エレン「仕事見つかんねぇな」 ミカサ「うん……」(67)

──850年 巨人達が姿を消した……。

突如地上から姿を消した巨人達の噂は全人類領域内に知れ渡った。

始めは駐屯兵団の勘違いによるものとされていた。

真意を確かめる為に調査兵団によって第57回壁外調査が行われ、この噂が事実であることが証明された。

巨人が居なくなったことによって壁外へと進出した人類は、生活圏を急速に拡大させた。

一方、巨人という天敵が姿を消したことにより急激な軍縮が行われた。

憲兵団の一部を除き全体の7割以上にも及ぶ兵士たちが強制的に除隊となり、無数の失業者を生み出す結果となった。

兵士たちは巨人との戦いから就職先を探す戦いへと身を投じるのであった──。



──シガンシナ区 イェーガー家跡地

エレン「仕事見つかんねぇな……」

ミカサ「うん……どうしよう……」

※就活話ではありません
-------------------

エレン「今んとこ失業手当は貰えてるし、仮設住宅も建てて貰えたが……」

ミカサ「働かなくては食べれない……」

アルミン「だ、大丈夫だよきっと!きっとすぐ見つかる!まだ若いし!」

エレン「アルミンはもう決まったようなもんだからな」

ミカサ「羨ましい」

アルミン「まだ決まったわけじゃ……技研の面接はこれからだし」

エレン「とは言っても元訓練兵団からの推薦だろ?」

ミカサ「技研から指名されたと聞いた」

アルミン「ま、まぁ……そうなんだけど……あ、そうだ!僕と一緒に技研受けてみようよ!」

エレン「え?俺らも?」

アルミン「そう、3人で行ってみようよ!2人とも上位10名に入ってたんだし、きっといい待遇受けれるよ!」

ミカサ「そう上手くいくとは思えないけど……」

エレン「まぁ悩んでいてもしょうがねぇし、試しに行ってみるか!」

アルミン「そうだよ!僕が案内するね!僕が受けるとこはマリア内地にあるとこだから馬車に乗っていこう」

──シガンシナ駅

アルミン「えぇ~っと次の馬車は……後2分だって。丁度良かったね」

エレン「技研って頭使うとこだろ?俺体使うほうが好きなんだよな……」

ミカサ「私もどちらかと言えば……」

アルミン「い、いまさらそんな事言わないでよ……」

小鹿「馬車が来るぞ!全員白線の内側まで下がれ!近づくのは危険すぎる!!」

エレン「あの人は……元駐屯兵団の……?」

ミカサ「名前は知らないけど、確か偉い人。隊長をしていたはず」

アルミン「あんな人までリストラか……大変だね……」

ピクシス「相変わらず小鹿のように繊細な割には声の大きい男じゃ」

アルミン「ピクシス司令!?」

エレン「確か南側領土の最高責任者だった人だろ……?」

ミカサ「今は駅長さん……?」

小鹿「指差呼称で確認するのは規則で定めれてた作業!決められた規則に則って行動するのが社員の務めだ!私は間違っていない!」

ピクシス「面倒くさい男じゃのぅ……ワシが命ずる!その規則を撤回する!……丁度酒も飲みたかったしのぅ」

エレン「好き勝手やってるな」

ミカサ「楽しそう」

アルミン「でもここで働きたくはないね……乗ろうか」

エレン「そうだな」

ミカサ「そう、私達も司令達のように再就職先を見つけなければならない」

リコ「発車準備、完了しました」

小鹿「送るぞ!私は発車合図を送る!」

ピクシス「さっさと送らんか」

アルミン「早くしてくれ」

──ウォール・マリア内地~とある技研の正面玄関

アルミン「ここだよ」

エレン「へぇ~、結構大きいんだな」

ミカサ「マリア陥落前までは大砲の照準器などを扱っていたらしい」

アルミン「とにかく入ろう……あ、こんにちは~」ガラッ

エレン「こんちはー」

ミカサ「こんにちは」

受付嬢「面接の方ですね?案内の者を呼びますので──」

