徳川光圀「ほほう、ユクモ村ですか……」(66)


ナレーション
『某所で起きた内紛をかつてあった平静に治め、
 久方ぶりの穏やかな旅路を取り戻した御老公は、
 江戸へと凱旋すべく、深い山道へと足を踏み入れたのだった』



八兵衛「もう疲れましたよ〜。ここらで一旦腰を降ろしましょうよ〜」

格之進「何を言っている。もうすぐ頂上だ。それまで辛抱しろ」

助三郎「そうだぞ。ご隠居だって音を上げずにいるんだ。お前ばかりが弱音を吐いてどうする」

八兵衛「ご隠居〜、一休みしましょうよ〜。俺の足が棒になってしまいますよ〜」

格之進「こら、はち」

徳川光圀「いえ、丁度いい腰掛けの石もあることじゃ。ここらで休憩としよう」

八兵衛「さっすがご隠居! 話しが分かりますね!」

マジで期待


助三郎「まったく」

格之進「いいのですか? ご隠居」

徳川光圀「渓流のせせらぎに耳を傾けながら、疲れた体を休める。これも旅の醍醐味」

八兵衛「無理むり。助さんや格さんなんかに風情を説いても、馬の耳に念仏ですよ」

格之進「はぁ……」

助三郎「ったく、調子のいいやつだ」

格之進「それにしても随分と難儀な山道を選びましたね」

八兵衛「いつもなら迂回する下道を選んでいるのに。いったいどんな心境の変化ですか?」

徳川光圀「いや、心変わりなんてもんじゃないんだが、ちょっとした噂話を耳にしてな」


助三郎「噂話?」

格之進「なんですか、それは」

徳川光圀「その噂話というのは――」

『ひ、ひぃー! 助けてくれ!』

格之進「むっ」

八兵衛「おや? なんでしょうか?」

助三郎「ご隠居」

徳川光圀「行ってみましょう」



大剣「ひいひい! 俺はまだこんなの相手にできねえよ!」

格之進「大丈夫か?」

大剣「だ、誰だいあんたたちは!」

助三郎「それより何があった?」

大剣「どうしたもこうしたも、でっけえ熊が出たんだよ!」

徳川家光「熊?」

大剣「あれは絶対に金冠サイズだ」

格之進「言っている意味が分からないが……熊に襲われて逃げてきたのか?」


大剣「まだ仲間が1人で戦ってるんだ! 助けてやってくれ!」

水戸光圀「助さん」

助三郎「はっ!」

大剣「俺も早く回復しねえと!」

格之進「おい! どこに行く!」

大剣「寝てくるんだよ! このままだとやられちまう!」

格之進「行ってしまった……、仲間を置き去りに1人でのうのうと睡眠とは、なんて薄情なやつだ」

徳川光圀「私たちも行きますぞ」

格之進「はっ」



アオアシラ「がおー!」

片手剣「くそっ! また怒りやがった!」

助三郎「うわっ?! なんだこいつは!」

片手剣「ん? お前は誰だ?」

助三郎「お前の仲間に助太刀を頼まれたんだ」

片手剣「加勢してくれるのは嬉しいが、着物一式とは見たことない防具だな」

助三郎「動くに邪魔な鎧はいらない。それに俺は腕にはけっこう自信がある」

片手剣「あんたも片手剣装備か?」

助三郎「片手で持てる剣だけだ」


片手剣「そうか。まあ、一緒に戦ってくれるならどうでもいいや」

アオアシラ「がおがおー!」ドタドタドタ

助三郎「おっと、まっすぐ突っ込んできたな」

片手剣「気を付けろ! そいつは突進で終わりじゃねえ!」

アオアシラ「ががおー!」ビュッ

助三郎「くっ!」

片手剣「行動パターンを覚えていないようだが、大丈夫か?」

