ライナー「ライナー・ブラウン、12才!」(16)

ライナー「おれの名前はライナー・ブラウン!戦士だ!」

ライナー「今、おれは、かべをこわすしごとをまかせられてる!」

ライナー「『かべのなかのじんるい』がいると世界に先がないんだって!だから巨人を使ってほろぼすんだ!」

ライナー「『かべのなかのじんるい』がいると世界の先がなくなるなら、そいつらは悪い奴らだろうしな!」

ライナー「この仕事は戦士にしかできないらしい、それでおれとベルトルトとベリックがえらばれた」

ライナー「…」

ライナー「…でも、ベリックは巨人に食べられた…」

ライナー「で、かわりにアニが来た」

ライナー「ベリックはもういない、だからおれがしっかりしてあいつらをひっぱらないと!」





ライナー「しごとのないようは、まずアニが巨人を集めて、ベルトルトが門をけってこわす」

ライナー「で、おれがなかにはいって、うちがわの門をこわすんだ!」

ライナー「いくら『かべのなかのじんるい』とはいえ、巨人に食べられるのを見るのはいやだ」

ライナー「でも、あいつらに見せるのはもっといやだ、おれがやらないと」

ライナー「いよいよ明日だ、がんばろう」





鎧の巨人「…」

鎧の巨人(…これでいいんだ、こいつらは世界をこわすそんざいだ)

鎧の巨人(おれはまちがってない…)





ライナー(それからおれたちは『かべのなかのじんるい』にせんぷくして、へいしになるきかいをうかがった)

ライナー(…少し…つかれた…おれも、ベルトルトも、アニも…)

ライナー(…また…かべをこわすまで、きゅうけいしても…いいだろ)

ライナー(きっとせいこうさせて、こきょうに帰るから…)





ライナー(…あれから二年がたった、俺達はなんとか訓練兵になることが出来た)

ライナー(周りの奴らは気の抜けたような奴ばかりだった…一人気になる奴はいたが…)

ライナー(…そいつは巨人のことを絶滅させると言っていた…)

ライナー(…まぁ、気概はあるが実力はそんなもんでもない、脅威にはならないだろう)

ライナー(…あと…そいつは、超大型巨人のせいで母親が死んだらしい…)

ライナー(…こんな時はベルトルトの奴が、主体性のない奴で本当によかったと思う)

ライナー(もし、責任を背負う性格なら、罪悪感で壊れてただろうな)

ライナー(…この、仕事が終われば…故郷に帰れるんだ…それまで我慢だ…)





ライナー(…訓練兵になって、もう二年がたった…『壁の中の人類』の事もかなりわかってきた…)

ライナー(…どうやら…『壁の中の人類』は…俺が思っていたのとは少し違うらしい…)

ライナー(…世界の事を考えず、自分のことが一番大事な傲慢な奴らだと思っていたが…)

ライナー(…)

ライナー(…俺は…こんな奴らを殺してきたのか…壁を壊す時に踏み潰した人間もこんな奴らだったのか?)

ライナー(…俺のやってることは正しいのか?…間違ってはいないのか?)

ライナー(わからなくなってきた…わからない…)

ライナー(…なんだっていい、俺は戦士としての責任を果たすだけだ…)





ライナー(…最近…自分がわからなくなってきた…俺は戦士の筈だ…)

ライナー(…なのに、兵士として日々を過ごたいと思う自分もいる…)

ライナー(…なんて…なんて半端なクズ野郎なんだ、俺は…)

ライナー(俺は大量殺人者だ…それなのにその標的と何食わぬ顔で生活なんてしやがって)

ライナー(…何度放り出したいと思ったか…何度逃げたいと思ったか…)

ライナー(…でも…ベルトルトもいる…アニだっている…戦士として責任は果たさなくちゃならない)

ライナー(…早く…早く…この日々が終わりますように…)

ライナー(…)

ライナー(終わるんじゃない…俺が…壊すのか…)





ライナー(明日はいよいよ、訓練兵団の卒団式だ、やっとこの日が来た)

ライナー(俺が待ちに待った日!これでやっと…)





ライナー(兵士としての責任を果たせる!)

おわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom