幼馴染お姉ちゃん「濡れちゃった…」(351)

幼姉「男ぉ」

男 「はい? って、ズブ濡れじゃないですか」

幼姉「帰るとき川におちちゃって…」

男 「待ってください。着替え取ってきますから、ジッと…」

幼姉(ギュッ)

男 「幼姉先輩?」

幼姉「…あたま」

男 「え?」

幼姉「あたま、ふいて」

男 (ワシャワシャ)

幼姉「~~~♪」

男 「ごきげんですね」

幼姉「うん。濡れてよかったかも」

男 「良くはないでしょう」

幼姉「そんなことないよ。あ、もしかして迷惑だった?」

男 「そんなこと、ないですけど」

幼姉「なら、やっぱり濡れてよかった」

男 「…そう、ですか」

男 「ところで」

幼姉「んー?」

男 「頭をふくとき、普通は向かい合わせになりませんよね」

幼姉「そう?」

男 「はい」

幼姉「でも私、男にいつも、こうしてふいてもらってたよーな…」

男 「それは子どもの時じゃないですか。そもそも女性が男性に対して――」

幼姉「あ、そっか」

男 「話、聞いてます?」

幼姉「むかしは二人でふき合いっこしてたから、今でも向かい合わせなんだ」

男 「………」

幼姉「お風呂、毎日いっしょだったね」

男 「あ、あのですね」

幼姉「あの時は、体もふいt」

男 「着替え取ってきます!」

男 「取ってきました。入っていいですか?」

幼姉「いいよー」

男 「…服、着てます?」

幼姉「んー、ぬいじゃった」

男 「!? だ………大丈夫なんです、か?」

幼姉「うん。バスタオル体に巻いてるから、だいじょぶだよー」

男 「……………」

幼姉「どうかしたの?」

男 「いや、その…」

幼姉「ん?」

男 「し、失礼します」

男 「これです、どうぞ」

幼姉「ありがとね。…どうして顔そむけてるの?」

男 「…察してください」

幼姉「? うん。この服はおばさんの?」

男 「はい」

幼姉「風流だぁ。さすが」

男 「先輩、地味なの好きですよね」

幼姉「渋いって言って欲しいな。そのおばさんは?」

男 「親父と旅行です」

男 「ったく、いい歳して…」

幼姉「あつあつか。いいな~」

男 「俺はもう、どうでも『いい』って感じです」

幼姉「それじゃあ帰るのは明日?」

男 「ですね。お前は勝手にやってろって」

幼姉「ふーん。…ねえ」

男 「はい」

幼姉「お風呂かりていい?」

男 「…は?」

幼姉「川のにおいがね、体についちゃってる気がして」

男 「……………」

幼姉「だから、きがえる前に体を…男?」

男 「…待ってください」

幼姉「うん」

男 「先輩が、うちのお風呂に?」

幼姉「シャワーでいいんだ。だめかな?」

男 「駄目じゃないんですけど…」

幼姉「ふむ?」

男 「それだと俺は、今夜どこの風呂に入ればいいんでしょうか?」

幼姉「この家のお風呂でしょ」

男 「え?」

幼姉「え?」

男 「いいんですか?」

幼姉「なにが?」

男 「だって先輩が今からお風呂入って、俺はそのあと同じお風呂使う訳で。それは何かまずいような…」

幼姉「いっしょに入りたいっていこと?」

男 「そんなこと微塵も想像しませんでしたよ!?」

幼姉「…私にはよくわからないこと気にするなぁ、男って」

男 「先輩はおおらかすぎです…」

幼姉「なら―――お風呂洗おっか?」

幼姉「私が使ったって気付かないくらい、きれいにするから。それなら男も大丈夫でしょ」

男 「先輩が風呂掃除するんですか?」

幼姉「うん。ね、それならいいよね?」

男 「悪くないですか?」

幼姉「あはは。わるいのは私もだよ。シャワーかしてくれるなら、そのくらい全然だいじょうぶ」

男 「ですけど…」

幼姉「じゃあ二択ね。私がお風呂そうじか、男と私がいっしょにお風呂か。さあどっち?」

男 「待ってください」

男 「二択の内容偏りすぎですよね? というか選択肢もっと色々ありますよね!?」

幼姉「ないない」

男 「即答!?」

幼姉「選択肢が多いから人は悩むのです。さあ、えらんで~」

男 「えええ」

幼姉「ちなみに十秒以内にえらばないと、バスタオルとって私は蝶になります」

男 「えええ!?」

幼姉「スタート。じゅ、きゅ、はち、なな――」

男 「はえぇっ!」

幼姉「ろ、ご、よ、さん――」

男 「あ、ふ…」

幼姉「に、いち、ぜ――」

男 「風呂掃除! 風呂掃除でお願いします!」

幼姉「――ろ。…ふ~。あぶなかった」

男 「ま、まじで脱ぐ気だったんですか…?」

幼姉「ありえない、とも言い切れないね~」

男 「……………」

幼姉「見たかったの?」

男 「だから、そんなこと微塵も想像してませんってば!」

幼姉「あ、今“サントリー”が抜けた」

男 「…? な、何の話ですか?」

幼姉「昔の話」

幼姉「それ、じゃっと」

男 「! いきなり立たないでください!」

幼姉「え、立ったらだめ?」

男 「座り直さないで! そのまま行ってください!」

幼姉「うん。シャワーいただくね」

男 「…どうぞ、ごゆっくり」

幼姉「は~い」

男 「………………はああ」

男 「先輩は、どうしてこう無防備なんだろう…」

男 「しかも妙なところで強引だし…」

男 「髪はいい匂いするし…」

男 「胸はどんどんでかくなるし…」

男 「でも昔から全然変わらなくて…」

男 「昔、一緒にお風呂…」

男 「風呂ではd…羽化した先輩と…」

男 「………………」

幼姉「男ぉ~」

男 「へいぃぃい! ナンデショウか!?」

幼姉「あれ、おじゃま?」

男 「邪魔も何もクソもありゃしませんよ! ご用件は何でしょうか!?」

幼姉「ん。じゃ、短く。――ありがとう」

男 「…え?」

幼姉「頭をふいてくれたお礼。まだ言ってなかったから」

男 「そ、そんなの、わざわざ言わなくていいですよ」

幼姉「わざわざ言いたかったの。ひさしぶりだから、私すごくうれしかったんだよ」

男 「あ、あのくらい、ほんと大したことじゃないです。だから…

男 「その、照れるから、そんなうれしそうに言わないでください…」

幼姉「…ふふ」

男 「な、何ですか」

幼姉「男は、やさしいね」

男 「…………」

幼姉「それじゃ。じゃましてごめんね」
バタン

男 「…………」

男 「何やってんだ、俺は…」

男 「…顔でも洗うか」

シャー、ゴシゴシ
幼姉「~~~♪」

幼姉「なつかしいなぁ」

幼姉「お風呂ちっちゃい」

幼姉「私おっきくなったんだなぁ」

ゴシゴシ、ゴシゴシ
幼姉「…………」

ゴシゴシ、シャー
幼姉「…………」

幼姉「…でも、まだ二人分はあるかな?」

幼姉「男~、おわったよ~」

男 「ありがとうございまーす」

幼姉「あたまふいて~」

男 「…勘弁してくださーい」

幼姉「え~」

男 「服ちゃんと着てー、それからこっちに来てくださいねー」

幼姉「え、なに?」
ガラガラ

男 「だから服着て! バスタオル一枚でこっち来ないで!」

幼姉「気持ちよかった~。シャワーありがと」

男 「こちらこそ。風呂掃除、助かりました」

幼姉「お安いご用さ♪ 男は、もっと私をたよっていいんだからね」

男 「小さいころは頼り切りでしたね…。どうぞ牛乳です」

幼姉「おおお。男わかってる~」

男 「牛乳好きなんですね、相変わらず」

幼姉「やっぱり男はきらい?」

男 「コーヒー牛乳は大好きです」

幼姉「あはは。そっちもあいかわらずだぁ」

男 「牛乳ってそんな美味しいですか?」

幼姉「うん。のどごしサイコー♪」

男 「牛乳の匂いが好きになれないんですよねぇ。コーヒー入れたらそうでもないですけど」

幼姉「まあおいしい以外の理由もあるけどね、牛乳飲むのは」

男 「それは…初耳ですね」

幼姉「ほら、牛乳飲むとおっきくなれると言うでしょ? それでずっと飲んでるんだ」

男 「おっきく…」

幼姉「でも、これはおまけ程度の理由だよ。だって、ちっちゃいころから飲んでるのに、全然おっきくなれないんだもん」

男 「え、全然?」

幼姉「うん、全然」

男 「十分大きいと思うんですけど」

幼姉「女の子としては平均だけど、私はもっと欲しいの」

男 「えええ。平均はうそでしょう?」

幼姉「平均だよ、私のクラスでは…あ、そっか。男のクラスの女子の平均とくらべたら、私のがおっきいかもね」

男 「関係ありませんって。年上でも、先輩より大きい人なんて滅多にいませんから」

幼姉「…気つかってくれてる? うれしいけど、私そこまで気にしてないよ」

男 「事実を述べてるだけです。先輩はもっと自信を持ってください。先輩より大きくて立派な人なんて、相沢先生くらいなもんです」

幼姉「ああ、相沢ちゃんは背すっごいたかいよね」

男 「はい、だから…背?」

幼姉「180cmはあるって言ってたっけ。むかし話したとき、コンプレックスだってボヤいてたなぁ」

男 「……………」

幼姉「でも相沢ちゃん以外でも、私より背たかい人いると思うよ?」

男 「そ、そうですね。先輩より背が高い方は、他にもたくさんいらっしゃいますよね」

幼姉「うん。たとえば私の目のまえにいる人とかね」

男 「…え、俺のことですか?」

幼姉「俺のことです。私が牛乳飲みはじめたのは、男が原因なんだよ」

男 「事実を述べてるだけです。先輩はもっと自信を持ってください。先輩より大きくて立派な人なんて、相沢先生くらいなもんです」

幼姉「ああ、相沢ちゃんは背すっごいたかいよね」

男 「はい、だから…背?」

幼姉「180cmはあるって言ってたっけ。むかし話したとき、コンプレックスだってボヤいてたなぁ」

男 「……………」

幼姉「でも相沢ちゃん以外でも、私より背たかい人いると思うよ?」

男 「そ、そうですね。先輩より背が高い方は、他にもたくさんいらっしゃいますよね」

幼姉「うん。たとえば私の目のまえにいる人とかね」

男 「…え、俺のことですか?」

幼姉「俺のことです。私が牛乳飲みはじめたのは、男が原因なんだよ」

幼姉「私が小学校の低学年くらいのとき、男に背をぬかれたでしょ?」

男 「ですね。あのときは感動したなぁ」

幼姉「ぬいた方はいいよ。ぬかれた方は逆」

幼姉「私すっごいショックで。ぜったいおいこしやる!って毎日飲むようになったんだよ、牛乳」

男 (…理由が可愛すぎるな、この人)

