苗木「超高校級の霊媒師?」CHAPTER 02 (61)



真宵(あの後モノクマから鍵を渡された後桑田君の部屋に監禁されていた舞園さんを助けに行った)

真宵(幸い命に別状はなく殴られた際の後遺症も残っていなかった)

真宵(でもみんなに真相を知られたことを知って一言も口を開かなくなってしまった…)


綾里真宵「しりつきぼーがみねがくえん?」
綾里真宵「しりつきぼーがみねがくえん?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378015076/)
これの続きです。誰も望んでないけど続き書きました。


※ネタバレありです
※苗木君が主人公の逆転裁判みたいなもんです。真宵ちゃん視点じゃありません




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378608221



モノクマ「希望ヶ峰学園は学級裁判を乗り越えるたびに新しい世界が広がるようになっております。適度に刺激を与えないとおまえらみたいなしらけ世代はすぐにブーたれるし。というわけでどうぞ探索はご自由に。今回はなんと3階まで解放しちゃいます」

葉隠「新しい世界ってなんだべ」

苗木「3階までいけるみたいだね」

霧切「データが更新されているわ」

苗木「これが新しい世界なのか」

舞園「……」

朝日奈「ねえ元気だしなよ、舞園ちゃん」

真宵「そうだよ、過ぎたことをくよくよしたってしょうがないよ」

朝日奈「みんなで協力すれば出られるはずだし」

十神「気休めにもならないことをいうな、結局殺人は起きた」

十神「次からはもっと簡単に裏切るものが出るはずだ」

腐川「誰かさんが口火を切ったせいでね」

舞園「……」




苗木「そんなこと言わなくったって…」

十神「事実だろ。せいぜいそいつが裏切らないよう見張っておくんだな」

朝日奈「だ、だけどさこれ以上犠牲者を増やさないためにはみんなで協力して黒幕を…」

十神「黙れ、これはもうそんな次元の話じゃないんだ」

山田「といいますと?」

霧切「黒幕は私たちが考えていた以上に大きな力をもっているみたいね」

大神「ならば我等はどうするべきだ」

十神「ここでのルールに従うまでだ。ここを出るためには他のヤツらを騙して勝つ。それしかないだろう」

不二咲「それって殺しあうってこと?そんなことしたくないよ…」




――2・3階開放1日目

→図書室

十神「起動しない。壊れているな」パソコンカチャカチャ

霧切「これがネットに繋がればいろいろと情報が集められると思ったんだけど」

真宵「不二咲ちゃんならもしかしてどうにかできるんじゃない?」

不二咲「うん、後でやってみるよ」

朝日奈「せっかく活動範囲が増えたことだしプール行ってみない?泳げば気分も晴れるよ」

大神「うむ、そうだな」

真宵「うんうん、行こう行こう」

江ノ島「まあこんな探索してても気が滅入るだけだしね」

朝日奈「ねぇねぇ不二咲ちゃんも」

不二咲「え?えぇ?」

朝日奈「舞園さんも一緒に。ねっ?」

舞園「ええと、私は…」

朝日奈「いいからいいから。ほらっ、行こう!」グイグイ

舞園「あっ」




→プール前ホール

朝日奈「この向こうが更衣室みたいだね」

朝日奈「あれ?鍵がかかってるみたい」ガチャガチャ

モノクマ「ええとー更衣室の鍵を開錠するには自分の電子生徒手帳を使って入ってください」

モノクマ「なお、セキュリティの万全を期すため男子は男子更衣室、女子は女子更衣室にしか入れません」

真宵「じゃあ誰かがドアを開けてるときに別の誰かが入ったりしたら?」

モノクマ「そんな卑猥なことをする輩はガトリングガンで蜂の巣の刑です」

朝日奈「ちょっと、あんなので撃たれたら怪我しちゃうじゃん」

不二咲「えっと、死んじゃうと思う」

真宵「じゃあ、電子生徒手帳の貸し借りはどうかな?」

モノクマ「うぷぷぷ。天才の僕はこんなこともあろうかと校則で生徒手帳の貸与を禁止しています。もし生徒手帳の貸与をした場合はきつーいオシオキが待っています。んじゃーね」

