ダークエルフ村の村長「ここで暮らしたくば村の娘と結ばれるのじゃ」 (13)

男「いきなり出ていけはないでしょう!?」

村長「掟じゃ。外の者をずっとここに置いておくわけにはいかぬ」

男「足の怪我が治るまででいいんです!」

男「今ほっぽり出されて、私一人でこのジャングルを抜けられるはずがない!」

村長「ここに居続けることもできるが」

男「本当ですか!?」

村長「ただし、村の娘と結ばれるのが条件じゃ」

村長「そして、そうなれば村から出るのはまかりならん」

男「そんな……」

男「私には国に婚約者がいるのです!」

村長「ならば決死で帰られよ」

村長にお願いしたい所存

村長「ここに居る気になったなら、七日後まで伴侶を決めるがよい」

村長「もしいなければどうあっても出ていってもらうぞ」

男「決めると言われても……相手の方にも、意思があるでしょう。一週間でそんな」

村長「これを」

男「これは……なんて綺麗な羽根だ」

村長「わしらの村の守り神さまのものじゃ。本来は魔除けじゃが、これは魔力をもたぬ者がもてば、十日かからず色褪せる」

男「これがなにか?」

村長「それを持ちし者の願いを、村人は可能な限り断ってはならぬ。それが掟じゃ」

村長「決めた娘にその羽根を見せれば、あとは察することであろう」

男「……足が治るまでいさせてください」

村長「それは掟に反するから無理じゃな」

村長「まあ、どうするかはお前さんが決めるがよい」

男(そういって、>>4見た目は豊かな髭をたくわえた老人だが、やたら屈強なダークエルフの村長は私の部屋を後にした……)

男「ああ、いったいどうすればいいんだ……」

男(愛しい婚約者よ……もしかすれば、私はもうお前には会えぬかもしれぬ……)

コンコン

男「はい、どなたか」

ハーフダークエルフ「私です」

男「君か。入ってくれたまえ」

ハーフ「はい」

ハーフ「食事をお持ちしましたよ」

男「ありがとう」

男(この娘は、私がこの村に運び込まれた時から私の世話をしてくれている)

男(他のダークエルフたちよりも耳が短く、顔立ちもどこか違うと思っていたら)

男(自分の母親もまた、昔外からやってきた人間だったと話してくれた)

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