アニ「白馬の王子様」(147)

昔、お母さんにかわいいお姫様とかっこいい王子様が出てくる絵本を呼んで貰った事があった。

読み終わった後、お母さんは『女の子は誰でも王子様に憧れるものよ』と笑っていたのを覚えている。

小さな私は、いつか自分にもそんな王子様が現れるのかな、と

その瞳を輝かせていた。

‐訓練場 対人格闘訓練‐

アニ「…」ガッ

エレン「うおっ!?」グルン ドサッ

エレン「痛え…また負けちまったよ…」

アニ「まだまだ隙だらけだけど、だんだん良くなってきてるよ」スッ

エレン「良くなってるのか?お前に負けてばっかりだぞ?」

アニ「私が長年かけて身に付けたのを、半年やそこらで追い抜かれたらたまったもんじゃないよ」

エレン「まあ、それもそうか」

アニ「…アンタさあ、最近私とばかり組んでるよね?他の野郎どもとは組まなくていいのかい?」

エレン「ん?ああ、アニは下手な男より強いからな。いい練習になるんだよ」

アニ「…そう」

アニ(男より強い…か)

アニ「…アンタ、やっぱり乙女への口の効き方がなってないよ」ガッ

エレン「え、ちょ、待――」グルン ガンッ

‐夜 女子寮‐

ミーナ「あっつーい!もう汗でベットベトだよ…!」

クリスタ「ねー。早くお風呂入ろうよ」パタパタ

サシャ「えぇー!?このままゴロゴロしてたいですよぅ!」ゴロゴロ

ユミル「うっせーぞ芋女。多数決でもやるか?」

サシャ「か、勝てる気がしない…!って、その呼び方やめてくださいよ!」

ミカサ「…長くなりそうだから、私は先に行く」スタスタ

ユミル「クリスター。そんなのほっといて、私達も行こうぜー」ギュウ

クリスタ「暑いからやめてよー」

サシャ「ちょっとー!置いてかないでくださいよー!」ダッ

ミーナ「アニも行こう?」

アニ「…うん」

‐風呂場‐

サシャ「ふぃー!生き返りますね!」

ユミル「さっきまで行きたくないって言ってた奴が何言ってんだか…」ザバー

サシャ「こまけえこたあいいんですよ!」

ハンナ「…」

クリスタ「どうしたのハンナ。大丈夫?」

ハンナ「大丈夫。今頃フランツは何してるかなって考えてただけ」

女子訓練兵A「え~?それってフランツが気になってるってことぉ~?」

ハンナ「うん。っていうか、私フランツと付き合ってるから…」

女子一同「「「え~~~っ!!」」」

女子訓練兵A「ちょっといつからよ!」キャッキャッ

女子訓練兵B「なんで黙ってたの~?水臭いじゃん!」キャッキャッ

ハンナ「一昨日から…。隠してたわけじゃないんだけど…」テレッ


アニ「…」チャプ

ミーナ「アニ、あっちに混ざらないの?」

ワタシモステキナカレシガホシイナー
オイクリスタ、ワタシガイルダロ!
サシャハダレガスキナノ?
フカシタイモトパァンデス!

アニ「…興味ないの」

ミーナ「そっか」

アニ「アンタはいいの?あっち行かなくて」

ミーナ「私はもうのぼせちゃったから、あがろうと思って」

アニ「…そう」

ミーナ「ね、アニには好きな人とかいないの?」

アニ「興味ないって…」

ミーナ「…」キラキラ

アニ「ハア…いないよ」

ミーナ「ふぅん」

アニ「ミーナはどうなの?」

ミーナ(…しっかり興味あるじゃない)ニヤ

アニ「…何」

ミーナ「いや?」ニヤニヤ

ミーナ「そうねぇ…。マルコが少し気になるかな?あっ、本当に少しね!」

ミーナ「でも彼、ジャンととても仲がいいから…。まさか、そういう関係!?」ムフー

ミーナ「そうなると、エレンとアルミンもアヤシーわね…。そしたらライナーとベルトルトも!きゃー!!」

アニ「…」スーッ

ミーナ「ギャグなんだから突っ込んでよ」

‐廊下‐

アニ「…」スタスタ


『アニ!よくやった!さすが俺の娘!』

『今日は頑張ったな!さあ、家に帰ろう』

『アニ…約束してくれ…。必ず…』


「…ニ!アニってば!」グイッ

アニ「っ!?」

アルミン「大丈夫?」

アニ「アルミン…」

アルミン「よかった、壁にぶつかりそうだったから…。ぼーっとしてたら危ないよ?」ホッ

アニ「…ごめん」

アルミン「謝ることはないよ。ぶつからなくてよかった」ニコッ

アルミン「あ、そうだ。はいこれ、落としたよ」スッ

アニ「私の髪留め…」

アルミン「そこに落ちてたんだ。髪を下ろしてるから気付かなかったんだろうね」

アルミン「呼んでも反応がなかったから追いかけてみたら、まっすぐ壁に向かっていくんだもん。ビックリしたよ」

アニ「…ありがとう」

アルミン「えへへ、いいよ。その髪留め結構古いものだね。自分で買ったの?」

アニ「……お母さんに貰った」

アルミン「へえ!」

アニ「…アルミン、髪留めを拾ってくれたお礼がしたいんだけど」

アルミン「え!?いいよそんなの!ただ拾っただけだから…!」アセアセ

アニ「これはとても大事なものなんだ。無くしてたかと思うと気が狂いそうになる」

アニ「だから何かお礼をさせてくれ。頼むよ」

アルミン「うーん…。少し考えさせてくれない?」

アニ「いいよ、じゃあ明日までに決めておいて。じゃあ」

アルミン「う、うん!じゃあね」


アルミン「…アニ、いい匂いだったな」

‐女子寮‐

アニ「…」ガチャ

クリスタ「だから違うってー!そういうのじゃないよ!」

ユミル「本当だな!?」

サシャ「必死すぎですよー」

ユミル「うっせえ!芋とパンが恋人の奴は黙ってろ!」

サシャ「誤解ですってば!」

アニ「…」

アニ(アルミン…。もしかして、初めて喋ったかもしれないな)

アニ(存在は知ってた。いつもエレンの近くにいる、女みたいで頭いい奴って認識でしかなかったけど)

アニ(…本当に女の子みたいだった。王子様がいたら、私よりアルミンを選ぶのかな)

アニ「…変なの」

サシャ「アニまで!?」ガーン

‐朝 食堂‐

エレン「うへえ、今日は朝から座学かよ…」グデー

アルミン「あはは、駄目だよ。座学も真面目にやらなくちゃ」

エレン「アルミンはいいよなー。座学得意だもんな」

アルミン「別に得意なわけじゃないよ。考えるのが好きなだけさ」

エレン「そうなのか。まあいいや、今度また座学教えてくれよなー」

アルミン「うん、いいよ」

ミカサ「エレン、私も一緒に勉強したい」

エレン「は?そういうのは俺じゃなくてアルミンに言えよ。それにお前も座学得意だし、教えて貰う必要ないだろ」

ミカサ「…」シュン

アルミン(エレン…今のは『エレンと一緒に勉強したい』って意味だと思うよ…)


