ミカサ「エ、エレンお兄ちゃん…///」(171)

844年

エレン(9)「やるよ、これ」

エレン「あったかいだろ?」

ミカサ(8)「……」

ミカサ「あったかい…」

グリシャ「ミカサ、私達の家で一緒に暮らそう」

グリシャ「辛いことがたくさんあった…君には十分な休息が必要だ…」

ミカサ「……」

エレン「ほら、帰ろうぜ、オレ達の家に」

ミカサ「…うん、帰る…」

ミカサ「ありがとう…エレンお兄ちゃん…」

エレン「エ、エレンお兄ちゃん!?」

847年

キース「貴様は何者だ!?」

アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」

キース「そうか!バカみてぇな名前だな!!親がつけてくれたのか!?」

アルミン「祖父がつけてくれました!」

キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」


ーーーーーーー

ーーーー


【食堂・夜】

ミカサ「……」

エレン「だから…見たことあるって…」

「本当か!?」

「どのくらい大きいんだ!?」

エレン「壁から首を出すぐらいだ…」

「何!?俺は壁を跨いだと聞いたそわ!」

エレン「流石にそれはでかすぎだろ…」

「どんな顔だったの?」

エレン「皮膚が殆ど無くて…人体模型みたかったな」

ベルトルト(人体模型…)ガーン

「ウォール・マリアを破った鎧の巨人は!?」

エレン「それも見た、そう呼ばれてるけどオレの目には普通の巨人に見えたな」

ライナー(普通の巨人…)ガーン

「じゃ…じゃあ、普通の…」

ミカサ「もうお兄ちゃんを傷つけるような質問はやめて…!」

「……」

マルコ「ご、ごめん!もう質問はよそう、思い出したくないこともあるだろう」

コニー「す、すまん!いろいろと思い出せちまって…」

エレン「いや…大丈夫だ、こっちこそ悪かったな、気を使わせちまって」

エレン「ミカサもありがとな、人見知りのお前が声を張り上げてオレの為に怒ってくれて」

ミカサ「そんなこと当たり前…私達は兄妹なんだから…」

マルコ「本当に仲の良い兄妹なんだね」

エレン「おっ、わかる? オレとミカサの絆の深さに一目で気づくとはお前なかなか見所あるな、でもオレとミカサは血の繋がった兄妹じゃないんだよね、まぁそれのどこに問題があるんかって話だけどさ、ミカサ愛ならオレ誰にも負けない自信あるし未来永劫、絶対嫁には出さないてかオレが貰うしマジミカサ可愛い、そもそもオレとミカサは…」

マルコ「」ヒキッ…

ミカサ「///」

アルミン(また始まったよ…エレンの悪い癖…マルコ引いてるし…)

エレン「シガンシナ区で一緒に暮らしてた時なんて…」ブツブツ

アルミン「エレン、もうわかったから少し黙って」ゴゴゴ…

エレン「お、おう…」

ミカサ「お兄ちゃん…私恥ずかしい…///」

エレン「ごごご、ごめんなミカサ!どうかお兄ちゃんこと嫌いにならないでくれ!!」

ミカサ「私がお兄ちゃんことを嫌いになるなんて天地がひっくり返ってもありえない…むしろ…大好き…///」

エレン「ミカサ…お、お兄ちゃんもお前のこと大好きだぞ!!」

ミカサ「///」


マルコ「…彼、いやエレンだっけ…一体どうしたんだい…僕が兄妹のことを質問するまではマトモだったのに…」

アルミン「エレンはね…重度のシスコンなんだ…」

マルコ「いや、そんなことわかってるよ」

アルミン「ミカサがエレンの妹になった当時はそんなにでもなかったんだけどね」

マルコ「それがなんでこんなことに…」

アルミン「気がついたらこうなってたんだ」

マルコ「そ、そうなんだ…」

アルミン「実はミカサの方も重度のブラコンでね…下手するとエレンより酷いかもしれない」

マルコ「へ、へぇ…」

自分より身長でかい妹ってちょっと悲しくなるよね

>>11
このSSではミカサはエレンより1歳歳下って設定だからエレンの方が背は高いです。



アルミン「それじゃあそろそろ僕は部屋に帰らせて貰おうかな…明日に疲れを残したくないし…」

マルコ「う、うん…また明日…」

アルミン「マルコもね」

アルミン「エレン、ミカサ!僕そろそろ…」

エレン「ミカサ…」キラキラ

ミカサ「お兄ちゃん…」キラキラ

アルミン(あっ…これ2人の世界に入り込んでるパターンだ…)

アルミン「まぁいっか…聞いてないだろうけど僕は部屋に帰ってるよ、じゃあね」テクテク

エレン「絶対にオレが守ってみせるからな…」キラキラ

ミカサ「うん…」キラキラ

マルコ(本当に聞いてない…)

ジャン「…」ジー

ジャン(ちっ…なんだよあいつら…兄妹?だからってベタベタしすぎだろ…てかあのエレンってやつ羨ましい…)

ジャン「おい、そこのシスコン野郎!そろそろ飯の時間は終りだぞ、いつまでもイチャイチャしてんじゃねぇ!」

ミカサ「私…もうお兄ちゃん無しでは生きていけない…」キラキラ

エレン「大丈夫、ずっと一緒にいてやるから…」キラキラ

ジャン「…」イラッ…

ジャン「オレを無視すんじゃねぇぇぇ!!」ドンッ!