助三郎「熊の動きなんてたかが知れてる」

片手剣「まあな。せいっ!」ザシュッ

アオアシラ「がおうっ」


助三郎「ふっ」ドスッ

アオアシラ「がうっ?!」

片手剣「怯んだな! もらい!」ザクザク

アオアシラ「がぉっ」

助三郎「むっ、逃げるぞ」

片手剣「支給された痺れ罠と捕獲用麻酔玉がある」

助三郎「捕まえるのか?」

片手剣「その方が手っ取り早くクエストが終わらせられるからな」

『くくく熊がきましたよ?!』

『随分弱っておるようじゃの』


『迫ってきます。ご隠居は後ろへ』

『うむ』

助三郎「ご隠居たちもこっちに来たのか!」

片手剣「なっ?! あいつ丸腰で戦う気かよ!」

『はっ! とおっ!』ドスッゴッ

『ががう……』ビタン

片手剣「倒しちまった……マジかよ……」


-------集会浴場-------


大剣「さっきは助かった。どう礼を言えばいいか」

片手剣「あんたたちはいったいなんだ?」

徳川家光「しがない越後のちりめん問屋の隠居じゃよ」

格之進「俺たちは各地を巡るご隠居のお供だ」

大剣「越後? ちりめん問屋?」

片手剣「耳慣れない言葉だが、あんたたちのことは覚えておくよ。ありがとうな」

大剣「俺は装備を整えてくるからこれで、じゃ」

格之進「礼の言葉もそこそこに、慌ただしいやつらだ」


助三郎「よっぽど急ぐことがあるんだろう。ん、『はち』は?」

格之進「あいつならそこの銭湯に猫と浸かってる」

『ご隠居たちもいかがですか〜? 眺めも最高ですよ〜』

徳川光圀「わしはいい。ちょっと村を見てくる」

『そうですか〜、お気をつけて〜、っとと』

『もっと飲むにゃ〜』

『展望を楽しみながらの酒は美味いなあ〜』


格之進「ははは、『はち』は酒色に目がないな」

助三郎「……猫が喋った? なあ、格さん」

格之進「なんだ?」

助三郎「今、猫が喋らなかったか?」

格之進「そんな訳があるか。酔いのまわった『はち』の腹話術だろ」

助三郎「ご隠居。ご隠居は猫の声を聞きましたよね?」

徳川光圀「参ろう」

助三郎「ちょっ! ……いや、聞き間違いか」


-------ユクモ村-------


格之進「それにしても穏やかな村だ」

徳川光圀「うむ、そうじゃな」

助三郎「それにしてもさっきの巨大熊はただものじゃないですね。弱っていたから良かったものの」

???「はぁ〜い」

徳川光圀「ん?」

???「こんにちは、御老公様」

助三郎「何ものだ」

???「旅をしていらっしゃるというお話はかねがね耳にしておりまして」

格之進「ご隠居を知っているのか?」


徳川光圀「お待ちなさい」

???「あらあら、呼び方を間違えてしまいましたでしょうか?」

徳川光圀「貴婦人様はどちら様でございましょうか?」

村長「私はユクモ村を治める村長でございます」

徳川光圀「これはこれは村長様でございましたか。若い者が無礼を働き申し訳ありません」

村長「おほほほほ。名乗る前に呼び止めた私も、身分をわきまえない非礼者でございます」

徳川光圀「いえ、滅相もない。こちらが先走っただけございます。ほら、頭を下げるのじゃ」

村長「いえいえ、頭など下げなくてもけっこうです。それよりもお三方はどうしてこちらへ?」

徳川光圀「旅の途中でたまたま人助けを行いまして、その縁で」

助三郎「熊に襲われたと、若手の狩人に突然に泣きつかれまして」


格之進「この付近にはあのような大熊が多いのですか?」

村長「それはおそらく『アオアシラ』という猛獣でございますね」

徳川光圀「アオアシラ?」

村長「ここら辺では有名な種類の獣ですけれど、ご存じありませんでしたか?」

助三郎「初耳です」

村長「そうですか。では、この村での狩りは経験が無いのですね」

格之進「この村は狩りを行っているのですか」

村長「先程、階段から降りてきたようでしたけれど」

徳川光圀「助けた若人に連れられてきたのが、あの素敵な温泉宿でございました」

村長「あら、あれは温泉宿ではなくて集会浴場と呼ばれる施設でございます」


助三郎「集会浴場ですか」

村長「あそこでクエストと呼ばれる依頼をこなして、ハンターは生計を立てているのですよ」

格之進「なるほど」

村長「興味がおありでしたら、採集クエなどで下見をされてはどうですか?」

徳川光圀「面白そうですね。一度行ってみるのもよさそうですね」

助三郎「ご隠居、今日の宿は?」

村長「宿でしたらすぐそこの空家をお使いください」
村長「帰ってくるまでに寝床を人数分になるよう、内装をいじっておきますので」

徳川光圀「そこまで御親切にしてくださいますか。心から感謝いたします」

村長「有意義な狩人ライフを手伝うのが私のお仕事でございます」

徳川光圀「そうですか。では、助さん、格さん、参りましょう」


-------集会浴場-------

???「あら、ご隠居様」

???「ご隠居じゃねぇですか。よくこんな辺境にまできやしたね」

格之進「お銀! 弥七!」

弥七「ご隠居もこれから狩りですかい?」

徳川光圀「弥七たちは?」

弥七「あっしたちはついさっきお銀と出てきたばかりでぇ。さっくりと怪獣の討伐よ」

助三郎「弥七たちがか?」


弥七「へへっ、城下の宿屋よりもでけぇ化け物でしたぜ」

お銀「図体だけでそれほど手ごたえはなかったけどね」

格之進「宿屋よりも……すごいな」

弥七「格さんたちもコツを捕まえりゃぁ一発よ」

お銀「動きは単調ですもの。慣れてしまえば、なんてこともないわ」

弥七「ああ。で、ご隠居たちはどちらのクエへ出向くご予定で?」

徳川光圀「わしたちは採集クエをしようと考えておったところじゃ」

弥七「採集クエ?」

助三郎「なんだその顔は」


お銀「ご隠居様たちなら討伐に行ってもいいんじゃないかしら?」

格之進「いきなり討伐なんてできるか。ご隠居の身になにかあったらどうする」

お銀「大丈夫よ。助さんと格さんが付いてるんでしょ?」

助三郎「それはそうだが」

徳川光圀「そこまで勧められてなら物は試し」

格之進「ご隠居っ」

弥七「格さんの心配性は相変わらずみてぇで」

格之進「当たり前だ」

弥七「なんなら、あっしのオトモを貸しやしょうか?」

助三郎「オトモ?」


弥七「ほら、行って仲間に力を貸してやんな」

アイルー「にゃーうー」

徳川光圀「これが、オトモですかな?」

格之進「ずいぶん可愛らしいな」

弥七「あっしが丹精ぇ込めて育てたオトモで」

お銀「こんなに小さくてもけっこう活躍してくれるのよ」

助三郎「馬鹿言え。ただの猫だろ」

アイルー「ただの猫だなんて失礼だニャ!」

格之進「なっ?!」

助三郎「喋った……」


徳川光圀「ほほう、これは奇妙な猫じゃ」

アイルー「見た目は猫に似てるかもしれないけど、これでも立派な獣人ニャ!」

