サシャ「味も見ておきましょう」(72)

・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
 2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
 3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』(過去ログ倉庫行き)
 4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』(過去ログ倉庫行き)
 5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』(過去ログ倉庫行き)
 6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』(過去ログ倉庫行き)
 7『サシャ「……興味ないです」』
 8『サシャ「味も匂いもたまりません!」』
 9『サシャ「ありがとうの味、届きましたか?」』の続きです

・いつも通りネタバレなし&ご都合主義&展開です


―― 昼 営庭の端っこ

ユミル「訓練兵に草刈りやらせるってのは、まあいいんだけどさ」

ユミル「なんでこんなクソ暑い時期にやらせるんだ? 二週間前とかまだ涼しかったのによ」

ユミル「それで指示する上官方は全員揃って屋根の下で茶でもしばいてるときたもんだ。あー羨ましい」

クリスタ「もう、文句ばっかり言ってないで手を動かしてよユミル。終わらないでしょ?」プンスカ ザクザク

ユミル「へいへい」ザクザク

ミーナ「ミカサとアニは全然汗かいてないね、すごいなあ」ザクザク

ミカサ「……」ザクザク

アニ「……」ザクザク



サシャ「……」ゴソゴソ


ユミル「おいサシャ、お前はさっきから一人で何やってんだ? 草刈りはどうした」

サシャ「終わりました」ゴソゴソ

ユミル「……そうかそうか。つまり私たちが今やってるのは草刈りじゃないんだな?」

サシャ「? いえ、みなさんがやってるのは草刈りだと思いますが」

ユミル「……」

サシャ「……?」

ユミル「お前は団体行動ってもんができねえのかぁっ!!」グワシッ!!

サシャ「ひぇっ!? ごめんなさいごめんなさい!!」ジタバタジタバタ



クリスタ「どうしよう、ユミルが暑さでキレちゃった……! と、止めたほうがいいかな……?」アワアワ

ミーナ「いーんじゃなーい? そーゆー時あるよねぇー女の子ってさぁー」ザクザク

ミカサ「……」ザクザク

アニ「……」ザクザク


ユミル「いくら協調性がないって言われてる私でもなぁっ! 団体行動くらいはできんだぞこらぁっ!! 自分の分が終わったんなら手伝えよ! 手伝えよ!!」ユサユサユサユサ

サシャ「あんまり揺らさないでくださいよぉっ! 袋が破れますー!!」グラグラグラグラ

ユミル「それだよ! さっきからお前は一人で何してんだよ!!」

サシャ「非常時のための食料調達ですよっ!」

ユミル「食料だあ……? お前ついに雑草食うようになったのか?」

サシャ「そんなわけないじゃないですか!」

ユミル「じゃあその麻袋にせっせと詰めてるもんはなんだぁっ!!」




サシャ「イナゴです」ドヤァ



ユミル「」

ミーナ「」

クリスタ「」

ミカサ「」ピタッ

アニ「」ピタッ


ユミル「……」

サシャ「どうかしましたかユミル、顔が青いですよ?」

ユミル「な、なあ……私の記憶だと、イナゴって秋の虫だと思ったんだが……?」

サシャ「春でも夏でも少しはいますよ? 数が少ないから気づきにくいんですよねー」ゴソゴソ

ユミル「へえ……そう……そうなんだぁ……」ブツブツ

サシャ「ユミル?」


ユミル「あのさぁ、全っ然興味ないんだけどさぁ……その中身はこの後どうするんだ……?」

サシャ「佃煮にします」キリッ

ユミル「……そのまま? 生きたまま?」

サシャ「まず糞抜きしないとですね。なので、麻袋に入れたまま数日間部屋に置いておきます」

ユミル「よし絶交だ」

サシャ「そんな!?」ガーン!

ユミル「当たり前だお前その麻袋少しでも女子寮に入れてみろ荷物ごと追い出してやるからな!!」

サシャ「えー……過剰反応しすぎじゃないですか?」ムー...

イナゴの佃煮は無理して食べるもんでもないが美味いよね


ユミル「ていうか誰だ、サシャに麻袋やった奴は」

ミカサ「わたしです」ハーイ

ユミル「お前だったのか」

ミカサ「あげなきゃよかった……私は今、猛烈に後悔している……」ドヨーン...

サシャ「?」キョトン



                           \ピョンッ/



ミーナ「!? やだあ何か飛んだああああっ!?」バタバタ

クリスタ「えっやだやだ何なに!? 何!?」ビクビク

サシャ「どれどれー? ……あーこれはバッタですねー。あんまりおいしくないんですよね、バッタは」ポイッ


ユミル「おい馬鹿、どこに向かって投げてんだ!」



                           \ピトッ♪/



アニ「」ピタッ

サシャ「あらら……アニの頭に乗っかっちゃいましたか。すみません、取りますね」ヒョイッ

アニ「……」

サシャ「? どうしました? ちゃんと取れましたよ?」

アニ「……」スタスタ...

サシャ「アニ? どうしたんですかー?」

ユミル「……もういいサシャ。もういいからそっとしといてやれ。なっ?」


ミカサ「サシャ、そのバッ……虫を渡し……いや渡さなくていいからしっかりと持っていて……!」スラッ...