幼姉「まあ、もう流石にあきらめてるけどね」

幼姉「それに、わるいことばかりじゃなかったし」

男 「俺に身長抜かれて、何かいいことが?」

幼姉「うん。男にあたまをふいてもらえて、うれしいかったのは事実だもの」

男 「えっと…」

幼姉「だから責任とってよね、男♪」

幼姉「そういえば、この服どうかな?」

男 「似合ってますよ」

幼姉「でしょう!」

男 「でも米模様とか、女子校生が着る服じゃないような…」

幼姉「粋なフンイキでいいよね~、これ」

男 「いや、先輩が喜んでるなら、それでいいんですけど…」

幼姉「男がえらんでくれた服だから、よけいにうれしい」

男 「…ですね。悪いのは全部俺です」

幼姉「この服もかえさないとね」

男 「気にしなくていいですよ。お袋、どうせ明日まで戻らないですし」

幼姉「男は夜ごはんどうするの?」

男 「……大丈夫ですよ。お袋がメシ残してってくれましたし」

幼姉「え?」

男 「え?」

幼姉「この服もかえさないとね」

男 「気にしなくていいですよ。お袋、どうせ明日まで戻らないですし」

幼姉「男は夜ごはんどうするの?」

男 「……大丈夫ですよ。お袋がメシ残してってくれましたし」

幼姉「え?」

男 「え?」

男 「どうかしました?」

幼姉「えっと…意外だな、って思って」

男 「ですよねw」

幼姉「おばさんなら、」

幼姉『いい歳なんだから、一人で何とかしろ。できなきゃ米でもかじってろ』

幼姉「って言いそう」

男 「…一瞬、本人かと思いましたよ」

幼姉「ちょっとやめてよ」

男 「すみません。失礼でした」

幼姉「そうだよ。私、おばさんみたいに美人じゃないってば~」

男 「先輩。鬼ってのはカテゴリ分けすると、美人どころか人にすら含まれないんですよ?」

男 「まあ鬼の目にも涙というか、夕メシは問題ないですから」

幼姉「うん、それ聞いて安心…した」

男 「先輩、これからどうします?」

幼姉「とりあえず…帰ろうかな。やることあるから」

男 「そうですか」

幼姉「それじゃあ。いろいろありがとう」

男 「はい。さようなら」

幼姉「またね」

バタン

幼姉「ふぅ…」

幼姉「…………」

幼姉「…あのうそつきめ」

さあgdgdになってまいりました。
思い付きでエピソード追加するものじゃありませんね。
今日の分の更新は以上です。次回は日曜辺りだと思っていてください。
それではありがとうございました。

おまけ
>>36の続き
男 「ぶっ。どういう意味ですか!?」

幼姉「え、次もあたまをふいて欲しいって意味だけど?」

男 「…遠慮します」

幼姉「え、それずるい。責任とってよ」

男 「ずるくありません。どちらかと言えば、先輩のが…」

幼姉「ん?」

男 「…なんでもありません」

幼姉「むう。なになに。気になるんだけど」

男 「気にしないでください。その時になったら、どうせ俺は勝てないってだけの話です」

幼姉「?」

>>43
くだぐたしてないよ!

客観的にはいい感じ

   回想:朝

男母『幼ちゃん』

幼姉『おばさん、おはようございます』

男母『おはよ。髪型、変えた?』

幼姉『はい。長くて邪魔なので、軽く結い上げました』

男母『いいわね。元気があふれる印象で、とても魅力的』

幼姉『あはは、どうもです。そちらこそ、ずっと格好いい美人で羨ましいです』

男母『れは努力の賜物ね』

幼姉『努力ですか』

男母『そ。誰でも出来る努力。…幼ちゃんなら』

幼姉『はい?』

男母『私よりもっと綺麗になれるかも。それこそ努力次第で、ね』

幼姉『…おばさん、私のことからかってません?』

男母『あら? 素直な幼ちゃんらしからぬ見解ね』

幼姉『うーん。おばさんより綺麗な私って、どうも想像できないんですよね』

男母『…幼ちゃんって、ほんと褒め甲斐ある子よねぇ』

幼姉『えっと、とりあえず光栄です』

男母『うちのドラ息子も、幼ちゃんの十分の一でも可愛げがあれば…』

幼姉『男ほど純粋な子も、珍しいと思いますよ?』

男母『ありゃ単純、もしくは極端って言うの』

男母『ったく。余計なとこだけ旦那に似やがって』

男母『今からお出かけ?』

幼姉『はい。部活です』

男母『文芸部だっけ? 土曜なのに随分と熱心ね』

幼姉『おばさんこそお出かけですか?』

男母『お出かけというか、旅行ね。出張している旦那のとこに遊びに行くとこ』

幼姉『おじさん、出張してたんですか?』

男母『ええ。出張して、もう三日くらい経つわね』

幼姉『それじゃあ男一人でお留守番?』

男母『まぁね』

男母『アレの面倒見なくていいからね。米と水はあるから、死にゃしないわ』

幼姉『お米と水…。あの、料理の作り置きは?』

男母『私が料理できるわけないじゃない』

幼姉『…ですよね』

男母『旦那いなかったら、一週間で餓えて死ぬ自信あるわよ、私』

幼姉『そんな大真面目に言われても…。外食とかダメですか?』

男母『駄目。あんなの我慢して食うもので、生きるために食うものじゃない』

男母『旦那や幼ちゃんのご飯がない世界なんて、存在する価値すらないわ』

幼姉『なんかプレッシャーかかってきました』

男母『昨日までは冷凍庫に旦那の作り置きがあったんだけどねぇ』

男母『それも全部食べちゃったから、物の見事にすっからかん』

男母『残ってるのはドリンクと調味料くらいじゃないかしら?』

幼姉『…面倒見に行ってもいいですか?』

男母『そりゃ別に構わないけど…幼ちゃんも物好きね。アレの世話買って出るなんて』

幼姉『意地っ張りな男をフォローできるのは、私の生き甲斐ですから』

男母『生き甲斐ねぇ…。乙女すぎるぞー、幼ちゃん』

幼姉『え……あ。』

男母『大丈夫? そんなこと言ってると、将来アレと結婚することになるわよ』

幼姉『kっこn!? いや違くて、あくまで生き甲斐の…そう、一つです! 数ある中の一つ!』

男母『へーそーなのねー』

幼姉『あーもう信じてください! そ、そうだ、あれです!』

幼姉『粗雑でだらしなくて野性的なおばさんのお世話を、おじさんがするのときっと同じことです! 放って置けないだけなんです、私も』

男母『…中々言うようになったわね、幼ちゃんも』

男母『それじゃ、私そろそろ行くわ』

幼姉『は、はい。お気をつけて』

男母『ありがと。――そうだ。一応用心しときなさい』

幼姉『何にですか?』

男母『ウチのむっつり馬鹿エロ息子に。あいつが変なことしたら、殺虫剤ふっかけなさい』

男母『トドメに「ごめんね。あなたからゴキブリの匂いがしたから、つい」って言うのよ』

男母『遠慮は厳禁よ。一言で仕留めなさい。あいつのメンタル、ゴキブリ並みにしぶといわよ』

幼姉『大丈夫ですよ。男は、人が嫌がるようなことは絶対にしませんから』

男母(…なんだか親バカな母親みたいな口ぶりね)

男母『まあ…確かに。あのヘタレにそんな甲斐性ある訳ないか』

幼姉『そうです。男はよい子です』

男母『あーそうねー。んじゃね』

幼姉『はい。では~』

幼姉『男、今日ひとりか…』

幼姉(行っていいよね。ひとりじゃ、大変だもん)

幼姉(…もう)

幼姉(男のいえに行く理由なんて、たしかめる必要ないじゃない)

幼姉『とにかく、部活おわったら顔出そう』

幼姉(うん。年上なんだから、私がしっかりしないとね)

幼姉「…と意気込んでみたけれど、ぎゃくに面倒見られちゃったか~」
※回想終了

幼姉(まあ、それでお風呂そうじできたのは怪我の功名かな)

幼姉(おばさんの服をかりたことも、洗濯する際のいい口実になるし)

幼姉(あとはご飯だけど…男めぇ)

幼姉(ご飯が残ってるなんてウソついて…)

幼姉(そんなこと言われたら、私がご飯つくりにくくなるでしょう!)

幼姉(忘れたふりして持って行く…不自然だなぁ)

幼姉(いっぱい作りすぎちゃって…定番すぎるぅ)

幼姉「…ああ、もー! なんでこんなことで悩んでるのよぉう、私はぁぁ!」

男母『米と水と冷蔵庫の中、その他の生活必需品は自由にしていい』

男母『それ以外の物の使用は、電話で私か旦那の許可をとる』

男母『金銭は二千円まで。それ以上の金銭は、緊急時を除き決して用いない』

男母『上記の事項を破った場合、あんたの大事にしてるもの、全部まとめて灰にする。以上』

男 「あのばばあ…」

男 (料理じゃなくて脅し文句を残してくとか、母親以前に人間としてどうなんだよ…)

男 「二千円…食費にするより、貯めて漫画用に回すべきか」
ガリッボリッ

男 「先輩の言う通りにしてみたが、米いけるな」
ガリッボリッ

男 「…………」
ガリッボリッ…

男 「…先輩、背のこと気にしてたんだ」

男 「あの人、俺の知らないところで、けっこう悩んでたりするのかな?」

男 「真面目だもんな、先輩」

男 「まあ何にしろ、俺のことで負担かける訳にはいかんか」

男 「…しかし、今日この家に俺一人か。くくく」

男 「ってことは、別にリビングで秘蔵のDVD再生しても構わんのだろう?」

男 「さーて、今日はやりたい放題…」

      『男は、やさしいね』

男 「…い、いや、先輩は関係ない。俺はそんな、」

      『いっしょに入りたいっていこと?』

男 「……………」

男 「俺は今夜、眠れるんだろうか…?」

おめー(男)の出番(少)ねーから!
まあ野郎とかどうでもいいですね。
次回更新は木曜くらい目指して頑張ります。
…しかし長期化してきたな。これ来週までに終わるんだろうか?
それではありがとうございました。

>>48
ありがとう。もう何も怖くない。

幼姉「男ー、またお願ーい」

男 「どうしました?」

幼姉「これ」

男 「ケチャップのビン?」

幼姉「うん。フタ開かなくて」

男 「貸してください」

幼姉「はい。…わ、もう開いた」

男 「何を作ってるんですか?」

幼姉「ロールキャベツ。―――そうだ、男も食べない?」

男 「いえ、お構いなく」

幼姉「でも、お礼もしたいし」

男 「お礼?」

幼姉「フタ開けてもらったお礼」

男 「別にいいですよ、大したことじゃないし」

幼姉「頭も拭いてもらった」

男 「いやそれだって、大したことでは…」

幼姉「着替えも取ってきてもらった」

男 「気にする必要ないですってば」

幼姉「…食べたくない?」

男 「え?」

幼姉「もしかして嫌なの?」

男 「そんな、嫌がってないですって」

幼姉「でも、断り方がすごいかたくな…」

男 「それは…ほ、ほら。今うちには残り物があるじゃないですか」

男 「だから先にそれ食べないと、やばいって言うか」

幼姉「でも冷蔵庫に入れてるんだよね?」

男 「え、はい」

幼姉「ならあしたでも大丈夫だよ。悪くなるものなら、冷凍庫に入れ直せばいいし」

男 「いや、そうかもしれませんけど」

幼姉「なんなら、それも私がやってあげる?」

男 「え、いやいやいや! それは自分で出来ます!」

幼姉「じゃあ、問題ないね」ニッコリ

男 「う…」

幼姉(…うそついた罰なんだから)

幼姉「つめたいご飯より、あたたかいご飯のがおいしいよ?」

幼姉(いっぱいこまらせてから、いっぱいご飯食べさせてやる)

