星奈「夜空、お金欲しいの?」 (100)

星奈「私がいいバイト教えてあげよっか?」

夜空「いかがわしいバイトではないだろうな・・・」

星奈「全然!」

星奈「私の事を名前で呼ぶだけの簡単なお仕事よ!」

夜空「むぅ・・・給金次第では考えてやらんでよないぞ」

星奈「日給は2000円よ」

夜空「たったそれだけの事でその額はどうなのだ?」

星奈「いいの!未来への投資なんだから!」

夜空「・・?」

星奈「た、ただし、私と1日1時間以上は一緒にいないとダメだからね」

夜空「実質時給2000円か・・ふむ」

―――――
―――
――

星奈「夜~空♪」

夜空「なんだ、にk・・・・せ、星菜」

星奈「えへへ、呼んでみただけ~」ニヘラ

夜空「私の読書の邪魔をして楽しいか?」キッ

星奈「あ、ごめん・・・」

夜空「まったく、これだからに・・・・星奈は・・・」

星奈「・・・えへへ」

――――

小鷹「あの二人、なにかあったのか?」

幸村「さぁ・・・・?」

クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!?

pipipi

星奈「あれ、携帯鳴ってるわよ」

夜空「時間設定したアラームだ。・・・どうやら一時間経ったようだな」スクッ

星奈「帰るの?」

夜空「1日一時間一緒にいればいいのだろう?なら、今日はこれで十分なはずだ」

星奈「んー・・・」

星奈「じゃ、じゃあ!30分毎に2000円とは別に500円ずつ追加するわ!」

夜空「・・・お前」ジトッ

星奈「な、なによ!ちゃんと名前で呼びなさいよ!」

夜空「星奈・・・ホストに貢いで破産するなよ」

星奈「そ、そんな事する訳ないでしょ!」

これだな

小鷹「隣人部の為に俺は星奈とは付き合わない」理科「黙れよ」

星奈「私だってお金の使い道くらい弁えてるわよ!ちゃんと必要な事にしか使ってないんだから!」

夜空「エロゲーを買うのは必要な事なのか?」

星奈「お、乙女力向上には必要なの!」

夜空「・・・私に名前を呼ばせるのはどうなんだ」

星奈「いつまでも名前で呼ばれないなんて嫌だもの!」

夜空「何故そこまでして・・・・いや、今日はもういい」

夜空「とりあえず、今日は本当に用があるんでな。私はもう帰るぞ」

星奈「わかったわよ・・・。明日は二時間くらい取れる?」

夜空「・・・考えておく」タッタッタ

バタン

星奈「・・・ふへへ」ニヤ

―――――
―――
――

●夜空自宅

夜空(全く・・・急にどうしたんだあいつは・・・)

夜空(・・・いや、まぁ肉と呼ばれるのが嫌になったと言われればそうなんだろうが・・・)

夜空(そもそも、小鷹を誘惑する存在を排除したくて肉呼ばわりして追い出そうと計画したのだが)

夜空(なんだかんだ居座るし、肉と言われ続けても愛想尽かさずつっかかってくるし)

夜空(かと思えば今度は金を払ってでも名前で呼べなどと・・・まったく理解できん)

夜空(・・・・・・むぅう)

●翌朝、昇降口

星奈「おはよっ、夜空♪」

夜空「あぁ・・・」

星奈「・・・」ジー

夜空「・・・おはよう、星奈」

星奈「うんっ!」ニパー

夜空「・・・っ!」

夜空(なんだ・・・!?この本当に嬉しい的なオーラは・・・・!)

