ルルーシュ「ホームズ探偵学院…?」シャロ「2です!」 (526)


ミルキィホームズ×コードギアスのSSです。

注意!
・初SSです。至らない所がありましたらご指摘ください。

・ミルキィホームズはPSPのゲーム準拠です。
PSPのシナリオを少し変えてお送りします。

・小林オペラさんの立ち位置にルルーシュを置きました。オペラさん以外受け付けない方は回れ右。

前スレ
ルルーシュ「ホームズ探偵学院…?」


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前スレ>>1000さん
ありがとうございます。
携帯民なのでパソコン用がわからないんです…。
お手数お掛けしました。

正直こうなると思っていた反省はしている。


無理矢理もう一レス分空けておけば>>1乙!
で終わる夢が達成出来た…実に惜しい。
そして最後にダメだしって言うのがマジ残念な私。


まぁ終わったことは気にせずこのスレで達成することにします。

引き続き応援よろしくお願いします!


あ。ってことはここもですね。
誰かパソコン用URL宜しくお願いします…。

前スレPC用

>>7さん

ありがとうございます。


~登場人物~


ルルーシュ・ランペルージ/ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
コードギアスより。
時系列はゼロレクイエム後。
持ち前の頭脳で謎を解決していく。
元の世界へ帰る方法とC.C.を探しながらミルキィホームズの指導役をこなす。
ギアスは健在で時にはその力で推理の為の道筋を開く。
オマケではドラマCDぐらいの崩壊度。



シャーロック・シェリンフォード
ミルキィホームズの一人。
明るく元気でみんなの太陽的存在。
天然なところがあり、時々みんなを困らせる。
探偵として勘の良さに光るものがある。
トイズはサイコキネシス(念動力)。
視界にある離れたものを触れずに動かすことが出来るが、1kg程度の軽いものだけという条件があり、ルルーシュに励まされるまでコンプレックスだった。
祖父はかの名探偵シャーロック・ホームズで祖父からバリツという格闘術を受け継いでいる。
(バリツは恐らく使いません)
オマケではとりあえず蒲鉾。



譲崎ネロ
ミルキィホームズの一人。
一人称は僕など女の子らしくないことを本人も理解している。
冷静に物事を判断できるため分析力は高い。
とある夢があるらしく、そのためにお金をためている。探偵はそのための過程に過ぎないらしい。
トイズは「ダイレクトハック」
触れた電子機器にアクセス、ハッキングする能力だが、正しくは微弱な電力を読み取る力。
そのため生体電流を読み取り動物の気持ちをなんとなく理解するなど汎用性も高い。
ただし最近主流の光回線などには使えないため自身を含めミルキィホームズを「出来の良いメンバーではない」と評している。
先祖にはネロ・ウルフがおり、お菓子や食べ物への執着が強い。先祖譲りだろうか。
オマケではエルキュールを使い少々非道な面も見せる。あと株をなんかこうインサイダーしたりする。


コーデリア・グラウカ
ミルキィホームズの一人。
他のメンバーより歳上でみんなのまとめ役。
捜査にも真面目だが早とちりしやすく暴走することもある。
格闘術を心得ており、戦闘においても力を発揮する。
トイズは「ハイパーセンシティブ」(超鋭敏感覚)
所謂五感強化で視覚なら僅かな光で遠くまで見渡せ、聴覚ならドア越しに窓からの風の反響音である程度部屋の中を察知できるなど汎用性が高い。
ただし感覚は鋭敏になるため視覚なら通常程度の光が眩しすぎるなど強化したことがそのままウィークポイントにもなる。
先祖にはコーデリア・グレイがいる。
オマケでは割りと冷静。



エルキュール・バートン
ミルキィホームズの一人。
引っ込み思案で物静かな子。また恥ずかしがりや。名探偵小林オペラや生徒会長に憧れを持っているらしい。
読書家で知識もある。
トイズは「トライアセンド」
怪力能力でありドアや壁の破壊、かなりの重量の椅子も軽々持ち上げるなどが可能。
さらに怪力の副作用で重さ・硬さを変えることが出来る。
硬化は刀の斬撃を防ぐほどである。
しかしトイズを人前で使用することを恥ずかしがっており、「みんなの前では平気にならないと」と努力している。
先祖にはエルキュール・ポアロ。
オマケではネロに使われることもしばしば。
バイトでチェリー画伯がムクムクしたりする。


完結しました
って確かにおかしいですね…。
何も考えて無かったです。
もうなんか色々とグダクダだ…。


病んじゃう…。

>>1
とりあえずwikiやっときました

おかしいな…。
3日前ぐらいには投下準備が出来ていたのに…。

お久しぶりです。投下します。


~エルキュール・バートンside~




エリー「……………」ピッ

エリー「……………」ピッ

エリー「……………」ピッ

エリー「……………」ピッ

エリー「……………」ウーン

エリー「……………」ピッ

エリー「…………!」ピン

エリー「……………」ピッ





ルルーシュ(出ていくタイミングを逃したっ…!)


ルルーシュ(くそ…どうすればいい…!?)

エリー「………………」ピッピッ

ルルーシュ(このシチュエーションに対応する方法は34通り…。そのうちエルキュールへの効果が期待されるものは8通りか…いや7通り…)

エリー「………………」

ルルーシュ(その内最も安全かつ紳士的な行動は…)

エリー「………………」ススス

ルルーシュ(……これだな)

エリー「………………」ジーッ


ルルーシュ(よし…脳内シミュレーションは完璧だ…。行くぞ…!)

エリー「…ルルーシュさん?」チョン

ルルーシュ「なにぃ!?」

エリー「ひっ!」ビクッ

ルルーシュ(い…いつの間に後ろに…!?)

エリー「…ぁ…ぅ…」プルプル

ルルーシュ「あ…ああすまないエルキュール。少し驚いてしまって…」

エリー(…私の方が…ビックリ…です)

エリー「ただ…その…声を掛けようと…うぅ…」

ルルーシュ「すまない…。ちょっと想定外だったんだ…」


ルルーシュ「…それでエルキュール。何を調べていたんだ?」

エリー「…はい。…過去に怪盗トゥエンティから予告のあった事件の資料です…」

エリー「合計4件…。…ルルーシュさんは何か気がつきますか…?」

ルルーシュ「…………」


エルキュールの手渡したPDAには事件の資料が表示されていた。
また身元未確認人物の顔は防犯カメラの画像が貼られていて、かなり鮮明にわかっている。



・一件目
○○タワー
被害:王家の指環
侵入方法は不明。逃走経路は屋上には上がれないため恐らく陸路。
身元未確認人物:白髪中肉中背恐らく50~60代男性



二件目
・××美術館
被害:絵画二点「怪盗」「探偵」
侵入方法逃走経路共に不明。現場にはトランプのカードが5枚ほど落ちていたが指紋等手がかりは無し。
身元未確認人物:20代女性と思われる。左目の泣き黒子が特徴。また髪はロングで黒色。(発色から地毛であると推定される)



三件目
☆美術館
被害:アルセーヌ・ルパンの遺品
侵入方法は恐らく屋上から。陸路を固めていたため逃走も屋上からだと思われる。
ただし怪盗トゥエンティのトイズは未確認のため、トイズ使用の可能性があり。今までの事件の詳細への追加が必要。
身元未確認人物:30代男性と思われる。黒ぶちの眼鏡と右頬の傷が特徴。
茶色の短髪である。やせ形。



四件目
△△△展覧会
被害:女王のブローチ
手がかりは全く無し。
犯行直前に全体の電気が消えたため、ブレーカー等に細工をしていたと考えられる。
身元未確認人物:推定年齢40歳女性。特徴は少しだけ鋭い目。怪盗トゥエンティ犯行当日の昼頃に展覧会に入場。退場は確認されていない。



ルルーシュ「…………ふむ」

エリー「私は中々ピンと来なくて…」

ルルーシュ「身元未確認人物が一人ずつ…だが人相に似通った所は全くない…。…難しいな」

エリー「……うーん…」


と二人が思考を巡らせていると後ろから声をかけられる。


アンリエット「ルルーシュさん。エルキュール。捜査はどうなっていますか?」


ホームズ探偵学院生徒会長アンリエット・ミステールだった。


エリー「アンリエットさん…!その…ぇ…鋭意努力中です…」

アンリエット「それなら良かったです」

ルルーシュ「…なぜここに?」

アンリエット「近くを通ったので…ご様子を…と思いまして」

アンリエット「さて…長居するわけにもいきませんね。私はこれで。ではルルーシュさん。エルキュール。頑張ってくださいね」スタスタ

エリー「…は…はは…はい!」

ルルーシュ「……………」

アンリエット「………………」スタスタ



………
……




エリー「アンリエットさん…」

ルルーシュ「どうしたエルキュール」

エリー「アンリエットさんってカッコいいですよね…。探偵としても凄く優秀で学院の生徒会長…あの優しさ…立ち振舞い…」

エリー「私も…いつかは…あんな風になれるでしょうか…?」

ルルーシュ「………………」


ルルーシュ「……………」

エリー「…ルルーシュ…さん?」

ルルーシュ「…難しいだろうな」

エリー「えっ…」

エリー(……そんな…)

ルルーシュ「エルキュールにはエルキュールの良さがある。…が、それは彼女と同じものではない…」

エリー「…………」

ルルーシュ「エルキュールがどんな憧れを持とうとエルキュールの勝手だが人の良さと言うのはみな違う」



エリー「じゃあ…私はアンリエットさんみたいに…カッコ良い探偵にはなれない…って…」

ルルーシュ「そういうことじゃない。個性は人それぞれで全員違う…ということだ」

ルルーシュ「…それに…エルキュールは今でも充分可愛くて、それにカッコいいと思うぞ」

エリー「………っ!」///

ルルーシュ「さて…捜査に戻ろうか」

エリー「…は…はい…」///

ルルーシュ「…四人…女性二人…男性二人…か…いや。ここは狙われた物に共通点が…?」ブツブツ

エリー(個性…。私は私の個性を磨けば良い……ってこと…)


エリー(…そうしたら…///)

エリー(……ってそうじゃなくて!捜査しなきゃエルキュール!)

エリー(資料から…共通点を…見つけなくちゃ…)

エリー(共通点…手がかり…個性…手がかり…っ!また個性のこと考えてました…)

エリー(手がかり…そう私らしく捜査に取り組んで…そう…私らしく…)

エリー(私らしく…って…ま…また…!)

エリー(こ…個性の話しは一旦終わり…。捜査に…)



エリー「…………あ」


ルルーシュ「?どうしたエルキュール。いきなり「あ」なんて。珍しいな」

エリー「…ルルーシュさん…怪盗トゥエンティって…何人…ですか?」

ルルーシュ「人数…?怪盗帝国に所属している以上グループではないだろうな。1人だろうな」

エリー「じゃ…じゃあこの資料の身元未確認人物…共通点が…」

ルルーシュ「…全くないな」


エリー「トゥエンティは1人…なのに身元未確認人物は4人…。共通点は皆無…。……おかしくないですか…?」

ルルーシュ「……………」

ルルーシュ「…………!そうか…!そういうことだったのか…!」

エリー「はい…恐らくこの四人は怪盗トゥエンティの……!」


ルルーシュ「よくやったエルキュール。これは重要なファクターだ…。…これで必要な条件はクリアされた…!」





~エルキュール・バートンside fin~


投下完了です。
暑くなってきましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

投下前にレス返しするのを忘れてましたね。

>>15
レスのあった日に見てきました!本当に嬉しいです!ありがとうございました。



では失礼しますね。

最近雨ばっかで寒い
おつかれー

>>32

その雨のせいで蒸し暑く寝苦しい夜を送っているんですけど…。
冷房使おうか悩んでいるのは私だけなのか…。

少しずつ投下します。


~G4side~



〔AnotherView〕
~明智小衣~



「やぁココロちゃん」


そう言ってあの男…ルルーシュ・ランペルージは小衣に話しかけてくる。



嗚呼。なんなのよもう。



正直に言う。小衣はコイツが好きじゃない。
だって大好きな警視に向かって「神津」なんて…馴れ馴れしいったらありゃしないのよ!

あとココロちゃんって言うな!



だから文句を言ってみる。

ちょっとアンタ。
警視に「神津神津」って馴れ馴れしいのよ!


そう言うとお邪魔虫は少し戸惑いながら
「怪盗事件に関しては別に身分や地位の差があるわけじゃないしな」なんて言い放った。


…聞き捨てならないわね…!


いい!?警視は偉いの!
とりあえずアンタなんか警視が通りかかる度にペコペコしなきゃいけないぐらい警視は偉いの!

あと小衣は天才美少女だからアンタみたいな愚民は小衣の邪魔をしちゃいけないの!

アダムの涙の警護も外されちゃって…ま!小衣と警視率いる優秀な、優秀なG4が強力過ぎるせいね。謝っておくわ!

…ってこれは言っちゃだめね。心の中にしまっておくわ。寛大な小衣に感謝しなさい!





何よ。
何なのよ。

天才美少女明智小衣教授の警視の偉さについての講義を聞いたルルーシュはこちらを軽く睨んでいる。
…う。ちょっと嫌な気分ね。目力あるわねコイツ。


こ…こういうときは小衣の権力でなんとかしましょう。


次子!次子ぉ!



「はいはい。なんだよ、うるさいなー」

ふふふ…やっぱり小衣はカリスマ性があるわ…。
それにすぐに来てくれる次子を見てわかるでしょ?G4のチームワーク!



命令よ次子!この男をどっかに放り出して!



ふふふ。完璧ね。
さぁルルーシュ・ランペルージ!床に手をついて許しを請うがいいわ!


~fin~



小衣「命令よ次子!この男をどっかに放り出して!」

次子「……………」


すると銭形次子はG4のリーダー明智小衣の頬をおもいっきりつねる。


小衣「ひ…ひひゃいひひゃい!ひゃにひゅるにょよひゅひほぉ!」(い…痛い痛い!何するのよ次子!)

次子「……………」ギュウウウ


次子「悪い子にはお仕置きだ」ギュゥゥゥ!

小衣「ふぁふふぃふぉっれひゃにひょー!ふぉふぉふぉふぁひーらーにゃにょにょ!」(悪い子って何よ!小衣はリーダーなのよ!)

次子「反省」

小衣「にゃにが…」

次子「反省」

小衣「………ふぁい」

ルルーシュ「……………」


ルルーシュ(…ココロちゃんの頬は割りと伸びるんだな…シャーロックにでも教えてやるか)


次子「なぁアンタ」

ルルーシュ「…なんだ?」

次子「小衣のこと。悪く思わないでやってくれ。根は悪い子じゃないんだ」

ルルーシュ「…まぁ次子に免じて許してやるとするか」


別に怒っているわけでもないが、そういう態度をとってみれば今後この面倒な話は無しになるだろうとふんでルルーシュは少し怒ったように話す。




すると次子はルルーシュが怒っていないことを見透かしているかのようにいつもと変わらぬ調子で続ける。


次子「よし。ありがとな。……さて小衣行くぞ」ズルズル

小衣「ひひゃい!ふぁふぁっふぁららひっらららいれー!」(痛い!わかったから引っ張らないでー!)

小衣「ひゃなひへー!」(離してー!)

次子「ダメ」






ルルーシュ「……神津も大変だな」


ルルーシュ(さて。情報収集もしないといけない…。次は…こっちだな)スタスタ



今回少し手法を変えてみたんですけど…わかりづらいですかね?
不評なら書き上げてしまった咲side以外は元に戻します。

感想よろしくお願いします。


短めですが投下します。


〔AnotherView〕
~遠山咲~



あ~。面倒くさ~。


………………。
………………。
………………。
………………。



はっ!
なんだ~夢か~。怪盗トゥエンティからの予告状なんてなかった。
夢オチ…。実際に無くて良かった。お母さん今日もヨコハマは平和です。
今日もさわやかな朝が始まる。

~fin~


ここまでご愛読ありがとうございました!
ミルキィホームズとG4、それに怪盗帝国。三つ巴の戦いはまだまだ続く…。
彼女達の戦いはこれからだ!


>>1先生の次回作にご期待ください。









































……って言うのはダメかな~。

なんていうか~。怪盗とか正直どうでもいいんだよね~。

私は今、警視の命令通りにこのエレベーターの設定を少しイジっている。
なんでも非常時に…。


「咲。何か調べものか?」


……あ~。…遮られたから説明止~めた。



…で。話しかけてきたのはルルーシュ・ランペルージ。ミルキィホームズの指揮官。


いや~。別に~調べものじゃなくて警視から言われてこのエレベーターの設定をイジってる~みたいな。



あー…しまった。これじゃ折角説明を止めたのに結局聞かれちゃうじゃん。


「設定を…?どんな風にだ?」


ほら来た面倒くさい。




なんか~。非常時にもこのエレベーターが停止しないようにしておけってさ~。


怪訝な顔をするルルーシュ。

きっとこの後は「何故そんなことを?」って聞くでしょ。

さらに私が知らないって言うとルルーシュが考え出す。

そこで私は忙しいから作業に戻っていいか聞く。

「…ああ。すまない」みたいな感じで終わってルルーシュは何処かへ行く。


もう王道なんじゃない?




………
……



…私の予想が的中してから5分たった。
そろそろ設定の上書きも終わるし、新しい飴でも舐めるかな。お。ピーチ味。今日は運がいいかもね~。


でも…言われてみれば警視はどうして非常時にもこのエレベーターを動くようにしたんだろう?

…ま。逃げた怪盗を追うのに70階から階段でってわけにはいかないからかな。きっと。



さて。書き換えが終わった。
私は一回大きく伸びをする。
すると向こうの通路の方から何かを思いきり啜るような音が聞こえた。



~fin~


続きはまた後日ですね。
失礼します。


次子sideと平乃sideを一気に投下します。


〔AnotherView〕
~銭形次子side~




全く…小衣はホント人使いが粗いな…。

なんて小声でぼやきながら私―銭形次子―はエレベーターホール近くの通路に腰を下ろす。

いきなり小衣に呼ばれたかと思えばルルーシュを摘まみ出せ…なんて我が儘にも程があるよな。

とりあえず警備は中断。
来るべき怪盗に備えて…と。


………
……




ずずずずず~~~っ!!


作った特盛激辛ラーメンを思いきり啜る。
このボリュームで180円。超お得だよな!

うま~!辛~い!



…と三口目を啜り終えたところでルルーシュ・ランペルージに話しかけられる。


「つ…次子…?な…なにしてるんだ?」


ん?見りゃわかんでしょ?ラーメン!食べてんだよ。


「カ…カップ麺…?…こ…こんな時に…?」


こんな時。だからだよ。腹が減っては戦は出来ぬってね。
いざって時に力が入らないんじゃみんなを守れないだろ?



私はいつも通りの口調でそう言った。
…別に冗談ではない。いつもそう思ってるからいつも通りに言える。それだけだ。



私はみんなより歳上。かと言ったってリーダーじゃない。だから気負ってるわけじゃない。


それでも…。


小衣は頭が良くて冷静になれば判断力も高い。
ズバ抜けたカリスマ性と強いリーダーシップ。
個性の強いG4を纏めるホントのリーダー。


…でも私から見ればまだまだ子供。

負けず嫌いで自分勝手で我が儘で。

でも繊細で弱々しくてとても脆い。
…偉さってハリボテでか弱い部分を覆っただけの女の子。



咲もそう。

咲は電子機器に強い。たまにパソコンを覗くと全くわからない文字列が並んでたりするぐらい。

あ、でもマイペースでやる気がないのが難点な。

それでもちゃんと仕事はこなすし、怪盗と対峙すれば必死に戦う。
実は警察としての正義感もしっかり持ち合わせてる。

…プライベートじゃ誰よりもファッションに気を使うし、流行りのツイッターってのもやってる。
私にはよくわからないけどな。

G4の中で誰よりも女の子らしい女の子。

ただの。

どこにでもいる。

力の無い女の子。



平乃に関しては正直守る必要がないかな。

だって合気道に柔道、なんでもこなす達人。
警察の中でも腕利きで接近戦担当。
寧ろ私が守られる立場かもな。

ネックなのはG4にそれぞれ担当が決まってること。

わかりやすいシステムだ。



まともに戦えるのは平乃だけだってハッキリ提示してるシステム。


平乃が負けたらほぼお手上げってシステム。


戦いは平乃に任せろってシステム。


平乃が負けないって仮定した上でのシステム。


平乃だって一人の女の子なのにそれを無視したシステム。



でもこんなシステムに一つだけ嬉しいことがある。



傷ついた平乃を運べるのは私だけってこと。


私だけがみんなを遠くに連れていける。

G4の全員がチームで誰一人欠けちゃいけなくて、絆っていう永遠の繋がりを持たせてくれるシステム。



な?失うわけにはいかないだろ?


まぁ流石にここまで口にするのは恥ずかしいから話してないけどな。
勿論ルルーシュみたいな他人にも言えないさ。




「仲間想いなんだな…」


何言ってんのさ。あんただってそうだろ?ミルキィホームズを危険に晒すまいとしてるでしょ。


「い…いや……お…俺は別に…だな…。ただ危なっかしいと言うか…その…」


…あーハイハイ。顔を真っ赤にして言うもんじゃないよ。


私は少しニヤニヤしながらルルーシュに言ってみる。


「ち…違うっ!その…これは…そこのラーメンの辛い臭いにだな…!」


…そういうことにしておいてあげるよ。
と…言うわけであんたにも一つあげるよ。


「げ…激辛大盛ヌードル!?」



こっちでもいいよ?


「ハバネロマシマシ担々麺…!?」


あ。これもあった。


「……なんだこれは…?…い…いや遠慮する…まだ色々調べなくちゃいけないからな…」


そ。じゃあ私が!いっただっきま~す!


展示室に戻るルルーシュを尻目に、私は目の前の真っ赤なインスタント麺を腹の中に収めるのだった。



~fin~



ルルーシュ(あ…危なかった…!)

ルルーシュ(最後に見せられたカップ麺…パッケージが真っ赤で何が書いてあるかすらわからなかった…)

ルルーシュ(まずそんなパッケージ作るなよ!というか次子はどうして買ったんだよ!)



展示室に向かって歩いている途中で後ろから次子の悲鳴ともとれる絶叫が聞こえたのだが、ルルーシュは無視して歩く速度を早めた。



ルルーシュ(………………)

ルルーシュ(…やはりいくら考えてもわからない…)
ルルーシュ(何故神津は咲にエレベーターの設定を変えさせた…?)

ルルーシュ(…これは神津本人に聞くしかないな…)スタスタ


ルルーシュはホールの方へ歩きながら考え事をしていた。そしてその向かった先で、ある人物が考え事をしていた。



ルルーシュ(……あれは…平乃…?)



〔AnotherView〕
~長谷川平乃~




警備体制の見直しを終えた私が一息ついていると向こうからルルーシュさんが歩いてきました。

ルルーシュ・ランペルージさん。私の恩人。
たかが一度助けられただけで…とか言う方もいらっしゃるかもしれませんが…。

恩というものに対するギブアンドテイクは1:1じゃないと私は思うんです。



罠にかかり命の危機に瀕した鶴は恩返しに機織りをするわけですが…。

命と機織りが同等の価値を持つかって言われるとそうじゃないですよね?



苛められていたカメが恩返しに竜宮城へ招待しますが…。

竜宮城に連れていき豪華な食事に美しい舞…乙姫との出逢い…なんて釣り合うどころじゃないですよね?




つまりは気持ちの問題。
自己満足と一方的な押し付けの世界。

私はまだ恩返しが出来たとは思ってません。
だって私はまだ満足していないのですから。



だからルルーシュさんを見かけると力になってあげなきゃとかお手伝い出来ることは…なんて考えてしまいます。

見かけただけで頭はフル回転なんですけどそれは仕方の無いことです。

たまに少し顔が熱くなったり照れたり…しますけどこれも何か関係してるのでしょうか?



「平乃?考え事か?」


…ふぇ?



…話しかけてきたのはルルーシュさんでした。
…ルルーシュさん…でした。

…ああああああ…私ったら…ふぇ?…なんて…穴があったら入りたい…。



「平乃?顔が赤いぞ?体調でも悪いのか?」


い…いえ!問題ないです!


「それならいいんだが…」


そ…それでルルーシュさんはどうして此方に?


私は話題を変えます。
自分でもさっきのは忘れます。はい。


「ああ。神津はどこにいる?」


警視…ですか?
ここには…呼んできましょうか?