幼姉「だから、ね?」

男 「うーん。正直ありがたい話だとは思いますけど…」

すんません。書き溜めた分が切れました…。
中途半端ですけど、今日はここで終わりです。
日曜までには、何とか目途つけてきます。失礼しました。

>>71追加

男 「―――――はいいんですか?」

幼姉「え?」

     数十分後

幼姉「ねえ」

男 「……」

幼姉「だまらないで」

男 「……」

幼姉「私は…言ったよ?」

男 「……………」

幼姉「だから、聞かせて。あなたの返事を」

男 「……………俺は」








   男「…貴女が好きです」

     数十分後の数十分前

男 「文芸部の方はいいんですか?」

幼姉「え」

男 「学校、行ってましたよね」

男 「ってことは例の冊子に載せる文、まだ書けてないんじゃ…?」

幼姉「それ男に言ってなかった…よね?」

男 「おばさんから聞いたんです。幼姉先輩が、今度文芸部で出す冊子に小説載せるって」

男 「その…ロールキャベツを作ってる余裕、あるんですか?」

幼姉「し、心配しすぎだよ。いそがしいのとヒマがないのは別で、男にお夕飯つくるくらい――」

男 「期日は?」

男 「期日は、いつなんですか?」

幼姉「さ、再来週の月曜…」

男 「……」

幼姉「…………のいっしゅうかんまえ」ボソッ

男 「それ来週の月曜ですよね」

幼姉「そこは聞こえないふりしてよぉ…」

男 「どのくらい書けてるんです?」

幼姉「は、はちわりー…」

男 「の半分?」

幼姉「…はい」

男 「四割ってまだ半分も書けてないじゃないですか!?」

男 「それ大丈夫なんですか?」

幼姉「ま、まだ書く時間あるもん」

男 「あと二日しかないんですけど…」

幼姉「でも睡眠時間のぞけば42時間あるよ?」

男 「睡眠時間を削るなら、夕飯作る時間を削って下さい」

幼姉「だめかな?」

男 「駄目です」

男 「ありがたい申し出でしたけど、そういうことなら夕飯作ってもらう訳にはいきません」

幼姉「男ひどいぃ…」

男 「ひどくありません! …というか、どうしてこんなことになったんですか?」

幼姉「うーん。なじみがない分野えらんじゃったせいかな?」

男 「馴染みがない? 何のジャンル書いてるんです?」

幼姉「ロマンスもの、だけど?」

男 「ろ…マロン?」

幼姉「ロマンス。おとことおんなのあまーいお話」

男 「…お、お菓子的な意味ですか?」

幼姉「マロンこだわるなぁ。うん、まあハニーでスイートな感じ」

男 「男女の恋愛って、なんでそんな話を?」

幼姉「おかしー、かな?」

男 「おかしくはないですけど、かなり意外と言うか…」

男 「なんでそんなチョイスを?」

幼姉「うちの部長がマロン大好きだから」

男 「どんな理由で!?」

幼姉「モンブランが特に好き」

男 「因果関係ゼロですよね!? いや、俺もモンブラン大好きですけど」

幼姉(…やった♪)

幼姉「それなら男とモンブランのラヴ・ロマンスもいけそうだね」

男 「なるほど、それは甘いお話ですね…って、んな訳ないでしょ!」

幼姉「うん、それ」

男 「…え?」

幼姉「女の子は甘いものも好きだけど、甘いお話も大好きなの」

幼姉「文芸部、部員はいま女の子しかいないの」

幼姉「部長がつぎの冊子はロマンスでいかないかって言ったら、みんなノリノリで」

幼姉「だから、わたしもノリで書くことになったの」

男 「…幼姉先輩って、そういうの好きなんですか?」

幼姉「ぜんぜん」

男 「断れば良かったじゃないですか…」

幼姉「ノリ…いきおいがすごかったんだ。それに私にも責任あったから」

男 「責任?」

幼姉「火をつけたのは部長だけど、油をそそいだのは私というか…」

男 「何があったんですか」

幼姉「ながれで男との思い出を2,3こ話したら、なんか評判よくて」

男 「待ってください」

男 「あの、なんでロマンスの話で、お…俺のことが話題に上るんですか?」

幼姉「だって、私にとっておとこの人と言えば、あなたしかいないもの」

男 「……………」

幼姉「あれ、どうしたの、男?」

男 「…何でもありません」

男 「ちなみに思い出話っていったい何を?」

幼姉「3年生の市民プールと、こたつの中の秘密基地」

男 「なぜ選りによってその話を!?」

幼姉「もう時効かなと思って」

男 「黒歴史に時効なんて存在しないんですよ!」

幼姉「私にとってはいい思い出なんだけど…男はちがうの?」

男 「いや、それは俺もですけど、その話は二人だけの秘密というか何というか…」

幼姉「ふたりだけの秘密…ロマンスの匂いがするぅ♪」

男 「幼姉先輩はもうちょっと真面目に考えてください!」

幼姉「…話しちゃダメだった?」

男 「駄目でした! 絶対駄目でした!」

幼姉「えっとじゃあ書くのも?」

男 「それはもちr…書く?」

幼姉「この話、小説でつかおうかなーって思ってるんだ。どう?」

男 「駄目です」ニッコリ

幼姉「男の名前は出さないよ?」

男 「当然です! 俺を殺す気ですか!?」

幼姉「…男の気にするところが、やっぱりよくわからない」

男 「だから幼姉先輩は大らかすぎるんですって」

幼姉「わかった。男とのことは、書かない」

男 「はい。お願いします」

幼姉(大らか…)

幼姉(さっきは気付かなかったけど、うらを返せばそれって…)

男 「――――てくれます」

幼姉「え?」

男 「だから小説です。ちょっと持って来てもらっていいですか?」

幼姉「いいけど、どうして?」

男 「仕方ないでしょ。締切間近だってのに、あれ書いちゃ駄目これ書いちゃ駄目じゃ、流石にまずいですし」

男 「その、もうちょい軽いネタなら使っていいです。…何なら、俺も一緒に考えます」

幼姉「男…」

男 「な、なんですか。言っときますけど、こたつの話は絶対に――」

幼姉「大好き」

男 「―――え?」

幼姉「私は果報者すぎるなぁ…」

男 「…………え?」

幼姉「それじゃあ小説取って来るね」
バタン

男 「…………え?」

男 「……………………ええ!?」

バタン
幼姉「変なながれになっちゃった」

幼姉「…………」

幼姉「大らか、か」

幼姉「なにごとも気にならない…気にしない」

幼姉「うらを返せば無神経」

幼姉「あは。否定できないかも」

幼姉「…………」

幼姉「…今夜は男にご飯つくれるかな?」
パタパタ

     数十分後の続き

男 「俺は」

幼姉「…………」

男 「貴女が好きです」

幼姉「…………ぷっ」

幼姉「あはははははははは!」

男 「なんで笑うんですか!?」

幼姉「ご、ごmえん、だて、男のかお……ふぁは、あはははは!」

男 「あーもう自分でもわかってますよ!」

男 「緊張してますよ! だって慣れてないんですよ、こんなこと!」

幼姉「ふふふふふ…はぁ。ごめん。つきあわせておいて、これはないよね」

男 「…そう思うなら笑わないでください」

幼姉「じゃあもう一回する? 今度はまじめにやるから」

男 「全力で遠慮させていただきます」

幼姉「ふふ。そうだね」

幼姉「…ありがと。おかげで小説ラストのだいたいのイメージはつかめたみたい」

男 「どういたしまして。それなら笑われた甲斐があるってもんです」

幼姉「ああ、ほんとにごめんてば。だから、そんなすねないで」

男 「すねてません」

幼姉「かたもむ? 飲みもの持ってこよっか?」

男 「…どっちも結構です」

男 「それより中盤はどうするんです? そっちはまだ何も決まってませんけど」

幼姉「だね。そこ私がいちばん苦手なところ」
モミモミ

男 「アイディアは何か」

幼姉「うーん。ふたりのびみょうな距離感が骨だけど、けど肉をそこにどうつければいいのか…」
モミモミ

男 「…構想はできてるけど、その描写をどうするかは決まってない訳ですか」

幼姉「うん。…どうしようか」

男 「…あの、肩もみ別にいいですから」

幼姉「え…あ、ごめん」

幼姉「無意識だったの。ごめんね」

男 (無意識って…)

男 「えっとそれで中盤ですけど、なんか参考になりそうなものは?」

幼姉「うーん。ちょっと思い浮かばないけど…そうだ」

幼姉「学校いけば、ひらめくかも」

男 「え? でも午前中に行ってますよね?」

幼姉「ううん。私だけじゃだめだけど、今は…あ」

男 「今は?」

幼姉「えっと…やっぱ何でもない」

男 「? とにかく学校に行けばアイディア出るんですね」

幼姉「…たぶん」

男 「わかりました。じゃあ行きましょうか」

幼姉「え?」

男 「どうかしました?」

幼姉「えっと、それは男もいっしょに?」

男 「当たり前でしょ」

男 「時間もないからさっさと行きましょう」
トットッ

幼姉「…ほんと」

幼姉「私はしあわせものだぁ」

やっと寝れる…。
とりあえず100まで何とか来ました。
…付き合ってれてる方、いませんよね?
いたらほんとすんません。もう何と言うか大好きです。
次回更新はよくわかんないです。とにかく眠いので、おやすみなさい。

文芸部部長「幼姉、帰れぇ!」

男の娘部員「あ、幼姉だ」

部員女子「……いらっしゃい」ボソッ

幼姉「やっほー部長、員子、男娘」

男 「し、失礼します」

部長「なに男連れで戻って来てんの!? ここは神聖なる女の園『文芸部』よ? カップルがいちゃつくところじゃねえんだよ、この腐れアマがぁ!!」

男娘「お、なになに。その男子が噂の彼?」

幼姉「うん。その幼馴染」

男 「男です。幼姉先輩の付添いで来たんですけど…お邪魔でしたか?」

部長「ようこそ文芸部へ。歓迎するわ、男くん」ニッコリ

男 「は、はい」

部長「――おいこら幼姉、聞いてんの!? 私はあんたに言ってるのよ、あ・ん・た・に!!」

幼姉「え、ごめん。なに部長?」

部長「あんたってやつはぁぁぁ!!!」

男 「…………」

員子「……お茶どうぞ」
スッ

男 「あ、ありがとうございます」

男 「…あの」

男娘「ん、どうしたいお客様」

男 「その…止めなくていいんでしょうか?」

部長「幼馴染持ちとかリアルに存在してんじゃねえよ! 妄想の聖域を足蹴にするバイロン主義者が! そんなやつが小説を、妄想の神髄をマスターできると思うなよ、ちきしょうめぇ!」

幼姉「だよね。私も続き書けなくて困っちゃって」

部長「こまってるだぁ? そんな悩みアピールする資格、あんたにあると思ってんの、このリア充が!」

幼姉「部長は大丈夫? 午前中まだ2行しか書けてなかったよね」

部長「けっ。他人のこと心配するたぁ随分余裕じゃないの。持たざる者への憐みのつも―――」

男娘「――大丈夫じゃない。ねえ?」

員子「……いつものこと。心配いらない」

男 (なんだあの闘牛トークバトル…)

男娘「小説書けなくて、気が立ってんのよ。ってかあの日?」

員子「……壊れたラジオと思えば、そんな気にならない」

男 (あの日?)

男娘「それより自己紹介させてよ。あたしは男娘って言うの。君の先輩ね」

男娘「で、こっちは」

員子「……2年の員子。よろしく」

男 「はい。はじめまして。員子先輩、男…娘先輩」

男娘「ん? あたしの名前がどうした?」

男 「あ、すみません」

男 「その…先輩の名前が、少し男性的だなと思いまして」

男娘「男性的ってか、男性の名前でしょ。パー璧」

男 「…変わってますよね。女の人に、そういう名前って」

男娘「いや全然普通よ、これ」

男 「そうなんですか? 女性でそういう名前の人って、あまり聞かないですけど」

男娘「そっちじゃないって」

男娘「逆よ、逆」

男 「逆?」

男娘「あたし男性だから」

男 「…ダレガデスカ?」

男娘「あたしが」

男娘「男性に、男性の名前がついてるなんて、普通でしょ?」

員子「……男娘の見た目、普通じゃないから」

男 「だ、男性、なんですか?」

男娘「イエース。何なら一緒に連れション、する?」

男 「え、ええええ。それはちょっと…」

男娘「あっはっは。可愛いなぁ君は」

員子「……セクハラ駄目」

男娘「かたいこと言わない、言わない」

男娘「こんな可愛い男の子が来てセクハラしないなんて乙女の名折れよ、名折れ」

員子「……セクハラおやじ乙女」

男娘「なによう。幼姉の彼氏が来たってのに、そっちは気にならない訳?」

男 「…はい?」

員子「……節度は大事」

男 「あの、誰が誰の彼氏、って言いました?」

男娘「君が幼姉の彼氏だって。そうなんでしょ?」

男 「いやいや。違いますから」

男 「お…ぼくと幼姉先輩は単なる幼馴染です。幼姉先輩だって、そう言ってたでしょ?」

男娘「まぁね~。…で、実際のところどうなのよ?」

男 「いや、だからですね」

男娘「単なる幼馴染ねぇ。こたつの中からスカートに手をつっこんでパn…」

男 「ストォォォップ!!!! な、何の話を始めてるんでうすか一体!?」

男娘「君の武勇伝についてだけど? いや~可愛い顔してやるねぇ、君」

男娘「泣いてる幼姉に、責任取るって約束したんだって? それは責任取らないと駄目だよねぇ~」ニヤニヤ

男 (…いっそひと思いに殺してくれ)

幼姉「男娘ぇ…」
ガシッ

男娘「およ?」

幼姉「男をいじめるなぁ」
コチョコチョ

男娘「ちょ、やめ…うひゃひゃひゃひゃ!」

員子「……自業自得」

部長「まったく騒がしいわね」

男娘「ぶひゃひゃひゃ、ちょ、まじこきゅこきゅできなきゃきゃきゃ!」

男 「幼姉先輩ストップ、ストップ!」

幼姉「あんなに念押ししたのに、なんで約束守らないのよぉ」

部長「ちょっとそこ喧嘩やめなさい! お客様の前でみっともない」

男 「俺たち話してただけで、いじめられてた訳じゃないですから!」

男娘「言てないぃひひひひひ、あのことはぁあはははははは!」

幼姉「でも言おうとしたでしょ、もおぉ!」

部長「豚みてえな声出してんじゃねえよ男娘! てめえらがクソみたいな理由で騒ぐなのは勝手だがな、この部室では絶対に――――」

員子「……………」ズズズ

前回へタレたらみんな優しすぎワロタw
会話劇の収拾がつかなくなったので、今日の更新は以上です。
今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました。

PS.罵倒セリフ書いてると心の安らぎを覚える今日この頃。
最近ニコニコで全話無料配信しているアニメがあるのですが、そこにも良い罵倒キャラがおります。
聞いてて清々しさを覚えます。良いアニメです。
…うp主はMじゃありませんよ?

男 「お邪魔しました」

幼姉「またねー」
ガラガラ

男 (しかし何だったんだ、あの人は…)

幼姉「いこっか」

男 「…もういいんですか?」

幼姉「うん。さしいれ渡したから」
トコトコ

男 「何を差し入れたんです?」
テクテク

幼姉「シーブリーズだよ」

男 「? 何です、それ?」

幼姉「化粧水みたい。つけるとスースーするから、眠気がふっ飛ぶんだって」

男 「使ったことあるんですか?」

幼姉「ぅんにゃ。私はお茶」

男 「…眠気覚ましがそれって、渋いなぁ」

幼姉「熱くて渋いのが効くのよねぇ」

男 「アイディアは出ましたか?」

幼姉「うん。おかげ様で」

男 「それはよかった。どんな話にするんです?」

幼姉「んっとね―――」

   中略

幼姉「―――という感じかな」

男 「…………………えっと」

男 「アイディアは出ましたか?」

幼姉「うん。おかげ様で」

男 「それはよかった。どんな話にするんです?」

幼姉「んっとね―――」

   中略

幼姉「―――という感じかな」

男 「…………………えっと」

男 「ヒロイン、死んじゃうんですか?」

幼姉「うん。序盤すぐに」

男 「そのあと主人公は恋人だったヒロインとの思い出を振り返り、」

男 「ラストは教室にあるヒロインの日記を見て、主人公が号泣して…」

幼姉「終わり。どうかな?」

男 「あの、二人の微妙な距離感は…?」

幼姉「そこは変えてないよ。びみょうな距離感のまま死にわかれて、それを悔やむ男の子、って構図だけど」

男 「さっき家でやった告白シーンって、ラストの話じゃ…?」

幼姉「プロローグでも使うよ。ラストのは幻聴」

男 「………………」

幼姉「どうかした?」

男 「いえ…。そういや幼姉先輩って普段は明るいけど、落ち込むときは際限ない人だったよなぁ、と思い出しまして」

幼姉「? えっと、それ作品の感想?」

男 「作品の方は…うーん」

幼姉「だめ?」

男 「駄目じゃないですけど…」

男 「なんか救いがないような」

幼姉「そう? たしかに自分でも暗いお話だと思うけど」

男 「あります、救い?」

幼姉「主人公にはないかも」

男 「ヒロインにだってないでしょ」

幼姉「あるよ」

男 「え?」

幼姉「だって好きな男の子が、自分の死を悼んでくれてるんだよ?」

男 「それが救いですか?」

幼姉「うん」

男 (随分うしろ向きな救いだなぁ…)

男 「…女の人の感性はよくわからない」

幼姉「女の人…って、ふつうそうなの?」

男 「いや俺も適当に言っただけで、よくわかんないですけど」

男 「そういえば、この小説の題名って何です?」

幼姉「命短し恋せよ乙女」

男 「内容知ったあとだと、それ脅迫にしか聞こえないんですけど…」

男 「ところで、完成してた4割は、どこにいったんですか?」

幼姉「回想でつかうよー」

男 「あの、この話の結末っていつから考えてたんです?」

幼姉「…最初からかなー?」

男 「いや嘘ですよね!? 俺、最初はこれ普通の恋愛小説だって思ってましたよ!」

幼姉「ほら、敵をだますにはまず味方から、って言うし」

男 「敵がまずいないんですけど…」

幼姉「男、創作においては固定観念がつねに敵なんだよ」

男 「それっぽい言葉で誤魔化してませんか?」

幼姉「………男」

男 「はい」

幼姉「今夜のロールキャベツ、楽しみにしててね♪」

男 (…まあいっか)

男 「って、あれ?」

男 (楽しみにしててね?)

幼姉「じゃ、帰ろっか」

男 「あ、はい。あn」

幼姉「文芸部、よっていい?」

ピクッ
男 「まだあそこに用があるんですか?」

幼姉「え。う、うん…」

幼姉(あ、あれ…? おもったより反応がつよい…?)

男 「あの部長って人、まだいますよね?」

幼姉「うん。たぶん」

男 「…どんな人なんですか、あの人」

幼姉「えっと、いい子だよ。一言であらわせば、情熱のひと、かな。」

男 「なるほど。いい人ですか」

幼姉「うん…」

幼姉「部長が、どうかした?」

男 「いえ。少し気になったので」

幼姉「え?」

男 「あんな口の悪い人、見たことありません」

男 (幼姉先輩に向かって…何様のつもりだよ、一体)

幼姉「あ、そっちか」

男 「そっちも何も、気になるところなんて他にないでしょ」

幼姉「…子どもだなぁ、男は」

男 「はい?」

幼姉「あんな美人と会って、口のわるさしか気にならないなんて」

幼姉「思春期の男の子として、それはどうかと思うよ?」

男 「そんな美人でした?」

幼姉「うわ」

男 「何です、大げさに驚いちゃって」

幼姉「いや。ほんとに心配になってきちゃった」

幼姉「知らない? 部長ってすごくモテるんだよ?」

男 「はあ」

幼姉「告白された回数、これだよ、これ」
ピッ

男 「三回?」

幼姉「ううん。三ケタ」

男 「え、そりゃすごいですね」

幼姉「でしょ? たぶん男のクラスにも告白した子いるんじゃないかな」

男 「…かもしれませんね」

男 「そういや、2年生にすごい美人がいるって話、したことあるかも」

幼姉「そうだよ。そんな美人に、さっきの反応はおかしいよ」

男 「いや、そんなこと言われても…」

男 「ってか、あの性格でモテてるんですか?」

幼姉「あの?」

男 「あんな口が悪くちゃ、いくら美人だって尻込みする男子のが多いと思うんですけど」

幼姉「ああ、あれは文芸部限定の性格だから」

男 「文芸部限定?」

幼姉「そう。創作するときはテンション上がって、自然と口数ふえるみたい」

幼姉「クラスだとふつうに人当りのいい子だよ」

男 「ふーん」

幼姉「関心ないなぁ。男はどんな女の子がタイプなの?」

男 「へ?」

幼姉「だから好みのタイプ。部長がだめなら、やっぱり可愛い系?」

男 「いや、俺は別に…」

幼姉「えーないの? ほんとに?」

男 「そ、そういう幼姉先輩こそ、どうなんですか?」

幼姉「え、私?」

男 「俺が答えてばっかでずるいですよ。幼姉先輩こそ、どんな男性が好みなですか?」

幼姉「えーっと…考えたことないかも」

男 「ない?」

幼姉「ともだちになりたいタイプの男の子、じゃダメだよね?」

男 「まあ、好みってのは、恋人になりたいって意味とイコールだと思いますけど」

幼姉「……………」

男 「幼姉先輩?」

幼姉「ごめん。すぐには答えられないかも」

男 「いえ。あの、そんなマジで考えなくても平気ですよ?」

幼姉「そう? …うん。そうだね」

幼姉「とりあえず部室いこっか。帰って準備もしたいし」
トコトコ

男 「あ、はい」
テクテク

幼姉(……………)

幼姉(恋人になりたい男の子かぁ…)

今日の分は以上です。
それと前回と前々回、更新日予告しないですいませんでした。
更新は今後も、基本的に木曜と日曜に行っていこうと思います。
それではありがとうございました。