ミカサ「そいつは生かしておけない……四肢を削ぐ!!」ジャキンッ!!

ユミル「!? ちょっ、鎌下ろせミカサ! やめろ! お前が振り回すと洒落にならん!!」

ミカサ「そ、削ぐ……削いでやる……っ!」ブルブル

ユミル「もうダメだ話聞いてねえ……おいミーナかクリスタ! エレン呼んでこい!」

クリスタ「わかった任せて!」ダッシュ

ミーナ「行ってきます!」ダッシュ

ユミル「片方でいいから! 片方でいいから!!」

サシャ「足をもげばいいんですか? でもかわいそうだからこのまま逃がしてあげたいんですけど……」ウーン





キース「……楽しそうだな、貴様ら」


ユミル(!! 教官!? やばい……!!)バッ!!

ミカサ「……!」バッ!!

キース「私は貴様らに草刈りをしろと命じたはずだが……ブラウス訓練兵、その袋はなんだ?」

サシャ「イナゴです! 佃煮にしようと思って十数匹ほど捕獲しました!」バッ!!

キース「……ブラウス訓練兵」

サシャ「はっ! なんでしょうか!」

キース「……できあがったら持ってくるように」

ユミル「!?」

サシャ「はっ! 了解しました!」



ユミル「……お前長生きしそうだな」

サシャ「なんですか、突然」キョトン



キース(……酒のツマミにしよう)ホクホク


―― 数日後 消灯時間前 男子寮

ベルトルト「……よし、鍵は確認したよ。これで誰も入ってこられない」

アルミン「それで、僕たちに相談って何? ライナー」

エレン「ああ、俺たちにできることならなんでも協力するぜ!」

ライナー「ありがとうな、三人とも」

アルミン(あのライナーが相談なんて珍しいな。どうしたんだろう……)ドキドキ

エレン(ライナーにはいつも頼ってばっかりだからな、役に立てて嬉しいぜ!)メラメラ

ベルトルト(この二人にも相談って、いったい何かな……?)ソワソワ

ライナー「お前らに……いや、同室のお前らだからこそ、相談したいことがあってな」



ライナー「……俺ってそんなに匂うか?」


エレン「? 匂いって体臭のことでいいんだよな?」

ライナー「ああ」

アルミン「変な比喩とかじゃないよね?」

ライナー「ああ」

ベルトルト「……それが相談?」

ライナー「ああ、その通りだ」

アルミン「……」チラッ

エレン「……」チラッ

ベルトルト「……」チラッ

アルミン「……集合」クイッ

エレン「おう」

ベルトルト「うん」


※ 以下、部屋の隅に集まった三人の手信号による会話

アルミン(全員、内容は理解できたか?)クルッ

エレン(肯定)コクコク

ベルトルト(状況は深刻。早急に解決しなければならない)スッスッ

アルミン(いや、これはデリケートな問題だからね。慎重に進めて行こう)ブンブン

エレン(援護)クルクル

アルミン(エレン。手信号覚えてないなら肯定か否定だけでいいよ。内容はなんとなくわかるでしょ?)グルグル フリフリ

エレン(肯定。強い肯定)コクコクコクコク

アルミン(あと手信号は次の試験範囲だからね。ちゃんと復習しておくんだよ)ミョーンミョーン

エレン(マジかよ俺聞いてねえぞ)


ベルトルト(慎重にって、そんな悠長なこと言っていてもいいのかな)

アルミン(これは身体的な問題だよ。今すぐに解決はできない)

アルミン(ライナーだってそのことはわかってるはずだ。その上で僕たちに打ち明けた)

アルミン(まだ体が本調子じゃないから、そういうマイナスなことに目が行ってしまってる可能性もあるけど……それを抜きにしても、相当追いつめられていると見ていいだろう)

ベルトルト(だったら、尚更早くなんとかしてあげたほうがいいような気がするな)

アルミン(うん、そうだね。でも、散々悩んで憔悴しきったライナーを急かすような行動は、長期的に見たらよくないよ。逆に、更に追い込むような結果になるかもしれない)

アルミン(だからこの場は、ライナーに自信をつけさせてあげることが一番だと僕は思う。まずは一時的なフォローから。継続的なフォローは徐々にしていこう)

ベルトルト(……わかったよ。アルミンの指示に従おう)

エレン(賛成。強い賛成。アルミンは優秀。すごい)コクコクコクコクパチパチパチパチ

アルミン(じゃあ、そういうことでよろしくね。――全員配置に戻れ)クイッ


アルミン「えっとね、ライナー……その、汗臭いのは兵士の宿命だからさ、気にしても仕方ないと思うよ?」

ベルトルト「それに今は夏だからね、いくらか匂いがするのは仕方ない気がするな。うん」

エレン「そうだよな! 仕方ないよな! 暑いのは当たり前! 汗が出るのも当たり前だっ! 何もおかしいことなんかない!!」クワッ!!