職員A「はっ!?き、君がアルミン君だね!?」

アルミン「うぇ?!は、はい!」

職員B「誰っすか?知り合い?」

職員A「バカ!あのアルミン君だぞ!アルミン・アルレルト!」

職員B「アルレルト!?あの!?」

エレン「お前有名人なの?」

職員A「彼は訓練兵団に居ながら次々と革新的な技術を考案した天才だぞ!?」

ミカサ「……そうなの?」

アルミン「身に覚えがないけど……」

職員A「ライフリングや自動装填、速射機構などは全て彼のアイデアによるものだ!」

エレン「なに言ってるかはほとんど分かんねぇけど……そうなのか?」

アルミン「そんな事もあったような……」

職員A「やはりそうか!よくこの研究所に来てくれた!兵器開発部門は廃止だが、これからは民生品の発展が不可欠なのだ!」

職員B「そこの2人!案内ご苦労!もう下がっていいぞ!」

エレン「え、いや……」

ミカサ「私たちは……」

職員A「さぁアルミン君!君の席はもう用意してあるよ!さぁさぁ──」

エレン「……俺達は無理だったみたいだな」

ミカサ「……最初から勝てない戦いだった」

エレン「どうすっか」

ミカサ「せっかくマリアの内地来たのだから、もう少し見ていこう」

エレン「確かスプリンガー牧場がこの辺にあったよな」

──ウォール・マリア~スプリンガー牧場

エレン「確かコニーとサシャが経営してんだよな」

ミカサ「あの2人がまさか結婚するとは思わなかった」

エレン「確かに意外だったよな」

ミカサ「わ、私達もいずれ……」

エレン「そうだな、お前にも早くいい人が見つかるといいな!」

ミカサ「……」

コニー「お、エレンじゃねぇか!おーい!久しぶりだな!」

サシャ「あ、ホントですね!」

エレン「よぅコニー!サシャ!久しぶりだな!」

コニー「どうしたんだ急に?求人なら出してねぇぞ?」

サシャ「2人で頑張ってやっていくって決めましたからね!」

エレン「いや、たまたま近くに来たから寄っただけだ」

ミカサ「技研に面接に行ったのだけれど無理だった」

サシャ「そうでしたか……まだ見つからないのですね」

エレン「あぁ……」

コニー「そっか、大変だな」

ミカサ「そう、大変」

コニー「ま、すぐ見つかんだろ!」

エレン「そうだといいんだけどさ……」

サシャ「早く見つけてあげてくださいねエレン?ミカサの為にも、ですよ?」

エレン「なんでミカサの為なんだよ……まぁ頑張るよ」

ミカサ「頑張って」

エレン「お前も頑張れよ」

──シガンシナ区

エレン「結局戻ってきちまったな」

ミカサ「うん」

エレン「アルミンを見送っただけだったな……」

ミカサ「うん……」

ライナー「お、エレンじゃないか!」

ベルトルト「久しぶりだね」

エレン「ライナー!ベルトルト!何やってんだ?」

ライナー「俺達は2人で定食屋を始めたんだ」

ベルトルト「僕は料理できないから運ぶだけなんだけどね」

ライナー「何言ってんだ。お前が事務とか経理とか全部やってくれてるじゃないか」

エレン(男2人で定食屋?)

ミカサ(夫婦2人で、ならよく聞くけど……)

ライナー「どうせなら何か食っていけ。安くしてやるぞ」

エレン「──って状況だ」

ライナー「そうか……まだ見つからないのか……」

ベルトルト「大変だね……」

ミカサ「そう、大変」

エレン「外の世界を探検する為にお金が必要だってのに……」

ミカサ「結婚にも子育てにもお金がかかるのに……」

エレン「は……?」

ミカサ「私はお嫁さんになる。暫くは子育てに専念するために専業主婦。子供が大きくなって落ち着いたら共働──」

エレン「相手居ないだろ」

ミカサ「居る」

エレン「え……そうなのか……?」シュン

ライナー(いやお前のことだろ……)

