ミカサ「怪異:おふとん・かぶせルト」(264)


「んー……どこだったか……なっ!?」

  ガサッ ガタンッ バサバサバサッ

「!? げほっげほっ……」


「よいしょ……と」

  トサッ ドサッ ポスッ

「うーん、ここに置いたのに……」

  サッサッ パッパッ

「はぁ……。いいや、また今度探そう」

  ギィ パタン




  モゾ...モゾ...

― 朝 食堂

  ダダダダダッ バンッ

サシャ「みなさん! おはようございまーす!!」

ミカサ「おはよう、サシャ」

サシャ「おはようごさいます、ミカサ! コニーもおはようございます!」

コニー「朝っぱらからうるせえなぁ」ヒラヒラ

サシャ「ふふん、なんてったって! これから朝御飯ですからね!!」ムフー

サシャ「おや、ミカサは取りに行かないんですか……って」

サシャ「エレンとアルミンが居ませんね」

ミカサ「ええ、そう。いつもならもう来ててもいい時間」

サシャ「コニーは見てないんですか?」

ミカサ「見ていないらしい」フルフル

コニー「エレンなら走り込みでもしてんじゃねぇかと思ったんだけどな」

ミカサ「営庭に見に行ったけれど誰もいなかった……」

ミカサ「それに、いつもなら私よりも先にアルミンが来ている」

サシャ「ふむぅ……これは事件の香りですね!」


  ガチャ


エレン「うーん……」



コニー「どこが事件の香りだ?」

サシャ「あ、あれぇ……?」

ミカサ「エレン、おはよう」

エレン「おーおはよう……あれっアルミンは?」

ミカサ「……? 一緒ではないの?」

エレン「えっ、オレてっきり食堂に来てると思ってたんだけど」

ミカサ「……ううん。来てない」

エレン「オレが起きた時にはもういなかったんだよなぁ……」

サシャ「ほらほらっ、事件の香りですよ!」キラキラ

コニー「なんでそんなに楽しそうなんだよ」

ミカサ「サシャの勘は当たる……主に悪い方向で。探しに行ってくる」

エレン「オレも一応探したぞ? 男子寮だけだけど」

ミカサ「なら女子寮のほうも……」

コニー「アルミンが女子寮に忍び込むかぁ?」

ミカサ「……ありえない」

サシャ「ここは!! 私の冴え渡る嗅覚に任せて――」


  ガチャ


ジャン「なんか変だったな、アルミン」

マルコ「体調崩しているのかもしれないし、あとで看に行ってあげようかな」



コニー「任せる必要なかったな」

サシャ「な、なんですかさっきから!!」ムー

エレン「マルコ、アルミン見かけたのか!?」

ジャン「うぉっ!? いきなりなんだこの野郎!!」ガッ

エレン「オレはマルコに聞いてんだよ……!」グギギ

マルコ「ま、まぁまぁ……」

ミカサ「エレン、喧嘩するなら……」

エレン「わ、わかってるっての!」パッ



ミカサ「マルコ、アルミンは何処にいるの?」

マルコ「部屋に戻ってるよ。なんだか様子がおかしかったけれど……」

エレン「様子がおかしい?」

ジャン「大方、風邪でもひいたんじゃねぇの」

ミカサ「それなら医務室へ行かなきゃ」

マルコ「僕も心配してそう言ったんだけれど、押し切られちゃって」

エレン「あいつ変なところで頑固だからな。オレ、ちょっと行ってくるわ」

ミカサ「なら私も」

エレン「お前は男子寮にまでついてくるつもりか!?」

ミカサ「……そうだった。エレンに任せよう」

エレン「おう、任しとけ!」タタタタッ ガチャ

マルコ「あ、行っちゃった」

ジャン「放っとけ放っとけ!さっさと飯食うぞ!!」

マルコ「…一応僕も行ってくるよ」

ジャン「おい!?」

マルコ「人手が必要かもしれないしさ」

ミカサ「人手……?」

マルコ「ああ、アルミン、何か探し物をしていたみたいなんだ」

ミカサ「探し物……。だからいなかったの……?」

マルコ「それはわからないけれど、僕もエレンを手伝ってくるよ」

ミカサ「ありがとう、マルコ」

マルコ「ううん、気にしないで」ガチャ

ジャン「し、仕方ねぇ! オレも――」

ミカサ「ジャン、貴方はこっち」クイッ

ジャン「え、えぇっ!?」

ジャン(ま、まさか私と一緒にご飯を食べましょう? なーんて)

ミカサ「エレンとマルコ、それにアルミンの分の食事を取りに行きたい」

ジャン「……はい、喜んで運ばせていただきます」

ジャン(だよな……)

ミカサ「ありがとう」ニコ

ジャン(うおぉぉ! 結果オーライ!!)

サシャ「うーん、事件の香りがしたんですけどねぇ」

コニー「んなアホなこと言ってないで早く食えよ」

サシャ「なっ、コニーにアホ呼ばわりされるとは!?」

コニー「アホはアホだろ」モグモグ

サシャ「むむむっ……!」

コニー「アホー、芋女ー」ケラケラ

サシャ「!!」ピコーン

サシャ「ふっ!」ビュォォン

コニー「おわっ!? …あ、オ、オレのパンー!?」

サシャ「フーッ、私を甘くみるからこうなるんです」ドヤドヤ

ユミル「アホやってんならお前のは私が貰うぞ」ヒョイ

サシャ「ああぁぁぁ!!!? 私のパァァァァァァン!!!!」

クリスタ「ユ、ユミル……。サシャ、コニー。おはよう」

サシャ「お゙ばよ゙ゔござい゙ま゙ず…」ズビッ

コニー「お、おはよう」

ユミル「泣くくらいならコニーにパン返せっつの」ペシッ

サシャ「ばい゙……ずみ゙ま゙ぜん゙でじだゴニ゙ー……」ズビズビ

コニー「お、おう。俺も悪かったよ……」

― 男子寮 部屋

  ガチャ

エレン「アルミンいるかー」


「……!」ビクン ズリズリ


エレン「なんだあれ……布団?」


おふとん「……」モゾモゾ


エレン「アルミンか?」スタスタ

おふとん「!?」ビクン ソワソワ

エレン「そんなすっぽり被って、本当に風邪でも引いたのかよ」

おふとん「……」フルフル

エレン「はぁ、ったく……。ほら、具合悪いなら医務室行くぞ?」グイッ

おふとん「ぁ……」パサッ

エレン「ん? なっ!? アルミンなんでお前は――」

おふとん「……」ブワッ バクン


  モゴモゴ

  チョッ、ナニスンダ! アルミ、ヤメッ...ソコハ... ヤメ、ヤメロォォォォオオオオ!!!

  ゴクンッ


おふとん「……」ケプッ

おふとん「……」キョロキョロ

おふとん「……」モゾモゾ

― 廊下

マルコ「はぁ、はぁ、エレンのやつ早いなぁ…」タッタッタッ

  ガチャ

おふとん「……」ズルズル

マルコ「あっ、アルミン」

おふとん「……」ソワソワ

マルコ「? エレンに会わなかったのか?」

おふとん「……」ズルズル

マルコ「あ、ちょっと……」チラッ


  ガラーン...


マルコ「えっ……部屋に誰もいない……? エレンは何処に」

おふとん「……」ズリズリ

マルコ「アルミン、エレンはどうし――」

マルコ「あれっ!? いない!?」

マルコ「こ、こっちに行ったのか……?」タッタッタッ




― 食堂

ミカサ「!」

ジャン「どうした? ミカサ」

ミカサ「エレンに何かあった、ような気がする」

ジャン「はぁ!?」

ミカサ「……気のせいだといいのだけれど」

ジャン「気のせいだろ……」



  ガチャ


アニ「……」キョロキョロ

アニ(ミーナ、まだ来てないのか)ストン

サシャ「アニ! おはようございます!!」タタタッ モグモグ

アニ「……おはよう。朝から元気だね」

サシャ「それが取り柄ですから!!」ムフー モグモグ

アニ「そう。でも食べ歩きは行儀悪いよ」

サシャ「そ、そうでした……」ピタッ モグモグ

アニ(食べるのは止めないんだ……)クスッ

― 女子寮

ミーナ「あぁもうっ、寝坊しちゃたっ! アニ怒ってるかなー……」タッタッタッ



おふとん「……」モゾッモゾッ



ミーナ「!? ……何アレ」

ミーナ「も、もしかして変質者!? ……なわけないか、目立ちすぎだもんね」

ミーナ「部外者が忍び込むなんてありえないし……」

ミーナ「ねぇアナタ、どうかしたの?」トントン

おふとん「……!?」ビクン

ミーナ「あ、ごめんなさい突然! でも、おふとんに包まってどうしたのかなって」

おふとん「……」フルフル

ミーナ「アナタも訓練兵、よね? 」

おふとん「……」ソワソワ

ミーナ「うーん、ち、違うのかなー?」

ミーナ(どうしよう、話が全然通じてない…)

ミーナ「とりあえず教官のところに行こっか?」

ミーナ(教官ごめんなさい! でも誰を頼っていいのかわからないんです!)エーン

おふとん「……」イヤイヤ


ミーナ「あのね、訓練兵じゃないならここにいちゃいけないの。わかる?」

おふとん「……?」キョロキョロ

ミーナ「ダメだ。ごめんね、無理矢理にでも連れて行っちゃうから……」スッ

おふとん「ぁ……」パサッ

ミーナ「あれ、なんだアルミンだった――」

おふとん「……」ブワッ バクン


  モゴモゴ

  エッ、ナンナノ!? ャ...ダ、ダメ... ブ、ブヒィィィィイイイイッッ!!!

  ゴクンッ


おふとん「……」ケプッ


  ガタッ

マルコ「あ……」ガクッ

おふとん「……?」キョロキョロ

マルコ「た、食べた、のか…?」

おふとん「……」クルッ

マルコ「っ!?」

おふとん「み……?」ソワソワ

マルコ(ひ、怯むな! 相手はアルミンだ、体術なら負けない!)

おふとん「……」ズル...ズル...

マルコ(頭が上手く働かない……。でも、何としても止めないと!)グッ

おふとん「……」ペシャッ

マルコ「えっ……しぼんだ……?」

おふとん「」シボーン

マルコ「な、なんで? アルミンは何処に――」フッ

おふとん「……」バクン


  モゴモゴ

  ウワッ!? ナニスルンダ! エッ、チョッ... ァ...エッ...ウワァァアアアアッッ!!!

  ゴクンッ


おふとん「……」フルフル

おふとん「……」ショボーン

― 食堂

サシャ「ん…? 今、悲鳴みたいなの聞こえませんでした?」ペタッ

ユミル「はぁ? んなもん聞こえねーぞ。なっ?」

クリスタ「うん、聞こえなかったよ?」

サシャ「ふーむ、じゃあ気のせいですかねぇ……ん?」ペター

ユミル「あ?」

サシャ「っ! また……今度ははっきり聞こえました! マルコの悲鳴です!」バンッ

ジャン「あぁ!?」ガタン

ミカサ「!?」ガタッ

コニー「ちょっと待てよ、なんでアイツの悲鳴が」

サシャ「わ、わかりませんよそんなの! でもっ、その前にも女性らしき悲鳴が聞こえたんです!」

アニ「女性の悲鳴……。ねぇ、それどこから?」

サシャ「女子寮のほうですけれど」

アニ「……ありがと」タッ

サシャ「あ、ちょっと待ってくださいよ! 私も行きます!!」モグモグ

ユミル「行くなら早く行けよ」ベシッ

サシャ「食料も事件も、等しく大事です!!」モグモグモグモグ


ジャン「おい待て、アニ! オレも行くぞ!」

ミカサ「私も行こう。エレンのことが心配」

ジャン「……おう」

コニー「オレも行くぞー!」モグモグ

ジャン「お前も早く食え」バシッ

― 女子寮 廊下

アニ「……誰もいない」

  コツコツ

アニ「……静か過ぎる」

  コツコツ

アニ「ミーナ……」


  キャァァァアアアア!!


アニ「!?」バッ

アニ(ミーナの声ではない、けど)

アニ「この部屋……?」


  ガチャ

おふとん「……」ケプッ

アニ「……は?」

アニ(何かを、食べた……?)

おふとん「……」モゾモゾ

アニ「ちょっとあんた、今何を――っ!?」サッ

おふとん「……」ビュン

アニ「チッ、速い……!」

おふとん「……」ウゾウゾ

おふとん「……」ズルズル...

アニ「……あんたがマルコを襲ったの?」

おふとん「……?」モゾモゾ

アニ「そしてこの部屋の住人も……ミーナも」スッ...

おふとん「……」ビュン

アニ「……」トン

おふとん「……」ブワッ

アニ「……シッ!!」バシッ

おふとん「」ドチャッ

アニ「……手応えが軽い、のにあの音」カツカツ

おふとん「」シボーン

アニ(どういうこと……?)

アニ「……」ペラッ

アニ「えっ!? なんで――」ブワッ


  モゴモゴ

  クッ、ハナシナッ! ハ、ハハ...ヤメテ...ア、ァ...イヤアアァァァァ...!

  ゴクンッ


おふとん「……」ケプッ

おふとん「……」キョロキョロ


  キィ...  ベシャッ


おふとん「……」ズリズリ...

ジャン「おい、今アニの!」ダダダッ

ミカサ「ええ、マズイことになっているかもしれない」ダダダッ

サシャ「そこの部屋からです!」ダダダッ

コニー「うぇっ、走ったせいでぎぼじわるっ」ゼェゼェ


  バンッ


ジャン「そこまでだ!」


  シーン....


ミカサ「え……」

サシャ「誰も、いませんね」

コニー「に、逃げた、のか……?」ゼェハァ

ジャン「悪ぃが入らせてもらうぞ」スタスタ

ミカサ「気をつけて」スッ

サシャ「お、おじゃましまーす」コソコソ

コニー「オ、オレ女子の部屋とか入るの初めてだぞ…」ドキドキ

ジャン「バカ、オレもだ……ん? 窓が開いてるな」

ミカサ「……? あれは……」



おふとん「……」ズリズリ...



ミカサ「……おふとん?」

丑三刻も近いので今日はこの辺りで

ジャン「なんだアルミンじゃねぇか、おーい!」



おふとん「……」ズリズリ...



ジャン「……無視かよ!?」

ミカサ「ジャン、私にはただのおふとんにしか見えないけれど」

サシャ「私もです!」

コニー「オレもそうにしか見えねぇぞ?」

ジャン「ああそうか、お前らはまだ会ってなかったな」

ジャン「オレとマルコが食堂に来る前――」

・・・ 男子寮 廊下


ジャン「ふぁぁ、ねみぃ……」

マルコ「また夜中まで話してたのか?」

ジャン「まぁな……ん?」


おふとん「……」ズルズル


マルコ「……布団?」

ジャン「……猫柄?」

マルコ「え、そっち?」


おふとん「……」キョロキョロ

ジャン「おい、何やってんだ?」

おふとん「……」ズルズル キョロキョロ

ジャン「おいって」ポン

おふとん「ひゃ……」ペシャ

ジャン「うぉっ! その声、アルミンか?」

マルコ「大丈夫?」

おふとん「……」フルフル ソワソワ

ジャン「大丈夫そうじゃねぇな」

マルコ「だね、そんなすっぽり包まるなんて寒いのか?」

おふとん「……」フルフル ソワソワ

ジャン「はぁ、なんかめんどくせぇな……。放っておくか」

マルコ「そうはいかないって。ほら、部屋まで付き合うからさ。行こう?」

おふとん「……」ズルズル

ジャン「ホントお利口さんだなお前は…」

マルコ「とか言いながら着いてくるジャンもな」クス

ジャン「うるせぇ」

おふとん「……」ズルズル

マルコ「それにしても何してたんだ?」テクテク

おふとん「……」ズルズル

ジャン「おい、聞かれてることに答えろって」テクテク

おふとん「……」キョロキョロ

ジャン「お前のことだっつの」ポンッ

おふとん「……!」ビクン ソワソワ

マルコ「さっきからキョロキョロしているけれど、何か探してるのかな?」

おふとん「……」コクコク

ジャン「はぁ……お前、そんな体調でよく歩き回れるな」

おふとん「……」ズルズル

マルコ「着いたよ」ガチャ

ジャン「部屋まで来たらもう大丈夫だろ?」

おふとん「……」コクコク

マルコ「……風邪なら医務室に行ったほうがいいぞ?」

おふとん「……」フルフル モゾモゾ

ジャン「ほら、飯食いに行くぞマルコ」

マルコ「あ、おい! また来るから」フリフリ

おふとん「ぁ……」ペコペコ

・・・

ジャン「――って感じでよ、あの布団被ったまんまだったんだよ」

ミカサ「……それ、本当にアルミン?」

ジャン「殆ど喋らなかったけど声は聞いたぞ?」

サシャ「布団を被ったアルミン。マルコと謎の悲鳴。消えたアニ」

サシャ「ふぅむ、やはり事件の香りがしますね……!」

コニー「なんでもいいけどよ、アルミンに直接聞いたほうが早いんじゃねぇの?」

ジャン「ま、そりゃそうだな。ココから逃げたヤツを知ってるかもしれねぇ」

コニー「なら追いかけないとヤベーぞ」

ミカサ「えっ?」

コニー「もういなくなってる」



「「「……え゙っ!?」」」

ジャン「そういうことは早く言え!!」

コニー「お前の回想が長いんだよ!!」

ミカサ「二人とも、争っている場合ではない。アルミンを探して事情を聞かなければ」

サシャ「ですね!」

ミカサ「コニー、何処へ行ったかわからない?」

コニー「いやーそこまでは見てねぇや……」

ミカサ「そう……。サシャはどう?」

サシャ「うーん、いまいちピンとこないです。すみません」

ミカサ「いえ、構わない。それなら二手に分かれよう」

ミカサ「ジャンとサシャは左手へ。私とコニーが右手へぐるっと一周視回ればきっと見つかる」


ジャン「……わかった」

サシャ「了解です!」

コニー「よーし、行くぞー!」


ミカサ「……コニーはこっち」グイッ

コニー「お、そうだったそうだった」

ミカサ(この分け方で大丈夫だろうか……)

― 食堂

クリスタ「遅いね、みんな…」

ユミル「あいつ飯食ってって正解だったかもな!」プフー

クリスタ「もう、ユミルったら」


  ガチャ


ライナー「腹減った……」グー

ベルトルト「はは……」ボー

クリスタ「二人ともおはよう。今日は遅かったね」

ベルトルト「おはよう」

ライナー「ああ、おはよう。夜遅くまでジャンと話込んでな……」

ユミル「どうせくだらねー話だろうが」

ライナー「ふっ、まぁそんなところだ」ニッ

ユミル「……いや否定しろよ」

クリスタ「ベルトルトも?」

ベルトルト「僕は巻き込まれただけだよ。寝床が隣だからね、はは……」

ユミル「ベルトルさんも可哀相になぁ」

ライナー「いやいや、こいつ意外にな」

ベルトルト「わぁああ!? ライナー! 言わない約束だろう!!」ボソボソ

ライナー「ハッハッハッ、誤魔化そうとするならそんなもんは破棄だ!」

ユミル「ほう、面白そうな話してたんだな」ニィッ

クリスタ「さっきくだらない話って……」

ユミル「それはそれ、これはこれだ」

ベルトルト「と、とにかくこの話はなし!」

ユミル「そうはいかねぇよ! いつもは冷静なのに、こんなに慌てるなんて珍しいからな!」

  ギィィ...

クリスタ「そういえばそうかも……」

  モゾモゾ...

ベルトルト「ちょ、ちょっとクリスタ」

ライナー「諦めろ、ベルトルト」ガシッ

  ズルズル...

ベルトルト「……あ、そうか、ライナーの口を封じればいいんだ」ニコ

ライナー「お、おいっ!?」ゾクッ

クリスタ「け、喧嘩やめなよ二人とも!」

ユミル「おいおい止めるなんて野暮なことすんなよ。それにこれは男の信頼を賭けた勝負だ」

クリスタ「もう! さっきから何言ってるのよ!」

ユミル「ほーらクリスタはこっちなー」グイッ

  ズルズル...

クリスタ「ひゃっ、ちょっとユミル!! ……お布団?」

ベルトルト「ふっ…!!」グンッ

ライナー「うぉぉっ!?」ブォン

ユミル「ヒュー♪ やるじゃねぇか!!」ピーピー

クリスタ「あっ! 危ない!」


  ヒュー

おふとん「……」キョロキョロ

  ベシャアッ

ライナー「ぐおっ!?」

おふとん「むぎゅうっ!?」モゾッ



ユミル「お、おお?」

クリスタ「大変…!」タタタタッ

ベルトルト「わ、やりすぎた…!」タッタッタッ

ライナー「あったたた……ん?」

おふとん「」チーン

ライナー「うおっ! おい、大丈夫か!?」

クリスタ「ライナー、怪我はない?」

ライナー「ああ、だがコイツは……」

おふとん「」シボーン

クリスタ「アルミンっぽい声がしたけど……」

ライナー「おい、しっかりしろ」ユサユサ

クリスタ「気絶しちゃったのかな……」

ライナー「医務室に運ぶか」ペラッ

ベルトルト「ライナー、僕も手伝――」

おふとん「」ブワッ

クリスタ「え――」

ライナー「なっ――」

おふとん「……」バクン


  モゴモゴモゴモゴ

  ヤッ、ナニ!? ク、クリスタ!? ハナ、ハナシ... クソ、コレハ、イッタイ... イヤァァアアアッッ!! ウォオオオオオッ!?

