【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」 (1000)

ゆるゆりの大室家の短編集です
できるだけ毎日更新

撫子さんの彼女は固定しませんが、ハーレムってわけでもありません
なので、話によってなでかのがコロコロ変わります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1349950447

第一話 櫻子には内緒で

撫子「花子」

花子「なに?撫子お姉ちゃん」

撫子「プリン買ってきたんだけど食べる?」

花子「食べるし!」

撫子「でも、2個しか買ってきてないんだよね。売り切れてたから」

撫子「だから、櫻子には内緒ね」

花子「分かったし!」

モグモグ

花子「櫻子は、いつも花子のヨーグルトとかアイスとか勝手に食べるからたまには花子達も内緒で食べるし」

撫子「そうだね」

撫子「私もアイス勝手に食べられたし、冤罪だったけど」モグモグ

花子「日頃の行いが悪いから仕方ないし」モグモグ

撫子「さっ、櫻子がいない内に食べちゃお」

花子「うん」

撫子「ふ~美味しかった」

花子「ありがとう。撫子お姉ちゃん」

撫子「どういたしまして」

櫻子「ただいまー」

撫子「ま、まずい。櫻子が帰ってきた。ゴミを早く片付けなきゃ」

花子「分かったし!」

ガサゴソ

櫻子「ただいまーっていないのか。ねーちゃん達」

撫子「おかえり、櫻子」

花子「お、おかえりだし」

櫻子「なんか、隠してない?」

撫子「隠してないよ」

花子「か、隠してないし……」

櫻子「んー変だなーまぁいっか」

花子「(ふぅ、危なかったし)」

櫻子「ほら、この櫻子様がアイスを買ってきてあげたぞー」

撫子・花子「えっ?」

櫻子「ほら、ねーちゃんと花子の分も」ガサ

撫子「あ、ありがとう。櫻子にしては気が利くね」

櫻子「だから、一緒に食べよう!」

撫子「(プリン内緒で食べたなんて)」

花子「(言えないし)」

撫子「(すごい罪悪感……)」

それ以来、撫子は櫻子の分もちゃんと買ってくるようになりました

第一話 櫻子には内緒で 終わり

期待

「櫻子の小学生のときのプリントが気になるけど今日は忘れちゃったから明日でいっか」

次の日、花子は、母親に櫻子の小学校のときの先生から配られる毎日のまとめのプリントを見た

櫻子は、スポーツはできるので、スポーツについての記事はあったが、勉強についての記事は一切なかった

「む、昔からバカだったとは、知らなかったし……」

櫻子がバカなのは小学2年生のときから変わらないらしい

あっ誤爆しましたwwww

ちなみに鳥つきます

支援

日付変わったので投稿

第二話 VIPおみくじ

【ゆるゆり♪♪】撫子さん&花子様応援スレ【大室家総合】から転載

366 自分:花子は 【大吉】 [] 投稿日:2012/10/01(月) 23:06:53.50 ID:r1EgI+D40 [20/26]
櫻子「今日は1日だ!」

撫子「おみくじができるね」

櫻子「櫻子様は中吉だー!」

撫子「私は大吉」

櫻子「花子は?」

花子「花子は……」

367 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/01(月) 23:10:10.46 ID:r1EgI+D40 [21/26]
花子「大吉だし!」

櫻子「チクショー私だけ中吉かよー」

花子「日頃の行いが悪いからだし」

撫子「いや、中吉でも十分だと思うよ」

櫻子「ねーちゃん、おみくじの順番ってどの順なの?」

撫子「大凶が一番悪くて、その次、凶<末吉<吉<小吉<中吉<大吉だね」

撫子「地方によっては、吉>小吉のところもあるけど」

櫻子「ふーん、そうなんだ」

368 自分:櫻子は 【小吉】 [] 投稿日:2012/10/01(月) 23:12:24.14 ID:r1EgI+D40 [22/26]
撫子「VIPのおみくじだと神とか豚とかぴょん吉とかあるけどよくわからないね」

花子「豚はやだし」

櫻子「ええい、もう一回!」

369 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/01(月) 23:13:59.38 ID:r1EgI+D40 [23/26]
櫻子「ガーン(,,゚Д゚ )」

花子「下がってるし」

撫子「私たちは大吉だったからもうやめとこ」


381 自分:櫻子は 【大吉】 [] 投稿日:2012/10/01(月) 23:57:22.79 ID:r1EgI+D40 [25/26]
櫻子様今月最後のおみくじだ!

382 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/01(月) 23:58:19.02 ID:r1EgI+D40 [26/26]

           |i     _ -‐   ̄ ̄   ‐-   |
         __ノ ヽ_ ´ ̄                __人__
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       く   :/ /                          ヽ
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            l 'ニミリ ヽ、 |ニニニコ:  |    : l        |
           ノ /リ ,ゝ   !:       |:   : :|   l   |
         _,. '  {ソ    /:/       !:   : :|   |   !
         !    "´〟  /       /: :  : :|   /:   !
         |       /        /: : :  \j__ . : :    |i
         i --一  /  /     /: : :/:       `ヽ: : __ノ ヽ_             よし!(ニヤリ
         ',     〈    l: : -‐: ´: : :/:          ̄ヽ /⌒
          |     ヽ、  `ヽ、: : : ://\           |!   )
          `ー_人_ __)   ,ゝ'´  ̄ ̄ ̄ ` 、: /         /
   / `ヽ __    `Y´: : :/  :/             レ    (:    /
 ,r ´ ,ィニュ_〉 !   /: : : :( . . : : /           (      ヽ、   ̄)
 |  ____)ノ   ` 、: : :\: : :|               ヽ、 :_:__:   ): . /
 |   ___〕     /: : : :∧ /          : : :,r': : _) ∧: : し' i
 |    __, )     (: : :/.ノ/         : :./: : : ヽ _ ノ  \: . ノ

第二話 VIPおみくじ 終わり

面白そうなSS発見期待

第三話 高校生組のお出かけ 前編

撫子「んーこの服でいいかな」

撫子「ちょっと出かけてくる」

撫子「夕方までには帰ってくるから」

櫻子「ほーい」


待ち合わせ場所

撫子「一番乗りか、さすがに30分前は早かったかな」

藍「あっ!撫子、早いね」

撫子「藍こそ(藍の私服、おしゃれだな)」

藍「今日行くお店たのしみだね!」

撫子「そうだね」

30分後

美穂「あぁーもう来てたのー?待った~?」

藍「いや、それほど待ってないよ」

撫子「30分は待った」

美穂「も~う、撫子ったらー正直に答えすぎー」

撫子「(美穂の私服は、なんかお子様っぽいな、でもそれが美穂の外見にあってる気がする)」

待ち合わせ時刻20分後

めぐみ「ごめーん、電車が遅れちゃってー」

撫子「遅い!」バシ

めぐみ「痛!ひどい撫子」

撫子「それに、電車は予定通りだったでしょ」

めぐみ「ホントは、服選ぶのに時間がかかっちゃって」

撫子「(確かに、時間かけて選ぶだけはある。おしゃれだ)」

撫子「みんな、おしゃれだね」

藍「ありがとう」

美穂「やっぱりー♪撫子なら喜んでくれると思ってこの服にしたんだよ♪」

撫子「(狙ってそのロリ趣味な服を着てきたのか。美穂恐ろしい子!)」

撫子「(はぁ、それに対して私は、このユニクロで買った服……)」

めぐみ「でも、撫子もおしゃれだよ!」

撫子「え!?」

藍「うん、そのシャツとスリムパンツが凄いクール」

美穂「どっかのOLみたいだよね~」

撫子「それは、私が年増に見えるってこと?」

美穂「そんなことないよ~撫子♪」ウフフ

撫子「全く美穂は……(でも、褒められるとは思わなかった。ちょっと嬉しい)」

第三話 高校生組のお出かけ 前編 終わり

第四話 高校生組のお出かけ 後編

藍「ここが、撫子が見つけたお店、イタリアンだよ!」

美穂「やーん♪やっぱり綺麗~」

めぐみ「撫子はここ来たことあるのかな?」

撫子「うん、雑誌で見つけてから一回ね」

撫子「ランチは結構安くて900円で食べられるよ」

撫子「パンはおかわり自由、それにパスタとピザが着くセットだから」

撫子「結構お腹いっぱいになる」

撫子「パンを食べ過ぎると食べきれないよ」

藍「撫子ってあんまり食べるほうじゃないよね?」

美穂「そんなんじゃ、大事なところ育たないぞ♪」

撫子「(美穂には言われたくない)」イラッ

美穂「私が揉んで育ててあげよっか?」

撫子「余計なお世話」

藍「揉んでって///」

イタリアンレストラン

「4名様ですね、こちらの席へどうぞ」

藍「ホントおしゃれな店だね」

めぐみ「どんな料理来るのかな~ワクワクする」

撫子「あれ?めぐみは水だけ飲むんじゃないの?」

めぐみ「( ゜Д゜)」

めぐみ「私もそのくらいのお金持ってきた!!」

撫子「なんだつまんない」

藍「(Sだ)」

美穂「ほら、撫子ペペロンチーノ来たよ」

美穂「ペペロンチーノには生クリーム入ってるから」

美穂「これ、食べればお胸も大きくなるよ」

藍「(ドSだ)」

撫子「残念 ここのペペロンチーノは生クリーム入ってない」

撫子「卵とパルメザンチーズだけで作ってる本格派だから」ドヤァ

美穂「ぐぬぬ」

藍・めぐみ「(撫子が勝った!!)」


めぐみ「食った食ったー満腹満腹ー」

藍「最後撫子の分も食べてたね。めぐみは食いしん坊だねー」

撫子「まぁ、私も食べきれなかったからいいけど」

撫子「ありがとうね。めぐみ」ニコ

めぐみ「」ドキッ

めぐみ「珍しいね、撫子が褒めてくれるなんて」

撫子「私ってそんなにSじゃないよ」

美穂「ほら、めぐみー撫子がデレた、今が反撃のチャンスよ~」

藍「(相変わらず美穂はブレない……)」


藍「今日は、楽しかったね」

撫子「そうだね」

藍「また、今度来ようね」

撫子「うん」

第四話 高校生組のお出かけ 終わり

おつ
週一でもいいからながーく続くとうれしいし

おいおいせっかく毎日更新を目標にしてんだから余計なこと言うなよ

第5話 花子という名前

花子「花子最近思うことがあるし」

櫻子「なに?」

花子「撫子お姉ちゃんも櫻子も特定の花の名前なのになんで花子は花子だし」

花子「少しいいかげんだし」

撫子「まぁ、確かにね。難しい名前考えるの諦めて原点に帰っちゃたのかな?」

花子「撫子おねえちゃんと櫻子がうらやましいし」

櫻子「よし!わかった!私が他の名前をつけてやろう」

花子「ほんとかし!」パァ

櫻子「ねーちゃんも何か考えてよ」

撫子「わかったよ(また、櫻子がバカなこと考えてる)」



櫻子「特定の花の名前、特定の花の名前」

櫻子「う~ん」


櫻子案

ラベンダー子
ヒヤシンス子
タンポポ子
ハエトリグサ子

撫子案

百合子
桃子
蘭子
梅子

花子「撫子お姉ちゃんのは、真面目だとして」

花子「なんだし櫻子のは!」

花子「全部カタカナだし!」

花子「そんな名前普通じゃないし!」

花子「悪魔君並の暴挙だよ!」

花子「光宙って書いてピカチュウと読ませる並だよ!」

花子「無理やり子つければ、許されると思うなし!」

櫻子「ふふ~ん」

花子「何得意げになってるんだし!ふふ~んじゃないし!」ダン!

花子「それに、ハエトリグサ子ってなんだし!」

花子「もはや、花関係ないし!」

撫子「花子、ちょっと落ち着いて」

花子「もう!花子でいいし!」

櫻子「うん、私は花子って名前大好きだよ」ニコ

花子「えっ……(だからわざと変な名前を)」

花子「……バカ///」

撫子「なんだかんだ、丸く収まったね」

第五話 花子という名前 終わり

         /                     ヽ
.       /                     , へ   \、
      , '                    _,//      ヘ`ー─-  _
      /          ,  ,    ヽ.   `<´  ., へ   ヘ、 ‐- 、 ヽ
      ,'       ,     :  :.     ト、 :    ヽ//    ヽ.  ヾi   }
     ,  ,.    :.      :.  :.    i ヽ: /    `<ハ  `.    ヽ   !  |
      i   :     :.   i. :. ! :.   i. ∧. i ,ヘ、、}.   :.  ト、     l.    、
.     {  :    i.:.   ! 、:. {ヽ:.    i / ヽ-‐' ヽ_、i    :.  ハ:.`.、   ヽ _ノ}
.     i.  :    N:. \| \. i ハ  _」   , - ,,   ゞ    :.  ヽ: :ヽ     _ノ
      ! i  :.   i ヽ   l`ーヽ.> ` '´   / ,, =≡ミ }   :. :、   ヽ、      ̄ ヽ、
     い  :. 、 : i ヘ  」         〃       !  : : |:、      ̄   ヽ-、ヽ
      ! i   :.ヘ  :.ヽ `´ ‐‐- 、           i l l ! ノ   : :.}.ヽ        ノ )ノ
      },.i  :. ヘ /  ,,゙≡=-、               (    メ、.: .` 、:.:...、   /  ´   私は花子って名前大好きだよ
      |ハ   、 ヽー《〃´       ,         ` ー..、  ` 、. ヾ}  /
     |! 〉、 ヾノ \  i l l !       ノ       /:.:.:.:.)  . . :ノ     {
       ノ\/´ ノ: : :ハ        ー ´      イ:.:.:.ノ . : : /: ._  、 ヽ_ ノ
      (´   i / : : :.乂                 / |:.:;.'  : : : /、: :_: ヽ }`ー ´
       ヽ、 レ'  : : : ノ:.:`: . . _        イ   `( __ ヽ、i'-──--)ノ_
     (   ノ/    (: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄.ヽ:.:.:.:'     , 'lilililiヽ ヾ、lilil-='/ヽ
    ヾ彡(     ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/lili} '       /lilililililili ) ノlililili/   ヽ
         、       ゙):.:.:.:.:.:.:.:_.ノlilili,!     , - /lilililil`ー‐i´lilili/, '     ヽ
         ゙;    ,イ: : :.:_; i´ilililililililil|- ......, _/lililililililililililililili/´, '      } 
      ( _ノ ノ{  { ヾ〈lililililililililililililil|'´lilililililil/lilililililililililililili/ ,'         /、
       ` ‐ ´ 乂 `=ノへlilililililililililililil|iiiiiiiiiiiiii/lilililililililililililil/  !        ,': }
             ̄.,' 、ヘlililililililililililil|lililililili/lilililililililililil/            }
              i  :. ヽlililililililililili|lilililil/lilililililililili/     ,'           イ
                |   !  \lililililililil|lililili'lilililililili/       {     _,..- 'lilil}
                |        `'、lilililil|ilili,'lilililil/       ヽ_,,..-il´lilililililililハ
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     ';::ii:::::::::::::::::::i:i'   ,,rfフ云キミュ`、‐ _  ̄ ̄  ̄ ̄ィ'/(  )弍ミ、《ュ   }:::::::::::::|
      ';iii:::::::::::::::::::i!  .ィf》' /(  )=ュミ、    ̄       仆l彡、::l仍 乍  }:::::::::::::|
      .Ⅷ::::::::::::::::::i   衍 {|ミll::彡`::l仍           {l{l:.彡.:Olリ }リ  |::::::::::}::|
     Ⅷ;:::::::::::::::::i  乍 マ刈:.彡:Ollリ               マ辷三少    .:}:::::::::ハ:{
       Ⅷ;::::::::::::::::i  `゙  マ辷=少             ̄ ̄´    / .}::::::::} '{
        Ⅷ;:::::::::::::::i        ̄           、    /////// / /}:::::::ノ         ■    ■■    ■              ■  ■
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            }:i:i ',  V:::::::::::i { /丶/ミil彡゙\    .//::::::::::/iii!    /     .',

はなこぉ

いいよぉ~

ヒヤシンスって漢字にすると風信子になるから風信子子になるのか…

ええなあ

ほんわか

第6話 分裂撫子さん

撫子「んー朝かー」

なでしーA「あっなでしーが起きたよ」

撫子「!!!!??」

なでしーB「ホントだ、なでしーだ」

なでしーC「あれ?でも、私達もなでしーな気がする」

撫子「いや、なでしーって誰?ていうかあなた達一体何?」

なでしーA「私たちは、なでしー×なでしーのために生み出された存在?」

なでしーB「いやいや、撫でしー×撫でしーでしょ」

なでしーC「そこは、撫子×なでしーなんじゃ?」

撫子「つまり、あなた達は、私の分身?」

なでしーA「そうですよ」

撫子「なんでこんなに……頭クラクラしてきたそうだこれは夢だ寝る」バタン

なでしーBC「ああー素体しーがー」

第6話 分裂撫子さん 終わり

第7話 調教撫子さん

撫子「それで?もう一回整理するわ。あなた達は、私から分裂したの?」

なでしーA「はい」

なでしーB「そういうことになります」

なでしーC「なでしーです?」

撫子「とりあえず、そのなでしーっていうのやめてくれない?」

撫子「私と同じ姿の人間がなでしーとか言ってても気持ち悪い」

なでしーC「ごめんなさいです」

撫子「ていうか、私なら私らしく振る舞ってちょうだい」

なでしーA「なでしーらしく?」

撫子「そのなでしーっていうのやめなさい!」ビシ

なでしーA「はいぃ」

なでしーB「撫子怖いです」

撫子「ですます口調で話さない!」

なでしーB「はぃい」

なでしーC「わかったよ」

撫子「そうそう、それでいい」

なでしーABC「ほっ」

第7話 調教撫子さん 終わり

第8話 撫子お姉ちゃんが4人!?

櫻子「あっねーちゃんおはよう~」ネムネム

なでしーA「おはよう櫻子」

なでしーB「花子起こしてきて」

なでしーC「ブラ貸してくんない?」

撫子「なでしーsもやたら私と性格が似てきたなぁ」

櫻子「撫子お姉ちゃんが4人!?」

撫子「ちなみに私が元祖撫子」

なでしーA「知らない間に分裂してた」

なでしーB「大きさも同じくらい」

なでしーC「胸の大きさも同じ……」ペターン

撫子「なんでこうなったのか私にもわからない……」

撫子「どうやらきものなでしこってのが原因らしい」

櫻子「そっかよくわかんないけどねーちゃんが4人いれば、料理の当番当分回ってこなくて楽だな」

撫子「櫻子!この状況を容認するなんて、恐ろしい子!」

花子の部屋

なでしーB「花子ー朝だよー」

花子「う~ん、撫子お姉ちゃん」ムニャムニャ

なでしーA「起きなさい」

花子「撫子お姉ちゃん、あれ?こっちも撫子お姉ちゃんでこっちも」

花子「あれ?」

花子「これは夢だし」

撫子「やっぱり普通はこうよね」

第7話 撫子お姉ちゃんが4人!? 終わり

第8話 なでしーs、撫子の友達に会う

なでしーA「あっ、学校行かなきゃ」

なでしーB「そうだね」

撫子「あんたら、学校にまでいくつもりなの?」

なでしーC「でも、制服ないよ」

なでしーA「制服ならほら、撫子が持ってるし」

なでしーC「かわりばんこに行く?」

撫子「いや、来なくていいよ。学校には私だけでいく、なんか面倒なことになるから」

学校

撫子「(私が増えたことはできるだけ、みんなに内緒にしないと)」

藍「それでね、今日の帰りなんだけどみんなでさファミレスいかない?」

美穂「いいよ~」

めぐみ「私も今日はバイト休みだからいいよ」

藍「撫子は?」

撫子「うん、大丈夫」

ファミレス

いらっしゃいませー4名様ですか?こちらへどうぞ

なでしーs「わいわい、ガヤガヤ」

撫子「  」

めぐみ「ちょっと、なにあれ?」

藍「撫子が4人?」

美穂「やーん、撫子いっぱいいるー」

撫子「(あいつら、でてくんなっていったのに!)」

美穂「ねぇねぇ、あなた達撫子にそっくりだけどどういう関係?」

なでしーC「撫子から分裂したから、本人そのもの?」

なでしーA「でも、撫子はお姉ちゃんにあたるかも」

なでしーB「撫子の妹?」

めぐみ「なにこれ?夢だよね?」

藍「うん、きっと白昼夢でも見てるんだよ」

美穂「ホントに撫子なのね~やっばい、撫子が4人も居て私幸せ~私の幸せも4倍~」

めぐみ「美穂、順応性高いな~」

藍「うん」

撫子「なんか頭痛くなってきた」

藍「ねぇ、撫子?これホントに撫子なの?」

撫子「うん、私もよくわからないんだけど、朝起きたらいきなりね」

藍「そ、そうなんだ」

めぐみ「不思議なこともあるもんだね」

めぐみ「まぁ、いいや、せっかく撫子増えたんだし、私も一つもーらい」

藍「あっ、ずるい!」

めぐみ「大丈夫だよ。4人もいるんだから、一人あまる」

藍「確かに」

第8話 なでしーs、撫子の友達に会う 終わり

訂正 第8話 →第9話

第10話 増える花子

撫子「おはよう櫻子」

櫻子「あれ?ねーちゃん、元に戻った?」

撫子「うん、私が増えたの一日だけみたいだったね」

櫻子「なーんだ、それじゃあ食事当番通常通りじゃん。つまんないのー」

撫子「まったく、呑気ね。私は昨日一日大変だったんだから」

撫子「勝手に家から出てくるわ、友達には詮索されるわで」

櫻子「私も増えたいなー増えたら面白そう」

撫子「いや、あんたは増えないでお願いだから」

花子「撫子お姉ちゃん……」

撫子「ん?どうしたの花子、浮かない顔して」

花子「あのね。」

花子A「わらわら」

花子B「わらわら」

花子C「わらわら」

花子D「わらわら」

撫子「今度は、花子か」ハァ

花子「ごめんね。こんなに増えちゃって」グスン

撫子「いや、いいよ。花子ならまだ手に追えるから」

花子A「花子だし!」

花子B「本当に花子かし?」

花子C「フラワー子だし」

花子D「紛うことなしに花子だし!」

撫子「花子達!」

花子A「撫子お姉ちゃんだ」

花子B「あっ本当だ」

花子C「撫子お姉ちゃんは一人しかいない」

花子D「櫻子はどっか行った」

撫子「よかった。花子達は、理性はあるみたいね」

撫子「今日一日、家からでないこと。わかったね?」

花子ABCD「はーい!」

花子「さすが、撫子お姉ちゃん、増えるのを経験しただけあるし」

櫻子「あっ!花子増えてる」

櫻子「花子どうやって増えたの?埋まってた?」プッ

櫻子「埋まってたら、お花畑になってたの?」ゲラゲラ

花子「イラッ」

花子A「櫻子を倒せー」

花子BCD「おー」

櫻子「え、ちょっやめ」ボコスカボコスカ

第10話 増える花子 終わり

フラワー子ってかわいい気がするし

何か小麦粉塗れになってそうだがな

今度は花子だしww

第11話 花子ピンチ

未来「花子様ー今日花子様の家行っていい?」

こころ「私もー」

花子「今日はちょっとダメだし(家には花子達がいるから)」

未来「えーこの前花子、家に一人ぼっちでいるの寂しいって行ってたじゃん」

花子「それはそうだけど、今日はダメなの」

こころ「えー残念だよー」

花子「(友達の期待を裏切るのは心が痛いし)」

花子「(でも、家に隔離してるから、公園とかで遊ぶぶんには大丈夫かも)」

花子「わかった。じゃあ、公園で遊ぼう」

こころ「」パァ

未来「やったぁーさすが花子様」

公園

未来「じゃあ今日は滑り台で遊ぼう」

こころ「いいよー」

花子「滑り台はスカートがスレるし」

未来「えっ、じゃあ他のにする?」

花子「でも、滑り台でいいし」

未来「やったー」

櫻子「よーし、花子達、自由に遊んでいいぞー」

花子A「公園だし!」

花子B「生まれて初めての公園」

花子C「だしだし!」

花子「( ゜Д゜)」

未来「どうしたの花子様?」

花子「ちょっと、この公園で遊ぶのはよそう」

こころ「えー折角遊ぶもの決まったのにー」

花子「いいから」

花子A「あっ、花子オリジナルだ!」

未来・こころ「!?」

未来「あれ!?花子様が2人、いや3人、4人」

こころ「どういうことなの~?」←頭グルグル

花子「げ、幻覚だよ!ねっ見なかったことにして他の公園いこ!」

櫻子「おーい、花子いるなら一緒に遊べ―」

花子「櫻子、余計なことしやがって」

花子A「未来ちゃん」

花子B「こころちゃんだし」

花子C「だしのだし」

未来「あっ、はい!って本当に花子ちゃんそっくり四つ子だったの!?」

こころ「わぁーこころの名前知ってるんだーうれしいー」

花子「花子の親戚(そういう事にしておこう)」

花子「親戚の家から家にきたけど、明日には戻っちゃうし」

未来「そーなんだ。でも性格まで花子様に似てるね」

こころ「この子だけちょっと変なのー」

花子C「なんでだし!」

未来「ホントだ、さっきからだししか言ってない」ウリウリ

花子C「うぅ~」

花子C「花子だし!」

未来「えっ!?この子も花子っていうの?」

花子「違うし!その子は、花子の真似してるだけだし」

花子「櫻子もなにかいうし」

櫻子「んー」←さっきからおもしろかったから静観してた

櫻子「それ全部花子だよ」

櫻子「朝起きたら増えてたの」

未来「えー!!」

こころ「すごい」キラキラ

花子「信じるなし!櫻子はバカだからウソつきだし」

未来「確かに、花子様が増えるなんてことありえないよね」

こころ「一瞬信じちゃったよー」

櫻子「なっ!バカでもウソでもないぞ!」

花子「とりあえず、櫻子、その親戚の子連れて帰ってよ」

櫻子「わかったよ。花子もこれ以上、事を複雜にしたくないんだな」

花子A「じゃあねーオリジナル子」

花子B「略してオリ子だし」

花子C「ちょっと、事が複雜になって来て……複雜すぎて誰を信じて良いんだか」

花子「(これには櫻子に感謝だし)」

花子「(いや、元はといえば、櫻子のせいだけど)」

未来「花子様の親戚ちゃん本当に花子に似てるねー」

こころ「本当に親戚?」

花子「親戚だし!この話はやめ!」

第11話 花子ピンチ 終わり

第12話 撫子さん彼女とデートの約束

撫子「さて、とうとう私のデート回」

撫子「ワクワク」

撫子「私の彼女は>>36

安価で決めます

変化球投げたいけどめぐみ

prrrr

撫子「あっめぐみ」

めぐみ「な、撫子!珍しいね撫子から電話だなんて」

撫子「今日はバイト入ってないよね?」

めぐみ「うん!撫子から電話来てうれしいな」

撫子「急にめぐみと話したくなっちゃったから」

めぐみ「撫子…」カァ

撫子「あっ照れてるな。コノヤロー」ニヤニヤ

めぐみ「て、照れてなんかないよ!」アセアセ

撫子「それでさ、今度の日曜なんだけど」

めぐみ「うん」

撫子「あいてるんだよね?」

めぐみ「うん、大丈夫だよ」

撫子「じゃあ、デートしない?」

めぐみ「2人で?だよね?」

撫子「あたりまえじゃない。こうやって電話でめぐみを予約してるんだから」

めぐみ「予約って//でも、撫子、どっか行くのにも美穂とか藍とか誘うから」

めぐみ「二人きりのデートってあまりないじゃん」

撫子「そうだね。ごめんね。寂しい思いさせて」

めぐみ「そ、そんなことないよ」アセアセ

撫子「ふふ、めぐみ、揺さぶりによわいね」

めぐみ「えっ、そういうのわざといってるの?撫子ってやっぱりS」

撫子「わざとじゃないよ(本当に)」

撫子「じゃあ待ち合わせは、いつもの駅前で」

めぐみ「わかった」

第12話 撫子さん彼女とデートの約束 おわり

あえての楓

第13話 めぐみとデート 前編

めぐみ「ごめーん遅れたー、待った~?」

撫子「遅い」バシン

めぐみ「痛ーい、叩くことないじゃない!?」

撫子「30分待ったよ」

めぐみ「そこはぜんぜん待ってないよっていうところじゃないの?」

撫子「うるさい」バシン

めぐみ「撫子ひどーい」

めぐみ「撫子もしかして、おこってる?」

撫子「怒ってないよ」ツーン

めぐみ「うそだー絶対怒ってる、ごめんね、パフェおごるからこれで許して」

撫子「仕方ない、パフェで手を打とう」

ファミレス

撫子「(めぐみ、相変わらずおしゃれだなーそれに比べて私は…)」

めぐみ「撫子ー撫子ー聞いてる?」

撫子「えっああ、なに?」

めぐみ「なんか上の空だったけど大丈夫?(せっかく撫子とデートなのに、なんで撫子上の空なの。もっと私を見てよ!)」

撫子「ごめんごめん。それで?」

めぐみ「そのパフェ一口頂戴よ」

撫子「ああ、はい。あーん」

めぐみ「あーん(また、ヒョイってやられるだろうなー)」ドキドキ

めぐみ「あむ!!(あれ?やられなかった)」

撫子「おいしい?」

めぐみ「う、うん!撫子ヒョイってやってくれないかと思ってたよ」アセアセ

撫子「めぐみが奢ってくれたパフェでそんなことするわけないじゃん。そこまでひねくれてないって」

めぐみ「そっか」

撫子「……」

めぐみ「ねぇ、撫子なんか今日元気ないんだけど、なにか悩みでもあるの?」

撫子「(以外とめぐみってするどいのよね)」

撫子「ああ、あのね」

第13話 めぐみとデート 前編 終わり

第14話 めぐみとデート 中編

撫子「私の今日着てる服どう?」

めぐみ「えっ(なにか工夫こらしたのかな、気付け私!)」

めぐみ「(でも。いつもどおりのクールな撫子にしか見えない)」

めぐみ「いつもどおりだと思うけど」

撫子「そっか、やっぱり……」

めぐみ「(えー、地雷だったのー!?)」

めぐみ「なにか工夫とかしたのかな?」

撫子「いや、めぐみの言うとおりいつもどおりなんだけどさ」

撫子「それが問題なんだよね」

めぐみ「なんで?」

撫子「私、洋服屋とかあまり詳しくないの」

撫子「だから、私の着てる服ってユニクロとかしまむらとかなんだよね」

めぐみ「そ、それでも似合ってると思うよ」アセアセ

撫子「うん、ありがとう」

撫子「でも、めぐみとかってさ、結構ファッションセンスあるじゃん?」

めぐみ「えっ、そう?」

撫子「うん、どこでそういう服買ってるの?」

撫子「できれば教えてほしいな」

めぐみ「うん、全然いいけど。撫子の悩みってそういうこと?」

撫子「これでも結構真剣になやんでたんだけどね」

めぐみ「あはは、そっかーそういうことかー」ハハハ

撫子「なっ、なんで笑うの?」ムカ

めぐみ「ごめんごめん、私はもっと深刻な悩み事かと思ってたよ」

撫子「だから、私にとっては、結構な悩み事だったんだって」

めぐみ「はいはい」

めぐみ「じゃあ、一緒に買いに行く?」

撫子「えっ?」

めぐみ「せっかくのデートなんだし、私も一緒に服を買いたいな~って」

撫子「そう?」

めぐみ「うん、じゃあ買いに行こっか撫子!」

撫子「めぐみ……とう」

めぐみ「ん?」

撫子「いや、なんでもない(ありがとう)」

第14話 めぐみとデート 中編 終わり

第15話 めぐみとデート 中編2

洋服屋

めぐみ「ここが私の行きつけの店だよ!」

撫子「へーこういうところに行ってるんだ(おしゃれな店だな)」

めぐみ「ここの洋服は結構かわいいのが多いよ」

めぐみ「でも、撫子はクールな洋服の方が似合うと思うんだけどなー」

撫子「そ、そうかな」

めぐみ「うん、あっでも、スカートはいた撫子も見てみたい気がする」

撫子「今日のめぐみがはいてるみたいなフリフリのやつ?」

めぐみ「うん」

撫子「えっ、似合わないよ私には……」

めぐみ「わからないよ、案外似合うかもギャプ萌えだよ!」

撫子「じゃあ試しに」

めぐみ「……」

撫子「ど、どうしたの?やっぱり変かな」

めぐみ「いや!そんなことないよ!見とれちゃってて」

撫子「えっ///」

めぐみ「でも、こっちのフリフリついてないやつのほうがいいかも」

めぐみ「それで、上は大人っぽいこの服で」

撫子「ど、どうかな?」

めぐみ「うん!すごくいい」

撫子「じゃあ……これにする」


帰り道

めぐみ「結局いっぱい買っちゃった。また、お金が飛んじゃったよ、トホホ」

撫子「まったく、めぐみは」

撫子「でも、今日はありがとう。」

めぐみ「撫子が素直にお礼言った!」

撫子「もう」バシン

めぐみ「いったぁ!」

めぐみ「ねぇ、撫子。ちょっと、公園に寄って行かない?」

撫子「夜の公園は危ないよ。変質者がでたりとか」

めぐみ「大丈夫だって、その時は、この園川めぐみが退治して見せます」

撫子「めぐみじゃ頼りないよ。だって、雑魚いじゃん」

めぐみ「ザコってなに!?」

撫子「まぁ、いいよ。公園寄っていっても」

第15話 めぐみとデート 中編2 おわり

ちょっと長くなってしまいますが、明日でめぐみデート編は終わりです
なでかの安価は基本的に自由ですが、彼女扱いなのは、高校生組だけとします
だって、楓とかがファンデーション忘れるとかおかしいでしょ?
まぁ、それでもデート的な何かはやりたいと思ってます。だから、遠慮せずに変化球投げてください

第16話 めぐみとデート 後編

公園のベンチ

めぐみ「はぁー今日は疲れたー」

撫子「そうだね」

めぐみ「ねぇ、撫子。」

撫子「ん?」

めぐみ「やっとふたりきりになれたね」

撫子「そうだね。なんだかんだいっても外だと人の目が気になるよね」

撫子「まぁ、他人からは女の子同士の友達と思われてるんだろうけど」

めぐみ「やっぱり、そうだよね」

めぐみ「ねぇ、撫子。私達って本当に付き合ってるのかな?」

撫子「付き合ってるよ」

めぐみ「そうやって、即答できるところ好きだよ」

撫子「そう」

めぐみ「ねぇ、甘えてもいい?」

撫子「いいよ」

そういって、めぐみは撫子の肩に頭をのせる

めぐみ「えへへ」

撫子「ねぇ、一つ聞いていい?」

めぐみ「えっ、なに?」

撫子「めぐみは私をいつ好きになったの?」

めぐみ「高校2年になって、同じクラスになってから、ひと目惚れだったかな」

撫子「そうなんだ。ハハハ、ひと目惚れね」

めぐみ「なに?おかしいの?」ムス

撫子「いや、めぐみらしいなって」

めぐみ「むー」

撫子「そろそろ、帰ろうか」

めぐみ「そうだね。でも、その前に」

めぐみ「あむっ」

撫子「ちょっ、いきなりキスするなんて!」

めぐみ「いいじゃん、恋人なんだし」

撫子「ザコ川の癖に……」

めぐみ「へへへー撫子に先手とってやった!」

撫子「もう、めぐみめ」

第16話 めぐみとデート 後編 おわり

ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!乙!!!

第17話 トリック・オア・トリート 前編

櫻子「おーい、花子ーハロウィンだぞー!」

櫻子「トリック・オア・トリット」

花子「櫻子、それトリック・オア・トリートだし」

櫻子「なに!?」

櫻子「トリートってなに?」

撫子「そもそも、櫻子、トリック・オア・トリートって意味わかってる?」

櫻子「えっ?知らないよ」ヘラヘラ

花子「また、櫻子は……」

撫子「トリックはいたずら、トリートはおもてなし」

撫子「トリート自体にお菓子をあげるって意味はない」

撫子「だいたい子どもがやる行事だからもてなしがお菓子になるんじゃないかな」

櫻子「そうか、だから、お菓子を貰えるんだな」

櫻子「いたずらはやだもんな」

撫子「ちなみにハロウィンの本場のアメリカでは」

撫子「動物の着ぐるみを来た女の子が親戚の家にいったら」

撫子「スカンクと間違われて銃で打たれた」

櫻子「こわ!ハロウィンこわ!」

花子「ていうかアメリカの銃社会が怖いし」

櫻子「じゃー私は、ひまわりのとこ行ってくる」

花子「櫻子、ひま姉のところにいくなし」

櫻子「なんで?お菓子くれるんでしょ?」

花子「櫻子が行くと、絶対にトリックになるし」

櫻子「なんでさ、ひまわりがお菓子くれればいいだけじゃん」

花子「本当にそう思うならいいし」

花子「(いつも喧嘩してるのに、なんで素直に貰えると思ってるし)」

第17話 トリック・オア・トリート 前編 終わり

向日葵家

櫻子「トリック・オア・トリートー」

櫻子「お菓子よこせー」

向日葵「来ると思いましたよ」

花子「(こそこそつけてきたし)」

櫻子「いじめられたくなければ、おかしよこせー」

花子「(そこは、意地悪だし!)」

向日葵「そこは、いじめじゃなくて、意地悪ですわよ。だいたい櫻子なんかにいじめられるわけないですわ」

花子「(同意見だし)」

櫻子「なにー!向日葵より私の方が強いもん!」

向日葵「誰も強さのことは言ってませんわ。だいたい……」

櫻子「何?」

向日葵「櫻子は、何があっても私のことをいじめないでしょう?」

櫻子「うん、絶対にいじめない!もし誰かにいじめられてたらそいつぶん殴ってやる」

向日葵「そ、そういう物騒なこと言うもんじゃ無いですわ」

向日葵「でも、ありがとうですの//」

花子「(まさかの、ひま姉がデレたし!)」

向日葵「はい、これ櫻子の分ですわよ。というか、撫子さんと花子ちゃんの分もですわ」

花子「(ひま姉、やっぱり用意しておいてくれてたんだ)」

撫子「花子、そんなところでこそこそなにやってんの?」

花子「撫子お姉ちゃん!別にこそこそしてないし」

撫子「そう、じゃあひま子と楓にお菓子あげに行こう」

撫子「こんばんは、ひま子、これお菓子」

向日葵「あ、撫子さん。わざわざありがとうございます」

向日葵「楓おいでー」

楓「あっ、花子お姉ちゃんに櫻子お姉ちゃんに撫子お姉ちゃん。こんばんはなの」

向日葵「ほら、お菓子もらったよ、お礼しようね」

楓「ありがとうなの!」

櫻子「トリック・オア・トリートって言わないともらえないんだぞ!」

撫子「いや、自発的にあげたんだから」

撫子「それに、言わないともらえないってルールなんかないし」

向日葵「せっかくだし上がっていきます?」

撫子「うん、じゃあそうするよ」

櫻子「パクパク」

向日葵「このお菓子撫子さんが作ったんですか?」

撫子「そうだよ」

向日葵「すごく、おいしいですわ。今度作り方教えていただけますか?」

撫子「うん。いいよ」

楓「とってもおいしいのー」

花子「撫子お姉ちゃんすごいし」

撫子「そこまでべた褒めされるとてれるな」

櫻子「お菓子食べ終わっちゃった。ねぇー次なにやるのー?」

向日葵「次ってなんですの?」

櫻子「お菓子食べた後、ハロウィンではなにすんの?」

花子「次なんてないし、お菓子食べて終わりだし」

櫻子「えーハロウィンつまんない!」

第18話 トリック・オア・トリート 後編
 終わり



オチはみなみけOVAみたか?

第19話 花子の牛乳買ってきて

櫻子「さぁーてと、アイスでも買ってこようかな~」

花子「ついでに花子の牛乳も買ってきて」

櫻子「え?自分で買ってきてよ」

花子「この前櫻子に勝手に牛乳飲まれたし」

花子「200mlのやつ」

櫻子「なんのことかな~」←目が泳ぐ

花子「すっとぼけるなし!」ダン

櫻子「わかったよ。買ってきてやるよ」

花子「うん(櫻子にしては聞き分けがいいし)」

櫻子「たーだーしー」

花子「?」

櫻子「私のことをお姉ちゃんって呼ぶのだ!」

花子「はぁ!?絶対やだし!」

櫻子「なんでよ~昔は、櫻子お姉ちゃん♪って呼んでたじゃん」

花子「む、昔のことを掘り返すなし!」

花子「櫻子のことをお姉ちゃんって呼ぶなんてありえないし」

櫻子「えーじゃあ買ってこないよ」

撫子「花子、たまには呼んであげなよ」

櫻子「ほらほら、撫子お姉ちゃんもそういってるよ~」

花子「うっ、撫子お姉ちゃんまで……」

花子「(本当は櫻子のことお姉ちゃんって呼ぶの恥ずかしいだけなんだけど)」

花子「櫻子……お姉ちゃん///」

櫻子「(お、おほぉぉーー!! なにこれ超快感!)」

花子「(恥ずかしいし)」

櫻子「ちゃんと、櫻子お姉ちゃん牛乳を買ってきてくださいっていってごらん」

花子「さ、櫻子お姉ちゃん、牛乳を買ってきてください」

櫻子「よしよし、よろしい!じゃあ行ってきまーす」

花子「(櫻子のバカ……)」

撫子「あっ、ついでに私のアイスも買ってきて」

櫻子「はぁ!?ねーちゃんのは食べてないでしょ!?」

撫子「櫻子お姉様、どうか私にアイスを買ってきていただけないでしょうか」ゲザァ

櫻子「(お、おほぉぉーー!! なにこれ超快感!)」←二度目

櫻子「よろしいよろしい。ならばこの櫻子様が買ってきてあげよう」

撫子「ありがとうございます」ニヤリ

花子「(撫子お姉ちゃんはやっぱり一枚上手だ……)」

第19話 花子の牛乳買ってきて 終わり

            \\| | | |//

                三       三
                三  お  三
           ‐ 三   :   .三
       /    .三  お  三
      /     .三  ほ  三
             .三  │  三
.     /        三      三
   /        //| | | | \\

   /       l{   ! \ ヘ   / ,≠=≧
         ,八  !  \_> / 〃ィ´ (_
  |   `仆 廴|_ 」       弋 o
  |     | l レz≧ー        ̄
  l   | N 〃 ィてヽ      ////
  | | | |  {{ {  o~ノ   '   ////
 \\| | | | | |//イ       Vヽ

 三         三////    /   }
 三  気 な  .三////  \
 三  分 に  .三   u    、
 三.   い こ   三     u     ̄
 三.   い れ  .三 =-   __  -
 三   |       三     {{  ヽ ヘ
 三   |       三     ヽ,/⌒ )
 三           三  ヽ   _/   {/
 //| | | | | |\\   }/^{   ヽ

>>48
落ちというかこのネタ自体OVA見て思いつきました
みなみけ三姉妹と大室家三姉妹はどことなく似ている

言われれば姉妹の性格構成とか似てるよな~

第20話 おっぱい禁止

櫻子「おっぱい禁止の旅にでる」

向日葵「はぁ?なんですのそれ?」

櫻子「まず、向日葵から」

櫻子「おっぱい禁止!」

櫻子「次に、おっぱいがありそうな人は、やっぱりセンパイかな」

櫻子「杉浦先輩は結構あるってことはわかるんだけど、他にいるかなぁ」

~~~~
あかり「結衣ちゃんってね、結構胸あるんだよぉ」

櫻子「えーそうなの?」
~~~~

櫻子「結衣さんって、船見センパイのことだよね」

櫻子「よし!ターゲットは決まった」キラリ

廊下

櫻子「あっ船見センパイ!」

結衣「君は確か大室さんだよね」

櫻子「隙あり、おっぱい禁止!」ペチンペチン

結衣「ちょっ、あんっ」

生徒会室

櫻子「杉浦センパイ」

綾乃「あら、どうしたの大室さん?」

櫻子「おっぱい禁止!」ペチンペチン

綾乃「ちょっと大室さん?あん」

櫻子「ふー今日はたくさんのおっぱいを禁止したぞ」

向日葵「杉浦先輩困ってましたよ」

櫻子「いいって、明日謝るから」

櫻子「それよりも、まだ今日のおっぱい禁止令はつづいてるよ」ピチンペチン

向日葵「な!!」

向日葵「櫻子は気安く、人の胸に触りすぎですわよ//」



花子「櫻子おかえり」

櫻子「花子のおっぱいは禁止するまでもないや」

花子「(またバカなこと考えてるし)」

撫子「ただいまー」

櫻子「おお。ねーちゃんおっぱい禁……いいや、ねーちゃんも私とあんまり変わんないし」

撫子「うざっ!なんか知らないけどバカにされた気がする」

第20話 おっぱい禁止 終わり

キャラの立ち位置もみなみけに似てるような

撫子→春香
藍→アツコ
めぐみ→マキ
美穂→速水
櫻子→夏奈
あかり→ケイコ
ちなつ→リコ
向日葵→藤岡(?)
花子→千秋
未来→内田
こころ→吉野
みさき→マコト
楓→冬馬(?)

向日葵と楓が若干無理やり
保坂やナツキは知らん

第21話 公転する妹

花子「」ウロチョロウロチョロ

櫻子「」

花子「」クルクル

櫻子「花子、さっきから私の周り回って何やってんの?」

花子「公転」クルクル

櫻子「こうてん?」

花子「今日読んだ本であったし」クルクル

花子「月は地球のまわりを公転してるって」クルクル

櫻子「えっ!なにそれ?つまり、どういうこと?」

花子「月は地球のまわりを回ってる」クルクル

櫻子「うん、それならわかる」

花子「そのことを公転しているっていうし」クルクル

櫻子「へーそうなんだ。花子はものしりだなー」

花子「小2の妹に教えてもらうことじゃないし」クルクル

櫻子「で?なんでさっきから花子は私の周りを”公転”してんの?」

花子「なんとなく、気分がいいからだし」クルクル

櫻子「いっつも、私がくっついて行くと逃げるくせに今日は随分と機嫌がいいな なんかあった?」

花子「別に、それに公転はくっついたりしないし」クルクル

花子「ただ回るだけ」クルクル

櫻子「そっか」

撫子「ただいまー」

撫子「なにやってんの2人とも?」

櫻子「花子が私の周り公転してるんだよ」

撫子「花子が櫻子に懐くなんて珍しいね」

花子「別になついてないし、ただ気分がいいだけだし」クルクル

櫻子「ふっふーん、そんなこと言ってお姉ちゃんのことが好きなんでしょ?」

花子「うるさいし//」クルクル

櫻子「そうだ!」クルクル

撫子「?」

櫻子「」ウロチョロウロチョロ

撫子「なにやってんの?」

櫻子「ねーちゃんの周りを公転してる。花子は月なら私は地球だ!」クルクル

撫子「って、じゃあ私は太陽!?」

撫子「まぁいいけど」

ウロチョロウロチョロ

撫子「落ち着かない」

第21話 公転する妹 終わり

かわいい

かわえぇぇぇええええええ!!!!

第22話 迷子の楓 前編

楓「お姉ちゃーん、お姉ちゃーん、どこー?」

楓「お姉ちゃんと買い物に来たんだけどはぐれちゃったの」

楓「こういうときはどうすればいいんだっけ?」

楓「とりあえず、他の人に聞いてみるの」

楓「あのすいません。お姉ちゃんとはぐれちゃったの」

「それは大変だ。でも大丈夫だよ、案内所で呼び出してくれるから」

楓「はいなの」

案内所

「すみません。この子、家族の人とはぐれちゃったみたいなんですけど」

「あっ、じゃあ呼び出してみますね」

「きみ、お名前は?」

楓「古谷楓なの」

「家族の人の名前は?」

楓「お姉ちゃんの名前は、古谷向日葵なの」

「お家はどこにあるのかな?」

楓「○○市××町なの」

「わかりました。じゃあ呼び出してみますね」

ピンポンパンポーン

「○○市××町からお越しの古谷向日葵様、一階のインフォメーションセンターで古谷楓様がお呼びです」

「繰り返します……」

「それにしても、しっかりした子だ」

「そうですね」

撫子「ねぇ、今のって」

花子「楓のことだし」

櫻子「ひまわりと楓も来てたのかー何たる偶然!」

櫻子「とりあえず行ってみよう。楓寂しがってるかもしれないし」

撫子「そうだね」

花子「ひま姉とはぐれて、楓可哀想だし」

櫻子「それじゃー1階のインフォメーションセンターへレッツ・ゴー!」

櫻子「ところで、インフォメーションセンターって何?」

第22話 迷子の楓 前編 終わり

安定の櫻子

大室家と古谷家の住所は高岡市八森町だったような

第23話 迷子の楓 後編

インフォメーションセンター

「大丈夫だよ、すぐにお姉ちゃん来てくれるから」

櫻子「あっ、いたいた」

花子「楓だし」

楓「あれ?花子お姉ちゃんに、櫻子お姉ちゃん、撫子お姉ちゃんまで」

「この人たちがお姉ちゃん?」

楓「ちがうの。この人達はお隣に住んでるお姉ちゃん達なの」

「そう、でもそれは助かったわ。しばらく、見ておいてもらえる?」

撫子「わかりました」

撫子「偶然私達も来てたから、ひま子がくるまで、一緒にいるよ」

楓「ありがとうなの!すごい偶然なの!となり町のショッピングセンターなのに」

櫻子「まったく、向日葵は楓を一人にするなんて悪い姉だ」

花子「櫻子も前、花子を一人にしてどっかに遊びにいったことあるし」

櫻子「ぐぬぬ」

楓「ふふ、やっぱりお姉ちゃん達がいると面白いの」

櫻子「へっ?」

花子「櫻子の騒々しさもこういうときは役にたつのかもだし」

楓「一緒に居てくれてありがとうなの」

櫻子「まぁーそれほどでもー」テヘ

花子「やっぱり、櫻子はうざいし」

櫻子「なんだとー!!」

撫子「ごめんね楓。騒々しくて」

楓「でも、花子お姉ちゃん達が来てくれて心強いの」

楓「お姉ちゃんからはぐれて、心細かったから」

撫子「そう」

向日葵「楓ー」

楓「あっ、お姉ちゃん!」

向日葵「ごめんね。はぐれちゃって」

向日葵「って、あれ?なんで、櫻子がいるの?」

向日葵「それに、撫子さんと花子ちゃんまで」

楓「偶然、ここに居合わせたみたいなの」

向日葵「すごい偶然ですわね」

向日葵「何はともあれ、ありがとうですわ」

櫻子「そーだぞー向日葵、楓の子守をしてやってたんだぞー」

花子「いや、頼まれてないし」

撫子「でも、一番最初に楓のところにいってみようっていったのは櫻子だけどね」

向日葵「ありがとうですわ、櫻子」

楓「ありがとうなの。櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「むぅ」

第23話 迷子の楓 後編 終わり

第24話 図工の時間 前編

未来「花子様ー次の図工は、2人一組で粘土で相手の顔を作るんだってー」

花子「うん、なかなか難しそうだし」

こころ「花子様ー一緒にやる?」

みさき「……」

花子「いや、こころは未来と組んで、私は」

みさき「……何よ」

花子「みさきと組む」

みさき「べ、別に花子に組んでもらわなくても私は平気だもん!」

未来「まぁ、無理しなくてもいいよみさきち」

みさき「組む人なんているんだから!」

こころ「(みさきちゃん友達いなくてかわいそう)」

未来「花子様はやっぱり花子様だ!やさしい」

みさき「だから、余計な気遣いなのよ!」

花子「みさき、花子はみさきと組みたいだけだし」

花子「他に理由なんかないし」

みさき「えっ!///」

みさき「ど、どうしてもっていうなら組んであげるわよ!(なんで素直になれないのよバカ!)」

花子「ありがとう」

「それでは二人組を作ってください」

未来「じゃあ、こころちゃん組もう」

こころ「うん」

みさき「ホントに組んでくれるの?」

花子「うん。そのつもりだし」

花子「みさきは私と組むのいや?」

みさき「そんなこと…」

花子「そう、じゃあ組むし」

図工の時間 前編 おわり

第25話 図工の時間 後編

「今日の授業はお友達の顔を粘土でつくることをやりまーす」

「みんな準備はいいですかー」

「ハーイ!」

「じゃあはじめまーす」

花子「それじゃあはじめるし」

みさき「わかってるわよ」

花子「……」グニグニ

みさき「……」グニグニ

花子「まずは、顔の輪郭から」

みさき「(これってもしかして、花子と目と目を合わせることになるんじゃ)///」

花子「…ん、みさき大丈夫?顔が赤いけど」

みさき「なっ!そんなことないわよ」カァー

花子「さらに赤くなってるし」

花子「熱あるのかし?本当に大丈夫かし」ピト

みさき「っ!!!(花子の額が!あたってる!!)」カァ

花子「う~ん、熱はないし」

みさき「は、花子っ!もういいでしょ!離れて!!」

花子「ご、ごめんだし」

みさき「……(本当はもうちょっとくっついていたかった)」

花子「じゃあ、作業に戻るし」

花子「みさきの髪はツインテールだから難しいし」

花子「先に、目と鼻を作ってからにするし」

みさき「……」グニグニ

花子「(みさきの目はっと)」ジー

花子「(次に鼻はっと)」ジー

みさき「ちょ、ちょっとあんまりジロジロみないでよ!(恥ずかしいから)」

花子「はぁ!?見なきゃできないし!」

みさき「そ、そうなんだけどさ」

花子「じっとしてるし」ジー

みさき「///」グニグニ

花子「みさき、さっきから全然進んでないし。花子の顔になるんだからちゃんとつくれし」

みさき「わかってるわよ(花子に見られて全然集中できない)」

・・・・

花子「完成したし!」

みさき「こっちも完成したわよ(終始花子に見つめられて集中できなかったけど)」

花子「こんなに、口ひん曲がってたかし?」

みさき「花子、集中してるとき、口が上に曲がるのよ」

花子「知らなかったし、みさき花子のことそこまでよく見てたなんて」

みさき「う、うるさいわね//」

みさき「花子の作った私の顔もなかなかよくできてるじゃない」

みさき「まぁ、私ほどじゃないけどね!」

花子「それに関しては認めるし。みさきの相当出来がいいし!」

花子「ありがとうだし!」

みさき「ど、どういたしまして」

「それでは、出来上がった粘土細工は、先生が焼いて後日渡します」

「ハーイ!」

みさき「(花子が作ってくれた私の顔、大切にしよう……)」

第25話 図工の時間 後編 おわり

みさきちが作った花子

    /        ./  |   |   |    ∧   ゚。  :,
    .′   ′ /  1  .|   |    | ゚。  |   ′
    |    |  ./    |   |     |  |  \{   f|
    |    | /\  ‘, 、    .| /   /1   l|
    |    |./   \ ∨}    j /  ∠  |  l|
    | |    .|   z==ミヽ, `ー┴‐ ´_/丐ミ:、!  |
    l |    .| 〃 ⌒)心 `¨¨     トイ}/i} }}│ │
.    :,{    .| {{ {下ツ/}      乂__rノ ″!  ,ハ
      :,    |    ー―°        :.:.:.:.://} j }
     :,  ハ  :.:.:.:.:      ′       {// /
       ′v }__、 ι    _       //:イ |
      :,: ∨リ:个:..    ´  `ヽ    イ:/: : : |
        ′リ : : : |: >  ...,,,____  < {: /: : : /∧
        ′:.、 :.:|´.  ‘,   /   |/ : :/__: :゚。
       |: : :ヘ  :{ |  ‘_/     ./  /   `ヽ
       |: :/ :,  :, | /_\    /  /  ./  ‘.
       |: :|  }  } ´ 〉i〈 ヽ,//  /!  /    ‘.
       |: :|  }  }  /i|i|iト、  /  /i:| /     }

第26話 こころちゃん観察記1

未来「こころちゃんは不思議な子だ」

未来「人が忘れ物して先生に怒られそうなときに自分が泣いたり」

未来「授業が始まるときに座ったほうがいいよとか注意したり」(自分も座らなきゃいけないのに)

未来「そんな不思議なこころちゃんの観察日記をつけてみようと思う」

未来「今は休み時間、授業と授業の合間の5分休みだ」

未来「なにやってるのかな」

こころ「」ボー

未来「ボーッとしてるみたい」

未来「ボーッとしてるっと」カキカキ

こころ「あっ!」

未来「!!何かに反応した!」

未来「何かに反応したっと」カキカキ

こころ「」ボー

未来「あれ?またボーッとし始めちゃった」

未来「なんだったんだろ」

こころ「」ボー

未来「もう、今回はなにもないかな」

こころ「あっそうだ!」

未来「ん?また何か思い出したのかな?」

こころ「トイレ行くの忘れた」

未来「えっ!それって忘れるものなの!?」

未来「トイレに行くのを忘れたっと」カキカキ

未来「って、もう休み時間終わっちゃうよこころちゃん!」ガシ

こころ「えっ!でも、もう我慢できない」フルフル

未来「(じゃあ、さっき行っとけばよかったじゃん!)」

未来「そっか、じゃあ行っておいで、先生には伝えておくから」

こころ「ありがとう!未来ちゃん!」

未来「うん」

未来「こころちゃんは不思議な子だ」

未来「休み時間に限界までトイレ我慢しながらボーッとできる不思議な子」

未来「おもしろい!また今度観察してみようっと」

第26話 こころちゃん観察記1 終わり

番外編

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/30(火) 12:44:45.54 ID:3PHlCZl00 [2/5]
         (
   ..ヘ/⌒⌒ヽ
   ||ノ人ソ人)
   |八>*゚ヮ゚ノ>  ランプの妖精・罰金魔神よ♪
   // ( ∽ ) 願い事を一つだけ叶えてあげるわ

   (( (  (~
      ~) )
   Ω ((~~

  _γ⌒ヽ、)
 (_| ̄ ̄_フ
   > <

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/30(火) 12:53:32.09 ID:fJx0224t0
撫子「胸を大きく……いや、私の妹たちの胸を大きくしてあげてください」

櫻子「姉ちゃん…///」ジーン

花子「花子たちのために…////」ウルウル

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/30(火) 12:57:27.17 ID:3PHlCZl00 [3/5]
         (
   ..ヘ/⌒⌒ヽ
   ||ノ人ソ人)
   |八>*゚ヮ゚ノ>  胸を大きくしてあげるのは1人だけよ♪
   // ( ∽ ) さあ選びなさい

   (( (  (~
      ~) )
   Ω ((~~

  _γ⌒ヽ、)
 (_| ̄ ̄_フ
   > <

271 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/10/30(火) 14:33:32.86 ID:E5k5zRml0 [3/7]
撫子は自分はいいからと妹達に胸を大きくする願いを譲った
残った櫻子と花子は胸を大きくできるのは一人だけという魔神の言葉を聞きどっちが大きくするべきか悩んだ
悩んだ結果櫻子は末っ子の花子に願いの権利を譲ることにした。花子は喜んだ
晴れて花子は巨乳になったが花子はまだ小学二年生、小学二年生で巨乳という異常な体に周りからは奇異の目線を受けることになる

272 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/10/30(火) 14:36:34.52 ID:E5k5zRml0 [4/7]
結局花子は胸の大きさを元に戻してもらうことにした
魔神は言った 一度元に戻してしまうと二度とでかくなることはないと
花子は それでもいいと言った
それ以降二度と花子の胸が成長することはなかった
しかし、花子は姉達と同じ大きさの胸に満足していた
結局大室家には願いの魔法など必要なかったのである
世にも奇妙な大室家 完

番外編終わり

イイハナシダ~;;

第27話 高校3年という時期

藍「じゃあ撫子帰ろ」

撫子「うん」

美穂「あー私も一緒に帰るー」

撫子「うん、じゃあ帰ろっか」

めぐみ「あれ?私ナチュラルに忘れられてる?」

撫子「うそうそ、めぐみも一緒に帰ろう」

下校道中

藍「それにしてももう高校3年かぁー早いね」

撫子「あっという間だね。後一年もしない内に受験があるなんて」

めぐみ「うっ、私はバイトばっかりやってていいんだろうか」

美穂「撫子はどこの大学目指してるのー?」

撫子「私はN大かな」

めぐみ「やっぱり、撫子は勉強できるもんねー」

藍「私もN大目指そうかな」

撫子「美穂は?」

美穂「う~ん、K大かなー?」

めぐみ「す、すごい」

藍「でも、美穂ならいけそうな気がする…」

撫子「なんだかんだ言って、毎回模試美穂に負けてるんだよね」

藍「なんか秘訣とかってあるの?」

美穂「それはねー」

一同「ゴクリ」

美穂「撫子の悔し顔見たさにがんばってるの~」

撫子「そこまでして私の悔し顔が見たいの?」

美穂「うん♪私は撫子のことをからかうために生まれてきたから」

撫子「意味わからん」

めぐみ「それでも実力が伴っているのがすごい」

藍「それにしても、みんなバラバラの大学に行っちゃうのかな?」

撫子「うん、残念だけどそうなるかもね。」

藍「それってなんだか寂しいね」

美穂「……」

めぐみ「……」

撫子「……その時はその時、とりあえず私たちは今を楽しもうよ」

藍「うん。そうだね!ごめんね!こんな話して」

めぐみ「ううん」

撫子「まぁ、この4人の仲はそんなことじゃ崩れないでしょ?」

撫子「夏休みとかお正月とかそういうときに会えるし」

藍「そうだね」

撫子「それに……」

撫子「めぐみは浪人するからいつでも会えるよ」

めぐみ「えっ!?私浪人確定なの!?」

美穂「ひど~い、撫子~撫子にN大落ちる呪いかけとこー」ブツブツ

撫子「そんなん効かないって」

藍「(そうだね、とりあえず、今は今が楽しければいいか)」

第27話 高校3年という時期 終わり

第28話 こころちゃん観察記2

未来「また、こころちゃんを観察してみよう」

未来「給食の時間だ」

未来「今日の給食当番はこころちゃんだ」メモメモ

未来「いっつもボーっとしてるからちゃんとできるかなー」

こころ「はーい、次の人ー?」

未来「こころちゃんはスープ係だ」メモメモ

みさき「ちょっと、こころ!私の少ないんじゃないかな!?」

こころ「そんなことないよー」

未来「みさきと言い合い」カキカキ

みさき「いや、少ないわよ!ほら、花子のと比べるとおたま半カップぐらい足りないわよ!」

花子「言いがかりだし!」

こころ「わかったよぉ、じゃああとちょっとだけ」

未来「こころちゃん、みさきちの言いがかりに負けるっと」カキカキ

こころ「次の人ー」

こころ「あっ」ベチャ

未来「あっ!こころちゃん大丈夫!?やけどしなかった?」

こころ「大丈夫だったよーへーき」

未来「もう、こころちゃんそそっかしいよ!」

こころ「ご、ごめんねー未来ちゃん」

未来「いや、私に謝られても困るんだけど!?」

こころ「未来ちゃん、多めにする?少なめにする?」

未来「私コーンスープ苦手だから少なめにしようかな」

こころ「わかったよー」ガバガバ

未来「って、多いって多いよこころちゃん!」

こころ「ごめんねー多いと少ない間違えちゃったー」

未来「えっ!?どういう間違いなの!?」



未来「ふーこころちゃん見てるのは飽きないなー」

未来「こころちゃん、多いと少ないを間違えるっと」メモメモ

未来「あっそうだった。こころちゃん、スープをこぼしてやけどしそうになった」カキカキ

未来「給食の時間の分は、お昼休みにでも書こうっと、あっそうするとお昼休みの分がかけないなー」

未来「あーどうしよ」

第28話 こころちゃん観察記2 終わり

第29話 櫻子の花子いじり

櫻子「あー早起きしてしまった日曜日なのに」

櫻子「花子でもいじってくるか」

あがってーさがってーそらーをみあーげてー

櫻子「花子ー?昨日買ったチーズケーキ食べていい?花子のだけど」

花子「ダメに決まってるし!」

櫻子「じゃあ、内にある牛乳全部飲み干す」

花子「やれるもんならやってみろし」

櫻子「じゃあ、ピーナッツクリームパンにぬりたくって花子に無理やり食わす」

花子「宇宙姉妹始まったんだから静かにしてろし!」

櫻子「私宇宙姉妹見てない!」

花子「花子が見てるんだし!櫻子にはこの面白さが理解できないのかし?」

櫻子「ムカ!ムカ!花子むかつく!」

花子「(煽ったのは間違いだったし……)」

櫻子「くそー花子のやつー」

櫻子「そうだ!」ピコーン

櫻子「えい!」リモコンを取る

櫻子「」ピッ

おはよう日本

花子「なにするんだし!」バシ、ピッ

櫻子「むむ、花子にはおはよう日本の素晴らしさが理解できないのか」ドヤァ

花子「どうせ、ニュースなんてろくに見ないくせに何いってるんだし」

櫻子「リモコンよこせ」ガシ

花子「うぅ~やめろしーなんで花子の邪魔するし」

櫻子「えっ?おもしろいから」

花子「意地でもリモコンは渡さないし」ガッシリ

櫻子「ふっふー、ツメが甘いな花子、うちにあるリモコンは一つだけじゃない!」

櫻子「このBD録画機用のリモコンでテレビのチャンネルも変えられるのさ!」ピッ

バトルスピリッツ ソード会津

櫻子「アニメならこれもやってんじゃん」

花子「花子が見たいのは宇宙姉妹なんだし!う・ちゅ・う・きょ・う・だ・い!」ピッ

櫻子「えー私ソード会津みたい」ピッ

花子「うぅー」ピッ

ピッピッピピピピ

撫子「朝から元気なことで」

撫子「チャンネル取り合戦、私も昔やったな」

花子「撫子お姉ちゃん見てないで助けて!」

それ以来花子は宇宙姉妹を録画するようになった

花子「櫻子のせいだし!」

第29話 櫻子の花子いじり 終わり

姉妹いるとこうなっちゃうよね

番外編2 アニメ宇宙姉妹

あるところに宇宙が好きな姉妹がいた
その名は姉:南波六来(ムッコ)と妹:南波日々子(ヒビコ)である
幼少のときに一緒に宇宙飛行士になろうと誓い合ったが
姉六来は、いつの日か宇宙飛行士になるなんて非現実的だと思い始め自動車会社に勤めることになる
しかし、妹日々子は夢をあきらめずに日本人初の女性宇宙飛行士となった
さらに、日本人初、女性初でもある月へのミッションへの選抜が決まった

そんなある日、六来の上司が日々子の悪口を言った。「女性宇宙飛行士?ホントに女が月にいけるのかね」
六来は妹をバカにされて腹が立ち上司にビンタをかましてしまった
女を見下していた上司は、女に楯突かれたことに怒り六来をクビにしてしまった

日々子「お姉ちゃん、仕事クビになったの?」

六来「あぁ、やけくそに上司ぶったらクビだよクビ。もうやってらんないねーこのクソ社会は」

日々子「じゃあさ、宇宙飛行士になりなよ」

六来「えっ?」

日々子「まだ、私諦めてないよ!お姉ちゃんなら必ず宇宙飛行士になれるって」

六来「日々子……」

日々子「そうしてさ、一緒に月に行こうよ!」

六来「あぁ、もうこうなったらやけくそね!やってやろうじゃないの!宇宙飛行士選抜試験」

こうして、道のりの長い六来の宇宙飛行士になる物語が始まる!

花子「花子も日々子みたいな、強い女になりたいなー」

花子「ていうか、六来さん、撫子お姉ちゃんに似てる気がする」

番外編2 アニメ宇宙姉妹 終わり

第30話 向日葵と大室家1

向日葵「こんにちはー櫻子いますか?」

撫子「あっひま子、よく来たね、櫻子は今コンビニ行ってるけど上がってく?」

向日葵「そうさせてもらいます」

撫子「また、宿題手伝ってきてくれたの?」

向日葵「そうですわね」

撫子「毎度毎度ありがとう、出来の悪い妹を」ペコ

向日葵「いえいえ、撫子さん頭を上げてください」

撫子「ひま子が幼馴染で櫻子は幸せもんだよ」

向日葵「そ、そんなことないですわ///」

撫子「これからもよろしくね」

向日葵「///」

撫子「(なんとなくだけど、櫻子と向日葵は高校になったら付き合いそうな気がするな)」

花子「あっ、ひま姉!」

向日葵「花子ちゃんこんにちは」

花子「こんにちはだし!」

向日葵「あっお勉強してましたの?」

花子「宿題だし」

向日葵「花子ちゃんは相変わらず優秀ですわね」

花子「それに比べて」

花子・向日葵「櫻子は……」

向日葵「ぷっなんだか合言葉みたいになっちゃいますわね」

花子「結構笑えるし」

向日葵「まあ、毎回宿題に付き合わされる身としてはあまり笑える冗談じゃないですわ」

花子「わかるし、花子も櫻子のバカに何度付き合わされたか」

花子「この前だって花子が見てるテレビ勝手に付け替えて、櫻子にそれみてるしって聞いても見てないの一点張り」

花子「でも、花子がチャンネル変えるとまたチャンネル変える」

花子「ようは、花子をからかいたかっただけだし」

向日葵「まぁ、それはうざいですわね」

花子「そうだし、他にも花子の牛乳勝手に飲んだり、アイス勝手に食べたりとかするし」

向日葵「まぁ、それは櫻子らしいですわね」

花子「他にもいろいろされるし」

向日葵「大変ですわね櫻子の妹は」

花子「ホントだし!ひま姉がいいし!櫻子と交換だし!」

向日葵「それだと今度は楓が苦労しますわね。いや、よく考えたらもうしてましたわ」

向日葵「わたくしが櫻子にかまっていないと楓を拉致してきてかまえーとか言ってきますわ」

花子「楓も苦労人だし」

櫻子「ただいまー」

向日葵「あっ噂をしてれば」

花子「帰ってきたし」

櫻子「向日葵ープリン買ってきてやったぞ!」

向日葵「!!」

櫻子「ねーちゃんと花子の分もあるからな!」

花子「さ、櫻子」

撫子「珍しいこともあるもんだ。今日は雪でも降るんじゃないの?」

向日葵「とりあえず」

なではなひま「ありがとうございました」ナデゲザ

櫻子「えっえっ!?ま、まぁこの櫻子様に感謝したまえ」ハッハッハ

第30話 向日葵と大室家1 終わり

第31話 向日葵と大室家2

向日葵「それじゃあ、プリンも食べ終わったことだし、宿題しようかしら?」

櫻子「えー宿題やだー」

向日葵「なっ!櫻子が宿題手伝ってって言ってくれたから来ましたのに」

櫻子「やだやだー向日葵プリン食べたでしょ!?だから今日宿題なしー」

向日葵「それで困るのは櫻子あなたですわよ」ジト

櫻子「えー!やだやだー!」ジタバタ

向日葵「わたくしは自分で自分の分の宿題はすませられますもの」フン

櫻子「じゃあ向日葵が宿題やってよ!」

向日葵「はぁ!何言ってるんですの!?自分の宿題ぐらい自分でやりなさい!」

櫻子「向日葵がやれー」ギャース

向日葵「わたくしは櫻子のことを思っていっていますのに!」

向日葵「もう知りませんわ」プンプン

スタスタ

櫻子「あー!向日葵どこ行くんだよー」

向日葵「はぁ、困りましたわ。櫻子はどうやったら一人で宿題ができるようになるんですの?」

撫子「あ、ひま子。また櫻子とケンカ?」

向日葵「向こうが一方的に悪いんですわ」

撫子「うん、だいたい想像つく、櫻子が宿題やりたくないってジタバタしてるんでしょ?」

撫子「大方、プリンを食べて満足ってとこだね」

向日葵「な、なんでわかるんですの?」

撫子「櫻子、おやつ食べた後はすっかり休みモードに入って勉強しないんだよ」

向日葵「さすが、姉ですわね」

撫子「伊達に13年間櫻子の姉やってないわよ」

撫子「まぁ、向日葵も櫻子の幼馴染10年ぐらいやってるからそのくらいわかるでしょ?」

向日葵「まぁわかってしまうのが悲しいところですわ」

撫子「じゃあ、どうすれば宿題するのかもわかるよね」

向日葵「もちろんですわ」

向日葵「櫻子ー?宿題終わったら遊びにでかけますわよーだから早く宿題なんて終わらせますわよー」

櫻子「えっ!?遊びに!行く行く。どこ行こうかな」

向日葵「だから宿題終わらせましょう」

櫻子「仕方ないなー」

撫子「(ふふ、本当にひま子は櫻子の扱い方がうまいんだから)」

第31話 向日葵と大室家2 終わり

第32話 撫子さんの彼女編

撫子「なでかの編第二弾」

撫子「今回の彼女は>>79

あかねさんという暴投で

無理なら藍で

凄く展開が気になるな>彼女があかねさん

第32話 撫子の彼女あかねさん編 出会い1

撫子「出会ったのは2年前だった。私が高校に入学して間もない頃」

撫子「それは突然雨が降り始めた時だった」


撫子「あっ、雨、あー傘持ってきてないな。仕方ない濡れて帰るか」

あかね「あら、傘持ってきてないの?良かったらこれ使う?」

撫子「えっ、いえ、それだとあなたの傘が……(綺麗な人だなぁ)」

あかね「大丈夫よ、私はもう一つ傘があるから」バサッ

妹LOVE

撫子「」ギョッ

あかね「うふふ、びっくりした?お気に入りの折りたたみ傘なの」

撫子「そ、そうですか(一体何なんだこの人は……)」

あかね「私は2年3組の赤座あかね。あなたは?」

撫子「1年2組の大室撫子です」

あかね「大室、撫子ちゃんね。家はどこにあるのかしら?」

撫子「高岡市八森町です」

あかね「あら、じゃあ結構近所ね。私は七森町よ」

撫子「本当に近所ですね」

あかね「じゃあ一緒に帰らない?大室ちゃん」

撫子「えっ?(趣味はあれだけど、綺麗な先輩と一緒に帰れるなんて)」

あかね「あら?迷惑だった?」

撫子「いえ、そんなことないです。むしろ光栄です赤座先輩」

あかね「そんなにかしこまらなくてもいいのよ。私のことはあかねでいいわ」

撫子「そうですか。わかりましたあかね先輩」

あかね「私も大室ちゃんのこと撫子ちゃんって呼んでいい?」

撫子「はい、いいですよ」

撫子「あの?聞いてもいいですか?」

あかね「なんでも、どうぞ」

撫子「あかね先輩は妹が好きなんですか?」

あかね「うふふ、うちの妹のこと?そりゃーもうすごく可愛いのよ」

あかね「まだ小学5年生なんだけどね。この間もお姉ちゃん一緒に寝よって布団に入ってきて」

あかね「ああ、可愛いわあかり!なんて可愛いのかしらうちの妹は」

撫子「あかりちゃんって言うんですか…(うわぁこの人妹を溺愛してるよ、外見は美人だけど残念な人だなぁ)」

あかね「撫子ちゃんは姉妹とかいるの?」

撫子「はい、私も妹が2人、私が長女です」

あかね「まぁ!三姉妹なのね!なんて羨ましい!あっでも、妹が2人もいたらどっちを可愛がればいいのかわからなくなっちゃう」

あかね「あかりが「お姉ちゃんまた妹を贔屓してる~ふくぅ」なんていっちゃうのかしら!それはそれで可愛いけど」

あかね「でもお姉ちゃんはあかりだけを見てるからね!」

あかね「あっ!ごめんなさいね。暴走しちゃって」

撫子「い、いえ、本当にあかりちゃんのことが好きなんですね」

あかね「それはもう!世界で一番好きよ!」

撫子「いい、妹さんを持ちましたね」


撫子「これが、私とあかねさんとの衝撃的な出会いだった。この時は私はこの人を好きになるとは思いもしなかった。」

第32話 撫子の彼女あかねさん編 出会い1 終わり

第33話 撫子の彼女あかねさん編 2

撫子「これ、この前借りた傘です」

あかね「あら、ありがとう」ニコッ

撫子「」ドキッ

撫子「(やっぱり綺麗な人だなぁ、中身は残念だけど)」

撫子「あの、あかね先輩、今日も一緒に帰りませんか?」

あかね「ええ、いいわよ」



下校時刻

あかね「撫子ちゃんいるかしらー?」

撫子「あ、はい。ここです」

あかね「うふふ、じゃあ帰りましょうか」

撫子「はい」

あかね「この前は、私の妹の話ばかりしてごめんなさいね。今度は撫子ちゃんの妹の話聞かせてくれる?」

撫子「いいですよ(この人は、どこまで妹に興味があるんだろう……)」

撫子「私の妹は2人いて、一つ下は櫻子といって5つ下です。今小学5年生なので、あかりちゃんと一緒ですね」

あかね「あらまぁ、じゃあ中学で一緒になるかもしれないわね」

撫子「両親は櫻子を七森中にいかせる予定です」

あかね「七森中、結構評判いいわよね。」

撫子「私もそこの卒業生ですけど、いい校風でしたよ」

あかね「あかりもそこに通わせようかしら」

あかね「あら、ごめんなさいね。続けて頂戴」

撫子「はい、櫻子は一言でいうとバカですね」

あかね「あら!妹をバカだと思っちゃいけないわよ」

撫子「でも、本当にバカなんです。宿題はろくにやらないし、料理を教えても途中でダダをこねるし」

撫子「まぁでも本当は明るくていい子なんですけどね」

あかね「ふふふ、そう」

撫子「次に末っ子の花子なんですけど、今は6歳で幼稚園の年長です」

あかね「あら、随分と歳の離れた三姉妹なのね」

撫子「はい、うちは二人とも5歳差ですね」

あかね「それじゃあ、櫻子ちゃんも物心ついた頃に花子ちゃんが生まれるのを見てるのね」

撫子「はい、すごく喜んでましたよ。勿論私も」

あかね「妹ができるのってすごいうれしいわよね。私も思い出すわ。あかりが生まれてきた時のこと」

撫子「それで、花子の方なんですけど」

撫子「花子は、すごく頭が良くて、真面目ですね」

撫子「幼稚園年長にして平仮名はすべて書けるし、足し算引き算もできるみたいです」

撫子「後、アルファベットも覚えています」

あかね「すごい賢い子ね。お顔を見てみたいわ」

撫子「良かったら、今度家に来ますか?」

あかね「あら、いいの?」

撫子「あかね先輩ならいつでも大歓迎ですよ」

あかね「そう、じゃあまた今度、遊びに行く事にするわ」

撫子「はい。そろそろ家も近くなってきたので、今日はここで」

あかね「ええ、さようなら撫子ちゃん」

第33話 撫子の彼女あかねさん編 2 終わり

新鮮な組み合わせ

次回以降が楽しみでならない

第34話 あかねさん編3 櫻子風邪をひく

撫子「……」ハァ

あかね「あら、撫子ちゃん今日は随分と元気無いようだけど大丈夫?」

撫子「はい」

あかね「どうかしたの?」

撫子「いえ、妹の櫻子が風邪引いて熱出してそれの看病してたら睡眠不足で」

あかね「それはいけないわね」

撫子「バカは風邪引かないっていうのに、どうしてやら」

あかね「そんなフレーズは当てにならないわよ」

あかね「それよりも撫子ちゃん大変そうね。今日私がいってあげようかしら?」

撫子「いえ、悪いです!うつしても悪いですし」

あかね「大丈夫よ。私風邪ひかない体質だから」

撫子「そんなのってあるんですか?」

あかね「このままじゃ撫子ちゃんまで風邪ひいちゃうわよ。今日は帰ったらゆっくりしてなさい。櫻子ちゃんの看病は私がするから」

撫子「い、いえ、本当にそれは悪いですし」

あかね「いいえ、もう決めたわ!今日は撫子ちゃんの家に行って櫻子ちゃんの看病をする。撫子ちゃんの妹たちも見てみたいしね」

撫子「はは、強引ですね」

あかね「うふふ、そうでしょ?」

撫子「はい」

大室家

あかね「ごめんくださーい」

花子「あっ」

撫子「私の学校の先輩」

花子「こんにちは、花子だし」

あかね「あらあら、きちんと挨拶できて偉いわね。この子が花子ちゃん。私はあかね。赤座あかねよ」

花子「こんにちは、あかねお姉ちゃん」

あかね「うふふ、可愛い子ね」ナデナデ

花子「うっ//」

あかね「櫻子ちゃんは、どこかしら」

花子「櫻子の部屋ならこっちだし」

櫻子の部屋

櫻子「うぅ……頭痛い」

あかね「この子が櫻子ちゃん」

撫子「はい」

櫻子「ねーちゃん、この人誰?」

撫子「私の学校の先輩だよ」

あかね「急に押しかけちゃってごめんなさいね。私は赤座あかね。櫻子ちゃんのことは撫子ちゃんからよく聞いてるわ」

櫻子「こ、こんにちは……」ムクリ

あかね「あら!無視しなくていいのよ。そのまま寝ていて頂戴」ガシ

櫻子「は、はい」

あかね「(す、凄い熱だわ)」

あかね「撫子ちゃん。櫻子ちゃんを病院には連れて行ったの?」

撫子「はい、一応薬ももらってはいるんですけど、解熱剤はあまり飲まない方がいいと。治りが遅くなるそうで」

あかね「そう。じゃあせめて氷枕でも用意してあげないと」

撫子「すみません氷枕は家になくて」

あかね「買いに行きましょう。ドラッグストアで売ってるはずよ」

あかね「あと、熱さまシートよりもおでこにのせる氷水袋の方がいいかもしれない。」

撫子「はい、買ってきます」

あかね「何を言ってるの?撫子ちゃんは睡眠不足なんだから休んでなさい。私が買ってくるわ」

撫子「えっ、悪いです」

あかね「こういうときは素直に甘えておけばいいのよ」ニコ

撫子「」ドキ

撫子「は、はい(あかねさんほんとうに優しい人だなぁ)」

あかね「じゃあ買ってくるわね」ガチャ

櫻子「ねーちゃん」

撫子「大丈夫、櫻子?」

櫻子「はは、大丈夫じゃない。けど、あのあかねさんって人、優しい人だね」

撫子「そうだね」


玄関

あかね「買ってきたわよ」ハァハァ

撫子「早いですね。わざわざ走って買ってきたんですか」

あかね「ええ、あの薬局7時でしまっちゃうじゃない」

撫子「そ、そういえば、もうこんな時間。あかねさん帰らなくて大丈夫なんですか?」

あかね「今日は、友達の家に泊まるって言ってあるから」

あかね「あっ、でも制服のままだとあれだから一回うちに帰らせてもらうわ」

撫子「そこまでして……私一人で面倒見ますからいいんですよ」

あかね「撫子ちゃん。私はね。櫻子ちゃんも心配だけど、撫子ちゃんも心配なのよ。そんな疲れきった表情していたら放っておけないわ」

撫子「えっ///」

あかね「だから、私に櫻子ちゃんの看病をさせて頂戴、そして、今日はちゃんと寝てね撫子ちゃん」

撫子「は、はい」

櫻子の部屋

あかね「櫻子ちゃん、氷枕と氷袋を買ってきたわ。」

櫻子「あ、ありがとう」ズキズキ

あかね「これで、頭を冷やせば少しは楽になるから」

櫻子「冷たい」

あかね「うふふ、確かにそれは冷たいわね。でも、うちの妹が熱だしたときはそれで冷やしたものよ」

櫻子「あ、あかねさん?」

あかね「なぁに?」

櫻子「手を握ってもいいですか?」

あかね「どうぞ」スッ

櫻子「ふふふ(あかねさんってなんだか優しい。初対面なのに、妙に居心地がいい)」

あかね「早く元気になるといいわね」

櫻子「はい」

撫子「(櫻子とあかね先輩が手をつないでる)」ズキッ

撫子「(あれ?なんで、私今ズキッって、もしかして、いやそんなわけないよね)」

撫子「(私も体調悪くなってきたのかも、今日はあかね先輩にまかせて寝よう)」

撫子「それじゃあ、あかね先輩後は任せてもらっていいですか」

あかね「ええ。最初からそのつもりよ。撫子ちゃんゆっくり休んでね」

撫子「はい……」

第34話 あかねさん編3 櫻子風邪をひく 終わり

第35話 あかねさん編4 実はもう惚れていた

ちゅんちゅん

撫子「ん……朝か」

撫子「私はいつから寝て……あ!あかね先輩が来てるんだった!」

櫻子の部屋

ガチャ

あかね「あら、撫子ちゃん」

撫子「あかね先輩もしかして、ずっと櫻子の看病を……」

あかね「ええ、もう熱も下がっているみたい」

撫子「結局昨日帰らなかったんですか?」

あかね「どうしても、櫻子ちゃんを一人にできなくてね。家族の方にも後は私が見ますからって言っておいたわ」

あかね「撫子ちゃんは元気になった?」

撫子「どうして、そこまで……」ポロポロ

あかね「あらら、どうして泣いてるの?」

撫子「わからないです。でも、あかね先輩に無理してほしくないんです!」ポロポロ

撫子「うぅ……ヒッグヒッグ」

あかね「よしよし」ナデナデ

撫子「」ヒッグヒック

あかね「大丈夫よ、私は一日ぐらい寝なくても平気だから」ナデナデ

撫子「そ、それでも」グスグス



撫子「」グス、グス

あかね「落ち着いた?」

撫子「ええ、もう大丈夫です。ありがとうございます」

あかね「ふふふ、撫子ちゃんは優しいのね」゙

撫子「撫子さんの方がやさしいですよ」

あかね「じゃあ今日も学校に行かなくちゃね。私は一旦家に戻って教科書の準備してくるわ」

撫子「はい、本当にお疲れ様です」


櫻子「……ねーちゃん」

撫子「さ、櫻子!あんた起きてたの」カァー

撫子「もう、大丈夫なの?」

櫻子「うん、あかねさんがずっと介抱してくれてたから」

櫻子「あかねさん。良い人だね」

撫子「うん、そうだね」

櫻子「ねーちゃんがまさかあかねさんに泣きつくとは思わなかったよ」

撫子「あんた!そのとき起きてたの!?恥ずかしい」カァー

櫻子「ねーちゃんはあかねさんのこと好きなの?」

撫子「えっ///そんなことは……」

櫻子「じゃあ私が告白しちゃっていい?」

撫子「それはダメ!」

櫻子「やっぱり好きなんじゃん」フフ

撫子「(櫻子に気づかされた。私の気持ち。私はあかね先輩のことが好きなんだ)」

第35話 あかねさん編4 実はもう惚れていた 終わり

第36話 あかねさん編5 告白 前編

撫子「自分の気持ちに気づいてからの私はあかねさんを見るたびに緊張していた」



学校

あかね「撫子ちゃん、今日も一緒に帰る?」

撫子「は、はい!」

下校道

あかね「それでね。うちのあかりったら」

撫子「……」ボー

あかね「あら?大丈夫撫子ちゃん?さっきからボーっとしてるけど」ジー

撫子「ひゃ、ひゃい!大丈夫です!」

あかね「本当に?なんか顔赤いわよ」

撫子「そ、それは(あかね先輩のこと意識するとどうしても……)」

撫子「なんでもありません!」

あかね「そう。それでねーあかりったら」

撫子「(この人は、妹が好きすぎて私の入り込む余地なんて……)」

撫子「(いいんだ。私とこの人は、先輩と後輩、それだけの関係でいいんだ)」


撫子「そう思ってやり過ごしてきたが、月日は過ぎてとうとうあかねさんの卒業式の日がやってきた」


あかね「撫子ちゃん、私は一足先に卒業しちゃうけど、いつまでも味方だからね」

あかね「なにか言い残したことはないかしら?」ウフフ

撫子「はい(このときを逃したら私は一生あかね先輩とは!)」

撫子「あ、あの!」

あかね「なぁに?」ニコニコ

撫子「いきなりですいませんが、私あかね先輩のことが好きです!」

あかね「え!?それはlikeじゃなくてloveの方でってことかしら?」

撫子「はい!私の気持ちはlikeじゃなくてloveです!」

撫子「おかしいですよね……女同士なのに。でも!好きなんです!」

撫子「付き合ってもらえませんか?」

あかね「……」

撫子「やっぱりダメですよね」

第36話 あかねさん編5 告白 前編 終わり

第37話 あかねさん編6 告白 後編

あかね「いいわよ」

撫子「えっ!?」

あかね「私、実は撫子ちゃんの気持ちに前から気づいてたんだ」

撫子「えっ!?それっていつからですか?」

あかね「うーん、もう高校1年生のときには私のこと好きだったでしょ?」

撫子「は、はい。でもどうしてそれを……私誰にも言ったことないのに」

あかね「そのくらい、見てればわかるものよ」

あかね「それに、私も撫子ちゃんのこと好きだから」

撫子「えっ!?実は私達両想いだったんですか?」

あかね「うふふ、そうよ」

撫子「私の気持ちに気づいてながら、どうして言ってくれなかったんですか?」

あかね「それは先輩の意地よ。どうしても撫子ちゃんの口から言わせたくて」

撫子「あかね先輩の意地悪……」

あかね「うふふ」

撫子「でも、あかね先輩はあかりちゃんのことが好きなんじゃないんですか?」

あかね「ええ、好きよ。でも妹への愛は、撫子ちゃんへの愛とは別物よ。撫子ちゃんだって実の妹に本気で恋愛はしないでしょ?」

撫子「ええ、まぁ」

あかね「それと同じよ」

あかね「ということで、撫子ちゃん、これからは恋人としてよろしくね!って言っても今までと関係性は変わらないと思うけど」ウフフ

撫子「はい!受け入れてくれてありがとうございます!あかね先輩」

あかね「恋人になったんだから先輩はやめてほしいな。あかねって呼んで」

撫子「あかね……さん」

あかね「まぁしばらくはそれでもいいか」

撫子「はい、あかねさん」

あかね「それから、恋人の証として。目をつぶっていてもらえる?」

撫子「はい」

チュッ

撫子「///」

あかね「よろしくね。撫子ちゃん」


撫子「こうして、私はあかねさんと呼ぶようになり、あかねさんと恋人同士となった」

第37話 あかねさん編6 告白 後編 終わり

これであかねさん編は終わりです
藍かのはまた別の機会で

激しく乙

良い仕事してますねぇ

ヤッホオオオオオオオオオオオオウ!!

いやあ百合ってほんとにいいもんですね~

第38話 プッキーゲームin大室家

11月11日にVIPの撫子さん&花子様応援スレで投下したもの

櫻子「花子!今日はなんの日か知ってるか!?」

花子「いきなりなんだし」

櫻子「11月11日はプッキーの日だ!プッキーゲームやるぞ!」

花子「なっ///」

櫻子「なんだよ!やりたくないのかよ!花子のケチー」

花子「そういうのは、姉妹でやることじゃないし///」

撫子「櫻子、あんたプッキーゲームってどういうのか知ってるの?」

櫻子「へっ?どっちがプッキー一箱を早食いできるか競争するゲームでしょ?」

撫子「はぁ、知らないのね……じゃあ教えてあげる」

撫子「プッキーゲームは、2人で向い合ってプッキー一本の両端から食べていくゲームだよ」

撫子「それで、お互いにくっついていって我慢できなくなったほうが負け」

櫻子「なっ///なんだよそれ!?それじゃあききキスするようなもんじゃん!」

撫子「そういうゲームなんだって、だから花子が……いや、これは楽しいかもしれない」

撫子「ちょっと花子!櫻子と一緒にプッキーゲームやってあげな」

花子「えっ!撫子お姉ちゃんまで……」

撫子「勿論、櫻子は言い出しっぺなんだからやるに決まってるよね」ニヤニヤ

櫻子「うぅ~……しょうが無い、受けて立とう」

花子「櫻子までやる気に」

櫻子「はい、花子」カプ

花子「うぅ」チラ

撫子「頑張るんだ花子」

花子「」カプ

櫻子・花子「」ドキドキ


撫子「それじゃあスタート」

櫻子「カリカリ」

花子「カリ、カリ」

櫻子「(は、花子の顔が近い)」

花子「(櫻子の顔が近いし)」

櫻子「カリカリ」

花子「カリ、カリ」

櫻子「(も、もうダメだ。これじゃあ本当に花子とキスしちゃう)」

花子「(もう、限界だし!)」パッ

櫻子「やった!私が勝った!」

花子「花子の負けでいいし……それよりも撫子お姉ちゃん、珍しく櫻子を煽ってどうしたんだし」

撫子「いやー。見事だったよ。面白かった」パチパチ

花子「うぅ……楽しむためにやってたのかし……」

撫子「それじゃあ、勝ち抜きで次は私VS櫻子だね」

櫻子「えっ!?」

撫子「花子見てな、これが本当のプッキーゲームだ」

撫子「ほら、櫻子」パク

櫻子「うぅ、ねーちゃん」パク

花子「それじゃあ始めだし」

撫子「パクパクパクパク」

櫻子「パクパク(ね、ねーちゃん早い!)」

撫子「パクパクパクパク」

櫻子「(う、唇が近づいて、えっ)」

チュッ

櫻子「ねーちゃん、なにしてんの!?」パッ

撫子「あっ、離した櫻子の負けだね」

撫子「プッキーゲームはこうやって最後までするのがゲームなんだよ」

櫻子「そ、そうだったのかー(私にはまだ早すぎた……)」

花子「な、撫子お姉ちゃん大人だし……」

第38話 プッキーゲームin大室家 終わり

第39話 高校生組プッキーゲーム

11月11日にVIPの撫子さん&花子様応援スレで投下したもの

美穂「今日はなんの日か知ってる?」

撫子「えっ(また、美穂か)」

藍「えーなんだろ」

めぐみ「あっわかった。プッキーの日だ!」

美穂「せいかーい!というわけで、めぐみにはプッキー一本あげるね」

美穂「そして、不正解だった。撫子と藍にはプッキーゲームをやってもらうよー」

撫子「えっ//」

藍「えー//」

美穂「ほら、二人とも向い合って」

美穂「じゃあ、これ咥えてねー」

撫子「っていうか、私たち答えなかっただけで、不正解じゃなかったんだけど」

美穂「やーん、早い者勝ちーそれは」

撫子「えっ、ひどい」

美穂「まぁまぁいいから咥えて、はい」

撫子「」パク

美穂「藍も反対側咥えて」

藍「う、うん//」パク

美穂「それじゃあよーいスタート」

撫子「(う、藍の顔が間近にある)」

藍「な、撫子、食べないとゲームにならないよ」カァー

撫子「そ、そうだね」パクパク

藍「うぅ」パクパク

めぐみ「ドキドキ」

撫子「(や、やばい、そろそろ藍の唇が)」

藍「(撫子、そろそろ限界。みんな見てるのに)」

美穂「おぉ~せめるね~」

チョン

撫子・藍「はっ」パッ

めぐみ「今、あたってたよね?」

美穂「うーん、どうだろ」

撫子・藍「あたってない!よ!」

第39話 高校生組プッキーゲーム 終わり


第40話 大室家の回転寿司日和

ある日の土曜日

撫子「今日はお昼お寿司を食べに行こうか」

櫻子「えっ?マジで!?」

撫子「うん、お母さんからお昼代もらってあるから」

花子「やったし!」

櫻子「回らないお寿司?」

撫子「んなわけないでしょ。回転寿司だよ」

花子「久しぶりのお寿司だし!」

回転寿司屋

櫻子「うひょー、お寿司だー!」

「何名様でしょうか?」

撫子「3人です」

「カウンター席とボックス席がありますが、どちらになさいますか?」

撫子「ボックス席で」

「こちらへどうぞ」

花子「ワクワク」

櫻子「それにしてもねーちゃんと花子とだけで外食するのなんて久しぶりかなー?」

撫子「そうだね。あまりないよね」

櫻子「私お寿司取れる位置にすわろーっと」

花子「あっ、ずるい。花子も」

撫子「花子、取れる位置に座ると他の人の分も取らなきゃいけないからかえって自分が食べるのに集中できないんだよ」

花子「わかったし、じゃあ取る位置は撫子お姉ちゃんと櫻子に譲るし」

櫻子「まっ、私は自分の分だけしかとらないけどな」

花子「」ムカッ

櫻子「あっ、カニの味噌汁!いくら!すみませーん。カニの味噌汁といくら3つでー」

撫子「まぁまぁ、みんな決まってから一気に頼もうよってもう頼んじゃったか」

花子「櫻子は相変わらずせっかちだし」

撫子「花子は最初なに食べる?」

花子「花子はマグロがいいし、中トロにしていい?」

撫子「うん、まぁおいしいものは最初に食べなきゃね。私もそれにしようかな」

櫻子「あっ、うに来た、とっちゃおーう」

撫子「あっ、ちなみに3000円しか置いていかなかったから、できればその範囲でね」

櫻子「はいはいー」パッパ

花子「(絶対守る気ないし櫻子のやつ)」

櫻子「うん!いくら美味しいー。うにもうめぇ!おっマグロ中トロ頼んだのか。ありがとうな」パパ

花子「あっそれ花子のだし!てか2つも取るなし!」

撫子「大丈夫だよ。念のため、4つ頼んであるから」

花子「さすが、撫子お姉ちゃん!」

撫子「(あっ、鯵がある。美味しいかな。まぁ回転寿司の鯵だから期待しないでおこう)」

花子「中トロ美味しいし」

櫻子「サーモン美味しぃー!カニの味噌汁来た!ねーちゃんたちもいる?」

撫子「うん、じゃあ一口だけもらおうかな」

花子「マグロは赤身も美味しいし」

撫子「花子、櫻子よりお寿司の趣味大人だよね?」

花子「えっ」

撫子「普通子どもの方がいくらとか、サーモンとか好むのに花子はマグロばっか」

櫻子「なんだとー!私の趣味が子供っぽいてかー」

撫子「まぁ、櫻子は無理もないんだけどね」フフ

花子「ありがとうだし。なんかそう言われると照れくさいし///」

撫子「(この鯵美味しい!まるで口の中で鯵がいきいきと泳いでるみたい!)」

撫子「ほっけ貝、つぶ貝もなかなか美味しい」

撫子「(つぶ貝!なんてコリコリした食感なの!)」

撫子「(初めてつぶ貝を食べたのは8歳、お母さんに勧められていやいやながら食べたんだけど、噛めば噛むほど味が出てくる不思議な存在。こんな美味しいつぶ貝を食べられる私は特別な存在なのだと思いました)」

撫子「はい、花子。つぶ貝あげる」

花子「貝は苦手だし」

撫子「まぁまぁ騙されたと思って食べてみな美味しいから」

花子「パクッ」コリコリ

花子「あっ!美味しい!このつぶ貝美味しい!」

撫子「ネタがいいと貝類は美味しいのよ」

撫子「(今では私がお姉さん。そして、妹にあげるのは、もちろんこのつぶ貝。なぜなら彼女もまた特別な存在だからです)」

花子「貝がこんなに美味しいものだったとは知らなかったし!」

花子「ここのお寿司、回転寿司の割りには美味しいし」

撫子「そうだね。意外とネタが新鮮でいい。まぁ100円寿司より割高だけど」

櫻子「ふぅー食った食ったーあっでもメロンまだ食べてない!」

花子「花子もメロン食べるし!」

撫子「(そういうところはまだ子どもなのね。かわいい)」クス



撫子「さあ、お茶も飲んだし、そろそろ行きますか」

櫻子「おー、はぁ食った食った」

花子「お腹いっぱいだし」


「お会計、3980円です」

撫子「……」ガーン

撫子「自腹切ろう」

第40話 大室家の回転寿司日和 終わり

ヴェルタースオリジナルwwwwwwww

新鮮なのに古いネタ

この店にまりちゃんは連れて来ちゃだめだな

第41話 こころちゃん観察記3

未来「今日の昼休みもこころちゃんを観察してみよう」

こころ「花子様ー遊ぼー」

花子「うん、いいし」

未来「花子様と遊ぶと」カキカキ

花子「で、なにして遊ぶのかし?」

こころ「?花子様が考えてー」

花子「えっ!?花子と何して遊ぶのか考えてなかったのかし!?」

未来「花子様と何して遊ぶのか考えてなかったと」カキカキ

花子「仕方ないなし、じゃあこの前やった鶴の折り紙の続きでもやるし」

こころ「わー楽しそうーこころもやりたかったー」

花子「いや!こころも一緒にいたし!?」

未来「こころちゃん、花子様と一緒にやったあやとりを忘れる」カキカキ

未来「そういえばこころちゃん、結構忘れっぽいよね」

未来「追加して書いとこう、こころちゃん忘れっぽいと」カキカキ

こころ「花子様ー次どうやってやるのー?」

花子「ここのひらひらしてる方を折って」

こころ「わぁー花子様すごーい」

花子「だから、こころもこの前折ってたし!?」

未来「こころちゃん、折り紙の折り方を忘れるっと」カキカキ

こころ「わぁー完成だーすごーい」キラキラ

未来「うっ、こころちゃんの目が輝いてて眩しい。鶴の折り紙であんなにキラキラするこころちゃん凄い」

未来「こころちゃん、鶴が完成して目を輝かせると」カキカキ

花子「うん。こころもよくできたし」

こころ「花子様のおかげだよー」

キーンコーンカーンコーン

花子「あっチャイムなった。」

未来「あーお昼休み終わっちゃった」

こころ「早く座ったほうがいいよー」

花子「いや、あんたがだし!」

未来「こころちゃん、席に座っている花子様に座ったほうがいいよとアドバイス。なお、自分は立っている」カキカキ

未来「うん!今日もこころちゃんの不思議なところがいっぱい見れて面白かった」

第41話 こころちゃん観察記3 終わり

第42話 花子は櫻子の抱き枕

午前1時

櫻子「」ムクリ

フラフラ

花子の部屋

櫻子「」ボー

ガチャ

花子「スースー」Zzzz

櫻子「」ズブズブ

モグリ

花子「……ん……」Zzzz

櫻子「スピー」

午前1時半

花子の夢

櫻子「はーなーこー」ドタバタ

花子「な、何で来るし!?」

櫻子「鬼ごっこだー」ドタバタ

花子「さ、櫻子やめろし!」ジタバタ

現実

花子「う~ん……」

櫻子「スピー」ガシッ

花子の夢

花子はテーブルの向かい側に回りこむ

しかし、櫻子に回りこまれてしまった!

櫻子「花子つかまえたー!」ガシッ

花子「や、やめろし!」ジタバタ

現実

花子「や、やめろし!」ジタバタ

櫻子「スピー」ガッシ

花子「あれ?夢?ん?でも、櫻子がいつの間に潜り込んでたし!」

花子「しかも、体を抑えこまれて動けない!」ジタバタ

花子「これじゃあ夢と同じだし!」ジタバタ

撫子の部屋

撫子「」カリカリ

撫子「はぁー少し休憩するか」

撫子「あれ?櫻子の部屋空いてる」

櫻子の部屋

撫子「」バサ

撫子「櫻子がいない……はぁまた花子のところ行ってるなあいつ」

花子の部屋

ガチャ

花子「うー苦しいし」ジタバタ

撫子「はぁ……花子、また櫻子に抱きつかれて寝てる」

花子「は!撫子お姉ちゃん助けてほしいし!櫻子のやつまた花子の布団に潜り込んできたし!」

撫子「こら、櫻子離れなさい!」ガシ

櫻子「うーん……花子じゃなきゃやだー……」

花子「な、何言ってるし///」

撫子「寝言だよ。気にするな」ガッシ、グイ

櫻子「うーん、眠いなーまだ朝じゃ無いじゃん」

櫻子「あれ?ていうか何で花子が布団に入ってるの?」

花子「入ってきたのはそっちだし!櫻子に抱きつかれたおかげで悪夢みたし!」

櫻子「そっかーごめんごめん。私は帰るよ」

撫子「はい、これでもう大丈夫だよ」

花子「ありがとう撫子お姉ちゃん」

バタン

花子「櫻子のバカ……(でも、本当は嫌いじゃないし)」

第42話 花子は櫻子の抱き枕 終わり

第43話 藍と美穂とめぐみ

昼休み

めぐみ「あれ?撫子は?」

藍「トイレに行ったよ」

めぐみ「そっか、お昼にしよう」

藍「うん」

美穂「あれー?今日は撫子どうしたのー?」

めぐみ「トイレに行ったって」

美穂「そうなんだー。まぁいいや、お昼一緒に食べよ」

藍・めぐみ「うん」

美穂「あっ、藍の今日のお弁当美味しそう」

藍「うん!今日は自家製唐翌揚げ弁当。って言っても昨日のオカズの残り物だけどね」

めぐみ「ホントだ。美味しそう」

藍「唐翌揚げ一ついる?」

めぐみ・美穂「えっ!いいの?」

藍「うん。あっそうだ!オカズ交換しあいっこしない?」

めぐみ「いいねー」

美穂「おもしろそー」

藍「ハイ、とりあえず私の唐翌揚げ。召し上がれ」

めぐみ「わぁ、おいしい」

美穂「ホントだ!おいしー」

藍「これ。私が作ったんだよ」

めぐみ「へぇーうまいね」

美穂「藍って料理うまくて嫉妬しちゃう」

藍「えへへ、ありがとう」

めぐみ「じゃあ次は私の番ね。って言っても購買で買ったパンとコロコロドーナッツだけど」

めぐみ「パンの方はあげられないから、コロコロドーナッツあと4つあるから1つづつ食べていいよ」

藍「ありがとう」

美穂「このちっちゃいドーナッツって美味しいよねー」

めぐみ「うん、私も好き」

美穂「じゃあ、次は私からー」

美穂「はい、家のお母さんの卵焼きー」

藍「おいしー!何このトロけるような卵焼きは!」

めぐみ「自家製弁当っていいよね」ウルウル

美穂「いいでしょ?それにしてもー撫子遅いねー」

めぐみ「そうだね」

撫子「あー、腹痛かったー」

藍「撫子大丈夫?」

撫子「うん、ちょっとお腹下してて。あれ?みんなでお弁当交換してたの?」

藍「うん!撫子もやる?」

撫子「そだね。みんなのお弁当美味しそうだし。あっでもめぐみのだけは弁当じゃないね」

めぐみ「うっ!みんな自家製弁当でいいなー」グスグス

第43話 藍と美穂とめぐみ 終わり

第44話 小学生組の体育

先生「今日の体育はドッジボールをやります」

「わぁいドッジボール!私ドッジボール大好き」

「ドッジボール痛いから苦手ー」

未来「花子様、ドッジボール好き?」

花子「好きじゃないし」

こころ「えーなんでー?逆上がりあんなに上手なのにー」

花子「いや、逆上がりとドッジボールは関係ないし!?」

未来「(また、こころちゃんの不思議発言!)」キラキラ

みさき「花子、ドッジボール苦手なのね!」

花子「うっ」

みさき「まぁ見てなさい!みさきの球さばき加減を」

先生「それじゃあ、白い帽子を被ってる子と赤い帽子を被ってる子でわかれてねー」

「はーい!」

未来「私白だ」

こころ「こころもー」

花子「花子は赤だし」

未来「じゃあ花子様と戦うのね。」

こころ「花子様強そ~」

花子「いや、だから花子は」

みさき「花子、私も赤よ!」

花子「みさき」

みさき「花子見てなさい!私が白組全滅させてあげるんだから!花子には、ボール当てさせないわ!」

花子「みさき……ありがとう」

みさき「!!ち、ちがうわよ!決して花子を守るとかそういうんじゃないんだからね!」

先生「それでは、よーいスタート」

ポーン

先生が上げたボールが白組と赤組の一番身長の高い子の間に落ちる

「それ!」

白組がボールを弾き白組ボールとなる

「あっ、白ボールだね!よぉし負けないぞー」

ヒュッ

白組の子がボールを投げる。結構なスピードで投げたそのボールは花子の方へと向かってくる。


花子「うっ(避けるのが精一杯だし)」スタ

花子はかろうじて避ける

そのボールを赤組のみさきがキャッチする

みさき「ふふん、そんなボールじゃ、みさきは当たらないわよ。それ!」ヒュ

みさきのボールは、ほぼ直線を描き、最前線に立っていた子へと当たる

バーン!

「あっ、あたっちゃった」

ピッ

笛が鳴り響き、最前線の子は外野へとでる

花子「みさき凄い!」

みさき「ふふん!花子、油断しちゃダメよ!次が来るんだから」

花子「うん」

白組ボールとなったボールは白組の運動神経のいい子が持っている

「それ!」ヒュッ

直線を描き最前線で立っていたみさきへと来る。

みさき「なんの!」キャッチ

そのボールを軽々とキャッチするみさき。すぐさま反撃へと出る

みさきのボールは鋭く、最前線の子へと当たる

ピッ

先生が笛を鳴らし、最前線の子は外野へとでる

花子「みさき、本当にすごい!」

「みさきちゃん、凄ェ!!」

「みさきちゃんがいれば、百人力ね!!」

赤組の内野から歓声が響く

みさき「ふふん。どうよ」

未来「みさきちがあんなにやるとは」

こころ「みさきち凄いねー」

未来「私達も負けてらんないね!」

こころ「うんー」トコトコ

未来「って!こころちゃん!そっちは外野だって!」

こころ「あっ、そうだったー」エヘヘ

未来「(こころちゃんの不思議行動追加っと)」

第44話 小学生組の体育 前編 終わり

乙です

第45話 小学生組の体育 後編 

白組の反撃

未来「私がいくよ」ヒュ

未来はみさきをさけ、奥のほうで逃げ惑っているこの背中に当てた

ピッ

みさき「なかなかやるわね。未来」

未来「みさきちにだけいい思いさせないよ」

バチバチ、2人の目の間に稲妻が走る

「みさきちゃん!ボール」

赤組の子が腕の立つみさきへとボールをパスする

みさき「じゃあ、みさきのボールを取ってみなさい」

未来「望むところだよ。みさきち」

みさき「それ!」ヒュ

みさきの放ったボールはすごいスピードで未来のところへ飛んでいく

未来「はっ」パス、ヒュ

未来はそれをキャッチ。みさきへと反撃する

みさき「くっ」パシ、ヒュ

何回か、未来とみさきの間で攻防が続く

こころ「すごいねー花子様」

花子「まさか、みさきがここまでやるとは思わなかったし!」

花子「ってなんでこころが外野に出てるし!?まだこころあたってないし!」

こころ「あーそうだったー」

それから、みさきは白組へと反撃する

みさきは白組をどんどん撃退していって、未来は赤組をどんどん撃退していった

内野に残るは、白組は未来だけ、赤組は花子とみさきだけになった。

みさき「花子、よく今まで残ってくれたわね」

花子「みさきが守ってくれたからだし」

みさき「///」

さらにそこには花子の俊敏な回避能力も加わる

未来「これで、内野には、実質戦力は1対1だね」

みさき「こっちには花子がいるわよ」

未来「でも、花子様はボール投げられないから、実質みさきちと私だけよ」

花子「ごめんだし。みさき」


みさき「花子が謝ることじゃないわよ。その分私が頑張ればいいんだから」

みさき「花子は全力で避けてて、そうすれば時間切れでこっちの勝ちだから」

花子「わかったし」

みさきはそういうと、未来に全力でボールを投げる

みさき「とりゃー」ヒュン

未来「くっやるね。みさきち!これが私の全力投球よ!」ヒュ

未来が放ったボールはものすごい勢いでみさきの肩へとあたった

みさき「うぐ!しまった!」

バウンドしたボールが上へと上がりながら後方へ飛ぶ。

みさき「(これを落としたら、私は外野にでなくちゃならない。そうしたら花子が)」

放物線を描きながら落下する。みさきでは到底間に合いそうにもなかった

ピッ

未来「(やった!これで勝ちは決定)」

先生の笛の合図がなり、みさきは外野へと退場させられる。 が、その時!

花子「う」パス

花子がボールをキャッチしていた

先生「大室さんがキャッチしたため、高崎さんは内野に戻ってください」

「うわぁー花子様ー」

「すごい、やるねーさすが花子様」

みさき「花子……ありがとう。やっぱり花子はすごいわ」ガシッ

花子「みさき!」ガシッ

こころ「イイハナシダナー」

未来「なんてことなの!」

みさき「未来、あんたの負けよ。あんたは、こっちが2人だということを見くびっていたみたいね」

未来「くっ」

先生「ピッピー時間切れでーす。勝者は赤組です!」

先生「高崎さん、大室さんよくがんばりました。それから、相馬さんもよくがんばりました」

花子「みさき」

みさき「な、なによ!」

花子「みさきのことちょっと見なおしたし」ニコ

みさき「ななななんなのよ!花子急にしおらしくなってさ!」

第45話 小学生組の体育 後編 終わり

ボールとれないからと逃げ回っている内に最後まで残っちゃう事ってよくあるよね

第46話 楓と大室家1

楓「花子お姉ちゃん」

花子「楓よくきた」

楓「今日は何して遊ぶの?」

花子「うーん、何がしたいし?」

楓「うーん、花子お姉ちゃんに抱っこしてもらいたいの」

花子「抱っこ?」

楓「うん」

花子「こうかし?」ヒョイ

楓「ちがうの!抱っこって言ったらお姫様抱っこなの!」

花子「お姫様抱っこはなんか恥ずかしいし……///」

楓「わかったの」シュン


櫻子「ここで登場櫻子様だー!」

花子「うるさいのがきたし、楓捕まるから逃げな」

櫻子「う~ん、いいのかなー私ならお姫様抱っこしてあげるんだけどなー」

楓「ホントなの!?」

花子「嘘だし、そういうこといって楓を拉致って遊ぶ気だし」

楓「そうなの?」

櫻子「そんなことしないって、楓こっちにきな」

楓「うん」トコトコ

花子「やめるし!」

櫻子「それ」ヒョイ

楓「わぁー!お姫様抱っこだー!ありがとうなの!」

花子「櫻子がふざけないで真面目にいったこと守ってるし」

櫻子「ほーら、言ったことは守る櫻子様なのだー」

櫻子「どう?楓楽しかった?」

楓「うん!ありがとうなの!櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「どっかの恥ずかしがり屋とは違うんだ」

花子「ムカッ!」ボコ

櫻子「痛!あれ?花子怒った?」

花子「もう知らないし!楓は櫻子と遊んでもらいなし」

楓「えっ!?花子お姉ちゃんちょっと待ってよー」

第46話 楓と大室家1 終わり

第47話 楓と大室家2

楓「ねー花子お姉ちゃんが部屋にこもっちゃった」

櫻子「あいつ私がからかうとすぐ怒るからなーまぁすぐ出てくるでしょ」

楓「どうしよ。楓花子お姉ちゃんに嫌われた!」

櫻子「えっ!?それはないと思うよ」

楓「どうしようー櫻子お姉ちゃんに甘えたら花子お姉ちゃんに嫌われちゃう!楓はどっちをとればいいの!?」

櫻子「なにその、究極の二択!」

楓「う、うぇーん」

撫子「あら楓、どうしたの?」

楓「花子お姉ちゃんか櫻子お姉ちゃんかどっちかしか選べないの!」

撫子「それは花子一択だね」

櫻子「ちょっ!」

撫子「うそうそ、何があったか話してご覧」


撫子「ふむ、じゃあ花子にもお姫様抱っこしてもらえば解決するんじゃない?」

櫻子「なぜそうなる!?」

撫子「まぁいいから見てなって」

花子の部屋

撫子「花子ー」

花子「うう、撫子お姉ちゃんかし」

撫子「花子、本当は楓にお姫様抱っこしてあげたいんでしょ?」

撫子「でも、恥ずかしがった上に櫻子に指摘された手前言い出しづらくなったんでしょ?」

花子「さすが、撫子お姉ちゃんはなんでもお見通しだし……」

撫子「花子出ておいで」

ガチャ

撫子「そして、言っておいで」

花子「うん」


楓「花子お姉ちゃん待ってたの!」

花子「楓お姫様抱っこしてあげるよ」

櫻子「えー、ずるい私もー」

花子「櫻子は黙れし!」



撫子「ふふ、一件落着」


第47話 楓と大室家2 終わり

第48話 大室三姉妹一緒にねる

櫻子「花子ー起きてる?」

花子「うー寝てるし」

櫻子「じゃあ、久しぶりに一緒に寝よ」

花子「いやだし、なんで櫻子と一緒に寝なくちゃいけないんだし」

櫻子「たまにはいいじゃん」

花子「……」

櫻子「はっなこー」ドサ

花子「うっ!痛い!苦しいし!何やってるんだし!目が覚めたし!」

櫻子「いいじゃんいいじゃん」

花子「なんで、櫻子を一緒に寝なきゃいけないんだし!」

櫻子「2回目!?そんなに嫌か」

撫子「なにやってるの、櫻子?」

花子「撫子お姉ちゃん、櫻子が花子を寝かせないつもりだし!」

撫子「(寝かせないつもりって……)」

櫻子「あっ、ねーちゃん、久しぶりに一緒に寝ない?花子と3人で」

花子「撫子お姉ちゃんが櫻子と一緒に寝るって言うわけないし」

撫子「う~ん、いいよ」

花子「えっ!?」

撫子「まぁ、久しぶりに一緒に寝ようか」

花子「撫子お姉ちゃんも一緒なら、考えなおすし」

撫子「じゃあ、花子のベッドだと3人はきついから布団しこうか?」

櫻子「りょーかーい」



撫子「花子、櫻子と寝るのはいや?」

花子「いや、じゃないし……」

撫子「やっぱり、花子は櫻子のこと好きなんだね、でも、花子を起こしてまで寝ようとする櫻子はどうかと思うけど」


櫻子「ほーい、持ってきたぞ―」

撫子「ありがとう、じゃあしこうか」

花子「うん」


櫻子「私が真ん中がいいー」

撫子「花子はそれでいい?」

花子「それでいいし」

櫻子「もーう花子は私の隣がいいなんてかわいいやつだな」

花子「うぅ」

撫子「じゃあ電気消すよ」

櫻子「はーい」



          ...zzz
 ダシダシ...       ハナコ... 
.   ...zzZ r´ ̄`ヽ       r´ ̄`ヽ
      | .|λllハ )"⌒⌒ヽ(从从ハ. | ...zzZ

      | ル -ヮ ハLLキハ| |从ヮ-从ハ)
     r ⌒ヽ つζ‐ヮ‐ (iζと⌒ヽヽ

    ノ  ,.ィ''⌒~<ぅ⌒cソ´     ヽ))
   /      '     ,,      i!/
 (_,.   ノ  (           './/
 く.,_`^''ー-‐--、_,,._,,__  `  ノ/

   `~`''ー------、,,___, `ー'''~~'_/
              ~~´ ̄"~

自動保守大室姉妹だったよ
三人でひとつの布団で寝る仲のいい大室姉妹だよ

第48話 大室三姉妹一緒にねる 終わり

ダシダシ...

第49話 小学生組 花子の家に遊びに来る 前編

こころ「花子様のうちだー」

未来「わーい」

花子「上がっていいし」

未来「おじゃましまーす」

櫻子「ああ、未来ちゃんにこころちゃん、よく来たねー」ワキワキ

花子「櫻子、未来とこころに手を出すなし!」

櫻子「えー、ずるいずるい、花子ばっかり、私も未来ちゃんとこころちゃんと遊びたいー」

花子「未来とこころは花子と遊びに来たんだし!櫻子はどっかいけし!」

未来「えー、でも櫻子お姉ちゃんも仲間に入れてあげようよ」

こころ「うん、こころも櫻子お姉ちゃんと遊びたいー」

花子「うっ」

櫻子「ふっ、勝負あったな」ドヤァ

花子「(ムカッ)」

櫻子「それじゃあ、早速未来ちゃんとこころちゃんで遊びますか」ワキワキ

花子「未来、こころ、危ない!」

未来「えっ」バッ

こころ「んー?」

櫻子「捕まえた!」ガシ

こころ「えっ!えっ!」キョドキョド

櫻子「それー」コチョコチョコチョコチョ

こころ「あっ!ちょっと!くすぐったい!や、やめて、うっふぅ、や、やめて櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「そーれそれー」コチョコチョコチョコチョ

こころ「は、はひ、はひひひひひひひひひひひひ」


こころ「」グッタリ

こころ「うぅーひどい目にあったよ~」

花子「だから、アレほど、櫻子に近づかない方がいいっていったし」

こころ「うん」

未来「確かに(下の方は失敗ってそういう意味だったか……)」

第49話 小学生組 花子の家に遊びに来る 前編 終わり

第50話 小学生組 花子の家に遊びに来る 後編

花子の部屋

未来「じゃあ、何して遊ぶ?」

花子「うーん、花子はゲームとか持ってないし、いつも、読書とかしてるんだけど」

こころ「花子様はやっぱり花子様だねー」

未来「なんか、ゲームでも持ってくればよかったね」

こころ「そうだねー」

花子「ごめんだし」

未来「ううん。花子様が謝ることじゃないよ」

こころ「そ、そうだよー」

ガチャ

櫻子「それじゃー花子、私は向日葵のとこ行ってくるねー」

こころ「ひっ」ガシ

未来「?」

櫻子「それとさっきはごめんね。こころちゃん(あちゃーこれは最悪の印象つけちゃったなー)」

こころ「う、うん」オドオド

櫻子「じゃあ、行ってくるから」

花子「気をつけるんだし」

こころ「櫻子お姉ちゃん怖い」

花子「大丈夫だし。本当に意地悪なことはしないから、花子以外には……それにしてもなにして遊ぼうか」

撫子「ただいまー」

花子「あっ、撫子お姉ちゃん帰ってきたし!撫子お姉ちゃんならなにかおもしろい遊びしってるかも」

撫子「あら、いらっしゃい。こころちゃん、未来ちゃん」

花子「撫子お姉ちゃん」

こころ「なにか面白い遊び知ってるー?」

未来「花子様のセリフを取るこころちゃん、面白い!」

撫子「うーん、面白い遊びねー」

撫子「バランスボールでも投げて遊ぶ?」




こころ「わーい」

未来「それー」

花子「痛、な、なんでだし!」バチーン

バランスボールドッジボールは意外と楽しかったとさ

第50話 小学生組 花子の家に遊びに来る 後編 終わり

第51話 撫子さんの彼女 第三弾

今回の彼女

>>127

あかり

姉妹攻略か

あかりちゃんが彼女とか、楽しみすぎワロタ

第51話 あかりとデート1 出会い

ピーンポーン

あかり「櫻子ちゃーん?」

あかり「あかり来たよー」

コツコツ

撫子「(あら、家の前に人がいる、中学生ぐらいの子ね。櫻子の友達かな?)」

撫子「こんにちは、櫻子に用?」

あかり「あっ、こんにちは!そうです、櫻子ちゃんに宿題おしえる約束をしてて。私は赤座あかりっていいます。あなたは、櫻子のお姉ちゃんですか?」

撫子「ええ、そう。大室撫子って言うわ」

あかり「よろしくおねがいします。撫子お姉ちゃん!」

撫子「(撫子お姉ちゃん、なにこれかわいい……)」

撫子「たぶん、櫻子は向かいのうちにいるよ」

あかり「向かいの家って、向日葵ちゃんの家かな?」

撫子「うん、そうだよ。向かいの家に住んでるから幼馴染なんだよね」

あかり「そっかぁ、だから櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは仲がいいのかぁ」

撫子「あかりちゃんは櫻子のことよく見てるんだね」

あかり「うん!櫻子ちゃんは、あかりの大切な友達なんだもん!あっです!」

撫子「ふふ、あかりちゃんはかわいらしいね。櫻子とは大違いだよ」

あかり「そ、そんなことないですよ!!」アセアセ

櫻子「あー、あかりちゃん来てたんだー」

あかり「えー、約束したじゃーん!」

向日葵「あら、櫻子!赤座さんと約束してたなら、うちに来てのんびりしてちゃダメじゃない!!」

櫻子「これ!向日葵の作ったパンケーキ、あかりちゃんも食べる?」

あかり「わぁい!ありがとう!」

撫子「仲が良くてよろしい」

向日葵「撫子さんもいかがですか?」

撫子「えっ私の分もあるの?」

向日葵「ええ、少し作りすぎちゃって、だから大室家の人たちにもおすそわけです。花子ちゃんにも食べさせてあげてくださいね」

撫子「うん、わかったありがとうひま子」モグモウ

あかり「(撫子お姉ちゃん、向日葵ちゃんにも好かれてるんだ。というか、撫子お姉ちゃんの食べてる姿かわいらしい……)」

撫子「うん、!確かにこれはおいしいね!」

あかり「って、あかり年上の相手に何を考えてるのー!!」ジタバタ

撫子・櫻子・向日葵「???」

櫻子「じゃあ、勉強しよっか?向日葵も来る?」

向日葵「いえ、今日は赤座さんに見てもらいなさい。私は楓と出かける用事があるので、っていいましたわよね?」

櫻子「あっそうだった」テヘ

撫子「全く、あんたはいつもどおりね」

あかり「(撫子お姉ちゃん素敵だなークールで、うちのお姉ちゃんとは違った感じのお姉ちゃんって雰囲気、櫻子ちゃんとはまた違った可愛らしさも持ってるし)」

あかり「(こんなお姉ちゃんもいいなー)」

第51話 あかりとデート1 出会い 終わり

いいですな!

これはいいですな

いいねぇ

第52話 あかりとデート2 撫子さんと喋りたい

櫻子「ありがとう!あかりちゃんのお陰で勉強がはかどったよ!」

あかり「そういってもらえるとあかりもきた甲斐があるよ」

櫻子「勉強終わったし。何して遊ぶ?」

あかり「うーん、撫子お姉ちゃんのことおしえてもらっていいかな?」

櫻子「へっ、ねーちゃん?いいけど、なんで?」

あかり「な、なんとなくだよ!」

櫻子「?まぁいっか、えーと、ねーちゃんは今高校3年生でねー受験するんだって」

あかり「うんうん」

櫻子「受験するからって勉強勉強ばっかりで、私が居間にいるのも気に食わないらしくて追いだそうとするんだよ。ひどくない?」

あかり「うーん、それは櫻子ちゃんが邪魔するのが悪いかも」

櫻子「えっ!あかりちゃんまでそういう!?じゃあ、そうなのかなー」シブシブ

あかり「それで、それで!普段の生活とか聞きたいな!」

櫻子「普段ねー、借りてきた映画見てたり、バランスボールの上に乗っかって携帯打ってたり、あとマンガ読んでたり?」

あかり「映画は何が好きなの?」

櫻子「なんかカンフー系?ジャッキー・チェンとかそこら辺のが好きだよ。私は見てないけど」

あかり「漫画は?」

櫻子「リリーっていう雑誌の超☆乙女リッチィ」

あかり「へーあかりも読んでみようかな……」

櫻子「うん、リリーは面白いマンガ多いからおすすめだよ」

あかり「いいなー櫻子ちゃんあんなクールなお姉ちゃんが居て」

櫻子「いけ好かない姉だよ、私のこと邪険にして、そういうあかりちゃんもお姉さんいなかったっけ?」

あかり「うん、あかりにもお姉ちゃんいるよ。お姉ちゃんもやさしくてとっても大事なお姉ちゃんだよ。あかり大好き!」

あかり「でも、櫻子ちゃんのお姉ちゃんは、なんていうか、うちのお姉ちゃんとはタイプが違う感じで凄い新鮮なんだよぉ」

あかり「ねぇ!櫻子ちゃん!あかり、撫子お姉ちゃんとお話してみたいな!」

櫻子「えっ!あ、うん。いいけど、そんなに気に入ったの?」

あかり「うん、クールで可愛くて、あっ年上のお姉ちゃんに可愛いっていっちゃうのはちょっと失礼かも」

櫻子「(うわぁ、あかりちゃんすっかりねーちゃんのこと気に入ってるわ……)」

櫻子「ねーちゃん、いるー?」

撫子「ん?どうしたの櫻子?あかりちゃんと遊んでたんじゃないの?」

櫻子「そのあかりちゃんがねーちゃんと話したいんだって」

撫子「えっ、あかりちゃんが?」

櫻子「ほら、あかりちゃん」

あかり「うん」モジモジ

第52話 あかりとデート2 撫子さんと喋りたい 終わり

ほほえましい

第53話 あかりとデート3 誘い

撫子「それで、あかりちゃん、私と話したいことって何かな?」

あかり「(ど、どうしよう。話す内容考えてなかった。映画の話も漫画の話も見てないからできないよぉ)」

あかり「な、撫子お姉ちゃんは、櫻子ちゃんのことどう思っているんですか?(とりあえず、櫻子ちゃんの話題でも振ってみよう)」

撫子「え、櫻子?まぁ、いつも私と花子の勉強の邪魔ばっかりするし、うちは姉妹で夕飯を作る料理当番があるんだけど、それも適当に作るし、あまりいい妹じゃないね」

あかり「(櫻子ちゃん、撫子お姉ちゃんにも嫌われててかわいそう……)」

撫子「でも、大切なうちの妹だよ」テレテレ

あかり「そうですか!それはよかったです!お姉ちゃんに嫌われるなんて、櫻子ちゃんがかわいそうだと思ってました。嫌いじゃないんですね?」

撫子「うん、きらいじゃないよ」

あかり「(よかったぁ、櫻子ちゃん。ていうか、照れてる撫子お姉ちゃんが可愛い!)」

撫子「聞きたかったことってそのこと?」

あかり「いえいえ、違うんです。撫子お姉ちゃんって料理できるんですね!私はあまりしたことないからすごいなぁ。尊敬しちゃう」

撫子「まぁあまり手のこったものは作れないけどね。あかりちゃんも作ろうと思えばすぐ作れるようになるよ」

あかり「それでもすごいです!うちのお姉ちゃんもたまにあかりのため、いえ、私のために料理を作ってくれるんですけど、すごい美味しいんです!」

撫子「そう、あかりちゃんにもいいお姉ちゃんがいるのね。って、これだと私がまるでいいお姉ちゃんみたいじゃない、なにこの自画自賛……」

あかり「いえ、撫子お姉ちゃんはいいお姉ちゃんだと思います。あかりも、いえ、私も撫子お姉ちゃんみたいなお姉ちゃんも欲しかったです!」

撫子「あかりちゃんはいい子ね。私の妹にしたいぐらい。というか、あかりちゃん自分のことあかりっていつも言ってるんでしょ?無理しなくていいよ」

あかり「い、妹だなんてそんな!で、でも撫子お姉ちゃんがいいっていうなら……はい、あかりは自分のことあかりって呼んでます。でも、年上の人と話すときはお子様っぽいかなって思って恥ずかしいです」

撫子「あかりちゃんはそのままのあかりちゃんでいいと思うよ。無理しなくていいと思う。まださっきあったばかりだからあかりちゃんのことあまり知らないけど、私は自然体なあかりちゃんが好きだから」

あかり「す、好きってそんな///」

あかり「(撫子お姉ちゃん、そんなこと言われたらあかりも好きになっちゃうよぉ)」

~~~~~~~~~~~~

櫻子「あかりちゃん、もしかしてねーちゃんのこと好きなの?」

あかり「えっ!そんなことないよぉ~!!」アセアセ

櫻子「へへーん、まぁ、恋心は自分では気づきにくいものですからねー」

櫻子「とりあえず、一回ねーちゃんをデートに誘ってみたら?」

あかり「えっ、迷惑じゃないかなー?」

櫻子「大丈夫だよ、あかりちゃんはいい子だから。ねーちゃんも乗ってくれると思うよ」

~~~~~~~~~~~~~

櫻子「(頑張れ!あかりちゃん)」

あかり「あ、あの!撫子お姉ちゃん!!」

撫子「ん?」

あかり「今度、あかりとデート、いえ、お出かけにいきませんか?」

撫子「うん!いいよ。櫻子も一緒に?」

櫻子「(これはまずい)」

あかり「そ、そうですね。櫻子ちゃんも一緒に」

櫻子「(そ、そこは断らなきゃ、私が居づらいでしょ!……まぁでもあかりちゃんのフォローとかできるかな)」

撫子「じゃあいつにする?」

あかり「今度の日曜日はあいてますか?」

撫子「いいよ」

あかり「やったぁ!(撫子お姉ちゃんとデート、撫子お姉ちゃんとデート!)」

第53話 あかりとデート3 誘い 終わり

第54話 あかりとデート4 あかりがリード

日曜日 

撫子「あかりちゃんとの待ち合わせ場所はここでいいんだよね」

撫子「櫻子のやつ、急に体調が悪くなって来れないって言い出して」

撫子「あかりちゃんは櫻子と遊びたかったんだろうけど……でも、櫻子がいけなくなったって電話で言ってもそれでも行きたいって言ってた」

撫子「どうしてだろう……」

撫子「もしかしてあかりちゃん、櫻子とじゃなくて最初から私と遊びたかったんじゃないだろうか」

撫子「だとしたら、なんでだろう……年上の人と遊ぶのに憧れているとか?」

撫子「私はそんなに私遊びとか知らないんだけどな」

撫子「そろそろあかりちゃんとの待ち合わせ場所だ」

待ち合わせ場所

あかり「約束の時間の50分も前に来ちゃった」

あかり「撫子お姉ちゃんをまたせちゃいけないからね」

あかり「まだ、撫子お姉ちゃんは来てない。よかったぁ」

あかり「よし、今日はがんばって撫子お姉ちゃんに振り向いて貰うんだから!がんばれあかり!」

20分後

撫子「30分も前に来ちゃったな。あかりちゃんはまだ来てないだろうし、ってあれ?あかりちゃん来てる」

撫子「おーい、あかりちゃーん」

あかり「あっ!撫子お姉ちゃん!」

撫子「ごめん。待った?」

あかり「いえ、今来たばかりですから、大丈夫です」

撫子「そっか、よかった」

あかり「(撫子お姉ちゃんも30分も前に来てくれるなんてやさしいな。でもよかったそれより早く来ておいて)」

撫子「それにしても、あかりちゃん早いね。びっくりしちゃったよ」

あかり「撫子お姉ちゃんをまたせるのは悪いですし」

撫子「こっちは、待つ覚悟してたけどね」

撫子「じゃあ、今日は何しようか?」

撫子「(はっ!何いってんだ私は!ここは年上なんだから私がリードしなければいけないのに!!)」

あかり「今日は、水族館に行って、映画を見に行って、カラオケもいいですね。あかり今日のためにいろいろ考えてきました!」

撫子「えっ!そうなの?(まさか年下にリードされるとは、不覚……)」

あかり「とりあえず、電車に乗って市街地に行きましょうか?」

撫子「うん、そだね」


市街地

あかり「あっ!撫子お姉ちゃん、お金は大丈夫ですか?あかりのプランだとお金結構使っちゃうかなって思ったんですが」

撫子「それは心配しないでいいよ。私は仮にも高校生だしね。そんぐらいのお金はあるのさ」

あかり「さすが、撫子お姉ちゃん!大人ですね!」

撫子「(いやいや、中学生でそこまでしっかりしてるあかりちゃんは凄いよ)」

あかり「じゃあ、まずはカラオケに行きましょうか?」

撫子「いいよ」

カラオケ

あかり「撫子お姉ちゃんは何を歌うんですか?」

撫子「うーん、今やってるドラマの主題歌とかかな。あかりちゃんは?」

あかり「あかり、ドラマとかあまりみないから、京子ちゃんに勧められて見た魔女っ子ミラクるんの歌にしようかな」

あかり「子どもっぽいですよね。やっぱりドラマとか見たほうがいいのかなぁ。あかり9時に寝ちゃうから見れないんです」

撫子「いや、あかりちゃんらしくていいと思うよ。やっぱり、中学一年生はこうじゃないと(可愛いところもあるんだな、あかりちゃんGood!)」ハハハ

あかり「むぅ、撫子お姉ちゃん、ちょっとあかりのことバカにしてませんか?」

撫子「いや、そんなことないよ。あかりちゃんはあかりちゃんのままで入ればいい。等身大のあかりちゃんが私は好きだよって意味だよ」ニコ

あかり「す、好き……(撫子お姉ちゃんの笑顔は好きだなぁ。あかりこの笑顔に惚れた気がする)」

2時間後

撫子「そろそろ歌い尽くしたかな?」

あかり「はい、最後の方とか歌を知らないあかりにデュエットとかしてくれてありがとうございました」

撫子「いやいや、私こそたくさん歌ってしまって悪かったよ」

あかり「いえいえ、あの?次は映画館でいいですか?」

撫子「うん、構わないよ」

映画館

あかり「撫子お姉ちゃんは見たい映画ありますか?」

撫子「いや、特にないかな……カンフー系の映画ないみたいだし」

あかり「そうなんですよね。撫子お姉ちゃんはカンフー系の映画が好きなんですよね。あかりも見てみようと思います」

撫子「いやいや、いいよ私のために無理してみなくても」

あかり「いえ、あかりが見たいと思うんです!えっと、じゃあ、この映画でいいですか?」

撫子「恋愛物、うんいいよ」

2時間後

撫子「結構ディープだったね。しかも、まさか女と女の恋愛だったとは……」

あかり「……」プシュー

撫子「あかりちゃん」

あかり「あっ!は、はひ!」

撫子「これは重症だ。あかりちゃんにはまだ早かったかな」

あかり「そ、そんなことないです!楽しめました!」

撫子「ホントかなぁー」ニヤニヤ

あかり「そ、それより、お腹減りましたね。お昼にしませんか?」

撫子「うん、そうだね」

第54話 あかりとデート4 あかりがリード 終わり

がんばれあかりちゃん

一週間ぶりに溜まったのを見る
最高だ

久しぶりにあかりが存在感を発揮している

頑張れあかり

頑張れいちおつ

第55話 あかりとデート5 撫子がリード

撫子「あかりちゃん、お昼もどこに行くか考えてきたりした?」

あかり「すみません。お昼はどこに行くか考えてません」

撫子「そう、じゃあ私がおすすめのイタリアンレストランおしえるわね。」

あかり「イタリアン!あかりイタリアン大好き!」

撫子「よかった。今日はあかりちゃんにリードされてばかりだから少しは大人の女らしいところ見せなきゃね」

あかり「撫子お姉ちゃんはそのままでも大人っぽいですよ」

撫子「ふふ、ありがとう。あかりちゃんにごちそうしてあげるよ」

イタリアン

あかり「わぁー、凄い雰囲気のいい店ですね!」

撫子「うん、私もこの雰囲気が気に入って、この店に入ってみようかなって思ったから」

あかり「わぁ、あのシェフの人、ピザ回してる。あかり初めてみたよー」

撫子「うん、ピザも手作りでおいしいよ」

撫子「ただ、ここ量が多いから。2品ぐらいでお腹いっぱいになっちゃうけどね。ピザとパスタで私はお腹いっぱいかな」

あかり「そうなんですか。あかりもあまり食べられないから、ちょっと残念かも」

撫子「はい、メニュー。あかりちゃんはピザは何が好き?」

あかり「うーん、このカプリチョーザっていうのがこの店のメインなんですよね?」

撫子「うんそうだね、それも結構美味しいよ」

あかり「じゃあそれにしてみます」

撫子「じゃあ、それを半分こによう。さっき言ったようにここ結構量多いから」

あかり「わかりました。あとは、パスタですかねぇ」

撫子「いや、まぁあかりちゃんの好きにしていいよ。私はカルボナーラにしようかな」

あかり「うーん、いろいろあって迷います。撫子お姉ちゃん何かおすすめはありますか?」

撫子「このイカ墨のスパゲッティがなかなか美味しいよ」

あかり「イカ墨。あかりイカ墨は初めて食べます」

撫子「そう。じゃあためしてみるといいよ」

あかり「はい!」

十数分後

あかり「あっ、ピザが来ましたね」

撫子「すみません。お皿2つお願いします」

「はい、わかりました」

あかり「結構大きいですね」

撫子「うん、多いんだよ。ここは」

「お皿です」

撫子「ありがとうございます。じゃあ食べよっか?」

あかり「はい!」

あかり「わぁー美味しいですね!」

撫子「でしょ?」

あかり「うふふ」

撫子「そんなに美味しい?」

あかり「いえ、あかり今幸せなんです」

撫子「美味しい料理を食べられて?」

あかり「はい、撫子お姉ちゃんと一緒に」

撫子「そっか」

あかり「パスタも来ましたね」

撫子「うん」

あかり「わぁー、イカ墨スパゲッティって本当に真っ黒なんだ!」

撫子「最初見たときはびっくりするよね。イタリア人はこんなの食べてるんだって。でも、日本人も海苔とか食べてるんだけどね」

あかり「た、確かにそうですね。じゃあ食べてみます。いただきます」

撫子「……」

あかり「……美味しい!」

撫子「よかった」

あかり「本当に美味しいです!びっくりしました。イカ墨パスタがこんなに美味しいなんて」

撫子「まぁ、イカ墨が服にはねないように気をつけて食べてね」

あかり「はい、黒くなっちゃいますもんね」

撫子「しかも、生臭くなっちゃうから」

あかり「気をつけます」

撫子「うん。カルボナーラ美味しい」スルスル

あかり「……」

撫子「ん?どうしたの?」

あかり「い、いえ、その。カルボナーラ美味しそうだなって」

撫子「そう?じゃああげよっか?」

あかり「ええ!悪いですよ!」

撫子「いいって、口開けて」

あかり「ええ!しかも撫子お姉ちゃんのフォークで!?(これじゃあ、撫子お姉ちゃんと関節キスだよぉ)」カァ

撫子「いいから」

あかり「……」ドキドキ

撫子「はい、あーん」

あかり「」パク

あかり「」モグモグ

あかり「美味しい!美味しいです!」

撫子「そう。よかった。ふふふ」ニコ

あかり「」ドキッ


撫子「食べ終わった?そろそろ出ようか?」

あかり「はい!」

「会計は2300円になります」

撫子「じゃあ、これで」

あかり「えっ!あかりも払います」

撫子「いいって、ここは撫子お姉さんに任せて」

あかり「悪いですよ!」

撫子「今日一日なにもお姉さんらしいことできないのはこっちが悪いから。だからお願い」

あかり「そうですか……じゃあお言葉に甘えて」

「またのご来店をお待ちしています」

撫子「ふぅー食べた食べた」

あかり「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!」

撫子「そっか、あかりちゃんに喜んでもらえてよかったよ」

あかり「はい!じゃあ次どこ行きますか?」

第55話 あかりとデート5 撫子がリード 終わり

ええなぁ

第56話 あかりとデート6 告白

撫子「あかりちゃんが予定してくれた水族館でいいんじゃない?」

あかり「そ、そうですか。ありがとうございます」

撫子「じゃあ行こうか」

水族館

あかり「ここ、小さい水族館ですけどあかり好きなんです」

撫子「うん、場所も地味なところにあるから、なんであかりちゃんが行きたがるのか不思議だったんだ」

あかり「ふふふ、おすすめの場所教えちゃいます」

撫子「楽しみ」

あかり「ここは、海水魚エリアです。よくわからないんですけど、海の魚って大きいですよね」

撫子「そうだね」

あかり「次行きますか?」

撫子「うん」

あかり「ここは、熱帯魚エリアです。熱帯魚は綺麗で見栄えがいいですよね」

撫子「それは、ネオンテトラだね。熱帯のメダカらしいよ。それぐらいいっぱいいるんだって」

あかり「へぇー撫子お姉ちゃん物知りですね!」

撫子「んん、まぁね」

あかり「じゃあ、取って置きの場所にいきますか」

撫子「あら、まだあったの?」

あかり「はい!」

あかりが撫子を連れて行ったところは、水草のみがおいてあるスペースだった

撫子「えっ、ここがあかりちゃんのおすすめ?」

あかり「はい!」

撫子「ここ、水草しかないけど……水族館って言ったら普通はメインは魚だよね?」

あかり「はい、メインは魚だと思います。でも、あかりは水草さん達が好きなんです」

撫子「なんで?」

あかり「お魚さんって動物だから酸素がないと死んじゃうじゃないですか?」

撫子「うん、そうだね」

あかり「その酸素を作ってくれるのがこの水草だっていうのを聞いてから、あかり水草さん達が好きになったんです」

あかり「表舞台には立たない。だけど、なければいけない存在。縁の下の力持ちっていいますけど、あかりそんな頑張ってる水草さんが好きなんです」

撫子「そうなんだ。あかりちゃんはすごいね」

あかり「えっ!?」

撫子「普通の人は気づかないようなところに目がつくっていうか、教室の花瓶の水とか変えるタイプでしょ?」

あかり「えー!なんで知ってるんですか!?」

撫子「ふふ、本当にそうだったとは、ごめんねカマかけて」

あかり「もぉ」

あかり「……」

撫子「……」

撫子「それにしても、あかりちゃんは優しい子なんだね」

あかり「えっ」

撫子「私のために、今日の日程考えてくれて、ここまで楽しませてくれて、私幸せだよ?」

あかり「そ、そんなの……(ああ、やっぱり、あかりは撫子お姉ちゃんことが好きなんだ……)」

あかり「撫子お姉ちゃんのことが好きだからに決まってるじゃないですか!」

撫子「うん、私もあかりちゃんのこと好きだよ」

あかり「ちがうんです!あかりの好きはそういう好きじゃなくて……」

撫子「えっ!?もしかして」

あかり「はい、おかしいですよね……女同士なのに」

撫子「ううん、おかしくはないと思うよ」

あかり「えっ!?じゃあ、あかりの気持ちに答えてくれますか!?」

撫子「ごめん、それは無理……」

あかり「…………やっぱり、そうですよね……」

撫子「現段階ではね」

あかり「え、現段階ってどういう意味ですか?」

第56話 あかりとデート6 告白 終わり

撫子さんのターン!