ベルトルト(現実見ようよ……)

ミカサ「居る。とても大切な人が居る」

エレン「そ、それなら俺にばっか構ってないでそいつと居てやれよ……」シュン

ミカサ「だからエレンと一緒に居る」

エレン「意味分かんねぇよ……」

ライナー(そこは分かってやれ)

ベルトルト(ミカサ、大変だね……)

ライナー「今はそういう話をしてる場合じゃないだろ」

ベルトルト「仕事見つけないと」

エレン「早く見つけたいとは思ってるけどさ……」

ミカサ「失業者が多すぎる割に雇用はあまり増えていないから……」

ライナー「そうは言うが、俺達の同期の中じゃお前らくらいだぞ?」

ベルトルト「僕はあまり皆のこと知らないけど……」

エレン「そ、そうなのか……」

ミカサ「私達取り残されている……?」

ライナー「俺の知る限りだがな」

エレン「ちなみに他の連中はどこに行ったんだ?」

ライナー「この近くに幼稚園があるだろ?アニとクリスタとユミルはそこに行ってたな」

エレン「クリスタは分かるが……アニとユミルも幼稚園に?」

ミカサ「意外」

ベルトルト「結構楽しんでるみたいだった」

ライナー「就活の息抜きに見に行ってみたらどうだ?」

エレン「そうだな……見に行ってみるか?」

ミカサ「預ける前の視察は重要。見ておくべき」

エレン「預け……まぁいいか。行ってみようぜ」

ベルトルト「行ってらっしゃい」

エレン「おぅ、またな!」

ミカサ「ごちそうさま」

ベルトルト「またきてね」

ライナー「……金払えよ」

──シガンシナ区~女神幼稚園

エレン「ここだな」

ミカサ「ここがあの女の幼稚園ね……」

園児A「なんだお前ら!不審者か!?」

園児B「駆逐してやるぞ!」

園児C「様子を見ろ!近付くのは危険すぎる!」

アニ「なんだい騒がしい……ってなんだ、あんた達かい」

クリスタ「久しぶりだね!」

ユミル「なんだ、巨人バカに腹筋バカか」

エレン「よぉ、久しぶりだな」

ミカサ「ホントに幼稚園で働いてる……」

アニ「そりゃどういう意味だい?」

ユミル「お前みたいな無愛想な奴がガキの世話してるなんて聞いたら驚くだろ」

アニ「そりゃあんたも同じじゃないか」

クリスタ「や、やめなよ2人とも……子供たちが見てるんだよ?」

園児D「いいぞアニせんせー!そのぶっさいくやっつけろ!」

ユミル「誰がブサイクだ!」

クリスタ「お、落ち着いてよ……」

園児E「クリスタせんせー!結婚しよ!」

クリスタ「E君はまだ結婚できないんだよー?」

ユミル「クリスタはあたしと結婚すんだよ」

園児E「女神様がぶっさいくと結婚するわけねーじゃん!」

ユミル「あ!?」

アニ「あんたまで騒いでんじゃないよ」

エレン「すげぇ賑やかだな……」

ミカサ「ここになら安心して預けられる」

クリスタ「そういえば、2人は何しにきたの?」

エレン「ちょっと見に来ただけだ」

ミカサ「事前の視察は非常に重要」

園児C「せんせーたちの知り合い?」

クリスタ「そうだよー、先生たちのお友達なの」

園児A「不審者じゃねーの?」

園児B「つまんねー」

ユミル「ガキの預け先を見に来たのかお前ら」

エレン「ちげぇよ」

クリスタ「えっ?結婚したの?」

ミカサ「そう」

エレン「ちげぇよしてねぇよ!」

アニ「それで2人仲良く視察かい」

ミカサ「そう」

エレン「だからちげぇっつってんだろ!ってミカサ!」

園児D「こいつら付き合ってんだって!」

園児E「ちげーよ結婚してんだよ!」

エレン「だからしてねぇ!」

アニ「なに子供相手に本気になってんのさ……」

ミカサ「熱くなるとすぐ衝動的になる」

