ミカサ「人買いに攫われた」エレン「戦え!」 (57)

進撃の巨人SS

話の中で子供がXXXされるので一応閲覧注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374923779

850年 村外れのあばら屋

エレン 「ミカサ!」

ミカサ 「エレン!」

エレン (ミカサが椅子に座っている……後ろ手に腕を縛られているのか?)

エレン 「ミカサ、その顔……てめえ! ミカサに何しやがった!?」

人買いの男3 「大人しくして貰ってるだけさ。俺の趣味を知ってるだろ?」

エレン 「クッ!」

人買いの男3 「ああやって椅子に括り付けてるだけだ。だがこれからも何もしないかはお前の態度次第だ」

エレン 「ミカサをこれ以上傷付けてみろ! 絶対にお前を許さないからな!」

ミカサ (エレン、貴方自身が両手を縛られてここに連れて来られたのに、あなたは自分の心配よりも
    私の心配をしてくれる)

ミカサ (ごめんなさいエレン)

ミカサ (あれは6年前のこと……私とエレンがまだ幼かった頃……)

ミカサ回想

844年 人買いのアジト 居間

人買いの男2 「上等な上にガキだなんて、俺の趣味そのものじゃねえか」

人買いの男1 「お前の趣味を聞いたんじゃあねえよ。そいつは東洋人だ。東洋ってところから壁の中に
       逃げて来た一族最後の末裔だ。他の東洋人は絶滅したからな。相当な値がつくぞ」

人買いの男2 「なあ、こいつ味見していいだろ」

人買いの男1 「何言ってんだ、初物でないと高く売れねえだろうが」

人買いの男2 「そんなの適当に嘘付いて売ればいいだろ」

人買いの男1 「自分の失態を棚に上げてよくそんなことが言えるな」

人買いの男1 「このガキは半分だけ東洋人で、本当に価値があるのは母親だったんだ! 
       てめえがビビッて殺すから、ガキの方しか攫えなかったんだよ!」

人買いの男2 「仕方ないだろ! 抵抗されたんだ!」

人買いの男1 「言うことはそれだけか!」

ミカサ (お父さんもお母さんもこの人達に殺された……)

人買いの男1 「ちょっくら出かけてくる。ガキに手ぇ出すんじゃないぞ」

人買いの男2 「分かってるよ!」

バタン

人買いの男2 「行きやがった……。いっつもリーダー気取りで全くよぉ……」

人買いの男2 「でもこいつは好都合だ。おい、ガキ。少し憂さ晴らしさせて貰うぜ。ヘッヘッヘッ」

ミカサ (お……犯される)

844年 人買いのアジト 玄関

人買いの男1 (とりあえず仲買人と連絡を取らねえとな)

ガチャ キィィ

人買いの男1 (何だこのガキは!?)

エレン 「えっと……あ、あの、僕は森で迷って、その、小屋が見えたから……」

人買いの男1 (驚かすんじゃねえよ、ただの迷子か)

人買いの男1 「迷子かよ。チッ、しょうがねえな全く」

エレン 「すみません」

人買いの男1 「おじさんの友達が送ってやる。ついて来い」

エレン (後ろを向いた!)

グサリ

人買いの男1 「あ、あが……」

エレン 「死んじゃえよ、クソ野郎」

844年 人買いのアジト 居間

人買いの男2 「おまえは抵抗するなよ」

ミカサ (家族を失った……生きる意味なんてどこにも無い)

ガチャ キィィ

人買いの男1 (ドアが開く! まずい、戻って来やがった。これからって時に!
       兎も角この場を取り繕わないと)

人買いの男1 「どうしたんだよ、え? 何だ?」

人買いの男1 (……ガキが何でこんなところに!?)

エレン 「その、玄関で会ったおじさんが……部屋に、別のおじさんがいるから呼んで来いって……。
    僕が迷子だって言ったら、送ってくれるって言って」

人買いの男1 (いいところで邪魔が入りやがって! 俺にガキの送り迎えさせる気か!)

人買いの男1 「分かった、ちょっと待ってろ」

エレン 「ありがとう、おじさん」

グサリ

人買いの男1 「ぐぅッ!」

エレン 「死ね、死んじまえ!」

グサッ グサッ

エレン 「お前らなんかこうだっ!」

ザシュッ

エレン 「ハァ、ハァ、ハァ」

エレン (二人ぶっ殺した……。人攫い共を駆逐してやった……)

エレン 「もう大丈夫だ、安心しろ」

ミカサ (この子、助けに来てくれたの?)

ザシュッ

ミカサ (私の腕を縛っていた縄を切ってくれた)

エレン 「お前、ミカサだろ? 俺はエレン。医者のイェーガーの息子で、父さんとは前に会った筈だ。
     診療の付き添いでお前の家に行ったんだ。そしたら……」

ミカサ 「三人いた筈」

エレン (三人! あと一人居るのか? ハッ!)

人買いの男3 「……」

エレン (最後の一人!)

人買いの男3 「オラァッ!」

ゲシッ

エレン 「グァッ!」

エレン (グッ、クハッ……蹴られた……腹が……痛ぇ……)

人買いの男3 「てめえが殺ったのか? てめえが殺ったのか!? てめえがァ!」

ミカサ (いけない! 男の子が押さえ込まれた!)

エレン 「戦え……」

ミカサ 「ハッ!?」

エレン 「戦うんだよ」

ミカサ 「そんな……出来ない……」

ミカサ (男の子が持ってたナイフを拾ったけど、私には……。でもこのままでは……)

エレン 「……勝てば……生きる……」

ミカサ 「!」

エレン 「戦わなければ……勝てない」

ミカサ 「!!」

エレン 「戦え!」

ミカサ 「!!!」

ズブリ

ミカサ (そうだ、この世界は残酷なんだ……)

エレン 「やめろおおおおおおおおおおおおっ!」

ジュップ、ジュップ、ジュップ

人買いの男3 「ハァ、ハァ、こんな活きのいいオスガキがぁ、自分から飛び込んでくるなんてよぉ」

エレン 「ぐあああああっ! 痛、痛いいいいいい! やめろおおおおっ!」

人買いの男3 「俺は……女に興味ねえのに……いつも攫ってくるのがメスガキで……つまらなかった……。
        今日は楽しむぜぇ!」

ミカサ (男が……男を……犯してる!?)

ミカサ (それから人買いの男は、駆けつけた憲兵団に取り押さえられるまでエレンを嬲り続けた。
    ようやく解放されたエレンは壊れた人形のようにぐったりとしていた)

ミカサ (あの時、唯ひたすら困惑した。男が男を犯すなんて聞いたことない。そして微かに……)










ミカサ (高揚した)

グリシャ 「エレン、麓で待っていろって言っただろ? お前は自分が何をしたか分かっているのか?」

エレン 「有害な獣を駆除し損ねた。たまたま人と同じ格好をしていたケダモノだ!」

グリシャ 「エレン!」

エレン 「こんな時間に憲兵団が来ても奴らが捕まったのは、俺が……奴らに……グスッ、ヒック……」

グリシャ (確かにエレンの犠牲が結果的に犯人の生き残りを足止めし、逮捕に繋がった。しかし……)

グリシャ 「だとしてもだ! 私はお前が自分の命を軽々に投げ打ったことを咎めているんだ!」

エレン 「……」

ミカサ (エレンがこっちを見てる。私を恨んでるのだろう。無理も無い)

ミカサ (エレンが酷い目に遭っている間、私はナイフを持ったまま何も出来ずに居たのだから)

グリシャ 「エレン、ミカサの判断は正しい」

エレン 「!」

グリシャ 「もし、ミカサが犯人を仕留め損ねたら犯人は逆上してお前達を殺していたかもしれない」

グリシャ 「だから、ミカサを恨むな」

エレン 「でも、早く助けて欲しかった……」

グリシャ 「家に帰ろう。体の傷は父さんが治してやる」

エレン 「うん……。ウッ……グスッ……」

グリシャ (痔の薬、在庫有ったよな……)

今日はここまで。
読んで下さった皆さん有難うございました

>>6って全部男2じゃないのかな?

なんにせよ乙。

1です

>>11
指摘有難うございます、その通りです、失礼。

ミカサ (それから私はエレンの家に引き取られた。イェーガー家では実の娘同然に大切に育てられた)

ミカサ (エレンは私にとても優しく、私がエレンに対し家族以上の絆を感じるのに時間はかからなかった)

ミカサ (だが、エレンのことを愛しいと思う心が強まるにつれ、あの日の惨劇が思い起こされる。
    といっても本当の両親が殺される姿ではない)

ミカサ (エレンが人買いの男の慰み者になっている姿を見た時の、あの高揚感が私の記憶に鮮烈に残っていた)

ミカサ (思春期を迎えた私は、あの日エレンが男に組み敷かれる光景を思い出しては
    股を湿らせる女になっていた)

ミカサ (幼いエレンがその体を貫かれている姿を見て、私自身も体を貫かれたかの様な衝撃を受けた。
    もう一度、あの光景が見たい……)

ミカサ (その為なら、何でも出来ると思った……)

847年 訓練兵団 練兵場

キース 「只今より、104期訓練兵団入団式を行う! 私が運悪く貴様らの監督をすることとなった
     キース=シャーディスだ」

ミカサ (エレンが訓練兵団に入ったことは喜ばしいことだ)

ミカサ (何故なら、この手の組織には男性の同性愛者が少なくないと聞く)

ミカサ (遂にエレンが男の人と交わる姿を再び見ることが出来る。ただ、今壇上で怒鳴っている
    あのハゲは駄目だ、もっと若い方がいい)

数ヵ月後 訓練兵団 廊下

ミカサ 「ジャン」

ジャン 「何だよ、ミカサ?」

ジャン (ミカサから話しかけてくるなんて今日はラッキーだぜ!)

ミカサ 「どうして普段エレンに突っかかるの」

ジャン 「ハッ。あいつがガキだからさ。あいつには現実が見えていない。
    そのくせ巨人を一匹残らず駆逐するとか大口叩きやがって」

ミカサ 「そう、あなたはエレンのことが気に入らない」

ジャン 「まあな。……何だよミカサ、あいつと仲直りしてくれってのか?」

ミカサ 「いいえ、あなたの気持ちは分かった。そのうえで聞きたいことがある」

ミカサ 「ジャン、あなたはエレンのことをメチャクチャに犯したいと思わない?」

ジャン 「ハァ!?」

ミカサ 「だって、エレンのこと気にいらないんでしょ」
 
ジャン 「ミカサ」

ミカサ 「何?」

ジャン 「あまり人を馬鹿にするもんじゃないぜ」

スタスタスタ

ミカサ (行ってしまった……)





ジャン (何なんだよ、ミカサの奴)

ジャン (俺だって分かってるさ。ミカサにとってエレンが一番だってこと位。ミカサは、
    俺がエレンと喧嘩ばかりするのが気に入らなくてあんな厭味言ってきたのかな)

ジャン (そうだよな。ミカサが……エレンと仲の悪い俺を好きになる訳がない)

ジャン (エレンともう少し仲良くしてやるか……畜生!)

訓練兵団 トレーニングルーム

ライナー 「どうしたミカサ? 腹筋の鍛え方なら今更お前に教えることは無いぞ」

ミカサ 「単刀直入に聞く、ライナー。あなたはエレンのことをどう思っているの」

ライナー 「どうした、エレンのことで俺にヤキモチか?」

ミカサ 「答えて」

ライナー 「そうだな……何て言うか。あいつは俺にとって弟みたいなもんだ」

ミカサ 「それだけ?」

ライナー 「それだけってどういうことだ?」

ミカサ 「エレンの体には興味無いの?」

ライナー 「あのなあ、ミカサ」

ミカサ 「何?」

ライナー 「誤解してる様だから言っておくが、俺の恋愛対象はあくまで女の子だけだからな」

ミカサ 「そう」

ライナー (何でそこで残念そうな顔をする?)