ライナー「……あのな。エレン、アルミン、ベルトルト」

ライナー「お前ら三人がさっき何を話し合ってたのかは知らないが、頼む。正直にお前らの思ってることを話してくれ。下手な小細工はなしで、だ」

ベルトルト(!! ライナー、君は……僕たちの言葉も信じられないくらいに、追いつめられていたのか……!?)ブワッ

アルミン(こんな真剣に悩んでるライナーに……正直になんて、言えるもんか……っ!!)ブワッ

エレン(いくら俺でも『部屋の中だと全員の匂いが混ざり合っててよくわからん』なんて残酷なこと、言えるわけがねえ……っ!!)ギリッ...


アルミン「ひぐっ……ううっ、辛かったよね、ライナー……!」グスッ

エレン「もう、一人で悩んだりすんじゃねえぞ……っ!!」グスッ

ベルトルト「ああ……! 今度からはこうなる前に、なんでも……相談してくれ……っ!! 包み隠さずっ!!」グスッ

ライナー「お、おう……?」

ライナー(そうか……三人揃って泣くほど酷いのか? 生活習慣から見直すべきか)ウーン

アルミン「二人とも、ごめん……さっきの作戦はやっぱり変更だ。今は一刻も早くライナーの悩みを解決してあげようっ! 手遅れになる前にっ!!」ダンッ!!

エレン「おうっ! わかったぜ!」

ベルトルト「うんっ! 僕も全力を尽くすよ!!」

ライナー(いや待てよ、むしろ同じ部屋だから言いにくいのかもしれん……別の部屋の奴に聞いてみるか……)ウーンウーン


エレン「でも俺、正直言うと自分の匂いすら気にしたことねえからなー……大したアドバイスできねえぞ?」クンクン

ベルトルト「普段着も訓練服もそれなりのサイクルで洗濯できてるし、お風呂にも定期的に入れてるからね。僕もあまり気にしたことないな」

アルミン「みんな匂いにはあまり気は配らないよね……あ、でもこの前嗅いだ立体機動装置のベルトの匂いは凄まじかったよ」

ライナー「……どうだった?」

アルミン「この世の終わりのような匂いがしたよ」ウフフ

エレン「割と清潔にしているアルミンでも、そんな匂いがするのか……」ゾクッ

アルミン「革に染みついた汗の匂いはもはや兵器だからね」


アルミン「体臭の原因は汗と脂と垢だから、こまめに取り除くのが一番手っ取り早い方法かな。今の時期なら汗を掻いたらきちんと拭き取るとか、お風呂に入った時にちゃんと汗を洗い流すとか」

ライナー「ふむふむ、なるほどな……」カキカキ

エレン(……メモるほど悩んでんのか)

ベルトルト「でも、いくら夜にお風呂に入っても、朝になったら寝汗で台無しになっちゃうよね。特に今の時期は」

エレン「だよなぁ。せめて夜だけでも涼しく寝られればいいんだけどなー」

アルミン「……涼しく寝たいの?」

エレン「」ダッ


ライナー「……今日は俺の後ろか? エレン」

ベルトルト(僕じゃなくてよかった……)ホッ

アルミン「……なんだ、エレンったら。そういうことなら早く言ってくれればよかったのに」ニコッ

エレン「ひっ……!」ガタガタガタガタ

ライナー「こらこら、アルミンも笑顔で迫るんじゃない。嫌がってるのが見えないのか?」

アルミン「じゃあ軽めの話にするよ。この兵舎にまつわる七不思議なんてどうかな?」ワクワク

エレン「嫌だ!! いつもの怖い話より身近すぎて嫌だ!!」クワッ!!

アルミン「大丈夫だよエレン。七不思議って言ってもね、この男子寮で確認できるのは三つだけだよ?」ニコッ


アルミン「誰もいないトイレから聞こえる謎の声……、魔の十三階段……っ、天井からぶら下がる黒髪の女……っ!!」

アルミン「……」

アルミン「……ウズウズしてきた」ダッシュ

ライナー「待てアルミン」ガシッ

アルミン「放してくれライナー! 男には、やらなきゃいけない時がある……今がそうだ!」クワッ!