  ングッ ゴクンッ


おふとん「……」ップフゥ

ベルトルト「――うよ…………え……」

ユミル「は、は……?」

おふとん「……」モゾモゾ


ベルトルト「……っ」

ユミル「……」

ベルトルト(この布団は)チラッ

ユミル(危険、だな)コク


おふとん「……」ソワソワ キョロキョロ


ユミル(私たちに気付いていないのか……?)

ベルトルト(あいつを捕らえるべきか一先ず逃げるべきか……決まってるな……)グッ

ユミル(! おい待て!)

ベルトルト「……っ」ギシッ


おふとん「……?」クルッ

ベルトルト「……」

おふとん「み……た……?」ソワソワ

ベルトルト「くっ!!」ダッ

おふとん「……」ビュン

ベルトルト「うわっ!」ゴロゴロ

ユミル「無事か!?」

おふとん「……」ベシャ キョロキョロ

ユミル「あ、やべっ」

おふとん「……」クルッ

ユミル「ちっ……」タッ

おふとん「……」ビュオン

ユミル「間に合わない、か。どんだけ伸びる布団だよおま――」

おふとん「……」ブワッ バクン


  モゴモゴ

  ン...? オイ、ナンデ... フーン...

  ゴクンッ


おふとん「……」ケフッ

おふとん「……」モゾモゾ

ベルトルト(ユミルを逃がすつもりがこんなことに……)

ベルトルト(ライナー達の時と様子が違ったけれどいったい何が……)


おふとん「……」ソワソワ


ベルトルト(クソ、体勢が悪い。早くここから去ってくれ。起き上がれない)


  ガチャ


ジャン「おい、今の音は――」

サシャ「事件ですか――」


おふとん「……!?」ビクッ


ベルトルト(ま、まずい……!)

サシャ「アルミン! 見つけましたよっ!」

ジャン「ったく、ここに居やがったのか」


おふとん「……」ソワソワ キョロキョロ


ベルトルト(あれ、襲わないのか……?)

おふとん『み……た……?』

ベルトルト(そうか! 二人は食べるところを見ていないから……)

ベルトルト(! そうと判れば……)コソコソ

ジャン「お前に聞きたいことが山ほどあるんだけどよ、まぁ少しの間そのままでいてもらえるか?」

おふとん「……」ソワソワ

サシャ「あらら、ジャンが脅すから怯えてるじゃないですか」

ジャン「あぁ!? 誰が脅してるってんだ!!」

サシャ「言い方が乱暴なんですよ! 目つき鋭いですし! それに聞くことなんて山ほどもないでしょう!」

ジャン「あーうるせえな! 片っ端から全部聞いときゃいいんだよこんなの!」

サシャ「片っ端って……そんなんじゃあ探偵が務まりませんよ!?」

ジャン「アホか! 目指してねーよ!!」

  ガタン

サシャ「!?」

ジャン「!?」

おふとん「!?」

ベルトルト「……」スッ

サシャ「な、なんだベルトルトですか……驚かさないでくださいよ……」

ベルトルト「……」ポイッ

  カサッ...

ベルトルト「じゃあ、僕はこれで。ああ、二人は動かないでね」ダダダッ

おふとん「……!」ズリズリズリ ビュォォォン

ジャン「お、おい! つうか早っ!?」

サシャ「なんでしょうこの紙切れ……」カサッ

ジャン「そんなん放っとけ! 追いかけ――」


  ウワァァァァァァアアアアッ!!


ジャン「ベ、ベルトルトの」ゾクッ

サシャ「ひ、悲鳴です……」ガタガタ

おふとん「今日はここまで」モゾモゾ

ジャン「クソッ……!」ダッ

サシャ「待ってください!!」グッ

ジャン「あぁ!? 早くしねぇと逃げられるだろ!!」

サシャ「ベルトルトは動かないでと言っていました……。それにこれ、見てください」

ジャン「なんだよ……さっきの紙切れか?」

  ぜったいにうごくな おいかけてはいけない

  ライナーとクリスタ、ユミルもくわれた ぼくもくわれるだろう

  あいつは おとにびんかんなようだ

  たべるところを みなければおそわれない

  あとはたのむよ


ジャン「……ちっ!」ダッ

サシャ「あ、ちょっと!? 動くなって書いてるじゃないですか!」

ジャン「後は頼むとも書いてあるだろ!」

サシャ「っ」

ジャン「マルコもきっとあいつに襲われたんだ。アニも、もしかしたらエレンもだ」

サシャ「……」

ジャン「お前はここでミカサ達を待て、そしてこのメモを見せろ! いいな!?」ポイッ タタタタッ

サシャ「わわっ!? そんな、待ってくださいよ!」カサッ


  パタン


サシャ「待って、くださいよ……」

サシャ「……私はどうしたら……」ギュッ

  タッ タッ タッ タッ タッ

ジャン(まだそう遠くへは行ってねぇはずだ……)

ジャン(マルコ、お前は食われてねぇよな……?)

ジャン(……馬鹿かオレ。冷静になれ。何の為に芋女を残してきたと思ってんだ!)

ジャン(今必要なのは、アルミンに関する情報を少しでも稼ぐこと……!)

ジャン(誰かを襲う場面に出くわさなけりゃいいんだ。万が一出くわしても、音を立てなければセーフ)

ジャン(ペアを組めば、片方がやられた時、確実に動揺を生む)

ジャン(第一あの布団……クソッ、考えることが多すぎる)

  タッ タッ タッ タッ タッ

ジャン(この辺にもいないか……)

ジャン(やっぱ素早いな。見かけはただの布団だってのに……)ハァ

ジャン(仕方ねぇ、どこか落ち着ける場所でも……)


  ヒィィィイイイ!! ヒャァァアアア!?


ジャン「またか!?」ダッ

  ガチャ  ドンッ

ジャン「うおっ!? ……!」

― 訓練場 営庭

ミカサ「……いない」

コニー「うーん、こっち側には来てないのか」

ミカサ「……おかしい」

コニー「何がだ? こっちじゃないならサシャたちの方に行っただけだろ?」

ミカサ「そうではなくて、人がいない」

コニー「? ああ、そういうことか。いつもなら訓練前に走るやつもいるよな」

ミカサ「あれだけ騒いだのに、教官の姿も見ていない」

コニー「……ってことはどういうことだ?」

ミカサ(何故、誰ともすれ違わないの……? 女子寮に向かう時もそう。異様な静けさだった)

ミカサ(もう既に、みんなが何者かに襲われているとするなら……)

ミカサ(エレン……アルミン……)

ミカサ「……コニー、あなたはそこにいて」スタスタ

コニー「あ、おい! 何処行くんだよ!」

ミカサ「そこの倉庫を見てくる」

コニー「オレも付いてくぞー!」タッタッタッ

ミカサ「あっ、先に行っては……」

ミカサ(やっぱりこの分け方は良くなかったかもしれない……)

― 倉庫

  ギィッ

ミカサ「……」

コニー「……」

ミカサ「……」スッ

コニー「誰も、いないな」スタスタ

ミカサ「ええ」

ミカサ(隠れ場所には最適と思ったけれど……)

コニー「お、何か落ちてる」ヒョイ

ミカサ(エレン、何処にいるの……)

コニー「本か……?」パラパラ

ミカサ(! ここだけ埃が落ちている……他のところは積もったままなのに)ススッ

コニー「んー……よくわかんねぇな」ペラペラ

ミカサ(床には何かを引き摺ったような跡。あのおふとんはここにも来ていたということ……?)

コニー「ダメださっぱり……おっ、これって」ペラッ


  ウワァァァァァァアアアアッ!!


ミカサ「!?」

コニー「!?」

ミカサ「悲鳴……!」

コニー「オレも聞こえたぞ!」

ミカサ「男性だった……誰?」

コニー「誰でもいいだろ! 声がした方へ急ぐぞ!」スッ タタタタッ

ミカサ「ええ」タッタッタッ





― 寄宿舎周辺

  ヒィィィイイイ!! ヒャァァアアア!?

ミカサ「っ……また」

コニー「近いぞ!」

ミカサ「……っ!」ダッ

コニー「速っ!?」

ミカサ「声がしたのはこの辺りだったと思うけれど……」フーッ

コニー「あ゙ー……一周したのにいないな……」ゼェハァ

ミカサ「……そしてやはり誰ともすれ違わない」

コニー「おーい! 誰かいないか!!」

  ンー!!

ミカサ「!」

コニー「おーい!!」

ミカサ「シッ……」

  ンー! ンンー!

ミカサ「声が、した?」

コニー「……寮からじゃねぇな。何処だ……」

ミカサ「サシャがいてくれたら……」


「ミカサ、コニー!」タタタタッ


コニー「サシャ!?」

サシャ「はぁ、はぁ、よかった、見つかりました!」

ミカサ「……サシャ、一人なの?」

サシャ「は、はい……実は――」

サシャ「――というわけでして」

ミカサ「……みんな、あのおふとんに襲われたということ」ギリッ

コニー「ライナー達が……そんな……」

サシャ「私は食堂で待つように言われたんですけど、どうしても我慢できなくて……」

サシャ「待っている間にみなさんが食べられちゃったらどうしようって不安で……」

サシャ「早くメモを届けなくちゃって思ってたらコニーの声が聞こえて……。本当によかった……」グスッ

ミカサ「サシャ、あなたは立派。とても。このメモのおかげで色々と推測できることがある」

サシャ「……お役に立ててよかったです!」エヘヘ

コニー「そうだ! もう一つ役立ってもらうぜ!」

サシャ「? なんでしょう?」

ミカサ「さっきコニーが大声を出したとき、反応があったの」

コニー「声の主の居場所が知りたいんだよ」

サシャ「わかりました、任せてください!!」

コニー「よし、いくぞ。おーい!! 誰かいないか!!!!」

  ンー!! ドン... ドンッ...

サシャ「! こっちですね!」タッ

ミカサ「行こう」タッッ

コニー「っしゃ! おーい! 今行くぞー!!」

  ドン... ドン...

― 廊下

サシャ「こっちです!」タタタタッ

ミカサ「……おふとんにも会わない」タタタタッ

コニー「今は会えなくていいだろ! おーい! どこだー!?」タタタタッ

 トンッ... トン... ンンー...