ミカサ 「分かったわ、邪魔したわね」

スタスタスタ

ライナー (行っちまった)

ライナー (恋愛対象はあくまで女の子だけか……。
     ハァ、我ながら何で一々そんなこと言わなきゃいけないんだろうな)

訓練兵団 書庫

マルコ 「幾ら何でもそんなこと言われるとは思わなかった……」

マルコ 「憲兵団に入って王に身を捧げるという僕の夢を否定するなんて」

ミカサ 「気を悪くしたのなら謝る。けど初日に教官もあなたに言った。『王はお前の体など欲していない』と」

ミカサ 「届かない夢を追い続けるよりその体をエレンに捧げる気は無い?」

マルコ 「確かにエレンは仲間だけど、僕は王の下で働きたいんだ」

ミカサ 「そう……一途なのね」

マルコ 「まあ、一途と言えば一途なのかな……」

ミカサ 「そういうの嫌いじゃないわ。あなたの気持ちは分かった。夢、叶うと良いわね」

マルコ 「ああ、有難う」

スタスタスタ

マルコ (ミカサが居なくなった。今一要領を得なかったけど彼女は何をしたかったんだ?)

ジャン 「マルコ、マルコ。さっきミカサと何話してたんだよ?」

マルコ 「夢が叶うといいねって応援されたよ」

ジャン (マルコとの付き合いも考え直す時が来たか……)

850年 訓練兵団 女子寮 サウナルーム

ミカサ (訓練兵団に入って3年が経とうとしている)

ミカサ (なのに今だエレンと関係を持とうという男は現れない)

ミカサ (ここの訓練兵の男共は男を見る目が無いのか?)

ミーナ 「ねえ、この前新しい法律が施行されたんだって」

アニ 「新しい法律?」

ミーナ 「ええ、出所した性犯罪者の住所が公開されるようになったんだって。
    役所に問い合わせたら教えてくれるらしいよ」

ミカサ 「!」

ユミル 「そうか、これでクリスタも安心だな」

クリスタ 「どういう意味?」

ユミル 「クリスタみたいな可愛い子をケダモノ共から守るにはいい法律ってことさ。
    この手の犯罪は再犯率が高いって言われている。近所に越してきたのが前科者だと分かれば
    警戒出来るからね」

クリスタ 「ミカサ! 鼻血出てる! もうサウナ出た方がいいよ!」

ミーナ 「のぼせたのね、ミカサ」

今日はここまで。
読んで下さった皆さん有難うございました

850年 人買いの男3の家

ドゴッ

人買いの男3 「グアッ!」

ミカサ 「久しぶりね」

人買いの男3 「痛ぇ……お前、何者だ! ……まさか、あの時の……」
 
ミカサ 「思い出した様ね」

人買いの男3 「何の用だ。俺はもう刑期を終えたんだよ。今更何の用……」

ボゴッ ドガッ バシッ

人買いの男3 「……ア……ア、ガ……」

ミカサ 「今の私は訓練兵団の主席候補者。お前一人殺すのは造作ない。あの頃の無力な私ではない」

人買いの男3 「俺への復讐か? 俺はムショ暮らしを終えたばかりだぞ! ようやく娑婆に出てきて
        何でこんな目に遭わなきゃいけないんだよ! それに私怨で人を殺していいのかよ!」

ミカサ 「私の家族を殺したお前が言うか!」

人買いの男3 「そもそも何でここが分かった!? ……まさか、最近出来たあの法律のせいか!?」

ミカサ 「おまえに逃げ場は無い」

人買いの男3 「ヒィ!」

ミカサ 「たとえどこに逃げても必ずお前を探し出してみせる」

人買いの男3 「た、助けてくれ!」

ミカサ 「……」

人買いの男3 「頼む、この通りだ!」

ミカサ 「私の言うことを聞いたら助けてやってもいい」

850年 トロスト区 繁華街広場 噴水前

エレン (ミカサの奴、久しぶりの休暇に付き合えってどういうことだよ)

エレン (それに兵団の施設で待ち合わせすればいいのに、何でここを待ち合わせ場所にしたんだ?)

人買いの男3 「よぉ」

エレン (この男、あの時の!)

人買いの男3 「おっと手出しするなよ」

エレン (これはミカサのマフラー! 何でこいつが持ってる!?)

