ!

雪乃「じゃあ、今日は『カレー臭』でいく、ということでいいのかしら」

八幡「まぁ、いいんじゃねえの?」

ガラガラガラ!

結衣「やっはろー!!遅れてごめんね!!優美子たちと話し込んでたら遅くなっちゃって!」

八幡「おす」

雪乃「いいから、早く席につきなさい、由比ヶ浜さん。部活はもう始まっているのよ」

結衣「うん!」

八幡「(さて…まずはどうやってカレーという言葉を引き出すか…だ。そう言えば以前カレーパーティーがどうとか、こいつ言ってたよな……そうだな……まずはそこから派生させてーーー)」

このSどもが!!





いいぞ、もっとやれぃww

八幡が「わん」と鳴かせてバウリンガルで解析したら
『ご主人様大好き』と出て真っ赤になって逃げヶ浜さん

「わんわん」













結衣「ねぇ、ヒッキー?ゆきのんがにゃーんっていうの聞いたことある?あれ超可愛くない?」

八幡「いきなり、なんだよ。まぁ確かに意外ではあったな。つかお前も見たことあんの?」

結衣「あるよー?この前二人で買い物行った時に、ペットショップ寄ったらさー、ゆきのん猫の前から動かなくなっちゃって」

八幡「あいつらしいな」

結衣「でさ『わたしはここで待っているから、あなたは必要なものを買ってきたらどうかしら』とか言うの」

八幡「あいつらしいな。でもモノマネは似てねぇな」

結衣「だからサブレのおやつとか、色々買って戻ってきたんだけど。そしたらまだゆきのん、ほとんど微動だにせずにガラスの前に、張り付いててさー。小声で『にゃー』『にゃー』って言ってたの、もー超可愛くて萌え死ぬかと思ったー!」

八幡「お前、萌えとか使うの?どこで覚えたの?」

結衣「へ?あ、ほら。この前ヒッキーにおすすめしてもらったアニメで、あたしと同じ名前の女の子が使ってたじゃん」

八幡「ああ、けいおんな」

結衣「そうそう、あれの海行く話?ていうかその前から普通に知ってはいたよ?あんま使ってはなかったけど」

八幡「そうなんだ…オタクだけの言葉じゃなかったんだ…」

結衣「あれ?それでなんの話してたんだっけ?」

八幡「いや、雪ノ下がにゃーにゃーいう話だろ」

結衣「あ、そうそう!で、ヒッキーはいつ見たの?」

八幡「あー、ほら昔、川崎を猫で釣ろうとしたことがあったろ?」

結衣「あったあった!懐かしいね!」

八幡「あん時、雪ノ下うちのカマクラと話してたんだよ。にゃーにゃーにゃーにゃーってやり取りしててな。あいつ実は猫語も話せるんじゃないかって、ちょっと思ったな」

結衣「なにそれー、ゆきのん超かわいい…。あ、でもさでもさ!ゆきのんってなんとなく猫っぽいから本当に猫語とかわかりそうだよね!」

八幡「まぁ、他人に媚びないところとか、超マイペースなところとかな。でもそれ言ったらお前もすげぇ犬っぽいだろ」

結衣「え?そう?」

八幡「ああ、なんか人懐っこい感じのとことかな。つうかお前がサブレ連れて歩いてたら、一瞬どっちが由比ヶ浜だったか迷うくらいだ。実際、この前サブレがうちに来てた時とか、『あれ?由比ヶ浜、お前こんなところで何してんの?』とか話しかけちまったくらいだぞ」

結衣「ちょっと!それはいくら何でも失礼だし!」

八幡「いや、でもあれだ、雪ノ下に抱きついてる時とか超犬っぽいぞ。なんならぶんぶん振られてる尻尾がぼんやり見えるレベル」

結衣「わんわん!!」

八幡「おい」

結衣「わんわん!!」

八幡「おい、お前それはちょっとやめろ、色々やばいから」

結衣「くぅん?」

八幡「いや、くぅん?じゃねえから、首を傾げんじゃねえよ」

結衣「へへ、似てた?」

八幡「……。いや似てたっつうか、まんまだったな。お前のほうはまじで犬語が喋れんじゃねえの?」

結衣「へへ…あ!!じゃあさ、じゃあさ。あれ使おうよ」

八幡「あれってなんだよ」

結衣「ほら!ヒッキーの携帯に入ってるでしょ?」

八幡「俺の?ああ…イヌリンガルか。お前がサブレに『この人、だれー?』って言われたやつな」

結衣「それ言わないでってばぁ!!ちょっと傷つくからぁ!!」

八幡「えっと…ああ、これだ。夏以来使ってねぇから、削除したかと思ったわ。んで?これをどうすんの?お前がこれに話しかけんの?」

結衣「そうそう!!あたしが犬語しゃべれたらー、そこに訳が出るはずじゃん?」

八幡「あー、あるかもな。俺も未来(あす)への希望を託して『BOWBOW!』って吠えてみたらばっちり訳されたからな」

結衣「なんて言ったの?」

八幡「働きたくないでござる!!」

結衣「…うわぁ」

八幡「引くなよ…。いいだろ、自分偽ってるやつらよりは。自分に正直で」

結衣「ヒッキーはもうちょっと別のところで素直になったほうがいいと思うけど…?」

八幡「ほっとけ。つうかやるの?やらねえの?」

結衣「あ、ごめん、やるやる!!」

八幡「んじゃ…ほい、俺が持っとから、画面に向かって吠えてみそ」

結衣「わかった。うん、じゃあ。わんわん!!」

八幡「お、処理中になったな。認識したぞ」

結衣「なんて出るかな?」


ピロン
(ご主人様大好き!!)


八幡「………」

結衣「ちょ、ちょ、ちょ、な、な、な!!」

八幡「………」

結衣「ひ、ひ、ひ、ヒッキー!?こ、こ、これどういうこと!?あ、あ、あ、あたしご主人様なんて言ってないんだけど!?」

八幡「い、いや、そんな真っ赤になるほど俺に怒んなよ…!っていうか、お、俺がしたんじゃねえし!」

結衣「う、ううーー」

八幡「ああ、ほらこれはあれだ!!な、夏以来結構使いまくって酷使してたからな、こ、壊れてんじゃねえの?」

結衣「う、うううう」

八幡「それに、ほ、ほら、あれだ!!こんな犬語、自動翻訳機の精度とかあ、あてになんないし!?遊びみたいなもんだしな!?」

結衣「う、うううううう。あ、あ、あ、あたし今日はもう帰る!!!う、わーーーーーん!」

ガラガラ!ピシャ!
ダダダダダダダダ!

八幡「………」


ピロン

八幡「………?」


(馬鹿!!でも大好き!!)


八幡「このアプリの制作者…マジ何考えて生きてんの…?おかしいだろ?人を勘違いさせる趣味でもあるの…?まじでどうなってんの…」

マジぱねぇわーwwwwwwwwwwwwwwwwww義父様の娘さん頂いていいっすかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

すげぇ、ここまでやってもらえるとは思わんかった
これだからこのスレに引っ付いてネタ振りするのが止められん

あれ?sageれてねぇ…
すんません

「ぱんけーき」










八幡「なぁ、小町。お前、さっきから台所でバタバタして何してんの?」

小町「ちょっと準備をしてるんだよっと」

八幡「準備ってお前、勉強のほうはいいのかよ」

小町「7時に起きて、ちゃんとさっきまで勉強してたから大丈夫だよ」

八幡「はぁん、ならまぁ気分転換も必要か。でもなんだ、昼飯だったら俺が作るぞ?腹減ったし」

小町「いいのいいの!お兄ちゃんは座ってて!小町、ちょっと今日はお兄ちゃんに特別なもの食べてもらいたいと思ってるから!あ!今の小町的にポイント高い!」

八幡「はいはい、そうですね。ていうか特別なものってなんだよ」

小町「それ言ったらサプライズにならないじゃん。いいから、お兄ちゃんは座っててよ」

ピンポーン

八幡「お、客だ」

小町「お兄ちゃん、出てあげてー」

八幡「へいへい」

ガチャ

結衣「あ、ヒッキーやっはろー!」

八幡「あれ、どうしたサブレ?なんだお前また迷ったの?」

結衣「サブレじゃないし!あたしだし!!」

八幡「おお、そうか。すまんな。よく似てたからな」

結衣「似てるのはいいけど、見間違えるほどじゃないでしょ!?」

八幡「んで?どうしたんだよ、由比ヶ浜。って言うかお前はなんでゴミ箱持ってんの?最近の流行りなの?」

結衣「流行ってるわけないし!!これは来るときに100均で買ってきたの!!」

八幡「だからそのゴミ箱をなんで持って来たのか聞いてんだけど。いくら俺相手だからってゴミ箱渡すのはひどいだろ。なに?お前をゴミ箱に捨ててやろうか!?的な意味なの?泣くぞ」

結衣「違うし!!そういうんじゃないし!ていうかあたしは小町ちゃんと約束があって来たの!」

八幡「小町と?」

小町「あ、結衣さーん。やっはろーです!お待たせしました、ささ、どぞどぞあがってください」

結衣「小町ちゃん、やっはろー!!じゃあ上がらせてもらうね。ヒッキーもお邪魔します」

八幡「お、おう?」

× × ×

八幡「まぁ、座れよ」

結衣「あ、ううん。大丈夫。あたし準備があるから」

八幡「準備?おまえも?」

結衣「んしょ」

八幡「………」

八幡「…お前、何着てんの?」

結衣「何って?エプロンだけど?」

八幡「いや、そりゃ見りゃわかるんだけどさ…」

小町「結衣さーん。じゃあ、はじめましょー」

結衣「あ、はーい」

小町「あ、結衣さん例のものは?」

結衣「あ、これこれー」

小町「おー、これはこれは…ふんふん。これは形といい、大きさといいばっちりじゃないですか!いい仕事してますねぇ~」

結衣「でしょでしょー?」

八幡「どういうことなの…うちの妹はゴミ箱鑑定士かなんかなの?」


× × ×


八幡「………」

結衣「ふんふんふーん」

小町「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

八幡「んだよ、小町」

小町「どうどう?自分ちの台所にクラスメイトの女子が立っているのを見ている気分は?」

八幡「いや…お前、けどお前、正直、由比ヶ浜と台所って組み合わせの時点でいい予感はしないんだけど…?」

小町「まぁまぁ、今日は小町も付いてるから!あ、結衣さーん、フライパンはそこの使ってくださーい」

結衣「あ、はーい」

八幡「………」

八幡「(確かにくるものはある…アップにしてるからチラチラみえるうなじとか…ただ)

八幡「(一体どういうことなの?)」

八幡「………」

結衣「ひ、ヒッキー?お、お待たせ」コト

八幡「……あん?……これは、ホットケーキ?」

結衣「ぱ、パンケーキだよぉ!」

八幡「(同じだろ…)」

八幡「つか、どういうことなんだよ、小町ー?説明しろよ?」

小町「小町最初に言ったよ?『今日はお兄ちゃんに特別なもの食べてもらいたい』って、小町が作るとは一言も言ってないよ?」

八幡「ニヤニヤすんな…うぜぇ…」

結衣「ね、ねぇ!た、食べてみてよ!!」

八幡「お前、ま、まじで言ってんの?確かに見た目はまともだけどよ…」

結衣「味もまともだし!ほら!」

八幡「えー?」

八幡「………」ヒョイ・ムグムグ

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」ヒョイ・ムグムグ

結衣「ど、どう?」

八幡「………。まずかったらとっくにフォーク置いてるし、いまごろお湯でも湧かしてるだろ。だいたい二口目とかいってねぇっつの……」ムグムグ

小町「まーた、お兄ちゃんは…」

結衣「えーと…それって…。ほ、本当!?や、やったぁ!!」

小町「結衣さん、ハイタッチです!ハイタッチ!いえーい!」

結衣「いえーーい!」

八幡「(まぁ、ホットケーキの素とか置いてたし、卵と混ぜて焼くだけだもんな。でも、つーことはとにかく一つのことに集中させれば意外と光明はあんのか?)」ムグムグ

小町「じゃあ、結衣さん!私たちも食べましょう!!」

結衣「うん!!あ、ひ、ヒッキー?お、お代わりは?」

八幡「あ?………」

八幡「ああ…じゃあ…もらうわ。腹、減ってるしな」

八幡「(まぁ、問題は一つの料理につき…一人が犠牲になりかねないこと、だろうな。親父さんに…心臓を捧げよ!!)」ババッ

俺ガイルssも増えてきたけど、ガハマさんが一番可愛いのはここだなあ

八幡って絶対パパヶ浜さんと仲良くできるよね

私、料理上手になったから!と言って作ってきた料理を見たら、珍しく美味そうな麻婆豆腐であったが食べてみると甘かった、それは杏仁豆腐を使った麻婆豆腐であり、斬新で徹底した中華料理を作るヒュイ・ガハマさん!

>>767
1回に香辛料1瓶使う殺人麻婆豆腐の作り手、遠坂凛(Fate/Zero登場版)
 vs杏仁豆腐で誰も作れない斬新な麻婆豆腐の作り手、由比ヶ浜結衣
勝つのはどっちだ?
(Fate/ZeroドラマCDで上記の麻婆豆腐を作ったと言峰が回想しています)

>>753
義父さんとか言うなよ。マジふざけんなよ
>>759
ネタ提供ありがとう!みなさんのおかげでSS書けてます!ありがとう!そしてありがとう!(爽やかに右手をあげながら)
>>761
ドンマイ!でもあの野郎に文句を言ったのはよくやった、と褒めてやろう
>>765
ありがとう!とにかくガハマちゃんを可愛いゆいゆいを書きたかったので、そう言ってもらえて嬉しいです!1的にポイント高い!
>>766
どっかで結衣パパは原作者わたりんの分身なんて話も聞いたことがあります。となれば元ぼっちという設定の可能性もあるので、八幡がなんとなくシンパシーを感じる可能性はあるかもです

個別レスできてない方々もみんなありがとう!励みになります!じゃああたし続きかくね!