サシャ「っ、音が小さくなってます!」タタタタッ

ミカサ「……っ」ダダダダッ

コニー「ミカサ!!」タタタタッ

サシャ「そこです、その部屋です!」

― 資料室

  バンッ

ミカサ「……!!」ダッ

コニー「ミカサ! 布団が居たらどうすんだ……あれっ?」

サシャ「そうですよ、慎重に……え、あの、えぇ!?」


「ん、んんー!!」ジタバタ


ミカサ「アルミン!!」

アルミン「んんん! ん、んんー!」モガモガ

ミカサ「大丈夫、今解くから……!」シュルシュル

サシャ「あの、どうしてアルミンがここにいるんですか……? おふとんは?」

コニー「オレが知るかよ! それに、なんで拘束されてるんだ……?」

おふとん「今日はここまで」ソワソワ

レスにあったようにイメージとしては進撃中のおふとんです

http://imgur.com/2FXK3BN

こんなかんじ

アルミン「っぷは……助かった……」ケホケホ

ミカサ「よかった、無事で」ギュッ

アルミン「わ、ちょっとミカサ!? ぐるじ……」メキメキッ

サシャ「ミカサ! 気持ちはわかりますけどアルミンが死んじゃいます!!」

ミカサ「ごめんなさい……。怪我はない?」

アルミン「あ、あはは、平気だよ」

コニー「なぁ、なんでアルミンがここにいるんだ?」

アルミン「えっと……それは……」

ミカサ「コニーの質問の前に、何故あなたは縛られていたの?」

アルミン「あ、うん。それはジャンが」

サシャ「えっ!? ジャンが!?」

ミカサ「どうして……」

アルミン「僕もよくわからないんだけれど――」

・・・ 数分前 資料室


  ガチャ  ドンッ


ジャン「うおっ!? ……!」

アルミン「うわっ!?」

ジャン「ア、アルミン!?」

アルミン「ジャンか……ごめん、ドアぶつけちゃったね。大丈夫?」

ジャン「……」

アルミン「ジャン?」

ジャン「……」ガッ

アルミン「えっ? な、何するんだよ!! 離せ!!」

アルミン「んー!! んん!」ジタバタ

ジャン「布団はどこだ……」キョロキョロ

アルミン「んん……」

ジャン「クソッ、持ってないのか?」

アルミン(誰か……)モゾモゾ

ジャン「おい」

アルミン「!」ビクッ

ジャン「何処に隠しやがった」

アルミン「んんん!」フルフル


ジャン「シラを切るつもりかよ、なぁ!?」

  ガンッ バサバサバサッッ

アルミン「……っ」ビクビク

ジャン「テメェがやったのはわかってんだよ!!」

アルミン「ん、んんん! んん!!」キッ

ジャン「チッ……そんな目すんならマルコを返しやがれ!」

アルミン「んん!? んんー!」

ジャン「……」

ジャン「まあいい、お前はそこにいろよ。これ以上歩き回られると迷惑なんだ」

アルミン「んん……」ジワ...

  パタン

アルミン「――ジャンどうして僕を……」ブルブル

ミカサ「アルミン……あなたがここにいたのは何故?」ナデナデ

アルミン「えっ……?」

サシャ「あのミカサ、アルミンの話からするにジャンは……」

ミカサ「ええ、勘違いしている。それは朝からアルミンがいなかったから」ナデナデ

コニー「あ、そっか。もしもアルミンがいつも通り食堂に来てたら、ジャンに疑われなかったってことか」

ミカサ「そう。あのおふとんとアルミンは別の存在だと気付けたはず」

サシャ「なるほど……私も、何も知らずにアルミンを発見していたら閉じ込めているかもしれません」

アルミン「……っ」ガタガタ

ミカサ「サシャ、アルミンが怯えている」ナデナデ

サシャ「あ、すみません……」

ミカサ「……どうしてここにいたのか。そして朝からいなかった理由を教えてほしい」

ミカサ「私はアルミンを信じているから」

アルミン「う、うん……その、あんまり知られたくないんだけれど……」

アルミン「昨日の夜、その……こっそり部屋を抜け出して……ココで資料を読んでいたんだ」

ミカサ「……」ジッ

アルミン「う……」

サシャ「ミカサ、言いたいことは後にしましょう」

ミカサ「私は黙っているけれど」ジッ

コニー「目つきがヤベェ……」

アルミン「それが面白い資料でね、その、色々な街に伝わる伝承だったり御伽話のようなものもあって」

アルミン「そ、それで、つい熱中しちゃって、気付いたら明け方に……」

ミカサ「はぁ……信じるとは言った。けど……」

アルミン「ご、ごめんなさい……」

ミカサ「アルミンは昔からそう。本に夢中になってよく寝不足になっていた。注意しても集中しすぎて聞いてくれない」

アルミン「うぅ……」

ミカサ「訓練兵になってからもそれが治らないから、エレンに頼んで監視してもらっていたというのに」クドクド

ミカサ「まだアルミンはそんなことを……いくら訓練に慣れてきたからといってそんなことでは」クドクド

サシャ「ス、ストップ! ストップです!!」

コニー「話が進まねえぞ!!」

ミカサ「……アルミン、この話は後でしよう」

アルミン「はい……」

サシャ「えっと、今の話をまとめると」

サシャ「アルミンは昨夜から資料室で読書していて、明け方についウトウトして寝てしまった!」

サシャ「そして先程、何やら騒がしいため目が覚めた。だから朝食に間に合わなかった! ということであってますか?」

アルミン「う、うん。そんなところかな……」

サシャ「アルミンを信じるなら、ですけれど」

アルミン「う、嘘は言ってないよ!?」

ミカサ「私はアルミンを信じよう。例え夜中に資料を読み耽っていたとしても」

アルミン「……」シュン

コニー「まぁオレも信じるぜ? ただなぁ、それじゃああの布団はどうなるんだってことになるぞ?」

ミカサ「あのおふとんはアルミンではないということになる」

コニー「でもよ、ジャンとマルコが声聞いてるからあの布団はアルミンってなったんだろ?」

サシャ「コニー、だからあのお布団はアルミンじゃないんですって」

コニー「いやわかってるって! でもそれだと矛盾しちゃうじゃねえか」

サシャ「そ、それは……どうしてなんです!?」チラッ

ミカサ「それは……どうして?」チラッ

コニー「オレが知りてえよ!!」

アルミン「あの、さっきから話が読めないんだけれど……その、おふとんって何?」

ミカサ「私が説明しよ――」


  ガラッ

おふとん「……」モゾモゾ



「「「「!?」」」」

アルミン「な――」ガシッ

ミカサ(アルミン、喋ってはいけない! 動くのもダメ!)ギリギリ

アルミン(わかったからゆるめてぇ!!)ペチペチ



おふとん「……」キョロキョロ

おふとん「……」ズリズリ



サシャ(ど、どうしましょう……)

コニー(ん? そういや食べるところを見なければいいなじゃなかったか?)

アルミン(た、食べっ!?)

サシャ(あ、そうでした!! なら堂々と横を通り抜ければいいんです!)

ミカサ(万が一に備えて、おふとんが扉を離れてからにしよう)


おふとん「……」ソワソワ

おふとん「……?」

おふとん「……」ズリズリ



サシャ(ちょっと! こっちに向かってきてますよ!?)

ミカサ(何故……!?)

サシャ(音に敏感なんじゃないんですかぁ!?)

ミカサ(……つまり私達のこの会話も聞こえている可能性が……)

サシャ(ここからは黙りましょうか……)

コニー(ああ、それとオレたちも少しずつ動くぞ)

アルミン(う、うん)

おふとん「……」ズリズリ



ミカサ「……」スッ

サシャ「……」コソコソ

コニー「……」ススーッ

アルミン(ゆ、ゆっくり歩けば大丈夫だよね……というか食べるって何なんだよ!?)

アルミン(追いつかれたら、もしかして食べられてしまうのか!?)

アルミン(つまり、ジャンが言ってたマルコを返せって……そういうこと!?)ブルッ



ミカサ(アルミン……?)

アルミン(こんなことなら大人しく寮で寝ていれば良かったんだ……)グスッ

アルミン(あの布団が何故か僕ってことになって、みんなに迷惑かけてしまっているみたいだし……)

アルミン(ああ、どうしてこんな目に……)ガッ

アルミン「えっ」


  グラッ ドシンッ!!


アルミン「いたた……」

おふとん「……!」クルッ

ミカサ「アルミン!」

サシャ(だ、大丈夫ですよ! 食べるところなんて見てないんですから!)

コニー「アルミン、早くこっちこい!」

おふとん「……!」ズリズリ

アルミン「あ……ぁ……」



コニー「くそっ」ダッ

ミカサ「!」

サシャ「コニー!」



アルミン「こ、こないで……」

おふとん「……?」ズルズル

コニー「アルミンッ!」ガシッ

アルミン「わ、わあっ!?」

コニー「悪いけど我慢しろよ!」

おふとん「……!!」モゾッ ググッ

ミカサ「させない」グッ

  ブォン

おふとん「!?」

  ヒュー

おふとん「」ベシャァ


サシャ「今です! えいっ!」ドンッ

ミカサ「棚を……」

  バタン! バタン! バタン! バタン!

おふとん「……」モゾモゾ

  バタン!!

おふとん「」キュー

サシャ「上手くいきました!」フーッ

ミカサ「これで時間を稼げるといいけれど……」タタタタッ

 ・

 ・

 ・

― 講義室

コニー「ふぅー……なんとかなったな……」

アルミン「コ、コニー、ありがとう。でももう降ろしてくれないかな……」

コニー「おお、わりーわりー」

アルミン「ほっ……」

サシャ「とりあえず一安心ですね!」

ミカサ「……そうはいかないかもしれない」

サシャ「鍵は閉めましたよ?」

ミカサ「そうではなくて、あのおふとんの行動が気になる」

コニー「あぁ、黙った後もオレたちのほうにまっすぐ来てたよな」

サシャ「それなら、食べるところを見ていないのに襲おうとしていたのもおかしいですよね?」

ミカサ「ええ、コニーがアルミンを連れて行った時、明らかに敵意を向けていた」

ミカサ「あれはきっと、おふとんが私達を"敵"と認識したのだと思う」

サシャ「……っ」

コニー「だよな……」

アルミン「……」

ミカサ「謎が多いまま相手にするのは危険……」

アルミン「あ、あのさ! さっきは途中になったけれど、僕にもその話を詳しく聞かせてくれないか」

アルミン「このままじゃきっと、さっきみたいに僕のせいで足手まといになる……」

アルミン「でもそれじゃ嫌なんだ……。僕には力もないし体力もない。その代わり、考えることならできる」

アルミン「考えて、考えて、考え抜いて、あの布団の謎を暴いてみせる」

アルミン「ジャンの誤解も解きたいし、あれが人を襲うものなら尚更放ってはおけない」

アルミン「だから、みんなが知り得る限りの情報を教えてくれない、かな……?」

ミカサ「自信をもってアルミン、私はもとよりそのつもり」

コニー「オレみたいな天才でも限度があるからな!」

サシャ「こんなときに何言ってるんですかアホコニー……」

コニー「お前に言われたくな

サシャ「私も!! アルミンを頼りにしてますよー?」オイッ!?