アニ「…」ジィー

ミーナ「アニ!アーニ!」ポンポン

アニ「…何?」

ミーナ「さっきから一点を見つめて動かないんだもん。早く食べないと時間なくなるよ?」

アニ「分かってるよ」

ミーナ「なーにー?もしかして好きな人~?」ニヤニヤ

アニ「何ですぐそっちに結びつけるの…」

‐講義室‐

教官「はーい、早く席に座りなさーい」

アニ「アルミン、隣いいかい?」

アルミン「え?あ、いいよ!僕なんかの隣でいいの?」

アニ「空いてる席、ここしか見つけられないから」ストッ

アルミン「そ、そっか」

アニ「…ねえ、アルミン」

アルミン「ん、何だい?」

アニ「昨日の…」

カンカンカン

教官「それでは開始します。私語は慎んでください」

アニ「…」

***

教官「…の推進力によって、身体を浮かすことができ…」

ミカサ「…」カリカリ

エレン「くああ…」

アルミン「…」カリカリ

アニ「…」カリカリ

教官「では、このことについてアルレルト君。答えてください」

アルミン「はい」ガタッ

アルミン「ガスの噴射による推進力は、ガス1Lにつき5mとすると…」

アルミン「…となり、証明できます」

教官「素晴らしい、模範以上の答えだ。座ってよろしい」

アルミン「ふぅ」ストッ

アニ(いつもながらすごいな…)カリカリ

教官「それではイェーガー君、この理論をふまえて巨人を効率良く倒すにはどうすればいい?」

エレン「は、はい!」ガタッ

エレン「え、えーと!シュバーっとうなじまで行って、ズバッと殺せばいいと思います!」

クスクスクス
ナニソレー・・・

教官「はぁ…先程の理論をふまえてと言ったでしょう…。もういい、座りなさい」

エレン「はい…」シュン

アニ(なんていうか…コイツら本当に正反対だな…)

カンカンカン

エレン「終わったー!次は兵站行進だな!」

アルミン「…うん」

エレン「大丈夫かアルミン。そういえばお前、兵站行進苦手だったもんな」

アルミン「それもあるんだけど…。兵站行進ってさ、目に見えて皆に迷惑を掛けるだろう?」

アルミン「僕が走っても、走っても皆に追いつけないんだ。同じ訓練を受けているのにさ」

アルミン「…皆との差を実感してしまうのが怖いんだよ。……少しだけね」

エレン「アルミン…」

アルミン「あ、ごめん!そんな泣き言、言ってられないよね!」

エレン「…おう」

アニ「…」スタスタ

アルミン「あ、アニ!」タタッ

アニ「…なんだい?」

アルミン「さっき、僕に何か言おうとしてたよね」

アニ「ああ、それは…」

ミカサ「アルミン、ちょっといい?」

アニ「…ほら、幼馴染が呼んでるよ。行ってあげたら?」

アルミン「え、でも」

アニ「私のはそんなたいした話じゃないから。それじゃ」スタスタ

アルミン「…行っちゃった」


ミカサ「ごめんなさいアルミン。あなたの話の邪魔をしてしまった」

アルミン「いや、大丈夫だよ。それで、どうしたの?」

ミカサ「実は頼みたい事があって…」

‐森 兵站行進‐

アルミン「ハァッ…!ハァッ…!」タタタタ

アニ(また遅れてる)タタタタ

キース「どうしたアルレルト!また貴様だけ遅れているぞ!?貴様のせいで仲間が全員死ぬかもしれんな!」パカラッパカラッ

アルミン「…!!」

キース「荷物を降ろすか!?全てを投げ出して、開拓地に戻るか!?」

アルミン(そんな事……絶対にするもんか!!)

アルミン(足手まといはもうたくさんだ!!)ダダダダッ

キース「…ほう!」

アニ(へえ…結構根性あるじゃないか)

***

アルミン「はあ…はあ…はあ…」

アニ「お疲れ。はい、水貰ってきたよ」スッ

アルミン「あり…がとうアニ…」

アルミン「」ゴクゴク

アルミン「…っぷはー!」

アニ「…」ジー

アルミン「? どうしたの?」

アニ「いや…。アンタ、女みたいな顔してるくせに根性あるんだなって感心してただけ」

アルミン「ひどいなー。これでもれっきとした男だよ」

アニ「女の私より体力無いけどね」

アルミン「…反論する余地もないよ」

アニ「ほらね」

アルミン「……ふふっ」

アニ「何笑ってるんだい?」

アルミン「いや、アニって話してみると結構優しいんだね」クスクス

アニ「…!」

アルミン「だって、今のも僕を元気付けようとしてくれたんでしょ?」

アニ「…違うよ」プイ

アルミン「ふふ」

アニ「笑うな!」

‐夜 訓練場‐

キース「本日の訓練はこれまで!明日も期待しているぞ!」


アニ「アルミン、昨日の話考えてくれたかい?」

アルミン「…お礼の話?」

アニ「ああ」

アルミン「うーん…」ポリポリ

アニ「考えてなかったの?」

アルミン「…まあ、そうかな。ごめん」

アニ「…」ムス

アルミン(うわあ、怒ってる…。何か言わなきゃ…)

アルミン「あの…今度の休日、予定はある?」

アニ「? 今のところは特にないけど」

アルミン「じ、じゃあ…もし良ければでいいんだけど…一緒に街に行ってくれない?」

アニ「…何で?いつもみたいに3人で出かければいいだろ」

アルミン「実は、ミカサとエレンが2人で出かける約束をしてたみたいでさ…。僕だけあぶれちゃったんだ」

アニ「珍しい。そんな事もあるんだね」

アルミン「はは…」

アルミン(本当はさっき、ミカサに2人っきりにして欲しいって頼まれたんだけどね…)

アルミン「嫌なら別にいいんだけど…」

アニ「いいよ。それがお礼の代わりになるんだね?」

アルミン「え、いいの?」

アニ「ああ」

アルミン「本当に?」

アニ「しつこい」

アルミン「ごめん…」

アルミン「じゃあ、街の広場の噴水の前で待ち合わせしようか」

アニ「分かったよ」


***

アルミン「~♪」

エレン「どうしたんだアルミン。嬉しそうだな」

‐休日 トロスト区市街地 広場噴水前‐

アルミン(えーと…アニは…)キョロキョロ

アニ「…」チョコン

アルミン(…いた)

アルミン「ごめんアニ。待たせちゃって」

アニ「遅い。女をあんまり待たせるんじゃないよ」

アルミン「一応まだ約束の時間の10分前なんだけど…」

アニ「…フン」プイ

アニ「それで?どこに行くんだい?」

アルミン「うーん…。実は考えてないんだ」

アニ「…」ハァ

アルミン「諦めたようなため息つかないでよ…。ただ街をぶらぶらして、気になった所に行くのがいいかなーって思ってさ」

アルミン「決めてきた所で、僕と君の趣味が合うか分からないし…」

アニ「なるほど。それもそうだね」

アルミン「じゃあ、行こうか」

アニ「ああ」

***

アルミン(あ、本屋)ジー

アニ「…行きたいの?本屋」

アルミン「え?あ、うん…。でも」

アニ「行きたいんならはっきり言いなよ」

アルミン「…行きたい。けど、アニは大丈夫なの?」

アニ「もともとアンタの用事だろ。私は付いてくだけさ」

アルミン「…ありがとう」

アニ「…」パラパラパラ・・・

アニ(…何か、目ぼしいものないかな)パタン

アニ(あ、絵本)

アニ(…あの時の絵本、あるかな)チラリ

アニ(………ない。それどころか巨人対人間とか、軍人の絵本ばっかり)

アニ(これじゃあまるで洗脳じゃないか…)

アルミン「アニ、お待たせ」

アニ「…なんでそんな悲しそうな顔してるの?」

アルミン「…小さい頃から大好きだった本が発売禁止になってたんだ」

アニ「…」

アルミン「最近、規制が厳しくなってね。壁の外のことはもちろん、内地のこととかも書いちゃいけないんだって」

アニ「…そう」

アルミン「本は歴史を伝えるためにあるのに…。王政の都合のいい話だけを残して、後世に何の得があるんだろうね」

アニ「…」

アルミン「…行こっか」

***

アルミン「んー、次はどうしようか」テクテク

アニ「…」クイクイ

アルミン「ん?」

アニ「あそこ…行ってもいい?」

アルミン「アクセサリーショップ?もちろんいいよ」

アニ「…!」タタッ

アルミン「走っていっちゃった…やっぱり女の子だなあ」

‐トロスト区市街地 アクセサリーショップ‐

アニ「…」ジー

アルミン(クラウンのペンダント…。ずっと見てるな…)

アルミン「ねえアニ。よかったらそれ、僕に買わせてくれない?」

アニ「いいよ、自分で買…」ピタ

アルミン「どうしたの?」

アニ「…財布を忘れた」

アルミン「あー…じゃあ」

アニ「い、いや駄目だ。いらない!いらないから!」ワタワタ

アルミン「なんでそんな意固地なの…」

アニ「…だって、私はアンタへのお礼のためにここにいるんだし…」

アルミン「…じゃあ、『僕にそれを買ってもらう』っていうのもお礼に含めたら、貰ってくれるかい?」ニコ

アニ「!」

マタオコシクダサイマセー!

アニ「…ありがとう」

アルミン「むしろ僕こそ、買わせてくれてありがとう」

アニ「…」チリン

アルミン「そのペンダント、ペアになってるんだね。片割れは誰にあげるの?」

アニ「…ミーナに」

アルミン「そっか!」ニコッ

アニ「あ、エレンとミカサ」

エレン「」テクテク

ミカサ「」テクテク

アルミン「!!!」

アルミン「アニ!ちょっとこっち来て!」グイッ

アニ「!?」

‐トロスト区市街地 路地裏‐

アニ「ハァ…ハァ…何だっていうんだよ…!」

アルミン「ハァ…ハァ…ご、ごめんよ…」

アニ「なんで…こんな所に隠れたの?」

アルミン「今日、僕は寮で勉強してることになってるんだ…」

アニ「は?何でだい?」

アルミン「ミカサに…いや、何でもないんだ…」

アニ「…分かった。詮索はしない」

アルミン「恩に着るよ…」

チンピラ1「よお~!!お嬢ちゃんたちィ、仲良くお出かけかなあ~?」

チンピラ2「こんな所にいたらアブないよぉ?お兄さん達と一緒にいい所行こうよ~」

アルミン「!! アニ、退がって!」ザッ

アニ「…」

アルミン「生憎ですが、僕達急いでるので」キッ

チンピラ2「んだよ、コイツ男かよ」

チンピラ1「じゃ、ボコって女の子の方だけにご同行願いましょーーーう!ぅおらっ!!」ゲシィッ

アルミン「がはッ!」

アニ「アルミン!!」

チンピラ1「ぎゃはっは!コイツ女みてーに弱えーぞ!オラッ!!さっきの威勢はどうしたぁ!?」ゴスッ

アルミン「…っく!ゲホッ、ゲホッ!!」

チンピラ2「ほら!君はこっちに来るんだよ!!」グイグイ

アニ「…」ガッ

チンピラ2「のわっ!?」グルン ガン!

チンピラ1「な、なんだあ!?」

チンピラ2「」

チンピラ1「お前!一体何したんだァ!!」

アニ「少しばかり格闘術を齧ってるんでね…。アンタみたいな女の子の扱いも知らないクズ野郎になら、いくらでもお披露目してやるよ」スッ

アルミン「アニ!待って!」

チンピラ1「…ガキがあああああ!」チャキ

アニ「ナイフか…」

チンピラ1「あああああああ!!」ダダダダダ

アニ「…」サッ

アニ「…はっ!」ガッ

チンピラ1「」グルン ガン!

アニ「…ふぅ、鈍ってなくて良かった。対人格闘のおかげだね」パンパン

チンピラ1「」

チンピラ2「」

アニ「アルミン、大丈夫かい?」

アルミン「う…うん…」

憲兵「おい、お前達!何をやってるんだ!!」

アル アニ「!!」

憲兵「どういう状況か説明しろ!」

‐夕方 トロスト区市街地 広場噴水前‐

アルミン「よかったね、正当防衛って事で処理されて」ボロッ

アニ「…」

アルミン「これなら訓練兵団に連絡されなくて済みそうだ」

アニ「…アンタ、憲兵が来るってこと…分かってたんだろう?」

アルミン「……うん。路地に入るとき、さっきの憲兵が見えたんだよ。大きい騒ぎが起これば、すぐに来るだろうって踏んでた」

アニ「何であの時、私を止めた?」

アルミン「憲兵が来るのは分かってたし、完全な被害者になった方が都合がいいと思ったんだ」

アルミン「一応僕も鍛えてるから、多少は大丈夫かなって」

アニ「…悔しくないの?」

アルミン「あはは。悔しくないって言ったら嘘になるけど、僕は格闘術得意じゃないし…。負け戦をするよりはいいでしょ?」

アニ「私がいても、アンタの中では負け戦だったのかい?」

アルミン「…君を戦わせたくなかった」

アニ「何で?少なくとも、アンタよりは強いよ?」

アルミン「女の子に戦わせるなんて、ボコボコにされるよりかっこ悪いじゃないか」

アニ「…分かんないね」

アルミン「はは、男のちっぽけなプライドだよ」

アルミン「そういえばさ、さっき本屋で何か探してたみたいだけど何を探してたの?」

アニ「…絵本」

アルミン「絵本?どんな?」

アニ「…王子様とお姫様が出てくる話」

アルミン「見つかった?」

アニ「いや」フリフリ

アルミン「…その本か分からないけど、おじいちゃんの蔵書でそういうの呼んだことあるよ」

アニ「どんな話?」

アルミン「えっと…。確か、両親を亡くした可哀想な女の子が、魔法使いに魔法を掛けてもらってお城の舞踏会に行くんだ。そこで王子様と出会う」

アニ「私の知ってる話じゃないね」

アルミン「そっか…。残念だよ」

アニ「でも、続きが聞きたい。話してくれないかい?」

アルミン「うん」

アルミン「女の子と王子様は恋に落ちる。でも、魔法は12時までしか持たないんだ」

アルミン「女の子は王子様の元から走り去る。ガラスの靴だけを残して」

アルミン「王子様は女の子のことが忘れなくて、ガラスの靴だけを頼りに女の子を探し出す。そして2人は結婚して、幸せに暮らしたんだ」

アニ「…素敵な話だね」

アルミン「ね。僕もこの話は大好きなんだ」

アルミン「そういえば、この話って少し僕達に似てない?」

アニ「…は?」

アルミン「ほら、僕が髪留めを拾ったから今2人でいるわけだし」

アニ「ってすると、髪留めがガラスの靴で、アンタが王子様ってわけかい?嫌だよ。私より弱い王子様なんて」

アルミン「はっきり言われると傷付くなあ」

アニ「本当のことだろ。それに、さっきだって女の子と間違われてたじゃないか」

アルミン「うっ…!言わないでくれよ、気にしてるんだから!」

アニ「…ごめん」フッ

アルミン「! …やっと笑ったね」

アニ「え?」

アルミン「アニ、今日ずっと無表情だったから…。楽しくなかったのかなあって思ってたんだ」

アニ「……楽しかったよ」ボソ

アルミン「本当?」

アニ「ああ」

アルミン「じゃあ、さ。よかったら、また一緒に出かけてくれない?」

アニ「…いいよ。アンタがまたミカサに頼まれて寮で勉強するような休日があったらね」

アルミン「ははっ、じゃあまたすぐに出かける日が来そうだ」

‐夜 食堂‐

ミーナ「ふー!いい息抜きになったわぁー!」ノビー

アニ「…ミーナ」

ミーナ「あ、アニ!休日は楽しめた?」

アニ「おかげ様で」チリン

ミーナ「私は何もしてないわよ。あっ、そのペンダント素敵ね!買ったの?」

アニ「…買ってもらった」

ミーナ「え!?誰に?誰に!?」ムフー!

アニ「落ち着いて。あなたが思っているようなのじゃないから」

ミーナ「そう…残念ね…」ガッカリ

アニ「露骨にガッカリしないでよ…」

ミーナ「だってぇー…」

ミーナ「そういえば、アニが私に話しかけてくるなんて珍しいね。何か用があった?」

アニ「…これ」チリン

ミーナ「これ…あなたのペンダントの片割れ?私に?」

アニ「…」コクン

ミーナ「……アニぃ~~~!!」ダキッ

アニ「!?」

ミーナ「ありがとう!ありがとう!大事にするね!」ギュウウウ

アニ「苦しい…。何なの…」

ミーナ「アニ、私が話しかけると迷惑そうな顔してたから嫌われてるのかと思ってたー!!」ギュウウウ

アニ「…!」

アニ(私って、やっぱりそういう風に見えてるのか…)

アニ(…もう少し、笑うようにしてみようかな)

サシャ「なんかミーナがユミルみたいになってますね」

ユミル「あ?どういう意味だよ」ギュウ

クリスタ「うぅ~…」

サシャ「そのまんまの意味ですけど…」

ベルトルト「…」ジー

エレン「アルミン!勉強ははかど…ってどうしたんだよその怪我!!」

アルミン「階段で脛を打って、そのまま転げ落ちちゃったんだよ」

エレン「なんだその地獄みたいな状況!?」

アルミン「僕のことはいいよ。エレンはどうだった?」

エレン「おう、そこそこ楽しかったぞ」

アルミン(そこそこなのか…)チラ

ミカサ「」ズーン

アルミン(よく分からないけど失敗したんだねミカサ…)

エレン「やっぱりアルミンもいないとつまんねーよ。今度は一緒に行こーな」

アルミン「…そうだね」

今日は終わり。もし読んでくれてる人がいたら腎臓を捧げる
リッター5mは正直すまんかった。お、俺文系だし…(震え声)
真面目に書こうとしてるからすげえ恥ずかしいです。馬鹿乙と嘲笑って貰えると嬉しいな

いいじゃん
秒速5センチメートルみたいに、妙に頭に残る

>>1のHNにしたら?w

>>60 しねーよww

でもバンドとか組んだらそういう名前つけたい
再開

‐数日後 訓練場 対人格闘訓練‐

アルミン「アニ、僕と組んでくれない?」

アニ「…急にどうしたの?」

アルミン「この前のこともあるし、僕も少しは強くならなくちゃって思ったんだ」

アニ「女の子に守られるのが恥ずかしいって言ってる奴が、女の子に格闘教わるのかい?」

アルミン「うーん…。背に腹はかえられないからなあ…」

アニ「何それ」フッ

アルミン「…君、よく笑うようになったね」

アニ「…そうかい?」

アルミン「うん。前よりもずっと、笑顔が増えた」

アニ「変?」

アルミン「いや、とてもいい事だと思うよ」ニコ

アニ「…フン」

エレン「おーいアニ!今日も組もうぜー!」

アニ「…悪いけど、今日はアルミンと組むから」

アルミン「いいの?」

アニ「ああ、断る理由もないしね」

エレン「そうかー…残念だ。んじゃ、誰と組もうかな」

アルミン「あっちでミカサが相手探してたよ。組んであげたら?」

エレン「え、やだよ。アイツやたらと怪我の心配してくるし」

アルミン「いいことじゃないか」

エレン「一回ごとにだぞ?うっとうしいったらないぜ」

アルミン(ミカサェ…)

エレン「しゃーねえ。…お、ベルトルト!1人かー?組もうぜー!」

ベルトルト「うん、いいよ」

エレン「じゃーなアルミン!頑張れよ!」タタッ


アニ「…じゃあ、やろうか」スッ

アルミン「ああ、よろしく頼むよ」スッ

‐夕方 宿舎裏‐

ライナー「なんだよベルトルト~、こんな所に呼び出しやがって。好きな女でも出来たか?」

ベルトルト「…やけにご機嫌だね、ライナー」

ライナー「おう!今日はクリスタと3回も喋れたからな!」

ベルトルト「……」

アニ「で、何の用?」

ベルトルト「…君達は最近、兵士を演じ過ぎてる。特に、ライナー」

アニ「!」

ライナー「…?」

ベルトルト「…ねえ。僕達が何しにここに来たか、忘れてないよね?」

ライナー「何を言ってるんだベルトルト!当たり前だ!」

ベルトルト「…」ホッ



ライナー「俺達は兵士になるためにここに来たんだろ!」

ベルトルト「…!ライナー…ふざけてるの…?」

ライナー「?」

ベルトルト「君は兵士じゃない!誇り高い戦士だろう!?」

ライナー「…す、すまん。そうだったな」

ベルトルト「どうしちゃったんだよライナー…。アニ、まさか君も」

アニ「私は違う。目的を忘れたりなんかしてない」

アニ「必ず…どんな事をしてでも故郷に帰る…」ギロ

ベルトルト「…君は大丈夫みたいだね。とにかく兵士に染まってしまわないように、人との関わりはなるべく絶ったほうがいいよ」

アニ「…」

‐夜 食堂‐

アニ「…」スタスタ

アルミン「…あっ、アニ!今日はありが…」

アニ「…」スッ スタスタ

アルミン「…行っちゃった。聞えなかったのかな」


アニ「…」ストッ

アニ(…言われなくたって分かってるよ)