第57話 あかりとデート7 3年待てば

撫子「あかりちゃん、現段階ではまだ中学1年生でしょ?」

あかり「はい」

撫子「私は高校3年生なの、だから付き合うわけにはいかないな」

あかり「それは、あかりと撫子お姉ちゃんの年齢が5つ離れているのはいつまでたっても同じじゃないですか!」

撫子「そうだね。でも、私が言いたいのはそこじゃない。私が中学生に手を出すわけにはいかないってことなんだよ」

あかり「えっ、じゃあ」

撫子「あと、3年待ってくれる?私もあかりちゃんのこと好きだから」

あかり「はい!あかり、撫子お姉ちゃんのためなら3年でも5年でも待ち続けます」

撫子「そう。あかりちゃん、ごめんね」

あかり「いえ、希望が見えるだけありがたいです」

撫子「じゃあ、そんな強いあかりちゃんにご褒美」チュ

撫子はあかりのおでこにキスをする

あかり「あ///」

撫子「ふふ、今日みたいなデートならいつでもしてあげるから」

あかり「は、はい///」

帰り道

あかり「今日はありがとうございました。とっても楽しかったです」

撫子「そっか、じゃあまた今度いつでも誘ってくれていいから」

あかり「はい!」



それから1年半が経った

京子「あー、私達もとうとう卒業かー」

結衣「そうだね。あかりとちなつちゃんだけごらく部に残ることになるけど、2人でやっていける?」

ちなつ「はい!大丈夫だよね?あかりちゃん」

あかり「うん!高校生になっても仲良くしてね!」

京子「おう!高校生になっても私達の仲はなくならないぞ!まぁ、私と結衣はそれ以上の仲になってしまったけどな!」

結衣「京子……恥ずかしいって」

京子「なにをぉー」

結衣「あかりは好きな人とかいないの?」

あかり「いるよ。でも、あと一年待たないとあかりの恋は成就しないの」

結衣「?よくわかんないけど頑張ってね」

あかり「うん!」


さらに、1年後

ちなつ「あかりちゃん、今日で卒業だね!」

あかり「そうだね!でも、ちなつちゃんも結衣ちゃんと京子ちゃんと同じ高校に進むからよかったよぉ、また4人で遊べるね!」

ちなつ「そうだね。そういえば、気になってたんだけどあかりちゃんの好きな人って誰なの?」

あかり「それはね……」


ちなつ「えぇ!そんなことがあったんだ!でも、私応援してるよ!撫子さんと付き合えればいいね!」

あかり「うん!」

桜並木は満開の桜でうめつくされている、そこを下校するちなつとあかり。あかりの視線の先にある人が見える

撫子「……」

あかり「あっ!!撫子お姉ちゃん!」

ちなつ「私はおじゃま虫かな。バイバイあかりちゃん。また高校で!」

あかり「ありがとう。ちなつちゃん。あかり、最後の決戦に行ってくるね」

ちなつ「うん、頑張ってね」


撫子「あかりちゃん……」

あかり「撫子お姉ちゃん……」

撫子「まずは、卒業おめでとう」

あかり「ありがとうございます」

撫子「そして、ひとつ聞きたいことがあるんだ」

あかり「何ですか?」

撫子「まだ、私に対する気持ち、変わってない?」

あかり「はい!あかりはまだ撫子お姉ちゃんのことが好きです!」

撫子「そっか……」

撫子「長く待たせてしまったね。じゃあ、行こうか」

あかり「それって」

撫子「私も好きだよ。あかりちゃん。付きあおう」

あかり「はい!!」

第57話 あかりとデート7 3年待てば 終わり

うおおおおおおおおお乙!

こういうの好きです

おつおつです!

書き忘れましたが、これであかり編は終わりです

第58話 増える花子 2 前編

ダシダシ

櫻子「うーん、朝かぁ」

ナンデダシ!

櫻子「なんかうるさいなー」

ダシダシ、ヨジヨジ

櫻子「って、あれ!?花子が小さい!」

ダシダシ

櫻子「小さい花子がいっぱいいる!?」

ヨジヨジ

櫻子「あっ、登ってきてる!」

サクラコ!

櫻子「なんか言ってる。うん、これは夢だ!寝よう」バタン

ブギャ、モグモグ、スポ

ハナコダシ! ダシダシ

撫子「おーい、櫻子、遅刻するぞー」

ガチャ

ダシダシ、ダシダシ

撫子「またか」

撫子「花子ー」

花子「ん、なに撫子お姉ちゃん?」ショボショボ

撫子「また、増えちゃった……」

花子「まただし……」

ナンデダシ!

花子「しかも今度は櫻子の部屋で増えたし。さらに、今回はちっちゃい」


櫻子「う~ん」

花子「あっ、櫻子が目覚めた」

櫻子「花子、よかった。一人だけだ。しかも大きい」

花子「櫻子、後ろは振り返らないほうがいいし」

櫻子「えっ」クル

ダシダシ、ナンデダシ!ハナコダシ!

櫻子「……寝よう」

花子「そこで寝ようとするなし!」

花子「花子が増えたんだし!しかも櫻子の部屋で。前もこんなことがあったけど覚えてないのかし?」

櫻子「確かに、前も花子が増えてたことがあったような……あれはてっきり夢だと思ってたけど」

撫子「夢じゃないよ。どうやら、大室家姉妹には、増えるという特徴があるみたいなんだ」

櫻子「私は増えたことなくない?」

花子「櫻子が増えたら大変だし」

櫻子「それは、私がうるさいってこと!?ひどくない?」

第58話 増える花子 2 前編 終わり

第59話 増える花子 2 後編

ダシダシ

櫻子「とにかく、これを何とかしないと……」

撫子「一日放っておけば、いなくなるよ。その花子たちは夢みたいなものだから」

櫻子「そうなの?じゃあ、小花子たちとあそんじゃお」

櫻子「ホーレ、ホレー」ツンツン

ヤ、ヤメロシ

櫻子「くぅーかわいいやつだなー花子もこれぐらい可愛げのあるやつだったら可愛いのに」

花子「う、うるさい///あと櫻子がちっちゃい私にちょっかい出してるのなんか気に食わないし」

ハナコダシ!

花子「小花子は花子がもらってくし!」

ウワーン、ウワーン、サクラコー

花子「小花子たちは、櫻子がいいのかし?」

サクラコー

花子「わかったし……今日一日だけだし、櫻子と遊ばせてあげるし」

キャッキャ

櫻子「可愛い奴め」ツンツン

キャッキャ

櫻子「花子、一列に並べ!」

ビシ!

櫻子「おぉーいうこともちゃんと聞くぞ」

櫻子「花子、お手」

バッ

櫻子「おおぉ!」キラキラ

櫻子「花子より偉いぞ」チラ


花子「」ムカッ

ゲシ!

櫻子「痛っ!なにするんだよ!花子!」

花子「なんかむかついたし!」

ヒィィィ、ガシ

櫻子「ほら、花子達も怖がってるだろ」

花子「櫻子はなんで、小花子ばっか可愛がるんだし!」

櫻子「えっ、だって可愛いんだもん」

花子「花子は可愛くないのかし!」

櫻子「うん」

花子「もう知らないし!」バタン

撫子「あらあら、花子怒っちゃったね。私もしーらないっと」パタン

櫻子「なんだよーなー花子?」

ダシ……ダシ……

櫻子「あれ?花子達の元気がなくなってる……花子達、やっぱり花子のそばがいいいのか?」

櫻子「ねーちゃん!花子達の元気がない!」バタン

撫子「え?ああ、やっぱり」

櫻子「やっぱりってねーちゃんなんか知ってんのかよ!」

撫子「小花子たちは花子と櫻子が仲良くしていないと元気がでないんだよ」

櫻子「えっ?そうなの?」

櫻子「花子ー、ごめん、花子も可愛いぞー」

花子「えっ!?」

撫子「全く短絡的な妹ね」

ダシダシ、ヨジヨジ

撫子「あら?花子達、私にもくっついてくるの?」

撫子「そう。確かに私も大室姉妹だったわね」

撫子「花子ー櫻子ー、私も行くよ」

                                       r´ ̄`ヽ
                                          | |λllハ )
                                   ,  ' ´ ̄ ̄ >、| ル゚∀゚ノ
                            / 、   /´/´    `とノ
                                / |  >-  - '       ヘ
                r´ ̄`ヽ            { /_  -   ` ヽ       ヽ_
.      ナンデダシ!   | |λllハ )            ∨'´/ // `ヽ、  ヽ   ノ ヘ
             | ル ゚ヮ゚ノ          〃 ,'L才j   !   ヽ  ヘ /     }
              r´ ̄ ∪と´ ̄`ヽ      ./|/ ∥l λハ | lヽ⌒、 ヽ  ,    〈
  ハナコダシ!     | |λllハ )| |λllハ )       ト、|{ イ:>、  ̄ >ミ、|_>、 '    /
            | ル ゚ヮ゚ノ | ル ゚ヮ゚ノ         .ト{ ( Uj    ん_心|ニハ |   /
            r´ ̄つ ∪ ̄∪ ∪ ̄`ヽ     /| | `''’.    ゝ- 'ノ' /):∨─/
 ナンデダシ!   | |λllハ ) |λllハ ) |λllハ )   .(V|jヽ        、'´/:::/! :ヽ‐       花子ー花子たちいっぱい持ってきたぞー
           | ル ゚ヮ゚ノ| ル ゚ヮ゚ノ| ル ゚ヮ゚ノ    ) Y ,| | ト ` ィ´ フ/:/ | :: :|ヽヽ
        r´ ̄`∪ ∪´ ̄`とノ´ ̄`と r´ ̄`.彡(〃八,イ // /△: | |: :l/j、:|
      | |λllハ ),r!ミノ从从) |λllハ ) |λllハ ) )、イ_/, ィ彡(( l/   ヾ.ヘ:::ハ`r‐'
      | ル ゚ヮ゚ノ/八リ ゚д゚ノi| ル ゚ヮ゚ノ| ル ゚ヮ゚.フ´ , イ´`ノノ  トヾ、   ト,ヽ{、_ソ
      r´∪`と r´ ̄∪ と ̄`ヽ r´ ̄∪./ , イ´ r‐″  ゝヽ)、 ゝィノト、ヽゝイ
     | |λllハ )| |λllハ ) |λllハ ) |λllハ{ゝ)ヽ  ィ´     (__ノ リ   |:| ):)
ダシダシ | ル ゚ヮ゚ノ | ル ゚ヮ゚ノ| ル ゚ヮ゚ノ| ル ゚ヮ゚ノミィ′         ノ  ゝニノ

    ,ノ/ つ ∪ ノ/∪ とノ.つ ̄とr´ ̄と ィ´                 ll|
.   (| |λllハ )| |λllハ )| |λllハ -‐ ´            _ .. -‐''    f|
    | ル ゚ヮ゚ノ | ル ゚ヮ゚ノ | ル ´             _. .-‐ ' ´        }|
   | ̄ ∪∪ ̄ ∪∪rッ´            _..-‐'─|            〈}_
   |         /ヽ /      _ -‐ '__───{            \〈ヾ、
   三三三三三≧'  `ー,- _ ィ===厂    ハ \           ノ{ ヽ
            ``ー ´─────────j :.  \          /  ヘ
                               l  ::.  ::::\          |ー´T´
                            l   :.   ::\        |  |
                               l          ::\      !| イ

第59話 増える花子 2 後編 おわり

大室家の前世は増えちゃうワカメ

第60話 みさきちと未来

未来「みさきちは私の幼馴染だ」

未来「幼稚園のときからの仲だ」

未来「みさきちは昔から意地っ張りなところがあって私も何回か衝突した」

未来「そんな中、みさきちにとって新たなライバルが来た」

未来「花子様だ。花子様はテストは100点、逆上がりもできる、おまけに私に10円も貸してくれた」

未来「みさきちは自分が一番じゃなくちゃ気に入らないらしくて、花子様のことを妬んでいる」

未来「でも、本当に妬んでるだけなのかな?今日はみさきちと遊んでみよう。そして、いろいろと聞いてみよう」

みさき「あら、未来どうしたの?」

未来「みさきち、久しぶりに一緒に遊ぼう」

みさき「いいけど、花子は一緒なの?」

未来「花子様は一緒じゃないよ」

みさき「その、花子様っていうのやめなさいよ!」

未来「うん、わかった。花子ちゃんは一緒じゃないよ」

みさき「そう、花子は一緒じゃないの……」シュン

未来「あれ?一緒の方がよかった?」

みさき「そ、そんなわけないじゃない!」

未来「じゃあ、また後でねー」

みさき「……」

高崎家

未来「みさきちー、遊びに来たよー」

みさき「今行くわ!」

未来「ねえ、みさきちって花子ちゃんのことどう思ってるの?」

みさき「えっ!どうって!その」アセアセ

みさき「ら、ライバルよ!」

未来「でも、花子ちゃんの方がみさきちより優秀だよ?」

みさき「それが気に喰わないのよ!花子のやつ、私より優秀でちやほやされて!」

未来「みさきちも、みんなからちやほやされたかったの?」

みさき「そりゃーそうよ」

未来「ふーん、そうだったんだ。ところで、みさきち、さっき花子ちゃんのこと聞いた時焦ってたよね?」

みさき「あ、焦ってないわよ!」

未来「あっ、今も焦ってた」

みさき「だから、焦ってないって!」

未来「焦ってる、絶対焦ってる!」

みさき「焦ってない!絶対焦ってない!」

未来「むぅー」

みさき「ふん!」


未来「結局その後みさきちは拗ねてしまって、花子様のことをどう思っているのか聞き出せなかった」

未来「また、未来の自由研究が増えたのであった」

第60話 みさきちと未来 終わり


第61話 あかりと大室家 1

あかり「おじゃましまーす」

櫻子「ああ、あかりちゃん。上がって」

花子「こんにちはだし」

あかり「あっ、櫻子ちゃんの妹の花子ちゃん?」

花子「そうだし」

あかり「櫻子ちゃんからお話聞いてるよ。可愛いね」ナデナデ

花子「うっ///」

花子「あの、いきなり撫でないでほしいし」

あかり「あっ、ごめんねぇー」

撫子「いらっしゃい。櫻子、お友達?」

櫻子「うん、あかりちゃん」

あかり「こんにちは、赤座あかりといいます」

撫子「櫻子の姉の撫子です」

あかり「よろしくお願いします。撫子さん」

櫻子「今日は、向日葵がいないからあかりちゃんに勉強おしえてもらいにきた

撫子「まったく、櫻子はいつになったら一人で勉強するのやら、あかりちゃん、櫻子のことうざくなったら遠慮無く殴っていいからね」

あかり「なぐ、そんなことしません!」

花子「櫻子はいうこと聞かなかったら、体で覚えさせるしかないし」

櫻子「私はイヌか!」

花子「似たようなものだし」

櫻子「な、なにー」ぐぬぬ

花子「ちょ、こっちくんなし!」

あかり「まぁまぁ、櫻子ちゃん落ち着いて」

櫻子「あっ、そうだ!今日はあかりちゃんに勉強教えに貰いに来たんだった。花子に構っている暇はないのだ!」

花子「誰がかまって欲しいなんていったし」

櫻子「じゃあ、私の部屋に行こうあかりちゃん」

あかり「うん」

第61話 あかりと大室家 1 終わり

第62話 あかりと大室家 2

櫻子「もー、わかんない!わかんないー!」

あかり「えっ?大丈夫櫻子ちゃん?」

櫻子「ひまわりー」

櫻子「あっ、そうだ。今日はあかりちゃんだったんだ!」

あかり「うん、いいよぉ」

あかり「それで、どこがわからないの?」

櫻子「ここが、答えと違う!」

あかり「あー、それはね。こうやって、こうやって、こうやるの!」

櫻子「あっ、ホントだぁーあかりちゃん凄い」

あかり「えへへー」

数十分後

櫻子「わからないよー」ジタバタ

あかり「えっ?また?」

櫻子「なんでこうなるんだ、ひまわりー」ジタバタ

あかり「あかりは向日葵ちゃんじゃないよぉ」

櫻子「あっ、そうだった。ごめんごめん」

あかり「気にしてないよぉ」

櫻子「おっぱいーー」スカッ

櫻子「あれ?おっぱいがない。あっそうだ!あかりちゃんだったんだ。ごめんごめん」

あかり「もぅー櫻子ちゃんわざとやってるでしょ!?さすがにあかりも怒っちゃうよぉ」

櫻子「ごめんごめん。ついいつもの癖でやっちゃうんだよ」

あかり「それにしても、おっぱいがない!あかりちゃんだったんだ!はひどすぎるよ!」

櫻子「それも、ひまわりと比べてって意味だから!」

あかり「いいもん!あかりは大きくなったらお姉ちゃんみたいに大きくなるんだもん」

櫻子「……」

あかり「あっ……」

櫻子「む、胸の話はやめにしよう」

あかり「うん……」

櫻子「そろそろ、おやつ食べよう、ね?」

あかり「そうだね」

第62話 あかりと大室家 2 終わり

撫子「別に胸が小さくても困らないし(震え声)」

3日開いてしまったので今日中に3本書きます

第63話 あかりと大室家 3

リビング

撫子「……」カリカリ

花子「……」カリカリ

あかり「ねぇ、櫻子ちゃん……お姉さん達勉強してるけどいいの?」

櫻子「大丈夫だよ」

櫻子「ねえ、ねーちゃんと花子。ここで、おやつ休憩していい?」

撫子「ん、ああ、もうこんな時間か」

花子「ホントだし」

撫子「じゃあ、私たちも一緒に休憩する?花子?」

花子「うん」

撫子「櫻子、棚の下に芋チップスがあるから、それ出して」

櫻子「はいよー」

花子「うすしお味だし」

あかり「わぁいうすしお!あかりうすしお大好き!」

撫子「あかりちゃん、うすしおではしゃぐってかわいいね」

花子「かわいいし」

あかり「ううぅ、年下にまでかわいいって言われちゃった……あかり大人のお姉さん目指してるのに……」

櫻子「どんまい!あかりちゃん!」

花子「ごめんだし、あかりお姉さん」

あかり「ううん!いいよ、あかりお姉さんだから許してあげる!」

撫子「じゃあ、そんなうすしおが好きなあかりちゃんにはいっぱいあげよう」

撫子「まだ、うちにはプリングルスがあるから、それも出してきてくれない?櫻子」

櫻子「あいあいさー」

櫻子「それにしても、芋チップスがあると炭酸のみたくならない?」

撫子「そだね」

花子「花子も飲みたいし」

撫子「近所の自販機で買ってくる?」

櫻子「そうしよっか」

撫子「じゃあ私がいってくるよ」

あかり「あかりの分まで悪いです。あかりが行きます」

撫子「いやいや、それこそお客さんに対して悪いよ。あかりちゃんは座ってて」

櫻子「あっ、じゃあ、私とあかりちゃんで行けばいいんじゃない?」

撫子「まぁ、それなら。じゃあお願いできる?」

あかり「はい!」


櫻子「コーラ買ってきたよー1.5Lのやつ」

花子「これでみんなで飲めるし」

あかり「ふふ、よかったね花子ちゃん」

「「「「いただきまーす」」」」

ポリポリ

あかり「わぁい、おいしい!」

撫子「本当にあかりちゃんは芋チップスが好きなんだね」

あかり「はい!大好きです」ポリポリ

花子「(あかりちゃんかわいいし」ボソ

櫻子「ん?花子なにか言った?」

花子「な、なんいも言ってないし!///」

第63話 あかりと大室家 3 終わり


向日葵がちなつにマフラーの編み方を教えていた回の話しか

第64話 あかりと大室家 4

櫻子「ふーん、おやつの時間も終わったし、遊ぼうかあかりちゃん!」

あかり「ええ!お勉強は!?」

櫻子「ええ、もうあれで終わりだよ」

あかり「えーそれでいいの!?」

櫻子「宿題は全部やったよ?」

撫子「うん、櫻子にしてはよく頑張った」

花子「櫻子がんばったし」

あかり「(いつも、この家は櫻子ちゃんをどうみてるんだろう……)」

あかり「わかったよ、じゃあ遊ぼっか?」

櫻子「うん!」

花子「あの……」

あかり「なにかな?花子ちゃん?」

花子「花子も一緒に遊びたいし……」

撫子「ほほう」

花子「いい?」

あかり「勿論いいよぉ」

櫻子「花子あまり生意気言うなよな!あかりちゃんは年上なんだからな!」

花子「櫻子こそ、あかりお姉ちゃんに迷惑かけるなし!」

あかり「(あかりお姉ちゃん!)」

櫻子「なにをぉー」ポカ

花子「あっ、殴ったし!何するんだし!」ポカポカ

櫻子「そっちこそ何するんだ!」ポカポカ

ナンデダシ!

ポカポカ

あかり「あぁ~ダメだよぉ~ケンカは良くないよぉ~」アタフタ

撫子「大丈夫だよ、しばらくすれば収まるから」

あかり「ええ?そうなんですか?これケンカじゃないんですか?」

撫子「いつものこと、こう見えて櫻子と花子は仲いいから」

「「仲良くない!」し!」

あかり「ふふふ、本当だ!仲がいい。息ぴったり!」

第64話 あかりと大室家 4 終わり

第65話 あかりと大室家 5

花子「あかりお姉ちゃん、運動がいい?それともトランプがいい?」

あかり「うーん、あかりはどちらでもいいかなぁ。花子ちゃんが決めて」

櫻子「はいはーい、運動がいいー」

花子「櫻子には聞いてないし。でも、運動にしてあげるし。花子が言い出しっぺだから」

あかり「花子ちゃん、ちゃんと自分の言ったこと守るいい子なんだねー」

花子「だし!」

あかり「ふふふ、かわいい。妹がいるってこんなにもいいことなんだねぇ。お姉ちゃんの気持ちが分かった気がするよぉ」

花子「花子もお姉ちゃんが増えてうれしいし。櫻子はどっかいけし!」

櫻子「なんだとー!」

あかり「さ、櫻子ちゃーん、怒っちゃダメだよぉ」

あかり「ほら、なにして遊ぶか考えよう。あかりも運動がいいから」

櫻子「ほう、あかりちゃんも運動がいいのだな」

あかり「う、うん!運動にしようよ」

撫子「(ふーん、櫻子の扱いかたよくわかってんじゃん)」

花子「バランスボールがあるし!」

櫻子「バランスボールは一人用だろ!」

花子「違うし、これを投げて遊ぶんだし!」

あかり「えっ!投げて遊ぶなんて危ないよぉ」

花子「大丈夫だし!バランスボールは柔らかいから、あたっても痛くないし」

あかり「でも、そんなの本当の使い方じゃないから怒られちゃうよ」

花子「撫子お姉ちゃん?」

撫子「今日は、お母さんもいないし、よし!」

櫻子「よし!じゃあ決まりだな!バランスボールドッジボールだ!」

櫻子「それ!行くぞあかりちゃん」ポーン

あかり「わわ!」アタフタ

バチーン

あかり「でかすぎるよぉ」

花子「これが大室家流ドッジボールだし!」

あかり「あかり!花子ちゃんには負けないんだからね!それ!」ヒュ

ポーン

キャッチ

花子「花子は慣れているからこれぐらいキャッチできるし」

あかり「むむ!」

櫻子「ほれ!花子!櫻子様を倒してみろ!」

花子「えい!」ヒュ

スッ、キャッチ

櫻子「変化球でもキャッチできる、この櫻子様の実力を思い知ったか!」

花子「うぐぐ」

それ、ほれ、バチーン、ううぅ

撫子「楽しそうでなによりだなぁ」


あかり「はぁはぁ、もう限界だよぉ」

花子「はぁはぁ」

櫻子「はぁはぁ、あかりちゃんも最後の方は結構慣れてきたね」

花子「うん、結構強かったし」

櫻子「花子はまだチビだからな。もっと大きくならないと話にならないよ」

花子「なんだし!」

花子「牛乳のんで大きくなるし!」

あかり「ふふ」

花子「あかりお姉ちゃん、面白かったし、付き合ってくれてありがとうだし」

あかり「うん、こちらこそ」


あかり「じゃあ、今日はこれで。お邪魔しましたー」

撫子「またきてね」

花子「いつでも大歓迎だし」

櫻子「うん、じゃあまたねー」

あかり「はーい」


あかり「今日は、いっぱい遊べて楽しかったなぁ……あれ!?私櫻子ちゃんに勉強教えに来たんじゃなかったっけ!?」

第64話 あかりと大室家 4 終わり

最近更新が適当になってすいません
忙しいのもあるのですが、なによりも更新が遅くなる原因としてネタ切れ感があります
日常系漫画の作者はネタを考えるのが本当に大変だと痛感させられます
そこで、見てくれている人から、こういうのが見たいという案があれば、反映するかもしれません
随時募集してます

第65話 撫子風邪をひく

撫子「コンコン」

ピピピ

撫子「あー熱あるな38.5℃かぁ」

撫子「さすがに、学校は休むか」

ギィ

花子「撫子お姉ちゃん大丈夫?」

撫子「うん、寝てれば治ると思うよ。だから、心配しないで」

花子「うん」

ガタン

バタン!

櫻子「ねーちゃん!大丈夫か!」

撫子「櫻子の声、頭に響くから、そっとしてくれない?」

櫻子「嫌味を言えるなら、大丈夫だな!じゃあ私は行ってくる!」

バタン!

撫子「はぁ、騒々しい子だ」

大室母「撫子、学校への連絡入れておくからね」

撫子「ああ、ありがとうお母さん」



撫子「なにか作ろう。うどん、カップうどんがあったからそれでいいか」

ずるずる

撫子「カップうどんって結構脂っぽいんだね」

撫子「逆に気分悪くなってきた……」

撫子「寝よう」

夕方

撫子「……」スゥースゥー

ガチャ

花子「……」

櫻子「ねーちゃん大丈夫」

花子「しっ!」

撫子「んん」

花子「あっ、ほら櫻子のせいでおきちゃったじゃん!」

櫻子「ごめんねーちゃん」

撫子「ううん、大丈夫、それより夕ごはん作らないと、今日私の番だし……」フラフラ

櫻子「ねーちゃん!そんなフラフラで夕飯なんて作れないよ!私が作るから」

花子「花子も手伝うから、撫子お姉ちゃんは寝てて!」

撫子「そ、そう。じゃあそうさせてもらうよ」

ガタン

撫子「ありがとう。櫻子、花子」

撫子「私は、なんていい妹達を持ったんだろう……幸せものだな」

撫子「はやく、治さないと……」

撫子「花子……櫻子……」Zzzz


パタン

櫻子「ねーちゃん、大丈夫?おかゆ作ったけど、食べられる?」

撫子「う、うん。櫻子ありがとう。食べるよ」


花子「撫子お姉ちゃん。おかゆ食べられるし?」

撫子「うん、へーき」

パク

撫子「……」モグモグ

花子「どう?」

撫子「(鼻がつまってるから味がよくわからないけど……)」

撫子「おいしいよ」ニコ

花子「……」パァ

花子「よかったし、櫻子!」

櫻子「そうだね!2人で作ったかいがあったな!」

撫子「ありがとう」

花子「うん」ニコ

櫻子「よーし、私達も食べるかー」

花子「また、櫻子のやつがいっぱい作ったからだし!」

第65話 撫子風邪をひく 終わり

おつ
あんまり絡みのない人と絡ませるのは?
例えば、京子を大室家に投入してみるとか

ありがとうございます。京子は考えてませんでしたが
ちなつはやろうと思ってました。ただ、今回のあかりと同じようなものしかできないのかなと思いまして
結局マンネリしてしまうのかなと思っています
とりあえず検討してみます

綾乃や千歳もいいかも
同じ生徒会組だし

第66話 ノロウィルスの話

めぐみ「あれ?今日撫子休み?」

藍「うん、風邪ひいたんだって」

美穂「あら、撫子休みなの?つまんなーい。でも、風邪大丈夫かな~?」

藍「心配だよね。最近インフルエンザとかノロウィルスとか流行ってるみたいだし」

めぐみ「まぁ、風邪って言ってるからノロウィルスはないんじゃない?」

藍「とりあえず、聞いてみるよ」

メール:from 藍 to 撫子

撫子風邪大丈夫?吐いたりしてない?ノロウィルスが流行ってるらしいから心配で

藍「送った」

藍「あれかかったことある?」

めぐみ「ないね」

美穂「あるよー」

藍「あっ仲間がいた。あれ大変だよね」

美穂「うん、二度とかかりたくないね。」

藍「上から下から垂れ流しで、人間としてのプライドが傷ついたよ」

美穂「本当にその通りー。トイレが私の死ぬ場所だと思ったー」

藍「2日ぐらいは嘔吐とまらなかったかなー」

美穂「えー大変だったねー私は結構軽くて半日で嘔吐はすんだけど」

藍「水を飲んだあとにすぐに戻したときは、あれ?私このまま何も飲めずに死ぬんじゃないって思ったよ」

美穂「上からも下からも出ていくばっかりだからねー脱水症状になっちゃうよねー」

藍「嘔吐が止まっても一週間くらい下痢が続いて、やんなっちゃった」

美穂「ホントホント、ちなみに私は家族から感染った」

藍「私は周りに患者はいなかったのに、いきなり吐いたからびっくりしたよ」

美穂「ホントにいきなりだから困るよねー」

めぐみ「あれ?話についていけない……私は負け組?」

藍・美穂「いや、勝ち組」

美穂「あれは感染しない方がいいよ、正直インフルエンザよりもきついから」

めぐみ「へ、へぇ。そうなんだ、気をつけるよ」

藍「アルコール消毒も効かないみたいだから。徹底的に手洗いとうがいで予防するしかないみたいだよ」

美穂「それで結局撫子はノロウィルスなの~?」

藍「あっ、返信返ってきた」

メール from 撫子 to 藍

大丈夫、吐いたりはしてない。ただの風邪っぽい

藍「大丈夫だって」

美穂「よかった~」

めぐみ「よかったね」

第66話 ノロウィルスの話 終わり

ノロウィルスには漂白剤

第67話 大室家の朝は早い

大室家は両親共働きの一家である
さらに職場が遠いところにあるため2人とも6時には家を出てしまう
撫子はその時間に引続ように起きる

大室母「それじゃあ、撫子あとよろしくね」

撫子「いってらっしゃい、お母さん」

Q:登校する時間までまだ余裕があると思うのですが?

撫子「これから、洗濯物や朝食作りなどの家事があるんですよ」

Q:大変だと思ったことは?

撫子「そりゃー毎日大変だとおもってますよ 。でも私がやらないといけないことですからね」

そういって、大室撫子は洗濯物を干しに行く

朝7時

ピピピピ

花子「んー」

目覚ましと共に大室花子が起床する

花子「撫子お姉ちゃんおはよう」

撫子「おはよう花子、パン焼いておいたから」

花子「ありがとう」

Q:撫子お姉ちゃんのことをどう思っていますか?

花子「尊敬してるし!いつも家事をやってくれるし、花子より早起きだし」

Q:もう一人の姉の方は?

花子「あっちは尊敬できないし!家事もしない、勉強もできない、花子より遅起きだし」

7時半

大室撫子の登校時間が来る

撫子「櫻子、起きなさい!」

櫻子「んー後5分~」

撫子「もう私行かなくちゃいけないんだから、早くして」

大室撫子に叩き起こされるように、大室櫻子が起床する


Q:大室家で一番遅く起きるそうですが?

櫻子「学校に間に合うんだからいいじゃん!」

Q:……

そんな中大室撫子は登校する

撫子「じゃあ、行ってきます」

花子「いってらっしゃい」

櫻子「いってらっしゃーい」

大室櫻子が朝ごはんを食べ始める頃、大室花子は食べ終わる

櫻子「」ムシャムシャ

そして、8時、大室花子は大室櫻子より一足先に登校する

花子「いってくるし」

櫻子「いってらっしゃい」

8時10分

お向かいさんの古谷向日葵に急かされて、大室櫻子は登校する

向日葵「櫻子ー!時間ですわよー!」

櫻子「今行くー」

バタン

向日葵「ちょっと、鍵閉めていきなさいな」

櫻子「ああ、そうだった」

ガチャ

そうして、大室家の慌ただしい朝は終わる

第67話 大室家の朝は早い 終わり

安価形式にしたら案を出してくれる人が集まるかも

おつー

第68話 京子と大室家 1

ごらく部

それは京子の一言から始まった

京子「櫻子ちゃんちに行ってみたい!」

結衣「へ?」

ちなつ「は?」

あかり「??」

ちなつ「京子先輩、櫻子ちゃんと仲良かったですっけ?」

京子「まだあんまり知らないよ」

ちなつ「じゃあなんで」

京子「だからだよ!」

結衣「なるほどね」

ちなつ「え?結衣先輩はなんでだわかるんですか?」

結衣「京子はいろいろなことに自分から首をつっこむ性格なんだ」

結衣「小さいときはもっとおっとりしてたんだけどね」

結衣「いつの間にこうなったんだか」

あかり「でも、明るい京子ちゃんもあかりは好きだよぉ」

京子「いや~テレますな~」

京子「じゃあ櫻子ちゃんのところに行ってくる」

生徒会

京子「櫻子ちゃーん」

バタン

綾乃「と、歳納京子!な、何か用!?」

京子「ちょっと櫻子ちゃん探してて」

綾乃「大室さんに何か用事があるのかしら?」

京子「櫻子ちゃんと仲良くなりたくてね~」

綾乃「えっ……」

京子「まぁ、ここにいないなら、他のところ探してくるよ~」

バタン

千歳「綾乃ちゃん、どんまいやで~、たぶん歳納さんは純粋に櫻子ちゃんとお友達になりたいだけやと思うから~」

綾乃「そ、そうね……」


京子「櫻子ちゃ~ん!」

京子「ここか!」ガサ

京子「ここか!」ゴソゴソ

ちなつ「京子先輩なにしてるんですか?」

京子「櫻子ちゃん探してるんだよ!」

ちなつ「そんな植木のところにいるわけないじゃないですか」

京子「いやー、もしかしたらかくれんぼしてるかもしれないなーって」

あかり「京子ちゃーん、櫻子ちゃんつれてきたよー」

櫻子「あかりちゃん、歳納先輩が私と会いたがってるって?」

京子「あっ!櫻子ちゃん!」

櫻子「歳納先輩、私に何かようですかー?」

京子「櫻子ちゃん、一緒に遊ばない?」

櫻子「いいですよー」

第68話 京子と大室家 1

原作でもあんまりからまないんだよね似た者同士(?)なこの二人期待

この二人が本気で仲良くなったら結衣ちゃん向日葵ちゃんが大変そう

第69話 京子と大室家 2

櫻子「それで、遊ぶっていつですか?」

京子「櫻子ちゃんの家にいってみたいな!」

京子「今日じゃだめ?」

櫻子「いいですよ」

櫻子「歳納先輩の家ってうちから近いんですか?」

京子「櫻子ちゃんの家がどこにあるかわからないからなんとも……」

櫻子「あっ、そうですね。私の家は八森町872です」

京子「あーちょっと離れてるなー」

京子「でも、自転車があれば行けるね」

京子「私は七森町だから」

京子「今日はやめて、土曜日の午前授業のときにしようか?」

櫻子「はい、いいですよ」


土曜日

京子「櫻子ちゃん、おまたせー」

櫻子「はい!」

京子「でーなんで結衣までついてきたの?」

結衣「いや、京子1人だと心配だったから」

櫻子「なんでひまわりまでついてくるんだよー!!」

向日葵「櫻子だけじゃ、先輩に迷惑かけるじゃないですの」

京子「ぐぬぬ~」

櫻子「ぐぬぬ~」

結衣・向日葵「(やっぱり、この2人、似たもの同士ね……)」

大室家

結衣・京子・向日葵「おじゃまします」

櫻子「ただいま~」

花子「ひま姉に、……」

結衣「ああ、櫻子ちゃんの友達の船見結衣と」

京子「歳納京子でーす!」

花子「上がってくださいし」

結衣「君お名前は?」

花子「花子だし、です」

結衣「可愛い子だなぁ」

京子「本当にかわいい!櫻子ちゃん!この子だっこしていい?」

櫻子「えっ、どうぞ勝手に」

花子「えっ、ちょっ、うわぁやめ」ジタバタ

京子「へぇ~花子ちゃんって言うんだーかわいいー」ギュゥ

花子「く、苦しいし!」

結衣「ちょっと、京子!花子ちゃんが嫌がってるじゃないか、離しなさい!」

京子「えー、もうちょっとだけー」

結衣「だからやめろ!」

京子「ちぇ、つまんないのー」

花子「うぅ」

結衣「花子ちゃん、京子にいたずらされそうになったらお姉さんにいうんだよ」

花子「はい!結衣お姉ちゃん!」

花子「(京子お姉ちゃんからは櫻子臭がするし、結衣お姉ちゃんはかっこいいし!)」

第69話 京子と大室家 2

おつ
他のSSの影響か結衣さんに裏があるようにしか思えない…

結衣さんはロリコンなんかじゃないよ!
ただ純粋に子供が好きなだけだよ!

第70話 京子と大室家 3

櫻子「じゃあ、歳納先輩に船見先輩。私の部屋に案内します。あっそれとひまわりも」

向日葵「わ、私はついでですの!?」

京子「お邪魔しまーす」

結衣「ここが櫻子ちゃんの部屋か」

京子「あっ、それと私のことは京子でいいよ」

結衣「私も結衣でいいよ」

櫻子「そうですか、じゃあ京子、結衣ここが私の部屋です」

向日葵「ちょっと!櫻子!せめて先輩はつけなさいよ!」

京子「まぁどっちでもいいよー」

櫻子「あっ、すいませんね。京子先輩と結衣先輩ですね」

花子「櫻子はホント礼儀がなってないし。というかバカだし」

結衣「まぁ私もどっちでもいいんだけどね。あかりには普段からちゃんづけで呼ばれているし」

櫻子「花子は出ていけよなー、京子先輩と結衣先輩は私と遊びに来たんだからー」

京子「いや、櫻子ちゃんちに来たかったから、花子ちゃんや櫻子ちゃんのお姉さんとも話してみたいな」

結衣「うん。花子ちゃんもこの部屋にいていいよ。まぁ、花子ちゃんが楽しめるかどうかわからないけど」

花子「結衣お姉ちゃんが居れば楽しいし!」

結衣「それはうれしいな」

向日葵「花子ちゃん、すっかり船見先輩になついてしまったわね」

結衣「ああ、向日葵ちゃんも結衣でいいよ」

京子「そうだぞー向日葵ちゃんともお友達になりたいから、名前で呼んでくれてもいいぞー」

向日葵「は、はい……//それでは、結衣先輩、京子先輩//」

櫻子「恥じらいながらしゃべるひまわり……グッド!」

向日葵「もう、恥じらってませんのよ」

櫻子「じゃあ、何しますか?」

京子「実は櫻子ちゃんたちと遊ぶために、トランプ持ってきたんだー」

櫻子「用意がいいですね!」

結衣「意外と京子は楽しむことに関してだけは手際がいいからな」

京子「向日葵ちゃんと花子ちゃんも参加して大富豪でもやろう!」

第70話 京子と大室家 3 終わり

第71話 京子と大室家 4

京子「それじゃあ配るよー。参加する人返事してー」

結衣「はい」

櫻子「はい!」

向日葵「はい、参加します」

花子「はいだし」

京子「5人ね。ほい、ほい、ほい、ほい、ほい」


京子「配り終わったよー」

京子「どれどれ(なに……!いいカードが全然ない!偏ってるよ!)」

結衣「(おお、安泰だな。というかこれ階段革命起こせるじゃん)」

櫻子「(うほ!私最強!ジョーカーあるじゃん!)」

向日葵「(8が2枚も!8切りがはかどりますわね)」

花子「(3と4と5ばっか、2とKしか強いカードないし……)」

結衣「ルールはどうするんだ?」

向日葵「それ気になりますわね」

京子「う~ん、いつもごらく部でやるときは、8切りはやるとしてJリターン、7渡し、10捨て、階段、縛り、革命となんでもアリなんだけど」

花子「7渡しと10捨てと縛りがわからないし」

結衣「花子ちゃんはどんなルールでやってるの?」

花子「花子は8切りとJリターン、革命だけだし」

結衣「じゃあ、花子ちゃんに合わせようか」

向日葵「そうですわね」

櫻子「花子に合わせるのはシャクだけど、うちで大富豪やるときもそのルールだから、仕方ないね」

結衣「(階段革命はできないけれど仕方ないね)」

京子「(やばい、どんなルールでも勝てなさそう!)」

京子「じゃ、じゃあ始めようかー」

櫻子「はーい」

京子「じゃあ、スペードの3持ってる人」

花子「はいだし」

京子「じゃあ、花子ちゃんから」

花子「そんなルールあるのかし?」

京子「えっ?知らなかった?」

京子「スペードの3はジョーカーを倒せるカードでもあるのだ!」

花子「知らなかったし……」

京子「それじゃあ、花子ちゃんから時計回りに始めよう」

第71話 京子と大室家 4

大富豪のルール色々と忘れているわ
久々に遊び大全でもやるか

俺はJリターンをイレブンバックと呼んでた
たまに略して入れ歯と言ってた

革命以外のローカルルールを完全に忘れている

大室家やごらく部では「大貧民」ではなく「大富豪」なのか

第72話 京子と大室家 5

花子「(まずは、順当に3から出していくし)」

クローバーの3

向日葵「まずは、3からですわね」



櫻子「むむ、一個飛ばしとは。私も」




…………

ゲーム中盤


結衣「京子スマンな」

Q

京子「……パス」

京子「というか、なんで結衣は私がQ以上のカードないってわかるんだよ!」

結衣「京子の顔つき見ればそれくらいわかるよ。というか、ハッタリだったんだけど、本当に無いんだな」

京子「ぐぬぬ」

櫻子「(おお、京子先輩が最下位になるかもしれないね。チャンスだ)」

花子「むむぅ、パスだし」

向日葵「仕方ないですわね。私が出しますわ」

A

櫻子「(ここで、ジョーカーを使うべきか、迷うけれど、2が出てからでも遅くないかも)」

櫻子「パス」

結衣「そうか、じゃあ私が出すよ」



櫻子「キター」

JOKER

第72話 京子と大室家 5 終わり

第73話 京子と大室家 6

結衣「出されてしまったね。でも、櫻子ちゃん、読みが甘かったみたいだよ」

花子「は!こ、これだし!!」

スペードの3

櫻子「なに花子3なんて出してるの?JOKERだよ?」

京子「スペードの3はジョーカーへの切り札だよ」

櫻子「な、なにー!!」


花子「ぐっ!」

花子「これで花子も上がれるし!」

4のペア

向日葵「私もあがりですわ」

9のペア

櫻子「ぐぬぬ、ない……!」

結衣「私もこれで上がりかな」

1のペア

京子「ない……」

結衣「京子VS櫻子ちゃんか」

京子のターン

櫻子の手札

6,7,10,J

京子の手札

5,6,7,9,10

京子「(今まで出てきたカードを観察した結果、Q以上は残っていない。そして、Jがひとつ残っている。つまり櫻子ちゃんが持っているね)」

京子「(逆に4以下のカードも残っていない、つまり、5を持っているかぎり、Jリターンが来たら私の勝ち)」

櫻子「(う~ん、一番強いカードがJがリターンすることを考えると、10しかないんだよな。順当に10から出していこうかな)」

京子「よし、これだ」



櫻子「とりあえず、掛けだ」

10

京子「パス」

櫻子「ふふふ、京子先輩には負けませんよ!」

京子「それはどうかな~、なんなら櫻子ちゃんの持っているカード当ててあげようか?」

櫻子「えっ?そんなの分かるんですか?」

京子「私は捨ててあるカードもちゃんと見てるからね」

京子「櫻子ちゃんの手持ちのカードは、ダイヤの6とハートの7、そして、スペードのJでしょ?」

櫻子「なっ!」


京子「どうやら本当だったみたいだねー」

結衣「京子は大富豪強いからな。捨てカードを全部把握するなんて常人技じゃないよ」

櫻子「でも、分かったところで、どうなんです?」

櫻子「京子先輩はQ以上のカード持ってないのだから、私がJだしたらその時点で負けですよ」

櫻子「それじゃあ私の番ですね」

はーとの7

京子「うん。いいよ」



櫻子「じゃあ、出しますよ」

スペードのJ

櫻子「京子先輩、パスでしょう?」

京子「いや。櫻子ちゃん、残念だけど、Jはリターンするんだよ。だから」

櫻子「!!」



櫻子「……パス」

京子「ごめんね」

10



京子「あがり」

櫻子「さ、最下位……」

花子「どんまいだし」

結衣「櫻子ちゃん、相手が悪かったんだよ」

京子「いや、この京子様の戦略がすごかったんだよ」

結衣「あんたはだまりなさい」

京子「はい」

櫻子「まぁ、こういうときもありますわ……」

第73話 京子と大室家 6 終わり

大富豪は読み合いと駆け引きのゲームだから櫻子には厳しいな

第74話 京子と大室家 7

櫻子「大富豪も終わったし、おやつにしますか?」

京子「やっほぉー」

結衣「京子はみさかいなさすぎ。本当にもらっちゃっていいの?」

京子「うぅ」

櫻子「はい。大丈夫ですよ!」

花子「花子もみんなと一緒に食べたいし!」

向日葵「そういえば、家にクッキーがあったんですわ。持ってきますね」

櫻子「おっけーありがとうひまわり。大好きだよ」

向日葵「も、もう///」

リビング

撫子「あれ?今日はいっぱいきてるね。2階が騒がしいと思ったけれど」

京子「こんにちは、櫻子ちゃんの友達の京子です!」

結衣「私は船見結衣です。ご迷惑かけます」

向日葵「ちなみに2人とも、私達の一個上の先輩なんですよ」

撫子「へー、櫻子も先輩と仲良くなれてよかったね」

撫子「(京子ちゃんの方、櫻子っぽいというかなんというか)」

櫻子「うん!」

京子「まぁ、私のおかげさ!」

櫻子「そうですな!」

HAHAHA

撫子「(この二人、凄い似ているのね……だから、ひかれあったのかも)」

向日葵「おやつ持ってきたので、食べてください」

撫子「ああ、ありがとう。うちにも芋チップスとコーラがあるから、飲んでいくといいよ」

京子「大室家は、のりしお味なんですね!」

撫子「櫻子がのりしお味好きだからね。私はコンソメ派なんだけど」

櫻子「あかりちゃんはうすしお味が好きなんだけれどね」

結衣「そうだね、昔からあかりはうすしお派だったよ」

撫子「あかりちゃんを知っているの?」

京子「私と結衣とあかりとちなつちゃんっていう子がいるんだけれど、同じ部活なんです」

花子「ちなつさんの話題はたまに櫻子から聞きます」

向日葵「うちにも来たことがありますしね」

花子「今度はあかりお姉ちゃんとちなつお姉ちゃんも一緒に連れてきてくださいだし」

第74話 京子と大室家 7 終わり

200だし!おめでたいし!

第75話 京子と大室家 8

結衣「わざわざ、お菓子まで用意してもらってありがとうございます」

撫子「いえいえ、お構いなく」

櫻子「じゃあ、食べよう!」

ポリポリ

京子「向日葵ちゃんの持ってきたクッキーも食べよう」

京子「カントリーマアムだね」

向日葵「はい」

花子「」ボリボリ

櫻子「」ボリボリ

撫子「」ボリボリ

京子「う~ん、ココア味が好きなの?」

向日葵「大室家はみんなココア味が好きみたいですよ」

撫子「うん」ボリボリ

京子「私はバニラ味」

結衣「私も」

向日葵「私もバニラ派ですわね」

櫻子「むむ!ココアの魅力がわからないとは!」

櫻子「特にひまわり!」

向日葵「な、なんで私だけですの!」

ギャースギャース

撫子「また、始まった」

京子「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんっていつもこんなかんじなんですか?」

撫子「うん、そうだよ」

花子「たくさん喧嘩してるし」

結衣「でも、仲良さそう」

京子「喧嘩するほど仲がいいって言うしな」

撫子「そうだね」



京子「今日はありがとうございましたー」

結衣「どうも失礼しましたー」

向日葵「私もこれにて失礼しますわね」

櫻子「はい、また来てくださいねー」

櫻子「ひまわりはもう来んな!」

向日葵「な。なんですの!お見送りのときまで」


バタン

撫子「櫻子」

櫻子「ん?」

撫子「いい、先輩を持ったね」

櫻子「うん!」

第75話 京子と大室家 8

京子と大室家はこれで終わりです

これは乙

あの結衣さんが何もしないで帰った…だと!?

第76話 高校生組 年越し旅行 1

藍「ねぇ、撫子。年末年始に美穂とめぐみと温泉旅行行こうと思ってるんだけど、撫子も行かない?」

撫子「年末年始は暇だけど、うん、まぁいいよ」

藍「やった!!撫子も行くってさー」

めぐみ「いえーい」

美穂「やったー」

撫子「予算は?」

藍「一泊二日で、7000円」

撫子「そのくらいなら、お小遣いでなんとかなりそうね」

藍「じゃあ、決定でいい!?」

撫子「うん」

撫子「(唐突な話だけど、なんか押し切られてしまった……)」


大室家

撫子「というわけで、大晦日から元旦にかけて友達と旅行に行きます」

大室母「そう、まぁもう高校2年生だから、大丈夫でしょう」

大室父「気をつけていってくるんだぞ」

櫻子「えー、姉ちゃん旅行行くの~ずるい~」

花子「若干羨ましいし」

大室母「まぁ、今度家族で行きましょう!都合を合わせて」

大室父「そうだな」



当日

藍「撫子ー」

撫子「ああ、藍早いね。みんなは?」

藍「めぐみと美穂はちょっと遅れるってさ」

藍「まぁ、鈍行列車でいくから、時間は気にしなくてもいいよ」

撫子「そうだね」

めぐみ・美穂「ごめん、遅れたー」

藍「じゃあ、行こうか」

めぐみ・美穂・撫子「うん」

第76話 高校生組 年越し旅行 1 終わり

第77話 高校生組 年越し旅行 2

撫子「小じんまりとしたところでいいところだね」

藍「そうだね。撫子こういうところ好き?」

撫子「うん。温泉街って感じだね」

めぐみ「ほら、撫子ー温泉まんじゅうがある」

撫子「ああ、あとで食べようね」

美穂「やーん、温泉卵も美味しそうー」

藍「温泉卵は温泉で暖めたからわかるけれど、温泉まんじゅうってなんだろうね」

撫子「うん、謎だよね」

藍「地図だとここなんだけれど、あれ?見つからないな~」

美穂「え~ちょっと見せて?」

美穂「この通りじゃなくて、ひとつ西の通りだよー。だからひとつ前の通りを左に曲がって、右に曲がれば」

撫子「美穂は凄いね」

めぐみ「美穂って地理感あったんだ」

美穂「えー普通だよー」


めぐみ「ついたー」

撫子「ここが今日泊まる民宿ね」

藍「温泉付きだよ!」

美穂「温泉大好き~」

撫子「とりあえず、チェックインしようか」

藍「うん!」


部屋

めぐみ「ここが部屋ね!結構いい感じ」

美穂「やーん、川が見える~」

撫子「川のすぐ側だからね」

藍「じゃあ、荷物も置いたところだし、温泉入りに行く?」

撫子「そうだね」

第77話 高校生組 年越し旅行 2 終わり

第78話 高校生組 年越し旅行 3

温泉

めぐみ「わ~凄い!見てみて撫子ー露天もあるよ~」

撫子「めぐみはしゃぎ過ぎ、すべると危ないよ」

藍「うん。じゃあ入ろうか」

美穂「や~ん、すてきなお風呂。しかも貸切ー」

めぐみ「時間も早いからね」

藍「民宿の割にこってるよね」

撫子「そうだね」

お風呂

プカプカ

撫子「(それにしても……)」

藍「♪」ボン

めぐみ「ふんふんふ~ん」ボン

撫子「(藍とめぐみの胸でかいなぁー)」

美穂「~~♪」チョッピリ

撫子「(どうしたら、あんなにでかくなるんだろう)」ペターン

撫子「(美穂もさりげなく私よりはあるし……)」ズーン

撫子「(揉んだりすると、大きくなるって)」モミモミ

美穂「ん?撫子ー?なにやってるの?」

撫子「ハッ(み、見られていた)」カァー

美穂「ねぇー、そんなに胸揉んでもらいたいなら私が揉んであげようかぁ」ニヤニヤ

めぐみ「えー?なになに?」

藍「えっ?撫子、胸揉んでほしいの?」

撫子「そ、そういうわけじゃないわよ///」

美穂「うんうん、揉んで大きくしようとしてたんだよねーわかるー。ここには大きい人いっぱい居るからねー」

撫子「み、美穂は違うでしょう!」

美穂「え~別に私気にしてないしー」

美穂「というわけで、揉んじゃえー」

めぐみ「え~ずるい、私も撫子の胸もみたい」

藍「えっ?ちょっとダメだよ!私が揉むんだから!」

撫子「ちょっ!ちょっとやめっ、やめてー!!!」

第78話 高校生組 年越し旅行 3 終わり

第79話 高校生組 年越し旅行 4

お風呂上がり

撫子「ふぅーひどい目にあった」

藍「あはは、ごめんね。撫子」

めぐみ「ごめん」

美穂「ごめんねー」

撫子「美穂は反省してなさそう」

美穂「えーそんなことないよー」

藍「18:30から食事だって」

めぐみ「はいよー」

撫子「ふふ」

めぐみ「えっ!?なんで笑ったの?」

撫子「めぐみのはいよーがちょっと間抜けに聞こえて」

藍「はは、確かにー」

美穂「めぐみってたまにそういう面白いこと言うよね」

めぐみ「えっ!?そんなにおもしろかった!?」

撫子「ごめんごめん」

食事

めぐみ「わぁー蟹鍋だあーおいしそう!」

美穂「ホントだー」

藍「やった!私蟹好きなんだ」

撫子「私も好きだよ」

藍「よかった」

撫子・藍・めぐみ・美穂「いただきまーす!」

モグモグ

藍「おいしー」

撫子「あっ、この惣菜も美味しい」

めぐみ「漬物も美味しいよ」ボリボリ

美穂「めぐみおっさんみたいー」

撫子「あはは」

藍「あはは」

めぐみ「えー、また私いじり!?」


撫子「さぁ、鍋に入りますか」

藍「そうだね」

めぐみ「そうですな」

美穂「うん」

藍「おいしー」

撫子「美味しいね」

めぐみ「うまい!」

撫子「おっさんか」

めぐみ「えっ、また!?」

美穂「やーん、本当に美味しい!」

藍「ふぅー美味しかった」

めぐみ「そうだねー」

撫子「食べた食べた」

美穂「ごちそうさまでした」

第79話 高校生組 年越し旅行 4

第80話 高校生組 年越し旅行 5

部屋

藍「さぁー後は年越しを待つだけね」

撫子「紅白派?ガキ使派?」

めぐみ「私はガキ使」

美穂「ガキ使ー」

藍「私もガキ使派かな?撫子は?」

撫子「私もガキ使派、家では親達が紅白見るからそれに合わせるけれどね」

藍「まさかの全会一致」


ででーん、全員 OUT

撫子「ぷははは、いや、ジローラモはひどいでしょう」

藍「あははは」

美穂「ふふふ」

めぐみ「ぶっはははは。滑舌」

撫子「ねぇ、提案なんだけどさ、私達も笑っちゃいけないやらない?」

藍「いいね。面白そう」

美穂「賛成」

めぐみ「えー私、笑いやすいからやめてよー」

撫子「多数決ね」

TV「あなたの男のソファーから加齢臭がするんだよ!」

撫子「うっ(や、やばい)」

藍「……」

美穂「……」

めぐみ「くっ、ぷ、ぷ、ぷくく」

撫子「ぶはっ!」

美穂「めぐみ、撫子 OUTー」

撫子「ちょっ、めぐみにつられて笑った私も!?」

美穂「そうだよ」

美穂「よし、おしりビンタするからねー」

美穂「あっ!それよりも胸がいいー?」

撫子「おしりにしてください」

パーン

撫子「痛!!」

パーン

めぐみ「いったぁー!!」

その後も

ででーん

めぐみ「ぶっはっははっはは!!」

撫子「ぶは」

藍「ぶ」

美穂「くっ」

美穂「全員OUTね」

撫子「めぐみっ、おっさんっ!」

めぐみ「だ、だからおっさんじゃないって!!私弱いのこういうのに!!」

美穂「じゃあ、私が撫子から藍まで叩くから、私のことは撫子が叩いてね」

撫子「容赦しないよ」

第80話 高校生組 年越し旅行 5 終わり

第81話 高校生組 年越し旅行 6

ガキ使も終わり

撫子「ガキ使終わったね」

藍「そうだねーあーおしりが痛い」

美穂「私は意外と手が痛い……」

めぐみ「お疲れ様」ヒリヒリ

撫子「ゆく年くる年でもみて落ち着こう」

藍「うん、そうしよう」

そして、23:59

めぐみ「とうとうね。」

撫子「そうだね」

美穂「や~ん、2012年も終わっちゃうー」

藍「そうだねー」

0:00

撫・藍・めぐ・美「あけおめー!!」

美穂「みんな今年もよろしくー」

めぐみ「最高の年明けだねー」

藍「そうだね。みんなで年越しを祝えるなんて」

撫子「誘ってくれてありがとう。今年もよろしくね。藍、めぐみ、美穂」

美穂「やーんこちらこそ~」

藍「今年もよろしくーみんな」

めぐみ「年も明けて心機一転、私のおっさんキャラも」

撫子「いや、それは変わらない」

藍「そうだね」

美穂「だねー」

めぐみ「な、なんで!?」

第81話 高校生組 年越し旅行 6 終わり

あけおめ~乙
次は櫻子花子編だな

ミス 美穂「や~ん、2012年も終わっちゃうー」
訂正 美穂「や~ん、2011年もおわっちゃうー」

高校生組が2年生のときの話なので一昨年扱いで

第82話 高校生組 年越し旅行 7

A.M.6:30

撫子「」ムクリ

撫子「まだ、6:30か、外は暗い。ということは初日の出見に行けるかも……」

撫子「確か、この旅館の山ちょっと上がったところに東向きの展望台があった気がする」

撫子「行ってみようかな」

ゴソゴソ

美穂「ん~撫子1人でどこ行こうとしてるの~?」ヌッ

撫子「うわ!びっくりした!美穂か」

撫子「ちょっと、初日の出を見に行こうかなと思って」

美穂「それなら、なんで誘ってくれないのよー」

撫子「いや、みんな起こしちゃ悪いなって思って、昨日も遅かったし」

撫子「でも、美穂起きているならいく?」

美穂「うん!もちろん」

撫子「外は寒いから着込んで行かないとね」



美穂「だんだん空が明るくなってきたね~」

撫子「そうだね。道ってこっちであってるんだっけ?」

美穂「大丈夫だよ」

展望台

美穂「ああ、やっぱり寒いな~」

撫子「手袋は?」

美穂「持ってないよ」

撫子「じゃあ私のジャンパーのポケットに手をつっこむ?」

美穂「いいの?やったー」

スポッ

美穂「撫子のジャンパーの中あったかい」

撫子「そう?」

美穂「うん」

撫子「あっ、そろそろ山の端から日の出してくるね」

美穂「そうだねー」

パァー

美穂「わぁー初日の出だぁー綺麗だねー」

撫子「そうだね」

美穂「今日は撫子と一緒に初日の出見れたし。今年はいい一年になりそう」

撫子「私と一緒なのは関係あるの?」

美穂「もちろんあるよー、撫子は大切な人だから」

撫子「……」

美穂「どうしたの?」

撫子「い、いきなり言われると恥ずかしい……」カァー

美穂「あー撫子顔真っ赤」

撫子「違う!これは朝日でそう見えるだけ!」

撫子「そろそろ帰ろう。寒いから」

美穂「真っ赤真っ赤!」

撫子「う、うるさい!」

第82話 高校生組 年越し旅行 7 終わり

第83話 高校生組 年越し旅行 8



撫子「ん、んん」

藍「おはよー」

撫子「ん、おはよ」

美穂「あっ、おはよ~初日の出綺麗だったねー」

藍「えっ!?美穂と撫子、初日の出見に行ったの!?」

撫子「うん、ちょっと早起きしてね」

藍「私も誘ってくれればよかったのに!」

撫子「寝てるの起こすのは悪いなと思って、美穂は偶然起きてたから」

めぐみ「スースー」

撫子「めぐみはまだぐっすりだ」

藍「昨日はあんなにハシャいでたからね」

撫子「めぐみー」

めぐみ「ん、んn……」

撫子「朝だよ」

めぐみ「ああ、朝か……ってあれ!?初日の出は!?」

撫子「見たのは、私と美穂だけ、めぐみと藍は寝てたからね」

めぐみ「えー、誘ってよ~」

藍「そうだよー」

撫子「ごめんごめん。次は誘うから」

藍「次って高3じゃん!」

撫子「あっ、確かにそうだね」

美穂「じゃあ、みんな起きたところだし、朝ごはん食べに行こうよ」

朝ごはん

撫子「和食だね。味噌汁とご飯とお魚という」

めぐみ「ここは和食が美味しいからいいね。昨日の鍋も美味しかったし」

藍「そうだねー」

美穂「私は洋食派だけど、たまには和食もいいものねー」

一同「いただきまーす」

藍「おいしー」

めぐみ「このお味噌汁良い感じだね」

撫子「うん」

藍「鮭の切り身も美味しいよ」

撫子「そうだね」

美穂「ねぇ、朝ごはん食べたらもう一回温泉入りに行くでしょ?」

撫子「じゃないと、温泉旅行に来た意味がないしね、入るよ」

藍「うん、そうだねー、それから、外歩いてみて昨日散策できなかったところいってみようか」

美穂「まぁチェックアウト済ませてからになっちゃうけれどねー」

撫子「一泊二日の旅は忙しいものだね」

藍「そうだねー二泊三日にしておけばよかったよ」

めぐみ「初詣とかもしたいねー」

撫子「ああ、そうだね。そういえば、このへんに神社ってあったかしら」

美穂「ここから、ちょっと坂を上ったところにあるよ。さっき撫子といったところの一歩奥の通り」

撫子「へー、じゃあそこ行こうか」

藍「うん」

第83話 高校生組 年越し旅行 8 終わり

第84話 高校生組 年越し旅行 9

神社

藍「結構、疲れる。ね」ハァハァ

撫子「そうだね」ハァハァ

めぐみ「この階段一気に登ろうとしたのが間違いだったー!」ハァハァ

美穂「えーみんな遅すぎだよぉ」

撫子「美穂、速すぎ」ハァハァ

美穂「私はこう見えて鍛えてるからね」

藍「もうちょっと、頑張れ私!」

撫子「はぁーいやー登った登った」

藍「そうだね」

めぐみ「ちょっとー私が一番ドベー!?」

美穂「言い出しっぺなのにねー」

めぐみ「美穂様おそろしい;;」

藍「それにしても、いい景色ー」

撫子「そうだね。朝日もここで見れたかも」

藍「私に取ってはこれが初日の出?だよ!」

撫子「そっか、見られてよかったね」

藍「うん!」

めぐみ「じゃあ、神社にお参りしてこよっか!?」

撫子「そうだね」

第84話 高校生組 年越し旅行 9 終わり

おつ

第85話 高校生組 年越し旅行 10


賽銭箱

めぐみ「ご縁がありますようにって5円を入れるんだよ」チャリーン

藍「私は100円にしよう」

撫子「私は150円」

撫子「ふっ、めぐみは所詮5円しか入れられないのね」

美穂「」チャリーン

500円

パンパン!

撫子「(上には上がいた!)」

美穂「ふふ、それだけ想いが強いってことだよ」

めぐみ「思いの強さはお金じゃないもん!」

撫子「はいはい、恋愛成就恋愛成就!」

めぐみ「も、もう!撫子のバカー!」

藍「ああ、めぐみ怒っちゃったよ」

撫子「ごめんね。めぐみ甘酒買ってあげるから」

めぐみ「ほ、本当に?」

藍「(単純だ……)」

屋台

めぐみ「おいしー。ありがとう撫子♪」

藍「(本当に直った)」

美穂「ねぇー最後におみくじやって行かない?」

撫子「そうだね」

おみくじ

撫子「おお、大吉だ。運がいいね」

藍「私は中吉」

撫子「美穂は?」

美穂「当然大吉だよ」

撫子「(と、当然なのか……)」

撫子「めぐみは?」

めぐみ「き,凶」

藍「ど、どんまい」

めぐみ「金運 お金が逃げる、学業 成績落ちる、恋愛 待ち人来たらず」ブツブツ

藍「(め、めぐみが病んでる……)」

撫子「ま、まぁ元気出しなって、これ以上下がることはないってことだから」

めぐみ「う、うん」

撫子「おみくじがすべてじゃないし、めぐみには私達がいるんだから」

めぐみ「そ、そうだね!」

めぐみ「よぉーし、パワフルなめぐみさんを今年も見せるぞぉー!」

撫子「その調子、その調子」

第85話 高校生組 年越し旅行 10 終わり

第86話 高校生組 年越し旅行 11

藍「この後どこ行く?」

めぐみ「どこ行くって昨日はできなかった温泉街めぐりでしょ!」

撫子「そうだね」

美穂「まだ、温泉卵も温泉まんじゅうもおみやげも買ってないしー」

藍「じゃあ、下の温泉街までおりて行こうか」

美穂「また、競争ねー」

撫子「いや、あれは疲れるから」

めぐみ「ダッシュ~」

撫子「め、めぐみは……」

温泉街

撫子「」ハァハァ

藍「」ハァハァ

美穂「やーん、撫子たちおそーい」

撫子「美穂が速いのよ」

めぐみ「へぇへぇ」

撫子「そして一番乗り気なめぐみはまた最下位」

めぐみ「と、とりあえず、まわって見てみよう」

撫子「そだね」

おみやげ屋

美穂「あっ、ここ温泉卵も食べられるみたいだよ」

藍「温泉まんじゅうもあるね」

めぐみ「おみやげも揃うしとりあえず入ってみようか」

撫子「うん」

店員「あら、可愛いお嬢ちゃん達、旅行?」

藍「はい、4人で年越し温泉旅行を」

店員「あら、そうだったの。ここの温泉はいいからね。ゆっくりしていって」

藍「いえ、一泊二日なんで今日これから帰るんです」

店員「そう、じゃあ昨日のうちに楽しんできたのね」

藍「いえ、でもやっぱり2泊3日にしておけばよかったななんて」

撫子「そうだね、一泊二日はちょっと慌ただしいね」

美穂「本当は中日に温泉街めぐりと温泉にゆっくり浸かりたかった」

藍「温泉卵4つと温泉まんじゅう4つお願いします」

店員「はい」


美穂「やーん、おいしー」

藍「本当に美味しいね」

めぐみ「このとろとろ具合、絶品」

撫子「うん、いい味」

藍「温泉まんじゅうも美味しいよ」

撫子「本当だ」

美穂「美味しい」

めぐみ「食べてる時が一番幸せ」

撫子「めぐみは確かにそんな感じ」

第86話 高校生組 年越し旅行 11 終わり

第87話 高校生組 年越し旅行 12

藍「よし、食べ終わったね。じゃあ、後はおみやげ買って帰るだけだね」

撫子「そうだね」

藍「このお菓子、ここの名産品なんだって」

撫子「へぇ、じゃあ私も櫻子と花子に買っていってあげようかな」

美穂「やーん、このストラップ可愛いー」

めぐみ「俗にいうゆるキャラってやつだね」


めぐみ「ねぇ、向こうに湯釜があるんだって!」

藍「ゆがま?」

めぐみ「源泉が出てくるところだって」

撫子「ここの源泉は熱いらしいからね。見に行こうか?」

藍「うん、あっでもバスの時間には気をつけないとね」

撫子「そうだね」

グツグツ

美穂「すご~い、煮え立ってる!」

撫子「硫黄の臭いもプンプンするね」

めぐみ「すごいねー」

藍「ここで温泉卵を作っていたんだ!ほら!」

撫子「あっ、本当だ」


藍「いそげー」

美穂「私は余裕だけどめぐみが」

めぐみ「はぁはぁ、もう限界……撫子」ハァハァ

撫子「急がないとバスなくなるって」

めぐみ「やっぱり、一泊二日はすごい大変」

バス

藍「ふぅー間に合ってよかった」

撫子「そうだね」

めぐみ「ぜぇぜぇ」

撫子「それにしても、慌ただしかったね」

藍「そうだね。卒業旅行のときは二泊三日にしよう」

めぐみ「えっ、卒業旅行もするの!?」

美穂「私はしたいなー」

撫子「そうだね。卒業旅行もしよう」

撫子「私達も今年から受験生か……」

美穂「速いものだねー高校生活っていうのは」

めぐみ「みんなで合格の卒業旅行になるといいね」

藍「うん、そうだね」

藍「とりあえず、今回は私の提案に乗ってくれてみんなありがとう」

撫子「いやいや、こちらこそだよ」

美穂「うん」

めぐみ「藍が提案してくれたから、みんなで楽しい旅行になったしね。一生の思い出になったよ」

撫子「そうだね。ありがとう藍」

藍「えへへ、どういたしまして」

第87話 高校生組 年越し旅行 12 終わり

ここだけ抜いてみると危険な感じに
>めぐみ「はぁはぁ、もう限界……撫子」ハァハァ

第88話 雪かきから始まる雪合戦

櫻子「とうとう冬で毎日雪だね」

花子「うん、外に出たくなくなるし」

櫻子「といっても、雪かきしなくちゃいけないから」

花子「さ、櫻子にしては正論……これだと花子が面倒くさがり屋に見えるし!」

撫子「じゃあ、雪かきしようか」




櫻子「うぅ、寒い!」

花子「当たり前だし!コートきてこいし!」

櫻子「面倒くさい!」

撫子「まぁ、いいや、じゃあ始めようか」

花子「はいだし!」

ザッザ

櫻子「ほうほう、あったまってきたぞ」

花子「雪かきは結構大変な運動だし」

櫻子「はーなこ!」

花子「?」

櫻子「それ!!」バシャ

花子「!!」

花子「なにするんだし!」

櫻子「へへへ~!悔しいならこっちまでおいで!」

花子「ぐぬぬ、櫻子のやつー」バシャ

櫻子「な、なに!雪投げるのは反則でしょ!」

花子「先にやったのはそっちだし!」

バシ、バシ、バシ、バシ

撫子「ちょっと、2人とも雪かき……はぁ、やれやれもう聞いてないか」セッセ

第88話 雪かきから始まる雪合戦 終わり

第89話 撫子さんのデート編

今回の相手>>232

ここは普通に藍

第89話 藍とデート 1

prrrr

撫子「あっ、電話だ。藍からかな」

着信 三輪藍

撫子「藍からだ」

撫子「もしもし」

藍『撫子!』

撫子「藍」

藍『撫子撫子撫子撫子!』

撫子「藍藍藍藍!」

藍『撫子撫子撫子撫子撫子!』

撫子「藍藍藍藍藍!」

藍『撫子撫子撫子撫子撫子撫子!』

撫子「藍藍藍藍藍藍!……ってなにやってるのかしら私達」

藍『ふふ、撫子が珍しくこのノリに乗ってくれてうれしい』

撫子「いや、いつも藍がうれしそうに私の名前呼ぶから私も真似してみようかなって」

藍『学校ではこんな姿見せられないもんね』

撫子「そうだね」

藍『ねぇ、今度の土曜日デートしない?』

撫子「いいよ」

藍『待ち合わせ場所はいつものところね』

撫子「はい、わかった」

藍『じゃあ、楽しみにしてるね』

撫子「うん、私も」

第89話 藍とデート 1 終わり

行く場所安価

>>235

大室家

まさかのお家デートか

これは期待
むしろこれも期待

第90話 藍とデート 2

撫子「あっ、いたいた」

藍「あっ、撫子!」

撫子「ごめん、待った?」

藍「ううん、今来た所」

撫子「じゃあ、私の家に行こうか」

藍「うん!」

大室家

撫子「ただいまー」

藍「お邪魔します」

花子「藍お姉ちゃんいらっしゃいだし」

藍「はい、こんにちは花子ちゃん」

藍「ちゃんと挨拶できて花子ちゃんは偉いね」ナデナデ

花子「も、もう小学2年生なんだから当たり前だし///」

藍「あれ?今日櫻子ちゃんは?」

撫子「ああ、櫻子なら出かけたよ。隣に住んでる向日葵って子と」

藍「そうなんだ」

撫子「じゃあ、私の部屋に行こうか」

藍「うん」

撫子の部屋

藍「撫子の部屋だぁー」

撫子「毎回藍ははしゃぎすぎ」

藍「だってだって、撫子の部屋ってなんかいい匂いするんだもん」

撫子「いいにおい?」

藍「うん、なんかふんわりした匂い。撫子と同じ匂いがする」

撫子「も、もう///」

藍「ベッドに座っていい?」

撫子「いいよ」

藍「わぁーい」ポフ

撫子「あ、なんか飲み物取ってくるよ。お茶とオレンジジュースどっちがいい?」

藍「うーん、オレンジジュースもらおうかな」

撫子「了解」

第90話 藍とデート 2 終わり

第91話 藍とデート 3

藍「撫子のベッド」

藍「撫子の枕」

ポフ

藍「良い香りだなぁ」

藍「私幸せ」

スーハスーハ

藍「ふふ」

藍「……」

藍「さすがにいくら恋人とはいえこれを見られたらひかれちゃう……」

藍「……」

藍「でも、もう少しだけ」

スーハースーハー

バタン

撫子「藍、もってきたよってなにやってんの……?」ジトー

藍「い、いや。これはね。そ、そう、突然眠くなっちゃって、枕が恋しいなぁって」

撫子「そ、そっか」ドンビキ

藍「はっ、やっぱりドンビキされた!」

撫子「そんなことないよ」シレ

撫子「(というか、いつも家にくると藍がそういうことしてるの知ってたし)」

藍「本当に?」

撫子「本当に」

藍「本当の本当?」

撫子「本当の本当」

藍「そっか、ならよかった」

撫子「うん、はいこれオレンジジュース」

藍「ありがと」

チュー

撫子「」ジー

藍「」チュー

撫子「」ジー

藍「///」チュー

撫子「……かわいい」

藍「!!ごふぅ!がはっがはっ!!」

撫子「大丈夫?むせた?」

藍「ごほっごほ!」

藍「もう、撫子のバカ!」

撫子「さっきの仕返し」フフ

藍「も、もぅ……」

第91話 藍とデート 3 終わり

あまーい

第92話 藍とデート 4

藍「撫子……すきだよ」

撫子「うん」

藍「撫子も言ってよ!」

撫子「だから、そういうのはたまに言うからいいんじゃない」

藍「それでも!というか最近言ってない!」

撫子「わかったよ」

撫子「藍。好き」

藍「撫子!」ギュー

撫子「ちょっと!藍!」

バタ

藍「ねぇ……キスしていい?」

撫子「こんな昼間から」

藍「誰も見てないって」

撫子「下に花子と両親がいるのだけど」

藍「音出さないようにしないとね」

撫子「そうだね」

藍「ん」

撫子「ん」

チュッ

藍「舌入れていい?」

撫子「うん、いいよ」

チュパ、チュパ

藍「撫子の舌美味しい」

撫子「藍の口の中オレンジの味がする」

藍「ふふ」

チュパ、チュパ、チュパ、チュパ

バタン!

「ただいまー!」

撫子・藍「!!」

撫子「櫻子が帰ってきた。まずいやめましょう」

藍「えっ?何で?」

タッタッタッタ

撫子「とにかくどいて!」

バン!

藍「!!」

櫻子「ねーちゃん、ただいまー、友達来てんの?」

第92話 藍とデート 4 終わり

第93話 藍とデート 5

撫子「見ればわかるでしょ」

藍「こんにちは、櫻子ちゃん。藍です」

櫻子「藍さんかぁー、こんにちは」

撫子「もう、櫻子人の部屋はいるときはノックしてよ」

櫻子「そんなにノックが大事かなぁ」

撫子「大事」

櫻子「もしやねーちゃん、藍さんと私に見られちゃまずいことしてたんでしょ!?」

撫子・藍「!!」

藍「(まさか、櫻子ちゃんにバレて!?)」チラチラ

撫子「(いえ、そんなはずないわ……この子バカだから)」チラチラ

櫻子「う~ん、あやしいな~」

撫子「(そんな、まさか櫻子が私達の関係に気づいているなんて)」

撫子「(いや、でもたびたび電話とかで聞かれていたし、その可能性も無きにしも非ず……)」

撫子「(だとしたら、どう誤魔化すか……)」

藍「(櫻子ちゃん、意外と勘が鋭いのね。女の勘というやつかな)」

藍「(私は別にバレてもいいと思うけれど、櫻子ちゃんは撫子の身内だし)」

藍「(ここは撫子に任せましょう)」

撫子「あ、あのね。櫻子?私と藍はそのなんというかね」オロオロ

藍「(撫子が狼狽えてる!!)」

藍「(ダメかもしれない、私がフォローしなくちゃ)」

藍「あの!櫻子ちゃん!」

櫻子「あっ、やっぱり!!」

藍「!!」ビク

櫻子「こんなところでお菓子食べてた!」

櫻子「怪しいと思ったんだよなー、私に隠れてこそこそと」

櫻子「お菓子が1つずつ減ってたし!」

撫子「(な、なんだ勘違いか)」ホッ

藍「(ホッ)」

撫子「そうそう、そういうこと、櫻子の分は取っておいてあるから、1階の納戸の奥にポテチがあるから」

撫子「それ食べてきなさい」

櫻子「えっ!?ちゃんとあるの?じゃあ初めからそう言ってよねー」

撫子「はじめも何もいま来たんでしょう」

櫻子「じゃあいってきまーす」

バタン

撫子「はぁ、まったく人騒がせな子よ」

藍「バレたかと思ったね」

撫子「そうだね。やっぱり、家は居づらいね」

撫子「どこか他のところに行こう」

>>243 行く場所

母校の七森中に顔を出しに行く

安定の櫻子

第94話 藍とデート 6 

撫子「そうだ、七森中に行こう。久しぶりに」

藍「そうだね」

撫子「さり気なく藍も七森中だからね」

藍「さりげなくって何よ。私ってそんなに存在感薄かった!?」

撫子「いや、3年間クラス別々だったし、高校に入ってからようやく同じ中学出身だってことで絡むようになったのがきっかけじゃん」

藍「まぁ、そうだけど。私は撫子の事知ってたよ」

撫子「えっ!?そうなの?」

藍「だって、生徒会長だったじゃん!」

撫子「あっ、そういえばそうだった」

藍「それに、なんかクールで、体育祭のときもリレーのアンカーでトップで帰ってきて」

藍「他にも成績優秀者で毎回乗ってたりとか」

撫子「へー、藍は昔から私のこと見ててくれたんだね」

藍「うん///」

七森中

撫子「こんにちはーここの卒業生なんですけれど、見学というか訪問いいですか?」

警備員「ああ、卒業生の方?このホルダー下げてね」

撫子「はい」

藍「ありがとうございまーす」

撫子「懐かしいな、七森中。今は櫻子達が通ってるのか、なんか感慨深い……」

西垣「おっ、大室じゃないか!!」

撫子「あ、西垣先生お久しぶりです」


藍「西垣先生だ!」

西垣「それに三輪まで」

藍「えっ、先生私のことも覚えていてくださったんですか?」

西垣「当たり前だろ、可愛い生徒だったからな!」

西垣「爆友に出来なかったのは残念だが」

藍「いや、先生の爆発についていける人はいませんよ」

西垣「それが出来たんだよ!」

撫子「ああ、現生徒会長ですよね。たしか……」

西垣「松本」

撫子「そうそう、松本さん、無口な人だって櫻子から聞いてます」

西垣「松本はいいぞー嫌な顔ひとつせずに私に付き合ってくれるからな」

藍「(それ、嫌って言えないだけじゃ……)」

西垣「で、今日はどうしたんだ?二人で母校に戻ってきて、デートか!?」

藍「い、いや!そんなことありません///」

撫子「普通に母校訪問ですよ、先生にもお会いしたかったですよ」

西垣「そんなこと言われると照れるなー」

藍「(撫子、平然としてて凄いなー)」

西垣「私の最新作見ていくか!?」

撫子「いえ、遠慮しておきます。爆発しそうなんで」

西垣「それがいいんじゃないか!」

撫子「適当にこのへん見て回って帰ります」

西垣「そうか、まぁゆっくりしていきたまえ」スタスタ

藍「なんていうか、昔と変わらないね。西垣先生」

撫子「うん、そこがあの人の魅力だと思う」

藍「そうだね」

第94話 藍とデート 6 終わり

撫子って生徒会長だったのか知らんかった

>>247 私の脳内設定です。基本的にキャラ設定は原作準拠していなくなってきているのでご了承を

西垣ちゃんは一体何歳なんだろう…

>>248
なーる㌧

第95話 藍とデート 7

藍「どこ行こっか?」

撫子「最初は教室行ってみる?」

藍「そうだね」

撫子「1年2組、ここが櫻子のクラスね」

藍「へぇ、櫻子ちゃんも1年2組だったんだ」

撫子「藍もそうだったんだっけ?」

藍「うん。撫子は確か3組だったよね?」

撫子「うん」

藍「というか、毎年クラス替えやるのに私と撫子って3年間一緒のクラスになったことないよね?」

撫子「そうだね」

藍「高校に入ってから撫子と同じクラスになって私結構うれしかったんだよ」

撫子「なんで?」

藍「なんでって撫子みたいなかっこいい女の子と友達になれたから」

藍「撫子はクラブにも入ってなかったし、中学のときには話掛けづらかったからね」

撫子「それが、今では恋人同士ね」

藍「そ、そうだね///」

藍「これでも撫子を口説くのに必死になったんだよ」

撫子「うん、知ってる。高校2年で同じクラスになったとき、藍が話しかけてきてくれてうれしかった」

撫子「私のことを知ろうとしてくれてうれしかった」

撫子「お店とか紹介してくれたり、一緒に連れて行ってくれたりして楽しかった」

撫子「つまり、撫子さんは見事に藍に落とされちゃったんだね」

藍「えへへ」

撫子「藍、好きだよ」チュ

藍「も、もう//こんなところで……いつもはしてくれないのに//」

撫子「ふふふ」

第95話 藍とデート 7 終わり

第96話 藍とデート 8

撫子「体育館寄っていく?」

藍「いいけれどなんで?」

撫子「ちょっと久しぶりに見たくなって」

藍「いいよ」

体育館

藍「誰も居ないね」

撫子「うん」

撫子「あっ、バスケットボールが転がってる」

撫子「バスケでもやる?」

藍「ええ!?撫子に勝てるわけ無いじゃん!」

撫子「まぁ軽い運動だと思ってさ」

ドンドンドンドン

撫子「じゃあ始めるよ」

藍「わ、わかった」

藍「それ」ダッ

撫子「」サッ

藍「くっ!かわされた!」

撫子「ふっ」スッ

トス、ダンダンダン

藍「くぅー早くも2点入れられた」

撫子「じゃあ、次藍から」

藍「」ドンドンドン

撫子「」ヒュイ

藍「」サッ

ポーン

藍は撫子をかわそうと身を翻したが、それでバランスを崩しボールが飛んでいってしまった

藍「あっ!」

撫子「ふっ」ダッ

藍「くっ!」ダッ

撫子「」キャッチ

撫子「」ダンダンダン

ヒュイ、トスッ

藍「また、撫子に入れられたー!!」


藍「うわぁーまただぁー」


藍「またまたー」


藍「はぁはぁ」

撫子「結局30対0だね」

藍「撫子強すぎだよーバスケ部じゃなかったのに」

撫子「体育の授業でやったから大体分かる」

藍「体育だけで……おそろしい!」

撫子「そろそろ、やめて片付けよう」

藍「そうだね」


体育倉庫

撫子「バスケボールはここに」

藍「いや、こっちの箱じゃない?」

撫子「あっ、そうだね」

教員「ん?なんだここは開いてるじゃないか。締め忘れだな」

ガラガラ、ガチャ

藍「えっ!?」

撫子「まずい閉められた!!」

第96話 藍とデート 8 終わり

ありがち展開期待ですわー

おつ

第97話 藍とデート 9

撫子「すみませーん、開けてください!まだ、中に人がいるんです!」

藍「開けて下さーい!」バンバン

………

撫子「いっちゃったみたい」

撫子「今日は土曜日だし、誰もこないかも……」

藍「どうしよう」

撫子「落ち着いて考えよう。ここは、七森中。七森中といえば、櫻子の中学校」

撫子「つまり……」

藍「櫻子ちゃんに連絡して助けてもらえばいいわけね!」

撫子「そういうこと」


prrrr

撫子「櫻子?」

櫻子『どうしたのねーちゃん?』

撫子「とある事情から、櫻子の学校の体育館の倉庫に閉じ込められちゃったんだけど」

撫子「開けに来てくれない?」

櫻子『ええ!?大変じゃん!わかった。よくわからないけれど、七森中に行けばいいのね』

撫子「うん、助かる。西垣先生がいたはずだから、西垣先生に事情話して」

櫻子『わかった!向日葵行くぞー』

撫子「あっ、えっと櫻子待って」

櫻子『ん?』

撫子「今どこにいるの?」

櫻子『向日葵と一緒に八森町公園まで来てる』

撫子「じゃあ、30分ぐらいで七森中に来られるね」

櫻子『うん、そうだね』

撫子「よかったね。30分ぐらいで来られるって」

藍「うん、よかったような、残念なような」

撫子「えっ?残念?」

藍「いや、なんでもないよ!」アセアセ

藍「でも、撫子と二人で体育館倉庫に閉じ込められるなんて」

藍「なんかドキドキしてこない?」

撫子「えっ?」

藍「撫子……」ガシ

撫子「えっ?ちょっと。藍!?なにしてるの?」

ドサッ

第97話 藍とデート 9 終わり

キ…キマシタワー

大室家がニコニコ百合姫で再開決定だよ!

偶数月の隔月連載だけどね

まじか

ktkr!

>>258
本当に楽しみですね。それでは今日の投下分を

第98話 藍とデート10

撫子「あ、藍!ちょっと!!」ジタバタ

藍「うふふ、撫子の唇」

チュ

撫子「ちょ、ちょっとここどこだと、んっ」

藍「撫子のおっぱい」

さわさわ

撫子「こ、こんなところで、誰かに聞かれたら……んん」

藍「大丈夫だって、あんだけ叫んでも誰も来なかったんだよ」

藍「今日はみんないないんだよ」

藍「そんな中で、私と撫子が二人きりで閉じ込められる」

藍「しかも運動した後の汗だくの状態で」

藍「ふぅーくんくん」

撫子「あんっ、ちょっと、腋はくすぐったいよ!」

藍「じゃあ、胸で」クンクン

撫子「胸もくすぐったい……んぅ……」

藍「撫子は敏感だね」

藍「胸のちっちゃさと感度って比例するのかな?」

撫子「う、うるさい!」

藍「ねぇ、撫子。私にもやってよ」

撫子「えっ!?」

藍「私の胸も揉んで」

藍「もう、我慢できないの」ハァハァ

撫子「そ、そんなこと言われても、冷静になりましょう。まず、ここは七森中の体育館倉庫よ」

藍「いいから」

撫子「いつ誰がくるかもわからないの!」

藍「じゃないと、ここで大声出しちゃうかも」

撫子「わかった!わかったから!」

モミモミ

撫子「これでいい?(藍のおっぱい大きいなぁ)」

藍「んん、つ、続けて」

モミモミモミモミ

藍「あん、んん」

藍「ちょっと乳首をいじってくれない?」

撫子「わかった」

コリコリ

撫子「(服の上からでも感じる。藍の乳首が立ってるのが分かる)」

藍「あっ、ああアン!!」

藍「な、撫子にち、乳首、ちくび弄られちゃってるよぉ」

撫子「ねぇ。藍そろそろやばいんじゃ。もうやめていい?」

藍「んん、もっと、もうちょっとでイケそうなの」

撫子「しょうがないなー」

モミモミ

ドンドンドンドン

櫻子「ねーちゃん!そこにいるのか!?」

撫子「まずい、藍!」

藍「う、うん。おあずけかぁ」

撫子「そんなこと言ってる場合じゃあないよ!ちゃんと服着て」

藍「そうだね」

櫻子「今開けるからね!」

西垣「どれ、開けてみよう」

第98話 藍とデート10 終わり

おつ

第99話 藍とデート11

ガラガラ

西垣「ん?いないじゃないか」

撫子「(藍、把握服のホズレを直して……!)」

藍「(うん、今やってるから)」

櫻子「ねーちゃーん!藍さーん!」

向日葵「ここじゃないんじゃないですの?」

櫻子「でも、確かにここだって。あっいた!」

撫子「や、やぁ櫻子。助けに来てくれてありがとう」

藍「ありがとうございます」

西垣「おや、2人とも服がホズれているが」

撫子「あっ、あーこれは、暗くて足元が見えなくて転んだ拍子にころんでしまったというか」

西垣「そうか、まぁそういうことにしておこう」

藍「ありがとうございます」

向日葵「難儀でしたね」

撫子「そうだね。いろいろと」

藍「ね。うふふ」

向日葵「??」

櫻子「ねーちゃん救いだしたから帰ろうか」

向日葵「そうですわね」

撫子「もう、夕方か。じゃあ私は藍を送っていくよ」

帰り道

撫子「藍、今日みたいなことはこれっきりにしてね」

藍「う、うん。ごめんなさい。つい暴走しちゃって」

撫子「まぁ、家に誰もいない時は相手してあげるから」

藍「そうだね。私って欲求不満なのかな?」

撫子「でも、そんな藍も好きだけれどね」

藍「ありがとう」

撫子「藍?」

藍「ん?」

チュッ

撫子「ふふ」

藍「撫子ー!!大好き!!」ガバ

撫子「こらこら」

第99話 藍とデート11 終わり

以上で藍とデート編は終わりです

第100話 姉妹で入るお風呂

大室母「櫻子ー、花子ー、撫子ー誰でもいいから先お風呂入ってー」

櫻子「ほーい」

櫻子「ねぇ、花子、久しぶりに一緒に入らない?」

花子「なんでだし!やだし!」

櫻子「ねーちゃんも一緒に入らない?」

撫子「えっ、私も!?」

櫻子「その方が経済的でしょ?」

撫子「櫻子の口から経済的なんて言葉が出てくるとは、まぁいいよ」

櫻子「だってさ、ねーちゃん入るってどうする花子?」

花子「撫子お姉ちゃんも一緒なら入るし」

お風呂

チャプン

櫻子「さすがに家のお風呂で3人はキツイな」

撫子「うん、昔はよく入ったけれどね」

花子「櫻子もっとあっちいけし!」

櫻子「昔みたいに、私の膝に座る?」

花子「絶対やだし!」

撫子「じゃあ、私先洗うね」

櫻子「お背中流しましょう」

撫子「え、ありがとう」

櫻子「いかがですか」コシコシ

撫子「うん、いい感じ」

櫻子「花子も背中流してあげよう」

花子「べ、別にいいし」

櫻子「ほれ、コシコシコシコシー」

花子「うぅー」

櫻子「前も洗ってあげるぞー」

花子「そ、それだけはいいし!」

櫻子「そんなこといわずにー」オラオラ

花子「や、やめろし」ドン

ドタン

櫻子「いってぇ~」

花子「だ、大丈夫かし?」

櫻子「全く花子はー。これでもくらえーザバー」ザバー

撫子「こらこら、2人ともお風呂で暴れない!」

第100話 姉妹で入るお風呂 終わり

ええですな~

第101話 雪まつり 小学生組 1

花子「今日は雪まつりだし!」

櫻子「花子ー!一緒に行くかー?」

花子「今日は未来達と一緒に行くし」

櫻子「そっかー残念だなぁー」

櫻子「(あっ、そうだ向日葵と行けばいいじゃん!)」

花子「じゃあ、行ってくるし」

雪まつり会場

花子「未来、こころ、みさき。待たせてごめん」

未来「わぁい花子様だぁー」ダキ

こころ「花子様来てくれたー」

みさき「なによ!こんな寒いなかみさきを待たせて!」

花子「ごめんだし……みさき」ギュ

みさき「な、なによ!いきなり手を握って!」カァァ

花子「いや、冷えたかなぁっと思ったんだし」

みさき「手袋してるんだからそんなんで温まるわけないでしょ!」

花子「それもそうだし、じゃあ」スポ

スポスポ

花子「これならどうだし」ギュ

みさき「ど、どうだしって///」カァァ

みさき「温かいわね(花子の生の手で握られてる///)」

未来「花子様とみさきち仲いい」スポスポ

こころ「私達も混ぜてー」スポスポ

花子「いいし」

未来「わぁー本当に温かい」

こころ「あったかいね~」

みさき「むぅ……」

花子「じゃあ、そろそろ見るし」

未来「うん!」

第101話 雪まつり 小学生組 1 終わり

第102話 雪まつり 小学生組 2

こころ「わぁーすごい、ネオアームストロングサイクロンジェットネオアームストロング砲だぁー」

花子「いやいや、どうみても雪だるまだし!なんだしその大砲!しかもネオアームストロング2回言ってるし!?」

未来「ほら、花子様ーあっちに滑り台があるよ!」

花子「結構大掛かりだし、花子はやめとくし」

みさき「おもしろそうね!やってみるわよ」ガシ

花子「あっ、ちょっとみさき!」バタバタ

未来「私達も行こうよ」

こころ「うん~分かったー」トコトコ

未来「って、そっち反対方向だよ。こころちゃん!」

みさき「ここが滑り台の上ね!」

花子「ちょっとした丘の上にあるから登るのが大変だったし」

未来「じゃあ、滑りましょう!」

こころ「うーん、滑ろうねー」

花子「そっちは今来たほうの階段だし!?そっちは危ないし!」

みさき「先にみさきがいくわ」ヒョイ

未来「こころちゃん先に行ってもいいよ」

こころ「は~い」ヒョイ

未来「花子様も先にいく?」

花子「いや、花子は最後でいい」

未来「じゃあ、いってきまーす」ヒョイ

花子「ふぅ、花子がジェットコースター恐怖症だなんて言えないし」

花子「さてと、かえろう」

係員「ちょっと、お譲ちゃん、後ろ並んでるから速くいっていって!」ドン

花子「う、うわぁ」

花子「ああああああああああああ」ズサー

グルングルン

花子「あああああああ」ズサー

グルングルン

ボフッ

??「えっ!?ちょっと、危ない!」

花子「終わったし、はぁはぁ、って前が見えない」

第102話 雪まつり 小学生組 2 終わり

第103話 雪まつり 小学生組 3

向日葵「って花子ちゃん!?」

花子「ひま姉!」

花子「こ、怖かったし!ヒッグ!」

向日葵「どういうことかわかりませんが、よしよし。結果オーライですわね」

向日葵「でも、櫻子、いきなり人を突き飛ばして、滑り台の出口に突き飛ばしたのは褒められたことじゃないですわよ」

櫻子「えへへ、ごめんごめん」

向日葵「もう、ちゃんと反省しているのかしら?」

花子「ありがとう、ひま姉、もう大丈夫」

未来「花子様ー大丈夫?」

花子「うん、もう、平気」

こころ「怖かったなら無理しなくてもよかったのに~」

花子「だ、だってみさきが勝手に」

みさき「ご、ごめん……」

花子「う、うん。まぁいいし」

花子「それよりも、あっちの雪像見に行くし」

みさき「う。うん」

未来「いこーいこー」

こころ「いこ~」



花子「今日は楽しかったし」

未来「うん。私も楽しかった」

こころ「誘ってくれてありがとう花子様~」

花子「いや、誘ってくれたのは未来だし!?」

みさき「私も誘ってくれてありがとね。未来」

未来「まぁ、みんな居たほうが楽しいから」

みさき「それと、花子、今日はごめん」

花子「大丈夫だし、逆にあんなのも滑れない花子が不甲斐ないだけだし」

未来「じゃあ。解散しようか」

こころ「うん、またねー」

みさき「またー」

花子「それじゃあ、また学校でだし」

第103話 雪まつり 小学生組 3 終わり

第104話 雪まつり 櫻子と向日葵 1

櫻子「ひまわりー雪まつり行くぞー!」

向日葵「えっ!いきなり来てなんですの?」

櫻子「今日予定あるのー?」

向日葵「特にないですけれど……」

櫻子「じゃあ行くぞー」

向日葵「えっ!ちょっと!!」


向日葵「なるほど、花子ちゃんを誘おうとしたらすでにお友達と行くっていっていたのですわね」

櫻子「そーなんだよ」

向日葵「撫子さんは?」

櫻子「ねーちゃんは興味ないってさ」

向日葵「そうですの」

櫻子「まぁ、子供心を忘れたねーちゃんは放っておけばいいんだー」

向日葵「まぁ、確かに子供向けなのかもしれませんわね。でも、雪像とか結構立派なものもあるのに、もったいないですわね」

櫻子「そうだそうだー!」

ワイワイガヤガヤ

向日葵「つきましたわね」

櫻子「おお!見事な雪だるまがあるぞ!」

向日葵「本当にでかいですわね。どうやってつくったんだろう。重機?」

櫻子「かまくらもある!入ろうよひまわり!」

向日葵「え、ええ」

櫻子「かまくらの中あったかーい」

向日葵「風が遮られる分温かいのですわよね」

櫻子「あっ!かまくらに小さな雪だるまが!私もつくろう」

向日葵「こら!櫻子!勝手に改造しちゃダメですわよ」

櫻子「えーいーじゃんいーじゃん!これだって誰かが作ったものだよ?」

向日葵「まぁ、そうかも知れませんけれど」

櫻子「ひまわりも作ろーよ!」

向日葵「私は遠慮しておきますわ」

櫻子「えー!ケチー!!」

向日葵「わ、わかりましたわ」


櫻子「並んでて仲良しみたい」

向日葵「そうですわね!」

櫻子「でも、私とひまわりは仲良くないけどね」

向日葵「な、なんですの!私だって櫻子となんか!」

櫻子「次はあっちいってみよー」

向日葵「もう、櫻子は人騒がせな人なんですから……」

第104話 雪まつり 櫻子と向日葵 1 終わり

おつ

第105話 雪まつり 櫻子と向日葵 2

櫻子「向日葵!このかまくらの上に登ろう!」

向日葵「ちょっと、櫻子はしゃぎ過ぎですわよ」

櫻子「えー、いーじゃん」

向日葵「危ないですしダメですわ」

櫻子「ひまわりのケチ!」ドン

向日葵「あっ、ちょっと。何するんですの!」

向日葵「というか、ここって」

??「うわああああああ!!!」

ボフッ

向日葵「えっ!?ちょっと、危ない!」

花子「終わったし、はぁはぁ、って前が見えない」

向日葵「って花子ちゃん!?」

花子「ひま姉!」

花子「こ、怖かったし!ヒッグ!」

向日葵「どういうことかわかりませんが、よしよし。結果オーライですわね」

向日葵「でも、櫻子、いきなり人を突き飛ばして、滑り台の出口に突き飛ばしたのは褒められたことじゃないですわよ」

櫻子「えへへ、ごめんごめん」

向日葵「もう、ちゃんと反省しているのかしら?」

花子「ありがとう、ひま姉、もう大丈夫」

未来「花子様ー大丈夫?」

花子「うん、もう、平気」

こころ「怖かったなら無理しなくてもよかったのに~」

花子「だ、だってみさきが勝手に」

みさき「ご、ごめん……」

花子「う、うん。まぁいいし」

花子「それよりも、あっちの雪像見に行くし」

みさき「う。うん」

未来「いこーいこー」

こころ「いこ~」

向日葵「ちょうど、花子ちゃんたちち遭遇しましたわね」

櫻子「そうだね」

櫻子「ということで、かまくらの上に」

向日葵「登りませんわよ!」

第105話 雪まつり 櫻子と向日葵 2 終わり

第106話 雪まつり 櫻子と向日葵 3

櫻子「おーい、ひまわりー!おしるこが向こうでもらえるらしいぞ!」

向日葵「そうなんですの?」

櫻子「うん、タダだってタダ!」

向日葵「タダより高いものはないといいますが、この場合無償で配っているんですのね」

櫻子「いこーいこー」グッ

向日葵「あっ!まったく、櫻子ったら強引なんですから」

おしるこ配る場所

子ども会のおばさん「えっ?コップが足りない?まずいわねーまだ、並んでる子がいっぱいいるのに」

櫻子「ん?どーしたんだ?トラブルか?」

向日葵「そうみたいですわね」

櫻子「おばさん、どうしたんですか?」

おばさん「ああ、櫻子ちゃんと向日葵ちゃん。子どもたちに配るおしるこなんだけどね。紙コップが足りなくなっちゃったのよ。どうしようかしら」

櫻子「それなら、私達が買い出しに行ってきますよ!」

おばさん「あら、本当!?それは助かるわ。ちょうど人手不足だったのよ」

櫻子「向日葵、一緒に行くよな?」

向日葵「もちろんですわ!櫻子の積極性もこういうときは役に立つのですわね」

向日葵「(見直しましたわよ、櫻子)ふふ」

櫻子「ん?どうしたんだひまわり、なにかおもしろいことあった?」

向日葵「な、なんでもないですわ!」

おばさん「じゃあ、お金あげるから、これでドラッグストア行ってコップ買ってきて」

櫻子「いくつ必要ですか?」

おばさん「そうね。あと100個ぐらいあれば足りるかしら」

櫻子「わかりましたー!」

櫻子「じゃあ、向日葵行こう」

向日葵「はい!」

第106話 雪まつり 櫻子と向日葵 3 終わり

第107話 雪まつり 櫻子と向日葵 4

櫻子「ドラッグストアは、この道の次の次の交差点にあるね」

向日葵「そうですわね」

櫻子「往復で10分くらいで帰って来れるかな?」

向日葵「買う時間も含めたらそれはきついんじゃないですの?」

櫻子「速く補充しないとおばさんが困っちゃう」

向日葵「櫻子も人を気づかえるようになったんですわね」

ドラッグストア

櫻子「えーっと、紙コップはっと」

向日葵「こっちじゃないかしら」

櫻子「あっ!ポテチあるよ!安い!!激安だよ!200gが98円だって!!」

櫻子「わぁーチョコレートも安い!買ってちゃお」

向日葵「ちょっと、櫻子!当初の目的忘れてません?」

櫻子「へ?」

向日葵「もう?何しにここまで来たんですの?」

櫻子「えーっと、お菓子買うため?」

向日葵「おバカ!紙コップ頼まれてでしょう!?」

櫻子「ああ、そうだったそうだった」

向日葵「速く紙コップ見つけますわよ」

櫻子「ねぇ、このポテチとかチョコとか買ってちゃダメ?」

向日葵「ダメですわ!」

櫻子「自分のお金で買うから!?」

向日葵「まぁ、それなら好きにすればとしか言えませんわね……」

櫻子「やったー!どれにしよっかなー」

向日葵「もう、櫻子がお菓子選んでいる間に私は探してきますからね!」

櫻子「ほーい」


向日葵「まったく、せっかく見なおしたと思ったらすぐあれですわ」ブツブツ

向日葵「やっぱり、櫻子は櫻子ですわね」ブツブツ


櫻子「ひまわり!紙コップあった?」

向日葵「ええ、ありましたわよ。って櫻子そんなに!」

櫻子「まぁ、いいってことよ」

櫻子「じゃあ行こうか?」

向日葵「ええ……」


公園

おばさん「ありがとう、向日葵ちゃん、櫻子ちゃん!これで今日の人の分は足りそうだわ」

櫻子「いえーそれほどでも」エヘヘ

向日葵「櫻子はお菓子買っただけでしょう!?」

おばさん「あら、櫻子ちゃんお菓子買ったの?」

櫻子「ええ、自分のお金で」

おばさん「おしるこ配り終わったら、私達もお疲れ様会やろうと思っていたから、ちょうどよかったわ。そのお菓子も追加してもらえる?」

櫻子「えっ?いいですよ」

おばさん「お金は子ども会から出すから」

櫻子「わぁーい、やったー!みんなと食べるの大好き」

向日葵「なんかすごい結果オーライですわね」

第107話 雪まつり 櫻子と向日葵 4 終わり

鳥頭櫻子カワイイ

第108話 占い師 小学生編 1

下校道

未来「あれ?あんなところに占い屋なんてあったっけ?」

花子「初めて見たし」

こころ「売らない?」

みさき「なにを占ってくれるのかしら?」

占い師「あら、小さいお譲ちゃん達、占いに興味あるのかい?」

こころ「売らない?」

花子「占いだし!」

未来「なにを占ってくれるの?」

占い師「どうも興味あるみたいだね」

占い師「私は恋愛、金運、学業、健康などなんでも占えるのだよ」

こころ「へぇー!よくわからないけれどすごいね!」

花子「(なんか胡散臭いし)」

みさき「恋愛……」

占い師「お譲ちゃん達は小さいし、タダでいいよ」

こころ「タダでいいってさーどうするー?」

みさき「やります!」

花子「やるのかし!?」

占い師「じゃあ、まずはそこのツインテールのお譲ちゃんからだね」

みさき「はい!」

占い師「じゃあ、こっちのお部屋で」

占い部屋

占い師「じゃあ、手を出してくれるかな?」

みさき「こうですか?」

占い師「ふむ、なるほどなるほど」

占い師「これは、いい筋をしている!」

みさき「恋愛ですか!?」

占い師「おや、その年で恋愛をしたいなんておませちゃんだね。私が見たのは健康の線だよ」

みさき「///」カァー

占い師「でも、君が好きな子は女の子のようだね?」

みさき「どうしてそれを!?」

占い師「顔を見ていれば分かる」

占い師「その子は今居た中にいるね」

みさき「は、はい///」

占い師「まぁ、中学生ぐらいまで頑張ればもしかしたら気持ちに気がついてくれるかもしれないよ」

みさき「そこが重要なのに!」

占い師「君のような子は何人も見てきた。がんばるのだよ」

みさき「あ、ありがとうございます」

第108話 占い師 小学生編 1 終わり

第109話 占い師 小学生編 2

みさき「ふぅー」

未来「ねぇ、どうだった!?」

みさき「ど、どうって///」アセアセ

未来「当たってそう!?」

みさき「当たってればいいかなぁ、って何言わせるのよ!」

未来「これは好感触かも」

未来「次私が行ってみるよ」

花子「うん、わかったし(まだ、なんか胡散臭いし)」

花子「本当に、当たってたのかし?」

みさき「な、なによ花子!私の気持ちに気づいてないくせに!!」

花子「??やっぱり、インチキかし?」

みさき「い、インチキではないと思うわ。少なくとも、私の心を読まれたような感じがするし」

花子「そんなにすごいのかし」

占い部屋

未来「さぁ、次は私の番よ」

占い師「やぁ、お譲ちゃん、元気ハツラツな子だね」

未来「ありがとうございます」

占い師「じゃあ、手相を見せてご覧」

未来「はい」

占い師「ふむ、健康は大丈夫そうだね。金運も大丈夫そう。お友達とうまくいっているようだね」

未来「はい、外にいた四人とは友達です」

占い師「その絆は、いつまでも続くみたいだよ」

未来「そうですか、ありがとうございます」ペコリ

占い師「後、恋愛だけどね。君は将来女の子と恋愛することになりそうだね」

未来「えっ?そうなんですか!?相手は?」

占い師「ごめんなさい。そこまでは見えない」

未来「そうですか、でも、最近多いし、大丈夫かな」

占い師「そうなっても、今いる友だちがサポートしてくれるはずよ」

未来「はい、ありがとうございます」

占い師「じゃあ、次の子呼んできてもらえるかな?」

未来「はい」

第109話 占い師 小学生編 2 終わり

第110話 占い師 小学生編 3

未来「はぁーなるほどなるほど」

こころ「どうだった~?」

未来「私達の友情は永遠だってさ!」

こころ「えーそうなんだぁーやったぁー」

花子「花子もこころと未来とはずっと仲良しで居たいし」

みさき「あれ?私は?」

花子「あっ、みさきももちろん」

みさき「そう」ホッ

こころ「じゃあ、次はこころがいってくるねー」

占い部屋

こころ「こんにちは、お願い」

占い師「こんにちは、右手を見せてくれるかな?」

こころ「はい」

占い師「それは左手だよ」

こころ「ああ~本当だー」

こころ「じゃあ、こっちかな」

こころ「はーい」

占い師「ふむふむ」

こころ「どうかな?」

占い師「(性格が全く読めない。なんだこの子は……)」

占い師「(手相通りに答えるしかなさそうね)」

占い師「君は、健康はよく、金運もそこそこで、恋愛も将来は理想の相手が見つかって、生命線も長いから長寿だろうね」

こころ「わぁーい、やったー!」

占い師「(まぁ、こんなものでしょう)」

こころ「それで、占い師さんには私はどうみえるかなー?」

占い師「えっ?」

こころ「ん?」

占い師「(性格が読めない分、なにを言うかわからない。予想外の質問だわ)」

占い師「き、君はねぇー、そうだな。天然タイプ?」

こころ「天然?」

占い師「そして、友達思いのいい子だよ」

こころ「わぁーい、うれしい!」

占い師「さぁ、そろそろ終わりだ」

こころ「はぁい」

占い師「(あんな子も世の中にはいるのか、恐ろしい)」

第110話 占い師 小学生編 3 終わり

おつ

第111話 占い師 小学生編 4

バタン

未来「どうだった?こころちゃん?」

こころ「てんねんタイプって言われたよー」

花子「確かにこころは天然だし」

みさき「ほかにはほかには?」

こころ「友達思いのいい子だって?」

花子「なんで疑問形だし!?」

こころ「あと、けんこうやきんうんはそこそこだってさー」

未来「へぇー、やっぱりこの占い師さんすごいね!」

未来「残るは花子様だけだよ!」

みさき「花子も早く聞いて来なさいよ!」

花子「み、みんながそこまでいうなら行ってくるし」

バタン

花子「こ、こんにちはだし」ドキドキ

占い師「はい、こんにちは」

花子「よろしくお願いしますだし」

占い師「じゃあ、椅子に座って」

花子「はい」オドオド

占い師「あら、そんなにオドオドしなくてもいいのだよ、私はあなたを取って食べてしまうわけじゃないのだから」

占い師「じゃあ、手相を見せてくれるかな?」

花子「はいだし」

占い師「うむ、君は学業優秀、健康も良好、金運もそこそこ、なによりも友達思い、家族思いだ」

花子「友達思い、家族思いなのかし……?」

花子「(確かに撫子お姉ちゃんは尊敬しているけれど、櫻子は……)」

占い師「後、恋愛だが、君に思いを寄せている人がいるぞ」

花子「えっ!?///」

花子「そんな人いるのかし!?」カァー

占い師「うむ、まぁ仲が発展するのは君次第だな、早く思いに気づいてあげると良い」

花子「そ、そうのなかし……」

占い師「それにしても君たち4人の関係はおもしろいな」

花子「え?」

占い師「いや、なんでもない。これでおしまいだ」

花子「ありがとうございましたし」

バタン

未来「どうだったー?」

花子「えっ///」

こころ「何言われたー?」

花子「ひ、秘密だし!」ダッ

みさき「あっ、ちょっと花子!まだ話聞いてないわよ、逃げないでよ!!」

花子「話したくないしー!!!」

第110話 占い師 小学生編 3 終わり

第112話 生徒会組大室家訪問 1

生徒会室

櫻子「ひまわりー今日うちくるー?」

向日葵「まぁ、暇ですけれど」

綾乃「そういえば、櫻子ちゃんちって3姉妹なのよね?」

櫻子「そうですけど」

綾乃「私姉妹いないから羨ましいわ」

千歳「うちは千鶴がおるからなー」

櫻子「あっ、そうだ!杉浦先輩達も今日ウチに来ます?」

綾乃「えっ!お邪魔じゃないかしら?」

櫻子「もうーお邪魔だったら呼びませんってー」

向日葵「それは失礼ですわよ」

千歳「うちは暇やからいってもいいでー綾乃ちゃんどうする?」

綾乃「私も暇だから行けるわ。じゃあせっかくだし生徒会でお邪魔しようかしら」

綾乃「会長も来ますか?」

りせ「……」ボソボソ

西垣「いけると言っているぞ」

櫻子「西垣先生も来ますか?というか先生が来ないと会長と話せない」

西垣「そうだな。もう、放課後だし、今日は仕事もないから行こうかな」

西垣「大室の家は私も初めて行くな」

櫻子「まぁ、中学では家庭訪問ありませんからね」

向日葵「なんかすごい人数になりましたわね」

西垣「こんなに大人数で押しかけても大丈夫なのか?せめて親御さんに連絡を」

櫻子「あー、うち帰り遅いんで大丈夫です」

綾乃「じゃあ、今日はみんなで大室さんの家へ行きましょう」

櫻子「おおー!!」

りせ「……」ボソボソ

第112話 生徒会組大室家訪問 1 おわり


生徒会組リクエストしようかと思ってたらキタ━(゚∀゚)━!

期待

原作でこういう話あってもいいと思います

第113話 生徒会組大室家訪問 2

下校時刻

綾乃「さぁ、じゃあこれから大室さんの家に行っていいのかしら?」

櫻子「ええ、もちろんです、先輩方の帰りが遅くならない範囲で」

向日葵「今日は賑やかになりそうですわね」

西垣「じゃあ、行こうか松本」

りせ「」コクリ

綾乃「大室さんのお姉さんってどういう人なのかしら?」

櫻子「うちの姉は冷たい姉ですよ」

千歳「ええー、そうなん?櫻子ちゃんみたいに明るい人だと思うんやけどな~」

櫻子「リビングで私が漫画読んでたら勉強するからどけって言うしとんでもないですよ」

向日葵「いや、それは10割櫻子が悪いですわよ」

りせ「……」ボソボソ

櫻子「?」

西垣「うん、大室、妹さんはどうなんだと言っているぞ」

櫻子「妹の花子もいけ好かないやつですね」

櫻子「私が牛乳飲んだだけで起こるし、プリン食べただけであたってくるし」

向日葵「いや、だからそれも櫻子が10割悪いですわよ……」

綾乃「さすが、大室さんね」

向日葵「私から見た櫻子のお姉さんの撫子さんと妹の花子ちゃんですけれど」

向日葵「撫子さんはすごい面倒見のいいお姉さんですね、私も幼い頃からお世話になっていて本当のお姉さんみたいな存在ですわ」

綾乃「憧れるわね」

千歳「綾乃ちゃん姉妹おらへんもんなー」

向日葵「それで花子ちゃんは、頭が良くて礼儀ただしい可愛い子ですわ」

千歳「歳の離れたかわいい妹、ええなー」

綾乃「千鶴とは双子だものね」

りせ「……」ボソボソ

西垣「松本も大室の姉と妹に会えるのを楽しみにしているだとさ」

櫻子「そうですか。さて、そろそろ私の家ですね」

大室家

櫻子「どうぞ」

一同「お邪魔しまーす」

第113話 生徒会組大室家訪問 2 終わり

第114話 生徒会組大室家訪問 3

櫻子「今日は生徒会のみんなが来たぞー」

花子「いらっしゃいだし……っていっぱいいる!?」

撫子「いらっしゃいませ、西垣先生お久しぶりです」

西垣「おお、大室久しぶり!元気にしてたか?」

撫子「はい元気です」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「ん?確かにこの家だと全員大室だな。ハハハ」

西垣「じゃあ、撫子君と呼ばせてもらおう」

撫子「ええ、いいですよ」

綾乃「この子が花子ちゃん?わぁーかわいいー」ナデナデ

花子「あ、ありがとうだし///」

千歳「いつもは歳納さんとの妄想だけれど、年下の子もありやわー」タラー

花子「なんていう名前なんだし?」

綾乃「ああ、私は杉浦綾乃よ」

千歳「うちは池田千歳、千歳って呼んでくれればいいねん」

花子「わかったし、綾乃お姉ちゃん、千歳お姉ちゃん」

綾乃「うふふ、お姉ちゃんだって、ふふ」

千歳「年の離れた子にお姉ちゃんって呼ばれるのもいいものやな~」

櫻子「まぁ、お茶でも出します。ひまわり手伝って」

向日葵「ええ、いいわよ」

撫子「お茶なら私が出そうか?」

櫻子「いいよ、ねーちゃんは座ってて、西垣先生とも話たいこといっぱいあるだろうし」

撫子「おっ、櫻子がめずらしく気が利く」

西垣「大室、いや撫子君とは3年ぶりだな」

撫子「そうですね。挨拶にいけなくてすいません」

西垣「いやいや、いいのだよ」

撫子「先生はまだ実験やっているんですか?」

西垣「当たり前じゃないか。私から実験をとったら何が残るんだ。爆発しか残らないぞ」

撫子「あっ、爆発は残るんですね」

第114話 生徒会組大室家訪問 3

いいぞぉ!

実験しなくても爆発するんかいっ!

第115話 生徒会組大室家訪問 4

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「ん?ああ、自己紹介がしたい?この子は松本りせっていって、今の生徒会長だ」

撫子「(この子、声が聞こえないよ……)あ、そうなんだ。りせちゃん」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「名前で呼ばれてびっくりした?そうか」

撫子「あ、ごめんね。松本さんが良かった?」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「いや、むしろ光栄だそうだ。大室、いや撫子君も元生徒会長だったからな、存在は知っているそうだ」

撫子「そうなんだ。私とは3つ離れているからあってないけれどね(この子西垣先生が居なかったら会話できないじゃない)」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「えっ、私もりせって呼んでほしいだって?」

りせ「」コクリ

西垣「り、りせ」

りせ「」カァー

撫子「(二人はこういう関係なのかな……)」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「ふむ、松本……」

りせ「」ツネ

西垣「いっ!りせが撫子を知っているのは、どうやら生徒会で直々に語り継がれて来たかららしいぞ」

撫子「えっ?私そんな語り継がれるようなことしたっけ?」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「まず、成績は3年間学年トップで、生徒会には推薦で入った。さらに、投票で単独トップで生徒会長に」

撫子「ああー確かにそんなこともあったかもしれませんね」

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「勉強だけじゃなく、運動もやらせれば、体育祭のリレーのアンカーでトップで帰ってくる」

撫子「それで私に変なファンがついたりしましたねーそういえば」ハハハ

りせ「……」ゴニョゴニョ

西垣「伝説の存在らしいぞ」

撫子「そこまでですか!?」

向日葵「お茶が入りましたわよー」

撫子「ああ、ありがとう」

向日葵「私も撫子さんに憧れて生徒会に入ったんですわよ」

撫子「そうだったの!?」

西垣「すごいな撫子君は」

第115話 生徒会組大室家訪問 4 終わり

第116話 生徒会組大室家訪問 5

花子サイド

綾乃「花子ちゃんはいくつなの?」

花子「8歳だし」

綾乃「8歳!っていうと、やだまだ小学2年生じゃない!かわいいー」

花子「うぅ……」

綾乃「好きな料理は?」

花子「カレーだし!」

綾乃「お子様っぽくてかわいいー」

花子「うぅ……」

綾乃「好きなテレビ番組は?」

花子「宇宙姉妹だし」

綾乃「あれ好きなの?それはそれでかわいい」

花子「うぅ……(さっきから質問攻めだし……)」

綾乃「(ねぇ、千歳)」

千歳「(なんや綾野ちゃん?)」

綾乃「(うぅ……がかわいい)」

千歳「(そうやな~)」

綾乃「(か、かわいい……すりすりしたい……)」

千歳「(綾乃ちゃん人の子にそれはアカンで)」

綾乃「(ねぇ、許可取ったらいいかな?ねぇ?)」

千歳「(綾乃ちゃん暴走しとるな~)」

綾乃「ねぇ、花子ちゃん、ちょっとお姉ちゃんのところまで来てくれない?」

花子「な、なんでだし?」

綾乃「い、いや、すりすりしたいなーって」

花子「い、いきなり何言うし!///」

綾乃「ごめんね。ダメよね……」

花子「で、でも、ちょっとだけなら///」

綾乃「えっ、ホント!!」

花子「うん……」

綾乃「花子ちゃん大好きー」スリスリ

花子「うぅ……」

綾乃「その、うぅ……っていうのがかわいいのよー!!!」スリスリ

花子「も、もうおしまいだし!」

綾乃「そっか、残念」

綾乃「気を取り直してもう一度質問タイム」

綾乃「なにか趣味とかってある?」

花子「読書と毎月楽しみにしている漫画だし」

綾乃「漫画は何読んでるの?」

花子「月刊リリィだし」

綾乃「私もそれ読んでるわよ」

花子「ほんとかし?」

綾乃「私が好きな漫画は……」

千歳「(すっかり、綾乃ちゃん、花子ちゃんのこと気に入ったんやな~)」

千歳「(見てて微笑ましいわ)」

千歳「(綾乃ちゃん×年下の子、今までにない新境地やで~)」ドバー

第116話 生徒会組大室家訪問 5 終わり

綾乃落ち着けwwww

第117話 生徒会組大室家訪問 6

櫻子「お茶入りましたよー」

綾乃「あっ、じゃあいただくわ」

千歳「ありがとう櫻子ちゃん」

花子「じゃあ、テーブルに移動するし」

櫻子「お菓子もどうぞ」ガサガサ

撫子「(珍しく櫻子が気をきかせてる)」

向日葵「(今日の櫻子は珍しく気が利いているわね)」

花子「(櫻子にしては気が利いているし)」

櫻子「それじゃあ、いただきまーす」モグ

花子「(ってやっぱり自分が食べたかっただけかし)」

西垣「では頂こうか」

りせ「……」コクリ

綾乃「いただきます」

千歳「ほないただくわ」

西垣「このクッキー美味しいではないか」

花子「それは櫻子も気に入っているやつだし」

綾乃「お茶も美味しいわね」

撫子「まぁ、ひま子がつきそって入れたから」

花子「ひま姉は料理もできるし、お菓子作りもできるし、紅茶入れるのもうまいしすごいし」

向日葵「もう、褒めてもなにもでませんよ」

櫻子「ひまわりのおっぱいが」

向日葵「」バシッ

櫻子「ふが!!」

花子「この姉と交換したいし」

西垣「ははは」

西垣「櫻子君も櫻子君でいいところあるじゃないか」

櫻子「えっ、ホントですか!?どこですか?」

西垣「そ、そうだな……なんというか、明るい」

撫子「(西垣先生も結構口がすべるタイプね)」

綾乃「そうですね。明るいですね(フォローしづらい)」

千歳「ま、まぁ明るいなぁ(先生に恥かかすわけにはいかないからなぁ)」

櫻子「ホントですか!?そうですよね!明るいことはいいことだー」

櫻子「これからも私は大室櫻子であり続けるぞー」

西垣・綾乃・千歳「(大室さんがおバカで助かった)」ホッ

向日葵「あっ、お茶飲み終わったのは片づけますね」

西垣「ありがとう、古谷」

第117話 生徒会組大室家訪問 6 終わり

第118話 生徒会組大室家訪問 7

向日葵「櫻子も手伝ってくれませんこと?」

櫻子「ええー片付け嫌い!」

櫻子「(いや、でもここでいいところ見せておかなきゃ、生徒会の人に大室さんは家ではゴロゴロしてるって思われちゃう!)」

櫻子「でも、わかったよ、やるよ」

向日葵「そ、そうですの(櫻子の割りには聞き分けがいいですわね……)」

千歳「大室さんは、家では働き者なんやねぇ」

撫子「今日は特別だけどね」

綾乃「撫子お姉さんって呼んでもいいですか?」

撫子「ああ、いいよ。そういう君達はなんて呼べばいいのかな?」

綾乃「綾乃!綾乃でお願いします」

千歳「綾乃ちゃんに習って千歳って呼んでもらおうかな~」

撫子「綾乃ちゃんと千歳ちゃんね」

綾乃「」ホワホワー

千歳「(綾乃ちゃん一人っ子だから、お姉さんにあこがれているんやな~)」

撫子「二人は兄弟とかいるの?」

千歳「私は双子の妹が居ます」

綾乃「私は一人っ子です」

撫子「ああ、そうなんだ。双子の姉妹って一卵性双生児?」

千歳「はい、私はそうですよ」

綾乃「でも、千歳の妹は千歳と性格が違いますね。標準語しゃべるし」

撫子「そういえば、千歳ちゃんって京都弁っぽいよね」

千歳「そうですね」

撫子「綾乃ちゃんは一人っ子かぁ」

綾乃「はい。姉妹がいるのは羨ましいです」

撫子「櫻子みたいな妹はうるさくて勘弁だけどね」

撫子「料理とかするの?」

綾乃「はい。割りとしますよ。お菓子作りとかもします」

綾乃「撫子お姉さんはお菓子とか作りますか?」

撫子「ああ、バレンタインのときはチョコレートとか作るよ。友チョコだけど」

撫子「普段はお菓子はあまり作らないかな」

綾乃「バレンタインのチョコいいですね。家族で一緒に作ったりでおもしろそう」

撫子「櫻子は作らなかったけれどね」

綾乃「櫻子ちゃんって家だとどんな感じなんですか?」

撫子「家だと基本的にだらだらしてるね。うち料理当番を姉妹でローテーションしているのだけど、料理も適当だし」

綾乃「生徒会だと結構働き者ですよ。」

撫子「そうなんだ。ああ、後プリンとか勝手に食べられる。」

綾乃「ああ、それはこっちでもあります」ハハ

撫子「全く困った妹ね。迷惑かけてなければいいけれど」

綾乃「活発で、元気がいいからこっちも元気付けられていいですよ」

撫子「そっか。それならよかった」

第118話 生徒会組大室家訪問 7 終わり

第119話 生徒会組大室家訪問 8

花子サイド

りせ「……」ボソボソ

西垣「ん?花子ちゃんと話してみたいって?」

西垣「花子ちゃんいいかな?」

花子「なんだし?(お姉ちゃん達は君づけだったのに、私だけちゃん付けかし)」

西垣「りせが話したがっているそうだ」

りせ「……」コクリ

花子「(なんだろう、というかこの人なんでしゃべらないし……)」

りせ「……」ボソボソ

西垣「撫でてもいいか、だそうだ」

花子「えっ、またかし?」

りせ「……」ショボーン

花子「わかったいいし」

りせ「……」パァ

花子「(無表情かと思ったら結構表情豊かだったし、ていうかなんでみんな花子のこと撫でたがるんだし)」

りせ「……」ナデナデ

りせ「……」ボソボソ

西垣「お利口さんだってさ」

花子「……///ありがとうだし……」

りせ「……」ナデナデ

りせ「……」ボソボソ

西垣「ん、それはさすがにさせてくれないんじゃないか?」

花子「なんだし?」

西垣「ギュって抱きついてもいいかだとさ」

花子「べ、別にいいし。今日の花子は出血大サービスだし」

りせ「……」パァ

りせ「……」ギュッ

花子「ん///」

りせ「……」パッ

花子「ん?」

りせ「……」ギュッ

花子「ん///」

りせ「……」パッ

花子「??」

りせ「……」ギュッ

花子「(!?遊ばれてるし)」

りせ「……」ニマニマ

花子「も、もう終わりだし」

りせ「……」ションボリ

花子「わ、わかったし、もうちょっとだけだし」

りせ「……」パァ

りせ「……」ギュー

第119話 生徒会組大室家訪問 8 終わり

おつ

第120話 生徒会組大室家訪問 9

綾乃「というわけなんですよー」

撫子「ハハハ、それ。おもしろいね」

千歳「綾乃ちゃん、すっかり撫子さんと仲良うなっとるな~」

綾乃「えっ?そ、そうかしら?」

撫子「私も年下の子と話せて面白いよ。櫻子とは違ってみんな礼儀正しいし」

綾乃「あ、あは、そうですか」

綾乃「っと、そろそろ帰る時間だわ」

千歳「そうやな~ゆっくりしとったらもうこんな時間や」

西垣「りせもそろそろ帰らなきゃいけないな」

りせ「……」コクリ

櫻子「ひまわりはどうする?」

向日葵「わたくしは家もとなりですし、もうちょっとだけ居させてもらいますわ」

櫻子「そっかー」

綾乃「では、お邪魔しました」

千歳「お邪魔しました」

りせ「……」ボソボソ

西垣「お邪魔したな、大室さん」

撫子「あっ、家の外までお見送りします」

花子「花子も行くし」

櫻子「私もー」

綾乃「じゃあ、またね花子ちゃん」

千歳「ほなまたな~」

りせ「……」ボソボソ

西垣「撫子君のような生徒会長を目指すそうだ」

撫子「私ってそんなに有名な……」

西垣「それじゃあまたなー大室~」

撫子「はーい」

花子「また来てねだし」

撫子「さて、みんな帰ったわね」

向日葵「撫子さんがすごい生徒会で代々語り継がれているって知らなかったですか?」

撫子「うん、知らなかったよ。そんなに私有名なのかな?なんか恥ずかしいな」

向日葵「立派じゃないですか」

花子「花子今日いっぱい撫でられたし……」

櫻子「よかったな!花子は撫でられるの好きだったか?」

花子「好きじゃないし!……でも嫌いじゃないし」

櫻子「そうか!じゃあ撫でてやろう」

花子「さ、櫻子には撫でてもらいたくないし!」

櫻子「なんだとー!!」ドタバタドタバタ

向日葵「あの二人は、毎回毎回仲がいいですわね」

撫子「そうだね(まぁ、私から見るとひま子と櫻子も同じように見えるんだけどね)」

第120話 生徒会組大室家訪問 9 終わり

第121話 占い師 向日葵・櫻子編 1

櫻子「でさーひまわりー」

向日葵「んーそうですのー」

櫻子「あれ!?こんなところに占い屋なんてあったっけ?」

向日葵「ん?確かに見なかったですわね。最近できたのかしら?」

櫻子「とりあえず、入ってみよ!」

向日葵「えっ、ちょっと胡散臭くなくって?」

櫻子「ひまわりの胸が小さくなるように占ってやるー」

向日葵「それ占いというより呪いじゃないですの?」

占い師「おや、お譲ちゃん達、占いやっていくかい?」

櫻子「はい!お願いします!」

向日葵「でも、お金持ってないですわよ、櫻子」

占い師「いいよいいよ、お金は、払いたくなったら適当に払ってくれれば」

向日葵「(やっぱり怪しいですわこのおばさん……)」

占い師「じゃあ、そっちの元気のいい子から占っていこうか」

占い部屋

櫻子「お願いしまーす」

占い師「じゃあ、手を見せておくれ」

櫻子「???」

占い師「ん?見ていなかったのかの?ここは手相占いだよ一応」

櫻子「あ、ああぁそうですね。手相占いですよね。手相占い。はい!」

占い師「手の平を見せておくれよ。私はネイルアートじゃないんだよ」

櫻子「ああ、そ、そうですねー。いやー私としたことが、はは」

占い師「ふむふむ」

櫻子「で、なにを占ってくれるんです?」

占い師「学業、恋愛、金運、健康。ひと通りなんでも分かるよ」

櫻子「じゃあ、金運で!それとおっぱいの大きさで!」

占い師「君のお母さんの胸の大きさは大きい?」

櫻子「いえ、小さいです!ちなみにねーちゃんも小さいです!!」

占い師「じゃあ、無理だな。占うまでもない」

櫻子「えぇー!そんなのひどいですよ!」バタバタ

占い師「あっ、まだ手相診断の途中だから静かにしておくれ」

櫻子「はーい」

占い師「君は、学業はあれだが、その他はほぼ良いな。軒並み運がいい」

櫻子「え!?そうなんですか?ついてるんですか?」

占い師「そうだな。幼い頃から人に恵まれている。これからもその人は暖かく見守ってくれるだろう」

櫻子「ふむふむ」コクリ

櫻子「って、誰だろう……?私人には恵まれていないんだけどなーねーちゃんといい、花子といい、ひまわりといい」

占い師「(ふむ、気づいておらんのか……)」

占い師「まぁ、周りの人を大切にするがよい。そうすれば、おっとこれはもう一人の子に言うとするかの」

櫻子「えぇーなんでひまわりだけなんですかー?」

占い師「ほらもう出た出た、もう一人の子呼んできて」

櫻子「はーい」

第121話 占い師 向日葵・櫻子編 1 終わり


安定の櫻子

第122話 占い師 向日葵・櫻子編 2

櫻子「ひまわりー呼ばれてるぞー」

向日葵「えっ?私もですの?」

櫻子「そうだぞーただだし、占ってもらって損はないって」

向日葵「まぁ、たしかにそうですけれど……」

櫻子「ほら、行った行った!」

向日葵「えっ、ちょっと櫻子!?」

ガチャ

占い部屋

向日葵「こ、こんにちは」

占い師「はい、こんにちは、座っていいよ」

向日葵「はい」

占い師「私は手相診断でね。早速手を見せてもらえるかな?」

向日葵「ええ」

占い師「櫻子ちゃんとは幼馴染の付き合いなんだね?」

向日葵「えっなんでわかるんですか!?」

占い師「手にそう書いてあるんだよ」

向日葵「(す、すごいですわ!)」

占い師「君は学業優秀、金運、健康にも恵まれているね」

占い師「それになによりも、おっぱいがでかい!」

向日葵「ま、まだこれからもでかくなるんですか?」

占い師「うむ、君の胸はこれからも成長しつづけるだろう。最終的にIカップくらいになるんじゃないか?」

向日葵「そ、そんなにあっても困りますわね」

占い師「それと恋愛だが、君は櫻子ちゃんと付き合うことになるだろう」

向日葵「ええ!?なんで私が櫻子と!?ありえませんわ!」

占い師「今はそう思っているだろうが、高校生ぐらいにお互いの気持ちに気づくよ」

向日葵「そ、そんな未来予測あてにならないですわ。大体櫻子も私の事嫌いですし」

占い師「本当かな?まぁ、今の君に言っても仕方ないだろうね。そのうちわかるさ。そのうち」

向日葵「ほ、本当かしら……そんな私が櫻子と付き合うだなんて……」

占い師「それではこれで終わりだよ」

向日葵「い、一応ありがとうございます。あのお金は」

占い師「何度も言っているようにお金は払いたくなったらでいいよ、私の予知が当たったらで」

向日葵「そ、そうですの。わかりましたわ」

向日葵「それでは」

占い師「ああ、道中には気をつけるんだよ」

向日葵「はい、ありがとうございました」

バタン

櫻子「ねーなんだってー?」

向日葵「な、何も言われてませんわ///」

櫻子「えっ!?おしえてくれもいいじゃんかー!」

向日葵「さ、櫻子には絶対に秘密ですわ!!」

向日葵「(というより、いえるわけないですわ……)」ボソボソ

櫻子「ん?」

向日葵「な、なんでもないですわ!早く帰りますわよ」

櫻子「ほーい」

第122話 占い師 向日葵・櫻子編 2 終わり

これ以上大きくなる…だと!?

第123話 花粉症

藍「くしゅん!」

撫子「ん?今年も始まった?」

藍「うん、そろそろ花粉症の時期で」

めぐみ「ハックション!!あー!」

撫子「めぐみ、あー!はやめなさい。親父っぽいよ」

美穂「三人とも花粉症なのー?」

撫子「いや、私は違うけれど藍とめぐみは花粉症」

めぐみ「親父っぽいって……これが私の素なのに……」

撫子「素で親父か」

めぐみ「ひどっ!」

美穂「大変そうねー」

撫子「そうだね。私達にできることはなにもない」

藍「あーもう杉大っ嫌い!杉切ってきてよ!」

撫子「いや、そんなのできないでしょ」

美穂「さすがの私もそれは無理だよ~」

撫子「(いや、八重野家なら山の1つや2つ平気で購入できそう)」

めぐみ「私は鼻がとにかくやばい」ズズー

撫子「はい、ティッシュ」

めぐみ「ありがと、撫子」ビー

藍「私は鼻と目が、鼻はマスクで守れるけれど目はそうはいかないから」

美穂「あれ?なんかゴーグルなかったっけ?あのダサいやつ」

藍「うん、あるけれどダサいからつけたくないの」

撫子「めぐみは似合いそう」

めぐみ「私はダサいのが似合うと!?」

藍「これはなってみなきゃわからないよ2人とも」

撫子「なりたくないね」

美穂「うん」

めぐみ「冷やかす撫子にはなる呪いをかけておこう」

撫子「やめなさい」バシ

めぐみ「痛っハックション!あーちっくしょー」

撫子「ちっくしょーまで、もう親父確定だね」

めぐみ「もうこれ癖なの!治らないよ!!」

第123話 花粉症 終わり

第124話 カノープスを見に行こう

花子「カノープスが見たいし!」

櫻子「かのーぷす?なんだそりゃ」

花子「星だし!冬にしか見られない」

花子「南天の地平線上に位置して-0.7等、でも大気の散乱の影響で赤く暗く見えるんだし」

櫻子「???」

花子「早い話が、南の地平線が見えてなきゃ見られない星なんだし」

撫子「南の地平線ねぇ~。この付近だと山があるからねぇー。山の上に登らなきゃね」

花子「一回見てみたいし、なかなか見られないから見ると長生きできる星なんだし寿星って中国では呼ばれているらしいし」

櫻子「こんな時期に行かなくても、もっと暖かい時期に行けば?」

花子「櫻子はなにもわかってないし!カノープスは冬の星だから今の時期しか見れないんだし!」

撫子「う~ん、お父さんに言えば連れて行ってもらえるかな?」

花子「ホントかし!?」

撫子「ちょっと聞いてみる」

大室父「おお、いいぞ。連れて行ってやる。南の地平線だと○○山の展望台から見えるかな」

花子「ありがとうだし!お父さん」

大室父「なに、可愛い娘のたのみだ。断るわけにはいかない」

撫子「櫻子も来る?」

櫻子「えー、外寒い~星興味ない~」

花子「じゃあ、花子達行っちゃうし、櫻子は1人でお留守番だし」

櫻子「えっ、じゃあ行くー!!」

展望台

花子「わぁーすごい星空だし!」

撫子「今日は晴天だからね」

櫻子「す、すごい……いつも山があるけれど今日は地平線まで見える!」

花子「さてと、早速探すし」

撫子「どこにあるの?」

花子「冬の大三角形、シリウス、ベテルギウス、プロキオンのうち、シリウスとベテルギウスの真ん中から南に辿って行くとあるんだし」

櫻子「尻薄?」

撫子「シリウスとベテルギウスってあの明るい星とオリオン座の赤い星?」

花子「それだし」

撫子「んー。わからないなー」

花子「本来は明るい白い星なんだけど、大気の散乱の影響で暗い赤い星だから見つからないかも」

櫻子「あれ?あれじゃない花子?」

花子「ん?見つかったかし?」

櫻子「ほら、地平線の近くで揺らめいてる!」

花子「あ、あれかし!?櫻子よくやったし!」

撫子「ああ、私にも見えた。これで長寿になれるね」

花子「やったし!」

大室父「見つけたか、もう少し見ていくか?」

花子「ううん、もう見えたからいいし、これ以上外に出てると寒くて風邪ひいちゃうし」

大室父「じゃあ帰ろうか」

花子「だし!」

第124話 カノープスを見に行こう 終わり

第125話 花子の運動会 1

日曜日

花子「それじゃあ運動会行ってくるし!」

櫻子「ういーいってらっしゃいー」ネムネム

撫子「いってらっしゃい花子、後で応援に行くよ」

花子「ありがとうだし!撫子お姉ちゃん」

学校

こころ「明日運動会だね~」

花子「い、いや今日だし!?」

未来「今日だよ!」

みさき「き、緊張してきたわ」

花子「みさきは何に出るんだし?」

みさき「大玉転がしと赤組白組対抗リレーよ」

未来「えっ、じゃあ花子様と同じじゃん。対抗リレーの方」

みさき「えっ!?本当!?花子赤組?」

花子「赤組だし」

みさき「じゃあ、みさきと同じね」

花子「よろしくだし、一緒にがんばるし!」

みさき「は、花子とはライバルがよかったわ!でも、どうしても花子が一緒に戦いたいっていうなら協力してあげないこともないわ///」

こころ「みさきち~素直になりなよ~」

みさき「えっ!?な!なんのことかしら!?///」

花子「??」

未来「私たちは白組だね!」

こころ「花子様と一緒だぁ~」

花子「だから、違うし!?」

先生「えーそれではー皆さんそろそろ時間なので校庭に集合してくださーい」

児童「はーい」

未来「じゃあ、いこっか?」

こころ「うん」

花子「行くし」

みさき「そうね」

ザッ

第125話 花子の運動会 1 終わり

おつ

第126話 花子の運動会 2

撫子「そろそろ、花子の運動会が始まる頃だね」

櫻子「そうだねー」

撫子「じゃあ行こっか?」

櫻子「えっ!なんで!私関係無いじゃん!」

撫子「妹の勇姿を見に行くのは姉として当然でしょ」

櫻子「ねーちゃんだけ行ってくればいいじゃん!」

撫子「しょうがないなぁー、後でアイスおごってあげるから一緒に行くよ」

櫻子「えっ!アイス!?わかったじゃあ一緒に行く!」

撫子「(全く単純なんだから)」

学校

校長先生「えー皆さんお集まりになったかな。今日は天気もよく、皆さんの日頃の行いのよさが現れたようで――」

こころ「話ながいね~」

花子「我慢しろし」

未来「あっ、あれ花子様のお姉ちゃん達じゃない?」

花子「えっ?」

櫻子・撫子

花子「あっ、本当だし、櫻子まで来てくれたのかし」

校長先生「――ということで、第58回八森小学校運動会を始めます」

「「「わーわー!!」」」

未来「とうとう始まったね!」

こころ「がんばるぞ~」

みさき「花子には負けないもん!」

花子「いやだから花子とみさきは同じ組だし!」

みさき「あっ、そうだった」

アナウンス「それでは、第一種目目大玉転がしを始めます」

アナウンス「2年生は入場口に集まってください」

撫子「花子がでるね」

櫻子「えっ!もうでんの!応援しよ」

櫻子「花子ーがんばれよ~!!」

撫子「(ふふ、なんだかんだいって妹思いなんだから)」


櫻子「花子ーがんばれよ~!!」

未来「花子様!お姉ちゃんが応援してるよ!」

花子「逆になんか恥ずかしいし……」カァー

こころ「はぁーい、頑張りまーす!」

花子「なんでこころが答えるし!?」

櫻子「こころちゃんも未来ちゃんもがんばれよ~!違う組だけど!」

未来「はぁーい!」

櫻子「みさきちゃんは花子と一緒にがんばれよ~!!」

みさき「えっ!?は、はいぃ~」

花子「も、もう恥ずかしいからやめろし!櫻子!!」

櫻子「ちぇっ、花子のやつせっかくお姉ちゃんが応援に来てやってるのに釣れないやつ」

アナウンス「それでは位置についてクダサーイ」

アナウンス「よーぃ、ドン!!」

第126話 花子の運動会 2 終わり

第127話 花子の運動会 3

「「「わーわー」」」

アナウンサー「さぁ、始まりました!赤組、白組一斉にスタートです!」

アナウンサー「この競技は大玉を6人一組でレールにそって転がして、コーンを回ってまた戻ってくるというものです」

未来「私たちは最後だね!」

こころ「そうだね~」

未来「花子様とみさきちも最後だよ!」

こころ「え~そうだったんだ~」

未来「最後は花子様と対戦することになるね!」

こころ「えぇ~!勝てないよ~」

未来「大丈夫!あっちには足を引っ張るみさきちがいるから!」

こころ「みさきちもちゃんとできるって~」

アナウンサー「さぁ!ラストスパート!赤組優勢のゴールです!白組の子は頑張ってください!」

花子「みさき、行くし!」

みさき「もちろんよ!」

ゴロゴロ

みさきと花子は球の左右を務めた。これは右や左に曲がる大玉転がしに撮って

未来「じゃあこころちゃん!それに皆!行こう」

こころ・その他「はーい」

未来「こころは球の左側ね。私は右側やるから」

未来「他の人は後ろから押してね!」

「はーい。未来ちゃん今日カッコイイねー」

未来「えっ!そ、そう?///」

未来「じゃあ、行くよ!」

ゴロゴロ

アナウンサー「白組は今コロがし始めました!頑張って追いついてください!」

みさき「どうやら、未来達に勝ってるみたいね!」

花子「油断は禁物だし!一瞬の油断が命取りだし!」

みさき「大丈夫よこれだけ離しておけば」

「私達前見えないんで花子様とみさきちゃんお願いね~」

みさき「よ~し、順調順調!このまま転がすわよ!」

みさきは油断していてレールから球が外れたことに気がつかなかった

ガタ

みさき「!!!」

第127話 花子の運動会 3 終わり


第128話 花子の運動会 4

花子「ちょっ!みさき!カーブだったし!レールから外れたし!!」

みさき「は、花子がそっち押しすぎたんでしょ!私のせいじゃないわ!」

花子「わかったし!それでいいからレールに戻す作業するし!」

6人「う~ん!よいしょ!」

ガタッ

アナウンサー「おおっと!赤組大玉がレールから外れてしまいました!これを戻すのは一苦労!それに引き換え白組はどんどん距離を縮めていきます!」

未来「うんしょ!次、右カーブだから!こころ押してね」

こころ「りょーかいー」グッ

赤組A「まだなんとかならないの!?」

花子「大玉が重くてなかなか乗っからないし……」

みさき「(わ、私のせいだ!私が油断しなければ……)」

みさき「み、皆!力を合わせて一斉に押そう!」

赤組B「そ、そうだね!」

「「「じゃあ、いくよ~一斉のせっ!!!」」」

ゴト

「「「乗った!!」」」

花子「さぁ、ここから巻き返すし!」

みさき「……」

花子「みさき?どうしたし?」

みさき「ごめん……」

花子「今は謝るより先にやることがあるし!」

みさき「そうね!皆慎重にだけど速くいくわよ!」

「うん!!」

アナウンサー「おおっと、赤組ようやく復帰だぁ!しかし、白組はもうコーンを回り始めている!」

花子「みさき!コーンは右回りでいくし!花子に考えがあるし!」

みさき「考えってなに?」

花子「本来はコーンにぶつからないように大回りするけれど、それだとその分時間かかるし」

花子「だから、敢えてコーンスレスレを狙うし!」

花子「みさきは左担当だから、大玉を右から左に回転させる、そして花子は右側でコーンをまたいで突っ立ってるし」

花子「そうすると、大玉が花子を軸にしてくるっと回る。これで、時間が短縮できるはずだし!」

みさき「なるほど。それなら確かに普通に回るよりショートカットできるわね」

「「さすが花子様!私たちは何すればいいの?」」

花子「後、押す人はコーン付近に来たら、スピードダウン頼むし、スピードがつきすぎてても回れないから」

花子「そして、周り終わったら一気に加速するし!」

そして、赤組はコーン付近まで来た

みさき「じゃあ、行くわよ!」

花子「押すのやめ!!」

「「はい」」

コロコロ

みさき「くっ、スッスッスッス」

くるり

花子「成功だし!!」

花子「じゃあ、後は一気に加速だし!!」

「「「おおぉーー!!」」」

アナウンサー「おおっと、赤組はコーンをうまく回ったー!これは白組に近づきました!」

アナウンサー「まだどっちが勝つかわからない!両チームともがんばってください!!」

最後の直線

未来「私達も後ろに回るよ!」

こころ「うん!」

ゴロゴロゴロゴロ

花子「みさき、こっちも後ろに回るし!」

みさき「わかったわ!」

ゴロゴロゴロゴロ

アナウンサー「最後の直線に入りました!白組と赤組の差は3メートルほどでしょうか?」

みさき「うおぉおおおおお!」

アナウンサー「赤組距離を詰めます!」

未来「こころちゃん!加速だよ!」

こころ「うぐぐ!」

アナウンサー「ゴールしました!!ゴールしたのは……」



















アナウンサー「白組です!僅差で白組の勝利です。おめでとうございます!」


赤組本陣

みさき「ごめんなさい。負けちゃいました……」

「「まぁしょうがないよ。私達も何度かミスしたし」」

花子「うん。しょうがなかったよ。それにラストのみさきのがんばりはすごかったし」

みさき「あ、ありがとう」

第128話 花子の運動会 4 終わり

第129話 花子の運動会 5

アナウンサー「次は借り物競走。借り物競走でーす。出場者は入場ゲートに集まってください」

花子「じゃあ、いってくるし!」

未来「あっがんばってねー」

こころ「がんばってねー」

みさき「……花子だけでるなんて」


先生「えっ?2年生の出場者が熱中症で倒れた?1人足りない?」

先生「どうしようかしら……」

みさき「あの!私でます!」

先生「えっ!?でも高崎ちゃんは出場者じゃ……」

みさき「足りないんですよね?それならでます」

先生「そ、そう。それは助かるけれどどういうルールか分かる?」

みさき「箱の中にある紙に書いてあるものを借りてきて一緒にゴールすればいいんですよね?」

先生「わかってるなら大丈夫そうね。じゃあ高崎さんお願いできるかしら?」

みさき「はい!(これで花子と一緒に……)」


花子「あれ?みさきはこの競技出ないんじゃ」

みさき「でることになったのよ!花子勝負よ!」

花子「だから、花子とみさきは同じ組だって」

みさき「速くゴールしたものの勝ちね」

花子「聞いてないし」

アナウンサー「それでは始めます。よーいスタート」

ダッ!

ガサゴソ

花子「こ、これは……」

みさき「えっ?そんな無理よ」

花子「みさきは何だった?」

みさき「お姉ちゃんって書いてある。みさきお姉ちゃん居ないのに」

花子「じゃあ、撫子お姉ちゃんが来てるから。撫子お姉ちゃんと一緒に走ればいいし。頼りになるし」

みさき「ありがとう花子」

花子「それにしても花子は……」


みさき「撫子さん!手伝ってください」

撫子「えっ!?いいけど、なにを貸せばいいの?」

みさき「撫子さんです!」

撫子「えっ!?」

みさき「この紙見てください」

撫子「お姉ちゃん……そういうことわかったよ」

みさき「ありがとうございます!」

撫子「じゃあ、ゴールまで走ろう」


花子「櫻子……一緒に走るし」

櫻子「なんだよ、花子もお姉ちゃんって紙だったのか?」

花子「ち、ちがうし!いいから一緒に走るし!」グッ

櫻子「ちょっ」


みさき「(さすが、花子のお姉さん。運動もできるわ)」

みさき「(ゴールまで後少し)」

櫻子「待て―!!」

みさき「!!」

撫子「みさきちゃん!スピードアップだよ」

みさき「はい!」

花子「櫻子!?そんな本気にならなくていいし」ハァハァ

櫻子「なにをー!!こんぐらいでへばるなよ!!ねーちゃんに負けたくないだろ!」

ダッダッダ

花子「ど、どうでもいいし」



撫子「はい、ゴール」

みさき「ありがとうございました」ハァハァ

撫子「ちょっと無理させちゃったかな?ごめんね」

みさき「いえ、花子に勝てたしいいんです」

櫻子「きぃー!花子がもっと速く走れば!!」

花子「……」

櫻子「ところで、花子の紙にはなんて書いてあったの?」

花子「ひ、秘密だし!!」

櫻子「いいじゃん見せろよー減るもんじゃないし」

花子「や、やめろし」ジタバタ

パラパラ、ピラ

大好きなもの

櫻子「大好きな……もの……?」

花子「み、見るな―!!」ガスッ

櫻子「ふがっ!?」

第129話 花子の運動会 5 終わり

イイ!!

素直になれない花子ちゃん

第130話 花子の運動会 6

アナウンサー「それでは午前の部を終わります」

アナウンサー「途中結果を発表します」

アナウンサー「赤組は……341点です」

アナウンサー「白組は……345点です」

アナウンサー「僅差なので両方ともがんばってください!」

花子「お昼にするし!」

こころ「そうだねー」

未来「お昼のお弁当持ってきてるの?」

花子「そういえば、撫子お姉ちゃんが後で届けてくれるって言ってたんだった」

こころ「ほへー姉妹がいるといいなー」

花子「撫子お姉ちゃん!お弁当持ってきたし?」

撫子「うん。あるよ、一緒に食べる?それともお友達と食べる?」

未来「私達も花子ちゃんのお姉ちゃん達と一緒に食べようよ!」

こころ「そうだねー」

みさき「撫子さんにはお世話になったしそれがいいわね」

花子「らしいし」

撫子「じゃあ、一緒に食べよっか皆も」

櫻子「よーし、じゃあみんな弁当を開放するのだ!」

花子「櫻子はつまみ食いしたいだけだし」

未来「私はのり弁当にタコさんウィンナーと卵焼きだよ!」

櫻子「うぉーうまそーウィンナー一つもらっていい?」

未来「いいですよ」

櫻子「ラッキー」パクッ

櫻子「うめぇー!うちの弁当もあげるから」

撫子「のり弁当に、魚のフライ。きんぴらごぼうだけどね」

みさき「野菜中心なんですね!」

撫子「家はヘルシー指向だから。櫻子は肉がいいっていうけれど」

櫻子「だって、肉のほうが美味しいじゃん!」

未来「じゃあ、いただきます。魚のフライいいですか?」

撫子「いいよ」

未来「モグモグ。美味しいです!」

撫子「そっか、お口にあってよかった。どうぞ、みんなもいっぱい作ってきたから」

櫻子「私は、みんなの弁当つまみ食いしよ」

こころ「いいですよ~」

みさき「私のも交換してもいいですよ」

第130話 花子の運動会 6 終わり

敬語口調のみさきちがいまいちうまく脳内再生できん…

第131話 花子の運動会 7

アナウンサー「それでは午後の部を始めます」

アナウンサー「午後の部の始めは保護者リレーです」

アナウンサー「保護者リレーは赤組白組双方の保護者の方を10人募集します」

アナウンサー「これは、得点には反映されませんので興味のある方は出場なさってください」

櫻子「ねーちゃん保護者リレーだって!でようでよう!」

撫子「えっ、私もでるの?私保護者じゃないし」

未来「撫子さんがでるんですか!?」

こころ「えっ、撫子さんが!?」

ガヤガヤ

「大室さんのお姉ちゃんがでるんだって!」

ガヤガヤ

撫子「ちょっ!なんか広まってってるし」

花子「仕方ないし、大室家の血筋なんだし……」

花子「花子も撫子お姉ちゃんが走るところみたいし」

櫻子「私はいいのかよー!!」

撫子「仕方ないなー出ようか」

アナウンサー「あと、赤組1人でーす!」

櫻子「はいはーい、うちの長女がでます!」

撫子「はい、大室撫子参加で」

アナウンサー「はい、わかりました。たった今保護者リレー締めきりましたー」

ガヤガヤ

みさき「お父さん達が多いわね」

花子「みさきのお父さんも来たのかし?」

みさき「ええ、ほらあそこに」

花子「うちの両親は今日仕事だし」

みさき「そう……」

花子「でも、お姉ちゃん達が来てくれたから寂しくないし」

みさき「それはよかったわ」

未来「私のお父さんこのリレーに出るって!」

花子「えっ!そうなのかし?」

未来「しかもアンカー」

花子「撫子お姉ちゃんはどうなんだし?」

撫子「私もアンカー……」

未来「相馬家VS大室家ね!」

撫子「いやいや、さすがに男の人には勝てないよ」

相馬父「君が撫子ちゃんかい?」

撫子「あ、はい」

相馬父「未来が家に遊びにいったときにお世話になったみたいで、ありがとう」

撫子「いえいえ」

相馬父「でも、このリレー手は抜かないよ」

撫子「そ、そうですか。よろしくお願いしますね」

第131話 花子の運動会 7 終わり

第132話 花子の運動会 8

アナウンサー「それでは位置について、よーい、スタート!!」

わーガヤガヤ

アナウンサー「まず、一人目のお父さん達が走り出しました!」

アナウンサー「赤組が優勢です!赤組のお父さんが優勢です!」

アナウンサー「赤組がバトンを渡しました!今赤組がバトンを渡しました二人目です!」

アナウンサー「遅れて白組がバトンをつなぎました!」

白組「うぉおおおおおおおお!」

アナウンサー「二人目です。おお、白組速い!白組がぐいぐい赤組に食らいつきます!白組のお父さん速い!」

白組「僕はお父さんじゃない!叔父だ!!」

「叔父さんがんばって!」

アナウンサー「追い抜いた!追い抜きました!!」

アナウンサー「次は3人目です!」

………

アナウンサー「9人目まで来ました!以前白組が赤組を追い抜いています」

アナウンサー「その距離は、10mといったところでしょうか」

アナウンサー「この校庭は一周200mです。この10mの差、縮まらずに白組が逃げ切るのか。赤組が食いつくのかアンカーに期待です!」

こころ「白組が勝ちそうだね!」

未来「お父さんがヘマしなければね」

花子「未来のお父さんは運動できるのかし?」

未来「学生時代はテニスやってたって言ってたからそこそこはできるはず」

相馬父「撫子ちゃん、悪いけれど未来も見てるから本気で逃げさせてもらうよ」

撫子「わかりました。私も本気でやりましょう」

アナウンサー「今、白組アンカーにバトンが渡されました。おおっと速い!速い」

赤組「へぇへぇ……がんばって」

撫子「了解です」

アナウンサー「今、赤組にもバトンが渡されました。距離は伸びて15mほどでしょうか?がんばってください!」

撫子「」タッタッタッタ

撫子「(第一コーナ、できるだけインコースを狙って)」タッタッタッタ

アナウンサー「おおっと、赤組のお姉さんも速い!ものすごい速さです!白組の人にも引けを取りません」

アナウンサー「ただ、ほぼ、互角の速度!追いつくまではいけなさそうです!」

櫻子「ねーちゃん!がんばれー!!」

花子「撫子お姉ちゃん、がんばって!!」

こころ「撫子お姉さんがんばってよー」

未来「……」

撫子「(そして、コーナーを曲がり終わった後、ここで加速!!)」タタタッタタ

アナウンサー「おっと、赤組のお姉さんはここで更にスピードアップ、白組にグングン追いついて行きます!」

相馬父「(ふっふ、速いね。でも、負けられないよ!未来が見てるもの!)」

相馬父「(未来、お父さん頑張ってるからね!見ててねってええ!!)」

未来「撫子お姉さんがんばってーーーー!!!!」

相馬父「な、なんでーーーー!!」ガーン

アナウンサー「おおっとここに来て白組のお父さんは急に減速」

撫子「(よし、この直線で追い越せる!)」

相馬父「ち、ちくしょー!!娘に勇姿を見せてやろうとしたのにー!!」

相馬父「意地でも負けられない!!」ダッ

アナウンサー「おおっと、またここに来て白組のお父さんスピードアップ。赤組のお姉さんは白組のお父さんの後ろに並びました!!これはどうなるかわからない!!」

撫子「(第3、第4コーナー。ここもイン側を攻めよう)」タタタタ

相馬父「(おおっと、イン側は入らせないぞ)」

撫子「(やばい、体が大きくて前にいけない)」

撫子「(一瞬でもアウトに出たら遅れをとる)」

撫子「(インは譲れない……)」

相馬父「ハッハッハッハ」

撫子「(ここまで無呼吸のダッシュ。相手は疲れてきて有酸素運動に変わっている)」

撫子「(200mを無呼吸で走り切るのは意外ときつい。でも私は大丈夫。まだ行ける)」

撫子「(ということは直線で勝てる見込みがある)」

アナウンサー「第4コーナーは白組のお父さんが優勢で抜けました。さあ最後のラストスパートです!」

アナウンサー「直線をつっきってください!!」

相馬父「ハッハッハッハ」ダッダッダッダ

撫子「(んーーーー)」ダダダダダダダ

アナウンサー「!!」

相馬父「!!」

アナウンサー「な、並びました!!さぁ、勝つのはどっちでしょう!?」

撫子「(最後の一絞り!!)」ダダダダダダダ

相馬父「ハッハッハッハ」ダダダダダ

アナウンサー「ゴールテープを切りました!勝者は……赤組です!!」

赤組「わぁああああああああああ!!!!」

花子「撫子お姉ちゃんすごいし!!!」

櫻子「さすがねーちゃん!」

こころ「花子のお姉ちゃんすごいのー」

未来「す、すごいね!!」

みさき「わぁーすごいわ!」キラキラ

撫子「はぁはぁはぁはぁ」ドクドクドクドク

相馬父「ぜぇぜぇぜぇ」

相馬父「な、撫子ちゃん……すごかったよ……完敗だ……」

撫子「いえいえ……こちらこそ……」

相馬父「いい試合だったよ。握手いいかな?」

撫子「はい」

ガシッ!

未来「もー、お父さん!しっかりしてよね!!」

相馬父「はっはっは、申し訳ない」

未来「まぁ、撫子お姉さんがカッコ良かったからいいけれど」

相馬父「ええー!パパはー!?」

未来「ぱ、パパっていうの禁止!!」カァー

花子「撫子お姉ちゃんお疲れ様。はい、これ水だし」

撫子「ありがとう花子」

撫子「次は花子の番だね」

花子「頑張るし」

相馬父「未来、花子ちゃんに勝つんだよ!」

未来「うん、頑張る!」

相馬父「そうだ!その意気だ!」

第132話 花子の運動会 8 終わり

第133話 花子の運動会 9

アナウンサー「それでは最終種目になりました赤組白組対抗リレーです」

アナウンサー「その前に、赤組白組双方の点数を発表します」

アナウンサー「白組は673点、赤組は648点」

アナウンサー「赤組は白組に25点差で負けています頑張ってください」

アナウンサー「最終種目の赤組白組対抗リレーはアンカーがゴールしたときにリードしていた秒数×10で計算されます」

アナウンサー「十分赤組も巻き返しがきくのでがんばってください」

こころ「どういうこと?」

花子「ん?」

こころ「今の点数の話」

花子「ああ、例えば赤組のアンカーが先にゴールしたとするし」

花子「その5秒後に白組のアンカーがゴールしたとすると10倍されて50点が赤組に加算されるんだし」

こころ「なるほどーさすが花子様わかりやすい!」

未来「私たちは白組の応援だよ!」

こころ「でも、花子様とみさきちが赤組」

未来「そ、それはそうだけど……なんで同じ組じゃなかったんだろ」

花子「じゃあ、行ってくるし」

みさき「私も行ってくるわ!」

アナウンサー「最初は1年生からです。1学年赤組、白組それぞれ二人づつならんでください」

みさき「ドキドキするわね」ドキドキ

花子「そうだし」ドキドキ

みさき「うまく走れるかしら?私が花子にバトンを渡すのよね?」

花子「がんばれし」

アナウンサー「それでは一年生の子用意はいいかなー?」

「「はーい」」

アナウンサー「それでは、よーい、スタート!」

アナウンサー「さぁ、始まりました!最終種目の赤組白組対抗リレーが今始まりました!」

アナウンサー「下級生はハーフラリーで100mまで行った所でバトンをつなぎます!」

「ハイ!がんばって!」

アナウンサー「白組が出ました!白組が最初にバトンをつなぎました!」

「はぁはぁ、はい!」

アナウンサー「続いて赤組です!」

みさき「それじゃあ、並んでくるね!」

花子「がんばるし!反対側でみさきが来るのを待ってるし!」

みさき「///」

アナウンサー「戻って来ました。戻ってきたのはまだ白組優勢です!」

アナウンサー「今バトンを渡しました」

アナウンサー「そして、赤組は来ました」

みさき「がんばって!ここまで来たらお姉さんが引き継いであげるから」

「はぁはぁ、ハイ!」

みさき「行くわよ」ドタタタ

アナウンサー「今、赤組にバトンが引き継がれました!差は10mほどです!」

第133話 花子の運動会 9 終わり

第134話 花子の運動会 10

みさき「(全力疾走よ!)」タッタッタッタ

みさき「(コーナーの攻め方は……)」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

みさき「なんで撫子お姉さんはそんなに速く走れるの?」

撫子「それはね。できるだけコーナーをイン気味。ラインにそって走るんだよ」

撫子「後は、息を我慢して力を出す……かな。直線はそれで加速するよ」

みさき「へぇ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みさき「(コーナーはラインにそって走る!)」タッタッタッタ

アナウンサー「赤組が白組に徐々に近づいています!がんばってください!」

みさき「(そして、コーナーを抜けたら全力疾走!無呼吸で)」タタタタ

白組「はっはっはっは」タッタッタッタ

みさき「(よし!並んだわ!)」タタタタ

アナウンサー「赤組と白組が並びました!」

みさき「(花子が見えてきた!バトンの受け渡し方は……)」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

花子「みさき、バトンの受け渡しの練習をするし!」

みさき「えっ!そんなもの練習しなくても普通に渡せばいいじゃない」

花子「意外と難しいんだし!試しにやってみるし!」

みさき「行くわよ花子!!」タッタッタッタ

花子「」タッタッタッタ

みさき「ちょっと、なんで花子も走りだすのよ!!」

花子「そうしないと、止まった状態からだとバトンが渡しづらいからだし」

花子「試しにとまった状態からやってみるし?」

みさき「もう一度行くわよ花子!」タッタッタッタ

花子「」

みさき「はい」バシッ

みさき「っとととと」

花子「ねっ?渡しづらいし?」

みさき「確かにそうね」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みさき「(花子は渡す前に走りだすからもうちょっとね!)」タッタッタッタ

花子「みさき!もう少しだし!」

白組の子2「ファイトーもう少しだよー!」

花子「」タッタッタッタ

みさき「はい!!」

花子「」バシッ

白組の子1「はい!」

白組の子2「あっ!!バトン落としちゃった!!」

花子「(ちゃんと練習しておいてよかったし)」

アナウンサー「おおっとここで白組バトンをうまく引き継げなかった!」

第134話 花子の運動会 10 終わり

第135話 花子の運動会 11

アナウンサー「さぁ2年生の二人目になりました!両方ともがんばってください!」

花子「(ここで、さらに引き離すし!)」

櫻子「花子ー!!がんばれー!!」

花子「(恥ずかしいからやめろし!気が散るし!)」

アナウンサー「ぐんぐんと白組と赤組の差が広まります!白組の子がんばってください!」

花子「(目標は20m引き離すことだし!)」

こころ「さすが花子様だねー速い」

未来「そうだね。花子様が赤組にいるなんてなんて強敵」

花子「(あと半分!)」タッタッタッタ

こころ「ねぇ、撫子お姉さん、なんで花子様も撫子お姉さんも走るの得意なの?」

撫子「んー、なんでだろう……小さいときから走り回ってたからかな?」

こころ「私は運動してないからしょうがないや~」

未来「私は運動してるけれど、花子様に勝てないー!!」

撫子「(本当は遺伝子だなんて言えないし、言いたくない……)」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

藍「撫子って走るの速いよね?ていうかスポーツ全般的に得意だよね?」

撫子「ん?まぁね。うちの家系はみんなスポーツ得意だよ」

藍「羨ましいな~」

めぐみ「その代わりに胸の発育が……」

撫子「」バシッ!

めぐみ「いったぁー!!ごめん!撫子!許してー!」

撫子「許さん!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「(運動神経なんて要らなかったのに)」ポロポロ

未来「な、撫子お姉さんが泣いてるよー!!どうしてー!!?」

アナウンサー「今、赤組がバトンを引き継ぎました!白組は最終コーナーを回ったところです!」

アナウンサー「その距離20mほどでしょうか!挽回できるようにがんばってください!!」

花子「ふぅふぅ」

みさき「お疲れ様花子」

花子「はぁはぁ、うん!赤組は勝つし!」

みさき「そうね!」

第135話 花子の運動会 11 終わり

おつー

そういえば、聞こうと思ってたんですけど
小2が年上に敬語って普通は使いませんかね?

親兄弟がよく使ってるシーンがあるなら自然と使えるようになると思う

第136話 花子の運動会 12

そして、何回か白組と赤組の順位は交代したのち、赤組がリードした


アナウンサー「最後のアンカーです!がんばってください!」

花子「これは……どちらが勝つかわからないし!」

未来「白組がんばれー!!」

みさき「赤組がんばれー!」

こころ「んー?赤組がんばれー!」

花子「だから、こころは白組だし!」

こころ「そーだったねーじゃあ白組がんばれー!」

花子「25点差だから、赤組は白組を2.5秒も離さないと勝てないし」

花子「距離にして20mほどだし!」

みさき「今の距離は!?」

花子「わからないけれど、赤組が第2コーナー曲がった付近で白組が第1コーナー曲がってるから20mぐらいは離れてると思うし!」

みさき「それなら大丈夫ね!」

アナウンサー「さあ、赤組は直線コースに入りました!ぐんぐんスピードを上げていきます」

未来「白組がんばれ!白組頑張れ!」

アナウンサー「ここで、白組も直線コースに入りました!白組もスピードを上げていきます!」

こころ「わぁーさすが6年生速いねー!」

みさき「赤組がんばれー!がんばるのよー!!」

櫻子「赤組がんばれー!!」

撫子「花子は応援しないの?」

花子「そ、そうだし!赤組頑張れ―!!」

「「「赤組赤組!!」」」

「「「白組白組!!」」」

アナウンサー「応援も凄まじい熱狂です!双方ともがんばってください!」

花子「やっぱり、200mは長いし」

アナウンサー「赤組第四コーナーに入りました!おっと、白組も先ほどから赤組に近づいていってます!」

花子「逃げ切るしーー!!!」

みさき「逃げ切って!!」

未来「がんばれー!あとちょっとだよー!!」

こころ「がんばれー!!」

アナウンサー「赤組最後の直線です!」

アナウンサー「白組も第四コーナーを曲がり切りました!」

櫻子「あっかぐみ!あっかぐみ!」

花子「赤組頑張るし―!!」

みさき「がんばって!!」

アナウンサー「今赤組がゴールテープを切りました!」

みさき「よし!」

花子「ここからは後何秒白組が遅れてくるかだし!」

みさき「1,2」

アナウンサー「ただいまゴールしました!白組もただいまゴールしました!」

アナウンサー「赤組白組対抗リレーの勝者は赤組ですが、最終結果は点数で発表します」

花子「び、微妙なところだし!ぎりぎり0.5秒たってなかったかもだし」

みさき「ドキドキ」

櫻子「勝ってるといいな!花子」

花子「そ、そうだし」

アナウンサー「では、結果発表です」

アナウンサー「まず、100点台から」

アナウンサー「赤組は6、白組も6です」

アナウンサー「次は1点台です。赤組が1、白組が6です」

アナウンサー「最後に10点台です。赤組が7,白組が7です」

アナウンサー「ということで、今回の勝者は白組です!おめでとうございます白組の人たち」パチパチ

アナウンサー「惜しくも赤組の子達は負けてしまいましたが大健闘でした!」

みさき「負けちゃったね」

花子「まぁ、仕方ないし」

未来「やったー!こころちゃん!私達が勝ったよ」ピョンピョン

こころ「やったねー!!」

撫子「まぁ、みんなよく頑張った!」

櫻子「今年は花子の組は負けかー来年に期待だな!」

第136話 花子の運動会 12 終わり

以上で花子の運動会編は終わりです

撫かの編安価>>345

美穂様

第137話 美穂様とデート 1

prrrrr

撫子「はい」

美穂『撫子ー。明日暇?』

撫子「うん、暇だよ」

美穂『じゃあデートしない?』

撫子「いいけど、ホント美穂は唐突だね」

美穂『それが私なの。いきなり誘って困る撫子が見たいからねー』

撫子「全く。で、場所はどこにする?」

美穂『撫子の家に行くから待ってて』

撫子「わかった。何時頃?」

美穂『さぁ?』

撫子「さぁって……まぁ、いいよいつでも。朝から起きてるし」

美穂『ホント撫子は健康児ねー』

撫子「健康児って……じゃあ、また明日」

美穂『はーい』

翌日 朝7時
 
撫子「んー!」

タンタンタン

撫子「あっ、花子おはよう」

花子「撫子お姉ちゃんおはようだし!」

撫子「また、宇宙姉妹?それ好きだね」

花子「うん、面白いし」

ピーンポーン


花子「誰か来たし」

撫子「もしかして、美穂?こんな朝早くから」

ガチャ

美穂「来ちゃった」

撫子「早すぎ」

美穂「えーだって撫子の事考えてたら眠れなかったんだもん」

撫子「ただ早起きしただけでしょう、ぐっすり寝たいい顔してるよ」

美穂「あは。バレちゃった?」

撫子「どうぞ、上がって」

美穂「お邪魔しまーす」

美穂「おじゃましますね、花子ちゃん」

花子「あっ、美穂お姉ちゃんおはようだし」

美穂「やーん!花子ちゃん今日もかわいいー」ダキッ

花子「ちょっ、邪魔しないでほしいし!」

美穂「ええーいいじゃん」

撫子「花子の見たい番組見させてあげてください」

美穂「撫子がそこまでいうなら……ごめんね花子ちゃん。また、後で遊んであげるから」

花子「撫子お姉ちゃんと遊んでろし」

美穂「もう、おませちゃん」

撫子「美穂、いいから二階上がろう」

美穂「はーい」

第137話 美穂様とデート 1 終わり

第138話 美穂様とデート 2

撫子「全く、こんな朝早くから来ると思わなかったよ」

美穂「私は気まぐれだからね」

撫子「ホントだよ、全く」

美穂「さっきから、全くいいすぎー」

美穂「ねぇねぇ、そういえば、私達の関係って家族にバレてるの?」

撫子「櫻子は知らない。花子は知ってるっぽい」

美穂「やーん、花子ちゃんおませちゃん!」

撫子「花子は勘がいいからね。本当は隠していたかったんだけどね。両親にはバレてないのが幸い」

美穂「えー、いいじゃん♪」

撫子「美穂はそうやってバレてもいいってスタンスだけどさ、やっぱり、アブノーマルなのは否めないって」

美穂「好きな人のこと好きっていってなにが悪いの?」

撫子「そう言われるとあれだけど、とにかくダメなの!」

美穂「撫子ってからかうとおもしろーい」

撫子「からかってたのか……」

美穂「半分は本気だよ」

撫子「たまに私は美穂が本当に私のこと好きなのか疑問に思う」

美穂「もちろん、好きに決まってんじゃん。それは本当の気持ち」

撫子「そう、それならいいけど」

撫子「それにしても私達最初は気が合わなかったよね?」

美穂「そうだねーだって撫子なんか怖かったしー」

美穂「なんだこのクール気取ってる一匹狼はって思ってたよ」

撫子「うっ、人見知りしてただけです……」

撫子「私は外見からか、クールな印象与えてるみたいなんだよね」

美穂「実際クールだけどね」

撫子「そうかな」

美穂「喋り方とか女の子っぽくないよ」

撫子「女の子っぽい喋り方って?」

美穂「~わよ、とか語尾を伸ばすとか」

撫子「ですわよ口調は私はできないわ。語尾を伸ばすかぁ」

撫子「私撫子ですぅー」

美穂「うふ、今の録音しておいた」

撫子「や、やめて!」

美穂「ウソウソ。というか、私達の馴れ初めってどんなだったっけ?」

撫子「そうだね。今日はちょっと思い出話でもする?」

第138話 美穂様とデート 2 終わり

美穂様きたー

おつー

第139話 美穂様とデート 3 回想

撫子と美穂は2年のときに同じクラスになった
撫子と藍とめぐみは1年からの仲であった
そんな中美穂は席が近かった藍に話しかけられる

始業式の後のHR

藍「私、三輪藍です。よろしくね」

美穂「八重野美穂よろしく(いきなり話しかけられるとは)」

藍「それにしても後ろから2番目とは」

美穂「最初席が名前順だからいっつも後ろの方なんだよね」

藍「ああ、私も割りと後ろのことが多いよ。八重野さんは『や』だからね。『わ行』の人がいなかったら一番後ろになっちゃうね」

美穂「まぁ、私は視力がいいから後ろでもいいけれどね。それに教室が広く見えるし。三輪さんは前と後ろどっちが好き?」

藍「私は前の方がいいかな、前だと先生の授業受けてるって感じがするんだよね」

美穂「へぇー、三輪さんって真面目なんだね」

めぐみ「藍ー!また同じクラスだね!」

撫子「よろしくね」

藍「うん、私もよろしく!めぐみ、撫子!」

美穂「(一年のときからの友達かぁ、既に作られた友だちの輪に入るのは難しいんだよね。まぁいっか、友達作らなくても)」

撫子「そっちの人はなんて名前?」

美穂「えっ?」

美穂「八重野美穂……」

撫子「私は大室撫子。よろしくね」

美穂「よろしく(この人も私のことを気にかけてくれるんだ)」

めぐみ「私は園川めぐみ。よろしくね」

美穂「よろしく」

藍「私の友達たち、よかったら一緒に仲良くしよ?」

美穂「あ。ありがとう(何でこの人達はずかずかと私の中に入ってくるのだろう……)」

下校時刻

藍「さぁー帰ろう!撫子、めぐみ」

めぐみ「おいさー」

撫子「うん、あっ、よかったら八重野さんも一緒に帰る?電車通勤?」

美穂「う、うん、そうだよ(そんな声までかけてくれるんだ……)」

撫子「じゃあ。一緒に帰ろう」

美穂「ありがとう、大室さん」ニコッ

撫子「撫子でいいよ。その代わり私も美穂って呼んでいいかな?」

美穂「はい」

めぐみ「おっ、さすが撫子、もう女の子1人落としたな?」

撫子「落としたって人聞きの悪い……」

めぐみ「あ、私もめぐみでいいからねー」

撫子「めぐみはめぐしーでも可」

めぐみ「その呼び方は認めない!」

美穂「あはは、わかったよ、めぐみ」

藍「私も藍でいいよ」

美穂「ありがとう藍ちゃん」

美穂「(こんなに楽しい下校は久しぶりだ)」

第139話 美穂様とデート 3 回想 終わり

ごめんなさい。思いっきり>>348と矛盾してる回想が入ったので書き直します
>>351-352は見なかったことにしてください

第139話改 美穂様とデート 3 回想

撫子と美穂は2年のときに同じクラスになった
撫子と藍とめぐみは1年からの仲であった
そんな中美穂は席が近かった藍に話しかけられる

始業式の後のHR

藍「私、三輪藍です。よろしくね」

美穂「八重野美穂よろしく(いきなり話しかけられるとは)」

藍「それにしても後ろから2番目とは」

美穂「最初席が名前順だからいっつも後ろの方なんだよね」

藍「ああ、私も割りと後ろのことが多いよ。八重野さんは『や』だからね。『わ行』の人がいなかったら一番後ろになっちゃうね」

美穂「まぁ、私は視力がいいから後ろでもいいけれどね。それに教室が広く見えるし。三輪さんは前と後ろどっちが好き?」

藍「私は前の方がいいかな、前だと先生の授業受けてるって感じがするんだよね」

美穂「へぇー、三輪さんって真面目なんだね」

めぐみ「藍ー!また同じクラスだね!」

撫子「よろしくね」

藍「うん、私もよろしく!めぐみ、撫子!」

美穂「(一年のときからの友達かぁ、既に作られた友だちの輪に入るのは難しいんだよね。でも、せっかくの機会、やっぱり友達が居たほうが面白いもんね)」

美穂「私は八重野美穂です。三輪さんの後ろの席担当です」

めぐみ「八重野さん?あはは、後ろの席担当っておもしろいね」

美穂「よろしくね(よしつかみはうまくいった。やればできる)」

めぐみ「私は園川めぐみ、めぐみでいいよ」

美穂「じゃあ、私は美穂で」

めぐみ「分かった美穂ね」

藍「私も藍でいいよ」

美穂「わかった藍ちゃん」

藍「えっ?なんで私にはちゃん付け?」

美穂「なんかかわいいからかなーあはは」

藍「え??どういう意味??」

めぐみ「確かに藍は可愛らしいからねー」

美穂「藍ちゃん藍ちゃん、ふふふー(私良い感じで会話できてるかな?)」

撫子「トイレ行く」

藍「ちょっと、撫子助けてー」

美穂「今の人は?」

藍「撫子だよ。私たちの一年からの友達」

美穂「そうなんだ(ちょっと絡みにくいかもなー)」

第139話改 美穂様とデート 3 回想 終わり

第140話 美穂様とデート 4 回想2

現在へ戻る

美穂「って感じが撫子の第一印象だったな」

撫子「ふむふむ、って最初私が喋ってたのになぜか美穂に主導権を握られてる」

美穂「撫子って初対面苦手だよね」

撫子「今は治ってきたけどね」

美穂「そういえば、撫子の方から私に話しかけてきたよね?」

撫子「ああ、あれは……」

~~~~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~~~~~~~

めぐみ「ねぇ、撫子最近付き合い悪くない?」

藍「うん、前は一緒に帰ってたのになんで先に帰っちゃうの?」

撫子「だって、藍とめぐみあの子と一緒に帰るじゃん……」

めぐみ「美穂のこと苦手なの?どうして?」

藍「いい子だよ」

撫子「よく話すタイプの子は苦手」

めぐみ「まぁまぁ、一度話してみなって!」グイグイ

撫子「ちょっ!」

藍「ほらほら、こっちこっち」グイグイ

撫子「いーやーだー!」

ドン

美穂「きゃっ!」

撫子「イタタ、あ、あの……ご、ごめんなさい」ギロ

美穂「えっ……(なんかすごい睨まれてる……)」

美穂「いえいえ、っていうかなんで敬語?」

撫子「あ、あまり話したことないし」モジモジ

美穂「撫子ちゃんでしょ?いいよ、敬語なんか使わなくて私も話してみたいなって思ってたし(緊張してただけなのか。というかモジモジしちゃってかわいい)」

撫子「あ、そ、そうだね。じゃ、じゃあ今日一緒に帰ろうか」

美穂「うん!」

下校道

美穂「って感じでー」

藍・めぐみ「あははは」

撫子「(やっぱり、話の主導権を握られちゃって会話に入り込めない……)」

美穂「なんだけど、って撫子ちゃんも話に入らない?」

撫子「あっ、えっとその撫子ちゃんってのやめてほしいな」

美穂「えー、かわいいのになー」

撫子「か、かわいい……」

美穂「じゃあ、なんて呼べばいいの?」

撫子「な、撫子で……」カァ

美穂「わかったよ撫子(この子からかい甲斐がある!おもしろい!)」

めぐみ「(美穂、撫子をあんなにさせるとは。すごいなぁ)」

~~~~~~~~~~回想終わり~~~~~~~~~~~~

美穂「あのときの撫子はかわいかったなー」

撫子「あれは緊張してた……思えばあの時から美穂の手の上で転がされていたのかも」

第140話 美穂様とデート 4 回想2 終わり

第141話 美穂様とデート 5

美穂「撫子って大勢の前でしゃべるのとかは得意だけど、友達として付き合うっていうのがあまり得意じゃないよね?」

撫子「そうでもないよ。自分のペースでしゃべれる人だったらすんなり仲良くなれる」

撫子「美穂は私のペースで喋れないから苦手だったんだよ」

美穂「あーそうなんだ」

撫子「むしろ美穂みたいなタイプの人と仲良くなれた理由がわからない」

美穂「私の努力の甲斐あってかな」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

美穂「ね~今日アイス食べに行こー?」

・・・・・

美穂「今日は帰りに本屋寄って行かない?」

・・・・・

美穂「今度の日曜日暇?」

・・・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「すごい積極的だった」

美穂「だって、撫子と一緒にいるの面白かったんだもん」

撫子「いつの間にか私も美穂のペースに乗せられてこんな関係になっちゃったけどね」

撫子「そういえば、私達告白とかそういうのなかったね」

美穂「ふふ、いつの間にか恋人ってのもステキじゃない?」

美穂「じゃあ、告白ごっこしてみる?」

撫子「いや、いいよ恥ずかしいし」

美穂「前電話でしたじゃん」

撫子「あ、あれは、その……美穂がしろって言うから」モジモジ

美穂「でもイヤじゃないんでしょ?」

撫子「う、うん」

美穂「じゃあ、好きって言ってみて」

撫子「す、好き」

美穂「美穂もつけて」

撫子「す、好きだよ。美穂」

美穂「はい、私も好きだよ撫子」

美穂「……」

撫子「……」カァ

美穂「赤くなってるかわいいー」

撫子「もぅ……」

撫子「な、なんか恥ずかしい、どこか外行こう外」

美穂「私はまだ恥ずかしがってる撫子をじっくり見てみたかったけどいいよ」

第141話 美穂様とデート 5 終わり

行く場所安価>>359

甘い物でも食べに行こう

第142話 美穂様とデート 6

撫子「どこに行く?」

美穂「なんか私甘いもの食べたいなー」

撫子「じゃあ、食べに行こっか?」

撫子「国道沿いにケーキ食べ放題のお店ができたらしいから」

美穂「やったー!」

撫子「撫子、ついでにそれが昼ごはんでいいよね?」

美穂「いいよいいよ、私甘いもの大好きだから」

撫子「了解」



撫子「とりあえず、遠いから自転車で行こう、2台あるから……」

美穂「2ケツ」

撫子「え?」

美穂「2ケツがいいー」

撫子「マジで?」

美穂「うん」コク

撫子「わかった。じゃあ、私が前こぐから、美穂は後ろで」

美穂「はーい」

撫子「んじゃ行くよ捕まっててね。ってその座り方じゃ捕まれないじゃん」

美穂「恋人座りに憧れてて、いやん。撫子の運転技術なら大丈夫」

撫子「もう、落っこちても知らないからね」

撫子「じゃあ、行くよ」コギ

美穂「やーん、動き出したー!」



撫子「ふぅ、ふぅ」

美穂「撫子大丈夫?」

撫子「いや、意外と疲れる」

美穂「交代しよっか?」

撫子「いいよ、もうすぐだし。道分かるの私だけだから」

美穂「じゃあお言葉に甘えて」

撫子「……」ハァハァ

美穂「撫子がんばれー」

撫子「はい」ハァハァ


撫子「ふぅ……ついた……」ハァハァ

美穂「お疲れ様。ハイこれ水」

撫子「水筒とは気が利くね」

美穂「いつも持ち歩いてるから」

撫子「ありがと」ゴクゴク

美穂「落ち着いた?」

撫子「うん、じゃあはいろっか?」

美穂「うん!」

第142話 美穂様とデート 6 終わり

第143話 美穂様とデート 7

ケーキバイキング屋

美穂「やーん、すごいケーキの種類」

撫子「ここは食べ放題だけど結構味もしっかりしててお気に入り」

撫子「食べ放題じゃなくて持ち帰りもできるくらいだからね」

美穂「へぇーそうなんだー」

美穂「じゃあ、さっそく取ってくるねー」

撫子「私も」

モンブラン
ストロベリーホイップケーキ
ショートケーキ
チョコレートケーキ
ティラミス
チーズケーキ
ブルーベリーチーズケーキ

美穂「どれにしようか迷うね」

撫子「まぁ私はチーズケーキが好きだからこれから食べるけど。ここのチーズケーキはタルトが硬くて良い感じ」

美穂「ティラミスにしようかな。あっ、でもストロベリーホイップケーキも美味しそう」

撫子「まぁ、焦るもんじゃないから食べたいの取ってけばいいんじゃない」

美穂「こっちはなぁに?」

撫子「ああ、そっちはプリン系だね」

美穂「これも食べ放題に入ってるの?」

撫子「うん」

美穂「すご~い!」

撫子「確かに」


撫子「じゃあ、私はとりあえず最初はこれとこれで」

チーズケーキ、チョコレートケーキ

美穂「私はこれとこれとこれとこれで」

ショートケーキ、ストロベリーホイップケーキ、ティラミス、ホイッププリン

撫子「わぁ、見事に生クリーム三昧」

美穂「うん、私生クリーム好きなのー」

撫子「私は生クリーム系ばっか食べると飽きるから、間に違うもの挟むかな」

撫子「ああ、あとココ紅茶、コーヒー飲み放題だから」

美穂「やーん、ステキ」

撫子「うん、それでいて1380円だから安いよね」

美穂「高校生にも手が出せる値段ね」

美穂「じゃあ、また取ってくるねー」

撫子「(美穂ペース速いなー)」モグモグ

撫子「(ケーキバイキングのコツはスローペースで食べること)」

美穂「ホイッププリンもう一つとグランベリータルトとショートケーキ追加で持って来ちゃった」

美穂「撫子はお代わりまだしないの?」

撫子「私はスロースターターだからね」

撫子「あまり、早食いすると後で後悔するよ」

美穂「えーそうなのー?」

撫子「なんというかねぇ、食べるときはねぇ救われてなきゃーいけないんだ」

撫子「静かで豊かで独りで」

美穂「何いってんの撫子?」

撫子「なんだろ……」

撫子「でも、元を取ろうと多く食べるよりも、食べることを楽しもうとするのが私のスタイルってことかな」

美穂「それも一理あるね。でも、これが私のペースだから平気!」

撫子「それならいいけど(後でへばってる美穂が見える)」

撫子「ということで、私もお代わり」

第143話 美穂様とデート 7 終わり

第144話 美穂様とデート 8

撫子「ふぅ、もうお腹いっぱい!」

美穂「えぇーもうお腹いっぱいなの?」

美穂「そんなに食べてないじゃん」

撫子「そんなに食べてないって言ってもひと通り全部の品は食べたよ」

美穂「それだけでお腹いっぱいになるの?」

美穂「私はひと通り全部の品食べた後に、2周目入って生クリーム系のケーキとプリンたくさん食べたよ」

撫子「美穂、やはり只者じゃない」

美穂「でも、もうケーキは入らないねー。しょっぱいものが食べたくなってきた」

撫子「その上さらに食べるというの!?」

美穂「帰りにマックによってかない?」

撫子「いやいや、無理だから」

美穂「今ならチキンマックナゲット買うと無料券もついてくるのになー」

撫子「そのもらった無料券分も食べるつもり!?」

美穂「?もちろん」

撫子「私は忘れていた、美穂は大食いもできるということを……」

美穂「そうだよ、私食べても太らない体質だからね。そして、量も食べようと思えばいくらでも入っちゃう」

撫子「す、すごい……」

撫子「美穂様と呼ばせてください……」



美穂「チキンマックナゲットとー後、フィレオフィッシュバーガー1つで!」



美穂「やーん、もう一個いけちゃうー!」



美穂「チキンマックナゲットもう一つで」


撫子「恐れいりましたー!!ははー」

撫子「結局、マックも食べてしまったね」

美穂「まぁ、ようやく苦しいぐらいかな」

撫子「なんという胃袋……」

第144話 美穂様とデート 8 終わり

第145話 美穂様とデート 9

美穂「次どこ行くー?」

撫子「ちょ、ちょっと食べ過ぎて気分悪いから公園で休んでいこう」

美穂「了解」

撫子「美穂からもらったチキンマックナゲットが効いた」

美穂「2つだけじゃん?」

撫子「それでも私のケーキを食べた後の胃袋に、揚げ物2つはきつかったのです……」

美穂「もーう、撫子のお腹は貧弱ねー」

撫子「いや、美穂の胃が鉄でできてるだけでしょ」

撫子「ふぅー苦しい。ちょっとベンチに座る」

美穂「いいよー」

美穂「もうすっかり暖かいねー」

撫子「3月だからね」

美穂「もうそろそろ桜がさく時期かなー」

撫子「まだ早いんじゃない?」

美穂「そうだね。寒い日もあるし」

撫子「三寒四温って言うからね」

さらさらさらさらー
心地良い風がふき木の葉が揺れる

美穂「んー。なんだか眠くなっちゃった」

撫子「膝枕してあげようか?」

美穂「えっ?撫子が?」

撫子「他に誰がするっていうの」

美穂「ちょっと意外、撫子自分から積極的にそういうこという子じゃないのに」

撫子「私も春の風に誘われて、ちょっとおかしくなってるのかもね」

美穂「じゃあ、お言葉に甘えて」ギュッ

撫子「ん」

美穂「撫子の太もも気持ちい」

撫子「そう」

美穂「んー」ウトウト

撫子「(食べ過ぎて眠くなったのね。しばらく寝かせてあげよう)」

撫子「ふー」ウトウト

撫子「イカン、私まで眠くなってきた……」

撫子「でも、小春日和の公園の中寝るのも悪くはないかもしれない」




「ねぇーあれ見てー。女の子と女の子が膝枕して寝てるよー」

「わぁー本当だ!もしかしてあれかなー?」

撫子「ん!」パチ

美穂「見られちゃったね」

撫子「美穂、起きてたの?」

美穂「うん、少し前から」

撫子「まぁ、もう今日は何言われようがいいや」

美穂「いつもの撫子と違う」

撫子「今日はそういう気分なの」

美穂「そっか」

撫子「じゃあ、帰ろうか?」

美穂「うん」

さらさらさらさら
そんな小春日和の公園での出来事

第145話 美穂様とデート 9 終わり

第146話 美穂様とデート 10

帰り道

撫子「もうすっかり夕方になったね」コキコキ

美穂「そうねー」

撫子「結構うちから遠いからね。片道1時間かかるとか」コキコキ

撫子「これは車がほしくなる」

美穂「やっぱり、私もチャリ使えばよかったかも、ごめんね撫子ー」

撫子「いいよ、別に、いい運動になるし」コキコキ

美穂「ふふ、撫子。好き」ギュッ

撫子「いきなりどうしたの?」

美穂「ただ言ってみたかっただけ」

美穂「なんか夕闇に自転車で走る撫子の背中がカッコ良かったから」

美穂「いい雰囲気だなぁっと思ってー」

撫子「そっか」

美穂「うん」

撫子「そろそろ家につくね」

撫子「それともかえる?」

美穂「そうだね。あまり遅くなってもあれだし、今日はいっぱい楽しめたから帰ろうかな」

撫子「じゃあ、駅まで送っていくよ」

美穂「ありがと」ギュッ

撫子「……なんか今日の美穂やたら甘えん坊だね」

美穂「だって、撫子がカッコイイんだもん」

撫子「そ、そうかな……」

美穂「うん、撫子はカッコイイ」

撫子「また、からかうのはやめてよね」

美穂「これは本心だよ」

撫子「そっか、ありがとう」



撫子「ついたよ」

美穂「もう、すっかり夜だね」

撫子「そうだね。」

美穂「寒い」

撫子「よるになると寒いね。私は自転車こいできてたから暑いけど」

パサッ

美穂「?」

撫子「羽織る上着貸してあげる」

美穂「ありがとう撫子」

美穂「ねぇ、電車が車で待合室で一緒に待っててくれない?」

撫子「いいよ」

第146話 美穂様とデート 10 終わり

おつつ

おつ

第147話 美穂様とデート 11

待合室

撫子「どう、寒さは和らいだ?」

美穂「ま、まだ」ガクガク

撫子「そう、じゃあ温めてあげる」

美穂「えっ?」

ギュッ、ピト
撫子は、美穂の手を握り、美穂にくっつく

美穂「……」カァ

撫子「どう?温かい?」

美穂「うん……」カァ

撫子「顔も赤いよ?よっぽど寒かったのかな」ジー

美穂「こ、これは!……」カァ

撫子「ふふ、もっと赤くなった」

美穂「あっ、撫子にからかわれた!」

撫子「たまには私が攻めになるのもね」

美穂「これは一本とられちゃったわ」

撫子「ふふ、そう」

ピカッピカ

美穂「駅の待合室の裸電球、もう切れかかってるね」

撫子「まぁ、田舎の無人駅だからね。しょうがないさ」

美穂「寒い中、二人で駅の待合室で切れかかった電球を見ながら、どこか遠くに行く電車を待つ。なんだかロマンチックね」

撫子「駆け落ちみたいな?」

美穂「そうそう。なんだかそんな雰囲気」

撫子「いいよ。美穂がしたいなら、駆け落ちしても」

美穂「えっ!?」

美穂「冗談だよね?」

撫子「どうかな……」

美穂「まったく、今日の撫子は私をからかって悪い子なんだから……」

撫子「(私達の関係は本来普通でない。女の子同士で付き合うなんて端からみたら変だと思われるし、家族にも反対されるだろう)」

撫子「だから、たまにこういうことを本気で考えてしまう」

美穂「えっ?なに?」

キューーーープシュー

撫子「電車、来たよ」

美穂「うん、じゃあ帰るね」

撫子「うん。また明日」

美穂「また明日ね。撫子」

プシュー、ガタン……ゴトン……ガタン…ゴトン…ガタンゴトン……

美穂「(撫子どこまで本気だったんだろう……)」







撫子「(でも、それはその時になったら考えればいいこと)」

撫子「(また明日になれば美穂に会えるんだから。)」

撫子「(今は、まだ……)」

撫子「私も帰ろう」

撫子は少し寒い春の夜のなか自転車を漕いで帰る。

第147話 美穂様とデート 11 終わり

第148話 美穂様とデート 12 帰ってきた撫子は

大室家

撫子「ただいま」

櫻子「おかえり」

花子「おかえりだし。”お友達”と遊ぶの楽しかったかし?」

撫子「うん、楽しかったよ(まったく花子はませてるんだから……)」

櫻子「あっ、ねーちゃんから甘い匂いとマックの匂いがする!私に黙って食べてきた!ずるい!!」

撫子「あーうるさいなーいいじゃん何食べてきても私のお小遣いなんだし(そして櫻子は相変わらずだ)」

櫻子「ずるい!ずるい!私にもー」ジタバタ

撫子「しょうがないな。今度連れて行ってあげるよ。国道沿いのケーキバイキングに」

撫子「もちろん花子もね」

花子「ありがとうだし」


撫子の部屋

撫子「ふぅーお風呂気持ちよかった」

チャンチャラチャンチャラ~

撫子「美穂からかな」

メール

from 美穂

本文:今日は楽しかったー!またデートしようね!

撫子「うん、またねっと」

そして、いつもの日常へ

第148話 美穂様とデート 12 帰ってきた撫子は 終わり

以上で美穂とデートは終わりです

おつー

おつおつ

大室家一巻は8月1日発売だし!
限定版には花子様の日記帳がついてくるし!

じゃあ10巻もそのあたりか

10巻(限定版もあり)は6月1日に発売だし!
ちなみに7月の1日にはなもり画集 ゆるゆりファンブック(仮) ゆるゆりプレミアム(仮)などが出るし!

大室家単行本化されるんですね。
それは耳寄りな情報です。

第149話 占い師 高校生編 1

撫子達が高校二年のときで、まだ誰とも付き合ってないとき

下校道

美穂「あれー?こんなところに占い屋なんてあったっけ?」

撫子「最近できたのかな?」

めぐみ「占いが当たったためしがない……」

藍「手相占いみたいだね」

占い師「お嬢さんたち占いに興味があるのかね?」

撫子・藍「(お金取られそう……)」

めぐみ「(興味深々!)」

占い師「私は学生からはお金を取らないよ、100%オフにするからね」

撫子「(なんだろう、考えを読まれた気がする……)」

占い師「そっちの髪の毛を結んでるおっぱいの大きい子は興味ありそうだね」

めぐみ「えっ!?私!?(おっぱいおっきいっていわれちゃった。えへへ)」

占い師「よければやってみるかい?」

めぐみ「おねがいします!」

占い師「じゃあ、こっちの部屋へどうぞ」

占い部屋

占い師「私は手相を見て学業、健康、金運、恋愛などが占えるのだけれど、君が今一番知りたいのは恋愛に関してかな?」

めぐみ「え!ええぇ!なんでわかったんですか!?」

占い師「私は占い師だから」

めぐみ「(占い師ってそういうこともわかるんだ……)」

めぐみ「実は、ちょっと耳元いいですか?」

ゴニョゴニョ

占い師「女の子同士か」

めぐみ「変ですかね?」

占い師「いや、変じゃないと思うよ。むしろ私も昔そうなりかけたことがあるからわかるわ」

めぐみ「どうしてもその人のことを考えると胸が苦しくて、ああっ、これが恋なの!って感じになるんです」

占い師「ほうほう。そうなのかい」

占い師「でもね。ひとつ忠告しておくよ」

占い師「その人は競争率高いからね。早めに確保しておかないとだめなのだよ」

めぐみ「えっ?やっぱり、もてるのかなー?クールビューティーって感じだし。男子も放っておかないよね」

占い師「(もてているのは女の子からなんだけど、それはいわないようにしよう。お友達との関係が悪くなる……)」

占い師「君のがんばり次第としかいいようがないな。確実にくっつけるかどうかは私にはわからない」

めぐみ「じゃあ、がんばろう」

占い師「じゃあ、手相を見せてくれるかな?」

めぐみ「あっ、そういえばここ手相占いでしたね」

占い師「まったく、本業を忘れてもらったら困るよ」

めぐみ「じゃあ、これで」

占い師「ふむふむ」

占い師「健康は良好だね」

めぐみ「本当ですか!私健康なのが自慢なんです!」

占い師「学業は……うん、がんばろうね」

めぐみ「なっ、やっぱり……」ズーン

占い師「彼女と同じ大学に入るには、もうちょっとがんばった方がいいよ」

めぐみ「そうですか。がんばります」

占い師「金運は、うむ、自分で使う量が多すぎて逃げていくパターンだね。バイトをやめてお小遣いの範囲でなんとかしなさい」

めぐみ「確かに……服買いすぎなのかも……」

占い師「その開いた時間で勉強でもするといいのだよ」

めぐみ「確かに……」

占い師「まぁ、こんな感じだ」

めぐみ「本当になんでもわかるんですね!びっくりしました」

占い師「うむ、私は占い師だからね。人の顔と手相を見ただけで大体その人の性格、考えていることがわかるのだよ」

めぐみ「ありがとうございました。お金はいくらですか?」

占い師「お金は要らないよ。まぁ、払いたくなったら払いにくればいい」

めぐみ「そうですか!じゃあ、もし付き合えたら払いにきます!」

占い師「ふむ、がんばるのだよ」

第149話 占い師 高校生編 1  おわり

第150話 占い師 高校生編 2

めぐみ「なるほどなるほど」

撫子「ん?どうだった?」

めぐみ「えっ!?///」

撫子「当たりそう?」

めぐみ「あ、当たればいいかなぁなんてハハハ」

撫子「なんだそりゃ」

めぐみ「でもすごいよ。占い師さん大体現在の私のことは当ててきたから」

めぐみ「びっくりした」

美穂「めぐみは好感触だったみたいだねー」

めぐみ「うん。みんなもやってくれば?」

藍「じゃあ私が次行こうかな」

占い部屋

ガラガラ

藍「お願いします」ペコリ

占い師「はい、じゃあそこにかけて」

占い師「一番占ってほしいことは恋愛に関してなのだね?」

藍「ええぇええ!なんでわかったんですか!?」

占い師「女子高生の悩みなんてほとんど恋愛か人間関係だからさ」

藍「確かに、そうかも知れませんね」

占い師「どれ、私がちょっと相談に乗ってあげよう」

藍「はい、私の好きな人は……」

占い師「ふむ、女の子が好きなのか(さっきの子と同じ子だから言動に気をつけないといかんね)」

藍「そうなんです。変でしょうか?」

占い師「確かにアブノーマルではあるけれど変ではないと思うよ」

占い師「私も昔は女の子が好きだったし」

藍「へぇ、占い師さんもそうだったんですね」

占い師「みんな隠しているだけで結構同性に恋をすることはあるのだよ」

占い師「私はそういう人をこれまでもよく見てきた」

藍「どうすれば、付き合うことができますか?」

占い師「う~ん、やっぱり君の頑張り次第なんじゃないかな。向こうは多分まだ君の気持ちに気がついていないよ」

藍「やっぱり、そうですよね……」

占い師「でも、悲観することはない。その相手も特定の好きな相手はまだいないということだから、君にもチャンスはある」

藍「はい!がんばります!」

占い師「うむ、じゃあ手相を見せてくれるかな?」

藍「あっ、そういえばここ手相占いなんですよね」ハハハ

占い師「(なんだろうこのデジャブ)」

占い師「うむ、君は健康は良好、金運も学業も良好だ」

占い師「そのまま継続していけば志望しているところに入れるだろう」

藍「はい(撫子の目指してる大学結構上なんだけれど大丈夫かな)」

占い師「大丈夫だよ」

藍「えっ!?あっはい」

占い師「うむ、じゃあこれで終了だ。次の子を呼んできてくれるかな?」

藍「はい」

第150話 占い師 高校生編 2 終わり

おつ

第151話 占い師 高校生編 3

藍「終わったよー」

めぐみ「どうだった?なにか言われた?」

藍「うーん、えへへ。どうかな……でもちょっとうれしかった」

撫子「うれしい?」

藍「次は美穂が行く?撫子が行く?」

美穂「じゃあ私が先に行ってくるよ。いい?」

撫子「うん。いいよ」

占い部屋

ガララ

美穂「失礼しまーす」

占い師「じゃあここに腰をかけて」

美穂「はぁーい」

占い師「ふむふむ、君は特に悩みがないようだ」

占い師「今のお友達に恵まれたみたいだね」

美穂「えっ?そんなこともわかっちゃうんだーすごーい」

占い師「よかったね。今のお友達は大切にするのだよ」

美穂「はい、当然です」

占い師「じゃあ手相を見させてもらうかな?」

美穂「どうぞー」

占い師「健康は良好、金運はすごくいい。というか、君運がいいみたいだね。学業は……あーうまくいくみたいだね」

美穂「えーやっぱりそうですかー」

占い師「うむ、でも本来君はそんなに学業に優れた人でないように見える。今の学力を得るために並大抵な努力をしているのだね?」

美穂「すごいなーそんなことまでわかっちゃうんですね」

美穂「はい、そうですよ。家に帰ったら基本的に予習復習は欠かさないです」

占い師「うむ、それはよい心がけだ。でもあまり無理し過ぎないようにね。君は頑張りすぎてしまう傾向があるみたいだ。何事にも」

美穂「はい、気をつけます」

占い師「それと恋愛についてだがな。う~ん。君もまだ気づいていないみたいだけれど」

占い師「もしかしたら、魅力的な人に引きつけられる可能性もある」

占い師「でも、今この場で名前を言うことはできないな」

美穂「そうなんですか、私が惹かれる人……うーん誰なんだろうー」

占い師「まぁ、私の占いはここまでだ。君は強運の持ち主だから困難があっても何とかなると思うぞ」

美穂「ありがとうございまーす」

第151話 占い師 高校生編 3 終わり

第152話 占い師 高校生編 4

藍「なんて言われた?」

美穂「うふふ、秘密」

めぐみ「えー美穂だけずるいー私達話したのにー」

美穂「私はすごい強運の持ち主だって」

藍「あーわかる気がする」

めぐみ「じゃあ撫子行ってきなよ」

撫子「え、私も行くの?」

美穂「あたりまえじゃーん」

藍「私達みんなで行ったから撫子も行こうよ!」

撫子「そっか、わかったじゃあ行ってくる」

占い部屋

ガラガラ

撫子「よろしくお願いします」

占い師「はい、じゃあ座ってくれていいよ」

撫子「はい」

占い師「君はなにを占って欲しいかね?」

撫子「恋愛・金運・健康・学業、う~ん。健康と学業ですかね」

占い師「あら、てっきり女の子だから恋愛とかに興味があるかと思ったよ」

撫子「う~ん、今一番不安に思っているのは、健康と学業なんですよ」

撫子「一年後には受験生だし、健康がよくなければ学業にも差し支えるし」

占い師「ふむ、なかなかに真面目なのだね(思いを寄せている人がいくら居ても当の本人がこれではなかなかカップルは成立しないね)」

占い師「じゃあ手相を見せてもらえるかな?」

撫子「はい」スッ

占い師「ふむ、これはなかなかだ」

撫子「……」

占い師「健康もよく、学業も非常に優れている。元々の頭の良さに加え努力すればもっと伸びるタイプだ」

撫子「はぁ、そうですか……」

占い師「このまま今のように頑張っていればよいと思うよ」

占い師「(ちょっと彼女たちの手助けをしてみようかな)」

占い師「ただ」

撫子「なんですか?」

占い師「恋でもしてみると、また違った世界が見られるかもしれないな」

撫子「なっ///」

占い師「意外と身近にお前さんのことが好きな人がいるみたいだよ」

撫子「えっ///そうなんですか!?」

撫子「だ、誰だろう……」

占い師「まぁ、自分で気がつくか、アタックがあるかどっちかじゃな」

撫子「そ、そうですか」

占い師「じゃあ、これで終わりだよ」

撫子「ありがとうございます」

ガラガラ

藍「撫子はなんて言われたー?」

撫子「恋でもすれば新しい世界が見えると……」

藍「えっ……撫子好きな人いるの……?」

めぐみ「そうなの……」

美穂「……」

撫子「えっ、居ないけど」

藍「そっかーよかったー」

めぐみ「なーんだそうなんだー」

撫子「えっ?なんでよかったの?」

藍「な、なんでもないよ!」

美穂「じゃあ帰ろうか」

撫子「そうだね」

藍「(あ、危ない危ない)」

めぐみ「(藍、あの反応、撫子のこと好きなのかな?)」


第152話 占い師 高校生編 4 終わり

もういっそ撫子ハーレムでもいいや

ネカフェからtest

第153話 時をかける櫻子 1

それは大室櫻子が下校中の公園で起こった

櫻子「んでさー、今日あかりちゃんの机からアリの飼育キッドが出てきたんだよね~」

向日葵「えっ?そうなんですの!?」

櫻子「あかり、アリさんだぁいすき!(裏声)っていってるんじゃない?」

向日葵「どちらかというと男の子の趣味ですわね」

櫻子「あれ?なんだろう、この機械?」

向日葵「なんでしょう、乗り物みたいですわね」

櫻子「なんかハンドルとかボタンとかついてる。おもしろそう!乗ってみよう!」

向日葵「ちょっと、誰のだかわからない乗り物に勝手にのっちゃいけないですわよ!」

櫻子「まぁ、いいじゃん、いいじゃん」

向日葵「それにしても見たことのない乗り物ですわね……バイクにしては車輪もついていないですし」

櫻子「このボタンはなんだろう……」

向日葵「ちょっと勝手に押しちゃダメですわよ!」

ポチ

ウィーン

櫻子「あれ!?なんか起動した!!」

向日葵「ちょっと、持ち主に断りもせずに!早く止めないと」

櫻子「これか!?これか!?」

ポチポチポチポチ

向日葵「ちょっと適当にいじっても!」

シュウィンシュウィン!

櫻子「なんかマズイ感じがしてきた」

キュィーーン

櫻子「えっ!?なんか光ってる!?」

向日葵「櫻子!とにかくもう離れないと!!」

キィィィイィイイイン!ぼんっ!!

向日葵「櫻子!?」

向日葵「あれ?櫻子!?どこに行ったんですの!?」


シューン

櫻子「あれ!?向日葵がいない!?」

櫻子「おーい!」

櫻子「いない……」

櫻子「というか、この公園こんなに遊具が少なかったっけ?」

櫻子「とりあえず、家に帰ろう……」

第153話 時をかける櫻子 1 終わり

第154話 時をかける櫻子 2

櫻子「んーなんか街の様子が少し変わったような。こんな家建ってたっけ?」

櫻子「ていうか、ひまわりのやつ本当にどこいっちゃったんだろう?」

櫻子「あっ、もうすぐ家だ」

櫻子「とりあえず、家にカバンおいてからひまわり探しに行くか」

大室家

櫻子「ただいまー」

櫻子「あれ?誰もいないのかな?」

櫻子「まぁいいや」

バスッ!

櫻子「んじゃ、いってきまーす」

古谷家

櫻子「あれ?ひまわりの家いつカメラ付きドアホンに変えたんだ?」

櫻子「まぁいいや」

ピーンポーン

櫻子「こんにちはー」 

??「はい、今行きまーす」

ガチャ

??「えーっと」

櫻子「あっ!ひまわり!もう家に帰ってきてたんだな」

??「えっ?櫻子……お姉ちゃん……?」

櫻子「ひまわり、なにいってんだ?」

??「ほ、本当に、櫻子……お姉ちゃんなの……?」

櫻子「えっ?私は櫻子だけど、ていうかどこいってたんだよ」

楓「私、お姉ちゃんじゃなくて楓だよ。櫻子お姉ちゃんこそ、六年間どこにいってたの!?」

楓「みんな、捜索願とか出して、犯罪に巻き込まれたんじゃないかって、いっぱいいっぱい大変だったんだよ!もう、帰ってこないと思ってた!」

楓「本当に櫻子お姉ちゃんなんだよね?」

櫻子「捜索願?犯罪?なにいってんの?私は櫻子に決まってんじゃん!6年間ってなに?ていうか、楓、いきなりおっきくなった!?」

櫻子「なんだこれ?なにが起こっているんだ……」

楓「櫻子お姉ちゃーん!!会いたかった!会いたかった!心配してたの!すごい心配してたの!!」ギュッ

櫻子「えっと、なんだこれ……とりあえず、撫でておこう」ナデナデ

楓「うぇーん!本当に櫻子お姉ちゃんだ!うぇーん!今までどこに行ってたの!?」

楓「ヒックヒック」

櫻子「……」ナデナデ

櫻子「(状況を整理しよう。これが本当に楓なんだとしたら私は6年間いなかったことになる)」

櫻子「(もちろん、ひまわりが変な演技をしている可能性もあるけれど、ひまわりがそんな馬鹿なことするわけがない。私ならまだしも)」

櫻子「(じゃあ6年間私はどうしていたのか?)」

櫻子「(私にわかるのは、6年間見つからなかったということと、変な乗り物を動かしたということだけ)」

櫻子「(だとすると……)」

櫻子「タイムスリップだ!」

楓「えっ!?」

櫻子「楓、私タイプスリップして6年前から来たんだよ!」

楓「た、確かに……櫻子お姉ちゃん、見た目が変わってないし、中学の制服着てるし」ジー

櫻子「なんで胸を見る!」

櫻子「楓は6年の間に成長しやがってー裏切り者ー!」モミモミ

楓「キャッ!ちょっと櫻子お姉ちゃん!揉まないで!」

櫻子「ひまわりみたいなおっぱいになりやがってーコノヤローちくしょー!」

楓「お姉ちゃんはもっと大きいよ」

櫻子「えっ!?あれ以上大きくなってんの!?なにそれ!!おっぱい魔神じゃん!」

楓「とりあえず、話を戻すと、櫻子お姉ちゃんは6年前からタイムスリップしてきたと?」

櫻子「たぶん、なんか変な乗り物に乗ってボタン押したら光ってひまわりが消えた」

楓「確かにお姉ちゃんも櫻子お姉ちゃんがいなくなったとき、乗り物ごと櫻子お姉ちゃんが消えたって言ってた。乗り物なんてその場になかったし、爆発したとしてもその痕跡なんてなかったから、警察の人たちはお姉ちゃんの妄言だって言ってたけれど」

楓「やっぱり、あの話本当だったんだ。ということは、乗り物ごと現在へ飛んできたっていうことになるね」

櫻子「うん、まだ公園にあると思うよ」

楓「じゃあ今からそれを見に行こう。タイムマシンだとしたらすごい発見だよ!」

櫻子「た、確かに……」

第154話 時をかける櫻子 2 終わり

六年後の未来に着いたぞ!

第155話 時をかける櫻子 3

櫻子「そういえば、楓、語尾に”なの”つかなくなったなー」

楓「さすがに、もう小学6年生だからね」

櫻子「私と1歳しか変わらないじゃん!」

楓「そうだね!」

公園

楓「公園についたよ。どこにあったの?櫻子お姉ちゃん」

櫻子「う~ん、たしかこの辺に……あれ?ないぞ」

楓「本当にここにあったの?」

櫻子「うん、この公園だ」

楓「どのくらいの大きさ?」

櫻子「人が乗れるからなくなるようなものじゃないと思うんだけどなー」

楓「重さは?」

櫻子「わからない。持ってないから、でも、あの大きさで、結構重そうだから1人じゃ持ち運べないと思うよ」

楓「う~ん、どういうことだろう……」

prrrrrrrr

櫻子「ん?電話?ひまわりから!?」

楓「あっ、さっき、櫻子お姉ちゃんが帰ってきたっていう連絡をメールでしておいたから」

櫻子「なるほど、ていうかまだこの電話使えたんだ」

楓「花子ちゃんのお母さん、どうしても櫻子お姉ちゃんがいなくなったこと認められなくてずっと携帯解約してなかったんだね」

櫻子「母さん……」

楓「とりあえず、早く出てあげて、お姉ちゃん待ってるだろうから」

ピッ

向日葵『櫻子ですの!?』

櫻子「ひまわり!」

向日葵『本当に?本当に?櫻子なんですの!?』

櫻子「そうだよ!私だよ!」

向日葵『櫻子……もう!今までどこに行ってたんですの!?』

櫻子「どこって、私にとっては一瞬だったんだけどなー」

向日葵『とりあえず、そこ動くんじゃないですわよ!』

向日葵『すぐに帰りますわ!!』

ピッ

楓「お姉ちゃん、どんな感じだった?」

櫻子「怒ってた、すごく」

楓「そっかー(これは帰ってきたら号泣パターンだな)」

楓「お姉ちゃん、今、京都にいるから帰ってくるの時間かかるかも」

櫻子「京都に住んでるの!?」

楓「うん」

櫻子「いいなー」

楓「とりあえず、家に帰って考えなおそう」

櫻子「そうだなー」

第155話 時をかける櫻子 3 終わり

第156話 時をかける櫻子 4

大室家

櫻子「とりあえず、うちに帰ってきたぞ」

楓「6年ぶりの我が家はどう?」

櫻子「私にとっては、下校してきたばかりなんだけどな。ものの配置が変わったなー」

楓「まぁ6年もいなければそうなるよね」

櫻子「やったー!私の部屋があるー!!」

ガチャ

櫻子「おおぉー、見事にそのまんまだ」

楓「花子お姉ちゃんの両親がいつか帰ってくるからってそのまんまにしておいたんだよ」

櫻子「そして、私は帰ってきたと」

楓「本当に帰ってくるなんてね」

ピピピッ

楓「あっ、花子お姉ちゃんからだ!」

From 花子お姉ちゃん

本当に櫻子が帰って来たの?


櫻子「花子に電話かけよう」

楓「もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」

prrrrr、prrrrr、prrrrr……

櫻子「花子まだかなー?」

prrrrr

櫻子「あっ、もしもし花子?」

花子『本当に……櫻子?』

櫻子「花子ー元気かー?」

『ガチャン!!!』

櫻子「うおっ!!なんだこの音は!?」

花子「さ、櫻子……」

櫻子「花子、帰ってきてたのか!それにしても身長高くなったなー。まぁ6年ぶりだもんなー」ハハハ

花子「櫻子……櫻子」タッタッタ、ギュッ

花子「櫻子、さくらこぉぉぉおおお」

花子「うわぁああああああああん」

櫻子「……よしよし」ギュッ

花子「どこに行ってたの!!私、私、すごい探したんだよ!!!」

櫻子「ごめんな。心配かけたよな?」

花子「本当だよ!櫻子のバカー!!!」エーン

櫻子「ははは。私にとっては一瞬の出来事でもみんなに取ってみれば6年は長かったのか」

花子「もう?どこにも行かないよね?」グスッグス

櫻子「うん。もうどこにも行かないよ」

花子「うん、よかった!本当によかった!!」グスッグス

櫻子「もう。花子は大きくなっても泣き虫さんだなー」

花子「それにしても。七森中の制服……いなくなったときと同じ外見……一体どういうこと?」

楓「それはね……」


花子「えっ!?じゃあ、櫻子は6年前からタイムスリップしてきたの!?」

櫻子「う~ん、多分そうみたいだよ。」

花子「うーん、確かにそう考えると辻褄があるかも……」

櫻子「それにしても花子、”だし!”って口調直したんだな」

花子「さすがにもう子供じゃないから!」

楓「でも、花子お姉ちゃん、小6まで使って……」ニヤニヤ

花子「楓!」

楓「ごめんなさい……」

花子「それにしても、タイムマシンなんてにわかに信じられないけれど、櫻子がこうやって時空を超えて来たってことは、あるんだろう……」

花子「なくなったっていうのは、もしかしたら……」

楓「あっ!タイムマシンを使って時を超えた人がいるってこと?」

花子「そう、その可能性が高そう」

櫻子「(お、おぉ!なんか花子と楓がすごい頼りになる!)」

花子「その線で調査を進めてみよう」

第156話 時をかける櫻子 4 終わり

第157話 時をかける櫻子 5

花子「櫻子が来たのは、何時頃?」

櫻子「う~ん、こっちに来た時の時間がわからないからなんとも。でも、うちにすぐ帰ってきて、それからひまわりの家に行った」

楓「じゃあ、大体16時頃だね」

花子「そっか、それで公園に戻ったのは?」

楓「あのときは17時頃かな?」

花子「じゃあ、1時間のうちに誰かが乗ったことになりそうだね」

花子「誰かが持ち帰ったって可能性もあるけれど、そうなると最小で二人……」

櫻子「……」ジー

花子「ん?どうしたの?」

櫻子「なんか、花子、すっかり大人びて変わったなって、ねーちゃんみたいになった」

花子「まぁ櫻子よりも年上になったしね」

櫻子「確かに……まさか妹に年を越されるとは……そんな体験してるの世界中探しても私だけなんじゃないだろうか……」

櫻子「というか、すごい美人になったな!」

花子「!!///バカ……///」

櫻子「年上の妹かぁ……」

花子「花子お姉ちゃんって呼んでもいいんだよ?」

櫻子「それは断じて認めない!!」

楓「あはは」

花子「そういえば、母さんと父さんと撫子お姉ちゃんには連絡した?」

櫻子「そういえば、まだ」

花子「まぁ、私がしておくよ」

櫻子「おっ、サンキュー、ていうか自分のこと花子じゃなくて私っていうようになったんだな」

花子「それも子供っぽいからね」

櫻子「まだまだ子供の癖してなにを言う~」グリグリ

花子「うっさい!櫻子よりは大人だ!」

櫻子「年齢じゃないんだよ、姉の風格というものは」

花子「いや、年齢でしょ。年齢じゃなくても櫻子は昔から姉として見れなかったよ!!」

櫻子「なんだとー!!」

楓「ぷっ、あははは」

花子「なんで笑ってるの?楓?」

楓「いや、櫻子お姉ちゃんがいるとやっぱり面白いなって」

花子「ふふ、確かにそうだね」

櫻子「ふふん」

prrrr

櫻子「あっ、お母さんからだ!」

花子「早く出てあげなよ。母さんも父さんも撫子お姉ちゃんも心配してたんだから」

櫻子「そうだね」

楓「今日はもう暗いから、情報収集するにしても明日になりそうだね」

花子「うん、そうだね」

その後、帰って来た両親は、櫻子が帰ってきたことをすごく喜んだ

第157話 時をかける櫻子 5 終わり

こういうあったかいSF感すごい好き

第158話 時をかける櫻子 6

大室母「撫子にも連絡したら東京からすぐに帰ってくるって」

櫻子「ねーちゃん東京で何してんの?」

大室母「もう、働いてるのよ」

櫻子「ええ!?ああ、でもまあそっか、働いてなきゃおかしい歳だもんね」

櫻子「でも、東京からだと時間かからない?」

花子「北陸新幹線が富山駅まで開通したんだよ」

櫻子「北陸新幹線が……そっか、本当にここは未来なんだなぁ」

大室父「迎えにいくか?多分一刻も早く会いたがっているだろう」

櫻子「うん!そうしよう!」

大室父「わかった」

富山駅

櫻子「おぉお!本当に新幹線の改札がある!」

花子「6年で結構変わったかも」

櫻子「なんかすごい感激した……」

花子「(櫻子にとってはここはある意味異世界なのかもしれない。やっぱり元の場所に変えるべきだ)」

花子「あっ、あれ撫子お姉ちゃんだ……」

撫子「!!櫻子……」

櫻子「すっげぇ!ねーちゃんがすごい大人!!バリバリ働いてそうな格好してる!」

撫子「本当に……櫻子……なの……?」ポロポロ

櫻子「もう、みんな同じ反応なんだから、私は私だよ!櫻子に決まってんじゃん!」

撫子「さ、さくらこー」ダキッ

櫻子「ははは、痛いよねーちゃん……」

ガヤガヤ

櫻子「恥ずかしいって」

撫子「本当に!本当に心配したんだからね!!」スッ

櫻子「ごめんね」

撫子「本当に6年前のまま」

櫻子「うん、6年前のままだよ」

撫子「でも。帰ってきてくれてよかった……」

撫子「会いたかったよぉー」グスッグス

櫻子「ちょっと、ねーちゃん。泣かないで」

撫子「違うの、これはうれしくて」

花子「嬉しくて涙がでることもあるんだって」

櫻子「ほー、そうなのかー。じゃあ、どんどん泣いてくれ!」

撫子「うん」グスッグス



櫻子「落ち着いた?」

撫子「うん。ありがとう」

櫻子「もう、大の大人がメソメソするなよー」

第158話 時をかける櫻子 6 終わり

第159話 時をかける櫻子 7

櫻子「じゃあ、そろそろ帰ろっか?」

撫子「待って、まだ1人来てない」

櫻子「えっ?誰が来るんだよ」

花子「ひま姉がまだ」

櫻子「えっ!?ひまわりも来るの!?今日?」

撫子「うん、確認したら今日21時6分着の電車で来るみたい」

櫻子「じゃあ、そろそろじゃん」

向日葵「……」

櫻子「あれ?ひまわりかな?」

向日葵「櫻子……」

向日葵「櫻子!!もうどこに行ってたんですの!!」

櫻子「いやーちょっとタイムスリップしちゃって、ひまわり怒ってる?」

向日葵「もう!!本当に……本当に……どこに行ってたんですの!?」ポロポロ

櫻子「あれ!?今度は泣いてる!?」

向日葵「泣いてませんわ!!」ポロポロ

櫻子「泣いてんじゃん!」

向日葵「6年間ずっと探してたんですわよ!!」ポロポロ

向日葵「本当に……本当に……帰って来てくれてよかった……うぅ、うわぁぁぁぁぁぁん!!」ダキッ

櫻子「おっと」ガシッ

向日葵「うわぁぁぁぁぁぁん!!」グスッグス

櫻子「(おっぱいでけー!)」

………………

櫻子「落ち着いた?」

向日葵「もう大丈夫ですわ」

櫻子「ひまわり、いろいろと大きくなったな」

向日葵「櫻子は変わってませんのね」

櫻子「うぅ、私にも6年あれば!」

撫子「残念だけど」ズーン

花子「それはないと思う……」ズーン


向日葵「ふふ、懐かしい。この感じ」

櫻子「私にとってはみんなが一瞬で年とったようなもんだけどな」

向日葵「そうですわね。なんにせよ。おかえりなさい」

櫻子「うん!ただいま!」

撫子「じゃあ、帰ろっか?」

櫻子「うん!」

向日葵「はい、ですわ!」

第159話 時をかける櫻子 7 終わり

素敵です

どうなる

第160話 時をかける櫻子 8

向日葵「ただいまですわ」

楓「お帰りお姉ちゃん」

櫻子「おいおい、楓こんなに夜おそくまで起きてちゃダメだぞ」

楓「私もう12歳だから大丈夫」

櫻子「まだ私よりも年下じゃないか。早く寝なさい」

花子「じゃあ、櫻子ちゃんは私よりも年下だから寝ましょうねー」

櫻子「なに !?た、確かにそうだった……じゃあ寝るか」

向日葵「もう、寝てしまうんですの?」

櫻子「まだ、話し足りないかぁ~?」

向日葵「当たり前ですわ!櫻子のいない6年の間にいろいろ話したいことがあったんですわよ!まぁ、眠いなら無理にはと言いませんが」

櫻子「いいよ。付き合ってあげるよ」

向日葵「本当ですの!?」パァ

撫子「よしよし、お姉さんも付き合ってあげよう」グビグビ

櫻子「ねーちゃん、それ酒!?って、ああいいのか」

撫子「じゃあ、花子から話していこう。花子は今櫻子と同じ七森中に通ってる」

櫻子「3姉妹揃って七森中かぁ」

撫子「ちなみに”だし!”とか”花子”とかの呼称は小学校6年のときまで使い続けてたよ」

花子「ちょっ!撫子お姉ちゃん!それは言わないで!!」カァ

撫子「楓はまだ小学生だね」

楓「うん!来年卒業して七森中に行こうと思ってる!」

撫子「そして、私はN大を出て東京で働いてるね」

花子「そして、今も高校のときからの彼女さんとお熱い」

撫子「ちょっ!花子!それは言わない約束でしょ!」

櫻子「へっ!マジで!?ねーちゃん、付き合ってたの?それも女同士で?」

撫子「ほら、言わんこっちゃない」

撫子「私の話はこれで終わり。次はひま子の番」

向日葵「そうですわね。わたくしは櫻子がいなくなった後、警察の人にも何度も相談してみたんですけれど、人が消えるなんて想像もつかないって言われまして」

向日葵「櫻子が消えた理由を探すために、量子論、相対性理論などを勉強しましたわ」

向日葵「そうして、K大の物理学科に進んで量子力学を専攻していますわ」

櫻子「????」

撫子「要は、櫻子のためにめっちゃ頭良くなったってこと」

花子「尊敬します」

櫻子「そうなのかー」

向日葵「でも、タイムトラベルなんて理論上可能ですけれど、実現性はないですのに……わたくしの今までの学んできたことを考えなおす必要がありそうですわね……」

櫻子「というか、私が帰ってきたから、もうそんなの勉強する必要ないんじゃないの?」

向日葵「!!確かに言われてみれば……でも、これはもはやわたくしの知的好奇心を追求するものへと目的が変わりましたわ」

向日葵「とりあえず、明日はわたくしもあの公園へ行きますわ。今夜はもう寝ましょう」

櫻子「そうだなー」

大室母「お布団しいてあるからね。まさか、この言葉を櫻子にまたいう日が来るとは」

櫻子「ありがとう、母さん。もうどこにも行かないから」

櫻子の部屋

櫻子「本当に変わってないんだなー」

櫻子「私は、タイムマシンを見つけたら帰るべきなんだろうか、そうしたらこの6年はどうなるんだろう……。」

櫻子「まぁ、いっかよくわからないからとりあえず今日は寝よう」

モゾモゾ

櫻子「うわっ!?なんだ!?」

花子「櫻子……」

花子「櫻子……」スピー

櫻子「花子、寝てるのか?」

ガチャ

撫子「ああ、やっぱり、花子はここに居たか。櫻子がいなくなってからというもののよくベッドに入り込んで泣いてたのよ」

櫻子「そうなんだ。心配かけたな。もう大丈夫だぞ」ヨシヨシ

花子「櫻子……」

撫子「よかったね花子。お姉ちゃんが帰ってきて。じゃあ、私もおやすみ」

櫻子「おやすみ。」

櫻子「本当に、みんなに心配かけたんだな……」

第160話 時をかける櫻子 8 終わり

果たしてどうなる…?

第161話 時をかける櫻子 9

櫻子「ふーよく寝たー」

花子「……」スースー

向日葵「……」スースー

撫子「……」スースー

櫻子「なんだこれ……」



リビング

櫻子「なんでみんな私の部屋で寝てたの?」

撫子「夜中目が覚めて櫻子がいなくなっちゃうんじゃないかって思って心配で」

向日葵「朝見に行ったら櫻子が寝てたからつい……」

花子「目が覚めても櫻子が居てよかった。昨日のことは夢だったらどうしようって思ってた」

向日葵「……そうですわね」

向日葵「また会えてうれしいですわ!櫻子」

櫻子「ふむ」

撫子「今日は、櫻子の乗ってきたタイムマシンらしきものを探すんでしょ?」

櫻子「そうだね」

花子「ごめん。私は学校に行かないといけない」

櫻子「うん、帰ってきたらまた話そうね」

向日葵「わたくしと櫻子と撫子さんで調査しましょう」

向日葵「まず、もう一度あの公園へ行ってみましょう」

櫻子「そうだね。なにかわかるかも知れないし」

撫子「後は聞き込みとかかな?公園に乗り物みたいなものがあったかどうか」

向日葵「じゃあ、早速行きましょう」

公園

撫子「あのお伺いしたいことがあるのですが……昨日この公園にバイクのような乗り物はありませんでしたか?」

散歩してるおじいちゃん「毎日散歩しているけれど、そんなもの見たことないのう」

撫子「ありがとうございました」



向日葵「昨日、この公園でバイクのような乗り物見ませんでしたか?」

公園の近所の家の人「さぁ、わかりません」

向日葵「ありがとうございました」



櫻子「午後4時頃なんですけどー」

近所の人「さぁ……ごめんなさい」


……………………………

向日葵「なかなか目撃者はいませんわね」

撫子「うん」

櫻子「私が来たときは誰も公園に居なかったしなー」

向日葵「となると、櫻子が来てから割りとすぐにタイムマシンがなくなったということになりますわね」

向日葵「おそらく、その消失方法はタイムトラベル……」

撫子「櫻子の他に乗った人がいるっていうこと?」

向日葵「もしくは、起動したか」

向日葵「問題はそれも事故なのか、意図的に起動したかですわね」

撫子「なんでそれが問題なの?」

向日葵「タイムマシンが6年前に存在しているということは、タイムマシンを使って時空を移動出来る人がいるということですわ」

撫子「なるほど、つまりこの時代にタイムマシンが来たことを発見してそれを回収しにきたってことか」

向日葵「問題はなぜ櫻子が来た瞬間に回収しなかったのかということです」

撫子「確かに、昨日の16時頃に着くってことがわかってたならその時間に合わせて飛べばいいんだものね」

向日葵「そういうことですね。」

向日葵「う~ん……」

櫻子「ねぇねぇ、そもそもなんでタイムマシン探してるの?」

向日葵「それは櫻子が元の時代に帰るためですわ」

櫻子「私が元の時代に帰ったら、この時代の向日葵達はどうなっちゃうの?」

向日葵「……タイムパラドックスが起きますわね」

撫子「タイムパラドックス?」

キューウィーン

櫻子・撫子・向日葵「!!!」

第161話 時をかける櫻子 9 終わり

第162話 時をかける櫻子 10

キューウィーン

撫子「なに!?」

櫻子「これは?」

向日葵「まさか……」

シューン

年配の女性「ふぅ……ついたか」

向日葵「あなたは!?まさか」

櫻子「西垣ちゃん!?」

西垣「大室と古谷か。ようやく見つけた」

撫子「一体、先生はいつから来たんですか?」

西垣「私は今から30年後の未来からだな」

櫻子「っていうことは60代!?」

西垣「いかにも」

櫻子「60に見えない」

西垣「ふっふ、爆発していれば心も体も若く保てるのだよ」

向日葵「30年後から来たということはやはりこの機械はタイムマシン?」

西垣「このタイムマシンを開発したのは私だ」

向日葵「まさか、西垣先生が……」

西垣「しかし、いや。こんなもの開発しなければよかった……」

西垣「この世界の古谷は量子力学を勉強していたな」

向日葵「はい」

西垣「エヴェレットの多世界解釈というのは知っているか」

向日葵「粒子の不確定性は一瞬一瞬の間に宇宙が多岐に渡って分岐しているという考え方ですよね」

西垣「そうだ。私が言いたいのはこの世界はそのようになっているということだ」

向日葵「なるほど、確かにそうすればタイムパラドックスも起きない」

撫子「どういうこと?」

西垣「例えば、今日大室撫子はこの時間にこの場所にいる。それは脳の活動によってそのような行動を取った」

西垣「その脳の活動というのは脳内を流れる物質が決めている。突き詰めて考えるとその物質の位置や運動量によって大室撫子が今日この場この時間にいることになるわけだ」

西垣「じゃあ、もし粒子が今と別の状態にあったら?」

撫子「今日、この場この時間にいないということ?」

西垣「そういうことだ。もしかしたら今家でケーキを食べながら紅茶を飲んでいるかもしれないし。実家に帰って来ないで働いているかもしれない」

向日葵「それが本当に……」

西垣「ああ、世界は無数に存在して、今いる世界はその中の一つに過ぎないということだ」

西垣「ここで本題だが、なぜ6年前の公園にタイムマシンがあり、昨日の公園からタイムマシンが消えたのかということについて話そう」

櫻子「おっ!ようやく私の話か!!」

第162話 時をかける櫻子 10 終わり

第163話 時をかける櫻子 11

西垣「まず私の時代の背景だ。私の時代ではタイムマシンをつかって過去に戻ることは原則として禁じられている」

向日葵「歴史を変える恐れがあるからですか?違いますよね?だって、タイムマシンが来た時点で世界は分岐するんですもの」

西垣「おお、さすが古谷察しがいいな。その通りだ。なぜ禁止されているかというと渡航者が元の世界に戻ってこれなくなるからなんだ」

向日葵「ああ、なるほど」

撫子「ん?どういういみですか?」

西垣「先ほど話した世界は無数にあるという話があっただろう?」

撫子「はい」

西垣「例えば、6年前にタイムマシンが来なかった世界をAとする。その後、タイムマシンが完成されて6年前にタイムマシンで旅行したとする。すると、その世界はもはやAではなくBという世界であるということだ」

西垣「その後時空旅行者が未来に戻ったらどうなるかな?」

撫子「なるほど、世界Bの未来に行きますね」

西垣「そう。つまり、元いた世界のAには戻れない。タイムマシンで行って帰ってくるぐらいなら周囲の粒子にほとんど影響を及ぼさないであろうから歴史はほとんど世界Aと同じ道を歩む、そんなに違いはないけれど、しかし元いた世界とは別の世界だ」

西垣「しかし、タイムマシンで過去に戻ってそこで歴史が動くほどの重大な事件を起こしてしまったら」

撫子「元の世界とは全く別の未来になってしまうということですか」

西垣「そういうことだな」

西垣「よって、過去に戻るのはタブーとされている」

西垣「しかし、私の勤めていた部署で問題が起こった」

西垣「私の部下が手違いでタイムマシンを過去に送ってしまったのだ」

西垣「急いで私は過去に向かってタイムマシンを回収しようとしたさ」

西垣「すぐ回収すれば元の世界とほとんど変わりのない世界に帰ることができるからね」

西垣「しかし、私が行った時にはもうなかった」

櫻子「私が乗って行っちゃったんだ」

西垣「そう」

櫻子「私がここについてからなくなったのはなんで?」

西垣「あれは、5分間で私の時代に帰るようにセットされていたみたいだ」

櫻子「なるほど、だから誰も目撃者がいなかったのかー」

西垣「なんにせよ。大室が来たことにより」

向日葵「歴史は大きく変わってしまったと」

西垣「そういうことだな。特に大室、お前に関わる未来がガラっと変わってしまったんだ」

櫻子「えっ?」

向日葵「?」

西垣「今日から二日後、研究所の人が極秘任務で大室櫻子をさらいに来る」

西垣「そして、30年後の未来から帰ることを許されなくなってしまう」

向日葵「なっ!?」

櫻子「えっ……なんで?」

西垣「タイムマシンに乗ったものの口封じということかな」

西垣「この事実は極秘事項だからな。幸い私は履歴が残らない私のマシンで来たからまだバレていないようだが」

撫子「そんな、また櫻子が……せっかく再会できたのに……」

西垣「そう、だから大室にはあることをしてほしいんだ」

櫻子「あること?」

西垣「私にタイムマシンの開発をさせないようにしてもらいたい。そうすれば未来は変わる」

向日葵「それはどうやって?」

西垣「まずは、6年前に戻れる大室は、私がタイムマシン理論を思いつくきっかけを断ってほしい」

西垣「トイレをしようと思った時にすべって頭を打ったんだが、その時にはっと閃いてしまったんだ。だから、トイレで滑らないように見張っててほしい」

西垣「ちょうど、大室がタイムスリップした3日後ぐらいだな」

櫻子「私は、また6年前に戻ればいいの?」

西垣「そういうことだな」

向日葵「この時代の西垣先生にはどうすればいいんですの?」

西垣「それは私の方から説得してみる」

撫子「ん?6年前に戻って櫻子が西垣先生が頭を打たないように見張っていればこの時代の西垣先生もタイムマシン理論を思いつかないんじゃないんですか?」

西垣「ちがうのだよ。一度確定した世界については変えることができないのだよ」

向日葵「撫子さんはおそらく、6年前に櫻子が変える世界と私達が住んでいる世界は同じもので6年前に櫻子が帰れば、私達の6年間櫻子が居なかったという記憶もなくなり、櫻子と一緒に過ごした6年の記憶が現れると思っていますよね」

撫子「うん」

向日葵「そうじゃないんです」

西垣「相変わらず古谷は察しがいいな。だから、タイムマシンなんて開発しなければよかったんだ」

第163話 時をかける櫻子 11 終わり

櫻子がタイムマシン作って向日葵が死んだ歴史を変えようとする話思い出したけどあれも>>1の作品?

最近忙しくなかなか進まなくてすいません。土曜日の夜と日曜日には書けそうです

>>417 私じゃないですね。なんていう題名のSSでしょうか?

向日葵「お帰りなさい櫻子」櫻子「ただいま!!向日葵!」
タイムパラドクスの理論とか似てるなと思ったから作者一緒なのかなと考えただけ

こっちもハッピーエンドでたのんます

第164話 時をかける櫻子 12

西垣「エヴェレットの多世界理論というのはな、世界が無数にあるというパラレルワールド理論なんだ」

西垣「タイムマシンに乗って過去に行った時点で歴史は分岐して、この世界とは違う道を歩む」

西垣「影響を与えなければ小さい誤差で済むから元の歴史と同じだけれど、影響を与えれば歴史は変わる」

西垣「これはタイムマシンに乗った側の人間から見た世界だ」

西垣「そして、タイムマシンに乗らなかった側の人間。取り残された側の世界はどうなるかというと」

西垣「そのまま現実が続いていく」

撫子「そんな、じゃあ櫻子とはもう一生……」

向日葵「仕方のない事ですわ……」

櫻子「そんな!ねーちゃんと向日葵と!みんなとお別れだなんて嫌だ!!」

向日葵「櫻子にとっては、また向こうで6年前のままの姿で会えるのですわよ」

櫻子「でも、こっちにいる向日葵とねーちゃんは私に会えないんでしょ!?」

櫻子「そんなの……ひどすぎるよ」ウゥ、ポロポロ

向日葵「わたくしは元の居た世界に戻るべきだと思いますわよ」

撫子「うん、櫻子、元いた世界に帰りなさい」

櫻子「えっ?」


撫子「ここにはアンタの居場所なんてない。もう、大室櫻子はこの世界には存在しないの。だから、帰りなさい」

櫻子「そんな!ねーちゃんひどい!!私がいなくなってもいいのかよ!!」

向日葵「撫子さん、そんな言い方はあまりにも……」

櫻子「もう知らない!!ねーちゃんがそんなにひどく変わってるだなんて思わなかった!!」

櫻子「わかったよ!!もう帰る!!ねーちゃんなんて嫌いだ!!!」

櫻子「先生、タイムマシンを動かしてください!」

西垣「おい、いいのか、大室……」

櫻子「もう、いいです、私がこの世界にいる理由がなくなりましたから!」

西垣「わかったじゃあ、タイムマシンを起動する」

ウィーーン

シューン……

西垣「本当によかったのか……」

向日葵「撫子さん、こんな別れ方で良かったんですか?」

撫子「……」ポロポロ

向日葵「撫子さん!?」

撫子「うわぁぁぁぁぁぁん!!こんなっ!別れ方で!良かった訳!!ないじゃない!!」

撫子「でも!そうでもしないと!!櫻子!!この世界にっヒッグ!残りそうだったから!!」ヒッグヒッグ

撫子「櫻子ぉぉおおおおおおおおお!」

撫子「行かないでえええええええええええええ!!」

撫子「私を!私達を!!置いて行かないでぇええええええ!!」

向日葵「撫子さんっ!!」ギュッ

向日葵「うぅっ、!!私もせっかく会えたのに!!お別れだなんて!!嫌ですわ!!!」

「「うぇぇぇええええええん!!!」」

「「ええええええん!!」」

西垣「やはり、タイムトラベルは……残酷すぎる……」

西垣「こんなことがもうこれ以上起こらないように私は私の仕事をしなければ……」ザッ


第164話 時をかける櫻子 12 終わり

>>419 ありがとうございます。近日中に読んで見ようとおもいます

第165話 時をかける櫻子 13

そして、3日が立った

西垣(若)「なるほど、私のしてしまう発明がこれほどまでに迷惑をかけていたのか。なんというか済まない。タイムマシン理論については破棄する」

西垣(老)「いや、まだ貴女はなにも悪いことをしていない。謝るべきなのは私の方なのだよ」

撫子「いえ、いいんです。気にしないでください。櫻子は本当は6年前に亡くなっているのですから」

向日葵「むしろ、ほんの少しの夢を見させてくれてありがとうございました」

撫子「花子、楓、ごめんね。お別れも言わせてあげられなくて」

花子「うん、私もいずれは櫻子は元の時代に帰らなくちゃいけないと思ってたから大丈夫だよ。」

楓「私も大丈夫、もう謝らないで、撫子お姉さん」

西垣(老)「じゃあ、このタイムマシンを破壊してこの世からタイムマシンを……」

??「ちょっと待ったぁ!!」

全員「!!!!」

??「破壊するタイムマシンはもう一つあるよ!!」

花子「その声は!」

楓「櫻子お姉ちゃん!!!」

櫻子「可愛い女の子だと思った?残念!櫻子ちゃんでした!!」

撫子「な、なんで櫻子が……」

向日葵「しかも、成長した姿で……」

櫻子「西垣ちゃんは老いてもおっちょこちょいだなー私の乗ったタイムマシン。時空転移寸前で爆発しちゃったよ~」

西垣(老)「!!?まさか!!」

櫻子「やっほー久しぶりー100年後の未来からようやく帰ってきました!6年間向こうで過ごしたけどね」

向日葵「6年……」

櫻子「いやー6年は長かったよ~」

櫻子「特にみんなの居ない6年は」

櫻子「というわけでただいま!やっぱり私の帰るところはここだったよ!」

撫子「さくらこぉぉおおおおおおお!!」ガシッ

櫻子「もうーねーちゃん、追い出すときはあんなに冷たかったくせに~」

櫻子「でーも、成長した櫻子様はもう怒ってませんけどね~」

向日葵「また、会えてうれしいですわぁぁああああ!」ガシッ

櫻子「向日葵!私も会いたかったぞ!!」ガシッ

花子「櫻子、櫻子!!」ガシッ

楓「櫻子お姉ちゃん!」ガシッ

櫻子「花子、楓!もうどこにも行かないからな!」ガシッ

花子「うん!」

西垣(老)「そうか、大室はそういう道を選んだか……100年後の未来についた時、すぐにこの時代から6年前に帰ることもできたんだろう?」

櫻子「まぁね」

西垣(若)「そういう道とは?」

西垣(老)「多世界理論だよ」

西垣(若)「??」

西垣(老)「ほう、この時代の私はまだ知らないのか。勉強不足だな」

西垣(老)「タイムマシンで歴史を変えなくとも、どこかの世界では私が理論を思いつかないことだってあるってことだ」

向日葵「なるほど」

櫻子「そう、そういうこと!私戻る必要なくね!って思っちゃってさ、多世界理論が成り立つなら」

櫻子「どこか別の離れているけれど近い世界では、私はタイムスリップなんてしてないし、今でも中学校に通ってるんじゃないかなーって思ってさ」

櫻子「じゃあ、私はどうしようって考えたら、やっぱりこの時代、この世界に戻るしかなくねってね」

櫻子「こう見えても物理学科の学士様なのだ!」

向日葵「大卒……」

櫻子「100年後は中学で大学レベルの授業やるからな。最初はさっぱりだったけど」

櫻子「この時代の大学受験なんて余裕だ!大検取って大学に入り直すぞー」

向日葵「まるで別人のよう……」

撫子「櫻子、ごめんね」

櫻子「おっ泣き止んだかねーちゃん、なにが?」

撫子「3日前、いいえ、あなたにとっては6年前ひどいこと言って」

櫻子「だーかーらーもう気にしてないってばー」

撫子「謝ることができて本当によかった!櫻子、おかえり!」

櫻子「ただいま!!」

花子「今日はみんなで歓迎パーティだね!」

楓「3日前にもやったけどね」

向日葵「だから、櫻子にとっては6年ぶりなんですわ」

櫻子「そうだぞーというか、6年間大切な人がいないというのは寂しかったぞー」

花子「私達の気持ちがわかったところで」

楓「家に戻りましょう!!」

西垣(老)「済まないが、行くあてがなくなった。引越し先が見つかるまで居候させてくれないか?」

西垣(若)「自分を泊めるというのも気持ちが悪い気がするけれど、わかった」

西垣(老)「ありがとう」

西垣(若)「とりあえず、今日は」

櫻子「私の家でパーティだぁー!!!」

第165話 時をかける櫻子 13 終わり

第166話 時をかける櫻子 14 Home World

櫻子「っていう夢を見たんだ~」

向日葵「バカじゃないですの。大体タイムマシンなんてあったら未来からわんさか人がくるじゃないですの」

櫻子「むぅー信じてないなー」

向日葵「大体、授業中の居眠りでよくそんなに長い夢が見れますわね……あきれますわ」

櫻子「あっ、ちょっとトイレ行きたくなったーいってきまーす」タッタッタ

トイレ

西垣「おっ、大室か」

櫻子「先生また実験廃液トイレに流すんですか?」

西垣「これくらい大丈夫さ」

櫻子「あっ、掃除したばかりなので濡れてますよ、足元滑ります!」

西垣「むっ」ツルッ

櫻子「!!」ガシッ

櫻子「大丈夫ですか?」

西垣「ああ、大丈夫だ」

櫻子「もーうしっかりしてくださいよ~」

西垣「ありがとう大室」

櫻子「じゃあ私はこれで」

西垣「ああ」

櫻子「(これでよし……か)」

櫻子「(でも、なんで私だけ覚えているんだろう)」

櫻子「(やっぱり夢なのかなぁ)」

櫻子「(まぁ、いっか。細かいことは、向こうでも幸せに暮らしてるし、こっちでも幸せに暮らしてればいいんだ!)」

櫻子「よっしゃー毎日幸せだぜー!!」

向日葵「全く、櫻子は元気ですわね」

櫻子「元気なのが私の取り柄だからな!」

第166話 時をかける櫻子 14 Home World 終わり

以上で時をかける櫻子編は終わりです

おつ

おつおつ

果たして本当に夢オチだったのか、それとも…
ご想像にお任せしますってか
乙だよ

あと4日で大室家の最新話が見れるね

第167話 春の嵐

ザァァァァァァ、ピューピュー

櫻子「うおぉおおお!すごい雨だぁ」

花子「……」

櫻子「なんだよ花子ー大雨だぞー本なんか読んでる場合じゃないぞー」

花子「……うるさいし、気が散るし……」

撫子「……(ふむ)」

ピューピュー、ガタガタ

花子「!!ガタッ!」

櫻子「ん?どうしたんだよ?」

花子「な、なんでもないし」

ザァァァァァァ、ガタガタガタガタ

花子「!!!」ビクッ

櫻子「様子がおかしいぞ、花子」

花子「だ、だからなんでもないし!本読んでるんだから話かけてくるなし」

花子「……」ガタガタ

櫻子「あのさ、花子さ」

花子「な、なんだし?」

櫻子「本、逆だよ?」

花子「ハッ!」

ガタガタガタガタ、ゴォオォォォォ

花子「!!」ビクッ

櫻子「もしかして?嵐が怖いの?」ニヤニヤ

花子「こ、怖くないし!」

ピカッ!ガラガラ!

花子「ヒィ!」ガシッ

櫻子「花子?」

ゴロゴロゴロゴロ

花子「カミナリがなってるときは壁から3m離れなきゃいけないんだし!櫻子のいる位置がちょうど部屋の中央だっただけだし!別に怖かったわけじゃないし!」

撫子「花子、無理しなくてもいいんだよ?」

花子「うぅ……」

櫻子「ほうほう、花子は怖いのかぁ」ニマニマ

花子「こ、怖くない」

ピカッ!!ガッシャーン!!

花子「ヒィ!!うぅ……」ガシッ

櫻子「おぉぅ!さすがに今のは私も驚いた!ねーちゃん!!」ガシッ

撫子「あら、櫻子まで甘えてくるとは」

櫻子「まぁ、たまにはね!」ニカッ

撫子「よしよし」

櫻子「よしよし」

花子「うぅ……」

第167話 春の嵐 終わり

6月号の大室家はもう見たかな?
今回の大室家は三本立てで超お得だし!