ライナー「消灯時間直前だぞ? 室長として行かせるわけにはいかん」グイグイ

アルミン「ライナーのケチ! わからずや!!」ジタバタジタバタ

ベルトルト「ケチは関係ないんじゃないかな……」


ライナー「……わかった、アルミン。どこでも行きたいところに行け。その代わり俺もついていく」ハァ

アルミン「えっ? いや、僕が一人で行くからいいよ!」オロオロ

ライナー「どっちにしろ、点呼に間に合わなかったら室長の俺も叱られるんだ。ここで見送っても結果は同じだ」

アルミン「でも……」

ライナー「じゃあ、行くのをやめるか?」

アルミン「……ごめん、行きたい」シュン

ライナー「気にするな。後悔しないように、やりたいことは全部やればいいさ。――ベルトルトはどうする? ここに残ってもいいが……」

ベルトルト「いや、僕も行くよ。病み上がりの人に全部任せるわけにはいかないし。エレンはどう?」

エレン「行かない」キッパリ

ベルトルト「だよね。じゃあ、ここに一人で残ることになるけどいい?」

エレン「……やっぱり行く」モソモソ


―― 男子寮 廊下

ライナー「……誰もいないな。よし、行くぞ」

アルミン「わーい! 出発進行!!」キラキラキラキラ

エレン「」ガタガタガタガタ

ベルトルト「エレン、エレンってば、シャツが伸びるから……」





???「……これは好都合」コソコソ


―― 男子寮 トイレ前廊下

ライナー「それで、その七不思議ってのはどういう話なんだ?」

アルミン「えっと……男子寮一階トイレの一番奥の個室から『紙をください』って声が聞こえるんだって」

ライナー「……アルミン、どこが怖いのかわからないんだが」

アルミン「一番奥の個室にはね、何故かいつも紙が置いてないんだよ。だから普段はみんな用足しには使わないんだ」

ライナー「誰もいないはずのトイレから聞こえる声、ってことか。……確かにそいつは謎だな」

アルミン「うん! わくわくするよね!」

ライナー「ああ。今度掃除当番になんできちんと紙を補充しないのか問い詰めないとな」


ベルトルト「……ねえエレン。心なしか、アルミンの顔が生き生きしてるように見えるんだけど」

エレン「ああ、アルミンはこういうよくわからないものが大好きだからさ」

エレン「怖い話の大半は元ネタがあるらしくて、それについて考えるのが楽しみなんだとよ」

ベルトルト「へえ、元ネタか……」

エレン「ただ、夢中になりすぎて周りが見えなくなるのだけは勘弁してほしいよな。……ほら、前に本を読んでる時もそうだったろ?」

ベルトルト「ああ、あの時は怖かったね……」ゾクッ


ベルトルト「……僕は、ライナーがああいう言い方をすればアルミンは諦めるかと思ってた」

エレン「頑固なんだよ、アルミンは。しっかりした芯がある男だからな」

ベルトルト「……すごいんだね、アルミンは。僕には真似できないや」

エレン「? すごいって思うならベルトルトも真似すればいいんじゃないか? 誰かのようになりたいって思うのは自由だろ? 俺もライナーみたいなカッコイイ奴になりたいって思ってるしな!」

ベルトルト「……そうだね。思うのは、自由だよね」

エレン「……?」


ライナー「奥の個室だったよな。……よし。じゃあ中に入るぞ」ガチャッ

アルミン「!? ライナー、危ないよ? 病み上がりなのに……」

ライナー「病み上がりって言っても鼻が少し詰まってるだけだ。大したことない」スタスタ...

ライナー「さっさとすませよう――!?」

アルミン「どうしたの、ライナー?」



ライナー「……使用中だ。中に誰かいる」


―― 数分前

ジャン「……」コソコソ

ジャン(よしよし、消灯直前だから誰もいねえな……)キョロキョロ

ジャン(部屋だと集中できな……、いや、迷惑がかかるからな。でも、男である以上は仕方ねえことだしな、これは)ゴソゴソ

ジャン(っつーわけで、この前アルミンから借りた黒髪貧乳おねいさん、今晩はお世話になります!!)ゴソゴソ


                                \ガチャッ/


    『――――、危ないよ? 病み上がりなのに……』


ジャン「!?」

ジャン(アルミンの声!? こんな時に……タイミング悪すぎだろ!!)

ジャン(ちっ、この場はやり過ごすしかねえ……取り敢えずおねいさんは背中に隠して……)カサカサ


    『……使用中だ。中に誰かいる』


ジャン(!? ライナーもいるのか!? ――くそっ、逃げ場もねえし、このままじっとしてるしか……)


―― 現在 

アルミン「これは……つまり」ゴクッ

ベルトルト「そういうこと、だよね……」

エレン「」ガタガタガタガタ

ライナー「……よしエレン、中を見てこい」

エレン「は!? やだよ! やだよ!!」ブンブン!!

ライナー「俺やベルトルトが登ったら仕切りが壊れるかもしれん。お前しかいないんだ」

エレン「じゃあアルミンに頼めばいいだろ言い出しっぺなんだから!!」ガタガタガタガタ

アルミン「僕はここで脱落するわけにはいかないんだ。七不思議を解明する使命があるからね」

エレン「俺が脱落する前提なのかよ!!」ガタガタガタガタ



   『おいこら死に急ぎ野郎! 覗くんじゃねえぞ!!


エレン「!? ――ほらぁっ! いもしねえジャンの声が聞こえんじゃねぇか! 無理だって! 絶対無理!!」ジタバタジタバタ


   『いるっつってんだろ! だからやめろ! 入ってっから! 俺が入ってるから!!』


アルミン「さあエレン! 上からトイレを覗くんだ!!」ワクワク

ライナー「よーしベルトルト。エレンを持ち上げるぞー」ガシッ

ベルトルト「しょうがないなぁ」ガシッ

エレン「嫌だあああああああああ!! ライナーとベルトルトはおかしくなったんだああああああ!!!」ジタバタジタバタ

ライナー「ほら行くぞー」グイッ

ベルトルト「よいしょっと」グイッ

エレン「嫌だってえええええええええええええええ!!」ヒョイッ


エレン「……」ジーッ

ジャン「……」

エレン「……」

ジャン「……」

エレン「……」



エレン「……」スタッ

アルミン「……どうだったー?」

エレン「……ジャンだった」

ライナー「あー……」

ベルトルト「やっぱりかー……」

ジャン「お前らなんだよ新手のイジメか!?」バーン!!