弥七「言っちゃ悪いが、こいつの取り柄は威勢のよさだけでぇ」

お銀「出番は少ないけど、それでも真面目に戦ってくれる強い味方よ。ねー?」

アイルー「にゃう!」

格之進「あまり期待はできないが、借りていこう」

助三郎「おとり役ぐらいにはなるか」

アイルー「失礼な奴だニャ!」

徳川光圀「ほほほ、元気があっていいのう」

アイルー「うニャッ!」


弥七「クエストの請け負いですが、あそこの受付でできやす」

徳川光圀「あの御嬢さん方ですかな?」

お銀「最初は左側に座っている娘に話しかけないといけないんですけど」

格之進「決まりがあるのか」

弥七「あっしが話しを通せば上級を受けられるように……ちょいとお待ちを」

助三郎「いきなり上級ですか?」

お銀「三人もいればたいしたことないわよ」

アイルー「四人だニャ!」

お銀「あなたは『匹』でしょ」

アイルー「にゃーうー」


弥七「戻りやした。話しつけてきたんですぐにでも受注できやす」

徳川光圀「ありがとうな、弥七」

弥七「礼を言われるほどのこたぁやっておりやせん。気ぃつけて」

お銀「アイルーちゃんも怪我しないようにね」

アイルー「にゃーうー!」



徳川光圀「受け付けはここでよろしいですかな?」

受付嬢(緑)「は〜ぁ〜い」

受付嬢(緑)「ハンターズギルド・ユクモ出張所、≪上位≫用窓口へようこそ」

受付嬢(緑)「受注されるクエストのレベルを選んで下さい」

格之進「これはけっこうな量があるな」

助三郎「ご隠居、どれにしますか?」

徳川光圀「そうじゃな……ん? これは……」

格之進「どうされましたか?」


徳川光圀「『喧嘩両成敗』じゃと?」

助三郎「依頼主は『街の警備隊隊長』とありますね」

格之進「これがどうか?」

徳川光圀「じゃぎぃの群れが急増し統治が適わなくなっているということじゃな?」

格之進「文面を見る限りはそのようです」

助三郎「達成条件は集団を治める2頭の頭領を抑えること、と」

徳川光圀「話し合う頭を持てなければ、下につくものの生活は苦しくなる」
徳川国光「なんとも嘆かわしい。助さん、格さん。これにしましょう」


助三郎「これですか?」

徳川光圀「大きな問題になってしまわぬうちに、誰かが間を取り持ってやらねばならん」

助三郎「確かに仰る通りです」

徳川光圀「ちょいとお灸を据えてやらねばいけませんな。参りましょう」

助・格『はっ!』

これはww

夕飯落ち
戻ってきたらまたageて投下
徳川国光って誰よ

完全に西村晃で再生されたw

けっきょく ヘビィが いちばん つよくて すごいんだよね
続き投下


-------砂漠(ベースキャンプ)-------

ぱ〜ぷ〜♪

徳川光圀「おや? 格さんが見当たりませぬな」

助三郎「そのようですね。まあ、すぐに合流できるでしょう」

徳川光圀「そうじゃの。わしたちはじゃぎぃの頭領を探すことから始めますぞ」

助三郎「ですね。……ご隠居」

徳川光圀「なんですかな?」

助三郎「なんだか見慣れない『つづら』が」


徳川光圀「中はどうじゃ?」

助三郎「赤も青も、どちらも空なようです」

徳川光圀「不要な荷物を預けておくのじゃろう」

助三郎「なら今は必要ないですね」

徳川光圀「格さんを探しに行きますぞ」

助三郎「はっ」

配達アイルー(……なんの武器で戦う気だニャ?)