見ましたね。高校生組が最高でした

第168話 RPGにハマる花子

櫻子「うぅ……」ガチャガチャ

花子「なにやってんだし」

櫻子「ゲームだよ!ナモクエDS版だよ!」

花子「ナモクエってRPGじゃないかし。なんでそんなガチャガチャ音がするんだし」

櫻子「強い技でボスに一気にHP減らされるけど、ガチャガチャやればミスらないかなって」

花子「アホ」

櫻子「なんだとぅ!実の姉に向かってアホだとは!」

花子「櫻子はRPGがどういうものかわかってないのかし」

花子「RPGはレベルを上げてないと敵に勝てないし」

花子「そのためには、ちゃんとフィールドで雑魚敵倒してレベル上げしなきゃいけないんだし」

櫻子「えー、面倒くさい」

花子「そのくらい面倒臭がるなし!RPGやってる意味ないし!」

櫻子「そういう花子はレベル上げできるのか!」

花子「もちろんだし!そのくらいのことできて当然だし!」

櫻子「じゃあ、やってみろし!」

花子「勉強もしなきゃいけないから3日ぐらい必要だし」

櫻子「今すぐ!」

花子「まぁ、後で勉強やるから今なら大丈夫だし。仕方ないから櫻子のわがまま聞くし」


30分後

花子「」ピコピコ

櫻子「ぶっはっは!今回のこの漫画おもしろい!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

花子「」ピコピコ

櫻子「牛乳飲も」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「おーい、櫻子ー今日ご飯当番だよ」

櫻子「あっ、そうだった……うどんでいい?」

撫子「まぁ、いいけど。花子は?」

花子「」ピコピコ

櫻子「ゲームに夢中だ」

撫子「花子が珍しいね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

櫻子「おーい、ご飯できたぞー」

撫子「はい」

花子「」ピコピコ

撫子「花子、ご飯だよ」

花子「ん、はい」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

花子「ごちそうさまだし」ガチャ

撫子「花子、すぐに自分の部屋に行っちゃうの?」

花子「もうすぐで30レベになるからあとちょっとだし」バタン

櫻子「あー、こりゃー廃人だー」

撫子「櫻子、花子になにやったの?」

櫻子「って、私ぃ!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日

花子「」ピコピコ

櫻子「おい、朝からゲームかよ」

花子「話かけるなし、今ボス戦なんだから」

櫻子「マジで!?すごいな」

撫子「(花子が危なくなっていってる……)」

3日後

花子「やった!ラスボスまで倒しきったし!」

櫻子「おぉーすごいなー。まさか全部クリアするとは思わなかったよ」

花子「でも、まだ最強装備とレベルがカンストしてないし」

櫻子「パンスト?」

撫子「ねぇ、櫻子。花子、ゲームにドハマリしちゃってるけど、大丈夫?」

櫻子「うん、確かに異常な気がする」

花子「」ギラギラ

撫子「そろそろやめさせないと」

撫子「花子、そろそろゲームやめたほうがいいよ」

花子「どいて撫子お姉ちゃん、そいつ倒せない」

櫻子「ああ、これは重症だぁ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後

花子「ふぅーレベルMAX、最強装備ゲットだし!」

櫻子「お、おめでとう。あの花子、もうやめたほうが……」

花子「うん、もういいし。勉強しないと」

花子「はい」ポィ

櫻子「あんだけ熱中してたのに、やめるときはスパっとやめられるんだな」

撫子「(これがネットゲームじゃなくてよかった。花子にはネットゲームを触らせないようにしよう……)」

第168話 RPGにハマる花子 終わり

なでかの安価です
>>439

ともこ

おつー

第169話 ともことデート 1 出会い

撫子、高校入学式

??「うぅ~、痛い~」

撫子「(同じ制服、転んだのかな?)」

撫子「あの?大丈夫ですか?」

ともこ「はい、大丈夫です!」

撫子「あっ、でも擦りむいてますよ」

ともこ「ああ、これはなんとも」

撫子「これ、使ってください」

バンドエイド

ともこ「わざわざ、ありがとうございます」

撫子「いえいえ、あっ、ちなみに私今日入学してきたんで、敬語使わなくてもいいですよ」

ともこ「あっ、そうだったの?随分大人びているから年上かと思ってしまったわ」

撫子「1年B組の大室撫子です」

ともこ「私は2年C組の吉川ともこよ」

撫子「ともこ先輩ですね」

ともこ「そうだ!よかったら茶道部入らない?人不足で困っているのよ」

撫子「茶道ですか?」

ともこ「やっぱり、お茶には興味ないかしら」ウルウル

撫子「(そんな、泣きそうな目で見られたら入るしかないじゃん)」

撫子「分かりました。検討してみます」

ともこ「よかったぁ」パァ

撫子「(よく表情の変わる人だなぁ)」

ともこ「よろしくね!なにか学校生活でわからないことがあったら相談に乗るから!」

撫子「はい、ありがとうございます」

第169話 ともことデート 1 出会い 終わり

おぉ期待

未知の組み合わせだな

第170話 ともことデート 2 茶道部1

放課後 茶道室


ガララ

撫子「お邪魔します」

ともこ「撫子ちゃん!来てくれたのね!」パァ

撫子「な、撫子ちゃん!?」

ともこ「あれ?撫子ちゃんって呼ばれるの嫌?」

撫子「い、いえ、呼ばれ慣れてなくて……」

撫子「というか、名前で呼ぶのってよっぽど親しくなければ違和感ありません?」

ともこ「こういうのは、始めが肝心なのよ。最初から苗字で呼ぶと、仲良くなってもずっと苗字なんだから」

ともこ「だから、勇気出して名前で呼んでみました!緊張したのよ」

撫子「先輩も緊張するんですね」

ともこ「そりゃー緊張ぐらいするわよ。でも、こう呼んでみようと思ったのは撫子ちゃんのお陰なんだからね!」

撫子「私のお陰?」

ともこ「あら?今日の朝の事忘れてるの?」

撫子「今日の朝?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

??「うぅ~、痛い~」

撫子「あの?大丈夫ですか?」

ともこ「はい、大丈夫です!」

撫子「あっ、でも擦りむいてますよ」

ともこ「ああ、これはなんとも」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ともこ「違う違うその回想じゃない!」

ともこ「こっちよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ともこ「私は2年C組の吉川ともこよ」

撫子「ともこ先輩ですね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「あっ!」

ともこ「そう、撫子ちゃん、私のこと、ともこって呼んでたのよ」

撫子「無意識の内に」

ともこ「撫子ちゃん、名前は親しくなければ呼ばないって言ってたけど」

撫子「なんだか例外もあるみたいですね。自分でも気がつかない内に」

撫子「親しみやすかったのかも……」

ともこ「すっごく嬉しかったわ!私、あまり名前で呼ばれたことないから」

ともこ「だから、私も撫子ちゃんのこと名前で呼んであげようって。練習してたのよ」

撫子「あ、ありがとうございます(本当に変わった人だ)」

ともこ「じゃあ、お茶でも飲む?」

撫子「はい、頂きます(ほんわかしていて、おっちょこちょいで、でも優しさにあふれている)」

ともこ「今、入れるからね。待ってて」

第170話 ともことデート 2 茶道部1 終わり

第171話 ともこ編 3 茶道部2
ともこ「じゃあ、こっちの間で待っててもらえる?」

撫子「はい」

撫子「(広い部屋)」

撫子「(本当に、ともこ先輩しか居ないんだ)」

撫子「(掛け軸とかあって、如何にも茶道部っぽい。七森中にも確かあったけど、あまり、興味なかった。だけど、こういうのもいいかもしれない)」

撫子「(どうせ、他の部活に入るわけでもないし)」

撫子「(ともこ先輩は可愛らしい先輩だし)」

撫子「(可愛らしいは失礼か)」

ともこ「さぁ、準備が出来たわ」

撫子「あれ?和服……」

ともこ「そうよ、茶道部だもん。ちゃんとした格好でやらなきゃ」

撫子「(う、美しい)」

ともこ「じゃあ、お抹茶をたてます」

撫子「はい」

ともこ「ちなみに撫子ちゃんが今座ってるところは上座といって、床の間の飾りの由来とかを聞く席なの」

撫子「えっ?そうなんですか!?私全くわからないんですけど」

ともこ「今は分からなくてもいいわよ。じっくりとおしえてあげるから」

撫子「ありがとうございます」

ともこ「……」スッ

撫子「(すごい、ひとつひとつの動作が綺麗で迷いがない)」

ともこ「……」コトコトコト

撫子「(なんかカッコイイかも)」

ともこ「……」シュッシュッシュッシュ

撫子「(茶筅っていうんだっけ?手際が良い)」

ともこ「はい、どうぞ」

撫子「ありがとうございます、頂きます」クルックル

ともこ「あら、右に2回回すっていうのは知っていたのね」

撫子「はい、母からおそわりました」

ともこ「まぁ、飲んでみて」

撫子「頂きます」ゴクッ

撫子「……」

ともこ「……」

撫子「美味しいです。仄かな甘味と泡のホイップ状のものが」

ともこ「そう?ありがとう。うふふ。美味しいって言ってもらえてうれしいわ」

撫子「ともこ先輩すごいです!私もともこ先輩みたいになりたいです!」

ともこ「そ、そんなにほめられると照れるわ///」

撫子「この部活に正式に入部したいと思います」

ともこ「ホントに!ありがとう!撫子ちゃん、うれしいわ!!」ダキッ

撫子「ちょ、ちょっと、ともこ先輩!?///」

第171話 ともこ編 3 茶道部2 終わり

ともこはもっと活躍するべき

第172話 ともこ編 4

キーンコーンカーンコーン

撫子「(今日も茶道部行くか)」

茶道部

撫子「こんにちはー」

ともこ「ああ、撫子ちゃん!いらっしゃい!」

ともこ「ねぇ、撫子ちゃん。和服来てみない?」

撫子「えっ?私がですか?」

ともこ「茶道部に入ったのだから。和服着る機会なんて他にあまりないわよ」

撫子「でも、私和服もっていませんよ」

ともこ「そう、じゃあカタログで見ましょう」

撫子「えっ!?買うんですか?」

ともこ「ええ、部費で買いましょう」

撫子「そんな部費なんてあるんですか?」

ともこ「去年は私を含めて4人いたから、結構部費ももらってたのよ」

ともこ「後、茶道部は抹茶とか和菓子とか買うから結構部費が降りたりするの」

ともこ「その残りがあるから、撫子ちゃんの和服を買うくらいはできるわよ」

撫子「そうなんですか。じゃあ選んでみます」

ともこ「最近はネット通販で買えるから便利よね」

撫子「そうですね」

ともこ「しかも結構安いのよ。予算2万円あればだいたい一式買えるわよ」

撫子「2万円が安いのか高いのかわからないです」

パラッパラッ

ともこ「決まりそう?」

撫子「う~ん、なかなか決まりませんね。難しいです」

ともこ「茶道は季節感を大事にするから服もその季節にあったものを着るの」

ともこ「でも、そんな何着も買えないし、初めてならオーソドックスなやつを買うのがいいと思うわよ」

撫子「オーソドックスなやつがわかりません」

ともこ「そうね。じゃあ私が何個かえらんだなかで、気に入ったのにする?」

撫子「それがいいです」

ともこ「わかった。じゃあ、私が選んで上げるわね」

撫子「ありがとうございます。」


ともこ「う~ん、これとこれとこれがオーソドックスなタイプね」

ともこ「これなんて撫子ちゃんに似合うと思うけど」

撫子「ああ、じゃあこれで」

ともこ「うん、いいわね。じゃあこれ注文しておくわ」

撫子「ありがとうございます」


数日後

ともこ「撫子ちゃん!着物来たわよ!」

撫子「開けていいですか?」

ともこ「どうぞ!」

撫子「わぁ、すごい……これが私の着物……」

ともこ「早速着てみたら?」

撫子「そうですね」


撫子「どうでしょうか?」

ともこ「やっぱり、似合うわー」パチパチ

ともこ「すごい美人だわ!撫子ちゃん!」

撫子「も、もう、ともこ先輩///」

ともこ「撫子という名前らしい。大和撫子だわ!」

ともこ「すっごいステキ」

撫子「そんなに褒めないでください///恥ずかしいです」

ともこ「撫子ちゃん可愛いー」ギュー

撫子「は、はぅ///」

第172話 ともこ編 4 終わり

第174話 ともこ編 5

prrrrr

撫子「ん?電話、ともこ先輩からだ」

ピッ

撫子「もしもし」

ともこ『撫子ちゃん!』

撫子「はい(今日も元気だなぁ)」

ともこ『今度の日曜空いてるかしら?』

撫子「あー、大丈夫ですね」

ともこ『じゃあ、遊びに行かない?』

撫子「二人でですか?」

ともこ『ええ』

撫子「いいですよ」

ともこ『やったぁー。時間は何時にする?』

撫子「別に何時でも」

ともこ『じゃあ、10時に駅前集合で』

撫子「どこに行くか決まってるんですか?」

ともこ『ヒ・ミ・ツ。ふふ』

撫子「はぁ、じゃあ楽しみにしてます」

ともこ『うん、楽しみにしててね!』


日曜日

撫子「あー、ともこ先輩もう来ていたんですね。ごめんなさい」

ともこ「いいのよ、いま来たばかりだし。まだ50分なんだから、時間前よ」

撫子「今日は誘ってくれてありがとうございます」

ともこ「いえいえ、こちらこそ。ふふ、撫子ちゃんとデートできてうれしいわ」

撫子「えっ!これ、デートなんですか?///」

ともこ「冗談よ。赤くなって可愛いー」

撫子「そ、そんな。赤くなんてなってません」

ともこ「じゃあ、行きましょうか?」

撫子「はい」

撫子「(どこに行くんだろう……ワクワクするなぁ)」

第174話 ともこ編 5 終わり

第175話 ともこ編 6 カラオケ

市内

ともこ「さぁ、撫子ちゃん。映画とカラオケとゲームセンターとボウリングのうちどこに行きたい?」

撫子「う~ん、カラオケとゲーセンは苦手ですね」

ともこ「カラオケ苦手なの?」

撫子「はい、あまり歌がうまくなくて」

ともこ「曲を知らないわけじゃない?」

撫子「歌はよく聞くんですが……」

ともこ「じゃあ、カラオケにしましょう」

撫子「えっ!?」

ともこ「うまくなるのは意外と慣れの部分があるわよ」

ともこ「それに下手なことを恥じる必要はないわ」

ともこ「カラオケは楽しむものだから」

撫子「分かりました。ともこ先輩がそこまで言うなら行ってみます」

ともこ「うん。その調子よ」

カラオケ

店員「お二人様ですか?」

ともこ「はい」

店員「何時間でしょうか?」

ともこ「じゃあ、2時間で」

撫子「長くないですか?」

ともこ「二人で2時間なんてあっという間よ」

撫子「そ、そうなんですか」

店員「ドリンクバーはあちらにあります」

ともこ「はい」

撫子「えっ、ドリンクバーってドリンク飲み放題なんですか?」

ともこ「あらあら、撫子ちゃんあまりカラオケ来たことないのね」

撫子「はい。昔家族で来たきり来たことないですね」

ともこ「高校生とカラオケは切っても切れない関係よ」

撫子「そうですね。いつまでも避けてはいられないですものね」

ともこ「じゃあ、部屋に入りましょう」

撫子「はい」

ガチャ

ぼけ~

撫子「結構隣の人の声聞こえるんですね」

ともこ「まぁ、防音とかしっかりされてないから仕方ないわよ」

撫子「私の声も聞こえるのかな……」

ともこ「大丈夫よ、歌ってテンション高くなればそんなこと気にならなくなるから」

ともこ「撫子ちゃんの知ってる歌はある?」

撫子「これとかですね」

ともこ「じゃあ、入れちゃえ」ピッ

撫子「えっ!?私から歌うんですか?」

ともこ「そうよ~頑張ってねー」

撫子「ええ!?」



撫子「~~♪」



ともこ「えっ!うまいじゃない!」

撫子「そ、そうですか?」

ともこ「うん、普通にうまいわ。お世辞じゃなく」

ともこ「歌さえ知ってて音程取れればカラオケなんて怖くないのよ」

撫子「確かに、そうですね。私は今まで臆病過ぎたのかもしれません」

ともこ「じゃあ、次は私の番ね」

ともこ「~~♪」

撫子「(ともこ先輩うまい。まるで透き通るような声)」

撫子「(バラードっていう選曲もいい)」

撫子「(癒される)」

ともこ「ふぅ」

パチパチ

ともこ「えっ!」

撫子「すばらしいです。綺麗な声でした」

ともこ「もう、そんなこと言わないでよ。照れるわ///」

撫子「はは、さっきのお返しです」

ともこ「もう」

第175話 ともこ編 6 カラオケ 終わり

おつ

第176話 ともこ編 7 ファーストフード店にて

ともこ「さて、2時間そろそろたつわね」

撫子「えっ!もうそんなに経つんですか?」

ともこ「だから、2時間なんてあっという間なのよ」

撫子「確かにそうですね」

ともこ「撫子ちゃん。もう、すっかりカラオケに慣れたわね」

撫子「ええ、お陰様で」

ともこ「じゃあ、出ましょうか?」

撫子「はい」

店員「会計は1200円になります」

撫子「1時間300円なんですね。安いです」

ともこ「平日だと30分70円なんだけどね」

撫子「そんなに安いんですか?」

ともこ「まぁそんなもんよ」


撫子「今日は、カラオケに連れてきてくれてありがとうございました」

ともこ「ふふ、喜んでもらえたならよかったわ。無理やりにでも連れてきた甲斐があった」

撫子「ともこ先輩って結構強引なところあるんですね」

ともこ「うん。それじゃあ、次のとこへ行くわよ!」

撫子「はい」

ともこ「あ、その前にお腹減らない?」

撫子「もう12時過ぎましたからね。そろそろ減りますね」

ともこ「じゃあ、お昼にしましょう」

マクドナルド

店員「いらっしゃいませ~って撫子じゃん!?」

撫子「めぐみ」

ともこ「あらー、お友達?」

撫子「はい、同じクラスの」

めぐみ「園川めぐみです。撫子から聞いてます吉川先輩ですよね」

ともこ「そうよ~」

めぐみ「今日はお二人でデート?」

撫子「もう、違うってば。速く接客してよ」

めぐみ「はい、ご注文は決まりましたか?」

撫子「私はダブルチーズバーガーセットで」

撫子「ともこ先輩は?」

ともこ「えーと私は~」

めぐみ「(へぇ、二人のときはともこ先輩って呼んでるんだね)」

ともこ「ダブルクォーターパウンダー・チーズのセットで」

めぐみ「飲み物は何にしますか?」

ともこ「コーラで」



めぐみ「お待たせしました。では、2人ともごゆっくり」

撫子「うん、ありがと」

ともこ「ありがとね~」

撫子「ともこ先輩、ダブルクォーターパウンダー・チーズなんですね」

ともこ「私こう見えても結構食べる方なのよ」

撫子「でも、それ食べるの難しくないですか?途中で崩れるというか……」

ともこ「そう?」

撫子「って、もう半分も食べてる!しかも、全く形が崩れていない!ダブルクォーターパウンダー・チーズをここまで崩さず食べる人はじめて見た!」

撫子「すごいよ、ともこ先輩!」

ともこ「もう、そんな褒めないでよ」



撫子「(あれ?私より量おおいはずなのにもう食べ終わってる……)」

撫子「食べ終わりました」

ともこ「うん、じゃあ行こうか?」

撫子「はい」

撫子「じゃあ、またね。めぐみ」

めぐみ「ありがとうございましたー。ごゆっくりー」

第176話 ともこ編 7 ファーストフード店にて 終わり

第177話 ともこ編 8 プリクラ

撫子「次はどこに行くんですか?」

ともこ「ゲーセンに行きましょう」

撫子「ゲーセンですか?できるゲームないんですが……」

ともこ「じゃあ、プリクラだけ」

撫子「プリクラもあまり撮ったことないですね」

ともこ「じゃあ、いい機会だから撮ろう撮ろう」

プリクラ

撫子「入る前に設定なんてあるんですか?」

ともこ「うん、美人系か、肌白系か」

撫子「私達二人とも元から白いので、美人系にしましょう」

ともこ「そうね」

「中央に集まってね!」

ともこ「撫子ちゃん!」ギュッ

撫子「と、ともこ先輩!?」

ともこ「ふふ」


パシャ

「次は、面白いポーズをしていてね」

ともこ「べー」

撫子「ぷっ、ははは。面白いですその顔」

パシャ


「最後は、好きなポーズで」

ともこ「撫子ちゃん、チュー」

撫子「ええ!?チューするんですか!?」

ともこ「最近友達同士でチューするなんて普通よ」

撫子「ええ!?普通なんですか?それ?」

ともこ「それとも、私とチューするの嫌かしら?」

撫子「い、いやじゃないです……」

ともこ「じゃあ、時間ないからホラホラ!」

撫子「あ、あぅ……」

チュッ

パシャ

撫子「(これじゃあまるで恋人みたい……)」

「終わったので、落書きコーナーに移動してね」

ともこ「この写真は~」

撫子「(ともこ先輩とキスしちゃった……)///」

ともこ「ねー撫子ちゃんも落書きしてもいいよー」グッ

撫子「はっ、えっ!?」ドキドキ

ともこ「もー聞いてなかったのー?撫子ちゃんも落書きしてよー」

撫子「は、あひ!(ともこ先輩のこと意識してしまう)」ドキドキ

撫子「こ、これでいいですか?」

ともこ「うん、良い感じ」

ともこ「最後にこの写真だね!」

撫子「こ、これは……」

ともこ「撫子ちゃん、顔赤くて可愛い~」

撫子「あ、あの……ともこ先輩、こういうの私の他にもやってるんですか?」

ともこ「ん?撫子ちゃんが初めてだよ」

撫子「えっ!?そうなんですか?さっき、友達同士では普通だって」

ともこ「あはは、あれはね。ウソだよ!」

撫子「えっ!?じゃあ?」

ともこ「私のファーストキスは撫子ちゃんのものよ!」

撫子「そ、そうなんだ///(なんだかちょっとうれしい)」

撫子「(でもなんでうれしいんだろう……)」

ともこ「この写真大事に持っておいてね」

撫子「はい、これは人には見せられませんから」

ともこ「ふふ、そうね」

第177話 ともこ編 8 プリクラ 終わり

おつ

第178話 ともこ編 9 夕方

ともこ「そろそろ夕方ね」

撫子「そうですね」

ともこ「公園でも寄って行きましょ」

撫子「はい」


公園

撫子「この公園花が咲いていて綺麗ですね」

ともこ「これなんの花か知ってる?」

撫子「さぁ、私お花は全く知らなくて」

ともこ「撫子って名前なのにね。ふふ」

撫子「そうですね」

ともこ「これ、藤の花なの。今の時期に咲いてるのよ。綺麗でしょ」

撫子「はい、すだれ桜みたいで綺麗ですね」

ともこ「桜と違ってお花見するような花じゃないけれど、だからこそゆっくりと見られるいいお花だと思うのよね」

撫子「確かに、綺麗ですね」

撫子「(紫色に咲き誇るフジの下にいるともこ先輩はいつにもまして可憐に見える)」

サァー

風が吹き花が揺れると共にともこ先輩の髪も揺れる。いつの間にか三つ編み状態にしていたらしい

撫子「」ドキッ

ともこ「やっぱり、夕方はまだ冷え込むわね」

ともこ「もう、十分見たし帰りましょうか」

撫子「はい」

電車にて

ガタンゴトン、ガタンゴトン

ともこ「」スゥスゥ

撫子「ともこさん寝ちゃったか、今日一日はしゃいで疲れたのかな?」

撫子「それにしても」

撫子「(今日はともこ先輩のいろいろな表情を見れてよかったな)」

ガタンッ

ともこ「」カク

撫子「うっ(ともこ先輩の頭が私の肩に)」

ともこ「」スゥスゥ

撫子「(唇綺麗……)」

ともこ「」スゥスゥ

撫子「(今日、ともこ先輩とキスしちゃったんだな……ともこ先輩はどんなつもりで私にキスしたんだろう……)」

撫子「(少なくとも、私はともこ先輩のことが好きだ。先輩としてでなく、友達としてでなく、恋人になりたいの好きだ)」

撫子「(でも、ダメだ。私からは切り出せない……もし違ったら拒絶されてしまうのが怖い……少なくとも今まで通りなんてことはない)」

撫子「(はぁ、つくづく弱気な女だな、私は……)」

撫子「(卑怯だけど、ともこ先輩にその気にさせてみよう)」

キュー、ピンポーン

撫子「つきましたよ」チュッ

ともこ「ん?撫子ちゃん。あれ?今なにしたの?」

撫子「さぁ、なんでしょう?」

撫子「さっきのお返しですよ。ふふ」

ともこ「もう~撫子ちゃんったら~」

撫子「じゃあ、今日はここで」

ともこ「送っていかなくても大丈夫?」

撫子「大丈夫ですよ。ともこ先輩も気をつけてくださいね。それでは」タッタッタ



撫子「ふぅ、緊張した……我ながら大胆な行動してしまった」

撫子「でも、少しは気にかけてくれるだろうか……」

撫子「気にしてくれるといいな」

第178話 ともこ編 9 夕方 終わり

第179話 ともこ編 10 こんなにも簡単に

それから、ともこ先輩からのスキンシップは前より増して多くなった

撫子「……」

ともこ「撫子ちゃ~ん!」

撫子「あっ、ともこ先輩おはようございます」

ともこ「ふふ」ギュッ

撫子「あう、いきなりどうしたんですか?」

ともこ「おはようの抱きつき」

撫子「は、恥ずかしいです……」

ともこ「ふふ、可愛い」

対して、私はあの日より積極的にはなれていなかった


撫子「こんにちはー」ガラ

ともこ「撫子ちゃん!会いたかったよ!」

撫子「会いたかったってさっきあったばかりじゃないですか」

ともこ「それでもよ!」


どうしても、恥ずかしさの方が上回ってしまう

そして、ある日のこと

撫子「(はぁ、ともこ先輩から積極的に来てくれるのに私はなんで積極的に成れないんだろう……)」

ともこ「撫子ちゃん!ギューっ」ギュッ

撫子「あぅ……///」

ともこ「ふふ、恥ずかしがってる。可愛い」

撫子「(今ここで私から積極的になれば……)」

撫子「あ、あの!ずっとともこ先輩に言おうと思ってたんですけど」

ともこ「なに?あっ、もしかしてこういうのいや?」

撫子「違います!むしろ好きです(あっ、言っちゃった……)」

ともこ「ふふ、私も好きよ」

撫子「えっ!?好きなんですか?」

ともこ「うん、好きだよ。こういうスキンシップ」

撫子「あっ、そっちですよね……はは、何勘違いしちゃったんだろ……」

ともこ「そっちじゃなくても撫子ちゃんのこと好きだよ」

撫子「それは、どういう好きですか?(ここまで来たらもう聞くしか無い)」

ともこ「たぶん、撫子ちゃんと同じ好き」

撫子「わ、私の好きはともこ先輩と、こ、恋人になりたいの方ですよ(もう、どうにでもなれ!)」

ともこ「うん、見てればわかるよ。私も撫子ちゃんと恋人になりたいわ」

撫子「えっ!!もしかして(両思い)」

ともこ「そうよ、両思いだったのよ。私たちは」

撫子「ほ、ホントですか?」

ともこ「ウソはつかないわ。大好きよ撫子ちゃん」

撫子「こ、こんな簡単に……でも、どうして好きって言ってくれなかったんですか?」

ともこ「私達の間に好きって言って恋人になるなんて契約みたいなもの必要ないって思ったからよ」

ともこ「だって、もう恋人みたいなものじゃない。毎日抱きついてるんだもの。校内でも噂になるぐらい」

撫子「あ、あぅ……」

ともこ「ふふ、可愛い」ギュッ

撫子「やっぱり、そういうのは、2人だけの時にしてください」

ともこ「うん、わかったわ」

撫子「でも、両思いだったなんて、うれしいです。ともこ先輩大好きです!」

ともこ「私もよ!」

撫子「あ、あの……キスしてもいいですか?」

ともこ「もちろん」

チュッ

このように、私たちはあまりにも簡単に恋人関係になっていた。
いや、恋人だと思っていなかったのは私の方だけだったのかも。
この日を私は一生忘れないだろう。私の大好きな人と結ばれた日なのだから

第179話 ともこ編 10 こんなにも簡単に 終わり

第180話 楓と櫻子

櫻子「ひまわりー遊びに来たぞー」

楓「お姉ちゃんなら今いないの」

櫻子「なにー!いないだとーこの櫻子様が遊びに来てやっているのに!」

楓「図書館に本返しに行ってるの」

櫻子「しょうがない、じゃあ待ってる」

楓「うん、たぶんすぐに帰ってくるの」

櫻子「その間楓と遊ぶか」

楓「櫻子お姉ちゃんは私と遊ぶというより私で遊ぶだから困るの」

櫻子「そんなことないぞ。ちゃんと楓を楽しますことができるのが櫻子様なんだ」

楓「じゃあ、私のお昼ごはん作って」

櫻子「おう!任せろ!!」

楓「材料はここにあるから」

櫻子「よっしゃ、作るぞ!」

櫻子「(ん?これ?遊びじゃなくね?)」

櫻子「(まぁいっか)」

楓「楓は部屋に戻ってるの」

櫻子「よーし、私の料理の腕を思い知れ」

楓「楽しみなの!」

10分後

黒焦げた謎の物体

楓「……」

櫻子「……」

楓「これ……なに?」

櫻子「卵焼き」

楓「ど、どうみても卵焼きじゃないよ」

櫻子「し、失敗した」

楓「お姉ちゃんの方がうまく作れる」

櫻子「な。ひまわりの方がうまく作れるだって!?楓、卵買ってこい!」

バーン!

花子「櫻子!うちに居ないと思ったらやっぱりここに居たのかし!?」

花子「ていうか、焦げ臭いし!何作ってたんだし!」

楓「花子お姉ちゃん、櫻子お姉ちゃんが!」

花子「楓をいじめてたのかし!?」

櫻子「いや、いじめてた訳じゃ」

花子「そんな物体、楓が食べられるわけないし!櫻子自分で処理しろし」

ガツ、ガブッ

櫻子「うぇ!まずっ!!まっず。なんだこの物体は!」

楓「櫻子お姉ちゃんが作った卵焼き……」

櫻子「そ、そうだけど。誰か水ーー!!!」

向日葵「まぁ、騒がしいこと……私が居ないとホント駄目ですわね」

その後、楓と花子は向日葵の作った美味しい卵焼きを食べました。

第180話 楓と櫻子 終わり

花子達の身長っていくらだと思いますか?

花子様は130はないと思うし

将来は牛乳のお陰で背は高くなりそう

でも胸は…

花子だけ髪色とか違うから花子だけばいんばいんになる可能性も

第181話 身体測定

未来「今日は身体測定だね」

こころ「しんたいそくてい?」

花子「身長とか体重とか測って、健康かどうか見るやつだし」

花子「本当は身体測定じゃなくて健康診断だし」

みさき「花子に身長では負けないわよ!」

こころ「いいなーみさきちと花子様は身長高くて」

花子「こころもこれから伸びるし」

こころ「そうかなぁ」

未来「じゃあ、行こう!」

保健室

先生「それじゃあ、身長と体重測りますよ~」

こころ「」ドキドキ

未来「どのくらい伸びたかなぁ」

みさき「花子には負けないんだから!」

先生「次、小川こころちゃん」

こころ「」ボー

先生「小川こころちゃん?」

花子「呼ばれてるよこころ」

こころ「あっ、はーい」

先生「小川こころ、身長119.5cm、体重22.5kgです」

こころ「去年から5cmしか伸びなかったよぉ」

先生「次、大室花子ちゃん」

花子「はい」

先生「大室花子、身長127.8cm、体重26.6kgです」

こころ「花子様はやっぱりすごいなぁ」


先生「次、相馬未来ちゃん」

未来「はーい」

先生「相馬未来、身長123.4cm、体重23.6kgです」

未来「やった、6cm伸びた!」


先生「次、高崎みさきちゃん」

みさき「はい!」

先生「高崎みさき、身長125.2cm、体重25.4kgです」

みさき「よし、花子に勝ったわ!」

未来「花子様は、身長127.8だよ」

みさき「なっ!!」

みさき「先生、測りなおしてください!」

先生「ちょっと、みさきちゃん!?」

第181話 身体測定 終わり

微笑ましい光景だ…
やっぱり小学生は(ry

第182話 ヨーグルトを食べたい

花子の場合

花子「(ヨーグルト食べたいし……)」

花子「(もうヨーグルト切れてるから買いに行かなきゃないし)」

花子「(コンビニまで行くの面倒だし……)」

花子「(後でお母さんと一緒に買いに行こ)」


櫻子の場合

櫻子「(う~ん、ヨーグルト食べたいなー)」

ガチャ

櫻子「あれ!ヨーグルトない!」

花子「ヨーグルト切れてるし」

櫻子「ええー」

花子「後でお母さんと一緒に買い物に行くからそのときに行くし」

櫻子「やだ!今食べたい!花子!買ってこい!」

花子「はぁ!なんで花子が櫻子の分も買ってこなきゃいけないんだし!」

櫻子「うぉらー、買ってこいー!!」

花子「やだやだやだやだ!」

撫子の場合

撫子「ん?何やってんの?」

花子「櫻子が花子にヨーグルト買ってこいって」

撫子「んー、確かに食べたいね。ヨーグルト」

櫻子「ねーちゃん、ヨーグルト買ってきてよ!」

撫子「櫻子、ヨーグルト食べたいんでしょ?」

櫻子「うん!」

撫子「なら、運動した方がお腹も減って美味しく食べられるよ」

櫻子「そうだな!」

撫子「コンビニまでって結構あるよね?」

櫻子「そうなんだよ!」

撫子「ちょうどいい運動になるんじゃない?」

櫻子「確かに!」

撫子「じゃあ、コンビニまで行ってみようか。ついでにコンビニでヨーグルト3つ買ってきてね」

櫻子「わかった!」

櫻子「じゃあ、いってきまーす」

花子「な、撫子お姉ちゃんさすがだし」




櫻子「あ、あれ?あれれ??なんか騙された?」

第182話 ヨーグルトを食べたい 終わり

第183話 5月晴れの日曜日 1

櫻子「うっはー今日はいい天気だなぁ」

花子「日曜が晴れだと清々しいし」

櫻子「こういう日はのんびりと過ごしたいな」

花子「家でぐーたらしてると豚になるし」

櫻子「ぶ、豚ぁ!?」

櫻子「わかった!花子!今日公園でも行くか!?」

花子「うん、わかったし」

櫻子「ねーちゃんも行く?」

撫子「そうだね。今日はなにも予定ないし、公園ぶらぶら散歩するのも気持ちよさそうだね」

櫻子「なに行ってんだよ!公園行ってドッジボールするぞ!」

撫子「えー、私はいいよ」

花子「花子も散歩ぐらいでいいし、ていうかさっきののんびり過ごすっていうのはどうしたんだし」

櫻子「公園って行ったら走り回ったりするだろ普通」

櫻子「まぁ、公園行くのは決定でいい?」

撫子「うん、公園行くのはいいよ、でも私は散歩してるから」

花子「花子も撫子お姉ちゃんと一緒に散歩してるし、櫻子1人でドッジボールやってればいいし」

櫻子「なにぃ!?まぁいいや、とりあえず公園行こ」

花子「うん」

第183話 5月晴れの日曜日 1 終わり

櫻子はちょろい

第184話 5月晴れの日曜日 2

公園

撫子「ここは、結構近所にある上に広いから散歩にはちょうどいいね」

花子「だし」

櫻子「……」

櫻子はドッジボールを胸に入れている

櫻子「ねぇねぇ?」

撫子「花子は行きたいとこある?」

花子「噴水の方に行きたいし」

撫子「じゃあそっちの噴水の方に行こっか?」

花子「うん」

櫻子「って、シカトかよ!?」

花子「だって、櫻子バカなんだもん」

撫子「突っ込んで欲しかったの?」

櫻子「当たり前じゃん!ここは、あははー櫻子のやつ、胸にボール詰めて巨乳~っとかやってるよ~って言うでしょ普通!!」

花子「もう櫻子に構うのが面倒だし……」

撫子「いいよ、花子できるだけ離れて歩こ。関係者だと思われたくない」

櫻子「ひどっ!!かわいい妹と縁を切るつもりか!?」

撫子「切れるなら切りたいわ」

櫻子「くそー!!私をバカにしやがってー!!」

花子「だって、ホントにバカだし」

撫子「こんな妹で情けない」

櫻子「これでも喰らえー」

櫻子は胸に詰めていたボールを取り出し撫子に投げる

撫子は瞬時に対応して櫻子に投げ返す

バンッ

櫻子「いってー!!当てやがったな!?」

撫子「だって、そっちから狙ってきたじゃん」

櫻子「こうなったら、総攻撃だぁー!!」

花子「(櫻子、絶対総攻撃の意味わかってないし……)」

もう一度投げるキャッチする撫子当て返す
櫻子も負けじとキャッチする撫子投げ返す
………

「お姉ちゃんたち、僕たちも混ぜて」

知らない内に公園で遊んでいた子どもたちが集まってきた

櫻子「おっ、いいよ。私の方に入れ」

「えー、このねーちゃんの方が強くてかっこいい!」

櫻子「な、なに!?」

撫子「ふふ、人望も私の方が熱いみたいだね」

花子「花子も撫子お姉ちゃん側だし!櫻子には負けないし!」

櫻子「ふん!私は1人でも勝てるわ!」

花子「(よく考えたら、いつの間にか櫻子の思惑にハマってるし……)」

第184話 5月晴れの日曜日 2 終わり

第185話 5月晴れの日曜日 3

櫻子「ふんっ」ブンッ

パーンッ

「うわっ、当たっちゃったよ!」

櫻子「へっへー1人抜きー」

撫子「ボールパスして」

「はい、ねーちゃん!」

撫子「ふっ」ブン

櫻子「うおっ、危ない!」

撫子チームの外野「おっしゃーボールきたー」ヒュン

櫻子「ガキのボールなぞキャッチできるわ!」

櫻子「できるだけ、ねーちゃんにボールを渡さないようにしないと」

櫻子「おいっ!私のチームの外野!クロスで投げるから、ボール行ったらまたこっちに返してくれな」

櫻子チームの外野「はーい」

櫻子「ふんっ」シュッ

外野はボールをキャッチする

「はい、お姉ちゃん行くよー」パス

櫻子「うっし」シュン

パーンッ

「うわーん、当たっちゃったよぉー」

花子「櫻子のくせになかなかやるし」

櫻子「そして跳ね返ってきたボールをキャッチして、投げる」シュン

外野「キャッチしたよーボール投げるよー」シュン

櫻子「うっし、もういっちょ」シュン

パーンッ

「うわっ、当たった」

櫻子「そして、キャッチと」

撫子チームの内野は撫子と花子だけになった。

撫子「花子、花子はできるだけ当たらないように後ろに居て、私が前で櫻子のボールを取るから」

花子「わかったし」

櫻子「よっしゃ、いくぞーってねーちゃん!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッ

櫻子の前には撫子が立ちはだかっていた。

櫻子「くっそ、やっぱり避けては通れぬか……」

撫子「いつでも投げてきな」

櫻子「うぉらー」シュン

櫻子は撫子の方に投げると見せかけて外野の子にボールを投げる。

櫻子「花子の方をねらえー」

花子「ッ!」

外野「わかったよー」シュン

パーンッ

花子「撫子お姉ちゃんごめん、花子も当たっちゃったし」

撫子側の外野「やべー、あのねーちゃんも強いぞ!!」

「どっちが勝つかなー」

「いや、背の高いねーちゃんが勝つでしょ!」

櫻子「とうとう、一騎打ちになったな。ねーちゃん」

撫子「ふん、当てられるもんなら当ててみな」

櫻子「うぉらっ!」シュン

撫子「ふっ」シュン

撫子はキャッチする。そのまま投げ返す。

櫻子「うっ」ガシッ

櫻子もキャッチして、そのまま投げ返す。
そのような攻防が数回続いた。

櫻子「ハァハァ」

撫子「ハァハァ」

花子「撫子お姉ちゃんも櫻子もそろそろ体力が限界だし」

「すげー!ここまで熱いドッジボールは初めてだよ!」

「うん、初めてだねー」

櫻子「これで、決着だー」シュン

撫子「甘い!」ガシッ、シュン

櫻子「うわっ!!」

前に詰めすぎていた櫻子は撫子のカウンター攻撃に耐えられずに足にボールが当たった。

櫻子「ま、負けたー!!」

撫子「どうよ!!」ガシッ

「「「う、うわあああああああああ!!勝ったー!!」」」

「負けちゃったねー」

「どんまいお姉ちゃん」

櫻子「なにも言わないでくれ……」

「それにしても白熱した戦いだったなー」

「ありがとうお姉ちゃん達」

撫子「どういたしまして」

花子「なんだか結局櫻子の思惑通りになっちゃったし」

櫻子「くそーねーちゃんに負けた!悔しぃー!!」

撫子「当の本人はそんなこと思ってないみたいだけどね」

第185話 5月晴れの日曜日 3 終わり

第186話 5月晴れの日曜日 4

撫子「さて、運動した所で喉も乾いたし、休憩する?」

花子「うん」ジー

撫子「なに?花子はアイスクリーム食べたいの?」

花子「だ、大丈夫だし!別に持ってきた水筒があるから」

撫子「いいよ、買ってあげるよ」

花子「ホントかし!?」パァ

撫子「かわいい妹のためだもの」

櫻子「ホントか!?ねーちゃん!?」

撫子「アンタは自分で買いな」

櫻子「ひどっ!同じ姉妹なのにこの差はなに!?」

撫子「わかったよ。櫻子の分も買ってあげる。その代わり、ご飯当番のときにちゃんとしたもの作るんだよ」

櫻子「いつもちゃんとしたの作ってるけど?」

撫子「あれが櫻子のちゃんとしたご飯だったのか……」

撫子「なにがいい?」

花子「迷うし」

露店店員「ただいま、チョコチップクリームが売れています」

撫子「じゃあ私はそれで」

花子「花子もそれにしようかな」

櫻子「わかってないなーこういうのは1人づつ別のもの頼んで回して食べるんだよ」

撫子「確かに一理ある」

櫻子「ていうことで私チョコミントー!」

花子「じゃあ、花子はキャラメルで」

露店店員「ふふ、仲のいい姉妹ですね」

花子「櫻子とは仲良くないし」

櫻子「なにー!!」

露店店員「あらあら、喧嘩しちゃダメですよ」

露店店員「はい、チョコチップクリーム1つに、チョコミント1つ、キャラメル1つおまたせしました」

撫子「ありがとうございます」

噴水の前にあるベンチに座って食べる撫子と櫻子と花子

櫻子「花子、一口頂戴!」

花子「櫻子の一口はいつも大きいからちょっとだけだし」

櫻子「わかったわかった」バクッ

花子「あー!!やっぱり大きかったし!花子のキャラメル返せし」

櫻子「口移しならいいよ」

花子「絶対やだし!チョコミント食べさせろし」

櫻子「はい」

花子「」ペロッ

花子「チョコミントも美味しいし」

櫻子「間接キスだな」

花子「うるさいし」ドスッ

櫻子「おうふ!」

撫子「私のも食べる?美味しいよ」

櫻子「もらうー!!」パクッ

上についていたアイスが半分くらいなくなる

撫子「全く櫻子は……」

撫子「花子も食べる?」

花子「うん、でも撫子お姉ちゃんのがなくなっちゃうんじゃ」

撫子「いいよ、私は一口食べれば満足だから花子と櫻子にあげる」

撫子「あっ、でも櫻子と花子のも頂戴」

櫻子「はい」

撫子「」パクッ

撫子「うん、やっぱりチョコミントはスッキリしてていいね」

花子「はい、あげるし」

撫子「」パクッ

撫子「うん、キャラメルも良い感じ」

撫子「美味しかったありがとう」

花子「撫子お姉ちゃんこそありがとうだし」

櫻子「ふ~うまかったー!ありがとねーちゃん!」

撫子「どういたしまして」

第186話 5月晴れの日曜日 4 終わり

仲良し姉妹だし!

素敵ほのぼの空間だし!

おつ

第187話 5月晴れの日曜日 5

櫻子「ふぅーお腹いっぱいになったら眠くなってきたー」

撫子「あそこの芝生に行って寝っ転がる?」

櫻子「そうしよう!」

花子「あそこの木の下がいいし」

撫子「確かに、あそこなら紫外線も避けられるしね」

櫻子「さっきまで日向で遊んでたんだからもう関係ないでしょ」

撫子「それでもお肌にダメージを与えると老化の原因になるから」

花子「日焼け止めつけてくればよかったし」

撫子「まぁ私はつけてきたんだけどね」

櫻子「な、抜け駆けだー」

撫子「別に櫻子は焼けてもいいでしょ」

櫻子「なっ、それどういう意味だ」

撫子「まぁまぁ、木の下でゆっくりと過ごそう」

花子「ふぅ」トサッ

櫻子「ふーどっこいしょっと」ドサッ

撫子「」スッ

サーさらさらさらー

心地良い風が吹く

しばらくぼーっとする三人

花子「」コクッコク

花子「はっ!うぅー」

撫子「(花子は眠そうだな)」

撫子「花子」ポンポン

花子「?」

撫子「膝枕してあげる」

花子「撫子お姉ちゃんの膝枕。ありがとうだし」

ポン

櫻子「あっ花子ばっかりズルい!私も私も!」

撫子「わかった。いいよ。右側があいてるから」

花子・櫻子「うーん、気持ちいいし」

撫子「なんだか昔を思い出すね」

櫻子「ん?」

撫子「昔は櫻子によく膝枕して上げてたんだよ。覚えてない?」

櫻子「……忘れた」

撫子「花子も最近はしなくなったけど、ちょっと前まではおねだりしてたし」

花子「うぅ……でも、撫子お姉ちゃんの膝枕は今でも気持ちいいし」

撫子「そっか、それならよかった」

櫻子「」スヤスヤ

撫子「あっ、櫻子はもう寝ちゃったか」

花子「速いし」

撫子「花子も眠そうだし、寝ててもいいよ」

花子「ん」

撫子「(なんだかんだ言って、櫻子も花子もかわいい妹だ……)」

そうシミジミと思う撫子であった。

第187話 5月晴れの日曜日 5 終わり

第188話 コンプレックス

小学生の場合

こころ「」ジー

花子「?なんだし?」シュンシュン

こころ「二重飛びできてすごい!」

こころ「花子様運動できていいなぁ~」

花子「こころもそのうちできるようになるし」

中学生の場合

櫻子「」ジー

向日葵「なんですの?」

櫻子「なんでひまわりばっかりおっきいの!?」

向日葵「なにがですの?」

櫻子「おっぱいに決まってんじゃん!」

向日葵「そんなこと言われても仕方ありませんわ」

高校生の場合

めぐみ「」ジー

撫子「ん?なに?」

めぐみ「撫子頭良くて羨ましい。学期末だけじゃなくて、模試とかも高得点とるし」

撫子「日々の積み重ねあるのみ」

小学生→運動神経
中学生→身体的特徴
高校生→頭

第188話 コンプレックス 終わり

第189話 コーヒーを飲めるのは

未来「花子様ってコーヒー飲めるんだよね?」

花子「ミルク入れてなら飲めるし、ブラックは無理だし」

こころ「すごーい。こころはお砂糖入れても無理だよ~」

みさき「花子はブラック飲めないのね!みさきは飲めるわよ!」

こころ「ホントに!?」

未来「みさきち結構すごいね!」

花子「(ホントかし……)」

みさき「ふふーん(ここで飲めないなんて言えない……)」

未来「じゃあ、今日帰った後お母さんにコーヒー入れてもらうから、みさきち家においでよ!」

みさき「えっ!?」

花子「花子も行くし」

こころ「こころも~」

みさき「えっええー!?」

花子「みさきコーヒー飲めるんでしょ?」

みさき「ももももも、もちろんよ!」

放課後 相馬宅

相馬母「本当にブラックで大丈夫なの?」

みさき「だ、大丈夫!」

相馬母「じゃあ、入れるわよ」

みさき「お願いします」

コトッ

花子「……」

こころ「……」ドキドキ

未来「……」ワクワク

みさき「……」

スッ、クイッ

未来「あっ、みさきちがコーヒーに口をつけた!」

みさき「苦っ!?」ゲホゲホ

相馬母「大丈夫?無理しちゃダメよ!」

みさき「大丈夫!いつも飲んでるから!」

未来「みさきち、やっぱり飲めないんじゃ……」

みさき「大丈夫よ!これくらい(涙目)」

ゴクゴク

みさき「うっ、うっ……」

ゴクゴク

みさき「うぅー」

ゴクッゴク

みさき「ふぅー……苦い……」

相馬母「はい、お水」

ゴト、ゴクゴク

みさき「ふぅー!!」

みさき「どうよ!!飲んだわよ!ブラックコーヒー!」

花子「おぉー」パチパチ

こころ「すごーい」パチパチ

未来「すごかったけど、飲めないなら正直に言ったほうがいいよ」

みさき「うん……」

花子「みんな飲めないの知ってたし、でも、最後まで飲んだみさきは偉いし」

みさき「と、当然よ!!」

第189話 コーヒーを飲めるのは 終わり

皆の前では我慢してブラックを飲むかなめもの咲妃ちゃん思い出した

一瞬相馬がわからなかった

第190話 櫻子の家出 1

それは、些細なきっかけだった。

花子「あっ! 花子のアイスがない!?」

花子「櫻子食べたし?」

櫻子「は? 私食べてないよ」

花子「嘘つけ! 絶対食べたし!」

櫻子「私じゃないって! ねーちゃんでしょ!」

花子「撫子お姉ちゃんはそんなことしないし、櫻子は信用ないから疑われるんだし」

櫻子「あーっムカッムカ! 私じゃないったら私じゃないもん!」

撫子「どうしたの?」

花子「櫻子が花子のアイス食べたのに謝らないし」

櫻子「だから私じゃない! 食べてないから謝る必要ないもん!」

撫子「はぁーとりあえず謝りなよ櫻子」

櫻子「そういうねーちゃんこそどうなのさ! 食べたのねーちゃんでしょ!?」

撫子「私は人のものは食べないよ」

花子「うん」

櫻子「なんでねーちゃんの話は素直に信じるのに私の話は信じないの!?」

花子「だから、櫻子はしょっちゅう人のもの食べるし信用ないんだし」

撫子「とりあえず、なにか物がなくなったら大体櫻子のせいだからね」

櫻子「ムカッムカ! 私じゃないったら私じゃないもん!」

撫子「大体櫻子は――」クドクド

花子「だしだし」

櫻子「ふんがー!! もう怒った! 大体ねーちゃんも花子も私に冷たすぎるんだよ!」

花子「日頃の行いが悪いからだし」

櫻子「なにが悪いっていうんだよ! 私は自由に生きてるだけじゃん!」

撫子「その自由のせいで私達は迷惑してるんだって」

櫻子「私はねーちゃん達の態度で迷惑してる!」

花子「だからこういう態度になるのは櫻子がだらしないから――」

櫻子「あーわかったよ!じゃあもう私この家から出て行ってやる! そうすれば私も花子もねーちゃんも迷惑しないで済むからね!」

花子「ちょっとは外で頭冷やしてこいし」

櫻子「もう帰ってこないからね!」

ドタドタドタ、バタン

第190話 櫻子の家出 1 終わり

第191話 櫻子の家出 2

櫻子「くそぅ……花子とねーちゃんなんて嫌いだ!」ダッダッダッダ

公園

櫻子「はぁはぁ……」

櫻子「でも、これからどうしよっか……」

日が暮れて辺りは暗くなっていた

櫻子「と、とりあえず家には帰らない!」


大室家

花子「櫻子のやつ、まだ帰ってこないし」

撫子「まぁ、そのうち帰ってくるでしょ。お腹すいて」


19:00

ぐぅ~~

櫻子「おなか減った……」

櫻子「でも! 帰らないもん!」

櫻子「とりあえず、いつまでも公園に居ても仕方ない……」

櫻子「移動しよう」


20:00

撫子「そろそろ、心配だ。ちょっと探してくる」

花子「お母さん達も帰ってくるし」

撫子「もし私が連れて帰ってこなかったら櫻子家出したって言っといて」

花子「わかったし」

公園

撫子「櫻子ー! いたら返事してー!」

撫子「いないか……この公園にいると思ったけど、もっと遠くに行っちゃったかもしれないな」

20:30

花子「……」

花子「さすがに櫻子に冷たい態度とっちゃたし……」

花子「櫻子……」



撫子「近所を探したけどどこにもいない……」

撫子「! そうだ! なんで一番最初に気がつかなかったんだろう。誰かの家に行ってる可能性があるじゃん」

撫子「まずはひま子のところかな」

prrrr

向日葵『はい、撫子さんどうしたんですか?』

撫子「ああ、ひま子、櫻子来てない?」

向日葵『来てませんけど、櫻子いなくなったんですか?』

撫子「うん、家出しちゃった」

向日葵『もう、櫻子ったら、どうせ一方的な理由だと思いますけど』

撫子「でも、もっとあの子のこと信用してやらなきゃいけないかもしれない」

撫子「ちょっと今日は冷たくあたりすぎた」

撫子「どうしても花子と比べちゃうけど、あの子もまだ中1だからね」

向日葵『私から見ても幼く見えますけど……』

撫子「まぁ、だから放っておけないって」

向日葵『そうですわね。私はじゃあ、他に櫻子が行きそうなところに電話掛けてみます』

撫子「ありがとう」

向日葵『はい、では』

ピッ

撫子「櫻子……」

第191話 櫻子の家出 2 終わり

第192話 櫻子の家出 3

20:45

prrrr

撫子「ひま子? どうだった?」

向日葵「赤座さんや吉川さん、生徒会の人たちにも電話しましたが、来てないとのことです」

撫子「そっか。じゃあ本当にどこにいるかわからないな」

向日葵「櫻子の携帯はどうですの?」

撫子「かけたら花子がでた」

向日葵「はぁ、また家に置きっぱなしなんですね……」

大室家

花子「はぁ、撫子おねえちゃんまだ櫻子見つけられないのかし……」

大室母「ただいまー」

花子「お母さん、おかえりだし」

花子「……櫻子が家出したし」

大室母「え!? なんで!?」

花子「花子達が冷たい態度取っちゃったからだし……」

大室母「まぁ、理由よりも今は櫻子の安否ね。こんな時間まで帰ってこないのはおかしいし」

花子「撫子お姉ちゃんが探しに行ってるけどまだ連絡ないし」

大室母「友達の家には電話した?」

花子「ひま姉が電話してくれたけど、居なかったみたい」

大室母「櫻子の携帯は?」

花子「ここだし」カチャ

大室母「……警察に届け出たほうがいいかしら……」

花子「ごめんなさいだし。花子達のせいだし」

大室母「まぁ、あなたたちは喧嘩が多いけど、よっぽどあの子にカチンとくること言ったのね」

大室母「あの子は精神的に幼いから、大人な花子の方が我慢しなきゃダメよ」

花子「これからは気をつけるし(……花子の方が5つも下なのに……)」

第192話 櫻子の家出 3 終わり

第193話 櫻子の家出 4


21:00

田んぼのあぜ道

櫻子「」トボトホ

櫻子「結構遠くまで来ちゃったな」

櫻子「お母さん達も帰ってきてるだろうし、心配してるかな」

櫻子「と言うか、暗い……誰もいないよ……どこだろうここ……」

ガサガサガサ

櫻子「ひっ!?」

櫻子「草の揺れた音か……怖い……」

櫻子「それに寒い……」

五月とはいえ、まだ夜は寒い。薄着で出てきてしまったことを後悔する

櫻子「ねーちゃん、花子……」

櫻子「帰ろう……私のわがままで家族を心配させるわけには行かない……」

櫻子「あれ……どうやって帰ればいいんだっけ?」



タッタッタッタ


撫子「櫻子! どこにいるの!? いたら返事しなさい!」

prrrr

大室母『櫻子が家出したんだって? 今警察に届けたところ』

撫子「あっ、お母さん! うん、探してるけど見つからない」

大室母『撫子、あなたも帰って来なさい。こんな夜遅くに娘が出歩いているなんて心配だわ』

撫子「ごめん、お母さん。もう少しだけ探させて! どうしても心配だから!!」

大室母『まぁ、撫子に考えがあるなら任せるわ。でも22時過ぎたら帰って来なさい』

撫子「うん、わかった」

ピッ

撫子「櫻子はお金は持っていってないはず、だからあまり遠くへはいけない」

撫子「やっぱり、このへんの近所で探すしかないか」



21:30

花子「それにしても、花子のアイスは、櫻子が食べたんじゃないとしたら、どこにあるんだろう」

冷凍庫 ガラガラガラ

花子「あっ、奥の方にあったし」

花子「じゃあ、櫻子は本当に食べてなかった……」

花子「ごめんだし……」

第193話 櫻子の家出 4 終わり

第194話 櫻子の家出 5

同時刻

櫻子「迷った……でも、住宅街には出てきたみたい」

櫻子「うぅ……お腹減った……」

撫子「櫻子……」

櫻子「ね、ねーちゃん!!」

タッタッタッタ、ガシッ

撫子「櫻子! 心配したんだから!」

櫻子「ねーちゃん、ごめんね。家出なんてして」

撫子「私の方こそごめん。櫻子に冷たくあたって」

櫻子「いいよいいよ、私もこれからねーちゃんと花子のもの勝手に食べないように気をつけるからさ」

撫子「うん、じゃあ帰ろっか?」

櫻子「そうだね。というか、お母さん達にも心配かけちゃったかな?」

撫子「うん、警察に電話したみたい」

櫻子「そっか、大事になっちゃったなー。ごめんなさいしないと」

大室家

大室母「櫻子! よかった見つかって! 心配したのよ!!」

櫻子「ごめんね。母さん」

大室母「全く人騒がせな子ね」

花子「帰ってくんなって言ってごめんだし。ちゃんとアイスは冷凍庫にあったし、これからは櫻子を疑わないようにするし」

櫻子「うん、花子、私も普段から人のものを勝手に食べないようにするよ」

花子「そっか。でも櫻子帰ってきてくれてよかったし」

撫子「うん、一件落着かな」

第194話 櫻子の家出 5 終わり

第195話 めぐみのバイト先 1

撫子「今日、めぐみバイトだっけ?」

めぐみ「うん。ごめんねー」

美穂「ねぇ、みんなでめぐみのバイト先に押しかけよ」

めぐみ「え!?」

美穂「だってめぐみのバイト先ってマックでしょ?」

藍「確かにマックだから客として普通に入るのはありだね」

めぐみ「対応に困るよ!!」

めぐみ「わざわざ知り合いの来ない遠くのマックえらんだのに!」

撫子「水をたくさん注文しよう」

めぐみ「なにその迷惑な客!?」

美穂「ふふふー、じゃあ今日いくからー」

ピッピ

めぐみ「あっ、すいません。シフト変わってもらっても……」

撫子「させん!」バシッ

めぐみ「うぅ……」

撫子「個人的にめぐみのバイト姿見てみたいし」

めぐみ「撫子がそこまでいうなら……」

マック前

めぐみ「じゃあ、私先に入ってるから」

撫子「うん」

藍「カウンターに出てくるまで待ってるよ」

美穂「がんばってねー」

マックカウンター

めぐみ「」

撫子「おぉ、めぐみがマックの制服来て出てる」

美穂「やーん、レア!写真取ろ」パシャ

めぐみ「ちょっ!?勝手にとらないでよ!」

第195話 めぐみのバイト先 1 終わり

おつ

これすごい続き期待

第196話 めぐみのバイト先 2

撫子「ほら、早く接客しなさいよ」

めぐみ「い、いらっしゃいませ~(やな客なだぁ)」

撫子「私は、チーズバーガーにポテト塩なしにケッチャプ2つで」

めぐみ「えっ!?塩なしってできるの!?」

撫子「このくらい空いてれば、できるはずだよ」

めぐみ「んなムチャぶりな……」

撫子「ていうか敬語使いなさい」

めぐみ「はいぃ」

めぐみ「すいません、ポテト塩なしで食べたいってお客様が1名」

店員「あー、今揚げてるからできるよ」

めぐみ「はい(本当だ)」

めぐみ「ポテト少しお時間かかります。この番号でお呼びしますのでお待ちください」

撫子「プッ……敬語使ってる」

めぐみ「ひどっ!?」

藍「私は、フィレオフィッシュのセットで」

めぐみ「お飲み物は何にしますか?」

藍「あっ、コーラで」

めぐみ「かしこまりました。500円になります(藍は天使だ……)」シミジミ

めぐみ「次のお客様」

美穂「私は~」

美穂「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ」

めぐみ「……スタバでやってよ!!」

第196話 めぐみのバイト先 2 終わり

第197話 めぐみのバイト先 3

藍「でねー それが臭くってさー」

美穂「あー、わかるわかる臭いよねー」

撫子「確かにあれは臭いね」

めぐみ「おまたせー」

撫子「あっ、バイト上がり?」

めぐみ「うん、待っててくれてありがとう!」

めぐみ「それでなんの話?」

撫子「めぐみの話」

めぐみ「えっ!? なんか臭いとか聞こえてたんだけど」

藍「めぐみのことじゃないよ」

美穂「……」ジー

めぐみ「なんで美穂は黙って憐れむような目で見るの!?」

撫子「嘘うそ、本当にめぐみの今日の屁が臭いだなんて話してないから」

めぐみ「確かに授業中こいたけど、そんなに臭い!? ていうかなんでわかったの!?」

美穂「えっ!?」

撫子「本当にめぐみの話じゃなかったのに、自ら暴露した」

めぐみ「えっ!?」カァ

めぐみ「うそ!? ひどい!! 騙した!!」

撫子「別に騙したわけじゃないよ、嘘はついたけど」

藍「めぐみ……大丈夫だよ。私はたとえ屁をこくめぐみでも好きだから」

めぐみ「フォローになってない!」

美穂「めぐみー、ベンティーはまだ?」

めぐみ「だからスタバでやって! いやスタバの店員も迷惑するからむしろどこでもやらないで!!」

めぐみ「はぁはぁ」

撫子「お疲れのようで」

めぐみ「誰のせい!?」

撫子「あはは、やっぱりめぐみからかうのおもしろいや」

めぐみ「私は楽しくないんだけど!」

撫子「まぁ。いいや帰ろっか」

藍「うん」

美穂「また、めぐみのバイト先来るね」

めぐみ「二度と来ないでくださいお願いします」ゲザァ

第197話 めぐみのバイト先 3 終わり

第198話 昔話 1

櫻子「ギャースギャース!」

向日葵「ギャースギャース!」

撫子「また、喧嘩? アンタ達昔はあんなに仲良かったのに」

櫻子「はっ!? ひまわりと仲いいわけ無いじゃん!」

向日葵「なっ、そうですわ! 誰が櫻子なんかと!!」


さくらこ「ひまちゃん!」

ひまわり「さーちゃん!」

さくらこ「えへへ、だいすき!」

ひまわり「わたしもだいすき!」

さくらこ「えへへ」

撫子「ひま子と櫻子は仲いいね」

さくらこ・ひまわり「うん! 仲良し!!」


撫子「それが今では喧嘩ばっか」

櫻子「ギャーギャー」

撫子「まぁ喧嘩するほど仲がいいっていうけど、どうしてこうなったんだっけ?」

撫子「どちらかと言えば、櫻子が変わった気がするけど」

撫子「ああ、そうか……あれは確か櫻子が小3のとき」


さくらこ「ひまちゃん! わかんないよ~~!!」

向日葵「もう、さーちゃんは自分の名前の漢字も書けないの?」

さくらこ「書けないったら書けないの!」


さくらこ「この計算できない~~!!」

向日葵「まだ九九も覚えられないんですの?」

さくらこ「ひまわりが頭良すぎなんだよ!!」

撫子「だんだんと櫻子とひま子の知能の差が開いてきて」

撫子「そして、決定打は、小5のとき」


櫻子「向日葵ばっか、おっぱいデカくなってズルい!」

向日葵「なっ! わたくしも気にしてるんですのよ!」

櫻子「ズルい! ズルい!! おっぱいズルい!!」

向日葵「というか大声で言わないでくださいませ! その恥ずかしいですから///」


撫子「身体的特徴でさらにひま子に抜かれ……」


向日葵「というか櫻子もそのうち大きくなりますわ」

櫻子「ならないよ! ねーちゃんがなってないもん!」

バシッ

櫻子「ちょっ! なにするんだよねーちゃん!」

撫子「言っていいことと悪いことがある」

櫻子「ねーちゃんも気にしてんのかよ!」

撫子「当たり前」


撫子「あの頃は私も若かった……」

櫻子「ギャースギャース!おっぱい魔神!!」

向日葵「なんですの!?」

撫子「……でもひま子が羨ましい……」

第198話 昔話 1 終わり

第199話 昔話 2

向日葵「でも、昔の櫻子は素直で可愛げがありましたわね」

櫻子「なんだと! 今だって素直で可愛いぞ!!」

撫子「櫻子は昔私のことお姉ちゃんお姉ちゃんって言って懐いてたんだけどねぇ」

櫻子「いつの話だよ!!」

撫子「あれはまだ花子が生まれてないとき」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

櫻子(4)「ねぇねぇお姉ちゃん!」

撫子(9)「ん? どうしたの?」

櫻子(4)「だっこ!」

撫子(9)「よしよし」グイ

撫子(9)「また、身長伸びたんじゃない? 重くなったし!」

櫻子(4)「えへへー、早くお姉ちゃんみたいに大きくなりたい!」

撫子(9)「後5年くらいしたらなれるよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「花子が生まれた時もすごかった」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

花子「バブーバブー!」

大室母「ふふ、可愛い子」

櫻子「すごい! 妹だ! 私もお姉ちゃんになったよ!! やったぁ!!」

撫子「うん、よかったね。これからは花子も可愛がるんだよ」

櫻子「うん! 私、花子可愛がる!」

大室母「櫻子もお姉ちゃんになるんだからしっかりしなきゃね!」

櫻子「うん! しっかりする!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「って言ってたんだけどねぇ」

花子「花子が生まれてきた結果こうなったし……」

櫻子「しっかりしてるだろ!! 姉として!!」

第199話 昔話 2 終わり


第200話 昔話 3

花子「そういえば、櫻子は昔は花子ともよく遊んでくれたし」


花子(4)「さくらこ! さくらこ! 遊ぶし!」

櫻子(9)「いいぞーじゃあ隠れんぼね!」

櫻子(9)「花子が鬼なー」

花子(4)「ええー、鬼やるのやだし! さくらこ隠れるのうまいし」

櫻子(9)「じゃあ、お姉ちゃんが鬼やるよ」

花子(4)「うん! わかったし!」

櫻子(9)「じゃあ隠れろよー1ー2ー3ー4ー」

花子(4)「」スタタタタ

櫻子(9)「もういいかい!?」

花子(4)「……」

櫻子(9)「あれ? 花子ー! 見つからないなーどこだろう……」

キョロキョロ

櫻子(9)「おーい、花子ー」



花子「結局家の中で隠れてたのに30分も見つけられなかったし」

櫻子「よく覚えてるなー花子は」

花子「外まで探しに行こうとしたから花子から出て行ったんだし、あのときは焦ったし」

撫子「4歳児に隠れんぼで負けるって……」

櫻子「なんだとー!! 今なら負けないぞ!! やってみるか?」

花子「望むところだし」

撫子「あまり、家を荒らさないでね」

櫻子「ねーちゃんとひまわりもだぞ!」

向日葵・撫子「ええ! 私達も!?」

櫻子「おやおや中学生に隠れんぼで負けるのかなー?ねーちゃんは?」

撫子「仕方ないなぁ。たまには櫻子の遊びにも付き合ってあげるよ」

向日葵「ちょっ!? 撫子さん!?」

第200話 昔話 3 終わり

仲良し姉妹好きー!

第201話 大室家で隠れんぼ 1

櫻子「よし! じゃあ私が1分間数えるからみんな隠れてな」

櫻子「30分見つけられなかったら私の負け、見つけたら私の勝ちだ」

櫻子「隠れていい範囲はうちの中だけ、外はダメ」

撫子「30分って長くない?」

櫻子「花子と前にやったときも30分だった」

花子「確実に隠れきってみせるし」

向日葵「むぅ……あまり気が乗りませんわね」

撫子「櫻子バカだからひま子が本気で隠れれば見つからないよ」

櫻子「なんだと! 絶対見つけてやるからな!」

撫子「あっ、1つ確認なんだけど。うちってことは大室家の中ってことだよね?」

櫻子「なんだよその言い回し、変なこと言うなねーちゃんは」

櫻子「もちろん大室家の範囲の中だよ。外はダメだからね」

撫子「わかったありがとう」

向日葵「そういうことなら、私も本気で隠れて見せますわ」

櫻子「1ー2ー」

ササッ

花子「(さっ)」

撫子「(隠れないと)」

向日葵「(ですわね)」

花子「(櫻子に絶対見つからなさそうなところ)」

花子「(ここだし)」

向日葵「(櫻子は案外足元が見えないんですわ。灯台下暗しというやつですわね)」

向日葵「(だから……)」

櫻子「ー30ーはい、30秒経ったぞ」

櫻子「よーし、この櫻子様が見つけてしまうぞ~」

櫻子「まーずーはー」

櫻子「ここだ!」

リビングの椅子をどかす

第201話 大室家で隠れんぼ 1 終わり

第202話 大室家で隠れんぼ 2


櫻子「あれ? 居ないぞ……花子ならこういうところに隠れると思ったのに」

櫻子「さては。自分の部屋に隠れたな!」

タッタッタ

花子「(櫻子は気づかないだろうし)」

花子「(まさか、花子が櫻子の部屋のクローゼットの中に隠れているなんて)」

バンッ

櫻子「いない! ベッドの下にも居ないし。机の下にも居ない」

櫻子「クソっ! どこだ!!」

櫻子「それはともかく、ねーちゃんとひまわりもだ!」

ガラッ

櫻子「いない!」

ガラッ

櫻子「いない!」

櫻子「どこだ!」

10分経過

櫻子「ねーちゃんの部屋も母さんと父さんの寝室も確認した……でも居なかった」

櫻子「まさか、私の部屋か? みんな私の部屋に隠れてるのか?」

ガラッ

櫻子「う~ん、ベッドの下にも居ないなぁ」

花子「(とうとう来ちゃったし……)」

櫻子「ここか!?」

ガラッ

花子「あっ!?」

櫻子「ふふ~ん、花子みっけ!」

花子「見つかっちゃったし櫻子にしては頑張った方だし、それでひま姉と撫子お姉ちゃんはどうしたし?」

櫻子「まだ見つからない……」

櫻子「もう一回リビングだ!」

リビング

向日葵「(案外カーテンの後ろに隠れててもばれないもんですわね……)」

櫻子「ひまわりー!! 花子を見つけたぞー!! 観念しろー!!」

花子「花子が見つかったこととひま姉が観念することは関係ないし」

向日葵「(やばいですわ。とうとう消去法でここまでたどり着きましたわ……)」

第202話 大室家で隠れんぼ 2 終わり

第203話 大室家で隠れんぼ 3

花子「(ん? あのカーテン一部だけ膨らんでるし)」

櫻子「んー? ねーちゃんもひまわりもここにいるはずなんだけどなー」ジロジロ

花子「(ああ、あそこにひま姉が隠れてるし……なんで櫻子気がつかないし)」

櫻子「もうー手当たり次第だ!」

バッ

ガチャ

櫻子「いない!」

櫻子「いない! どこだあああああ!?」

櫻子「……ん? あのカーテン一部だけ……」

向日葵「(まずい! バレましたわ!!)」

花子「(櫻子も気がついたみたいだし)」

櫻子「あれは? おっぱいだ!!」

櫻子「ふふん、試しに揉んでみよう」

櫻子「観念しろひまわりー!!」

向日葵「タンマ! 負けでいいですわ!!」

櫻子「ふふん、櫻子様にかかればこんなものよ!」

花子「でも、もう25分経ってるし」

櫻子「えっ!? もうそんなに経ったの!?」

櫻子「やばい早くねーちゃん探さないと」

櫻子「でも、どこなんだろ、もうひと通り全部探したんだけどなー」

向日葵「(窓から外を見ていたから撫子さんがどこに行ったかわかりますけれど)」

向日葵「(それってルール違反じゃないんですか? 撫子さん)」

第203話 大室家で隠れんぼ 3 終わり

乙だし!
10.5巻は面白かったし!

第204話 大室家で隠れんぼ 4 撫子さんの行方

28分経過

櫻子「もーねーちゃんはどこだ!!」

花子「花子も撫子お姉ちゃんがどこに行ったかわからないし」

向日葵「……」

そして、30分経過

花子「30分たったし……結局撫子お姉ちゃん見つからないし。もう出てきてもいいし」

櫻子「くそー!! ホントどこにいったんだ!」

向日葵「私は撫子さんがどこに行ったか知っていますわ」

櫻子「えっ!? マジ!?」

向日葵「ちょっとついてきてもらえます?」

古谷家

櫻子「えっ!? ここってひまわりんちじゃん!?」

向日葵「撫子さんはここに入って行きましたわ」

花子「でも、隠れる範囲は大室家だけって」

櫻子「ねーちゃん思いっきりルール違反だな!」

櫻子「くそー! ねーちゃんルール違反するなよ!!」バンッ

撫子「あら櫻子遅かったね」

楓「久しぶりに撫子お姉ちゃんが来てくれたの!」

撫子「隠れんぼ、私たちの勝ちだよ。もう30分以上経った」

櫻子「いや、ルール違反したからねーちゃんの負けだ」

撫子「ん? ルールはきちんと守ったよ」

櫻子「うちの範囲内って言ったじゃん!」

撫子「大室家の範囲内ね」

櫻子「ここひまわりんちじゃん!?」

撫子「覚えてない? 昔、櫻子とひま子が婚約届け出したの」

向日葵「!?」カァ

撫子「あのとき、ひま子は妻の欄に名前を書いた。そして、櫻子は妻に変えたとはいえ夫の欄に名前を書いた」

撫子「つまり、これはひま子は大室姓ということ」

撫子「当然、ひま子の家であるこの家も大室家になる」

櫻子「そんなのズルい!!」

撫子「負けを認めな。櫻子」

櫻子「くそーねーちゃんのバカー!!」

花子「(すごい、いろいろとおかしいけど、櫻子を言い負かすぐらいなら撫子お姉ちゃんならちょろいってことだし)」

楓「(撫子お姉ちゃん、櫻子お姉ちゃんを言い負かしたの)」

向日葵「櫻子、あれ覚えていたんですわね///」

櫻子「なっ!?///わ、忘れたに決まってんじゃん!! 取り消しだー!!」

撫子「(ふふ)」ニヤニヤ

第204話 大室家で隠れんぼ 4 撫子さんの行方 終わり

おつ
百合頓知かww

おつ

はなさくもいいけど、ひまさくもやっぱいいねー

第205話 小学生のお昼休み 1

未来「こころちゃん! 外に遊びに行こ!」

こころ「いいよー花子様も誘う?」

未来「うん!」

こころ「花子様ー、お外に遊びに行こー」

花子「今日は本読んでるし。ごめんだし」

こころ「わかったー」

未来「じゃあ、私達だけで遊びに行こっか?」

こころ「うん」

みさき「ちょっと待ちなさい!」

未来「みさきち」

みさき「花子は外で私と逆上がりの勝負しなきゃいけないと思うの!」

花子「だから花子は今日は本読んで――」

みさき「さぁ! 勝負よ!!」

未来「みさきち、花子様は本読んでるんだから邪魔しちゃだめだよ!」

みさき「読書なんていつでもできるじゃない! それとも私と勝負するのは負けるから嫌なの!?」

花子「花子がみさきに負けるなんてありえないし」

みさき「じゃあ勝負しなさいよー!!」

花子「だから、今日は本読んでるんだから邪魔すんなし」

みさき「負け惜しみかしら!」

花子「だから違うし」

みさき「まっ、花子とみさきじゃ勝負にならないからね」

こころ「確かに勝負にならなさそう(花子様が勝つからね)」

みさき「さすがこころよくわかってるじゃない!」

みさき「まぁ、花子じゃ、運動も身長もべんky……身長もみさきに負けてるけどね」

未来「勉強で負けてるのはあからさまだから言えないって悲しい」

こころ「身長2回言ってるよ~みさきち」

みさき「とにかく花子じゃすべて私に負けてるから」ペラペラ

花子「」ムカッ

花子「うるさい! わかったし、そんなに言うなら勝負してやるし。まず何から勝負するし」

第205話 小学生のお昼休み 1 終わり


第206話 小学生のお昼休み 2

みさき「そうね。じゃあまずは鉄棒からよ!」

花子「わかったし」

未来「おぉー花子様とみさきちの直接対決が見れるぞー」

こころ「楽しみだね~」

校庭

みさき「私逆上がりできるようになったんだから!」

こころ「えーすごい」

みさき「ふん!」

グルッ、ガタッ

未来「出来てないじゃん」

みさき「き、今日は調子が悪いのよ! も、もう一回よ!!」

グルッ、ガタ

みさき「あれ!? おかしいなこの前は出来たはずなのに……」

こころ「なお、三本勝負で行われます」

みさき「なによ! そのルール!!」

未来「とりあえず、花子様のお手本見てからにしなよ」

みさき「うぅ……悔しいけど、花子も3回だからね!!」

花子「花子は1回あれば十分だし」ザッ

花子「……」

クルッ、ストッ

こころ「おぉ~さすが花子様、すごいね~」

未来「おぉ~~!!」

花子「はい、これでみさきが次出来なかったら負けだし」

みさき「くぅぅぅぅ……見てなさい!!」ゴォォォォ

第206話 小学生のお昼休み 2 終わり

第207話 小学生のお昼休み 3

みさき「ふっ」

グルッ、ガタッ

未来「出来てないじゃん」

こころ「できてないよ~花子様の勝ち~」

みさき「くっ! こんなはずじゃ……」

花子「みさき本当は逆上がりできないんじゃ……」

みさき「で、出来るわよ!!」

未来「そうやって意地張るのやめなよ」

みさき「じゃあ、出来るようになるわよ!!」

みさき「後、一週間! 見てなさい!!」

花子「まぁ、陰ながら応援してるし、じゃあ花子は戻るし」

1週間みさきは猛特訓をした。

スッ

みさき「ふっ!」

シュバ゙ッ、ガッ

みさき「くっ!」

休み時間になるたびに鉄棒へ行き、放課後も血豆を作りながら必死に練習した。

こころ「みさきちまた行くの?」

みさき「当たり前よ!」

そして、一週間後

みさき「ふぅ……まずは深呼吸っと」

スッ

ガッ、シュバッ

未来・こころ・花子「!!」

クルン

未来「すごい!」

こころ「みさきちが」

花子「やった……」

みさき「あれ……?」

未来「すごいよみさきち! 逆上がり出来たじゃん!」

みさき「あ、で、出来た!!」パァ

花子「おめでとうだし」

みさき「ま、まぁこれくらい当然よ」

花子「じゃあこれもできるし?」

グライダー、コプター

花子「」グルングルン

みさき・未来・こころ「……」

第207話 小学生のお昼休み 3 終わり

第208話 ペン回し

撫子「う~ん……」クルックル

めぐみ「ん? どうしたの?」

撫子「いや。この問題がどうしてもわからなくてさ」クルックル

めぐみ「撫子にわからない問題は私にわかるわけがない」

撫子「まぁそうだね」クルックル

めぐみ「直球すぎる! それより、それすごいね!!」

撫子「ん?」クルックル

めぐみ「それだよそれ! くるくる回ってるペンのこと!」

撫子「ああ、これ?」クルックル

撫子「こういうバージョンもあるよ」クルクルクルクル

めぐみ「おぉー!!」

藍「すごいね」

撫子「これは割りと簡単。小指と薬指にペン挟んで薬指を下げたら中指の所にペンがくる、今度は中指下げたら人差し指にペンが来る。ただそれだけ」

めぐみ「私も練習しよ!」

藍「あっ! ホントだ! 見かけだけだ。これ簡単だ」

めぐみ「えっ……私できないんだけど」

美穂「なに~おもしろそうなことやってる」

めぐみ「ペン回しができない」

美穂「ペン回し? 私もできるよ」クルリクルリ

めぐみ「新技!?」

藍「美穂もすごいね」

撫子「ああ、それね。私もできるよ」クルリクルリ

美穂「じゃあ、これは?」クルッストンクルリクルリ

撫子「おおぉ、上級技だね。これとこれの組み合わせかな?」クルッストン、クルリクルリ

藍「すごい……」

めぐみ「なんなのこの2人……」

キーンコーンカーンコーン

撫子「あっ、休み時間終わった」

美穂・藍「じゃあ戻るねー」

撫子「うん」

めぐみ「そういえば、問題はどうしたの?」

撫子「あっ……そうだった」

第208話 ペン回し 終わり

第209話 スマホに鞍替え

撫子「」ポチポチ

藍「撫子って高校入った時からずっとガラケーだよね」

撫子「うん、私が中学に入ったときはスマホなんてなかったからね」

藍「えっ? それから変えてないの!?」

撫子「壊れるまで使う主義だから」

めぐみ「撫子遅れてるー今スマホ持ってないとなにもできないよ」

めぐみ「LINEもツイッターもFacebookもみんなスマホ用のアプリだし」

撫子「ん~、特にやろうと思ってないんだよね。興味もあまりないし、まぁ使ってみれば便利なのかもしれないけど」

めぐみ「女子高生らしからぬ発言……」

藍「でもLINEとかチャットだから家に居ても会話できるし便利だよ!」

撫子「まぁ、この携帯が壊れたらスマホにするかもしれないからその時ね」

そして、それは突然訪れた

大室家

櫻子「ねーちゃん、風呂上がったよー」バキッ

撫子「あっ」

櫻子「あっ……ご、ごめん。気がつかなかった」

撫子「わ、私の5年間分のデータが……」

櫻子「ご、ごめん……」

撫子「いや、櫻子のせいじゃないよこんなところに置いておいた私が悪かった」

撫子「この際だし、スマホにしてみよっかな」

携帯ショップ

店員「データのサルベージはできますよ」

撫子「そうですか。ありがとうございます(よかった)」

学校

藍「あっ! 撫子の携帯変わってる! スマホにしたんだー」

美穂「前にみんなにいろいろ言われて流行に乗り遅れてると思ったんでしょ?」

撫子「いや、妹に踏まれて壊れたから変えた」

めぐみ「そうだ! じゃあこれを期にLINE、Twitter、Facebookデビューしてみよう」

撫子「うん、そうだね」



撫子「おぉー、確かに便利だ」

撫子「あればあるで便利だね。スマホ」

めぐみ「でしょう!」

しかし、1週間にみたないうちにやらなくなってしまったとさ

撫子「既読面倒くさい……」

第209話 スマホに鞍替え 終わり

撫子の彼女編
彼女安価>>521

LINEとかすぐに充電がないないナイアガラになるからな

あ、綾乃で

綾乃か…

綾乃の京子への思いを果たしてどう片付けるか…

第210話 綾乃とデート 1 出会い

撫子がまだ中学生のとき

撫子「ふぅー今日も生徒会疲れたな」

公園

綾乃「……」キーコキーコ

夕暮れ時の公園のブランコに少女が1人で座っていた。

撫子「(どうしたのかな? 見たところ櫻子と同じくらいだから小学3年生ぐらいかな?)」

撫子「(もう、6時近いし、1人でいるなんて危ないな……ちょっと声掛けてみるか)」

撫子「ねぇ。そこの君」

綾乃「!!」

撫子「こんな遅くまで何してるの? お母さんが心配してるんじゃない?」

綾乃「わ! ご、ごごごめんなさい」タッタッタッタ

撫子「怒ってるわけじゃないって。あっ、行っちゃったか」

次の日も彼女はそこに居た。

撫子「あっ、昨日の子だ。またこんな時間まで、なにしてるんだろう」

撫子「ねぇ、昨日もそこに居たよね? なにしてるの?」

綾乃「あ、あぅ……と、友達と」

撫子「友達と?」

綾乃「遊びたかった……」

撫子「もう、お友達は帰っちゃったんじゃないの?」

綾乃「きょ、今日も、お話できなかった……」

撫子「落ち込んでるの?」

綾乃「う、うん」

撫子「でもだからってこんな時間まで外にいるのは危ないよ」

綾乃「そうだね。昨日は逃げてごめんなさい」

撫子「うん。別にきにしてないからいいよ。君お名前は?」

綾乃「杉浦綾乃、10歳です」

撫子「うちの妹の1つ年上か」

綾乃「お姉さんは?」

撫子「私は大室撫子、七森中の中学2年」

綾乃「そうですか……」

綾乃「……」

綾乃「あの……そろそろ私帰ります」

撫子「そっか、うん、帰ったほうがいいよ。じゃあね」

綾乃「……」

綾乃「(やっぱりダメだ……人見知りしちゃう。でも、あのお姉さんとはしばらく会話が続いたよ)」

綾乃「(明日も今日みたいに待ってれば、来てくれるかな?)」

第210話 綾乃とデート 1 出会い 終わり

これは続き期待

第211話 綾乃編2 相談

綾乃「(今日も来てくれるかな)」

撫子「また、居たんだね」

綾乃「あっ! 撫子さん!!」

撫子「今日はこの公園誰もいないよ」

綾乃「あ、あの。わ、私撫子さんを待ってたんです」

撫子「そっか。今日はまだ早いし、じゃあ一緒にお話しよっか?」

綾乃「はい!」

撫子「綾乃ちゃんは、七森小学校だよね?」

綾乃「はい」

撫子「4年生になるとクラブが始まるよね。綾乃ちゃん何にしたの?」

綾乃「園芸クラブです」

撫子「お花が好きなんだ」

綾乃「人と話すのが苦手だから、お花は何も言わないし……」

撫子「そっか、私も人見知りするほうだったけどなぁ」

綾乃「えっ!? 撫子さんもだったんですか?」

撫子「というより、今でも結構人見知り、初対面の人だと私が怖い顔してるって思うみたい」

綾乃「た、確かに撫子さんはかっこいい! というか、クールというか……」

撫子「あー、やっぱり私の印象ってそうなんだ……まぁこればっかりはどうしようもない」

撫子「綾乃ちゃんはかわいいし、乙女だからもっと活発に話しかければ友達なんてすぐできると思うんだけどな」

綾乃「か、かわいい///」

綾乃「あの、撫子さんは何やってるんですか? 中学に入ると部活があるんですよね?」

撫子「あー、私は生徒会だから部活はやってないかな」

綾乃「生徒会……なんかかっこいい」

撫子「それこそ、人前で話すこととか。人と関わる仕事が多いよ」

綾乃「あの、さっき人見知りって言ってましたよね? なんでそんな人と関わるところに入ったんですか?」

撫子「まぁ人見知りだからこそかな」

綾乃「人見知りだからこそ……」

撫子「うん、初対面の人でも悪い印象を与えないようにって思ってね。できるだけ人と関わるところに行って訓練しようって思ってね」

撫子「でも、綾乃ちゃんの場合は、内面的な問題だからなぁ。どうすればいいんだろう、やっぱり積極的になるしかないのかな」

綾乃「わ、私も! 中学に入ったら生徒会入ります!!」

撫子「えっ!?」

綾乃「私も撫子さんみたいになりたいです」

撫子「そっか。でも、その積極性があれば今からでも友達できると思うよ。明日、隣に座ってる子に声かけてみるとか、遊びに誘ってみるとかしてみたら?」

綾乃「はい、そうしてみます。なんだか撫子さんから勇気もらっちゃいました。えへへ」

撫子「うん。それはよかった。(話そうと思えば、話せる子だ)」

綾乃「また、明日も来てくれますか?」

撫子「うん、明日も今日ぐらいの時間に来れそうかな」

綾乃「じゃあ待ってます。結果楽しみにしていてください!」

第211話 綾乃編2 相談 終わり

そう繋げてきたか

乙やでー

第212話 綾乃編3 短慮

公園

綾乃「……」キーコキーコ

撫子「あっ、綾乃ちゃん。やぁ、今日もここに居てくれたんだね」

綾乃「……」

撫子「どうだった?」

綾乃「……」

撫子「じゃあ、今日のこと聞かせてもらえる?」

~~~回想~~~

七森小

「ねぇーこれおもしろいよねー」

「ねぇー、リリィの中でもこれが好きー」

綾乃「(さり気なく、明るく明るく)」ブツブツ

綾乃「あ、ああの!! それ私も知ってる!!」

「……」

「……えっ?」

綾乃「あ、あぅ……な、なんでもないです……」

「でねー」

「うんうん」

~~~~~~~~~~~~

綾乃「やっぱり、私が話しかけても!」

綾乃「うぅ……」

綾乃「ヒッグヒッグ、私、友達できないのかなぁ……」

撫子「そ、そんなことない! 」

撫子「頑張れば絶対できるって! 綾乃ちゃんが友達になりたいって思いがあれば伝わるはず」

綾乃「そうですか?」ヒグ

撫子「うん。次は大丈夫だから、頑張って!」

綾乃「はい……明日また話しかけてみます」

翌日

綾乃「おはよう!」

「お、おはよう」

「おはよう」

綾乃に向けられた目線はいつもあなたと話してないよね?
なんでいきなり話しかけてくるの? 私達別に友達じゃなくない?
というような目線であった。

「……」

「……」

「で、でさー」

「うんうん」

そして、何事もなかったように話し続ける二人組、まるで綾乃の存在を無視しているような気すらするが
彼女たちも悪気があって無視したわけではない。ただ自分たちのコミュニティに綾乃が入ってくることに戸惑いを感じたのだ。

綾乃「……(やっぱり、ダメだった……撫子さん……)」

七森中授業中

撫子「(綾乃ちゃん、うまくやってるかな)」

撫子「(でも……昨日は頑張れば友達ができるって言ったけど、浅はかな考えだったかもしれない)」

撫子「(綾乃ちゃんは今まで友達を作ろうと頑張ってたはずだ。それでもできなかったんだから、今までと同じ方向で頑張っても無駄かもしれない)」

撫子「(どのようにすれば綾乃ちゃんに友達ができるかなんて、そういう方法については全く考えてなかった……悪い結果にならないといいけど)」

第212話 綾乃編3 短慮 終わり

第213話 綾乃編4 落涙

公園

撫子「(大丈夫かな……)」

綾乃「……」ポツーン

撫子「綾乃ちゃん」

綾乃「な、撫子さん……うぅ……うわああああああん!!」ガシッ

撫子「綾乃ちゃん!?」

綾乃「わ、私、ひっぐ、が、がんばったけど、ひっぐ!やっぱり!やっぱりだめだった!!」エーン

撫子「……」ガシッ

綾乃「うわあああああああああああああああん!!」

撫子「(やっぱり、ダメだった……私のせいだ……私が浅はかなアドバイスなんてしたから!!)」

撫子「(頑張ればできるなんて言ったせいで、綾乃ちゃんは無理を! こんなになるまで)」ツー

綾乃「うぅう……」ポロポロ

撫子「ごめん! ごめんね!! 綾乃ちゃん!!」ガシッ、ポロポロ

綾乃「な、なんで謝るんですか? それになんで撫子さんが泣いてるんですか?」グスッグス

撫子「私のせいで、綾乃ちゃんが惨めな思いしちゃったんだよね。ごめん」

綾乃「な、撫子さんのせいじゃないですよぉぉおおおお!!」エーン

撫子「……(私がしっかりしていないと)」






綾乃「」グズグズ

撫子「落ち着いた?」

綾乃「はい」

撫子「そっか、あのさ、こんなこと聞いて悪いんだけどさ、綾乃ちゃんは3年生のときまではお友達いた?」

綾乃「はい、でも、4年のときのクラス替えで友達だった子はみんな他のクラスに行っちゃって」

撫子「なるほど(つまり、綾乃ちゃんは別に友達を作れない子ってわけじゃないんだ)」

撫子「(運悪く、クラス替えで仲のいい友達は他のクラスへ、そして4年生になってからもう前のクラスでの友達関係が成立していてそこに入れないって状況だったんだ)」

撫子「(もう、学年が上がってから2ヶ月、友達関係は固定化してきてる時期。たぶんその固定化してきた友達の輪にいきなり入ろうとしたからそうなったんだ)」

撫子「もう1つ聞くけどさ、綾乃ちゃん、なにか得意なことってある?」

綾乃「得意なこと? 勉強は得意ですけど」

撫子「勉強が得意……うん! 今度はうまくいくかもしれない!」

綾乃「本当ですか!?」

第213話 綾乃編4 落涙 終わり

第214話 綾乃編5 思案

撫子「綾乃ちゃん、友達を作りたいっていうけど、どういう子と友だちになりたい?」

綾乃「? それはちょっと考えたことなかったです」

綾乃「でも、できればみんなの輪に入りたいなって」

撫子「みんなって誰? それは休み時間になると教室で集まってる子のこと?」

綾乃「はい、そういう子たちと仲良くなりたいです」

撫子「綾乃ちゃん、酷いことをいうようだけどちゃんと聞いてくれる?」

綾乃「えっ、はい」

撫子「そういう集まってる子ってもう既にコミュニティが出来上がってる子たちなの」

撫子「その中に入っていくのはすごい難しいこと。努力すればするほど空回りするかもしれない」

綾乃「あっ、やっぱりそうなんですね。つまり、私は友達ができないってこ――」

撫子「私が言ったのは、”休み時間で集まってる時”に友達になるのが難しいっていうだけ」

撫子「クラスにはいろいろな子がいるの。例えば、勉強がわからなくて授業中暇そうにしてる子とか」

綾乃「た、確かに授業聞いてなさそうな子なら居ます」

撫子「綾乃ちゃん、さっき勉強得意って言ってたよね?」

綾乃「は、はい。元々得意な方ではなかったんですが、毎日復習してたんで」

撫子「! なるほど、それはいい。その子が授業中困ってたりしたときに手助けとかできないかな?」

綾乃「授業中は立ち歩き禁止なんでその子のところに行くのは難しいです……」

撫子「確かにそうだね。でも、そういう子は休み時間まで勉強したいって思わないだろうしな」

綾乃「あっ! そういえばその子、いつも放課後先生に居残りさせられています」

撫子「それだ! その時に綾乃ちゃんが一緒に残って教えてあげれば」

綾乃「うーん、できるかな」

撫子「結構な確率で勉強の出来ない子は先生の教え方が悪いからできない事が多いよ」

撫子「でも、綾乃ちゃんにならできる」

綾乃「なんでですか!?」

撫子「できない子の辛さを知ってるから、努力して勉強できるようになったんならできない子に教えることもできると思う」

綾乃「なるほど、自信ないですけどやってみます」

撫子「次はうまくいくと思うよ。うまく行かなかったらごめんね」

綾乃「いえ、わざわざ私のために考えてくれてありがとうございます。うまくいかなくても、撫子さんがこうやって話してくれるだけで大分うれしいです」ニコッ

撫子「そっか(よかった。元気になってくれて。でも、本当に次うまくいかなかったら私の責任だ)」

撫子「頑張ってね」ギュッ

綾乃「は、はい///」

第214話 綾乃編5 思案 終わり

第215話 綾乃編6 成功

便宜上綾乃の友達候補をA子ちゃんとします。

学校

ワイワイ、ガヤガヤ

A子「でねー、~~はまるまるなんだってー」

「えぇー! ホントにー!!」

綾乃「(あの子だ、いつも残ってる子。でも、撫子さんの言ってたもうコミュニティが出来上がってるところにいる子なんだよね……)」

授業中

A子「ぐーすかぴーすか」

綾乃「(今日は寝てる……)」

先生「じゃあこの問題をA子!」

A子「は、はえ?」

先生「なんだ、また寝てたのか。今日も居残りだな」

A子「えー、嫌だよー!」

「あはは、A子また居残り組なんだー」

「まぁ、頭悪いからねー」

A子「うるさいなぁ」

綾乃「(あ、あんな活発な子が私の相手してくれるのかな……正直言って話しかけるのがすごく怖い)」

放課後

A子「さってと、帰ろーっと」

先生「おい、ちょっと待て」ガシッ

A子「えっ? やっぱり残らないとダメ?」

先生「当たり前の前田さんだ」

綾乃「あの、先生……私も残ります」

先生「なんだ、杉浦は別に授業ちゃんと受けてるじゃないか」

綾乃「そ、その……A子さんに教えてあげようかなと思って……」モジモジ

A子「えっ……」

綾乃「(あっ、やっぱり引かれた。ダメだった……)」

A子「ホントにー!? 助かったよ!!」ガシッ

綾乃「えっ!?」

A子「えっと、杉浦あや」

綾乃「す、杉浦綾乃です!」

A子「ありがとう! 綾乃ちゃん! 私独りでいつも残らされるの辛かったんだよ!」

綾乃「えっ、えぇー!!(こんなにもあっさりと……)」

先生「全く、まぁ、直接答えは教えちゃいけないないナイアガラだからな!」

綾乃「はい、ちゃんと自分で考えさせます。教えま千手観音です」

先生「おっ、杉浦はなかなかギャグセンスが光るな」

A子「それじゃあ、先生と同じじゃーん。つまんないぞー」

綾乃「だ、大丈夫です。分かるまで丁寧に教えてあげますから」

A子「まぁ、居残りが独りじゃないっていうのはありがたいかなー。ああそれと、同い年なんだから敬語使わなくてもいいよー。」

綾乃「そうだね。わかった」

A子「ありがとうね。綾乃ちゃん」ニコッ

綾乃「こちらこそ」

綾乃の教え方はなかなかすばらしく。勉強が苦手なA子ちゃんもすんなりと分かるような説明をした。
そのお陰か、その日はA子ちゃんの課題は早く終わり、先生にも褒められた。なによりも嬉しかったのは
A子ちゃんが、綾乃に

A子「また私が残ってるときがあったら手伝ってね」

と言ってくれたことであった。

公園

綾乃「と、いうことなんです」

撫子「よかった。やっぱり、綾乃ちゃんはすごいよ。わずか1日でそこまで仲良くなれるなんて、よっぽど教え方がうまかったんだろうね。今度家の櫻子にも教えて貰いたいぐらいだわ」

綾乃「そんな……これもすべて撫子さんのお陰です。私一人じゃ絶対こんな案思いつかなかっただろうし。思いついてもどうせ無理だって思ってやらなかっただろうし、背中を押してくれた撫子さんのお陰ですよ!」

撫子「私はなにも出来てないよ。正直一回失敗してしまったし、綾乃ちゃんを深く傷つけてしまった。今回だって私の思いつきでうまくいくかどうか分からなかった」

綾乃「でもうまくいったじゃないですか! やっぱり撫子さんはすごいです!」

撫子「いやいや、立ち直った綾乃ちゃんの方こそすごい」

綾乃「そんなことないないナイアガラです」

撫子「なにそれ?」

綾乃「はっ! 先生の口癖が移ってしまった……」

撫子「プッ、あっはっは。面白いこと言うんだね」ハハハ

綾乃「うぅ……///」

撫子「仲良くなれたら今度遊び誘ってみたら?」

綾乃「はい、そうします」

綾乃「撫子さん!」

撫子「ん?」

綾乃「ありがとうございました!」

撫子「うん。よかったよかった」

第215話 綾乃編6 成功 終わり

第216話 綾乃編7 交換

綾乃「今日は休み時間にA子ちゃんが向こうから話しかけてくれて、A子ちゃんの友達とも話せるようになりました!」

撫子「うんうん、順調みたいで本当によかった」

綾乃「はい! ありがとうございます撫子さん!!」

撫子「明るくなったね(もう、綾乃ちゃんは大丈夫そうだな)」

綾乃「そ、そうですか!? えへへ、うれしいな」

撫子「うんうん」

綾乃「でも」モジモジ

撫子「?」

綾乃「これもすべて撫子さんのお陰です!」

撫子「綾乃ちゃんのがんばりが一番すごいけどね。ポテンシャル持ってたんだよきっと」

綾乃「いやいや、撫子さんの助言が無ければ無理でした」

撫子「いやいやいや」

綾乃「いやいや、ってこれ以上はまた繰り返しになっちゃいますね」フフ

撫子「そうだね。あっ、そろそろ夕方だ。じゃあもう帰ろっか?」

綾乃「そうですね」

撫子「ねぇ、綾乃ちゃん」

綾乃「なんでしょう?」

撫子「綾乃ちゃんに友達が出来たから、もう私の役割は終わりかな」

綾乃「そ、そんなことないですよぉ」

綾乃「そんな悲しいこと言わないでください! また今日みたいに会ってくれますよね?」

撫子「でもそれだと綾乃ちゃん、お友達と遊べないよ」

綾乃「お友達も大切ですけど、撫子さんも大切なんです!」

撫子「そっか、ありがとう」

綾乃「それに、私これからも撫子さんと会いたいんです!」

撫子「それなら、連絡先交換する?」

綾乃「えっ!? 本当ですか!?」

撫子「この公園以外でもいろいろと遊ぶ場所あるし、都合がつけば休日でもいいよ」

綾乃「あ、ありがとうございます!!」

撫子「う、うん(そんなに綾乃ちゃんは私のメアド知りたかったのか……)」

撫子「そういえば、私達まだメアドすら交換してなかったんだね」ピッ

綾乃「そうですね(やった! 撫子さんのメールアドレスゲット!)」ピッ

撫子「じゃあ、また今度」

綾乃「はい!」

第216話 綾乃編7 交換 終わり

綾乃ちゃんには幸せになってほしいし

今月の大室家も満足の内容だったし

第217話 綾乃編8 訪問

綾乃「(撫子さんのメールアドレス……)」

綾乃「(今度の休日に会いませんかって送ってみようかな?)」ドキドキ

To:撫子さん

今度の日曜日会いませんか?

綾乃「(なんか緊張する。送るのやめよっかな)」ドキドキ

ポチ

綾乃「あっ! 押しちゃった」

綾乃「断られたらどうしよう……」

From:撫子さん

いいよ。どこで会う?

綾乃「やったぁ!」

綾乃「どこにしよう」

綾乃「そうだ! 撫子さんの家に行きたいかも」

To:撫子さん

撫子さんの家に行きたいです

From:撫子さん

家? いいよ。じゃあ、あの公園で待ち合わせにしよっか?

日曜日 公園

綾乃「約束の時間の30分も前に来ちゃった。撫子さん待たせるのは悪いからね」ソワソワ

撫子「あれ? 綾乃ちゃんもう来てたの? 早いね」

綾乃「撫子さん! 会いたかったです!」ギュッ

撫子「おっと、よしよし」ナデナデ

綾乃「あっ! ごめんなさい!!」

撫子「別にいいよ(すっかり懐かれちゃったな)」

撫子「じゃあ、家に案内するよ」

綾乃「はい!」

大室家

綾乃「ここが撫子さんの家」

撫子「上がって」

綾乃「お邪魔します」

櫻子「あれ? ねーちゃんが女の子連れてきた。でも小さいぞ」

綾乃「あわわ、私は杉浦綾乃って言います!」

撫子「別に敬語使わなくてもいいよ。櫻子は綾乃ちゃんの1個下だし」

櫻子「えっ!? 私の1個上なの? でもなんでねーちゃんが小学生連れてきてんの?」

撫子「まぁ、公園で知り合ったんだよ(説明がめんどくさいな)」

綾乃「櫻子ちゃん、よろしくね!」

櫻子「うん、よろしく!」

第217話 綾乃編8 訪問 終わり

この設定だと櫻子とは幼馴染み(?)になれるな
ここから綾さくとか妄想しても良さそう

第218話 綾乃編9 撫子さんのお部屋

櫻子「そっかー綾乃さんは私と小学校違うのかー」

綾乃「うん、なんか学区制とか……?」

櫻子「あっ! やばい向日葵と約束してたんだった! それじゃあ行ってきまーす」

撫子「全く、櫻子は落ち着きが無いな」

綾乃「でも、いい妹さんですね」

撫子「まぁね」

撫子「あっ、私の部屋に来る?」

綾乃「はい! お邪魔します!」

撫子の部屋

綾乃「わぁー撫子さんの部屋だぁ」

撫子「なにか持ってるくよ。お茶でいいかな?」

綾乃「あっ、ありがとうございます!」

綾乃「(撫子さんのお部屋……撫子さんのベッド)」

綾乃「(ここで毎日撫子さんは寝てる……)」

綾乃「(枕……って何考えてるのよ! 私は!!)」カァー

綾乃「(でも、やっぱり嗅いでみたい……)」

バサッ

綾乃「んっ」スーハースーハー

綾乃「撫子さんの匂い、撫子さんの匂い……」ハァハァ

ガタッ

綾乃「(まずい! 見られた!!?)」バサッ

撫子「ん? どうしたの? 綾乃ちゃん、なんか顔赤いけど」

綾乃「な、なんでもないでひゅ!(よかった見られてないわ)」

撫子「そう? もしかして熱あるの?」ピトッ

綾乃「あっ」カァー

撫子「熱は無さそうね。でも更に赤くなってるけど大丈夫?」

綾乃「うぅ、はいぃ」

撫子「はい、これお茶」

綾乃「ありがとうございます」ゴクゴク

綾乃「(ふぅー、危ないところだった。枕の匂い嗅いでた所見られたら一環の終わりだわ)」

綾乃「(そして、勝手に嗅いでごめんなさい)」

第218話 綾乃編9 撫子さんのお部屋 終わり

第219話 綾乃編10 恋心

撫子「花子って妹もいるんだけど、今日はお昼寝してるみたい」

綾乃「そ、そうなんですか」ドキドキ

綾乃「(撫子さんを見てるだけでもドキドキしてくる)」

綾乃「いいなー撫子さんの妹さんたちは毎日撫子さんと居られて」ボソッ

撫子「えっ?」

綾乃「いや、なななんでもないです!(やばい、つい本音が漏れてしまった)」

撫子「あはは、本当だよ」

綾乃「えっ!?(まさか撫子さんも私と……)」ドキドキ

撫子「綾乃ちゃんが櫻子の代わりの妹だったらどんなによかったことか」

綾乃「……(そっか、妹としてか)」

綾乃「あはは、ダメですよ、撫子さん櫻子ちゃんがかわいそうです」

撫子「まぁ、櫻子も可愛い妹ではあるんだけどね。もうちょっと賢かったら」

綾乃「私ももう少し撫子さんと居られたら」

撫子「ん? いつでも来てもいいんだよ?」

綾乃「ありがとうございます」

綾乃「撫子さん……(好きです)」

撫子「ん?」

綾乃「な、なんでもないです」

撫子「そっか」

綾乃「あの……? 撫子さんは私のこと好きですか?(な、何聞いてるのよ! 私は)」

撫子「うん、好きだよ。綾乃ちゃんは?」

綾乃「す、好きです(撫子さんの好きと私の好きは違うんだけど)」カァ

撫子「赤くなってて可愛い。ひょっとして照れてるの?」

綾乃「えっ!? 照れてなんかいないです」

綾乃「そ、そろそろ帰ります!」

撫子「もう帰るの?」

綾乃「お、おじゃましました!」

タタッタ

撫子「じゃあ、送って行こっか?」

綾乃「だ、大丈夫です」


綾乃「はぁはぁ、逃げてきちゃった。撫子さんに悪いことしちゃったな」

綾乃「でも、意識しちゃったからにはもうあの場には居られなかった」

綾乃「はぁ……私の屁たれ……」

第219話 綾乃編10 恋心 終わり

第220話 綾乃編11 決意

それから私は何度も撫子さんの家に行った。
私は中学に上がり、撫子さんは高校に上がった。4歳違いなので、同じ学校に入ることはないのだ。
本当は、一緒に登校とかしたかったんだけど
中学に上がってからも何度も行った。撫子さんはその度に温かく迎えてくれて
両親も温かく迎えてくれた。櫻子ちゃんや花子ちゃんとも友達になった。
私が生徒会に入るという話をしたら、櫻子ちゃんも七森中を目指すと言って
七森中に入ったら生徒会に入るんだと意気込んでいた。

綾乃「でも撫子さんが私の気持ちに気づくことはなかったわ」

綾乃「そもそも、女同士だし、年も離れてるし。撫子さんは私と付き合えるわけなんてないよね」

そして、あっという間に一年がすぎる。

大室家

綾乃「撫子さん、N大合格おめでとうございます!」

撫子「ありがとう綾乃ちゃん」

花子「撫子お姉ちゃんはすごいし、それに比べて櫻子は大学にも行けるのか怪しいし」

櫻子「なんだとぉー! バカにしたなぁ」

綾乃「でも、N大だとここから通えないから一人暮らしになりますね」

撫子「そだね。寂しい?」

綾乃「寂しいです……」

櫻子「私は寂しくないけどな」

花子「」ゲシッ

櫻子「痛っ! 何すんだよ花子!」

花子「撫子お姉ちゃんに謝れし」

撫子「ははは、全く呑気な妹だ」

綾乃「そうですね……」

撫子「……」

生徒会室

櫻子「ふぅー、寒い寒い」

綾乃「はぁ……」

櫻子「綾乃さんどうしたんですか? ため息なんてついちゃって」

綾乃「撫子さんに会えなくなるって考えたらつい……」

櫻子「綾乃さん、もう告っちゃいなよ」

綾乃「えっ!! どうしてそれを!?」カァー

櫻子「誰が見ても分かるって、綾乃さんがねーちゃんのこと好きなのは」

櫻子「あんまりさ、ねーちゃんとその手の話をしたことないけどさ、ねーちゃん今まで一度も恋人とか作らなかったんだ」

櫻子「それは、たぶん綾乃さんがいるから。綾乃さんの気持ちに気づいてると思うよ」

櫻子「ねーちゃんも待ってるんじゃないかな?」

綾乃「えぇ、う、うん。そうなのかしら……」

綾乃「よし! 今度告白してみよう!! 私の4年間の思いを」

To:撫子さん

撫子さん、今日の18時にあの公園に来られますか? 大事なお話があります。

第220話 綾乃編11 決意 終わり

第221話 綾乃編12 告白

公園

3月上旬の夕方はまだ肌寒いなか撫子さんは来てくれた。

撫子「綾乃ちゃん?」

綾乃「撫子さん……」

私は覚悟を決める。長年の思いを伝えるために

撫子「うん」

綾乃「私と……私と」

撫子「うん」

綾乃「私と!!付き合ってください!!」

撫子「……」

綾乃「……」ドキドキ

その沈黙がまるで数十分にも感じられた。

撫子「私は、綾乃ちゃんと4歳離れてるの」

綾乃「(そう……ダメだ……4つも上の私なんかと付き合ってもらえるはずがない……)」

撫子「そして、これからはこの街を離れる」

綾乃「はい」

撫子「それでもいいの? ほとんど会えないんだよ?」

綾乃「えっ!? それって肯定的に考えてくれるってことですか!?」

撫子「そろそろこの関係にも終止符を付けなきゃいけないからね」

撫子「昔は綾乃ちゃんは可愛い妹みたいなものだったけど、今はもう違う」

撫子「私と付き合ったら大変だよ。年齢も違うし、遠距離になるし」

撫子「それでもよかったら付き合ってください」

綾乃「もももももちろんです!! どんな困難があっても撫子さんのことを愛してます!!」

撫子「あはは、どもりすぎだよ。まるで昔の綾乃ちゃんみたい」ハハハ

綾乃「それを変えたのも撫子さんです」

撫子「ありがとう。じゃあこれからもよろしくね」

3月上旬の夕方、まだ風は肌寒いけど、私の心は温かかった。

第221話 綾乃編12 告白 終わり

パラレルだから仕方ないけれど京子への好意は最初からなかった事になるのか…

おつ

第222話 雨が降る! 雨が降る!

撫子「空がすごい暗い。黒い雲がこっちに来てる」

花子「これはザーっと雨が降るし」

ザーッ

櫻子「雨だ!! すごい雨だよ花子!!」

花子「雨音がでかいからっておっきい声でしゃべるなし。雨降ってることぐらいみればわかるし」

櫻子「ちがうよ遊ぶんだよ!!」

花子「なにするんだし?」

櫻子「外で! 遊ぶの!!」

ザーーーーーー

花子「は?」

櫻子「聞こえなかった? だから外で遊ぶんだよ」

花子「いや聞こえてたし、だからなんでこんな雨なのに外に行くんだし!」

櫻子「こんな雨めったに降らないじゃん! 濡れに行くぞー」ガシッ

花子「ちょっと! やめろし!!」

バタン

撫子「ふぅ……やれやれ。お風呂沸かしておいてあげるか」



ザーッ

櫻子「うわあああああああああああああああ」バタバタバタ

バチャバチャ

櫻子「ほれ、花子も走って見ろって! おもしろいから」

ザーーーーー

花子「……(もう濡れちゃったし)」

花子「どうにでもなれし!! わあああああああああああああああ!!」

ビチャビチャ

櫻子「くらえー」バシャ

花子「なにするんだし!!」バシャ

櫻子「ふっふーん、当たらないし。こっちまでこぉおおおおい!! わああああああああああああああああああああ」バタバタ

花子「わああああああああああああああああああああああ」バタバタ



櫻子「ただいまー」

花子「びっしょりだし」

撫子「楽しかった?」

櫻子・花子「楽しかった!!し!!」

撫子「お風呂わいてるからはいりな」

櫻子・花子「うん!!」
 
第222話 雨が降る! 雨が降る! 終わり

最近いきなり大雨になるから困る

おつ
風呂のシーンはよ

第223話 憂鬱撫子さん

ポタポタポタポタ

撫子「ふぅ……今日も雨か……」

撫子「学校行こ……」

教室

撫子「……」ボー

藍「どうしたの撫子? ぼーっとしてるけど」

撫子「どうも雨が続くとやる気が起きないんだよね」

藍「大丈夫?」

撫子「うん」

めぐみ「まぁどんよりした天気だと気分もどんよりしちゃうよね」

撫子「そうだね」

めぐみ「そんなときこそ元気だして行くぞー! おぉ~!!」

撫子「……」

めぐみ「……撫子のツッコミがない!! これは重症だ!」

撫子「欝だ……」

美穂「や~ん! 撫子が鬱になってる~!!」

撫子「あっ、美穂……おはよ……」

美穂「本当に鬱だ」

藍「大丈夫? 保健室に行く?」

撫子「まぁ気分の問題だから大丈夫だよ。今日は気力がないわ……」

撫子「はぁ……」

藍・めぐみ・美穂「(撫子が荒んでるとこっちまで気分が落ち込んでくる……)」ドヨーン

翌日

チュンチュン

撫子「あっ、今日は晴れてる。よかった」

学校

撫子「おはよう」

藍・めぐみ・美穂「……あっ、撫子……おはよう……」

撫子「(あれ!? 昨日の私の鬱がうつってる!?)」

第223話 憂鬱撫子さん 終わり

第224話 梅雨の朝

シトシトシトシト

大室家 朝

TV「それでは今日の天気です。今日も梅雨前線の影響で全国的に雨でしょう。富山は1日雨――」

撫子「はぁ……」

花子「撫子お姉ちゃん大丈夫かし?」

撫子「うん、大丈夫心配しないでもいいよ」

撫子「それじゃあ行ってきます」

花子「いってらっしゃいだし」

櫻子「へぇーへぇー」

花子「なに変な声上げてるんだし?」

櫻子「こうも毎日雨続きだと、この櫻子様も学校に行くのが憂鬱になりますよ」

花子「単に勉強するのが嫌なだけだし」

櫻子「そうだ! 今月は梅雨だから勉強しない月間にしよう! 6月病だ」

花子「そんなの聞いたことないし」

櫻子「今命名した!」

花子「櫻子はやっぱりバカだから元気だし」

櫻子「ふっふーん、元気があればなんでもできるのだ! ねーちゃんとは違うな」

花子「別の意味で違うし」

櫻子「それじゃあ、行ってきまーす」

花子「いってらっしゃいだし」

花子「雨は雨の日で面白みがあると思うんだし」

花子「傘にポツポツ雨があたる音とか」

花子「雨に濡れたあじさいの色とか」

花子「花子も行ってくるし」

ガチャ、バタン

シトシトシトシト…………

第224話 梅雨の朝 終わり

第225話 こころちゃんの飼育日記1

6/10 あめ

つゆです。あじさいのはっぱの上にのっていたかたつむりをみつけました。
今日からきょうしつでかってみることにします。

6/11 くもり

そういえば、かたつむりってなに食べるんだろう。あじさいのはっぱもってきたけど食べてないなぁ

6/12 あめ

花子さまにきいてみました。かたつむりはやさいとかくだものとか食べるらしいです。
さっそくきゅうりをあげました。食べてくれるといいな。あと、かたつむりはしめっていないとダメみたいです。

6/13 はれ

今日もかたつむりをひろいました。道のど真ん中にいました。今日は、はれているのでそのままにしておいたらひからびてしまうらしいです。
花子さまがひろってくれました。かたつむりのなかまがふえてよかったです。

6/14 くもり

かたつむりがふえて2ひきになりました。そろそろなまえをつけようかな。

6/15 はれ

かたつむりにはタローとジローというなまえをつけました。


6/17 くもり

日よう日、学校に来ない間にケージがひからびてました。
かたつむりはからだけになってました。あせって花子さまにそうだんしたら、からの中にとじこもって
ひでりから身をまもっていたみたいです。よかった死んでないんだね。タロー、ジロー
こんなことがおこらないように、次からは家にもって帰ります。

6/18 あめ

タローとジローはまたつのを出して元気にしてます。そろそろエサをかえないと。

6/19 あめ

今日も雨です。雨だとかたつむりが元気にしているような気がします。

6/20 くもり

あまりきりふきで水をあげすぎるのもよくないようです。とくに水たまりができるとおぼれるらしいです。
気をつけないと

6/21 くもり

今日もタローとジローが元気です。花子さまとかたつむりのそだて方を話していたらみさきちがわりこんできました。

6/24 はれ

日記を学校においてきちゃったから土日はかけませんでした。あいかわらず元気です。

6/25 あめ

そういえば、かたつむりってオスとメスいるのかな?

6/26 あめ

花子さまにきいたらかたつむりは、しゆうどうたいでオスとメスのくべつがないらしいです。
すごいなぁ。たまごうんでいっぱいふえないかな。

6/27 あめ

男子たちがかたつむりをいじめているのをみつけました。みらいちゃんがやっつけてくれました。
もっとめだたないところにうつそうかな

6/28 くもり

きょうしつからこうしゃのうらにケージを移しました。明日の土よう日はがっこうがある日です。ここにおいていこう。

第225話 こころちゃんの飼育日記1 終わり

第226話 こころちゃんの飼育日記2

6/29 朝

シトシトシトシト

こころ「んー……」ゴシゴシ

こころ「え!? 雨!?」

こころ「いけない! 早く学校にいかなきゃ!」バンッ

小川母「ちょっとこころ! どこ行くの!?」

こころ「学校に行ってくる!」

小川母「まだ朝ごはんも食べてないじゃない」

こころ「それどころじゃないの! このままだとタローとジローが!!」

小川母「タロー? ジロー?」

こころ「行ってきます!」

バタバタバタバタッ

学校かたつむりの飼育ケージ前

こころ「はぁはぁ……」

こころ「えっ!? ない!? そんな! タロー! ジロー! どこ!?」

ガサガサ

こころ「いない!!」

花子「こころ」

こころ「花子ちゃん!」

花子「大丈夫、無事だし。昨日夜雨が降ってきたから急いで回収しに行ったんだし」

花子「ここだと、雨があたるから」

こころ「あ、ありがとう!! 花子様!!」パァ

花子「これからは場所にも気をつけないといけないし」

6/29 あめ

朝おきたら雨がふっていました。かたつむりのケージは外にあったので、雨でタローとジローが溺れるところでした。
きのう花子さまがもってかえってくれたおかげで、ぶじでした。
でも、いろいろときをつけないと。もうすこしで、タローとジローを死なしちゃうところでした。
花子さまが りかしつ の先生に話してくれて りかじゅんびしつ でかうことになりました。
りかじゅんびしつは、日があたらなくてかたつむりのしいくにはいいようです。
ありがとう。花子さま。今日はたすけてもらってばかりです。

7/1 くもり

花子さまがりかしつで先生と話しています。どうやら星の話みたい。私にはよくわからなかったです。
かたつむりをかんさつしていると、黄色いものを貝がらのわきから出します。
先生にきいたら、どうやらかたつむりのフンらしいです。おしりがこんなところにあるのかぁ。

7/2 はれ

今日は理科じゅんびしつにみさきちとみらいちゃんが来ました。タローをみさきちの手にのせるとみさきちはいやがっていたけど
タローはぐいぐいのぼっていっておもしろかったです。みらいちゃんはジローにエサをあげていました。
先生がかたつむりをさわったあとは手をあらうことと言ってました。きせいちゅう がいてあぶないらしいです。
こんなにかわいいのに…

第226話 こころちゃんの飼育日記2 終わり

カタツムリはあげた野菜の色と同じ色のフンをするんだよな

第227話 こころちゃんの飼育日記3

7/8 はれ

今日はあつかったけど、理科じゅんびしつはすずしいのでかたつむりはだいじょうぶでした。
前に入れた土がしめっててかたつむりにはすごしやすいのかもしれません。
でも、夏休みになったらもってかえろう。

7/8 はれ

今日もあついです。でもタローもジローも元気です。

7/10 はれ

タローとジローがからでてきません。なんで! きのうまではげんきにうでのぼったりしてたのに!!


こころ「ねぇ! 霧吹きかけても出てこないよ! 花子ちゃん!!」

花子「あまり霧吹きかけすぎても溺れちゃうから、気長に待つしか無いし」

こころ「出てくるまでって、いつ出てくるの!!」

花子「わからないし……」

こころ「今日は持って帰る」

日記の続き

夜になっても出てきませんでした。もしかしてしんじゃったの…?

7/11

こころ「花子様、やっぱり出てこない……」

花子「もしかして、本当に死んじゃったのかも」

こころ「ヤダ! ヤダよ!! こんなんで死んじゃうなんて!! タローもジローも何も悪いことしてないんだよ!!」

こころ「……違う、私のそだて方が悪かったんだ……」

花子「そんなことないし。こころはちゃんと育ててあげてたし。単に寿命だと思うし」

こころ「まだ、生きてるかもしれない! 夏休みも家で飼う!」

7/11 はれ

イヤだ! タローとジローが死んじゃうなんて! そんなことあるわけない!
夏休み中見張ってる。


それから毎日毎日、こころは霧吹きで湿らせたり、エサを変えたりしていた。
しかし、夏休みに入ってもかたつむりは目を出すことはなかった。

8/31 はれ

やっぱり、タローもジローも出てこなくなった。からの中までかんそうしてて、そこから
黒いこながパラパラ出てきた。 ようやくタローとジローが死んじゃったというのがわかりました。
私のそだて方がわるかったんだ……こんなことなら、生き物なんかかうんじゃなかった。
もう、日記を書くのはやめにします。

第227話 こころちゃんの飼育日記3 終わり

第228話 こころちゃんの飼育日記4

9/1 始業式

こころ「結局、タローもジローももう出て来なかった」

未来「まぁ、元気だして、きっとタローもジローも天国に行ったんだよ。生まれ変わったらこころちゃんのところに来るって、育ててくれてありがとうって」

こころ「そうかな……」

未来「うん、だから元気出して! こころが悲しんでると私も悲しいから」

こころ「うん……」

花子「こころ」

こころ「どうしたの?」

花子「かたつむりのこと調べたら、かたつむりって産卵後、数ヶ月で死んじゃうって書いてあった」

こころ「?」

花子「つまり、タローもジローも産卵後だった可能性があるし」

こころ「じゃあ、それって」

花子「うん、タローとジローの子どもがどこかにいるんだし」

花子「この辺でかたつむり見たらタローとジローの子供かもしれないし」

こころ「そっか。うん、それならいいな」

花子「ほら、ここにかたつむりがいるし」

こころ「あっ、タローとジローと同じ種類だ」

花子「そう、もしかしたら子供かもしれないし。はい」

ペター、ニョキッ、ノボノボ

こころ「わぁー、私の腕登ってるよ~」

未来「やっぱり、そのかたつむりタローとジローの子どもだよ! こころちゃんに懐いてるもん!」

花子「また飼うし?」

こころ「! ……ううん、やっぱりいいよ。このまま逃してあげる。やっぱり自然の中にいるのが一番だよ」

花子「そっか。まぁそれはこころ次第だし」

それから、こころはタローとジローの墓を作って埋めてあげた。

9/6 はれのちあめ

夕立がふったあと、また、かたつむりがいました。もしかしたら、本当に花子さまの言ったとおり
タローとジローの子どもかもしれません。そうだといいな。
タロージローおやすみなさい。

第228話 こころちゃんの飼育日記4 終わり

第229話 1日姉妹入れ替え 楓側

楓「というわけで、今日は大室楓になるの! よろしくなの! 撫子お姉ちゃん! 櫻子お姉ちゃん!」

撫子「よろしくね。楓」

櫻子「花子と違って生意気じゃないからいいな」

撫子「どうせなら櫻子とひま子も……あっ、でもそうすると古谷家が大変か」

櫻子「あっ、ねーちゃん今私のことバカにしたな! 私はいらないってか!?」

楓「だ、ダメなの! ケンカはダメなの!」

撫子「大丈夫だよ。ケンカはしてないから」ヨシヨシ

楓「うぅ……」

楓「あっ、そういえばこれあげるの!」

楓「お世話になるから持っていけってお姉ちゃんが」

櫻子「おぉー美味しそうなチョコレートじゃん! 後で食べよー」

撫子「みんなで食べるんだからね」

櫻子「よっしゃ! じゃあ楓遊ぶか?」

楓「うん! なにして遊ぶの?」

櫻子「とりあえず、ゲームするか?」

楓「うん!」

撫子「じゃあ、私は夕飯作るから」

櫻子「おう、美味しいもの作ってくれよな」

撫子「言われなくても櫻子が作るのより美味しいから大丈夫」

櫻子「ぐぬぬ」

夕食

楓「わぁー美味しそうなの! 頂きます」

櫻子「肉じゃがか……まずまずの出来だな」

撫子「アンタは何様のつもりだ」

パクッ

楓「美味しいのー! 撫子お姉ちゃん料理うまいの! 今度教えて欲しいの!」

撫子「お口にあったようでよかった。でも、ひま子も料理うまいよ?」

楓「お姉ちゃんも料理上手だけど、撫子お姉ちゃんにもおしえてもらいたいの!」

撫子「そっか、わかったじゃあ今度ね」

楓「うん!」

撫子「ご飯食べ終わったら、櫻子と一緒にお風呂に入っちゃいな」

楓「わかったの!」

お風呂

櫻子「さぁ入れ入れー」ザブーン

楓「あっ、髪流さないで入ったらダメなの!」

櫻子「えっ? なんで?」

楓「お姉ちゃんがいつも言ってるの。髪の毛お化けがでるって」

櫻子「ぷっあっはっは! そんなのでるわけないじゃん!」

楓「でるの! 実際家のお風呂の排水口から……」

櫻子「えっ? ホントに……?」ガクブル

楓「でるの!」ジッ

櫻子「ご、ごめんなさいー!!」ヒィー

就寝

撫子「あれ? なんで私の部屋に?」

櫻子「か、楓がどうしてもっていうから」ガクブル

楓「櫻子お姉ちゃん怖がりなの」

櫻子「こ、怖がってない! ま、まぁ楓が怖がってるから特別に抱きついて寝てやろう」ギュッ

撫子「まぁいいや、はい電気消すよ。おやすみ」

楓「おやすみなさい」

櫻子「」ギュッ

楓「櫻子お姉ちゃん……いつまでも抱きついてると寝られないの……」

第229話 1日姉妹入れ替え 楓側 終わり

第230話 1日姉妹入れ替え 花子側

向日葵「いらっしゃいませ、花子ちゃん」

花子「お世話になりますし」

向日葵「夕食作っちゃいますわ」

花子「手伝うし」

向日葵「じゃあ、カレー作るからじゃがいも洗ってくれるかしら?」

花子「わかったし」

向日葵「……」シュッシュ、トントントントン

花子「手際がいいし、まるで撫子お姉ちゃんみたいだし」

向日葵「撫子さんはもっと料理がうまいはずですわ」

花子「ひま姉も相当だし。同年代の櫻子とは比べ物にならないし」

向日葵「櫻子は……何回も教えて差し上げたんですけどね」

花子「こっちでも教えてたし」

向日葵・花子「はぁ」

グツグツ

向日葵「そろそろですわね」

花子「だし」

夕飯

向日葵「頂きますわ」

花子「頂きますだし」

パクッ

花子「うん、おいしいし」

向日葵「花子ちゃんの作ってくれたサラダも美味しいですわよ」

花子「野菜切っただけだし」

向日葵「でも、小2でそれだけ出来るのはすごいことですわ」

花子「ありがとうだし」

向日葵「食べ終わったらお風呂入りましょう。背中流しますわ」

花子「えっ、一人で入れるし」

向日葵「せっかくですから、一緒に入りますわ」

花子「わかったし」

お風呂

向日葵「おまたせしましたわ」ボイーン

花子「(やっぱり、ひま姉はデカイし)」

花子「(あのサイズは大室家では見られないものだし)」ジー

向日葵「ん? どうしたんですの? 花子ちゃん?」

花子「な、なんでもないし///」ブクブク

シャー

カチャッ、トントントントン

花子「何してるんだし?」

向日葵「シャワー浴び終わったら髪の毛が流れますわ。それの掃除ですわ」

向日葵「これをしないと、髪の毛が排水口に溜まってつまりますわ」

花子「そういえば家はあまりやってないし」

向日葵「きっと、お母さんがやってくれてるんですわね」

花子「花子もやった方がいいと思ったし」

向日葵「そうですわね。例え、僅かな時間といえど体の垢が一緒についた髪の毛を放置しておくのは衛生面的によくないですからね」

花子「なるほど」

就寝

向日葵「花子ちゃん、楓のベッド使っていいですわよ」

花子「ひま姉と一緒に寝たいし」ギュッ

向日葵「ふふ、いいですわよ(花子ちゃんは可愛いですわね……まるで、昔の櫻子のよう)」

花子「おやすみなさいだし(ひま姉も本当のお姉ちゃんにならないかな)」

向日葵「はい、おやすみなさいませ」

翌朝

ピーンポーン

向日葵「あっ、もう朝ですわね」

撫子「ひま子ー楓連れて帰ってきたよ」

向日葵「はい。今出ますわ」

ガチャ

櫻子「……」ガシッ

楓「……」

向日葵「な、なんで、また抱きかかえられているんですの……?」

櫻子「イヤーだー楓返したくない!!」

楓「櫻子お姉ちゃん、苦しいの……」

花子「早く返してあげろし」

櫻子「花子は戻ってくんな!」ペッペッ

花子「何言ってんだし!!」

第230話 1日姉妹入れ替え 花子側 終わり

第231話 七夕の願い

未来「あっ! こんなところに短冊がある! 願い事かな?」

花子「もう、七夕だし」

こころ「誰がどんなこと書いてあるのかな~?」

もう少し仲良くなれますように 杉浦綾乃
豊作祈願             池田千歳
ゆい先輩とキスしてみたいです ちなつ
シャワー浴びたい         京子
出番が増えますように      あかり

花子「なんか見たことある名前がちらほらあるし……」

未来「こころはどんな願い書くの?」

こころ「う~ん、イヌ?」

花子「なんだしイヌって!? 願いになってないし! イヌになりたいのかし!?」

みさき「」カリカリカリカリ

未来「みさきちは一生懸命何書いてるの?」

今年こそ花子をこえられますように!!! みさき

みさき「ちょっ、ちょっと何見てんのよ!」

未来「あーそれは無理だよ」

みさき「やってみなきゃわからないわよ!」

こころ「花子様は~?」

花子「花子は七夕の日が晴れますようにって書くし」

未来「それが願いなの?」

花子「七夕の日に、天体観望会するんだし。織姫と彦星が見えるように晴れることを祈るし」

こころ「なるほど~」

みさき「」カリカリ

たなばたの日はくもりますように!! みさき

未来「ちょっと酷いよー!」

こころ「いいな~ こころもてんたいかんそくしたいー」

花子「こころたちも来るし?」

未来「いいの!?」

花子「お母さんの許可取ってきたら来てもいいし。ついでにお泊り会するし」

みさき「……」

花子「みさきも来るかし?」

みさき「ど、どうしても来て欲しいなら行かないこともないわ!」

未来「全く素直じゃないな~」

花子「じゃあ、みさきと未来とこころと花子と家のメンバーで天体観望会するし!」

こころ「うん!」

第231話 七夕の願い 終わり

第232話 七夕星空鑑賞会

7/7

櫻子「よーし!みんな集まったかー?」

未来「1」

こころ「2ー」

櫻子「3!」

みさき「よ、よん!」

花子「5ー」

撫子「……」

花子「撫子お姉ちゃん?」

撫子「えっ? 私も点呼するの?」

櫻子「当然だろ! ねーちゃん行かないのかよ!」

撫子「いや、行くけど。じゃあ6」

櫻子「じゃあ行くかー」

花子「ていうかなんで櫻子が仕切ってるんだし!」


辺りが田んぼのちょっとした空き地

撫子「ちょっと離れるとすぐに家がなくなるから星が一杯見えるね」

櫻子「そうだなー。そこだけが田舎の利点だ」

未来「晴れてよかったね!」

花子「だし! お陰で天の川まで綺麗に見えるし」

こころ「花子様ー! どれが織姫でどれが彦星なの?」

花子「まず、夏の大三角形を探すし」

花子「夏の大三角形は全部1等星だから一番わかりやすいし、天頂付近の3つ結ぶと夏の大三角形ができるし」

みさき「んー……どれよ! わからないわよ!」

花子「みさき……双眼鏡は視野が狭くなるから逆に星座は観察しにくくなるし……」

未来「なんだかんだいって、みさきちが一番気合入ってるよねー」

みさき「ハッ!!」カァ

みさき「そ、そんなことない!!」

櫻子「なるほど、全く見えん」双眼鏡を逆から覗きこむ

撫子「アンタは双眼鏡の使い方が間違ってる」

こころ「見つけたー、たぶんあの星とあの星とあの星だ」

花子「たぶんそれだし。十字型のがはくちょう座、こころが見つけた星は、デネブって言って天の川の中にあるし」

花子「そして、その右側にある星がこと座のベガ。これが織姫星だし」

花子「天の川を挟んで左側にあるのがわし座のアルタイル。これが彦星だし」

未来「私聞いたことがある。織姫と彦星は、七夕の日にしか会えないんだよね」

花子「そうだし。でもなんでそうなったか詳しくはよく知らないし」

撫子「簡単に説明すると織姫は王様の娘で織物の上手な娘だった。また夏彦という牛追いの男も働きものだったんだけど、2人が出会ってお互いを好きになって結婚すると、どちらも全く仕事しなくなったから王様が起こって2人を天の川を挟んで引き離したけど、ずっと離したままだとあまりにかわいそうだということで7月7日だけ会うことを許した」

撫子「実際七夕は旧暦の7月7日だから今の8月中旬に行われる行事だったんだけど、日付だけ引き継がれちゃったから梅雨に重なる時期になったんだよね。まぁ今年は晴れてよかったけど」

こころ「へぇー、撫子さん物知りだぁ」

未来「いいなぁ、花子様はカッコイイお姉さん居て」

櫻子「(私のことかな?)」

花子「撫子お姉ちゃんはいいお姉ちゃんだし」

櫻子「なんだよ! ”は”って!!」

みさき「あっ、流れ星よ!」

未来「えっ!? 本当? 見てなかった」

こころ「なんてお願いした?」

花子「というかお願いは七夕の笹で決まってるんじゃ……」

未来「それにしても、綺麗だね! 花子様もっと星座について聞かせてよ!」

花子「わかったし! それじゃあ、あの星座から……」

第232話 七夕星空鑑賞会 終わり

第233話 七夕星空鑑賞会2

花子「じゃあ、せっかく夏の大三角形を見つけたからや座から見つけるし」

花子「夏の大三角形の中にあって、彦星に近い方にある星で2つ星が見えるかし?」

未来「あれかな?」

花子「それをつないでいくと、横に2つ星が並んでるし。これがや座だし。単純だけど矢の形に見えるからや座って言われてるし」

未来「あっ、あった! ホントだ! 矢の形に見える」

こころ「ホントだ~」

みさき「確かにこれは矢の形に見えるわね。でも、星座ってほとんどその形に見えないわよね」

花子「それは花子も同感だし……」

櫻子「おい、花子! 北斗七星見つけたぞ!」

花子「そっちは南東だし……でも、形が似ているから南斗六星って呼ばれてるし。そして、それいて座の一部だし」

花子「それにしてもよく見つけられたし……南の空は天の川に埋もれる上に、南斗六星は1つだけ2等星、4つは3等星、柄の先っぽは4等星なのに」

花子「北斗七星の方がよっぽど見つけやすいし」

櫻子「ふふ~ん! この櫻子様は目がとても良いのだ!」

こころ「櫻子お姉ちゃんすごーい」

櫻子「もっと褒めろ褒めろこころよ」

撫子「その目の良さを少しでも頭に回してくれれば」

みさき「じゃあ北斗七星はあれね!」

花子「そうだし。星の少ない北の空で目立つ2等星と真ん中は3等星、一年のほとんどの時期に見られるし。これははっきりとひしゃくの形がわかるから目立つし」

花子「ちなみに、コの字型になってる方の外側の2つの星が見えるかし?」

こころ「うん」

花子「あの2つの星の間を指で計って、2つの星の延長線上を5倍に伸ばせば、北極星が見えるし」

こころ「う~ん、あれかなー」

花子「たぶんそうだし。北極星は常に北にあって動かない星なんだけど、2等星で見つけにくいから。北斗七星を利用して探すのが手っ取り早いし。他にもカシオペア座っていうのもあるんだけど」

未来「花子様すごい知識だね! ところでさっきから言ってる2等星とか3等星ってなに?」

花子「あっ、説明してなかったし。星には等級っていうのがあって、見た目の明るさで分けられてるし」

花子「夜の星で一番明るい星を1等星って言って、そこから暗くなるにつれて2等星、3等星、4等星、5等星、6等星ってなっていくし。肉眼で見えるのは6等星までって言われてるし」

花子「ちなみに、1等級違うと明るさは約2.5倍違うし。5等星と1等星の明るさは100倍違うって見た。計算式があるみたいだけど、花子にはまだ難しすぎて分からなかったし」

撫子「ああ、私も花子の持ってた本読んだけど、100の5乗根で明るさが変わるってやつね。あれ、高校レベルだから分からなくても無理はないよ。対数スケールを取るとか言ってたけど詳しくは私もよくわからなかった」

櫻子「ちゃんとわかるようにしゃべれよ! 何言ってるかわかないよ! ねーちゃんも花子も!」

撫子「私の話は、難しいとして、花子の話はわかりやすいと思うんだけど」

こころ「花子様の話はわかったー」

未来「わかりやすいね!」

櫻子「うぐぐ……」

撫子「(小2に頭で負ける中1……見てて不憫だ)」

未来「それにしても、本当に物知りだ! さすが花子様!」

みさき「なっ! みさきだって、これから星に詳しくなるわよ!!」

花子「いや、別に無理して詳しくならなくても……」

第233話 七夕星空鑑賞会2 終わり

第234話 なんで花子の隣なの!

大室家

こころ「ふぁあああ」ネムネム

未来「せっかくのお泊り会だけど、星見てたらもう10時過ぎちゃったね。私も眠いや」

撫子「花子の部屋だと4人は寝られないからってお母さんがリビングに布団敷いておいてくれたみたいだよ」

みさき「え!? 花子と一緒に寝るの!?」

花子「いや、お泊り会なんだから一緒に寝るのは当然だし」

こころ「私一番端がいいー」

未来「じゃあ、私はここー」

櫻子「じゃあ、私はここだな!」

撫子「アンタは自分の部屋で寝なさい」

みさき「(こころと未来が右の2列に寝るってことは……)みさきと花子が隣同士!?」

花子「じゃあ、寝るし」

みさき「むぅ……」

撫子「(ふ~ん、なるほどねー)」

順番

こころ 未来 花子 みさき

花子「電気消すし」パチン

…………

こころ「もう食べられないよぉ」スゥースゥ

未来「……」スゥースゥ

花子「……」

みさき「(なんで花子の隣で寝なきゃいけないのよ!)」

花子がみさきの方に寝返りをうつ

みさき「(こっち向いた! ちょっとやめなさいよ!! あっち向きなさいよね!)」

みさき「(……)」

みさき「(でも花子、よく見ると綺麗な顔立ちしてるわね……これで、勉強も出来て運動も出来るなんて悔しい! 絶対みさきの方が上なのに!!)」

花子「……みさき、眠れないのかし?」パチッ

みさき「なっ起きてたの!?」

花子「目を閉じながら宇宙のこと考えてたし」

みさき「花子は本当に宇宙が好きなのね」

花子「今日の星空鑑賞会楽しかったかし?」

みさき「う、うん……今日の星空は忘れないわ」

花子「そっか、みさきも誘ってよかったし。来てくれてありがとう」

みさき「(その上、優しいんだもん。これじゃあ完璧な人間じゃない! ありがとうって言いたいのはこっちなのに)」

花子「それじゃあ、おやすみ」

みさき「そ、その……花子」

花子「?」

みさき「誘ってくれて、あ、ありがとう……」

花子「みさきがお礼を言うなんて珍しいし。明日は雪でも降るのかし?」

みさき「なっ!! やっぱり花子なんて嫌いよー!!」

第234話 なんで花子の隣なの! 終わり

第235話 エアコンは勤勉者の特権

櫻子の部屋

櫻子「暑い!」

櫻子「母さんが夏休みまではエアコンつけない宣言しちゃったからつけられん」

櫻子「喉が渇いた。なにか飲み物」

リビング

ガチャ

ゴー

櫻子「なに!? 涼しいぞ」

櫻子「エアコンついてるな!」

花子「……」カリカリ

櫻子「なんでエアコンついてるんだよ! 母さんにつけるなって言われただろ!」

撫子「勉強するときだけはつけてもいいって」

花子「勉強の邪魔するなし」カリカリ

櫻子「な、なにぃ。私一人だけ除け者にして!」

花子「いや、別に除け者にしてないし。櫻子も勉強すればクーラーついた部屋で涼しく過ごせるし」

櫻子「わかったよ! 勉強すればいいんだろ勉強すれば」

花子・撫子「……」

櫻子「……」月刊リリィを開いている

花子・撫子「……(ツッコミ待ちなのか!?)」

大室母「あら、櫻子珍しく勉強してるのね」

花子・撫子「!?」

櫻子「まーねー」

花子「どういうことだし?」

櫻子「じゃーん!」リリィの中に国語の教科書

花子「逆かし!?」

櫻子「私のボケに突っ込んでくれなかったから寂しかったぞ!」

撫子「っていうか、ツッコミ待ちだったならやっぱり勉強なんてしてなかったんじゃ……」

櫻子「してたわ!」

第235話 エアコンは勤勉者の特権 終わり

第236話 暑い時は水分補給を

向日葵「暑いですわ……」ダラダラ

向日葵「日中は家にいるもんじゃないですわね」

ゴクゴク

櫻子「暑い~」

櫻子「あっ、向日葵麦茶全部飲んだな! 私にはくれないで」

向日葵「というかなんでナチュラルに人の家に上がり込んで麦茶飲もうとしているんですの」

櫻子「いいだろ別に! というか向日葵んちも暑いな」

向日葵「7月中旬まで冷房禁止月間ですわ」

櫻子「うちと同じか!? うちが暑いから向日葵の家に来たのに!! というか何か飲み物」

向日葵「水ならありますわ」

櫻子「それ冷えてないじゃん!」

向日葵「まぁね」

櫻子「ひどい! 自分だけ冷たい麦茶飲んで!」

向日葵「もう空ですわ」

櫻子「こうなったら我慢比べだ」

向日葵「仕方ないですわね」

ダラダラダラダラ

向日葵「(暑い……でも、櫻子も我慢しているからには我慢しないと行けませんわ)」

櫻子「あー、それにしてもまだ余裕だなー窓閉めるかー」

向日葵「!?」

ダラダラダラダラ

櫻子「まだ余裕だぞー、腕立て伏せ」フンフンフン、ダラダラダラダラ

向日葵「バカじゃありませんの?」

櫻子「なんだ向日葵は腕立て伏せしないのかー?」ダラダラダラダラ

向日葵「(このままじゃ櫻子は熱中症になってしまいますわ。仕方ないですわね)」

向日葵「わたくしの負けですわ」

櫻子「!? やったー勝ったー!!」

向日葵「コンビニに冷たい飲み物でも買いに行きましょう」

櫻子「そうだなー」

第236話 暑い時は水分補給を 終わり

第237話 ベストを着るか着ないか

めぐみ「あっつぅー」パタパタ

藍「暑いね」

撫子「冷房今日はいらないみたいだよ。業者が点検だって」

美穂「えー、やーん。冷房1日も入らないなんて私死んじゃう~助けて撫子ー」

撫子「いや、涼しくすることなんてできないから」

めぐみ「ていうかさ、前から思ってたんだけどさ」

撫子「なに?」

めぐみ「みんな暑いならベスト脱いだら?」

撫子・藍・美穂「……」

めぐみ「えっ? 私なにか変なこと言った!?」

藍「だってこれ脱いだら……」カァ

撫子「(ブラが透けるからなぁ。むしろなんでめぐみは平気なんだろう)」

美穂「だって、ブラ透けるじゃない?」

藍「(美穂言ったぁ!)」

めぐみ「あー、まぁ仕方ないっしょ」

めぐみ「撫子とかあまり気にしなさそうなんだけどなぁ」

撫子「どういう意味!?」

めぐみ「だってさ」

美穂「胸ないもんね」

撫子「いや、美穂には言われてたくない」

撫子「やれやれ、わかったよ。脱ぐよ。美穂も脱ぎな」ギュッ

めぐみ「おおー(スラっとしてる。さすが撫子)」

藍「(えっ? これ私も脱がなきゃいけない流れ?)」

美穂「私の下着は目立つからなぁ」

撫子「私だって脱いだんだからさ」

美穂「撫子がそんなに透けブラみたいなら脱いであげる」ヌギッ

めぐみ「おぉ~黒かぁ」

撫子「(た、確かに大胆だ)」

藍「えーっと……」

撫子「次は?」

美穂「まだ着てるのは誰かな~」

藍「うぅ……わかったよ。脱ぐよ」カァ

ヌギヌギ

藍「これでどう……」

めぐみ「よくぞ脱ぎ切った」

撫子「おめでとう」

藍「な、なんか脱ぐ前より熱くなった……」

第237話 ベストを着るか着ないか 終わり


第238話 まりちゃんと楓と花子

結衣「まりちゃんお使い大丈夫かなー?」

京子「まっ、大丈夫でしょ」

櫻子「だって、花子がついてるし」

結衣「確かに大室さんの妹の花子ちゃんは頭良さそうだから大丈夫かな」

向日葵「むしろ、櫻子の方が余計な者買ってきてお買い物になりませんのよね」

櫻子「な、なんだとー」

楓「まりちゃん、今日は何買うの?」

まり「ターメリック、シナモン、カルダモン、コリアンダー、クミン」

楓「えっ? 何この調味量」

花子「ふむ、これはカレーの粉をつくるレシピになってるし。後お好みで辛いものを入れるぐらいだし」

まり「カレーなんだね」

京子「さすが花子ちゃんだ、聡明な子よ」

結衣「京子、お前紙すり替えただろ?」

京子「てへっ!」バシッ

京子「ちょっと結衣ー痛いぞ」

櫻子「あれからカレー出来るんっすかね?」

櫻子「何分煮込めば出来上がりっすか?」

結衣「あはは、何分だろうねー(……やっぱりこの子は頭が弱いんだろう。そっとしとこう)」

スーパー

花子「これとこれとこれだし」

楓「ほえーさすが花子お姉ちゃん」

まり「花子お姉ちゃんすごいの! うに!」

花子「うに!?」


まり「うに見てくるの」タッタッタ

楓「あっ、ちょっとまりちゃん走っちゃ危ないよ」

まり「う~に~」

楓「まりちゃんはうにが好きなんだね」

まり「うん!」

櫻子「そうだ! 今日家でみんなご飯食べて行きません?」

向日葵「何を唐突に」

櫻子「だって、今日私が夕食作る番なんですよ」

櫻子「でもみなさんが入れば、みんな手伝って……食べてくれる人の気持ちを考えながら作るから美味しい料理になりますわよ!」

向日葵「なんで、お嬢様口調なんですの。あと、本音が漏れてますわよ」

京子「おっ、いいじゃんいいじゃん。一般家庭ならコンロも何個かあるし、サラダでも買って帰ろう」

結衣「大室さん、本当にいいんですか? 親御さんとか」

櫻子「大丈夫、家の両親夜遅くにならないと帰ってこないから。いつも姉妹で料理つくってんだ」

結衣「(複雑な家庭なのかな?)」

花子「花子も賛成だし! この間来てくれたお姉さんたちと一緒に食べるの楽しみだし」

結衣「(なんて可愛い子なんだ)」

櫻子「じゃあ、食材かったら行きましょ内に」

第238話 まりちゃんと楓と花子

全ては愛のターメリック!

