女「私が最後にみたいもの」(26)



男「おはよう」

女「おはよう」

男「学校行こう」

女「うん行こう」



男「いい天気だね」

女「うん、蒼いし白い」

男「うん」

女「うん」


男「学校着いたね」

女「うん」

男「じゃあ、また後でね」

女「うん、また後で」



男「お昼だよ、ご飯食べよう」

女「男のお母さんのお弁当、久しぶりだ」


男「確かにそうかもね」

女「薄味も嫌いじゃないんだけどね、やっぱり男のお弁当の方が好き」

男「そっか」

女「うん」


男「おいしかった?」

女「うん、だいたい満足」

男「そっか」

女「唐揚げも食べたかった。 唐揚げがあればほぼ満足」

男「欲張りだね」

女「女の子だからね」

男「大満足するには」

女「ちょっと時間もかかるからね」

男「そうなんだ」

女「うん」

男「うん、ごめん」

女「許すよ、君だし」

男「ありがとう」

女「どういたしまして」


男「この後は?」

女「そうだなー、ソフトクリームとか食べたいな」

男「学校は?」

女「大満足」

男「満足しちゃ駄目だよまだ」
女「ほぼ満足」

男「あと一年は通わなきゃ駄目なんだよ?」

女「ごめん」

男「いや、許すよ君だし」

女「ありがとう」

男「どういたしまして」


男「じゃあ学校はもういいか、ソフトクリーム食べに行こう」

女「うん、でも遠いよね」

男「大丈夫」

女「自転車?」

男「バイク、去年の夏こっそり免許取ったんだ」

女「不良だね、ふふふ」

男「不良かな?」

女「何で免許取ったの?」

男「自転車じゃ遠いし、電車やバスじゃ急げないし」

女「あー、ごめんね?」

男「あとは二人乗りしたかったんだ。 青春っぽいから」

女「青春っぽいね」

男「でしょ?」

女「うん」


男「ごめん、後部座席の方がキツいんだよね」

女「風が気持ちよかったし良いよ」

男「そっか」

女「二人乗り出来て満足?」

男「うん、割と満足」

女「割とか。 欲張りだ、君にしては」

男「男の子だからね」

女「そっか」

男「うん」



男「ソフトクリームは甘いね」


女「うん、甘いね」

男「次は?」

女「うーん海が見たいな、綺麗な夕日が見たい」

男「結構遠いよ?」

女「君とならどこまでも、なんてね」

男「なら……置いていかないでよ」

女「着いてこないでよ?」

男「連れないね」

女「ごめん」

男「うん」

男「二時間もかかったよ」

女「夕日は……まだみたいだね」

男「夏だからね」

女「うん」

男「うん」

女「……ねぇ」

男「なに?」

女「手、繋いでも良い?」

男「うん」

女「ありがとう」

男「こちらこそ」

男「……」

女「……」

男「……」

女「……」

男「……」

女「……ふふっ」

男「ははっ」

女「くすくす」

男「あははは」

女「なんだか笑っちゃった」

男「なんだかつられちゃった」


女「綺麗な夕日」

男「うん」

女「うん」

男「沈んじゃったね」


女「うん」


男「送っていくよ」

女「このままさらってくれても良いよ?」

男「魅力的な提案だね」

女「でしょ?」

男「でも、多分後悔しそうだからやめておくよ」

女「そう?」

男「うん」

女「さらっておけば、て後悔する可能性は?」

男「無い事を願うよ」

女「善処します」

男「お願いします」

男「着いたよ」

女「ありがとう」

男「どういたしまして」

女「ねぇ」

男「なに?」

女「また、夕日を見に行こうね?」

男「……うん」

女「約束、指切りしよう」

男「指切りげんまん嘘吐いたら」

女「針千本飲~ますっ!」

男「指切った」

女「じゃあね、そろそろ消灯時間だから」

男「おやすみ」

女「うん、おやすみ」


男「夏もそろそろ終わるね」


男「学校に行かなくちゃ」



男「ソフトクリームも食べに行こう」


男「うん、前よりも甘さ控えめだ」


男「針千本飲まなきゃいけないのかな?」

男「海に行かなきゃ」

男「夕日が綺麗だね…」

男「……」


男「……なんでだよ」

男「約束したじゃないか……」



 数日後。 彼女からの手紙が届いた。




,



 夕日を見に行けなくてごめんなさい。


男「うん」

 あなたの事だから、ひとりで夕日を見に行ったんじゃないですか?

男「うん」

 しかも、優しいからたぶん泣いてる。

男「……うん」

 でも、それでは残念です。

男「無茶言うなよ」

私なんかの為に泣いてくれるのは、家族と君くらいです。

男「友達いないもんな……仲良くなると、別れが辛いからって」

 綺麗さっぱり忘れられるのは少し辛いので、「あぁ、こんな奴がいたっけ」 程度まで忘れてください。

男「難しいことをいうね……」


最後に一つ、お願いがあります。


 手紙を見ている君は泣いていると思いますが、どうか笑ってください。


 私が最後にみたいもの――


 それは。



,






男「うん」


男「頑張って笑うよ」



,



おわり。


夏の終わりが切なくてムシャクシャしてやった。

反省はしている。


ちなみに今まで書いた奴は

少年「あなたが塔の魔女?」
魔女「果ても無き世界の果てならば」
勇者「この美しき世界で」少女「生きていこうか」

阿部さん「世界はそこまで汚かぁないぜ?」幼女「ほんと?」


阿部さん「……駆逐(ホモセックス)してやる……一匹残らず……」最初から全力クリスタ物語
ゲン「はだしの巨人…?」

女「降られちゃいました」

夏に降る雪の色

こんな感じじゃ!

じゃあの

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