人買いの男3 「こいつの持ち主に無事でいて欲しいなら、ついて来い」

エレン 「どういうことだ!?」

人買いの男3 「俺がお前を連れてこないとあの女がどうなるか分からんということだ。
        それだけ分かればいいだろ。俺もお前も選択権は無いんだよ」

エレン 「俺も?」

人買いの男3 「……とにかくだ。俺に大人しくついて来ればあの女に合わせてやる」

エレン 「ミカサは!? ミカサは無事なのか」

人買いの男3 「ああ、今はな。今後も無事かはお前の行動次第だ」

エレン 「……」

エレン (こいつを捕まえて口を割らせるか? でも複数犯だったら?
    もしこの男が俺を連れて来なかったら人質のミカサが殺される可能性もある)

エレン (いや、間違いなく複数犯だ。こいつ一人に捕まるミカサではない)

エレン 「お前の……言う通りにしてやる」

850年 村外れのあばら屋付近

人買いの男3 「もう人気は無いな。よし、うつ伏せになれ」

エレン 「……」

人買いの男3 「大人しくしてろよ」

シュルル、ギュッ、ギュッ

エレン (後ろ手に両手を縛られた)

人買いの男3 「さあ来い。あの女に会わせてやる」

850年 村外れのあばら屋

ミカサ (噴水の所からずっと尾行してきたが、エレンに気づかれていない。
    途中先回りしてこの小屋に入ったのも気づかれずに済んだ筈)

ミカサ (あとはエレンが小屋に入って来る前に椅子に座って、縛られている振りをすればいい。
    人買いの男には私が椅子に縛られているということにしておけと命令済みだ)

ミカサ (後ろ手に縄とナイフを持つ。いざという時に誤魔化しが効くように)

ミカサ (既に自分で顔を二発殴ってアザを作り、無理やり捕まえられた感も演出した)

ミカサ (これで完璧)

ミカサ回想終わり

850年 村外れのあばら屋

人買いの男3 「久しぶりにお前の味を楽しませてもらうぜ」

エレン 「……」

ミカサ (両手を縛られ、下半身丸出しのエレンが男に向かって尻を突き出している)

ミカサ (この世界は残酷だ。そして……)

ミカサ (とても美しい)

人買いの男3 (何で俺がこんな目に遭わないといけないんだよ……)

エレン 「……」

人買いの男3 (何かこのガキも成長しちまってもう俺好みじゃねえんだよな。体も筋肉質になってるし)

ミカサ 「……」

人買いの男3 (でもあの女の言うことを聞かないと殺される。犯るしかねえんだ!)

ズブリ 

エレン 「ぐ、ああ……」

ミカサ (ああ、そうだ。私はこれを見たかったんだ……)

エレン (クソッ。こんな奴に、また……。ミカサを助けることも出来ずに……ミカサ!)

ミカサ (素晴らしい! 最高だわ!)

エレン (……ミカサが目を潤ませてこっちを見ている)

エレン (俺が酷い目に遭ってるのを見てミカサが泣いている!)

エレン (俺のせいでミカサが泣いてるのか。俺を助けられなくてミカサは自分を責めているのか。
    俺が弱いから? こんな目にあっても何も出来ないから?)

エレン (そんなの、そんなの……)

エレン (絶対に嫌だあああああああ!)

ギュウウウウウウ

人買いの男3 「し、締まる!」

人買いの男3 「ク、クソ! 力抜けよ……は、離せ……」

エレン (抜いてやるよ)

ヌポッ

人買いの男3 「うわぁ!」

ズデン

ミカサ (勢い余って男がひっくり返った!)

エレン 「どりゃあああ!」

ミカサ (エレンが跳んだ!)

ズシン

人買いの男3 「ぐおおおおおおっ!」

ミカサ (エレンが男の股間を踏みつけた!)