真宵「あっ本当だ。生徒手帳に書いてある」

朝日奈「あーあ、なんかあいつの出現でプールっていう気分でもなくなっちゃたね」




→倉庫

苗木「寄宿舎の倉庫と大浴場も開放されたみたいだね」

葉隠「いろいろなものがごっちゃごちゃしてるべ」

石丸「これは…ナイフにロープ、懐中電灯、ライター、ローソク、布テープ、レーション?」

山田「サバイバルキットですなぁ。ロープにローソクですか、むふふ」

大和田「おい、気持ち悪い妄想してんじゃねぇよ。自重しろ」

苗木「他に変わった所はなさそうだね」

葉隠「3階の探索はどうするべ?」

苗木「明日またみんなで探索すればいいんじゃないかな」

石丸「うむ、じゃあ今日は解散し明日また探索をしよう」




→食堂

石丸「お、苗木君。いい所に来たな」

苗木「へ?今度は何?」

大和田「お前、ちっと立会人になってくれ」

大和田「こいつさっきから舐めたこと言いやがってよ。俺は根性なしとかよ」

石丸「本当のことだろう。根性なしだからすぐに暴力に頼ろうとするのだろう」

苗木「え?ちょっ」

大和田「てめぇにはあるってのかよ?俺以上の根性がよ」

石丸「無論だ!」

大和田「てめぇ、言わせておけば」

石丸・大和田「勝負だ」

苗木「ええー」




→サウナルーム

苗木「ねぇ、大丈夫?もう40分もたってるよ」

苗木「大和田君、せめて制服は脱いだほうがいいんじゃ?」

大和田「顔が真っ赤じゃねぇか、温泉の猿かてめぇは」

石丸「顔が赤いのは生まれつきだ」

大和田「やせ我慢してんじゃねぇ」

石丸「ハハハ、僕はまだまだ余裕だよ。鍋焼きうどんでも食べたいくらいだ」

苗木「そろそろ出ないと。夜時間だから勝負は引き分けってことで…」

石丸「勝負に引き分けは存在しない!」

大和田「上等だ!地獄の果てまで付き合ってやんよぉ!苗木、お前は部屋に戻ってろ!」

大和田「明日の朝こいつが俺にひざまついてるとこをみせてやんよ」

石丸「いいや、ひざまつくのは君のほうだよ、大和田君」

苗木「あはは…じゃあ僕は帰らせてもらうよ」




――2階開放2日目

石丸・大和田「ウワーハッハッハッハッハッハッハ」

大和田「ハハハ、なにいってんだよ、兄弟」

石丸「君こそ冗談はよしたまえ、兄弟よ」

大和田「おおっ、ういーす苗木」

石丸「昨日のことは感謝してるぞ」

苗木「…どういこうこと?」

朝日奈「なんか知らないけど朝から気持ち悪いんだよね」

石丸「ハハハ、男同士の濃厚な繋がりは女子にわかるはずもない」

石丸「男同士の友情とは血よりも濃いのだ」

大和田「さすが兄弟、いいことをいうぜ」

苗木「で?勝負はどっちが勝ったの?」

大和田「そんなの問題じゃねぇんだよ」

石丸「そんなことは忘れてくれ。忘れろ、忘れろ、忘れろビーム」

大和田「ナイスだぜ兄弟」

苗木「ハハハ…」

ピンポンパンポーン

モノクマ「えー校内放送校内放送。お前ら生徒諸君は至急体育館までお集まりください」




→体育館

モノクマ「前置きはなし。早速本題に入ります。今日はおまえらに良いお知らせともっと良いお知らせがあります」

大和田「いいお知らせだぁ?どうせ碌なことじゃねえだろ」

モノクマ「えー、おまえらが外の世界をきっぱりあきらめて一生ここで暮らすことを決意してくれるであろう良いお知らせです」

モノクマ「先日おまえらに渡したDVDですが…実はあれはただのドッキリでした!」

苗木「なんだって!?」

舞園「…!?じゃあ、みんなは…みんなは無事なの!?」

モノクマ「その通りです!…といってもきっとおまえらは信じないことでしょう」

モノクマ「そこでもっと良いお知らせです!!もし一週間以内に殺人が起きなかった場合あのDVDの続編…、豪華三本立て1200分のおしおきムービーを収録したDVDの製作をしようと思います!!」

モノクマ「きっとそのDVDを見ればおまえらは外の世界のことはあきらめてコロシアイのない安心安全な学生生活を続けてくれることでしょう」ウルウル

モノクマ「もしDVDの製作に協力してくれるなら一週間一切コロシアイをしないでください!もし殺人があった場合はDVD製作は無期延期と致します!じゃばいなら~」

舞園「そんな…」

舞園「いや…いやああああああああああ!!」ダッ

苗木「!待って舞園さんっ!!」

朝日奈「あっ舞園ちゃん、苗木っ!」

大神「待て、舞園のことは苗木に任せよう」




真宵「ま、まさか本当にそんなことするわけ…ない…よね…?」

葉隠「あ、ありえねーべ。いくらなんでもやりすぎだべ」

霧切「いえ、きっとモノクマは本気よ」

十神「まあモノクマならそれくらい平気でするだろうな」

不二咲「い、嫌だよこんなの。みんなでコロシアイなんて」

葉隠「もしかしたら舞園っちがまたなにかしでかすかもしんねーべ。まあ俺っち以外を狙ってくれれば…」

朝日奈「馬鹿っ!何いってんのよっ!」

葉隠「でも、誰かが殺人さえすればDVDは作らないんだべ?」

朝日奈「それはそうだけど…そうだけど…」

大神「…………」

――――
――




苗木「舞園さん待って!!」

舞園「いや、来ないでっ!!」

苗木「みんなで協力すればここから必ず脱出できるよ!」

舞園「無理よっ!そんなの無理に決まってるじゃない!」

苗木「無理じゃない!僕は君を必ずここから脱出させてみせる!どんなことをしても絶対にだ!」

舞園「なんで…?私は…私は苗木君を裏切って…」

舞園「みんなを殺そうとしたのに…なんで苗木君は私なんか…?」

苗木「それは…」



――――
――

苗木「仲間の死を乗り越えるなんてそんなの僕には無理だよ」

苗木「だから僕は乗り越えなんかしない。ずっとひきずっていく」

苗木「ひきずったまま前に進む。忘れて乗り越えたりなんかしない」

苗木「みんなの死と想いをひきずったままここから出るんだ」

――――
――




苗木「…それは…仲間だから。…仲間の死を乗り越えるようなことは絶対にしない」

苗木「…僕は決めたんだ。もう…誰の犠牲者も出さずにここからでる」

苗木「だから舞園さん。もう一度僕を信じて欲しい。今度こそ必ず一緒に脱出するんだ!」

舞園「苗木君…私のこと恨んでいないんですか?私は苗木君を…」

苗木「舞園さんのことは恨んでいない。悪いのは舞園さんじゃない。全部、黒幕のせいなんだ」

舞園「苗木君…、私、私」

舞園「ごめん…、ごめんなさい」

舞園「う、うわああああああああん」

苗木「…大丈夫。絶対ここから脱出してみせる」




――2・3階開放3日目

苗木(あれからなんとか舞園さんは少しずつ元気を取り戻しつつあるようだ)

苗木(なんとしてもあと一週間以内に脱出しなければならない)

苗木(3階に何か手がかりがあればいいんだけど…)

→娯楽室

苗木「やっぱりどこの部屋の窓も鉄板で塞がれてるね」

葉隠「おお、ゲームソフトがおいてあるべ。…でもハードが置いてないべ」

モノクマ「えー、ゲーム機は校舎5階に置いてあります」ピンポンパンポーン

葉隠「い、嫌がらせだべ。不二咲っちならゲームできるようにできねーべか?」

不二咲「え?うん、後でやってみるよ」

苗木(不二咲さんが便利屋扱いになってきてる)