劉昴星(リュウ・マオシン)の大豆麻婆豆腐すら使いこなすというのか?
恐るべしヒュイ・ガハマさん

「ぷるんぷるん」










結衣「ああ!?」

小町「ふっふっふ!」

結衣「ちょ、ちょっと!や、やめて小町ちゃん!」

小町「無理ですよ、結衣さん。小町からは逃げられませんよ?」

結衣「い、いや!やめて!小町ちゃん!それだけは!だめぇ!!」

小町「さぁ!観念してください!!」

結衣「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」




ばよえ~ん、ばよえ~ん、ばよえ~ん、ばよえ~ん

結衣「ああ!?」ドサドサドサドサ

八幡「……なにやってんの、お前ら…」

小町「何ってぷよぷよだよ?」

八幡「(どこがぷよぷよするんですかね…)」

八幡「つか変な声だすのやめてくんない?また俺がご近所から白い目で見られるだろうが…俺、無実なのに…」

八幡「(妹に手を出したとか思われたんだぞ。童貞なのに。俺はあっちの千葉の兄とは違うのに…)」

結衣「あぁ~、負けちゃった…小町ちゃん強すぎー」

小町「まぁ、小町は兄の相手してめちゃくちゃやり込んでますからね!そう簡単には負けませんよ!」

八幡「てか由比ヶ浜、お前は時間大丈夫なのかよ?もう夕方になんぞ」

結衣「時間?あっ!小町ちゃん、そろそろかな?」

小町「あ!そうですね!そろそろ大丈夫だと思います!!」

八幡「お前ら何言ってんの?」

小町「はいは~い、お兄ちゃんどいてどいて」

八幡「お兄ちゃんの話聞けよ…」

結衣「よいしょっと…とと、これ結構重い…」

小町「あ、結衣さん手伝います!」

結衣「ありがとー小町ちゃん」

八幡「んで?なんでお前は俺んちの神聖な食卓の上にゴミ箱置いてんだよ?お前はゴミでも食ってろって意味なの?泣くぞ」

結衣「違うし~、あ、小町ちゃん。これどうやって落とせばいいのかな?」

小町「底を叩けばいいんじゃないですか?」

結衣「あ、そっか。えいえい!」バシバシ

八幡「(パワフルだな…)」

八幡「つか…皿の上で…ゴミ箱逆さまにして…底を叩いて…おい、まさか」

ドサっ!ぷるん!

小町「で、でたー!!」

結衣「やったぁ!!」

結衣・小町「いえ~~い!!!」パシン

八幡「バケツプリンじゃねえか!!」

小町「そうだよ?それもあって今日は結衣さん呼んだんだから」

八幡「そうだよ、じゃねえだろ…。パンケーキメインじゃなかったのかよ…」

結衣「でも本当にすごい!!おっきぃ!!ぷるんぷるんしてる!!」

小町「テンションあがりますね!!」

結衣・小町「いえ~~い!!!」バシン

八幡「お前らハイタッチしすぎだろ。やよいかよ」

結衣「ささ!!みんなで食べよ!!ヒッキーもヒッキーも!!」

八幡「ええ~……。まじで食うのかよ……」

× × ×

小町「…………」

結衣「…………」

八幡「…………」

結衣「……ダメ…あたし、もう食べれない…」

小町「小町もです……」

八幡「お前らテンション下がりすぎだろ。だから言っただろ、3リットルのプリンなんて無理だって…」

結衣「2リットルだし…」

八幡「かわんねぇだろ。多いことにはかわんねぇだろ…」

小町「お兄ちゃん、小町のあげる…」

結衣「あ、あたしのも…」

八幡「お前ら担当分半分も食ってねぇじゃねえか。つうか、食いかけをよこすなよ…」

結衣「だって…もう無理だし…」

小町「…………」

八幡「なんなの?これは俺をメタボにして殺害する計画なの?それとも糖尿病にするの?俺は小町の養育費のために消されるの?」

結衣「…もう、つっこむ元気もないし…」

小町「………」

八幡「あの小町が沈黙してるしよ…ていうか、お前ら勝手すぎだろ…」

× × ×

八幡「だああ!!もう食えねえ!!限界だ!!」

結衣「で、でもすごいヒッキー…二人分完食した!」

小町「まぁ、兄は意外と甘党ですからねぇ。このぐらい余裕ですよ」

八幡「お前ら勝手なこと言うなよ…つか復活したなら残り食えよ…捨てるのもったいないだろ…」

結衣「いやぁ…それはさすがに…」

小町「正直、それはもういいっていうか…」

八幡「お前ら勝手すぎだろ…自分たちで作ったんだからマジで責任とれよ…」

× × ×


結衣「いやー、小町ちゃん今日はありがとね~!おかげですごい楽しかった!」

小町「小町も楽しかったですぅ!それにバケツプリンもすごかったですし!」

結衣「だよね、だよね!!」

八幡「お前らさっきのこと忘れんなよ…プリン食ったの、ほとんど俺じゃねえか…。お前らテンション下がってたじゃねえか。どうなってんだよ」

結衣「いやー、でもあれはなかったねー。美味しかったら、部室でゆきのんと一緒に食べようと思ってたんだけど、絶対ゆきのん怒るし、作るのやめておくよ」

小町「そうですね!!絶対やめたほうがいいですね!絶対ですね!」

八幡「おい、やめろ。お前フラグたてようとするのやめろ。俺はもう絶対食わねえからな、フリじゃねえからな」

結衣「あはは…で、でもさ。ヒッキー今日はありがとう。プリンとか食べてくれて…そ、そのパ、パンケーキも…」

八幡「お、おう。、ま、まぁ、腹減ってたしな」

結衣「えへへぇ……じゃ、じゃああたし帰るね。小町ちゃんもありがとね!」

小町「はい!また是非来てください!あ、そうだ小町ぃ、サブレに会いたいのでー、ぜひ近いうちに連れてきてくださいよ」チラッ

結衣「…あ!!う、うん!こ、小町ちゃんに頼まれちゃったし仕方ないね!また近いうちに連れてくるね!」

小町「はい!!楽しみにしてます!!」ニヤ

八幡「まぁ、じゃあ気をつけて帰れよ」

結衣「うん!ありがと!じゃあまたね!!」

タタッ

小町「さってー、お兄ちゃん今日はもう晩ご飯いらないよね?」

八幡「ああ…まぁ、そだな。腹減ったら適当に夜食でも食うわ」

小町「夜食ね…。んーじゃあ『結衣さんの残したプリン』ラップして冷蔵庫に入れとくね」

八幡「おい、ちょっと待てお前」

小町「え?小町に他意はないよ?残したらもったいないって言ったの、お兄ちゃんでしょ?」

八幡「こいつうぜぇ…、ていうかお前が食えばいいだろ…」

小町「いやー、それはー。正直、小町的にはしばらくプリンは見なくていいっていうかー」

八幡「お前な、本当勝手すぎるだろ。特に今日はむちゃくちゃすぎんだろ」

小町「いやー、今日の小町はー、結構ポイント高かったと思うんだけどなー」

八幡「………」

小町「じゃ、小町はそのあと勉強するから!あ、小町。今日は勉強に集中するから、多分お風呂の時くらいしか降りてこないから。お兄ちゃんが何食べてても気づかないよ」

八幡「うるせえよ。ならさっさと勉強しにいけよ。今日はさんざんっぱら遊んだんだから」

小町「はいはーい!」

八幡「はぁ……、今日はどんだけプリンを食えばいいんだよ…」

「なげやり」







結衣「ねぇねぇ、ヒッキー!けいおんしようよ!」

八幡「おう、いいぞ」

結衣「えっ!あれ!?」

八幡「そうだな。まずお前は唯でいいだろ?天然だし、結衣だしな」

結衣「ちょ、ちょちょヒッキー、ゆ、結衣って!!…っていうかあたし天然じゃないし!!」

八幡「次に澪は平塚先生でいいよな?髪型似てるし、暴力的だし、よく泣くしな」

結衣「え、ちょ、ちょっと」

八幡「で、律っちゃんはめぐり先輩だな。デコ的に」

結衣「ちょ、ちょっと待って!ヒッキーおかしい!おかしいよ!!」

八幡「あ?なにが。あぁ、わかったお前。澪の配役に疑問があるんだろ?確かにな。先生を澪に当てはめるのは無いよな。俺が間違ってた。じゃあ雪ノ下だ。楽器はギターだけど、その点は目をつぶれ」

結衣「い、いやいやそうじゃなくって!!」

八幡「なに。先生はさわちゃんに当てはめとけばいいだろ。同じ行き遅れだし。問題ないだろ?」

結衣「い、いや、あのね?」

八幡「でも、こうなるとムギが難しいな。金持ちキャラの雪ノ下は使っちゃったしな。ああ、この際三浦でいいだろ、三浦で。髪の色一緒だしな。むしろ共通点そこしかないけど、この際しょうがないよな」

結衣「何がしょうがないの!?」

八幡「あずにゃんは年下キャラだし、こうなったら特別にうちの小町を貸してやろう。髪型とか全然違うけど、すごく可愛いから、それでいいよな」

結衣「それシスコンじゃん!!ていうかじゃなくて!!」

八幡「ああ、そうか。そう言えば、憂もいたな。うーん、これも可愛いから小町の一人二役で行こう。大丈夫。小町は器用だからな。安心しろよ」

結衣「あたしは何を安心したらいいの!?ていうかあたしが言いたいのはそういうことじゃないからぁ!!」

八幡「あ?じゃあ何?純ちゃんのこと言ってんの?それはもう大志でいいだろ、大志で。みんな髪型で区別するからモップかぶらせとけばいいだろ」

結衣「大志くん男の子でしょ!?」

八幡「男が女を演じちゃいけないって決まりはないだろ。つうか歌舞伎とか全部そうだろうが。つーわけで、俺は和ちゃんやるわ」

結衣「違う!!あたしが言いたいのはそういうことじゃないからぁ!!あたし別にごっこ遊びがしたいとかじゃないからぁ!!」

八幡「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」


ガラガラガラ、スタスタスタスタ


結衣「ちょっと!?ヒッキー!?ヒッキー生徒会なんて入ってないでしょ!?どういうことなの!?っていうか本当にどこ行くの!?ちょっと!!!ねぇ、ヒッキー!?ねぇ!!」

ネタ拾ってくれてありがとうございます
笑い転げて親が起きたわ、どうしてくれる

>>788
そうなんだ、じゃあ私寝るね

「ゆーふぉー」










結衣「ゆきのん!!ヒッキー!!見てみて!!」

八幡「んだよ」

雪乃「あら、デジタルカメラ?一体どうしたのかしら」

結衣「すごいの!とにかく見てみて、ほらここのとこ!!」

雪乃「…これは」

八幡「はぁん…」

結衣「すごいでしょ!?ばっちりUFOが写っちゃってるの!!あたしびっくりしちゃって!!」

雪乃「これは昨日の夕方撮ったということでいいのかしら」

結衣「うん、そうだよ!!なんか空の色が綺麗だったから撮ったんだけど、そしたらこんなものが写っているじゃない!?もうあたしびっくりしちゃって!!」

雪乃「昨日送られて来た、意味不明のメールはこのせいだったのね…」

結衣「すごいよね!!UFOが写るなんて信じらんない!!」

八幡「確かにすごいな。ある意味。つうかこれ、お前、ほかの連中にも見せたのかよ」

結衣「うん!優美子とかとべっちとか超興奮してた!!」

八幡「………。葉山は?」

結衣「え?隼人くん?そういえば隼人くんは静かだったかも」

八幡「…だろうな」

雪乃「由比ヶ浜さん、言いにくいのだけれど」

結衣「なになに!?」

雪乃「これ、電灯よ」

結衣「え?」

雪乃「電灯よ」

結衣「ど、どういうこと?」

雪乃「………。照明をつけたまま、外を撮影したりすると、室内の照明器具がガラスに反射してしまうことがよくあるの。あなたが撮影した部屋の照明、こういう形状のものじゃないかしら」

結衣「…たしかにこういう輪っか状のものだったかも……」

八幡「ま、天然系を語る芸能人や声優なんかがUFO見たって報告すんのは大概これだ。良かったじゃねぇか、持ちネタが増えて」

結衣「別にトークのネタを探してやったわけじゃないし!!あたし天然じゃないし!!…ていうかそうだったんだ……。すごいの撮れたと思ったのに、なんかショック…」

雪乃「ごめんなさい…由比ヶ浜さん…あなたの夢まで否定してしまうつもりはないのだけれど、UFOなんているはずがないでしょう」

結衣「否定してるし!」

八幡「一文中で論理破綻を起こしたな…雪ノ下にしちゃ珍しいな。まぁわざとだろうけど」

結衣「………。あたしちょっと優美子にメールする…」

八幡「戸部はいいのかよ」

結衣「とべっちは…まぁ、いいでしょ…」

八幡「いいんだ…。まぁ、いいよな…。どうでも」

結衣「………」カチカチ

結衣「…ふぅ、あれ!?」

雪乃「どうかしたの?」

結衣「ね、ねぇ!!あれ!あれ、何!?おっきい光が動いてる!!今度こそUFO!?UFO!?かな!?」

雪乃「ああ…あれはおそらくISSじゃないかしら」

結衣「あいえすえす?」

雪乃「International Space Stationの略でISS。国際宇宙ステーションのことよ、由比ヶ浜さん。人工衛星などに比べてサイズも大きいから。とても大きな光に見えるの」

八幡「ほら、宇宙兄弟でもムッタとヒビトが見てただろ。あれだ。でもあんな実際にあんな風に見えるのな、俺もはじめて見たわ」

雪乃「ISSは常に軌道を動かしながら地球の周りを回っているのよ。詳しいことは調べていないけれど、確か最近このあたりの上空を飛ぶ軌道に移った、とかいう話を聞いたわ」

八幡「まぁ、そういうわけだから。由比ヶ浜もUFOを探そうとするなんて馬鹿なことはやめとけよ。時間を無駄するにしたって、他にましなことがあんだろ」

結衣「うん……」

雪乃「………」ペラッ

八幡「………」ペラッ

結衣「二人とも本に戻っちゃった…。あたしもうちょっと見よ」

結衣「………」ジー

結衣「ISSって本物はあんな風に見えるんだ、すごいチカチカしてるし。わわ、今度はジグザグに動いてる。あんなふうに動くんだ、すごい…。あ、今度は超光ってるし、超まぶしい、って消えた…」