-------ベースキャンプ>>>>エリア1-------

助三郎「ご隠居。道が二手に別れているようです」

徳川光圀「どちらに進もうか」

???『ギャ、ギャーウ! ギャギャギャーォウ! ガォルルル』

助三郎「なんの鳴き声だ?」

徳川光圀「あやつらじゃ」

ジャギィA「ガウ」

ジャギィB「ガォルル」

助三郎「こちらへきます。ご隠居は後ろへ」

徳川光圀「任せたぞ」


ジャギィA「ウグルルル、がう!」ガチッ

助三郎「当たらんっ! はっ! とうっ!」ドスッ

ジャギィA「ギャアゥッ!」

ジャギィB「がうっ!」ガチッ

助三郎「ふっ! たあっ!」ドゴッ

ジャギィB「ギャアゥッ!? ガォクルルル……」

ジャギィA「がうっ!」ガチッ

助三郎「まだ牙を剥くか! せあっ!」ダスッ

ジャギィA「ギャアゥッ! ガォクルルル……」

助三郎「これで全部か」


徳川光圀「御苦労じゃった」
徳川光圀「統率者が欲に染まれば、罪なき民も強欲に憑りつかれてしまう。悲しいことですな」

助三郎「まったくです。目が合うだけで爪を剥く。こんな経験はこれまでありませんでした」

徳川光圀「今回は一筋縄ではいかぬようじゃの。決して気を抜かぬように」

助三郎「そのつもりです」

徳川光圀「では、まっすぐ進むとしましょう」

助三郎「はっ」


-------エリア1>>>>エリア4-------

助三郎「ん? あれは?」

徳川光圀「格さんじゃな」

助三郎「格さん!」

格之進「ああ、ご隠居、助さん」

徳川光圀「急に姿をくらませて……探しましたぞ」

格之進「お手数をおかけしました」

助三郎「あまり浮かない顔をしているようだが」

格之進「ああ……ちょっとこちらへ?」

徳川光圀「ええ」


格之進「こちらです」

徳川光圀「これは……」

助三郎「これはむごい……」

格之進「『アプトノス』という温厚な種類の動物らしいですが……」

徳川光圀「親の亡骸に寄り添っているのは?」

格之進「おそらくは親を奪われた子供でしょう」

助三郎「まだ幼い子供を残して……」

格之進「俺がここに着いたときは、猛禽類の群れに襲われている最中でした」

助三郎「親が子供を庇っていたのか」

格之進「間に割って入って追い返したものの、親は既に手遅れで……」


徳川光圀「許しがたい。実に許しがたい暴虐じゃ。灸を据えるだけでは足りなさそうじゃな」

助三郎「もしかすると他にも被害に遭っている子連れが」

徳川光圀「おるかもしれんの」

『ギャ、ギャーウ! ギャギャギャーォウ! ガォルルル』

助三郎「この声は」

格之進「助さんも聞いたのか」

助三郎「ここに来る前に襲われたんだ」

徳川光圀「いや、他にもなにかいるようですよ」

格之進「他にも?」


ジャギィ「ガォルル」

ジャギィノス「ガー、ガー、ガーォウ!」

ドスジャギィA「? ……っ! ガウ、ガウ、ギャアーォウ!」

助三郎「一際に大きいのが親玉か」

ジャギィノス「ガーアゥっ、ギャッ!」ブンッ

格之進「くっ! 中背のは体当たりをしてくるぞ」

助三郎「まずは小さいのからだ! はっ! とおっ!」ダゴッ

ジャギィ「ギャアゥッ! ガォクルルル……ガゥ……」

ジャギィノス「ガァウっ! ガウッ」ガチンッ

助三郎「こいつも噛み付くのかっ!」


格之進「こいつは俺に任せて助さんはデカいのを」

助三郎「了解。せいっ!」ガツッ

ドスジャギィA「ギャウっ?! グルル、ギャ、ギャ、ギャオーゥっ!!」

助三郎「怒りたいのはこっちの方だ」

ドスジャギィ「ガゥっ!」ビスッ

助三郎「ぐっ!」

格之進「助さん!」

助三郎「はあっ!」ドゴッ