第239話 カレー作りin大室家1

大室家

結衣「お邪魔します」

京子「お邪魔しまーす」

楓「お邪魔しますの」

まり「お邪魔します」

向日葵「お邪魔しますわ」

撫子「あれ? なんか増えてる」

花子「まりちゃんっていう子だし。楓と買い物しにいったら迷子になってたんだし」

結衣「その保護者の船見結衣です」

京子「船見結衣の保護者の歳納京子です」

結衣「調子に乗るな」

撫子「あっ、この前の」

京子「いやぁ、この前はお世話になりましたー」

結衣「あの、お邪魔しちゃってもいいですか?」

撫子「どうぞ」

楓「まりちゃんがカレーの材料買ってきたの!」

まり「こんにちは!」

撫子「君がまりちゃんか。どれどれ……」

撫子「えっ? 全部香辛料から!?」

花子「さすがに花子も作り方までは知らないし」

結衣「撫子さん、わかりますか?」

撫子「う~ん、さすがに原材料からカレーを作ったことはないなぁ」

京子「クールな現役女子高生撫子さんでもやはり作れないか……」

結衣「おい、変な称号つけるなって。すみません。こいつが買い物のレシピを変えちゃって」

撫子「まぁ、やってみよう! ネットで調べれば作り方ぐらいのってそうだから」


結衣「そうですね(なんなんだこの安心感は)」

撫子「じゃあ、私は調べとくから、花子は野菜を切っておいて」

花子「わかったし」

櫻子「じゃあ、私はっと」

撫子「櫻子は、皆んなの分のお皿を洗ってね。最近使ってなかったからこれだけ人数が揃うと、普段使ってないお皿使わなきゃいけないから」

櫻子「ちぇー、サボれると思ったのによ」

結衣「私達もなにか手伝いましょうか?」

撫子「う~ん、お客さんに手伝わせるのは気が引けるなぁ」

結衣「でも花子ちゃんに包丁持たせるのはちょっと危ないっていうか」

花子「いつも使ってるから大丈夫だし」

結衣「私、一応自炊してるんでせめて監督だけでもさせてもらえないでしょうか」

撫子「そっか、じゃあお願い」

京子「じゃあ、私はっと」

結衣「お前も手伝うんだよ」

京子「ちぇー、サボれると思ったのに」

第239話 カレー作りin大室家1 終わり

第240話 カレー作りin大室家2

向日葵「じゃあ、私は撫子さんと一緒に作り方調べますわ」

撫子「ありがとう」

楓「楓は?」

向日葵「まりちゃんと遊んでてあげて」

楓「わかったの!」


撫子「さてと」

カレー粉 作り方

カチッカチッ

撫子「ふむふむ、ターメリック(ウコン)を弱火で10分炒める。そうしたら、他の調味料を混ぜていくのか」

撫子「そうしたら、別のハーブ・スパイスを入れて5分煮る」

撫子「ハーブ・スパイスね。ここにはフェヌグリーク、ジンジャーパウダー、カルダモン、セイボリー、クローブ、セージ、赤唐辛子、黒胡椒」

撫子「ナツメグ、コリアンダー、オールスパイス、スターアニス(ハッカク)、シナモン、ローレル、ディル、フェンネル、乾燥ガーリック、パプリカ、タイム、クミン、チンピって書いてあるけど」

向日葵「まりちゃんが買ってきたものを見ると、ターメリック、シナモン、カルダモン、コリアンダー、クミンだけですわね」

向日葵「でも入ってる原材料的にはターメリックが主成分で、あとクミンも量が多いですから、これでも作れそうじゃありませんか?」

撫子「いや、でももしかしたらスパイスってちょっと入れるだけでも風味が変わったりするから重要なのかも」

向日葵「確かにそうですわね……」

撫子「赤唐辛子と黒胡椒は加減しないと、これは辛さ調節だから楓とまりちゃんは苦手かもしれない」

撫子「乾燥ガーリックとパプリカなら家にあったかな」

撫子「先に作り方抑えておこう」

・スパイスをすべて混ぜ5分少し炒めていると香りがまた変わる時が来ますので、そうしたら出来上がりです

撫子「なんだそれだけでいいのか、結構カレー作りって簡単だったんだ」

撫子「ん?」

・ガラス密封容器に入れて、冷暗所で2週間ほど寝かせて熟成させます。

撫子「これは……香りが寝かせないと香りがでないってこと?」

カレー 寝かせる

撫子「ダメだ、メジャーなのは、やっぱり作ったカレーを寝かせるかどうかって話だ」

向日葵「自作カレー粉 寝かせるの方がいいんじゃないでしょうか」

自作カレー粉 寝かせる

撫子「おぉ! ヒットしたね。さすがひま子」

カチッカチッ

撫子「まぁ、寝かせるとより風味が出てくるってだけで寝かせなくてもいいそうだ」

撫子「ちなみに主成分はやっぱりターメリックとコリアンダーとクミンとカルダモンか」

撫子「じゃあ、作ってみよう」

向日葵「ですわね」

タンタンタンタン

櫻子「あっ、ねーちゃん、向日葵作り方わかった?」

撫子「うん、わかった。とりあえず、ターメリックだして」

まり「はい、お姉さん」

撫子「これをミキサーにかける」

ウィィィィィィン

撫子「で、粉になったやつを炒める」

撫子「10分ぐらいね」

京子「ほほぅ」

向日葵「色が変わってきたら、他のスパイスを混ぜますわ。私は、クミンとコリアンダーとカルダモンを粉砕機にってこれはもう粉になってるんですのね」

撫子「ひま子、じゃあ、ちょっとそのスパイス混ぜて」

向日葵「はい」

撫子「あっ、そうだ。櫻子ご飯炊いて」

櫻子「ええー、面倒くさい」

撫子「お米研いで炊飯器のスイッチ入れるだけじゃん。櫻子の分だけルーの量減らすよ」

櫻子「わかったよー」

花子「」ザクッザク

結衣「うん、花子ちゃん包丁の使い方うまいね。小2だとは思えないよ」

花子「ありがとうだし」

京子「花子ちゃんは私が育てた」

結衣「お前はもっといろいろ育て」



撫子「うん、いい匂い」

向日葵「カレー粉は出来上がりましたわね」

櫻子「ご飯も後、30分で炊けるぞー」

花子「野菜切り終わったし」

京子「ようやくここからカレー作りが始まるのかーレトルトだとこっからだよなー」

撫子「確かに、粉から作ると大変だってことがわかったよ」

櫻子「よっしゃーじゃあ野菜を炒めろー!!」

花子「なんで櫻子が指揮するし……」

向日葵「お米研いだでスイッチ押しただけじゃありませんの……」

第240話 カレー作りin大室家2 終わり

第241話 カレー作りin大室家3

撫子「あっ、そういえば、お肉出しておいてっていうの忘れたけど花子出してくれた?」

結衣「私が確認して出しました」

撫子「おお、ナイス機転」

京子「肉がなきゃカレーじゃないもんなー。気づいたのは私なんですよ」

撫子「ありがとう。京子ちゃん」

京子「いやぁそれほどでもー」

撫子「じゃあ、炒めよう。肉と野菜を」



撫子「よし、じゃあ水を入れて沸騰して、20分くらい煮込んだらカレーのルーを入れよう」

撫子「ごめん、ちょっとつかれたから私は休む」

結衣「お疲れ様です。後は私達にまかせてください」

グツグツ

京子「ねぇ結衣、チョコレート入れない?」

結衣「人んちに来てまでふざけんな」

櫻子「ルーってこれかなー?」

向日葵「まだ速いですわよ。しかもそれ市販のルーじゃないですか。せっかく作ったカレー粉はどうするんですの?」

花子「まりちゃんはカレー好き?」

まり「うーん、好き!」

楓「そっかぁよかったぁ」

まり「でもうにの方が好きー」

まり「将来はうにになりたい!」

楓「えぇーうにになったら食べられちゃうよ」

まり「うぅーそっかぁ。じゃあうにを毎日食べる人になりたい」

花子「じゃあまりちゃんは将来一杯稼がなくちゃね駄目だし」

まり「かせぐー! うに食べるためにまりかせぐー!!」

花子「(花子からみても微笑ましいし)」

櫻子「よっしゃーご飯炊けたぞー」

向日葵「こっちもさっきのカレー粉入れてからグツグツ煮込みましたわ」

結衣「うん、いい匂いもするし、人参やじゃがいもにもさくっと箸が入るからこれでいいかな」

撫子「お疲れ様。じゃあ食べよっか?」

皆「はい!うん!」


リビング

頂きまーす!

京子・櫻子「うめぇ!」

まり・楓「おいしいのー」

結衣「うん、おいしいです」

撫子「そっか、おいしいか、よかった。うん、確かに匂いはカレーだね」

撫子「味はどうかな?」パクッ

撫子「ああ、確かにカレーの味がする。まぁとろみとかちょっと足んない感じがするけど、仕方ないか」

櫻子「例えて言うならハヤシライス風カレーだな」

花子「いや、ハヤシライス風ではないし」

向日葵「でも、美味しいですわ。撫子さん」

撫子「いや、みんな手伝ってくれたお陰だよ。ありがとう」

櫻子「まぁみんなで作ったものっておいしいもんなー」

花子「櫻子は米研いで炊飯器セットしただけだし」

櫻子「くそう! まだそれをひっぱるか!? ご飯が一番おいしい!!」

結衣「ぷっ櫻子ちゃん意外と面白いね」

櫻子「そうですよー私ほど面白い人他に居ませんよ!」

花子「いや多分褒めてないし」

京子「おい、結衣お前の相方は私だろ! 浮気するんじゃない」

結衣「いや、別に漫才でも恋人でもないだろ」

京子「そんな、結衣、もうほかの女のところにいってしまうの……」ウルウル

撫子「あぁ、2人はそういう関係」

京子「そうで――」

結衣「違います。ただの腐れ縁の幼馴染です」

櫻子「私と向日葵もただの腐れ縁の幼馴染だからな!」

向日葵「なっ! こっちこそですわ!!」

ギャースギャース

撫子「また、始まったか」

楓「花子お姉ちゃんと楓は仲良しで居ようね」

花子「当たり前だし」

まり「まりもー」

花子「まりちゃんも友達だし」

ごちそうさまでしたー

京子「いやーうまかったぁ」

結衣「美味しかったです」

撫子「喜んで貰えてなにより」

結衣「それじゃあ私達は帰りますんで」

京子・結衣・まり「おじゃましました―」

撫子「またいつでも来てね」

撫子「さてと」

櫻子「ギャースギャース」

向日葵「ギャースギャース」

撫子「こいつらをなんとかしないと」

撫子「おーい、お皿洗ってちょうだいー」

第241話 カレー作りin大室家3 終わり

10.5巻はサブキャラ好きの聖書
更に妄想が広がるってのがいいね

おつ

第242話 だらしない姉としっかり者の妹

夜9時 花子の部屋

花子「ふぁ~、今日はこれで勉強終わりにするし」

花子「喉が乾いたし」

リビング

櫻子「スースー」グテー

花子「またこんなところで寝てるし」

花子「全く、櫻子は……腹なんて出してちゃ冷えるし」

花子「ここ2,3日は涼しいんだから体調管理きちんとしなきゃダメ出し」

花子「でもバカは風邪引かないとも言うし」

花子「おい、櫻子」ユサユサ

櫻子「んー、後5分~」

花子「別に朝じゃないし、というかそんなところで寝てたら風邪引くから自分の部屋で寝ろし」

櫻子「ん~」ムニャムニャ

花子「……はぁ、仕方ないし」

トントントントン

花子「なんで花子がこんなことしなきゃいけないんだし」ズルズル

花子「ふっ」ファサー

櫻子「スースー」

花子「はぁ……寝るし」

櫻子「花子~……ありがとう」

花子「!? 櫻子起きてたのかし!?」

花子「べ、別に櫻子のためにやったわけじゃないし!!」

花子「ただ、櫻子が風邪引くと花子にも移るから仕方なくやっただけだし」

櫻子「ありがとー……プリン」ムニャムニャ

花子「なんだし寝言かし」

花子「……はっ!?」

バタン

花子「花子のプリンがない!?」

花子「櫻子が食べたし!! 櫻子!?」

櫻子「スースー」

花子「……でも、今日は咎めないでおくし」

花子「その代わり明日になったら言っておくし」

第242話 だらしない姉としっかり者の妹 終わり

第243話 京子と大室家 リターンズ 1

京子「櫻子ちゃん、櫻子ちゃん」

櫻子「なんですか? 京子先輩」

京子「また遊びにいってもいい? 今度は私一人で行くからさ!」

櫻子「いいですよ」

京子「それでなんだけどさ……」



櫻子「あー、それ面白そうですね! やってみましょう!」

京子「ふふ、じゃあまた今度ね」

櫻子「はい!」

大室家前

櫻子「京子先輩ですか?」

京子「……おっ櫻子ちゃん、そうだよ遅かったね」

櫻子「ふふふ、じゃあ始めちゃいましょう」ニヤリ

京子「ふふふ、お主も悪よのう」ニヤリ

大室家

ガチャ

「ただいま~!」

花子「お帰りだし、速かったしプリンは買ってきたのかし?」

「あははー、そっかぁそういえば忘れたなぁ」

花子「何やってんだし。というかなんかいつもと声違うし……」

「!? ちょっちょっと喉の調子が……ごほんごほん! それより花子ちゃん高い高いしてあげるよおいで~」

花子「何いってんだし……」

「ほーれ!!」ヒョイ

花子「ちょっとやめろし!! 京子お姉ちゃん!!」

京子「あー、やっぱりバレちゃったかー」

京子「櫻子ちゃん、バレちゃったよ」

櫻子「あー、やっぱりバレちゃいましたか? 花子のやつはバカだから騙せると思ったんですけどね」

花子「(少なくとも櫻子よりは賢いし……)」

京子「と、いうわけで今日もよろしくね。花子ちゃん」

花子「髪型が同じだと櫻子とだいぶ外見が似てるし、京子お姉ちゃん」

櫻子「ホントに似てますよねー。今日見たときびっくりしましたよ!」

京子「あははー、私コスプレとか得意だからね」

櫻子「とうとう私もコスプレされるほどには人気者になったものか……」

花子「なに言ってんだし」

櫻子「ついでにねーちゃんも騙せるかやってみます?」

京子「あっ、そうだねー面白そう!」

櫻子「じゃあ、私隠れてますんで、あっ、カメラで動画取っておいてもいいですか? 後でみたいです」

京子「どうぞー」

第243話 京子と大室家 リターンズ 1 終わり

そういえば京子と大室家の話は10.5巻の前に書かれただったんだよな

第244話 京子と大室家 リターンズ 2

京子「ねぇ! どう思う? 撫子さんも騙せると思う?」

花子「(本当に外見と中身が櫻子っぽいし……)でも撫子お姉ちゃんはさすがにだまされないと思うし」

櫻子「そろそろねーちゃんも帰って来ると思います」

京子「花子ちゃん、撫子さんが気づくまでネタバレしないでね」

花子「まぁ、花子からは言わないし」

京子「さっすが! 花子様と呼ばせて貰いたい」

花子「(なんで花子様が京子お姉ちゃんにも移ってるんだし……)」

櫻子「あっ、ねーちゃん帰ってきた! 私はちょっと寝室で待機してます」

ガタンッ

撫子「ただいまー」

花子「おかえりだし」

撫子「ただいま花子、櫻子は?」

花子「リビングにいるし」

リビング

撫子「ただいま」

京子「おかえりなさい!」

花子「(声まで櫻子の真似してるし!? さっきより櫻子っぽいし!)」

撫子「あっついねー」

京子「そうだねー」

撫子「あっそうだ! アイス買ってくるよ」

京子「え!? じゃあラムレーズンでお願いします!」

撫子「ん? 櫻子ラムレーズンなんて食べたっけ? あとなんで敬語?」

京子「(はっ!?)いやー、ノリだよノリ」

撫子「まぁ、どうでもいいや。花子は?」

花子「花子は、チョコレートアイスで」

撫子「じゃあ、買ってくるよ」

櫻子「ちょっ、ちょっと待ったぁー!!」

撫子「え!?」キョロキョロ

京子「……」

櫻子「……」

撫子「え!?」


京子「というわけなんですよー。すみません騙してて」

撫子「なんだそういうことか。あまりの暑さで櫻子が2人いる幻覚を見てしまったのかと思った」

撫子「というか、ホントにわからなかったわ。櫻子に瓜二つ。姿から声から髪から中身まで」

京子「あははー。演技派なんで! 声優でも目指そうかなー」

櫻子「本当に京子先輩すごいッス! ねーちゃん騙すときは声まで私に似せるとか普通できないですよ」

撫子「じゃあ、改めて櫻子はどうする?」

櫻子「私はチョコミントー!!」

京子「あっ、私の分は大丈夫です」

撫子「でも、せっかくだから買ってくるよ」

京子「あっ、じゃあ一緒に買いに行きましょう」

撫子「そっか。それもいいね」

京子「いい忘れてたけど、お邪魔してました」

撫子「はい、いらっしゃい。京子ちゃん」

第244話 京子と大室家 リターンズ 2 終わり

第245話 京子と大室家 リターンズ 3

コンビニに行く途中

撫子「そういえば京子ちゃんはこのへんに住んでるの?」

京子「いえー、私は七森町のほうでして」

撫子「へぇ、じゃあ結構離れてるね」

京子「チャリで来ました」グッ

撫子「あはは、やっぱり京子ちゃんは面白いわ」

京子「あざっす!」

花子「初めてあったときもお友達と漫才コンビみたいなことやってたし」

京子「ああ、あいつノリ悪いよね?」

花子「いや、普通だと思うし(やっぱり、櫻子臭がするし……)」

櫻子「向日葵もノリ悪いんだよなぁ」

花子「櫻子はひま姉にどんだけ世話してもらってるんだと思ってるんだし」

撫子「結衣ちゃんだっけ? 彼女とはいつから友達なの?」

京子「もう物心ついた頃からですね! 家が近所だったんで、幼馴染ってやつです」

京子「あと、あかりもそうですね」

撫子「へぇ、幼馴染か」

櫻子「結衣先輩もあかりちゃんも良い人だからあまりケンカしなくていいですよねー。向日葵は極悪人だからケンカばっかりしてますよ。特にあのおっぱいとか!!」

京子「いや、私と結衣もたまにケンカするよ」

櫻子「へぇ、そうなんですか?」

京子「ラムレーズン買い忘れたとかそういうので」

櫻子「あっ、わかります! 食べ物の恨みはいつまでも残りますよね!」

花子・撫子「(それを言うなら私は櫻子に恨みがたまり続けてるよ)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結衣「ハックション! くしゃみが、誰か私の噂でもしてるのか……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

向日葵「ハックシュ! 誰か私の噂でもしてるのかしら?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

京子「あっ、コンビニつきましたね!」

櫻子「わーい、アイスだぁー」

第245話 京子と大室家 リターンズ 3 終わり

第246話 京子と大室家 リターンズ 4

コンビニ

撫子「さてと何にしようかな?」

櫻子「私はチョコミントー!!」

撫子「残念だけどこのコンビニにはチョコミントはないよ」

櫻子「なにー!? じゃあいつも家にあるチョコミントは一体どこで……」

花子「あれはお母さんがシャトレーゼ行った時に買ってきてるし」

櫻子「知らなかった……」

花子「いや、櫻子もいたし!」

櫻子「私はなに食べればいいんだ!」

京子「ラムレーズンおすすめだよ!」

櫻子「ラムレーズンはあまり食べたことありませんね」

撫子「というかハーゲンダッツじゃんそれ」

櫻子「ハーゲンダッツならクッキー&クリームが好き!」

花子「花子はチョコレートがいいし!」

京子「えーラムレーズンおいしいのにー」

撫子「(やばい、なんかハーゲンダッツ買う雰囲気になってしまった……京子ちゃん恐ろしい子!)」

撫子「(仕方ない、さらば私の野口英世!)」

撫子「よっし! じゃあ奮発してハーゲンダッツにしよう!」

櫻子「やったー!!」

撫子「花子はチョコレートで、櫻子はクッキー&クリーム、京子ちゃんはラムレーズンでいい?」

花子「大丈夫だし」

京子「えっ? 私の分も……?」

撫子「せっかく遊びに来てくれたんだもん。お客さんなんだから奢られていきなさい」

京子「なんかすいません。ありがとうございます!」

花子「撫子お姉ちゃんカッコイイし」

櫻子「よっしゃー! じゃあ今日はハーゲンダッツパーティーだー! ついでにポテチも買っていこ」

撫子「櫻子、ポテチはまだ家に備蓄があるでしょ」

櫻子「そういやそうだったー」

撫子「(危ない危ない……さらに出費を増やすところだった)」

第246話 京子と大室家 リターンズ 4 終わり

第247話 京子と大室家 リターンズ 5

大室家

櫻子「よっしゃー! アイス! アイス!」

花子「櫻子はしゃぎ過ぎだし」

撫子「久しぶりのハーゲンダッツだからね」

櫻子「今日の私はごきげんだぞ! 花子にも食べさせてやる、はいあーん」

花子「おい、やめろし!! 食べるから! 食べるから!」

京子「いやー、いいですね姉妹って」

撫子「京子ちゃんは姉妹いないんだっけ?」

京子「はい、一人っ子です。姉妹同士で食べ物分けたりとかそういうの憧れますね。まぁそのポジションが幼馴染ですけど」

京子「でもいっつも帰ってきたら家に話し相手がいるっていうのは憧れます」

撫子「まぁ、いつも一緒にいると鬱陶しく感じちゃうんだけどね。特に櫻子」

櫻子「なんだとー! ねーちゃん聞き捨てならないことが聞こえたぞ!」

撫子「なにも言ってないよ」

櫻子「まーいいや。今日の櫻子様はごきげんだ。はい、ねーちゃんもあーん」

パクッ

撫子「うん、クッキーアンドクリームも美味しいね」

京子「……」

京子「私のも食べます?」

撫子「いいの?」

京子「もちろんです」

パクッ

撫子「うん、ラムレーズンも美味しい。じゃあ私のグリーンティーもあげよう」

京子「あーん」

パクッ

京子「あれ? おいしい。グリーンティーってこんなに美味しかったんですか!?」

撫子「私はハーゲンダッツの中では一番好き」

花子「花子も欲しいし」

撫子「はい、あーん」

パクッ

花子「うん、美味しいし」

京子「私のも食べる?」

花子「ラムレーズンはお酒が入ってるから食べられないし」

京子「まぁ大したアルコール分じゃないんだけどね」

櫻子「ふふ、花子にはまだ早いようだな! 私なら!!」

撫子「櫻子もやめときなさい」

櫻子「えーなんでさ!」

撫子「なんとなく」

京子「(あーやっぱり姉妹っていいなー。それはそうと、撫子さんにはお世話になったから何かして返さないと)」

第247話 京子と大室家 リターンズ 5 終わり

そういえば京子は一人でアニメ一本声いれれるほど声真似うまいんだったな

第248話 京子と大室家 リターンズ 6

櫻子「ふー美味しかった! おっしゃポテチも食べちゃお」ガサゴソ

撫子「私はいいや」

花子「花子もいいし」

京子「うーん、私もいいかな」

櫻子「え? なんだよ皆食べないのかよ……」

櫻子「ということは! 私独り占めじゃん!」ヤッター

撫子「やれやれ」

京子「(撫子さんに何してお返ししよう……あっ、そうだ!)」

京子「撫子さん、唐突ですけどマッサージとか如何ですか?」

撫子「えっ? マッサージ?」

京子「はい、私得意なんですよ~アイスのお返しだと思って」

撫子「じゃあ、肩やってもらおうかな」

京子「わかりましたー」

モミモミ

京子「どうですかー?」

撫子「あーいいね。なかなかうまいよ」

京子「受験勉強ってやっぱり大変ですか?」

撫子「うん、ずっと机に座って勉強してると肩だけじゃなくて腰もつかれるんだようね」

京子「ああ、じゃあ腰もやっちゃいますよ」

ぐっぐっ

撫子「気持ちいい」

撫子「本当に京子ちゃん、マッサージうまいね」

京子「ありがとうございます!」

京子「目とかも疲れません?」

撫子「あー疲れるねー」

京子「首の後ろから頭にかけてのここ、気持ちいいと思いますよ」

ぐぐぐっ

撫子「おお! これは新発見、確かにすごいいい」

京子「自分で刺激するだけでもだいぶ違うと思いますよ」

撫子「でも目の疲れがなんでここに?」

京子「なんででしょうね? 頭支えてるからでしょうかね?」

京子「まぁとにかく気持ちいいんであんま気にしたことないっす」

撫子「ははは、京子ちゃんらしいわ。その適当な感じが」

京子「だいたいとかテキトーで生きてますからね」

撫子「ふぅ……ありがとう」

京子「どういたしまして」

京子「さてと、また遊ぶぞー!」

撫子「元気な子だ」

第248話 京子と大室家 リターンズ 6 終わり

第249話 京子と大室家 リターンズ 7

京子「花子ちゃんは勉強してるの?」

花子「そうだし」

京子「偉いなーあーでも私も小学2年生のときぐらいまではちゃんとやってたかもしれないなぁ」

櫻子「あーわかります。だんだん勉強しなくなっちゃうんですよね」

京子「そうそう。小5くらいには勉強しなくなったなぁ」

花子「(やっぱりこの2人は似たもの同士だし)」

櫻子「宿題とか向日葵に見せてもらったりします」

京子「私も結衣んち行ってみせてもらうなー」

撫子「(やはり似たもの同士か……)」

向日葵「お邪魔しますわ」

撫子「あ、ひま子いらっしゃい」

京子「あ、おっぱいちゃんじゃん!」

向日葵「わっ! 歳納先輩いらっしゃってたんですわね。あと、そのおっぱいちゃんっていうのやめてください」

櫻子「なんだよー向日葵ーなんか用かよー」

向日葵「うちで作ったカレー余っちゃったので分けようと持ってきただけですわ」

撫子「ああ、ありがとう」

京子「ふむふむ、そう考えると向日葵ちゃんと櫻子ちゃんの関係は私と結衣の関係性にそっくりなのかもしれない」

向日葵「なにがです?」

櫻子「宿題移させてもらったりするところだよ~いやー京子先輩も結衣先輩に宿題移させてもらってるらしいよ! ほら、それが普通なんだって!!」

向日葵「えっ!? 歳納先輩がですか……」

京子「んー?」

花子「?」

撫子「?」

向日葵「だって、歳納先輩って2年の学年成績1位ですわよね?」

櫻子「まさかー? 冗談言うなよ向日葵ー」

京子「そうだよ」

櫻子・花子・撫子「ええーー!!?」

京子「でも普段は勉強しないからなぁ……宿題とか結衣に見せてもらってる」

向日葵「あの……歳納先輩が……」

撫子「じゃあ、テスト前に?」

京子「はい、一夜漬けで」

撫子・花子・向日葵「(天才タイプか……)」

櫻子「なるほど、私に足りなかったのは一夜漬けか……」

撫子・花子・向日葵「(ただのバカだ……)」

向日葵「あっ、とりあえずカレー置いておきますね」

撫子「ひま子も今日家で食べていきなよ」

京子「カレーパーティか!」

第249話 京子と大室家 リターンズ 7 終わり

第250話 京子と大室家 リターンズ 8

撫子「(カレー……まだこの前作ったカレー粉残ってんだよね……)」

花子「(最近3日に一回はカレーだし……)」

京子「あれ? そういえばまたカレー? この前もやらなかった?」

向日葵「そういえばそうでしたわね。ごめんなさいカレー持ってきて」

撫子「いや、ひま子は悪くないよ」

櫻子「まぁ私はカレー好きだからいいけどなー磯辺揚げもあると尚更いい!」

京子「というか最近大室家に入り浸りだなぁ私」

櫻子「どんどん来てくださいよ!」

花子「うん、結衣お姉ちゃんとあかりお姉ちゃんも連れてきて欲しいし」

京子「ちなつちゃんっていうあかりと同じ学年の子もいるんだけどね! ミラクるんにすっごい似ててー」

櫻子「あー、ちなつちゃんはまだ家に来たことそういえばないですね。今度誘ってみます」

京子「うん、たぶん喜ぶよ」

撫子「そういえばひま子、それレトルトカレー?」

向日葵「はい、そうです」

撫子「じゃあ、ちょっとスパイスを入れて風味変えてみよう。あれからいろいろ香辛料探したりしてみたりしたんだよね」

向日葵「そうなんですの?」

花子「カレーの香辛料は夏バテ防止の効果もあるんだし」

撫子「京子ちゃんは辛いの大丈夫?」

京子「はい、私は平気です。花子ちゃんと櫻子ちゃんは平気なんですか?」

花子「花子は慣れたし。意外と撫子お姉ちゃんも強引なんだし」

撫子「妹の教育のためにね」

櫻子「私はまだ辛いの苦手だぞ!」

撫子「我慢して食べな」

櫻子「ひぃースパルタねーちゃんだ!」

撫子「じゃあ作りなおすからちょっと待ってて」

京子「どんなのか楽しみだなー」

第250話 京子と大室家 リターンズ 8 終わり

第251話 京子と大室家 リターンズ 9

撫子「はい、おまたせ」

京子「見た目は普通のカレーだ」

向日葵「確かに私の持ってきたカレーと変わりませんわね」

花子「甘く見ないほうがいいし」

櫻子「このカレー辛口」

京子「まぁ、いいや頂きまーす!」

パクッ

撫子・櫻子「」ニヤニヤ

京子「なんだ余裕じゃん! ちょっと辛いけど」

パクッパクッ

撫子「花子、水用意しておいて」

花子「わかったし」

パクッパクッ

京子「……ん?」

京子「んんんん!?」






京子「かっらーーーーーーい!!!!! ひぃひぃ誰か水! 水!!」

花子「はい、水だし」

ゴクゴクゴクゴク

京子「くぅーーー辛かったーーー!! まだ口の中が熱い!!」

櫻子「そのスパイス後から来るんだよなぁ」

向日葵「あまり一気には食べられませんわね」

撫子「水飲みながら少しづつって感じだね」

花子「それじゃあ頂きますだし」

櫻子「くぅーかっれー! カレーだけに」

向日葵「……」ジトー

花子「そのギャグ何回目だし。辛ら……」

ゴクゴク

撫子「牛乳と合わせて食べるとあまり辛く感じないことを発見した」

向日葵「そうなんですの?」

京子「水! 水!!」

京子「ふぅー食べ終わった……舌がヒリヒリする」

撫子「想像以上にからかったでしょ?」

京子「はい、でもおいしかったです!」

撫子「それならよかった」

撫子「ひま子も大丈夫?」

向日葵「はい、牛乳飲みながら食べたんで」

花子「それはよかったし」

櫻子「大室家姉妹はこの辛さに慣れたけどな!」

花子「櫻子は終始辛がってたし」

京子「あっ、もうそろそろ時間なんで帰りますねー」

花子「また来るし」

櫻子「それじゃあまた学校で、京子先輩!」

撫子「そうだ! このスパイス持ってく?」

京子「あ、いいですねー、今度あかりに食べさせよ」

花子「あかりお姉ちゃんかわいそうだし……」

京子「おじゃましました―」

櫻子「はーい」

第251話 京子と大室家 リターンズ 9 終わり

第252話 花火大会 高校生組 1

めぐみ「というわけでー、今度の土曜日の花火大会4人で行かない?」

美穂「いいよー」

藍「うん、私も空いてる。撫子はどうする?」

撫子「……みんなが行くなら大丈夫」

藍「みんなが行くなら……? あっもしかして妹さん達と?」

撫子「いや、そうじゃないんだけど……まぁでもいいよ。家族とはもう何回も行ってるし」

めぐみ「よっしゃーじゃあ土曜日ねー」

美穂「やーん! 浴衣どうしよう~」

めぐみ「えっ? 美穂浴衣で来るの?」

美穂「どうぜんでしょ? 浴衣なんて花火大会ぐらいでしか着ないよ?」

めぐみ「じゃあ私も浴衣着てこようかな? またバイトの金が飛ぶけど……」トホホ

藍「撫子も浴衣で来る?」

撫子「うーんそうだね。せっかくだし着て行こっかな。うちに確か浴衣あったし」

藍「じゃあ私も!」

花火大会当日

撫子「というわけで、私今日は友だちと行くことになったから、花子連れてってあげてね」

櫻子「おう! この櫻子様に花子のことは任せなさい」

花子「逆に櫻子がうろちょろしないように花子が監視してるし」

櫻子「なんだとー!!」

撫子「そう、じゃあよろしくね。花子」

櫻子「ねーちゃんまで!」

撫子「さてと、浴衣浴衣」

撫子の部屋

撫子「う~ん、これかな?」

撫子「ちょっと派手かな?」

撫子「こっちの地味な方がいいかな?」

撫子「迷うな……めぐみとかどういうの買いに行くのか聞けばよかった」

撫子「……こっちにしよう」

花火大会会場

撫子「ごめん待った?」

藍「いや、私も今来たところ」

めぐみ「うん、私達も今来たところだよ」

美穂「めぐみが駅で浴衣の裾を踏んづけててー」

撫子「また、めぐみがやらかしたか」

撫子「というかみんな浴衣派手だね?」

藍「そう? これくらいだよ」

撫子「(派手なほうにすればよかった)」

藍「でも、撫子の浴衣似合ってるよ」

撫子「そっか、ありがとう」
第252話 花火大会 高校生組 1 終わり

よきかなよきかな

第253話 花火大会 高校生組 2

めぐみ「あー、リンゴ飴売ってる!」

藍「屋台がいっぱい並んでるね」

撫子「まぁ年に一度の花火大会だし、書き入れ時だからね」

美穂「お腹すいたなー」

撫子「花火始まるまで時間あるし。なにか食べよっか?」

めぐみ「うん。そうしよう! サンセー」

撫子「(まぁ、こういうお祭りのところのものって大体高いんだけどね)」

めぐみ「リンゴ飴とわたあめと後それから……」

撫子「甘いものばっかりか……」

撫子「焼きそばでいいや」

藍「たこ焼きにしたよ~」

美穂「私はイカの串焼き」

撫子「あっ、それ美味しそう。一口頂戴」

美穂「もしかして、あーんして欲しいの?」

撫子「いや、そんなこと言ってないけど……」

美穂「ほらほら、あーん」

撫子「あ、あーん」パクッ

撫子「じゃあ、美穂にもこの焼きそばあげる」

美穂「はい、あーん」

撫子「えっ、私もやるの?」

美穂「当たり前じゃない」

撫子「しょうがないなー」


美穂「あーん、パクッ」

藍「!? ちょっと私も!! 私も撫子にあーんする!! たこ焼きだから! たこ焼きだから!!」

撫子「あ、ありがとう……あーん」パクっ

藍「どう?」

撫子「うん、美味しいよ」

藍「ねー、私も私も!」

撫子「うん」

撫子「はい、あーん」

藍「あーん///」パクッ

藍「おいしー!」

めぐみ「……」パクッパクッ

撫子「……」チラッ

めぐみ「わ、私のは上げないよ!」

撫子「いいよ、あんまり食べたくないし」

めぐみ「ひどっ!?」

撫子「その代わり私のあげるよ」

めぐみ「えっ!? 撫子が私にやさしい!? わーい。はい、あーん」

撫子「はい」パシッ

めぐみ「えっ!?」

撫子「自分で食べられるでしょ?」

めぐみ「なんで私だけこの扱い!?」

第253話 花火大会 高校生組 2 終わり

第254話 花火大会 高校生組 3

バンッバンバン

撫子「あっ、そろそろ花火始まるね」

美穂「たのしみ~」

藍「ナイアガラは毎年キレイだからね」

めぐみ「あ~、蚊が! 蚊が!」

撫子「めぐみは蚊に好かれてるね」

めぐみ「嬉しくないよ!」

藍「虫除けスプレー貸してあげよっか?」

めぐみ「天使……」ウルウル

ドンッ

藍「あっすいません!」

花子「こちらこそごめんだし……ってあれ撫子お姉ちゃんのお友達だ……」

撫子「あれ? 花子、櫻子と一緒じゃなかったの?」

花子「櫻子のやつ、少し目を離した隙にどっか行ったし」

美穂「わー、花子ちゃんだーかわいいー」コシコシ

花子「ちょ、ちょっと何するし!?」

撫子「全く、櫻子は……私達と一緒に見る?」

花子「櫻子が迷子になると心配だから探してくるし。じゃあ花子は行くし」

藍「花子ちゃんと櫻子ちゃんって、櫻子ちゃんの方が年上だったよね?」

撫子「うん、5歳もね」

めぐみ「まるで、上下逆みたい……」

撫子「櫻子がダメな分、花子がしっかりしたんだよ」

大室家単行本発売記念カキコだし!

>>599 ありがとうございます。今日買って来ました。

第255話 花火大会 高校生組 4

ヒュー、バン!

めぐみ「あっ! あがった!」

美穂「わぁー綺麗!」

藍「綺麗だねー」

バンバンバンバン

めぐみ「ねぇー、次上がるときたーまやーって叫ばない?」

撫子「え?」

めぐみ「ねぇいいでしょ?」

撫子「うん、いいよ」チラ

美穂「……」コク

藍「……」コクリ

ヒューーーーーー

撫子・藍・美穂・めぐみ「……」

めぐみ「た~まやーーー!!! って私だけ!?」

撫子「プッハッハ!」

美穂「めぐみバカみたーい」

藍「撫子が目配せしたから、つい……ごめんね」

めぐみ「うぅ……ひどい」

ヒューヒューヒューヒュンヒュンヒュンチリチリチリ

美穂「あっ! へび花火だ~あれ好き」

藍「えっ? あれの名前へび花火っていうの? 私はおたまじゃくしって呼んでたけど」

めぐみ「私はにょろにょろって呼んでた」

撫子「まぁニョロニョロしてるよねあれ。正式名称は知らないな」

バンッバン…………


……………

藍「こういう花火の間って何やってんだろうね?」

めぐみ「きっと、次の打ち上げの準備してるんだよ」

撫子「いや、今の花火は全部自動化されてるから」

美穂「地方の花火大会だから間あけないとすぐ弾切れしちゃうって聞いたなぁ」

撫子「まぁそれが一番の理由だろうね」

めぐみ「毎回毎回、間があくとクライマックスが来るんじゃないかって思う」

美穂「あーそれわかる」

ヒューーーバン!

ヒューヒューヒューバンバンバンバン!!

藍「わぁ、これがクライマックスかなぁ?」

めぐみ「きれー」

……………

美穂「終わりかな?」

ヒュー、バン!

めぐみ「まだあるんかい!」

撫子「まぁそんなもんだよね」

第255話 花火大会 高校生組 4 終わり

第256話 花火大会 高校生組 5

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン!!!

藍「わぁ~明るいー」

美穂「ホントねー」

めぐみ「これがクライマックスかな?」

撫子「いや、クライマックスはナイアガラのはず」

バンバンバンバンバンッバめぐみ「おお! 始まった始まった」バンババンバンババンババンバンバンバンバンバン!
バンバンバンバン美穂「すごーい!」バンバンバンバンバンバンバン
バンバンバンバンバンバンバン藍「すごい明るい!!」バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バンバンバンバンバンバン撫子「今年は奮発したなぁ」バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン


撫子「終わりだね」

藍「わぁ~綺麗だったー!」

美穂「ハートの形とか土星の形とかいろいろあって面白かったね~」

めぐみ「あっ、やっぱり蚊に刺されてる!」

帰り道

撫子「じゃあ私はこっちだから」

めぐみ・美穂・藍「ばいばーい!」



櫻子「あっ! ねーちゃん!!」

花子「撫子お姉ちゃん!」

楓「撫子お姉ちゃん」

向日葵「撫子さん」

撫子「おぉ、なんか揃ってるね」

楓「櫻子お姉ちゃんが迷子になった私を見つけてくれたの!」

花子「その櫻子を花子が見つけたし」

向日葵「花子ちゃんが携帯で電話してくれたから助かりましたわ」

花子「櫻子が携帯持ってたらもっと簡単だったし」

撫子「どうもご苦労様」



撫子自室

prrrrr

撫子「はい、もしもし。さっきあったばかりなのにもう電話?」

撫子「うん、今度は2人で行きたいね」

撫子「来年は2人で行こう」

撫子「うん、大丈夫だって」

撫子「ん、今日は私も楽しかった」

撫子「じゃあ、おやすみ」

ガチャッ

第256話 花火大会 高校生組 5 終わり

花子様は夏休みでも規則正しい生活だし

第257話 花火大会 櫻子サイド 1

櫻子「というわけで花子行くぞー!」

花子「わかったし」

花子「ひま姉も一緒?」

櫻子「向日葵と喧嘩したから一緒に行かない!」プンッ

花子「またかし……いい加減素直になれし」

櫻子「べ、別に素直だもん!」

櫻子「ほら、とにかく行くぞ」

花火大会会場

櫻子「すごい! 祭りみたいだ。屋台がいっぱい出てるぞ! 向日葵!」

花子「ひま姉はいないし」

櫻子「あっ、そうだった……べ、別に寂しくないぞ!」

櫻子「なにか買お」

櫻子「イカが硬い! おい向日葵このイカ硬いぞ!」

花子「だからひま姉いないし」

櫻子「そ、そうだった……ふ、ふんだ!」

櫻子「おぉ~! 磯辺揚げ売ってる! おい向日葵この屋台磯辺揚げ売ってるぞ!」

花子「だからひま姉と喧嘩したんでしょ!」

櫻子「う、うぅ」

花子「(いつもお祭りとか一緒に行くからいないとやっぱり寂しいんだし)」

櫻子「く、くそ~!!」

櫻子「向日葵のやつ! 私と喧嘩しやがって」

花子「どうせ櫻子が引き金だし……」

櫻子「むかつく~!!」ダッ

花子「あっ、櫻子どこいくし!」

櫻子「向日葵のバカ! 向日葵のバカ!!」タッタッタ

花子「行っちゃったし……」

花子「はぁ……バンバンッバンバン!」

花子「ひま姉に電話かけるかし……」

第257話 花火大会 櫻子サイド 1 終わり

第258話 花火大会 櫻子サイド 2

ヒューバン!バンバンッバンバン!

櫻子「はぁはぁ……花火始まっちゃった」

櫻子「ホントは私だって! 私だって向日葵と一緒に行きたかったよー!! 向日葵のバカー!!」




楓「うぅ……グスッグスッ」

楓「お姉ちゃんどこー!!」

楓「迷子になっちゃった……」

楓「うぅ……」

櫻子「向日葵のバカー!!」

楓「あれ、あそこにいるのって……」

楓「櫻子お姉ちゃん?」

櫻子「か、楓。はっ! 向日葵も一緒か!?」

楓「櫻子お姉ちゃんだ!! よかったぁー」

楓「お姉ちゃんとはぐれちゃったの」

櫻子「そっか。やっぱり向日葵も来てたのか……でも探さないとな」

楓「よかった……櫻子お姉ちゃんお姉ちゃんのことおこってないんだね」

櫻子「うぅ……やっぱり聞かれてた……向日葵には秘密だぞ」

楓「一緒にお姉ちゃん探してくれたら秘密にしてあげる」

櫻子「じゃ、じゃあ携帯で連絡を……」

櫻子「あれ……携帯持ってきてなかった……」

楓「ええー!! じゃあ連絡取れないじゃん!」

櫻子「そういえば花子は携帯持ってた」

楓「じゃあ花子お姉ちゃんに話して」

櫻子「花子とはぐれた……」

楓「ええー!!」

第258話 花火大会 櫻子サイド 2 終わり

第259話 花火大会 櫻子サイド 3

向日葵「花子ちゃん、櫻子とはぐれちゃったの?」

花子「そうだし」

向日葵「こっちも楓とはぐれたのですわ」

花子「じゃあ、一緒に探すし」

向日葵「そうですわね。このままだと花子ちゃんも迷子になってしまいますし」

向日葵「撫子さんにも連絡したほうがいいんじゃ」

花子「撫子お姉ちゃんは高校のお友達と一緒だから邪魔したくないし」

向日葵「とりあえず、櫻子に連絡つく?」

花子「櫻子携帯家に置いてきたっぽいし」

向日葵「全く櫻子は、何時まで経っても」

花子「ひま姉櫻子と喧嘩したんだし?」

向日葵「喧嘩というか、今日の花火大会の用意していたら櫻子が入ってきて邪魔したから、邪魔するなら出て行ってって言ったら怒っちゃいましたわ」

花子「やっぱり櫻子がきっかけだし」

向日葵「まぁ、でも邪険に扱ったのがまずかったんですわね。私も反省しないと」

花子「(やっぱりひま姉はできた人だし)」

向日葵「それにしても困りますわね。迷子2人を探すのは骨が折れますわ」

花子「花子とひま姉は携帯で連絡取れるから二手に分かれて探すっていうのはどうだし?」

向日葵「花子ちゃん、でも迷子にならない?」

花子「大丈夫だし、ここの場所を待ち合わせ場所にしておけば、戻って来られる自信はあるし」

向日葵「まぁ花子ちゃんなら大丈夫でしょうね。じゃあ二手に別れましょう」

花子「だし」



櫻子「おっ、わたあめ売ってるぞ! 楓!!」

楓「櫻子お姉ちゃん、わたあめよりお姉ちゃんたち探さないと、それにもう花火も始まっちゃってるし」

櫻子「全く楓は……いいじゃん別にほら、買ってあげるからさ」

楓「むぅ……」

櫻子「うまーい!」

楓「うん、美味しい」

楓「(櫻子お姉ちゃん脳天気すぎだよ……)」

第259話 花火大会 櫻子サイド 3 終わり

第260話 花火大会 櫻子サイド 4

花子「いないし! 櫻子のやつ! 早く見つけないと花子の花火見る時間がどんどん少なくなっちゃうし!!」

花子「というか、結構人多かったし……」

花子「櫻子ー!!」

「迷子かな?」「小さい子なのにかわいそう……」

花子「まずいし、大声上げて探したらこっちが迷子と間違えられるし」

花子「あまり、呼びながら探すのは良くないし……」

花子「……いや、でも逆に迷子のフリして人に聞いてくってのもありだし」

花子「あの、すみません」

「うん? どうしたの?」

花子「うちの姉見なかったですか? 栗色のウェーブのかかった髪してるんですけど、前髪に髪留めつけてて」

「うーん、ごめんわからないなぁ……案内所に言えば、放送してもらえると思うけど」

花子「(あまり、ことを荒らげたくはないし)そうですか、じゃあやっぱいいです。はい大丈夫です」


櫻子サイド

楓「見つからないね」

櫻子「もう探すのやめて花火見よう!」

「もぅーあかりのことからかうのやめてよぉ!」

櫻子「ん? なんか見知った声が」

櫻子「あかりちゃんとちなつちゃんに結衣先輩、京子先輩じゃないですか!」

あかり「櫻子ちゃん!」

京子「おぉ! 我が同士よ!」

結衣「あれ? その子は?」

櫻子「向日葵の妹です」

楓「古谷楓なの」

結衣「おぉ、ちゃんと挨拶できていい子だね」

ちなつ「まだ幼稚園生かな?」

楓「そうなの」

あかり「かわいいー」

結衣「花火一緒に見て行かない?」

櫻子「いいですね!」

楓「櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「あっそうだった。そうしたいのは山々なんですけど、今人探しの途中なんですよ」

結衣「人探し? 誰か他の人と一緒に来てたの?」

櫻子「はい、でも途中ではぐれちゃって、それじゃあまた!」

あかり「うん、またねぇー」

結衣「人探し……誰だろう……」

第260話 花火大会 櫻子サイド 4 終わり

第261話 花火大会 櫻子サイド 5

花子「次はあの人たちに聞いてみよう」

花子「すみません」

京子「あれ? 花子ちゃんじゃん!」

結衣「あっ、花子ちゃん久しぶり」

花子「京子お姉ちゃんに結衣お姉ちゃん!」

あかり「あかりもいるよぉ」

ちなつ「誰ですか? この子?」

結衣「櫻子ちゃんちの妹さんだよ。そういえばちなつちゃんは初対面だったね」

花子「はじめましてだし。大室花子だし」

ちなつ「よろしくね花子ちゃん」

花子「(もふもふしてる……)」

京子「花子ちゃんはどうしたの? お姉さん達と一緒じゃないの?」

花子「撫子お姉ちゃんは高校の友達と一緒だし。だから櫻子と来たんだけど、途中でどっかに行っちゃって」

花子「今、ひま姉、向日葵お姉ちゃんと探してるところだし」

あかり「えっ? 櫻子ちゃんならさっきあったよ」

結衣「あーやっぱり探してるのは古谷さんと大室さんだったかー」

結衣「やっぱりさっき引き止めておけばよかったな」

京子「さっきあったんだけどねー」

花子「どっちの方にいったし!?」

結衣「たぶんあっちの方角」

花子「ありがとうだし!」ダッ

あかり「ちょっと花子ちゃん! 一人で行ったら迷子になっちゃうよぉー」

京子「でも花子ちゃんしっかりしてるし、迷子になってるの櫻子ちゃんの方だったりして」

ちなつ「京子先輩みたいですね」

京子「えーちなつちゃんそれどういう意味ー?」


花子「櫻子のバカ! なんで花子を置いて行っちゃうんだし!」

花子「花子だってまだ8歳なんだし! 一人で残して置いていくとか姉としての自覚はないのかし!」

花子「はぁはぁ……」

第261話 花火大会 櫻子サイド 5 終わり

第262話 花火大会 櫻子サイド 6

花子「はぁはぁ……見つけたし……」ハァハァ

櫻子「おぉーたーまやー」

楓「櫻子お姉ちゃん! だから探さないと!!」

花子「櫻子、見つけた」

楓「あっ! 花子お姉ちゃん!」

花子「よかった。楓も一緒にいたし」

櫻子「なんだよ花子ー遅かったじゃないかー」

花子「」プルプル

花子「バカ!! バカバカバカバカ!!」

櫻子「おぉう!?」

花子「どうして置いて行っちゃうんだし! ふざけんなし!! 妹を置いていく姉がどこにいるんだし!!」

花子「うぅ……うぅ……櫻子のバカ……」

櫻子「ご、ごめんな……」

花子「バカ!」

櫻子「悪かった。本当にごめん……」

花子「でも……見つかってよかったし」

櫻子「ありがとう花子」

花子「そうだ。ひま姉に電話かけないと」

櫻子「えっ? 向日葵と会ったの?」

花子「というか電話持ってるから櫻子がいなくなったときに電話かけたし……」

櫻子「そっかー電話って便利だなー」

花子「というかなんで櫻子は電話持たないんだし」

prrrrr

向日葵「あっ花子ちゃんからですわ」

向日葵「えっ? 櫻子が見つかったですって!? 楓も一緒だったんですって!? よかったですわ。じゃああの場所で」


櫻子「というわけで一件落着だな」

花子「櫻子まだ反省してないのかし」

櫻子「は、反省してるって!」

向日葵「でも楓を見つけてくれたのはよかったですわ」

楓「うん、櫻子お姉ちゃんがいたから寂しくなかったの」

向日葵「見つけてくれてありがとうですわ……さ、櫻子」

櫻子「う、うん。こっちこそごめん向日葵」

楓「櫻子お姉ちゃんお姉ちゃんがいなくてとっても寂しそうだったの」

櫻子「ばっ! それ言うなって!!///」

向日葵「でもよかったですわ。楓も櫻子も見つかって」

向日葵「花子ちゃんお疲れ様」

櫻子「よーしこれでようやく花火が見れるぞー!!」

楓「よかったの!」

第262話 花火大会 櫻子サイド 6 終わり

第263話 花火大会 櫻子サイド 7

ヒューバン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!


向日葵「クライマックスですわね」

花子「これを見れてよかったし」

向日葵「そうですわね。大体探しまわってひっかき回されたけれど、クライマックスには間に合ってよかったですわ」

花子「全く世話の焼ける姉を持つと大変だし」

向日葵「本当に、櫻子は世話が焼けるから大変ですわよね」

花子「今回の一件は本当に怒りそうだったし」

向日葵「そうですわね。なんだかんだ行って花子ちゃん置いてけぼりくらっちゃいましたものね」

花子「でも、最後は謝ってくれた」

向日葵「根は優しい子なのよ」

花子「うん、大好きな姉だし」

向日葵「全くもう、花子ちゃんはもう少し櫻子に素直になってもいいんじゃないかしら?」

花子「その言葉そのままひま姉にお返しするし」

向日葵「なっ///」

花子「ふふ」

向日葵「(花子ちゃん、意外とませてますわね……侮れませんわ)」

櫻子「よっしゃー終わったー! 帰るか、花子、向日葵」

花子「わかったし」

撫子「じゃあね。バイバイ」

向日葵「あっ撫子さんですわ。お友達とわかれたところみたいですわね」

櫻子「ねーちゃん!」

花子「撫子お姉ちゃん」

向日葵「撫子さん」

撫子「おぉ、皆さんお集まりで」

楓「櫻子お姉ちゃんがが迷子になった私を見つけてくれたの」

花子「その櫻子を花子が見つけたし」

向日葵「花子ちゃんが携帯で電話してくれたから助かりましたわ」

花子「櫻子が携帯持ってたらもっと簡単だったし」

撫子「私が居ない間なんか大変だったみたいね。どうもご苦労様」

花子「撫子お姉ちゃんが居ないと櫻子が放し飼いになっちゃうし」

櫻子「なんだとー人を犬みたいに!!」

花子「むっ! まだ反省してないのかし?」

櫻子「ご、ごめんなさい」

撫子「なんかいろいろあったみたいだね。うん、私も一緒に行けなくてごめん」

撫子「帰りになにかアイスでもおごるよ」

櫻子「えっマジ!? やったー」

撫子「ひま子と楓にも」

向日葵「ありがとうございます」

楓「ありがとうなの! 撫子お姉ちゃん! やっぱり高校生は財力が違うの!」

撫子「(財力なんて難しい言葉を使うとは恐ろしい6歳児なこと……楓、黒く染まってはならないよ)」

第263話 花火大会 櫻子サイド 7 終わり

花火大会編は終わりです。

乙だし
コミケは行った?

コミケは行きませんでしたね。
大室家関連の同人誌あったりしたんですか?

第264話 海へ行こう! 1

7月

花子「花子は海行ったことないし……」

楓「楓もないの!」

撫子「じゃあ行こっか?」

櫻子「そうだなー!」

向日葵「でも水着になるのはずかしいですわ」

撫子「ひま子はスタイルいいんだから自信持ちなよ」

櫻子「やっぱりおっぱいかー? このおっぱい取り外してやるー!」

向日葵「取れませんわよ」

花子「でも花子水着持ってないし、学校のやつしか……」

撫子「じゃあ買いに行こっか? 私も新しいの欲しいし」

7月中旬

花子「というわけで買いに来たし」

花子「撫子お姉ちゃん、なにか花子に似合うやつ選んで欲しいし」

撫子「花子に似合う水着ねぇ」

櫻子「ねーちゃん! 私のも見て見て! ほら、セパレートタイプ!」

撫子「櫻子にセパレートはまだ早いでしょ」

櫻子「とかいいながら自分はセパレートじゃん」

撫子「私はもう高3だからいいの」

櫻子「胸ないくせに」

撫子「……」ピクッ

櫻子「」ギクッ

撫子「……アンタだってないでしょ」

櫻子「う、うるさい!」

撫子「花子はこれがいいんじゃないかな?」

花子「ふりふりがついてて可愛いし。ありがとうだし」

櫻子「むぅ、もう試着して実際に似合うか試してみる!」

撫子「私も試着してこよ」



櫻子「ダメだ!」パッ

撫子「サイズが合わない……」パッ

櫻子「これもダメだ!」パッ

撫子「これもダメか……」パッ

櫻子・撫子「ダメだー!!」


パッ

櫻子「はぁはぁ」

撫子「はぁはぁ」

花子「もう終わったし?」

撫子・櫻子「う、うん……」ズーン

花子「(せっかくいい水着買えたのになんで悲しんでるんだし)」

第264話 海へ行こう! 1 終わり

>>615
ひまさく、大室家メインの同人誌はお馴染みのサークルのもの含めてちらほらありましたね

なるほど。人気のサークルのものはダウンロード販売とかもありそうですね。
その内出てきたら見てみます。

おつ

第265話 海へ行こう! 2

プァン!

ガタンゴトンガタンゴトン

花子「もうすぐ海だし」

楓「楽しみなの!」

櫻子「海の家うまいもんあるかな?」

向日葵「何さっそく食い意地ハッてるんですの……」

撫子「……」



櫻子「ついたー!! 夏だ! 海だ! 海の家だ!!」

向日葵「いや最後のおかしいですわよ」

楓「わぁ……いっぱい人泳いでる」

櫻子「私たちは下にもう水着着てきたからいつでも入れるぞー」

向日葵「あぁ、そうすればよかったですわね。私たちは着替えてきますわ」

撫子「じゃあ待ってるよ」


更衣室

楓「海で泳ぐの楽しみなの!」

向日葵「そうですわね」

楓「お姉ちゃんどうしたの?」

向日葵「やっぱり、ビキニにしないほうがよかったですわ……」

楓「じゃあ楓のと交換する?」

向日葵「いや、それは無理でしょう……ええい! もう思い切って着ますわ!!」


向日葵「おまたせしました」

撫子「おぉ、でかい……」

向日葵「あまりジロジロ見ないでくださいまし、恥ずかしいですわ……」

櫻子「くそぉー! これが、おっぱい格差か」

櫻子「このビーチボールめ!」

向日葵「意味がわかりませんわよ……」

第265話 海へ行こう! 2 終わり

おつ

第266話 海へ行こう! 3

櫻子「よっしゃー! じゃあ海に入るぞー!!」

撫子「その前に準備体操しな」

向日葵「楓も一緒に準備体操しますわよ」

楓「うん!」

花子「いっちにーさんしー」

楓「ごーろっくしっちはっち」

向日葵「一、ニ、三、四」プルルン

櫻子「5,6、7」イライラ

櫻子「このおっぱいがー!! 当てつけか!?」ガシッ

向日葵「ちょっとなにするんですの!!」バシッ

花子「あーあ、また始まったし」

撫子「櫻子とひま子は準備体操いらなかったかもね」

楓「け、喧嘩はダメだよーー!」



櫻子「よっしゃ!! じゃあ準備体操も終わったところで」

花子「海に入るし!!」

櫻子「よっしゃ、じゃあ海まで競争だ!」ダッ

花子「あっ、待つし!」ダッ

楓「楓も!」トタトタトタ

櫻子「って熱い!! 日向にでると砂が熱い!!」アツツ

楓「ホントだ! 熱い!」

撫子「ああ、それはね。こうやるといいよ」ズボッ

花子「なるほど、地面に足を埋めるのかし」

撫子「そのまま、歩く」ズボッズボッ

向日葵「確かにこれなら素足で歩くより熱くないですわね」

櫻子「なるほど」ズボッズボッ

櫻子「」ズボッズボッズボッズボッ

櫻子「遅い!」

花子「まぁ、仕方ないし。熱いよりはマシだし」ズボッズボッ

第266話 海へ行こう! 3 終わり

第267話 海へ行こう! 4

櫻子「やったぁー! 海だぁー!」ジャボジャボ

花子「思ったより冷たいし」

撫子「夏と言っても温水プールみたいに温かくはないからね」

櫻子「これくらいどうってことないぞ! それ」バシャ

花子「な、何するし!」パシャ

楓「楓も混ぜてなの」パシャ


櫻子「よっしゃ! じゃあここからあそこまで泳ぐぞ! 誰が一番速いか勝負な!」

楓「櫻子お姉ちゃんたちは体が大きいから楓たちより有利なの」

向日葵「じゃあ、私達はここから始めましょう」

花子「よし、負けないし!」

撫子「じゃあ、私はハンデとしてさらに20mぐらい手前から」

花子「撫子お姉ちゃんはそれでも追いつきそうだから怖いし」

櫻子「よし、よーいドン!」


ジャボジャボジャボジャボ

花子「んっぱぁ!」スイースイー

楓「うんしょうんしょ」ワシャワシャ

スィースィー

撫子「……」パッ

櫻子「おうらー」ガシャガシャ

向日葵「くっ、櫻子速いですわ」シューシュー

櫻子「おうらー」ガシャガシャ

楓「抜かされたの!」

花子「ん? 櫻子が追い付いてきてるし!」

櫻子「後は花子だけだー!!」

花子「はっはっ」スイスイ

櫻子「よっしゃ! いっちゃ」

撫子「」スイー

撫子「はい、一着」

櫻子「なに!」

花子「ふぅ、疲れたし。というかお姉ちゃんたちやっぱり速いし」

撫子「さすがに20m差はキツかったかけど、なんとか」

楓「お姉ちゃんも3着おめでと」

向日葵「ありがと楓」

第267話 海へ行こう! 4 終わり

第268話 海へ行こう! 5

向日葵「ふぅー」プカプカ

撫子「つかれたね」

向日葵「はいつかれましたわー」プカプカ

撫子「(あ、あからさまに2つの島が浮いている……)」

撫子「(ひま子がでかいのは知ってるけど中1に負けるのはさすがにショックだわ……)」

バシッ、ボン

向日葵「痛っ!?」

櫻子「ああ。ごめんごめん、ビーチバレーやってたらそっちに手が滑った」

向日葵「絶対わざとですわ! 大体一人でビーチバレーできるわけないじゃないですの」

櫻子「ビーチボールもきっと仲間のところに行きたがってたんだよ!」

向日葵「いみわからないこといってんじゃないですわ!」バン

櫻子「なに! これは……おっぱいバレー!!」

楓「お姉ちゃん達バレーボールやるの?」

花子「花子もやりたいし」

向日葵「なんだかバレーボールやる流れになってしまいましたわね……」

撫子「じゃあ私が審判やってあげるよ」

櫻子「確かにねーちゃんが入ったら1対4でもキツイかもしれないからな」

向日葵「確かに撫子さんなら」

楓「撫子お姉ちゃんすごいの」

撫子「いや、さすがに4人は無理だよ」

第268話 海へ行こう! 5 終わり

第269話 海へ行こう! 6

撫子「それじゃあ、チーム決めする?」

花子「わかったし」

撫子「(んー、順当に行けば櫻子とひま子は別々のチームにするべき)」

撫子「(楓と花子なんだけど、花子を櫻子チームに入れたらひま子チームが不利になりそうだな。櫻子も花子も運動神経いいし)」

撫子「よし、櫻子と楓チーム、ひま子と花子チームで」

楓「よろしくね。櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「おっしゃ頑張るぞ!」

花子「よろしくだし、ひま姉」

向日葵「頑張ろうね花子ちゃん」

櫻子「しかし、ねーちゃんも中々やるな」

撫子「何が?」

櫻子「いけ好かない2人を敵チームにしてくれて」

花子・向日葵「誰がいけ好かないだし(ですって)」

櫻子「よっしゃーぶっ潰すぞー楓ー」

楓「おー!」

向日葵「花子ちゃん、絶対勝ちますわよ」

花子「だし!」

撫子「じゃあ、7点先取ぐらいで。サービスとレシーブは花子と楓だけね。じゃないとひま子と櫻子の対戦になっちゃうから」

皆「はーい」

櫻子「よっしゃーまずはこっちの先制攻撃だー!」

楓「先手必勝なの!」

ポーン

向日葵「花子ちゃん!」

花子「大丈夫だし」バシッ

櫻子「ふ。花子……そんなレシーブじゃ甘いね」バシュ!

花子「うわ!」

向日葵「くっ!」

撫子「1:0。次のサーブはひま子チームへ」

向日葵「やっぱり手強いですわね櫻子は」

向日葵「花子ちゃん、ちょっと作戦を立てましょう」

花子「わかったし」

第269話 海へ行こう! 6 終わり

第270話 海へ行こう! 7

向日葵「ちょっと作戦タイムとってもいいですか?」

櫻子「ダメだぞ! おっぱい!」

撫子「許可します」


向日葵「サーブとレシーブは楓と花子ちゃんの交代交代だからどうしてもサーブとレシーブは弱くなりますわ」

花子「うん」

向日葵「さっきはレシーブで櫻子がアタックしやすい高めの球を返してしまったからスマッシュを食らいましたわ」

花子「レシーブは低めにってことかし?」

向日葵「そうですわね。ネットがないからどこまで低めが許されるか曖昧ですけどできるだけ低めがいいですわね」

向日葵「それと、次はこっちがサーブをうちますわ。それを受けるのは楓、こっちは逆に有利ですわね」

向日葵「問題はラリーが続いた場合、この場合連携が必要になりますわ」

向日葵「守れる範囲が少ない花子ちゃんが前の中央あたりをカバー、私は後ろと横をカバーして、球が上がったら逆に私が前に出てアタックするから花子ちゃんは後ろに下がってもらえる?」

花子「わかったし」

向日葵「よし、じゃあこれでやってみましょう」

花子「はいだし」


櫻子「というわけでおっぱいはだな~」

楓「へぇー櫻子お姉ちゃん物知りなの」

向日葵「タイム終わり」

撫子「じゃあ再開ね」

花子「花子のサーブだし!」バシ

楓「あっ!」パシッ

ポーン

向日葵「ふっ!」バシッ

櫻子「甘いわ!」ボン

花子「取られた!」

向日葵「大丈夫ですわ! 浮いたからもう一回チャンスありますわ」バシッ

楓「あっ!」

バシュッ!

撫子「1:1」

楓「ごめん、取り逃しちゃったのー」

櫻子「まぁしょうがない。おい向日葵! 楓の狙うのは卑怯だぞ!」

向日葵「しょうがないですわ。櫻子の方狙うと取られてしまうんですもの」

櫻子「ぐぬぬ! おい、楓鬼畜おっぱいを倒すんだー!」

楓「お姉ちゃんだからって容赦しないの!」

楓「えい!」ポーン

向日葵「花子ちゃん!」

花子「わかってるし!」バシ

櫻子「な、ひ低い!」バシ

ポーン

向日葵「チャンスですわ!」バン!

シュッ  ポーンポーン

撫子「1:2。これはひま子有利か?」

第270話 海へ行こう! 7 終わり

続き期待

第271話 海へ行こう! 8

櫻子「私も作戦タイム取る!」

撫子「許可します」

櫻子「楓、とりあえず向日葵をぶっ倒すぞ! 向日葵を狙え!」

楓「ええ!? お姉ちゃんよりも花子お姉ちゃん狙ったほうが、まだ勝てるの!」

楓「とりあえず、私は足手まといにならないように櫻子お姉ちゃんの後ろにいるよ」

櫻子「何言ってんだ楓! それじゃあチームの意味がないじゃないか!」

楓「うん! 頑張る!! ありがとう櫻子お姉ちゃん」

櫻子「おうよ!」

撫子「(ほう……櫻子のやつ、楓にも楽しんでもらおうと……自分が不利になるのに。これは、サーブとレシーブを楓と花子にする必要もなかったかな)」

向日葵「というわけで、できるだけ楓の方を狙いますわよ」

花子「わかったし」

撫子「作戦タイム終わり」

櫻子「よっしゃー! じゃあ行くぞ楓! フォーメーションIだ!!」

楓「ええー!? そんなの知らないよー」

楓「とりあえず、サーブを、よしー」ポーン

花子「ふっ」

低めの球が飛ぶ

楓「うっ」ポーン

高めの球が飛ぶ

向日葵「くらいなさい!」バシッ

櫻子「楓! 私が取る!」サッ

バシッ

楓「ありがとう櫻子お姉ちゃん!」

櫻子「油断するな。次々と来るからな」

向日葵「もう一回!」バシン

櫻子「ふっ」

パシッポーン

向日葵「もう一回よ!!」バシン

パシッポーンポーン

櫻子「くっそ~連続スマッシュは卑怯だぞ!!」

撫子「1:3」

向日葵「次は私達のサーブですわ。花子ちゃんたのみましたわよ」

花子「わかったし」

花子「(できるだけ低めの球を)」ポーン

楓「あわわ」ポーン

向日葵「ふっ」バシッ

ボン ポーンポーン

撫子「1:4 ひま子チームリード」

櫻子「くぅーどうすればいいんだよ!!」

楓「櫻子お姉ちゃんちょっと気づいたことがあるの!」

楓「もう一度作戦タイムとってもいい?」

撫子「うーん、まぁ最年少の楓に免じて許可しよう」

楓「ありがとう撫子お姉ちゃん!」ニコッ

撫子「(かわいい)」


楓「花子お姉ちゃんのサーブとか球見てて気づいたんだけど、できるだけ低めに狙ってきてるの」

櫻子「なるほど、それで?」

楓「低めのボールを慌ててとると高くなるよね?」

櫻子「ふむふむ」

楓「だから、事前に低めに来るってことがわかってれば、楓も低めに返せる。ちょっと腕を下に下ろせばいいから」

櫻子「なるほど、それで、そうするとどうなるんだ?」

楓「そうすると、上に浮かないからお姉ちゃんにスマッシュされなくなる。後、もしボールが上に浮くようなことがあったら櫻子お姉ちゃんがやっつければいいの!」

櫻子「なるほど! よく正解に辿り着いたな楓」

楓「……もしかして櫻子お姉ちゃんはもっと前に気づいてたの?」

櫻子「当たり前だ。楓が自分で気づくのを待っていたのさ」キラリン

楓「櫻子お姉ちゃんすごい!」

櫻子「もっと褒めたまえ」

楓「じゃあ一緒に頑張ろうね!」

撫子「(櫻子のやつ絶対気づいてなかったな)」

第271話 海へ行こう! 8 終わり

第272話 海へ行こう! 9

向日葵「じゃあこのままリードしていきますわ」

花子「わかったし」

花子「(サーブを低めに)」ポーン

楓「(やっぱり低めで来たの、こっちも)」ポーン

向日葵「(低い……何かに気づきましたわね楓)」ポーン

櫻子「よっし、楓私が取る」ポーン

向日葵「(花子ちゃん、取れるかな?)」

花子「(大丈夫だし)」ポーン

櫻子「よし、浮いた!」バン

向日葵「くっ!」

ポーンポーン

撫子「2:4」

楓「やったの!」

櫻子「よし、このまま巻き返すぞ!」

花子「向こうもボールの打ち方に気づいたみたいだし」

向日葵「そうみたいですわね。これはもう我慢比べになりますわ」

花子「できるだけ集中していくし」



撫子「その後櫻子チームとひま子チームは小競り合いを続けた。そして」

撫子「6:6、デュースにしよう」

向日葵「いきますわよ。花子ちゃん!」

花子「わかったし!」

櫻子「巨悪はそこまで追い詰めたぞ! 楓」

楓「頑張ろうね!」

バシッ!

第272話 海へ行こう! 9 終わり

第273話 海へ行こう! 10

撫子「じゃあ、楓サーブから」

楓「行くの!」ポーン

花子「ふっ」ボーン

櫻子「とりゃ!」バシッ

向日葵「くっ!」ポーン

櫻子「もう一回!」バシッ!

向日葵「あっ!」

ポーンポーン

撫子「アドバンテージ櫻子チーム」

櫻子「よし、後1点だ!」

楓「頑張るの!」

花子「ひま姉、次は取るし!」

向日葵「ええ」

花子「ふっ」ポーン

楓「ん」ポーン

向日葵「ふ」ポーン

櫻子「よっしゃ! もらった!!」バシッ!

向日葵「あっ取れない!!」

花子「大丈夫だし!!」ポーン

櫻子「よし、もう一回! あっ風が……」

楓「あわわ!」

ポーンポーン

撫子「デュース」

花子「風に助けられたし」

向日葵「ありがとうございますわ花子ちゃん」

楓「さっきまで風なかったのに風が吹いてきたの」

撫子「風が陸から海に向かって吹き始めたね」

櫻子「くそう、ビーチボールは煽られやすいな……」

楓「でもこれは向こうも同じなの!」

花子「(いや、そうとも限らないし。風は花子達の背面から櫻子達の方へ吹いてるから、こっちの球は伸びやすくて向こうの球は手前に落ちやすい)」

花子「(つまり、こっちはアタックしやすくなるし!)」

楓「行くよ!」ポーン


花子「ふっ!」

櫻子「うわ、また流された!」ポーン

花子「ひま姉! ちょっと前につめて!!」

向日葵「!! なるほど! よし、くらいなさい!」バシッ!

櫻子「うわ!」

ポーンポーン

撫子「アドバンテージひま子チーム」

向日葵「なるほど、風の流れですわね」

花子「うん、そうだし!」

花子「よし、ここで決着をつけるし!」

向日葵「がんばりますわよ」

楓「うう~後一点取られたらおしまいだよ~」

櫻子「よし、ここで取り返すぞ!」

楓「うん」

花子「サーブもこっち、有利だし」ポーン

楓「ん」ポーン

向日葵「さすがに低いですわね」ポーン

楓「あっ高いの! 流れる」

櫻子「大丈夫だ。はっ」ポーン

向日葵「花子ちゃん! 前お願い!」

花子「大丈夫だし」ポーン

櫻子「よし! ここでアタック! あっ流された!」

楓「大丈夫なの!」ポーン

櫻子「ナイスだ楓!!」

向日葵「よし! 甘い球きましたわ!」バシッ!

櫻子「くっ!」ポーン

向日葵「もう一度!」バシッ!

櫻子「ふっ!」ポーン

向日葵「もう一回!!」


ピュー!!

花子「ひま姉! 風の流れが!!」

向日葵「はっ! くっ!」ポーン

櫻子「よっしゃ! 今度はこっちだ!!」

勝敗はあまりにもあっけなくついた


櫻子「おらぁ!」スカッ

ポーンポーン

櫻子「あっ……」

楓「あっ……」

向日葵「……」

花子「……」

撫子「……勝者、ひま子、花子チーム」

櫻子「よりにもよって最後空振りするとは……」

櫻子「……」

楓「落ち込まないで、大丈夫なの」

向日葵「お疲れ様花子ちゃん」

花子「勝ててよかったし!」

撫子「4人ともお疲れ様、んー、おなか減ったな。何か食べるか」

櫻子「えっ! 何食べるのー?」

撫子「切り替え速いな……」

第273話 海へ行こう! 10 終わり

第274話 海へ行こう! 11

海の家

櫻子「うっしゃー! 食べ物だぁー!!」

花子「いろいろあるし」

撫子「なんでも食べな」

向日葵「楓も好きなもの食べるといいですわ。今日はお母さんにたくさんお小遣いもらいましたから」

楓「やったー!!」

櫻子「ねーちゃん、あれ試してみてもいい?」

30分で食べきれたら5000円、超特盛りジャンボオムライス!!

撫子「ダメ」

櫻子「ええー! あれ頼んでみんなで分ければいいじゃん」

撫子「そういうことしちゃダメなルールになってるのああいうのは」

櫻子「なるほどー。みんなで分ければ簡単だと思ったんだけどなー」

向日葵「(おバカ)」

花子「(頭弱い)」

撫子「みんな決まった?」

花子「決まったし」

向日葵「大丈夫ですわ」


撫子「ここの冷やし中華結構美味しいな」ズズ

櫻子「ジャンボじゃないけどオムライスにした。うまい!」

花子「チャーハンも美味しいし」

楓「チーズハンバーグ美味しいの!」

向日葵「私はスパゲッティにしましたわ」

撫子「それにしても、メニューの量が多すぎて統一感がないな……」

向日葵「そうですわね」

櫻子「おっ、美味しそう」パクッズルズル

向日葵「あっ、ちょっと勝手に取るんじゃないですわよ」

花子「……。あれ!? 花子のチャーハンもいつの間にか食べられてる!!」

花子・向日葵「櫻子ー!!」

第274話 海へ行こう! 11 終わり

おつ

第275話 海へ行こう! 12

櫻子「ふぅー食った食ったー。もう何も入らないぞー」

花子「人の分まで食べるからだし」

撫子「なんか喉乾いた。かき氷でも食べようかな」

櫻子「私も食べるー!!」

向日葵「さっき入らないって言ったじゃないですの」

櫻子「私はブルーハワイ! とメロンといちごと」

楓「練乳がいいの!」

櫻子「おっ練乳もいいな」

向日葵「何個食べるつもりなんですの……」

花子「もう、花子の分まで食べないなら何個食べてもいいし」

撫子「私も練乳にしようかな」



櫻子「うまい!」ガシャガシャ

楓「美味しいの!」ガシャガシャ

撫子「そんなに勢いよく食べると……」

櫻子・楓「頭が痛い!!!」

撫子「言う前に……」

櫻子「でも美味しい!」

花子「楓、バカの真似しなくてもいいし」

櫻子「誰がバカだってー!? じゃあ花子これ出来んのか? 秘技、アイスバーン」ガチガチガチ

花子「自らかき氷を固めてる……」

撫子「アホだ……」

櫻子「こうやって食べると美味しいんだぞー!!」

向日葵「楓は真似しなくてもいいですわよ」

楓「うん」

櫻子「バクバクバク、ガシャガシャ、くぅー痛てぇー!!」

花子「アホ」

櫻子「冷たい! もういっぱい!」

撫子「買ってきてもいいけど、お腹壊すなよ」

櫻子「大丈夫だって、絶対壊さないから」

花子・撫子・向日葵「(ああ、これ壊すな……)」

第275話 海へ行こう! 12 終わり

第276話 海へ行こう! 13

花子「なんだか空模様が怪しくなってきたし」

ズコココン!!

撫子「!」

向日葵「雷の音ですわね」

ズコココン!!!!

櫻子「!?」

ザッザーーーー

楓「降ってきたの」

撫子「今日はにわか雨降るかもしれないって言ってたからそれだ」

櫻子「うぅ……」

撫子「どうしたの櫻子?」

花子「雷が怖いのかし?」

櫻子「お腹……痛い……」

ゴロゴロゴロゴロゴロ

向日葵・撫子・花子「(やっぱり壊した)」

撫子「トイレ行ってきたほうがいいんじゃない?」

櫻子「くそう……まるでお腹も雷がなってるみたいだ。なんでこんなことに」

花子「それは完全に自業自得だし」

楓「大丈夫なの? 櫻子お姉ちゃん」

櫻子「うぅ……楓だけだよ、心配してくれるのは」

櫻子「トイレ行ってくる」

ザーーーー

向日葵「止みませんわね」

花子「せっかくの海水浴だったのに」

楓「でも朝は遊べたし、楓は満足なの」

撫子「まぁ、止むかもしれないからしばらく待とう」

花子「でも、海入ってるときじゃなくてよかったし」

撫子「確かにちょっと沖にいるときに雷なったら怖いね」

向日葵「雷なった瞬間に監視員の人が連絡してましたわ」

撫子「うん、風が出てきて波も高くなったし、見通しも悪いしなにより海水は電気を通すから雷が海に落ちたら感電する」

花子「怖いし」


ピカッ

ドドーン!!

楓・花子「ひっ!!」

向日葵「大丈夫ですわ。海の家の中に入れば安全ですわ」

撫子「割りと近かったね」

楓「怖いの、お姉ちゃん!」

向日葵「大丈夫ですわよ。楓」

花子「……」

撫子「花子も怖いならこっちにおいで」

花子「だ、大丈夫だし」

ピカッドドーン!!

花子「ひっ!!」ガシ

撫子「よしよし」

トイレ

ピカッドドーン!!

櫻子「ひっ!! 怖いよーー!!!」


第276話 海へ行こう! 13 終わり

乙ー!
続きも期待

第277話 海へ行こう! 14

サァー……

サァーザァー……

花子「ん……」

撫子「あっ、花子起きた」

花子「寝ちゃってたのかし」ゴシゴシ

櫻子「花子! 大変だ!! 私達無人島に!!」

向日葵「おもいっきりここ海の家なんですけど……」

花子「雷は!?」

楓「雷はもう行っちゃったの」

花子「なんで花子寝てたんだし」

撫子「私にくっついたまま知らない内に寝てたからそっとしておいた」

向日葵「寝てる花子ちゃんかわいかったですわ」

花子「もう夕方だし……」

楓「残念なの」

花子「もしかしてみんな花子が起きるのを待ってて?」

撫子「いや、もう雨降ってから気温も海水温も下がってとてもじゃないけど泳げる状態じゃなかったからさ」

花子「確かに皆いなくなってるし」

向日葵「櫻子もずっとトイレこもりっきりでしたものね」

櫻子「うるさい!!」

楓「でも、お昼までは楽しかったからよかったの! また今度来るの!」

櫻子「まぁまた来年だな。それまではプールで我慢だ」

撫子「じゃあ花子も起きたことだし、帰ろっか?」

向日葵「あっ、その前に写真取って行きませんか?」

櫻子「あっ、向日葵自分だけおっぱいが大きいからって写真に取ろうって! 当てつけのように! キィ!!」

向日葵「違いますわよ!」ムカ

向日葵「楓と花子ちゃんが初めて海に来た日なんですもの。なにか残しておきたいと思っただけですわ」

撫子「確かに、うん。いいよ」

撫子「すみません。こっちの海の方に向かってシャッターお願いできますよ」

店員「はい、わかりましたー」

店員「じゃあ行きますよ。あっ、もっと寄って寄って」

櫻子「」モゾモゾ

花子「うぅ……」

店員「はい、チーズ」

パシャ

帰りの電車

ガタンゴトン、ガタンゴトン

櫻子「ふぅー疲れた」

楓「疲れたねー」

花子「疲れたし」

撫子「さっきの写真見せて」

向日葵「いいですわ」

撫子「おっ、やっぱり綺麗に撮れてるね」

花子「花子ももう一回見たいし」

楓「見せてー」

花子「(うん、綺麗に撮れてるし。花子と楓が初めて海に行った日)」

花子「(ちょっと雨とか降っちゃったけど、最後は晴れていい写真も取れたし)」

花子「満足だし」ニコッ

第277話 海へ行こう! 14 終わり

第278話 肝試し 高校生組 1

8月の登校日

めぐみ「あ~あっつー!」パタパタ

藍「こんなに暑いのに学校に来なきゃいけないってやんなっちゃうねー」

撫子「まぁ学校はクーラー効いてるけどね。うちより涼しいかも」

美穂「えー、でも28℃設定じゃん」

撫子「うち今クーラー壊れてるから……」

美穂「じゃあ蒸し風呂状態?」

撫子「そういうこと」

めぐみ「……」

藍「がんばってね」

美穂「じゃあ夜も暑い?」

撫子「うん」

美穂「ねーじゃあ夜涼しくなるために肝試しでもするー?」

撫子「え……」

めぐみ「おっ、肝試しいいね。夏の恒例行事だ」

藍「えー、肝試しとか怖いじゃん」

美穂「おやおや~? 撫子と藍は怖がりなのかな~?」

撫子「私は別に怖がってない。する必要がないってだけで……」

めぐみ「それ怖いってことでしょ?」

撫子「だ か ら 怖がってないって!!」

美穂「必死なところが怪しいなー」

撫子「はー、わかったよ。仕方ないな。どこに何時?」

藍「撫子参加するの?」

撫子「まぁ、誘われたからしょうがない」

藍「それじゃあ私だけ仲間はずれみたいじゃん! 私も行く!!」

めぐみ「大丈夫? 私はホラー映画とか好きだから夜歩くのも平気だけど」

藍「だ、大丈夫だよ!」

美穂「私は見える人だから~」

藍「え……」

撫子「美穂なりのギャグでしょ」

撫子「で? どこでやるか決定してるの?」

めぐみ「う~ん、こういうのって心霊スポットが定石なんだろうけど、女子高生4人で行くには遠いからなぁ」

美穂「そうだね~。私が知ってるところも結構みんな離れてる」

めぐみ「どうしたものか……」

撫子「決まってないならやめよう」

めぐみ「! 決まった決まった今決まった。速攻決まった」

撫子「どこ?」

めぐみ「ここ」

撫子「え?」

めぐみ「だから、ここ。学校」

藍「でも学校は夜になると閉まるよ」

めぐみ「だから、放課後ずっと残ってて夜まで待つの」

美穂「あっ、それいいね。結構この学校七不思議とかあるんだよ」

撫子「放課後までなにするの?」

めぐみ「えー、だべってようよ」

藍「見回りが来たときは?」

めぐみ「帰るふりしてそのまま残る」

美穂「7時半くらいになれば完全に暗くなるから、あまり遅くならないね~」

撫子「はぁ。わかったよ」

第278話 肝試し 高校生組 1 終わり

第279話 肝試し 高校生組 2

放課後

めぐみ「ついに放課後だ」

藍「後、4時間もあるんだね。なんだかもう怖くなってきちゃったよ」

撫子「はぁ、4時間以上も無駄なことに付き合わされるのか」

めぐみ「まぁただ話すのもなんだし、ここはそれぞれ体験した恐怖体験でも語ろうよ!」

美穂「私怖いのきらーい」

撫子「肝試しに乗り気な美穂が何いってんだか……」

そうして放課後までの間、4人の女子高生はそれぞれに自分の体験した怖い話を語りだす。

めぐみ「じゃあまずは私から」

めぐみ「これは、私が小学校のときに田舎にいったときのことです……」




めぐみ「わーすごい! 一面田んぼだらけだ!」

めぐみ父「もうすぐでおじいちゃんの家だからな。この辺は山がほとんどなくて田んぼばっかりだぞ」

めぐみ「ねー車の窓あけてもいい?」

めぐみ母「いいけど、顔出したりしちゃダメだよ」

めぐみ「はーい」

ガァーーーーーーーー

めぐみ「うーん、風も爽やか」

ユラァ……

めぐみ「ん? なんだろうあの白い影……」

めぐみ母「あっめぐみ! まだ飲みかけのジュース残ってるわよ。悪くならないうちに飲んじゃいなさい」

めぐみ「あっ! はーい」

ザァーーーーーーーーーー

めぐみ「ん? 見間違いかな?」



めぐみ父「めぐみ、ついたぞおじいちゃんの家だ」

めぐみ「わーい。おじいちゃん久しぶり!」

めぐみ祖父「おぉよく来たなめぐみ。いい子だいい子だ」

めぐみ祖母「いらっしゃい」

めぐみ「えへへー」

ミーンミンミンミンミーン

めぐみ祖父「今日も暑いのう。田んぼも青々としてるわい」

めぐみ「あっそうだ! ねぇねぇ今日ここに来るときね。白い影みたの」

めぐみ祖父「なに!? それはどこで見たんだ!?」

めぐみ「うーん、走ってる車から田んぼの方ちらっとみただけだから見間違いかもしれない」

めぐみ祖父「今年も出おったかい」

めぐみ祖父「いいかいめぐみ。それは絶対まじまじと見ちゃいかんぞ。なにがあってもだ」

めぐみ祖父「見たらまずいもんなんじゃ」

めぐみ「えっ。どういう風にまずいの?」

めぐみ祖父「とにかくダメなんじゃ! 今日は外出しないほうがいいな。車でよかったわい」

めぐみ「……」


めぐみ「後になって調べてみたらそれはクネクネというもので、見たら精神がおかしくなってしまうというものでした」

めぐみ「あのとき車がもし停車してたら。お母さんがジュースを渡してくれなかったら。私はどうなっていたことでしょう」

藍「えっ……怖い……もう田んぼ見れない……」

美穂「きゃー怖いよー」

撫子「いやそれ作り話でしょ?」

めぐみ「違うよちゃんとおじいちゃんから聞いた話だもん!」

撫子「だってそれが本当だったら年間何人も精神発狂者がでてニュースになってるでしょ」

藍「確かに……さすが撫子鋭い」

めぐみ「ちゃんと聞いたの! くねくねはいるんだよ!!」

美穂「私も見たことあるよクネクネ」

撫子「え?」

美穂「ほらゲーセンの格闘ゲームに出てくるやつでしょ?」

撫子「それはたぶんアラクネだと思う」

めぐみ「それじゃあ次、藍ね」

第279話 肝試し 高校生組 2 終わり

第280話 肝試し 高校生組 3

藍「えぇ!? 私!?」

めぐみ「何かないの?」

藍「私怖いの苦手だから話したくないんだけど……」

美穂「じゃあ好きな人の話でもいいよ」

藍「それはもっとやだよ!」

藍「わかったよ、話すよ」

撫子「藍も怖い思いしたことあるんだ」

藍「実は私が怖いの苦手なのは……」

藍「実際に怖いこと体験したことあるからなんだよね」

めぐみ「え!? なにそれ聞かせて聞かせて!」

撫子「……」

藍「小学校のときさ、夜中の0時に水の張った洗面器にカミソリをくわえて覗きこむと未来の結婚相手が見えるって話あったじゃん?」

撫子「ああ、有名な話だね」

藍「それをやったらさ、本当に映ったの。知らない男の人が」

藍「もうそれだけでびっくりしてさ。でも、あの話だとカミソリ落とすと赤くなって」

藍「それで将来その人が結婚するときに男の人の顔に傷があったって話じゃん」

めぐみ「うん」ゴクリ

藍「だから、私必死にがんばって落とさないようにしたの」

藍「そうしたら男の人すごい形相で睨みつけてきて」

藍「もうなにがなんだかわからなくて布団に潜り込んだけど」

藍「明日朝のぞいてみたらその顔はもうなかったんだけど、加えてたはずのカミソリがその洗面器の中に入ってて」

藍「もう怖くて怖くて未だに水の張った洗面器は苦手」

美穂「怖い……」

めぐみ「うん……その人は何がしたかったんだろうね?」

撫子「見間違いじゃないの?」

藍「うん、私もそう思いたいよ」

藍「じゃあ次撫子ね」

撫子「私か……」

第280話 肝試し 高校生組 3 終わり

第281話 肝試し 高校生組 4

撫子「(う~ん、といっても怖い思いはあまりしてこなかったからなぁ……)」

撫子「(適当に話作るか)」

撫子「これは私の話じゃなくて私の友達の話なんだけどね」

撫子「その友達ストーカーされてたんだって」

めぐみ「うん」

藍「ゴクリ……」

撫子「最初は夜道帰ってるときに付けられるかな?ぐらいだったんだけど」

撫子「家のインターホンならされたり、携帯に無言電話が非通知で入ったり郵便ポストに変な手紙が入ってたり」

めぐみ「うわ……なんかリアルで怖い」

撫子「あるとき、家に帰ったら部屋の家具とかの配置が変わってたことがあったんだって」

撫子「それでね。そんなことが何回もあるから警察に突き出そうとして自分でカメラで撮ってみることにしたんだって」

撫子「次の日案の定家具の配置が変わってた」

撫子「今日も入ってきたなストーカーと思って撮ったビデオを再生してみたの」

撫子「そうしたら部屋に見知らぬ女が入ってきて」

藍「うん」

撫子「ひと通り部屋を物色したらカメラが回ってることに気づいたの」

撫子「でも見つけてもそれを持ち去ろうとしない。現にそのときの録画したカメラで映像を再生してるんだから」

藍「なにが目的なんだ……」

撫子「それでストーカーは押入れに隠れるの」

撫子「やばい、押入れに隠れたよ。この次何するんだろうって思って見てたら」

撫子「次に入ってきたのがその子だったんだって」

めぐみ「えっ! 怖!? じゃあまだ犯人は家の中に?」

藍「その子どうなったの……?」

撫子「(やばい、オチ考えてなかった……)」

美穂「なんで……」

美穂「なんで撫子が私の話知ってるの!?」

めぐみ・藍・撫子「!?」

美穂「誰にも、誰にも話したことなかったのに!!」

めぐみ・藍・撫子「!!!?」

第281話 肝試し 高校生組 4 終わり

第282話 肝試し 高校生組 5

藍「え……つまりその美穂の体験を知ってるってことは……」

めぐみ「撫子ストーカーだったの!?」

撫子「ち、違う! 今のは作り話で……」オロオロ

美穂「撫子……警察に行こ?」

撫子「そ、そんな!!」

美穂「なんてね。ウソウソ」

藍・めぐみ「え!? ウソなの!?」

美穂「うん、嘘だよー。オロオロしちゃって撫子かわいいー」

撫子「クッ美穂にはめられた……」

美穂「ふふふ」

めぐみ「美穂ってどこまでホントのこと言ってるのかわからないから怖い」

美穂「じゃあ次私の番ね」

美穂「せっかくだからこの学校であったこと話すかな」

藍「えぇ~今までは別のところの話だったからまだよかったのに~」

美穂「みんなは知ってる? この学校昔は墓地だったってこと」

藍・めぐみ「知らない……」

撫子「どうせまたウソなんでしょ?」

美穂「ウソじゃないかどうかは後で調べてみれば分かるよ。というか普通にググれば出てくる」

撫子「仮に墓地の上に立ってるとしてなにかあったの?」

美穂「ううん、特に実害はなにもないよ。墓地に入るのは大抵人生を全うした人、この世に未練はないからね」

めぐみ「実害は……?」

美穂「だって幽霊だもん。生きてる人間には勝てないよ」

撫子「あくまで幽霊がいるという前提なのか……」

藍「そういえば美穂見えるって」ゾクッ

美穂「ただね。こういう怖い話してると……ほら」

美穂「寄ってくるんだって」

めぐみ・藍・撫子「……」ゾワッ

藍「あっ……そろそろ暗くなってきたね……電気つけよう」


パチッ

美穂「うん、いい心がけだね。明かりが結界になってこの教室のドア付近から入ってこれなくなった」

藍「ちょっと美穂怖いって」ガクブル

美穂「まぁまぁ昔ここに墓地があったこと以外は私の言ったことウソだから」

めぐみ「ホッ」

美穂「ところでさ、ムラサキカガミって知ってる?」

めぐみ「うわああああああああ。卑怯だ美穂、せっかく忘れてたのに!」

撫子「なにそれ?」

藍「知らないなら聞かないほうがいいよ」

美穂「ふふーん、教えてあげちゃう」

美穂「ムラサキカガミって言葉をね。20歳になるまで覚えてると死んじゃうんだって」

撫子「それだけ?」

美穂「うんそれだけ」

めぐみ「後2年で忘れられるかなぁ」

藍「シンプルだからこそ怖いんだよね。その話」

撫子「なるほど」

パチッ

「キャッ!」「何!? 停電!?」「嫌だ怖いよ……」「や~ん、美穂ちゃんこわーい」
「落ち着こう。とりあえずスマホで」

第282話 肝試し 高校生組 5 終わり

第283話 肝試し 高校生組 6

撫子「うん、明るくなった」

パチッパチッパチッ

めぐみ「電気つかない……」

藍「なんでいきなり停電したの?」

美穂「と、とりあえずさ……帰ろう」

撫子「え……?」

美穂「ほ、ほら……こんな時間まで残ってるのバレたらあれだしさ」

めぐみ「ちょっと美穂顔真っ青だけど大丈夫?」

美穂「うん大丈夫」

撫子「廊下は?」

パチッパチ

撫子「廊下もつかない……」

めぐみ「確かにもう帰ったほうがいいかも。肝試しは中止にしよう」

藍「はぁ……」

撫子「それにしても学校だけ停電なのかな? 町は明るいみたいだし」

美穂「そ、そんなことよりもっと早く歩いて……ね、早く帰ろう」

藍「ちょっと美穂大丈夫?」ペタ

美穂「ひっ!」タッタッタッタ

めぐみ「ちょっと美穂!?」

撫子「追おう!」

藍「うん!」

タッタッタッタ

学校の外

撫子「ちょっとどうしたの? 美穂?」

めぐみ「へぇへぇ……ど、どうしたの美穂? いきなり走っちゃって」

美穂「はぁはぁ……」

藍「だ、大丈夫?」

美穂「明るいところに……コンビニまで連れてって……」

撫子「うん」

コンビニ

撫子「落ち着いた?」

藍「大丈夫?」

美穂「うん、もう平気」

撫子「いきなり飛び出してどうしたの?」

美穂「ねぇ……あのさ、確認なんだけど電気消えたときあったじゃん?」

めぐみ「うん」

美穂「あのとき、絶対私達以外の人がいたんだよ」

撫子「うーん……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「キャッ!」「何!? 停電!?」「嫌だ怖いよ……」「や~ん、美穂ちゃんこわーい」
「落ち着こう。とりあえずスマホで」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

美穂「最初が藍、次がめぐみ、4番目と5番目は私と撫子。じゃあ3番目は?」

めぐみ「ほ、ホントだ5人いる!」

撫子・藍・めぐみ「」ゾワワ

藍「私はめぐみだと思ってたけど」

めぐみ「私じゃない。藍のような声だった気がする」

撫子「あのときは慌ててたから誰の声だったかわからないけど藍かなって思ってたよ」

藍「私じゃない!」

美穂「だよね」

美穂「つまり、あの停電のときに私達以外の”誰か”が紛れ込んでいたってことに……」

藍「こ、怖い……怖いよ……!」グス

めぐみ「大丈夫だから」ヨシヨシ

撫子「大丈夫、気のせいってことにしておこう」

撫子「たぶん、聞き間違え、それか無意識に誰かが言っただけ」

撫子「それにもう学校から離れてるんだから気にすることないって」

藍「う、うん……」

こうして、私達は落ち着くまでコンビニで時間を潰した。さっきのことは夢だったんだ。
できるだけ意識しないようにした。

それから、次の日が来て、藍も美穂もめぐみもちゃんと学校に来ていたので私は安心した。
もちろん昨日のことは誰も口にしない。私達はそれ以降、夜遅くまで学校に残ることはなくなった。

第283話 肝試し 高校生組 6 終わり





「イヤだ……怖いよ……」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ザザッーZ________プツン

第284話 9月2日

大室家リビング

テレビ「9月2日月曜日7時になりました。今朝のニュースは」

撫子「」モグモグ

花子「おはようだし」

撫子「おはよう花子。櫻子起こしてきて」

花子「……櫻子のやつ2学期初日から寝坊する気かし」

櫻子の部屋

花子「おーい、櫻子! 朝だし!」ユサユサ

櫻子「う……うにゃうにゃ」

花子「櫻子ー! 起きろー!」

櫻子「花子今日は日曜日でしょ……」

花子「寝ぼけるなし今日は月曜日だし」

櫻子「8月32日……」

花子「いつまで8月延長する気だし。それに今年は9月1日が休みだったんだから8月32日も終わったし」

櫻子「じゃあ8月33日……」

花子「とにかくもう起きるし! ひま姉も迎えにくるし」

櫻子「うーん、まだ眠いなぁ」

リビング

撫子「じゃあ行ってきます」

花子「いってらっしゃいだし」

櫻子「眠い……」

撫子「櫻子もしっかりしな」

櫻子「はいはい」

花子「じゃあ朝ごはん食べるし」

櫻子「」ダッ

花子「ちょっとどこ行くんだし! まだ部屋で寝る気かし!」

撫子「こりゃダメだ……花子あとよろしく」バタン

花子「ちょっ! 撫子お姉ちゃん!」

第284話 9月2日 終わり

第285話 2学期 小学生組

未来「おはよう花子様!」

こころ「おはよー」

花子「2学期になっても花子様かし……」

未来「そうだよ。花子様は花子様なんだよ!」

みさき「……」

みさき「聞きづてならないわね!」

みさき「夏休みの間にパワーアップしたみさきと勝負よ!」

花子「何で勝負するんだし?」

みさき「身長よ!」

花子「(夏休みにあったときも勝負したけど花子の勝ちだったし……)」

こころ「じゃあ測るよー」ビー

花子「なんでメジャーなんか持ってるんだし!?」

みさき「ふふん、まずはみさきから測りなさい」

こころ「う~ん、129cmぐらい?」

みさき「ふふん、もう少しで130行くわよ」

未来「花子様は?」

こころ「うーん」ビー

こころ「131cm?」

みさき「ま、負けた……」

未来「花子様すごい! もう130cm超えてるんだ!」

花子「毎日牛乳飲んでるからだし」

みさき「み、みさきは2本飲むんだから!」

未来「はいはい」

第285話 2学期 小学生組 終わり

第286話 2学期 中学生組 1

櫻子「よっしゃー今日から学校だー!!」

向日葵「宿題は終わっているんですの?」

櫻子「う……ま、まぁ宿題は夏休み中に終わらないものだから! ねっあかりちゃん?」

あかり「あ、あかりは7月中に終わらせたかも……」

櫻子「えぇー!! ちなつちゃんは?」

ちなつ「私も夏休み中に終わらせたよ。結衣先輩に手伝ってもらったから」テレテレ

櫻子「くそー! このクラスは真面目しかいないのか!!」

向日葵「むしろ終わってないの櫻子ぐらいじゃありませんの?」

櫻子「クソッ! 誰か仲間はいないものか……」

先生「はーいそれでは授業始めますよー」

先生「まずは、宿題を提出してくださいねー」

「「ガヤガヤ」」パタンパタン

櫻子「……(くそぅ。この状況を切り抜けなければ……)」

先生「はい、みんな出しましたね? あれ1つ足りないみたいですが」

櫻子「……(まずい。まずいぞ)」

向日葵「(櫻子早く名乗り上げなさいよ!)」コソコソ

櫻子「(えー! ヤダヨ!)」

先生「あ、大室さんの分が出ていませんね」

櫻子「(クソッここまでか……)」

櫻子「す、すみません。宿題家に忘れました……」

ちなつ・あかり・向日葵「(早速いい訳だー!)」

先生「わかりました。じゃあ明日の朝一番に職員室に来て先生に提出してください」

櫻子「は、はい……(む、むりだ……まだ八割方終わってない)」

放課後

櫻子「皆さん一生のお願いです! 宿題を手伝ってくださいーー!!!」ゲザァ

あかり「え、えぇ!?」

向日葵「はぁ言うと思ってましたわ。素直にやってませんでしたって言えばもう少し猶予がありましたのに……」

ちなつ「でも、ごらく部もあるし」

櫻子「自分でやりますから! 見てくれるだけでいいんです! この櫻子一生のお願いです!」

向日葵「一生のお願いを何度聞いたことやら……」

あかり「まぁでも自分でやろうとするだけえらいよ!」

ちなつ「写させてもらう気マンマンな人も居るからね」

京子「結衣ー宿題写させてよー!」

結衣「自分でやれっていってるだろ! だいたいやらなかったのはお前の自業自得だ!」

ちなつ「ほらね」

向日葵「……」

櫻子「ホッ……」

向日葵「安心するんじゃありませんよ」

第286話 2学期 中学生組 1 終わり

第287話 2学期 中学生組 2

櫻子「というわけでなんやかんやみんなごらく部に集まって宿題をすることになった」

京子「まさか櫻子ちゃんも終わってないとは! 同士よ」ギュッ

櫻子「あははー終わりませんよねー」

向日葵・結衣「(妙な団結感が生まれている)」

ちなつ「(前から思ってたけどこの2人似たもの同士だ)」

あかり「(京子ちゃんが2人になったみたいだよぉ)」

結衣「じゃあ始めよう。私は京子を見るから、古谷さんとあかりとちなつちゃんで大室さんをお願い」

あかり・ちなつ・向日葵「はーい「了解しましたわ」」

30分経過

ちなつ「お茶淹れますね」

結衣「ありがとうちなつちゃん」

京子「なるほどなるほど。ふむふむ」

結衣「(うん、やっぱり京子は飲み込みが速いな。このまま1人でも出来るだろう。むしろなんでこんなに頭いいのに真面目にやらないんだこいつは……)」

結衣「(問題は……)」

櫻子「う~もう嫌だ! やってられないよ!」

向日葵「もー! 櫻子はここが苦手なんだからこうしなさいっていつもいってるじゃありませんの!」

あかり「……」

結衣「(古谷さんは苦戦、あかりはもはや燃え尽きている)」

京子「」ガサゴソガサゴソ

結衣「あっ、ちょっと京子遊ぶなって!」

京子「てへ、見つかっちゃった」

結衣「(ダメだこいつ終わるまでは私が見ていないと)」

2時間経過

京子「うぉーー!」ガリガリガリガリ

京子「おっしゃー! 終わったー!!」

櫻子「えっ? 京子先輩もう終わったんですか!?」

京子「ジャーン!」

櫻子「な、なにぃ!」

向日葵「そんなこと言ってないで櫻子も頑張りなさいよ」

櫻子「でも、わからんないんだもん!」

向日葵「だから、そこの問題は自分で考えないと力がつきませんわよ」

櫻子「クッソー!! もう嫌だ!! わからないのになんで教えてくれないんだよ向日葵!!」

向日葵「ヒントは出しましたわ。後はそれを応用すれば解ける問題なんですから自分で考えなさい」

櫻子「もう嫌だ! ヤダヤダヤダヤダ!!」

結衣「(大室さんはもう限界か)」

結衣「……」

結衣「古谷さん、大室さんちょっといい?」

向日葵「はい」

櫻子「?」
第287話 2学期 中学生組 2 終わり

第288話 2学期 中学生組 3

結衣「古谷さんのやり方だと多分明日の提出期限までに大室さんの宿題を片付けることはできない」

櫻子「そうだぞ! 向日葵のやり方は悪い!!」

結衣「いや、やり方は正しいんだよ? 勉強は本来自分で考えてやるものだから。でも明日というタイムリミットがある限りそれに間に合わせなきゃいけないのも事実」

結衣「だから、今日は特別として解答を教えてもいいんじゃないかな?」

向日葵「そ、そうですわね。やっぱり……」

櫻子「そうだそうだー! 京子先輩も早く終わったのは結衣先輩に答え教えてもらったからなんですよね?」

京子「いや、私は自分で解いたよ」

櫻子「え?」

結衣「京子はなんだかんだでやるときはやるんだ」

櫻子「なん……だと……」

櫻子「クッソー!! 京子先輩は仲間だと思ってたのに!! 思ってたのに!!」

櫻子「悔しい! 私もやっぱ自分で解く!!」

向日葵・結衣「!?」

京子「おぉー! がんばれー!!」

京子「まぁ私は写してもいいと思うけどね~写させてもらうこともあるし」

櫻子「いや、自分で解きます!」

結衣「でも明日までじゃ?」

櫻子「間に合わなかったらそのときはそのときです! 素直に謝ります!」

結衣「……なるほど、大室さん私は君のことを甘く見ていたみたいだよ。まぁがんばって」

向日葵「わたくしもこんなにやる気のある櫻子を初めて見ましたわ。今日は家に帰っても手伝ってあげるから自力で終わらせないよ」

ちなつ「櫻子ちゃんがやる気モードに」

結衣「じゃあそろそろ下校時刻だから帰ろうか?」

京子「結衣ーラムレーズン買ってー!」

結衣「はいはい、あかり帰るよ」

あかり「……」ボー

あかり「はっ! あれ? もう放課後!?」

結衣「うん、帰ろう」

向日葵・櫻子「じゃあ私達こっちなんで」

結衣「うん、じゃあがんばってね大室さん」

京子「バイバーイ」

ちなつ「またあしたねー」

結局櫻子は翌日の提出日までに間に合いませんでした。
先生にウソをついたことを怒られたようです。
結局、宿題の提出は9月6日になりました。
でも、私はそんな櫻子を誇りに思いました。

向日葵「何って言ったって最後まで自力でやったんですもの」

櫻子「向日葵私もアイスー!」

向日葵「はいはい。今日は特別ですわよ」

第288話 2学期 中学生組 3 終わり

9月7日は櫻子の誕生日だったよ

>>659 はい、すっかり忘れてましたorz

第289話 2学期 高校生組

撫子「」テクテク

藍「おはよー」

撫子「ああ、おはよう藍」

藍「今日から2学期だね!」

撫子「そだね」

美穂「おはよー」

撫子「おはよう」

藍「おはよ美穂」

美穂「ふぅーまだまだ暑いねー」

撫子「まぁ9月前半ぐらいまでは残暑が残るから」

教室

撫子「あれ? めぐみはまだ来てないの? もう始業式始まっちゃうけど」

藍「もしかして寝坊かな? ラインで確認してみるね」

    8:30 めぐみ起きてるー?>

美穂「めぐしーは犠牲になったのだ……」

藍「あっ、既読ついた」

 既読 8:30 めぐみ起きてるー?>

めぐしー

<起きてるけど完全に寝坊したー!! 8:31

         既読   8:31 ダッシュ!>

めぐしー

<今駅だけど電車言っちゃった(;_;)  8:32

               8:32 あー、どんまい>

撫子「こりゃ始業式に間に合わないかもね」
    
体育館

校長「皆さんおはようございます。2学期が始まりましたね。夏休みは如何お過ごしでしたでしょうか?」

撫子「結局間に合わないか」

校長「それでは、今日からまたがんばりましょう」

教室

めぐみ「はぁはぁ……間に合った」

撫子「いや、遅刻だけど……」

めぐみ「うわあああ、二学期早々から遅刻なんて!」

藍「どんまい」ハハハ

美穂「撫子ーちゃんとしなきゃダメでしょー?」

撫子「なんで私!?」

第289話 2学期 高校生組 終わり

第290話 夜のお散歩 1

櫻子「あーうちの中はまだ暑いー」

撫子「最近夜と朝は涼しくなってきたんだけどね」

花子「家は昼間の熱がこもってるし」

櫻子「そうだ! 散歩行こ散歩!」

撫子「もう夜遅いじゃん」

花子「お母さんたち心配するし」

櫻子「えーねーちゃんが居れば大丈夫でしょ!」

撫子「どうだろ……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「大丈夫だとのことでした」

撫子「あまり遠くに行かなければ」

櫻子「よっしゃー! じゃあ財布用意して……っと」

花子「散歩じゃないのかし!」

櫻子「途中でジュースとか買うんだよ」

花子「まったく……」

撫子「それじゃあ行こうか」

リンリンリンリンリンリン

櫻子「ふー外は涼しいなー」

花子「鈴虫も鳴いてるし」

撫子「もうすっかり秋なんだね」

櫻子「おっ! 自販機ハッケーン!」

花子「早速かし」

櫻子「うわ! 虫が寄ってきてる!」

撫子「夏よりかはマシだけどまだ相当いるね」

櫻子「よっしゃ! これに決めた!」

ナタデココ

櫻子「やっぱりナタデココだねー!」

花子「……」

櫻子「なんだ? 花子も飲みたいのか?」

花子「の、飲みたくないし!」

櫻子「おやー顔が飲みたいって言ってるぞ?」

花子「だ、大丈夫だし」ゴクリ

櫻子「ほーれほれ」

花子「……」

櫻子「あげない!」

花子「あっ……」

櫻子「わかったよあげるあげる」

花子「やった!」

第290話 夜のお散歩 1 終わり

第291話 夜のお散歩 2

花子「ん、美味しいし」

撫子「私にも頂戴」

花子「はい」

櫻子「あっ! ちょっと勝手に渡すなよ!」

撫子「なんでよいいじゃん。いつも私達のヨーグルトとかアイスとか勝手に食べてんだからさ」グビグビ

櫻子「それとこれは話が違う!」

撫子「違くないでしょ。うん、美味しい。はい」

櫻子「……」チョビ

櫻子「もう殆ど残ってない……」

櫻子「くそー」

撫子「それにしても本当に涼しい」

櫻子「じゃあ次の目的地はコンビニだー!」

花子「まだ買う気かし……」



リンリンリンリンリンリン



花子「鈴虫はどこでないてるんだろ……?」

櫻子「確かに鳴いてる声は聞こえるのに見たことないな」

櫻子「こころちゃんならこういうの詳しいんじゃないか?」

花子「あーこころは虫マニアだから詳しいかもしれないし」

撫子「私は見たことあるよ鈴虫」

花子・櫻子「え?」

撫子「ペットショップでだけど」

櫻子「なんだ……それなら私も見たことある。大事なのはその辺で鳴いてるのを見ることだよ」

花子「久しぶりに櫻子に同感だし」

撫子「ふーむ、じゃあ探してみる?」

第291話 夜のお散歩 2 終わり


第292話 夜のお散歩 3

リンリンリンリンリンリン

撫子「ココらへん声がデカイ」

ピタッ

花子「あっ、止まったし」

撫子「人が近づくと鳴き止むんだよね」

櫻子「捕まるほどバカじゃないのか」

花子「櫻子とは大違いだし」

櫻子「なんだよ!!」

撫子「コラ大声出したら鈴虫が逃げる」

櫻子「よし、じゃあ私が捕まえるぞ。こっちだ」ヒソヒソ

リンリンリンリンリンリン

ザッザ

りんりん……リンリンリンリンリンリン

櫻子「ココだ!」

バシッ

花子「やったし?」

櫻子「ダメだ! というか暗くてわかんない」

撫子「捕まえるときはライトで照らさないとダメかも、ケータイで」ピカッ

櫻子「あっ、あれかな?」

花子「ホントだ! 居たし!」

撫子「ん? どこ?」

花子「そこだし!」

櫻子「ホラホラそこにいる!」

撫子「見えない……ふたりとも目がいいね」

櫻子「よーし捕まえるぞー!」

ソロリソロリ

櫻子「」パサッ

櫻子「捕まえた!」

花子「ホントかし!?」

櫻子「ホラ!」バッ

ピョン!

櫻子「あっ! 逃げた!!」

花子「でも出て行くところで見えたし」

撫子「うん、私も見えた」

櫻子「こら待てー!」

花子「もういいし、虫が可愛そうだし」

第292話 夜のお散歩 3 終わり

花子様かわいい!

第293話 夜のお散歩 4

花子「あっ、そうだ! せっかくだから星を見て行きたいし」

撫子「まぁここでも見れるけどもっと見晴らしのいいところは」

櫻子「私知ってるよ。こっからあの通りを右に曲がって田んぼのあぜ道みたいなところまで行けば周りに何もない」

撫子「なるほど、さすがに毎日うろちょろしてるだけある」

櫻子「お散歩って言ってよ」


花子「わぁー確かにここなら広いし」

撫子「もう稲も大分出来上がってるみたいだね」

櫻子「うぉー夜来ると本当に暗いなー」

撫子「変な人とかいないよね?」

櫻子「いたらこの櫻子様がー!」

撫子「負けるから全力で逃げなさい」

花子「今の季節はちょうど夏と秋の星座が移り変わってきてるし」

花子「ちょうど9時くらい。夏の大三角形もまだ見えるし、秋の四辺形も東に見える」

花子「あそこに見えるのはアンドロメダ銀河」

櫻子「あー、どこだよ?」

花子「あれ、ぼうっとしてるけどあれが隣の銀河だし」

櫻子「雲だろあれは」

花子「そういう櫻子みたいな人が昔は雲だと思ってたからアンドロメダ星雲って呼ばれてたんだし」

撫子「み、見えない……メガネ掛けてくればよかった」

花子「今は240万光年離れてるけど秒速300kmぐらいで近づいてきてて、後30億年後には天の川銀河と合体するんだし」

櫻子「が、合体!?」

撫子「秒速300kmって一秒で300km移動するってことでしょ?」

撫子「ここから京都までを一秒……」

櫻子「速! めちゃくちゃ早いじゃん! なんでそんな早いのに30億年もかかんの!?」

花子「櫻子にそれを話すと長くなりそうだけど1光年っていうのは光が一年間に進む距離だし」

櫻子「え? 光年って時間じゃなかったの?」

花子「よく間違えやすいことなんだけど光年は時間の単位じゃなくて距離の単位だし」

花子「それで光は一秒間に地球を7周半するし」

櫻子「速!」

花子「そんな光でもアンドロメダ銀河から地球まで240万年かかる距離が地球とアンドロメダ銀河にあるって言えばわかるかし?」

櫻子「そ、想像がつかない……」

撫子「私も想像つかない」

花子「そんな途方もない距離だからすごく時間がかかって当たり前なんだし」

櫻子「つまり、kmに直すと何キロはなれてんの?」

花子「そ、それは花子もわからないし……」

撫子「でも、宇宙の話になると花子が一番詳しいね。とても小2とは思えない」

花子「そろそろ行くし、蚊が寄ってきて蚊に食われるし」

櫻子「確かに! 蚊に食われてる!!」

第293話 夜のお散歩 4

第294話 夜のお散歩 5

櫻子「ふぅーまた喉乾いたなー」

櫻子「頭使う話したから甘いもの食べたいなー」チラチラ

撫子「……」

櫻子「さっきねーちゃんに飲まれたしなー」チラチラ

撫子「……」

撫子「はぁ、わかったよ。コンビニでしょ?」

櫻子「わかっているではないか」

撫子「(ムカつく)」

コンビニ

ピーンコーン

櫻子「よっしゃー! アイス! アイス!」

撫子「ちょっと待ちなさい」

櫻子「え?」

撫子「私が買うから私の買ったもの食べなさい」

花子「撫子お姉ちゃんの言うとおりだし。櫻子に選択権はないし」

櫻子「ちぇーまーいいけどよ」

撫子「」ニヤリ

撫子「じゃあこれね」

ナタデココ入りゼリー

櫻子「えー、またナタデココかよー!」

撫子「櫻子好きでしょ?」

櫻子「まぁ好きだけどさっきも食べた! 他の」

撫子「これだけしかダメ」

櫻子「えー! ヤダヤダ!」

撫子「せっかく買ってあげるんだからその言い草はないんじゃないの?」

櫻子「わかったよー」

花子「(やっぱり撫子お姉ちゃんは一枚上手だし、というか櫻子はさっき撫子お姉ちゃんがジュース飲んだのをもう忘れてるのかし……)」

撫子「じゃあこの列にあるナタデココゼリーを全部」

櫻子・花子「全部!?」

撫子「帰ったらがんばって食べようね。櫻子?」

櫻子「え」

花子「お、大人買いだし……それも櫻子への嫌がらせのためだけに」

第294話 夜のお散歩 5 終わり

第295話 夜のお散歩 6

大室家

ドサッ

撫子「じゃあ食べよっか? ゼリー」

櫻子「う。うん」

花子「花子も食べていいのかし?」

撫子「いいよ。いっぱい買ってきたからね」

撫子「じゃあ頂きます」

花子「美味しいし」

櫻子「まだ美味しい」

2つ目

櫻子「うーん、まだ美味しいかな。ちょっとお腹いっぱいだけど」

撫子「私はもういいや。後3つがんばってね」

櫻子「え?」

撫子「だって、私に買わせたんだから誠意を見せてよ」

櫻子「は、はい……」

3つ目

櫻子「うー、もうヤダ!」

4つ目

櫻子「は、吐き気してきた……」

5つ目

櫻子「た、食べれない……降参です撫子さん……」

撫子「ふ、私をパシらせるとどうなるかわかったか!」

櫻子「は、はい……(もうナがつくものヤダ……)」

花子「(撫子お姉ちゃんは怒らせないようにしよう)」ガクブル

第295話 夜のお散歩 6 終わり

なでここ!

撫子デート編

相手>>671

>>669のせいでなでここ見たくなったのでこころで


第296話 なでここ! 1

下校道

こころ「ねー花子様のお姉さんってさー」

花子「ん?」

こころ「2人いるんだよー?」

花子「疑問形なのか断定なのかどっちだし。2人いるし」

こころ「櫻子お姉ちゃんとは花子様の家に行ったときにあったような……」

未来「櫻子お姉ちゃんはおもしろいよね!」

花子「いつも一緒にいるとうざったいだけだし」

こころ「櫻子お姉ちゃんは中学生だよね?」

花子「そうだし」

こころ「もう一人のお姉ちゃんは?」

花子「撫子お姉ちゃんだし」

こころ「撫子お姉ちゃんは何歳なの?」

花子「18だし」

未来「わぁー凄い大人だ!」

こころ「すごーい」

こころ「いいなー10歳も年の離れたお姉ちゃんがいるなんて。こころも欲しかった」

未来「ねー」

こころ「ん、じゃあこころはこっちだからーじゃあまた明日ー」

未来「んー明日ねー」

花子「またね」


こころ「いいなー10歳離れたお姉ちゃん」トコトコ

ドン!

こころ「わわ、ご、ごめんなさい」

撫子「ん。こっちこそごめんね」

撫子「あれ? 君は? 確か花子のお友達の」

こころ「あれ? もしかして、撫子お姉ちゃん?」

撫子「うん、君はこころちゃんだったっけ?」

第296話 なでここ! 1 終わり

第297話 なでここ! 2

こころ「撫子お姉ちゃんだぁー」ギュ

撫子「ん? よしよし」ナデナデ

撫子「(あまり話したことないけどこの子ってこんな積極的な子だったっけ?)」

撫子「こころちゃんは今学校帰り?」

こころ「うん、花子様と未来と別れて、今帰ってる!」

撫子「そっか、じゃあこころちゃんの家はこっちなんだー」

こころ「うん! すぐそこ。あっそうだーちょっとここで待っててー」

撫子「なんなんだろう……」

こころ「おまたせー」

撫子「早い! というかもう着替えてる!?」

こころ「こっちー」

撫子「どこ行こうとしてるの?」

こころ「田んぼ」

撫子「田んぼで何するの?」

こころ「遊ぶー」

撫子「1人で遊ぶの?」

こころ「うん!」

撫子「(なんだか不思議な子だな)」

田んぼ

こころ「さてと……」

撫子「ん? 靴と靴下脱いでどうするの?」

こころ「入るのー」

撫子「え!? 田んぼの中に?」

こころ「違うー用水路に」

撫子「(よくそんなことできるなぁ。私も子供の頃は出来た気がするけど、そういうのって大人になるとできなくなるんだよなぁ)」

こころ「ここにね。タニシがいるの」

撫子「なるほど、こころちゃんはタニシが好きなんだね?」

こころ「うん、いっぱいいる」

撫子「(微笑ましい……)」

撫子「(でもいつもこうやって1人で遊んでるんだろうか……?)」

撫子「こころちゃんはいつもこうやって?」

こころ「うんー5時までなら外で遊んでてもいいって言われてるからー」

撫子「(まぁ5時までに帰ってくれば心配ないかもしれない)」

撫子「いつも1人で遊んでるの? 花子とか誘えばいいのに」

こころ「うーん、でも花子様と未来は方向違うからー」

こころ「それに、花子様と未来は毎回見てるだけで面白くなさそうにしてるからー」

撫子「(そっか、確かに泥まみれになって遊ぶタイプじゃないからね。花子は)」

撫子「(よっし、ここは私が人肌脱ごう!)」

第297話 なでここ! 2 終わり

第298話 なでここ! 3

ジャボン

撫子「へぇー結構冷たい」

こころ「!? お姉ちゃんいいの……? 濡れちゃうよ」

撫子「いいよ、それよりも一緒にタニシ探そう」

こころ「うん!」

撫子「どこにいるの?」

こころ「えーとね。この土の中に手をいれると……ほら!」

撫子「あっ! ホントだ! こんなに簡単に取れるんだね」

こころ「んーでもこんなにいるのはここだけなんだよー」

撫子「(確か聞いたことがある……タニシは農薬のまいた田んぼでは生きられないって)」

撫子「そっか、この辺は無農薬でやってるんだ」

こころ「無農薬って?」

撫子「農薬っていう虫がわかない薬を普通は田んぼにまくんだけど、それを使わないってこと」

こころ「えー! なんで虫さん殺しちゃうの?」

撫子「まぁ農家の人も虫が沸くと人間さんが食べるお米が取れなくなっちゃうからね。しょうがないのかもしれない」

こころ「虫さんだってタニシだって生きてるのに……」

撫子「でも農薬は人間にも悪い影響があるから無農薬栽培してるところもあるんだよ」

こころ「ここはそうなの!」

撫子「うん、そうみたいだね」

こころ「わーい! 無農薬でがんばれー!」

撫子「(無邪気だな)」フフフ

こころ「お姉ちゃんって博士さん?」

撫子「え? なんで?」

こころ「だってそんなこと知ってるし。いろいろ知ってそう!」

撫子「いや、そんなことないよ」

こころ「きっとこんなお姉ちゃんがいるから花子様は頭がいいんだろうなぁ」

撫子「ははは(いや、あの子は元からああなんだと思う)」

こころ「ホラみてーいっぱい取れた!」

撫子「私もいっぱい取れたよ」

こころ「じゃあ逃してあげよう」

撫子「持って帰らないの?」

こころ「うん、逃してあげるの。自然にいるのが一番だから」

撫子「そっか」

第298話 なでここ! 3 終わり

微笑ましい

第299話 なでここ! 4

カァカァ

撫子「もうこんな時間だ。そろそろ帰らないといけないんじゃない?」

こころ「うん、そうするー」

撫子「じゃあね」テクテク

こころ「」ギュ

撫子「?」

こころ「ねぇ……お姉ちゃん……」

撫子「どうしたの?」

こころ「また遊んでくれる?」

撫子「もちろんいいよ。いつでも家に来なよ。毎日じゃないけど多分いると思うから」

こころ「えへへー。ありがとうー! 今日は楽しかった!」

撫子「(ああ、こころちゃんはやっぱり1人で遊ぶよりも誰かと一緒に遊びたかったんだな)」

こころ「じゃあまたねーお姉ちゃーん」

撫子「うん、じゃあまたね」


翌日

大室家

撫子「ただいまー」

こころ「おかえりなさーい」

撫子「!? こころちゃん!?」

花子「いや、こころがおかえり言うのはおかしいし!」

撫子「昨日の今日で来たんだ。いらっしゃい」

花子「ん? 昨日なにがあったんだし?」

こころ「えへへー秘密ー」

花子「なんでだし!」

第299話 なでここ! 4 終わり

第300話 なでここ! 5

こころ「おねーちゃーん!」ギュ

撫子「どうしたの? こころちゃん」

こころ「撫でてー」

撫子「はいはい」ナデナデ

キャッキャ

花子「……」

花子「(おかしい……撫子お姉ちゃんとこころがいくらなんでも仲よすぎる……)」

こころ「えへへー」

撫子「よしよし」ナデナデ

花子「(むぅ……なんかよくわかんないけど、もやもやするし……)」

花子「こころ、撫子お姉ちゃんにベタベタしすぎじゃないかし?」

こころ「あっ、ごめんね花子ちゃん。花子ちゃんのお姉ちゃん取っちゃって……」

撫子「ん? 花子もよしよししてもらいたの? してあげるよこっちにおいで」

花子「さすがにいいし……花子はそんなに子供じゃないし」

こころ「花子ちゃんのお姉ちゃんすごいやさしいんだよ」

撫子「そんなことないって」

こころ「えへへーだいすきー」

撫子「よしよし」ナデナデ

撫子「まるでもう一人妹が増えたみたい」

花子「(……花子も……花子も甘いえたい……)」

第300話 なでここ! 5 終わり

素晴らしい

第301話 なでここ! 6

こころ「ねぇーおねーちゃーん」チョコン

撫子「ん? なぁにこころ?」

こころ「えへへー呼んでみただけー」

花子「(とうとう撫子お姉ちゃんの膝の上に座りだしたし! 花子も座ったことないのに!)」

花子「(べ、別に羨ましいとかそういうんじゃないし! でも撫子お姉ちゃんは花子のお姉ちゃんなのに! 花子のお姉ちゃんなのに!)」

こころ「お姉ちゃんすきー」

撫子「ふふふ、ありがとう。私もこころみたいな可愛い妹を持ててうれしいよ」

花子「(!? こころみたいな可愛い妹……こころみたいな可愛い妹……)」

花子「(花子は……花子はかわいくないのかし……)」

こころ「ねぇ、ナデナデしてー」

撫子「もう、甘えん坊さんだなーこころは……」ナデナデ

こころ「えへへー気持ちいいー」

花子「むぅ……」

撫子「ん? どうしたの花子? 気分でも悪いの?」

花子「撫子お姉ちゃんのバカ!」

撫子「え?」

花子「もう自分の部屋に行くし!」

撫子「ちょっと花子!? こころはどうすんの!」

花子「知らないし! こころは撫子お姉ちゃんとイチャイチャしてればいいんだし!!」

撫子「全く花子は……」

こころ「……」

こころ「やっぱり悪いことしちゃったな……」

こころ「今日はもう帰る」

撫子「え? こころまで!?」

花子の部屋

花子「撫子お姉ちゃんのバカバカバカ! こころのバカバカバカ!」

花子「今日遊びに来たのは撫子お姉ちゃんにべったりしたかっただけかし!」

花子「撫子お姉ちゃんもまんざらじゃない感じだし!」

花子「もうバカーーーーーー!!!!」グスグス

花子「……」

花子「(……でも、分かってるし本当にバカなのは素直になれなかった自分だし……)」

第301話 なでここ! 6 終わり

第302話 なでここ! 7

翌日 小学校

未来「おはよー」

こころ「うん、おはよー」

未来「あっ! 花子様おはよー」

花子「おはようだし」

こころ「……」

花子「……」



未来「でねー、うちのお父さんがねー」

こころ「そっかー」

花子「……」

未来「ん? なんだか今日2人とも元気ないけど大丈夫?」

こころ「……」

花子「……」

未来「そういえば、昨日こころちゃん花子様の家に遊びにいったみたいだけどどうだった?」

こころ「……うわーん!!」タッタッタ

未来「え!? ちょっとこころちゃん!?」

花子「こころ!?」ダッ

未来「ちょっと花子ちゃん!? なにがあったの!? 私も行く!」

花子「ごめん、花子とこころだけで話しをさせてほしいし」

未来「そっか、私はよくわからないけど……こころちゃんも花子ちゃんも大事な友達だから」

未来「頑張ってね」

花子「ありがとう未来。じゃあ行ってくる」ダッ


花子「こころ、ごめん! 昨日あんな冷たい態度取っちゃって」タッタッタ

花子「どこに行ったんだし!」タッタッタ

第302話 なでここ! 7 終わり

第303話 なでここ! 8

女子トイレ

こころ「うぅ……」グスグス

花子「こころ! ここにいるのかし!?」

こころ「!? 花子ちゃん?」

花子「そうだし」

こころ「花子ちゃんごめんね……こころ、花子ちゃんの大事なお姉ちゃん奪っちゃって……」

花子「こころは悪くないし! 悪かったのは……その花子だし」

花子「花子が素直になれなかったから、勝手に部屋に帰ったから、悪かったし」

こころ「昨日花子ちゃんの家に行ったのは、撫子お姉ちゃんに会いたかったからなんだよ?」

こころ「こころ、花子ちゃんに悪いことしちゃったの」

花子「許すし」

こころ「花子ちゃん……」ガラ

花子「こころ、そんなに気にするなし、花子も悪かったんだから」

こころ「ありがとう」

花子「というか、それならこれからは撫子お姉ちゃんに一緒に甘えようだし」

花子「今日もうちに来てくれるかし?」

こころ「花子様!」ダキ

花子「な、なにするんだし」

こころ「ありがとう……花子様! 大好き!」

花子「こころが好きなのは撫子お姉ちゃんだし?」

こころ「撫子お姉ちゃんも好きだけど、花子様もだいすき!」

花子「さっそく浮気かし!」

未来「(なんだか仲直りしたみたいでよかった!)」コソコソ

花子「じゃあいつまでもこんなところにいないで早くでるし」

未来「(やばいやばい……さっさと逃げよう)」コソコソ

第303話 なでここ! 8 終わり

第304話 なでここ! 9

放課後

花子「それじゃあこころいこっか?」

こころ「いいの?」

花子「うん、一緒にお姉ちゃんに甘えに行こう」

こころ「わかった」

大室家

花子「ただいまだし」

こころ「お邪魔しまーす」

花子「撫子お姉ちゃんが帰ってくるまでちょっと待ってよう」


撫子「ただいまー」

花子「おかえりだし」

こころ「おかえりなさーい」

撫子「ちょっと心配だったけど2人とも仲直りしたみたいでよかった」

こころ・花子「せーの!」

こころ・花子「おねーちゃーん!」ダキ

撫子「わわ!」

撫子「ふふ、よしよし」ナデナデ

撫子「2人とも私の可愛い妹だ」

花子「そうだし」

こころ「うん!」

こころ・花子妹ENDで終わり


第304話 なでここ! 9 終わり

まだ小学生だしガチ恋愛よりはこっちの方が合ってるかもね

第305話 食欲の秋って何さ!

櫻子「うまい! おかわり!!」

花子「櫻子ご飯何杯目だし……」

櫻子「えーだって磯辺揚げにご飯だよ! 磯辺揚げだけで3倍は行けるよ!」

撫子「まぁ秋は食欲の秋だって言うしね」

櫻子「食欲の秋って何さ?」

撫子「秋にはよく食べたくなるってもん」

櫻子「それだ!」

撫子・花子「?」

櫻子「食欲の秋を食べに行こう!」

花子「いや、食欲の秋自体は食べに行くようなもんじゃないし!」

撫子「なにそのイタリア料理を食べに行こうみたいな」

櫻子「よっし、突撃翌隣の晩ご飯ー!!」

花子「ちょっと、どこ行くんだし!」

撫子「まぁ大方ひま子のところでしょ」

花子「ひま姉も迷惑してるし」


古谷家

櫻子「たのもー!!」

楓「わっ! 櫻子お姉ちゃん! たのもー!」

櫻子「よしよし楓いい子だぞ」

向日葵「何しに来たんですの?」

櫻子「当然晩ご飯食べにきた!」

向日葵「自分の家で食べなさいよ」

櫻子「食欲の秋だからのー。お腹が減ってしかたないのだ!」

向日葵「まったく」

櫻子「早く食欲の秋だして!」

向日葵「えっと……」

櫻子「食欲の秋が食べたい!」

向日葵「櫻子、食欲の秋は食べ物じゃないですわよ?」

櫻子「なにぃ! ねーちゃん達騙したな!」

大室家

櫻子「ねーちゃん! 食欲の秋なんて食べ物ないじゃないか! 良くも騙したな!」

撫子「いや、騙したっていうか……」

花子「勝手に間違ってただけだし」

撫子・花子「(バカだ……)」

第305話 食欲の秋って何さ!

