エレン「駆逐してやる(震え声)」(52)


――ブォオオオオ!


エレン「暑ッ……!!」

エレン「な、何が―――!?」

コニー「うわああああ!」

ミーナ「きゃああああ!」

エレン「みんな、立体起動に移れ!」

コニー「――ハッ!」

パシュッ

コニー「危ねぇ……!」

トーマス「おい、見ろ……! 壁に、穴を空けられたぞ……!?」

ミーナ「そんな……超大型巨人がまた現れた……」


エレン「やべえ……どうしよう……」

エレン「ま、また巨人が攻めて来る……!」

サムエル「畜生……やっぱり人類は巨人に……」

エレン「クッ……!」

エレン「固定砲整備4班、退却用意! 超大型巨人出現時の作戦は既に開始している!」

エレン「迅速に本部に帰投するぞ!!」

サシャ「で、でもまだ超大型巨人が……」

エレン「今は一刻を争う! 作戦事項が最優先だ!」

コニー「お、おう!」

ミーナ「みんなエレンに続け!」

パシュッ

このエレンは長生きするな

スレタイでやられたwww

「――作戦通りに各班ごとに別れ、前衛には――」


エレン「が、ガスの締め具が締まらねえ……」

ミカサ「落ち着いてエレン。武者震いするのも分かるけど、今は抑制して」

エレン(武者震いじゃなくて怯えてんだよ!)

エレン「あ、ああ……! そうだな。ちょっと気持ちが高ぶり過ぎちまったぜ」

アルミン「巨人はその気になれば、人類なんていつでも滅ぼせるんだ……」

エレン「ああ、もうお終いだ!!」

アルミン「……え?」

ミカサ「エレン……?」

エレン「あ………は、ははは! そ、そうだ、巨人達はもう終わりなんだ!!」

ミカサ「……」

エレン(やべえ、思わず意味不明なこと言っちまった……)

アルミン「エレン……」

エレン(あ、これ終わったわ)

ミカサ「……エレンの言う通り。終わるのは人類ではなく、巨人」

ミカサ「つまり、私達人類がその気になれば巨人なんていつでも滅ぼせるという事」

エレン「……は?」

アルミン「そう、だね……ごめん。僕は冷静じゃなかった」

エレン「いやいやいや……は?」

こんなエレンもいいな!

ミカサ「……? 違うの?」

エレン「いや全く違くありませんよあってるようんあははは」

アルミン「……二人共、そろそろ時間だ」

ミカサ「……うん」

エレン「はぁ……こんな事なら、いっそ言っておけば……」

俺には一つ、悩みがあった。
それは小さいようで大きい事。

――それは、自分が虚偽の正義感を担っている事であった。

5年前、巨人進撃の際につい無意識で「駆逐してやる(震え声)」などと言ってしまったのが原因だ。

その発言により、ミカサとアルミンは俺の事を“正義感が強く、巨人を憎んでいる”と誤って認知してしまった。

当然、前言撤回しようにも俺のプライドが許さず……
その結果、今の様に偽りの自分を演じながら生きる羽目になったのである。

新しいな

別の話で似たようなやつ見たこと有るけど、虚偽の正義感でも表面がしっかり取り繕われてたら英雄にしか見えないもんな

続きも期待


ミカサ「エレン、戦闘が混乱してきたら私のところに来て」

エレン「ああ、分かった!」

ミカサ「え? ……あ、うん」

エレン「……? なんかおかしいこと言ったかよ?」

ミカサ「……いえ、まさかエレンが二つ返事で答えてくれるとは思ってなかったから……」

エレン「あ」

エレン(しまったあああああ。いつもの俺は頑固なツンデレキャラなんだったあああああ)

エレン「ま、まあ、別に俺は行っても行かなくてもいいけど」

ミカサ「すまない、少し驚いただけ。エレンが来てくれるのならそれで十分」

エレン「そ、そうか。なら、お前……本当に……頼むぞ?」

ミカサ「……うん、私はあなたを守る」

このエレンはジャンと喧嘩するたびに心の中で謝ってそうだなw

>>12
そもそも喧嘩始まったすぐあとにエレンが謝りそうだけどなw

エレンはツンデレだよね

ワロタ

死に急がないエレン

むしろ死に急ぎたくないエレン


イアン「アッカーマン訓練兵」

ミカサ「……何でしょうか?」

イアン「お前は特別に後衛部隊だ、ついて来い」

ミカサ「……!!」

「ま、マジかよ……」

「訓練兵が優遇されるなんて異例だぞ……!?」

エレン「な、何故ミカサだけ後衛部隊につくのですか!?」

イアン「避難が遅れている今、住民の近くにより多くの精鋭が必要だからだ」

ミカサ「し、しかし……私の腕では足で纏いになります!」

イアン「……」

エレン「彼女もそう言っています! それに、後衛につくより前衛についた方が―――」

イアン「貴様ら、上官に対して啖呵切るつもりか?」

エレン「ッ……!!」

イアン「今、人類は滅亡の危機に立たされている。子供の駄々に付き合っている暇はない」

エレン「……すいません。私は、冷静ではありませんでした……」

ミカサ「エレン……」

イアン「分かってくれたのならいい。アッカーマン訓練兵、行くぞ」

ミカサ「……少しだけ、時間を下さい」

イアン「……10秒だけだぞ」

ミカサ「エレン、一つだけ頼みがある」

エレン「……」

ミカサ「どうか、死なないで……」

エレン「……」


エレン(はぁ……儚い人生だった……)

腑抜けてるときのジャンが乗り移ってるなこのエレン

――出陣直前

エレン「……」

トーマス「なあ、みんな。これはいい機会だと思わないか?」

ミーナ「うん……調査兵団に入団する前に、この初陣で活躍しとけば……」

アルミン「ああ……訓練兵にして、スピード昇格間違いなしだ!」

エレン「お前らすげーな!! その調子で巨人をいっぱい狩ってくれよ!」

ナック「おっ随分と乗り気だなエレン!お前には負けないぜ」

エレン「負ける……? 何がだよ?」

トーマス「決まってんだろ。巨人の討伐数だよ!」

エレン「お、おう」

エレン(何言ってんだこいつ)

トーマス「あれ、何か気の抜けた返事だな」

エレン「え、えー何のことかなー? 僕わかんなーい」

ミリウス「まさか、ビビってるのかエレン……?」

エレン「そ、そんな訳ねーだろ!! 固定砲整備4班戦闘準備!!」

エレン「行くぞ野郎共!!」

アルミン「エ、エレン落ち着いて! 僕達は34班だよ?」

エレン「はっ……!」

ミーナ「そうだよ……ただの冗談でしょ?」

ミリウス「何マジにしてんだよ……」

エレン(あーこれ俺がビビりなのバレたパターンだわ)

トーマス「お前……」

アルミン「……」

エレン(視線が痛い……ほら、絶対バレただろ……)

「 34班、前進しろ!」

エレン(――ッ! 違う、今がチャンスなんだ!)

エレン「おおおおおお!!!」

パシュッ

アルミン「あ、エレン!」

トーマス「行くの早いぞ!」

エレン「早く来い! 置いてくぞ!!」

ナック「全く……流石、死に急ぎ野郎と言われてるだけの事はあるな!」

ミーナ「それが、エレンらしいんだけどね……!」

ミリウス「ああ……みんな、エレンに負けるな! このままじゃ先越されちまうぞ!」

アルミン「あああ、エレンの所為で陣形が総崩れだ……」

エレン(よし……みんなが俺に対する尊厳を取り戻した)

エレン「いける――」

奇行種「……」

エレン「ッ!? うわああああああ」

エレン「避けろ!!」

ドオッ!

エレン「て、みんなが後ろに居ない……!?」

アルミン「おーい! 平気かエレン!」

トーマス「一人で突っ込み過ぎだぞ!」

ミーナ「でかい音がしたけど、どうしたの?」

エレン「お前ら!? 来んのおせーぞ!!」

ミリウス「立ち止まってるけど、何があったんだよ?」

エレン「俺が今、奇行種に喰われそうになったんだよ!!」

アルミン「え? 大丈夫なのエレン!?」

トーマス「それって……あっちに向かって歩いてるあいつの事か……?」

エレン「ああ、そうだよ―――」

エレン「――いや、待てよ……?」

ナック「取り敢えず、エレンが喰われずにすんで良かったよ……!」

ミーナ「うん……ここに立ち止まってても危険だし、早く行こう!」

エレン(巨人を追い掛けたフリをして、班からの離脱を計れば……)

アルミン「どうしたんだエレン? 早く行こうよ!」

エレン「何すんだてめえええ!!危ねーだろうが!?」

パシュッ

アルミン「エ、エレン!?」

ミリウス「よ、よせ! 単騎行動は!」

エレン「よくも俺の事を……絶対に、絶対に逃がさない!」

エレン(よ、よし……! この調子で行けば――)

巨人「ガァァア」

エレン「え?」


ドオッ!


アルミン「エレン!!」

ミーナ「そんな……エレンがいない……喰われたの!?」

トーマス「お、おい……止まってる場合か!」


「来るぞ―――」


――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――
――――――

臆病な上に死に急ぎじゃあどうしようもないなw

―――――――――――――――――――


エレン「――うっ……!」

エレン「いってぇ…………何処だ、ここ……?」

エレン「俺は確か……そうだ。奇行種を追い掛けてたら突然下から巨人が来て……」

エレン「それで……えーっと……無事、だったのか?」

エレン「…………運が、いいな」

エレン「日が、暗くなってきてる……俺はそんなに気を失ってたのか……」

エレン「立体起動装置はちゃんと使えるか……?」

フシュー

エレン「よし……取り敢えず一旦、上に登ろう」

パシュッ

ヘタレン

エレン「しかしこれからどうする……撤退命令はでてるのか?」

エレン「誰か、何処かに仲間は……」

エレン「……居た! でも、何か集まってるな……何かあったのか?」

パシュッ

ダンッ

「エレン!?」

エレン「よ、よお!」

ジャン「ッ! 死に急ぎ野郎、生きてたのか」

エレン「ああ、何とかな……それにしても、みんなは今何してんだ?」

ジャン「……」

エレン「お、おい――」

アルミン「トーマス・ワグナー、ナック・ディアス、ミリウス・ゼルムスキー、ミーナ・カロライナ……そして、エレン・イェーガー!!」

アルミン「彼らは、自分の使命をまっとうし……壮絶な戦死を遂げました……!!」

ミカサ「……」

エレン「……は?」

「34班はほぼ全滅か……」

「い、いや待てよ! エレンならここに居るぞ……?」

エレン「……」

アルミン「え……?」

ミカサ「ッ! エレン……!!」

エレン「……」

ミカサ「良かった……! 無事だったのね……」

エレン「……」

ミカサ「………? エレン……?」

エレン「な、なあ……アルミン……」

アルミン「……」

エレン「ミリウスとナックとトーマスとミーナが死んだって……本当か……?」

アルミン「……ごめん、エレン……僕は、みんなを………守れなかった……!」

アルミン「う……うぅっ……」

エレン「……」

ミカサ「……アルミン。落ち着いて、今は感傷的になってる場合じゃない」

ジャン「……」

エレン「……ち、違うんだよ……そんなつもりじゃなかったん、だ………」

ミカサ「エレン……?」

エレン「お、俺はただ……ただ、逃げたかっただけ、なんだ………」

アルミン「うっ……エレン……何を言ってるんだよ……」

エレン「こんな事に……なるなんて思わなかった………」

ミカサ「……エレン、落ち着いて!」

エレン「お、俺は、悪くない………! 何も、悪くないぞ……!?」

エレン「そ、そうだ……! これは夢なんだ!! そうに違いない!」

ミカサ「エレン――」

ジャン「………エレン。お前、敵前逃亡したのか?」

もうどこを目指してんのかわかんなくなってきた

スレタイでホモかと思ったけど違った

でもいい、期待

>>35
サンクス。読んで下さってる方有難う御座います

風呂はいってきますお

エレン「……」

ミカサ「ジャン、何を言ってるの……?」

アルミン「……そうだよ、エレンがそんな事する訳ないだろ……!」

エレン「……」

ジャン「こいつは否定しないみたいだけどな」

ミカサ「エレンはいま錯乱しているだけ。馬鹿な事を言うのはやめて」

ジャン「そうなのかエレン? 間違ってるんだったらはっきり言ったらどうだ」

アルミン「……これ以上、エレンを責立てるのはやめてよ!」

ジャン「……」

エレン「いや、ジャンの、言う通りだ……!」

ミカサ「……エレン?」

アルミン「な、何言ってるんだよ……!」

エレン「俺は……死に急ぎ野郎でも何でもない……」

アルミン「……え?」

エレン「なあ、アルミン、ミカサ……お前らは、昔から俺の事を正義感が強い奴だと思ってただろ……?」

ミカサ「エレンは、正義感が強くて、ぶっきらぼうで、無鉄砲で……巨人を憎んでいる」

エレン「……全部、違うんだよ」

ミカサ「……」

エレン「本当は、全部虚偽なんだ……」

アルミン「虚偽……?」

エレン「全部、演じてたんだよ……俺は」

エレン「本当は、ただの臆病者なんだ……」

ジャン「……だとよ、聞いたか」

アルミン「……」

ミカサ「……信じられない。ならエレンは、どうして偽りの自分を演じていたの?」

エレン「それは……」

エレン「お前らに、捨てられたくなかったんだ……巨人に屈服する俺を見て、お前らが幻滅すんじゃないかと思った……」

ミカサ「そんな事は断じてない!」

エレン「え……?」

ミカサ「私は、あなたが居場所がくれたから、生きる存在意義をくれたから」

ミカサ「今、こうして生きていられる!」

エレン「……」

ミカサ「私は……エレンが側に居てくれれば、ただそれでよかったのに……」

エレン「ミカサ……」

アルミン「……勝手な事、言わないでよ……」

エレン「……」

アルミン「僕達に、捨てられたくなかった……? 幻滅されたくなかった……?」

アルミン「勝手なこと言うのも、いい加減にしろよ!?」

エレン「……悪かった」

ミカサ「……! アルミン、落ち着いて!」

アルミン「僕は、ずっと君の事を信頼してて、最高の親友だと思ってた!」

アルミン「いつも助けてくれて、困った時は相談に乗ってくれて、悲しい時は一緒に悲しんでくれて……」

ジャン「……」

アルミン「そんな最高の……最高の親友だと思ってたのに……!」

アルミン「怖かったから僕達を置いて逃げた? 自分は悪くない……?」

アルミン「僕達を捨てたのは、君の方じゃないか!?」

ミカサ「もう……エレンを責めるのはやめて」

エレン「……俺が、悪かった。ごめんなさい……」

アルミン「……幻滅、したよ……!」

「……あいつ、自分の班を置いて逃げたのか……」

「気持ちは分からなくもないけどな……」

エレン「……」

ミカサ「ッ……エレン、どこに行くの?」

エレン「……なあ、マルコ」

マルコ「……な、なんだエレン」

エレン「本部に群がる巨人を排除すれば、ガスの補給ができてみんなが助かる」

エレン「違うか?」

マルコ「まさか……本部に突っ込むつもりか?」

エレン「……ああ」

エレン「戦えば勝つ、戦わなければ死ぬ」

マルコ「……それは?」

エレン「遠い昔にいた、ある少年の受け売りだよ」

マルコ「お、おい……!」

「……あいつ、行っちまったぞ……」

「どうする……?」

ミカサ「エレン!」

パシュッ

ジャン「……馬鹿野郎が。本当に死に急いでどうすんだよ!」

マルコ「クッ……!」

ジャン「おい、お前ら! 俺達は今まで何を学んできた!?」

ジャン「思い出せ! 血反吐を吐いたこの3年を! 俺達が今、何をするべきなのかを!!」

「……!」

ジャン「そして、その責任を果せ!!」

パシュッ

「俺達は……兵士だ」

ドクン

「だから、兵士としての責任を……」

ドクン

「……果す………!」

ドクン

マルコ「おい、みんな! このままじゃ僕達、本当に腰抜けになるぞ!?」

「……そいつは、心外だな……!」

マルコ「だから今、ここで! 僕達は兵士としての責任を果すんだ……!!」

「ああ……! やってやるよ!」

マルコ「行くぞ!!」

「うおおおおおおおおおおお!!!」

エレン「……討伐数4」

ミカサ「エレン! ガスを蒸しすぎてる!」

エレン「大丈夫……俺は全くガスを使ってなかった。まだまだ余裕だ」

ジャン「急げ! エレンとミカサに続け!」

「うわぁあああ! やめろおおお!」

マルコ「ッ! ……また一人殺られた!」

ジャン「クソッ! 本部まであともう少しだ、踏ん張れ!」

アルミン「……」

サシャ「短期決戦ですね……!」


ジャン「みんな構えろ! 本部に突入するぞ!!」

エレン「……」

ミカサ「……!」

ジャン「うぉおおおおおお!!」



――パリィン!

ガシャッ!

ジャン「うっ!?」

マルコ「うぐっ!」

コニー「おわ……!?」

ライナー「ハァ……ハァ……!」

ベルトルト「……」

アニ「なんとか、ついたようだね……」

サシャ「ですね……」

エレン「俺が勝手な事をした所為で、何人が死んだ……?」

ミカサ「……エレンが気にしても、仕方ない」

エレン「俺の勝手な行動で、何人が助かった……?」

ミカサ「……」

ジャン「……おい、アルミンがいないぞ……?」

ミカサ「……!」

エレン「ッ……何? まさか……!」


アルミン「クソ……!」

プシュゥ……

ライナー「おい、ヤバイぞ! アルミンの奴ガス切れだ!」

これもうわかんねぇな(呆れ目)

とりあえず今日はここまでです

いや、面白い
期待してる乙

このエレン実力はあるのな

エレンが討伐数4だと……?

最後までギャグでいくのかと思ってたらシリアスだったでござる・・・・・・そっちも大好物だけどね!

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