エレン 「よくも、よくもやりやがったな! お前なんかこうだッ!」

ドガッ ビシッ バキッ

エレン 「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」

エレン (格闘訓練でアニに教わった足技が役に立った……)

人買いの男3 「ウ……ウ……助けて……くれ」

エレン 「てめぇ!」

人買いの男3 「待ってくれ! 俺は命令されてやっただけだ!」

エレン 「はぁ!?」

エレン 「命令って誰にだよ?」

人買いの男3 「そ、そこの女に!」

ミカサ 「!」

ダッ

ミカサ 「うあああああああッ」

グサッ

エレン 「ミカサ!」

エレン (背後から、心臓を一突きだ……)

ミカサ 「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」

エレン 「ミカサ!」

ミカサ 「こいつはエレンを酷い目にあわせた。それも二回も! 死んで当然!」

エレン 「だからって、今殺すことないだろ! 俺はこいつの口を割らせるつもりだったのに!」

ミカサ 「でもこいつが許せなかった……」

エレン 「ミカサ?」

ミカサ 「何、エレン?」

エレン 「お前縛られてたんじゃなかったのか?」

今日はここまで
読んで下さった方々へ 有難うございました
おやすみなさい

ミカサ 「……素人が縛る縄なんて時間さえかければ緩む。今さっき縄が緩んで拘束が解けた。
    ので、……服の中に隠し持っていたナイフを取り出した」

エレン 「なあ、ミカサ。お前が今日俺を呼び出した理由は何だ?」

ミカサ 「それは……私はあの男の居場所を知って、どうしても許せなくて会いに行こうとしていた。
    最近出来た法律で性犯罪者の住所を知ることが出来たから」

ミカサ 「一人で会うと冷静で居られるか不安だった。そこでエレンに一緒に来て欲しかった。
    でもその前に一人で下見に行ったら捕まった。最初にエレンと合流してから行けばよかったと
    後悔している」

エレン 「今回はこいつの単独犯みたいだ。俺はてっきり犯人は複数だと思っていた。
     解せないんだよ。たった一人でお前を捕まえて監禁するなんて普通の人間には出来ない」

ミカサ 「……」

エレン 「そもそもこいつ殺される前に、お前に命令されたって言ってたよな?」

ミカサ 「……」

ミカサ 「ねえ、エレン」

エレン 「何だ?」

ミカサ 「エレンは私を疑っているの?」

エレン 「だってよこいつが――」

ミカサ 「この男は私の両親を殺した一味の生き残り。私がそんな奴と手を組むと本気で思っているの?」

エレン 「それは――」

ミカサ 「言って良いことと悪いことがある」

エレン 「悪かった……」

ミカサ (口では謝っているがエレンが怪訝な顔をしている。エレンが私に疑念を抱くのも無理は無い。
    ここでエレンに嫌われては元も子もない)

ミカサ (考えろミカサ! ここで信頼を取り戻す手段を……)

エレン 「ところでさ、ミカサ」

ミカサ 「何、エレン?」

エレン 「俺、パンツ穿いていいかな?」

ミカサ (いい方法を思いついた!)

ミカサ 「ダメ」

エレン 「オイ!」

ミカサ 「私はエレンを愛している。それだけは信じて欲しい。それにノン気のエレンが
    これまで男性としか経験が無いのはあんまりだと思う」

ミカサ 「ので、私はこれから自分の初めてをエレンに捧げようと思う。」

エレン 「ミカサ! お前、自分の言ってることが分かってるのか!?」

ミカサ 「勿論。エレンが受けた心の傷を私が忘れさせる」

ミカサ 「それともエレンは……自分より体の大きな筋肉質の女を相手にするのは嫌?」

ミカサ (その瞬間、体の震えが止まった。その時から私は自分の体を完璧に支配出来た)

ミカサ (両手を胸の前で合わせ、軽く握った片方の拳をもう片方の手の平で包む。
    背筋を曲げて頭の位置を相手よりも下げ、少し俯き加減のところから
    目を潤ませて相手を見上げる……切望と不安の入り混じった表情で……)

ミカサ (これでエレンは落ちる!)