星奈「どうしたの?夜空」

夜空「・・・なんでもない。私はもう教室に行くぞ」

星奈「は~い」

タッタッタ

夜空「・・・なんでついてくるんだ?」

星奈「だって、教室行くんでしょ?」

夜空「お前は別クラスだろ・・・」

夜空「そもそも何か目的があって昇降口にいたのだろ」

星奈「そうよ」

夜空「だったら目的を果たせ。私についてくる必要など―――」

星奈「夜空を待ってたんだから、当然でしょ?」

夜空「なっ・・・」

星奈「どうしたの?」

夜空(わ、私を待ってた・・・?どういう事だ?何か私をハメる意図でも・・・)

星奈「それより、今日の放課後は時間とれそう?」

夜空「・・・・」

星奈「夜空?」

夜空「すまん、急用があるので先に行く!」ダッ

星奈「あ!」

星奈「うーん・・・ま。次の休み時間にでもまた行けばいっか」

●放課後

夜空「・・・」

星奈「~♪」

<ニアッテルワヨ、ミズホチャン!
<マ、マリヤ~!

夜空「おい、星奈」

星奈「なぁに?夜空」ニコニコ

夜空「私の隣でエロゲ?をするのこの際何も言わん。が、せめてイヤホンなりなんなりしろ」

星奈「えー?それじゃあ夜空が私の事呼んでも気付かなくなくなっちゃうし・・・」

夜空「だったらゲームの音量を下げろ!」

星奈「わかったわよ~」カチカチ

夜空「まったく・・・」

星奈(段々百合物のエロゲに推移させつつ夜空に聞かせる作戦は失敗かなぁ・・・)

夜空(なんでこんな日に限って私はマリみてなど読んでいるんだ・・・)

――――
―――
――

小鷹「さて、そろそろ俺は帰るかな」

幸村「おともします、あにき」

小鷹「お前達はまだ残ってくのか?」

夜空「あ、あぁ・・・。きりがいい所まで読んだら、私も帰る」

星奈「私もー」カチカチ

小鷹「そうか。気をつけて帰れよ」

幸村「いきましょう、あにき」

ガラッ、ピシャッ

夜空「・・・・」

星奈「・・・ね、ねぇ」

夜空「なんだ」

星奈「今日は何時までここにいるの?」

夜空「あと・・一時間くらいで読み終わる」

星奈「そ、そうなんだ!」パァァ!

夜空「別に読み終わるまでいるとは言ってないぞ」

星奈「あ・・そ、そっか」ズーン・・・

夜空(・・・何故こうも一喜一憂するのだ、こいつは)

――――
―――
――

夜空(・・・結局読み終わるまで残ってしまった)

星奈「スゥ・・・・スゥ・・・・」

夜空(・・・何かのしかかってくると思えば、いつの間にか寝ているし)

夜空「おい、肉。起きろ」ユサユサ

星奈「んー・・・」

夜空「起きんかこの・・・・」

星奈「・・・スゥ・・・スゥ・・・」

夜空「・・・・」

夜空「・・・起きろ、星奈」

星奈「・・・ふにゃ」ニヘラ

夜空(・・・・起きてるんじゃないか?こいつ)

星奈「ん・・・」モゾッ

夜空「・・・・はぁ」

夜空(いつまでも肩によりかかられるのもつらいし・・・仕方ない)

グイッ・・・ファサ

夜空(こ、これが膝枕というものか・・・なかなかこそばゆいものだな・・・)

星奈「ん・・・」スヤスヤ

夜空「・・・追加料金だからな」

●数日後

星奈「夜空、映画見に行かない?」

夜空「どんな映画だ?」

星奈「魔法少女まどかマギカっていうアニメのなんだけど」

夜空「ああ、名前は聞いた事があるな・・・」

星奈「映画代は私が出すし、付き合ってくれれば日給5000円・・・」

夜空「・・・いや、いい」

星奈「えっ!?じゃ、じゃあ1万円出すから!」

夜空「たかだか映画を見に行くのにそんなもの貰える訳がないだろう!」

星奈「!?!え?え?」

夜空「お前は私が強欲魔人か何かにでも見えているのか・・・」ハァ

夜空「金などいらん・・・映画代さえ出してくれるというなら、付き合ってやると言っているのだ」

星奈「ふぇ・・・?ほ、本当・・・!?」

夜空「あぁ・・・だから、何でも金で解決しようとするんじゃあない」

星奈「・・・!!」ジワッ

星奈「うん!ありがと夜空!!大好き!!」ギュウッ

<ざわ・・・・

夜空「ば、ばか者!!教室で何を・・・!」

星奈「え?・・・・あ」

星奈「と、とにかく!約束だからね!」ダッ

<カシワザキサントミカヅキサンッテ・・・?
<ジツハソウイウカンケイダッタリシテw
<キマシタワー!

夜空「くぅ、駄肉め・・・・」

―――――
―――
――

小鷹「なぁ、夜空。次の土曜、暇か?」

夜空「ん?何かあるのか」

小鷹「ああ、実は映画券貰ったのがあってさ、よかったら一緒にどうかと思って」

夜空「すまん。その日は星奈と一緒に映画を見に行く約束を先にしてしまったんだ」

小鷹「そうか・・・先約があるなら仕方ないな」

小鷹「それじゃあ一緒にいくか?幸村」

幸村「はい、あにき」

夜空「すまないな。またの機会に誘ってくれ」

    ・
    ・
    ・

夜空(あれ?さっきのってもしかして小鷹からのデートの誘いだったのか?)

夜空(何故星奈との約束を優先してしまったのだ!さっきの私!!)

●デート当日

<ガヤガヤ・・・

星奈「流石に土曜の昼は込んでるわね」

夜空「・・・ん」

星奈「・・・」

スッ

夜空「む・・・なんだ?その手は」

星奈「夜空、人ごみとか苦手じゃなかったっけ?」

星奈「もしはぐれでもしたら堪んないし、手つないで行くわよ」

夜空「ふん、気遣いなど無用だ・・・っとと」フラッ

星奈「もう!勝手につなぐからね!」ドキドキ

夜空「む・・・う・・・」ギュゥ

星奈「ほ、ほら・・行くわよ・・・」ギュウゥー

夜空「・・・あぁ、もういいから、早く行ってくれ」

星奈(夜空には悪いけど、絶対ゆっくり行こう!!)ニヘラ

―――――
―――
――

夜空「ふむ・・TV版の方を見ていないせいか、ところどころよくわからなかったが、まぁまぁだったな」

星奈「独特のセンスがあったわね」

夜空「さて、それじゃあ・・・」

星奈「ゲームセンターに行くわよ!」

夜空「・・また人の多そうなところだな」

星奈「ふふん、任せなさい!きっと大丈夫だから!」

夜空「はぁ・・・」スッ

星奈「!!・・・えへへ」ギュゥッ

星奈「よーし、それじゃあ今度は超ダッシュで行くわよ!」

夜空「あ、ばか!急にひっぱるな!」

●ゲームセンター

星奈「はぁ・・はぁ・・・」

夜空「はぁ・・・くっ、無駄に走らせおって・・・」

星奈「あ、ほら、あれよ」

夜空「ん・・・プリクラか?」

星奈「そうそう!あれなら中にはいっちゃえば人ごみなんて気にならないでしょ!」

夜空「まぁ、そうだな・・・」

夜空「しかし、私はプリクラなんて撮ったことないぞ」

星奈「私もないけど、心配ないわよ!とりあえず入りましょう!」グイッ

夜空「んっ・・・」

夜空(星奈、今日はやたらと強引だな・・・)ドキッ

―――
――

星奈「ふーん、現像される写真に落書きができるみたいね」

夜空「以前に利用した人間のプリクラがそこら中に貼ってあるな・・・・」

星奈(・・・あれは、小鷹とゆきむら!)

星奈(夜空に見付かる前に剥がしておこっと)ペリッ

夜空「むっ、これは・・・」

星奈「な、なに・・・?」

星奈(まさかもう一枚あった・・・?)

夜空「いや・・・なんでもない」

星奈「気になるじゃない、ちょっと見せてよ」グイッ

夜空「あっ・・・」

星奈「・・・」

星奈(なんだ、女の子同士でキスしてるだけか・・・)

夜空「・・・っ」ドキドキ

星奈(・・・ん?)

