響「うぎゃー! またハム象が逃げ出したぞー!」(9)


響「戻ってきてくれー!」

ハム象「パオーン!」ズシーンズシーン

千早「くっ。このままではまた事務所が・・・・・・」

律子「まずいわね。そう何回も建て直してられないわよ・・・・・・」

ハム象「ブオォーン!」ドシーンドシーン!

春香「こ、こっちに来るよ! 早く逃げなきゃ!」

響「で、でも自分が止めないと・・・・・・」

千早「72言ってるの! まずは自分が生き残ることを考えるのよ!」


響「う、うぅぅー・・・・・・」

ハム象「ヒヒーン!」パッカラパッカラ

律子「スピードが上がった!? 逃げ切れない・・・・・・!」

春香「きゃあぁぁぁあ!」

千早「春香ー!」


響( 自分、こんなところで死ぬのか・・・・・・? )

響( 家族も助けられないで。仲間まで巻き添えにして・・・・・・ )

響( ――いやだ。 )

響( そんなの嫌だ。だけど。嫌だけど、自分には何もできない。)

響( だからっ! )


――さぁ、その名を呼んで。

響「たすけて! マコトラマァァァァァン!」

マコトラマン「キャッピピ「破ァ!」

まばゆい閃光が辺りを覆い自分は思わずぎゅっと目を閉じた。

数十秒は経っただろうか。

恐る恐る目を開けてみると、そこにはいつも通りの平和な事務所。ありふれた風景が広がっていた。

響「な、なにがどうなってるんさー?」

T「危ないところでしたね」

自分の疑問に答えたのは事務所でも有名な月生まれのTさんだった。

T「性質の悪いまやかしです。おそらくは妖精の類でしょう。
  あのままでいたら、もっと恐ろしい光景が広がっていたに違いありません・・・・・・」

神妙に話すTさん。月生まれってすごい。やっぱりそう思った。

やっぱり久々に変なことはするもんじゃない。俺はそう思った
色々とすまんな

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