エレン 「……何言ってんだよ、ミカサ」

エレン 「お前は、綺麗だ」

ミカサ 「嬉しい」


ミカサ (こうして私はエレンを抱いた。その後エレンが私に疑いの目を向けることは無くなった)

ミカサ (エレンを抱く時に私は自分におち○○んが生えてないことを悔やんだ。今思えば、
    私が鍛錬に励んで男に負けない鍛え抜かれた肉体を作り上げたのは、自分が男になって
    エレンを抱きたいという願望があったからかもしれない)

850年 訓練兵団 食堂

ジャン 「よぉ、エレン」

エレン 「……」

ジャン 「ミカサが営倉に入ってるのに、お前はよくここで平然と飯食ってられるよな」

エレン 「……」

ジャン 「俺がお前だったら、たとえ殺したのがミカサでも俺が殺りましたって罪を被るぜ」

エレン 「……」

ガシッ

ジャン 「何とか言えよ!」

アニ 「止めな! ジャン」

ジャン 「でもよ!」

エレン 「ジャン……今回ばかりはお前の言う通りだ」

ジャン 「ケッ! 調子狂うぜ」

スタスタスタ、バダン!

エレン 「サシャ」

サシャ 「何ですか?」

エレン 「俺とジャンの飯、代わりに食ってくれ」

サシャ 「それはいいですがエレンは……」

エレン 「ちょっと外に行ってくる」

サシャ 「ああ! エレン……」

タッタッタッ、バタン

アルミン 「サシャ、僕のご飯も食べてくれる」

サシャ 「アルミン……でもいいんですか?」

アルミン 「うん、お願い」

サシャ 「分かりました」

アルミン 「ありがとう」

タッタッタッ、バタン

サシャ 「……」

ユミル 「良かったなあ芋女。今日のディナーは四人分の飯か」

クリスタ 「ユミル、そんなこと言わないの」

サシャ 「ミカサが営倉入りになって、どんな処分が下るかも分からなくて……みんな重苦しい気持ちで……。
    私だってこんな時にご飯が増えたって単純に喜べないです。そのくらいのデリカシーはあります」

コニー 「食欲無いなら俺が代わりに食ってやるぞ」

サシャ 「それは大丈夫です」

訓練兵団 湖の見える崖 

アルミン 「やっぱりここに居たんだ。隣、いい?」

エレン 「……」

アルミン 「ここはいい場所だ。今日みたいな月夜は月の光が湖面に反射して幻想的な風景になる」

アルミン 「訓練兵団に入って間もない頃、ワイヤーでぶら下がる訓練がうまく出来なくて悩んでいたエレンを
     元気付ける為に、ライナーとベルトルトがこの場所を教えてくれた」

エレン 「……ああ。今の俺はあの時の俺と同じだ。何とかしたいのに、気持ちばかり空回りして
    何も出来ずにいる」

アルミン 「僕達訓練兵には詳しい事情は聞かされていない。ただミカサが人を殺めた――」

エレン 「あいつが殺したのは人じゃない! ケダモノだ!」

アルミン 「殺したのはミカサだったんだね」

エレン 「……」

アルミン 「エレンとミカサのことだ。お互い自分が自首するって言い張ったんだろう。
     最終的に本当に殺したのは自分だからといってミカサが自首した、そうだね?」

エレン 「ああ……」

アルミン 「ミカサはこれからも兵士で居られるよ、きっと」

エレン 「俺もそう思う」

エレン 「ミカサは訓練兵団始まって以来の逸材と言われてる。上も本音ではミカサを開拓地送りや
    禁固刑にはしたくないだろう」

アルミン (エレンも僕と同じ考えだったか)