星奈「・・・あれ?夜空顔真っ赤じゃない」

夜空「っ!」

星奈「ちょっと早く走りすぎた?大丈夫?」ズイッ

夜空「だ、大丈夫だ!気にしなくていい!」カァァァ

星奈「そう?きつかったら無理せず言ってね?」

夜空(な、なんで急に優しくなるんだコイツは!!)

夜空(ま、まさか・・・・狙ってやってるのか・・・?)

星奈「それじゃ、とりあえず一枚撮ってみましょうか!」

夜空(・・・)ゴクッ

星奈「んー、どんな事描けばいいのかわからないし、他のを参考にして適当に描いちゃおうかな」

星奈「ペンもう一本あるし、夜空も描いてよ。初めてだし、別に変になってもいいでしょ?」

夜空「あ、あぁ・・・」

夜空「他のを参考に・・・」ドキドキ

【ズッ友だよ!】
【じゃあな、しみったれ爺さん!そしてそのケチな孫よ!】
【○○大好き!】
【モッピーLOVE!】
【ずっっとぃっしょにぃようね!】

夜空「・・・」キュッ、キュッ

星奈(あ、おっきなハート。やっぱ夜空もそういうの好きなのかな)

キュッ、キュッキュッ

星奈(・・・・え?)

【 L O V E 】

夜空(こ、こういう類の事を書けばいいのだろうか・・・)

星奈「・・・・」

あ、やべ

プリクラって写真撮った後に書き込むんだっけ

写真を撮る前に書き込む特殊なプリクラってことにしといてくだしあ

星奈(プリクラの筐体という狭く、外とは切り離された空間)

夜空「ん・・そろそろ時間制限か・・・」

星奈(二人っきりで写るプリクラに書き込まれたLOVEの文字)

夜空「これ、ポーズとか取った方がいいのか?」

星奈(これらの符号が意味することは・・・)

夜空「なぁ、星奈・・・」

星奈「夜空っ」

グッ

夜空「ふぁっ・・・?」



チュッ



パシャッ

星奈「んっ・・!・・・っ!」チュッ、チュッ

夜空「ん・・・」

夜空(―――正直なところ、こんな事にいつかなるんじゃないかと、心の片隅では考えていた)

星奈「・・・ふぅっ・・・夜空ぁ・・・」ギュウゥ

星奈「もっとして・・・いい・・・?」

夜空(それを嫌とは思わなくなっていた。でも、そういった趣向は一般的ではないともわかっていたし)

夜空(何より、小鷹の事が、まだひっかかった鏃のように残っていた)

星奈「・・・するね?」

夜空(でも、それも・・・この筐体の外に張ってあった、小鷹と幸村の親密な間柄を示すプリクラを見て)

チュッ   ズリュ   ギュ

夜空(―――雪が溶けるように消えていった)

星奈「よ、夜空・・・嫌じゃない?私の事好き?好き・・・なんだよね?」ドキドキ

夜空「・・・なぁ、星奈」

星奈「な、なに?」ドキッ

夜空「私の唇ばかり吸ってないで――――私に大人のキス、してみるか?」

●数週間後

<ア、オネエサm
カチッ
<アラ、タイガマガッテイルワヨ?

星奈「ちょっと夜空、クリックするの早い!」

夜空「読むのが遅いのが悪い」カチッ

星奈「せっかくボイス付いてるんだから、最後まで聞かせなさいよー」

夜空「だったら自分でマウスを動かしたらどうだ?」

星奈「無理。私の手は夜空抱っこするので忙しいの」

夜空「じゃあ、私の耳は星奈の声を聞くので忙しいという事だな」

星奈「ああ言えばこう言うんだから~!」

小鷹「・・・・お前ら見てると、仲がいいのか悪いのかわからなくなるわ」

星奈「そう?」

夜空「・・・まぁ、それも仕方ないだろ」

夜空「何せ私と星奈は――――もう、友達ではないからな」


終わり

くぅ疲!!

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