美希「ペコちゃーん」伊織「デコちゃん言う…え?」 (49)

伊織「美希、アンタ今私のことなんて?」

美希「ペコちゃんなの」

伊織「な、なぁんだ私の聞き間違いね。デコちゃんって…」

美希「ペコちゃんなの」

伊織「デコちゃん言うな!」

美希「ペコちゃんなの」

伊織「」

伊織「ペコちゃんって誰よ!」

美希「ペコちゃんはペコちゃんなの」

伊織「ダメね。話が通じないわ」

伊織「ま、ふざけるのも大概にしなさいよね。今回は許してあげるわ」

美希「ごめんねペコちゃん。それとありがとなのペコちゃん!」

伊織「そこ、座りなさい」

伊織「アンタねぇ…前からデコちゃんって呼ぶの禁止してたはずでしょ!」

伊織「まさかそれでペコちゃんって呼び始めたんじゃないでしょうねぇ…」

美希「ペコちゃんって言うの禁止だったっけ?」

伊織「何言ってんのよ、アンタ前は私のこと…」

美希「ペコちゃんって呼んでたの」

伊織「」

伊織「分かったわ…。あくまでその冗談を貫き通すつもりなのね」

伊織「それならこっちにだって考えはあるわ」

伊織「アンタが私のことちゃんと名前で呼ぶまで口きかないわ」

美希「そんな!ひどいのペコちゃん!」

伊織「…」

美希「ごめんなさいなのペコちゃん!ミキが悪かったの!許してほしいの!」

伊織「……」

美希「ペコちゃん……」

それから、美希と話さない日が一週間…二週間…と続き

気がつけば一ヶ月経っていた。


やよい「伊織ちゃん…まだ美希さんと話してないの?もう一ヶ月になるよ?」

伊織「いいのよ、人の名前もまともに言えないあんな奴なんて」

やよい「でも…私これ以上伊織ちゃんと美希さんが喧嘩してるの見てられないよ」

伊織「やよい…。ごめんなさい…でもこれはそういうわけにはいかないの」

伊織「これは私と美希の戦い。邪魔しないでもらえるかしら」

やよい「おかしいよ…!」

やよい「伊織ちゃん、絶対おかしいよ!」

やよい「美希さんは今まで…これからも一緒にいる仲間なんだよ!?」

やよい「それなのに…」

美希「やよい…これからなんてないの…!」

やよい「美希さん…?それってどういう…」

美希「ミキ、もう辞めるの。アイドル…辞めるの…」

伊織「ッ!」

美希「ミキ…いろいろメイワクかけてたよね」

美希「ごめんね。ペコちゃん、やよい…」

やよい「そんな!美希さんは迷惑なんかじゃ!」

美希「もう…いいの…。もう…」

伊織「…」

美希「明日…小鳥にジヒョー出してくるの」

伊織「待ちなさいよ」

美希「ぺ、ペコちゃん?」

伊織「ペコちゃん言うな!」

伊織「アンタそれがどれだけ勝手か分かってるの?」

伊織「迷惑かけたですって!?最後の最後に迷惑かけていなくなるつもり!?」

伊織「アンタに会わない日はなんか調子狂うのよ」

美希「ペコちゃん…」

伊織「だから…アンタにはまだ側に居てほしいのよ!!」

美希「……」

伊織「…///」


やよい「えんだあああああああああああ」

美希「ペコちゃん…やっとお話してくれたの」

伊織「う、うるさいわよっ!バカっ///」

美希「ペコちゃんのほっぺ赤いのー!可愛いのー♪」

伊織「ま、まだ許した訳じゃないんだから!調子に乗るんじゃないわよ」

美希「ごめんなさい…」

伊織「もういいわ…。許すわよ、許すから…」


伊織「涙……拭きなさいよ…」

美希「ペコちゃんだって泣いてるの」

伊織「う、うっさい!あとペコちゃん言うな!」

美希「泣きながら怒るペコちゃんも可愛いのー」

伊織「もう、なんなのよアンタは!」


やよい「やれやれどうやら…、私はお邪魔虫みたいですー」

美希「あはっ☆ペコちゃんとっても可…愛い……の?」

伊織「美希!?どうしたの!?しっかりしなさい!」

美希「ごめんね…病気……隠してて…」

美希「でも、ペコちゃんがお話聞いてくれなかったから…話せなかったの」

美希「ペコちゃんだって悪いんだよ?お互い様なの」

美希「でも…最後にペコちゃんと話せて…嬉しかった…の」

伊織「美希!待って美希!!」

伊織「美希いいいいぃぃぃぃぃ!!」

伊織「ってバカぁ!心配かけるんじゃないわよ!」

伊織「心臓だって動いてるし…少し熱があるだけじゃない!」

美希「Zzz」

伊織「ま、今は気持ちよさそうに眠ってるだけだし」

伊織「まったく…本当に迷惑ね!」

伊織「もう仕事に行く時間じゃない!」

伊織「じゃあ、行ってくるわね…美希」

美希「Zzz」

ーーーーーーー

ーーーーー

伊織「ふう…写真撮影にしては結構疲れたわ…」

伊織「不二家の広告のモデルに抜擢されるなんて…」

伊織「まあお土産ももらったし…美希に持っていってあげましょ」

伊織「みんな、ただいま!」

やよい「あ、伊織ちゃん!大変なんだよ!はやく!」

伊織「な、なによ…」

春香「おかえり伊織!とにかくはやく!」

伊織「だから何よ…」

やよい「美希さんが起きないんだよ!」

伊織「え?」

伊織「何言ってんのよ、そんなのいつものことじゃない」

春香「いつもはプロデューサーさんの声がすると起きるはずなのに…」

伊織「熱があるから反応が悪いんじゃないかしら?」

春香「風をひこうが熱があろうが頭の中P一色の美希だよ!?」

伊織「すごい言われようね…」

伊織「確かに…でも手がかりが見つからないわね……!」


美希『ごめんね…病気……隠してて…』

伊織「まさか…そんな…本当に…?」

やよい「伊織ちゃん…?」

伊織「美希……」

小鳥「お困りですピヨ?」

伊織「小鳥!」

小鳥「どうやら美希ちゃんはミルキー病という病にかかってしまったみたい」

伊織「ミルキー病?」

小鳥「まあ簡単に言えば微熱が発生してから間もなく眠りはじめ、そのまま眠り続ける病気よ」

小鳥「それと、その人物が本当に愛した人物を"ペコちゃん"としか呼べなくなるわ」

伊織「!」

伊織「それじゃあ美希は…私のことを」

伊織「ってそうじゃないわ!治す方法はあるの!?」

小鳥「もちろんあるわ」

伊織「教えて!」

小鳥「ピヨピヨピヨ…」

小鳥「方法は二つあるわ」

小鳥「一つ目は不二家のミルキーを食べさせること」

伊織「お土産でもらったのがあるわ!」

春香「え、これってそういうマストアイテムだったの?」

やよい「二人で食べちゃいましたー!」

伊織「何やってんのよアンタら!」

伊織「ふ、二つ目は!?はやく教えなさい!」

小鳥「二つ目は…美希ちゃんが本当に愛した人物…つまり、伊織ちゃん」

伊織「わ、私?」

小鳥「そうよ…白雪姫のような眠りについてしまった美希ちゃんを救えるのはあなただけよ!」

伊織「白雪姫…まさか、キス…とか?」

小鳥「ご名答」

伊織「は、はあぁ!!?」

小鳥「しかも舌が絡まりあって唇を離すときに糸を引くような熱いキスよ!」

伊織「無理よ!」

伊織「(でも…私がやらなきゃ美希が…)」

伊織「わ、わかったわよ!やるわ…!」

伊織「美希がいないと…調子狂うから…」

伊織「わ、私のためにやるだけよ!?いいわね!?」

やよい「(誰と話してるんだろう)」

春香「(ウブよのう…)」

触れた。私の唇と美希の唇。

優しく、弱く、甘く、軽く、震えながら、触れた。

激しく、強く、苦く、重く、震えている。

なんだろう。この感覚。

美希の肌、匂い、鼓動、味、そして想い。見つめながら感じる。

私の舌と美希の舌が触れ合う。絡み合う。

飯なので保守お願いします

保守ありがとうございます!

再開します

美希の肌が熱い。

美希の匂いが心地よい。

美希の鼓動が速い。

美希の味が…懐かしい…。すべてを優しい愛で包み込む…まるで…聖母のよう…。

離れていく唇に結ばれた糸。

それはきっと運命の赤い糸。

私は美希と結ばれていた。今までずっと、これからもずっと。


美希「デ…コちゃ…ん?」

伊織「美希!」

美希「キスしたの?美希と?」

伊織「言っておくけどノーカンよ?」

美希「イヤだった?」

伊織「いいえ」

美希「じゃあ今度はちゃんとしようね」

伊織「ええ」

P「ただいまー、みんなーおやつ買ってきたぞー」

やよい「ミルキーですー!みるきーべいべー!うっうー!」

春香「(伊織、無理にキスしないでミルキー買ってくればよかったんじゃん!)」

春香「(まあ…)」

美希「デーコちゃん♪」

伊織「デコちゃん言うな♪にひひっ」

P「おっ、なんだぁ?二人はご機嫌だなぁ」


春香「結果オーライってことで!」



おわり

終わりです。
本当はいただいたペコちゃんのほっぺが賞味期限切れてて腹下したから不二家に復讐しようとしたのですが、なんかステマになってしまいました畜生

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