訂正
× なりたい
○ したい

ですね。文章分かり難くてすいません。

男 「お邪魔しました」

幼姉「またねー」
ガラガラ、バタン

部長「…しっかし一体何しに来たのかしら、あの女」

男娘「差し入れ届けに来たんでしょ。ほらアンタの好きなシーブリーズ」

部長「いんない。ウチ帰ったら残ってるやつ、まだあるし」

男娘「そう? 員子は?」

員子「……痛いの、きらい」

男娘「よねぇ」

部長「言うほど痛かないわよ。員子は、単なる使わず嫌いでしょ」

男娘「顔に劇薬ぬりたくって、赤鬼状態でエキサイトしてる人に勧められても…」※

部長「劇薬言うな。気合いが足んないのよ、あんたらには」

男娘「…まあ、それは置いといて」

※うp主はシーブリーズを使用したことがありません。
  この台詞はうp主の偏見に基づくものなので、ご注意ください。

男娘「どう思う、あの二人?」

部長「何がよ」

男娘「付き合ってるかどうか」

部長「は?」

員子「……わたし、違うと思う」

男娘「あたしは付き合ってるに一票」

部長「付き合ってるでしょ、あれは」

男娘「部長もそう思ったんだ」

部長「そりゃ思うわよ。だって」

部長『で、男がねぇ~』

部長「って名前出す度に幸せそうな顔するんだもの。…ちっとは隠せっての、あの馬鹿犬娘」

男娘「幼姉ってば完璧惚れてるわよね。ぞっこんLOVE」

員子「……それ死語」

男娘「あの男くんも相当だね。部長、さっき視線感じなかった?」

部長「…あんだけ強くにらまれれば、いやでも気付くわよ」

男娘「愛しい人がヒステリックな罵声を浴びていて、気が気じゃなかったんだろうね、男くん」

男娘「すっかり悪役よねぇ部長。それとも姑?」

部長「やっかましい。大体、倒されたのはアンタでしょ」

男娘「あーさっきのか」

男娘「でも少しからかったなのに、あの仕打ちは納得できないよぉ」

部長「アンタが馬鹿なのが悪い…と言いたいとこだけど」

員子「……初めて、見たかも」

部長「過剰反応ね。あの幼姉は珍しい」

員子「……少しだけど、怒ってた」

部長「けど怒ってくすぐり攻撃ってんだから…ほんと畜無害よね」

男娘「幼姉、普段は何されても怒らないくせに…」

員子「……ドンマイ」

部長「自分のことよりも、相手のことが心配とか、何その少女漫画」

男娘「ロマンだわぁ、そういうの…」

部長「つーかあいつら座る位置近すぎ」

男娘「肩くっつくんじゃないか、ってくらい近かったよね」

部長「一々見つめ合って、頷き合ってんじゃねえ」

男娘「二人だけの世界…キャー!」

部長「ギャー! ちくしょうリア充爆発しろ!」

員子「……だけど」

員子「……あの二人、どこか遠慮してた」

男娘「え、そう?」

員子「…………」コクッ

員子「……男くん、幼姉にずっと敬語だった」

男娘「―――あ」

部長「あれは確かに変…か。幼姉の話だと、もっとやんちゃな子だった訳だし」

男娘「でも、それって子どもの頃の話でしょ?」

部長「けどあの硬い口調はちっと変でしょ」

部長「幼馴染同士じゃなくて、部活の先輩・後輩の会話って感じだったわよ?」

男娘「うーん…」

男娘「言われてみれば、男くんの方は幼姉と距離を置いてるような態度だったかも」

員子「……幼姉も、変だった」

部長「どこが?」

員子「……笑顔が」

男娘「笑顔? なんか変なところあった?」

員子「……わたしにもよくわからない」

員子「……ただ、そう感じた」

部長「なるほど。だから員子は、付き合ってないに一票投じた訳か」

員子「…………」コクッ

キリが悪いですが、とりあえず今日はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございました。

部長「員子の意見も加味して考えると…」

部長「良好な関係に見えるが、実際は問題あり。男くんは幼姉と距離を置きたがっていて、幼姉もそれを理解しているので、笑顔にかげりがある」

部長「幼姉への不満、男くんへの疑心。きしみ始めた人間関係はやがて…」

部長「つまり破局寸前のカップルということ? くくく」

男娘「魔女みたいな声で笑わないでよ」

員子「……そこまで、誰も言ってない」

部長「これで浮気相手も出てきたら完璧だ。もしくは昔の女」

男娘「部長そんなんだから、彼氏どころか友達もいないんだよ。わかってる?」

員子「……怒るよ?」

部長「人間関係なんて、駄目になるならさっさと駄目になるべきだろ」

男娘「また他人事だと思って…」

部長「ま、冗談はさておき」

男娘「…目が本気だったんですけど」

部長「想像上の話なんて、杞憂に終わるって相場は決まってるでしょ」

部長「ほら。無駄話やめて手を動かせ、このノロマども」

男娘「えーそれ部長が言うの?」

部長「あたしは兎だから。今は休んでるだけ」

男娘「あとで本気出すって? それ負けフラグじゃん」

部長「馬っ鹿。創作においてゴール順を競うなんてナンセンスな―――」

員子「……………………」

員子(……大丈夫かな。あの二人?)

寝落ちした…orz
すみません。とりあえず今日はここまでにして、更新は月曜の夜にまた改めてします。

    校内の遭遇戦

幼姉「やああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

男 「落ち着いて! 先輩落ち着いて!」

幼姉「なん、まっ…わああああああああああ――――」

G 「――――」カサカサ

男 「さっきからちょこまかと…」
ヌギッ…スチャ

男 「てりゃ! ―――ちっ!」
     ダンッ!

G 「――――」カサカサ

男「? なんだ、こいつ壁を登って…?」

G 「―――…」カサカサ…ピタッ

男 「! まさか!?」

G 「――――」ブブブブブブ

男 「ぬおおおおおおおおお!?」ブンッ!

G 「――…―」ブゥン…ピトッ

男 「ひっ」

G 「――――」カサカサ

男 「ひいいいいいいいいいいいいいっ!」

幼姉「お…男にふれるなぁ!」パシッ、パシッ

G 「――――」ブブブブブブ

男 「てっ、ちょ、幼姉先輩!」

G 「――――」カサカサ…

男 「大丈夫ですから! ゴキならもう逃げましたから!」

幼姉「わああああああああ――――!」パシッ、パシッ

男 「落ち着きました?」

幼姉「男のこと、何度もなぐっちゃった…」

男 「そんな気にしないでください」

男 (幼姉先輩…俺のこと守ろうとしてくれたんだよな)

幼姉「ごめんなさい。あなたからゴキブリのにおいがして、つい…」

男 「……………………」

幼姉(…あれ? 今のセリフどこかで―――)

幼姉「って、男?」

男 「………………はい」

幼姉「だ、だいじょぶ? なんか泣きそうだよ?」

男 「いや…暴れたせいか、目にゴミが入っちゃいまして」

幼姉(ゴキさんが体で登山したこと、そんなショックだったのかな?)

幼姉「あんまり気にしちゃだめだよ」

男 「ははは。ほんと平気ですって」」

幼姉「男からゴキブリのにおいがしても、私だいじょぶだよ?」

男 「…………………」

幼姉「あ、ううん。男からゴキブリのにおいなんて全然しないよ」

男 「…………………」

幼姉(あ、あれ? なんで私さっきから、臭いの話なんかしてるんだろ…?)

幼姉「って男!?」

男 「…………………ハイ」

幼姉「ああああごめん、私がへんなこと言ったせいで!」

男 「…………………キニシナイデ クダサイ」

幼姉「え、えっと…ゴキブリ好きだよ、私!」

幼姉「―――ちがう! そうじゃなくて、好きなのは男でえっとぉ…」

男 「…………………」

待たせておいて、こんな話かよ!
…はい、ほんとすんません。
とりあえずまた木曜辺りには更新します。
それではありがとうございました。

男 「……はあ」

幼姉「男…?」

男 「えっと、もう小説の方は大丈夫ですよね?」

幼姉「う、うん」

男 「じゃあ俺、先に帰りますね」

幼姉「え?」

幼姉「帰っちゃうの?」

男 「はい。もうやることないですし」

幼姉「それはそうだけど…折角だしいっしょに帰ろうよ」

男 「いや、今は一刻も早く帰って、風呂に入りたい気分ですから」

幼姉「あの、ゴキブリのことは本当にちがうんだよ?」

男 「……そのことはもう触れないでください」

幼姉「ご、ごめん」

男 「すみません。いきなり勝手なこと言って」

幼姉「勝手なことって…わがままを最初に言ったのは私だよ?」

男 「そうでしたっけ?」

幼姉「付き合ってくれたのは、私と男のどっち?」

男 「あ、いや。俺もヒマだったから別にそれはいいんですけど」

幼姉「男は勝手じゃないよ。その…私は大丈夫だから、そんな気にしないで


男 「は、はい」

幼姉「………………」

男 「………………」

幼姉「いろいろありがとね」

男 「いえ。じゃあ、俺もう行きますね」

幼姉「うん。…あ、ねえ男」

男 「はい?」

幼姉「今夜の6時、また行っていい?」

男 「それは構いませんけど」

幼姉「よかった。じゃあ、またね」

男 「はい。ではまた」スタスタ

幼姉「………………」

男 「………………」スタスタ…クルッ

幼姉「………………」ノシ

男 「………………」ペコッ…スタスタ…

幼姉「………………はあ」

幼姉「ゴキブリめぇ」

男 「………………」スタスタ

男 「………………はあ」スタスタ

男 (これで一安心…なんだが)

男 「なんかすっげ損した気分」スタスタ

男 (でも、もし幼姉先輩に…)


幼姉『男ってほんといい臭いだよね、ゴキブリみたいに…じゃなくて!』

幼姉『だって男はゴキブリじゃないよ、男は人間だよ!』

幼姉『だから人間の男からゴキブリの臭いがする訳ないよ! あ、でも、みたいな臭いがする可能性はあるのかな?』


男 (…立ち直れんな。5年くら…いや10年以上は)

男 「ってか、小説もう大丈夫って言ってたけど…」タンタン

男 (結局、学校に一緒に来て、部室寄って、1年の教室でしゃべっただけだよな?)

男 (…何が大丈夫なんだ?)

男 (終始メモ帳になんか書き込んでたから、ウソって訳じゃねえだろうが…)

男 「まあ…心配してもしょうがないか」タン…スタスタ

? 「男くん?」

男 「へ? あ…」

? 「やっぱり。こんにちは、男くん」

男 「相沢先生」

相沢先生「土曜のしかも校内で会うなんて、お互い珍しいこともありますね」ニコッ

   文芸部部室

部長「うー………………あー………………ああああああああ!!!!」
カタ………………カタカタ………………ダンダンダンッ!!!!

男娘「おっかさー……んのためならエー……ンヤコーラ♪っと」
カタ、カタ、……カタ、カタ、……カタ、カタ

員子「……………………」
カタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタ

部長「小僧は鬼婆を抱きしめた。憎悪の靄が晴れ渡り、そして陽光のごとく現れた一つの感情は、鬼婆の眼球を泳ぎ雫となって涙腺から……あああああ! クソ表現クソ表現クソ表現!」

男娘「ねえ部長、どのくらい進んでる?」

部長「うっさい聞くな! 今忙しい!」

男娘「了解。あとさっきの表現かっこよかったよ」

男娘「員子はどう?」

員子「……順調」

男娘「そうよねー。幼姉は…」

幼姉「…………………………………………………………………………」
カタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカ

男娘「鬼気迫るものがあるわねぇ」

員子「……指、残像で10本10本に見える」

幼姉「…プハッ!」

男娘「お、戻ってきた」

員子「……無呼吸連打」

幼姉「スー……ハー…スー……ハー…」

男娘「え、またやるの?」

幼姉「(コクッ)……ダイブ」
カタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタ……

員子「……幼姉かっこいい」

男娘「真似しちゃダメよ?」

員子「……やってみたい」

男娘「ダメよ?」

幼姉「…………………………………………………………………………」
カタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカカタカタカカタカタカタカタカタカカタカ

幼姉「おわったぁ…」グッタリ

員子「……おつー」スッ

幼姉「うん。あ、お茶ありがと」ズズッ

男娘「ほんと大したもんよねぇ。まさか1時間で原稿20枚分を仕上げるなんて…」

幼姉「ケータイに打ちこんでた分もあったから」

男娘「それにしたって残り10枚分くらいはあったでしょ? …それに比べて」

部長「鬼姥は知った。その三枚の札に込められた願いが何かを。それらは山神の声であり、水神の恵みであり、火神の怒りであった。その全てが鬼婆に捧げられていたのだ。声は心を打ち、恵みは体を清め、そして怒りは不浄を焼き払っ……だあああああああああああああ!!!」

男娘「部長と幼姉…どうして差が付いたのか」

員子「……慢心・環境の違い」

幼姉「ふぅ…」

男娘「教室でしゃべっただけぇ?」

幼姉「そうだよ」

男娘「午前中あんだけ不調だったのに、そんだけで創作意欲が出てきた訳?」

幼姉「うん、まあ」

男娘「何を話したのよ、一体」

幼姉「うーん。特別なことは何も。クラスのことや駅前通りに新しくオープンお店の話とか」

男娘「はあ。負けたわ、あんたには」

員子「……環境の違い」

本編の更新、10月8日以来になるんですね…。
お待たせしてすみませんでした。これからは間を空けないよう頑張ります。


男娘「けどあんな超特急で仕上げる必要あった? 〆切は明後日なのに」

幼姉「けど、男が心配してたから」

男娘「? なんか関係あるの、それ?」

幼姉「なさけない、って思われるのやだから。かっこいいって、ちょっとでも思われたくて」

男娘「あー…年上の威厳的な?」

幼姉「そんなところかな? 〆切を前日におわすって何かいいよね」

員子「……慢心の有無」

幼姉「それに帰ってやることあるから、はやめに終わしておきたかったの」

男娘「ふーん…あ、印刷終わったみたいよ」

幼姉「あ、ほんと? ――(トテトテ)部長、はい」

部長「あいよ」

幼姉「…いいの?」

部長「何が?」

幼姉「原稿のチェック。部長、さきに自分のおわした方が…」

部長「馬鹿者。部員がミスしたら、恥かくのは部長の私よ。誰が他のやつに任せるか」

幼姉「部長…」

男娘「かっこいー♪ あたしらのもよろしくね~」

員子「……武士は食わねど高楊枝」

部長「さっきからうるさいぞ、そこ! 見てなさい。明後日の朝には完璧なクオリティで仕上げてやるから」

幼姉「あははは」

幼姉「それとありがと。データ、ほんとたすかった」

部長「別に。というか何で午前中は無事だったケータイが、午後にはご臨終しちゃってるのよ」

幼姉「えっと、川におちちゃって、それで」

部長「ったく、ほんと鈍臭いわね。あと壊れたらすぐ持って来なさいよ」

幼姉「うん。でも直ると思ってなかったから」

部長「直った訳じゃない。データの吸出しをしただけ」

幼姉「それでもすごいよ。一体どうやったの?」

部長「説明してもいいけど…アンタ言ってわかんの?」

幼姉「うーん、無理かな」

部長「なら聞くな…ほら、茶おかわり。あっついの一杯、さっさといれなさい」

幼姉「はーい」

幼姉「―――お茶どうぞ」

部長「あいよ。誤字と脱字のチェック終わったら渡すから、そっちで待ってなさい」

幼姉「うん。あ、ところで部長」

部長「なによ」

幼姉「いま恋人いる?」

部長「…はあぁ?」

部長「なにそれ? そんなこと聞いてどうすんのよ」

幼姉「うーん。ちょっと参考にしたくて」

部長「参考て…つか何で私に聞く」

幼姉「だって部長、告白された回数が三ケタいっちゃうんだよね?」

部長「むっ…?」

幼姉「だから経験豊富な部長に、いろいろ聞けたらなー…って、あれ?」

部長「…とりあえず今、私に恋人はいない。つーかいらん」

幼姉「そうなんだ」

部長「あと誰よ。告白の回数が3ケタいった、なんて大ボラふいた馬鹿は」

幼姉「え、それは…」チラッ

男娘「――テヘッ☆」ペロッ

部長「やっぱお前か…」

幼姉「ちがったの?」

部長「そもそも告白された回数なんぞ、数えたこともない」

男娘「えーでも計算上は合ってるはずだよ? ね、員子?」

員子「……(コクッ)部長は入学以来、毎月5~10回は告白されてる」

男娘「ほらぁ。だから3ケタいってない方がおかしいって」

部長「お前ら、なんでそんな私の内情に詳しいんだよ…」

男娘「まあ…ほら、それは長い付き合いだし」

員子「……市場調査の副産物」ボソッ

部長「? 員子、アンタ今なんて…」

員子「ところで幼姉、そんなこと聞いて何の参考にするの?」

間違えた…

× 員子「ところで幼姉、そんなこと聞いて何の参考にするの?」
○ 男娘「ところで幼姉、そんなこと聞いて何の参考にするの?」

幼姉「さっき、男と―――」

   中略

幼姉「―――という話をしてて、それで」

男娘「ほほう。恋人にしたい男の子、ね」

部長「…くっだらない」

男娘「あたしもそんな贅沢言える立場じゃないからなぁ。ま、とりあえず年上のおじ様がいいかな」

員子「……ご飯、いっぱい食べてくれる人」

幼姉「ふんふん。部長は?」

部長「さっきも言ったでしょ。恋人なんぞいらん」

部長「あともう話しかけるな。私だってヒマじゃないんだ」

幼姉「うん、ありがと。じゃあ、よろしくね」

部長「ったく…」

男娘「で、幼姉は? どんな男が好みなのよ?」

幼姉「うーん…」

男娘「年上とかどう? スマートかつ静かな物腰、渋みと哀愁を感じさせる顔つき、円熟を迎えて澄み切った瞳! もう本当オジサマとか最高じゃない!?」

員子「……男娘、シットダウン」

幼姉「うん。お年よりの人って、かわいらしいよね」

員子「……幼姉、それ何かズレてる」

男娘「そういうんじゃないの。こう…ムラムラっ!とした感じよ、わかる!?」

幼姉「?」

男娘「わかってくれないかぁ。切ないわあ…」

幼姉「ごめんね」

員子「……きっとわからない方がいい」

男娘「じゃあ男くん! 男くんにならムラムラするでしょ!」

幼姉「…え?」

幼姉「えっと…まず、そのムラムラがわからない、かな」

男娘「ん、だからね、ムラムラってのは好きな人のこと思うとつい手が胸やこかn――んヘばっ!?」

幼姉「ぶ、部長?」

部長「盛ってんじゃねえよ、変態」

男娘「さ、盛ってないわよぉ。ただ恋バナで盛り上がってただけじゃない!」

部長「ググれカス。あんたのは恋バナじゃなくて猥談だ」

男娘「何よぅ。あたしにエッチなこと、いっぱい教えてくれたのは一体誰だと思ってるのよ!?」

員子「……グーグル先生」

幼姉「員子、ムラムラってエッチな意味なの?」

員子「……ノーコメント」

幼姉(エッチなこと…男が? わたしに?)

部長「―――で、あんたは自重しろ」

男娘「はいはーい」

部長「それと今投げた南極夏彦、こっちに持って来て」

男娘「えー」

部長「諸悪の根源がつべこべ言うな」

男娘「もー…どうぞ」

部長「―――で、幼姉。いい加減あんたもくだらない話は…幼姉?」

長「どうかした?」

幼姉「うん。ちょっと考えごと」

部長「なにを?」ズズズ

幼姉「男が私にエッチなことしたら、っていうシュミレート」

部長「……ッ!?」ブハッ

男娘「ちょ、よ、幼姉…さん?」

員子「………………」

部長「ぬあっ、ぬあっ…」ゲホッゲホッ…

幼姉「んー…」

部長「ぬあああああぁっ私の夏彦がぁ!?」

部幼姉「あはは。だめだぁ。知識ないから、うまく考えられないや」

男娘「お、おう…」

員子「……ねえ」

幼姉「ん?」

員子「……男くんと、付き合ってる?」

幼姉「ないよ。男は、ただの幼馴染み」

部長「たたたたただの幼馴染み相手に、ああああああんたはそんなこと考えるんかいお!?」

男娘「…部長どもり過ぎ。あとかお真っ赤」

部長「うううううっさい!!!」

部長「くだらない話は禁止よ、禁止! 馬鹿が馬鹿なこと言ってるんじゃないわよ、この馬鹿馬鹿!!」

男娘「あたしのセクハラには動じないくせに、なんで幼姉にはあっさり動じるかなぁ…」

員子「……男娘はジャブ、幼姉はストレート」

幼姉「うーん。でも男がしたいって思ってくれるなら、きっとそうなっちゃうし」

部長「アンタは男くんがしたいって言うなら、何でもするのか!?」

幼姉「うん」

部長「なな―――」

男娘「幼姉ってほんとブレないのね…恐ろしい」

員子「……部長フリーズした」

部長「―――こ、これだからっ!」

幼姉「?」

部長「パカップルは嫌いなのよぉ…」はぁ…

幼姉「バカップルはないんじゃないかなぁ」

部長「―――はっ。よく言うわ」

男娘「おお、部長が立ち直った。処女のくせに」

員子「……やけくそなだけ、きっと」

幼姉「そもそも、私と男は付き合ってないよ?」

部長「尚更タチが悪いわ! 付き合ってもない男性に貞操を許そうとしてんじゃないわよ、アンタ!」

幼姉「仮定の話だよ?」

部長「その結論が駄目なんだよ、このアンポンタン!」

幼姉「あの、部長。なんでそんな怒ってるの?」

部長「怒ってないわよ!」

男娘「部長どうどう。自分に相手いなくて悔しいのわかるけど、落ち着いて」

部長「はあぁ!? アンタなに人聞き悪いこと抜かしてんのよ!」

員子「……幼姉」

幼姉「員子?」

男娘「だから落ち着いてって。あんまり怒ると処女膜が破れ…グホォっ!?」

部長「その手の話題は禁止と言ったろうが」

男娘「だ、濁暑院溜水はひどい、よ…」ガクッ…

員子「……私も、部長と同じ」

幼姉「え?」

員子「……付き合ってもない人と、そんなことしちゃ駄目」

幼姉「そう? でも…」

員子「……だから」

員子「……幼姉は、男くんと付き合った方がいい」

幼姉「…………」

部長「ったく、この馬鹿はほんとにもう…」

幼姉「…え″!?」

部長「ん?」

男娘「んん?」ニョキ

部長「復活すんな」べしっ

男娘「ぶー」

幼姉「あ…変な声出してごめん」

員子「……そんな、驚くこと?」

幼姉「うん。なんていうか―――盲点だった」

部長「あんな爆弾発言しといて何が盲点なんだか…」

男娘「幼姉はさ、男くんと恋人になれたらって思ったことはないの?」

幼姉「…記憶には、ないかな」

男娘「じゃあさ、今シュミレートしてみたら?」

男娘「仮定:もし男くんが恋人だったら~」

幼姉「わ、わからないよ。恋人がいたらなんて、考えたことないし…」

男娘「…初体験のシュミレートに比べれば、随分と簡単なミッションだと思うけど」

部長「ほんとズレてるのね。この天然記念物は」

幼姉「うーん…」

員子「……ずっと一緒にいられたら?」

幼姉「え?」

員子「……もし、男くんとずっと一緒にいられたら」

員子「……その仮定は、どう?」

幼姉「っ――――――――」カアァ

幼姉「――――――――――わ、」

員子「……わ?」

幼姉「わあぁ」ガバッ

男娘「幼姉?」

部長「ちょっとなに。急にかがみ込んで」

幼姉「……………ぇ」

部長「気分でも悪いなら家に…」

幼姉「えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」

部長「………………」

幼姉「ずっといっしょ……男と……24じかん365にち……えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」

部長「男娘、員子」

男娘「なに?」

部長「世界っていつ滅びるかしら?」

員子「……バルス」

幼姉「そんな結婚とかまだはやいよ……うふふふふふふ……そしたらおふろや寝床もずっと……えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」

    5分後

員子「……結局のところ、幼姉は」

幼姉「…はい」

員子「……男くんとずっと一緒にいたい。そうだよね?」

幼姉「………えっと、ね。それは…」

員子「……結婚不可避」

幼姉「ええええええ。いやいやいやいやいや。あくまで恋人どうこうの話で、そんな話じゃなかったよね?」

男娘「いや、幼姉さっき自分で結婚したいとか言ってたよね?」

幼姉「き、気のせいじゃないかナー?」

幼姉「私、そんなこと言った覚えぜんぜんないけどナー?」

男娘「往生際が悪いぞー、幼姉ー」

員子「…………」スッ

幼姉「ん、ケータイ?」

員子「……スタート」つ再生ボタン

ケータイ『ずっといっしょ……男と……24じかん365にち……』

幼姉「?!」

ケータイ『そんな結婚とかまだはやいよ……うふふふふふふ……』

幼姉「うそ、これ、え、なんで」

ケータイ『そしたらおふろや寝床もずっと……』

幼姉「わああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

員子「(つ一時停止)……もっと聞く?」

幼姉「ごめん。私、男とそうなりたい…です」

員子「……正直でよろしい」

部長「いつの間に録音してたのか…」カキカキ

男娘「マジな員子は容赦がないわねぇ」

幼姉「恋人とかは、やっぱりよくわからないの。付きあってデートとかも、そんな憧れがある訳じゃないし」

幼姉「けど男とはいっしょにいたい。結婚できたら、ずっといっしょにいられる。そう思うと、なんか止まらなくなって…」

員子「……それで幼姉はどうしたいの?」

幼姉「どうって、私はべつに…」

員子「……告白はしないの?」

幼姉「私からは…しないと思う」

員子「……なんで?」

幼姉「漠然となんだけど…」

幼姉「なんか、ルール違反みたいな気がして」

員子「?……どういう意味?」

幼姉「私もよくわからないの。そういう気が、なんかしちゃって…」

員子「……ふむ」

男娘「ルールかぁ。フラれるのが怖いとかじゃなくて?」

幼姉「それも…あるかもしれない」

男娘「大丈夫だって。幼姉が告白すれば、男くんオーケーするって」

幼姉「そうかなぁ…」

部長「…ちょっといい?」

部長「幼姉、時間は?」

幼姉「え?」

部長「男娘と話してたでしょ。帰ってすることが有るとか無いとか」

幼姉「あ、そろそろまずいかも」

部長「じゃあ、話はここまでね」

男娘「ええー。今からいいとこなのに」

部長「はい。これ」

幼姉「うん、ありがと」

部長「添削しといたから。これ参考にして、データの方直しておいてね」

幼姉「…うん。じゃ、私、先に上がるね」

男娘「だーめ。幼姉、帰らせないわよー」ギュッ

幼姉「わわ」

部長「こら、おい」

男娘「あははは。ウソ、ウソ。幼姉お疲れー」

員子「……お疲れ様」

幼姉「うん、じゃね、みんな」

部長「帰り、また川に落ちるなよ」

男娘「気を付けてねー。最近、通り魔とか出てて物騒だし」

幼姉「え?」

男娘「なんかさ、十代の高校生ばっかり襲われてるんだって」

幼姉「通り魔…」
          .
部長「そういえば、朝ニュースでやってたわね。でもあれって確か…」

員子「……G県」

部長「他県の通り魔に、どう気を付けろってのよ」

男娘「揚げ足とんないでよー。いいじゃん。備えあれば憂いナスって言うし」

部長「デタラメなソースで、一々備えてりゃ世話ないっての。このナス」

幼姉「んー…わかった」

幼姉「とりあえず通り魔のひとがきてたら、最期にみんなに連絡するね」

部長「お前はお前で展開が飛びすぎだろ」

幼姉「でも私は足おそいから、きっと逃げきれないだろうし」

部長「逃げろよ」

幼姉「うん」

部長「…気を付けろよ」

男娘「危ないやつ見つけたら、悲鳴をあげるのよー」

員子「……人気のない場所は避けて帰る」

幼姉「う、うん。じゃ、まーたねー」ガラガラ

幼姉「さて」

幼姉(家に帰って夕飯の準備しないと)パタパタ

幼姉(炊飯器は予約して来たからだいじょぶ)パタパタ

幼姉(副菜は野菜のスティックでいいかな? ゆでたまごがあったから…ディップはマヨたまにしよ)

幼姉(時間もそんなないから、ディップにツナマヨも。それとクラッカーも加えて出せば、見栄えもそれなりになるよね)

幼姉(肝心のロールキャベツは…スープはコンソメの素とトマトピューレで仕上げて、お肉にカレー粉を混ぜよう)

幼姉(あじはいつもより濃く、かな。男はお米が好きだし)

幼姉(………………………)

幼姉「…好き、かぁ」

幼姉(男の好きなもの。ぜんぶ知ってるつもりだったけど…)

幼姉(そういう“好き”は考えたことなかったなぁ)

幼姉(………………………)

幼姉(考えたことない?)

幼姉(ほんとに?)

幼姉(記憶にはないけど…)

幼姉(私、自分の気持ちにおどろいてない…)

幼姉(………………………)

幼姉(おどろいてないのは、はじめてじゃないから?)

幼姉(ならおぼえてないだけで、私はむかし…)

幼姉「…あれ?」

幼姉(うわばきだ。名前は―――あ)

幼姉「これ、男のだ」

幼姉(ぬぎっぱなしで、昇降口においてある…)

    …クスッ

幼姉(なつかしいなぁ)

幼姉(幼いころの男は、くつをいつも散らかしてお家に上がっていたっけ)

幼姉(男の下駄箱は…ここだ)

幼姉「男のくつを片付けるの、何年ぶりだろう…」カチャ、パタン…

幼姉(考えごとしてて、うっかり下駄箱に直しわすれたのかな?)

ショタ男『ようあね! はやく。はやく!』

ロリ幼姉『おとこー、くつー』

ショタ男『あとでなおす! アニメはじまっちゃうよ!』

ロリ幼姉『わかったー。…しょうがないなぁ』

幼姉(むかしかぁ。そういえば、あのとき男は…)

………
………………
…………………………
…………………………………「あれ?」

男「上履き、ねえぞ?」

   二か月半前

相沢「土曜のしかも校内で会うなんて、お互い珍しいこともありますね」

男 「こんにちは。何してるんです、先生?」

相沢「先生は仕事です。あなたこそ、どうして学校に?」

男 「あ、えーっと…忘れ物です」

男 (説明めんどいから、これでいいや)

男 「先生、仕事って…それ?」

相沢「はい。これです」

男 「でっかい段ボールですね」

男 (しかもダブル)

相沢「ちょっと図書室の整理を頼まれてしまって」

男 「片方、持ちましょうか?」

相沢「…お時間、大丈夫ですか?」

男 「そりゃ平気ですけど」

相沢「すみません。それではご厚意に甘えさせてもらいます」

× 二か月半前
○ 1時間と少し前

男 「あ、いや、ちょっと待ってください」

相沢「はい?」

男 「…俺、なんか臭いません?」

相沢「におい…特に気になりませんけど?」

男 「ほんと、ですか?」

相沢「生徒に嘘はつきませんよ」

男 「…わかりました。すんません。変なこと聞いて」

   図書室

相沢「ありがとうございます。助かりました」

男 「いえいえ。…つか無茶ですよ、この重さの段ボール二つとか」

相沢「そうですね。持てると思いましたが、いささか軽率でした」

男 (相変わらず丁寧な喋り方すんなぁ、この人)

男 「これ、中身は本ですか?」

相沢「ええ」パカッ

男 「…重てえ訳だ。ぎっしり詰まっちゃってますね」

男 「この本、どうしたんですか?」

相沢「図書館から寄贈されたものです。ご覧になります?」

男 「あーいいです。俺、本とかそんな読まないですから」

相沢「珍しい本もいっぱいありますよ?」

男 「珍しい? …なんか普通の古本に見えますけど」

相沢「普通だなんてとんでもない。この本はもう絶版になっていて、古書店でも滅多に見かけないものなんですよ」

男 「え、じゃあこれってレアもの? 売ったら高いんですか?」

相沢「いえ。生憎、市場での取引価格はさして高いものではありません」

男 「あ、そうなんすか」

相沢「すごいがっかりした顔ですね。売る気だったんですか?」クスッ

男 「あのですねぇ。俺がそんな人間に見えますか?」

相沢「いいえ」

男 「でしょう?」

相沢「男くんは、すごく良い子に見えますね」

男 「…あの、もしかしてからかってます?」

相沢「あら、自覚がないんですか?」

男 「自覚も何も…そんなこと言ってくるのは先生くらいなもんですよ」

相沢「幼姉さんは?」

男 「…なんで、そこで幼姉先輩の名前が出てくるんです?」

相沢「あら、知らないんですか?」

男 「何がですか?」

相沢「いえ。何でもありませんよ。」…オトコクンハ、アイサレテマスネ

男 「?」

相沢「それでどうします?」

男 「あー…」

男 (値段聞いて見る気なくしたってのも…ちょっとアレだわな)

男 「それじゃあ、ちょっと見させてもらいます」

相沢「それでは私はあちらの段ボールを空けますので、どうぞご自由に」

男 「はい。えーっと…」

男 (…なになに)

   『浮気相手はエイリアン』

男 (表紙絵グロっ。次のは…)

   『奴隷大陸 Mの人権宣言』

男 (奴隷すげえ笑顔。次のは…)

   『五輪☆大相撲 唸れ必殺!殺人エルボー!』

男 (…何を読めってんだよ、これ?)

男 (次のは…ん? …この本のタイトル、何か覚えがあるような)

男 (………………)

男 「あ」

相沢「…?」

男 (これ、先輩が読みたいって言ってた本じゃね?)

男 (…やっぱそうだ。作者も、確かこんな感じの名前だった)

男 (うわぁ…。マジかよ)

男 (先輩から欲しいって聞いて、むかし探し回ったこともあったっけ…)

男 (今更見っかるとはなぁ)

相沢「どうかしました」

男 「あ、ちょっと」

相沢「読みたい本が見つかりましたか?」

男 「いや、読みたい訳じゃなくて、欲しい本というか…」

相沢「欲しい?」

男 「あ…」

相沢「欲しいんですか?」

男 「えっと、俺じゃなくて、他の人がですけど」

相沢「お友達の方?」

男 「ちょっと違いますけど…そんな感じです」

相沢「もしかして女性の方ですか?」

男 「へ? まあ、そうですけど」

相沢「…………」

男 「あー…すんません。欲しいとか、変なこと言って」

相沢「差し上げましょうか?」

男 「…はい?」

相沢「その本、よろしければ差し上げましょうか?」

男 「でも、これって学校のものなんじゃ?」

相沢「いいえ。それは私のものです」

男 「え?」

相沢「そういう約束をしているんです。書庫の補充と整理をする代わりに、五冊ほどいただくと」

相沢「ですから、ご心配は無用です」

男 「…じゃあ、先生がくれる、ってことですか? 俺にこの本を?」

相沢「はい。手伝ってくれたお礼です」

男 「手伝ったって…この段ボールっすか?」

相沢「はい」

男 「いやいや。そんな、悪いですって」

相沢「でも、欲しいんですよね?」

男 「う…」

相沢「正直ですね」クスッ

男 「手伝ったって…この段ボールっすか?」

相沢「はい」

男 「いやいや。そんな、悪いですって」

相沢「でも、欲しいんですよね?」

男 「う…」

相沢「正直ですね」クスッ

相沢「遠慮することないですよ。本を見るよう誘ったのは私ですし」

男 「うーん…」

男 (確かに、先輩にこの本プレゼントしたら喜んでくれるだろうなぁ)

男 (…いや、別にプレゼントする必要はないんだけどさ)

男 (正確には“先輩が読みたい”から、俺が欲しい訳だし)

男 (読むだけなら、本が図書室に入ったって知らせるだけでも十分…)

幼姉『おぼえててくれたの?』

男 「……………」

幼姉『ありがと、すごくうれしい』

幼姉『この本、大切にするから』

幼姉『おとこ、だーい好き』

幼姉『おとこ、だーい好き』

幼姉『おとこ、だーい好き』

幼姉『おとこ、……………』

男 「……………」

相沢「ど、どうかしました?」

男 「…いえ。何でもないです」

男 (…プレゼントのがポイント高いよな、やっぱり)

男 (いやいや! そんな下心とか別にねーし!)

男 (けど、うーん…)

相沢「あの…少々重く捉え過ぎでは?」

相沢「そんな高価なものでもありませんし、気軽に受け取って大丈夫ですよ?」

男 「何言ってるんです」

相沢「え?」

男 「こんなすごいもの、そうホイホイ簡単に受け取れませんよ」

相沢「え、え、え?」

胸糞endにしたらお前どうなるかわかってるよな?あ"?

相沢「あの、すごく、ないですよ? これはさほど値が張る品という訳では…」

男 「いや値段じゃないんです。そこじゃないんです」

相沢「…急にどうされたんです?」

男 「いや、特に何も」

相沢「まあ本の真価は値段にない、という意見は確かに正論ですが」

男 「そうですよ。愛は金じゃ買えないんですよ」

相沢「…………」

相沢「…愛、ですか?」

男 「はい」

相沢「愛は…確かにすごいですね」

男 「そうですよ! これさえあれば、何でもできます!」

相沢「何、でも?」

男 「はい! あ、いや別に下心がある訳じゃないんですけど」

相沢「……………」

男 「まあ、とにかくこの本は、ちょっと簡単には受け取れない訳でして」

相沢「わかりました」ニッコリ

>>265
半年くらい更新さぼってる俺を信じろ。

相沢「それなら、もう少しお手伝いをお願いしても構いませんか?」

男 「お手伝いですか?」

相沢「はい。力仕事がまだ残っているので、私としても助かるのですが」

相沢「お時間はとらせませんから」

男 「そりゃ全然いいですよ」

相沢「良かった。では、それが本の御代ということで」

男 「…足ります?」

相沢「私としては、十分すぎるくらいです」

男 「わかりました。それではよろしくお願いします」

相沢「こちらこそ。…ところで、男くん?」

男 「はい?」

相沢「―――何でも、というのは具体的にどういったことなんでしょう?」ニッコリ

50分前

男 「この段ボールこっちですか?」

男 「了解しました。置いたら、もう一回車ですね」

男 「え? いや、だから何でもっていうのは言葉の綾で…」

男 「は? 彼女? いやいやいや! あの人はそんなんじゃなくてですね…」


40分前

男 「運び終わりました」

男 「で、次は…これを開けるんですね」

男 「…またその話題ですか」

男 「まあ…それは確かにそうですけど」


30分前

男 「この本はどっちに?」

男 「…じゃあお願いします」

男 「じゃあ代わりのこれが、あっちですね」

男 「あの、ところでさっきのことなんですけど…」

20分前

男 「…嫌われたりとかしてないでしょうか?」

男 「俺、いつも迷惑ばっかかけてるし

男 「昔からずっとそうで。先p…あの人、優しいから何も言わないけど」

男 「もしかしたら内心は…」

10分前

男 「ああ、ほんとそうですよね」

男 「自分の中だけで悩んでたってしょうがないですよね」

男 「幼姉先輩に確かめてみないと、わからないですよね」

男 「…何やってるんだろうな、俺」

5分前

男 「空の段ボール、全部バラしました」

男 「…あの。相談のってくれて助かりました」

男 「ありがとうございます」

男 「あ、はい。これは裏のゴミ捨て場ですね。了解しました」

ガラガラ



相沢「…ふう」

相沢(避妊についてのお話をしようかと思いましたが…)

相沢(杞憂でしたか)

相沢(むしろ…)

相沢「あの様子だと、うまく行くにも時間がかかりそうですね」

相沢(最後は何やら恋愛相談みたいになってしまいました)

相沢(幼姉さんのお話、いつも男くんのことばかりなのに…)

相沢「…難しいものですねぇ」ハア

現在

男 「あれ? 上履き、ねえぞ?」

男 (すぐ戻ってくるから、玄関に出しっぱにしておいたのに…)

男 (脱いだ場所は…自分の下駄箱以外はありえねえよなぁ)

男 (となると…)ガチャ

男 「…あった」

男 (うーん)

男 (無意識の内にしまっちゃったのかなぁ)

男 「…ま、いいか」


    図書室


男 「戻りましたー」ガラガラ

相沢「お疲れ様です」

男 「ラベル貼り終わりました?」

相沢「はい。後は棚にしまって終わりです」

男 「あ、手伝います。えっと、これは何処に?」

相沢「それは上から二段目の、左端からお願いします」

男 「ういーっす」

男 「これ、上から順に並べればいいですか?」

相沢「はい。それとですが…」

  トゥルルル…

相沢「…すみません。少し席を外します」

男 「はーい」

相沢「はい。相沢です。―――はい。いえ、こちらこそありがとうございました。おかげ様で…」

男 (これなら、あと30分くらいで終わるかな)テキパキ

相沢「ええ、中はハードカバーで―――え?」

相沢「はい―――はい―――わかりました。それで…」

相沢「今からですか?」

相沢「いえ。大丈夫です」

相沢「はい。―――それでは失礼いたします」ピッ

相沢「…男くん」

男 「はい?」

相沢「すみません。それらの本を、段ボール箱に戻してください」

男 「へ? それらって…これらですか?」

相沢「はい。今、並べている本は全てです」

相沢「いま図書館の方からお電話をいただきまして、どうやら渡す本の箱を、いくつか間違えていたようで…」

男 「…えーっと。じゃあ、こいつら返却っすか?」

相沢「はい」

男 「……―」ハッ

男 「じゃ、じゃあ俺がもらう予定だった本も!?」

相沢「いえ。そちらの箱にあった本は大丈夫です」

男 「そうですか…」ホッ

相沢「折角お手伝いしていただいたのに、本当にすみません」

男 「いや、別に平気ですけど…」

男 「向こうの人は、確認しなかったんですか?」

相沢「私が伺った際に応対してくれた方は、担当の方ではなかったようで…」

男 「あんまりよく確認しなかった、と」

相沢「…向こうも、書庫の整理があってバタバタしてましたから」

男 「とりあえず、これ全部を箱に戻して図書館に返しに行くんですね」

相沢「はい」

男 「…そうすると、これ何時ごろに終わります?」

相沢「そうですね。おそらく図書館から戻ってくるだけでも、6時は過ぎてしまうでしょうね」

   幼姉『今夜の6時、また行っていい?』

男 (…マジかぁ)

相沢「帰っていただいても構いませんよ? あとは私一人で何とかしますから」

男 「いや、一人でまた段ボール箱を持って往復はきついでしょう」

相沢「…こちらとしても、あまり遅くまで付き合わせてしまうのは申し訳ありませんし」

相沢「男くんも、帰ってすることやしたいことがあるでしょう?」

男 「まあ、一応予定はありますけど…」

相沢「なら、そちらを優先してください」

男 「うーん…」

相沢「こちらは大丈夫ですから」

男 「…………」

男 「いや、やっぱり手伝います」

相沢「…いいんですか?」

男 「手伝うって言った以上、流石にここで帰るのは中途半端な気がしますから」

相沢「予定の方は?」

男 「まあ、べつに急ぎの用件って訳でもないですし」

相沢「…ありがとうございます」


相沢「それでは、改めてお手伝い願います」

男 「ういっす。任せてください」

相沢「けど、無理はなさらないでくださいね?」

男 「了解です。あと、メールして来ちゃっていいですか?」

相沢「はい。メールが終わったら、声をかけてください。返す本がどれか教えますので」

男 (6時過ぎにこっちに戻ってきて、そっからまた段ボール運んで…)

男 (何時に帰れっかなぁ)

男 (…そういや、幼姉先輩の用事って何なんだろ?)

男 (幼姉先輩もいろいろ忙しそうだったのになぁ)

男 (………)

男 (…今日はダメって伝えた方が、いいんかなぁ)

男 (その方が、幼姉先輩も作業に集中できるだろうし)

男 (………)

男 (そうするか)

男 (ネタは出たから、もう俺のできることないだろう)

男 (何かあったらメールください、って言葉添えとけば、まあ大丈夫だよな、うん)

男 「―――」ポチポチ

男 「――…」ポチ…

男 (………)

男 (…幼姉先輩、まだ部室かなぁ)

幼姉「」ヘックシュン

幼姉(? 部活のみんなに、うわさされたかな?)

幼姉(考えごとしてたから、あっという間に着いちゃった)

幼姉「あれ?」

幼姉(男の家のポストに、夕刊がはいったままだ)

幼姉(…まだ帰ってないのかな?)

幼姉(下駄箱にうわばきは出てたから、もう学校を出発してるはずなんだけど…)

   『気を付けてねー。最近、通り魔とか出てて物騒だし』

幼姉「………」

幼姉(まさかね)

幼姉(より道してるだけかもしれないし)

幼姉「………」

幼姉(……―)スッ

   『直った訳じゃない。データの吸出しをしただけ』

幼姉(―……)ギュッ…

幼姉(やだ)

幼姉(なんで、私こんな不安になってるんだろ)

幼姉(男に連絡できないだけで、どうしてこんな…)

幼姉「…………………」

幼姉「…わるい方向に、考えすぎよね」

幼姉「帰り道に、だれかとばったり会って話しこんでる」

幼姉「うん。そっちのが、よっぽど自然だ」


幼姉「うん…」

幼姉「………」

幼姉「あははは」

幼姉「ケータイになれすぎだなぁ、私」

幼姉「むかしは連絡できないなくて、あたり前だったのに」

幼姉「うん。はやく家に入って、準備しないと」

   パタパタ…



   ガチャ―――バタン

   街中

男娘「いや~。結局みんな終わらなかったね」

員子「……カッコ幼姉以外」

男娘「幼姉、今ごろ男くんと二人っきりでいちゃいちゃしてんのかなぁ…」

部長「アンタそればっかね」

男娘「だって気になるじゃん」

部長「そういう馬鹿なこと考えてるから、原稿終わらないのよ」

男娘「ほほう。じゃあ部長もそんなバカーなこと考えてて、終わらなかった?」

部長「ふふふ。てめえと一緒にすんじゃねえ」

男娘「ひどい! 今夜はずっと一緒だって、さっきあたしにそう言ってくれたじゃない!」

部長「変な言い方するな! 今夜は原稿のために三人で泊まり込み作業するって言っただけ!」

男娘「いやー。今夜は楽しみだわ~」

部長「徹夜で原稿とにらめっこして、何が楽しいのよ」

男娘「眠い目をこすりながら頑張る部長の横で、ぐっすり睡眠をとる楽しみ?」

部長「…つまり誤字があったら、拳で叩き起せってこと?」

員子「……原稿なだけにゲンコで?」

男娘「お、うまい」

男娘「いやーできれば拳じゃないのがいいなぁ」

部長「じゃあ二―? それともヒップ?」

男娘「ヒップよりリップがいいなぁ。むちゅー」

部長「やめんかバカたれ!」

   キュルル~

男娘「お?」

部長「ん?」

員子「……」キュル…

男娘「…お腹、空いたね」

部長「…そうね」

員子「……うん」

男娘「どっか行く?」

員子「……甘いものが食べたい」

部長「じゃあ駅前行かない? あそこの新店、私まだ試してないの」

男娘「オッケー。員子は―――」

員子「……はやく、はやく」

部長「員子なら、もう先行してるわよ」

男娘「あーあー。喜んじゃってもう…ちょっと待ってよー」タッタッ

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