葉隠「よしっ、特別にただで不二咲っちを占ってやるべ」

不二咲「うん、ありがとう」




真宵「ねぇねぇあたしのことも占ってよ」

葉隠「じゃあ初回特別サービスだべ。10万円で占ってやるべ」

真宵「うんじゃあお願い。特別にあたしも葉隠君が死んじゃったとき霊媒してあげるよ」

葉隠「…縁起でもねぇこというんじゃねぇべ。むむむ」

葉隠「俺の占いでは不二咲っちの正体は男の娘と出たべ!」

不二咲「ええっ!?」

苗木「当たるの?それ?」

葉隠「俺の占いは3割当たる!」

葉隠「綾里っちは…今回の黒幕の正体と出たべ!」

真宵「ええっ!?」

苗木「当たるの?それ?」

葉隠「俺の占いは3割当たる!」

葉隠「ちなみに苗木っちの正体は超高校級の不運と出たべ」

苗木「ええっ!?」




→美術室

山田「むほー、これだけ画材がそろってれば同人誌書き放題ですぞー!」

朝日奈「ちょっとはしゃぎすぎだよ、山田。」

山田「超高校級の同人作家としての血が燃えてきましたぞー!」

朝日奈「あっそこ危ない…」

山田「ぎゃー!!ペンが腕に刺さったー!!」

石丸「大丈夫か!?山田君!?」

大和田「たしか1階の保健室が開放されてたな。しゃあねぇ行くぞ、山田」

石丸「ならば僕もついていこう」

大神「プロテインは万病に効く。我がプロテインを調合しよう」

朝日奈「あっ、私も」




→物理室

霧切「……」

十神「……」

腐川「……」

舞園「……」

江ノ島「……」

江ノ島(なんだこれ?)




→食堂

十神「なにか見つけたものはいるか?」

苗木「いや、こっちはなにも。みんなは?」

朝日奈「こっちもさっぱりだよー。山田なんて怪我しちゃうし」

山田「ううー。面目ありません」

朝日奈「でも保健室が開放されてよかったよ」

大神「残念ながら保健室にプロテインは置いていなかったがな」

霧切「…どうやら収穫はなしのようね」

葉隠「この状況やばくねーか?誰かが殺人を…」

朝日奈「葉隠っ!」

葉隠「だ、だってよう…。じゃあどうすんだべ…?」

苗木「まだあと6日ある。あきらめるにはまだ早いよ」

真宵「そうだよ。きっとなんとかなるって。助けも来るかもしれないし…」




十神「またそれか。じゃあこのまま何もせず一週間過ごすんだな」

十神「とにかく俺はこれ以上お前らと一緒に無意味な行動をとるつもりはない」

十神「部屋に帰らせてもらうぞ。じゃあな」

苗木(死亡フラグたててる)

山田(死亡フラグですな)

葉隠(死亡フラグたてたべ)

霧切「今日はこのへんにして解散しましょう」

舞園「……」

苗木「だ、大丈夫だよ。僕が何とかしてみせるって」

舞園「…うん。ありがとう」

大和田「…なあ兄弟。話がある。あとで部屋に来てくんねぇか?」

石丸「むっ?わかったぞ兄弟。必ず行こう」




――2・3階開放4日目

モノクマ「おはようございます。うぷぷぷ、そんなにのんびり寝ちゃってさ」

モノクマ「仲良しこよしの誰かさんに何かあったみたいなのにさ」

苗木「えっ?」


→食堂

葉隠「おせーぞ、苗木っち」

大神「おそらく、また起きてしまったのではないか」

真宵「そんな…」

十神「じゃあ、確かめるとしようか。苗木、付いて来い」

→プール前ホール

十神「怪しいな、とても怪しい。お前もそう思わないか?」

苗木「え、怪しいってどういうこと?あっそこは女子しか…」

十神「開いている」

モノクマ「現在は捜査のために更衣室のロックは解除してあります」

→女子更衣室

十神「これは…」

苗木「ウワアアアアアアアア!」




苗木「や、山田君がっ!」

十神「血文字。チミドロフィーバーか」

十神「おもしろい、まるで快楽殺人のようだ。そう思わないか?」

石丸「どうした!?うわっ!!」

モノクマ「ピンポンパンポーン! 死体が発見されました。一定の自由時間の後学級裁判を開きます。」

苗木「え?なに?」

十神「死体発見アナウンスだ。そうか、桑田のときお前は意識を失っていたから聞かなかったんだな」

十神「死体発見者が三人になると流れることになっている」

十神「石丸、全員をかき集めて来い。また始まったぞ、命がけの犯人当てゲームが」




――捜査開始

モノクマファイル CASE2
被害者は山田一二三。死亡時刻は午前0時半頃。
死体発見現場となったのは学校エリアの2階の女子更衣室。
致命傷は鈍器による後頭部の殴打。即死だった模様。