結衣「………」

結衣「ねぇ、二人とも!ISSってすごいね!」

八幡「まぁな」

雪乃「人類の叡智の結晶の一つであるのは確かですものね」

結衣「今度、また3人で見ようね!?』

雪乃「そうね」

八幡「ま、機会があればな」

結衣「へへー、約束ね!!」

「なぞなぞ」









結衣「ねぇねぇ、ゆきのん!クイズしようよ!!」

雪乃「クイズ?由比ヶ浜さん、あなたその類いのもので私に勝負を挑もうだなんて…あなた被虐趣味でもあるのかしら」

結衣「そんなんじゃないよ!ほら、これはなぞなぞだから、なんでも知っているゆきのんでもそうはわからないよ!!」

雪乃「……。へぇ…言うじゃない。面白いわ。ではその問題とやらを聞かせてもらおうかしら」

結衣「うん!じゃぁ、第一問!じゃじゃん!」

八幡「(効果音口で言っちゃうんだ)」

結衣「冷蔵庫に入れてから飾ると綺麗なお花はな~んだ?」

雪乃「冷蔵庫?由比ヶ浜さん、花屋では大抵の花は冷やして長期保存ができるようにしてあるでしょう?それに冷蔵庫にそのまま入れてしまうと冷蔵焼けを起こしてしまうわ。家庭で保存をするなら新聞紙にでもくるんで、野菜室に入れたほうがいいと思うわ。よって答えとしては花全般、ね」

八幡「(マジレスかよ…)」

結衣「ブッブー!!答えはヒヤシンス!!なぜなら冷やしんすだから!!」

八幡「(ドヤ顔、うぜぇ)」

雪乃「………」

結衣「じゃあ次の問題ね!日本人が犬を食べています。さぁどんな料理でしょう」

雪乃「そうね。まず現代でも犬肉は中国から輸入されているし、アジア系料理店では食材として提供されることがあるそうよ。だから具体的な料理名はわからないけれど、中華料理や、韓国料理…あとわずかにベトナム料理といったところ、かしら。さらに日本自体の過去の事象をあげるというのならば、臭みも強いし、味噌仕立ての鍋と言ったところじゃないかしら」

結衣「え…そうなんだ…。今でも食べることあるんだ…。あ、でも答えは違うよ?」

雪乃「なんですって?」

結衣「正解はわんこそば!!なぜなら『わんこ』そばだから!!」

雪乃「………」

八幡「(ああ…雪ノ下の顔が…)」

結衣「じゃあ次ね!ある日空から生き物が降ってきました!!さてこれはどんな動物でしょう」

雪乃「種類は断定しないけれど、これは鳥類ね。鳥は日常的に飛行中に突然死することがある生き物だから。2011年にもアメリカのアーカンソー州で、大量の鳥の死骸が空から降り注いだという事件が起きているわ」

結衣「ブブー!!正確はヒョウ!!!なぜなら豹は雹だから!!」

雪乃「………」

八幡「(ユキペディアが仇になってるな)」

結衣「ふっふっふ。やっぱりさすがのゆきのんでも、こういうなぞなぞには弱いんだね!!今回はあたしの『勝ち』だね!!」

雪乃「………」ピクッ

八幡「(あーあ…なんでこの子はいちいち雪ノ下を刺激しちゃうの?何が起こるかわからないの?なんでドヤ顔とかしてるの?アホなの?ああ…アホなんだっけ…)」

雪乃「上等よ、由比ヶ浜さん。なら今度は私が問題を出してあげるわ」

結衣「ゆきのんが?」

雪乃「ええ。まず第一問。国家権力を立法・司法・行政の3つに分け、相互に牽制を図ることで近代民主政治を確保しようとする原理とは何か?」

結衣「え?ええっと…」

雪乃「時間切れ。答えは三権分立。次の問題、アメリカの2大政党を答えよ」

結衣「え…?ええと自民…」

雪乃「不正解。正解は共和党と民主党。次の問題、平等院鳳凰堂を建立した人物は?」

結衣「ええ!?あ、あの、その…」

雪乃「答えは藤原頼通。続いて…」

結衣「ちょ、ちょっとまってゆきのん!!それ全然クイズっぽくないよ!まるで試験だよ!?」

雪乃「そう…?すべて『一般常識』レベルの問題なのだけれど。分かったわ、あなたは『クイズっぽい』問題を求めているのね。ならそう言った問題を出してあげるわ。問題、とても純粋な男の子。彼の好きな飲み物は?」

結衣「え、ええ~?ま、MAXコーヒー?」

雪乃「不正解。正解は純水(純粋)。だいたいMAXコーヒーが好きな人間に、純粋な人間など、いはしないわ。そこの男を見ればわかるでしょう」

八幡「おい、それは完全にとばっちりだろ。というかお前。俺はいいから、全国の、いや千葉県のMAXコーヒー愛好者の皆様に謝れよ」

雪乃「次の問題。ある男がある場所に近づいたら、『警告!この場所は大変危険です!』と注意を受けた。この場所は一体なにか」

結衣「ふ、ふみきり?」

雪乃「答えは渓谷(警告)。さて、この時点で既に5対3で私の勝ちが確定しているわけだけれど、それでもまだ続けるというつもりかしら?それならば、まだまだこちらには問題の用意があるのだけれど」

結衣「い、いや…ゆ、ゆきのんの勝ちでいいよ…そ、その、ごめんなさい…」

雪乃「いえ、私の勝ちだと言うことをはっきりと認識してくれていれば、それでいいのよ。けれどこれに懲りたら私に勝負を挑もうだなんて、分不相応な考えを持つのはやめなさいね」

結衣「はい…ごめんなさい…二度としません…」

八幡「(あーあ、なんなの?あの心臓が凍りそうな笑顔。ていうかもう、お前ら被虐趣味と嗜虐趣味で相性ばっちりじゃねぇか。もういいからお前らさっさと付き合えよ……)」

「かんそうぶん」








結衣「はい、ゆきのん!今週の分ね!」

雪乃「………」ペラッペラッ

雪乃「えぇ、確かに。よく頑張ったわね、由比ヶ浜さん」

八幡「お前ら、何やり取りしてんの?お友達料金?」

結衣「はぁ?ヒッキーいきなり何わけわかんないこと言ってんの?お友達料金ってなんだし!!」

八幡「いや、陰湿な掲示板のSSとかだとよくあんだよ。友達関係維持するために金渡すみたいな話が」

結衣「はぁ!?ふん!それが現実にあれば良かったのにね!そしたらヒッキーにも友達できたのにね!」

八幡「お前そういうこというなよ…」

結衣「最初に変なこと言ったのヒッキーでしょ!?」

雪乃「けれど…それは本当に残念ね…。もし現実にそんなシステムが存在すれば比企谷くんでも友達の一人くらいは買えたかもしれないもの」

八幡「お前さ、買うとかそういう生々しい表現使うのやめろよ。だいたい、俺の場合、そもそも金渡して維持するくらいなら友人いらねえっての。そもそもそれ以前に金を渡して維持する友人関係がねえしな」

結衣「あったり前でしょ!?いきなり友達料金とか言い出す人と誰が友達になりたいなんて思うの!?」

八幡「確かに。今、なんで俺になんで友達がいないのか、すごい納得しちゃったわ。鋭いな由比ヶ浜」

結衣「ふ、ふん!!」

八幡「んで?なら、それなんだよ」

雪乃「読書感想文よ」

八幡「は?読書感想文?うちの学校そんな課題あったか?」

雪乃「いえ、これは私が個人的に由比ヶ浜さんに課しているものよ」

八幡「は?個人的?」

雪乃「ええ、以前話していて由比ヶ浜さんがあまりの文章を読まない、書かないことを実感してしまったものだから。私が個人的に課題図書と選定して、由比ヶ浜さんに読んでもらっているのよ」

八幡「え?それで由比ヶ浜は毎週それを読んで律儀に提出してんの?」

結衣「だ、だってゆきのんの出してくれた課題だもん。やらないわけにはいかないでしょ!」

八幡「(えー、なにこの子従順すぎるでしょ。もしかしてお願いしたら色々させてくれるんじゃないの?絶対できないけど)」

八幡「で、それを雪ノ下は毎回読んで添削してんのか?」

雪乃「ええ、そうなるわね」

八幡「(えー、なにそのめんどくさいシステム。お友達料金よりめんどうさいんじゃないの?ていうかこういう友人関係は普通なの?俺友達いたことないからわからないんだけど)」

八幡「はぁん…友人関係にも色々あんのな…。で?課題図書ってなんなの?『ぐりとぐら』?」

結衣「だからそれ言うなし!っていうかそれもうちょっと懐かしいし!!」

八幡「つうか、文章のほうは少しは上達してんの?」

結衣「ヒッキー、無視すんなし!」

雪乃「……はぁ…読んでみたら?」

八幡「あー?」ペラッ


冒険者たちをよんで
2年F組 由比ヶ浜結衣


八幡「え?課題図書、『冒険者』たちなの?」

雪乃「え、ええ…さすがに絵本では由比ヶ浜さんの自尊心を傷つけてしまうと思ったものだから…」

結衣「ゆきのん!?聞こえてるよ!?そういう感じで選んでたの!?」

八幡「いやだって、これ小学校低・中向きだぞ。俺なんて2年生の時に読んだわ。あ、お前は高校2年だけど、俺は小学2年の時な?一応言っとくけど」

結衣「ヒッキーうっさい!!」

八幡「んで、どれどれ」



あたしは冒険者たちをよんで、ガンバたちはすごいなぁと思いました。
だってとても体がちいさいのに、大きなイタチとたたかうからです。
とってもゆうきがあってかっこいいと思います。



八幡「もういいわ。返すわ」

結衣「ちょっと、ヒッキー!?」

八幡「いや、お前いくらなんでもこれはひどすぎんでしょ。お前なんで『小さい』とか『戦う』とか『勇気』くらい漢字で書けないの?一瞬『冒険者』が書けてるのは偉いとか思ったけど、これタイトルに書いてあるからな?それ除いたらこの時点で名前と二文字くらいしか漢字が入ってないぞ。どうなってんだよ」

結衣「う、うう」

八幡「でも、これじゃ雪ノ下も添削が大変だろ」

雪乃「ええ…添削するところばかり、というか添削しないところがない、というか。基本的に修正するところしかない、といったところかしら」

八幡「あん?由比ヶ浜、どんなのが帰ってくんの?」

結衣「えっとね…だいたい直されたのが…あ、先週の見てもらった分があるよ。見る?」

八幡「おう」

結衣「じゃあ、はいこれ」

八幡「ん……。あー、雪ノ下。これは確かに由比ヶ浜もないけど、お前もないわ」

雪乃「なんですって?」

八幡「だってお前、これもう真っ赤っかじゃねえか。こういうのは添削じゃなくて書き直しって言うんだよ。もはや由比ヶ浜の文章の原型とどめてねえだろ」

雪乃「………」

八幡「だいたい、お前はだな。自分が出来すぎるが故に、できない人間の立場に立ててねえの。由比ヶ浜の文章は確かにどうしようもないし、小学生レベルだけど」

結衣「ちょっと!」

八幡「それでも自分の文章の文章が残ってなきゃ、どこが悪かったとかの反省のしようがねえじゃねえか。それをお前が書き直した文章が帰ってくるんじゃ、課題図書が2冊に増えたようなもんで、由比ヶ浜の作文の上達にはなんも役にたたねえよ」

雪乃「そう、随分な言い方ね。それにそれではまるであなたがそういったことが得意なように感じられてしまうわ」

八幡「俺は小町の勉強みたりしてるからな。勉強できない奴に教えんのは割と得意なんだよ」


雪乃「へえ?そう。ならあなたが見ればいいじゃない」

八幡「えっ?」

雪乃「由比ヶ浜さん。来週から少しルールを変更するわ。課題図書の選定はこれまで通り、私が行うけれど、感想文に関しては比企谷くんに提出なさい。どうやら素晴らしい添削をしてくれるそうだから」

結衣「え、う、うん」

八幡「おい、ちょっと待て」

雪乃「まさか、いまさらできないとか言い出すつもりはないでしょう?あなたあれだけ大口を叩いたのよ、ないところを無理やり絞り出してでも多少の男気を見せてもらいたいわね」

八幡「い、いや。お前だけどさ」

雪乃「なら、決まりね。なら私は図書館に行って『冒険者たち』を返却と次回分の課題図書の選定をしてくるわ。あ、そうそう。今週分の作文もその男に提出しておきなさい。早めに首輪につないで置かないと、その男はすぐに逃げてしまうもの」

八幡「お、おい雪ノ下」

ガラガラ・ピシャ!

結衣「………」

八幡「………」

結衣「あ、じゃ、じゃあ…こ、これから、よ、よろしくお願いします…」

八幡「あ、ああ…」

結衣「………」

八幡「じゃ、じゃあ、あれだ。い、一応師弟関係だしな。俺のことは比企谷先生と呼べ」

結衣「は、はい…比企谷先生…」

八幡「いや、本当に呼んでんじゃねえよ…どんだけ従順なんだよ…。え?ていうか本当にお前の文章、毎週、読むの…?」

お兄さん!

義父さん!

>>1
今週の掲示板使用料はまだかしら?

>>820
おい、お前。お兄さんとか呼んでんじゃねえよ、ふざけんなよ。結婚式の時に車につける缶の代わりにくくりつけんぞ
>>823
義父さんとか呼ぶんじゃねえよ、ていうかお前、多分前も呼んだろふざけんなよ。うちの殺武霊号をけしかけんぞ
>>826
そんなの知らないし!!じゃあ>>826が代わりに払っとけばいいんじゃないの!?ていうかそんなこと言ってるから友達いないんじゃないの!?

あ!あとお友達料金は別に特定のSSを皮肉ったとかじゃないよ!読んだことないよ!ほんとほんと!!
てか怖くて読めないんだけど!なんでみんなそんな怖いの書けるの!?信じらんない!!