エレン「お前らのせいだろうが」

クリスタ「それで本当は何しにきたの?」

エレン「いや、俺達まだ仕事見つかんなくてさ……それで他の連中が気になって」

ミカサ「息抜き」

ユミル「お前ら夫婦揃って無職かよ」

園児A「ニートだ!ニートがいるぜ!」

園児B「駆逐してやる!」

アニ「ならこんなとこで遊んでないで探してきなよ」

エレン「それもそうだな、そろそろ行くか」

ミカサ「わかった」

クリスタ「じゃあね2人とも!早く見つかるといいね!」

エレン「あぁ、ありがとな」

──シガンシナ区

エレン「で、どうするか……ハロワ行くか?」

ミカサ「ハローワークは3か月後まで予約で埋まっているらしい」

エレン「予約ってなんだよ色々とおかしいだろ」

ミカサ「……エレン。私に考えがある」

エレン「なんだよ」

ミカサ「森で2人で静かに暮らそう」

エレン「随分といきなりだな」

ミカサ「2人で野菜を育てたり狩りをしたりして静かにくらしたい。都合よく農民(アッカーマン)と狩人(イェーガー)が揃ってる」

エレン「お金はどうすんだよ。外の世界を探検するって決めただろ?」

ミカサ「余った野菜を売ったりすればいい。もし足りなければ私が刺繍などを売る」

エレン「ありっちゃありだが……そういうのは結婚相手としろよ。居るんだろお前」

ミカサ「だからエレンと暮らしたい」

エレン「……どういう意味だ」

ミカサ「そのままの意味」

エレン「……そういう意味かよ」

ミカサ「私はエレンと結婚したい」

エレン「無駄に心配して損したじゃねぇか……」

ミカサ「他の男に取られると思って心配した?」

エレン「んなわけねぇだろ……」

ミカサ「大丈夫。私はどこにも行かない。エレンとずっと一緒に居る」

エレン「……好きにしろよ」

ミカサ「好きにする」

エレン「で、結婚するにも金がかかるぞ」

ミカサ「大丈夫、無理に式は挙げなくて構わない。一緒に居るだけでいい」

エレン「お前がそれでいいならいいけどよ」

ミカサ「そうと決まれば家を建てなければならない」

エレン「自力で建てる気か?」

ミカサ「2人で頑張ればできる」

エレン「分かったよ……」

理想
エレン「壁の外を探検するんだ!」

現実
エレン「探検したいけどお金がない、就職口もない……」

──ウォール・マリア内地~とある森

エレン「──結構なんとかなるもんだな」

ミカサ「うん、2人で暮らすには大きすぎるくらい」

エレン「無駄に頑張りすぎたか?」

ミカサ「大丈夫。家族ならじきに増える」

エレン「落ち着くまでは2人のほうがいいだろ」

ミカサ「だめ、今すぐ欲しい」

エレン「……分かったよ」

ミカサ「やった」

エレン「何人くらい欲しいんだ?」

ミカサ「たくさん」

エレン「たくさんじゃわかんねぇだろ」

ミカサ「頑張れるだけ頑張ろう」

エレン「それじゃ何人になるかわかんねぇぞ……」

ミカサ「我慢しなくていい。エレンの好きなようにしてほしい」

エレン「分かった分かった」

ミカサ「ねぇエレン」

エレン「ん?」

ミカサ「……これから凄く大変になると思う。けど──」

エレン「分かってるよ、頑張ろうな?ミカサ」

ミカサ「うん!」

終わり

何か短編ショート風に後日談を書きたくなって来た。

基本的生活条件
近くに湧き水が沸いている小さな

基本的生活条件
近くに湧き水が沸いている小さな池
さらに上流から新鮮な雪解けみず

エレン「もうかれこれ十年になるんだな」

ミカサ「うん」

すやすやと寝息を立てながら寝ている三人の子供達

エレン「なあミカサ」

ミカサ「なあにエレン」

エレン「お前この十年本当に頑張ったよな」