第306話 大室家は食べても太らない体質

七森中 給食の時間

櫻子「うまい!」バクバク

櫻子「おかわり!」

あかり「櫻子ちゃんよく食べるねー」

櫻子「なんたって食欲の秋だからな!」

向日葵「この前まで意味を勘違いしていましたけどね」

櫻子「うるさい! とにかくおかわりだー!」



ちなつ「そんなによそってきて食べきれる?」

櫻子「このくらい平気だ」

あかり「本当によく食べるね。あかりはそんなに食べられないからちょっと羨ましいよぉ」

櫻子「旨いものならいくらでも入るさ」

ちなつ「でも、そんなに食べて太らない?」

櫻子「うーん、私はダイエット意識したことないなー。向日葵はよく太った太った気にしてるみたいだけどな」

向日葵「うるさいですわ(また2kgも太ったなんて言えない……)」

ちなつ「いいなー」

あかり「というか櫻子ちゃんちのお姉さんも花子ちゃんも痩せてるよね? お姉さんすっごいスタイルが良くてあかり憧れるよぉ」

向日葵「確かに花子ちゃんはまだあれとして、撫子さんは痩せてますわね」

ちなつ「そういえば私まだ見たことない」

櫻子「あれか? 大室家は食べても太らない体質なのか!?」

櫻子「ちなつちゃんは今度うちに来なよ」

向日葵「羨ましい限りですわ」

ちなつ「うん、じゃあ行く(その秘密、探らないわけにはいかないわね)」

第306話 大室家は食べても太らない体質 終わり

太らないけど胸にも行かない

第307話 ちなつ大室家訪問 1

下校道

ちなつ「本当に今日で良かったの?」

櫻子「うん! 大丈夫大丈夫。暇だったし」

向日葵「まぁ櫻子はいつも暇してますからね」

櫻子「そうそう、って向日葵には言われたくないー!!」

向日葵「なっ! 大体櫻子はいつもいつも」ガミガミ

ちなつ「(本当にこの2人はどこでもこんな感じなのね……)」

櫻子「あーもーうるさい! せっかくちなつちゃんが来てくれるんだからちょっとは黙ってろよ向日葵」

向日葵「なっ! 黙ってろって……まぁでもそうですわね。吉川さんがいるのに喧嘩なんて我ながらみっともないことをしましたわ」

向日葵「ごめんなさいね」

ちなつ「いやいいよいいよ。ていうか喧嘩するほど仲がいいって良く言うし」

櫻子「仲良くなんかないもん」

向日葵「なっ!」

ちなつ「(あーあまた始まりそう)」

ちなつ「(それはそうとお姉さんが気になるわね)」

ちなつ「ねぇ、櫻子ちゃん? お姉さんはいつ帰ってくるの?」

櫻子「え? ねーちゃん? うーん、17時くらいには帰ってくるはずだけど」

ちなつ「そっか(今はまだ15時半……もう少しだけ待たないといけないわね)」

櫻子「さてと、うちについたぞー」

向日葵「ちなみにわたくしの家はこちらですわ」

ちなつ「あっ、本当に真ん前なんだね」

櫻子「向日葵もうちくる?」

向日葵「え? でも今日は吉川さんと遊ぶんじゃなくって?」

櫻子「ちなつちゃんもいいよね?」

ちなつ「うん。もちろん(でも、なんだかんだ言ってこの2人は仲いいんだよね)」

櫻子「ただいまー」

ちなつ・向日葵「お邪魔します」   

第307話 ちなつ大室家訪問 1 終わり

第308話 ちなつ大室家訪問 2

櫻子「ただいまー」

花子「(櫻子が帰ってきたし)」

「「お邪魔しまーす」」

花子「(ひま姉と、誰だろ……もう一人の声がする)」

花子「(ちょっと見に行ってこようかな)」タッタッタ


ちなつ「……」

花子「(もふもふしてるお姉ちゃんだ!)」

ちなつ「あっ! 櫻子ちゃんの妹ちゃん?」

花子「花子だし、花火大会のときにあったし」

ちなつ「あのときの。よく覚えてたね」

花子「髪が特徴的だったから覚えてたし」

櫻子「ちなつちゃんの髪もふもふしてるからねー」

花子「だし」

ちなつ「あはは」

花子「(触りたい……)」ジー

櫻子「あっ! そうだ! お菓子出してくるからちょっと待ってて」

向日葵「随分気前がいいんですわね」

櫻子「だってちなつちゃんがせっかく来たんだもん」

ちなつ「いいよ気使わなくても」

櫻子「まぁいいっていいって」

向日葵「じゃあわたくしはお茶の用意でもしますわ」

ちなつ「そっか。ありがとう」

花子「……」ジー

ちなつ「? どうしたの花子ちゃん?」

花子「あ、あの!」

ちなつ「ん?」

花子「ちなつお姉ちゃんに頼みがあるし!」

ちなつ「なに?(ちなつお姉ちゃん! なんか響きがいい)」

花子「そのもふもふした髪触らせて欲しいし!!」

ちなつ「ああ、これ? 別にいいよ」

花子「ありがとうだし!」

第308話 ちなつ大室家訪問 2 終わり

第309話 ちなつ大室家訪問 3

花子「……」ドキドキ

ちなつ「ん? どうしたの? 触らないの?」

花子「さ、触るし!」

花子「触っていいかし?」

ちなつ「いいよ」

花子「」ソードキドキ

もふ

花子「!?」

もふもふ

花子「(も、もふもふしてる……本当にもふもふしてる……)」

もふもふ

花子「ありがとうだし」

ちなつ「どうだった?」

花子「もふもふしてて気持ちよかったし」

ちなつ「そっか。でも変なのなんでそんなに触りたかったの?」

花子「なんでだかわからないし。でももふもふしてるの触ったら気持よさそうだなって思ったし」

ちなつ「そっか。……ぷ、あはは」

花子「なんで笑うし?」

ちなつ「だって……今までそんなこと言ってきた人いなかったもん! なんだかおかしかった」

花子「そんなにおかしいかし?」

ちなつ「うん。おかしかった」

花子「むぅ……」

ちなつ「花子ちゃんって不思議な子。でも可愛いね」

花子「あ、ありがとうだし……」

第309話 ちなつ大室家訪問 3 終わり

第310話 ちなつ大室家訪問 4

櫻子「よぉし、お菓子持ってきたぞー」

向日葵「お茶の用意もできましたわ」

ちなつ「ありがとう」

花子「……」

櫻子「って花子なんでちなつちゃんにそんなにくっついてるんだ」

花子「……なんでもないし」

ちなつ「なんだか花子ちゃんに懐かれちゃったみたい」

向日葵「ふふ、微笑ましいですわ」

櫻子「まぁいいや。とりあえずお菓子タイムだ!」

花子「ちなつお姉ちゃんなんでも好きなもの食べていいし」

ちなつ「ありがとー」

櫻子「おい、お菓子用意したのは私だからな花子」

花子「うるさいし!」

櫻子「なんだとー!!」

花子「ちなつお姉ちゃん櫻子が怖いし」

ちなつ「ちょっと櫻子ちゃん花子ちゃん怖がってるよ」

櫻子「お、おう……(あれ? 私が悪いのか……)」

撫子「ただいまー」

櫻子「あっ、ねーちゃんが帰ってきた!」

ちなつ「!」

撫子「あれ? 誰か来てるんだ」

ガラガラ

撫子「いらっしゃい」

ちなつ「!! 初めまして櫻子ちゃんと向日葵ちゃんの友達の吉川ちなつです」

撫子「あっ、ひま子も来てたのね。いらっしゃいゆっくりしていって」

ちなつ「ありがとうございます」

ちなつ「(確かにスレンダーなお姉さんだなぁ。モデルみたい。しかもちょっとクール系でかっこいいかも……)」ポッ

ちなつ「(いけないいけない。私は結衣先輩一筋結衣先輩一筋)」ブンブン

向日葵「吉川さん大丈夫ですの?」

ちなつ「うん。私は大丈夫」

櫻子「ねーちゃんもお菓子食べてけば?」

撫子「櫻子から勧めるとは珍しい。じゃあちょっと食べていこうかな」

第310話 ちなつ大室家訪問 4 終わり

第311話 ちなつ大室家訪問 5

撫子「ああ、名乗り遅れたけど、私は櫻子の姉、撫子ね」

ちなつ「撫子さんは高校生ですか?」

撫子「うん、高3、18だよ」

ちなつ「私のお姉ちゃんの1個下かぁ」

撫子「へぇ、ちなつちゃんのお姉さんは19かぁ……じゃあ大学生?」

ちなつ「はい、そうですね。あかりちゃんは知ってますか?」

撫子「あぁ、あかりちゃんなら前家に来たことあるよ」

ちなつ「あかりちゃんのお姉さんがお姉ちゃんと同じ大学です」

撫子「へぇ……あかりちゃんもお姉さんいたんだ」

櫻子「うちも大分離れてるけど、ちなつちゃんとあかりちゃんも姉と大分年齢離れてるな」

撫子「そうだね。うちは、私と櫻子、櫻子と花子が5つ違いなんだけどね」

ちなつ「確かに、離れてますねぇ」

ちなつ「でも、離れたお姉さんって大人って感じがしていいです」

花子「確かに撫子お姉ちゃんは大人だし」

向日葵「まぁ櫻子は……ね」

ちなつ「(あぁ。確かに……)」

撫子「櫻子……」

櫻子「クソぉーみんな私のことバカにしやがって!!」

櫻子「ちなつちゃんだけだよ! 私のことバカにしないでいてくれるのは」

ちなつ「う、うん……(私も心のなかで同意していただなんて言えない……)」

撫子「楓とひま子も7つ違いだっけ?」

向日葵「そうですわね」

撫子「なんだか5つ違いっていうのが逆に離れてない気がしてきた」

ちなつ「いや、普通は5つ違いでも結構離れてるほうですよ」

花子「花子と撫子お姉ちゃんで言ったら10個違いだし」

櫻子「なんでさり気なく私をすっ飛ばすんだ!?」

撫子「私には上がいないからお姉ちゃんがいるって感覚はわからないなぁ」

ちなつ「いいものですよ姉がいるって」

櫻子「よくないよ!」

撫子「なんだって?」

櫻子「ごめんなさい」

第311話 ちなつ大室家訪問 5 終わり


第312話 ちなつ大室家訪問 6

向日葵「わたくしは撫子さんが実質お姉さんみたいなものですわね」

ちなつ「そういえば、櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは幼なじみなんだっけ?」

櫻子「仲良くないけどな!」

向日葵「なんですって!? こっちもアナタと仲良くなんかないですわ!」

櫻子「ムキー!」

撫子「また始まった……」

ちなつ「ですね」

花子「(学校でもやっぱり2人はああなのかし)」

ちなつ「(あっ、そうだ! ここに来た目的を忘れていたわ!)」

ちなつ「(確かにお姉さんも痩せている。その秘訣を聞きに来たのよ)」

ちなつ「櫻子ちゃんは結構食いしん坊ですよね? 撫子さんもよく食べる方なんですか?」

撫子「んー、まぁ普通だと思うよ」

ちなつ「あの、ダイエットとかはしてるんですか? すごいスレンダーで羨ましいです」

撫子「特に意識したことはないかな(むしろダイエットなんてしたらさらに胸が……)」

ちなつ「なにか太らない秘訣でもあるんですか!?」ギラギラ

向日葵「あ! それ私も気になります!!」ギラギラ

撫子「(う、2人の視線が眩しい……というかこの子はどうか知らないけど、ひま子の場合単に胸が……)」

撫子「ま、まぁ。規則正しい生活をすることじゃないかな? 早寝早起き、暴飲暴食はしない。適度に運動を取る」

ちなつ「う……確かにごらく部ではよくお菓子を……」

向日葵「おかしいですわ。私は結構気をつかっていますのに」

撫子「というか2人ともまだ中1なんだから縦に伸びる盛りなんだからダイエットなんてしたら逆に健康に悪いよ?」

撫子「体重が増えるのは気にしない!」

花子「だし!」

ちなつ「確かに言われてみれば」

向日葵「そうですわね」

櫻子「じゃあ今度は体重がどれだけ増えたか勝負だな向日葵!」

向日葵「それはおかしいですわ」

撫子「そういえばちなつちゃんはどこに住んでるの? もう結構時間だけど大丈夫?」

ちなつ「あっ! そうですね。そろそろ帰ります」

花子「また来てだし」

ちなつ「うん、じゃあまたね。花子ちゃん」

ちなつ「櫻子ちゃんも今日はお菓子ありがとう」

撫子「またおいでね」

ちなつ「はい」

ちなつ「では、お邪魔しました」

第312話 ちなつ大室家訪問 6 終わり

第313話 悪夢の恐怖 1

櫻子「うぅ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

先生「皆さん明日から2年生ですね」

あかり「わぁい2年生! 結衣ちゃんと京子ちゃんと同じ学年だ!」

ちなつ「結衣先輩も京子先輩も明日から3年生でしょ」

あかり「あっ、そっかぁ」

櫻子「向日葵、無事進級できてよかったな! 私は頭いいから大丈夫だけど、向日葵は頭悪いからなぁ。ダブるんじゃないかって思ってた」

ちなつ「え?」

向日葵「それはこっちのセリフですわ櫻子」

あかり「櫻子ちゃん……ごめんね。あかりたちだけ先に2年生になっちゃって……」

櫻子「なんだよ皆して、まるで私が留年するみたいな」

向日葵「まるでというか、櫻子、アナタは来年も中1ですわよ」

櫻子「はぁ!? そんなわけないじゃん! 先生、私ってもう一回中1やるんですか!?」

先生「ええ、大室さんは成績があまり宜しくなかったのでもう一度中学1年生をやってもらいます」

櫻子「…………」

櫻子「えぇーーーーー!?」

あかり「じゃ、じゃあ頑張ってね」

向日葵「ああ、私が甘やかし過ぎたばかりに、ごめんなさい櫻子」

櫻子「……」

櫻子「私が留年……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

櫻子「はっ!?」

チュンチュン

櫻子「ゆ、夢か……」

タンタンタンタン。ガラガラ

櫻子「ねーちゃんおはよう」

撫子「あぁ、櫻子。また今年も中1なんだってね」

櫻子「えぇ!? あ、あれは夢じゃ……」

花子「何言ってるんだし、櫻子はバカだから留年するのは当たり前だし。ほら、ひま姉が迎えに来てるし」

撫子「じゃあ、私も大学行ってくるから」

櫻子「そ、そんな馬鹿な!!」

櫻子「う、うわあああああああああああああああああああああああああああ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ピピピピッ! ピピピピッ!

櫻子「わあああああああああああああああああああああああ!!」

バタン

撫子「うるさいなぁ。なってる目覚ましよりうるさい」

櫻子「ね、ねーちゃん! 私今何年生だっけ?」

撫子「え? 中1でしょ」

櫻子「わ、私やっぱり留年したんだ」

撫子「アンタ今年中学生になったばかりじゃん。ほら、寝ぼけてないで顔洗いな」

櫻子「え? 今年?」

撫子「そうだよ。大体中学生は留年しないし」

櫻子「そっか、そうだよな。中学生が留年するわけないよな」

撫子「でも、高校になったら留年もあるから気をつけな」

櫻子「やったーよかったぁ。私留年してない!」

撫子「はぁ、この子は本当に大丈夫かな……」

第313話 悪夢の恐怖 1 終わり

第314話 悪夢の恐怖 2

次の日寝る前

撫子「留年か……」

撫子「もし大学受かっても留年しちゃったら取り消しになるんだよな」

撫子「まぁないと思うけど気をつけないと」

撫子「寝よう」

パチッ

撫子「Zzzz」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

藍「とうとう卒業式かぁ」

撫子「そうだね」

めぐみ「とうとう私達も離れ離れに。うぅ……寂しい」

撫子「まぁ、また会えるって」

美穂「今日で撫子をからかえなくなるなんて美穂も寂しーい」

撫子「アンタは絶対寂しんでないでしょ」

校長「えー、皆さんご卒業おめでとうございます」

校長「大学生になる皆さんも、就職して働く皆さんもいますと思いますが、本校の生徒であったという誇りをもって……」

めぐみ「今日でこの校長先生の長話も終わりだと思うと感慨深いね」

撫子「そうだね」

校長「こほん。えぇ、長話はここまでにしまして、皆さんに重要な知らせがあります」

校長「……」

ザワザワ

「なんだなんだ」

「黙っちゃって」

「早く話せよ」

ザワザワ

藍「重要な知らせってなんだろ」

美穂「気になるー」

めぐみ「何かのサプライズ?」

撫子「……」

アナウンス「これから卒業証書剥奪式を行います」

撫子「え? 卒業証書剥奪?」

めぐみ「剥奪って、え? 取られちゃうの?」

藍「どういうこと?」

アナウンス「それでは各担任の先生、卒業生から卒業証書を回収してください」

「今日は4月1日じゃないんですけど? ってえっと先生!?」

「すまない。規則なんだ」

「おい! どういうことだよ!」

「ふざけんなよ! 意味わかんねーよ!!」

「説明しろよ! 校長!!」


校長「ふふふ、あっはっはっは!」

校長「まだ気づかないのか?」

「はぁ?」

校長「お前ら全員バカだぁー!」

校長「そんな成績でわが校を卒業する気だったのか?」

「はぁ? 意味分かんないんですけど? 学校の成績? 私は全部5よ」

校長「全部5? そりゃー当たり前だろうな! みんなに合わせてレベル低く問題を作っているんだから」

校長「そんな試験でありながら、誰ひとりとしてすべて100点をとった人はいない。実に嘆かわしい」

校長「お前ら全員留年だぁ!!」

撫子「……」

「ふざけんじゃねーぞ!! 全部100点とか取れるわけ無いだろ!」

「ちょっと、先生もおかしいと思わないんですか?」

「それがうちのルールですので……」

「うひゃひゃひゃ、現役生ザマァー!」

美穂「……そんな」

めぐみ「……ありえない」

藍「……でも、またみんなと一緒でうれしいかも」ボソ

撫子「……」

藍「撫子?」

撫子「……あっ、藍。私夢見てるのかな? ちょっとつねってみて」

藍「え? これ現実だよ? そんなことする必要ないじゃん」

撫子「そんなはずない!」バチン

藍「ちょっと撫で――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バッ!!

撫子「はぁはぁ……」

撫子「今日は10月9日」

撫子「よかった。夢か」

撫子「それにしても、なんて恐ろしい夢だったんだ……」

第314話 悪夢の恐怖 2 終わり

第315話 悪夢の恐怖 3

花子「櫻子に続き、撫子お姉ちゃんまで留年する夢を見るなんて」

花子「花子はまだ小学生だし大丈夫だし?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小学校

先生「皆さん今日から5年生ですね。高学年として低学年の子には優しく――」

花子「!?」

花子「(ちょっと待てし!)」

花子「(5年生!? 花子は3年生になるはずじゃ……)」

花子「(未来。こころ。みさきち……いない……やっぱり5年生になるひとだけだ)」

花子「先生、あの!」

先生「何でしょう大室さん?」

花子「すみません、来る教室を間違えてしまって」

先生「いいえ、大室さんはここであってますよ。皆さん、大室さんは飛び級で……」

バッ!

先生「ちょっと大室さん!?」


先生「皆さん3年生進級おめでとうございます」

こころ「また同じクラスになれてよかったぁ」

未来「そうだねー」

ガラ!

花子「はぁ……はぁ……」

みさき「花子!」

先生「大室さん、大室さんの教室はここじゃないですよ」

花子「嘘だし、花子もみんなと同じ3年生だし」

未来「花子様、花子様は頭がいいから飛び級したんだよ? 5年生に」

こころ「やっぱり、花子様は花子様だぁ」

みさき「飛び級するのは私の方だったのに!」

花子「そ、そんな! 花子もみんなと一緒にいたいし!」

未来「大丈夫だよ! 帰るときは一緒に帰れるから!」

先生「さぁ、もういいでしょ? 大室さん。自分の教室に帰りなさい」

花子「嘘だし! 嘘だし!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バッ!

花子「はぁはぁ……」

花子「ゆ、夢……」

リビング

撫子「留年……留年……」

櫻子「留年……留年……」

花子「飛び級……飛び級……」

第315話 悪夢の恐怖 3 終わり

第316話 思い出シアター 1

花子「うわっ!」

櫻子「なんだ! いきなり体が飛ばされた!」

撫子「なにここ?」

「思い出シアターへようこそ。大室家御一行様」

撫子「あれ? あなたはいつぞやの」

櫻子「占い師さん!?」

占い師「如何にも私は占い師、占いというのは本来未来を見るもの。しかし、今回見てもらうのは未来ではなく過去」

花子「どういうことだし」

占い師「まぁ、とりあえずこれから流すムービーでも見てください。なに、緊張することはありません。これからお見せするのは既に過ぎ去ったことですから」

櫻子「よくわかんないけど、おもしろそうだな!」

撫子「全くアンタはホント呑気な」

撫子「それにしても、最近不思議なことばかり体験してるね」

占い師「それでは始まります。上映中は特に私語飲食禁止いたしません。ご自由にどうぞ」







パッ

>>2 第1話 櫻子には内緒で

櫻子「ん? 私に内緒でってどういう意味だ?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「花子」

花子「なに?撫子お姉ちゃん」

撫子「プリン買ってきたんだけど食べる?」

花子「食べるし!」

撫子「でも、2個しか買ってきてないんだよね。売り切れてたから」

撫子「だから、櫻子には内緒ね」

花子「分かったし!」

モグモグ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

花子「あっ! これって!」

撫子「1年前の……なるほど思い出シアターってそういうことか」

櫻子「それよりもー!」

花子・撫子「あ」

櫻子「私に内緒でプリン食べたってどういうことだー!!」

花子・撫子「ごめんなさい」


>>7 第2話 VIPおみくじ

撫子「これは?」

花子「VIPで毎月1日に名前欄に!omikuji入れると名前欄におみくじ結果が出されるやつだし」
 
櫻子「最後に大吉とれてよかったなー」

撫子「あ、次が始まる」

>>9-11 第3話 高校生組のお出かけ

撫子「初の高校生組」

めぐみ「3話目にして私達の登場」

撫子「めぐみ!? いつの間に?」

藍「まぁ深いこと気にしない」

美穂「やーん、1年過ぎるのってはやーい」

花子「あ、次始まるし」

>>14-17 第5話 花子という名前

櫻子「あぁ、ヒヤシンス子とか懐かしいな!」

花子「花子でいいし」

>>23-27 第6話 分裂撫子さん

撫子「あ、そういえばこんなこともあったね」

花子「最近も不思議なことが起こるけど考えてみれば最初の方はもっと不思議だったし」

第8話 撫子お姉ちゃんが4人!?

櫻子「これのタイトルはあれだな。私がゆるゆりアニメのCMで言ってた百合姫きものなでしこの宣伝だ」

>>29-34 第10話 増える花子

花子「そういえば、花子も増えたし」

撫子「なんだったんだろうね。あれ」

>>35-43 第13話 めぐみとデート

めぐみ「わ、私とのデート回だ///」

藍「むぅ」

めぐみ「藍とのデートもあったじゃん!」

撫子「というか、私全員とデートしてるんだよね」

美穂「撫子のたらしー!」

撫子「このころは、そういえば長くても4話構成だった」

花子「今は10話超えとか普通だし」

櫻子「長すぎだな! 短編集なんだから1話で1つの話やって、中身も3行くらいで十分だろ」

花子「短すぎだし!」

>>45-48 第17話 トリック・オア・トリート

櫻子「みなみけのパク」

撫子「しっ!」

>>49-50 第19話 花子の牛乳買ってきて

櫻子「花子、もう一回櫻子お姉ちゃんって言ってみてよ」

花子「誰が言うかし」

>>53 第20話 おっぱい禁止

向日葵「全く櫻子はいつもこんな調子で」

櫻子「向日葵!? いつの間に現れた!」

>>55 第21話 公転する妹

撫子「花子の宇宙ネタもここからかな?」

花子「ここらへんから原作にない設定つけまくりだし」

>>58-61 第22話 迷子の楓

楓「あのときはありがとうなの!」

櫻子「もうはぐれるなよ」

撫子「もうナチュラルに人が増えるのは気にしないんだ」

>>62-65 第24話 図工の時間

花子「みさきちが作った花子うますぎだし」

みさき「当たり前じゃない! 花子よりもうまく出来たわ!」

>>66,71,107 第26話 こころちゃん観察記

こころ「えー、未来こころの観察日記なんてつけてたのー?」

未来「あはは、ごめん」

>>67 番外編

櫻子「どうみてもランプの妖精が杉浦先輩なんだよなぁ」

花子「世にも奇妙な大室家だし」

>>69-70 高校3年という時期

撫子「1年経っても高3やってるんですけど……」

櫻子「大室撫子留年説」ボソ

撫子「」バシッ

櫻子「いて!」

>>72-74 第29話 櫻子の花子いじり

花子「ただの嫌がらせだし」

櫻子「あはは、バレた?」

>>75-77 第30話 向日葵と大室家

撫子「櫻子とひま子は本当に幼なじみって感じだね。羨ましいよ」

向日葵「///」

>>78-93 第32話 あかねさん編

あかね「あらあら、撫子ちゃんと私の愛の情事が」

めぐみ「珍しく撫子から告白してる」

撫子「年上の人だと私から告白してる。って言っても今のところあかねさんとともこさんぐらいだけど」

>>99-101 第38話 プッキーゲーム

櫻子「ねーちゃんにキスされた! もうお嫁にいけない!」

撫子「あはは」

めぐみ「そして、藍ともさり気なくキスする撫子」

藍「///」

撫子「いや、事故でしょ」


>>102-103 第40話 大室家の回転寿司日和

花子「あれは美味しかったし」

櫻子「ヴェルタースオリジナルネタが」

>>108-109 第42話 花子は櫻子の抱き枕

花子「いい加減苦しいから花子の布団に潜り込んでくるのやめろし」

櫻子「しょうがないじゃん! もう無意識なんだよ」

>>110-111 第43話 藍と美穂とめぐみ

藍「なんか原作だと撫子を中心に会話してるみたいだけど」

めぐみ「私達も普通に仲いいよね」

美穂「そうだねー」

>>112-116 第44話 小学生組の体育

こころ「懐かしいなー」

未来「花子様がこっちに入れば勝てたのになぁ」

>>118-120 第46話 楓と大室家

楓「お姫様抱っこなの!」

花子「ちょっと恥ずかしかったし」

>>121-122 第48話 大室三姉妹一緒にねる

花子「花子が真ん中のはずだったけど、AAの都合で櫻子が真ん中になったし」

櫻子「真ん中は譲れない」

>>124-125 第49話 小学生組 花子の家に遊びに来る

こころ「くすぐったかったー」

櫻子「ごめんごめん」

>>126-151 第51話 あかり編

あかり「撫子お姉ちゃん!」

撫子「あれ? あかねさん? いや、3年後のあかりちゃんか」

あかり「ちゃんと私の気持ちに答えてくれてありがとうございました!」

撫子「いやいや、こちらこそ」

>>155-158 増える花子 2

花子「また増えたし!」

撫子「小花子かわいい」

>>160 第60話 みさきちと未来

未来「みさきちってやっぱり花子様のこと」

みさき「そ、そんなわけないじゃない!」

>>161-170 第61話 あかりと大室家

花子「あかりお姉ちゃんかわいいし」

櫻子「あかりちゃんは勉強もおしえてくれるしいい子だ」


>>177 第66話 ノロウィルスの話

藍「あぁ、こんな話もしてたねー」

めぐみ「そうだね」

美穂「ノロウィルスってこわーい」

>>179-180 第67話 大室家の朝は早い

花子「一体、このインタビューアは何者だったんだし」

撫子「さぁ……」

>>183-203 第68話 京子と大室家

京子「とうとう私の登場か!」

花子「京子お姉ちゃんとは何回か会ったし」

京子「このときちなつちゃんも今度連れてくるって約束してるけど、ちなつちゃんが来るのはこれから10ヶ月も先になるなんてな」

ちなつ「京子先輩が誘ってくれないから私1人で行きましたよ」

京子「ごめんごめん」

カラカラカラ、プツン

撫子「あ、止まった」

占い師「如何でしたか? これが去年の10月から12月までのお話です」

撫子「うん、1年って短いなって思ったよ」

櫻子「そういえば、去年はクリスマスイベントやらなかったんだな!」

花子「今年はやりたいし、クリスマス」

撫子「そっか、じゃあ今年はやろうか。ね」

占い師「それでは、休憩をはさみます」

第316話 思い出シアター 1

一年たったということは櫻子たちは中学2ね……うっ……頭が……

一周年、感慨深いな
櫻子たちは中1なのに俺は歳取って…うっ頭が…

第317話 思い出シアター 2

占い師「お手洗いはお済みかい? それじゃあ、続き始めるよ」

占い師「1月から4月中旬にかけての思い出の物語、始まり始まり」

カラカラカラ……

>>207-228 第76話 高校生組 年越し旅行

藍「あ、私達の旅行回だ!」

美穂「一昨年なんだよね~」

撫子「そりゃ、高3の受験前に呑気に行くわけにはいかないからね」

めぐみ「美穂足早かったなー」

>>230 第88話 雪かきから始める雪合戦

撫子「2人とも次はちゃんと雪かきしてよね」

花子・櫻子「ご、ごめん。だし」

>>231-265 第89話 藍とデート

撫子「ちょっ! これはマズイ! ちょっと、ビデオ止めて止めて!!」

櫻子「な、な……///」

向日葵「花子ちゃん、見ちゃダメですわ///」マジマジ

花子「ひま姉何するし! 花子も見たいし!」

藍「な、撫子ったら……大胆なんだから……///」

美穂「あらあら~」

>>267  第100話 姉妹で入るお風呂

撫子「昔はよくやったけど、今やると意外と窮屈」

櫻子「私が成長したからな」

花子「花子も成長したし!」

>>269-271 第101話 雪まつり 小学生組

花子「今年こそは滑り台克服するし!」

未来「無理にしなくてもいいんだよ?」

>>272-277 雪まつり 櫻子と向日葵

向日葵「櫻子にはもうちょっと計画性をもって行動して欲しいですわ」

櫻子「うまくいってるからいいの!」

>>279-284 占い師 小学生編

花子「結局花子に片思いしてる人は誰だかわからなかったし」

みさき「……」

>>285-304 第112話 生徒会組大室家訪問

綾乃「花子ちゃんかわいい~」スリスリ

花子「わっ! や、やめろし!」

花子「なんで花子はみんなに撫でられるんだし」

りせ「……」

西垣「かわいいから、だそうだ」

千歳「まぁ花子ちゃんかわいいしな~。うちも撫でたいわ~」


>>305-309 第121話 占い師 向日葵・櫻子編

向日葵「な!? 櫻子今の聞いてませんでしたわよね!?」

櫻子「……」

櫻子「ああ、聞いてたよ。向日葵……」

向日葵「櫻子……」

櫻子「Iカップになるなんて嘘だぁあああああああ!!」

撫子「あ、そっちが重大で後のほうは聞こえてなかったか」

>>311 第123話 花粉症

藍「あぁ、やだなぁ。折角被害を受けない季節なのに思い出しちゃうよ」

めぐみ「来年は少ないみたいだから」

撫子「おやじ」

めぐみ「うっさい!」

>>312-313 第124話 カノープスを見に行こう

花子「あれは見れてよかったし。ここじゃあまり見れない星なのに」

撫子「今はなにが見れるの?」

花子「この間、三日月と金星と土星と水星が並んでたし」

撫子「へぇ」

>>314-341 第125話 花子の運動会

みさき「来年は違うチームになって正々堂々勝負よ!」

花子「望むところだし」

未来「やっぱり、撫子お姉さんは足速くていいなーうちのお父さん負かしちゃうなんて」

撫子「未来ちゃんも速くなるさ」

>>344-350, >>354-374  第137話 美穂様とデート

めぐみ「なにこれちょっと切ないかも」

美穂「駆け落ち系ヒロイン」

>>381-388 第149話 占い師 高校生編

美穂「やーん、撫子の競争率高すぎ!」

めぐみ「既にいろんな人と付き合ってるからね」

撫子「なんだかその言い方だと私が尻軽女みたいだからやめて」

>>392-427 第153話 時をかける櫻子

櫻子「この話わかりにくいんだよ!」

向日葵「100年後から帰ってきた櫻子はあんなに賢かったというのに……まぁ話が込み入って複雑ですわよね」

向日葵「簡単に言うと、世界は常に分岐を続けていて、タイムトラベルしようがしまいが様々な歴史があるわけでして」

向日葵「まぁ興味のある方はエヴェレット解釈でググるといいですわ。検証しようがないですから仮説ですけれど」

撫子「つまり最後も夢オチなんかじゃなくて、タイムトラベルしなかった世界ってことだね。この話だと」

向日葵「そうですわね」

撫子「あ、そういえば北陸新幹線は高岡も止まるみたいだね」

花子「きっと、タイムトラベルで事情が変わったんだし!!」

櫻子「おいおい、タイムトラベル便利だな!」


>>305-309 第121話 占い師 向日葵・櫻子編

向日葵「な!? 櫻子今の聞いてませんでしたわよね!?」

櫻子「……」

櫻子「ああ、聞いてたよ。向日葵……」

向日葵「櫻子……」

櫻子「Iカップになるなんて嘘だぁあああああああ!!」

撫子「あ、そっちが重大で後のほうは聞こえてなかったか」

>>311 第123話 花粉症

藍「あぁ、やだなぁ。折角被害を受けない季節なのに思い出しちゃうよ」

めぐみ「来年は少ないみたいだから」

撫子「おやじ」

めぐみ「うっさい!」

>>312-313 第124話 カノープスを見に行こう

花子「あれは見れてよかったし。ここじゃあまり見れない星なのに」

撫子「今はなにが見れるの?」

花子「この間、三日月と金星と土星と水星が並んでたし」

撫子「へぇ」

>>314-341 第125話 花子の運動会

みさき「来年は違うチームになって正々堂々勝負よ!」

花子「望むところだし」

未来「やっぱり、撫子お姉さんは足速くていいなーうちのお父さん負かしちゃうなんて」

撫子「未来ちゃんも速くなるさ」

>>344-350, >>354-374  第137話 美穂様とデート

めぐみ「なにこれちょっと切ないかも」

美穂「駆け落ち系ヒロイン」

>>381-388 第149話 占い師 高校生編

美穂「やーん、撫子の競争率高すぎ!」

めぐみ「既にいろんな人と付き合ってるからね」

撫子「なんだかその言い方だと私が尻軽女みたいだからやめて」

>>392-427 第153話 時をかける櫻子

櫻子「この話わかりにくいんだよ!」

向日葵「100年後から帰ってきた櫻子はあんなに賢かったというのに……まぁ話が込み入って複雑ですわよね」

向日葵「簡単に言うと、世界は常に分岐を続けていて、タイムトラベルしようがしまいが様々な歴史があるわけでして」

向日葵「まぁ興味のある方はエヴェレット解釈でググるといいですわ。検証しようがないですから仮説ですけれど」

撫子「つまり最後も夢オチなんかじゃなくて、タイムトラベルしなかった世界ってことだね。この話だと」

向日葵「そうですわね」

撫子「あ、そういえば北陸新幹線は高岡も止まるみたいだね」

花子「きっと、タイムトラベルで事情が変わったんだし!!」

櫻子「おいおい、タイムトラベル便利だな!」


>>431-432 第167話 春の嵐

櫻子「花子は怖がりだなぁ」

花子「ち、違うし!」

撫子「そういう櫻子も怖がってたじゃん」

櫻子「ち、違うし!!」

>>435-437 第168話 RPGにハマる花子

撫子「あの目が血走った花子はやばかった」

花子「ハマると凝るタイプだし」



占い師「ふふ、楽しんでいただけたかな?」

撫子「冬から春にかけてってかんじですね」

占い師「また、小休憩をはさみたいと思うよ」

櫻子「私ポップコーン買ってくる!」

花子「あ! 花子も買ってくるし!!」

第317話 思い出シアター 2 終わり

第318話 思い出シアター 3

占い師「それでは続きを始めるよ」

櫻子「おう!」モグモグ

撫子「さて、次は何が来るかな?」

>>438-462 第169話 ともことデート

ともこ「いきなり私とのデート編ね!」

撫子「ともこさん」

ともこ「和服きた撫子ちゃん、とっても大和撫子ちゃん!」

撫子「私にかぎらず和服を着れば誰でも大和撫子になれます」

>>465 第180話 楓と櫻子

楓「櫻子お姉ちゃん料理うまくなった?」

櫻子「おう! レトルトカレーなら任せろ!」

向日葵「それほとんど料理じゃないですわよ」

>>471 第181話 身体測定

こころ「みさきち維持になりすぎー」

未来「そうだよ!」

みさき「ぐぬぬ」

>>473 第182話 ヨーグルトを食べたい

向日葵「櫻子の扱いになれてますわね」

撫子「伊達に13年櫻子の姉やってるわけじゃないからね」

櫻子「私は物か!?」

>>474-486 五月晴れの日曜日

花子「また公園に遊びに行きたいし」

櫻子「またドッジボールやろうな」

撫子「気候的にもそこまで暑くないしいいかもね」

>>487 コンプレックス

撫子「うーん、私も小学生のときは運動神経いいって羨まれたかも」

>>488 コーヒーを飲めるのは

未来「みさきちもう無理しちゃダメだよ?」

みさき「一年経って飲めるようになったわよ!」

こころ「本当?」

>>492-497 櫻子の家出

櫻子「ねーちゃん。あんときは本気で探してくれてたんだね」

撫子「もう家出しちゃダメだよ」

櫻子「うん」

>>498-502 めぐみのバイト先

めぐみ「なんて迷惑な客なんだ」

美穂「ベンティ」

めぐみ「だからスタバで」


>>503-506 昔話

向日葵「本当に撫子さんは私達のことよく覚えてますね」

撫子「ひま子も妹みたいなもんだからね」

>>508-5012 大室家で隠れんぼ

向日葵「撫子さんの一手にはやられましたわ」

撫子「ふふふ」

>>515-517 小学生のお昼休み

みさき「ヘリコプターもグライダーもできるようになるんだから!」

花子「がんばれし」

>>518 ペン回し

美穂「見てみてー新技ー」グルリングルリン

撫子「あぁ、それはすごい」

藍「すごいけど、なにがすごいのかわからない」

めぐみ「撫子がすごいっていうならすごいんでしょう」

>>519 スマホに鞍替え

撫子「私はスマホよりケータイの方が好きだったかな。面倒だし、電池持たないし」

めぐみ「携帯充電器は持ち歩くもの」

撫子「もうそれ携帯持つために携帯してるじゃん」

>>520-542 綾乃とデート

綾乃「これもちょっと変わった世界ですね。私の性格も全く違う」

撫子「パラレルワールドの概念がこんなところにも」

>>545 第222話 雨が降る! 雨が降る!

櫻子「土砂降りの雨降ってたけどまだ寒かったな!」

花子「6月の雨はまだ冷たいし。やるなら8月にやればよかったし」

>>548 第223話 憂鬱撫子さん

撫子「私低気圧がくると気分も落ち込むんだよね」

めぐみ「撫子天気予報?!」

>>549 第224話 梅雨の朝

撫子「花子は雨好きなんだ」

花子「雨も好きだし」

>>550-554 こころちゃんの飼育日記

こころ「うぅ……ごめんね」

花子「大丈夫だし、タローとジローもこころに買ってもらって嬉しかったはずだし。花子はこころのそういう優しいところ大好きだし」

こころ「……うん。ありがとう花子ちゃん」

>>555-558 1日姉妹入れ替え

楓「櫻子お姉ちゃんは面白いの!」

櫻子「花子よりも楓が妹がよかったなー」

花子「そんなこと言うなら、花子もひま姉がお姉ちゃんがよかったし!」


>>559-562 七夕星空鑑賞会

こころ「星空も面白いね~」

未来「花子様に教えてもらってから結構みるようになったよ!」

みさき「みさきも星座覚えたわよ! 花子には負けないわ!」

花子「み、みんな……星に興味持ってくれて嬉しいし!」

>>563 第234話 なんで花子の隣なの!

みさき「ま、また誘ってくれてどうしても来てほしいっていうなら言ってあげてもいいわよ!」

花子「うん、またみさきちも誘うし」

>>565 第235話 エアコンは勤勉者の特権

花子「よく考えるとこの夏は暑かったのにエアコン付けないとか軽く狂気だし」

撫子「うん、いくらなんでも節約しすぎだね」

櫻子「ぶっ倒れるわ!」

>>566 第236話 暑い時は水分補給を

櫻子「暑い時に冷たい飲み物って生き返るよなー」

向日葵「最近もまだまだ日中は暑いですからね」

>>567 第237話 ベストを着る着ないか

めぐみ「そういうの気になる人は気になるんだー」

撫子「むしろめぐみは見せつけたい派か」

めぐみ「いや、別にそういうんじゃないって!」

>>568-569 第238話 まりちゃんと楓と花子

楓「あれ?」

花子「花子たち」

まり「見られてたー」

>>571-576 カレー作りin大室家

撫子「夏は割りとカレー地獄だった」

櫻子「この後もカレー来たんだよなー」


>>579 第242話 だらしない姉としっかり者の妹

櫻子「花子、なんていい妹なんだー!」ガバ

花子「うわ! こっちくんなし!」

>>580-593 京子と大室家 リターンズ

撫子「京子ちゃんの櫻子変装は声まで完璧で見破れなかった」

京子「まぁそれほどでもー」

向日葵「そしてごめんなさい」

京子「まぁいいてことよ! カレー美味しいし!」

結衣「いや、大室家の問題にお前がフォローすんなよ」


占い師「さて、ここで1年の3/4は終わったね。」

占い師「5月から7月まではどうだったかな?」


撫子「カレー……」

櫻子「そうだな。もう2日はカレーはいらないや」

花子「2日かし!?」

櫻子「いや、昨日給食カレーだったから」


占い師「皆さん疲れたでしょう。次回の上映は明日になります」

占い師「また、明日お越しなさいな大室家ご一行さん」

花子「うん。なかなかおもしろいし」

第318話 思い出シアター 3 終わり

第319話 思い出シアター 4

占い師「それでは今宵も思い出シアター始まるのだよ」

櫻子「段々、新しくなってくるから覚えてるのもあるぞ! たぶん」

花子「むしろ今までのやつは忘れてたのかし」

>>594-603 花火大会 高校生組

美穂「ねぇねぇ、この時の相手って誰なのー?」ニヤニヤ

撫子「そ、それは……」

めぐみ「だ、誰でもいいじゃん!」

藍「そ、そうだよ! 撫子困ってるし」

向日葵「撫子さんの彼女って誰だか本当にわかりませんわ」

花子「シュレディンガーのなでかのだし」

>>605-612 花火大会 櫻子サイド

向日葵「全く櫻子が素直に私とくれば大事にならなかったですのに」

櫻子「うぅ……この時に関してはなにも言えない」

>>616-643 海へ行こう!

楓「また行きたいの!」

花子「面白かったし」

櫻子「向日葵! また来年も勝負だからな!」

向日葵「望むところですわ!」

>>644-653 肝試し 高校生組

めぐみ「これは洒落にならないくらい怖かった」

藍「うん、しばらく夜トイレとか頭洗ってるときとか怖かったもん」

撫子「まぁ、なにも無くてよかったよね」

>>654 第284話 9月2日

櫻子「この日は憂鬱だったなー」

花子「9月1日が日曜日で休みだったのに何言ってんだし」

>>655 第285話 2学期 小学生組

みさき「今年の冬こそは花子に勝つわ!」

>>656-658 第286話 2学期 中学生組

花子「京子お姉ちゃんと櫻子は似てると思ったけど、櫻子と違って天才だったし」

櫻子「なに!? 私のこのにじみ出る知性がわからないか!?」

向日葵「その言葉が既に馬鹿っぽいですわ。まぁ、ちゃんとやったことについては見直しましたわ」

櫻子「むむむ」

>>661 第289話 2学期 高校生組

めぐみ「あぁ、覚えてるわ。2学期早々から遅刻したこと」

撫子「一生の汚点だね」

めぐみ「それだけで!?」


>>662-668 夜のお散歩

櫻子「これ最後ねーちゃんタダの虐待だよな?」

撫子「うん、正直悪かったと思ってる」

花子「でも、夜のお散歩楽しかったし。またしたいし」

撫子「また、お母さんの許可もらってやろうか」

花子「うん!」

>>669-682  撫子デート編 なでここ!

櫻子「これ私の存在完璧無視されたよな?」

花子「櫻子はうるさいからだし」

櫻子「私も妹なのに!!」

>>684 第305話 食欲の秋って何さ!

向日葵「本当に食欲の秋って食べ物があると思ってたんですの?」

櫻子「うるさい!」

>>685 第306話 大室家は食べても太らない体質

櫻子「多少太ってもいいから胸に……」

撫子「ホントね……」

>>687-692 ちなつ大室家訪問

ちなつ「私は結衣先輩一筋だけど、撫子さんもかっこよかったぁー」

撫子「あ、ありがとう……(この子はやっぱりちょっとあれな子なのかな?)」

花子「もふもふ気持ちよかったし」

ちなつ「そう? 気に入ってもらえてよかった」

>>693-697 悪夢の恐怖

櫻子「留年やだー!」

撫子「コワイコワイ」

花子「飛び級やだし……」



櫻子「これで全部終わったか」

撫子「1年なんてあっという間だね」

花子「花子には結構長かったし」

撫子「まぁ歳をとるにつれて速く感じるようになるもんなんだ」

花子「そっか」

カラカラカラカラカラカラ

花子「あれ? まだ映ってるし」

櫻子「なんかスクリーンにスクリーンが映ってるな変なの」

撫子「これって、私達?」

占い師「そうだよ」

櫻子「いつの間に撮られてたんだ?」

占い師「君たちがこの部屋に入ってきてからずっと。いや、もっと前からずっとかな」

花子「なんで、とめないんだし?」

占い師「この先の思い出はこれから作っていくのだよ。あなた達の手でね」

撫子「なるほど」

撫子「面白かったです。ありがとうございました」

占い師「なに、こちらこそ面白いものを見せてもらってるからね」

占い師「それじゃあ、2年目も楽しむのじゃよ」

ブワン!

撫子「ん? 私いつの間に寝てた?」

撫子「櫻子?」

櫻子「クカー」スピスピ

花子「スースー」

撫子「花子も寝てる。なんだか不思議な夢を見ていた気がする」

撫子「こんなリビングで寝ちゃって、布団持ってきてあげよう」

花子「今年もきっと楽しいはずだし……」ムニャムニャ

第319話 思い出シアター 4 終わり

第320話 マスから押し出されたら負けなあのゲーム 1

小学校

未来「えい! えいっ!」パン

こころ「わっ!」

花子「何やってるし?」

未来「あっ! 花子様! ゲームだよ。手だけしか触っちゃいけなくて、このマスから出ちゃダメってゲーム」

花子「なるほど」

こころ「花子様もやるー?」

花子「面白そうだし」

未来「隙あり!」パシ

こころ「わわわっ!」ヨロヨロ

トン

こころ「もー未来ズルいよ~」

未来「油断してるほうが悪いんだよ!」

こころ「じゃあ、勝ち抜きで花子様は未来に譲るー」

こころ「花子様ー未来倒してー」

花子「わ、分かったし」

未来「花子様は強そう」

花子「ここでいいかし?」

未来「うん、じゃあはじめね」

未来「えい!」パシッ

花子「わわわ!」ヨロヨロ、トン

花子「あっ、出ちゃったし」

こころ「花子様負けちゃったー」

未来「やったー! 勝ったー!!」

花子「意外と押されるもんだし。でも今のでコツはつかめたし」

花子「もう一回いいかし?」

未来「うん! いいよ!」

パシ、パシ、パシ




未来「花子様やっぱり強いよ~!!」

花子「もう、未来には負けないし」

こころ「やっぱり花子様は強いねー」

みさき「誰が強いですって!?」

未来「げっ! みさきち」

みさき「みさきとも勝負よ花子!」

花子「分かったし」

第320話 マスから押し出されたら負けなあのゲーム 1 終わり

第321話 マスから押し出されたら負けなあのゲーム 2

みさき「じゃあ私はこのマスに入るから花子はそこのマスね」

花子「わかったし」

こころ「わぁ~またみさきちと花子様のバトルだぁ」

未来「花子様は負けないよ」

未来「それじゃあスタート!」

みさき「ふん!」パシ

花子「ん」パシ

みさき「ふっふっふ!」

花子「(みさきち、結構力強いし……)」

みさき「なかなかやるわね」

花子「みさきちちょっとタンマだし」

みさき「なんでよ!」

花子「手が痛いし」

みさき「あっ、ごめん」

花子「別にいいし、そういう遊びなんだから」

みさき「ふ、ふん! 長期戦になることを覚悟しなきゃいけないようね」

花子「ふぅーふぅー」ヒラヒラ

未来「というかみさきちは痛くないのー?」

みさき「わ、私は痛くないわ!」

未来「どれ? えっ! 手が真っ赤じゃん!」

みさき「だ、大丈夫よ!」

花子「もうやめるかし?」

みさき「まだよ! 休憩終わったら始めるわよ!」

みさき「えい!」パシ

みさき「痛っー!!」

花子「やっぱり痛いって」

みさき「痛くないもん!」

花子「(ダメだし。みさきち強情だから降参してくれないし)」

花子「じゃあ、こっちから行くし!」パシッ

花子「あっ!」ヨロヨロ

ストン

みさき「か、勝った! 花子に勝ったわ! 見なさいほら!」

こころ「あー、花子様負けちゃったよー」

未来「残念」

みさき「ふーふー」ヒラヒラ

未来「ねぇ、花子様」ヒソヒソ

花子「何だし未来?」

未来「今のってわざと?」

花子「……違うし。花子の負けだし」

未来「そっか」

みさき「花子に勝ったわー!!」

第321話 マスから押し出されたら負けなあのゲーム 2 終わり

第322話 コーヒーゼリーを作ろう 1

キッチン

撫子「……」

櫻子「ねーちゃんなにやってんだ?」

撫子「ん? コーヒーゼリー作ろうかなって」

櫻子「コーヒーゼリー!?」キラキラ

撫子「うん」

撫子「沸騰したお湯にコーヒーと砂糖混ぜて、ゼラチン入れて冷ませば完成」

櫻子「それなら私に任せろ!」

撫子「いいけど、大丈夫かな……?」

櫻子「おう! 任せとけ!」

撫子「じゃあもうインスタントコーヒーは入れたから砂糖入れてって」

櫻子「えーっと砂糖砂糖」

撫子「それ塩!」

櫻子「あっ! ホントだ」

撫子「なんてベタな間違いを」

櫻子「砂糖砂糖」ドバー

撫子「ちょっと! 入れすぎ入れすぎ!」

櫻子「じゃあ、ゼラチンを」

撫子「ちょっと待って!」

撫子「やっぱり、甘すぎる。砂糖入れ過ぎだって、後溶けきってないし。もう一回お湯足してコーヒー足して作りなおしだ」

ゴトゴトゴトゴト

撫子「はぁ、全く櫻子は」

櫻子「絶対さっきので美味しいもん!」

撫子「いや、あれ美味しくないって」

花子「撫子お姉ちゃんと櫻子なにしてるし?」

撫子「ああ、花子。櫻子がコーヒーゼリー作るの失敗して」

櫻子「まだ失敗したわけじゃないだろ!」

花子「また櫻子がやったのかし」

花子「でもコーヒーゼリー美味しそうだし」

撫子「花子も一緒に作る?」

花子「見てるし」

撫子「わかった」

第322話 コーヒーゼリーを作ろう 1 終わり

第323話 コーヒーゼリーを作ろう 2

撫子「よし、そろそろいいかな? 下にたまった砂糖も溶けたみたいだし」

撫子「うん、多分これくらいでちょうどいい」

櫻子「どれ?」ペロ

撫子「ちょっと、直接指入れないで箸かスプーン使ってよ」

花子「櫻子のつば入ったし」

櫻子「失礼な! 指だけだし!」

櫻子「大体私の指もつばも汚くないからな」

花子・撫子「汚い」

櫻子「ムカっ!」

撫子「後はゼラチン入れて、冷ますだけなんだけど……さっきお湯足したせいで分量が狂ったな」

花子「もう一袋入れたらどうかし?」

撫子「こういうのはちゃんと分量通りに入れないといけないもんなの」

花子「なるほど」

撫子「一応足した水の量は200mlくらいだから」

撫子「えっと、3/4袋……微妙だなー、どうせなら砂糖とコーヒーもう一回足して250mlになるようにすればよかったかも」

大室母「ん? ゼラチン余ったの?」

撫子「うん」

大室母「あっ、ちょうどいい。それ料理に使うわ」

撫子「え、わかった」

櫻子「ほら、花子! これでいろんな型取れるぞ!」

花子「あ、それおもしろそうだし! ハートとかいろいろあるし」

撫子「うん、量がいっぱいあるから、大っきい容器に1つと、小さいのいくつか作って夕食の後に食べよう」

花子「花子は星型の容器にするし!」

櫻子「じゃあ私はこのクローバーな」

撫子「私はハート型でいいや(クローバー型のやつはうまく型が外れない地雷だった気がする)」

花子「コーヒーゼリーの素入れるのなかなか難しいし」

櫻子「速く私にもおたまかせよなー」

花子「ちょっと待てし。あっ、入った」

櫻子「よし、じゃあ入れるぞー」

ボタボタ

花子「あ、ちょっとこぼれてるし!」

撫子「あはは、もうお構いなしだ」

第323話 コーヒーゼリーを作ろう 2 終わり

第324話 コーヒーゼリーを作ろう 3

数時間後 夕食

撫子「なるほど、ホタテとかエビにかける野菜ゼリーとしてゼラチンを使ったんだね。私には思いつかなかったわ」

大室母「さすがに料理歴は撫子よりも長いからね。美味しい?」

撫子「うん、おいしい」

花子「美味しいし」

花子「さてと、そろそろ固まってるかし?」

櫻子「じゃーん! コーヒーゼリー!」

大室母「ちょっと量多くない?」

花子「櫻子が失敗したし」

櫻子「だから失敗してないって!」

撫子「というか、なんでそっちの大っきい入れ物の方持ってきたの。型の容器に入れて作ったのがあったじゃん」

櫻子「だって大っきい容器の方が美味しそう」アハ

撫子「」バシ

櫻子「痛!」

撫子「自分で型の容器持ってきておいてなんだそれは」

櫻子「はい、すいませんでした」


櫻子「というわけで、仕切り直しー!!」

花子「花子は星形だし」

大室母「美味しそうね」

撫子「ちゃんと固まってるね、よしよし」

花子「うまく外れたし。お皿でプルプルしてる」ツンツン

撫子「私もうまく外れた」

櫻子「なんだこれ! うまく外れない!! うぅー」

撫子「(やっぱり地雷だったか)」

花子「美味しいし!」パク

撫子「うん、美味しいね」

大室母「ちゃんとよく出来てるじゃない」

櫻子「くっそー外れない! みんな食べてるのに! 私のだけ!! なんで」ブンブン

花子「ちょっと振り回すなし!」

ベチャ

花子「……」

櫻子「あ、ご、ごめん」

花子「……」タッタッタ

櫻子「ちょ、ちょっと花子? いや花子様?」

花子「……」ボコ

櫻子「痛ー!!(ぐ、グーで殴られた……)」

第324話 コーヒーゼリーを作ろう 3 終わり


今月の大室家も最高だった

第325話 謎のシール 1

花子「あれ? 花子のシール帳がなくなってるし!」

バン!

花子「櫻子! 花子のシール帳どこにやったし!?」

櫻子「え! 知らないよ!」

花子「嘘つけ絶対櫻子だし!」

櫻子「また私のこと疑ってるな! 大体花子のシール帳なんて取ったってしかたないじゃん!」

花子「まぁ確かに……」

リビング

花子「あ! 花子のシール帳!」

撫子「ああ、それなんか今日学校行く時に落ちてたから花子のかなって思ってひろっといた」

櫻子「ほら見ろ! 私じゃなかっただろ!」

花子「ごめんだし」

ペラペラ

花子「ん? なんだしこのシールは……」

犬と書かれたシール
女と書かれたシール
子と書かれたシール
きと書かれたシール

花子「犬ってシールはこころが持ってたような。それ張ったかし?」

花子「いずれにせよ、女と子ときなんて文字のシールもらった覚えも買った覚えもないし」

花子「なんだしこれは……」

花子「こういう変なシール持ってるのはこころだから、明日学校に行った時にこころに聞いてみよう」

第325話 謎のシール 1 終わり

第326話 謎のシール 2

翌日 小学校

花子「このシールなんだけど」

こころ「あーバレちゃったー」

花子「やっぱりこころかし。この子と女ときはなにかし?」

こころ「うーん、それはこころは貼ってない」

未来「ねぇ、ここの犬の部分って点の形がおかしくない?」

花子「ホントだし、まるで後から足したような感じだし。あっ、取れたし」

こころ「犬は1つのシールだから取れないよぉーこれ犬じゃなくて大きいだねー」

花子「いずれにしても、子と女ときってなんだし」

未来「花子様、これ女と子ときで好きってかいてる!」

花子「なるほど、確かに好きって書いてあるようにも見えるし」

花子「大と組み合わせて大好きだし」

未来「きっと花子様のことが好きな人からの愛の告白だよ!」

花子「愛の告白かし」

みさき「な! 誰よ花子に告白したのは!?」

未来「」ジー

みさき「み、みさきじゃないわよ!」

みさき「それよりもこころが怪しいじゃない!」

こころ「えーこころじゃないよー。だって女と子のシールは持ってないもん!」

未来「そういえば、こころちゃん犬のシールどこで買ったの?」

こころ「うーん、ショッピングモールに入ってる文房具やだよ」

花子「そこに行けば何かわかるかもしれないし」

第326話 謎のシール 2 終わり

第327話 謎のシール 3

ショッピングモール

未来「わぁーひろーい! なんだかお母さんたちと一緒に来る時よりも広く感じるね!」

花子「1人でこんなところまで来ちゃったし」

こころ「こころも1人で来るのは初めてだよ~大丈夫かな~」

花子「ってこころがここまでつれてきたし!?」

みさき「み、みさきは遠いところ来ても大丈夫なんだから!」

未来「(強がりだ)」

こころ「それでどこにあるの?」

花子「いや、こころが知ってるし!?」

??「ん? 君たちどうしたの? 迷子ー?」

花子「ま、迷子じゃないし!(ごまかさないと大変なことに!)」

花子「ってあれ? ○○お姉ちゃんだし」

○○「あっ! 花子ちゃん?」

未来「知り合い?」

花子「撫子お姉ちゃんの……お友達だし」

こころ「高校生って大人ー」

○○「花子ちゃんもお姉ちゃんと一緒に来たの? でも来るって約束聞いてないしなぁ」

花子「あ、後から櫻子が来るし! それで待ち合わせしてたんだし!」

○○「そっか、それなら安心。小学生だけでこんな遠いところまできたら危ないからね」

みさき「(ほ、ホントなの花子?)」ヒソヒソ

花子「(嘘だけどごまかして欲しいし)」ヒソヒソ

○○「じゃあ私撫子のところに行くから!」タッタッタ

こころ「あれ? あっちの方角って……」

未来「どうしたの?」

こころ「シール買った文房具屋だ」

みさき「チャンスじゃない! 誰が買ったか確かめる!」

花子「いやでも今あそこに行くと撫子お姉ちゃんが……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

昨日

撫子「これ”朝学校行く時に”拾ったんだけど……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

花子「!!」

みさき「どうしたのよ」

花子「ちょっと心当たりがあるかもしれないし! あのシールを貼った人!」

第327話 謎のシール 3 終わり

第328話 謎のシール 4

未来「こっから見ててもバレないかな?」

コソコソ

花子「大丈夫だし」

コソコソ

こころ「うーん」

コソコソ

みさき「ちょっと花子押さないでよ///」ギュウギュウ

花子「仕方ないし、この服屋狭いし」

○○「ほら、このシールー!」

撫子「あぁ、この前の」

花子「撫子お姉ちゃんだ」

こころ「なんか買ってるねー」

未来「あれは?」

みさき「あれは、好? って好き!?///」

○○「ふふ」

花子「やっぱりかし……(あれ、撫子お姉ちゃんの彼女からのメッセージだったんだし)」

花子「(撫子お姉ちゃんのシール帳だと思って貼り付けたんだし)」

未来「友達に好きってシールあげるのはやってるのかなー」ギュウギュウ

こころ「ええー犬がいいー」ギュウギュウ

花子「ちょっときついし。というか暴れるなし。バレるバレルし!」ギュウギュウ

○○「はい、撫子! これ妹さんに」

バタン!!

こころ・みさき・花子・未来「あっ……」

撫子「花子!? どうしてここに!」

花子「ご、ごめんだし」

○○「やっぱり、小学生だけで着てたんだね! ダメだよ小学生だけでこんな遠いところまできちゃ」

未来・みさき「はい」ショボン

撫子「まぁ、いいや花子。はいプレゼント。この前は、上げようと思ったら女と子と間違えたから」

大 好 き 花 子

花子「な、撫子お姉ちゃん!」

こころ「イイハナシダナー」

○○「それじゃあ、お姉さんが送って行ってあげるよ。もうこんな遠いところまで小学生で来ちゃダメなんだからねー」

未来・こころ・みさき「はい」

撫子「花子も帰るよ」

花子「う、うん///」

第328話 謎のシール 4 終わり

第329話 ハロウィン 1

櫻子「トリック・オア・トリート!」

撫子「今年はちゃんと言えたか」

櫻子「バカにすんな!」

櫻子「ということで花子! 向日葵んち行ってお菓子もらってこい!」

櫻子「ほら、これ着ていって!」

花子「(動物のきぐるみ……櫻子からもらったやつだし)」

花子「わかったし」


櫻子「花子にいかせればお菓子も素直にくれるだろう。ふふーん」

撫子「いや、櫻子が行ってもちゃんとくれたじゃん」

古谷家

ピーンポーン

ガチャ

向日葵「はい」

花子「トリック・オア・トリート、だし」

向日葵「はい、こんばんは。お菓子ですわね。はいこれ」

花子「ありがとうだし」

向日葵「今日は花子ちゃんだけ?」

花子「櫻子におつかいたのまれたし」

向日葵「そうなんですの」

向日葵「それにしても、花子ちゃん、可愛らしい衣装ですわね」

花子「櫻子がとってきてくれたし」

向日葵「へぇ、櫻子が」

花子「意外といいところもあるし」

向日葵「花子ちゃんは櫻子のこと好きなんですのね」

花子「べ、別に好きじゃないし!!」

向日葵「ふふ、素直になればいいのに」

花子「そっくりそのままお返しするし」

向日葵「わ、わたくしは櫻コンのことなんかどうでもいいですわ!」

花子「そういえば、楓はいるのかし?」

向日葵「あっ、そうだ楓はそちらに行きましたわ」

花子「行き違いになったし」

第329話 ハロウィン 1 終わり

ゆきやコンコン
櫻コンコン

第330話 ハロウィン 2

櫻子「……」ソワソワ

撫子「なにソワソワしてんの?」

櫻子「早くお菓子食べたい」

ピーンポーン

櫻子「花子か!」

撫子「いや、花子じゃチャイムならさないって」

ダッダッダ

撫子「いっちゃった」

ガチャ

櫻子「花子!」

楓「トリック・オア・トリート! だよ!」

櫻子「うわ! 花子がいつの間にか楓に!」

楓「?」

撫子「いや、だから花子じゃないって」

撫子「はい、楓。お菓子だよ」

楓「わぁーい、ありがとう!」

櫻子「楓は素直でいいなー」ナデナデ

楓「えへへー」

花子「まるでそれだと花子が素直じゃないみたいだし」

櫻子「わ、花子! もう帰ってきたのかよ」

撫子「いや、さっきは早く帰ってきて欲しいって」

櫻子「あっ、お菓子じゃん! やったー!! 最高の妹だ花子は!」

撫子「もう忘れてたのか、というかなんて現金な妹なんだ」

花子「全く、困った姉だし」

楓「なんだか花子ちゃんの家はいつも面白そうなの!」

花子「まぁ櫻子のせいで賑やかではあるし」

楓「困った姉がいると賑やかになるの? ありがとう!」

花子「いや、違うと思うし」

古谷家

楓「お姉ちゃんただいまー」

向日葵「楓、ちゃんとお礼言った?」

楓「うん! ねえ、お姉ちゃん?」

向日葵「なんですの?」

楓「ちょっと困ってみて!」

向日葵「???」

第330話 ハロウィン 2 終わり

第331話 トイレの花子さんと大室花子 1

ねぇ、トイレの花子さんって知ってる?

知ってるよ。有名な都市伝説じゃん

それがさ、うちの学校にも出るんだって……

え……

東校舎の3階のトイレの奥の3番目のトイレに

え、あそこ扉が壊れてるはずじゃ……

そう、でも中から声が聞こえるの、扉を3回ノックして、「花子さんはいらっしゃいますか?」

って尋ねると
中から「助けて! とか来ないで!」って返ってくることがあるんだって

なんでそんなことを?

どうも、花子さんって子は昔この学校に休日に遊びに来ていたときに変質者に追いかけら

れて
その3番目の個室に隠れたけど見つかって殺されたんだって

なにそれ怖い!

お昼休み

みさき「(うぅ、いきなりお腹が痛くなって困ったわ)」

みさき「(でも、トイレでうんこしてるのバレたらみんなにからかわれる!)」

みさき「(特に花子には知られたくないわ!)」

みさき「(そうだ! 確か3階の一番奥にあるトイレなら誰も来ないはずよ!)」

みさき「(そこに行くしかないわ)」

3階東棟トイレ

みさき「(ふぅ……間に合ってよかったわ)」

みさき「(誰もいないわね。もう済んだからさっさとでよう)」

うぅ……

みさき「(え!? もしかして誰かいるの!?)」

みさき「(いや、でもトイレに誰もいないことは確認したわ)」

みさき「(3番目のトイレは開かなかったけど、鍵もかかってなかったし)」

みさき「(それにさっきまで誰もいる気配もしなかったし、入ってきてもいないわ)」

みさき「(もしかして、お化け……)」ゾク

みさき「(き、聞き間違えよ! そんなのいるわけないじゃない!!)」


ううううううううううううううううう、tskt

みさき「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!

!」バン

みさき「で、出たああああああああああああああああああ!!!!」

ダッダッダッダッダッダッダッダ!!!

みさき「はぁはぁはぁはぁ……」

未来「ん、みさきちどうしたの?」

みさき「み、未来ぃ!! で、出たのおおお!!!」

未来「え?」

みさき「と、トイレに!! トイレに!! お化けが!!!」

未来「そ、そんなー!」

みさき「どうしよう! どうしよう!」

未来「お、落ち着いてみさきち、とりあえずこういう時は花子様に相談しよう!」

みさき「う、うん……」

第331話 トイレの花子さんと大室花子 1 終わり

第332話 トイレの花子さんと大室花子 2

未来「ていうことなんだけど

花子「なるほど、事情はわかったし。でもなんでさっきからみさきちはそんな遠くのトイレまで行ったんだし?」

みさき「べ、別になんとなくよ! なんとなく! う、うんちしにいったとかじゃないんだからね!!」

花子「いや、別に隠さなくてもいいし」

みさき「くぅ。花子にはバレたくなかったわ!」

花子「それにしても誰もいないトイレから声が聞えるなんておかしいし。本当は誰かいたんだと思うけど」

こころ「きっと、トイレの花子さんだよそれは」

花子「花子じゃないし!?」

こころ「違うよー花子様じゃなくてトイレの花子さん」

未来「あ、聞いたことある! 確かトイレにでるお化けって」

みさき「やっぱりお化けなの!?」

花子「いやちょっと待てし、とりあえずその場所にもう一回行って確かめるしかないし!」

みさき「……」

花子「どうしたんだし?」

未来「きっと怖いんだよ。さっきあんな目にあったばかりだし」

みさき「こ、怖くないわよ!」

こころ「トイレの花子さんが化けて夜中枕の上に~」

みさき「いやあああああああああああ!!!」

花子「ちょっとこころやめろし」

こころ「えぇーこころはただ花子さんの話をしただけなんだけどなぁ」

未来「でも、一人で行くのは怖いかも……花子さんが化けて出てくるかもしれないし」

花子「花子と一緒にいけば大丈夫だし」

未来「うん! みんなで行けば安心だね!」

こころ「みさきちも早くー」

みさき「うぅ。わかったわ! いいわ! 行くわ! 行ってやろうじゃない! 花子ってホントろくなやついないのね! 打倒花子!」

花子「なんかすごい悪口言われてる気がするし」

第332話 トイレの花子さんと大室花子 2 終わり

第333話 トイレの花子さんと大室花子 3

東棟校舎3階奥トイレ

みさき「あまりもうここには着たくなかったけど、しょうがないわね」

花子「ここかし?」

未来「3番目のトイレ……」

花子「とりあえず開けて見るし……」

未来「ゴクリ」

ガタッガタッ

花子「ん、確かに開かないし」

こころ「そうだよ~だってそこ開かないトイレだもん」

花子「立て付けが悪いのかし」

花子「とりあえずノックしてみるし」

コンコンコンコン

花子・未来・こころ・みさき「……」

花子「誰も入ってないと思うし」

こころ「ねぇ、上から覗いてみるのはどうかな~」

未来「でも私達の身長じゃ無理だよ」

こころ「この台の上に乗って、誰かが誰かを肩車すればいけるんじゃないかな~」

花子「誰が肩車するんだし?」

未来「うーん、私とこころは身長低いし。花子様とみさきちでいいんじゃない?」

みさき「なっ! なんで花子と!?」

花子「でも現状そうするしかないし」

花子「花子のほうが身長高いから上でいいし」

みさき「何行ってんのよ! みさきのほうが花子より身長高いわよ!」

花子「じゃあ花子が下でいいし」


花子「大丈夫かし?」

みさき「うん、大丈夫……」

花子「じゃああげるし」 グッ

みさき「……(や、やっぱり中みるの怖い! 上なんて言わなきゃよかったわ!)」

未来・こころ「……」ゴクリ

花子「見えた?」

みさき「も、もう少しで見えるわよ!」ソー

みさき「……!? fだshんfgsdgfsd!」バタバタバタバタ

花子「ちょっとみさきちどうしたんだし!」グラッ

花子「あっ!」ガタ      ガン!

花子「ご、ごめんみさきち! 大丈夫かし!”?」

みさき「……」

未来「み、みさきち!!」

花子「ま、まずい! 先生呼んできて!」

第333話 トイレの花子さんと大室花子 3 終わり

第334話 トイレの花子さんと大室花子 4

保健室

みさき「うぅ……」

こころ「みさきち大丈夫かな~」

保健室の先生「目立った外傷はないけど、気を失ってるわ。トイレで転んで頭を打ったみたいだけど、たんこぶがないからそれほど強く打ったわけじゃないと思うんだけど。まぁ頭のことだし念のため救急車呼ぶわ」

花子「……」

保健室の先生「それで、あなた達はなんであんなところで遊んでいたの?」

花子「ご、ごめんなさい。みさきちを肩車したのは花子だし」

こころ「いや、そもそもこころがなにも言わなければ行くことなかったのに!」エーン

未来「私も取めればよかった!」エーン

保健室の先生「……(これじゃあしばらく話は聞けなさそうね)」

ピーポーピーポー

救急隊員「頭を打って意識不明の子はどこですか?」

保健室の先生「そこに寝かせてます」

救急隊員2「いっせーのせっ」

未来「みさきち!」ガシ

救急隊員「ちょっと、揺らしちゃダメだよ」

未来「ご、ごめんなさい」

保健室の先生「ま、あなた達は午後の授業もあるから、それに高崎ちゃんのお母さんは病院に来るっていってるから」

ピーポーピーポー

保健室の先生「さぁ、そろそろ話してくれない?」

花子「実は……」



保健室の先生「なるほど、やっぱりね」

こころ「やっぱり花子さんはいるの!?」

保健室の先生「……迷信よ。でも、悪い噂が広まってるのは知ってたけど、こうやって興味本位で遊ぶ子が出てきたら危ないわね。しばらくあそこは使用禁止にするように職員会議で……」

未来「嘘だよ! みさきちは見たんだよ! トイレの花子さんを! それでトイレの花子さんに突き落とされたんだ! 悪い霊なんだよ!!」

花子「確かに、みさきちは何かに驚いたような風にして暴れだしたし……」

こころ「そもそも何も居ないならなんで開かない扉になってるのかな~」

未来「絶対なにかいるんだよ! 危ないものが!」

保健室の先生「はぁ……困ったわ」

花子「何もないっていうならちゃんと扉を開けて見せるし!」

保健室の先生「仕方ないわね。でも見終わったらあそこのトイレは使用禁止にするから入らないようにね!」

花子「わかったし」


東棟3階奥3番目トイレ

保健室の先生「ん、確かに開かないわね」

ガチャ、ガタリ、ガコ

保健室の先生「あ、開いた。立て付けが悪いだけね」

キィー

保健室の先生「何もないわね」

花子「うん、確かに普通のトイレだし」

保健室の先生「って、なんであなた達はそんな遠いところに隠れてるのよ」

未来・こころ「だ、だって怖いんだもん……」

花子「なにもない普通のトイレだし」

未来・こころ「うん、確かになにもないね」

保健室の先生「さぁあなた達は授業に行きなさい、そろそろ始まるわ」


先生「~はーでー」

花子「(あの時、みさきちはなんで暴れたんだろう……それにみさきちは声を聞いたっていってたし、なんの声なんだろう……)」

花子「(いずれにしても、みさきちが気を失ったのは花子のせいだし!)」

先生「大室さんー! 聞いてますか?」

花子「は、はい! あ、聞いてなかったです」

先生「大室さんにしては珍しいですねー。ちゃんと授業聞かなきゃダメですよー」

花子「す、すみません……」


放課後

保健室の先生「高崎ちゃん、意識戻ったって!」

花子「ホントかし!?」

保健室の先生「うん、行ってあげて」

花子「わかったし」

未来「私達も一緒にいく!」

こころ「うんー」

花子「じゃあ一緒にいくし!」

第334話 トイレの花子さんと大室花子 4 終わり

第335話 トイレの花子さんと大室花子 5

病室前

高崎母「いらっしゃい、未来ちゃんとこころちゃんと誰かな? まぁお見舞い来てくれたのねありがとう」

花子「大室花子だし」

高崎母「あなたが花子ちゃんね」

花子「ご、ごめんなさいだし、みさきちが……高崎さんが怪我したのは花子のせいだし」

高崎母「いやいや、花子ちゃんのせいじゃないわ。みさきも一緒に遊んでただけだし。事故よ事故。それにみさきはいつも花子ちゃんのことすっごい面白そうに話すのよ」

高崎母「まぁ、とにかくみさきと話してあげて」

花子「はい」

ガラララ

未来・こころ「みさきち大丈夫ー?」

みさき「う、うん。平気……と、というかみさきは花子のこと楽しそうにしゃべってないんだからね!!」

みさき「で、でもお見舞い来てくれて、あ、ありがとう……」

高崎母「ふふふ」

花子「いや、花子のせいだから」

みさき「別に花子のせいなんかじゃないわよ」

こころ「でも大丈夫そうでよかったー」

未来「うん、元気そうだね!」

みさき「そうよ! たかが頭打ったくらいで病気になるほどじゃないわ!」

花子「よかった、本当によかったし」ウゥ

みさき「なによ、泣かれても困るのよ。教室でふざけて遊んで転んだだけじゃない!」

花子「え?」

未来「教室……?」

みさき「そうよ、教室で花子に肩車してもらってたらバランス崩して」

花子「ちょっと何言ってるんだし? みさきちはトイレで」

高崎母「ちょっと花子ちゃん!?」

みさき「え、トイレ……そ、そういえば……」

みさき「ハッ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。

ギロリ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

みさき「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

花子「・未来・こころ「みさきち!?」

みさき「タスケテ、タスケテ、コナイデ、イヤ! コナイデ!!」

高崎母「ちょっと、みさき! 違うのよ! みさきは教室で遊んでたのよ! しっかりして! なにも見てないから!!   ごめんなさい。今日はもう帰ってもらえるかしら?」

花子・未来・こころ「……」
第335話 トイレの花子さんと大室花子 5 終わり

後味悪いな…

第336話 トイレの花子さんと大室花子 6

帰り道

こころ「ねぇ……やっぱりみさきちは見てたんだよね?」

未来「あの反応からするとね」

こころ「やっぱりトイレの花子さんはいたんだ……」

花子・こころ・未来「……」ゾクッ

花子「……でも花子たちが見に行ったときはなにもいなかったし」

こころ「で、でもおかしいよぉ! みさきちがあそこまで怖がるなんて、そもそも最初に聞いた時だってトイレに入ってたら声が聞こえたって! やっぱりいるんだよぉ! トイレの花子さんは! それでみさきちはトイレの花子さんに呪われたんだよぉ!」

こころ「こ、こころたちも呪われちゃうの、かな……」

こころ「う、うぅわあああん。怖いよー」グスグス

未来「お、おおおちついてこころちゃん!」ナデナデ

未来「と、というかもう忘れよう! 私達は何も見てない! みさきちと花子s……大室さんが教室で遊んでて転んだってことにしようよ!」

花子「!?」

未来「ごめんね。これからは大室さんって呼ぶね。どうしても、その名前で思い出しちゃうから……」

こころ「こころもそうする。ご、ごめんね」グスッグス

花子「う、うん。しばらくはそれでいいし(ふ、風評被害だし)」

未来「こころちゃん、もう大丈夫だからお家に帰ろ? ね?」

こころ「う。うん」

花子「(……こころは花子さんの呪いだって言ってたけど? 本当に呪いなんてあるのかし? そもそも花子さん自体みさきちが怖がって見た幻覚の可能性もあるし)」

花子「(花子は……トイレの花子さんの呪いなんていないってことを証明するし! )」

花子「(それに……みさきちが助けてっていったからにはトイレに連れてった花子にも責任があるし)」

花子「(そのためには、まずは情報を集めないと)」

大室家

花子「櫻子」

櫻子「んー?」

花子「小学校のとき、トイレの花子さんって噂がなかったかし? 東棟の3階の奥のトイレで」

櫻子「トイレの花子さんって!」

花子「なんか知ってるのかし!?」

櫻子「花子が入ってるトイレでトイレの花子さんってか!?」ゲラゲラ

花子「もういいし(櫻子に聞いた花子が馬鹿だった)」

櫻子「ぷぷぷ、トイレの花子さんだってよ!!」ゲラゲラ



花子「撫子お姉ちゃん」

撫子「ん?」

花子「小学校のとき、トイレの花子さんの噂聞かなかったかし?」

撫子「ああ、私のときもそういう噂あったね。へぇ、6年経った今でも語り継がれてるのか。確か東棟3階校舎の奥の」

花子「それだし!」

撫子「何? もしかしてそのネタでいじめられた?」

花子「いや、別にいじめられたわけじゃないし。そういうのじゃなくて、花子の友達がそこのトイレに入ってる時に声を聞いたって」

撫子「へぇ、私のときも何人か聞いたって人いたわ」

花子「その子、トイレで気を失っちゃって」

撫子「なにそれ……大事じゃん。大丈夫だったの?」

花子「うん、でもそのことがトラウマになってるみたいで」

花子「ねぇ、撫子お姉ちゃん。トイレの花子さんって本当にいるし?」

撫子「まぁ私はその類のもの信じてないけど、怖い思いしたこともあるしなぁ。花子はそういうの怖くないの?」

花子「怖いけど、トイレの花子さんがいないって証明しなきゃみんな怖がるし」

撫子「そっか、強い子だね。花子は……」

撫子「わかった。私も知り合いに何かしらないかあたってみる」

花子「ありがとうだし」

撫子「でも、何かあったらすぐに助けを呼ぶんだよ?」

花子「撫子お姉ちゃんが助けてくれるなら心強いし」

第336話 トイレの花子さんと大室花子 6 終わり

第337話 トイレの花子さんと大室花子 7

撫子「……」

prrrrrr

美穂『はーい、もしもし~撫子からかけてくるなんて珍しい~どうしたのー?』

撫子「いや、ちょっと美穂に聞きたいことがあってさ」

美穂『なにかな~? もしかして履いてるパンツの色とか?』

撫子「いや、そういうのいいから。美穂って都市伝説とか心霊現象とかの類の話よくするじゃん?」

美穂『まぁ、見える人だからねー。ちなみに色は白』

撫子「いやいや、そういうのいいってホント」

美穂『もー、撫子のパンツの色なのに~』

撫子「はっ」ジロ

美穂『で、なにが聞きたいのかな~』

撫子「(美穂のやつ、カマかけやがって……)あのさ、七森小のさトイレの花子さんの噂知ってる?」

美穂『ん。七森小の話は知らないなぁ。でもトイレの花子さんの話はこの辺の学校全般にあるよ』

撫子「やっぱり噂は美穂も知ってたか」

美穂『あれモデルになった子がいるらしいのよね』

撫子「え? 何それ詳しく」

美穂『いや、実際にあった事件が元になって出来たってだけで、全国にも花子さんの噂はあるけど、うちの近辺は本当に合った話みたいってだけ。詳しくは知らない。でも本当にあったなら、当時の新聞記事を当たれば出てくるんじゃないかな? 確か噂だと17年前ぐらいだったと思うけど』

撫子「1996年か……」

美穂『時期は諸説あるけど11月ってのが定説みたい』

撫子「今月か」

美穂『でも、なんでこんな話を?』

撫子「いや、うちの妹が調べたいって言ってて」

美穂『そう。でもこういうのってあまり深入りしないほうがいいもんだから、もし危なそうだなって思ったら妹ちゃん止めてあげてね?』

撫子「うん、ありがとう」

リビング

撫子「花子、手がかりはつかめた」

花子「ホントかし?」

撫子「うん、明日図書館に行こう」

花子「図書館?」

撫子「昔の記事から手がかり得られるかもしれない」

花子「わかったし」

第337話 トイレの花子さんと大室花子 7 終わり

第338話 トイレの花子さんと大室花子 8

翌朝 大室家

TV「現在高岡市内で連続通り魔事件が発生している模様で――」

花子「通り魔なんてのもあるのかし」

撫子「最近物騒になってきたからね」

TV「特に昨日起こったケースでは下校中の小学生を狙うというもので」

花子「怖いし」

撫子「花子も変なのに付けられたら、すぐに助けを呼ぶんだよ? 防犯ブザーとか最近はスマホのアプリであるみたいだから」

花子「わかったし」

櫻子「おっ、花子目玉焼きいらないのかよ! もーらい!」パクッ

花子「あ、とるなし!!」

撫子「櫻子も防犯ブザーつけときな」

櫻子「えー! 携帯どっか行った!」

撫子「またか」

小学校

花子「みさきちは休みだし?」

こころ「うんー」

未来「まぁ、しょうがないよね……はい、この話は終わり! こころちゃん、しりとりしよう」

こころ「わかったー。マントヒヒ」

未来「いきなりマイナー!」

下校時間

先生「皆さん、近所で通り魔事件が発生したみたいなので今日から集団下校します」

「通り魔ー?」

「悪い人なんだよ」

先生「できるだけ一人にならないように、そして家に帰ってからも外で遊ぶときは一人で遊ばないようにしてね」

こころ「怖いよぉ~やっぱり呪いなんじゃ」

未来「こころ! その話はしないって」

こころ「うん、ごめ――」

花子「呪いなんかじゃないし」

未来「大室さん?」

花子「絶対違うし、呪いなんてないんだし。ただの偶然だし」

こころ「そ、そうかな~」

未来「でもそう思うしかないって」

花子「(でも、なにかひっかかるし)」

第338話 トイレの花子さんと大室花子 8 終わり

第339話 トイレの花子さんと大室花子 9

放課後図書館

新聞コーナー

花子「……」ペラリ


富山県高岡市でまた通り魔先月から引き×き3×目

富山県高岡市の×上で今月7日、下校中の小学生が××当たりを×され×体。
×人は×まっておらず×だ××を続けている。

富山県×は×行の手口や目×者の×言から先月の通り魔事件と同一×であるとして××をしている。

花子「(通り魔の話かし、でも、読めない字がいっぱいあるし……)」

撫子「花子、おまたせ」

花子「撫子お姉ちゃん。この漢字なんて読むし?」

撫子「ああ、これは脇腹だね。ここのこと」ツンツン

花子「!~く、くすぐったいし!」

撫子「ああ、ごめん」

花子「じゃあこれは?」

撫子「刺され重体だね。つまり脇腹刺されて大怪我したって意味」

花子「なるほど……」

撫子「本当に最近物騒。まぁいいや、じゃあ、昔の記事探そうか」

花子「だし」


新聞バックナンバー書庫

撫子「1996年……1996年」

花子「1996年なんて随分昔だし、花子まだ生まれてないし」

撫子「それどころか、私も2歳だったから記憶ないよ」

花子「どういう記事なんだし?」

撫子「う~ん、それがよくわからないんだ。分かってるのはトイレの花子さんの花子は実在したってことと、事件に巻き込まれたってことと、1996年の11月に起こったってことだけ」

花子「11月……」

撫子「うん、でもそれも噂だから不正確かもしれない。インターネットで検索してみてもそういう事件が起こったって結果は出なかったし、結構ローカルな事件だったか、時期が違うか……取り敢えず私は11月の記事を手当たり次第に探してみる」

花子「花子は何すればいいし?」

撫子「確かに花子は新聞読めないし、どうしようか……」

花子「取り敢えず、花子って名前で探して見るし」

撫子「うん、わかった。自分の名前だから漢字は読めるね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「……」

花子「……」

撫子「違う……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「……11月8日、この日でもない……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「……」

花子「疲れたし……」

花子「花子は11月30日から見てきたけどなかったし」

撫子「うん、かなり疲れる。この作業は。それに、11月15日までそれらしきニュースないし。11月じゃないのかも……」

花子「花子はまだ、19日の分見てないし」

撫子「そうだね。見ていこう」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


花子「ん? これじゃないかし!?」

小学生女児、学校で刃物で刺され死亡

今月18日、富山県高岡市の七森小学校で黒部花子さん(8)が脇腹を刃物のようなもので刺され死亡しているのが発見された。発見場所は3階の女子トイレであり、警察は殺人事件として捜査を進めている。事件当日は日曜日で学校は人がまばらで目撃証言などはない。

撫子「これだ……間違いない」

花子「本当にあった事件だったのかし……」

撫子「それにこの事件、似てる」

花子「だし」

第339話 トイレの花子さんと大室花子 9 終わり

第340話 トイレの花子さんと大室花子 10

大室家

撫子「つまり、17年前に七森小で実際にあった事件が噂の発端になったってことだね」

花子「だし」

撫子「全国の花子さんの噂はもっと前からあるけど、まさかうちのは実際にあった事件が元だったとは……ちょっと衝撃だ」

撫子「それにこの元となった事件、最近起こってる連続通り魔に手口が似てる」

花子「花子もそう思ったし。ついでにみさきちが花子さんを見た日も通り魔があった日だし」

撫子「偶然だと思いたいけど、なにか関連性もある気がする。みさきちゃんだけなんだよね? 見たのは?」

花子「他に花子と未来とこころが居たけど、みんな見てないし、声も聞いてないし」

花子「でも、みさきちの病院での反応。なにか見たとしか思えない反応だし」

花子「それにみさきちは通り魔事件と同じ手口でトイレの花子さんが殺されたこと知らないし」

花子「幻覚だとするには、いろいろと奇妙なことが多すぎだし」

撫子「みさきちゃんにもう一度連絡取れないかな?」

花子「やってみるし」

高崎家

prrrr

みさき「……」


prrrrrr

高崎母「はい」

花子『夜遅くにごめんだし、大室花子です。高崎みさきちゃんは居ますか?』

高崎母「あぁ、花子ちゃんね。ごめんね。みさきは退院できたけど、まだ具合悪いみたいで」

みさき「いいよ、お母さん。ちょっと、代わって」

高崎母「みさき! あなた大丈夫なの?」

みさき「うん、平気。ごめん、花子と大事な話があるから。お母さんは聞かないで」

高崎母「わかったけど、あまり無理しちゃダメよ」

みさき「大丈夫、どうしても花子に伝えなきゃいけない話なの」

高崎母「わかったわ。よくわからないけど、お友達のために重要なことなのね」

みさき「うん。と、友達じゃないけどね!」

花子『みさきち……大丈夫だし?』

みさき「うん、それよりも花子はみさきに聞きたいことがあって電話してきたんでしょ?」

花子『うん、でももしかしたらみさきちには辛いことかもしれない』

みさき「大丈夫、大丈夫だから。全部話すわ」

花子『ごめんだし』

みさき「なによ、花子! そこで謝られても困るってもんよ!」

花子『わかった、じゃあ聞くし』

花子『まずは、みさきちは一体何を見たんだし?』

みさき「見たって言うよりは正確には頭の中に流れ込んできたの」

みさき「まず、女の子が男に学校で追われてたの。女の子はそうね、みさき達と同じくらいの年齢よ」

みさき「女の子は来ないで! とか助けて! とか言ってて。でも日曜日だったから学校には誰もいなくて」

みさき「男に追われるままに、3階の女子トイレに逃げ込んだの」

みさき「助けて、とか来ないでって女の子の心の声が聞こえるのを感じたわ」

みさき「そして、男は手前から1つずつ扉を開けていって、3つ目の扉の前まで来た」

みさき「でも鍵がかかってたからドアが開かなかったの。男は無理やり持ってたのこぎりで鍵を切ってたわ」

みさき「女の子はすっごい怯えてた。かわいそうなくらいに」

みさき「それで、最後鍵が切れて男が入ってきたの」

花子「……」ゴクリ

みさき「も、もう1つ、も持ってたナイフで……はぁはぁ、こ、怖がる女の子のお腹を刺して」

花子『みさきち大丈夫かし? 落ち着いてからでもいいし』

みさき「大丈夫よ」

みさき「そ、それで、こっちに振り返って言うの。次はお前だって」

みさき「うぅ……グスッグス」

花子『ごめん、もういいし、みさきち』

みさき「ま、待って、もう1つ重要なことがあるの」

花子『ん?』

みさき「刺された女の子なんだけど不思議なことに女の子の心の声は助けてから逃げてとか来ちゃダメに変わってたのよね」

みさき「どういうことなんだろう……」

花子『……』

みさき「花子、トイレの花子さんは”いる”んだと思う」

みさき「でも、悪いのはトイレの花子さんじゃなくて、むしろ花子さんを刺した人」

みさき「トイレの花子さんは、そこから逃れられないだけだと思うのよ」

花子『なるほど……』

みさき「いずれにしても、私はもう大丈夫。心配かけてごめんね。花子」

花子『うん、こっちこそだし。じゃあ切るし』

みさき「あ、最後に。花子、あまり危ないことしようとしないでね。もう関わらない方がいいのかもしれない。もしかしたら、みさきより酷いことになるかもしれないわよ」

花子『うん、考えて見るし……』

ガチャ


第340話 トイレの花子さんと大室花子 10 終わり

第341話 トイレの花子さんと大室花子 11

撫子「なるほど……」

花子「どう思うし? みさきちの話」

撫子「いや、みさきちゃんは17年前の黒部花子の事件を知らなかったわけだし、今起きてる連続通り魔のニュースを知って記憶が混乱してるって可能性もあるけど」

撫子「いずれにしてもあの3階のトイレにはもう関わらない方がいいかもしれない」

花子「でも、それだとこれからも3階のトイレの噂はなくならないし」

撫子「うん、まぁそれはしょうがないよ。学校側も立ち入り禁止にしてるみたいだし。当面はその対策でいいと思うよ」

撫子「ここまで加担しておいていうのもあれだけど、花子もこの件はもう忘れな」

花子「わかったし……」

花子「(でも、本当にこれでいいのかし……もし仮にトイレの花子さんが今でもあそこのトイレで苦しんでいるなら、どうにかしてあげられないのかし……)」

次の日小学校

花子「おはようだし」

未来「お、おはよう、大室さん」

こころ「おはよう~」

花子「……」

花子「今日は土曜日だから4時間目で終わりだし。終わったあと、公園に遊びにいかないかし?」

未来「ご、ごめん。今日はちょっと忙しくてー」

こころ「ご、ごめんね。お、大室さん」

花子「……(なんだか、こころも未来も冷たくなった気がするし……)」

放課後

花子「(未来もこころもそそくさと帰っちゃったし、やっぱりあのことがあってから花子が花子って名前だから、怖いことを考えちゃうんだし。それはわかるけど、やっぱり寂しいし)」

「助けて……」

花子「!?」

花子「今誰かなにか言ったし!?」

シーン……

花子「な、なんで誰もいないんだし……」

花子「(いや違う、なんだか頭の中に直接聞こえてきたような)」

「来ないで……!」

花子「(もっと強く聞こえてくるし)」

花子「(こっちの方からだし)」

階段

ザザザー

「いや、来ないで」

ザザザー

花子「(うっ、お、追われてる……?)」

花子「まさか、本当にこれが黒部花子の体験した記憶かし?」

2階階段

ザザザー

「どぉーこにいるのかな~逃げても無駄ですよぉ~」

「いや!」
ザザザー

ザザザー

花子「まただ!」

3階

ザザザー

「い、イタぁ」ニヤリ

「はぁはぁ……来ないで! 来ないでよぉ! はぁはぁ」

ザザザー

花子「そして、最後はトイレに行けば」

3階東棟女子トイレ

花子「そっか、使用禁止になってて入れないんだし」

ガーン

「んー? どこに行ったのかなぁ? トイレかなぁ?」

「はぁはぁ……」

「(こ、来ないで! やめて! 助けて! 誰か! 助けて!!)」

ザザザー

花子「今すぐいくし!」

ガタッ

女子トイレ3番目個室

花子「……」

キィーガタ

花子「何もない。さっきまで頭の中に流れ込んできた映像も出てこない……」

花子「遅かったのかし……す、救えなかった……」

「こら! ここに入ってるのは誰!? 使用禁止よ!!」

花子「す、すいませんだし……」

先生「はぁ、また大室さんなの? ちょっと最近悪い行動が目立ちますよ。しっかりしてくださいね」

花子「ごめんなさい……」

花子「(やっぱり、人が来るとダメなんだし……明日もう一回来るしかないし)」

大室家

花子「ただいま」

大室母「花子。ちょっと学校から話が来てたわよ。使用禁止のトイレで遊んでたって」

花子「う……(お母さんにまで連絡言ってたし)」

花子「ごめんだし」

大室母「あんまり悪ふざけしちゃダメよ。花子は賢い子だからもうしないと思うけど。そういうことしてると櫻子みたいになるわよ」

櫻子「ひど! まるで私が馬鹿で悪ふざけしてるみたいじゃん!」

大室母「はぁ……三人とも同じように育てたつもりなんだけどねぇ……」

櫻子「ひど! 母さんひど!」

撫子「……」

第341話 トイレの花子さんと大室花子 11 終わり

第342話 トイレの花子さんと大室花子 12

撫子「花子、どうして?」

花子「ごめん。撫子お姉ちゃん。でもどうしても確かめたかったんだし」

撫子「うん、でも」

花子「居たんだし!」

撫子「!」

花子「トイレの花子さんはやっぱりいた、花子の頭の中に直接声が聞こえたんだし! 助けてって! あと、男の人に追われて逃げてた!!」

撫子「それはみさきちゃんの話を聞いた花子がつくりだした妄想だって」

花子「でも、いるんだし! 毎回毎回あそこで殺されて――」

撫子「花子!!」

花子「!?」

撫子「花子……お姉ちゃんは本当に心配なの!!」ポロポロ

花子「ちょっちょっと……」

撫子「花子がどんどんおかしくなってちゃうのが!」ポロポロ

花子「は、花子はおかしくないし!」

撫子「もうやめてよ! 嘘でもホントでもどっちでもいいから忘れて!」

撫子「私は……お姉ちゃんは! 花子にこれ以上危険な目にあってほしくないの!!」ポロポロ

花子「な、撫子お姉ちゃん……」

花子「わ、わかったし……心配かけてゴメンだし」

花子「今日は、先に上にいって寝てるし」トントントントン

撫子「……」グスッグス

花子の部屋

花子「(撫子お姉ちゃんが泣くとは思わなかったし……)」

花子「(でも、花子は、なんとしても黒部花子をあの恐ろしいループから助け出したいし)」

花子「(ごめん、撫子お姉ちゃん……)」

第342話 トイレの花子さんと大室花子 12 終わり

周りがあまりにも非協力的過ぎて花子(どっちも)が可哀想すぐる

もうこれは寺生まれのあの人を呼んでくるしかないんじゃないか

こんなにガチなシリアス展開になるなんて
花子様のがんばりがすごい

第343話 トイレの花子さんと大室花子 13

日曜日

花子「幸運にも今日はお母さんもお父さんも撫子お姉ちゃんも櫻子もそれぞれ外出中だし」

花子「昨日の件があったから監視が厳しくなりそうだし今日確かめに行くしかないし」

小学校

ガタッ

花子「む、正門はやっぱり開いてないかし」

花子「仕方ない裏口から入るしかないし」

「……」

ガサガサ

花子「!? 誰かいるのかし?」

ザザー

「助けて……」

ザザー

花子「またあの声だし、今行くしすぐに行くから待ってるし!!」

2階踊り場

ザザー

「イヤ、コナイデ!!」

ザザー

花子「一人で何回も変質者に追われるのはすごい怖いだろうし。花子が助けるし!」

3階トイレ前

ザザー

「ダメ! 逃げて!! こっちに来ちゃダメ!!!」

ザザー

花子「? どういう意味だし?」

コト

ザザー
「ダメ! 入っちゃ!!」
ザザー

花子「待ってろし! 今助けるから!」

3番目のトイレ

ガタ

ザザー
「だめぇ!!」



バタン!

花子「あっ! 入り口の扉が!!」

ガシッグイグイ

花子「ん? どういうことだし! 誰が閉めたし!! 開けろし!!!」

「もう、もう遅いよ……」

花子「!?」

第343話 トイレの花子さんと大室花子 13

第344話 トイレの花子さんと大室花子 14

花子「も、もしかして黒部花子かし?」

黒部花子「うん。ごめん、私が助けなんて求めなきゃ……」

花子「ここはどうなってるんだし?」

黒部花子「私達、もう出られない……」

黒部花子「鍵をかけちゃったから」

花子「鍵なんてついてないし」

黒部花子「だって最期まで開けなかったもん」

花子「黒部さんがかけたのかし?」

黒部花子「うん、それでこれから怖いことが起こるの」

ダンダンダンダン

「どぉーこにいるのかな~」

花子「ひっ!!」

黒部花子「扉をのこぎりで切られて、毎回私はあの変質者に殺されて。死ぬの」

花子「やっぱりあの事件を繰り返してたのかし……」

黒部花子「ごめんね。巻き込んじゃって。たぶんあなたも一緒に殺される」

黒部花子「最期に名前だけでも教えてくれない?」

「ふふっここだなぁ~」

ギコギコギコギコギコギコギコギコ

花子「名前は……」

ギコギコギコギコギコギコギコギコ








花子「まだ打開策はあるし!」

黒部花子「え!?」

花子「名前はその後におしえてあげるし!」

花子「」シュバ、ポチ

ウォォォッォォォォォォォンゥウウッォォォォォォォォォォォォォォッォォンンン!!!!

「!?!?!?!?!?!? 何だこの音は!? さ、サイレン!?!?! まずい! 逃げよう!」シューン

黒部花子「ど、どういうこと? でもあの男の気配がなくなった!!」

花子「16年間で、子供に対する防犯意識が高まったんだし。今のは防犯ブザーって言って不審者が来た時にならすものなんだし」

黒部花子「よくわからないけど、すごい! ありがとう。ようやく私解放されるのね!」

黒部花子「ねぇ、成仏する前に名前聞かせてもらってもいいかな?」

花子「花子、大室 花子だし」

黒部花子「あなたも花子っていうのね! ありがとう花子ちゃん!!」

花子「どういたしましてだし」








ガチャリ

「へぇ、君も花子ちゃんっていうんだぁ」

花子「!?」

花子「そんな防犯ブザーで逃げたんじゃ……」

男「休日にならしても周りに誰もいるわけねぇだろぉ~」

花子「!? なんで!? 消えたんじゃないのかし!?」

黒部花子「違う、霊の方はいなくなった……」

花子「じゃあこれは……人間!?」

男「そうだよ、人間だよ。お嬢ちゃん。連続通り魔のな。16年間出所するのが長かったなぁ……でも、お陰でまたここで16年ぶりに幼女を虐殺できると思うと……ジュルリ。たまんねぇな!」

花子「!?」

男「おい、黒部花子もいるんだろぉ? 俺が刑務所に入ってる間も殺す妄想を毎回してたからなぁ。大方俺の生霊に何回も殺されてたとかそんなところだろ? それがもう一度味わえるなんてすごい快感だ」

男「なにもできずに大室花子ちゃんが殺されるのを指くわえて待ってるんだな」

黒部花子「そ、そんな……こんなのってあんまりだよ」

花子「……」ガサッ

ヒョイ

男「おっと、携帯で連絡取ろうったってそうはいかないぜ」ガシャリ

ガシッ

花子「あ、あぁ……」

男「じゃあ、どうしようかなー、時間もあるしできるだけいたぶって殺したいなあ」

花子「(助けて……誰か助けて! 助けて……撫子お姉ちゃん!)」

第344話 トイレの花子さんと大室花子 14 終わり

コブラ「おっと、そこまでにするんだな」

第345話 トイレの花子さんと大室花子 15

男「腹を一刺しして一気に[ピーーー]のも楽しいけど、せっかく人も来ないんだしなぶり殺したいなぁ」ニタニタ

男「このまま首を締めたらどうなるかなぁ」グググ

花子「ゴホッ! グルジイ……ゴホッ」

黒部花子「い、いや!!」

男「まだしゃべる余裕があるのか、もうちょっと強く締めたらどうなるかなぁ」グググググ

花子「ぁぁぁぁ、コヒューコヒュー」

黒部花子「だ、ダメェ! 殺しちゃダメェ!!」

男「おっとこれ以上やると失神しそうだな。気を失っちゃぁ面白くないから緩めよう」

花子「ゲホッゲホ……はぁはぁ……」

男「黒部花子ちゃんも見てるかなぁ? 目の前で大室花子ちゃんが殺されるのを。あはははは」

男「ま、どうせ幽霊なんだし生きてる人間には叶わないよなぁ」

黒部花子「そう、私はもう死んでるから生身の人間には勝てないかもしれない」

花子「黒部ちゃん?」

黒部花子「で、でも男の魂の中に入って、体の自由を少し効かなくすることはできるかもしれない」

黒部花子「うまく行かなかったら男と融合しちゃうけど」

花子「そ、それじゃあ!」

黒部花子「それでもいい。私は大室さんを救いたい」

花子「そ、そんな……」

男「絶望しきった顔してるなぁ」

黒部花子「えい!」ヒュ

男「さぁ、そろそろこのナイフで――」

男「あうぇrtfぎゅhじこlp@;「:」ガシッ

黒部花子『早く逃げて!』

花子「うん」バタバタ

第345話 トイレの花子さんと大室花子 15 終わり


黒部花子『なにやってるの! 早く逃げて!』

男「fだsfhthyjydkty」ガシッ

花子「む、無理だし! がっしり掴まれてるし!」

黒部花子『そ、そんな……私にはもうどうにもできない……ダメ、もう力が限界!!』

男「fだsgああああああああ!!! なんだよこれは!! ようやく体の自由が効いた」

男「これが黒部花子の呪いってか? ふふふ、まぁいい。もう[ピーーー]。すぐに殺そう」

花子「そ、そんな……」

第345話 トイレの花子さんと大室花子 15 終わり

第345話 トイレの花子さんと大室花子 15

男「腹を一刺しして一気に殺すのも楽しいけど、せっかく人も来ないんだしなぶり殺したいなぁ」ニタニタ

男「このまま首を締めたらどうなるかなぁ」グググ

花子「ゴホッ! グルジイ……ゴホッ」

黒部花子「い、いや!!」

男「まだしゃべる余裕があるのか、もうちょっと強く締めたらどうなるかなぁ」グググググ

花子「ぁぁぁぁ、コヒューコヒュー」

黒部花子「だ、ダメェ! 殺しちゃダメェ!!」

男「おっとこれ以上やると失神しそうだな。気を失っちゃぁ面白くないから緩めよう」

花子「ゲホッゲホ……はぁはぁ……」

男「黒部花子ちゃんも見てるかなぁ? 目の前で大室花子ちゃんが殺されるのを。あはははは」

男「ま、どうせ幽霊なんだし生きてる人間には叶わないよなぁ」

黒部花子「そう、私はもう死んでるから生身の人間には勝てないかもしれない」

花子「黒部ちゃん?」

黒部花子「で、でも男の魂の中に入って、体の自由を少し効かなくすることはできるかもしれない」

黒部花子「うまく行かなかったら男と融合しちゃうけど」

花子「そ、それじゃあ!」

黒部花子「それでもいい。私は大室さんを救いたい」

花子「そ、そんな……」

男「絶望しきった顔してるなぁ」

黒部花子「えい!」ヒュ

男「さぁ、そろそろこのナイフで――」

男「あうぇrtfぎゅhじこlp@;「:」ガシッ

黒部花子『早く逃げて!』

花子「うん」バタバタ

黒部花子『なにやってるの! 早く逃げて!』

男「fだsfhthyjydkty」ガシッ

花子「む、無理だし! がっしり掴まれてるし!」

黒部花子『そ、そんな……私にはもうどうにもできない……ダメ、もう力が限界!!』

男「fだsgああああああああ!!! なんだよこれは!! ようやく体の自由が効いた」

男「これが黒部花子の呪いってか? ふふふ、まぁいい。もう殺す。すぐに殺そう」

花子「そ、そんな……」

第345話 トイレの花子さんと大室花子 15 終わり

コブラー!早く来てくれー!

>>755-756を757に訂正

第346話 トイレの花子さんと大室花子 16

花子「(も、もう終わりだし……)」

男「殺す殺す殺す殺す」

花子「(こ、ここで死ぬのかし……)」

男「……」ギロリ

花子「(あのナイフで……刺されて……痛いだろうし……なんか動きが……ゆっくり見えるし……でも……動けない……刺さるの……怖いから……見たくないから……目つぶる……)」








ガンッ!!!!!

ドサッ!!!


花子「あれ……痛くないし……というか刺さってない……男がいない……」

撫子「はぁはぁ……」

花子「あれ? なんで撫子お姉ちゃんが……」

撫子「花子!? 無事だった!?」ガシッ

花子「な、撫子お姉ちゃん」

花子「お、男は?」

撫子「私が消火器で殴ったら気絶したみたい」

花子「な、撫子お姉ちゃん!!!」ガシッ

撫子「花子! 花子のバカ!! でも、間に合って本当によかった……うぅ……」

男「ぁ、ぁあああ」

撫子「まずい、男が意識を覚ましかけてる。花子逃げるよ!!」

花子「で、でも黒部ちゃんが……」

撫子「ダメ、今すぐ逃げる!! ホラ早く」ガシッ

タッタッタ

花子「あ、あ」



撫子「はぁはぁ」

花子「はぁはぁ」

ウゥウウウウウウウウ! ピーポーピーポー!

花子「サイレンの音? 撫子お姉ちゃんが呼んだし?」

撫子「うん」

花子「でもいつ? そもそもなんで花子があそこにいるってわかったんだし」

撫子「花子、スマホでブザーならしたでしょ?」

花子「うん、お姉ちゃんが入れてくれたアプリだし」

撫子「あれ、なった場所のGPSが出るようになってるの」

撫子「もしかしたらと思ってね」

花子「なるほど……」

撫子「でも、本当にあれは人間だったの?」

花子「人間だし。紛れも無い。しかも10年前、黒部花子を殺した犯人と同じだし」

警部「警察です。犯人はまだ中に居ますか?」

撫子「たぶんいると思います」

警部「よし、突入だ!」

花子「……」ガクッ

撫子「花子?」

花子「怖かった……怖かったし……うぇえええええええええええええええええええええん!!!」

撫子「よし、よしよし……」ナデナデ

花子「エーン!!」

撫子「よかった……本当に無事でよかった……」グスッグス



それから、長い時間事情聴取させられた。でも、黒部花子のことは話さなかった。言っても信じてもらえないだろうし

第346話 トイレの花子さんと大室花子 16 終わり

第347話 トイレの花子さんと大室花子 17

数日後

花子「行ってきますし!」

大室母「もう本当に大丈夫なの?」

花子「大丈夫だし! 長く学校休んでもよくないから行くし!」

櫻子「じゃあ花子の代わりに私が休む!」

大室母「アンタはさっさと行きなさい!」

櫻子「えー!!」ブイブイ


花子「(あの事件以来初の学校だし。学校にはちゃんと行かないとダメだし)」

花子「(それに、花子にはまだ、確かめなきゃいけないことがあるんだし)」


東棟3階トイレ

花子「(もう居ないかもしれないし。あの時、犯人の魂に飲み込まれて……)」

『そんなことないよ』

花子「ビクッ! く、黒部ちゃん!?」

『ふふ、ごめんね。驚かせちゃって』

花子「犯人からは逃れられたのかし?」

『うん、なんとか危機一髪』

花子「じゃあ、なんでここに?」

『大室さんにお礼を言うためだよ。お礼を言うまで天国に行くの待ってもらったの』

花子「そっか、でもお礼を言うのはこっちだし。ありがとうだし」

『ううん、こっちこそ。ありがとう。後、お友達を驚かせちゃってごめんねって伝えといて』


「その必要はないわ!」

花子「みさきち!?」

みさき「うちの花子が世話になったみたいね!」

『あ、ごごめんね?』

みさき「いいわよ。結果的にあなたは花子に助けられたんだから。それでよかったじゃない!」

みさき「私がきっかけにならなければ花子は動かなかっただろうし」

『うん、ありがとう』

みさき「まぁ、花子ももうちょっとやり方があったと思うけどね」

花子「うぅ、ごめんだし……」

みさき「って! べ別に花子のことなんか心配してないんだからね!」

『ステキなお友達だね』

花子「うん。大切な友達だし」

みさき「な、なによ!!///」

『じゃあ私そろそろ行かなきゃ』

花子「うん、バイバイだし」

『うん、じゃあね』

スゥー

みさき「行っちゃったね」

花子「うん。でもお礼言えてよかったし。ちゃんと成仏できたみたいだし」

みさき「そうね」

花子「花子達も教室戻るし」

みさき「うん」


教室

花子「おはようだし」

こころ「花子様ー!!」

花子「こころ!!」

未来「花子様! ごめんね。今まで大室さんって呼んじゃってて、花子様も辛かったよね?」

花子「別に大丈夫だし。それにトイレの花子さんは花子を救ってくれたんだし」

未来「え? なにそれ!?」

みさき「トイレの花子さんは全然悪い子じゃなかったわよ」

こころ「えぇーなんでみさきちも知ってるのー? こころたちだけ仲間はずれー」

花子「じゃあ最初からしゃべっていくし……」

第347話 トイレの花子さんと大室花子 17 終わり

以上でトイレの花子さんと大室花子は終わりです。

無事に終わってよかった
撫子姉ちゃんマジ妹思い

櫻子、花子主役のシリアス(時をかけるやつと今回の)が来たから次回のシリアスの主役は撫子かしら

乙乙
いい終わりでよかった

なでかの安価>>768

千鶴
(できれば10.5巻の楓とのエピソードも盛り込んでくれると嬉しい)

第348話 撫子と千鶴 1

公園

千鶴「……」ペラ

撫子「(あれ? 池田千歳ちゃんかな?)」

撫子「池田ちゃん?」

千鶴「……」ビクッギロ

撫子「(あれ!? 人違いだった? ていうかすごい睨まれた)」


・・・・・・・・・・・・・・

楓「でね。その人千鶴お姉ちゃんて言うの!」

花子「楓もよくお姉さんに遭遇するし。花子もよく遭遇するけど」

楓「でね! 千鶴お姉ちゃんはね。クールなんだけど、笑った顔がすごいすてきなの!」

花子「撫子お姉ちゃんみたいな感じかし?」

楓「確かに雰囲気は撫子お姉ちゃんそっくりかもしれないの!」

撫子「なに? 何の話?」

楓「撫子お姉ちゃんそっくりのお姉ちゃんがいるの!」

撫子「ドッペルゲンガー!?」

花子「いやいや、そっくりっていうか性格が似てるって話だし」

撫子「ふーん。いくつぐらいなの?」

楓「う~ん、わからないけど、ああ! 思い出した! そういえば京子お姉ちゃんと一緒に話してたから多分同い年か一個上か……」

撫子「いづれにしても中学生か」

花子「もしかしたら櫻子が知ってるかもしれないし」

楓「探してくるの!」

撫子「いや、そこまでしなくても……」

櫻子「アイスアイスー」ガラ

楓「ちょうどいいの!」

花子「捕まえるし!」

櫻子「うぉ! なんだなんだ!」



櫻子「え? 千鶴お姉ちゃん? ああ、多分それ池田先輩の妹だ」

撫子「じゃあいっこ下? 櫻子と同い年?」

櫻子「いやいや違うんだよ。池田先輩は千歳って名前なんだけど、双子の妹がいて千鶴って名前だって聞いた。結局池田先輩だけど」

撫子「ふーん、そうなんだ」

櫻子「京子先輩と仲よかった気がするよ」

撫子「ああ、あの子は誰とでも仲良くなれそうだもんね」

・・・・・・・・・・・・・・

撫子「(という話を5月ぐらいにしたところ。6ヶ月経って例の人物に遭遇したみたいだ)」

千鶴「確かに私は千鶴ですけど? どちら様ですか?」

撫子「(あはは、もう声かけちゃったから自己紹介するか)大室撫子です」

第348話 撫子と千鶴 1 終わり

いいね~

第349話 撫子と千鶴 2

千鶴「あの? 何か用ですか?」

撫子「あ、いや。千歳ちゃんかと思って声かけちゃった」

千鶴「姉さんと知り合いですか?」

撫子「うん。前に生徒会の人たちで遊びに来たことがあって。うちの妹が生徒会だからさ」

千鶴「確か、大室櫻子さん」

撫子「そうそう櫻子。綾乃ちゃんと松本りせちゃんと西垣先生 が一緒に来たね。それにしても綾乃ちゃんと千歳ちゃんは仲いいねー」

千鶴「杉浦さんと姉さんの話を詳しく!!」ギラギラ

撫子「え? どういうこと?」

千鶴「失礼しました……コホン、杉浦さんと姉さんが大室さんの家に来たときのこと話してもらえませんか?」

撫子「ああ、うちに来た時の話ね」

千鶴「ここではなんですので、ちょっとそこでお茶でもしながら。私がおごりますんで!」

撫子「いや、年下におごってもらうのは悪いよ」

撫子「じゃあ行こうか?」

千鶴「はい! 撫子先輩」ダバー

撫子「うん(よだれ出てる。指摘してあげたほうがいいのかな……)」

喫茶店

千鶴「それで、どんなことがあったんですか!?」

撫子「いや、とりわけ話すことでもないんだけど、前来た時は綾乃ちゃんが櫻子の下の妹の花子に夢中だったね」

千鶴「はい」

撫子「あと、千歳ちゃんもかわいがってくれてたなー」

千鶴「はい」

撫子「うん」

千鶴「はい」

撫子「……」

千鶴「……それだけですか?」

撫子「いや、それだけって何が聞きたいの?」

千鶴「聞きたいのは姉さんと杉浦さんの絡みです!」

撫子「あ、そっち?」

千鶴「当然です!」

撫子「(当然なのか……)」

撫子「うん、すごい仲よかったね。うちに来てた時も花子と話すのをためらう綾乃ちゃんにアドバイスしてたり。2人でコソコソ内緒話してる感じだったね」

千鶴「キマシタワー」ダバー

撫子「ちょっとちょっと、千鶴ちゃん! よだれ出てる! 何か拭くもの!!」

第349話 撫子と千鶴 2 終わり

第350話 撫子と千鶴 3

千鶴「他にはないんですか!?」ギラギラ

撫子「うーん、今話したことぐらいかなぁ。なによりも結構前だからもう忘れたよ(やっぱり変な子だなぁ)」

千鶴「そうですね。というかこんなこと聞いてごめんなさい」

撫子「いや、いいよいいよ」

撫子「千鶴ちゃんは、綾乃ちゃんと千歳ちゃんがくっつくのが好きなの?」

千鶴「もちろんです!」

撫子「へぇ。変わった子だ。自分はいいの?」

千鶴「私は見てるだけで満足できますから」

撫子「そっか」

千鶴「でも、杉浦さんは歳納京子のことが好きみたいで」

撫子「え? 京子ちゃん?」

千鶴「知ってるんですか?」

撫子「よくうちに遊びに来るよ」

千鶴「クソッ! 歳納なんたらのやつ杉浦さんだけじゃなく大室さんにまで!」

撫子「乱暴な言葉はよくないよ」

千鶴「でも、アイツのこと考えると」

撫子「せっかくの可愛い顔が眉間にしわ寄っちゃうよ」

千鶴「か、かわいい!?」

撫子「あれ? 気づいてなかったの? 千鶴ちゃんすごい可愛らしいよ」

千鶴「そんなこと言われたことなかったので」

撫子「千歳ちゃんは可愛いと思う?」

千鶴「もちろんですよ!」

撫子「じゃあ可愛いよ」

千鶴「そ、そうですか……私なんて姉さんの100分の1にも満たないと思っているので」

撫子「まぁ、もっと自分に自身持ってもいいと思うよ」

千鶴「ありがとうございます」

千鶴「あの! 撫子さん!」

撫子「ん?」

千鶴「私と一緒に杉浦さんと姉さんをくっつけるの手伝ってくれませんか?」

千鶴「姉さん、杉浦さんが歳納京子のことを好きだからって自分は身を引いちゃうんです」

撫子「うーん。あまり無理やりくっつけるのは好きじゃないな。千歳ちゃんも考えあってのことだろうし」

千鶴「はい、わかってます。でもせめて自分の気持ちを伝えるぐらいはしてもいいと思うんです」

撫子「告白ってことか。まぁ確かにそのくらいならいいと思うよ。どのくらい私にできることがあるかわからないけど、手伝ってもいいよ」

千鶴「ありがとうございます! じゃああの、メールアドレスとか聞いてもいいですか?」

撫子「ああ、連絡先の交換ね。わかった」

第350話 撫子と千鶴 3 終わり

第351話 撫子と千鶴 4

撫子「じゃあ、何かあったら連絡してね」

千鶴「はい」

撫子「帰ろうか?」

千鶴「」コク

撫子「送っていこっか?」

千鶴「すぐそこなんでいいですよ」

撫子「すぐそこなら尚更送っていくよ」

千鶴「じゃあお言葉に甘えて」



千鶴「大室さんの妹さんっていくつなんですか?」

撫子「花子は8、小学2年」

千鶴「結構歳離れてるんですね」

撫子「一回り近く違うね。でも可愛いよ」

千鶴「うちは1つも違わないので歳の離れた兄弟はどういう感じなのかわからないです」

撫子「普通に話すけどね」

撫子「そして、櫻子は13」

千鶴「櫻子さんの話は姉さんからたまに聞きます。なんでも幼なじみの古谷さんととても仲がいいみたいで」

撫子「千歳ちゃんは見る目あるね。むしろ私はそっちをくっつけたいんだけどね」

千鶴「え? そういう関係なんですか?」

撫子「お互いまだ気づいてないけど、両思いだよ」

千鶴「そうなんですか。って撫子さんも身近な人くっつけたがってるじゃないですか!」

撫子「あはは、ホントだ」

撫子「あ、ついたよ」

千歳「あ、千鶴おかえりー」

千歳「あれ? 撫子さんと一緒にいるん? どうしたん?」

撫子「いや、千歳ちゃんかと思って声かけたら、千鶴ちゃんだった」

千歳「あははは。似てますからねー。そっくりでびっくりしたでしょう?」

撫子「うん、びっくりした」

撫子「じゃあ、またこんどね。千鶴ちゃん、千歳ちゃん」

千歳「はい。お気をつけてー」

千鶴「はい。今日はありがとうございました」

千歳「えー? なにかあったん?」

千鶴「姉さんには内緒」

千歳「うちだけ仲間はずれかー」

第351話 撫子と千鶴 4 終わり

第352話 撫子と千鶴 5

翌日 撫子帰宅途中

藍「でねーそこのケーキが美味しくて」

美穂「えー、私も行きたーい!」

めぐみ「給料振り込まれれば」

撫子「……(あれは京子ちゃんと結衣ちゃんだ)」

京子「結衣ー!!」

結衣「もう京子ったら、そんなにベタベタくっつくなよ」

撫子「(いつも通り仲がいいな)」

京子「いいじゃん別に。私は結衣の彼女なんだから」

結衣「そ、そういうのは外で大声で言うなって」

撫子「(え!? 2人ってそういう関係だったの!?)」

藍「撫子はどうするー?」

撫子「(なんてことだ。これじゃあ綾乃ちゃんの恋は報われない)」

藍「撫子ー!!」

撫子「あ、ああ。ケーキね、うん私も行くよ」

藍「違うよ今からマック行くかどうかって話」

美穂「さっきから、ぼーっとしたりアンニュイな顔したりなにか悪いものでも食べた?」

撫子「いやごめん」

めぐみ「撫子がぼーっとして人の話聞いてないなんて珍しい」

撫子「めぐみはしょっちゅうだけどね」

めぐみ「なにその私が人の話聞いてないみたいな言い方!?」

藍「あはは」


帰宅

撫子「でもよくよく考えたらタダの恋人ごっこかもしれない。あの2人は幼なじみだしそれくらい冗談でやりそうだ」

ピピピッ

撫子「ん? 携帯?」

From 千鶴

撫子さん、私歳納京子と船見結衣がキスしてるの今日見ました。


To 千鶴

え?千鶴ちゃんも見たの?私も京子ちゃんが結衣ちゃんに彼女だって言ってるところ見た
千歳ちゃんに話した?

From 千鶴

というか、姉さんと一緒に見たんです。すごい悲しんでました。

撫子「……」

prrrrr

千鶴『はい』

撫子「ごめん電話掛けちゃって」

千鶴『いえ、大丈夫です』

第352話 撫子と千鶴 5 終わり

第353話 撫子と千鶴 6

撫子『でもこういっちゃなんだけど、千歳ちゃんにとって綾乃ちゃんをゲットできるチャンスなんでは?』

千鶴「私も……私も最初はそう思いました。これで、姉さんが杉浦さんと付き合えるって! でも……」

千鶴「姉さん、「綾乃ちゃんがなぁー」、「報われないなぁ……ホント」ってずっと言ってて、それだけしか言わないんです。私が話しかけても虚ろな目をしてて」

撫子『……』

千鶴「姉さんにとって、杉浦さんの恋を応援することが本当に大切なことだったから」

千鶴「だから、たぶん自分の失恋のようにショックなんだと思います」

撫子『そっか……邪なことを考えてた自分が恥ずかしいや』

千鶴「いえ、私も同じでしたので」

撫子『綾乃ちゃんはまだ京子ちゃんと結衣ちゃんが付き合ってるってことは知らないんだよね?』

千鶴「はい、そこも難しいところで。じきにバレるとは思うんですけど」

千鶴「こんなことなら、私も姉さんもこんな事実知らなければよかった!!」

撫子『……』

千鶴「撫子さん! 私、どうすればいいのかわかりません!!」

撫子『千鶴ちゃん、まずは落ち着こう』

千鶴「はい、すみません。取り乱してしまって」

撫子『大丈夫。とりあえず、千鶴ちゃんはどうしたいか考えよう』

千鶴「え? どうしたいか? ですか?」

撫子『うん、どうすればじゃなくて、どうしたいかね。これって同じように思えて全然違うことだから』

千鶴「私は……どう、したいんだろう……」

撫子『……』

千鶴「私は……。……姉さんに幸せになってほしいです」

撫子『うん、なるほど。じゃあ、そのためには何をすればいいかな?』

千鶴「何をすればですか?」

撫子『うん、目的が千歳ちゃんの幸せなら、そのために何が必要かってこと』

千鶴「杉浦さんに不幸な思いをしてほしくないんだと思います」

撫子『なるほど、確かにそれが答えだと思うよ。事実として、綾乃ちゃんの恋は報われない。そして、いつか必ずそれを知る日がやってくる。千歳ちゃんにとってそれを自分が知ってしまったということが今苦痛として感じていることだろうね』

千鶴「はい」

撫子『でもね。千鶴ちゃんは大切なものを1つ抜かした』

千鶴「え?」

撫子『千鶴ちゃん、千歳ちゃんと一緒に悩んであげた? どうすればいいのか一緒に考えてあげた?』

千鶴「い、いえ。こういうときの姉さんには何を言っても無駄ですので」

撫子『いや、それは思い込みだよ。千鶴ちゃん。つい姉妹だといつも一緒だから何考えてるのかとか、今なに考えてるのかとか大体分かっちゃうけど、深く悩んでるときには腹を割って話さなきゃわからないことだってあるんだよ』

千鶴「な、なるほど。つまり今姉さんに私ができることっていうのは」

撫子『うん、とりあえず話を聞いてあげるか。出来なかったらそばにいるだけでもいいと思うよ』

千鶴「はい。でも具体的にどうやって聞けばいいのか」

撫子『ただ一緒に悩んであげるだけでいいと思うよ。でももうちょっとヒントというか方針を出すと、いつか綾乃ちゃんが失恋する日がくると思う。そう遠くない日にね。で、その綾乃ちゃんを支えられるのは千歳ちゃんだけだと思うんだ。だから、そのときまでに、綾乃ちゃんを支えられるような強さを千歳ちゃんに持ってもらうことを話しの目標にすればいいんじゃないかな?』

千鶴「なるほど。なんだかすっきりしました! ありがとうございます。撫子さん!」

撫子『いやいや、私はアドバイスしか出来ないから。これから頑張るのは千鶴ちゃんと千歳ちゃん。それじゃあ頑張って』

第353話 撫子と千鶴 6 終わり

第354話 撫子と千鶴 7

千歳「……」

千鶴「姉さん」

千歳「千鶴、うちどうしたらええかわからへん……」

千鶴「うん」

千歳「綾乃ちゃんに伝えるのがええのか。そのまま黙ってる方がええのか」

千歳「でも放っておいてもいずれバレるんよ」

千歳「ホンマ、どうすればええかわからへん……」

千鶴「うん、そうだよね。わからないよね……」

千歳「綾乃ちゃんがこの事実を知ったら悲しむんや! そんな綾乃ちゃん。うち見たくない

!」グスッグス

千歳「どうすればええの! 千鶴!!」ガシッグスッグス

千鶴「姉さん」ナデナデ

千歳「うわぁあああああああん」

千鶴「……」ナデナデ

千鶴「……(こんな姉さん見てるのは辛い! でも今は我慢しないと)」ナデナデ



千歳「ヒッグヒッグ!!」

千鶴「落ち着いた?」

千歳「ごめん千鶴」

千鶴「いや、いいよ」

千鶴「たぶん、姉さんがしなきゃいけないことは」

千歳「うん、わかっとる。綾乃ちゃんが事実を知った時に立ち直れるまでそばにいてあげることや」

千鶴「うん。そうだね(撫子さんの言ったとおりだ。姉さんにはそうであってもらわないと)」

千鶴「でももしかしたら杉浦さんには今日見たこと伝えた方がいいかもしれない」

千歳「そらなんで?」

千鶴「杉浦さんの思いがその間無駄になるからっていうのと、姉さんから伝えたほうが事実を見るよりショックが少ないかなって」

千歳「確かになぁ。そうかもしれへん。でも無理や、うちから伝えることはできへん」

千歳「綾乃ちゃんを悲しませる原因にはなりたくないんや。自分の保身だっちゅうのはわかっとる! でも仕方ないんや」

千鶴「そっか。まぁそういう選択をするのもありだと思うよ」

千歳「千鶴は優しいなぁ……ありがとな、今日は」

千鶴「いや、いつでも悩みがあったら話していいよ。姉妹なんだから」

千歳「せやなー」ニコ

千鶴「(よかった。姉さん元気になって、一応は。撫子さんありがとうございます)」

第354話 撫子と千鶴 7 終わり

第355話 撫子と千鶴 8

千鶴「いきなり電話してすみません」

撫子『いや、いいよいいよ』

千鶴「それで姉さんのことなんですが」

撫子『うん、メールで見る限りいい方向に持っていけてるね』

千鶴「撫子さんのおかげです」

撫子『いや千鶴ちゃんのがんばりだよ』

千鶴「ありがとうございます。……でも1つ懸念が」

撫子『うん、綾乃ちゃんに伝えるかどうかで悩んでるんでしょ?』

千鶴「なっ、なんでわかったんですか?」

撫子『いや、千鶴ちゃんならそう考えそうだなって思って』

千鶴「なんでもお見通しなんですね」

撫子『そんなことないよ。たまたまあたっただけ。……でもこれは難しい問題だね』

千鶴「私は伝えたほうがいいと考えてます。その方がショックが少ないだろうって」

撫子『……。伝えた方がいいのはわかるけど、問題は伝えられるかどうか』

千鶴「……」

撫子『綾乃ちゃんはたぶん落胆するだろうし、ヘタしたら泣いちゃうかもしれない。そんなときに伝えたって罪悪感に押しつぶされないでいられる?』

千鶴「……わ、わからないです。でも姉さんはそれが出来ないって言ってました」

撫子『うん、そうだろうね。自分が傷つける立場にいるんだから』

千鶴「……ですよね」

撫子『あのさ、後1日だけ待っててくれない? そうしたら私がなんとかするから』

千鶴「え? 何をするんですか?」

撫子『まぁ、なんとか丸く収めるからさ。今日はこの辺で』

千鶴「……」

第355話 撫子と千鶴 8 終わり

伝えなかったら伝えなかったで「何で伝えてくれなかったの!?」って事になりそうだよね

第356話 撫子と千鶴 9

2日後

池田家 19:00

千鶴「姉さん、今日は遅いな」

千歳「ただいまやで」ドサ

千鶴「姉さん、お帰り」

千歳「千鶴、綾乃ちゃん知ってもうた」

千鶴「え?」

千歳「綾乃ちゃん、歳納さんと船見さんが付き合ってること知ったんや」

千鶴「だ、大丈夫だったの?(なんでこのタイミングで)」

千歳「……撫子さんから聞いたみたいで、そのことを知った後歳納さんに直接確認しにいったんや。それで歳納さんは『うん』って」

千歳「綾乃ちゃん、案の定悲しんでた。その場ではすまし顔でおめでとうなんて言っちゃってたけど、生徒会室に帰ったらワンワン泣いて、大変だったで」

千鶴「そっか(なるほど、撫子さんのなんとかするっていうのは自分から伝えるってことだったんだ。でもなんで撫子さんが……)」

千歳「ちょっと撫子さん呼んでくれへん?」

千鶴「え?」

千歳「うち、知っとるで最近千鶴と撫子さんが仲良くしとったの」

千鶴「わかった」

prrrrr

撫子『はい』

千鶴「あの、姉さんが会いたいって」

撫子『わかった。あの公園でいい?』

千鶴「かまいません」


公園

撫子「千歳ちゃん、千鶴ちゃん」

千歳「わざわざ来てくれてありがとうございます。撫子さん」

千歳「撫子さん、綾乃ちゃんに伝えたんですか? 歳納さんと船見さんが付き合っとること」

撫子「うん、そうだよ。私が伝えた」

千歳「撫子さん、どこでこのことを知ったかしらんけど、なんでこんなとこを!」

千鶴「ちょっと」

撫子「……」

千歳「正直言って余計なお世話や!!」

千鶴「姉さん、そこまでいう必要は」

撫子「……」

千歳「撫子さんは! 綾乃ちゃんの涙は見たんか!? 見てないやろな! 素っ気なくメールで伝えたんやからな!! 綾乃ちゃん悲しがってたんやで!! すっごい泣きわめいて!! もう見てられないぐらい!! うぅ……」ヒッグ

撫子「……ごめん」

千鶴「ちょっと姉さん! いい加減にして! 撫子さんは私達がやらなかったことを! 出来なかったことをやっただけなんだよ!!」

千歳「そうやけど!! そうやけど!!! うぅ……ヒッグ、言わなきゃアカンことやったんや!! 知っていながら何も対処できない、うちが最低なのはわかっとるんや!!」

千歳「うわぁあああああああん!!」ヒッグヒッグ

千鶴「姉さん!」

千鶴「ご、ごめんなさい。撫子さん、今日は帰ります」

パシッ

千鶴「姉さん落ち着いて」

千歳「ヒッグヒッグ!」

千鶴「(もし姉さんが杉浦さんに伝えてたら姉さんが綾乃ちゃんに嫌われてたかもしれない。もし私が杉浦さんに伝えてたら私と姉さんの仲がこじれていたかもしれない……)」

千鶴「(自分だけが悪者になることですべてを解決しようとしたんだ撫子さんは……)」

千鶴「(撫子さん、せめて私に相談してくれてもよかったのに……)」

第356話 撫子と千鶴 9 終わり

第357話 撫子と千鶴 10

池田家

千歳「……」

千鶴「姉さん、落ち着いた?」

千歳「うん、もう大丈夫や。ごめんな心配かけて」

千鶴「いや、いいよ。私は姉さんが倒れそうなときは支えてあげられる。だから、姉さんは

杉浦さんが倒れそうなときに支えてやってあげて」

千歳「うん、そうやな。ありがとうな千鶴」

千鶴「……」

千歳「落ち着いたら撫子さんにとんでもないこと言ってしもうたことに気づいた」

千鶴「いや、しょうがないって。撫子さんはそう言われるのすべて承知で覚悟していたんだ

し。撫子さんなら大丈夫だと思うよ。むしろそのことを気にして姉さんが落ち込むようならそ

れを気にする人だと思うから」

千歳「すまんなぁ。うちが自分勝手で……」

千鶴「いや、大丈夫だよ。姉さんがそう思ってくれたなら撫子さんは多分安心すると思うよ」

千歳「千鶴はいつの間に撫子お姉さんっ子になったんやね~。もう以心伝心かぁ?」

千鶴「なっ/// そんなことない! それよりも姉さんはやらなきゃいけないことあるでしょ?」

千歳「そうやな。うちは綾乃ちゃんを支えてやらなアカンや」

千鶴「そうそう」ホッ

それから、姉さんは杉浦さんのそばにいつもいた。今までも一緒にいることが多かったけど、さらに一緒にいることが多くなった。杉浦さんは前の杉浦さんに戻りつつあった。

そして、幾日が過ぎた

綾乃「おーい、千歳ー! 早くしないと遅刻よー!!」

千歳「うん、いま行くで~千鶴も一緒に行くん?」

千鶴「いや、姉さんの後(うしろ)から(ついて)行くから」ダバー

千歳「あとからくるんやな? まぁそれならええや。あまり家でるの遅れんようにな~」

千鶴「ダバー」フキフキ

千鶴「」キリ

ガチャ

撫子「あっ」

千鶴「あ……」

撫子「おはよう」

千鶴「おはようございます/// 撫子さんっていつもココ通ってましたっけ?」

撫子「いや、久しぶりに1時間目休みだからちょっと遠回りを」

千歳「千鶴に会いに来たんやで~きっとー」ドバー

綾乃「ちょっと! 千歳、2人の邪魔しちゃダメでしょ! 行くわよ!!」

撫子「……///」

千鶴「……あ、あの!」
撫子「……あ、あの!」

千鶴「どうぞ」

撫子「じゃあ、私からよかったら、今日学校終わった後お茶でもしない」

千鶴「はい! 喜んで!!」ニコ
第357話 撫子と千鶴 10 終わり

第358話 撫子と千鶴 11 エピローグ



撫子「あ、今日の服かわいいね」

千鶴「撫子さんが譲ってくれた服ですよ。覚えてないんですか?」

撫子「あ、そうだったわ。あはは」

千鶴「もう」

撫子「もう桜の咲く時期かぁ」

千鶴「撫子さん、もう大学生なんですね。早いです」

撫子「月日は残酷に過ぎていくもんなんだよ」

千鶴「でも、もう付き合い始めて半年が経つんですね」

撫子「いろいろあったけどね」

千鶴「というか、私達の馴れ合いって何が原因でしたっけ?」

撫子「いや、私が千鶴と千歳ちゃんを間違えてね」

千鶴「ふふふ、そうでした」

撫子「ん、やっぱり千鶴は笑うと可愛いね」

千鶴「え?/// そ、そんなことないです!!」

千鶴「ていうか、あれ完全にナンパでしたよね?」

撫子「言われてみれば……ははは」

「ねぇ見てみてあの2人組、両方共凄いクール」

千鶴「なんだか注目されてますね」

撫子「まぁ髪質も似てるし、もしかしたら姉妹だと思われてるかもね」

千鶴「無表情にしてると怖いッて言われますし」

撫子「それは私も」

千鶴「ぷっふはは」

撫子「ふっあはは」

千鶴「撫子さんも……笑うと可愛い」

撫子「ちょっとー私年上だよー 可愛いじゃなくて美人とかにしてよー」

千鶴「なんかキャラ変じゃないですか?」

撫子「千鶴がクールキャラやってるんで、私は年上キャラ演じようと」

千鶴「でも今のしゃべり方だと、年上だけど年下に見られてる年上みたいなキャラですよ」

撫子「うん、私もそう思った。ていうか、私って元々うちでは一番年上だし、普通にお姉さん

キャラだと思うんだよね」

千鶴「はい、そう思います」

撫子「つまり、千鶴が大人びてるだけかぁ」

千鶴「え? もっと子供っぽい方が撫子さん好みですか?」

撫子「やってみてよ」

千鶴「うち、撫子さんのこと好きなんよ~」

撫子「……」





千鶴「……」




撫子「……」




千鶴「な、なにか言ってくださいよ。ノーリアクションなのが一番傷つきます」

撫子「いや、あまりの可愛さに言葉を失った。もうずっとそのキャラで行こう!」

千鶴「い、いや無理ですよ! 大体方言とかもう喋れませんし」

撫子「もう一度みたいなぁ」

千鶴「無理です!」

撫子「じゃあ1月に一度程度でいいから」

千鶴「そこまでいうなら……姉さんに教えてもらいます」

撫子「ふふふ。素直でいい子だ」

千鶴「おちょくってるんですか!」

撫子「いや、おちょくってないよ。でも、こんな可愛い彼女を持てて幸せだなって」

千鶴「……あ、ありがとうございます///」

第358話 撫子と千鶴 11 エピローグ 終わり

きれいに終わった!
できれば楓とか周りの人の反応とかも見たかったが…

千鶴は時々ちょっとだけだけど関西弁使うときもある

撫鶴ってどうなることかと思ったが想像以上にしっくり来た
この千鶴がやがて電話越しに「好き」と言わせるように……

第359話 コンビニお菓子 1

下校時

めぐみ「ねぇねぇ、コンビニよってかない? なんかお腹空いちゃった」

美穂「いいよー」

藍「でも家に帰ればご飯あるんじゃないの?」

めぐみ「でもおなかへったよ!」

撫子「太るぞ」

めぐみ「太らない!」

撫子「まぁいいけど」

コンビニ

めぐみ「やっぱメロンパンでしょ~」

美穂「ちょっと待ってなにこのコーヒーメーカー?」

藍「入ったから私も何か買おう」

撫子「そだね」


めぐみ「う~む」

撫子「何悩んでんの?」

めぐみ「こっちの105円の普通のメロンパンにするか126円のもっちりメロンパンにするか」

撫子「メロンパンってどっちもメロン入ってないんだよね」

めぐみ「え!? そうなの!? 今までメロン入ってると思ってたのに……」


美穂「ねぇねぇ撫子ー」

撫子「ん?」

美穂「これ! これ! どうやって使うのー?」

撫子「ああ、このコーヒーメーカーはね。レジ行ってコーヒー頼むとコップもらえるから、そのコップに入れるの」

美穂「なるほど」

撫子「ああ、入れるときは、コーヒーメーカーの扉閉めないとダメだよ」

美穂「買ってくるー」


撫子「さてと、私も何か買うか」

生ラムネ
撫子「これ気になってたんだけど買ってみるか」

撫子「藍は何にするの?」

藍「私は板チョコでいいかなー」

撫子「あとでちょっと分けて」

藍「え?」

撫子「もしかしてダメ?」

藍「いやいや、そんなこと全然ないよ! ただ撫子から物欲しがるってあまりないなって思って」

撫子「ああそうかも」

美穂「撫子ー! これすごいー!! ドリップコーヒーがこんな簡単に!」

めぐみ「ええい! もう高級メロンパンにしよう!!」

撫子「じゃあ会計すまそう」
第359話 コンビニお菓子 1 終わり

第360話 コンビニお菓子 2

撫子「じゃあ行こうか?」

美穂「あ、私コーヒーだから歩きながらだと飲めない」

藍「じゃあ、そこのベンチで」

めぐみ「おいしい! さっすが高級メロンパン!!」

藍「確かに美味しそう……」

めぐみ「いる?」

藍「うん、チョコと交換でいい?」

めぐみ「え? くれるの? やったー」

パクッ

藍「うん、美味しい」

撫子「買ったお菓子食べてみるか……」

パクッ。シャリシャリ

撫子「(……な、なんだこれは……確かにシャリシャリ感が云々かんぬんって書いてあったけど。それよりも味が……)」

藍「あ、そうだ! 撫子にもハイこれ」パキッ

撫子「ありがとう。お口直しになる」

藍「?」

撫子「(……マズイ! さっきの生ラムネの安い炭酸飲料みたいな味と板チョコの味が混ざってとんでもないことになった)」

藍「ご、ごめん。不味かった?」

撫子「(でも、マズイって言ったら藍に悪いしなぁ)お、美味しいよ……」

撫子「(このお菓子は封印しておこう)」ガサ

撫子「めぐみ、メロンパン一口いい?」

めぐみ「いいよ」

めぐみ「(はっ! これはチャンスかも! ここで撫子にあーんさせればいつもバカにされてるキャラを見返せる!!)」

めぐみ「はい、あーん」ニマニマ

藍・美穂「!!?」

撫子「なんで、あーんなんてしなきゃいけないの?」

めぐみ「え!? じゃ、じゃああげないよ!」

撫子「じゃあいらない」

めぐみ「……た、食べて~~!!! おねがいー!!!」

撫子「やれやれ仕方ない」

藍「(すごい撫子。なんだかよくわからないうちに立場を逆転させた!)」

撫子「うん、おいしーね」モグモグ

めぐみ「うぅ……私の高級メロンパンが……」

第360話 コンビニお菓子 2 終わり

第361話 コンビニお菓子 3

藍「あ、そういえば撫子の買ったお菓子どうしたの?」

撫子「……食べた」

めぐみ「うそだー。絶対あるって! 私の高級メロンパンの一口はあの変なグミ3つ分くらいの価値だからね!」

藍「私も食べてみたい撫子のも頂戴」

撫子「こ、これはやめておいたほうがいいよ」

藍「えー」

美穂「それ!」

ヒョイ、パクッ

撫子「あ(コーヒーとの食べ合わせだともっと悲惨なことに)」

美穂「……なにこれ~超美味しい!」

撫子「え?」

藍「美穂にだけずるいー」パクッ

めぐみ「私も私も!」パクッ

藍・めぐみ「!!(な、なにこれ……た、食べ合わせがすごく悪い……)」

藍・めぐみ「な、撫子……これ美味しいね……」

撫子「無理しなくていいよ」

美穂「えー。凄い美味しいのにもったいなーい」

撫子「(もしかしたらコーヒーとの食べ合わせはすごくいいのかもしれない……)美穂、コーヒーちょっと頂戴」

美穂「いいよ~」

ズズッ、パクッ

撫子「!!!(やっぱり食べ合わせが悪い!!)」ゲホッゲホ

藍「ちょっと大丈夫!?」

めぐみ「撫子、やっぱりそれ不味いよ」

撫子「うん」

美穂「撫子もう1個それ頂戴!」

撫子「いいよ。全部あげるよ」

美穂「えー! いいのー!! やーん、全部もらっちゃったー!!」

藍「(なんだろう……撫子からお菓子もらってるのに全然うらやましく感じない)」

めぐみ「(さすが美穂、常人離れした感性だ……)」

第361話 コンビニお菓子 3 終わり

第362話 紅葉狩りに行こう! 1

櫻子「そうだ! 紅葉狩りに行こう!」

向日葵「また唐突ですわね。大体紅葉ならもうそこら辺でも見られるし、もうそろそろ終わりますわよ」

櫻子「えー! ヤダヤダ! まだ紅葉食べてない!!」

向日葵「櫻子……あなたまさか紅葉が食べ物だと思ってましたの?」

櫻子「え? 食べられないの? じゃあなんで紅葉狩りなのさ! ぶどう狩りとかイチゴ狩りとかは食べられるものなのに!」

向日葵「いや、まぁサトウカエデのシロップなら食べられるからあながちカエデ科の総称を指す紅葉が食べられないとも言い切れないですわね」

櫻子「え? 向日葵って楓食べてるの……」

向日葵「そっちの楓じゃないですわ。はぁ櫻子は植物の知識がなさすぎですわよ。植物にかぎらず全体的にお馬鹿ですけど」

櫻子「な、なにをー!! じゃあ向日葵は紅葉狩りがなんで紅葉狩りって呼ばれるのか知ってるのかよ!!」

向日葵「それは……し、知らないですわ」

櫻子「なんだ向日葵も知らないんじゃん! バーカバーカ!!」

向日葵「なっ! 少なくとも櫻子よりはバカじゃないですわ!!」

ギャースギャース

撫子「また喧嘩してるのか」

櫻子「あ、ねーちゃん! 向日葵がお馬鹿なの!!」

撫子「バカはアンタだ」

櫻子「何!? ねーちゃんまで私のことを!!」

向日葵「あ、そうだ撫子さんなら知っているかもしれませんわね」

撫子「なに?」

向日葵「紅葉狩りってなんで狩りっていうんですか?」

撫子「……なんでだろうね?」

櫻子「あはは、ねーちゃんも知らないでやんの! バーカバーカ!」

撫子「調べてみよう」

向日葵「そうですわね」

紅葉狩り
【意味】 紅葉狩りとは、紅葉を見に山野へ出かけること。

【紅葉狩りの語源・由来】

紅葉狩りの「狩り」は、獣を捕まえる意味で使われていたが、野鳥や小動物を捕まえる意味に広がり、さらに果物などを採る意味にも使われるようになった。
果物を採る意味では、現在でも「いちご狩り」や「ぶどう狩り」などに使われている。
やがて「狩り」は草花を眺めたりする意味にも使われ、「紅葉狩り」と言うようになった。
「狩り」が草花を眺める意味になった由来は、狩猟をしない貴族が現れ、自然を愛でることを例えたとする説もあるが、紅葉(草花)を手に取り眺めたことからと考えられる。

語源由来辞典より引用 http://gogen-allguide.com/mo/momijigari.html

撫子「なるほど、元は狩猟の狩りの意味が、果物にも使われるようになって、それが草花に転化したって感じだね。手に取って眺めることが”狩り”か」

向日葵「なるほどですわ」

撫子「それでなんでこんな話を?」

櫻子「あ、そうだ思い出した! ねーちゃん紅葉狩り連れてってよ!」

撫子「確かに今年は行ってなかったっけ? いいよ。花子と楓も一緒に連れて行こう」

櫻子「おっしゃー!! 食べるぞー!!」

向日葵「だから食べ物じゃないですわよ」

第362話 紅葉狩りに行こう! 1 終わり

第363話 紅葉狩りに行こう! 2

撫子「それにしてももう山とか紅葉終わってるよ」

向日葵「そうですわね。もう散り始めていますし」

楓「あ! それなら楓いいとこ知ってるのー!」

花子「ああ、あそこかし」

楓「うん! この前花子おねえちゃんと遊んだ公園なの!」

公園

楓「ここなの!」

櫻子「おぉー! 確かに紅葉してる!」

向日葵「ホントですわ、周りの木は散っていますのに」

撫子「うん。ここらへんだけ全盛って感じだね」

花子「なんでだし?」

撫子「あ、電灯があるからだ」

花子「あ、なるほど」

楓「? どういうことなの?」

撫子「電灯があると、植物さんがまだ昼は長いって感じて中々葉を落とさないんだって。だから紅葉も遅れるって聞いたことがある」

向日葵「なるほど」

櫻子「そんな話はどうでもいいから早く食べ物!」

撫子「全く櫻子は、結局食べ物のことしか考えてないのか」

花子「下賎だし」

櫻子「やったー! おにぎりだー私さけがいい!」

花子「あ、こら! サケは1つまでしかないし!」

向日葵「わたくしたちも持ってきたもの広げましょう」

楓「うん! おねえちゃん!」

第363話 紅葉狩りに行こう! 2 終わり

第364話 紅葉狩りに行こう! 3

櫻子「うわ! 向日葵の弁当磯辺揚げだ! 頂戴!」

向日葵「いいですわよ」

楓「おねえちゃんががんばってつくってたの!」

撫子「あ、本当だ。さり気なく櫻子の好物を作るとは、ポイント高いね」

向日葵「なっ! べ、別にそんなんじゃありませんわ!」

花子「花子ももらっていいし?」

向日葵「当然、食べてもらってかまいませんわ」

花子「ありがとうだし! おいしいし」

楓「おにぎりももらっていいの?」

撫子「うん、どうぞお食べ」

櫻子「そのおにぎりの中に私が作ったものが1つはいってるよ」

櫻子「ちなみにからしマヨネーズ入りだから」

三角おにぎり、三角おにぎり、三角おにぎり、……、三角おにぎり、ボール

向日葵「どれが櫻子の作ったものか一目瞭然ですわ」

櫻子「なに!? 私のおにぎりを一発で見破るだと!?」

花子「櫻子のつくったおにぎりはまんまるだからすぐにわかるし」

撫子「三角ににぎれないからね」

櫻子「さ、三角に握れるもん! 私は敢えて丸くにぎることによって素材の味を活かすように」

向日葵「いいから、櫻子これ食べなさいな」

櫻子「おっ、ありがとう。辛っ!?」

花子「さっき自分でからしマヨネーズ入りって言ってたのに、もう忘れたのかし」

向日葵「アホですわね」

櫻子「くっそー! 次はバレないようにもっとステルスおにぎりにするもん! あかりちゃんに握り方おしえてもらおう」

向日葵「そこはかとなく、赤座さんに失礼ですわね」

撫子「食べ終わったし、紅葉も漫喫できたし帰る?」

花子「だし」

――――――――――――――――――――――

あかり「くしゅん!」

あかね「どうしたのあかり? 風邪? 大丈夫?」

あかり「うーん、元気だけど、誰かあかりの噂してるのかなぁ」

あかね「そうね、あかりは人気者だからね」

第364話 紅葉狩りに行こう! 3 終わり

櫻子かわいい

第365話 高校生組 大室家お泊り会 1

悪夢の2日間! 後に花子と櫻子はそう語る!!