ジャン「ライナーにベルトルトォッ!! お前らもノリノリになってるんじゃねえよ!! エレン持ち上げる前に俺だってわかってたろ!?」

ライナー「最初に入った時に物音が聞こえたからな、誰かいるとは思っていた。悪いな」ニヤニヤ

ベルトルト「ははは、ごめんね。ジャンだってわかったからもう何してもいいやって」ニコニコ

ジャン「親しき仲にも礼儀ありっていうだろうがぁっ!!」

エレン「ジャンにも礼儀って概念あったのか……!?」

ジャン「変なところで驚いてんじゃねえよ死に急ぎ野郎が!!」


―― 廊下

ジャン「……七不思議ねえ。お前ら妙なことしてんなぁ」

アルミン「違うよ! これは男の浪漫だよ!!」プンスカ

ジャン「へいへい。わかったわかった」

エレン「……ところでなんでジャンがついて来てんだ? お前の部屋逆方向だろ?」

ジャン「ちょっとアルミンに用があるんだよ」チラッ

アルミン「? 何?」

ジャン「……帰りに一冊貸してくれ」ボソボソ

アルミン「アルレルト書院の本日の営業は終了しました。またのお越しをお待ちしております」

ジャン「ぐっ……!」ギリッ...


ベルトルト「……あれ? 僕らは七不思議を検証してるんだよね? どうして部屋に戻ることになってるの?」

ライナー「そういえばそうだな。アルミン、どういうことだ?」

アルミン「二つ目の七不思議、魔の十三階段は真夜中の二時にしか発生しないから、今は検証不可能なんだよ」

ベルトルト「でも、七不思議はもう一つあるって言ってなかったっけ?」

アルミン「うん。最後の一つは僕らの部屋だよ」

エレン「」

アルミン「髪の長い女が天井に貼りついているっていう話なんだけどね、そもそもこの話の由来は――」ペラペラ



エレン「……ジャン。俺と部屋替わってくれ」プルプルプルプル

ジャン「なんだよエレン、幽霊が怖いのか?」プーックスクス

エレン「ライナー、次の生け贄はジャンでいいよな?」

ライナー「ああ、問題ない」

ジャン「おい生け贄ってなんだよ!?」


―― エレンたちの部屋の前


                                   \ガンバッテー/


ジャン「……なんでエレンとベルトルトはあんなに離れてるんだ?」

アルミン「部屋に近づきたくないんだって。主にエレンが」

ジャン「ったく、怪奇現象が怖くて兵士やってられっかよ」ケッ

ライナー「……ジャン。特攻する前に聞きたいことがあるんだが」ボソボソ

ジャン「あぁ? なんだよ? っていうか特攻って言うな不吉だろ」ボソボソ

ライナー「……俺の体臭ってキツイか?」ボソボソ

ジャン「? いや、気にしたことはねえけど……まあ汗臭いんじゃねえの? それなりに」

ライナー「そうか……」

ライナー(それなり、か……いまいち参考にならんな。できれば女子の意見も聞きたいところだ)ウーン


―― エレンたちの部屋

ジャン「そんじゃ、失礼しますよーっと」ガチャッ

ジャン(ったく……ビビりすぎだろエレンの奴。怖い話が苦手なんてガキじゃねえか)


                               \パサッ.../


ジャン(? なんだ、部屋の中央に何か落ちてる……?)ヒョイッ

ジャン(んだよ、野郎のパンツかよ……ちゃんとしまえよなー洗濯物は)チッ


   \パサッ.../             \パサッ.../


ジャン(ん? 後ろにも二枚落ちて……)


 \パサッ.../    \パサッ.../      \パサッ.../         \パサッ.../


ジャン(はっ!? なんで下着が増えたんだ!?)

ジャン(上から降ってきたのか……!? 天井か!!)バッ!




ジャン「……」

ミカサ「……」クンカクンカスーハースーハー



ジャン「……」

ミカサ「……こんばんは」ペコッ

ジャン「あっ……どうも……」ペコッ

ミカサ「……」

ジャン「……」

ミカサ「……」

ジャン「……」


アルミン「ジャン、どうだったー?」ガチャッ

ジャン「……下着を抱えたミカサが天井に貼りついてた」ユビサシ

ライナー「あー……やっぱり」

ジャン「つまり……そういうこと、だよな……?」

アルミン「うん……天井に貼りついている、髪の長い女って……」

ミカサ「わたしです」ハーイ

ライナー「お前だったのか」

ミカサ「こんなに早く帰ってくるとは思わなかった。不覚」

ライナー「まあ……とにかく降りてこい」

ミカサ「わかった」スタッ

アルミン「なんだぁ……ミカサだったのかぁ……」ショボーン...


ライナー「……で、今日は何してたんだ?」

ミカサ「選別作業中。エレンのパンツを物色していた」

アルミン「確実に僕たちの下着も混ざってるよね、それ」

ミカサ「大丈夫。匂いでわかる」

ライナー「匂い……」ピクッ

ジャン(!! 匂い……!?)ピクピクッ

ミカサ「そう……私は、他人の匂いをそれなりの精度で嗅ぎ分けることができる!」ニンニン

ジャン「!!」


ジャン「な、なぁミカサ……! 俺の匂いとかも、もしかしてわかったりするのか……?」

ミカサ「わかる」キリッ

ジャン「!! 因みにどんな匂いなんだ!?」

ライナー(!? また自分で地雷を踏みに……!?)