エレン「うわっ!」

ミカサ「何事!」

マルコ「あ、帰ってきた」

エレン「えっと…アルミンは?」

マルコ「疲れたからもう寝るってさ」

エレン「そっか、でもいつの間に居なくなったんだ?」

ミカサ「私も気がつかなかった…」

エレン「お前も気がつかなかったのか…アルミンすげぇな」

マルコ(凄いのは君達の方だよ…)

エレン「それじゃあそろそろオレ達も寮に戻るか」

ミカサ「うん」

エレン「ミカサ、今日はオレと一緒に眠れないけど大丈夫か?」

ミカサ「…」

ミカサ「私は女子寮でお兄ちゃんは男子寮…お兄ちゃんと寝られないのは…寂しい…」

エレン「寂しいからって男子寮に1人でくるんじゃないぞ…ミカサは本当に可愛いからな、男子寮の野獣共が黙ってないはずだ…」

ミカサ「うん…わかった、お兄ちゃんこそホモには注意してね…お兄ちゃんは可愛いからきっとみんな狙ってる」

ミカサ「現にホモっぽいゴリラが訓練兵に紛れ込んでた」

エレン「マジかよ怖え…」

ミカサ「それよりお兄ちゃん…今日は一緒に抱き合って眠れないから…いま、お休みなさいのチュウをしよう」

エレン「まったく…ミカサは甘えん坊だな…」

ミカサ「いじわる…」

エレン「まぁそんなところが可愛いんだけどな」

エレン「それじゃあ、お休みなさいのチュウを…」

ジャン「…おい」ガシッ

エレン「ん、なんか用か?今オレは妹にお休みなさいのチュウをするのに忙しいんだよ」

ミカサ「お兄ちゃん…はやく…//」ハァハァ

休憩します…


エレン「おお、待たせて悪かったな」

ミカサ「…」ドキドキ

ジャン「だからオレの話を聞けよ!!」

エレン「…うるせーな、耳元で怒鳴るなよ…」

ミカサ(またお預け…)シュン

ジャン「これが怒鳴らずにいられるか!このシスコン野郎!!」

エレン「おいおい、そんなに褒めるなよ…照れちゃうだろ//」

ジャン「褒めてねーよ!なんでそうなるんだよ!!」

エレン「いちいちうるさいやつだな」

ジャン「誰のせいで…」グググ…

エレン「ん?」

ジャン「はぁ…」

ジャン「お前さぁ…あんまり人前で妹とイチャイチャすんなよな…それを見て不快になる人だっているんだから…」(主にオレが)

エレン「え?やだよ、ミカサが寂しがるし」

ジャン「うん、もういいや…お前と話してると胃に穴が空きそうだ…」

ミカサ「よくわからないけど…お兄ちゃんのせいで不快な気分になったのなら私が謝る、だからお兄ちゃんを悪く思わないで」(さっきから私とお兄ちゃんの邪魔ばかりして…さっさと寮に帰れ…!)

エレン「お、おい! 別にお前が謝る必要は無いって」

ミカサ「お兄ちゃんのためならこのくらいなんてことない…」

エレン「ミカサ…クッ…こんな妹を持ててお兄ちゃん幸せだ…」

エレン「でもな、妹に謝らせるくらいならオレが自分で謝るぜ」

エレン「なんでイライラしてるのかは知らないけどゴメンな?馬みたいな顔の人、これで手打ちにしてくれ」

ジャン「お、おう…」(こ、こいつ…)ポン

ジャン(でも…)

ジャン(やっぱり妹の方は可愛いな…)ジー

ミカサ(うわ…こっち睨んでる…この人怖い…)

ジャン「…お前、名前は?」

エレン「オレの名前はエレン・イェーガーだ」

ジャン「お前じゃねーよ!」

ジャン「妹の方だよ、妹!!」

ミカサ「私…?」キョトン

ジャン「そ…そうだ…」(やべぇ可愛い…めっちゃタイプだ…)

ミカサ「ミカサ・アッカーマン、覚えてくれなくても別に構わない」

ジャン「…素敵な名前だな……」

ジャン「オレの名前はジャン・キルシュタインだ…よろしくな…」

ミカサ「…よろしく」

エレン「ジャン・キルシタイン?」

ジャン(オレはお前のことをキルシタインだよ…)

ジャン「ミ、ミカサ……また明日な…」

エレン「おう、明日も訓練頑張ろうぜ!」

ジャン(お前に言ったんじゃねーよ…!)

ミカサ「お兄ちゃん、それよりお休みなさいのチュウはまだ?」

エレン「ははは、ずいぶん待たせちまったな」ナデナデ

ミカサ「んっ…! 別に構わない…悪いと思ってるならもっとナデナデして…//」

ジャン「…はぁ」

ジャン「…畜生…もう部屋に帰ろう…」トボトボ

エレン「そんな甘えん坊なのに夜は1人で大丈夫か?」

ミカサ「…正直お兄ちゃんと一緒じゃないのはとても…いや、かなり寂しい…今日は眠れないかも…」

エレン「ずっと一緒だったもんな…」

ミカサ「うん…」

エレン「男子寮でミカサを寝かすのは絶対ダメだし……そうだ!」

エレン「オレが女子寮で寝ればいいんだ!」

ミカサ「お兄ちゃんが…女子寮で…?」

エレン「ああ、女子寮なら野獣共も気軽に侵入できないしな、これならいつも通り2人で抱き合いながら眠れるぞ!」

ミカサ「絶対にダメ!!」

エレン「え、なんで?」

ミカサ「女子寮には私以外の女も沢山いる、お兄ちゃんに私以外の女の匂いが移ったら困る、それにお兄ちゃんはとてもカッコ良いから寝込みを襲われる可能性だって無きにしも非ず…」

エレン「そっか…ミカサが嫌なら仕方ないな…」

ミカサ「うん…ゴメンね、お兄ちゃん…」

エレン「別に良いよ、オレはミカサが幸せならなんでもいいんだ」

エレン「それじゃあ、そろそろ寮に戻るからな…」

ミカサ「うん…お休みなさい…」

エレン「ああ、お休み…」

…チュウ


ーーーーーー

ーーー

【男子寮・エレン達の部屋】

エレン「ここがオレの部屋か…」

アルミン「あ、エレン」(なんで半裸なんだ…?)

