艦これ提督「やべぇ……寝坊した」 (36)

提督「……うん、寝坊した」

提督「現在時刻九時半。集合予定時刻八時」

提督「……」

提督「よし、扉を開けた瞬間に土下座だ」

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ガチャ

「あっ!」

提督「遅れて本当にすいませんでしたっ!」ズザザァァァ

島風「提督ったら遅いですよー!今何時だと思ってるんですかっ!」

提督「す、すまない。昨日目覚ましかけないで寝てしまってな……」

島風「島風はずっと待っていたんだからっ!」

提督「ごめんな島風。後でお前が望むレシピで一回開発してやるから許してくれないか」

島風「むぅ〜、もっともっと速くしてくれる?だったらいいけど」

提督「(これでペンギンだったらどうしようか……)」

提督「……いや、それにしても」

ガラーン

提督「……点呼」

島風「一っ!」

シーン

提督「……あれ?」

島風「提督、どうかしたのか?」

提督「いや、あの」

提督「……他の連中は?」

島風「他の連中?」

提督「えーと、ほら。そう、赤城だッ!赤城はどうしたんだッ!」

提督「確かアイツ、昨日の昼頃に風呂に入ってから休息するって言っていたけれど」

島風「赤城ならまだ一号ドックのお風呂に入ってるぞ」

提督「へぇ〜……はい?」

島風「だから、まだお風呂に入っている」

提督「……」

島風「……」

提督「え〜と、昨日アイツって確か結構ぼろぼろになっていたよな」

島風「たくさん汚れてたくさん汗をかいたって!」

島風「少しゆっくりとお風呂に入っていたいって昨日言っていたっけー」

提督「そうなんだ」

提督「……」

島風「……」

提督「……今、何時かな」

島風「午前九時四十五分」

提督「長いわッ!?」

提督「どんなお風呂好きだって昼から一日跨いで風呂に入らないよッ!?」

提督「あれだよ、そんなに浸かっていたら皺だらけのヨボヨボになるわッ!?」

提督「リラックスとか半身浴とかのレベルじゃないぞそれッ!?」

島風「え〜と、赤城が言うにはあと四時間は入らないとって言っていたような」

提督「ほわッ!?」

提督「うん、何か取り乱して済まなかった」

島風「いや、その……うん。何か速さがあるツッコミで良かったね!」

提督「……なんか気を使わせてごめん」

提督「じゃぁ、ほら扶桑!扶桑はどうかしたのか?」

島風「……えーと」

艦これとは珍しい
榛名は出るのかな?


× × ×


扶桑『山城……山城なのねッ!?』

島風『え、いや、私は島風だよ?』

扶桑『ああ、もう照れ屋さんなんだから。大丈夫、大丈夫よ』

島風『扶桑、目の灯りが落ちてるっていうか……』

扶桑『山城は大丈夫だった?お腹痛くない?ケガはしていなかった?』

島風『いや、その。島風は島風で……』

扶桑『あんまりお姉さんを困らせないで♪』

扶桑『大丈夫、大丈夫よ。今度はきっと、きっとうまく行くから……』

扶桑『だって、空がこんなにも明るく晴れているんだもの』

島風『あの〜夜でしかも雨が降っているんですけど……』

× × ×

島風「……って感じだったかな」

提督「」

島風「何か目に光が無くて……凄い怖かった……」

提督「そ、そうか……」

島風「島風だけじゃなくて、他の駆逐艦の子達にも同じ感じで接してきて」

提督「お、おう……」

島風「他のみんなも心配して、ちょっと休養に……」

提督「……そっかぁ」

扶桑が病んでるじゃねーかw

さすが不幸型戦艦

提督「あいつ、よく戦闘中に妹さんの名前を呼んでいたもんな」

島風「私、扶桑の妹なんて見た事無いよ……」

提督「『山城、大丈夫ッ!?』って、まったく違う連中を心配してたもんな」

島風「……この前、壁に話しかけてた。山城、山城っていいながら」

提督「……」

島風「……」

提督「出来るだけ早く開発しないと手遅れになりそうだな……山城」

島風「もう島風は遅い気がするな……」

提督「それでだ。じゃあ高雄はどうしたんだ?」

提督「あいつは昨日の戦闘でも無傷だったし、変な様子は無かったけれど」

島風「……高雄は、その」

提督「え、あいつも見えない妹に話しかけるようになったのか」

島風「そうではないんだけど、え〜と」

提督「じゃぁいったい……」

島風「昨日、駆逐艦寮の覗きをしたらしくて……」

島風「今もまだ指導室にいると思う」

提督「」

提督「……はい?」

島風「何でもスコープ片手に木に登って更衣室を覗いていたらしくて」

提督「……マジで?」

島風「提督は離れの方に住んでるからな。昨日の騒ぎは知らないのはしょうがないよ」

提督「え、ちょ、はい?覗き?は、何で?」

島風「島風は高雄が取り押さえられているところしか知らないんだけれど……」

× × ×

高雄『私は、私は見守っていただけですっ!』

『いや、よだれ垂らしながら望遠鏡片手にそれは』

高雄『私はいつでも、どこでも皆さんを見守ってきたんですっ!』

高雄『入渠した時も、補給する時も、出撃した時も、演習した時も』

高雄『ずっと、ずっと見守ってきたんですっ!』

高雄『だ、だからはこれは正当な権利でっ!』

『ええ、まぁ取り合えず続きは向こうで聞くから』

高雄『は、離してくださいっ!いま、今ちょうど雷ちゃんがパジャマに着替えをぉぉぉぉぉ!』

× × ×

提督「お、見ろよ。トンビが飛んでるぞ」

島風「提督、現実を見て欲しいな」

島風「何でも窃視症という病らしくて……」

提督「いやだ、俺はこれを現実だと認めない。俺はきっとまだ夢を見ているんだ」

島風「もう十分過ぎるぐらい寝たから今日は遅刻したんじゃないですか」

提督「いや、もうボロボロじゃん。主力が長風呂、鬱、覗きの三拍子だよ?」

提督「だってもうこれ艦隊保ててないよ。というか鬱は解るけれど長風呂と覗きは上司としても意味わかんないよ」

島風「提督は艦隊だって言って私一人を何回も戦場を回らせた事もあった気がするんだけど」

提督「違うッ!あれは弾薬と燃料が不足していただけだッ!」

島風「ほえっ!?」

提督「いや、だってもう時間が無いのに十回戦えって任務受けちゃって」

島風「断ってくださいよ!?」

提督「……上司の命令ってさ、言われた時点からもうこっちの責任になるんだよね」

島風「……島風もたぶん、夢を今見ているんだと思うな」

提督「……お互い、早く覚めたいよな」

島風「……うん」

提督「……え〜と、日向は?日向はどうしたんだ?」

島風「日向、この前改造で受けて航空戦艦になったよね?」

提督「ああ、めっちゃ資材持ってかれたあれか」

島風「それでテンションがものすごく上がったらしくて」

提督「ええっと」

× × ×

日向(改)『っふ、単なる戦艦の時代は終わったな』ドヤッ

日向(改)『まさかの航空戦艦の時代か』ドヤッ

日向(改)『やっと時代が私に追いついたのか』ドヤッ

日向(改)『まぁ、そうなるな』ドヤッ

× × ×

提督「……ああ、うん。何かすごい喜んでいたな」

島風「なんか目が覚めたとか言って、朝から部屋に籠もったまんまなんだ」

提督「」


× × ×

島風『日向、もう時間だよ〜っ!』

日向(改)『す、済まない。今日は少し体調が芳しくなくてな』

島風『え、だってこの前「航空戦艦となった私は体調なんて崩さない」って』

日向(改)『』

島風『あれ、日向ー?』

日向(改)『……ちゃうねん』

島風『へ?』

日向(改)『少しあれなんだ、テンションが上がっていただけなんだ。あれは私じゃないんだ』

日向(改)『ことあるごとにどや顔とかしないんだ』

島風『でも、時代が私に追いついたって』

日向(改)『』

× × ×

島風「その後、何かが転がって壁に何度もぶつかるような音が」

提督「あれだ、日向は今日は休みにしてあげよう」

島風「え?は、はい」

提督「(島風……なんて恐ろしい子)」

遂に艦これssが出始めたか

続けてください

提督「残るは一人か……」

島風「飛應だよね」

提督「飛應はどうしたんだ?」

島風「何でも昨日食べたホヤに当たったらしくて。午後から復帰するとか聞いたよっ!」

提督「……普通だな」

島風「……普通です」

提督「島風以外は全滅か……」

島風「うん……」

提督「お風呂・鬱・窃視症・黒歴史・腹痛の全滅判定なんて聞いた事が無いわ」

島風「私もです」

提督「しょうがないから、第二艦隊の面々で出撃するしか」

島風「提督が昨日八時っていったから、もうとっくの昔に集まって遠征しちゃってます」

提督「……」

島風「……」

提督「……ごめん」

島風「絶対に、私の事もっと速くしてね」

島風「なら今日は経験を積む方向でいくべきじゃ……」

提督「与えられた任務の期日がやばいんだよ」

島風「だから戦艦をもっと増やしておくべきだっていったじゃないですか」

提督「愛宕と赤城が資材消費しまくって開発している余裕が無いんだよ」

提督「まだ第三艦隊だって解放してないんだから。回しても何故か愛宕ばっかり開発されるし」

提督「もう十二体目だぞ。全部育てていたらうちのエンゲル係数が跳ね上がっちまう」

島風「お風呂代もかかりそうですね……」

提督「本当にいったいどうすればいいのやら……」

「ふふ、提督っ!お困りのようですねっ!」

提督「だ、誰だッ!?どこにいるんだッ!?」

島風「いや、普通に扉の向こうにいるぞ」

那珂「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよーっ!おっまたせーっ!」ガチャリ

提督「那珂!?」

那珂「ふっふっふ、困った時の那珂ちゃん。真打ちの登場だよ!」

提督「良く来てくれたぞ那珂っ!」

那珂「さぁ、那珂ちゃんが来ればもう安s」

提督「那珂は全部近代改修の素材として使ってしまったと思ってたぞッ!」

那珂「……え、ひどくない?」

那珂「」ズーン

提督「ごめんなさい」

島風「提督」シラー

那珂「いいんだ、島風ちゃん。だって提督さん達って」

島風「だ、大丈夫。那珂はみんなのアイドルだからっ!」

那珂「……私を発見したらいつも迷い無く近代改修にぶち込むじゃないですか」

島風「……」

那珂「フェイフェイダヨーじゃなくて、ナカチャンダヨーって言われるじゃないですか」

提督「……」

那珂「……開発で私と出会ったら、何故かいつも悲観した態度で迎えるじゃないですか」

提督「すいません」

那珂「い、いいんですよっ!那珂ちゃんはみんなのアイドルですからねっ!」

那珂「まぁこれも一つの愛され方なのですっ!」

那珂「いや〜、人気者は辛いですな〜」ワハハ

提督「……」

島風「……」

那珂「……」





那珂「提督のバカーッ!?」タタタタ、バタン

提督「な、那珂ぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ガチャリ

川内「おはよう提督」

提督「あ、川内」

島風「おはよう!」

川内「何か今、那珂が廊下をかけていったけれど……」

提督「ちょ、ちょっとからかい過ぎたといいますか」

島風「からかいが生々しかった事が原因だと思うな」

川内「?」

川内「まぁ那珂には後でフォロー入れておくから任せて!」

提督「お願いします……」

川内「ん〜提督、顔色が優れていないけれど。もしかして那珂ちゃん以外で何かあった?」

提督「あ、ああ。実はな」

川内「うんうん」

提督「お風呂・鬱・窃視症・黒歴史・腹痛の全滅判定で第一艦隊が機能していないんだ」

川内「ごめん、意味が解らない」

島風「大丈夫、島風も解らないから」

川内「うん、島風ちゃん。それって全然大丈夫じゃないからね」

川内「ふむふむ、なるほどね。そんな事が……」

提督「ああ、いったいどうしたらいいものやら」

川内「大丈夫、この私には秘策があるから」

島風「秘策?」

川内「……ええ、素晴らしい作戦よ」

提督「それはいったい?」

川内「ずばり、夜戦ッ!」

島風「……」

提督「……」

川内「……え、なにこの反応?」

提督「いや、まぁうん」

島風「薄々解ってました……」

川内「夜戦に持ち込めば敵艦隊をばったばったとブチ落とせるわ!」

川内「攻撃が低い?関係ないわね!」

川内「戦艦だろうがなんだろうが関係なしにぶっ飛ばしてあげる!」

提督「ふむ……まぁ一理あるよなぁ」

島風「提督まで夜戦キチになっちゃった!?」

提督「いや、現状できるのはそれぐらいだろ。あとこいつと一緒にするな」

川内「ね、それじゃ今すぐに夜戦行きましょう!」

島風「夜戦……」チラリ

時計「午前十時ですわ」

外「めっちゃ晴れてます」

島風「……夜戦って、なんだっけ?」

提督「島風、気にしたら負けだ」

提督「というわけで、夜戦でいこうと思う」

川内「ひゃっはー夜戦だ−!」

島風「島風の速さがあれば問題は無いぞっ!」

川内「さぁ、提督!夜の海に今すぐにでも繰り出しましょう!」

提督「ああ、それじゃ川内」

川内「はいっ!」

提督「お留守番よろしくな」

川内「はいっ!」






川内「え」

提督「いや、今回行くところは川内のレベルと耐久じゃちょっと……」

川内(lv1)「」

提督「そもそも、夜戦だったら駆逐艦が強いような……」

川内(軽巡洋艦)「」

提督「あと、夜戦に持ち込む前に沈む」

川内「」

島風「て、提督っ!速く行こう、な」

島風「せ、川内も気を強く持つんだぞ〜」

提督「え、ちょ、島風。手の甲が痛い、なんかものすっごい裂ける感じがッ!?」

バタンッ!

川内「」







川内「ぜ、絶対に見返してやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


おしまい

おつ。
飛應は飛鷹か?

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