ライナー「結婚式」(41)



※ホモ有り
※キャラ崩壊有り
※いろいろ捏造有り
※単行本11巻までのネタバレ有り




山奥の村


ライナー「け、結婚しようベルトルト!」

ベルトルト「えー?うんーデヘヘ」



ベリック「あれ、アニじゃん」

アニ「おはよベリック」

ベリック「おはようさん…何を引きずってんだ」

アニ「使わない夏用の白いカーテン…とオルゴール」

ベリック「そんなもん、どう使うんだ?」

アニ「結婚式に使う」

ベリック「けっこん?誰の?」

アニ「ライナーとベルトルト…」


森の中
ライナーやベルトルトたちの遊び場とはちょっと離れた所


ベルトルト「ねえライナーこんな所で何するの~?」

ライナー「結婚式だよ。言っただろ?」

ベルトルト「何を~?」

ライナー「覚えてねーのかよ…」

ベルトルト「??今するの~?」

ライナー「そう今だ」

ベルトルト「ふ~~ん?あ、ちょうちょ」



アニ「ライナー」

ベリック「よーお前らー」

ライナー「お!アニ!とベリック」

ベルトルト「アニとベリックだ~」

アニ「はい、白いカーテン。ほとんど使ってないからそこそこ綺麗なやつ」

ライナー「サンキュー。これをベルトルトの頭に掛けて……っと」

ベルトルト「何これ?動き辛いよライナー」

ライナー「良いんだ。花嫁はじたばた動かないもんだ」

ベルトルト「ぼく花嫁なの?」

ライナー「俺がそれ付けちゃ変だろ」

アニ&ベリック(いや、ベルトルトでもおかしいだけどな。もう今更指摘出来ないや。勝手にしてくれ)



ベリック「しかしカーテンをベール替わりか。上手いこと考えたもんだ」

アニ「乙女チックだよね。顔に似合わず」

ライナー「うるせー」

ベリック「で、これだけか?」

ライナー「これだけって?」

ベリック「結婚式に花嫁と新郎だけなのか?愛を誓う儀式なんだから、見届ける奴が居ないと」

ベルトルト「??????」

ライナー「つまり?」

アニ「…神父役だよ」



ライナー「誓うのは俺ら二人なのに、もう一人必要なのか?」

アニ「……第三者がいた方が盛り上がるだろ」

ベリック(説明がめんどくさくなって逃げたな)

ライナー「なるほどそうか…!」

アニ(恋する男は単純で助かる)

ベリック「よしっ俺が神父役やってやるよ」

ライナー「おおぉ助かるベリック!で、俺らは神父に何すれば良いんだ?」

ベリック「なんかの本で読んだんだけど、確か…」



ーーーーー

神父『おお神よ。この良き日良き場所に、この花嫁と花婿がみちびかれました。この二人の出会いをどうぞ祝福して下さい。』

神父『さあそれでは。お二人の誓い言葉を。なんじ花婿は、花嫁を妻とし…すこやかなる時も 病める時もその身を共にすることを誓いますか?』

某花婿『はい』

神父『なんじ花嫁は、花婿を夫とし…すこやかなる時も 病める時もその身を共にすることを誓いますか?』

某花嫁『え?なんでそんなことあなたに誓わないといけないわけ?私のことは私が決めるわよ。いいから先に進めてちょうだい!』

神父『あわわわ……。で、では指輪の交換を』

ーーーーー



ベリック「…で、指輪を互いの左手薬指に嵌めて、誓いのキスをして、完了だ」

ライナー「なるほど…!!キ、キスもするのか…よしっ…」

アニ「指輪はあるの?」

ライナー「シロツメクサで作ったやつなら…」

アニ「まーそこいらで上等だね。じゃあ私は後ろで式を見守る役する」

ベリック「んじゃ、早速…」

ベルトルト「……ねえーー」



ライナー「ん~?どうした~ベルトルト~?」

ベリック(ニッコニコしてる…)

アニ(語尾も伸びまくってる…)

ベルトルト「ぼくライナーじゃなくてベリックが良い」

ライナー「」

ベリック「」

アニ「………プッ」



ベルトルト「ねー良ーでしょー?ベリック」

ベリック「」

ライナー「」

アニ(二人共石化してる)

