進撃の少年(24)

エピソード0 『鳥籠の街』

科学で超能力が解明され、数十年が経った世界。
極東の学園都市は科学の最先端を行き、日本中から
優秀な学生が集まっていた。とある晩、市立姫神高校に
入学したエレン・イェーガーは、レストランで、不良に
絡まれている少女に遭遇する。彼女を助けようとしたが、
不良が仲間を呼んで逃げる事になる。やがて鉄橋まで
辿り着くと、先ほどの少女と再会する。小柄で可憐な少女は
笑いながら、不良を始末した事を伝える。ここは学園都市。
物事を超能力で解決する、恐ろしい街だった。

エピソード1 『ミカサ』

エレン「ここが日本か…」

ふと、黒髪でグリーンの瞳の少年はつぶやいた。
厳重な監視が置かれている飛行場から、電車に
揺られて降りると、そこは平穏な空気が漂う
『学園都市』という地域だった。

エレンが生まれ育った国では常に壁で囲まれており、そこで
暮らす人々はまるで殺気にまみれた様に、『ある種族』と
交戦状態にあった。

一方で、正反対の様に綺麗に区画された日本の街並みは
エレンが今まで観てきた世界とは比べ物にならなかった。

エレン「と、とりあえず…姫神高校ってどこなんだろう」

少年はバス停を探しに行った。

エレンは転入先である姫神高校行きのバス停を目指して、
手書きの地図を広げていた。

エレン「日本って、飛行機から見ると小さいのに、なんで
    こんなに広大なんだ…」

エレンが学園都市の地図を睨み付けながら、見ていた矢先。
後ろから、声がしてきた。

???「あ。あの~」

エレン「!?」

???「あ、す、すいません…。怪しい者じゃないんですが…」

エレンに声を掛けた少女は、顔は東洋人の学生服という
服装をしていた日本人だった。なぜか、頭の髪飾りが
大量の花を植えてあり、その姿は面妖であった。

エレン(え、どう見ても怪しいだろ!)

エレン「お、お前は…誰なんだ!」

ふっと身構えて、後ろに下がるエレン。
訓練兵団に習った格闘術を思い出していた。

アニーという金髪の少女に感じた、得体のしれない
威圧感を、花飾りの東洋人から感じていた。

???「ち、違います! 怪しい者じゃありません!!
    私はジャッジメントです!!」

エレン(ジャッジメント…裁きを下すもの…こいつ、まさか
    日本の特殊部隊か何かなのか!!)


ますますエレンは拳を握りしめ、東洋人の足を払おうと
蹴り上げようとしていた。

???「え? あれ…? 誤解が解けてない!?」

エレン(一見こいつは可憐で弱そうな女の子を演じていたが…
    もしかして俺の身体の秘密を探ろうとする組織の
    人間なのか!?)

と、エレンが睨み付けていた瞬間。

突然視界に、イチゴ模様の下着が入ってきた。


エレン「な…」

???「ちょ…」

???「う、い、は、るぅーーーーーーーーー!!」

突如現れた黒髪ストレートの女性。そして飛び出す謎の言語。


???「きゃあああああああああああああ」

花飾りの東洋人はスカートを抑えて、必死に先程の光景を
無かったことにしようともがいた。

エレン(な、なんだった…んだ? 俺は…何を…見せられた!?)

初春「さ、佐天さん!! なんで修羅場でいきなりスカートをめくるんですか!?」

佐天「いやぁあ。なんか初春が居るなぁと思って。そしたら空気が重い。
   よし、ここは変えますかぁと」

初春「い、言っている意味が分かりません!!!」

佐天「で。コイツ誰?」

初春「状況分からないでスカートめくった事には謝罪しないんですか…。
   地図を広げて、学園都市をウロウロしていた外国人の方を、私達
   ジャッジメントは見過ごす事は出来ません!」

佐天「あ~…確かに。ここに来る外国人ってスパイ多いしね」

初春「違います! 私は道案内してあげようとしていただけです!!」

エレン(な、なんだ…。俺を消そうとしていた訳じゃなかったのか)