アニ(私達は戦士なんだから)

サシャ「…なんか今日、殺気に満ちてませんか?」

ユミル「お前…また芋盗んだのかよ…」

サシャ「いや!教官の殺気じゃなくて…っ!」

ユミル「いい加減にしとけよ。さすがの私もそれは引くわ…」

サシャ「違いますって!それに今日はまだ何も盗んでません!!」

ユミル「憲兵団さーん、こいつでーす」

‐夜 中庭‐

アニ「…」ジー

アニ(…風が気持ちいいな。月も星も綺麗)

アニ(人類が滅んだとしても、この風も、あの空も…何も変わらないんだろうな)

アルミン「…アニ?」

アニ「!」ビクッ

アルミン「あ、やっぱりアニだ」

アニ「アルミン…何でここに?」

アルミン「寮が暑かったから、ちょっと散歩をね」

アニ「…そう」

アルミン「…隣、いい?」

アニ「…いいよ」

アルミン「ありがとう」ストッ

アニ「…」

アルミン「…」

アルミン「…最近さ、よく会うよね僕ら」

アニ「…そうだね」

アルミン「…」

アニ「…」

アニ「あのさ、アルミン」

アルミン「ん?」

アニ「ゴキブリって知ってるよね?」

アルミン「え、どうしたの急に?ま、まあ…怖いよね」ガタガタ

アニ「例えばの話、アンタらの部屋にゴキブリが大量発生したとする」

アルミン「え」ビクッ

アニ「アンタは…って大丈夫?」

アルミン「うわ…あ…ああ…」ガタガタガタガタガタ

アニ「例え話だからそんなに怯えないでよ…」

アルミン「…ふう、落ち着いたよ。それで、大量発生の後なんだっけ?」

アニ「アンタは、ひょんなことからその中の一匹に愛着を持ってしまう」

アルミン「」ゾワッ

アニ「例え話だって言ってるだろ」ゲシ

アルミン「いて。ごめん、分かってるんだけどやっぱり気持ち悪くて」

アニ「…続けるよ。当然アンタの同室の奴らはゴキブリを根絶やしにしようとするだろ」

アニ「でも、アンタは愛着を持ったゴキブリを殺してしまいたくない」

アニ「…そんな時、アンタならどうする?」

アルミン「…」

アニ「何度も言うけど例え話だからね」

アルミン「…僕だったら、そのゴキブリだけを逃がすかな」

アニ「逃がすの?また部屋に戻ってきて、繁殖するかもしれないのに?」

アルミン「僕はそいつを信じるよ」

アニ「ゴキブリにアンタの意思が伝わるわけないだろ?」

アルミン「それでも信じたいな。ただの自己満足だろうけどね」

アニ「…そのことがバレたら、アンタは裏切り者と呼ばれるだろうね」

アルミン「それでも構わないさ。大好きなものを殺すのは、きっとそれよりずっと辛いことだと思うから」

アニ「……なるほど。参考になったよ」

アニ「それじゃ、私は行くよ」スクッ

アルミン「じゃあ僕もそろそろ戻ろうかな。じゃあね、また明日」タタッ

アニ「…おやすみ」

アニ(…私は、本当にアンタを信じていいの?アルミン…)

‐訓練場 対人格闘訓練‐

アニ「…」ガッ

アルミン「ぅわっ!?」ドサッ

アルミン「ててて…」

アニ「大丈夫?」

アルミン「うん、大丈夫。それよりどうかな?自分で言うのもなんだけど、結構持ったほうだと思うんだ」

アニ「駄目。最初に比べるとかなりマシになったけど、まだ全然なってないよ」

アルミン「そっかー、残念だ」チラ

ライナー「くそ!また負けちまった」

エレン「いや、今のはちょっと危なかったぞ」

アルミン「…」ジー

アニ「どうしたの?」

アルミン「ねえアニ、ちょっと腕試ししてもいい?」

アニ「腕試し?」

アルミン「うん。…エレーン!ちょっといいかーい?」

エレン「ん、アルミン?ライナー、行ってもいいか?」

ライナー「ああ、いいぞ」

エレン「悪いな」タタッ

エレン「アルミーン!何か用か?」

アルミン「えっとね、僕と戦って欲しいんだ」

アニ「!?」

エレン「戦う?対人格闘でか?俺と?」

アルミン「うん」

アニ「ちょっと待ちなよ。アンタがエレンに勝てるわけないだろ?」

アルミン「分かってるさ。でも、アニに稽古をつけて貰ってしばらく経つし、僕の今の実力がエレンにどこまで通用するか試したいんだ」

アニ「……そこまで言うならもう止めないよ」

アニ(ボロクソに負ければ、アイツとの実力差に気付いてもっと伸びるかもしれないしな…)

アルミン「というわけなんだ。エレン、手合わせ願えるかい?」

エレン「…分かった、いいぜ。手加減はしないからな」

エレン「じゃあ、俺がならず者な」

アルミン「うん」

エレン「そんじゃ、行くぞ」ダダダッ

アルミン(…速い!)

エレン「ふっ!」シュッ

アルミン「危なっ…!」サッ

エレン「隙だらけだぞ!」ガシィ!

アルミン(しまった!右腕が…!)

エレン「どうした?もう終わりか?」

アルミン(この位置からこのまま懐に突っ込めば、避けるために手を離すはず!)

アルミン「やあっ!」シュッ

エレン「ぐぁっ!」ドムッ

アルミン(避けない!?)

エレン「ってえ…結構やるじゃねえか」ニッ

アルミン(間違いなくお腹に入ったはずなのに手ごたえがほとんどなかった…。こっちの策を読んで、エレンはわざと受けたのか…!?)

アルミン(それに、利き手じゃないからそんなにダメージは与えられてないだろうな…)

アルミン(この状況を打破するには、とにかく右腕を取り返さないと!)グイッ

エレン「そう簡単に離すかよ!」

アルミン(駄目だ!圧倒的に僕の力の方が弱い!)

アルミン(…仕方ない!)

エレン(よし、このまま投げの体勢に入れれば…!)

アルミン「んっ!」ゲシッ

エレン「なっ…!(蹴り!?)」

アルミン(力が緩んだ!今のうちに間合いを!)バッ

エレン「ゲホッ、ゲホッ!今のは効いたぜ…」

エレン(長引くと危ないかもな…。次で確実に決める!)ダダダッ

アルミン(来るっ!)

アルミン(正攻法で勝てないことは分かってる!だから…!)スッ

エレン(っ!?消えた!?)