エレン「おおアルミン、一緒の部屋だったのか、嬉しいぜ」

アルミン「うん、僕もエレンと一緒で嬉しいよ」

ライナー「アルミンから話は聞いてるぞ、オレの名前はライナー・ブラウン、よろしくな!エレン」(なんで半裸なんだ…?)

ベルトルト「僕の名前はベルトルト・フーバー、ちゃんと名前は覚えてね?」(なんで半裸なんだ…?)

エレン「おう、こっちこそよろしくな、ライナーにベルトルト」

エレン「おう、こっちこそよろしくな、ライナーにベルトルト」

ライナー「と、ところでエレン…一つ質問があるんだが…」

エレン「ん、なんだ?なんでも言ってみろ」

ライナー「えっと…なんで半裸なんだ…?」

エレン「ああ、服なら妹にあげた」

ベルトルト「妹にあげた?」

エレン「おう、あいつは寂しがりやさんだからな、オレの匂いを嗅いでなきゃ眠れないんだとよ」

ライナー「お、おう…それは気の毒だったな…」ヒキッ

エレン「そんなことない、妹の幸せはオレの幸せだからな、あいつが望むなら女子寮に忍び込む覚悟だってあった、てか妹のためなら死ねる」

ベルトルト(シスコンだ…それもかなり重症)

ライナー「お、おい…お前の親友大丈夫かよ…」ボソッ

アルミン「昔はそこまでじゃなかったんだけどね…」ボソッ

ベルトルト「何か心当たりはないの…?」ボソボソ

アルミン「…そういえばエレンのシスコンが加速したのはシガンシナでエレンのお母さんが死んだ時からだったかな…」ボソボソ

ライナー「そ、そっか…」シュン…

エレン「ん、何か言ったか?」

アルミン「エレンは妹を物凄く大事にしてるなって話だよ」

エレン「おいおい、そんなに褒めるなよ、照れるだろ!//」

アルミン「あははは…」

一方その頃…

【女子寮・ミカサ達の室】

ミカサ「お兄ちゃんの匂い…」クンカクンカ

翌日

【食堂・朝】

エレン「う~…」グッタリ…

アルミン「エレン…クマが凄いよ?昨日ちゃんと寝たの?」

エレン「ミカサが心配でよ…昨日は一睡もできなかった…」グッタリ…

ライナー「シスコンも大概にしろよ、バカ兄貴」

エレン「そんなに褒めるなよ…あとお前に兄貴って呼ばれるとなんか違和感だな…」

ベルトルト「まぁライナーだしね」

エレン「はぁ…そろそろミカサ分が切れそうだ…オレはもうダメかもしれん…」グデーン

アルミン「もう君はミカサ無しでは生きていけない身体になってしまったんだね…」

エレン「そんなことねぇよ…ただミカサと出会ってからこんなに長い時間一緒にいなかったことなんてなかったから…」

ベルトルト(たったの一晩じゃないか…どんだけベッタリだったんだよ…)

ライナー「おい、お前の親友大丈夫かよ…こんなんじゃ今日の訓練ぶっ倒れちまうぞ…」ボソッ

アルミン「ああ…多分ミカサに会えば復活するから、大丈夫さ」ボソッ

エレン「ミカサ…ふふっ…ミカサ…」ブツブツ

ライナー(本当に大丈夫なのか…?)

ミカサ「私がどうかしたの?お兄ちゃん」

エレン「ん…ミカサ…」

エレン「ははは…ついに幻覚まで見え始めたか…」

エレン「オレも末期だな…」

アルミン(自覚あったんだ…)

ミカサ「お兄ちゃん、私幻覚じゃない、その証拠にホラ…」

アルミン(エレンの手を自分の胸に押し当てた…)

ミカサ「私の心臓の鼓動…わかる?」トクン…トクン…

ライナー(朝から何やってんだよ…)

エレン「この感触は…」サワサワ…

エレン「…ミカサ!」

ミカサ「お兄ちゃん!」

ダキッ!

ミカサ「お兄ちゃんが居ない夜は…とても寂しくかった…」グスッ

エレン「ミカサ、よく頑張ったな…」ナデナデ

ミカサ「お兄ちゃん…とても暖かい…」

ベルトルト「なにこれ…?感動の再開ってやつ?」

アルミン「今はそっとしといてあげよう…」

~数分後

エレン「さあ!今日も訓練頑張るぞ!!」

ミカサ「怪我には気をつけてね?」

ライナー「そうだぞエレン、お前昨日は眠れなかったんだろ?」

エレン「はっはっは!ミカサがいれば元気百倍、気合で疲れは吹っ飛んだぜ!!」

ライナー「そ、そっか…」(クマが消えてる…マジで元気になりやがった…)