アルミン(ジャン……! 君はなんて無謀……いや勇敢な奴なんだ……!!)

ミカサ「……うーん」



ミカサ「……タンポポのような、匂い?」

ジャン「」


ジャン「……帰る」スタスタ...

アルミン「あっ、うん……そうだ、帰る前にエレンとベルトルト呼んできてくれる? もう平気だよって」

ジャン「……ああ」ガチャッ...バタンッ

ライナー「……」

アルミン「……」

ミカサ「……?」

ライナー「……満面の笑みだったが、声は沈んでいたな」

アルミン「こちらとしてもどう接すればいいのか判断に困る表情だったね」

ミカサ「? ……正直に言ったのだけれど、間違いだった?」キョトン

ライナー「正直な気持ちだったんならいいんじゃないか? きっと」

アルミン「そうそう、ジャンなら大丈夫だよ。たぶん」


ライナー「なあミカサ。ここにいるついでに聞きたいんだが……俺の匂いって気になるか?」

アルミン「!? ライナー、それは……」

ライナー「いいんだ。女子の意見も聞きたいからな。それで、どうなんだ?」

ミカサ「……ほほぅ」ニヤッ

ライナー「変な笑い方をするんじゃない」

ミカサ「男性の匂いが好きな女性は少なからずいる。ので、安心するといい」

ライナー「そうじゃなくてだな。……変な匂いがしないかってことだ」

ミカサ「今のところ、訓練兵の中に極端に匂う人はいない。だから、気にすることはない」

ライナー「……気は遣わなくていいんだぞ?」

ミカサ「……そんなに気になるなら、別の人に聞いてみればいい。私じゃない女の人に」


ベルトルト「ただいま。もう終わったの?」ガチャッ

ライナー「ああ。正体はミカサだった」

ミカサ「わたしでした」ニンニン

エレン「お前かよ! お前かよ!!」

アルミン「まあまあエレン、幽霊じゃなくてよかったじゃない。これで今日もここで普通に寝られるね?」

ミカサ「エレン、眠れないなら私が横で子守歌を歌ってあげる。一晩中」

エレン「頼むからもうこれ以上七不思議を増やさないでくれ!!」

アルミン「エレンってば、増えたら七不思議じゃなくて八不思議だよ?」ウフフ


ベルトルト「ということは、これで僕たちが検証できる七不思議はおしまいだよね? あと何があるんだっけ?」

アルミン「誰もいないトイレから聞こえる謎の声、丑三つ時の魔の十三階段、天井からぶら下がる黒髪の女、営庭を這う巨人、技巧室の怪、存在しない立体機動訓練場、食料庫に潜む怪……」

エレン「ひぃっ……」ガタガタガタ

ライナー(……最後はサシャだな)

ベルトルト(サシャかな、最後のは)

アルミン(まあ、最後はサシャだよねー)



ミカサ「……なるほど、食料庫」ピクッ


ミカサ「アルミン、最後の『食料庫に潜む怪』のことを詳しく教えてほしい」

アルミン「夜な夜な食料庫で何かを貪る音が聞こえるんだって」

ミカサ「なんと、それは大変。……真実かどうか早急に確認すべき。ライナーが」グイグイ

ライナー「待て、なんでそうなる」

ミカサ「ライナーがこの中で一番丈夫だから」

ライナー「俺が病み上がりだってこと忘れてないか?」

ミカサ「まあまあ。……手間が省けて助かった」ボソッ

ライナー「? ……今何か言ったか?」

ミカサ「言ってない」キリッ

アルミン「待ってよミカサ、だったら僕が行くよ。言い出しっぺは元々僕だし……」

ミカサ「いや、危ないのでやめておいたほうがいい。アルミンが危険な目にあったら私が悲しむ」

ライナー「俺はいいのか?」

ミカサ「それでもライナーなら……ライナーならきっとなんとかしてくれる……!」グッ


ライナー「……仕方ない、行ってくるか」ハァ

ベルトルト「えっ? でもそろそろ点呼始まるよ?」

ライナー「すぐ帰ってくるさ。それに……何か理由がありそうだしな」ジロッ

ミカサ「……」プイッ

ベルトルト「そっか……じゃあ、気をつけてね」

アルミン「うん、いってらっしゃい」

エレン「幽霊に負けんじゃねえぞ……!」ガタガタガタガタ

ライナー「ああ、間に合わなかったら適当に誤魔化しといてくれ。それじゃ後でな」バタンッ


ミカサ「さて。……仕込みは済んでいるから、私は隠密行動に入る」ニンニン

アルミン「……待ってよミカサ。どうしてライナーを食料庫に行かせたの?」

ミカサ「……ちょっと、私も焦っているのかもしれない」

アルミン「? 何を?」

ミカサ「……なんでもない。それじゃあ、おやすみなさい」シュッ


―― 数十分前 女子寮 ユミルたちの部屋

ミカサ「……」コソコソ

サシャ「……zzz」スヤスヤ

ミカサ「わーこの佃煮おいしそー食べちゃおー」ボソボソ

サシャ「……zzz」スースー

ミカサ「わーこの佃煮おいしそー食べちゃおー」ボソボソ

サシャ「……zzz」ムニャムニャ

ミカサ「わーこの佃煮おいしそー食べちゃおー」ボソボソ

サシャ「……」ムクッ

サシャ「……つくだにぃ」ボソッ

サシャ「……」トテトテ



ミカサ「任務……いや、忍務成功」ニンニン


―― 現在 食料庫

ライナー(今日は満月か……周りがよく見えるな)スタスタ...

