俺「重力を操る能力だ」上条「なにいってやがる!」 (61)

俺「騒ぐ前に足元みてみろって」
上条「テメエはいったいなにをいってんだよ!」
俺「ほーら、上条ちゃん身体がまるで綿毛のように浮き上がってきたぜ」

驚き、慌てて足元を見ると、上条の体は宙を浮いていた。もがき、地に着こうと力を入れても体は身勝手に浮いていく。

俺「上条ちゃーん!気分はどうダい?風船の気持ちなんて滅多に分からないだろうし俺にお礼でもくれちゃったりちゃったりしちゃってもいいんだよ」

上条「フザケッ!?」
相手を睨み付けた上条は異変に気づく。
上条「止まった…のか?」

俺「いやいや止まったじゃなくて俺が止めたんだよ。上条ちゃんとは長時間遊びたいからサー。食べ放題とか遊園地みたいに制限時間なんてないしね」
上条「お前の目的は何なんだよ!答えろよッ!」

俺「目的ィー?そんな難しい事考えたことないね。あっそうそう遊園地と言えばさ上条ちゃん。ジェットコースターって知ってる?」

上条「ジェット…」

瞬間、上条の脳裏に浮かんだのは絶望的な光景だった。

俺「あー…ジェットコースターじゃないか?遊園地にあるんだけどあれなんつったけ?あるのは知ってるんだけど名前浮かんでこないや…まあいいや。上条ちゃん体験終わったら教えてね!」

言い終わった直後、ガクンと上条の身体が落ちていく。落ちているというよりは、巨人に地面に叩きつけられるような感覚だ。

「うっわー…ちょっと高度上げすぎたかな…まっ、こんぐらいなら死んじゃわないよね上条ちゃん♪」

砂埃の中で地面に穴を空け蹲っている上条の髪を強引に持ち上げる。

俺「ねえねえ?分かった?分かった?あのアトラクションの名前?」

上条「………」

俺「ちょっとぉちょっとぉ!激戦を生き抜いてきたんでしょ!?こんなんでギブアップとか無しでしょ!」

ため息をついた俺の目前に拳が向かってきた。その拳を軽く避け手首を掴む。

俺「へー死んだフリか。まぁ、そりゃそうっしョ。こんぐらいでくたばって貰っちゃこまるんだよ!」

上条「…お前…バカだな…!」

頭から流れでる血を舌でペロリと舐めながら上条は笑う。

俺「バカ?…俺にバカって言った…!?バカ、バカ、バカ、…バカって…言ったのか…?」

しばらく茫然としていた俺は言葉の意味を一つ一つ噛み締めやがて激昂する。
俺「いいね!!いいね!!上条ちゃんやっぱり最高!そーんな減らず口叩けるんなら、もっともっと高い高いしてやるよ」

上条を強引に投げ飛ばしす。上条の体は先程より早く空中に上がっていく。

俺「そんじゃ、俺もいきまーすっ!」

能力を利用し、俺も上条に追い付く程の速度で空を昇っていく。

上条「イマジンブレーカー…でも…今の状況を打破するのは無理だ」

俺「そうだろうね。君の妙な能力にも限界はあるって、ちゃんと俺は調べたから。結構勉強屋さんなんだぜっ」
上条「この下らねえ空中散歩はいつまで続ける気だよ…?」

俺「ぶっちゃけさー、軽く飽きちゃってきたんだよね。今気づいたんだけどさ、無制限って悪くないけど、制限時間っていうのがあるから面白いんじゃないかなと思ったんだよね」

遂に俺は、上条に追い付いてなすすべもなく動けない上条をニヤニヤと見定める。

「このまま大気圏突入っていうのもそれはそれでオツだし必殺技としては派手でカッコいいと思うんだけどさ、生憎僕にも能力の限界があってね、限られた高度までしか上がれないんだ。そしてそれもそろそろ終わり…」

俺は上条にニヤッと見て、更に速度をあげ上条を追い越した。

俺「上条ちゃん!じゃあ最後は盛大な花火で終わろうよ!上条ちゃんは火薬で!」

そう、嬉々として叫ぶが、次に待っていた展開を上条は読んでいた。

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