アルミン「やっといつもの調子に戻ったみたいだね」

エレン「悪いな、心配かけて」キリッ

ベルトルト「ははは…」

アルミン「…ミカサは昨日の夜は大丈夫だったのかい?エレンと一緒じゃなかったけど…」

ミカサ「何度か寂しさに枕を濡らしそうになったけど…お兄ちゃんの温もりを感じてられたから…」

アルミン「ああ…そういえば昨日エレン半裸だったね…」

ミカサ「うん…私がおねだりしたらすぐに服を脱いでくれた…お兄ちゃんは優しい…」

アルミン「自分の服を欲しがる異性になんの躊躇いもなく服を差し出すなんて…流石エレンだね…」

ベルトルト「ミカサのことは異性だと思ってないんじゃないの?」ボソッ

アルミン「それはあり得るかも…いくら義兄妹だと言ってもエレンだって年頃の男の子だし…」ボソボソ

ミカサ「………」

【訓練場】

キース「今から立体起動の適性検査を始める!これが出来ない奴は囮にも使えん!開拓地に帰ってもらう!!」

エレン「よっしゃあ!やってやるぜ!」

ミカサ『怪我には気をつけてね?』

エレン「……」

エレン「装備のチェックは念入りにやっておくか」

カチャカチャ…

エレン「あっ…この装備故障しる…」

エレン「すみませーん!装備に故障が見つかったんで取り替えてくださーい!」

【食堂・夜】

ベルトルト「今日の適性検査、なかなか緊張したね」

アルミン「ふぅ…僕はなんとか開拓地に戻されずにすんだよ…」

ミカサ(開拓地…)

ライナー「あれは初歩中の初歩の訓練だぜ?流石に出来ない奴なんていないだろ」

エレン「そうか?オレは結構危なかったけどな…」

ライナー「えっ…そうなのか?意外だな、アルミンの話を聞く限りではかなり運動神経良い奴だと思ってたんだが…?」

ライナー(アルミンが愚痴ってたぜ…ミカサにちょっかい出した野郎には所構わず喧嘩ふっかけて大人相手でもタイマンでぶっ倒しちまった話…)

エレン「いや…運動神経とかの問題じゃねーよ、オレがヤバかったのはもっと根本的な問題だ」

ベルトルト「根本的な問題?」

訂正

×エレン「あっ…この装備故障しる…」

○エレン「あっ…この装備故障してる…」

エレン「オレの装備に故障があったんだよ、しかも普通なら誰もチェックしない場所」

アルミン「へぇ…そんなこともあるんだね」

エレン「事前に発見できて本当によかった…あのままやってたら頭を派手に打って大怪我した挙句、開拓地に戻されるところだったぜ…」

ミカサ「そんな不良品をお兄ちゃんに…あのハゲ頭…あとで然るべき報いを…」

アルミン「まさか…キース教官のことじゃないよね…? 」

ベルトルト「それにしてもエレンは凄いな、誰もチェックしない場所の故障を見つけるなんて」

エレン「いや、ミカサのお陰だよ」

ミカサ「えっ…?私は何も…」

エレン「今朝、オレに言っただろ?『怪我には気をつけてね』って」

ライナー「なぁベルトルト…今朝そんなこと言ってたっけ?」

ベルトルト「僕に振られても知らないよ…」

エレン「ミカサの言葉なら一字一句全て記憶してるからな」エッヘン

アルミン「だろうね」

アルミン「それよりそろそろ帰ろうよ、もう時間も迫ってるし」

エレン「おっ、もうそんな時間か」ヌギヌギ…

ライナー「何ナチュラルに脱ぎだしてんだよ…」

エレン「いやな、ミカサがオレの服欲しいって言うんで…」

ミカサ「…」コクコク

エレン「ほら、汗臭かったらゴメンな?」

ミカサ「ありがとう…お兄ちゃん…」

ミカサ「それと…私は別に汗の匂いなんて気にしてない…全部引っくるめてお兄ちゃんの匂いなんだから…」

エレン「そうか…それなら良いんだが…」

ライナー(マジでこの兄妹危ねぇ…いろいろな意味で…)

ミカサ「それと…コレ…お兄ちゃんに貸してあげる…私の1番の宝物…」

エレン「これは…あの時のマフラー…」

ミカサ「夜…私と離ればなれだから、このマフラーで私のことを感じて欲しい…」

エレン「いいのか?1番の宝物なんだろ?」

ミカサ「…うん、明日の朝に返してくれれば構わない」

エレン「ありがとな、ミカサ」ナデナデ

ミカサ「んっ…//」スリスリ

アルミン「よかったねエレン、これで今晩は快眠だ」

ライナー(アルミン…)

エレン「それじゃあ…そろそろオレ達は寮に帰るよ、また明日な!」

アルミン「ミカサ、お休みなさい」

ミカサ「うん…お兄ちゃん、アルミン、お休みなさい…」

…テクテク

ミカサ(……)

ミカサ(本当は…私、今日の訓練でお兄ちゃんが失敗することを望んでたのかもしれない…)

ミカサ(私の夢は…王に使える立派な兵士でも…内地で楽して暮すことでも…巨人殺しの達人になることでもない…)

ミカサ(森の中の小さなお家で…お兄ちゃんと2人で生活して…こ、子供も作って…)

ミカサ(末長く幸せに暮らしたい…)

ミカサ(だけど…お兄ちゃんはそれで幸せなのかな…? 多分…幸せじゃない…だから、この願いは胸に秘めておく…)

ミカサ(…私もそろそろ自分の部屋に帰ろうかな…)

テクテク…

ミカサ「あっ…お休みなさいのチュウをしてもらうの忘れてた…」

【男子寮・エレン達の部屋】

エレン「むにゃむにゃ…コロシテヤル…」

ライナー「マフラーをミイラみたいに顔全体に巻きつけながら寝てる…」

ベルトルト「苦しくないのかな…てか寝言怖っ!」

アルミン「きっと巨人を駆逐している夢でも見てるんじゃないの?」

ライナー「良い夢なのか悪い夢なのか微妙なところだな…」

アルミン「エレンにとっては良い夢なんじゃないの?」

アルミン「僕は夢の中でまで巨人となんて会いたくないけどね」

ライナー「ははは!そりゃそうだ!!」

ライナー「夢の中くらいは…巨人のことなんて忘れたいよな」

アルミン「そうだね…」

ベルトルト「僕は忘れられそうにないな…」ボソッ

…翌日

エレン「ようミカサ、おはよう!」

ミカサ「お兄ちゃん!昨日はちゃんと私の温もり…感じてくれた?」

エレン「ああ、昨日は熟睡できたぜ、ありがとな!」

ミカサ「嬉しい…」

エレン「ほら、マフラー返すよ、1番の宝物なんだろ?」

ミカサ「うん…」(お兄ちゃんの匂いだ…暖かい…)