ライナー(さて、ミカサは何を企んでるんだろうな……)ガチャッ...



サシャ「……」ゴソゴソ...

ライナー「……」

サシャ「……」モグモグ...ピタッ

ライナー「……」

サシャ「……こんばんは」ペコッ

ライナー「……おう」

サシャ「……」

ライナー「……」


ライナー「……だよなぁ、お前がいるよなぁ」ハァ

サシャ「何のことですか? ……ていうかどうしたんですこんなところで」キョトン

ライナー「お前こそ何やってるんだ? また盗みか?」

サシャ「違いますよ、最近はしてません! 今日はイナゴの佃煮が盗まれないか心配になって来ただけです! 味見してるのはついでです!」プンスカ

ライナー「また虫か……。そんなに好きか?」

サシャ「……私は食べるのが好きなだけですもん」ムーッ...

ライナー「知ってるよ。悪かった」


サシャ「というか、その……久しぶり、ですよね」モジモジ

ライナー「そうだな。この前の休みに川で遊んで以来か?」

サシャ「……そうですね。それくらい前です。それからは一回も会ってないです」

ライナー「だよな。……そういえば、上着もちゃんと受け取ったぞ。わざわざ洗ってくれて……」ハッ

ライナー(そうだ……俺は、一番単純なことを見逃していた……!)ワナワナ

ライナー(「借りた上着を洗って返した」ってことは……、洗わなければならないほど匂いがきつかったからということじゃないのか……!?)ワナワナ

ライナー(他の奴らが何と言おうと、この事実だけは揺らがない……!)

サシャ「……あの、上着を受け取ったってことは、手紙も読んでもらえました?」

ライナー「ああ、そのことなんだが――」



サシャ「よかったぁ……ちゃんと、届いたんですね!」ニコッ


ライナー「……」

サシャ「どうしました? 変な顔して」

ライナー「……いいか。どうでも」

サシャ「? 何がですか?」キョトン

ライナー「悩むのが馬鹿らしくなっただけだ。気にするな」

サシャ「!! 悩みがあるなら聞きますよ! 私になんでも言ってください!!」

ライナー「安心しろ。お前のおかげでさっき一つなくなった」

サシャ「えっ? 私、何もしてませんけど……」

ライナー「したした」ナデナデ

サシャ「……なんで私の頭を撫でてるんです?」キョトン

ライナー「気にするな」ナデナデ


サシャ「そもそも病み上がりの体でこんな遅くに出歩いちゃダメですよ? まだ鼻声じゃないですか」

ライナー「これくらい平気だろ。そのうち治る」

サシャ「ライナーが平気でも、私が心配なんです。だからダメです。禁止です」

ライナー「だが、いつまでも休んでられないだろ? 俺たちは兵士なんだから」

サシャ「もう、私が言いたいのはそうじゃなくてですね――!?」

ライナー「? サシャ、どうした……っ!?」

サシャ「……静かに!」シーッ!!



                              \コツコツコツ.../


ライナー(足音が一つ……見回りか?)

サシャ「まずいですね……この時間は食料庫の中まで確認するんですよ。簡易的ですけど」ボソボソ

ライナー「本当か?」ボソボソ

サシャ「私の腹時計は正確なんです。時間はぴったりですよ」ボソボソ

ライナー「……どうする?」ボソボソ

サシャ「決まってます。やり過ごすんですよ。……というわけで隠れてください」ボソボソ

ライナー「隠れるったって、ろくに隠れる場所なんかないぞ?」ボソボソ

サシャ「あそこにあるじゃないですか」ボソボソ

ライナー「……あんな小さな机の下に俺の体が収まるはずないだろ」ボソボソ


サシャ「無理矢理詰めれば入りますよ。ほら早く」グイグイ

ライナー「待て待て、仮に入れたとしてもだ。どう見たってバレるだろ」ボソボソ

サシャ「入り口からランタンでサッと照らされるだけですから大丈夫ですよ。ほら、入ってください」グイグイ

ライナー「だったら物陰に隠れても一緒じゃないか?」ボソボソ

サシャ「一度それでバレたんですよ、いいから早くしてくださいってば」グイグイ

ライナー「こら、無理矢理詰めるんじゃ――」

サシャ「――来た!!」ギュウッ

ライナー「むぐっ!?」



                              \コツコツコツ.../



                               \ガチャッ.../


サシャ「……動かないでくださいね」

ライナー(おい、肩に胸が当たってるぞ……!? サシャの奴、どうやって口塞いでるんだ……!?)