ドスジャギィA「ギャウっ?! グルル、……ガォウ、ガォウ、ガォウ――」

助三郎「っつ、取り逃がしたか」


格之進「助さん! 大丈夫か!?」

助三郎「心配には及ばない。かすり傷だ」

格之進「そうか。じゃあ、逃げた後を」

徳川光圀「お待ちなさい。早まってはなりません」

格之進「ですが」

徳川光圀「隅で『蜘蛛の巣』と『ツタの葉』を見つけてな」

助三郎「それをどうするのですか?」

徳川光圀「そこに逃げそびれてしまったはぐれ者がおるじゃろ」

格之進「……なるほど」


ジャギィ「クルルル……がおぅ……」

助三郎「即席の網でこいつを捕まえるのですね」

格之進「もしかすれば交換材料にも成り得ると」

徳川光圀「そうじゃ。追うのはそれからでも十分じゃろう」

アイルー「にゃー」

助三郎「あ、こいつ」

格之進「ようやく出てきたか」

徳川光圀「おやおや、どこに潜んでいたことやら」

格之進「最初から俺と一緒にいたんだが、猛禽類に囲まれて逃げるように地面に潜ったんだ」

助三郎「弥七もお銀も何を思って役に立つと言ったんだか」


徳川光圀「戦うのは苦手かな?」

アイルー「にゃーうー」

徳川光圀「そうかそうか」

助三郎「ご隠居は動物や幼子には甘いんだ」

格之進「妬いているのか?」

助三郎「ばっ?! そんなわけあるか!」

アイルー「にゃーうー」

徳川光圀「ほっほっほっ」


-------エリア4>>>エリア5-------

ドスジャギィA「Zzz……」

ジャギィ「ガゥガゥ」

ジャギィノス「Zzz……っ、グゥ?」

ドスジャギィ「ガウルル……クゥ?」

徳川光圀「やはりここにおりましたか」

ドスジャギィB「? ……っ! ガウ、ガウ、ガァアーオウッ!」

徳川光圀「独善的な領地争いだけでは飽き足らず、無関係な親子にまで手をかける」
徳川光圀「これは随分と横暴がすぎませんかな?」

ドスジャギィB「グルルルルっ、オッオッオッオッ」

ドスジャギィA「Zzz……っ? ……っ!」


徳川光圀「都合が悪くなると聞く耳を持たずして良く吼える」
徳川光圀「種族は違えど性根の悪さははかりごとを目論む諸侯たちと同じ」

ジャギィC「ギャ、ギャーウ! ギャギャギャーォウ! ガォルルル」

ジャギィD「ギャ、ギャーウ! ギャギャギャーォウ! ガォルルル」

ジャギィノスA「ガー、ガー、ガーォウ!」

ジャギィノスB「ガー、ガー、ガーォウ!」

ドスジャギィA「ガウ、ガウ、ギャァーォウ!」

ドスジャギィB「ガウ、ガウ、ギャァーォウ!」

徳川光圀「あくまで白を切るおつもりですか。よろしい」


徳川光圀「助さん! 格さん! 懲らしめてやりなさい!」

格、助『はっ!』


〜殺陣のBGM♪〜

ジャギィC「ギャァオウっ!」

格之進「ふっ! はぁっ!」グイッガスッ

ジャギィC「ぎゃぅっ!」

ジャギィノスA「ガァウっ!」ガチッ

格之進「ほっ! とうっ!」スッガッ

ジャギィノスA「ギャンッ!」


助三郎「てあっ! はっ!」ドッドゴッ

ジャギィD「ぎゃぅっ?!」

ジャギィノスB「ガーオゥっ!」グワッ

助三郎「ふはっ! せあっ!」ズズッダスッ

ジャギィノスB「ギャアウっ!!」


ドスジャギィA「アッアッオーウっ!」

徳川光圀「――――っ」ブンッ ガツッ

ドスジャギィA「キャウンッ?!」

ドスジャギィB「ガウガオゥ!」

徳川光圀「――――っ」ササッブンッ

ドスジャギィB「アオゥっ!?」


徳川光圀「助さん! 格さん! もういいでしょう!」

助三郎「静まれえい!」

格之進「静まれい!! この紋所が目に入らぬか!」

どぅーん!

ドスジャギィA「?」

ドスジャギィB「……?」

格之進「こちらにおわす御方をどなたと心得る!」

ジャギィC「クルルル……?」

ジャギィD「ギャウ?」

おwwいww


格之進「おそれおおくも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ!」

ドゥードゥドゥドゥー、ドゥドゥドゥー、トゥー↑♪

格之進「一同! 御老公の御前である! 頭が高ぁい! ひかえおろう!!」

ジャギィノスA「ガガウ……?」

ジャギィノスB「?」

格之進「頭が高あい! ひかえ――」

ジャギィC「ガウ」ガチッ


格之進「くっ! 頭が高い! 頭が、ひかえっ……っ!」ブンブンッ

ジャギィノスA「ガァウ、ガーオ!」ガチンッ

格之進「ずが、ひかえっ、ず、ひか――っ!」

徳川光圀「助さん! 格さん! 懲らしめてやりなさい!」

助、格『はっ!』


〜殺陣のBGM♪〜


ジャギィC「ギャァオウっ!」

格之進「ふっ! はぁっ!」グイッガスッ

ジャギィC「ぎゃぅっ!」

ジャギィノスA「ガァウっ!」ガチッ

格之進「ほっ! とうっ!」スッガッ

ジャギィノスA「ギャンッ!」


助三郎「てあっ! はっ!」ドッドゴッ

ジャギィD「ぎゃぅっ?!」

ジャギィノスB「ガーオゥっ!」グワッ

助三郎「ふはっ! せあっ!」ズズッダスッ

ジャギィノスB「ギャアウっ!!」


ドスジャギィA「アッアッオーウっ!」

徳川光圀「――――っ」ブンッ ガツッ

ドスジャギィA「キャウンッ?!」

ドスジャギィB「ガウガオゥ!」

徳川光圀「――――っ」ササッブンッ

ドスジャギィB「アオゥっ!?」


徳川光圀「助さんっ! 格さんっ! もういいでしょう!」

助三郎「静まれ!」

格之進「静まれえい! この紋所が目に入らぬか!」

どぅーん!

格之進「こちらにおわす御方をどなたと心得る!」
格之進「おそれおおくも先の副将軍、水戸光圀公に――」

ジャギィD「ガウッ」ガチッ

格之進「くっ! 頭が高ぁい!」

ジャギィノスB「ギャオゥっ!」


格之進「頭が、ず、ひかえおろおう!!」

ドスジャギィB「アッアッオーウっ!」

格之進「ひかえ、頭がっ! ひかっ!」

ドスジャギィA「ガオゥ!」ブンッ

助三郎「……クソが」

徳川光圀「助さんっ!! 格さんっ!! ころ――――」


-------集会浴場-------

弥七「おっ! ご隠居がお帰りなすった」

お銀「お帰りなさい、ご隠居様。初めての狩りはどうでしたか?」

徳川光圀「うむ、実に有意義じゃった。のう? 助さん、格さん」

助三郎「……」

格之進「……」

徳川光圀「ということじゃ、参ろう」

助、格『……』

アイルー「にゃーうー」


てってーて(ぷー)、てってーて(ぷー)、てってーて(ぷー)♪


ナレーション
『見知らぬ土地に踏み入れて、人助けの先に出会ったものは、
 強い親子の絆でありながら、儚い心の繋がりでもあった。
 弱肉強食のありかたに、光圀は今一度、自然界の厳しさを教えられ、
 与えられる命の重みを見つめ直したのだった』


ユクモ温泉たまごをかじりながら歩く徳川光圀の背を映しつつフェードアウト


おわり

補足とか言い訳

徳川光圀が得た噂→美味しい温泉卵がある村があるよってやつ
ジャギィ捕獲→悪行の証拠として悪人に突き出す証人みたいなアレ
弥七のアイルー→証人を突き出す役
宿というか家→一泊させるつもりだったけど長くなって途中で斬り捨て

お銀のお風呂シーン→入れ忘れて切腹ものの大失態、死にたい


いろいろすっとばしたりして薄い内容なったすまん

乙。
面白かったよ!

乙。この組み合わせは思い付かんかったww

よかった

面白かった
次はレイアレウス夫婦もみたいw

乙、ちなみに黄門様は江戸に住んでないからな

てか黄門様を始め、カタカナ語に強すぎだろwwww

>>63
マジかよ
勉強不足だったわ……

後楽園を所有してるが基本は水戸だよな

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