義父さんエロヶ浜見たいです><

>>810は俺の案に応えてくれたということでいいんだろうか
だとしたら乙

>>831
うるせえ義父さんとかいうんじゃねえよ。だいたい俺にエロ求めんじゃねえよ。またはやはちを書くぞ。今度は地の文付きで濃厚に書くぞ

>>836
ネタ提供ありがとう!お題はよかったのに上手くかけなかったよ。ごめんね

「げっきょく」












結衣「ねえねぇ、げっきょくって大きい会社なの?」

八幡「あぁ?あれか?駐車場の管理とかしてる会社のことか?」

結衣「そうそう、駐車場によく書いてあるでしょ?あれどこ行っても見るからさー」

八幡「あれは確か月極定礎…なんだっけな、ホールディングスだったか。そんな名前の会社じゃなかったかな。確か」

結衣「おっきな会社なの?」

八幡「まぁ、メインの事業がお前の言う通り駐車場の管理とかビル管理だからな。表に出て目立つタイプの企業じゃないけどな。ただその手の業務をほぼ牛耳ってるから、めっちゃ儲かってるとか聞くぞ。社員の平均年収7千万とか聞くしな」

結衣「7千万!?そんなのありえるの!?」

八幡「まぁ俺も聞いた話だから、詳しくは知らんぞ。ただサラリーマンの生涯年収が平均して2億とか言うだろ?それを3年ちょっとで稼いじまうわけだもんな。やってらんないよな、マジで。本当働いたら負けだ」

結衣「まーた、始まった…」

八幡「でも、気持ちはわかるだろ?」

結衣「まぁねー。パパのお給料のことで、ママ時々愚痴ってるし」

八幡「お給料のことまで愚痴られてるんだ…、お父さんかわいそすぎだろ。もうお前くらいは優しくしてやれよ。ファブリーズとかかけんなよ…」

結衣「そりゃ別にパパのことは嫌いじゃないけどー、くさいものはくさいし」

八幡「素直な感想すぎる…」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「てかさ、ヒッキー?」

八幡「あーん?」

結衣「さっきの嘘でしょ?またあたしのこと騙そうとしてるでしょ」

八幡「なんでお前そんな疑り深いの?何で決めつけんの?」

結衣「だってー!年収7千万とか超嘘くさいし!!」

八幡「いや、お前いくら何でも信用なさすぎだろ。ちょっと待て、えーと月極定礎ホールディングスっと」

結衣「そのパソコン使っていいの?」

八幡「あ?部活の備品、部員が使うのになんの問題もないだろ」

結衣「そっか」

八幡「お、でたでた。な?ほら、ちゃんとサイトもあるだろ?」

結衣「あ、ほんとだー。会社名もあってるし。えーと事業内容…駐車場の管理…。ほんとだ!!」

八幡「てかお前ちょっと近いっつの。俺下がるから、自分で操作しろよ」

結衣「あ、ご、ごめん」

八幡「いや、いいけどよ…。あぁ、そうそう。あと採用情報のとこ見てみ?」

結衣「採用情報…?うわ!ほんとだ!!ほんとに7千万とか書いてるんだけど!!」

八幡「な?俺、嘘言ってなかっただろ?」

結衣「うん!ご、ごめんね?ヒッキー。あ!てかさ!ヒッキー、ここ就職しなよ!!」

八幡「あー?そりゃ7千万とか俺だってできることなら、そうしてえよ。けど無理でしょ」

結衣「どうして?」

八幡「どうしてって、お前その下の条件のとこ見てみろよ」

結衣「えー?んと、ええ!?勲章所持!?5カ国語!?3000人の支持!?」

八幡「な?むちゃくちゃハードルたけぇんだよ。特に最後の3000人とか、俺には絶対無理でしょ。多分小町くらいからしかもらえねえぞ」

結衣「あ、あたしも推薦するよ!!」

八幡「そらどうも。でこ、それしたって、残り2998人はどうすんだよ」

結衣「あ、そ、そっか…厳しいね」

八幡「そらそうだ。年収7千万の道なんて、並大抵じゃねえんだよ。多分サラリーマンで他に同じくらいもらってるのとかって外資系証券会社のトップセールスマンとかなんじゃねえの。知らんけど」

結衣「そっかぁ…、てかヒッキー?この社長?の人あたしどっかで見たことあるんだけど」

八幡「ああ、まぁ。その社長自体は結構有名だからな。たしか本とかテレビとかで結構見るぞ」

結衣「へぇ~、そうなんだ」


雪乃「………」パタン

結衣「あ、ゆきのん。本読み終わったの?」

雪乃「ええ、ところで比企谷くん」

八幡「なに?」

雪乃「以前、言ったわよね。あまりいい加減なことでも、彼女は信じてしまいかねないからやめなさいって」

八幡「………」

結衣「え!?ゆきのんどういうこと?」

雪乃「さっきの話は全部この男の嘘、よ。由比ヶ浜さん。そもそも月極は『つきぎめ』といって一ヶ月ごとに契約することを指す言葉であり、げっきょくという個人名ではないの」

結衣「え?え?でもホームページもあったし!!」

雪乃「由比ヶ浜さん…ホームページなんて知識があれば誰にだって作れるのよ?大方、さっきのサイトは比企谷くんのよく言うネット掲示板の人たちが作ったジョークサイトか何かよ」

結衣「え、そうなんだ…」

雪乃「その証拠にこの代表者の顔写真。伊藤博文じゃない」

結衣「え……。ひ、ヒッキー!?な、なんでそういう嘘つくの?」

八幡「いや、嘘付いてねえだろ。いろんな本に出てくるじゃねえか。教科書だけど。あとテレビのドキュメンタリー番組とかもよく出てるじゃねえか」

結衣「ヒッキー!!そういうことじゃないでしょ!?」

八幡「い、いや大体だな。雪ノ下が突っ込んで来たら途中でやめる気だったんだけど、まったく反応がねえからさ。エスカレートしちまったんだよ。お前何してたの?」

結衣「人のせいにすんなし!!」

雪乃「いえ、何って本を読んでいただけよ。ただラスト数ページだったから、由比ヶ浜さんの話に関わって邪魔をされたくなかったのよ」

結衣「ゆきのん!?もう!二人ともなんでいっつもいつもあたしのことそうやってからかうの!?」

八幡「面白いから」

雪乃「面白いからよ」

結衣「うあーん!!ヒッキーもゆきのんもひどい!!二人してあたしのこと馬鹿にしすぎだからぁ!!からかいすぎだからぁ!!」

「あるぺんおどり」












結衣「ねぇ、ゆきのん。ヨーロッパのほうではヤギの上で踊る習慣があるの?」

雪乃「いきなり何を言いだすの由比ヶ浜さん。…私の知る限り、そんな習慣や風習は聞いたことがないけれど」

八幡「いや、雪ノ下。こいつ多分アルプス一万尺の話してんだよ。だろ?由比ヶ浜」

結衣「そうそう!ヒッキーよくわかったね!」

雪乃「どういうことかしら」

八幡「あれだ。なぁ由比ヶ浜、ちょっとアルプス一万尺を歌ってみてくれねぇか?」

結衣「え!?ここで!?」

八幡「あぁ」

結衣「う、うう~ん。わ、わかった。え~と…コホン」

結衣「アルプス一万尺~、子やぎのう~えで、アルペン踊りをさ・あ・お・ど・り・ま・しょ!ヘイ!!らんらー」

八幡「ああ、その先はいいわ」

結衣「ちょっと!!せっかく乗って来たのに!」

雪乃「なるほど…そういうこと」

結衣「ゆきのん!何かわかったの?」

雪乃「ええ、まずそもそもの前提が間違っているのね。ふふっ」

結衣「え?どうしたの?ゆきのん!?」

雪乃「ああ、いえ、ごめんなさい。少し由比ヶ浜さんらしい可愛らしい間違いだ、と思って少しおかしくなってしまっただけだから」

結衣「そ、そう?」

八幡「(何いまの笑顔。また女神モードに入ったの?クリスタなの?)」

雪乃「まず、アルプス一万尺はヨーロッパのことを歌ったものではないの」

結衣「え!?そうなの?でもアルプス山脈ってヨーロッパにあるんじゃないの?」

八幡「よく知ってたな」

雪乃「そうね。けれど、ここでいうアルプスというのは日本アルプスのことを指しているのよ」

結衣「日本アルプス?」

雪乃「えぇ、富山、岐阜、新潟、長野の4県にまたがる飛騨山脈、通称北アルプスと中央アルプスと呼ばれる長野県の木曽山脈、長野、山梨、静岡の三県にまたがる南アルプスと呼ばれる赤石山脈。この三つを総称して日本アルプスと呼ぶの」

八幡「お前詳しいな」

雪乃「そんなこともないわ。ただ昔、夏になると長野のほうに避暑に訪れていたことがあるから、その時に覚えただけよ」

八幡「軽井沢とか、本当ブルジョアジーだな。お前は」

雪乃「軽井沢ではないわ。もう少しマイナーで自然の多いところよ。そのことは今は別にどうでもいいでしょう。大事なのはその次の部分よ。子やぎじゃなくて、小槍なのよ」

結衣「え?槍?武器の上で踊るの?」

雪乃「いえ、小槍というのは飛騨山脈にある槍ヶ岳…高さは3000Mちょっとでちょうど1万尺くらいらしいわね。それで名前の由来は形が槍の形ににているから名付けられたそうなのだけれど、その山頂付近にある大きな岩のことを小槍というの。やはりこれも遠目には槍のように見えるわ。私も登山をするわけではないから、実際に小槍の上で踊れるスペースがあるのかどうかについては、詳しくは知らないのだけれど」

八幡「まぁ、この歌自体、槍ヶ岳にのぼる時の歌うために歌詞がつけられたものらしいし、登山をしてないと意味がわからない部分ってのは多いらしいな」

結衣「そうなん?」

八幡「あぁ、そもそもこの歌詞ってどっかの大学の山岳部かなんかが作ったって話が有力らしいんだよ」

結衣「へぇ、部活で作ったんだ」

八幡「わざわざ作ったのか、山登りしてる間に歌ってた替え歌が知らずに定着したのかはよくわからんけどな」

結衣「え?替え歌なの?」

雪乃「まぁ、替え歌という言い方が正しいのかどうかはわからないけれど。元になった歌はアメリカの『ヤンキードゥードゥル』という歌ね。曲は同じだけれど、歌詞はまったくの別物で、アルプス一万尺はこの歌を訳したものではないわ」

結衣「ほほぉ~!アメリカの歌なんだ」

雪乃「もともとはイギリスあたりから、伝わったらしいのだけれどね。ヤンキードゥードゥルというのは元々アメリカ人を馬鹿にする目的の歌だったらしいのだけれど、そのうちにアメリカ人自身が歌うものとしてポピュラーになったの。今でも海外ドラマなどでこの歌を子供が歌っているシーンなどを見ることがあるわ」

結衣「そうだったんだ…なんかあれだなー」

八幡「あ、そういや知ってたか?アルプス一万尺って、実は29番とかまであるらしいぞ」

結衣「29番!?長くない!?」

八幡「いや、これにしたって山岳部によっちゃオリジナルの歌詞とかが加えられててもっと長いらしいけどな。まぁでも中には共感を感じられるいい歌詞もある」

結衣「どんなの?」

八幡「俺の一押しは11番だな。これだ。山のこだまは、帰ってくるけど、僕のラブレター、返ってこない、ヘイ!ランラー」

結衣「悲しい!!」

雪乃「さすが、比企谷くんだわ…」

八幡「んだよ。せっかく乗って来たのに邪魔すんなよ。でも切ないだろ?」

結衣「切ないけど!いろんな意味でぇ!!」

八幡「何が切ないってこんな悲しい歌詞を、この明るい曲調に乗せてお送りするところがまた切ないよな。多分作詞者はどっか吹っ切れちまったぼっちだったに違いないぞ。それはここからも読み取れる」

八幡「雲より高ぁい、この頂で、お山の大将『俺一人』!ヘイ!!」

結衣「やめてってばぁ!!間違いしてくれるだけで良かったのに、なんでそこまで夢を壊すこと言わないと気がすまないの!?」

八幡「ランラーランラ、ランランランラン、ランラーララ、ラララ!ランラーララ、ラララララ、ラララララ!!」

結衣「ヒッキーが壊れた!!」

八幡「(ま、個人的には10番も結構好きなんだけどな…夢オチで終わるとことか、超リアル)」

「だめなひ」













結衣「ゆきのん!お菓子食べよう!?」

雪乃「あら、じゃあ紅茶を淹れるわね。今日はどんなお菓子を持って来たの?」

結衣「たけのこの里だよ!」

八幡「はっ!」

結衣「なにヒッキー…いきなり。キモいし」

八幡「お前たけのことかマジで言ってんの?」

結衣「何?ヒッキーたけのこの里嫌いなわけ?」

八幡「こういう時はきのこ一択に決まってんだろ。そもそもたけのことか持つところ小さすぎて手はチョコで汚れるだろうが」

結衣「ふーん。じゃあいいよ。ヒッキーは食べなくて。ゆきのんと二人で食べるから」

八幡「………」

結衣「でさ、ゆきのんー?」

八幡「あれ!?」

結衣「なに?」

八幡「いや、お前。今のはお前が『はぁ?何言ってんの?たけのこに決まってるでしょ!?』とか言って喧嘩になるパターンじゃないの?」

結衣「へ?なんでお菓子のことくらいでヒッキーと喧嘩しなくちゃならないの?ていうか真似すんなし」

八幡「あれ?」

雪乃「こっちを見ないでもらえるかしら。私も別にこの手のお菓子には特に思い入れはないから、誰かと喧嘩するほどは知らないのよ」

八幡「なん…だと」

雪乃「あなたが普段、どういったところでどういった話をしいれているのかは、まったくもって興味はないのだけれど、その手の話をあまり日常生活にまで持ち込むのはやめなさい。気持ち悪さが際立つわよ」

結衣「そーそー、ヒッキー、ネット脳とか言う奴なんじゃないの?」

八幡「えー……」

結衣「あ、そう言えばお菓子って言えばさー」

八幡「(あれ?やっぱり俺がおかしいの?そういえばこんな話他のやつらとしたことないもんな。いや、他の話もしたことないけど)」

結衣「そうそう!あれあれー!さいちゃんってちょっと微妙だよねー?あれと、も…」

八幡「は?お前何言ってんだよ!!戸塚最高だろうが!!あんな可愛い生き物ほかにいねぇだろうが!」

結衣「え…ヒッキー…今度は何言ってんの…?」

八幡「え?だって戸塚のこと微妙だって言ったろ?」

結衣「え?」

八幡「いや、さいちゃん微妙だって言ったろ?」

結衣「え?さいちゅう微妙だって言ったんだけど?」

八幡「さいちゅう…?」

雪乃「由比ヶ浜さん。あなたそれ最中のことを言っているんじゃないから」

結衣「え!?最中ってもなかって読むんだ!?あたしさいちゅうともなかってどう違うの?って聞こうと思ってたんだ!」

八幡「あ、あの、ガハマさん?どんだけさいちゃん好きなの!?とか言わないの?」

結衣「………。言わないし。今日なんかそんな気分じゃなくなってきたし。てかガハマさん言うなし」

八幡「そ、そうですか…」

雪乃「………。ええと、確かネット掲示板ではこういう場合、こんなことを言うのよね『先カンブリア期まで帰れ』だったかしら」

八幡「それ半年ROMれ!て言いたいの!?一文字もあってないじゃん!!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

結衣「それやめろし。マジきもい」

八幡「…ええと、あの…」

雪乃「私のほうを見ないでもらえるかしら。二度はフォローしないわよ…」

「くろれきし」









八幡「あれー、ドラクエVどこにしまったっけか?」

八幡「おー、あったあった。っと…これはまさか」パラパラ

八幡「うわぁ…かつての設定ノートじゃねえか…。何、ドラクエと一緒に宝箱に眠っていたの?こんなの掘り出したくなかったんだけど。うわぁ…こりゃひでえな」

八幡「つか、こんなの見てたら俺のSAN値減少がマッハだわ。もうお腹いっぱいだわ」ポイッ

八幡「ドラクエをしよう、ドラクエ…やはりVは至高…」

八幡「……は・ち・ま・ん。うむ、やっぱ名前4文字だと、こういう時迷わなくていい」カチカチ

ガチャ

小町「おにいちゃーん、作文の書き方まとめノート。机の上、置いとくねー?」

八幡「おー」

小町「てかさお兄ちゃん、これ何に使うの?お兄ちゃん自分でまとめたんだから内容知ってるでしょ?」

八幡「ま、色々あってな。由比ヶ浜に見せんだよ。ちょっと早急に文章が上手くなってもらわにゃならん」

小町「結衣さんに?へぇ、ノート貸し借りとかお兄ちゃん頑張ってるじゃん。っと…」

ドサドサ

小町「あ、ごめん!お兄ちゃん!机の上のもの落とした!」

八幡「お前なにやってんの?ちゃんと拾っとけよ」

小町「はいはーい。てかお兄ちゃんそれドラクエV?」

八幡「おー」

小町「またフローラ選ぶの?」

八幡「当然だろ。一択だろ。てかビアンカとか昔ちょっと一緒に遊んだくらいで、幼なじみ気どるとかありえねぇだろ」

小町「またお兄ちゃんは…だってビアンカと結婚しないと、ビアンカずっと独り身で可哀想じゃん」

八幡「いや、それこそねえわ。廃品処理じゃないんだからさ、結婚ってそういうもんじゃないだろ。だいたいー」

× × ×


結衣「やっはろー!!」

八幡「おう。雪ノ下なら来てないぞ」

結衣「あ、うん。知ってる。あたしのほうに今日休むって連絡入ってた」

八幡「珍しいな。つか俺のほうには連絡来てないんだけど?」

結衣「だってヒッキー、ゆきのんの携帯しらないじゃん!」

八幡「ああ、そういや。そだな」

結衣「本当、適当だしー」

八幡「つかさ。雪ノ下来ないなら、俺たちも帰ろうぜ。鬼の居ぬ間に洗濯ってやつだ」

結衣「ゆきのん鬼じゃないし!なんでそうやってすぐさぼろうとすんの?信じらんない!」

八幡「いやサボるとかじゃなくて、ドラクエがしたいんだよ」

結衣「それサボってるでしょ!?なんの言い訳にもなってないでしょ!?」

八幡「ああ、ドラクエで思い出したわ。ほい、これ」

結衣「なに、このノート?」パラパラ

八幡「ああ、俺が小町向けにまとめた作文のまとめノートだ。しっかり読んで参考にしろよ」

結衣「ふぅん?……あたしはこれを見て何をどう参考にすればいいの?」

八幡「章ごとにポイントまとめてあんだろ?」

結衣「ポイントって…この破壊神とか、創造神とかそういうのがそのポイントなわけ?」

八幡「は?え、ちょ!」

結衣「うわー、なにこれヒッキー超痛いんだけど!!うわー!ヒッキー本当は神様だったの!?転生体ってなに?」

八幡「ちょ、ちょ!よせ、お前!いいからやめろ!早く返せ!やめろ!」

結衣「いいじゃん!いいじゃん!わー、マジ、ヒッキー超痛いんだけど!これ今の中2よりひどいんじゃん?」

八幡「やめろぉ、やめてくれぇ」

結衣「ほーほー?この女神のモデルってもしかして小町ちゃん!?もしかして、この頃か…ら?」

八幡「………」

結衣「あ、あれ?ヒッキー?」

八幡「んだよ…」

結衣「あの、な、なんか涙目になってない?」

八幡「なってねえよ…うるせぇよ、ほっとけよ…」

結衣「あ、あ、あのさ。ええと、そのの、ノート返すね」

八幡「………」

結衣「あ、あのさー…。んと、その!ほら!いいじゃん!見られたのあたしだけですんだんだから!」

八幡「お前、そういう問題じゃねえんだよ。誰に見られたとか、そういうのは関係ねえんだよ…。誰かに見られたっつー事実自体が問題なの、こういう場合…。わかれよ…」

結衣「あの…その…う、うん…ご、ごめん…」

八幡「………」

結衣「て、てかさー。ヒッキー。なんで持って来ちゃったの…?それ…」

八幡「多分…、昨日、小町が部屋に来たとき…混ざった…。帰ったら絞める…」

結衣「ひ、ヒッキーが小町ちゃんを…ふ、普通じゃない…」

八幡「当然だろ…」

結衣「ううううううう」

八幡「………」

結衣「ううううううう!!」

八幡「お前何唸ってんだよ…」

結衣「考えてるの!!」

八幡「考えてるってお前なにをー」

結衣「だから!考えてるんだから、ちょっと黙ってて!!」

八幡「………」

結衣「ああ、もう決めた!!ヒッキーこれ!!」

八幡「お前。な、なんだよ、このノート…?」

結衣「いいから、読んで!!」

八幡「あー…?…『いつも見てたのに見てたと言えなくて』?」

結衣「音読すんなし!!黙って読んでよ!!」

八幡「…おい、お前なんなのこのポエム…」

結衣「だからポエム帳!!時々書いてるの!!」

八幡「いや…お前これは…」

結衣「痛いでしょ!?あたしも相当痛いでしょ!?ヒッキーと同じくらい痛いでしょ!?」

八幡「いや、これは…さすがの俺も引くくらい痛いな…。文章が下手なのもあいまって相当に痛いな」

結衣「でしょ!?あたしも痛いの!!だからヒッキーだけじゃないの!!しかもあたしの場合、現在形だよ!?もう昔の話になってるヒッキーに比べても相当に痛いでしょ!?」

八幡「…お前顔真っ赤だぞ。そんな怒んなよ…」

結衣「当たり前でしょ!?こんな恥ずかしいもの読まれて、普通でいられるわけないでしょ!!バカ!!」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「で…、どうなの?」

八幡「いや…まぁ…引くくらいには痛かった」

結衣「そうじゃなくて!!」

八幡「………。まぁ、多少慰めにはなったよ」

結衣「そ、そっか…。へへ…良かった…」

八幡「いや…でもさ。お前、普通こういうの自分から見せるか?」

結衣「ひ、ヒッキーが、あんな顔してるからでしょ…?その、あたしのせいだし…あ、あたしだって相当悩んだんだからね!?」

八幡「別に…お前のせいってんでもないだろ…。ノート持って来たのも、見せたのも俺自身だし」

結衣「そ、それでも。傷つけちゃったのは…あたしだもん…」

八幡「お前は本当に…」

結衣「あ!!でも絶対誰にもこのことばらさないでよ!?」

八幡「バラすかよ、つかバラせねえよ。こんなの…」

結衣「そ、そっか…。あ、あたしもさ。ヒッキーの秘密の事は誰にもばらさないって約束する!小町ちゃんにだってだよ!?」

八幡「まぁ、小町は多少知ってるけどな」

結衣「それでも!それでも、あたしはヒッキーの秘密はばらさない!その、ヒッキーが嘘ついたり、適当なこと言ってごまかそうとしてきたとしても、この話だけは絶対に別!!」

八幡「………」

結衣「だからヒッキーもあたしの秘密をばらさない!これ約束!!お互いに裏切らないこと!!」

八幡「…まぁ…互いの黒歴史を人質に取り合ってるようなもんだしな。裏切れないだろ?普通。その…まぁ、黒歴史が黒歴史じゃなくなるまでは、な」

結衣「黒歴史って…何?」

八幡「こういうノートみたいな記憶のことだよ」

結衣「そ、そっか。なら安心だ」

八幡「……だな」

結衣「………」

八幡「…ああ、ノート返すわ」

結衣「あ、うん」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「なぁ、由比ヶ浜?」

結衣「何?」

八幡「今日な…あー、あの、あれだ。その、たこ焼きでも…食って帰るか」

結衣「…え?………!!う、うん!!行く行く!!」

八幡「じゃあ、あの商店街の店で」

結衣「ええ~!?絶対駅前のあっちのが美味しいよ!!あ、あと先に言っとくけど割り勘だからね!」

八幡「なんだよ。こういう時だからおごらされるかと思ったぞ」

結衣「だって、ヒッキーとは対等でいたいもん!」

八幡「そ、そうか」

結衣「うん!!」

八幡「んじゃま…、そういうことに…しますか、ね」

「ねっちゅうしょう」








結衣「ねぇねぇ、健康オタクのヒッキー?」

八幡「は?お前、いきなり何言ってんの?多少ビタミンDとかに詳しかったくらいでオタク呼ばわりとかやめてくんない?」

結衣「あはは、ごめんごめん、ちょっと言ってみたかっただけー」

八幡「んで?なんだよ」

結衣「ああ、あのね。今日、大岡くんが、野球部の子が昨日熱中症で倒れたって話してたんだけど。こんな時期に熱中症になるなんてあるの?」

八幡「そらまぁ、野球部が倒れたって言うんだから、あるんじゃねえの?」

結衣「…ヒッキー?」

八幡「いやさ、お前。俺だって別に詳しいわけじゃないんだからさ」

結衣「それでもいいから教えてよー、別に…内容がどうこうじゃ…ないんだし…」

八幡「あ?なに?」

結衣「いや!なんでもない!」

八幡「まぁ、あれだ。こんところ割と涼しかったのに、昨日はなんか熱かっただろ?ああいう日は熱中症もでやすいんだよ」

結衣「ふぅん?でも昨日なんて真夏に比べたら全然じゃん」

八幡「まぁな。けど問題は気温差なんだよ。人間の体ってのは順応性があるからな。暑い日が続けば、割と暑くても耐えられるようになってくんだよ。けどそれまで涼しいと体は涼しい環境に慣れちまうからな。真夏に毎日30度とかには耐えられても、この時期に急に25度とかになる方がリスクが高い場合もあんだよ」

結衣「そっかー。でもあれじゃん?やっぱヒッキーこういうの詳しいじゃん。やっぱり健康オタクなんじゃないの?」

八幡「なんでだよ、今の常識レベルでしょ。保険体育とかで習っただろ」

結衣「えー?そうだっけ?覚えてないよ?あたし結構昔から結構、保健体育の成績いいけど…」

八幡「見た感じ、そうだろうな」

結衣「え!?あたし保健体育の成績よさそうに見える!?」

八幡「まぁな…いろいろな」

結衣「そっかー…、でもヒッキーに成績良さそうとか言われたのはじめてだ…えへへ」

八幡「まぁ、季節の変わり目は風邪とかと同じで、熱中症にも気をつけようってことだわな」

結衣「ふーん、熱中症か…ん…ねっちゅうしょう?………」

結衣「………」

八幡「どした?由比ヶ浜…?」

結衣「あ、ううん。なんでもない!あ、あたしちょっとメールするね?」

八幡「ああ、そうか。あいよ」

結衣「………」カチカチ

八幡「………」ペラッ

結衣「ねぇ、あのさ。ヒッキー?」

八幡「あー?」

結衣「あ、あのさ。熱中症って言ってみて?」

八幡「は?なんで?」

結衣「いや!なんかさ!あたしさっき、ヒッキーと熱中症の言い方が違ったみたいな気がして!あたし、ヒッキーに時々発音おかしいって言われるでしょ?だからちゃんと教えてもらいたくて」

八幡「?。そうだったか?今…」

結衣「ねっちゅーしょう」

八幡「あぁ…確かになんかおかしいな」

結衣「やっぱり?」

八幡「熱中症、な」

結衣「ねっちゅーしょー」

八幡「だから、なんでそうなんの?熱中症だよ、熱中症」

結衣「だから!そんな何度も言われてもわかんないし!!ゆ、ゆっくり言ってよ!」

八幡「はー?そんな難しい言葉じゃねえだろ…。ね・ちゅう・しょう、だろ?」

結衣「あ、ああー熱中症?」

八幡「なんだ言えんじゃねえか。それだよ、それ」

結衣「そっかそっか、ありがとね?ヒッキー」

八幡「おー」

結衣「あ!あたしちょっとジュース買ってくる!」

八幡「唐突だな」

結衣「い、いいでしょ!ヒッキー、マッ缶買ってこようか?」

八幡「あー?ああ、じゃあ頼むわ。ほい」

結衣「あ、いいよ!このくらい」

八幡「いや、対等にしようっつってたのお前だろ」

結衣「そっか、そうだね。う、うん!ありがとう」

八幡「あー、こちらこそな」

結衣「じゃ、じゃあ言ってくる!」

八幡「おー」


ガラガラ・ピシャ

スタスタスタスタ

結衣「………」

結衣「………」キョロキョロ

結衣「………」

結衣「………」カチッ

携帯『は?なんで?』ピッ

結衣「ううん、ここじゃない…」

携帯『だからなんでそうなんの?熱中症だよ』ピッ

結衣「ううん…、もうちょっと先…」

携帯『はー?そんな難しい言葉じゃねえだろ…。ね、ちゅう、しよう、だろ?』ピッ

結衣「!!」カチカチ

結衣「…ええと、切り取り…はもったいない…から…コピーして…それを編集…」ピッ

結衣「………」カチカチ

結衣「………」カチカチ

携帯『ね、チュウ、しよう』

結衣「………」カァ

結衣「………」カチカチ

携帯『ね、チュウ、しよう』

結衣「………」カァ

結衣「えへ、えへへぇ…」ニヘラ

「ふたりのり」












結衣「あ、ヒッキー!」

八幡「おう、じゃあな」

結衣「ちょ、ちょっと待って!?」

八幡「んだよ?」

結衣「だって、せっかく会えたんだからちょっとお話しよーよー」

八幡「いや、お前せっかく会えたって。さっき部室で別れたばっかだろ」

結衣「いや、そうだけどー。ゆきのんはさっさと帰っちゃったし、寂しいんじゃん…」

八幡「俺は雪ノ下の代わりかよ…」

結衣「そ、そういうんじゃなくって!ほら!あたし今日バス乗り過ごしちゃったでしょ?」

八幡「でしょ?とか言われても知らないんだけど」

結衣「いいじゃん!そういう事じゃなくってぇ!だから…と、途中までヒッキーと帰りたいっていうか…」

八幡「あー…?お前俺に自転車押してけっての?めんどくさすぎでしょ、それ」

結衣「……ダメ?」

八幡「………」

八幡「いや、まぁ、別に…だめじゃねえけど…。まぁ途中までな」

結衣「うん!」

× × ×

八幡「じゃぁ、何、お前サブレと寝てんの?」

結衣「いっつもじゃないけどねー。寝ようとしてると、時々サブレが来てさー。足の間とかに入ってきて太もものとこに頭のっけたりするんだよ。もう超かわいいの!!」

八幡「はぁん…。つうか、いつもそんなところで寝させてんの?」

結衣「んーん、一番多いのは肩のところに乗って来て、腕枕みたいになったりするの。時々は胸の上に乗ってきたりするんだけど、それはささすがに重いから下ろすけどね~」

八幡「あーなるほどな…つか、なんなのサブレのやつ…」

結衣「人懐っこいんだよぉ」

八幡「親ばかはみんなその手の事いうよなー」

結衣「親ばかじゃないし!…あ」

エー!ソンナンジャナイシー!イヤイヤ、オマエフトッタンジャネーノ?オモイゾ。ヒドーイ!