エレンの偽り無き本心

ミカサ「全てはエレンと子供達の為、苦痛ではなかった」

エレン

エレン「もうかれこれ十年になるんだな」

ミカサ「うん」

すやすやと寝息を立てながら寝ている三人の子供達

エレン「なあミカサ」

ミカサ「なあにエレン」

エレン「お前この十年本当に頑張ったよな」

エレンの偽り無き本心

ミカサ「全てはエレンと子供達の為、苦痛ではなかった」

エレン「そうか*ならいいんだ」

ミカサ「エレン?」

エレン「さて俺達ももう寝よう、明日はマルコが来る」

ミカサ「何か心配事?」

エレン「心配事と言うより、幸せ過ぎていつか罰が当たり日が来るのかとついな」

ミカサ「エレン

寝室
ミカサ「エレン」

エレン「なんだいミカサ」

ミカサ「心配事の考えは子供達に悪影響を与える」

エレン「はは、そうか?」

ミカサ「そう、子供は敏感。自覚していないところで親の考えを見抜く。だから気をつけて」

エレン「・・わかった気をつけるよミカサ」

ミカサ「うん」

そっとミカサを抱き寄せ、首筋にキスをしミカサの寝間着を脱がしにかかるエレン

エレン「ありがとうミカサ、俺を幸せにしてくれて」

ミカサ「私もエレンに幸せを一杯貰った」

がその時、

ジャン「おーい、ミカサ、エレン遊びに来てやったぞおー」

エレミカ「」

エレン「ジャンが来る予定あったけ?」

ミカサ「ない((怒))」

ジャン「おーい!」



ジャン「おーい!」

マルコ「ああ、やっぱりここに来ていたねジャン」

ジャン「なんだよマルコ、うるせえなあ」

マルコ「こんな夜更けに押しかけるなんて礼儀知らずだよジャン」

ライナー「たく酔っぱらいやがって」

アルミン「酔っぱらいながら、馬に乗って



ジャン「おーい!」

マルコ「ああ、やっぱりここに来ていたねジャン」

ジャン「なんだよマルコ、うるせえなあ」

マルコ「こんな夜更けに押しかけるなんて礼儀知らずだよジャン」

ライナー「たく酔っぱらいやがって」

アルミン「酔っぱらいながら、馬に乗ってここまで来れるなんて凄いと思う」

ベ「」コクコク

マルコ「ほら帰るよジャン」

トーマス「早く帰らないとミカサ・

アルミン「どうしたのトーマス?」

トーマス「どうやら遅かったようだよアルミン」

トーマスの視線先を見るアルミン

アルミン「」((((゜д゜;))))ガクガクブルブル

ミカサ「アルミン何のよう?」ハンニャカオ

アルミン「ミカサごめんねこんな夜分遅く押し掛けて」アセアセ

ミカサ「子供達はもう寝ているの」

アルミン「うんそうだろうね、直ぐに帰るよ」

ジャン「ようミカサ、元気だったかあー、久しぶりだなあ」

ミカサ「マルコ、そいつを直ぐに連れて帰って!」

マルコ「そうするよ、ほらジャン帰るよ」

ジャン「うっせえなあ、帰ればいいんだろう帰れば」

居間

エレン「・・あいつら帰ったみたいだな」

ミカサ「こんな夜中に迷惑、子供達は?」

エレン「大丈夫。目を覚ましてはいないよ、ぐっすりと夢の中だ」

ミカサ「良かった」ホッ

エレン「何か飲むか」

ミカサ「エレンと一緒にワインを飲みたい」

エレン「この前マルコが売って来たやつでいいか?」

ミカサ「うん、それでいい」

エレン「まあ我が家にはそれしか酒がないからな」

チン

エレン「うん、マルコが売りに来るのはみな上質なものばかりだな」

ミカサ「マルコが商人として成功するのも解る」

キョロキョロと居間を見渡すエレン

エレン「しかしこの十年間でこの家も大きくなって、いろんな物や調度品も増えたな」

ミカサ「2人で頑張った成果」

エレン「ああそうだな」

エレン「でも」