葉隠「凶器はこのダンベルで間違いねぇべ。なかなか重いべ」

江ノ島「ちょっとっ!危ないから振り回さないでよ」

苗木「犯行現場はここだろう」

真宵「懸垂マシンに逆さまに吊られているね」

江ノ島「もう一つの懸垂マシンは使われていないみたいね」

霧切「両手両足が縛られているわ。まるでタロットカードの吊るされた男みたい」

苗木「このロープは寄宿舎エリアの倉庫にあったものだね」

葉隠「これはっ!シャイニングメッセージだべ!」

朝日奈「輝いてどうすんの」




大神「昨夜我がトレーニング中にプロテインコーヒーを零してしまったのだが、そのシミが消えている」

苗木「女子更衣室のカーペットのシミ?」

苗木「じゃあ男子更衣室のカーペットはどうなってるんだろう?」

→男子更衣室

大神「このシミは我が零したものだな」

苗木「ってことは女子と男子更衣室カーペットの交換が行われたってことなのかな」

十神「ジェノサイダー翔の仕業だな」

苗木「え?ジェノサイダー翔?それって確か凶悪殺人鬼の」

十神「知りたいか?俺の捜査に協力させてやろう」

苗木「え?」

十神「付いて来い」




→図書室

十神「警察の非公開資料。これは本来外部に公表されない資料だな」

十神「俺はこれと同じものをわが十神家の書斎で見たことがある」

十神「ここにジェノサイダーの記述がある。」

十神「現場には必ずチミドロフィーバーの血文字を残す」

十神「被害者は必ず男性。凶器はハサミ。プロファイリングから乖離性人格障害の可能性がある」

十神「そして被害者は必ず磔にされる」

十神「ただし、被害者が磔にするというのは警察関係者でもごく一部の人間しか知らない事実だ」

苗木「まさか僕たちの中にジェノサイダー翔が…?」

――――
――




→保健室

大神「む、これは…」

朝日奈「なにか見つかった?さくらちゃん」

大神「睡眠薬が減っているようだ。もしかしたら犯行に使われたかもしれんな」

真宵「眠らされている間に殺されたなら被害者から犯人は聞き出せないかもね」

大神「そうだ、綾里よ。ちょっと話がある。部屋まで来てもらえぬか?」

真宵「うん、わかったよ」


→玄関ホール

霧切「これは桑田君と…おそらくセレスさんの生徒手帳ね」

霧切「セレスさんの生徒手帳…、壊れているみたいね」


→寄宿舎倉庫

不二咲「ここにロープが閉まってあったのかぁ」

葉隠「そういやここにあったサバイバルキット一式なくなってるべ」

不二咲「現場にはロープしか使われていなかったけど…他に犯行に使ったものでもあったのかな?」


――――
――


ピンポーンパーンポーン

モノクマ「えー僕も待ち疲れたんでそろそろ始めちゃいますか」

モノクマ「お待ちかねの学級裁判を!」




モノクマ「さて、さっそく議論を始めちゃってください」

――学級裁判開廷!

葉隠「また綾里っちに霊媒してもらうべ」

霧切「いいえ、私たちだけで議論することが先よ。霊媒はある程度事件についてまとめてからにしましょう」

大神「うむ、前回のように被害者の証言だけに頼るのは危険だからな」

霧切「まずは凶器について話を始めましょう」

十神「モノクマファイルによると被害者は頭部を鈍器のような物で殴られ、これが致命傷になったとある」

石丸「鈍器のようなものとは?」

葉隠「きっと鉄パイプだべ」

江ノ島「はぁ?さっき自分で凶器はダンベルだって言ってたじゃん」

葉隠「そうだったべ。凶器はダンベルだべ」

霧切「被害者の傷はダンベルの形と一致したわよ」

朝日奈「傷跡を調べたの!?」

真宵「犯行現場は…、カーペットに血痕が残ってたし女子更衣室で間違いないよね?」




十神「では犯人の話に移るぞ」

十神「といってもその犯人もすでに判明しているがな」

大和田「マジかよ!?」

十神「間違いない。山田一二三を殺した犯人はジェノサイダー翔だ」

葉隠「巷で噂の殺人鬼?ありえないべ」

朝日奈「私たちの中に殺人鬼がいるっていうの?根拠がないじゃん」

苗木「根拠ならあるかもしれない。図書室の書庫で見つけたファイルに書いてあったんだ」

十神「ジェノサイダー翔の事件には2つの特徴がある。1つ目は現場に必ず"チミドロフィーバー"という血文字を残す」

十神「そして重要なのはもうひとつの世間には公表されていない極秘事項」

十神「それは被害者は必ず磔にされているということだ」

十神「つまり山田を磔にしたのは本物のジェノサイダー翔だからと考えるのが自然だろう」




江ノ島「あの殺人鬼が私たちの中にいるっていうわけ?」

十神「ああ、そいつは腐川冬子だ」

朝日奈「ちょっと待ってよ。腐川ちゃんは血が苦手なんだよ。血が苦手な殺人鬼なんて聞いたことないよ」

十神「ジェノサイダー翔はそいつであってそいつじゃない」

葉隠「なぞなぞか?まわりくどいべ」

苗木「そうか、あのファイルにそんなことが書いてあった。犯人は乖離性人格障害の可能性が考えられるって」

十神「そういうことだ」

腐川「うう、黙ってくれるって約束したのに」

十神「あとは本人から直接話を聞くとしよう」

腐川「あああああああぁぁ」バタン

葉隠「あっ…うわっ!」

ジェノサイダー翔「それって私に替われってことかしらぁ?」スチャ




ジェノ「もしかしてばれちゃった系?まいっかしゃーないもんね」

ジェノ「そう!私が超高校級の殺人鬼ジェノサイダー翔!」

ジェノ「本名は腐川冬子っていうダサい名前だけどね」

石丸「ど、どうしたんだ?腐川君…?」

ジェノ「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、健全な殺人は健全な精神と肉体に宿るの」

大神「ここまで違うものか。普段のあいつと」

十神「これでわかったはずだ。その殺人鬼が山田を殺したんだ」

ジェノ「なるほどねー、でも残念でした。わたしは犯人じゃないのです」

石丸「信じられるか!」

朝日奈「そうだよ、殺人鬼の言葉なんて信じられないよ」

十神「今回の殺人と過去のお前の殺人。完全に手口が一致している」

苗木「それは違うよ!」




十神「なんだと?」

ジェノ「おやおやおや、わかんないの?このド雑魚がっ!」

十神「ざっ!?」

ジェノ「じゃあ、教えてやんよ。私の殺しには一流ならではの拘りがあんのよ」

苗木「そうなんだ。致命傷が違うんだよ」

苗木「過去のジェノサイダー翔事件の被害者は皆ハサミで殺されてるんだ」

苗木「それともう一つは磔の仕方だよ。山田君は両手両足をロープで縛られてたよね?だけど過去の事件で使われたのは鋭利なハサミなんだよ」

ジェノ「正解。それにぃ私が殺すのは萌える男子だけなのよん。あ、恥ずかしい言っちゃった」

不二咲「たしか倉庫にあったロープが無くなってたんだよね。あそこに置いてあったサバイバルキット一式ごと」

葉隠「そうだべ、きっとそれが使われたんだべ」

十神「お前の趣味嗜好はわかった。だが生き残るためならば、話は別のはずだ」

ジェノ「黙ってろ、負け犬が」

十神「負け…犬?」




ジェノ「生き残るとかそんなセコイ理由で殺しなんかしねぇんだよ」ジャジャジャジャーン

大和田「でも磔はお前にしか出来ねぇだろうが。一般ではしられてねぇからよ」

朝日奈「だから模倣犯じゃなくって本人の仕業って話になったんだしね」

苗木「ちょっと待って。君なら可能だったんじゃないかな、十神君」

苗木「君ならここに来る前からジェノサイダー翔の犯行手口を知っていてもおかしくない」

真宵「つまり十神君が模倣犯だったってこと?」

石丸「どうなんだ十神君!答えたまえ!」

十神「ふん。俺が山田を女子更衣室で殺し、その死体を偽装した。そうすることでこの犯行は頭のおかしい殺人鬼の仕業に見せかけたということだな」

十神「だが俺がどうやって女子更衣室に入ったというんだ?それに山田もだ」

霧切「玄関ホールで亡くなった二人のの電子生徒手帳を見つけたわ。それを使えば女子更衣室に入ることが出来たはずよ」

真宵「でも他人の電子生徒手帳を使うのは校則違反じゃなかったっけ?」

十神「校則にあったのは"他人への貸し出しは禁止"だが借りるのは禁止じゃない」

モノクマ「そのとおりなのです」ハチミツペロペロ

十神「だが一つの生徒手帳で入ることが出来るのはひとりのみだ。山田しか入れん」

苗木「それは違うよ!」




苗木「もし山田君が女子更衣室に入る前に死んでいたとしたらどうかな?死体を運ぶだけなら生徒手帳がひとつでも入れるんじゃないかな」

モノクマ「その場合、死体は物と同じ扱いになるのでなんの問題もありません」

十神「女子更衣室のカーペットには血痕が残っている。犯行現場は女子更衣室以外ありえん」

苗木「それは違うよ!」

苗木「昨夜大神さんが女子更衣室のカーペットにコーヒーをこぼしていたんだ」

苗木「だけどそのシミは男子更衣室のカーペットについていたんだ」

十神「つまり本当の犯行現場は男子更衣室だったというわか」

十神「だが犯人は俺ではない。女子更衣室で吊るされていた死体を見つけたんであんな偽装をしただけだ。お前たちの能力を探り、同時に犯人を動揺させるためにな」

大神「誰が信じると思う?」

江ノ島「そんなもん信じられるわけねーだろ!」

十神「信じようと信じまいとそれが事実だ。信じられなければ皆で答えを間違えるだけだ」

大和田「間違いだと?てめーが犯人できまりだろうが!」

葉隠「そうだべ。十神っち以外犯人は考えらんねえべ」

霧切「……」

真宵「…うーん、本当にそうなのかな?」




舞園「どういうこと?綾里さん」

真宵「うん。山田君を吊るしたのは結局犯人なんだよね?」

真宵「ってことはそれだけでも容疑者が絞られるんじゃないかな?」

苗木「たしかに山田君を吊るすのは難しそうだよね」

石丸「いや、あの部屋にはダンベルがあったはず!それを重し代わりに使えば吊り上げるのは楽になるはずだ!」

苗木「それでも女の子にはちょっと無理があるんじゃないかな」

ジェノ「オーガならできんじゃね?」

大神「我なら重しを使わずとも可能であろうな」

苗木「じゃあ山田君の巨体を吊るすことができそうなのは大神さんと僕たち男子だけってことかな」

霧切「苗木君、無理しなくていいのよ」

朝日奈「まあ、苗木にはちょっときついんじゃないかな?」

苗木「……」

葉隠「お、俺も無理だべ!この水晶玉より重いものは持ったことないべ!」

苗木「それh」

江ノ島「いや、あんたさっきダンベル振り回してたじゃん」

苗木「……」




朝日奈「葉隠も容疑者に含むっと」

大和田「ちょっと待てよ。俺と兄弟、それから綾里にはアリバイがあるぜ」

石丸「兄弟!そのことを言ってもいいのか!?」

大和田「ああ、しょうがないだろ。俺の都合で兄弟が疑われるわけにはいかねぇ」

朝日奈「大和田と石丸と…真宵ちゃんも?いったい何があったの?」

真宵「それは…」

大和田「待て、それは俺が話す。実は綾里に霊媒をしてもらってたんだ。…兄貴と会うためにな」

大和田「できれば誰にも知られたくなかったから夜時間に会うことにした。たしか時間は深夜0時から1時くらいだったか」

石丸「さすがに夜時間に二人きりになるのはまずいから僕が立会人になったんだ」

朝日奈「いや、男2人に女の子1人なんて危ないから!」

霧切「いつ殺人が起きてもおかしくない状況でそれはあまりにも無用心よ」

真宵「ごめんなさい。でもあたしもお姉ちゃんがもういないから…、なんとなくお兄さんに会いたいっていうのが他人事と思えなくて…」

霧切「…そうだったの。でもこれからは気をつけることね」




十神「おい、さっきから話が脱線してるぞ。結局なにが言いたいんだ?」

真宵「えっと。さっき十神君は死体を見つけたときすでに吊られていたって言ってたよね」

真宵「もし十神君が犯人なら偽装の為に自分で吊ったって言うんじゃないかな」

真宵「そうすれば全員が容疑者になるわけだし。わざわざ吊ってあったとは言わないんじゃないかな」

不二咲「たしかに偽装の為でもないのに死体が吊ってあったと言うのは嘘にしては不自然だよね」

葉隠「とっさについた嘘だからそんなこと考えなかったんだべ」

霧切「そうかもしれない。でも十神君が犯人ではないという根拠はほかにもあるわ」

十神「聞かせてもらおうか」




霧切「もし十神君が犯人なら生徒手帳について反論があるはずなの」

苗木「反論?特におかしいところはないはずだと思うけど」

霧切「いいえ、セレスさんの生徒手帳は壊れていて使えなかったのよ」

十神「なんだと?」

霧切「もし十神君が犯人ならセレスさんの生徒手帳を使ったはず。そして壊れていたことも知っていたはずよ」

舞園「十神君がその生徒手帳を壊したという可能性はないの?」

霧切「そうだとしてもなぜそんなことをするのかしら?犯人と疑われないようにするためのはずよ」

霧切「十神君がそれについて言及しなかったってことは犯人じゃない証拠よ」

霧切「ちなみに桑田君の生徒手帳は壊れていなかったわ」

十神「ふん、どちらも明確な根拠とは言いがたいがまあいいだろう」

朝日奈「ちょっ、ちょっと待ってよ。そんなのありえないって!」

十神「ほう、もしかして気づいたのか?」




大和田「気づいたって何にだよ?」

十神「犯人になりえるのはあと1人に限られているということだ」

十神「そうだろう?…大神さくら」

石丸「お、大神君が…」

不二咲「犯人…?」

大神「……」

朝日奈「いや、ありえないって。なんとか言ってやってよ、さくらちゃん」

十神「反論なんてできまい。そいつが犯人なんだからな」

十神「俺の推理を聞かせてやろう」キリッ




十神「まず大神は山田を男子更衣室に呼び出した。大神は桑田の生徒手帳を使い男子更衣室で待機していた」

十神「そしてノコノコとやってきた山田は睡眠薬で眠らせられた。おそらく自分の姿を確実に見られないようにするためだな。先ほど保健室を調べたら睡眠薬が減っていたから間違いないだろう」

十神「山田を眠らせた大神はそのままダンベルを使って山田を殺害した。その後男子更衣室から女子更衣室へと死体を移動。カーペット交換後死体を吊るした。」

十神「あえて女子更衣室に移動させた理由は男が犯人と思わせるためだろう。あらかじめカーペットにシミを作っておくことで男子更衣室と女子更衣室でカーペットの交換があったことを証明できるようにした」

十神「女子更衣室に死体があるのに男子更衣室で殺人があったことがわかればどうなる?男の犯人が女に罪をなすり付けようとした。そう考えるだろう」

十神「死体を吊るした理由。これもさっきとほとんど同じ理由だ。女子更衣室に吊るされた死体があれば大神がやったと思うに決まっている。そう犯人が計画したと思わせるためだ」

十神「あとは犯人がセレスの生徒手帳を使って女子更衣室に入ったと言えばいい…だけのはずだった。しかしここで最大の誤算があった。」

十神「セレスの生徒手帳は壊れていたんだ。桑田の生徒手帳しか使わなかったから気が付かなかったんだろう。」

十神「セレスの生徒手帳が壊れていた以上女しか犯人はありえない。女子更衣室に入ることができてなおかつ山田の巨体をつるし上げられる人物は大神しかいない」




十神「どうだ?何か反論はあるか?」

大神「…我は犯人ではない」

十神「おまえのさっきの言葉を借りようか?」

十神「誰が信じると思う?」

大神「……」

不二咲「そんな…大神さんが犯人なの?」

朝日奈「嘘だよそんなの!だいたい生徒手帳がいつから壊れていたかもわかんないじゃん!」

十神「そんなのあいつが処刑された時に壊れたに決まっている」

十神「この電子生徒手帳は置いといただけでそう簡単に壊れるものじゃない」

ジェノ「さっさとゲロっちゃったほうがいいんじゃないの?あひゃひゃひゃひゃひゃ」

霧切「ちょっと待ってちょうだい。大神さんが犯人だとすると腑に落ちない点があるわ」




十神「なっ!またお前か。もしかしてまたメモでも取り出すんじゃないだろうな」

霧切「そのまさかよ」

十神「なんだとっ!?」

霧切「山田君を呼び出すために使ったと思われるメモがパンツの中に隠してしまってあったわ」

大神「パンツの中!?」

ジェノ「まさか手を!?」

霧切「たかがパンツよ、靴下に手を入れたわけじゃないわ」

霧切「とりあえず見てもらえるかしら?」


夜11時に男子更衣室まで来い
来ないとおまえの秘密をばらすからな
モノクマ




苗木「モノクマだって?まさかお前が山田君を」

モノクマ「僕じゃないよ。そんなメモ知りません」

霧切「ええそうでしょうね。それに大事なところはそこじゃないわ」

十神「これの何がおかしいんというんだ?」

霧切「あら、これに気が付かないなんて。苗木君教えてあげなさい」

苗木「え?僕?うーんそうだなぁ」

苗木「あっそうか、これh」

真宵「わかった!時間だね!呼び出した時刻と死亡時刻が一時間半もずれてる」

苗木「……」

霧切「その通りよ。はたしてこの時間のずれはなにを意味しているのかしらね」




大和田「あいつは時間にきっちりしてた方じゃねえし、遅れていっただけじゃねぇのか?」

霧切「モノクマからの呼び出しよ。はたして一時間半も遅れるかしら?」

十神「じゃあおまえにはその理由がわかるのか?」

霧切「いいえ、今はまだわからないわ」

霧切「だから…本人に確認してみましょう、山田君自身に」

朝日奈「そうだよ、もしかしたら犯人の姿をみてるかもしれないし!」

十神「いいだろう。本人に聞いて犯人が誰なのかはっきりさせようじゃないか」

霧切「じゃあ頼めるかしら?綾里さん」

真宵「うん、準備オッケーだよ。さっそく呼び出すね」




――山田君降霊!


山田(真宵)「……」

霧切「…山田君、ちょっといいかしら」

山田(真宵)「…もしかして僕は今あの世から呼び出されたのですかな?」

霧切「ええ、その通りよ。事件に協力してもらえるかしら?」

山田(真宵)「つまりこの体は綾里殿の体ってことですか?うっひょー!!」

朝日奈「や、山田?」

山田(真宵)「一度でいいから女体化というものを体験してみたかったんですよ!」

山田(真宵)「まさかこんな形で夢が叶うとは…」

山田(真宵)「ってこの格好はなんですか?いつものセーラー服は?」

大神「今回はお主を霊媒するだろうと思って我のジャージを貸したのだ」

大神「もしその体になにかしようものなら絶対に許さないから覚悟しておけ」

山田(真宵)「いえ、もちろん何もしないですぞ」




霧切「さっそくで悪いけど事件当日のことを話してもらえるかしら?」

山田(真宵)「そうあの日はモノクマからメモで呼び出されたんです」

モノクマ「だから僕じゃないってーの」プンプン

山田(真宵)「たしか夜の11時ピッタリに男子更衣室に行ったんです」

山田(真宵)「更衣室に入った瞬間何者かに襲われて…。あとはもう何も覚えていません」

朝日奈「犯人の姿は見てないの!?」

山田(真宵)「ううむ、面目ありません」

霧切「それで証言は終わりかしら?」

山田(真宵)「そうですねぇ、そういえば…」

山田(真宵)「夢を見ていたような気が…」

苗木「夢?ってことはやっぱり眠らされていたんだね」




山田(真宵)「そう、あれは天使の羽を生やした僕がぶー子とお空の散歩をしていたのですが…」

山田(真宵)「空高く飛びすぎた僕は太陽に羽を焼かれてそのまま墜落して…そんな夢でしたな」

霧切「まるでギリシャ神話のイカロスね」

苗木「ギリシャ神話?」

霧切「迷宮を脱出するため蝋の羽で空から逃げ出したはいいけど、太陽の熱で羽が溶けてしまい墜落死してしまったギリシャ神話の人物よ」

十神「人生最後の夢がそんな内容とは憐れだな。で、結局犯人はわからずじまいということだな」

山田(真宵)「ふむそうなりますな。さて僕の出番はこれで終わりですかな?じゃあせめて最後にこの体d」

朝日奈「ちょっ、ちょっと!」

真宵「……」

苗木「戻った?」

朝日奈「大丈夫?真宵ちゃん」

真宵「うん…大丈夫。霊媒中は体を自由に操ることはできないけど、危機を感じたら追い出すことくらいはできるから」




十神「やはり俺の推理に間違いは無さそうだな」

霧切「時間のずれはどう説明するつもり?」

十神「山田は眠らされていた。あとは殺すだけのはずだった」

十神「…が、そこでためらってしまったんだろう。そこにいる殺人鬼でもない限り無抵抗の人間を殺すのは気が引けるだろう」

ジェノ「抵抗してくれたほうがずっと萌えるんですけどねー!」

朝日奈「そんな…違う、違うよ」

葉隠「いいや、犯人はオーガで決まりだべ」

石丸「男が女子更衣室に入ることができない以上大神君にしか犯行は行えない!どうなんだ、大神くん!」



――――
――

モノクマ「できれば生き残りが多いほうがおもしろかったんだけどねぇ、うぷぷぷ」

モノクマ「このまま皆オシオキになっちゃうのかな?うぷぷぷ」




真宵「問題になっているのは生徒手帳だよね?いつ壊れたのかがわかればはっきりするんだけど」

苗木「何か壊す方法はなかったのかな?不二咲さん、電子生徒手帳が壊れる要因ってどんなものが考えられるかな?」

不二咲「うーん、そうだなぁ。あまり思い出したくないけど…熱とか水濡れとかかな」

苗木(熱に水濡れ?なにか引っかかるような…?)

苗木(それにさっきの山田君の夢…)

苗木(空を飛んでいた…吊り上げられていた?)

苗木(羽を焼かれて墜落…殴られたってこと?)

苗木(そういえば倉庫にあったサバイバルキット一式が無くなったって言ってたな)

苗木(そもそもロープを使って縛り上げる必要があったのか?)

苗木(それに死亡時刻のずれ…。犯行時刻をずらさなきゃならない理由があった?)

苗木(…!そうか!わかったぞ!)




苗木「十神君、君の主張は生徒手帳が壊れていたから大神さんが犯人っていうことだよね?」

十神「その通りだが」

苗木「でも犯人生徒手帳を壊す方法を知っていたとしたらどうかな?」

十神「なんだと?」

苗木「きっと犯人は自分の生徒手帳を誤って壊してしまったことで生徒手帳を壊す方法を知ったんだ」

苗木「君の生徒手帳を見せてもらえないかな?」

苗木「…大和田君」

苗木「君は石丸君とサウナで我慢比べしていたときに制服をきたままだったよね」

苗木「もしかしてそのときに生徒手帳を壊してしまったんじゃないかな」

大和田「な、なにいってんだよ、おめぇ」




大和田「た、確かに俺の生徒手帳は壊れているがよ…」

石丸「待て!兄弟がそんなことをするはずがない!」

石丸「兄弟にはアリバイがあるんだ!綾里君もそれを証明してくれるはずだ!」

真宵「うん。確かに霊媒中は意識がなくなるけど、霊媒前の0時頃と霊媒が終わった1時頃には大和田君に会ってるからね」

真宵「死亡時刻は0時半だったよね。さすがに山田君を殺して部屋の交換、そして吊るす作業をするには時間が足りないんじゃないかな」

苗木「いや、部屋にいながらにして山田君を殺す方法があった」

苗木「ロープとローソクを使った時間差トリックを使ったんだ」

苗木「もう一度事件を最初から振り返ってみよう」

苗木「僕の推理が正しいかどうか」

苗木「これで証明するよ」キリッ




苗木「夜時間、メモで山田君を男子更衣室に呼んだ犯人は保健室に置いてあった睡眠薬を使って男子更衣室にやってきた山田君を眠らせた」

苗木「おそらく自分が男子更衣室に入るときは桑田君の電子生徒手帳を使ったんだろう」

苗木「山田君を眠らせた理由は姿を見られないようにするため、ということだけでなく別の意味もあった」

苗木「まず山田君を眠らせた犯人は懸垂マシンを2つ使って片方に両足を、もう片方に両手をくくりつけて宙吊り状態にした」

苗木「つぎにローソクを使い、時間が経てば両手をくくりつけているロープを焼き切るように設置したんだ」

苗木「そしてそのまま部屋を出てアリバイ作りの為に、綾里さんに霊媒をしてもらったんだ。綾里さんは霊媒中は意識がなくなるため石丸君に立会人になってもらい、アリバイの証人となってもらったんだ」

苗木「霊媒中、ロープが切れると山田君の体は振り子の要領で振られた。そして頭が落下する位置に設置されたダンベルに後頭部を打ち付けられ、山田君は亡くなったんだ」

苗木「山田君が被害者に選ばれたのはこのトリックの成功率をあげるためだろう。体重があればあるほど頭部へのダメージは大きくなるからね」

苗木「霊媒後、山田君の死体をカーペットとともに女子更衣室に移動した。おそらく大神さんに罪をなすりつけるためだろう。磔のままにした理由も同じだったんだ」

苗木「あとは使ったローソクや両手を縛っていたロープを取り替えて証拠隠滅をした」

苗木「最後にセレスさんの電子生徒手帳を壊すことで男には犯行が不可能であったと見せかけたんだ」

苗木「そうなんだよね?大和田紋土君」




大和田「…ああ、そうだよ。俺が殺したんだよ」

石丸「兄弟、何を言っているんだ」

石丸「違う、違うぞ。今回の犯人は僕なんだ!!」

石丸「兄弟と一緒にサウナに入った僕なら電子生徒手帳の壊し方を知っていた!」

石丸「アリバイだって僕から兄弟に持ちかけたことだったんだ!」

苗木「それは違うよ!!」

苗木「昨日3階を探索した後食堂に集まったよね。その後解散したあとに大和田君が君に話があると言っていたはずだ」

苗木「それって霊媒についてのことだったんじゃないかな」

石丸「き、聞いていたのか…」

大和田「もういい、兄弟。もういいんだ」

大和田「モノクマ、始めてくれよ。投票タイムってやつをよ」

モノクマ「ラジャー」

石丸「駄目だ!待ってくれ!」

モノクマ「いやです!待ちません!」

モノクマ「お前ら、お手元のスイッチで投票してくださーい。」

石丸「待てえええええええぇぇっ!!!」




ドルルルルルルルル

ドンッ


【オオワダ】【オオワダ】【オオワダ】


モノクマ「ヒャッホー、山田一二三君を殺したクロは大和田紋土君なのでした!」

モノクマ「ちなみに投票は満場一致ではありませんでした」

モノクマ「石丸君、自分に入れるなんて」

モノクマ「でも、多数決に救われましたね」

石丸「信じない、僕は信じないぞ。僕は…」

大和田「すまねぇ」

石丸「何故だっ!?何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故なんだっ!?」

石丸「君はお兄さんに誓ったではないかっ!!チームを!!チームを絶対に守るとっ!!」

大和田「…そうさ、チームを守る為…殺したんだ」

苗木「まさか大和田君のDVDに映っていたのは…」

石丸「そんな…そんな馬鹿なっ!!そんな、そんなっ!」




モノクマ「うぷぷぷ、えんもたけなわのところ恐縮ですがおしおきタイムです」

石丸「ま、待てっ!!」

モノクマ「今回は超高校級の暴走族である大和田紋土君のためにスペシャルなおしおきを用意しましたー!」

石丸「待つんだ!待ってくれ!」

モノクマ「では、はりきっていきましょう!おしおきタイム!」

石丸「うわあああああ!!待てって言ってるじゃないかっ!!!」

大和田「すまねえな、兄貴。男同士の約束守れなかった」

石丸「うわああああああああああああああああああああっ!!」




GAMEOVER
オオワダくんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



猛多亜最苦婁弟酢華恵慈
モーターサイクルデスケージ



ドーン!グルグルグルグルグルグルグルグルグルグル
ピー、ピー、ピー、チンッ!オオワダバター




モノクマ「主よ、優しく笑い、そしてあなたの魂に安らぎあれ」

苗木(ここでは人の命はとても軽い)

苗木(頭がどうにかなってしまいそうなほど軽い)

苗木(でも僕たちはまだ人の命が自分たちが思っているよりもずっとずっと軽いということを思い知らされることをわかっていなかった)



――――
――


モノクマ「それにしてもいいペースだよ。霊媒師なんているからどうなることかと思ったけど」

モノクマ「でもそろそろ彼女が狙われてもいいころなんじゃないのかな」

モノクマ「え?まるで彼女が殺されることを望んでいるみたいだって?」

モノクマ「うぷぷぷ、僕が望んでいることは"絶望"だけだよ」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」


生き残りメンバー 12人



つづかない…?


誰も見て無さそうだからネタバレ次回予告


アルターエゴがみんなを絶望の底へ突き落とす!
君の占いだけが頼りだ!頑張れ葉隠君!

次回
葉隠死す
苗木君攻略動画を見る
苗木君おねしょがばれる

の3本でお送りいたします

残念ながら見ている

あと投下する時はsagaだけにしてみては?

上がらないから投下に気づいてない人もいるかも

あ、あと乙ー

sage進行でも見てる人いるんですね
ありがとうございます

次からはたぶんage進行で行きます

見てるよん
おつおつ

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