アルミン(あースイッチ入っちゃったかー)

ジャン「あ、あの…ミカサ…」オドオド

ミカサ(匂いだけで満足するはずだったのに…この温もりに包まれていると…もっとお兄ちゃんが欲しくなる…)クンカクンカ

ジャン「き…今日…隣座ってもいいか…?」

ミカサ(こんど…男子寮に忍び込もうかな…お兄ちゃんには止められてるけど…きっと許してくれると思う…)スーハースーハー

ジャン「ミ…ミカサ…? き、聞いてる…?」

アルミン「…今のミカサにはエレン以外の人の言葉は届かないと思うよ、完璧にスイッチ入っちゃったから…」

ジャン「そ…そうかよ…」

エレン「ミカサ、飯食わないのか?嫌いな食べ物があったのか?お兄ちゃんのと交換するか?それとも調子が悪いのか?調子が悪いのならお兄ちゃんと一緒に保健室に行くか?元気になるまで看病していてやるからな」

ライナー(どんだけ過保護なんだよ…)

ミカサ「ううん…大丈夫、ちょっと考えごとしてただけ…」

エレン「そっか…よかった…お前にもしものことがあったらオレは…」

アルミン「相変わらずシスコンだね、エレンは」

エレン「そんなに褒めるなよ、飯はやらんぞ」

サシャ「ご飯くれるんですか!!」バッ!

エレン「うわっ…!なんだお前!!」

サシャ「誰でもいいじゃないですか♪ご飯くださいよ!」ムリムリ

エレン「お、おい!そんなに寄るな!暑苦しい」

ミカサ(あの女…)ギリギリ

アルミン(はぁ…朝から疲れるなぁ…)

そして、数日後

【訓練場】

キース「それでは対人格闘の訓練を始める!2人組を作れ!」

ミカサ「お兄ちゃん、今日こそ一緒に組もう」

エレン「…悪いなミカサ、訓練とはいえ、最愛の妹と戦うなんてオレにはできない」

ミカサ「……」シュン

エレン「…そんな顔するなよ、オレ達は家族だからな、離れていても心は繋がっているさ」

ミカサ「…うん」

アルミン(一生の別れじゃないんだからさ…そんな大袈裟な…)

エレン「それじゃあな、また後で」

ミカサ「頑張ってね、お兄ちゃん」

エレン「お前もな」

エレン「おし、ライナー!相手になってくれ」

ライナー「オレか?別に構わねぇぞ」

ミカサ(お兄ちゃんはライナーとやるんだ…ライナーが危険な行動を起こさないようしっかり見張っとかないと…)

ミカサ(私も組む人探さなくちゃ…もうこの際誰でもいいや…適当に都合のいい人を見つけて組もう)キョロキョロ

ジャン(ミカサのやつ…さっきからキョロキョロしてるけど…組む人がいないのか…)

ジャン(これはチャンス!)

ジャン「ミ…ミカサ、ペアが見つからないならオレとやらないか…?」

ミカサ(確か…ジュン…だっけ?)

ミカサ(この人は挙動不審で苦手…出来れば断りたいけど…時間が惜しい、しょうがないか…)

ミカサ「別にいいけど…」


ーーーーーーー

ーーーー


ライナー「最初はオレが襲う役をやる、遠慮しなくていい、本気で来い」

エレン「ああ、言われなくてもそのつもりだ」

ライナー(そういえばエレンとやるのは初めてだな…お手並み拝見といくか)

ライナー「うおおおおお!」

エレン「ふっ…!」

ライナー「ぐっ…!」(短刀を掴まれた…流石にいい動きしやがる…)

エレン「てりゃあ!!」

ライナー「うおっ…!」ドサッ!

ライナー「いてて…」(まさかオレが投げられるとはな…)

ライナー(確かに並よりかはずっと強い…)

ライナー(だが…ちょっと期待外れだな、アルミンの話を聞く限りもっとメチャクチャな強さだと思ってたんだが…)

エレン「どんなもんだい!」

ライナー「…なかなかやるな、イテテ…腰打った…」

エレン「わりぃな、手加減は苦手でよ」

ライナー「いや、大丈夫だ」

ライナー「それに…本気で来いと言ったのはオレの方だ、お前に気を使われたらオレの兵士としてのプライドが許さん」

エレン「そんなもんなのか?」

ライナー「ああ…下手に手を抜かれると…ん…?」チラッ

ライナー(アレは…)

ライナー「お前…ちょっとアレ見てみろよ…」

アニ「………」テクテク

エレン「……なんだアイツ…訓練をサボってるのか?」

ライナー「そうみたいだな、いっちょオレらがアイツに兵士とはなんなのかってのを奴を教えてやろうぜ」

エレン「お前…相手は女だぞ?泣かせちゃったらどうすんだよ」

ライナー(アレが泣く? まさかだろ)

エレン「まぁでも…訓練中にサボりは感心しないな、ちょっくら気合いれてやるか」

ライナー「ふっ…そうこなくっちゃな!」

その頃…

ミカサ「……」キョロキョロ

ジャン「はぁ…はぁ…」(く、糞…攻撃がまったく当たらねぇ…)ブンッ!

ミカサ(少し目を離してるうちにまた見失ってしまった…)

ミカサ(ああ…早くお兄ちゃんを探さないと…ライナーと2人きりは何かいけない予感がする…)キョロキョロ


ジャン「うおおおおおお!」ブンッ!ブンッ!

ミカサ(まったく…相変わらずお兄ちゃん落ち着きがないんだから…やっぱりお兄ちゃんは私と組むべきだった…)スカッスカッ

ミカサ(お兄ちゃん…どこにいるの…?)

ーーーーーーーー

ーーーー

アニ「………」テクテク

ライナー「………」ニヤニヤ

ライナー「よう、教官の頭突きは嫌か?」

アニ「……」ムスッ

ライナー「それ以上、身長を縮めたくなかったら、ここに来た時を思い出して真面目にやるんだな」

アニ「……」ギロ…

エレン(うわっ…凄い怒ってる…)

ライナー「へっ…どうやらやる気にやったみたいだな…よしエレン!お前から行け!」

エレン「はぁ!?なんでオレが…」

アニ「さっさとかかってきな…」

エレン(やれやれだ…)

エレン「…じゃあ行くぞ?オレが襲う役だからな?」

エレン「妹と同じくらいの女の子と戦うのは気が引けるけど…まぁ仕方ないか…」

エレン「行くぞ!」

アニ「……」スッ…

エレン(なんだあの構えは…)

アニ「…ふっ!」シュッ

エレン(はやっ…!これはヤバイ…)

アニ「……てりゃ!」バシンッ

スパーン!

エレン「おわわっ!!」

アニ「…ふん」

…ドシン

エレン「うッ…」

エレン「いてて…なんだこれ…」

アニ「………」

ライナー「エ…エレン…」

アニ「次はあんたが私を襲う番だね」

ライナー「イ…イヤ…オレは…」

エレン「やれよライナー」

エレン「兵士とはなんなのかを教えてやるんだろ?」

ライナー「………」

ライナー「ああ…兵士には引けない状況がある、今がそうだ!」

ライナー「うおおおおおおお!!」

アニ(バカじゃないの…)

スパーン!

…………………………………

……………………

…………

ライナー「」チーン

エレン「お前の倍近くあるライナーが宙を舞ったぞ…すげぇ技術だな…誰から教わったんだ?」

アニ「…お父さんが…」

エレン「へぇ…親父さんから教えてもらったのか、羨ましいな」

アニ「羨ましいって…なんで?」

エレン「オレの親父は医者でよ…毎日忙しそうでさ、オレに何かを教えてくれるようなことは全然なかったから…」

エレン(結局…秘密の地下室のことも教えてくれなかったしな…)

エレン「だからお前のことが羨ましいんだ、こんなすげぇ格闘術を父さんに教えてもらってよ」

アニ「ふーん…」

アニ「でも…こんな格闘術なんて巨人の前では無力、しかも…この訓練だって点数が低いから真面目にやるだけバカらしい」

エレン「………」

アニ「うちのお父さんもバカだよ…こんな役にたたない技術を必死で磨いて娘の私まで巻き込むんだから…」

エレン「…本当にそう思ってるのか?」

アニ「え…?」

エレン「2回しか見てないけど…お前がその親父さんから教えてもらった格闘術を披露してるとき、めっちゃ楽しそうだったぜ」

アニ「………」

エレン「だから…そんな言い方すんなよ」

アニ「私は…」

エレン「好きなんだろ?親父さんも格闘術も」

アニ「ふっ…」クスクス

エレン「ん?オレ何かをおかしいこと言ったか?」

アニ「…あんた、変わってるね」

エレン「よく言われるよ、ところでお前、名前は?」

アニ「…アニ・レオンハート」

エレン「アニか…オレの名前はエレン・イェーガーだ、よろしくな!」スッ…

アニ「………」

アニ「…その手は何のつもり?」

エレン「何のって…握手だよ握手、さっさと手を出せ」

アニ「…ずいぶん強引なんだね」

アニ「まぁいいか…あんたはなかなか面白いし、これからよろしくね」

エレン「おう、こっちこそよろしくな!」

…ぎゅっ

アニ(意外と柔らかい…)

アニ「あんたの手って…意外と柔らかいんだね…」

エレン「はぁ…?それがどうしたんだよ?」

アニ「いや…別に…」サワサワ




ミカサ(ナニコレ…)

ミカサ(やっとお兄ちゃんを見つけたと思ったのに…なんで知らない女がお兄ちゃんと手を繋いでるの…?)

ミカサ(お兄ちゃんにあの女の匂いが移っちゃう…)

ミカサ(それに…お兄ちゃんの柔らかい手は私の頭を撫でるためにあるのに…あの女…絶対に許さない…)ゴゴゴ




アニ「へぇ…あんた妹なんているんだ…しかも兄妹揃って訓練兵に志願するとは物好きだね」

エレン「ああ、血は繋がってないけどオレの大切な家族で生き甲斐だ」

アニ「ふーん…もしかして私達の近くで訓練してたりする?」

エレン「当たり前だろ?歳は違うけど同期なんだから」

アニ(なんかムカつく…)

アニ「で…どの娘なんだい?あんたの妹ってのは」

エレン「えっと…」キョロキョロ

エレン「いた…!あそこだ!」

アニ「え…?…どこ?」

エレン「あそこだよ!あそこにいる黒髪の天使がオレの妹だよ」

アニ「黒髪の娘ね…」(天使って…どんだけ溺愛してるんだよ…)

アニ「………」キョロキョロ

アニ(あの娘かな?)

ミカサ「……」ギロリ…

アニ「……」ゾクッ…

アニ(…なんか私のこと凄く睨んるんだけど…)

エレン「どうだ?可愛いだろ?ミカサって名前なんだ」

アニ「そ、そう…」(まぁ…確かに可愛いけど…)

エレン「オレの自慢の妹だ」

アニ「ふーん…」

エレン「………」

エレン「なぁアニ…」

アニ「…ん?」

エレン「お前、ミカサの友達になってくれねーか?」

アニ「えっ…!突然何いいだすのさ」

エレン「ミカサはな…内気な性格で人と話すのが下手くそなんだ…だから故郷のシガンシナでも、2年過ごした開拓地でも、友達はアルミンしかいなかったんだ…家族のオレを加えても2人だ」

エレン(まぁオレも人のこと言えた義理ではないんだけどな)

アニ「……」

アニ「で、なんで私なんだい?」

エレン「え?だってお前友達少なそうだし」

アニ「…ずいぶん失礼だね、あんた」

アニ(まぁ確かに友達は故郷でも少なかったけどさ…)

エレン「それに…ミカサはああ見えてメチャクチャ強いぞ?お前とも話が合うんじゃねーか?」

アニ「メチャクチャ強いって…どのくらいなんだい?」

エレン「お前と同じくらいかそれ以上の強さはあるんじゃねーの?」

アニ「へぇ…」

エレン「まあ可愛さだったらミカサの圧勝だけどな!」

アニ「………」イラッ

バッ!

エレン「うわッ!」

…ドサ

エレン「突然なんだよ!オレが何か気に障ることしたのか!?」(アニのやつ…突然押し倒してくるなんて何考えてんだ…?)グググ

アニ「あんたは少し女の子との話し方を勉強した方がいいね…なんなら私がたっぷり教えてあげてもいいけど…」グググ…

エレン「イテテテ!」

エレン「べ、勉強するからもうやめてくれ、結構キツイぞこれ!」

アニ「ダメ…この時間が終わるまであんたには私の寝技をじっくり堪能してもらうよ」

エレン「マジかよ…」グギギ…

アニ「……どうしても解放して欲しいなら…さっき言ったことを訂正するんだったら考えてあげる」

エレン「それだけは譲れねぇな!ミカサが1番可愛い!!」ドヤッ

アニ「はぁ…もういいや…」バッ…

エレン「ん?解放してくれるのか?」

アニ「また締められたいのかい?」

エレン「まさかだろ」

アニ「ハイハイそうですか…」


ミカサ(お、お、お、お、お兄ちゃんががががががが)

ミカサ(ししししし知らない女とこんなに肌を密着させてるるるるるるるる)

ミカサ(ありえないありえないありえないアリエナイありえない)

ミカサ(……ありえない)

ミカサ(お兄ちゃんの身体は私専用なのに…)

ジャン「ミ…ミカサ…?」

ミカサ「お兄……私の………あの女……ゆるさ……」ボソボソ

ジャン「お、おい?だ、大丈夫か?」ポンポン

ミカサ「はっ…!」

ジャン「あんまりボーっとするなよな」

ミカサ「なんだジョンか…」

ジャン「…えっと、そろそろ襲う番交換しないか…?」(ジョン…)

ミカサ「…めんどくさい…あなたがこのまま悪漢の役をやっていればいい…」グッタリ

ジャン「そ、そうか…」(なんかグッタリしてるな…)

ジャン「じゃあ…行くぞ?」

ジャン「…ふっ!」ブンッ!

ミカサ「……!」シュッ

ジャン(さっきと比べて動きが悪い!これはミカサにオレの実力をアピールできるチャンス!)

ジャン「うおおおおおお!」ブンッ!ブンッ!

ミカサ「……くっ」

ジャン「もらった!うおおおおお!」ダッ!

ミカサ(…もう動きは見切った…問題なくガードできる…)

ジャン「おおおお…おわわっ!」

ツルッ!

ミカサ「えっ…」(転んだ?)

ミカサ「こはっ…!」(よ…予想外の一撃…)

エレン「!!?」

ジャン(…決めるつもりが転んじまったぜ…)

ジャン「ん?」

ジャン(ってミカサの顔面殴っちまった!やべぇ…確かこの訓練では顔面はアウトだったはず…)




エレン「あの野郎…」ゴゴゴ

アニ「……!」ビクッ

アニ(目付きが変わった…)

アニ(元から目付きの悪い奴だったけど…これは…)

アニ「あんた…どうしたのさ、そんなに怖い顔して…」

アニ「…ん?」

アニ「アレ…いない…?」

休憩します

ジャン(やべぇ…やっちまった…ミカサ怒ってるかな?…ここは笑って誤魔化そう…)

ジャン「わ、わりぃミカサ…手がすべっちまった…」ヘラヘラ

ミカサ「痛い。舌噛んだ。」

ジャン(お、怒ってる?いや…怒ってない?…よくわからん…とりあえず手を差し伸べよう…あわよくばミカサが手を握ってくれるかも知れないし…)ムフフ…

ジャン「…大丈夫か?本当、ゴメンな」スッ…

…バシン!

