リヴァイ班「死者に会える方法」 (57)


著しくキャラクターの威厳を損なうSSです。
許せる方のみご覧ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378808969


エルヴィン 「リヴァイがヤヴァイ」

ハンジ 「は? 」


エルヴィン「リヴァイの心が折れかかっているようだ 」

ハンジ「リヴァイ班壊滅・・・」

   「怪我で前線離脱・・・ 」

   「リヴァイ班遺体と遺品回収失敗・・・」

   「遺族の親からのさらなるダメージ・・・ 」

   「さすがのリヴァイもついに心の壁が決壊したんだろうね 」

エルヴィン「すべて私のミスだ 」

ハンジ「一応反省はしてるんだ、あの計画が無謀だったってこと 」

エルヴィン「いや、違う。 リヴァイに選択させたことだ 」

ハンジ「どういう意味? 」

エルヴィン「まず、リヴァイ班のメンバーはリヴァイ自身が選抜した

      次に、作戦を知らせるメンバーは5年前から残っている者と私が決めたが、

      今回の作戦で要となるリヴァイ班については知らせるか否かをリヴァイに任せたんだ 」

ハンジ「なるほど。 で、リヴァイはあなたの意思を尊重して知らせなかった、と 」

エルヴィン「女型捕縛後にリヴァイ班とエレンをどうするか指示し忘れたのも失敗だった 」

ハンジ「・・・どうするつもりだったのかな? 」

エルヴィン「先にとっとと壁の中に戻ってもらうつもりだった 」

ハンジ「・・・・・ 」


ハンジ「森の中にエレンを隠して待機させたのはリヴァイの判断だったわけだね 」

エルヴィン「女型からうまく本体を取り出せたのなら問題なかっただろうが、
  
      あんなことになってしまって 」

ハンジ「リヴァイは自分が選んだ兵士達を、自分の選択ミスで死なせてしまった、と

     考えているんだね 」

エルヴィン「間違いなく。過去経験したことのないレベルの精神的ダメージだっただろうな。

      ・・・・だからいままで常に俺が頭ごなしに命令してきたのに 」

ハンジ「ちょっと甘やかしすぎたんじゃない? 」

エルヴィン 「リヴァイはああ見えて、人一倍感情豊かなんだよ 。

       君も知っての通りとても仲間思いだろう? 身内のいない彼にとって、

       調査兵団員は家族のようなものなんだ。 」

エルヴィン「ハンジ、君は自分の責任で家族を死なせて平静でいられるかい? 」

ハンジ「・・・わかる!わかるよ! 私も自分のミスでチカチーロとアルベルトを死なせたときは本当に辛」

エルヴィン「最前線で心を乱すことは即、死につながる。 人類最強の死は

      全兵士だけでなく全人類に多大な精神的ダメージを与えるだろう 」

ハンジ「きいてねぇしきく気もねぇなら振るなよ 」


エルヴィン「だから俺は、全ての責任を引き受けるために、彼に一切選択を

       させないようにしてきた。 誰が死んでも、それは俺のせいだということにできるからね 」

ハンジ「親馬鹿ここに極まれり 」

エルヴィン「何とでも言ってくれ。 人類のために馬鹿にならなくてはならない時もある 」

ハンジ「 ・・・・ いま心の壁に囲まれてひきこもってるリヴァイを見てもそう思う? 」

エルヴィン「とにかく、その壁を壊してリヴァイを助けてやらなきゃならない 」

ハンジ「(逃避したな) ・・・で、どうするつもり? 」

エルヴィン「色々検討した結果、原因の中で最新の事項に再度向き合わせるのが最善という結論に至った 」

ハンジ「具体的に言ってもらえると助かるんだけどね 」

エルヴィン「リヴァイ班のみなさんに化けてでてもらう 」

ハンジ「冗談はヅラだけにしとけよ 」

ペトラの遺体ばっかり注目してるけど一番遺体の状態がいいのはオルオさんだな


エルヴィン 「冗談なんかじゃないぞ。 どうやら死者を一時的によみがえらせる方法があるようなんだ 」

エルヴィン 「ところで今何か余計なこと言わなかったか? 」

ハンジ 「言ってない。 つかそれどこ情報よ? 」

エルヴィン 「南にあるラガコ村で昔から語り継がれてきた秘法らしい。 104期のコニーという兵士からきいた 」

ハンジ 「コニー? コニーってあの、104期きっての馬鹿・・・」

エルヴィン 「今は馬鹿にも・・・もとい、藁にもすがりたい。
      
       まずは緻密な作戦をたてなくては。君もリヴァイが心配なら手伝ってくれ 」

ハンジ 「・・・・。 別の意味でリヴァイが心配だから付き合うよ、エルヴィン。

     その代り、それチカチーロにもやってよ、私もまた会いたいんだ 」

エルヴィン 「残念だがそれは無理だ。 なぜならドア越しに話すことしかできないからだ 」

>>6
本SSでは全員の遺体をいったんは回収し、結局全部投げ捨てたという前提で進んでおります



ハンジ 「エルヴィン、ちょっとそのメモ見せてくれる? 」

ハンジ 「なになに、『出典:叔父さんシリーズ 【厳選された怖い話】』・・・? なんだこりゃ 」

エルヴィン 「こまけぇこたぁ気にするな、ハンジ。 とにかく読んでみてくれ 」

++++++++++++++++++++++++++

死者に必ず会える方法。

その方法とは。

時刻は深夜2時前後が良い。

まず、会いたい死者を思い浮かべる。その死者の遺品があればなお良い。

家の門を開けておく。ただし、家の戸締りは必ず完璧に施錠する事。

遺品を胸に抱き、蝋燭1本にだけ火を灯し、部屋の灯りを消し、ベッドに入り目を瞑る。

そして、死者が墓場から這い出てくるのを想像する。生前の綺麗な姿のまま…

死者がゆっくりゆっくり自分の家に歩いてくるのを想像する。

1歩1歩ゆっくりと…そして門を通り、玄関の前に立つのを想像する。

想像するのはそこまで。

そして、絶対に守らなければいけない事は、

死者が何と言おうとも、『絶 対 に 家 の 中 に は 入 れ な い 事』だった。

扉越しにしか話せない。何とも切ない事ではあるが、それがルールらしい。

++++++++++++++++++++++++++


ハンジ 「何とも切ない事・・・って・・・これ大丈夫なのかよ・・・ 」

エルヴィン 「失敗例がかいてあるな・・・ 我慢できずにドアを開けて悪霊が入ってきたとか 」

ハンジ 「いやその前に、本当に死者が戻ってくるかどうかを検証しろよ 」

ハンジ 「リヴァイの自主的な協力が必要なんだよね、もし来なかったらどーすんの 」

ハンジ 「期待させて、持ちあげて、また落とすようなことになったら、今度こそ再起不能かも ・・・ 」

エルヴィン 「・・・確かに。この作戦には慎重なリスクアセスメントが必要だ、ハンジ君 」

エルヴィン 「了解です、エルヴィン部長」


----その日の夜----

ノックノック

エレン「エルヴィン団長、エレン・イェーガーです」

エルヴィン「入ってくれ。良く来てくれた 」

エレン「失礼します。重要な極秘任務があると聞きましたが 」

エルヴィン「そうなんだ。ぜひ君の力を借りたくてね。

       ところで君は死んだ人に会えるとすれば誰に会いたい? 」

ハンジ「(また唐突な…)」

エレン「えっ?(んなこといきなり言われても…)そ、そうですね…じゃあペト 」

エルヴィン「君は母親にもう一度会いたくないか?」

ハンジ「(だから聞かねえなら振るなっつんだよ…)」

エレン「いえ、俺はペ」

エルヴィン「君が未だに巨人の能力を120パーセント出せないのは
 
      巨人への過剰な憎しみが原因と考えられる 」

エレン「で、でも俺はもう暴走は」

ハンジ「(何だよ120パーセントって。100パーセントじゃだめなのかよ)」

エルヴィン「暴走しなけりゃいいってものじゃない。女型のように硬化や一部優先再生、

      叫んで巨人を大勢集めるといった特殊能力まで使いこなせなければ一人前の巨人とはいえまい」

ハンジ「(オイオイ最後の能力いらねえだろ、だいたい何だよ一人前ってよ…)」

エレン「あ…!た、確かに!(俺はただ巨人化して闇雲に戦うのみ…しかもいつも負けてばかりだ…)」

ハンジ「(あれ?!エレン納得しちゃったよいいのかよそれで)」


エルヴィン「お母さんと喧嘩したままだったんだろう?最後に謝れなかったことを心底後悔しているんだろう?

      もう二度と会うこともできないのに…それをさせてくれなかった巨人が余計に憎いんだろう?

      優しかった大好きなお母さん」

エレン「!あ…あぁ…母さん…母さん!俺…ごめん、ごめん!うわぁぁぁ…」

ハンジ「…」

エルヴィン「お母さんもう一度会いたいかい?」

エレン「は、はい!!会いたいです!会わせてください!」

エルヴィン「良かろう。さっそく準備を進めてくれたまえ、ハンジ君」

ハンジ「…。(悪魔かこいつは)」


本日はここまで。

エルヴィンって一人称「私」じゃなかったっけ?

>>15
確かアニメ20話で俺って云ってた気がします
昔からの仲間と本音で話すときなど、時と相手で使い分けていくつもりです


エルヴィン「ついたよ 」

エレン「こ、ここは・・・ 」


**************************

ハンジ「で、今どこに向かってるの? 」

エルヴィン「リヴァイ班の拠点だったあの古城だよ」

ハンジ「何でわざわざあそこに? 」

エルヴィン「今回はリヴァイ班降霊の検証作業だ。

      リヴァイ班が化けてでるならあれ以上に適切な場所はないだろう。

      しかも滅多に人は来ないから、無関係の第三者を巻き込まずに済む 」

ハンジ「そりゃそうかもしれないけどさ、

    全ての戸締りを厳重にしなきゃならないってわかってるよね?