エレン 「それにミカサは自分の両親の仇を討っただけだ」

アルミン 「そうだったの! ……だったら尚更ミカサには情状酌量の余地がある。きっとミカサの処分は
     軽くなるよ」

エレン 「ああ、あいつは悪くない! あいつを悪く言う奴は俺が許さない。唯……」

アルミン 「エレンは今、ミカサの為に何も出来ずにいることがもどかしいんだね」

アルミン 「だったら、ミカサが戻ってきたらミカサの我侭を何か一つ聞いてあげればいいんじゃないかな」

エレン 「アルミン……」

アルミン 「そうすればミカサも喜ぶ。僕にも手伝わせてよ。僕に出来ることなら何でもする。
     僕にとってもエレンとミカサはかけがえの無い幼馴染みだから」

エレン 「アルミン、やっぱりお前……頼りになるよな」

訓練兵団 医務室

キース 「アッカーマン訓練兵の供述調書の内容に間違いはないと?」

軍医 「ええ、顔に殴られた後がありますし、それに……」

キース 「どうした?」

軍医 「彼女には性的暴行を受けた後が……」

キース 「何ということだ……」

軍医 「かつて自分の両親を殺され、今度は純潔を奪われ……彼女でなくとも犯人を殺したくなるでしょうね。
   監禁されている間に偶然拘束が解けたアッカーマン訓練兵が犯人に襲い掛かりそのナイフを奪って
   殺害したとしても、私には彼女を責める言葉が見つかりません」

キース 「……」

軍医 「キース教官、お願いします。どうか彼女に、アッカーマン訓練兵に寛大な処置を。
   私は医師である前に一人の女性として、犯人の死は当然の報いと思います」

訓練兵団 教官室

キース 「アッカーマン訓練兵!」

ミカサ 「ハッ!」

キース 「軽率にも犯罪者に捕らえられ監禁された挙句、犯人を捕縛せずに殺害するとは、貴様らしくない
    失態だったな……」

ミカサ 「……」

キース 「貴様への処分を発表する」

ミカサ 「ハッ!」

キース 「アッカーマン訓練兵には一ヶ月の営倉入りを命ずる。またアッカーマン訓練兵は成績優秀にて
    本人もまた成績上位者のみが入団資格を有する憲兵団への入団を希望していたが
    本人に反省を促す意味で成績を大きく減点し全科目『可』評価とする。
    また、訓練兵団卒業後は調査兵団への入団を命ずる。
    エルヴィン団長が直々にお前の性根を叩き直してくれるそうだ。ありがたく思え!」

ミカサ 「ハッ!」

訓練兵団 食堂

コニー 「ミカサの処分だけどさあ」

ベルトルト 「どうしたの、コニー?」

コニー 「あいつ憲兵団行きの権利を取り消されて調査兵団行きになったけど、ミカサってそもそも
    憲兵団志望だっけ?」

ベルトルト 「エレンが調査兵団志望だからきっとミカサも調査兵団志望だよ。
     ただ、訓練兵団としてはミカサをきっちり処分したという形にしないと体裁が悪い。
     そこでミカサが憲兵団志望だったのを行けなくしたということにしたと思う」

ユミル 「調査兵団云々の処分はミカサにとって痛くも痒くも無いだろうよ。
    あいつには営倉にいる間、エレンに会えないことの方がよっぽどか辛いだろうね」

クリスタ 「ミカサ、可哀相……」

ミーナ 「エレンが来たよ」

ライナー 「皆、この話は終わりだ。ジャン、エレンに突っかかるなよ」

ジャン 「……分かったよ」

一ヶ月後 訓練兵団 男子寮

エレン 「アルミン、昨日営倉を出たミカサの願いを聞いたんだが……」

アルミン 「ミカサは何て言ってたの?」

エレン 「それが俺一人ではどうにもならない話でさ、アルミン、お前の力が必要なんだ」

アルミン 「任せて」

アルミン (僕も二人の力になれるんだ。嬉しい……)

翌日 訓練兵団 倉庫内

アルミン 「どうして僕を縛るの? 答えてよエレン! ミカサ!」

ミカサ 「エレンが我侭を聞いてくれるっていうから願い事を言った。そしたらエレンが
    『頑張ればアルミンでならイケるかもしれない』って言ったの」

エレン 「俺は乗り気じゃないんだが、どうしてもミカサが見たいって言うから。
    ほら、アルミンが力を貸してくれるって言ったろ」

アルミン 「言ったけど、でも……二人が何を言ってるのか訳が分からないよ!?」

エレン 「大丈夫だアルミン」

エレン 「最初はとても痛いけど、父さんが遺してくれた痔の薬は良く効くんだ」

以上、墓ケツを掘ったアルミンが痔エンドする話でした。
原作のミカサはエレンを傷つけるようなことはしないと思いつつもこんな話を書いてしまった。
最後までのお付き合い、有難うございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom