ミカサ「ヤンデレ?」(59)

エレン「知らないのか?」

ミカサ「知らない」

エレン「そうか。ならいいや」

ミカサ「どうしてそんなこと気になるの?」

エレン「いや、アルミンに言われたんだ。女子に聞いてみたら意味が分かるよって」

ミカサ「そう。でも他の女子に聞いてみる必要はない。そんな変な言葉聞いたことはない」

ミカサ「のできっとみんな知らないと思われる」

エレン「んー……まあ一応アルミンに頼まれたことだしな。俺もちょっと気になるし」

ミカサ「アルミンに直接聞けばいい、女子に聞く必要はない、そうでしょ?」

エレン「アルミンも知らないって言ってたぜ? 女子なら知ってるらしいからって」

ミカサ「……チッ。アルミンでも知らないことがあるのね」

エレン「まあいいや。ミカサが知らないんだったら、他の人に聞くか。じゃあな」

ミカサ「あ、エレン!」

ミカサ「…………」

ミカサ「エレンが他の女と話しに行った」

ミカサ「エレンが私じゃなく他の女と話しに行った」

ミカサ「私だけでいいのに、私以外と話す必要はないのに」

ミカサ「……けれど私はエレンの妻、夫のエレンが浮気なんかするはずがないのはわかっている」

ミカサ「私はエレンを信じている。そもそも私以外の女は眼中にすらないはず」

ミカサ「エレンエレエレンエレンわたしだけのエレンエレンエレンエレンエレンエレンエレン
    エレンエレエレンほかのおんなエレンエレンエレンエレンエレンはなすエレンエレン
    エレンエレエレンコロスエレンエレンエレンエレンにくいエレンエレンエレンエレン
    エレンエレエレンエレンエレンエレンエレンコロスエレンエレンエレンエレンエレン
    エレンエレエレンわたしのものエレンエレンエレンエレンエレンわたしだけのエレン」

エレン「お、サシャだ」

サシャ「はい? エレンじゃないですか、なんですか?」

エレン「ちょっと聞きたいことが……って、なんだそれ」

サシャ「ふふふ! これは蜂蜜です!」

エレン「は、蜂蜜!? 高級品じゃないか、どうしたんだよ!」

サシャ「休日だし、頑張ってとってきました」

エレン「盗んだのかよ!」

サシャ「ち、違いますよ! 天然のものを獲ってきたんです!」

エレン「蜂いっぱいいただろ、刺されなかったのか?」

サシャ「蜂くらい簡単に退治出来ますよ? だって狩猟民族ですから!」

エレン「狩猟民族すげぇ」

サシャ「ならエレンも狩猟民族になりますか? エレンなら筋も良いし、一流の猟師になれますよ!」

エレン「え? 俺は兵士になるからいいよ」

サシャ「……そうですかー」

エレン「あー、その蜂蜜、パンにかけたら美味しいだろうな」

サシャ「エレンはパンにかけたいんですか?」

エレン「かけたいっていうより、蜂蜜使う方法なんかそれくらいしか知らないからな」

サシャ「駄目ですね、エレンは。お肉を蜂蜜に浸けると、とてもまろやかで美味しくなるんですよ?」

サシャ「蜂蜜の風味がお肉にほんのり移って、それはもう絶品ですから!」

エレン「うわー……それは死ぬ前に一回くらい食べてみたいな」

サシャ「! じゃあ私が作って食べさせてあげますよ」

エレン「えっ!? いいのか!?」

サシャ「はい! エレンの為なら頑張って浸かりますよ!」

エレン「……でもサシャが誰かにご飯あげるとか想像できないな」

サシャ「エレンだけですよ? エレン以外には絶対に食べさせてあげませんよ?」

エレン「? おう、ありがとう」

エレン「あ、そうだ! サシャに聞きたいことがあったんだ」

サシャ「はい、なんなりと聞いてください! 身長ですか? 体重ですか? スリーサイズですか?」

エレン「そんなの聞いても仕方ないだろ。お前、ヤンデレって言葉知ってるか?」

サシャ「んー……聞いたことありませんね」

エレン「そっか。ありがとな、もうちょっと他の女子に聞いてみるよ」

サシャ「え? あ、エレン……」

サシャ「……なんでなん? 蜂蜜に浸かった私のお肉食べてくれるって言うたやん。なんで他の女と話す必要があるん?」

サシャ「エレンが他の女と話す? 手を繋ぐ? 抱き合う?」

サシャ「駄目、絶対駄目。そんなことになるくらいなら、いっそエレンを……!」

サシャ「そうだ! エレンを食べればいいやん! そしたら身も心も永遠に一緒になれる!」

サシャ「えへへ、エレンのお肉、どんな味するんかな……」

エレン「クリスタだ」

クリスタ「あ、エレン。どうしたの?」

エレン「……? お前こそ何やってんだ? 俺のシャツなんか握り締めて」

クリスタ「私ね、洗濯当番だったの。それでね、洗濯物干してたら、シャツが一枚飛んで行っちゃったの」

エレン「ああ、それで拾ったのか?」

クリスタ「うん。今から返すところだよ、だから持って帰ったりはしないからね、全然しないからね?」

エレン「? そりゃそうだろ、今から洗濯するんだから」

クリスタ「うん、そうだよ。だからエレンは気にしなくていいよ」

エレン「あ、そういや洗濯って言えば、俺の服がちょくちょくなくなるんだよな。たまに洗濯に出したもの以外も」

クリスタ「何枚くらい?」

エレン「え?」

クリスタ「何枚くらいなくなってるの?」

エレン「えーっと、10枚はなくなってないと思うけど、多分7枚くらい?」

クリスタ「2枚多い」

エレン「え?」

クリスタ「ん?」ニコッ

エレン「2枚?」

クリスタ「2枚? 2枚ってなに?」ニコッ

エレン「んん? お前が言ったんだよな?」

クリスタ「え? 何も言ってないよ?」ニコッ

エレン「そっか、聞き間違いか」

クリスタ「そうだよ。変なエレン」ニコッ

エレン「まあいいや。それでクリスタ、聞きたいことがあるんだ」

クリスタ「なぁに?」

エレン「ヤンデレって知ってるか?」

クリスタ「うーん、聞いたことない、かな」

エレン「そっか。邪魔したな。当番頑張れよ」

エレン「……あれ? 洗濯当番って確か男は男の、女は女の服しか洗わないんだよな?」

エレン「まあいっか」

クリスタ「2枚多い……誰? 誰が私以外にエレンの衣類を盗んでるの?」

クリスタ「しかも洗濯に出したもの以外で? エレンの匂いがたくさん染み付いたものを!?」

クリスタ「許せない、エレンのものは私のものなのに、エレンは私のものなのに、エレンは私のものなのに」

クリスタ「調べてやる見つけてやる殺してやる殺してやるコロシテヤル……」

クリスタ「……とりあえず今はエレンの取れたての匂いを楽しも♪」

エレン「おう、ユミル」

ユミル「あ? なんだ死に急ぎ野郎かよ」

エレン「なんだってなんだよ」

ユミル「私はクリスタを探してるんだよ」

エレン「ああ、クリスタならさっき……」

ユミル「でもクリスタは見当たらないから仕方ない。お前に結婚してくれって言いながらペロペロするしかないな」

エレン「なんでだよ! クリスタなら洗濯場に居たっての!」

ユミル「チッ。冗談と本気のわからん奴だな」

エレン「お前目つき悪いから目が本気に見えたんだよ」

ユミル「冗談と本気のわからん奴だな」

エレン「それはもうわかったっての」

エレン「まあいいや。とりあえずお前に聞きたいことがあるんだ、ヤンデレって知ってるか?」

ユミル「知ってるぜ」

エレン「本当か!?」

ユミル「ただし教えて欲しいなら、私の下僕になるんだな」

エレン「は?」

ユミル「毎朝私を起こしに来て、毎朝私の着替えを手伝って、毎朝私にご飯を食べさせて」

エレン「お前、酒でも飲んでるのか? 冗談が過ぎるぞ」

ユミル「冗談と本気のわからん奴だな」

エレン「流石にわかったよ。まあ知らないんだな? なら他のとこに行くから」

ユミル「……クリスタを探してる以外、全部本気だったんだけどな」

ユミル「はあ、エレンペロペロしたい」

エレン「アニだ」

アニ「なんだい?」

エレン「ヤンデレって知ってるか?」

アニ(ヤンデレ? あの好きだから怪我させたり殺しちゃう奴?)

アニ(エレンそんなのに興味あるのか……)

エレン「知らないならいいんだけど。みんな知らないって言ってたし」

アニ「知ってるよ」ガスッ

エレン「いてっ。なんで蹴るんだよ」

アニ「ヤンデレが知りたいんだろ?」ガスッ

エレン「それと蹴ることに何の関係があるんだよ!」

アニ「ヤンデレっていうのはね」ガスッ

エレン「いてえって! 本当にやめろよ!」

アニ「ヤンデレについて教えてやってるんだよ」ガスッ

エレン「いい! いいって! もう知りたくない!」

アニ「遠慮しないでいいって」ガスッ

エレン「わけわかんねえよ! じゃあな!」ダッ

アニ「あっ! 待ちなよ……逃げられた」

アニ(何か私が間違えたの? このままじゃエレンに嫌われてしまう……!?)

アニ「もっとヤンデレについて知る必要があるね……」

エレン「酷い目にあった……」

ミーナ「あれ? エレンじゃない。どうしたの?」

エレン「おう、ミーナか。いや、なんでもねえよ」

ミーナ「訓練休みなのに、すごい疲れた顔してるよ? 何かあったなら相談に乗ってあげよっか?」

エレン「相談、というか質問があるんだけどさ。ヤンデレって女が男を蹴ることを言うのか?」

ミーナ「え? ヤンデレ? 蹴る?」

エレン「アニにヤンデレのこと質問したらさ、いきなり蹴られたんだよ」

ミーナ「ヤンデレは蹴ることじゃないよ? そもそも性癖とか、性格とか、趣向みたいな感じだし」

エレン「性癖?」

ミーナ「まあその過程で蹴ることもあるかもしれないけど、蹴る=ヤンデレじゃないのは間違いないかな」

エレン「って、ミーナヤンデレに詳しいのか!?」

ミーナ「詳しい、ってほどじゃないけど知ってるよ」

エレン「なら、教えてくれ! アルミンが知りたがってるんだ」

ミーナ「うん。エレンの為ならいいよ。じゃあちょっと私が実践してみせてあげるね?」

エレン「頼む!」

ミーナ「ねえ、エレン。さっきアニと話したって言ったよね?」

エレン「ああ、それでけら ミーナ「なんで?」 え?」

ミーナ「なんで私以外の女と話すの? なんで私以外の女を視界に入れるの? そんな必要ないでしょ?」

エレン「え、え? ミーナ……?」

ミーナ「なんでかな、なんでエレンはそんな悪いことしちゃうのかな? 私が居ればいいでしょ? 他に何もいらないでしょ?」

エレン「な、何言ってんd」




ミーナ「だってエレンは私のこと好きなんでしょ私だけが居ればそれでいいでしょだってエレンとは私は相思相愛だもんね恋人だもんね夫婦だもんねううんもう一心同体くらいだよね魂から繋がってるよそうでしょだってエレンは私が好きで私はエレンが好きだもんねだけどなんでかななんでエレンは私の前で他の女の話をするのなんでアニに触らせてんの蹴られたいのだったら私が蹴ってあげるよエレンの足が粉々になって立ち上がれなくなるくらいそうすればエレンは私無しじゃ生きていけなくなるよね大丈夫私が一生面倒見てあげるからねエレンのご飯作って食べさせてあげるから何の心配もないよ二人で一生一緒に生きていこうねああでもエレンそうしたらエレンの目玉も必要ないよねだって他の女を視界に入れちゃうんだもん今目の前に私の顔があるから今目玉を抉り取っちゃえば私の顔がエレンの最後に見た顔だよねそれいいねすごくいいよエレンの最後が私なんだよ凄いことだ思わないだってエレン二度と私の顔しか思い出せないんだよエレンそうしようよそうすべきだよエレンいいよねだって私たち相思相愛だもんねエレン好きだよ愛してるだから私以外の女に触れないで見ないで喋らないでエレン大好きエレンエレンエレンエレン」


エレン「」

ミーナ「……ふう、こんな感じだよ」ニコッ

エレン「お、おう……こ、こわい、な……」

ミーナ「そうかな? 一途な女の子って素敵じゃない?」

エレン「い、いや、うん、そう……なのか?」

ミーナ「そうだよ。ヤンデレってこういうものだよ、わかった?」

エレン「おう……じゃ、じゃあな……」

ミーナ「……ふふ、エレンに好きって言っちゃった♪」

エレン「こわいこわいこわいこわいこわいこわい」ガクガク

アルミン(エレンにミカサが一歩間違えば危険なことをするってことを伝えようとしたら布団から出てこなくなっちゃった)

アルミン「エレン、どうしたんだい?」

エレン「アルミン女怖いヤンデレ怖いマジでヤバイ」ガクガク

アルミン「た、確かにヤンデレは怖いかもしれないけどさ。ミカサの思いをきちんと受け止めれば大丈夫だよ」

エレン「は? ミカサ? なんでミカサ?」

アルミン「え?」

エレン「ミカサ……まさかミカサもヤンデレなのか!?」

アルミン「え? いや、そうじゃないかもしれないけど、そうかもしれない……かな?」

エレン「うわああああああ女こわいこわいこわいこわいこわい」ガクガクガク

アルミン(な、何があったんだ、一体……)

アルミン(とりあえずこのままじゃ訓練に支障が出るよね、エレンに何があったのか確かめに行こう)

アルミン「あ、ミカサ」

ミカサ「アルミン。エレンは?」

アルミン「エレンは今、部屋に居るよ。それでさ、エレンと何か話した?」

ミカサ「エレンにヤンデレについて聞かれた。でも私はそんな言葉知らないので知らないと答えた」

アルミン(エレン……ミカサに聞いちゃ駄目だって言ったじゃないか……)

ミカサ「それでエレンは他の女に聞きに行くと言った。エレンが他の女と……憎い憎い憎い憎い」ブツブツ

アルミン「あ、はは……(でもミカサが原因じゃないみたいだね)」

ミカサ「そういえばアルミン」

アルミン「なんだい?」

ミカサ「エレンは貴方にそそのかされて、他の女と話しに向かったはず」ゴゴゴゴ

アルミン「僕急用思い出しちゃった! じゃあね!」ダッ

ミカサ「……チッ」

アルミン「やばいやばいやばいやばい」ガクガク

アルミン「このままじゃ僕と幼馴染の命がヤバい」

アルミン「で、でもミカサ以外でエレンはああなったってことだよね」

アルミン「はっ! ということは、エレンがああなった原因がミカサじゃないなら、他にヤンデレが居るはず……!」

アルミン「ヤンデレ状態になった人は戦闘力が極限まで上がるという……なら、そのヤンデレをミカサにぶつければ僕たちは助かる!」

アルミン「こうなったらもう一人のヤンデレを見つけ出すしかない」

サシャ「あ、アルミンじゃないですか! エレンどこ行ったか知りません?」

アルミン「サシャ。丁度いい、聞きたいことが……ってそれ、何やってるの?」

サシャ「蜂蜜浸けですよ。こうするとお肉がまろやかになって、美味しくなるんですよ?」

アルミン「……えっと、浸けてるのってサシャの手、だよね?」

サシャ「はい、そうですよ」

アルミン「あれ? 僕がおかしいのかな? 話の流れ的にお肉を浸けてるんだよね?」

サシャ「そう言ってるじゃないですか」

アルミン「でも浸けてるのはサシャの手だよね?」

サシャ「はい。本当は腕全部浸けたかったんですけど、こっちに量を取られてしまったので」

アルミン「……その後ろの大きな箱はなんだい?」

サシャ「蜂蜜ですよ、エレンを浸けるための」

アルミン「……え?」

サシャ「エレンが蜂蜜に浸けたお肉を食べたいって言うから食べさせてあげようと思って」

サシャ「でもエレンは私以外の女の子と話すためにどこかに言っちゃったんですよ」

サシャ「それおかしいやん。私のお肉食べてくれるって言うたのに、なんで他の女の子のところに行くん?」

サシャ「やったらエレンを食べちゃえばいいやん。そうしたらエレンはどこにも行かず、私のナカで生き続けるやろ?」

サシャ「っと、考えたので、早急に蜂蜜を準備しました!」ドヤァ

アルミン(アウトおおおおおおおおおおお!)

アルミン(早速見つかったよ! やったね! でも怖いよ、冗談抜きで怖いよ!)

アルミン(エレン食べるくだりの目と、蜂蜜を準備しましたって言ったところの表情の落差!)

アルミン「そ、そっか! でもエレンは今、大変なことになってるから食べれないと思うよ?」

サシャ「え!? なんでですか?」

アルミン「え、えっと、その、ミカサがね?」

サシャ「!? あの腹筋女……やっぱりあいつが邪魔してくるんやね」ギリッ

サシャ「殺してやる、殺して巨人の餌にしてやる!」ダッ

アルミン「……やっといてなんだけど、僕は本当に正しい行いをやってるんだろうか?」

アルミン「自分の保身で思わずけしかけちゃったけど、大丈夫だろうか」

アルミン「し、仕方ないよね。エレンも大分怯えてたし、それじゃ可哀想だしね」

アルミン「でもあの調子じゃ本当に殺し合いに……!?」

アルミン「そ、それは駄目だ! 殺し合いはよくない! なんとかして解決しないと……」

アルミン「まず二人が争う原因はエレンだ。理由はお互いがエレンに好意を持ってるから」

アルミン「つまりエレンがどちらかを選べばいいんだけど、そうすると選ばれなかったほうが暴走を始めるに違いない」

アルミン「ならエレンがどちらも選ばなかったら? でもサシャの言動を見る限り、手に入らなければ殺してしまえと開き直るに違いない」

アルミン「じゃ、じゃあ、エレンがどちらも選んだら? ……駄目だ、独占欲が大前提なんだから、どちらもなんて優柔不断な判断が認められる可能性は低い」

アルミン「……あれ? 詰んでる?」

クリスタ「あれ? アルミンどうしたの?」

アルミン「あ、クリスタ。い、いやその……ちょっと考え事を、ね?」

クリスタ「そっか。アルミン、考え事得意だもんね」

アルミン「そうでもないよ。今でも解決策を思い浮かばないんだ」

クリスタ「そうなの? あ、じゃあさ、私の悩み聞いてくれない?」

アルミン「え? じゃあって……ごめんね、そんなことをしてる暇は」

クリスタ「お願い、大事な相談なの」ウルウル

アルミン「(天使かわいい)し、仕方ないね。でも本当に時間がないから、手短にお願いするよ」

クリスタ「うん、ありがとう、アルミン」ニコッ

アルミン(結婚しよ)

クリスタ「相談っていうのはね、ミカサがエレンの服を二枚も盗んでるみたいなの」

アルミン「え!? そうなの……って、ミカサなら普通にやりかねないね」

クリスタ「ひどいよね? エレンは私のものなのに、勝手に盗むなんて」

アルミン「そうだね、いくらミカサでも人の物に勝手に手出しなんて……あれ?」

クリスタ「アルミンもそう思うよね! だったらもう、ミカサ殺すしかないよね!」

アルミン「ま、待ってよ、クリスタ! え? エレンがクリスタのもの? っていうかミカサ殺すって……」

クリスタ「エレンは私のものなのに、エレンは私のものなのに、エレンは私のものなのに」ブツブツ

アルミン(これはアカン)

アルミン「……そういえば、さっきサシャとミカサがエレンを奪い合ってたヨー」

クリスタ「!? あの芋女……助けてあげた恩を仇で返すなんて!」ダッ

アルミン「どうしてこうなった」

アルミン「いや、やっちゃったのは僕だけどさ!」

アルミン「でもおかしいよ! ミカサだけかと思ったらサシャとクリスタもなんて!」

アルミン「思わず考えることを放棄しちゃって、クリスタまでけしかけちゃったよ……」

アルミン「大丈夫かな、クリスタ。いくらなんでもあの二人相手なんて、分が悪過ぎるよ」

アルミン「そうだ! ユミルだったらクリスタを止めてくれるはず!」

アルミン「ユミルを探そう!」ダッ

アルミン「居た! ユミル!」

ユミル「あん? なんだ、アルミンじゃねえか」

アルミン「大変なんだよ! クリスタが……」

ユミル「そんなことより、私の天使がどこに行ったか知らないか?」

アルミン「え? だから、クリスタなら……」

ユミル「クリスタなんかどうでもいいから、私の天使はどこに居るんだ?」

アルミン「えっ」

ユミル「しらねえのかよ。使えねえな。お前いつも一緒に居るだろ?」

アルミン「……まさか、エレン?」

ユミル「おう。エレンだ。いい加減ペロペロしないとエレン分が足りない」

アルミン「」

アルミン「ち、違うだろ!? 君が天使っていうのはクリスタのことで……」

ユミル「はぁ? 天使はエレンだろ。私の嫁だろ。ペロペロしたいだろ」

アルミン(なんでユミルまでヤンデレになってんだよおおおおおおおおおおおお!)

ユミル「で、エレンの居場所はどこだよ。ペロペロしたいんだよ」

アルミン「…………」

アルミン「ミカサとサシャとクリスタがね、今、争ってるんだ」

ユミル「へえ。でも私には関係ねえな。勝手にやってればいいだろ」

アルミン「エレンの嫁は私だと言い張って」

ユミル「エレンは私の嫁だ!」ダッ

アルミン「…………」

アルミン「もうやだ」

アルミン「もう考えるのすらやだよ」

アルミン「エレンが女性不信になったのもわかるよ」

アルミン「なんだよこれ」

アルミン「なんだよこれ!」

アルミン「……もういいかな? 僕頑張ったよね? 僕はよくやったよね?」

アルミン「よし! 帰ろう! 僕は何も知らない、何も見てない、何も関わってない……」

アニ「何言ってんだい、あんた」

アルミン「うわあああああああああああ!?」

アニ「」ビクッ

アルミン「あああああアニ!?」

アニ「い、いきなり大声出さないでよ、ビックリするだろ!?」

アルミン「ごごごごめん! ちょ、ちょっとさ、いろいろ大変だったんだよ」

アニ「そうか。ところでさ、エレンが何処にいるか知らないか?」

アルミン「(またこのパターンか!) し、しらないなー、どうしてだい?」

アニ「……ちょっと悪いことしたからさ。謝らないと」

アルミン「悪いことって、何したの?」

アニ「……笑わないでくれよ? あいつにヤンデレのこと教えようと思ったんだけど」

アルミン(アニが犯人か!?)

アニ「私さ、こう、好きな人をイジメる感じだと思っててさ、蹴っちゃったんだよ」

アルミン「あ、そうなんだ……」

アルミン(これは、アニは多分ヤンデレではないね。ツンデレと勘違いしてるかも)

アルミン(やっと味方が増えたよ! やったね、エレン!)

アニ「だからさ、お詫びの意味も込めてヤンデレをきちんと勉強したんだ」

アルミン「えっ」

アニ「ヤンデレって奥が深いね。自分の気持ちに正直で、それでいて相手を真剣に思ってる。とても素敵だったよ」ウットリ

アルミン「ま、待ってよアニ。それはおかs」

アニ「だから私は立派なヤンデレになって、エレンを振り向かせるんだ」キリッ

アルミン「違うよ! 全然違うよアニ!」

アニ「まあ振り向かなかったら殺して私のものにするだけだけど」ニコッ

アルミン「」

アルミン「あ、エレンがミカササシャユミルクリスタに襲われてる!!」

アニ「なんだって!?」ダッ

アルミン「ふ……」

アルミン「あはははははははははは!」

アルミン「無理じゃね!?」

アルミン「なんだよこのヤンデレ包囲網……絶体絶命とかそんなレベルじゃないよ……」

アルミン「どうやって止めればいいんだ……!? ライナーをけしかけるしかないのか!?」

アルミン「いや、それじゃあライナーが死ぬだけだよ」

アルミン「ああでもそれくらいしか策が浮かばない……後で試してみようか」

アルミン「とりあえず! こうなったら人として最低だけど、今の争いで少しでも人が減ってくれることを祈るしか……」

ミーナ「争い?」

アルミン「ミーナ?」

ミーナ「争いってどうしたの?」

アルミン「ああ、ちょっとミカササシャクリスタユミルアニが、エレンを奪い合ってるだけさ」

ミーナ「それ全然ちょっとじゃないよね!?」

アルミン「そうなの? そうかな? 僕はもう考えるのをやめてしまったからわからないや」

ミーナ「アルミン! 貴方がしっかりしないと!」

アルミン「はっ!? ……そうだね。現実逃避しても何も変わらない。僕が愚かだったよ、ミーナ」

ミーナ「ううん、いいよ。じゃあ、エレンの場所教えて?」

アルミン「ああ、それなら今は寮にいるよ。布団に包まってる」

ミーナ「ふふ、エレン恥ずかしかったのかな/// でも私も勇気出したんだし、エレンから返事もらわないとね」

アルミン「ねえ、ちょっと待ってよ。なんかおかしいよね? 僕普通に流されちゃったけど、おかしいよね?」

ミーナ「さっきね。エレンに告白したの///」

アルミン「え? どんな風に?」

ミーナ「どんな風って……だってエレンは私のこと好きなんでしょ私だけが居ればそれでいいでしょだってエレンとは私は相思相愛だもんね恋人だもんね夫婦だもんねううんもう一心同体くらいだよね魂から繋がってるよそうでしょだってエレンは私が好きで私はエレンが好きだもんねだけどなんでかななんでエレンは私の前で他の女の話をするのなんでアニに触らせてんの蹴られたいのだったら私が蹴ってあげるよエレンの足が粉々になって立ち上がれなくなるくらいそうすればエレンは私無しじゃ生きていけなくなるよね大丈夫私が一生面倒見てあげるからねエレンのご飯作って食べさせてあげるから何の心配もないよ二人で一生生きていこうねああでもエレンそうしたらエレンの目玉も必要ないよねだって他の女を視界に入れちゃうんだもん今目の前に私の顔があるから今目玉を抉り取っちゃえば私の顔がエレンの最後に見た顔だよねそれいいねすごくいいよエレンの最後が私なんだよ凄いことだ思わないだってエレン二度と私の顔しか思い出せないんだよエレンそうしようよそうすべきだよエレンいいよねだって私たち相思相愛だもんねエレン好きだよ愛してるだから私以外の女に触れないで見ないで喋らないでエレン大好きエレンエレンエレンエレン」

ミーナ「はぁー、何回も言うと疲れるね。とりあえずこんな感じだよ?」

アルミン(あこれ一番アカン奴や)

ミーナ「じゃあ、ありがとね、アルミン。二人の幸せを祈っててね!」

アルミン「待ってよ、ミーナ! 今エレンを賭けてミカササシャクリスタユミルアニが争ってるんだ!」

ミーナ「うん。それはやらせとけばいいんじゃないかな?」

アルミン「えっ」

ミーナ「だって他の雌豚共が潰し合ってるんだよ? 放っておいたほうが得じゃない」

アルミン「えっ」

ミーナ「この間にエレンを奪っちゃったほうがいいでしょ。みんな頭悪いよね」

アルミン「えっ」

ミーナ「じゃあ今行くからね、エレン!」ダッ

アルミン「……えっ」

アルミン(こうしてエレンは、強襲してきたミーナの脅迫まがいの告白に気圧され、ミーナと付き合うことになった)

アルミン(その一報を告げた僕により、他五人の争いは止まった。幸いみんな大した怪我もなかった)

アルミン(けど事態は何一つ変わっちゃいない。今度はミーナの排除に向けて五人は動き出した)

アルミン(だが名目上はエレンの恋人であるミーナ。常にエレンの側に居ることで、表立って攻撃することが出来ていない)

アルミン(だから今はまだ表面的には落ち着いているけど、いつ爆発してしまうか……)

ミーナ「ほら、エレン。あーん」

エレン「お、おう……」

ミカサ「」ギリッ

サシャ「」ギリッ

クリスタ「」ギリッ

ユミル「」ギリッ

アニ「」ギリッ

アルミン「ハハハ、今日モゴ飯ガオイシイナァ」

アルミン(そして僕は、考えることをやめた)

おわり

エレン×ミーナ書こうと思ったらこうなった

ひょっとして>>1

エレン「最近下着とか色んな物がなくなるんだけど」

の作者?ヤンデレ怖かった…完結乙

>>51
ちがいます最近はヤンデレあんまり書いてないので久しぶりに書きました
あとそのSS読ませていただきますありがとうございます

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