ハンナ「私がおばあさんになったら」(38)

初めてこういったところに書き込むので、色々と不慣れですが、よろしくお願いします。
初の掲示板SSです。書きため等していないのでゆっくり書いていくことになると思います。

ステンバイ!

ハンナ「……28、29、30!」
ハンナ(胸骨圧迫30回、人工呼吸2回、胸骨圧迫は毎分100回以上。
大丈夫。座学で習ったことたまから。きちんと覚えてる。
息を吹き込む。フランツの胸があがる。大丈夫、まだフランツは生き返る)
ハンナ「ねえ!フランツ!目を覚まして!」
ハンナ(視界がぼやける。涙がフランツの身体に落ちる。フランツ、ねえ、返事をしてよ……)

アルミン「……ハンナ?」
ハンナ「アルミン!助けて!フランツが息をしていないの!」
ハンナ(座学1位のアルミンなら、大丈夫。フランツは生き返る)
ハンナ「さっきから、何度も……何度も何度も!蘇生術を繰り返してるのに!」
アルミン「ハンナ、危ないから屋根の上に……」
ハンナ「フランツを置いて行けないでしょ!」
アルミン「違うんだハンナ……フランツはもう……」

ハンナ(アルミンは何故か、悲しそうな目をして去っていった。どうしたんだろう。アルミンは誰か、親しい人を亡くしたのかもしれない。私にはフランツがいるけど、アルミンにはもういないのかもしれない)
アニ「……あんた、何してるの」
ハンナ「何ってアニ!フランツを蘇生させてるの!早くしないとフランツが死んじゃう!ライナーもベルトルトも手伝って!」
ライナー「……とりあえず、ここは危険だ。一旦屋根の上に昇るぞ。フランツは俺が背負うから」バシュッ
ハンナ(ライナーはフランツを背負って、立体機動装置のアンカーを発射した。次にベルトルト、アニ、そして私が続く)

ハンナ(屋根の上は瓦ばかりで、ゴツゴツしていて、フランツを横たわらせるのには向かなそうだ。せめてもの気休めに、私のジャケットを下に敷いて、その上にフランツを横たわらせる。そのとき持ったフランツの身体は、異様に軽かった。まるで、身体中の血液を全て失ったように。下半身を巨人に食いちぎられたように)
ハンナ「ライナー!早くフランツに胸骨圧迫して!私は人工呼吸をするから!」
ライナー「あ、ああ……」
ハンナ(ライナーは何故か一瞬躊躇ったけど、それでも胸骨圧迫をしてくれた。肋骨が折れる音がしたけど、肋骨だけの損失でフランツが生き返るのなら安いものだ)

ハンナ(大丈夫……このまま続けていれば、フランツは生き返る……。フランツは生き返って、またあの笑顔を見せてくれる……)
ベルトルト「……ねえ、ライナー。もう、やめなよ」
アニ「ベルトルトの言う通りだ。何の意味のないことをやってどうするんだよ」

今さらですが、ネタバレ注意です

ハンナ「な、何の意味もないってどういうこと?!フランツは!もう少しすれば生き返る!だから私はこうして蘇生術を……!」
アニ「あんた、わかってるんだろ?見えてるんだろ?だったら目を逸らすなよ」
ベルトルト「ねえ……フランツはもう……」

ハンナ「……え?」
ハンナ(フランツの下半身に目をやると

そこにはもう

あるべきものが

根こそぎ

奪われていた)

うわぁ・・・よく考えたら無茶苦茶キッツイシーンだよな、
珍しい視点って言うのもあって結構鮮明

ハンナ「なんで!」
ハンナ「何でなのよ!」
ハンナ「どうしてフランツなの?!」
ハンナ「何で、巨人に、フランツは食べられてるの?!」
ハンナ「巨人さえ、いなければ!!フランツは!!!」
ハンナ(私の大声に驚いたのか、ベルトルトがビクッと怯えた。
でも、そんなことは気にならない。
私の愛するフランツを奪った巨人が、ただひたすらに憎かった)

ライナー「……なあ、ハンナ。一回落ち着け」
ハンナ「これのどこが落ち着けるの?!あなたたちはこんな経験、ないでしょう?!」
ライナー「……俺達だって、今、沢山の仲間の死を見てきた。それに昔、大切な親友を失ったことがある。錯乱する気持ちはわかるが、落ち着け。ここは戦場だ。お前は兵士だろう?ここで取り乱すと、大変なことになるのはわかるな?」

改行してくれ
見づらい

ハンナ(…頭では理解できているつもりなのに、どうしても行動が抑えられない。私の口から出た返事は、言葉ではなく、嗚咽だった)
ハンナ「……う、うう………ひっく………ぐすっ」
ハンナ(きっと私は、最初からわかっていた。フランツが二度と目を覚まさないことに。でも、目を逸らしてた。それどころか、いつか死ぬかもわからない地上にとどまっていた)

>>14
すみません。改行するようにします

アニ「……きっとあんたは、フランツと一緒に死ぬつもりだったんだろうね」

ベルトルト「……でも、フランツはきっと、ハンナに死んでほしくないと思う」

─────
───────

フランツ「僕が、君を守るから、ハンナ……」

───────
──────

はわ

誤字失礼しました

ハンナ「ごめんなさい、フランツ……」

ハンナ「私が死ねば、あなたのことを思い出すこともなくなってしまう……あなたとの思い出もなくなってしまう………」

ハンナ「あなたへ抱いた気持ちも、あなたから貰った感情も、全部……」

ハンナ(私はその場に泣き崩れた。アニが私の頭を撫でてくれる)

ハンナ(あなたの分まで私は生きる。生きてみせる)

ハンナ「……ねえ、ライナー。フランツを背負ってもらうわけにはいかない?」

ライナー「俺も背負いたいのは山々だが……すまない、もう、ガスの残量が少なくてな。
人一人かかえての立体機動は、難しそうだ」

ハンナ(ライナーは、フランツのことをきちんと一人とカウントしてくれた。
それだけでも嬉しかった。
大丈夫、私は、わがままは言わない。
フランツ以外には)

ハンナ「そうね……うん、大丈夫」

ハンナ(でも、フランツの形見を、何か持って帰りたい。
とりあえずは、私とお揃いで買った指輪と……)

アニ「他に持って帰れそうな物か……」

ライナー「こいつの場合、遺髪とかは無理だよな……」

ハンナ「……フランツの訓練兵のジャケットを脱がせられるかな。死後硬直とか、してないと良いけど……」

ライナー「ん?……よいしょっと」

ハンナ(ライナーは少し苦労しながらも、フランツのジャケットを脱がせてくれた。私は、私よりもだいぶ大きいフランツのジャケットに腕を通す)

あな

切ない……でもそこが良い。頑張って。

アニ「……それ、立体機動に邪魔にならないかい?」

ハンナ「これが邪魔になるんだったら、フランツが邪魔になるってことだから。
フランツが邪魔になることはないから、大丈夫」

ライナー「お熱いことだな」

ハンナ「いやそんなライナー。お似合い夫婦だんて早いわよ///」

ハンナ(フランツは私のジャケットを敷いている。フランツには小さいから、仕方ないわよね)

ハンナ(フランツのことは置いて行くしかない。私だってガスが十分にあるわけじゃない)

ハンナ(でも、私は、フランツのことを愛している)

ライナー「向こうにジャン達が集まっているな。行ってみるか。このガスの残量では壁を登れないし、集まった方が良いだろう」

ハンナ「……うん!」

ハンナ(最後にフランツの顔を見る。

とても気持ちよさそうな寝顔だった)

ハンナ(──トロスト区を奪還したあと、私はフランツがいるはずのところへ向かった)

ハンナ(もう、彼はいなかった)

ハンナ(もう火葬場へ運ばれたのか、それとも巨人に食べられてしまったのかはわからない)

ハンナ(最後には逢えなかったけど、それでも)

ハンナ「それでも良いんだ」

──────
フランツへ

お元気ですか……って訊くのも変ね。

私は、元気にしています。

無事に、調査兵団に入ることができました。

……ごめんね、フランツ。二人で駐屯兵団に入るって約束だったのに。

でも、あなたが死んで、それで私、考えが変わったの。

『私みたいに悲しむ人を増やしたくない』
そう、思ったの。

調査兵団に入ったのは、合計21人でした。

うちの成績上位者がほとんど入ってるから、私としては少し、肩身が狭いかな?

……私の討伐数は、まだ0だけど、でも、応援しててね!

そっちには、ミーナやトーマス、他にも皆が行ったと訊いています。

……ミーナが可愛いからって、浮気したら許さないんだからね?

調査兵団にいるのは、正直大変。

あなたがいたら良いのに、っていっつも思ってる。

でも、寂しいからって、すぐそっちには行かないわよ?

先にそっちに行っちゃった罰として、たっぷり待っててもらうんだから!

私は、80歳まで生きてやるわよ!

ついに…本題来ちゃったか…

でも、私がおばあさんになったら、あなたは気づかないかしら?

そんなこと、ないよね。私がおばあさんになっても、あなたは私を愛してるって、信じてる。

私も、あなたが大好きよ。


愛してる。

──────

調査兵団兵A「あれ?あんなところに訓練兵の女の子がいるじゃん」

調査兵団兵B「本当だ。なんかジャケット、やけにでかくない?」

調査兵団兵A「訓練兵のお嬢さん、どうしたの?調査兵団本部に何の用?」

ハンナ「あら、坊や達。訓練兵をナンパなんて、お暇なのね」

調査兵団兵B「(な、何でこんなババアが訓練兵なんだよ!!)」

ハンナ「でも残念。私には、愛してる人がいるから、ナンパはお断りしてるの」

エレン「おいハンナ!会議始まるぞ、早くこいって!」

ハンナ「あ、ごめんごめんエレン!今行くわ!」

ハンナ「それじゃあバイバイ、坊や達!」

調査兵団兵A「…………今のって、エレン兵士長だよな」

調査兵団兵B「……何で訓練兵のババアがエレン兵士長と知り合いなんだよ………」


かなり大きい訓練兵のジャケットを靡かせ、左手の薬指には二つの指輪をして、彼女は今日も剣を振るう

Fin

最初一気に絶望して結局凄く穏やかなハッピーエンドになったな。
すっごく良かったです!読んでよかった!

お付きあいくださった方、ありがとうございました。

これでこの物語は終わりになります。

読んでくださった方に沢山の感謝を



ハンナ…(;´д⊂)

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