撫子「あ、そうそう今日から明日まで友達泊まりに来るってそういえば言ってなかったね」

花子「また、あの人かし?」

撫子「いや、今日は他に2人くるから」

櫻子「なにねーちゃんまた友達泊めるの?」

撫子「うん。櫻子はあまり邪魔しないでね」

櫻子「なんで私だけ!?」

花子「日頃の行いが悪いからだし」

ピーンポーン

櫻子「あ、来た来た。はーい」

撫子「って、なんでアンタが行くの」

ガチャ

美穂「あれ? 撫子、背ちっちゃくなった?」

櫻子「いや、私は次女の櫻子なんすけど」

藍「よろしくねー櫻子ちゃん」

めぐみ「よろしくー」

撫子「さぁ、上がって上がって」

美穂・藍・めぐみ「お邪魔しまーす」

花子「(あ、撫子お姉ちゃんのアレもいるし)」

めぐみ「花子ちゃん可愛い~!!」

花子「ちょっ!? 離せし!」

美穂「花子ちゃんも可愛いけど、私は櫻子ちゃんの方が好きかなー。(お馬鹿っぽい顔してて)かわぁいい♪」

撫子「ちょっと、人の妹を変な目で見ないでよ」

櫻子「さっすがー。私の溢れ出る美貌に気づくとは只者じゃないですね~。お名前きかせてもらってもいいですかー?」

美穂「美穂でーす」

藍「私は藍で、彼女がめぐみね」

めぐみ「あ、よろしくねー櫻子ちゃん!」

櫻子「こちらこそよろしくおねがいしますねー(やっぱり高校生はおっぱい大きいなぁ)」

花子「どうぞゆっくりしていってだし」ペコリ

めぐみ「ふわぁ~、花子ちゃん、飼いたい!」ハァハァ

撫子「発情すんな」バシ

第365話 高校生組 大室家お泊り会 1 終わり

撫子さんの彼女は公式だとあえてぼかす形になってるのがいいよね

>>791
おにぎりの下りでのんのんびよりのなっつん思い出した
なっつんはキャラ的に櫻子に似てる気がする
櫻子もしょっちゅう母に雷落とされてそう

俺はむしろ櫻子は母親に似たんじゃないかって思う
母親も撫子のアイス勝手に食ってたし

第366話 高校生組 大室家お泊り会 2

撫子「さて、そろそろご飯かな?」

櫻子「今日は私か?」

撫子「いや、今日は私が作るよ(櫻子だとなんか心配だし)」

藍「そっかぁー本当に撫子の家では姉妹で作ってるんだね」

美穂「櫻子ちゃんの料理って気になるー!」

大室母「よっこいしょ。ただいま!」

撫子「あれ? 母さん、今日は早かったね」

藍・美穂・めぐみ「おじゃましてます」

大室母「今日は撫子の友達が来るって言ってたからお母さんが料理奮っちゃうよ!。撫子たちはまだ遊んでていいよ」

撫子「ありがとう」



大室母「まぁ、今日はいっぱいお友達来たのね! いっぱい食べて頂戴!」

めぐみ「おぉ~!」

藍「おいしそう」

美穂「唐揚げおいしそう~!!」

櫻子「頂きます!」

ヒョイヒョイ

花子「ちょっと櫻子欲張るなし」

美穂「うふふ~」

めぐみ「はい花子ちゃんあーん」

花子「じ、自分で食べられるし!」

藍「あ、私もやりたい! 花子ちゃんあーん!」

花子「だ、大丈夫だし!」

藍「え、いらないの?」

花子「うぅ……あむ……」

藍「かわいいー!」

めぐみ「藍の泣き落とし強いなぁ」

櫻子「花子あーん!」

花子「櫻子はするなし!」バシッ

櫻子「いってぇー!」

第366話 高校生組 大室家お泊り会 2 終わり

>>795
なる程

原作でも(櫻子とみらここはあったけど)高校組と花子、小学校組と撫子とかの絡みもほしい

第367話 高校生組 大室家お泊り会 3

めぐみ「ごちそうさまです! 美味しかったです」

藍「ごちそうさまです」

美穂「ごちそうさまでしたー」

大室母「お粗末様でした」

撫子「じゃあ、私の部屋に行く?」

めぐみ「うん!」

撫子の部屋

藍「あ、そうだ! 私チョコレート持ってきたんだった」

撫子「おぉ、さすが藍」

めぐみ「いいねー」

美穂「撫子にあーんしてあげるよ」

撫子「いやいいって」

藍「えー私もやりたいー」

めぐみ「えっ、じゃあ私も私も!」

藍「はい」

美穂「撫子」

めぐみ「あーん」

撫子「(なんだこの状況……そして誰のを食べればいいんだ……)」

撫子「とりあえずめぐみは」バシッ

めぐみ「いったぁー! なんで私だけ!?」

撫子「なんとなくムカついたから」

撫子「パクッ、パクッ」

藍・美穂「あ、食べた」

撫子「あれ? これ、ブランデー入ってる?」

藍「あ、そうかもしれない。お母さんがおみやげでもらったやつ勝手に持って来ちゃったか

ら」

めぐみ「まぁ、大丈夫でしょ」パクッパク

美穂「さすがにチョコレートで飲酒扱いにはならない」パクッ

藍「そ、そうだよね」パクッ

撫子「うんうん」パクッパク

藍「おいしー!」

美穂「うん、おいしいね~」

めぐみ「うまい!」

パクッパクパクッパク……

藍「結構いっぱい食べちゃったねー!」

めぐみ「うんうん! 美味しかったー!! あははは!!」

撫子「あれ? なんかめぐみ酔ってない?」

めぐみ「そんなことないよー! あっ! そうだ! 花子ちゃん呼んでくるー!!」



撫子「ちょっと、なんで花子!?」

藍「絶対、めぐみ酔ってる」

撫子「藍はさすがに酔ってないよね」

藍「わ、私も酔ったかも。撫子」コトッ

撫子「ちょっと藍!?」

美穂「……」

撫子「美穂?」

美穂「やーん! 私は櫻子ちゃんと遊んでくるー!!」

撫子「ちょっと美穂は絶対酔ってないでしょ! ていうか酔うようなキャラじゃないでしょ!!」



花子「ちょっと……」

櫻子「なんで私たちが……」

めぐみ「えへへー花子ちゃーん」ダキ

美穂「櫻子ちゃんかわいいー!!」ギュッ

花子「うぅ……」

櫻子「くるしぃ……」

第367話 高校生組 大室家お泊り会 3 終わり

第368話 高校生組 大室家お泊り会 4

めぐみ「花子ちゃーんかわいいぃー」

花子「な、なんかめぐみお姉ちゃん変だし」

撫子「花子、めぐみね。このチョコ食べて酔っちゃったの」

めぐみ「えへへぇ、酔ってないよ~。えへえへ」

花子「(か、完全に酔ってるし……)」

花子「撫子お姉ちゃんは大丈夫なのかし?」

撫子「私は大丈夫だったけど。見れば分かる通り」

藍「撫子ー! だいすきー!!」ダキ

花子「藍お姉ちゃんに抱きつかれて動けないのかし」

花子「櫻子! 助けて!!」

美穂「ねえ櫻子ちゃん。ここにチョコレートがあるでしょ」

櫻子「ほしい!」

美穂「じゃあ、取ってこい」ヒョイ

ダッ

櫻子「ワンワン!」

美穂「待て!」

櫻子「わん!」

美穂「よし!」

櫻子「バクバク、うめぇ!」

美穂「こら! 誰が人語喋っていいって言った?」

櫻子「わ、ワン!」

花子「な、なんかいつの間にか調教されてるし……」

撫子「どうしてこうなったのかわからないと思うけど、私もわからない」

めぐみ「こら、はぁなこちゃーん! 逃げちゃダメですよ~」ガシ

ムギュムギュ

花子「うぅ……苦しいし(胸で気動が塞がれてるし)」

第368話 高校生組 大室家お泊り会 4 終わり

第369話 高校生組 大室家お泊り会 5

美穂「あはは~櫻子ちゃんかわいいー」

櫻子「♪」

めぐみ「あっ、いいなぁー。ねえ櫻子ちゃんと花子ちゃん交換してよぉ~美穂ぉ」

美穂「うん、いいよー」

花子「ふぅ。ようやく解放されるし」

美穂「花子ちゃん」ニッコリ

花子「と思ったら間違いだったし」

櫻子「うわぁ。おっぱい大きいねーちゃんだぁ」

めぐみ「えへへぇ~触ってみる~?」

櫻子「お、おぉうこれは向日葵のよりももしかしたら……さすが高校生だ」

めぐみ「あっ、触ったね~。お返しだぁ」モミモミ

櫻子「ひゃう! く、くすぐったい!」ジタバタ

めぐみ「あ、だーめ逃げちゃ」ガシ

櫻子「ちょ、ちょっと助けてー」

美穂「花子ちゃんはいい子だねぇ」ナデナデ

花子「美穂お姉ちゃんは優しいし」

櫻子「花子はダメだ! ねーちゃん!」

撫子「うぅ……」グッスリ

藍「撫子寝ちゃったー。ねえこれなにしてもいいのかなぁ」

櫻子「ねーちゃん寝てるし!」

めぐみ「あっ、こら暴れちゃダメだぞぉ」モミモミ

櫻子「あっ、ふ、ふぅ。や、ヤメロォ」

めぐみ「胸って誰かにもまれると大きくなるらしいよぉ」

櫻子「ほ、本当かよぉ。と、とにかくもうやめろぉ」

めぐみ「だから、今晩は一晩中もんであげる」

櫻子「や、ヤダぁ……あっ」


チュンチュン

撫子「……うー、昨日何してたんだか思い出せない」

櫻子「……」スヤスヤ

めぐみ「……」スヤスヤ

花子「……」スヤスヤ

美穂「……」スヤスヤ

藍「……」スヤスヤ

撫子「なんだこれは……」

第369話 高校生組 大室家お泊り会 5 終わり

第370話 アイソン彗星は? 1

11月28日 小学校

未来「ねぇ花子様! そろそろ彗星が見えるねー!」

こころ「すいせい?」

花子「アイソン彗星だし、今世紀最大の明るさになる彗星だし」

こころ「んー? よくわからないよー」

花子「大っきい流れ星がずっと空に止まったままだと思ってもいいし」

こころ「じゃあ大っきい願い事絶対に叶うねー!」

みさき「ふん! みさきが先に発見してやるんだから!!」

花子「いやもう発見されてるし!? 彗星とかは基本的に発見者が名前を付けられるんだし。発見者の名前になることもあれば、他の名前が付けられることもあるんだし。アイソン彗星は人の名前じゃないみたいだけど」

みさき「花子はもう見たの?」

花子「いや、まだ見てないし。12月に入らないと肉眼では見れないんだし」

みさき「じゃあ、花子より先に見つけてやるわ!」ジー

花子「いや、昼間から見てもさすがに見えないし」

未来「どのくらい明るいの?」

花子「満月よりも明るくなる可能性もあるらしいし」

未来「すごーい! じゃあ夜の間ずっと明るいね!」

花子「うーん。それが見えるのは朝方の間の少しだけなんだし」

未来「え? なんで?」

花子「地球よりも太陽に近くなるからだし。例えば金星は明け方と夕方にしか見えないし。それと同じだし」

こころ「うーん、よくわからないよー」

花子「うーん、これを説明するには、暗い部屋で電灯持った人がいるといいんだけど。まぁいいし。ちょっとこころは花子の前に来て、で、みさきちはそこに立ってて、で、未来はみさきちの左横当たりに立ってるし」

みさき「なんでみさきが!」

未来「スタンバーイ!」

花子「じゃあ、実践するよ。まず花子が地球だし。で、こころは人間だし。こころは人間だから地球の花子とくっついてるし」ガシ

こころ「わーい!」

花子「で、みさきちは太陽だし」

未来「いいなー太陽役で」

みさき「まぁ当然ね。花子にしては見る目あるじゃない」

花子「それで、未来が彗星だし」

未来「えっ! 私が彗星?」

みさき「むっ、みさき彗星がよかった!」

花子「……こころ、今前にみさきち(太陽)が見えるし?」

こころ「うん」

花子「これが昼の状態だし。みさきちが見えてると未来は見えないと思って見るし、花子が左回りするし。こころも一緒に回るし」

こころ「あ、回ってる面白い!」

花子「これでみさきちの位置はどうなったし?」

こころ「右側にいる!」

花子「この場合右側が西だし」


未来「つまり、夕方だね!」

花子「そうだし。それで、未来はどう見えるし?」

こころ「みさきちの右側ー」

花子「そうだし。でもみさきちが見えてるから?」

こころ「未来はいないいない」

花子「じゃあ、さらに回るし」

こころ「壁が見える」

花子「そうだし。みさきちも未来も見えなくなったし?」

こころ「うん」

花子「みさきちは太陽だから太陽が見えないのは」

こころ「あ、夜だー!」

花子「正解だし。じゃあまた回るし」

   みさき  未来

    


     花子こころ


こころ「あ、今度は左側から未来とみさきちが見えるー! やっほー」

花子「うん、さっきは夕方で、右が西だったし。じゃあ今度は?」

こころ「明け方で、右が西だったから、左は東だ!」

花子「正解だし! じゃあ、未来とみさきちどっちが早く見えた?」

こころ「未来が早く見えたー」

花子「そうだし。みさきちが見えると未来は見えなくなるから?」

こころ「あ、明け方の少しの時間しか見れないんだ!」

花子「そういうことだし」

こころ・未来「なるほどー」

未来「ねーねー次は私が人間やりたーい」

みさき「わ、私も!!」

第370話 アイソン彗星は? 1 終わり

第371話 アイソン彗星は? 2

次の日

花子「……」

未来「花子様今日元気ない」

花子「アイソン彗星蒸発しちゃったし」

未来「え? どういうこと?」

花子「もう見られないってことだし」

未来「そっかぁ。残念」

花子「今世紀最大の彗星だったのに……」

こころ「残念」

みさき「……」


次の日 明け方

花子「やっぱり見えないし」

撫子「見えないね残念だけど」

花子「はぁ」


学校

花子「……」

未来「花子様まだ元気ない」

こころ「うん」

みさき「花子!」

花子「?」

みさき「ピロピロピロピロ~」

花子「なにやってるし?」

みさき「彗星の真似よ! 元気出しなさい」

花子「ぷっ」

みさき「あっ! 笑ったわね! 折角みさきが元気づけてやってるのに!」

花子「全然違うし」

こころ「よかったぁ。花子様元気になった」

未来「うん、よかったよかった」

第371話 アイソン彗星は? 2 終わり

第372話 アイソン彗星は? 3

先生「はい、今週は読書感想文の日ですよ~」

未来「わぁー何読もうかな―」

みさき「本なんて読んでもつまらないわ!」

花子「……」


大室家

花子「撫子お姉ちゃん、きょりのじじょうにはんぴれいってどういうことだし?」

宇宙と天文の不思議

太陽からとどくねつは、太陽からはなれるほど小さくなります。
むつかしい話をすると、きょりの二乗に反比例します。
かんたんに説明すると、地球から半分太陽に近づいたところでは地球の4倍のねつが届きます。
逆に、地球から2倍はなれたところでは、届くねつは4分の1になってしまいます。
だから水星や金星は暑く、火星や木星は寒いのです。

撫子「えぇと。こういうことなんだけど、どう説明すればいいかな(というかこの内容高校3年物理レベルなんだけど……)」カキカキ

花子「このrってところに距離を入れればいいのかし? この値でやって見るし」

撫子「ああ、アイソン彗星の近日点距離か。花子が一生懸命調べてたね」

花子「0.0125AUを2回かけて。それで割るし」

撫子「(あれ……小数の掛け算って小学生2年生の授業でやるっけ? ていうか割り算は絶対やらないよね?)」

花子「80であってるかし?」

撫子「ちょっと待って、私もやってみる。うん、あってるね。でも花子どうやってそんな計算できるようになったの?」

花子「電卓で遊んでたらできるようになったし。点がついてるのと点がついてるのかけると点より下の桁がふえるんだし」

撫子「(何この子怖い)」


翌日学校

先生「さぁ、読書感想文集めますよー」

「はーい」

職員室

先生「どれどれ、うん。みんなちゃんと読んできてるわね。高崎さんも心配してたけどよくかけてるじゃない」

先生「大室さんはっと」

アイソン彗星について

先生「ん? なんだろうこれは?」

楽しみにしていたアイソンすい星が見れませんでした。すごくざんねんでした。

先生「あぁ、大室さんアイソン彗星見れなくて残念がってたものね。まぁ読書感想文じゃないけど多めに見てあげましょう」ペラ

げんいんは、核のしょうめつのようです。太陽に近づきすぎるとねつでしょうめつするようです。アイソンすい星の近日点きょりは、0.0125AUです。
どのくらいのねつだったのか。この本を見てけいさんしました。

そうすると、地球と比べて80倍も暑いところを通って行ったみたいです。
すい星がじょうはつするのもむりはありません。でも、まだ核が少しのこっているみたいです。
こんな暑いところをがんばって通って行ったアイソンすい星はえらいです。

大室花子

先生「せ、先生花子ちゃんが何書いてるのかわからない。わからないけどこの子すごい!!」

後に大室花子が宇宙物理学者として名を残すのは必然であったのだろう

第372話 アイソン彗星は? 3 終わり

さすが花子様

第373話 こたつにみかん 1

櫻子「ふぅーあったけー」

撫子「あ。こたつ出したんだ」

櫻子「ねーちゃんも入る?」

撫子「うん」

櫻子「みっかんみっかん」

撫子「みかんまで用意したとは」

櫻子「こたつって言ったらみかんでしょ!」

撫子「なんかすべて手の届く範囲に置きたくなるんだよね」ポチポチ

櫻子「ねーちゃんはケータイか」

櫻子「あっ! そうだ」タッタッタ

撫子「?」

櫻子「缶ジュース!」

撫子「布団にこぼしちゃダメだよ」

櫻子「大丈夫大丈夫」プシュ

ポタポタポタポタ

櫻子「あ、あははは」

撫子「言わんこっちゃない。タオル持ってくるから早く布団どかしな」


櫻子「……ああ、もう染み込んじゃってる……もうダメだ。シミ混んじゃった部分隠すしか無い」


撫子「櫻子、タオル持ってきたよ。なにやってんの?」

櫻子「ねーちゃん、ねーちゃん。アルミ缶の上にあるみかん」

撫子「……」ペラ、イラ

撫子「こぼれた部分隠してんじゃないよ。早く拭け」

櫻子「はーい……」

第373話 こたつにみかん 1 

第374話 こたつにみかん 2

花子「あ、こたつでてるし」

撫子「暖かいよ」

櫻子「おぉ、花子も入るか?」

花子「入るし」

ズボッ

櫻子「ふんふーん。極楽極楽ー」

撫子「……」ポチポチ

花子「……(暖かいし)」

花子「(あ、みかんある。食べよ)」パシ

ペリペリ

パクッ

パクッ

……

櫻子「……ふぅーこの漫画おもしろかったー」

櫻子「あれ? みかんが1個減ってるよ!」

花子「花子が食べたし」

櫻子「なんでだよ!」

花子「え?」

櫻子「なんで食べたんだよ! 私が持ってきたんだからな! 全部私のだ!」

撫子「いやその理屈はおかしい」

櫻子「もうダメ! 誰にもあげないからな!」ボスッ

花子「あ……」

撫子「バカ、こたつにみかん入れてんじゃないよ。出しな」

櫻子「ヤダ! 隠す!!」

撫子「熱っくなって美味しくなくなる」

櫻子「……でもねーちゃん熱いみかん食べたこと」

撫子「いらない」

櫻子「ちぇ」

第374話 こたつにみかん 2 終わり

第375話 こたつにみかん 3

花子「ふぁぁぁ」

撫子「花子眠そう」

花子「」モゾモゾ

撫子「ん?」

ポスッ

撫子「あらあら。私のところ来て寝るか」

櫻子「花子はやっぱりまだまだお子様だな」

撫子「何いってんの櫻子もこのくらいのときはよく私のところに来て寝てたじゃん」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パタン

撫子「ん? どうしたの櫻子寝られないの?」

櫻子「おねえちゃん」モゾモゾ

ガシッ

櫻子「へへ」

撫子「よしよし」ナデナデ

櫻子「……」スピー

撫子「もう寝っちゃったか」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

撫子「って」

櫻子「な、なにいってんだ! こっちは覚えてないね!」

撫子「あのときの櫻子は可愛かったなぁ」

櫻子「今でも可愛いだろ!」

撫子「うーんどうかなぁ。もっと素直なら可愛いと思うけどなぁ」

櫻子「ふん、私は素直だもん。素直じゃないって思うのはねーちゃんの心が汚れてるからだ」

撫子「何たる暴論」

櫻子「みかん食べよ」ペリペリ、パクッ

櫻子「うまい!」

撫子「確かにある意味素直だ」

第375話 こたつにみかん 3 終わり

おお続き来てた
乙!

第376話 こたつにみかん 4

撫子「……」ポチポチ

花子「……」スヤスヤ

撫子「……」ポチポチ、ピタ

グーグー

撫子「ん?」

櫻子「……」グーグー

撫子「静かだと思ったら櫻子も寝たのか」

櫻子「……」グーグー、パタン

撫子「あ。こたつから足が出た」

パタン

撫子「手も出た」

パタン

撫子「体も出た。もう完全にこたつから出てんじゃん。風邪引くよ。よいっしょっと」

櫻子「んんー」モゾモゾ

撫子「なんで私の膝の上にくるし。花子は軽いけど櫻子は重い」

櫻子「……」スヤスヤ

撫子「はぁ、まぁいいか」



大室母「あら、こたつじゃない出したのね」

撫子「うん」

花子「……」スヤスヤ

櫻子「……」スヤスヤ

大室母「気持ちよさそうに撫子の膝で寝ちゃって、仲の良い姉妹。ふふ」

撫子「いや、結構重いんだけどね」

大室母「お母さんもついでに」

撫子「いやいや意味わからないって! ほら花子たちが起きちゃうから行ったいった!」

大室母「もぅー撫子ったら付き合い悪いわね。反抗期かしら。あ、みかんある食べちゃおう」パクッ

撫子「全く母さんは……」

第376話 こたつにみかん 4 終わり

かわいい

第377話 手作りマフラー

楓「お姉ちゃん何作ってるの?」

向日葵「マフラーですわ」

楓「マフラー?」

向日葵「1つは楓に作りましたわ。こうやって首に巻くと」

楓「暖かいの! でも、もう1つは誰に作ってるの?」

向日葵「こ、これは自分用ですわ」

楓「櫻子お姉ちゃんの分は作らないの?」

向日葵「つつつ、つくりませんわよ。自分の分と楓の分があれば大丈夫ですわ」

楓「うーん、櫻子お姉ちゃん、お姉ちゃんがまふらーつくったら喜ぶと思うの」

向日葵「喜びませんわよ、多分つくってもすぐにボロボロにして」

向日葵「でも、毛糸が余るからもう1つ作っても良さそうですわね」

楓「色が違うのに余るの?」

向日葵「この毛糸も使っちゃわないといけませんわ! 使わないと悪くなっちゃう」アタフタ

楓「うーんそういうものなの」

1週間後

向日葵「よし、出来ましたわ!」

楓「青色と栗色のマフラーなの!」

楓「櫻子お姉ちゃんは青色が似合うと思うの!」

向日葵「わたくしが栗色になりますわね」

楓「髪の色とコントラストにお揃いできっとお似合いなの!」

向日葵「そうかしらね」


向日葵「さ、櫻子!!」

櫻子「ん?」

向日葵「こ、これあげるわよ! マフラー! 毛糸が余っただけなんですからね!」

櫻子「お、ありがとう! ちょうど寒かったところなんだ!」

向日葵「大切にしなさいよね!」

楓「ふふ、やっぱりお似合いなの!」

第377話 手作りマフラー 終わり

第378話 冬だ! 海だ! 泳ごう!

櫻子「冬だ! 海だ! 泳ごう~!!」

花子「1人で泳いでろし」

こころ「こころも水着持ってきたー」

花子「なんでだし!」

未来「こんな中入ったら寒くて風邪ひいちゃうよー」

櫻子「全くー、なんで目の前に海があるってのに泳げないんさ!」

花子「いや、普通に冬だからだし」

花子「やっぱり櫻子じゃ保護者にならないし。撫子お姉ちゃんにお願いすればよかったし」

櫻子「なんだとー! 折角私がついてきてやってるのに!! なーこころ?」

こころ「うん! 櫻子お姉ちゃん楽しいからすきー」

櫻子「ほーらな。なー未来?」

未来「うん!」

花子「(外堀から埋めていってるし)」

花子「とりあえず市場はすぐそこだから早くするし」

魚市場

おっちゃん「らっしゃーい」

櫻子「おっ! この牡蠣うまそー」

おっちゃん「食べていくかい?」

櫻子「え!? 食べられるの!?」

おっちゃん「今の時期は生で食べられるよ。ほれ1つ食ってみ」

櫻子「あざっす! うめー!! オイ花子これうめーぞ!!」

花子「全く櫻子は……」

未来「でもなんか私も食べたくなってきちゃった!」

こころ「うん!」

花子「じゃあ、早くおばちゃんに話聞いて、それで何か食べて買えるし」

花子「あの、社会科見学で職業についての質問で来ました七森小の大室花子です」

おばちゃん「やぁ、よく来たね。いろいろと聞いてっていいよ。でもうるさくてごめんねぇ」

花子「いえ、大丈夫です」

第378話 冬だ! 海だ! 泳ごう! 終わり

第379話 魚市場にて

おばちゃん「それにしてもお嬢さんたちはいくつなの?」

未来「8歳ですー!」

花子「8歳です」

こころ「8さい」

おばちゃん「小学生低学年ぐらいかしら? 偉いわねー」

花子「えっと、お仕事について聞きたいんですけど」

おばちゃん「あっ、とりあえずお茶だすわね」

花子「……」

おばちゃん「あ、そうだ。そこにスルメあるから食べてていいわよ」

こころ「わーい!」

未来「スルメだスルメだー!!」

花子「(お仕事のお話聞きに来たのに、なんだか流されてしまったし)」

櫻子「おーい。花子達ー!! おじちゃんが海鮮丼おごってくれるってよー!!」

未来「ええー! 本当ー!?」

こころ「やったー」



おじちゃん「おっ、食べてけ食べてけ」

櫻子「おぉ! うまそう!!」

未来「美味しい! 白えび!!」

こころ「ホタルイカも美味しいよ~」

おじちゃん「ホタルイカは本当に光ってるんだぞー!!」

こころ「えーそうなのー?」

おばちゃん「花子ちゃんもどうぞ!!」

花子「ありがとうだし。美味しいし」

櫻子「うめぇな! 花子」

花子「うん!」


こころ「へぇーじゃあ、ホタルイカってすっごい海の深いところにいるんだぁ」

おじちゃん「お嬢ちゃんは理解が早いねぇ。将来は海洋学者になれるぞ!」

こころ「うんーがんばるー」

未来「花子様、そろそろ時間だから」

花子「あっ、うん」

花子「それじゃあお邪魔しました」

おじちゃん&おばちゃん「また来るんだよー。いつでも待ってるからなー」


櫻子「今日は美味しかったな!」

花子「うん(なんだかタダのお食事会になってしまったし。まぁそれでもいっか)」

第379話 魚市場にて 終わり

第380話 パジャマなでしこ 1

花子「櫻子にもらったパジャマかわいいし」

撫子「その動物のパジャマ花子に似合うね」

花子「ありがとうだし」

撫子「……」

花子「……もしかして撫子お姉ちゃんも着たいし?」

撫子「いや!? そんなことないよ」

撫子「というか私はそれ小さすぎるし」

花子「これ確か大人用のやつもあるって櫻子が言ってたし」

花子「取ってって言ってみるし」

撫子「いや、いいよいいよ。というか私は別に着たいわけじゃないし。というか櫻子にはできれば言ってほしく……」

タッタッタ

撫子「あ、花子」



櫻子「なんだぁ~。ねーちゃんも着たかったんだぁ」ニヤニヤ

撫子「いや、別にきたいなんていってない」

櫻子「いいよいいよ。素直になりなってー」ニヤニヤ

撫子「……(これだから櫻子には知られたくなかった)」

櫻子「いいよいいよ。私が取ってきてあげるから」ドヤァ

撫子「(うざい)」

花子「よかったし。撫子お姉ちゃん」

撫子「うん。ありがとうね。花子」


数日後

櫻子「ねーちゃん取ってきたぞー!!」

撫子「あ、本当に取ってきたんだ。忘れてると思った」

櫻子「まぁいいから着てみてきてみて」

撫子「とりあえず、ありがとう」

第380話 パジャマなでしこ 1 終わり

これは参考画像が必要ですなぁ

第381話 パジャマなでしこ 2

撫子「ほら、着たよ」

櫻子「おぉ~似合うじゃん」

花子「撫子お姉ちゃん可愛いし」

撫子「妹に可愛いって言われるなんて心外だ」

櫻子「あ、そうだ! 花子」コソコソ

花子「うん。うんわかったし」

撫子「??」


櫻子「じゃーん!」

花子「花子達も来てきたし」

撫子「パジャマパーティでもするの?」

櫻子「お母さん!」

大室母「あら、ホント珍しい。撫子がそういうの着るのって久しぶりね」

撫子「母さん!?」

大室母「じゃあ、撮るよ。はい、チーズ!」パシャ

撫子「ちょ。ちょっと!!」

鳥 牛 クマ
櫻 花  撫
子 子  子

撫子「なんてこった」

大室母「いい写真ね。10枚くらい印刷しよ」

撫子「そんなに印刷してどうすんの!!」

花子「花子はケータイの壁紙にするし」

櫻子「あ、私もそうしよ!」

撫子「……(まぁいっか)」


高校

藍「おはよー撫子」

撫子「おはよ」

ピロリーン

撫子「あれ? 櫻子からメール?」

藍「ん? 妹さんから?」

撫子「うん、なんだろ。画像付き?」

撫子「!! これは」カァ

美穂「やーん! 撫子がクマのパジャマ着てるー!! かわいいー」

めぐみ「あっ、ホントだ。撫子もこういうの着るんだ」ニマニマ

撫子「///」

藍「でも、妹さん達と凄い仲良さそう」

撫子「うん。それはそうだね」

第381話 パジャマなでしこ 2 終わり

 【このスレは無事に終了しました】

  よっこらしょ。
     ∧_∧  ミ _ ドスッ

     (    )┌─┴┴─┐
     /    つ. 終  了 |
    :/o   /´ .└─┬┬─┘
   (_(_) ;;、`;。;`| |

   
   【放置スレの撲滅にご協力ください】  
   
      これ以上書き込まれると

      過去ログ化の依頼が

      できなくなりますので

      書き込まないでください。


            SS速民一同

第382話 料理の失敗した日 1

花子「今日は櫻子の当番の日だし」

櫻子「あ、そうだった。カレーでいい?」

花子「レトルトはダメ出し」

櫻子「ちぇー、めんどくさいなー」


ピーンポーン

向日葵「櫻子ー。昨日貸したノートはもう写し終わったですの?」

櫻子「あ、やっべー。そういえばまだ返してなかった」

櫻子の部屋

櫻子「ええと、確かここにあるはず」

櫻子「あったー!」

向日葵「それは櫻子のノートじゃないですの」

櫻子「へへ、ノートを私のと移し替えておいたのさ」

向日葵「いや、うまくないですからね」

櫻子「それはそうと。はい」

グシャ

向日葵「もう、櫻子には貸しませんわ……」

櫻子「ええー、そんなひどい!」

花子「ひま姉可愛そうだし。ひどいのは櫻子だし」

櫻子「なに!? 花子!?」

向日葵「花子ちゃんは話がわかりますわ。櫻子サイテー」

花子「サイテー」

櫻子「ぐはっ。そこまで言わんでも」

向日葵「では、わたくしは帰りますわ」

花子「また来るし」

リビング

櫻子「くっそーイライラする!!」

花子「いや櫻子が悪いし」

櫻子「もうなんで私ばっか!! 私悪くないもん!」

花子「……ん、なんか変な臭いするし」

櫻子「あっ!」

キッチン

グツグツグツグツ。ボフッ

花子「またやったのかし……」

櫻子「……私悪くないもん!!」

花子「火の管理ぐらいきちんとしろし!!!」

第382話 料理の失敗した日 1 終わり

>>818
キャラスレ避難所の絵スレにあった櫻子のパジャマをこっそり着てドヤ顔する撫子とそれを見てしまった花子の絵を思い出した

第383話 料理の失敗した日 2

撫子「ただいま」

撫子「ん? 何この臭い」クンクン

キッチン

花子「なにやってるし。バカバカバカ」

櫻子「うぅ……」

撫子「あ、なるほど」

花子「あ、撫子お姉ちゃんおかえりなさいだし」

撫子「また。目離したりしてたか」

櫻子「ごめんなさい」

撫子「あら意外と素直」

花子「花子が叱ってたし」

撫子「なるほどね。まぁしょうがない。今日はお腹減ったし、もうご飯自体は炊けてるみたいだから私が手軽なものつくるよ」

櫻子「ありがとう」


撫子「冷蔵庫には、豚肉と玉ねぎとピーマンか」

撫子「野菜炒めぐらいかな?」

10分後

撫子「おまたせー」

櫻子「待ってました!」

花子「反省しろし」

撫子「まぁまぁ。もう料理してる途中に目離しちゃダメだよ。火使ってて危ないんだから」

櫻子「わかった」

「いただきまーす」

花子「美味しいし」

櫻子「うまい! やっぱりねーちゃんの料理だな!」

撫子「ただの野菜炒めなんだけどね」

櫻子「ごちそうさま!」

撫子「お粗末さま」

第383話 料理の失敗した日 2 終わり

第384話 なんだかいろんな人に会う日 1

電車

プシュー

美穂「それじゃーまた明日ー」

藍「うん、またねー」

撫子「また明日」

プシュー

西垣「ああ、ちょっと待ってくれ。乗りますのります」

撫子「あれ? 西垣先生」

西垣「おぉ、大室じゃないか」

藍「昔の先生?」

撫子「うん」

ガタンゴトンガタンゴトン

西垣「ほぉ、なるほど。大室は今受験勉強真っ盛りで大変なのか」

撫子「まぁ、高3の12月ですから。センターまで1月切っていますし」

西垣「今の時期は頑張って乗り切るしかないな! お友達もがんばれよ!」

藍「はい、ありがとうございます」

西垣「受験が終わったらうちの学校にくるといい、爆発でおもてなししてあげよう」

藍「ば、爆発!?」

撫子「いや、遠慮します」

西垣「まぁ遠慮せずにさ。ハッハッハ。おっとこの駅で降りないとな」

撫子「? そういえばどこに行くんですか?」

西垣「電気屋だよ電気屋」

撫子「ああ、なるほど」

西垣「じゃあまたな大室」

撫子「はい」

プシュー、ガタンゴトンガタンゴトン

藍「変わった先生だね」

撫子「うん」
まもなく~~、~~に止まります

藍「じゃあ、また明日ね」

撫子「うん、また明日」


京子「ふーあったけー」

結衣「早く閉める押せよ」

京子「お、そうだった。いつも電車乗らないからな」


撫子「(あれは、京子ちゃんと結衣ちゃんだ)」

京子「あ、大室さんのお姉さん!」

撫子「こんにちは」

結衣「こんにちは」

第384話 なんだかいろんな人に会う日 1 終わり

第385話 なんだかいろんな人に会う日 2

撫子「2人は今帰るところ?」

結衣「いえ、これからまだ行くところがあって」

京子「クリスマスパーティの買い出しでーす」

撫子「なるほど。クリスマスパーティか。あれ? でもさっきの駅から乗ってきたのは? 方向逆だけど」

結衣「ああ、乗り過ごしちゃって」

京子「全くー結衣が気が付かないからだぞー」

結衣「なんで私任せなんだ」

撫子「ふふ(なんだかこの2人は櫻子とひま子みたいで微笑ましい)」

京子「撫子さんは学校からの帰りですか?」

撫子「うん」

京子「高校生はやっぱり地元離れるのかー」

結衣「まぁみんな一緒にはいられないかもね」

京子「なんだか寂しいなー」

撫子「まぁ高校に入ればまた新たな出会いもあるからさ、それに近所に住んでるんだから会おうと思えばいつでも会えるって」

京子「それもそうですねーさすが、撫子さん! 人生経験豊富っすね」

撫子「そうでもないよ」

まもなくー△△町ー

結衣「あ、それではこの駅で私達は」

撫子「うん、じゃあまた」

京子「また遊びに行きます!」

撫子「いつでもおいでね」

京子「はい!」

プシュー

ガタンゴトン

撫子「(なんだか今日はいろんな人に会うな)」

撫子「(それにしても……いつまでも一緒にはいられない。か)」

撫子「(私にとっては後4ヶ月もないんだな。そう考えると)」

撫子「(まぁ大学に入ったら入ったで新しい人付き合いがあるんだろうけど。今の人付き合いも大切にしたいな)」

第385話 なんだかいろんな人に会う日 2 終わり

最新話見てきた
めぐしーとみさきち可愛すぎた

>>825 めぐしーのバイトの制服が可愛かったですね

第386話 なんだかいろんな人に会う日 3

次はー八森町ー八森町でございまーす

プシュー

コトコト

撫子「ん? あれは?」

あかり「寒いよぉ」フゥーフゥー

あかり「あ、おしるこある!」

あかり「110円かぁー。えっと、あかりは今100、10円! やったぁーちょうどある! きっと運命の神様が味方してくれたんだね!」

撫子「(1人でよくしゃべるなぁ~。おもしろいからもうちょっと見てよう)」

コインコイン

あかり「あれ? 60円しか入ってない……」

カシャ、カランカラン

あかり「って! これ100円じゃなくて50円だったぁー。折角買えると思ってたのにー」

撫子「ぷっふっふ」

あかり「!! だ、誰かいるの?」

撫子「私だよ。櫻子の姉」

あかり「あ、撫子お姉ちゃんだぁ」

撫子「あかりちゃん面白いね。いつもそうやって独り言言ってるの?」

あかり「ち、違うよぉ……今日はたまたまだよぉ」

撫子「そのおしるこ買ってあげよっか?」

あかり「え!? そんな悪いです?」

撫子「うん、いいよ。いつも櫻子と遊んでくれてるお礼だよ。それに面白いもの見させてもらったし」

あかり「それでも悪いです」

撫子「じゃあこうしよう。私も飲みたいから半分こ」

あかり「それなら」

撫子「よし」チャリンチャリン

ガコン

撫子「はい。お先にどうぞ」

あかり「先に撫子お姉ちゃんから」

撫子「全くあかりちゃんは強情だな。わかったよ」プシュ

ゴクッゴク

撫子「あっちっち」

あかり「大丈夫ですか!?」

撫子「ちょっといきよいよく飲み過ぎた。はい」

あかり「わぁーい」ゴクゴク

あかり「あ、あっふい!」

撫子「あははは」

あかり「撫子お姉ちゃんもさっき」

撫子「ははは、そうだったね」




あかり「美味しかったです!」

撫子「じゃあ、私はこっちだから。またね」

あかり「はい。また」

撫子「櫻子とそれとひま子とも仲良くしてね」

あかり「ひま子」

撫子「古谷向日葵」

あかり「ああ、いつも仲良しです」

撫子「そっか。よかった。じゃ」


撫子「それにしても今日はいろんな人にあう」

大室家

撫子「ただいまー」

向日葵「ギャースギャース」櫻子「ギャースギャース」

櫻子「あっ」向日葵「おかりなさいませ。お邪魔してます」

花子「おかえりだし」

撫子「そして、我が家ではいつもの顔がお出迎えか。いい日だ」


一方赤座家では

あかり「ただいまーお姉ちゃん」

第386話 なんだかいろんな人に会う日 3 終わり

一方赤座家では

あかり「ただいまーお姉ちゃん!」

あかね「おかえりあかり。寒かったでしょ? おしるこ温まってるわよ」

あかり「おしるこは、さっき飲んじゃったかなぁ」

あかね「!?(なにやら違うお姉ちゃんの匂いがするわ!)」

あかね「そ、そんな……お姉ちゃんの作ったおしるこは飲んでくれないのね……」

あかり「そ、そんなことないよぉ~。何倍も飲むよぉ~」

第386話 なんだかいろんな人に会う日 3 終わり

第387話 冬至

1年の内で最も昼が短く夜が長くなる日

花子「今日は冬至だし」

櫻子「とうじ?」

花子「中学生にもなって冬至も知らないのかし」

花子「もしかして夏至も知らないし?」

櫻子「あぁーゲシな知ってるよ! これだろ」ゲシゲシ

花子「痛い! 蹴るなし」

説明すること10分

櫻子「なんで秋分と春分の日は休みになるくせに冬至と夏至は休みじゃないだよ!」

花子「10分も説明して得た感想がそれかし……」

撫子「お彼岸と重なるから春分、秋分はお休みになるね。夏至と冬至は別に何もない体と思う」

撫子「でも特に夏至は暦を作る上で天文学的に昔は大事だったって聞いたことあるけど、花子は知ってる?」

花子「それは知らなかったし、今度調べて見るし」

櫻子「とーにーかーく! 何かお祭り気分を味わいたい!」

撫子「あるよ、冬至の日のお祭り」

櫻子「え!?」

お風呂

撫子「ほらね」

櫻子「ってこれタダのゆず湯じゃん!!」

撫子「風邪予防にいいよ」

第387話 冬至 終わり

第388話 メリークリスマス 1

花子「櫻子! とうとう明日だし!!」

櫻子「そうだ! 明日クリスマスイブだ! 花子ークリスマスイブはなーサンタさんがほしい

物を」

花子「お母さんとお父さんが新しいお人形くれるの楽しみだし!!」

櫻子「おぉう! 小2にしてサンタさんの真実を知った上に現金なやつだ」

花子「櫻子は何お願いしたし?」

櫻子「私は新しいゲーム。ねーちゃんは?」

撫子「金」

花子・櫻子「(もっと現金な人が居たー!!)」

撫子「そういえばクリスマスと言えば今年はツリーが出てないけどいいの?」

花子「あっ! 本当だ! ツリー出てないし!!」

櫻子「あー、そういえば忘れてた。早く出そう」

撫子「後2日しかないけどね」

櫻子「大丈夫大丈夫お正月になったらお餅でも飾ればいいんだし」

花子「お正月まで出しておく気かし」


櫻子「花子ーそのボールみたいなやつとって」

花子「ピカピカしてて面白いし」

花子「あっ! そういえば似合うものあるし! ちょっと待ってるし」

櫻子「?」


花子「サンタとトナカイのぬいぐるみだし」

撫子「ああ、それそこに花子が持ってたんだ。懐かしいな。私が小さいころはツリーの飾り箱の中に入ってたんだけど」

花子「? 花子は櫻子から貰ったし」

櫻子「あはは……そういえば私が飾り箱の中からパクッたやつだった」

撫子「まぁ櫻子も小さかったころだし。許そう」

第388話 メリークリスマス 1 終わり

第389話 メリークリスマス 2

櫻子「メリークリスマース!!」

花子「フライドチキン!」

楓「スライドポテトなの!!」

向日葵「わざわざ私達もお呼びしてくださってありがとうございます」

大室母「向日葵ちゃんと楓ちゃんも家族みたいなもんだから。今日はいっぱい食べていってね」

向日葵「はい。頂きます」

ガタ、ボタボタ

櫻子「あージュースこぼしちゃった」

向日葵「ちょっと櫻子、大丈夫ですの? ちょっとこれで拭きなさい」

櫻子「ありがとう向日葵」

大室母「あっはっは、なんだか櫻子と向日葵ちゃん夫婦みたいね」

向日葵「!?///」

櫻子「そっ、誰がこんなんと夫婦なんだ!!」

撫子「もう付き合っちゃえば?」

向日葵「撫子さんまで!!」



撫子「ごちそうさま」

向日葵「ごちそうさまです」

楓「ごちそうさまなの」

撫子「あ、そうだ。はいこれ向日葵と楓の分のプレゼント」

向日葵「え? わざわざありがとうございます」

楓「人形なの!」

花子「花子がもってるやつと色違いのやつだし!」

楓「花子お姉ちゃんとおそろいなの!」

櫻子「よっしゃー! じゃあ次はケーキだぁー!!」

こうして大室家のクリスマスの夜は更けていったとさ

第389話 メリークリスマス 2 終わり

第390話 れずきち

みさき「あっ花子ちょっと待ちなさい!」


みさき「花子より出来るもん!」


みさき「花子!」


そんなある日

「ねぇ。高崎さんって大室さんのこと好きなの?」

みさき「え?」

「だっていつも花子花子って」

みさき「そ、そんなことないわよ」

「あ、動揺してるやっぱり好きなんだ」

「女の子同士が好きっていうのってなんて言うんだっけ」

「レズだったかな」

「じゃあレズきちだ」

「レズきちーレズきちー」

「レズきちーレズきちー」

みさき「ななななああああ!! 違う違う!! みさきは花子のことなんかすきじゃないんだからね!」バン

花子「おっとっと、大丈夫?」

「あ、大室さん高崎さんが言いたいことあるって」

みさき「は、花子!!」

花子「?」

みさき「花子……」

「ヒューヒュー」

花子「どうしたし?」

みさき「やっぱり嫌い!!」ダッ

花子「ちょっとみさきち!!」

「あーあつまないなー」

「やっぱり好きじゃなかったのかな」

「いやいやあれは高崎さんが素直じゃないだけだよ」

花子「??」

その後

未来「あ。レズきちだー」

こころ「レズきちー」

みさき「ちょっと何で広まってるのよ」

1週間程度みさきちはレズきちと呼ばれるようになった

第390話 れずきち 終わり

第391話 終業式 2学期

キーンコーンカーンコーン

先生「それでは受験に向けてのラストスパート、みんな頑張ってください」

日直「起立! 礼!」


藍「はぁもう2学期も終わりかぁ」

撫子「凄い早いわ」

めぐみ「私達ももう後3ヶ月したらバラバラになるんだね」

撫子「その前に受験がうまく行けばね」

美穂「あは! みんななかよく浪人でもする?」

めぐみ「ちょっと冗談にならないからやめてよ」

美穂「撫子は名古屋だっけ?」

撫子「うん。妹たちの学費もあるから国公立じゃないと」

藍「名古屋かぁ」

めぐみ「遠いなぁ」

美穂「えーなにー? 2人共通い妻でもするつもりなのー?」

めぐみ「ち、ちがうよ!」

藍「そ、そうだよ! 違うって!!」

撫子「まぁまぁ。長期休みにはこっちに帰ってくるからさ」

美穂「約束する?」

撫子「うん、っていうかなんで受かってる前提で話してるんだ。これからが本番だ」

藍「うん」

めぐみ「そうだね。これからだ!」

こうして園川めぐみは浪人することになった……完

めぐみ「ちょっとおかしいでしょ! なんで私だけ!? しかも完ってなに!?」

第391話 終業式 2学期 終わり

第392話 大掃除 1

櫻子「ふんふんふーん」パクッムシャムシャ

撫子「櫻子、掃除しろって母さんが」

櫻子「えぇーやだよ~」ブーブー

撫子「大掃除だから」

櫻子「ヤダ! めんどくさい!! 小掃除でいいじゃん!!」

撫子「小掃除って……まぁいつもきちんと掃除してれば小掃除で良かったかもね」

櫻子「ねーちゃんは掃除したのかよ」

撫子「私はもう終わった」

櫻子「花子は!?」

花子「もう終わったし」

撫子「ていうか人は関係ないでしょ」

花子「そうだし。櫻子は日頃から掃除しなさすぎだし」

櫻子「なんか責められてる感じ」

撫子「感じじゃなくて実際に責めてんだよ。グダグダ言ってないで早く掃除しろ」

櫻子「ちぇーなんだよその言い方は大体私が掃除しなくても誰も迷惑しないだろ!!」

撫子「いやするから……」

花子「はぁ……」

櫻子「なんでだよ!!!」

撫子「だってここ。リビングだし」

花子「みんなが使うとこ汚しすぎだし」

櫻子「ぐはっ! そうでした……」

撫子「私も手伝うからさっさと掃除しな。それと自分の部屋もね」

櫻子「面倒だー」

第392話 大掃除 1 終わり

第393話 大掃除 2

櫻子「よし! やるぞー!!」

向日葵「なんでわたくしが呼ばれたんですの……」

撫子「やる気になったと思ったら……いつの間にひま子まで呼んだのか……」

櫻子「ほれ、向日葵働け!」

向日葵「……」

撫子「……」バシッ

櫻子「痛」

撫子「ひま子、櫻子にスパルタ教育をしよう」

向日葵「賛成ですわ」

櫻子「げ……」


撫子「ほら、掃除機かけるときは床のものをどかす!!」ピシィ

櫻子「うぅ……」


向日葵「こら櫻子!! 隅の方まで掃除機かけるんですわよ」パシィ

櫻子「ひぃ!!」


櫻子「こ、これでいいでしょうか……」ビクビク

向日葵「まぁこれでいいでしょう。あら、カーテンのレースに」スー

向日葵「ホコリがついてますわよ」ギロリ

櫻子「ひぃ!!」

向日葵「ま、ここまではやらなくてもいいでしょう」

櫻子「やったー!! 終わりだぁ!!」

ガシッ

櫻子「げ」

撫子「さぁ次は自分の部屋だ」ギロリ

櫻子「……はい」


花子「初めて櫻子のこと不憫に思ったし」

第393話 大掃除 2 終わり

第394話 年越しそば

グツグツグツグツ

櫻子「……(まだかなーまだかなー)」

ピピピッ

櫻子「今だ!」

ザシュー、ボコンボコン

櫻子「うぉ!! 流しが悲鳴を上げた!!」

ボタンボタン、ベチャ

櫻子「あ……やっちまった……」

花子「櫻子ー。年越しそばは茹で終わったし?」

櫻子「ゆ、茹で終わったよ~」

櫻子「さて、そばを流しにこぼしてしまった……どうするべきか……」

櫻子「じゃない!! 花子に見つかる前に戻さなきゃ!!」

ガシ

櫻子「あっつー!!!!」

花子「大丈夫だし!?」タッタッタ

櫻子「あっ……」

花子「あ……」

櫻子「いや、これはホラ、流しそば……花子「大丈夫だし!? やけどしてないし!?」」

櫻子「お、おう大丈夫大丈夫……(怒られなかった)」

花子「早く冷やすし」

ジャー

櫻子「花子……ごめん。年越しそば失敗しちゃった」

花子「大丈夫だし……それよりもやけどしてないし?」

櫻子「少し」

花子「花子がついてあげていればよかったし。やっぱり櫻子は花子が見てないと危なかっしいし」

櫻子「ごめんよ花子」


撫子「……(うん、よきかな)」

櫻子「そばどうしよう」

撫子「私が茹でるよ」


撫子「はいよ」

櫻子「おぉーさすがねーちゃん!!」

櫻子「うまい!!」

花子「美味しいし!」

ごぉーん!

櫻子「おぉ! 除夜の鐘がなってる!!」

花子「31日は12時まで起きていられる特別な日だし」

第394話 年越しそば 終わり

よきかな

第395話 雪合戦 1

こころ「はい、おみあげー雪ー」

花子「なんで雪持ってきてるし!?」

花子「ぬれるから外で外で」

櫻子「おっ! 雪合戦か?」

未来「今日は吹雪いてないから雪合戦できるねー」

みさき「花子には負けないわよ!!」

こころ「よーしじゃあ外にでようよー」

櫻子「おし!!」


櫻子「とりゃー!! とりゃー!! とりゃー!! 櫻子様の3連続攻撃だぁー!!!」バシュ

みさき「うっ!!」

未来「きゃっ!」

こころ「わぁー!!」

花子「……」

みさき「花子のお姉ちゃん強い!!」

未来「これは共同戦線を組む必要あるね」

こころ「いけー未来ー!! みさきちー!!」ビシ

みさき「みさきちのスーパーボールで」

シュッ

櫻子「甘い!!」バッ

バシュ

花子「……」

みさき「あ、花子……ごめ。ってそんなところにいる花子が悪いのよ!!」

花子「なんだし!!」バシ

こころ「あっ!!」バコ

こころ「酷いよ~ 花子様ー!!」

未来「花子様が裏返った!!」

こころ「敵は大室家にあり~!!」

櫻子「花子! タッグ組むぞ!」

花子「しょうがないし! 不本意だけど!!」

第395話 雪合戦 1 終わり

第396話 雪合戦 2

櫻子「花子、後ろは任せた!」

花子「わかったし」

みさき「なに! みさきの攻撃を既に察知して!?」

みさき「喰らえ!!」バシ

花子「ふっ」キャッチ

みさき「なに!? キャッチなんてズルいわ!!」

花子「別にそんなルール無いし。」ゴシゴシ

みさき「そ、そんなさらに雪を固めるなんて」

花子「えい!!」

バシ

みさき「きゃあ!!」

花子「……やったし?」

こころ「みさきちの敵!! えい!!」

花子「!?」バシ

花子「当たっちゃったし……」


櫻子「ふふふ、未来。中学生の力を見せてやる」

未来「(こころちゃんはみさきちの護衛に行っちゃったし、ここは私が何とかするしか無い)」

シュッ

未来「こっちだよ!!」

櫻子「あ、逃げるなんて卑怯だ!!」ダッ

未来「(このままだとおいつかれちゃう)」

未来「(あ、あの岩陰に隠れられる!)」サッ

櫻子「隠れても無駄だぞー」シュッシュ

未来「(岩陰に隠れたのはいいけどこれじゃあ顔が出せない! 櫻子お姉ちゃんがどっちから来るかわからないよ)」

櫻子「とりゃー」タッタッタ

未来「(走ってくる! もうどっちかにかけるしか!)」

櫻子「どっちから顔出すかなー? 右かなー? 左かなー?」

未来「(ダメだ! どっちから出て行ってもきっと狙い撃ちされる!)」

櫻子「出てくるまで待ってるぞー」

未来「(あ! もしかしたら出て行かなくても櫻子お姉ちゃんに雪を当てることできるかも!!)」


第396話 雪合戦 2 終わり

あけおめ

第397話 雪合戦 3

未来「(この上の木、そういえば櫻子お姉ちゃんのいる辺りまで枝が伸びてるはず)」

未来「(一か八か!)えい!」

櫻子「!?」

ザバザバザバー

櫻子「わ!!」

未来「そー」チラ

櫻子「何だこの雪はー!!」

未来「やった成功だ! えい! えい!」バシッバシ

櫻子「ギブ! ギブだよ未来!!」

未来「わーい! 勝ったー!!」

櫻子「くぅー。まさか木の上にたまった雪を落とすなんてなぁー。花子、負けちゃったよ」

花子「花子も負けたし」

みさき「ふふーん。やったわ」

未来「今回は私達の勝ちね!!」

こころ「やったー花子様達に勝ったー」

櫻子「クソ! 次回は負けないからな!!」

こころ「チーム大室家ここに敗北」

花子「悔しいし」

撫子「(あれ……なんだかいつの間にかそういう戦いになってたんだ)」

撫子「おーい、家に入ってストーブで手袋とか乾かしなーお茶入れるから」

一同「わーい!!」

第397話 雪合戦 3 終わり

新年最初のなでかのの相手
>>844

藍で!

第398話 藍編 1

ピーンポーン

朝のチャイムがなる。今日はすごく晴れやかな気分だ。
なぜなら久しぶりに藍とデートすることになっているから。

櫻子「ん? 誰か来たぞー」

撫子「あ、いいよ、私が出るから」

ガチャ

藍「おはよ撫子! 来たよ」

玄関を開けると元気そうに藍の明るい声が聞こえた。
真っ白なコートに茶色い手袋とマフラーそして赤いニット帽をかぶっている。
寒い朝の道をわざわざ家まで来てもらったことを考えると最初から待ち合わせ場所を駅前にしておけばよかったと後悔する。

撫子「おはよ藍。じゃあ櫻子私ちょっと出かけてくるからお留守番よろしく」

櫻子「ほーい」

バタン

そういって呑気な妹を後に家を出る。たぶん櫻子には私達の関係はバレていないはずだ。


北陸では珍しく本日は晴れた休日だ。昨日まで降り積もった雪で一面真っ白な屋根や田んぼに朝の太陽の光が反射して眩しい。

藍「ふぅー。いい天気だね! どこいく?」

撫子「折角勉強せずに2人とも朝から休みの日にしたんだから電車に乗ってどこか遠くまで行く?」

いつも見慣れていてうんざりする雪景色だけど今日は日頃の受験勉強からの開放感と久しぶりの藍とのデートとのこともあり、どこかいつもと違って綺麗に見える。
電車から流れる雪景色を見るのもよいと思い藍に提案する。

藍「うん。いいよ」

藍は微笑みながら了承してくれた。

撫子「それにしてもごめんね。家まで来るの寒かったでしょ?」

藍「そうだよー寒かったんだからね! 撫子温めてよ」

撫子「わかったよ。じゃあ手繋ごうか?」

藍「うん! あ、そうだいいもの持ってきたんだ」

なんだろうと思っていると藍は手袋を出してきた。

撫子「手袋?」

藍「うん、でもタダの手袋じゃないんだよ。ほら」

撫子「ふふ。いいね」

どうやら、手と手を中でつなげる恋人仕様の手袋みたいだ。
藍は2人きりだと結構大胆なことをしてくる。

撫子「はい」

藍「うん、暖かいね撫子の手」

藍と手をつなぎながら今日の予定を考えつつ雪の積もった道を駅まで歩いていく。

第398話 藍編 1 終わり

乙。濃厚なはなみさお願いします

>>846 花子とみさきちですか?わかりました。これが終わったらやります。

第399話 藍編 2

ガタンゴトン。ガタンゴトン。
白銀の雪景色の中を電車が駆け抜ける。
少し離れた公園に行くためいつもとは別方向の電車に乗っている。
建物がどんどん少なくなり真っ白な田んぼと山とのどかになってきた。

藍「綺麗だねー。さすが特別な日」

撫子「? 特別な日? まぁ今日は珍しく晴れたからね」

藍「……バカ」

どういうことだろう……何かあったのだろうかと思う。

撫子「え? なに? ちょっとおしえてよ」

藍「おしえてあげない。撫子が思い出すまで」

撫子「うーん。考える」

藍「もう思い出すまで口聞いてあげないー」

ぷくぅ~と藍の頬が膨れてすねてしまった。

撫子「え……」

10分後

10分間……10分間も経ってしまったか。

撫子「うーん……」

10分間も考えてもわからない。降りる駅は次に迫っている。

撫子「ごめんわからない」

藍「もうー!! なんでわからないの!! 今日は! 私達の!! 付き合った日!! そのために空けてくれてたんじゃないの! 撫子のバカ!!!」

藍は顔を赤くしながら怒りながら照れる。

撫子「あ、そうだった。ごめんよ。なにかおごるから機嫌直して」

藍「全く! 恋人との記念日を忘れるとは! 撫子はどこの鈍感主人公なの。後で雪見大福おごってね」

こんな寒い日にアイスを食べるのかと思う。

プシュー

電車は目的地の駅についた。

撫子「藍ついたよ。降りよう」

そう言って、私達は地元から少し離れた駅でおりる。

第399話 藍編 2 終わり

三人のうち誰とでも違和感がないのがなでかの妄想のいいところ

第400話 藍編 3

目的地とは海のそばにある公園だ。
藍に山と海どちらを見たいと聞いたところ山と答えたので海にした。

藍「撫子は海が見たかったの? 冬の海なんか見ても面白くないよ」

撫子「まぁ冬の海もいいもんだよ。実は冬に海に来ることってあまりないでしょ?」

藍「まぁそれはそうだけどさ」

そう言いつつ私と藍は海岸へとでる。

ザザーン……ザザーン……

冬の日本海は穏やかとはいえない。しかし、そこには雄大な自然の姿があると私は思う。

藍「本当だ。すごい……雪景色とはまた違う凄さ」

撫子「藍、あっちを見てごらん」

そう言って、対岸を指さす。実は今日晴れていたから藍が山といったときにここを選んだ

のだ。

藍「えぇ! 凄い!! 海越しに山が見える!!」

富山湾は湾になっているため西側の岸から東側の景色が見えるのだ。
それも北アルプスの立山連峰が

撫子「どう? 海越しから見る山々も綺麗でしょ?」

藍「うん。すごい素敵……」

撫子「それによく見てご覧」

それにもう1つここを選んだ理由がある。

藍「あ、蜃気楼だ! 蜃気楼が見えるよ」

撫子「ふふふ」

藍「まさか撫子、これを見せたくて?」

撫子「さぁ。どうだろうね」

藍「……ありがとう撫子……やっぱり私は撫子のこと……好き……」

そう言いながら藍が寄り添ってきた。私はそれに答えるように藍に寄り添って

撫子「私も好きだよ。藍」

と言った。
今日が天気で本当によかったと思った。

第400話 藍編 3 終わり

第401話 藍編 4

帰りに神社によることにした。
そういえば初詣もしてなかったしちょうどいいと思った。

藍「人がまばらだね」

撫子「もう初詣も終わってるからね。ま、私はこれが初詣になるけど」

藍「私も正月は勉強漬けだった」

正月は結構のんびりしてたなんて言えない……

チャリーン、ガラガラガラ

賽銭を入れ鈴を鳴らす。
私は神様に藍が志望校に入れるように祈った。

藍「撫子はなんてお願いしたの?」

撫子「こういうのは口に出したら叶わなくなっちゃうんだって。だから言わない」

藍「そうなんだ。じゃあ私も言わない。これは言っちゃいけないわ」

なんだろう……藍の願い事が凄い気になる。
だけど、言わせるわけにもいかないのでこれ以上聞かなかった。

藍「ねぇ撫子。折角だしお守り買ってこ?」

撫子「うん」

私も藍も学業成就のお守りを買った。

藍「はい。撫子」

撫子「え?」

藍「交換しよ?」

撫子「お守りあげるっていうのは、自分の運を人に懸けるって聞いたことがあるけど」

藍「じゃあ尚更私のお守りは撫子にあげないと」

撫子「え? でもそれじゃあ」

藍「いいの。もらって」

撫子「仕方ないな。じゃあ藍も私のお守りもらってね」

藍「え?」

撫子「最初に交換って言ってたじゃん」

藍「そっか。そうだね。うん、私も頑張るよ」

撫子「そうそう」

こうして私達は自分の運を自分の恋人に託した。

第401話 藍編 4 終わり

第402話 藍編 5

それから私達は受験まで猛勉強を続けた。
センター試験が終わって撫子がN大の合格判定がAだったことを伝えてくれた時は本当にうれしかったなぁ。
私は完全な文系なので撫子と同じ大学には行けない。
京都の私大を受けた。撫子も一緒に受けてくれたのはうれしかったけど、やっぱり撫子には志望校に行ってほしい。撫子には撫子の人生があるんだから
なに、名古屋と京都、新幹線で1時間の距離だ。そんなに離れているわけじゃない。

明日はその撫子の試験の日だ。
国公立の試験は私大よりも遅い。もう私大に受かった人たちは勉強をやめている。
その中で今日まで頑張ってきたのはすごいと思う。

藍「じゃあ撫子。がんばって絶対受かってね!」

撫子「うん。行ってくる」

始発で出ても間に合わない距離であるため現地で一泊するらしい。

藍「ねぇ、やっぱり私もついていこうか?」

撫子「いや、いいよ。交通費と宿泊費がもったいないし、藍がいると勉強に集中できない」

笑いながら撫子はそんなことを言う。

藍「なにそれー。邪魔者扱いー?」

撫子「ふふふ、藍は怒ると頬が膨れて赤くなるからわかりやすい」

藍「なっ/// またからかって! もう応援してあげないよ」

撫子「はいはい。じゃあ行ってきます」

藍「いってらっしゃい」

後は撫子が頑張るしか無い。でも大丈夫、私のあげたお守りがあるんだから絶対受かるよ撫子。

第402話 藍編 5 終わり

第403話 藍編 6

帰ってきた撫子は少し自信がなさそうだった。

藍「どうだった?」

撫子「うーん、どうかなぁ……仮に落ちたとしても藍と離れることにはならないから私はいいけど」

藍「そんな、落ちるなんて悲しいこと言わないでよ」

今までは私は受験で手一杯だったけど、今になって気づいた。
撫子は受験中ずっと私のことを気にかけていた。
私は自分で言うのもあれだけどかなり寂しがり屋だ。
撫子は優しいから私から出来るだけ離れないようにと気を使って一緒の大学を受けたりしていたんだろう。
よく考えたら撫子の偏差値なら私大でももっと高いところを目指せたのに、
私が撫子の足を引っ張っているような気すらする。

撫子「よし! これからは私も暇だから今まで遊べなかった分遊ぼう。デートもしよう。映画も見に行こう。それから……」

藍「撫子は不安じゃないの?」

撫子「うーん、もう誰にも何も出来ないからなぁ。後は神のみぞ知る……だよ」

神のみぞ知る……神……私は1月に神社でお願いしたことを思い出した。
私の願いは

「撫子といつまでも一緒にいること」


藍「ごめん! 私行かなきゃいけないとこがある!!」

撫子「え!? ちょっと藍!? どうしたの?」


神社に来た。あの海の近くの神社だ。今日は蜃気楼は見えなかった。

藍「神様! お願いです!! 私が1月にしたお願いごとを取り消してください!!」

ガランガラン

強引に鈴を鳴らす。鈴は鈍い音を出しながら鳴く。
それからほぼ毎日その神社に通い続けた。蜃気楼はもう見えなくなっていた。

第403話 藍編 6 終わり

第404話 藍編 7

ガランガラン。鈍い音がする。この音を聞くのはもう何回目だろう。

藍「お願いします。神様、私と離れ離れになってもいいんで撫子を名大に合格させてください!」

何回この言葉を口に出しただろう……わからない。

「その願い事は叶わないよ」

藍「撫子!?」

撫子「今日が合格発表日だってことも忘れてたの?」

藍「知ってた。でも怖くて……やっぱりダメだったんだ……」

撫子「うん。名大には合格しなかった」

藍「ごめんなさい……私が撫子と一緒に居たがったから……ごめんなさい」

撫子「バカ! 藍は私のことを何もわかってない!!」

撫子「藍、はい。ちゃんと見て」

冷たい口調でそう言って撫子は受験票とスマートフォンの合格者受験番号を渡してくる。
私のせいで落ちたと怒っているのだろうか? 私はでもこれを見なくちゃいけない。撫子への償いとして

藍「……」

藍「……え……」

私は驚愕した。撫子の番号が合格者番号にある。

藍「撫子……合格してるじゃん」

撫子が見間違えてただけ? 本当に番号はある。一気に嬉しさがこみ上げてくる。

撫子「でも名古屋大学には合格しなかったよ。よく見て」

藍「?」

どういうことだろうと思って大学名を見る。

受験票にかかれていた大学は

京都大学 経済学部

京都大学? なんで京都にある大学の名前が書いてあるの?

撫子「藍には秘密で京都大学受けてたんだ。C判定だったから無理かなと思ったんだけどね」

藍「?? 何言ってるの??」

離れ離れ。名大には受かってない。京都大学。混乱していて頭が回らない。

撫子「つまり、大学に言っても藍と同じところに住めるってこと。一緒に住む?」

藍「えぇええええええええ!!」

藍「撫子のバカ! バカバカバカバカ!!!」

ようやく頭が回り始める。撫子は私に秘密で京都大学を受けていた。

藍「なんで私に秘密で!!」

撫子「藍を驚かせたくて」

藍「ほんとだよ!! びっくりだよ!!」

撫子「あはは」

しばらく嬉し泣きか驚き泣きをしていると撫子は海へ行こうと言い始めた。
1月以来2ヶ月ぶりに撫子と海岸へ出る。
今日は穏やかに晴れていて立山連峰がくっきりと見える。

藍「今日も蜃気楼見えないね」

撫子「いや、よく目を凝らしてごらん」

藍「あ、薄っすらと見える」

撫子「蜃気楼は晴れた日、地表と空中の温度差で光の屈折によって起こる現象。でもその変化はすごく小さいから遠くの景色が僅かに変化するだけ。だから地平線が見えるような平地、または海岸付近に行かないと見れない」

藍「そっかぁ。なるほど私は今までそこまで意識してなかった」

撫子「つまりよく蜃気楼を見るには蜃気楼のことを知る必要があるってことだね」

撫子「それと藍、嘘でも離れ離れになってもいいとかバカなこと言わないで」

私は撫子のことを、自分の恋人のことをよくわかっていなかったのかもしれない。
撫子は私のために京都の大学を選んだんじゃない。私と離れたくなかったから京都の大学を選んだんだ。

藍「撫子、でも私達いずれは離れ離れになるときが来るよ?」

撫子「うん。でもそれはその時に考えればいい。今じゃなくてもいい」

藍「そうだね」

その後しばらく海岸線に座り私達は富山湾の向こう側に浮かぶ蜃気楼と立山連峰を見ていた。

第404話 藍編 7 終わり

以上で藍編は終わりです

藍撫はいいな……

藍撫が一瞬愛撫に見えてしまった

藍さんはもちろんめぐしーや美穂様と絡ませてもいい味の出るなでしこマジ万能

第405話 くすぐりブーム 1

今小学校ではくすぐりブームが広まってる

コチョコチョ

未来「きゃ!」

こころ「未来隙ありー!」

コチョコチョコチョコチョ

未来「ひゃひゃひゃひゃ。ちょっとやめて! ひゃ! こころちゃん!」

こころ「ほらほら~もっともっとー」

コチョコチョ

未来「ひぃー。くすぐったいよ!! もぅー!! あひゃひゃ」


みさき「……」

みさき「そうだわ! 花子に私が勝つ方法思いついたわ!」

みさき「くすぐって笑わせれて降参させるのよ!!」

みさき「打倒花子!!」

未来「ひぃーこころちゃんのくすぐりには堪えたよー」

みさき「あ、みらいちょっと来なさい」

未来「えー」



花子「……」

みさき「」ジー

花子「……(みさきちの視線を感じるし……)」

みさき「」ソゥー

花子「なんだし?」

みさき「!?(気づかれてたのね!)」

みさき「な、なんでもないわよ! 本でも読んでなさいよ!」

花子「……」

みさき「……」ソー

花子「だからなんだし!」

みさき「だからなんでもないわよ!(さすが花子、正攻法じゃ行かないわね)」

花子「……」

みさき「こうなったら力技! えい」ガシ

花子「な、何するし!!」

みさき「今よ未来!」

みさき「って居ない!?」

第405話 くすぐりブーム 1 終わり

第406話 くすぐりブーム 2

花子「離せし!!」バタバタ

しかし、みさきちは椅子に座っている花子を後ろから腕ごと抑えこむ形でがっしりと腕を回して抱きついているため花子は逃れられない。

みさき「離さないわよ!」

花子「何がしたいんだし!!」

みさき「言うことを聞きなさい」

逃れられないことを知った花子はしぶしぶみさきちの条件を聞く。

花子「……わかったし、何をすればいいんだし」

みさき「そうね。とりあえず、みさき様と呼びなさい」

花子「……み、みさき様」

みさき「……むふふ(な、なにこれ気持ちいいー!!)」

花子「速く離せし」

みさき「なっ。言い方が違うんじゃないの!」

花子「みさき様離してくださいませ」

みさき「(やったわ! 花子が……あの花子がみさきに屈服したわ!)」

みさき「ダメよ。離したらそのしゃべり方やめるでしょ」

もはやくすぐることなど忘れて己の征服欲を満たすみさきち。

花子「やめないので離してくださいませみさき様」

みさき「信用ならないわ。それにこの状態ならその話し方やめないし。一生このままよ」

花子「みさき様は花子より頭が良くて運動が出来て身長が高くてすごいです」

みさき「むふふ。わかってるじゃない!」

花子「そんなみさき様の両手をいつまでも塞がせるなど、とんでもない限りです。これからは自分で塞ぎますので、どうかお手を休めてくださいませ」

みさき「そうね。確かに花子のために両手を塞ぐなんてみさきがやることじゃないわ」

そう言ってみさきは手を離す。

花子「かかったし」ガタ

花子は椅子から思い切り立ち上がりみさきちを押し倒す。

みさき「なっ!!」

みさきちは突然の事態に対応できない。

花子「良くも花子の読書の時間を邪魔してくれたし」

みさき「ご、ごめんなさい……」

第406話 くすぐりブーム 2 終わり

乙ー

第407話 くすぐりブーム 3

花子「そういえば、結局みさきちは何しに来たんだし」

みさき「べ、別になんでもないわよ!!」

未来「みさきちは花子様のことくすぐりに来たんだよ」

みさき「未来! ていうかいつからそこに居たのよ!」

花子「なんだかよくわからないけど、仕返しの方法は決まったし」

みさき「え? ちょっと、な、なにするのよ!!」

花子「みさきちが花子にしようとしたことと同じことだし」

コチョコチョコチョコチョ

みさき「ちょっやめっ……ひゃ……やめっ」

花子「ダメだし」

みさき「や、やめなさいよ。ん、だ、ダメ……」

花子「みさきち実はくすぐりにかなり弱いのかし」

みさき「そ、そんなこと……ないっ!」

花子「じゃあこれはどうかし?」

コチョコチョ

みさき「あっ! 脇はダメよ!!」

みさき「い、イヤぁ!!」

みさき「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

花子「(勝ったし……)」

花子「もう懲りたら花子の読書の邪魔をするんじゃないし」

みさき「ふ、ふぅーくすぐったかったぁ……」

みさき「う、うるさいわね!! いつか仕返ししてやるから覚えてなさい!!」

ダッダッダッダ

未来「相変わらずだね。みさきちは」

花子「だし」

こころ「みーらーい」

コチョコチョ

未来「ひゃ! もうこころちゃんー!!」

花子「(くすぐり……流行ってるのかし……)」

第407話 くすぐりブーム 3 終わり

これは……花みさ!

第408話 花子Trick

みさき「(花子に勝つ方法思いついたわ! 押し倒してキスすればいいのよ!!)」

~中略~

花子「みさきち。離せし」バタバタ

みさき「ダメよ! 離さないわ!」

~中略~

花子「よくも花子の読書の時間を邪魔してくれたし」

みさき「ご……ごめんなさい」

花子「みさきちは何しに来たんだし?」

未来「花子様に勝つために花子様にキスするって言ってたよ」

花子「なるほど、じゃあみさきちがしようとしたことと同じことをするし」

みさき「な! や、やめなさいよ!!///」

花子「動くなし」

ちゅっ

みさき「(唇と唇!? みさき、今花子にキスされてる……)」

ちゅっちゅっちゅっ

みさき「ちょっ/// 連続でしすぎよ!!!///」

花子「はぁはぁ。これでわかったかし。もう、花子の読書の邪魔……するなし」

みさき「う。うん……///」

第408話 花子Trick 終わり

第409話 櫻Trick

櫻子「向日葵ー遊びに来たぞー」

櫻子「ん? 向日葵ー居ないのー?」

櫻子「ん? なんだこの宅配便、向日葵宛に来てる」

櫻子「どうせ居ないし開けておいてあげよう」

桜Trick

櫻子「漫画?」ペラペラ

櫻子「なっ///なんだこれは/// 向日葵ってこういうの好きなのかよ///」


向日葵「ただいまですわ……って櫻子!! それは見ちゃダメ!!」

パタン、バッ

櫻子「ひ、向日葵……」ドキドキ

向日葵「な、なんですの……///」

櫻子「そ、その漫画」

向日葵「見たんですわね」

櫻子「うん……」

櫻子「わ、私とも……そういうことしたいって思うの?」

向日葵「……はい///」



向日葵「櫻子! 櫻子!!」チュパチュパ

櫻子「向日葵! ちょっと激しすぎるって」

向日葵「櫻子、気持ちいいですわ! 櫻子!」チュパチュパ

櫻子「そ、そんなキスするなって! んっ」

向日葵「あぁ! 櫻子の舌、甘くて蕩けそうですわ んっ」

櫻子「そ、そんなことないよぉ……ん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

向日葵「はぁはぁ」

向日葵「んっ。櫻子……」


楓「……(またお姉ちゃん1人で櫻子お姉ちゃんの名前呼んでる……)」

第409話 櫻Trick 終わり

第410話 撫Trick

美穂「めぐみ。ほら、暴れないの」

めぐみ「み、美穂……ま、不味いって! 撫子たちきちゃう」

美穂「んー? 撫子と藍に見られるの嫌なのかな~?」

めぐみ「そ、そりゃまずいでしょ!」

美穂「じゃあ、ギリギリまで攻めよ」

ちゅっ

めぐみ「み、美穂……」


藍「……」カァ

撫子「へぇ……美穂とめぐみがねぇ……」

藍「わ、私達はそっと逃げよ?」

ちゅっ

藍「ちょ、ちょっと撫子!? 何やってんのこんなところで!?」アタフタ

撫子「ふふふ、美穂とめぐみがしてるのを見て、ついね」

藍「ついじゃすまないでしょ!!」

撫子「じゃあ藍の唇美味しそうだったから」

藍「そ、そんなこと……」モジモジ

藍「もう行こうよぉー」

撫子「じゃあ藍からキスして」

藍「も~!! しょ、しょうがないなぁ~」

ちゅっ

撫子「もっと」

藍「……んっ」

ちゅっ、ちゅっ

撫子「んっ、もっともっと」

ちゅっちゅっちゅ~~~

藍「ぷはっ……こ、これでいい?」

撫子「うん、いいよ。じゃあもうちょっとだけ見ていく」

藍「そ、そんなぁー行くって言ったじゃん~!」

撫子「私は藍からキスしてとしか言ってないよ」

藍「んー!!」

二組はそれぞれ幸せなキスをして終了

第410話 撫Trick 終わり

いい
すごくいい

乙です

優ちゃんは結構櫻子に似てる気がします

第411話 櫻モコモ子 1

今日はちなつちゃんの家に来た。

櫻子「ちなつちゃん、遊びに来たぞー!」

ガララッ

ともこ「あら?」

櫻子「ちなつちゃん!? おっきくなってる!!」

ともこ「ちなつちゃんのお友達? 私は姉のともこよ」

ちなつ「櫻子ちゃん、私はこっち」

櫻子「そっかぁびっくりしたー、お邪魔します! 大室櫻子です!」

ともこ「いらっしゃい。遊びに来てくれてありがとう櫻子ちゃん」

ちなつ「それにしても私とお姉ちゃん間違えるかなぁ」

ともこ「そうね。そこまで似てるわけではないと思うけど」

櫻子「いや、髪質がそっくりだなぁと思って」

もふもふ、もこもこ

ともこ「確かに、髪質は似てるかもしれないわね」

ちなつ「姉妹だからね」

櫻子「いやー、私はねーちゃん達と似てないんだよね~」

ちなつ「そういえば櫻子ちゃんのお姉さんと妹さんはストレートだったね」

ともこ「確かに、櫻子ちゃんはウェーブがかかってるわね」

櫻子「そうなんですよ! そのせいで家でバカにされてて」

ともこ「まぁ! それは大変! こんな可愛い子なのに」

櫻子「分かってくれて嬉しいですー!!」

ちなつ「(バカにされてる理由は違うと思う……)」

櫻子「ともこさんとちなつちゃんは仲いいですねー」

ともこ「そうかしら? だってさちなつ。うふふよかったわね」

ちなつ「うん、ありがとう」

櫻子「私も髪もふもふしてますし、ともこさんの妹にさせてください!」

ともこ「なっていく?」

櫻子「はい!」

ともこ「じゃあ、今日一日私の妹ね」

ちなつ「あ、櫻子ちゃん。そういえばあかりちゃ」

櫻子「はい! よろしくお願いします!!」

第411話 櫻モコモ子 1 終わり

これはよい組み合わせだ!

キャラの数だけ可能性がある

第412話 櫻モコモ子 2

公園

あかり「櫻子ちゃんまだかなぁ……」

撫子「ん? あかりちゃんじゃん。櫻子がどうかした?」

あかり「あ、撫子お姉ちゃん! さっきから待ってるんですけど。ちなつちゃんちに一緒に行こうって待ってるんですけど中々来なくって」

撫子「いや。ちなつちゃんちに行くって30分以上前に出て行ったけど」

あかり「えぇぇー! そうなんですかー? あかり聞いてないよぉ。ありがとうございます。すぐに行きます!」


撫子「やれやれ櫻子のやつ、たぶん忘れてたな」

ザッ

あかね「うちのあかりを忘れるとは聞き捨てならないわね」

撫子「あかねさん!?(どこからここに?)」ギョ



櫻子「いやー。ともこさんの妹マジ快適っす」

ともこ「はい、櫻子ちゃんお茶とお菓子よ」

櫻子「ありがとうございます!」ボリボリ

ちなつ「ちょっとお姉ちゃん。櫻子ちゃんのこと甘やかし過ぎだよ」

ともこ「だって、櫻子ちゃん可愛いんだもん! 髪もふわふわしてて。うふふ、本当に私の妹みたい」

ちなつ「む~」

櫻子「いやー。快適快適」

ガラガララ

あかり「ちなつちゃーん!」

ちなつ「あ、あかりちゃん。遅かったね」

櫻子「あ」

あかり「櫻子ちゃん! あかりを置いて行くなんて酷いよぉー!!」プンスカ

櫻子「ごめんごめん」

??「ごめんですめば警察はいらないのよ」

櫻子「え?」

ともこ「あかねちゃん!」

あかね「ともこ。その子を甘やかしてはいけないわ」ピシッ

櫻子・ともこ「え……」

撫子「どこからムチを……」

あかね「あかりを置いて行くなんて、お仕置きよ!」ピシィ

櫻子「いったぁ!? ちょっごめんなさい! ごめんなさい!!」

あかり「お、お姉ちゃん! そんなことしたらダメだよぉ~」オロオロ

撫子「いや、もっとやれ」

ともこ「私にもムチ打ってあかねちゃん!!」キラキラ

ちなつ「なんだこれ……」

第412話 櫻モコモ子 2 終わり

第413話 ストパー 1

櫻子「というわけで、なんで私だけが癖っ毛なの?」

花子「なにがというわけなんだし」

櫻子「いやー昨日ちなつちゃんちに行ったらさぁ。ちなつちゃんのお姉ちゃんのともこさんに妹扱いされちゃってさー。なんでも髪質が似てるって」ドヤッ

花子「なにドヤ顔してんだし」

撫子「でも確かに櫻子だけなんでだろうね。うちは全員直毛なのに」

花子「もしかして櫻子はうちの子じゃなかったりして」

櫻子「まさかー。そんなことーあるわけないじゃーん!」

撫子「……」

花子「……」

櫻子「……」

櫻子「えっ……マジで……?」

撫子「(まぁそんなわけないんだけど、ここはちょっとからかってみよう)」

撫子「確かに櫻子だけいつもアホなことやるし」

花子「バカだし」

櫻子「なっ! バカじゃねーし」

撫子「いっつも人のもの勝手に食べるし」

花子「だしだし」

櫻子「ぐっ(それは否定出来ない)」

撫子「料理も下手だし」

花子「雑だし」

櫻子「く、くそー!! 私も髪の毛ストレートにしてきてやる!」

撫子「あっ、いや。別に髪の毛の問題じゃ」

花子「行っちゃったし」

撫子「言い過ぎちゃったかな」

花子「花子も言い過ぎたかもしれないし」

撫子「というか何で真ん中の子なのにうちの子じゃないなんて真に受けたんだろ」

花子「やっぱりバカだし」

第413話 ストパー 1 終わり

第414話 ストパー 2

櫻子「向日葵ー! そういうことで私の髪をストレートにしてくれよ」

向日葵「っていきなり言われましても……」

向日葵「大体櫻子は昔から大室家の子でしょうに」

櫻子「そんなのどうでもいいんだって! 癖っ毛だとバカにされるのがヤダ!!」

向日葵「いや、バカにされてるのは髪の毛が原因じゃないと思うのですけど……」

櫻子「とりあえず髪の毛ストレートにする方法ないの!?」

向日葵「うーん、ストレートパーマというのがあるみたいですけど」

櫻子「それだ!」

向日葵「でも美容院でかけると高いですわよ」

櫻子「いくら?」

向日葵「7000円くらい。安くても5000円はかかりますわね」

櫻子「くそぅー! お年玉半分なくなる!!」

向日葵「でもストレートパーマだけが髪の毛をストレートにする方法ってわけでもないんですけどね」

櫻子「え? 他に方法あんの?」

向日葵「アイロンですわ」

櫻子「アイロン? 服の皺を伸ばす」

向日葵「違いますわよ。ヘアアイロンですわ」

櫻子「部屋アイロン?」

向日葵「ヘアアイロン」

向日葵「これですわ」

櫻子「あ、ねーちゃんがよく使ってるやつだ! これで髪の毛ストレートになんの?」

向日葵「多分撫子さんが使ってるものは逆にストレートの髪をちょっと巻くものだと思いますわよ」

向日葵「うちにあるのはストレートアイロンですわ」

櫻子「へぇー向日葵詳しいじゃん」

向日葵「お母さんが使っていましたからね。私もちょっとくらいは髪遊びするんですわよ」

パシッ

向日葵「なっ! なんで胸叩くんですの!?」

櫻子「なんとなく自慢げな向日葵がイラついた」

向日葵「そんなこと言ってると貸しませんわよ」

櫻子「わかった! わかったから! 貸してください!」

向日葵「ふーいいですわ。じゃあやってあげるからそこに座りなさい」

櫻子「よしっ」


櫻子「……」

櫻子「ねぇ?」

向日葵「なんですの?」

櫻子「熱くないよね?」

向日葵「た、多分大丈夫ですわ。じゃあ行きますよ」

スーーー

向日葵「あ、まっすぐになりましたわよ」

櫻子「え? どれ!?」ペタッ

耳たぶにアイロンで温めた直後の髪がかぶさる

櫻子「あっつぅ!!」

向日葵「あ、ごめんなさい! 大丈夫ですの?」

櫻子「うん、大丈夫。続けて……」

櫻子「(やっぱり熱かったじゃん!!)」

第414話 ストパー 2 終わり

第415話 ストパー 3

向日葵「これで終わりましたわ」

櫻子「ぐぅー」Zzz

向日葵「はぁ、人がせっかくストレートにしてあげましたのに」

向日葵「それにしても、ストレートだとすごい印象変わりますわね」

向日葵「というか、櫻子って意識しませんでしたけど、すごく美人ですわね」

向日葵「……」ドキッ

向日葵「って、何意識してるんですの!///」

櫻子「んぁ」

向日葵「ひゃっ!」

櫻子「んー? 終わった?」

向日葵「お、終わりましたわ……」ドキドキ

櫻子「おぉ~!! すごいストレートになってる!! 私じゃないみたいだ!!」

櫻子「これならねーちゃんにも花子にも馬鹿にされないぞ!!」

向日葵「(やっぱり、しゃべると残念ですわ……)」

櫻子「ちょっとねーちゃんに見せてくる!」

バタン

向日葵「まったく、騒々しいですわね。……さっさと忘れましょう」

大室家

櫻子「おい、ねーちゃん!」

撫子「うん、そうそうそこをそういう風にして」

花子「こうかし?」

櫻子「ストレートにしてきたぞ!!」

撫子「あっ」

花子「櫻子」

櫻子「ってなんでねーちゃんたちパーマにしてんの!?」

花子「櫻子が一人で違うのはかわいそうだと思ったんだし……」

撫子「ひま子のところでストレートにしてきたか……これはアイロンだね」

櫻子「……」

花子「……、今すぐストレートに戻すs」

櫻子「似合ってんじゃん!」

花子「え?」

櫻子「花子、パーマにあってる!」

花子「ホントかし?」

櫻子「うん。すごくいい。私も真似しよ」バサバサ

撫子「あっ……(ひま子の苦労が)」

花子「ふふ、ぼさぼさになってるし」

櫻子「癖っ毛の方が手入れしなくてもいいから楽なんだよ」

撫子「いや、髪の毛の手入れはどんなでもしなきゃだめだよ」

第415話 ストパー 3 終わり

第416話 表紙

櫻子「ただいまー!!」

花子「お帰りだし」

撫子「お帰り」

櫻子「あれ? ねーちゃん今日早い!」

撫子「もう授業ないからね」

櫻子「ふーんそういうもんか」

櫻子「……」

櫻子「よし! じゃ、ボウリング行こう!」

撫子「何がよしだ、勉強があるから無理だよ。受験生なめんな。ていうかなんでボウリング?」

花子「撫子お姉ちゃんがいかないなら花子もいかないし。櫻子と2人で行っても楽しくない」

グサッ

櫻子「なんて酷いことを……」

撫子「ていうかアンタは勉強しなくていいの? テスト近いんじゃないの?」

櫻子「いやー私はやれば出来る子だからテスト前にちょちょっとやれば」

花子「嘘つくなし」

櫻子「テヘッ、バレた?」

花子「」イラッ

撫子「あー、でも勉強してる間に甘いもの欲しくなるからスーパー行くのはいいかも」

櫻子「お菓子!?」

撫子「うん」

櫻子「よっしゃー買いに行くぞー!!」

花子「あっ、ちょっと飛び跳ねるなし。そっちソファー……」

ぴょーんぴょーん!

櫻子「お菓子! お菓子!」

古谷家

向日葵「はぁ……櫻子はまだ来ないのかしら?」

楓「すうがくってなんだか難しそうなの」

第416話 表紙 終わり

表紙…?

これです。
http://livedoor.blogimg.jp/ssgalaxy/imgs/1/2/129ef75d.jpg

第417話 表紙2

櫻子「はーなーこー!」

花子「なんだし」

櫻子「ひーまー」

花子「花子は宿題中だし。話しかけんなし」

櫻子「えー!! あそぼうよ~」

花子「うるさいし」

櫻子「あそぼーあそぼー!!」

花子「なんで今日は花子だし! ひま姉は?」

櫻子「向日葵今日でかけてるんだもん」

櫻子「ひーーーーーーーーーまーーーーーーーーーーー!!!!」

花子「んん、わかったし。何して遊ぶし?」

櫻子「え!? 本当に遊んでくれるの!?」

撫子「全くどっちが妹なんだか」

櫻子「むむ! 私の方が妹だぞ!」

撫子「……」

櫻子「間違えた! 私は花子の姉でねーちゃんの妹だ!」

花子「どんな間違え方だし、まぁあってるけど」

櫻子「ということで妹よ! お姉ちゃんにおんぶされるのだ!」

花子「え? やだし」

櫻子「乗ってよ~悪いようにはしないからー」

花子「わかったし。それ!」ドスッ

櫻子「うっ……意外と思い」

櫻子「でも、行くぞー!! 櫻子号ーレッツゴー!!」

花子「あっ急に動くなし……」

撫子「(大丈夫かな……)」

http://livedoor.blogimg.jp/ssgalaxy/imgs/b/4/b40e2c55.png

第417話 表紙2 終わり

第418話 バイトするめぐしー 1

ガラララ

めぐみ「いらっしゃいませー」

あかね「ここよともこ」

ともこ「まぁ。素敵なお店ね!」

めぐみ「2名様ですね。こちらへどうぞ(2人とも美人さんだなぁ)」

あかね「えぇありがとう」

めぐみ「メニューはこちらになります」

ともこ「ここのおすすめはなに?」

めぐみ「おすすめは」

ともこ「あかねちゃん」

めぐみ「(あっ、一緒に来た人に聞いたのね。間違えちゃった恥ずかしい……///)」

あかね「今店員さんがおすすめ紹介してくれそうだったから紹介してもらいましょ」

めぐみ「(私のミスをフォローしてくれるとは……なんていい人なんだろう……)」

めぐみ「当店のおすすめは、こちらの3種のベリータルトになっております」

あかね「それいいわね。私はそれにするわ」

ともこ「じゃあ私もそれで……(いや、ここで別の頼めば食べさせあいっこできるかも!)」

ともこ「2番めにおすすめなものはなんですか?」

めぐみ「2番めはこちらの栗クリモンブランになっております」

あかね「モンブランもいいわね。なんだか迷っちゃったわ」

ともこ「わ、私はそれ頼むわ! だから、半分づつ食べましょ?」

あかね「あ、それいいわね。じゃあそうしましょ」

ともこ「(あかねちゃんと食べさせあいっこ///)」

めぐみ「紅茶とコーヒーはどちらにしますか?(仲いいなぁ。大学生かな?)」

あかね「コーヒーで」

ともこ「私は紅茶で」

めぐみ「ご注文を確認します。3種のベリータルトと……」



あかね「美味しかったわ」

ともこ「ごちそうさまです。美味しかったです」

カランカラン

めぐみ「ありがとうございましたー」

カランカラン

こころ「お母さんケーキ!」

小川母「はいはい、すぐ来るから待ってなさい」

こころ「ケーキ!」

めぐみ「いらっしゃいませー。2名様ですか?」

第418話 バイトするめぐしー 1 終わり

第419話 バイトするめぐしー 2

めぐみ「メニューはこちらです」

小川母「こころ、何食べたい?」

こころ「うーん。何にしようかな~いっぱい美味しそうなのがあって迷うなぁ~」

小川母「すみません。ちょっと待ってくださいね」

めぐみ「いえ、大丈夫ですよ(子どもって可愛いなぁ……)」

こころ「うーん、何にしようなぁ」

めぐみ「(子どもが好きそうなケーキって言えばやっぱりショートケーキとか、チョコレートケーキとかかな?)」

こころ「ピスタチオケーキがいい!」

めぐみ「渋い!」

小川母「え?」

めぐみ「な、なんでもないです。すみません」

小川母「お母さんは抹茶ケーキにしようかな」

めぐみ「(お母さんも渋い)」

めぐみ「ピスタチオケーキと抹茶ケーキですね?」

小川母「はい」



パティシエ「抹茶ケーキとピスタチオケーキね」

めぐみ「はい!」

めぐみ「(えっと、窓際に座ってる親子っと)」

めぐみ「(あれ……どっちがピスタチオで、どっちが抹茶だっけ? やばっ! どっちがどっちだかわからなくなっちゃった。どうしよう……)」

めぐみ「(あ、味見するか……いや、ダメだ! お客さんに出すんだから。一回戻してシェフに確認してもらおう。あーもうどうしてうちのケーキやは抹茶とピスタチオそっくりなのかなぁ)」

こころ「あっ! お母さん! ケーキ来たよ!!」

めぐみ「(最悪だ……見つかった)」

めぐみ「おまたせしました! 抹茶ケーキとピスタチオケーキになります(もうやけくそだ! 食べてもらえば分かるだろう)」

こころ「美味しそうー」ジー

こころ「いただきまーす」パクッ

こころ「美味しいピスタチオ」

めぐみ「(よかったぁ。あってたー)」

小川母「ん? こころそっち本当にピスタチオ? お母さんのもピスタチオなんだけど」

めぐみ「え……?」

小川母「ちょっと食べさせて」

こころ「はーい」

小川母「うん、こころのもピスタチオね」

めぐみ「(まさか、両方共ピスタチオだったとか?)」

めぐみ「す、すみません! 取り替えてきます!!」

小川母「え、いやいや。そこまでしなくても大丈夫ですよ。美味しいですし」

めぐみ「少しお待ちくださいませ(とりあえずパティシエに報告しなきゃ)」



めぐみ「パティシエさん! さっき持っていったケーキ両方共ピスタチオだったんですけど!!」

パティシエ「あ……本当だ。ごめん、間違えてた。作りなおすってお客さんに言っておいて」

めぐみ「それなんですけど、お客さんは別にいいって」

パティシエ「うーん。でも間違えちゃったわけだしなぁ。じゃあ、代わりにマカロンをサービスしよう」

めぐみ「じゃあ、言ってきます」

パティシエ「いいよいいよ、私が行くから」


パティシエ「間違えてしまい申し訳ございません」

小川母「いえ、本当に大丈夫ですよ」

パティシエ「料金の方はいただきませんので」

小川母「それは逆にこっちが悪いですよ」

パティシエ「では、このマカロンをサービスという形で」

こころ「わーい! マカロン!!」

小川母「それなら、頂きます」

パティシエ「ありがとうございます」

小川母「いえ、こちらこそ。ピスタチオおいしかったですよ」

パティシエ「! ありがとうございます」


めぐみ「よかったよかった」

第419話 バイトするめぐしー 2 終わり

第420話 バイトするめぐしー 3

別の日

カランカラン

京子「よっしゃ、一番乗りー!」

結衣「おいおい騒ぐなよ」

めぐみ「いらっしゃいませ(元気な子だなぁ。中学生くらいかな)」

京子「おぉー綺麗なケーキ屋さんだ」

めぐみ「ありがとうございます。こちらへどうぞ」

京子「お姉さんも綺麗ですぞ。おっぱいも大きいし」

めぐみ「えっ!///」

結衣「おい、何言ってんだよ。すみません、こいつお調子者なんです」

めぐみ「別にいいですよ」

めぐみ「メニューをどうぞ」

京子「あざっす! ケーキいっぱいだ!! 結衣ホントになんでもおごってくれるの?」

結衣「あまり高いのはダメだぞ」

めぐみ「(確かに中学生にはこのお店は高いかもしれない)」

京子「いちごタルトとショートケーキとチーズケーキとチョコレートケーキをお願いします!」

結衣「食べ放題じゃない」

めぐみ「ふふ」

結衣「なにかおかしかったですか?」

めぐみ「仲いいなって思って、笑ってごめんね」

結衣「そうですか。じゃあ、とりあえずショートケーキ1つにチーズケーキ1つお願いします」

めぐみ「はい。ショートケーキとチーズケーキですね」


京子「なんだよーケーキおごってくれるっていったのにー」

結衣「限度ってものがあるだろ」

めぐみ「(仲の良い中学生コンビだなぁ)」


めぐみ「おまたせしました」

京子「みょーん」パシッ

めぐみ「ぶっ!!」

結衣「おい、京子何ふざけてんだよ! すみません。京子が変なことして」

めぐみ「いえいえ、こちらこそすみません」

京子「えー。なんで私が怒られるんだよー。謎リボン伸ばしたりしてただけなのに」

結衣「自分でもそのリボン変だと思ってたのか……」

めぐみ「(面白い人達だな)」

第420話 バイトするめぐしー 3 終わり

第421話 バイトするめぐしー 4

カランカラン

めぐみ「いらっしゃいませー」

美穂「やーん、来ちゃった☆」

藍「また来ちゃってごめんね」

めぐみ「もう! あんまりバイト先に来ないでよ恥ずかしいんだから!」

めぐみ「ってあれ、撫子は?」

藍「今日は妹さんたちと予定があるって言って誘っても来なかったよ」

めぐみ「なるほど」

美穂「は~や~く~メニューはー?」

めぐみ「た、ただいまお持ちいたします」


カランカラン

めぐみ「いらっしゃいま……え?」

撫子「あ、めぐみだ。やっほ」

櫻子「ねーちゃんがケーキおごってくれるってよ!」

花子「やったし!」

藍「あ、撫子!」

美穂「美穂ちゃん超びっくりー」

撫子「あれ? なんで2人ともここに?」

藍「撫子も誘ったじゃん! 今日めぐみのところ行くって」

めぐみ「結局私の冷やかしに来る予定だったんだ」

撫子「あぁ。めぐみのところってバイト先ってことね。めぐみの家かと思ってたよ。というか私めぐみがいつバイトしてるのか知らなかったよ」

めぐみ「ガーン!」

撫子「とりあえず、ウェイトレスさん仕事仕事」

めぐみ「あ、はい。メニューが決まりましたらお呼びください」

美穂「こっちは決まりましたー」

めぐみ「はい、ただ今承ります」

藍「あはは。忙しそう」

花子「撫子お姉ちゃん、お友達のところに行ってもいいし」

撫子「いや、今日は花子達と来たからいいよ」

櫻子「よっしゃー食べまくるぞー」

撫子「言っておくけど食べ放題じゃないからね」

第421話 バイトするめぐしー 4 終わり

支援

めっちゃおもろい。
支援

第422話 バイトするめぐしー 5

めぐみ「おまたせしました。こちらチョコレートケーキとショートケーキとモンブランになります」

櫻子「やったー来たきたうまそー」

櫻子「いただきまーす」パクッ

花子「美味しいし」

撫子「ふふ」

めぐみ「(へぇー撫子って妹さんの前ではああいう風に笑うんだ。優しいお姉さんなんだね)」

撫子「何ぼーっとしてんの? 仕事仕事。そんなんじゃ明日から来なくていいって言われちゃうよ?」

めぐみ「何で私にはこういう態度!?」


藍「じゃあ、私達は帰るね。撫子」

撫子「うん、また明日ね」

美穂「お先ー」

藍「お会計お願い」

めぐみ「1,260円になります」

美穂「撫子が来たのはびっくりだったー」

藍「ね。櫻子ちゃんと花子ちゃんも可愛い」

めぐみ「撫子って妹さんの前だとやさしそうに笑うんだね」

美穂「あー、ね。遠くから見てたけど微笑ましかった」

藍「そうだね。って撫子は元々優しいでしょ」

めぐみ「えー。私に対しては優しくないよー」

美穂「それは、めぐみだからね」

めぐみ「なんで私ってこういう扱い!?」


撫子「うん、美味しかった」

花子「美味しかったしありがとうだし撫子お姉ちゃん」

櫻子「よし、それじゃあこのパフェを」

撫子「だからそんなにお金持ってきてない。後でコンビニでプリン買ってあげるからそれで我慢して」

櫻子「えー。ケチー」

花子「お金出してもらってるんだから文句言うなし」

撫子「じゃあ帰ろうか?」

撫子「お会計お願いします」

めぐみ「2100円になります」

撫子「はい」

めぐみ「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」

撫子「うん。ちゃんと仕事してるね」

めぐみ「当たり前じゃん」

櫻子「美味しかったからまた来ますねー」

花子「だし」

めぐみ「うん。また来てね」

第422話 バイトするめぐしー 5 終わり

出てるかもしれないけど、>>11ってカルボナーラだよね?

>>890
あ、そうですね。
カルボナーラって思いながらペペロンチーノって書いてました多分
言われるまで気が付きませんでした。

第423話 節分 櫻子は鬼 1

櫻子「節分だ! 節分!! 豆食うぞー!!」

未来「年の数だけ食べられるんだよね!」

花子「花子たちは8歳だから8つだし」

こころ「8つしか食べられないって少ない~」

櫻子「ふふん、私は13だから13コも食べられるんだ!」

こころ「いいな~」

櫻子「羨ましかったら私みたいになるしかないね」ドヤア

花子「櫻子みたいにならないように気をつけるし」

櫻子「なんだって?」

未来「節分って言えば鬼も必要だよね」

こころ「鬼退治だー」

花子「鬼は当然櫻子だし」

こころ「それー! 鬼は外ー」

櫻子「なんで私ばっかりいつもこんな役に」

花子「そりゃ、花子達の部屋に勝手に入ってくるからだし」

櫻子「だって! 暇なんだもん! いいよ私が鬼やるから追い出したらお前たちの勝ち、追い出されたら私の負けな!」

花子「それ結局櫻子負けてるんじゃ……」

櫻子「よし、始め!!」

こころ「鬼はー外ー!!」パシパシ

櫻子「おらおらー!!」

こころ「わぁぁぁ」

花子「また勝手に始まったし」

未来「でも花子様のお姉さん一緒に遊んでくれていいお姉さんだね」

花子「そうかな?」

第423話 節分 櫻子は鬼 1 終わり

第424話 節分 櫻子は鬼 2

櫻子「こっちだぞー!!」

こころ「待てー!!」パッパッ

櫻子「痛!痛!!」

未来「私も私も」パッパッ

櫻子「痛! 豆って食うとうまいけど、当たると痛!」

パラパラ

花子「こんなに散らかしても大丈夫かな?」

サッ、パクッ

花子「!?」

櫻子「ほら! もっと投げてこい!」モゴモゴ

花子「(櫻子、さり気なく落ちた豆を拾って食べてるし!! まさか、掃除の事考えて?)」

こころ「行くよー!!」

花子「待ってこころ」

こころ「?」

花子「櫻子のやつ、花子達が投げた豆拾って食べてるし」

こころ「あ、ホントだー! ずるいー!!」

花子「いや、そうじゃないし!?」

こころ「私も拾って食べるー!」

櫻子「なに!? 気づかれた。私だけ食べようと思ってたのに!!」

花子「そうだったし!?」




未来「なんだかんだいって綺麗になったね」

花子「多分櫻子とこころ、豆と一緒にゴミも食べてたし」

櫻子「おっ! まだ豆あった」パクッ

こころ「あ! 櫻子お姉ちゃんずるい! 私も食べる!!」

花子「大丈夫なのか心配になってきたし……」

第424話 節分 櫻子は鬼 2 終わり

ほほえま~

第425話 窓に絵 1

花子の部屋

花子「ん? なんだしこれ?」

外と中の気温差で部屋の窓が白くなっている。そこに変な絵が描いてあった。

花子「猫?」

花子「というかなんで花子の部屋にこんな絵が書いたし櫻子」



櫻子「あぁー暇だなぁ」

花子「おい櫻子」

櫻子「おいとはなんだおいとは」

花子「花子の部屋にへんな絵かいたし!」

櫻子「へ? 書いてないし」

花子「嘘つくなし。こんなことするの櫻子しか居ないし!」

花子「大体なんで猫の絵なんて書いたし?」

櫻子「猫? 私が書いたのはキリンの絵……はっ……いや! 書いてないし!!」

花子「今書いたって言ったし! ていうかあれキリンだったのかし? 下手くそ」

櫻子「下手じゃないさ!! ていうか花子の部屋に絵なんて書いてないぞ!! 冤罪だ!!」

花子「嘘つくなし。もう言質もとってあるんだし!」

櫻子「証拠だせよ! 証拠!!」

花子「それは犯人のセリフだし」

櫻子「ぐぬぬ……」

撫子「おい櫻子!!」

櫻子「おいってなんだよおいって」

撫子「私の部屋の窓にキリンの絵書いたでしょ? ベッドに水滴たれてた。マジありえないんですけど」

花子「ほら、やっぱり」

第425話 窓に絵 1 終わり

第426話 窓に絵 2

撫子「あの絵の書き方は櫻子しかいない」

櫻子「書いてな……いや、書きました」

花子「花子の部屋にも書かれてたし!」

撫子「え?」

櫻子「だーかーらーねーちゃんの部屋にはキリンの絵書いたけど花子の部屋には書いてないって」

撫子「ちょっと花子の部屋見てもいい?」

花子「いいし」

撫子「……」

撫子「……」

撫子「うん、これは櫻子の絵の書き方じゃないね」

花子「え?」

櫻子「ほらなー見ろよー」

撫子「櫻子の絵は目が線になる。ほら、私の部屋の絵も」

花子「ホントだし」

撫子「でも、これは目がくりくりしてて可愛らしい。まるで少女漫画みたいな書き方」

花子「じゃあ誰だし」

タンタンタンタン

花子「?」

大室母「あら、花子と櫻子と撫子、そんなところにつったってどうしたの?」

花子「花子の部屋の窓に」

大室母「あ、それ可愛いでしょ? 花子が喜ぶと思って書いておいたの」

撫子「また母さんだった」

櫻子「ほら、私じゃないだろ! 冤罪だ冤罪!」

撫子「いや、私の部屋の件については冤罪じゃないからね」

櫻子「むむ」

第426話 窓に絵 2 終わり


第427話 楓と花子と向日葵と櫻子 1

公園

櫻子「もーなんでわざわざ楓と花子の散歩に付き添わなきゃいけないのさー」

向日葵「仕方ないですわ。楓はまだ6歳、花子ちゃんも8歳なんですもの」

向日葵「私達が子どものときは撫子さんに付き添ってもらったことを忘れましたの」

櫻子「それはそれ! これはこれ!」

向日葵「どこまでも自己中ですわね……呆れますわ」

楓「見てみてー花子お姉ちゃんー! 綺麗な花があったのー!」

花子「ホントだし! 綺麗な花だし」

花子「よく見るけどなんて花だし?」

楓「花子お姉ちゃんの花なの!」

花子「花子の花って……花子の花は花って意味しかないし?」

楓「だから、すべての花は花子お姉ちゃんの花なの!」

花子「なるほど(わからん)」

楓「ねぇねぇお姉ちゃん! この花なんて花なの?」

櫻子「それはねー、便所花っていうんだよ。便所に咲くから便所花」

楓「へぇー便所花っていうんだー」

花子「いや信じるなし?」

向日葵「なんですの便所花って……それはシロツメクサですわね。クローバーのお花ですわよ」

楓「へぇーこれがクローバーなんだぁ」
 
花子「なるほど、でも葉っぱはクローバーっぽくないし!」

向日葵「まぁクローバーにもいろいろな種があるんですわね」

向日葵「というか、便所花って……」

櫻子「でもこの間学校のトイレで咲いてたもん!」

向日葵「それは咲いてたというより生けてたと言うべきですわよ」

第427話 楓と花子と向日葵と櫻子 1 終わり

第428話 楓と花子と向日葵と櫻子 2

花子「んしょ。んしょ。んしょ。んしょ」

楓「なにやってるの?」

花子「はい」ポサッ

楓「?」

櫻子「おっ、楓可愛いなそれ」

向日葵「ホントですわ!」

楓「んん!?」

楓「楓が花の冠かぶってるの!?」

花子「花子のお手製だし! 楓は花の冠がすっごく似合うし」

楓「ありがとう! 花子お姉ちゃん大好き!!」

向日葵「……はっ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

幼き日の櫻子と向日葵

向日葵「さくらこ、はいこれあげる」

櫻子「え!? くれるの! ありがとう!! ひまっちゃん大好き!!」

向日葵「私もさくらこだいすき!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

向日葵「……」カァ

櫻子「向日葵どうしたの? 顔赤いよ」

向日葵「なっ、なんでもないですわ!!」

櫻子「さては、便所花見てお腹減ったな?」

向日葵「まだ便所花だと思ってるんですの……それになんでお腹減るんですの……」

向日葵「…………」

向日葵「やっぱり櫻子はバカですわ」

櫻子「向日葵よりは頭いいもんね!」

向日葵「なっ! もうテスト前一緒に勉強してあげませんからね!」

櫻子「あーごめんごめん!」

楓「また始まったの」

花子「だし」

第428話 楓と花子と向日葵と櫻子 2 終わり

第429話 柿ピー

ボリボリ

櫻子「おっ柿ピーじゃん! ちょうだい!」

花子「うん、食べていいし」

ボリボリ

櫻子「柿ピーってピーナッツの方がうまいよな」

花子「それならピーナッツだけ買ってきて食べればいいじゃないし?」

櫻子「違うんだよ! 違うんだよ花子! 柿の種食べてからピーナッツを食べるのが旨いんだよ」

花子「まぁ、それは分かるし。7対3くらいの割合で入ってるのがちょうどいいし」

ボリ、カリカリ、ボリ、カリカリ

花子「って、なんで3対7くらいの割合で食べてるんだし!!」

櫻子「えーだって、ピーナッツの方がうまいって言ったじゃん」

花子「やめろし! バランスが悪くなるし!! 柿の種だけしか残らなくなるし!」

櫻子「ほらほら辛いのばっか食べてるからカッカしてるぞ。ピーナッツでも食べて」ギュッ

花子「ん」

ポリポリ

花子「って、花子が1つ食べる間に2つも食べるなし!!」

櫻子「ピーナッツアタック! 鼻から発射!」

花子「汚いし! ていうか食べ物で遊ぶなし!」

花子「あーあ、もう柿の種しか残ってないし……」

撫子「ん? 柿の種あんじゃん」

櫻子「そうだ、ねーちゃんは柿の種の方が好きだったよね? ねーちゃんに処理してもらおう」

撫子「いいけど」

ポリポリ



撫子「辛い」

第429話 柿ピー 終わり

>>898
呼び方がさーちゃんひまちゃんじゃないけど、一人称が変わり始めた頃かな?

>>900
あまり意識せず書きましたが、さーちゃん、ひまちゃんでお願いします
向日葵が櫻子と呼び方を変える前に櫻子が向日葵と呼ぶようになったんだと思います

第430話 スパイ大作戦

櫻子「今日はロードショーの日だ!」

櫻子「ミッション・インポッシブルやるぞ!」

撫子「うん。楽しみだね」

花子「おもしろいし?」

櫻子「面白いぞー天井から蜘蛛みたいにロープで降りてくるんだ!」

花子「??」

撫子「スパイが主人公の映画で大体敵が世界大戦級のテロ行為企んでるシリーズ物」

撫子「櫻子が言ってるのは、警備が厳重な部屋があって、そこのPCにあるデータを抜き

取らなきゃいけないんだけど、中に入るのに、ダクトから侵入していって、部屋を換気口

から入るってやつだね」

撫子「でも、部屋の中も床が重さを感じると侵入したって判断されるから、天井からロー

プでぶら下がりながら作業するってこと」

櫻子「そういうことだ! 凄いんだぞあのアクションは」

花子「面白そうだし」


花子「始まったし!」


櫻子「おぉ! すごいアクション!! 爆発した!」

撫子「(結構話がややこしいな)」


櫻子「ひぇーあんな高いビルから落ちたら死ぬって!!」

花子「こっちもヒヤヒヤするし」


櫻子「……」

撫子「(櫻子も息を飲むような展開だ)」

櫻子「……」コテ

撫子「ん?」

櫻子「……Zzz」

撫子「寝てたのか」


花子「面白かったし!」

櫻子「Zzzz」

花子「ってなんで櫻子寝てるんだし」

撫子「なんでだろうね。まぁ寝室に連れて行くよ」

櫻子「!! うわぁああ落ちる!」

撫子「あぁ、起きてたの?」

櫻子「夢で高層ビルから落ちる夢見た」

第430話 スパイ大作戦 終わり

第431話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 1

櫻子「花子、計画を話す」

花子「何企んでるんだし」

櫻子「向日葵の家に侵入して、これを置いてくる」

花子「数学のノート?」

櫻子「ああ、これを向日葵のノートとすり替えて、宿題を向日葵にやってもらう作戦だ」

花子「いや、普通にバレるし」

櫻子「ふふふ。これを見給え」

数学ノート

古谷向日葵

花子「ひま姉の名前?」

櫻子「そういうことだ」

花子「でも筆跡でバレるし?」

櫻子「私も向日葵はこの間ノートを変えてまだ使ってない。この状態で使えばわからない」

花子「なるほど、でも名前の筆跡でバレるし」

櫻子「そう思って、シールに名前を書いてもらってそれを貼り付けたんだ。これをはがすと」ペリ

数学ノート

大室櫻子

花子「なんでそこまで用意周到なんだし。そこで頭使うなら宿題ちゃんとヤレし」

櫻子「この作戦は歳納先輩におしえてもらったからな! 名づけてコード・トシノウ」

花子「作戦も人頼みかし」

花子「で、なんでそんなこと花子に話すんだし」

櫻子「この作戦には花子が欠かせない」

櫻子「家にいる向日葵をおびき出して、しばらくの間気をひいていてほしい」

花子「はぁ。面倒だけどわかったし」

櫻子「じゃあ侵入する」

ピーンポーン

向日葵「はーい」

花子「ひま姉」

向日葵「花子ちゃん、どうしたんですの?」

第431話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 1 終わり

第432話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 2

花子「遊びに来たし」

向日葵「楓と? ちょっと今は公園にいると思うんだけど、もうすぐしたら帰ってくると思いますわ」

花子「わかったし」

向日葵「寒いから、リビングに上がっていてもいいですわよ」

花子「ありがとうだし」

ブブッ

花子「?」

櫻子
 <花子、どういう状況だ?

  ひま姉と一緒にリビングに入ったし>花子

櫻子「リビングか……ドアが開いてると通るのが見えるな」



                 侵入した>櫻子
花子
 <それは報告しなくていいし


向日葵「ん? お友達とメールですの?」

花子「うん、ごめんだし」

向日葵「いいですわ」


櫻子「ドアが開いてるだと」


      花子、向日葵と場所変われ>櫻子
花子
 <なんでだし
               いいから速く>櫻子

花子「しょうがないし……ひま姉、ちょっとこっちに来てくれるし?」

向日葵「? いいですけど……」

向日葵「??」


櫻子「よし、向日葵が背を向けた」

櫻子「通り抜けるなら今のうち」

タッタッタッタ

向日葵「今、足音しませんでした?」

花子「いや、してないと思うし(櫻子のやつ忍び足も出来ないのかし)」

向日葵の部屋

ガチャ

櫻子<潜入完了

               よかったね>花子

第432話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 2 終わり

なんだかんだでちゃんと付き合ってあげる花子様

第433話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 3

櫻子「向日葵のノートはっと」

櫻子「この引き出しに」ガララ

櫻子「あった!」

櫻子「よしよし、数学とは書いてあるけどまだ使われてないな」

櫻子「計画通り」ニヤリ

櫻子「これを私のノートとすり替えて、うん完璧」

櫻子「後は向日葵が宿題をやってくれて、提出してくれれば。私は宿題をやらなくて済む! なんて完璧な作戦なんだろう。やっぱり私って甜菜かも!」

櫻子「よし、後はここを閉めて」ガララ

バン、パサッ

櫻子「ん? なんか落ちたな。なんだこれ。デア櫻子?」

Dear.櫻子

楓「ただいまー」

向日葵「おかえり、花子ちゃん来てるわよ」

櫻子「やばっ! 楓だ! 見つからないうちに早く出ないと!」

ダッダッダ

楓「あっ! 櫻子お姉ちゃんも来てたんだ!」

向日葵「え?」

櫻子「(まずい見つかった)」

向日葵「来てるなら来てるって言えばよかったですのに。って! なに私の部屋勝手に入ってるんですの!」

櫻子「(やばいばれる)いやー、何かいいもんでも落ちてないかなぁって」

Dear.櫻子

向日葵「って! それ」

櫻子「ああ、ごめん落としちゃった」

向日葵「中見てないですわよね?」

櫻子「え? 見てないよ」

向日葵「よかったですわ。(見られていたらどうしようかと)」

楓「お姉ちゃんが昨日一生懸命チョ」バッ

向日葵「楓、早くお部屋いきなさい。櫻子も早く帰りなさいな」

櫻子「(よくわからないけど、これで難を逃れた)」

翌日 学校

先生「それではノート回収してねー」

櫻子「(ふふふ、これで向日葵のノートは)」

櫻子「って! シールはがし忘れたー!!」

向日葵「??」

大室家

櫻子「花子ーシールはがし忘れて失敗したー」

花子「だと思った。そうじゃなくても筆跡でばれるし」

第433話 ミッション・インポッシブル・サクラコ 3 終わり

第434話 バレンタイン 1

櫻子「ねーちゃん! 明日はバレンタインだぞ! チョコ作れ! チョコ!!」

撫子「はぁ、人のチョコをつまみ食いする気満々じゃん。櫻子もつくりなよ」

櫻子「私は食べるのが専門」

花子「確かに櫻子が作るとどうしようもないものが出来そうだし」

櫻子「ばかにすんな!」

撫子「じゃあ教えてあげるからつくりな」

櫻子「見てろよ、みんなの舌がとろけるようなのつくってやるからな!」

撫子「まず、原料のチョコを刻む。こんな感じ」トントントントン

櫻子「なるほど」ゴンゴンゴンゴン

花子「雑すぎだし、ほとんど塊だし」

櫻子「ちょっと歯ごたえがあった方がいいだろ!」

撫子「……」

櫻子「それでそれで」

撫子「ボウルに入れてあまり熱過ぎない温度のお湯で溶かす」

櫻子「ふむふむ。って溶けないぞ!」

撫子「それは櫻子がさっきチョコを雑に切ったから。ダマになるよ」

櫻子「その方がうまいもん!」

撫子「……」

撫子「後は、型に入れて冷やすだけ。ここでトッピングとかをすると見栄えも良くなるね。アーモンドとかを中に入れてもいいし」

櫻子「これで終わりなの? 楽だなぁチョコレートは!」

櫻子「ハチミツと砂糖とジャムいれよ。あとスパイシーさもほしいから胡椒とトウガラシも」

花子「トッピングって言ってたの聞いてなかったのかし!」


数時間後

撫子「うん、出来上がったね」

櫻子「ねーちゃんのつくったチョコ普通だな」

撫子「なにもアレンジしなかったからね。シンプルイズベスト」

櫻子「私のは食べると」パクッ

櫻子「辛! なんだこれ!! 辛!!」

花子「だからトウガラシなんか入れたからだし……」

櫻子「くそぅ。しょうがない明日のチョコ交換のときに他の人にあげて処分しよう」

花子「最悪だし」

第434話 バレンタイン 1 終わり

ジャイアンレベルかよ

第435話 バレンタイン 2

向日葵「さ、櫻子!」

櫻子「ん?」

向日葵「こ、これあげますわ!!」

櫻子「おっ! チョコだな。サンキュー向日葵」

向日葵「ば、バレンタインですからね! もちろん義理ですわよ義理」

櫻子「うまい!」

向日葵「……よかったですわ」

櫻子「はい、向日葵にもあげる」

向日葵「櫻子もチョコ作ったんですの?」

櫻子「うん。食べていいよ」

向日葵「それではいただきますわ」パクッ

向日葵「うん、おいし辛!!?」

向日葵「な、何入れたんですの櫻子!?」

櫻子「ふふふ、引っかかったな全部唐辛子入りのロシアンチョコレートに」

向日葵「なんてもの入れるんですの。ていうかそれもうロシアンじゃないですわよ」

七森中

ちなつ「はい、あかりちゃん友チョコ」

あかり「ありがとうーちなつちゃん。はい、あかりのもだよぉ~」

ちなつ「ありがとうあかりちゃん」

櫻子「おはよー」

あかり「おはよぉ~今日はバレンタインだねーはい櫻子ちゃん!」

櫻子「あっ! そうだあかりちゃんにあげる」

あかり「食べていい?」

櫻子「うんいいよ」

あかり「いただきまーす」パクッ

あかり「モグモグ、うん、辛い!? えっ!? なにこれ!! ひぃー辛いよぉ~!!」

櫻子「(かかった)」

あかり「水! 水!!」ダッダッダダ


あかり「水~!!」

向日葵「?」


ちなつ「あかりちゃん走ってっちゃったそんなに辛いの?」

向日葵「櫻子、赤座さんに唐辛子チョコ食べさせたんですの?」

櫻子「いやー1人じゃ辛くて食べられなかったからみんなに配ろうと思ってー」

向日葵「サイテーですわね」

第435話 バレンタイン 2 終わり

第436話 バレンタイン 3

めぐみ「今日はバレンタインだー!! よっし、交換しよう

!」

美穂「私のチョコ食べたい人は跪いてお恵みください美穂

さまと言ってね」

藍「相変わらずどSだ」

撫子「めぐみやってもらえば?」

めぐみ「だから私はMじゃないって!!」

美穂「そんなこと言って、ホントは撫子がやってもらいたい

んでしょ?」

撫子「そんなことないって、ほらほら交換しよう」

藍「はい、私のはこれ」

美穂「藍のチョコは可愛らしいね」

めぐみ「ほ、ホントだ(ケーキ屋で働いてる私が負けた)」

撫子「めぐみってケーキ屋で働いてる割には割りと普通だ

ね」

美穂「うん」

めぐみ「ガーン……」

藍「なんかごめんね」

めぐみ「いや、藍は謝る必要ないって」

美穂「撫子のチョコも手作りなんだー」

撫子「シンプルなチョコだけどね」

めぐみ「撫子らしい」

第436話 バレンタイン 3 終わり

第437話 読書 1

リビング

櫻子「う~」パラパラパラパラ

花子「どうしたんだし」

櫻子「明日までにこの本読んで感想文書かなきゃいけなくてさ」

花子「ふーん」

コトッ、パラ

櫻子「……あぁ~!!」

花子「……」

パラ

櫻子「あぁあああああ!!」

バサバサ

花子「うるさいし! 静かに本読めないのかし!」

櫻子「なんで花子は逆にそんなに集中して読めんだよ!!」

花子「いや、普通に読んでるだけだし」

櫻子「普通ってなに!?」

花子「普通は普通だし」

櫻子「だからその普通を聞いてるんじゃん!」

花子「……確かに……普通ってなんだし」

櫻子「あははー花子説明できないでやんの!」

花子「」イラ

花子「花子にはできるのになんで櫻子にはできないんだし!」

撫子「苦労せずってことじゃない?」

花子「それだし! 花子は櫻子みたいに本読んでてもあぁーとかうーとか唸ったりしないし」

櫻子「なるほど! じゃああーとかうーとか言わなければ普通に読めるんだな!」

パラ

櫻子「……」

櫻子「……(あれ、ここさっきも読んだな)」

櫻子「……(あれ、この行の次はこっちだったか?)」

櫻子「……(うぐぐ、やっぱり読めない)」

櫻子「ダメ! 読めないよ!! 無理」

花子「諦めるのはや」

撫子「櫻子はどういうふうに本読んでるの?」

櫻子「え? どうって普通に」

花子「櫻子も普通って言ってるし」

櫻子「私の普通は花子の普通と違うの!」

花子「(理不尽だし)」

撫子「でも、普通にって説明するの難しいよね。私もよく普通にって使っちゃうし。自分は当たり前にできるのに他の人にはできないことを説明するのは難しい」

花子「だし」

櫻子「とにかく! 明日までに感想文書かなきゃいけないんだよー!!」
第437話 読書 1 終わり

保守

第438話 読書 2

撫子「花子はさっき苦労せずに読むって言ってたね?」

花子「うん」

撫子「苦労せずってのは、どんな内容の本も?」

花子「大体の本はスラスラ読めるし、でも難しい漢字使われてたり内容が難しい本は読めないし、撫子お姉ちゃんが読んでたこころって本、同じ名前の友達がいるから読んでみたけど、読みにくくて途中でやめちゃったし」

撫子「内容が難しいと読めないのか。いや、でも花子この前私でも読めないような宇宙の本読んでたじゃん?ダークマターとダークエネルギーとかいうやつ」

花子「宇宙は面白いから難しくても読みたいと思うし」

撫子「なるほど、つまり内容の難しさというより面白いかどうかが本を読めるかどうかってことなんじゃない?」

花子「なるほどだし」

櫻子「で、私は結局どうすればいいの!」

撫子「櫻子が好きな本を読めばいいと思うよ」

櫻子「私が好きな本は、リリー!」

撫子「漫画雑誌か。読書感想文の題材を見せて」

本を1つ選んで内容と感想を書いてください400字

撫子「確かに漫画雑誌はダメとは書いてないね。やってみたら?」

櫻子「おっしゃーこれなら書けるぞー!!」

第438話 読書 2 終わり

第439話 読書 3

櫻子「ふーむ」

撫子「で? 感想は?」

櫻子「とりあえず面白かった!」

花子「10文字しかないし」

櫻子「えぇーでも面白かったとしか言いようがないんだもん。面白く無い訳じゃないし」
撫子「どういうところが面白かったとかそういうの書くのが読書感想文なの」

櫻子「えーそんなの面倒だよ! 面白かったんだから面白かったってかけばいいじゃん!」

花子「ダメ出しこれはもう」

撫子「はぁ~漫画ならまだ書けると思ったんだけど、どうすればいいんだろう」

櫻子「おっ! 飴みっけ! うめー!!」

撫子「もう救いようがないね」

ピーンポーン

撫子「あ、ひま子。どうしたの?」

向日葵「櫻子に貸した本を返してもらおうと」

櫻子「えーあれもう捨てちゃったよ。だってつまんなかったし」

向日葵「人のものをなんだと思ってんですの……」

撫子「というか櫻子読書感想文書いてないよ」

向日葵「ま! まだ書いてないんですの! 速く書きなさい」

櫻子「向日葵が書けよなー」

向日葵「私はもう書き終わりましたわ」

櫻子「だからー私の文の感想文書いて!」

向日葵「これは、もうスパルタが必要ですわね」

撫子「おぉーいいねー」

櫻子「わ、わぁーワカッタからよむよむ!!」

花子「結局最後はひま姉のスパルタかし」

第439話 読書 3 終わり

第440話 野良ネコ 1

未来「それでねー」

こころ「うんうん」

にゃーん

花子「?」

未来「――なんだって!」

こころ「あはは、そーなんだー」

未来「? 花子様どうしたの?」

にゃーん

花子「猫の鳴き声がするし」

こころ「あ、ホントだーにゃーんおいでー」

にゃー

猫「にゃー」

こころ「あ、来たきた。にゃーん」

花子「すごいし」

こころ「ほれほれー」ナデナデ

ゴロゴロ

猫「にゃーん」

未来「私にも触らせてくれるかな?」

こころ「多分大丈夫だよ~この猫人懐っこいから」

スッ

猫「?」

スリッ

未来「あ、ホントだ! 来たきた!」

花子「は、花子も」

スッ

猫「……」プイッ

スタスタ

花子「!?」ガーン

花子「な、なんで花子のときだけ……」

こころ「にゃーん! 戻っておいでー! にゃーん?」

猫「……」プィッ

花子「は、花子のせいだし……」

未来「そんなことないって!」

こころ「うーん。たぶん餌くれるって思ってよってきたけどいつまでも餌くれないから興味なくしちゃったのかなー?」

花子「現金なやつだし……(次は餌持ってこよう)」

第440話 野良ネコ 1 終わり

第441話 野良ネコ2

にゃーん

撫子「(ん? 猫の鳴き声?)」

猫「にゃーん」

撫子「やっぱりそうだ……ほれほれおいでおいで」

猫「にゃー」

撫子「ふふふ、にゃーん」

藍「撫子?」

撫子「うわっ!」ビクッ

猫「にゃー?」

撫子「あ、藍か……な、なんでここに?」

藍「今撫子猫のまね」

撫子「してない」

藍「いや、近くを通ったからついでに寄っていこうかなって(猫の真似しちゃってかわいい)」

撫子「そっか」

猫「にゃー」

藍「猫かわいいね」

撫子「うん」

藍「おいでおいで」

猫「にゃーん?」

藍「ふふふ、にゃーん!」

撫子「藍……」

藍「な、鳴いてないし! ていうか撫子もさっき」

撫子「鳴いてないよ」

撫子「まぁいいやうちに寄ってくなら寄ってっていいよ」

藍「ふふ、ありがと」


第441話 野良ネコ2 終わり

第442話 野良ネコ 3

花子「……」ゴソゴソ

撫子「なにやってるの?」

花子「な、なんでもないし!」

撫子「?」


花子「(なにか猫の食べられるようなものないかなって思ったけどよくわからないし。かつお節なら食べるかな?)」

夕食

撫子「今日はサンマの塩焼き」

櫻子「まーた魚?」

撫子「魚食べると頭良くなるよ」

櫻子「まるで私が頭悪いみたいな言い方じゃん!」

撫子「いや事実でしょ」

花子「(……これだし!)」


櫻子「ごちそうさまー」

花子「ごちそうさまだし」ササッ

撫子「? 何してるの?」

花子「な、なんでもないし!」

撫子「……」

公園

花子「おーい、ネコー? サンマの食べ残し持ってきたしー」

猫「にゃーん」

花子「あっ、きたしきたし」

ポトッ

花子「魚は食べるし?」

猫「……」クンクン

もぐもぐ

花子「食べたし!」

猫「にゃーんにゃーん」

子猫「みゃー」

花子「!? 子猫が居たんだし!」

親猫「」パクッ

子猫「……みゃー」モグモグ

花子「もうないし」

花子「やっぱりお腹すいてたんだし。子猫の分と親猫の分なんて両方はないし」

花子「もっと魚持ってくればよかったし……」

撫子「花子!」

花子「あっ……撫子お姉ちゃん」

撫子「魚の骨持ってったと思ったら猫にあげてたのね」

花子「ご、ごめんだし」


撫子「夜外に出て行くならお姉ちゃんを誘わなきゃダメでしょ」

花子「そ、それもごめんだし。でも猫に餌をあげるって言ったら反対されると思ったし」

撫子「……私も持って来ちゃったんだけどね。魚の骨」


花子「え? いいのかし?」

撫子「(本当は良くないけど)今回だけは特別ね」

猫・子猫「にゃーんにゃーん!」モグモグ

花子「親猫が子猫を子育てしてるんだし……お母さんだから子猫に餌をあげなきゃいけなくて餌をくれる人を探してたんだし」

撫子「……」

子猫「みゃー」スリスリ

親猫「にゃーん」スリスリ

撫子「(でも、こうやって親猫が栄養を取ることでさらに子猫を産み、餌もない栄養状態も悪い中で生きていかなきゃいけないって考えると、餌をあげていいものなのかとも思う)」

撫子「(でも、こういうのを見てしまった以上あげないと可愛そうだとも思うし、はぁ。私もまだまだ未熟者だ)」

第442話 野良ネコ 3 終わり

第443話 冬の朝



カチッボボボボボボ

撫子「うぅー寒々」

撫子「はぁ~」

花子「おはようだし」

撫子「おはよう花子」

花子「今日は寒いし」

撫子「いつもはお母さん達が起きた時ストーブつけてるけど今日は二人とも早かったみたいだからご飯食べないで出て行っちゃったみたいだね」

花子「櫻子が起きてくるころには暖かくなってるんだし」

撫子「ははは、櫻子にもこの朝一のリビングの寒さを体感してもらいたいね」



撫子「じゃあ行ってきます。あっ、ストーブ消していく?」

花子「大丈夫だし、花子が消すし」

撫子「まぁ花子なら大丈夫かな。じゃあ行ってきます」

花子「いってらっしゃいだし」


櫻子「おはよう~~」ショボショボ

花子「おはようだし」

櫻子「うぅートイレ行ったら冷えちゃったよー」

花子「この部屋も30分前までは極寒だったし」

櫻子「私が起きてくるといつも暖かいな」

花子「櫻子は起きるのが遅いんだし!」

櫻子「いつも先に起きててくれてありがとな!」

花子「別に櫻子のために早く起きてるわけじゃないし」

花子「早く食べるし」

櫻子「はーい」

第443話 冬の朝  終わり

第444話 給食当番 1

花子「みさきち今日は花子達が給食当番だし」

みさき「あっそうだったわ」

花子「給食取りに行くし」

みさき「そうね」

廊下

花子「あれ? いつもは給食のおばちゃんがいるのに今日はいないし」

みさき「そうね。でも用意はされてるわよ」

花子「でも、これ重くて持てないし。特にスープの入った鍋は花子達には危ないし」

みさき「ふっふーん。花子はこんなのも持てないの? みさきは余裕よ」

花子「え? ホントに?」

みさき「見てなさい」

ガシ

みさき「むむむ」

花子「大丈夫かし?」

みさき「ほら、上がったわ見なさい花子」

花子「持ち上がってるけどなんだか不安定で危なっかしいし」

グラッ

みさき「あっ!」

花子「あっ!」

ガラガラバシャーン!!