エレン「おい…てめぇ、なんで人の妹を殴っておいてヘラヘラ笑ってるんだ?」グググ…

ジャン「痛っ…なんでお前が…一体どうしたんだよエレン…!」(手首掴まれた…それになんか…いつもと様子が違うぞ…)

エレン「確か…右頬だったよな?お前が殴ったのは…」ギロリ

ジャン「……ッ!」ゾクッ

ジャン(やべぇ…こいつオレがミカサの顔を殴っちまったことにマジギレしてる…てかいつもとキャラ違うぞ…!)ガクガク

エレン「覚悟はいいか?」スゥ…

ジャン「ひ…ひぃぃぃぃ…!」

ミカサ「お兄ちゃん、やめて!」

エレン「………」

エレン「………」パッ

ジャン「あ…」(解放された…)

エレン「命拾いしたな…」ボソッ

ジャン「ひぃ…」ビクッ

エレン「………」

エレン「ミカサ、顔は大丈夫か?」

ミカサ「うん。舌噛んだだけ」

エレン「ゴメンな…お兄ちゃんが不甲斐ないばっかりに…お前に怪我させて…」

ミカサ「ううん…お兄ちゃんは不甲斐なくなんかない…現にすぐ私のところに駆けつけてくれた…」(あの女より私を優先してくれた…その事実だけで十分…)

エレン「ありがとな…ミカサ…お前は本当に優しい子だよ」ナデナデ

ミカサ「…ん…きもちいい…」スリスリ

エレン「…一応、保健室行くか?」

ミカサ「お兄ちゃんも…一緒に来てくれる?」

エレン「ああ、もちろんだ」

ミカサ「なら…行く。」

エレン「よし、自分で歩けるか?ミカサ?」

ミカサ「大丈夫」

エレン「そっか…ミカサはえらいな」

ミカサ(褒められた…//)

エレン「ジャン、教官が来たらよろしく頼む。」

ジャン「は、はい!」

エレン「それじゃあ行くぞ」

ミカサ「うん」


【保健室】

エレン「…気分はどうだ?」

ミカサ「…とっても幸せ…お兄ちゃんと2人きりなんだから…」

エレン「2人きり…か…」

エレン「そういえば久々だな…ミカサと2人きりになるのは…」

ミカサ「うん…訓練兵団に入る前は朝から晩まで全部一緒だったのに…今では朝食と夕食くらいしか一緒にいられる時間がない…私とお兄ちゃんでは班も違うし、お風呂だって一緒に入れない…」

エレン「…寂しいか?」

ミカサ「うん…」

エレン(後でキース教官にミカサと同じ班にいれてもらうよう志願しよう…)

エレン(風呂は…時間をずらして誰もはいってない時にコッソリはいればなんとかなるか?)

ミカサ「ねぇ…お兄ちゃん…」

エレン「ん?なんだ?」

ミカサ「私は…お兄ちゃんのことが好き…凄く好き…大好き…愛してる」

ミカサ「だから…お兄ちゃんが私以外の女と仲良くしていると…嫉妬してしまう…それは…とても胸が苦しくて…つらい…」

ミカサ「お兄ちゃんの温もりを知ってしまったら…もうそれ無しでは生きていけない…お兄ちゃんのいない世界は…私には寒すぎる」

エレン「…ミカサ」

ミカサ「私ね…ときどき夢を見るの…とても幸せな夢…森の中の小さな家で…お兄ちゃんと一緒に暮らしてて…子供がいて…毎日楽しくて…幸せな家族…」

ミカサ「私は…お兄ちゃん…エレンのことが欲しいの…!心も…身体も…」

ミカサ「この気持ち…初めて出会った時からずっと思ってた…一度死んだ私に新しい居場所と温もりを与えてくれたあなたのことが大好きで…ずっと欲しかった…」

エレン(………)

ミカサ「でも…エレンは私のことを女の子として見てくれない…妹として大切にしてくれるのは嬉しいけれど…本当は…本当は…」ウルウル

…ぎゅう

ミカサ「…?!」(抱き締められた…)

エレン「ゴメンな…ミカサ…」

ミカサ「…エレン?」

エレン「本当にゴメン…お前の気持ちに気づいてやれなくて…」

エレン「オレは最低だ…お前のことなら何でもわかってるつもりだったんだがな…」

エレン「………」

エレン「ミカサ…訓練兵団を卒業したら…オレと結婚しよう!」

ミカサ「…えっ?」

エレン「オレはミカサの幸せの為だったら何だってするぞ!子供だってミカサが望むならその通りにする」

エレン「だから…余計な心配するな…」ナデナデ

ミカサ「うぅ…エレン…お兄ちゃん…わたし…わたし…」グスッ

エレン「あわわわ…!ど、どうしたミカサ、どっか痛いのか!?」

ミカサ「ううん…違う…わたし…嬉しいの…嬉しすぎて…涙が出てくる…」グスッ

エレン「じ、じゃあ…どこも悪くないのか?」

ミカサ「うん…むしろ…幸せ…」

エレン「そっか…よかった…」

ミカサ「………」

エレン「………」

ミカサ「エレン…」

エレン「…なんだ?」

ミカサ「…大好き」

エレン「ああ…オレもだ…愛してるぞ…ミカサ…」


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エレン「結局、訓練が終わるまで一緒だったな…」

ミカサ「うん…なんで時間は幸せな時ほど早く過ぎるのだろう…もっと一緒にいたいのに…」

エレン「だったらオレが女子寮に忍び込んで…」

ミカサ「それは絶対にダメ!エレンはそろそろ自分の魅力を自覚するべき」

エレン「お、おう…善処するよ…」

エレン「ところで…ミカサはもうオレのこと…『お兄ちゃん』って読んでくれないのか?」

ミカサ「え…?エレンと私はもう恋人さん同士なんだし…」

エレン「で、でもよ…一応兄妹なんだから…」

ミカサ「もしかして、エレンは…お兄ちゃんって呼ばれるのが好きなの?」

エレン「そ、そうかもしれない…」

ミカサ「恋人さん同士なのにお兄ちゃんなんて変なの」クスクス

エレン「ははっ、そうだな」

ミカサ「ふふっ…」

ミカサ「…ずっと一緒にいようね…エレンお兄ちゃん…」

エレン「ああ…ずっと一緒だ…」

ゴメンよまとめるの下手で

とりあえず今回はこれで完結です

今更だかお兄ちゃんじゃなくて兄さんの方があってる気がしてきた

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