黒髪ストレートの少女は、名前を佐天涙子といった。

そしてエレンに学園都市の道案内をしようとしていた
少女は、初春飾利という名前であった。

エレン「で、アンタたちは友達なのか?」

佐天「まあ、恋人?」

エレン「何!」

初春「佐天さん…いい加減にしないと今度ネットで佐天さんの
   眉毛姿をアップしますよ…」

佐天「ちょ、ちょ、ちょ! 初春、冗談だってばぁ♥

酷い茶番劇を見せたられたエレンは疲れた様子で
初春と佐天からバス停の場所を教えてもらい、
なんとかバス停まで辿り着いた。

エレン「はあ…俺、日本人の考えている事が分からないや。」

エレンが知っている東洋人像は、大人しく物静かな印象だった。

エレン「あいつ…今頃は何をやっているんだろうな」



エレンがバス停から降りると、木造で出来た校舎が目に映った。
最新型の施設がやたら目立つ学園都市では、やけに古い建物で、
それは築何百年かと言う代物であった。

エレン「こ…これが…俺が今日から通う学校…!?」

エレンが戸惑っていると、後ろからいきなり冷たい声が響き渡る。

???「おい……」

エレン「!? は、はい……。 え?」

???「どこの生徒だ…お前」


エレンが振り返ると、身に覚えがある姿が映り込んだ。
刈り上げた髪型、死んだ魚の様な鋭い目つき。そして
背が低いジャージ姿の男。リヴァイ兵士長にそっくりだ。


エレン「り、リヴァイ兵士長!?」

???「・・・・・・・はぁ? 俺は神谷って名前なんだが」

エレン「神谷? 冗談は止してくださいよ、リヴァイ兵士長」

神谷「おい…てめえ…さっきから質問に答えろって言ってんだよ…」

エレン(あ、あれ…なんでだ…。顔や声もリヴァイ兵士長なのに、
    なんだか雰囲気が違うような…)

神谷「さてはお前…。最近学園都市で見かけている変質者か。
   うちの学校に忍び込もうといい度胸だな」

エレン「ち、違います! 全くの人違いです!!」
   
神谷「選べ」

エレン「は?」

神谷「今ここで首をへし折られるか、それとも社会的に抹殺されるか」

両肩を掴まれたエレンに激痛が走る。

物凄い握力を感じたエレンは必死に誤解を解こうとする。

エレン「違うんです! 俺が知っている人と貴方が凄く似ていたんで、
    勘違いしただけなんです!! 俺はバカなんです!!!」

神谷「お前が軽率なのは分かるが…どう見ても、学生服じゃない姿と
   腰につけた如何わしい物体を見る限り、お前が何者か知らねえが、
   敵意ある奴と見た」

エレン(はっ! しまった。立体機動装置を付けたままだった!)

神谷「うちの学校に忍び込んで、その妙な機械で盗撮しようとしていた訳か。
   ・・・・・・・・お前、生きてここから帰れると思うなよ?」

ふとエレンは考え込んだ。どうする、立体機動でリヴァイ似の男の
頭上にアンカーをぶち込み、木々を移動しながら、ここを去るか。

それとも指を噛み切り、巨人になってここから立ち去るか。

エレン(これしか……ないよな…)


エレンは突如、両膝を曲げた。
そして頭と手を下に付いた。


神谷「・・・・・・・何やってんだ、お前」

エレン(アルミンから聞いた事がある…日本人が間違いを犯した時に、
    腹切りと同じくらいに、相手に誠意を見せる技があると!)




土下座。侍が格上の者、もしくは失態を見せた際に、相手に許しを
こうべき時に見せる行為を指す言葉。エレンはそう教わった。

エレン「すいませんでした!!!」

神谷「あ?」

エレン「俺が、ただ言葉足らずの為に! ただいたずらに貴方を
    怒らせてしまい、無駄な時間を取らせてしまって申し訳
    あり-」

エレンが謝罪の言葉を述べている途中で、下あごに激痛が走った。
無慈悲に神谷のローキックがエレンに直撃し、舌を噛み切った。

エレン「ふごぉっ!!」

神谷「ごちゃごちゃうるせーんだよ…。まずお前が何者で、
   うちの学校に何の用で来たかと、さっきから聞いているんだ」

口から血反吐を吐きながら、必死に巨人化を抑えながら、
神谷と名乗るリヴァイ似の男に説明した。

エレン「俺は…エレン・イェーガーです…。海外留学で
    学園都市にある、この姫神高校へ今日から通う為に
    ここまで来ました」

神谷「・・・・・・・ああ。今日来るって朴から聞いた転校生か。」

エレン「! そ、そうです!!」

神谷「嘘だな」

エレン「え」

神谷「お前が本当にエレン・イェーガーなら、俺に学生証を
   見せて、教室までの道案内を頼むはずだ」

エレン(は!)

神谷「わざわざ俺がどこの生徒だと、訪ねた際にもお前は
   学校名も名乗らず、俺の質問を無視した」

エレン「い、いえ! あの時は俺も気が動転してて…」

神谷「それに学生なら、学校で支給された筈の制服を着て、その
   腰に付けた機械を置いていくのが、普通だよな?」

エレン「普通じゃないんです」

神谷「…あ?」

エレン「俺たちが…いえ、俺が生まれた国では、常に危険に備えて
    武装していないと生きていけないんです。そう、奴らが-」

神谷(・・・・・・・いきなり語り出した?)