アルミン「ありがとう!」

サシャ「いつもパァンを分けてくれますから!!」ムフー

アルミン「……ありがとう」

ミカサ(それは言わなければいいのに……)

おふとん「今日はここまで」スヤァ

― 資料室

ジャン「……」


おふとん「……」ズリズリ...


ジャン(オレは何処で間違った……? サシャを残してきた時か? それともアルミンを縛り上げた時か?)

ジャン(そもそも、マルコにエレンを追わせたのが……。いや、初めてこの布団に会った時に違和感を持てていれば……)

ジャン(すぐに気付くべきだった……悲鳴が上がった直後にアルミンとぶつかったってことは、あいつと布団は別物だと)

ジャン(そう思って戻ってみりゃあ、派手に荒らされた部屋と、本と紙に塗れた布団……)

ジャン(チッ、いつの間にかオレは襲われる条件を満たしちまったのかよ……)


おふとん「……」ズリズリ... ブワッ


ジャン(マルコ……すまねえ……)バクン



  モゴッ

  モゴモゴ...?

  ペッ

  

  ドンッ ゴロゴロゴロ ガタン!

ジャン「ぶっ!? がっ、げほっ……な、何が……」ネッチョォォ

おふとん「……」フルフル

ジャン「……た、助かった、のか?」

おふとん「ぉ……」ブルブル

ジャン「……?」

おふとん「ぉ……ぉぉ……」ブルブルブルブル

ジャン「ひいっ!?」ズザッ

おふとん「ぅぅ……」ボトッ

マルコ「」ベシャア

おふとん「……」イヤイヤ

ジャン「マ、マルコ!?」

おふとん「……」ショボーン

おふとん「……」モゾッ モゾッ

  キィ パタン

ジャン「あ、おい! ……クソッ! マルコ、無事か!?」ユサユサ

マルコ「ぅ……」

ジャン「息はあるな、よし……」グッ


― 講義室

サシャ「……?」

コニー「ん、どうしたんだ?」

サシャ「いえ、なんでもないです」

ミカサ「まさかまた悲鳴が……?」

サシャ「そうじゃないんですけれど……何かピーンとくるものが……」

ミカサ「……?」

アルミン「よし、なんとか情報の統合ができたかな」

コニー「はえーなぁ、流石アルミン」

アルミン「まとめたって言っても簡単にだけどね」

アルミン「まず、皆がどう動いたのかを時系列順に整理するよ」

 @1 ジャンとマルコが謎の布団を男子寮廊下で発見。
     →その際僕達の部屋へと案内し、食堂へ。

 @2 食堂にはエレン・ミカサ・サシャ・コニーがいた。そこにジャンとマルコが現れ、アルミン(布団)が部屋にいると告げる。
     →エレンとマルコが男子寮へ。食堂にクリスタ・ユミルが現れる

 @3 エレンとマルコが謎の布団に接触(?)

 @4 アニが食堂に現れる。サシャがマルコと女性の悲鳴を聞く。
     →アニ・ジャン・ミカサ・サシャ・コニーが女子寮へ。

 @5 アニが先行し謎の布団に遭遇(?)他の4人はアニの悲鳴を聞く。

 @6 悲鳴がした部屋に入室するもアニの姿はなく、窓の外に謎の布団が。
     →話し込んでいるうちに布団が行方不明に。

 @7 ミカサ・コニーとジャン・サシャの二手に別れ布団を捜索
     →布団は食堂に現れ、ユミル・クリスタ・ライナーを襲う。

 @8 a.ジャンとサシャが物音に気付き食堂へ。ベルトルトがメモを残しその場を離れるも、襲われてしまう。
      →ジャンはサシャと別れ、単身ベルトルトのもとへ