ミカサ「でも?」

エレン「ここを選んでいなかったらここまで上手く行ったかは判らない」

ミカサ「うん」

エレン「近くに湧き水が沸いている池や、魚類が豊富で上陸から砂金が流れる小川、春先になると雪解け水が溢れ出す井戸、動植物が豊富な森、りっち

ごめんミスった

エレン「立地条件が恵まれ過ぎた」

ミカサ「・・・・」

エレン「なあミカサ、お前ここまで知った上で、ここに暮らそうと言ったのか?」

ミカサ「ううんただの偶然」

エレン「もう一杯飲むか?」

ミカサ「うん、な

ごめんミスった

エレン「立地条件が恵まれ過ぎた」

ミカサ「・・・・」

エレン「なあミカサ、お前ここまで知った上で、ここに暮らそうと言ったのか?」

ミカサ「ううんただの偶然」

エレン「もう一杯飲むか?」

ミカサ「うん、飲む」

コポコ

エレン「立地条件に恵まれ過ぎた」

ミカサ「」

エレン「なあミカサ、お前ここまで知った上でここに暮らそうと言ったのか?」

ミカサ「ただの偶然」 

エレン「偶然に過ぎては話が良すぎてやしないか?」

ミカサ「ただの偶然」

エレン「わかったよ。そういうことにしておくよ」

ミカサ「エレン、もう一杯飲みたい」

修正入れました

コポコポ

ミカサ「エレン聞いていい」

エレン「ああ何でも聞いていいぞミカサ」

ミカサ「エレンはこの十年間本当に幸せだったの?」

エレン「さっきも言っただろ幸せだったと」

ミカサ「エレン・・」

エレン「三人の子供に恵まれ、良妻賢母のお前を得た!」

エレン「これで幸せでなければなんだと言うんだミカサ」

ミカサ「エレンは嘘つき」

エレン「は(^^;)?」

ミカサ「私は知っている。エレンが自分を私や子供達の為に自分の感情を押さえているのを」

エレン「おいミカサ」

ミカサ「エレンが時折壁の向こう側を遠い目で見ているのを」

エレン「違う」

ミカサ「違わなくない」

エレン「」

ミカサ「・・・ごめんなさいエレン、罪深いのは私。小さい平凡な夢を実現したい余り、私はあなたを縛ってしまった。家庭と言う縛りを」

エレン「」

ミカサ「私は壁の向こう側の世界には興味がなかった。あなたとアルミンが目を輝かせながら、外の世界を話すのが嫌だったの」

ミカサ「だから調査兵団が廃止されたのを知って内心喜んだ。エレンが壁の向こう側に行く口実が無くなったのだから」

ミカサ「だけど、エレン、あなたの壁の向こう側に行きたい探求心が無くなる事はなかった」

エレン「・・・・」

ミカサ「だから私は家庭と言う縛りであなたが遠くに行くのを阻止したかったの」

エレン「ミカサ・・・」

ミカサ「ごめんなさいエレン、私の小さい平凡な夢を実現させたい余り私は、ウ、ウ、ウ、ウ」

エレン「そうだったのか」

トナリニスワッテギュットダキシメ

エレン「済まないミカサ、俺が小さい時からの夢を捨て切れない余りにお前を不安にさせてしまって」

ミカサ「エレン」

エレン「なあミカサ俺は思うんだ、例え夢を実現出来なくても、子供達にまたその次の子供達に夢を語る事で、子供らに夢を実現させて貰う手もあるんじゃないかと」

ミカサ「エレンでも」

エレン「俺は大丈夫。俺は十分に幸せだし、ミカサに過ぎる以上の幸せと未来を与えて暮れた、だから自信を持っていい」

ミカサ「エレン、エレン!」

エレン「愛しているよミカサ」

ミカサ「キスして、抱いてエレン」

エレン「ああ望みのままに奥さん」


取り敢えず~後日談第一部完結~
第二部どうしようか悩んでいます。

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