アルミン(小柄な体格を生かして死角に入れれば、一瞬の隙が出来る)

アルミン(膝を着かせるとか、投げ飛ばすとかは必要じゃない…。僕が勝つためには…)

アルミン(…ただ得物を弾き飛ばすだけでいい!!)バシッ

エレン「ぐっ…!」ビリビリ

木剣「」ポト

アルミン「…や」

アルミン「やったああーーー!!」グッ

エレン「参ったよアルミン。俺の負けだ」

アルミン「うん!やった!アニ、見てた!?僕勝ったよ!!」ピョンピョン

アニ「はしゃぎすぎ」ペシ

アニ「隙は多すぎるし、初手で利き手を掴まれるなんて論外。蹴りの入りも甘いし、正直褒められたもんじゃないよ」

アルミン「…」シュン

アニ「…でも」

アニ「勝ったのは紛れもない事実だ。…おめでとう」

アルミン「!」パアア

エレン「いてて。まだ蹴られたところが痛えや…」サスサス

ライナー「ようエレン。一体何してたんだ?」

エレン「アルミンと戦って、負けた」

ライナー「!? お前が、あのアルミンにか!?」

エレン「ああ」

ライナー「腹でも痛かったのか?」

エレン「いや。…でもちょっと油断したのかもな」

エレン「アルミンも、もう俺達に守られてるだけじゃねえ。アイツも強くなってるんだ」

‐昼休み 宿舎裏‐

アニ「どうしたんだいアルミン。こんな所に連れて来て」

アルミン「…」ソワソワ

アニ「…なんか気持ち悪いよ」

アルミン「ア、アニ!」

アニ「?」

アルミン「ぼっ…僕は、ずっと前から君のことがす、すっ…好きでした!よろしければお付き合いしてください!」バッ

アニ「………は?」

アルミン「」ドキドキ

アニ「…今アンタ、私のこと好きって言った?」

アルミン「…!」コクコク

アニ「へえ…」

アニ「…」

アニ「…」

アニ「…!?」

アニ「な、何だよ突然!!」アタフタ

アルミン「…実は、もしエレンに勝てたら君に告白しようって決めてたんだ」

アニ「何で?」

アルミン「エレンの格闘術の成績は今期で断トツだろう?」

アニ「ミカサを除けばトップの成績だしね」

アルミン「彼に勝てれば、君を守れる程度には強くなれたぞって自信がつくと思ったから…」

アニ「……プッ」

アルミン「な!何で吹き出したの!?」

アニ「くくっ…いや、あんなツギハギだらけの勝ちで自信ってつくもんなのかい?」

アルミン「う…」タジ

アニ「それに、まだ私より弱いじゃないか」

アルミン「…」シュン

アルミン「や、やっぱり嫌だよね…。君と僕なんかが釣り合うはず無いのは分かってたのに…」

アルミン「いいんだ。もともと当たって砕けるつもりで来たかr…」

アニ「待ちなよ。誰が嫌だって言った?」

アルミン「…え」

アニ「いいよ。付き合おうじゃないか」

アルミン「ほ、ほんとに?」カアア

アニ「ああ。せいぜい私より強くなってみなよ、王子様」

アルミン「う、うん!」

アニ「用は済んだのかい?なら、私は行くよ」スタスタ

アルミン「あ…うん!じゃあまた後で!」

アルミン「…」ドキドキ

アルミン「まだドキドキしてる…。夢みたいだ、こんなに幸せでいいんだろうか…」ドキドキ

アニ「…」スタスタ

アニ「…」ピタ

アニ「…///」

アニ(顔、赤くなってなかったかな…)カアア

アニ(アルミンの告白がこんなに嬉しいなんて…。いつからアイツをこんなに好きになってたんだろう…)カアア




ベルトルト「……」

‐夜 食堂‐

アルミン「…」ニコー

エレン「どうしたアルミン。ニコニコして」

アルミン「エレン、あのね…」

アニ「アルミン、ちょっといいかい」

アルミン「ア、アニ!もちろんいいよ!」カアア

アニ「じゃあ、こっちに来て」

アルミン「うん!エレン、ちょっと待っててね」ガタッ

エレン「おう」

エレン「…」

エレン(アルミン、なんかいつもと違えな)

アルミン「えっ、付き合ってることを口外しないで欲しい?」

アニ「…」コクン

アルミン「どうして?別に悪い事してるわけじゃ…」

アニ「…理由はうまく伝えられない。了承して貰えないなら、私はアンタと別れなくちゃならない」

アルミン「…」

アニ「ごめん…分かってくれ」

アルミン「分かった、約束するよ」

アニ「…ありがとう」

アルミン「じゃあ、このことは僕と君との秘密にしよう。何か理由があるみたいだしね」

アルミン「それともただ照れてるだけ?」

アニ「…違うよ」プイ

アルミン「あはは、可愛いなあ」

アニ「…」ゲシッ

アルミン「いたいです」

アルミン「おまたせ」ストッ

エレン「おー、おかえりー。何の話だったんだ?」

アルミン「んー。今日の君との対戦、あまりにも酷かったから稽古つけてやるって呼び出しだったよ」

エレン「あー、だから足引きずってんのか」

アルミン「わりと本気だったっぽかったからね」

エレン「…それだけかよ?」

アルミン「? うん」

エレン「なんだよ、つまんねーな。てっきり浮ついた話だと思ったのによ」

アルミン「…エレンって、そういう話に興味あったんだ」

エレン「あったりめーだろ。特に親友のそういう話なら興味津々だぜ」

アルミン「…明日砲弾の雨とか降らないよね?」

エレン「そういえばさ、さっきニコニコしてた理由聞いてなかったよな。教えてくれよ」

アルミン「…今日、訓練場のすみっこに綺麗な花が咲いてたのを見つけたんだ」

エレン「…今のが理由?」

アルミン「う、うん」

エレン「……はははっ!アルミンは本当に可愛いな!」ワシャワシャ

アルミン「わ!?撫で回さないでよ!」

エレン「可愛いな!よし、結婚しよ!」

アルミン「…は?今なんて?」

エレン「結婚しよって言った」

アルミン「…お前ホモかよぉ!(憤怒)」ドムッ

エレン「おぐっ!!冗談なんだから本気で殴んなよ…」

アルミン「ごめん、気が動転しちゃってて…」

エレン「ったく、落ち込んでるから元気付けてやろうと思ったのにこの仕打ちかよ…」サスサス

アルミン「…!僕、落ち込んでるように見えた?」

エレン「そんだけあからさまだったら俺でも分かるぞ。今とさっきじゃ全然違うもんな」

アルミン「…そう」

エレン「やっぱりなんかあったのか?」

アルミン「…いや」

アルミン「アニに蹴られたところが痛いだけだよ」

今日は終わり。眠い
明日には終わらせます

‐数年後‐

教官「…以上が成績上位者10名だ!」

教官「後日、配属兵科を問う」

教官「本日は、これにて第104期「訓練兵団」解散式を終える…以上!」

104期「「「ハッ!」」」

‐夜 食堂‐

コニー「よぉお前ら!所属兵科は何にするか決めたか!?」

ジャン「俺は無論憲兵団だ!内地で楽して暮らすために、今日までこのクソきつい訓練やってきたんだからよ!」

マルコ「僕も憲兵団にするよ!王の近くで仕事ができるなんて…光栄だ!!」

ジャン「マ~ルコ~。お前まだお利口さんやってんのかよ!」バンッ

マルコ「ぶっ!?」

ジャン「素直になれよォ。お前も内地に行きたいんだろ?」

マルコ「なっ!?少なくとも僕は!!」

ジャン「ああ、お前は優等生だもんな。だがよ、憲兵団に行きたい奴なんて俺みたいなのがほとんどだろ!」

マルコ「ジャン!恥を知れよ!」

ジャン「ハハハッ!で、お前らは」

ベルトルト「僕も憲兵団に行くよ」

アニ「私も…だけどアンタと一緒だとは思われたくないわ」

アルミン「ははは、アニは手厳しいなあ」クスクス

ベルトルト「…アニ」カサ

アニ「…」ピラ

『明日のことで話がある。夕食が終わったら宿舎裏に来て』

アニ「…」コクン

モブ訓練兵「またジャンとエレンの喧嘩だあ!」

アルミン「あはは」

アニ「…」

‐夜 宿舎裏‐

アニ「…ライナーは?」

ベルトルト「まだ来てない。彼には少し遅い時間を伝えておいたからね」

アニ「どうして?」

ベルトルト「…君に言っておきたい事があるから」

ベルトルト「アニ、アルミンと付き合ってるんだろう?1年前からずっと」

アニ「…!なんで…」

ベルトルト「見てたんだよ、あの時。ここは僕のお気に入りの場所だからね」

アニ「…うん、そうだよ。付き合ってる。それは何か悪い事なの?」

ベルトルト「アニ」

アニ「誰かに迷惑掛けた?誰かが不幸になった?何も悪い事はしてないはずだよ」

ベルトルト「アニ、落ち着いて。誰かに聞えちゃうよ」

アニ「………ごめん」

ベルトルト「明日、僕達がすること…分かってるよね?」

アニ「…うん」

ベルトルト「それは、大切なものを自らの手で壊すことになる」

ベルトルト「僕達が戦士である以上、避けては通れないことなんだよ」

ベルトルト「さっき君は誰にも迷惑を掛けてないって言ったけど、アルミンと付き合うことは他でもない『戦士のアニ』の迷惑になってしまうと僕は思う」

アニ「…」

ベルトルト「僕は、君にもライナーにも幸せになって欲しいと思ってる」

ベルトルト「でも、そのせいで君達が余計に傷ついてしまうなら、大切なものなんて持って欲しくなかったよ」

アニ「…」

ベルトルト「アニ。君は自分の手で、アルミンを殺せるかい?」

アニ「……」ギリッ

ライナー「おっ、お前ら早いな」タタタ・・・

ベルトルト「僕らも今来たところだよ」

アニ「…」

ベルトルト「分かってると思うけど、明日の打ち合わせだ」



ベルトルト「明日、壁を壊す」

***

ハンナ「あっ!いた!」タタッ

アニ「…ハンナ、どうしたの?」

ハンナ「あのね!アルミンがアニに渡して欲しいって!」スッ

アニ「紙…?」

アニ(今日はよく紙を貰う日だ…)ピラ

『中庭で待ってる』

アニ「…」

アニ「ハンナ、ありがと」スタスタ

ハンナ「うん!」

‐中庭‐

アニ「…」スタスタ

アニ「……アルミン」

アルミン「来てくれたんだね、アニ」

アニ「計算高いアンタがずいぶん無謀な賭けに出たもんだね。私が来なかったらどうするつもりだったんだい?」

アルミン「来てくれるって信じてたからね」

アニ「答えになってないよ」

アルミン「まあいいじゃない。君はここにやってきた。この賭けは僕の勝ちだ」

アニ「…で、何の用なの?」

アルミン「何も用はないよ。ただ君に会いたくなっただけさ」

アニ「おかしな事を言うね。さっきも会ったじゃないか」

アルミン「そうだね。でも、これからはそう簡単に会えなくなる」

アニ「…」

アルミン「まあ、とりあえず座ってよ」

アニ「…」ストッ

アルミン「…アニはさ、憲兵団に行くんだよね?」

アニ「…ああ」

アルミン「…僕は、調査兵団に入ろうと思ってる」

アニ「…へえ。死に急ぎ野郎はエレンだけだと思ってたけど、アンタもだったのかい」

アルミン「小さい頃、エレンと約束したんだ。一緒に壁の外を冒険しようって」

アルミン「2人で同じ本を飽きもせず捲った。何度も何度もね」

アルミン「その本に書いてあったんだ。壁の外には炎の水や、氷の大地や、砂の雪原が広がってるんだって!」

アルミン「僕らが想像できないほど、広い世界があるんだよ!」

アニ「…そんなに目を輝かせたアンタを見るのは初めてだ」

アニ「…て事は内と外、本当に正反対の所に行っちまうんだね」

アルミン「…そうだね」

アニ「寂しくなるよ」

アルミン「…」

アニ「…」

アルミン「…ねえ、アニ」

アニ「何だい?」

アルミン「キス、してもいい?」

アニ「……!?」カアア

アニ「な、何だよ急に!///」

アルミン「君と会えなくなる前に、思い出が欲しいんだ」

アニ「なっ!!///」


ベルトルト『アニ。君は自分の手で、アルミンを殺せるかい?』


アニ「…!!」

アルミン「今まで恋人らしいことなんて1つもしてこなかったんだ。いいだろう?」

アニ「…駄目…だよ」

アルミン「…前みたいに照れてるの?」

アニ「…違うよ。でも、とにかく駄目なの」プイ

アルミン「…そっか、残念だよ。じゃあ…」

チュッ

アニ「…!!!!」ボッ

アルミン「ほっぺならカウントされないよね?」ニコ

アニ「こ、このっ…!」カアア


ベルトルト『明日、壁を壊す』

アニ「…っ!!」バッ

アルミン「アニ、何で顔を隠してるの?顔を上げてよ」ニコニコ

アニ「…っ!…やめて…」

アルミン「…泣いてるの?」

アニ「…っ…お願い…だから…」ポロポロ

アニ「これ以上…アンタのことっ……好きになりたくないの…!」ポロポロ

アルミン「アニ…?」

アニ「…ひっく…うっ……」ポロポロ

アルミン「…」ギュッ

アニ「……ある、みん…?」ポロポロ

アルミン「大丈夫だよ、アニ。僕がぎゅってしててあげるからね」ポンポン

アニ「…っ……ふぇ…」

アニ「うぇ……うっ…ぁ……あああああ……!」ポロポロ

***

アルミン「落ち着いた?」

アニ「…」コクン

アルミン「一体どうしたの?」

アニ「……言いたくない」

アルミン「…」ジッ

アニ「…」

アルミン「…どうしても言いたくないんだね」

アニ「…」

アルミン「分かった。もう聞かないよ」

アニ「…ごめんなさい」

アルミン「謝らなくていいよ。君にだって、人に言いたくないことがあるんだろう?」

アルミン「うん。アニが僕に抱きしめられて泣いたこととか」

アニ「…バカだね」ペシ

アルミン「へへ、あんまり痛くないや」

アニ「そろそろ寮に戻ろうか」

アルミン「そうだね、もう消灯時間になっちゃうし」

アニ「…今日は、いろいろありがとう」

アルミン「いや、僕も君に会えて嬉しかったよ。おやすみ、アニ」

アニ「…」


アニ「…ああ、じゃあね」

翌日、超大型巨人の再来によってトロスト区の壁が破壊された。

突然の巨人の来襲に訓練兵団、及び駐屯兵団は数多くの犠牲者を出した。

巨人化したエレンの力でウォール・ローゼの穴は塞がれたが、

その日は『人類の初勝利』という輝かしい結果と共に、確かな爪痕を残した―――

‐掃討作戦の2日後 トロスト区市街地‐

ジャン「…オイ」

ジャン「お前…マルコ……か……?」

マルコと思われるもの「」

ジャン「誰か…コイツの最期を見た奴は……」

ダズ「あああああああ!もう嫌だああああ!…ぅ…おえっ…」ビチャビチャ

訓練兵A「何で死んじまったんだよォ…一緒に、調査兵団に行くって…」

訓練兵B「うああ……ひっく…」ズルズル

アニ(…ひどいもんだね)スタスタ

アニ(数え切れないほどの死体、腐臭。発狂してる奴もいる)