エレン「俺が生まれたシガンシナという場所は、巨大な壁に囲まれて、
    みんなが平穏な日々を送って生きていました。そう、生きて
    精一杯生きてきたんですよ!!
    必死に!!!」

神谷「・・・・・・・・・・・・・」

エレン「壁を信じていた人は100年も続いた平和にうかれました。
    しかし、あの日。俺たちは知ったんです。
    奴らに飼われていた事を…。
    そして俺の母親や知り合いは、みんな殺されました。
    安息の時間に縛られていたんです。」

エレン「だから俺たちは常に身を守るべき服装を心掛けてます!
    俺は貴方の国を理解しようとしたいです!!
    でも、貴方も俺の国の事を理解してほしい!!!」

神谷(・・・・・・・こいつ・・・・・・)

エレン「それぞれの国には文化や決まり事があるはずです!! 
    俺の国では、この格好が普通で、貴方の国では
    異常に映るかも知れません!!
    ですが、これが俺なんです!!!
    俺はありのままの自分を晒す事で日本の人々に
    俺の国で起こっている惨状を知ってほしいんです!」

神谷「・・・・・・・・・・・・・・・・」

エレン「俺が海外留学を決めた時も、故郷に居る仲間の安否を
    心配しながらも、日本の学園都市に知ってほしかった!
    世界にはこんなにも酷い場所がある事を!!!」

神谷「・・・・・今の話はマジなのか?」

エレン「俺は訓練兵団入団の時に、王に心臓を捧げる気持ちで
    入った時から、嘘はつかないと決めました!!
    俺の眼は嘘をついていると思うんですか!!!」

エレンは必死の表情で、依然無表情の神谷に訴えた。
土下座で両足は痺れながら、痛みに耐えて語った。

神谷(・・・こいつとこれ以上関わるとヤバそうだな…)

エレン「イスラム教徒だって女性が覆面を付けるじゃないですか!
    俺の国では腰に立体機動装置を付けるのが当たり前なんです!!」

神谷(・・・・・・・外人って訳が分からねえ)

神谷はため息を吐くと、エレンに手を差し伸べた。

神谷「とりあえず…お前。膝汚れているし、職員室に来いよ」

エレン(やった……ついに俺の熱意が通じた!?)

神谷(あとでアンチスキルに連絡しておこう)

エレン「・・・・・・・やっと・・・・
    俺の事を、理解してくれたんですね…」

神谷「ああ。(お前がヤバい奴だってな)」



エレンは喜びに震えながら、神谷が差し伸べた手を
取ろうと右手を差し出した-



次の瞬間。



突如エレンの右腕が巨大化し、膨れ上がった。
巨大な右手は神谷の身体を包み、そして握りつぶした。
エレンの掌から臓物と目玉が飛び出した。

エレン「あああああああああああああああああああああああああああ」

「・・・・・・・・ミ・・・・・カ」


「ミ・・・・・・カ…サ」


「御坂……」


ふと、誰が呼んだ声がする。目蓋に水が入ったように濡れている。

「御坂さん?」

御坂「ふえ!?」

突然、机から顔を上げた茶髪の少女。視界に飛び込んだのは
自分よりも年上で、眼鏡をかけた女性だった。

???「眠っていたところ悪いんだけど、緊急事態よ」

御坂美琴。学園都市に7人しか居ない『超能力者(レベル5)』の
序列第3位の実力を持つ少女である。

御坂「す、すいません…いきなりお邪魔しておいて、寝てて…
   固法さん、一体どうしたんですか?」

固法美偉。学園都市が誇る学生だけの危機管理組織『ジャッジメント』に
所属する、高校生である。

御坂「なにが起きているんです?」

固法「口で説明するよりも、テレビを見た方が早いかもね」

テレビのリモコンを手に取り、ニュース番組を映す固法。

御坂は驚愕した。目の前には見た事が無い巨大な生物が
学園都市に出現した事を伝えている報道官と、その巨大な
生物が叫びながら、暴れている姿を。

御坂「・・・・・な、なんなんですか! これは!!!」

固法「それが分からないの…AIM拡散力場の暴走で起こった
   AIMビーストの類かなと、調べたんだけど、正体不明なの」

御坂は今起きている現状に寒気を覚えながらも、
冷静に自分を取り戻した。

御坂「黒子と初春さんたちは?」

固法「既にアンチスキルと出動したわ」

御坂「……あの化け物、どうやって侵入したんですかね」

固法「分からないわね…。おそらく、私たちが知らない能力者が
   暴走したのか、それとも学園都市で研究していた生体兵器が
   逃げ出したかも知れないわ。」

御坂は話を半分まで行くと、黙って立ち上がり、
部屋を出て行こうとする。

固法「御坂さん…いえ、超電磁砲(レールガン)。
   あなたに迷惑をかけて申し訳ないけど…」

御坂「ま、大丈夫ですよ。あたし、こういう事には慣れているんで」

固法「・・・いってらっしゃい。無茶だけはしないでね」

御坂「ありがとう」
                   エピソード1『ミカサ』 終り

やっぱ俺才能ないわwww
書いている途中でつまらんwwwwwwwww

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