 @8 b.ミカサとコニーが営庭・倉庫内を探索。
      →ベルトルトらしき悲鳴を聞く。

 @9 a.ジャンがアルミン(僕)と資料室で接触。アルミンを拘束した後どこかへ。

 @9 b.ミカサとコニーが悲鳴がした場所へ向かう途中、再度悲鳴を聞く。
      →コニーが大声を上げ、その声に気付いたアルミンは必死に救助を求めた。

 @9 c.ミカサとコニーを探していたサシャは、コニーの大声を聞き二人と合流。
      →何者か(アルミン)の声がする方へ三人で向かう。


アルミン「というところかな。僕らが揃ってからのことはいいよね。それと、前提として@9あたりまで僕は資料室で寝ていたことになる」

コニー「」プシュー

サシャ「コニーから湯気が!?」

ミカサ「ここで重要なことは?」

アルミン「うんと……布団がどういう基準で動いてるのかがまったく読めないってことかな」

ミカサ「つまり何もわからない……ということ」

アルミン「……うぅ」

アルミン「何か目的があって移動しているとは思うんだけれど……」

サシャ「! そういえば、あのお布団って何かを探し物をしていたんじゃ!?」

アルミン「探し物?」

ミカサ「……ジャンの話ではそうらしいと言っていた」

アルミン「じゃあその探し物を見つけるために訓練場を回っていたのかな」

サシャ「うーん、いっそのこと気まぐれで探し回ってたっていうのは……」

ミカサ「サシャ」

サシャ「ダメですよねぇ……」

アルミン「いや、気まぐれなのかも」

ミカサ「えっ」

アルミン「探し物をする時ってさ、自分が予想した場所を探る場合と手当たり次第に探す場合があるだろ?」

アルミン「前者は何を探すかが明確な時。後者は探すべき物がはっきりしていない時が多い」

アルミン「もちろん、全てがこれに当てはまるわけではないけれど……」

アルミン「もしかしたら、布団自身にも"自分が何を探しているのか"がわかっていなかったのかもしれない」

アルミン「だとしたら気の向くままに移動していても不思議じゃない」

ミカサ「……なるほど」

サシャ「あの、一つ思ったんですけれど。その探し物を見つけてあげれば事態は治まるんでしょうか?」

アルミン「それはわからないよ……だって、相手の正体が謎のまま……」

アルミン「正体不明の……異変……」

アルミン「……」

ミカサ「アルミン?」

アルミン「正体が謎なのは当たり前なのか……?」

サシャ「あの、どうしたんですか?」

アルミン「だとしたら資料室に行けば……ダメか、まだあそこに布団がいたら危険だ……」

コニー「うー……フラフラする……」

サシャ「目が覚めましたか?」

コニー「文字が……記号がオレを襲ってくる……」

サシャ「ダメですね、これは」

ミカサ「アルミン、何かわかったの?」

アルミン「推測の域を出ないんだけれど……」


アルミン「昨夜、僕は資料を読んでいて夜更かししてしまったって言ったよね?」

ミカサ「ええ」

アルミン「その資料には様々な伝承が書かれていたんだよ」

コニー「ああ、そんなこと言ってたな」

サシャ「伝承、ですか?」

アルミン「うん。古くからある風習や伝統。言い伝えやおまじないなんかもそうだね」

サシャ「ふむふむ。私の村にもありましたねーそういうの」

ミカサ「私も、あった」

アルミン「それでね、その中には怪談というものがあって、その内容があの布団に似ているんじゃないかと思ったんだ」

コニー「どんな内容なんだ?」

ミカサ「……」

アルミン「怪談は幽霊や妖怪と呼ばれる怪奇現象がほとんどなんだ」

アルミン「そしてその中には長い年月を経たことで、物に魂が宿ったものもいるみたいなんだよ」

ミカサ「……よくお母さんに物を大切にしなさいと言われた。物にも心があるから、ずさんな扱いをすると罰が当たるって」

アルミン「そうだね、そういう風習もここから派生しているのかもしれない」

サシャ「つまりあのお布団は、妖怪って呼ばれる怪奇現象ってことですか?」

アルミン「うん、そうなる……かな……」

コニー「なんつーか現実的じゃねえな」

アルミン「あはは、僕もそう思う……」

ミカサ「でも、私達は実際にあのおふとんを見ている。違う?」

コニー「……人を襲う布団なんてもっと現実的じゃねえな」

アルミン「本当は資料があればよかったんだけれど……」

ミカサ「……取りに行こう!」

サシャ「やめましょうよぉ! せっかく逃げたんですよ!?」

ミカサ「でもっ」

アルミン「無理に行く必要はないよ。僕達が今しなければならないのは、どうやったら食べられた皆を助けられるか」

アルミン「そうだろう?」

ミカサ「……でも、戦わなければ、勝てない……」

アルミン「エレンが心配なのはわかる。僕だって今すぐにでも助けたいよ」

アルミン「でも今のままじゃ僕らも――」

コニー「あっ!!!」

アルミン「!?」ビクッ

ミカサ「……コニー?」

コニー「そういやさっきこの本拾ったんだよ!」スッ

アルミン「!」

ミカサ「それは倉庫で見つけた……?」

コニー「おう!」

アルミン「倉庫で……!?」

ミカサ「……アルミン」

アルミン「なんだい、ミカサ」タラッ

ミカサ「この本、アルミンのでしょう」ジッ

アルミン「…………」ダラダラ

ミカサ「確かにアルミンは嘘は言っていなかった。けど、昨夜倉庫にも行っていたことを隠していた。違う?」ジッ

アルミン「はい……資料と照らし合わせたくて倉庫に行きました……」シュン

アルミン「で、でも! あの時は暗すぎて見つからなかったんだ!」

アルミン「それに!! その本はあの資料と同じくらい事細かに載ってる秘蔵の一品でね!!」ムフー

アルミン「この本があればもう少しで怪人緑マントの謎が――」

ミカサ「アルミン、この騒動が終わったら隠している本を全て私かエレンに預けて」

アルミン「……はい」シュン

サシャ「あのー……その辺でいいですか? コニーが説明したくてうずうずしてます」

コニー「……!」キラキラ

アルミン「うん……お願い……」シュン

コニー「この本にさっき言ってたやつが載ってたんだ!」

サシャ「妖怪のことですか?」

コニー「おう! えっとな…………コレだコレ!」ペラペラッ

ミカサ「九十九神【つくもがみ】長く生きた依り代(生き物や道具など)に霊魂が宿ったもの……たしかに」

コニー「な? それっぽいだろ?」

アルミン「それっぽいというかコレだね。あの布団は九十九神と呼ばれる存在なのかもしれない」

サシャ「やってることは神様っぽくないですよ……」

ミカサ「ここを見て――和めば幸をもたらし、荒ぶれば禍をもたらす――つまり、あのおふとんは禍ということ」

サシャ「まったく傍迷惑な神様もいたもんですね!!」

アルミン「はは、サシャの言う神様とは別物じゃないかな……」

コニー「もう一ついいか?」

アルミン「ん? なんだい?」

コニー「うんと……コレコレ、このページに書いてるのってあの布団のことじゃねえかな」ペラッ

アルミン「えっ、載ってるの!?」

コニー「アルミンの本なのに知らなかったのか?」

アルミン「見る前に仕舞っちゃったから……」

ミカサ「見せて」ジッ

コニー「お、おう……」

ミカサ「妖怪:布団かぶせ。布団のようなものが何処からとも無く飛来して、覆い被さり窒息、させる……!?」

アルミン「……っ!」

コニー「なぁ、似てないか?」

ミカサ「そんな……」パサッ

サシャ「え、う、嘘ですよね……? ベルトルトも、クリスタも、みんな……」

アルミン「……でも、解決への糸口は掴めているよ。サシャが言ったとおり、"探し物"を見つけだせば大人しくしてくれる可能性がある」

ミカサ「でもっ」

アルミン「上手くいけば食べられてしまった人達を返してもらえるかもしれない」

ミカサ「そんなことをしても、もう……」

コニー「バ、バカだなミカサ! まだ決まってねえだろ!?」

アルミン「そうだよミカサ、冷静になろう? あの布団をよく思い出すんだ」

ミカサ「……?」

アルミン「今までの情報から推測するに、最低でも9~10人を食べたことになる」

アルミン「わかるかい? 窒息させたんじゃなくて食べているんだ」

ミカサ「あ……」

アルミン「それに僕達が知らないだけで教官や他の訓練兵も被害にあっているかもしれないよね」

アルミン「にも関わらず布団の大きさや重さが変化していないんだ。いくら不可思議な存在といっても、実体があるのに変化しないなんておかしい」

サシャ「! そうですそうです! あんなに人を食べて太らないわけがありません!」コクコク

ミカサ「たしかに投げたとき、想像以上に軽かった……」

アルミン「そして"探し物"をしているという点と、人しか食べていないという……」

アルミン「点、から……」

ミカサ「……アルミン?」

アルミン「もしかしたらあの布団は人を食べているんじゃなくて、中に人を隠しているだけなのかもって思ったんだけど……」

アルミン「その、布団が探しているのは"物"じゃなくて、"人"なのかもしれない……」

コニー「人探しってことか」

アルミン「うん、女子寮から食堂へ向かったのも、人の多そうなところに移動したんだろう」

コニー「なるほどなぁ」

ミカサ「アルミン、つまり皆は無事ということ?」

アルミン「う、うん……」

サシャ「? なんだか歯切れが悪いですね」

アルミン「布団が未だに人を襲ってるってことは"探し人"が見つかっていない……」

アルミン「サシャなら、これからどうする?」

サシャ「もちろんその"人"を探して…………み、見つけて、食べさせるんですか……!?」

アルミン「そうなるね……」

ミカサ「その"人"は、どうなるの……?」

アルミン「……犠牲になると思う。それこそ、本当に食べられるかもしれない」

コニー「マジかよ……」

サシャ「そんなのダメです……でも、そうしないと……うぅ……」

アルミン「……」

ミカサ「……まだ問題もある。そもそもその"探し人"が誰なのかが不明」

コニー「探すにしても、布団にもわかってないくらいだからなぁ……」

アルミン「……」

アルミン「一つ、作戦を考えた」

ミカサ「……!」

アルミン「けど、成功する保障なんてない……」

コニー「とりあえず話してみろって!」

サシャ「実行するかどうかは皆で決めましょう!」

ミカサ「アルミン」コクッ

アルミン「……うん」

― 廊下

ジャン「はぁ……はぁ……」ズリズリ

マルコ「ぅ……」

ジャン(力入らねえ……)

ジャン「あ゙ークソッ!」

  オーイッ!! タタタタタッ

ジャン「ん? あれは、ミカサ!? ……とサシャか」

サシャ「ジャン! なんか釈然としませんが無事だったんですね!!」

ジャン「ああ、なんとかな」

ミカサ「……背負ってるのはまさかマルコ……?」

ジャン「悪いけど寮まで運ぶの手伝ってくれねえか? まだ足が震えてんだ……ハハ……」

ミカサ「私が運ぼう。サシャは一旦アルミン達を呼びに行って」

サシャ「はいっ!」タタタタッ


 ・

 ・

 ・

― 男子寮

マルコ「……」スー、スー

ミカサ「そんなことが……」

ジャン「あぁ……散々だぜ……」

アルミン「でも、これで証明されたね。まだ皆は生きているよ!」

サシャ「はいっ! 希望が見えてきました!!」

ジャン「お前ら、何しようとしてるんだ?」

コニー「決まってんだろ! 布団退治だ!」

ジャン「は?」

サシャ「それでは私とミカサは装備を取ってきますね!」タタタタッ

アルミン「うん、お願い。コニーの分も忘れずにね」

ミカサ「わかってる」タタタタッ

コニー「なあ、なんでオレは行かないんだ?」

アルミン「コニーには大事な役割があるから」

ジャン「おい、退治って」

アルミン「ジャンはマルコを看ていてあげてね」

ジャン「……言われなくてもそうするっつの」

アルミン「それじゃ」タタタタッ

コニー「じゃーなー」タタタタッ

ジャン「あ、おい……行っちまった……」

・・・

アルミン「相手は怪談そのもの。でも、布団という依り代を借りているから実体はある」

アルミン「つまり物理的に叩いて退治することも可能ということになる」

アルミン「そこで、ブレードを使って布団を削ぐ作戦だ」

ミカサ「……待って、そんなことをしたら中の人達はどうなるの?」

アルミン「ああ、深く削ぐ必要はないよ。軽く裂ける程度でいいんだ」

アルミン「……後は布団の中に隠されているみんながこぼれてくれるのを祈るしかないけれど」

サシャ「試してみる価値はありそうですね!」

ミカサ「ええ、"人探し"をするよりは遥かにいい」

アルミン「そこでミカサとサシャに、装備を三人分取ってきて貰いたいんだ」

コニー「? 四人分じゃないのか?」

アルミン「うん、一人は囮になるからね」

サシャ「お、囮ですか!?」

アルミン「ああ、心配しないで。囮は僕がやるから」

ミカサ「ダメ。アルミンがするくらいなら私がやったほうがいい」

アルミン「僕がこの中じゃ一番足手まといになるからだよ」

ミカサ「……私ならおふとんから逃げ切れる」

アルミン「ミカサには確実に布団を削いでほしいんだ。大切な戦力を割くわけにはいかないよ」

アルミン「それに、コニーに護衛してもらうつもりだから大丈夫」

コニー「お、なら任せろ!!」

アルミン「うん、よろしくね」

ミカサ「……わかった。アルミンがそう言うのなら従おう」

アルミン「ありがとう、ミカサ」

アルミン「サシャはミカサのサポートをよろしく頼むよ」

サシャ「了解ですっ!」

アルミン「それじゃあ二人は装備の準備を。コニーは僕と布団の行方を探っておこう」

コニー「おうっ!」

・・・


アルミン(僕の考えが正しければきっと……)

コニー「おーい、こっちにはいないぞー」

アルミン「こっちもいないね」

コニー「なぁなぁ、大事な役割ってなんだ?」

アルミン「うん、それは――」

― 営庭

アルミン「よし、準備が整ったね。もう少しで布団が営庭のほうに来る」

コニー「なあ、本当にここで待ち構えて大丈夫なのか?」

ミカサ「見通しがいいけれど、逃げるのには障害物がない分不便だと思う……」

サシャ「あの、それと私達の配置が遠すぎませんか? 間に合うか正直不安なんですけど……」

アルミン「大丈夫だよ。万が一、僕が食べられてもいいような配置だから」

ミカサ「!? どうして!」

アルミン「布団に警戒されてしまったら作戦は失敗するだろ? だから護衛はコニーだけだし僕も装備をつけない」

ミカサ「……」

アルミン「納得できないかもしれないけれど、頼むよミカサ」

ミカサ「……持ち場につく」スッ

アルミン「うん……」

アルミン(ごめんね、ミカサ)

コニー「……来たぞ!」


おふとん「……」ズリズリ...


コニー「なあ、本当に大丈夫なんだよな?」

アルミン「自分の役目を果たすだけだよ。コニーはどうする……?」

コニー「オレは……今ほどバカなことを恨んだことねえよ……」

アルミン「なら僕はもっとバカなのかなぁ」クス


おふとん「……!」モゾッ ズリズリズリ...


ミカサ「!? 速い……!」ダッ

サシャ「あ、ミカサ! 合図がまだですよ!?」ダッ

コニー「あいつら早すぎだっつの!」

アルミン「それも想定済みだよ」

コニー「あ、そ……」

おふとん「……!」ズリズリ ズルッ

アルミン「コニー、頼むね」

コニー「……あぁ」グッ

おふとん「……!!」ブワッ


ミカサ「削ぐ……!」ヒュッ

コニー「待て、ミカサ!」バッ

ミカサ「っ!? コニー、邪魔をしないで!」ズザッ


アルミン「……」

おふとん「……」バクン

ミカサ「アルミン!!」

サシャ「え、なんで……どうしてですか!? どうしてアルミンを守らないんですか!!」

コニー「……」

ミカサ「返答はいらない、今すぐあの布団を削ぐ。それだけ」キンッ

コニー「ダメだ」バッ

ミカサ「どうして!!」

コニー「これがアルミンの作戦だからだ」

ミカサ「なっ……」

サシャ「え、え?」

おふとん「……」モゴッ モゴモゴ


コニー「アルミンは布団の"探し人"が自分だと判断したんだ」

サシャ「それなら尚更!」

コニー「アルミンは大丈夫だって言った! あいつを信じるなら今は待てよ!」

ミカサ「……っ」

コニー「オレだって仲間を犠牲にするなんて嫌に決まってんだろ……」

ミカサ「アルミンは、私達はどうしていろと言ったの?」

コニー「いくら待っても皆が戻らなかったら、その時は布団を削いでくれって」

サシャ「待つしか、ないんですね……」

コニー「……」コクン

ミカサ「……」


おふとん「……」ゴクン

― ???

「暗い……指先も見えないくらい真っ暗だ……」

「それに広い……何処へ行けばいいのかな……あ、薄っすら見えてきた……」

「よぉ」

「わあぁっ!?」

「ハハッ、そんな驚くなっつの」

「どうして……」

「私にゃこの先にあるものなんて興味ねぇからな」

「先に……?」

「行けばわかるさ」

「外には出れないのか?」

「さぁなー」

「さぁなって……」


「めんどくさいから試してない」キッパリ

「ええー……」

「……なぁ、お前死ぬつもりできたのか?」

「えっ」

「お前本当に死ぬぞ?」

「まさか、死ぬつもりなんてないさ」

「謎を暴いてみせるって啖呵切っちゃったからね」

「……ならいい、オラ、さっさと行けよ」

「わ、わかってるよ」

「ちゃんと戻ってこいよー?」

(なんか調子狂うなぁ……)


 ...ミン ...ミン! オイ!

「アルミン! 起きろって!」

アルミン「ん……」

「やっと起きた……お前なー自分から遊びに誘っといて寝てるなんてヒドイぞ?」

アルミン「んん……」ゴシゴシ

「寝不足なのか?」

アルミン「遅くまで本読んじゃって……」ゴシゴシ

「またかよ!? ったくお前はオレが見てないとすぐそれだもんなぁ……」

アルミン「ごめん、エレン……」ゴシ...

エレン「気をつけろよ?」

アルミン「うん……」

エレン「よーし、今日は何処探検するんだ!?」ワクワク

アルミン「えっと……。……?」

エレン「どうした?」

アルミン「ここ、シガンシナ……?」パチクリ

エレン「何言ってんだお前?」

アルミン「……」

エレン「おーい?」フリフリ

アルミン「どうして……」

エレン「おい、もしかして寝不足じゃなくて体調悪いのか?」

アルミン「あ、いや、なんでも……」

アルミン「あるよね……」

エレン「じゃあ遊ぶの止めて父さんのとこ行こうぜ!」ギュッ

アルミン「あ、ちょ、ちょっと待って!」

アルミン(エレンも僕も、家も壁も風景も全部あの時のままだ……)

アルミン「っ、待ってよ!」バッ

エレン「どうしたんだ? 今日のアルミン何か変だぞ?」

アルミン「ねぇ、キミは誰?」

エレン「はぁ?」

アルミン「キミは、誰なの?」

エレン「エレン、エレン・イェーガーだ! これで満足か?」ムスッ

アルミン「……キミは、エレンじゃない。とてもよく似ているけれどエレンじゃないんだ」

エレン「……」

アルミン「キミは布団かぶせと呼ばれる妖怪。布団が長い年月を経て魂が宿り、九十九神へと変化したもの」

エレン「……」

アルミン「そして僕を探して訓練場を彷徨い、今回の騒動を起こしてしまった」

エレン「……」

アルミン「理由は、僕がキミを目覚めさせてしまったから……かな?」

エレン「……」

アルミン「……」

エレン「正解だよ、アルミン・アルレルト」ドロッ...

アルミン「溶けっ!?」

「でも、少しだけ違うかな。ふふっ、それはおまけにしてあげる」ゴポッ ゴポン

アルミン「……っ」

  フワッ...

おふとん「僕がアルミンを探していたのは、キミが僕を目覚めさせてくれたからだよ」ニコッ

アルミン(さっきのおふとん……でも中は僕にそっくりだ……)

アルミン「くれた、から?」

おふとん「うん、アルミンが僕を見つけてくれたから僕は顕現できたんだよ」

おふとん「九十九神っていうのはね、そこに至るにはその名の通り長い時が必要なのさ」

おふとん「僕も九十九神の一種だけれど、力はあまり強くない」

おふとん「だから魂を宿すことが出来ても現世に顕現することは出来なかったんだ」

おふとん「そこへアルミン、キミが現れた」

アルミン「僕が倉庫へ本を取りに行った時だね……?」

おふとん「そう、そこでキミに共鳴して僕は目覚めたんだ」

アルミン「僕の伝承に対する好奇心に反応して、キミは現世に現れるために願った……」

おふとん「察しがいいね、さすがアルミンだ」ニコ

おふとん「でも、やっぱり僕の力は弱いから動き回るだけの体力もなかった」

おふとん「そこで落ちていた本で勉強したんだ。どうすれば正体不明の怪異になれるのかってね」

アルミン「……」

おふとん「あ、皆が襲われたのは自分のせいだ!なんて間違っても思わないでね? 悪いのは僕なんだからさ」

アルミン「どうして……」

おふとん「?」

アルミン「そこまでして、君はどうしたかったの……?」

おふとん「うーん、どうしてって言われても僕は妖怪だから……」

アルミン「和めば幸をもたらし、荒ぶれば禍をもたらす」

おふとん「それは……」

アルミン「あの本に書いてあったことだね。キミは禍なんかじゃなかったんだ……」

おふとん「……」

アルミン「キミの中に入ってわかったよ。この中は幸せで満ちている」

アルミン「巨人に壁を壊される前の、平和なシガンシナ区。僕がいつか戻りたいって思った、楽しかった場所」

アルミン「キミは、捕り込んだ人にとって幸せだった頃の夢を見せていたんじゃないかな?」

おふとん「……」

おふとん「ふふっ、そんな高尚なことはしていないよ。ただの罪滅ぼしみたいなものだから」

アルミン「え……」

おふとん「僕は正直迷ったんだ。人を襲う存在なんだって思ったとき、僕はどうすべきなんだろうって」

おふとん「人を襲わなければ存在を維持できない。でも、せっかく顕現できたのにそんなことはしたくなかった……」

おふとん「それならせめて……って思ったんだけれど、みんな布団をめくって正体を暴こうとするから反撃せざるを得なかった」

おふとん「怪異は、謎を暴かれてしまったらもうそれは怪異ではないから……」

おふとん「仕方ないとは言え、僕は力を得ていったからこうして夢の中へ閉じ込めたんだ」

アルミン「……そこまでして僕を探す理由って……」

おふとん「……お礼が言いたかったんだ」

アルミン「お礼?」

おふとん「うん、僕を見つけてくれてありがとう! って」

おふとん「でもそのためにいろんな人を巻き込んじゃったなぁ……」

アルミン「ありがとうだなんて、言われる資格ないよ……」

おふとん「ふふっ、アルミンって物知りなのに知らないんだね?」

おふとん「お礼を言われるのに資格なんていらないんだよ」ニコッ

アルミン「……」

おふとん「それと最後にもう一つ、理由があったんだ」

アルミン「もう、一つ?」

おふとん「アルミンとなら仲良くなれるかなって思ったのさ」

アルミン「僕と、仲良く……?」

おふとん「うん、だって僕を顕現させるくらい強い好奇心だったんだよ!?」

おふとん「友達になれたら良かったなぁって……ね」

アルミン「それなら今からでも……!」

おふとん「ダメだよ、最後って言っただろ?」ボロ...

アルミン「え……?」

おふとん「怪異は謎を暴かれたら怪異じゃなくなる」ボロッ...

アルミン「じゃあ、キミは……」

おふとん「ありがとう、アルミン。話が出来て良かった。僕にとって幸せな時間だったよ」ボロボロッ...

おふとん「そしてごめんね。こんなことに仲間を巻き込んでしまって」フワッ...

アルミン「待っ――――

― 営庭

ミカサ「コニー、私はもう待てない」キッ

コニー「……まだかよーアルミン!」アセアセ

サシャ「……神様!」ギュッ


おふとん「……」ビッ ビリッ


ミカサ「!」

コニー「なんだ!?」

サシャ「神ぃいい!?」


おふとん「」ビリッ ビリビリビリッ ブワッ

エレン「」ドサッ

ミーナ「」ドサッ

アニ「」ドサッ

ライナー「」ドサッ

ベルトルト「」ドサッ

ユミル「おっ、と」スタッ

クリスタ「」ガシッ

ユミル「んー、よくやったなアルミン」


ミカサ「エレン!!」ダダダッ

コニー「皆無事か!?」ダッ

サシャ「クリスタ! ユミルも無事だったんですね!」ピョーン


ユミル「あー? どういう意味だコラ!!」

サシャ「ヒィィ!? 他意はないんです!!!」


  ドサッ ドサッ ドサドサッドサッ ドサドサッ


        ドッチャリ...


コニー「うへー……すげえ飲み込んでたんだな」

ミカサ「死屍累々……」

ユミル「お、こっちにハゲもいるぞ。ヒヒヒッ! 情けねぇなあ!!」

キース「」チーン

サシャ「ちょっとユミル! ……あれ、アルミンはどこでしょう?」

ミカサ「……いた! アルミン!」タッ

アルミン「……」ギュッ

ミカサ「アルミン、作戦は成功した! エレンも、皆も無事!」

アルミン「うん……」ギュッ

ミカサ「アルミン? それは、おふとんの切れ端……」

アルミン「うんっ……」ポロッ

コニー「お、おいどうしたんだ!? どこか怪我したのか!?」

サシャ「医務室行きますか!?」

ミカサ「アルミン……」

アルミン「なんでも、ない……」ポロポロ...

アルミン「なんでもないんだ……」ギュウッ...