アニ(…まあ、ほぼ私達がやったようなものだけど)キョロキョロ

アニ「!」

アニ「この死体……!」

顎から上が無い死体「」

アニ「まさか…違うよ…」フルフル

顎から上が無い死体「」チリン

アニ「この……ペンダント、は…」

顎から上が無い死体「」

アニ「ごめんなさい…」

ライナー「…」

アニ「ごめんなさい…」

ライナー「ア…」

ベルトルト「アニ」

アニ「…ベルトルト?」

ベルトルト「謝っちゃ、駄目だ。そんなのは卑怯だよ」

アニ「!」

ベルトルト「僕達は人類のために悲しんじゃいけない。涙を流してもいけない」

ベルトルト「最初からこうなることは分かってたはずだろう?」

アニ「…」

ベルトルト「それが戦士としての義務であり、責任だ」

アニ「…分かってる。もうしないよ」

ベルトルト「…いい子だね」ナデナデ

ライナー「………ほお?」ニヤニヤ

ベルトルト「…何」

ライナー「いや、何でも?」ニヤニヤ

ベルトルト「はあ…。揃いも揃って何なんだよ……」

‐数日後 訓練兵詰所‐

憲兵「最後にシャフトを交換したのはいつだ?」

サシャ「6日前の掃討作戦の後です」

憲兵「全て登録にあるな!よし次!」

訓練兵C「…なあ、何でこんな事になってるんだ?」ヒソヒソ

訓練兵D「なんでも、貴重な被験体の巨人が殺されちまったって話だ。巨人を殺して罰せられるなんて変な話だよな」ヒソヒソ

訓練兵C「それで俺達の中から犯人捜しって訳か。そんなのいるわけないのにな」ヒソヒソ

訓練兵D「そんな事できないほど、連日の作業で憔悴しきってるっての…」ヒソヒソ

コニー「巨人がにくくて仕方なかったんだろうな、犯人は」

アルミン「…そうだね」

コニー「俺はバカだからな…。なんとなく分かる気がするよ、そいつの気持ちがさ」

アルミン「…」

コニー「何も考えられなくなっちまうよ。俺だって、巨人を見る前は本気で調査兵団に入るつもりだったんだぜ」

コニー「でも巨人なんてもう二度と見たくねえ。今日で兵団を決めなきゃならねえのに…」

コニー「クソ…ジャンだって調査兵団になるって言ってんのに…」

アルミン「えっ、ジャンが?」

コニー「アニ、お前はどう思った?あいつを見て…」

アニ「…別に?私の意志は変わらないから」

コニー「そうか…。お前は憲兵団に行くんだよな…」

コニー「…なあアニ、俺も憲兵団に行ったほうがいいかな?」

アニ「…アンタさあ、人に死ねって言われたら死ぬの?」

コニー「は?何だよそれ…死なねえよ」

アニ「…だったら自分に従ったらいいんじゃないの」

コニー「…」

アニ「アルミン、アンタはどうなの?」

アルミン「僕は…そうしなきゃいけない理由が理解できたら、死ななきゃいけない時もあると思うよ。…嫌だけどさ」

アニ「…決めたんだ。気持ちは変わらないんだね」

アルミン「…うん」

アニ「アンタ弱いくせに根性あるからね」

アルミン「あ…ありがと。でも、前よりは強くなってるはずだよ」

アニ「…どうだか」

コニー「マジかよ…アルミンお前まで…」

アルミン「…アニは、やっぱり優しいね」

アニ「…は?」

アルミン「だって僕らに調査兵団に入って欲しくないみたいだし、憲兵団に入るのも何が理由があるんじゃないの?」

アニ「…いいや」

アニ「私はただ、自分が助かりたいだけだよ」

アルミン「……本当にそれだけ?」

アニ「…ああ」

アルミン「じゃあ、どうしてそんな顔してるの?」

アニ「!」

アルミン「自分だけ助かりたいって人間が、そんな泣きそうな顔するのかい?」

アニ「ち、違…!」

憲兵「おいそこ!私語は慎め!」

アルミン「…」

アニ「…」

『アニ…必ず…必ず帰って来るんだぞ…』

『これ、お母さんの髪留め。これを私達だと思って過ごしてね…』

『……私達はあなたのこと、ずっと待ってるから…!』


アニ「…」

アニ「ねえ、アルミン」ボソ

アルミン「?」

アニ「…もし、アンタが私のこといい人だと思ってるなら…それはひどい思い違いだよ」ヒソヒソ

アニ「私は自分が助かるためならきっと、何だってする奴さ」ヒソヒソ

‐昼 広場‐

エルヴィン「…以上だ。他の兵団の志願者は解散したまえ」

ザワザワ・・・

アニ「…」ザッ

アルミン「…行くのかい、アニ」

アニ「…ああ」

アルミン「そっか…。元気でね」

アニ「…」

アニ「……アルミン、そんな悲しそうな顔しないでよ」

アニ「どうせまた、近いうちに会えるんだからさ」ザッ

アニ「…」ザッザッ

アニ(…いいんだ、これで)ザッザッ

アニ(私にかかってた魔法はもう解けた)ザッザッ

アニ(…行かなきゃ)ポロ・・・

アニ(あれ……)ポロポロ

アニ「なん…で……」ポロポロ

アニ(駄目だ。振り返るな)ポロポロ

アニ(…アルミン、アンタ前言ったよね。昔読んだ童話の王子様とお姫様がアンタと私に似てるって)ザッザッ

アニ(……少し違うね。私はガラスの靴を残さない)ザッザッ

アニ(ねえ、王子様)ザッザッ

アニ(アンタがもし、本当に私と幸せになりたいって思うなら)ザッザッ

アニ(…お願いだから)





どうか私を、探し出さないで

終わり。5作目。

割と変なのばっかり書いてたから、たまには真面目にと思ったらこのざまだよ
お目汚し失礼。読んでくれた人ありがとう。



良かったら、前作とか教えてもらえると嬉しいです

>>144 一応書いとくな

ユミル「お前…ふざけてんじゃねえぞ」

ジャン「…もうああいうこと言うな///」マルコ「!?」

ベルトルト「チャライナー」

アルミン「エレンがハーレム過ぎておかしくなった」

完結作スレって書きこんだほうがいいのかな?

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