八幡「………」

結衣「………」

八幡「…どした?」

結衣「ううん…なんでもない…」

八幡「そうか」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「ひ、ヒッキーはさ」

八幡「あん?」

結衣「お、女の子と自転車の二人乗りってさ…したこと…ある?」

八幡「ああ、あるぞ」

結衣「……え?」

八幡「なんだよ」

結衣「ひ、ヒッキーあるの…?」

八幡「ああ、小町とな。時々な」

結衣「ああ…そっか…。小町ちゃんか…びっくりした…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「あのっ」

八幡「ここ」

結衣「え?」

八幡「おまえんち、その道まっすぐ行ったらすぐそこだろ。ここまでで、いいんじゃねえの?」

結衣「あ…うん…そう…だね…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「…じゃ、明日な」

結衣「あ、ひ、ヒッキー!!待って!?」

八幡「なに?」

結衣「あ、あたし!してみたい!」

八幡「……なにを」

結衣「ふ、二人…乗り…。そ、そのしたことないし…」

八幡「つってもな…千葉の道交法では6歳未満の幼児以外は二人乗りできねぇからな」

結衣「ひ、ヒッキー小町ちゃんと時々するって言ってたじゃん!そ、それにさっきの二人もしてたし…」

八幡「いや、まぁ…そうなんだけどさ…」

結衣「じゃあ、後ろに座るだけ、ちょっと、座るだけでいいから…」

八幡「………。好きにすれば」

結衣「う、うん!!」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「満足?」

結衣「う、う~ん…」

八幡「………」

結衣「あ、あの。ちょっとだけ。ちょっとだけ…こいでもらえない…かな」

八幡「あー?やだよ、重いし」

結衣「重くないし!!失礼だし!いいじゃん!そこの電柱まででいいから!!」

八幡「はー……」

キコキコキコ、キキッ

八幡「満足?」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「…うん…。ありがと…ヒッキー…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「…ふぅ」

結衣「………」

八幡「…そこ」

結衣「え?」

八幡「おまえんち、その道まっすぐ行ったらすぐそこだろ。そこまで行きゃ満足できるか?」

結衣「え?あ!!あ!うん!!」

八幡「んじゃ、行こうぜ」

結衣「う、うん!あ、ヒッキー掴まってもいい?」

八幡「あー…腰はやめろよ?腰は。せめて肩、な」

結衣「うん!!ヒッキー、ありがと!!」

「こうしえん」











結衣「ヒッキーってさ『タッチ』とか読まないの?」

八幡「あー?なんだよ急に」

結衣「いや、あのさー昨日パパの部屋にあったから、借りてちょっと読んだんだけど…」

八幡「お前さ、最近、親父さんの所有物だってことにすれば、強引な話なふっても大丈夫だとか思ってない?」

結衣「いやー、えへへ」

八幡「いや、褒めてねぇからな。てかその照れ笑いはやめろ。うつるだろうが」

結衣「そんで?」

八幡「そんで?って…ああ、まぁ読んだことくらいはあるけどな。あんま好きじゃねえんだわあだち充」

結衣「なんで?」

八幡「なんでってお前。俺があんな青春全開漫画好きになると思うの?」

結衣「あぁー、そ、それは確かに…」

八幡「だいたいだな。『H2』とか『カツ』とか読んでてもそうだけど、主人公が面がいい上に才能全開ってのが腹立つし、納得いかねえんだよ。なんなの?チートなの?葉山なの?」

結衣「なんでそこで隼人くんがでてくるし!」

八幡「いやだってあいつHayama HayatoでH2じゃねえか」

結衣「それ言ったらヒッキーだって、Hikigaya HachimanでH2でしょ!?」

八幡「ああ…そういやそうだな。なんだHachimanとHayatoでH2だったのか。そういうこと言うと海老名さんが寄ってきそうだからやめてくんない?」

結衣「自分で言ったんでしょ!?ほんと適当だし!」

八幡「いやまぁ、そもそもだな。俺は甲子園ってのが好きになれねえんだよ」

結衣「どうして?みんな頑張ってるのってすごくいいじゃん?」

八幡「いや、だってお前、甲子園なんてただの高校野球の全国大会のはずじゃねえか。なのに県大会レベルですら少し勝ちゃ、全校レベルで応援に行くだろ?甲子園進出なんて果たした日にゃ、大応援団引き連れて関西まで大遠征だ。ほかの部活だったら全国行ったって家族が応援に来るかすら怪しいぞ?なんで野球部だけそんな特別扱いなの?おかしいでしょ」

結衣「う、う~ん…そう言われればそうかもだけど」

雪乃「それは甲子園が既に高校野球の枠組みを飛び越えて、大きなカネの問題に絡んでくるからよ」

八幡「おー、これまで沈黙を守ってきた雪ノ下がとうとう喋ったな」

雪乃「別に黙っていようと思って黙っていたわけではないわ。私には漫画の話なんてわからないもの」

結衣「ゆきのん、お金の問題ってどういうこと?」

雪乃「そうね、そもそも春の甲子園は毎日新聞、夏の甲子園は朝日新聞が主催に入っているわけなのだけれど。新聞社などでは、ある程度全国に出場する高校が見えてくると、応援広告をうつために動き出すわ」

結衣「ふんふん」

雪乃「これはその高校出身の人物が経営を行っている会社などに対してアプローチが行われるわけなのだけれど、細かい名刺広告、3、5段などの段売り広告、大きい会社だと全面広告と呼ばれる1枚すべて埋める広告ね、これらをあわせると…もちろんこれはその高校のレベルにも左右されるのだけれど、新聞社一社でも数百万は動くことがあるらしいわ。もちろん全国には無数の新聞社、全国紙の地方版もあるから、全体としてはその何十倍にもなるのでしょうね」

八幡「すごいな、ユキペディア。お前はなんでも知ってるの?それともなんでもは知らないの?知ってることだけ知ってるの?」

雪乃「質問の意図がまったくわからないのだけれど。まぁ他にもテレビ局や、ラジオ局だって出場校の特番を組んだり、新聞社も密着記事を書いたりするでしょう?父関係の知り合いで地方紙の記者をしていた人物がいるのだけれど、彼も普段はまったく畑違いの仕事をしているのに、甲子園の時期になると野球の取材にかり出されていたそうよ」

結衣「へぇ~」

八幡「はぁん、そんなこともあんのね」

雪乃「もはや、甲子園というのは視聴者や読者にとっても無視できないほどに大きなコンテンツになっているということね」

結衣「コンセント?」

雪乃「コンテンツ、よ。由比ヶ浜さん。情報を含む文章、音、動画などのことを指すわ。それにさきほど比企谷くんが言っていた大応援団のことだけれど、これらも甲子園の周囲の宿泊施設などにとっては大きな収入源になっているわ。なかにはこの時期だけで年間の収益を確定させてしまう宿もあるそうだから」

結衣「そ、そうなんだ!!それってすごくない?」

雪乃「えぇ。もちろん、これまでにあげてきたのはただの実例の一つでしかないわ。実際にはまだまだお金が動く局面があるし、それらは複合的に絡み合って現状を築き上げているわ。もはや甲子園が与える経済的効果は無視できないレベルにまで膨らんでしまっているのよ」

八幡「それだよ、それ。何をするにしても甲子園の背後にはそういう金の動きが透けてみて気持ち悪いんだよ。全国から優秀な生徒集めてきたり、優秀な監督を引き抜いたり、高校スポーツの範疇を超えちまってんじゃねえか。プロスポーツならともかくそういうの学生スポーツに持ち込むのって不純だろ」

雪乃「あなたが不純だなんて言葉を使うだなんて思わなかったけれど、まぁ概ねは同意するわ。けれどあれだけ大きな大会よ、運営するためには相当なお金が必要だもの、だから一概に金を集めるのが悪いと言い切れない部分はあるのではないかしら。原理原則はともかく、さっき言ったように、既に甲子園は多くの人が興味を持つイベントに成長してしまっているのも事実だもの、そう言った情報を届けるのはマスコミの義務でもあるでしょう?」

八幡「まぁ、それもわからなくはないけどな…」

結衣「ううん…」

雪乃「あら、どうかしたの、由比ヶ浜さん」

結衣「なんか二人みたいに、頭がいいといろんな事考えて素直に楽しめなさそう…」

八幡「よかったなぁ!由比ヶ浜!!お前は人生が楽しそうで!」

結衣「それはあたしがなんにも知らない馬鹿って言いたいの!?」

八幡「え…?いや、自分でその話振ったんだろ…?」

結衣「引いた顔すんなし!!傷つくからぁ!!」

雪乃「大丈夫。大丈夫よ、由比ヶ浜さん。知識がないということを自覚しているということは、とても貴重なことだわ。少しずつ…少しずつでいいの。あなたのできることをお勉強していきましょうね?」

結衣「ゆきのんにお勉強とか言われたぁ!!幼稚園児を話すみたいに言われたぁ!!馬鹿にしすぎだからぁ!!」

八幡「そうでもないだろ」

雪乃「妥当だと思うわ」

結衣「ひどい!!!二人ともひどすぎだからぁ!!」

八幡「学んだな」

雪乃「今度は『馬鹿にしすぎ』は避けたのね。いい判断よ、由比ヶ浜さん」

結衣「うわーーーーん!!」

「うまれかわり」










結衣「やっはろー…」

雪乃「あら、由比ヶ浜さん。どうしたのかしら、今日は少し元気がないようだけれど」

結衣「あ、ううん…ごめん。昨日あんまり眠れなくて…」

八幡「なんだ、いつでもどこでも快眠できるのだけが取り柄の由比ヶ浜にしちゃ珍しい。どうしたんだ?」

結衣「ちょっと!そんなことないし!あたしのび太くんじゃないし!!あたしの特技一瞬で寝るとかじゃないし!!」

八幡「じゃあ、何が得意なんだよ」

結衣「え…?ええっと、アポロチョコのピンクのとこと黒いとこを分ける…とか」

八幡「お前何言ってんの?それに何の意味があんの…?」

結衣「え…?わかんない…」

八幡「お前マジで何言っちゃってんの…?意味わからなすぎだろ…」

雪乃「まぁ由比ヶ浜さんが、時々わけがわからないことを言いだすのは今に始まったことではないでしょう?」

結衣「ゆきのん!?」

雪乃「それで?一体どうして眠れなかったのか、聞いてもいいのかしら」

結衣「あ、うん…あのね。昨日、なんか急に死ぬってなんなんだろうって考えたら怖くなってきちゃって…。そういうのが頭にぐるぐる回って全然眠れなかったの…」

八幡「はぁん…」

雪乃「なるほど…」

結衣「…やっぱり…変だよね…」

八幡「いや、まぁ、そういうこともあるんじゃねえの?俺も小3の頃はそんなこと毎日考えてたぞ」

結衣「え?毎日?」

八幡「おー。なんかの本で地獄が出てくる話を読んでな。そんでそこに行く事になったらどうなんのか考えてたんだよ」

雪乃「あなたの場合、将来的なことを考えれば予習をしておくにこしたことはないものね」

八幡「おい、俺が地獄に行くの確定、みたいな言い方すんのやめてくんない?まだ天国に行ける可能性だって1割くらいは残ってるだろ」

雪乃「自分で1割とか言ってしまうのね…さすがは比企谷くんだわ…」

八幡「まぁ、それで授業そっちのけで死ってなんだろう、とか考えてたんだよ。ほら、小学校の頃とかって机の中に小物いれる籠とかあっただろ?あれにひたすら死って書き続けたりしてな。最後には死って文字で籠が真っ黒になってたぞ」

結衣「なにそれヒッキー!ちょっと暗いし、怖すぎ!!」

八幡「いや、まあ聞けよ。そしたらある日掃除の時間の時、机動かしてたらその籠が机からポロっとこぼれ落ちてな。それを担任が見ちまったから大変だ。いじめられてないのに、いじめられてることにされて学級会議がはじまってな、誰がこんなことしたのか犯人探しだよ。教師はいじめなんて許さないってぶちぎれるし、もう針のむしろだ」

結衣「う、うわー…」

雪乃「比企谷くん…、それは本当にいじめられていたのではないかしら。その…自己防衛反応として記憶を改ざんしてしまうことはあることでしょう?」

八幡「自己防衛とか言うなら、傷つけることを目的としてそういうこと言うのやめてくんない?結果的に学級会議では自分でやったと言い出せなかったけど、やってるのを見てたやつがいて、お前のせいで怒られたとかってハブにされたとかねえよ」

結衣「やっぱり、ちょっといじめられてんじゃん!」

八幡「まぁ、そういうこともあるから。人間誰しもそういう時期があるってことでそんな気にしなくていいんじゃないの?」

雪乃「そうなのかしら…私はあまりそういうことを考えたことはないのだけれど…」

結衣「なんかフォローされてるのに全然嬉しくないんだけど…。てか死んだらやっぱり天国か地獄に行っちゃうのかな…」

雪乃「私には、死んだ経験もないし、そういう経験のある知り合いもいないからあまりいい加減なことは言えないのだけれど」

八幡「むしろ、あったら怖いだろ」

雪乃「そうね…、ああ、そうだわ比企谷くん。ちょっと体験してレポートを提出してもらえないかしら?」

八幡「遠回し…いや、かなり直接的に死ねって言うのやめてくんない?」

雪乃「それで、宗教によっては死の後にはまた他の生き物に生まれ変わるって考え方があるのよ」

八幡「輪廻な」

結衣「りんね?」

雪乃「ええ、生前の行い…つまりどんなことしたかによって次に生まれ変わる生き物が決まるという考え方ね。そうね…この場合…比企谷くんがなぜ人間に生まれてこれたのかは、非常に不思議なところなのだけど」

八幡「おい!」

雪乃「来世では、おそらく昆布かなんかに生まれ変わるだろう、という考え方ね」

八幡「おい!昆布ってなんだよ。俺はそんなに業が深いのかよ」

結衣「こんぶ…」

雪乃「いずれにせよ。生きている我々が死んだ後の世界を考えたところで結論がでるはずはないわ。けれど…その…もし天国と地獄があるのならば、あなたはきっと天国に行けるはずだし。輪廻があるとしたら、きっとあなたはまた人間に生まれてくることが出来ると思うわ。だから…安心なさい」

結衣「うん…!ありがと、ゆきのん!」ヒシッ

雪乃「いえ…いいのよ…」ナデナデ

結衣「あ、でもさ…」

八幡「あん?」

結衣「あたし、生まれ変われたても、また二人に会いたいし。天国があるなら3人で行きたいな。だから…その仲良くしてね?」

雪乃「由比ヶ浜さん…」

八幡「まぁ、俺の場合。地獄に行くか、昆布になるかは決定らしいけどな」

結衣「ヒッキー…」

雪乃「なら、死ぬまでにはしっかりとこの男が徳をつめるよう、あなたが指導してあげることね。由比ヶ浜さん。この男のカルマを善の方向に傾けることは並大抵の努力ではできないわよ。がんばりなさい?」

八幡「は!?」

結衣「ゆきのん!!よーし!聞いたでしょ!?ヒッキー!明日から一日一善!!がんばろうね!!」

みなさん、感想とかネタ提供とかありがとう!
でもネタもらってもいかせないのもあるのはすんません!
特に他アニメネタとかがよくわからなかったり、サブキャラ勢とかはいまいちキャラが掴めてなくて出せてなかったりします。そのへんはすんません
あ、材木座がでないのはわざとですけど

「ちゅうしゃ」









ひゃんひゃん!ひゃんひゃん!

八幡「ん…?」

ひゃんひゃん!ひゃんひゃん!

八幡「聞き覚えのある馬鹿っぽい鳴き声が聞こえるな」


結衣「………」

サブレ「ひゃんひゃん!ひゃん!ひゃん!」

結衣「………」

サブレ「くぅ~ん?」


八幡「なんか…やけに深刻な顔してんな…」

八幡「………」ポリポリ

テクテクテク

八幡「おい」

結衣「うひゃあぁ!!」

八幡「…おう」

結衣「な、なんだ、ヒッキーか…。びっくりしたぁ」

八幡「お前、何深刻な顔して児童公園にいんの?もしかしてブランコのこぎ方がわからねぇの?よつばかよ」

結衣「よつばって誰だし!!ていうかブランコのこぎ方くらいわかるし!!ヒッキーこそこんなとこで何してんの?」

八幡「いや、本屋行くんだよ」

結衣「あはは。ヒッキー休みの日に会うといっつもそればっかりだね」

八幡「俺が休みの日にすることって言ったらそんぐらいしかねえんだよ。だいたいそこそこの品揃えある本屋行こうと思ったら、こっち方面にでてくるしかねえんだよ」

結衣「そっかー」

八幡「んで?お前は何してんの?つうかちょっと元気なくねぇか?」

結衣「………。笑わない?」

八幡「約束はできん」

結衣「ううん…。まぁ、いっか…その怖くて…さ」

八幡「怖いって何が?体重計?」

結衣「ヒッキー失礼だし!そんなんじゃないし!ていうかちょっとデリカシーたんないんじゃないの!?」

八幡「じゃあ、一体なんなんだよ」

結衣「だから…その…注射…」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「…じゃあ、頑張れよ」

結衣「ちょ、ちょっと!ヒッキー!?」

八幡「んだよ?なんなの?」

結衣「なんなの、じゃなくって!あたし怖いんだけど!」

八幡「何が?」

結衣「だから注射!!」

八幡「…そうか。頑張れよ」

結衣「ちょっと!ヒッキー!?それじゃさっきとおんなじじゃん!!」

八幡「もー?なんなのー?かまってちゃんなの?レヌール城なの?はいを選ぶまでえんえんと続くの?この感じ」

結衣「だるそうにすんなし!」

八幡「いやさぁ、お前の頭が幼稚園児並みってのは知ってたけど」

結衣「ちょっと!!」

八幡「でも、まさか。仮にもいい年した女子高生が注射受けんのが怖いって言ってるとは思わないだろ。予想GUYだろ。つか心配して損したわ」

結衣「違うし!あたしがするのが怖いって言うんじゃないの!サブレの注射なの!!」

八幡「はぁ?」

結衣「だからぁ!サブレに予防接種受けさせるために獣医さんとこに行く途中だったんだけど、ちょっと怖くなってここで時間つぶしてたの」

八幡「え?サブレが注射受けるのに、お前が怖がってたの?」

結衣「だから!そう言ってんじゃん!!」

八幡「え?これ意味がわからない俺が悪いの?サブレが注射受けるのに、お前が怖がる理由がわかんないんだけど。お前どんだけ感受性が豊かなんだよ。サブレと同調しちゃってんの?」

結衣「そうじゃなくてさ、サブレの注射する時って…そのサブレ、嫌がって暴れるから、抑えなきゃなんだけど…その…そん時すごい悲しそうな声だすから…」

八幡「はぁん…」チラッ

サブレ「へっへっへっへ」

八幡「つったってだな。予防注射だろ?それしなくて病気になるかもしれないのサブレじゃねえか。だったらしてやんのが飼い主の責任ってやつなんじゃねえの?」

結衣「うん…。それはわかってるし…だからちゃんと行こうとしてたんじゃん…。でも途中で去年のこと思い出しちゃって…ちょっと勇気が出なかったの!」

八幡「だったらお前、お袋さんか親父さんか誰かに付いてきてもらうか、代わりに行ってもらえばよかったじゃねえか」

結衣「誰か…?」

八幡「………」

結衣「じゃあ、ヒッキー来てくれる?」

八幡「は?」

結衣「…ううん…なんでもない。ちょっと言ってみたかっただけ。ヒッキー本屋行くんでしょ?気にしないで」

八幡「あー…」

結衣「………」

八幡「あそこか?駅前んとこ?」

結衣「んーん…大通りの…あそこの角にあるでしょ?」

八幡「あー、あっちか」

八幡「………」ポリポリ

八幡「んじゃ。さっさと行こうぜ」

結衣「へ?」

八幡「いや、注射。行くんじゃねえの?」

結衣「い、いや!いいよ!気にしないで!悪いし!ちょっと話を聞いてもらいたかっただけで…。そ、そんなつもりで言ったんじゃ…ないし」

八幡「………」

結衣「………」

八幡「………」

結衣「あの…ほんとにいいの?」

八幡「いいんじゃねえの?方向一緒だろ?」

結衣「そ、そっか…えへへ…じゃぁ…頼んでもいい?」

八幡「おー」

結衣「ありがとね…ヒッキー」

八幡「まぁいいけどよ。慣れろよ?今回で。来年もどうせ行くんだろ」

結衣「う、うん。そだね。……あ、でもさ。もし今回で慣れなくて、次回も怖かったら…さ。その…ヒッキーも来てくれる?」

八幡「は?お前さ。行く前からダメだってこと前提に考えんのやめろよ」

結衣「あぁ…そ、そだよね…。ごめん…」

八幡「でもま…。そん時はそん時なんじゃねえの?」

結衣「そん時はそん時?」

八幡「そん時はそん時」

結衣「う、うん!じゃあその時はよろしくね!?」

八幡「いや、だから。行ってから考えろよ」

結衣「うん!!ヒッキーありがとね!!」

照りつける灼熱の太陽、熱せられた砂塵まじりの空気。
そこには累々といくつもの肉の固まりが転がっていた。
漂う、むせ返るような血と硝煙の臭い。
それに死体から流れ出る吐瀉物と排泄物の臭いがないまぜになり、あたりはまさに地獄の様相を呈していた。

ーいや、そこにいたのは死体ばかりではなかった。死肉を喰らうカラスに混じり、二つの人影が動いている。

一人は中肉中背、その体はわずかに前傾姿勢をとっており、手にしたM4カービンを油断なく動かし、警戒の体勢を緩めない。

一人はデ…軍人とは思えない幅の広い体系をしており、ミニミを軽々と片手で持っていることもさることながら、戦闘服の上からコートを着込んでいるのがこの中東の大地にあってあまりにも異様であった。

彼らはお互いを援護しあいながら、一軒の建物へと吸い込まれるように入って行く。
侵入者たちの歩みにあわせ、砂塵ともホコリとも知れぬものが宙にまい、差し込む陽光にキラキラと輝いた。
それは地獄の戦場にあって、どこか幻想的な光景でもあった。

「クリア」

「こちらも、クリアだ」

彼らは素早く室内を確認すると、わずかに安心した様子を見せた。

「ふむん。やはり我らのほかは全滅のようだな」

コートの声の男が口を開くと

「まだ連中の反応は消えたわけじゃない。決めつけんなよ」

もう一人の男が短く答える

「だが、八幡よ。彼らのほとんどは新兵ではないか。確かに『彼女』も向こう側にいた。そう信じたい気持ちはわかるがー」

「黙れ材木座。その話はするなと言ったろうが」

向けられた銃口がギラリと光り、材木座と呼ばれた男からタラリと汗が流れ落ちた。

「す、すまぬ。我が軽卒だった…。だから八幡よ、銃を…下ろしてくれ」

「ふん…」

材木座の懇願に八幡は素直に従った。別に彼は目の前の男に情けをかけたわけではない。銃声で敵に位置がばれ、自分の命が危険に晒されることを恐れたのだ。……というか材木座に撃ち込む弾丸がもったいない。

「しかし一体この状況からどうするのだ?」

材木座が尋ねると、八幡はわずかに開いた窓の隙間から外を指し示した。

「俺たちが他の連中との合流地点に行くには、あの橋をわたらなきゃいけない…だが」

「あの建物か」

「ああ、あれが厄介だ。俺の見立てだと、あの建物にゃおそらく3人はいる」

「ふむ。となれば気づかれず通り抜けるのは不可能!殲滅するしかなかろう」

材木座の言葉に八幡が頷いた。八幡にとって材木座の言葉に同意するのは正直スゲームカつー目の前の男と意見が重なるなど許しがたい屈辱ではあったが、状況が状況であった

「材木座お前はここかー」


ヒュン。
刹那。何かが空気に切り裂く音が響いた。
その音が敵が放った鉛玉が作り出した音であることを歴戦の勇士たる比企谷八幡が気づかぬわけもなかった。

「伏せろ!材木座!!」

八幡の言葉に材木座がその身からは信じられないほどの瞬発力を発揮し、物陰に隠れることで答えた。
相変わらず逃げることに関しては、動ける[ピザ]すぎて気持ち悪い。

「八幡どうする!撃ってきたぞ!!ばれているではないか!!」

材木座が叫ぶ。うるせえ黙れ。

「やることは変わらん!材木座!お前はここから撃ちまくれ!!俺は側面から回り込む!!」

材木座の答えも聞かず、八幡はドアから飛び出した。建物に侵入した時点で彼は外にある遮蔽物の位置も完全に把握していた。
正面の建物からはここは確実に、死角となるはずだった。

彼が飛び出した建物から、銃口が突き出され、5.56mm NATO弾が戦のリズムを奏でた。
それに答えるように向かいの建物からも銃声が響く、2、いや3。材木座は十分に囮としての役割は果たしているようだった。

「上等…!」

八幡は路地裏を進んだ。行動は迅速に、しかし決して慌てずに。その無駄のない動きは、さながら精密機械のようであった。
その動きはまさに、彼が戦場で過ごしてきた日々のー結晶ー

目標の建造物にたどりつくと、八幡は建物の壁に張り付き。内部の様子を伺った。
銃声の位置を聞き、それを頭の中の地図に落とし込む。

敵の位置は把握した。

扉を蹴破ると八幡は部屋の中へと飛び込んだ。
タン・タン・タン!
まるで良く出来た打楽器の演奏のように、リズム良く放たれた弾丸が1発は頭に、2発は胸へと吸い込まれ、一人目の男が糸の切れたマリオネットのように倒れ込むのを比企谷八幡は見るでもなく見た。
八幡の意識は既に二人目の相手に注がれ、相手が反応する間もなくさらに三発を放つ。
二人目を撃ち倒すと、八幡は視線を三人目へと向けた。
三人目の相手は、今の階下の騒ぎをまるで解さないかのように、いまだに外に向かって、おそらくは材木座に向かって発砲を続けていた。いっそ、やっつけてくんないかな。あの人。
だが自己保身を第一義とする八幡にとって仲間…いちおう味方…が撃ち倒され、敵と一対一でやり合うことなるのは避けたいことであった。
彼はセカンダリーウェポンであるM9に持ち替えると、未だに発砲をし続けている2階の男に近づき、その頭に向けて引き金を引いた。


外に出ると材木座がこちらに近づいてくるのが目に入った。ちっ、やっぱり生きてたか。
だが八幡の意識は、すぐにその後ろから近づいてくる人物へと移って行った。

戦闘服の上に、幼さの残る顔立ち、お団子にまとめられた茶色い髪。その可愛らしい容貌に、手に持ったカラシニコフはひどく不釣り合いに写った。

「ヒッキーー!!!あぶなーーーいい!!!」

彼女の口が聞き覚えのある名前を呼び、聞き覚えのないフレーズを口にした。
7.62ミリ弾が唸りをあげ、弾丸が次々と吸い込まれて行く。

材木座に。

「えふぴーえす」








八幡「それ、材木座!材木座!」

結衣「え!?ヒッキー材木座って誰!?」

材木座「え!?俺なんですけど!」

八幡「素に戻ってんじゃねえよ、材木座。由比ヶ浜、中2だよ、中2」

結衣「え?今の中2だったの?ヒッキーに近づいていくから敵かと思った!」

八幡「いや、敵なのは間違いないんだけどよ。一応チーム的には味方なんだよ」

材木座「い、いや!なにを言っているのだ八幡よ」

八幡「うるせぇ、黙れ」

結衣「ご、ごめんね。中2」

材木座「う、うむん…特別にゆrー」

八幡「いや、材木座を倒したのはよくやったんだけどな」

材木座「は、八幡!?」

八幡「お前さっきから味方しか撃ってないからな、由比ヶ浜」

結衣「え!?嘘!?」

八幡「お前スコア見てみろよ」

結衣「どうやって見るの?」

八幡「スタート」

結衣「えっと…これか。あれ?-19とかになってる!!」

八幡「そうそう。それがお前が倒した仲間の数な。言っとくけど、さっきからチャットではお前の悪口しか流れてねえから」

結衣「え!?嘘!?マジ!?」

八幡「つーか、お前。それ親父さんのアカウントなんだろ?言っとくけど、あと一人間違えたらBANされるからな?」

結衣「バンってなに?銃の音?」

八幡「違う。追い出されて二度とサーバーにー」

結衣「あ!敵だ!!」

八幡「違う!それ味方味方!!てか話きけよ!!」

結衣「うりゃああああ!!!」ガガガガガガガガガ

結衣「よし!たおー」

lovely daughter 0618 が kick されました

八幡「………」

材木座「………」

八幡「………」

材木座「………」

八幡「まぁ…続きやるか」

材木座「う、うむん…」

まだゆいゆいを愛でたりないし、せっかくなんでもうちょい書こうと思います。
ただ7.5巻でゆいゆい分を補充するのと、9月に向けて生活が一変してちょっと忙しくなるので投下スペースは遅くなるよ!
ネタ切れも起こしてるので、みんなの協力よろしくね!

「ひとにあい」






雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「…それにしても遅いわね…」

八幡「…だな。多分また教室で三浦とかと話しているんじゃねえの?」

雪乃「……。まったくあの子は部活のことを一体なんだと思っているのかしら」

八幡「あいつにはあいつの付き合いってもんがあるんだよ」

雪乃「…そうね。あの子は私たちとは違って交友関係が広いものね」

八幡「前は俺と一括りにするなとか言ってなかったか?」

雪乃「事実だもの。こちらから言う分には別に構わないわ」

八幡「そうですか…」

雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「………」

八幡「なぁ、雪ノ下…」

雪乃「なにかしら?」

八幡「あいつはさ。なんで俺たちみたいなのに構うんだろうな」

雪乃「あなたと一括りにしないでもらえるかしら」

八幡「お前、さっき自分で、構わないって言ったばかりじゃねえか」

雪乃「自分で言う分にはかまわない、と言ったのよ」

八幡「さいですかっと」

雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「そうね…」

八幡「………」

雪乃「由比ヶ浜さんは浅慮だし、慎みがないし、深く考えずに思いつきだけで物を言うし、その場しのぎでごまかすし、何かと騒がしいし、いい加減だし、すぐに調子に乗るし…」

八幡「……随分な物言いだな」

雪乃「けれど…」

雪乃「彼女は誰が相手でも、いいところを見つけられる。きっとそんな才能を持っているのよ。それがたとえ…」

八幡「………」

雪乃「………」

八幡「美しいものを、美しいと思えるあなたの心が美しい」

雪乃「相田みつを、ね」

八幡「ああ」

雪乃「あなたにしてはいい事をいうじゃない。本人に聞かせてあげたら?きっと喜ぶわよ」

八幡「言えるか、こんなこと。だいたい言ったところで通じねぇだろ」

雪乃「それもそうね、きっともう少しストレートに言ってあげないと通じないでしょうね」

八幡「だろうな」

雪乃「………」

八幡「………」

雪乃「天に星、地に花、人に…」

八幡「武者小路実篤だったっけか?」

雪乃「大元を辿ればゲーテに行き着くのだけれど」

八幡「そうなのか」

雪乃「ええ…けれど、広めたのは彼の功績よね」

八幡「…だな」

雪乃「きっと、人にはどんな形でも不可欠なものなのよ」

八幡「そうか?お前らしくもない気がするが」

雪乃「そんなことはないわ。それに…多分彼女は私にそれを与えてくれたもの」

八幡「それ、聞かせてやれよ。きっと泣くぞ、感動で」

雪乃「言えないわ、そんなこと。恥ずかしいもの」

八幡「だろうな」

雪乃「きっと、与えてくれるわ。あなたにも」

八幡「………。言ったろ、俺からは不干渉を貫くって決めてんだよ」

雪乃「そうかしら?相変わらず自己認識に長けているのかいないのか、よくわからない男ね」

八幡「………」

雪乃「………」

パタパタパタパタ!

雪乃「来たわね」

八幡「来たな」

パタパタパタパタ!

雪乃「じゃあ、今日はいつも通りということでいいのかしら」

八幡「そうじゃないと、顔あわせらんねぇだろ」

ガラガラガラ!

結衣「やっはろー!!遅れてごめんね!!優美子たちと話し込んでたら遅くなっちゃって!」

八幡「おう」

雪乃「いいから、早く席につきなさい、由比ヶ浜さん。部活はもう始まっているのよ」

結衣「うん!!」

「女の子は得にならない相手には優しくしない」
アホの子のマイリトルシスタの発言にあって、これほど物事の真実をついた言葉はない、と俺は思う。

例えば中学時代、さんざんっぱら俺が好きになってきた『優しい女の子』達
今思うに、彼女らの優しさは俺がぼっちだった故にむけられていたのだ。

俺が「ぼっち」だからこそ、それに手を差し伸べる彼女らは『差別をしない』『心優しい』として株があがる。
それは必要以上に犬や猫を可愛いと言う、可愛いと言う私可愛いアピールとなんら変わりがない、周囲に対する「ぼっち」にすら優しくする私優しいアピールなのだ。
クラス内ヒエラルキーに置いて確かに存在する『優しい女の子ポジ』を得ようとする行為でしかなかった。

だから、その対象が、ただの憐れみの対象で踏み台とするだけの対象が、勘違いして好意を向けて来たとき、彼女らは一様に牙を剥いたのだ。

「は?あんた何調子のってんの?」 と

だから彼女らはこれまでの優しさをかなぐり捨てて、クラスメイトたちと一緒になって、いやむしろ間接的にはその中心となって、俺をなじるほうに回ったのだ。そのほうが、勘違いしたボッチに優しくし続けるより、よっぽど合理的で利のある行動だから。「優しいからキモい男に勘違いされた」という言葉で、彼女らの立場を確定させることができるから。


だが彼女は違う。俺に必要以上に優しくしようとはしない。
クラスで浮いている俺にわざと話しかけて、周りから注目を浴びるような真似は決してしない。
ボッチだからという理由で話しかけ、強引に輪の中に入れようとするような真似は決してしない。
嘘で塗り固めた曖昧な言葉で俺がぼっちであることや、痛い人間であることを否定しようとはしない。
だがそれでも彼女は俺に話しかける、誰も見ていないことを知っていて、それがクラスにおいて彼女の利にならないを知っていて。だから彼女の優しさはきっと本物だ。必死に絞り出してくれた本物の優しさだ。


だから考えてしまう。彼女にとって利のあることはなんなのだ? と

いつも感情が暴走して、理性が止めるのを無視して、強引にことを運ぼうとした。
結果、中学に入学してから3年の6月までの2年と2月で、俺は負けに負け続けた。
多分並の人間の一生分くらいの負けは経験したと言っても過言ではないだろう。
その負けっぷり、かませっぷりたるや、ベジータはおろかヤムチャですらかすむと言っていいくらい。

だから俺は自分の心を律すると決めた。
常に理性で自分を制し、感情を暴走させないように、と心に決めた。

そんな俺だから思わないわけじゃない
どうでもいい相手とギクシャクしたくらいで、あんなに悲しそうな顔を見せるはずがないということくらい
どうでもいい相手と仲直りできたくらいで、あんなに嬉しそうな顔をするはずがないということくらい
どうでもいい相手とわざわざ浴衣まで着て、2人で花火大会に行ったりしないということくらい
どうでもいい相手とあんなに一緒に出かけたがったりしないということくらい

それに多分、あんな笑顔を見せてくれるはずがない、ということくらい

今度は客観的事実がそれを肯定してるいるのに、感情がそれを否定する。
そんなものは、まやかしだ。夢を見るな勘違いだ。自意識過剰だ、そんなうまいこと起こるはずがないだろ。

また傷つきたいのか? と

それが間違いだったら?
もし正しかったとして、勘違いではなかったとして、その関係が終わりを告げた時どうなってしまうだろう。
結局のところ、ベクトルが変わっただけで。俺の本質は大して変わりはしていないのかもしれない。

ことが運ばないうちから、進めようともしないうちから、その先の心配をするだなんて、馬鹿げているし、自意識過剰もいいところ。雪ノ下の言葉ではないが、本当に気持ちが悪い。

だが、それを考えられずにはいられない。

あんな気持ちを誰かに向けられたことなんてないから。あんなにまっすぐに見つめられたことなんてないから。
だから失うことを恐れてしまう。
関係性を進めてみて、その先素晴らしい未来が待っているだなんて決めうちできるほど、俺は能天気にはなれない。

だから俺は今の関係性が割と好きだ。

3人で馬鹿話をするのが、2人して彼女をからかうのが、プリプリとした表情が、次第に照れ笑いになるのが、好きだ。
俺の話に目を輝かせて、嘘に落胆して、間違ったことを言ってしまったのではないかと必死にフォローの言葉を探して、ころころ変わる表情は見ていて飽きることがない。
彼女の笑顔を見ていると、彼女と親しい極炎の女王三浦ですら心優しい少女に写り、蜂蜜の染みていない出来損ないのハニートーストですら絶品に感じられる。心臓は早鐘を打ち、不整脈すら疑ってしまう。
その感情を言葉に言い表すのは難しい。いや簡単だと言うむきもあるかもしれないが、今の俺には難しい。


平塚静は、彼女が部を活性化させた、と言った。

それは間違いのないことだ。ぼっちとぼっちがいても、集団には決してならない。おそらく彼女がいなければ、俺と雪ノ下雪乃は今も、知り合いと呼べる存在にすらなっていなかっただろう。挨拶をして、二言、三言くらいは言葉をかわすかもしれない。だが多分それだけだ。ららぽに買い物に行く事も、文化祭のことで協力することすらなく。多分恐ろしいほどに個と個であり続けただろう。
だが彼女がいたことで、俺たちは『同じ空間にいる二人のぼっち』から、『3人の奉仕部員』へと…集団へと形を変えることが出来た。

だから俺は今の関係性が割と好きだ。
それは彼女が作り上げてくれたものだから、そしてとても心地いいものだから。
大きく踏み込むことさえしなければ、その笑顔を、感情を、しばらくは向け続けてもらえるのは確かだから。
俺と雪ノ下雪乃の関係が『同じ学校の生徒』から『知り合い』へと変化したように、彼女との関係もなんらかの変化を遂げなければならない日が、決断を迫られる日が訪れるのかも知れない。
だがその日を強引に迎えたいとは、まだ思えないから。

だから、俺はまだこの関係を、3人の奉仕部を今しばらく続けたいのだ。



そんなことをつらつらと考えてしまうのは、今日の俺の行動がその気持ちに反して、少し彼女に歩み寄る行為だからなのかも知れない。

でも俺だって、断りきれないことくらい、ある。
距離を計りかねることくらい、ある。
決断が鈍ることくらい、ある。

だから、まぁ、その、なに?
たまには…このくらいお目こぼししてもらいたい。




結衣「ヒッキー!!」

八幡「おう」

結衣「ご、ごめんね?待たせちゃった?」

八幡「いや?ピッタリ時間通りだろ?ていうかピッタリすぎてむしろ引くわ。お前ストップウォッチかなんかなの?」

結衣「違うし!!なんで、時間通りに来てそんな言われ方しなきゃいけないの!?」

八幡「そうか?つかこんな軽口いつものことじゃねえか。いい加減慣れろよ」

結衣「慣れないし!それ軽口っていうか悪口だし!」

八幡「まぁ、細かいことは気にすんなよ」

結衣「ヒッキーがそういうこと言う!?」

八幡「ま、こんなところで言い合ってたってしょうがねぇだろ。とりあえず、帰ろうぜ」

結衣「帰らないし!!」

八幡「そうか…。んじゃ、ま。行くか。試写会」

一応1スレ目の締めはヒッキーのキモポエムで。
ちょっと早すぎた、かな。新スレ立てました

由比ヶ浜結衣「馬鹿にしすぎだからぁ!!」
由比ヶ浜結衣「馬鹿にしすぎだからぁ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376788470/)
よろすく

感想とかネタとか
あとはもし結構何話か見てくれた人がいたらどの話が好きだったか、とか教えてもらえると嬉しいです。
今後の参考にしたいので!

みんな感想ありがとう!!好きな話も書いてくれて嬉しい!
原作買ってくれた方もありがとう!やったねわたりん!ファンが増えたよ!!
あ、あとお義父さんはやめろ!…でもありがとう。で、でも娘はやらないんだからねっ!

全部好きだが
お義父さんの返信が良かったな
由比ヶ浜「このスレの魅力そこじゃないからー」

八幡「そうだな由比ヶ浜のプンスカを眺めるスレだ」

由比ヶ浜「ずっと見るって」/////

俺「結衣を下さい
お義父さん」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月01日 (水) 03:06:18   ID: Yh_zLznW

このSS好き

3スレ目はないのかね

2 :  SS好きの774さん   2016年04月03日 (日) 01:03:05   ID: tHpbu5VW

このSSマジでおすすめ!

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