 ・

 ・

 ・

― 夜 食堂

サシャ「いやぁ何はともあれ、一件落着して良かったですね!」

ミカサ「……」チクチク ツー

コニー「一時はどうなるかと思ったけどな」

ジャン「……」チクチク

ユミル「被害らしい被害は出てないんだからいいだろ」

アルミン「……」チクチク ツー

サシャ「それにしても、不思議なこともあるもんですね」ウンウン

ミカサ「ジャン、そこ違う」チクチク ツー

ジャン「なにっ!? くそ……」プチプチ

コニー「みんな夢のことはほとんど覚えてないみたいだったな」

アルミン「……」チクチク ツー

サシャ「それどころか食べられたのも覚えてない人もいるみたいです」

ジャン「……」チクチク

ユミル「いいんじゃねぇの? 幸せだった頃なんて、未練がましく覚えていてもしょうがねぇよ」

アルミン「ジャン、そこずれてるよ」

ジャン「ぐぅぅ……」プチプチ

ミカサ「無理して手伝わなくてもいいのに」チクチク ツー

ジャン「オレなりの詫びなんだよこれは!」チクチク

アルミン「ありがたいけど、ずれてるってば」チクチク ツー

ジャン「うぉぉぉおおおお……」ブルブル

サシャ「慣れないことするからですよ!」

コニー「そうだそうだ!!」

ジャン「何でテメェらは手伝わねぇんだよ!!」

サシャ「針の持ち方が危ないとミカサに怒られました」ズーン

コニー「そもそも持つことすら許されなかった」ズーン

ジャン「お、おう……まぁ、なんだ、元気出せよ……」

ユミル「ま、こいつらに裁縫なんぞやらせたら確実にふざけるわな」

ミカサ「よし……」プチッ

アルミン「できた!」プチッ

おふとん「」パサッ

ユミル「おーいいじゃんいいじゃん」

コニー「ツギハギもあんまり目立ってないなー!」

サシャ「大急ぎで拾った甲斐がありましたね!!」フーッ

コニー「おうっ!!」

アルミン「ありがとう。コニー、サシャ」

サシャ「いえいえ、構いませんとも!」

コニー「当然だろ!」

アルミン「ミカサとジャンもありがとう」

ジャン「ほとんどお前らがやったけどな」

ミカサ「ジャン、もしかして照れている?」

ジャン「なっ!?」

アルミン「ユミル、ありがとう」

ユミル「はぁ? 私は何もしてねーぞ?」

アルミン「ふふっ、それならそれでいいよ。ありがとう」

ユミル「わけわかんねー」

アルミン「あれ、ユミル知らないの? お礼を言われるのに資格なんていらないんだよ?」

ユミル「お前、中々言いやがるな……ったく、こんな布団のどこがいーんだか!!」ポスポス

ミカサ「ユミル」ジッ

ユミル「な、なんだよ」

アルミン「いいんだ、ミカサ」

アルミン「このおふとんは僕の大切な友達なんだから」ニコッ



― おしまい

思った以上に長くなってしまった…
元ネタは途中に出てきた妖怪:布団かぶせを参考にしました
あと所々カオナシを意識していたかもしれない

後日談的なのも書きたいけど今日はここまでで

以下、後日談のようなおまけのような

― ライナーとベルトルト

ライナー「夢の内容を覚えているか……だって?」

ベルトルト「僕は覚えてないなぁ。……布団が物凄い速さで追いかけてきたことしか……」

アルミン「そ、そっか……思い出させてごめん」

ライナー「皆に聞いて回ってるのか?」

アルミン「うん。もっと解明できたらいいなって思ったんだけどね」

ベルトルト「協力できなくて悪いね」

アルミン「そんな、覚えてる人のほうが少ないし仕方ないよ」

アルミン「それじゃ僕は行くね」フリフリ

ライナー「ああ」


ベルトルト「実際のところは……?」

ライナー「……覚えていても、話すわけにはいかんだろ」

ベルトルト「……だね」

― ミーナとアニ

アルミン「あ、ミーナ」

ミーナ「ひゃ!? ア、アルミン!? ち、違うの! 私は豚小屋出身家畜以下じゃないのぉー!!!」タタタタタッ

アルミン「えっ!? ちょ、なんで逃げるのさ!」

アニ「……放っておきなよ」

アルミン「! アニ」

アニ「何か知らないけれど、アルミンを見るとあんな風になるんだよ」

アルミン「まさか……」

アニ「食べられた時のことを思い出すんだって」

アルミン「あぁ……。ミーナにもそのことについて聞こうと思ったけれど、止めておこうかな……」

アニ「そうしときなよ」

アルミン「ちなみにアニには聞いてもいいかな?」

アニ「いいけど、特別何も覚えてないよ」

アルミン「そっか……」

アニ「ああ、でも……」

アルミン「?」

アニ「皆は布団の中身がアルミンだって言ってたけれど、私が見たのはミーナだった」

アルミン「えぇっ!? なんでミーナが……」

アニ「知らないよ、そんなの。でもそのせいで不覚にも隙を突かれたからね、まったく……」

アルミン「ふむふむ……人によって違うのかな……?」カキカキ

アニ「……じゃあね」

アルミン「あ、うん。ありがとう!」

― ジャンとマルコとコニーとサシャ

サシャ「それにしても、どうしてジャンは吐き出されたんでしょうね?」

コニー「不味かったんじゃねえの?」

マルコ「ぶふっ……」

ジャン「どういう意味だ!! マルコも噴き出すんじゃねぇ!!」

マルコ「ご、ごめんごめん」ケホケホ

サシャ「食べた物を不味かったから吐くなんて、もったいないことをする神様ですねっ!!」

コニー「わかった! 馬と間違えたから吐き出したんだ!!」ピコーン

マルコ「ふっ、ふふっ……コニー、やめて……」プルプル

ジャン「よしわかった。お前らそこへ直れ」ガタッ


  ジョークデスヨォ! ニーゲーロー!  マテコラァ!! 


アルミン「あの、僕の話を聞いて……」

アルミン「はぁ……」

マルコ「役に立てなくてごめんな、アルミン」

アルミン「ううん、ただの好奇心だからいいんだ」

マルコ「……あの布団の為なのか?」

アルミン「……半分くらいはそうかな。もう半分は、純粋にもっと知りたいって思えたからだよ」

マルコ「……ジャンを食べなかったのは、食べたくない理由があったのかも知れないね」

アルミン「! それって、なんだろう……」

マルコ「それを見つけるのがアルミンの役目なんだろうな」

アルミン「……うん」

マルコ「それにしても、布団被って暑くないのか?」

アルミン「ん? ああ、これがなかなか快適なんだ!」パタパタ

マルコ「そ、そっか……」

アルミン「そういえばマルコ」

マルコ「なんだい?」

アルミン「どうしてさっきから目を逸らしているの?」

マルコ「……ごめん」

アルミン「……?」

― ユミルとクリスタ

クリスタ「うーん、私は全然記憶にないんだ……ごめん」

アルミン「い、いいよそんな! 皆も覚えてないんだ。気にしないで?」

ユミル「そうだぞークリスタ、気にする必要はないんだぞー?」ナデナデ

クリスタ「ちょっとユミル! もうっ!!」スタスタ

ユミル「あ、おい……」

アルミン「あ、あはは」

ユミル「……クリスタ」ボソ

アルミン「?」

ユミル「私が食べられる直前に見た姿はクリスタだったぞ」

アルミン「!?」

ユミル「ま、大方その人物に近しい人が出るんじゃないのか?」

アルミン「だからアニの時はミーナに……?」

ユミル「それか食べられた直前の人物の姿になるとか」

アルミン「それだと僕の姿が多すぎるよ」

ユミル「なら――ってなんで私はこんな話をしてるんだ……」

アルミン「ユミルからしてきたんじゃないか」

ユミル「そうだったか?」

アルミン「そうだよ、もう……それにしても妖怪の正体に気付くなんてユミルも詳しいんだね」

ユミル「座学一位様には劣るけどな」

アルミン「ねぇ、ユミル」

ユミル「あん?」

アルミン「あの時……」

ユミル「……」

アルミン「……やっぱりなんでもないや、忘れて」タッタッタッ



ユミル「……ふん、変な奴」

ユミル「私も似たようなもんだから、かな……」

― エレンとミカサ

ミカサ「アルミン、食事の時までおふとんを被るのはよくない。椅子に置きなさい」

アルミン「え、でも……」ギュッ

ミカサ「でもじゃない。行儀が悪いし、汚れてしまう」

アルミン「う、うん……」

エレン「ふぁぁ……おはよう……」

ミカサ「エレン、おはよう。エレンからも言ってあげて」

エレン「あ、ま、また被ってんのかよ……」

ミカサ「そう。だから注意を……」

エレン「その、さ。経緯は聞いたけどさ、あの、なんだ……」モゴモゴ

ミカサ「エレン?」

アルミン「? どうしたの?」

エレン「いや、あのな……えっと……」モゴモゴ

ミカサ「?」

エレン「おふとんを被るのは、いいんだけどよ、その……」

ミカサ「エレン、はっきり言わないと伝わらない」

アルミン「う、うん……そうだよ?」

エレン「あ、あぁ……」





エレン「ちゃ、ちゃんと服は着たほうがいいと思うぞっ!!!!」

アルミン「は?」

ミカサ「えっ」

ジャン「なっ!?」

マルコ「ぶっ!」

ミーナ「!?」

アニ「……はぁ」

コニー「あ?」

サシャ「えぇっ!?」

ユミル「っくく……」バンバン

クリスタ「へ、なになに!?」キョロキョロ

ライナー「ん?」

ベルトルト「……? ……!?」

アルミン「エ、エレン! キミは何を言ってるんだ!! 着てるに決まってるだろ!?」バサッ

エレン「うわっ!? バカ!! こんなとこで脱ぐ奴があるかっ!?」

アルミン「バカはキミだよっ!! ほら、ちゃんと見て!!」

エレン「い、いくら親友だからってそんなのはダメだろ!!」ワタワタ

ミカサ「……何が起きているの?」


  ギャーギャー! ワーワー!


エレン「最初に見たときお前裸だっただろうが!!!」バンッ

アルミン「んなっ!?」

エレン「び、びっくりしたんだからな!!」

アルミン「は、はは……そんな……じゃあ、まさか他の人達の時も……」チラッ

マルコ「……」フイッ

ミーナ「……」カァッ

アニ(あれ? あの時のミーナは服着てたけれど)

ユミル(ぷふっ、アルミンの情報が足りなくて服まで作りきれなかったんだな……ダハハッ!)バンバン

アルミン「さ、最悪だぁ……」ポスン

ミカサ「あの、アルミン……」

アルミン「……」スクッ

アルミン「……」ポンポン

ミカサ「アルミン?」

アルミン「倉庫に仕舞ってくる」

エレン「お、おい。それ友達って……」

アルミン「お……おふとんのアホォォオオオオ!!!!」


  アホォー!


   ホォー..


   ォー...

~ 数日後 深夜 資料室


「……」ズリズリ...



「……」モゾモゾ



「……」キョロキョロ



「……」ペラッ


「……」フムフム


  ギィ バンッ


「そこまでですっ!!」


「……!?」モゾッ


「この世に怪異が蔓延る限り」バン

「我ら妖怪……なんだっけ?」

「もうっ! せっかく考えたんだからちゃんと覚えてくださいよ、コニー!!」

「ふぅ……決め台詞なんて無駄」

「そんな!? ミカサもノリノリだったじゃないですかぁ!!」

「それより」

「……」モゾモゾ

ミカサ「何をしているのアルミン」

おふとん「……」ビクッ

サシャ「最近資料室に怪しげなモノが出入りしているとの噂が立ち始めたんですよ」

コニー「あんなことがあった後だし、それを調べるためにオレ達が見張ってたってわけだな!」

サシャ「さぁ、観念してお縄につきなさい!!」

おふとん「……」フルフル

ミカサ「はぁ……不毛」スタスタ

おふとん「!?」モゾッ

おふとん「タ、タベチャウゾー!」

ミカサ「……」スタスタ バサッ

おふとん「ひいっ!」

ミカサ「夜更かしはダメって言った」ムニー

アルミン「い、いひゃいいひゃい! ごへんなひゃい!」ジタ

ミカサ「全く、エレンもアルミンには甘すぎる」ムニー

アルミン「みかは! はなひへぇ!」バタ

サシャ「……私達の見せ場がないですねぇ」ポケー

コニー「……ああ」ポケー



ミカサ「怪異の謎は解いた、よって本は没収」ムニー

アルミン「ひょんにゃぁぁあああ!」ジタバタ



―おしまい

読んでくれた方、ありがとうございました

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