「いやそこまでしなくていいよ。ありがとう平乃」


い…いえ!
そ…それにしても今回は不幸中の幸いでした…。


「…不幸中の幸い…?なんのことだ…?」


警視…実は昨日から海外出張だったんです。…でも突然中止になって…。怪盗帝国相手に私達だけで挑むとなると…少し不安でしたので。


ありがとうと言われ少し照れてしまって急いで話を変えました。
警視…話のネタにしてすみません。



そしてルルーシュさんはいつも通り何か考えはじめてしまいました。
こういう時は推理に集中させてあげるべきですね。


では。ルルーシュさん。私はこれで失礼しますね。


「…ああ」


………
……



…しかし…。私の話を聞いて考え込むってことは私の話に何か引っ掛かることがあったってことですよね…。

…………………。


そうして私も考え込むのでした。



~fin~


ルルーシュ(…………………)

ルルーシュ(…整理しよう)

ルルーシュ(この事件…何かあるように思える…)

ルルーシュ(俺の感じている数々の違和感…)

ルルーシュ(だが…結論とするにはまだ早い…。何か…決定的な何かを…!)


神津「ルルーシュ・ランペルージ」

ルルーシュ「…!…神津か」

神津「そろそろ時間だ。お前たちも非公式とはいえ警備に参加する予定なのだろう?なら体制の説明をする。ミルキィホームズを集めてくれ」

ルルーシュ「…ああ。わかった」




ここまでです。
次子sideに何故か力が入りました。っていうより内容がそうなったって話ですが。

久々の2side投下ですね。
次子sideで筆が進んだ分その勢いでって感じです。


さてトゥエンティ編もそろそろ解決編です。
早くアルセーヌ編に入りたい…。


あと関係ないですが
生徒会の一存二期のキャスト変更とはこれ如何に。

では失礼します。

前スレ>>932

×書かせない
○欠かせない

書き溜め読み返してて発見しました。
今更ながら脳内変換お願いします。


やっぱり真冬ちゃんと知弦さんは堀中さんと斉藤さんがよかったよ・・・

>>82

ですよね。
これでキー君が変わってたら発狂してるところでした。


さて続きを投下しますよ!
何レスかはわかりません。
区切りよく行きたいと思います。


~展示室入り口~



神津「全員揃ったな?」

神津「…では警備体制の確認をする」

神津「まず…ルルーシュ・ランペルージ。お前たちミルキィホームズは非公式に警備するため特別展示室には近づけない…。そのためここを警備してもらう」

ルルーシュ「ここ…というと展示室入り口か」

神津「ああ。そうだ」



神津「そしてG4は現在動物の剥製が展示されている展示室だ。特別展示室の入口…つまりその展示室と特別展示室の境を守ってもらう」

小衣「了解!」



神津「そして最後に俺が単独で特別展示室内の警備にあたる。…このタワーの警備員は今言った場所以外を守ることになる」

神津「何かあるか?」

ルルーシュ「…………」



シャロ「あ…あの…」スッ

神津「なんだ?シャーロック・シェリンフォード」

シャロ「特別展示室内は神津さん一人で大丈夫なんですか…?」


神津「問題ない。怪盗トゥエンティのトイズは今までの事件から推察するに殺傷能力があるとは考えづらいからな」

小衣「警視は私達の中で一番凄いんだから当然よ!」

ルルーシュ「……まぁ怪盗がどこから来るかわからない上に俺達は特別展示室に入れない…これが最善だろうな」

シャロ「そうなんですか…」




神津「…よし。そろそろ時間だ…。各自配置に着け!」


G4「「「「了解!」」」」


ルルーシュ「ミルキィホームズ。準備開始だ…」


ミルキィホームズ「「「「はい!」」」」


ルルーシュ「……………」

ルルーシュ(………………)


………
……




~零時二分前~


~展示室入り口~



ルルーシュ「……………」

シャロ「…そろそろですね」

コーデリア「怪盗トゥエンティ…どこから…?」

ネロ「アダムの涙…僕達なら…守れるよね…?」

エリー「守りましょう…!」



~展示室~


小衣「準備はいいわね?」

次子「手錠よし。拳銃よし」

平乃「ウォーミングアップもバッチリです」

咲「…いつでもOKみたいな~」



~特別展示室~


神津「………………」

神津(…………そろそろだ)







~零時丁度~






ビーッ!ビーッ!

タワー内に警報器の音が鳴り響く。
当然のことだが、異常がなければ鳴るハズのない音である。

…つまり。



ルルーシュ「!?」

ネロ「何かあった…!?」

エリー「展示室…!?」


~展示室~


シャロ「ココロちゃん!大丈夫ですか!?」バン

小衣「あ!シャーロック!勝手に入ってくるなぁ!」

ルルーシュ「異常は!?」

平乃「ここではなさそうです!」

次子「ってことは特別展示室!?」

小衣「なんですって!?け…警視は!?警視は無事なの!?」

ルルーシュ「…行くぞ!」




~特別展示室~



小衣「警視!」バンッ!

ルルーシュ「…!」


特別展示室に入った全員が見た光景は。

割れたガラスケース。
ケースには「怪盗トゥエンティ参上」と書かれた一枚のカード。

無くなったアダムの涙。
怪盗に盗られたのだろう。


そして。










うつ伏せで倒れた神津玲がいた。






小衣「け…警視!」

ルルーシュ「神津!」

神津「ぐっ…!うう…」


神津「うっ…。すまない…。警報器の音に気をとられた隙に後ろから殴られたようだ…」

小衣「つ…次子!救急車!」

神津「いや…俺のことはいい!小衣!怪盗は割れた窓から下へ逃げた…!追え!」

小衣「で…でも警視が…!」

神津「命令だ…!G4…行け!」

小衣「……。…G4!出動!怪盗を捕まえるわよ!」

次子「合点!」

平乃「了解!」

咲「あらほらさっさ~」



神津「ルルーシュ・ランペルージ…!お前たちも行け…。俺のことは心配ない…。すぐに追い付く…」



シャロ「先生!行きましょう!」

ルルーシュ「……行くぞ」

コーデリア「はい!」

ネロ「遅れを取るわけにはいかないね!」

神津「頼んだ…」


………
……




神津「……………………」

神津「………………」

神津「…………」

神津「…さて。…行くか」スタスタ



~エレベーターホール~



神津「………………」スタスタ

神津「………………」



神津「………………」

ルルーシュ「…何処へ行くつもりだ?神津」

神津「…!ルルーシュ・ランペルージ…!」

神津「何をしている!?怪盗を逃がすつもりか!?」

ルルーシュ「…いや。そんなつもりは毛ほどもないさ」

神津「なら…!」

ルルーシュ「……………」

ルルーシュ「…つまりそういうことなんだろう?神津」

神津「…?」

ルルーシュ「…俺はな。神津。ここにきてから数々の違和感を感じた。まずはそれについて聞いてもらおう」

神津「な…なにを…」



ルルーシュ「ここに来てすぐのことだ…。アダムの涙をどちらが守るか…お前はこれを楽しいゲームになりそうだと言ったな?」

神津「…ああ。そうだな」

ルルーシュ「…お前。普段からそんなことを言う人間だったか?」

神津「………たまにはそういう気分になることもある」

ルルーシュ「いつになく上機嫌だったんだな?怪盗が来るって時に」

神津「…………………」



ルルーシュ「咲にこのエレベーターを非常時にも動かせるよう再設定させたらしいな?何故だ?」

神津「移動手段の確保だ…。今G4が怪盗を追っていることも俺の判断が正しかったと証明している!」

ルルーシュ「確かにな…。だが怪盗の逃走経路を増やしたとも言える」

神津「!」




ルルーシュ「それにお前は怪盗が下に逃げたと言ったな?」

神津「…ああ」

ルルーシュ「…お前は後ろから殴られ、うつ伏せで倒れていたのに怪盗が逃げた所を見たとでも言うのか?」

神津「!…それは経験上逃げ場のない屋上より下に逃げると推察したからだ!」

ルルーシュ「…………」




ルルーシュ「…お前には海外出張の予定があったらしいな?」

神津「ああ。だが直前に無くなった」

ルルーシュ「本当にか?」

神津「…無くなっていなかったら俺は今頃飛行機の中だろうな」

ルルーシュ「…偶然にも程があるな」

神津「コイントスをしてコインが縦になる確率も無いわけではない…そうだろう?」

ルルーシュ「なるほどな。…だがそうならない確率の方が圧倒的に高い」

神津「………………」



神津「…だからなんだ?ルルーシュ・ランペルージ。お前は何が言いたい?」


神津「俺が上機嫌だった…咲にエレベーターの設定を変えさせた!…殴られ不安定な思考で推理をした…!…俺の出張が偶然無くなった!」

神津「だからなんだ?ルルーシュ・ランペルージ…!」



ルルーシュ「…そう焦るな。お前らしくもない」

ルルーシュ「今のは俺が感じたただの疑問…。だから…俺の疑問を確信に変える…俺達が見つけ出したファクターを聞け…!」

ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージが命じる…!…数々の謎を確信へと導け!」












ルルーシュ「シャーロック!!」










シャロ「はい!」

シャロ「…捜査中に私は神津さんとぶつかってしまって…」

シャロ「その時神津さん…眼鏡を落としたんです」

神津「…………」

シャロ「…でもその眼鏡…伊達眼鏡だったんです!」

神津「……!」

シャロ「これは無視できないポイントです!」



ルルーシュ「それに…お前今眼鏡をかけているな…?予備でもあったのか?」

神津「…ああ。そ「伊達眼鏡なのにか?」


ルルーシュは神津玲の発言を遮る。逃げることは許されない。


ルルーシュ「…とりあえずこの眼鏡は返しておく。…必要ないだろうがな」


ルルーシュ「…次だ」











ルルーシュ「ネロ!!」











ネロ「はいはい」

ネロ「僕調査しようとしてたら宝田さんに「展示室に近づくな」って怒られちゃったんだ」

ネロ「まぁ怒られたことはこっちに非があるからね。それはいいんだけど…」

ネロ「そのあと宝田さん…ゴミ箱にガムを吐き捨てたんだ」

神津「…………」

ネロ「あんなにガムを嫌がっていた宝田さんがガムを噛んでるなんておかしいよね?」

ネロ「これは無視できないと思うな」



ルルーシュ「よし…」











ルルーシュ「コーデリア!!」











コーデリア「はい!」

コーデリア「このエレベーターの登場人数を調べました!」

コーデリア「今日稼働した中で一回だけ…しかもこの階で…乗った後に階を移動せずに降りた記録がありました」

コーデリア「エレベーターはシースルーで内部に監視カメラがありません…。…なのでこのホールのカメラを調べました」

コーデリア「エレベーターに乗ったのは宝田さんでした…でも」

神津「………………」

コーデリア「降りてきたのは宝田さんではなく神津さんだったんです!」

神津「…!」

コーデリア「これはおかしいと思います!」


ルルーシュ「よし…最後だ!」











ルルーシュ「エルキュール!!」










エリー「…はい!」

エリー「過去に起きた怪盗トゥエンティに関する事件について調べました…!」

エリー「4つの事件に身元の確認が取れない人物はそれぞれ1人で合計4人…。全員容姿はバラバラでした…」

エリー「ここから導き出されることは…」

エリー「怪盗トゥエンティを名乗る人物が複数人いるか…全員怪盗トゥエンティの変装だと言うことです…!」

神津「…!」

エリー「これはとても重要なポイントです!」



ルルーシュ「よし…」


ルルーシュ「…以上のことより導き出される答え…」







ルルーシュ「チェックメイトだ…神津」







ルルーシュ「…いや」




ルルーシュ「お前が…怪盗トゥエンティ…!」


神津「…………………」



ルルーシュ「俺達を捜査から外した時の宝田さんは恐らくお前の変装…」

ルルーシュ「神津玲と宝田さんの二人に成りすますことで警備体制を自分に都合のいいものへ変えた…!」

ルルーシュ「これが今回の事件の真相だ…!」

神津「………………」



今回の投下はここまでです。
この量を投下したのはいつ以来だろうか…。


ちなみに>>1はこないだ夏風邪らしき状態になりました。
ブックオフめ…許さんぞ…!(多分そこ空調が合わないせいなので)

皆さんも体調にはお気をつけください。


では失礼します。


ちょこちょこと投下しますね。
あ、時間的な意味です。
量じゃないです。


ルルーシュ「俺達を捜査から外した時の宝田さんは恐らくお前の変装…」

ルルーシュ「神津玲と宝田さんの二人に成りすますことで警備体制を自分に都合のいいものへ変えた…!」

ルルーシュ「これが今回の事件の真相だ…!」

神津「…………………」




神津「………なるほどな」

神津?「流石はルルーシュ・ランペルージとミルキィホームズ…。中々の推理力だ」

神津?「素晴らしい…素晴らしいよ」



神津?「けどそれ以上に素晴らしいのは…………」

トゥエンティ「そう!この僕!」

ルルーシュ「…なっ!?」

ネロ(い…一瞬で…姿が変わった…!?)

シャロ「こ…これって!?」

コーデリア「トイズね!」



そう。怪盗トゥエンティは何の予兆もなく神津玲から姿を変えた。



彼のトイズ…それば変装゙



トゥエンティ「どうしようも無く僕から溢れ出すこのオーラっ!美しすぎる僕っ!全てが僕の罪っ!」

トゥエンティ「OoooooooHhhhhhhh!Year~クセレンッ!」

ルルーシュ「……………」

シャロ「………………」

エリー「………………」

コーデリア「…………………」

ネロ「…………………」

ネロ(い…色んな意味で゙変態゙のトイズ…)


トゥエンティ「なんて僕は罪深いんだ…。少女達の心をも奪ってしまうなんて…」

トゥエンティ「でも僕をあげることは出来ないよ…。…そう。僕は麗しき女神アルセーヌ様の物ぉぉぉぉ!」

トゥエンティ「だ・か・ら…。アデュー☆」ダッ


ルルーシュ「………………」ポカーン


ネロ「…っと………ーシュ……」


ルルーシュ「………………」ポカーン


ネロ「ちょっと!ルルーシュ!追わなくていいの!?」

ルルーシュ「!」ハッ

ルルーシュ「…し…しまった!」



ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージが命じる!ヤツを逃がすな!」


怪盗トゥエンティは通路を走っていた。
彼は一度下の階へ非常階段を使って降り、その後逃走する計画を立てた。

最上階から逃げる場合、普通ならそのまま屋上へ行き、逃げるのが常套手段であるが…。


トゥエンティ(それじゃあ美しくないっ…!)

トゥエンティ(怪盗とは欺く者…欺いて欺いて欺いて…そして華麗に獲物を狩る…。それが僕のやり方!)タッタッタ


トゥエンティ(しかし…流石はルルーシュ・ランペルージ…僕の変装を見破るなんて…侮れない…!)


とトゥエンティが気を引き締め直したその時。

非常階段の方から声が響いた。



コーデリア「きょ…教官!?何処へ!?」

ルルーシュ「上じゃない…下だ!」


トゥエンティ(!?)


そう。ルルーシュ・ランペルージは上でなく下へ降りてきた。
まるで怪盗トゥエンティの逃げた軌跡が見えているかのように。


トゥエンティ(な…!?見つかった…!?)

ルルーシュ「…やはりな。下にいたかトゥエンティ」


ルルーシュには読めていた。変装のトイズを使い相手を欺く怪盗トゥエンティ…ましてや逃走の直前に「美しい僕」などと自分に酔いしれていた彼ならこのまま逃げるハズはない…と。



トゥエンティ「くっ!」シュッ


トゥエンティは懐から四枚のカードを取りだし蛍光灯を破壊した。これで通路に明かりは殆どない。
そしてトゥエンティは自らのモノクルのスイッチを入れる。
このモノクルの仕込みライトでトゥエンティの視界は確保された。


トゥエンティ(これなら…)ダッ

ルルーシュ「………………」

ルルーシュ「………ふん。俺達を甘く見るな…!」














ルルーシュ「コーデリア!!」













コーデリア「私についてきて下さい!」ダッ


コーデリアは自分のPDAによる光を使ってハイパーセンシティブでトゥエンティを追う。
暗所ならばやはりコーデリアが一番力を発揮する。
洋館での経験が活きていると言ったところか。


トゥエンティ(くっ…!コーデリア・グラウカのトイズか…。…なら!)

コーデリア「!」

コーデリア「部屋に入りました!」ヒィィン

ルルーシュ「何処だ!?」

コーデリア「此処です!」バン


コーデリアはドアを開く。

部屋には誰もいない。
天井の蛍光灯は計三枚カードが突き刺さり、その意味を失っている。



部屋には大量のパソコン。…が特に動いているものは無く、静かなままだ。


ルルーシュ「ここは…?」

コーデリア「恐らくコンピュータ室ですね。…ですが…この暗さでトゥエンティを探すのは不可能かと…。私一人では逃げられてしまいますし…」

ルルーシュ(…どうする…?)

ルルーシュ(しらみつぶしに探すか…?いや…この部屋は結構広い…)

ルルーシュ(せめて…明かりを着けられれば…!)













ルルーシュ「ネロ!!」












ルルーシュ「マザーコンピュータにハッキングを!」

ネロ「…!なるほどね!」ヒィィン


ネロは袖から出した金属のヘラを近くのコンピュータに突き刺す。


ネロ(このコンピュータからマザーにアクセス…マザーから全コンピュータを強制起動…!さらに全コンピュータの画面光量を最大に…!)

ネロ「やっ!」ヒィィン


ブウン。
全コンピュータが起動し、画面から最大の明かりが発される。


トゥエンティ「くっ!」


トゥエンティはモノクルのライトを消し、急いで反対のドアから部屋を出る。


ルルーシュ「!…追うぞ!」ダッ


………
……




~屋上~


ルルーシュ「ここまでだな…怪盗トゥエンティ…!」

トゥエンティ(まさか僕が追い詰められるとはね…!でも!)

トゥエンティ「…ここまで?確かにそうだね」

ルルーシュ「随分物わかりがいいな」

トゥエンティ「…君は物わかりが悪いね…」

ルルーシュ「何っ!?」

トゥエンティ「確かにここで終わりだ…僕の勝ちでね!」シュッ


トゥエンティはカードを二枚何かに向かって放った。


ルルーシュ(何処へ…?)

ルルーシュ(…!)

ルルーシュ「まさか!宣伝用アドバルーン!?」


そう。トゥエンティは屋上にある予告用アドバルーンの繋がっている糸を切ったのだ。
そしてその糸を持ち、空へと舞い上がっていく。


トゥエンティ「さらば…小さな探偵諸君!」シュッ


さらに二枚カードをミルキィホームズの元へ投げる。
牽制のつもりだろう。体を狙って投げてはいない。足下を狙っている。


ルルーシュ(何か…手は…!?)



屋上には殆ど物がない。
切れたアドバルーンの糸やゴミ。基本は役に立ちそうにないものばかりだった。


ルルーシュ(くっ…!)

ルルーシュ(いや…。考えろ…)

ルルーシュ(タワー…展示会…屋上…)

ルルーシュ(展示会…?…タワー…!?)

ルルーシュ(………………)

ルルーシュ(…………!ひょっとしたら!)ダッ


コーデリア「きょ…教官!?」

ルルーシュ(…何処だ…?何処に…)

ルルーシュ(…!あった!ブランコ法で清掃を行うために使うロープが!)














ルルーシュ「シャーロック!!」













ルルーシュ「これでヤツを捕まえろ!」

シャロ「はい!」ヒィィン


シャーロックがトイズを使うとロープがまるで意思を持ったかのようにトゥエンティの足に巻き付いた。


トゥエンティ「無駄だよっ!」シュッ


だがトゥエンティはカードを取りだし、ロープを切断する。


シャロ「そんな…!」

コーデリア「逃げられる!」


ルルーシュ「…まだだ!」













ルルーシュ「エルキュール!!」













エリー「…えい!」ガシッ ヒィィン


エルキュールは咄嗟にロープを掴み、トライアセンドの力でトゥエンティを行かせまいとする。


エリー(ううう…!…思ったよりアドバルーンの浮力が強い…!)グググ

コーデリア「頑張ってエリー!」

シャロ「ファイトです!」

トゥエンティ「ふん!ロープをもう一度切れば…!」











ルルーシュ「無理だな」

トゥエンティ「何っ!?」


ルルーシュ「お前にはロープを切断することは出来ない…そうだろ?」

トゥエンティ「何を根拠に…!」スッ


トゥエンティは懐に手を入れる…だが。


トゥエンティ「!?」

トゥエンティ「しまった!」

ルルーシュ「そう…。ガラスケースの破壊に一枚…照明の破壊に四枚と三枚…アドバルーンを切り離すのに二枚…俺らへの牽制に二枚…そしてロープの切断に一枚…」

ルルーシュ「合計十三枚…。…お前の司るダイヤのカードはもう残っていない…!」

トゥエンティ(な…!そこまで見抜いて…!?)


トゥエンティ「僕としたことが…カードを切らすなんて…!」

ルルーシュ「さぁ…。チェックメイトだ怪盗…」

トゥエンティ「いや…僕の勝ちは揺るぎないよ…!この緑色の服のお嬢さんの力はこのアドバルーンの浮力と精々釣り合う程度…!」

トゥエンティ「このまま持久戦なら先にお嬢さんが疲れて手を離す…」

ルルーシュ(確かにそうだ…。…どうする…?…敵に「アドバルーンを離せ」とギアスをかけるか…?)

ルルーシュ(いや…もしそれでエルキュールがロープを引っ張ることに失敗したら…トゥエンティの重みにつられて二人まとめて…落下する…)

ルルーシュ(どうする…!?)


多分ここまでがキリがいいと思います。
次回はトゥエンティ編終了まで行ければいいなと思ってます。

トゥエンティ編の後はオマケをはさんでアルセーヌ編です。


あわわわわ…。


前スレ>>30


× 最初のタックルで強く地面に頭を打ったルルーシュ既に気を失っていた。

○ 最初のタックルで強く地面に頭を打ったルルーシュは既に気を失っていた。



最初でこんなミスしてたなんて……。
割りと本気でショック受けました。すいません。


うわあああ!
しかもageてしまった!

…これは明日にしようと思っていた投下を今日にするしかない…。
ちょっと準備してきます。


ひぃぃぃぃ!

しかもミルキィホームズ2のサイト見たらユタカが扱われてる!

「コイツいる意味ないなプークスクス」とか思ってこのスレに出さなかったのにぃ!

アルセーヌ編書き直しじゃないかぁ……。


ルルーシュ(どうする…!?)

















ネロ「そのまま帰ったらアルセーヌに怒られるよ?」




最初のアクションを起こしたのは意外にもルルーシュでは無くネロだった。


トゥエンティ「はぁ?何を…」

ネロ「だってさぁ………」










ネロ「…そのアダムの涙…偽物だからね!」










トゥエンティ「な…何っ!?」

ルルーシュ(ネロ……?)


トゥエンティ「バ…バカな…!?これは確かに本物…!?」


トゥエンティが真偽を確かめようとアダムの涙を取り出した瞬間をネロは見逃さなかった。


ネロ「今だっ!」ヒィィン


ネロがトイズを使うと真っ黒な夜に比べ真っ白な光がトゥエンティを包む。


トゥエンティ「あんっ眩しいっ」


コーデリア「ネロ!?それは!?」

シャロ「サーチライト…?」

ネロ「そうだよ。こいつ電子制御だったからね」


ネロは屋上にあった電子制御のサーチライトをトイズにより作動させ、アダムの涙を見定めていたトゥエンティに光をあてたのだ。


トゥエンティ「っ…!しまっ…!」

ルルーシュ「何か落ちてきた…?」

ルルーシュ(赤い…………まさか!?)

ルルーシュ「シャーロック!トイズだ!アレを落とすな!」

シャロ「!」ヒィィン


シャーロックがトイズを発動する。
トゥエンティから落下してきたアダムの涙はギリギリの所で地には着かず、フワフワとシャロの手に収まった。



ネロ「やったぁ!完璧…」


そう。先程のネロの台詞はペテンだった。
トゥエンティが懐からアダムの涙を取り出し、見定める…それを行わせるための作戦だったのだ。



ボカン!


ルルーシュ「なんだ!?」

コーデリア「ネロ!?」

ネロ「いけね…電圧上げすぎちゃったか…。サーチライト壊れちゃった」

ネロ「まぁでもアダムの涙は取り返したし…後はエリーが頑張って怪盗を…」

エリー「…その…」

シャロ「エ…エリーさん!?なんでここに!?」

ルルーシュ(なっ!?)バッ


エルキュールがロープを掴んでいない。
即ち、離してしまったと言うことだ。
ルルーシュは急いで空を見上げる。


トゥエンティ「アリーーーーヴェデールチ!」



怪盗トゥエンティはアドバルーンと共に高く高く空へと昇っていた。


ルルーシュ「くっ!待て!」



コーデリア「エリー!?どうして!」

エリー「その…サーチライトの壊れた音に…驚いて…」

ネロ「ロープを離しちゃったの!?」

ルルーシュ「くっ!」

ルルーシュ(怪盗トゥエンティを逃がさないためには…やるしかない…!)





























ルルーシュ「戻ってこい!怪盗トゥエンティ!」キュィィィィン!






















トゥエンティ「……………」

ルルーシュ(やったか…?)

トゥエンティ「……………」

ルルーシュ「………………」

トゥエンティ「………………」





トゥエンティ「…………イエス…ユアマジェスティ…」パッ


トゥエンティは上空で誰にも聞こえぬような小さな声で呟き……。




アドバルーンを離した。




ネロ「!?」

ネロ「ちょ…ちょっと!?」

コーデリア「あんな上空で手を離したら…!?」

エリー「タワーに着地は勿論不可能…でも他の場所じゃ…」

シャロ「死んじゃいます!」


ルルーシュ「……………」

ルルーシュ(さて。どう来る…?)ニヤリ




カッ!

…世界が白く染まる。
この光景にミルキィホームズは見覚えがあった。
この色が全て抜け落ちたこの世界に。



コーデリア「この感じ…。…怪盗アルセーヌのトイズ…!」

アルセーヌ『御機嫌よう。ミルキィホームズの皆さん』

シャロ「どこですか!?出てきてください!」

アルセーヌ『…それは出来ませんわ…』

ルルーシュ(………………)

アルセーヌ『………………』


アルセーヌ『………………』

アルセーヌ『…今回は私達の負け…。そのアダムの涙は預けておきますわ…』

ネロ「待て!」

アルセーヌ『…ではまた会いましょう…』



周りの景色に色が戻っていく。
つまりアルセーヌがここから離れたことを意味していた。



シャロ「………………」

ルルーシュ「逃げられた…か」

ネロ「で…でもアダムの涙は守ったよね!」

シャロ「…はい!そうですね!」

コーデリア「逃げられちゃったけど…私達はやったのよ!」

エリー「名探偵小林オペラの守った宝玉を…!私達が…」

ルルーシュ「ああ。無事で良かった…」



シャロ「ホントに無事で良かったです~!もう少しでアダムの涙が地面に叩きつけられるところでした!」

ルルーシュ(…………………)

ルルーシュ(…いや。そういうことじゃない…。…名探偵小林オペラはアダムの涙と引き換えにトイズを失った…)

ルルーシュ(ミルキィホームズ…無事で良かった…)



~どこかの上空~





怪盗達は空を翔ていた。
真っ黒な夜に紛れながら。

怪盗帝国首領アルセーヌは透き通った瞳で仲間の一人を見つめる。
慈愛が満ちたその眼にはどこか困惑があるような気もする。



アルセーヌ「……………」

トゥエンティ「離せストーンリバー!僕はタワーに戻らなくちゃいけないんだ!離してくれ!」ジタバタ

ストーンリバー「暴れるな。上空で…危ない」

アルセーヌ「…トゥエンティ。アダムの涙は盗れなかったのです。諦めなさい」

トゥエンティ「わかってる!でもそうじゃない!僕は戻らなくちゃいけないんだ!」

トゥエンティ「離せ!離せぇ!」


アルセーヌ「…ラット」

ラット「…ああ。タワー内部と屋上を見てきたけど特に忘れ物みたいなものは無かったぜ」シュッ

アルセーヌ「そう…」

トゥエンティ「ストーンリバー!…こうなったら…お前を倒してでも…!」

ストーンリバー「…本当にどうしたんだ…トゥエンティ。さっきからずっとこの調子…。何かあったのか?」

ラット「…アルセーヌ様がトゥエンティを連れて帰るって言うから何事かと思えば…」

アルセーヌ(…普段のトゥエンティならアダムの涙を盗ることに失敗したとしても…あんな上空でアドバルーンから手を離すなんてことは…。…危険過ぎますわ)


トゥエンティ「くっ!ストーンリバァァァァ!」

アルセーヌ「…ストーンリバー」

ストーンリバー「はっ」


ストーンリバーはトゥエンティの首に手刀を当てる。トゥエンティを気絶させたのだ。


トゥエンティ「」

ラット「やっと黙ったか。…しっかし…ホントにどうしちまったんだ?こいつ」

ストーンリバー「ここまで頭のネジが飛んでいたとは…」


アルセーヌ(………忘れ物のような物もない…)

アルセーヌ(………戻る理由もないはず…)

アルセーヌ(…失敗した以上…未練があろうと潔く帰るよう普段から言い聞かせてたつもりなのだけれど…)

アルセーヌ(………………)

アルセーヌ(………!)






「戻ってこい!怪盗トゥエンティ!」






アルセーヌ(ルルーシュ・ランペルージの言葉…?)


アルセーヌ(……何か…あるってことかしら…?)

ストーンリバー「…ル……様」

アルセーヌ(………………)

ストーンリバー「アルセーヌ様」

アルセーヌ「…あら。ごめんなさいストーンリバー。何かしら?」

ストーンリバー「トゥエンティがアジトで目覚めてもこの調子だったらどうなさるおつもりで?」

アルセーヌ「…そうね…。それも考えなくてはいけませんね」

ラット「んじゃ、こいつが目覚める前にとっとと帰るか」

アルセーヌ(………………)



………
……




ルルーシュ(怪盗トゥエンティの事件はこうして終わった…)

ルルーシュ(何かを守る…そのために人間の命の灯火が消える瞬間を…俺は何度も見てきた…)

ルルーシュ(…ロロ……)

ルルーシュ(シャルルやマリアンヌも大きく捉えればその一部…)



ルルーシュ(…本当にみんなが無事で良かった…)


ルルーシュ(本物の神津はというと、丁度出張先へ向かう飛行機の中だったらしい)

ルルーシュ(向こうに着いてからこの事件のことを知り、急いで引き返したそうだ)

ルルーシュ(海外出張の予定が入っていたのは偶然か……それとも)




ルルーシュ(そして俺は今…買い物に来ている)

ルルーシュ(無事に事件を解決した褒美として手料理を振る舞うことになったんだが…)

ルルーシュ(…ネロの提案でフルコースを作ることになってしまった…)

ルルーシュ(…ネロには言わなかったが…こんな額…経費では落ちない…!)リョウテ ニ ショクザイ

ルルーシュ(…まぁ食材費用は問題ないな…。…悪いがネロ…お前のヘソクリの隠し場所ぐらい把握しているんだよ…!)

ルルーシュ(…事の発端はネロだし足りない分はネロのヘソクリから使わせてもらうとしよう…)



ルルーシュ(………なんて…平和ボケしたことを考えてるのがいけなかったのかもな)

ルルーシュ(帰途で俺がすれ違ったのは…)

ルルーシュ(帽子で隠れてはいるが…緑色の長髪の女)

ルルーシュ(…あの不死身の魔女に似た雰囲気を持った…そんな女)


ルルーシュ(…俺は一瞬気づくことが出来なかった…。…俺が気づいたのは数歩歩いた後だったんだ)

ルルーシュ(勿論急いで振り返った…だがそこにはもう誰もいなかった…)

ルルーシュ(近くに曲がり角は無い…だが何処にもいない…)

ルルーシュ「C.C.!?」

ルルーシュ「何処だ!?C.C.!」


ルルーシュ(周辺を捜し…叫びもした。…だが無惨にも俺の声が響き渡るだけだった…)

ルルーシュ(……C.C.)



投下終了です。
>>138-140が【速報】>>1終了のお知らせ【三連打ァ!】

となっております…。
ホントすいませんでした…。



次回はオマケとアルセーヌ編導入部…かな。
いけるといいな。

では失礼します。

(^ω^)←ルルーシュ

投下しますよ!

>>164
何事?

オマケ
stage4.06 目覚めた俺の世界はこんなにも変わっていた





朝、目が覚めた。

昨日は大忙しだった。
怪盗トゥエンティのヨコハマランドマークタワー襲来。
勿論俺も警備をした。
最終的に言えば、狙われていた宝石 ―アダムの涙― は守られた。

ただ。俺自身は誇れなかった。
何故なら真の意味でアダムの涙を守ったのは小さな探偵達。
彼女達の力だからだ。

もっと彼女達の力になれれば良かった。



俺は何も出来なかった自分を責めた。
勿論そうした所で何かが変わるわけはないのだが。


……さて。もうこんな時間か。

そろそろあの場所に向かわないとな。
あの場所…勿論いつもの場所。
仲間達が集まる場所。
笑顔の絶えない…今の俺の日常。俺の居場所。























目覚めた俺の世界はこんなにも変わっていた。





















警備員「」



上司「君の今回の働きは素晴らしかった!」

警備員「」

上司「これはボーナスだと思ってくれ。…足りないか?」つ金一封

警備員「…え?」

上司「え?」

警備員「え?」


上司「…足りないか。そうだよな。仕方ない…私のポケットマネーから追加を…」

警備員「ちょ…ちょっとちょっと!…すんません。ちょっと時間をください。考えを纏めるんで」

上司「わかった。…そうだな……」

上司「……………………」

上司「……………………」

上司「8ヶ月の有給休暇でどうだ?」

警備員「え?」

上司「え?」

警備員「え?」


警備員「え!?そんなにいらないですよ!?」

上司「そうか…。………2ヶ月っと」インカン ポン

警備員「何書類完成させてるの!?」

上司「ま…まさか…君ほどの功労者が有給休暇1ヶ月だけでいいのか…!?」

警備員「何で単位が月なんですか!分でいいんですよ!分で!」

上司「えー…。……ちょっと待っててくれ…」カミ ト ペン トリダシ





上司「60×24×30+60×24×31+60…」ボソボソ


警備員「それ月ですよね!?単位は分だけど値は月だよね!?」


上司「…さ…さっきからどうしたんだね…」




警備員(どういう事だ…?)

警備員(出勤したら上司にボーナスを渡された上に8ヶ月の有給付きだった)

警備員(ところで朝から「金庫が開いてて、中から金が取られてる。減ってる」と警察呼んでまでの大騒ぎなんだが…)

警備員(普通そんな中ボーナス渡すか?)

警備員(しかもこのボーナスとやら…多すぎだろ…)

警備員(封筒はち切れてるじゃねーか…)

警備員(それに俺は功労者も何も…アダムの涙を守ってたわけじゃないし……)

警備員(…………あれ?)

警備員(…俺…怪盗が来る前…なにしてたっけ…?)


警備員(思い出せない…ボケるにはまだ早いぞ!俺!)ウムム…


上司「もしもし?ああ私だ。ちょっと銀行から二百万おろしてくれ。…は?…何言ってるんだ!……部下のボーナスに決まってるだろ!?ふざけてるのか!離婚するぞ!」



警備員「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

上司「な…なんだねいきなり…。君が足りないと言うから…」

警備員「言ってねーよ!そんな勘違いで奥さん路頭に迷わすつもりか!」

上司「失敬な…。ちゃんと息子も2人いる。兄の方が来年中学に上がるぞ」



警備員「ぞ」



警備員「じゃねーよ!一番金がかかる時代じゃねーか!奥さん殺す気かあんたは!?」




警備員「ってかそもそもそこじゃねーよ!別に「奥さんしか路頭に迷わない話」はしてねーよ!」



おかしい。
絶対におかしい。
何もかもおかしい。

そもそも俺はアダムの涙を守ったわけじゃないから特に功績を挙げた覚えがない…。

なのにこれはどういうことだ…?

俺が覚えていない時間に何かあったというのか…?


上司「そう言えば…君」

警備員「…なんですか」

上司「昇進だ」

警備員「まさかの!?」

上司「はっはっは。驚くことでもないだろう?」

警備員「いや驚くよ!」




上司「まぁまぁ。これで君もめでたく一般警備員からランドマークタワーのオーナーまで昇進を…」



警備員「色々すっ飛ばしすぎだろ!っというかすっ飛ばしてもあり得ないだろ!?」

上司「それが現オーナーから直々に君まで話が来てるんだ」

警備員「」


上司「ところで…君。…歳はいくつだったかね?」

警備員「え?…えーっと今年で28になりますね」

上司「ふむ…。…見合いする気はないかね?」

警備員「…は?み…見合い…!?」

上司「…実は私の知り合いにモデルの子がいてね…。その子を是非君に…と思ってね」

警備員「モ…モモモ…モデル!?そ…そんな…俺なんか釣り合わないですよ!」///

上司「そう自分を卑下するな。君は出世頭じゃないか」

警備員(…あれ?オーナーになるのが確定してないか?)



上司「まぁ君にも心の準備が必要だろう…。8ヶ月の…」

警備員「だから有給は要らないですから!」

上司「………………」(・ω・`)

上司「…そうか」

上司「……まぁ考える時間はまだたっぷりあるからな。…10年くらい」


警備員「まさかの相手子供!?子供なの!?あんた何勝手に人ん家の子供の将来決めてるの!?」

上司「歳の差婚なんて今どき珍しくはないだろ?」

警備員「法律破るのは珍しいどころかあり得ないですよ!二人の人生を同時に潰す気か!」


警備員「どうしちゃったの!?昨日までの『俺はここの警備に命を賭ける…このセキュリティシステムが死ぬときが俺の死ぬときだ…(キリッ』とか言ってた上司さんはどこ行っちゃったの!?」

上司「ボーナスボーナス シュッセシュッセ- ユウキュウド-ゾー オールハイルケービインクン」

上司「オールハイルケービインクン オールハイルケービインクン オールハイル…」

警備員「」




ああ。
なんだ。これは夢だな。
そうだよ。ただの警備員にこんな都合の良い話があるわけない。


全部夢。
……そう言えば昨日の警備中の記憶がないんだよな…。
何してたっけ?



そうしてなんとなく見た財布の中にあった「英国最高級伝統茶葉クォリティシーズン」と書かれたレシートに驚愕した俺は(1200円/50gを1Kg)


仕方なく。
………………そう仕方なくボーナスを受け取り、これまた仕方なく紅茶を消費するために8ヶ月の有給休暇を取るのだった。





stage4.06 fin


はい。
続いてアルセーヌ編導入部です。

では始めます。


~???~




アルセーヌ「中華街の黄金鏡…洋館の呪われし魔剣…アダムの涙…。…全て私達から守り通してしまうなんて…」

アルセーヌ「うふふふ…」

アルセーヌ「うふふふふふふふふふふ…」




コンコン




「お呼びでしょうか。アルセーヌ様」

アルセーヌ「よく来てくれました…ユタカ。入って構いませんよ」


ユタカ…と呼ばれた中性的な顔立ちをしたこの少年はドアノブに手をかける。
スリーカードでもないこの少年が怪盗帝国首領アルセーヌに呼ばれることは実は珍しくない。
と言うより寧ろ当たり前なのだ。
結論から言うとユタカはアルセーヌの執事だからだ。
最も、ホームズ探偵学院にいる館とはまた違った雰囲気の執事だが。



ユタカ「では失礼します。…スリーカードのみなさ…ま…」



ユタカ「が!!!」



アルセーヌ「?…どうしましたユタカ?」

ユタカ「ア…ア…」

ユタカ「ア…アアアア…アアルセーヌ様!ご入浴中ならそうと言って下さい…!失礼します!」///



扉を開け絶句。
その後一瞬で茹でダコのように赤くなったユタカは急いでドアノブを回す。


アルセーヌ「ユタカ。構いませんよ。もうあがりますから」

ユタカ「え?」


というとアルセーヌは浴槽の中で立ち上がる。
白魚のような美しい肌を雫が滴り落ちる。


ユタカ「ア…」

ユタカ「アルセーヌ様!隠してください!見えてます!見えてますってば~~!」



………
……




さて。そんなこんなでアルセーヌは今、通路を歩いている。
勿論執事のユタカは2~3歩後ろを付いていく形である。


アルセーヌ「…………ねぇユタカ」

ユタカ「どういたしましたアルセーヌ様?」

アルセーヌ「スリーカードは揃ってる?」

ユタカ「はい。皆様あちらの部屋でお待ちです」

アルセーヌ「あら。待たせているのね。……今回はどうしようかしら」

ユタカ「誰が盗りに行くか…ですか?」

アルセーヌ「ユタカは誰がいい働きをすると思う?」


ユタカ「えっ…と…み…皆様…誰であろうと良い働きをなさる…と思います。…だ…だから誰であっても…」

アルセーヌ「あら。じゃあ次はユタカが行ってくれるかしら?」

ユタカ「えぇっ!?」

アルセーヌ「うふふ。冗談よ。…それにもう決まってるもの」

ユタカ「驚かせないでください…。…今回はどなたに…?」

アルセーヌ「うふふ…。まだ秘密ですよ」ニコッ


………
……




~とある一室~



アルセーヌ「よく集まってくれました…我が親愛なる騎士達…スリーカード」

アルセーヌ「これまで本当にお疲れさまでした」

アルセーヌ「トゥエンティも無事正気に戻ったことですし…」

トゥエンティ「…本当に申し訳ありません…。…自分でも何が起きていたのか…サッパリでして」

アルセーヌ「良いのですよ。トゥエンティ……それにラット、ストーンリバー。みんな良い活躍をしてくれました」

トゥエンティ「ああ…アルセーヌ様…宝を奪えなかった我々にそのような優しいお言葉を…」



トゥエンティ「やはり貴女はミステリアスかつビューティフルでジーニアァァス!そして…」

ラット「………せぇよ」

トゥエンティ「へ?」

ラット「うるせぇよ!上っ面だけのド変態ヤローが!」

トゥエンティ「なっ!?」

ラット「どんなに優しい言葉を頂いたって負けは負け…。…俺達は負けたんだ!あのミルキィホームズに!まだ探偵になってすらいないガキに!」

トゥエンティ「そ…それはそうだが…」

ストーンリバー「……ラットの言う通りだ…我々は負けた。それは変わらぬ事実…」

ストーンリバー「我々はアルセーヌ様がお創りになられた怪盗帝国の名に泥を塗ったのだ…!」



ラット「くそっ!」

ストーンリバー「……………」

トゥエンティ「………………」




アルセーヌ「……うふふふふ」

アルセーヌ「私はあなた方を高く評価しています」

「「「え?」」」

アルセーヌ「私がこの怪盗帝国にあなた方を招き入れた理由……それはあなた方が怪盗として美しかったからです」

アルセーヌ「無闇に人を傷つけず…鮮やかに謎を繰り出し、美しく至玉を手に収める…」

アルセーヌ「あなた方のその姿こそが私の思い描いた怪盗そのものだったからです」

ラット「アルセーヌ…様」









アルセーヌ「……ですが」


アルセーヌ「これ以上負けられないのも事実です…」

ラット「ま…まさか…」

ストーンリバー「…ついに…」

トゥエンティ「嗚呼…我が麗しのロイヤルハート…」

アルセーヌ「次は私……」

アルセーヌ「このアルセーヌが参りましょう…!」



はい。ここまでがアルセーヌ編導入部です。
正直に言いますとアルセーヌ編が難産です…。

といいつつもこの先一回分はちゃんと書き貯めてありますからご安心を。

では失礼します。


──東2局2本場(供託棒1本) 親:姫子 ドラ:南

──9巡目

姫子(聴牌。今度は平和の3面張)
姫子(高目三色で親っ跳やし、即リーや)

姫子「んー。立直」タン 打三

姫子手牌:四【五】六 ②③④⑤⑥ 456 南南


淡「……」チャッ タン 打2


穏乃(親のリーチ……)チャッ

穏乃手牌:三四五六七 【⑤】⑥⑦⑧ 5 発発発 ツモ:7

姫子捨牌:西北18⑨ ②中一三(リーチ)


穏乃(切りたい所が、通りそうな気がしない……)
穏乃(普段だったら少し遠くても567の三色とか見るのに)
穏乃(和了れるイメージが全く湧かない)

穏乃(……)クチビルカム
穏乃(……くぅ)


──穏乃、打発


淡「……」

淡「……はぁ」溜息

淡「……面白くないなぁ」


穏乃「え……?」

姫子「……?」

竜華「……」

大変失礼しました、誤爆しました!

遅くなりました…。
投下します。


~夜~



ネロ「ん~…むにゃむにゃ…」ゲシッ

コーデリア「っ…痛い…わよ…シャロ……すーすー」zzz

シャロ「蒲鉾美味しいですー…くーくー…」ハグハグ

エリー「…んんっ…ぐぅ…助けて…ルルーシュさん…ぐぅ」zzz

ルルーシュ「………………」

ルルーシュ(えぇい!寝られるか!)

ルルーシュ(…満腹で寝そうだったミルキィホームズを仕方ないから事務所のベッドまで誘導したはいい…)

ルルーシュ(場所が無いから仕方なく俺がソファで寝ているのもまだいい…)


ルルーシュ(…しかし…)


ルルーシュ(うるさいんだよお前達ぃ!!)

ルルーシュ(なんで寝室からここまで声がするんだよ!)



<ウウウ ルルーシュサン タスケテェ


ルルーシュ(…何があったかと思えばシャーロックに左腕をかじられてるエルキュール…)


<ナニシテルノヨ シャロ ヤメテ


ルルーシュ(コーデリアが注意したかと思えばネロに足蹴にされてるだけ…)

ルルーシュ(…そして見に行く度に掛け布団が特定の誰かにかかっていない…!)

ルルーシュ(風邪引いたらどうするんだ…!)

ルルーシュ(くそっ…!咲世子がいれば俺も安眠できると言うのに…!)



<ウウウ サムイ サムイヨ


ルルーシュ(またか…)スタスタ


ネロ「うぅ~ん…寒いよ…懐が寒いよ…」

コーデリア「」

ルルーシュ(掛け布団が掛かってないのはネロじゃなくてコーデリアじゃないか…なんとなく騙された気分だ…)


<カマボコ… カマボコ…


ルルーシュ(………………)

ルルーシュ(これは放っておいていいか)


<……………


ルルーシュ(やっと静かになったか…)


ルルーシュ(これでようやく眠りに………ん?)



ふとルルーシュが窓の外を見るとその先には見覚えのある女の子が歩いていた。


ルルーシュ(あれは…アンリエット…ミステール…?)

ルルーシュ(こんな時間に何を…?)


………
……



アンリエット「……………」


ホームズ探偵学院生徒会長アンリエット・ミステールはゆっくりと月夜へと手を伸ばす。その姿はとても幻想的で美しかった。


アンリエット「……………」

アンリエット(………そろそろ…ですね。帰りましょうか)スタスタ

アンリエット「………………」



………
……


次の日。


コンコン


アンリエット「どうぞ」

ルルーシュ「失礼する。アンリエット・ミステール」

アンリエット「ルルーシュさんですか。どうしました?」

ルルーシュ「…怪盗帝国の結成声明の映像をもう一度見せてもらえますか?」

アンリエット「はい。わかりました。今用意しますね」カタカタカタ

ルルーシュ「あと怪盗帝国に関する資料があればそれも…」

アンリエット「…残念ですけど…私は怪盗帝国に関する資料をあまり持っていないんです。みなさんや警察の方の方が詳しいかと…。現場に出てないと情報はどうしても減っちゃいますから…」

ルルーシュ「なるほど。なら仕方ないですね」

アンリエット「…さぁ準備が整いましたよ」


………
……



アルセーヌ『怪盗帝国の結成を…!』


ルルーシュ(なるほどな…)

アンリエット「何か手掛かりでもありましたか?」

ルルーシュ「ええ。まぁそれなりに」

ルルーシュ(…青い髪…瞳…。服装が違うからハッキリはしないが…スタイルも似かよっている…。…ここまで偶然が重なるものか…?)

ルルーシュ(怪盗アルセーヌと探偵学院の生徒会長アンリエット・ミステール…。…まさに対極といったところだが…)


ルルーシュ「ちなみに昨日の晩は何を?」

アンリエット「え?普通に寝てましたけど…」

ルルーシュ「夜中。外に出て何かしてませんでした?」

アンリエット「み…見られてたんですか…。お恥ずかしい…」

アンリエット「実は…昨日は月がとてもきれいだったので…。……ちょっと手が届いたりしないかなー…とか…思ってしまったり…」

アンリエット「ほ…他の人には言わないでくださいね!」


少し顔を赤らめているところを見ると、恥ずかしがっているのだろう。


ルルーシュ「………………」

ルルーシュ「わかりました。誰にも言いませんよ」ニッコリ


………
……



ルルーシュ「では。失礼します」

アンリエット「はい。また何かあったらどうぞ」


バタン。


閉まるドアを後ろ手に、ルルーシュは思考を張り巡らせる。


ルルーシュ(……話を聞く限り…昨日の行動は…何も怪しくはない…)

ルルーシュ(…確かにあれが何か意味をなすとは思えないしな…)

ルルーシュ(………ただ)



ルルーシュ(髪の色…瞳の色に声質…ボディライン…おおよその背丈…)

ルルーシュ(…なんにせよ。怪盗アルセーヌと何か関わりがありそうだな)





ルルーシュ(アンリエット・ミステール…!)




これでルルーシュ側の導入部も終了です。

23日はミルキィホームズ2
25日にはWSのトライアルデッキ
発売ですね!

姫百合の「強制発動」なんてちょっと面白いですよね。
早く出ないかなー。


では失礼します。

そういう意味では2はなんとなくアニメミルキィ感漂う感じでしたね

咲のアベントの出し方がわからずに3周ぐらいしてた……疲れた

やっと2っ1.5が終わりましたので本日投下致します。遅くなりました。すいません。

では投下したいと思います。


………
……



シャロ「つ…疲れましたー」ヘナヘナ

ネロ「だから言ったのに…。普段やらないのにいきなり聞き込みだなんて」

エリー「でも…探偵…らしい…です」

シャロ「そうです!それに…たまには怪盗帝国に先手を打ちたいじゃないですか!」

コーデリア「…教官には…申し訳なかったけど…」チラッ

ルルーシュ「…ゼー…ハー…ゼー…」ヒューヒュー

ルルーシュ「なんで聞き込みなのに…全力で走る必要がある…!?」

ルルーシュ(この体力バカ共め…!)

ネロ(…やっぱり体力ないなぁ…。ルルーシュ…)


アンリエット「あら?ミルキィホームズの皆さん。どうしたんですか?」

シャロ「あ!アンリエットさん!」

ルルーシュ(…!……………)

エリー「聞き込みを…少し…」

アンリエット「うふふ。探偵としていい心がけですね」

シャロ「ほら!やっぱり正しいんですよ!」

ネロ「でも収穫はなかったよね?」

シャロ「あぅぅ…」

アンリエット「うふふ。結果も大事ですけど…その心こそが大事なんですよ」

コーデリア「アンリエット会長…」ウルウル

エリー「…素敵…です…」


ルルーシュ「……………行くぞ。失礼する…アンリエット・ミステール」スタスタ

アンリエット「え?ああ、はい。わかりました」

コーデリア「ちょ…ちょっと…教官?いくらなんでも…」

エリー「それは…失礼じゃ…」


ルルーシュはアンリエットには聞こえない大きさの声で呟く。


ルルーシュ「…アイツに…あまり気を許すな」ボソッ

ネロ「え?」

シャロ「なんですか?」

アンリエット「?」


ルルーシュ「帰るぞ」

シャロ「ちょっ…ちょっとー早いです!先生ー!」

コーデリア「教官!?」


そして離れたミルキィホームズの背中を遠くから見つめる者が一人。


アンリエット「………………」

アンリエット(…………………)



………
……



シャロ「たっだいまー!」ガチャ

館「ほっほ。お帰りなさいませ」

エリー「…………………」

コーデリア「………………」

シャロ「わわわ!?部屋を間違えちゃいました!」

ルルーシュ「いや待てシャーロック。事務所はここだ。…館さん、何故中にいるんです?」

館「鍵が開いていましたので…。…中で待たせてもらいました」

ネロ「ちょっとシャロ~?ちゃんと鍵を閉めてよー」

シャロ「わ…私ですか!?ごめんなさい!」


ルルーシュ「いや…」

エリー「最後は…ネロ…です…」

ネロ「あれ?そうだっけ?」

シャロ「も~!私のせいにしないでください!ネロじゃないですかー」

ネロ「ごめんごめん。えへへ…」

館「…そ…そろそろお話しを始めても…?」

コーデリア「す…すいません!館さん!どうぞ!」

館「実はこの度、ホームズ探偵学院主催で警察と探偵の懇親会を開くことになったのです」

ルルーシュ(…!?探偵と警察が!?…昔から対立していたハズ…!?)

館「皆様のお陰でございますよ…」


ネロ「僕たちの?」

館「はい。皆様とG4の方々が協力して事件を解決していることがIDOや警察の上部に好感を得たようでして…」

ルルーシュ(………………)

館「こちらが招待状になります…」

ルルーシュ「招待状?そんなに大規模なものなのか…?」

館「IDOからも幹部クラスの方が数名…と聞いております。…それに警察学校に探偵学院の全生徒ですから…」

ルルーシュ「全生徒!?」

エリー「人が…沢山…うぅ…」


ネロ「ちょっ…ちょっと待って…!?開催日…明日だよ!?」

シャロ「えぇー!?」

館「ほっほっほ。善は急げと言いますから」

ルルーシュ(いや…これは…。…懇親会をよく思わない奴等に悟られぬよう…直前まで伏せていたのか…)

館「では私はこれで。用件は伝えましたので…」

ルルーシュ「………ありがとうございました」

館「いえいえ。…頑張ってください」バタン

コーデリア「応援されちゃったわね…」

シャロ「やる気になりますね!先生!」

ルルーシュ「……ああ。そうだな…」

ルルーシュ(本当に…今のは…?)


………
……



コーデリア「それにしてもパーティーなんて…おめかししなくちゃ」

シャロ「ドレスとか着るんですか!?」

ネロ「チラッ」

ルルーシュ「…なんだ?」

ネロ「チラッ」

シャロ「ドレス…どんなのにしましょう…」ホワホワ

ネロ「チラッ」

エリー「ちょっと…恥ずかしい…けど…着てみたいです…ドレス…」

ネロ「チラッ」

ルルーシュ「…ネロ。…ドレス代は経費で落ちんぞ」

ネロ「…ちぇっ。…ケチだなぁ」



Prrrrr!


ルルーシュ(…ん?…電話…?)ピッ

ルルーシュ「もしもし?」

?『テレビをご覧になってください』

ルルーシュ「…!?この声…怪盗アルセーヌ!?おい!」ブツッ

ルルーシュ「っ!…くそ…っ!」

ネロ「ちょ…ちょっと!いきなり何!?アルセーヌがどうしたの!?」

ルルーシュ「アルセーヌから「テレビを見ろ」と電話があった…」

ルルーシュ(だがヤツがなぜ俺のPDAに連絡が出来る…?……考えられるのは21通り…)

ルルーシュ(…いや…だが、一つだけ…例外がある…。…やはり…アンリエット・ミステールと怪盗アルセーヌに繋がりが…?)


ルルーシュ「とりあえずテレビを!」

エリー「はい。…つけ…ました…」


エルキュールがテレビ画面を表示させると、そこには怪盗帝国結成声明の時と同じ場所で、同じようにアルセーヌが映っていた。

そして…。
アルセーヌの手には…。


アルセーヌ『皆様。ご機嫌よう』

アルセーヌ『私は怪盗帝国首領…アルセーヌ。この度は私がこのヨコハマに…大いなる謎を繰り出すことを…ここに宣言します』

アルセーヌ『そして…取り出したるは3つの至宝…。…黄金鏡、魔剣、アダムの涙…』


アルセーヌ『私の名に誓って…これらは全て本物…ですわ』

コーデリア「えぇっ!?」

エリー「そんなっ!」

ネロ「本…物…!?」

シャロ「どうして!?」

ルルーシュ(驚きを隠せない…か。…当たり前だ。あの至宝は3つとも警察の管理下で保管されていたハズ…!何故アルセーヌの手に!?)

ルルーシュ(しくじったか…警察…!?)

アルセーヌ『そして…皆様への謎…。それは…至ってシンプル』

アルセーヌ『私からこの至宝を奪い返してください…。…そして…これらがあるのは勿論…私達のアジト…』

ルルーシュ「…つまり怪盗帝国のアジトを探しだせ…ということか…」


アルセーヌ『では。探偵の皆様。…私たちの前に現れるその日を…心待ちにしていますわ』


その言葉を最後にアルセーヌの声明は終わり、画面にはノイズが映る。ザザザ…となる音と同じく、ルルーシュの胸中は穏やかではなかった。


ネロ「ね…ねぇ…ルルーシュ…?3つとも…本物だって…言ったよね…?」

ルルーシュ「…ああ」

シャロ「わ…わかりました!嘘なんです!あれは偽物で…」

ルルーシュ「…いや。それはない。…でなければ…あんなプライドを賭けた勝負はしない…」

シャロ「で…でも先生!ココロちゃんたちが警備をしているんですよ!?そんな簡単に…」

ルルーシュ「だからこそだ。……いくぞ。警察のところまで…!」

今回はここまで。
1.5はシナリオがしっかりしてましたね…。1ってなんだったんでしょう…?

トゥエンティ編なんて丸っきり違いますしね。

では失礼します。
次は一週間以内に投下したいと思います。

ちょっと今週は忙しいので来れるかわかりません。
本当にすいません…。

遅くなって申し訳ないです…
週末に投下致します

遅くなりました!投下致します!


………
……



~ヨコハマ警察~



小衣「うー……にゃああああ!」ウガー!

次子「うわぁぁ!?なんだよ小衣!うるさいなぁ…」

小衣「次子!」

次子「だからなんだって」

小衣「何時よ!何時警視は帰ってくるの!?」

次子「んなのわかんないって…今お偉方に大目玉食らってるんだから…」

小衣「なんで警視が怒られるのよ!?警備してたのは警視じゃないでしょ!?」


勿論警察で至玉を警備していたとはいえ、実際に守っていたのは神津やG4ではない。小衣の考えももっともだが…それほど甘くはない。


咲「まんまと警備してたお宝を盗まれたんだからそりゃねぇ…」ピコピコ ピッピッ

平乃「加えて犯人の怪盗アルセーヌにこのことを大々的に発表されてしまいましたしね…」


次子「あー…ごほん」

次子「こんなことがないように君たちがいるんじゃないのかね?うん?」

小衣「いやー!警視が怒られて泣かされるなんていやー!」

咲「いや泣きはしないだろ…」ピピー

平乃(次子さんお偉方の声マネなんて…。…でもちょっどらしい゙ですね…)

咲(…よし完了っと)

小衣「………決めた」

平乃「どうしました小衣さん?」

小衣「小衣…警視を迎えに行ってくる!」ダッ

次子「ス…ストップストップ!どうどう…小衣」

小衣「はーなーしーてー!」ジタバタ

神津「何を騒いでいる?」

小衣「警視!大丈夫でしたか!?」

神津「…今から上からの命令を伝える。静かにしろ」

小衣「静かにしなさいアンタ達!」ビシッ

咲「いや…お前だろ…」


神津「…まず単刀直入に結果から言う。…俺たちG4は今回の件から外されることになった」

小衣「えええぇぇぇ!?」

次子「いやだからうるさいって」

咲「やっぱりそうなったかー」

平乃「怪盗事件なのに…」

神津「…怪盗事件だからこそだ。俺たちG4は警察が警察の威厳をかけ作られたチーム…特別な権限も数々与えられている。…それなのにこれでは上もなんらかの処罰を下すしかないだろう」

小衣「でも警視!小衣達は…」

神津「とにかく!」


神津玲は一度声を強めて、再度結論を語る。


神津「俺たちは外された…。………以上だ」スタスタ


部屋を出ていく神津の後ろ姿を見つめる小衣の目には、神津のその背中はどこか落ち込んでいるようにも見えた。



………
……



~警察前~



シャロ「通してくださーい!」

警官「あーだめだめ。入れるわけないだろ…誰だ君達…?」

シャロ「私たちはココロちゃんの友達です!」

警官「ココロちゃん…?………あぁ…明智警部補か。…でもだからって通せないよ」

ネロ「…あーもう…シャロはどいて。…僕たちはミルキィホームズ。探偵さ。至玉強奪事件の確認で来たんだけど。怪盗事件なら特時捜査権限が働くよね?」

警官「探偵ぃ…?ならライセンスを見せてみろ」

ルルーシュ「…これだ。コイツらはホームズ探偵学院の生徒。俺が指導している」

警官「なるほど。確かに本物のライセンスだ。…よし…待ってろ…今明智警部補に面会相手の確認を…」


警官「まずはこっちの書類にサインと…俺が明智警部補に確認をとってる間に向こうでボディチェック…それとこの…」

ルルーシュ「………………」

ルルーシュ「…しゃらくさい…」スッ




ルルーシュ「通せ」キュィィン



警官「……………そうだな」

警官「明智警部補のご友人なら問題ないだろ。通れ」

ルルーシュ「ああ」スタスタ

シャロ「わーい!ココロちゃんの友達だと警察に入れるんですね!」タッタッタ

ネロ「ふ…普通はそうならないと思うけど…」

コーデリア(………今…警官が明らかに態度を変えたような…?…教官が凄く怒った顔をしてたとかかしら?後ろからじゃ確認のしようもないけど…)

エリー「シャロ…危ないから…走っちゃ…ダメです…」


………
……




………
……



小衣「怪盗事件なのに…小衣達は何も出来ないなんてぇ…」

次子「まぁ…仕方ないよな…今回ばかりは」

小衣「でもぉ~!でーも~!」

次子「あー…はいはい」

シャロ「ココロちゃ~~ん!!」ダダダ

小衣「ふぇ?」

シャロ「ココロちゃーん!」ダキッ

小衣「なっ…!?アンタどこから湧いてきてのよ!?」

シャロ「どこって入り口だよ?」キョトン

小衣「そーじゃない!」

次子「至玉強奪事件の確認だろ?特時捜査権限を使われちゃ警察は何も出来ないよ」

シャロ「入り口でココロちゃんの友達ですって言ったら通れました!」

次子「えー…」

ルルーシュ(…まぁ俺がギアスを使ったんだがな)


次子「…というかそんなこと言ったら小衣がまたムキになって…」

小衣「………えなさい」

シャロ「え?」

次子「あれ?」

小衣「教えなさいよ!アンタ達の知ってること全部!怪盗帝国のこと!」

シャロ「っ!?」

小衣「G4は捜査から外されちゃったの!でもそんなの関係ない!小衣達が怪盗を捕まえる!」

小衣「小衣達…G4は凄いって!神津警視は凄いって!皆に教えてやるんだから!」

小衣「だから…教えなさい…教えてよ…」グスッ

ルルーシュ(………やはり捜査からは外されたか…)

咲「はいはい。落ち着いて小衣」ナデナデ

小衣「うぅ…」

咲「…ごめんね」

シャロ「あ…いえ…」


咲「…ちょっとさぁ」

コーデリア「?」

咲「ここじゃなんだし…連れてってよ」

ネロ「は?どこへさ?」

咲「アンタ達の事務所」

ネロ「………………は?」


………
……



~ミルキィホームズ事務所~



次子「ほぉー…ここかぁ」

咲「へぇー。意外と片付いてるじゃん」

ルルーシュ「当たり前だ。俺が掃除をかかすわけがないだろう」

咲「そ~じゃなくて~」チラッ

ネロ「何?」

シャロ「?」

咲「こういうこと」

ルルーシュ「なるほど。…汚されたらすぐに掃除しているからな」

咲「…苦労してるね~」


小衣「…でも咲?こんなところに来てどうするのよ!?」

コーデリア「こ…こんなところって…!あなた達が勝手に…!」

咲「はいこれ見て」スッ

小衣「なによ…PDA…?……これって…!」

平乃「ってこれ捜査資料じゃないですか!?ダメですよ咲さん!勝手に持ち出しちゃ!」

咲「ダウンロードしたのは捜査から外される前だしいいっしょ?」

平乃「詭弁ですよ!」

小衣「よくやったわ咲!」

平乃「さっすが咲さんっ!」




平乃「………って違います!」

小衣「これも小衣の日頃の教育の賜物ね!これで捜査が出来るわ!……よしG4!捜査開始…」

ネロ「はーいはいはい…ストップー」


小衣「なによ!」

ネロ「捜査はここでやるんだよねー?」

小衣「そうよ!」

ネロ「ここはどこだっけー?」

小衣「アンタ達の事務所よ!当たり前でしょ!警察所じゃ出来ないんだし」

ネロ「タダってわけにはいかないなぁ~…ねぇ?ルルーシュ?」

ルルーシュ「あぁ……そうだな」

ルルーシュ(場所の提供…その見返りとなれば…情報…!警察が所持している捜査情報…!)

小衣「こ…交換条件…!?ま…まさか…!」











小衣「小衣のこの美しい体が欲しいのね!?」




みんな「ずこーっ!」








小衣「し…仕方ないわ…。け…警視のためなら…うぅっ…」

ルルーシュ「お…おい!こ…こっちに来るな!」

小衣「ま…まさか…!小衣の美しい体をそのまま放置して…鑑賞して楽しむつもり!?」

ルルーシュ「な…何を言ってるんだお前!?」

小衣「それでも…警視のためなら…」

ルルーシュ「えぇい!誰が見るかそんなもの!」

ネロ「情報だよ情報!」

小衣「小衣の!?」

次子「なんでそんな自分中心に考えるんだよ…」

咲「ここまでだとむしろ見習いたくなるね~」


ネロ「捜査内容の情報!こっちは場所の提供!そっちは情報!悪くないでしょ?」

小衣「捜査情報の漏洩じゃない!出来るわけ…」

次子「わかったそれでいこう」

小衣「次子!?」

次子「場所を貸して貰ってるんだ…ちゃんと恩を返さなきゃお天道様に笑われるよ」

次子「それにあたしらのPDAだけじゃ効率も悪いしね」

咲「そ~だね~。ここのメインフレームにアクセスさせてもらったほうがいいかも~」

ネロ「いいよね?ルルーシュ?」

ルルーシュ「…ああ」

ネロ「ならPDA貸してよ。設定とか面倒だから…僕が一気にやっちゃう」ヒィィン

咲「なに?トイズ?」

ネロ「そうそう」

次子「はぁ~…便利だねぇー…トイズ…。一家に一個みたいな?」

咲「まぁトイズ手に入れちゃったら警察にいられないけどね~」

次子「まあね…そういう意味じゃ必要ないけどね」


平乃「…………………」

平乃「………………はぁ…」

平乃「……私…流されやすいんでしょうか…」

エリー「わ…わかります…その気持ち…」

平乃「エルキュールさん…」

エリー「長谷川さん…」

平乃・エリー「「はぁ………」」



こうしてG4、ミルキィホームズの捜査が始まった…。

今回は捜査前までです。

話は変わりますがWSのミルキィホームズ2TDはちょっと…って感じですね。
バリツと姫百合だけで1300な気がしてたまりません。


ブースターはいつでしょうね?


では失礼します。
書き貯めのこともありますので週1投下出来たら…と思っております。
なるべく早く来るよう努力しますが。

シャーロックside投下します!


~シャーロック・シェリンフォードside~



G4、ミルキィホームズ両チームの捜査が始まった。先ほどまで激昂していた明智小衣は遠山咲の持ち出した捜査資料によりすっかり大人しくなり、捜査は行いやすくなっていた。


シャロ「んー…うーん…」

ルルーシュ「シャーロック。何を悩んでいるんだ?」

シャロ「あ…先生。アルセーヌの至玉強奪事件…その犯行当時のヨコハマの天気図です」

ルルーシュ「て…天気図…?何故だ…?」

シャロ「警察の資料に入ってたんです。…それで見たときになんとなく怪しい気がして…」

ルルーシュ(…シャーロックの勘…いままでの例から考えると…適当なようで実は的を得ている…)

ルルーシュ「…………見せてみろ」


シャーロックのピンク色のPDAに表示されたヨコハマの天気図は三枚。
いずれもその日のヨコハマは風が強かったことを示していた。



ルルーシュ「なるほどな…」

シャロ「はい…。その日のヨコハマは風が強かったみたいです」

ルルーシュ「………………」

シャロ「でもそれ以外には…特に何も見つからなくて…」

ルルーシュ「……………………」

ルルーシュ(…………本当に何もないのか…?)

シャロ「…まぁ風が強いからなんだって話ですよね…。すみません先生…お時間を取らせてしまって」

ルルーシュ(…………………)


ルルーシュ(………いや…そうじゃない…)

ルルーシュ「…………風向きだ…」

シャロ「…風向き…ですか?」

ルルーシュ「ああ。……よく見てみろ」

シャロ「………………?」

シャロ「…………あ!」

シャロ「これも…!これも!これも…!風の向いている方向は…!」

ルルーシュ「……………ああ…海だ…!」

シャロ「海…!」



ルルーシュ「……そう…」

ルルーシュ「…これは重要なファクターだ…!」


ルルーシュ(…流石シャーロック…と言ったところか…勘がいいな…)

シャロ「それじゃあ私は捜査を継続しますね!」

ルルーシュ「…ああ。わかった」

シャロ「うみ…うみ…何か関係が…?」

シャロ「ん~…んんん~…」


小衣「つーぎーこぉー!」

次子「あーはいはい…。悪かったってー…」


シャロ「…うみ…うみ…」

シャロ「……えへへ」

ルルーシュ「…ん?…どうしたシャーロック?」


シャロ「あっ!すいません…真面目に捜査しないとダメですよね…むむむ…!」

シャロ「むぅ~!…………えへへへ…」

シャロ「……はっ!…す…すみません…つい…嬉しくなっちゃって…」

ルルーシュ「…嬉しい?」

シャロ「私達の事務所にココロちゃん達が来てくれたんですよ!嬉しいじゃないですか!」

ルルーシュ「そ…そういうもの…なのか…?」

シャロ「先生はお友達を自分の部屋に呼んだことないですか?どうでした?」

ルルーシュ「…………俺は……」



『この長い髪の毛…彼女だろ?ルルーシュ』

『咲世子さんやナナリーのじゃない』

『ばっ…!?それは…違っ…!?』


ルルーシュ「…………………」


ルルーシュは、ふぅと一息ついて続ける。


ルルーシュ「………………騒がしかった…な」

シャロ「騒がしい…?」

ルルーシュ「………でも…そうだな…今となっては…あれも幸せな一日…だったのかもな…」

シャロ「……???」




~シャーロック・シェリンフォードside fin~

少ないですが今回はここまで。
…文字数は変わらないのにレス数が少ない…?
詰め込むようになってるんですかね?

では失礼します。

すみません。
今週の平日はやることがあるので土曜日に2週分投下します。

こんばんは。
とりあえず続きを投下します。
皆様に「楽しみ」だと言ってもらえて凄く嬉しいです。
これからも細々と頑張ります。


~明智小衣side~




珍しく、というのも何だがG4の知将明智小衣は現在捜査資料と格闘していた。

…と言っても普段はG4の中でも一番仕事熱心なのだが。G4の内三人がだらけている以上、全体の仕事もだらけて見える…というカラクリなのだが。

どちらにせよ小衣自身は普段から真面目な勤務態度でいることを忘れないでほしい。


小衣「絶対…絶対手がかりを見つけるんだから…」

小衣「怪盗なんかみんな捕まえて…警視をいじめたオヤジ共を見返してやるわ…!」


だがやはり行動の原動力は神津玲のようだ。


ルルーシュ「……………………」


ルルーシュ(…ふむ。…警察と探偵が懇親会…か。…そのままの意味で捉えるなら警察と探偵の関係は良好になっていると考えられる…)

ルルーシュ「やぁ小衣ちゃん」

小衣「何よ!?ココロちゃんって言うな!」


どうやらピリピリしているようだ。
…と言ってもただの八つ当たりなのでルルーシュは華麗にスルーし、続ける。


ルルーシュ「何か困ってることはあるか?慣れない場所だしな」

小衣「そんなのあるわけないでしょ!小衣はIQ1300の天才美少女なのよ!」

忘れそうにもなるがこの小さな女の子。明智小衣の知能指数は1300という破格の天才である。


小衣「それに余計なお世話よ!小衣達は今は仕方なくここにいるのよ!」

ルルーシュ「そう怒るな…。探偵学院と警察学校でパーティーがあるんだろう?…なら今後のことを考えて良好な関係を…」

小衣「む!?」


どうやら゙パーティー゙という単語が何かのスイッチを入れたらしい。


小衣「何が…何がパーティーよ…!警察と探偵がパーティー?…なんでその警備を小衣達がやらなきゃいけないのよ!」

シャロ「え!?ココロちゃん達も来るの!?」

ルルーシュ(シャーロック!?いつの間に!?)


小衣「不本意ながらね!」

シャロ「わーい!やったー!ココロちゃんも来るー!」

小衣「何がパーティーよ…今は一刻も早く怪盗を捕まえなくちゃいけないのに…!」

小衣「みんな馬鹿ばっかりよ!」

ルルーシュ(…確かにな…。…警察の保管していた至玉が強奪されたんだ…。パーティーも楽しんでいる場合じゃないな…)

ルルーシュ(………………………)

小衣「全く…これだからIQ三桁は…。…偉そうに警視をいじめるじゃないわよ」ブツブツ


小衣「ちょっと!」

ルルーシュ「………なんだ?」

小衣「いつまでいるのよ!?気が散るわ!」

ルルーシュ「……………ああ」

小衣「う~~!」

ルルーシュ(……このままいると面倒なことになりそうだな…)スタスタ




~明智小衣side fin~


~譲崎ネロside~



ルルーシュ「ネロ」

ネロ「ん?あぁ…ルルーシュ」ピッ ピッ

ルルーシュ「…………………」

ネロ「何?どうかした?」

ルルーシュ「いや…前々から思っていたんだが…トイズは使わないのか?」

ネロ「え?使ってるじゃん?さっきもG4のPDAのアクセス許可を…」

ルルーシュ「いや…捜査資料の閲覧とか…だな。トイズを使った方が早いだろう?」

ネロ「あー…なるほどね。確かにトイズを使えばデータ化された資料はすぐ見れるけど…」


ネロ「あれ。案外疲れるんだよねー。…今みたいにデータ化された資料でPDAで見れるならその方が楽なんだよ」

ルルーシュ「なるほどな…。…まぁ実戦やいざと言うときに疲れて使えない…とかじゃ困るからな」

ネロ「そーそー。いざと言うとき…例えば…」












ネロ「ルルーシュが僕のことをどう思ってるか…とかね…」


ルルーシュ「は?」

ネロ「どう?ルルーシュ。僕に…触られてみたい…?」


ルルーシュには苦手とするものが幾つかある。
その内の一つ。常識的な考えが通用しないもの。

…そう考えると理詰めの考え方をする人物がいないミルキィホームズの監督などやるのも一苦労なのかも知れない。


ルルーシュ「………いや…遠慮しておく」

ルルーシュ(もしそれで゙過去゙や゙俺の考え゙が読まれたら困るしな…)


確かにルルーシュの過去も壮大だが、この学院に来たばかりの頃はミルキィホームズを駒と考えるほとだった。

勿論今となってはそのような考えはないが。


ネロ「へー…何?やましいことでもあるの?」

ルルーシュ「さぁな」


ネロ「ふーん…。………隙ありっ!」バッ ヒィィン


ルルーシュの隙をついたネロがルルーシュの手に触れてトイズを使う。

…やはりネロの行動は(ルルーシュの)常識からは外れている。


ルルーシュ「なっ!?」

ルルーシュ(な…!?もしこれで俺の過去が知られた場合…!?…ギアスを使うしか…!?)

ルルーシュ(…いや待て!この考えも読まれている…!?そうだ…マオと対峙した時のように…!)

ルルーシュ(……これならどうだ…!゙世界経済゙、゙今週の講義内容゙、゙今週と来週の天気゙に゙不思議の国のアリズ、゙探偵の歴史゙゙ヌハチのチョコレートケーキの材料゙etc…)


と、ルルーシュはいくつもの考えを同時に巡らせる。これでネロは考えを読みづらくなっただろう。


ネロ「………ふーん」ニヤッ

ルルーシュ「!?」

ネロ「……僕のこと…そんな風に思ってたんだね…ルルーシュ」

ルルーシュ「なっ…!?」

ルルーシュ(…馬鹿な!俺が同時に25通りの話題を考えたというのに…俺の考えてないことを読み取っただと…!?)

ネロ「………………………」

ルルーシュ(…くっ!やはりギアスを使うしか…!)






ネロ「………………ぷっ」

ルルーシュ「……ん?」


ネロ「あっはっはっは!冗談だよルルーシュ!そんなに焦らないでよ!あっはっはっは!」

ルルーシュ「……おい待て…ネロ」

ネロ「ひー…あー面白い。…言ったでしょ。僕のトイズはそんな万能じゃないって。何を考えてるかなんてわかるわけないでしょ」


まぁ内心凄く焦ってたことぐらいはわかるけどねー。
と付け足す。


ルルーシュ「……か…からかうんじゃない…ネロ…」

ネロ「はいはい。捜査捜査ー。ふっふふふっふーん」

ルルーシュ(……………はぁ…)


………
……



ルルーシュ「………で。捜査はどんな感じだ?」

ネロ「うん。僕が捜査してるのは犯行声明の映像だよ」

ネロ「なーんかにおうんだよね…。…こっちが初めての声明、こっちが今回の犯行声明の映像ね。……どう?ルルーシュは何か気がついた?」

ルルーシュ「…………そうだな…………」


どちらも怪盗アルセーヌの行った声明。
ご丁寧に同じ部屋、同じ位置で撮影されている。

比べるにはもってこいだろう。


壁にかけられた絵画や、近くにある階段の位置。
それに部屋のレイアウトも勿論同じだ。

違うところと言えば花瓶の花が新しくなっていることや、青い水の入ったオブジェが揺れて出来た水面の傾きが違うところだろうか。


ルルーシュ「…………………」

ルルーシュ「…………水面…」

ネロ「あ、やっぱりおかしいよね?水面が傾いてるってことは…怪盗帝国のアジトってたてつけが悪いのかな?」

ルルーシュ「もしそうだとしたらマヌケな話だな」

ネロ「トゥエンティあたりを引き渡して懸賞金貰えばたてつけの悪さぐらいなら直せるんじゃないかな?」


ルルーシュ「………ネロ。水面が傾く…というのはどういうことだ?」

ネロ「え?だからたてつけが悪いか部屋全体が傾いてるんじゃないの?」

ルルーシュ「この木造旧校舎もたてつけが良いとは言えないが…流石に水平は保たれているぞ?」

ネロ「そりゃ建物の基礎が固定されてるからね。地面がしっかりしてれば傾くことなんて…………」

ルルーシュ「……それが答えだ。ネロ」

ネロ「……え?…………あっ!」


ルルーシュ「ああ。…これは重要なファクターだ…!」




~譲崎ネロside fin~

今日はここまでです。
明日も投下出来そうなので投下します。

ところで

ルルーシュ(……これならどうだ…!゙世界経済゙、゙今週の講義内容゙、゙今週と来週の天気゙に゙不思議の国のアリズ、゙探偵の歴史゙゙ヌハチのチョコレートケーキの材料゙etc…)

ここにネタとしで今日のわんごって加えるべきか10分ぐらい悩みました。
なにやってるんでしょうね…。


ではまた明日。
失礼します。

こんばんは。咲side投下します。


~遠山咲side~



ルルーシュ「ちょっといいか?」

咲「何~?」

ルルーシュ「…大丈夫なのか?」

咲「平気平気~」

ルルーシュ「そうか…ならいいんだが…」

咲「持ち出したのは手を引けって言われる前だし~。平気っしょ~」


この必要最低限の言葉のみで会話が成立しているのだから驚きである。

要するに

「警察の捜査資料を勝手に持ち出して大丈夫なのか?」

という問いに対して

「手を引けと言われる前にダウンロードしたから問題ない」

という回答が返ってきた…というわけだ。

ある意味、互いの考えを把握出来る…なんとも話しやすい相手だろうか。
……実際遠山咲という少女はそれとはかけ離れているが。



咲「しっかしさぁ……」ジーッ

ルルーシュ「なんだ?」

咲「ミルキィホームズの世話に加えてそんな細かいこと気にしてるなんてね~。………ハゲるよ?」

ルルーシュ「なっ!?」

咲「いや~…嫌だな~ハゲの男が教官なんて~」

ルルーシュ「……………………」

ルルーシュ「……いや待て。遺伝的観点から見ればハゲないと思うが」

咲「あれ~?そうなの~?」


ルルーシュの父、シャルル・ジ・ブリタニアの顔を思い起こすと、確かに毛髪に恵まれていると言えるかもしれない。
歳の割りに薄いところが目立つわけではなかった。

…むしろ威厳のある髪型に目を引かれる…だろう。


咲「ふーん…良かったねー」

ルルーシュ「……だがああはなりたくないな…」

咲「え?何?変な髪型してたの?」

ルルーシュ「…少なくとも一般的ではないが…威厳はあったな…。客観的に見ればだが」

咲「ん~?よくわかんない……」

ルルーシュ「別にわからなくていい」

咲(…さっきから親のことを客観的に見てる節があるけど…なんかあんのかな~?……ま、別にいいけど)



………
……



咲「ところでさ~?」

ルルーシュ「なんだ?」

咲「別に面白い展開にもならなかったし、捜査戻っていい?小衣がうるさいからさ~」

ルルーシュ「…あ…あぁ…構わない」

咲「そいじゃ~」ピッ ピピッ

ルルーシュ(…………………)

ルルーシュ(…掴み所がないと言うか…マイペースと言うべきか…)



~遠山咲side fin~

一日…というよりほぼ即興に近いですが咲sideはおしまいです。
では書き溜めが出来次第来ます。
目安は大体週末ごとですね。

では失礼します。

すみません!先週は更新をすっかり忘れてしまいました…すみません…。


~コーデリア・グラウカside~





コーデリア「ふぅ…」


ミルキィホームズの年長、コーデリアは一つため息をつく。
先ほどから時折聞こえるこれをルルーシュが放っておくわけがなかった。


ルルーシュ「どうしたコーデリア?」

コーデリア「あ…教官…」

コーデリア「それが…少し考えてしまって…」

ルルーシュ「考える?」

コーデリア「G4の子達を見ていたら…私…面倒を見きれる自信がなくて…」

ルルーシュ「じ…G4の面倒…?」

ルルーシュ「…そんなもの神津に任せておけ。わざわざ俺達が面倒を見る必要はないだろ」

コーデリア「あ…いえ。違うんです。言葉が足りませんでした…」

ルルーシュ「?」


コーデリア「普段ここにいない子達がいる…そう考えたら…、いつかミルキィホームズにも新メンバーが加わるのかな…って…」

ルルーシュ(新メンバー…か…。だが゙仲の良ざに目をつけて結成したチームに新メンバーが入るのか…?)


勿論それはこの学校の生徒会長アンリエット・ミステールの一存で決まってしまうのだが。


コーデリア「そうなったら私…。面倒を見きれるのか…不安に…」

ルルーシュ「…………………」

ルルーシュ「コーデリアにはその力がある。心配するな」

コーデリア「教官…?」


ルルーシュ「自分には人を纏める力がある…自分には人を惹き付ける力がある…そういう自信を持っていないと他人の面倒など見ていられないぞ」

コーデリア「自分には…力が…?」

ルルーシュ「…まぁ俺が言っても説得力はないか…」


ギアス。絶対遵守の力。
加えて抜群のカリスマ性と実績。それを持っているルルーシュにとって人心掌握や組織の統括は造作もないことだった。

特にギアス…強制服従させるそれは絶大な力を誇ったと言えよう。
勿論コーデリアを始めとするミルキィホームズの面々はギアスなど知るよしもないが。


コーデリア「そ…そんなことありません!教官!」

ルルーシュ「コーデリア?」

コーデリア「教官は凄いと思います…!私達はそれぞれクセもあるし…仲が良いって言ったってチームもとしてやっていけるようなものではありませんでした…」

コーデリア「でもそれを纏めてくれたのは教官なんです!」

コーデリア「だから…説得力がないとか…言わないでください…教官…」

ルルーシュ「………………………」


ルルーシュ(…そういう意味じゃ無いんだけどな。…………まぁ)

ルルーシュ「…ありがとう…コーデリア」

コーデリア「い…いえ…」カァァ

コーデリア「わ…私…捜査に戻りますね!」


コーデリアはルルーシュの言葉に照れたようで、それを隠すために急いで捜査に復帰する。


コーデリア(…………こちらこそ…ありがとうございます…教官)


………
……



ルルーシュ「それで…コーデリア。何かわかったことはあるか?」

コーデリア「わかったこと…と言いますか…気になったことなら…」スッ


コーデリアの差し出したPDAには至玉強奪事件当日の街の写真だった。


ルルーシュ「…街…?」

コーデリア「はい…。別方面から何か見つかることはないかと思いまして…」

ルルーシュ「なるほどな」


アダムの涙の時のエレベータホールといい、コーデリアが目をつける所は少し変わっているかもしれない。そういう意味では彼女にも天性の勘があるのかもしれない。


ルルーシュ「……………………ん?」

ルルーシュ「これは…なんだ…?」

コーデリア「それは…交通渋滞ですね」

ルルーシュ(…こんな街のすぐ近くでか…?見たところあたりは何も…)

ルルーシュ「……コーデリア。ここには何があるんだ?」

コーデリア「そこは確か…跳ね橋ですね。でも珍しいですね。普段はそこ渋滞なんて起きないんですよ」

ルルーシュ「…跳ね橋…?」

コーデリア「はい。船なんかが通るときは橋が上がって船が下を通るんですよ」


ルルーシュ「……なるほどな…」

コーデリア「えっ!?い…今ので何が…!?」

ルルーシュ「考えてみろ。ここで渋滞が起きる理由を…」

コーデリア「跳ね橋の近くで渋滞が起きる理由…?」

コーデリア「……………………あっ!?」

ルルーシュ「そう…これは重要なファクターだ…!」




~コーデリア・グラウカside fin~

今回はここまでです。
WSのミルキィ2のブースターの発売日が決まってたんですね…。
と言っても財力のない私はシングルで済ませるしかないんですけどね…。

では失礼します。

お待たせしました。投下します。


~エルキュール・バートンside~




エリー「…………………………」

エリー「…………………………」

エリー「…………………………」

ルルーシュ「……………………………」


ミルキィホームズ、エルキュール・バートンは捜査に集中していた。
さながら大好きな推理小説を読んでいるかのように。

ルルーシュがこのように集中しているミルキィホームズ達にわざわざ話しかけるのにはワケがある。

彼女達は天性の才能とも呼べるような勘を持っている。自覚がないのがたまにキズだが…。

そしてその勘はあくまで勘に過ぎないのだ。
怪しいところを見つけても、何が怪しいのかまではわからない。

それを答えに変えるために話しかけるのだ。



ルルーシュ「…エルキュール」

エリー「…あ…ルルーシュさん…」

ルルーシュ「どうだ?調子は?」

エリー「それが…まだ…なんとなくしか…」

ルルーシュ「…………そうか」

エリー「ご…ごめんなさい…」シュン

ルルーシュ「いや。責めているわけじゃないんだ」

ルルーシュ「エルキュール。気分転換に外の空気でも吸いにいかないか?」

エリー「ふぇ…?」キョトン

ルルーシュ「椅子に座り続けて資料を見ているだけでは頭も回らないからな…。気分転換だ」


エリー「え…えっと…そ…それじゃあ…」


ルルーシュに促され、エルキュールは立ち上がるが…。
立ち眩みを起こしてしまった。


エリー「…う…」フラッ

ルルーシュ「おっと」ポス

ルルーシュ「大丈夫か?エルキュール」

エリー「ご…ごめんなさい…」

ルルーシュ「いや…ずっと座っていたんだ…。俺の方こそ配慮が足りなかった…すまない」

エリー「いえ…ごめんなさい…行きましょう」

ルルーシュ「いや。もう少し休んだ方がいい。座ろう」

エリー「いえ…」

ルルーシュ「だが…」










小衣「ちょっとアンタ達!いつまでイチャイチャしてんのよ!」


エリー「えっ…?」カァァ

ルルーシュ「ん?」



次子「あらあらあらあら…見ました奥さん?」ニシシ

平乃「おアツいですね」

咲「ひゅーひゅー」

コーデリア「ちょっと教官!」

ルルーシュ「いや…落ち着けお前達」

ネロ「大体いつまで手を握ってるのさ?」

ルルーシュ「す…すまないエルキュール」

エリー「あ…ぅ…ぅ…」///

シャロ「エリーさんの顔が真っ赤です!写真を撮っておきましょう!エリーさーん!こっち見てくださーい!」

エリー「や…やめて…シャロ…」



小衣「何よ…小衣だっていつか警視と…」ブツブツ

次子「はいはい小衣…。捜査に戻るぞ」



ルルーシュ「…………外にいくか?エルキュール」

エリー「いえ…大丈夫です…!元気…もらいましたから…!」

ルルーシュ「?」


………
……



ルルーシュ「……それで?エルキュールは何を調べていたんだ?」

エリー「アルセーヌの至玉強奪事件の…警察の捜査資料です…」

ルルーシュ「………………」


一枚目。
アルセーヌが現れる。
現れた際には既に至玉を手にしており、警官が追跡を開始。


二枚目。
アルセーヌ逃走。
監視カメラに姿が完全に映らないよう逃走している模様。
また移動速度も早く、警官は追い付けず、取り逃がしてしまう。


三枚目。
屋上にてアルセーヌを追い詰める。
出口は警官が固めており、上空からはサーチライトで方位は完了している。


四枚目。
アルセーヌが音もなく空に昇る。
サーチライトからも外れており、センサーにもかからず、追跡不可能。
この日は風が強く、ヘリコプターを飛ばすことも不可能。



資料とともに写真が付けられているが、二枚目の通り全体が写っていないか、ブレてしっかりと姿をとらえていなかった。


ルルーシュ(………使えない警察だな…)


それを口に出すとG4(主に一人)が怒鳴り出しそうなので、胸にしまっておくが。



ルルーシュ「………………………」

エリー「………どうですか…?」

ルルーシュ「……ここだな。…明らかに不自然だ」


と、ルルーシュは四枚目を記載を指差す。


エリー「ルルーシュさんもそう思いますか…?」

ルルーシュ「ああ…。人間が音もなく浮かび上がるなんて…ありえない」


超人的脚力を持つ親友であろうと空中浮遊は不可能だろう。
…あるいはギアスやナイトメアでもあれば可能かもしれないが、そんなものはない。


ルルーシュ「何か別視点から探ってみよう。…なぜ人が音もなく浮かび上がるか…だな」


エリー「写真を見るとマントを広げているように見えますね…」

ルルーシュ「……………………」

エリー「………マントを翼代わりに空を飛ぶ…とかなら…ロマンチックですね…」

ルルーシュ(………………………………)

ルルーシュ「………それだ…」

エリー「えっ?」

ルルーシュ「この日は風が強かった…ならマントの形状によっては風に乗って浮かび上がることも可能かもしれない…」

エリー「でも…それじゃあ…どこに着陸するかわかりません…。…そ…それに…この方向…先は海しかありません…」

ルルーシュ「陸か海かは関係ないさ。…いやむしろ海の方が都合がいいだろう」

エリー「怪盗帝国がアルセーヌを回収するにしても…海じゃ回収できないじゃないですか…?」

ルルーシュ「…逆だ。…風に乗って移動するものを回収する場合、100%回収するには…」

エリー「それは…回収する側が…。……………あっ!?」

ルルーシュ「…気づいたか?」

ルルーシュ「そう…これは…重要なファクターだ…。これで条件はクリアされた…!」





~エルキュール・バートンside fin~


エルキュールside投下完了です。
最近PSPのバッテリーの寿命が来てます…。
ソニー製で安いものはどこかにないものか…。

では失礼します。

乙んこ
メーカー純正は高いよね、非メーカー品は怖いしおすすめできない
見た目気にしないならいっそ大容量の奴か2,3k用の外部チャージャーつけるとかいいんじゃない?

>>319
ありがとうございます。
それが…私は中古1000で細々とやっている人なんですよね…
しかも充電器は端子が壊れて使えないという…
バッテリーチャージャーのお世話になってます

1000が無理矢理でも使えるのに3000を買うべきなのかどうか… 貧乏性なんです…

余ってるバッテリーパックを友人が譲ってくれるそうなので投下は少々お待ちください。すみません。

とりあえず思い出せる限りで書き貯めておきます。


~銭形次子&長谷川平乃side~





次子「はぁ~。いいねぇ…いいねえ…」

ルルーシュ(…………何をしているんだ…?)


ルルーシュは自分達の事務所を見回している銭形次子を見つけた。
普通なら問題はないが、今は状況が状況である。
捜査はしなくて良いのだろうか?


ルルーシュ「……次子」

次子「ん?何?」

ルルーシュ「…捜査はしなくていいのか?」

次子「あははは…。ちゃんとやってるって!大丈夫大丈夫!」

ルルーシュ(…まぁ辛気くさい雰囲気で捜査されるよりは、一人ぐらい明るいやつがいた方が良いのかもな)


次子「なぁ!なぁなぁ!これアンタのセンス?」

ルルーシュ「……これ…?」

次子「部屋だよ部屋。この事務所!良いねぇ…この感じ。厳かな感じでさ!」

ルルーシュ(…そう言えば…。この事務所…正に「探偵事務所」のレイアウトだが…何故だ?)

ルルーシュ(アンリエット・ミステールは「この部屋は俺のために用意した」と言った…。だが俺の趣味が完全に反映されているわけではない…)

ルルーシュ(なら……。誰の…?)

ルルーシュ(……探偵…か…)


次子「どしたの?」

ルルーシュ「い…いや…なんでもない…」

次子「でもさー。…足りないと思わない?」

ルルーシュ「足りない…?何がだ?」

次子「例えば…上!提灯つけよう提灯!」

ルルーシュ「………は…?提灯…?」

次子「あとこの辺を掘って…囲炉裏とか!」キラキラ

ルルーシュ「あ…あぁ…」

次子「そして決め手にそこ!そこに神棚を置いてさー!な?やっぱ和だよ和!うんうん」キラキラ

ルルーシュ「そ…そうだな…」

次子「お!?わかる!?じゃあさ!あっちのシャワールームも檜風呂にしてさ!それからそれから…」

ルルーシュ(だ…!誰か止めてくれ…!)


平乃「次子さん。ルルーシュさんが困ってますよ」

ルルーシュ「ひ…平乃…!」


こほん…と咳払いしながら現れた長谷川平乃にルルーシュは助けが来たかのような顔を向ける。
銭形次子は興奮し暴走していたことを「あちゃー」と一人たしなめられた気分になり反省して捜査に復帰していった。


平乃「すみません…ルルーシュさん。事務所を捜査の場所にお借りした上にご迷惑を…」

ルルーシュ「い…いや…別に迷惑というわけじゃないんだ」

平乃「そ…そうですか…すみません」

平乃「…………はぁ」

ルルーシュ「どうした?溜め息なんて珍しいな」

平乃「い…いえ…すみません。…やっぱり気になってしまって…」

ルルーシュ「気になる…?」


平乃「その…捜査資料のことや…そもそも警視に無断で捜査していますし…」

ルルーシュ「確かにな」

平乃「…私…流されやすいのでしょうか…」

ルルーシュ「さあな」

平乃「さ…さあな…って…」

ルルーシュ「別に流されやすかろうと流されにくかろうと関係ないんじゃないか?G4はチームだからな」

ルルーシュ「それに役割もしっかりしている。平乃の良いストッパーになっていると思う」

平乃「…………………………………」

ルルーシュ「捜査官としての能力も高い。…自分が正しいと思ったことをやればいい」

平乃「…………………はい…!」



~銭形次子&長谷川平乃side fin~


Prrrr!



小衣「ちょっとミルキィホームズ!電話!五月蝿いわよ!」

ネロ「僕達じゃないよ!五月蝿いのは明智じゃないか!」

小衣「なんですってぇ!?」

ネロ「なんだよー!」




咲「あ~。ごめ~ん…私だ…」ピッ

咲「う~い。こちら遠山咲~」




ネロ「ほらそっちじゃないか!」

小衣「うぐぐ…」

小衣(咲ぅ…!)グヌヌ…


咲「………………………………………」

咲「あ…う…うん…。まぁそんなとこ~…」

咲「は…は~い…」ピッ




咲「やべ~…お怒りだ…」

小衣「何がよぉ…」

咲「バレた…捜査資料の持ち出し…」

小衣「!?」

平乃「じゃ…じゃあ今の電話って…!?」

咲「警視から…「今すぐ戻ってこい」…って」

小衣「~~~っ!?」

小衣「G4!急いで移動!帰るわよ!次子!車出して!」

次子「はいはいはい…」ダッ

咲「…んー…なんでバレたかなぁ…?」

次子「あ!事務所貸してくれてサンキューね!」

小衣「そんなのいいから…!は…早く出なさいよー!」

平乃「小衣さん。ちゃんとお礼は言わなきゃいけませんよ」

小衣「うるさーい!今はそれどころじゃないでしょ!」



バタン。


ルルーシュ「…忙しいな…警察」

コーデリア「た…大変なんですね…警察って…」

すみません。先週は忙しくて来られませんでした。お待たせして申し訳ありませんでした。

なるべく早いペースで投下出来るよう頑張りますので、今後とも宜しくお願いします。


では今日はここまでです。
失礼します。

多く書き溜めて一気に投下のスタイルを少し大変に感じて来たので今日から少しずつ投下していきたいと思います。
少しずつ投下するため、回ごとの終了宣言がありません。予めご了承ください。


………
……



シャロ「…結局何も見つからなかったですー…」


どうやら夜通し行われたらしい捜査は(ルルーシュは気づかれないようこっそり寝ていたのだが)結局これといった成果はあげられなかったようであった。


ルルーシュ(徹夜で捜査していたのか…)

ネロ「…………んに?…朝…?」

コーデリア「…あ…寝て…た…?」

エリー「…ん…おはよう…ございます…」

シャロ「あ、おはようございます!」

ルルーシュ「シャーロック…ネロ…コーデリア…エルキュール…。…まさか…シャーロック一人で夜通し捜査を…?」

シャロ「は…はい…。捜査していたら眠れなくて…」

ルルーシュ「……………………」


ルルーシュは少し驚きつつも心の中で軽く溜め息をする。…頑張りすぎだ…と。

また一人残して寝てしまったことを少し後悔した。


ルルーシュ「………今日は警察との合同パーティーだからな。各自準備をしておけ」

コーデリア「…とりあえずシャロ。仮眠なりシャワーなりしておいた方が…」

シャロ「…そうですけど…」

ルルーシュ「…そんなに気になったのか?」

シャロ「…謎を謎のまま…残すのが嫌なんです」

ルルーシュ「………………………」

ルルーシュ(……何かありそうだな…)


………
……



ルルーシュ「…準備は出来たか?」

エリー「…大丈夫…です…」

ネロ「シャロも起きたし、大丈夫だよ」

シャロ「…………うー…目がしょぼしょぼしますー…」

コーデリア「シャロ目薬あるわよ」

ルルーシュ「…大丈夫そうだな」

ルルーシュ(…このまま…パーティーに行ったとしよう…)

ルルーシュ(どうやら俺ば偵都外から来た優秀な人材゙らしい。…この機会は情報収集の場であると同時に…俺のことを掘り下げて聞かれる可能性がある)

ルルーシュ(…いざとなったらギアスを使うか…)

今更ながら明けましておめでとうございます。

年末にスマホに変えたのですが、その際に書き溜めが全消去に等しい状況になってしまいました…。
ゆっくりとですが書き直していきますので今後もよろしくお願いします。

すみません!のんびりやっていたらこんなに時間がたってました…
とりあえずアルセーヌ登場まで書けたので一気にいきます


~船着場:パーティー会場前~


ルルーシュ「…ふ…船…なのか…!?」

ネロ「招待状読んでないの?開催場所は船。船上パーティーさ」

ルルーシュ「船…」

コーデリア「にしても大きな船ね。…少なくとも探偵学園の全生徒が入るんだから当たり前…かしら」

シャロ「こんな大きいなら秘密基地の1つや2つは作れそうです!」

ルルーシュ「…………………!」

ルルーシュ「船…!?」

ネロ「何度言わせるのさ」

ルルーシュ「…マズい!あの船は危険だ…!」

エリー「えっ…?」

ルルーシュ「思い出せ!自分たちの調査を…!」













ルルーシュ「シャーロック!!」












シャロ「は…はい!」



シャロ「私は当日のヨコハマの天気を調べました!」

シャロ「その日は風がとても強く、その風が向いている方向にあるのは海でした!」

シャロ「強い風だったのでヨコハマではその日は全ての船が止まっていたそうです!」

シャロ「………………………………」

シャロ「でも…このことから何かわかるんですか…?」

ルルーシュ「問題ないさ。…次だ」
















ルルーシュ「ネロ!!」
















ネロ「ほいほーい」

ネロ「僕はアルセーヌの犯行声明の映像を調べたよ」

ネロ「わかったことは一つだけなんだけど…映像の中にあった青い水の入ったオブジェのこと…」

ネロ「映像のコマごとに入っている水の傾きが違うんだ。…でもこれっておかしいよね?」

ネロ「基本的に建物の基盤は固定されてる…だから水の傾きが変わったり揺れたりすることは無いはずなんだ…」

ネロ「つまり…怪盗帝国のアジトは建物の基盤が固定されていないんだ!」

ネロ「…………………………………」

ネロ「…だからなに?って話なんだけどね…ルルーシュ?」

ルルーシュ「十分だ。…パズルをする時にパズルのピースを眺めていても意味はないからな」
















ルルーシュ「コーデリア!!」

















コーデリア「はいっ!」

コーデリア「私は犯行当日のヨコハマの交通状況を調べました!」

コーデリア「その日は普段渋滞が起こらない所で渋滞が起きていたみたいです…」

コーデリア「場所は跳ね橋のすぐ近く…。…つまり普段はあげられない、もしくは計画的にあげられている跳ね橋があげられていたってこと…」

コーデリア「跳ね橋をあげるってことは下を船が通ったってことだけど…」

コーデリア「何かあるんですか教官…?」

ルルーシュ「ああ。…まぁ結論は最後を聞いてからだな」
















ルルーシュ「エルキュール!!」




















エリー「は…はい!」

エリー「わ…私は犯行時のアルセーヌの行動を調べました…」

エリー「私が気になったのはアルセーヌの逃走方法…です…」

エリー「アルセーヌは突然マントを広げ、音もなく飛び去りました…。…普通…こんなことはありえません…」

エリー「強い風が吹いていればマントの形状によっては飛べるのかもしれません…でも…そもそも着地などに不安要素が多いハズです…。風に乗っている以上…着地点もわかりませんし…」

エリー「…私には…飛んだとしても、危険が伴うので…行うべきではないと思います…」

エリー「………………………」チラッ

ルルーシュ「…それでいい。つまり…」



ルルーシュ「事件当日、ヨコハマには『海の方向へ、強い風が吹いていた』。アルセーヌはその『風に乗り逃走』。勿論海方向へ行くことになるな。着地点が分からず、海方向…。…となればアルセーヌを回収する側が必要となる。『その日、普段と違う動きで跳ね橋があがって』いて『船が通った可能性がある』。……それを踏まえた上で『怪盗帝国のアジトは建物の基盤が固定されていない』…」

ルルーシュ「つまり……」

エリー「ま…まさか…!?」

シャロ「ふ…船が…怪盗帝国のアジト…なんですか…!?」

コーデリア「そ…そんなことが…!?」

ルルーシュ「そうだ…!」

ネロ「で…でも…!この船とは限らないじゃないか!」

ルルーシュ「シャーロックの言った通りこの船にはスペースがある…!この船がアジトである可能性は高い!」

コーデリア「で…でも!だからってどうするんですか!?」

ルルーシュ「…まずは会場に行くぞ…!」ダッ

みんな「「「「はい!」」」」ダッ





~船上甲板:パーティー会場~



シャロ「凄いですよ先生!人が沢山…!」

ルルーシュ「そんなことを言ってる場合じゃないぞシャーロック…。G4を探す…!」

コーデリア「で…でもこんなに人がいたら私のハイパーセンシティブでも探せないし…」

ネロ「…明智の悪口でも言えば出てくるんじゃないの?」

コーデリア「そんなこと…」

シャロ「ココロちゃーん!」






小衣「ココロちゃんって言うなー!」ダダダダダ…

ネロ「おお」

ルルーシュ(凄いな…)

小衣「何よあんた達!」


エリー「あの…その…うぅ…」

小衣「何よ!」

ルルーシュ「ここは危険だ…今すぐ全員を避難させろ…」

小衣「はぁ?なにいってんのアンタ?」

次子「おーい!小衣ー?どうしたんだよ?」

平乃「小衣さん。警備の途中ですよ」

咲「めんどくさ~」

シャロ「き…聞いてください!」


………
……




小衣「はぁ?アジト?ここが?怪盗帝国の?」

エリー「だから…危ない…です…」

次子「お…おいおい…。そんな話があるわけ…」

平乃「物的証拠もありませんし…」

ネロ「ルルーシュの推理…今までハズれたこと…ないよ。…これは証拠にならない?」

次子「…っ」

平乃「……………………」


咲「だからってさー。どうするのさ~」

ルルーシュ「それは…」

平乃「…………………?」

平乃「ま…待ってください…!…この船…動いてませんか…!?」

ルルーシュ「なにっ!?」

小衣「ええっ!?」


大勢を乗せた船は船着場を離れ、少しずつ海上へと向かっていた。


小衣「なっ!?こんなの予定にないわよ…!?どうなってるのよ!?」

ネロ「無音エンジン…!?」

次子「それだ…!」

小衣「咲!連絡を!」

咲「…無理っぽいね~。なんか妨害電波みたいのが邪魔してる…」

小衣「な…なんですってぇ!?」

咲「…いよいよ怪しくなってきたね~」

コーデリア「ど…どうするんですか…!?教官…!?」

ルルーシュ「…こうする。何よりも全員を避難させるためには…」

ルルーシュ「ミルキィホームズ!ステージに上がるぞ!」

シャロ「えぇ!?」

エリー「そ…そんな…恥ずかしい…」カァァ


………
……



ルルーシュ「お前達は俺の後ろに!」

コーデリア「何をするつもりですか教官!?」

ルルーシュ「貴様ら全員…こっちを向け!」キーン!

ネロ「うわっ!?マイクうるさっ!?」

エリー「うぅぅ…」キーン!



「なんだなんだ?」

「ステージか?」

「何かあるのか?」



ざわざわざわ…



ルルーシュ「よし…後は…!」スッ


ルルーシュはコンタクトを外す。
つまりそれは…能力の発動を意味していた。
大きく息を吸い、叫ぶ準備をする。
ミルキィホームズは後ろにやった。ギアスのことはばれずにすむだろう。





ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる…!)







ルルーシュ「全員…G4の言うことを聞け…!」キュィィン!







「………………………………」


ざわついていた会場が静まり返る。
命令は成功…と言うことだろう。
そしてルルーシュは静かに告げた。


ルルーシュ「……G4…。指示を」

小衣「え…えっと…。この船は予定にない動きを始めているわ!…今から船を降りるわよ!救命ボートを使用する際に混乱がないようにG4が誘導するわ!従って!」

小衣「次子!平乃!咲!救命ボートの準備と誘導を!」

次子「合点!」

咲「おっけ~」

平乃「始めましょう!」




ネロ「ルルーシュ!僕達はどうするの!?」

ルルーシュ「アルセーヌを探すぞ!ここがアジトならどこかにいるハズだ…!」

エリー「手分けして…探しましょう…!」



?「その必要はありませんわ」



その刹那。
世界の色が一瞬で褪せる。幾度となく見た世界だ。
…アルセーヌのトイズによるものだと理解するのに時間はかからなかった。
そして、その当人…怪盗アルセーヌは現れた。


アルセーヌ「…お見事ですわ。ミルキィホームズ…そしてルルーシュ・ランペルージさん…」

ルルーシュ「怪盗…アルセーヌ…!」ギリッ

アルセーヌ「私達のアジトを見つけたこと…素晴らしいですわ。…では第二回戦といきましょう…」

ネロ「二回戦!?」

アルセーヌ「えぇ。私を捉えることが出来るか出来ないかの…」

ルルーシュ「黙れ」

アルセーヌ「…あらあら」

ルルーシュ「残念だがここでチェックだ。怪盗アルセーヌ…」

アルセーヌ「…?」


ルルーシュは素早く、再度コンタクトを外す。
ギアスをアルセーヌにかける。…それだけで全てが終わるのだから。



ルルーシュ「俺の質問に答えろ…!」キュィィン!



アルセーヌ「……………………」

ルルーシュ「…お前は…ホームズ探偵学院生徒会長…アンリエット・ミステール…だな?」

シャロ「!?」

エリー「えっ!?」

ネロ「ルルーシュ!?」

コーデリア「そんな!?」


操られた木偶はゆっくりと口を開く。
力なく、ゆっくりと。


アルセーヌ「…私は…」


ルルーシュは勝利を確信していた。
彼の中の推理では怪盗アルセーヌ=アンリエット・ミステールという等式が、紛れもない、間違い様のない公式となっていたからだ。
その証明を力を用いて、自白させる。ただそれだけだったのだから。


だが。
操り人形となった彼女の口から発された言葉は、彼の公式を否定するものだった…。


アルセーヌ「…私は…アンリエット・ミステール…などという人物では…ありませんわ…」

今回はここまでです。
長らくお待たせして申し訳ありませんでした。


ルルーシュ「!?」


ルルーシュに電撃が走る。
流石のルルーシュも平静を保てず、驚いた表情をする。
なぜならルルーシュの中ではアンリエット・ミステール = 怪盗アルセーヌという不変の等式が成立していたからだ。


ルルーシュ・ランペルージいやルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは知っていた。
自らの力…絶対遵守のギアスには何人足りとも逆らえぬと。
強靭な精神力や信条すら捻じ曲げる強制力を。
勿論アルセーヌが嘘をつける訳がない。
皮肉にも自らの持つ"絶対遵守の力"が、等式の崩壊を示していた。


ルルーシュ(バ…バカな…!?俺が間違えただと…!?)

ネロ「何言ってんのさルルーシュ!?会長がアルセーヌなわけないでしょ!?」

ルルーシュ「だ…だが…!」

ネロ「大体怪盗が探偵学院の生徒会長なんて出来る訳ないでしょ!」

ルルーシュ「…くっ」


正直に言えばルルーシュは納得し切れなかった。
…だがギアスに抗うことは出来ない。
勿論C.C.等例外も存在するが。


アルセーヌ(…どうやら正解のようですわね…)


怪盗アルセーヌの口元が緩む。

怪盗アルセーヌ…いやホームズ探偵学院生徒会長アンリエット・ミステールは知っていた。

ルルーシュが明らかにしていない"力"を。
勿論知っていたと言っても知識を持っていたわけではない。
…推理したのだ。

アルセーヌは今までの怪盗帝国とミルキィホームズの闘いを見ていたのだ。
そして時々起こる不可解なこと。

何かがある…そう確信したのはトゥエンティの様子がおかしくなった時だ。
あの時のトゥエンティは空中でいきなり逃げることを止めた。ストーンリバーが押さえつけなければあのままルルーシュの元へ向かっていただろう。
…ルルーシュが"戻って来い"と叫んだだけで。

自分で言うのもなんだが怪盗アルセーヌを崇拝している怪盗帝国のメンバーだからこそ、考えられない行動だった。

彼女は分析した。
ルルーシュ・ランペルージは何か力を、トイズを持っていると。(トイズではないのだが)

だから彼女は見せた。
ルルーシュが力を使うだろう絶妙のタイミングで。
自らのトイズ…"幻惑"を。

ルルーシュが叫ぶ内容に合わせて、「力を使われた自分の幻惑」を。


結果から言えば成功だった。
ルルーシュは困惑し、折角導き出した"正解"を捨てざるを得ない状況にあったからだ。


ルルーシュ「…怪盗アルセーヌ…二回戦と言ったな…」


ルルーシュはざわつく胸中を押さえ込んで聞く。
推理が外れはしたものの、怪盗アルセーヌは目の前にいるのだから。


アルセーヌ「ええ…簡単ですわ…」




アルセーヌ「私を捕まえることが出来るかしら?」



その言葉と共にアルセーヌの体が消えて行く。
幻惑だ。



ルルーシュ「追うぞ!」ダッ

シャロ「追うって…どこにですか!?」

ルルーシュ「元々アルセーヌからの挑戦状は「アルセーヌから至玉を取り返す」こと…。とすれば…船の内部だ!行くぞ!」

気づいたらかなりたってました…。
今日投下します。遅れてすみません。


………
……


アルセーヌ(ふふ…追って来ましたわ…)


怪盗アルセーヌは船内の通路を走る。
だが決してルルーシュ達をまくことはしない。
なぜならアルセーヌはこのイタチごっこを楽しんでいるのだ。
怪盗が謎を振りまき、探偵がそれを追う。
この偵都に存在する不変のリズム。それを怪盗アルセーヌは楽しんでいた。

勿論この違和感に気づかないルルーシュではない。


ルルーシュ(…何故だ?…ラット、ストーンリバー、トゥエンティ…そしてアルセーヌ…)

ルルーシュ(気のせいかと思っていたが…確信に変わった…。「なぜ怪盗帝国は俺たちから逃げようとしない?」)

ルルーシュ(…アルセーヌほどの力があれば…俺たちから逃げ切ることなど…たやすいはずだ。…だが、こうして視界に入る位置にいる…)

ネロ「! アルセーヌ曲がったよ!右だ!」


シャロ「ここ…!?」

ネロ「なんで…!?」


怪盗アルセーヌを追って、通路を曲がった先にあったのは道では無かった。
あったのは扉。それもかなり頑丈そうだ。


コーデリア「と…扉!?じゃあアルセーヌはどこに…!?」

ルルーシュ「落ち着け」


ルルーシュ(扉と言っても鍵で開けるタイプではない…回転式…だが電子制御ではない…)

ルルーシュ(素人目に見てもかなりの厚さだな…)

ルルーシュ(…これなら…)











ルルーシュ「エルキュール!!扉を壊せ!!」

エリー「えええええぇぇぇ!?」


エリー「え…え…え…!」ヒィィン!

エリー「えーい!」ダッ


エルキュールはトイズを発動したまま走り出す。
どうやら扉を壊す手段から「倒す」というものを選択したようだ。


エリー「~!」スカッ


だがエルキュールの健闘も虚しく、エルキュールの体は扉をすり抜ける。
どうやらアルセーヌの作った幻影のようだ。…ミルキィホームズは知る由もないが。


ラット「…………ふんっ」ヒィィン!


扉の先にいたのは怪盗帝国の一人、怪盗ラットだった。
彼のトイズが発動すると、ルルーシュ達の足元に円形の炎が広がる。
…と言っても彼のトイズで起こせる火はマッチ一本程度。
あらかじめ何か準備をしていたのだろう。


シャロ「あわわ!?先生!火が!」

ルルーシュ「だから落ち着け…」

ルルーシュ(…火…か。…どうする…?)


室内に目立った消化剤はない。
だが消化しなければ、焼け焦げてしまう。

その時視界に入ったのは天井だった。


ルルーシュ(! 見つけた…!スプリンクラーだ…!)










ルルーシュ「ネロ!!」

ネロ「はいはいっ」ヒィィン!


ネロ「てやっ!」タッ


ネロはルルーシュの体を駆け上がる。
勿論ルルーシュは崩れそうになるが、コーデリア、エルキュール、シャーロックに支えられる。


ルルーシュ「ネ…ネロ…覚えてろよ…」グググ

ネロ「ほいタッチ!」ピッ


ネロが触れたスプリンクラーは緊急作動し、放水を始める。ラットの着けた火は消火される。


ネロ「ほっ!」ピョンッ

ラット「へ?」


そのままルルーシュの肩を蹴り、ラットの方へと跳躍する。
…そのままラットを踏みつける。少々女性としてははしたない行為だが、そこはネロの天真爛漫さだろう。


ラット「う…うわあああぁぁへぶっ!」

ラット「」キュー…

ネロ「完璧っ!」ブイ!

ルルーシュ「はぁ…」


ルルーシュ「…!」

ストーンリバー「…アルセーヌ様のため…切らせてもらう…!」


激しい水蒸気の中から出て来たのは怪盗帝国のストーンリバー。
刀を持ち、ルルーシュを見据える。その太刀筋にブレは無かった。


ルルーシュ「くっ…!」サッ


なんとか一太刀目を避けたルルーシュ。
だがそうなんども避けることは出来ない。
そう判断するのは早かった。












ルルーシュ「シャーロック!!少しで良い!剣をズラせ!」

シャロ「は…はいっ!」ヒィィン!



ストーンリバー「むっ!?」


二太刀目。その剣先はシャーロックのサイコキネシスによってルルーシュとは別の方向へと向かう。
ルルーシュはその隙を無駄にはしなかった。
一瞬でコンタクトを外し、ストーンリバーを見つめる。

そして魔王は発声する。
その声はストーンリバーが三撃目を構えるよりも早く。
魔王を切らんとする剣士の鋭い目よりも冷ややかに。








止まれ と。









本日はここまでです。
何度目の宣言になるかわかりませんが、なるべく早く来るよう尽力致します。
申し訳ございません。

明日投下致します。




ー止まれ。

その言葉と共に、怪盗ストーンリバーは動かなくなる。
ルルーシュは冷静に彼の剣の届く範囲から抜け出す。ゆっくりと。



コーデリア「教官!大丈夫でしたか!?」

ルルーシュ「ああ。なんてことないさ。よくやったシャーロック」

シャロ「えへへ…」

ルルーシュ「…………………………」


ぞくり。
後ろから、気配を感じ振り返る。
そこにいたのは怪盗帝国首領、アルセーヌだった。


ルルーシュ「アルセーヌ…!」

アルセーヌ「うふふ…」

ルルーシュ「…この部屋の入り口…トイズか?」


ルルーシュの疑問。
それはアルセーヌのトイズだった。
いままでの事件でラット達を回収する際、ラット達はスッと消えていくのだ。

…だがこの部屋の入り口の扉。
いかにも頑丈そうな扉だったがエルキュールの体はその扉をすり抜けた。

勿論これだけの情報ではトイズを推察出来ない。だからこそ。少しでも情報を求めた。
それに彼がかけたギアスは「質問に答えること」。
間違いなくアルセーヌは質問に答えるはずだ。


アルセーヌ「…うふふ…。そうですわね。お教えしますわ」

アルセーヌ「私のトイズは"幻惑"…。謎を織りなす力ですわ…」

ルルーシュ「…なるほどな」



答えた。
つまりギアスがかかっている証拠ではなかろうか。
…このことがルルーシュの推理を惑わす。
今の質問には答えた。ならば先ほどの「アンリエットではない」という言葉も真、ということだ。

実際はアルセーヌのきまぐれであるのだが。


ルルーシュ「…つまり扉は作り出した幻想…か」

アルセーヌ「…さて。そろそろ行きますわよ」

エリー「来ます…!」

アルセーヌ「うふふふ…」

「うふふふ…」

ルルーシュ「っ…!?」


正面にアルセーヌはいる。いるはずだ。
だが、アルセーヌがもう一人背後から現れた。

ルルーシュは思考を巡らせる。
どちらかが幻惑なのだろうと。


ルルーシュ「どっちだ…!?」

アルセーヌ「「さあ…行きますわよ…!」」

ルルーシュ「くっ…!」

ルルーシュ(…どうする…!?まともに戦闘をこなせるのはコーデリアしか…!?)

アルセーヌ「…はっ!」シュッ

ルルーシュ「っ!」

アルセーヌ「ふっ!」ガッ

シャロ「あわわわわ!?」

ルルーシュ「くそっ…!」











ルルーシュ「コーデリア!!いけるか!?」

コーデリア「え!?」

ルルーシュ「幻惑がどっちなのか判別出来るか!?」

コーデリア「や…やってみます!」






アルセーヌ「「はぁぁぁっ!」」ヒュッ

コーデリア「はっ!」ガシッ


アルセーヌ二人の蹴りをコーデリアは両の腕で受け止める。
確かに感触がある。幻惑なら感触はないはずだが…。


ルルーシュ「両方幻惑じゃないだと!?」

ルルーシュ「どういうことだ…?」

コーデリア「待ってください…!教官…っ!」グググ…

コーデリア「…はぁっ!」バッ

コーデリア「よし…」ヒィィン!

コーデリア(…右の腕…)クンクン

コーデリア(…そして左…)クンクン


そう。コーデリアは辿り着いていた。
感触があるのだからもう一人のアルセーヌは…。


コーデリア(怪盗トゥエンティの変装…!)

コーデリア(…!左!)

コーデリア「教官!こっちです!こっちは怪盗トゥエンティの変装…!タワーの時と同じ匂いがしました!」

ルルーシュ「!…よくやったコーデリア…!」


トゥエンティ「………………ふっ」

ルルーシュ「…怪盗トゥエンティ…」

トゥエンティ「…………………………」

トゥエンティ「…………………」ダッ

ルルーシュ「……?」

アルセーヌ「トゥ…トゥエンティ…!?」


トゥエンティはルルーシュ達を見たあと、何処かへと駆け出していく。
アルセーヌにも想定外のことだったらしく、一瞬困惑とも絶望とも言える表情を浮かべた。


アルセーヌ「…くっ!」タッ

ルルーシュ「! 待てっ!」


アルセーヌも船内奥へと向かっていく。
ルルーシュ達は逃げたアルセーヌを追う。



ネロ「左に曲がったよ!」

ルルーシュ「くそ…少し離されたな…」

ネロ「ルルーシュとエリーが遅いからだよ!」

エリー「すみません…」ハァハァ

ルルーシュ「無駄に長いんだよ…ナイトメアに乗らせろ…無頼でもサザーランドでも構わん…」

ネロ「??」

ルルーシュ「…この廊下…本当に無駄に長いな…なんだ…?」


その瞬間。


ドゴォォォォォ!!


すさまじい爆音と爆風が通路奥の部屋を覆った。


ルルーシュ「な…なんだ…!?」

ネロ「ね…ねぇ…ルルーシュ…。ここ…突き当たりだよね…?じゃ…じゃあ…アルセーヌは…」

ルルーシュ「!?」

ルルーシュ「くそっ!何を考えている怪盗アルセーヌ!」ダッ


………
……



コーデリア「煙が…」

ルルーシュ「……何かあるとマズイな。お前達は待機していろ。俺が様子を見てくる」

シャロ「き…危険です!」

ルルーシュ「大丈夫だ。…心配するな」






ルルーシュ「くっ…やはり何かが爆発したようだな…」


部屋に入るとそこはなんとなく見覚えのある場所だった。
…怪盗帝国の犯行声明。その映像が取られた部屋だ。インテリアはバラバラになっていて判別も難しい。

そして、その無惨な部屋の中に一人。
倒れた怪盗アルセーヌを見つけた。


ルルーシュ「っ! おいっ!大丈夫か!どうした!?」

アルセーヌ「う……。…お優しいのね…」

ルルーシュ「どうしたんだ!?何があった!?」

アルセーヌ「…わかりませんわ…。…でもっ!」ドンッ

ルルーシュ「わっ…」ドサッ

ルルーシュ「何をしている…!こんなことをしている場合じゃ…」

アルセーヌ「怪盗として…!探偵の情けなど…不要ですわ…くっ…」ヨロッ

アルセーヌ「ゲームは貴方達の勝ちです。…至玉はその玉座の下です…。…ご機嫌よう…ルルーシュ・ランペルージ…」スゥ…

ルルーシュ「くっ…アルセーヌ…!」

ルルーシュ「………………………………」

今回はこの辺で終了です。
本来ならもう少し早い投下だったのですが丁度定期で繋げない日でした…。
では失礼します。

明日投下致します。

すいません。今日はスケジュール的に無理でした。
明日に必ず投下します。


………
……



シャロ「先生!」

ルルーシュ「…………………………」

コーデリア「教官!部屋の中は…」

ルルーシュ「…今はそれどころじゃない。俺たちも脱出するぞ…」



教え子達は至玉を取り返し、戻ってきたルルーシュを質問責めにしたいところだがどうもそうはいかないらしい。

またルルーシュも思考を巡らせる。
なぜ怪盗帝国のアジトは"アルセーヌごと"爆発したのか。
なぜ怪盗トゥエンティが逃亡した時、主君の怪盗アルセーヌは驚いた表情を見せたのか。

早く脱出しないと危険だ。
という思考に邪魔をされて、正しい答えを早急に出すことは出来ないでいるのだが。



~船上:デッキ~


ルルーシュ達を待っていたのは更なる困惑だった。

乗客が全員いない。これはいい。
全員が避難出来た証だ。
だが、救命ボートが全て残っていたのだ。

なら、どうやって乗客は避難したのか?


救命ボートが降りていない。
つまり、自分達も救命ボートで逃げることは出来ない。

どうすればいいのか?


ルルーシュ(くそっ…どうすればいい…!?)


ルルーシュは困惑する。
泳げる距離ではない。
泳げたとしても至玉を持って泳げはしない。


シャロ「せ…先生!?私達どうしたら!?」

ネロ「救命ボートの電子制御…途中で物理断線してる…おろせない…!?」

エリー「ひぅぅ…」

ルルーシュ(考えろ…!考えろ…!)

コーデリア「……………あれ…?」

コーデリア「何か…音が…」ババババババ

ルルーシュ「!? この音は…」



小衣「早く乗ってぇー!! 次子!もっと寄せて!」



ネロ「ヘ…ヘリコプター!?どうして!?」

小衣「詳しい話は後!早く!!」


いつも煩い小衣だが、緊急時に飛ばす怒号は相手を心配するが故の煩さ7割り増し(体感)である。
…逆に言えばそれほど切羽詰まった状況だと言うことだ。


コーデリア「エリー!早くっ!」

エリー「ううぅぅ……」

小衣「平乃ぉ!!」

平乃「はいっ!」グイッ

エリー「きゃっ!?」

小衣「次子ぉ!!早く出して!」

次子「わかってる!」


ルルーシュ「…説明してもらうぞ。一体何があった?」

小衣「爆弾よ!」

小衣「救命ボートがおろせないから制御装置を見に行ったの…でもそこにあったのは爆弾…それも…」

ルルーシュ「船一つは簡単に吹き飛ぶような…巨大な物か」

小衣「……そうよ。だから平乃にヘリを呼びに行くよう言ったの」

平乃「いきなり海に突き落とされた時は何事かと思いました…」

咲「…そろそろ、時間」

小衣「!」

小衣「目を閉じてぇぇぇ!!」





凄まじい爆音と閃光。
爆炎と爆煙。
ヘリコプターの内部にまで届く膨大な熱量。

一瞬にしてヨコハマが誇る豪華客船は、海の藻屑となった。




小衣「何よ…何なのよ…」

ルルーシュ「何を…考えている…怪盗帝国…」


………
……



ルルーシュ(…取り返した至玉はもう一度警察の管理下に置かれた。警備体制の見直しも行われるようだから、ここは神津達に任せていいだろう)

ルルーシュ(…怪盗アルセーヌ…いや怪盗帝国はあれ以来事件を起こしていない…)

ルルーシュ(…かと言って、あれで終わりだとは思いはしなかった)

ルルーシュ(その俺の勘は…正しかった)

ルルーシュ(…あれが…最後の事件の始まりだったのだから…)


………
……




~???~

?「…長かった」

?「どれだけ待ったことだろうか…」

?「…開戦の鐘を、打とうではないか…」

?「…このヨコハマに…ね…」


そう呟く人物の隣で見目麗しい緑色の髪の拘束具を見にまとった者が一人、ぽつりと呟く。
そのささやきはまるで雪が解けるかのごとく虚空へと消えていく。

??「…明日が欲しい…か」

週末に投下致します。


数日後。


ルルーシュ「………………………」

シャロ「………んせい」

ルルーシュ「……………………」

シャロ「せ……い…せん…」

ルルーシュ「…………………………」

シャロ「先生!」

ルルーシュ「うわぁぁっ!?な…なんだシャーロック…」

ネロ「へっへっへ…今の聞いた?うわぁぁっ! だって!」プクク…

コーデリア「…また考え事ですか?教官」

ルルーシュ「…あぁ。よくわからないことが多くてな…」

コーデリア「でも…あれから怪盗帝国の事件は聞きませんし…」

ネロ「ほんっと…何だったんだよ…怪盗帝国…」

シャロ「あれ…?エリーさんは…?」

エリー「ルルーシュ…さん…」ヨロヨロ…

ルルーシュ「あったか?」

エリー「ええと…トイズに関する本と…大型爆弾が使われた事件のファイル…怪盗帝国以前の大きな事件のファイル…です…」ヨロヨロ…

ルルーシュ「すまないな…」

コーデリア「こ…これをエリー一人に…!?」

エリー「はぅぅ…」ヘタ…

シャロ「お…お疲れ様です…。エリーさん…」

ルルーシュ「………………………」ペラッ ペラッ

コーデリア(…怪盗帝国は…もう…。なのにどうして教官は…?)


ルルーシュ(考えろ…)

ルルーシュ(考えることはいくつも残ってる…。どうしてあの"怪盗帝国"が船を爆破した…?)

ルルーシュ(…なぜ怪盗トゥエンティが逃げた時、アルセーヌは驚いた表情をした…?)

ルルーシュ(…遡れば…俺が毎夜のようにみていた夢はなんだ…?)

ルルーシュ(…調べることは多いな…)

ルルーシュ「よし、次の本だ…」






ネロ「ストーォォォォォォォップ!!」






ルルーシュ「…うるさいぞネロ」

ネロ「ねぇルルーシュ?今まで僕らが事件を解決する度に労ってくれてたよね?」

ルルーシュ「…ああ」

ネロ「今回は?ねえねえ今回は?」

ルルーシュ「悪いが今そんな暇は…」

ネロ「ね!じゃあ出かけようよ!みんなで!」

ルルーシュ「お…おい!ネロ…!」

シャロ「賛成ですー!」

コーデリア「いいわね!」

エリー「楽しみ…です…」

ルルーシュ「お…おい…話を…」

ネロ「計画立てるよ!」

ルルーシュ「…はぁ…」

………
……



ネロ「というわけで明日!遊園地行くよルルーシュ!」

ルルーシュ「…はぁ…。勝手にしろ…」

シャロ「わーい!楽しみですー!」

コーデリア「遊園地かぁ…いつ以来かしら…!」

エリー「…うぅ…でも…人混みは…ちょっと…」

ネロ「大丈夫大丈夫!」

ルルーシュ「…なら今日は早く寝ておけ。ネロは寝坊しかねないからな」

ネロ「そ…そんなわけないでしょルルーシュ!ぼ…僕が寝坊なんて…」

ルルーシュ「…早起きは三文の得と言う言葉があるらしい…つまり…」

ネロ「わ…わかったよ!寝ればいいんでしょ!お休み!ほらみんなも寝るよ!」

コーデリア「お休みなさい。教官」

シャロ「お休みなさーい!」

エリー「お休み…なさい…ルルーシュさん…」

ルルーシュ「ああ。お休み」





ルルーシュ(さて、今のうちに本を読むか…)


ルルーシュ(…トイズ…発現は人により異なり能力もまた異なる…)

ルルーシュ(…大怪盗一覧…か。…アルセーヌ・ルパン…石川五右衛門…)

ルルーシュ(…正体不明の怪盗Xや怪盗L…)

ルルーシュ(…やはり近代は怪盗Lと小林オペラか…)

ルルーシュ(………………………………………)



コーデリア「…教官…?」

ルルーシュ「…! …コーデリアか…」

コーデリア「…まだ本を読んでいたんですか…?」

ルルーシュ「……ああ。やはり気になってな…」

コーデリア「構いませんけど、私達が遊園地に行こうって言った意味を少しは考えてくださいね…」

ルルーシュ「…気分転換とでも言いたいのか?」

コーデリア「そうです」

ルルーシュ「…………………………」

コーデリア「…………………………」

ルルーシュ「…………………………」

コーデリア「…………………………」

ルルーシュ「…仕方ないな。すまなかったな…気にかけさせて」

コーデリア「でしたら教官も寝てください…」

ルルーシュ「…ああ。わかったよコーデリア」

コーデリア「では、改めてお休みなさい。明日はエスコートお願いしますね」クスッ

ルルーシュ「ネロに着いていく形にならなければ、な」

………
……



?「ククク…準備は整いつつある…!忌まわしき探偵よ…私の最後のイリュージョンだ…!」

?「…ルルーシュ・ランペルージ…!お前ごときに負けはしない…解けはしない…私の欲しいものは…お前の遥か上にある…」

??(………………………………………)

?「始まりの鐘を鳴らすのは明日…!この計画…邪魔はさせない…」

?「…消炭にしてくれるわ…」


不気味に笑う男の顔に浮かぶのは狂気の笑みか。
この狂気を知ることもなく、今日も朝日が昇る。
確かにある明日の始まりを告げるように。
確かにある昨日の終わりを告げるように。

遅くなりました。
明日投下致します。

始めます。

………
……


ネロ「ほら!ルルーシュ早く早く!」

シャロ「遊園地ですー!」

コーデリア「こら!あまりはしゃいじゃダメよ!他の人に迷惑じゃない!」

ルルーシュ「お…おい!引っ張るなネロ!」

エリー「ううぅ…」ドンッ

「ってーな!どこ見てやがる!」

エリー「ううぅ…ご…ごめんなさい…」

コーデリア「す…すみません!ほらエリー、いきましょ」

エリー「ひ…人が多くて…」

シャロ「せんせー!あれ!超回転コーヒーカップ乗りましょう!」

ネロ「いやいやこっちの絶叫コースターだって!」

ルルーシュ「」

ルルーシュ(い…いや!超回転など王宮でやった乗馬に比べれば…!)

ルルーシュ(それに絶叫コースターはナイトメアの操縦をしていた俺には…!)

ルルーシュ「ふははははは!どっからでもかかってこい!」

コーデリア(だ…大丈夫かしら…)


~絶叫コースター~

ルルーシュ「ふん。そもそもナイトメアで四方八方飛び回るのだからこのぐらい…」ガシャン!

ルルーシュ「安全装置もある以上危険はない…なんの問題も…」ガタン

エリー「いって…らっしゃい…」←怖いので乗らない

ネロ「さっきから何ブツブツ言ってんのさルルーシュ。動くよ!」

シャロ「てっぺん高いですー」

コーデリア「本当高いわね…」

ルルーシュ「この高さならば位置エネルギーは…最大速度……ふっ、ナイトメアに比べれば…」ガタン

ゴォォォォォォォォ!

コーデリア「きゃあああああああ!」

シャロ「早いでぇぇぇぇすぅぅぅぅ!」

ネロ「うわああああああ!」

ルルーシュ「うわああああああああああ!?」

ルルーシュ(しまった!?装甲がないから直に風を受け…うわぁぁぁぁ!)


………
……



~超回転コーヒーカップ~

ルルーシュ「乗るのは構わないがネロはハンドルを回すな…エルキュールが回すんだ」

ネロ「えー、なんでー?」

ルルーシュ「お前がやったら暴走しかねんだろ…」

ネロ「ちぇっ…せっかくトイズ使って限界に挑戦しようと…」

シャロ「さ…流石にそれは乗りたくないです…」

コーデリア「頼んだわよエリー」

エリー「は…はい…」




ネロ「うわぁぁぁ!!エリー!ストップ!ストップ!」

エリー「回って…!怖い…!」グルグル

ルルーシュ「混乱してるのはわかったから手を離せエルキュール!」

エリー「ううう…!」グルグル

ルルーシュ「シャーロック!トイズでエルキュールの手を…!」

シャロ「目が回ります~!」

コーデリア「」






ルルーシュ「…次は落ち着ける場所に行くぞ…」

コーデリア「そうですね…」

エリー「ごめんなさい…ごめんなさい…」

ネロ「いいんだよエリー…」

シャロ「ゲームセンターが向こうにあるみたいです…アトラクションよりは…ゆっくりできるかも…」

ルルーシュ「じゃあ…それだ…」

コーデリア「もう少しベンチで休みましょう…」

エリー「うぅ…ごめんなさいぃ…」

………
……



~ゲームセンター~

エリー「………………」ジーッ

ルルーシュ「ん、どうしたエルキュール」

エリー「あ…いえ…」

シャロ「わあ!可愛い黒猫のぬいぐるみですね!」

ルルーシュ「クレーンゲーム…やりたいのか?」

エリー「で…でも…やったことなくて…」

ネロ「取ってあげなよルルーシュ」

ルルーシュ「俺がか?」

ネロ「出来るでしょ?まさか出来ないわけないよねぇ~?」

ルルーシュ「その程度の挑発に乗るわけ…」

ネロ「あーあ可哀想なエリー」

ルルーシュ「」ピクッ

ルルーシュ「や…やればいいんだろやれば!」

ルルーシュ「計算だ…アームの幅と目標の位置、アームの移動速度…目標の重心にそれを持ち上げるのに最適な場所…!」

ルルーシュ「絶対守護領域の計算より簡単だな」フッ

シャロ「ぜったいしゅごりょーいき?」

ネロ「……………………………」

ルルーシュ「条件はクリア…!あとは目標を掴むのみ…!」


ポロッ


ルルーシュ「なにっ!?」

エリー「あ…」

ネロ「あー…やっぱりねー」

ルルーシュ「ど…どういうことだ…計算が間違っていたのか!?」

ネロ「そんな大袈裟な…。こういうのはアームが弱くできてるんだよルルーシュ」

ルルーシュ「なっ…」

コーデリア(…シャロのトイズなら取り放題じゃないかしら)

コーデリア(…言っちゃダメよね。法律的にも空気的にも)

ルルーシュ「くっ…!まだだ…!ならアームの弱さも計算に入れれば…!」

………
……



ルルーシュ「」

ネロ「なかなか上手くいかないねー」

エリー「あ…あの…もういいですから…」オロオロ

ルルーシュ「まだだ…!」チャリン

ルルーシュ「………………………!」

ルルーシュ「ここだっ!」


ガタン


シャロ「と…」

コーデリア「取れ…た…」

ルルーシュ「…やっとか…。なんだか我ながら情けない結果だな。すまないエルキュール」

エリー「い…いえ…。あ…あのっ…!」

ルルーシュ「ん?」

エリー「…ありがとう…ございます…大切にします」ニコッ

ルルーシュ「喜んでくれたなら良かったよ」

ネロ「お疲れルルーシュ。アツい勝負だったね」

ルルーシュ「…そうだな」

ネロ「じゃ、ここ行こうか!」

ルルーシュ「お化け屋敷…?」

エリー「ひっ!」

シャロ「え」

コーデリア「なんですって…?」

あれ、時間が足りない…。
近日中に追加しますので本日はこれで失礼します。お休みなさい。

明日投下します。

~お化け屋敷~


シャロ「…せ…先生…」ガシッ

エリー「ううぅ…」ガシッ

ルルーシュ「落ち着け…まだ入場すらしてないだろ…」

ネロ「怖いならついてこなきゃいいのに…」

コーデリア「ネロがお化け屋敷行くなんていうから…二人を置いて行くわけにもいかないし…」

ネロ「僕はちょっといってみたかったんだよー」

係員「ようこそー」スッ

シャロ「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!でたああああ~!」

エリー「…!」ギュゥゥゥ!

コーデリア「…すみません」

係員「あはは…」

………
……


お化け「わあああああ!」

シャロ「ぎゃああああ!」

エリー「ひいいいいい!」

コーデリア「二人がああなるのはわかってたことなのに…」ヒィィン

ネロ「自分もトイズ使ってるじゃんか!ダメだよコーデリア!」メカクシ

コーデリア「きゃあああ!暗い…暗い…!」

ネロ「あっはっはっは!」ケラケラ

ルルーシュ「…おいネロ…何がしたいんだ…」



ルルーシュ「……おい…」

シャロ「先生ぃ…」ガシッ

エリー「うぅ…」ガシッ

コーデリア「一度暗いとわかったらトイズ使っても恐怖が…」ガシッ

ネロ「きゃー!こわーい☆」ガシッ

ルルーシュ「ネロは演技だろ…」

ネロ「いいでしょ?仲間外れは僕やだなー」

ルルーシュ「進めないだろうが…」

ルルーシュ「…シャーロック、エルキュールよく聞け。まずお化け屋敷のお化けっていうのは作り物か仮装だ。何も怖がることは無い」

ルルーシュ「人間だと、人形だと考えろ。…隠された本質を見る…探偵らしいと思わないか?」

シャロ「隠された…」

エリー「本質を見る…」

ルルーシュ「そうだ。…さ、進…」

お化け「きしゃぁぁぁぁぁぁ!」

ルルーシュ「おわっ!?」ビクッ




ルルーシュ「…………………………」

ネロ「あれ~?あれれ~?偉そうに言っておいて…ルルーシュも怖いの~?」ニヤニヤ

ルルーシュ「…今のはいきなり出てきて驚いただけだ…」

ネロ「ふーん。ま、そういうことにしといてあげるよ」スタスタ

ルルーシュ「事実だ…全く…」

お化け「わぁぁっ!」バッ

ネロ「ひゃっ!?」ビクッ

ルルーシュ「………………………」

ネロ「………………………」

ネロ・ルルーシュ「「…はははははっ」」





シャロ「和やかに笑ってないで助けてくださいぃぃぃ!」

エリー「帰り…たい…」

コーデリア「きょぉぉぉぉかぁぁぁぁん!」

………
……




コーデリア「全く…ネロ。次からはこういうのやめてよね…」

シャロ「エリーさん…大丈夫でしたか…」

エリー「シャロも…大丈夫…?」

シャロ「…ダメです」カクッ

エリー「私も…」カクッ

ネロ「ごめんごめん…」

ルルーシュ「…………おい」

ネロ「ん?」

ルルーシュ「…無茶が無いか?」

コーデリア「何がですか?」

ルルーシュ「いや…ここ…」


~観覧車~


ルルーシュ「正直五人はギリギリじゃないか?」

ネロ「大丈夫大丈夫。僕達軽いし」

ルルーシュ「そうか。まあみんな小さいからな」

ネロ「……ちょっとルルーシュ。どこに目線をやりながら言ってるのさ」

ルルーシュ「外を見ながらだが?」

ネロ「つまんないの」チェッ

明日投下します。遅れてすみません。

では始めます。


シャロ「…外、綺麗ですね」

ルルーシュ「…そうだな」

ネロ「お!ルルーシュ!あそこに見えるの学院かなぁ?」

コーデリア「暗いからよくわからないわね…」

ネロ「コーデリアーぁ。トイズ使ってさぁ…」

エリー「コーデリアさんがトイズを使うには…ちょっと…明るい…」

コーデリア「そうね…ライトアップされてるから…」

ルルーシュ「……………………」

ルルーシュ(…平和…か)






その瞬間。
暗くなった。街が、周りが、ヨコハマが。
鳴り響く鐘の音と共に。


ネロ「コ…コーデリア!暗くなったよ!さあ!」

コーデリア「何言ってるのよ!?それどころじゃ…!」

エリー「く…暗い…です…」

ルルーシュ「ちっ…なんだこれは…」


ゴーン…ゴーン…ゴーン…


ルルーシュ(鐘…か…)

ルルーシュ(……鐘…?)




ルルーシュ『小林オペラと怪盗L…』

ルルーシュ『…鐘の音が幕開けの合図…か…』



ルルーシュ「!?」

ルルーシュ「まさか…!?」

シャロ「せ…先生ぃ…私たちどうやってここから出れば…?」

ルルーシュ「くそっ…解決することが多すぎる…!」

ルルーシュ「…まずは脱出手段か…」


ルルーシュ「………………………」

ルルーシュ「ネロ。このゴンドラは…」

ネロ「電子制御かもしれないけど暗いし内側にヘラを刺せそうなところも…」

ルルーシュ「…そうか…」

ルルーシュ「なら仕方ないか。エルキュール」

エリー「はい…?」

ルルーシュ「重くなれ」

エリー「へ?」

ルルーシュ「重く…」

コーデリア「ちょっと教官!デリカシーがありませんよ!」

ルルーシュ「そ…そんなことを言ってる場合か!」

エリー「うぅ…」ギュッ

エリー(ルルーシュさんが取ってくれたぬいぐるみ…)

エリー(…私に…やれることなら…!)ヒィィン

エリー「私…今、だんだん重くなってます」


ズズズズ…



シャロ「! 動きました!」

ルルーシュ「エルキュール…!良くやったぞ!」

………
……


ルルーシュ「どうだ?コーデリア」

コーデリア「…大丈夫です。他に乗ってた人はいないみたいです」ヒィィン

ルルーシュ「そうか…それならいいんだ」

ネロ「ルルーシュ…これは何…?」

ルルーシュ「確信はしていない…が、最悪の事件の始まり…かもな」

エリー「ひっ!」

ルルーシュ「大丈夫だ」

シャロ「…ど…どうするんですか先生…?」

ルルーシュ「…とりあえず学院に戻ろう。いくらなんでも情報が無い。…生徒会長室なら色んな所に回線がある…」


ルルーシュは少し怪訝そうだった。
アンリエット・ミステールに頼る、そのこと自体が屈辱だったからだ。
つい最近までアンリエットは怪盗アルセーヌであると決めつけていたルルーシュはその式を崩されてもなかなか納得出来なかった。

おそらく船の爆発で、アルセーヌは死んだ。だからこの偵都ヨコハマも平和になると思っていた矢先の鐘の音は、ルルーシュの頭の中に響き続けていた。

………
……



ルルーシュ「…ぜぇ…はぁ…ぜぇ…」

ネロ「ルルーシュ!遅いよ!早く!」

ルルーシュ「この…体力バカ共め…はぁ…はぁ…」

ネロ「何が体力バカだよ!エリーですらついて来てるの!ルルーシュが体力無いんだよ!」

ルルーシュ「ぜぇ…ぜぇ…」

ネロ「あー!もう!なんでこういう時にー!」

ルルーシュ「ナイトメアさえあれば…くそ…」prrr!

ルルーシュ「電話…?誰だこんな時に…」

神津『ルルーシュ・ランペルージ。話がある』

ルルーシュ「…今のっ…この…ぜぇ…事態に…かんっ…はぁはぁ…けいが…?」

神津『!? おい!何があった!?大丈夫か!?』

ルルーシュ「問題…ない…」ゼェ…ゼェ…

神津『お前のPDAに地図を送る。印の場所まで来い』ピッ

ルルーシュ「……………………………」

ルルーシュ「ちょっと…止まれ…」

ネロ「何さ!?急がなくちゃいけないのに!」

ルルーシュ「…ここへ…行くぞ…!」

コーデリア「今の電話は…」

ルルーシュ「神津からだ…行くぞ」

シャロ「はいっ!」タッタッタ





ルルーシュ「……早いな」ゼェ…ハァ…

今日はここまで。近日中に追加しに来ます。

体調不良が続きなかなか来れませんでした。すみません。
今週末に投下したいと思います。よろしくお願いします。

のろのろと書いて行きます。

………
……



神津「…来たか」

ルルーシュ「ぜぇ…はぁ…はぁ…」

神津「…おい。こいつは大丈夫なのか?」

ネロ「ああ気にしなくていいよ。体力無いだけだし」

神津「そ…そうか…」

小衣「遅いわよアンタ達!神津警視が呼んだんだからマッハで来なさいよ!」

シャロ「そういわないでください…ココロちゃん」

小衣「ココロちゃん言うな!」

神津「小衣」

小衣「はい!」

神津「黙れ」

小衣「はい…」シュン

次子「んーっと…アレだ。私らにもあんまり時間が無いんだ。早く話に入らせてくれ」

ルルーシュ「構わん…ぜぇ…はぁ…」

神津「……………………」

………
……


神津「お前達はフォルトニウム、という物質を知っているか?」

ルルーシュ「…原素番号は何番だ?そんな物質存在しない」

神津「原素番号なんぞ与えられている訳も無い…フォルトニウムは…」

ネロ「トップシークレット…」

コーデリア「えっ!?」

ネロ「フォルトニウム…トップシークレットだ…前にハッキングした時に少し資料を読んだよ…」

神津「…ハッキングに関しては聞かなかったことにしてやる」

ルルーシュ(フォルトニウム…?一体なんだと言うんだ…)

ルルーシュ(いや…未だ人類が発見していない原素もあると言われている…)

神津「フォルトニウムは譲埼ネロの言った通りトップシークレット…。重金属の一種とされていて高エネルギー鉱物だ」

ルルーシュ「…それはどこで採れるものだ?」

神津「わからん。そもそも採掘可能なものかどうかもわからない。トップシークレットだからな」

ルルーシュ「…サクラダイト…かもな」

神津「何か言ったか?」

ルルーシュ「いやなんでもない。続けてくれ」

うわあ寝落ちしました…。
日を改めて時間のある時に投下します。
失礼しました。

昨日来ようと思ったのですが来れませんでした…すみません。今週末には必ず投下致します!

パソコンで書いて見る試みをば。
あと今やってるミルキィのお話ですけどアローとかそういうのもアリなんですね。色々と面白そうです。序盤の展開が見え見えだったのはアレですけど。


神津「…さて、フォルトニウムの話はおいておこう」

シャロ「ってなんでですかー!?」

ルルーシュ「シャーロック」

シャロ「はい!」

ルルーシュ「少し静かにしていろ」

シャロ「はい…」

小衣「あっはっはっは!怒られたー!」

神津「小衣」

小衣「はい!警視!」

神津「黙れと言ったはずだ」

小衣「はい…」シュン


神津「先日の怪盗帝国による客船爆破事件があったな?」

ルルーシュ「…アルセーヌとの戦いか」

神津「それと今までの事件、それらを通して見つけたこと…教えてやる」









神津「小衣」






小衣「はいっ!!」


小衣「中華街の黄金鏡の事件の際に爆破されたビル…の隣」

ルルーシュ「隣…科捜研か」

小衣「そう。その科捜研からデータが持ち出された痕跡が見つかったわ」

小衣「…『次世代の電力開発とそのエネルギー源』に関するデータがね…」

ルルーシュ「………………」

ネロ「ねえ。今まで気づかなかったの?」

神津「あの爆破事故の後、あまりにも活動しない怪盗帝国に疑問を持って再調査した結果だ。…見逃していたことは認めよう」

ネロ「ふーん…」

ルルーシュ「ネロ。…すまない神津。続けてくれ」









神津「咲」





咲「はいは~い」

咲「ストーンリバーの妖刀強奪未遂についてなんだけどさ~」

咲「あの洋館で旧陸軍が行ってた研究って妖刀を抜いた時のガス?」

咲「まぁあの発狂させるガスね。あれ以外にもさ~」

咲「次世代兵器となり得るエネルギー源の研究も詳しく行われてたみたいなんだよね~」

ルルーシュ「……………………」







神津「平乃」





平乃「はい」

平乃「怪盗トゥエンティによるアダムの涙強奪未遂事件ですが…」

平乃「あのアダムの涙。今まで「その美しさが損なわれるから」という理由で詳しい鑑定がされなかった、というお話でしたが…少々事実は違っていました」

ルルーシュ「…何?」

平乃「実はアダムの涙は重金属の一種でとてつもない高エネルギー体だそうです…」

平乃「今は安定しているが…という理由でした」

平乃「つまり本当の理由は「危険だから解析は行わない」というのが正しい理由だったようです」

コーデリア「な…なるほど…」

神津「次で最後だ…」






神津「次子」




次子「あいよっ」

次子「アルセーヌの至玉強奪事件…」

次子「あの船きれいに爆発したけどよ…」

次子「いくらなんでもあのサイズの船が消し飛ぶってのはおかしいんだ」

次子「小衣が船内で見つけた爆弾は大型のもの一個だったしな」

小衣「ガンバレル式のね!」

シャロ「ガンバレル…?」

ルルーシュ「単純に言えば内部で物質同士が衝突させて核爆発を起こすものだ」

次子「一つの爆弾の爆発の威力が高い…つまり使用された物質は相当高エネルギーだったってことだな!」

ルルーシュ「…おい…神津、まさか…」

神津「気づいたか…?」


ルルーシュ「…エネルギー」

神津「そうだ。今の話には全て共通ワードとして「エネルギー」という言葉を含んでいた」

神津「…お前は感づいたかもしれないが、俺はまだピースが足りない。ルルーシュ・ランぺルージ、お前の知っていることを教えてもらおう」

ルルーシュ「…ああ」



ルルーシュ「まず、あの船の爆発自体が不自然だな」

神津「何…?」

ルルーシュ「基本的に拠点を自ら破壊することは自殺行為だ。戦略があるなら別…だがな」

ルルーシュ「爆発の際怪盗アルセーヌが怪我を負っているのを確認している。つまり意図的な爆発ではない」

神津「…それが"幻惑"である可能性は?」

ルルーシュ「それを見せる意味がないな」

ルルーシュ「先ほどここに来るまでの間、生徒会室に連絡をした」

エリー「いつの間に…?」

ルルーシュ「残念だがアンリエットは不在、衛星回線すら使えないらしい」

ルルーシュ「また怪盗Lの犯行声明として「このヨコハマを消す」というものが来ているそうだ。舘さんが言っていた」

神津「…停電により街は混乱し、事故も多発している…」

神津「気が付いているか?先ほどからあれが動き出しているのを」

ルルーシュ「あれ…だと?」

シャロ「先生!"お花さん"が!」

コーデリア「フォーチュンリーフ…? あっ!?」

シャーロックがお花さんと呼ぶヨコハマのシンボル「フォーチュンリーフ」。
花のつぼみのように見えていた風貌が、まるで開花したかのように上部が開き街を照らしている。

神津「…街の停電に合わせて起動したのか…?だがそもそもフォーチュンリーフで行われている開発はまだ実験段階だったはず…」

平乃「非常時なのでやむを得ず…といったところでしょうか?」

ルルーシュ「それもそれで危険だがな」

神津「…これではっきりしたな。怪盗Lを名乗る人物は停電の混乱に乗じてフォーチュンリーフを破壊、停止させるつもりだろう」

ネロ「待ってよ。ヨコハマの配線はそんなに単純じゃない…発電所一つつぶされても停電なんて…」

エリー「仮に怪盗Lだったら…準備期間は結構長いです…」

コーデリア「かなり用意がされているなら…納得よね」

ルルーシュ「…「ヨコハマを消す」とまで言って電力を断ち切る程度か?随分小物だな」

神津「…………………」

神津(ヨコハマを…消す…?)


たしかにそうだ。仮にも世紀の大怪盗、怪盗Lを名乗りながらやることが小さいのかもしれない。


神津「!?」

神津は気が付いた。ヨコハマを消す、それが何を表すか。


神津「…ルルーシュ・ランペルージ」

神津「実はまだ伝えてないことが一つある…」

神津「お前たちが怪盗アルセーヌから奪還した3つの至玉…このうちアダムの涙のみ偽物だった」

ルルーシュ「…!?」

ルルーシュ「…平乃。さきほどアダムの涙は高エネルギー体だと言ったな?」

平乃「はい…?言いましたけど…」

神津「…推察するに、アダムの涙はフォルトニウム…」

ルルーシュ「それもかなり高純度な結晶…」

ルルーシュ「つまりヨコハマを消すというのは…」




ルルーシュ「高純度結晶のフォルトニウムを使って核爆発を起こし…ヨコハマの街を消滅させることだ…!」



「「「「「「「「えええぇぇぇー!?」」」」」」」」

ルルーシュの中でアルセーヌ=アンリエットという等式が確信に近いまでに成り立っていたのなら、なぜアンリエットにギアスをかけなかったのだろうか……?

今週末投下予定です。お待たせして申し訳ありません。

>>474
直接見るまで、ってお話と回数制限による浪費を避けたという感じです。心情について書かれていることが薄くて申し訳ありません。頑張ります。


ネロ「じゃ…じゃあ早く止めなきゃ!」

シャロ「い…いきましょう先生!」

小衣「待ちなさいアンタたち!怪盗Lがどこにいるかわかってんの!?」

コーデリア「わ…私がトイズで…!」

ルルーシュ「変な無茶はするなコーデリア。この混乱した街のそばでトイズを全開に使えるわけがないだろう」

次子「あー。じゃあどうするんだよ?」

神津「そんなことしなくても居場所はわかっている…」

小衣「さっすが警視ぃ!」

ルルーシュ「フォーチュンリーフで開発、実験されている次世代エネルギー…」

神津「公にされていない以上フォルトニウムである可能性が高いだろう」

エリー「じゃあ…」

ルルーシュ「ああ。フォーチュンリーフに…奴はいるはずだ。行くぞ…!」

「「「「はいっ!!」」」」

シャロ「…ココロちゃん?どうしたんですか?早く来ないと…!」

小衣「…行けないのよ」

シャロ「え…?」

神津「譲崎ネロが言った通りフォルトニウムの情報はトップシークレットだ。我々がそのキーワードにたどり着いた瞬間、上からの命令で捜査からは外れることになった…」

ルルーシュ「………………」

神津「ここにいるのは俺の独断。バレればよくて解散、悪くてクビだ」

コーデリア「そんなっ…!」

ルルーシュ「行くぞ。コーデリア」

エリー「でも…」

咲「あ~…この時間も勿体ないし~。さっさと行ってくんない?この後交通整備やらなんやらが残ってるんだよね~」

コーデリア「わかっ…たわ…」

神津「…行け」

ルルーシュ「…ああ」



~フォーチュンリーフ~


ネロ「着いた!」ダッ

ルルーシュ(……………………)


ルルーシュは移動しながら考えていた。魔女…C.C.のことだ。
このヨコハマという場所に来て、彼女に似た人物を見かけている。(といっても正面から見たわけではないが)
彼女は不老不死だ。仮にヨコハマが吹き飛んでも生きているだろう。
だが…やはり気にはかけていた。


ルルーシュ(どこかにいるのか…?)

コーデリア「教官!教官!!」

ルルーシュ「…む。どうした?」

コーデリア「どうしたじゃありません!着きました!」

ルルーシュ「ああ着いたか…」


謎はそれだけではない。
夜見る夢。朝目覚めるころには忘れてしまうほどではあるが、何かあるのだろうか。
そもそもゼロレクイエムを終え、死んだはずの自分がなぜこの偵都ヨコハマに…。


コーデリア「教官!!!」

コーデリア「何を考えているのかはわかりませんけど、今はそれどころじゃ…!」

ルルーシュ「すまない…行くぞ」


………
……


ルルーシュ「……………」

ネロ「いいから早く出てよ!ロックは解除したんだから!」

研究員「だがさっきからいきなりマイナス値が…!」

ルルーシュ「何をしている?」

ネロ「ああ遅かったじゃんルルーシュ」

エリー「閉じ込められていた人たちを助けたのはいいんですけど…」

研究員「だから!初めてマイナス数値が出たんだ!近くにあるかもしれないんだよ!」


そう熱く語る研究員の手に握りしめられた機械からは先程から甲高い音が響いている。
彼の言っていることからすると珍しい何かが近くにあるようだが…。
もちろん心当たりは誰にもなかった。


ネロ「わけわかんないよ!」

研究員「む!?ここだ!ここにある!」ピーピーピー

コーデリア「わ…私!?」

研究員「ポケットの中に…!」

コーデリア「ポケットの中なんて…PDAと…洋館の時にもらった石しか…」

研究員「素晴らしい!結晶化している!これだ!これなんだ!!」

研究員「やったぞぉぉぉぉぉ!!!」

ルルーシュ「ええい!貴様ら全員さっさと避難しろ!」キュィィィィン!

研究員「…はい」ゾロゾロゾロ

ネロ(…にしてもマイナス値って…?)ヒィィン!

ネロ(…!)

シャロ「せ…先生…今のは…?」

ルルーシュ「……………………」

ルルーシュ「…そうだな」

ルルーシュ「俺のトイズ…といったところだな」

コーデリア「教官、トイズは持ってないんじゃ!?」

ルルーシュ「今はどうでもいい。とりあえずお前たちはこの人たちをしっかり安全な場所へ誘導しておいてくれ」

エリー「ルルーシュさんは…」

ルルーシュ「……頼んだぞ」タッ


トゥエンティ「そこまでだ…」

エリー「!」

ネロ「お前は…トゥエンティ!」

コーデリア「どうしてここに!?」

ルルーシュ「………………」

トゥエンティ「あの方の元へは行かせない…」

ルルーシュ「…アルセーヌのことではないな」

トゥエンティ「当たり前さ。僕が崇拝しているのは素晴らしい方…その昔にこの世を謎で満たした…」

ルルーシュ「怪盗L…か」

シャロ「えぇ!?」

トゥエンティ「そう!だからあの方のところへは向かわせない!ここで…」チャッ

ルルーシュ(拳銃…)

ルルーシュ「シャーロック。俺の合図と同時にあの拳銃を俺たちから見て右にズラせ」ボソッ

シャロ「あ…合図…」

ルルーシュ「構わないが、奴を放っておくとお前も消えてなくなるぞ?」

トゥエンティ「大いなる目的のためなら僕は喜んで犠牲になろう」

ルルーシュ「…アルセーヌも死ぬことになるぞ」

トゥエンティ「ア…アルセーヌぅ…?そいつがどうしたって…」

トゥエンティ「ぐっ…なんだ…?頭が…!」

ルルーシュ(…操られているような素振りだな)

ルルーシュ「その引き金はアルセーヌの命にも関わるということだ。よく考えるんだな」

トゥエンティ「う…五月蠅いっ!!!!」

トゥエンティは引き金を引いた。
だが同時にルルーシュの口元がやや動く。
そう、引いたのではない、引かされたのだ。ルルーシュに。



ルルーシュ「今だシャーロック!!!」

シャロ「はいっ!」ヒィィン!

トゥエンティ「なっ…!?」バンッ

コーデリア「! 今っ!」ドン!!

トゥエンティ「うっ!?」

トゥエンティ「」

ルルーシュ「こういう時はアクションの必要なリボルバーは避けるんだな」

ルルーシュ「…さて、邪魔が入ったが避難の誘導を頼んだ」

ネロ「でもルルーシュ!」


その時。ルルーシュの瞳が隅の隅で捉えた。
緑の長髪、白い拘束着が奥の部屋へと向かうのを。


ルルーシュ「…!」ダッ

ネロ「えっ、ちょっとルルーシュ!?」

ネロ「なんなんだよもう!」

コーデリア「とりあえず私たちは避難誘導を完了させましょう」

エリー「急いで終わらせて…ルルーシュさんに追いつきましょう…!」


???「」

遅くなりました。すみません。
今週中に必ず投下致します。

ちょっとトラブルで帰宅が遅れてしまいました…。時間がないので今日の夜中に回させてください。本当に申し訳ありません。

投下します。


………
……



ルルーシュは走った。
視界の隅に捉えた拘束着を追って。
今、彼の頭の中に怪盗Lがあるかと言えば実は怪しいところであった。

走り続けた先で一つの部屋に出る。
そこにいたのは


???「…ようこそ。ルルーシュ・ランペルージ」


ルルーシュ「…お前は…」

???「私の名は…怪盗L」

ルルーシュ「………………………………
!」

怪盗L「待っていたよ。ルルーシュ・ランペルージ…」


正体を隠す謎の仮面は高い位置からゆっくりルルーシュを見下ろす。
そして。その奥で別の人物が動く。


C.C.?「……………………」

ルルーシュ「…C.C.」

C.C.?「……………………」

怪盗L「…ルルーシュ・ランペルージ。ここがどこかわかるかな?」

ルルーシュ「…フォーチュンリーフでは次世代エネルギーによる発電を研究していた。…おそらく燃料となるものはフォルトニウム」

ルルーシュ「…正面の鉄格子で閉ざされた何か…ここに来るまでの間、これほど厳重に閉ざされた場所は無かった」

ルルーシュ「…つまり、反応炉」

怪盗L「…正解だ。ルルーシュ・ランペルージ」


ルルーシュ「…怪盗L」

怪盗L「……………………」

ルルーシュ「…そこまで俺を敵にするなら、知っているな?」

ルルーシュ「何が起きたのか」

ルルーシュ「…なぜ俺はホームズ探偵学院にいたのか、なぜ知らぬ間にミルキィホームズの指揮官となっていたのか」

ルルーシュ「…いや、お前でなくても…答えろC.C.」

C.C.?「………そう、命令されたからだ」

ルルーシュ「…命令…だと?」

怪盗L「…ルルーシュ・ランペルージ」

怪盗L「私は君の身勝手な願いのせいで宿敵を、目標を、生きがいを失った…!」

怪盗L「この計画は復讐…!君へのね…」

ルルーシュ「…………………………」

ルルーシュ(…願い、命令…)

ルルーシュ(……………………………)


ルルーシュ「…まず怪盗L。お前は誰だ?勝手に恨むのは構わないが原因の察しようがないな」

怪盗L「おや、わかりませんか?」

ルルーシュ「なに?」

怪盗L「…私、ですよ」


そういい怪盗Lを名乗る人物は仮面を外した。
隠された素顔が露わになる。そしてルルーシュはその顔を見て、少しだけ眉を動かした。
見覚えのある顔、白髪に白髭。優しそうに笑っていたはずの顔は瞳に野望の炎を灯し静かにルルーシュを見据えていた。


ルルーシュ「…舘…さん…」

怪盗L「ずっと近くにいたじゃありませんか」

ルルーシュ「…なるほどな」

ルルーシュ「俺に与える情報を制限するには良い位置だ」

怪盗L「苦労しましたよ…ここまで大掛かりな準備は怪盗人生で初めてです…」

ルルーシュ「…なるほどな。そしてトイズが「洗脳」…その力でC.C.を洗脳したというわけか」

怪盗L「この女のことなら、私は何もしていませんよルルーシュ様」

ルルーシュ「なっ…!?」

ルルーシュ「どういうことだ…!答えろC.C.!」

C.C.?「………………………………」


怪盗Lの挑発的な態度と発言にルルーシュは少々冷静さを欠いていた。
そこに先程からの魔女の無視…というより反応がない、というのが正しいだろうか。
そのことがまたルルーシュを焦らせていた。

最近忙しくて制作が間に合ってません。
次回もしくは次々回あたりで完結予定なので逃亡する気はありませんがお待たせしてしまうことを謝罪致します。
申し訳ありません。

今週末投下予定です。もう少しお待ちください。本当に申し訳ありません。

残 業 確 定
日またいじゃいますけど必ず来ます。

お待たせしました。ゆったり書き始めます。


ルルーシュ「洗脳されていない…?どういうことだ答えろC.C.…!」

C.C.?「…自分の意思でこうしているということだ」

ルルーシュ「なにをいっ…」


キィィィ!


怪盗L「あまり話が長くなるようでしたら嫉妬してしまいますねぇ…私の、復讐なんですから…さあ準備が整いました」

ルルーシュ「くっ…」

怪盗L「先ほどの質問、答えましょう…!」

怪盗L「私の宿敵…小林オペラ!彼は私との戦いで事故にあいトイズを失った!」

怪盗L「そして私は…のうのうと生き延びた…!怪盗として、怪盗Lとして!一番許せないのは自分だった…!」

怪盗L「そこから私はトイズの研究を重ね、小林オペラが今この場に立ち私との決戦をする準備をし…この今のためにどれだけの時間を費やしたか!!」

怪盗L「それを…一瞬で無駄にされたのだよ…君に!」

ルルーシュ「…覚えがないな」

C.C.?「だが望んだ」

ルルーシュ「…俺の望みは「ゼロレクイエム」の達成だ。俺が生きている以上達成はされていない」

C.C?「されたさ。元いた場所で」

ルルーシュ「何…?」


C.C?「明日を望んだのはお前で、ゼロレクイエムのために死んだ」

ルルーシュ「…ああ」

C.C.?「なら、明日を与えねばならないだろう?」

ルルーシュ「…何を…言っている…?」

怪盗L「…そのくだらない望みの犠牲になったのだよ小林オペラは」

ルルーシュ「……………………………」


考えれば考えるほどわからない。理解できない。
眼前の魔女は操られたわけでもないが自分の味方をしておらず、ゼロレクイエムの意味も理解しているのか怪しいとすら感じる。彼女がわからないはずはないのだが。


ルルーシュ「………………………」

C.C.?「私はただ、明日を見守っているだけだ」

ルルーシュ「明日を…?」

C.C.?「それが命令だから」

C.C.?「オール、ハイル、ルルーシュ」

ルルーシュ「………………………」


いくらなんでもおかしい。言動が彼女のものとは思えない。あの上から目線が基本だった魔女がオールハイルルルーシュなど言うわけがない。


ルルーシュ「…誰だ」

ルルーシュ「C.C.ではない、あるはずがない」

ルルーシュ「俺の知っているC.C.はもっと生意気な女だ」

C.C.?「………………………………」


C.C.?「…………………………」


そして、女は口を開く。















C.C.?「…私は、神」

C.C.?「命令通り、ルルーシュ様に明日を」

時間的に仕事に響きますので一旦止めて寝ます。もうすぐお終いですしお昼休みとかにちょくちょく投下できたらなと思ってます。

では短めながら失礼します。

バディファイトがミルキィ色強くて笑う

お久しぶりです。>>1です。

すみません。年明けてから深夜残業ばかりで何も出来てないですね…。
2ヶ月も待たせてしまって申し訳ないです。

今日も深夜残業が待ってますので明日の夕方ごろに書ければな…と思います。

本当にすみません。

ちょっと遅くなりましたが来れました。
書き始めます。

>>512
そうなんですか?ちょっと気になります。


神。
不死身の魔女の姿をしたそれはそう名乗った。

ルルーシュには覚えがある。
アーカーシャの剣において父シャルルがラグラレクの接続をしようとした時にルルーシュは無意識集合へとギアスをかけた。

それこそ今、口から出た「明日が欲しい」と言う願いであった。


ルルーシュ「……神だと?」

C.C.?「そうです」

ルルーシュ「ふざけるな」

C.C.?「……………………………」

怪盗L「…おやおや、信じないのですか」

ルルーシュ「…当たり前だ。いきなり自分を神と名乗りだす人間を信用出来るわけが…」

怪盗L「それでも、私には十分だったッ!」

怪盗L「現に宿敵の小林オペラは消え、赤の他人ルルーシュ・ランペルージが現れた…!」

ルルーシュ「…………………………」

C.C.?「………………………」

怪盗L「君達二人への…復讐ッ!!見るがいい!」


ルルーシュ「…………………何も起きないが?」

怪盗L「…ふふふ」

怪盗L「まあ気がつかないのなら別にいい。先ほど君も言った通りここはフォルトニウムの反応炉…」

怪盗L「私は既にフォルトニウムをセットした…」

ルルーシュ「…反応炉の中で反応が起こるのはいいが、ヨコハマを飲み込むほどの力があるというのか…?臨界が起きたところで安全装置が…」

怪盗L「それだよルルーシュ君」

怪盗L「このフォルトニウム反応炉の安全装置…それはこの機械、反フォルトニウム発射装置だ」

ルルーシュ「…っ!まさかお前…!」

怪盗L「そう私はフォルトニウムの効果を打ち消す反フォルトニウムと呼ぶべき物質の代わりに…フォルトニウムをセットした!!」

怪盗L「この力で…ヨコハマごと吹き飛ばす…!」

ルルーシュ「…怪盗L…」

C.C.?「…ヨコハマごと…か」

怪盗L「…先ほど言った通り、私が一番許せないのはのうのうと生き延びた自分自身…」

怪盗L「…このヨコハマと共に…私の名を未来永劫…怪盗の歴史に残すのだよ…!」



怪盗L「…そして、先ほど君が気がつかなかったものは…そっちだよ…」

ルルーシュ「なんだと…?」


怪盗Lが指を指す方向を見ると、そこにはミルキィホームズ全員が倒れていた。
部屋の反応炉に気をとられて気がつかなかった…というよりも予想外であったと言うべきか。


ルルーシュ「! …何をした…!」

怪盗L「なに、ただ”眠れ”と命令しただけですよ…」

ルルーシュ「くっ…」

ルルーシュ「ふざけるな…!」スッ

怪盗L「…それが、ギアス、か」

ルルーシュ「そいつから聞いていたか」

怪盗L「協力関係、というわけでもなかったがね…君の情報を少しくれたぐらいさ」

C.C.?「…敵や味方がいた方が、良い人生でしょう」

ルルーシュ「違う…!」

ルルーシュ「俺が望んだ明日は…こうじゃない…!」


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