春香「私の愛を千早ちゃんに伝えてみる」 (16)

春香「千早ちゃんがかわいいので、千早ちゃんへの熱い思いを遠回しに伝えてみます」

千早「どうしたの春香、独り言なんて」

春香「ううん、なんでもないの、それよりはやく帰ろう?」

千早「そうね、 私はともかく春香は終電のがすとまずいものね」

春香(千早ちゃんの家に止まれるからもーまんたいなんだけどなぁ)

テクテク

春香(時刻は23時、本日は晴天、天海春香さっそくやります)ゴクリ

春香「ねぇ、千早ちゃん」

千早「どうしたの?上を向いて、なにか飛んでるのかしら」

春香「えっと、月が綺麗だね、なんて」

千早「そうね、とても綺麗だわ、でも春香、歩きながら上を向くと首を痛めて仕事に支障をきたすかもしれないし、何より危ないわ」

春香「」

春香「そ、そうだね、あはは、ごめんね、千早ちゃん」

千早「春香は人気のアイドルなんだから、気を付けなきゃダメよ」

春香「う、うん、気を付ける、ありがとうね、あ、じゃあ私はここで、また明日ね」

春香「くっ…」

まる→ちはとは珍しい

春香(昨日は失敗したけど、よく考えたら千早ちゃんが夏目漱石に興味があるとは限らないもんね)

春香「だから今日はもう少しわかりやすいのにしよう!」

春香「ちーはーやーちゃん!」

千早「ああ春香、どうしたの?」

春香「クッキー、焼いてきたの!一緒に食べない?」ニコニコ

千早「そうね、ありがたくいただくわ」

マリマリボリボリ

千早「春香の作るお菓子は本当においしいわ」

春香「ふふふ、私のお菓子には(主に千早ちゃんへの)愛情がたっぷり詰まってるからね!料理は愛情だよ、愛情!」

千早「愛情…私も最近は料理をするようにしてるけど、どうにも質素な味になるのは愛情が足りないからなのね…」

千早「はぁ…」

春香「じゃあさ、千早ちゃん」モジモジ

春香「毎朝…毎朝、私のために、お味噌汁を作ってよ!」

春香(言った!)

千早「春香…」

千早「ごめんなさい、私朝はパン派なの」

春香「えっ」

千早「スクランブルエッグくらいなら作れるけど…春香?」

春香「ううん、なんでもない、変なこと言ってごめんね、なんでもないの」

春香「じゃあ私現場行ってくるから」トボトボ

千早(なんて悲しそうな背中…春香はそんなにお味噌汁が…)

千早「春香!私、3日に1度くらいなら、朝食がご飯とお味噌汁でもいいわ!」

アハハ,アリガトーチハヤチャン

バタン

千早「春香…」


春香「よくよく考えたらそうだよね、今どき朝がご飯とお味噌汁の家庭の方が少ないかもしれないよね、それを考慮しないで天海家の朝食事情でお願いするのは間違ってるよね」

春香「よし!悩んでもしかたない!まぁそんなときもある!明日はきっと違う!」

春香「ターチーアガレーハルカサン ハイッ」

春香「おはよ、千早ちゃん」

千早「おはよう、春香」

千早「あの、春香、これ」スッ

春香「タッパー?何?」

千早「ほら、春香が昨日お味噌汁が飲みたいって言うから、昨晩の残りを入れて持ってきたの」

千早「おいしいかわからないけど、よかったら」

春香(そういう意味じゃなかったんだけどなあ)

春香「あ、ありがとう、今日帰ったら食べるよ」

この手のコメディ大好き

千早「じ、実は…朝に食べたいって言うからお椀とお箸を持ってきたんだけれど…」スッ

千早「レンジも事務所にあるし、よかったらここで…」

春香「う、うん。そうせてもらうね」アハハ


ピーピーピー

春香「」ズズズ

千早「ど、どうかしら、私なりに愛情を込めてみたんだけど…」

春香(…出汁の味がしない、きっとお味噌しか入れてないんだろうなぁ、具もなめたけとオクラだけ…)

春香「す、すっごくおいしいよ」

千早「本当?始めて人に食べてもらったから…すごく嬉しい」パァァ

春香(思ってたのと違うけどこれはこれでいいな)フフ

イマオハカガヤスイラシイヨー
マダワカインダカラソンナハシシナイノ
ハーイ

春香「お墓…ハッ!」

春香「ねぇ、千早ちゃん」

春香「突然だけど…その、私と同じ棺桶に入ってくれないかな?」キャーイッチャッタ

千早「…ぷっ」

千早「ふふふ、おかしなことを言うわね春香、今は土葬なんてほとんどやってないわ」クスクス

春香「あ、いや、そういうのじゃなくて」

千早「恥ずかしがらなくてもいいわ、私を笑わせようとしてくれたのね、ありがとう」クスクス

春香「…うん、それでいいや」


春香「そうだよね、どうして棺桶なんて言っちゃったんだろう、お墓って言えばよかっのに」

春香「…今日みたいな失敗はしないようにしよう」

春香「ねぇねぇ千早ちゃん、暇だししりとりしようよ!」

千早「しりとり?構わないけど…」

春香「じゃあ私からいくね、りんご」

………

春香「毛虫!」

千早「し、し…塩鮭!」

春香「け?け…鍵盤ハーモニカ!」

千早「かみのけ!」ファサ

春香「また『け』かぁ…」

千早「もうないんじゃない?」

春香「…あるよ」

春香「結婚しよう」

春香「『う』だよ?千早ちゃ」

千早「それは単語じゃないわ、春香の負けね」フフフ

春香「」

春香「千早ちゃん、午後から映画いこう!」

千早「映画?」

春香「千早ちゃん今日お昼から空いてるよね!私も空いてるの!」

春香「だからあずささんの出てる映画、一緒に行こう!ね?」

千早「偉く強引だけど、いいわね、映画なんていつぶりかしら」


コノーサカーミチーヲー

春香「…」ギュッ

千早(春香が手を…そう、やっぱり春香でも悔しいんだ、私もあずささんとの格差が、いいえ、私は春香でさえも恨めしいわ)ギュッ

千早「くっ…」

春香(握り返してきた!)ドキッ

面白いから続けて

千早は胸も質素で料理の味付けも質素

でもアニマスの泣き所には千早ちゃんが必要

引っ越し直後はしばらく箱そのままにした部屋で
哀愁漂わせながら体育座りして音楽を聞く千早ちゃんごっこしたい

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