みさき「あっつ!!」

花子「みさきち!!」

みさき「あ、あぁ……」

花子「やけどしてるかもしれないし! 早く冷やすし!!」

ザー

みさき「ど、どうしよう……」

花子「そのまま冷やしとくし! 今先生呼んでくるし!」

みさき「(みんなの分の給食こぼしちゃった……)」

第444話 給食当番 1  終わり

第445話 給食当番 2

花子「先生呼んでくるからみさきちは冷やしてて」

ザーーーーーーー

みさき「……」

ザーーーーーーーー

みさき「……」ポロッポロ

ザーーーーーーーー

みさき「うっうっ」ポロポロ

みさき「うぅ……うぇええええん!!!」

みさき「花子の、は、花子の言うとおりにしてれば零さなかったのに……」グスッグス

みさき「ご、ごめんなさい……」

みさき「給食こぼしてごめんなさい!」




先生「高崎ちゃん大丈夫?」

ザーーーーーーーー

みさき「」グスッグス

花子「大丈夫かし? ってなんで泣いてるし!? やけど酷かったし!?」

先生「とりあえず保健室に!」

花子「花子も一緒に!」

先生「大室さんは他の人呼んで、給食一緒に運んで!! みんなご飯食べるの遅くなっちゃう」

花子「わかりました」

第445話 給食当番 2 終わり

第447話 反転世界 1

3月も中旬になり、徐々に暖かい日も増えてきた。
私は、大学生活のため新年度から移り住む京都の物件を探していた。

撫子「ふぅーやっぱり家賃って高いなぁ……できるだけ親に負担にならないように安いところ探そうかな」

prrrrrr

撫子「ん、藍か」

撫子「もしもし、藍」

藍「今、撫子の家の前にいるよ」

サララ
カーテンを開けると藍が元気に手をふっていた。

撫子「今行くよ」

ガチャ

藍「お邪魔します」

大室母「あら、いらっしゃい藍ちゃん。春からも撫子と仲良くしてあげてね」

藍「はい! もちろんです!」

母はおそらく私と藍の関係に気づいていない。藍も京都にある大学に進学することになっていたため
今日は一緒に物件を探そうということにしていた。

花子「藍お姉さんこんにちはだし」

藍「こんにちは! 今日も花子ちゃんは可愛いね」

花子「ありがとうだし」ジー

花子はもしかしたら私達の関係に気づいているかもしれない。


撫子の部屋

撫子「やっぱり高いよね」

藍「うん。あのさ撫子」

藍は顔を赤らめモジモジしている。

撫子「ん? どうしたの?」

藍「る、ルームシェアをしないでしょうか……」

思いもよらぬ提案、でも画期的だった。

撫子「ルームシェアか。確かにいいね。家賃半分で済むし。なにより、藍といつも一緒に居られる」

藍「う、うん」


大室母「お菓子とお茶用意したわよ~いらっしゃいー」

撫子「はーい」


リビング

花子「撫子お姉ちゃん1人暮らしするのかし?」

撫子「うん、さすがにここからは通えないからね」

撫子「でも、藍とルームシェアしようかなと思ってる」

大室母「それはいいわね! 藍ちゃんもいいの?」

藍「私から提案したことですし」


撫子「(まさかの親公認)」

櫻子「いずれにせよ、ねーちゃんが出て行ってくれて私は伸び伸びできるね」

大室母「こら櫻子!」

撫子「全くだよ。手のかかる妹とようやくおさらばって思うとせいせいする」

花子「……」

藍「花子ちゃん? どうかした?」

花子「な、なんでもないし! 撫子お姉ちゃんのことよろしくだし、藍お姉さん」

花子「……」


藍「あ、私そろそろ帰るね」

撫子「駅まで送っていくよ」

藍「ふふ、ありがと」



藍「それにしても来月には京都かぁ……新生活が始まるんだね」

撫子「うん、きっと楽しいよ」

藍「そうだね。撫子と一緒だもん」

駅で藍と別れて帰路につく。夕日が眩しい。
それにしても、新生活か……今とは環境も変わるし全く別の世界になるんだろうな。



そんなことを考えながら歩いていると不意に目眩がする。夕日が眩しい。
あれ……夕日ってこんなに眩しかったっけ? というか遠景の街全体が赤く染まっている。
私の意識はそこで途切れた。





気が付くと、道路で倒れていた。何時間くらい倒れていたのだろう。辺りはすっかり真っ暗だ。
まだ目眩が残っている。熱でもあるのだろうか……とりあえず帰らないと

まだこのとき、私は”全く別の世界”に来てしまったことに気づいていなかった。

第447話 反転世界 1 終わり

第448話 反転世界 2

目眩が軽くおさまってきて少し冷静になることができた。
まず現在の状況だ。何時間も倒れていて通行人に誰一人として見つからないなんてあり得るのだろうか。
私は1つの最悪な想像をしてしまった。


実は誰かに眠らされて、乱暴された後、道路に捨てられたということ。
しかし、服に乱れはなく、身体的にも乱暴をされた痕跡もない。
それに、起きたところは家と駅の中間、仮に乱暴目的だとしたら、なぜわざわざ攫った位置と同じ位置に戻す必要があるのか……不可解極まりない。その可能性を認めたくないがためか自分でも恐ろしいほどに冷静に分析できた。しかし、もっと不可解な事実に気づいた。

撫子「あれ……雪が、ない……」

まだこの時期雪は完全に溶けきってはいない。現に来るときに路肩に雪が残っているのを目にしている。
ここだけ除雪したのだろうか?

撫子「ここも! ここも! ここにもない!!」

いつも雪塊を見るところに全く存在しない。
夢でも見てるのだろうか……頬をつねってみる。

撫子「痛い。夢じゃないの? というかスマホは!?」

スマホがないことに気がつく。またさっきの嫌な想像がよみがえる。













   攫われて1ヶ月ほど監禁されて記憶を消された可能性


撫子「とりあえず家に帰らないと」

私は家路を急いだ。

第448話 反転世界 2 終わり

第449話 反転世界 3

撫子「……」

家に帰っては来たが、私は今玄関の前で立ち尽くしている。というのも、一ヶ月行方不明になっていたなら両親は相当心配しているはずだ。そのまま、「ただいま」と帰ったほうがいいのか、インターホンを鳴らしてワンクッション置いた方がいいのか迷っている。自分の家に入るのにインターホンを押すというのもなんだか変な話だが……

「撫子、そんなところにつったって何やってんの?」

撫子「母さん……」

迷っていたら、母さんが玄関から出てきた。でも、なんだか様子がおかしい。

撫子「母さん、私今まで何してた?」

大室母「は? 何してたってコンビニ行くって言ってさっき出て行ったところでしょ? 意味分かんない事言わないでよ。もう高校生なんだから」

撫子「え……」

意味がわからないのはこっちだ。さっきまでコンビニに言っていた? いや、私は藍を送っていったはずだ。

撫子「コンビニって私、藍を送っていった帰りなんだけど」

大室母「藍って誰?」

撫子「え……? 私の友達の藍だけど」

大室母「え、アンタ友達いたの?」

頭が混乱した。母さんは冗談はいう人ではあるけど、こんな酷い冗談は言わない人だ。

撫子「ねぇ、私さ、3月16日に倒れたことなかった? それからの記憶がないんだけど……」

大室母「はぁ? 本当に大丈夫なの? 倒れても居ないし、別に普通だったわよ」

大室母「病院行った方がいいんじゃない? 本当に頭大丈夫?」

撫子「いや、大丈夫ちょっとどうかしてた」

なんだか冷たい母さんを後目に家の中に入る。自分の部屋に行くとさらに驚いた。

撫子「なに……この部屋……」

おおよそ私の趣味とは思えない漫画雑誌が棚積みになっていた。というか酷く散らかっている。

大室母「アンタその部屋片付けなさいよ」

言われなくとも片付けたい。というか、私の記憶がない1ヶ月のうちに別人が私を乗っ取っていたとしか思えない。信じられない光景だった。

しかし、もっと信じられないものを目にした。

2013年 4月

撫子「え? 2013年……4月……」

カレンダーのページは4月だ。2013年の

撫子「母さん! 今年は何年!?」

もう変に思われようがお構いなしだ。

大室母「そこまでボケてるの!! もう病院行こうか?」

撫子「いいから!!!」

大室母「2013年よ」

撫子「……」

ベッドの上においてある目覚ましを見ても2013年4月15日と確かに書いてあった。

第449話 反転世界 3 終わり

第450話 反転世界 4

一体どういうことなんだろうか。夢なら早く覚めて欲しい。ここは、過去? ベッドの上には無造作に携帯が置かれている。去年壊したはずのガラケーだ。携帯を開くと4月15日と書かれている。

撫子「やっぱり、過去なのか……」

信じられないと思いながらいつもの癖で携帯をいじる。メールを何気なく見ると

撫子「え……なにこれ……」

母さんと父さん以外からの着信がない。仮にここが去年の4月だったとして、めぐみ、美穂とは仲良かったし、藍を含め3人とはメールをよくしていた。そして、藍とはこの頃には付き合い始めている。
アドレス帳を開き、4人が登録されているか見る。

撫子「ない……」

4人どころか、他の友達も、ひま子さえも登録されていない。

撫子「これは夢だ。夢に違いない」

夢ならこんなに長くはっきりとしている夢を見るのもおかしいし、夢の中で夢と自覚していることになる。明晰夢というものだろうか。明晰夢は自分でコントロールできるというので、必死に夢から覚めるように念じた。しかし、いつまで経っても覚めない。次にとりあえず非現実的なことを起こせば夢だと思ったので、櫻子の頭にタライが落ちてくるように念じた。

バタンッ

ものすごい勢いで櫻子の部屋のドアが閉まった音が聞こえた。思惑通りタライが落ちてきたのかと思い。見に行くことにした。

ガチャッ

櫻子「はっ? なに勝手に人の部屋開けてんだよ! なんか用かよ!」

撫子「イヤ、櫻子の頭にタライが落ちてこないかなって」

櫻子「ハァ? 何言っての? 意味分かんないし。バカ過ぎてとうとう意味分かんない妄想でもするようになったの?」

撫子「櫻子にバカ扱いされるとは」

櫻子「いや実際ねーちゃんの方がバカでしょ? 勉強できないし。とにかく用がないなら出て行けよ!」

どうやらそんなに簡単にうまく操れないらしい。それにしても、櫻子の様子もおかしかった。大体櫻子ってあんなに服に気を使ってたっけ? 私のお下がりしか持ってなかった気がするのに

自室に戻るとまた山積みになった漫画雑誌があったので、整理しながら今日は 寝ることにした。寝れば夢って覚めるでしょ。その時は、そう信じていた。

第450話 反転世界 4 終わり

第451話 反転世界 5

藍「撫子~!!」

撫子「ん」

藍「おはよ撫子」

藍の顔が近くにある。あぁ、やっぱり昨日は夢だったんだ。

撫子「んーもうちょっとだけ」

藍「ちょっと撫子、起きてーねぇ起きて! 起きて」

「起きなさい!!! いつまで寝てるのアンタは!!!」

バンッ

撫子「痛ぁ!!」

大室母「さっさと学校行きなさいよ! アンタはいつまで寝てんのよ! もうとっくに櫻子も花子さえも学校に行ったわよ!!」

大室母「全く長女なのに一番だらしない」ブツブツ

撫子「え、だって私もう学校行く必要ない」

大室母「は? アンタ学校いかないつもりなの!? 不登校はやめなさいよ!」

起きて周りを見て絶望した。いつもと違う部屋、積み重なった漫画雑誌、かけられている制服。あぁ、悪夢からはまだ覚めないみたいだ。

母さんに引っ叩かれて制服を来て、カバンとスマホではない携帯を持ち、家を出た。

撫子「痛い……夢なのに痛い」

どうせ夢ならばこのまま学校をサボってしまおうかとも思ったが、サボったところで時間を潰す方法もないので、様子見も兼ねて学校に行ってみることにした。

それにしても何なんだこの世界は、櫻子が優秀で私がだらしない? 私の前に私をやっていた人は何をやっていたんだか。ここが異世界というものならば、なんて不条理な世界なのだろうと思う。

学校についたとき、大幅に遅刻していたため、既にHRが始まっていた。ドアの隙間からそっと教室の中を見る。どうやら、クラスのメンバーは変わっていないようだ。なんと、藍とめぐみの姿も見える。4月の始めの席順はそういえば出席番号順だった。これなら、私の席がどこにあるか分かる。HRが終わり先生が出て行くところを見計らい、遅刻カードを先生に提出する。先生は、「また大室は遅刻か、気をつけろよ」とだけいい去っていった。

それとなく、教室にはいる。

藍「ねぇ、ねぇ聞いて聞いて!!」

撫子「!! 藍」

藍が居た。それだけで私の胸は高鳴った。しかし

藍「え……」

めぐみ「ん? なになに? って、誰こいつ? てか藍ちゃんのこと呼び捨てにしてんの?」

藍「分かんない。えっと、何か私に用……かな?」

撫子「いや、なんでもない」

なんてことだ。どうやら藍と本当に友達ですらないようだ。しかも、めぐみって知らない人に対してこんなに冷たい人間じゃなかったはずだ。藍とめぐみが出て行く際にさらに嫌なことを聞いてしまった。

藍「ねぇ、もしかしたらあの子私達と友達になりたかったんじゃない?」

めぐみ「ギャハハハ! なにそれ! チョーウケる! あのボッチが! アハハハハ」

藍「ね、あんなのと私達が釣り合うはずないのにね。何勘違いしちゃってんだろ。おっかし」

この世界は最悪だ。悪夢なら早く覚めて欲しい。私はトイレに行き、2回吐いた。

第451話 反転世界 5 終わり

乙です

これはまた長編シリアス?

第452話 反転世界 6

気が付くと私は走りだしていた。

撫子「嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ!」

撫子「なんなんだこの世界は!!!」

昨日まで私は藍とこれから始まる新生活を夢見ていたところじゃないか! なんの冗談だこれは!! 学校を飛び出て、しばらく走った。

撫子「ハァハァ、夢でしょ! ねぇ! 早く覚めてよ!! お願いだから!!」

神様仏様お願いします。

ドテン

撫子「痛!!」

転んだ拍子に膝を擦りむいた。周りの通行人から冷ややかな視線が注がれる。

撫子「……」

撫子「覚めない……いくら走っていくら転んでも覚めないんだこれは」

撫子「少し冷静になろう……情報収集が必要だ」

私は敢えてもう一度学校に戻ることにした。きっと、この世界の藍とめぐみは悪魔か鬼に取り憑かれているのだろう。


いくらか落ち着きを取り戻し、教室に戻ってみると授業が始まっていたので、調子が悪く保健室に行っていたことにして自分の席に座る。藍とめぐみがヒソヒソと笑っているが、彼女たちは私の知っている藍とめぐみではない。

しばらく授業を受けているうちに習っている範囲が随分前の範囲をやっていることに気づいた。1年戻っているからもう習っているのは当たり前なのだが、そういうレベルではなく、大学受験をするには遅すぎるほど授業が遅れているのだ。どの科目も同様でだった。

また、他にもクラスメイトを観察していると、性格や外見が異なっていることに気づいた。ここで、私に1つの仮説が浮かんだ。






この世界はすべてが真逆の世界なのではないか?



そうするとすべて説明がつく、おおらかな性格な母さんが冷たかったこと。櫻子の頭がいいらしいこと。通っている学校は大学受験を意識した進学校ではないこと。めぐみがMではなく、Sなこと。藍が思いやりのある子でなく、冷酷な人間であること。


撫子「(そういえば、美穂がいない)」


この世界の美穂はドSではなく、ドMだったりするのかななどと考えたながら、数学の微積のテストを解いていった。

第452話 反転世界 6 終わり

第453話 反転世界 7

昼休みになり、私は気になっていたことを調べるため図書室に行った。
PCを立ち上げながら、待ち時間で本を探す。


撫子「あったあった」

本棚から取り出したのは、地理の参考書と歴史の参考書。
もし、この世界が私の知っている世界と異なるならば国の名前も国境も歴史も違うかもしれないと思ったからである。

撫子「アメリカ、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、ヨーロッパ各国も東南アジア諸国も私の記憶が正しければ大体地理的な位置は変わってない」

撫子「第二次大戦は連合国側の勝利、1945年太平洋戦争終結、8月6日広島、8月9日長崎原爆投下」

撫子「1950年朝鮮戦争勃発、1989年ベルリンの壁崩壊。東西冷戦終結」

大きな歴史的事件も変わっていないようだ。

立ち上がったPCで最近起こったことについても調べる。

撫子「東日本大震災、2011年3月11日。元号は平成、主な事件は地下鉄サリン事件、同時多発テロ、イラク戦争、秋葉原無差別殺人事件、2013年は平成25年」

撫子「(地下鉄サリン事件は1995年に起こった。私の生まれた年に起こったからよく覚えている)」

2001年の同時多発テロと1995年の地下鉄サリン事件、2011年の東日本大震災と、私の元いた世界で起きた出来事の年号とこの世界で起こっている出来事に差は見られない。

撫子「街も特に変わったところはなかった。つまり、違っているのは人の性格だけか」



正直に言って、人の性格が違えば、歴史の違いはあると思う。なぜなら、人の行動や選択は性格やその人の育った環境によって、人が起こす行動や選択によって歴史というものはいくらでも変わりうるものだと思うからだ。
歴史上の人の性格が真逆になっていれば、例えば、江戸幕府を開いたのは徳川家康ではなく、織田信長だったかもしれない。
例えば、ヒトラーはナチズムを掲げる独裁者にならず、無名の画家になっていたかもしれない。
それでも、歴史上の事件、人物についてまで一致しているということは、この現象が私の周りの人限定などのローカルな現象なのかもしれない。

歴史の教科書を見ながら、そんなことを考えていると午後の授業はあっという間に終わった。

第453話 反転世界 7 終わり

×なぜなら、人の行動や選択は性格やその人の育った環境によって、人が起こす行動や選択によって歴史というものはいくらでも変わりうるものだと思うからだ。

○なぜなら、人の行動や選択は性格やその人の育った環境によって変わり、
 人が起こす行動や選択によって歴史というものはいくらでも変わりうるものだと思うからだ。

第454話 反転世界 8

学校が終わり家に帰ることにした。

撫子「ただいま」

櫻子と花子はもう帰ってきているみたいだ。しかし返事はない。
自分の部屋に向かう。

撫子「わぁ……相変わらず自分の部屋じゃないみたいだ」

私が普段読まない漫画雑誌が部屋に山積みになっている。昨日ある程度整理はしたので散らかってはいないが、まだ不満がある。大体今月号以外の雑誌はいらないと思う。

撫子「この世界の私には悪いけど、片付けさせてもらう」

30冊程度の雑誌をひもで結ぶ。

撫子「ふぅーこんなもんか」

ギィー

撫子「ん?」

花子「ん……ごめんなさい」

撫子「花子?」

部屋に戻ってしまった。
花子ともそれほど仲が良くないのだろうか。次の廃品回収で持って行ってもらうため、外の物置へと運ぶ。
いや、この家では廃品回収に運ぶものを物置に置くルールはあるのだろうか。まぁいいや、部屋においておくよりはマシだ。

階段を降りる最中に櫻子と鉢合わせた。

櫻子「なにやってんの?」

私がいるのが邪魔とでも言いたそうな目で話しかけてくる。

撫子「漫画雑誌を捨てるの。要らないから」

櫻子「……あっそ。邪魔だからどいて」

撫子「いや、重たいもの運んでるんだからそっちがどいてよ」

櫻子「チッ」

舌打ちしながら道を開けたが、果てしなくウザい。私の世界の櫻子とは違うベクトルでものすごくウザい。
階段を降りて行くと、櫻子が上がりながらボソッと呟いた。


櫻子「……まぁ、ねーちゃんがそれを片付けようとするのは意外だったよ」


雑誌を物置に入れて、玄関に戻ると向かい側の家に入っていこうとする人が見えた。

撫子「あれ……あの後ろ姿は」

撫子「ひま子?」

とっさに声を掛けてしまったが、この世界ではひま子の性格も反転しているはずだ。

向日葵「え……あ、あぁ……その、こ、こんにちは」

どうやら、ひま子と私は近所の人同士くらいの関係で家ぐるみであまり深い仲ではなさそうだ。

撫子「(どうしようか。何を話しかけよう)」

第454話 反転世界 8 終わり

第455話 反転世界 9

撫子「あのさ、櫻子と仲良くしてあげてる?」

向日葵「え。あぅ……」

失策だった。つい言葉に出てしまったが、あの感じの悪い櫻子と果たして仲良くなんて出来るのだろうか?

撫子「あのさ、私がこんなこと聞くのもおかしいかもしれないけど、最後に櫻子と遊んだのいつだっけ?」

たぶん、この世界のひま子も幼少期から家と隣近所だったから昔は櫻子と遊んでいてもおかしくはないはず。

向日葵「え、えぇっと……しょ、小学3年生のとき……です」

撫子「そっか。それからは櫻子が冷たくなっちゃったの?」

この世界の櫻子と向日葵の関係についての情報を引き出すためにカマをかける。

向日葵「はい……でも、私が悪いんです」

撫子「ん? 悪いってどういうこと?」

向日葵「……」

中々しゃべろうとしない。話しにくいことなのだろうか。

撫子「ごめん。一気に聞こうとしたのが悪かった。また今度聞かせてね」

向日葵「……ごめんなさい」

撫子「そうだ。メールアドレスを交換しない?」

向日葵「え?」

困惑したとも喜びとも取れる顔。

撫子「長年隣に住んでるのに、交流がないのも変だなと思ってさ。これを期にどうかな?」

向日葵「え、えと。おお願いします! あっ」

吃りながら携帯を慌てて出すと、そのままの勢いで携帯を落としてしまっていた。

撫子「あはは。気をつけなきゃね」

向日葵「あ、ありがとうございます!」

むしろお礼を言いたいのはこちらだ。これで携帯のアドレス帳に家族意外の人のメアドが初めて登録される。

撫子「(やっぱり、喜んでいたんだ)」

性格が多少引っ込み思案といえど、ひま子はひま子だ。
この世界に来て初めて知り合いとコミュニケーションがとれた気がした。

第455話 反転世界 9 終わり

第456話 反転世界 10

家に入ると、櫻子がバツの悪そうな顔で見てきた。

撫子「なに?」

櫻子「今外で向日葵と話してたでしょ?」

この櫻子から向日葵の話が出てくるとは意外だ。

撫子「うん」

櫻子「何話してたの?」

相変わらずの冷たい声

撫子「櫻子に嫌われて寂しそうだったよ」

櫻子「あのさ、それねーちゃんには関係ないじゃん! 関わらないでくれる!?」

確かに関係ない。だから言ってやった。

撫子「別に櫻子には関係ないよ。これは、私とひま子の個人的な付き合いだから」

櫻子「なっ!! ね、ねーちゃんの癖に生意気なんだよ!!」

おそらく今までの私は櫻子に反撃して来なかったのだろう。だから、私が反撃したことに対応しきれていない。

櫻子「ムカつく! ムカつく!!」

掴みかかってきた。

撫子「生意気なのはどっちだと思ってんだ? え? それが姉に対する口の聞き方か? え?」

花子「あわわわ」

花子「ぼ、暴力はダメだし!!」

撫子「花子……」

櫻子「チッ」

花子の仲裁で櫻子が手を離し自室へと戻っていった。

撫子「ごめんね。花子、怖がらせちゃって」

花子「うぅ……グスッ」

撫子「……」ナデナデ

たぶんこの世界の花子は、内気なんだろう。今のもこの花子にとっては精一杯だったんだろう。

撫子「頑張ったね」

花子「うわああああん!」

その後、花子が泣き止むまで撫でるのを辞めなかった。

第456話 反転世界 10 終わり

第457話 反転世界 11

そういえば、そろそろ夕飯を作る時間だ。昨日は時間的に夕飯は食べ終わっていたみたいだから今日の当番が誰なのかわからない。

撫子「(台所に行くか)」

18:30、まだご飯は誰も用意していなかった。

撫子「(もしかして今日は私なのかな? なにか簡単な料理でも作るか)」

麻婆豆腐の素があったので、豆腐があれば麻婆豆腐が手軽に作れそうだ。
冷蔵庫を見ると豆腐が一丁ある。本当は、レトルトの麻婆豆腐は好きではないのだが、みんなお腹をすかせてるだろうし私も空いた。

撫子「(こんな時間までご飯を作らないとは、やっぱり今日は私なんだ)」

19時にはご飯にしたかったため、ご飯は炊飯器ではなく、鍋で炊いた。ガスで炊くと15分ほどで炊きあがるので急いでいるときにはちょうどいい。

撫子「(後、味噌汁を作って。あ、そうだ。麻婆豆腐にはすりおろし生姜と醤油を少し足そうかな。あの独特の甘みが消えればちょうどいいけど)」

ガチャン

誰か家に入ってきた。お母さんだろうか? この時間に帰ってくるとは珍しい。

大室母「今日は残業が長引いたわ。って、何やってるの? 撫子……」

撫子「え、なにって晩御飯の支度だけど」

大室母「アンタ……いつからそんなことするようになったの? 私が帰ってくるまで待てなかった?」

撫子「……」

なるほど、この世界では、料理は母さんが作っていたのか。母さんのしている仕事も普段は早い時間に終わる仕事みたいだ。

大室母「はぁ。アンタが作ってもどうせ碌な料理にならないんだから……」

大室母「で、なにつくったの?」

撫子「麻婆豆腐」

大室母「あぁ、レトルトのやつね。まぁそれならアンタでも作れそうね」

大室母「って、アンタ味噌汁も作ったの? それにご飯は炊飯器使わないで、ガスで!?」

大室母「どこで、そんなの習ったの!?」

撫子「えぇと、家庭科の調理実習で」

大室母「失敗してないでしょうね?」

いつも作っている手順だ。失敗しているはずがない。

大室母「うん、意外とうまく出来てるわね」

味見をした母はそう言った。

大室母「花子ー、櫻子ーご飯よー!」


料理を食卓に並べ、みんな各々の席に座り、食べ始める。

大室母「今日は撫子が作ったのよ」

櫻子「は、ねーちゃんが作ったのかよ」

花子「……」ガシ

花子が食べながら私の袖を掴んで言った。

花子「美味しいし」

撫子「ありがと」

大室母「撫子がこんなに料理が出来たのは意外だったわ。やればできるじゃない」

果たしてそれは私のことを褒めているのだろうか。いずれにせよ、褒められているのは”私”であってこの世界に元々居た”大室撫子”ではない。なんだか複雑な気分だ。

櫻子「……」

唯一櫻子は何も言わずに黙々と食べた。
第457話 反転世界 11 終わり

第458話 反転世界 12

夕食を食べ終わった後、自室に戻り考えた。


私はこの世界に元々居た”大室撫子”と同じ性格を演じた方がいいのだろうか。私がいつもと同じような行動をとってしまえばしまうほど、この世界の大室撫子は本来と正反対の人間となってしまう。
つまり、余計な行動・言動は控えて、戻るための努力だけをすればいいのかということだ。

撫子「でも、その戻る方法が全く思いつかないからなぁ」

また、寂しさに襲われる。早く元の世界に帰りたい。

撫子「そうだ! ひま子にメール」

まだひま子にメールしていないことに気がつく。

To: ひま子

今日は、連絡先交換してくれてありがとね。

3分くらいで返信が来た。

From: ひま子

こそ私

撫子「?」

From: ひま子

ごめんなさい。途中送信してしまいました。こちらこそありがとうございます。私今までメールするような人いなかったので嬉しいです。

撫子「なるほど、メール慣れてなかったのか。もしくは緊張しちゃったのかな?」

To: ひま子

私もひま子と同じだよ。


撫子「(嘘は言っていない)」

From: ひま子

ひま子?

撫子「あぁ、そっか。ひま子っていうのは私がつけた名前だった」

To: ひま子

向日葵だからひま子

From: ひま子

アダ名ですか?

To: ひま子

うん

From: ひま子

嬉しいです。

撫子「ふふ」

やっぱりひま子はひま子だなと思う。と、同時にひま子に友達1人出来ないこの世界があまりにも理不尽で憎く感じた。櫻子と不仲になったきっかけはなんだったのだろうか? 明日は休日なので、それを聞けないかと思い会う約束をした。

From: ひま子

え? 明日ですか?

To: ひま子

ダメかな?

From: ひま子

いえ、大丈夫です!

第458話 反転世界 12 終わり

第459話 反転世界 13

翌日、ひま子を迎えに行こうとするとリビングから出てきた櫻子とバッタリあった。

櫻子「どこ行くの」

ムスッとした態度

撫子「ちょっとひま子と出かけてくる。あ、向日葵とね」

櫻子「だからなんで一々関わってくるの!? 最近のねーちゃんはどうかしてんじゃないの!?」

もちろんどうかしてる。この世界は。櫻子にとっては、私が激変したように見えるのだろう。まぁいい。

撫子「昨日も言ったように別に私とひま子の個人的付き合いだよ? なんでそんなに突っかかってくるの? そんなに私とひま子が仲良くするの気に入らないの?」

櫻子「ぁぁあうぅ……もういい。勝手にして」

やっぱりこっちの櫻子もバカだ。私のいた世界の櫻子よりも勉強はできるらしいが、自分の気持ちに素直になれないという点では、こっちも向こうも変わらないみたいだ。


ドアを開けるとひま子が居た。

撫子「あ、もう来てたんだ。早いね。迎えに行こうと思ってたんだけど」

向日葵「あ、あの! おおはようございます! 大室ささ きょ、今日はよよよろ」

撫子「あはは。そんなに緊張しなくていいよ。その辺回るだけだから。後撫子でいいよ」

向日葵「……よろしくお願いします。撫子さん」

撫子「そうそう、その調子。じゃあ行こうか?」

向日葵「はい!」

撫子「じゃあ、まずは服を買いに行こう!」

向日葵「はい! ……えぇっ!? ふ、服ですか!?」

撫子「うん。ひま子はもうちょっと女の子っぽい服来たほうがいいよ。せっかくスタイルいいんだから」

向日葵「えっ……って恥ずかしいです!!///」


服屋

撫子「うーんこれなんてどうかなぁ……」

向日葵「えぇーっと」

撫子「ダメ?」

向日葵「だ、ダメじゃないです」

敢えて一番派手なワンピースを選ぶと、明らかに気乗りしない表情。

撫子「ホントにこれでいいの?」

向日葵「えぇ、ええと」

撫子「じゃあこれ買っちゃうよ?」

向日葵「ち、違います!! ホントはこっちがいいです!!」

撫子「よく言えました」

向日葵「え?」

撫子「嫌なものは嫌、欲しいものは欲しいってしっかり言ったほうがいいよ」

向日葵「はい、ありがとうございます!」

撫子「うん。よろしい。それにしても、ひま子それを選ぶとは中々センスがあんじゃん」

向日葵「え? ホントですか? ありがとうございます」

撫子「じゃあ買おうか?」

向日葵「あの。でもお金が」

撫子「いいよいいよ。私が買ってあげるから」

向日葵「え。でもその悪いです」

撫子「じゃあ、こうしよう。私がそれを買うから。ひま子は私に似合いそうな服を買ってよ」

向日葵「え、で、でも私なんかが選んで大丈夫でしょうか?」

撫子「大丈夫、ひま子ファッションセンスあるって絶対」

向日葵「で、でも今まで地味な服しか選んでなくて」

撫子「大丈夫、大丈夫」

向日葵「じゃあ、選んで来ますね」

撫子「うん。待ってる」


撫子「私にも服に自信がなかったことがあるなぁ……」

撫子「(あれいつ頃だっけかな? 確か去年の今頃だった気が。確か、美穂やめぐみや藍の服見て可愛いなって思ったんだよね。それで努力しようって)」

ん? 本当にあれは去年か? でも、少なくとも美穂と同じクラスになったのは3年生になってからだし、それまでは深い仲じゃなかったし。去年だろう。 



向日葵「お待たせしましたー」

撫子「ありがとう。おぉ、なかなかいい服じゃない!」

向日葵「ほ、ホントですか? ありがとうございます」

撫子「じゃあ。試着してくるね」

向日葵「はい」

試着室

撫子「む、胸のサイズが合わない……」

ピシャ

向日葵「どうでしたか?」

撫子「ちょっとサイズが合わないから1つ下のサイズ持ってくるわ」

向日葵「え!? 撫子さんってすっごい痩せてるんですね! 羨ましいです」

撫子「ははは、ありがとう(ははは、痩せてる、か……なぜこの世界でも胸の大きさは反転しないんだ……非情だ)」

第459話 反転世界 13

第460話 反転世界 14

撫子「お腹減ったね」

向日葵「はい」

撫子「ファミレスでいい?」

向日葵「あ、大丈夫です」

席に座り、メニューを注文し、少し落ち着いたところで、どう話を切り出そうかと迷っていると、意外なことにひま子の方から話を振ってきた。

向日葵「それにしても、撫子さんなんだか雰囲気変わりましたよね?」

撫子「……」

それも私の聞きたいことの1つであった。

向日葵「あ、いやそのごめんなさい」

撫子「いや、いいよ。どういう風に変わった?」

向日葵「えっと、あまり最近はお話したことないので間違ってるかもしれませんが、なんだか明るくなったというか」

向日葵「……いや、撫子さんが元々暗かったっていうわけじゃないんです!」

撫子「いいよいいよ、素直に言ってくれた方が助かる」

向日葵「あ、あのこんなこと言うのもアレなんですけど、撫子さんは今回みたいに私を誘うような人じゃなかったです」

向日葵「だからちょっとビックリしちゃいました。あはは」

撫子「……」

そもそもひま子と私の仲自体は、おそらく櫻子と遊ばなくなったひま子達が小3の時点でなくなっているのだろう。ひま子から聞けるこの世界の私の情報はここまでのようだ。

撫子「あのさ、学校での櫻子ってどんな感じ?」

向日葵「そうですね。クラスの最初のHRで真っ先にクラス委員に立候補して、運動もでき生徒会に所属していて、まだ入学間もないけど、みんなから信頼されてます」

随分、家での様子と違うみたいだ。

撫子「友達はいる?」

向日葵「えっと、多いと思います。赤座さんと吉川さんといつも一緒にいるところを見ますね」

そういえば、あかりちゃんの性格も反転しているのだろうか?

撫子「ねぇ、あかりちゃ、いや赤座さんってどういう人」

つい、口を滑らせてしまったが、私があかりちゃんの名前を知っていたらおかしい。でも、ひま子は特に気にする様子もなく教えてくれた。

向日葵「赤座さんは、優しい人だと思います。友達の出来ない私にも気を使ってか話かけてくれますし」

意外な事実だった。話を聞く限りあかりちゃんの性格は変わっていないみたいだ。前に性格が反転するという現象はローカルな範囲でしか起こっていないと仮説を立てたが、本当に私の周りというローカルな範囲でしか起こっていないのかもしれない。

撫子「そっか。赤座さんとは仲良く出来なかった?」

向日葵「ええと、櫻子がいて話かけづらくって……」

撫子「なるほど」

そろそろ本題に入ってもいいだろう。

撫子「あのさ、櫻子と不仲になった原因について昨日小3のときにあったことが原因って言ってたよね? 詳しく聞きたいな」

向日葵「は、はい」

第460話 反転世界 14 終わり

第461話 反転世界 15

向日葵「小さい頃は、撫子さんも知っていると思いますけど私と櫻子は一緒に遊んでました」

撫子「うん」

向日葵「でも、小学校にあがって段々勉強が難しくなってくると私は勉強についていけなくなったんです」

向日葵「おまけに私運動音痴で」

向日葵「それでも櫻子は見てくれてたんです! 私が居残りしたら一緒に残ってくれてたし、体育のマラソン大会のときも私に合わせて走ってくれたり」

まるで、向こうの世界の向日葵と櫻子の関係を反転させたみたいだった。最も運動は櫻子の方ができるというのはこっちも向こうも同じだけど

向日葵「でも、そのせいで櫻子は他の友だちと遊ぶ暇もなくなっちゃって」

向日葵「それで、それで私、櫻子に『もう関わらないで』って言っちゃって」

向日葵「櫻子それ聞いて呆然とした顔してました……そ、それ以来櫻子が私に話しかけることはなくなりました……も、もちろん私からは話しかけづらくって……うぅ……」グスグス

なるほど、おおよその話は理解できた。この世界での櫻子と向日葵の関係は小さな行き違いがきっかけでこのような関係になってしまったんだ。
こっちの櫻子が向こうのひま子のようにもっと忍耐強くひま子の面倒を見る性格だったなら、こっちのひま子が向こうの櫻子のように面倒を見てもらっていてもそれを下手に気遣わない図太い神経の持ち主だったなら、
たぶん、こっちのひま子と櫻子の関係は向こうの櫻子とひま子の関係のようになっていたかもしれない。泣きだしてしまったひま子の背中をさすりながら、そのようなことを考えていた。
料理が運ばれてきて、泣いてるひま子を見てウェイトレスさんが唖然とした表情を浮かべた。

撫子「(あぁ、この話をするタイミング間違えたわ)」






向日葵「ご、ごめんなさい。急に泣いてしまって」

撫子「いや、私が悪かったよ。ご飯たべられる?」

向日葵「はい、大丈夫です」

運ばれてきた料理を食べながら私は考える。櫻子はひま子に対して今でも気にかけているはずだ。今日の朝だって、昨日だってひま子の話になると不機嫌になった。
まるで、私だけがひま子と仲良くしているのが気に入らない様子で。今の話で確信した。櫻子はひま子に拒絶されたと勘違いしている。不仲になったのが小さなきっかけなら仲直りをするのもきっかけがあればできるはずだ。
ただ、あの櫻子の頑固さや素直じゃない性格からしてみると、そのきっかけが難しいかもしれない。そうでなくても、小3から4年間お互いしゃべっていなかったのだから、もう一度仲良くするなんていうのはそれだけでもハードルが高い。
そこで、最も根本的なことを聞く。

撫子「ひま子は櫻子ともう一度仲良くしたい?」

向日葵「……はい。出来れば」

向日葵「でも、そうじゃなくても謝りたいです」

撫子「え?」

向日葵「私が櫻子のことを拒絶したのが原因ですから」

なるほど、ひま子も気づいていたのか。だったら、解決は思っているよりも簡単かもしれない。

撫子「そっか。でも、話しかけづらいから今まで謝れていなかった?」

向日葵「はい」

撫子「私が今櫻子をここに連れてきたらきちんと謝れる?」

向日葵「え?」

撫子「そのくらいの覚悟はあるっていうこと」

向日葵「……」

少しばかりの沈黙、でも最終的にひま子は決意した。

向日葵「はい」

撫子「わかった私がなんとかする」

第461話 反転世界 15 終わり

第462話 反転世界 16

向日葵「え、本当にここに連れてくるんですか?」

撫子「いや、ここに連れてくるのは無理だから。とりあえず帰ろう」

向日葵「はい」

帰る途中、ひま子は一言もしゃべらなかった。家に近づくに連れてひま子の体が震えているのがわかる。
家の前につく。

撫子「じゃあ、ちょっと待ってて櫻子呼び出してくるから」

家に入るとリビングに櫻子がいる。

撫子「櫻子、話があるんだけど」

櫻子「ヤダ」

撫子「ひま子のことで」

櫻子「……だからヤダって」

撫子「というか、私じゃなくて、向日葵が話したいって、今外で待ってる」

櫻子「!! なんで向日葵が私に!?」

撫子「いいから、早く出なさい」

櫻子「ヤダよ!!」

出て行きそうにないので、無理矢理腕をひいて引っ張る。

櫻子「な、何すんだよ!! 離せよ!!」

撫子「向日葵が! 話があるって!!」

櫻子「結局ねーちゃん、関わってんじゃん! 関わってきてんじゃん!!」

撫子「関わるよ!!」

櫻子「!!」

撫子「関わるに決まってんじゃん!! 家族なんだから」

櫻子「……」

撫子「それにひま子だって」

撫子「……いや、直接ひま子から聞いたほうがいいか」

ドアを開けるとひま子が体を震わせて待っている。

櫻子「!!」

向日葵「う、うぅ……」

撫子「(がんばれ)」

向日葵「さ、櫻子!!」

櫻子「……」

向日葵「す、すみませんでした!!」

櫻子「!!」

向日葵「も、もう関わらないでなんて言ってごめんなさい!! 嘘、嘘なんです!! ほ、ホントは私! 私!! う、うぅ……」グスグス

櫻子「向日葵……」

向日葵「ごめんなさい!!」

その場に泣き崩れる向日葵。よく頑張ったと思う。後は、櫻子か。

櫻子「とりあえず、これで顔拭きなよ」

向日葵「!?」

櫻子が向日葵にハンカチを渡す。


櫻子「……でもさ、わかんねーよ……今更謝られたって……」

向日葵「……そ、そうですよね……」グスッグス

櫻子「だって、私向日葵に嫌われたと思ってたし……でも、あれは途中で向日葵の演技だって気づいてた。それなのに、私は」

櫻子「……でも、もう何年も口聞いてなかったし、しょうがないなって思ってたんだよ……もう、向日葵と一生話すこともないって」

そうだったのか。てっきり私は未だに櫻子が勘違いしているものだと思っていたけど。

櫻子「だから、こんな風に向日葵の方から謝られると私……あーっ! もうわかんない!! わかんないわかんない!!」

撫子「また仲良くすればいいじゃん」

思わず口を挟んでしまう。

櫻子「そう簡単にいうけどさ、4年だよ! 4年! 私が向日葵と話してなかった期間! 今更仲良くしよう、はいそーですね、なんて出来るわけない」

向日葵「うぅ……」グス

櫻子「あ、ごめん。向日葵に言ったんじゃなくて」

撫子「じゃあ結局仲良くしたいんじゃん」

櫻子「!!」

櫻子は泣いていた。向日葵と仲良くしたい自分と拒絶してしまう自分がいて、心の中で戦っているのだろう。

向日葵「さ、櫻子……涙」

向日葵が櫻子にハンカチを渡す。

櫻子「これ向日葵が使ったやつ……」

向日葵「あ……そうだった。ごめんなさい」

櫻子「……ぷ、あっはっはっは! あっはっはっは!!」

向日葵「ご、ごめんなさい!!」

櫻子「普通、自分が使ったハンカチ人に渡さないって!! それも、私がさっき上げたやつを!!」

向日葵「そ、そうですよね……ごめんなさい」

櫻子「いいよ。謝ることじゃないって」

櫻子「それに、私も悪かった! 向日葵の気持ちに気づいていながら、そのまま仲直りしようとしなくて」

向日葵「いや、それは私が……」

櫻子「私がいいって言ってんだからいいの! 向日葵はすぐ謝りすぎ」

撫子「同感」

向日葵「すみません。はっ!」

櫻子「あはは、ほらまた!」

向日葵「そ、そうだった」

櫻子「それにしても、これからどうすればいいんだ私達は」

撫子「とりあえず、メルアド交換でもすれば?」

櫻子「そっか。そうだよね。はい」

向日葵「あ、ありがとう」

なんだかいい感じに事が収まったので私は家に入る。私が”あっち”に帰る方法はわからないけど、今の櫻子と向日葵の仲直りを見て思った。

撫子「(きっと、私はこっちの世界の問題を解決するために送られてきたんだ)」

たぶん、こういうことをやっていけば”あっち”に帰ることができるんだろう。そう思うことにした。

第462話 反転世界 16 終わり

ひまさくはひとまず一件落着
あとは花子様と美穂しーだな

第463話 反転世界 17

さて、櫻子と向日葵を仲直りさせたところで、私の関心は花子に行った。こっちの花子は実際どういう性格なんだろう。私は花子と話してみることにした。
リビングにはいなかったので、花子の部屋に行く。宿題をしている最中のようだ。悪いかなと思いつつ、声をかけることにした。

撫子「花子、お茶いれたけど飲む?」

そういうと、花子はコクリと頷いた。

花子「あ、でも。ちょっと、トイレ」

花子が洗面所に行っている間にどんな宿題をやっていたのか見る。どうやら、算数の宿題みたいだ。少し気になって、中身を見た。小学2年生が習う2桁と1桁の足し算と引き算だった。
ちょっと、解答を確かめてみると、結構間違えがあった。どうやら、こっちの花子は向こうの花子のように頭が良いわけではないようだ。といっても、向こうの花子が飛び抜けて頭がいいせいで、小学2年生として、これが標準的なのかもわからなくなっているけど。

花子「え、えっと。何やってるの?」

撫子「ん? あぁ、ごめんね。ちょっと見てた」

花子「そ、そう」

どうやら、この花子と話をするのは一筋縄では行かないようだ。

撫子「はい、お茶」

花子「ありがとうだし」

口調はあまり変わってないのか。

撫子「そうだ。花子、楓とは遊んでる?」

花子「あ、遊んでないし」

撫子「そっか。確かに向日葵と櫻子の繋がりがなかったら花子と楓の繋がりもないのか」

花子「?」

撫子「いや、なんでもない」

花子「櫻子お姉ちゃんは、どうしてお隣さんと今まで仲が悪かったの?」

花子が櫻子のことを櫻子お姉ちゃんと言っていることに新鮮さを感じる。

撫子「なんだか、4年前に仲違いしちゃったみたいでね。それから、お互い勘違いしちゃってたみたい」

花子「勘違い?」

撫子「そ、勘違い。本当は2人とも仲良くしたかったみたいなんだけどね。お互いを思うあまり気を使って、話せなかったんだって」

花子「……」

花子「花子も、花子もうまく話せないことがあるし」

どうやら花子から話してくれそうだ。

撫子「ん? なになに? お姉ちゃんが相談に乗ってあげるよ」

花子「なんだか最近の撫子お姉ちゃん優しいし」

花子は少し微笑みながらそう言った。しかし、それは花子でも最近の私がおかしいということに気づいているという意味だ。

撫子「ちょっと、心を入れ替えたんだ。もうちょっと妹のことを思ってあげてもいいんじゃないかなってね」

とりあえず、そう言ってはぐらかす。


花子「本当は、本当はね。花子ももっとお姉ちゃん達と遊びたいんだし」

花子「でも、櫻子お姉ちゃんは怖いし、撫子お姉ちゃんも今までは素っ気なかったから、花子1人で遊んでたんだし」

撫子「そっか。なるほど」

私が乗り移る前の”大室撫子”について想像する。きっと、漫画ばっかり読んでいて、あまり活発にしゃべるほうじゃなく、花子にも櫻子にも関わって来なかったのだろう。

花子「でも、昨日撫子お姉ちゃん、櫻子お姉ちゃんのこと怒った」

撫子「ああ、あれね。怖かったよねあれ」

花子「でも、すごかったし。家では櫻子お姉ちゃんが一番偉かったから。櫻子お姉ちゃんにあそこまで言える撫子お姉ちゃんカッコ良かったし」

撫子「そっか」

もしかすると、櫻子と花子がこういう性格になったのは私のせいなのかもしれない。私と言っても、元々この世界にいた”大室撫子”であるが。

花子「花子も撫子お姉ちゃんみたいになれるし?」

撫子「なれると思うよ。きっと」

尊敬されるのはうれしいが、それは”私”であって、この世界の”大室撫子”ではない。

花子「ありがとうだし」ギュッ

撫子「よしよし」ナデナデ

まだこっちに来て間もないが、こっちの花子はすごい甘えん坊さんだということは分かった。
私は花子の学校でのことについて聞くことにした。

第463話 反転世界 17 終わり

第464話 反転世界 18

撫子「花子、学校は楽しい?」

花子「……」

だまって俯いてしまった。これは聞き方を間違えたか。

撫子「花子のいるクラスにはどんな子がいるの?」

花子「高崎さん、小川さん、相馬さんがよく一緒にいるのを見るし」

撫子「(高崎さん、みさきちゃんかな? 小川さんはこころちゃんのことで、相馬さんは未来ちゃんかな?)」

撫子「高崎ちゃんはどういう子?」

花子「なんだか、騒がしい人だし、後ちょっと威張ってる」

撫子「小川ちゃんは?」

花子「おっとり? っていうのかな? ボーっとしてる子だし。そして、いつもよく小川さんに話かけてるのが相馬さん。相馬さんは明るい子で、よくおしゃべりしてるし」

撫子「なるほど」

やっぱり、私と関係のない人ほど、この影響は受けていないようだ。こっちの未来ちゃん達に実際に会っていないからなんとも言えないけど。

撫子「花子は学校ではいつも何やってるの?」

花子「お勉強についていけないから休み時間も勉強してるし」

なるほど、たぶん、未来ちゃんたちは勉強している花子に話しかけづらいのかもしれない。

撫子「そっか」

花子「もういいし?」

撫子「わかった。ごめんね。無理してきいて、勉強に戻っていいよ」

花子「……」

私が部屋を出て行くとき、なんだか寂しそうな目をしていた。



さて、花子の問題を考える。きっと、花子には友達がいない。
ひま子のときは、櫻子を自分で動かせたから、なんとかなったけど、ここでの世界では、未来ちゃんもこころちゃんもみさきちゃんも私は一回もあったことがない。
下手に接触すれば誘拐かなにかだと思われるだろう。

問題は、花子が休み時間も勉強ばかりしているところにあると思う。確かに勉強は大事だが、休み時間まで勉強していては、みんな話しかけづらいと思うだろう。
特に未来ちゃん達の性格が変わっていないならば、休み時間などに積極的に話しかけていけば、友達になってくれるだろう。

そんなことを考えながら、お茶の出がらしを捨てていると、お母さんが来た。

大室母「はぁ、明日はどうしよう」

撫子「ん? どうしたの?」

大室母「いや、花子の先生の家庭訪問があるんだけどね。私明日急に仕事にいかなきゃ行けなくなって」

撫子「明日?」

大室母「って、撫子には関係ないわね」

なるほど、家庭訪問に来てくれるのか。それはありがたい。

撫子「私が先生に会おうか?」

大室母「はぁ? 撫子が会う? 会って何話すのよ!? アナタ花子のことなんか何も知らないでしょ? 今までロクに面倒見てこなかったんだから」

撫子「うん、でも最近心を入れ替えたんだ。花子も櫻子も可愛い妹だなって」

大室母「アンタ最近どうしたの? 本当に変よ?」

どこまで信用されてないんだ私は。それに、花子のことを知らないのは母さんも同じだと直感的に思った。

撫子「じゃあ、母さんは知ってるの? 花子の悩み」

大室母「……」

撫子「花子、勉強が他の子より遅れてて、休み時間も勉強してるんだよ?」

大室母「え……」

やっぱり知らなかったのか。

大室母「困ったわねぇ。塾にでも通わせようかしら。撫子みたいになったら困るし」

見当違いのことを言い始める母親。しかもさらりと酷いことを言う。長女は娘だと思ってないのだろうか?

撫子「とにかく、明日の家庭訪問は私に話させてよ」

大室母「でも、アンタ学校でしょ? 来るのは明日の3時よ」

撫子「大丈夫、明日午前授業だから」

もちろん、午前授業などではない。

大室母「わかったわ。くれぐれも失礼のないようにね」

撫子「うん、わかった」

第464話 反転世界 18 終わり

第465話 反転世界 19

さて、翌日になった。午前中は学校に行くことにした。

撫子「(そういえば、美穂はどうしたんだろう? 昨日は休みだったのかな?)」

撫子「(学校についたら、誰かに確認してみようかな)」

藍とめぐみはこの間のことがあるので、話しかけたくはなかった。
代わりに他のクラスメイトに聞いてみた。

撫子「ねぇ、ちょっといいかな? 八重野さんって今日は来ないの?」

「……」

一瞬たじろいだ様子、私がいきなり話しかけたからだろうか。

撫子「あ、いや。最近ずっと来てないみたいだからどうしたのかなって」

「……最近っていうか、ずっとじゃん」

撫子「え?」

「だって、あの子不登校だし」

撫子「え?」

不登校……一体なにがあったんだろうか?

「大室さん……だっけ?」

撫子「うん」

「あんまりそのことに関わらないほうがいいよ」

撫子「え?」

どういうことだろう。

「ごめん。私席に戻る」

撫子「あぁ。ありがとう」

午前中の授業の間ずっと考えていた。美穂はどうして不登校になったのだろう? 美穂の性格が反転しているとしても、それだけで学校に来なくなるなんてことはないはずだ。大体、不登校になるにはそれ相応の理由があるからで、
例えば、うつ病などの精神病。もしくは、学校に来たくなくなるようなこと。そう、いじめられているとか。改めてクラスメイトを観察していると、友達同士でしゃべっていても、どこか皆よそよそしく不気味なように感じた。
美穂のことも気になったが、午後からは花子の担任の先生が来る。午前中に授業を切り上げて帰らなければ。


4時間目が終わると、すぐに早退手続きをする。あっちでは、そう簡単に早退は認められなかったが、こっちでは、頭が痛い程度の理由で早退出来たのには少しびっくりした。
そのまま帰路につく。


家に帰ると14:30になっていた。間に合ってよかった。

15:00になると、花子の担任の先生が来た。

ピーンポーン

撫子「はい。いま出ます」

「こんにちは、大室さんの担任の黒部花子です」

一瞬でフラッシュバックする去年の記憶。この黒部花子という人物があっちの世界の同一人物ならば、17年前に死んでいるはずだ。

黒部「あら、お姉さんかしら? お母さんはいらっしゃる?」

母ではなく、私が出てきたことに困惑しているようだ。しかし、今は母でなく私が出てきた説明よりも聞きたいことがあった。

撫子「あの、失礼ですけど、貴方が小学生のときに、不審者に襲われた、もしくは怖い思いをしたことはありませんか?」

黒部「え……」

黒部「なんでそのことを……」

やっぱり、そうみたいだ。17年前に死ぬはずだった人が生きている。また、この世界について新しい情報を得たが、それは理解に近づいたというよりかは、さらに混乱するものとなった。

第465話 反転世界 19 終わり

なん…だと…

第466話 反転世界 20

撫子「私の世界では……貴方は……あっ、いや……」

黒部「私の世界?」

まずい頭が混乱している。不必要なことをしゃべっている。ここで、花子の学校でのことについて聞いて、先生にも協力してもらおうと思っていたのに、これじゃあ、私では話にならないと思われて、後日またなんてことになりえない。
第一、私が知りえるはずのない情報を知っていることで気持ち悪いと思われてしまいそうだ。

黒部「もしかして、あの時私を救ってくれたのは貴方だったのね」

撫子「え……?」

黒部「私が男に追われてトイレに逃げ込んで、絶体絶命だったとき、ものすごい音がして、男は一瞬大きな声をあげて静かになった。誰がやったのかわからなかったけど、気絶したみたいだったわ。その後警察が来たんだけど、誰かに殴られた跡もなく、気絶した理由は不明ってことになって」

確かに私は男を殴って気絶させたが、それは17年後の話でさらに向こうの世界だ。

黒部「でも、大室さんを見た時、花子ちゃんを見た時もビビッと来たけど、今貴方の話を聞いて直感的にわかったわ。どういうことだかわからないけど、貴方もあの事件に何らかの形で関わっている? 違う?」

撫子「あ、あぁ……私は……」

気が付くと私は今までの経緯をすべて話してしまっていた。一度も会ったことのない人に。話終えるころには、大泣きしてしまっていた。

黒部「そう……それは辛かったわね」

撫子「す、すみません。こんな話しても信じてもらえないですよね?」

黒部「いや、私は信じるわ。そう、貴方の世界では私はもう死んでたのね」

撫子「ごめんなさい」

黒部「いや、貴方が悪いわけないじゃない! それに、向こうの私も救ってくれたんでしょ?」

撫子「救ったのは花子です」

黒部「じゃあ、あなた達姉妹に感謝しないとね。たぶん、そうしてくれたから、こっちでは生き延びることが出来たわけだし」

黒部「次は私が協力する番かしら」

撫子「!」

黒部「何か聞きたいことがあるんでしょう?」

撫子「……はい、学校での花子のことについて聞きたいです」

黒部先生によると、学校での花子は友達がいなく、いつも1人でいること。いじめられているわけではないということ。しかし、このまま放置すれば、将来いじめられる可能性もあるということ。これは、私もなんとなくそんな感じはしていた。
勉強についていけず、休み時間でも勉強をしていることが原因であることは先生も理解しているようだ。放課後補習を受けさせるかどうかも迷っていたが、花子だけ補習となると、さらに孤立するのではないかと懸念していた。

撫子「なるほど、確かに1人だけ補習はよくなさそうですね」

黒部「そうなのよ」

次に私は花子に仲良くしてくれそうな子がいるかどうかを聞いた。

黒部「小川さん、相馬さん辺りかしらね。特に相馬さんは面倒見が良くて」

撫子「なるほど、やっぱり」

黒部「やっぱりって、もしかして貴方のいた世界でも?」

撫子「はい、花子と仲良くしてます」

黒部「なるほど」

撫子「……未来ちゃん達は休み時間は何してますか?」

黒部「長い休み時間は外に行って遊んでる。短い休み時間は折り紙とか追ってるわ」

撫子「折り紙?」

折り紙なら花子でもできるかもしれない。

撫子「わかりました。勉強は私がなんとかします。先生は、休み時間に花子が折り紙するように配慮してもらえますか?」

第466話 反転世界 20 終わり

第467話 反転世界 21

黒部「折り紙?」

撫子「はい、折り紙です。それで、未来ちゃん達が花子に興味を持ってもらうようにします」

黒部「なるほど。わかったわ」

黒部「それにしてもごめんなさい」

撫子「ん? 何がです?」

黒部「本来勉強は教師である私が見るべきなのに」

撫子「いや、先生にも先ほどの考えなどがあって十分葛藤があったのだと思います」

黒部「私はあなた達に救ってもらっていながら、何も出来ないだなんて……」

撫子「いや、私の話を聞いてくれただけでも少なくとも私は救われました。花子に関しても大丈夫ですよ。心配しないでください」

黒部「ありがとう。ふふふ、どっちが大人かわからないわね」

撫子「いや、そんなこと」

黒部「そうだ。花子ちゃんのことに関して、連絡を取るかもしれないので、連絡先を教えてもらえるかしら?」

撫子「あ、そうですね」

これで、アドレス帳にまた1人追加された。

黒部「撫子ちゃんも困ったときは私を頼ってくださいね」

撫子「あはは。ありがとうございます」

そして、黒部先生は帰った。もしくは、次の家へと行ったのか。
それにしても、私に関係する人間が不幸になっていて、まるで私が不幸にしたような気分がしていたけど、こうして、幸福になった人もいるのか。
なんだか、そう考えるとこの世界も必ずしも悪いとは言い切れないと思う。

第467話 反転世界 21 終わり

第468話 反転世界 22

その日から私は花子の勉強の世話をした。この世界の花子は頭が悪いのかと思っていたが、どうやらそうでもないみたいだ。
ゆっくりと教えて上げればきちんと理解するし、自分で問題も解けるようになっていった。特に、算数など記号を扱う科目が得意になっていった。
教えているうちに花子の弱点が分かった。それは、言葉を把握することだ。
言った言葉や、教科書に書いてある文字、自分で書く文字など、言葉を扱うものになると途端にできなくなる。
なるほど、だから学校の授業についていけなかったのか。

少し、勉強につかれていると思ったので、私は息抜きにとパズルを持ってきた。

撫子「花子、これやってみる?」

花子「うん」

コクリと頷くと、花子はパズルを解き始める。少し見てみると、解くのが結構速い。やっぱり、言語に依存しないことなら花子は常人よりもうまく出来る。少なくとも、伸びしろはある。

花子「……出来たし!」

撫子「えらいえらい」

花子は何かできたりすると、必ず私に見せに来る。そこで、私は毎回花子のことを撫でてあげる。

花子「ふふ」

満足そうな顔をする。おそらく、今までの私達家族にはそのようなことがなかったのだろう。それが、花子の成長を妨げてしまっていたような気もする。

花子「次のもやってみるし!!」

どんどんパズルを解く花子、できるたびに褒められるのがうれしいのだろう。しばらく、勉強そっちのけでパズルをやらせてみた。



ふと私は考えた。この世界、この関係、私がいなくなったらどうなるのだろう。
櫻子とひま子は、少しずつお互いの心を開いている。しかし、ひま子はまだ私経由で相談することもある。
花子は今勉強を見ている途中だ。何より、私がいなくなったら、この世界の元の私に戻るのか?
この世界の元の私に戻ったら、記憶の喪失と関係の変化に驚くだろう。まるで、別の世界に来てしまったと思うような。
そう、この世界に来たときの私のように。

この世界の私にも、変わってもらう必要があるみたいだ。私は、これまでの経過と関係の変化を日記につけることにした。

第468話 反転世界 22 終わり

第469話 反転世界 23

次の日、美穂のことも気になったが、花子の勉強を見るために直帰した。家に帰ると花子が嬉しそうに走ってきて飛びついてきた。

花子「撫子お姉ちゃん!」

撫子「んん、どうしたの?」

こっちの花子は甘えん坊+寂しがり屋なのはわかっていたが、家に帰ってくるなり飛びつかれたのは初めてだ。

花子「学校でならった折り紙作ってみたし!」

黒部先生がうまく誘導してくれたのだろう。

撫子「どれどれ」

ツルを習ったみたいだ。それにしても、このツルかなり綺麗に折れている。

撫子「すごいじゃん。綺麗に折れてる。先生に手伝ってもらったの?」

花子「自分で折ったし!」

撫子「えー? 本当にー?」

花子「うぅー信じてないし。本当に花子が折ったんだし! それで、先生に良く出来たねって褒められたんだし!」

花子「ちゃんと出来るんだし! 今折るから待ってるし!!」

なかなか花子も言うようになってきた。

撫子「そっか、じゃあ楽しみにしてる」

かばんを置いてリビングに行くと櫻子がいた。

撫子「あ、ただいま。櫻子」

櫻子「おかえり」

ひま子との仲を取り持って以来、櫻子とも挨拶くらいは交わすようになっていた。ただ、相変わらず少しムスッとした様子は抜けないが。
お茶でも飲んで、花子の部屋に行こうとしていたところに櫻子から声がかかった。

櫻子「あのさ」

撫子「ん?」

櫻子「今度は花子の面倒見てんの?」

少し不機嫌そうな顔をしている。

撫子「まぁね」

櫻子「そう」

撫子「どうかした?」

櫻子「……なんでもない、早く行け」

はぁ。なんだかよくわからない理由でまた櫻子が不機嫌になってしまった。こっちの櫻子も櫻子で扱いが大変だ。


花子の部屋

撫子「どう?」

花子「もう少しだし!」

どうやら、花子は手先も器用のようだ。それにすごいことに何も見ないでツルを折ってしまっている。

花子「出来たし!」

撫子「うまいうまい。本当に花子が折ったんだね」

花子「だしだし」

頭を撫でてあげると満足そうな顔をして喜んだ。

花子「もう一個作るし!」

花子がもう一個作っている間、私も暇だったので、パックンチョでも作っていた。

花子「? なんだし? それ?」

花子が興味を持ったみたいだ。

撫子「これはパックンチョっていうの、ほら、こうやって指を中に入れて動かすと」

花子「わわ! 動いたし! イソギンチャクみたいだし!」

撫子「イソギンチャクか……その発想はなかったわ」

花子「花子も作って見るし!」

撫子「そう? じゃあ、作り方はね」

花子「ちょっと見せるし!」

そういうと花子は私の指からパックンチョを取った。

花子「うーん」

マジマジと縦から横から下からとパックンチョを見ている。

花子「これ、一回解いてもいいし?」

撫子「うん、お好きに」

そういうと花子は一つづつ丁寧に解き始める。

花子「なるほどだし」

そして、新しい折り紙を折り始めると、パックンチョが出来上がってしまった。

撫子「え、すごい。よく一回で折れたね」

花子「パックンチョ! パックンチョ!」

パックンチョの作りは簡単とは言え、解体しただけで作ったということは、解体していく過程で覚えたということである。1つづつの手順を逆から覚えていって、逆再生のテープを再生するように、頭の中で組み立てていかなくてはいけない。かなりの高等技術だ。
もしかして、ツルも?

撫子「ねぇ。花子、ツルはどうやって覚えたの?」

花子「パックん? ツルは、先生がくれたツルを一回ほどいて、折り目にそってもう一回折ってみたし」

やっぱりだ。折り目が付いているとはいえ、ツルレベルになると、完成品を展開したものから、ツルを再度織りなおすのは至難の業だ。それを花子はやってのけた。しかも、2度目は、元の折り目すらなく、最初から。
たぶん、こんな芸当は向こうの花子でも出来ない。というか、常人じゃまず無理だ。

撫子「(言語能力が低いだけで、こっちの花子もかなりの天才なんじゃ……)」

花子「撫子お姉ちゃん! もっといろいろなもの教えて!」

撫子「うん、わかった」

第469話 反転世界 23 終わり

第470話 反転世界 24

花子はすぐに折り紙をマスターし、私が教えることはなくなった。

そして、次の日

今日も学校が終わるとすぐに家に帰る。帰っている途中で黒部先生からメールが来る。

From 黒部先生

相馬さんと、小川さん。それに高崎さんが花子ちゃんとお友達になったわ!

撫子「(よかった……今日はいい報告が聞けた)」

To 黒部先生

よかったです。折り紙作戦は成功したってことですか?

From 黒部先生

そう。休み時間にみんな折り紙するようになったら、花子ちゃんがすごい出来てね。
花子ちゃん、折り紙すごいできるのね! 教えてあげたの?

To 黒部先生

いや、私はただ作ったのを見せただけで、手順は花子が覚えました。


それにしても本当によかった。

大室家

花子「撫子おねえちゃーん!!」

花子が走ってくる。

花子「今日はね! 今日はね!! いいことがあったし!!」

撫子「ん……なになに?」

花子「相馬さんと小川さんとあと高崎さんがお友達になってくれたし!」

撫子「そう! よかったねー!!」

花子の頭を撫でてあげる。

花子「だし!」

撫子「いっぱい折り紙のことおしえてあげた?」

花子「あげたし! ツルもあげたら喜んでくれたし!」

撫子「えらいえらい」

花子「お花もつくったし! 撫子お姉ちゃんにもあげるし!」

撫子「ありがとう……」

花子からのプレゼントに思わず涙が出る。
人見知りがちな花子が友達を作るのは難しかったはずだ。声を掛けられて緊張したかもしれない。
だから、よく頑張ったと思う。

花子「撫子お姉ちゃん泣いてるし?」

撫子「嬉しくてなくこともあるんだよ」

花子「変だし」

今日のことはすごく嬉しかった。ここに来てよかったと思えるほどに。と同時に、この嬉しさをこの世界の私は感じられないと思うと切なさも感じた。
そうだ。今日のことは日記に書いておこう。それに、このお花も日記に挟んで。

第470話 反転世界 24 終わり

第471話 反転世界 25

次の日、今日は櫻子がひま子をうちに呼んだみたいだ。今日は美穂の家に行こうと思っていたのだが、ひま子と櫻子がどのくらい仲良くなったか見るためにリビングで様子を見ることにした。

向日葵「撫子さんお邪魔します」

私と目が合うと、ニッコリと笑って挨拶する。

櫻子「な、なに! ねーちゃん、どっか行ってよ!!」

撫子「いいじゃん別にいたって」

向日葵「さ、櫻子、私と櫻子の仲を取り持ってくれたんですから」

櫻子「向日葵まで!!」

プンスカと怒る櫻子。

撫子「もしかして、嫉妬?」

櫻子「は!? 嫉妬なわけないじゃん!! 意味分かんないし!」

向日葵「?」

向日葵だけよくわかっていないみたいだ。

向日葵「とにかく、喧嘩はやめてください」

櫻子「向日葵、だからさ敬語はやめてってば」

向日葵「あっはい。そうだった」

櫻子「もー向日葵が学校でも敬語使うから、みんな距離おいちゃんだって」

向日葵「そう、だね。同学年だし」

櫻子「うんうん。そうそう同学年なんだから」

撫子「(ほほぅ、櫻子がお姉さんで向日葵が妹かー)」ニヤニヤ

櫻子「何ニヤニヤしてんの!」

撫子「ごめんごめん。それじゃあ私はもう行くから」


ダッダッダ

花子「撫子お姉ちゃーーん!!」

部屋を出ていこうとすると、ガシッと花子が掴みかかってくる。

撫子「よしよし。何? また折り紙?」

花子「だし!」

撫子「おぉーよく出来てるよく出来てる」

花子「ありがとうだし」

こんな時は毎回撫でるに限る。

花子「……」

満足そうな顔をする花子。

櫻子「……」

向日葵「櫻子? どうかした?」

櫻子「別に」

向日葵「それにしても、撫子さん。変わったよね?」

櫻子「本当に変わったよ。1週間くらい前からかな? なんだか別人みたいになっちゃって」

櫻子「(それも、花子と向日葵にだけ優しくしちゃってさ……)」

向日葵「やっぱり櫻子もそう思いますか?」

櫻子「だから敬語!」

向日葵「あ、ごめん」

櫻子「13年一緒に暮らしてきたけど。こんな風になったのは、ホント1週間くらい前。なんなんだろう」

撫子「(そろそろ話しておかないとダメか……)」

撫子「櫻子、ひま子。ちょっと話がある。後でいい?」

ここで、櫻子とひま子に話したのは後々正解だったと思う。いや、でも最善はもっと前に話すことだったのだろうか……

第471話 反転世界 25 終わり

第472話 反転世界 26

夜になり、花子が寝た頃を見計らい。櫻子を連れて、近所の公園に行く。ひま子はそこでもう待っていた。

撫子「遅くに呼び出してごめんね。家族の方は心配してなかった?」

向日葵「あ、いえ。大丈夫です」

櫻子「それで、話ってなに?」

撫子「なんで私が変わったか聞きたい?」

櫻子「そりゃーまぁ」

向日葵「気にはなります」

撫子「信じてもらえないけど、私別の世界から来た私なの」

櫻子「は?」

街頭がパチパチと明滅している。

撫子「まぁ、言っても信じてもらえないだろうけど。そう、1週間前くらいかな?」

櫻子「別の世界って何言っての? 多重人格なの?」

撫子「まぁ、そっちからじゃそう見えるだろうね。ふふ」

そりゃーそうだ。人格が急変して、いきなりこんな電波なこと言い始めれば、それは傍からみれば精神病だ。
しかし、ひま子はじっと私の瞳を見つめてきた。月明かりがひま子の顔を照らす。

向日葵「いえ、私は信じます。だって、なんか撫子さんどこか寂しげな瞳をしてるから」

ここで、私は櫻子とひま子にあることを託そうと決意した。

撫子「もう少し話してもいいかな?」

櫻子「……」

櫻子はその辺にある棒を拾い上げ、回しながら好きにしろという目で見てるので勝手に話す。

撫子「なんで私がひま子と櫻子を仲直りさせようとしたか知ってる?」

櫻子「知らない」

撫子「私の世界では、仲がいいからだよ。あっ、でも仲がいいって言っても喧嘩ばっかしてるかも」

向日葵「私がバカなばっかりに……やっぱり櫻子に迷惑をかけてるんですね」

櫻子「だから。そういうこと言うなって、もう迷惑だって思ってないからさ」

撫子「ははは」

櫻子「何がおかしいの!」

棒を勢い良く投げた。私の笑い声がひま子をバカにしていると取ったのだろうか? こっちの櫻子もひま子のことをちゃんと思っている証拠だ。嬉しい限りだ。

撫子「いや、あっちだとね。櫻子がバカで、ひま子が頭いいの。それでも、櫻子はひま子に負けたくないって頑張っちゃって」

向こうの世界のことを思い出すと不意に涙がでる。

向日葵「だ、大丈夫ですか!?」

ひま子がハンカチを出す。櫻子があげたやつだ。

撫子「うん。大丈夫」



櫻子「え!? なにそれ! なんで私がバカなの!!」

撫子「さぁ。なんでだろうね? なんでこっちは櫻子が頭よくて、私達がバカなんだろうね」

向日葵「……反転世界?」

撫子「ははは、反転世界か、いい命名だ。そう人の能力とか、性格が反転している世界なんだ」

私にとってはこっちが、こっちの櫻子、ひま子、そして、こっちの私にとっては向こうが。

櫻子「そんな……。でも最近のねーちゃんの行動見てたら納得できるような……」

撫子「未だによくわからないんだよね。こっちの私、というかいつもの私ってどういう風に接していたの?」

月明かりが雲に遮られ、パチパチと明滅する電灯だけとなってしまった。

櫻子「どういう風って言われても。昔から無愛想だったよ。私の面倒も見てくれなくて……って、別に見てもらいたかったわけじゃないけどさ!」

撫子「そっか。ごめんね」

櫻子「別に、ねーちゃん……あーこっちのねーちゃんは悪くないんでしょ!? あやまんないでよ!」

撫子「あのさ、ひま子、櫻子?」

櫻子「なに?」

向日葵「?」

撫子「私、こっちの私でいつまで居られるかわからない。それに私だってあっちの世界に帰りたいし」

撫子「だからさ。もし、こっちの私が戻ったら。その時はよろしくね」

櫻子「……」

向日葵「もちろんです!」

櫻子「はぁーわかったよ。あのねーちゃんを更生させればいいのね?」

撫子「いや、更生ってどっちかというとアンタの方が不良っぽいよ?」

櫻子「うるさい!!」

向日葵「ふふふ」

雲が濃くなってしまったようで、帰るときには朧月夜になっていた。
朧月夜、晴れでもない曇りでもない空。見えているのか見えていないのか、それがずっと続くのかと思えば突然雲が切れて月がくっきりと見えることもある中途半端な空……

第472話 反転世界 26 終わり

第473話 反転世界 27

次の日

花子の方が一段落したので、気になっていた美穂のことを考える。
今日も学校に来ていないみたいだ。今日こそは、美穂の家に行ってみようと思う。
確か、担任の先生が宿題やらプリントやらを美穂の家に持っていかないとと言っていた。
私が、その役を買って出ますと言ったら、すんなりと許可してくれた。

ピーンポーン

八重野母「はい。どちら様ですか?」

撫子「私は八重野美穂さんの友達の大室撫子です。今日は担任の先生から頼まれたプリントを届けに来ました。少し美穂さんとお話したいのですが、あがってもよろしいですか?」

八重野母「え? 美穂ちゃんに友達!?」

どこかで聞いたような反応が返ってきた。でも、私の母と違って、驚愕した中にも心配した声色。

八重野母「ちょっとまってね」

撫子「はい」

待つこと10分

八重野母「ごめんなさい、待たせてしまって。部屋からは出てこないから、ドアの前でよければ……」

撫子「ありがとうございます」


顔の見えない状態で美穂と話す。すごく緊張してきた。私の知っている美穂とは別人だと思ったほうがいいだろう。それに、私がさらに傷つけてしまうということもあるかもしれない。
美穂の母親が去ってから、私は美穂に話しかける。


撫子「えーっと、八重野さん?」

「……」

返事はない。

撫子「あの、私は大室撫子。貴方のクラスメイト」

「……」

撫子「今日は、先生からもらったプリントを届けにきたんだけど、ここ開けてくれないかな?」

「……どういうつもり?」

美穂がしゃべった。掠れた声ではあるが、確かに美穂の声だ。

撫子「えっと、同じクラスになったのに来てないから心配だなって」

「同じクラスも何も大室さんは前の学年も一緒だったでしょ?」

そうだったのか……聞き方を間違えてしまった。

撫子「あぁ、そうだったね。いや、ちょっと心配になってさ」

「三輪と園川の差金!? なんでうちに来てまで! もう帰ってよ!!」

えっ。どういうこと? 藍とめぐみが美穂に何かしたんだろうか?

撫子「違う! それは違うって! 私はここに来たかったから来ただけ!!」

「じゃあ、なんであの時助けてくれなかったの!!」

撫子「え……」

「アンタは結局見てるだけだった。いや、アンタだけじゃないけどさ。私がいじめられているなか、何度も何度も!!」

撫子「……」

ショックだった。ショックで頭が真っ白になった。藍とめぐみがいじめ……? さらに、私がそれを黙認してた……
世界が違うとはいえ、美穂がいじめられているのに助けない私に腹が立つ。


撫子「そんな……」

「誰の差金か知らないけど、今更いい子ぶっても遅いの!!」

撫子「ごめんなさい……」

なぜだか謝ってしまう私。

「もう帰ってよ!! ねぇ! これ以上私を苦しめないで!!」

八重野母「ごめんなさい。ちょっと美穂ちゃん不安定で。今日のところはお引き取り願います」

私は何も言えなかった。プリントと私のメールアドレスを書いた紙を扉の前に置き、私は帰った。


帰り際


なんで美穂があんな目に合わなきゃいけないんだ! なぜ藍とめぐみは美穂のことをいじめたんだ! なぜ私はそれに対して何も出来なかったんだ!
その思考が私の頭の中を周り巡っていた。どうすればいいのかわからない。
ふと、前を見ると赤い夕焼けが眩しかった。次に襲い来る目眩。あれ、この感覚は……



ここで、異世界へ迷い込む話は唐突に終わる。

気が付くと、辺りの景色が変わっていた。場所は、駅から私の家の中間、まだ寒さの残る空気に雪の塊。
慌てて携帯をポケットから出すと、携帯とは横幅の違うスマートフォン。日付を見ると、3月16日。
私が反転世界へと飛んだ日であった。着信履歴やメッセージ履歴を確認すると、藍や美穂やめぐみ、櫻子、花子などから
急いで、藍に連絡を取る。

撫子「藍!!」

藍『撫子どうしたの? 寂しくなっちゃった?』

撫子「ねぇ! 今日は何やってた!?」

藍『何って、さっきまで撫子に会ってたじゃん』

撫子「ぁぁぁあ。私達って付き合ってるんだっけ?」

藍『そんなこと聞くなんて変な撫子。うん、付き合ってるよ。いつもはそういうこと聞くのは私なのに、変な撫子』

撫子「そ、そんなそんな…………うわぁああああああああああああああああああああん!!」

藍『えっ!? ちょっと撫子なんで泣いてるの!? ちょっと大丈夫? 今そっち行くから!!』

紛れも無くこの世界は元の世界に戻っている。

撫子「なんで!! なんで!! なんでなんで!!! アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!うわァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

かくして、物語はあまりにも残酷で中途半端な結末を迎えた。

第473話 反転世界 27 終わり

もしかして過去になんか鬱SS書いた事ある…?

>>964 ないです。でも、このスレに何個か鬱っぽい話はあります。

第474話 パラレルワールド 1

私は元の世界に戻ってきたようだ。しかし、あまりにも突然の出来事でショックを隠せない。
しばらく近くの公園のベンチで項垂れていた。
1時間、いや30分くらいかもしれない。私を心配して藍が駆けつけてくれた。

藍「撫子!!」ハァハァ

撫子「藍……」

藍「どうしたの!!」ハァハァ

紛れもない。私の元いた世界の三輪藍だ。

撫子「藍ーーーーーー!!!!」

藍「撫子!?」

藍に泣きついた。藍は何も言わずにしばらく私のことを抱きしめてくれた。この温もりは間違いなく私の恋人である三輪藍だ。
しばらく泣くと、落ち着いた。

藍「撫子? 大丈夫? なにがあったの?」

撫子「藍、今から私の言うこと聞いてくれる? 私のことおかしいって思わないでくれる?」

藍「うん。いいよ。というか、こんな状況になってること、説明してほしいし」

撫子「私ね。藍を送っていったあと、倒れて別の世界に行ってたの」

藍「……別の世界?」

撫子「うん、信じられないと思うけど、その世界では、藍やめぐみの性格が反対で、というか私に関わる人の性格が反対で……」

おおよそ、今までのあらすじを語り終えた。藍は、意外にも真剣に聞いていてくれた。

撫子「どう? 私の話、信じられないでしょ?」

藍「ごめん、聞いた限りだと夢なんじゃないかなと思っちゃう」

撫子「まぁそうだよね」

藍「でも、そっちの世界の櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、花子ちゃんはそれぞれ幸せになれたみたいだし。だから、撫子は帰ってこれたんだと

思うよ」

藍とめぐみが美穂をいじめていて、それで美穂が不登校になった話はどうしても言えなかった。

撫子「うん、そうだね」

藍「大丈夫? 1人で帰れる? 送っていこっか?」

撫子「大丈夫だよ。心配かけてごめん」

藍「いいんだって心配かけても。だって私は撫子の恋人なんだから」

撫子「ありがとう。じゃあ」

藍「うん、気をつけてね」

こっちの藍には本当に助けられた。
こっち……元の世界。あれだけ帰りたがっていたのに、こっちに帰りたかったがために向こうの世界を変えようと思っていたのに……
いつの間にか、それは手段ではなく目的に変わってしまっていたようだ。
もうあの世界には私は関与できないのだろうか? そう考えながら帰っていると後ろから声がかかった。

美穂「撫子」

撫子「え!?」

びっくりした。次になぜ美穂がここに? と思い、そして、向こうの世界の美穂のことが頭をよぎり申し訳ないような感覚に陥った。

美穂「それは、撫子のせいじゃないよ」

撫子「え……美穂……」

美穂「行ってきたんでしょ? あの世界に」


撫子「美穂、分かるの?」

美穂「うん。私も垣間見たことがあるから」

撫子「ど、どういうこと……?」

美穂「パラレルワールド」

パラレルワールド……この世界と並行で存在する世界。まさしく私がさっきまで居た世界だ。その存在を認めざるをえない。

撫子「美穂はあの世界で起こったこと知ってるの?」

美穂「うん」

撫子「ねぇ……あの後どうなるの?」

美穂「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは完全に仲良くなって、花子ちゃんにはお友達が出来る。で、あの世界の撫子も櫻子ちゃんと向日葵ちゃん

に支えられて、しっかりお姉ちゃんやってるよ」

私は半ば震える声で聞いた。

撫子「み、美穂は……?」

美穂「あはは、それ聞いちゃう?」

撫子「だって、あの世界の心残りだったから!」

美穂「私は、結局あの後一回も学校へいかないままだったね」

撫子「そんな……」

美穂「でも、少なくともあの世界の撫子と櫻子ちゃんと花子ちゃん、向日葵ちゃんは幸せになれたんだから」

撫子「美穂は! 美穂はあの世界に行くことが出来るの!?」

美穂「私は行けない。私にとってパラレルワールドは過去みたいなものだから」

撫子「過去?」

美穂「うん、そうなった経験があるのは知ってるんだけど、そこに干渉できないというか」

撫子「……そっか。でもなんで美穂はそんな記憶が入ってくるの?」

美穂「わからない……でも、撫子だってなんでパラレルワールドに飛んだのかわからないでしょ?」

撫子「確かに」

美穂「だからそういうもんなんだよ。きっと」

辛い現実があるもう1つの世界に対して何もできないのはどうやら私だけではなかったようだ。

第474話 パラレルワールド 1 終わり

第475話 パラレルワールド 2

美穂「ねぇ……撫子にとってこの世界は幸せ?」

撫子「え?」

美穂「この世界にずっと居たいと思う?」

それは、そうだ。ここは私のホームワールドなのだから。だが、しかし、反転世界を知ってしまった以上、本当にこの世界で私だけ幸せになっ

てもいいのだろうかという思いがある。
だけど、この世界には藍がいる。私の大切な恋人の。藍を放ってこの世界からいなくなることはできない。

撫子「やっぱり私はこの世界が大事だと思う」

美穂「……そっか。やっぱり藍ちゃんか」

撫子「……美穂には嘘はつけないな。他の世界でも藍とつきあってたってことでしょ?」

美穂「半分正解」

撫子「半分? ……あ、そうか反転世界みたいに性格が違う場合は付き合ってないこともあるのか」

美穂「世界によって微妙に性格が変わるものだからね。でもそれでも100点満点の正解じゃないんだけどね」

撫子「え?」

美穂は少し悲しそうな顔をする。

美穂「わかった。私も撫子の行った世界がどうにかできないかちょっと調べてみる。パラレルワールドの時間軸って曖昧なものだから、こっちでいくら焦っても向こうの世界で同じように時間が流れているわけじゃないからね。だから、今日はゆっくり帰って休んでね」

撫子「うん、ありがとう。ちょっと心強い」

それから、美穂と別れ家に帰る。
家に帰ると櫻子と花子がギャーギャー言い合っていた。
あぁ、ここは本当に元の世界なんだなと、さらに実感することができた。

第475話 パラレルワールド 2 終わり

第476話 パラレルワールド 3

私はこの世界とは別の世界の記憶を持っている。別の世界の記憶は、ふっと頭の中に入り込んでくる。それもまるで今体験したようなリアルさで。
世界ごとに性格は微妙に変わっている。撫子がめぐみと付き合っていた世界もあった。
そして、私と付き合っていた世界もあった。
その世界では私と撫子はすごく幸せそうだった。
でも、今は撫子の好きな相手は私ではなく、藍ちゃんだ。
撫子と藍ちゃんはこの春からここを離れて遠くへ行ってしまう。
私は、酷く嫉妬してしまった。この世界の私は撫子のことを好きなわけではなかったはずなのに嫉妬してしまった。
そして、ここへ来てあの世界の記憶がなだれ込んできた。
もしかすると、あの世界は私の嫉妬によって出来た世界なのかもしれない。
撫子が藍ちゃんのことを嫌いになって別れてほしいと私が願ってしまったから。

美穂「ごめんなさい……撫子」

それでも、撫子は私を救ってくれると言ってくれた。あんなに辛い思いをする世界なのに、別にもうこの世界に帰ってこれたから関係のない世界な

のに、それでも私が気がかりだと言ってくれた。

私は、街外れにある占い師さんのところに来ていた。

美穂「占い師さん」

占い師「おや、君は」

美穂「八重野です」

占い師「そうか……君は他の世界で出会った」

美穂「パラレルワールドの行き方について教えて下さい」

占い師「……残念だけど、君には無理だよ」

美穂「私じゃないんです。撫子をもう一回だけ」

占い師「ほう……でも、それで助かるのは君じゃなくて、別の世界の君じゃよ?」

美穂「いいんです。それでも」

占い師「そうかい。じゃあ明日また連れてきてくれないかい?」

美穂「はい」

第476話 パラレルワールド 3 終わり

今までのパラレルはすべてつながってたのか

第477話 パラレルワールド 4

翌日、3月17日。寝ても覚めてもここは元の世界だ。

花子「櫻子!」

櫻子「え?」

花子「花子の本の上に座ってるし!!」

櫻子「あ、ごめん」

花子「謝って済む問題じゃないし! 大体櫻子はいつも花子に迷惑かけて!!」イライラ

リビングから花子と櫻子の言い合いが聞こえる。ああ、やっぱり元の世界だ。

櫻子「なんだよ、花子、最近イライラしすぎだろー」

花子「……うるさいし!! 櫻子が悪いから怒ってるだけだし!!」

櫻子「はいはい」

花子「あ、それも花子のヨーグルトだし!!」

撫子「まぁまぁ。ヨーグルトは他にもあるんだから」

花子「そうだけど……」

櫻子「ほーらねーちゃんも私の味方さ」

花子「……」

花子「もういいし……」

櫻子「あ、おい花子!」

撫子「あーあ、怒らせちゃった」

櫻子「おい花子ー! 悪かったって! ほら、代わりのプリンがあるから!! はなこー」タッタッタ

撫子「(確かに花子、ちょっと機嫌が悪いかも)」

prrr

撫子「(ん。美穂からか)」

撫子「はい。もしもし」

美穂『撫子、いきなりで悪いんだけど今時間大丈夫?』

撫子「うん、平気」

美穂『もしかしたら、撫子。もう一回あの世界に行けるかもしれない』

撫子「え!? 本当に?」

美穂『今出てこられる?』

撫子「うん、30分くらいで支度できる」

美穂『わかったじゃあ、今10時だから10:40頃に駅で』

撫子「わかった」

第477話 パラレルワールド 4 終わり

第478話 パラレルワールド 5

美穂「撫子」

撫子「美穂、手がかりが掴めたって」

美穂「うん。街外れにいる占い師さん知ってる?」

撫子「いや、ちょっとわからない」

美穂「そっか。確かにこの世界では行ってなかったかも」

撫子「その占い師さんに頼めば行かせてもらえるの?」

美穂「うーん、どうかな~。わからないって言ってたけど」

撫子「まぁ、頼んでみる価値はあるってことね」

美穂「うん」

私達は街外れにある雑居ビルの一角に来ていた。2階に登って行くと、確かに看板が立っていた。こんなところに人が来るのだろうか?

占い師「うむ。よく来たね」

撫子「こんにちは」

占い師「確かに、君は1度世界を飛び越えたことがあるようだ」

撫子「はい、つい最近ですが」

占い師「それで辛い思いをしたのじゃろう? 戻ってこれただけでも奇跡だったと言えるぞ」

確かになぜ戻って来られたのかわからない以上、戻って来られたことが奇跡だったのかもしれない。

撫子「でも、あの世界は悲惨過ぎます。せめて、美穂だけでも」

美穂「……」

占い師「そんなに、あの世界が大事か? 次行ったらもう戻って来られないかもしれないぞ」

もう戻って来られないかもしれない。その可能性を考えていなかった。

撫子「……」

美穂「撫子、やっぱりいいって。私は向こうの私のことも知ってるから分かるけど、そんなリスクを冒してまでいくことないって!」

撫子「それでも!!」

占い師「今の君は生き急いでいる。少し冷静に考えてからもう一度来なさい」

美穂「うん。そうしようよ撫子」

撫子「美穂……」

そして、去り際に占い師さんはあることを言った。

占い師「君はこの世界の住民だ。君には本来この世界にしか干渉できないのだから、別の世界の心配をする前にこの世界の心配をするべきだよ」

第478話 パラレルワールド 5 終わり

第479話 パラレルワールド 6

帰り道

撫子「美穂、ごめん。私、さっきの帰ってこられなくなるって言うのを聞いて及び腰になっちゃった」

美穂「いや、いいよ」

美穂「こっちこそごめん」

撫子「え? なんで美穂が謝るの?」

美穂「もしかしたら、あの世界は私が作っちゃった世界かもしれないから……昨日私とした話覚えてる?」

撫子「世界によって性格が違うってやつ?」

美穂「うん。藍ちゃんと撫子が付き合ってない世界もあるって言ったけど。実は、撫子がめぐみと付き合ってた世界もあるの」

撫子「え……私が? めぐみと? 嘘でしょそれは」

ないないと思いつつ聞いていると、美穂は悲しそうな目をしつつ言った。

美穂「いや、あったんだよ……そして、私と付き合っていた世界も」

今度は面白半分で流せる話ではなかった。

撫子「そっか……」

美穂「なんだろうね。この世界の元々の私は撫子のことそういう風に好きだったはずじゃないのに。別の世界の私の記憶を知ってしまうと」

撫子「ごめん」

美穂「撫子が謝ることじゃないよ。でも、藍ちゃんと仲良くしてて嫉妬してた。あは、自分勝手でしょ私」

撫子「ごめん……ごめん」

美穂「だから、全部私のせいなの。撫子があの世界に飛ばされたのも。あの世界を救えないのも。私のせいだから撫子のせいじゃないよ」

撫子「……それは、それは違う」

必死に否定してしまう。でも、なんで違うと断言できるのかがわからない。
違う? そういえばさっきの占い師さん

美穂「ちがくないって」

撫子「違う。そうじゃない。美穂」

美穂「?」

撫子「さっきの占い師さん少しおかしなこと言ってた。なんで私が帰ってこられなくなるってわかったんだろう」

美穂「それは、あの占い師さんも他の世界の記憶があるから」

撫子「違うそこじゃない。私が帰ってこられなくなったらこの世界はどうなるの? って話」

美穂「え?」

撫子「私は向こうで1週間以上の生活をした。だけど、こっちに帰ってきたときにほとんど、時間が経ってなかった。そして、その間のこっちの

意識はなかった」

撫子「今回私が帰ってこられない事態になったらこっちの私の意識はどうなるの?」

撫子「もっと、言えば私が帰ってこなかったらこっちの世界はどうなっちゃうの?」

美穂「それは……」

撫子「だからさ、これは希望的観測なんだけど、本当は絶対に帰ってこられるものなんじゃないかな?」

美穂「私は、他の世界に行った経験がないからそれはわからない」

撫子「もう一回占い師さんのところに行ってみる」

美穂「……」

撫子「それとさっきの答えなんだけど、あの世界は元々あるもんなんだと思う。美穂のせいじゃない。だから、私が何とかする」

美穂「撫子」

撫子「だから今はもう一回占い師さんのところに行こう」
第479話 パラレルワールド 6 終わり

第481話 パラレルワールド 8

美穂「で、私は何をすればいい?」

撫子「私が寝ている間、見張ってて欲しい」

美穂「どこで寝るの?」

撫子「私の部屋」

美穂「でも、それじゃあ撫子あの世界に行けないよ?」

撫子「私が行くんじゃない。私の日記が行くだけ」

美穂「え?」

撫子「さっき占い師さんが言ってた人が見ている状況だと、飽きたの紙だけなくなるって話」

撫子「あれは多分、儀式自体は成功してるんだと思う」

撫子「ただ、パラレルワールドに移動するときに、人が見張ってると移動する人の物理的な存在はこっちに固定される」

撫子「だから、人自体はパラレルワールドへの移動が起こらない」

撫子「でも、人に見えていない部分、例えば布団の中に入っていたメモなどは」

美穂「なるほどね」

撫子「そういうこと。多分、観測されない位置にある物に関してはパラレルワールドへの移動が成功してるってことじゃない?」

撫子「誰もいない状況でっていうのは、誰にも観測されてない場所でのみこの儀式は成功するってことだと思う」

撫子「じゃなきゃ、自室に居なくても、壁を隔てた隣の部屋にいるとか、極論日本のどこでやったとしても、家から数km進めば誰かしらいるはずだし」

美穂「うん、そうかもしれない。なによりこの方法だと」

撫子「そう」

美穂「リスクがない」

撫子「そう。試してみる価値はある」

美穂「でも、メモがあの世界に飛んだ程度で変わるものなの?」

撫子「美穂は、あの世界の記憶があるんだよね?」

美穂「うん」

撫子「じゃあ、あの世界の私が美穂と接触したら?」

美穂「記憶が書き換えられるね」

撫子「そう。私は、こんな事もあろうかと、向こうの世界の大室撫子に向けて日記を残してたんだ。そこに美穂と話せと書いておけば」

美穂「接触が起こったことが確かめられるというわけだね」

撫子「そういうこと。つまり、私自身はこっちの世界に居ながら、向こうの世界にメモを送る。それで、そのメモがちゃんと届いて、遂行されたかどうかは」

美穂「私の記憶が書き換わったら成功。書き換わらなかったら失敗、もしくはメモは別の世界に飛ばされたってことだね」

撫子「そう。これが私の考えた作戦」

美穂「無移動型並行世界干渉作戦。コード:ナデシコと呼ぼう」

撫子「何その名前」フフフ

美穂「ふふ。かっこいいでしょ」

よくわからないけど、この時の美穂と私は確実にこの状況を楽しんでいた。

第481話 パラレルワールド 8 終わり

すみません、>>974 一話飛びました。こっちが先です

第480話 パラレルワールド 7

私達はもう一度雑居ビルの前に来ていた。

撫子「占い師さん」

占い師「はて、さっき帰ったはずじゃったが」

撫子「また来たんです。1つだけ教えて下さい」

占い師「なんだい?」

撫子「先ほど帰ってこれないっておっしゃいましたけど、私が帰ってこなかったらこの世界はどうなるんですか?」

占い師「ふむ。そういえば言っていなかったね。もし、帰ってこれなかったらこの世界での大室撫子は消滅する」

美穂「え……」

消滅する? どういうことだ?

占い師「そのままの意味じゃよ。元々生まれてこなかったように皆が振る舞うようになる」

撫子「それはなんでですか?」

占い師「この世界に存在が固定されなくなるからじゃな」

撫子「存在が固定されなくなる」

占い師「そうじゃ、パラレルワールドへの移動すると、この世界での存在が曖昧なものになる。そして、一定時間を経過すると完全に消滅する」

撫子「私の存在がある瞬間から物理的に消えるってことですか?」

占い師「正確にはパラレルワールドに飛んだ瞬間からじゃな」

撫子「え……」

美穂「やっぱりやめようよ撫子。リスクがでかすぎるって」

撫子「物理的に消える……身につけているものも消えるってことですよね?」

占い師「そうじゃ」

撫子「……あの世界への行き方をおしえてもらってもいいですか?」

占い師「行くのかい?」

美穂「撫子!」

撫子「いや、聞くだけだから」

占い師「……方法は2つある。一つ目は、10階建て以上の建物にあるエレベーターを使う方法じゃ」

美穂「ああ、その方法か」

撫子「美穂は知ってるの?」

美穂「やったことあるけど、行けなかった」

占い師「だから、お主には無理なのじゃよ」

占い師さんの話によると、1人でエレベータに乗り、4階→2階→6階→2階→10階と移動する。その後、5階を押す。5階についたら若い女の人が乗ってく

る。
乗ってきたら、1階を押す。しかし、エレベータは1階に降りずに10階に上がっていく。
9階を通り過ぎたら成功。その後、エレベータの扉が開くと目の前が暗闇となっていて、しばらく歩くと別の世界に飛ばされるとのこと。

撫子「別の世界? あの世界じゃなくて?」

占い師「本来はこの方法ではどこに飛ぶかはわからない。でも、行く世界のイメージがはっきりと付いているお主なら、確率は90%というところじゃろう

な」

撫子「確率9割……帰ってくるときも同じ方法で?」

占い師「そうじゃ」

撫子「(行きが9割、帰りが9割。掛けると一発で行って帰ってこられる確率は、81%か……)」

占い師「しかし、この方法には難点がある」

占い師「5階で女が乗ってくる確率がそもそも低いこと。この作業中に一回でもそれ以外の人が乗って来られた場合、失敗してしまう。一度失敗してしま

うと、二度とこの方法では帰還できない」

なるほど、これが帰ってこられない理由か……

撫子「でも、この方法私が反転世界に行ったときと違う」

占い師「そうじゃな。あれは完全なイレギュラーじゃ。もう1つ紹介する方法とも違う。パラレルワールドに行く方法を体系化しなければいけないと考えて

いるのじゃがな。どうも、よくわからないことが多いんじゃ」

撫子「もう1つの方法を教えて下さい」

もう1つの方法は、寝るときに、5cm四方の紙に六芒星を赤文字でかき、赤文字で真ん中に飽きたと出来るだけ大きく書くことらしい。
成功すると飽きたの紙が消えるとのこと。

占い師「これは手軽じゃ。パラレルワールドに飛んだことのあるお主なら、成功率も高いじゃろう。ただ」

撫子「ただ?」

占い師「どの世界に飛ぶかは完全にランダムじゃ」

撫子「イメージを持っていてもうまくいかないと?」

占い師「うむ。おそらく」

撫子「これって人に見られた状態で寝るとどうなるんですか?」

占い師「何回か私も立ち会ったことがあるが、飽きたの紙のみが消失していたな」

撫子「? それは飽きたの紙だけがパラレルワールドへ飛んだということですか?」

占い師「おそらく」

撫子「なるほど。ありがとうございます」

美穂「撫子、挑戦するの?」

撫子「やってみる価値はある」

撫子「ただ、美穂にも少し協力してもらいたい」

美穂「もちろん協力するよ」

撫子「ありがとう」

撫子「それでは、ありがとうございます! 占い師さん」

占い師「なんだかよくわからないけど、さっき出て行った時よりいい顔をしているな。がんばるのじゃよ」

撫子「はい」

第480話 パラレルワールド 7 終わり

第482話 パラレルワールド 9

そのまま美穂にはうちに来てもらった。

撫子「まず、メモなんだけど、この紙に飽きたと☆(星)を書くよね?」

美穂「うん」

撫子「でも、5cm四方だからこの紙にはほとんどメッセージを書けない」

撫子「だから、細かな指示はこっちの紙に書くことにしよう」

美穂「それで、5cm四方の方に貼り付ける?」

撫子「うん」

私は、反転世界の私か櫻子宛に、4月中旬にそっちに訪れたこと、今は無事に帰っていること、そして、不登校の八重野美穂に接触することを書いた。

撫子「後は、寝るだけか」

美穂「明るいままで寝られる?」

撫子「うん。がんばってみる。それにしても、ごめん。私が寝付くまで暇だよね?」

美穂「大丈夫、時間の潰せるものを持ってきたから」

撫子「そう? わかった」

お昼過ぎでちょうど眠気が襲ってくる時間だったので、比較的簡単に眠れた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「ここは?」

気が付くと、目の前にスクリーンがありいろいろな場面が現れる。櫻子と喧嘩している私、高校にかよっている私、藍と付き合っている私。

撫子「これは、私の世界……」

後ろを見ると、同じようなスクリーンがあり、場面が切り替わっていた。よく見ると、上下左右360度すべての方向に同じようなスクリーンがあった。
そして、体を動かしスクリーンの方に進むと、目の前のスクリーンが避けるように動き、避けた先にもスクリーンがある。

撫子「なるほど、これらのスクリーンがそれぞれ別々の世界で、この中の世界から反転世界を見つけなければいけないのか……」

しばらく、様々なスクリーンを見てみた。一見見分けが付かないが、しばらく観察していると、それぞれの世界に特徴があった。櫻子の髪の毛がストレートな世界、めぐみのバイト先がケーキ屋ではなく、ハンバーガー屋である世界、夏場に海に行っていたりする世界などである。

手を見ると星を持っていた。

撫子「これが、あの紙に当たるのかな?」

今回は、試しのようなものだと割りきっているので、とりあえず、私が1人でいるシーンが多いスクリーンに向かって星を投げ込んだ。
星はスクリーンに当たるとそのまま中に落ちていくように消えた。

撫子「さて、元の世界に戻ろう」

しかし、一度動いてしまうと、どれが元の世界かわからない。これが帰ってこられない原因か。不味いと焦り始めたころ、不意に意識が遠のいた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「んん」

美穂「撫子?」

撫子「美穂」

美穂「どうだった?」

手元を見ると紙が消えている。ただ、消えたのは星を書いた紙だけで、メモの方は残っていた。星を書いた紙にセロハンテープでつけていたのに、まるで星の紙に最初から貼り付けていないかのように消えた。

撫子「成功だ」

美穂「ホントだ。本当に消えるんだ」

撫子「ただ、消えたのは星を書いた紙だけか」

美穂に夢であった内容を話した。

美穂「うーん、私の記憶は、その後撫子が接触してきたようには変わらなかったなぁ」

撫子「そっか。まぁ、あの星の紙には何も書いてなかったし。ただ、赤文字で星の中に飽きたって書いてる不気味な紙が送られただけだし」

美穂「後、夢の世界で、こっちの世界に戻れなくなりそうだったっていうことだけど。こっちの世界で私が見張っていたから撫子は帰って来れたんだと思う」

撫子「うん、私もそう思う。たぶん、夢の中に居られる時間に期限があって、それを過ぎると強制的にどこかの世界に送られる、この世界に存在が固定されていたから、この世界に強制送還されたような気がする」

美穂「そうだね。私が目を離してたときもあったから、次からはカメラで録画もしておいたほうがいいかもしれない」

撫子「うん、お願い」

私は、飽きたと星を書いた紙の裏に別の世界から来た撫子であるということと、八重野美穂と話せという要点だけを書いた紙を作りまた寝ることにした。

第482話 パラレルワールド 9 終わり

もうすぐ完走か
もしかしてこれ最終章なのか……?

>>979 大室家の短篇集はこれが終わったら終わりにしようと思ってます。

第483話 パラレルワールド 10

撫子「それじゃあもう一回お休み」

美穂「うん」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

……眠りに付けない。やっぱり一度目が覚めたら無理か。

撫子「ごめん、美穂。やっぱり眠れないわ」

美穂「そっか。今日はじゃあもうやめとこうか?」

撫子「うん」

美穂「夜寝るときは、1人でやっちゃダメだからね?」

撫子「うん、夜寝ないで明日の昼間寝やすくしておくから」

美穂「……!」

美穂「私は泊まっていってもいいんだよ~?」

撫子「その思いつきで発言する様を見ると、いつもの美穂って感じだよ」

美穂「えー。いいじゃんいいじゃん~」

撫子「ダメ、だいたい夜は美穂だって寝るでしょ?」

美穂「撫子と一緒に寝るー。それで、藍ちゃんから撫子寝とっちゃうもん」

撫子「ほら、冗談言ってないで帰った帰った。逆に美穂は今日ちゃんと寝てきてね。明日はずっと付き合ってもらうから」

美穂「はーい」

全く、どこまで本気なんだか……

私はその夜、眠気と戦いながら徹夜をした。
途中で藍からメールが来る。

藍<撫子、昨日は調子悪そうだったけど大丈夫?

                       うん、大丈夫だよ>

                    あのさ、もしなんだけど>

藍<ん?

        もし、私がめぐみか美穂をいじめてたらどうする?>

藍<めぐみはいつもからかってるじゃん撫子

        いや、本当に不登校になるほどいじめてたとしたら>

藍<それは

藍<きっちり怒るかな。いじめるんじゃないぞ~ってね

                      そっか。そうだよね>

                          ありがとう>

藍<よくわからないけど、あまり無理しないでね

                        うん、おやすみ>

藍<おやすみ~

撫子「やっぱり、あの世界を変えるには……」

第483話 パラレルワールド 10 終わり

第484話 パラレルワールド 11

私は、紙を切り取り、5cm四方の紙がたくさんできるようにした。表には、赤字で六芒星と飽きたという文字を書く。

撫子「ごめん美穂、ごめん藍。やっぱり私あの世界にもう一回行くことにする」

手いっぱいに紙をにぎり床につく。
昼間1時間ほど寝たが、もう4時半になる。かなり眠い。
私はすぐに夢の世界へと旅だった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

撫子「さて、またここに来た。星は? やっぱりたくさんあるね。やることは決まっている」

私は、スクリーンに片っ端から星を投げ込む。
投げ込んだ先をしばらく観察すると、私が書いた紙が落ちている。それを私自身が拾ったり櫻子が興味を持ったりしている様子が映る。
このスクリーンは、世界を映すものだ。当然その世界に私が影響を及ぼせば、私の影響を受けた世界を見ることができる。

撫子「思った通り、紙は向こうの世界の私の部屋に落ちるんだ」

おそらく、私が私の部屋で寝ているからだろう。そう考えると、リビングで寝たほうが良かったのかもしれない。

しばらく眺めると、紙が落ちている私の部屋に、私の姿が映る。

撫子「この世界は……」

その世界の私は、紙に気がつくと、ノートを開き何かを書き込んでいる。そして、櫻子を呼んで紙を見せる。櫻子は驚いた顔をしている。

撫子「この世界っぽい」

場面が切り替わり、美穂の家の前に立っている私の姿が映った。空の明るさから見ると、日を分けて何日も来ているようだった。しかし、最後の踏ん切りがつかないらしかった。
しかし、反転世界の私にしては上出来だ。後は、私が引き継ごう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

意識はその世界へと吸い込まれる。
目を開けると私の部屋の机の前にいる。前つけていた日記を出す。
私が書いた日記の下にこの世界の私が追加で何か書いていた。そこには驚きの事実が書かれていた。


4/24
そっちの世界の私へ
もう来ることはないのかもしれないけど、一応書き残しておく。
私の体を乗っ取っている間に随分といろいろなことが変わっていて、びっくりした。
まさか櫻子が私に話しかけてくるようになるとは思ってなかったし、向日葵と仲直りするなんて思ってなかった。
妹との関わり方をもうちょっと考えないといけないと思った。今まで花子の気持ちに気づけなかった気付かなかったなんてバカだな私。
でも、私にはどうにも出来ないと思っていたことをいとも簡単に解決しちゃうなんて不思議。

続けて2つ目の書き残しがあった。

5/1
そっちの世界の私へ
八重野さんの件のメモを見た。確かに、2年のときに一回助けを求められたことあった。
でも、私は自分には関係ないとか、友達いない同類に見られるのがやだとかそういう理由で無視してきちゃった。
すごい後悔してる。何回か、八重野さんの家の前まで行ってみたけどダメ、勇気が出せない。
どうやったらあなたみたいになれるの? おしえて。

撫子「……私だって弱虫だよ」

撫子「でも、なんとかしなきゃいけない。ごめん、またもう一回体貸してね」

櫻子「ねーちゃん……」

撫子「櫻子」

櫻子「また、戻ってきたの?」

撫子「うん。こっちの世界の私に積極的に関わってくれてありがとう。お陰で次の問題も何とかなりそう」

櫻子「まぁ、ねーちゃんには向日葵の件で世話になったからな」

撫子「仲良さそうでなにより」

櫻子「べ、別に仲良くないし」

撫子「じゃあ、行ってきます」

櫻子「がんばって」

第484話 パラレルワールド 11 終わり

第485話 パラレルワールド 12

美穂の家の前まで来た。確かに、ここからインターホンを押すのは緊張する。一回拒絶された後なのでなおさらだ。
意を決してインターホンを押す。しばらく待っていると玄関が開く、出てきたのは美穂の母親、ではなく、美穂だった。

美穂「どうして……どうして今になって私に構うの?」

まさか美穂が出てくるとは思わなかったので少し狼狽したが言いたいことを伝えた。

撫子「どうしても。美穂と約束したから、必ず助けるって」

美穂「そんな約束してない、何言ってるのかよくわからない」

撫子「わからなくてもいい。とりあえず、明日学校に一緒に行こう」

美穂「!! ……でも、そんなことしたら大室さんがいじめられるよ? だから、前は無視してきたんじゃないの?」

撫子「それは申し訳ないと思ってる。だけど、そのことを後悔した。だから、これからはもう見捨てたりしない」

美穂「ホント」

撫子「うん、本当に」

美穂「いやそうじゃなくって、ホントにおかしいよ」

撫子「え?」

美穂「大室さん。最近、ずっと家の前にいたし。こんなところまで毎日来てくれたの大室さんだけだよ。なんでそんなに必死になるかなぁ」

撫子「……」

美穂「わかった。じゃあ私も一回だけ頑張ってみる」

撫子「ありがとう」

美穂「ふふ」

ようやくこの世界の美穂を笑わせることが出来た。家に帰ると、花子が走って飛びついてきた。本当にこっちの世界の花子は感情を素直に表わしてくれるな。

翌日、私は美穂を家まで迎えにいった。

美穂「……おはよう」

撫子「よかった出てきてくれて」

学校までの道、美穂に昨日の夕食の話だとか、今日の朝のテレビで可愛い猫が出てきただとかそういう他愛のない話をしていた。美穂は、頷いたり、たまにツッコミなどを入れてきたりした。
これだけ、喋れれば問題ないだろう。

*************************************************************

朝5時を回ったところ、私は撫子の家へと走っていた。
記憶がどんどん書き換わる。撫子のバカ! あの世界へまた行ってしまうなんて! しかも1人で!!

美穂「撫子!! 無事で居て!!」

*************************************************************

教室につく、美穂の姿を見るなりそれまで騒いでいたクラスメイトが静まり返る。そして、問題の人物が2人ほど出てきた。

藍「おやおや、どこかの引きこもりが久しぶりに登校?」

めぐみ「ギャハハハハハ! 引きこもりの癖になに学校来てんだよ! 早く家に帰らないと窒息死しちゃいまちゅよ~」

藍「それに大室と一緒とか」

相変わらず酷い奴らだ。美穂が下を向きながらプルプル震えている。私が一言言おうとすると、急に世界から引き戻される感覚に陥った。こんなときに!

――いいよ、ここからは私がやってみるから

頭の中で響く声、この世界の私の意識?
私は気が付くと怒鳴っていた。

高3にもなっていじめをするとか恥ずかしくないの? とか、人を陥れる前に勉強でもしとけだとか。
いや、これは私が言っているのではない。この世界の私が言っている。

怒鳴り始めたときには、藍とめぐみは呆然としていて、クラスメイトも呆然としていた。しかし、クラスメイトの1人がそうだそうだと言い始めるとそれに合わせて周りのクラスメイトも同調し始めて
怒鳴り終えたころには、大室はこの間の数学のテストで満点を取ったぞとか、いつまでお前らの時代だと思っているんだとか、お前らのせいで苦しめられた人がどんだけいるんだとの声が多数派を占めていた。
藍とめぐみはすごく居心地が悪そうだ。自分から言い出したが、少し同情してしまった。


美穂「あ、ありがとう。大室さん」

撫子「撫子でいいよ、美穂」

やり遂げた、肩の荷が下りた感じがする。この世界の私もよく頑張ったと思う。
その日は一日、美穂と話していた。そうすると、次第に周りの人も私達の会話に入り始める。
藍とめぐみという恐怖の対象がなくなったおかげだろうか? どれほど、このクラスは藍とめぐみに怯えていたんだろう。

帰りも美穂を家まで送って行った。

美穂「今日はありがとう。私のためにあんなことまで」

撫子「いや、いいよいいよ。それと、美穂には伝えたいことがある」

美穂「ん?」

撫子「もしかしたら、明日からの私はちょっと性格が変わってるかもしれない。今日みたいに美穂の家まで迎えに行ったり、しゃべるのがもっと下手かもしれない」

美穂「……」

撫子「それでも、美穂の家の前まで行って待っていた私や、藍とめぐみにガツンと言った人とは同一人物だから、仲良くしてもらえるかな?」

美穂「うん、当然」

撫子「後これは無理かもしれないけど、藍とめぐみのことあまり恨まないであげて欲しい」

美穂「……」

撫子「きっと、根はいい人なんだと思う。環境が変えてしまっただけで」

美穂「……わかった」

撫子「それじゃあ、また明日」

美穂「うん」

私は家に帰って今日あったことを日記に急いで書いた。もう、この世界の私も知ってるかもしれないけど。そして、この世界の私が書いた日記の下に言葉を付け足した。


『あなたはきっと大丈夫、今日だって勇気を持って言えたのだから、これからだってできる。だから、頑張ってね』

第485話 パラレルワールド 12 終わり

第486話 パラレルワールド 13

私は帰還の準備をした。帰還方法はこの世界に来た時と同じ、六芒星に飽きたと書いた紙を使った。飽きたか、この世界ですることがなくなった私にはちょうどいい単語かもしれない。
帰還の際、この世界の私の存在が消えないように櫻子に見張ってもらうことにした。

櫻子「ねーちゃん。もう、行っちゃうのか?」

撫子「うん。でも、大丈夫この世界の私ももう随分成長したみたいだから」

櫻子「そっか。わかった。後は、私が何とかする」

撫子「ふふ、全く妹なのに生意気なやつだよ」

櫻子「前ねーちゃんがこの世界に来た時も同じようなこと言われたっけ?」

撫子「ははは。どうだったか」

ゴトッ

花子「……」

撫子「花子、おいで」

花子「撫子お姉ちゃん。いなくなっちゃうし?」

花子、こっちの世界の花子は喜びや悲しみといった感情がわかりやすい。
でも、おそらく私の世界の花子も私がいなくなることに不安を感じている。これは、こっちの花子と接していて気づいたことだ。

撫子「大丈夫いなくならないから、これからもこの世界の私を頼るんだよ」

花子「??」


撫子「じゃあ、頼むよ」

櫻子「うん」

目を閉じると驚くほど早く眠りにつけた。

*************************************************************

午前6時、撫子の家についた。インターホンを押すと撫子の母親が出てきた。こんな朝早くに何のようかしらという表情をしていたが、無理を言って撫子の部屋に上がらせてもらった。
そうすると、撫子の体はもうない。

美穂「そんな……撫子……撫子が帰ってこなかったら意味ないでしょ!!」

美穂「撫子は! 藍を!! この世界を選んだんじゃないの!!? なのになんで! なんでなの!!」

美穂「返ってきてよぉぉぉぉぉお!!!」

*************************************************************

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ありがとう」

撫子「まさか、私?」

「うん、乗っ取られてた方の私、あなたのおかげで勇気を出すことが出来た」

撫子「やっぱり、あのとき叫んでたのは私じゃなかったんだね。うん、それならよかった」

「もう行くの?」

撫子「うん。そっちも早く戻った方がいい。あまり世界から離れすぎてると帰れなくなる」

「わかった。本当にありがとう」

撫子「いや、こっちこそ。私もいろいろ気づかせてもらえた。特に花子のことは……そっちの花子はこれからも黒部先生と一緒に協力してね」

「うん、わかった。 それじゃあ、頑張って」

撫子「うん、そっちこそ」

反転世界の私はスクリーンに溶け込んでいって、スクリーンの中で目を覚ましていた。
さぁ、今度は私が帰る番だ。急がないと時間がない。私は様々なスクリーンを見まわることにした。

第486話 パラレルワールド 13 終わり

第487話 パラレルワールド 14

私は急いで藍ちゃんに連絡した。撫子がいなくなったと、藍ちゃんは携帯に連絡しても連絡が取れないとのことで、すぐに来ると言った。
私が取り乱していると、花子ちゃんが起きてきて、また撫子の両親が部屋に来た。しかし、両親の様子が妙である。
最初、携帯に電話したり、それでも繋がらないと私に事情を聞いてきたりしていたが、私がパラレルワールドに飛ばされたなどの話をしている内に顔色が変わってきた。
そして、終いには撫子なんて娘は元々居なかったと言い出し始めた。まずいとうとうこの世界から撫子の存在が消えてきた。
花子ちゃんだけは、撫子のことを忘れなかったようで、ずっと、「撫子お姉ちゃんは帰ってくる?」と私に聞いて来た。

美穂「撫子、この世界には撫子のことを待っている人がこんなにもいるんだから、だから早く帰って来なさい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

どの世界が私の元の世界だったのか、分からない。

撫子「まずい、やっぱり無謀だったか……」

段々と意識が朦朧としてきた。進めば進むほど、何も考えられなくなってくる。

撫子「ごめん、美穂。花子……藍……」

私はその場に倒れこんでしまった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

美穂から撫子が消えたとの連絡を受けたときは、少し衝撃を受けた。パラレルワールドに行って帰って来られなくなると存在が消えるなんて、唐突にいろいろなことを聞きすぎて理解が出来なかった。
撫子は確かに別世界に行っていたと前に言った。じゃあ撫子が見た夢は本当のことだったの? 最初は冗談でみんなで私を騙そうとしているのかと思ったが、美穂から来た電話に「撫子お姉ちゃんがいなくなった」と花子ちゃんの泣き声が聞こえたことが決定打となった。

撫子の家につくと、美穂と花子ちゃんが泣いていた。

藍「やっぱり、帰ってきてないの?」

美穂「うん。ごめん、私が止めていれば!」

藍「美穂のせいじゃない。それはたぶん、撫子が選んだことだから」

藍「大丈夫、待ってれば帰ってくるって」

花子「みんな撫子お姉ちゃんのこと、忘れてきてるし、さっき櫻子も起きてきたけど、撫子お姉ちゃんのこと覚えてなかったし!」

藍「大丈夫、私達がずっと覚えていれば! いつかは帰ってくるから!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

誰かが泣いている。……この泣き声は花子? 花子が泣くなんて珍しい。そっか、私が遠く離れた街に行っちゃうのが寂しいんだ。
藍の声も聞こえる。
あれ? もう1つ声が……

『撫子! 撫子はこの世界を選んだんでしょ?』

美穂……それは一体どういうこと?

『撫子!! 帰ってきて!!』

藍……帰ってくるって……? ……!! そうだ! そうだった!! 私は帰らないといけないんだ!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ただいま」

花子「撫子お姉ちゃん!!」

撫子「花子、ただいま」

藍「おかえり」

撫子「藍、ごめん心配かけて」

美穂「……撫子!! バカ!」

撫子「ごめん美穂、私のわがままで」

美穂「でも、ありがとう。私のために」

そうか、もう美穂の記憶も書き加えられているのか。この反応で、あの世界の美穂が幸せになれたことがわかって安心した。

撫子「こっちこそ、花子と藍まで呼んで私を連れ戻してくれてありがとう」

美穂「もう、私はまだしも。花子ちゃんと藍ちゃんを悲しませちゃダメだぞ!」

第487話 パラレルワールド 14 終わり

第488話 パラレルワールド 15

櫻子「あれ? ねーちゃんの友達いつの間にきたの? それもこんな朝早くに」

花子「櫻子は撫子お姉ちゃんのこと忘れてたし!! 薄情者だし!!」

そういうと、ぽかぽかと櫻子を叩き出しながら追い出していく。
私は、事情をよく知らない藍に今まであったことを話した。最後、反転世界のその後を美穂が補足してくれた。

藍「そっか。そういうことがあったんだ……」

美穂「つまり、撫子はパラレルワールドの私を救ってくれたの」

藍「なんだかごめん。美穂」

美穂「いや、藍ちゃんは悪くないでしょ。こっちの藍ちゃんは何も悪くないんだし」

藍「それもだけど、なんだか私が撫子を取っちゃったみたいで」

美穂「だから、私気にしてないって、元々この世界の私は撫子のこと好きでもなんでもなかったし」

藍「それでも!! 悪いことしたって!!」

パシンッ!

藍「ッ!!」

美穂の平手打ちが藍の頬をはたく。

美穂「これで気が済んだ? 大体、藍ちゃんは、これから撫子と幸せになっていかなきゃいけないんだから、そんな弱腰でどうするの! そんなんなら私が撫子取っちゃうよ?」

藍「!! それはダメ!」

美穂「そうそう、それでいいの。撫子も藍ちゃんを手放したらダメだからね! もし手放したら世界の果てまで追い回す……いや、別の世界に逃げても追いかけるからね!!」

撫子「それは怖い」

美穂「じゃあ、私は帰るね。次会うときは藍ちゃんと撫子が引っ越す日かな?」

撫子「うん」

美穂「後、撫子花子ちゃんなんだけど」

撫子「うん、わかってる」

美穂「そっか、それならいい」

花子にも後でちゃんと引っ越しの理解を得ないと。

美穂「じゃ、撫子。いろいろありがとうね。お陰様で幸せな記憶が出来たわ」

撫子「うん、よかった」

そういうと、美穂は帰っていった。藍もそれからしばらくして帰った。
その日の夜、私は花子に改めて引っ越すことを告げた。
花子は珍しく泣いた。でも、最終的に「この世界からいなくなる事態よりはマシだし」と言って笑ってくれた。

そして……

第488話 パラレルワールド 15 終わり

最終話 桜咲く門出

今日は京都へ引っ越す日だ。天気もよく、暖かい日が続いたことでソメイヨシノは一気に咲き、満開となった。
荷物はすでに送ってあるので、電車で行くことにしている。

向日葵「撫子さんが引っ越してしまわれるのはやっぱり寂しいですね」

撫子「まぁ、長期休暇の時は帰ってくるさ。その間、櫻子をよろしく」

櫻子「私は向日葵に面倒見られるほど抜けてないぞ!」

楓「楓も面倒みるの!」

櫻子「なんで楓まで!?」

撫子「ははは」

花子「撫子お姉ちゃん」

撫子「花子、寂しかったらいつでも連絡してもいいからね?」

花子「わかったし」

櫻子「花子のやつ、ねーちゃんが京都に行くって言った時泣いて駄々こねたからなー」

花子「それは言わない約束だし!!」

向日葵「花子ちゃんも寂しがり屋だったんですのね」

花子「むー」

撫子「私もつい最近まで気が付かなかったんだけどね」

花子「京都と富山だし! そこまで離れてないし! 別の世界の距離よりは離れてないし」

撫子「そりゃーそうだ」

櫻子・向日葵・楓「??」

撫子「じゃあ、行ってきます」

「「「「いってらっしゃい」」」」

駅につくと、めぐみと美穂が居た。

めぐみ「撫子も藍もいなくなるなんて、悲しくなるねぇ」グスグス

撫子「今回めぐみは蚊帳の外だったからなぁ」

めぐみ「なにそれ! 私の存在感ないみたいな」

撫子「うそうそ、まぁ長期休暇には帰ってくるし、逆にこっちに来てもいい」

美穂「そうそう、撫子を冷やかしに行けばいいんだよ」

めぐみ「さすが美穂、どSの発想だ……」

めぐみ「それにしても~藍中々来ないねー」


藍「ご、ごめん! 遅れて!! 今日なに着ていくか迷っちゃった」

撫子「来た来た」

美穂「ヒロインは遅れてやってくる!」

美穂「そうだ、行く前に写真取らない? ちょうど桜が満開だし」

撫子「いいけど、誰が撮るの?」

美穂「自動撮りで、向かいのベンチの上にでもおけば」

撫子「なるほど」

美穂「それじゃあ、いくよ~」

藍・撫子・めぐみ「はーい」

3……2……

めぐみ「美穂ー早くー」

美穂「うん、よいしょっと」

1……

めぐみ「あ、ちょっとまってなんか鼻がムズムズする。ハッハックション!!」

パシャ

めぐみ「あーあぁ!! もいっかい撮り直してぇー!!」

美穂「うん、いい顔。だーめ、もうこれみんなのケータイに送っちゃう」

撫子「あはは、面白い顔」

めぐみ「あーもう駄目だって! 消してー!!」

藍「ふふ」

撫子「あ、電車来た」

藍「じゃあ、私達行くね」

めぐみ「うん」

美穂「じゃーねー」

撫子「うんまたね」

プシュー

ガタンゴトン……ガタンゴトン

藍「なんだか、最後の最後にいろいろあったね」

撫子「うん。今年は年明けから年度末まで密度が濃かった」

藍「私に伝えず志望校変えるわ。異世界に勝手に行くわ撫子は無茶し過ぎだよ」

撫子「ごめん。気をつける。でも、藍も思いつめすぎることがよくあるよ。気をつけてね」

藍「うん」

これからも、たくさん大変なことがあるかもしれない。それでも、私は藍を、この世界を選んだんだ。
だから、これからもこの世界の大切なものを守っていこうと思った。

最終話 桜咲く門出 終わり


藍「ご、ごめん! 遅れて!! 今日なに着ていくか迷っちゃった」

撫子「来た来た」

美穂「ヒロインは遅れてやってくる!」

美穂「そうだ、行く前に写真取らない? ちょうど桜が満開だし」

撫子「いいけど、誰が撮るの?」

美穂「自動撮りで、向かいのベンチの上にでもおけば」

撫子「なるほど」

美穂「それじゃあ、いくよ~」

藍・撫子・めぐみ「はーい」

3……2……

めぐみ「美穂ー早くー」

美穂「うん、よいしょっと」

1……

めぐみ「あ、ちょっとまってなんか鼻がムズムズする。ハッハックション!!」

パシャ

めぐみ「あーあぁ!! もいっかい撮り直してぇー!!」

美穂「うん、いい顔。だーめ、もうこれみんなのケータイに送っちゃう」

撫子「あはは、面白い顔」

めぐみ「あーもう駄目だって! 消してー!!」

藍「ふふ」

撫子「あ、電車来た」

藍「じゃあ、私達行くね」

めぐみ「うん」

美穂「じゃーねー」

撫子「うんまたね」

プシュー

ガタンゴトン……ガタンゴトン

藍「なんだか、最後の最後にいろいろあったね」

撫子「うん。今年は年明けから年度末まで密度が濃かった」

藍「私に伝えず志望校変えるわ。異世界に勝手に行くわ撫子は無茶し過ぎだよ」

撫子「ごめん。気をつける。でも、藍も思いつめすぎることがよくあるよ。気をつけてね」

藍「うん」

これからも、たくさん大変なことがあるかもしれない。それでも、私は藍を、この世界を選んだんだ。
だから、これからもこの世界の大切なものを守っていこうと思った。

最終話 桜咲く門出 終わり

最後2連投となってしまいましたが、以上で大室家の短編集は終了です。
ここまで読んでくれた・応援してくれた人はありがとうございます。

乙です

長い間おつ!

実に一年と半年…
お疲れ様

超乙
今までこれが毎日の楽しみだったからもうないのは寂しいわ

今まで楽しませて貰いました ありがとう
乙乙!

あとちょっとで1000到達するから梅る?

乙乙乙

埋め

最後までいい話をありがとう!
このスレに出会って、ずっと追ってて良かった

作者さん、長い間お疲れ様でした!
そして、ありがとう!

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