ライナー(首に腕を回して、抱きついてるんだよな、これは……)

ライナー(ということは、口を塞いでるのは……二の腕!? 嘘だろなんでこんなに柔らかいんだ!?)

ライナー(待てよ、この位置からなら胸元が……見え……)チラッ

ライナー(って見られるわけないだろう! 見られるわけないだろう!!)

サシャ「……私がついてますから、大丈夫ですよ。安心してください」ギュウッ...

ライナー(いやいやいやいや俺が大丈夫じゃない!! ちっとも安心できん!!)

ライナー(くそっ……この体勢はやばい……!! まだか? まだなのか……!?)


                      \バタンッ  コツコツコツ.../


サシャ「……ふぅ、行ったみたいです」

ライナー「ああ、危なかったな……いろんな意味で」グッタリ

サシャ「あらら……お疲れですね。もう今日は帰って休んだほうがいいですよ?」

ライナー「そうだな、帰るか。……お前、一人で帰れるよな?」

サシャ「……」ジッ...

ライナー「……?」

サシャ「あー……ちょっと腹時計の調整が必要みたいです」

ライナー「? ここに時計の類はないぞ?」

サシャ「いいえ、必要なのは時計じゃないんですよ」ギュッ...


ライナー「……病み上がりで無理するなって言ったのはお前だよな」

サシャ「さっき平気だって言ってましたよね?」

ライナー「……」

サシャ「……私だって、これでも気を遣ってたんですよ?」

サシャ「でも、最近二人きりで会うこともありませんでしたし……寂しかったんです、とても」



サシャ「……だから、今日はこっちの味も見させてくださいね?」


ミカサ「そしてライナーの首筋を指先でなぞると、その跡を辿るようにサシャは舌を這わせて汗を舐めとった」

アニ「……ミカサ」

ミカサ「『身体、熱いですね。まだ熱があるんですか?』とサシャが聞くと、ライナーは『違う』とぶっきらぼうに答えた」

アニ「ミカサってば。ねえ」

ミカサ「『もしかして緊張しちゃってます? ふふっ、久しぶりですもんね』とサシャがいたずらっぽく笑うとライナーは」

アニ「ミカサ、ミカサってば。眠いんだけど」

ミカサ「何? ……これからがいいところ。アニは気にならないの?」

アニ「ならない。眠い」

ミカサ「……なら寝る」シュン

アニ「うん、そうして。……おやすみ」モソモソ


―― 消灯時間後 女子寮 ユミルたちの部屋

サシャ「ただいまでーす……」コソコソ

サシャ(ユミルとクリスタは……寝てますね。起こさないようにっと……)ソロソロ

サシャ(佃煮、なかなかの出来でしたね……明日辺り、教官のところにお裾分けに行きましょう)ゴソゴソ

サシャ「……」

サシャ(……やっぱり、私が行ったこと知りませんよね。当然ですけど)

サシャ(ちょっと、寂しいな……)

サシャ「……」ペタペタ

サシャ(まだ感触が残ってる気がする……)



サシャ「……おいしかった、な」ボソッ



おわり

このシリーズ好きです!
頑張ってください!!

読んでくださった方ありがとうございましたー 十回目なので原点回帰です
あと今回おまけがあります。本編に絡まないベルトルト×アニで1レスだけなんですが、消すのがもったいなかったので貼っときます。読みたい人だけどうぞ。序盤でサシャたちのところからアニが立ち去った後です


アニ「……」スタスタ...

ベルトルト「――あれっ、アニ? 女子のほうの草刈り終わったの?」

アニ「! ベルトルト……」

ベルトルト「終わったなら鎌はちゃんと返してこないとダメだよ? 危ないから――」

アニ「……ねえ、ちょっと後ろ向いてよ。ベルトルト」

ベルトルト「? いいけど……」クルッ

アニ「……」ギュッ...

ベルトルト「!? あ、アニ? どうしたの?」オロオロ

アニ「……」グスッ...

ベルトルト「!? どうしたの? もしかして泣いてるの?」アセアセ

アニ「うるさいばか……」ボソッ

ベルトルト「で、でも……」オロオロ

アニ「……こっち向いたら、もう口聞いてやんない」グスッ

っていう後ろからベルトルトにしがみつきながら虫を思い出して泣いちゃってるアニを妄想したんですけど本筋に関係ないからカットしました

>>62 さんありがとうございますー嬉しいです!
途中レスくださった方もありがとうございました!次回はいよいよダブルデート編ですのでお楽しみに!

今回遅かったのは最後の机のシーンであーでもないこーでもないとフィギュアーツを絡ませてたからです
真夜中に一生懸命ゴーカイレッドとキュアサンシャインで遊びながら>>1は割と本気で泣きたくなりました
SS読んでくださっているみなさんはこんな大人にならないで真っ当な相手を見つけてくださいね  というわけで今度こそ終わり

乙です!
次も楽しみにしてます!

相変わらずキュンキュンする、のでまだまだ続けてほしい

乙 面白かった 次も
期待

いつも面白いよー
乙!

ついに10作まできましたか
ここまできたら見続けますよ
乙乙

このシリーズ毎回楽しみだわ

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