    あそこどんだけ窓があると思ってんの? 」

エルヴィン「ん? 2、30個くらいだろ? 」

ハンジ「・・・古城なめんな 」

~~10分後~~

エルヴィン 「・・・・・・・・・・・・・・!!!!」

エルヴィン「やむをえん、片っ端から戸締りする。 ひとつも手を抜くな、進めー!!! 」

ハンジ「はーい(棒)」

(2時間後)

エルヴィン「はぁ、はぁ・・・・これで最後か・・・?」

ハンジ「大窓小窓天窓合わせて230、ドア4、完全封鎖確認。玄関以外はネズミ一匹くらいしか入れないよ。

    こんなことに立体機動を使うとは思わなかった・・・」

エルヴィン「よし、では立ち入り禁止のテープを張っておいてくれ、はぁ腰が痛い 」

ハンジ「はいはい、KEEP OUT っと。 じゃまた戻りますか 」

**************************



エルヴィン「まあ入ってくれ。すぐ左の部屋に準備してある 」

エレン「は、はい」

エルヴィン「では始めよう。大丈夫、私の言うとおりにしてくれればいい。

      まずはそこのテーブルにある蝋燭に火をともし、部屋の明かりを消して

      ベッドに入り、目をつぶってくれ。 」

エレン「はい 」

エルヴィン「お母さんがこの城に歩いてくるのを想像するんだ。 ゆっくり・・・ゆっくり・・・・

      そして門を通り、ドアの前に断つのを想像する 」

エレン「・・・・・・」

エルヴィン「エレン?」

エレン「・・・・・・グーグー」

ハンジ「すっげぇぇぇ! ベッド入って1秒で寝てたぞ! 昼寝王選手権に出れるんじゃないかこれ?!」

エルヴィン「・・・いいから起こしてくれ 」


エレン「す、すみません 」

ハンジ「仕方ないよ、もう夜中の2時だ。普段なら熟睡してるだろうからね 」

エルヴィン「すまないね。 じゃあお母さんが生き返るのを想像するところからやってもらえるか? 」

エレン「はい・・・(母さんが出てくる・・・巨人の口の中から・・・全身複雑骨折・・・

    全内臓破裂・・・ゆっくり・・・ズルズルと・・・這ってくる・・・近づいてくる・・・・)」

ハンジ「・・エルヴィン、エレンうなされてるみたいだけど。何か間違ってない? 」

エルヴィン「いや別に大丈夫と思うが? 」

エレン「ああ・・・きっとくる・・・・きっとくる・・・・・かあさんが・・・・・きた!!!」

ガタガタガタッ!!!!

ハンジ「何かドアを叩いてるね」

エルヴィン「ハンジ、ちょっとのぞき穴から見てきてくれないか? 」

ハンジ「えっ?ドア開けちゃいけないってのは要するに見ちゃダメってことじゃないの? 」

エルヴィン「母親と一緒に巨人もくっついてきてるかもしれないぞ 」

ハンジ「ちょっと行ってくるわ!! 」


ハンジ「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

エルヴィン「ハンジ、どうした?! ちょっと俺に見せてみろ! 」

エルヴィン「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

???「エ゙ーーーーーレ゙ーーーーーーン゙ーーーーーー 」

???「ア゙ーーーーーゲーーーーーーデーーーーーー 」

エルヴィン「だめだ、絶対ダメだ! あれはダメだ!!エレンはどうした?どうなってる? 」

ハンジ「ベッドで気絶してる。 あれと同じものを想像したんだろうな・・

    エルヴィン、”生前の綺麗な姿”って言い忘れただろう? 」

エルヴィン「そうだったかな? とにかく死者が戻ることはわかった、もう十分だ、実験終了だ」

ハンジ「ど、どうやって? 」

エルヴィン「あー、えー、お母さん、お母さん、お帰りください 」

ハンジ「・・・とりあえず蝋燭を消して部屋の明かりつけてくるわ 」


ガチャン!ガッ!!ザシュッ!


???「ギャ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」


エルヴィン「な、なんだ? 」

ハンジ「来た時と違ってずいぶん大騒ぎして帰るもんだね 」

エルヴィン「・・・・ほんとに帰ったのか? 」

ハンジ「物音はしないね、のぞき穴で見える範囲には姿もない。どうやら帰ったみたいだよ 」

エルヴィン「ふぅ・・。しかし本当に死者が訪ねてくるとはな・・・」

ハンジ「非常に興味深いよ、ぜひ研究してみたいね」

エルヴィン「何かの役にたつのか?」

ハンジ「もしエルヴィンが死んだら呼んであげようか?」

エルヴィン「・・・いや、私はいいかな。ほんの僅かな時間だけ仮初めの生を与えられれば余計に辛くなりそうだ」

ハンジ「そうかもね、この儀式はそもそも生者のエゴでしかないんだろうし」

エルヴィン「ところでエレンは大丈夫だろうか?」

ハンジ「さあ? ま、あのリヴァイにして化け物と言わしめる精神の持ち主だから何とかなるんじゃない?」

エルヴィン「だといいんだが・・・」

ハンジ「じゃあそろそろ帰ろうか、私たちも少しは寝ておかないと」

エルヴィン「エレンを起こすのも可哀想だな、今日はここに泊まるとしよう」

ハンジ「・・・了解。(本当はドア開けるの怖いんだろう)」


翌朝 チュンチュン

エレン「・・・ん・・・ここは・・・」

ハンジ「ああ、目が覚めたんだね。おはよエレン。」

エレン「あ、ハンジさん、おはようございます。俺・・・」

ハンジ「気分はどうだい?今紅茶を淹れるからね (ちょっとぼーっとしてるようだけど・・・) 」

エレン「・・・何か久しぶりに母さんの夢を見ました・・・」

エレン「手伝いをさぼってミカサにやらせたのがバレて、いつもみたいにガミガミ怒られて・・・」

エレン「・・・家から飛び出したんですけど、その時に振り向いたら・・・」

エレン「・・・いつもの優しい笑顔で・・・『ミカサと仲良くね』って手を振って・・・」

ハンジ「・・・・・・エレン、はい、これ 」

エレン「・・・え?タオル・・・どうして・・・・・・あ」

エレン「・・・何で俺、泣いてんだ?・・・ただの夢、なのに・・・


エルヴィン「エレン、それは夢ではないよ」

エレン「え?どういう意・・・そうか、昨晩の・・・!」

エルヴィン「そうだ。君のお母さんは本当に来てくれた。私もハンジもこの目で見たよ。」

エレン「ベッドに入ってからの事はよく覚えてないんです」

エルヴィン「過程は思い出さなくていい。

      大事なのは、君のお母さんが君のために遠いところからはるばる来てくれたこと、

      そして君とミカサくんの身を今でも案じていて、今の君を見て安心して帰っていったことだ。

      ・・・お母さんは笑顔だっただろう?」

エレン「は・・・はい・・・ぐっ・・・」

エルヴィン「泣いていいんだよ。いいお母さんだったんだね 」

エレン「・・・はい、俺には、もったいないくらいの、母、でした・・・うぅ・・・」

ハンジ「これさ、シガンシナでつくられた紅茶なんだよ。落ち着くし、温まるから、飲んで 」

エレン「いただきます・・・・・・美味しい・・・懐かしい味だ・・・何だか心まで温まるようだ・・・」


ハンジ「残りの茶葉はあげるよ、持ち帰ってミカサやアルミンにも飲ませてあげるといい」

エレン「いいんですか?もう手に入らない貴重なお茶なのに・・・・・・グシグシ」

エルヴィン「本当によくやってくれたよ。今日は1日休暇をあげるから、ゆっくり休んで

      お母さんの思い出に浸るといい。」

     「・・・そして明日からの戦いに備えてくれ、人類存続のカギなのだからね、君は 」

エレン「は、はい!ありがとうございます!

   (何て良い人たちなんだろう!こんな人達が上官だなんて俺は幸せ者だ。

母さん、俺明日からまた頑張るよ、見ていてくれ!)」

エルヴィン「では私たちは先に戻る。 簡単な食事は用意してあるし、置いてあるものは好きに使ってかまわない 」

ハンジ「夕方までには戻っておいで~ 」

エレン「はい!!! 」


エルヴィン「・・・。(あぁ良かった。それにしても何という脳内補修力。リヴァイが化け物というだけのことはある。

        エレン・・・・恐ろしい子! )」

ハンジ 「・・・。(丸く収まったようだけど何だろう、この胸の痛みは。 お茶はせめてものお詫びだよ・・・

     それにしてもエルヴィン、何が ”私も見た”だよ、相手が一瞬ビビるくらいの大声で悲鳴あげてたくせに。

     エレンが極秘任務に何の疑いも持ってないってのもすげぇ。

     こういう運の強さとか強引な持論展開とか事実歪曲とか誘導尋問の上手さで調査兵団長が務まるんだろうな)」


続きは本日深夜2時前後にお届けします・・・


エルヴィン「さて事前検証はうまくいったわけだが 」

ハンジ「全面的には賛同しかねるけど、まぁ根本については証明されたかな 」

エルヴィン「リヴァイには同じ方法は使えまいな・・・ 」

ハンジ「まずはどうやって切り出すかが問題だよねえ 」

エルヴィン「ちょっとシミュレーションしてみるか 」




エルヴィン「リヴァイ、リヴァイ班メンバーに会いたくないか? 」

ハンジ「『は?テメエ、気でも違ったんじゃねえのか?(怒)』」

エルヴィン「いや正気だ。死者の魂を呼び戻す方法があるんだ 」

ハンジ「『オイ、これ以上ふざけたこと言ってると前頭葉削ぐぞ・・・(怒)』」

エルヴィン「・・・ハンジ、ちょっと怖いんだけど 」

ハンジ「『うるせえ、クソくだらねえ冗談はヅラだけにしやがれ(怒) 』」

エルヴィン「もういいよ・・・ 」

ハンジ「『何がいいんだこの豚野郎が、躾直してやろうか(怒) 』」

エルヴィン「・・・もういいって・・・ 」


エルヴィン「リヴァイはそんなこと言わない 」

ハンジ「ごめんごめん てへぺろ 」

エルヴィン「まるで反省が感じられない 」


リヴァイ「オイ 」

エルヴィン・ハンジ 「(ビクッ)」

リヴァイ「何ふたりしてビビってやがる」

エルヴィン「いや別に。 ところで久しぶりだな、最近見なかったがどうしていたんだい? 」

リヴァイ「・・・色々考えたいことがあってな・・・特別作戦班の旧拠点に居た 」

「エルヴィンにはちゃんと申請を出しておいたはずだが? 」

エルヴィン「・・・すまない、書類がたまってて見てなかった 」

リヴァイ「承認された書類が戻ってきたから行ったんだが 」

エルヴィン「・・・・・・・そうだった、思い出したよ。 」

ハンジ「それって、あの古城だよね? どこにいたの? 」

リヴァイ「寝泊りは地下室だな。 夜は出かけていたが・・・何か問題あったか? 」

エルヴィン「別に問題はないよ。 ただ昨日我々も行っていたんでね 」

リヴァイ 「昨日はいつもよりは早く戻った、といっても深夜2時はまわっていたがな。

     門を閉めて入ろうとしたら、ドアの前に何か気味の悪いもんがいやがって、

     こっちに向かってきたんで削いでやった 」


エルヴィン「・・・ど、どうなった? 」

リヴァイ 「消えた 」

ハンジ 「・・・・・・・・・。 (切れるのか、それともたまたま終わった時だったのか) 」

リヴァイ「その後、念のため城の周辺を見回って異常がないか確かめてから戻ったが・・・」

「お前ら何か知ってるな? あれは何だ? 」

エルヴィン「いやあれは・・・なんというか・・・」

リヴァイ 「今朝起きたらなぜか食堂にエレンがいた。 やけに嬉しそうな面で母親がどうのこうの

      訳の分からねえことをしゃべってた。 アレと関係あるんだろう? 」

エルヴィン・ハンジ 「・・・・・・(まずい。 どうやって説明するか全く決まってない )」

リヴァイ 「正直に話さねえとふたりまとめて死なねえ程度に削ぐぞ・・・ 」

エルヴィン 「やむを得ん、私から話そう・・・ 」


~~~~~~~~


リヴァイ「本当に来たってのか? エレンの言ってたのとはずいぶん違ってたようだが・・・ 」

エルヴィン「実際来たのはお前も見た”アレ”だ。 エレンの記憶は・・・・そうだな、エレンの脳内の何らかの働きで

       エレン自身が納得できる形で記憶が再編成されたんだろう 」

リヴァイ 「全く便利な脳だな。 で、何だってこんな茶番を? 」

エルヴィン「いや、エレンが母親の記憶に苦しんでいるようだったからね・・・(さすがに本当のことは言えない) 」

リヴァイ「そうか・・・・。 おもしれえ。 俺にもやらせろ 」

ハンジ「・・・え?」

リヴァイ「会いたいやつらがいる。 」

エルヴィン「・・・しかし、本当に望むものが来るかどうかはわからんぞ? お前も見た通り・・・」

リヴァイ「わかっている。 だが試す価値はある 」

エルヴィン 「・・・そうか、お前がそう言うなら。 ではいつやる? 」

リヴァイ 「早い方がいい。今夜だ。 」

ハンジ「(エルヴィンのステータスって間違いなく【幸運:10】だな・・・) 」


ハンジ「エルヴィン、また失敗するといけないから、あのメモをリヴァイに見せておきなよ 」

エルヴィン「それもそうだな、リヴァイ、これを読んでこの通り実行してくれ 」

リヴァイ「・・・・・・・・・・・・読んだぞ。これだけか? 」

エルヴィン「そうだ。ひとつ言っておくが、”生前のままの綺麗な姿で”という部分が重要だからな? 」

リヴァイ「わかって・・・・あぁ、昨日のはそのせいか。あの悲鳴はお前か?エルヴィン 」

エルヴィン「ハンジだ 」

ハンジ「・・・・・・。」



リヴァイ「で、どうしてお前たちまでいるんだ? 」

エルヴィン「何か問題でもあるか? 」

ハンジ「誰に会いたいのか興味ある 」

リヴァイ「・・・・ちっ。 まあいい、口をだすなよ 」

リヴァイ「始めるぞ 」


眠くて限界です。また明日。じゃなくて今日か。



リヴァイ「(思い浮かべる・・・あいつらを。簡単なことだ、あいつらはいつだって俺の記憶の中にいる 」

リヴァイ「どうしてももう一度会わなきゃならねえ。・・・たとえそれが俺のエゴだとしても 」



エルヴィン「ハンジ、リヴァイが持っているのは何だろう?布きれみたいな 」

ハンジ「私も気になってた。 さっき端っこだけ見えたけど、あれは翼の一部? 」

エルヴィン「やはり。 調査兵団服につけているワッペンか。 1枚ではないようだな 」

ハンジ「リヴァイが夜間出かけていたのって、もしかして・・・ 」

エルヴィン「・・・無茶をする。夜間動ける巨人だっていないとも限らないのに・・・」



リヴァイ「(最後の一か月を共に過ごし、やつらの笑顔をたくさんこの目で見てきたはずだ。
   
      なのに思い出されるのはいつだって、あの女型に追われていたときの指示をまつ顔だ。

      あいつらは最後まで、その理由もわからずに、苦悩の中で逝ったんだろうか。)


リヴァイ「(最後を看取ることすらできなかった。 意思を受け取ってやることもできなかった。

      俺にはその義務があったというのに)」

リヴァイ「(だから、俺はもう一度、あいつらに会って、そして伝えなきゃならねえ)」


リヴァイ「(頼む・・・来てくれ)」








------ コン、コン



リヴァイ「・・・・!」

エルヴィン・ハンジ「(来たのか、彼らが?)」



???「べ~~~~~~い゙~~~~~~ぢょ゙~~~~~~お゙~~~~~~」


エルヴィン・ハンジ「(まずい、また失敗か?)」


ドカッ ボスッ ガフッ


???「バカかお前!悪霊と間違われたらどーすんだ、このアホが!」

???「ってぇ~~!ちょっと雰囲気出しただけだろ、いきなり殴るなよ、舌噛んだだろうが~~~ 」

???「自業自得だよ、舌噛みきって[ピーーー]ばいいのに! 」

???「全くちょっとは空気読めよな!」


エルヴィン・ハンジ「(な、何だ?)」


リヴァイ「・・・・!」

エルヴィン・ハンジ「(来たのか、彼らが?)」



???「べ~~~~~~い゙~~~~~~ぢょ゙~~~~~~お゙~~~~~~」


エルヴィン・ハンジ「(まずい、また失敗か?)」


ドカッ ボスッ ガフッ


???「バカかお前!悪霊と間違われたらどーすんだ、このアホが!」

???「ってぇ~~!ちょっと雰囲気出しただけだろ、いきなり殴るなよ、舌噛んだだろうが~~~ 」

???「自業自得だよ、舌噛みきって[ピーーー]ばいいのに! 」

???「全くちょっとは空気読めよな!」


エルヴィン・ハンジ「(な、何だ?)」


リヴァイ「・・・・・お前らなんだな 」


エルド「はっ、兵長・・・!お久しぶりです、エルドです 」

グンタ「兵長、グンタです。 お元気そうで何よりです 」

ペトラ「また兵長の声をきけるなんて・・・光栄です、ペトラです 」

オルオ「兵長の右腕だったオルオ、参上しました! 」


リヴァイ「・・・突然呼び出したが、みな随分落ち着いているな」

エルド「ラガコ村の儀式を行われたんですね。

    呼ばれたと知った時にはうれしくもありましたが、驚きました。

    兵長は自己満足や興味本位でこんな儀式をする人ではないですから・・・

    きっと何か大事な理由があるのだろうと思ったのです。

    ・・・・・どうされたのですか? 何か我々にできることが? 」


リヴァイ「お前らに、どうしても伝えたいことがあった。

     お前はそういってくれるが、これは俺のエゴでしかない 」

リヴァイ「俺は今までたくさんの部下を死なせてきた。

     みな俺を信じてついてきてくれたやつらだ。

     俺に出来ることはやつらの意思を継ぎ、生きて戦い続けることだけだった。 」

リヴァイ「俺は、部下や仲間を騙すような真似をしたことはなかった

     ・・・・お前らとの任務以外にはな 」


エルド・グンタ・ペトラ・オルオ「!」

リヴァイ「・・俺は兵団の犬じゃねえ、作戦といえども自分の意思で選択することは可能だった。

     その上で、俺はお前らに真実を話さずに作戦に臨んだ 」

エルド・グンタ・ペトラ・オルオ「・・・・」

リヴァイ「そして、俺はお前達を失うことになった。

     結果は誰にもわからない、だからその都度後悔しないように選択してきたつもりだ。

     だが・・・それにお前らを巻き込む権利はない 」

リヴァイ「どんなに後悔しようがどんなに望もうが、お前達を戻してやることはできない・・・・だから

     これだけは直接伝えたかった。

     お前達の死は無駄じゃなかった。お前達でなければあの作戦は成功し得なかった。

     エレンも無事だ、俺の命令通り傷一つなく生きて兵団にいる。

     そしてお前達の意思は、この俺がちゃんと受け止めた、と。」


リヴァイ「・・・・それだけだ・・・・」

エルド・グンタ・ペトラ・オルオ「・・・・・!!!」


エルド「そんなことを気にされていたのですか 」

エルド「兵長、我々は最初から最後まで、"兵長を信じて命令に従う"ことを、

    自分の意思で選択してきたんですよ 」

エルド「その結果がどうなろうと、それは自分自身の責任です 」


グンタ「仲間が死ぬたびに兵長が言ってくれた言葉を俺たちはずっと傍できいてきました 」

オルオ「俺たちが最期を迎えるときにも、兵長はきっと同じ言葉で約束してくれると信じてました 」

ペトラ「だからどんな相手であっても臆することなく戦い続けられたんです 」


リヴァイ「お前達・・・」


ペトラ「・・・だけど、あのセリフを直接きけたなんて、やっぱり嬉しいよね!」

グンタ「そうだな、俺たちもちょっとは役にたてたんだって、実感わいてくる 」

オルオ「まあ俺ほどの右腕はなかなか見つからないだろうがな・・・」

エルド「俺たちは誰よりも努力した結果としてあの場にいることを許されたんだ。

    こんな機会まで与えてもらって・・・頑張ってきた甲斐があったな 」


オルオ「これで最後に兵長を直接見れたら最高なんだがなあ・・・」

ペトラ「ちょっとオルオよくばりすぎだよ! 」


リヴァイ「・・・この扉を開けるとどうなる? 」

エルド「悪霊はいませんよ(笑)。我々がいるだけです

    兵長が危険を顧みず、毎日一晩中、我々の遺品を探してくださった、そのおかげで、

    我々はちゃんと意識を保てていますから 」

リヴァイ「ならば・・・」

グンタ「しかし我々の姿は、兵長が知っている時のものではないかもしれません

    もちろん我々同士には生前のまま見えていますが 」

リヴァイ「なら問題ない。俺は見てくれなど気にしないからな。開けるぞ 」


ガチャ・・・ガチャガチャ


リヴァイ「開かねえぞ。エルヴィン、外からも鍵をかけてるのか? 」

エルヴィン「いや、お前がいま開けた内側の鍵だけだ 」

リヴァイ「どういうことだ・・・外から抑えてるのか? 」

オルオ「す、すみません兵長。言いだしておいて何ですがやっぱりダメです 」

リヴァイ「何故だ 」

オルオ「・・・・ここにひとりバカ女がいます 」

ペトラ「・・・?!」

オルオ「ちっせぇ頃に兵長の巨人殺しを見て一目ぼれして、

    調査兵団まで入って、死ぬまで兵長を思い続けた筋金入りのバカ女でして 」

ペトラ「ちょ、オルオ、やめてよ、何言って」

オルオ「兵士としての技量は高くても、口は悪いわガサツだわ女としちゃ全然なってないんですが

    料理はまあ食えるし、必要な手順さえこなせば嫁にしてやってもいいくらいには面も悪くない 、
   
    そんな奴なんです 」

ペトラ「・・・オルオ・・・」

オルオ「兵長はきっと生前のまんまの俺たちを想像してくださってるんでしょう。

    だから俺たちはともかく、このバカ女だけは記憶のままの綺麗な面で覚えていてやって欲しいんです 」

ペトラ「オルオ、いいんだよ私は!みんなだって兵長に会いたいよ、見たいよ!私だって!

    なんだったら私だけ後ろ向いてたって」

エルド「よく考えたらその通りだな、きっと今の俺たちを見たら兵長に雑巾がけされちまう 」

グンタ「きっと埃の塊みたいなもんだろうから消滅するな、ハハハ! 」


リヴァイ「・・・・ 」


シュルッ、サラサラ、キュッ


リヴァイ「これで俺はお前達の姿は見えねえ。ドアを開けるぞ、オルオ、そこをどけ。 」

オルオ「は、はい! ???」


ガチャ・・・・ギィィィィ


エルド「・・・・・・あ・・・あぁ・・・・・兵長だ・・・・・・」

グンタ「・・・・お変わりなく・・・・」

ペトラ「スカーフで目隠しを・・・してくださったんですね・・・・」

オルオ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


エルド「リヴァイ班! 兵長に敬礼を捧げよ!!!」

グンタ・ペトラ・オルオ「は!我々は、兵長に、調査兵団に、人類に、永遠にこの心臓を捧げます!」


リヴァイ「 ・・・返礼だ。 俺もお前達にこの心臓を捧げよう。

     お前達の意思とともにこれからも巨人を削ぎ続けることを誓おう。

     そして今一度約束する、必ず巨人を絶滅させるとな!」


リヴァイ班「・・・・兵長・・・・・・・・ありがとうございます・・・・・」


エルド「・・・・それでは我々はもう行きます・・・」

リヴァイ「ああ」

グンタ「俺たちの分まで巨人を。頼みます 」

リヴァイ「ああ」

ペトラ「お体に気を付けて・・・どうか・・・生きてください・・・」

リヴァイ「・・ああ」

オルオ「こっちに来るときには巨人絶滅の土産話がないとだめですよ 」

リヴァイ「ああ・・」


エルド・グンタ・ペトラ・オルオ「ご武運を!!!!」


ザァッ・・・・・・


____________________



エルヴィン「私たちは先に戻る。リヴァイはここの後片付けをしておけ。

      これは命令だ。ここは明日一杯まで立ち入り禁止としておく 」

リヴァイ「・・・・・・了解した 」


ザッザッ


ハンジ「・・・もうだいぶ城から離れたよ」

ハンジ「・・・ほら、涙と鼻水拭きなってエルヴィン 」

エルヴィン「・・・お前こそ、ゴーグル曇って前見えてないだろう 」

エルヴィン・ハンジ「・・・・・・・」ゴシゴシ


エルヴィン「良い部下を持ったな、リヴァイ 」

ハンジ「彼が兵士に慕われるのは強いからってだけじゃないからね 」

エルヴィン「俺と同じように行動しても、俺と違うように考える。

      今回は俺もいろいろと勉強になったよ 」


ハンジ「ところで、ドアの外の彼らの姿、見た? 」

エルヴィン「ああ、見たよ。 綺麗な、生前のままの姿だったな 」

ハンジ「どうしてリヴァイに教えてあげなかったんだい? 」

エルヴィン「どうしてだろうな・・・なぜか彼らがそれを望んでいないように思えたんだよ 」

ハンジ「仮初の生、か。多くを与えられれば余計に辛くなるのは確かだろうね・・・ 」

エルヴィン「 ・・・・それに、リヴァイも涙なんか見せたくなかっただろうからな 」

ハンジ「・・・。(何だかんだいってリヴァイをよくわかってるんだな、エルヴィンも) 」



3日後。


コンコン

リヴァイ「エルヴィン、ちょっといいか?」

エルヴィン「ああ、リヴァイか。 かまわないよ 」

リヴァイ「明日から訓練に復帰しようと思う」

エルヴィン「・・・もう膝はいいのか? 」

リヴァイ「怪我はとっくに治ってる。・・・飛べなかったのは別の問題だ 」

エルヴィン「問題は解決した、と考えて良いのか? 」

リヴァイ「ああ・・・お前とハンジと・・・多分エレンの協力のおかげでな 」

エルヴィン「いや、お前自身の力だろう 」

リヴァイ「お前にひとつ言っておきたくて 」




エルヴィン「私にも、か? 」

リヴァイ「お前は俺が、全ての選択をお前にまかせっきりにしている、と思っているようだが・・・」

リヴァイ「俺はお前の命令に従うことを、毎回 "選択" している 」

エルヴィン「・・・・・・」

リヴァイ「俺はお前を信じ、お前にこの命を預けている。だからこそ"お前の命令に絶対従う"という"選択" ができる 」

リヴァイ「あいつらと同じだ。これは俺自身の選択に他ならない。 結果どうなったとしても俺の責任だ 」

リヴァイ「前回の作戦がもしお前の指示だったとしても、俺は同じように飛べなくなっただろう 」

エルヴィン「・・・・・・」

リヴァイ「そういうことだから、まぁせいぜい上手に使ってくれ、俺たちの命をな 」

エルヴィン「・・・肝に銘じておこう 」


バタン・・・・


バタン・・・・

ハンジ「・・・行った?」

エルヴィン「ああ」

ハンジ「どう、子供が巣立った親の気分は 」

エルヴィン「あれは巣立ったというより依存に近い気が・・・ 」

ハンジ「ま、元気になったんならいいじゃない。 ところで今日は新しい巨人の研究の承認が欲しくて来たんだ! 」

エルヴィン「あの奇形の巨人か?」

ハンジ「違う違う!もっと画期的なんだこれが! ねえ、女型やエレンみたいな知性巨人がもっとたくさんいて

    そいつらが全員味方だったらどう? すっげぇぇぇ戦力じゃない?! 」

エルヴィン「それはそうかもしれないが、まだどうやって巨人になるのかも解明できてな」

ハンジ「ハーフだよ、ハーフ!」

エルヴィン「は?」


ハンジ「巨人と人間の子供だよ! 半分は巨人の血が流れてるんだからさ、5メートル級くらいにはなるんじゃない?!」

エルヴィン「しかし巨人には生殖機能はないんだろう? 」

ハンジ「ほら、いるじゃないか、たぶん健康な男子の体を持った巨人がさあ! 」

エルヴィン「・・・エレンのことか?それはまずいだろう、却下だ却下 」

ハンジ「えぇ~、いいじゃん、お相手は私がするからさあ!」

エルヴィン「なおさら悪い。エレンにだって選ぶ権利くらいある。 だいたい子供が腹の中で巨人化したらどうするつもりだ ?」

ハンジ「うーん、それはちょっと困るな、研究できなくなる。

    じゃこんなのはどう? エレンの血をちょっと貰って、皆にちょっとずつ注入する!

    確かエレンもなんか注射されたんだろう? うまくいけばみんな怪我とかあっという間に治ったりして・・・」

エルヴィン「・・・みんなそろって巨人になって暴走したりしてな。

      わかったから、じゃあ書類にまとめて提案書を出しておいてくれ 」

ハンジ「えぇー、エルヴィン積ん読になるからいつになるかわからないじゃん~ 」

エルヴィン「これから会議があるので失礼するよ 」

ハンジ「ちょっとまってよ、じゃあこういうの・・・」


バタン、バタバタバタ・・・


何だかんだでみんなから頼りにされてる調査兵団長のエルヴィンお父さん、がんばれ。

おしまい。

このSSまとめへのコメント

1 :  ナギ   2015年03月03日 (火) 17:02:51   ID: jVZiKo0y

リヴァイ班一番すき(´;ω;`)

2 :  SS好きの774さん   2018年09月24日 (月) 06:21:26   ID: Rvp8aSB6

良かった

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