ベルトルト「ねえベリック。ダメなの?」

ベリック「えっ……ダメっていうかその」

ライナー「」

ベルトルト「良いでしょ?」

ライナー「」

ベリック「あーうー…」

アニ「ベルトルト」


ベルトルト「なに?アニ」

アニ「どうしてベルトルトはベリックが良いと思ったの?」

ベルトルト「んーとね。ベリックの方が走るのはやいから」

ライナー「(ピクッ)」

ベリック「(ピクッ)」

アニ「…最近ライナーがベリックより早く走るようになったんだよ?知らなかった?」

ベルトルト「そうなの?」

ライナー「(ピクピクッ)」

ベリック「!そ、そうそう!!もう俺なんかとてもじゃないがライナーには敵わないぜ!!ははは!」

ベルトルト「ふーん…」




ベルトルト「じゃあライナーで良いや」

ライナー「」

アニ(ライナー…そもそもベルトルトは結婚の意味すら分かってないんだよ。明日どっちの家に遊びに行こうか…その程度のことだと思ってんだよ)

ベリック(そんなやつに結婚のなんたるかを説明したら、あっというまに日が暮れるぞ…だから)

アニ&ベリック(これで妥協しとけって)

ライナー「」

ベルトルト「ライナー?」


ライナーの士気がやや浮上



ベリック「…それじゃあ始めるか」

アニ「……(拍手したほうがいいかな?)」

ベルトルト「ライナーもう大丈夫なの?」

ライナー「ああ…もう良い…」

ベルトルト「???」



アニ(……そうだ)

アニ(さっき持ってきたオルゴール…曲は賛美歌だし、ここで鳴らしちゃおう)

キコキコ



~~~♪~~~♪~~~♪


ベリック「お…雰囲気出るな」

ベルトルト「綺麗な曲だねライナー」

ライナー「これ、確か歌詞があったはずだぞ」

ベルトルト「そうなんだ~どんなの?」

ライナー「…う~~~~~ん、思い出せない」

ベルトルト「なんだあ」

ライナー「思い出したら教えてやるよ」

ベルトルト「本当に?約束だよ」

ライナー「おう」


~~~♪~~~♪~~~♪




~~~♪~~~♪~~~♪


ベリック「えー、なんじライナーは…え~、ベルトルトをつま……とし、すこやかなる時も 病める時もその身を共にすることを誓いま」

ライナー「誓います」

ベリック「即答してんじゃねえ!…えー、なんじベルトルトはライナーを夫とし…すこやかなる時も 病める時もその身を共にすることを誓いますか?」

ベルトルト「あっ!ちょうちょ!さっきのちょうちょ!!!ねえねえさっきの!!」

ベリック「あとでライナーが捕まえてくれるから話聞け!イエスですかノーですか!?」

ベルトルト「は~い」

アニ(わざとじゃないのかあいつ)

キコキコ

~~~♪~~~♪~~~♪





~~~♪~~~♪~~~♪


ベリック「それでは、互いに指輪の交換を…」

ライナー「ベルトルト、左手出せ」

ベルトルト「ブカブカだあ」

ライナー「まあ急ごしらえだったしな…。じゃあベルトルト、俺のにつけてくれ」

ベルトルト「うん」

キコキコ

~~~♪~~~♪~~~♪


~~~♪~~~♪~~~♪


ベリック「それでは、誓いの口づけを…」

ライナー(来た)

ベルトルト(あ~ちょうちょ行っちゃった…)

ライナー「ベルトルト…こっち向け」

ベルトルト「ん?なに、ライナー…」

アニ&ベリック(おお遂に)

キコキコ

~~~♪~~~♪~~~♪








ベルトルト「………雨だ」



ライナー「え」

ベリック「うわマジだ。一気に激しくなるぞ、この降り方は」

ベルトルト「風邪ひいちゃうよ」

ライナー「え、え」

アニ「幸い村からは離れてない。走るよベルトルト」

ベルトルト「うん」

ライナー「え、え、え」

ベリック「安心しろ。今度またやってやるから」

ライナー「…えーーーーー…」





しかし、その日は二度と来なかった

ーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー



ライナー「あれから俺たちは任務に駆り出され、故郷をあとにした」

ライナー「ベリックは…俺たちの目の前で巨人に喰われた」

ライナー「壁を壊した後、俺たちは開拓地で生活し、訓練兵になった」

ライナー「任務に支障が出るといけないから、アニとの接触を極力控えた」

ライナー「気の良い『仲間』たちとの生活で精神を壊しながら、俺たちはその時を待った」

ライナー「そして」



ザアアーー

ライナー「…すげえ雨だな」

ベルトルト「…」

ライナー「このままじゃ風邪ひくな」

ベルトルト「…」

ライナー「雨で思い出した、お前覚えてるか?」

ベルトルト「…」

ライナー「俺ら、結婚式したことがあったよな。遊びで」

ベルトルト「…」

ライナー「いや、結構本気だったんだけどな、俺は」

ベルトルト「…」


ザアアーー

ライナー「しかしベリックのほうが良いってお前……しかも走るのはやいからってお前……俺今でもトラウマだぞ」

ベルトルト「…」

ライナー「あの時にアニが鳴らしてたオルゴール…良い曲だったよな」

ベルトルト「…」

ライナー「そう言えば、お前に教えてなかったよな」

ベルトルト「…」

ライナー「あれ、『いつくしみ深き』って名前なんだぞ」

ベルトルト「…」

ライナー「歌詞…歌詞……覚えてるかな…ああ思い出した」

ベルトルト「…」

まさか…



ライナー「いつくしみ…ふかき…」

ライナー「と…もなる…イ…エ、スは……」

ライナー「つみ、とがうれいを…」

ライナー「とりさり…たもう…」

ライナー「なやみに……かなしみに……」

ライナー「し…ず…めるときも…」

ライナー「いのりに…こ、たえて」

ライナー「なぐさめ………たま、わん…」



ザアアーー

ライナー「ははは…覚えてるもんだな、ちゃんと聞いてたか?」

ベルトルト「…」

ライナー「……聞こえねえよな、聞こえるわけねえよな……」

ベルトルト「…」

ライナー「胴体と首が離れ離れじゃ、聞こえるわけがないよな……」

ベルトルト「…」

ライナー「ちくしょう…」

ベルトルト「…」



ザアアーー

ライナー「ちくしょう…半端なクソ野郎なばかりに…俺が弱かったばっかりに…!」

ベルトルト「…」

ライナー「俺が人間どもに情けなんてかけなければ…!!」

ベルトルト「…」

ライナー「罪悪感なんか感じなければ!!!」

ベルトルト「…」

ライナー「お前を一人ぼっちになんてさせなかったのに…」

ベルトルト「…」



ザアアーー

ライナー「ああ…ベルトルトの血が…」

ベルトルト「…」

ライナー「雨に流されちまう…蒸発しちまう……体も消えちまう…」

ベルトルト「…」

ライナー「無様に生きてる俺を残して………」

ベルトルト「…」





ザアアーー

ライナー「まだだ…まだいかせない…」

ベルトルト「…」

ライナー「体が残ってる内に、誓おう」

ベルトルト「…」

ライナー「天罰がくだろうと地獄に堕ちようと、この身を共にすることを、今ここで」












エレン「わかった」


エレン「だが」

ライナー「ここで…」

エレン「許さない」

ザシュッ

ライナー「ベル…トルト…」

エレン「お前を今ここで、死なせるわけにはいかない」

ライナー「ベ…ル…」

エレン「楽に死なせるわけがない」



リヴァイ「捕らえたかエレン」

エレン「はい。急所は外してます」

ミカサ「エレン、怪我は無い?」

エレン「無えよ、これしきのことで」

ミカサ「そう…ならば私は団長に報告を」

タッタッタ…

ライナー「…」

リヴァイ「すぐにそいつをハンジの元へ運べ。よだれ垂らしてはしゃぎ回るだろうよ」

エレン「想像に難くないですね」

リヴァイ「超大型巨人の方は…」

エレン「今一歩の所で、捕らえ損ねました…申し訳ありません」

リヴァイ「まあいい、もう跡形もなくなっちまってる」




くしゃっ

リヴァイ「そいつ何か握ってるぞ」

エレン「今取り上げます」

リヴァイ「……何だこれは…草?」

エレン「随分枯れてますが…この形はシロツメクサでしょう」

リヴァイ「汚ねえな…捨てておけ」

エレン「はい」



おしまい

おやすみ

乙。今日はなにも考えずぐっすり寝ろな

うわあああぁぁぁん!

この世界は残酷だな

ライナーがけっこうガチでわろた

って書こうと思ったら……

胸が締め付けられる
すごく乙です

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